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( ^ω^)がヴァンパイアになるようです

1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/12(金) 14:33:19.44 ID:ckEdvR1/0
目を開けると暗かった
ぼんやりと灯りがともり少しつ視界が開けていく

蝋燭に火がともされていく
僕は冷たいところに寝かされ動けなかった
唯一動く首を回し自分の体を見ると全裸だった

2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/12(金) 14:35:07.77 ID:ckEdvR1/0

( ^ω^)「お?」

ここはどこだろう
僕は確か自室で新作のエロゲをしていたはずだ
絆が円環してる巴たんにはぁはぁ…していたはず

そこに黒いマントを羽織った人が現れた

从 ゚∀从「あっはっはっは、気分はどうだ?」

3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/12(金) 14:36:21.42 ID:ckEdvR1/0
マントを広げると全裸だった
しかも女性、いわゆる痴女だ
やはり僕は童貞だ
こんな状況でもエクスカリバーは臨戦態勢になる

从 ゚∀从「元気じゃねぇか」

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/12(金) 14:37:09.44 ID:ckEdvR1/0
こともあろうに彼女は僕のエクスカリバーの上に座った
何もまとわないその姿で

(*^ω^)「うは、あったかいなりぃ…」

从 ゚∀从「落ち着け、入れてねぇよ!」

エクスカリバーに生まれて初めて味わう温かさと感触に頭の中にはもやが掛かったみたいだ

从 ゚∀从「これからもっと気持ちいことしてやんよ…」

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/12(金) 14:38:03.80 ID:ckEdvR1/0
彼女の顔が僕の顔に段々近づき顔に触れそうになり
僕はきつく眼を閉じてしまう
首筋に彼女の息が当たり鳥肌が立つ




ぶつり


何かを突き破る音

思わず目を開ける僕

6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/12(金) 14:39:23.12 ID:ckEdvR1/0
( ゚ω゚)「ふおおおおおおおおお」

从 ゚∀从「はっは、うめぇ」

顔を上げた彼女の口が真っ赤に染まる
あれはなんだ、なにをしたんだ
どうしてこうなった?
疑問は彼女の一言で解決された


从 ゚∀从「思ったとおり、上物の血だな」

彼女は吸血鬼だったのだ



( ^ω^)はヴァンパイアになるようです




第一話「死と再生」ようこそダークネスホラーへ!

7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/12(金) 14:40:35.24 ID:ckEdvR1/0
彼女は再度僕の首筋にかぶりつき血を吸い始めた。
不思議と抵抗が出来ない。
そもそも拘束されていたはずだ。
だが抗おうという気持ちすら湧かない。

それどころか気持ちいいのだ。
初めてやったオナニー、初めて使ったオナホのように。
抗えない気持ちよさがある。

僕はその快楽に身を任せてしまった。
それはまるで何度も射精を繰り返すような、それを全身に感じるように。

しかしそれも、終わりを告げる。

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/12(金) 14:41:27.06 ID:ckEdvR1/0
从 ゚∀从「終わりだ、お前の血は全部俺が飲んじまったぜ」

( ^ω^)「…あ、…う」

从 ゚∀从「だが安心しろ、俺はお前が気に入ったからな…だから」

彼女は自分の人差し指を噛み、僕の口に入れた。

从 ゚∀从「さあ、それを飲むんだ」

彼女の指からは冷たく、甘い香りのする液体が流れてきた。
僕はむさぼるようにそれを飲んだ。

9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/12(金) 14:43:45.84 ID:ckEdvR1/0


ドクン

( ゚ω゚)「……」

从 ゚∀从「今、お前の体は急速に死んで再生してる」


僕の中で何か劇的な変化が起きている。
急激に体が熱くなるような、冷たくなるような。

それと同時に圧倒的な渇きが僕を襲う。
もっとさっきのが飲みたい、飲ませろ、飲ませろ飲ませろ飲ませろ飲マセロ。
ノマセロノマセロノマセロノマセロノマセロノマセロノマセロノマセロ……!!!!!

