スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
憂「悪ふざけ」
1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 00:49:17.62 ID:XxxGvckZO
唯「お姉ちゃん子供ができちゃったみたい」
憂「えっ…今なんて?」
唯「だからぁ、お姉ちゃん子供ができたみたいなの」
憂「もう悪ふざけはやめてよ~」
唯「ふざけてなんてないもん!子供できたんだもん!」
憂「kodomo…あぁ!あのインドネシアとかにいるトカゲのことかぁ」
唯「それはコモドオオトカゲ!子供だよ、子供!赤ちゃんができたの!」
憂「え」
唯「お姉ちゃん子供ができちゃったみたい」
憂「えっ…今なんて?」
唯「だからぁ、お姉ちゃん子供ができたみたいなの」
憂「もう悪ふざけはやめてよ~」
唯「ふざけてなんてないもん!子供できたんだもん!」
憂「kodomo…あぁ!あのインドネシアとかにいるトカゲのことかぁ」
唯「それはコモドオオトカゲ!子供だよ、子供!赤ちゃんができたの!」
憂「え」
3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 00:51:25.66 ID:XxxGvckZO
唯「名前どうしようかなぁ…」
憂「どどどどうしよう…お父さんとお母さんに電話…」
唯「やっぱり音って入れたいよね。男の子なら音流(めろでぃ)、音譜(ふぉるてしも)とかいいかなぁ…」
憂「それとも先に病院に電話した方が…」
唯「女の子なら夢音愛(じゅえる)とか可愛いなぁ…」
唯「でも他人と被りたくないから思い切ってすごい名前付けようかな麗音菜愛梨亜(れおなあめりあ)とかオンリーワンな感じがしていいよね」
唯「憂はなんて名前がいいと思う?」
4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 00:52:54.86 ID:XxxGvckZO
憂「今はそれどころじゃないでしょ!」
唯「むー…あと子供服とか子供用ベッドとかいろいろ用意しなくちゃいけないなぁ」
憂「それより、まず相手は誰なの?妹の私でも全然お姉ちゃんに男の影なんて見えなかったのに…」
唯「相手…?なんの?」
憂「相手って彼氏だよ、彼氏!」
唯「彼氏?私に彼氏なんていないよ」
憂「え…じゃあ、彼氏でもない人の子供ができたの…それは誰なの!?」
:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 00:54:15.03 ID:XxxGvckZO
唯「もう!さっきから憂はなんのことを言ってるの~?」
憂「なんのってだから、その……お姉ちゃんと…こ、行為をした相手が誰なのかって事だよっ!」
唯「相手?それに行為ってなに?」
憂「だから!せ、せ、せ、せ…」
唯「セクレタリアト?」
憂「違うよ、セックスだよ!って私はなんて事を大声で言っちゃってるの…」
唯「せっくす?なにそれ?」
憂「え」
7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 00:55:37.44 ID:XxxGvckZO
憂「えーと……あっ!セクレタリアトが繁殖牝馬とする行為のことだよ」
唯「種付けだね」
憂「そうだね。それでお姉ちゃんを繁殖牝馬とした場合…セクレタリアトにあたる人は誰なのかを私は聞いてるんだ」
唯「そんな人いないよ?私は人間なんだから種付けなんてするわけないよ~」
憂「そうだよね~…じゃなくて、お姉ちゃん子供ができたんでしょ!?」
唯「うん!コウノトリさんが運んできてくれたんだ!」
憂「はい?」
8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 00:56:55.18 ID:XxxGvckZO
憂「コウノトリ?」
唯「コウノトリも知らないの?私だって憂だってコウノトリさんがお母さんのお腹に運んできてくれたから産まれたんだよ」
憂「それは迷信だよー、お姉ちゃんも学校の授業で子作りについて習ったでしょ?」
唯「そんなのよく覚えてないよー」
憂「とりあえず、習ったかどうかはどうでもいいとして…お姉ちゃんが子供ができたってのは気のせいだよ」
唯「気のせいじゃないよ!お腹こんなに大きくなったんだよ!」
憂「はぁ…そのお腹ただ太っただけだと思うよ」
9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 00:58:19.73 ID:XxxGvckZO
唯「えぇーっ!子供ができたんじゃなかったの…うぅ~…」
憂「冬に寒さで外出もほとんどしないで食っちゃ寝だったからかもね」
唯「今までいくら食べても太らなかったのに…」
憂「たぶん、その油断のせいだよ。どんな人でも食っちゃ寝してたらやっぱり太るよ」
唯「で、でも大丈夫!これから暖かい季節だし自然に痩せるよ」
憂「お姉ちゃんポジティブだね、だけどしばらくは食事に気を使った方がいいよ。お菓子とか間食しないとか」
唯「それはムリ!唯一の生き甲斐だからね!」
10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 00:59:36.55 ID:XxxGvckZO
次の日
放課後の音楽室で私達軽音部5人はいつものようにテーブルを囲み、ムギちゃんの用意してくれたお茶やお菓子を飲み食いしながら話に花を咲かせていた
唯「私最近お腹が出てきてね、子供ができたって思ったのに憂にただ太っただけだよーって言われたんだぁ」
澪「そりゃできるわけないよ」
梓「唯先輩そんなに太ったんですか?私は唯先輩とは1ヶ月くらいなんでよく分かりませんが…」
紬「あっ、部活創立した時に撮った写真と比べてみたらどうかしら」
11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 01:02:07.63 ID:XxxGvckZO
澪「この写真はちょうど1年前くらいだな」
律「うわ…この頃と比べると大分太ったな…唯からビッグ唯に進化したな」
梓「律先輩この頃に比べて今の方がおデコが広くなってませんか?」
律「うそ?ちゃんと育毛剤使ってるはずのに…」
私は鏡を取り出し写真の自分と鏡に映る自分を見比べる
唯(1年前に比べて顔がパンパンに丸くなったなぁ…)
澪「ダイエットのためにお菓子控えたらどうだ?」
律「唯の分まで私が食べてあげるぞ」
12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 01:04:49.46 ID:XxxGvckZO
唯「やだ~お菓子食べたいもん」
紬「ならダイエットクッキーみたいなのを用意してみようかしら」
澪「それいいな!」
律「食いつきがいいな澪?もしかしてまた太ったのかな?」
澪「私は唯の事を考えて言ってるんだ」
唯「私いつものケーキとか美味しいのがいいな」
梓「でも痩せたいんじゃないんですか?」
唯「それもあるけど、美味しいお菓子食べる方がいいし夏になれば嫌でも痩せるよ」
14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 01:07:45.37 ID:XxxGvckZO
紬「唯ちゃんがそれでいいならお菓子はいつも通りにしましょ」
澪「そっか…」
律「あらあら?なに残念そうにしてるのかな?やっぱりまた太ったのかな?」
澪「うるさいバカ律!」
梓「切りのいい所でティータイム終了して…」
律「帰るかー」
唯「そうだね、あーどっこいしょっと…」
澪(唯の立ち方がなんか重い)
澪「じゃなくて帰るのかよ」
律「ライアーゲームの再放送みたいんだよ」
17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 01:10:25.73 ID:XxxGvckZO
平沢家
唯「たーだーいーまー」
憂「お姉ちゃんおかえりー」
唯「う~い~アイスー!」
憂「もうすぐご飯できるよーそれに痩せるために我慢したら?」
唯「大丈夫だもんね、アイスクリームって太りにくいんだよ」
憂「分かるけどー」
唯「というわけで颯爽と爽をいただきます」
18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 01:13:52.18 ID:XxxGvckZO
憂「お姉ちゃんご飯できたよー」
唯「肉野菜炒めだー!」
唯「いただきまーす!美味しいよぉ憂」
憂「ありがとう。でもお肉だけじゃなくて野菜も食べなきゃダメだよ」
唯「お肉の方が美味しいんだもん。ご飯も進むしーおかわりー」
憂「はいはい」
憂(おいしそうに食べてくれるのは作ったものとして嬉しいけど、これ以上お姉ちゃん太らないか心配だな)
憂(この時間も結構見てる人いるんだな…悪ふざけで書いたのに…)
19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 01:15:28.06 ID:XxxGvckZO
・・・
憂「お姉ちゃんお風呂沸いたから先に入っちゃってー」
唯「ほーい」
脱衣所で衣服を脱いでいると隅に置かれた体重計が目に入った
唯(しばらく体重計ってなかったな、ちょっと計ってみよう)
唯「65kg…」
体重計の上でいろんなポーズをとってみる。当然のことだが体重が変わることはない
鏡の中の自分の身体をじっと見つめる
唯「まさに逆理想の体型になっちゃってるよ…」
21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 01:17:07.24 ID:XxxGvckZO
唯「いつの間にこんなに太ったんだろ」
唯「前に計った時より10kg以上増えたよなー」
唯「お腹プニプニ…」
垢すりでおもいっきり擦ってみる
唯「痛いだけだ…」
唯「はぁ…」
湯舟に入るとたくさんのお湯が溢れてお風呂場が洪水になる
唯「なんかヘコむなぁ……」
22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 01:18:28.67 ID:XxxGvckZO
憂に悪い気がしたので湯舟にお湯を足しておく
唯「うい~お風呂いいよー」
憂「はーい」
唯「お風呂あがりのアイスは~…ガリガリ君!これ食べて生活したら名前通りに痩せれるかな」
テレビ『最近はスリムブームからぽっちゃりブームになってきており……』
唯「ぽっちゃりブーム?」
テレビ『男性の間では痩せた女性より少し太った女性が好みという人が多くなってきています……』
唯「へー、そうなんだ」
24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 01:19:36.10 ID:XxxGvckZO
唯「てことは今の私は人気者ってこと?」
テレビの男性A『そうですね~ぽっちゃりした子って魅力的ですね』
唯「ほーほー」
テレビの男性B『痩せた子と太った子なら断然太った子です』
唯「へー…太るのってマイナスばかりだと思ったけど、そうじゃないんだ」
唯「なんだか悩んでたのがバカみたいだよ…」
唯「自然と体がブームを先どりしてるなんて私ってすごい!」
28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 01:28:10.05 ID:XxxGvckZO
次の日の部活
唯「このケーキは絶品だね!虫歯で歯がなくなっても食べたいよ~」
唯「あっ!ケーキを奪おうと蝿が寄ってきた!しっしっ」
澪紬律梓「…」
唯「どうしたのみんなボケーっとしちゃって、ケーキ食べないなら私がもらっちゃうよー」
律「いや、ケーキは食べるけどさ」
澪「昨日まで太ったことに悩んでた感じだったのに今日は迷いなくよく食べるなぁ…と」
梓「何かあったんですか?」
唯「ちょっとね…ケーキおかわり~」
紬「あ、はい」
29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 01:29:55.90 ID:XxxGvckZO
紬「どうぞ唯ちゃん」
梓「で、何があったんですか?」
唯「昨日ね、テレビで見たんだけど今はぽっちゃりブームなんだって」
澪「ぽっちゃりブーム?」
唯「少し前までは痩せた女の子が人気だったけど今は太った女の子の方が人気なんだって」
梓「それで今日は体重の事を気にせず食べてるんですね」
唯「うん、しかも私はあと2回変身を残してるからね!あずにゃんももう少し太るといいよー」
梓「私はこのままでいいです」
30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 01:31:37.60 ID:XxxGvckZO
唯「それに太ってると抱き着いた時の気持ち良さもアップだよ」
いつものようにあずにゃんに抱き着いてあげる
梓「確かにふかふかして気持ちいいです」
律(なぁ澪…ぽっちゃりって言ってるけど、唯はこれ以上太るとぽっちゃりというよりどすこいって感じにならないか)
澪(本人がいいって言ってるからいいんじゃないか?悩んでるよりはずっといいし)
律(そうか?ムギはどう思う?)
