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唯「大学つまんない……」

1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/09/14(火) 02:43:09.65 ID:uDAttRdwP [1/49]
澪「……」

紬「……」

律「……」

唯(このメンバー飽きた……)

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/09/14(火) 02:50:03.27 ID:uDAttRdwP [2/49]
律「そろそろ講義行くか?」

澪「あー……」

律「何だよ、やる気出せよ」

澪「あの授業、単位埋めるのに履修しただけだし……」

律「……」

澪「まぁ皆が行くなら行くよー」

唯(真面目だった澪ちゃんが自分で決められない子になってしまいました)

律「じゃあ私も良いや、サークル行って来るから、んじゃあ」

唯(りっちゃんは授業よりサークルやバイトに入り浸りです。単位が心配です)

紬「私は講義行こうかな」

唯(ムギちゃんは普通です。お家と大学を往復するだけです)

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/09/14(火) 02:55:31.60 ID:uDAttRdwP
唯「かく言う私も特に何も無いのです……」

澪「何が?」

唯「独り言ー」

澪「ふーん」

唯(あれほどおしゃべりしていた私達が、今では集まっても黙々とご飯を食べるだけです)

唯「私、大学ってもっと楽しいと思ってた」

澪「律は楽しそうだけどね」

唯「新しい友達いっぱいだもんね」

澪「高校までは黙ってても結構何とかなったのにな」

唯「クラスが無いからね……」

澪「学部で友達出来た?」

唯「まぁ挨拶するくらいの人なら何人か」

澪「私そんな人すらいないよ……」

7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/09/14(火) 03:00:51.19 ID:uDAttRdwP
澪「最初に四人で固まり過ぎたのがいけなかったのかな」

唯「他の人達は皆バラバラだったけど、気付いたらグループ出来てたもんね」

澪「はぁ……もう良いや、帰ろう」

唯「まだお昼だよ?」

澪「いてもしょうがないし……夜の練習には行くから」

唯「うん」

唯(一応、まだ放課後ティータイムは続けています。はっきり言って自然消滅寸前ですが)

唯「さて、どうしようかな……講義行こうかな」

教室

唯(おお、人がいっぱい)

女「あ、平沢さん」

唯「おはよー」

女「おはよ、またね」

唯(会話はこれだけです。ここでは三人以外誰も私を唯とは呼んでくれません)

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/09/14(火) 03:08:49.50 ID:uDAttRdwP
教授「ぺらぺらぺらりんちょ」

唯(何言ってるか解んない……興味も無い……でも必修だから受けなきゃ)

唯(高校の頃はつまんない授業でも皆がいて楽しかったのにな)

女「そうそう、こないだの飲み会でー」

女2「楽しかったねー」

唯(学部生が集まっての親睦会があったようです。私達の知らないところで)

唯(彼女達に悪意はありません。私達が輪に入っていない、それだけの事です)

女「そう言えば、あの先生のゼミに入れてもらえる事になったんだ」

女2「えー、いいなー」

唯(彼女達には目的や目標があるようです。羨ましい限りです)

唯(ただ漠然と四人一緒に進路を決めただけの私達にはそんなものありません)

唯(何をしに大学に来ているのか自分でも解りません)

教授「ぺららぺらぺら」

唯(講義は地獄のように長いです)

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/09/14(火) 07:29:46.64 ID:uDAttRdwP
唯「やっと講義終わった、1日が本当に長いよ……」テクテク

唯「あ……」

律「いやいや、マジであそこのラーメンは最高だって!」ゾロゾロ

唯(りっちゃんが大勢の友達と歩いています。おそらくサークルのお友達でしょう)

唯(ちなみに軽音部ではありません、よく解らないサークルです)

唯(澪ちゃんが言うには、サークルの形式をとって援助金を得ているだけの遊び人集団らしいです)

唯(私にはよくわかりません)

唯「……」

律「ん、おー唯、後でなー!!」

唯「うん」

唯(誘ってはくれません。これもりっちゃんが悪いわけではないのです)

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/09/14(火) 07:32:54.51 ID:uDAttRdwP


唯(ある意味電車待ってる方が大学より良いかも……)