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/12(金) 14:44:38.27 ID:ckEdvR1/0
( ゚ω゚)「ぐ…がぁぁぁ……」


从 ゚∀从「落ち着け、俺のは吸うなよ…ほらあそこに」


( ゚ω゚)「…ふー、ふー」

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/12(金) 14:45:17.68 ID:ckEdvR1/0
そこから先は覚えていない。
覚えているのは温かく、さっきより美味しいものをおなか一杯飲んだという感触。
渇きが癒され、落ち着きを取り戻した頃僕はとんでもない事をしてしまったことに気付く。
目の前に、干からびた女性の死体が二つ転がっていた。

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/12(金) 14:47:02.86 ID:ckEdvR1/0
从 ゚∀从「落ち着いて聞けよ、お前は今吸血鬼になった」

( ^ω^)「…」

从 ゚∀从「血を吸うこと、それが俺たちの食餌―しょくじ―だ」

从 ゚∀从「渇きや、獣の衝動を抑えるためには必要不可欠なことだ」

从 ゚∀从「欲望を抑えるためには、欲望を満たすしかないんだ」

从 ゚∀从「心配しなくても、俺が全部教えてやる」

( ^ω^)「…今日は、帰って寝ます」

从 ゚∀从「…ああ、くれぐれも太陽の光には気をつけるんだぞ」

( ^ω^)「はい」

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/12(金) 14:49:57.83 ID:ckEdvR1/0
どうやって帰ったのかあまり覚えていない。
気が付いたら布団にもぐりこんでいた。

カーテンの隙間から漏れた日光に左手を焼かれ悶絶したため、夢ではなかったと自覚する。

僕は吸血鬼になってしまった。

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/12(金) 14:51:40.51 ID:ckEdvR1/0
J( 'ー`)し「ブーン、ご飯よー」

気付けばあたりは暗く夕食の時間になっていた。

( ^ω^)「おっおー、あんまり食欲がないお…」

J( 'ー`)し「おやおや大丈夫かい?顔色も良くないし」

( ^ω^)「でもかーちゃんのご飯美味しいから食べるお!」

J( 'ー`)し「あらあら、うれしいわね」
J( 'ー`)し(これで就職してくれたら、いい息子なんだけど…)

( ゚ω゚)「!」


15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[誰も見てくれなくても続けるお] 投稿日:2010/03/12(金) 14:53:15.43 ID:ckEdvR1/0
トイレ

( ゚ω゚)「モルスァ…ぶるあぁぁぁぁぁ」

( ゚ω゚)「ご飯食べれなかったお、とりあえずうがいするお」

洗面所

( ゚ω゚)「!」

鏡には僕の顔は映っていなかった。

( ゚ω゚)「やっぱり…」

( ´ω`)「僕はもう人間じゃないのかお…」

J( 'ー`)し「ブーンや、大丈夫かい?」

( ^ω^)「な、なんでもないお!ちょっと出かけてくるお!」

16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/12(金) 14:54:34.55 ID:ckEdvR1/0
僕は彼女の元へ走った。
そういえば名前も聞いてなかった。

体が軽い、光る風すら追い越せそうだ。

( ^ω^)「空だって飛べるはずだお…ってまじで飛んだwwwww」

走りながら本当に体が浮いてしまう。

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/12(金) 14:55:44.97 ID:ckEdvR1/0
( ^ω;)「…うっ」

ようやく、人外になってしまったと認めた。
認めたら悲しくなった。
泣きながら彼女の家の前に来た。

( ;ω;)「うわーん!!!」

从 ゚∀从「何泣いてるんだ?」

( ;ω;)「えぐっ、僕もう人間じゃないんだお…、空だって飛んじゃったお…」

从 ゚∀从「だって吸血鬼だし」

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/12(金) 14:57:00.25 ID:ckEdvR1/0
( ^ω^)「ですよねー」

( ^ω^)「かーちゃんのご飯も食べれなかったお、日光に当たって悶絶したお、鏡にも映らなかったお」

从 ゚∀从「流れる水も通れないしなー」

从 ゚∀从「よく出来た動く死体だから、内臓も正常に働いてるはず無いぜ?」

( ^ω^)「…やっぱりかお」

从 ゚∀从「まあ食う方法もないわけではないが…」


20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/12(金) 14:58:00.32 ID:ckEdvR1/0
( ^ω^)「そういえばあなたのお名前聞いてなかったですお」