紬(はい、ありだと思います)
律(マジかよ……これ以上太らない方がいろいろいいと思うんだけど…)
31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 01:33:16.77 ID:XxxGvckZO
さわ子「みんなー揃ってる!」
音楽室のドアが大きな音を立てて開いた
さわ子「みんなー揃ってる?」
唯「さわちゃんやっほー」
律「珍しく張り切ってどうしたんだ?」
さわ子「これから衣装の寸法を測るわよ」
紬「衣装って文化祭のですか?」
さわ子「そうよ」
律「文化祭の衣装ってまだ早過ぎないか?」
32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 01:34:37.72 ID:XxxGvckZO
さわ子「今年の衣装は気合い入れていいのを作るつもりだからね」
唯「楽しみだなー」
澪「まさか、またすごい恥ずかしい衣装なんじゃ…」
梓「一体どんな衣装なんですか…澪先輩の反応を見ると不安でいっぱいなんですが」
唯「心配しなくて大丈夫だよ、さわちゃんの衣装は全部可愛いよ」
紬「そうよ梓ちゃん」
梓「いえ、2人がすすめると余計に不安になります」
さわ子「いつまでもしゃべってないで早く測らせてちょうだい」
34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 01:37:09.31 ID:XxxGvckZO
さわ子「まずは唯ちゃんからね」
唯「はーい」
さわ子「あれ、唯ちゃんちょっと太ったわね」
唯「うん、今はぽっちゃりブームだからね」
さわ子「澪ちゃんは相変わらずいいスタイルしてるわ」
澪「変なとこ触らないでください!」
さわ子「梓ちゃんも小さくてかわいらしいわ」
梓「黙って測ってください」
さわ子「ムギちゃんのふとももはいつ見てもいいわぁ」
紬「うふふ」
さわ子「りっちゃんは…うん」
律「おい」
35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 01:38:54.06 ID:XxxGvckZO
さわ子「よし、これでオッケー!とびっきり可愛い衣装を作ってあげるからね!じゃ戸締まりして帰るのよ」
最後にやっと教師らしい一言を残し音楽室を出て行った
律「いつもダラダラしてるのにこういう時だけ、さわちゃんは元気だな」
梓「ダラダラに関しては私達も同じですよね」
澪「確かに…もう下校時間で今日も練習しないで終わりそうだしな」
紬「もう帰りますか」
唯「ケーキ全部食べ終わるまで待ってよー」
澪「前より食い意地はるようになったな」
36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 01:40:17.64 ID:XxxGvckZO
それから2ヵ月がたった夏の日
唯は食生活を改善せず、さらに太り今ではもうぽっちゃりというよりデブという部類に入る体型になっていた
唯「暑いよぉ~…汗が止まらないよぉ…」
律「ビッグ唯からメガ唯になったな」
紬「唯ちゃん大丈夫?」
唯「ムギちゃんは暑くないの~?」
紬「わたし暑いのは平気なの」
律「いつまでも座ってないで次の授業体育なんだから早く着替えよう」
唯「はい~…」
38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 01:42:36.70 ID:XxxGvckZO
・・・
教師「あー今日は100m走のタイムを計るからな」
唯「えー…こんなに暑い日に~?BooBoo~」
教師「準備体操したら全員練習してから出席番号順に記録していくからな」
律「さーて走るかー」
紬「唯ちゃんは練習しないの?」
唯「暑いし練習で疲れそうだから本番だけにするー」
律「そんなだと本番うまく走れないぞー」
唯「ちゃんと準備体操しておくから問題ないよー」
39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 01:45:01.34 ID:XxxGvckZO
唯「なんか準備運動だけで疲れた…」
紬「唯ちゃんこれから走るのよ?」
教師「田井中律は16.6秒」
紬「りっちゃんお疲れ様」
律「いつもなら8秒くらいで走れるんだけどな」
紬「りっちゃんそれはもう世界記録よ」
律「今日は靭帯損傷してるからな、全快したら走ってみせるよ」
唯「そろそろ私の出番かな」
紬「頑張ってね」
唯「これでも小学生のかけっこで1番になったことあるからね!」
律「いつの話しだよ」
42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 01:46:55.11 ID:XxxGvckZO
教師「よし、次は平沢と細井。タイム計るぞ」
唯「ほい」
教師「よーい…」
パンッという乾いた音とともにスタートする
唯(うぅー身体が重い…)
気持ちは前へ前へと行きたがっているが、身体がついてこない
差はどんどん離され、半分の50mに到達する前に完全に体力が切れた
唯「はぁはぁ…ダメだ…100mがこんなに辛いなんて」
43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 01:49:00.87 ID:XxxGvckZO
「見て見て平沢さんお肉がすごい揺れてる」
「あはは、ほんとだ~」
「相手はゴールしたのにまだ半分くらいしか走ってないわよ」
「今は体重70kgは軽くオーバーしてるらしいからね」
律「……おいっ、唯は一生懸命走ってるんだから笑うなよ」
紬「唯ちゃん!もう少しよー!頑張ってー!」
律「唯ー!ガンバレー!」
りっちゃんとムギちゃんに応援されながら私はフラフラになりながらなんとか100m走り切った
教師「平沢唯は38.4秒」
44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 01:51:40.10 ID:XxxGvckZO
唯「はぁ…はぁ…」
唯(去年のタイムの倍以上かかっちゃった…まさかこんなに走れなくなってるとは思わなかった)
律「唯ーがんばったな」
紬「はい、タオル。これで汗拭いて」
唯「………」
律「唯?」
唯「ごめん!ちょっと疲れたから水飲みに言ってくるね」
紬「唯ちゃん……」
律「唯泣いてたか…?」
紬「そう見えたわ」
45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 01:52:55.43 ID:XxxGvckZO
唯「はぁ…なんでこんなに走れなくなっちゃったんだろう…」
唯「100m走っただけで立ってるのも辛い…」
唯「やっぱり太ったからかなぁ…」
走ってる時のことを考えるとあの時に聞こえたみんなの笑い声が脳内で再生され悔しい気持ちになった
水で顔を洗いムギちゃんのタオルで顔を拭いてから教室に戻った
身体的なものからか、精神的なものからか教室までの道を歩くのがとても辛かった
48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 01:55:23.86 ID:XxxGvckZO
昼休み
唯「お弁当おいしいー」
律「ついさっきとくらべて急に元気になったな」
唯「だって憂の作ってくれたお弁当おいしいんだもん。あっ、ムギちゃんのお弁当もおいしそう!」
紬「今日のお弁当はフランス料理なの。よかったら少しあげるわよー」
唯「ありがとう!ムギちゃんのお弁当もおいしいよ」
ふふふ……
その時、私の後ろの方から笑うような声が聞こえた気がした…
49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 01:56:50.14 ID:XxxGvckZO
まわりを確認するがこちらを見ている人は誰もいなかった
律「なにキョロキョロしてるんだ?」
唯「えっ?あの~なんか、ちょっと地縛霊の気配を感じただけだよー」
紬「地縛霊…?」
律「キャベツの神様かなんかだろ、私がキャベツ食べてるから寄ってきたんだよ」
紬「キャベツの神様…?」
唯「りっちゃん、そっちの方が意味分からないよ」
くすくす…
唯(あっ…また聞こえた…)
50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 01:57:58.65 ID:XxxGvckZO
唯(誰が笑ってるの?)
