2ntブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

律「律さんは?」

1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/11(土) 03:47:55.46 ID:1PiW23aIO [1/60]
梓「もー憂は知ってるでしょ!私が律のことが好きなの」

憂「あ、梓ちゃ…」

梓「合宿の時の律ってば可愛かったんだよー、特にね…」

律「」

憂「梓ちゃん!」バンッ

梓「え?どうしたの?」

憂「後ろ…」

律「せ、先輩を呼び捨てにするのは、よ、よくないぞー…っと…」

梓「律せん…ぱい…?」

2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/11(土) 03:50:42.96 ID:1PiW23aIO
梓「あ……いえ、今のは……」

梓「……そう! ちょっとした冗談なんです!」

律「……あ、ああ~冗談か! 冗談ね! 参ったなー後輩に一本取られちゃったよー」

梓「そっそうなんですよー取っちゃいましたー」

律梓「あ、あは、あはは!」

憂「……」


3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/11(土) 03:53:09.11 ID:1PiW23aIO
梓「……あ、律先輩はどうしてここに?」

律「外から二人の姿が見えたかからつい……」

律「い、いやあ悪いね邪魔しちゃって。私そろそろ帰らないと……」そさくさ

梓(i)

梓(このまま別れたら暫く気まずいままになっちゃう! なんとかしないと!)

梓「あのっ!」

梓「律先輩もよかったらご一緒にどうですか!?」

7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/11(土) 03:56:24.38 ID:1PiW23aIO
律「いやー、その、なんだ……」

梓「せっかくですから! 少しだけ……せっかくですから!」

律「じゃあ……ちょっとだけ」

梓(!)

梓「ありがとうございます!」

梓(よ、よかった……話したり遊んだりしていればうやむやになるはず……!)


8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/11(土) 03:58:20.24 ID:1PiW23aIO
律「……」

梓「……」

梓(な、何か話題を振らなきゃ! 沢山話してさっきの発言を忘れさせないと!)

梓「り、律先輩!」

律「うえあ!?」

梓「…………今日はいい天気ですね!」

律「あ、うん……」

梓(私のヘタレーー! 会話が思い付かないよぉ……律もさっきからやけに静かだし……)

梓(律も意識しちゃってるのかな……こういうところが可愛いんだよなー……ふふ)

梓(って違ぁぁぁい! どうしよどうしよ)

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/11(土) 04:01:06.16 ID:1PiW23aIO
憂「あの、せっかくですしどこかに遊びに行きませんか?」

梓(憂ありがとう!)

梓「いいね、律先輩も行きましょうよ」

律「そ、そうだな!」

憂「どこに行きましょうか」

律「えっ? あーっと、どこがいいかなー……」

梓(まだ動揺してる……いつもならスパッと率先して決めちゃうのに……よし、ここは私が!)


12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/11(土) 04:03:37.96 ID:1PiW23aIO
梓「ゲーセンなんてどうでしょうか!」

梓(決まった……! 律の趣味は把握してるんだから!)

律「あ……私さっきゲーセン行ってきたんだよね……」

梓(ウーワー! もう一回行ってもいいじゃないですか! 何か……別の……!)

梓「カ、カラオケ!」

梓(これしか思い付かなかった)

憂「いいねーカラオケ」

梓(ういー↑)

律「そだな、んじゃカラオケ行くか」


14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/11(土) 04:06:04.53 ID:1PiW23aIO
憂「わあータンバリンが置いてある」

梓(カラオケボックスに来るまでの会話が非常にぎこちなかった……)

梓(でも歌を歌っていれば気まずくならないよね!)

梓「律先輩お先にどうぞ」

律「私まだ決まってないから先入れていいよ」

梓「じゃあ憂入れる?」

憂「私おトイレ行ってくるから先に歌っててー」

梓「あ、うん」

ガチャ バタン

梓「えっ」

16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/11(土) 04:08:07.75 ID:1PiW23aIO
梓(個室で二人きり!? 気まずい!!)

梓(しまった盲点だったー!)

梓「な、何歌おうかなー……」

律「そ、そうだなーカバンのバカーンとかないのかなー?」

梓「あるわけないじゃないですかー」

律「ですよねー」

梓「……」

律「……」

梓(憂ーー! 早く来てくれーー!)