从 ゚∀从「俺はハインリッヒ、ハインって呼んでくれ!」

( ^ω^)「僕はブーンですお」

从 ゚∀从「吸血鬼として生きる…いや死んでるけど決意出来たか?」

( ^ω^)「はいですお、かーちゃんにこれ以上迷惑かけたくないお」

从 ゚∀从「ようこそ、カマリリャはお前を歓迎するぜ!」

( ^ω^)「カマリリャ?」

从 ゚∀从「それもおいおい話していくわ」

21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage18] 投稿日:2010/03/12(金) 14:59:02.70 ID:ckEdvR1/0
^ω^)(今日はまともな格好してるお…)

从 ゚∀从「ありゃ趣味だ」

( ^ω^)「え?」

どうやらハインは僕の心を読んだらしい。

从 ゚∀从「あっはっはっは、それが俺の様式美だ!!wwwww」

从 ゚∀从「お前のマスカレードは始まったばかりだぜ?」

僕はハインの言葉の意味をつかめずただ、立っていた。



第一話ダークネスホラーへようこそ!  完

22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage18] 投稿日:2010/03/12(金) 14:59:49.55 ID:ckEdvR1/0
ちょwwww
投下してみたら短すぎたwwwwwwww

23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/12(金) 15:01:08.12 ID:ckEdvR1/0
>>18
大好きです

25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/12(金) 15:22:33.39 ID:ckEdvR1/0
>>24
ありがとう
頑張ってみるよ

27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/12(金) 16:32:08.12 ID:ckEdvR1/0
>>26
ありがとう
頑張る!

30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/12(金) 18:18:54.59 ID:ckEdvR1/0
>>28
大好き!


第二話形になってきたので21:00頃に投下しようと思います。

31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/12(金) 18:20:20.32 ID:ckEdvR1/0
>>29
ありがとう!

36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[彼女に見られた死にたい] 投稿日:2010/03/12(金) 21:06:26.53 ID:ckEdvR1/0
保守ありがとう

37 名前:第二話[sage] 投稿日:2010/03/12(金) 21:08:12.74 ID:ckEdvR1/0
見渡す限りの草原
そこに残念な顔の青年が立っている

('A`)「残念言うなwwww」

('A`)「風が、哭いている」

('A`)「星の巡りもこれから良くない事が起こりそうだ」

彼は…厨二だった…!


第二話「邂逅」ホワイトファングと呼ばれた男

38 名前:第二話[sage] 投稿日:2010/03/12(金) 21:09:28.11 ID:ckEdvR1/0
僕がハインの下で吸血鬼社会の勉強を始めて早一週間。
ようやく全体が見えてきた頃。

从 ゚∀从「さて、俺たち吸血鬼は血族からなるわけだがいくつ教えた?」

( ^ω^)「13ですお」

从 ゚∀从「よろしい、では俺たちの血族は?」

( ^ω^)「ヴェントルーと呼ばれるいわゆる吸血鬼の貴族ですお」

从 ゚∀从「よし、他にもどんな血族がある?」

( ^ω^)「ギャンレル、トレアドール、トレメール、マルカヴィアン、ラヴノス…」

ハインの教え方は分かりやすく、僕はわずかな期間に色んなことを教えてもらった。
カマリリャという組織、吸血鬼の派閥、人狼や一部の人間の恐怖。

39 名前:第二話[sage] 投稿日:2010/03/12(金) 21:10:32.83 ID:ckEdvR1/0
从 ゚∀从「…お前、あれから食餌―しょくじ―してないだろう?」

( ^ω^)「え、そんなことは…」

あれから、というのは僕が吸血鬼になった夜のこと。
一週間前なのだが。

从 ゚∀从「匂いで分かるんだよ、毎日会ってるのに血の匂い一つさせないで来やがって」

( ^ω^)「はあ、すみませんお…まだ慣れなくて」

从 ゚∀从「まあ、最初はそうだろうな下手にやって見つかっても問題だし」

問題というのは、僕たち吸血鬼が人間社会に存在がばれることらしい。
吸血鬼狩りや魔女狩りといった行為も歴史上存在すると教えてもらった。
それに、存在がばれていない方が色々動きやすいらしい。

