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新魔王「私が新しい魔王です!」
1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 02:03:57.78 ID:psmavRbq0
勇者「そうか」
新魔王「ふふふ! それでは覚悟です! 勇者!」
勇者「おうちどこなんだ?」
新魔王「へ?」
勇者「魔王の城に一人でさみしかっただろ?」
新魔王「こ、子供扱いしないでください!」
勇者「そうか」
新魔王「ふふふ! それでは覚悟です! 勇者!」
勇者「おうちどこなんだ?」
新魔王「へ?」
勇者「魔王の城に一人でさみしかっただろ?」
新魔王「こ、子供扱いしないでください!」
3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 02:09:23.78 ID:psmavRbq0
ちょっと前、王の城にて
勇者「…え?」
王「…うむ」
勇者「いや、新しい魔王って…」
王「そのままだ。魔王の城には、今、新しい魔王が住み着いているらしい」
勇者「んなアホな。魔王は俺の家にいるんですよ?」
王「だからこそ、新しい魔王が現れたのだろう。今のままでは勇者を倒せないからな」
勇者「…で、また退治に行けと?」
王「うむ」
勇者「わかりました。早速、行ってきます」
5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 02:14:53.24 ID:psmavRbq0
勇者(新魔王とかいいながら、こいつ、元魔王と全然かわらねぇぞ…)
新魔王「子供扱いには少々むかつきました…覚悟してください!」
勇者(…あいつよりは言葉が綺麗だな)
勇者「まあ待て、話し合いで解決しようぜ」
新魔王「…あなた、バカですか? 私に敵わないからって…」
勇者「違う、できればお前みたいな可愛いやつに傷をつけたくないんだ」
新魔王「か、可愛い…?」カァァ
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 02:17:59.77 ID:psmavRbq0
勇者「とりあえず、ちょっと城から出よう」
新魔王「わ、わかりました」
勇者「…」テクテク
新魔王「…」テコテコ
勇者「…」テクテク
新魔王「ちょ、ちょっと…勇者さん」
勇者「ん?」
新魔王「歩くのが…早すぎです」
9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 02:21:42.69 ID:psmavRbq0
勇者「そうか?」
勇者(いつもならこれぐらい、あいつなら大丈夫なのに…)
新魔王「! なるほど、すこし速さを上げて、私から逃げようという魂胆ですね!」
勇者「違う違う」
勇者(ああ、そうか、あいつだったらムキになって追いつこうとするから、弱音なんて吐かないんだ)
新魔王「ふん! もうだまされません! ここで死んでもらいます!」
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 02:25:47.80 ID:psmavRbq0
勇者「ちっ、仕方ない」
新魔王「死んでもらいますからねっ!」
勇者「…それっ」トンッ
新魔王「!」ドサッ
勇者「ふう」
勇者(…あいつもそうだけど、魔王ってこんなに弱いもんなのか?)
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 02:29:28.18 ID:psmavRbq0
勇者「とりあえず…気絶させたのはいいけど」
勇者(これからどうするか…)
勇者「…まあ、こいつもあいつと同じで、悪いことはしないだろ」
勇者(まあ、俺の考えだけど…)
14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 02:34:11.88 ID:psmavRbq0
新魔王「…はっ! ここは!?」
勇者「お、目が覚めたか」
新魔王「! 勇者さん! な、なぜ私をおぶっているのですか!?」
勇者「まあ、気にするなよ」
新魔王「気にします! 私とあなたは、敵同士なのですよ?」
勇者「俺はそう思ってないぞ」
新魔王「…私はそう思ってるんです!」バシッ
勇者「いて!」
新魔王「ふん! どうやら、あなたは私をコケにしているようですね…」
勇者「!」
新魔王「私は元魔王のように甘くはありませんよ! くらえっ!」
MPが足りません。
新魔王「」
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 02:44:14.59 ID:psmavRbq0
勇者「やっぱりお前もか」
新魔王「あれ? なんで? 魔界では上手くいってたのに…!」
勇者「MP0が何を言う」
新魔王「ち、近寄らないでください!」
勇者「考えてみろよ、お前の力はほぼ無力。抵抗しないほうが身のためだと思うぞ」
新魔王「う…」
勇者「ついてこい」
新魔王「…わかり、ました」
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 02:48:11.86 ID:psmavRbq0
新魔王「勘違いしないでくださいね? 私は能力が戻ればいつでもあなたを殺すんですから!」
勇者「了解」
新魔王「…バカにしてますね?」
勇者「してないって」
新魔王「ふん! 嘘です、そんなの!」
勇者「はぁ…」(なんか、やりづらいな)
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 02:54:31.93 ID:psmavRbq0
勇者「ただいま戻りました」
王「うむ、ごくろう。む? 今日は魔王も一緒か」
勇者「ああ、こいつは…」
新魔王「な、なぜ、私が魔王だと知っているんですか!?」
王「? 勇者、一体どうしたのだ?」
勇者「こいつが、新しい魔王です」
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 02:59:08.97 ID:psmavRbq0
王「そうかそうか。それはよかった」
新魔王「なぜ知っているんですか!? 怖い、怖いです!」
勇者「とりあえず、こいつも俺が世話します」
新魔王「世話!? なぜあなたに世話をされないといけないんですか!?」
勇者「…」
新魔王「無視しないでください! ちょっと!!」
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 03:04:04.16 ID:psmavRbq0
勇者「ん? なんだ?」
新魔王「世話をするって…まさか、私を奴隷にするつもりですか!?」
勇者「被害妄想だ、それは」
新魔王「さすが勇者です…恐ろしい!」
勇者「だから、そんなことしないっていってるだろ?」
新魔王「信用できません!」
勇者「じゃあ、どうしたら信用してくれるんだ?」
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 03:13:24.46 ID:psmavRbq0
新魔王「私達は敵同士なんです! 信用する意味なんてありません!」
勇者「はぁ…わかったよ」
新魔王「…え?」
勇者「今度また、決心したらお前を倒しにいくから。その時まで、あの城で待っててくれ」
新魔王「そ、そんなのあんまりです!」
勇者「え?」
新魔王「許せません! 私をここまで連れてきておいて!」
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 03:17:25.29 ID:psmavRbq0
勇者「…」
新魔王「それに、私の城までけっこう遠いです! ま、まあ、ワープできますけど!」
勇者(MP0なんだから無理だろ…)
新魔王「すこし、観光してからでも、あなたを殺すことは安易なことですから」
勇者「そうか…じゃあ、行くか」
新魔王「はい」
