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キョン「バイスシティだと?悪い冗談だ」

未完
1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/04(土) 13:25:21.77 ID:l6bT73BL0 [1/20]
「こんなの発売する会社が信じられないわっ!」

もう疾うにお馴染と言える、放課後は80%の確率でこいつが癇癪を起こすのだ。
俺たちはこの文句を嫌ながら耳にしないといけない。
溜息を寸前で殺して、俺はハルヒに無気力且つ嫌々な視線を送った。

「この記事みてよ、ちょっと!このゲーム許されるの!?」

別に近眼ではないが無意識に目を細めて、記事を見つめた。
なにやら18禁という文字がでかでかと中央を占めている。
これは知っている、俺はちょっと吃驚して興味を呼び起こしたのであった。
記事の端、控え目に問題の商品名が載ってある。

”グランドセフト・オート・バイスシティ”

残念ながら俺はこのゲームの愛好家というべき存在にあった。

3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/04(土) 13:34:57.52 ID:l6bT73BL0
これは偶然か、それともハルヒの力が動いたのか、わからない。
古泉は首を傾げてそのゲームの詳細を求めているように見取れた。
朝比奈さんがオドオドとそのゲームについて質問を投げかける。

「あ、あの~、どういった内容なんでしょうか……」

ハルヒは団長席のカップを口まで運ぶと、どこぞのドリンクCMで見掛けるあのシーンを再現した。
そして乱暴にカップを置くと、間髪いれずに怒声を巻き起こす。

「人を殺害したりするゲームなの!!ゲームだからって許されないわよ!!」

やれやれ、こいつは妙な正義感を持っているな。
古泉が横に入って質問に続いた。

「殺害するゲームならば、それに限らずこの世に沢山あるとおもうのですが……」

その通りだ、古泉、しかしお前は黙ってろ。
殺害といってもそのグラフィックや描写の具合でピンキリだ。
ハルヒが叩いているゲームはまさに最悪の殺害を行えるゲームと言える。
つまり、そういうこと。ゲーム会社の本気の悪フザケと言ってもいいくらいに良くできたゲームが故、ハルヒが黙っちゃいないんだろうよ。

7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/04(土) 13:41:29.57 ID:l6bT73BL0
その後、俺はそのゲームの魅力を語ることなくただただハルヒの愚痴を聞くだけに終わった。
友人とそのゲームで盛り上がる経験がある故、なにやら嫌な気分だ。
いや、殺害したりするのは勿論良くないさ。しかるにこれはゲームだ。
夢と現を見極めることなんざ容易いご用なんだし、別に勝手だろとか思ってみたりした。

「ただいま~」

「キョンくんおかえり~」

明るい子供執事に迎えられ、俺はとりあえず玄関に腰を降ろした。
我が家のマスコット、シャミセンを抱えて俺はリビングへ足を運ぶ。
今日のご飯はなにかなと少々な期待を持ちながら扉を開けた。
その後風呂に入って、テレビをみて、あとは寝るだけだ。
なに、宿題?なんだそれは俺は聞いたことないなそんな単語。

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/04(土) 13:49:12.79 ID:l6bT73BL0
さて、俺のスケジュールには入らなかった行事をここで暇つぶしとしてやろうではないか。
放課後なにやら議論の出た、あの問題のゲームである。
俺の勝手なんだ、ハルヒがどうこう言おうと俺の趣味なる一時を邪魔されては困る。
妄想好きと自ら自称するのもなんだが俺はこういう世界が大好きなんだ。
ゲームという世界は現実で出来ない事を軽々とやってしまえれる。
ああ、ゲームの世界に入り込めたらどれだけ良いことか……いかんいかん、妄想が膨らんでしまう。

「さて、寝るか……」

俺は名残を感じながらゲームをやめて、颯爽と布団に潜った。
明日は早いし、授業中寝ればいいことだが後ろの団長が起してきやがる故、期待できない。
寝るのは嫌いじゃないしはやく寝よ、と俺は目覚ましをセットすると瞼を閉じた。

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/04(土) 13:57:00.64 ID:l6bT73BL0
「おい……」

声が聞こえる、誰かは定かじゃないが聞き覚えのある声だ。
まるで水中にいるような、そんな独特の響きが俺の鼓膜を擽った。

「おきろ……」

その声がどんどんはっきりしてくる、なんだこれは夢か?

