スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
ルルーシュ「記憶喪失?」
1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 18:03:07.78 ID:N/RFvwEp0
スザク「ああ、そうだ」
ルル「……スザク、冗談はよせ」
スザク「いいや、本当だ。わかっているんだろう?」
ルル「……」
スザク「本当に記憶を失っているんだ」
スザク「……――C.C.がね」
スザク「ああ、そうだ」
ルル「……スザク、冗談はよせ」
スザク「いいや、本当だ。わかっているんだろう?」
ルル「……」
スザク「本当に記憶を失っているんだ」
スザク「……――C.C.がね」
2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 18:05:37.34 ID:N/RFvwEp0
ルル「だが……そんなはずは……」
スザク「ルルーシュ、何か知っているのかい?」
ルル「……ああ、前にも一度同じことがあった」
スザク「! 前にも、記憶を失うほど強く頭をぶつけたことが!?」
ルル「……」
ルル「何だって?」
3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 18:09:00.35 ID:N/RFvwEp0
ルル「おい、スザク。お前今何t」
スザク「そうか……もしかして記憶を失う癖でもあるのかもしれない」
ルル「いや、前は強く頭をぶつけたわけじゃn」
スザク「でもさ、頭をぶつけただけで記憶を失うなんておかしいよね」
ルル「だからそうじゃn」
スザク「リセットボタンみたいでさ、あはは!」
ルル「スザアアアァク!!」
4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 18:12:19.52 ID:N/RFvwEp0
スザク「どうしたんだいルルーシュ? 急に大声を出して」
ルル「おい、C.C.は強く頭をぶつけたのか?」
スザク「うん、そうだよ」
ルル「一体何をしてるんだ、アイツは……!」
スザク「彼女を怒らないであげて欲しい。
それには訳があるんだ」
ルル「……何があったのか知ってるのか?」
スザク「今から話す。落ち着いて聞いてくれ」
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 18:16:53.28 ID:N/RFvwEp0
スザク「ルルーシュ、君には癖や習慣はあるかい?」
ルル「まあ、あるだろうな。そういったものは、
自分では気付かない所にもあるものだ」
スザク「そうだね、その通りだ。
それじゃあ、反射的にやってしまう事は?」
ルル「それもさっきの答えと同じだ。
……良いから本題に入れ」
スザク「廊下でぶつかったら、反射的に投げ飛ばしちゃったんだよ。
だから、彼女を責めないであげてくれ」
ルル「……?」
ルル「――それなら、原因はお前だろうが!?」
スザク「えっ? そうだよ?」
ルル「っ……!」
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 18:20:39.09 ID:N/RFvwEp0
スザク「だから彼女を責めないでくれって言ってるんじゃないか」
ルル「ほう……! さすがに気遣いが出来るなぁ……!」
スザク「当たり前だろう。だって僕は――」
スザク「――ナイトオブゼロ、だからね」
ルル「ははは……! ナイトオブゼロの仕事は、
俺の仕事を増やす事だったのか……!」
スザク「僕は君の剣だからね」
ルル「スザクっ……!」
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 18:24:54.81 ID:N/RFvwEp0
スザク「ルルーシュ。ここで話し込んでいても、
問題は何も解決しない。わかってるんだろう?」
ルル「ええい! 言われなくてもわかっている!」
スザク「だったら、今すぐ彼女の所へ行くんだ」
ルル「……何故お前が指示をする側なんだ」
スザク「僕は君の剣だからね。
それに……僕達は友達だろう?」
ルル「っ……!」
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 18:29:54.82 ID:N/RFvwEp0
ルル「……まあ良い。それで、C.C.は今どこに?」
スザク「宮殿内の道場に居るよ」
ルル「ああ、お前が訓練をするために作らせた施設だったか」
スザク「畳の方が心が引き締まるんだ」
ルル「それで、C.C.は何をしてるんだ?
そのまま放り出してきた訳じゃないんだろう?」
スザク「当たり前だろう? ちゃんと言い聞かせてからここに来た」
ルル「……それもそうか」
スザク「ルルーシュ、早く彼女の元へ行って欲しい。
そうしないと、畳の編み目を数え終わってしまう」
ルル「お前は何を言い聞かせているんだ!」
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 18:35:09.15 ID:N/RFvwEp0
ルル「ええい、とにかく急ぐぞ!」
スザク「なんだかんだ言っておきながら、
やっぱりC.C.の事が心配なんだね」
ルル「誰に対して“何だかんだ”言ったと思っている……!?」
スザク「急ごう、ルルーシュ」
ルル「仕方が無い……!」
スザク「記憶を失ったC.C.は、数は20までしか数えられないらしいけど、
それでもやり遂げる気がするんだ」
ルル「お前という奴は……!?」
14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 18:39:28.27 ID:N/RFvwEp0
・ ・ ・
ルル「……はぁ……はぁ……!」
スザク「相変わらず体力が無いなぁ」
ルル「はぁ……俺は……頭脳労働……タイプなんだ……!」
スザク「勿論知ってるよ。だけど、体も鍛えるべきだと思う」
ルル「ええい、うるさい!……C.C.はどこだ?」
スザク「……あそこに居るよ」
C.C.「――19……20……えっと、20の次は……」
ルル「……やはり“あの”状態か」
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 18:42:49.35 ID:N/RFvwEp0
ルル「……おい」
C.C.「はっ、はいっ! すっ、すみません!
まだ全部数え終わってなくて……す、すぐにやります!」
スザク「なんだ、まだ数え終わってなかったのか」
ルル「いや、もうそんな事はしなくて良い」
C.C.「で、でも……」
スザク「やれやれだ。君もそう思うだろう? ルルーシュ」
ルル「スザク、少し黙っていてくれないか?」
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 18:47:14.36 ID:N/RFvwEp0
ルル「俺の事がわかるか?」
C.C.「はい、ご主人様です」
スザク「それにしても、普段と全然違うな」
ルル「だったら、俺のいう事が聞けるな」
C.C.「わっ、わかりました!」
スザク「ルルーシュ。僕は、今のC.C.の方が素直で良いと思う」
ルル「スザク、確かにそうかも知れんが黙っていろ」
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 18:50:33.11 ID:N/RFvwEp0
ルル「……問題は、どうやって記憶を戻すかだな」
スザク「もう一度投げ飛ばしてみるかい?」
C.C.「ひうっ!?」
ルル「ああいや! そんな事しないから安心して良い」
C.C.「すみません……すみません……!」
スザク「このC.C.……少し面倒だね」
ルル「スザアアアァァァク!!」
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 18:53:24.57 ID:N/RFvwEp0
ルル「大丈夫だ。俺が絶対にそんな真似はさせない」
C.C.「ご主人様……」
ルル「だから、もう怯えるのはよせ」
C.C.「ご、ご命令でしたら……」
ルル「命令じゃない。これは、お願いだ」
C.C.「……お願い……」
スザク「いいや、命令すべきだ」
ルル・C.C.「……」
ルル・C.C.「えっ?」
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 18:57:28.07 ID:N/RFvwEp0
スザク「確かに、命令よりもお願いの方が聞こえは良い。
だけど、それには強制力が無いんだ」
スザク「ルルーシュ……ギアスを使ってきた君が、
どうして今そこで命令することを躊躇うんだ」
スザク「ここで命令をしないのは――逃げだ」
スザク「その方が話がスムーズにいくし……
何より、僕はちょっと面倒になってきたから」
ルル「C.C.、お願いだ」
C.C.「はっ、はい……わかりました」
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 19:03:13.32 ID:N/RFvwEp0
ルル「やはり、医者に見せるのが一番か?」
C.C.「すみません……何か失敗をしたんですよね……」
スザク「いいや、君のせいじゃない」
ルル「そうだ。だから、お前が気にする事はない」
C.C.「……ありがとうございます」
スザク「あれは事故だったんだ。誰の責任でもないよ」
ルル「いいや、お前のせいだ」
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 19:10:11.17 ID:N/RFvwEp0
ルル「……とにかく、医者にみせてみるか」
C.C.「お医者様……?」
ルル「ああ。ほら、立つんだ」
スッ…
C.C.「す、すみません! 私なんかのために手を……!」
ルル「……“私なんか”なんて言うな。
それに、こういう時は素直に礼を言うものだ」
C.C.「は、はい! ありがとうございます」
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 19:14:03.63 ID:N/RFvwEp0
ルル「よ、っと」
グイッ!
