2ntブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

憂「小さな幸せ」

1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/10(日) 14:43:47.88 ID:kaRg2VOoO [1/8]
 それは突然舞い降りた。

 私の窓辺の小さな幸せ物語。

憂「わぁ、可愛いね、キミ」

 黄色い身体にほんの少しだけ白と黒のアクセント。

 くるくるした黒い目でキョロキョロ。

 ちょっぴりせわしなく頭を振るのはキミのご挨拶なのかな?

憂「こんにちは、迷子のインコくん」

 ふむ、キミは人に飼われてたのかな

憂「ちょっとだけ、いいよね」

 つんつん。

 少し後退り。

憂「あはは、驚かせちゃったかな?ごめんね、インコくん。」

3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/10(日) 14:45:39.19 ID:kaRg2VOoO
 小さなくちばしで羽根をつくろう仕草。

 時々ふんわりもこもこ。

 柔らかうぶ毛でまんまるインコくん。

憂「キミはお名前はあるのかな?」

 ふふっ、無口なんだねキミは。

 ちょっぴり残念。

憂「私は平沢憂。憂でいいよ。」

 まんまる目玉をくりくり。

憂「覚えてくれたかな、インコくん?」

 くるり振り向く。

 小さな羽根をひろげる。

 軽やかに空の旅。

憂「行っちゃった。また来てくれるかな?」

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/10(日) 14:46:28.59 ID:kaRg2VOoO
 翌日は雨。

 残念ながら待ち人来たらず。

憂「雨は苦手なんだね、キミは。」

 明日は晴れますように。

 私の窓辺にてるてるぼうず。

 キミと同じ色。

憂「明日はご馳走を用意してあげるよ。」

 小さな水呑み。

 冷蔵庫にはキミのためのサラダ菜。

 きっと明日は空の旅日和。

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/10(日) 14:47:23.57 ID:kaRg2VOoO
 翌日は秋晴れ。

憂「今日は空が高いね。」

 気ままなキミは今いずこ。

憂「折角のご馳走なのにね。」

 窓辺にはお水とサラダ菜。

 ベットに腰掛けのんびり時間。

 少しうとうと。

 小さな気配で目が覚める。

 キミはサラダ菜と格闘中。

憂「慌てなくても取らないよ。」

 頬杖をついてキミを眺める幸せ時間。

6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/10(日) 14:48:21.26 ID:kaRg2VOoO
 翌日は曇り時々雨。

 それでも今日もキミはサラダ菜と格闘中。

 すっかりお馴染みの風景。

 お腹満腹ふわふわもこもこ。

 まんまる目玉をしょぼしょぼ。

憂「一緒にお昼寝しようよ。」

 ベットから手招き。

 ぱたぱた。

 軽やかに私の隣に舞い降りる。

憂「寝返り注意だね、これは。」

 まったりお昼寝。

 秋の午後のすやすや時間。

7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/10(日) 14:51:08.34 ID:kaRg2VOoO
 翌日は幸せなサプライズ。

憂「今日も元気だね、インコくん。」

 つんつん。

 ちょっぴり後退り。

憂「ふふっ、そろそろ名前を覚えてくれたかな?」

『ウイ ウイ』

 今日は私が目玉をまんまる。

憂「賢いんだね、キミは。」

『ウイ ダイスキ ウイ ダイスキー』

憂「それは驚きだよ。」

 くるり振り向くキミ。

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/10(日) 14:53:43.39 ID:kaRg2VOoO
 そうか、キミは私を旅に誘うために来てたんだね。

 これは幸せな不意打ち。

 部屋を出て階段を駆け降りる。

 玄関で一言。

憂「お姉ちゃん、少し出掛けてくるよ。」

 玄関を出て空を見上げる。

 視線の先には優雅に舞うキミの姿。

憂「キミの誘う旅の先には何が待ってるのかな?」

 それはきっと幸せな出会い。

憂「さぁ、行こうよ。インコくん。」

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/10(日) 14:54:45.48 ID:kaRg2VOoO
 そして今。

 私の窓辺には入口が開きっ放しの鳥かご。

 中にいるのはキミにそっくりなキミの子供達。

「ままー、とりさんにえさあげていい?」

憂「いいよ。」

 そしてキミの子供達のお世話をするのは、私の可愛い娘。

憂「やっぱりキミが運んでくれたのは、幸せだったね。」

 これは私の窓辺の小さな幸せの物語。



 お し ま い

コメント

コメントの投稿

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)