「起きろって!」

「うおっ!!」

まるでボリュームマックスと知らず、テレビをつけた時みたいに声が大きくなって、おれは体を跳ね起した。
覚めない頭でこの状況をとりあえず把握してみる。

「やっとおきたか」

「あ……谷口……?」

ここはどうやら車内のようだ、俺は後部座席に横たわっていた。
そして運転席からこちらへ振り返る顔、それは紛れもなく谷口であった。
水色のスーツを身にまとってて、アイドルプロデューサーみたいなサングラスをかけている。
寝ぼけていてもわかる、今のこの状況はシュールだ。

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/04(土) 14:07:01.45 ID:l6bT73BL0
状況把握すらできない俺は、シュールな谷口に質問を投げた。

「おい、ここは何処だ……なんでお前が運転席にいる……なんだその服は」

不可解に堪えかねていっきに質問をしてしまい、しばし困り顔をする谷口は質問に質問を返してきた。

「おい大丈夫かよ、キョン。あの取引で頭がイカレちまったか?」

俺は無意識には?と間抜けな応答をした。
谷口はやれやれと首を傾げると、勝手に話を進めやがった。

「ああ、あいつらは俺たちを騙した、これははっきり言ってヤバい……どうしたらいいんだ……」

「奴らは俺らを捨て駒として利用したんだよ、隠れ家も特定されているし、今頃始末しに行っているだろう」

「だからこうやって逃げてるんだろ?目を覚ましたかおい」

ああ、目はパッチリ開いているさ、この通りな。
問題なのはお前の頭じゃないのか?なんの話かさっぱりだ。

「はあ……やめてくれよ、俺はいま疲れてるんだ、車出すぞ」

谷口は呆れた様子で車のエンジンをかけた。
聞きなれないエンジン音が体を通して、実感できる。
これが夢とは思いがたい、俺はシートにもたれると早速考えに入った。

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/04(土) 14:22:16.92 ID:l6bT73BL0
しかし考える暇がなんとなくなった。
まず俺の集中を削いだのはスピーカーから流れてくる饒舌な外国語だ、そして洋楽。
俺は谷口の体をもう一度眺めてみた、やはり学生とはいえない恰好をしている。

次に俺は気付いた、運転席が日本と逆である。
急いで窓へ体を乗り出した。

「なっ……」

テレビでしか見たことのないヤシの木のような植物が一直線に並んでいて、その反対脇には色とりどりの建物が並んでいる。
ここは誰がみてもビーチである、そうあの有名なマイヤミビーチが俺の眼前に堂々と映っていた。

「おい、谷口!!ここは外国か!?」

谷口はダルそうな声で、バイスさとだけ答えた。
バイス?わかるが納得できない、納得できるわけがない。

車が止められて、俺は谷口に出るよう促された。

「こ、これは……」


ラジオ参考:


17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/04(土) 14:42:26.09 ID:l6bT73BL0
日に照らされ悠々と聳え立つ建物が俺の目の前に現れた。
見覚えのある建物だがその目撃現場がテレビの画面である故、にわかに信じがたい。

「ここにとりあえず隠れておこう、連中はすぐに駆け付けるだろうがな」

谷口はホテルの扉を開けて、予約済みの部屋へ案内した。
今気付いたが俺の格好も笑いがこみ上がるほど異様で、ダサい。

「……ここは」

俺は谷口から案内された部屋へ入ると、まず立ち止って質問した。

「この銃はなんだ……」

谷口はまたも面倒臭そうに、対抗するための銃だと言って扉を閉める。

「誰にだ……」

谷口はややキレ気味に、

「アイツに決まってるだろ、あほか」

アイツって誰だ詳しく詳細を教えろ。

「てめえいい加減にしろよ、ハルヒが俺たちを騙したんだろ」

「は?ハルヒ……?」

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/04(土) 14:48:20.44 ID:l6bT73BL0
ハルヒと聞いて俺の思考回路は確実に減速した。
ハルヒが俺たちを騙した、ここは外国、バイス、銃、対抗……。

しかし俺は全く持って驚かなかった。
こんな事態、いつか来るとは予想していたよ。
過去未来、パラレルワールドの次はゲームの世界か。

「谷口、すまん俺がおかしかったようだ」

「ああ、知ってるよ、いいからはやく銃を取れ」

物分かりの早い奴だな俺は。
俺はテーブルの銃を手にとってその重量を体で噛みしめた。
間違いない、俺はゲームの世界に巻き込んだようである。

21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/04(土) 15:00:02.20 ID:l6bT73BL0
一段落ついて、諸事情を聞き出そうと俺はベットに腰を降ろした。
谷口はさっきとは一変して頭を抱え込んでいる、なにやら絶望しているようだった。

「そんなに悩むな、でどういった経緯があったんだっけ」

「あ?お前はマジでイカレてんな……あのハルヒだぞ……」

うむ、あのハルヒは確かに厄介だな。
しかしその勢力がわからないことには俺も絶望し難い。

「あいつは東を占めるマフィアのボスだ……いずれこのバイスも手中に収めるだろうとは思っていたがまさか騙されるだなんて……くそっ」

なるほどな、こっちのハルヒも相当厄介みたいだ。
で、騙されたって一体どういう事だ?