40 名前:第二話[sage] 投稿日:2010/03/12(金) 21:11:32.67 ID:ckEdvR1/0
从 ゚∀从「そうだ、今日は鎮守に会わせてやるよくれぐれも失礼のないようにな」

( ^ω^)「はいですお」

鎮守というのは、地域をまとめる長のようなものだと彼女は言っていた。
警察のような役割も兼ねているらしい。
彼女以外の吸血鬼と会うのは初めてだったので、少し楽しみだ。

从 ゚∀从「じゃあ出かけるから、これ着とけ」

( ^ω^)「これは?」

彼女が渡してきたのは、黒いマントのようなコートだ。

从 ゚∀从「様式美だ」

僕が彼女について覚えたのは、彼女のこだわりには逆らわない事。
特に様式美という言葉を使ったときは要注意だという事。

41 名前:第二話[sage] 投稿日:2010/03/12(金) 21:13:50.79 ID:ckEdvR1/0
( ^ω^)「わかりましたお」

僕も彼女に倣い、そのコートを着ると本当の吸血鬼のように―吸血鬼なんだが―なったような気がしていた。

彼女の後ろについていくと、西洋風の屋敷が見えてきた。
街灯もなく、薄暗く気味悪い事この上ない。
まさに吸血鬼の根城って感じだ。

鉄製の門を潜り、扉をノックする。

从 ゚∀从「ハインリッヒです、新入りを連れて来ました」

彼女の言葉に、扉が開く。
現れたのはメイドだった。
いや、メイドの格好をした吸血鬼だろう。

从 ゚∀从「(ぼそ)バカあれはグールだ、教えただろ」
( ^ω^)「(ぼそ)すみませんお」

メイドは何も言わずに僕らを招きいれ、奥に引っ込んでいった。

42 名前:第二話[sage] 投稿日:2010/03/12(金) 21:14:41.91 ID:ckEdvR1/0

( ^ω^)「ハインさん、また僕の心を読みましたね?」

二人きりになってつい口を開く。

从 ゚∀从「お前はすぐ顔に出るから分かるんだよwww」

彼女の言葉に、僕は納得が行かない顔をしていると奥から少女が出てきた。

ノパ⊿゚)「ハイーン!!」

从 ゚∀从「げっ」

ノパ⊿゚)「会いたかったぞぉぉぉ!!!!」

飛び出した少女が、ハインに抱きつく。

43 名前:第二話[sage] 投稿日:2010/03/12(金) 21:16:16.66 ID:ckEdvR1/0
从 ゚∀从「来てたか…」

ノパ⊿゚)「あたしが居るのは普通!荒巻様はあたしの三代前のお父様だぞ」

从 ゚∀从「その荒巻様に会いたいんだが」

ノパ⊿゚)「あっ、そいつが新入りだな!あたしはヒート!宜しくな」

( ^ω^)「ブーンですお…」

たじろく僕にハインが耳打ちをする。

从 ゚∀从「なりは小さいがブルハーだから気をつけろ世代的にはお前と同じだが年季が違うぞ」

( ^ω^)「わ…わかりましたお…」

44 名前:第二話[sage] 投稿日:2010/03/12(金) 21:17:42.17 ID:ckEdvR1/0
ブルハーとはヴェントルーが貴族なのに対して、暴徒と呼ばれる血族である。
気性は荒く、暴れだすと手を付けられないとも言われている。

そして世代というのは始祖の吸血鬼を初代として何代目の子かという事になる。
世代が進むにつれて、血が薄れていき能力も制限される。
すでに新たな子を作れない世代も居るらしい。
三代前という事は、僕が11世代だから鎮守は8世代という事になる。
古い世代―5世代以前―はすでに消滅しているため、かなりの実力者であるだろう。
僕はつばを飲み込んだ。

