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男「俺、結婚するから」
1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 01:41:16.93 ID:j0C1URZX0 [1/67]
「今日で本当に出て行ってくれるんでしょうね」
女「あー、わかってます。わかってますよ」
「まったく。必ずですよ」
女「ほんと、わかりましたってば」
女「はぁ、困っちゃったなあ」
女「仕方ないし、彼の家にでも泊めてもらおうかな。泊めてくれるかな」
「今日で本当に出て行ってくれるんでしょうね」
女「あー、わかってます。わかってますよ」
「まったく。必ずですよ」
女「ほんと、わかりましたってば」
女「はぁ、困っちゃったなあ」
女「仕方ないし、彼の家にでも泊めてもらおうかな。泊めてくれるかな」
2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 01:46:00.81 ID:j0C1URZX0 [2/67]
女「なに、話って。わたしも話したいことがあるんだけど」
「いや、その。あのさぁ」
女「何よぉ」
「お、俺とさ、別れてくれない?」
女「え、なに、突然・・・」
「いやさ、他に好きな子ができたっていうか。その、ほんとごめん」
女「・・・」
3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 01:49:59.84 ID:j0C1URZX0
女「まったく。あんな男、こっちから振ってやるってんだ」
女「・・・はあ」
女「明日からどうしようかなぁ」
女「ほんと、困っちゃった・・・」
女「どうしよう」
4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 01:53:33.70 ID:j0C1URZX0
女「あ」
男「お、よお」
女「なんで、いるの」
男「なんでって。そこに、住んでるから」
女「いや、それはわかってるよ。なんでこんな時間に」
男「散歩。悪い」
女「全然、悪く、ないけどさ」
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 02:03:54.61 ID:j0C1URZX0
男「そっちこそ、なんでここに」
女「別に、散歩かな」
男「散歩、か。そんな風に見えないけど」
女「あはは。実は男に用があって」
男「偶然を装わなくてもいいのに」
女「ごめん。そうだったね」
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 02:06:38.31 ID:j0C1URZX0
>>5
まあ、見とけ
女「今日さ、泊めてくれないかな」
男「はあ」
女「いや、ほんというと明日、明後日も」
男「また、なんで」
女「実はさ、部屋を追い出されちゃってさ」
男「・・・いつの時代だよ」
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 02:09:21.04 ID:j0C1URZX0
女「うちもさ、今月厳しくて、給料日まで仕送りできないんだって」
男「わかるけど。なんで俺に頼むの。つきあってた男がいたんじゃなかった?」
女「ああ・・・。今日さ、別れたんだ」
男「ふうん」
女「・・・」
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 02:11:44.89 ID:j0C1URZX0
男「振ったの」
女「まあね」
男「ほんとに?」
女「ほんとだって」
男「だから、そんな風に見えないんだって」
女「はあ。振られたのよ」
男「やっぱり。そうだと思ったよ」
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 02:16:09.63 ID:j0C1URZX0
女「わかるの」
男「わかるよ。口で。震えてるもん」
女「そっか・・・。でも、別にそれはいいんだ」
男「未練ないの」
女「まあ、ないよ」
男「そう」
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 02:19:07.95 ID:j0C1URZX0
男「あてにしていた彼とも別れて、元彼の俺の許に転がり込む気か」
女「あなたは元彼ってだけじゃないでしょ」
男「なに、友達?」
女「幼なじみでしょうに」
男「幼なじみねぇ」
女「そうよ。違う?」
男「別に違わないけどさ」
14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 02:22:44.06 ID:j0C1URZX0
男「そう易々と異性を泊めるわけには、いかんよ」
女「なによ。意識しちゃって」
男「子どもじゃあるまいし」
女「大人だと何が違うの」
男「見た目、かな」
女「意識してるじゃないの」
男「なあに。さっきまで別の男とつきあってた癖に」
女「そ、それは、ごめん」
男「謝られても困るんだけどな・・・」
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 02:27:35.87 ID:j0C1URZX0
>>13
お付き合いどうも
男「まあ、いいよ。のたれ死なれても困るし」
女「さっすが。わかるね」
男「お前こそわかってるんだろうな」
女「なにが」
男「なんにもないからな」
女「何よ。わたしはそんなに軽くないって」
男「そのつきあってた奴とはどうだったんだ」
女「別に、何もしてないよ」
男「ちゅーは?」
女「ちゅーはした、けど・・・」
男「やっぱり」
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 02:34:58.59 ID:j0C1URZX0
女「やっぱりって、ちゅーくらいで騒ぐ歳じゃないでしょうよ」
男「まあな。それでも、嫌だよ」
女「ふうん。まだ惚れてたりして」
男「まあ、違うっていうと嘘になるかもな」
女「そうなの?」
男「嘘だって。さすがに、ないよ」
女「・・・そっか」
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 02:40:20.51 ID:j0C1URZX0
男「とにかく泊めてやるから。感謝しろよ」
女「うん、する。すごく」
男「まったく。大学も中退したんだって」
女「それをいわれると、きついよ」
男「色ぼけになってたんじゃねえか」
女「もう、いいでしょ」
男「悪い。ちょっと仕返し」
女「はあ。とにかく、ありがとう」
男「あの時もそれくらい素直だったら、よかったのに」
女「・・・」
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 02:44:04.09 ID:j0C1URZX0
男「汚い部屋だけど」
女「なんか、生活感ないね」
男「そんなことないだろ。ほら、ゲームあるし」
女「無機質だよ」
男「そう?冷蔵庫とか押入れとか、すごいよ」
女「彼女、いないんでしょ」
男「いるよ」
女「うそ」
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 02:47:38.06 ID:j0C1URZX0
女「彼女がいたら、わたしなんか泊めないもんね」
男「だから、最初断っただろうが」
女「部屋にも女っけないし」
男「部屋には呼んでないからな」
女「別に無理しなくていいよ?」
男「本当にいるんだって」
女「ほんとに?」
男「ほんとだって」
女「・・・そう」
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 02:55:11.94 ID:j0C1URZX0
最も嫌われたSSスレか。悪くないな
男「なに、その残念そうな顔は」
女「べつに。そんな顔してないよ」
男「さっきまで別の男とつきあってたのに」
女「だから、それはもういいって」