「おいおいキョンいい加減にしろ、俺はお前のママじゃねえんだ」

谷口は席を立つとコーヒーを作ろうとビンを掴んだ。
相当ピンチな状況なのはわかった、それだけで十分だ。
なんせ俺はこのゲームを3周程クリアしている。
なんとかなるさ、ゲームは主人公が勝つ為にあるんだからな。
そしてこの俺はどこからどう見ても主人公という配役らしい。

バイスシティの覇者、トミー・ベルセッティとは俺の事だ。

26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/04(土) 15:21:18.10 ID:l6bT73BL0
しかしこれは俺の知っているゲームではない。
展開もなにもかも違っていて、ただバイスシティという舞台と物語の方向性だけは一致していた。
だから厄介なのだが、しかしワクワクしている自分がいる。
これは俺の願望が果たされたと解釈していいのだろうか。

「おい、ちょっと見てみろよ……」

一人でニヤニヤしていると谷口が俺を窓際へ引っ張った。
そして身を潜めるよう指示して、そっと覗けと小声で命令する。

「どうした……」

ワシントンビーチは大勢の人で溢れていた。
まさに俺が知っているバイスシティだ。
リアル過ぎて実感するには相当なスキルを要するだろう。
この場所で何人か轢き殺してしまったのは否めない。

「……あっ、あれは」

その中に紛れる様にして如何にもハワイと言った感じのシャツを身にまとった連中が数人立っていた。
谷口は呟く、俺はその言葉に聞く耳を持つ事しかできなかった。

「いくらなんでも早すぎる……これはヤバいぞ……」

「……」

だそうだ、やれやれ。

28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/04(土) 15:32:26.41 ID:l6bT73BL0
その連中は挙動不審もお構いなくそこに佇んでいる。
明らかに俺たちのいる建物の目の前でだ。

一人は携帯電話で誰かと通話しているようで、他の数人はじーっとこちらを見ている。
しかし俺たちのいる部屋かわからないようで、視線はあっちへいったりこっちへいったり泳がせていた。

「ちっ、サブしかねえよ、鶴屋さんにはアサルトと言ったはずなんだけどな……」

鶴屋さんもいるのか、俺の願望に付き合ってくれるとは有難い。
どうやら鶴屋さんは俺たちの味方みたいだな。
これほど安心できる設定が他にあるだろうか、断じてないと言える。

「おい、裏からでるぞ……そこのサブマシンガンを2丁持っていけ、絶対気付かれるなよ……」

「ああ、わかってるさ……」

早速、バイスらしい展開が始まったな。
俺はTec9というサブマシンガンを両手にホテルの一室から脱出した。
こいつは走りながら打てるという事で俺の評価もそこそこ高い武器である。
これも鶴屋さんのおかげか、本当にありがとうとお礼を申し上げたい。

31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/04(土) 15:48:03.18 ID:l6bT73BL0
ゲームでは行けなかったあんな所やこんなところがこの世界では行けるわけだ。
最初のセーブポイントとしてグラセフ愛好家であれば誰しも通るこのホテルも、立体視してみれば相当違って見えた。
裏道なんてなかった故、俺の経験が全く活かされないわけだ。
それになんだ、こいつがなんで俺に指示をしているんだ、そこがまずおかしな点だろう。
ゲームなんだ、俺のやりたい通りに動かせるんだから指示通りに動くのは勿体無い。
俺であればこうするな、うん。いや誰でもこうする筈だ。

「すまん、谷口」

「なんだよ……どうした……?」

俺は久々に少年のような笑みを浮かべながら、谷口にこう宣言した。

「俺のやりたいようにするよ、だからお前の指示には従わない」

俺の解釈はこうだ。
この谷口の指示はミッションのカギとなっている。
だからこれに従わないと失敗となるわけだ。
バイスにいるのが俺一人なら恐らく指示に従って、自己満足を満たしている事だろう。
しかしそうはいかない、この世界には俺の知っている仲間が存在している。
この世界に巻き込まれた理由、それを考えれば俺の反発を察していただけるはずだ。
ハルヒ絡みなのは間違いない、しかし俺は自分の願望が叶ったと信じている。

”こんなゲーム潰してやるわ!!”

俺は谷口を無視して、そのまま玄関へ向かった。

「望むところだ、ハルヒ」

俺はお前の手を借りない、俺のやり方でやらせてもらう。

32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/04(土) 16:00:18.76 ID:l6bT73BL0
「おい、待て!!」

谷口の声はもはや雑音となって俺の耳に届いた。
両手のサブマシンガンがずっしりとして俺の体を操る。

俺は玄関を目の前に深い深呼吸をした。

「よし……」

俺は片足で玄関の扉を蹴り飛ばした。
一度やってみたかったことがこんな場所で出来るとは。

「うぐっ……」

連中を見つける前にまず両手のサブマシンガンを構えてみる。
まさかここまできついとは思わなかった、まるで竹ホウキを水平に保っているみたいだ。

「……ん、おい!!出てきたぞ!!」

ちょうど目の前の歩道にハルヒの部下が待ち受けていた。
相当焦った様子で仲間に呼びかけていたのを俺はニヤついた眼差しで捉える。

しめた。

俺は両方の引き金を力いっぱい引っ張った。

ガガガガァン―――!!!!

