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唯「おとぎ話!」
3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 21:36:20.82 ID:XbB6gwh+O [2/36]
~笠地蔵~
むかしむかし、ある所に唯と憂の姉妹がいました。
年の瀬も迫っていますが、餅一つ買えるほどお金がありませんでした。
そこで、憂は笠を作ってお金を稼ごうと考えました。
唯「じゃあ憂、町に行って笠売ってくるね」
憂「うん。気をつけてね、お姉ちゃん」
唯「うんたん♪うんたん♪」
意気揚々と雪道を歩く唯でした。
~笠地蔵~
むかしむかし、ある所に唯と憂の姉妹がいました。
年の瀬も迫っていますが、餅一つ買えるほどお金がありませんでした。
そこで、憂は笠を作ってお金を稼ごうと考えました。
唯「じゃあ憂、町に行って笠売ってくるね」
憂「うん。気をつけてね、お姉ちゃん」
唯「うんたん♪うんたん♪」
意気揚々と雪道を歩く唯でした。
5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 21:37:11.40 ID:XbB6gwh+O
ところが、町へ出て笠を売ろうとしても、一向に売れる気配はありませんでした。
唯「売れないや……」
もう少し粘ろうと思いましたが、雪が強くなって来たので、唯は諦めて帰り支度をしました。
唯(憂が心配するから帰ろう!)
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 21:40:02.91 ID:XbB6gwh+O
家に近付き始めた頃、雪は強くなりかけていました。
唯(うー、早く帰ろ)
唯「あっ、お地蔵様!」
唯が目にしたのは、峠にある七体の地蔵でした。
唯「こんなに雪が積もって、寒いね。頭の雪、どけてあげるね」パッパッ
唯「んー、でもすぐに積もるな……そうだ!」
唯「笠を頭に乗せればいいんだ」
唯は商品の笠を地蔵の頭に乗せてあげる事にしました。
ちなみに地蔵は右側から和→律→澪→紬→梓→純→さわ子の並びである。
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 21:42:09.81 ID:XbB6gwh+O
唯「んしょ、んしょ」
唯は持っていた五つの笠を右側の地蔵から順に(和・律・澪・紬・梓)、頭に乗せました。
唯「あっ、もうないや……私の笠あげるね」
唯は自分が被っていた笠を純の頭に乗せました。
唯「はっ、もう一体いた……」
唯「うーん。私の手ぬぐいあるけど、これは憂が作ってくれたものだし……」
唯「うん。帰ろう!」
唯「うんたん♪うんたん♪」
さわ子「」
さわ子(……酷い)シクシク
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 21:43:57.80 ID:XbB6gwh+O
唯は家路につくと早速、憂に地蔵の話をしました。
憂「お姉ちゃん、優しいね」ニコッ
唯「てへへ」
憂「もしかしたら、恩返しに来るかもね」
唯「だったらいいなー」
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 21:45:28.28 ID:XbB6gwh+O
一方、峠では
律「よーし、笠のお礼をしにいくぞー」
澪「あぁ、あの人には感謝だな」
和「そうね」
紬「私、誰かにお礼するのが夢だったのー」
梓「やってやるです!」
純「あれ、誰かいない」
さわ子「なんで、なんで私にだけ笠がないのよ!」シクシク
律「泣くなよ、さわちゃん」ポンポン
さわ子「泣きたいわよ!」
紬「あらあら」
梓「やってやるです!」
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 21:48:18.90 ID:XbB6gwh+O
地蔵一行は、籠にありったけの食材を詰めて、唯の家の前までやって来ました。
律「よし、じゃあ家の人に会うか?」
澪「いやいや、私達は地蔵だぞ。家の人が見たら卒倒するぞ」
和「じゃあ、手紙でも書いとく?」
紬「それいいかもー」
純「私、紙とペンあり……」
さわ子「おらー!出て来いやー、サツガイすんぞコラァー!」ドンドン
律「さわちゃん!!」
梓「やってやるです!」ドンドン
純「あずさー!!」
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 21:54:20.74 ID:XbB6gwh+O
澪「おい!あんまり騒ぐと……」
憂「どなたですかー?」
和「まずいわ。隠れましょ!」スタコラピー
ガタッ
憂「誰も……いないね。風の音かな?」
バタン
律「ふぅー。さわちゃん、頼むから静かに」
さわ子「ぶーぶー」
純「ほら梓、あんたも」
梓「……」シュン
紬「は、早く書きましょ」アタフタ
律「だな」
澪「あぁ」
地蔵達は各々、唯への感謝の気持ちを一言、手紙に書いた。
律「よし、これで籠を置いて……完了だ」
14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 21:57:05.48 ID:XbB6gwh+O
和「それじゃ、帰りましょうか」
澪「そうだな」
律「帰るか」
紬「よいお年を」
純「風邪引かないでね」バイバイ
梓「……」
さわ子「なんか、納得いかないわ」
律「えっ?」
さわ子「やっぱり出て来いやー!!」ドンドン
律「ひぃー、さわちゃん!!」
梓「こんなんじゃダメです!」ドンドン
純「このバカタレー!!」
バンッ!
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 22:05:11.64 ID:XbB6gwh+O
憂「やかましいわ!サツガイしたろかコラァー!!」
一同「ひっ!」ビクッ
憂「さっきから何、人んちの戸、叩きまくっとるんや?」
憂「地蔵風情が舐めたらアカンで!」
律「あわわわわわ」ガクブル
憂「なんやったらあんたらの首、半分だけ回したろか!?」クイッ
一同「す、すいませんでしたー」スタコラピー
憂「ほんま、最近の地蔵はアカンなー。あら、ヤキいれたらな……」
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 22:10:19.05 ID:XbB6gwh+O
唯「憂ー、どうしたの?」
憂「あっ、あのね。お地蔵様が来てたみたいだけど……」
憂「私を見たら驚いて帰っちゃった」テヘッ
唯「えー、いいなー。私も見たかったなー」
憂「ご、ごめんねー。次来たら、一緒に見ようね」
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 22:14:43.82 ID:XbB6gwh+O
唯「あっ、その籠は何かな?」
憂「これ……うわぁ」
唯「食材だよ!これだけあれば、年を越せるよ」
憂「やっぱり、お姉ちゃんが良い事したからだね」
唯「いやー、それほどでもぉ」
憂「あっ、手紙があるよ。お地蔵様のかな?」
唯「きっとそうだよ」
唯「ねぇ、読んでみようよ!」
憂「そうだね!」
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 22:19:39.55 ID:XbB6gwh+O
律『笠、ありがとな!これで風邪を引かずに済むぜ』
澪『頭が冷えてたので助かりました』
和『ありがとう、良いお年を』
紬『百合はいいですよー』
純『もっと目立ちたい!』
憂「うーん。上三つは理解できるけど、下二つは……」
唯「まだ続きがあるよ」
憂「うん」
さわ子『テメェーのヴァージン奪ったろか!』
梓『奪ってやるです!』
憂「……」ピキッ
唯「どういう意味だろう?」
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 22:26:14.66 ID:XbB6gwh+O
憂「た、多分!ありがとうの最終形態じゃないかな!?」
唯「そうかー、感謝されてるんだー」ニンマリ
憂(勘違いするお姉ちゃんかわいい!)
憂「じゃあ明日、私がお地蔵様の所に行くね」
唯「何しに行くの?」
憂「(制裁的な意味での)お礼だよ」
唯「私も行くー」
憂「お姉ちゃん、起きれないよね」
唯「起きれるもん!」プンプン
憂「はいはい」
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 22:31:17.65 ID:XbB6gwh+O
唯「じゃあ憂、明日の為に早く寝よう!」
憂「そうだね、お姉ちゃん」
唯「じゃあ、おやすみー」
憂「おやすみ、お姉ちゃん」
こうして、二人は眠りにつきました。
そして、憂は唯より早く起きて外に出た。
憂(お姉ちゃん。悪い地蔵は、私がやっつけるからね)
早朝、峠から謎の悲鳴が響き渡ったが、唯は何も知らない。
オブツハ、ショウドクダー!
ギャー!
ヤッテヤルデスゥー!
唯「んー、むにゃむにゃ……えへへ」
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 22:37:15.26 ID:XbB6gwh+O
とみ「おや、今日は左端のお地蔵様(さわ子)の姿がないわねぇ」
とみ「それに、みんな表情が強張って……あら、右から5番目(梓)のお地蔵様は、首がみんなと違って半回転してるわ」
とみ「不思議な事もあるものね」
とみ「もしかしたら朝の悲鳴、あれは鬼が何かやったんだわ」
とみ「唯ちゃんと憂ちゃんにも注意しときましょう」
尚、この事は鬼の仕業と言う事で丸く収まった。
もちろん、とみは憂が犯人だという事は知りません。
ちなみに、さわ子は未だに発見されていない模様。
~笠地蔵編・終~
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 22:51:43.58 ID:XbB6gwh+O
~かぐや姫~
むかしむかし、竹取りの唯という人がいました。
唯「ロッカーはいつだってね “今”やんちゃ盛り♪」
ある日、唯は金色に輝く竹を見つけました。
唯「何かな?よし、切っちゃえ」スパッ
切り取った竹の中を見た唯は驚きました。
なんと、小さな女の子がいました。
?「おんぎゃー」
唯「うわー、どうしよう」アセアセ
唯「そうだ!憂に相談しよう」
子供を連れ帰って来た唯の姿を見て、憂は卒倒した。
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 22:53:49.42 ID:XbB6gwh+O
月日は流れました。
二人は子供に「律」と名付けました。
律は異常なまでに早い成長を遂げていました。(胸以外)
唯「りっちゃん。可愛いね」ダキッ
律「よせやい」
唯「頭、撫でてあげる」ナデナデ
律「や、やめろ!」バッ
憂「やめなよ、お姉ちゃん」
律「そうだよ」
唯「ぶー」
三人の生活は楽しい事だらけでした。
何不自由なく、ただ時間だけが過ぎて行くだけでした。
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 22:56:33.31 ID:XbB6gwh+O
そんなある日の事、平沢家に可愛い娘がいるという噂を聞き付けた、五人の若者が唯の家にやって来ました。
なんでも、律を嫁に欲しいらしい。
和「律を私にくれるかしら?」メガネ、クイッ
紬「りっちゃんを嫁に貰うのが夢だったのー」
梓「何言ってるんですかー。律先輩は私のです」
純「よく分かりませんが、来ました」
憂「じゃあ、純ちゃんは用無しだね」ニコッ
純(さりげなく酷い)シクシク
澪「おい、律は誰のモノでもない。私だけのモノだ!」
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 23:03:13.15 ID:XbB6gwh+O
律「いや、お前のモノでも……」
和「何言ってるのかしら?律は私の嫁になるのよ」メガネ、キラーン
紬「わ、私のよー!」
梓「私のです。あと、唯先輩も欲しいです///」モジモジ
憂「おい中野。ちょっと表出ろや」ガシッ
梓「な、何すんの!はっ、離せー!無礼だぞ!!」ズリズリ、ジタバタ
憂「お姉ちゃんを欲しいと言うだけで無礼極まりないよ!本来なら切腹モノだよ!!」
梓「私は中野家の娘だぞ!天皇家直属だぞ」
憂「お姉ちゃんの前で自分の家の家柄なんて、トイレットペーパーと同じだよ!!」グイッ
梓「うわーん!!」バタバタ
29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 23:05:13.84 ID:XbB6gwh+O
律「なんか、憂ちゃん怖かったな」
唯「そうかなー」
澪「律!」バッ
律「うわっ!」
澪「律、お前は私のモノだ。さぁ、私の家に帰ろう」
和「何やってるの!?」
紬「ずるい澪ちゃん!」
澪「うるさい!律は誰にもやらん!!」
律「私はモノじゃねぇー!」
唯「りっちゃん、モテモテだね」
律「あのなー!」
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 23:08:13.09 ID:XbB6gwh+O
律「うーん。よし、じゃあ私が欲しいモノを持って来い!」
澪「じゃあ、私は私を献上する!」
律「やかましい!」
和「で、何を持って来ればいいの?」
律「そんなもん。私を嫁にしたいなら、自ずと分かるはずだ」
和「?」
律「感じろ……フォースを感じるんだ!」ゴゴゴッ
紬「はぅー」ハァハァ
澪「りぃつぅー!」ビクン
律「こらー!!」
律「もうなんでも良い!なんか持って来い!!」
31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 23:13:48.61 ID:XbB6gwh+O
和「じゃあ私、何か持って来るわ」スタスタ
紬「何かを……ハァハァ……持って……ハァハァ」スタスタ
澪「律。必ず私のモノにしてやる」スタスタ
純「あのー、私は?」
律「ん?用無しなら帰っていいぞ」
純「はい。帰ります」シクシク
唯「りっちゃん、あんなので良かったの?」
律「いいんだよ。ところで憂ちゃんは?」
唯「まだ、表じゃないかなー」
律「ふーん」
その後、梓の悲鳴が響いたのは、言うまでもない。
33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 23:16:38.24 ID:XbB6gwh+O
その日の夜。
律は月を眺めていました。とても綺麗な月です。
が、その表情はどこか寂しそうでした。
唯「りっちゃん、どうしたのかな?」
憂「月ばっかり見てるね」
唯「どうしたんだろうね」
律(はぁー、いつかは言わなくちゃな)
律(ただ、タイミングは大事だよな)
一方、梓は平沢家の門前で正座させられていた。
「私はいけない娘ですぅー」と立て札に書かれ、村人から晒者になっていた。
梓「ごめんなさい」ヒグッ
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 23:20:47.10 ID:XbB6gwh+O
翌日。
律「よーし。私が欲しいモノを出してくれ」
和「私はこれね」
唯「『女の子らしく生きる方法』だって」
律「ふざけんなー!」ビリビリ
和「ちょっと!」
律「私は女だ!」
和「私の嫁になるなら、女の子らしくしなさい!」
和「今のままじゃ、まるで男ね。なんなら、私が調教という名の矯正を施そうかしら?」
和「律を見てると、いじめたくなるの。泣きそうな顔になると、そそるわー」
紬(SMなのね!)