紬「唯ちゃん」

唯「あ、ムギちゃん」

紬「気付かなかったの?手を振ってたのに」

唯「ごめんごめん、考え事してた」

紬「そう……」

唯「うん」

紬「……」

唯「……」

紬「澪ちゃんは?」

唯「先に帰ったよ」

紬「そう」

唯「うん」

20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/09/14(火) 07:44:41.51 ID:uDAttRdwP
ガタンゴトン

唯「……」

紬「……」

唯「……ねぇムギちゃん」

紬「なに?」

唯「大学楽しい?」

紬「……」

唯「ムギちゃんって嘘つけないよねぇ」

紬「まだまだ始まったばかりじゃない」

唯「もう後期だけどね」

紬「唯ちゃんはもっとポジティブな子でしょ?」

唯「うんまぁ……落ち込むとかじゃなくてさ」

唯「ノリが違うと言うか……」

紬「最初から四人で固まってた上に、軽音部のノリを持ち込んじゃったもんね」

唯「うんたんが世間じゃドン引きなんて知らなかったよ……」

22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/09/14(火) 07:50:42.45 ID:uDAttRdwP
紬「また夜にね」

唯「うん」

唯(半分惰性のバンド活動)

唯(あずにゃんを置いてったら悪いからと大学の軽音サークルには入っていません)

唯(しかし憂が言うには、そのあずにゃんは後輩の指導で忙しいらしいです)

唯「ただいまー……って、誰もいないんだよね」

唯「ふぃー」ドサッ

唯「……」

唯「…………」

唯「………………やることない……」

唯「とりあえずご飯を炊こう、そうしよう」

24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/09/14(火) 07:59:57.64 ID:uDAttRdwP
唯「……」ジャー

唯「……」ザブザブ

唯「……」カチャカチャ

唯「……」ピッ

炊飯器「サンジュウフンデデキアガリマス」

唯「わーい」

唯(半年近くも一人暮らししてれば誰でも出来ます)

唯(というか私、意外と普通に普通の事をこなせます)

唯(淡々とこなすだけです)

唯「……」

唯(口数が減りました。返ってこない返事を期待するほどバカじゃありません)

唯(自分だけの部屋とはいえ、周りには他の人が住んでいます。ギターなんておいそれとは弾けません)

唯(ギターも弾けないとなると、己の無趣味さに気が滅入ります。私は時間を使うのが致命的に下手なようです)

28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/09/14(火) 08:10:20.77 ID:uDAttRdwP
唯「……コンビニ行こう」

唯(店員さんは確実に私の顔を覚え、立ち読み代金代わりに駄菓子数個しか買っていかない私を疎ましく思っているでしょう)

店員「しゃせーい」

唯「ジャンプ……」

唯(いつもなら読まない漫画まで読んでしまいます、他にやることも無いので)

唯「……」

店員「パねぇ」

店員2「な、パねぇよな?」

唯(パねぇパねぇ)

店員「マジパねぇな……しゃせーい」

唯「っ!」

女「……」テクテク

唯(思わず顔を隠します。なぜそうしたかは自分でも解りません。そしてそっと店を後にするのです)

唯(合わない会話が辛いなんて、この年で初めて知りました。しかし相手も同じでしょう)

唯(狭く浅い付き合い……悲しいことです)

30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/09/14(火) 08:19:34.27 ID:uDAttRdwP
唯「ただいま」

唯(一人暮らしは自由過ぎて、暇過ぎます)

唯(インターネットもさすがに飽きがきます)

唯(ゲームも一人じゃつまりません)

唯(読書や映画鑑賞は……やっぱり飽きます)

松本『ペヤングは一回やったやん、だから今回は浜田さんの大好きなアメちゃんを巨大化します』

浜田『金使いすぎやろ!!』

唯「あはは」

唯(垂れ流しているテレビから音と映像を受け取ります。頭に入っているかは知りません)

ピリリリ

唯「うわっ!?」

34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/09/14(火) 08:28:58.99 ID:uDAttRdwP
唯(携帯が鳴ることに驚きます。悲しいです)