スザク「掛け声が必要なんて、力が無いなぁ」
ルル「うっ、うるさい!」
スザク「さあ、早く医務室に行こう」
ルル「っとと……!」
ヨロヨロッ……!
C.C.「ひゃあっ……!?」
29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 19:17:51.60 ID:N/RFvwEp0
スザク「? 早く行こうよ」
ルル「すっ、スザクどけっ!」
C.C.「あわわわっ……!?」
ヨロヨロッ……!
スザク「? 何をして――」
…トンッ
スザク「生きる!」キュィィン!
ルル・C.C.「!?」
――ゴチィンッ!……ドサッ!
つづく
31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/07(日) 19:19:00.77 ID:N/RFvwEp0
一服
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 19:56:00.11 ID:N/RFvwEp0
>>29
・ ・ ・
C.C.「……痛っ……!」
スザク「気がついたかい? C.C.」
C.C.「スザクか……おい、私に何があった?」
スザク「待って欲しい。今、大変な事が起きてるんだ」
C.C.「……何?」
ルル「大丈夫ですか? 痛む所はありませんか?」
C.C.「……」
C.C.「はっ?」
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 19:59:12.68 ID:N/RFvwEp0
C.C.「おい、“それ”は何の真似だ?」
ルル「それ、とは……?」
C.C.「とぼけるな。その喋り方だ」
スザク「いいや、ルルーシュはとぼけてなんかない」
C.C.「コイツがこの調子でとぼけていないとでも?」
ルル「……すみません」
C.C.「聞いただろう。何があったにせよ、
ルルーシュが素直に私に詫びるものか」
38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 20:04:08.32 ID:N/RFvwEp0
スザク「……口で説明するより、見たほうが早い」
C.C.「……?」
スザク「ルルーシュ、君の妹の名前は?」
ルル「? スザク、俺には妹はいないだろう。
居るのは弟のロロだけだ」
C.C.「!?」
スザク「これ分かって貰えたと思う」
C.C.「……」
C.C.「記憶喪失?」
40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 20:08:41.58 ID:N/RFvwEp0
C.C.「おい……冗談だろう?」
ルル「……確かに記憶が曖昧な所もあります」
ルル「どうして俺がブリタニアの宮殿に居るのか、
どうして貴方が倒れている所に居合わせたのかの記憶が……」
C.C.「……」
ルル「ブリタニアの貴族の貴方に怪我をさせてしまっては、
記憶が無いとはいえ申し訳が立ちません……」
C.C.「……本当……なのか」
41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 20:13:02.04 ID:N/RFvwEp0
ルル「……」
ルル(まずい……! 本当に思い出す事が出来ない!)
ルル(……俺は確か、ロロと学園からバイクで移動していたはずだ)
ルル(なのに、この状況は何だ? 一体どうなっている!)
ルル(それにこの女、スザクが言うにはブリタニア貴族というじゃないか)
ルル(傲慢なブリタニア貴族の怒りを買ったとなっては……!
それに、本国に居るとなっては退路は全て絶たれたようなもの……!)
ルル「っ……!」
ルル(ここは……機嫌を取っておくしかないか……!)
43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 20:15:00.62 ID:N/RFvwEp0
C.C.「……」
ルル「あの……」
C.C.「――ふふっ!」
ルル「えっ……?」
C.C.「そうか、忘れてしまったのか」
ルル「っ! す、すみまs」
C.C.「私達は将来を誓った仲だと言うのに」
ルル「……」
ルル「えっ?」
44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 20:19:11.12 ID:N/RFvwEp0
ルル「……将来を誓い合った?」
C.C.「ああ、そうだ」
ルル「あの、何かの間違いでは……?」
C.C.「スザク。私とルルーシュが“そういう”関係だと、
お前も嫌と言う程知っているだろう?」
スザク「勿論さ。忘れるはずがない」
ルル「……!?」
スザク「ちなみに、“そういう”意味では僕とも将来を誓い合った仲だ。
今は忘れてしまっているようだけど、これは真実だ」
ルル「……い……!」
ルル(意味がわからない……! ええい、一体どうなっているんだ!?)
45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 20:26:17.94 ID:N/RFvwEp0
C.C.「……それを忘れてしまうとは、お前は本当に酷い奴だ」
ルル「すっ、すみません!」
ルル(俺が、この女と将来を誓い合った仲だと!?)
ルル(つまり、俺とコイツは婚約者同士だった、
という事なのか……!?)
ルル(記憶が無いとはいえ、
ブリタニアの貴族が俺を自分の婚約者だと騙すか?)
ルル(……有り得ない。酔狂だとしても、家の名前に傷がつく可能性がある。
暇つぶしというメリットに対して、デメリットが大きすぎる)
C.C.「……ふふっ」
46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 20:33:50.78 ID:N/RFvwEp0
ルル「っ……!」
ルル(やはりここは、スザクに助け舟を寄越して貰うしか無いか……!)
ルル「――なあ、スザク。お前からも何か言っt」
prrrr!prrrr!
スザク「このコール音……また暴動がおきたのか!
早く行かないと、多くの血が流れてしまう……!」
ルル「……」
ルル「えっ?」
47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 20:37:24.28 ID:N/RFvwEp0
スザク「――すまない、ルルーシュの事は任せた」
C.C.「ああ」
ルル「おい、スザク……?」
スザク「ルルーシュ、僕は君の剣となる。
そして、彼女は君の盾となってくれる人間だ」
ルル「何を言ってるんだ!? 意味がわからないぞ……!」
スザク「ナイトオブゼロ、枢木スザク! 行って参ります!」ビシッ!