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 03:23:22.40 ID:psmavRbq0
勇者「ただいまぁー」
魔王「! ゆーしゃ!」
盗賊「…勇者…!」
勇者「おお、魔王、盗賊。ただいま」
魔王「何も言わずに出かけおって! 何処にいっていたのだ?」
盗賊「!」コクコク
勇者「ちょっとな」
新魔王「こ、ここが…勇者さんの家…ですか?」ヒョコ
魔王「!!!」
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 03:27:58.09 ID:psmavRbq0
>>29
後々書く。
あの時は本気で忘れてた。すまん。
31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 03:32:19.50 ID:psmavRbq0
魔王「あ、ああ…お、お前は…」
勇者「ん? やっぱり知り合いなのか?」
盗賊「…魔王と、そっくり…」
勇者「新しい魔王らしい」
魔王「あ、新しい魔王!?」
新魔王「お久しぶりです」
魔王「ゆ、ゆーしゃ! なぜこいつがここにいるんだ!」
勇者「え? なんでって…」
魔王「こいつは…私の妹だ!!」
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 03:44:10.16 ID:psmavRbq0
勇者「妹…か」
新魔王「それより、お姉さま、これはどういうことですか?」
魔王「…む?」
新魔王「勇者の家でのんびりとして…だから私が新しい魔王として派遣されるんです!」
魔王「…」
新魔王「このような姉を持ったことに、私は遺憾です!!」
勇者「おい、いいかげんにしろ」
魔王「…ゆーしゃ」
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 03:50:20.26 ID:psmavRbq0
勇者「これ以上魔王のことを悪く言うのは俺が許さん」
新魔王「…皮肉なものですね。まさか、敵にかばわれる始末とは…」
魔王「…」
勇者「…だから、敵じゃねぇって」
盗賊「…みんな、友達…」
新魔王「…ふんっ」
35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 03:57:23.16 ID:psmavRbq0
勇者「仲良くしないんなら、出てってもらう」
新魔王「…仲良く、できるわけがないですよ」
勇者「…」
勇者(子供の喧嘩に見えるとか言ったら、怒るだろうなぁ)
武闘家「やっほー! 勇者おかえりぃ!」
勇者「おお、武闘家か」
武闘家「うわ! なんや魔王! しけた顔して? って、二人!?」
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 04:02:18.32 ID:psmavRbq0
新魔王「なんですか? この小さな女の子は…」
武闘家「ウチのこといえへんやろ! どうなってるん? 勇者」ギュッ
勇者「あ、ああ。実は…」
魔王「おい、ゆーしゃの腕にしがみつくな」
武闘家「えーやん。勇者は別にあんたのもんちゃうんやで?」
魔王「…」イラッ
新魔王(…まさか…)
37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 04:06:13.45 ID:psmavRbq0
新魔王「お姉さま…まさか…」
魔王「!」
勇者「?」
新魔王「勇者さんのことす…むがっ!」
魔王「ほらほら、何をわけのわからんことを言っているんだお前は!」
新魔王「んん! ふまふむぅ!!」
武闘家「お姉さまって…姉妹なんか?」
勇者「ああ、そうらしい」
38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 04:14:13.95 ID:psmavRbq0
勇者「それにしても、二人とも瓜二つだな」
魔王「だ、誰がこんなやつと…!」
新魔王「ふま! ひみっふむぅ!」
勇者「八重歯も二人ともあるんだな…」
盗賊「…八重歯」
武闘家「またにぎやかになるなぁ」
勇者「そういえば、武闘家、お前、どうだったんだ?」
武闘家「ああ、ここの隣の隣のおばさんが住ませてくれるって。お兄ちゃんと一緒におれへんの寂しいわぁ」
勇者「そうか」
武闘家「もしかして、この子も一緒に住むん?」
勇者「まあな」
武闘家「それずるい! あかん! ウチもこっちくる!」
勇者「それはさすがにまずいって!」
39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 04:15:54.95 ID:psmavRbq0
脇腹が粉砕しそうだ…。
誰も見てないか。
投下時間ミスったなーいや、おもしろくないのかw
すまん、落ちます。では。
58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 14:21:02.78 ID:psmavRbq0
武闘家「もしかして、お兄ちゃんはウチのこと嫌いなん?」
勇者「そうじゃない!」
武闘家「やったらいさせてーな! な? ええやろ?」
勇者(…やれやれ)
勇者「わかったよ…そのかわり、あんまり変なことするなよ?」
武闘家「もしかしてお兄ちゃんはウチを問題児やと思ってるん?」
勇者「当たり前だ」
武闘家「お尻触ったのにそんなこと言われるなんて…悲しいわぁ」
魔王「!!」
61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 14:32:27.89 ID:psmavRbq0
魔王「ゆーしゃ…どういうことだ?」
勇者「ば、バカ! 変なこと言うなって!」
盗賊「…お尻」
武闘家「それに揉まれたしぃ」
魔王「も、ももも!?」
新魔王「な、勇者さんは変態だったんですか!?」
盗賊「…」チャキ
勇者「盗賊!? そのナイフをしまってくれ!」
62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 14:44:45.79 ID:psmavRbq0
盗賊「…触られたこと、ない」
勇者「え?」
魔王「…私もだ!」
勇者「いや、お前らおかしい! それはおかしいぞ!」
盗賊「…武闘家だけ特別…?」
勇者「そ、そういう意味じゃないって!」
武闘家「お兄ちゃんは私以外にはスキンシップせーへんもんなー!」
盗賊「…」チャキ
勇者「は、早くしまえって!!」
64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 15:00:44.62 ID:psmavRbq0
新魔王「勇者さん…恐ろしい人ですね…!」
勇者「盗賊! 頼むからナイフをしまえ!」
盗賊「…なんで?」
勇者「怪我したらどうするんだ!? 危ないだろっ」
盗賊「…大丈夫。勇者しか傷つけないから」
勇者「一体どうしちまったんだ!」
魔王「ま、まあ、落ち着け、盗賊」
勇者「ま、魔王…!」
魔王「こいつは私の手で裁きを下す」
勇者「…助かってねぇ!!」
66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 15:08:13.58 ID:psmavRbq0
新魔王「お姉さまも落ち着きください」
魔王「む?」
新魔王「ここまで否定しているのです。きっと何かの手違いか何かだったのでしょう」
勇者「新魔王!」
新魔王「勘違いしないでくださいね。これは真実を知るためであって、あなたのためではないんですから!」
勇者「そうか。ありがとな」
盗賊「なら…説明して」
勇者「あの時はだな……」
67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 15:13:00.96 ID:psmavRbq0
勇者「いきなりこいつがヒップアタックをしてきて、それを防ぐ時に、誤って触っちまったんだ」
魔王「そ、そうか…」
勇者「それと、揉んだのはこいつの捏造だ! 俺は触ってからすぐに手を離したからな」