唯「どうせ憂だよね……あれ、和ちゃん?和ちゃんだ!!」

唯「も、もしもし和ちゃん!?」

和『唯?久しぶりね』

唯「ほんとだよ~、全然連絡してくれないから寂しかった~」

和『それはあんたも同じでしょう、その様子なら元気にやってるみたいね』

唯「えへへ~何とか生きとります」

和『そう、結構心配してたんだけど』

唯「ん~、まぁ友達はあんまり……」

和『何言ってんの、私なんか最初完全に一人だったんだから』

唯「あ、うん」

和『でも意外とスムーズに友達出来るものよね、色んな地方から来てるから面白いわ』

唯「うん」

和『知ってる?大阪の子って本当になんでやねんって言うのよ、思わずテレビと一緒だなんて言っちゃったわ』

唯「うん」

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/09/14(火) 08:41:00.03 ID:uDAttRdwP
和『夏休みとか皆で旅行に行ったりするでしょ?』

唯「あ、うん」

和『今まで標準語だった子が急に方言使ったりして面白くて』

唯「うん」

和『先輩にご飯奢ってもらったり……そしたら終電が無くなっちゃって』

唯「うん」

和『皆で線路を歩いたり、徹夜で頑張って帰ったりね。楽しかったわ』

唯「良かったね」

和『学内で花火やって警備員さんに怒られるなんて、高校じゃ考えられないわね』

唯「だねー……」

和『そうそう、それからね』

唯「あ……そろそろ練習行かないとだから切るね」

和『あ、ごめんね、私ったら夢中で……今度またゆっくり話しましょう。唯の部屋にも遊びにいくわ』

唯「うん、待ってる。じゃあね」ピッ

唯「………………」

41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/09/14(火) 08:51:54.89 ID:uDAttRdwP
唯「……」

唯(和ちゃんが随分遠くにいってしまった気がします)

浜田『なんでやねん!!』

唯「ほんまなんでやねん……」

唯(テレビほど優秀な話し相手はいないかもしれません)

唯「ご飯食べようかな」

唯(練習時間?まだ先に決まってるじゃないですか)

唯「……」モソモソ

唯「……」モグモグ

唯「……」パクパク

唯(美味しい美味しくないじゃありません、お腹空いたら食べる。それだけです)

唯「……」カチャカチャ

唯(やることもないので即座にお皿を洗います。必要以上に念入りです)

唯「……」キュキュ

唯(この音がたまりません)

45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/09/14(火) 09:00:01.72 ID:uDAttRdwP
唯「そろそろ行こうかな」

唯「ギー太、行くよ」

唯(テキトーな服装に素っぴんで出掛けます。今さら澪ちゃん達に気を使う必要ありません)

唯(その良し悪しは知りませんが)

スタジオ

唯「おーっす」

澪「よっ」

紬「お疲れ様」

律「よっしゃ、唯も来たしチャチャッとやっちまおうぜ」

唯「おー、りっちゃんやる気だね」

律「この後飲み会だからさ、遅れられないの」

唯「あ、そうなんだ……」

48 名前: [―{}@{}@{}-] 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/09/14(火) 09:09:53.63 ID:uDAttRdwP
二時間後

律「んじゃまた大学でー」

唯「ばいばーい」

澪「気を付けてな」

紬「飲みすぎないでねー」

唯(誰もりっちゃんを責めたりしません。それは筋違いです)

唯(まぁ未成年飲酒はいけませんが……)

澪「……」

紬「……」

唯「帰ろっか」

澪「だな」

紬「そうね」

唯(高校の時はここから下らなくも楽しいお喋りが始まったはずです)

唯(しかし段々と減っていき……今では次の集合時間を確認するくらいです)

49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/09/14(火) 09:18:36.40 ID:uDAttRdwP
唯「……」テクテク

紬「……」トコトコ

澪「……」トボトボ

唯(結局私達は私達だけでいるしかないのかもしれません)

唯(皆で一緒の大学へ……それは叶いました)

唯(叶っただけでした。そこから先が空っぽだったのです)

唯(大学は目的を持って行く所、さわちゃんがそんな事をいってた気もします)
唯(さっさと夢でも見つけて頑張れば良いのですが)

紬「……」

澪「……」

唯(口には出さないけど、二人とも似たような気持ちだと思います。りっちゃんの順応性が羨ましいです)

