2ntブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

唯「てんむす!」

1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/14(木) 20:34:16.44 ID:x85wEhdw0 [1/23]
律「うーす、こんちゃー」

紬「あら、律っちゃんと唯ちゃん。今日は早いのね」

唯「あれ、まだムギちゃんだけかな?」

律「ちょうどいいや、さっさと弁当食べちまおうぜ」

唯「そだねー。おなかペコペコだよぉ」ゴソゴソ

紬「お弁当?お昼食べてなかったの」

唯「さわちゃんにお説教されてたからね。食べ損ねちゃったよ」

2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/14(木) 20:41:27.76 ID:x85wEhdw0
紬「それじゃ今お茶用意するわね」

唯「ありがとームギちゃん!」

律「んじゃ、いただきますー」カパ

唯「いただきますだよ、律ちゃんー」カパッ

紬「……あら?」

唯「ん、どしたの?」

律「なに、お前。今日はおにぎりだけなの」

唯「ういが寝坊しちゃってさ。仕方ないから私がつくったんだよ」モグモグ

7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/14(木) 20:46:38.13 ID:x85wEhdw0
律「へぇ珍しい事もあるもんだな。ま、ご愁傷様」モグモグ

唯「……律っちゃん」

律「なに?」

唯「ちょっと私のとおかず交換しないかな!」

律「えー、イヤだよ。交換って、おにぎりばっかりじゃん」

唯「いいじゃん、私と律っちゃんの仲でしょ!」

紬「律っちゃん、唯ちゃんが可哀想よ。私からもお願い」

律「うーん、ムギがいうならなぁ…。それじゃ中身教えてよ」

唯「なかみ?」

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/14(木) 20:56:47.19 ID:x85wEhdw0
唯「全部一緒だよ、お米じゃないおにぎりって」

律「それは分かってるけど、梅とか昆布とかあるだろ?」

唯「うん、忙しかったからさ。それじゃどれがいい?」サッ

律「待てよ、結局全部米だろ。要らないよ」

唯「えー、そんなぁ!いいっていったじゃん」

律「具無しとは思ってねぇもん」モグモグ

唯「じゃあそのエブフリャだけでもー…」

律「これか?」サッ

16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/14(木) 21:05:54.38 ID:x85wEhdw0
唯「そう!そのエビフリャだよ」

律「うーん、だったらほら口あけて」

紬「律っちゃん…、やっぱり根はいい子なのね!」

唯「やっぱり言ってみるもんだね!ほい、あーん」

律「ところがぎっちょん」ヒョイ

パクッ

唯「あぁぁあ!? な、なんていう事してるの!」

律「だれもやるとは言ってないだろ」モグモグ

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/14(木) 21:23:02.61 ID:x85wEhdw0
唯「ちょっとムギちゃんどう思う!これひどいよねー、血の色は何色だよねー!」

紬「何ともいえないわね…。否定はしないけれど」

律「あーうるさいなぁ。そんなに欲しかったら食べたらいいだろ」ヒョイ

唯「食べるってもう無いじゃん、エビフリァ!」

律「ほれ。ポッキーゲームみたいに反対から食べなよ」フラフラ

紬「よかったわね唯ちゃん。半分だけだけど食べれるじゃない」

唯「えー、やだよ。こっちって尻尾の堅いところじゃん」

18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/14(木) 21:34:53.97 ID:x85wEhdw0
紬「でもそれを乗り越えれば、身に辿り着けるわよ!」

唯「それはそうだけどさぁ…」

律「うーん、やっぱりエブフライは旨いな。文化の極みだよ」モシャモシャ

紬「ほら、早くしないと全部食べちゃうわ!」

唯「でもさぁ、カラが喉にささるし」

律「衣がサクサクで中はプリプリ。最高だぜ」モシャモシャ

紬「唯ちゃん早くしないと!全部胃袋に入ってしまうわ!」

唯「くぅ、もうどうにでもなれだよ!エブフリャァアァ!」ガバッ

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/14(木) 21:49:02.53 ID:x85wEhdw0
バッターーン!

さわ子「こら、あなた達!教室でボーリングしちゃ駄目ってあれだけ言ってたでしょ!!」

律「ブッツフゥゥゥウウウウゥッゥウ!!」ビックゥ!