しかし誰もこちらをうかがっている様子の人はいない
唯(うー…イライラするなぁ)
その日から唯は学校にいるとまわりからよく笑われていると感じるようになった
教室にいようが、廊下を歩こうが、まわりからは常に笑い声が聞こえてきた
唯「あの100m走の日から…きっとみんな私が太ってるからバカにしてるんだ」
唯「このまま笑い者になんてされてらんないよ、絶対みんなを見返してやるんだから」
55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 02:05:38.36 ID:XxxGvckZO
学校は夏休みになり私は夏休み明けにある学園祭のライブに向けて去年以上にギターの練習に打ち込んだ
みんながバカにした私が学園祭で最高にカッコイイライブをして見返してやるんだと心に決めて
唯「今日のお菓子も星三つ~」
紬「ありがとうございます」
唯「う、うっぷす……喉につまった………」
鞄から急いで大五郎のペットボトルを取り出して飲む
梓「…ってお酒なんて飲んじゃダメです!」
唯「中身は水だよー、このペットボトルが1番大きいからさ」
56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 02:06:46.60 ID:XxxGvckZO
梓「まぎらわしい事しないでください!もし飲酒と疑われたらどうするんですか?」
唯「水なんだからって説明すれば大丈夫でごわす」
梓「それでも最初から疑われない方がいいに決まってます!なんかほかのペットボトルにしてください!」
唯「あずにゃん怒らないでよ~」
そう言ってあずにゃんに抱き着く
唯梓「あつい~」
紬「うふふ」
律「いやいや、見てるこっちまで暑苦しいからやめてくれ」
57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 02:08:13.94 ID:XxxGvckZO
澪「vanish…Body fat…」
律「澪はさっきから何を書いてるんだ?」
澪「歌詞だよ、律が文句をつけるから頑張っていつもと違うように書いてるんだよ」
律「こんな変な歌詞ならいつもの方がいいんだけど」
澪「なんだよ、せっかく書いてたのに…注文の多い料理店だな」
律「私はべつに歌詞の方向性を変えろなんて言ってないし」
唯「私もいつもの澪ちゃんの可愛い歌詞の方がいいなー」
澪「じゃあ、そうしようか」
58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 02:09:44.13 ID:XxxGvckZO
律「そうだ!もう夏休みだしさ、今年の合宿はどうする?去年は海だったし山とかどうだ?」
澪「私は今年も海がいいかな」
紬「今年は去年より大きい別荘がとれそうなの」
梓「ムギ先輩って別荘まで持ってるんですか」
律「そうなんだぜ、しかもかなり大きいのをいくつもな!」
梓「我が物のような言い方ですね」
紬「そんな大きいのはほんの一部だけよ」
梓「私の想像以上にすごいとこのお嬢様なんですね」
59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 02:11:36.64 ID:XxxGvckZO
律「唯は山と海だったらどっちがいい?」
唯「わたし?わたしは~…」
唯(山は登るとなるとキツイから海がいいかな)
唯(でも海で遊ぶとしたら水着に着替えることになるんだよね、今はあまり水着着たくないなぁ…)
澪「なあ、今年の合宿は学校でやらないか?」
唯「澪ちゃん…」
自分の体を見て考え込む私の気持ちを察したのか、澪ちゃんは学校で合宿しようと提案してくれた
澪ちゃんはこっちを見てウインクをした……が、それはうまくできてなくほとんど両目をつむってしまっていた
私はそれにありがとうと笑顔で答えた
61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 02:13:28.88 ID:XxxGvckZO
律「なんでだよー!せっかくムギが別荘用意してくれるのに」
澪「練習に集中できるようにだ。去年はほとんど遊んでたからな」
梓「やっぱり遊んでばっかりだったんですか、それなら私も学校で合宿に賛成です」
律「プライベートビーチ、スタジオ付き別荘だぞ!梓」
梓「それでも誘惑の少ない学校の方がいいです」
律「唯はカスピ海とかヒマラヤ山脈とかイースター島とかL.Aとかロサンゼルスとかに合宿行きたいよな?」
唯「私も学校がいいな~」
62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 02:15:31.29 ID:XxxGvckZO
律「ムギ!ムギは別荘あるんだから学校よりそっちの方がいいよな」
紬「学校でお泊り会がしたいわ」
律「な…ムギまで…」
澪「諦めろ律。4対1で学校で合宿に決定だ」
律「そんなぁ…」
紬「りっちゃん、みんな一緒ならどこでも楽しいわよ」
律「くそ…こうなったら今日はこのまま泊まり込みで練習するぞー」
唯「このままって帰らずに泊まるってこと?」
澪「な、なんだってー」
63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 02:17:18.80 ID:XxxGvckZO
律「その通り!って訳で梓、教員室に許可もらいに行ってこい」
梓「なんで私なんですか…許可もらうなら部長の律先輩も行かなきゃダメじゃないですか」
律「それもそうだな、じゃあ私と梓でちょっと許可もらいに行ってくるよ」
唯「行っちゃったね」
澪「夏休みにそんな急に学校に泊まりたいなんて許可出るのかな?」
紬「前も泊まった時あるし大丈夫よ。またみんなで寝袋で遊びましょう」
唯「そうだね!あと練習もしっかりするよー」
澪「2人とも泊まる気満々なんだな」
65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 02:19:00.47 ID:XxxGvckZO
律「おーい、許可もらえたぞー!」
澪「おぉ、案外簡単に許可出るんだな」
唯「じゃあ早速歯ギターとか教えてあずにゃん」
梓「珍しくやる気だと思ったらなんで歯ギターなんですか…先生に教えてもらってください。大体そんなの覚えてどうするんですか?」
唯「学園祭で披露してみんなにこいつできるって思わせたいんだよね」
梓「普通に演奏だけで充分ですから」
唯「えーっ…今年はなんか新しい見せ物やりたいよー手品とか盛り上がらないかな?」
67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 02:20:53.66 ID:XxxGvckZO
律「それ面白そうだな!イリュージョンショーとかやりたいよな、澪切断マジックとか」
澪「ひぃっ…」
紬「りっちゃん、そんなことしたら澪ちゃんが死んじゃうわ…」
律「いやいや本気で切ったりしないから、それじゃマーダーショーだよ」
唯「コーラ2リットル一気飲みしてゲップせずに一曲歌いきるとか」
梓「卑弥呼様のやつですね。失敗した時が汚すぎるからダメです」
唯「じゃあ瓦割りとかどうかな?」
梓「頼むからもう少し軽音部らしいの思い付かないんですか?」
68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 02:22:13.43 ID:XxxGvckZO
律「ドラムセットブッ壊すパフォーマンスとか」
唯「エアギターなんてどう?みんなエアーバンドなんて面白いんじゃない?」
紬「唯ちゃん名案だわ」
梓「楽器あるのにエアーって何がしたいんですか…」
澪「私達はライブをやるんだぞ、脱線しすぎだ」
梓「そうですよ」
唯「えへへ、ゴメンゴメン」
梓「いつまでも喋ってないで練習しましょう」
律「私は無視か…」
70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 02:24:15.76 ID:XxxGvckZO
澪「そうだ、もう一つライブでやる曲を決めたいんだった。去年の時間を考えるとできて3曲くらいなんだよ」
澪「最後はふわふわ時間として、あと2曲はどうする?まぁそんなに曲はないけど」
紬「カレーのちライスとわたしの恋はホッチキスとふでペン~ボールペン~からよね」
唯「凱歌、沈黙が眠る頃とかやりたいな」
律「最初は地獄の皇太子でいこうぜー!」
澪「ふざけてる2人はほっといて3人で決めよう」
梓「ふでペン~ボールペン~はやりたいですね」
紬「私はホッチキスがやりたいわ」
澪「じゃあ、その3曲でいこうか」
71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 02:27:56.35 ID:XxxGvckZO
まぁ、なんやかんやあってあっという間に学園祭
さわ子「はい、みんなこれが衣装よ」
唯「可愛い!けど、キツイ…」
さわ子「唯ちゃんあれからまた太っちゃったのね」
唯「う、うん…」
澪「恥ずかしい…」
紬「とっても似合ってるから自信を持って澪ちゃん」
梓「スカート見えそうなくらい短いですね」
さわ子「いつも制服のスカート短いんだから文句言わないの」
73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 02:29:09.75 ID:XxxGvckZO
律「澪は去年みたいに転んで第二次パンチラ事件起こさないように気をつけろよ」
梓「去年そんな事件があったんですか」
律「そういえば梓は見た事なかったな。映像残ってるから今度見せてやるよ。その前に今日生で見れるかもしれないけどなー」
澪「それはない!今年はパンチラ事件を起こさないようにパンツを穿いてこなかったからな」
梓「それって転んだ場合にもっと大変なものが見えちゃうんじゃ…」