澪「……なぁ、喫茶店でも寄らないか?」

52 名前: [―{}@{}@{}-] 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/09/14(火) 09:33:26.46 ID:uDAttRdwP
スタバ

唯「高いよぅ」

澪「あと100円は安く出来るはずだよね」

店員「お待たせしましたー」

唯「どもー」

澪「唯のやつ、クリーム盛り過ぎだろ」

唯「澪ちゃんだってこんな時間にアップルパイ食べるくせに」

澪「わ、私は晩御飯まだだからいいの!」

紬「うふふ」

唯(あぁ何だか懐かしい感じがします)

澪「そこ空いてるね」

唯「いっちばーん」

澪「まったく」

紬「あらあら」

唯(まぁこういうノリが受けなかったんですけどね)

53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/09/14(火) 09:39:17.99 ID:uDAttRdwP
唯「美味しーい」

澪「値段とるだけはある、か」

紬「私、友達と喫茶店行くのが……」

唯「……」

澪「……」

紬「……ごめんなさい」

澪「ふぅ……」

唯「正直さ……」

紬「うん……」

澪「……」

唯「……」

紬「……」

澪「……変わろう」

唯「え?」

澪「このままじゃいけないと思う」

58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/09/14(火) 09:51:18.18 ID:uDAttRdwP
唯(澪ちゃんが何を言いたいのかは即座に理解出来ました)

澪「ほら、高校二年の時に私だけクラス違っただろ?」

紬「うん」

澪「まぁ和はいたけど……逆に和がいたから、和に頼りきってなかなか新しい友達出来なかったんだ」

唯「ファンクラブあったくせにー」

澪「それは友達じゃない」

唯(澪ちゃんがガチです)

澪「もうあんな虚しいんだか寂しいんだかよく解らない……不安なだけの毎日は嫌なんだ」

唯「……うん」

紬「そうね」

澪「この年でこんな事言うの恥ずかしいけど」

澪「友達、作ろう」

60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/09/14(火) 10:03:28.23 ID:uDAttRdwP
澪「私ももう律に頼らない」

紬「……」

澪「いい加減、律離れしないとね」

唯(澪ちゃんはそう言って、超無理して笑いました)

澪「あ、でも律が嫌いになったとかじゃないぞ」

紬「うんうん、解ってるわ」

澪「そういえば唯」

唯「ほえ?」

澪「和はどうしてるんだ?連絡とかとってないの?」

唯「あぁ和ちゃん……楽しくやってるみたいだよ」

紬「和ちゃんならどこでもそつなくやれるでしょうね」

唯「うん」

唯(この時私は確信したのです)

唯(桜ヶ丘高等学校は、いかに恵まれた環境だったのかを)

唯(あれほど平和で暖かな学校の方こそ珍しいのです)

65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/09/14(火) 10:15:16.12 ID:uDAttRdwP
澪「じゃあ、頑張ろう」

紬「えぇ、学部の皆に積極的に話し掛けましょう」

唯「うんうん!きっとすぐに出来るよ!」

唯(なんだかんだで皆、寂しくて羨ましくてしかたなかったのです)

唯(三人で頑張れば何とかなる気がします。一人友達が出来たら紹介しあって……輪を広げていけば良いのです)

唯(目標が出来ると足取りも軽いです。あっという間にお家です)

唯「ただいま……だから誰もいないって」

女「……平沢さん?」

唯「わっ!?」

唯(あまりの驚きにこけました。間抜けです)

67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/09/14(火) 10:29:41.81 ID:uDAttRdwP
唯「え、えっと」

女「ちょっとー、同じ学部なのに忘れたの?昼も大学で会ったじゃん」

唯「いや、急だったから驚いて」

女「私もー!平沢さんもここに住んでたんだ?」

唯「女ちゃんも?」

女「私は三階だけどねー」

唯「知らなかった……」

女「この辺に住んでる子、結構いるよ」

唯「へー」

唯(なんだろ、外だと普通に話せる)

70 名前: [―{}@{}@{}-] 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/09/14(火) 10:40:43.54 ID:uDAttRdwP
女「ね、それギター?」