ルル「まっ、待て! せめてもう少し説明を……!」
ルル「スザアアアァァァク!」
48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 20:41:00.32 ID:N/RFvwEp0
ルル「くっ……!」
ルル(本当に行くとは……)
ルル(だが、ナイトオブゼロとは何だ?
ラウンズはナイトオブワンから始まるはずだが)
ルル(……失った記憶の中で何があったというんだ)
C.C.「――おい」
ルル「っ!……はい」
ルル(そして……この女は何だ)
50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 20:44:50.96 ID:N/RFvwEp0
C.C.「ふふっ。お前が私に対して、
そんな返事をする日が来るとは夢にも思わなかったぞ」
ルル「そう……ですか」
C.C.「ああ、そうだとも」
ルル「……」
ルル(情報が少なすぎる……!)
ルル(……今はとにかく、この女から機嫌を損ねずに情報を引き出すしかない)
ルル(あの……お聞きしてもよろしいですか?)
52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 20:50:12.88 ID:N/RFvwEp0
ルル「記憶を失ったままでは、貴方に失礼だと思いました。
なので、お話を聞けば何かきっかけになるかと……」
C.C.「ほう、確かにそれもそうだな」
ルル「では――貴方のお名前は?」
C.C.「C.C.だ」
ルル「し、C.C.? 変わったお名前ですね」
C.C.「よく言われるよ」
ルル「で、では――貴方の年齢は? 見た所、俺とさほど変わらn」
C.C.「女に歳を聞く……か」ギロリ
ルル「っ……!?」
ルル(何故不機嫌になる!?)
53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/07(日) 20:51:13.73 ID:N/RFvwEp0
>>50
>ルル(あの……お聞きしてもよろしいですか?)
↓
ルル「あの……お聞きしてもよろしいですか?」
で
54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 20:56:50.72 ID:N/RFvwEp0
ルル「で、では――俺とC.C.様はどうやって――」
C.C.「C.C.で良い。“様”はいらん」
ルル「……わかりました」
C.C.「敬語もやめろ。聞いていてむず痒くなってきた」
ルル「……ああ、わかった」
ルル(……このC.C.とか言う女、随分と偉そうだな)
C.C.「どうした?」
ルル「――いや、何でもない」
55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 21:00:48.34 ID:N/RFvwEp0
ルル「それじゃあ――俺とC.C.が知り合ったきっかけは?」
C.C.「囚われていた私をお前が開放したんだ」
ルル「……えっ?」
C.C.「そして、その時私は思った」
ルル「……何と?」
C.C.「見つけた、とな」
ルル「……」
57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 21:06:10.61 ID:N/RFvwEp0
ルル(俺が、囚われたブリタニアの貴族を解放……?)
ルル(……記憶に無いとはいえ、物理的にではなく、
何かの別の事の表現を変えているんだろう)
ルル(自由の少なかった貴族としての生活から開放した、
という所か……)
C.C.「――出会って別れた後、私達は再会した」
ルル「それは……どこでだ?」
C.C.「お前の家だ」
ルル「!?」
58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 21:09:44.52 ID:N/RFvwEp0
C.C.「お前はもう二度と会えないと思っていたのか、
私が居たのを見てとても驚いていたぞ」
ルル「いや……それは流石に驚くだろう」
C.C.「そういえば、お前は驚きのあまりカップを落としていたな」
ルル「……その後は?」
C.C.「そのまま一緒に暮らした」
ルル「!?」
60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 21:13:09.29 ID:N/RFvwEp0
ルル(ぶ、ブリタニア貴族と生活を共にした……!?)
ルル(何だそれは……! 何があったというんだ……!?)
C.C.「そうだな――お前のベッドの寝心地は良かったぞ」
ルル「お……あ……!?」
C.C.「何をそんなに驚く必要がある?」
ルル「ああ、いや……」
ルル(まずい……これは非常にまずい……!)
C.C.「……ふふっ」
62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 21:20:51.91 ID:N/RFvwEp0
ルル(ブリタニアの貴族を傷物にしておいて、
覚えていないで済むはずがない……!)
ルル「!」
ルル(俺が宮殿に居るのも、それに関わる事か!?)
ルル(……考えられるパターンは24パターン)
ルル(その内、現実的なものが……くそっ、この女の話しかない!)
ルル(つまり、この女は嘘をついていないという事に……!?)
ルル「くっ……!」
65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 21:27:58.49 ID:N/RFvwEp0
ルル「……どうやら、C.C.の話は本当らしいな」
C.C.「なんだ、疑っていたのか?」
ルル「ああ、まあな。それも当然だろう?」
C.C.「それもそうだな」
ルル「それに、俺とお前が将来を誓い合った仲だと言うのなら、
こういう時には俺は疑うものだと知っているはずだ」
C.C.「当然知っていたとも」
ルル「……くえない奴だ」
C.C.「それはお互い様だろう?」
66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 21:33:06.66 ID:N/RFvwEp0
ルル「しかし……参ったな。このままでは色々と都合が悪い」
C.C.「確かにな。何か思い出さないのか?」
ルル「いいや、全く」
C.C.「ふん、使えない奴め」
ルル「黙れ。……と、この調子で話していたのか?」
C.C.「そうだな」
ルル「だとすれば……相当気心の知れた関係だったんだな」
C.C.「不可抗力とはいえ、心の中を覗かれた程度にはな」
67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 21:37:49.88 ID:N/RFvwEp0
ルル「……すまない、C.C.」
C.C.「いきなりどうした」
ルル「俺は、お前の本当の名前を思い出す事すら出来ないでいる。
それなのに、お前は……」
C.C.「気にするな。私達の契約は、
記憶が無くなった程度で破棄されるものではない」
ルル「……」
C.C.「私とお前は共犯者。お前が世界を敵に回しても、
私だけはお前の味方でいるよ、ルルーシュ」
ルル「……」
68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 21:42:43.07 ID:N/RFvwEp0
ルル「C.C.……」
C.C.「……何だ?」
ルル「俺が……いや、記憶をなくす前の俺が、
お前を選んだのは間違いじゃ無かったようだ」
C.C.「そうだとも。私はC.C.だからな」
ルル「C.C.……」
C.C.「……ルルーs」
ドンドンドンドンドンッ!
ルル・C.C.「っ!?」
『ルルーシュ様――ッ! 記憶がホワ――イ!』
71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 21:47:27.23 ID:N/RFvwEp0
ルル「なっ、なんだこの叫び声は!?」
C.C.「……ふん」
ガチャッ!
ジェレミア「おっおおおっお、おいたわしや!
老いた鷲や! おいタワシ屋――ッ!!」
ぎゅううっ!
ルル「ぐおおおおっ!?」
ポキポキンッ!
ジェレミア「嗚呼っ! このジェレミア・ゴットバルト!
忠義の嵐がハグで涙がノンストップです!」ダーッ!
ルル「ぐああああっ!?」
72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 21:51:29.37 ID:N/RFvwEp0
ジェレミア「記憶してください! 記憶してください!」
ルル「は、離……!?」
ポキポキンッ!