唯「さ、さわちゃん!?なんでバレたの!」

さわ子「あれだけ壁がヘコんでたら分かるわよ!」

律「唯が悪いんだぜ、平均アベレージ140とか嘘つくから」

唯「律っちゃんだってノリノリでボーリングの球もって来たじゃんか!」

さわ子「とにかく職員室に来なさい!」

律「えー、また職員室かよ」

唯「昼休みずっとだったのにね」

20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/14(木) 22:00:36.60 ID:x85wEhdw0
さわ子「ほら、四の五の言わずにさっさと来なさい!」グイッ

律「ちょっと、待ってよさわちゃん。せめて弁当くってからでもさ」

唯「そうだよ!早くしないと律っちゃんのエブフリァが」

さわ子「エビフリァってエビフライ?どこにあるのよ」

唯「どこって、律っちゃんが咥えて……。あれ」

紬「どうしたのかしら?」

唯「あれ? 律っちゃんのエビフリァが無いよ!ひどいよ全部食べるなんて!」

律「は?ちょっと待てよ、私は食べてないぞ!」

22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/14(木) 22:05:57.56 ID:x85wEhdw0
さわ子「エブフライならそこにあるじゃないの」

紬「え?どこですか」キョロキョロ

さわ子「唯ちゃんの手元によ」

唯「は!こ、これはエビフリァが私のおにぎりに突き刺さってるよ!」

律「あぁ、悪ぃ。さわちゃんが脅かすから、噴出したんだな」

さわ子「こら。私のせいにしないでよね」

律「まぁいいや。それお前に全部あげるからさ」

紬「あらあら、よかったわね唯ちゃん。夢がかなって」

23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/14(木) 22:14:41.48 ID:x85wEhdw0
唯「よ、良くないよ!全然良くないよ!わたしはエビフリァが食べたかったんだよ!」

律「だから食べれるじゃん?」

唯「こんなおにぎりに深々と突き刺さったら、エブフリャも一緒に食べないと駄目じゃない!」

紬「それもそうね。見事に突き刺さってるし」

唯「こんなのエビフリァじゃないよ、米にまみれた、ただの揚げ物だよ!」

さわ子「まあまあ落ち着きなさい唯ちゃん」

唯「これが落ち着いていられる状況なの!」

紬「そうね…、これは流石にこの状況は目も当てられないわよね…」

24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/14(木) 22:20:42.13 ID:x85wEhdw0
さわ子「冷静に考えなさいな。あなたお米は好きかしら?」

唯「もちろんだよ!具が無いおにぎりの方がむしろ好きなくらいだよ!」

律「はぁ?どうりでこんな物作ってくるわけだ」

さわ子「そんでもって、エブフライも好きよね?」

唯「モチのロンだよ!エブフリァだけで三食でも辞さない勢いだよ!」

紬「それは体に良くないわよ。揚げ物の取りすぎはガンの原因にもなるんだから」

さわ子「つまりそういう事よ」

唯「どういうことなのさ?さっぱり分からないよ」

25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/14(木) 22:24:26.57 ID:x85wEhdw0
律「つまり、さわちゃんは好きなものが両方食べられてラッキーじゃんって言ってるんだよ」

さわ子「その通りよ。羨ましいくらいね」

紬「なるほど、さすが教職の仕事に就いてるだけありますね。私納得です!」

さわ子「当然よ、物事の本質を常に見極めるのが教員の務めだからね」

唯「ちがうよ…、さわちゃんは間違ってるよ」

律「何を言い出すんだよ。どっちも好きなんだろ?」

唯「確かに私は、おにぎりもエビフリァも好きだよ」

さわ子「ならいいじゃないの」

27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/14(木) 22:31:26.37 ID:x85wEhdw0
唯「だったら逆に言わせてもらうけどさ。さわちゃんはケーキは好き?」

さわ子「そりゃねぇ。スイーツが嫌いな女の子はいないわよ」

律「私も好きだぜ。駅前の不二家のヤツとかな」

唯「それじゃラーメンはどうかな?」

紬「ラーメン次郎とか美味しいわよね」

さわ子「先生あそこの常連なのよ。ヤサイマシマシニンニクマシマシが基本ね」

唯「それをこうやって、ラーメンの中にケーキをドボンと!」ブン

バッシャァアァァーーン!!

28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/14(木) 22:35:53.35 ID:x85wEhdw0
律「ちょ!お前な、何をすんだよ!私の大好きなペコちゃんのほっぺが!」ガッ

さわ子「唯ちゃん怒られるわよ!あなたは今二郎の常連すべてを敵に回したのよ!」グイッ

紬「ちょ、ちょっと二人とも落ち着いてください。何を?」

唯「ふふ、どうやら見えたようだね。その情景が」

さわ子「マシマシと浮かんだわよ!どういうつもりよ!」

唯「その出来上がった料理を二人は笑顔で食べられるの?」

律「んなもの無理に決まってるだろ!」

さわ子「そうよ、お互いがお互いの味を潰してしまっているわ!」

唯「つまり……。今の私もそういう事なんだよ!」ビッ

律・さわ子「……なっ!?」

紬「………?」

29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/14(木) 22:45:14.52 ID:x85wEhdw0
律「そ、そうか。私はそんな事も分からなかったなんて…」