唯「うん、ギー……」

女「?」

唯(いけないいけない、ギー太なんていきなり言ったらドン引きされます)

唯「高校の時は軽音部だったから、今でも集まって練習してるんだー」

女「えー、聞きたーい」

唯「機会があればねん」

女「あ、そうだ、平沢さん今から暇?」

唯「え、うん暇だよ」

女「何人かで私の部屋に集まって遊ぶんだけどさ、平沢さんも来ない?」

唯「良い……の……?」

女「あ、無理だったら全然いいんだけど、せっかくだし、ね?」

唯「そ、それ、友達も誘って良い!?」

女「いつも一緒の人達?別に良いよー」

72 名前: [―{}@{}@{}-] 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/09/14(火) 10:50:58.86 ID:uDAttRdwP
澪「い、良いのかな?」

紬「ま、まぁお言葉に甘えましょう」

唯「うん、こんな絶好機を逃したらもう終わりだよ」

唯(きっかけなんてどこに転がってるか解らないものです)

女「お、来たねー、入って入って」

唯「お邪魔しまーす……」

女2「あー!」

女3「お、美人コンビじゃん」

澪「へ?」

デブ女「学部で有名だよ、確か秋山さんと琴吹さんだよね?」

紬「え、えぇ」

女2「おらおら、美人は尺をせんかい!」

女「2は相変わらず出来上がるの早いねー、テキトーに座ってね」

唯「う、うん」

74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/09/14(火) 10:58:42.59 ID:uDAttRdwP
女3「えー!?三人とも彼氏いないの!?ありえなーい!!」

澪「あはは……女子高だったし」

デブ女「今どきそんなの関係無いっしょ」

澪「あはは……そうかな……」

女2「秋山さん可愛いー!」ギュー

澪「う、うぅ……どうも……」

唯「おぉ、人見知りの澪ちゃんが頑張ってる」

女「そうなんだ」

唯「私達あんまり大学に友達いないから、こういうの新鮮」

女「うーん、ぶっちゃけ平沢さん達はもう後から入れないグループって感じだからね」

唯「あ、やっぱり?」

女「まぁね……ま、そんなこと置いといて飲もう飲もう」


77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/09/14(火) 11:06:07.79 ID:uDAttRdwP
唯「お酒……」

女「まさか初めて?」

唯「うん」

女「へー、珍しいね……まぁまぁチューハイなんてジュースだから」

唯「どれどれ」グビグビ

唯「あまーい」

女「でしょ?」

女2「へへへ、でかい乳しやがって、こいつ誘ってやがるぜ」

澪「い、いや……」

紬「女子大きて良かった……」

女3「デブー、つまみ足りないよー」

デブ女「あいよ」

唯「……」

ワイワイガヤガヤ

唯(あぁ、今ようやく大学生活始まった気がする)

79 名前: [―{}@{}@{}-] 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/09/14(火) 11:13:01.29 ID:uDAttRdwP
唯(しばらくすると、お酒の効果もあってか、すっかり打ち解けました)

唯(ムギちゃんに至っては2ちゃんに頬擦りしています)

唯(澪ちゃんは3ちゃんの彼氏との話に夢中です)

デブ女「チャーハン出来たよ」

女3「ごっちゃんです、どすこい」

デブ女「あんたその内張り倒すよ」

女「ふぅー」

唯「あ、タバコなんていけないんだ」

女「いる?」ニヤリ

唯「…………一本だけ」

女「悪い子だね」

唯「へっへっへ……すぱー……んぐっ!?」

唯「ぐぇっふぉ!!げぇっふ、がはがは!!」

女「あーあ、初めてで思い切り吸うから」ケラケラ

82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/09/14(火) 11:26:38.07 ID:uDAttRdwP
唯「不味い……」

女「お子ちゃまには早かったかな」ナデナデ

唯「うー」

女3「あ、唯ちゃん達ってバンドやってるんでしょ?」

唯「うん」

女2「おう一曲やってくれよ、おう早く」

澪「え、えぇ……」

紬「こんな時間だし、近所迷惑に……」

女「うん、さすがにね」

デブ女「でも聴いてみたいね」

唯「あー……私、プレーヤーに入れて……」

澪「じゃあ詞だけ読むよ」

唯「え?」

女「おー!オリジナルなんだ、凄い!」パチパチ

唯(そうです、澪ちゃんは人見知りで恥ずかしがり屋だけど、乗せられたら乗る子でした……)