澪「おい、律に手を出せるのは私だけだ!」
律「やっかましいわ!ほら、次!」
35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 23:23:47.02 ID:XbB6gwh+O
紬「これなのー」
唯「『猿でも分かる。百合入門~初級~』だって」
律「なんじゃこりゃー!」ビリビリ
紬「はぅー」
律「確かに今の状況だと同性結婚させられそうだけど!」
紬「だから、百合を勉強して知識を……」
律「お前は自分の眉毛でオナニーでもしてろ!」
紬「じゃあ、そうするわ」ベリッ
紬「ハァハァ、ハァハァ///」
澪「百合だろうがレズだろうが、私が一夜漬けで教えてやる」
律「うっさいわ!ほら、次は澪だぞ!」
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 23:29:03.37 ID:XbB6gwh+O
澪「やっぱり律を一番理解してるのは私だな」
律「ほぉー」
澪「私はこれだ!」
唯「『媚薬』だって」
澪「そうだ。早い話、律は私だけを見てればいい。それで万事解決」
律「なんちゅー、自分勝手な!」
澪「律、さぁ飲め。私の愛が詰まった薬だ」
律「飲まねー!」
澪「なら、飲ませるだけ!」ダッ
律「澪。これじゃあ、レイプみたいじゃねぇか!」バッ
澪「関係あるか!百合もレズもレイプも似た様なものだ!」
澪「赤信号、みんなで渡れば怖くないの精神で問題解決!」ググッ
律「全然違うわボケ!ついでに、みんな撥ねられちまえ!」バッ
37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 23:32:04.42 ID:XbB6gwh+O
?「ねぇ、みんないるー?」
唯「ん?誰だろう」
憂「さぁ?」
和「あ、あなたは!?」
紬「ハァハァ」
澪「み、帝様!」
帝(みかど)とは、偉い人の事らしい。
さわ子「偉いも何も、偉いわよ!あと、エロいけど」エッヘン
律「威張って言う事かよ」
澪「帝様!何故こちらに」
さわ子「いやー、可愛い娘がいるから様子見に来ただけ。あと、梓ちゃんが泣いてたわ」
さわ子「んで、この娘かな?」
唯「ほぇ!」
憂「」ピキッ
38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 23:34:17.08 ID:XbB6gwh+O
さわ子「素材としては良いわね」ジロジロ
唯「///」
律「あのー?」
さわ子「なーに?」
律「可愛い娘は私」ニコッ
さわ子「ごめん。あんたは、ないわ」
律「」ガーン
澪「あぁ、律」
さわ子「よし、この娘を私の嫁にする」
唯「えぇー!」
さわ子「帝様の命令でーす。今日から私の……」
憂「おい」ガシッ
さわ子「えっ?」
さわ子「ひぃっ!」ビクッ
39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 23:38:08.98 ID:XbB6gwh+O
憂「貴様は大罪を犯した。よって、ここに死刑を宣告する」ゴォォー
さわ子「た、大罪!?」ガクブル
憂「お姉ちゃんは神。お姉ちゃんがいるからこそ、世界は存在する。それを貴様は気安く……」ゴォォー
さわ子「ご、ごめんなさい!」
憂「って、嘘ですよ」ニコッ
さわ子「えっ?」
憂「お姉ちゃんの可愛いさは罪ですから。みんな、罪を犯したくて仕方ないんですよ」
さわ子「そ、そうよね」パアァ
憂「だから。表で頭、冷やそうか」ニコッ
さわ子「」ガーン
憂「これで、梓ちゃも寂しくないね」ニコッ
さわ子「」ズルズル
40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 23:41:58.48 ID:XbB6gwh+O
その日の夜。
律はまた、月を眺めていました。
唯「りっちゃん、寂しそうだね」
憂「何かあったのかな?」
澪「あれは、恋だな」
和「間違いないわね」
澪「お前がなんでいる!えっと……わ?」
和「私の名前は『のどか』だ!『わ』とか『なごみ』とか言うな!」
紬「わちゃん」ハァハァ
和「まだオナニーしてるの?腐れ沢庵」
律「なぁ……」
唯「何、りっちゃん」
律「実はさ、言わなければならん事がある」
憂「なんですか?」
律「実は私、月の世界のお姫様なんだよねー」
41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 23:44:21.83 ID:XbB6gwh+O
一同「はいー!?」
律「黙ってて悪かった」
和「何を言うかと思えば……」
紬「まさかの」ハァハァ
憂「し、信じられません」
唯「りっちゃん、おかしくなった?」
澪「そ、それでも私は構わないぞ!律がなんであろうと、私のモノに変わりない」
律「あと、明日の晩。月から迎えが来るんだ」
唯「えっ?」
律「明日は満月だ。月と地球が唯一、繋がる日なんだ。だから、帰らなくちゃならないんだ!本当に急ですまん!!」
唯「りっちゃん……」
和「そうなんだ……」
紬「お別れは辛いわね」ハァハァ
46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 23:56:37.12 ID:XbB6gwh+O
憂「帰る場所があるなら、やっぱり帰るべき……」
澪「やだ!」
唯「澪ちゃん?」
澪「律が帰るなんて、こんなんじゃダメだー!」バタバタ
和「我が儘言わない!」
唯「気持ちは分かるけど」
紬「仕方ないかも」ハァハァ
律「澪……すまん」
澪「うわーん!!」バタバタ
その後も、澪は泣き続けたと言う。
平沢家の門前では、梓とさわ子が正座させられたままでした。
梓「……」シュン
さわ子「……」クスン
47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 23:59:48.91 ID:XbB6gwh+O
翌日の夜。とうとう、律が帰る時がやって来ました。
空には綺麗な満月が出ています。
律「澪……」
澪「なんだよー、バカ律ぅー」
律「すまんな」ナデナデ
澪「りつぅー」グスッ
紬「はぁー、律×澪。いや澪×律。もう、どっちでもいいや」ハァハァ
和「あんたは何やってんのよ?」ハァー
紬「わちゃんには分からないわ」
和「『わ』じゃねぇよ!『のどか』だよ!」
律「喧嘩すんなって」ヤレヤレ
憂(何か良い方法はないかな……)
48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 00:05:52.06 ID:XbB6gwh+O
唯「りっちゃん!」
律「唯、ありがとな」
唯「うんうん。私も楽しかったよ」ニコッ
律「ありがとな」ニコッ
憂「うーん」
律「憂ちゃんも、ありがとな」
憂「あっ、はい。いえ、お元気で」
シャランラ、シャランラ♪
澪「な、なんだ?」
律「来たんだよ、迎えが」
49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 00:09:28.19 ID:+LTuIs8FO [1/77]
空から牛車と使者がやって来ました。
風子「姫様、お迎えに来ました」
エリ「元気してますかー」
姫子「やっほー」
いちご「……ふっ」
律「あぁ、私は元気だ」
唯「あれが、月の人」
和「私達と変わらないわね」
紬「そうね」
律「心配かけて悪かった」
エリ「いえいえ。そうだ、姫様に弟が出来ましたよ」
律「なにー、私に弟だと!?」
いちご「……聡」
律「そうか。帰ったら、とりあえず挨拶代わりに……」
澪「律、行かないでくれ!」ダキッ
53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 00:14:21.00 ID:+LTuIs8FO [3/77]
律「澪?」
澪「律、地球に残って」
律「ごめん。私にも家族があるから」
澪「唯達は家族じゃないのか!?」
律「もちろん家族だ。だけど、産んでくれた親は悲しんでるかもしれない」
澪「確かにそうだけど……」
姫子「『おお娘な。誰だっけ?』って、私達に冗談混じりに言ってたけどね」
エリ「私には『息子最高や!娘なんかいらんかったんやー』とも言ってたよ」
律「」
54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 00:20:05.71 ID:+LTuIs8FO [4/77]
澪「なら律、帰らなくても……」
律「ふざけんな!」
澪「お、おい」
律「とりあえず帰って親殴りに行く!」
唯「りっちゃん!」
律「私の育児カプセルを誤って地球行きの宅配に出す親だぞ。ぶん殴らないと気が済まない!」
和「だからって、暴力はダメよ!」
律「離せコラ!」バタバタ
澪「離すもんか!」ダキッ
58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 00:32:45.77 ID:+LTuIs8FO [5/77]
風子「そういえば、なんで姫様を誤って宅配に出したんだっけ?」
姫子「確か、なんかのチケットの応募券を出す予定が、間違えて……」
いちご「……AKB」
律「なんだそりゃー!!」
和「AKB。私も以前、オーディションに出たけど、落ちたわ」
律「そんなの、どうでもいいわー!!」バタバタ
澪「律、暴れるな!」
59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 00:35:46.20 ID:+LTuIs8FO [6/77]
唯「憂、どうしよ……」
憂「……」
唯「憂?」
憂「あっ、良い解決方法が浮かんだ」ポン
一同「?」
憂「私達も月に移住すれば良いんだよ」
一同「えっ!?」
さわ子「なんか騒がしいわね」
梓「ほんとです」
ドッカーン!ゴゴゴッ
さわ子「じ、地震!?」
梓「ち、違うです。あれです!!」
梓が指差すその先には、牛車と小型ロケットが月へ向けて飛び立つ瞬間でもありました。
61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 00:43:15.66 ID:+LTuIs8FO [7/77]
唯「見て、地球だよー」
憂「綺麗だね」
律「にしても、凄い発想だな憂ちゃん」
憂「いえ、こうした方が丸く収まる気がして……」
エリ「牛車の乗り心地はどう?」
唯「うん。快適だよ」
風子「良かった。月まで、ゆっくりして下さいね」
唯・憂「はーい」
エリ「あれ、後方のロケットが月コースからの軌道を……」
唯「あっ、あの二人忘れた……まっ、いいや」
62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 00:44:34.27 ID:+LTuIs8FO [8/77]
澪「狭すぎるだろ。このロケット」
姫子「仕方ないじゃない。緊急用のロケットなんだし」
澪「てか、なんで唯と憂ちゃんは律と同じ牛車なんだよ」
和「あみだくじだから、仕方ないでしょ」
いちご「……狭い」
紬「狭い空間で五人が……」ハァハァ
和「あんたね」
紬「なーに、なごみちゃん?」
和「『なごみ』じゃねぇよ!『のどか』だよ!落とすぞ」
姫子「あぁ、暴れれんな!」
63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 00:53:03.44 ID:+LTuIs8FO [9/77]
エリ『姫ちゃーん。軌道からずれてるよ』
姫子「えっ、やばっ!」
和「な、何!?」
姫子「あんたらが騒ぐから、月コースの軌道から外れ始めてる」
澪「な、なんだって!?」
いちご「……」
姫子「修正可能だから、心配しないで」
澪「良かった」ホッ
その後、軌道修正したはずのロケットは、火星に不時着したらしい。
65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 00:55:20.62 ID:+LTuIs8FO [10/77]
それから月日は流れた。
今、一人の男が月に降り立とうとしていた。
男「ここが月。ようやく、来れた。長い年月の結晶……」
姫子「ようこそ、月へ」パーン
男「な、なんだ!?」
姫子「あなたは、私達以外で月に降り立った人類第一号です」
エリ「記念品に、この石を差し上げます」
男「えっ?」
律「おーい、どうしたー?」
姫子「地球からお客さんだよ」
律「なんだ。つか、その服脱いだら?」
男(宇宙服なし、だと……)
唯「りっちゃーん」
澪「律ぅー」
66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 00:58:45.15 ID:+LTuIs8FO [11/77]
男(な、ここは月なんだよな!?なんで、人間が!?)
和「月に人が来るなんて」
紬「珍しいわねー」
男「えっと、君達は……つか、宇宙服は?」
憂「そんなのなくても平気ですよ」ニコッ
男「」
男(そうだ……これは夢だ。宇宙服もなしに人間が……)
男(多分。厳しい訓練で疲れて……今頃、僕は自分の部屋で寝てるはず)
男(なら、こんな夢から覚めなくちゃ!)
男「じゃあ、僕は夢から覚めます!あなた達の事は、見なかった事にします」ダッ
男「お母さーん!僕は今から、地球に帰還しまーす」
ロケット、ファイヤー!
律「帰っちまったよ」
67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 01:01:33.70 ID:+LTuIs8FO [12/77]
澪「律、律、律ぅー」スリスリ、チュッチュッ
律「うぜぇー、やめろ澪!」
澪「なんだとー!?」
和「見てられないわ」
唯「そうだね」
律と澪は結婚してませんが、毎日、ラブラブです。
それでも、唯達は何不自由なく、仲良くみんなと月で暮らしています。
また、エリが男に渡した石が「月の石」として大阪万博で人気を博した事は有名な話である。
~かぐや姫編・終~
70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 01:18:06.32 ID:+LTuIs8FO [14/77]
~一休さん~
むかしむかし、ある所に和と言う、とんちで評判の小僧さんがいました。
そんなある日、和の評判を聞き付けた将軍が、城に和を招き入れました。
和「真鍋和です」
?「来ましたね。さぁ、入るがよい」
和「あら、あなたが将軍なのね」
72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 01:22:46.00 ID:+LTuIs8FO [15/77]
梓「そうなのです。私が将軍なのです!!」
梓「わっはっはー」
和「そう。じゃあ、帰るわね」スタスタ
梓「ま、待って下さい!」
和「あら、まだ何か?」
梓「用があるから呼んだんです!」
和「なら、早くしなさい」メガネ、クイッ
梓(ちっ、後で叩き斬ってやる!)