梓(もう何でもいいから歌っちゃおう!)

18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/11(土) 04:11:04.19 ID:1PiW23aIO
梓(あ、履歴に知ってる歌がある!)

梓「よしこれで」

梓「……」

律「……」

梓(早く始まってえぇぇ)

チャッチャチャッチャッチャッチャッ♪

梓(よし! そういえばこの歌は前奏も短い!)

チャッチャチャッチャッチャッ♪

梓「僕らは愛の花咲かそうよ~♪」

梓「!?」

律「!!」

21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/11(土) 04:13:23.10 ID:1PiW23aIO
梓(しまったぁーー! よくよく考えるとこの歌ラブソングだ……!)

梓(うあああ恥ずかしい……けど今更歌うのやめられない)

梓(でも律は気にしてないかもしれない!)チラ

律「……」

梓(めっちゃ俯いてるぅぅう! 借りてきた猫みたいに縮こまってる……)

梓(証明が暗くてよく見えないけどきっと顔赤いんだろうな)

梓(可愛過ぎるよ律ぅ……)

ガチャ

憂「……うん?」


22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/11(土) 04:15:17.25 ID:1PiW23aIO
憂「楽しかった~」

律「だなー。久々にいっぱい歌った」

梓(歌詞を気にするあまりネタに走ってしまった……でも気まずさがなくなったから良しとしよう)

律「それにしても梓の選曲は面白かったな」

梓(ほめられた!)

梓「あ、ありがとうございます!」

律「お礼言うところか……?」


24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/11(土) 04:17:38.86 ID:1PiW23aIO
憂「そうだ私買い物してから帰らなきゃ」

律「憂ちゃんはいつも大変だねえ」

憂「結構楽しいんですよ?」

律「よく出来ておる」

憂「そういう訳で私はこの辺で……ごめんね梓ちゃん」

梓(そんなぁー! 気まずさが完全に拭えそうだったのにー……いや、憂には沢山助けて貰ったし後は私が……)

律「そっか、またな憂ちゃん」

憂「はいっ」

梓「憂……ありがとね」

憂「えへへ」

27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/11(土) 04:21:35.51 ID:1PiW23aIO
律「……んじゃ帰るか」

梓「そうですね」

律「……」

梓「……」

律「いやー演奏もいいけどカラオケもいいな」

梓「そうですね。演奏の方は普段からもっとみっちりやりたいですけど」

律「それはその日のコンディションによるというかなんというか……」

梓「もうっ」


31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/11(土) 04:24:48.85 ID:1PiW23aIO
律「じゃあここでお別れだな」

梓「はい」

律「またな」

梓「……あのっ」

律「ん?」

梓「もしよかったら……」

梓(また遊びにってわざわざ言う必要なかった……特に今日は……わあぁぁイイ感じに忘れてたのに何蒸し返してるの私!)

梓(これじゃまた気まずく……)

律「また遊びに行こうな」


32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/11(土) 04:27:14.52 ID:1PiW23aIO
梓「えっ」

律「なんだよー嫌なのかー?」

梓「そんなことないです!」

律「梓にしては珍しく素直だな」

梓「別に珍しくないです!」

律「ははは、んじゃな~」

梓「律っ」

律「ん?」

梓「……先輩、今日は楽しかったです。ありがとうございました」


34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/11(土) 04:30:03.68 ID:1PiW23aIO
律「う、あ……き、気をつけて帰れよー!」

梓「はい、失礼します」

梓「……」

梓(……律ってば優しいよ……すっごい優しい)

梓(そして何よりかわいいなぁ)

梓(ああ~も~~)

梓「ふふ……へへへ」

梓「律……大好きっ!」



END


67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/11(土) 17:06:33.55 ID:1PiW23aIO
>>34

梓「こんにちはー……」

律「おーす」

梓(よかった、いつも通り。……だけど)

梓(二人きりになったら気まずく……いやいや、昨日を思い出してみれば分かる。もう気まずくないよね。だって……)

梓「にこぉー」

律「ど、どうした?」

梓「いえ、なんでもないです!」

律「そか。ほらーそんな所に突っ立ってるとお茶が冷めちゃうぞー」

梓「はーい」

69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/11(土) 17:13:09.43 ID:1PiW23aIO
律「はぁーご馳走様。よっと」

梓「ちょ、椅子に足を乗せるのは行儀が悪いですよ」

律「んもー梓は小姑だなー」

梓「んなっ……って!」

梓(椅子の上でしゃがみ込んでるから見えちゃいそうじゃないですか! 私の位置からだと特に!)

