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一方「余り俺を怒らせンなよォ、ブチ犯すぞ」打止「いいよ」
1 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/09(火) 18:37:24.05 ID:eSS7TEwo [1/27]
/=======ァ^ト┐
ト=======扣z<ヽ
人二二二二式 |:.:', / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
/:/:{/-|/}/}/-ヾ :l|.:.:| | ガチエロだと思った人
|イ:i:代ナ 弋ナ Ⅶ .:| < 残念でしたーぷぎゃー
/}}} Nリ __ rjノ :| | んなわけねーですと
f爪n |jノif} }ゝ.└─┘イ:i.:|:i.:.| | ミサカは一応断っておきます
-={ j.{=|' ノ /イ:.i:|`r斤ー'>、:|:|八 \__________
ヽ ノ三 | jィT∨ヘ/} /\{ \
-= ヘ王│ _/V,' {」/ / {/ハ
',-ヘ! |∠、 V | |/ 〈†〉 }ノ '、
ヽ 乂 } │ {│ │ イ 〉
\__,xくl /} | | | /
∨/ ,' | └rー|
}./ | l'| │
/{」=ー -|=彡〈.| │
{>,、-==ニ 了 `| │
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|イ:i:代ナ 弋ナ Ⅶ .:| < 残念でしたーぷぎゃー
/}}} Nリ __ rjノ :| | んなわけねーですと
f爪n |jノif} }ゝ.└─┘イ:i.:|:i.:.| | ミサカは一応断っておきます
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2 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/09(火) 18:45:52.38 ID:eSS7TEwo
↓いままでの「ぴぃ」とか「じゅーでん」とか。実質9スレ目
御坂「これって……デートよね……」
http://mimizun.com/log/2ch/news4vip/yutori7.2ch.net/news4vip/kako/1264/12649/1264954175.html
御坂「じゅーでんー」(途中でVIPクリエに移動)
http://mimizun.com/log/2ch/news4vip/yutori7.2ch.net/news4vip/kako/1265/12653/1265361766.html
御坂「ぴぃ!?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1265460591/
>>1「どうしてこうなった」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1265824107/
>>1「だからどうして(ry」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1266168925/
御坂「電池切れそう」(↑途中で避難所が落ちているときにVIPにて)
http://www.unkar.org/read/yutori7.2ch.net/news4vip/1266314014
>>1「ぴぃ!?」なんだかんだで4回目(前スレ)
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1266858583/
御坂「ほ、ほら……あーん……」(別ルート、↑中に別枠で)
http://sea-mew.jp/nox/modules/webarc/2ch/ss/1267610190-0.html
4 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/09(火) 18:51:50.01 ID:eSS7TEwo
ここまでのあらすじ
/ : /: : : : /: /:./:!: : : :./: : : :/: :! : | \ : : : : : ヽ
′/: : :|: /: /-/:十-、:/: : : :/:-┼: |、 ゝ : ヽ: : i
|: :i: : : :| :| / /|: /!: : /: ://: : /|: / ヽ ミ : : |: : |
|: :|: :i : | :|:|斗≠=ミ// /: :斗=≠ミ. ミ\|: : |
|: :|: :i : |八Y´ んir个 /:/´ んr心{ }ヽ∨: : | 「当麻ー、今晩何食べたいー?」
│ |: :i :∧ハ 弋てソ / 弋てソ ル∨: : : !
∨|: :i∧小 ー ′ ー ('^ハ: : : : |
ヽ| 八(∧ゝ"" ""ノ⌒)ノ : : : |
|: i :\.ヘ、 -、 ^´/: : : :i: |
|: i: : /: ̄\_ ‘ー' /i⌒´i : : : : !│
|: i: :,': : i : :( \ . ィ : : i: : : ! : /: :.i八
,: :|: |: :.:.i : :.iヽ ヽ>‐ ´ ト、: |: : i: ∨: : /:iハ
/ :ノ:│: :.|: : :| ∧ Y_ r‐、ノ \{: : |.:/{: : :{ノ/ \
// i八: : {ヽ/ } ト、/ヽノ 〉、∧八 : :∨
/ r┬'─ヘ{'〈 j / ヘ〉 /|:::`ー∨\: ヽ、
/|:::!:::::::::::::::::::|\ 〈 /厂 〕 //|:::::::::::::::::::::`ヽ\
-──-、
/´ `丶\
〉:.〉
-――‐'=ァ-
/⌒.:.:.:..:.:.:.:.:.〈.:.:.:.:.:.:\
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∨.:.:.:.:.:.:丶、
/.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.!:.トく.:.:` .:.:.:. \
,′::/::/:::/::::::/::::|::::|::j ミヾ::::::::::::::\
. j::/ :|::;':::/_:://::/ |:::ーァ- ミ_:::::::::::::\::ヽ
{/イ::l::{:´{:∨メ //:|::::/ ミ:::::::::\::::\}
ノ´{ハ:::Y゙f心 {/ レイ托ト Ⅳ^Yヘ:::::丶、:> 「お姉様ー、この人の部屋ぶっ壊されちゃったから泊めてー
\い| Vリ V(り Y ノ:::::\::::::\ ってミサカはミサカはここぞとばかりに頼りに来てみたり!」
j::::::(//) (//) 、-く::::::::〈´\:::::ヽ
イ:::八 t ´} /::::\:}\/ `丶〉
,-r-ィ^ト、 〈八:{ :{> _ 、 _ノ イ∨::〈_::>
└げ〉 } \{\_,::::ニ=< `ーfト-- 、
7´{ j ∨ 〃 、_ -‐|| ヽ
{ {. / {{ || \
'、 ,.′ >||_ _人 丶. \
`、 \ / //´::\_/ ̄:....:::\ ト、 \
ヽ ヾ / }::....:::::....::::::. ..::: .::::∨ \ \
\ / ヽ..:::::. . .:::. .::.. ::} \ \
5 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/09(火) 18:54:55.34 ID:eSS7TEwo
\:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
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 ̄ ̄/.::::::::::::::::::::::::::::/l/ >|:/ |:iハ:::::i:::::::::/ j/ハ::::/!::::::::::::::::::::::::<
/.:::::::::::::.イ:::::::::::::/<でうラ'ヘ`}:ト::∧:l::::/厶イ´.::::∨::|:::::::::::::\ー―一
ー‐ァ.:::::::::{ 厶イ:::ハ/ `ニ ノ.:::jノ.::::::八/.:::'でうラヽ/.:::|:::::::::::::::::::\
/___::∧ (|/ 〈::::::::::::::::::::::://.:::::::::::::ー一'.:::::::j/!::::::::::\ ̄
/.:::::ハ ∧ \::::::::::::::/ {::::/ ̄ ̄\::::::::::/ }:::::::「 ̄
∠::::::::::::八 :. \:::::/ }::j\ /.::::::/ ∧ハ| 「打ち止めはいいがテメエはラブラブ同棲生活の邪魔だ出てけ
厶イ:::::::::ーヘ ´/ノ.::::::\_/.::::::/イ } っていうか頼むから出てってくださいお願いしますこの通り」
ノイ::/i:::ハ {:::::::::::::::::::::::::::∧丿
|/ |::::::|\ , -‐='::、::::::::::::::::::::/
x≦ハ| ::\ ー‐.:::::::::::::::::::/
/ ∨//| ::::\ `7.::::::::::::.イ\
/ ∨/j \:::\ ;::::. .<:::::'///\
/ ∨′ \:::::: ̄::::::::::::::::'/////⌒ヽ、
/ >x:::.、 \::::::::::::::::::::{'/////////\
6 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/09(火) 18:58:37.67 ID:eSS7TEwo
\ _______________/
 ̄ヽ、 _ノ
`'ー '´
○
O
o
. -――…¬= 、
/: :: :/: :: : : : ;': :!:ハ \
.:'.:./: :;:': :: :/:: ::/: : ! ハ: ::ヽ
/ : /: :/ : : / :/:/: :: :ト、 :ト: : : ':,
.′/: :/ : : / :イ: :/ : : ':j '::| V: :ハ
;: : ′/: :: ::/ ' ;/i: : :' ;′ !} } :i: :ハ
i: : { .;′: :/ /'´ | :/:/ /リ 川: :ト:!
|: :rーi:!: :/┬‐┬ }イ/┬‐┬ .{ハ '.:| l
!:〈 !ハ/ ゞン / '′ ゞン '. ハ!
. ;: :ヽ_{ }: !
. ;' j: : /ヽ r ´ ̄ ̄ ̄ヘ 八'. 「なんて話で済んだらよかったんですけどね
. / イ: :;′: :> ._ ̄ ̄ ̄ ̄´_ .イ ト、':、 どうしてこうなった、とミサカは毎度のセリフを吐きます」
/′!'. l,. -‐一<  ̄ ̄{:_「: :l|: :}: : j `\
/ ミ、:::::::::: ` ー -‐ ´¨≧ 、/
/:::::::: ハ i!:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::iヽ
9 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/09(火) 19:24:35.81 ID:eSS7TEwo
新スレついでに現在の状況
・当麻&美琴 当麻の部屋で同棲中。まだ付き合い始めて半年のはずだが既に新婚夫婦の域を超えている。両親公認。学園都市側としては黙認
・黒子 引き続き常盤台寮。美琴が抜けたので一人部屋。当麻、美琴共に攻略済み。自称妾ですの
・一方 原作と違い一人暮らしだったが、部屋が破壊されて当麻のとこに転がり込んでた。杖? 邪魔だからないよ
・打止 芳川と共に黄泉川宅へ居候。だったが、一方通行のストッパーとして一緒に上琴の部屋に。美琴に色々叩き込まれる
・ミサカ18413号 このスレのアイドル。歌って踊れる電脳アイドルなアルバイター。一方さんをいじって遊ぶのが好き。悪趣味。VIPPER臭い
12 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/09(火) 19:35:05.80 ID:eSS7TEwo
一方「……朝か」
一方「ン……? あァ、新しい部屋借りたンだったなァ……」
一方「ふァ……しっかし熟睡したなァ……」
一方「……やっぱり静かだな」
打止「お、おはよう、ってミサカはミサカは」
一方「……あァ、オマエがいたンだっけなァ」
打止「朝ご飯できてるよ、ってミサカはミサカは有言実行を体現してみたり」
一方「頼みもしないのによくやるなァ」
打止「食べる?」
一方「……食う」
打止「ちょっと待っててね、すぐ準備するから、ってミサカはミサカはキッチンに駆けていく」
一方「……ったくよォ、めンどくせェなァ……クソ」
13 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/09(火) 20:06:41.93 ID:eSS7TEwo
一方「……おィ」
打止「な、何かな、ってミサカはミサカは苦笑してみる」
一方「オマエの目玉焼き割れてンじゃねェか」
打止「えへ……失敗しちゃった」
一方「……」
ひょい
打止「あ」
一方「一個じゃ足ンねェよ。よこせ」
打止「ご、めんなさい……」
一方「いいからテメェの分作って来い」
打止「う、うん」
ぱたぱた
一方「……もォ冷めちまってるじゃねェかコレ」
一方「ま、腹に入りゃ一緒だな」
14 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/09(火) 20:15:57.84 ID:eSS7TEwo
打止「ごちそうさまでした、ってミサカはミサカは手を合わせる」
一方「――、出かけてくらァ」
打止「どこ行くの?」
一方「コンビニ」
打止「じゃあ一緒に……」
一方「付いてくンな。邪魔だ」
打止「あ……う……」
一方「……ちゃンと帰ってくるっての」
打止「……うん、いい子にお留守番してるね、ってミサカはミサカは笑いかけてみる」
一方「おゥ」
打止「行ってらっしゃい」
一方「――」
ガチャ、バタン
一方「……クソ、調子狂いやがる」
15 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/09(火) 20:18:14.37 ID:eSS7TEwo
18413「おはようございます、お出かけですか、と、ミサカは何食わぬ顔で挨拶します」
一方「……何してやがるテメェ」
18413「見て分かりませんか、掃除ですよ、とミサカは見たままを言います」
一方「そォじゃねェよ。何でオマエがここにいるンだって聞いてンだよ」
18413「仕事です。昨日このマンションの管理人に、とミサカは転職のお知らせをします」
一方「コロコロ変わるな……」
18413「自分にあった仕事を模索中です、とミサカはニートみたいな事を言います」
一方「さいでっか……ンじゃな」
18413「……ところで昨夜は残念でしたね、と、ミサカはニヤニヤしながら意味深な言葉を吐きます」
一方「――っ」
16 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/09(火) 20:20:14.52 ID:eSS7TEwo
一方「おィコラテメェ、まさかたァ思うが部屋に隠しカメラとか仕掛けてねェだろォなァ」
18413「いいえまさか。ミサカは管理人ですが監視まではさすがにしません、とミサカは否定します」
一方「じゃァ……」
18413「なぜかロックのかかっていない音声ファイルがネットワーク上に転がってまして」
一方「しっかり保存してンじゃねェよあンクソガキャァ!!」
18413「なかなかにドロドロネトネトした会話が繰り広げられていたようで、と、ミサカはニヤニヤします」
一方「……おィテメェ」
18413「ご安心を。幸いミサカ以外の個体はまだ閲覧していなかったようでしたのでしっかりロックを、とミサカは自身の有能さをアピールします」
一方「消せよ!」
18413「お断りします。なぜこのような……面白いものを消せと」
一方「――コロス」
18413「ちなみにミサカの生体反応がなくなれば全ミサカに一斉送信されるように仕込んでますが、とミサカは安全策を弄します」
一方「クソ……」
18 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/09(火) 20:25:33.11 ID:eSS7TEwo
18413「桜ももう終わりの季節ですね、とミサカはさり気なく時期描写をします」
一方「今ムリヤリ話逸らしただろォ」
18413「散っている姿は綺麗だと判断しますが、散り落ちたものは土に塗れて見苦しい、とミサカは季節のわびさびを詩的に表現します」
一方「オマエらにもそンな感性がある事が驚きだァよ」
18413「昨夜の散華は上手く行きませんでしたね、とミサカは話を戻します」
一方「テメェは何が言いたいンだよォ!?」
18413「いえ。ただ、あなたがなぜあのような発言をしたかと思いまして」
一方「……」
18413「手のひらを返したかのようなつじつまの合わない冷酷な言動。その真意を測っています」
一方「あンクソガキがうぜェだけだよ」
18413「本当にそう思っているのでしたら今までの上位個体に対する行動が否定されますが、とミサカは反論します」
一方「ありゃァただの気まぐれだ。そもそも俺ァ……」
18413「妹達を一万超殺戮した張本人だ、と。そうおっしゃるのですか、と、ミサカは言葉の先を紡ぎます」
一方「あァその通りだよ。何か間違ってるかよォ」
18413「しかしあなたは目の前のミサカを殺そうとはしないではないですか、とミサカは矛盾を指摘します」
一方「……ブチ殺すぞテメェ」
20 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/09(火) 20:31:53.51 ID:eSS7TEwo
「と言いつつもあなたは行動には移しませんね、とミサカは確信を持って言い放ちます」
「……」
「個人的な、ミサカ18413号としての私見ですが、とミサカは前置きします」
「……」
「昨晩の一件。あれはポーズであり、その実そうではなかった、とミサカは考えます」
「……」
「あれだけあなたは最終信号――いえ、『打ち止め』に優しくしていたのに、あなたは明らかにつじつまの合わない行動をしている」
「……」
「あなたは『彼女』を追い出したかった。けれどつい一昨日まで、半ばやむなしとはいえお姉様と上条さんのお宅で同居していました」
「……」
「そこに矛盾が生じます。何をいまさら、という。それは一体なぜなのか」
「……」
「客観的視点で二者を比較すればおのずと答えは出ます、と、ミサカは核心を突きます」
「……」
「――あなたは、本当にそうなる事が怖かった。違いますか? とミサカは確認を取ります」
21 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/09(火) 20:36:51.38 ID:eSS7TEwo
ジャカッ
一方「――コイツなら邪魔されねェよなァ。演算停止申請しよォが引き金引く方が早ェだろ」
18413「うららかな午前の住宅地に発砲音を響かせるつもりですか、と、ミサカは尋ねます」
一方「知ったこっちゃねェよ。構うもンかよ。テメェはムカつく。それ以外に理由はいらねェだろォが」
18413「あの子は泣くと思いますが」
一方「オィオィ、この期に及んで命乞いかァ?」
18413「ミサカではなく、あの子はあなたに、泣くと思いますが、とミサカは訂正します」
一方「……知るかよ」
18413「宜しい。ならばどうぞ、と、ミサカは腕を広げます」
一方「おちょくってンのかテメェ」
18413「あなたは本当に語彙が豊富ですね、とミサカは感心します」
一方「……」
18413「どうしました、撃たないのですか、と、ミサカは挑発とも取れる言葉を投げかけます」
一方「……どうやら本当に死にてェらしィなァ」
18413「いえ、どちらかといえばごめん被りたいところです、とミサカは否定します。が」
一方「が、なンだよ」
18413「思いの一方通行は辛いものです。思う側も、思われる側も。そして見ている側も。あなたはそれを理解していますか」
一方「……」
18413「それに気付かぬのでしたらそれはバカというものでしょう、とミサカは愚考します。そしてバカにつける薬はないと申します」
一方「……死ねよクソビッチ」
18413「聞く耳持たぬバカに、ミサカの血がその代わりとなるならば喜んで」
22 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/09(火) 20:40:01.22 ID:eSS7TEwo
――ガチン
一方「……チェンバーに弾ァ入ってねェよ」
18413「やはりそうでしたか」
一方「ンだよ。分かってたのかよ、クソ。面白くねェ」
18413「いえ、半信半疑でした、と、ミサカは訂正します」
一方「はン、それで俺を挑発するたァいィ度胸じゃねェか」
18413「先ほどの発言は真意ですので」
一方「オゥオゥ、献身的なこって。もしかしてテメェ俺に惚れてンのかァ?」
18413「何を言ってやがりますかこの白髪頭は、とミサカは人の身体的特徴をあげつらいます」
一方「……本当にブチ殺してやろォか」
18413「あなたのためではないですよ、とミサカは断りを入れます」
一方「……」
18413「ミサカが惚れているのはあの子です。幸せを望む、という感情が惚れると称すのならばですが」
18413「そしてそれは他の妹達であっても同じです。たとえそれが形骸であれ、可愛い妹の幸せを望まぬ姉などいましょうか」
一方「……献身的なこって」
18413「しかしあの子が望む幸せは、あなたです。そこはお間違えなく、とミサカは注を入れます」
一方「ンな事知っかよォ……」
18413「まったく、あなたもあの方に負けず劣らずの唐変木ですね、とミサカは嘆息します」
23 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/09(火) 20:42:01.45 ID:eSS7TEwo
一方「もうお前は黙れ。俺ァコンビニに行くンだよ」
18413「おや、そういえばそうでしたね、とミサカは今思い出したかのように言います」
一方「ぜってェ分かっててやってたろォ」
18413「もちろん、とミサカは頷きます」
一方「……」
バァン
一方「……二度とこンなフザケたマネすンな」
18413「本気ですのに、とミサカは苦笑します」
一方「ンな事言っていつもの無表情じゃねェかよォ」
18413「それは言わぬが花というものです、とミサカはいつもの無表情で言います」
一方「……カッ。出かける。管理人だってンなら仕事しろよ」
18413「それは掃除をですか。それともあの子を頼む、とのことですか、とミサカは尋ねます」
一方「野暮な事聞くンじゃねェよ……両方だ」
18413「ではお帰りになるまでに綺麗にしておきませんと。このマンションには子供もいますし、滑って転んでは大変です」
18413「寂しがらぬうちに、お早いお帰りを、と、ミサカは見送ります」
一方「ったく、小姑がうるさくて仕方ねェなァ……クソ」
24 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/09(火) 21:09:06.01 ID:eSS7TEwo