ジェレミア「忠義の名はオレンジです!」
ルル「きっ、聞いてな……!?」
ジェレミア「この私が居ながら、なんという不覚を!
申し訳ありません、ルルーシュ様……!」
ルル「こ……は……!?」
ポキポキンッ!
74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 21:54:42.54 ID:N/RFvwEp0
C.C.「――オレンジ君、そのへんにしといてやれ」
ジェレミア「まだまだ! 私の忠義がこの程度だと思うな!」
C.C.「お前が忠誠を誓う相手がいなくなってしまうぞ?」
ルル「」
ジェレミア「ど、どうなされたのですかルルーシュ様!?」
C.C.「……お前が原因だろう」
75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 21:57:47.65 ID:N/RFvwEp0
ジェレミア「お、おお……ワタシは何と言うことを……!?」
C.C.「……ふん」
…ガチャッ
スザク「――戻ったよ」
ルル「」
スザク「って、大丈夫かいルルーシュ!?
誰がこんな酷い事を……!」
ジェレミア「お、おああ……ワタシは……ワタシは……!」
76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 22:03:18.84 ID:N/RFvwEp0
スザク「この状態……あまりにも酷すぎる」
スザク「これだけの怪我、もしも過失だったとしても
許されるようなレベルじゃない」
スザク「……あと一歩で命を落とす所だった」
スザク「誰がルルーシュをこんな目に遭わせたんだ?
ソイツは……人間じゃない……!」
C.C.「そこで機能停止している奴だ」
ジェレミア「」
スザク「ジェレミア卿……何故こんな真似を……!」
C.C.「……ふん、私が知るか」
78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 22:08:05.29 ID:N/RFvwEp0
スザク「それで……結局どうなったんだい?」
C.C.「私に聞くな」
スザク「あれ? なんだか機嫌が悪いね」
C.C.「……」
スザク「もしかして、記憶の無いルルーシュをけしかけて、
良いムードになった所をジェレミア卿に邪魔されたのかい?」
C.C.「!? そ、そんなはずが無いだろう」
スザク「そうだよね、確かにその通りだ」
C.C.「そ、そうだとも」
79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 22:10:59.99 ID:N/RFvwEp0
C.C.「仮に……仮にだぞ?」
スザク「?」
C.C.「もしも私がそうしたとしても、
それはルルーシュが記憶が戻った時にからかえるからだ」
スザク「でも、君はそうしてないんだよね」
C.C.「もっ、勿論だ」
スザク「良かった。君が人の道をはずれていなくて」
C.C.「……」
C.C.「ひ……人の道……?」
82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 22:16:47.34 ID:N/RFvwEp0
スザク「記憶を失っている人間をけしかけるなんて、
これほど卑怯な手段はいつものルルーシュでもしない」
スザク「いや、するかもしれないな。
いやぁ、絶対するよルルーシュなら」
スザク「――でも、それはやっちゃいけない事だ。
僕達は大きな罪を背負っているし、これからもそれは増えていく」
スザク「けれど――それでも、変態という罪は背負いたくない」
C.C.「へ、変態……?」
スザク「ああ。人の道を外れた変態だ」
C.C.「……」
84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 22:21:58.53 ID:N/RFvwEp0
スザク「例え未遂であったとしても罪は罪。
それに、間違った手段で得た結果に意味は――」
C.C.「……」
スザク「って、どうしたんだい?」
C.C.「……いや、何でもない」
スザク「C.C.、悩みがあるのなら話して欲しい。
話せば楽になるって事もあるんだから」
C.C.「……いや、いい」
スザク「さすがにその落ち込みようは放っておけないよ」
C.C.「いいと言っているだろう……!?」
85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 22:27:15.55 ID:N/RFvwEp0
ルル「ぐ……う……!?」
スザク「! 気がついたのかい、ルルーシュ!」
C.C.「……助かったか」ボソッ
ルル「く――クロヴィス……?
その絵は……まさか……?」
C.C.・スザク「!」
スザク「記憶が戻ったんだね!」
C.C.「ああ、これで――」
ルル「ユフィ……すまない……」
スザク「――安心だ! 良かった良かった!」
C.C.「どう見ても良くないだろう!?」
86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 22:31:50.15 ID:N/RFvwEp0
C.C.「おい、目を覚ませルルーシュ!」
ユサユサ!
スザク「C.C.、その状態で揺らすと……」
ジェレミア「」
ぎゅうっ!
ルル「お……ぁ……」
ポキポキンッ!
87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 22:40:17.95 ID:N/RFvwEp0
C.C.「……これは……」
スザク「体を揺らさずにルルーシュを起こさないと」
C.C.「オレンジ君を先に起こしたら、
同じことの繰り返しになるかもしれない、か」
ジェレミア「」
スザク「僕達の声は届いてなさそうだし……」
ルル「俺は……お前みたいな髪型には……絶対にしない……!」
スザク「キスでもしてみたら? 記憶もちゃんと戻るかもしれないし」
C.C.「……」
C.C.「何?」
89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 22:44:28.44 ID:N/RFvwEp0
C.C.「おい……どういう意味だ?」
スザク「えっ? だって、前はそうやって記憶を戻したんだろう?