梓「コホン!えー、これはなんだと思いますか?」
和「そうね……猫の絵が描かれている屏風ね」
73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 01:24:57.59 ID:+LTuIs8FO [16/77]
梓「うむ。その通り」
梓「実を言うと、夜になると猫がこの屏風から飛び出して来て、悪さをします」
梓「なので、私は猫を懲らしめたいと思うのですが、いつも良い所で逃げられます!」グッ
和(何言ってるのかしらね)
梓「だから!」バンッ
梓「猫を捕まえて欲しい!」
和「はぁ」
梓「もちろん。捕まえたら褒美は出します!」
和(てか、屏風から猫なんて、どう考えても有り得ないけど……)
和(このままだと、帰れそうもないわね)
74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 01:27:53.78 ID:+LTuIs8FO [17/77]
和「分かりました。その件、引き受けます」
梓「本当ですか!」パアァ
和「えぇ、でもちょっと待ってね」ペロ、クルクル
ポクポクポク、チーン♪
和「そうね。まず、檻を用意してくれるかしら」
梓「檻を持ってくるです!」
和「それで、一晩待ってくれる?」
和「明日には、檻に屏風の猫が捕まっているはずよ」
梓「ま、待ってやるです!」
和(まっ、どう足掻いても屏風から猫なんか出ないんだけどね)
75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 01:30:57.36 ID:+LTuIs8FO [18/77]
翌日
梓「んでんでんで~ にゃ~んで♪」
バンッ
梓「さぁ、捕まえた猫ちゃんはどこですか~」
和「あら、猫なら屏風にいるわよ」
梓「え~!捕まえたんじゃないですか!?」
和「屏風という名の檻にね」
梓「それじゃダメです!ちゃんと外に出た状態じゃないと」
和「あのね、屏風から猫が出るなんて、常識で考えても有り得ないわ」
梓「とんちで屏風から猫くらい……」
和「私はドラえもんじゃないのよ。そんなの無理ね」
梓「のび太のくせに……」ボソッ
76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 01:36:23.85 ID:+LTuIs8FO [19/77]
和「のび太でも構わないわ。所詮、私は眼鏡キャラだから」
梓「……」ウルウル
和「じゃあ私、帰るわね」スタスタ
梓「こ……こ……」ウルウル
和「?」
梓「こんなんじゃダメですー!」バタバタ
和「な、何よ急に!」
梓「だって、和先輩のとんちで、屏風の猫ちゃん外に出したかったんだもん!!」ジタバタ
和「無理言わない!とんちは不可能を可能にするものじゃないわ!!」
梓「だって、猫ちゃん飼いたいもん!あずにゃん2号、飼いたいもん!!うわーん!!」バタバタ
77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 01:38:52.74 ID:+LTuIs8FO [20/77]
和「あー、この娘は!?あんたは我が儘娘か!」
梓「うっさいです!褒美はやらないです!切腹しろです!眼鏡割ってやるです!!」バタバタ
和「目茶苦茶だわ……この国、終わったかも」
梓「私の命令は絶対ですー!さっさと、腹切れぇー!!うわーん!!!!」バタバタ
和「困ったわね……」ペロ、クルクル
ポクポクポク、チーン♪
78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 01:40:56.60 ID:+LTuIs8FO [21/77]
和「ちょっと待ってなさい!」
しばらくして、
和「ほら、猫よ。これでいいでしょ」
梓「わー!!猫だ、あずにゃん2号だ」パアァ
2号「にゃ、にゃあ?」
梓「わーい、わーい」
和「まるで子供ね……」フー
和(まっ、適当に軒先に居た猫を捕まえただけなんだけど……)
梓「あずにゃん2号、今日から私が飼い主だよ!」
2号「にゃーん」
和「まっ、いっか」
その頃、
純「おーい、何処行ったのー」
純「……」グゥ
純「……お腹空いた」
80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 01:52:15.97 ID:+LTuIs8FO [22/77]
~~~
ある日、和は同じ小僧の唯と律と一緒に寺の掃除をしていました。すると、近所のおかみさんがやって来ました。
紬「ぼた餅作ったの、みんなで食べてね」ニコッ
唯「わーい」
律「いっただきまーす!」
和「じゃあ、いただく……」
ボキッ
唯&律「かってぇー!!」
和「な、何!?」
唯「か、固いよ、このぼた餅」
律「あー!これ、ぼた餅じゃなくて石じゃん」
和「嘘……あら、ほんとだわ」
律「おいコラ、テメェー!」
唯「ひどいよー」
81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 01:54:27.91 ID:+LTuIs8FO [23/77]
紬「私、人を騙すのが夢だったの」
ボンッ
唯「あっ、狐だ!」
紬「捕まえてごら~ん」コーンッ
律「な、舐めやがって」グギギ
和「狐に化かされるとは……」
律「とりあえず、奴を捕まえて締め上げる!行くぞ、唯!!」
唯「合点だよ、りっちゃん!」グッ
狐の捜索を始める三人でしたが、狐を見つけることは、出来ませんでした。
律「ちくしょー!何処行った」
和「もう逃げたんじゃない」
律「くそっ!!」
82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 01:56:13.94 ID:+LTuIs8FO [24/77]
さわ子「ちょっとみんな、大変よ!」
和「あら、和尚様だわ」
律「なんだよ、さわちゃん!」
さわ子「大変よ、本堂の仏像が増えたのよ!」
律「仏像が?」
和「どう言う事かしら?」
さわ子「とにかく、本堂に来て!」
さわ子に言われるがまま、三人は本堂に行きました。
するとそこには、本来なら一体しかない仏像が二体ありました。
和「これはまた……」
唯「私が本堂を掃除した時は一体しかなかったよ」
83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 01:58:10.67 ID:+LTuIs8FO [25/77]
さわ子「あんた達、何かした?」
律「してないし。つか、狐を追って……」
律「分かった!どっちかは狐が化けてるんだ」
唯「そうなの?」
律「唯が掃除してる時は一体しか仏像はなかったんだろ?」
律「それに、仏像を一人で運ぶのは私達では無理だ。更に言うと、あの仏像と瓜二つの仏像があるのは、絶対に有り得ない!」ビシッ
紬(しまった。この仏像はこの世に一つとない仏像なのね!?)
84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 02:01:12.91 ID:+LTuIs8FO [26/77]
さわ子「そりゃ、各パーツを中古市で適当に見つけて、適当に組み立てたから、あんな仏像他にはないけど」
和「それに、あの仏像の顔、何回変わった事か」
唯「だって、あれの方が可愛いんだもん」
紬(……いつか仏罰が下るわね)
律「なら話は早い。ぶっ壊してやる!」
和「律、待ちなさい。壊したら、また掃除しなきゃならないのよ」
律「大丈夫だって、頭を吹っ飛ばすだけだから」
唯「そうだよ。頭が壊れて力が出ない~」
さわ子「アンパンマンみたいね」
85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 02:02:39.88 ID:+LTuIs8FO [27/77]
律「よーし、早速……」
和「待ちなさい!」グイッ
律「ぐへっ!」
和「なるべく穏便に済ませましょう……唯、仏像に尻尾はあるかしら?」
唯「うんとねー、ないよ」
紬(当たり前じゃない。化けるのは天才的なのよ)フンス
和「そう……なら」ペロ、クルクル
ポクポクポク、チーン♪
和「だったら、こうしましょう……集まってくれるかしら?」
ヒソヒソ、ボソボソ
紬(あら、内緒話)
紬(聞こえないわね)
86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 02:09:04.13 ID:+LTuIs8FO [28/77]
律「なっ///」
唯「えっ///」
和「それでお願いね」
律「いやいや、なんでそうなる!?」
唯「///」
さわ子「面白そうね」
律「面白がるな!」
和「私の言う通りにやれば、必ず上手く行くわ」
律「なんか納得いかないけど……」
和「つべこべ言わず……ほら」
唯「りっちゃん、よろしくね」
律「あ、あぁ」
紬(あら、何か始まるようね)
紬(何かしら)ワクワク
87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 02:13:22.27 ID:+LTuIs8FO [29/77]
律「唯、前からお前の事が好きだったんだ!」
紬(!!)
唯「でも、りっちゃんには澪ちゃんが///」
律「澪の事はどうでもいいんだよ!あれはただのホルスタインだ」ダキッ
唯「り、りっちゃん///」
律「ほら、身体は正直じゃねぇか」サワサワ
唯「や、やめてよー」
紬(な、なんという展開でしょうか!?)
88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 02:17:28.98 ID:+LTuIs8FO [30/77]
律「唯、いいだろ!もう我慢出来ない!!」
唯「でも、仏様の前だよ。罰が当たるよ」
律「私達の愛に、仏もクソもあるか!あんなのな、ただの置物なんだよ!!」バンッ
唯「お、押し倒すなんて!!」
律「おっと、もっとソフトが良かったか?」
唯「い、いや!その」
律「じゃあ、行くぜ。私はもう、止まれない」
唯「澪ちゃん、ごめんなさい」ポロポロ
紬「キマシタワー!!」
ボンッ
律「あー、正体見せやがったな!」
紬「正体なんかどうでもいいの!」
89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 02:19:49.56 ID:+LTuIs8FO [31/77]
紬「やるのね、やるのね!つか、はよやれやデコ!!」
律「何言ってんだ!」ポカッ
紬「はぅ!」
律「よし唯、縛り上げろ!」
唯「おっけー、りっちゃん!」
紬「あぁ、縛りプレイなのね」ハァハァ
律「変な事言うな」
和「成功したみたいね」
さわ子「あんた達、アドリブで良くやるわね。見てるこっちが恥ずかしいわ」
律「いやー、なんとなく」アハハ
唯「もう少しで貞操が///」
律「奪わねぇよ」ポカッ
唯「はぅ!」
90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 02:23:14.30 ID:+LTuIs8FO [32/77]
さわ子「それにしても、よく思い付いたわね」
和「この狐は『ムギツネ』と言う珍種で、女の子同士の絡みに反応するって、文献で読んだ事があります」
和「と言っても、ムギツネという確証はなく、思い切って博打に出ただけなんだけど」
律「とんちじゃねぇじゃん」
和「律、人間は常に博打をしながら生きてるものよ」
律「そういうもんなのかねぇー」
和「それに、律の本性が垣間見たのには驚きだわ」
律「うっせぇー」
和「まっ、もしダメだったら、普通にぶっ壊してたけどね」
91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 02:27:02.24 ID:+LTuIs8FO [33/77]
律「だったら、最初から私の案で良かったじゃん。何も唯との絡みを披露しなくても」
和「それはそれ、これはこれ。分かった?」
唯「はーい」
律「なんか上手く丸め込まれたような……」
和「さて、あなたはどうする?」
紬「律×唯」ハァハァ
和「ダメね。後で山に捨てに行きましょう」
紬「百合はええのー」ハァハァ
唯「和ちゃん、お腹空いたー」
和「そうね。もうすぐ夕飯時だから、ご飯にしましょう」
さわ子「あっ、ご飯炊くの忘れてたわ」
92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 02:28:53.87 ID:+LTuIs8FO [34/77]
律「よーし、今日は外食だー!」
唯「おー!」
和「いいのかしら?」
さわ子「いいのよ、めんどーだし」
和「はぁ」
紬「ご飯はおかず」ハァハァ
こうして、一騒動は終幕した。
澪(私も狐に化かされて、律と××したい!)
澪(あと、ホルスタインって///)サワサワ
憂(お姉ちゃん……)
ちなみに、紬は山に捨てられた。
純「おーい、猫!」
純「もう何日も帰らないとか……」
純「……」グゥ
純「お腹空いた」
94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 02:51:02.85 ID:+LTuIs8FO [35/77]
~~~
ある日、和尚のさわ子は小さな容器を大切そうに持っていました。
その様子を小僧の唯と律は目撃しました。
律「なぁ、あれなんだと思う?」
唯「なんだろ」
律「答えはな、水飴だ」
唯「水飴!」
律「あぁ、さわちゃんは水飴を一人占めする気だぜ」
唯「えー、ずるくない!?」
95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 02:55:17.35 ID:+LTuIs8FO [36/77]
律「だよな。よし、問い詰めよう」
律「おい、さわちゃん!」
さわ子「何?」
律「私達に隠し事ないか?」
さわ子「はぁ?あるワケないでしょ」
律「やっかましい!こちとら、ネタはあがってるんだよ」バンッ
さわ子「えっ、えぇ?」
唯「さわちゃんさ。あの容器だよ」
さわ子「容器……あぁ、あれね。あれがどうしたの?」
97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 02:59:43.84 ID:+LTuIs8FO [37/77]
律「あれを一人占めする気だろ?」
さわ子「はぁ?」
律「大丈夫。和には黙っててやるよ」
さわ子「?」
律「だからよ、その中身を私達にも分けてくれないか?」
さわ子「分けてって、ダメよ。後で必要なんだから」
律「それを今、私達が必要としている!」
さわ子「ワケ分かんないわね。あっ、これから秋山屋さんの所に行かなきゃ」
律「逃げんのか!?」
100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 03:05:45.77 ID:+LTuIs8FO [38/77]
さわ子「逃げないわよ。じゃあ、私行くからね」
唯「さわちゃん!」
さわ子「それと、容器の中身は勝手に出さないでね。後で処理が面倒だから」スタスタ
律「行っちまいやがった……でも、処理が面倒って事は」
唯「水飴だね。あれ、ベタベタしてるもん」
律「そーゆー事だ。容器はさわちゃんの部屋だ」
唯「取りに行こう!」ダッ
101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 03:10:09.14 ID:+LTuIs8FO [39/77]
二人はさわ子の言い付けを破りました。
律「へっへーん。水飴、ご開帳~」カパッ
唯「うわっ、なんか臭うよ」
律「あれだろ。きっと高級品なんだろ」
唯「あぁ、果物の王様も臭いもんね」
律「それと同じ理屈だ。よーし、出すぞ」
ドロ~リ
律「見てみ、この透明さ」
唯「間違いなく水飴だね」
律「よし、分けるぞー」
102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 03:13:19.00 ID:+LTuIs8FO [40/77]
律は水飴なるものを均等に分けました。
律「んじゃ、いっただきまーす」パクッ
唯「はむはむ」
律「なんか、微妙だなおい」
唯「うん。良く食べる水飴より、甘くない」
律「きっと、庶民の私達に高級品は理解できないという事か……」
唯「とりあえず、食べちゃおう」
二人は水飴なるものを完全に食べ尽くしました。
104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 03:20:28.08 ID:+LTuIs8FO [41/77]
一方、和は買い物に出かけて、ようやく寺に戻って来ました。
和(はぁ、井戸端会議も疲れるわ)
ガラッ
和(あら、唯と律がいないわね)
和(和尚様は確か、澪の所に行くって……)
和「唯ー、律ー、何処にいるの?」
唯「ここだよ、和ちゃん」
和(あそこは、和尚様の部屋ね)
105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 03:25:20.95 ID:+LTuIs8FO [42/77]
和「何やってるの……って、マジで何やってるの?」
唯「水飴食べてたの」
律「和の分はないけどな」ニシシ
和「別にいいけど……てゆーか、水飴食べて虫歯にならないでよ」
律「歯のケアはばっちり!」
和「ふん。でも、なんか臭うわね」クンクン
唯「高級品の水飴だからだよ」
和「えっ、高級品の水飴って臭いもんなの?」
律「果物の王様が臭いのと、同じ原理だよ」
和(何それ)
106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 03:32:58.14 ID:+LTuIs8FO [43/77]
和「ねぇ、それって本当に水飴なの?」
律「だから、そうだって」
和「なんか変な感覚とかはない?」
唯「そういや、舌がバリバリする」
律「唯もか。私も舌がもバリバリするぞ。いや、パリパリか?それに、舌と歯がたまに引っ付く」
和(バリバリする。引っ付く)
和「あんた達、もしかして……」
さわ子「たっだいまー」
107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 03:36:46.41 ID:+LTuIs8FO [44/77]
律「やべっ、さわちゃんだ」
唯「ど、どうしよう!」
律「和!ここは、いつものアレで」
和「えぇ!?」
唯「お願い、和ちゃん」ウルウル
和「あーもう、仕方ない!」ペロ、クルクル
ポクポクポク、チ~ン♪
108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 03:41:23.72 ID:+LTuIs8FO [45/77]
和「これだ!」ダッ
律「お、おい!それって、さわちゃんの大事な壺」
唯「ど、どうするの?」
和「こうする。ふん!」ガシャーン
律「あー、さわちゃんの大事な壺を割りやがった!」
唯「和ちゃん!!」
和「いいから。あんたらは、泣く準備でもしてなさい!」
律「なんで?」
さわ子「ちょっと、何よ今の音!!」
和「いいから、ふんっ!!」ガツン
109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 03:45:27.91 ID:+LTuIs8FO [46/77]
唯・律「あんぎゃー!!」
律「み、澪のより痛い!」
唯「うぅー」
和「いい、泣いてなさいよ!」
さわ子「一体、何事……って、これは?」
さわ子が見たのは、自分の大切な壺が無残に割れ、唯と律が号泣し、和が容器の中身を舐めている光景でした。
和(正確には、舐めるフリね)
110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 03:50:27.49 ID:+LTuIs8FO [47/77]
律「うわーん」バタバタ
唯「うぇーん!!」
さわ子「これは一体……」
和「申し訳ありません。和尚様」
和「和尚様が大事にしてる壺を私達の不注意で割ってしまいました」
さわ子「えっ?」
和「なので、私は和尚様の謝罪の意味を込め、死のうと容器の中身を舐めてますが、死ねません」グスッ
さわ子「えっと……」
和(容器の中身で死ねりゃ、苦労しないわね)
113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 04:05:55.62 ID:+LTuIs8FO [48/77]
唯「さわちゃん、ごめんなさい!」
律「私達、死んで詫びるから!」
和(少し、大袈裟過ぎるかしら)
さわ子「バカね。あんた達」ニコッ
さわ子「あんな壺、あんた達の命と比べたら屁でもないわ」
和(おや?)