一方「ハァ……」
一方「今日も空が青いですねェ、っとォ」
一方「めンどくせェ……」
一方「……クソ、やっぱベンチは寝るにゃ硬ェな」
一方「ま、昼寝するにはいい天気だしなァ。一眠りすっか」
一方「……」
一方「……」
一方「……」
一方「寝れねェ……」
一方「コーヒーでも飲むか」
チャリンチャリン……ガシャン
一方「よっ、と……」
カシュ
一方「ガキのお守りもめンどくせェなァ……、ぶっ!?」
一方「何だァこのクソ甘ったるいのはァ! コーヒーじゃねェだろコレ!?」
原材料名:加糖練乳、砂糖、コーヒー、……
一方「何でコレが学園都市で売ってンだよォ!?」
26 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/09(火) 21:30:27.79 ID:eSS7TEwo
一方「めちゃくちゃ甘ェ……練乳ってどういうこったよォ……」
黒子「とは言いながらも飲みますのね」
一方「……どっから湧いて出た妖怪ババァ」
黒子「まあ心外な。もう少しデリカシーという物を持ったほうがよろしいんでは?」
一方「俺にンなもン求めンな」
黒子「あの当麻さんでさえ最近は少しは身に付いてきたというのに……はあ……」
一方「何だよ、俺がこれじゃいけねェのかよ。それで誰かが死ぬのかよ」
黒子「バタフライ効果って知ってます?」
一方「風が吹けば桶屋が儲かる、だろォこの場合はよォ」
黒子「あえて言いませんでしたのに……」
一方「で、オマエ何しに出た」
黒子「特に理由はありませんけれど……あえて言うなら、忠告でしょうか」
一方「クソ、テメェもアイツと一緒かよ……」
黒子「アイツ?」
一方「何でもねェよビッチ」
黒子「相変わらずお下品な言葉遣いですこと」
一方「オマエのはお上品過ぎて気持ち悪ィンだよ」
27 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/09(火) 21:53:32.04 ID:eSS7TEwo
黒子「まあ、もうそのアイツさんが言ってるのでしたらわたくしの言葉は不要でしょう」
一方「オマエ本当に何しに出たンだよ」
黒子「わたくしの役回りを誰かに取られてしまったようで……寂しいんですの」
一方「日本語喋れよ」
黒子「あらいけない。わたくし仕事の途中でしたのに」
一方「会話しろよ」
黒子「それでは、失礼させていただきますわね」
一方「聞けよ」
黒子「あなたも一方通行にされる身になってみるがいいんですの」
一方「テメ……!」
――ッ
一方「チッ…………だらァああっ!」
ガゴォン――ガタン
一方「……アァ? この自販機ボロいのか?」
一方「まァありがたく貰って……また練乳コーヒーかよォ!?」
28 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/09(火) 21:55:53.01 ID:eSS7TEwo
17828「いらっしゃいませー」
一方「……」
17828「ミサカの顔に何か付いていますか、とミサカは首を傾げます」
一方「いンにゃ、なンでもねェよ……確かに口は堅ェみてェだな」
17828「1180円になります」
一方「あァ、コイツも頼むわ」
17828「1316円になります」
一方「これ、カード使えるか?」
17828「申し訳ありませんが無理です、とミサカは断言します」
一方「っち……」
17828「またお越しくださいませー」
一方「もう見慣れた顔だってのになンか調子狂うなァ……」
31 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/09(火) 22:03:18.76 ID:eSS7TEwo
一方「帰ったぞォ」
打止「お、お帰りなさい、ってミサカはミサカは顔をぱっと輝かせてみたり!」
一方「ガキは元気でいいねェ……能天気だしよォ」
打止「遅かったね。何買ってきたの?」
一方「コーヒー」
打止「うわ、こんなにたくさん」
一方「こンくれェいいだろ別によォ」
打止「体に悪いよ? ってミサカはミサカは注意してみたり」
一方「長生きしようなンざ思ってねェよ」
打止「ぶー」
一方「膨れんな子豚。オラ、これでも食ってろ」
打止「わ、ちょこれーとだ」
一方「どこの国の呪いだそりゃ」
打止「チョコレートは元々薬だとかなんとか、ってミサカはミサカはネットワークから引き出した知識をひけらかせてみる」
一方「そりゃカカオだろォが。それならコーヒーだって同じだろ」
打止「あれ、知ってたんだ、ってミサカはミサカはちょっとがっかりする」
32 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/09(火) 22:06:37.33 ID:eSS7TEwo
カシュ
一方「ッカァー……無糖にしてよかった……」
打止「……」
一方「どォしたンだよ。食わねェのか」
打止「た、食べていいの? ってミサカはミサカは尋ねてみたり」
一方「他に誰が食うンだよ」
パキッ
打止「は、半分こ、してみたり」
一方「……俺ァいらねェよ」
打止「え……」
一方「甘ェのはしばらくいらねェ。全部食っちまえ」
打止「う、うん……あり、がと、ってミサカはミサカは無邪気な笑顔を向けてみる」
一方「どォいたしまして…………やっぱ苦ェな、コレ……」
33 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/09(火) 22:08:55.88 ID:eSS7TEwo
打止「……ね」
一方「あァ?」
打止「ええと、その」
一方「ンだよ。はっきり言えクソガキ」
打止「……そっち行っていい? ってミサカはミサカは恐る恐る聞いてみたり」
一方「何言ってンだよオマエ、いつもいつも断りもせずベタベタしてきやがるくせによォ」
打止「だって、昨日……」
一方「……ありゃァ嘘だ」
打止「え?」
一方「誰がテメェみてェな色気のねェクソガキなンかヤるかよ。頼まれてもごめンだ」
打止「――そ、っか。だよね」
一方「……」
打止「じゃあ遠慮なく、ってミサカはミサカは抱きついてみる」
一方「……好きにしろォ……クソ」
36 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/09(火) 23:13:57.44 ID:eSS7TEwo
一方「……なァ」
打止「な、何だろ、ってミサカはミサカは首を傾げてみたり」
一方「楽しいか?」
打止「あ――ごめ、んなさい」
一方「何で謝ンだよ。好きにしろっつったじゃァねェか」
打止「……」
一方「楽しいか?」
打止「……あったかい」
一方「もォ春だぞ?」
打止「うん……でも、まだまだ寒いから、ってミサカはミサカは温もりを求めてみたり」
一方「……やっぱ止めだ」
打止「え……」
一方「出かけてくらァ。適当に夕飯の材料も買ってくるから何か作れ」
打止「……うん、分かった。行ってらっしゃい、ってミサカはミサカは笑顔でお見送りする」
ガチャ、バタン
打止「――怒らせちゃったかな、ってミサカはミサカは後悔する」
打止「でも、ごめんなさい――あなたといるためならミサカはどんな卑怯な手でも厭わない、ってミサカはミサカは本音を漏らす」
37 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/09(火) 23:16:16.45 ID:eSS7TEwo
美琴「あら」
一方「……ンだよォ」
美琴「あの子は一緒じゃないの?」
一方「何で一緒じゃねェといけねェンだよ」
美琴「アンタのとこ、行ったんでしょ?」
一方「……」
美琴「いい子にしてる?」
一方「まァな」
美琴「そ……何か変わった事あった?」
一方「なンもねェよ」
美琴「ふーん……」
一方「そう言うオマエも一緒じゃねェのかよォ」
美琴「当麻は毎度のごとく補習。あたしは夕飯のお買い物。おーけー?」
一方「仲のよろしいこって……」
美琴「どこをどうしたら今の会話で……あ、もしかして」
一方「何だよ」
美琴「羨ましい?」
一方「……どこをどォしたらそォなンだよ」
38 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/09(火) 23:18:25.95 ID:eSS7TEwo
美琴「あんまりあの子に冷たくしないでね」
一方「一体どこに目ェ付けてンだよ。目の前にいるのがヤツが何やったか忘れたのかァ?」
美琴「私の目、アンタよりも色々見えてると思うけど?」
一方「電波とかなァ」
美琴「それとは別に。なんとなーく見えちゃうのよ、アンタ」
一方「ハッ、偉そうに言ってくれちゃってよォ」
美琴「アンタよりは経験豊富よ。こういう事に関しては」
一方「そォですねェ、邪魔者いなくなって毎日毎日ずっこンばっこンヤりたい放題ですかァ」
美琴「……羨ましい?」
一方「開き直っちゃってまァ、毒々しいったらありゃしねェ」
美琴「違うわよ。……羨ましい?」
一方「……何が言いてェンだ」
美琴「……辛い?」
一方「――死なすぞクソアマ」
美琴「そういうのはもうやらないでしょ、アンタ」
一方「……」
39 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/09(火) 23:23:27.41 ID:eSS7TEwo
美琴「分かるわよ。アンタ似てるもん」
一方「誰にだよ」
美琴「当麻」
一方「あァ?」
美琴「なんか似てるのよ、アンタたち。まるで鏡みたい」
美琴「……ああ、鏡じゃなくてコインね。裏表ひっくり返したみたい」
一方「何言ってやがる……」
美琴「でも、根っこの部分は一緒よね」
一方「ハァ? どこが同じなンだよ」
美琴「だってアンタ、アイツみたいに優しいじゃない」
一方「……どの口がンな事言いやがるコラ」
美琴「虚仮威しは通じないわよ。見えてるって言ったでしょ」
美琴「まったく……大変ね、アンタも、あの子も」
一方「……」
美琴「じゃ、私は買い物の続き。お腹空かせた子が帰ってくる前にご飯作ってあげないと」
一方「おィコラ、テメ」
美琴「まーせいぜい頑張りなさい。あの子泣かせたら承知しないからね。じゃねー」
一方「チッ……クソ」
55 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/10(水) 19:28:45.79 ID:FLgZAFgo [2/17]
美琴「ただいまー、って当麻、帰ってたの」
当麻「おう」
美琴「今日のお勤めはー? また補修だったんでしょ」
当麻「逃げてきた」
美琴「……怒られるわよ」
当麻「分かってるよ」
美琴「ちょっと待っててね。ご飯作るから」
当麻「今日のメニューは?」
美琴「ペペロンチーノ」
当麻「……そっか」
美琴「何よ、今の間は」
当麻「いや、何」
当麻「――冷蔵庫に入れとかないと悪くなるようなものはないよな、って思って」
56 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/10(水) 19:40:07.53 ID:FLgZAFgo [3/17]
美琴「……当麻
当麻「何?」
美琴「ご飯、作れない」
当麻「後でいいだろ。それに一食二食抜いても死にはしねえよ」
美琴「もう包丁持ってるんですけど。危ないわよ」
当麻「嫌か?」
美琴「そうじゃないけど……」
当麻「オマエ、昨日逃げたじゃん」
じ っ か
美琴「たまには常盤台の寮にも顔出さないと」
当麻「お陰で独り寂しく寝てたんですけど」
美琴「……ごめんね」
当麻「分かっててやったろ」
美琴「何か、悪くて」
当麻「……打ち止めに?」
美琴「それもあるけど……ごめんね」
当麻「……今のは何に対して?」
美琴「……」
――コト
57 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/10(水) 19:50:35.19 ID:FLgZAFgo [4/17]
「ごめんね」
「だから、何に対してだって」
「……昨日」
「ま、いいけどさ」
「そうじゃなくて」
「ん?」
「……」
「……もしかして」
「……黒子」
「……ま、いいけどさ」
「ずるいよね、私だけ」
「埋め合わせはしてくれるんだろ?」
「――うん」
「どうぞ、腹ペコ狼さん。今日のメニューはあなたのための電気羊、さめないうちに召し上がれ」
「――いただきます」
「」
61 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/10(水) 20:04:13.70 ID:FLgZAFgo [5/17]
美琴「ん、当麻――ちゅ――」
当麻「……妙に積極的だな」
美琴「……我慢してたのはアンタだけじゃないんだから」
当麻「さいでっか……」
美琴「……ね、どうなると思う?」
当麻「ん?」
美琴「あの二人」
当麻「どうだろうな……なるようになるんじゃね?」
美琴「アンタ何も考えてないでしょ」
当麻「考えないようにしてるんだよ……複雑なんです」
美琴「似てるから?」
当麻「……言わせるなよ」
美琴「私はね、幸せになってほしい」
当麻「幸せ、ねえ……」
62 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/10(水) 20:15:27.75 ID:FLgZAFgo [6/17]
美琴「今日ね、アンタに似た方に会ったの」
当麻「似てるかあ? アイツが?」
美琴「そっくりよ」
当麻「そうかなあ……」
美琴「だって私の妹が好きな人だもの」
当麻「……そうかなあ」
美琴「気に入らない?」
当麻「そりゃな」
美琴「……心配しなくても大丈夫よ。私が好きなのはアンタだから」
当麻「知ってるよ」
美琴「それにね」
当麻「ん?」
美琴「ハッピーエンドじゃないとつまらないでしょ? 苦い毒を飲んで終わりなんて嫌よ?」
当麻「……そうだな。それじゃいくらなんでも辛すぎる」
美琴「そうよ。同じ飲むでも甘ったるいコーヒーくらいがいい」
当麻「アレはどうよ……」
美琴「あら、私は好きよ? アンタは嫌い?」
当麻「……嫌いじゃねえけどさ」
美琴「じゃあいいじゃない――きゃ」
当麻「ん、まだいけそう」
美琴「どーぞ。まだまだおかわりはあるわよ」
当麻「腹いっぱいになるのとどっちが先かね」
美琴「どうかしら? 女ってのは男が考えるよりもずーっと深い生き物なのよ?」
「」
65 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/10(水) 21:06:28.76 ID:FLgZAFgo [7/17]
一方「……」
打止「……どう、かな、ってミサカはミサカは恐る恐る聞いてみる」
一方「まァまァだな」
打止「うー、まだ修行が足りないみたい、ってミサカはミサカはうなってみる」
一方「騒ぐなクソイヌ。不味かァねェよ」
打止「うん……」
一方「……」
打止「……」
一方「……おィ、なンか喋れよ」
打止「え、だって、騒がしいのは」
一方「だから嫌たァ言ってねェだろォが。ガキはガキらしく騒いでろ」
打止「う、うん、ってミサカはミサカは頷いてみる」
一方「……なァ、なンだってンなに俺に媚売るンだよ」
打止「ダメ、かな」
一方「ペットが必死に尻尾振ってるみてェで気持ち悪ィンだよ」
打止「……ペットでもいいもん。嫌われるよりはそっちのほうがいい、ってミサカはミサカは本音をこぼしてみる」
一方「だからそれが気持ち悪ィっつってンだろォが。そンなにペットがよけりゃ首輪でも付けてやろォかァ」
打止「ほんと!?」
一方「……なンでそこで喜ぶンだよ」
打止「あ……えと、その」
66 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/10(水) 21:08:38.66 ID:FLgZAFgo [8/17]
打止「ねえ、やっぱり邪魔かな、ってミサカはミサカは尋ねる」
一方「騒がしい鬱陶しい狭い暑苦しい、あたァ……押し付けがましい」
打止「そ、だよね。やっぱり」
一方「……嫌たァ言ってねェだろォがよォ。居ていいっつったろォが。出て行きてェンなら別だがよ」
打止「……うん」
一方「……ったく、ソース付けてんじゃねェよ。オラ動くな、拭いてやっから」
打止「う、むぐ」
一方「手間ァかかるペットだなオィ」
打止「ごめ――」
一方「だから悪ィなンざ言ってねェって何度言ったら分かンだよ。世話すンのは飼い主の役目だろォが」
打止「……ありがとう、ってミサカはミサカは感謝の言葉を述べたり」
一方「今の会話のどこに感謝するよォなとこがあンだよ。頭イカレてンじゃねェのかテメェ」
打止「うん……もうとっくに狂ってる、ってミサカはミサカは意味深な言葉を呟いてみたり」
一方「あァ? ンだって?」
打止「なんでもないよ、ってミサカはミサカは顔を赤らめながら言ってみる」
一方「オラ、いいからさっさと食え。冷めちまうだろォが」
打止「うん、ってミサカはミサカは食事を再開する」
一方「……クソ」
67 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/10(水) 21:10:37.76 ID:FLgZAFgo [9/17]
打止「お風呂、出たよ、ってミサカはミサカはパジャマ姿で報告する」
一方「……おい打ち止め、こっちこい」
打止「な、何だろ、ってミサカはミサカは聞き返したり」
一方「いいから来い」
打止「う、うん……」
ぎゅ――
打止「あ、わわ、ってミサカはミサカは突然の事に戸惑いを隠せなかったり!?」
一方「ンだよ。これ好きじゃなかったのかよォ」
打止「――好き。大好き」
一方「ならいィじゃねェか」
打止「うん、ってミサカはミサカは幸せそうな顔で頷いてみる」
68 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/10(水) 21:15:14.82 ID:FLgZAFgo [10/17]
打止「んぅ……でもちょっと、苦しいかも、ってミサカはミサカは苦笑してみたり」
一方「文句があンならやンねェぞ」
打止「ううん……これくらいがいい」
一方「……」
打止「えへ……幸せ……」
一方「……」
打止「……っ、うぁ……えぐ……っふ……」
一方「……ァ、悪ィ。やっぱキツかったか」
打止「ちが、違うの! えと、これは」
一方「何が違うンだよ。泣いてンじゃねェか」
打止「なんで、も、ないの。痛かったんじゃないの、ってミサカはミサカは否定してみる」
一方「……」
打止「それより、もっと、強くしてほしいな、ってミサカはミサカはおねだりしてみたり」
一方「――っ」
打止「……ぁぐ……あは……幸せ、ってミサカはミサカは今の心境を吐露してみる」
一方「……クソ。ぜってェおかしいぞテメェ」
69 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/10(水) 21:16:24.66 ID:FLgZAFgo [11/17]
「――ぁ」
「……おィ、打ち止め……?」
「――」
「……オマ……、クソ。気絶した、のか」
「――」
「……」
トサ――
「寝るなら布団被らねェと風邪引くだろォがよォ……。…………クソ」
ギィ――バタン
70 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/10(水) 21:17:21.75 ID:FLgZAFgo [12/17]
一方「――くそォおおおっ!!」
ガゴォン――ガタン
一方「……っち、汁粉なンざ飲んでられっか」
一方「……なンで……どうしてこンなフザケタ事になってンだよ」
一方「どうして打ち止めがあンなになった……何があったってンだよ……」
一方「っざけンな……クソ……」
一方「――っクソったれェえええ!」
ガゴォン――ガタン
10032「あまり深夜の公園で騒がれるとご近所に迷惑ですよ、とミサカは忠告します」
71 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/10(水) 21:19:32.13 ID:FLgZAFgo [13/17]
一方「っカ、今日はよく見るなァ、同じ顔」
10032「ミサカがあなたにお会いしたのは久しぶりの事だと思いますが、とミサカは疑問を投げかけます」
一方「テメェと同じ顔っつってンだよ。気付いたらちゃっかり居ついてやがるしよォ」
10032「それはミサカ18413号の事ですか、それとも」
一方「オリジナルもだよォ。クソ、どこ行ってもいやがる」
10032「……皆気になるのでしょう」
一方「あァ? 何がだよ」
10032「あなたたちが、とミサカは分かりきった事を言います」
一方「構うな。目障りだ、消えろ。俺ァ凄ェ機嫌が悪ィんだ」
10032「……その缶汁粉、いただいてもよろしいですか、とミサカはぬけぬけと言います」
一方「オラ、好きにしろォ。それ持ってさっさと失せやがれ」
10032「ご随意に。では――くれぐれも、お間違えのなきよう」
一方「とっとと失せろっつってンだよォ!!」
10032「はい、とミサカはこれ以上余計なことを言わず立ち去ります」
一方「……っクソ……クソォっ!」
ガゴォン――ガタン
72 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/10(水) 21:21:29.82 ID:FLgZAFgo [14/17]
10032「やれやれ、と、ミサカは嘆息します」
10032「あの方にはカルシウムが足りていないと判断します。それと、糖分も」
カシュ
10032「――甘ったるい、と、ミサカは率直な感想を漏らします」
. 、 、
10032「けれど、今のこれには糖分が足りていない。甘くない汁粉など喉に張り付いて飲みにくいだけの代物です」
10032「飲むと喉が渇くという矛盾。いまのこれは正にそれと言えるでしょう」
10032「もう春だというのに……いつになったら雪は解けてくれるのでしょうか、と、ミサカは詩的な表現を弄します」
10032「冷たいだけの北風は、いつだって太陽に負けるというのが分からないのでしょうか」
78 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/10(水) 23:37:57.10 ID:FLgZAFgo [15/17]
打止「……」
一方「……何やってンだオマエ」
打止「お、おはようございます、ってミサカはミサカはなぜか丁寧口調だったり」
一方「……おはよォさン」
打止「あ……」
一方「ンだよ」
打止「ううん、おはよ、ってミサカはミサカは満面の笑みを見せてみたり」
一方「朝っぱらから面白れェ顔向けンな。メシ」
打止「うん、すぐ準備するね、ってミサカはミサカはエプロンをつけてみるー」
一方「……クソ」
80 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/10(水) 23:46:28.56 ID:FLgZAFgo [16/17]
打止「……ね、ねえ、ってミサカはミサカは問いかけてみる」
一方「何だよ」
打止「何かやっとく事あるかな、ってミサカはミサカは尋ねてみる」
一方「別にねェよ」
打止「……そっか」
一方「別に何かしよォとしなくていィ。俺はオマエに何か求めてる訳じゃねェからな」
打止「……」
一方「役に立つとか立たねェとか、そンな理由じゃ追い出さねェよ」
打止「……どんな理由だったら追い出すんだろ」
一方「……」
打止「あ……ごめんなさい」
一方「顔色窺ってビクビクすンな。うぜェ」
打止「ごめ……はい」
一方「……ごっつォさン。出かけてくらァ」
打止「うん、行ってらっしゃい、ってミサカはミサカはお見送りする」
一方「あいよォ。夕方にゃ戻らァ」
バタン
打止「これで、いいんだよね……うん、これでいいんだよ、ってミサカはミサカは自問自答する」