男「ほんとにいいの。俺んちに泊まって」
女「なに、今更」
男「もう戻らなくなるぞ」
女「そんなの気にしなくていいんだって。もう何もないから」
男「そっか」
女「そうだよ」
29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 03:01:59.02 ID:j0C1URZX0
男「飯は、どうする?あれなら、なんかつくるけど」
女「食べてないけど、いいよ。そんなに空いてない」
男「まあ、時間も遅いしな。先に風呂入れよ」
女「一緒に入ろうか」
男「冗談はよせよ。俺も入るから早くしてくれ」
女「まーったく。つれないね」
男「性格だよ」
女「そんなの、知ってるって」
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 03:26:27.21 ID:j0C1URZX0
まあまあ、怒るなよ。減らない口だから
男「ふう。あれ、まだ起きてたの」
女「うん。まあね」
男「もう遅いし、俺は寝るけど」
女「明日学校あるんだったね」
男「だから、寝るよ」
女「うん。わたしも寝るから」
男「じゃあ、おやすみ」
女「ちょっとちょっと」
男「なに」
33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 03:30:31.64 ID:j0C1URZX0
女「なんでソファで寝ようとしてるの。ベッドあるのに」
男「それはお前がつかっていいよ」
女「そんな」
男「嫌か?」
女「いや、なんか、悪いよ。わたしがソファで寝るから」
男「いいって。さすがにそんなに気の回らない男じゃないよ」
女「でも」
男「なにを今更遠慮してるんだよ。もう上がり込んでおいて」
女「それは、そうだけど」
男「じゃあ、おやすみ」
女「・・・おやすみ」
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 03:33:47.92 ID:j0C1URZX0
女「ねえ。男」
男「・・・」
女「もう寝た?」
女「・・・なんか、寂しい。でも元はと言えばわたしが悪いんだよね」
女「はあ・・・」
男「・・・」
35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 03:42:50.61 ID:j0C1URZX0
女「はあ。よく寝た」
女「男ぉ。って、もういないのか」
女「9時か・・・。お腹減ったな」
女「あれ、パンとメモが置いてある。なんだって・・・」
おはよう。今から学校へ行ってきます。
朝ご飯はお前が好きなパンに目玉焼きを挟んだ、それです。冷めてたらお前の寝坊なのが悪い。
飲み物はポットにお湯が湧いてるから、棚の紅茶でもコーヒーでも飲んで下さい。お前はコーヒーが好きなんだっけ。
じゃあ、行ってきます。
女「なに。この他人行儀は」
女「へえ、覚えててくれたんだ・・・」
女「ぱく。・・・ちょっと冷たい」
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 03:46:41.16 ID:j0C1URZX0
女「この一枚のパンを二つに割るのがいいの。わかってるね」
女「二枚で挟むと厚くなっちゃうもんね」
女「ふう」
女「ゲームでも、しよっかな」
39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 03:51:17.53 ID:j0C1URZX0
女「わたしは紅茶の方が好きだったんだけど」
女「ええと。ここか」
女「ほこり被ってるじゃない。男はコーヒー派だっけ」
女「ポットは、と。ここか」
女「ふう。なんか、暇だなぁ」
40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 03:56:06.22 ID:j0C1URZX0
お昼
ぴこぴこ
女「あれ。これけっこう面白い」
ぴこぴこ
男「よお、って。お前何、ゲームしてるんだよ」
女「だめだった?」
男「別にダメじゃないけどさ」
女「変なゲームがあるの」
男「あるかもしれないだろ」
女「あるの」
男「ないよ」
41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 03:59:48.10 ID:j0C1URZX0
女「そんなことはどうでもよくて。なんで帰ってきたの?」
男「お前が腹空かしてるだろうと思って」
女「そっか。ありがとう。でも、少しならお金、もってるよ」
男「そう。飯食いに行こうと思ってたんだけど、いらないか」
女「いや、いるよ。奢ってくれるんでしょ」
男「金もってるなら、やめた」
女「別にそれでも、いいよ。行こうよ」
男「わかったよ」
43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 04:02:02.19 ID:j0C1URZX0
女「やっぱり彼女、いないんでしょ」
男「いるって」
女「彼女がいて、それで女とご飯食べに行くの」
男「お前は幼なじみだろ?自分で言ったぞ」
女「そうだけど、さ」
男「とにかく彼女はいるから。心配してくれなくていいよ」
女「・・・そりゃどうも」
44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 04:07:10.91 ID:j0C1URZX0
男「誘っておいて何だけど。牛丼でよかった?」
女「牛丼好きだから。彼女と行く時は違う場所に行った方が、いいけどね」
男「覚えておくよ」
女「あなたはそういう所、鈍感だから。まあ、それがよかったんだけど」
男「女心と秋の空ってやつ?」
女「なにそれ」
男「すまん。今考えた」
45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 04:12:56.20 ID:j0C1URZX0
女「ふう。お腹いっぱい。結局奢ってもらって、悪かったね」
男「お前の財布の中を見たら悲惨過ぎて、払わせられなかったよ」
女「そうだね。助かってるよ」
男「じゃあ、俺は学校に戻るから。道は、わかるよな」
女「うん。わかるよ。近所だから」
男「じゃあ、またな」
女「バイバイ」
46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 04:29:52.34 ID:j0C1URZX0
夕方
男「ただいま。帰ったよ」
女「おかえり。ずいぶん遅かったんじゃない」ぴこぴこ
男「まあな。買い物してたから。というか、またゲームしてるのか」
女「だって面白いんだもの」ぴこぴこ
男「洋ゲー好きなんて、普通なのかな。まあ、いいけど」
女「彼女は?」
男「ああ、それで遅くなったんだ」
女「ふうん」ぴこぴこ
47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 04:33:11.46 ID:j0C1URZX0
女「なにも言われないの?」
男「なにが」
女「わたしがいること」
男「だって、言ってないから」
女「そっか。見られたら、なんか嫌だね」
男「別に何もしてないだろ。こんなことで何もいわないよ」
女「そうかなぁ。わたしだったら、怒るけど」
男「お前はな」
女「まあね」
48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 04:39:29.65 ID:j0C1URZX0
女「たくさん買い物したんだね」
男「ああ。一週間分だからな」
女「今日は何つくるの?」
男「今日は、そうだな。色々あるから好きなもの言ってくれれば、つくるよ」
女「男って、料理できたっけ」
男「大学入ってから、ちょっとな」
女「そうなんだ。わたしも手伝うけど、期待してるよ」
男「まあ、まかせろ」
49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 04:41:30.24 ID:j0C1URZX0
男「で、何が食べたいんだ?」