律「ライブ前の緊張で冷静な判断ができなくなってるんだ、気にするな」
75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 02:31:26.78 ID:XxxGvckZO
――次は軽音部『放課後ティータイム』によるライブです
澪「あぁ~…緊張する~…」
律「いい加減に慣れろよ」
唯「いよいよだね…」
私は私を笑った人達を見返すために夏休み頑張って練習してきたんだ
この学園祭で…ううん、世界で1番輝く女子高生になるために最高の演奏をしてみせる
唯「みんないくよーっ!」
私達のライブが始まる
78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 02:33:43.19 ID:XxxGvckZO
今年はギターあずにゃんが新たに加わることで演奏に幅が出た
夏休みたくさん練習した成果か、私達4人も去年にくらべて技術的に大きく上達していた
去年は声が枯れてしまい歌うことができなかった私だが今年は万全で澪ちゃんとのツインボーカルで魅せる
私達のステージは今日1番の盛り上がりをみせた
唯(どんなもんじゃーい)
唯「けいおん最高ー!」
ステージからはけようとした時、私は配線に足を引っ掛かけて転んでしまった
79 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 02:35:13.19 ID:XxxGvckZO
唯「痛ッ…」
去年の澪ちゃんと同じように転んだ私のスカートの中に会場中の視線が集まる
唯「あわわ…」
私は急いで立ち上がろうとすると私の背中の方で布が裂けるような音がした
立ち上がる際に衣装が破れてしまっていた
それと同時に会場から起こるたくさんの笑い声
澪「唯、大丈夫か!?」
すぐに駆け付けた澪ちゃんに支えられながらステージ裏へと避難した
81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 02:41:48.51 ID:XxxGvckZO
音楽室
憂「お姉ちゃん大丈夫?転んだ時にケガしなかった?少しでも痛いところあったら言ってね」
唯「そんなに心配しなくても大丈夫だよ~ちょっと転んだだけなんだから」
憂「膝にすり傷ができちゃってるし骨折とかしちゃってないよね?」
梓「そんな足を骨折なんてしてたらここまで歩いて来れないと思うんだけど」
憂「手は大丈夫?転んだ時について痛めたりしてない?とくに手首とか」
唯「大丈夫だよぉ、それよりも…」
83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 02:44:02.13 ID:XxxGvckZO
唯「みんなごめんなさい」
律「何謝ってるんだよ、唯は何にも悪いことしてないだろ?」
唯「だって…せっかく今までで1番のライブができたのに私が最後にドジなことして、ただの笑いものになっちゃったよ…」
紬「そんなこと気にしてないわ。それより唯ちゃんに怪我なくてよかった」
澪「事故なんだからさ、気にするなよ」
梓「そうです!転んだのなんて関係ないです!唯先輩のギターもボーカル最高でしたよ!」
澪「そうだぞ、むしろお礼を言わなきゃいけないくらいだよ。ありがとう」
唯「…うん」
澪「いつまでも落ち込んでないで今日はもう帰ろう」
84 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 02:45:14.47 ID:XxxGvckZO
律「そうだ!目標だった学園祭ライブも終わったし今日はパーッと打ち上げでもして帰るか」
紬「いいわね」
梓「お酒飲んだりしちゃダメですよ!」
律「分かってるよ。唯もいつまでも落ち込んでないでうまいもの食べて元気出そうぜ」
唯「…そだね、焼肉パーティーしたいなー」
あはは…ふふふ…くすくす…
唯「あ…」
私とすれ違う生徒達が笑っている。きっと私を見て笑ってるんだ
ライブでの失敗のあとのせいか今まで以上にまわりの笑い声が気になる
85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 02:46:47.41 ID:XxxGvckZO
唯「私やっぱり今日はまっすぐ帰ることにするよー」
憂「えっ?お姉ちゃん帰っちゃうの?」
唯「なんかあんまりお腹空いてないし」
律「今焼肉行きたいって言ってたじゃないか」
紬「唯ちゃんうちが経営してる焼肉屋さんがあるから行きましょう」
唯「でもでも、なんかほとんど食べれる気しないし」
律「ならファストフードとかファミレスで軽く食べたりするか」
唯「あー……思い出した私今月サイフピンチなんだよね!」
87 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 02:48:21.54 ID:XxxGvckZO
律「それなら今日くらいはお疲れ様ってことで私が全員のぶん払うよ」
唯「それはりっちゃんに悪いよー。じゃ私帰るから、みんな今日はありがとう!ばいばーい!」
憂「あっ…待ってよ!お姉ちゃん!」
梓「走って行っちゃいましたね…唯先輩、ライブの最後に転んじゃったことを気にしてるんですかね?」
澪「そうだろうな、去年転んだ身だからなんとなく気持ちが分かるよ」
88 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 02:49:54.04 ID:XxxGvckZO
唯(疲れた…)
走ってきたものの100mも走らないうちに疲れて、その場に立ち止まった
憂「おねえちゃーん!」
唯「あっ、うい~」
憂「どうしたの?軽音部の皆さんがせっかく誘ってくれたのに」
唯「いやぁ、お腹減ってなくてさ」
憂「それでも何も食べないでみんなと一緒にいるだけでもいいんじゃないかな」
唯「いいのいいの!ほら早く帰ろうよ」
憂「お姉ちゃん…」
89 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 02:51:12.27 ID:XxxGvckZO
平沢家
唯憂「ただいまー」
憂「お姉ちゃん夕飯はどうする?」
唯「食欲ないからいらなーい」
そのまま自分の部屋へと向かいベッドの上に横になると大きく軋むベッド
唯「せっかくライブうまくいったのに…あれじゃ結局笑い者になるだけだよね…」
唯「あれ?でも去年の澪ちゃんは転んでファンクラブができたよね?てことは私もファンクラブができる!?」
そんなポジティブな思考をしながら寝転がる私の頭上を一匹の蝿が嘲笑うように飛んでいた
90 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 02:52:58.69 ID:XxxGvckZO
そんな淡い期待を持って次の日は登校したが、その期待は見事に打ち砕かれた
歩けば聞こえてくる笑い声。その全てが私の事を嘲笑うかのように聞こえてしまう
学校がとても辛かった
なるべく目立たないように寝たふりをしながら一日中を過ごした
長かった学校も終わりやっと嫌な空間から逃れられたと安心した気持ちで帰り道を歩いていた
しかし帰り道も辛い時間は続いた
92 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 02:55:15.31 ID:XxxGvckZO
「ふふふ…見てよあれ」
「あの子太ってる」
「オー!ビッグガール」
「おかあさ~ん!あのおねえちゃんすごいおっきいよ~」
「こら…聞こえたらどうするの…」
「君よかったら時津風部屋に入らない?」
「うわ…すげーデブ…」
「並の女子高生の倍はあるぞ」
「大根みたいな脚だ…」
唯「………」
すれ違う人々の言葉が私の心を刺す…
93 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 02:56:50.18 ID:XxxGvckZO
帰宅し鏡で自分の姿を見る
唯「………」
まるでドラム缶のような醜い体型
唯「全然可愛くないや…」
痩せないといつまでも笑われ続けるのかな…
来年の学園祭ライブはカッコよく決めたいよ
痩せたい!でもダイエットなんてしたことないからよく分からない…
そんな時わたしはこれに出会いました
唯「ビリーズブートキャンプ!」
唯「ビリー・ブランクスが考案した短期集中型エクササイズだよぉ!」
95 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 02:57:57.02 ID:XxxGvckZO
唯「米軍の基礎訓練であるブートキャンプがベースになっているんだ」
唯「DVDの映像を見ながらビリー隊長と一緒にエクササイズ♪エクササイズ♪」
唯「ビリーバンドも付いてくるんだよぉ」
唯「さぁみんなも今すぐ入隊しよう!」
唯「この番組終了30分以内に電話すれば今なら2000円お得になりますよ~!」
唯「ビリーズブートキャンプ!」
96 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 03:01:57.89 ID:XxxGvckZO
唯「ビリー隊長は過去の人なんかじゃないもん」
憂「お姉ちゃん。いつまでも悪ふざけしてないでご飯できたよ~」
唯「は~い」
憂「今日は私が考えに考えたダイエットメニューだよ!」
唯「ありがとう!うい~」
憂「料理ならまかせてよ」
唯「この料理とビリー隊長で絶対に痩せてみせるからね」
97 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 03:03:06.23 ID:XxxGvckZO
一年後の学園祭
私はみんなの応援に支えられながら一年間ビリーズブートキャンプに励んだ
そして私はガチムチな身体を手に入れた!
