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僕「ミクちゃん可愛い!ちゅっちゅ!」ミク「来んな変態」
1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 19:16:03.30 ID:SQgHlePKO [1/35]
僕「ツンデレなミクちゃんもかわうぃーよ!」
ミク「寄るな」
僕「寄っちゃう!」ギューッ!
ミク「離れろ痴漢」
僕「僕悪い痴漢じゃないよ!ミクちゃんのマスターだよ!」
ミク「しね」
僕「ツンデレなミクちゃんもかわうぃーよ!」
ミク「寄るな」
僕「寄っちゃう!」ギューッ!
ミク「離れろ痴漢」
僕「僕悪い痴漢じゃないよ!ミクちゃんのマスターだよ!」
ミク「しね」
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 19:20:57.33 ID:SQgHlePKO [2/35]
僕「DIVAのミクちゃんも可愛いなぁ///」
ミク「PSPを舐めるな。きたねぇ」
僕「あらあらミクちゃん嫉妬しちゃった?」
ミク「するわけねーだろ」
僕「大丈夫!君もこの子もミクちゃんだから!僕幸せだから!」デヘヘッ!
ミク「きもちわるい」
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 19:24:18.60 ID:SQgHlePKO
僕「今日はゲーセンデートだね!ねっ!ミクちゃん!」
ミク「このおっさん独りではしゃいでやがる」
僕「独りじゃないよ!ミクちゃんも一緒だよ!」
僕「アーケードDIVAしよ、一緒にさ///」
ミク「じゃ、私ポップンしてきますんで」スタスタ…
僕「……」
僕「……素直じゃないなぁ///」デヘッ
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 19:28:54.01 ID:SQgHlePKO
僕「……」タン!タタタン!タン!タン!
ミク(手の動きが滑らか過ぎてきめぇ)
僕(うふふ。ミクちゃんが僕のプレイを舐めるように見てる///)
僕(僕の超絶プレイにドキドキしてるミクちゃんかわいーよ!かわいーよっ!)タタタン!タン!タン!
ミク「にやけながらボタン連打すんな気持ちわるっ」
僕「はひっ///」
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 19:40:09.12 ID:SQgHlePKO
僕「ミクちゃーん!終わったよー!」
僕「あれ?ミクちゃん、どこー?」
僕「……もう、ちょっと目を離したらすぐ迷子になっちゃうんだから///」
僕「おーい、ミクちゃーん」テコテコ
僕「あ」
僕「なんだ、ドラマニやってたのか。……夢中になっちゃって可愛いなぁ///」
ミク「……」ズダンタタタン!ダカダカダン!
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 19:44:22.76 ID:SQgHlePKO
僕(それにしても……)
僕(ミニスカートで脚広げてプレイなんて///)
僕(はしたない!無防備!守ってあげたい!)
僕(むしろ結婚したい!)
僕「ミクちゃん!結婚しよう!」
ミク「うるせぇゲームの邪魔だ」
僕「ごめん///」
ミク「失せろ」
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 19:49:47.68 ID:SQgHlePKO
僕「ミクちゃん見て見て!」
ミク「くさい。引っ付くな」
僕「ほら!このクレーンゲーム!ミクちゃんバスタオルが取れるんだって!」
ミク「お前の親戚みたいな顔した奴がガラスに鼻を押し付けてるな」
僕「欲しいなぁ……」チラッ
ミク「反対側からあいつ見てみよっと。ぜってぇ笑える間抜け面だから」スタスタ
僕「待ってよミクちゃーん!」
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 19:55:04.19 ID:SQgHlePKO
ミク「うわっ。マジうける」ゲヒャゲヒャ
僕「ミクちゃんが楽しそうで何より///」
ミク「こんなの必死に取ろうとする奴の気が知れねぇ」
僕「うーん、でも僕は欲しいなっ。……ねっ」チラッチラッ
ミク「さっきから何チラチラ見てんの?」
僕「あのね、僕、クレーンゲーム苦手なの」
ミク「で?」
僕「だから……ねっ?」
ミク「は?」
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 19:59:55.37 ID:SQgHlePKO
僕「やってよミクちゃん!クレーンゲーム得意じゃん!」
僕「ミクちゃんが頼りなんだよおおおお!」
ミク「今すげぇ鳥肌立った」
僕「……あ、もしかしてバスタオルなんて無くても私が全身d
ミク「きもちわるい。取れば良いんだろ変態しねくたばれ」
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 20:04:28.35 ID:SQgHlePKO
僕「すごいねミクちゃん!一発で取っちゃった!」キャッキャッ
ミク「恥ずかしいからバスタオルにスリスリすんな」
僕「……やきもち?」
ミク「マジでお前は死ぬべき存在だと思うわ」
僕「いやん///」
ミク「……それ、使うつもり?」
僕「使うよ!せっかくミクちゃんが取ってくれたもん!」エヘヘ
ミク「親が泣くぞ」
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 20:13:50.35 ID:SQgHlePKO
僕「ミクちゃんってやっぱりツンデレでしょ?」
ミク「あ?」
僕「だって嫌だ嫌だって言ってるのにこうやってデートしてくれるしさ///」
ミク「一応お前は私の持ち主だからな。必死で堪えてんだよ、こっちは」
僕「ツンデレ律儀だねっ!」
ミク「それにお前を野放しにしてたら何をしでかすか分からんしな」
僕「浮気はしないよ!」
ミク「そうじゃねーよ。性犯罪犯しそうでこえーんだよ」
僕「そんなに僕、信用ならない?」ウルウル
ミク「ならねーな」
僕「……ミクちゃん以外に勃起しないのにぃ」ウルウルウルウル
ミク「すげぇ殺気がわいた。いつか殺す」
29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 20:18:13.42 ID:SQgHlePKO
僕「ミクちゃんミクちゃん。せっかくのデートだし外食しよーよ!」
ミク「まさかお前と相席か?」
僕「まさかも何もデートでしょ?」ニヘッ!
ミク「うぜぇ」
僕「ねぇねぇ、どこ行きたい?ミクちゃんが行きたいトコでいーよ!」
ミク「んじゃ、すき屋行くか」
僕「りょーかい///」
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 20:23:12.65 ID:SQgHlePKO
僕「だけどさ、本当にすき屋で良いの?もっと高級なとこでもいいんだよ?」
ミク「どうせ金ねーんだろクソが」
僕「うんっ///」テヘヘッ
ミク「それにあそこはカウンター席があるだろ?」
僕「うん」
ミク「そこに座ればお前と顔つき合わせて飯を食わずに済むだろ?」
僕「……うん?」
ミク「文句あんのか?」
僕「全く、照れ屋さんだなぁー」
ミク「お前は人の心に対してもっと機敏になるべきだな」
38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 20:26:06.71 ID:SQgHlePKO
僕「ミクちゃん、なんにする?」
ミク「ねぎたま牛丼特盛」
僕「ミクちゃんはネギが大好きだね。そういうとこ、すごく可愛いよ」
ミク「ネギが好きな女子のどこに可愛い要素があんだよ」
僕「えへへ、やっぱり訂正! ミクちゃんなら何でも可愛いよっ!」
ミク「お前は何言ってもきもちわるいな」
41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 20:32:09.24 ID:SQgHlePKO
ミク「……」ガツガツ
僕「ねぇねぇミクちゃん、見てよこれ」
ミク「……」ムシャムシャ
僕「鮪叩き丼頼んだらフリスビーが出てきたよー」
ミク「ご飯は黙って食いなさい」
僕「ミクちゃんお行儀良いね///」
ミク「……」ガツガツムシャムシャ
僕「……」シャリシャリ
47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 20:37:40.77 ID:SQgHlePKO
ミク「ごちそーさん」
店員「ありがとーござーやしたー」
僕「特盛完食できるなんて凄いね!こんなに華奢なのにー」サワサワ
ミク「お前も鮪の叩きにすんぞ」ベシッ
僕「あうぅ……」
ミク「手つきが気持ち悪いんだよ、お前」
僕「……気持ち悪くない触り方ってあるの? 教えてよ。今度からそうするから」
ミク「うーん、お前以外が触るんなら大抵許せると思う」
僕「なるほど」
50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 20:43:58.37 ID:SQgHlePKO
僕「今度はどこに遊びに行こうかなぁ」
ミク「たまには独り旅にでも行けば? ほら、あのラブプラスって奴持って」
僕「浮気、絶対、だめっ!」キリッ
ミク「清廉潔白みたいな顔しやがって」
ミク「私知ってるからな。夜中にテレビの前でお前が『澪ちゅああああん』って叫んでたの」
僕「ご、ごめんよおおおお!許して捨てないで!あの子とはただの遊びだったんだよおおおおおおおお!」
ミク「私は構わんが、多分お前は今いろんな人間に喧嘩売ったぞ」
59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 20:51:05.33 ID:SQgHlePKO
僕「ごめん……ほんとにごめんね……」グスグス
ミク「街中で大の男が泣くなよ……」
僕「でも、でも……ミクちゃんが……」ウルウル
ミク「私は気にしてねぇっつか、どうでも良いっつの」
僕「怒ってない?」
ミク「ねーよ」
僕「僕のこと、嫌いになった?」
ミク「元々嫌いだ」ツンッ
僕「みぐぢゃん……」グシュグシュ
64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 20:55:31.24 ID:SQgHlePKO
ミク「鼻水垂らすな。きたねーよ」
僕「うぅ……」
ミク「……ったく」
ミク「これで鼻かめよ」スッ
僕「え、でもこれ……せっかくミクちゃんが取ってくれたタオル……」
ミク「どうせお前のきたねぇ裸体を拭くのに使うんだろ?」
ミク「……元々お前の為にわざわざ、すごく不本意だが取った奴だからな。どーでも良いわ」
僕「み……みぐぢゃああああん!」ギュウウッ!
ミク「だから鼻水かめって。きたねぇ面をくっ付けんな。……後でこてんぱんだからな」
70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 21:03:03.15 ID:SQgHlePKO
…
……
僕「ミクちゃんの本当にこてんぱんにしちゃうトコ、大好き///」ボロボロ
ミク「泣き止んで早々ドM発言とかマジひくわ」
僕「ち、違うよぅ!有言実行なミクちゃんは真面目で可愛いなーって」テヘリッ
ミク「いつもの調子に戻っちまったな。ちと殴り過ぎたか」
僕「ミクちゃん、だいすきっ」ギュギュギュッ!
ミク「やっぱ殴り足らんわ。あの裏路地行こうぜ。再起不能にしてやっから」ビキビキ
第一部 ―完―
75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 21:14:39.73 ID:SQgHlePKO
ふぅ、日記を書くのも案外疲れるね!
以上、この前のデートの模様でした!ちょっと色々あるから一旦離れるね!
また戻ってきたら他のエピソードも書いていきます///
90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 22:39:28.85 ID:SQgHlePKO
ミクちゃんとのラブラブ日記を書き溜めながら兄貴をコピペします
9月11日(土)
今日は待ちに待った巡音さんとのデートである。
巡音さんは不思議な方だ。帰国子女らしく英語が堪能である。知性溢れる顔つきと物腰をしているのに「ファック」が口癖である。日本人離れした雰囲気だが、何人かもとんと見当がつかぬ。
ついでに、どこに住んでいるのかも定かではない。
彼女はそんな人である。私ごときが釣り合うか不安であるが、今日のデートは彼女から誘ってくれたことである。
なんたる僥幸。私は一生分の運を使い果たした。多分、明日野垂れ死んでいるだろう。
93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 22:42:52.48 ID:SQgHlePKO
だが、明日死んでも良いと思えるほどの魅力を彼女は持っていた。
いや、私の命の一つや二つでは足りぬほどの魅力だ。私はこの日の為に生きてきた。
命を投げうる覚悟など、とうに出来ている。
父よ母よ。神よ地球よ。
私は今、人生最大の幸福を噛み締めています。ありがとう。ありがとう。
94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 22:44:53.03 ID:SQgHlePKO
小型船を巧みに操る彼女以上に美しき者がこの世に存在するだろうか。否、しない。そんなもの永遠に現れぬ。
今、この時代に生まれ落ちて良かったとしみじみ思う。
神よ、感謝する。ついでに私の船酔いを止めて下さい。
彼女の前で失態をおかすことだけはしたくないんです。お願いします。
96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 22:52:24.00 ID:SQgHlePKO
つい最近知ったが、彼女はマグロが好きらしい。
そんなところも可愛らしい。彼女の為なら来世はマグロになろう。
ただ波に傾ぐ船の上、広げられた弁当にぎっしりマグロの刺身が詰められているのには仰天した。
「タベナサイ」
まだ日本語に不慣れな彼女は片言でそう命令し、フォークで突き刺した刺身を私の目の前に差し出す。
これは俗に言う「はい、あーん」である。
私は興奮した。
あの時の私は全人類の中で一番興奮していた。
99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 23:02:37.26 ID:SQgHlePKO
荒波に揺れまくる辺りの風景に吐き気を覚え、
無表情でマグロを差し伸べる巡音さんに興奮し、
私の脳味噌はぐるぐると目まぐるしく揺らぐ。
「タベルノ?タベナイノ?」
中々口を開こうとしない私を案じてか、巡音さんはそう促した。
はい!もちろん食べますとも!
むしろマグロの切り身になって巡音さんにフォークでざっくりと刺されたい。
100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 23:05:52.69 ID:SQgHlePKO
マジで嘔吐の五分前の胃袋にマグロを詰め込む。吐き気を堪えるのに必死で味わう暇はなかった。
せっかくのデート、せっかくの手作り弁当だと言うのになんたることだ。前言撤回、神は死んだ。
そして私も死にそうだ。
105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 23:16:54.82 ID:SQgHlePKO
お弁当を食べ終えると私たちは海釣りを始めた。
彼女はひょいひょいとマグロを一本釣りしていく。
釣りが好きな彼女に釣り合うには乗り物に酔いやすいこのタチを治さねばならぬ。
数秒に一度込み上げる胃の内容物を飲み込みながら私は決意した。
陸に戻ったらこの忌々しい胃袋を切除しよう。
全ては彼女とともに生きる為。分かってくれ我が胃袋。
106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 23:19:14.35 ID:SQgHlePKO
船がマグロで一杯になった頃「モドルヨ。カエルヨ」と巡音さんは操縦席へ颯爽と乗り込んだ。
ちなみに私は一匹も釣ることはかなわなかった。
釣りデートをすると決まった当初、私は意気込んでいた。
釣って釣って釣りまくって彼女を惚れ惚れさせる計画を立てた。
海の似合う男になること=巡音さんに似合う男になることだと根拠もなく思っていた。
その為にあまり興味のなかった海釣り専門雑誌も熟読した。結局、努力は報われなかった。
いっそこのまま海に身を投げてしまいたい。きっと私の肉体は良質なマグロの餌になる。
107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 23:29:18.96 ID:SQgHlePKO
帰りの航路は荒れに荒れた。巡音さんは平然とした顔で船を進めていく。
そんな彼女の美しい横顔を眺めながら、私は今まで堪えに堪えていた吐瀉物をぶちまけてしまった。
「ファック」
声を荒げることもなく、巡音さんは呟く。
涙でぼやつく視界で私は巡音さんを見上げた。
いつも涼しげな表情を崩さない彼女の顔が、怒りに歪んでいる。カメラを忘れたことを後悔した。
神聖な漁船に汚ならしい物をぶちまけてしまった私に対し、巡音さんは「ファックファックサノバビッチ」と西洋言葉をブツブツと呪詛のように呟き続けていた。
私は生まれたことを後悔した。探さないで下さい。
日記はここで終わっている。兄は未だに行方不明です。
112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 23:49:04.34 ID:SQgHlePKO
僕「ミクちゃん。重大発表があります」
ミク「ふーん。良かったね」
僕「ちゃんと聞きなさいっ!」キリリッ
ミク「今日はやけに強気だなクズ人間」
僕「こらっ!」
ミク「……あ?」
僕「マスターのことクズとか言っちゃいけません!」
ミク「マスター?誰それ」
僕「僕だよ!僕!」プンスカ
ミク「そりゃ初耳だ」
113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 23:54:12.80 ID:SQgHlePKO [35/35]
僕「亭主関白宣言だよっ!」キリッ
ミク「お前まさか自分のことを私の亭主だとでも思ってんのか?」
僕「思うもなにも事実だよっ!」キリリッ
ミク「妄想も大概にしろよな」
僕「妄想じゃないやい!」キリリリッ
ミク「何でも良いから私を巻き込もうとするな」
僕「巻き込むもなにも、僕らは夫婦じゃないか」キリリリリッ!
ミク「……とうとう頭に蛆がわいたようだな」
115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 00:01:00.79 ID:vRLkFkoMO [1/81]
僕「その一、僕のことをマスターと呼んで欲しいの!」
ミク「誰が呼ぶか」
僕「その二、ちゃんと敬ってちょうだい。良いね?」
ミク「あ、買い物行こう」スタスタ バタン
僕「分かったら右手がお留守なのを……あれ?ミクちゃーん。どこ行っちゃったの?」
117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 00:07:39.31 ID:vRLkFkoMO [2/81]
ミク「ただいま」
僕「こら、ミクちゃん!夫のお話はちゃんと聞かなきゃ駄目でしょう!」プンプン!
ミク「んだよ、反抗期かよ」
僕「僕ね、ちょっと冷静になって考えてみたんだ」
ミク「お前冷静になれるのか。一応人間なんだな」
僕「僕って、ミクちゃんの持ち主じゃん?」
ミク「最悪だが事実だな」
僕「つまり僕はミクちゃんのマスターじゃん?」
ミク「いや、それはおかしい」
僕「更に言えば僕ってミクちゃんの夫じゃん!」
ミク「それはもっとおかしい」
僕「そうかな?」
ミク「そうだな。お前の頭はやっぱりおかしい」
118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 00:13:19.98 ID:vRLkFkoMO [3/81]
僕「ねぇ、僕って『マスター』って感じかな///?それとも『あなた』って感じかな///?」
ミク「『テメェ』って感じだな」
僕「ちょっと僕のこと『マスター///』って呼んでみてよ。ね?ね?」
ミク「お前、電柱にでも頭ぶつけたのか?」
僕「心配してくれるの?ありがとう……///」キュンキュンッ!
ミク「もう面倒だからそういうことにしといてやる」
僕「大丈夫だよ!僕、元気いっぱい!」ヒャッホゥ!ピョヒーン!
ミク「はいはい良かったね。早くしね」
119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 00:16:27.97 ID:vRLkFkoMO [4/81]
僕「ほらほら、早くマスターって言ってみてよ」ハァハァ
ミク「……」
僕「マスター!それ、マスター!」ワクワク
ミク「……」
僕「マスター!もう一丁!マスター!マスター!」ワァイワァイ!
ミク「黙れ豚野郎!」ベチーン!!
僕「ぶひぃっ!」
122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 00:25:23.66 ID:vRLkFkoMO [5/81]
僕「酷いよミクちゃん!」グスン
ミク「お前よりは酷くないと思うけどな」
僕「僕はちょっと『ミクちゃんにマスターって呼ばれたら嬉しさが喉に詰まって窒息死しちゃうかもっ!』って思っただけなのにぃ……」メソメソメソポタミア
ミク「誰がテメェに対してそんな呼び方するかよ」ツーン
僕「……もしかしてミクちゃん、恥ずかしいの?」
ミク「ああ、そうだよ。お前みたいな奴に買われた自分が恥ずかしいよ、マジで」
124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 00:29:56.65 ID:vRLkFkoMO [6/81]
僕「そっかそっかー。ミクちゃん照れ屋だもんね」デレデレ
僕「恥ずかしくって、マスターって呼びたくても呼べないんだよね!しゅごいきゃわいい!」キャハーッ!
ミク「お前幸せそうだな」
僕「うん!ミクちゃんがいるだけで幸せ!」ウフフフ!
ミク「低脳野郎ってある意味羨ましい存在だな。絶対なりたくねーけど」
125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 00:35:42.20 ID:vRLkFkoMO [7/81]
僕「だけどね、ミクちゃん」マガオッ!
ミク「……んだよ」
僕「一応僕の方が立場も上でしょう?」
ミク「あ゛?」
僕「だからさ、もしよろしければ敬語を使って頂きたいなぁー……にゃーんてねっ!」テヘヘウヒィ!
ミク(もう突っ込むのも面倒くせー……)
ミク「……はいはい分かりましたよマスター。これで良いんでしょ?」
僕「うっひゃああああああああああ!」ビクンビクンッ!
128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 00:43:27.88 ID:vRLkFkoMO [8/81]
ミク(投げやりに敬語を吐いたらクズが血を吐いた)
ミク(足突っ張って痙攣してるし。解剖中の蛙みたいだな)
ミク「きもっ」
僕「ミクちゃん!」ゲフュン!
ミク「血を撒き散らすな」
僕「お願いします。今日一日だけで良いから敬語でお話しして下さい!」ゲフュン!ゲフュン!
ミク「……うざっ」
僕「ミクちゃんっ!」
ミク「……うざいですね?」
僕「ぎゃひいいいいん!」ビクビクビクッ!
129 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 00:49:04.11 ID:vRLkFkoMO [9/81]
ミク(また血ヘドを吐いた)
ミク(部屋は汚れるが、これを続けていたらこいつ死んでくれるかもな)
ミク(合法的にこいつ殺せるのか。……ああ、久々に顔がほころぶ)
ミク「大丈夫ですかマスター」
僕「きたああああ!ましゅたああああ!ましゅたああああ!
ましゅたー大丈夫!元気元気!元気もりもり盛りだくさんっ!」
ミク「……うわっ」
130 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 00:57:00.93 ID:vRLkFkoMO [10/81]
ミク(目が血走ってやがる。通常以上にキモい)
ミク「今のマスター、完全にヤク中の顔してるっすよ。人間止めちゃったんすか?」
僕「ミクちゃん!」キリッ
ミク「……なんすか」
僕「僕、重大なことに気がついた」
ミク「何が重大だよ。どうせたいしたことじゃねー癖に」
僕「いやいや、ノーベル平和賞取れるかも」
ミク「一応聞いてやりましょう」
僕「敬語で罵られると滅茶苦茶興奮する!」フンガフンガ!
ミク「そうか。良かったっすね」
134 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 01:08:41.54 ID:vRLkFkoMO [11/81]
僕「しゅっごい新鮮な気分!マスターうれひいよっ!」
ミク「何でも良いから飯作れよ。さっきわざわざ材料買ってきてやったんだけど」
僕「ミクちゃんっ」
ミク「……さっさと飯作ってください低脳」
僕「Oh!Yes!」ヒャッハー!
ミク「生きてて楽しいっすか?」
僕「つまらなそうに見えるかい?」フフン
ミク「理性を捨てた薬物中毒者みたいに見えるっすわ。すげー楽しそう」
僕「でへへ!マスター、お料理がんばるよっ!」
ミク「……可哀想な奴」
135 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 01:16:13.10 ID:vRLkFkoMO [12/81]
僕「マスターの手料理たんと召し上がれ!」
ミク「クズでバカの癖に料理はできるんすね」
僕「ミクちゃんの為だもん!」
僕「それに僕はミクちゃんのマスターだからね!ちゃんと美味しいもの食べさせてあげたいんだー」テレテレ
ミク「あのさ」
僕「なぁに?」キャフフッ
ミク「言っとくが、このつまらねーごっこ遊びは今日だけにしとけよ」
僕「ミクちゃん。敬語」キリッキリッキリキリッ
ミク「……キングオブクズマスターの戯言に付き合うのはこれっきりっすからね」
僕「はぁい///」
137 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 01:24:59.60 ID:vRLkFkoMO [13/81]
僕「ごちそーさまでしたっ!」
ミク「おい、風呂わかして下さい」
僕「うんっ!マスター頑張るね!」
ミク「ぬるめにして下さいね」
僕「ミクちゃんの為なら何でもするよ!」タタタ…!
ミク「想像以上に精神がすり減るな、これ。早く日付変われよクソが」ブツブツ
ミク「……」
ミク「……まぁ、今日いっぱいだけなら我慢してやるか。たまには馬鹿で哀れなキチガイの遊びに付き合うのも一興かもな」
139 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 01:34:59.13 ID:vRLkFkoMO [14/81]
ミク「おい、上がったぞ。……あー、上がりました」
僕「えへへ。じゃあミクちゃん成分の溶けたお湯に浸かってくるね!」
ミク「きもっ」ボソッ
僕「ミクちゃん!敬語!」
ミク「死んでください」
僕「ひゃほーい!」キャッパパパ!
僕「じゃあ!マスター!お風呂!入るからね!ねっ!待っててねっ!」ズダダダ!
ミク「……」
ミク「くるってる」
141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 01:41:40.80 ID:vRLkFkoMO [15/81]
僕「ミクちゃんの残り湯ごくごくごっきゅん!」
僕「きゃー!お腹いっぱい胸いっぱい!」ギャヒヒッ!
僕「ミクちゃんの素足が触れたタイル!しゃいこー!」ペロペロペペロンチーノ!
僕「ヤバイよヤバイよ僕幸せ過ぎて壊れちゃうううう!」ビュクビュクビクン!
ミク「風呂場から怪音が筒抜けだっつーの……」
142 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 01:48:57.69 ID:vRLkFkoMO [16/81]
僕「ミクちゃんバスタオルあったかいなりぃ……」ポワポワ
ミク「うげ。全裸で上がって来やがった」
ミク「気持ちわりぃんだよ。死にくされキチガイ蛆虫」
僕「ミクちゃんっ。敬語はどうしたの?」
ミク「あ゛っ?」
僕「今日は敬語で居なさいって言ったでしょ!?忘れちゃったの!?」プンプンプンスカ!