さわ子「仕方ないわよ、教師の私でさえ気づかなかったのに…」

唯「いいんだよ二人とも、今日から…、ううん今から悔い改めればさ」ニコ

紬「唯ちゃん…、なんて聖人君子の様な曇りひとつ無い水晶の様な心なのかしら」

さわ子「私もまだまだね。生徒に教えられるなんて修行が足りないわ」

律「すまない唯!私はお前になんて謝れば良いのか」

30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/14(木) 22:48:04.55 ID:x85wEhdw0
唯「頭を上げて律っちゃん。いいんだよ、私たちの仲じゃない」

さわ子「わ、私たちに何か出来る事は無いの?」

律「そうだぜ、何だって言ってくれよ!」

唯「それじゃ、律ちゃんは今からほか弁の幕の内弁当を。さわちゃんはボーリングの件を不問にしてくれるかな」ニコ

律「そんな事ならお安い御用だぜ!」

さわ子「今すぐ内申書を書き換えてくるわ!」

紬「良かったわ…、これで全てが丸く収まったのね」

バッターーン!

31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/14(木) 22:52:08.06 ID:x85wEhdw0
澪「うーす、こんちゃー」

紬「あら、澪ちゃん?遅かったのね」

澪「掃除当番でな。お、唯てんむす食べてるのか?」

律「てんむす?」

澪「あぁ、美味しそうだな。私のも一口くれないか」

さわ子「何言ってるのよ。こんなラーメンにケーキが入ったような物食べられる訳ないじゃない。ねぇ唯ちゃん!」

唯「あ…あぁ…うん。そ、そうだよ…ね」ガタガタ

32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/14(木) 22:57:52.11 ID:x85wEhdw0
澪「なに言ってるんだよ。名古屋名物じゃないか。海老の天ぷらを具にしたおにぎりだよ」

さわ子「名古屋……」

律「名物…?」

唯「ち、違うよ!これは、陰謀だよ、きっと澪ちゃんが捏造したに決まってるよ!」

澪「陰謀?…そうだ、駅前のほか弁で天むす弁当フェアやってるんだよ。帰りによっていかないか」ペラ

紬「このチラシは…。名古屋名物、天むす商品を全て百円引きって書いてあるわね」

唯「あ…あぁ。はは…。お買い得だよねぇ」

33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/14(木) 23:02:00.50 ID:x85wEhdw0
澪「どうした、食べないのか?」

さわ子「これは澪ちゃんに上げるわ。おあがんなさい」ヒョイ

唯「ちょ、何をするのさわちゃん!」ビクッ

さわ子「さぁ、律っちゃん。平沢さんの脚持ってくれるかしら?」グイ

律「あぁ分かった。さわちゃんは頭の方を頼む」グイッ

唯「ま、待って二人とも!話せば、話せば分かるんだよぉ!」

さわ子「はいはい、職員室でじっくりねっとりね」

バッターーン!

澪「……なんの騒ぎだ、これは?」

紬「……さぁ?」

34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/14(木) 23:14:45.65 ID:x85wEhdw0
純「ほら、憂この焼きそばパンも食べなよ」ヒョイ

憂「ありがとうね。でもそんなに食べられないよ…」

梓「何言ってるのさ、具もないおにぎりだけだったら力でないよ」

憂「そうかな?」

梓「そうだよ、ほら私のフランクフルトもあげるよ」ヒョイ

純「放課後は一番体力を使うからね。そんな具無しじゃキツイって」

ガラガラガラ

『憂先輩ー、駅前のほか弁買ってきましたー』

純「遅いよあんたら、憂が可哀想じゃないの」

35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/14(木) 23:18:56.28 ID:x85wEhdw0
梓「ジャズ研の連中も使えないのね。ほら、早く食べなよ」

憂「う…うん。でもおにぎりが」

純「いいじゃん、そんなのよりこっちの方が美味しいよ」

憂「そんな事無いよ。これはお姉ちゃんが作ってくれた物なんだよ」

梓「唯先輩が?通りで米だけな訳だね」

純「あ、うわさをすれば。あそこに歩いてるの唯先輩じゃない?」

憂「え?どこかな…」

36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/14(木) 23:25:51.67 ID:x85wEhdw0
憂「お姉ちゃんちょうどよかった!」

唯「う…うぃー…」フラフラ

憂「皆から沢山差し入れ貰っちゃってさ。お姉ちゃんも食べないかな?」

唯「ぼ、…ボーリングはもう…教室でしないんだよ…」

憂「なに言ってるのお姉ちゃん。ほら、ほか弁があるんだよ」サッ

唯「ほ、ほか弁!?それはホントなのうい!」ガバッ

憂「うん!てんむすフェアやってたららしいの一緒に食べよ」

唯「て、てんむす……」ピク

憂「どうしたの?」

唯「エ、エビフリャァはもうわっちには、コリゴリでくりゃれ…」ガクッ

憂「お、お姉ちゃん!しっかりして、どうして郭言葉なの!」ユサユサ

おわり

コメント

コメントの投稿

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)