さわ子「いい、壺はまた買えばいいの。でも、あんた達の命は買えないのよ。いくらお金を出しても買えないの」
さわ子「だから、軽々しく死ぬとか言っちゃダメよ」
114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 04:12:26.37 ID:+LTuIs8FO [49/77]
さわ子「いい?」ナデナデ
律「私達を……許してくれるのか?」
さわ子「許すも何も、今の私は和尚です。そして、小僧である三人は、私にとっては大切な娘も同然です」
唯「さ、さわちゃ~ん」ポロポロ
さわ子「ほら、みんなおいで」バッ
唯・律「さわちゃん!」ダキッ
唯・律「うわーん」
和(なんか、予想外な展開ね)ポリポリ
116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 04:17:37.39 ID:+LTuIs8FO [50/77]
さわ子「和ちゃん。あなたもどう?」
和「えっと///」ポリポリ
和「キャラに合わないというか……」
さわ子「今日くらい、いいんじゃない?」
和「……では、お言葉に甘えます」ダキッ
和(こういうのも、ありよね)
和はしばしの間、さわ子に甘えた。
普段、甘えるようなキャラでない和にとって、それはとても新鮮な気分だった。
118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 04:23:20.90 ID:+LTuIs8FO [51/77]
さわ子「ところで、何を舐めてたの?」
和「和尚様が持っていた容器の中身です」
さわ子「あぁ、りっちゃんが欲しがってたやつね」
律「てへへ」
さわ子「でも、あれで死ねるもんなの?」
和(まずい)
律「ま、まぁ……いいじゃんか!」
唯「そ、そうだよ!」
さわ子「ふーん。あぁ、そうそう。りっちゃんの為に、あれ買って来たわよ」
律「あれ?」
119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 04:32:55.38 ID:+LTuIs8FO [52/77]
さわ子「もう、りっちゃん欲しがってたじゃない」
律「あぁ、あれね」アセアセ
さわ子「今日、澪ちゃんの所に行ったから、ついでに買っておいたわよ」
さわ子「とんちゃん印の水糊・工作用」
唯・律「へっ?」
さわ子「その容器にあったやつよりも、臭いは数倍キツいけどね。これが欲しかったんでしょ。でも、臭いでラリっちゃダメよ」
律「み、みず……のり?」
唯「み、水飴じゃないの?」
和(あちゃー)
120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 04:39:18.05 ID:+LTuIs8FO [53/77]
さわ子「水飴って?」
唯「だ、だって……りっちゃんが」
律「あれ、水飴じゃ……ないの?」
さわ子「はぁ?そんなの、一言も言ってないわよ」
律「えっと……つまり?」
和「早い話が、律のはやとちりね。ただ、あの臭いで糊なのは把握してたけど、和尚様が帰って来て、言ってる暇が」
律「ゆ、ゆい~」スタスタ
唯「り、りっちゃ~ん」スタスタ
さわ子「おい、何処に行く気だ」
121 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 04:52:37.82 ID:+LTuIs8FO [54/77]
律「ちょ、ちょっと」ガクブル
唯「ト、トイレ」ガクブル
ガシッ
さわ子「テメェらに使わすトイレは……ウチにはねぇんだよ!!」
唯・律「ひぇー!!」
その後、二人はさわ子同伴で病院に行った。
糊を落とすのに時間が掛かった。
医者はなんとか、糊を落とすのに成功し、口内やら食道やらを洗浄した。
そして、やっぱり二人にさわ子の雷は落ちた。
壺の件より、さわ子の服に糊が付いたのが許せなかったそうで、修行の意味も込め、外国に飛ばされた。
123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 05:09:08.33 ID:+LTuIs8FO [55/77]
梓母「梓、早く寝なさい」
梓「はーい。一緒に寝ようね、あずにゃん2号」ナデナデ
2号「にゃーん」
梓「くぅー、可愛いです!やっぱり猫ちゃん最高です!」ダキッ
2号「にゃ、にゃーあ」
梓「将軍は、偉大なのです!」
梓「わっはっはー」
紬(梓×2号……需要がないわね)
125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 05:34:48.92 ID:+LTuIs8FO [56/77]
~~~
ある日、和と唯と律の三人は町に来ていた。
律「もう修行はやだ」
和「何やったのよ」
律「あん?トロッコに乗った。そんで吐きそうになった」
和「はぁ?」
唯「あと、釣り橋から落ちてワニに食べられる人を見た」
律「あの先生、非常識だらけだったなー」
唯「でも、あの人にとっては常識らしいよ」
和「あんた達、それ修行なの?」
126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 05:47:11.40 ID:+LTuIs8FO [57/77]
律「そうじゃね?まぁ、澪の土産話には丁度いいだろう」
唯「だねー」
和「ふむ」
本日、三人は律の幼馴染み、秋山屋の娘・澪に招待されました。
なんでも、律が構ってくれなくて寂しいそうです。
それもそのはず、律は唯と共に修行に出ていたからなのです。
127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 05:49:32.03 ID:+LTuIs8FO [58/77]
しかし、ここである問題が発生しました。
秋山屋の手前に木製の橋がありますが、橋に立て札が立てられていました。
唯「この橋、渡るべからず……だって」
和「あら、この橋は渡れないって事ね」
唯「じゃあ、回り道する?」
律「めんどいなー、隣りの橋まで一キロは離れてるぞ」
和「面倒な土地ね」
律「トロッコがあればなー」
和「あるワケないでしょ」
128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 05:53:19.62 ID:+LTuIs8FO [59/77]
秋山屋は、材木問屋である。
その秋山屋では
梓「私が将軍なのです!わっはっはー」
澪「はいはい。騒ぐなら帰れ」
梓「酷くないですか?私は将軍ですよ。今日は材木を買いに来たんですよ」
澪「気のせいだよ。将軍様は疲れてるんだ」
梓「酷いよねー、あずにゃん2号」
2号「にゃー」
梓「あずにゃん2号が酷いと言ってます。切腹しろです!」
澪「たい焼き食べるか?」
梓「食べるです、さっさと寄越すです!!」バッ
澪(はー、律と××したい)
129 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 05:56:42.36 ID:+LTuIs8FO [60/77]
和達はと言うと、
律「なぁ和、何とかして渡る方法ないのか?トロッコないし」
和「隣りの橋まで行くしかないわね。いい加減、トロッコから離れなさい」
律「えー、それじゃあ時間掛かるよ。ここは、和のとんちで」
唯「和ちゃん、お願い」
和「もう……まぁ、澪を待たせるのも悪いわね」
和「仕方ない」ペロ、クルクル
ポクポクポク、チーン♪
和「そうね。橋を渡るべからず……橋の『端』を通らなければいい」
和「つまり、橋の『中央』を渡ればいいわ」
130 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 05:59:31.98 ID:+LTuIs8FO [61/77]
律「よーし、じゃあお先にー」ダッ
唯「あっ、りっちゃん!」
律「へっへーん……うぉっ!」ズボッ
ザブーン!
唯「あっ、りっちゃんが落ちた!」
和「これはまた……」
憂「あーあ、まだ橋の工事の途中なのにー」
そこに現れたのは、唯の妹の憂。
大工である。
唯「あっ、憂」
憂「お姉ちゃん、和さん。こんにちわ」
和「あら、工事中だったの?」
憂「はい。立て札を立てたのですが……」
律「おいコラ!工事中なんて聞いてないぞ」
131 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 06:02:04.12 ID:+LTuIs8FO [62/77]
唯「りっちゃんの声がする」
和「浅い川だったのね」
憂「律さんが落ちたのですか……バカですね」
唯・和「……」
律「コラァー!聞こえてるぞ」
憂「うるさいんだよ、デコ!」
律「……」
132 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 06:07:40.57 ID:+LTuIs8FO [63/77]
憂「全く……立て札も読めないとは」
律「いや、だって和が……」
憂「それに、お姉ちゃんの貞操まで奪おうとして!」
律「それも和が……」
憂「人のせいにしちゃいけません。めっ!!」グッ
律「うわーん、ごめんなさーい!」
憂「お姉ちゃんに糊を食べさせた事、私は許しませんからね!」
律「うわーん!!」
和「……」
唯「の、和ちゃん……」
134 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 06:08:51.88 ID:+LTuIs8FO [64/77]
和「唯、人間は常に博打をしながら生きてるものって、以前、言ったわよね」
唯「う、うん」
和「今回、律は博打を打って大失敗した。ただ、それだけよ。もちろん、それ以上も以下もないわ」
唯(つっこむべきかなぁ?)
和「じゃあ、隣りの橋まで歩きましょう」
唯「えっ、りっちゃんは?」
和「あのまま、川を真っ直ぐ歩いた方が近いでしょ」
唯「う、うん」
憂「めっ!」グッ
律「うわーん!!不幸だー!!!!」
135 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 06:11:46.71 ID:+LTuIs8FO [65/77]
和「唯、今回は『急がば回れ』の教訓よ。覚えておきなさい」
唯(どっからそんな言葉が出たんだろう)
和「返事は?」
唯「は、はい!」
和「そう。じゃあ、行きましょ」
唯(逆らったら、負けだね)
その後、秋山屋に唯と和が到着するまで、律は憂の説教を受けたらしい。
純「もう……猫が……何処行ったの」
梓「私が将軍なのです!わっはっはー」
純(いかにもアホそうな将軍だなー)
純(あれが将軍だと、この国に未来はないよね)
136 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 06:17:42.71 ID:+LTuIs8FO [66/77]
純「ウチの猫が、あんなアホ将軍に拾われているワケないか……所詮、アホ将軍だし」
梓「たい焼き、うめぇーです」
澪(律と××したいよぉ)
澪「律ぅー、お前は私のモノだぁー」
純(あの女の人もヤバそうだね)
純「はぁー」
純「……」グゥ
純「お腹空いた」
純「帰ろ」
梓「あずにゃん2号、行くです!」
2号(マジで帰りたいわ。将軍がアホやから、なんもでけへん)
その後、純が猫を見つけ出す事は出来なかった。
137 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 06:21:12.93 ID:+LTuIs8FO [67/77]
律「和!」
唯「和ちゃん!」
憂「和さーん!」
和「はーい」
和「何事も慌てないことが重要ね」
和「あと、私の事を『わ』とか『なごみ』って言わないでね」
和「じゃあ私、一休みするわね」
~一休さん編・終~
140 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 06:39:35.26 ID:+LTuIs8FO [68/77]
唯「……これで、私が創作した『おとぎ話!』の発表を終わります」ペコッ
パチパチパチパチ
和(よく出来てたけど、おとぎ話なのかしら?)
律(ツッコミ満載な作品だな、おい。私の扱い酷くね?)
澪(は、恥ずかしい///)
紬(いいですわー。百合最高やわー)
教師「では、平沢さんの作品について、質問はありますか?」
いちご「……」スッ
唯「はい、いちごちゃん!」
いちご「……律は激しいのがお好きなの?あんなに迫られたら……興奮するわね」
律「ぶー!!」
紬「あらあら」
澪(律ぅー)
141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 06:41:56.97 ID:+LTuIs8FO [69/77]
風子「秋山さんの独占欲の強さには……」
唯「大丈夫!みんな、計算済みだから!これが正常ですから!」
律・澪「おい!」ガタッ
エリ「はい!真鍋さんの下の名前が『のどか』だと初めて気付きました!」
和「今頃なの!?」ガタッ
信代「普段、名字で呼ぶし」
アカネ「名簿見た時は、わ?」
しずか「なごみちゃん?」
和「おお、もう……」ガクッ
姫子「お、落ち込まないで、真鍋さん!」
バンッ!
142 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 06:44:21.98 ID:+LTuIs8FO [70/77]
教師「あら、山中先生」
さわ子「平沢さん。私の扱い、なんか酷くない?」
唯「そうかなー」
さわ子「酷いわよ!何よ、行方不明とか正座とか!」
さわ子「私を舐めてるワケ?」
教師「山中先生、落ち着いて!」
さわ子「平沢さん!即刻、訂正しなさい。さもないと……」
憂「だったら、なんですか?」
さわ子「!?」
憂「さわ子先生、お姉ちゃんを苛めるんですか?」ゴォォー
さわ子「いや、これはね。ちゃんとした教育の一環で……」
憂「ふーん。そうですか」ニコッ
143 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 06:47:11.95 ID:+LTuIs8FO [71/77]
憂「屋上行きませんか?久しぶりにキレちゃいましたよ」ニコッ
さわ子「」ガシッ
さわ子(私の人生、詰んだわ。さよならお父さん、お母さん)ズルズル
バンッ!
風子「ひ、平沢さんの妹さんを怒らせたら怖い……」ガクブル
いちご「……それが結論ね」
教師「し、質問はこれくらいにしましょう」
教師「平沢さん。あなたの話、とても良かったわ。途中でキャラ崩壊してたけど」
唯「はい!ありがとうございます」
144 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 07:00:09.95 ID:+LTuIs8FO [72/77]
教師「ちょっと、エッチな部分もあったけど、まさかあれは……経験済みなの?」
唯「りっちゃんに押し倒された部分だけは実体験で、あとはムギちゃんに教えて貰いました!」
律「おいー!!」バンッ
紬「まあ///」
エリ「そうなんだ!」
律「あっ、いや……」ガシッ
澪「律」
律「ひぃっ!」
澪「どういう意味か説明しろ」ゴォォー
律(や、やばい!)
澪「あと、私がホルスタインだと!?」
145 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 07:05:03.47 ID:+LTuIs8FO [73/77]
律「そ、それはだな……」
澪「あぁ!?」ギロッ
律「ゆ、唯に頼まれ……」アセアセ
唯「りっちゃんに押し倒されました!」
律「ゆいー!!」
澪「ふざけんなよ、バカ律!私ですら、お前に押し倒された事ないのに!」
紬「まあまあ」ボタボタ
和「わ……なごみ……ふふっ」
ピンポンパンポーン♪
教師「あら、授業中に放送なんて……」
憂『三年二組の田井中さん。至急、屋上まで来てください』
憂『キレちゃったからよー!さっさと来いやぁー!!』
ブチッ
147 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 07:09:30.06 ID:+LTuIs8FO [74/77]
一同「……」
律「おお、もう……」ガクッ
澪「行こうか、律。閻魔様がお待ち兼ねだ」グイッ
律「一番悪いのは唯じゃんか!バカだろ!バカとしか言えねぇー」ズルズル
澪「往生際が悪い!」ゴチン
律「あんぎゃー!!」ズルズル
バンッ!