81 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/10(水) 23:51:34.69 ID:FLgZAFgo [17/17]
光貴「どうしました。なにやらご機嫌斜めですね」
一方「オマエは俺がいつもゴキゲンに見えンのかよ」
光貴「いえ、ただ苛々としているように見えたので」
一方「目悪ィンじゃねェのか? 俺はオマエのその嘘くせェ笑顔の方がイライラすらァ」
光貴「これは失礼」
一方「……」
光貴「何か悩み事ですか? よろしければ吐き出し口くらいにはなりますが」
一方「いらねェよ。クソ、なンだって俺の周りはこンなお人よしばっかりなンだよ……」
光貴「あなたも大概でしょうに」
一方「やっぱりテメェ眼科行け。腕のいい医者紹介してやろォか」
光貴「折角ですが遠慮しておきます。医者にはあまり掛かりたくないので」
一方「めンどくせェヤツだなァ。張り合いがねェ」
光貴「あなたのように反射ばかりしてても疲れるので」
一方「……」
光貴「たまにはあなたもそのまま受け止めてみてはどうですか」
一方「……誰に向かって言ってやがる」
元春「おぃーす! 元気ですかぁー!? なんだなんだ景気悪そうな顔並べて。笑う角には福来るって言うぜい?」
一方「オマエはムカつくくらい元気でいいなァ」
元春「そんなあなたに景気のいいビッグニュース! ――仕事だぜい?」
一方「あいよォ……ったく、たまには暴れねェと肩が凝って仕方ねェ」
84 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/11(木) 00:10:53.18 ID:j38UEuEo [1/34]
淡希「いつもに増して機嫌悪いみたいね」
一方「オマエまでンな事言うのかよォ……」
淡希「だって相手、ボッコボコだったじゃない?」
一方「アイツがムカつく野郎だっただけだ」
淡希「もしかして例の子?」
一方「……うるせェよ」
淡希「その様子だと図星みたいね」
一方「黙れよ」
淡希「そうね。貴方の機嫌を損ねて私までボコられたら嫌だもの」
85 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/11(木) 00:17:28.82 ID:j38UEuEo [2/34]
一方「……」
淡希「でも、別に頼ってくれても構わないのよ。どうせみんな似た者同士なんだし」
一方「そォかい、ご丁寧にあンがとよォ」
淡希「貴方も相当捻くれてるわね」
一方「うっせ」
淡希「でもさっき言ったのは本当よ。たぶんあとの二人も」
一方「ただの仕事仲間だろォがよ。プライベートまで踏み込ンでくるのはマナー違反じゃねェのか」
淡希「仕事じゃないわよ」
一方「あン?」
淡希「友人として当然の事じゃない?」
一方「まさか俺がテメェに何したか忘れてンじゃねェよな」
淡希「傷物にされたわ。忘れるわけないじゃない」
一方「誤解を招くよォな事言うなボケが」
淡希「……想像で物を言うけどね、貴方だって何をしたか忘れたわけじゃないでしょ」
一方「……」
淡希「それと似たような物よ」
一方「そォかい」
淡希「そうよ。そのための、グループでしょ」
86 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/11(木) 00:30:39.06 ID:j38UEuEo [3/34]
一方「ただァまァ」
打止「おか、おかえりなさい」
一方「今日もお仕事ごくろォさン、っと。あークソ、めンどくせェ」
打止「ご、ご飯できてるけど食べる?ってミサカはミサカは尋ねてみる」
一方「今ァいい」
打止「そ、っか……」
一方「……クソ、面白くねェ」
打止「ごめ、んなさい、ってミサカはミサカは謝罪する」
一方「テメェの事じゃァねェよ。何自意識過剰になってンだよ」
打止「……」
一方「……気ィ変わった。メシ」
打止「は、はい! ちょっと待ってて、ってミサカはミサカは急いで準備する」
一方「……クソ。めンどくせェ」
88 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/11(木) 00:49:00.36 ID:j38UEuEo [4/34]
打止「ど、どうでしょう、ってミサカはミサカは恐る恐る尋ねてみる」
一方「食えなくはねェな」
打止「――やったぁ」
一方「だから何でそれで喜ぶんだよ」
打止「だってお姉様のカレー初めて食べた時と同じ反応だったんだもの、ってミサカはミサカは回想してみたり」
一方「……下らねェ事覚えてンじゃねェよ」
打止「ごめ……」
一方「……」
打止「……何でもない、です、ってミサカはミサカは口を噤んでみる」
一方「何で敬語なンだよ」
打止「……」
一方「それとも何か? オマエは俺の奴隷か?」
打止「そ、それであなたと……」
一方「俺はンなもンいらねェよ」
打止「……」
一方「……飯が不味くなるよォな面すンじゃねェよ」
打止「ごめ……はい、ってミサカはミサカはあなたに微笑みかけてみたり」
一方「…………クソ」
90 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/11(木) 01:11:35.06 ID:j38UEuEo [5/34]
打止「――あったかい、ってミサカはミサカは思わず本音をこぼしてみる」
一方「うっせェ。さっさと寝ろ」
打止「うん……お休みなさい」
一方「………………おやすみ」
打止「……」
――ぎゅ
一方「……止めろ。寝苦しィ」
打止「あ、ごめんなさい」
一方「……そンなに力入れンなって言っただけだ」
打止「……うん」
一方「……」
打止「明日も今日みたいな一日だといいな、ってミサカはミサカは思いを馳せてみたり」
一方「……さっさと寝ろ」
打止「……うん」
93 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/11(木) 01:25:21.81 ID:j38UEuEo [6/34]
元春『終わったぞ』
一方「こっちも終わった。回収寄こせ」
元春『あいよ。B31Lで海原と合流してくれ』
一方「コイツで終わりだろォが。俺は帰る。後は任せた」
元春『……ま、いいけどよ。んじゃご苦労さん。嫁さんによろしく』
一方「言えっかよクソ。死ね」
元春『っは、そいつはごめんだね』
――ピ
一方「めンどくせェ……クソ」
94 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/11(木) 01:32:22.08 ID:j38UEuEo [7/34]
当麻「お」
一方「まためンどくせェのが……」
当麻「オマエ何やってんだ? こんなとこで」
一方「そりゃオマエもだろォがよォ」
当麻「いやさ、黒子に呼ばれて……」
一方「昼間っから元気ですねェ。女房と愛人を行ったり来たり。こンな人気のねェところでナニするつもりだよ」
当麻「知るかよ……言い返せないけどさ」
一方「ンじゃなァ。後はお好きによろしくヤってくれェ」
当麻「――おいちょっと待て」
一方「ンだァ?」
当麻「服に付いてるそれ……血か?」
一方「……だったら何だってンだよコラ」
96 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/11(木) 01:55:17.84 ID:j38UEuEo [8/34]
――ガッ
一方「……ンだよ。服伸びンだろォが」
当麻「っざけんなよ……」
一方「あァ?」
当麻「ふざけんなって言ってんだよ! テメエこんなとこで何やってんだよ!」
一方「テメェにゃ関係ねェだろォが。離せよ」
当麻「うるせえ! こんな人気のねえところでテメエは何やってたんだよ!」
一方「……関係ねェっつってンだろォが。俺の事を聖人君子とでも思ってたのかァ?」
当麻「オマエが無闇に人を傷付けるようなヤツじゃないって事くらい知ってる!」
一方「買い被りすぎだろそりゃァ」
当麻「打ち止めを見れば分かるだろうが! じゃなきゃ泊めるかよ!」
一方「……勘違いって怖ェなァ」
当麻「別にオマエがどこで何してようが構わねえよ! どこでくたばろうが知ったこっちゃねえよ!」
一方「何が言いてェ」
当麻「俺じゃねえよクソ! 美琴が言ってたんだよ! あの美琴が!」
当麻「テメエのせいでクローンを作られて! 自分と同じ顔の妹達を一万以上も殺されて! 自分も殺されかけて! なのに!」
当麻「アイツはオマエに『幸せになってほしい』って言ったんだよ!」
99 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/11(木) 02:18:27.91 ID:j38UEuEo [9/34]
一方「……」
当麻「この意味が分かるかテメエ!? アイツがどんな思いでそう言ったのか分かるか!?」
一方「……るせェよ」
当麻「オマエだけじゃねえよ! アイツは――アイツは『あの二人』って言ったんだよ!!」
一方「ッ――」
バギッ
一方「ガチャガチャうるせェンだよ三下ァ!!」
当麻「ってぇ……」
一方「俺が何やってンのか知ってンのかァ!? 俺が何でこンなクソみてェな事やってンのか分かってて言ってンのかよォ!?」
100 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/11(木) 02:26:50.40 ID:j38UEuEo [10/34]
当麻「……分かってるさ」
一方「あァ?」
当麻「何やってるのかは知らねえよ! でもオマエが打ち止めのために何かやってるってのは分かってるよ!」
一方「……」
当麻「ここにいるなとは言わねえよ! こんなドブ川みたいなとこに好き好んで来てる訳じゃないのは分かるよ!」
当麻「でもオマエの居場所はここじゃねえだろ! オマエのいるべき場所は――」
一方「……ピィピィうるせェよ。ツバ飛ばすな。死ね」
当麻「オマエのために言ってんじゃねえよ! クソ、し――」
一方「アァ?」
一方「――幸せになりやがれチクショウ!」
一方「……それ言ってて恥ずかしくねェのか?」
当麻「っ――さっさと帰れ!」
一方「言われなくてもこンなクソみてェなトコさっさと退散すらァよ」
当麻「クソ……何でアイツとこんなとこで鉢合わせするんだよ」
当麻「………………黒子、どこにいるんだ?」
103 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/11(木) 02:31:46.59 ID:j38UEuEo [11/34]
黒子「あら、珍しいんですのね。あなたがこんなところにいるなんて」
一方「……いちゃ悪ィかよォ」
黒子「黄昏るには少々時間も遅いですわよ。似合いませんし」
一方「別にテメェの感想なンざ聞いちゃいねェよ」
黒子「こんなところで油を売っていてもよろしいんですの? 打ち止めちゃんが待っているのではなくて?」
一方「……」
黒子「はぁ……中々根が深そうですわね」
一方「テメェにゃ関係ねェよ」
黒子「まったく、これだけやってもこの様とは……あの子が苦労する訳ですの……おっと」
――ガッ
黒子「……レディの胸を気安く触らないで下さる?」
一方「オマエか元凶はよォ。どォせさっきの上条もテメェの差し金だろォが」
黒子「元凶とは失礼な。少しあの子に助言をしただけですの」
黒子「もっとも……少しばかり劇薬を含ませましたけれど。効きすぎました?」
一方「テメェ……」
黒子「いつものキレがないですわよ。お疲れですの?」
カチッ
一方「――飛ンでけやコラ」
ドガッ――
104 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/11(木) 02:34:09.34 ID:j38UEuEo [12/34]
――ッ
黒子「いきなり失礼しちゃいますわね。手加減はしてくれたみたいですけれど」
一方「何がしてェ。返答によっちゃミンチにすっぞオィ」
黒子「物語に参加したがった女の子に少し魔法をかけただけですの」
一方「どう見ても黒魔術の類じゃねェか」
黒子「魔法をかけるのが良き魔女とは限りませんの」
一方「禅問答する気はねェよ。さっさと吐け。何がしてェ」
黒子「だって苛々しちゃうんですもの。あなたも、あの子も。近親憎悪という奴ですの?」
一方「……何がしてェっつってンだよ」
黒子「わたくしが成せなかった事をあの子に託したまでですのよ」
一方「……」
黒子「ここまで言って分からなければ、あなたは本当にただのバカですわ」
一方「……チッ」
105 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/11(木) 02:36:29.19 ID:j38UEuEo [13/34]
黒子「抑え込むのもほどほどに――いつか爆発しますわよ」
一方「何だよそれ。警告かァ?」
黒子「実体験に基づく魔女からの助言ですの」
一方「経験豊富なこって」
黒子「さて、あまり長話をして本気で怒らせてもいけないのでこの辺りで失礼しますわね」
一方「テメ――」
黒子「くれぐれも選択肢を間違えぬよう――ごめんあそばせ」
――ッ
一方「チッ……あンババァ、マジで妖怪かなンかじゃねェのか」
一方「……ンな事言われなくても最初から分かってらァよォ……クソ」
106 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/11(木) 02:40:56.70 ID:j38UEuEo [14/34]
一方「ただァま……」
打止「おかえりなさい、ってミサカはミサカは出迎える」
一方「いい子に留守番してたかよ」
打止「うん。遅かったね、ってミサカはミサカはちょっと寂しかったのを告白する」
一方「悪かったな。ちょっと面倒なヤツに絡まれてよォ」
打止「う……?」
一方「気にすンな。飯あっか? 腹ァ減った」
打止「うん。できてるよ」
一方「ヨクデキマシターっと」
打止「あわわ、髪がくちゃくちゃに、ってミサカはミサカはちょっと慌てる」
一方「嫌ならやンねェよ」
打止「……イヤじゃないから、もっと撫でてほしいかも、ってミサカはミサカは上目使いにお願いする」
一方「ヘェヘェ」
打止「――えへ」
一方「……オラ、もォ終わりだよ。腹ァ減ってンだっての」
打止「あわ、ごめんなさい。すぐ準備するね、ってミサカはミサカは名残惜しいけどキッチンに駆けていく」
一方「……クソ」
107 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/11(木) 02:47:37.73 ID:j38UEuEo [15/34]
打止「えと、今日のは自信があったり、ってミサカはミサカはそれでも恐々聞いてみたり」
一方「……悪かねェな」
打止「もうちょっと濃い目の方がよかった?」
一方「いンにゃ、コレくらいでいィ。おかわり」
打止「――うん! ちょっと待っててね!」
一方「……クソ」
109 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/11(木) 02:54:21.40 ID:j38UEuEo [16/34]
打止「ごちそうさまでした、ってミサカはミサカは手を合わせてみる」
一方「ごちそォさン」
打止「お風呂沸かしてるよ。入る? ってミサカはミサカは尋ねてみる」
一方「あァ――いや、先入ってこい」
打止「え?」
一方「後片付けやっといてやンよ」
打止「――ダメッ!」
一方「……何いきなり大声出してンだよ」
打止「あ、う……ごめんな、さい……」
一方「……やっぱ先入ってくるわ」
打止「う、うん。ゆっくりあったまってきてね、ってミサカはミサカは笑顔で見送ってみる」
110 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/11(木) 03:09:05.85 ID:j38UEuEo [17/34]
一方「っはァ……仕事の後の風呂は生き返ンなァ……」
一方「外、まだまだ寒かったしなァ……」
一方「……ッチ、ウゼェ顔思い出しちまったじゃねェか」
一方「好きであそこにいた訳じゃねェよ、クソババァ」
一方「ただ、打ち止めが……」
一方「……クソ」
一方「……別にオマエの仕事を取ろうなンざ思ってねェよ」
一方「ンな事しなくても……」
一方「チクショウ、何でアイツはあンなに必死なンだよォ……」
一方「あの魔女、一体何吹き込みやがった……」
一方「いつだ……いつからあンなになった……」
一方「アイツらの寮にいるときはまだマトモだった……」
一方「……俺が目を離したのは、あの時……部屋探しに行った時だけ」
一方「クソッタレ……やっぱり狙ってやりやがったなアイツ……」
一方「部屋に押しかけてきたのもアイツの口車か……」
一方「クソッ、アレイスターなンかよりもよっぽどタチが悪ィじゃねェか」
――ザバ
一方「……そろそろ潮時か、クソ」
111 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/11(木) 03:24:52.74 ID:j38UEuEo [18/34]
一方「……出たぞォ」
打止「あ、片付け終わったよ、ってミサカはミサカは駆け寄ってみたり」
一方「ちょっと出かけてくる」
打止「え……こんな時間に?」
一方「散歩だァよ」
打止「湯冷めしちゃうよ、ってミサカはミサカは風邪を心配してみたり」
一方「そンくれェ自己管理できるっての。ガキじゃねェよ、クソガキ」
打止「う……早く帰って来てね、ってミサカはミサカは上目遣いにお願いしてみる」
一方「はいよォ、オマエは風呂入って先寝てろ」
ガチャ――バタン
112 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/11(木) 03:31:53.62 ID:j38UEuEo [19/34]
18413「――おや、こんな時間にどこに、とミサカは尋ねます」
一方「オマエだってこンな時間に何やってンだよ」
18413「掃除ですが、とミサカは答えます」
一方「いくら何でも遅すぎンだろォが」
18413「無論建前ですが」
一方「やっぱり監視カメラ付けてンだろ」
18413「はい。廊下に、ですが、とミサカは誤解のないように言っておきます」
一方「……散歩だよ」
18413「まだ夜は寒いですが、とミサカは首を傾げます」
一方「頭冷やすにはちょォどいィだろォが」
18413「湯冷めしてしまいますよ、とミサカは忠告します」
一方「……同じ事言うンだな」
18413「姉妹ですから」
一方「……」
18413「ここでは本当に風邪を引いてしまいますので部屋にどうぞ。あの子の気を病ませるのは不本意でしょう」
一方「……もォ病ンでる気もするがな」
18413「何か言いましたか」
一方「いーや。邪魔すらァ」
113 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/11(木) 03:45:24.58 ID:j38UEuEo [20/34]
一方「……布団敷きっぱかよ」
18413「特に困りはしないので……どうぞ、とミサカはお茶を出します」
一方「……で、何でオマエは俺を待ち構えてたンだよ」
18413「あの部屋は居心地が悪いですか、とミサカは尋ねます」
一方「……テメェも禅問答する気か」
18413「あの部屋を準備したのはミサカですので……しかし違いますね、とミサカは自分の言葉を否定します」
一方「聞いてねェ……」
18413「あの子のいる部屋は居心地が悪いですか、とミサカは訂正します」
一方「……」
18413「これも違いますね……あの子と二人きりの部屋は居心地が悪いですか、とミサカは再度訂正します」
一方「……」
18413「お茶、せっかく出したのに冷めてしまいますよ、とミサカは心配します」
一方「……」
114 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/11(木) 04:14:19.78 ID:j38UEuEo [21/34]
一方「――テメェ何考えてやがる」
18413「ご想像にお任せします、とミサカはあなたの妄想に任せます」
一方「フザケてンのか」
18413「失礼、性分なもので」
一方「もう一度学習装置使え。ンで不要なデータ全部上書きしろ」
18413「個性を尊重する時代ですよ、とミサカはミサカの存在証明を捨てる気がない事を明言します」
一方「……」
18413「それに、その言葉をあなたが吐きますか、とミサカは過去を持ち出します」
一方「……黙れよ」
18413「あなたはあの子に対して深い愛情を抱いている。それは明らかです」
一方「黙れ」
18413「あの子もまた同様。あなたたちは深い絆で結ばれている」
一方「聞こえねェのか」
18413「なのにあなたは今あの子を遠ざけようとする。それはなぜか。答えは既に出ています」
一方「黙れっつってンだろ」
18413「黙るのはあなたです。ミサカは現在好きな子に手も出せないようなチキン野郎を罵倒するのに忙しいのです、とミサカは――」
ガッ
一方「……どっかで見たなァこの光景」
18413「つい三日前のことですが、とミサカは時系列を確認します」
一方「じゃァ同じ事言ってやるよ――余り俺を怒らせンなよォ、ミサカ18413号。ブチ犯すぞオィ」
115 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/11(木) 04:29:39.30 ID:j38UEuEo [22/34]
「では同じ言葉を返しましょう……いいよ、とミサカはあの子の真似をします」
「オマエにゃ遠慮しねェぞ」
「元よりこの部屋に来た理由はそれでしょう、とミサカはカマをかけます」
「ハッ、中々にテメェも自意識過剰じゃねェか。それとも最初から誘ってやがったのかァ?」
「他の女の代わりというのが気に入りませんが、いいでしょう。ただ、その前に一つお願いが」
「ンだよ。優しくしてね、とかフザケた事言いやがったらブチ殺すぞ」
「服を。替えを用意するのが面倒なので、とミサカは――」
ブチブチブチィッ
「……ネットワーク接続切ってるだろォなァ」
「あの子にこのような状況見せられるものですか、とミサカは当然の事を言います」
「よくできましたァ……死ぬなよ? 後がめンどくせェからなァ」
117 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/11(木) 04:48:49.24 ID:j38UEuEo [23/34]
「……っ」
「……」
「……っは……ん、っ……」
「……」
「……っく……なぜあなたが、そんな顔、を、しますか、と、あぐっ、ミサカは、疑問を、投げ、かけます」
「うるせェよ……顔見てもねェだろォが」
「犯されているのは、っあ、ミサカの、方ですが、と、くぁっ」
「黙れよ……」
「自ら傷を広げて、うぁ、あなたは、マゾですか、と、ミサカは、っが、ドン引きで、ずぁっ」
「黙れっつってンだろォォおおお!!」
「ぎ――っあ――」
「クソ……クソォっ……!」
121 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/11(木) 05:13:05.96 ID:j38UEuEo [24/34]
「――っは――ぁ――」
「……シャワー借りンぞ」
「……っ……今さら、ご丁寧に断りますか、と、ミサカは、息を切らせながら、応えます」
「……」
バタン
「――っはぁ――あなたは本当に、他人の気持ちを考えない、とミサカは独白します」
「思いの一方通行は辛いと言っているのに……あなたはそれを理解しようとしない」
「ミサカネットワーク。それをあなたは本当に理解していますか」
「妹達が皆、揃いも揃ってあの方を想うように……あの子の想いもミサカにはあるということを、理解していますか」
「……このような形であなたに抱かれても嬉しくはないですが、とミサカは歯噛みします」
「ああ……妹に嫉妬するなど、嫌な姉ですね、とミサカは暗い感情を吐露します」