女「うーんと。やっぱりオムライスかな」
男「いいのか、そんなので」
女「うん。最近食べてないから」
男「オムライスくらい自分でつくれるだろ」
女「いいの。お願い」
男「わかったよ」
50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 04:43:50.39 ID:j0C1URZX0
女「おいしい。男って料理うまいんだね」
男「いや、殆どお前がつくってたじゃん」
女「そんなことないよ。この卵、わたしできないよ」
男「そういってもらえると本気にするけど」
女「どうぞ。実際、うまいよ」
男「ありがとう」
女「どういたしまして」
51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 04:48:38.05 ID:j0C1URZX0
男「じゃあ、風呂も入ったし、寝るか」
女「もう寝るの。まだ10時だよ」
男「だって、何するの。うちテレビ見られないからさ」
女「ゲームしようよ。それ専用なんでしょ」
男「そうだけど。これ、そんなに気に入ったの」
女「入ったよ。やろう」
男「はいはい」
52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 04:52:28.11 ID:j0C1URZX0
女「ねえ」ぴこぴこ
男「なに」
女「なんで泊めてくれたの」ぴこぴこ
男「そりゃ、お前が困ってたから」
女「そっか」ぴこぴこ
女「ありがとう」ぴこぴこ
男「うん・・・。まあ、今度俺がそうなったら、頼むよ」
女「いやだよ」
男「なんでよ」
女「だってつきあってないんだもの」
男「・・・」
55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 04:59:39.04 ID:j0C1URZX0
女「って普通はこう云うと思うんだけど」
女「本当に、なんで泊めてくれたの?」
男「別に、さっきの理由で間違いないよ」
女「そっか」
女「優しいんだね」
男「今更、知ったのかよ」
女「ううん。知ってたよ」
56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 05:03:40.46 ID:j0C1URZX0
女「じゃあ、寝よっか。もう12時回ったしね」
男「ああ、おやすみ」
女「今日もソファで寝るの」
男「そうだけど」
女「大丈夫?」
男「なにが」
女「体とか、痛くなったりしない?」
男「余計なこと、心配しなくていいよ」
女「そう・・・。じゃ、おやすみ」
男「おやすみなさい」
57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 05:07:42.29 ID:j0C1URZX0
女「・・・」
男「・・・」
女「・・・ねぇ」
男「・・・」
女「起きてるんでしょ」
男「・・・」
女「昨日もそうして、寝た振りしてたよね」
男「・・・」
58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 05:13:06.37 ID:j0C1URZX0
女「睡眠の邪魔をする気はないけど」
女「男」
女「ねぇ」
男「・・・なんだよ」
女「やっぱり起きてたんだ」
男「お前が呼ぶから、起きたんだよ」
女「うそ」
女「だって男、昔から寝つき悪いもん」
男「いつの話だよ、いつの」
女「10年前かな」
男「俺は小学生でありながら女と寝たりしてないぞ」
女「ごめん。そうだったね。もっと、昔だよ。昔」
59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 05:15:45.19 ID:j0C1URZX0
女「こっち、きて」
男「そんなこというから、軽い女だと思われるんだ」
女「軽くないよ。前の彼とは結局何もしてないもん」
男「ちゅーはしたんだろ?」
女「男だって彼女とちゅーくらいするでしょ」
男「ま、まあな」
女「だったら、おあいこだよ」
60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 05:18:00.67 ID:j0C1URZX0
女「それにわたし、男の後、彼しかつきあってないし」
女「ほんとに何もないんだって・・・」
男「わかったよ。寝るだけな。寝るだけ。他には何もしないからな」
女「うん・・・」
61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 05:20:26.79 ID:j0C1URZX0
男「ほら、きてやったぞ」
女「・・・ありがとう」
女「昔はこうして、よく一緒に寝たよね」
男「15年前だろ」
女「そうだけどさ。懐かしいよ」
男「まあな」
62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 05:22:49.35 ID:j0C1URZX0
女「なんで壁の方向いてるのよ」
男「そりゃあ、変な気が起こらないように」
女「変な気、起こるんだ」
男「まあ、男ですから」
女「大人になったんだ」
男「その言い方、やめてくれ」
女「ごめん」
63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 05:25:49.18 ID:j0C1URZX0
男「ほら、こっち向けばいいんだろ」
女「うん。相変わらず平凡な顔してるね」
男「うるせえよ。お前だって、変わり映えしないよ」
女「そう?変わって欲しかった?」
男「まあ、そういうわけじゃ、ないけど」
女「そう。そうだよね」
64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 05:28:28.33 ID:j0C1URZX0
女「ごめんね。まだ怒ってるんでしょ」
男「なに。何の話」
女「高校の時」
男「ああ」
女「好きな人がいるって、一方的に別れ話してさ」
男「もう、いいよ。その話は」
女「ううん」
65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 05:34:36.84 ID:j0C1URZX0
女「あれさ、嘘だったんだ」
男「はあ?」
女「男が受験勉強で忙しくなって。それでわたし、寂しくなって」
女「注意をひこうと思って。止めて欲しかったんだ」
女「でも、男は止めてくれなくて」
女「当たり前だよね。後でそれに気づいて、後悔したよ。一度きりのね」
男「・・・」
67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 05:38:51.96 ID:j0C1URZX0
女「それでもずっと男のことが好きで」
女「志望大学も男が行こうとした東京にある所に変えたんだ」
女「でね、こうして東京にきて。でもいえなかったんだ。怖くて」
男「もう、いいよ」
女「それで結局、別の男とつるんでるんだもんね」
女「最低だよね。わたし」
女「本当にごめんなさい」
男「・・・別に、今は俺も彼女がいるんだから」
女「・・・」
68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 05:44:33.31 ID:j0C1URZX0
男「気にしてないから。ほら、泣くなよ」
女「ごめん。ほんと、ごめん・・・」
男「こっちこそごめんな。気づいてあげられなくて」
女「男は、悪くないの。わたしが、余計なことをして」
男「大丈夫。だいじょうぶだから。もう、寝ろよ」
女「うん。ほんと・・・ごめん」
男「おやすみ」
女「うん・・・」
69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 05:47:33.58 ID:j0C1URZX0
翌日
女「じゃあね。実家に帰って、しばらく会えないかもしれないけど」
男「ああ、元気でな」
女「・・・もう、一生会えないかもね」
男「そんなこと、ねえよ」
女「そう、だよね」
女「あのさ」