律「んー?」

梓「いやその……はしたないですよ……」

梓(そういうとこしっかりしたらもっと可愛いのに……いや、これはこれで)

律「えーいいじゃん。てか梓見すぎ」

梓「み、見てないですっ」

律「いやんっ」

梓「見えてないですから!」

70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/11(土) 17:20:09.58 ID:1PiW23aIO
律「『見えてない』かぁ」

梓(わああああ!)

梓「は、早く練習しましょう! ほら皆さんも!」

梓(うわああん誤解されたかも……)

律「あははは、じゃあやるか」

梓(でも……思った以上に普通に会話できてる)

梓(よかった)


71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/11(土) 17:27:11.89 ID:1PiW23aIO
梓(――なんだか取り越し苦労だったみたい。あの日からだいぶ経ったからもう気まずさなんて忘れちゃった。いや、あの日の出来事は忘れないけど……うふふ)

梓(……おっと。だから普通に会話が出来るならもっと律と話したい)

梓(というわけで……)

律「お、梓ー」

梓「あ、律先輩」

律「最近この休み時間によく会うな」

梓「次の時間が移動教室ですから。律先輩は体育ですよね」

律「そ。今日はソフトボールだからなー腕が鳴るぜ!」

梓(こうして休み時間に偶然を装ってお喋りしたり……この10分弱の時間がしやわせ)

律「じゃーそろそろ行くわ」

梓「はい、頑張ってください」

梓(……私も一緒に体育やりたい)

73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/11(土) 17:34:09.74 ID:1PiW23aIO
梓(学校のメインイベントの放課後がやって来たぞー)

梓(今日もいっぱい話すぞー)

ガチャ

梓「お疲れ様です」

律「ん、おつかれー」

梓「律先輩一人ですか?」

律「もう少ししたらみんな来るよ」

梓「そうですか」

梓(二人っきりだ……! 廊下と違って部室という密室で完全に二人っきり!)

梓(……なんか緊張してきた。おかしいな、いつもはそんなこと無いのに)


74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/11(土) 17:41:07.98 ID:1PiW23aIO
梓(えーとえーと……何か、何かしなきゃ!)

梓「あの、お茶入れましょうか」

律「おーなんか梓が言うと新鮮だな。じゃよろしく」

梓「は、はいっ」

梓(とりあえず身体を動かしてないと落ち着かない)

梓(お湯を沸かしてる間どうしよう……早く沸いてぇ)

律「ははは、梓うろうろし過ぎ」

梓「あっ」

梓(笑われたぁ! ……あ、お湯沸いた)

梓「では……」

律「ストーップ」

75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/11(土) 17:48:38.04 ID:1PiW23aIO
梓「へ?」

律「紅茶はもうちょっと蒸してから」

梓「そうなんですか?」

律「そうなんですのよ。……そろそろかな。ポット貸してみ」

梓「あ、はい」

律「こんな感じで」

梓「おおー」

梓(注ぎ方がムギ先輩にも引けを取らないかも)

梓(律……あの可愛さにプラスして女子力も高いなんて反則級だよ……)

律「ほれ」

梓「すいません結局先輩にやらせちゃって」

律「いいからいいから。お味の方は如何かしらん?」

77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/11(土) 17:55:37.53 ID:1PiW23aIO
梓「……あ、おいし」

律「だろー?」

梓「すごいよ律……先輩!」

律「まあなー。もっと誉めてもいいんだぞ」

梓「……どうせムギ先輩に教えてもらったとかでしょう」

律「ぐっ……」

梓「やっぱり」

律「もう梓には入れてやらねー」

梓「あっあっごめんなさい嘘です冗談です!」


79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/11(土) 18:03:24.66 ID:1PiW23aIO
梓(――なんて事があったんだよなぁ去年は)

梓(あの事件以来律先輩との仲が前より良くなった気がする)

梓(今思えばやらかして正解だったかも……なーんて)

梓(仲良くなったのはいいけど私何してるんだろう)

梓(今日もせっかくの夏休みなのに気が付けばこうして律先輩の家の近所を徘徊してる)

梓(べっ別にストーカーとかじゃないよね……?)