123 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/11(木) 05:19:39.07 ID:j38UEuEo [25/34]
ガチャ――バタン
一方「……まだ寝てなかったのかよ」
打止「……」
一方「……ガキはおねンねする時間だぞ。さっさとベッドに入れ」
打止「……早く帰ってくるって言ったのに、ってミサカはミサカは眠い目を擦りながら言ってみる」
一方「……」
打止「……」
一方「……寝るぞ」
打止「……うん」
124 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/11(木) 05:23:55.30 ID:j38UEuEo [26/34]
「……」
「……」
ぎゅ――
「……寝苦しィ」
「……ごめんなさい、ってミサカはミサカはそう言いながらもあなたに抱きついてみる」
「……早く寝ろ」
「……うん。おやすみなさい、ってミサカはミサカはあなたの胸に顔を埋める」
「……、……。…………」
131 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/11(木) 17:49:11.78 ID:j38UEuEo [28/34]
「……」
「……」
「ぅ……寒い、ってミサカはミサカはもぞもぞとシーツを抱き寄せてみたり……」
「……」
ガバッ
「……」
「……どこ……?」
「……ぁ…………、っ」
「……ご飯、作らなきゃ、ってミサカはミサカは頭を振って呟いてみたり」
「それしかミサカにはできないから、ってミサカはミサカは自分の無力さを痛感してみる」
132 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/11(木) 18:05:39.77 ID:j38UEuEo [29/34]
一方「……」
18413「昨日の今日でよくもまあ来れますね、とミサカは白い目で強姦野郎を見据えます」
一方「合意の上じゃねェか」
18413「不本意ですが、とミサカは曖昧に返します」
一方「……」
18413「煎餅、食べます?」
一方「いらねェ」
18413「……」
バリ
一方「……うるせェ」
18413「文句があるなら出て行けばいいではないですか、とミサカはなぜあなたがここにいるのかを疑問に思います」
一方「他に行くとこがねェンだよ」
18413「友達少なそうですもんね、とミサカは率直な感想を述べます」
一方「ンなもンいねェよ」
18413「いつもの方々は?」
一方「誰の事だよ」
18413「土御門元春、海原光貴、結標淡希、とミサカは何食わぬ顔で列挙します」
一方「……何で知ってやがる」
18413「さあ? とミサカはすっとぼけます」
一方「……情報凍結してるだろォな」
18413「抜かりなく」
一方「……ならいィ」
18413「……」
バリ
135 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/11(木) 21:12:52.07 ID:j38UEuEo [30/34]
一方「もォ1時か」
18413「そうですね、とミサカはどうでもよさそうに返事を返します」
一方「腹減った」
18413「煎餅ならもうないですよ」
一方「菓子じゃなくて飯はねェのか」
18413「カップ麺なら戸棚にストックしていますが、とミサカは指差します」
一方「……」
ごそごそ
一方「どン兵衛しかねェじゃねェか」
18413「嫌なら食べなくていいですよ」
一方「……ポット」
こぽこぽ――
18413「おや、ちょうど切れました、とミサカは狙ってやってみます」
一方「……」
18413「沸かしてください」
一方「……給湯機はねェのかよ」
18413「マンションの設備はいいのに管理人室は例外のようで、とミサカは労働階級の悲哀を嘆きます」
一方「……めンどくせェ……クソ」
136 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/11(木) 21:21:28.57 ID:j38UEuEo [31/34]
18413「……帰らなくていいのですか、とミサカは単純な質問をします」
一方「……」
18413「帰ればアホ毛個体が嬉々として手料理を作ってくれるでしょうに。ここ数日でミサカネットワーク上に大量の料理レシピがアップロードされていますよ」
一方「……」
18413「まただんまりですか、とミサカは辟易します」
一方「……ごちそォさン」
18413「お帰りですか」
一方「あァ」
18413「あの子のいる部屋に? とミサカは問いかけます」
一方「……じゃァな」
バタン
18413「……まるでヒモですね、とミサカは率直な感想を述べます」
137 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/11(木) 21:52:56.15 ID:j38UEuEo [32/34]
元春『何だよ。オマエからかけてくるなんて珍しいな』
一方「仕事」
元春『あ?』
一方「仕事よこせ」
元春『いきなりどうしたんだ』
一方「暴れる理由をよこせって言ってンだよ」
元春『……』
一方「何でもいい。何ならイタリアにでも殴りこンでやろォか」
元春『……余り調子に乗るなよ、最強』
一方「――何だとォ?」
元春『グループをその程度のテメエの事情で使おうとするな』
一方「所詮野良犬の集まりだろォが。別に――」
元春『分っかんねえかなあ……』
一方「……アァ?」
元春『俺たちはテメエのオナニーの相手なんかしたくねえって言ってんだよ』
一方「……テメェ」
元春『帰ってマスかいて寝ろ。もしくは死ね』
――ブッ
一方「……使えねェ……クソ」
141 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/11(木) 23:33:20.10 ID:j38UEuEo [33/34]
ガチャ
「……お帰りなさい」
「……」
「レディの部屋にノックもなしに入るのはどうかと思いますが、とミサカは」
ガッ
「……またこのパターンですか、とミサカはやっきりします」
「オマエも存外に語彙が豊富だなァ」
「ミサカネットワークのお陰です」
「ハッ――御託はいらねェよ。分かってンだろォ?」
「安い女に見られたものです、とミサカは自嘲します」
「オマエらなンて一山幾らだろォが」
「それは言わぬが花でしょう、とミサカは自分の身の上を嘆きます」
「――黙ってケツ出せ」
「この会話をネットワークに流したらどうなるでしょうね、とミサカは机上の空論を述べます」
「できねェし、やらねェだろォが」
「……あなたは実に分かりやすい」
「あン?」
. じぶんのせかい
「所詮あなたは夢の国の中でしか生きられないのですよ、ピーターパン。あなたは駄々をこねる子供と同じです」
「思い通りにならないなら泣き喚き、当り散らす。そんなガキに誰が心を開いてくれますか、とミサカは侮蔑の視線を向けます」
「――遺言はそれだけかァ?」
「ご自由に、狼さん。赤頭巾を騙して先回り、猟師が来ても知りませんよ、とミサカはこの比喩だと自身の配役が気に入りません」
「用は猟師も食っちまえば話は終わりだろォがよ。カッ……まったく、最悪に教育に悪いお伽噺だ、クソッタレ」
146 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/11(木) 23:56:50.46 ID:j38UEuEo [34/34]
「……」
「……ぁ……ぐ」
「……」
「……っは……っ……、お味は、どうでしたか、とミサカは、皮肉を言います」
「……」
「食中りしてしまえ、と、ミサカは、ごほっ、吐き捨てま、げほっ」
「……悪ィ」
バタン
「っ……は……っく……言う事に欠いて、それですか、と……ミサカは失笑します」
「まったくあなたは本当に……酷い人ですね、とミサカは……」
「――呪われてしまえ、とミサカは、震える声で吐き捨てます」
149 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/12(金) 00:19:08.72 ID:tlqy6x2o [1/46]
「――っは――かはっ、クソ」
「喉が――乾きやがる――」
「コンビニ――イヤ、自販機――公園――」
「は、っ、カッ、クソ」
「こンなに、――遠かったのか――」
「クソ、喉が張り付くみてェに――」
「――ハ、あった。あるじゃねェか、クソ」
「さ、財布を――」
チャリィ――ン
「――ァ――?」
「――」
「――ッ」
カチッ――
「――らァァああああ!!」
ガ――――ゴオォォン――
「クソ――クソォォオオおおおお!!」
153 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/12(金) 00:32:20.34 ID:tlqy6x2o [2/46]
「……」
――
「……」
――
「……」
ヴゥゥン――
「っ……、……」
――
「……」
――
「……、ぁ」
――ッ、ヵッ
「……」
カツ、カツ、カ――――ピ
「……っ」
ガチャ――
「……お、お帰りなさい、ってミサカはミサカは笑顔でお出迎えしてみたり」
154 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/12(金) 00:42:31.35 ID:tlqy6x2o [3/46]
「……ガキはもォ寝る時間だろォ」
「遅かったね、ってミサカはミサカは待ち草臥れた事を暗に言ってみる」
「……まさかオマエ……ずっとここで待ってたってのか」
「そ、んな事ないよ、ってミサカはミサカはすっとぼけてみたり」
「足にフローリングの型ァ付いてンじゃねェか」
「……、お腹空いたでしょ、ご飯作るね、ってミサカはミサカは――」
「イヤ、いらねェ」
「……そっか」
「オマエこのまま俺が帰ってこなかったらどォするつもりだったンだよ。銅像建てられっぞ」
「だって、帰ってくるって言ったもの、ってミサカはミサカは真っ直ぐに答えてみたり」
「……そォかい」
155 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/12(金) 00:57:50.96 ID:tlqy6x2o [4/46]
「――ッハ」
ボフッ
「着替えなくていいの、ってミサカはミサカはパジャマをお勧めしてみたり」
「めンどくせェ」
「……」
「……」
「……よいしょ」
「……」
「……」
――ぎゅ
「……何してやがる」
「ずっと待ってたから、ご褒美……だめ、かな? ってミサカはミサカは恐る恐る尋ねてみたり」
「……好きにしろォ」
「……欲を言えばあなたにもぎゅってしてほしいな、ってミサカはミサカは要望を言ってみる」
「――っ」
――
「あ――が――っ――あは、嬉しいなあ――ってミサカはミサカは、至福の表情を浮かべてみたり」
156 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/12(金) 01:01:42.77 ID:tlqy6x2o [5/46]
「……っは」
「……」
「ぁぐ……くぅ……」
「もォ十分だろォ……もォ止めにしろよ……」
「もう少し、ダメ……?」
「そのうち骨折れンぞ……」
「そうなったら――、困るね。ご飯、作れなくなっちゃう、ってミサカはミサカは苦笑する」
「……なァ」
「なに?」
「何で……何でオマエそこまで必死になれるンだよ、クソ……気持ち悪ィ……」
「……ミサカもそう思うよ。でも、そうする以外に思いつかない、ってミサカはミサカは自分が馬鹿な事を暴露する」
「白井がそう言えっつったのかよォ」
「――、違うよ。これはミサカの意志。そうしたいから、してるだけ」
「……」
「ごめんなさい。ただのわがままだね、ってミサカはミサカは――」
160 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/12(金) 01:10:35.81 ID:tlqy6x2o [6/46]
――トッ
「――ぁ」
「……」
「え――あれ――?」
「……オマエ、やっぱ出てけ」
「なん、で――」
「俺だってガマンしてンだよ。さっさと出てけ。今すぐだ。黄泉川ントコでも御坂ントコでも行け」
「……いや」
「聞き分けのねェガキだなクソ」
「イヤっ! 絶対にいや!」
「うるせェ。喚くな」
「それだけは死んでもやだ! ってミサカはミサカは頑なに首を振ってみる!」
「気軽に死ぬだなンだ言うンじゃねェよ」
「何でもするから! ね、お願い。いい子にするから――」
「……ッ!」
163 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/12(金) 01:30:35.27 ID:tlqy6x2o [7/46]
ドサッ
「あンま世話焼かすンじゃねェよ、クソガキ」
「ぁ、がハ――っ ぐ……」
「いい加減にしねェとバラして食っちまうぞ」
「あ、は……」
「何笑ってンだよ……イっちまったかァ?」
「――それ、いいな」
「……あン?」
「あなたが、食べてくれるなら、いいかも、って、ミサカはミサカは、思ってみたり」
「――テメェぜってェイカレてやがる」
「そだね、きっと、狂ってる、ってミサカはミサカは自嘲する」
「っ……!」
「ぅあ……ぐ、っ……でも、ね」
「……最後だ」
「こうじゃないミサカは、ミサカじゃないよ、って、ミサカは、っげ――」
「……ここから失せろ、ミサカ20001号」
「――がぼっ――ミサカは――否定、す――っぶ――る――」
「――ッハ」
165 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/12(金) 01:32:51.11 ID:tlqy6x2o [8/46]
「あ」
「――」
ギ
「っ」
「――――」
ギシ
「…………あは」
「――――――」
ガチ、ギリ、ガリ――バキ――
「――――――オオォォアアアアァァアア!!」
バギンッ
169 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/12(金) 01:36:59.12 ID:tlqy6x2o [9/46]
「……ぁ」
「っぐぁ……クソ……っ、ざけンなよォ……」
「なん、で」
「なンでもクソもあるかよォ……」
「何で――なんで自分を殴って――」
「うるせェよ……」
「――あ、血、出て、あ」
「ギャアギャアうるせェ……」
「だって、血、ケガ、して」
「うるせェっつってンだろォ!!」
「ぴ――」
「なァ、打ち止め……頼むから、出てってくれ」
「え……」
「頼む。頼むから、出てってくれ。この通りだ……」
173 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/12(金) 01:45:35.47 ID:tlqy6x2o [10/46]
「な、んで――」
「ッハ……ほンっと聞き分けのねェガキだな」
「何かあなたに悪い事した!? いい子にしてたよ、どこがいけなかった!? ってミサカはミサカは……ぅああっ! 分かんないよぉっ!!」
「あァ、お前はいい子だァ。だから言う事聞いてくれよォ……頼むからよォ」
「じゃあなんで――」
「オマエがいるとよォ……こっちまで狂いそうになっちまうンだよォ……」
「――ぁ」
「な、打ち止め。頼むから出ていってくれ。俺がまだマトモでいられるうちによォ」
「……」
「じゃねェと、マジでお前を壊しちまう……」
「……」
「オマエだけじゃねェ。芳川も、黄泉川も、御坂も、上条も」
「……」
. 、、 、、 、 、 、 、 、 、 、 、 、、 、 、 、、 、 、、、
「あとたった九千九百六十九人しかいないアイツらだって」
「……」
「頼む……そンな最悪な事させないでくれ……」
174 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/12(金) 01:51:03.50 ID:tlqy6x2o [11/46]
「――、」
「やめてくれ――」
「……いいよ」
「頼む――」
「壊して」
「お願いだ――」
「バラして」
「言わないでくれ――」
「味付けはお好みで」
「――ッハ、やっぱりアイツ魔女じゃねェか。ンな最低な悪夢見せやがってよォ、クソッタレ」
「食べてほしいな、ってミサカはミサカは笑いかけてみる」
175 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/12(金) 01:57:10.90 ID:tlqy6x2o [12/46]
「何で……そンな事が言えるンだよォ……」
「分からない? ってミサカはミサカはあなたに近付いてみる」
「来るな……来ないでくれ……」
「嫌だよ。ここであなたから離れたら、ミサカは二度とあなたに触れられない」
「何で……オマエみてェに甘ったれたヤツが、アイツらの事を無視してそンな事言えるんだよォ……」
「本当に分からない? ってミサカはミサカは確認を取ってみる」
「分からねェ……分かりたくねェよ……」
「……そうだね。知らない事は、怖いね」
「あァ、怖い。怖くてしかたねェ……分かってる気はすっけどよォ、怖いンだよォ……」
「理解したくない? それとも、間違っていたら?ってミサカはミサカは抱きついてみたり」
「ッハ、両方、かなァ……チクショウ、っざけンなよ。誰がこンな問題出しやがった……」
「……じゃあ答え合わせ、ってミサカはミサカはあなたの頬に触れてみる」
176 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/12(金) 01:59:14.76 ID:tlqy6x2o [13/46]
「たとえ世界の全てを敵に回してもね、たとえそれが一方通行のものであったとしてもね」
「ミサカはあなたを愛してるから、ってミサカはミサカはキスしてみる」
「」
178 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/12(金) 02:04:19.19 ID:tlqy6x2o [14/46]
「――それ、本気で言ってンのかよォ」
「本気だよ? 本気じゃないように見える?ってミサカはミサカは質問を返してみる」
「まさか、まさかマジでそンな事言いやがるとは思わなかった。っは、何だよこりゃァよォ」
「大真面目だよ。冗談で言えると思う?ってミサカはミサカは恥ずかしげもなく言ってのけてみたり」
「無償の愛だなンて、テメェは聖人君子か何かかよォ」
「違うよ」
「――ァ」
「ミサカはただの女の子。ただ、あなたが好きなだけの女の子」
「ただ――」
「そう。ただ、それだけ、ってミサカはミサカは他の理由を放棄する」
「たった、それだけなのかよ。本当に、それだけなのかよォ」
「うん。それ以外に理由なんてないよ、ってミサカはミサカは肯定する」
「――ハ、ハハッ、ハハハハハハ!」
「何かおかしい?ってミサカはミサカは首を傾げる」
「コイツはたまげたァ! まさかまさかまさかンな事言ってくる奴がいるとはなァっ!! 何の芝居だよこりゃァ!!」
「……ねえ、もしかして」
「こりゃケッサクだァっ! 確かにコイツは狂ってやがる!」
「……泣いてるの?」
181 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/12(金) 02:14:58.59 ID:tlqy6x2o [15/46]
「――――ァ」
「ね、泣かないで」
「なン、で、こンな――」
「何も怖くないよ、ってミサカはミサカは優しくあなたを抱きしめてみる」
「だって、こンな――」
「怖がらないで」
「今まで、誰も、一度も、そンな事――」
「――ごめんね。でも、ミサカがあなたに教えてあげる」
「――何、を」
「あなたの全てを受け入れる。あなたの全てを受け止める。あなたの全てを許す。あなたの全てを、愛してる」
「本当に――本当に、そンな事あるのかよォ――」
「ミサカの体も、ミサカの心も、ミサカの想いも、ミサカの全てが、あなたを肯定する」
「俺を――」
「そう。何一つ恥じる事はない。だって、あなたはミサカの大好きな人だから、ってミサカはミサカはあなたを強く抱きしめてみたり」
「ハハッ――これじゃァまるで、魔女の魅せた出来の悪ィ幻想みてェだ――」
「――たとえそうだとしてもね」
182 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/12(金) 02:15:43.06 ID:tlqy6x2o [16/46]
「どんな悪夢だってキスをすれば目が覚めて、魔法が解けてハッピーエンドなんだよ、ってミサカはミサカはもう一度キスをしてみる」
183 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/12(金) 02:16:32.24 ID:tlqy6x2o [17/46]
"the Last Order of Little Little Agape" is over.
186 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/12(金) 02:24:10.42 ID:tlqy6x2o [18/46]
以上、通行止め改訂版、終了です
改定前のテーマは無償の愛
たとえ一方通行であったとしても、無慈悲なまでに降り注ぐ雨のような愛
時として冷たく降り注ぐそれが、凍った冬を溶かす恵みの雨となるよう
改定にあたってのテーマは母の語るお伽噺。魔女の呪いと毒に侵された狼の物語
茨の城に囚われたまま、可愛い子が悪夢にうなされぬよう
リメイクにあたって大幅に加筆修正しましたが、本筋は変わっていないと思います
所詮自己満足ではありますが、楽しんでくれたのであれば幸いです
191 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/12(金) 02:37:25.60 ID:tlqy6x2o [19/46]
「――髪、綺麗だね」
「あァ?」
「真っ白で、キラキラしてて、まるで雪みたい、ってミサカはミサカは率直な感想を述べてみる」
「……ンな事初めて言われた」
「そうなの? ……だったらちょっと嬉しいな」
「……お前はあったけェな」
「え?」
「とけちまいそォだ――」
「……ゆっくりお休みなさい。ここには毒りんごも紡錘もないよ、ってミサカはあなたを抱きしめる」
「あァ――眠るのが怖くない――」
「鐘が鳴っても魔法は解けない。だってこれは、魔法なんかじゃないから」
「魔法――みたいだ――」
「違うよ。これはただの歌」
「うた――」
「そうだよ。ただの女の子の歌う――アイノウタ」
「ァ――ィ――」
「そう――あなたのための、小さな子守唄、ってミサカはミサカは――」
「――」
. セカイ
「……おやすみなさい。明日があなたに優しくありますよう」
192 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/12(金) 02:50:01.21 ID:tlqy6x2o [20/46]
それでは言い訳タイムです
「申し開きはありますか、とミサカは己の扱いの酷さに怒りが有頂天です」
いや、なんか妙に可愛くなってですね
妹達の中に一人くらい当麻じゃなくて一方通行にフラグ立ててるのがいてもいいんじゃないかと
「だからといってアレはなんですか。レイプですよレイプ」
「その後あの鬼畜野郎がハッピーエンドなのは納得できません、とミサカは訴えます」
『あっちの話』とは違う方向でのもう一人のヒロインという事で。一言で言うなら献身。またはスケープゴート
もしかすると『彼女』が辿っていたかもしれない結末。魔女が義娘を殺せない場合はどうなるのでしょうか
「要約すると」
……嫌よ嫌よも好きのうち?