90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/09/14(火) 11:47:12.00 ID:uDAttRdwP
澪「いつか夢に見ていた、一人暮らし」

澪「でもねリアルは時に切なく苦しくなるの」

澪「ふと見ると枕元には妖精」

澪「イッツ・キャンカレッジ・ファンタジー、たまには単位も落とすけど」

澪「ザッツ・キャンカレッジ・ドリーム、思いだけは残さない」

澪「とっておきのリリックをレポートに込めたなら」

澪「留年、浪人蹴飛ばして……叶えるよドリーミング・ナウ」

澪「HEY!!」

女「……」

女2「……」

女3「……」

デブ女「……」

唯「ムギちゃん……私死ぬ」

紬「私も」

94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/09/14(火) 11:52:17.52 ID:uDAttRdwP
澪「大学でライブやるかもしれないから最近書いた詞だけど……どうかな?」

女「あ、あぁ、うん」

女2「う、うんうん」

女3「きょ、曲があればまた印象変わるのかな?」

デブ女「…………よし、飲み直そう」

唯(これは不味い、さすがに私でも解る空気です)

唯(これから学部で楽しく過ごせるか、ここが運命の分かれ目です)

唯(そう、澪ちゃんを切るか、澪ちゃんと沈むか)

唯(あるいはこの空気を一変させる起死回生の手を打つか)

唯(時間が、無い!)

紬「……」

100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/09/14(火) 12:04:14.43 ID:uDAttRdwP
唯「……」

紬「……」

澪「……あれ?」

唯(ムギちゃん……)

紬(唯ちゃん……)

唯紬(澪ちゃんは私に任せて皆のところに行って!!)

唯紬(あ……)

唯(同じ事考えてたんだね……)

紬(そうね……やっぱり私達、放課後ティータイムだもの)

唯(一念和尚だね)

紬(一蓮托生、ね)

澪「うぉーい?」


102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/09/14(火) 12:13:01.93 ID:uDAttRdwP
唯(これから三年間、辛くなるね)

紬(ううん、また頑張れば良いのよ)

ピリリリリ

女「おりょ?」

唯「あ、私……もしもし?」

律『おー、唯、お前今どこにいるの?』

唯「どこって……」

律『実は今お前の部屋の前なんだけどさー』

唯「へ?」

律『いやいや、遅くなったから泊めてもらおうと思って。そしたら部屋の鍵しまってるし』

唯「あ、ええと……ちょっと待って」

唯「あ、あの、もう一人来ても大丈夫かな?田井中っていういつもカチューシャしてる子なんだけど」

女「え、うん、まぁ」

唯「ありがと……あのねりっちゃん、実は……」

108 名前: [―{}@{}@{}-] 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/09/14(火) 12:20:04.55 ID:uDAttRdwP
律「おっ邪魔ー!飲んでるかー!?」

女「ちょ、ちょっと!」

律「あ、近所迷惑か、ごめん」

唯「……」

女2「……」

女3「……」

律「あれ?何この空気」

紬「あ、あのねりっちゃ……」

律「あー、だいたい解った。澪がやらかしたな」

澪「なっ!!」

律「大方また背中痒くなる詞でも発表したんだろー」

女「あ、あはは……」

律「いやーうちの幼なじみがえらい迷惑を……お詫びに」ペロン

澪「うわっー!?」

律「ほれ今時レアな縞パン」

117 名前: [―{}@{}@{}-] 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/09/14(火) 12:28:13.53 ID:uDAttRdwP
律「あははははは!」

澪「止めろバカ律!」

律「お?どうした皆ノリ悪いぞー?」

紬「り、りっちゃん、酔ってる?」

律「え、全然?」

デブ女「今日はお開きにしようか」

女3「そ、そうだね」

律「えー!私来たばっかりなのにー!」

唯「ご、ごめんね女ちゃん!片付けもせずに!」ドタバタ

女「あ、う、ううん、良いよ別に……」

律「あははは……うぷっ」

澪「お、おい……」

唯「うわあああああ!!ムギちゃあああああん!!」

124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/09/14(火) 12:35:04.59 ID:uDAttRdwP
紬「はいいいいっ!!」ガシッ