それに、お姫様のキスで目覚めるなんて話もあるし」
C.C.「何故……それを知っている」
スザク「?」
C.C.「キョトンとするな!」
スザク「ルルーシュに聞いたんだけど……。
あっ、まずい! これはここだけの話だって言われてたんだ!」
C.C.「……」
スザク「聞かなかった事にしてくれるかい?」
91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 22:50:02.53 ID:N/RFvwEp0
スザク「手段は同じでも、目的が違うなら話は別だ」
スザク「僕がさっき言った理由なら変態だけど、
今はルルーシュの目を覚まし、記憶を戻すという理由がある」
スザク「だからC.C.……ルルーシュにキスしてくれ。
ルルーシュの盾になってくれ」
C.C.「……後半は関係無いだろう」
スザク「するのかい? しないのかい?」
C.C.「いや、それは……」
94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 22:53:42.60 ID:N/RFvwEp0
C.C.「……」
スザク「早く決めるんだ。
早くしないと、ジェレミア卿が先に目を覚ます」
C.C.「……」
C.C.「……仕方ない。仕方なくキスしてやるか。
ルルーシュのような童貞坊やには仕方なくな」
スザク「前置きはいらないんだけど」
C.C.「くっ……!」
95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 22:57:45.17 ID:N/RFvwEp0
C.C.「おい、ルルーシュ」
ルル「……ぁ……」
C.C.「……起き――」
ジェレミア「……うう~ん! よく寝たな!」
C.C.「!? お、オレンジ君が先に目覚めた……!?」
ジェレミア「はて……? ここは……?」
96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 23:00:12.70 ID:N/RFvwEp0
ジェレミア「!?」
ルル「……ぃ……」
ジェレミア「一体何がどうなっている!?」
C.C.・スザク「っ!」
ジェレミア「ワタシが抱きしめているこの少年は何者だ!?」
ジェレミア「ぬうぅ!? 何故、何も思い出せノットなのだ!?」
C.C.・スザク「……」
スザク「記憶喪失?」
おわり
99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/07(日) 23:06:23.37 ID:N/RFvwEp0
こんなくだらないもん最後まで読んでくれてありがとう
複数パターン書こうとしたけどめんどくなった
落としておやすみ
ルル「だが……そんなはずは……」
スザク「ルルーシュ、何か知っているのかい?」
ルル「……ああ、前にも一度同じことがあった」
スザク「! 前にも、記憶を失うほど強く頭をぶつけたことが!?」
ルル「……」
ルル「何だって?」
3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 18:09:00.35 ID:N/RFvwEp0
ルル「おい、スザク。お前今何t」
スザク「そうか……もしかして記憶を失う癖でもあるのかもしれない」
ルル「いや、前は強く頭をぶつけたわけじゃn」
スザク「でもさ、頭をぶつけただけで記憶を失うなんておかしいよね」
ルル「だからそうじゃn」
スザク「リセットボタンみたいでさ、あはは!」
ルル「スザアアアァク!!」
4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 18:12:19.52 ID:N/RFvwEp0
スザク「どうしたんだいルルーシュ? 急に大声を出して」
ルル「おい、C.C.は強く頭をぶつけたのか?」
スザク「うん、そうだよ」
ルル「一体何をしてるんだ、アイツは……!」
スザク「彼女を怒らないであげて欲しい。
それには訳があるんだ」
ルル「……何があったのか知ってるのか?」
スザク「今から話す。落ち着いて聞いてくれ」
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 18:16:53.28 ID:N/RFvwEp0
スザク「ルルーシュ、君には癖や習慣はあるかい?」
ルル「まあ、あるだろうな。そういったものは、
自分では気付かない所にもあるものだ」
スザク「そうだね、その通りだ。
それじゃあ、反射的にやってしまう事は?」
ルル「それもさっきの答えと同じだ。
……良いから本題に入れ」
スザク「廊下でぶつかったら、反射的に投げ飛ばしちゃったんだよ。
だから、彼女を責めないであげてくれ」
ルル「……?」
ルル「――それなら、原因はお前だろうが!?」
スザク「えっ? そうだよ?」
ルル「っ……!」
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 18:20:39.09 ID:N/RFvwEp0
スザク「だから彼女を責めないでくれって言ってるんじゃないか」
ルル「ほう……! さすがに気遣いが出来るなぁ……!」
スザク「当たり前だろう。だって僕は――」
スザク「――ナイトオブゼロ、だからね」
ルル「ははは……! ナイトオブゼロの仕事は、
俺の仕事を増やす事だったのか……!」
スザク「僕は君の剣だからね」
ルル「スザクっ……!」
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 18:24:54.81 ID:N/RFvwEp0
スザク「ルルーシュ。ここで話し込んでいても、
問題は何も解決しない。わかってるんだろう?」
ルル「ええい! 言われなくてもわかっている!」
スザク「だったら、今すぐ彼女の所へ行くんだ」
ルル「……何故お前が指示をする側なんだ」
スザク「僕は君の剣だからね。
それに……僕達は友達だろう?」
ルル「っ……!」
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 18:29:54.82 ID:N/RFvwEp0
ルル「……まあ良い。それで、C.C.は今どこに?」
スザク「宮殿内の道場に居るよ」
ルル「ああ、お前が訓練をするために作らせた施設だったか」
スザク「畳の方が心が引き締まるんだ」
ルル「それで、C.C.は何をしてるんだ?
そのまま放り出してきた訳じゃないんだろう?」
スザク「当たり前だろう? ちゃんと言い聞かせてからここに来た」
ルル「……それもそうか」
スザク「ルルーシュ、早く彼女の元へ行って欲しい。
そうしないと、畳の編み目を数え終わってしまう」
ルル「お前は何を言い聞かせているんだ!」
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 18:35:09.15 ID:N/RFvwEp0
ルル「ええい、とにかく急ぐぞ!」
スザク「なんだかんだ言っておきながら、
やっぱりC.C.の事が心配なんだね」
ルル「誰に対して“何だかんだ”言ったと思っている……!?」
スザク「急ごう、ルルーシュ」
ルル「仕方が無い……!」
スザク「記憶を失ったC.C.は、数は20までしか数えられないらしいけど、
それでもやり遂げる気がするんだ」
ルル「お前という奴は……!?」
14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 18:39:28.27 ID:N/RFvwEp0
・ ・ ・
ルル「……はぁ……はぁ……!」
スザク「相変わらず体力が無いなぁ」
ルル「はぁ……俺は……頭脳労働……タイプなんだ……!」
スザク「勿論知ってるよ。だけど、体も鍛えるべきだと思う」
ルル「ええい、うるさい!……C.C.はどこだ?」
スザク「……あそこに居るよ」
C.C.「――19……20……えっと、20の次は……」
ルル「……やはり“あの”状態か」
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 18:42:49.35 ID:N/RFvwEp0
ルル「……おい」
C.C.「はっ、はいっ! すっ、すみません!
まだ全部数え終わってなくて……す、すぐにやります!」
スザク「なんだ、まだ数え終わってなかったのか」
ルル「いや、もうそんな事はしなくて良い」
C.C.「で、でも……」
スザク「やれやれだ。君もそう思うだろう? ルルーシュ」
ルル「スザク、少し黙っていてくれないか?」
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 18:47:14.36 ID:N/RFvwEp0
ルル「俺の事がわかるか?」
C.C.「はい、ご主人様です」
スザク「それにしても、普段と全然違うな」
ルル「だったら、俺のいう事が聞けるな」
C.C.「わっ、わかりました!」
スザク「ルルーシュ。僕は、今のC.C.の方が素直で良いと思う」
ルル「スザク、確かにそうかも知れんが黙っていろ」
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 18:50:33.11 ID:N/RFvwEp0
ルル「……問題は、どうやって記憶を戻すかだな」
スザク「もう一度投げ飛ばしてみるかい?」
C.C.「ひうっ!?」
ルル「ああいや! そんな事しないから安心して良い」
C.C.「すみません……すみません……!」
スザク「このC.C.……少し面倒だね」
ルル「スザアアアァァァク!!」
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 18:53:24.57 ID:N/RFvwEp0
ルル「大丈夫だ。俺が絶対にそんな真似はさせない」
C.C.「ご主人様……」
ルル「だから、もう怯えるのはよせ」
C.C.「ご、ご命令でしたら……」
ルル「命令じゃない。これは、お願いだ」
C.C.「……お願い……」
スザク「いいや、命令すべきだ」
ルル・C.C.「……」
ルル・C.C.「えっ?」
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 18:57:28.07 ID:N/RFvwEp0
スザク「確かに、命令よりもお願いの方が聞こえは良い。
だけど、それには強制力が無いんだ」
スザク「ルルーシュ……ギアスを使ってきた君が、
どうして今そこで命令することを躊躇うんだ」
スザク「ここで命令をしないのは――逃げだ」
スザク「その方が話がスムーズにいくし……
何より、僕はちょっと面倒になってきたから」
ルル「C.C.、お願いだ」
C.C.「はっ、はい……わかりました」
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 19:03:13.32 ID:N/RFvwEp0
ルル「やはり、医者に見せるのが一番か?」
C.C.「すみません……何か失敗をしたんですよね……」
スザク「いいや、君のせいじゃない」
ルル「そうだ。だから、お前が気にする事はない」
C.C.「……ありがとうございます」
スザク「あれは事故だったんだ。誰の責任でもないよ」
ルル「いいや、お前のせいだ」
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 19:10:11.17 ID:N/RFvwEp0
ルル「……とにかく、医者にみせてみるか」
C.C.「お医者様……?」
ルル「ああ。ほら、立つんだ」
スッ…
C.C.「す、すみません! 私なんかのために手を……!」
ルル「……“私なんか”なんて言うな。
それに、こういう時は素直に礼を言うものだ」
C.C.「は、はい! ありがとうございます」
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 19:14:03.63 ID:N/RFvwEp0
ルル「よ、っと」
グイッ!