男「なに」
女「男のつきあってる彼女って、どんな人?」
男「そ、それは・・・」
71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 05:56:41.16 ID:j0C1URZX0
女「・・・やっぱり、いいや」
女「わたしより可愛かったら、くやしいもんね」
男「お前より、可愛いよ」
女「へへ、この幸せもん」
男「嘘うそ。お前の方が可愛いよ」
女「・・・そんな言われ方されたら、彼女、傷つくよ」
男「そう、だな。気をつけるよ」
72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 05:57:55.22 ID:j0C1URZX0
女「・・・そろそろ、行かないと」
男「ああ。じゃあ」
男「あ、女」
女「なに?」
男「いや、やっぱりなんでもない」
女「何よ。なんか、気持ち悪いよ」
男「ほっとけよ」
女「あなたの態度じゃなくて、わたしの気分が」
男「・・・いや、いいんだ」
女「そっか」
女「じゃあね。また、会えるといいね」
男「ああ。必ず、会えるよ」
73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 06:03:08.17 ID:j0C1URZX0
男「ふう。行っちまったか」
男「これで、よかったんだよな。これで」
男「・・・実家は隣同士だし」
男「また、会えるよな」
男「さよなら。本当は、またねって素直に云って欲しかったんだ」
男「・・・またな」
74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 06:17:05.54 ID:j0C1URZX0
一ヶ月後
ピンポーン
男「はい、どちらさま・・・って」
女「よっ。来ちゃった」
男「・・・来ちゃったって。どういうことだよ」
女「親がさ、もううちじゃ食わせられないから、働け~って」
男「それで、また東京まで出てきたの」
女「そう。こっちの方が居心地いいし」
男「お前の親はほんと、何考えてるんだろうな」
女「それは、わたしが思ってたことだって」
男「ふふ。そうだな」
75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 06:20:22.82 ID:j0C1URZX0
女「あのさ。それで、言いにくいんだけどさ」
男「なに。また、泊めてくれ、とかいうの」
女「いや、そんなこと、もういわないよ」
女「ご、ご飯一緒に食べに行かないかな~って」
男「はあ。めし?」
女「そう。メシ」
76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 06:22:56.15 ID:j0C1URZX0
女「この間奢ってもらっちゃったから、今度はそのお礼に」
男「はあ、そうだな」
男「あのさ、女」
女「ん?なに」
男「すごく言いにくいんだけどさ」
女「勿体ぶってないで、早くいってよ」
男「俺さ、今度結婚するんだ」
女「・・・え?」
78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 06:24:46.88 ID:j0C1URZX0
女「結婚、するの」
男「ああ。だから、その。今後はお前とこうしてつき合えない」
女「・・・おめでとう」
男「どうも。ありがとう」
女「・・・」
79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 06:27:48.35 ID:j0C1URZX0
女「・・・」
男「・・・なんてな」
女「え?」
男「嘘だよ、うそ。お前って簡単に騙されるんだな」
女「嘘?結婚しないの」
男「ああ、しない。だから、めし、行ってもいいぞ」
女「・・・ふふ」
男「なんだよ」
女「だって・・・」
80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 06:31:48.87 ID:j0C1URZX0
女「全部知ってたんだもん」
男「はあ?なにが」
女「彼女、いなかったんでしょう」
男「な、なんで。いたよ」
女「いいえ。いません」
男「なんでわかるんだよ」
女「だってね。口が震えてたもの。彼女のことを言うとき」
男「うそつけよ」
女「ほんと。全部、わかってたんだから」
81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 06:35:59.05 ID:j0C1URZX0
女「なんのつもりで嘘ついてるんだろうな~って」
女「でも、わかった。仕返しのつもりだったんでしょう」
女「実家は隣同士だもんね。会おうと思えば会えるのに。臭い別れ方しちゃって」
男「・・・それは、お前もだろ」
女「とにかく。全部わかってたんだ。わたしの前で嘘つこうったってだめだよ」
女「わたしはあなたの、幼なじみだから」
男「・・・ちぇ」
92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 11:02:22.30 ID:j0C1URZX0
危ねえ寝落ちした。後ちょっとなのに
女「それともこっちの方がよかった?元カノだから」
男「いいよ。そっちは。なんだか滅入る」
女「そっか」
男「・・・はは」
女「ふふ」
男「そうだよ。仕返しのつもりで。いつからわかってたの」
女「ああ、やっぱり。ふうん」
男「なんだよ」
女「ごめん。ちょっと、半信半疑だった。最後は賭けてみた」
男「はあ?」
女「ごめん。口が震えてたってのはほんとだけど」
93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 11:08:02.86 ID:j0C1URZX0
男「てっきりお前にはもう嘘はつけないと思った」
女「つけるよ。でも、あんまりつかないでね」
男「ああ・・・そうだな。お互いに」
女「うん」
男「散々俺を手玉にとったな」
女「そういうつもりじゃ、なかったんだけど・・・」
94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 11:13:56.66 ID:j0C1URZX0
女「じゃあ、そういうことだから。住所決まったら、連絡するよ」
男「ああ、ちょっと待てよ。めし、食いに行くんだろ?」
女「え?ああ、うん」
男「なに。気分変わったの」
女「違う。なんか、嬉しくて」
男「はあ。お前、今なんて」
女「別に何もいってないよ」
男「そっか。じゃあ早速行こうぜ」
女「うん」
97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 11:20:32.98 ID:j0C1URZX0
女「何がいい?」
男「そうだな・・・。やっぱり牛丼かな」
女「ええ、またぁ?彼女と行く時は別の所にした方がいいよっていったじゃん」
男「だってお前、彼女じゃないもの」
女「彼女にしてよ」
男「ええと。それはまた考えておくよ」
女「けち」
男「なんとでもいえよ」
99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 11:39:45.65 ID:j0C1URZX0
女「ふふ」
男「なに」
女「いや、ありがとう」
男「何が」
女「なんでも、ないよ。ほら、行こう?」
男「まったくおかしなやつだな。わかったから、引っ張らないで」
女「・・・ありがとう」
100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 11:42:23.83 ID:j0C1URZX0
男「いっとくけどな、俺はまだ許してないぞ」
女「わかってるよ。わかってる」
男「振られるのは、きついわ。例え嘘でも」
女「しつこい男はさ、その、嫌われるよ?」
男「わかってる癖に。ほら、行くぞ」
女「ああ、ちょっと。待ってよ」
男「まったく。これでもう少し素直だったら、可愛いんだけど」
女「聞こえてるよ?」