ヒートに連れられ、扉の前に着いた。
どうやらここに鎮守が居るらしい。

45 名前:第二話[sage] 投稿日:2010/03/12(金) 21:19:00.42 ID:ckEdvR1/0
从 ゚∀从「ハインリッヒです」

「うむ、入るが良い」

声に指示され、部屋の中に入ると豪奢な天蓋付きのベットに横たわる老人がいた。

/ ,' 3「ほっほ、ハインの嬢ちゃんかよく来たね、ヒートやありがとう下がっていなさい」

ノパ⊿゚)「わかった!」

彼女が下がると、グールのメイドたちも部屋を出て行った。

/ ,' 3「ブーン君といったね、本来ならばもっと正式な儀式を踏まえたかったがなにぶん歳でね」

( ^ω^)「いえ、お体を大事になさってください」

/ ,' 3「嬢ちゃんもついに子を作ったか…すでに13世代、14世代も居ると言うのに」

从 ゚∀从「ええ、そろそろかなと思いまして」

46 名前:第二話[sage] 投稿日:2010/03/12(金) 21:21:05.59 ID:ckEdvR1/0
/ ,' 3「ブーン君、宜しく頼むよカマリリャも君を歓迎する」

( ^ω^)「はい、わかりましたお!」

/ ,' 3「わしもかつて蒼い稲妻と呼ばれたが、歳には勝てんわい」

( ^ω^)「ハインから聞いてますお」

从 ゚∀从「俺が責任もって一人前にするからじーさんはゆっくり寝とけ」

/ ,' 3「ほっほ、嬢ちゃんにはその喋り方がやっぱり似合うわい」

/ ,' 3「そうそう、ついでにひとつ頼まれてほしい事があるんじゃが」

从 ゚∀从「何だ?」

47 名前:第二話[sage] 投稿日:2010/03/12(金) 21:23:32.48 ID:ckEdvR1/0
/ ,' 3「ついこの間10世代のギャンレルが人狼に殺された話は聞いておるな?」

从 ゚∀从「…あぁホワイトファングだな」

/ ,' 3「実は奴も最近子を作っておってな、見たところ教育もろくにされておらんのじゃ」

( ^ω^)(ハインさんのあんな顔初めて見るお…)

/ ,' 3「嬢ちゃんとブーン君で教えてほしいわけじゃ」

从 ゚∀从「…はぁ、じーさんの頼みじゃ断れねぇな」

( ^ω^)「僕もお手伝いしますお!」

/ ,' 3「というわけじゃ、入ってきてよいぞ」

荒巻の声に部屋に入ってきたのは、小柄で痩せた男だった。
やや面倒くさそうに彼は自己紹介した。

49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/12(金) 21:25:19.11 ID:ckEdvR1/0
>>48
500年くらいで設定してるお

50 名前:第二話[sage] 投稿日:2010/03/12(金) 21:26:42.35 ID:ckEdvR1/0
('A`)「俺はドクオ、ちょっとやさぐれたナイスガイさ」

台詞と動きがまるで合っていない。
全身から無気力を発している。

从 ゚∀从( ^ω^)「…」

('∀`)(俺の格好よさに声も出ないみたいだな)

('A`)「今の俺はナイフより切れるぜ?」

从 ゚∀从「なんだ、ただの莫迦か」

( ^ω^)(いや、厨二的には良い勝負だお)

从 ゚∀从「ブーン…あとで覚えてろよ」

( ^ω^)「ちょ、また心読んだお」

51 名前:第二話[sage] 投稿日:2010/03/12(金) 21:27:45.85 ID:ckEdvR1/0
/ ,' 3「じゃあ頼んだぞ」

从 ゚∀从「…くっ、わかりましたよ、じゃあ行くわ」

/ ,' 3「うむ、ブーン君も宜しくな、ドクオも元気でな」

( ^ω^)(体よく押し付けられたんじゃね?)
从 ゚∀从(俺もそう思う)


この瞬間二人の心は通じた!


ドクオ が なかまに なった !

52 名前:第二話[sage] 投稿日:2010/03/12(金) 21:28:50.29 ID:ckEdvR1/0
ノパ⊿゚)「ハイン!!!!帰るのかぁ!?」

从 ゚∀从「ああ、用事も済んだしな」

ノパ⊿゚)「ドックンもまたな!」

('A`)「ああ、機会あったらまたな」
('∀`)(俺のファンが増えたぜwww)

ノパ⊿゚)「ブーン!いつか勝負しような!!!」

(;^ω^)「う…うん、わかったお…」

三人でハインの屋敷に帰る。

从 ゚∀从「うを、こんな時間だなとりあえずブーンはうちに泊まれや」

( ^ω^)「はい、日の出も近いお…」

('A`)「ここが俺の寝床か…」

53 名前:第二話[sage] 投稿日:2010/03/12(金) 21:30:00.64 ID:ckEdvR1/0
通された部屋には棺が二つ並んでいた。

( ^ω^)(これも、様式美かお…)