律「うぶぶぶぶ」

唯「お邪魔しましたー!!」

女「凄い……田井中さん抱えていった……」

唯の部屋

律「うっぶぼぼぼぼぼ」ゲロゲロロン

澪「……」

紬「……」

唯「二人とも泊まっていってくれていいからね……ていうか泊まって」

澪「うん」

紬「解ったわ」

唯「私、女ちゃんに謝ってくるね……りっちゃんをよろしく……あ、冷蔵庫の水とか使って良いから」

律「うぼぁー……」

131 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/09/14(火) 12:43:36.80 ID:uDAttRdwP
唯「あの、その、ほんと、ごめんなさい……」

女「あー、いいからいいから」

唯「せっかく楽しかったのに」

女3「まぁまぁ、よくあるってこういうのは」

女2「そうそう、覚えたては仕方ないよ……うぶっ」

デブ女「え、あんたも?」

女「本当に気にしなくて良いからさ、これに懲りずにまた遊ぼうよ」

唯「う、うん……ありがとう」

女「あ、でも田井中さんはちゃんと叱っといてね」

唯「あはは、了解」

女「あと秋山さん……何でもない」

142 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/09/14(火) 12:53:13.15 ID:uDAttRdwP
唯「ただいまー」

紬「おかえりなさい」

律「うぼぁー……」

唯「澪ちゃんは?」

紬「ウコンの力買いに行ったわ……ついでに歯ブラシとかも」

唯「あ、ごめんね、全然用意無くて」

紬「ううん」

律「うぼぁー……」

ピロリン

唯「ありゃ、メール?」

和『ただ今、人間はどれくらい眠らず麻雀出来るかを実験してます。研究成果にご期待下さい』

唯「あはは……楽しそうな写メ……」

律「うぼぁー……」

唯「……ほんまなんでやねん」

146 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/09/14(火) 13:00:58.65 ID:uDAttRdwP
澪「うぉっす」

唯「おかえり」

澪「微妙にコンビニ遠いなここ……」

唯「実は裏道があるんだよー」

澪「あの墓地みたいなとこか?嫌だよあんなとこ歩くの……律、これ飲め」

律「んぐんぐ……」

律「わたしはしょうきにもどった!」

澪「はいはい……はい、ムギの歯ブラシ」

紬「ありがとう」

唯「なんか目が冴えちゃったねー」

澪「だな」

唯(四人でこんな空気になるのは久しぶりでした)

152 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/09/14(火) 13:11:15.85 ID:uDAttRdwP
唯(それから私達はようやく本音で話しました)

唯(正直進路を一緒にしたのは間違いじゃなかったのか)

唯(友達が出来ないのをお互いに棚上げしていなかったか)

唯(そのくせ無理して集まっていなかったか……)

唯(不思議と険悪なムードにはなりませんでした)

唯(笑いながらお喋り出来ました)

唯「だから澪ちゃん友達いないんだよー」

澪「うるさいなー」

唯(ある意味高校の時より遠慮無しです)

紬「女子大なのに皆、彼氏ばっかり欲しがるのね」

唯(それは知りません)

律「吐いたら腹減ったなー、何か無いの?」ガサゴソ

唯(私がムエタイチャンピオンならケツにミドルキックですが、違うので許します)

162 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/09/14(火) 13:21:00.86 ID:uDAttRdwP
律「おぉ、もう朝じゃん……」

澪「全然寝てない……肌が死ぬ……」

紬「もしもし斎藤?このまま大学行くから……もう、唯ちゃん達と一緒ですから心配いりません!」

唯「眠い……」

ガチャ

女「うおらー!起きてるかー!」

唯「わわわ、女ちゃん!?」

デブ女「おいっす」

女3「おはよー」

女2「あぁ、頭ガンガンする」

唯「ど、どうしたの?」

女「朝マック、行くでしょ?」

168 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/09/14(火) 13:29:30.71 ID:uDAttRdwP
ゾロゾロ