40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/04(土) 19:56:59.22 ID:l6bT73BL0
「ッッ!!」

もの凄い反動、熱によって両手に激痛が走った。
俺は銃の引き金を引いた事のない素人だ。
弾を当てる以前に弾を正確に放つ事すらできなかった。

「きゃああああ!!!」

近くにいたフィットネス中の一般女性が大きな悲鳴を上げてこちらを指差している。
気付けばもう一つの銃声がすでに響き渡っていた。

「あ……っぐぁ」

下腹部が異常に熱い、なにかが零れているのを身を以って感じた。
俺の腹部から零れる赤い液体はアスファルトを赤く染めている。

次の瞬間、連続した銃声が響いた。

41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/04(土) 20:05:00.85 ID:l6bT73BL0

「ん……」

俺は気がつくと病院に横たわっていた。
海外の病室だと一目でわかるこの風景に俺は身を起こしてみる。

さっそく不思議が待ち受けていた。
おれはあのホテルで相当な数の弾丸を受けた筈なのに全くの無傷だ。
死んでもおかしくない筈なのに俺はこの通り生きている。

「なるほど……案外チープだな」

グラセフの説明書は観光資料のような斬新な作りでできている。
その中に病院の説明があったのだが、その内容を思い出してみると納得できた。

「はは、確かサメに下半身を持ってかれてもここなら大丈夫だとか」

俺は早速、起き上がるとそこに放置された着替えを身に纏い、病室を後にした。


43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/04(土) 20:27:36.84 ID:l6bT73BL0
病院を出てすぐ、見たことのある場所が三次元となって現れたその感動を身に沁みさせていた。
目の前にある建物はショッピングモール、ここで繰り広げられたミッションを失敗した経験が蘇る。

「すげえ、バイスシティだ……」

感慨に浸っているといつから所持していたのか、ポケットのポケベルにメッセージが届いた。
持っていたんだなと俺はポケットを弄り取り出す。

「ん……あと2回でゲームオーバー?」

これは誰からのメッセージなのだろうか、あと2回でゲームオーバーと言われても意味がわからない。
しかしある程度予測はできるな、おそらく残りの残機数だと思われる。

俺は完全に舐められているな、この世界に。
とりあえずタクシーを呼ぼう、じゃなきゃ始まらん。

44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/04(土) 20:39:13.32 ID:l6bT73BL0
俺はタクシーのおっさんにある質問をぶつけた。

「ん?リトルハバナ?ああ、あそこは危険だからやめときな」

やっぱりな、まだ隣の島には行けないみたいだ。
リトルハバナではスペイン語が主流で、コロンビア人、ハイチ人、キューバ難民などが住んでいる故、激突が相次いでいる。
流石はタクシーのおっさん、危険なスラム街に詳しいな。

しかしここは本当に治安の悪い街だ。
たった数分前に早速轢き逃げを目撃してしまった。
極め付けにその轢き逃げ犯は今、俺をワシントンビーチへ運んでいる運転手であるのが驚きだ。
横顔は溌剌としていてとても爽やかなのが恐ろしい。

「ついたよ、にいちゃん」

俺は颯爽と飛び出ると再びワシントンビーチの地を踏みしめた。

45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/09/04(土) 20:48:36.16 ID:l6bT73BL0
まず行くべき場所、それは谷口の居場所しか考えられない。
奴の配役は恐らくヴァンスファミリーのヴィクターの弟、ランス・ヴァンスだ。
これは俺の予測だが派手なスーツにかっこ悪いサングラスと言えばもうランス以外に他はない。

「しかし奴はどこだ……まったく……」

とりあえずさっきのオーシャンビューホテルに俺は入った。
受け付けに谷口の居場所を聞いてみるが、わからないと即答された。
もう詰んだようだな、リアルは甘くないってか。

しょうがない、さっきの部屋を借りて今日は休むか。
命を狙われている立場としてこれが一番無難な対処なのかもしれん。
俺は手ぶらのまま、さっきと同じ部屋を借りてそこのベットに横たわると、そのまま寝てしまった。

ここでスレ落ち

コメント

No title

これは載せちゃダメww

No title

キョンならポスタルにも手を出してそうだな!

ミスマッチかと思ったが
意外とおもしろいなww

No title

あっという間にゲームオーバーになって終わりそうだなあw

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