唯「さぁ!ライブ気合い入れていくよ!」
紬「気のせいかあっという間の一年だったわ」
澪「気のせいじゃないと思うぞ」
梓「去年の学園祭ライブが昨日の事のように感じますよね」
律「この一年なにしてたか、まったく記憶がないんだけど…」
99 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 03:04:55.39 ID:XxxGvckZO
唯「こんな楽しい一年を忘れたの?私の家でしたクリスマスパーティーとか」
律「したっけ?」
唯「あとバレンタインはあずにゃんがチョコケーキを作ってきてくれたし」
梓「私そんなの作ったんですね」
唯「修学旅行の思い出は一生忘れないよ」
紬「修学旅行どこ行ったかしら…」
澪「唯はいつの間にか戸愚呂弟みたいな身体になってるし」
唯「これが唯最終形態だよ!」
和「みんなそろそろ出番よ」
律「和いたんだな」
唯「さぁ、みんな行くよー!」
100 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 03:08:14.32 ID:XxxGvckZO
唯「皆さん!こんにちは!放課後ティータイムです!」
唯「見てください!この筋肉!ビリーズブートキャンプの成果です!」
唯「皆さん今日はそんなガチムチな時間をたっぷり堪能していってください!」
梓「気持ち悪いMCやめてください」
唯「それでは聞いてください!ふわふわ時間!」
唯「………」
唯「………あ」
律「どうした?」
梓「唯先輩?」
紬「唯ちゃん?」
澪「唯まさか…」
唯「鍛えることに一生懸命でギター忘れちゃったぁ!」
おわり
102 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 03:10:16.98 ID:XxxGvckZO
悪ふざけで書いた。後悔はしていない
朝のテレビショッピング見たら手が自然と動いてたんだ・・・
唯ちゃん太らせてごめんよ
唯「名前どうしようかなぁ…」
憂「どどどどうしよう…お父さんとお母さんに電話…」
唯「やっぱり音って入れたいよね。男の子なら音流(めろでぃ)、音譜(ふぉるてしも)とかいいかなぁ…」
憂「それとも先に病院に電話した方が…」
唯「女の子なら夢音愛(じゅえる)とか可愛いなぁ…」
唯「でも他人と被りたくないから思い切ってすごい名前付けようかな麗音菜愛梨亜(れおなあめりあ)とかオンリーワンな感じがしていいよね」
唯「憂はなんて名前がいいと思う?」
4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 00:52:54.86 ID:XxxGvckZO
憂「今はそれどころじゃないでしょ!」
唯「むー…あと子供服とか子供用ベッドとかいろいろ用意しなくちゃいけないなぁ」
憂「それより、まず相手は誰なの?妹の私でも全然お姉ちゃんに男の影なんて見えなかったのに…」
唯「相手…?なんの?」
憂「相手って彼氏だよ、彼氏!」
唯「彼氏?私に彼氏なんていないよ」
憂「え…じゃあ、彼氏でもない人の子供ができたの…それは誰なの!?」
:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 00:54:15.03 ID:XxxGvckZO
唯「もう!さっきから憂はなんのことを言ってるの~?」
憂「なんのってだから、その……お姉ちゃんと…こ、行為をした相手が誰なのかって事だよっ!」
唯「相手?それに行為ってなに?」
憂「だから!せ、せ、せ、せ…」
唯「セクレタリアト?」
憂「違うよ、セックスだよ!って私はなんて事を大声で言っちゃってるの…」
唯「せっくす?なにそれ?」
憂「え」
7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 00:55:37.44 ID:XxxGvckZO
憂「えーと……あっ!セクレタリアトが繁殖牝馬とする行為のことだよ」
唯「種付けだね」
憂「そうだね。それでお姉ちゃんを繁殖牝馬とした場合…セクレタリアトにあたる人は誰なのかを私は聞いてるんだ」
唯「そんな人いないよ?私は人間なんだから種付けなんてするわけないよ~」
憂「そうだよね~…じゃなくて、お姉ちゃん子供ができたんでしょ!?」
唯「うん!コウノトリさんが運んできてくれたんだ!」
憂「はい?」
8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 00:56:55.18 ID:XxxGvckZO
憂「コウノトリ?」
唯「コウノトリも知らないの?私だって憂だってコウノトリさんがお母さんのお腹に運んできてくれたから産まれたんだよ」
憂「それは迷信だよー、お姉ちゃんも学校の授業で子作りについて習ったでしょ?」
唯「そんなのよく覚えてないよー」
憂「とりあえず、習ったかどうかはどうでもいいとして…お姉ちゃんが子供ができたってのは気のせいだよ」
唯「気のせいじゃないよ!お腹こんなに大きくなったんだよ!」
憂「はぁ…そのお腹ただ太っただけだと思うよ」
9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 00:58:19.73 ID:XxxGvckZO
唯「えぇーっ!子供ができたんじゃなかったの…うぅ~…」
憂「冬に寒さで外出もほとんどしないで食っちゃ寝だったからかもね」
唯「今までいくら食べても太らなかったのに…」
憂「たぶん、その油断のせいだよ。どんな人でも食っちゃ寝してたらやっぱり太るよ」
唯「で、でも大丈夫!これから暖かい季節だし自然に痩せるよ」
憂「お姉ちゃんポジティブだね、だけどしばらくは食事に気を使った方がいいよ。お菓子とか間食しないとか」
唯「それはムリ!唯一の生き甲斐だからね!」
10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 00:59:36.55 ID:XxxGvckZO
次の日
放課後の音楽室で私達軽音部5人はいつものようにテーブルを囲み、ムギちゃんの用意してくれたお茶やお菓子を飲み食いしながら話に花を咲かせていた
唯「私最近お腹が出てきてね、子供ができたって思ったのに憂にただ太っただけだよーって言われたんだぁ」
澪「そりゃできるわけないよ」
梓「唯先輩そんなに太ったんですか?私は唯先輩とは1ヶ月くらいなんでよく分かりませんが…」
紬「あっ、部活創立した時に撮った写真と比べてみたらどうかしら」
11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 01:02:07.63 ID:XxxGvckZO
澪「この写真はちょうど1年前くらいだな」
律「うわ…この頃と比べると大分太ったな…唯からビッグ唯に進化したな」
梓「律先輩この頃に比べて今の方がおデコが広くなってませんか?」
律「うそ?ちゃんと育毛剤使ってるはずのに…」
私は鏡を取り出し写真の自分と鏡に映る自分を見比べる
唯(1年前に比べて顔がパンパンに丸くなったなぁ…)
澪「ダイエットのためにお菓子控えたらどうだ?」
律「唯の分まで私が食べてあげるぞ」
12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 01:04:49.46 ID:XxxGvckZO
唯「やだ~お菓子食べたいもん」
紬「ならダイエットクッキーみたいなのを用意してみようかしら」
澪「それいいな!」
律「食いつきがいいな澪?もしかしてまた太ったのかな?」
澪「私は唯の事を考えて言ってるんだ」
唯「私いつものケーキとか美味しいのがいいな」
梓「でも痩せたいんじゃないんですか?」
唯「それもあるけど、美味しいお菓子食べる方がいいし夏になれば嫌でも痩せるよ」
14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 01:07:45.37 ID:XxxGvckZO
紬「唯ちゃんがそれでいいならお菓子はいつも通りにしましょ」
澪「そっか…」
律「あらあら?なに残念そうにしてるのかな?やっぱりまた太ったのかな?」
澪「うるさいバカ律!」
梓「切りのいい所でティータイム終了して…」
律「帰るかー」
唯「そうだね、あーどっこいしょっと…」
澪(唯の立ち方がなんか重い)
澪「じゃなくて帰るのかよ」
律「ライアーゲームの再放送みたいんだよ」
17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 01:10:25.73 ID:XxxGvckZO
平沢家
唯「たーだーいーまー」
憂「お姉ちゃんおかえりー」
唯「う~い~アイスー!」
憂「もうすぐご飯できるよーそれに痩せるために我慢したら?」
唯「大丈夫だもんね、アイスクリームって太りにくいんだよ」
憂「分かるけどー」
唯「というわけで颯爽と爽をいただきます」
18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 01:13:52.18 ID:XxxGvckZO
憂「お姉ちゃんご飯できたよー」
唯「肉野菜炒めだー!」
唯「いただきまーす!美味しいよぉ憂」
憂「ありがとう。でもお肉だけじゃなくて野菜も食べなきゃダメだよ」
唯「お肉の方が美味しいんだもん。ご飯も進むしーおかわりー」
憂「はいはい」
憂(おいしそうに食べてくれるのは作ったものとして嬉しいけど、これ以上お姉ちゃん太らないか心配だな)
憂(この時間も結構見てる人いるんだな…悪ふざけで書いたのに…)
19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 01:15:28.06 ID:XxxGvckZO
・・・
憂「お姉ちゃんお風呂沸いたから先に入っちゃってー」
唯「ほーい」
脱衣所で衣服を脱いでいると隅に置かれた体重計が目に入った
唯(しばらく体重計ってなかったな、ちょっと計ってみよう)
唯「65kg…」
体重計の上でいろんなポーズをとってみる。当然のことだが体重が変わることはない
鏡の中の自分の身体をじっと見つめる
唯「まさに逆理想の体型になっちゃってるよ…」
21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 01:17:07.24 ID:XxxGvckZO
唯「いつの間にこんなに太ったんだろ」
唯「前に計った時より10kg以上増えたよなー」
唯「お腹プニプニ…」
垢すりでおもいっきり擦ってみる
唯「痛いだけだ…」
唯「はぁ…」
湯舟に入るとたくさんのお湯が溢れてお風呂場が洪水になる
唯「なんかヘコむなぁ……」
22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 01:18:28.67 ID:XxxGvckZO
憂に悪い気がしたので湯舟にお湯を足しておく
唯「うい~お風呂いいよー」
憂「はーい」
唯「お風呂あがりのアイスは~…ガリガリ君!これ食べて生活したら名前通りに痩せれるかな」
テレビ『最近はスリムブームからぽっちゃりブームになってきており……』
唯「ぽっちゃりブーム?」
テレビ『男性の間では痩せた女性より少し太った女性が好みという人が多くなってきています……』
唯「へー、そうなんだ」
24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 01:19:36.10 ID:XxxGvckZO
唯「てことは今の私は人気者ってこと?」
テレビの男性A『そうですね~ぽっちゃりした子って魅力的ですね』
唯「ほーほー」
テレビの男性B『痩せた子と太った子なら断然太った子です』
唯「へー…太るのってマイナスばかりだと思ったけど、そうじゃないんだ」
唯「なんだか悩んでたのがバカみたいだよ…」
唯「自然と体がブームを先どりしてるなんて私ってすごい!」
28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 01:28:10.05 ID:XxxGvckZO
次の日の部活
唯「このケーキは絶品だね!虫歯で歯がなくなっても食べたいよ~」
唯「あっ!ケーキを奪おうと蝿が寄ってきた!しっしっ」
澪紬律梓「…」
唯「どうしたのみんなボケーっとしちゃって、ケーキ食べないなら私がもらっちゃうよー」
律「いや、ケーキは食べるけどさ」
澪「昨日まで太ったことに悩んでた感じだったのに今日は迷いなくよく食べるなぁ…と」
梓「何かあったんですか?」
唯「ちょっとね…ケーキおかわり~」
紬「あ、はい」
29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 01:29:55.90 ID:XxxGvckZO
紬「どうぞ唯ちゃん」
梓「で、何があったんですか?」
唯「昨日ね、テレビで見たんだけど今はぽっちゃりブームなんだって」
澪「ぽっちゃりブーム?」
唯「少し前までは痩せた女の子が人気だったけど今は太った女の子の方が人気なんだって」
梓「それで今日は体重の事を気にせず食べてるんですね」
唯「うん、しかも私はあと2回変身を残してるからね!あずにゃんももう少し太るといいよー」
梓「私はこのままでいいです」
30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 01:31:37.60 ID:XxxGvckZO
唯「それに太ってると抱き着いた時の気持ち良さもアップだよ」
いつものようにあずにゃんに抱き着いてあげる
梓「確かにふかふかして気持ちいいです」
律(なぁ澪…ぽっちゃりって言ってるけど、唯はこれ以上太るとぽっちゃりというよりどすこいって感じにならないか)
澪(本人がいいって言ってるからいいんじゃないか?悩んでるよりはずっといいし)
律(そうか?ムギはどう思う?)