男「ああ、いや。ごめん」
女「素直に、なるね」
男「いいよ。口から出ただけだから」
女「そっか。それじゃあ、よろしくね。今後とも」
男「ああ・・・。よろしく」
おわり
104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 11:51:53.79 ID:j0C1URZX0 [67/67]
こき下ろしてくれた人も、支援してくれた人も、ありがと
二人がよりを戻したかどうかは、任せるよ
女「なに、話って。わたしも話したいことがあるんだけど」
「いや、その。あのさぁ」
女「何よぉ」
「お、俺とさ、別れてくれない?」
女「え、なに、突然・・・」
「いやさ、他に好きな子ができたっていうか。その、ほんとごめん」
女「・・・」
3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 01:49:59.84 ID:j0C1URZX0
女「まったく。あんな男、こっちから振ってやるってんだ」
女「・・・はあ」
女「明日からどうしようかなぁ」
女「ほんと、困っちゃった・・・」
女「どうしよう」
4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 01:53:33.70 ID:j0C1URZX0
女「あ」
男「お、よお」
女「なんで、いるの」
男「なんでって。そこに、住んでるから」
女「いや、それはわかってるよ。なんでこんな時間に」
男「散歩。悪い」
女「全然、悪く、ないけどさ」
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 02:03:54.61 ID:j0C1URZX0
男「そっちこそ、なんでここに」
女「別に、散歩かな」
男「散歩、か。そんな風に見えないけど」
女「あはは。実は男に用があって」
男「偶然を装わなくてもいいのに」
女「ごめん。そうだったね」
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 02:06:38.31 ID:j0C1URZX0
>>5
まあ、見とけ
女「今日さ、泊めてくれないかな」
男「はあ」
女「いや、ほんというと明日、明後日も」
男「また、なんで」
女「実はさ、部屋を追い出されちゃってさ」
男「・・・いつの時代だよ」
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 02:09:21.04 ID:j0C1URZX0
女「うちもさ、今月厳しくて、給料日まで仕送りできないんだって」
男「わかるけど。なんで俺に頼むの。つきあってた男がいたんじゃなかった?」
女「ああ・・・。今日さ、別れたんだ」
男「ふうん」
女「・・・」
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 02:11:44.89 ID:j0C1URZX0
男「振ったの」
女「まあね」
男「ほんとに?」
女「ほんとだって」
男「だから、そんな風に見えないんだって」
女「はあ。振られたのよ」
男「やっぱり。そうだと思ったよ」
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 02:16:09.63 ID:j0C1URZX0
女「わかるの」
男「わかるよ。口で。震えてるもん」
女「そっか・・・。でも、別にそれはいいんだ」
男「未練ないの」
女「まあ、ないよ」
男「そう」
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 02:19:07.95 ID:j0C1URZX0
男「あてにしていた彼とも別れて、元彼の俺の許に転がり込む気か」
女「あなたは元彼ってだけじゃないでしょ」
男「なに、友達?」
女「幼なじみでしょうに」
男「幼なじみねぇ」
女「そうよ。違う?」
男「別に違わないけどさ」
14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 02:22:44.06 ID:j0C1URZX0
男「そう易々と異性を泊めるわけには、いかんよ」
女「なによ。意識しちゃって」
男「子どもじゃあるまいし」
女「大人だと何が違うの」
男「見た目、かな」
女「意識してるじゃないの」
男「なあに。さっきまで別の男とつきあってた癖に」
女「そ、それは、ごめん」
男「謝られても困るんだけどな・・・」
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 02:27:35.87 ID:j0C1URZX0
>>13
お付き合いどうも
男「まあ、いいよ。のたれ死なれても困るし」
女「さっすが。わかるね」
男「お前こそわかってるんだろうな」
女「なにが」
男「なんにもないからな」
女「何よ。わたしはそんなに軽くないって」
男「そのつきあってた奴とはどうだったんだ」
女「別に、何もしてないよ」
男「ちゅーは?」
女「ちゅーはした、けど・・・」
男「やっぱり」
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 02:34:58.59 ID:j0C1URZX0
女「やっぱりって、ちゅーくらいで騒ぐ歳じゃないでしょうよ」
男「まあな。それでも、嫌だよ」
女「ふうん。まだ惚れてたりして」
男「まあ、違うっていうと嘘になるかもな」
女「そうなの?」
男「嘘だって。さすがに、ないよ」
女「・・・そっか」
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 02:40:20.51 ID:j0C1URZX0
男「とにかく泊めてやるから。感謝しろよ」
女「うん、する。すごく」
男「まったく。大学も中退したんだって」
女「それをいわれると、きついよ」
男「色ぼけになってたんじゃねえか」
女「もう、いいでしょ」
男「悪い。ちょっと仕返し」
女「はあ。とにかく、ありがとう」
男「あの時もそれくらい素直だったら、よかったのに」
女「・・・」
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 02:44:04.09 ID:j0C1URZX0
男「汚い部屋だけど」
女「なんか、生活感ないね」
男「そんなことないだろ。ほら、ゲームあるし」
女「無機質だよ」
男「そう?冷蔵庫とか押入れとか、すごいよ」
女「彼女、いないんでしょ」
男「いるよ」
女「うそ」
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 02:47:38.06 ID:j0C1URZX0
女「彼女がいたら、わたしなんか泊めないもんね」
男「だから、最初断っただろうが」
女「部屋にも女っけないし」
男「部屋には呼んでないからな」
女「別に無理しなくていいよ?」
男「本当にいるんだって」
女「ほんとに?」
男「ほんとだって」
女「・・・そう」
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 02:55:11.94 ID:j0C1URZX0
最も嫌われたSSスレか。悪くないな
男「なに、その残念そうな顔は」
女「べつに。そんな顔してないよ」
男「さっきまで別の男とつきあってたのに」
女「だから、それはもういいって」
男「ほんとにいいの。俺んちに泊まって」
女「なに、今更」
男「もう戻らなくなるぞ」
女「そんなの気にしなくていいんだって。もう何もないから」
男「そっか」
女「そうだよ」
29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 03:01:59.02 ID:j0C1URZX0
男「飯は、どうする?あれなら、なんかつくるけど」
女「食べてないけど、いいよ。そんなに空いてない」
男「まあ、時間も遅いしな。先に風呂入れよ」
女「一緒に入ろうか」
男「冗談はよせよ。俺も入るから早くしてくれ」