この後、さわ子と律の処刑の模様は、放送を通じて学校中に流された。
それにより、トラウマになった人がいるとか、いないとか
唯「みんなでお話、作ろうよ!」
~唯「おとぎ話!」・完~
149 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 07:12:38.18 ID:+LTuIs8FO [75/77]
以上で終わりです。
長々とすいません。
今日は有給休暇で会社休みです。
なので、寝ます
ところが、町へ出て笠を売ろうとしても、一向に売れる気配はありませんでした。
唯「売れないや……」
もう少し粘ろうと思いましたが、雪が強くなって来たので、唯は諦めて帰り支度をしました。
唯(憂が心配するから帰ろう!)
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 21:40:02.91 ID:XbB6gwh+O
家に近付き始めた頃、雪は強くなりかけていました。
唯(うー、早く帰ろ)
唯「あっ、お地蔵様!」
唯が目にしたのは、峠にある七体の地蔵でした。
唯「こんなに雪が積もって、寒いね。頭の雪、どけてあげるね」パッパッ
唯「んー、でもすぐに積もるな……そうだ!」
唯「笠を頭に乗せればいいんだ」
唯は商品の笠を地蔵の頭に乗せてあげる事にしました。
ちなみに地蔵は右側から和→律→澪→紬→梓→純→さわ子の並びである。
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 21:42:09.81 ID:XbB6gwh+O
唯「んしょ、んしょ」
唯は持っていた五つの笠を右側の地蔵から順に(和・律・澪・紬・梓)、頭に乗せました。
唯「あっ、もうないや……私の笠あげるね」
唯は自分が被っていた笠を純の頭に乗せました。
唯「はっ、もう一体いた……」
唯「うーん。私の手ぬぐいあるけど、これは憂が作ってくれたものだし……」
唯「うん。帰ろう!」
唯「うんたん♪うんたん♪」
さわ子「」
さわ子(……酷い)シクシク
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 21:43:57.80 ID:XbB6gwh+O
唯は家路につくと早速、憂に地蔵の話をしました。
憂「お姉ちゃん、優しいね」ニコッ
唯「てへへ」
憂「もしかしたら、恩返しに来るかもね」
唯「だったらいいなー」
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 21:45:28.28 ID:XbB6gwh+O
一方、峠では
律「よーし、笠のお礼をしにいくぞー」
澪「あぁ、あの人には感謝だな」
和「そうね」
紬「私、誰かにお礼するのが夢だったのー」
梓「やってやるです!」
純「あれ、誰かいない」
さわ子「なんで、なんで私にだけ笠がないのよ!」シクシク
律「泣くなよ、さわちゃん」ポンポン
さわ子「泣きたいわよ!」
紬「あらあら」
梓「やってやるです!」
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 21:48:18.90 ID:XbB6gwh+O
地蔵一行は、籠にありったけの食材を詰めて、唯の家の前までやって来ました。
律「よし、じゃあ家の人に会うか?」
澪「いやいや、私達は地蔵だぞ。家の人が見たら卒倒するぞ」
和「じゃあ、手紙でも書いとく?」
紬「それいいかもー」
純「私、紙とペンあり……」
さわ子「おらー!出て来いやー、サツガイすんぞコラァー!」ドンドン
律「さわちゃん!!」
梓「やってやるです!」ドンドン
純「あずさー!!」
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 21:54:20.74 ID:XbB6gwh+O
澪「おい!あんまり騒ぐと……」
憂「どなたですかー?」
和「まずいわ。隠れましょ!」スタコラピー
ガタッ
憂「誰も……いないね。風の音かな?」
バタン
律「ふぅー。さわちゃん、頼むから静かに」
さわ子「ぶーぶー」
純「ほら梓、あんたも」
梓「……」シュン
紬「は、早く書きましょ」アタフタ
律「だな」
澪「あぁ」
地蔵達は各々、唯への感謝の気持ちを一言、手紙に書いた。
律「よし、これで籠を置いて……完了だ」
14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 21:57:05.48 ID:XbB6gwh+O
和「それじゃ、帰りましょうか」
澪「そうだな」
律「帰るか」
紬「よいお年を」
純「風邪引かないでね」バイバイ
梓「……」
さわ子「なんか、納得いかないわ」
律「えっ?」
さわ子「やっぱり出て来いやー!!」ドンドン
律「ひぃー、さわちゃん!!」
梓「こんなんじゃダメです!」ドンドン
純「このバカタレー!!」
バンッ!
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 22:05:11.64 ID:XbB6gwh+O
憂「やかましいわ!サツガイしたろかコラァー!!」
一同「ひっ!」ビクッ
憂「さっきから何、人んちの戸、叩きまくっとるんや?」
憂「地蔵風情が舐めたらアカンで!」
律「あわわわわわ」ガクブル
憂「なんやったらあんたらの首、半分だけ回したろか!?」クイッ
一同「す、すいませんでしたー」スタコラピー
憂「ほんま、最近の地蔵はアカンなー。あら、ヤキいれたらな……」
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 22:10:19.05 ID:XbB6gwh+O
唯「憂ー、どうしたの?」
憂「あっ、あのね。お地蔵様が来てたみたいだけど……」
憂「私を見たら驚いて帰っちゃった」テヘッ
唯「えー、いいなー。私も見たかったなー」
憂「ご、ごめんねー。次来たら、一緒に見ようね」
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 22:14:43.82 ID:XbB6gwh+O
唯「あっ、その籠は何かな?」
憂「これ……うわぁ」
唯「食材だよ!これだけあれば、年を越せるよ」
憂「やっぱり、お姉ちゃんが良い事したからだね」
唯「いやー、それほどでもぉ」
憂「あっ、手紙があるよ。お地蔵様のかな?」
唯「きっとそうだよ」
唯「ねぇ、読んでみようよ!」
憂「そうだね!」
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 22:19:39.55 ID:XbB6gwh+O
律『笠、ありがとな!これで風邪を引かずに済むぜ』
澪『頭が冷えてたので助かりました』
和『ありがとう、良いお年を』
紬『百合はいいですよー』
純『もっと目立ちたい!』
憂「うーん。上三つは理解できるけど、下二つは……」
唯「まだ続きがあるよ」
憂「うん」
さわ子『テメェーのヴァージン奪ったろか!』
梓『奪ってやるです!』
憂「……」ピキッ
唯「どういう意味だろう?」
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 22:26:14.66 ID:XbB6gwh+O
憂「た、多分!ありがとうの最終形態じゃないかな!?」
唯「そうかー、感謝されてるんだー」ニンマリ
憂(勘違いするお姉ちゃんかわいい!)
憂「じゃあ明日、私がお地蔵様の所に行くね」
唯「何しに行くの?」
憂「(制裁的な意味での)お礼だよ」
唯「私も行くー」
憂「お姉ちゃん、起きれないよね」
唯「起きれるもん!」プンプン
憂「はいはい」
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 22:31:17.65 ID:XbB6gwh+O
唯「じゃあ憂、明日の為に早く寝よう!」
憂「そうだね、お姉ちゃん」
唯「じゃあ、おやすみー」
憂「おやすみ、お姉ちゃん」
こうして、二人は眠りにつきました。
そして、憂は唯より早く起きて外に出た。
憂(お姉ちゃん。悪い地蔵は、私がやっつけるからね)
早朝、峠から謎の悲鳴が響き渡ったが、唯は何も知らない。
オブツハ、ショウドクダー!
ギャー!
ヤッテヤルデスゥー!
唯「んー、むにゃむにゃ……えへへ」
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 22:37:15.26 ID:XbB6gwh+O
とみ「おや、今日は左端のお地蔵様(さわ子)の姿がないわねぇ」
とみ「それに、みんな表情が強張って……あら、右から5番目(梓)のお地蔵様は、首がみんなと違って半回転してるわ」
とみ「不思議な事もあるものね」
とみ「もしかしたら朝の悲鳴、あれは鬼が何かやったんだわ」
とみ「唯ちゃんと憂ちゃんにも注意しときましょう」
尚、この事は鬼の仕業と言う事で丸く収まった。
もちろん、とみは憂が犯人だという事は知りません。
ちなみに、さわ子は未だに発見されていない模様。
~笠地蔵編・終~
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 22:51:43.58 ID:XbB6gwh+O
~かぐや姫~
むかしむかし、竹取りの唯という人がいました。
唯「ロッカーはいつだってね “今”やんちゃ盛り♪」
ある日、唯は金色に輝く竹を見つけました。
唯「何かな?よし、切っちゃえ」スパッ
切り取った竹の中を見た唯は驚きました。
なんと、小さな女の子がいました。
?「おんぎゃー」
唯「うわー、どうしよう」アセアセ
唯「そうだ!憂に相談しよう」
子供を連れ帰って来た唯の姿を見て、憂は卒倒した。
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 22:53:49.42 ID:XbB6gwh+O
月日は流れました。
二人は子供に「律」と名付けました。
律は異常なまでに早い成長を遂げていました。(胸以外)
唯「りっちゃん。可愛いね」ダキッ
律「よせやい」
唯「頭、撫でてあげる」ナデナデ
律「や、やめろ!」バッ
憂「やめなよ、お姉ちゃん」
律「そうだよ」
唯「ぶー」
三人の生活は楽しい事だらけでした。
何不自由なく、ただ時間だけが過ぎて行くだけでした。
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 22:56:33.31 ID:XbB6gwh+O
そんなある日の事、平沢家に可愛い娘がいるという噂を聞き付けた、五人の若者が唯の家にやって来ました。
なんでも、律を嫁に欲しいらしい。
和「律を私にくれるかしら?」メガネ、クイッ
紬「りっちゃんを嫁に貰うのが夢だったのー」
梓「何言ってるんですかー。律先輩は私のです」
純「よく分かりませんが、来ました」
憂「じゃあ、純ちゃんは用無しだね」ニコッ
純(さりげなく酷い)シクシク
澪「おい、律は誰のモノでもない。私だけのモノだ!」
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 23:03:13.15 ID:XbB6gwh+O
律「いや、お前のモノでも……」
和「何言ってるのかしら?律は私の嫁になるのよ」メガネ、キラーン
紬「わ、私のよー!」
梓「私のです。あと、唯先輩も欲しいです///」モジモジ
憂「おい中野。ちょっと表出ろや」ガシッ
梓「な、何すんの!はっ、離せー!無礼だぞ!!」ズリズリ、ジタバタ
憂「お姉ちゃんを欲しいと言うだけで無礼極まりないよ!本来なら切腹モノだよ!!」
梓「私は中野家の娘だぞ!天皇家直属だぞ」
憂「お姉ちゃんの前で自分の家の家柄なんて、トイレットペーパーと同じだよ!!」グイッ
梓「うわーん!!」バタバタ
29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 23:05:13.84 ID:XbB6gwh+O
律「なんか、憂ちゃん怖かったな」
唯「そうかなー」
澪「律!」バッ
律「うわっ!」
澪「律、お前は私のモノだ。さぁ、私の家に帰ろう」
和「何やってるの!?」
紬「ずるい澪ちゃん!」
澪「うるさい!律は誰にもやらん!!」
律「私はモノじゃねぇー!」
唯「りっちゃん、モテモテだね」
律「あのなー!」
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 23:08:13.09 ID:XbB6gwh+O
律「うーん。よし、じゃあ私が欲しいモノを持って来い!」
澪「じゃあ、私は私を献上する!」
律「やかましい!」
和「で、何を持って来ればいいの?」
律「そんなもん。私を嫁にしたいなら、自ずと分かるはずだ」
和「?」
律「感じろ……フォースを感じるんだ!」ゴゴゴッ
紬「はぅー」ハァハァ
澪「りぃつぅー!」ビクン
律「こらー!!」
律「もうなんでも良い!なんか持って来い!!」
31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 23:13:48.61 ID:XbB6gwh+O
和「じゃあ私、何か持って来るわ」スタスタ
紬「何かを……ハァハァ……持って……ハァハァ」スタスタ
澪「律。必ず私のモノにしてやる」スタスタ
純「あのー、私は?」
律「ん?用無しなら帰っていいぞ」
純「はい。帰ります」シクシク
唯「りっちゃん、あんなので良かったの?」
律「いいんだよ。ところで憂ちゃんは?」
唯「まだ、表じゃないかなー」
律「ふーん」
その後、梓の悲鳴が響いたのは、言うまでもない。
33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 23:16:38.24 ID:XbB6gwh+O
その日の夜。
律は月を眺めていました。とても綺麗な月です。
が、その表情はどこか寂しそうでした。
唯「りっちゃん、どうしたのかな?」
憂「月ばっかり見てるね」
唯「どうしたんだろうね」
律(はぁー、いつかは言わなくちゃな)
律(ただ、タイミングは大事だよな)
一方、梓は平沢家の門前で正座させられていた。
「私はいけない娘ですぅー」と立て札に書かれ、村人から晒者になっていた。
梓「ごめんなさい」ヒグッ
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 23:20:47.10 ID:XbB6gwh+O
翌日。
律「よーし。私が欲しいモノを出してくれ」
和「私はこれね」
唯「『女の子らしく生きる方法』だって」
律「ふざけんなー!」ビリビリ
和「ちょっと!」
律「私は女だ!」
和「私の嫁になるなら、女の子らしくしなさい!」
和「今のままじゃ、まるで男ね。なんなら、私が調教という名の矯正を施そうかしら?」
和「律を見てると、いじめたくなるの。泣きそうな顔になると、そそるわー」
紬(SMなのね!)