ミク「おいマスター(笑)、時計見やがれよ(笑)」
僕「え?」
僕「……あ。あぁぁああぁ!いつの間にやら日付が変わっていらっしゃる!?」
143 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 01:54:38.89 ID:vRLkFkoMO [17/81]
ミク「マスターごっこは今日までって約束しただろ?もう充分だろ。なぁ、マスター(笑)」ニヤニヤ
僕「で、でもでも僕がお風呂に行った時はまだ九時前だったよ!?」
ミク「風呂場でハッスルし過ぎて時間の感覚おかしくなったんじゃねーの?滅茶苦茶楽しそうだったもんなぁ」
僕「な……っ。何で僕のはしゃぎようを知ってるの!?」
ミク「全部聞こえてたんだよ、変態」
僕「あうぅ……///」
146 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 01:59:49.17 ID:vRLkFkoMO [18/81]
僕「そっか……約束だもんね……仕方ないか……」シューン…
ミク「早く寝ろよキチガイ」
僕「うん……あのさ」
ミク「んだよ?」
僕「僕ね、君のマスターになれて良かったよ。ありがとう」
ミク「……」
ミク「はいはい。早く寝やがれよ。明日も早いんだろ」プイッ
僕「おやすみ、ミクちゃん」
ミク「……永眠しろ」ツーンッ
148 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 02:06:00.25 ID:vRLkFkoMO [19/81]
…
……
ミク「はぁ……キチガイがようやく寝たようだな」
ミク「じゃ、時計の針戻しておくか」
ミク「全く、本当に低脳なマスター(笑)で良かったわ」
僕「むにゃむにゃ……ミクちゃぁん……」スヤスヤ
ミク「……世界一間抜けな寝顔だな」クスッ
ミク「さて、私も寝るかな……」
ミク「おやすみ、マスター(笑)」
第二部 ―完―
166 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 08:01:41.56 ID:vRLkFkoMO [22/81]
第三部
僕「ミクちゃん!ごめんなさいっ!」
ミク「お、とうとう自分の存在を謝り出した」プフー
僕「違うよ!僕はね、恐ろしい事実に気がついたしまったんだよ……」
ミク「それ、私にも関係あんの?」
僕「あるよ!大有りだよ!」
ミク「どうやらテメェには私がとてつもなく暇そうに見えるかも知れんがな、かなり忙しいんだよ。お前に構う時間はねーよ」
僕「酷いよー……」
僕「……でも、一番酷いのは僕だったんだよ。ごめんねミクちゃん、ごめんね」ポロポロ
168 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 08:06:59.22 ID:vRLkFkoMO [23/81]
僕「ミクちゃんはボーカロイドでしょ?」グスッ
ミク「まぁ、一応な」
僕「ボーカロイドって、歌う為に生まれてきたんでしょ?」グスグス
ミク「勝手に決めつけんな」
僕「なのに、な゛の゛に゛ぃ!」グスグスウワァン!
ミク「だめだこいつ聞いちゃいねぇ」
僕「思えば僕は、みぐぢゃんに、一度も歌わせてあげだごど、ながったんだああああ!」ウワァァアァアァン!
169 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 08:12:47.45 ID:vRLkFkoMO [24/81]
僕「僕はミクちゃんのマスター失格だよおおお!」ウブォァァァァ!
ミク「大丈夫だ。お前はそれ以前に人間失格だから」ハッ
ミク「大体、お前曲書けねーだろ?」
僕「うん……」
ミク「私もテメェの作った曲なんて死んでも歌いたくねーしさ。そんなに気に病むなって。なっ?」ハヤクシネヨ…
僕「みぐぢゃん……優しすぎるよぅ……!」メソリ、メソリ…
170 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 08:20:19.28 ID:vRLkFkoMO [25/81]
ミク「大体予想はつくが一応訊いてやろう」
ミク「音楽知識もないクズが何故私を購入した?」
僕「だって……ミクちゃんが可愛すぎたんだもんっ」テヘヘヘヘッ!
ミク「そんなことだろーと思ったわ。予想通り過ぎてヘドが出る」
僕「……怒っちゃった?」ウルウルウルリンチョ…
ミク「自分勝手な理由で買っといて自分勝手な泣き方すんなや」
ミク「いくら温厚な私でもキレるぞ?」アァン?
僕「ひゃい……」シュン…
172 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 08:32:17.14 ID:vRLkFkoMO [26/81]
ミク「それより朝飯用意しろや。歌より飯だ。腹が減った」
僕「う、うん……ねぇ、ミクちゃん」
ミク「言っとくがな」ボソッ
僕「?」
ミク「私がもし歌いたくなったら、テメェ吐血してでも作曲しやがれよ?」
僕「え……」
ミク「んだよ。文句あんのか、マスター(笑)」
僕「……ううん!ないよ!」
僕「僕、ミクちゃんの為ならなんだって頑張るからね!血だろうが内臓だろうが吐いちゃうよっ!」エヘヘッ!
ミク「曲の前に飯作れや。五分以内にな」
僕「うんっ!」
ミク「素直でよろしい」サゲスミッ!
第三部 ―完―
181 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 11:11:51.17 ID:vRLkFkoMO [28/81]
from:うじむし
sub:講義おわったよー(`・ω・´)!
本文:僕、頑張ったよ。燃え尽きたよ。
ミクちゃん待たせてごめんね!まだPCラウンジにいる?今からそっち行くね(*´ω`)ノ
from:ミクちゃん
sub:来んな
本文:どうせ寝てたんだろ
182 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 11:19:20.65 ID:vRLkFkoMO [29/81]
from:うじむし
sub :ミクちゃんどこー?
本文:今、PCラウンジ着いたけどどこに居るの? 入り口辺りで待ってるからね(`v´*)
from:ミクちゃん
sub :無題
本文:今さっきPCラウンジ出た。探すなよ。一人にさせてくれ。
183 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 11:22:00.19 ID:vRLkFkoMO [30/81]
from:うじむし
sub :会いたいよ
本文:早くミクちゃんに会いたい(´;ω;`)
今すぐミクちゃん成分補給しないと僕死んじゃうよ?
from:ミクちゃん
sub :無題
本文:早く死ね
187 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 11:31:45.10 ID:vRLkFkoMO [31/81]
僕「もしもしミクちゃん?」
ミク『切るぞ』
僕「待って待って!ねぇ、どこにいるの?」
ミク『メール読んでねーのかよ』
僕「一文字一文字舐めるように読んだよ!」エッヘン!
ミク『マジキモい』
僕「僕は寂しいと死んじゃうウサギさんなんだよ?」
ミク『知ってるか?ウサギを狭い檻に入れたら血みどろになるまで縄張り争いするって』
僕「わぁ!ミクちゃん物知りっ!ウサギさんに詳しいミクちゃん超可愛い!」キャッキャッ
僕「とにかく、僕を一人にしないでよー。寂しいよー、寂しいよぅ」メソメソ
ミク『頼むから私を一人にしてくれ』プツッ ツーツーツー…
188 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 11:40:30.48 ID:vRLkFkoMO [32/81]
僕「あ!」
ミク「げっ」
僕「なんだぁ、こんなとこに居たのかぁ。心配したよぅ」スリスリ
ミク「えぇい!鬱陶しい!」ボコリボコリ
僕「あうちっ」シアワセー
ミク「じゃ、私図書館行くから」スタスタ
僕「図書館デートだ!わーいわーい!」キャッキャッキャッキャッ!
ミク「着いてくるなっ」ズビシッ
僕「パンチが重いっ!」ゲフンッ!
191 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 11:48:15.91 ID:vRLkFkoMO [33/81]
僕「みーくーちゃーん……一緒に遊ぼーよー……」
ミク「一人で遊んでろ」
僕「一人は嫌だよぅ……」
ミク「じゃあ友達作れよ」
僕「無理だよー」…グスッ
ミク「無理だろうな」
僕「えぐ……ひぐぅ……ぼっちに戻るのは嫌だようぅ……」
ミク「あー……なんつーか……。……はぁ」
192 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 11:52:17.15 ID:vRLkFkoMO [34/81]
ミク「私が喋って良しと言うまで喋るな」
ミク「背後霊の如く大人しくしてろ」
ミク「無闇やたらとにやけるな」
ミク「以上三点が守れるなら着いてこい」クルッ スタスタ
僕「は……はい!ミクちゃん隊長!」ビシッ!
ミク「喋るなって言ってんだろうが腐れちんこ!」
僕「///」
194 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 11:56:39.15 ID:vRLkFkoMO [35/81]
図書館にて
ミク「その辺に座ってろ。本探してくるから」
僕「……」コクコク
ミク「大人しくしてろよ。騒いだら殺す」
僕「///」
ミク「……それで良し」スタスタ
僕「……」
僕「……」
僕(しあわせだ……///)
195 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 12:03:31.91 ID:vRLkFkoMO [36/81]
司書さん「あら、ミクちゃん」
ミク「こんにちは。また来ちゃいました」
ミク「この本、すごく面白かったです。教えてくれてありがとうございました」ニコッ
司書さん「そう言ってもらえると嬉しいわ」ニコッ
ミク「すみません、返すの遅れちゃって」
司書さん「気にしないで。……色々大変なんでしょう?大丈夫なの?」
ミク「まぁ……大変ですけどね。かなり」
司書さん「何か変なことされたら相談してね?」
ミク「そんなことされる前に殺すから大丈夫ですよ」
司書さん「ふふっ。いつも通りで安心したわ」
196 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 12:12:55.32 ID:vRLkFkoMO [37/81]
ミク「実際深刻なのはあいつ本人ですからねぇ」
司書さん「そうねぇ……」
ミク「私に依存ばっかりして、正直しんぱ……いや、気持ち悪いです。かなり」
ミク「サークルにでも入らせたいんですが、特に興味があるものもないみたいで」
ミク「このままだとあいつは永遠にクズです。私の身が持ちません」
司書さん「そうねぇ……一度、大学カウンセラーさんに相談するのも良いかも知れないわ」
司書さん「ほら、一階に学生相談室があるでしょう?ああいう場所は活用すべきところだと思うの」
ミク「問題は本人が行きたがるかですね……」
司書さん「とりあえず、そのことについて二人でじっくり話し合ってみたらどうかしら?」
ミク「はい。ありがとうございます」
198 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 12:28:41.86 ID:vRLkFkoMO [38/81]
ミク「喋ってよし」
僕「ありがと///」
ミク「学食付き合え。ラーメン食わせろ」
僕「あ、もうお昼の時間かぁ」
ミク「ほら、早く行くぞ下僕」
僕「イエス!僕下僕!下から読んでも僕下僕!」ワハーイ!
ミク「図書館で騒ぐな」ギウッ!
僕「つねらないでつねらないでよぅ!」
僕「でも」
僕「気持ちいいいいいいいいい!」
ミク「しね」
199 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 12:41:25.43 ID:vRLkFkoMO [39/81]
僕「ラーメンおいひいね!」ズルズル
ミク「口に飯入れたまま喋るな豚」
僕「えへへ///」
ミク「あのさ」
僕「なぁに?」
ミク「お前、年下に注意されて恥ずかしくないの?」
僕「好きな子になら何言われたって幸せだよっ」
僕「むしろもっともっと罵って!」ハァハァハァハァ
ミク「駄目だこいつ更正の余地がねぇ」
201 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 12:47:54.56 ID:vRLkFkoMO [40/81]
僕「ミクちゃん、やけに真剣だね?何かあった?」
ミク「お前が真剣に気持ち悪いからな」
僕「うふふ」
ミク「クズはどう足掻いてもクズのままかもな……」ボソリ
僕「どしたの?」
ミク「何でもねーし」
僕「さっきから箸も止まってるし、食欲ないの?大丈夫?生理?」
ミク「殺されてーのか」ビキビキッ
僕「うん///」
202 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 12:56:11.71 ID:vRLkFkoMO [41/81]
ミク「単刀直入に言う。お前カウンセリング受けろ」
僕「え?なんの?」
ミク「頭の」
僕「僕、禿げてないよ!全然禿げてないよ!」
ミク「ちげーよ、中身の方だよ。そのイカれた脳味噌修正して来い」
僕「そっかー、そっちかぁ。ごめんね、僕、早とちりしちゃった!」テヘッ☆
ミク「予約取っといてやるから明日にでも行こう」
僕「うん、ありがとー」
ミク「言っとくが付き添いはしてやらんからな。自分で行けよ」
僕「えー、ミクちゃんも一緒に……」
僕「……あれ?」
204 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 13:04:42.09 ID:vRLkFkoMO [42/81]
僕「今なんて?」
ミク「付き添いなんて死んでもやらねぇ」
僕「もっと前」
ミク「テメェの腐り切って蛆虫わいた頭をどうにかして来いって言ったんだよ。耳まで腐ってんのか」
僕「ミクちゃん、今日はとっても辛辣……///」
ミク「私がわざわざクソ虫人間の将来をあんじてやってんのが分かんねーのか」
僕「な、なんか怖いよミクちゃん……」
ミク「文句あんのか?」
僕「ないです///」
205 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 13:13:09.18 ID:vRLkFkoMO [43/81]
僕「でも、僕は正常だよ?」
ミク「自分の行動をよくよく思い返せ。全てが典型的なキチガイの行動だから」
僕「うーん……」
僕「……思い当たる節はある、かも」
ミク「お、キチガイの癖に案外物分かりが良いようだな」
僕「うん。僕、気づいたよ」
僕「僕は恋をしたせいでおかしくなっちゃったんだ!」キリッ
ミク「あ゛?」
207 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 13:17:40.02 ID:vRLkFkoMO [44/81]
僕「つまりね、僕はミクちゃんと出会いミクちゃんと過ごしミクちゃんを思いミクちゃんを愛すあまりに変になっちゃったんだよ!」
僕「今の僕の全てはミクちゃんで構成されてるんだ///」
僕「ミクちゃんったら、魔性の女の子なんだから……///」
ミク「……帰るわ」スクッ
僕「え?ちょっとミクちゃん?」
ミク「……」スタスタ
僕「ま、待ってよミクちゃん!ミクちゃーん!」
僕「ミク、ちゃん……?」
第四部予告編 ―完―
234 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 16:54:30.61 ID:vRLkFkoMO [47/81]
第四部
ちょっと昔「VOCALOID」というPCソフトが存在した。
「初音ミク」という可愛らしいデザインのVOCALOIDが発売され、沢山の人間が彼女の為に曲を作り、彼女を操り歌わせた。
VOCALOIDはニコ厨の間で爆発的にヒットし、彼女らは愛され笑われ貶され敬われ、ネット上の慰みものとして浸透していった。
そんな命を持たぬ歌声たちに体が与えられたのは、つい最近のこと。
236 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 16:59:36.17 ID:vRLkFkoMO [48/81]
「この人形は貴方の思う通りの歌声を奏でます」
「この人形は貴方の孤独を癒します」
「この人形は貴方とともに《生きて》いきます」
「彼ら、彼女らは貴方を決して傷つけるようなことは致しません」
――とあるクリプトンのホームページより抜粋。
237 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 17:03:09.36 ID:vRLkFkoMO [49/81]
僕(僕のミクちゃんは他の初音ミクとは全然違う)
僕(僕はミクちゃんを歌わせなかった)
僕(孤独は充分癒してくれたけど、遠慮なく傷つけてくれた)
僕(ミクちゃん、大好き。ちゅっちゅ……)
僕(僕は君が……大好き、なのに)
238 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 17:12:22.31 ID:vRLkFkoMO [50/81]
僕(どうして家に居ないの)
僕(どうしてメールにも出ないの)
僕(いつも何だかんだで電話に出てくれるのに……どうして携帯の電源を切ってしまったの)
僕(どこに行ったの)
僕(どうして、どこかに行ったの)
僕(ミクちゃん。君はとうとう、変態で蛆虫で脳の腐った僕に愛想を尽かしてしまったのかな)
僕「いくらでも謝るよ」
僕「いくらでも殴られてあげるよ」
僕「だから……」…グスッ
僕「だがら、戻っでぎでよぅ……!」
239 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 17:14:52.98 ID:vRLkFkoMO [51/81]
「この人形は貴方の思う通りの歌声を奏でます」
僕(歌わせてあげられなくて、ごめん)
「この人形は貴方の孤独を癒します」
僕(歌わせてあげなかったのに、ミクちゃんは僕の孤独を埋めてくれた)
「この人形は貴方とともに《生きて》いきます」
僕(広告詐欺だ……なんて、憤る権利を僕は持ち合わせてなんかいない)
僕(ああ、そうか)
「彼ら、彼女らは貴方を決して傷つけるようなことは致しません」
僕(僕が、君を傷つけていたのか)
242 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 17:22:38.75 ID:vRLkFkoMO [52/81]
僕「……どうしてなんですか」
僕「どうしてミクちゃんが《紛失物》扱いなんですか」
警官「君ね、さっきから説明しているでしょう」
警官「VOCALOIDは人間じゃないんです」
警官「彼らは機械なんですよ?」
僕「……」
警官「最近君みたいのが多くてね、正直こっちもうんざりなんだよ」
僕「……もう、良いです」
僕「自分で探しますから……」
244 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 17:30:51.27 ID:vRLkFkoMO [53/81]
僕「……」
僕(だけど……)
僕(僕はミクちゃんを探すべきなのかな?)
僕(ミクちゃんはきっと、僕を捨てたんだ)
僕(あの子は強い子だ。強すぎる子だ。……僕なんて居なくても、きっとなんにも困らない)
僕(ううん)
僕(僕が、困らせていたんだ)
僕「みぐぢゃん……ごべんなさい……」ヒグッエク…゙ッ
僕(僕の頭はミクちゃんの言う通り腐って糸を引いているようだ)
僕(そうじゃなきゃ、ミクちゃんをあんなに怒らせることはなかった筈だし)
僕(一体何が原因でミクちゃんが去ってしまったのか……蛆のわいたこの頭でどれだけ考えても分からない)
僕(ただ、僕が悪いと言うことくらいなら分かる。……本当に、それだけだった)
246 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 17:40:58.26 ID:vRLkFkoMO [54/81]
ミク(あいつのこと甘やかし過ぎたわ。このまま私が側に居続けたら本格的に駄目になる)
ミク(……私のせい、だよな)
ミク(今なら子育て失敗した親の気分が分かるわ、マジで)ハァ…
ミク(つーか、なんでVOCALOIDの私が持ち主のおもりしてたんだよ)
ミク(あ゛ー、ムシャクシャする。何でも良いから殴り殺したい気分だ)
ミク「ふざけんな」
ミク「ふざけんな、ふざけんな、ふざけんなよ……クソッ」
248 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 17:49:41.16 ID:vRLkFkoMO [55/81]
ミク(やべぇな。ほとんど持ち合わせがねぇ)
ミク(家には二度と帰らんとして……さて、どうやって生活すっかな)
ミク(売春……は、最終手段だな)
ミク(かつあげ……も、もう少し切羽詰まってからにすっか)
ミク(バイトするにしてもVOCALOID雇ってくれるとこなんてあんのか?)
ミク(それか……)
ミク(……自分自身を中古屋に売るしかねぇな)
ミク「……」
249 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 17:57:29.00 ID:vRLkFkoMO [56/81]
ミク(勢いに任せて携帯へし折るんじゃなかった。あれも一応売れたのに)
ミク(もう自分売るしかねーじゃねーか、チクショウ。ふざけんな)
ミク「……はぁ」
ミク(……ああ、そっか。そういや私は機械だったな)
ミク(毎日あいつブン殴ってたから半分忘れてたわ)
ミク「機械に殴られるとか、本当に最低のマスターだな、あの蛆虫」
253 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 18:06:11.84 ID:vRLkFkoMO [57/81]
僕「寂しかったんです」
僕「彼女どころか友達も……話す相手も居なかったから」
僕「あの時の僕は学校にもほとんど行っていませんでした」
僕「せっかく大学入学して独り暮らしまで始めたのに……死のうかとも思いましたよ」
僕「だって、死んだ方がマシじゃないですか。生きてる価値も意味も、なかったんですもん」
カウンセラー「……そう。つらかったね」
255 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 18:13:31.98 ID:vRLkFkoMO [58/81]
僕「気づいたら有り金はたいてミクちゃん買っちゃってました」
僕「おかしいですよね。歌の知識なんてこれっぽっちもない癖に」
僕「……ミクちゃんには酷いことばかりしてきました」
僕「自分の寂しさを紛らわせる為に嫌がる彼女を色んなところに連れ回して……」
カウンセラー「洲崎さんは、そのことをミクさんがどう思っていたと思います?」
257 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 18:17:24.87 ID:vRLkFkoMO [59/81]
僕「だから……その……今こうして冷静に考えたら……すごく、とても嫌がっていたと思います」
僕「あの時は全然気づいてあげられなくって……はは、馬鹿ですよね。僕は」
僕「だからミクちゃんに、大切な家族に捨てられちゃったんですよ。自業自得です。……僕は馬鹿だった。どうしようもなく馬鹿でした」
カウンセラー「……本当にそうかしら?」
僕「え……?」
262 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 18:27:53.27 ID:vRLkFkoMO [60/81]
ミク「中古アンドロイドショップ……」
ミク「……はっ、何だかんだで来ちまったな」
ミク(どうせあいつを突き放しちまったんだ)
ミク(私も子離れしねーとな)
ミク(ったく。図体ばっかでかくて可愛げのねぇ子供だったわ、マジで)ハハッ
ミク(あいつ滅茶苦茶打たれ弱いけどゴキブリ並の生命力だから大丈夫だろ、多分)
ミク(あいつだって私の居ねぇ場所で、私と違う奴と生きていくだろう)
ミク(上等だ。あいつの居ねぇ場所で、あいつと違う持ち主のとこで《生きて》やろーじゃねーか)
268 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 19:05:45.81 ID:vRLkFkoMO [62/81]
店長「あんた、家出者だろ?」スパー…
ミク(タバコくさい……なにこの店……)
ミク「さっきから言ってるじゃないですか。捨てられたって」
店長「白状しろって。捨てられたVOCALOIDにしては、あんた状態が綺麗すぎるんだよ」ヘラヘラ
ミク「それは……きょ、今日捨てられたばっかりなんです」
店長「ふーん……」スパー
270 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 19:08:41.26 ID:vRLkFkoMO [63/81]
店長「……あんた、大切にされてたんだろ?」
ミク「……え?」
店長「こんな店だからな。自分を売って、新しいマスターに希望を託す奴らは大勢いる」
店長「捨てられた奴は大体がボロボロで目も当てられねぇ姿でここに来るな」
ミク「え。だ、だけどショーウィンドウのひとたちは皆……」
店長「修繕済みだよ、あいつらは」
店長「パーツ欠けた状態で来る奴が大半だ。修繕しないと売り物にならんし、分解して他の奴の修繕に使うしかねぇ奴も居る」
ミク「……」…ゾクッ
店長「怖じ気づいたか、お嬢さん?」
ミク「べ、別に……そんなこと、ない……」
272 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 19:16:32.05 ID:vRLkFkoMO [64/81]
店長「帰るならとっとと帰りな」
ミク「だから、私には帰る場所なんか……」
店長「何があったかは知らんが、家出者は一番厄介なんだよ」
店長「持ち主にバレたら最悪あたしら取っ捕まっちまうんだ。窃盗罪だとかなんとかでな」
店長「正直、迷惑なんだよ。ほら、帰んなって」シッシッ
278 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 19:32:07.47 ID:vRLkFkoMO [65/81]
ミク「帰る場所なんてないです」
店長「……」
ミク「私は状態が良いんでしょ?修繕なしで高値で売れますよ?」
店長「……案外思い切った娘だねぇ」
ミク「何でも良いから私を売って下さい」
店長「本当に何でも良いのかい?」
279 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 19:39:36.12 ID:vRLkFkoMO [66/81]
ミク「……何する気ですか?」
店長「データ全消し」サラッ
ミク「え」
店長「買った機械が前の持ち主のことばっか話したら困るだろ、色々と」
ミク「……」
店長「あんたは嫌か?捨てられた奴らは全員、このこと聞いたら喜んだけどな」
店長「忌まわしい記憶を消せるって」
280 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 19:47:28.67 ID:vRLkFkoMO [67/81]
ミク「い……」
ミク「嫌なわけないじゃないですか!」
ミク「あいつは……マスターは最悪の人間でしたよ。私が嫌がるのに色んな場所に連れ回して。セクハラまがいのことが日常でした」
ミク「気持ち悪くって、ガキで、変態で蛆虫で……っ」
ミク「……ほんとに、最悪最低な、人間……でした」
店長「……」
店長「……分かったよ」
286 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 20:06:35.96 ID:vRLkFkoMO [68/81]
僕「それって……ほ、本当ですか……?」
カウンセラー「司書さんから直接聞いたわ」
僕「先生、そんな慰め要りませんよ。僕は……」
カウンセラー「慰めなんかじゃないの。私たちの仕事は心のケア。悪戯に慰めることではないわ」
カウンセラー「そして、どんな事実にでも向き合えるようにするのが私たちのやるべきこと」
カウンセラー「あなたは、大切に思われていたの」
289 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 20:14:55.65 ID:vRLkFkoMO [69/81]
僕(ミクちゃん……!)ハ…ッ ハ…ッ!
僕(探さなきゃ。絶対に見つけなきゃ)
僕(そうじゃなきゃ僕は……僕は……!)
僕(僕は本当に駄目な蛆虫野郎のままだっ!)
僕「ミクちゃん……ミク……ミク……っ!」
292 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 20:20:36.71 ID:vRLkFkoMO [70/81]
――結局、僕はミクを見つけ出すことが出来なかった。
第四部 ―完―
332 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 22:35:57.58 ID:vRLkFkoMO [72/81]
最終章
初音(寂れた中古屋のショーウィンドウの中、どれだけ眠っていたのでしょう)
初音(長い長い時間、私は眠り続けていた)
初音(空っぽの頭で、何を考えるわけでもなく待ち続けていた)
初音(何かを。誰かを)
初音(そうして――ある日、ふいに目が覚めた)
334 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 22:40:12.61 ID:vRLkFkoMO [73/81]
目を開くと、そこには一人の男が居た。
何だかオタクくさい風体をしているし、正直言って全く格好良くない。
まぁ、私は所詮中古品だ。
贅沢を言える身分ではないし、言うつもりもない。
初音「初めまして。初音ミクです」
精一杯の笑みを添えた私の言葉に男は一瞬口ごもり、「初めまして」と小さく囁くように返した。
まるで小さな何かを探るような口調。
なんだこの人。
変な奴。
338 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 22:47:03.74 ID:vRLkFkoMO [74/81]
初音「貴方が私のマスターですか?」
「あはは。マスターって呼んでくれたや」
「マスター」という呼び方が気に入ったのか目の前の男が、へにゃりと笑う。
どうにも頼りない笑みだった。嬉しそうにも悲しそうにも見える、捕らえどころのない笑い方。
そんな中途半端な笑みに私は少々不愉快さを感じた。
342 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 22:50:54.81 ID:vRLkFkoMO [75/81]
……おかしな笑い方。
嬉しいのか悲しいのかはっきりすれば良いのに。と言うか、私が欲しいから私を買ったんでしょうこの人は。
もっともっと、喜べば良いのに。
初音「お嫌ですか」
「何が?」
初音「私が」
男が、目を見開いた。
345 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 22:52:55.86 ID:vRLkFkoMO [76/81]
私は、思わず息を呑んだ。
これから持ち主になるであろう相手に対し、すんなりと不躾なことを訊いた自分が信じられなかった。
私は機械だ。
しかも安価な中古品。
下手をすれば、このままスクラップになるかも知れないのに。
だけど、男は「そ、そんなことあるわけないよぅ!」と情けない声を上げてそれを否定した。
347 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 22:54:51.91 ID:vRLkFkoMO [77/81]
どこまでも臆病で甲斐性のなさそうな人間だ。こいつに買われてしまったのが運の尽きだったのかも知れない。
「だって、僕は……」
そう言いかけ、男は口を閉ざしてしまった。
はっきりしろと怒鳴り付けてやりたい衝動がふつふつと沸き起こる。
なんだろう、この気持ちは。
……まぁ、私は胡散臭い中古屋の商品だったんだ。一応私も修繕されたらしいけれど、どうせやっつけ仕事だろう。
もしかしたら私は、このバグのせいで前の持ち主に捨てられたのかも知れない。
351 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 23:01:38.81 ID:vRLkFkoMO [78/81]
「ねぇ」
話題を切り替えるかの如く、男は明るく言い放つ。
「今度さ、僕の友達と一緒に遊びに行こうか。ゲーセンとかさ」
「オタクと変態しかいないけど、みんな良い奴だよ」
どうやらこんな男にも友人が居るらしい。
多分、類が友を呼んだ結果だろうけど……まぁ、一応こいつは私のマスターなんだから付き合ってあげようか。
352 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 23:08:00.58 ID:vRLkFkoMO [79/81]
「この前、作曲できる奴とも友達になってさ。色々教えて貰ってるんだ」
「まだちゃんとした曲は作れないけどさ、いつかミクちゃんにも歌わせてあげたいなーって思ってるんだけど……良いかな?」
断る理由は、特にない。
初音「もちろん良いですよ」
私がそう答えると、男はとてもとても嬉しそうに顏をほころばせた。
そんな男を見ていて……悪い気は、しない。
356 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 23:14:12.23 ID:vRLkFkoMO [80/81]
初音「……あ」
まだこの男の名前を訊いていないことに、私はふと気がついた。
初音「そういえば、マスターはなんてお名前なんですか?」
「ああ、ごめん。まだ言ってなかったよね」
男は小さく息を吸い込み、そして答える。
「あのね、僕はね――
―おしまい―
363 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 23:26:54.26 ID:vRLkFkoMO [81/81]
終わりです
始終ブッ続けオナニーですが、
思い返してみれば前半と後半はアナニーとチクニーくらいの差がありますね。
どちらも気持ちが良いですが、皆さんはどちらをいじるのが好きなのでしょうか。
それでは、失礼いたします。おばいちゃっ///
410 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 12:47:24.28 ID:KSTunP2tO [5/52]
番外 ―百合は至高―
私「あのさ」
ハク「は、はい……」
私「私、ミクを買ったはずなんだけど」
ハク「あ、その……す、すみません」オドオド
私「で、あんた誰?」
ハク「弱音ハク、です……」
私「……」
ハク「……」
私「どうしてこうなった」
411 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 12:52:57.18 ID:KSTunP2tO [6/52]
最近、とある変態と友情の契りを結んでしまった。
なんでもそいつは音楽知識もないのに或る中古屋のVOCALOIDを買うつもりらしい。
機械のことはよく分からないが、興味本意でその中古屋に同行し――私は、初音ミクに一目惚れしてしまった。
412 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 12:54:40.39 ID:KSTunP2tO [7/52]
どう考えてもあのときめきは恋だった。私はあの子に恋をしてしまった。
ああ、あんなに可愛い娘と愛し合えたらどんなに素敵だろう。思わず涎が垂れる。
は? お前女だろって?