女「まーったく。つれないね」
男「性格だよ」
女「そんなの、知ってるって」
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 03:26:27.21 ID:j0C1URZX0
まあまあ、怒るなよ。減らない口だから
男「ふう。あれ、まだ起きてたの」
女「うん。まあね」
男「もう遅いし、俺は寝るけど」
女「明日学校あるんだったね」
男「だから、寝るよ」
女「うん。わたしも寝るから」
男「じゃあ、おやすみ」
女「ちょっとちょっと」
男「なに」
33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 03:30:31.64 ID:j0C1URZX0
女「なんでソファで寝ようとしてるの。ベッドあるのに」
男「それはお前がつかっていいよ」
女「そんな」
男「嫌か?」
女「いや、なんか、悪いよ。わたしがソファで寝るから」
男「いいって。さすがにそんなに気の回らない男じゃないよ」
女「でも」
男「なにを今更遠慮してるんだよ。もう上がり込んでおいて」
女「それは、そうだけど」
男「じゃあ、おやすみ」
女「・・・おやすみ」
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 03:33:47.92 ID:j0C1URZX0
女「ねえ。男」
男「・・・」
女「もう寝た?」
女「・・・なんか、寂しい。でも元はと言えばわたしが悪いんだよね」
女「はあ・・・」
男「・・・」
35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 03:42:50.61 ID:j0C1URZX0
女「はあ。よく寝た」
女「男ぉ。って、もういないのか」
女「9時か・・・。お腹減ったな」
女「あれ、パンとメモが置いてある。なんだって・・・」
おはよう。今から学校へ行ってきます。
朝ご飯はお前が好きなパンに目玉焼きを挟んだ、それです。冷めてたらお前の寝坊なのが悪い。
飲み物はポットにお湯が湧いてるから、棚の紅茶でもコーヒーでも飲んで下さい。お前はコーヒーが好きなんだっけ。
じゃあ、行ってきます。
女「なに。この他人行儀は」
女「へえ、覚えててくれたんだ・・・」
女「ぱく。・・・ちょっと冷たい」
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 03:46:41.16 ID:j0C1URZX0
女「この一枚のパンを二つに割るのがいいの。わかってるね」
女「二枚で挟むと厚くなっちゃうもんね」
女「ふう」
女「ゲームでも、しよっかな」
39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 03:51:17.53 ID:j0C1URZX0
女「わたしは紅茶の方が好きだったんだけど」
女「ええと。ここか」
女「ほこり被ってるじゃない。男はコーヒー派だっけ」
女「ポットは、と。ここか」
女「ふう。なんか、暇だなぁ」
40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 03:56:06.22 ID:j0C1URZX0
お昼
ぴこぴこ
女「あれ。これけっこう面白い」
ぴこぴこ
男「よお、って。お前何、ゲームしてるんだよ」
女「だめだった?」
男「別にダメじゃないけどさ」
女「変なゲームがあるの」
男「あるかもしれないだろ」
女「あるの」
男「ないよ」
41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 03:59:48.10 ID:j0C1URZX0
女「そんなことはどうでもよくて。なんで帰ってきたの?」
男「お前が腹空かしてるだろうと思って」
女「そっか。ありがとう。でも、少しならお金、もってるよ」
男「そう。飯食いに行こうと思ってたんだけど、いらないか」
女「いや、いるよ。奢ってくれるんでしょ」
男「金もってるなら、やめた」
女「別にそれでも、いいよ。行こうよ」
男「わかったよ」
43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 04:02:02.19 ID:j0C1URZX0
女「やっぱり彼女、いないんでしょ」
男「いるって」
女「彼女がいて、それで女とご飯食べに行くの」
男「お前は幼なじみだろ?自分で言ったぞ」
女「そうだけど、さ」
男「とにかく彼女はいるから。心配してくれなくていいよ」
女「・・・そりゃどうも」
44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 04:07:10.91 ID:j0C1URZX0
男「誘っておいて何だけど。牛丼でよかった?」
女「牛丼好きだから。彼女と行く時は違う場所に行った方が、いいけどね」
男「覚えておくよ」
女「あなたはそういう所、鈍感だから。まあ、それがよかったんだけど」
男「女心と秋の空ってやつ?」
女「なにそれ」
男「すまん。今考えた」
45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 04:12:56.20 ID:j0C1URZX0
女「ふう。お腹いっぱい。結局奢ってもらって、悪かったね」
男「お前の財布の中を見たら悲惨過ぎて、払わせられなかったよ」
女「そうだね。助かってるよ」
男「じゃあ、俺は学校に戻るから。道は、わかるよな」
女「うん。わかるよ。近所だから」
男「じゃあ、またな」
女「バイバイ」
46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 04:29:52.34 ID:j0C1URZX0
夕方
男「ただいま。帰ったよ」
女「おかえり。ずいぶん遅かったんじゃない」ぴこぴこ
男「まあな。買い物してたから。というか、またゲームしてるのか」
女「だって面白いんだもの」ぴこぴこ
男「洋ゲー好きなんて、普通なのかな。まあ、いいけど」
女「彼女は?」
男「ああ、それで遅くなったんだ」
女「ふうん」ぴこぴこ
47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 04:33:11.46 ID:j0C1URZX0
女「なにも言われないの?」
男「なにが」
女「わたしがいること」
男「だって、言ってないから」
女「そっか。見られたら、なんか嫌だね」
男「別に何もしてないだろ。こんなことで何もいわないよ」
女「そうかなぁ。わたしだったら、怒るけど」
男「お前はな」
女「まあね」
48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 04:39:29.65 ID:j0C1URZX0
女「たくさん買い物したんだね」
男「ああ。一週間分だからな」
女「今日は何つくるの?」
男「今日は、そうだな。色々あるから好きなもの言ってくれれば、つくるよ」
女「男って、料理できたっけ」
男「大学入ってから、ちょっとな」
女「そうなんだ。わたしも手伝うけど、期待してるよ」
男「まあ、まかせろ」
49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 04:41:30.24 ID:j0C1URZX0
男「で、何が食べたいんだ?」
女「うーんと。やっぱりオムライスかな」
男「いいのか、そんなので」
女「うん。最近食べてないから」
男「オムライスくらい自分でつくれるだろ」
女「いいの。お願い」
男「わかったよ」
50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 04:43:50.39 ID:j0C1URZX0
女「おいしい。男って料理うまいんだね」
男「いや、殆どお前がつくってたじゃん」
女「そんなことないよ。この卵、わたしできないよ」
男「そういってもらえると本気にするけど」
女「どうぞ。実際、うまいよ」