スザク「掛け声が必要なんて、力が無いなぁ」
ルル「うっ、うるさい!」
スザク「さあ、早く医務室に行こう」
ルル「っとと……!」
ヨロヨロッ……!
C.C.「ひゃあっ……!?」
29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 19:17:51.60 ID:N/RFvwEp0
スザク「? 早く行こうよ」
ルル「すっ、スザクどけっ!」
C.C.「あわわわっ……!?」
ヨロヨロッ……!
スザク「? 何をして――」
…トンッ
スザク「生きる!」キュィィン!
ルル・C.C.「!?」
――ゴチィンッ!……ドサッ!
つづく
31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/07(日) 19:19:00.77 ID:N/RFvwEp0
一服
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 19:56:00.11 ID:N/RFvwEp0
>>29
・ ・ ・
C.C.「……痛っ……!」
スザク「気がついたかい? C.C.」
C.C.「スザクか……おい、私に何があった?」
スザク「待って欲しい。今、大変な事が起きてるんだ」
C.C.「……何?」
ルル「大丈夫ですか? 痛む所はありませんか?」
C.C.「……」
C.C.「はっ?」
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 19:59:12.68 ID:N/RFvwEp0
C.C.「おい、“それ”は何の真似だ?」
ルル「それ、とは……?」
C.C.「とぼけるな。その喋り方だ」
スザク「いいや、ルルーシュはとぼけてなんかない」
C.C.「コイツがこの調子でとぼけていないとでも?」
ルル「……すみません」
C.C.「聞いただろう。何があったにせよ、
ルルーシュが素直に私に詫びるものか」
38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 20:04:08.32 ID:N/RFvwEp0
スザク「……口で説明するより、見たほうが早い」
C.C.「……?」
スザク「ルルーシュ、君の妹の名前は?」
ルル「? スザク、俺には妹はいないだろう。
居るのは弟のロロだけだ」
C.C.「!?」
スザク「これ分かって貰えたと思う」
C.C.「……」
C.C.「記憶喪失?」
40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 20:08:41.58 ID:N/RFvwEp0
C.C.「おい……冗談だろう?」
ルル「……確かに記憶が曖昧な所もあります」
ルル「どうして俺がブリタニアの宮殿に居るのか、
どうして貴方が倒れている所に居合わせたのかの記憶が……」
C.C.「……」
ルル「ブリタニアの貴族の貴方に怪我をさせてしまっては、
記憶が無いとはいえ申し訳が立ちません……」
C.C.「……本当……なのか」
41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 20:13:02.04 ID:N/RFvwEp0
ルル「……」
ルル(まずい……! 本当に思い出す事が出来ない!)
ルル(……俺は確か、ロロと学園からバイクで移動していたはずだ)
ルル(なのに、この状況は何だ? 一体どうなっている!)
ルル(それにこの女、スザクが言うにはブリタニア貴族というじゃないか)
ルル(傲慢なブリタニア貴族の怒りを買ったとなっては……!
それに、本国に居るとなっては退路は全て絶たれたようなもの……!)
ルル「っ……!」
ルル(ここは……機嫌を取っておくしかないか……!)
43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 20:15:00.62 ID:N/RFvwEp0
C.C.「……」
ルル「あの……」
C.C.「――ふふっ!」
ルル「えっ……?」
C.C.「そうか、忘れてしまったのか」
ルル「っ! す、すみまs」
C.C.「私達は将来を誓った仲だと言うのに」
ルル「……」
ルル「えっ?」
44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 20:19:11.12 ID:N/RFvwEp0
ルル「……将来を誓い合った?」
C.C.「ああ、そうだ」
ルル「あの、何かの間違いでは……?」
C.C.「スザク。私とルルーシュが“そういう”関係だと、
お前も嫌と言う程知っているだろう?」
スザク「勿論さ。忘れるはずがない」
ルル「……!?」
スザク「ちなみに、“そういう”意味では僕とも将来を誓い合った仲だ。
今は忘れてしまっているようだけど、これは真実だ」
ルル「……い……!」
ルル(意味がわからない……! ええい、一体どうなっているんだ!?)
45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 20:26:17.94 ID:N/RFvwEp0
C.C.「……それを忘れてしまうとは、お前は本当に酷い奴だ」
ルル「すっ、すみません!」
ルル(俺が、この女と将来を誓い合った仲だと!?)
ルル(つまり、俺とコイツは婚約者同士だった、
という事なのか……!?)
ルル(記憶が無いとはいえ、
ブリタニアの貴族が俺を自分の婚約者だと騙すか?)
ルル(……有り得ない。酔狂だとしても、家の名前に傷がつく可能性がある。
暇つぶしというメリットに対して、デメリットが大きすぎる)
C.C.「……ふふっ」
46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 20:33:50.78 ID:N/RFvwEp0
ルル「っ……!」
ルル(やはりここは、スザクに助け舟を寄越して貰うしか無いか……!)
ルル「――なあ、スザク。お前からも何か言っt」
prrrr!prrrr!
スザク「このコール音……また暴動がおきたのか!
早く行かないと、多くの血が流れてしまう……!」
ルル「……」
ルル「えっ?」
47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 20:37:24.28 ID:N/RFvwEp0
スザク「――すまない、ルルーシュの事は任せた」
C.C.「ああ」
ルル「おい、スザク……?」
スザク「ルルーシュ、僕は君の剣となる。
そして、彼女は君の盾となってくれる人間だ」
ルル「何を言ってるんだ!? 意味がわからないぞ……!」
スザク「ナイトオブゼロ、枢木スザク! 行って参ります!」ビシッ!
ルル「まっ、待て! せめてもう少し説明を……!」
ルル「スザアアアァァァク!」
48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 20:41:00.32 ID:N/RFvwEp0
ルル「くっ……!」
ルル(本当に行くとは……)
ルル(だが、ナイトオブゼロとは何だ?