紬(はい、ありだと思います)
律(マジかよ……これ以上太らない方がいろいろいいと思うんだけど…)
31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 01:33:16.77 ID:XxxGvckZO
さわ子「みんなー揃ってる!」
音楽室のドアが大きな音を立てて開いた
さわ子「みんなー揃ってる?」
唯「さわちゃんやっほー」
律「珍しく張り切ってどうしたんだ?」
さわ子「これから衣装の寸法を測るわよ」
紬「衣装って文化祭のですか?」
さわ子「そうよ」
律「文化祭の衣装ってまだ早過ぎないか?」
32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 01:34:37.72 ID:XxxGvckZO
さわ子「今年の衣装は気合い入れていいのを作るつもりだからね」
唯「楽しみだなー」
澪「まさか、またすごい恥ずかしい衣装なんじゃ…」
梓「一体どんな衣装なんですか…澪先輩の反応を見ると不安でいっぱいなんですが」
唯「心配しなくて大丈夫だよ、さわちゃんの衣装は全部可愛いよ」
紬「そうよ梓ちゃん」
梓「いえ、2人がすすめると余計に不安になります」
さわ子「いつまでもしゃべってないで早く測らせてちょうだい」
34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 01:37:09.31 ID:XxxGvckZO
さわ子「まずは唯ちゃんからね」
唯「はーい」
さわ子「あれ、唯ちゃんちょっと太ったわね」
唯「うん、今はぽっちゃりブームだからね」
さわ子「澪ちゃんは相変わらずいいスタイルしてるわ」
澪「変なとこ触らないでください!」
さわ子「梓ちゃんも小さくてかわいらしいわ」
梓「黙って測ってください」
さわ子「ムギちゃんのふとももはいつ見てもいいわぁ」
紬「うふふ」
さわ子「りっちゃんは…うん」
律「おい」
35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 01:38:54.06 ID:XxxGvckZO
さわ子「よし、これでオッケー!とびっきり可愛い衣装を作ってあげるからね!じゃ戸締まりして帰るのよ」
最後にやっと教師らしい一言を残し音楽室を出て行った
律「いつもダラダラしてるのにこういう時だけ、さわちゃんは元気だな」
梓「ダラダラに関しては私達も同じですよね」
澪「確かに…もう下校時間で今日も練習しないで終わりそうだしな」
紬「もう帰りますか」
唯「ケーキ全部食べ終わるまで待ってよー」
澪「前より食い意地はるようになったな」
36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 01:40:17.64 ID:XxxGvckZO
それから2ヵ月がたった夏の日
唯は食生活を改善せず、さらに太り今ではもうぽっちゃりというよりデブという部類に入る体型になっていた
唯「暑いよぉ~…汗が止まらないよぉ…」
律「ビッグ唯からメガ唯になったな」
紬「唯ちゃん大丈夫?」
唯「ムギちゃんは暑くないの~?」
紬「わたし暑いのは平気なの」
律「いつまでも座ってないで次の授業体育なんだから早く着替えよう」
唯「はい~…」
38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 01:42:36.70 ID:XxxGvckZO
・・・
教師「あー今日は100m走のタイムを計るからな」
唯「えー…こんなに暑い日に~?BooBoo~」
教師「準備体操したら全員練習してから出席番号順に記録していくからな」
律「さーて走るかー」
紬「唯ちゃんは練習しないの?」
唯「暑いし練習で疲れそうだから本番だけにするー」
律「そんなだと本番うまく走れないぞー」
唯「ちゃんと準備体操しておくから問題ないよー」
39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 01:45:01.34 ID:XxxGvckZO
唯「なんか準備運動だけで疲れた…」
紬「唯ちゃんこれから走るのよ?」
教師「田井中律は16.6秒」
紬「りっちゃんお疲れ様」
律「いつもなら8秒くらいで走れるんだけどな」
紬「りっちゃんそれはもう世界記録よ」
律「今日は靭帯損傷してるからな、全快したら走ってみせるよ」
唯「そろそろ私の出番かな」
紬「頑張ってね」
唯「これでも小学生のかけっこで1番になったことあるからね!」
律「いつの話しだよ」
42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 01:46:55.11 ID:XxxGvckZO
教師「よし、次は平沢と細井。タイム計るぞ」
唯「ほい」
教師「よーい…」
パンッという乾いた音とともにスタートする
唯(うぅー身体が重い…)
気持ちは前へ前へと行きたがっているが、身体がついてこない
差はどんどん離され、半分の50mに到達する前に完全に体力が切れた
唯「はぁはぁ…ダメだ…100mがこんなに辛いなんて」
43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 01:49:00.87 ID:XxxGvckZO
「見て見て平沢さんお肉がすごい揺れてる」
「あはは、ほんとだ~」
「相手はゴールしたのにまだ半分くらいしか走ってないわよ」
「今は体重70kgは軽くオーバーしてるらしいからね」
律「……おいっ、唯は一生懸命走ってるんだから笑うなよ」
紬「唯ちゃん!もう少しよー!頑張ってー!」
律「唯ー!ガンバレー!」
りっちゃんとムギちゃんに応援されながら私はフラフラになりながらなんとか100m走り切った
教師「平沢唯は38.4秒」
44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 01:51:40.10 ID:XxxGvckZO
唯「はぁ…はぁ…」
唯(去年のタイムの倍以上かかっちゃった…まさかこんなに走れなくなってるとは思わなかった)
律「唯ーがんばったな」
紬「はい、タオル。これで汗拭いて」
唯「………」
律「唯?」
唯「ごめん!ちょっと疲れたから水飲みに言ってくるね」
紬「唯ちゃん……」
律「唯泣いてたか…?」
紬「そう見えたわ」
45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 01:52:55.43 ID:XxxGvckZO
唯「はぁ…なんでこんなに走れなくなっちゃったんだろう…」
唯「100m走っただけで立ってるのも辛い…」
唯「やっぱり太ったからかなぁ…」
走ってる時のことを考えるとあの時に聞こえたみんなの笑い声が脳内で再生され悔しい気持ちになった
水で顔を洗いムギちゃんのタオルで顔を拭いてから教室に戻った
身体的なものからか、精神的なものからか教室までの道を歩くのがとても辛かった
48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 01:55:23.86 ID:XxxGvckZO
昼休み
唯「お弁当おいしいー」
律「ついさっきとくらべて急に元気になったな」
唯「だって憂の作ってくれたお弁当おいしいんだもん。あっ、ムギちゃんのお弁当もおいしそう!」
紬「今日のお弁当はフランス料理なの。よかったら少しあげるわよー」
唯「ありがとう!ムギちゃんのお弁当もおいしいよ」
ふふふ……
その時、私の後ろの方から笑うような声が聞こえた気がした…
49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 01:56:50.14 ID:XxxGvckZO
まわりを確認するがこちらを見ている人は誰もいなかった
律「なにキョロキョロしてるんだ?」
唯「えっ?あの~なんか、ちょっと地縛霊の気配を感じただけだよー」
紬「地縛霊…?」
律「キャベツの神様かなんかだろ、私がキャベツ食べてるから寄ってきたんだよ」
紬「キャベツの神様…?」
唯「りっちゃん、そっちの方が意味分からないよ」
くすくす…
唯(あっ…また聞こえた…)
50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 01:57:58.65 ID:XxxGvckZO
唯(誰が笑ってるの?)