武闘家「ありゃりゃ、ほんとのこと言われてもーたかぁ」
魔王「ま、まあ、ゆーしゃがこんなことしないと、最初から思っていたがな!」
勇者「うそつけ」
魔王「…ごめんなさい」
68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 15:17:19.81 ID:psmavRbq0
勇者「新魔王、ありがとな」
新魔王「私は何もしていません」
勇者「それでも、ありがとう」
新魔王「ふ、ふん…」
魔王「…」
勇者「新魔王、腹減ってるだろ? 何か食うか?」
新魔王「遠慮しておきます。あなたが何を企んでいるかわかりませんし…」
新魔王「それに、あまりお腹も空いていませんし」
勇者「腹の虫がなってるぞー」
新魔王「!」カァァ
71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 16:34:35.61 ID:psmavRbq0
勇者「な、なんで睨むんだよ…」
新魔王「…いえ、別に」
勇者「大丈夫だって、毒なんか入れねぇよ。盗賊!」
盗賊「…はい」
勇者「俺達専用の料理人だの、盗賊だ」
盗賊「…て、照れる…」カァァ
74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 16:41:07.97 ID:psmavRbq0
勇者「こいつの飯は本当に美味い。一度食ったらやめられないぞ!」
新魔王「…ふん、どうだか」
勇者「…まだ、信用してくれないのか?」
新魔王「さっきも言った通りです。あなたを信用する意味がありませんから」
勇者「つめてーなぁ」
新魔王「…」
75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 16:47:09.92 ID:psmavRbq0
盗賊「…できた」
勇者「おう。ほれ、食え食え」
新魔王「…」
パクリッ
新魔王「…あ、おいしい」
勇者「だろ?」
新魔王「…」パクパク ペロリ
勇者「おお、さすが姉妹…!」
76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 16:52:00.99 ID:psmavRbq0
新魔王「お、おいしいです! もっといただけますか!」
盗賊「…お、おかわり、いっぱいある」
勇者「おー、魔王とは大違いだなー」
魔王「む、何がだ?」
勇者「素直さが」
魔王「…ふんっ」
77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 17:00:52.83 ID:psmavRbq0
武闘家「なんか見とったらお腹空いてもうたわ。盗賊、ウチにもちょーだい」
盗賊「う、うん」
勇者「お前はいいのか?」
魔王「私は平気だ。そんなにお腹も空いてないからな!」
勇者「…腹の虫を抑えてから言えって…」
魔王「…」ムスッ
78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 17:08:04.38 ID:psmavRbq0
魔王「…ふんっ」パクパク
新魔王「あ、ちょっと! お姉さま! 私の分を…」
魔王「いいだろっちょっとくらいっ」
勇者「おいおい、人の分を食うな。ちゃんとお前の分も…」
魔王「わかった…盗賊、私の分…」
盗賊「…もう、残ってない」
魔王「…」
勇者「そ、そうか」
魔王「…」プイッ
80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 17:17:17.55 ID:psmavRbq0
盗賊「ご、ごめんね…す、すぐ新しいの作るから」
魔王「そこまでせんでいい」
盗賊「…」ビクッ
勇者「仕方ない…。魔王、一緒に外で食うぞ」
魔王「! 本当か!?」
勇者「おう」
勇者「そうだ、新魔王」
新魔王「はい?」
勇者「町の案内してやるから、ついてこいよ」
魔王「…」イラッ
81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 17:21:16.14 ID:psmavRbq0
魔王「そ、それは後でも行けるだろう」
勇者「でも、早めに済ませられるんだったら、済ませといてもいいだろ?」
魔王「…」
新魔王「…なぜあなたは私に町の案内をするんですか?」
勇者「え、だめか?」
新魔王「ダメも何も! 私はここに長居する気はありません!」
勇者「えーそうなのかー」
82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 17:38:34.70 ID:psmavRbq0
魔王「おい、ゆーしゃが案内するって言ってるん…」
勇者「いや、いいんだ」
新魔王「ふん、そろそろ出て行きます」
勇者「こんな遠いとこまで連れてきて、悪かったな」
新魔王「まったくです。それじゃあ、」
新魔王「さよならっ!」
MPが足りません。
新魔王「…」
勇者「…やっぱりな」
83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 17:53:51.27 ID:psmavRbq0
魔王「ふはは! MPが足りません? は、腹が痛いー!!」
新魔王「…うるさい…」ボソッ
魔王「え?」
新魔王「うるさいうるさい!!!」ボウッ
勇者「な!? 炎!?」
新魔王「いつもいつも私を笑って…お姉さま、許さない!」
魔王「お、落ち着け! どうしたんだ!?」
勇者「わりぃ、新魔王」
新魔王「触るなぁ!」
勇者「あっつぅ!?」
盗賊「勇者!」
84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 18:09:36.31 ID:psmavRbq0
新魔王「お姉さま…あなたを殺して、そのあと、勇者さんも殺します!」
勇者「! やめろっ!」
魔王「…お前、随分と大きなこと言えるようになったな…」
勇者「…魔王?」
魔王「お前なんかが私に勝てるとでも? 笑わせるな!」
MPが足りません。
魔王「ありゃ?」
勇者「あーもう! 思った通り!」
86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 18:14:20.21 ID:psmavRbq0
新魔王「やはりお姉さまは…おちこぼれですね」
魔王「…」
新魔王「死んでもらいます!」
ドンッ
新魔王「…!」ドサッ
勇者「ふう、これで二回目だな…」
魔王「…すまん」
勇者「なぁに、気にするな」
盗賊「火傷…大丈夫?」
勇者「してないから大丈夫だ。魔王、気を取り直して食いにいこうぜ」
魔王「う、うむ…」
87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 18:20:03.67 ID:psmavRbq0
勇者(こいつも魔王と同じくらいの重さか…)
魔王「…おい、ゆーしゃ」
勇者「ん? なんだ」
魔王「指、見せてみろ」
勇者「…なんで?」
魔王「さっき火傷してたくせに、嘘をついたな?」
勇者「…まあ、気にするなよ」
魔王「気にする。私の妹がやってしまったことだ。私にも責任がある」
勇者「…じゃあ、ん」スッ
88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 18:26:40.10 ID:psmavRbq0
魔王「…」
勇者「これぐらいなら、自然に治ると思ったから。…盗賊に心配かけたくなかったんだよ」
魔王「…ふむ」
勇者「もう、いいか?」
魔王「…」ハムッ
勇者「ぬおっ!?」
魔王「…んもっま(動くな)」
勇者「…お、おう」
89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 18:30:45.92 ID:psmavRbq0
魔王「…」ペチャッ…
勇者「…」ドキドキ
魔王「…」
勇者「…」ドキドキ
魔王「…」
勇者「…」
勇者(な、なんだこの空気…!?)