澪「おい、律に手を出せるのは私だけだ!」
律「やっかましいわ!ほら、次!」
35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 23:23:47.02 ID:XbB6gwh+O
紬「これなのー」
唯「『猿でも分かる。百合入門~初級~』だって」
律「なんじゃこりゃー!」ビリビリ
紬「はぅー」
律「確かに今の状況だと同性結婚させられそうだけど!」
紬「だから、百合を勉強して知識を……」
律「お前は自分の眉毛でオナニーでもしてろ!」
紬「じゃあ、そうするわ」ベリッ
紬「ハァハァ、ハァハァ///」
澪「百合だろうがレズだろうが、私が一夜漬けで教えてやる」
律「うっさいわ!ほら、次は澪だぞ!」
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 23:29:03.37 ID:XbB6gwh+O
澪「やっぱり律を一番理解してるのは私だな」
律「ほぉー」
澪「私はこれだ!」
唯「『媚薬』だって」
澪「そうだ。早い話、律は私だけを見てればいい。それで万事解決」
律「なんちゅー、自分勝手な!」
澪「律、さぁ飲め。私の愛が詰まった薬だ」
律「飲まねー!」
澪「なら、飲ませるだけ!」ダッ
律「澪。これじゃあ、レイプみたいじゃねぇか!」バッ
澪「関係あるか!百合もレズもレイプも似た様なものだ!」
澪「赤信号、みんなで渡れば怖くないの精神で問題解決!」ググッ
律「全然違うわボケ!ついでに、みんな撥ねられちまえ!」バッ
37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 23:32:04.42 ID:XbB6gwh+O
?「ねぇ、みんないるー?」
唯「ん?誰だろう」
憂「さぁ?」
和「あ、あなたは!?」
紬「ハァハァ」
澪「み、帝様!」
帝(みかど)とは、偉い人の事らしい。
さわ子「偉いも何も、偉いわよ!あと、エロいけど」エッヘン
律「威張って言う事かよ」
澪「帝様!何故こちらに」
さわ子「いやー、可愛い娘がいるから様子見に来ただけ。あと、梓ちゃんが泣いてたわ」
さわ子「んで、この娘かな?」
唯「ほぇ!」
憂「」ピキッ
38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 23:34:17.08 ID:XbB6gwh+O
さわ子「素材としては良いわね」ジロジロ
唯「///」
律「あのー?」
さわ子「なーに?」
律「可愛い娘は私」ニコッ
さわ子「ごめん。あんたは、ないわ」
律「」ガーン
澪「あぁ、律」
さわ子「よし、この娘を私の嫁にする」
唯「えぇー!」
さわ子「帝様の命令でーす。今日から私の……」
憂「おい」ガシッ
さわ子「えっ?」
さわ子「ひぃっ!」ビクッ
39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 23:38:08.98 ID:XbB6gwh+O
憂「貴様は大罪を犯した。よって、ここに死刑を宣告する」ゴォォー
さわ子「た、大罪!?」ガクブル
憂「お姉ちゃんは神。お姉ちゃんがいるからこそ、世界は存在する。それを貴様は気安く……」ゴォォー
さわ子「ご、ごめんなさい!」
憂「って、嘘ですよ」ニコッ
さわ子「えっ?」
憂「お姉ちゃんの可愛いさは罪ですから。みんな、罪を犯したくて仕方ないんですよ」
さわ子「そ、そうよね」パアァ
憂「だから。表で頭、冷やそうか」ニコッ
さわ子「」ガーン
憂「これで、梓ちゃも寂しくないね」ニコッ
さわ子「」ズルズル
40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 23:41:58.48 ID:XbB6gwh+O
その日の夜。
律はまた、月を眺めていました。
唯「りっちゃん、寂しそうだね」
憂「何かあったのかな?」
澪「あれは、恋だな」
和「間違いないわね」
澪「お前がなんでいる!えっと……わ?」
和「私の名前は『のどか』だ!『わ』とか『なごみ』とか言うな!」
紬「わちゃん」ハァハァ
和「まだオナニーしてるの?腐れ沢庵」
律「なぁ……」
唯「何、りっちゃん」
律「実はさ、言わなければならん事がある」
憂「なんですか?」
律「実は私、月の世界のお姫様なんだよねー」
41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 23:44:21.83 ID:XbB6gwh+O
一同「はいー!?」
律「黙ってて悪かった」
和「何を言うかと思えば……」
紬「まさかの」ハァハァ
憂「し、信じられません」
唯「りっちゃん、おかしくなった?」
澪「そ、それでも私は構わないぞ!律がなんであろうと、私のモノに変わりない」
律「あと、明日の晩。月から迎えが来るんだ」
唯「えっ?」
律「明日は満月だ。月と地球が唯一、繋がる日なんだ。だから、帰らなくちゃならないんだ!本当に急ですまん!!」
唯「りっちゃん……」
和「そうなんだ……」
紬「お別れは辛いわね」ハァハァ
46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 23:56:37.12 ID:XbB6gwh+O
憂「帰る場所があるなら、やっぱり帰るべき……」
澪「やだ!」
唯「澪ちゃん?」
澪「律が帰るなんて、こんなんじゃダメだー!」バタバタ
和「我が儘言わない!」
唯「気持ちは分かるけど」
紬「仕方ないかも」ハァハァ
律「澪……すまん」
澪「うわーん!!」バタバタ
その後も、澪は泣き続けたと言う。
平沢家の門前では、梓とさわ子が正座させられたままでした。
梓「……」シュン
さわ子「……」クスン
47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 23:59:48.91 ID:XbB6gwh+O
翌日の夜。とうとう、律が帰る時がやって来ました。
空には綺麗な満月が出ています。
律「澪……」
澪「なんだよー、バカ律ぅー」
律「すまんな」ナデナデ
澪「りつぅー」グスッ
紬「はぁー、律×澪。いや澪×律。もう、どっちでもいいや」ハァハァ
和「あんたは何やってんのよ?」ハァー
紬「わちゃんには分からないわ」
和「『わ』じゃねぇよ!『のどか』だよ!」
律「喧嘩すんなって」ヤレヤレ
憂(何か良い方法はないかな……)
48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 00:05:52.06 ID:XbB6gwh+O
唯「りっちゃん!」
律「唯、ありがとな」
唯「うんうん。私も楽しかったよ」ニコッ
律「ありがとな」ニコッ
憂「うーん」
律「憂ちゃんも、ありがとな」
憂「あっ、はい。いえ、お元気で」
シャランラ、シャランラ♪
澪「な、なんだ?」
律「来たんだよ、迎えが」
49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 00:09:28.19 ID:+LTuIs8FO [1/77]
空から牛車と使者がやって来ました。
風子「姫様、お迎えに来ました」
エリ「元気してますかー」
姫子「やっほー」
いちご「……ふっ」
律「あぁ、私は元気だ」
唯「あれが、月の人」
和「私達と変わらないわね」
紬「そうね」
律「心配かけて悪かった」
エリ「いえいえ。そうだ、姫様に弟が出来ましたよ」
律「なにー、私に弟だと!?」
いちご「……聡」
律「そうか。帰ったら、とりあえず挨拶代わりに……」
澪「律、行かないでくれ!」ダキッ
53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 00:14:21.00 ID:+LTuIs8FO [3/77]
律「澪?」
澪「律、地球に残って」
律「ごめん。私にも家族があるから」
澪「唯達は家族じゃないのか!?」
律「もちろん家族だ。だけど、産んでくれた親は悲しんでるかもしれない」
澪「確かにそうだけど……」
姫子「『おお娘な。誰だっけ?』って、私達に冗談混じりに言ってたけどね」
エリ「私には『息子最高や!娘なんかいらんかったんやー』とも言ってたよ」
律「」
54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 00:20:05.71 ID:+LTuIs8FO [4/77]
澪「なら律、帰らなくても……」
律「ふざけんな!」
澪「お、おい」
律「とりあえず帰って親殴りに行く!」
唯「りっちゃん!」
律「私の育児カプセルを誤って地球行きの宅配に出す親だぞ。ぶん殴らないと気が済まない!」
和「だからって、暴力はダメよ!」
律「離せコラ!」バタバタ
澪「離すもんか!」ダキッ
58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 00:32:45.77 ID:+LTuIs8FO [5/77]
風子「そういえば、なんで姫様を誤って宅配に出したんだっけ?」
姫子「確か、なんかのチケットの応募券を出す予定が、間違えて……」
いちご「……AKB」
律「なんだそりゃー!!」
和「AKB。私も以前、オーディションに出たけど、落ちたわ」
律「そんなの、どうでもいいわー!!」バタバタ
澪「律、暴れるな!」
59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 00:35:46.20 ID:+LTuIs8FO [6/77]
唯「憂、どうしよ……」
憂「……」
唯「憂?」
憂「あっ、良い解決方法が浮かんだ」ポン
一同「?」
憂「私達も月に移住すれば良いんだよ」
一同「えっ!?」
さわ子「なんか騒がしいわね」
梓「ほんとです」
ドッカーン!ゴゴゴッ
さわ子「じ、地震!?」
梓「ち、違うです。あれです!!」
梓が指差すその先には、牛車と小型ロケットが月へ向けて飛び立つ瞬間でもありました。
61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 00:43:15.66 ID:+LTuIs8FO [7/77]
唯「見て、地球だよー」
憂「綺麗だね」
律「にしても、凄い発想だな憂ちゃん」
憂「いえ、こうした方が丸く収まる気がして……」
エリ「牛車の乗り心地はどう?」
唯「うん。快適だよ」
風子「良かった。月まで、ゆっくりして下さいね」
唯・憂「はーい」
エリ「あれ、後方のロケットが月コースからの軌道を……」
唯「あっ、あの二人忘れた……まっ、いいや」
62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 00:44:34.27 ID:+LTuIs8FO [8/77]
澪「狭すぎるだろ。このロケット」
姫子「仕方ないじゃない。緊急用のロケットなんだし」
澪「てか、なんで唯と憂ちゃんは律と同じ牛車なんだよ」
和「あみだくじだから、仕方ないでしょ」
いちご「……狭い」
紬「狭い空間で五人が……」ハァハァ
和「あんたね」
紬「なーに、なごみちゃん?」
和「『なごみ』じゃねぇよ!『のどか』だよ!落とすぞ」
姫子「あぁ、暴れれんな!」
63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 00:53:03.44 ID:+LTuIs8FO [9/77]
エリ『姫ちゃーん。軌道からずれてるよ』
姫子「えっ、やばっ!」
和「な、何!?」
姫子「あんたらが騒ぐから、月コースの軌道から外れ始めてる」
澪「な、なんだって!?」
いちご「……」
姫子「修正可能だから、心配しないで」
澪「良かった」ホッ
その後、軌道修正したはずのロケットは、火星に不時着したらしい。
65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 00:55:20.62 ID:+LTuIs8FO [10/77]
それから月日は流れた。
今、一人の男が月に降り立とうとしていた。
男「ここが月。ようやく、来れた。長い年月の結晶……」
姫子「ようこそ、月へ」パーン
男「な、なんだ!?」
姫子「あなたは、私達以外で月に降り立った人類第一号です」
エリ「記念品に、この石を差し上げます」
男「えっ?」
律「おーい、どうしたー?」
姫子「地球からお客さんだよ」
律「なんだ。つか、その服脱いだら?」
男(宇宙服なし、だと……)
唯「りっちゃーん」
澪「律ぅー」
66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 00:58:45.15 ID:+LTuIs8FO [11/77]
男(な、ここは月なんだよな!?なんで、人間が!?)
和「月に人が来るなんて」
紬「珍しいわねー」
男「えっと、君達は……つか、宇宙服は?」
憂「そんなのなくても平気ですよ」ニコッ
男「」
男(そうだ……これは夢だ。宇宙服もなしに人間が……)
男(多分。厳しい訓練で疲れて……今頃、僕は自分の部屋で寝てるはず)
男(なら、こんな夢から覚めなくちゃ!)
男「じゃあ、僕は夢から覚めます!あなた達の事は、見なかった事にします」ダッ
男「お母さーん!僕は今から、地球に帰還しまーす」
ロケット、ファイヤー!
律「帰っちまったよ」
67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 01:01:33.70 ID:+LTuIs8FO [12/77]
澪「律、律、律ぅー」スリスリ、チュッチュッ
律「うぜぇー、やめろ澪!」
澪「なんだとー!?」
和「見てられないわ」
唯「そうだね」
律と澪は結婚してませんが、毎日、ラブラブです。
それでも、唯達は何不自由なく、仲良くみんなと月で暮らしています。
また、エリが男に渡した石が「月の石」として大阪万博で人気を博した事は有名な話である。
~かぐや姫編・終~
70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 01:18:06.32 ID:+LTuIs8FO [14/77]
~一休さん~
むかしむかし、ある所に和と言う、とんちで評判の小僧さんがいました。
そんなある日、和の評判を聞き付けた将軍が、城に和を招き入れました。
和「真鍋和です」
?「来ましたね。さぁ、入るがよい」
和「あら、あなたが将軍なのね」
72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 01:22:46.00 ID:+LTuIs8FO [15/77]
梓「そうなのです。私が将軍なのです!!」
梓「わっはっはー」
和「そう。じゃあ、帰るわね」スタスタ
梓「ま、待って下さい!」
和「あら、まだ何か?」
梓「用があるから呼んだんです!」
和「なら、早くしなさい」メガネ、クイッ
梓(ちっ、後で叩き斬ってやる!)