( ^ω^)「じゃあ、ドクオおやすみおっおー」

('A`)「ああ、またな」

初めて棺で寝たが、寝心地は良かった。
コートといいハインの様式美は意外と僕と合う様だ。
形から入ると慣れやすいというし。
荒巻、ヒート、ドクオ三人の吸血鬼と出会った。
他にはどんな吸血鬼が居るのだろう。



54 名前:第二話[sage] 投稿日:2010/03/12(金) 21:31:12.42 ID:ckEdvR1/0
夕方、圧倒的な渇きで目覚めた。

( ゚ω゚)「ふおおおおおおお」

('A`)「Σどうした!?」

(( ゚ω゚))「ふおおおおおおおおおおお」

ブーンは手が付けられない程暴れている。

从 ゚∀从「ありゃりゃ、だから食餌しねぇから…」

('A`)「ブーンはどうしちまったんだ?」

从 ゚∀从「獣の衝動、渇きが限界を迎えると獣性が増すんだ」

从 ゚∀从「半端に人間らしさを残したばっかりに本能に抗えず獣みたいになるんだ」

('A`)「人間らしさが逆に首を絞めると」

从 ゚∀从「まあ、その葛藤する奴らを見るのも面白いがなwwww」


55 名前:第二話[sage] 投稿日:2010/03/12(金) 21:32:12.93 ID:ckEdvR1/0
('A`)「あいつは大丈夫なのか?」

从 ゚∀从「とりあえず俺の非常食で誤魔化すわ」

そう言い彼女はポケットから赤いパックを出し、ブーンに投げつけた。

( ゚ω゚)「ふお?」

从 ゚∀从「輸血パックだそれでも飲めば楽になるぞ」

ブーンはむさぼるように飲み干し、しばらく惚けていた。

( ^ω^)「…ふぅ」

从 ゚∀从「落ち着いたか?」

( ^ω^)「はい、すみませんお」

56 名前:第二話[sage] 投稿日:2010/03/12(金) 21:33:29.29 ID:ckEdvR1/0

ブーンは覚えていなかったが部屋の惨状で大体のことは把握した。

从 ゚∀从「俺たちが血を吸うことはもう本能だからな、抗うとこうなる」

从 ゚∀从「欲望を制御するには欲望を満たす事だ」

从 ゚∀从「だからさっさと慣れてくれなきゃ困るんだ」

从 ゚∀从「見境がなくなって準備もなく人を襲い、俺たちの存在が人間どもにばれないようにな」

( ^ω^)「…気をつけるお」

从 ゚∀从「まあいい、一度にたくさん吸わなきゃ死ぬ事もない」

( ^ω^)「でもばれるんじゃ…」

从 ゚∀从「だが、お前も知ってるように血を吸われた人間にも快楽を与える効果ががある」

( ^ω^)「…」


57 名前:第二話[sage] 投稿日:2010/03/12(金) 21:34:29.94 ID:ckEdvR1/0
从 ゚∀从「だからそれを利用して囲うんだよ」

从 ゚∀从「記憶を一部操作して、人間を操る…まあ養殖みたいなもんさ」

('A`)「なるほどな、飼ってしまえば吸い放題だ」

从 ゚∀从「そう、とりあえずお前は吸う事に対する罪悪感をなくすとこから始めるんだ」

( ^ω^)「…はいですお」

从 ゚∀从「體血(たいけつ)が尽きないように、餌の人間が死なないように気を配るんだ」

从 ゚∀从「ドクオは自分の狩場を早く見つけることだ」

('A`)「ああ」

从 ゚∀从「お前は俺の餌で慣れろ」

( ^ω^)「わかったお!」

58 名前:第二話[sage] 投稿日:2010/03/12(金) 21:36:13.85 ID:ckEdvR1/0
ハインの餌たちはなぜか女性ばかりだったが、ブーンは血を吸う行為に慣れていった。