90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 18:45:20.15 ID:psmavRbq0
魔王「…ふぅ」
勇者「…」
魔王「こ、これで、治りが良くなるはずだ」
勇者「お、おう、ありがとう」
魔王「なんだ? その顔は…?」
勇者「あ、いや、なんでもない」ドキドキ
魔王「…」カァァ
魔王「さ、さっさと行くぞ!」
91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 18:51:08.04 ID:psmavRbq0
勇者(なんだこの気持ちは…)チラッ
魔王「な、なんだ?」
勇者「あ、い、いや、なんでもない」
勇者(なんで俺、こんなドキドキしてるんだ!?)
魔王「大丈夫か?」
勇者「あ、ああ、だい、大丈夫、大丈夫」
魔王「…? そうか」
勇者(魔王が…可愛すぎる)
92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 18:57:01.33 ID:psmavRbq0
勇者(なんだ、なんだ、なんだ!?)
魔王「む、ゆーしゃ! 私はオムライスが食べたいぞ」
勇者「お、オムライスな、わ、わかった!」
魔王「うむっ」ニコッ
勇者(一つ一つの動きが凄く鮮明に映る…)
勇者(こんな気持ち、初めてだ)
93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 19:01:46.40 ID:psmavRbq0
「おまたせしましたー半熟オムライスでーす」
魔王「うむ! いただく!」
勇者「…」
魔王「はむっ…」
勇者(やべぇ…直視できないぞ…これは重症だ)
魔王「うむっ! おいしいっ!」
勇者「そ、そうか、よかった」
魔王「…さっきはすまんかったな」
勇者「え? あ? ん?」
魔王「その、私の妹が…本当に、すまんかった」
勇者「そ、そんなこと気にすることないさ」
勇者(シュンとした顔も…たまらんっ)
95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 19:12:14.13 ID:psmavRbq0
勇者(って、本当にやばいぞ! 魔王から目を離せない)
魔王「お、おいゆーしゃ」
勇者「な、なんだ?」
魔王「そんなに見られると…は、恥ずかしい」
勇者「!」カァァ
勇者「あ、ああ、すまん!」
96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 19:25:45.55 ID:psmavRbq0
勇者(あー今絶対俺顔赤くなった…)
魔王「なんか…」
勇者「ん?」
魔王「今日のゆーしゃ…なんか、変だぞ?」
勇者「そうか? いつもの俺だぞ」
魔王「それならいいんだけど…」
勇者「お前の妹にも会えて、ちょっと嬉しいよ」
魔王「そ、そうか? 生意気なやつだけどな」
勇者(お前が言うのか?)
97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 19:33:26.24 ID:psmavRbq0
新魔王「んん…」
勇者「お、目ぇ覚めたか?」
新魔王「は! こ、ここは…」
勇者「おい、ここでは暴れるなよ?」
魔王「お前は昔から熱くなる性格だからな」
勇者「そうなのか? はは」
新魔王「? 何がおかしいんですか!」
勇者「別に理由はないから、そんなに喧嘩腰になるなよ」
99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 20:08:39.32 ID:psmavRbq0
?「誰かと思えば、勇者か」
勇者「あ、賢者さん」
賢者「久方ぶりだのう。…む? 魔王が二人?」
魔王「おう、賢者」
新魔王「…?」
賢者「ふむ、こちらが魔王の妹、か」
勇者「はい、新しい魔王として魔界から来たそうなんです」
新魔王「勇者さん、あまり人に言いふらさないでください」
勇者「いいじゃねえか。減るもんじゃないし」
新魔王「…」プイッ
100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 20:27:47.68 ID:psmavRbq0
勇者「…」
賢者「はぁ…」
勇者「どうしたんですか?」
賢者「あ、ああ、気にせんでくれ」
勇者「いや、気にしますよ。どうしたんですか?」
賢者「…実はな、そろそろ婚約相手を決めないといけないんじゃ」
勇者「…へ?」
102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 20:33:02.39 ID:psmavRbq0
勇者「こ、婚約相手ですか?」
賢者「うむ。私はイヤなのじゃがな…」
勇者「じゃ、じゃあ、しなくてもいいじゃないですか」
賢者「いや、それもだめなのじゃ。父親に今週中にと言われてしまってな」
勇者「…そうですか」
賢者「しかし、私は一度二度あった男と結婚はしたくないのじゃ」
勇者「…」
104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 20:43:16.17 ID:psmavRbq0
賢者「…あ、あの、じゃな、勇者…」ドギマギ
勇者「は、はい?」
賢者「…よ、よければでいいんだが…」
勇者「…?」
賢者「私の、婿になってくれんか?」
魔王「!?」
105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 20:50:10.57 ID:psmavRbq0
魔王「な、なに意味のわからないことを、言っているんだ!?」
新魔王「あら、お姉さま、とても驚いていますね」
魔王「お前は黙っていろ!」
勇者「お、俺がですか?」
賢者「…うむ、できれば返事は今日中で頼む、それじゃあ!」
勇者「あっ…ちょっと…」
魔王「…」
106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 20:56:15.00 ID:psmavRbq0
勇者「…」
新魔王「どうするんです?」
勇者「うぇ? …ああ」
新魔王「あー残念です。私のお婿さんにしようと思っていたのに」
魔王「なにぃ!?」
勇者「え、でも、さっき…」
新魔王「好きな人には素直になれないもんですよ。ね? お姉さま」
魔王「! なぜ私にふる!?」
107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 20:59:12.45 ID:psmavRbq0
新魔王「さて、なんででしょうねぇ?」
勇者「?」
魔王「…うぅ」
勇者「…とりあえず、魔王、食い終わったか?」
魔王「ん? う、うむ」
勇者「じゃあ帰るぞ」
魔王「…うむ」
109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 21:04:35.14 ID:psmavRbq0
盗賊「え、…お婿さん?」
武闘家「えーお兄ちゃん結婚するん?」
勇者「…」
魔王「ゆ、ゆーしゃ! お前はまだ、け、結婚なんて、しないよな?」
勇者「…当たり前だろ」
魔王「な、なんだ! ならなんでそんなに考えているんだ?」
勇者「賢者さんが、結婚するの、イヤだ」
魔王「?」
勇者「俺はあの人と、この関係をずっと保ちたかった! なのにそんな関係も今週で終わり!」
魔王「ゆ、ゆーしゃ落ち着け!」
110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 21:06:36.46 ID:psmavRbq0