梓(ちょっと散歩してるだけだし……)

梓「……あつい」

梓(飲み物も尽きたしそろそろ帰ろうかな)

80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/11(土) 18:10:09.90 ID:1PiW23aIO
律「なーにやってんだよ」

梓「わっ!?」

律「よっ」

梓「律先輩! どうしてここに!?」

律「どうもこうも私の家すぐそこだし」

梓「ですよねぇ……」

律「梓は何してるの?」

梓「へっ!? いやあの……そう! ちょっと暇だったので散歩を」


81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/11(土) 18:18:03.56 ID:1PiW23aIO
律「この熱いのに散歩かよ。しかも女子高生が夏休みに一人で」

梓「い、いけませんか!? そういう律先輩は何やってたんですか?」

律「え、私? 私はほら、近所だから」

梓「だから?」

律「近所だから……一人でぶらぶらと……」

梓「……」

律「……あ、あー暑いなあ! こんなとこで立ち止まってたら余計に暑くなっちゃったあ」

梓「ふーん」

律「はいはい私も寂しい独り身ですよ。ってか梓大丈夫か?」


84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/11(土) 18:24:07.53 ID:1PiW23aIO
梓「何がですか?」

律「汗めっちゃかいてるぞ」

梓「ああ……ちょっと散歩しすぎたかもしれないです」

律「じゃあ家で休んでく? てか遊ぼうぜ」

梓「えっいいんですか!」

律「いいよん」

梓(やったぁー! 夏休みを徘徊に奉げて良かった! 私間違ってなかったよ!)

梓「ではお言葉に甘えて」

律「おー来い来い」


85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/11(土) 18:31:10.05 ID:1PiW23aIO
梓「お、おじゃまします……」

律「家族は出かけてるからまあくつろいでくれ」

梓「は、はい」

梓(わあーわあー律先輩のお宅訪問しちゃったぁ)

律「今飲み物持ってくるから」

梓「ありがとうございます」

梓(おおお……律先輩の家のかほりが……)

梓「あっ」

梓「すんすん」

梓(私汗臭くないかな……)


86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/11(土) 18:39:47.25 ID:1PiW23aIO
梓「ぷは」

律「かああーっ! 生き返る!」

梓「そうですね」

律「生き返ったところで遊ぼうぜ」

梓「はい。何をするんですか?」

律「んー、ゲームとか」

梓「いいですよ。律先輩ってどんなゲームやるんですか?」

律「今日出掛けるまではRPGのレベル上げしててそれに疲れたから気分転換に外へ……って何だよその顔は」

梓「いえ別に」

律「お前だって一人散歩してたんだからな? 人のこと言えないんだからな?」

梓「あ、このゲームやったことある」

律「くっ」

87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/11(土) 18:58:46.63 ID:1PiW23aIO
梓「このゲーム自信があります」

律「マジで? 梓格ゲーとかやるんだ」

梓「友達の家で少し」

律「よしやろう。ギッタギタにしてやろう」

梓「それはこっちの台詞です」

梓(ふふん、このゲームは純の家で結構プレイしたし持ち主よりも強いし……いける!)

律「ホアアーッ」

梓「!?」

律「どうしたどうしたー」

梓「うっ……強い」

梓(純なんかとは比べ物にならない! ていうか強すぎ!)

律「あらやだ、大人気なかったかしらん」

梓「も、もう一回!」

89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/11(土) 19:05:49.92 ID:1PiW23aIO
梓「私は井の中の蛙だったんですね……」

律「そう落ち込むなよ! 相手が少し悪かったな!」

梓「くっ」

律「でもまあ基本を抑えれば澪といい勝負になるかもな」

梓「澪先輩?」

律「あいつともたまにやるんだけどさー、ああ腕は私の方が上だけど。澪は連続技は上手いけど立ち回りがいまいちでさ、ちょっと揺さぶってやるとあっさりと……」

梓(律>澪先輩>私……。何だろう、何か悔しい。)

梓「ちょっと練習してもいいですか」

律「どうぞどうぞ」


90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/11(土) 19:12:47.01 ID:1PiW23aIO
梓「だいぶやれるようになってきました」