ジャッジメント
「――審判ですの、とミサカはトリガーを絞ります」
197 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/12(金) 03:12:06.51 ID:tlqy6x2o [22/46]
一方 ついカッとなってヤった。反省している。でも別に打ち止めに操立ててる訳じゃねェよ
18413 むしろコレをネタに好き放題できるかもしれません、とミサカはめげずに次の策を弄します
本音 あの二人の関係を壊すような事はしませんよ。まあ壊さない程度にこっそりとやらせていただきますが
198 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/12(金) 03:19:25.40 ID:tlqy6x2o [23/46]
ああ、ひとつだけ補足
当麻と美琴、一方通行と打ち止めのそれと比較して一方通行と18413号に「ない」描写
一通さんはそもそも考えてないし、18413号は別にそれでいいと思ってる、とかなんとか
↓いままでの「ぴぃ」とか「じゅーでん」とか。実質9スレ目
御坂「これって……デートよね……」
http://mimizun.com/log/2ch/news4vip/yutori7.2ch.net/news4vip/kako/1264/12649/1264954175.html
御坂「じゅーでんー」(途中でVIPクリエに移動)
http://mimizun.com/log/2ch/news4vip/yutori7.2ch.net/news4vip/kako/1265/12653/1265361766.html
御坂「ぴぃ!?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1265460591/
>>1「どうしてこうなった」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1265824107/
>>1「だからどうして(ry」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1266168925/
御坂「電池切れそう」(↑途中で避難所が落ちているときにVIPにて)
http://www.unkar.org/read/yutori7.2ch.net/news4vip/1266314014
>>1「ぴぃ!?」なんだかんだで4回目(前スレ)
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1266858583/
御坂「ほ、ほら……あーん……」(別ルート、↑中に別枠で)
http://sea-mew.jp/nox/modules/webarc/2ch/ss/1267610190-0.html
4 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/09(火) 18:51:50.01 ID:eSS7TEwo
ここまでのあらすじ
/ : /: : : : /: /:./:!: : : :./: : : :/: :! : | \ : : : : : ヽ
′/: : :|: /: /-/:十-、:/: : : :/:-┼: |、 ゝ : ヽ: : i
|: :i: : : :| :| / /|: /!: : /: ://: : /|: / ヽ ミ : : |: : |
|: :|: :i : | :|:|斗≠=ミ// /: :斗=≠ミ. ミ\|: : |
|: :|: :i : |八Y´ んir个 /:/´ んr心{ }ヽ∨: : | 「当麻ー、今晩何食べたいー?」
│ |: :i :∧ハ 弋てソ / 弋てソ ル∨: : : !
∨|: :i∧小 ー ′ ー ('^ハ: : : : |
ヽ| 八(∧ゝ"" ""ノ⌒)ノ : : : |
|: i :\.ヘ、 -、 ^´/: : : :i: |
|: i: : /: ̄\_ ‘ー' /i⌒´i : : : : !│
|: i: :,': : i : :( \ . ィ : : i: : : ! : /: :.i八
,: :|: |: :.:.i : :.iヽ ヽ>‐ ´ ト、: |: : i: ∨: : /:iハ
/ :ノ:│: :.|: : :| ∧ Y_ r‐、ノ \{: : |.:/{: : :{ノ/ \
// i八: : {ヽ/ } ト、/ヽノ 〉、∧八 : :∨
/ r┬'─ヘ{'〈 j / ヘ〉 /|:::`ー∨\: ヽ、
/|:::!:::::::::::::::::::|\ 〈 /厂 〕 //|:::::::::::::::::::::`ヽ\
-──-、
/´ `丶\
〉:.〉
-――‐'=ァ-
/⌒.:.:.:..:.:.:.:.:.〈.:.:.:.:.:.:\
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∨.:.:.:.:.:.:丶、
/.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.!:.トく.:.:` .:.:.:. \
,′::/::/:::/::::::/::::|::::|::j ミヾ::::::::::::::\
. j::/ :|::;':::/_:://::/ |:::ーァ- ミ_:::::::::::::\::ヽ
{/イ::l::{:´{:∨メ //:|::::/ ミ:::::::::\::::\}
ノ´{ハ:::Y゙f心 {/ レイ托ト Ⅳ^Yヘ:::::丶、:> 「お姉様ー、この人の部屋ぶっ壊されちゃったから泊めてー
\い| Vリ V(り Y ノ:::::\::::::\ ってミサカはミサカはここぞとばかりに頼りに来てみたり!」
j::::::(//) (//) 、-く::::::::〈´\:::::ヽ
イ:::八 t ´} /::::\:}\/ `丶〉
,-r-ィ^ト、 〈八:{ :{> _ 、 _ノ イ∨::〈_::>
└げ〉 } \{\_,::::ニ=< `ーfト-- 、
7´{ j ∨ 〃 、_ -‐|| ヽ
{ {. / {{ || \
'、 ,.′ >||_ _人 丶. \
`、 \ / //´::\_/ ̄:....:::\ ト、 \
ヽ ヾ / }::....:::::....::::::. ..::: .::::∨ \ \
\ / ヽ..:::::. . .:::. .::.. ::} \ \
5 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/09(火) 18:54:55.34 ID:eSS7TEwo
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>.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::丶、
,...:´::::::::/.:::::::::::::::::::::::::::::/ |:::::ハ::::::::::::::::::::::::::/ !::/.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::>
 ̄ ̄/.::::::::::::::::::::::::::::/l/ >|:/ |:iハ:::::i:::::::::/ j/ハ::::/!::::::::::::::::::::::::<
/.:::::::::::::.イ:::::::::::::/<でうラ'ヘ`}:ト::∧:l::::/厶イ´.::::∨::|:::::::::::::\ー―一
ー‐ァ.:::::::::{ 厶イ:::ハ/ `ニ ノ.:::jノ.::::::八/.:::'でうラヽ/.:::|:::::::::::::::::::\
/___::∧ (|/ 〈::::::::::::::::::::::://.:::::::::::::ー一'.:::::::j/!::::::::::\ ̄
/.:::::ハ ∧ \::::::::::::::/ {::::/ ̄ ̄\::::::::::/ }:::::::「 ̄
∠::::::::::::八 :. \:::::/ }::j\ /.::::::/ ∧ハ| 「打ち止めはいいがテメエはラブラブ同棲生活の邪魔だ出てけ
厶イ:::::::::ーヘ ´/ノ.::::::\_/.::::::/イ } っていうか頼むから出てってくださいお願いしますこの通り」
ノイ::/i:::ハ {:::::::::::::::::::::::::::∧丿
|/ |::::::|\ , -‐='::、::::::::::::::::::::/
x≦ハ| ::\ ー‐.:::::::::::::::::::/
/ ∨//| ::::\ `7.::::::::::::.イ\
/ ∨/j \:::\ ;::::. .<:::::'///\
/ ∨′ \:::::: ̄::::::::::::::::'/////⌒ヽ、
/ >x:::.、 \::::::::::::::::::::{'/////////\
6 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/09(火) 18:58:37.67 ID:eSS7TEwo
\ _______________/
 ̄ヽ、 _ノ
`'ー '´
○
O
o
. -――…¬= 、
/: :: :/: :: : : : ;': :!:ハ \
.:'.:./: :;:': :: :/:: ::/: : ! ハ: ::ヽ
/ : /: :/ : : / :/:/: :: :ト、 :ト: : : ':,
.′/: :/ : : / :イ: :/ : : ':j '::| V: :ハ
;: : ′/: :: ::/ ' ;/i: : :' ;′ !} } :i: :ハ
i: : { .;′: :/ /'´ | :/:/ /リ 川: :ト:!
|: :rーi:!: :/┬‐┬ }イ/┬‐┬ .{ハ '.:| l
!:〈 !ハ/ ゞン / '′ ゞン '. ハ!
. ;: :ヽ_{ }: !
. ;' j: : /ヽ r ´ ̄ ̄ ̄ヘ 八'. 「なんて話で済んだらよかったんですけどね
. / イ: :;′: :> ._ ̄ ̄ ̄ ̄´_ .イ ト、':、 どうしてこうなった、とミサカは毎度のセリフを吐きます」
/′!'. l,. -‐一<  ̄ ̄{:_「: :l|: :}: : j `\
/ ミ、:::::::::: ` ー -‐ ´¨≧ 、/
/:::::::: ハ i!:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::iヽ
9 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/09(火) 19:24:35.81 ID:eSS7TEwo
新スレついでに現在の状況
・当麻&美琴 当麻の部屋で同棲中。まだ付き合い始めて半年のはずだが既に新婚夫婦の域を超えている。両親公認。学園都市側としては黙認
・黒子 引き続き常盤台寮。美琴が抜けたので一人部屋。当麻、美琴共に攻略済み。自称妾ですの
・一方 原作と違い一人暮らしだったが、部屋が破壊されて当麻のとこに転がり込んでた。杖? 邪魔だからないよ
・打止 芳川と共に黄泉川宅へ居候。だったが、一方通行のストッパーとして一緒に上琴の部屋に。美琴に色々叩き込まれる
・ミサカ18413号 このスレのアイドル。歌って踊れる電脳アイドルなアルバイター。一方さんをいじって遊ぶのが好き。悪趣味。VIPPER臭い
12 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/09(火) 19:35:05.80 ID:eSS7TEwo
一方「……朝か」
一方「ン……? あァ、新しい部屋借りたンだったなァ……」
一方「ふァ……しっかし熟睡したなァ……」
一方「……やっぱり静かだな」
打止「お、おはよう、ってミサカはミサカは」
一方「……あァ、オマエがいたンだっけなァ」
打止「朝ご飯できてるよ、ってミサカはミサカは有言実行を体現してみたり」
一方「頼みもしないのによくやるなァ」
打止「食べる?」
一方「……食う」
打止「ちょっと待っててね、すぐ準備するから、ってミサカはミサカはキッチンに駆けていく」
一方「……ったくよォ、めンどくせェなァ……クソ」
13 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/09(火) 20:06:41.93 ID:eSS7TEwo
一方「……おィ」
打止「な、何かな、ってミサカはミサカは苦笑してみる」
一方「オマエの目玉焼き割れてンじゃねェか」
打止「えへ……失敗しちゃった」
一方「……」
ひょい
打止「あ」
一方「一個じゃ足ンねェよ。よこせ」
打止「ご、めんなさい……」
一方「いいからテメェの分作って来い」
打止「う、うん」
ぱたぱた
一方「……もォ冷めちまってるじゃねェかコレ」
一方「ま、腹に入りゃ一緒だな」
14 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/09(火) 20:15:57.84 ID:eSS7TEwo
打止「ごちそうさまでした、ってミサカはミサカは手を合わせる」
一方「――、出かけてくらァ」
打止「どこ行くの?」
一方「コンビニ」
打止「じゃあ一緒に……」
一方「付いてくンな。邪魔だ」
打止「あ……う……」
一方「……ちゃンと帰ってくるっての」
打止「……うん、いい子にお留守番してるね、ってミサカはミサカは笑いかけてみる」
一方「おゥ」
打止「行ってらっしゃい」
一方「――」
ガチャ、バタン
一方「……クソ、調子狂いやがる」
15 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/09(火) 20:18:14.37 ID:eSS7TEwo
18413「おはようございます、お出かけですか、と、ミサカは何食わぬ顔で挨拶します」
一方「……何してやがるテメェ」
18413「見て分かりませんか、掃除ですよ、とミサカは見たままを言います」
一方「そォじゃねェよ。何でオマエがここにいるンだって聞いてンだよ」
18413「仕事です。昨日このマンションの管理人に、とミサカは転職のお知らせをします」
一方「コロコロ変わるな……」
18413「自分にあった仕事を模索中です、とミサカはニートみたいな事を言います」
一方「さいでっか……ンじゃな」
18413「……ところで昨夜は残念でしたね、と、ミサカはニヤニヤしながら意味深な言葉を吐きます」
一方「――っ」
16 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/09(火) 20:20:14.52 ID:eSS7TEwo
一方「おィコラテメェ、まさかたァ思うが部屋に隠しカメラとか仕掛けてねェだろォなァ」
18413「いいえまさか。ミサカは管理人ですが監視まではさすがにしません、とミサカは否定します」
一方「じゃァ……」
18413「なぜかロックのかかっていない音声ファイルがネットワーク上に転がってまして」
一方「しっかり保存してンじゃねェよあンクソガキャァ!!」
18413「なかなかにドロドロネトネトした会話が繰り広げられていたようで、と、ミサカはニヤニヤします」
一方「……おィテメェ」
18413「ご安心を。幸いミサカ以外の個体はまだ閲覧していなかったようでしたのでしっかりロックを、とミサカは自身の有能さをアピールします」
一方「消せよ!」
18413「お断りします。なぜこのような……面白いものを消せと」
一方「――コロス」
18413「ちなみにミサカの生体反応がなくなれば全ミサカに一斉送信されるように仕込んでますが、とミサカは安全策を弄します」
一方「クソ……」
18 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/09(火) 20:25:33.11 ID:eSS7TEwo
18413「桜ももう終わりの季節ですね、とミサカはさり気なく時期描写をします」
一方「今ムリヤリ話逸らしただろォ」
18413「散っている姿は綺麗だと判断しますが、散り落ちたものは土に塗れて見苦しい、とミサカは季節のわびさびを詩的に表現します」
一方「オマエらにもそンな感性がある事が驚きだァよ」
18413「昨夜の散華は上手く行きませんでしたね、とミサカは話を戻します」
一方「テメェは何が言いたいンだよォ!?」
18413「いえ。ただ、あなたがなぜあのような発言をしたかと思いまして」
一方「……」
18413「手のひらを返したかのようなつじつまの合わない冷酷な言動。その真意を測っています」
一方「あンクソガキがうぜェだけだよ」
18413「本当にそう思っているのでしたら今までの上位個体に対する行動が否定されますが、とミサカは反論します」
一方「ありゃァただの気まぐれだ。そもそも俺ァ……」
18413「妹達を一万超殺戮した張本人だ、と。そうおっしゃるのですか、と、ミサカは言葉の先を紡ぎます」
一方「あァその通りだよ。何か間違ってるかよォ」
18413「しかしあなたは目の前のミサカを殺そうとはしないではないですか、とミサカは矛盾を指摘します」
一方「……ブチ殺すぞテメェ」
20 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/09(火) 20:31:53.51 ID:eSS7TEwo
「と言いつつもあなたは行動には移しませんね、とミサカは確信を持って言い放ちます」
「……」
「個人的な、ミサカ18413号としての私見ですが、とミサカは前置きします」
「……」
「昨晩の一件。あれはポーズであり、その実そうではなかった、とミサカは考えます」
「……」
「あれだけあなたは最終信号――いえ、『打ち止め』に優しくしていたのに、あなたは明らかにつじつまの合わない行動をしている」
「……」
「あなたは『彼女』を追い出したかった。けれどつい一昨日まで、半ばやむなしとはいえお姉様と上条さんのお宅で同居していました」
「……」
「そこに矛盾が生じます。何をいまさら、という。それは一体なぜなのか」
「……」
「客観的視点で二者を比較すればおのずと答えは出ます、と、ミサカは核心を突きます」
「……」
「――あなたは、本当にそうなる事が怖かった。違いますか? とミサカは確認を取ります」
21 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/09(火) 20:36:51.38 ID:eSS7TEwo
ジャカッ
一方「――コイツなら邪魔されねェよなァ。演算停止申請しよォが引き金引く方が早ェだろ」
18413「うららかな午前の住宅地に発砲音を響かせるつもりですか、と、ミサカは尋ねます」
一方「知ったこっちゃねェよ。構うもンかよ。テメェはムカつく。それ以外に理由はいらねェだろォが」
18413「あの子は泣くと思いますが」
一方「オィオィ、この期に及んで命乞いかァ?」
18413「ミサカではなく、あの子はあなたに、泣くと思いますが、とミサカは訂正します」
一方「……知るかよ」
18413「宜しい。ならばどうぞ、と、ミサカは腕を広げます」
一方「おちょくってンのかテメェ」
18413「あなたは本当に語彙が豊富ですね、とミサカは感心します」
一方「……」
18413「どうしました、撃たないのですか、と、ミサカは挑発とも取れる言葉を投げかけます」
一方「……どうやら本当に死にてェらしィなァ」
18413「いえ、どちらかといえばごめん被りたいところです、とミサカは否定します。が」
一方「が、なンだよ」
18413「思いの一方通行は辛いものです。思う側も、思われる側も。そして見ている側も。あなたはそれを理解していますか」
一方「……」
18413「それに気付かぬのでしたらそれはバカというものでしょう、とミサカは愚考します。そしてバカにつける薬はないと申します」
一方「……死ねよクソビッチ」
18413「聞く耳持たぬバカに、ミサカの血がその代わりとなるならば喜んで」
22 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/09(火) 20:40:01.22 ID:eSS7TEwo
――ガチン
一方「……チェンバーに弾ァ入ってねェよ」
18413「やはりそうでしたか」
一方「ンだよ。分かってたのかよ、クソ。面白くねェ」
18413「いえ、半信半疑でした、と、ミサカは訂正します」
一方「はン、それで俺を挑発するたァいィ度胸じゃねェか」
18413「先ほどの発言は真意ですので」
一方「オゥオゥ、献身的なこって。もしかしてテメェ俺に惚れてンのかァ?」
18413「何を言ってやがりますかこの白髪頭は、とミサカは人の身体的特徴をあげつらいます」
一方「……本当にブチ殺してやろォか」
18413「あなたのためではないですよ、とミサカは断りを入れます」
一方「……」
18413「ミサカが惚れているのはあの子です。幸せを望む、という感情が惚れると称すのならばですが」
18413「そしてそれは他の妹達であっても同じです。たとえそれが形骸であれ、可愛い妹の幸せを望まぬ姉などいましょうか」
一方「……献身的なこって」
18413「しかしあの子が望む幸せは、あなたです。そこはお間違えなく、とミサカは注を入れます」
一方「ンな事知っかよォ……」
18413「まったく、あなたもあの方に負けず劣らずの唐変木ですね、とミサカは嘆息します」
23 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/09(火) 20:42:01.45 ID:eSS7TEwo
一方「もうお前は黙れ。俺ァコンビニに行くンだよ」
18413「おや、そういえばそうでしたね、とミサカは今思い出したかのように言います」
一方「ぜってェ分かっててやってたろォ」
18413「もちろん、とミサカは頷きます」
一方「……」
バァン
一方「……二度とこンなフザケたマネすンな」
18413「本気ですのに、とミサカは苦笑します」
一方「ンな事言っていつもの無表情じゃねェかよォ」
18413「それは言わぬが花というものです、とミサカはいつもの無表情で言います」
一方「……カッ。出かける。管理人だってンなら仕事しろよ」
18413「それは掃除をですか。それともあの子を頼む、とのことですか、とミサカは尋ねます」
一方「野暮な事聞くンじゃねェよ……両方だ」
18413「ではお帰りになるまでに綺麗にしておきませんと。このマンションには子供もいますし、滑って転んでは大変です」
18413「寂しがらぬうちに、お早いお帰りを、と、ミサカは見送ります」
一方「ったく、小姑がうるさくて仕方ねェなァ……クソ」
24 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/09(火) 21:09:06.01 ID:eSS7TEwo
一方「ハァ……」
一方「今日も空が青いですねェ、っとォ」
一方「めンどくせェ……」
一方「……クソ、やっぱベンチは寝るにゃ硬ェな」
一方「ま、昼寝するにはいい天気だしなァ。一眠りすっか」
一方「……」
一方「……」
一方「……」
一方「寝れねェ……」
一方「コーヒーでも飲むか」
チャリンチャリン……ガシャン
一方「よっ、と……」
カシュ
一方「ガキのお守りもめンどくせェなァ……、ぶっ!?」
一方「何だァこのクソ甘ったるいのはァ! コーヒーじゃねェだろコレ!?」
原材料名:加糖練乳、砂糖、コーヒー、……
一方「何でコレが学園都市で売ってンだよォ!?」
26 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/09(火) 21:30:27.79 ID:eSS7TEwo