勇者「…だからといって、結婚はできない」
新魔王「なぜです?」
勇者「それは―――――」
遊び人「おい、勇者!」
勇者「おお、遊び人」
遊び人「帰ってくるなら言ってよ! もうっ」
勇者「すまんすまん」
新魔王(言いかけたこと、なんだったんだろう…)
111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 21:08:41.43 ID:psmavRbq0
※ 新魔王がいることについては省略。
遊び人「それにしても…」
勇者「ん?」
遊び人「勇者以外全員女だな…」
勇者「ん? 魔王、新魔王、盗賊、武闘家、遊び人。5人だな」
遊び人「…お前、いつか死ぬかもな」
勇者「縁起でもないこと言うなよ…」
114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 21:12:35.50 ID:psmavRbq0
>>112
どんな期待にだよw
115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 21:14:27.82 ID:psmavRbq0
遊び人「絶対に負けない」
勇者「え?」
遊び人「な、なんでもない!」
勇者「? そうか」
武闘家「お兄ちゃんは誰にもわたさへんからなっ!」ギュッ
盗賊「…」ギュッ
勇者「うお!? お前ら、どうしたんだ!?」
魔王「ずるい! 私もー!」
遊び人「…いきなり負けそう」
117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 21:19:02.25 ID:psmavRbq0
勇者「あーもー苦しい! やめろー!」
夜
勇者「…ちわっす」
賢者「…勇者」
勇者「昼の、件ですけど…」
賢者「…うむ」
勇者「俺は…無理です」
賢者「…そ、そうか」
勇者「…はい」
118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 21:22:46.14 ID:psmavRbq0
勇者「俺には、結婚するって約束したやつがいるんです」
賢者「…そうなのか」
勇者「だから…賢者さんとは、結婚できないです」
勇者「でも、俺、すっごく嬉しかったです。賢者さんのこと、好きだし」
賢者「ゆ、勇者…」
119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 21:27:28.43 ID:psmavRbq0
勇者「…それじゃあ、これで」
賢者「待って、くれ」
勇者「? はい?」
賢者「…」ギュッ
勇者「!」
賢者「すこしだけ、このままにしてくれ…」
魔王「!!」
新魔王「のぞきなんて最低ですよ」
魔王「あ、あれ…オーケー…したのか?」
新魔王「…さぁ」
120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 21:32:54.20 ID:psmavRbq0
魔王「ゆーしゃ!」
勇者「! 魔王」
魔王「お前…」
賢者「…私は邪魔者だな、ここで失礼する」
魔王「…え?」
勇者「…断ったぞ」
魔王「そ、そうだったのか! なは、なははは!」
122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 21:37:02.69 ID:psmavRbq0
勇者「…当たり前だろ」
魔王「え?」
勇者「だって、俺は…」
新魔王「待ってください、勇者さん」
勇者「!」
新魔王「…あなたの意中の方を、教えていただきたいです」
勇者「…」
新魔王「私は返答によって、あなたを殺します」
勇者「…俺は…」
魔王「…」ゴクリ
123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 21:41:25.34 ID:psmavRbq0
勇者「もちろん、お前だ」
魔王「!! 私…か?」
勇者「前に、言った言葉、覚えてるか?」
魔王「え?」
勇者「結婚しようって、言っただろ?」
魔王「そ、そんなこと…わすれたわ!」
勇者「はははっひでぇやつだなぁ」
126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 21:49:56.94 ID:psmavRbq0
魔王「…私で、いいのか?」
勇者「…わがままで自己中で、食いしん坊で高飛車で」
勇者「素直じゃなくて、電気を発したり…」
魔王「な、なに!?」
勇者「でも、優しくて、心配性で、甘えん坊で…」
勇者「いつからか、そんなお前から、目を離せなくなってた」
127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 21:54:07.55 ID:psmavRbq0
魔王「…」
勇者「…俺はいいんだ。それより、お前がいいかだ」
魔王「…お前は………」
勇者「?」
魔王「…ダメだ、悪いところがあがらない……」
勇者「ははっ」
魔王「お前の悪いところ、いいところ、全部好きだ! 全部全部、大好きだ!」
128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 21:59:06.90 ID:psmavRbq0
勇者「…これが、俺の答えだ」
新魔王「…そうですか」
魔王「…なにをするつもりだ?」
新魔王「…」ボォーーー
魔王「!?」
新魔王「それでは、勇者さん…」ボワワワワ
勇者「!」
MPが足りません。
新魔王「…お姉さまを、よろしくお願いします」
129 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 22:02:31.61 ID:psmavRbq0
勇者「…え?」
新魔王「…実はですね、新しい魔王っていうのも、全部嘘です」
魔王「!? なに!」
新魔王「お姉さまのフィアンセがどのような方なのか、見に行きたかったのですよ」
勇者「そ、そうだったのか…!」
新魔王「これからは、お義兄さまと呼ばせていただきます」
魔王「…はずかしっ!」
130 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 22:06:13.20 ID:psmavRbq0
――――――――数年前――――――――
遊び人「おい、勇者」
勇者「ん?」
遊び人「もしも、だぞ?」
勇者「おう」
遊び人「俺達が大きくなって、俺がお前に告白したら…お前はオーケーしてくれるか?」
勇者「え? 俺達って付き合ってるんじゃないのか?」
遊び人「え…」カァァ
勇者「?」
――――――――――――――――
131 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 22:10:52.08 ID:psmavRbq0
遊び人(そういえばこんなこと話してたな…)
勇者「おう、遊び人」
遊び人「んぁ…勇者」
勇者「今朝は早いな」
遊び人「まぁな…」
勇者「…それにしても、まさかここに世話になるとは思ってなかったぜ」
遊び人「そうなのか?」
勇者「俺、魔王のところまで行く時に、死ぬと思ってたからさ」
遊び人「縁起でもないこというなよ」
132 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 22:14:26.84 ID:psmavRbq0
勇者「それでもま、今日は記念日になるわけだな」
遊び人「…そうだな。」
遊び人「昔さ、お前、私と付き合ってたよな?」
勇者「はぁ?」
遊び人「な、なんでもない!」
勇者「…それにしても、おそいな」
戦士「おまたせ!」