律「んじゃあ次の勝負で私に勝てたら私が晩御飯作ってやるよ」

梓「えっ!? 本当ですかっ?」

律「勝てたらな」

梓「……やってやるです」

梓「あ、でも私が負けたら……?」

律「それは別にいいよ。どうせ私が勝つから悪いじゃん」

梓「んなっ!」

梓「絶対勝ってやるぅ!」


91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/11(土) 19:20:07.33 ID:1PiW23aIO
律「レディーゴー!」

梓「ふんすっ!」

律「ダッシャー」

梓「あっ」

律「YOUWIN!」

梓「負けました……」

梓(いやああああ律の手料理があああ……私のヘタクソーー)

律「はぁー遊んだ遊んだ。てか何時間ゲームしてるんだよ私たち」

梓「そうですね……ハァ」

律「そんなに落ち込むなよー相手が悪かったのだよ梓君」

梓「そうですね……諦めます。それじゃあ私そろそろ帰りますね」

93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/11(土) 19:27:16.86 ID:1PiW23aIO
律「あれ、うちで食べていかないの?」

梓「えっ、でも負けちゃったし」

律「梓は真面目だなあ」

梓「何ですかそれ」

律「そういうわけで今から作るわ」

梓「……あ、はい」

梓(ヤッター! 最初からこのつもりで? うわあぁ一々一喜一憂してるよ私)

梓「私も手伝います」

律「おーう」

律「あらぁ?」

梓「どうしました?」

律「やっぱ無理だわ……」

94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/11(土) 19:34:57.79 ID:1PiW23aIO
律「まさか冷蔵庫に何も入ってないとはなぁ」

梓「仕方ないですよ」

梓(ううっ……ふええん)

律「せっかく梓に何か作ってやろうと思ったのに」

梓(う、嬉しい……!)

梓「外食も楽しくていいと思います!」

律「そうだな。あー後は買い物もしておかないと」

梓「なんだかすごいです」

律「何が?」

梓「私は家の冷蔵庫が空っぽでも何を買っていいのかさっぱりで」

律「あー……」

梓「?」

律「お菓子買うつもりだったんだけど……」

95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/11(土) 19:42:13.78 ID:1PiW23aIO
梓「……なんだ」

律「なんだよそのがっかり感は」

梓(私のトキメキを返して)

律「まあいいや、とりあえずここにするか。ここ私のオススメな!」

梓「へぇ! お店の名前は……ゲームスポッ……」

律「梓ー?」

梓「いいですけど。いいんですけどね」


96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/11(土) 19:49:10.05 ID:1PiW23aIO
律「さてと、いっちょやるか」

梓「そのゲームさっき散々やったじゃないですか」

律「対戦に終わりはないのだよ」

梓「そうですか……」

律「ぬあっ、こいつ強ぇ! くそーこのー……わっはぁー! 一本取れた!」

梓(律の表情がコロコロ変わって楽しい……意外な楽しみ方を発見しちゃった)

律「ああー負けたー」

梓「ふふ、残念でしたね」

律「ちぇー」


97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/11(土) 19:56:27.85 ID:1PiW23aIO
律「無難な二人プレイのゲームといったらガンシューティングだよな」

梓「いいですねやりましょう」

律「でもなぁ……」

梓「?」

律「じゃあコンティニューは二回までな」

梓「わかりました」

律「それでは」

梓「いざ」


98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/11(土) 20:03:52.04 ID:1PiW23aIO
律「おお、中々上手いじゃん梓」

梓「そうですかっ?」

律「これなら四面くらいは行けそうだな」

梓「全部でどのくらいあるんですか?」

律「八面だったかな……おっと」

梓「うわっライフが……ああーゲームオーバー」

律「梓一回目な」

梓「は、早くお金入れないと!」

梓「よし!」

律「梓熱中しすぎだそー」

梓「やった! ……あ、今何か言いました?」

律「……何も」

99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/11(土) 20:10:50.18 ID:1PiW23aIO
梓「ああーまたやられた!」

梓「今度こそ!」

律「あのー梓さん?」

梓「ああっ百円玉がない! 律っ百円玉貸して下さい!」

律「え、ええー……」

梓「はっはやく! コンティニュー出来なくなっちゃう!」

律「はいはい……」

梓「ありがとうございます!」

梓「よし! あと一面で全クリだー!」

律「わ、わあ」

101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/11(土) 20:18:55.98 ID:1PiW23aIO
梓「思わぬ出費が……」