梓「コホン!えー、これはなんだと思いますか?」
和「そうね……猫の絵が描かれている屏風ね」
73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 01:24:57.59 ID:+LTuIs8FO [16/77]
梓「うむ。その通り」
梓「実を言うと、夜になると猫がこの屏風から飛び出して来て、悪さをします」
梓「なので、私は猫を懲らしめたいと思うのですが、いつも良い所で逃げられます!」グッ
和(何言ってるのかしらね)
梓「だから!」バンッ
梓「猫を捕まえて欲しい!」
和「はぁ」
梓「もちろん。捕まえたら褒美は出します!」
和(てか、屏風から猫なんて、どう考えても有り得ないけど……)
和(このままだと、帰れそうもないわね)
74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 01:27:53.78 ID:+LTuIs8FO [17/77]
和「分かりました。その件、引き受けます」
梓「本当ですか!」パアァ
和「えぇ、でもちょっと待ってね」ペロ、クルクル
ポクポクポク、チーン♪
和「そうね。まず、檻を用意してくれるかしら」
梓「檻を持ってくるです!」
和「それで、一晩待ってくれる?」
和「明日には、檻に屏風の猫が捕まっているはずよ」
梓「ま、待ってやるです!」
和(まっ、どう足掻いても屏風から猫なんか出ないんだけどね)
75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 01:30:57.36 ID:+LTuIs8FO [18/77]
翌日
梓「んでんでんで~ にゃ~んで♪」
バンッ
梓「さぁ、捕まえた猫ちゃんはどこですか~」
和「あら、猫なら屏風にいるわよ」
梓「え~!捕まえたんじゃないですか!?」
和「屏風という名の檻にね」
梓「それじゃダメです!ちゃんと外に出た状態じゃないと」
和「あのね、屏風から猫が出るなんて、常識で考えても有り得ないわ」
梓「とんちで屏風から猫くらい……」
和「私はドラえもんじゃないのよ。そんなの無理ね」
梓「のび太のくせに……」ボソッ
76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 01:36:23.85 ID:+LTuIs8FO [19/77]
和「のび太でも構わないわ。所詮、私は眼鏡キャラだから」
梓「……」ウルウル
和「じゃあ私、帰るわね」スタスタ
梓「こ……こ……」ウルウル
和「?」
梓「こんなんじゃダメですー!」バタバタ
和「な、何よ急に!」
梓「だって、和先輩のとんちで、屏風の猫ちゃん外に出したかったんだもん!!」ジタバタ
和「無理言わない!とんちは不可能を可能にするものじゃないわ!!」
梓「だって、猫ちゃん飼いたいもん!あずにゃん2号、飼いたいもん!!うわーん!!」バタバタ
77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 01:38:52.74 ID:+LTuIs8FO [20/77]
和「あー、この娘は!?あんたは我が儘娘か!」
梓「うっさいです!褒美はやらないです!切腹しろです!眼鏡割ってやるです!!」バタバタ
和「目茶苦茶だわ……この国、終わったかも」
梓「私の命令は絶対ですー!さっさと、腹切れぇー!!うわーん!!!!」バタバタ
和「困ったわね……」ペロ、クルクル
ポクポクポク、チーン♪
78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 01:40:56.60 ID:+LTuIs8FO [21/77]
和「ちょっと待ってなさい!」
しばらくして、
和「ほら、猫よ。これでいいでしょ」
梓「わー!!猫だ、あずにゃん2号だ」パアァ
2号「にゃ、にゃあ?」
梓「わーい、わーい」
和「まるで子供ね……」フー
和(まっ、適当に軒先に居た猫を捕まえただけなんだけど……)
梓「あずにゃん2号、今日から私が飼い主だよ!」
2号「にゃーん」
和「まっ、いっか」
その頃、
純「おーい、何処行ったのー」
純「……」グゥ
純「……お腹空いた」
80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 01:52:15.97 ID:+LTuIs8FO [22/77]
~~~
ある日、和は同じ小僧の唯と律と一緒に寺の掃除をしていました。すると、近所のおかみさんがやって来ました。
紬「ぼた餅作ったの、みんなで食べてね」ニコッ
唯「わーい」
律「いっただきまーす!」
和「じゃあ、いただく……」
ボキッ
唯&律「かってぇー!!」
和「な、何!?」
唯「か、固いよ、このぼた餅」
律「あー!これ、ぼた餅じゃなくて石じゃん」
和「嘘……あら、ほんとだわ」
律「おいコラ、テメェー!」
唯「ひどいよー」
81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 01:54:27.91 ID:+LTuIs8FO [23/77]
紬「私、人を騙すのが夢だったの」
ボンッ
唯「あっ、狐だ!」
紬「捕まえてごら~ん」コーンッ
律「な、舐めやがって」グギギ
和「狐に化かされるとは……」
律「とりあえず、奴を捕まえて締め上げる!行くぞ、唯!!」
唯「合点だよ、りっちゃん!」グッ
狐の捜索を始める三人でしたが、狐を見つけることは、出来ませんでした。
律「ちくしょー!何処行った」
和「もう逃げたんじゃない」
律「くそっ!!」
82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 01:56:13.94 ID:+LTuIs8FO [24/77]
さわ子「ちょっとみんな、大変よ!」
和「あら、和尚様だわ」
律「なんだよ、さわちゃん!」
さわ子「大変よ、本堂の仏像が増えたのよ!」
律「仏像が?」
和「どう言う事かしら?」
さわ子「とにかく、本堂に来て!」
さわ子に言われるがまま、三人は本堂に行きました。
するとそこには、本来なら一体しかない仏像が二体ありました。
和「これはまた……」
唯「私が本堂を掃除した時は一体しかなかったよ」
83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 01:58:10.67 ID:+LTuIs8FO [25/77]
さわ子「あんた達、何かした?」
律「してないし。つか、狐を追って……」
律「分かった!どっちかは狐が化けてるんだ」
唯「そうなの?」
律「唯が掃除してる時は一体しか仏像はなかったんだろ?」
律「それに、仏像を一人で運ぶのは私達では無理だ。更に言うと、あの仏像と瓜二つの仏像があるのは、絶対に有り得ない!」ビシッ
紬(しまった。この仏像はこの世に一つとない仏像なのね!?)
84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 02:01:12.91 ID:+LTuIs8FO [26/77]
さわ子「そりゃ、各パーツを中古市で適当に見つけて、適当に組み立てたから、あんな仏像他にはないけど」
和「それに、あの仏像の顔、何回変わった事か」
唯「だって、あれの方が可愛いんだもん」
紬(……いつか仏罰が下るわね)
律「なら話は早い。ぶっ壊してやる!」
和「律、待ちなさい。壊したら、また掃除しなきゃならないのよ」
律「大丈夫だって、頭を吹っ飛ばすだけだから」
唯「そうだよ。頭が壊れて力が出ない~」
さわ子「アンパンマンみたいね」
85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 02:02:39.88 ID:+LTuIs8FO [27/77]
律「よーし、早速……」
和「待ちなさい!」グイッ
律「ぐへっ!」
和「なるべく穏便に済ませましょう……唯、仏像に尻尾はあるかしら?」
唯「うんとねー、ないよ」
紬(当たり前じゃない。化けるのは天才的なのよ)フンス
和「そう……なら」ペロ、クルクル
ポクポクポク、チーン♪
和「だったら、こうしましょう……集まってくれるかしら?」
ヒソヒソ、ボソボソ
紬(あら、内緒話)
紬(聞こえないわね)
86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 02:09:04.13 ID:+LTuIs8FO [28/77]
律「なっ///」
唯「えっ///」
和「それでお願いね」
律「いやいや、なんでそうなる!?」
唯「///」
さわ子「面白そうね」
律「面白がるな!」
和「私の言う通りにやれば、必ず上手く行くわ」
律「なんか納得いかないけど……」
和「つべこべ言わず……ほら」
唯「りっちゃん、よろしくね」
律「あ、あぁ」
紬(あら、何か始まるようね)
紬(何かしら)ワクワク
87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 02:13:22.27 ID:+LTuIs8FO [29/77]
律「唯、前からお前の事が好きだったんだ!」
紬(!!)
唯「でも、りっちゃんには澪ちゃんが///」
律「澪の事はどうでもいいんだよ!あれはただのホルスタインだ」ダキッ
唯「り、りっちゃん///」
律「ほら、身体は正直じゃねぇか」サワサワ
唯「や、やめてよー」
紬(な、なんという展開でしょうか!?)
88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 02:17:28.98 ID:+LTuIs8FO [30/77]
律「唯、いいだろ!もう我慢出来ない!!」
唯「でも、仏様の前だよ。罰が当たるよ」
律「私達の愛に、仏もクソもあるか!あんなのな、ただの置物なんだよ!!」バンッ
唯「お、押し倒すなんて!!」
律「おっと、もっとソフトが良かったか?」
唯「い、いや!その」
律「じゃあ、行くぜ。私はもう、止まれない」
唯「澪ちゃん、ごめんなさい」ポロポロ
紬「キマシタワー!!」
ボンッ
律「あー、正体見せやがったな!」
紬「正体なんかどうでもいいの!」
89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 02:19:49.56 ID:+LTuIs8FO [31/77]
紬「やるのね、やるのね!つか、はよやれやデコ!!」
律「何言ってんだ!」ポカッ
紬「はぅ!」
律「よし唯、縛り上げろ!」
唯「おっけー、りっちゃん!」
紬「あぁ、縛りプレイなのね」ハァハァ
律「変な事言うな」
和「成功したみたいね」
さわ子「あんた達、アドリブで良くやるわね。見てるこっちが恥ずかしいわ」
律「いやー、なんとなく」アハハ
唯「もう少しで貞操が///」
律「奪わねぇよ」ポカッ
唯「はぅ!」
90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 02:23:14.30 ID:+LTuIs8FO [32/77]
さわ子「それにしても、よく思い付いたわね」
和「この狐は『ムギツネ』と言う珍種で、女の子同士の絡みに反応するって、文献で読んだ事があります」
和「と言っても、ムギツネという確証はなく、思い切って博打に出ただけなんだけど」
律「とんちじゃねぇじゃん」
和「律、人間は常に博打をしながら生きてるものよ」
律「そういうもんなのかねぇー」
和「それに、律の本性が垣間見たのには驚きだわ」
律「うっせぇー」
和「まっ、もしダメだったら、普通にぶっ壊してたけどね」
91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 02:27:02.24 ID:+LTuIs8FO [33/77]
律「だったら、最初から私の案で良かったじゃん。何も唯との絡みを披露しなくても」
和「それはそれ、これはこれ。分かった?」
唯「はーい」
律「なんか上手く丸め込まれたような……」
和「さて、あなたはどうする?」
紬「律×唯」ハァハァ
和「ダメね。後で山に捨てに行きましょう」
紬「百合はええのー」ハァハァ
唯「和ちゃん、お腹空いたー」
和「そうね。もうすぐ夕飯時だから、ご飯にしましょう」
さわ子「あっ、ご飯炊くの忘れてたわ」
92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 02:28:53.87 ID:+LTuIs8FO [34/77]
律「よーし、今日は外食だー!」
唯「おー!」
和「いいのかしら?」
さわ子「いいのよ、めんどーだし」
和「はぁ」
紬「ご飯はおかず」ハァハァ
こうして、一騒動は終幕した。
澪(私も狐に化かされて、律と××したい!)
澪(あと、ホルスタインって///)サワサワ
憂(お姉ちゃん……)
ちなみに、紬は山に捨てられた。
純「おーい、猫!」
純「もう何日も帰らないとか……」
純「……」グゥ
純「お腹空いた」
94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 02:51:02.85 ID:+LTuIs8FO [35/77]
~~~
ある日、和尚のさわ子は小さな容器を大切そうに持っていました。
その様子を小僧の唯と律は目撃しました。
律「なぁ、あれなんだと思う?」
唯「なんだろ」
律「答えはな、水飴だ」
唯「水飴!」
律「あぁ、さわちゃんは水飴を一人占めする気だぜ」
唯「えー、ずるくない!?」
95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 02:55:17.35 ID:+LTuIs8FO [36/77]
律「だよな。よし、問い詰めよう」
律「おい、さわちゃん!」
さわ子「何?」
律「私達に隠し事ないか?」
さわ子「はぁ?あるワケないでしょ」
律「やっかましい!こちとら、ネタはあがってるんだよ」バンッ
さわ子「えっ、えぇ?」
唯「さわちゃんさ。あの容器だよ」
さわ子「容器……あぁ、あれね。あれがどうしたの?」
97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 02:59:43.84 ID:+LTuIs8FO [37/77]
律「あれを一人占めする気だろ?」
さわ子「はぁ?」
律「大丈夫。和には黙っててやるよ」
さわ子「?」
律「だからよ、その中身を私達にも分けてくれないか?」
さわ子「分けてって、ダメよ。後で必要なんだから」
律「それを今、私達が必要としている!」
さわ子「ワケ分かんないわね。あっ、これから秋山屋さんの所に行かなきゃ」
律「逃げんのか!?」
100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 03:05:45.77 ID:+LTuIs8FO [38/77]
さわ子「逃げないわよ。じゃあ、私行くからね」
唯「さわちゃん!」
さわ子「それと、容器の中身は勝手に出さないでね。後で処理が面倒だから」スタスタ
律「行っちまいやがった……でも、処理が面倒って事は」
唯「水飴だね。あれ、ベタベタしてるもん」
律「そーゆー事だ。容器はさわちゃんの部屋だ」
唯「取りに行こう!」ダッ
101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 03:10:09.14 ID:+LTuIs8FO [39/77]
二人はさわ子の言い付けを破りました。
律「へっへーん。水飴、ご開帳~」カパッ
唯「うわっ、なんか臭うよ」
律「あれだろ。きっと高級品なんだろ」
唯「あぁ、果物の王様も臭いもんね」
律「それと同じ理屈だ。よーし、出すぞ」
ドロ~リ
律「見てみ、この透明さ」
唯「間違いなく水飴だね」
律「よし、分けるぞー」
102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 03:13:19.00 ID:+LTuIs8FO [40/77]
律は水飴なるものを均等に分けました。
律「んじゃ、いっただきまーす」パクッ
唯「はむはむ」
律「なんか、微妙だなおい」
唯「うん。良く食べる水飴より、甘くない」
律「きっと、庶民の私達に高級品は理解できないという事か……」
唯「とりあえず、食べちゃおう」
二人は水飴なるものを完全に食べ尽くしました。
104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 03:20:28.08 ID:+LTuIs8FO [41/77]
一方、和は買い物に出かけて、ようやく寺に戻って来ました。
和(はぁ、井戸端会議も疲れるわ)
ガラッ
和(あら、唯と律がいないわね)
和(和尚様は確か、澪の所に行くって……)
和「唯ー、律ー、何処にいるの?」
唯「ここだよ、和ちゃん」
和(あそこは、和尚様の部屋ね)
105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 03:25:20.95 ID:+LTuIs8FO [42/77]
和「何やってるの……って、マジで何やってるの?」
唯「水飴食べてたの」
律「和の分はないけどな」ニシシ
和「別にいいけど……てゆーか、水飴食べて虫歯にならないでよ」
律「歯のケアはばっちり!」
和「ふん。でも、なんか臭うわね」クンクン
唯「高級品の水飴だからだよ」
和「えっ、高級品の水飴って臭いもんなの?」
律「果物の王様が臭いのと、同じ原理だよ」
和(何それ)
106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 03:32:58.14 ID:+LTuIs8FO [43/77]
和「ねぇ、それって本当に水飴なの?」
律「だから、そうだって」
和「なんか変な感覚とかはない?」
唯「そういや、舌がバリバリする」
律「唯もか。私も舌がもバリバリするぞ。いや、パリパリか?それに、舌と歯がたまに引っ付く」
和(バリバリする。引っ付く)
和「あんた達、もしかして……」
さわ子「たっだいまー」
107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 03:36:46.41 ID:+LTuIs8FO [44/77]
律「やべっ、さわちゃんだ」
唯「ど、どうしよう!」
律「和!ここは、いつものアレで」
和「えぇ!?」
唯「お願い、和ちゃん」ウルウル
和「あーもう、仕方ない!」ペロ、クルクル
ポクポクポク、チ~ン♪
108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 03:41:23.72 ID:+LTuIs8FO [45/77]
和「これだ!」ダッ
律「お、おい!それって、さわちゃんの大事な壺」
唯「ど、どうするの?」
和「こうする。ふん!」ガシャーン
律「あー、さわちゃんの大事な壺を割りやがった!」
唯「和ちゃん!!」
和「いいから。あんたらは、泣く準備でもしてなさい!」
律「なんで?」
さわ子「ちょっと、何よ今の音!!」
和「いいから、ふんっ!!」ガツン
109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 03:45:27.91 ID:+LTuIs8FO [46/77]
唯・律「あんぎゃー!!」
律「み、澪のより痛い!」
唯「うぅー」
和「いい、泣いてなさいよ!」
さわ子「一体、何事……って、これは?」
さわ子が見たのは、自分の大切な壺が無残に割れ、唯と律が号泣し、和が容器の中身を舐めている光景でした。
和(正確には、舐めるフリね)
110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 03:50:27.49 ID:+LTuIs8FO [47/77]
律「うわーん」バタバタ
唯「うぇーん!!」
さわ子「これは一体……」
和「申し訳ありません。和尚様」
和「和尚様が大事にしてる壺を私達の不注意で割ってしまいました」
さわ子「えっ?」
和「なので、私は和尚様の謝罪の意味を込め、死のうと容器の中身を舐めてますが、死ねません」グスッ
さわ子「えっと……」
和(容器の中身で死ねりゃ、苦労しないわね)
113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 04:05:55.62 ID:+LTuIs8FO [48/77]
唯「さわちゃん、ごめんなさい!」
律「私達、死んで詫びるから!」
和(少し、大袈裟過ぎるかしら)
さわ子「バカね。あんた達」ニコッ
さわ子「あんな壺、あんた達の命と比べたら屁でもないわ」
和(おや?)