133 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 22:18:46.22 ID:psmavRbq0
勇者「おう、終わったのか?」
戦士「うん! もう、本当に可愛くなっちゃったわよ!」
勇者「楽しみだな」
ギィ…
「…勇者」
勇者「…魔王…か?」
魔王「…」コクッ
勇者「…なんだよ、お前…」
魔王「な、なんだとはなんだ!」
勇者「…すっげえ、似合ってるぞ、ウェディングドレス」
-Fin-
ちょっと前、王の城にて
勇者「…え?」
王「…うむ」
勇者「いや、新しい魔王って…」
王「そのままだ。魔王の城には、今、新しい魔王が住み着いているらしい」
勇者「んなアホな。魔王は俺の家にいるんですよ?」
王「だからこそ、新しい魔王が現れたのだろう。今のままでは勇者を倒せないからな」
勇者「…で、また退治に行けと?」
王「うむ」
勇者「わかりました。早速、行ってきます」
5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 02:14:53.24 ID:psmavRbq0
勇者(新魔王とかいいながら、こいつ、元魔王と全然かわらねぇぞ…)
新魔王「子供扱いには少々むかつきました…覚悟してください!」
勇者(…あいつよりは言葉が綺麗だな)
勇者「まあ待て、話し合いで解決しようぜ」
新魔王「…あなた、バカですか? 私に敵わないからって…」
勇者「違う、できればお前みたいな可愛いやつに傷をつけたくないんだ」
新魔王「か、可愛い…?」カァァ
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 02:17:59.77 ID:psmavRbq0
勇者「とりあえず、ちょっと城から出よう」
新魔王「わ、わかりました」
勇者「…」テクテク
新魔王「…」テコテコ
勇者「…」テクテク
新魔王「ちょ、ちょっと…勇者さん」
勇者「ん?」
新魔王「歩くのが…早すぎです」
9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 02:21:42.69 ID:psmavRbq0
勇者「そうか?」
勇者(いつもならこれぐらい、あいつなら大丈夫なのに…)
新魔王「! なるほど、すこし速さを上げて、私から逃げようという魂胆ですね!」
勇者「違う違う」
勇者(ああ、そうか、あいつだったらムキになって追いつこうとするから、弱音なんて吐かないんだ)
新魔王「ふん! もうだまされません! ここで死んでもらいます!」
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 02:25:47.80 ID:psmavRbq0
勇者「ちっ、仕方ない」
新魔王「死んでもらいますからねっ!」
勇者「…それっ」トンッ
新魔王「!」ドサッ
勇者「ふう」
勇者(…あいつもそうだけど、魔王ってこんなに弱いもんなのか?)
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 02:29:28.18 ID:psmavRbq0
勇者「とりあえず…気絶させたのはいいけど」
勇者(これからどうするか…)
勇者「…まあ、こいつもあいつと同じで、悪いことはしないだろ」
勇者(まあ、俺の考えだけど…)
14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 02:34:11.88 ID:psmavRbq0
新魔王「…はっ! ここは!?」
勇者「お、目が覚めたか」
新魔王「! 勇者さん! な、なぜ私をおぶっているのですか!?」
勇者「まあ、気にするなよ」
新魔王「気にします! 私とあなたは、敵同士なのですよ?」
勇者「俺はそう思ってないぞ」
新魔王「…私はそう思ってるんです!」バシッ
勇者「いて!」
新魔王「ふん! どうやら、あなたは私をコケにしているようですね…」
勇者「!」
新魔王「私は元魔王のように甘くはありませんよ! くらえっ!」
MPが足りません。
新魔王「」
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 02:44:14.59 ID:psmavRbq0
勇者「やっぱりお前もか」
新魔王「あれ? なんで? 魔界では上手くいってたのに…!」
勇者「MP0が何を言う」
新魔王「ち、近寄らないでください!」
勇者「考えてみろよ、お前の力はほぼ無力。抵抗しないほうが身のためだと思うぞ」
新魔王「う…」
勇者「ついてこい」
新魔王「…わかり、ました」
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 02:48:11.86 ID:psmavRbq0
新魔王「勘違いしないでくださいね? 私は能力が戻ればいつでもあなたを殺すんですから!」
勇者「了解」
新魔王「…バカにしてますね?」
勇者「してないって」
新魔王「ふん! 嘘です、そんなの!」
勇者「はぁ…」(なんか、やりづらいな)
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 02:54:31.93 ID:psmavRbq0
勇者「ただいま戻りました」
王「うむ、ごくろう。む? 今日は魔王も一緒か」
勇者「ああ、こいつは…」
新魔王「な、なぜ、私が魔王だと知っているんですか!?」
王「? 勇者、一体どうしたのだ?」
勇者「こいつが、新しい魔王です」
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 02:59:08.97 ID:psmavRbq0
王「そうかそうか。それはよかった」
新魔王「なぜ知っているんですか!? 怖い、怖いです!」
勇者「とりあえず、こいつも俺が世話します」
新魔王「世話!? なぜあなたに世話をされないといけないんですか!?」
勇者「…」
新魔王「無視しないでください! ちょっと!!」
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 03:04:04.16 ID:psmavRbq0
勇者「ん? なんだ?」
新魔王「世話をするって…まさか、私を奴隷にするつもりですか!?」
勇者「被害妄想だ、それは」
新魔王「さすが勇者です…恐ろしい!」
勇者「だから、そんなことしないっていってるだろ?」
新魔王「信用できません!」
勇者「じゃあ、どうしたら信用してくれるんだ?」
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 03:13:24.46 ID:psmavRbq0
新魔王「私達は敵同士なんです! 信用する意味なんてありません!」
勇者「はぁ…わかったよ」
新魔王「…え?」
勇者「今度また、決心したらお前を倒しにいくから。その時まで、あの城で待っててくれ」
新魔王「そ、そんなのあんまりです!」
勇者「え?」
新魔王「許せません! 私をここまで連れてきておいて!」
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 03:17:25.29 ID:psmavRbq0
勇者「…」
新魔王「それに、私の城までけっこう遠いです! ま、まあ、ワープできますけど!」
勇者(MP0なんだから無理だろ…)
新魔王「すこし、観光してからでも、あなたを殺すことは安易なことですから」
勇者「そうか…じゃあ、行くか」
新魔王「はい」
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 03:23:22.40 ID:psmavRbq0