一方「めちゃくちゃ甘ェ……練乳ってどういうこったよォ……」
黒子「とは言いながらも飲みますのね」
一方「……どっから湧いて出た妖怪ババァ」
黒子「まあ心外な。もう少しデリカシーという物を持ったほうがよろしいんでは?」
一方「俺にンなもン求めンな」
黒子「あの当麻さんでさえ最近は少しは身に付いてきたというのに……はあ……」
一方「何だよ、俺がこれじゃいけねェのかよ。それで誰かが死ぬのかよ」
黒子「バタフライ効果って知ってます?」
一方「風が吹けば桶屋が儲かる、だろォこの場合はよォ」
黒子「あえて言いませんでしたのに……」
一方「で、オマエ何しに出た」
黒子「特に理由はありませんけれど……あえて言うなら、忠告でしょうか」
一方「クソ、テメェもアイツと一緒かよ……」
黒子「アイツ?」
一方「何でもねェよビッチ」
黒子「相変わらずお下品な言葉遣いですこと」
一方「オマエのはお上品過ぎて気持ち悪ィンだよ」
27 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/09(火) 21:53:32.04 ID:eSS7TEwo
黒子「まあ、もうそのアイツさんが言ってるのでしたらわたくしの言葉は不要でしょう」
一方「オマエ本当に何しに出たンだよ」
黒子「わたくしの役回りを誰かに取られてしまったようで……寂しいんですの」
一方「日本語喋れよ」
黒子「あらいけない。わたくし仕事の途中でしたのに」
一方「会話しろよ」
黒子「それでは、失礼させていただきますわね」
一方「聞けよ」
黒子「あなたも一方通行にされる身になってみるがいいんですの」
一方「テメ……!」
――ッ
一方「チッ…………だらァああっ!」
ガゴォン――ガタン
一方「……アァ? この自販機ボロいのか?」
一方「まァありがたく貰って……また練乳コーヒーかよォ!?」
28 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/09(火) 21:55:53.01 ID:eSS7TEwo
17828「いらっしゃいませー」
一方「……」
17828「ミサカの顔に何か付いていますか、とミサカは首を傾げます」
一方「いンにゃ、なンでもねェよ……確かに口は堅ェみてェだな」
17828「1180円になります」
一方「あァ、コイツも頼むわ」
17828「1316円になります」
一方「これ、カード使えるか?」
17828「申し訳ありませんが無理です、とミサカは断言します」
一方「っち……」
17828「またお越しくださいませー」
一方「もう見慣れた顔だってのになンか調子狂うなァ……」
31 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/09(火) 22:03:18.76 ID:eSS7TEwo
一方「帰ったぞォ」
打止「お、お帰りなさい、ってミサカはミサカは顔をぱっと輝かせてみたり!」
一方「ガキは元気でいいねェ……能天気だしよォ」
打止「遅かったね。何買ってきたの?」
一方「コーヒー」
打止「うわ、こんなにたくさん」
一方「こンくれェいいだろ別によォ」
打止「体に悪いよ? ってミサカはミサカは注意してみたり」
一方「長生きしようなンざ思ってねェよ」
打止「ぶー」
一方「膨れんな子豚。オラ、これでも食ってろ」
打止「わ、ちょこれーとだ」
一方「どこの国の呪いだそりゃ」
打止「チョコレートは元々薬だとかなんとか、ってミサカはミサカはネットワークから引き出した知識をひけらかせてみる」
一方「そりゃカカオだろォが。それならコーヒーだって同じだろ」
打止「あれ、知ってたんだ、ってミサカはミサカはちょっとがっかりする」
32 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/09(火) 22:06:37.33 ID:eSS7TEwo
カシュ
一方「ッカァー……無糖にしてよかった……」
打止「……」
一方「どォしたンだよ。食わねェのか」
打止「た、食べていいの? ってミサカはミサカは尋ねてみたり」
一方「他に誰が食うンだよ」
パキッ
打止「は、半分こ、してみたり」
一方「……俺ァいらねェよ」
打止「え……」
一方「甘ェのはしばらくいらねェ。全部食っちまえ」
打止「う、うん……あり、がと、ってミサカはミサカは無邪気な笑顔を向けてみる」
一方「どォいたしまして…………やっぱ苦ェな、コレ……」
33 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/09(火) 22:08:55.88 ID:eSS7TEwo
打止「……ね」
一方「あァ?」
打止「ええと、その」
一方「ンだよ。はっきり言えクソガキ」
打止「……そっち行っていい? ってミサカはミサカは恐る恐る聞いてみたり」
一方「何言ってンだよオマエ、いつもいつも断りもせずベタベタしてきやがるくせによォ」
打止「だって、昨日……」
一方「……ありゃァ嘘だ」
打止「え?」
一方「誰がテメェみてェな色気のねェクソガキなンかヤるかよ。頼まれてもごめンだ」
打止「――そ、っか。だよね」
一方「……」
打止「じゃあ遠慮なく、ってミサカはミサカは抱きついてみる」
一方「……好きにしろォ……クソ」
36 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/09(火) 23:13:57.44 ID:eSS7TEwo
一方「……なァ」
打止「な、何だろ、ってミサカはミサカは首を傾げてみたり」
一方「楽しいか?」
打止「あ――ごめ、んなさい」
一方「何で謝ンだよ。好きにしろっつったじゃァねェか」
打止「……」
一方「楽しいか?」
打止「……あったかい」
一方「もォ春だぞ?」
打止「うん……でも、まだまだ寒いから、ってミサカはミサカは温もりを求めてみたり」
一方「……やっぱ止めだ」
打止「え……」
一方「出かけてくらァ。適当に夕飯の材料も買ってくるから何か作れ」
打止「……うん、分かった。行ってらっしゃい、ってミサカはミサカは笑顔でお見送りする」
ガチャ、バタン
打止「――怒らせちゃったかな、ってミサカはミサカは後悔する」
打止「でも、ごめんなさい――あなたといるためならミサカはどんな卑怯な手でも厭わない、ってミサカはミサカは本音を漏らす」
37 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/09(火) 23:16:16.45 ID:eSS7TEwo
美琴「あら」
一方「……ンだよォ」
美琴「あの子は一緒じゃないの?」
一方「何で一緒じゃねェといけねェンだよ」
美琴「アンタのとこ、行ったんでしょ?」
一方「……」
美琴「いい子にしてる?」
一方「まァな」
美琴「そ……何か変わった事あった?」
一方「なンもねェよ」
美琴「ふーん……」
一方「そう言うオマエも一緒じゃねェのかよォ」
美琴「当麻は毎度のごとく補習。あたしは夕飯のお買い物。おーけー?」
一方「仲のよろしいこって……」
美琴「どこをどうしたら今の会話で……あ、もしかして」
一方「何だよ」
美琴「羨ましい?」
一方「……どこをどォしたらそォなンだよ」
38 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/09(火) 23:18:25.95 ID:eSS7TEwo
美琴「あんまりあの子に冷たくしないでね」
一方「一体どこに目ェ付けてンだよ。目の前にいるのがヤツが何やったか忘れたのかァ?」
美琴「私の目、アンタよりも色々見えてると思うけど?」
一方「電波とかなァ」
美琴「それとは別に。なんとなーく見えちゃうのよ、アンタ」
一方「ハッ、偉そうに言ってくれちゃってよォ」
美琴「アンタよりは経験豊富よ。こういう事に関しては」
一方「そォですねェ、邪魔者いなくなって毎日毎日ずっこンばっこンヤりたい放題ですかァ」
美琴「……羨ましい?」
一方「開き直っちゃってまァ、毒々しいったらありゃしねェ」
美琴「違うわよ。……羨ましい?」
一方「……何が言いてェンだ」
美琴「……辛い?」
一方「――死なすぞクソアマ」
美琴「そういうのはもうやらないでしょ、アンタ」
一方「……」
39 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/09(火) 23:23:27.41 ID:eSS7TEwo
美琴「分かるわよ。アンタ似てるもん」
一方「誰にだよ」
美琴「当麻」
一方「あァ?」
美琴「なんか似てるのよ、アンタたち。まるで鏡みたい」
美琴「……ああ、鏡じゃなくてコインね。裏表ひっくり返したみたい」
一方「何言ってやがる……」
美琴「でも、根っこの部分は一緒よね」
一方「ハァ? どこが同じなンだよ」
美琴「だってアンタ、アイツみたいに優しいじゃない」
一方「……どの口がンな事言いやがるコラ」
美琴「虚仮威しは通じないわよ。見えてるって言ったでしょ」
美琴「まったく……大変ね、アンタも、あの子も」
一方「……」
美琴「じゃ、私は買い物の続き。お腹空かせた子が帰ってくる前にご飯作ってあげないと」
一方「おィコラ、テメ」
美琴「まーせいぜい頑張りなさい。あの子泣かせたら承知しないからね。じゃねー」
一方「チッ……クソ」
55 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/10(水) 19:28:45.79 ID:FLgZAFgo [2/17]
美琴「ただいまー、って当麻、帰ってたの」
当麻「おう」
美琴「今日のお勤めはー? また補修だったんでしょ」
当麻「逃げてきた」
美琴「……怒られるわよ」
当麻「分かってるよ」
美琴「ちょっと待っててね。ご飯作るから」
当麻「今日のメニューは?」
美琴「ペペロンチーノ」
当麻「……そっか」
美琴「何よ、今の間は」
当麻「いや、何」
当麻「――冷蔵庫に入れとかないと悪くなるようなものはないよな、って思って」
56 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/10(水) 19:40:07.53 ID:FLgZAFgo [3/17]
美琴「……当麻
当麻「何?」
美琴「ご飯、作れない」
当麻「後でいいだろ。それに一食二食抜いても死にはしねえよ」
美琴「もう包丁持ってるんですけど。危ないわよ」
当麻「嫌か?」
美琴「そうじゃないけど……」
当麻「オマエ、昨日逃げたじゃん」
じ っ か
美琴「たまには常盤台の寮にも顔出さないと」
当麻「お陰で独り寂しく寝てたんですけど」
美琴「……ごめんね」
当麻「分かっててやったろ」
美琴「何か、悪くて」
当麻「……打ち止めに?」
美琴「それもあるけど……ごめんね」
当麻「……今のは何に対して?」
美琴「……」
――コト
57 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/10(水) 19:50:35.19 ID:FLgZAFgo [4/17]
「ごめんね」
「だから、何に対してだって」
「……昨日」
「ま、いいけどさ」
「そうじゃなくて」
「ん?」
「……」
「……もしかして」
「……黒子」
「……ま、いいけどさ」
「ずるいよね、私だけ」
「埋め合わせはしてくれるんだろ?」
「――うん」
「どうぞ、腹ペコ狼さん。今日のメニューはあなたのための電気羊、さめないうちに召し上がれ」
「――いただきます」
「」
61 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/10(水) 20:04:13.70 ID:FLgZAFgo [5/17]
美琴「ん、当麻――ちゅ――」
当麻「……妙に積極的だな」
美琴「……我慢してたのはアンタだけじゃないんだから」
当麻「さいでっか……」
美琴「……ね、どうなると思う?」
当麻「ん?」
美琴「あの二人」
当麻「どうだろうな……なるようになるんじゃね?」
美琴「アンタ何も考えてないでしょ」
当麻「考えないようにしてるんだよ……複雑なんです」
美琴「似てるから?」
当麻「……言わせるなよ」
美琴「私はね、幸せになってほしい」
当麻「幸せ、ねえ……」
62 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/10(水) 20:15:27.75 ID:FLgZAFgo [6/17]
美琴「今日ね、アンタに似た方に会ったの」
当麻「似てるかあ? アイツが?」
美琴「そっくりよ」
当麻「そうかなあ……」
美琴「だって私の妹が好きな人だもの」
当麻「……そうかなあ」
美琴「気に入らない?」
当麻「そりゃな」
美琴「……心配しなくても大丈夫よ。私が好きなのはアンタだから」
当麻「知ってるよ」
美琴「それにね」
当麻「ん?」
美琴「ハッピーエンドじゃないとつまらないでしょ? 苦い毒を飲んで終わりなんて嫌よ?」
当麻「……そうだな。それじゃいくらなんでも辛すぎる」
美琴「そうよ。同じ飲むでも甘ったるいコーヒーくらいがいい」
当麻「アレはどうよ……」
美琴「あら、私は好きよ? アンタは嫌い?」
当麻「……嫌いじゃねえけどさ」
美琴「じゃあいいじゃない――きゃ」
当麻「ん、まだいけそう」
美琴「どーぞ。まだまだおかわりはあるわよ」
当麻「腹いっぱいになるのとどっちが先かね」
美琴「どうかしら? 女ってのは男が考えるよりもずーっと深い生き物なのよ?」
「」
65 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/10(水) 21:06:28.76 ID:FLgZAFgo [7/17]
一方「……」
打止「……どう、かな、ってミサカはミサカは恐る恐る聞いてみる」
一方「まァまァだな」
打止「うー、まだ修行が足りないみたい、ってミサカはミサカはうなってみる」
一方「騒ぐなクソイヌ。不味かァねェよ」
打止「うん……」
一方「……」
打止「……」
一方「……おィ、なンか喋れよ」
打止「え、だって、騒がしいのは」
一方「だから嫌たァ言ってねェだろォが。ガキはガキらしく騒いでろ」
打止「う、うん、ってミサカはミサカは頷いてみる」
一方「……なァ、なンだってンなに俺に媚売るンだよ」
打止「ダメ、かな」
一方「ペットが必死に尻尾振ってるみてェで気持ち悪ィンだよ」
打止「……ペットでもいいもん。嫌われるよりはそっちのほうがいい、ってミサカはミサカは本音をこぼしてみる」
一方「だからそれが気持ち悪ィっつってンだろォが。そンなにペットがよけりゃ首輪でも付けてやろォかァ」
打止「ほんと!?」
一方「……なンでそこで喜ぶンだよ」
打止「あ……えと、その」
66 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/10(水) 21:08:38.66 ID:FLgZAFgo [8/17]
打止「ねえ、やっぱり邪魔かな、ってミサカはミサカは尋ねる」
一方「騒がしい鬱陶しい狭い暑苦しい、あたァ……押し付けがましい」
打止「そ、だよね。やっぱり」
一方「……嫌たァ言ってねェだろォがよォ。居ていいっつったろォが。出て行きてェンなら別だがよ」
打止「……うん」
一方「……ったく、ソース付けてんじゃねェよ。オラ動くな、拭いてやっから」
打止「う、むぐ」
一方「手間ァかかるペットだなオィ」
打止「ごめ――」
一方「だから悪ィなンざ言ってねェって何度言ったら分かンだよ。世話すンのは飼い主の役目だろォが」
打止「……ありがとう、ってミサカはミサカは感謝の言葉を述べたり」
一方「今の会話のどこに感謝するよォなとこがあンだよ。頭イカレてンじゃねェのかテメェ」
打止「うん……もうとっくに狂ってる、ってミサカはミサカは意味深な言葉を呟いてみたり」
一方「あァ? ンだって?」
打止「なんでもないよ、ってミサカはミサカは顔を赤らめながら言ってみる」
一方「オラ、いいからさっさと食え。冷めちまうだろォが」
打止「うん、ってミサカはミサカは食事を再開する」
一方「……クソ」
67 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/10(水) 21:10:37.76 ID:FLgZAFgo [9/17]
打止「お風呂、出たよ、ってミサカはミサカはパジャマ姿で報告する」
一方「……おい打ち止め、こっちこい」
打止「な、何だろ、ってミサカはミサカは聞き返したり」
一方「いいから来い」
打止「う、うん……」
ぎゅ――
打止「あ、わわ、ってミサカはミサカは突然の事に戸惑いを隠せなかったり!?」
一方「ンだよ。これ好きじゃなかったのかよォ」
打止「――好き。大好き」
一方「ならいィじゃねェか」
打止「うん、ってミサカはミサカは幸せそうな顔で頷いてみる」
68 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/10(水) 21:15:14.82 ID:FLgZAFgo [10/17]
打止「んぅ……でもちょっと、苦しいかも、ってミサカはミサカは苦笑してみたり」
一方「文句があンならやンねェぞ」
打止「ううん……これくらいがいい」
一方「……」
打止「えへ……幸せ……」
一方「……」
打止「……っ、うぁ……えぐ……っふ……」
一方「……ァ、悪ィ。やっぱキツかったか」
打止「ちが、違うの! えと、これは」
一方「何が違うンだよ。泣いてンじゃねェか」
打止「なんで、も、ないの。痛かったんじゃないの、ってミサカはミサカは否定してみる」
一方「……」
打止「それより、もっと、強くしてほしいな、ってミサカはミサカはおねだりしてみたり」
一方「――っ」
打止「……ぁぐ……あは……幸せ、ってミサカはミサカは今の心境を吐露してみる」
一方「……クソ。ぜってェおかしいぞテメェ」
69 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/10(水) 21:16:24.66 ID:FLgZAFgo [11/17]
「――ぁ」
「……おィ、打ち止め……?」
「――」
「……オマ……、クソ。気絶した、のか」
「――」
「……」
トサ――
「寝るなら布団被らねェと風邪引くだろォがよォ……。…………クソ」
ギィ――バタン
70 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/10(水) 21:17:21.75 ID:FLgZAFgo [12/17]
一方「――くそォおおおっ!!」
ガゴォン――ガタン
一方「……っち、汁粉なンざ飲んでられっか」
一方「……なンで……どうしてこンなフザケタ事になってンだよ」
一方「どうして打ち止めがあンなになった……何があったってンだよ……」
一方「っざけンな……クソ……」
一方「――っクソったれェえええ!」
ガゴォン――ガタン
10032「あまり深夜の公園で騒がれるとご近所に迷惑ですよ、とミサカは忠告します」
71 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/10(水) 21:19:32.13 ID:FLgZAFgo [13/17]
一方「っカ、今日はよく見るなァ、同じ顔」
10032「ミサカがあなたにお会いしたのは久しぶりの事だと思いますが、とミサカは疑問を投げかけます」
一方「テメェと同じ顔っつってンだよ。気付いたらちゃっかり居ついてやがるしよォ」
10032「それはミサカ18413号の事ですか、それとも」
一方「オリジナルもだよォ。クソ、どこ行ってもいやがる」
10032「……皆気になるのでしょう」
一方「あァ? 何がだよ」
10032「あなたたちが、とミサカは分かりきった事を言います」
一方「構うな。目障りだ、消えろ。俺ァ凄ェ機嫌が悪ィんだ」
10032「……その缶汁粉、いただいてもよろしいですか、とミサカはぬけぬけと言います」
一方「オラ、好きにしろォ。それ持ってさっさと失せやがれ」
10032「ご随意に。では――くれぐれも、お間違えのなきよう」
一方「とっとと失せろっつってンだよォ!!」
10032「はい、とミサカはこれ以上余計なことを言わず立ち去ります」
一方「……っクソ……クソォっ!」
ガゴォン――ガタン
72 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/10(水) 21:21:29.82 ID:FLgZAFgo [14/17]
10032「やれやれ、と、ミサカは嘆息します」
10032「あの方にはカルシウムが足りていないと判断します。それと、糖分も」
カシュ
10032「――甘ったるい、と、ミサカは率直な感想を漏らします」
. 、 、
10032「けれど、今のこれには糖分が足りていない。甘くない汁粉など喉に張り付いて飲みにくいだけの代物です」
10032「飲むと喉が渇くという矛盾。いまのこれは正にそれと言えるでしょう」
10032「もう春だというのに……いつになったら雪は解けてくれるのでしょうか、と、ミサカは詩的な表現を弄します」
10032「冷たいだけの北風は、いつだって太陽に負けるというのが分からないのでしょうか」
78 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/10(水) 23:37:57.10 ID:FLgZAFgo [15/17]
打止「……」
一方「……何やってンだオマエ」
打止「お、おはようございます、ってミサカはミサカはなぜか丁寧口調だったり」
一方「……おはよォさン」
打止「あ……」
一方「ンだよ」
打止「ううん、おはよ、ってミサカはミサカは満面の笑みを見せてみたり」
一方「朝っぱらから面白れェ顔向けンな。メシ」
打止「うん、すぐ準備するね、ってミサカはミサカはエプロンをつけてみるー」
一方「……クソ」
80 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/10(水) 23:46:28.56 ID:FLgZAFgo [16/17]
打止「……ね、ねえ、ってミサカはミサカは問いかけてみる」
一方「何だよ」
打止「何かやっとく事あるかな、ってミサカはミサカは尋ねてみる」
一方「別にねェよ」
打止「……そっか」
一方「別に何かしよォとしなくていィ。俺はオマエに何か求めてる訳じゃねェからな」
打止「……」
一方「役に立つとか立たねェとか、そンな理由じゃ追い出さねェよ」
打止「……どんな理由だったら追い出すんだろ」
一方「……」
打止「あ……ごめんなさい」
一方「顔色窺ってビクビクすンな。うぜェ」
打止「ごめ……はい」
一方「……ごっつォさン。出かけてくらァ」
打止「うん、行ってらっしゃい、ってミサカはミサカはお見送りする」
一方「あいよォ。夕方にゃ戻らァ」
バタン
打止「これで、いいんだよね……うん、これでいいんだよ、ってミサカはミサカは自問自答する」
81 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/10(水) 23:51:34.69 ID:FLgZAFgo [17/17]
光貴「どうしました。なにやらご機嫌斜めですね」
一方「オマエは俺がいつもゴキゲンに見えンのかよ」
光貴「いえ、ただ苛々としているように見えたので」
一方「目悪ィンじゃねェのか? 俺はオマエのその嘘くせェ笑顔の方がイライラすらァ」
光貴「これは失礼」
一方「……」
光貴「何か悩み事ですか? よろしければ吐き出し口くらいにはなりますが」
一方「いらねェよ。クソ、なンだって俺の周りはこンなお人よしばっかりなンだよ……」
光貴「あなたも大概でしょうに」
一方「やっぱりテメェ眼科行け。腕のいい医者紹介してやろォか」
光貴「折角ですが遠慮しておきます。医者にはあまり掛かりたくないので」
一方「めンどくせェヤツだなァ。張り合いがねェ」
光貴「あなたのように反射ばかりしてても疲れるので」