ラウンズはナイトオブワンから始まるはずだが)
ルル(……失った記憶の中で何があったというんだ)
C.C.「――おい」
ルル「っ!……はい」
ルル(そして……この女は何だ)
50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 20:44:50.96 ID:N/RFvwEp0
C.C.「ふふっ。お前が私に対して、
そんな返事をする日が来るとは夢にも思わなかったぞ」
ルル「そう……ですか」
C.C.「ああ、そうだとも」
ルル「……」
ルル(情報が少なすぎる……!)
ルル(……今はとにかく、この女から機嫌を損ねずに情報を引き出すしかない)
ルル(あの……お聞きしてもよろしいですか?)
52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 20:50:12.88 ID:N/RFvwEp0
ルル「記憶を失ったままでは、貴方に失礼だと思いました。
なので、お話を聞けば何かきっかけになるかと……」
C.C.「ほう、確かにそれもそうだな」
ルル「では――貴方のお名前は?」
C.C.「C.C.だ」
ルル「し、C.C.? 変わったお名前ですね」
C.C.「よく言われるよ」
ルル「で、では――貴方の年齢は? 見た所、俺とさほど変わらn」
C.C.「女に歳を聞く……か」ギロリ
ルル「っ……!?」
ルル(何故不機嫌になる!?)
53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/07(日) 20:51:13.73 ID:N/RFvwEp0
>>50
>ルル(あの……お聞きしてもよろしいですか?)
↓
ルル「あの……お聞きしてもよろしいですか?」
で
54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 20:56:50.72 ID:N/RFvwEp0
ルル「で、では――俺とC.C.様はどうやって――」
C.C.「C.C.で良い。“様”はいらん」
ルル「……わかりました」
C.C.「敬語もやめろ。聞いていてむず痒くなってきた」
ルル「……ああ、わかった」
ルル(……このC.C.とか言う女、随分と偉そうだな)
C.C.「どうした?」
ルル「――いや、何でもない」
55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 21:00:48.34 ID:N/RFvwEp0
ルル「それじゃあ――俺とC.C.が知り合ったきっかけは?」
C.C.「囚われていた私をお前が開放したんだ」
ルル「……えっ?」
C.C.「そして、その時私は思った」
ルル「……何と?」
C.C.「見つけた、とな」
ルル「……」
57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 21:06:10.61 ID:N/RFvwEp0
ルル(俺が、囚われたブリタニアの貴族を解放……?)
ルル(……記憶に無いとはいえ、物理的にではなく、
何かの別の事の表現を変えているんだろう)
ルル(自由の少なかった貴族としての生活から開放した、
という所か……)
C.C.「――出会って別れた後、私達は再会した」
ルル「それは……どこでだ?」
C.C.「お前の家だ」
ルル「!?」
58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 21:09:44.52 ID:N/RFvwEp0
C.C.「お前はもう二度と会えないと思っていたのか、
私が居たのを見てとても驚いていたぞ」
ルル「いや……それは流石に驚くだろう」
C.C.「そういえば、お前は驚きのあまりカップを落としていたな」
ルル「……その後は?」
C.C.「そのまま一緒に暮らした」
ルル「!?」
60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 21:13:09.29 ID:N/RFvwEp0
ルル(ぶ、ブリタニア貴族と生活を共にした……!?)
ルル(何だそれは……! 何があったというんだ……!?)
C.C.「そうだな――お前のベッドの寝心地は良かったぞ」
ルル「お……あ……!?」
C.C.「何をそんなに驚く必要がある?」
ルル「ああ、いや……」
ルル(まずい……これは非常にまずい……!)
C.C.「……ふふっ」
62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 21:20:51.91 ID:N/RFvwEp0
ルル(ブリタニアの貴族を傷物にしておいて、
覚えていないで済むはずがない……!)
ルル「!」
ルル(俺が宮殿に居るのも、それに関わる事か!?)
ルル(……考えられるパターンは24パターン)
ルル(その内、現実的なものが……くそっ、この女の話しかない!)
ルル(つまり、この女は嘘をついていないという事に……!?)
ルル「くっ……!」
65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 21:27:58.49 ID:N/RFvwEp0
ルル「……どうやら、C.C.の話は本当らしいな」
C.C.「なんだ、疑っていたのか?」
ルル「ああ、まあな。それも当然だろう?」
C.C.「それもそうだな」
ルル「それに、俺とお前が将来を誓い合った仲だと言うのなら、
こういう時には俺は疑うものだと知っているはずだ」
C.C.「当然知っていたとも」
ルル「……くえない奴だ」
C.C.「それはお互い様だろう?」
66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 21:33:06.66 ID:N/RFvwEp0
ルル「しかし……参ったな。このままでは色々と都合が悪い」
C.C.「確かにな。何か思い出さないのか?」
ルル「いいや、全く」
C.C.「ふん、使えない奴め」
ルル「黙れ。……と、この調子で話していたのか?」
C.C.「そうだな」
ルル「だとすれば……相当気心の知れた関係だったんだな」
C.C.「不可抗力とはいえ、心の中を覗かれた程度にはな」
67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 21:37:49.88 ID:N/RFvwEp0
ルル「……すまない、C.C.」
C.C.「いきなりどうした」
ルル「俺は、お前の本当の名前を思い出す事すら出来ないでいる。
それなのに、お前は……」
C.C.「気にするな。私達の契約は、
記憶が無くなった程度で破棄されるものではない」
ルル「……」
C.C.「私とお前は共犯者。お前が世界を敵に回しても、
私だけはお前の味方でいるよ、ルルーシュ」
ルル「……」
68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 21:42:43.07 ID:N/RFvwEp0
ルル「C.C.……」
C.C.「……何だ?」
ルル「俺が……いや、記憶をなくす前の俺が、
お前を選んだのは間違いじゃ無かったようだ」
C.C.「そうだとも。私はC.C.だからな」
ルル「C.C.……」
C.C.「……ルルーs」
ドンドンドンドンドンッ!
ルル・C.C.「っ!?」
『ルルーシュ様――ッ! 記憶がホワ――イ!』
71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 21:47:27.23 ID:N/RFvwEp0
ルル「なっ、なんだこの叫び声は!?」
C.C.「……ふん」
ガチャッ!
ジェレミア「おっおおおっお、おいたわしや!
老いた鷲や! おいタワシ屋――ッ!!」
ぎゅううっ!
ルル「ぐおおおおっ!?」
ポキポキンッ!
ジェレミア「嗚呼っ! このジェレミア・ゴットバルト!
忠義の嵐がハグで涙がノンストップです!」ダーッ!
ルル「ぐああああっ!?」
72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 21:51:29.37 ID:N/RFvwEp0
ジェレミア「記憶してください! 記憶してください!」
ルル「は、離……!?」
ポキポキンッ!
ジェレミア「忠義の名はオレンジです!」
ルル「きっ、聞いてな……!?」
ジェレミア「この私が居ながら、なんという不覚を!
申し訳ありません、ルルーシュ様……!」
ルル「こ……は……!?」
ポキポキンッ!