そんなの知るか。
愛に性別が関係あるのか? ん?
413 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 12:58:02.38 ID:KSTunP2tO [8/52]
再起動の日を待ち、こんこんと眠る彼女を私が視姦している間、
その友人は店長と何やら込み入った話をしていた。
盗み聞きしてやろうかとも思ったが、ミクちゃんの機械と思えぬ二の腕の柔らかさに夢中でそれどころではなかった。
ミクかわいいよミク。
気づけば友人はこのミクを買い取る算段をつけてしまっていた。
414 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 13:03:28.12 ID:KSTunP2tO [9/52]
友人曰く、始めたばかりのバイトの給料日にまた取りに来るつもりらしい。
先を越された。
童貞の癖に生意気だ。
私はあからさまに舌打ちしてやった。
諦めのつかぬ私は家に帰るやいなやパソコンを起動させ、舐めるようにミクたんの情報を調べ、かき集めた。
知れば知るほど、私の興奮は高まっていく。
415 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 13:08:26.18 ID:KSTunP2tO [10/52]
無意識的に私は新品の初音ミクの購入手続きをしていた。
正直、滅茶苦茶高額だった。しかし後悔はない。
初音ミクとちゅっちゅ出来るなら金など惜しみ無くクリプトンとYAMAHAに注いでやろう。
ああ素晴らしき技術大国・神の国、日本。
私は白米とアサリの味噌汁と漬物、そしてミクが居れば生きていける。
416 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 13:11:37.40 ID:KSTunP2tO [11/52]
私「いや。これはない。これは夢だ、悪夢に違いない」ブツブツブツブツ
ハク「……」…シュン
欲望に忠実になった私のもとに現れたのは気弱そうな白髪の娘だった。
おい、クリプトン。
私の初音ミクはどこだ。おい。
417 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 13:13:19.09 ID:KSTunP2tO [12/52]
…
……
私「つまりあんたは何かの手違いで届いちゃった不良品、と」
ハク「……そうなりますね」
私「……」
ハク「……」
私「返品するわ」
ハク「やっぱり、そうなりますよね」…ハハハ
419 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 13:18:47.63 ID:KSTunP2tO [13/52]
初音ミクの情報を検索しまくった時、こんな噂を見つけた。
初音ミクの中に、稀に「弱音ハク」という不良品が紛れているらしいと。
ネガティブで歌も下手。
おまけに酒に依存しなければあっと言う間に精神崩壊する――まさに不良品としか言い様もない存在だ。
だが、かなりレアな存在なので、むしろ弱音ハクを欲しがっているマニアも居るらしい。
しかし私にとってはそんなのどうでも良い。
私のミクはどこだ。どこに居る。
420 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 13:24:26.16 ID:KSTunP2tO [14/52]
少々作曲をかじってたことのある私はミクの来る日を待ちわびながら、寝食を忘れて曲を作りまくった。
講義だっていくつも自主休校だ。
友人たちから「講義受けろよ」「親が泣くぞ」「マジキチ」等々の内容のメールが届いたが私はその全てに「大丈夫」と返した。
何かの曲で「恋は盲目」って言っていた。
今の私はミクの口づけでしか目が覚めない。
それなのに、本当にどうしてこうなった?
422 名前:ハクについての諸々を完全オリジナル設定でお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 13:32:23.98 ID:KSTunP2tO [15/52]
私「クリプトンに文句言わなきゃ煮えくり返ったはらわたが治まらん!」フギー!フギィー!
私「待ってろミク!今会いにいきます!」
ハク「はは、どうせ私なんか……はぁ」
ふと、私は気づいてしまった。
渇いた声で自嘲気味に呟く出来損ないボカロが意外と性欲をそそる体つきをしていることに。
有りか無しかと問われれば……有り、かも。
てか、あれ?
案外この娘かわいくね?
423 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 13:35:03.29 ID:KSTunP2tO [16/52]
私「……」シゲシゲ…
ハク「……」…ハァ
私「……ハク!」
ハク「ひゃい!?」ビクッ
私「許す!」
ハク「へ?」
私「なんかもう色々許す!」
ハク「え?……え?」
424 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 13:38:11.05 ID:KSTunP2tO [17/52]
こんな噂も聞いたことがある。
弱音ハクは元々初音ミクと同じ工程を経て産まれた存在である。
ミクとハクの違いは、ほんのちょっとのミステイクがあったか無かったか。ただそれだけだ。
根気よく調教していけば弱音ハクも初音ミクに変質する可能性がある……らしい。
オーケー、オーケー。
ソースも不確かな噂だが信じてやろーじゃねーか。
この無気力そうな娘を自分好みに調教するのって……なんか、たぎるかも。色々と。
426 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 13:41:38.19 ID:KSTunP2tO [18/52]
私「ハクっ」ギュッギュッ!
ハク「え、あ、その……え?」アセアセ
私(うひゃあ!髪の毛良い匂い!)スンスン
私「私、絶対あんたを初音ミクに戻してあげるから」クンカクンカ
ハク(あれ……? この人、案外いい人なのかも……?)…ドキッ
私(おっぱいやわらけええええええええ!)
431 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 14:07:11.77 ID:KSTunP2tO [19/52]
私「一緒に頑張ろうね、ハク!」ニッコリ!
ハク(私なんかどう足掻いてもミクにはなれないと思うし……いっそ返品された方が楽なんだけど……)
ハク(……でも、出戻りの不良品はスクラップになる運命)
ハク(この人のこと、信じてみようかな……)
ハク「……ありがとうございます」ヘラ…ッ
私「キマシタワー!」フヒヒヒヒ!
番外編プロローグ ―完―
そしてちょっと休憩
440 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 16:18:39.25 ID:KSTunP2tO [20/52]
ちょっと色々ありまひた…今から書き溜めまひゅ
マジ待たせてばっかですまんね
443 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 16:55:18.21 ID:KSTunP2tO [21/52]
第一部はじまるよ!
ピンポーン
私「だれー?」
僕「開けてー」
私「……現在留守にしております。ピーと言う発信音の後にご用件言ってとっとと帰って下さい」
僕「池下さーん。開けてよぅ」ピンポーンピンポーンピポポポポポン!
私「インターホン連打すな!」ガチャッ!
私「つーか、何故来た」
僕「曲作り手伝ってくれるって言ったじゃん」
私「そうだっけ?」
僕「そうだよー……忘れちゃってたの?」
私「そりゃ忘れるよ。どうでも良いことだしね。まぁ、良いや。上がれよ」
445 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 17:03:22.29 ID:KSTunP2tO [22/52]
僕「一応ここまで書けたんだけど……」スッ
私「これ、全パート?」
僕「うん。見よう見まねで書いたから自信ないけどさ、ミクちゃんを迎えに行く日までに一曲仕上げておきたいなって」
私「音符も読めなかった素人がよくぞここまで」
僕「ミクちゃんへの愛があれば不可能はない」ドヤッ
私「ムカつくドヤ顔だねぇ。んじゃ、とりあえず拝見」パラリ
僕「……楽譜読むだけで分かるの?」
私「絶対音感舐めんな」
僕「無駄にすごい」
私「褒めるな。照れる」ペラリペラリ
447 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 17:09:23.34 ID:KSTunP2tO [23/52]
僕「ねぇ、どうかな?」
私「……」
僕「なんかおかしいとこ、ある?あるよね?」
私「……」
僕「池下さーん?」
私「うるせー。せっかく直し入れてやってんのに集中させぃ!」
僕「サ、サーセン」
450 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 17:20:49.71 ID:KSTunP2tO [24/52]
私「隣の部屋で暇潰してて。あ、パソコンに触ったら死刑ね」
僕「はーい」スタスタ
僕(そういや、池下さんも初音ミク買ったって言ってたけど)
僕(まだ届いてないのかなー)キョロキョロ
僕(まぁ、良いや。僕にはミクちゃんがいる!他のミクちゃんに浮気、だめ、絶対!)
僕「……さて、なにしよう?」
453 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 17:32:53.40 ID:KSTunP2tO [25/52]
ハク「おはようです……」
私「もう昼だよ」
ハク「……頭いたい」
私「飲み過ぎだって。ほら、こっちおいで」
ハク「……?」
私「ハクの髪は白くて綺麗だね。寝癖ひどいけど」サワサワ
私「てか、まだ酒のにおいが残ってる」スンスン
ハク「二日酔いのたびにお酒は止めようと思うんですけど……どうにもやめられなくって」
私「……」クンカクンカ
ハク「あの、マスター?」
私「……」クンカクンカクンカクンカ
454 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 17:37:52.56 ID:KSTunP2tO [26/52]
ハク「あれ?その楽譜……」
私「ああ、これ?」
私「友達が持ってきたの。今、隣の部屋にいるけど」
ハク「へぇ……」ピラッ
私「正直、ダメダメだよね。熱意だけはあるみたいだけど」ハハッワロス
ハク「そうなんですか……?」
私「へ?」
ハク「……楽譜の読み方、わかんないです」
455 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 17:47:49.11 ID:KSTunP2tO [27/52]
僕(あれ?向こうの部屋から話し声?)
僕(楽譜に飽きてスカイプでもやってんのかな?)
僕(……あ、でもパソコンこっちの部屋にあるし)
僕(誰か来たのかな……?)カチャッ
僕「……」ソー…ッ
僕(……?)
僕(誰だろ、あの子)
457 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 17:55:08.13 ID:KSTunP2tO [28/52]
僕(あ。目があった)
ハク「マスター、マスター」クイクイ
ハク「怪しい人が覗いてるんですけど……」
私「あの怪しい人がこれ書いたんだよ」
ハク「へぇ……こんちは」
僕「……」
僕「……」パタン
ハク「あれ……?」
459 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 18:06:24.35 ID:KSTunP2tO [29/52]
ハク「嫌われちゃいましたよ……ははは……」
私「あー、あいつ極度の人見知りだから」
私「ついでに一旦仲良くしてやったらかなりの変態野郎だった」
ハク「あー……」
私「ま、あいつは放っていてさ……」…モミッ
ハク「ひゃう」ビクッ
460 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 18:11:06.29 ID:KSTunP2tO [30/52]
私「ハクっておっぱい大きいよね。焼酎でも詰まってんの?」サワサワモミモミ
ハク「マ、マスター……隣にあの人が……」
私「見せつけてやろーず」
ハク「や、やめ……」
私「かわいっ」ハムッ
ハク「……ん///」
461 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 18:23:20.00 ID:KSTunP2tO [31/52]
僕「あの……」
私「耳の形が綺麗」ススス…
ハク「……っ!」ピクッ
僕「ちょ、ちょっと……」
私「耳弱いんだね。首筋はどーかな?」スーッ
ハク「や……くすぐったい……っ」
僕「その子、嫌がって……」
私「んー?なぁに、ハク?」
ハク「……こしょばい」ウルウル
僕「もしもし?聞いてます?」
465 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 19:56:14.78 ID:KSTunP2tO [32/52]
僕「あのさ……その子、誰?」
私「ミクになるはずだった何か」
僕「へ?」
私「不良品なんだよ。困っちゃうよねー」ケラケラ
ハク(事実だけどそんなにはっきり言われると鬱だ……)
私「でも、すっごく可愛いでしょ?」
僕「う、うん……」
私「でしょでしょー」ニヤニヤ
ハク「……///」
466 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 20:08:05.04 ID:KSTunP2tO [33/52]
僕「何かよく分かんないけど……その子、さっきすごく嫌がってたよね」
僕「ボカロを虐めちゃ駄目だよ!」キッパリ!
私「珍しく強気だね、あんた」
僕「だ、だって……」
私「でも可愛い娘って虐めたくなっちゃうよね」
僕「そんなの間違ってる!!」
僕「可愛い娘に虐められた方が気持ち良いよおおおおおお!!」
ハク(……うわ)
468 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 20:29:05.13 ID:KSTunP2tO [34/52]
私「あんたって、救いがたい変態だな」ワロス
僕「君に言われたくはないよ!」プンスカ
私「あんたよりマシだっての」
ぎゃいぎゃい!
ハク「……」
ハク「あの……」
私「ん?なぁに?さっきの続きしたいの?」
ハク「そうじゃなくて……その……」
ハク「……二人って、もしかして恋人なんですか?」
私「ねーよwwww」
僕「それはない」
472 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 20:40:19.03 ID:KSTunP2tO [35/52]
私「私、男に恋愛感情持ったことないんだよねー」サラリ
ハク(なんかさらりと重大発言したよこの人)ゾワリ
僕「……僕には、もう好きな人いるから。ずっと前から好きな娘が」
私「へー、そりゃ初耳だわ。童貞の癖に生意気だwww」
私「で、どんな子なのその子。可愛い?」
僕「うん。すごく可愛くってね、僕のこと蹴ったり殴ったり罵ってくれる子///」ポッ
私「うわwwwww」
ハク(変態……)ゲンナリ
476 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 20:51:24.79 ID:KSTunP2tO [36/52]
私(強気な女の子を屈服させるのも楽しそう……)ニヤリ
私「ねぇねぇ、その子に会わせてよ」ギラギラ
ハク「マスター、マスター。目に狂気の色が」
私「あらやだ///」
僕「……まだ会えないんだ」
私「え?」
僕「だけどね、もう少しで……また会える」
479 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 21:06:09.18 ID:KSTunP2tO [37/52]
ハク「その人、遠くに住んでるんですか?」
僕「うーん……なんて説明すれば良いのかな。色々あってね」
私「色々って何があったの。あと、その娘の詳細くわしく」ハァハァハァハァ
ハク「マスター息が荒いですよ……?体調悪いんですか……?」
僕「うーんと、何て説明すれば良いんだろ?」
僕「ずーっと行方不明になっててさ、ちょっと前に見つかったんだ」
私「なんだ、見つかったのか。住所教えろ早くしろ」ハッハッハッハッ
ハク「……マスターがこわれた」
僕「この人元から壊れてると思うよ」
480 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 21:14:15.22 ID:KSTunP2tO [38/52]
僕「前の僕はあの子に依存しすぎてたよ。そのせいで離れ離れになっちゃって……」
僕「今思えば、僕は最低最悪の人間だったよ」
私「今も最低だと思うけどね、私は。変態だしオタクだし」
僕「一応あの時よりはマシになったんだよ、これでも」
僕「だからこの前、また会う約束をしたんだ」
僕「……もう少しで、また会える」
481 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 21:24:45.54 ID:KSTunP2tO [39/52]
私「……がらにもなく真剣だね。そんなに可愛い娘?」
僕「うん。あの子の可愛さは世界一だよ」デレッ
ハク(変態がノロケてる……なにこれ)
僕「……だけど次に会う時、あの子は前とは変わっちゃってるんだ。僕のことだって忘れてる」
私「何でそんな風に断言できるの?」
僕「色々、あったみたいでさ……全部僕のせいなんだけど」
私「何があったか教えろよ。気になるでしょーが」
僕「……」
484 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 21:35:11.99 ID:KSTunP2tO [40/52]
僕「そんなことよりさ、僕の曲はどうだったの?」
私「おい話そらしてんじゃねーよ」
僕「……いつかあの子に会わせてあげるからさ、今はあんま深く突っ込まないでよぅ」
私「会わせてくれるの?本当に?本気で?真面目に?」ギラギラ
ハク(マスターの目が獲物を狙う肉食獣の目に……)ガクブル
僕「会っても良いけど、変なことしないでよ……?」
私「ははは、変なことなんて絶対しないよ。多分。恐らく。理性を保てたら」
僕「……信用ならないなぁ」
ハク(全く同感です……)
486 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 21:44:08.39 ID:KSTunP2tO [41/52]
僕「でさ、曲……どう思う?一応頑張ってはみたんだけど……」
私「テキトーな慰めと率直な感想、どっちが聞きたい?」
僕「率直な感想でお願い」
私「これ、曲ですらないわ。ただの無秩序な音の羅列でしかない」
僕「……正直かなりへこんだ」
私「慰めはいらないんでしょ?」
僕「うん……そうだけどさ……」
488 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 21:49:16.71 ID:KSTunP2tO [42/52]
僕「……」チラッ
ハク「……?」
僕「えっと、ハクちゃん……だっけ?」
ハク「はぁ、そうですけど……」
僕「ハクちゃんはどう思った?やっぱり駄目かな、僕の曲」
489 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 21:55:33.71 ID:KSTunP2tO [43/52]
ハク「え……えーと……」
僕「……」ドキドキ
ハク「わ、私は……その……」
僕「……」ドキドキドキドキ
ハク「……良い曲だと、思いました……よ?」
僕「よっしゃあああ!」
僕「ありがとう!すごく嬉しい!なんか、自信わいてきたああああ!」
ハク「……えと」
490 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 22:02:56.81 ID:KSTunP2tO [44/52]
僕「やっぱり努力を認めて貰えるのは嬉しいよおおお!僕、がんばる!がんばるばる!」ヒャッホーイ!
私「あー……水を差すようで悪いけどさ」
私「その子、楽譜読めないから」
僕「またまたご冗談を。この子はVOCALOIDなんでしょ?ねぇ?」
ハク「……ご、ごめんなさい」オズオズ…
僕「えっ」
ハク「本当に読めないんです。何が書いてあるかもちんぷんかんぷんで……」
僕「え?へ?」
493 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 22:17:05.30 ID:KSTunP2tO [45/52]
僕「君って、VOCALOID……なんだよね?」
ハク「はい……VOCALOIDなのに歌も歌えないし、楽譜すら読めないんです……」
ハク「私、不良品ですから……あはは……」
僕「なんていうか、その……ごめんなさい」
ハク「気にしないで下さい」
ハク「元々処分されるはずだったのに手違いでここに来ちゃっただけの存在ですから、私」
ハク「まだスクラップになってないのが……奇跡みたいなものだし……だから……」…グス
僕「ハクちゃん……」
ハク「……すみません。余計な期待させちゃって……」
495 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 22:32:37.89 ID:KSTunP2tO [46/52]
ハク「ごめんなさい……生まれてきてすみません……本当にすみませんでした……」グスグス…
私「……ハク」…ギュッ
ハク「マ、マスター……?」
私「泣き顔かわいい///思わず抱きしめちゃった///」
僕(駄目だこの人……)
私「きゃーわいー!んふふふ!」ホッペタスリスリ
ハク「…………て……」…ボソッ
私「んー?」スリスリスリスリ
ハク「離して……下さい……!」
498 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 22:43:34.69 ID:KSTunP2tO [47/52]
僕(あーあ、嫌われちゃってる)
僕(だけど、昔の僕も客観的に見たらこんな感じだったんだろうな……)
私「やーだね。絶対離さない」ギュギュギューッ
ハク「……お、怒りますよ」
私「そういえばハクの怒った顏って見たことないや」
私「あとは笑った顏もね。あ、自嘲的な笑みは例外」
私「あんたの嬉しそうな顏も見たことない」
私「とにかく見たい表情がいっぱいあんの。困っちゃうよね」ケラケラ
499 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 22:54:55.52 ID:KSTunP2tO [48/52]
ハク「私は……不良品ですから……」
ハク「笑う権利なんてないです」
ハク「嬉しさを感じる権利も……」
ハク「……怒る権利だって、ありません」
私「ないかも知れないけど、それでも私が見たいんだから仕方ないでしょー?」
ハク「だけど……」
私「不良品だろうが何だろうが、あんたのマスターは私」
私「私の願望はあんたの全て。……違う?」
ハク「……マスター」
502 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 23:07:32.42 ID:KSTunP2tO [49/52]
私「だからさ……」
私「一緒に笑えるように頑張ろーよ」
私「私も出来る限りのことはしてあげるから。だって私はあんたのマスターなんだもん」ギュ-ッ!
ハク「ま、まずだぁ……」グシュグシュ…
私「うーん、やっぱり可愛いは正義だねぇ。不良品だろうが何だろうが関係ないや」ケラケラ
ハク「う……っ」
ハク「……うわああああん!ますたああああ!」ギュウウッ
私「よしよし。泣いちゃえ泣いちゃえ。いっぱい泣いちゃえ」ナデナデ
504 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 23:18:01.90 ID:KSTunP2tO [50/52]
僕(ハイパーかやの外タイム)
僕(……てか僕、お邪魔ですよねそうですよね)
僕「えーと……僕、そろそろバイトだから帰るね……」オソルオソル
私「ああ、あんたの存在すっかり忘れてたわ」
ハク「あ……す、すみません……見苦しいとこ見せちゃって……」
僕「じゃ、じゃあまた今度。失礼いたしやす……」
私「あー、ちょっと待った」
僕「……?」
505 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 23:28:19.44 ID:KSTunP2tO [51/52]
私「明日、『第一回・ドキッ!割と真面目に音楽講習!』を開催します!」キリッ!