しかし誰もこちらをうかがっている様子の人はいない
唯(うー…イライラするなぁ)
その日から唯は学校にいるとまわりからよく笑われていると感じるようになった
教室にいようが、廊下を歩こうが、まわりからは常に笑い声が聞こえてきた
唯「あの100m走の日から…きっとみんな私が太ってるからバカにしてるんだ」
唯「このまま笑い者になんてされてらんないよ、絶対みんなを見返してやるんだから」
55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 02:05:38.36 ID:XxxGvckZO
学校は夏休みになり私は夏休み明けにある学園祭のライブに向けて去年以上にギターの練習に打ち込んだ
みんながバカにした私が学園祭で最高にカッコイイライブをして見返してやるんだと心に決めて
唯「今日のお菓子も星三つ~」
紬「ありがとうございます」
唯「う、うっぷす……喉につまった………」
鞄から急いで大五郎のペットボトルを取り出して飲む
梓「…ってお酒なんて飲んじゃダメです!」
唯「中身は水だよー、このペットボトルが1番大きいからさ」
56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 02:06:46.60 ID:XxxGvckZO
梓「まぎらわしい事しないでください!もし飲酒と疑われたらどうするんですか?」
唯「水なんだからって説明すれば大丈夫でごわす」
梓「それでも最初から疑われない方がいいに決まってます!なんかほかのペットボトルにしてください!」
唯「あずにゃん怒らないでよ~」
そう言ってあずにゃんに抱き着く
唯梓「あつい~」
紬「うふふ」
律「いやいや、見てるこっちまで暑苦しいからやめてくれ」
57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 02:08:13.94 ID:XxxGvckZO
澪「vanish…Body fat…」
律「澪はさっきから何を書いてるんだ?」
澪「歌詞だよ、律が文句をつけるから頑張っていつもと違うように書いてるんだよ」
律「こんな変な歌詞ならいつもの方がいいんだけど」
澪「なんだよ、せっかく書いてたのに…注文の多い料理店だな」
律「私はべつに歌詞の方向性を変えろなんて言ってないし」
唯「私もいつもの澪ちゃんの可愛い歌詞の方がいいなー」
澪「じゃあ、そうしようか」
58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 02:09:44.13 ID:XxxGvckZO
律「そうだ!もう夏休みだしさ、今年の合宿はどうする?去年は海だったし山とかどうだ?」
澪「私は今年も海がいいかな」
紬「今年は去年より大きい別荘がとれそうなの」
梓「ムギ先輩って別荘まで持ってるんですか」
律「そうなんだぜ、しかもかなり大きいのをいくつもな!」
梓「我が物のような言い方ですね」
紬「そんな大きいのはほんの一部だけよ」
梓「私の想像以上にすごいとこのお嬢様なんですね」
59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 02:11:36.64 ID:XxxGvckZO
律「唯は山と海だったらどっちがいい?」
唯「わたし?わたしは~…」
唯(山は登るとなるとキツイから海がいいかな)
唯(でも海で遊ぶとしたら水着に着替えることになるんだよね、今はあまり水着着たくないなぁ…)
澪「なあ、今年の合宿は学校でやらないか?」
唯「澪ちゃん…」
自分の体を見て考え込む私の気持ちを察したのか、澪ちゃんは学校で合宿しようと提案してくれた
澪ちゃんはこっちを見てウインクをした……が、それはうまくできてなくほとんど両目をつむってしまっていた
私はそれにありがとうと笑顔で答えた
61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 02:13:28.88 ID:XxxGvckZO
律「なんでだよー!せっかくムギが別荘用意してくれるのに」
澪「練習に集中できるようにだ。去年はほとんど遊んでたからな」
梓「やっぱり遊んでばっかりだったんですか、それなら私も学校で合宿に賛成です」
律「プライベートビーチ、スタジオ付き別荘だぞ!梓」
梓「それでも誘惑の少ない学校の方がいいです」
律「唯はカスピ海とかヒマラヤ山脈とかイースター島とかL.Aとかロサンゼルスとかに合宿行きたいよな?」
唯「私も学校がいいな~」
62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 02:15:31.29 ID:XxxGvckZO
律「ムギ!ムギは別荘あるんだから学校よりそっちの方がいいよな」
紬「学校でお泊り会がしたいわ」
律「な…ムギまで…」
澪「諦めろ律。4対1で学校で合宿に決定だ」
律「そんなぁ…」
紬「りっちゃん、みんな一緒ならどこでも楽しいわよ」
律「くそ…こうなったら今日はこのまま泊まり込みで練習するぞー」
唯「このままって帰らずに泊まるってこと?」
澪「な、なんだってー」
63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 02:17:18.80 ID:XxxGvckZO
律「その通り!って訳で梓、教員室に許可もらいに行ってこい」
梓「なんで私なんですか…許可もらうなら部長の律先輩も行かなきゃダメじゃないですか」
律「それもそうだな、じゃあ私と梓でちょっと許可もらいに行ってくるよ」
唯「行っちゃったね」
澪「夏休みにそんな急に学校に泊まりたいなんて許可出るのかな?」
紬「前も泊まった時あるし大丈夫よ。またみんなで寝袋で遊びましょう」
唯「そうだね!あと練習もしっかりするよー」
澪「2人とも泊まる気満々なんだな」
65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 02:19:00.47 ID:XxxGvckZO
律「おーい、許可もらえたぞー!」
澪「おぉ、案外簡単に許可出るんだな」
唯「じゃあ早速歯ギターとか教えてあずにゃん」
梓「珍しくやる気だと思ったらなんで歯ギターなんですか…先生に教えてもらってください。大体そんなの覚えてどうするんですか?」
唯「学園祭で披露してみんなにこいつできるって思わせたいんだよね」
梓「普通に演奏だけで充分ですから」
唯「えーっ…今年はなんか新しい見せ物やりたいよー手品とか盛り上がらないかな?」
67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 02:20:53.66 ID:XxxGvckZO
律「それ面白そうだな!イリュージョンショーとかやりたいよな、澪切断マジックとか」
澪「ひぃっ…」
紬「りっちゃん、そんなことしたら澪ちゃんが死んじゃうわ…」
律「いやいや本気で切ったりしないから、それじゃマーダーショーだよ」
唯「コーラ2リットル一気飲みしてゲップせずに一曲歌いきるとか」
梓「卑弥呼様のやつですね。失敗した時が汚すぎるからダメです」
唯「じゃあ瓦割りとかどうかな?」
梓「頼むからもう少し軽音部らしいの思い付かないんですか?」
68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 02:22:13.43 ID:XxxGvckZO
律「ドラムセットブッ壊すパフォーマンスとか」
唯「エアギターなんてどう?みんなエアーバンドなんて面白いんじゃない?」
紬「唯ちゃん名案だわ」
梓「楽器あるのにエアーって何がしたいんですか…」
澪「私達はライブをやるんだぞ、脱線しすぎだ」
梓「そうですよ」
唯「えへへ、ゴメンゴメン」
梓「いつまでも喋ってないで練習しましょう」
律「私は無視か…」
70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 02:24:15.76 ID:XxxGvckZO
澪「そうだ、もう一つライブでやる曲を決めたいんだった。去年の時間を考えるとできて3曲くらいなんだよ」
澪「最後はふわふわ時間として、あと2曲はどうする?まぁそんなに曲はないけど」
紬「カレーのちライスとわたしの恋はホッチキスとふでペン~ボールペン~からよね」
唯「凱歌、沈黙が眠る頃とかやりたいな」
律「最初は地獄の皇太子でいこうぜー!」
澪「ふざけてる2人はほっといて3人で決めよう」
梓「ふでペン~ボールペン~はやりたいですね」
紬「私はホッチキスがやりたいわ」
澪「じゃあ、その3曲でいこうか」
71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 02:27:56.35 ID:XxxGvckZO
まぁ、なんやかんやあってあっという間に学園祭
さわ子「はい、みんなこれが衣装よ」
唯「可愛い!けど、キツイ…」
さわ子「唯ちゃんあれからまた太っちゃったのね」
唯「う、うん…」
澪「恥ずかしい…」
紬「とっても似合ってるから自信を持って澪ちゃん」
梓「スカート見えそうなくらい短いですね」
さわ子「いつも制服のスカート短いんだから文句言わないの」
73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 02:29:09.75 ID:XxxGvckZO
律「澪は去年みたいに転んで第二次パンチラ事件起こさないように気をつけろよ」
梓「去年そんな事件があったんですか」
律「そういえば梓は見た事なかったな。映像残ってるから今度見せてやるよ。その前に今日生で見れるかもしれないけどなー」
澪「それはない!今年はパンチラ事件を起こさないようにパンツを穿いてこなかったからな」
梓「それって転んだ場合にもっと大変なものが見えちゃうんじゃ…」
律「ライブ前の緊張で冷静な判断ができなくなってるんだ、気にするな」
75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 02:31:26.78 ID:XxxGvckZO
――次は軽音部『放課後ティータイム』によるライブです
澪「あぁ~…緊張する~…」
律「いい加減に慣れろよ」
唯「いよいよだね…」
私は私を笑った人達を見返すために夏休み頑張って練習してきたんだ
この学園祭で…ううん、世界で1番輝く女子高生になるために最高の演奏をしてみせる
唯「みんないくよーっ!」
私達のライブが始まる
78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 02:33:43.19 ID:XxxGvckZO
今年はギターあずにゃんが新たに加わることで演奏に幅が出た
夏休みたくさん練習した成果か、私達4人も去年にくらべて技術的に大きく上達していた
去年は声が枯れてしまい歌うことができなかった私だが今年は万全で澪ちゃんとのツインボーカルで魅せる