そして吸血鬼らしい授業もあった。

从 ゚∀从「體血の使い方について教える」

( ^ω^)「対決…?」

('A`)「他意ケツ?」

从 ゚∀从「體血な、俺たちの血は人間のものとは違う」

从 ゚∀从「體血を使う事により、人間らしく振舞う事も可能だ」

( ^ω^)「例えば?」

从 ゚∀从「顔色を良くしたり、人間と同じ食事をとったり、性交も出来る」

( ^ω^)('A`)「俺たち童貞っすからwwwww」


59 名前:第二話[sage] 投稿日:2010/03/12(金) 21:37:05.35 ID:ckEdvR1/0
从 ゚∀从「人間社会に溶け込むには、ばれない事も大事だが怪しまれない事も重要だ」

( ^ω^)「なるほど」

从 ゚∀从「だが調子に乗って色々しすぎるとすぐ血がなくなって獣化する」

('A`)「餌にするために近づきやすくもなるな」

从 ゚∀从「まあそんなとこだ」

( ^ω^)「ドックンすごいおwwwww」

从 ゚∀从「まあ、実践だとりあえず着替えて来い」

( ^ω^)('A`)「アイアイサー」

ハインの用意したスーツに着替えると、彼女も真っ赤なドレスに着替えていた。
胸元が大きくはだけ、正直おっき(ry

60 名前:第二話[sage] 投稿日:2010/03/12(金) 21:38:03.90 ID:ckEdvR1/0
彼女が連れてきたのは財界の要人のパーティーだった。
勿論名前も分からない人たちがSPに囲まれている。

黒服「高岡様ですね、お待ちしておりました、そちらのお二人は?」

从 ゚∀从「今夜の付き人ですわ」

( ^ω^)「よ…宜しくお願いしますお」

('A`)「邪魔させてもらうぜ」

黒服「顔色が優れないようですが…」

从 ゚∀从「(小声)莫迦野郎、教えただろうが」

( ^ω^)('A`)「いえ、大丈夫です」

黒服「大丈夫なようですね、気をつけて下さい」

しかし、ハインは凄い。
こんなパーティーに顔パスとは。

61 名前:第二話[sage] 投稿日:2010/03/12(金) 21:38:46.89 ID:ckEdvR1/0
血のコントロール、意外に難しい。
気を抜くと、すぐ色が白くなるらしい。
鏡に映らないせいで確認も出来ない。

確かハインの話では鏡に映る事も可能だといっていた。
試すためにトイレに向かった。

( ^ω^)「おおっ、ほんとに映ってるお!」

僕は鏡の前でくるくる回ってみたり、顔色を調節してみた。

( ^ω^)「これは面白いおっお」

62 名前:第二話[sage] 投稿日:2010/03/12(金) 21:40:11.25 ID:ckEdvR1/0
そんな僕を後ろから見ている人物に気付くはずもなかった。

川 ゚ -゚)「きみ」

Σ( ^ω^)「やば…」

川 ゚ -゚)「こんな所ではしゃいでいると、吸血鬼である事がばれてしまうぞ」

( ^ω^)「てことは君も…?」

川 ゚ -゚)「ああ、気をつけたまえ」

( ^ω^)「わかったお、ありがとうだお」

そういえばここは廊下から丸見えの手洗い場、見つからなかったのが不思議だ。

( ^ω^)「僕はぶ…あ、行っちゃったお…」

長い黒髪をなびかせて、彼女は去っていってしまった。

ほのかに柑橘系の香りを残して。



第二話ホワイトファングと呼ばれた男 完

63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/12(金) 21:41:11.02 ID:ckEdvR1/0
とりあえず第二話投下終了です。

要望、アドバイス、質問あればどうぞ~

32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/12(金) 18:27:58.51 ID:/9ztJElu0
半角ブーンって抵抗があるので2話から全角に直してくれませんか

64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/12(金) 21:42:34.73 ID:ckEdvR1/0
>>32
修正してみましたけど、いくつか半角のままのとこがありますね
ごめんなさい

65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[age] 投稿日:2010/03/12(金) 21:49:44.30 ID:ckEdvR1/0
|ω・`)

67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[age] 投稿日:2010/03/12(金) 22:17:44.26 ID:ckEdvR1/0
>>66
ありがとう
日曜の昼間に出来たらやりますです

コメント

No title

読んでみました。面白いので気に入りました

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