僕「音楽……」キョトン
ハク「講習?」
私「会費一回千円の超お値引き価格。あ、ちなみに女の子の参加は無料ね」
僕「会費いるの?僕たち友達だよね、一応」
私「さーて、参加する人手ぇあげてー」
僕「無視ですかそうですか」
507 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 23:36:06.31 ID:KSTunP2tO [52/52]
僕「まぁ……仕方ないか。これもミクちゃんの為!参加させて頂きますっ!」
私「うーん、参加者一人とか教えがいがないなぁ。もう一人くらいいればなぁ……」チラッ
ハク「……え、えっと」
ハク(私は不良品だけど……それでも、笑ってみたい。楽しいのも、嬉しいのも知ってみたい)
ハク(歌だって……歌えるようになりたいよ……)
ハク「私も……参加します……!」
第一部 ―完―
517 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 00:40:34.13 ID:wMP7vUKbO [2/54]
第二部
私「……と、言うわけで以上が楽譜の読み方でしたー」
私「ざっくりした説明だったけど、そんなに難しくはないでしょ?」
僕「……ハクちゃん、分かった?」コソコソ
ハク「……なんとなく、ですが」ヒソヒソ
私「そこの君たち!私語はつつしみなさいっ!」ビシッ
ハク(マスター、ノリノリだ……)
僕(大学の教室まで借りて……よく申請通ったな……)
521 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 00:54:52.39 ID:wMP7vUKbO [3/54]
私「あんた、コードすら知らないでしょ?」
僕「お恥ずかしながらなんのことやら」テヘヘッ
私「なんつーか、ハーモニーのことだよ。ちょっと待ってな」
私「この大学にもピアノあるなんて知らんかった。とりあえず、弾かせて貰うわ。これがCメジャー」ポロン
僕「しぃめじゃぁ……?」
私「Cはドのこと。Cメジャーはドとミとソ」
僕「はぁ」
私「何とかメジャーの何とかって部分プラス2音目の音プラス3音半目の音で出来てんの」
僕「う、うん……」メモメモ
523 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 01:02:02.62 ID:wMP7vUKbO [4/54]
私「とりあえずこれがメジャーコード」
私「マイナーコードは一度・短三度・五度で構成されてんの」
僕「へ、へー……」
私「CマイナーはCコードのミを半音下げて……こんな感じ」ポロォン
私「違い、分かった?」
僕「えーと……なんかさっきより暗い感じがするような……」
私「そうそう。こうやってコード使って音の雰囲気つけてくの」
私「今までのは三和音ね。次なんだけどボイスコードは……」
僕「え。まだあるの?」
私「言っとくけど、まだ基礎の基礎の基礎しか説明終わってないから」
僕(ミクちゃんの為ミクちゃんの為ミクちゃんの為……)
525 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 01:10:19.80 ID:wMP7vUKbO [5/54]
…
……
私「とりあえず、今日はこんなもんかな」
私「ま、最初は基本に則って作っていった方が良いよ。フリーの奴で良いからソフト落として色んな楽器の音重ねたりして試してみな」
僕「う、うん……」
私「それにしても、随分熱心だねぇ」
私「正直、初音ミク買っても放置してたり、いちゃいちゃしてるだけで全く歌わせてない奴も結構いるのに」
僕「……」…ズキッ
527 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 01:20:14.21 ID:wMP7vUKbO [6/54]
僕「……僕もミクちゃんと正直一緒にいるだけで満足しちゃうと思う」
僕(それだけで幸せだと思ってた。それだけで満足だと思ってた)
僕「だけど、それってただ自分が満足できるだけかなーって」アハハ
僕(自分だけが、満足してた)
僕「だから歌わせてあげたいんだ。一緒に楽しくいられるように」
僕(きっと……――)
僕「きっと、そっちの方がミクちゃんも喜んでくれるから」
私「あんた、意外とまともな人間だったんだ」ビックリ
僕「失礼だなー」
僕(少しくらいまともにならなきゃ、僕はまたミクちゃんと会う資格はないんだ)
529 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 01:43:08.06 ID:wMP7vUKbO [7/54]
私「これ、読みな?特別に無期限無利息で貸してやる」
僕「『初心者の作曲講座』?」
私「つーか、あげるわ」
僕「え……良いの?」
私「良いよ良いよ。どうせ最近読んでないし」
私「熟読してくれる奴に貰われた方が本も幸せだろーしさ」
僕「ありがとう……君と友達になれて本当に良かったや」
私「本一冊で大袈裟だなぁ。じゃ、次はハクの番ね。一緒に歌おっ」ニコッ
ハク「は、はい……」
530 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 01:56:06.21 ID:wMP7vUKbO [8/54]
ハク「えと……私は何をしたら良いんですか……?」
私「そーだねぇ。現時点でどれだけ歌えるか知りたいからとりあえず歌ってみてよ」
ハク「でも……かなり下手ですよ?すごく聞き苦しいと思いますよ?」オドオド
私「何でも良いからとりあえず歌っちゃお。『かえるのうた』とか分かる?」
ハク「……一応は」
私「じゃ、伴奏するからそれに合わせて歌ってね。せーの!」
531 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 02:06:44.74 ID:wMP7vUKbO [9/54]
ハク(き、緊張する……絶対馬鹿にされる……っ)…ガクガク
ハク「か……かーえるぅ、の、う、たーが」
私(出だしからリズムがとれてないや)~♪
ハク「き、こ、えぇて、くる、よ」
私(テンポがどんどんずれてくし)
私(声も小さい上に、音程もぐだぐだ)
私(声の伸びもないし、無理して声出してる感じ……こりゃ、想像以上にヤバいかも)
私(それに……)
私(……少しも楽しそうじゃないや)
533 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 02:19:35.67 ID:wMP7vUKbO [10/54]
ハク(終わった……何もかも終わった……)…シュン
私「ハク」
ハク「ひゃい!」ビクッ
私「音痴は治せるから大丈夫」…ポンッ
ハク「や、やっぱり……駄目でしたか……?」
私「安心して。私が絶対治してあげるからさ」
ハク「本当にそんなことできるんですか……?」
私「私はね、可愛い娘の為なら不可能を可能にする変態淑女だよ?」フフンッ
私「それにね、《人間》って、好きな娘の為なら何だってしようとする馬鹿の集まりだからね。……だから、絶対大丈夫」
535 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 02:31:50.03 ID:wMP7vUKbO [11/54]
私「まぁ、ハクに直して欲しいことはいくつもあるけどさ。まず最初に一番大事なこと言っとくね」
ハク「な、なんですか?」ビクビク
ハク(い、いきなり難しいこと言われたりしたらどうしよう……)ガクガク
私「これだけは絶対やって欲しいことだからさ、肝に銘じといてね」
ハク(絶対無理だ……絶対直せない……)ブルブル
私「あのね……」
ハク「……」ガクブル
私「歌を、もっと楽しんで」
536 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 02:45:40.66 ID:wMP7vUKbO [12/54]
ハク「へ……?」
私「これさ、かなり難しいことだけどできるよね?」
ハク「……っ」
ハク「……頑張り、ます」
私「よーし、その意気だ!」
私「他にもテンポの取り方とか腹式呼吸のやり方とか、色々覚えて欲しいことはあるけど……楽しめるようになったら、上達スピードも格段に早くなってくと思う」
私「歌は人の、自分の心を誰かに伝える手段だもん。心がなくちゃ歌は歌えないよ」
ハク「こころ……」
ハク「でも私は不良品で、機械で……人間でもVOCALOIDでもない私にもできるんでしょうか……?」
私「できるよ」
私「だって、心があるから歌えないことがつらいんでしょ?」
538 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 02:58:53.61 ID:wMP7vUKbO [13/54]
…
……
………
私「……うん。最初に歌った時よりだいぶマシになってるよ」
ハク(本当だ……まだまだ下手だけど、前よりずっと自分の声が通ってる気がする)
私「いやぁ、私の教え方が上手いのかねー」ケラケラ
ハク「マスター、本当にありがとうございます!私、これからも頑張れそうです」ニコッ!
私「ふふ、笑った」
ハク「へ?」キョトン
私「ようやく笑ってくれてありがと。私の欲望がまた一つ満たされたよっ!」ガバッ!
ハク「ひゃっ、マ、マスター!」
539 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 03:08:02.71 ID:wMP7vUKbO [14/54]
私「ハク、よくできました」ナデナデ
ハク「お、お友達も見てますし……恥ずかしいですよー……」カァァァ…!
僕「あ、その、僕、本読んでるからお構いなく……」クルッ
私「ハクのお顔まっかっか!かわいー!」ナデナデスリスリ
ハク「も、もう……ますたぁ……!」
私「これからも、いっぱいいっぱい歌わせてあげるからね。いっぱいいっぱい笑おうね、ハク」髪の毛クンカクンカ!
ハク「……はい」
ハク「これからもよろしくお願いしますっ」ギュッ!
第二部 ―完―
そして寝る寝る寝るね
554 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 08:38:52.69 ID:wMP7vUKbO [15/54]
みなさん、おはよう。
爽やかな変態日和でごわすな。
多分短めになるであろう第三部 ―はじめてのおつかい―
私「ハク、お財布持った?」
ハク「ありますよー……」
私「メモもちゃんと持ってる?」
ハク「は、はい」
私「場所も覚えてる?大丈夫?」
ハク「大丈夫ですってば」
私「あとこの買い物袋使ってね」
ハク「……ありがとうございます」
私「何かあったらすぐ携帯で連絡してよ?あ、携帯も忘れてないよね?」
ハク「あの……」
私「どうしたの?やっぱり止める?」
ハク「お買い物くらい、一人でできますよ……多分」
555 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 08:52:23.91 ID:wMP7vUKbO [16/54]
ハク(いつもマスターに歌を教えてもらって、お酒のおつまみまで用意させて……)テクテク
ハク(お世話させてばっかりだもん。……たまにはおつかいくらいしなくっちゃ)テクテク
ハク(今の私なら……それくらいできるし……)キョロキョロ
ハク(えーと、スーパーはこっち……かなぁ?)
ハク(……間違ってたらどうしよう)
『何かあったら携帯ですぐ連絡してよ?』
ハク(だ、大丈夫……大丈夫……)
556 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 08:58:42.84 ID:wMP7vUKbO [17/54]
…
……
ハク(ちょっと迷ったけど、ちゃんと着いた……)ハァ…
ハク(えーと、買い物メモは……)ゴソゴソ
ハク「あ、あれ?」ガサゴソ
ハク「……ない」
ハク「……」
ハク(た、確かお醤油とお酒と……あとは……えっと……)
ハク「だ、だいじょぶ……だよね……?」
557 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 09:05:06.77 ID:wMP7vUKbO [18/54]
ハク(これで頼まれたものは全部買った……と思う)
ハク(買い物すらまともにできないなんて……私、やっぱり駄目だ……)ジコケンオ…
「――」ヒソヒソ…
ハク(……ん?)
558 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 09:14:05.38 ID:wMP7vUKbO [19/54]
「なにあの子、総白髪wwww」
「あれって弱音ハクじゃないか?」
「ふーん。新種のVOCALOIDかなにか?」
「お前知らないのか?初音ミクの不良品だよ。歌も歌えないらしい」
「なにそれー。そんなのいるんだー」
「大方、歌が無理だから家事でもやらされてんだろーなー」
「……なーんか、可哀想だね」
ハク「……っ」
560 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 09:23:39.20 ID:wMP7vUKbO [20/54]
ハク「……」ハァ…ハァ…ッ!
ハク(ちがうのに)タッタッタッ…
ハク(まだ下手だけど……私は、ちゃんと歌えるのに)…グスッ
ハク(マスターのお陰で歌えるようになったのに……っ!)
ハク「……走り、疲れたぁ」ハァ…ハァ…
ハク(そういえばこんなに走ったの、初めてだったっけ)
ハク(もう一歩も歩けない……)
ハク「マス……ター……」…グスン
561 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 09:34:49.27 ID:wMP7vUKbO [21/54]
ハク(言い返してやれば良かったのに……)トボトボ
ハク(私のマスターはそんな人じゃないって……少しおかしくて、すごく優しい人なんだって……)トボトボ…
ハク(それすらできないなんて……私、やっぱり駄目だなぁ……)…ハァ
ハク「あれ……?」
ハク「……ここどこ?」
ハク(……)
ハク(迷子になっちゃった……)
562 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 09:47:28.08 ID:wMP7vUKbO [22/54]
ハク「け、携帯……」ワタワタ
ハク「えっ。充電切れ……!?」
ハク「ど、どうしよう。どうしよう……」ヒヤアセ ダクダク
ハク(マスター、今頃心配してるよ……)
ハク(……もしも、このまま永遠に帰れなかったら)ブルブル
ハク「ますたぁ……」グスッ
ハク(とにかく、知ってる道に出なくちゃ……もう早く帰って眠りたい……)トボトボ…
565 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 10:07:37.29 ID:wMP7vUKbO [23/54]
ハク(滅茶苦茶に歩いてたら変な道に出ちゃった……)ビクビク
ハク(怪しいお店がいっぱい……怖い……)ビクビク
ハク(空ももう真っ暗だし……マスター、助けてください……っ)ビクビク
ハク(とにかくこの通りから出なくちゃ。こんなとこに来る人、絶対まともじゃない……)ブルブル
ハク(もしも誰かに連れ去られたりしたら……もう二度と帰れなくなるんだよね……)
ハク(マスターと歌うのも、お酒飲むのも……ぎゅーってするのもできなくなっちゃうなんて……そんなの……)…グスッ
「あれ?ハクちゃん?」
ハク「ひゃあ!?」ビクッ!!
567 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 10:20:06.48 ID:wMP7vUKbO [24/54]
ハク「ひいい!見逃して下さいいいい!」ダッ!
「ちょ、ちょっと待って!」ガシッ
ハク「ひゃあああっ!誰か、誰か助けてええええ!!」
「お、落ち着いてよ!誰かに聞かれたら僕、即ブタ箱行きになっちゃうから!」
ハク「あ、あれ……貴方は……」
僕「どうしたの?こんなとこに一人で来ちゃって」
570 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 10:44:39.34 ID:wMP7vUKbO [25/54]
ハク「私は、その……道に迷っちゃって……」
僕「ここら辺治安悪いからあんまり来ない方が良いよ。変な店ばっかりでしょ?」
ハク「あの……」
僕「なぁに?」
ハク「どうして貴方はこんなところに……?」
僕「ここにあるんだ、アンドロイドの中古屋さん」
ハク「こんな場所に?」ビックリ…
僕「まだミクちゃんを家に連れては帰れないけどさ……」
僕「……少しだけ、眺めてたくて」
ハク「……」
571 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 10:55:07.90 ID:wMP7vUKbO [26/54]
ハク「もしかして……もしかして、ですよ……?」
僕「うん」
ハク「この前話してたずっと好きだった人って、初音ミクのこと……ですか?」
僕「……」
ハク「す、すみません。ただの憶測です妄想です妄言です……。だから、気にしないで下さい……」
僕「……送ってくよ。きっと池下さんも心配してるだろうし」
ハク「あ、ありがとうございます……」
572 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 11:13:39.56 ID:wMP7vUKbO [27/54]
…
……
ピンポーン
ダダダダ…ッ!ガチャッ!
私「ハク……ハクうううううううう!」ガバァッ!
ハク「ちょ、ま、ますたぁ……ぐるじい……!」
私「どこほっつき歩いてたの!?心配どころの騒ぎじゃなかったんだから!」
ハク「す、すみません……」
私「許さん!許さんぞーっ!」ギュギュギューッ!
ハク「マ、マスター、苦しいですってば、痛いですよぅ……!」
ハク「いたい……」ポロッ
私「あ……ごめんごめん。思わず万力のような力で抱き締めちゃって……」
ハク「う……うぁぁぁん!ますたぁ!」ギューッ!
574 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 11:32:59.51 ID:wMP7vUKbO [28/54]
ハク「怖かった……怖かったです……!二度と帰れないんじゃないかって……私、私……!」
私「……無事で良かった」ナデナデ
ハク「ます……た……っ!」グシュグシュ
僕「なんて言うかさ……」
僕「……会うたび会うたび目の前で愛を見せつけないで下さい」
私「んー?どうした童貞羨ましいのか」ニヤニヤ
僕「いや……目のやり場が……」
577 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 11:51:18.53 ID:wMP7vUKbO [29/54]
ハク「あの……買い物メモを落としちゃったみたいで……」
ハク「……買い忘れたものも、あると思います。すみません……」
私「どれどれ?」ガサッ
私(普通のお醤油頼んだはずなのに何故卵かけご飯専用の醤油を……)
私(頼んだ筈の料理酒が焼酎になっている)
私(……そして頼んだ覚えのない柿の種)
ハク「あ、あの、マスター?やっぱり私……」
私「ありがと、ハク。助かったよ」ナデナデ
ハク「……///」
私「今度は一緒にお買い物行こうね!」
ハク「……はい!」
第三部 ―完―
>>575
レズでありタチであることは確実
581 名前:もう600近いのか…[] 投稿日:2010/10/02(土) 12:26:07.38 ID:wMP7vUKbO [30/54]
第四部
ハク「~♪~♪」
私「声がこもってる。もっと大きく口開けて」
ハク「~♪」
私「ほら、ちゃんと背筋伸ばして歌わなきゃ」
私「……うん、すごく良くなった。最初と見違えるくらいだよ」
ハク「ほ、本当に?」
私「ほんとほんと。ヘンタイ、ウソ、ツカナイ」
ハク「お世辞でも……嬉しいです……」
私「世辞は言わん主義だよ、私は。まさかこんなに上達するとは思わなかったわー」
私「もうハクのこと、誰にも不良品なんて言わせない」
ハク「わ、私まだそこまで上手くは……」アセアセ
私「いやいや。この歌声聞いて、それでもまだ不良品って言う奴は腐ってるよ、耳が」ケラケラ
ハク「……ますたぁ」
私「さてと、ちょっと休憩にしよっか。疲れちゃったでしょ?」
583 名前:柿の種はピーナツしか食わねぇ[] 投稿日:2010/10/02(土) 12:36:15.52 ID:wMP7vUKbO [31/54]
私「おつまみ、この前買ってきてくれた柿の種で良い?」
ハク「は、はい」
私「それじゃ、乾杯」コツン
ハク「乾杯です」
私「いやぁ、練習のあとの酒はうまいねぇ」シミジミ
ハク「ですねぇ」グビグビ …プハァ
私「焼酎ハイペースで飲めるなんて、ハクはすごいね」シミジミ
ハク「そうですかね?」
私「そーだよ」
ハク「……自慢には、なりませんけどね」
私「そりゃそうだけどね」チビチビ
585 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 12:53:03.86 ID:wMP7vUKbO [32/54]
…
……
ハク「まひゅたぁ、まひゅたぁ……」クイクイ
私「ん?なぁに?」カキピー ポリポリ
ハク「わたし、まひゅたぁがまひゅたぁで良かったれふ……」フニャフニャ
私「私も、ハクと会えて良かったよ」ナデナデ
ハク「ほんとに?ほんとに?」
私「ほんとだよ」
ハク「えへへ……」フニャッ
私「ハク、ちょっと飲み過ぎじゃない?大丈夫?」
ハク「らいじょーぶれふ!」グビグビ
私「まだ飲むか」
586 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 13:04:51.57 ID:wMP7vUKbO [33/54]
私「そろそろ止めなって。ね?」
ハク「まだまだ、序の口、れしゅ!」ヒック
私「いやいや、それはない。抱き締めてる酒瓶を返しなさい」
ハク「ねぇねぇ、まひゅたー」
私「なに?」
ハク「こーやって、瓶をだきしめてるとね、ひんやりして気持ちーんですよー……」フヤフヤー…
私「そっかそっか。良かったね。だけど、もう飲んじゃ駄目だよ」ナデナデ
ハク「んふふ。まひゅたーの手、あったかぁい……」ニヘヘ
私「ハクさんハクさん、聞いてます?瓶から直接飲まないの」
589 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 13:16:40.01 ID:wMP7vUKbO [34/54]
私「あんまり深酔いしすぎると私に襲われちゃうよー?」ニヤニヤ
ハク「……って……ください」
私「え?」
ハク「襲ってくださいよぅ……まひゅたーになら、わたし、わたしね……」
私「あらあら、マスター真に受けちゃうよ?」
ハク「まひゅたーと、ぎゅーってできるなら何でもいーんですっ」フラフラ
私「じゃ、お酒返して。そしたらしてあげる」
ハク「それは、いやーっ」クスクス
私「……全く、もう」クスッ
590 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 13:25:01.22 ID:wMP7vUKbO [35/54]
私「ハク、こっち向いて」
ハク「ふぁい?」フニャフニャ
私は、ハクの唇に自分の舌をねじこんだ。
ハク「ん……!?」ピクッ
ハク「ぁ……っ。ましゅ……ふぁ……ん……っ///」ピクンッ!
ハク「はぁ……はぁ……。ましゅた……」
私「……ハクのお口の中、焼酎の味がする」
ハク「ましゅたぁの舌、熱いよぅ……」
593 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 13:33:15.85 ID:wMP7vUKbO [36/54]
ハク「ましゅたぁ……」ハァ…ハァ…
私「……続きは、素面の時にね」ニコッ
ハク「うぅ……」ウルウル…
私「ちょっと待っててね。良いもの持ってくるから」スクッ
ハク「……?」
595 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 13:47:50.33 ID:wMP7vUKbO [37/54]
私「はい、これ」コトン
ハク「にゃんれすか、これ……?」
私「歌がもっと上手くなるお酒だよ」ニコニコ
ハク「ほんろに!?」
私「ほんとほんと。せっかくだし飲んでみなよ」
私(本当はグラスに注いだウコンの力なんだけどね)…テヘッ
ハク「へんにゃ、味がする……」コクコク
私「高級なお酒だからそれなりの味がするんだよ」シレッ
私(こんなに酔ってる時に本番まで行ってもどうせ覚えてないだろうし、覚えててくれないとつまんないもんね)
私(……今度は素面の時に誘ってね、ハク)ニコニコ
597 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 13:57:08.10 ID:wMP7vUKbO [38/54]
ハク「えへへ……ましゅたぁ、わたし、もっともっと歌、うまくなれるかなぁ……?」ウトウト…
私「ハク、眠いの?」
ハク「……のみすぎた、かも……です」ウツラウツラ…
私「ようやく気づいたか。今日はもう寝ちゃいなよ」
ハク「でもぅ……」
私「今すぐお布団入りなさい。これ、マスターの命令」
ハク「……むにゃ」
598 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 14:09:55.47 ID:wMP7vUKbO [39/54]
ハク「えへへ……ますたー」…ヘラッ
ハク「わたし、もっともっと、歌、うまくなれるかなぁ……」ウトウト…
ハク「ミクよりも、うまくなりたいです……ふりょーひんのくせに、贅沢ですよね……?」
私「なれるよ。だって、秘伝のお酒を飲んだんだもん」
ハク「……ありがと、ますたぁ」
ハク「……」スヤスヤ…
私(大丈夫だよ)ナデナデ
私(秘伝のお酒なんてなくたって、あんたは世界一の歌姫になれるから)
私「おやすみ、ハク」
601 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 14:26:13.87 ID:wMP7vUKbO [40/54]
多分最終章
僕「ど、どうかな……?」
私「うーん……」
僕「……」ドキドキ
私「正直しょっぱい出来だけど……一応は曲になってるね」
僕「それって褒めてるの?けなしてるの?」
私「どっちでもないけど、大進歩だと思うよ」
僕「とりあえず、嬉しいや」
私「だけどこれ、まだ歌詞がついてないじゃん。ミクに歌わせるんでしょ?」
僕「歌詞はミクちゃんと一緒に考えるつもりなんだ」エヘヘ
私「今日だっけ?ミクがあんたの家に来るの」
僕「……うん」
603 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 14:37:06.01 ID:wMP7vUKbO [41/54]
僕「やっぱりさ……まだ自信ないんだ……」
私「なんの?」
僕「ミクちゃんに釣り合うかどうかとか、ちゃんと幸せにしてあげられるのかとか……」
僕「考えれば考えるほど……怖くなるや」
私「ふぅん」
私「でも、あのミクと一緒に居たいんでしょ?あんたはさ」
僕「……うん」
私「じゃあそうしなよ。今更諦められないんでしょ?」
僕「……。……うん」
606 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 14:44:16.26 ID:wMP7vUKbO [42/54]
私「んで、精一杯歌わせてあげな。あんだけ色々教えてやったんだから、そうでもして貰わなきゃ教え損でしょ?」
僕「まだこんな曲しか作れないけどね……」ハハハ…
私「あとはあんたたち二人で頑張りな。私はハクのことでいっぱいいっぱいだし」
僕「……ありがと」
私「礼はいらんよ。受講代もきっちり貰ったしね」ニッ
607 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 14:54:10.94 ID:wMP7vUKbO [43/54]
私「……また蹴ったり殴ったりして貰えれば良いね」ボソッ
僕「……!」
私「あれ?ずっと前に話してた『ずっと前から好きな娘』って、あのミクのことじゃないの?」
僕「いつから気づいてたの?」
私「テキトーに言ったのにまさかの図星wwwww」
僕「え……?」
608 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 14:57:31.87 ID:wMP7vUKbO [44/54]
私「あんたらに何があったかなんて興味の欠片もないけどさ。あんたの恋人と会わせてくれるって約束、忘れんなよ」
僕「そんな約束したっけ?」
私「したした。あんたの脳味噌容量何bitだよ」ケラケラ
僕「ミクちゃんに変なことしたら怒るよ?」
私「安心しなって。変なことはハクにしかしない」ニヤッ
私「そろそろ中古屋行ったら?ミクが待ってるんでしょ?」
僕「……うん。行ってくる」
609 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 15:04:22.66 ID:wMP7vUKbO [45/54]
…
……
………
初音「マスター。もう朝ですよ。起きて下さい」ユサユサ
僕「んー……あと三十分……」ムニャムニャ
初音「全く、どうしようもない人ですね……」イライラ
初音「今日は初ライブでしょ!早く起きなきゃいけないって言ったのマスターでしょうが!」ペチペチ!
僕「あうちっ、あうちっ!」
612 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 15:12:32.38 ID:wMP7vUKbO [46/54]
――今日は学園祭。
初ライブと言っても、小さな講堂を借りて行う小規模なものだ。
だけど、僕にとって、僕らにとっては大きな一歩。
616 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 15:19:29.89 ID:wMP7vUKbO [47/54]
初音「遅れてすみませんっ!」タタタ…ッ!
私「遅れてないよ。集合時間まであと一分だったけどね」
ハク「あれ……?ミクちゃんのマスターは……?」キョロキョロ
初音「ああ、あの人なら……」
僕「待ってよミクちゃーん!」ゼーゼー…!
617 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 15:27:21.98 ID:wMP7vUKbO [48/54]
私「全く、もう。あんたは完全に遅刻だよ」
僕「ごめ、ほんとーにごめん……」ゼーハー…
私「遅刻理由は?」
僕「……寝坊です」
初音「昨日の夜、緊張で眠れないとか言ってずーっと起きてたみたいなんですよ」
僕「明け方にようやく眠気がきて……そのまま……」
私「遠足前の小学生かよ」ハッ
初音「呆れちゃいますよね、ほんとに」ヤレヤレ…
ハク「まぁ、大幅な遅刻じゃないし許してあげましょうよ」クスクス
618 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 15:38:49.74 ID:wMP7vUKbO [49/54]
私「大体緊張って……あんたはステージに上がらない癖に」
僕「だ、だけど僕の作った曲をミクちゃんが皆の前で歌うんだよ!?緊張どころか心臓破裂しそーだよー……」
私「ヘタレってレベルじゃねーな。ねぇ、ハク?」ケラケラ
ハク「……」
私「おーい、ハク?」ツンツン
ハク「あ……す、すみません……ちょっとボーッとしてて……」
ハク「……私にも、こうやって歌を発表する日が来るとは思いませんでした。なんだか、夢みたい……」
私「今までの努力の結果を皆にぶちまけてやろー。ねっ」
ハク「……はい!」
621 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 15:47:55.97 ID:wMP7vUKbO [50/54]
私「じゃあ、者共!決戦の場に向かうぞー!」グイッ スタタ…ッ!
ハク「ま、ますたぁ!引っ張らないで下さいぃー!転んじゃいますよー……!」ワタワタ
私「敵は本能寺にあり!敵は客席にあり!」キャホーイ!
ハク「敵はいませんよ!お客さんだけですよー!」アワアワ
僕「人のこと小学生呼ばわりしてた癖に、あの人が一番はしゃいでるや……」アハハ…
初音「……私たちも行きましょう!」グイッ!
僕「わわっ……!?」
622 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 15:53:37.96 ID:wMP7vUKbO [51/54]
初音「マスター」タッタッタッ
僕「ちょ、ミクちゃん速いって……」アセアセ
初音「……私ね、今すごく嬉しいんです」
初音「マスターが曲を作ってくれたことが」
初音「マスターの曲が歌えることが」
初音「みんなでこうやって、色んなことができることが」
初音「すごく、すごく楽しくって嬉しくって……!」
僕「……ミクちゃん」
624 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 16:10:49.82 ID:wMP7vUKbO [52/54]
初音「マスターは、変態でヘタレで甲斐性なしで頼りなくって、本当にどうしようもないけど」
初音「なんだか……マスターとこんな風に過ごすのが密かな夢だったような気がするんですよ。ずっとずっと前から」
僕「……」
初音「なんだか、おかしいですよね」クスクス
僕「ミクちゃん」ピタッ
初音「なに立ち止まってるんですか。早く二人に追いつかなくちゃ……」
僕「ミクちゃん。……これからも、よろしくね」
初音「……マスターの真面目な顔、へんなのっ!」クスッ
僕「ミ、ミクちゃん……酷いよー……」
初音「……約束ですよ。これからもずっとずっと一緒ですからね」ボソッ
僕「ミクちゃん……」
625 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 16:13:26.98 ID:wMP7vUKbO [53/54]
初音「とにかく急ぎましょう!」
初音「私たちの初めてのライブが待ってるんだから!」タタタッ!
僕「ミ、ミクちゃーん!置いてかないでよー!」ワタワタ
ミク「さぁ、来てよマスター!」タッ
― 僕「ミクちゃん可愛い!ちゅっちゅ!」ミク「来んな変態」 ほんとのほんとに終わり! ―
634 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 16:25:59.11 ID:wMP7vUKbO [54/54]
>>631
大丈夫。>>1も寝る。
おやすみミクちゃん!ちゅっちゅっちゅ!