私達のステージは今日1番の盛り上がりをみせた
唯(どんなもんじゃーい)
唯「けいおん最高ー!」
ステージからはけようとした時、私は配線に足を引っ掛かけて転んでしまった
79 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 02:35:13.19 ID:XxxGvckZO
唯「痛ッ…」
去年の澪ちゃんと同じように転んだ私のスカートの中に会場中の視線が集まる
唯「あわわ…」
私は急いで立ち上がろうとすると私の背中の方で布が裂けるような音がした
立ち上がる際に衣装が破れてしまっていた
それと同時に会場から起こるたくさんの笑い声
澪「唯、大丈夫か!?」
すぐに駆け付けた澪ちゃんに支えられながらステージ裏へと避難した
81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 02:41:48.51 ID:XxxGvckZO
音楽室
憂「お姉ちゃん大丈夫?転んだ時にケガしなかった?少しでも痛いところあったら言ってね」
唯「そんなに心配しなくても大丈夫だよ~ちょっと転んだだけなんだから」
憂「膝にすり傷ができちゃってるし骨折とかしちゃってないよね?」
梓「そんな足を骨折なんてしてたらここまで歩いて来れないと思うんだけど」
憂「手は大丈夫?転んだ時について痛めたりしてない?とくに手首とか」
唯「大丈夫だよぉ、それよりも…」
83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 02:44:02.13 ID:XxxGvckZO
唯「みんなごめんなさい」
律「何謝ってるんだよ、唯は何にも悪いことしてないだろ?」
唯「だって…せっかく今までで1番のライブができたのに私が最後にドジなことして、ただの笑いものになっちゃったよ…」
紬「そんなこと気にしてないわ。それより唯ちゃんに怪我なくてよかった」
澪「事故なんだからさ、気にするなよ」
梓「そうです!転んだのなんて関係ないです!唯先輩のギターもボーカル最高でしたよ!」
澪「そうだぞ、むしろお礼を言わなきゃいけないくらいだよ。ありがとう」
唯「…うん」
澪「いつまでも落ち込んでないで今日はもう帰ろう」
84 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 02:45:14.47 ID:XxxGvckZO
律「そうだ!目標だった学園祭ライブも終わったし今日はパーッと打ち上げでもして帰るか」
紬「いいわね」
梓「お酒飲んだりしちゃダメですよ!」
律「分かってるよ。唯もいつまでも落ち込んでないでうまいもの食べて元気出そうぜ」
唯「…そだね、焼肉パーティーしたいなー」
あはは…ふふふ…くすくす…
唯「あ…」
私とすれ違う生徒達が笑っている。きっと私を見て笑ってるんだ
ライブでの失敗のあとのせいか今まで以上にまわりの笑い声が気になる
85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 02:46:47.41 ID:XxxGvckZO
唯「私やっぱり今日はまっすぐ帰ることにするよー」
憂「えっ?お姉ちゃん帰っちゃうの?」
唯「なんかあんまりお腹空いてないし」
律「今焼肉行きたいって言ってたじゃないか」
紬「唯ちゃんうちが経営してる焼肉屋さんがあるから行きましょう」
唯「でもでも、なんかほとんど食べれる気しないし」
律「ならファストフードとかファミレスで軽く食べたりするか」
唯「あー……思い出した私今月サイフピンチなんだよね!」
87 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 02:48:21.54 ID:XxxGvckZO
律「それなら今日くらいはお疲れ様ってことで私が全員のぶん払うよ」
唯「それはりっちゃんに悪いよー。じゃ私帰るから、みんな今日はありがとう!ばいばーい!」
憂「あっ…待ってよ!お姉ちゃん!」
梓「走って行っちゃいましたね…唯先輩、ライブの最後に転んじゃったことを気にしてるんですかね?」
澪「そうだろうな、去年転んだ身だからなんとなく気持ちが分かるよ」
88 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 02:49:54.04 ID:XxxGvckZO
唯(疲れた…)
走ってきたものの100mも走らないうちに疲れて、その場に立ち止まった
憂「おねえちゃーん!」
唯「あっ、うい~」
憂「どうしたの?軽音部の皆さんがせっかく誘ってくれたのに」
唯「いやぁ、お腹減ってなくてさ」
憂「それでも何も食べないでみんなと一緒にいるだけでもいいんじゃないかな」
唯「いいのいいの!ほら早く帰ろうよ」
憂「お姉ちゃん…」
89 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 02:51:12.27 ID:XxxGvckZO
平沢家
唯憂「ただいまー」
憂「お姉ちゃん夕飯はどうする?」
唯「食欲ないからいらなーい」
そのまま自分の部屋へと向かいベッドの上に横になると大きく軋むベッド
唯「せっかくライブうまくいったのに…あれじゃ結局笑い者になるだけだよね…」
唯「あれ?でも去年の澪ちゃんは転んでファンクラブができたよね?てことは私もファンクラブができる!?」
そんなポジティブな思考をしながら寝転がる私の頭上を一匹の蝿が嘲笑うように飛んでいた
90 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 02:52:58.69 ID:XxxGvckZO
そんな淡い期待を持って次の日は登校したが、その期待は見事に打ち砕かれた
歩けば聞こえてくる笑い声。その全てが私の事を嘲笑うかのように聞こえてしまう
学校がとても辛かった
なるべく目立たないように寝たふりをしながら一日中を過ごした
長かった学校も終わりやっと嫌な空間から逃れられたと安心した気持ちで帰り道を歩いていた
しかし帰り道も辛い時間は続いた
92 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 02:55:15.31 ID:XxxGvckZO
「ふふふ…見てよあれ」
「あの子太ってる」
「オー!ビッグガール」
「おかあさ~ん!あのおねえちゃんすごいおっきいよ~」
「こら…聞こえたらどうするの…」
「君よかったら時津風部屋に入らない?」
「うわ…すげーデブ…」
「並の女子高生の倍はあるぞ」
「大根みたいな脚だ…」
唯「………」
すれ違う人々の言葉が私の心を刺す…
93 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 02:56:50.18 ID:XxxGvckZO
帰宅し鏡で自分の姿を見る
唯「………」
まるでドラム缶のような醜い体型
唯「全然可愛くないや…」
痩せないといつまでも笑われ続けるのかな…
来年の学園祭ライブはカッコよく決めたいよ
痩せたい!でもダイエットなんてしたことないからよく分からない…
そんな時わたしはこれに出会いました
唯「ビリーズブートキャンプ!」
唯「ビリー・ブランクスが考案した短期集中型エクササイズだよぉ!」
95 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 02:57:57.02 ID:XxxGvckZO
唯「米軍の基礎訓練であるブートキャンプがベースになっているんだ」
唯「DVDの映像を見ながらビリー隊長と一緒にエクササイズ♪エクササイズ♪」
唯「ビリーバンドも付いてくるんだよぉ」
唯「さぁみんなも今すぐ入隊しよう!」
唯「この番組終了30分以内に電話すれば今なら2000円お得になりますよ~!」
唯「ビリーズブートキャンプ!」
96 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 03:01:57.89 ID:XxxGvckZO
唯「ビリー隊長は過去の人なんかじゃないもん」
憂「お姉ちゃん。いつまでも悪ふざけしてないでご飯できたよ~」
唯「は~い」
憂「今日は私が考えに考えたダイエットメニューだよ!」
唯「ありがとう!うい~」
憂「料理ならまかせてよ」
唯「この料理とビリー隊長で絶対に痩せてみせるからね」
97 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 03:03:06.23 ID:XxxGvckZO
一年後の学園祭
私はみんなの応援に支えられながら一年間ビリーズブートキャンプに励んだ
そして私はガチムチな身体を手に入れた!
唯「さぁ!ライブ気合い入れていくよ!」
紬「気のせいかあっという間の一年だったわ」
澪「気のせいじゃないと思うぞ」
梓「去年の学園祭ライブが昨日の事のように感じますよね」
律「この一年なにしてたか、まったく記憶がないんだけど…」
99 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 03:04:55.39 ID:XxxGvckZO
唯「こんな楽しい一年を忘れたの?私の家でしたクリスマスパーティーとか」
律「したっけ?」
唯「あとバレンタインはあずにゃんがチョコケーキを作ってきてくれたし」
梓「私そんなの作ったんですね」
唯「修学旅行の思い出は一生忘れないよ」
紬「修学旅行どこ行ったかしら…」
澪「唯はいつの間にか戸愚呂弟みたいな身体になってるし」
唯「これが唯最終形態だよ!」
和「みんなそろそろ出番よ」
律「和いたんだな」
唯「さぁ、みんな行くよー!」
100 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 03:08:14.32 ID:XxxGvckZO
唯「皆さん!こんにちは!放課後ティータイムです!」
唯「見てください!この筋肉!ビリーズブートキャンプの成果です!」
唯「皆さん今日はそんなガチムチな時間をたっぷり堪能していってください!」
梓「気持ち悪いMCやめてください」
唯「それでは聞いてください!ふわふわ時間!」
唯「………」
唯「………あ」
律「どうした?」
梓「唯先輩?」
紬「唯ちゃん?」
澪「唯まさか…」
唯「鍛えることに一生懸命でギター忘れちゃったぁ!」
おわり
102 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/11(木) 03:10:16.98 ID:XxxGvckZO
悪ふざけで書いた。後悔はしていない
朝のテレビショッピング見たら手が自然と動いてたんだ・・・
唯ちゃん太らせてごめんよ
<<美琴「ら…らぶらぶレールガン…?」 | ホーム | 固法「デ、デート術指南!?」>>
コメント
コメントの投稿
トラックバック
| ホーム |