男「ありがとう」
女「どういたしまして」
51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 04:48:38.05 ID:j0C1URZX0
男「じゃあ、風呂も入ったし、寝るか」
女「もう寝るの。まだ10時だよ」
男「だって、何するの。うちテレビ見られないからさ」
女「ゲームしようよ。それ専用なんでしょ」
男「そうだけど。これ、そんなに気に入ったの」
女「入ったよ。やろう」
男「はいはい」
52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 04:52:28.11 ID:j0C1URZX0
女「ねえ」ぴこぴこ
男「なに」
女「なんで泊めてくれたの」ぴこぴこ
男「そりゃ、お前が困ってたから」
女「そっか」ぴこぴこ
女「ありがとう」ぴこぴこ
男「うん・・・。まあ、今度俺がそうなったら、頼むよ」
女「いやだよ」
男「なんでよ」
女「だってつきあってないんだもの」
男「・・・」
55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 04:59:39.04 ID:j0C1URZX0
女「って普通はこう云うと思うんだけど」
女「本当に、なんで泊めてくれたの?」
男「別に、さっきの理由で間違いないよ」
女「そっか」
女「優しいんだね」
男「今更、知ったのかよ」
女「ううん。知ってたよ」
56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 05:03:40.46 ID:j0C1URZX0
女「じゃあ、寝よっか。もう12時回ったしね」
男「ああ、おやすみ」
女「今日もソファで寝るの」
男「そうだけど」
女「大丈夫?」
男「なにが」
女「体とか、痛くなったりしない?」
男「余計なこと、心配しなくていいよ」
女「そう・・・。じゃ、おやすみ」
男「おやすみなさい」
57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 05:07:42.29 ID:j0C1URZX0
女「・・・」
男「・・・」
女「・・・ねぇ」
男「・・・」
女「起きてるんでしょ」
男「・・・」
女「昨日もそうして、寝た振りしてたよね」
男「・・・」
58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 05:13:06.37 ID:j0C1URZX0
女「睡眠の邪魔をする気はないけど」
女「男」
女「ねぇ」
男「・・・なんだよ」
女「やっぱり起きてたんだ」
男「お前が呼ぶから、起きたんだよ」
女「うそ」
女「だって男、昔から寝つき悪いもん」
男「いつの話だよ、いつの」
女「10年前かな」
男「俺は小学生でありながら女と寝たりしてないぞ」
女「ごめん。そうだったね。もっと、昔だよ。昔」
59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 05:15:45.19 ID:j0C1URZX0
女「こっち、きて」
男「そんなこというから、軽い女だと思われるんだ」
女「軽くないよ。前の彼とは結局何もしてないもん」
男「ちゅーはしたんだろ?」
女「男だって彼女とちゅーくらいするでしょ」
男「ま、まあな」
女「だったら、おあいこだよ」
60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 05:18:00.67 ID:j0C1URZX0
女「それにわたし、男の後、彼しかつきあってないし」
女「ほんとに何もないんだって・・・」
男「わかったよ。寝るだけな。寝るだけ。他には何もしないからな」
女「うん・・・」
61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 05:20:26.79 ID:j0C1URZX0
男「ほら、きてやったぞ」
女「・・・ありがとう」
女「昔はこうして、よく一緒に寝たよね」
男「15年前だろ」
女「そうだけどさ。懐かしいよ」
男「まあな」
62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 05:22:49.35 ID:j0C1URZX0
女「なんで壁の方向いてるのよ」
男「そりゃあ、変な気が起こらないように」
女「変な気、起こるんだ」
男「まあ、男ですから」
女「大人になったんだ」
男「その言い方、やめてくれ」
女「ごめん」
63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 05:25:49.18 ID:j0C1URZX0
男「ほら、こっち向けばいいんだろ」
女「うん。相変わらず平凡な顔してるね」
男「うるせえよ。お前だって、変わり映えしないよ」
女「そう?変わって欲しかった?」
男「まあ、そういうわけじゃ、ないけど」
女「そう。そうだよね」
64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 05:28:28.33 ID:j0C1URZX0
女「ごめんね。まだ怒ってるんでしょ」
男「なに。何の話」
女「高校の時」
男「ああ」
女「好きな人がいるって、一方的に別れ話してさ」
男「もう、いいよ。その話は」
女「ううん」
65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 05:34:36.84 ID:j0C1URZX0
女「あれさ、嘘だったんだ」
男「はあ?」
女「男が受験勉強で忙しくなって。それでわたし、寂しくなって」
女「注意をひこうと思って。止めて欲しかったんだ」
女「でも、男は止めてくれなくて」
女「当たり前だよね。後でそれに気づいて、後悔したよ。一度きりのね」
男「・・・」
67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 05:38:51.96 ID:j0C1URZX0
女「それでもずっと男のことが好きで」
女「志望大学も男が行こうとした東京にある所に変えたんだ」
女「でね、こうして東京にきて。でもいえなかったんだ。怖くて」
男「もう、いいよ」
女「それで結局、別の男とつるんでるんだもんね」
女「最低だよね。わたし」
女「本当にごめんなさい」
男「・・・別に、今は俺も彼女がいるんだから」
女「・・・」
68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 05:44:33.31 ID:j0C1URZX0
男「気にしてないから。ほら、泣くなよ」
女「ごめん。ほんと、ごめん・・・」
男「こっちこそごめんな。気づいてあげられなくて」
女「男は、悪くないの。わたしが、余計なことをして」
男「大丈夫。だいじょうぶだから。もう、寝ろよ」
女「うん。ほんと・・・ごめん」
男「おやすみ」
女「うん・・・」
69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 05:47:33.58 ID:j0C1URZX0
翌日
女「じゃあね。実家に帰って、しばらく会えないかもしれないけど」
男「ああ、元気でな」
女「・・・もう、一生会えないかもね」
男「そんなこと、ねえよ」
女「そう、だよね」
女「あのさ」
男「なに」
女「男のつきあってる彼女って、どんな人?」
男「そ、それは・・・」
71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 05:56:41.16 ID:j0C1URZX0
女「・・・やっぱり、いいや」
女「わたしより可愛かったら、くやしいもんね」
男「お前より、可愛いよ」
女「へへ、この幸せもん」
男「嘘うそ。お前の方が可愛いよ」
女「・・・そんな言われ方されたら、彼女、傷つくよ」
男「そう、だな。気をつけるよ」