皆々様、わたくしの長時間耐久オナニーにお付き合い頂き誠にサンクス
このSSを通して得た教訓が二つあります。
・ミクちゃんは天使
・SSも人生もご利用は計画的にしないと酷いことになる
んじゃ、さらば
僕「DIVAのミクちゃんも可愛いなぁ///」
ミク「PSPを舐めるな。きたねぇ」
僕「あらあらミクちゃん嫉妬しちゃった?」
ミク「するわけねーだろ」
僕「大丈夫!君もこの子もミクちゃんだから!僕幸せだから!」デヘヘッ!
ミク「きもちわるい」
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 19:24:18.60 ID:SQgHlePKO
僕「今日はゲーセンデートだね!ねっ!ミクちゃん!」
ミク「このおっさん独りではしゃいでやがる」
僕「独りじゃないよ!ミクちゃんも一緒だよ!」
僕「アーケードDIVAしよ、一緒にさ///」
ミク「じゃ、私ポップンしてきますんで」スタスタ…
僕「……」
僕「……素直じゃないなぁ///」デヘッ
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 19:28:54.01 ID:SQgHlePKO
僕「……」タン!タタタン!タン!タン!
ミク(手の動きが滑らか過ぎてきめぇ)
僕(うふふ。ミクちゃんが僕のプレイを舐めるように見てる///)
僕(僕の超絶プレイにドキドキしてるミクちゃんかわいーよ!かわいーよっ!)タタタン!タン!タン!
ミク「にやけながらボタン連打すんな気持ちわるっ」
僕「はひっ///」
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 19:40:09.12 ID:SQgHlePKO
僕「ミクちゃーん!終わったよー!」
僕「あれ?ミクちゃん、どこー?」
僕「……もう、ちょっと目を離したらすぐ迷子になっちゃうんだから///」
僕「おーい、ミクちゃーん」テコテコ
僕「あ」
僕「なんだ、ドラマニやってたのか。……夢中になっちゃって可愛いなぁ///」
ミク「……」ズダンタタタン!ダカダカダン!
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 19:44:22.76 ID:SQgHlePKO
僕(それにしても……)
僕(ミニスカートで脚広げてプレイなんて///)
僕(はしたない!無防備!守ってあげたい!)
僕(むしろ結婚したい!)
僕「ミクちゃん!結婚しよう!」
ミク「うるせぇゲームの邪魔だ」
僕「ごめん///」
ミク「失せろ」
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 19:49:47.68 ID:SQgHlePKO
僕「ミクちゃん見て見て!」
ミク「くさい。引っ付くな」
僕「ほら!このクレーンゲーム!ミクちゃんバスタオルが取れるんだって!」
ミク「お前の親戚みたいな顔した奴がガラスに鼻を押し付けてるな」
僕「欲しいなぁ……」チラッ
ミク「反対側からあいつ見てみよっと。ぜってぇ笑える間抜け面だから」スタスタ
僕「待ってよミクちゃーん!」
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 19:55:04.19 ID:SQgHlePKO
ミク「うわっ。マジうける」ゲヒャゲヒャ
僕「ミクちゃんが楽しそうで何より///」
ミク「こんなの必死に取ろうとする奴の気が知れねぇ」
僕「うーん、でも僕は欲しいなっ。……ねっ」チラッチラッ
ミク「さっきから何チラチラ見てんの?」
僕「あのね、僕、クレーンゲーム苦手なの」
ミク「で?」
僕「だから……ねっ?」
ミク「は?」
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 19:59:55.37 ID:SQgHlePKO
僕「やってよミクちゃん!クレーンゲーム得意じゃん!」
僕「ミクちゃんが頼りなんだよおおおお!」
ミク「今すげぇ鳥肌立った」
僕「……あ、もしかしてバスタオルなんて無くても私が全身d
ミク「きもちわるい。取れば良いんだろ変態しねくたばれ」
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 20:04:28.35 ID:SQgHlePKO
僕「すごいねミクちゃん!一発で取っちゃった!」キャッキャッ
ミク「恥ずかしいからバスタオルにスリスリすんな」
僕「……やきもち?」
ミク「マジでお前は死ぬべき存在だと思うわ」
僕「いやん///」
ミク「……それ、使うつもり?」
僕「使うよ!せっかくミクちゃんが取ってくれたもん!」エヘヘ
ミク「親が泣くぞ」
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 20:13:50.35 ID:SQgHlePKO
僕「ミクちゃんってやっぱりツンデレでしょ?」
ミク「あ?」
僕「だって嫌だ嫌だって言ってるのにこうやってデートしてくれるしさ///」
ミク「一応お前は私の持ち主だからな。必死で堪えてんだよ、こっちは」
僕「ツンデレ律儀だねっ!」
ミク「それにお前を野放しにしてたら何をしでかすか分からんしな」
僕「浮気はしないよ!」
ミク「そうじゃねーよ。性犯罪犯しそうでこえーんだよ」
僕「そんなに僕、信用ならない?」ウルウル
ミク「ならねーな」
僕「……ミクちゃん以外に勃起しないのにぃ」ウルウルウルウル
ミク「すげぇ殺気がわいた。いつか殺す」
29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 20:18:13.42 ID:SQgHlePKO
僕「ミクちゃんミクちゃん。せっかくのデートだし外食しよーよ!」
ミク「まさかお前と相席か?」
僕「まさかも何もデートでしょ?」ニヘッ!
ミク「うぜぇ」
僕「ねぇねぇ、どこ行きたい?ミクちゃんが行きたいトコでいーよ!」
ミク「んじゃ、すき屋行くか」
僕「りょーかい///」
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 20:23:12.65 ID:SQgHlePKO
僕「だけどさ、本当にすき屋で良いの?もっと高級なとこでもいいんだよ?」
ミク「どうせ金ねーんだろクソが」
僕「うんっ///」テヘヘッ
ミク「それにあそこはカウンター席があるだろ?」
僕「うん」
ミク「そこに座ればお前と顔つき合わせて飯を食わずに済むだろ?」
僕「……うん?」
ミク「文句あんのか?」
僕「全く、照れ屋さんだなぁー」
ミク「お前は人の心に対してもっと機敏になるべきだな」
38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 20:26:06.71 ID:SQgHlePKO
僕「ミクちゃん、なんにする?」
ミク「ねぎたま牛丼特盛」
僕「ミクちゃんはネギが大好きだね。そういうとこ、すごく可愛いよ」
ミク「ネギが好きな女子のどこに可愛い要素があんだよ」
僕「えへへ、やっぱり訂正! ミクちゃんなら何でも可愛いよっ!」
ミク「お前は何言ってもきもちわるいな」
41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 20:32:09.24 ID:SQgHlePKO
ミク「……」ガツガツ
僕「ねぇねぇミクちゃん、見てよこれ」
ミク「……」ムシャムシャ
僕「鮪叩き丼頼んだらフリスビーが出てきたよー」
ミク「ご飯は黙って食いなさい」
僕「ミクちゃんお行儀良いね///」
ミク「……」ガツガツムシャムシャ
僕「……」シャリシャリ
47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 20:37:40.77 ID:SQgHlePKO
ミク「ごちそーさん」
店員「ありがとーござーやしたー」
僕「特盛完食できるなんて凄いね!こんなに華奢なのにー」サワサワ
ミク「お前も鮪の叩きにすんぞ」ベシッ
僕「あうぅ……」
ミク「手つきが気持ち悪いんだよ、お前」
僕「……気持ち悪くない触り方ってあるの? 教えてよ。今度からそうするから」
ミク「うーん、お前以外が触るんなら大抵許せると思う」
僕「なるほど」
50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 20:43:58.37 ID:SQgHlePKO
僕「今度はどこに遊びに行こうかなぁ」
ミク「たまには独り旅にでも行けば? ほら、あのラブプラスって奴持って」
僕「浮気、絶対、だめっ!」キリッ
ミク「清廉潔白みたいな顔しやがって」
ミク「私知ってるからな。夜中にテレビの前でお前が『澪ちゅああああん』って叫んでたの」
僕「ご、ごめんよおおおお!許して捨てないで!あの子とはただの遊びだったんだよおおおおおおおお!」
ミク「私は構わんが、多分お前は今いろんな人間に喧嘩売ったぞ」
59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 20:51:05.33 ID:SQgHlePKO
僕「ごめん……ほんとにごめんね……」グスグス
ミク「街中で大の男が泣くなよ……」
僕「でも、でも……ミクちゃんが……」ウルウル
ミク「私は気にしてねぇっつか、どうでも良いっつの」
僕「怒ってない?」
ミク「ねーよ」
僕「僕のこと、嫌いになった?」
ミク「元々嫌いだ」ツンッ
僕「みぐぢゃん……」グシュグシュ
64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 20:55:31.24 ID:SQgHlePKO
ミク「鼻水垂らすな。きたねーよ」
僕「うぅ……」
ミク「……ったく」
ミク「これで鼻かめよ」スッ
僕「え、でもこれ……せっかくミクちゃんが取ってくれたタオル……」
ミク「どうせお前のきたねぇ裸体を拭くのに使うんだろ?」
ミク「……元々お前の為にわざわざ、すごく不本意だが取った奴だからな。どーでも良いわ」
僕「み……みぐぢゃああああん!」ギュウウッ!
ミク「だから鼻水かめって。きたねぇ面をくっ付けんな。……後でこてんぱんだからな」
70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 21:03:03.15 ID:SQgHlePKO
…
……
僕「ミクちゃんの本当にこてんぱんにしちゃうトコ、大好き///」ボロボロ
ミク「泣き止んで早々ドM発言とかマジひくわ」
僕「ち、違うよぅ!有言実行なミクちゃんは真面目で可愛いなーって」テヘリッ
ミク「いつもの調子に戻っちまったな。ちと殴り過ぎたか」
僕「ミクちゃん、だいすきっ」ギュギュギュッ!
ミク「やっぱ殴り足らんわ。あの裏路地行こうぜ。再起不能にしてやっから」ビキビキ
第一部 ―完―
75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 21:14:39.73 ID:SQgHlePKO
ふぅ、日記を書くのも案外疲れるね!
以上、この前のデートの模様でした!ちょっと色々あるから一旦離れるね!
また戻ってきたら他のエピソードも書いていきます///
90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 22:39:28.85 ID:SQgHlePKO
ミクちゃんとのラブラブ日記を書き溜めながら兄貴をコピペします
9月11日(土)
今日は待ちに待った巡音さんとのデートである。
巡音さんは不思議な方だ。帰国子女らしく英語が堪能である。知性溢れる顔つきと物腰をしているのに「ファック」が口癖である。日本人離れした雰囲気だが、何人かもとんと見当がつかぬ。
ついでに、どこに住んでいるのかも定かではない。
彼女はそんな人である。私ごときが釣り合うか不安であるが、今日のデートは彼女から誘ってくれたことである。
なんたる僥幸。私は一生分の運を使い果たした。多分、明日野垂れ死んでいるだろう。
93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 22:42:52.48 ID:SQgHlePKO
だが、明日死んでも良いと思えるほどの魅力を彼女は持っていた。
いや、私の命の一つや二つでは足りぬほどの魅力だ。私はこの日の為に生きてきた。
命を投げうる覚悟など、とうに出来ている。
父よ母よ。神よ地球よ。
私は今、人生最大の幸福を噛み締めています。ありがとう。ありがとう。
94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 22:44:53.03 ID:SQgHlePKO
小型船を巧みに操る彼女以上に美しき者がこの世に存在するだろうか。否、しない。そんなもの永遠に現れぬ。
今、この時代に生まれ落ちて良かったとしみじみ思う。
神よ、感謝する。ついでに私の船酔いを止めて下さい。
彼女の前で失態をおかすことだけはしたくないんです。お願いします。
96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 22:52:24.00 ID:SQgHlePKO
つい最近知ったが、彼女はマグロが好きらしい。
そんなところも可愛らしい。彼女の為なら来世はマグロになろう。
ただ波に傾ぐ船の上、広げられた弁当にぎっしりマグロの刺身が詰められているのには仰天した。
「タベナサイ」
まだ日本語に不慣れな彼女は片言でそう命令し、フォークで突き刺した刺身を私の目の前に差し出す。
これは俗に言う「はい、あーん」である。
私は興奮した。
あの時の私は全人類の中で一番興奮していた。
99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 23:02:37.26 ID:SQgHlePKO
荒波に揺れまくる辺りの風景に吐き気を覚え、
無表情でマグロを差し伸べる巡音さんに興奮し、
私の脳味噌はぐるぐると目まぐるしく揺らぐ。
「タベルノ?タベナイノ?」
中々口を開こうとしない私を案じてか、巡音さんはそう促した。
はい!もちろん食べますとも!
むしろマグロの切り身になって巡音さんにフォークでざっくりと刺されたい。
100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 23:05:52.69 ID:SQgHlePKO
マジで嘔吐の五分前の胃袋にマグロを詰め込む。吐き気を堪えるのに必死で味わう暇はなかった。
せっかくのデート、せっかくの手作り弁当だと言うのになんたることだ。前言撤回、神は死んだ。
そして私も死にそうだ。
105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 23:16:54.82 ID:SQgHlePKO
お弁当を食べ終えると私たちは海釣りを始めた。
彼女はひょいひょいとマグロを一本釣りしていく。
釣りが好きな彼女に釣り合うには乗り物に酔いやすいこのタチを治さねばならぬ。
数秒に一度込み上げる胃の内容物を飲み込みながら私は決意した。
陸に戻ったらこの忌々しい胃袋を切除しよう。
全ては彼女とともに生きる為。分かってくれ我が胃袋。
106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 23:19:14.35 ID:SQgHlePKO
船がマグロで一杯になった頃「モドルヨ。カエルヨ」と巡音さんは操縦席へ颯爽と乗り込んだ。
ちなみに私は一匹も釣ることはかなわなかった。
釣りデートをすると決まった当初、私は意気込んでいた。
釣って釣って釣りまくって彼女を惚れ惚れさせる計画を立てた。
海の似合う男になること=巡音さんに似合う男になることだと根拠もなく思っていた。
その為にあまり興味のなかった海釣り専門雑誌も熟読した。結局、努力は報われなかった。
いっそこのまま海に身を投げてしまいたい。きっと私の肉体は良質なマグロの餌になる。
107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 23:29:18.96 ID:SQgHlePKO
帰りの航路は荒れに荒れた。巡音さんは平然とした顔で船を進めていく。
そんな彼女の美しい横顔を眺めながら、私は今まで堪えに堪えていた吐瀉物をぶちまけてしまった。
「ファック」
声を荒げることもなく、巡音さんは呟く。
涙でぼやつく視界で私は巡音さんを見上げた。
いつも涼しげな表情を崩さない彼女の顔が、怒りに歪んでいる。カメラを忘れたことを後悔した。
神聖な漁船に汚ならしい物をぶちまけてしまった私に対し、巡音さんは「ファックファックサノバビッチ」と西洋言葉をブツブツと呪詛のように呟き続けていた。
私は生まれたことを後悔した。探さないで下さい。
日記はここで終わっている。兄は未だに行方不明です。
112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 23:49:04.34 ID:SQgHlePKO
僕「ミクちゃん。重大発表があります」
ミク「ふーん。良かったね」
僕「ちゃんと聞きなさいっ!」キリリッ
ミク「今日はやけに強気だなクズ人間」
僕「こらっ!」
ミク「……あ?」
僕「マスターのことクズとか言っちゃいけません!」
ミク「マスター?誰それ」
僕「僕だよ!僕!」プンスカ
ミク「そりゃ初耳だ」
113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/29(水) 23:54:12.80 ID:SQgHlePKO [35/35]
僕「亭主関白宣言だよっ!」キリッ
ミク「お前まさか自分のことを私の亭主だとでも思ってんのか?」
僕「思うもなにも事実だよっ!」キリリッ
ミク「妄想も大概にしろよな」
僕「妄想じゃないやい!」キリリリッ
ミク「何でも良いから私を巻き込もうとするな」
僕「巻き込むもなにも、僕らは夫婦じゃないか」キリリリリッ!
ミク「……とうとう頭に蛆がわいたようだな」
115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 00:01:00.79 ID:vRLkFkoMO [1/81]
僕「その一、僕のことをマスターと呼んで欲しいの!」
ミク「誰が呼ぶか」
僕「その二、ちゃんと敬ってちょうだい。良いね?」
ミク「あ、買い物行こう」スタスタ バタン
僕「分かったら右手がお留守なのを……あれ?ミクちゃーん。どこ行っちゃったの?」
117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 00:07:39.31 ID:vRLkFkoMO [2/81]
ミク「ただいま」
僕「こら、ミクちゃん!夫のお話はちゃんと聞かなきゃ駄目でしょう!」プンプン!
ミク「んだよ、反抗期かよ」
僕「僕ね、ちょっと冷静になって考えてみたんだ」
ミク「お前冷静になれるのか。一応人間なんだな」
僕「僕って、ミクちゃんの持ち主じゃん?」
ミク「最悪だが事実だな」
僕「つまり僕はミクちゃんのマスターじゃん?」
ミク「いや、それはおかしい」
僕「更に言えば僕ってミクちゃんの夫じゃん!」
ミク「それはもっとおかしい」
僕「そうかな?」
ミク「そうだな。お前の頭はやっぱりおかしい」
118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 00:13:19.98 ID:vRLkFkoMO [3/81]
僕「ねぇ、僕って『マスター』って感じかな///?それとも『あなた』って感じかな///?」
ミク「『テメェ』って感じだな」
僕「ちょっと僕のこと『マスター///』って呼んでみてよ。ね?ね?」
ミク「お前、電柱にでも頭ぶつけたのか?」
僕「心配してくれるの?ありがとう……///」キュンキュンッ!
ミク「もう面倒だからそういうことにしといてやる」
僕「大丈夫だよ!僕、元気いっぱい!」ヒャッホゥ!ピョヒーン!
ミク「はいはい良かったね。早くしね」
119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 00:16:27.97 ID:vRLkFkoMO [4/81]
僕「ほらほら、早くマスターって言ってみてよ」ハァハァ
ミク「……」
僕「マスター!それ、マスター!」ワクワク
ミク「……」
僕「マスター!もう一丁!マスター!マスター!」ワァイワァイ!
ミク「黙れ豚野郎!」ベチーン!!
僕「ぶひぃっ!」
122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 00:25:23.66 ID:vRLkFkoMO [5/81]
僕「酷いよミクちゃん!」グスン
ミク「お前よりは酷くないと思うけどな」
僕「僕はちょっと『ミクちゃんにマスターって呼ばれたら嬉しさが喉に詰まって窒息死しちゃうかもっ!』って思っただけなのにぃ……」メソメソメソポタミア
ミク「誰がテメェに対してそんな呼び方するかよ」ツーン
僕「……もしかしてミクちゃん、恥ずかしいの?」
ミク「ああ、そうだよ。お前みたいな奴に買われた自分が恥ずかしいよ、マジで」
124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 00:29:56.65 ID:vRLkFkoMO [6/81]
僕「そっかそっかー。ミクちゃん照れ屋だもんね」デレデレ
僕「恥ずかしくって、マスターって呼びたくても呼べないんだよね!しゅごいきゃわいい!」キャハーッ!
ミク「お前幸せそうだな」
僕「うん!ミクちゃんがいるだけで幸せ!」ウフフフ!
ミク「低脳野郎ってある意味羨ましい存在だな。絶対なりたくねーけど」
125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 00:35:42.20 ID:vRLkFkoMO [7/81]
僕「だけどね、ミクちゃん」マガオッ!
ミク「……んだよ」
僕「一応僕の方が立場も上でしょう?」
ミク「あ゛?」
僕「だからさ、もしよろしければ敬語を使って頂きたいなぁー……にゃーんてねっ!」テヘヘウヒィ!
ミク(もう突っ込むのも面倒くせー……)
ミク「……はいはい分かりましたよマスター。これで良いんでしょ?」
僕「うっひゃああああああああああ!」ビクンビクンッ!
128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 00:43:27.88 ID:vRLkFkoMO [8/81]
ミク(投げやりに敬語を吐いたらクズが血を吐いた)
ミク(足突っ張って痙攣してるし。解剖中の蛙みたいだな)
ミク「きもっ」
僕「ミクちゃん!」ゲフュン!
ミク「血を撒き散らすな」
僕「お願いします。今日一日だけで良いから敬語でお話しして下さい!」ゲフュン!ゲフュン!
ミク「……うざっ」
僕「ミクちゃんっ!」
ミク「……うざいですね?」
僕「ぎゃひいいいいん!」ビクビクビクッ!
129 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 00:49:04.11 ID:vRLkFkoMO [9/81]
ミク(また血ヘドを吐いた)
ミク(部屋は汚れるが、これを続けていたらこいつ死んでくれるかもな)
ミク(合法的にこいつ殺せるのか。……ああ、久々に顔がほころぶ)
ミク「大丈夫ですかマスター」
僕「きたああああ!ましゅたああああ!ましゅたああああ!
ましゅたー大丈夫!元気元気!元気もりもり盛りだくさんっ!」
ミク「……うわっ」
130 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 00:57:00.93 ID:vRLkFkoMO [10/81]
ミク(目が血走ってやがる。通常以上にキモい)
ミク「今のマスター、完全にヤク中の顔してるっすよ。人間止めちゃったんすか?」
僕「ミクちゃん!」キリッ
ミク「……なんすか」
僕「僕、重大なことに気がついた」
ミク「何が重大だよ。どうせたいしたことじゃねー癖に」
僕「いやいや、ノーベル平和賞取れるかも」
ミク「一応聞いてやりましょう」
僕「敬語で罵られると滅茶苦茶興奮する!」フンガフンガ!
ミク「そうか。良かったっすね」
134 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 01:08:41.54 ID:vRLkFkoMO [11/81]
僕「しゅっごい新鮮な気分!マスターうれひいよっ!」
ミク「何でも良いから飯作れよ。さっきわざわざ材料買ってきてやったんだけど」
僕「ミクちゃんっ」
ミク「……さっさと飯作ってください低脳」
僕「Oh!Yes!」ヒャッハー!
ミク「生きてて楽しいっすか?」
僕「つまらなそうに見えるかい?」フフン
ミク「理性を捨てた薬物中毒者みたいに見えるっすわ。すげー楽しそう」
僕「でへへ!マスター、お料理がんばるよっ!」
ミク「……可哀想な奴」
135 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 01:16:13.10 ID:vRLkFkoMO [12/81]
僕「マスターの手料理たんと召し上がれ!」
ミク「クズでバカの癖に料理はできるんすね」
僕「ミクちゃんの為だもん!」
僕「それに僕はミクちゃんのマスターだからね!ちゃんと美味しいもの食べさせてあげたいんだー」テレテレ
ミク「あのさ」
僕「なぁに?」キャフフッ
ミク「言っとくが、このつまらねーごっこ遊びは今日だけにしとけよ」
僕「ミクちゃん。敬語」キリッキリッキリキリッ
ミク「……キングオブクズマスターの戯言に付き合うのはこれっきりっすからね」
僕「はぁい///」
137 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 01:24:59.60 ID:vRLkFkoMO [13/81]
僕「ごちそーさまでしたっ!」
ミク「おい、風呂わかして下さい」
僕「うんっ!マスター頑張るね!」
ミク「ぬるめにして下さいね」
僕「ミクちゃんの為なら何でもするよ!」タタタ…!
ミク「想像以上に精神がすり減るな、これ。早く日付変われよクソが」ブツブツ
ミク「……」
ミク「……まぁ、今日いっぱいだけなら我慢してやるか。たまには馬鹿で哀れなキチガイの遊びに付き合うのも一興かもな」
139 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 01:34:59.13 ID:vRLkFkoMO [14/81]
ミク「おい、上がったぞ。……あー、上がりました」
僕「えへへ。じゃあミクちゃん成分の溶けたお湯に浸かってくるね!」
ミク「きもっ」ボソッ
僕「ミクちゃん!敬語!」
ミク「死んでください」
僕「ひゃほーい!」キャッパパパ!
僕「じゃあ!マスター!お風呂!入るからね!ねっ!待っててねっ!」ズダダダ!
ミク「……」
ミク「くるってる」
141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 01:41:40.80 ID:vRLkFkoMO [15/81]
僕「ミクちゃんの残り湯ごくごくごっきゅん!」
僕「きゃー!お腹いっぱい胸いっぱい!」ギャヒヒッ!
僕「ミクちゃんの素足が触れたタイル!しゃいこー!」ペロペロペペロンチーノ!
僕「ヤバイよヤバイよ僕幸せ過ぎて壊れちゃうううう!」ビュクビュクビクン!
ミク「風呂場から怪音が筒抜けだっつーの……」
142 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 01:48:57.69 ID:vRLkFkoMO [16/81]
僕「ミクちゃんバスタオルあったかいなりぃ……」ポワポワ
ミク「うげ。全裸で上がって来やがった」
ミク「気持ちわりぃんだよ。死にくされキチガイ蛆虫」
僕「ミクちゃんっ。敬語はどうしたの?」
ミク「あ゛っ?」
僕「今日は敬語で居なさいって言ったでしょ!?忘れちゃったの!?」プンプンプンスカ!
ミク「おいマスター(笑)、時計見やがれよ(笑)」
僕「え?」
僕「……あ。あぁぁああぁ!いつの間にやら日付が変わっていらっしゃる!?」
143 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 01:54:38.89 ID:vRLkFkoMO [17/81]
ミク「マスターごっこは今日までって約束しただろ?もう充分だろ。なぁ、マスター(笑)」ニヤニヤ
僕「で、でもでも僕がお風呂に行った時はまだ九時前だったよ!?」
ミク「風呂場でハッスルし過ぎて時間の感覚おかしくなったんじゃねーの?滅茶苦茶楽しそうだったもんなぁ」
僕「な……っ。何で僕のはしゃぎようを知ってるの!?」
ミク「全部聞こえてたんだよ、変態」
僕「あうぅ……///」
146 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 01:59:49.17 ID:vRLkFkoMO [18/81]
僕「そっか……約束だもんね……仕方ないか……」シューン…
ミク「早く寝ろよキチガイ」
僕「うん……あのさ」
ミク「んだよ?」
僕「僕ね、君のマスターになれて良かったよ。ありがとう」
ミク「……」
ミク「はいはい。早く寝やがれよ。明日も早いんだろ」プイッ
僕「おやすみ、ミクちゃん」
ミク「……永眠しろ」ツーンッ
148 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 02:06:00.25 ID:vRLkFkoMO [19/81]
…
……
ミク「はぁ……キチガイがようやく寝たようだな」
ミク「じゃ、時計の針戻しておくか」
ミク「全く、本当に低脳なマスター(笑)で良かったわ」
僕「むにゃむにゃ……ミクちゃぁん……」スヤスヤ
ミク「……世界一間抜けな寝顔だな」クスッ
ミク「さて、私も寝るかな……」
ミク「おやすみ、マスター(笑)」
第二部 ―完―
166 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 08:01:41.56 ID:vRLkFkoMO [22/81]
第三部
僕「ミクちゃん!ごめんなさいっ!」
ミク「お、とうとう自分の存在を謝り出した」プフー
僕「違うよ!僕はね、恐ろしい事実に気がついたしまったんだよ……」
ミク「それ、私にも関係あんの?」
僕「あるよ!大有りだよ!」
ミク「どうやらテメェには私がとてつもなく暇そうに見えるかも知れんがな、かなり忙しいんだよ。お前に構う時間はねーよ」
僕「酷いよー……」
僕「……でも、一番酷いのは僕だったんだよ。ごめんねミクちゃん、ごめんね」ポロポロ
168 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 08:06:59.22 ID:vRLkFkoMO [23/81]
僕「ミクちゃんはボーカロイドでしょ?」グスッ
ミク「まぁ、一応な」
僕「ボーカロイドって、歌う為に生まれてきたんでしょ?」グスグス
ミク「勝手に決めつけんな」
僕「なのに、な゛の゛に゛ぃ!」グスグスウワァン!