勇者「ただいまぁー」
魔王「! ゆーしゃ!」
盗賊「…勇者…!」
勇者「おお、魔王、盗賊。ただいま」
魔王「何も言わずに出かけおって! 何処にいっていたのだ?」
盗賊「!」コクコク
勇者「ちょっとな」
新魔王「こ、ここが…勇者さんの家…ですか?」ヒョコ
魔王「!!!」
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 03:27:58.09 ID:psmavRbq0
>>29
後々書く。
あの時は本気で忘れてた。すまん。
31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 03:32:19.50 ID:psmavRbq0
魔王「あ、ああ…お、お前は…」
勇者「ん? やっぱり知り合いなのか?」
盗賊「…魔王と、そっくり…」
勇者「新しい魔王らしい」
魔王「あ、新しい魔王!?」
新魔王「お久しぶりです」
魔王「ゆ、ゆーしゃ! なぜこいつがここにいるんだ!」
勇者「え? なんでって…」
魔王「こいつは…私の妹だ!!」
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 03:44:10.16 ID:psmavRbq0
勇者「妹…か」
新魔王「それより、お姉さま、これはどういうことですか?」
魔王「…む?」
新魔王「勇者の家でのんびりとして…だから私が新しい魔王として派遣されるんです!」
魔王「…」
新魔王「このような姉を持ったことに、私は遺憾です!!」
勇者「おい、いいかげんにしろ」
魔王「…ゆーしゃ」
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 03:50:20.26 ID:psmavRbq0
勇者「これ以上魔王のことを悪く言うのは俺が許さん」
新魔王「…皮肉なものですね。まさか、敵にかばわれる始末とは…」
魔王「…」
勇者「…だから、敵じゃねぇって」
盗賊「…みんな、友達…」
新魔王「…ふんっ」
35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 03:57:23.16 ID:psmavRbq0
勇者「仲良くしないんなら、出てってもらう」
新魔王「…仲良く、できるわけがないですよ」
勇者「…」
勇者(子供の喧嘩に見えるとか言ったら、怒るだろうなぁ)
武闘家「やっほー! 勇者おかえりぃ!」
勇者「おお、武闘家か」
武闘家「うわ! なんや魔王! しけた顔して? って、二人!?」
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 04:02:18.32 ID:psmavRbq0
新魔王「なんですか? この小さな女の子は…」
武闘家「ウチのこといえへんやろ! どうなってるん? 勇者」ギュッ
勇者「あ、ああ。実は…」
魔王「おい、ゆーしゃの腕にしがみつくな」
武闘家「えーやん。勇者は別にあんたのもんちゃうんやで?」
魔王「…」イラッ
新魔王(…まさか…)
37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 04:06:13.45 ID:psmavRbq0
新魔王「お姉さま…まさか…」
魔王「!」
勇者「?」
新魔王「勇者さんのことす…むがっ!」
魔王「ほらほら、何をわけのわからんことを言っているんだお前は!」
新魔王「んん! ふまふむぅ!!」
武闘家「お姉さまって…姉妹なんか?」
勇者「ああ、そうらしい」
38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 04:14:13.95 ID:psmavRbq0
勇者「それにしても、二人とも瓜二つだな」
魔王「だ、誰がこんなやつと…!」
新魔王「ふま! ひみっふむぅ!」
勇者「八重歯も二人ともあるんだな…」
盗賊「…八重歯」
武闘家「またにぎやかになるなぁ」
勇者「そういえば、武闘家、お前、どうだったんだ?」
武闘家「ああ、ここの隣の隣のおばさんが住ませてくれるって。お兄ちゃんと一緒におれへんの寂しいわぁ」
勇者「そうか」
武闘家「もしかして、この子も一緒に住むん?」
勇者「まあな」
武闘家「それずるい! あかん! ウチもこっちくる!」
勇者「それはさすがにまずいって!」
39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 04:15:54.95 ID:psmavRbq0
脇腹が粉砕しそうだ…。
誰も見てないか。
投下時間ミスったなーいや、おもしろくないのかw
すまん、落ちます。では。
58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 14:21:02.78 ID:psmavRbq0
武闘家「もしかして、お兄ちゃんはウチのこと嫌いなん?」
勇者「そうじゃない!」
武闘家「やったらいさせてーな! な? ええやろ?」
勇者(…やれやれ)
勇者「わかったよ…そのかわり、あんまり変なことするなよ?」
武闘家「もしかしてお兄ちゃんはウチを問題児やと思ってるん?」
勇者「当たり前だ」
武闘家「お尻触ったのにそんなこと言われるなんて…悲しいわぁ」
魔王「!!」
61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 14:32:27.89 ID:psmavRbq0
魔王「ゆーしゃ…どういうことだ?」
勇者「ば、バカ! 変なこと言うなって!」
盗賊「…お尻」
武闘家「それに揉まれたしぃ」
魔王「も、ももも!?」
新魔王「な、勇者さんは変態だったんですか!?」
盗賊「…」チャキ
勇者「盗賊!? そのナイフをしまってくれ!」
62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 14:44:45.79 ID:psmavRbq0
盗賊「…触られたこと、ない」
勇者「え?」
魔王「…私もだ!」
勇者「いや、お前らおかしい! それはおかしいぞ!」
盗賊「…武闘家だけ特別…?」
勇者「そ、そういう意味じゃないって!」
武闘家「お兄ちゃんは私以外にはスキンシップせーへんもんなー!」
盗賊「…」チャキ
勇者「は、早くしまえって!!」
64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 15:00:44.62 ID:psmavRbq0
新魔王「勇者さん…恐ろしい人ですね…!」
勇者「盗賊! 頼むからナイフをしまえ!」
盗賊「…なんで?」
勇者「怪我したらどうするんだ!? 危ないだろっ」
盗賊「…大丈夫。勇者しか傷つけないから」
勇者「一体どうしちまったんだ!」
魔王「ま、まあ、落ち着け、盗賊」
勇者「ま、魔王…!」
魔王「こいつは私の手で裁きを下す」
勇者「…助かってねぇ!!」
66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 15:08:13.58 ID:psmavRbq0
新魔王「お姉さまも落ち着きください」
魔王「む?」
新魔王「ここまで否定しているのです。きっと何かの手違いか何かだったのでしょう」
勇者「新魔王!」
新魔王「勘違いしないでくださいね。これは真実を知るためであって、あなたのためではないんですから!」
勇者「そうか。ありがとな」
盗賊「なら…説明して」
勇者「あの時はだな……」
67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 15:13:00.96 ID:psmavRbq0