律「だからコンティニューは二回までって言ったのに」

梓「つい夢中になっちゃって」

律「梓は負けず嫌いというか熱中しやすいというか」

梓「面目ないです……」

律「ぷふふ……それよりお腹すいたろ?」

梓「あ、はい」

律「じゃあ行くか」

梓「そうですね」


103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/11(土) 20:31:00.00 ID:1PiW23aIO
律「どこにしよっかなー……イタリアンはこないだ食べたし……」

律「おお、こんなところに中華料理風なお店が。どう?」

梓「いいんじゃないでしょうかっ」

律「決定~」

梓「夕飯時だけあって混んでますね」

律「うむ、だが混んでるということは美味しいという事でもある」

梓「なるほど」


104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/11(土) 20:39:09.21 ID:1PiW23aIO
梓「いろんな料理がありますね」

律「うまそー。あ、私小籠包たのもーっと。後は適当に。梓決まった?」

梓「決まりました」

律「すいませーん!」

梓「先輩っ! テーブルに呼び出しボタンついてます!」

律「あらやだ。まあいいじゃん店員さん来たし」

律「えーっと、小籠包と……」


107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/11(土) 20:46:51.22 ID:1PiW23aIO
店員「お待たせいたしました」

律「おおーきたきた!」

梓「おいしそう……」

律「じゃ食べるか。いただきます」

梓「いたたきます」

律「うん、当たりだな」

梓「そうですね」

律「そうだ、梓にも小籠包あげるよ」

梓「ありがとうございます。ではさっそく」

律「あ、中の汁に気をつけろよ」

梓「大丈夫ですよ……はむ」

ぷしゅっ

梓「ふむぐっ!?」

109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/11(土) 20:54:17.91 ID:1PiW23aIO
梓「ふぐ、んんー!」

梓(熱! それにスープが飛び散ったあああ……)

梓「律先輩ナプキン取ってもら――」

律「あっひゃっひゃっひゃっ!」

梓「ナプキンを……」

律「んん……ぶふっ! ……っくっくっく!」

梓「もうっ!」

律「ごめんごめん! だって注意したのにさー」

梓「だって……思った以上にジューシーだったから……」

律「ほーら、これで拭いとけ。帰ったらちゃんと服洗っとけよ」

梓「うう……はい……」

111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/11(土) 21:03:25.61 ID:1PiW23aIO
律「正しい食べ方を見せてやるよ」

律「まずはかるーく……」

ぷしゅっ

律「あっふ! ~~~~! みじゅ! あずさみじゅ!」

梓「ぷっ」

律「……ふう」

梓「参考になりました」

律「くぅ」

梓「……っぷ」

律「くそー」


113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/11(土) 21:11:36.61 ID:1PiW23aIO
律梓「ごちそうさまー」

律「いやー美味しかったな」

梓「はい、また来たいです」

律「そうだな」

律「……今度は気をつけような」

梓「……そうですね」

律「私買い物して帰るけど梓はどーする?」

梓「あっ私も付いて行っていいですか?」

律「モチローン」


114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/11(土) 21:18:50.27 ID:1PiW23aIO
律「おーこれこれ」

梓「プリングルス……」

律「なんだよーうまいぞー。この外国的な味付けが」

梓「しょっぱい」

律「それがいいの。ちょっと買ってくる」

梓「はい」

梓「……」

梓「プリングルスか……」

115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/11(土) 21:25:40.19 ID:1PiW23aIO
律「あれ、梓ー?」

梓「すいません」

律「梓も何か買ったの?」

梓「ええ、まあ」

律「どれどれ」

梓「なんでもいいじゃないですか」

律「まあいいけど」

律「買う物買ったし帰るか」

梓「そうですね」


117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/11(土) 21:32:29.79 ID:1PiW23aIO
律「はぁー遊んだ遊んだ」

梓「楽しかったです」

律「私も」

梓「ふふ……」

律「……あ」

梓「あっすいません」

梓(律の手に触れちゃった)

梓(……今ので気が付いたけど無意識のうちに律に近寄ってた)

梓(もしかして今までも……? うああっ恥ずかしい!)