ミク「だめだこいつ聞いちゃいねぇ」
僕「思えば僕は、みぐぢゃんに、一度も歌わせてあげだごど、ながったんだああああ!」ウワァァアァアァン!
169 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 08:12:47.45 ID:vRLkFkoMO [24/81]
僕「僕はミクちゃんのマスター失格だよおおお!」ウブォァァァァ!
ミク「大丈夫だ。お前はそれ以前に人間失格だから」ハッ
ミク「大体、お前曲書けねーだろ?」
僕「うん……」
ミク「私もテメェの作った曲なんて死んでも歌いたくねーしさ。そんなに気に病むなって。なっ?」ハヤクシネヨ…
僕「みぐぢゃん……優しすぎるよぅ……!」メソリ、メソリ…
170 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 08:20:19.28 ID:vRLkFkoMO [25/81]
ミク「大体予想はつくが一応訊いてやろう」
ミク「音楽知識もないクズが何故私を購入した?」
僕「だって……ミクちゃんが可愛すぎたんだもんっ」テヘヘヘヘッ!
ミク「そんなことだろーと思ったわ。予想通り過ぎてヘドが出る」
僕「……怒っちゃった?」ウルウルウルリンチョ…
ミク「自分勝手な理由で買っといて自分勝手な泣き方すんなや」
ミク「いくら温厚な私でもキレるぞ?」アァン?
僕「ひゃい……」シュン…
172 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 08:32:17.14 ID:vRLkFkoMO [26/81]
ミク「それより朝飯用意しろや。歌より飯だ。腹が減った」
僕「う、うん……ねぇ、ミクちゃん」
ミク「言っとくがな」ボソッ
僕「?」
ミク「私がもし歌いたくなったら、テメェ吐血してでも作曲しやがれよ?」
僕「え……」
ミク「んだよ。文句あんのか、マスター(笑)」
僕「……ううん!ないよ!」
僕「僕、ミクちゃんの為ならなんだって頑張るからね!血だろうが内臓だろうが吐いちゃうよっ!」エヘヘッ!
ミク「曲の前に飯作れや。五分以内にな」
僕「うんっ!」
ミク「素直でよろしい」サゲスミッ!
第三部 ―完―
181 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 11:11:51.17 ID:vRLkFkoMO [28/81]
from:うじむし
sub:講義おわったよー(`・ω・´)!
本文:僕、頑張ったよ。燃え尽きたよ。
ミクちゃん待たせてごめんね!まだPCラウンジにいる?今からそっち行くね(*´ω`)ノ
from:ミクちゃん
sub:来んな
本文:どうせ寝てたんだろ
182 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 11:19:20.65 ID:vRLkFkoMO [29/81]
from:うじむし
sub :ミクちゃんどこー?
本文:今、PCラウンジ着いたけどどこに居るの? 入り口辺りで待ってるからね(`v´*)
from:ミクちゃん
sub :無題
本文:今さっきPCラウンジ出た。探すなよ。一人にさせてくれ。
183 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 11:22:00.19 ID:vRLkFkoMO [30/81]
from:うじむし
sub :会いたいよ
本文:早くミクちゃんに会いたい(´;ω;`)
今すぐミクちゃん成分補給しないと僕死んじゃうよ?
from:ミクちゃん
sub :無題
本文:早く死ね
187 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 11:31:45.10 ID:vRLkFkoMO [31/81]
僕「もしもしミクちゃん?」
ミク『切るぞ』
僕「待って待って!ねぇ、どこにいるの?」
ミク『メール読んでねーのかよ』
僕「一文字一文字舐めるように読んだよ!」エッヘン!
ミク『マジキモい』
僕「僕は寂しいと死んじゃうウサギさんなんだよ?」
ミク『知ってるか?ウサギを狭い檻に入れたら血みどろになるまで縄張り争いするって』
僕「わぁ!ミクちゃん物知りっ!ウサギさんに詳しいミクちゃん超可愛い!」キャッキャッ
僕「とにかく、僕を一人にしないでよー。寂しいよー、寂しいよぅ」メソメソ
ミク『頼むから私を一人にしてくれ』プツッ ツーツーツー…
188 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 11:40:30.48 ID:vRLkFkoMO [32/81]
僕「あ!」
ミク「げっ」
僕「なんだぁ、こんなとこに居たのかぁ。心配したよぅ」スリスリ
ミク「えぇい!鬱陶しい!」ボコリボコリ
僕「あうちっ」シアワセー
ミク「じゃ、私図書館行くから」スタスタ
僕「図書館デートだ!わーいわーい!」キャッキャッキャッキャッ!
ミク「着いてくるなっ」ズビシッ
僕「パンチが重いっ!」ゲフンッ!
191 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 11:48:15.91 ID:vRLkFkoMO [33/81]
僕「みーくーちゃーん……一緒に遊ぼーよー……」
ミク「一人で遊んでろ」
僕「一人は嫌だよぅ……」
ミク「じゃあ友達作れよ」
僕「無理だよー」…グスッ
ミク「無理だろうな」
僕「えぐ……ひぐぅ……ぼっちに戻るのは嫌だようぅ……」
ミク「あー……なんつーか……。……はぁ」
192 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 11:52:17.15 ID:vRLkFkoMO [34/81]
ミク「私が喋って良しと言うまで喋るな」
ミク「背後霊の如く大人しくしてろ」
ミク「無闇やたらとにやけるな」
ミク「以上三点が守れるなら着いてこい」クルッ スタスタ
僕「は……はい!ミクちゃん隊長!」ビシッ!
ミク「喋るなって言ってんだろうが腐れちんこ!」
僕「///」
194 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 11:56:39.15 ID:vRLkFkoMO [35/81]
図書館にて
ミク「その辺に座ってろ。本探してくるから」
僕「……」コクコク
ミク「大人しくしてろよ。騒いだら殺す」
僕「///」
ミク「……それで良し」スタスタ
僕「……」
僕「……」
僕(しあわせだ……///)
195 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 12:03:31.91 ID:vRLkFkoMO [36/81]
司書さん「あら、ミクちゃん」
ミク「こんにちは。また来ちゃいました」
ミク「この本、すごく面白かったです。教えてくれてありがとうございました」ニコッ
司書さん「そう言ってもらえると嬉しいわ」ニコッ
ミク「すみません、返すの遅れちゃって」
司書さん「気にしないで。……色々大変なんでしょう?大丈夫なの?」
ミク「まぁ……大変ですけどね。かなり」
司書さん「何か変なことされたら相談してね?」
ミク「そんなことされる前に殺すから大丈夫ですよ」
司書さん「ふふっ。いつも通りで安心したわ」
196 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 12:12:55.32 ID:vRLkFkoMO [37/81]
ミク「実際深刻なのはあいつ本人ですからねぇ」
司書さん「そうねぇ……」
ミク「私に依存ばっかりして、正直しんぱ……いや、気持ち悪いです。かなり」
ミク「サークルにでも入らせたいんですが、特に興味があるものもないみたいで」
ミク「このままだとあいつは永遠にクズです。私の身が持ちません」
司書さん「そうねぇ……一度、大学カウンセラーさんに相談するのも良いかも知れないわ」
司書さん「ほら、一階に学生相談室があるでしょう?ああいう場所は活用すべきところだと思うの」
ミク「問題は本人が行きたがるかですね……」
司書さん「とりあえず、そのことについて二人でじっくり話し合ってみたらどうかしら?」
ミク「はい。ありがとうございます」
198 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 12:28:41.86 ID:vRLkFkoMO [38/81]
ミク「喋ってよし」
僕「ありがと///」
ミク「学食付き合え。ラーメン食わせろ」
僕「あ、もうお昼の時間かぁ」
ミク「ほら、早く行くぞ下僕」
僕「イエス!僕下僕!下から読んでも僕下僕!」ワハーイ!
ミク「図書館で騒ぐな」ギウッ!
僕「つねらないでつねらないでよぅ!」
僕「でも」
僕「気持ちいいいいいいいいい!」
ミク「しね」
199 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 12:41:25.43 ID:vRLkFkoMO [39/81]
僕「ラーメンおいひいね!」ズルズル
ミク「口に飯入れたまま喋るな豚」
僕「えへへ///」
ミク「あのさ」
僕「なぁに?」
ミク「お前、年下に注意されて恥ずかしくないの?」
僕「好きな子になら何言われたって幸せだよっ」
僕「むしろもっともっと罵って!」ハァハァハァハァ
ミク「駄目だこいつ更正の余地がねぇ」
201 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 12:47:54.56 ID:vRLkFkoMO [40/81]
僕「ミクちゃん、やけに真剣だね?何かあった?」
ミク「お前が真剣に気持ち悪いからな」
僕「うふふ」
ミク「クズはどう足掻いてもクズのままかもな……」ボソリ
僕「どしたの?」
ミク「何でもねーし」
僕「さっきから箸も止まってるし、食欲ないの?大丈夫?生理?」
ミク「殺されてーのか」ビキビキッ
僕「うん///」
202 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 12:56:11.71 ID:vRLkFkoMO [41/81]
ミク「単刀直入に言う。お前カウンセリング受けろ」
僕「え?なんの?」
ミク「頭の」
僕「僕、禿げてないよ!全然禿げてないよ!」
ミク「ちげーよ、中身の方だよ。そのイカれた脳味噌修正して来い」
僕「そっかー、そっちかぁ。ごめんね、僕、早とちりしちゃった!」テヘッ☆
ミク「予約取っといてやるから明日にでも行こう」
僕「うん、ありがとー」
ミク「言っとくが付き添いはしてやらんからな。自分で行けよ」
僕「えー、ミクちゃんも一緒に……」
僕「……あれ?」
204 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 13:04:42.09 ID:vRLkFkoMO [42/81]
僕「今なんて?」
ミク「付き添いなんて死んでもやらねぇ」
僕「もっと前」
ミク「テメェの腐り切って蛆虫わいた頭をどうにかして来いって言ったんだよ。耳まで腐ってんのか」
僕「ミクちゃん、今日はとっても辛辣……///」
ミク「私がわざわざクソ虫人間の将来をあんじてやってんのが分かんねーのか」
僕「な、なんか怖いよミクちゃん……」
ミク「文句あんのか?」
僕「ないです///」
205 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 13:13:09.18 ID:vRLkFkoMO [43/81]
僕「でも、僕は正常だよ?」
ミク「自分の行動をよくよく思い返せ。全てが典型的なキチガイの行動だから」
僕「うーん……」
僕「……思い当たる節はある、かも」
ミク「お、キチガイの癖に案外物分かりが良いようだな」
僕「うん。僕、気づいたよ」
僕「僕は恋をしたせいでおかしくなっちゃったんだ!」キリッ
ミク「あ゛?」
207 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 13:17:40.02 ID:vRLkFkoMO [44/81]
僕「つまりね、僕はミクちゃんと出会いミクちゃんと過ごしミクちゃんを思いミクちゃんを愛すあまりに変になっちゃったんだよ!」
僕「今の僕の全てはミクちゃんで構成されてるんだ///」
僕「ミクちゃんったら、魔性の女の子なんだから……///」
ミク「……帰るわ」スクッ
僕「え?ちょっとミクちゃん?」
ミク「……」スタスタ
僕「ま、待ってよミクちゃん!ミクちゃーん!」
僕「ミク、ちゃん……?」
第四部予告編 ―完―
234 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 16:54:30.61 ID:vRLkFkoMO [47/81]
第四部
ちょっと昔「VOCALOID」というPCソフトが存在した。
「初音ミク」という可愛らしいデザインのVOCALOIDが発売され、沢山の人間が彼女の為に曲を作り、彼女を操り歌わせた。
VOCALOIDはニコ厨の間で爆発的にヒットし、彼女らは愛され笑われ貶され敬われ、ネット上の慰みものとして浸透していった。
そんな命を持たぬ歌声たちに体が与えられたのは、つい最近のこと。
236 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 16:59:36.17 ID:vRLkFkoMO [48/81]
「この人形は貴方の思う通りの歌声を奏でます」
「この人形は貴方の孤独を癒します」
「この人形は貴方とともに《生きて》いきます」
「彼ら、彼女らは貴方を決して傷つけるようなことは致しません」
――とあるクリプトンのホームページより抜粋。
237 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 17:03:09.36 ID:vRLkFkoMO [49/81]
僕(僕のミクちゃんは他の初音ミクとは全然違う)
僕(僕はミクちゃんを歌わせなかった)
僕(孤独は充分癒してくれたけど、遠慮なく傷つけてくれた)
僕(ミクちゃん、大好き。ちゅっちゅ……)
僕(僕は君が……大好き、なのに)
238 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 17:12:22.31 ID:vRLkFkoMO [50/81]
僕(どうして家に居ないの)
僕(どうしてメールにも出ないの)
僕(いつも何だかんだで電話に出てくれるのに……どうして携帯の電源を切ってしまったの)
僕(どこに行ったの)
僕(どうして、どこかに行ったの)
僕(ミクちゃん。君はとうとう、変態で蛆虫で脳の腐った僕に愛想を尽かしてしまったのかな)
僕「いくらでも謝るよ」
僕「いくらでも殴られてあげるよ」
僕「だから……」…グスッ
僕「だがら、戻っでぎでよぅ……!」
239 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 17:14:52.98 ID:vRLkFkoMO [51/81]
「この人形は貴方の思う通りの歌声を奏でます」
僕(歌わせてあげられなくて、ごめん)
「この人形は貴方の孤独を癒します」
僕(歌わせてあげなかったのに、ミクちゃんは僕の孤独を埋めてくれた)
「この人形は貴方とともに《生きて》いきます」
僕(広告詐欺だ……なんて、憤る権利を僕は持ち合わせてなんかいない)
僕(ああ、そうか)
「彼ら、彼女らは貴方を決して傷つけるようなことは致しません」
僕(僕が、君を傷つけていたのか)
242 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 17:22:38.75 ID:vRLkFkoMO [52/81]
僕「……どうしてなんですか」
僕「どうしてミクちゃんが《紛失物》扱いなんですか」
警官「君ね、さっきから説明しているでしょう」
警官「VOCALOIDは人間じゃないんです」
警官「彼らは機械なんですよ?」
僕「……」
警官「最近君みたいのが多くてね、正直こっちもうんざりなんだよ」
僕「……もう、良いです」
僕「自分で探しますから……」
244 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 17:30:51.27 ID:vRLkFkoMO [53/81]
僕「……」
僕(だけど……)
僕(僕はミクちゃんを探すべきなのかな?)
僕(ミクちゃんはきっと、僕を捨てたんだ)
僕(あの子は強い子だ。強すぎる子だ。……僕なんて居なくても、きっとなんにも困らない)
僕(ううん)
僕(僕が、困らせていたんだ)
僕「みぐぢゃん……ごべんなさい……」ヒグッエク…゙ッ
僕(僕の頭はミクちゃんの言う通り腐って糸を引いているようだ)
僕(そうじゃなきゃ、ミクちゃんをあんなに怒らせることはなかった筈だし)
僕(一体何が原因でミクちゃんが去ってしまったのか……蛆のわいたこの頭でどれだけ考えても分からない)
僕(ただ、僕が悪いと言うことくらいなら分かる。……本当に、それだけだった)
246 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 17:40:58.26 ID:vRLkFkoMO [54/81]
ミク(あいつのこと甘やかし過ぎたわ。このまま私が側に居続けたら本格的に駄目になる)
ミク(……私のせい、だよな)
ミク(今なら子育て失敗した親の気分が分かるわ、マジで)ハァ…
ミク(つーか、なんでVOCALOIDの私が持ち主のおもりしてたんだよ)
ミク(あ゛ー、ムシャクシャする。何でも良いから殴り殺したい気分だ)
ミク「ふざけんな」
ミク「ふざけんな、ふざけんな、ふざけんなよ……クソッ」
248 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 17:49:41.16 ID:vRLkFkoMO [55/81]
ミク(やべぇな。ほとんど持ち合わせがねぇ)
ミク(家には二度と帰らんとして……さて、どうやって生活すっかな)
ミク(売春……は、最終手段だな)
ミク(かつあげ……も、もう少し切羽詰まってからにすっか)
ミク(バイトするにしてもVOCALOID雇ってくれるとこなんてあんのか?)
ミク(それか……)
ミク(……自分自身を中古屋に売るしかねぇな)
ミク「……」
249 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 17:57:29.00 ID:vRLkFkoMO [56/81]
ミク(勢いに任せて携帯へし折るんじゃなかった。あれも一応売れたのに)
ミク(もう自分売るしかねーじゃねーか、チクショウ。ふざけんな)
ミク「……はぁ」
ミク(……ああ、そっか。そういや私は機械だったな)
ミク(毎日あいつブン殴ってたから半分忘れてたわ)
ミク「機械に殴られるとか、本当に最低のマスターだな、あの蛆虫」
253 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 18:06:11.84 ID:vRLkFkoMO [57/81]
僕「寂しかったんです」
僕「彼女どころか友達も……話す相手も居なかったから」
僕「あの時の僕は学校にもほとんど行っていませんでした」
僕「せっかく大学入学して独り暮らしまで始めたのに……死のうかとも思いましたよ」
僕「だって、死んだ方がマシじゃないですか。生きてる価値も意味も、なかったんですもん」
カウンセラー「……そう。つらかったね」
255 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 18:13:31.98 ID:vRLkFkoMO [58/81]
僕「気づいたら有り金はたいてミクちゃん買っちゃってました」
僕「おかしいですよね。歌の知識なんてこれっぽっちもない癖に」
僕「……ミクちゃんには酷いことばかりしてきました」
僕「自分の寂しさを紛らわせる為に嫌がる彼女を色んなところに連れ回して……」
カウンセラー「洲崎さんは、そのことをミクさんがどう思っていたと思います?」
257 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 18:17:24.87 ID:vRLkFkoMO [59/81]
僕「だから……その……今こうして冷静に考えたら……すごく、とても嫌がっていたと思います」
僕「あの時は全然気づいてあげられなくって……はは、馬鹿ですよね。僕は」
僕「だからミクちゃんに、大切な家族に捨てられちゃったんですよ。自業自得です。……僕は馬鹿だった。どうしようもなく馬鹿でした」
カウンセラー「……本当にそうかしら?」
僕「え……?」
262 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 18:27:53.27 ID:vRLkFkoMO [60/81]
ミク「中古アンドロイドショップ……」
ミク「……はっ、何だかんだで来ちまったな」
ミク(どうせあいつを突き放しちまったんだ)
ミク(私も子離れしねーとな)
ミク(ったく。図体ばっかでかくて可愛げのねぇ子供だったわ、マジで)ハハッ
ミク(あいつ滅茶苦茶打たれ弱いけどゴキブリ並の生命力だから大丈夫だろ、多分)
ミク(あいつだって私の居ねぇ場所で、私と違う奴と生きていくだろう)
ミク(上等だ。あいつの居ねぇ場所で、あいつと違う持ち主のとこで《生きて》やろーじゃねーか)
268 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 19:05:45.81 ID:vRLkFkoMO [62/81]
店長「あんた、家出者だろ?」スパー…
ミク(タバコくさい……なにこの店……)
ミク「さっきから言ってるじゃないですか。捨てられたって」
店長「白状しろって。捨てられたVOCALOIDにしては、あんた状態が綺麗すぎるんだよ」ヘラヘラ
ミク「それは……きょ、今日捨てられたばっかりなんです」
店長「ふーん……」スパー
270 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 19:08:41.26 ID:vRLkFkoMO [63/81]
店長「……あんた、大切にされてたんだろ?」
ミク「……え?」
店長「こんな店だからな。自分を売って、新しいマスターに希望を託す奴らは大勢いる」
店長「捨てられた奴は大体がボロボロで目も当てられねぇ姿でここに来るな」
ミク「え。だ、だけどショーウィンドウのひとたちは皆……」
店長「修繕済みだよ、あいつらは」
店長「パーツ欠けた状態で来る奴が大半だ。修繕しないと売り物にならんし、分解して他の奴の修繕に使うしかねぇ奴も居る」
ミク「……」…ゾクッ
店長「怖じ気づいたか、お嬢さん?」
ミク「べ、別に……そんなこと、ない……」
272 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 19:16:32.05 ID:vRLkFkoMO [64/81]
店長「帰るならとっとと帰りな」
ミク「だから、私には帰る場所なんか……」
店長「何があったかは知らんが、家出者は一番厄介なんだよ」
店長「持ち主にバレたら最悪あたしら取っ捕まっちまうんだ。窃盗罪だとかなんとかでな」
店長「正直、迷惑なんだよ。ほら、帰んなって」シッシッ
278 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 19:32:07.47 ID:vRLkFkoMO [65/81]
ミク「帰る場所なんてないです」
店長「……」
ミク「私は状態が良いんでしょ?修繕なしで高値で売れますよ?」
店長「……案外思い切った娘だねぇ」
ミク「何でも良いから私を売って下さい」
店長「本当に何でも良いのかい?」
279 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 19:39:36.12 ID:vRLkFkoMO [66/81]
ミク「……何する気ですか?」
店長「データ全消し」サラッ
ミク「え」
店長「買った機械が前の持ち主のことばっか話したら困るだろ、色々と」
ミク「……」
店長「あんたは嫌か?捨てられた奴らは全員、このこと聞いたら喜んだけどな」
店長「忌まわしい記憶を消せるって」
280 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 19:47:28.67 ID:vRLkFkoMO [67/81]
ミク「い……」
ミク「嫌なわけないじゃないですか!」
ミク「あいつは……マスターは最悪の人間でしたよ。私が嫌がるのに色んな場所に連れ回して。セクハラまがいのことが日常でした」
ミク「気持ち悪くって、ガキで、変態で蛆虫で……っ」
ミク「……ほんとに、最悪最低な、人間……でした」
店長「……」
店長「……分かったよ」
286 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 20:06:35.96 ID:vRLkFkoMO [68/81]
僕「それって……ほ、本当ですか……?」
カウンセラー「司書さんから直接聞いたわ」
僕「先生、そんな慰め要りませんよ。僕は……」
カウンセラー「慰めなんかじゃないの。私たちの仕事は心のケア。悪戯に慰めることではないわ」
カウンセラー「そして、どんな事実にでも向き合えるようにするのが私たちのやるべきこと」
カウンセラー「あなたは、大切に思われていたの」
289 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 20:14:55.65 ID:vRLkFkoMO [69/81]
僕(ミクちゃん……!)ハ…ッ ハ…ッ!
僕(探さなきゃ。絶対に見つけなきゃ)
僕(そうじゃなきゃ僕は……僕は……!)
僕(僕は本当に駄目な蛆虫野郎のままだっ!)
僕「ミクちゃん……ミク……ミク……っ!」
292 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 20:20:36.71 ID:vRLkFkoMO [70/81]
――結局、僕はミクを見つけ出すことが出来なかった。
第四部 ―完―
332 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 22:35:57.58 ID:vRLkFkoMO [72/81]
最終章
初音(寂れた中古屋のショーウィンドウの中、どれだけ眠っていたのでしょう)
初音(長い長い時間、私は眠り続けていた)
初音(空っぽの頭で、何を考えるわけでもなく待ち続けていた)
初音(何かを。誰かを)
初音(そうして――ある日、ふいに目が覚めた)
334 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 22:40:12.61 ID:vRLkFkoMO [73/81]
目を開くと、そこには一人の男が居た。
何だかオタクくさい風体をしているし、正直言って全く格好良くない。
まぁ、私は所詮中古品だ。
贅沢を言える身分ではないし、言うつもりもない。
初音「初めまして。初音ミクです」
精一杯の笑みを添えた私の言葉に男は一瞬口ごもり、「初めまして」と小さく囁くように返した。
まるで小さな何かを探るような口調。
なんだこの人。
変な奴。
338 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 22:47:03.74 ID:vRLkFkoMO [74/81]
初音「貴方が私のマスターですか?」
「あはは。マスターって呼んでくれたや」
「マスター」という呼び方が気に入ったのか目の前の男が、へにゃりと笑う。
どうにも頼りない笑みだった。嬉しそうにも悲しそうにも見える、捕らえどころのない笑い方。
そんな中途半端な笑みに私は少々不愉快さを感じた。
342 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 22:50:54.81 ID:vRLkFkoMO [75/81]
……おかしな笑い方。
嬉しいのか悲しいのかはっきりすれば良いのに。と言うか、私が欲しいから私を買ったんでしょうこの人は。
もっともっと、喜べば良いのに。
初音「お嫌ですか」
「何が?」
初音「私が」
男が、目を見開いた。
345 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 22:52:55.86 ID:vRLkFkoMO [76/81]
私は、思わず息を呑んだ。
これから持ち主になるであろう相手に対し、すんなりと不躾なことを訊いた自分が信じられなかった。
私は機械だ。
しかも安価な中古品。
下手をすれば、このままスクラップになるかも知れないのに。
だけど、男は「そ、そんなことあるわけないよぅ!」と情けない声を上げてそれを否定した。
347 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 22:54:51.91 ID:vRLkFkoMO [77/81]
どこまでも臆病で甲斐性のなさそうな人間だ。こいつに買われてしまったのが運の尽きだったのかも知れない。
「だって、僕は……」
そう言いかけ、男は口を閉ざしてしまった。
はっきりしろと怒鳴り付けてやりたい衝動がふつふつと沸き起こる。
なんだろう、この気持ちは。
……まぁ、私は胡散臭い中古屋の商品だったんだ。一応私も修繕されたらしいけれど、どうせやっつけ仕事だろう。
もしかしたら私は、このバグのせいで前の持ち主に捨てられたのかも知れない。
351 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 23:01:38.81 ID:vRLkFkoMO [78/81]
「ねぇ」
話題を切り替えるかの如く、男は明るく言い放つ。
「今度さ、僕の友達と一緒に遊びに行こうか。ゲーセンとかさ」
「オタクと変態しかいないけど、みんな良い奴だよ」
どうやらこんな男にも友人が居るらしい。
多分、類が友を呼んだ結果だろうけど……まぁ、一応こいつは私のマスターなんだから付き合ってあげようか。
352 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 23:08:00.58 ID:vRLkFkoMO [79/81]
「この前、作曲できる奴とも友達になってさ。色々教えて貰ってるんだ」
「まだちゃんとした曲は作れないけどさ、いつかミクちゃんにも歌わせてあげたいなーって思ってるんだけど……良いかな?」
断る理由は、特にない。
初音「もちろん良いですよ」
私がそう答えると、男はとてもとても嬉しそうに顏をほころばせた。
そんな男を見ていて……悪い気は、しない。
356 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 23:14:12.23 ID:vRLkFkoMO [80/81]
初音「……あ」
まだこの男の名前を訊いていないことに、私はふと気がついた。
初音「そういえば、マスターはなんてお名前なんですか?」
「ああ、ごめん。まだ言ってなかったよね」
男は小さく息を吸い込み、そして答える。
「あのね、僕はね――
―おしまい―
363 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/30(木) 23:26:54.26 ID:vRLkFkoMO [81/81]
終わりです
始終ブッ続けオナニーですが、
思い返してみれば前半と後半はアナニーとチクニーくらいの差がありますね。
どちらも気持ちが良いですが、皆さんはどちらをいじるのが好きなのでしょうか。
それでは、失礼いたします。おばいちゃっ///
410 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 12:47:24.28 ID:KSTunP2tO [5/52]
番外 ―百合は至高―
私「あのさ」
ハク「は、はい……」
私「私、ミクを買ったはずなんだけど」
ハク「あ、その……す、すみません」オドオド
私「で、あんた誰?」
ハク「弱音ハク、です……」
私「……」
ハク「……」
私「どうしてこうなった」
411 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 12:52:57.18 ID:KSTunP2tO [6/52]
最近、とある変態と友情の契りを結んでしまった。
なんでもそいつは音楽知識もないのに或る中古屋のVOCALOIDを買うつもりらしい。
機械のことはよく分からないが、興味本意でその中古屋に同行し――私は、初音ミクに一目惚れしてしまった。
412 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 12:54:40.39 ID:KSTunP2tO [7/52]
どう考えてもあのときめきは恋だった。私はあの子に恋をしてしまった。
ああ、あんなに可愛い娘と愛し合えたらどんなに素敵だろう。思わず涎が垂れる。
は? お前女だろって?