74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 21:54:42.54 ID:N/RFvwEp0
C.C.「――オレンジ君、そのへんにしといてやれ」
ジェレミア「まだまだ! 私の忠義がこの程度だと思うな!」
C.C.「お前が忠誠を誓う相手がいなくなってしまうぞ?」
ルル「」
ジェレミア「ど、どうなされたのですかルルーシュ様!?」
C.C.「……お前が原因だろう」
75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 21:57:47.65 ID:N/RFvwEp0
ジェレミア「お、おお……ワタシは何と言うことを……!?」
C.C.「……ふん」
…ガチャッ
スザク「――戻ったよ」
ルル「」
スザク「って、大丈夫かいルルーシュ!?
誰がこんな酷い事を……!」
ジェレミア「お、おああ……ワタシは……ワタシは……!」
76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 22:03:18.84 ID:N/RFvwEp0
スザク「この状態……あまりにも酷すぎる」
スザク「これだけの怪我、もしも過失だったとしても
許されるようなレベルじゃない」
スザク「……あと一歩で命を落とす所だった」
スザク「誰がルルーシュをこんな目に遭わせたんだ?
ソイツは……人間じゃない……!」
C.C.「そこで機能停止している奴だ」
ジェレミア「」
スザク「ジェレミア卿……何故こんな真似を……!」
C.C.「……ふん、私が知るか」
78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 22:08:05.29 ID:N/RFvwEp0
スザク「それで……結局どうなったんだい?」
C.C.「私に聞くな」
スザク「あれ? なんだか機嫌が悪いね」
C.C.「……」
スザク「もしかして、記憶の無いルルーシュをけしかけて、
良いムードになった所をジェレミア卿に邪魔されたのかい?」
C.C.「!? そ、そんなはずが無いだろう」
スザク「そうだよね、確かにその通りだ」
C.C.「そ、そうだとも」
79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 22:10:59.99 ID:N/RFvwEp0
C.C.「仮に……仮にだぞ?」
スザク「?」
C.C.「もしも私がそうしたとしても、
それはルルーシュが記憶が戻った時にからかえるからだ」
スザク「でも、君はそうしてないんだよね」
C.C.「もっ、勿論だ」
スザク「良かった。君が人の道をはずれていなくて」
C.C.「……」
C.C.「ひ……人の道……?」
82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 22:16:47.34 ID:N/RFvwEp0
スザク「記憶を失っている人間をけしかけるなんて、
これほど卑怯な手段はいつものルルーシュでもしない」
スザク「いや、するかもしれないな。
いやぁ、絶対するよルルーシュなら」
スザク「――でも、それはやっちゃいけない事だ。
僕達は大きな罪を背負っているし、これからもそれは増えていく」
スザク「けれど――それでも、変態という罪は背負いたくない」
C.C.「へ、変態……?」
スザク「ああ。人の道を外れた変態だ」
C.C.「……」
84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 22:21:58.53 ID:N/RFvwEp0
スザク「例え未遂であったとしても罪は罪。
それに、間違った手段で得た結果に意味は――」
C.C.「……」
スザク「って、どうしたんだい?」
C.C.「……いや、何でもない」
スザク「C.C.、悩みがあるのなら話して欲しい。
話せば楽になるって事もあるんだから」
C.C.「……いや、いい」
スザク「さすがにその落ち込みようは放っておけないよ」
C.C.「いいと言っているだろう……!?」
85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 22:27:15.55 ID:N/RFvwEp0
ルル「ぐ……う……!?」
スザク「! 気がついたのかい、ルルーシュ!」
C.C.「……助かったか」ボソッ
ルル「く――クロヴィス……?
その絵は……まさか……?」
C.C.・スザク「!」
スザク「記憶が戻ったんだね!」
C.C.「ああ、これで――」
ルル「ユフィ……すまない……」
スザク「――安心だ! 良かった良かった!」
C.C.「どう見ても良くないだろう!?」
86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 22:31:50.15 ID:N/RFvwEp0
C.C.「おい、目を覚ませルルーシュ!」
ユサユサ!
スザク「C.C.、その状態で揺らすと……」
ジェレミア「」
ぎゅうっ!
ルル「お……ぁ……」
ポキポキンッ!
87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 22:40:17.95 ID:N/RFvwEp0
C.C.「……これは……」
スザク「体を揺らさずにルルーシュを起こさないと」
C.C.「オレンジ君を先に起こしたら、
同じことの繰り返しになるかもしれない、か」
ジェレミア「」
スザク「僕達の声は届いてなさそうだし……」
ルル「俺は……お前みたいな髪型には……絶対にしない……!」
スザク「キスでもしてみたら? 記憶もちゃんと戻るかもしれないし」
C.C.「……」
C.C.「何?」
89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 22:44:28.44 ID:N/RFvwEp0
C.C.「おい……どういう意味だ?」
スザク「えっ? だって、前はそうやって記憶を戻したんだろう?
それに、お姫様のキスで目覚めるなんて話もあるし」
C.C.「何故……それを知っている」
スザク「?」
C.C.「キョトンとするな!」
スザク「ルルーシュに聞いたんだけど……。
あっ、まずい! これはここだけの話だって言われてたんだ!」
C.C.「……」
スザク「聞かなかった事にしてくれるかい?」
91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 22:50:02.53 ID:N/RFvwEp0
スザク「手段は同じでも、目的が違うなら話は別だ」
スザク「僕がさっき言った理由なら変態だけど、
今はルルーシュの目を覚まし、記憶を戻すという理由がある」
スザク「だからC.C.……ルルーシュにキスしてくれ。
ルルーシュの盾になってくれ」
C.C.「……後半は関係無いだろう」
スザク「するのかい? しないのかい?」
C.C.「いや、それは……」
94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 22:53:42.60 ID:N/RFvwEp0
C.C.「……」
スザク「早く決めるんだ。
早くしないと、ジェレミア卿が先に目を覚ます」
C.C.「……」
C.C.「……仕方ない。仕方なくキスしてやるか。
ルルーシュのような童貞坊やには仕方なくな」
スザク「前置きはいらないんだけど」
C.C.「くっ……!」
95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 22:57:45.17 ID:N/RFvwEp0
C.C.「おい、ルルーシュ」
ルル「……ぁ……」
C.C.「……起き――」
ジェレミア「……うう~ん! よく寝たな!」
C.C.「!? お、オレンジ君が先に目覚めた……!?」
ジェレミア「はて……? ここは……?」
96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/07(日) 23:00:12.70 ID:N/RFvwEp0
ジェレミア「!?」
ルル「……ぃ……」
ジェレミア「一体何がどうなっている!?」
C.C.・スザク「っ!」
ジェレミア「ワタシが抱きしめているこの少年は何者だ!?」
ジェレミア「ぬうぅ!? 何故、何も思い出せノットなのだ!?」
C.C.・スザク「……」
スザク「記憶喪失?」
おわり
99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/03/07(日) 23:06:23.37 ID:N/RFvwEp0
こんなくだらないもん最後まで読んでくれてありがとう
複数パターン書こうとしたけどめんどくなった
落としておやすみ
<<一方通行「ヒーハー!!」 | ホーム | 美琴「せんせぇー!」一方通行「あァ?」>>
コメント
コメントの投稿
トラックバック
| ホーム |