72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 05:57:55.22 ID:j0C1URZX0
女「・・・そろそろ、行かないと」
男「ああ。じゃあ」
男「あ、女」
女「なに?」
男「いや、やっぱりなんでもない」
女「何よ。なんか、気持ち悪いよ」
男「ほっとけよ」
女「あなたの態度じゃなくて、わたしの気分が」
男「・・・いや、いいんだ」
女「そっか」
女「じゃあね。また、会えるといいね」
男「ああ。必ず、会えるよ」
73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 06:03:08.17 ID:j0C1URZX0
男「ふう。行っちまったか」
男「これで、よかったんだよな。これで」
男「・・・実家は隣同士だし」
男「また、会えるよな」
男「さよなら。本当は、またねって素直に云って欲しかったんだ」
男「・・・またな」
74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 06:17:05.54 ID:j0C1URZX0
一ヶ月後
ピンポーン
男「はい、どちらさま・・・って」
女「よっ。来ちゃった」
男「・・・来ちゃったって。どういうことだよ」
女「親がさ、もううちじゃ食わせられないから、働け~って」
男「それで、また東京まで出てきたの」
女「そう。こっちの方が居心地いいし」
男「お前の親はほんと、何考えてるんだろうな」
女「それは、わたしが思ってたことだって」
男「ふふ。そうだな」
75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 06:20:22.82 ID:j0C1URZX0
女「あのさ。それで、言いにくいんだけどさ」
男「なに。また、泊めてくれ、とかいうの」
女「いや、そんなこと、もういわないよ」
女「ご、ご飯一緒に食べに行かないかな~って」
男「はあ。めし?」
女「そう。メシ」
76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 06:22:56.15 ID:j0C1URZX0
女「この間奢ってもらっちゃったから、今度はそのお礼に」
男「はあ、そうだな」
男「あのさ、女」
女「ん?なに」
男「すごく言いにくいんだけどさ」
女「勿体ぶってないで、早くいってよ」
男「俺さ、今度結婚するんだ」
女「・・・え?」
78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 06:24:46.88 ID:j0C1URZX0
女「結婚、するの」
男「ああ。だから、その。今後はお前とこうしてつき合えない」
女「・・・おめでとう」
男「どうも。ありがとう」
女「・・・」
79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 06:27:48.35 ID:j0C1URZX0
女「・・・」
男「・・・なんてな」
女「え?」
男「嘘だよ、うそ。お前って簡単に騙されるんだな」
女「嘘?結婚しないの」
男「ああ、しない。だから、めし、行ってもいいぞ」
女「・・・ふふ」
男「なんだよ」
女「だって・・・」
80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 06:31:48.87 ID:j0C1URZX0
女「全部知ってたんだもん」
男「はあ?なにが」
女「彼女、いなかったんでしょう」
男「な、なんで。いたよ」
女「いいえ。いません」
男「なんでわかるんだよ」
女「だってね。口が震えてたもの。彼女のことを言うとき」
男「うそつけよ」
女「ほんと。全部、わかってたんだから」
81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 06:35:59.05 ID:j0C1URZX0
女「なんのつもりで嘘ついてるんだろうな~って」
女「でも、わかった。仕返しのつもりだったんでしょう」
女「実家は隣同士だもんね。会おうと思えば会えるのに。臭い別れ方しちゃって」
男「・・・それは、お前もだろ」
女「とにかく。全部わかってたんだ。わたしの前で嘘つこうったってだめだよ」
女「わたしはあなたの、幼なじみだから」
男「・・・ちぇ」
92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 11:02:22.30 ID:j0C1URZX0
危ねえ寝落ちした。後ちょっとなのに
女「それともこっちの方がよかった?元カノだから」
男「いいよ。そっちは。なんだか滅入る」
女「そっか」
男「・・・はは」
女「ふふ」
男「そうだよ。仕返しのつもりで。いつからわかってたの」
女「ああ、やっぱり。ふうん」
男「なんだよ」
女「ごめん。ちょっと、半信半疑だった。最後は賭けてみた」
男「はあ?」
女「ごめん。口が震えてたってのはほんとだけど」
93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 11:08:02.86 ID:j0C1URZX0
男「てっきりお前にはもう嘘はつけないと思った」
女「つけるよ。でも、あんまりつかないでね」
男「ああ・・・そうだな。お互いに」
女「うん」
男「散々俺を手玉にとったな」
女「そういうつもりじゃ、なかったんだけど・・・」
94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 11:13:56.66 ID:j0C1URZX0
女「じゃあ、そういうことだから。住所決まったら、連絡するよ」
男「ああ、ちょっと待てよ。めし、食いに行くんだろ?」
女「え?ああ、うん」
男「なに。気分変わったの」
女「違う。なんか、嬉しくて」
男「はあ。お前、今なんて」
女「別に何もいってないよ」
男「そっか。じゃあ早速行こうぜ」
女「うん」
97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 11:20:32.98 ID:j0C1URZX0
女「何がいい?」
男「そうだな・・・。やっぱり牛丼かな」
女「ええ、またぁ?彼女と行く時は別の所にした方がいいよっていったじゃん」
男「だってお前、彼女じゃないもの」
女「彼女にしてよ」
男「ええと。それはまた考えておくよ」
女「けち」
男「なんとでもいえよ」
99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 11:39:45.65 ID:j0C1URZX0
女「ふふ」
男「なに」
女「いや、ありがとう」
男「何が」
女「なんでも、ないよ。ほら、行こう?」
男「まったくおかしなやつだな。わかったから、引っ張らないで」
女「・・・ありがとう」
100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 11:42:23.83 ID:j0C1URZX0
男「いっとくけどな、俺はまだ許してないぞ」
女「わかってるよ。わかってる」
男「振られるのは、きついわ。例え嘘でも」
女「しつこい男はさ、その、嫌われるよ?」
男「わかってる癖に。ほら、行くぞ」
女「ああ、ちょっと。待ってよ」
男「まったく。これでもう少し素直だったら、可愛いんだけど」
女「聞こえてるよ?」
男「ああ、いや。ごめん」
女「素直に、なるね」
男「いいよ。口から出ただけだから」
女「そっか。それじゃあ、よろしくね。今後とも」
男「ああ・・・。よろしく」
おわり
104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 11:51:53.79 ID:j0C1URZX0 [67/67]
こき下ろしてくれた人も、支援してくれた人も、ありがと
二人がよりを戻したかどうかは、任せるよ
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