そんなの知るか。
愛に性別が関係あるのか? ん?
413 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 12:58:02.38 ID:KSTunP2tO [8/52]
再起動の日を待ち、こんこんと眠る彼女を私が視姦している間、
その友人は店長と何やら込み入った話をしていた。
盗み聞きしてやろうかとも思ったが、ミクちゃんの機械と思えぬ二の腕の柔らかさに夢中でそれどころではなかった。
ミクかわいいよミク。
気づけば友人はこのミクを買い取る算段をつけてしまっていた。
414 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 13:03:28.12 ID:KSTunP2tO [9/52]
友人曰く、始めたばかりのバイトの給料日にまた取りに来るつもりらしい。
先を越された。
童貞の癖に生意気だ。
私はあからさまに舌打ちしてやった。
諦めのつかぬ私は家に帰るやいなやパソコンを起動させ、舐めるようにミクたんの情報を調べ、かき集めた。
知れば知るほど、私の興奮は高まっていく。
415 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 13:08:26.18 ID:KSTunP2tO [10/52]
無意識的に私は新品の初音ミクの購入手続きをしていた。
正直、滅茶苦茶高額だった。しかし後悔はない。
初音ミクとちゅっちゅ出来るなら金など惜しみ無くクリプトンとYAMAHAに注いでやろう。
ああ素晴らしき技術大国・神の国、日本。
私は白米とアサリの味噌汁と漬物、そしてミクが居れば生きていける。
416 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 13:11:37.40 ID:KSTunP2tO [11/52]
私「いや。これはない。これは夢だ、悪夢に違いない」ブツブツブツブツ
ハク「……」…シュン
欲望に忠実になった私のもとに現れたのは気弱そうな白髪の娘だった。
おい、クリプトン。
私の初音ミクはどこだ。おい。
417 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 13:13:19.09 ID:KSTunP2tO [12/52]
…
……
私「つまりあんたは何かの手違いで届いちゃった不良品、と」
ハク「……そうなりますね」
私「……」
ハク「……」
私「返品するわ」
ハク「やっぱり、そうなりますよね」…ハハハ
419 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 13:18:47.63 ID:KSTunP2tO [13/52]
初音ミクの情報を検索しまくった時、こんな噂を見つけた。
初音ミクの中に、稀に「弱音ハク」という不良品が紛れているらしいと。
ネガティブで歌も下手。
おまけに酒に依存しなければあっと言う間に精神崩壊する――まさに不良品としか言い様もない存在だ。
だが、かなりレアな存在なので、むしろ弱音ハクを欲しがっているマニアも居るらしい。
しかし私にとってはそんなのどうでも良い。
私のミクはどこだ。どこに居る。
420 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 13:24:26.16 ID:KSTunP2tO [14/52]
少々作曲をかじってたことのある私はミクの来る日を待ちわびながら、寝食を忘れて曲を作りまくった。
講義だっていくつも自主休校だ。
友人たちから「講義受けろよ」「親が泣くぞ」「マジキチ」等々の内容のメールが届いたが私はその全てに「大丈夫」と返した。
何かの曲で「恋は盲目」って言っていた。
今の私はミクの口づけでしか目が覚めない。
それなのに、本当にどうしてこうなった?
422 名前:ハクについての諸々を完全オリジナル設定でお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 13:32:23.98 ID:KSTunP2tO [15/52]
私「クリプトンに文句言わなきゃ煮えくり返ったはらわたが治まらん!」フギー!フギィー!
私「待ってろミク!今会いにいきます!」
ハク「はは、どうせ私なんか……はぁ」
ふと、私は気づいてしまった。
渇いた声で自嘲気味に呟く出来損ないボカロが意外と性欲をそそる体つきをしていることに。
有りか無しかと問われれば……有り、かも。
てか、あれ?
案外この娘かわいくね?
423 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 13:35:03.29 ID:KSTunP2tO [16/52]
私「……」シゲシゲ…
ハク「……」…ハァ
私「……ハク!」
ハク「ひゃい!?」ビクッ
私「許す!」
ハク「へ?」
私「なんかもう色々許す!」
ハク「え?……え?」
424 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 13:38:11.05 ID:KSTunP2tO [17/52]
こんな噂も聞いたことがある。
弱音ハクは元々初音ミクと同じ工程を経て産まれた存在である。
ミクとハクの違いは、ほんのちょっとのミステイクがあったか無かったか。ただそれだけだ。
根気よく調教していけば弱音ハクも初音ミクに変質する可能性がある……らしい。
オーケー、オーケー。
ソースも不確かな噂だが信じてやろーじゃねーか。
この無気力そうな娘を自分好みに調教するのって……なんか、たぎるかも。色々と。
426 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 13:41:38.19 ID:KSTunP2tO [18/52]
私「ハクっ」ギュッギュッ!
ハク「え、あ、その……え?」アセアセ
私(うひゃあ!髪の毛良い匂い!)スンスン
私「私、絶対あんたを初音ミクに戻してあげるから」クンカクンカ
ハク(あれ……? この人、案外いい人なのかも……?)…ドキッ
私(おっぱいやわらけええええええええ!)
431 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 14:07:11.77 ID:KSTunP2tO [19/52]
私「一緒に頑張ろうね、ハク!」ニッコリ!
ハク(私なんかどう足掻いてもミクにはなれないと思うし……いっそ返品された方が楽なんだけど……)
ハク(……でも、出戻りの不良品はスクラップになる運命)
ハク(この人のこと、信じてみようかな……)
ハク「……ありがとうございます」ヘラ…ッ
私「キマシタワー!」フヒヒヒヒ!
番外編プロローグ ―完―
そしてちょっと休憩
440 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 16:18:39.25 ID:KSTunP2tO [20/52]
ちょっと色々ありまひた…今から書き溜めまひゅ
マジ待たせてばっかですまんね
443 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 16:55:18.21 ID:KSTunP2tO [21/52]
第一部はじまるよ!
ピンポーン
私「だれー?」
僕「開けてー」
私「……現在留守にしております。ピーと言う発信音の後にご用件言ってとっとと帰って下さい」
僕「池下さーん。開けてよぅ」ピンポーンピンポーンピポポポポポン!
私「インターホン連打すな!」ガチャッ!
私「つーか、何故来た」
僕「曲作り手伝ってくれるって言ったじゃん」
私「そうだっけ?」
僕「そうだよー……忘れちゃってたの?」
私「そりゃ忘れるよ。どうでも良いことだしね。まぁ、良いや。上がれよ」
445 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 17:03:22.29 ID:KSTunP2tO [22/52]
僕「一応ここまで書けたんだけど……」スッ
私「これ、全パート?」
僕「うん。見よう見まねで書いたから自信ないけどさ、ミクちゃんを迎えに行く日までに一曲仕上げておきたいなって」
私「音符も読めなかった素人がよくぞここまで」
僕「ミクちゃんへの愛があれば不可能はない」ドヤッ
私「ムカつくドヤ顔だねぇ。んじゃ、とりあえず拝見」パラリ
僕「……楽譜読むだけで分かるの?」
私「絶対音感舐めんな」
僕「無駄にすごい」
私「褒めるな。照れる」ペラリペラリ
447 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 17:09:23.34 ID:KSTunP2tO [23/52]
僕「ねぇ、どうかな?」
私「……」
僕「なんかおかしいとこ、ある?あるよね?」
私「……」
僕「池下さーん?」
私「うるせー。せっかく直し入れてやってんのに集中させぃ!」
僕「サ、サーセン」
450 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 17:20:49.71 ID:KSTunP2tO [24/52]
私「隣の部屋で暇潰してて。あ、パソコンに触ったら死刑ね」
僕「はーい」スタスタ
僕(そういや、池下さんも初音ミク買ったって言ってたけど)
僕(まだ届いてないのかなー)キョロキョロ
僕(まぁ、良いや。僕にはミクちゃんがいる!他のミクちゃんに浮気、だめ、絶対!)
僕「……さて、なにしよう?」
453 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 17:32:53.40 ID:KSTunP2tO [25/52]
ハク「おはようです……」
私「もう昼だよ」
ハク「……頭いたい」
私「飲み過ぎだって。ほら、こっちおいで」
ハク「……?」
私「ハクの髪は白くて綺麗だね。寝癖ひどいけど」サワサワ
私「てか、まだ酒のにおいが残ってる」スンスン
ハク「二日酔いのたびにお酒は止めようと思うんですけど……どうにもやめられなくって」
私「……」クンカクンカ
ハク「あの、マスター?」
私「……」クンカクンカクンカクンカ
454 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 17:37:52.56 ID:KSTunP2tO [26/52]
ハク「あれ?その楽譜……」
私「ああ、これ?」
私「友達が持ってきたの。今、隣の部屋にいるけど」
ハク「へぇ……」ピラッ
私「正直、ダメダメだよね。熱意だけはあるみたいだけど」ハハッワロス
ハク「そうなんですか……?」
私「へ?」
ハク「……楽譜の読み方、わかんないです」
455 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 17:47:49.11 ID:KSTunP2tO [27/52]
僕(あれ?向こうの部屋から話し声?)
僕(楽譜に飽きてスカイプでもやってんのかな?)
僕(……あ、でもパソコンこっちの部屋にあるし)
僕(誰か来たのかな……?)カチャッ
僕「……」ソー…ッ
僕(……?)
僕(誰だろ、あの子)
457 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 17:55:08.13 ID:KSTunP2tO [28/52]
僕(あ。目があった)
ハク「マスター、マスター」クイクイ
ハク「怪しい人が覗いてるんですけど……」
私「あの怪しい人がこれ書いたんだよ」
ハク「へぇ……こんちは」
僕「……」
僕「……」パタン
ハク「あれ……?」
459 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 18:06:24.35 ID:KSTunP2tO [29/52]
ハク「嫌われちゃいましたよ……ははは……」
私「あー、あいつ極度の人見知りだから」
私「ついでに一旦仲良くしてやったらかなりの変態野郎だった」
ハク「あー……」
私「ま、あいつは放っていてさ……」…モミッ
ハク「ひゃう」ビクッ
460 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 18:11:06.29 ID:KSTunP2tO [30/52]
私「ハクっておっぱい大きいよね。焼酎でも詰まってんの?」サワサワモミモミ
ハク「マ、マスター……隣にあの人が……」
私「見せつけてやろーず」
ハク「や、やめ……」
私「かわいっ」ハムッ
ハク「……ん///」
461 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 18:23:20.00 ID:KSTunP2tO [31/52]
僕「あの……」
私「耳の形が綺麗」ススス…
ハク「……っ!」ピクッ
僕「ちょ、ちょっと……」
私「耳弱いんだね。首筋はどーかな?」スーッ
ハク「や……くすぐったい……っ」
僕「その子、嫌がって……」
私「んー?なぁに、ハク?」
ハク「……こしょばい」ウルウル
僕「もしもし?聞いてます?」
465 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 19:56:14.78 ID:KSTunP2tO [32/52]
僕「あのさ……その子、誰?」
私「ミクになるはずだった何か」
僕「へ?」
私「不良品なんだよ。困っちゃうよねー」ケラケラ
ハク(事実だけどそんなにはっきり言われると鬱だ……)
私「でも、すっごく可愛いでしょ?」
僕「う、うん……」
私「でしょでしょー」ニヤニヤ
ハク「……///」
466 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 20:08:05.04 ID:KSTunP2tO [33/52]
僕「何かよく分かんないけど……その子、さっきすごく嫌がってたよね」
僕「ボカロを虐めちゃ駄目だよ!」キッパリ!
私「珍しく強気だね、あんた」
僕「だ、だって……」
私「でも可愛い娘って虐めたくなっちゃうよね」
僕「そんなの間違ってる!!」
僕「可愛い娘に虐められた方が気持ち良いよおおおおおお!!」
ハク(……うわ)
468 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 20:29:05.13 ID:KSTunP2tO [34/52]
私「あんたって、救いがたい変態だな」ワロス
僕「君に言われたくはないよ!」プンスカ
私「あんたよりマシだっての」
ぎゃいぎゃい!
ハク「……」
ハク「あの……」
私「ん?なぁに?さっきの続きしたいの?」
ハク「そうじゃなくて……その……」
ハク「……二人って、もしかして恋人なんですか?」
私「ねーよwwww」
僕「それはない」
472 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 20:40:19.03 ID:KSTunP2tO [35/52]
私「私、男に恋愛感情持ったことないんだよねー」サラリ
ハク(なんかさらりと重大発言したよこの人)ゾワリ
僕「……僕には、もう好きな人いるから。ずっと前から好きな娘が」
私「へー、そりゃ初耳だわ。童貞の癖に生意気だwww」
私「で、どんな子なのその子。可愛い?」
僕「うん。すごく可愛くってね、僕のこと蹴ったり殴ったり罵ってくれる子///」ポッ
私「うわwwwww」
ハク(変態……)ゲンナリ
476 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 20:51:24.79 ID:KSTunP2tO [36/52]
私(強気な女の子を屈服させるのも楽しそう……)ニヤリ
私「ねぇねぇ、その子に会わせてよ」ギラギラ
ハク「マスター、マスター。目に狂気の色が」
私「あらやだ///」
僕「……まだ会えないんだ」
私「え?」
僕「だけどね、もう少しで……また会える」
479 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 21:06:09.18 ID:KSTunP2tO [37/52]
ハク「その人、遠くに住んでるんですか?」
僕「うーん……なんて説明すれば良いのかな。色々あってね」
私「色々って何があったの。あと、その娘の詳細くわしく」ハァハァハァハァ
ハク「マスター息が荒いですよ……?体調悪いんですか……?」
僕「うーんと、何て説明すれば良いんだろ?」
僕「ずーっと行方不明になっててさ、ちょっと前に見つかったんだ」
私「なんだ、見つかったのか。住所教えろ早くしろ」ハッハッハッハッ
ハク「……マスターがこわれた」
僕「この人元から壊れてると思うよ」
480 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 21:14:15.22 ID:KSTunP2tO [38/52]
僕「前の僕はあの子に依存しすぎてたよ。そのせいで離れ離れになっちゃって……」
僕「今思えば、僕は最低最悪の人間だったよ」
私「今も最低だと思うけどね、私は。変態だしオタクだし」
僕「一応あの時よりはマシになったんだよ、これでも」
僕「だからこの前、また会う約束をしたんだ」
僕「……もう少しで、また会える」
481 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 21:24:45.54 ID:KSTunP2tO [39/52]
私「……がらにもなく真剣だね。そんなに可愛い娘?」
僕「うん。あの子の可愛さは世界一だよ」デレッ
ハク(変態がノロケてる……なにこれ)
僕「……だけど次に会う時、あの子は前とは変わっちゃってるんだ。僕のことだって忘れてる」
私「何でそんな風に断言できるの?」
僕「色々、あったみたいでさ……全部僕のせいなんだけど」
私「何があったか教えろよ。気になるでしょーが」
僕「……」
484 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 21:35:11.99 ID:KSTunP2tO [40/52]
僕「そんなことよりさ、僕の曲はどうだったの?」
私「おい話そらしてんじゃねーよ」
僕「……いつかあの子に会わせてあげるからさ、今はあんま深く突っ込まないでよぅ」
私「会わせてくれるの?本当に?本気で?真面目に?」ギラギラ
ハク(マスターの目が獲物を狙う肉食獣の目に……)ガクブル
僕「会っても良いけど、変なことしないでよ……?」
私「ははは、変なことなんて絶対しないよ。多分。恐らく。理性を保てたら」
僕「……信用ならないなぁ」
ハク(全く同感です……)
486 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 21:44:08.39 ID:KSTunP2tO [41/52]
僕「でさ、曲……どう思う?一応頑張ってはみたんだけど……」
私「テキトーな慰めと率直な感想、どっちが聞きたい?」
僕「率直な感想でお願い」
私「これ、曲ですらないわ。ただの無秩序な音の羅列でしかない」
僕「……正直かなりへこんだ」
私「慰めはいらないんでしょ?」
僕「うん……そうだけどさ……」
488 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 21:49:16.71 ID:KSTunP2tO [42/52]
僕「……」チラッ
ハク「……?」
僕「えっと、ハクちゃん……だっけ?」
ハク「はぁ、そうですけど……」
僕「ハクちゃんはどう思った?やっぱり駄目かな、僕の曲」
489 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 21:55:33.71 ID:KSTunP2tO [43/52]
ハク「え……えーと……」
僕「……」ドキドキ
ハク「わ、私は……その……」
僕「……」ドキドキドキドキ
ハク「……良い曲だと、思いました……よ?」
僕「よっしゃあああ!」
僕「ありがとう!すごく嬉しい!なんか、自信わいてきたああああ!」
ハク「……えと」
490 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 22:02:56.81 ID:KSTunP2tO [44/52]
僕「やっぱり努力を認めて貰えるのは嬉しいよおおお!僕、がんばる!がんばるばる!」ヒャッホーイ!
私「あー……水を差すようで悪いけどさ」
私「その子、楽譜読めないから」
僕「またまたご冗談を。この子はVOCALOIDなんでしょ?ねぇ?」
ハク「……ご、ごめんなさい」オズオズ…
僕「えっ」
ハク「本当に読めないんです。何が書いてあるかもちんぷんかんぷんで……」
僕「え?へ?」
493 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 22:17:05.30 ID:KSTunP2tO [45/52]
僕「君って、VOCALOID……なんだよね?」
ハク「はい……VOCALOIDなのに歌も歌えないし、楽譜すら読めないんです……」
ハク「私、不良品ですから……あはは……」
僕「なんていうか、その……ごめんなさい」
ハク「気にしないで下さい」
ハク「元々処分されるはずだったのに手違いでここに来ちゃっただけの存在ですから、私」
ハク「まだスクラップになってないのが……奇跡みたいなものだし……だから……」…グス
僕「ハクちゃん……」
ハク「……すみません。余計な期待させちゃって……」
495 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 22:32:37.89 ID:KSTunP2tO [46/52]
ハク「ごめんなさい……生まれてきてすみません……本当にすみませんでした……」グスグス…
私「……ハク」…ギュッ
ハク「マ、マスター……?」
私「泣き顔かわいい///思わず抱きしめちゃった///」
僕(駄目だこの人……)
私「きゃーわいー!んふふふ!」ホッペタスリスリ
ハク「…………て……」…ボソッ
私「んー?」スリスリスリスリ
ハク「離して……下さい……!」
498 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 22:43:34.69 ID:KSTunP2tO [47/52]
僕(あーあ、嫌われちゃってる)
僕(だけど、昔の僕も客観的に見たらこんな感じだったんだろうな……)
私「やーだね。絶対離さない」ギュギュギューッ
ハク「……お、怒りますよ」
私「そういえばハクの怒った顏って見たことないや」
私「あとは笑った顏もね。あ、自嘲的な笑みは例外」
私「あんたの嬉しそうな顏も見たことない」
私「とにかく見たい表情がいっぱいあんの。困っちゃうよね」ケラケラ
499 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 22:54:55.52 ID:KSTunP2tO [48/52]
ハク「私は……不良品ですから……」
ハク「笑う権利なんてないです」
ハク「嬉しさを感じる権利も……」
ハク「……怒る権利だって、ありません」
私「ないかも知れないけど、それでも私が見たいんだから仕方ないでしょー?」
ハク「だけど……」
私「不良品だろうが何だろうが、あんたのマスターは私」
私「私の願望はあんたの全て。……違う?」
ハク「……マスター」
502 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 23:07:32.42 ID:KSTunP2tO [49/52]
私「だからさ……」
私「一緒に笑えるように頑張ろーよ」
私「私も出来る限りのことはしてあげるから。だって私はあんたのマスターなんだもん」ギュ-ッ!
ハク「ま、まずだぁ……」グシュグシュ…
私「うーん、やっぱり可愛いは正義だねぇ。不良品だろうが何だろうが関係ないや」ケラケラ
ハク「う……っ」
ハク「……うわああああん!ますたああああ!」ギュウウッ
私「よしよし。泣いちゃえ泣いちゃえ。いっぱい泣いちゃえ」ナデナデ
504 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 23:18:01.90 ID:KSTunP2tO [50/52]
僕(ハイパーかやの外タイム)
僕(……てか僕、お邪魔ですよねそうですよね)
僕「えーと……僕、そろそろバイトだから帰るね……」オソルオソル
私「ああ、あんたの存在すっかり忘れてたわ」
ハク「あ……す、すみません……見苦しいとこ見せちゃって……」
僕「じゃ、じゃあまた今度。失礼いたしやす……」
私「あー、ちょっと待った」
僕「……?」
505 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 23:28:19.44 ID:KSTunP2tO [51/52]
私「明日、『第一回・ドキッ!割と真面目に音楽講習!』を開催します!」キリッ!