女3「なんで朝マクドじゃないんだろうねー」

律「出たな関西人」

紬「私、友達と朝マックするのが夢だったのー」

デブ女「朝マック昼マック夜マックは基本」

女2「澪ちゃん肩貸して……」

澪「えぇ……ちゃんと歩いてよ」

女「皆、死んでるねー」ケラケラ

唯「……」

女「なに?」

唯「誘ってくれてありがと……昨日も今日も」

女「いちいち感謝されても……いやむしろ私こそ無理矢理じゃないか心配なんだけど」

唯「ううん、全然」

女「じゃあ良いんじゃない、もっと気楽にいこうよ」

唯「うん!」

179 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/09/14(火) 13:39:29.98 ID:uDAttRdwP
マクド

デブ女「メガマフィンとメガマフィンセット」

律「食い過ぎだろ」

女2「私は水で良いや……食べる気しない」

澪「マックグリドルで」

女3「えー、あんな甘いの邪道だ」

澪「そこがいいの」

紬「朝はやっぱりコーヒーよね」

女「あとタバコ」

唯「……」

唯「皆、こっち向いてー」

ピロリン

184 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/09/14(火) 13:44:08.30 ID:uDAttRdwP
和「ロン、ロン、ロォォォォォンッ!!」

男「バカなぁぁぁぁっ!?」

ピロリン

和「ちっ、誰よノッてきたのに……」

唯『イェーイ、朝マックー!!あ、回りにいるのは大学のお友達だよー』

和「……」

男「おい、真鍋の親だぞ」

和「そうなんだ、じゃあ私天和するね」

男「嘘……だろ……?」

和(良かったわね、唯)

196 名前: [―{}@{}@{}-] 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/09/14(火) 13:54:41.06 ID:uDAttRdwP
唯(あの日から数日経ちました)

唯「女ちゃん、おはよー」

女「うっす……大学行くの?」

唯「うん」

女「あのー……神様仏様唯様……」

唯「代返ならしないよー?」

女「うぅ……そこを何とか」

唯「どーしよっかなー」

女「晩御飯、私がやるから」

唯「乗った!」

唯(女ちゃんとは家が近いのでこんな毎日を送ってます)

唯(ギブアンドテイクです)

202 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/09/14(火) 14:01:56.03 ID:uDAttRdwP
大学

唯「おいーっす」

澪「おはよ」

女2「やっほー」

紬「おはよう」

唯「りっちゃんは?」

澪「デブが捕まえにいった」

唯(りっちゃんは相変わらずサークルに入り浸っています。単位が真剣に危ないです)

唯(でも盛り上げ番長として人気はあるようです)

女3「んで結局澪達はライブしないの?」

澪「散々人の歌詞笑ったくせに……」

女3「悪かったってー」

唯(その内やるかもしれません。その時は和ちゃん達も呼びたいと思います)

212 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/09/14(火) 14:15:14.16 ID:uDAttRdwP
唯「ただいまー……テレビテレビ」

松本『まぁ、うちの相方もかなりのエキセントリック少年ボウイですけどね』

浜田『誰がや』

唯「あははは」

ピリリリ

憂『もしもしお姉ちゃん?』

唯「うん、どうしたの?」

憂『特に用事は無いけど……元気かなって……夏に帰ってきた時はつまんないって言ってたから』

唯「あぁ、大学はねぇ……」

唯「今のところ、楽しくやってるよ」

唯(きっかけなんて本当にどこに転がっているか解りません)

女「唯ー、ご飯ー」

唯「お、きたきた……じゃ憂、また電話するね」

唯(とりあえず、色んなお誘いは乗ってみるべきかもしれません。では!)

おしまい

232 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/09/14(火) 14:23:00.87 ID:uDAttRdwP [49/49]
鬱エンドの予定だったし、皆もご所望だったようだが、なんかこうなった
暇ではあるけど糞眠いから限界
俺は唯達とは逆で高校暗黒で大学最高だわ
どうでもいいけど、女の見た目イメージは姫子が大人びた感じ

お休みん、リンカーン観ろよ

コメント

No title

リアルですね…

高校時代に輝いてた人は大学は充実しないことが多いらしい。

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