一方「……」
光貴「たまにはあなたもそのまま受け止めてみてはどうですか」
一方「……誰に向かって言ってやがる」
元春「おぃーす! 元気ですかぁー!? なんだなんだ景気悪そうな顔並べて。笑う角には福来るって言うぜい?」
一方「オマエはムカつくくらい元気でいいなァ」
元春「そんなあなたに景気のいいビッグニュース! ――仕事だぜい?」
一方「あいよォ……ったく、たまには暴れねェと肩が凝って仕方ねェ」
84 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/11(木) 00:10:53.18 ID:j38UEuEo [1/34]
淡希「いつもに増して機嫌悪いみたいね」
一方「オマエまでンな事言うのかよォ……」
淡希「だって相手、ボッコボコだったじゃない?」
一方「アイツがムカつく野郎だっただけだ」
淡希「もしかして例の子?」
一方「……うるせェよ」
淡希「その様子だと図星みたいね」
一方「黙れよ」
淡希「そうね。貴方の機嫌を損ねて私までボコられたら嫌だもの」
85 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/11(木) 00:17:28.82 ID:j38UEuEo [2/34]
一方「……」
淡希「でも、別に頼ってくれても構わないのよ。どうせみんな似た者同士なんだし」
一方「そォかい、ご丁寧にあンがとよォ」
淡希「貴方も相当捻くれてるわね」
一方「うっせ」
淡希「でもさっき言ったのは本当よ。たぶんあとの二人も」
一方「ただの仕事仲間だろォがよ。プライベートまで踏み込ンでくるのはマナー違反じゃねェのか」
淡希「仕事じゃないわよ」
一方「あン?」
淡希「友人として当然の事じゃない?」
一方「まさか俺がテメェに何したか忘れてンじゃねェよな」
淡希「傷物にされたわ。忘れるわけないじゃない」
一方「誤解を招くよォな事言うなボケが」
淡希「……想像で物を言うけどね、貴方だって何をしたか忘れたわけじゃないでしょ」
一方「……」
淡希「それと似たような物よ」
一方「そォかい」
淡希「そうよ。そのための、グループでしょ」
86 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/11(木) 00:30:39.06 ID:j38UEuEo [3/34]
一方「ただァまァ」
打止「おか、おかえりなさい」
一方「今日もお仕事ごくろォさン、っと。あークソ、めンどくせェ」
打止「ご、ご飯できてるけど食べる?ってミサカはミサカは尋ねてみる」
一方「今ァいい」
打止「そ、っか……」
一方「……クソ、面白くねェ」
打止「ごめ、んなさい、ってミサカはミサカは謝罪する」
一方「テメェの事じゃァねェよ。何自意識過剰になってンだよ」
打止「……」
一方「……気ィ変わった。メシ」
打止「は、はい! ちょっと待ってて、ってミサカはミサカは急いで準備する」
一方「……クソ。めンどくせェ」
88 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/11(木) 00:49:00.36 ID:j38UEuEo [4/34]
打止「ど、どうでしょう、ってミサカはミサカは恐る恐る尋ねてみる」
一方「食えなくはねェな」
打止「――やったぁ」
一方「だから何でそれで喜ぶんだよ」
打止「だってお姉様のカレー初めて食べた時と同じ反応だったんだもの、ってミサカはミサカは回想してみたり」
一方「……下らねェ事覚えてンじゃねェよ」
打止「ごめ……」
一方「……」
打止「……何でもない、です、ってミサカはミサカは口を噤んでみる」
一方「何で敬語なンだよ」
打止「……」
一方「それとも何か? オマエは俺の奴隷か?」
打止「そ、それであなたと……」
一方「俺はンなもンいらねェよ」
打止「……」
一方「……飯が不味くなるよォな面すンじゃねェよ」
打止「ごめ……はい、ってミサカはミサカはあなたに微笑みかけてみたり」
一方「…………クソ」
90 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/11(木) 01:11:35.06 ID:j38UEuEo [5/34]
打止「――あったかい、ってミサカはミサカは思わず本音をこぼしてみる」
一方「うっせェ。さっさと寝ろ」
打止「うん……お休みなさい」
一方「………………おやすみ」
打止「……」
――ぎゅ
一方「……止めろ。寝苦しィ」
打止「あ、ごめんなさい」
一方「……そンなに力入れンなって言っただけだ」
打止「……うん」
一方「……」
打止「明日も今日みたいな一日だといいな、ってミサカはミサカは思いを馳せてみたり」
一方「……さっさと寝ろ」
打止「……うん」
93 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/11(木) 01:25:21.81 ID:j38UEuEo [6/34]
元春『終わったぞ』
一方「こっちも終わった。回収寄こせ」
元春『あいよ。B31Lで海原と合流してくれ』
一方「コイツで終わりだろォが。俺は帰る。後は任せた」
元春『……ま、いいけどよ。んじゃご苦労さん。嫁さんによろしく』
一方「言えっかよクソ。死ね」
元春『っは、そいつはごめんだね』
――ピ
一方「めンどくせェ……クソ」
94 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/11(木) 01:32:22.08 ID:j38UEuEo [7/34]
当麻「お」
一方「まためンどくせェのが……」
当麻「オマエ何やってんだ? こんなとこで」
一方「そりゃオマエもだろォがよォ」
当麻「いやさ、黒子に呼ばれて……」
一方「昼間っから元気ですねェ。女房と愛人を行ったり来たり。こンな人気のねェところでナニするつもりだよ」
当麻「知るかよ……言い返せないけどさ」
一方「ンじゃなァ。後はお好きによろしくヤってくれェ」
当麻「――おいちょっと待て」
一方「ンだァ?」
当麻「服に付いてるそれ……血か?」
一方「……だったら何だってンだよコラ」
96 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/11(木) 01:55:17.84 ID:j38UEuEo [8/34]
――ガッ
一方「……ンだよ。服伸びンだろォが」
当麻「っざけんなよ……」
一方「あァ?」
当麻「ふざけんなって言ってんだよ! テメエこんなとこで何やってんだよ!」
一方「テメェにゃ関係ねェだろォが。離せよ」
当麻「うるせえ! こんな人気のねえところでテメエは何やってたんだよ!」
一方「……関係ねェっつってンだろォが。俺の事を聖人君子とでも思ってたのかァ?」
当麻「オマエが無闇に人を傷付けるようなヤツじゃないって事くらい知ってる!」
一方「買い被りすぎだろそりゃァ」
当麻「打ち止めを見れば分かるだろうが! じゃなきゃ泊めるかよ!」
一方「……勘違いって怖ェなァ」
当麻「別にオマエがどこで何してようが構わねえよ! どこでくたばろうが知ったこっちゃねえよ!」
一方「何が言いてェ」
当麻「俺じゃねえよクソ! 美琴が言ってたんだよ! あの美琴が!」
当麻「テメエのせいでクローンを作られて! 自分と同じ顔の妹達を一万以上も殺されて! 自分も殺されかけて! なのに!」
当麻「アイツはオマエに『幸せになってほしい』って言ったんだよ!」
99 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/11(木) 02:18:27.91 ID:j38UEuEo [9/34]
一方「……」
当麻「この意味が分かるかテメエ!? アイツがどんな思いでそう言ったのか分かるか!?」
一方「……るせェよ」
当麻「オマエだけじゃねえよ! アイツは――アイツは『あの二人』って言ったんだよ!!」
一方「ッ――」
バギッ
一方「ガチャガチャうるせェンだよ三下ァ!!」
当麻「ってぇ……」
一方「俺が何やってンのか知ってンのかァ!? 俺が何でこンなクソみてェな事やってンのか分かってて言ってンのかよォ!?」
100 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/11(木) 02:26:50.40 ID:j38UEuEo [10/34]
当麻「……分かってるさ」
一方「あァ?」
当麻「何やってるのかは知らねえよ! でもオマエが打ち止めのために何かやってるってのは分かってるよ!」
一方「……」
当麻「ここにいるなとは言わねえよ! こんなドブ川みたいなとこに好き好んで来てる訳じゃないのは分かるよ!」
当麻「でもオマエの居場所はここじゃねえだろ! オマエのいるべき場所は――」
一方「……ピィピィうるせェよ。ツバ飛ばすな。死ね」
当麻「オマエのために言ってんじゃねえよ! クソ、し――」
一方「アァ?」
一方「――幸せになりやがれチクショウ!」
一方「……それ言ってて恥ずかしくねェのか?」
当麻「っ――さっさと帰れ!」
一方「言われなくてもこンなクソみてェなトコさっさと退散すらァよ」
当麻「クソ……何でアイツとこんなとこで鉢合わせするんだよ」
当麻「………………黒子、どこにいるんだ?」
103 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/11(木) 02:31:46.59 ID:j38UEuEo [11/34]
黒子「あら、珍しいんですのね。あなたがこんなところにいるなんて」
一方「……いちゃ悪ィかよォ」
黒子「黄昏るには少々時間も遅いですわよ。似合いませんし」
一方「別にテメェの感想なンざ聞いちゃいねェよ」
黒子「こんなところで油を売っていてもよろしいんですの? 打ち止めちゃんが待っているのではなくて?」
一方「……」
黒子「はぁ……中々根が深そうですわね」
一方「テメェにゃ関係ねェよ」
黒子「まったく、これだけやってもこの様とは……あの子が苦労する訳ですの……おっと」
――ガッ
黒子「……レディの胸を気安く触らないで下さる?」
一方「オマエか元凶はよォ。どォせさっきの上条もテメェの差し金だろォが」
黒子「元凶とは失礼な。少しあの子に助言をしただけですの」
黒子「もっとも……少しばかり劇薬を含ませましたけれど。効きすぎました?」
一方「テメェ……」
黒子「いつものキレがないですわよ。お疲れですの?」
カチッ
一方「――飛ンでけやコラ」
ドガッ――
104 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/11(木) 02:34:09.34 ID:j38UEuEo [12/34]
――ッ
黒子「いきなり失礼しちゃいますわね。手加減はしてくれたみたいですけれど」
一方「何がしてェ。返答によっちゃミンチにすっぞオィ」
黒子「物語に参加したがった女の子に少し魔法をかけただけですの」
一方「どう見ても黒魔術の類じゃねェか」
黒子「魔法をかけるのが良き魔女とは限りませんの」
一方「禅問答する気はねェよ。さっさと吐け。何がしてェ」
黒子「だって苛々しちゃうんですもの。あなたも、あの子も。近親憎悪という奴ですの?」
一方「……何がしてェっつってンだよ」
黒子「わたくしが成せなかった事をあの子に託したまでですのよ」
一方「……」
黒子「ここまで言って分からなければ、あなたは本当にただのバカですわ」
一方「……チッ」
105 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/11(木) 02:36:29.19 ID:j38UEuEo [13/34]
黒子「抑え込むのもほどほどに――いつか爆発しますわよ」
一方「何だよそれ。警告かァ?」
黒子「実体験に基づく魔女からの助言ですの」
一方「経験豊富なこって」
黒子「さて、あまり長話をして本気で怒らせてもいけないのでこの辺りで失礼しますわね」
一方「テメ――」
黒子「くれぐれも選択肢を間違えぬよう――ごめんあそばせ」
――ッ
一方「チッ……あンババァ、マジで妖怪かなンかじゃねェのか」
一方「……ンな事言われなくても最初から分かってらァよォ……クソ」
106 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/11(木) 02:40:56.70 ID:j38UEuEo [14/34]
一方「ただァま……」
打止「おかえりなさい、ってミサカはミサカは出迎える」
一方「いい子に留守番してたかよ」
打止「うん。遅かったね、ってミサカはミサカはちょっと寂しかったのを告白する」
一方「悪かったな。ちょっと面倒なヤツに絡まれてよォ」
打止「う……?」
一方「気にすンな。飯あっか? 腹ァ減った」
打止「うん。できてるよ」
一方「ヨクデキマシターっと」
打止「あわわ、髪がくちゃくちゃに、ってミサカはミサカはちょっと慌てる」
一方「嫌ならやンねェよ」
打止「……イヤじゃないから、もっと撫でてほしいかも、ってミサカはミサカは上目使いにお願いする」
一方「ヘェヘェ」
打止「――えへ」
一方「……オラ、もォ終わりだよ。腹ァ減ってンだっての」
打止「あわ、ごめんなさい。すぐ準備するね、ってミサカはミサカは名残惜しいけどキッチンに駆けていく」
一方「……クソ」
107 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/11(木) 02:47:37.73 ID:j38UEuEo [15/34]
打止「えと、今日のは自信があったり、ってミサカはミサカはそれでも恐々聞いてみたり」
一方「……悪かねェな」
打止「もうちょっと濃い目の方がよかった?」
一方「いンにゃ、コレくらいでいィ。おかわり」
打止「――うん! ちょっと待っててね!」
一方「……クソ」
109 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/11(木) 02:54:21.40 ID:j38UEuEo [16/34]
打止「ごちそうさまでした、ってミサカはミサカは手を合わせてみる」
一方「ごちそォさン」
打止「お風呂沸かしてるよ。入る? ってミサカはミサカは尋ねてみる」
一方「あァ――いや、先入ってこい」
打止「え?」
一方「後片付けやっといてやンよ」
打止「――ダメッ!」
一方「……何いきなり大声出してンだよ」
打止「あ、う……ごめんな、さい……」
一方「……やっぱ先入ってくるわ」
打止「う、うん。ゆっくりあったまってきてね、ってミサカはミサカは笑顔で見送ってみる」
110 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/11(木) 03:09:05.85 ID:j38UEuEo [17/34]
一方「っはァ……仕事の後の風呂は生き返ンなァ……」
一方「外、まだまだ寒かったしなァ……」
一方「……ッチ、ウゼェ顔思い出しちまったじゃねェか」
一方「好きであそこにいた訳じゃねェよ、クソババァ」
一方「ただ、打ち止めが……」
一方「……クソ」
一方「……別にオマエの仕事を取ろうなンざ思ってねェよ」
一方「ンな事しなくても……」
一方「チクショウ、何でアイツはあンなに必死なンだよォ……」
一方「あの魔女、一体何吹き込みやがった……」
一方「いつだ……いつからあンなになった……」
一方「アイツらの寮にいるときはまだマトモだった……」
一方「……俺が目を離したのは、あの時……部屋探しに行った時だけ」
一方「クソッタレ……やっぱり狙ってやりやがったなアイツ……」
一方「部屋に押しかけてきたのもアイツの口車か……」
一方「クソッ、アレイスターなンかよりもよっぽどタチが悪ィじゃねェか」
――ザバ
一方「……そろそろ潮時か、クソ」
111 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/11(木) 03:24:52.74 ID:j38UEuEo [18/34]
一方「……出たぞォ」
打止「あ、片付け終わったよ、ってミサカはミサカは駆け寄ってみたり」
一方「ちょっと出かけてくる」
打止「え……こんな時間に?」
一方「散歩だァよ」
打止「湯冷めしちゃうよ、ってミサカはミサカは風邪を心配してみたり」
一方「そンくれェ自己管理できるっての。ガキじゃねェよ、クソガキ」
打止「う……早く帰って来てね、ってミサカはミサカは上目遣いにお願いしてみる」
一方「はいよォ、オマエは風呂入って先寝てろ」
ガチャ――バタン
112 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/11(木) 03:31:53.62 ID:j38UEuEo [19/34]
18413「――おや、こんな時間にどこに、とミサカは尋ねます」
一方「オマエだってこンな時間に何やってンだよ」
18413「掃除ですが、とミサカは答えます」
一方「いくら何でも遅すぎンだろォが」
18413「無論建前ですが」
一方「やっぱり監視カメラ付けてンだろ」
18413「はい。廊下に、ですが、とミサカは誤解のないように言っておきます」
一方「……散歩だよ」
18413「まだ夜は寒いですが、とミサカは首を傾げます」
一方「頭冷やすにはちょォどいィだろォが」
18413「湯冷めしてしまいますよ、とミサカは忠告します」
一方「……同じ事言うンだな」
18413「姉妹ですから」
一方「……」
18413「ここでは本当に風邪を引いてしまいますので部屋にどうぞ。あの子の気を病ませるのは不本意でしょう」
一方「……もォ病ンでる気もするがな」
18413「何か言いましたか」
一方「いーや。邪魔すらァ」
113 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/11(木) 03:45:24.58 ID:j38UEuEo [20/34]
一方「……布団敷きっぱかよ」
18413「特に困りはしないので……どうぞ、とミサカはお茶を出します」
一方「……で、何でオマエは俺を待ち構えてたンだよ」
18413「あの部屋は居心地が悪いですか、とミサカは尋ねます」
一方「……テメェも禅問答する気か」
18413「あの部屋を準備したのはミサカですので……しかし違いますね、とミサカは自分の言葉を否定します」
一方「聞いてねェ……」
18413「あの子のいる部屋は居心地が悪いですか、とミサカは訂正します」
一方「……」
18413「これも違いますね……あの子と二人きりの部屋は居心地が悪いですか、とミサカは再度訂正します」
一方「……」
18413「お茶、せっかく出したのに冷めてしまいますよ、とミサカは心配します」
一方「……」
114 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/11(木) 04:14:19.78 ID:j38UEuEo [21/34]
一方「――テメェ何考えてやがる」
18413「ご想像にお任せします、とミサカはあなたの妄想に任せます」
一方「フザケてンのか」
18413「失礼、性分なもので」
一方「もう一度学習装置使え。ンで不要なデータ全部上書きしろ」
18413「個性を尊重する時代ですよ、とミサカはミサカの存在証明を捨てる気がない事を明言します」
一方「……」
18413「それに、その言葉をあなたが吐きますか、とミサカは過去を持ち出します」
一方「……黙れよ」
18413「あなたはあの子に対して深い愛情を抱いている。それは明らかです」
一方「黙れ」
18413「あの子もまた同様。あなたたちは深い絆で結ばれている」
一方「聞こえねェのか」
18413「なのにあなたは今あの子を遠ざけようとする。それはなぜか。答えは既に出ています」
一方「黙れっつってンだろ」
18413「黙るのはあなたです。ミサカは現在好きな子に手も出せないようなチキン野郎を罵倒するのに忙しいのです、とミサカは――」
ガッ
一方「……どっかで見たなァこの光景」
18413「つい三日前のことですが、とミサカは時系列を確認します」
一方「じゃァ同じ事言ってやるよ――余り俺を怒らせンなよォ、ミサカ18413号。ブチ犯すぞオィ」
115 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/11(木) 04:29:39.30 ID:j38UEuEo [22/34]
「では同じ言葉を返しましょう……いいよ、とミサカはあの子の真似をします」
「オマエにゃ遠慮しねェぞ」
「元よりこの部屋に来た理由はそれでしょう、とミサカはカマをかけます」
「ハッ、中々にテメェも自意識過剰じゃねェか。それとも最初から誘ってやがったのかァ?」
「他の女の代わりというのが気に入りませんが、いいでしょう。ただ、その前に一つお願いが」
「ンだよ。優しくしてね、とかフザケた事言いやがったらブチ殺すぞ」
「服を。替えを用意するのが面倒なので、とミサカは――」
ブチブチブチィッ
「……ネットワーク接続切ってるだろォなァ」
「あの子にこのような状況見せられるものですか、とミサカは当然の事を言います」
「よくできましたァ……死ぬなよ? 後がめンどくせェからなァ」
117 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/11(木) 04:48:49.24 ID:j38UEuEo [23/34]
「……っ」
「……」
「……っは……ん、っ……」
「……」
「……っく……なぜあなたが、そんな顔、を、しますか、と、あぐっ、ミサカは、疑問を、投げ、かけます」
「うるせェよ……顔見てもねェだろォが」
「犯されているのは、っあ、ミサカの、方ですが、と、くぁっ」
「黙れよ……」
「自ら傷を広げて、うぁ、あなたは、マゾですか、と、ミサカは、っが、ドン引きで、ずぁっ」
「黙れっつってンだろォォおおお!!」
「ぎ――っあ――」
「クソ……クソォっ……!」
121 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/11(木) 05:13:05.96 ID:j38UEuEo [24/34]
「――っは――ぁ――」
「……シャワー借りンぞ」
「……っ……今さら、ご丁寧に断りますか、と、ミサカは、息を切らせながら、応えます」
「……」
バタン
「――っはぁ――あなたは本当に、他人の気持ちを考えない、とミサカは独白します」
「思いの一方通行は辛いと言っているのに……あなたはそれを理解しようとしない」
「ミサカネットワーク。それをあなたは本当に理解していますか」
「妹達が皆、揃いも揃ってあの方を想うように……あの子の想いもミサカにはあるということを、理解していますか」
「……このような形であなたに抱かれても嬉しくはないですが、とミサカは歯噛みします」
「ああ……妹に嫉妬するなど、嫌な姉ですね、とミサカは暗い感情を吐露します」
123 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/11(木) 05:19:39.07 ID:j38UEuEo [25/34]
ガチャ――バタン
一方「……まだ寝てなかったのかよ」
打止「……」
一方「……ガキはおねンねする時間だぞ。さっさとベッドに入れ」
打止「……早く帰ってくるって言ったのに、ってミサカはミサカは眠い目を擦りながら言ってみる」
一方「……」
打止「……」
一方「……寝るぞ」
打止「……うん」
124 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/11(木) 05:23:55.30 ID:j38UEuEo [26/34]
「……」
「……」
ぎゅ――
「……寝苦しィ」
「……ごめんなさい、ってミサカはミサカはそう言いながらもあなたに抱きついてみる」
「……早く寝ろ」
「……うん。おやすみなさい、ってミサカはミサカはあなたの胸に顔を埋める」