さわ子「いい、壺はまた買えばいいの。でも、あんた達の命は買えないのよ。いくらお金を出しても買えないの」
さわ子「だから、軽々しく死ぬとか言っちゃダメよ」
114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 04:12:26.37 ID:+LTuIs8FO [49/77]
さわ子「いい?」ナデナデ
律「私達を……許してくれるのか?」
さわ子「許すも何も、今の私は和尚です。そして、小僧である三人は、私にとっては大切な娘も同然です」
唯「さ、さわちゃ~ん」ポロポロ
さわ子「ほら、みんなおいで」バッ
唯・律「さわちゃん!」ダキッ
唯・律「うわーん」
和(なんか、予想外な展開ね)ポリポリ
116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 04:17:37.39 ID:+LTuIs8FO [50/77]
さわ子「和ちゃん。あなたもどう?」
和「えっと///」ポリポリ
和「キャラに合わないというか……」
さわ子「今日くらい、いいんじゃない?」
和「……では、お言葉に甘えます」ダキッ
和(こういうのも、ありよね)
和はしばしの間、さわ子に甘えた。
普段、甘えるようなキャラでない和にとって、それはとても新鮮な気分だった。
118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 04:23:20.90 ID:+LTuIs8FO [51/77]
さわ子「ところで、何を舐めてたの?」
和「和尚様が持っていた容器の中身です」
さわ子「あぁ、りっちゃんが欲しがってたやつね」
律「てへへ」
さわ子「でも、あれで死ねるもんなの?」
和(まずい)
律「ま、まぁ……いいじゃんか!」
唯「そ、そうだよ!」
さわ子「ふーん。あぁ、そうそう。りっちゃんの為に、あれ買って来たわよ」
律「あれ?」
119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 04:32:55.38 ID:+LTuIs8FO [52/77]
さわ子「もう、りっちゃん欲しがってたじゃない」
律「あぁ、あれね」アセアセ
さわ子「今日、澪ちゃんの所に行ったから、ついでに買っておいたわよ」
さわ子「とんちゃん印の水糊・工作用」
唯・律「へっ?」
さわ子「その容器にあったやつよりも、臭いは数倍キツいけどね。これが欲しかったんでしょ。でも、臭いでラリっちゃダメよ」
律「み、みず……のり?」
唯「み、水飴じゃないの?」
和(あちゃー)
120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 04:39:18.05 ID:+LTuIs8FO [53/77]
さわ子「水飴って?」
唯「だ、だって……りっちゃんが」
律「あれ、水飴じゃ……ないの?」
さわ子「はぁ?そんなの、一言も言ってないわよ」
律「えっと……つまり?」
和「早い話が、律のはやとちりね。ただ、あの臭いで糊なのは把握してたけど、和尚様が帰って来て、言ってる暇が」
律「ゆ、ゆい~」スタスタ
唯「り、りっちゃ~ん」スタスタ
さわ子「おい、何処に行く気だ」
121 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 04:52:37.82 ID:+LTuIs8FO [54/77]
律「ちょ、ちょっと」ガクブル
唯「ト、トイレ」ガクブル
ガシッ
さわ子「テメェらに使わすトイレは……ウチにはねぇんだよ!!」
唯・律「ひぇー!!」
その後、二人はさわ子同伴で病院に行った。
糊を落とすのに時間が掛かった。
医者はなんとか、糊を落とすのに成功し、口内やら食道やらを洗浄した。
そして、やっぱり二人にさわ子の雷は落ちた。
壺の件より、さわ子の服に糊が付いたのが許せなかったそうで、修行の意味も込め、外国に飛ばされた。
123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 05:09:08.33 ID:+LTuIs8FO [55/77]
梓母「梓、早く寝なさい」
梓「はーい。一緒に寝ようね、あずにゃん2号」ナデナデ
2号「にゃーん」
梓「くぅー、可愛いです!やっぱり猫ちゃん最高です!」ダキッ
2号「にゃ、にゃーあ」
梓「将軍は、偉大なのです!」
梓「わっはっはー」
紬(梓×2号……需要がないわね)
125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 05:34:48.92 ID:+LTuIs8FO [56/77]
~~~
ある日、和と唯と律の三人は町に来ていた。
律「もう修行はやだ」
和「何やったのよ」
律「あん?トロッコに乗った。そんで吐きそうになった」
和「はぁ?」
唯「あと、釣り橋から落ちてワニに食べられる人を見た」
律「あの先生、非常識だらけだったなー」
唯「でも、あの人にとっては常識らしいよ」
和「あんた達、それ修行なの?」
126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 05:47:11.40 ID:+LTuIs8FO [57/77]
律「そうじゃね?まぁ、澪の土産話には丁度いいだろう」
唯「だねー」
和「ふむ」
本日、三人は律の幼馴染み、秋山屋の娘・澪に招待されました。
なんでも、律が構ってくれなくて寂しいそうです。
それもそのはず、律は唯と共に修行に出ていたからなのです。
127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 05:49:32.03 ID:+LTuIs8FO [58/77]
しかし、ここである問題が発生しました。
秋山屋の手前に木製の橋がありますが、橋に立て札が立てられていました。
唯「この橋、渡るべからず……だって」
和「あら、この橋は渡れないって事ね」
唯「じゃあ、回り道する?」
律「めんどいなー、隣りの橋まで一キロは離れてるぞ」
和「面倒な土地ね」
律「トロッコがあればなー」
和「あるワケないでしょ」
128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 05:53:19.62 ID:+LTuIs8FO [59/77]
秋山屋は、材木問屋である。
その秋山屋では
梓「私が将軍なのです!わっはっはー」
澪「はいはい。騒ぐなら帰れ」
梓「酷くないですか?私は将軍ですよ。今日は材木を買いに来たんですよ」
澪「気のせいだよ。将軍様は疲れてるんだ」
梓「酷いよねー、あずにゃん2号」
2号「にゃー」
梓「あずにゃん2号が酷いと言ってます。切腹しろです!」
澪「たい焼き食べるか?」
梓「食べるです、さっさと寄越すです!!」バッ
澪(はー、律と××したい)
129 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 05:56:42.36 ID:+LTuIs8FO [60/77]
和達はと言うと、
律「なぁ和、何とかして渡る方法ないのか?トロッコないし」
和「隣りの橋まで行くしかないわね。いい加減、トロッコから離れなさい」
律「えー、それじゃあ時間掛かるよ。ここは、和のとんちで」
唯「和ちゃん、お願い」
和「もう……まぁ、澪を待たせるのも悪いわね」
和「仕方ない」ペロ、クルクル
ポクポクポク、チーン♪
和「そうね。橋を渡るべからず……橋の『端』を通らなければいい」
和「つまり、橋の『中央』を渡ればいいわ」
130 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 05:59:31.98 ID:+LTuIs8FO [61/77]
律「よーし、じゃあお先にー」ダッ
唯「あっ、りっちゃん!」
律「へっへーん……うぉっ!」ズボッ
ザブーン!
唯「あっ、りっちゃんが落ちた!」
和「これはまた……」
憂「あーあ、まだ橋の工事の途中なのにー」
そこに現れたのは、唯の妹の憂。
大工である。
唯「あっ、憂」
憂「お姉ちゃん、和さん。こんにちわ」
和「あら、工事中だったの?」
憂「はい。立て札を立てたのですが……」
律「おいコラ!工事中なんて聞いてないぞ」
131 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 06:02:04.12 ID:+LTuIs8FO [62/77]
唯「りっちゃんの声がする」
和「浅い川だったのね」
憂「律さんが落ちたのですか……バカですね」
唯・和「……」
律「コラァー!聞こえてるぞ」
憂「うるさいんだよ、デコ!」
律「……」
132 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 06:07:40.57 ID:+LTuIs8FO [63/77]
憂「全く……立て札も読めないとは」
律「いや、だって和が……」
憂「それに、お姉ちゃんの貞操まで奪おうとして!」
律「それも和が……」
憂「人のせいにしちゃいけません。めっ!!」グッ
律「うわーん、ごめんなさーい!」
憂「お姉ちゃんに糊を食べさせた事、私は許しませんからね!」
律「うわーん!!」
和「……」
唯「の、和ちゃん……」
134 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 06:08:51.88 ID:+LTuIs8FO [64/77]
和「唯、人間は常に博打をしながら生きてるものって、以前、言ったわよね」
唯「う、うん」
和「今回、律は博打を打って大失敗した。ただ、それだけよ。もちろん、それ以上も以下もないわ」
唯(つっこむべきかなぁ?)
和「じゃあ、隣りの橋まで歩きましょう」
唯「えっ、りっちゃんは?」
和「あのまま、川を真っ直ぐ歩いた方が近いでしょ」
唯「う、うん」
憂「めっ!」グッ
律「うわーん!!不幸だー!!!!」
135 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 06:11:46.71 ID:+LTuIs8FO [65/77]
和「唯、今回は『急がば回れ』の教訓よ。覚えておきなさい」
唯(どっからそんな言葉が出たんだろう)
和「返事は?」
唯「は、はい!」
和「そう。じゃあ、行きましょ」
唯(逆らったら、負けだね)
その後、秋山屋に唯と和が到着するまで、律は憂の説教を受けたらしい。
純「もう……猫が……何処行ったの」
梓「私が将軍なのです!わっはっはー」
純(いかにもアホそうな将軍だなー)
純(あれが将軍だと、この国に未来はないよね)
136 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 06:17:42.71 ID:+LTuIs8FO [66/77]
純「ウチの猫が、あんなアホ将軍に拾われているワケないか……所詮、アホ将軍だし」
梓「たい焼き、うめぇーです」
澪(律と××したいよぉ)
澪「律ぅー、お前は私のモノだぁー」
純(あの女の人もヤバそうだね)
純「はぁー」
純「……」グゥ
純「お腹空いた」
純「帰ろ」
梓「あずにゃん2号、行くです!」
2号(マジで帰りたいわ。将軍がアホやから、なんもでけへん)
その後、純が猫を見つけ出す事は出来なかった。
137 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 06:21:12.93 ID:+LTuIs8FO [67/77]
律「和!」
唯「和ちゃん!」
憂「和さーん!」
和「はーい」
和「何事も慌てないことが重要ね」
和「あと、私の事を『わ』とか『なごみ』って言わないでね」
和「じゃあ私、一休みするわね」
~一休さん編・終~
140 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 06:39:35.26 ID:+LTuIs8FO [68/77]
唯「……これで、私が創作した『おとぎ話!』の発表を終わります」ペコッ
パチパチパチパチ
和(よく出来てたけど、おとぎ話なのかしら?)
律(ツッコミ満載な作品だな、おい。私の扱い酷くね?)
澪(は、恥ずかしい///)
紬(いいですわー。百合最高やわー)
教師「では、平沢さんの作品について、質問はありますか?」
いちご「……」スッ
唯「はい、いちごちゃん!」
いちご「……律は激しいのがお好きなの?あんなに迫られたら……興奮するわね」
律「ぶー!!」
紬「あらあら」
澪(律ぅー)
141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 06:41:56.97 ID:+LTuIs8FO [69/77]
風子「秋山さんの独占欲の強さには……」
唯「大丈夫!みんな、計算済みだから!これが正常ですから!」
律・澪「おい!」ガタッ
エリ「はい!真鍋さんの下の名前が『のどか』だと初めて気付きました!」
和「今頃なの!?」ガタッ
信代「普段、名字で呼ぶし」
アカネ「名簿見た時は、わ?」
しずか「なごみちゃん?」
和「おお、もう……」ガクッ
姫子「お、落ち込まないで、真鍋さん!」
バンッ!
142 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 06:44:21.98 ID:+LTuIs8FO [70/77]
教師「あら、山中先生」
さわ子「平沢さん。私の扱い、なんか酷くない?」
唯「そうかなー」
さわ子「酷いわよ!何よ、行方不明とか正座とか!」
さわ子「私を舐めてるワケ?」
教師「山中先生、落ち着いて!」
さわ子「平沢さん!即刻、訂正しなさい。さもないと……」
憂「だったら、なんですか?」
さわ子「!?」
憂「さわ子先生、お姉ちゃんを苛めるんですか?」ゴォォー
さわ子「いや、これはね。ちゃんとした教育の一環で……」
憂「ふーん。そうですか」ニコッ
143 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 06:47:11.95 ID:+LTuIs8FO [71/77]
憂「屋上行きませんか?久しぶりにキレちゃいましたよ」ニコッ
さわ子「」ガシッ
さわ子(私の人生、詰んだわ。さよならお父さん、お母さん)ズルズル
バンッ!
風子「ひ、平沢さんの妹さんを怒らせたら怖い……」ガクブル
いちご「……それが結論ね」
教師「し、質問はこれくらいにしましょう」
教師「平沢さん。あなたの話、とても良かったわ。途中でキャラ崩壊してたけど」
唯「はい!ありがとうございます」
144 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 07:00:09.95 ID:+LTuIs8FO [72/77]
教師「ちょっと、エッチな部分もあったけど、まさかあれは……経験済みなの?」
唯「りっちゃんに押し倒された部分だけは実体験で、あとはムギちゃんに教えて貰いました!」
律「おいー!!」バンッ
紬「まあ///」
エリ「そうなんだ!」
律「あっ、いや……」ガシッ
澪「律」
律「ひぃっ!」
澪「どういう意味か説明しろ」ゴォォー
律(や、やばい!)
澪「あと、私がホルスタインだと!?」
145 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 07:05:03.47 ID:+LTuIs8FO [73/77]
律「そ、それはだな……」
澪「あぁ!?」ギロッ
律「ゆ、唯に頼まれ……」アセアセ
唯「りっちゃんに押し倒されました!」
律「ゆいー!!」
澪「ふざけんなよ、バカ律!私ですら、お前に押し倒された事ないのに!」
紬「まあまあ」ボタボタ
和「わ……なごみ……ふふっ」
ピンポンパンポーン♪
教師「あら、授業中に放送なんて……」
憂『三年二組の田井中さん。至急、屋上まで来てください』
憂『キレちゃったからよー!さっさと来いやぁー!!』
ブチッ
147 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 07:09:30.06 ID:+LTuIs8FO [74/77]
一同「……」
律「おお、もう……」ガクッ
澪「行こうか、律。閻魔様がお待ち兼ねだ」グイッ
律「一番悪いのは唯じゃんか!バカだろ!バカとしか言えねぇー」ズルズル
澪「往生際が悪い!」ゴチン
律「あんぎゃー!!」ズルズル
バンッ!
この後、さわ子と律の処刑の模様は、放送を通じて学校中に流された。
それにより、トラウマになった人がいるとか、いないとか
唯「みんなでお話、作ろうよ!」
~唯「おとぎ話!」・完~
149 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/21(木) 07:12:38.18 ID:+LTuIs8FO [75/77]
以上で終わりです。
長々とすいません。
今日は有給休暇で会社休みです。
なので、寝ます
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