梓(ちょっと離れなきゃ)

律「……」

ギュ

梓「……うえっ?」

120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/11(土) 21:39:13.18 ID:1PiW23aIO
梓(手、手、手がっ! 律が私の手握ってる!)

梓「なっなっ……」

律「んー?」

梓「律、何して……」

律「別にー?」

梓「別にって……て、手が!」

律「ってかまた呼び捨てかよー」

梓「ああっ! すいませ――」

律「まあ二人きりの時なら……」

梓「へっ!?」

律「梓の家あっちだったよな? それじゃあここで。また学校でなー」

梓「あっ」

梓「いっちゃった……」

123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/11(土) 21:46:46.06 ID:1PiW23aIO
梓「……」

梓「……ハッ」

梓(い、今のは一体……夢かな?)

梓(違うよね)

梓(……)

梓(……うわああああっ!)

梓(熱い、顔が熱い!)

梓(どうしていきなり……そんなことより……くふふふ……)

梓(律が私の手握ってくれた……ふふふふ)

梓(そういえば手を握られてから律の顔見てないや)

梓(なんかずっとそっぽ向いてたような……)

梓(あああっ……律可愛い)

125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/11(土) 21:53:19.42 ID:1PiW23aIO
梓(――なんてこともありつつ)

梓(律との楽しい時間は今日で終わりか……)

梓(私も三年生だったらなあ)

梓(あああだめだめ、せっかく先輩たちが元気付けてくれたのに)

梓(それにしても……卒業式の日にもお茶会するなんて……)

梓「ふふ」

ガチャ

律「ういーす」

梓「え、律先輩? 皆さんと一緒に帰ったんじゃ……忘れ物ですか?」


126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/11(土) 22:00:49.50 ID:1PiW23aIO
律「そうそう忘れ物」

律「そんな大した事じゃないんだけどさ」

梓「……」

律「私たちが帰った後で梓が泣いてるかと思って」

梓「泣いてません!」

律「さっきは泣いてたじゃんかー」

梓「う……それよりそんなこと言いに来たんですか!?」

律「あともうひとつ」

梓「……?」


127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/11(土) 22:07:28.22 ID:1PiW23aIO
律「まあそのなんだ、こっちも大した事じゃないんだけど……」

律「こんな頼りない部長でごめんな」

梓「……えっ」

律「本当は新入部員をガバーっと獲得したかったんだけどこの体たらく」

律「それでも五人でやりたいって言ってくれた時は嬉しかったよ」

律「あとは困ったことがあったら何でも言えよ?」

梓「……」

律「あと今度一緒にスタジオ入ろう」

律「あとまた私の家に来いよ」

律「あとは……」

梓「はいはい」

律「はいはいってひどくね?」

128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/11(土) 22:14:22.47 ID:1PiW23aIO
梓「ふふ、ありがとうございます。わざわざ戻ってきてまで言ってくれて嬉しいです」

律「ほら、みんながいると恥ずかしいじゃん?」

律「あと真面目に話したら梓が泣くかもと思って」

梓「もうっ! そんなんじゃ泣きませんよ! ていうか律先輩がお茶会の時に泣くなって言ったんじゃないですか!」

律「おっかしいなー私のプランとちょっと違う」

梓「何ですかプランって」

律「いや、私が真面目に話し出すと梓が途端に泣き出して」

律「ばかー」

律「って言って抱きついてくる。私はすかさずよしよしするという……」

梓「……ばかですね」

130 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/11(土) 22:21:21.55 ID:1PiW23aIO
律「ですよねー」

梓「……ばか」

ギュ

律「お」

梓「ば……ばかりつ」

律「なんだとーこのーおーよしよし」

梓「……」

律「……また遊びに行こうな」

梓「うん」


132 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/11(土) 22:28:13.29 ID:1PiW23aIO
梓(律……)

梓(わざわざそんなこと言いに戻ってくる所が律だよね)

梓(それにしても)

梓(はにかんでる律が可愛いかった)

梓(しどろもどろだけど頑張って伝えようとしてるとこも)

梓(後は……優しいし意外と律儀だし)

梓(ああーもー! 律かわいいなぁ!)

梓「律っ!」

律「おおっ満面の笑みだな」

梓「えへへ、律のおかげ」

律「そりゃよかった」

梓「律……大好きっ!!」



END

コメント

コメントの投稿

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)