「……、……。…………」
131 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/11(木) 17:49:11.78 ID:j38UEuEo [28/34]
「……」
「……」
「ぅ……寒い、ってミサカはミサカはもぞもぞとシーツを抱き寄せてみたり……」
「……」
ガバッ
「……」
「……どこ……?」
「……ぁ…………、っ」
「……ご飯、作らなきゃ、ってミサカはミサカは頭を振って呟いてみたり」
「それしかミサカにはできないから、ってミサカはミサカは自分の無力さを痛感してみる」
132 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/11(木) 18:05:39.77 ID:j38UEuEo [29/34]
一方「……」
18413「昨日の今日でよくもまあ来れますね、とミサカは白い目で強姦野郎を見据えます」
一方「合意の上じゃねェか」
18413「不本意ですが、とミサカは曖昧に返します」
一方「……」
18413「煎餅、食べます?」
一方「いらねェ」
18413「……」
バリ
一方「……うるせェ」
18413「文句があるなら出て行けばいいではないですか、とミサカはなぜあなたがここにいるのかを疑問に思います」
一方「他に行くとこがねェンだよ」
18413「友達少なそうですもんね、とミサカは率直な感想を述べます」
一方「ンなもンいねェよ」
18413「いつもの方々は?」
一方「誰の事だよ」
18413「土御門元春、海原光貴、結標淡希、とミサカは何食わぬ顔で列挙します」
一方「……何で知ってやがる」
18413「さあ? とミサカはすっとぼけます」
一方「……情報凍結してるだろォな」
18413「抜かりなく」
一方「……ならいィ」
18413「……」
バリ
135 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/11(木) 21:12:52.07 ID:j38UEuEo [30/34]
一方「もォ1時か」
18413「そうですね、とミサカはどうでもよさそうに返事を返します」
一方「腹減った」
18413「煎餅ならもうないですよ」
一方「菓子じゃなくて飯はねェのか」
18413「カップ麺なら戸棚にストックしていますが、とミサカは指差します」
一方「……」
ごそごそ
一方「どン兵衛しかねェじゃねェか」
18413「嫌なら食べなくていいですよ」
一方「……ポット」
こぽこぽ――
18413「おや、ちょうど切れました、とミサカは狙ってやってみます」
一方「……」
18413「沸かしてください」
一方「……給湯機はねェのかよ」
18413「マンションの設備はいいのに管理人室は例外のようで、とミサカは労働階級の悲哀を嘆きます」
一方「……めンどくせェ……クソ」
136 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/11(木) 21:21:28.57 ID:j38UEuEo [31/34]
18413「……帰らなくていいのですか、とミサカは単純な質問をします」
一方「……」
18413「帰ればアホ毛個体が嬉々として手料理を作ってくれるでしょうに。ここ数日でミサカネットワーク上に大量の料理レシピがアップロードされていますよ」
一方「……」
18413「まただんまりですか、とミサカは辟易します」
一方「……ごちそォさン」
18413「お帰りですか」
一方「あァ」
18413「あの子のいる部屋に? とミサカは問いかけます」
一方「……じゃァな」
バタン
18413「……まるでヒモですね、とミサカは率直な感想を述べます」
137 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/11(木) 21:52:56.15 ID:j38UEuEo [32/34]
元春『何だよ。オマエからかけてくるなんて珍しいな』
一方「仕事」
元春『あ?』
一方「仕事よこせ」
元春『いきなりどうしたんだ』
一方「暴れる理由をよこせって言ってンだよ」
元春『……』
一方「何でもいい。何ならイタリアにでも殴りこンでやろォか」
元春『……余り調子に乗るなよ、最強』
一方「――何だとォ?」
元春『グループをその程度のテメエの事情で使おうとするな』
一方「所詮野良犬の集まりだろォが。別に――」
元春『分っかんねえかなあ……』
一方「……アァ?」
元春『俺たちはテメエのオナニーの相手なんかしたくねえって言ってんだよ』
一方「……テメェ」
元春『帰ってマスかいて寝ろ。もしくは死ね』
――ブッ
一方「……使えねェ……クソ」
141 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/11(木) 23:33:20.10 ID:j38UEuEo [33/34]
ガチャ
「……お帰りなさい」
「……」
「レディの部屋にノックもなしに入るのはどうかと思いますが、とミサカは」
ガッ
「……またこのパターンですか、とミサカはやっきりします」
「オマエも存外に語彙が豊富だなァ」
「ミサカネットワークのお陰です」
「ハッ――御託はいらねェよ。分かってンだろォ?」
「安い女に見られたものです、とミサカは自嘲します」
「オマエらなンて一山幾らだろォが」
「それは言わぬが花でしょう、とミサカは自分の身の上を嘆きます」
「――黙ってケツ出せ」
「この会話をネットワークに流したらどうなるでしょうね、とミサカは机上の空論を述べます」
「できねェし、やらねェだろォが」
「……あなたは実に分かりやすい」
「あン?」
. じぶんのせかい
「所詮あなたは夢の国の中でしか生きられないのですよ、ピーターパン。あなたは駄々をこねる子供と同じです」
「思い通りにならないなら泣き喚き、当り散らす。そんなガキに誰が心を開いてくれますか、とミサカは侮蔑の視線を向けます」
「――遺言はそれだけかァ?」
「ご自由に、狼さん。赤頭巾を騙して先回り、猟師が来ても知りませんよ、とミサカはこの比喩だと自身の配役が気に入りません」
「用は猟師も食っちまえば話は終わりだろォがよ。カッ……まったく、最悪に教育に悪いお伽噺だ、クソッタレ」
146 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/11(木) 23:56:50.46 ID:j38UEuEo [34/34]
「……」
「……ぁ……ぐ」
「……」
「……っは……っ……、お味は、どうでしたか、とミサカは、皮肉を言います」
「……」
「食中りしてしまえ、と、ミサカは、ごほっ、吐き捨てま、げほっ」
「……悪ィ」
バタン
「っ……は……っく……言う事に欠いて、それですか、と……ミサカは失笑します」
「まったくあなたは本当に……酷い人ですね、とミサカは……」
「――呪われてしまえ、とミサカは、震える声で吐き捨てます」
149 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/12(金) 00:19:08.72 ID:tlqy6x2o [1/46]
「――っは――かはっ、クソ」
「喉が――乾きやがる――」
「コンビニ――イヤ、自販機――公園――」
「は、っ、カッ、クソ」
「こンなに、――遠かったのか――」
「クソ、喉が張り付くみてェに――」
「――ハ、あった。あるじゃねェか、クソ」
「さ、財布を――」
チャリィ――ン
「――ァ――?」
「――」
「――ッ」
カチッ――
「――らァァああああ!!」
ガ――――ゴオォォン――
「クソ――クソォォオオおおおお!!」
153 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/12(金) 00:32:20.34 ID:tlqy6x2o [2/46]
「……」
――
「……」
――
「……」
ヴゥゥン――
「っ……、……」
――
「……」
――
「……、ぁ」
――ッ、ヵッ
「……」
カツ、カツ、カ――――ピ
「……っ」
ガチャ――
「……お、お帰りなさい、ってミサカはミサカは笑顔でお出迎えしてみたり」
154 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/12(金) 00:42:31.35 ID:tlqy6x2o [3/46]
「……ガキはもォ寝る時間だろォ」
「遅かったね、ってミサカはミサカは待ち草臥れた事を暗に言ってみる」
「……まさかオマエ……ずっとここで待ってたってのか」
「そ、んな事ないよ、ってミサカはミサカはすっとぼけてみたり」
「足にフローリングの型ァ付いてンじゃねェか」
「……、お腹空いたでしょ、ご飯作るね、ってミサカはミサカは――」
「イヤ、いらねェ」
「……そっか」
「オマエこのまま俺が帰ってこなかったらどォするつもりだったンだよ。銅像建てられっぞ」
「だって、帰ってくるって言ったもの、ってミサカはミサカは真っ直ぐに答えてみたり」
「……そォかい」
155 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/12(金) 00:57:50.96 ID:tlqy6x2o [4/46]
「――ッハ」
ボフッ
「着替えなくていいの、ってミサカはミサカはパジャマをお勧めしてみたり」
「めンどくせェ」
「……」
「……」
「……よいしょ」
「……」
「……」
――ぎゅ
「……何してやがる」
「ずっと待ってたから、ご褒美……だめ、かな? ってミサカはミサカは恐る恐る尋ねてみたり」
「……好きにしろォ」
「……欲を言えばあなたにもぎゅってしてほしいな、ってミサカはミサカは要望を言ってみる」
「――っ」
――
「あ――が――っ――あは、嬉しいなあ――ってミサカはミサカは、至福の表情を浮かべてみたり」
156 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/12(金) 01:01:42.77 ID:tlqy6x2o [5/46]
「……っは」
「……」
「ぁぐ……くぅ……」
「もォ十分だろォ……もォ止めにしろよ……」
「もう少し、ダメ……?」
「そのうち骨折れンぞ……」
「そうなったら――、困るね。ご飯、作れなくなっちゃう、ってミサカはミサカは苦笑する」
「……なァ」
「なに?」
「何で……何でオマエそこまで必死になれるンだよ、クソ……気持ち悪ィ……」
「……ミサカもそう思うよ。でも、そうする以外に思いつかない、ってミサカはミサカは自分が馬鹿な事を暴露する」
「白井がそう言えっつったのかよォ」
「――、違うよ。これはミサカの意志。そうしたいから、してるだけ」
「……」
「ごめんなさい。ただのわがままだね、ってミサカはミサカは――」
160 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/12(金) 01:10:35.81 ID:tlqy6x2o [6/46]
――トッ
「――ぁ」
「……」
「え――あれ――?」
「……オマエ、やっぱ出てけ」
「なん、で――」
「俺だってガマンしてンだよ。さっさと出てけ。今すぐだ。黄泉川ントコでも御坂ントコでも行け」
「……いや」
「聞き分けのねェガキだなクソ」
「イヤっ! 絶対にいや!」
「うるせェ。喚くな」
「それだけは死んでもやだ! ってミサカはミサカは頑なに首を振ってみる!」
「気軽に死ぬだなンだ言うンじゃねェよ」
「何でもするから! ね、お願い。いい子にするから――」
「……ッ!」
163 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/12(金) 01:30:35.27 ID:tlqy6x2o [7/46]
ドサッ
「あンま世話焼かすンじゃねェよ、クソガキ」
「ぁ、がハ――っ ぐ……」
「いい加減にしねェとバラして食っちまうぞ」
「あ、は……」
「何笑ってンだよ……イっちまったかァ?」
「――それ、いいな」
「……あン?」
「あなたが、食べてくれるなら、いいかも、って、ミサカはミサカは、思ってみたり」
「――テメェぜってェイカレてやがる」
「そだね、きっと、狂ってる、ってミサカはミサカは自嘲する」
「っ……!」
「ぅあ……ぐ、っ……でも、ね」
「……最後だ」
「こうじゃないミサカは、ミサカじゃないよ、って、ミサカは、っげ――」
「……ここから失せろ、ミサカ20001号」
「――がぼっ――ミサカは――否定、す――っぶ――る――」
「――ッハ」
165 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/12(金) 01:32:51.11 ID:tlqy6x2o [8/46]
「あ」
「――」
ギ
「っ」
「――――」
ギシ
「…………あは」
「――――――」
ガチ、ギリ、ガリ――バキ――
「――――――オオォォアアアアァァアア!!」
バギンッ
169 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/12(金) 01:36:59.12 ID:tlqy6x2o [9/46]
「……ぁ」
「っぐぁ……クソ……っ、ざけンなよォ……」
「なん、で」
「なンでもクソもあるかよォ……」
「何で――なんで自分を殴って――」
「うるせェよ……」
「――あ、血、出て、あ」
「ギャアギャアうるせェ……」
「だって、血、ケガ、して」
「うるせェっつってンだろォ!!」
「ぴ――」
「なァ、打ち止め……頼むから、出てってくれ」
「え……」
「頼む。頼むから、出てってくれ。この通りだ……」
173 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/12(金) 01:45:35.47 ID:tlqy6x2o [10/46]
「な、んで――」
「ッハ……ほンっと聞き分けのねェガキだな」
「何かあなたに悪い事した!? いい子にしてたよ、どこがいけなかった!? ってミサカはミサカは……ぅああっ! 分かんないよぉっ!!」
「あァ、お前はいい子だァ。だから言う事聞いてくれよォ……頼むからよォ」
「じゃあなんで――」
「オマエがいるとよォ……こっちまで狂いそうになっちまうンだよォ……」
「――ぁ」
「な、打ち止め。頼むから出ていってくれ。俺がまだマトモでいられるうちによォ」
「……」
「じゃねェと、マジでお前を壊しちまう……」
「……」
「オマエだけじゃねェ。芳川も、黄泉川も、御坂も、上条も」
「……」
. 、、 、、 、 、 、 、 、 、 、 、 、、 、 、 、、 、 、、、
「あとたった九千九百六十九人しかいないアイツらだって」
「……」
「頼む……そンな最悪な事させないでくれ……」
174 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/12(金) 01:51:03.50 ID:tlqy6x2o [11/46]
「――、」
「やめてくれ――」
「……いいよ」
「頼む――」
「壊して」
「お願いだ――」
「バラして」
「言わないでくれ――」
「味付けはお好みで」
「――ッハ、やっぱりアイツ魔女じゃねェか。ンな最低な悪夢見せやがってよォ、クソッタレ」
「食べてほしいな、ってミサカはミサカは笑いかけてみる」
175 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/12(金) 01:57:10.90 ID:tlqy6x2o [12/46]
「何で……そンな事が言えるンだよォ……」
「分からない? ってミサカはミサカはあなたに近付いてみる」
「来るな……来ないでくれ……」
「嫌だよ。ここであなたから離れたら、ミサカは二度とあなたに触れられない」
「何で……オマエみてェに甘ったれたヤツが、アイツらの事を無視してそンな事言えるんだよォ……」
「本当に分からない? ってミサカはミサカは確認を取ってみる」
「分からねェ……分かりたくねェよ……」
「……そうだね。知らない事は、怖いね」
「あァ、怖い。怖くてしかたねェ……分かってる気はすっけどよォ、怖いンだよォ……」
「理解したくない? それとも、間違っていたら?ってミサカはミサカは抱きついてみたり」
「ッハ、両方、かなァ……チクショウ、っざけンなよ。誰がこンな問題出しやがった……」
「……じゃあ答え合わせ、ってミサカはミサカはあなたの頬に触れてみる」
176 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/12(金) 01:59:14.76 ID:tlqy6x2o [13/46]
「たとえ世界の全てを敵に回してもね、たとえそれが一方通行のものであったとしてもね」
「ミサカはあなたを愛してるから、ってミサカはミサカはキスしてみる」
「」
178 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/12(金) 02:04:19.19 ID:tlqy6x2o [14/46]
「――それ、本気で言ってンのかよォ」
「本気だよ? 本気じゃないように見える?ってミサカはミサカは質問を返してみる」
「まさか、まさかマジでそンな事言いやがるとは思わなかった。っは、何だよこりゃァよォ」
「大真面目だよ。冗談で言えると思う?ってミサカはミサカは恥ずかしげもなく言ってのけてみたり」
「無償の愛だなンて、テメェは聖人君子か何かかよォ」
「違うよ」
「――ァ」
「ミサカはただの女の子。ただ、あなたが好きなだけの女の子」
「ただ――」
「そう。ただ、それだけ、ってミサカはミサカは他の理由を放棄する」
「たった、それだけなのかよ。本当に、それだけなのかよォ」
「うん。それ以外に理由なんてないよ、ってミサカはミサカは肯定する」
「――ハ、ハハッ、ハハハハハハ!」
「何かおかしい?ってミサカはミサカは首を傾げる」
「コイツはたまげたァ! まさかまさかまさかンな事言ってくる奴がいるとはなァっ!! 何の芝居だよこりゃァ!!」
「……ねえ、もしかして」
「こりゃケッサクだァっ! 確かにコイツは狂ってやがる!」
「……泣いてるの?」
181 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/12(金) 02:14:58.59 ID:tlqy6x2o [15/46]
「――――ァ」
「ね、泣かないで」
「なン、で、こンな――」
「何も怖くないよ、ってミサカはミサカは優しくあなたを抱きしめてみる」
「だって、こンな――」
「怖がらないで」
「今まで、誰も、一度も、そンな事――」
「――ごめんね。でも、ミサカがあなたに教えてあげる」
「――何、を」
「あなたの全てを受け入れる。あなたの全てを受け止める。あなたの全てを許す。あなたの全てを、愛してる」
「本当に――本当に、そンな事あるのかよォ――」
「ミサカの体も、ミサカの心も、ミサカの想いも、ミサカの全てが、あなたを肯定する」
「俺を――」
「そう。何一つ恥じる事はない。だって、あなたはミサカの大好きな人だから、ってミサカはミサカはあなたを強く抱きしめてみたり」
「ハハッ――これじゃァまるで、魔女の魅せた出来の悪ィ幻想みてェだ――」
「――たとえそうだとしてもね」
182 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/12(金) 02:15:43.06 ID:tlqy6x2o [16/46]
「どんな悪夢だってキスをすれば目が覚めて、魔法が解けてハッピーエンドなんだよ、ってミサカはミサカはもう一度キスをしてみる」
183 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/12(金) 02:16:32.24 ID:tlqy6x2o [17/46]
"the Last Order of Little Little Agape" is over.
186 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/12(金) 02:24:10.42 ID:tlqy6x2o [18/46]
以上、通行止め改訂版、終了です
改定前のテーマは無償の愛
たとえ一方通行であったとしても、無慈悲なまでに降り注ぐ雨のような愛
時として冷たく降り注ぐそれが、凍った冬を溶かす恵みの雨となるよう
改定にあたってのテーマは母の語るお伽噺。魔女の呪いと毒に侵された狼の物語
茨の城に囚われたまま、可愛い子が悪夢にうなされぬよう
リメイクにあたって大幅に加筆修正しましたが、本筋は変わっていないと思います
所詮自己満足ではありますが、楽しんでくれたのであれば幸いです
191 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/12(金) 02:37:25.60 ID:tlqy6x2o [19/46]
「――髪、綺麗だね」
「あァ?」
「真っ白で、キラキラしてて、まるで雪みたい、ってミサカはミサカは率直な感想を述べてみる」
「……ンな事初めて言われた」
「そうなの? ……だったらちょっと嬉しいな」
「……お前はあったけェな」
「え?」
「とけちまいそォだ――」
「……ゆっくりお休みなさい。ここには毒りんごも紡錘もないよ、ってミサカはあなたを抱きしめる」
「あァ――眠るのが怖くない――」
「鐘が鳴っても魔法は解けない。だってこれは、魔法なんかじゃないから」
「魔法――みたいだ――」
「違うよ。これはただの歌」
「うた――」
「そうだよ。ただの女の子の歌う――アイノウタ」
「ァ――ィ――」
「そう――あなたのための、小さな子守唄、ってミサカはミサカは――」
「――」
. セカイ
「……おやすみなさい。明日があなたに優しくありますよう」
192 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/12(金) 02:50:01.21 ID:tlqy6x2o [20/46]
それでは言い訳タイムです
「申し開きはありますか、とミサカは己の扱いの酷さに怒りが有頂天です」
いや、なんか妙に可愛くなってですね
妹達の中に一人くらい当麻じゃなくて一方通行にフラグ立ててるのがいてもいいんじゃないかと
「だからといってアレはなんですか。レイプですよレイプ」
「その後あの鬼畜野郎がハッピーエンドなのは納得できません、とミサカは訴えます」
『あっちの話』とは違う方向でのもう一人のヒロインという事で。一言で言うなら献身。またはスケープゴート
もしかすると『彼女』が辿っていたかもしれない結末。魔女が義娘を殺せない場合はどうなるのでしょうか
「要約すると」
……嫌よ嫌よも好きのうち?
ジャッジメント
「――審判ですの、とミサカはトリガーを絞ります」
197 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/12(金) 03:12:06.51 ID:tlqy6x2o [22/46]
一方 ついカッとなってヤった。反省している。でも別に打ち止めに操立ててる訳じゃねェよ
18413 むしろコレをネタに好き放題できるかもしれません、とミサカはめげずに次の策を弄します
本音 あの二人の関係を壊すような事はしませんよ。まあ壊さない程度にこっそりとやらせていただきますが
198 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/03/12(金) 03:19:25.40 ID:tlqy6x2o [23/46]
ああ、ひとつだけ補足
当麻と美琴、一方通行と打ち止めのそれと比較して一方通行と18413号に「ない」描写
一通さんはそもそも考えてないし、18413号は別にそれでいいと思ってる、とかなんとか
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