僕「音楽……」キョトン
ハク「講習?」
私「会費一回千円の超お値引き価格。あ、ちなみに女の子の参加は無料ね」
僕「会費いるの?僕たち友達だよね、一応」
私「さーて、参加する人手ぇあげてー」
僕「無視ですかそうですか」
507 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/01(金) 23:36:06.31 ID:KSTunP2tO [52/52]
僕「まぁ……仕方ないか。これもミクちゃんの為!参加させて頂きますっ!」
私「うーん、参加者一人とか教えがいがないなぁ。もう一人くらいいればなぁ……」チラッ
ハク「……え、えっと」
ハク(私は不良品だけど……それでも、笑ってみたい。楽しいのも、嬉しいのも知ってみたい)
ハク(歌だって……歌えるようになりたいよ……)
ハク「私も……参加します……!」
第一部 ―完―
517 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 00:40:34.13 ID:wMP7vUKbO [2/54]
第二部
私「……と、言うわけで以上が楽譜の読み方でしたー」
私「ざっくりした説明だったけど、そんなに難しくはないでしょ?」
僕「……ハクちゃん、分かった?」コソコソ
ハク「……なんとなく、ですが」ヒソヒソ
私「そこの君たち!私語はつつしみなさいっ!」ビシッ
ハク(マスター、ノリノリだ……)
僕(大学の教室まで借りて……よく申請通ったな……)
521 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 00:54:52.39 ID:wMP7vUKbO [3/54]
私「あんた、コードすら知らないでしょ?」
僕「お恥ずかしながらなんのことやら」テヘヘッ
私「なんつーか、ハーモニーのことだよ。ちょっと待ってな」
私「この大学にもピアノあるなんて知らんかった。とりあえず、弾かせて貰うわ。これがCメジャー」ポロン
僕「しぃめじゃぁ……?」
私「Cはドのこと。Cメジャーはドとミとソ」
僕「はぁ」
私「何とかメジャーの何とかって部分プラス2音目の音プラス3音半目の音で出来てんの」
僕「う、うん……」メモメモ
523 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 01:02:02.62 ID:wMP7vUKbO [4/54]
私「とりあえずこれがメジャーコード」
私「マイナーコードは一度・短三度・五度で構成されてんの」
僕「へ、へー……」
私「CマイナーはCコードのミを半音下げて……こんな感じ」ポロォン
私「違い、分かった?」
僕「えーと……なんかさっきより暗い感じがするような……」
私「そうそう。こうやってコード使って音の雰囲気つけてくの」
私「今までのは三和音ね。次なんだけどボイスコードは……」
僕「え。まだあるの?」
私「言っとくけど、まだ基礎の基礎の基礎しか説明終わってないから」
僕(ミクちゃんの為ミクちゃんの為ミクちゃんの為……)
525 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 01:10:19.80 ID:wMP7vUKbO [5/54]
…
……
私「とりあえず、今日はこんなもんかな」
私「ま、最初は基本に則って作っていった方が良いよ。フリーの奴で良いからソフト落として色んな楽器の音重ねたりして試してみな」
僕「う、うん……」
私「それにしても、随分熱心だねぇ」
私「正直、初音ミク買っても放置してたり、いちゃいちゃしてるだけで全く歌わせてない奴も結構いるのに」
僕「……」…ズキッ
527 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 01:20:14.21 ID:wMP7vUKbO [6/54]
僕「……僕もミクちゃんと正直一緒にいるだけで満足しちゃうと思う」
僕(それだけで幸せだと思ってた。それだけで満足だと思ってた)
僕「だけど、それってただ自分が満足できるだけかなーって」アハハ
僕(自分だけが、満足してた)
僕「だから歌わせてあげたいんだ。一緒に楽しくいられるように」
僕(きっと……――)
僕「きっと、そっちの方がミクちゃんも喜んでくれるから」
私「あんた、意外とまともな人間だったんだ」ビックリ
僕「失礼だなー」
僕(少しくらいまともにならなきゃ、僕はまたミクちゃんと会う資格はないんだ)
529 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 01:43:08.06 ID:wMP7vUKbO [7/54]
私「これ、読みな?特別に無期限無利息で貸してやる」
僕「『初心者の作曲講座』?」
私「つーか、あげるわ」
僕「え……良いの?」
私「良いよ良いよ。どうせ最近読んでないし」
私「熟読してくれる奴に貰われた方が本も幸せだろーしさ」
僕「ありがとう……君と友達になれて本当に良かったや」
私「本一冊で大袈裟だなぁ。じゃ、次はハクの番ね。一緒に歌おっ」ニコッ
ハク「は、はい……」
530 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 01:56:06.21 ID:wMP7vUKbO [8/54]
ハク「えと……私は何をしたら良いんですか……?」
私「そーだねぇ。現時点でどれだけ歌えるか知りたいからとりあえず歌ってみてよ」
ハク「でも……かなり下手ですよ?すごく聞き苦しいと思いますよ?」オドオド
私「何でも良いからとりあえず歌っちゃお。『かえるのうた』とか分かる?」
ハク「……一応は」
私「じゃ、伴奏するからそれに合わせて歌ってね。せーの!」
531 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 02:06:44.74 ID:wMP7vUKbO [9/54]
ハク(き、緊張する……絶対馬鹿にされる……っ)…ガクガク
ハク「か……かーえるぅ、の、う、たーが」
私(出だしからリズムがとれてないや)~♪
ハク「き、こ、えぇて、くる、よ」
私(テンポがどんどんずれてくし)
私(声も小さい上に、音程もぐだぐだ)
私(声の伸びもないし、無理して声出してる感じ……こりゃ、想像以上にヤバいかも)
私(それに……)
私(……少しも楽しそうじゃないや)
533 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 02:19:35.67 ID:wMP7vUKbO [10/54]
ハク(終わった……何もかも終わった……)…シュン
私「ハク」
ハク「ひゃい!」ビクッ
私「音痴は治せるから大丈夫」…ポンッ
ハク「や、やっぱり……駄目でしたか……?」
私「安心して。私が絶対治してあげるからさ」
ハク「本当にそんなことできるんですか……?」
私「私はね、可愛い娘の為なら不可能を可能にする変態淑女だよ?」フフンッ
私「それにね、《人間》って、好きな娘の為なら何だってしようとする馬鹿の集まりだからね。……だから、絶対大丈夫」
535 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 02:31:50.03 ID:wMP7vUKbO [11/54]
私「まぁ、ハクに直して欲しいことはいくつもあるけどさ。まず最初に一番大事なこと言っとくね」
ハク「な、なんですか?」ビクビク
ハク(い、いきなり難しいこと言われたりしたらどうしよう……)ガクガク
私「これだけは絶対やって欲しいことだからさ、肝に銘じといてね」
ハク(絶対無理だ……絶対直せない……)ブルブル
私「あのね……」
ハク「……」ガクブル
私「歌を、もっと楽しんで」
536 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 02:45:40.66 ID:wMP7vUKbO [12/54]
ハク「へ……?」
私「これさ、かなり難しいことだけどできるよね?」
ハク「……っ」
ハク「……頑張り、ます」
私「よーし、その意気だ!」
私「他にもテンポの取り方とか腹式呼吸のやり方とか、色々覚えて欲しいことはあるけど……楽しめるようになったら、上達スピードも格段に早くなってくと思う」
私「歌は人の、自分の心を誰かに伝える手段だもん。心がなくちゃ歌は歌えないよ」
ハク「こころ……」
ハク「でも私は不良品で、機械で……人間でもVOCALOIDでもない私にもできるんでしょうか……?」
私「できるよ」
私「だって、心があるから歌えないことがつらいんでしょ?」
538 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 02:58:53.61 ID:wMP7vUKbO [13/54]
…
……
………
私「……うん。最初に歌った時よりだいぶマシになってるよ」
ハク(本当だ……まだまだ下手だけど、前よりずっと自分の声が通ってる気がする)
私「いやぁ、私の教え方が上手いのかねー」ケラケラ
ハク「マスター、本当にありがとうございます!私、これからも頑張れそうです」ニコッ!
私「ふふ、笑った」
ハク「へ?」キョトン
私「ようやく笑ってくれてありがと。私の欲望がまた一つ満たされたよっ!」ガバッ!
ハク「ひゃっ、マ、マスター!」
539 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 03:08:02.71 ID:wMP7vUKbO [14/54]
私「ハク、よくできました」ナデナデ
ハク「お、お友達も見てますし……恥ずかしいですよー……」カァァァ…!
僕「あ、その、僕、本読んでるからお構いなく……」クルッ
私「ハクのお顔まっかっか!かわいー!」ナデナデスリスリ
ハク「も、もう……ますたぁ……!」
私「これからも、いっぱいいっぱい歌わせてあげるからね。いっぱいいっぱい笑おうね、ハク」髪の毛クンカクンカ!
ハク「……はい」
ハク「これからもよろしくお願いしますっ」ギュッ!
第二部 ―完―
そして寝る寝る寝るね
554 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 08:38:52.69 ID:wMP7vUKbO [15/54]
みなさん、おはよう。
爽やかな変態日和でごわすな。
多分短めになるであろう第三部 ―はじめてのおつかい―
私「ハク、お財布持った?」
ハク「ありますよー……」
私「メモもちゃんと持ってる?」
ハク「は、はい」
私「場所も覚えてる?大丈夫?」
ハク「大丈夫ですってば」
私「あとこの買い物袋使ってね」
ハク「……ありがとうございます」
私「何かあったらすぐ携帯で連絡してよ?あ、携帯も忘れてないよね?」
ハク「あの……」
私「どうしたの?やっぱり止める?」
ハク「お買い物くらい、一人でできますよ……多分」
555 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 08:52:23.91 ID:wMP7vUKbO [16/54]
ハク(いつもマスターに歌を教えてもらって、お酒のおつまみまで用意させて……)テクテク
ハク(お世話させてばっかりだもん。……たまにはおつかいくらいしなくっちゃ)テクテク
ハク(今の私なら……それくらいできるし……)キョロキョロ
ハク(えーと、スーパーはこっち……かなぁ?)
ハク(……間違ってたらどうしよう)
『何かあったら携帯ですぐ連絡してよ?』
ハク(だ、大丈夫……大丈夫……)
556 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 08:58:42.84 ID:wMP7vUKbO [17/54]
…
……
ハク(ちょっと迷ったけど、ちゃんと着いた……)ハァ…
ハク(えーと、買い物メモは……)ゴソゴソ
ハク「あ、あれ?」ガサゴソ
ハク「……ない」
ハク「……」
ハク(た、確かお醤油とお酒と……あとは……えっと……)
ハク「だ、だいじょぶ……だよね……?」
557 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 09:05:06.77 ID:wMP7vUKbO [18/54]
ハク(これで頼まれたものは全部買った……と思う)
ハク(買い物すらまともにできないなんて……私、やっぱり駄目だ……)ジコケンオ…
「――」ヒソヒソ…
ハク(……ん?)
558 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 09:14:05.38 ID:wMP7vUKbO [19/54]
「なにあの子、総白髪wwww」
「あれって弱音ハクじゃないか?」
「ふーん。新種のVOCALOIDかなにか?」
「お前知らないのか?初音ミクの不良品だよ。歌も歌えないらしい」
「なにそれー。そんなのいるんだー」
「大方、歌が無理だから家事でもやらされてんだろーなー」
「……なーんか、可哀想だね」
ハク「……っ」
560 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 09:23:39.20 ID:wMP7vUKbO [20/54]
ハク「……」ハァ…ハァ…ッ!
ハク(ちがうのに)タッタッタッ…
ハク(まだ下手だけど……私は、ちゃんと歌えるのに)…グスッ
ハク(マスターのお陰で歌えるようになったのに……っ!)
ハク「……走り、疲れたぁ」ハァ…ハァ…
ハク(そういえばこんなに走ったの、初めてだったっけ)
ハク(もう一歩も歩けない……)
ハク「マス……ター……」…グスン
561 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 09:34:49.27 ID:wMP7vUKbO [21/54]
ハク(言い返してやれば良かったのに……)トボトボ
ハク(私のマスターはそんな人じゃないって……少しおかしくて、すごく優しい人なんだって……)トボトボ…
ハク(それすらできないなんて……私、やっぱり駄目だなぁ……)…ハァ
ハク「あれ……?」
ハク「……ここどこ?」
ハク(……)
ハク(迷子になっちゃった……)
562 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 09:47:28.08 ID:wMP7vUKbO [22/54]
ハク「け、携帯……」ワタワタ
ハク「えっ。充電切れ……!?」
ハク「ど、どうしよう。どうしよう……」ヒヤアセ ダクダク
ハク(マスター、今頃心配してるよ……)
ハク(……もしも、このまま永遠に帰れなかったら)ブルブル
ハク「ますたぁ……」グスッ
ハク(とにかく、知ってる道に出なくちゃ……もう早く帰って眠りたい……)トボトボ…
565 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 10:07:37.29 ID:wMP7vUKbO [23/54]
ハク(滅茶苦茶に歩いてたら変な道に出ちゃった……)ビクビク
ハク(怪しいお店がいっぱい……怖い……)ビクビク
ハク(空ももう真っ暗だし……マスター、助けてください……っ)ビクビク
ハク(とにかくこの通りから出なくちゃ。こんなとこに来る人、絶対まともじゃない……)ブルブル
ハク(もしも誰かに連れ去られたりしたら……もう二度と帰れなくなるんだよね……)
ハク(マスターと歌うのも、お酒飲むのも……ぎゅーってするのもできなくなっちゃうなんて……そんなの……)…グスッ
「あれ?ハクちゃん?」
ハク「ひゃあ!?」ビクッ!!
567 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 10:20:06.48 ID:wMP7vUKbO [24/54]
ハク「ひいい!見逃して下さいいいい!」ダッ!
「ちょ、ちょっと待って!」ガシッ
ハク「ひゃあああっ!誰か、誰か助けてええええ!!」
「お、落ち着いてよ!誰かに聞かれたら僕、即ブタ箱行きになっちゃうから!」
ハク「あ、あれ……貴方は……」
僕「どうしたの?こんなとこに一人で来ちゃって」
570 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 10:44:39.34 ID:wMP7vUKbO [25/54]
ハク「私は、その……道に迷っちゃって……」
僕「ここら辺治安悪いからあんまり来ない方が良いよ。変な店ばっかりでしょ?」
ハク「あの……」
僕「なぁに?」
ハク「どうして貴方はこんなところに……?」
僕「ここにあるんだ、アンドロイドの中古屋さん」
ハク「こんな場所に?」ビックリ…
僕「まだミクちゃんを家に連れては帰れないけどさ……」
僕「……少しだけ、眺めてたくて」
ハク「……」
571 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 10:55:07.90 ID:wMP7vUKbO [26/54]
ハク「もしかして……もしかして、ですよ……?」
僕「うん」
ハク「この前話してたずっと好きだった人って、初音ミクのこと……ですか?」
僕「……」
ハク「す、すみません。ただの憶測です妄想です妄言です……。だから、気にしないで下さい……」
僕「……送ってくよ。きっと池下さんも心配してるだろうし」
ハク「あ、ありがとうございます……」
572 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 11:13:39.56 ID:wMP7vUKbO [27/54]
…
……
ピンポーン
ダダダダ…ッ!ガチャッ!
私「ハク……ハクうううううううう!」ガバァッ!
ハク「ちょ、ま、ますたぁ……ぐるじい……!」
私「どこほっつき歩いてたの!?心配どころの騒ぎじゃなかったんだから!」
ハク「す、すみません……」
私「許さん!許さんぞーっ!」ギュギュギューッ!
ハク「マ、マスター、苦しいですってば、痛いですよぅ……!」
ハク「いたい……」ポロッ
私「あ……ごめんごめん。思わず万力のような力で抱き締めちゃって……」
ハク「う……うぁぁぁん!ますたぁ!」ギューッ!
574 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 11:32:59.51 ID:wMP7vUKbO [28/54]
ハク「怖かった……怖かったです……!二度と帰れないんじゃないかって……私、私……!」
私「……無事で良かった」ナデナデ
ハク「ます……た……っ!」グシュグシュ
僕「なんて言うかさ……」
僕「……会うたび会うたび目の前で愛を見せつけないで下さい」
私「んー?どうした童貞羨ましいのか」ニヤニヤ
僕「いや……目のやり場が……」
577 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 11:51:18.53 ID:wMP7vUKbO [29/54]
ハク「あの……買い物メモを落としちゃったみたいで……」
ハク「……買い忘れたものも、あると思います。すみません……」
私「どれどれ?」ガサッ
私(普通のお醤油頼んだはずなのに何故卵かけご飯専用の醤油を……)
私(頼んだ筈の料理酒が焼酎になっている)
私(……そして頼んだ覚えのない柿の種)
ハク「あ、あの、マスター?やっぱり私……」
私「ありがと、ハク。助かったよ」ナデナデ
ハク「……///」
私「今度は一緒にお買い物行こうね!」
ハク「……はい!」
第三部 ―完―
>>575
レズでありタチであることは確実
581 名前:もう600近いのか…[] 投稿日:2010/10/02(土) 12:26:07.38 ID:wMP7vUKbO [30/54]
第四部
ハク「~♪~♪」
私「声がこもってる。もっと大きく口開けて」
ハク「~♪」
私「ほら、ちゃんと背筋伸ばして歌わなきゃ」
私「……うん、すごく良くなった。最初と見違えるくらいだよ」
ハク「ほ、本当に?」
私「ほんとほんと。ヘンタイ、ウソ、ツカナイ」
ハク「お世辞でも……嬉しいです……」
私「世辞は言わん主義だよ、私は。まさかこんなに上達するとは思わなかったわー」
私「もうハクのこと、誰にも不良品なんて言わせない」
ハク「わ、私まだそこまで上手くは……」アセアセ
私「いやいや。この歌声聞いて、それでもまだ不良品って言う奴は腐ってるよ、耳が」ケラケラ
ハク「……ますたぁ」
私「さてと、ちょっと休憩にしよっか。疲れちゃったでしょ?」
583 名前:柿の種はピーナツしか食わねぇ[] 投稿日:2010/10/02(土) 12:36:15.52 ID:wMP7vUKbO [31/54]
私「おつまみ、この前買ってきてくれた柿の種で良い?」
ハク「は、はい」
私「それじゃ、乾杯」コツン
ハク「乾杯です」
私「いやぁ、練習のあとの酒はうまいねぇ」シミジミ
ハク「ですねぇ」グビグビ …プハァ
私「焼酎ハイペースで飲めるなんて、ハクはすごいね」シミジミ
ハク「そうですかね?」
私「そーだよ」
ハク「……自慢には、なりませんけどね」
私「そりゃそうだけどね」チビチビ
585 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 12:53:03.86 ID:wMP7vUKbO [32/54]
…
……
ハク「まひゅたぁ、まひゅたぁ……」クイクイ
私「ん?なぁに?」カキピー ポリポリ
ハク「わたし、まひゅたぁがまひゅたぁで良かったれふ……」フニャフニャ
私「私も、ハクと会えて良かったよ」ナデナデ
ハク「ほんとに?ほんとに?」
私「ほんとだよ」
ハク「えへへ……」フニャッ
私「ハク、ちょっと飲み過ぎじゃない?大丈夫?」
ハク「らいじょーぶれふ!」グビグビ
私「まだ飲むか」
586 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 13:04:51.57 ID:wMP7vUKbO [33/54]
私「そろそろ止めなって。ね?」
ハク「まだまだ、序の口、れしゅ!」ヒック
私「いやいや、それはない。抱き締めてる酒瓶を返しなさい」
ハク「ねぇねぇ、まひゅたー」
私「なに?」
ハク「こーやって、瓶をだきしめてるとね、ひんやりして気持ちーんですよー……」フヤフヤー…
私「そっかそっか。良かったね。だけど、もう飲んじゃ駄目だよ」ナデナデ
ハク「んふふ。まひゅたーの手、あったかぁい……」ニヘヘ
私「ハクさんハクさん、聞いてます?瓶から直接飲まないの」
589 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 13:16:40.01 ID:wMP7vUKbO [34/54]
私「あんまり深酔いしすぎると私に襲われちゃうよー?」ニヤニヤ
ハク「……って……ください」
私「え?」
ハク「襲ってくださいよぅ……まひゅたーになら、わたし、わたしね……」
私「あらあら、マスター真に受けちゃうよ?」
ハク「まひゅたーと、ぎゅーってできるなら何でもいーんですっ」フラフラ
私「じゃ、お酒返して。そしたらしてあげる」
ハク「それは、いやーっ」クスクス
私「……全く、もう」クスッ
590 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 13:25:01.22 ID:wMP7vUKbO [35/54]
私「ハク、こっち向いて」
ハク「ふぁい?」フニャフニャ
私は、ハクの唇に自分の舌をねじこんだ。
ハク「ん……!?」ピクッ
ハク「ぁ……っ。ましゅ……ふぁ……ん……っ///」ピクンッ!
ハク「はぁ……はぁ……。ましゅた……」
私「……ハクのお口の中、焼酎の味がする」
ハク「ましゅたぁの舌、熱いよぅ……」
593 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 13:33:15.85 ID:wMP7vUKbO [36/54]
ハク「ましゅたぁ……」ハァ…ハァ…
私「……続きは、素面の時にね」ニコッ
ハク「うぅ……」ウルウル…
私「ちょっと待っててね。良いもの持ってくるから」スクッ
ハク「……?」
595 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 13:47:50.33 ID:wMP7vUKbO [37/54]
私「はい、これ」コトン
ハク「にゃんれすか、これ……?」
私「歌がもっと上手くなるお酒だよ」ニコニコ
ハク「ほんろに!?」
私「ほんとほんと。せっかくだし飲んでみなよ」
私(本当はグラスに注いだウコンの力なんだけどね)…テヘッ
ハク「へんにゃ、味がする……」コクコク
私「高級なお酒だからそれなりの味がするんだよ」シレッ
私(こんなに酔ってる時に本番まで行ってもどうせ覚えてないだろうし、覚えててくれないとつまんないもんね)
私(……今度は素面の時に誘ってね、ハク)ニコニコ
597 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 13:57:08.10 ID:wMP7vUKbO [38/54]
ハク「えへへ……ましゅたぁ、わたし、もっともっと歌、うまくなれるかなぁ……?」ウトウト…
私「ハク、眠いの?」
ハク「……のみすぎた、かも……です」ウツラウツラ…
私「ようやく気づいたか。今日はもう寝ちゃいなよ」
ハク「でもぅ……」
私「今すぐお布団入りなさい。これ、マスターの命令」
ハク「……むにゃ」
598 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 14:09:55.47 ID:wMP7vUKbO [39/54]
ハク「えへへ……ますたー」…ヘラッ
ハク「わたし、もっともっと、歌、うまくなれるかなぁ……」ウトウト…
ハク「ミクよりも、うまくなりたいです……ふりょーひんのくせに、贅沢ですよね……?」
私「なれるよ。だって、秘伝のお酒を飲んだんだもん」
ハク「……ありがと、ますたぁ」
ハク「……」スヤスヤ…
私(大丈夫だよ)ナデナデ
私(秘伝のお酒なんてなくたって、あんたは世界一の歌姫になれるから)
私「おやすみ、ハク」
601 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 14:26:13.87 ID:wMP7vUKbO [40/54]
多分最終章
僕「ど、どうかな……?」
私「うーん……」
僕「……」ドキドキ
私「正直しょっぱい出来だけど……一応は曲になってるね」
僕「それって褒めてるの?けなしてるの?」
私「どっちでもないけど、大進歩だと思うよ」
僕「とりあえず、嬉しいや」
私「だけどこれ、まだ歌詞がついてないじゃん。ミクに歌わせるんでしょ?」
僕「歌詞はミクちゃんと一緒に考えるつもりなんだ」エヘヘ
私「今日だっけ?ミクがあんたの家に来るの」
僕「……うん」
603 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 14:37:06.01 ID:wMP7vUKbO [41/54]
僕「やっぱりさ……まだ自信ないんだ……」
私「なんの?」
僕「ミクちゃんに釣り合うかどうかとか、ちゃんと幸せにしてあげられるのかとか……」
僕「考えれば考えるほど……怖くなるや」
私「ふぅん」
私「でも、あのミクと一緒に居たいんでしょ?あんたはさ」
僕「……うん」
私「じゃあそうしなよ。今更諦められないんでしょ?」
僕「……。……うん」
606 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 14:44:16.26 ID:wMP7vUKbO [42/54]
私「んで、精一杯歌わせてあげな。あんだけ色々教えてやったんだから、そうでもして貰わなきゃ教え損でしょ?」
僕「まだこんな曲しか作れないけどね……」ハハハ…
私「あとはあんたたち二人で頑張りな。私はハクのことでいっぱいいっぱいだし」
僕「……ありがと」
私「礼はいらんよ。受講代もきっちり貰ったしね」ニッ
607 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 14:54:10.94 ID:wMP7vUKbO [43/54]
私「……また蹴ったり殴ったりして貰えれば良いね」ボソッ
僕「……!」
私「あれ?ずっと前に話してた『ずっと前から好きな娘』って、あのミクのことじゃないの?」
僕「いつから気づいてたの?」
私「テキトーに言ったのにまさかの図星wwwww」
僕「え……?」
608 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 14:57:31.87 ID:wMP7vUKbO [44/54]
私「あんたらに何があったかなんて興味の欠片もないけどさ。あんたの恋人と会わせてくれるって約束、忘れんなよ」
僕「そんな約束したっけ?」
私「したした。あんたの脳味噌容量何bitだよ」ケラケラ
僕「ミクちゃんに変なことしたら怒るよ?」
私「安心しなって。変なことはハクにしかしない」ニヤッ
私「そろそろ中古屋行ったら?ミクが待ってるんでしょ?」
僕「……うん。行ってくる」
609 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 15:04:22.66 ID:wMP7vUKbO [45/54]
…
……
………
初音「マスター。もう朝ですよ。起きて下さい」ユサユサ
僕「んー……あと三十分……」ムニャムニャ
初音「全く、どうしようもない人ですね……」イライラ
初音「今日は初ライブでしょ!早く起きなきゃいけないって言ったのマスターでしょうが!」ペチペチ!
僕「あうちっ、あうちっ!」
612 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 15:12:32.38 ID:wMP7vUKbO [46/54]
――今日は学園祭。
初ライブと言っても、小さな講堂を借りて行う小規模なものだ。
だけど、僕にとって、僕らにとっては大きな一歩。
616 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 15:19:29.89 ID:wMP7vUKbO [47/54]
初音「遅れてすみませんっ!」タタタ…ッ!
私「遅れてないよ。集合時間まであと一分だったけどね」
ハク「あれ……?ミクちゃんのマスターは……?」キョロキョロ
初音「ああ、あの人なら……」
僕「待ってよミクちゃーん!」ゼーゼー…!
617 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 15:27:21.98 ID:wMP7vUKbO [48/54]
私「全く、もう。あんたは完全に遅刻だよ」
僕「ごめ、ほんとーにごめん……」ゼーハー…
私「遅刻理由は?」
僕「……寝坊です」
初音「昨日の夜、緊張で眠れないとか言ってずーっと起きてたみたいなんですよ」
僕「明け方にようやく眠気がきて……そのまま……」
私「遠足前の小学生かよ」ハッ
初音「呆れちゃいますよね、ほんとに」ヤレヤレ…
ハク「まぁ、大幅な遅刻じゃないし許してあげましょうよ」クスクス
618 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 15:38:49.74 ID:wMP7vUKbO [49/54]
私「大体緊張って……あんたはステージに上がらない癖に」
僕「だ、だけど僕の作った曲をミクちゃんが皆の前で歌うんだよ!?緊張どころか心臓破裂しそーだよー……」
私「ヘタレってレベルじゃねーな。ねぇ、ハク?」ケラケラ
ハク「……」
私「おーい、ハク?」ツンツン
ハク「あ……す、すみません……ちょっとボーッとしてて……」
ハク「……私にも、こうやって歌を発表する日が来るとは思いませんでした。なんだか、夢みたい……」
私「今までの努力の結果を皆にぶちまけてやろー。ねっ」
ハク「……はい!」
621 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 15:47:55.97 ID:wMP7vUKbO [50/54]
私「じゃあ、者共!決戦の場に向かうぞー!」グイッ スタタ…ッ!
ハク「ま、ますたぁ!引っ張らないで下さいぃー!転んじゃいますよー……!」ワタワタ
私「敵は本能寺にあり!敵は客席にあり!」キャホーイ!
ハク「敵はいませんよ!お客さんだけですよー!」アワアワ
僕「人のこと小学生呼ばわりしてた癖に、あの人が一番はしゃいでるや……」アハハ…
初音「……私たちも行きましょう!」グイッ!
僕「わわっ……!?」
622 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 15:53:37.96 ID:wMP7vUKbO [51/54]
初音「マスター」タッタッタッ
僕「ちょ、ミクちゃん速いって……」アセアセ
初音「……私ね、今すごく嬉しいんです」
初音「マスターが曲を作ってくれたことが」
初音「マスターの曲が歌えることが」
初音「みんなでこうやって、色んなことができることが」
初音「すごく、すごく楽しくって嬉しくって……!」
僕「……ミクちゃん」
624 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 16:10:49.82 ID:wMP7vUKbO [52/54]
初音「マスターは、変態でヘタレで甲斐性なしで頼りなくって、本当にどうしようもないけど」
初音「なんだか……マスターとこんな風に過ごすのが密かな夢だったような気がするんですよ。ずっとずっと前から」
僕「……」
初音「なんだか、おかしいですよね」クスクス
僕「ミクちゃん」ピタッ
初音「なに立ち止まってるんですか。早く二人に追いつかなくちゃ……」
僕「ミクちゃん。……これからも、よろしくね」
初音「……マスターの真面目な顔、へんなのっ!」クスッ
僕「ミ、ミクちゃん……酷いよー……」
初音「……約束ですよ。これからもずっとずっと一緒ですからね」ボソッ
僕「ミクちゃん……」
625 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 16:13:26.98 ID:wMP7vUKbO [53/54]
初音「とにかく急ぎましょう!」
初音「私たちの初めてのライブが待ってるんだから!」タタタッ!
僕「ミ、ミクちゃーん!置いてかないでよー!」ワタワタ
ミク「さぁ、来てよマスター!」タッ
― 僕「ミクちゃん可愛い!ちゅっちゅ!」ミク「来んな変態」 ほんとのほんとに終わり! ―
634 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/02(土) 16:25:59.11 ID:wMP7vUKbO [54/54]
>>631
大丈夫。>>1も寝る。
おやすみミクちゃん!ちゅっちゅっちゅ!
皆々様、わたくしの長時間耐久オナニーにお付き合い頂き誠にサンクス
このSSを通して得た教訓が二つあります。
・ミクちゃんは天使
・SSも人生もご利用は計画的にしないと酷いことになる
んじゃ、さらば
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