勇者「いきなりこいつがヒップアタックをしてきて、それを防ぐ時に、誤って触っちまったんだ」
魔王「そ、そうか…」
勇者「それと、揉んだのはこいつの捏造だ! 俺は触ってからすぐに手を離したからな」
武闘家「ありゃりゃ、ほんとのこと言われてもーたかぁ」
魔王「ま、まあ、ゆーしゃがこんなことしないと、最初から思っていたがな!」
勇者「うそつけ」
魔王「…ごめんなさい」
68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 15:17:19.81 ID:psmavRbq0
勇者「新魔王、ありがとな」
新魔王「私は何もしていません」
勇者「それでも、ありがとう」
新魔王「ふ、ふん…」
魔王「…」
勇者「新魔王、腹減ってるだろ? 何か食うか?」
新魔王「遠慮しておきます。あなたが何を企んでいるかわかりませんし…」
新魔王「それに、あまりお腹も空いていませんし」
勇者「腹の虫がなってるぞー」
新魔王「!」カァァ
71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 16:34:35.61 ID:psmavRbq0
勇者「な、なんで睨むんだよ…」
新魔王「…いえ、別に」
勇者「大丈夫だって、毒なんか入れねぇよ。盗賊!」
盗賊「…はい」
勇者「俺達専用の料理人だの、盗賊だ」
盗賊「…て、照れる…」カァァ
74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 16:41:07.97 ID:psmavRbq0
勇者「こいつの飯は本当に美味い。一度食ったらやめられないぞ!」
新魔王「…ふん、どうだか」
勇者「…まだ、信用してくれないのか?」
新魔王「さっきも言った通りです。あなたを信用する意味がありませんから」
勇者「つめてーなぁ」
新魔王「…」
75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 16:47:09.92 ID:psmavRbq0
盗賊「…できた」
勇者「おう。ほれ、食え食え」
新魔王「…」
パクリッ
新魔王「…あ、おいしい」
勇者「だろ?」
新魔王「…」パクパク ペロリ
勇者「おお、さすが姉妹…!」
76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 16:52:00.99 ID:psmavRbq0
新魔王「お、おいしいです! もっといただけますか!」
盗賊「…お、おかわり、いっぱいある」
勇者「おー、魔王とは大違いだなー」
魔王「む、何がだ?」
勇者「素直さが」
魔王「…ふんっ」
77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 17:00:52.83 ID:psmavRbq0
武闘家「なんか見とったらお腹空いてもうたわ。盗賊、ウチにもちょーだい」
盗賊「う、うん」
勇者「お前はいいのか?」
魔王「私は平気だ。そんなにお腹も空いてないからな!」
勇者「…腹の虫を抑えてから言えって…」
魔王「…」ムスッ
78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 17:08:04.38 ID:psmavRbq0
魔王「…ふんっ」パクパク
新魔王「あ、ちょっと! お姉さま! 私の分を…」
魔王「いいだろっちょっとくらいっ」
勇者「おいおい、人の分を食うな。ちゃんとお前の分も…」
魔王「わかった…盗賊、私の分…」
盗賊「…もう、残ってない」
魔王「…」
勇者「そ、そうか」
魔王「…」プイッ
80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 17:17:17.55 ID:psmavRbq0
盗賊「ご、ごめんね…す、すぐ新しいの作るから」
魔王「そこまでせんでいい」
盗賊「…」ビクッ
勇者「仕方ない…。魔王、一緒に外で食うぞ」
魔王「! 本当か!?」
勇者「おう」
勇者「そうだ、新魔王」
新魔王「はい?」
勇者「町の案内してやるから、ついてこいよ」
魔王「…」イラッ
81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 17:21:16.14 ID:psmavRbq0
魔王「そ、それは後でも行けるだろう」
勇者「でも、早めに済ませられるんだったら、済ませといてもいいだろ?」
魔王「…」
新魔王「…なぜあなたは私に町の案内をするんですか?」
勇者「え、だめか?」
新魔王「ダメも何も! 私はここに長居する気はありません!」
勇者「えーそうなのかー」
82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 17:38:34.70 ID:psmavRbq0
魔王「おい、ゆーしゃが案内するって言ってるん…」
勇者「いや、いいんだ」
新魔王「ふん、そろそろ出て行きます」
勇者「こんな遠いとこまで連れてきて、悪かったな」
新魔王「まったくです。それじゃあ、」
新魔王「さよならっ!」
MPが足りません。
新魔王「…」
勇者「…やっぱりな」
83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 17:53:51.27 ID:psmavRbq0
魔王「ふはは! MPが足りません? は、腹が痛いー!!」
新魔王「…うるさい…」ボソッ
魔王「え?」
新魔王「うるさいうるさい!!!」ボウッ
勇者「な!? 炎!?」
新魔王「いつもいつも私を笑って…お姉さま、許さない!」
魔王「お、落ち着け! どうしたんだ!?」
勇者「わりぃ、新魔王」
新魔王「触るなぁ!」
勇者「あっつぅ!?」
盗賊「勇者!」
84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 18:09:36.31 ID:psmavRbq0
新魔王「お姉さま…あなたを殺して、そのあと、勇者さんも殺します!」
勇者「! やめろっ!」
魔王「…お前、随分と大きなこと言えるようになったな…」
勇者「…魔王?」
魔王「お前なんかが私に勝てるとでも? 笑わせるな!」
MPが足りません。
魔王「ありゃ?」
勇者「あーもう! 思った通り!」
86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 18:14:20.21 ID:psmavRbq0
新魔王「やはりお姉さまは…おちこぼれですね」
魔王「…」
新魔王「死んでもらいます!」
ドンッ
新魔王「…!」ドサッ
勇者「ふう、これで二回目だな…」
魔王「…すまん」
勇者「なぁに、気にするな」
盗賊「火傷…大丈夫?」
勇者「してないから大丈夫だ。魔王、気を取り直して食いにいこうぜ」
魔王「う、うむ…」
87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 18:20:03.67 ID:psmavRbq0
勇者(こいつも魔王と同じくらいの重さか…)
魔王「…おい、ゆーしゃ」
勇者「ん? なんだ」
魔王「指、見せてみろ」
勇者「…なんで?」
魔王「さっき火傷してたくせに、嘘をついたな?」
勇者「…まあ、気にするなよ」
魔王「気にする。私の妹がやってしまったことだ。私にも責任がある」
勇者「…じゃあ、ん」スッ
88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 18:26:40.10 ID:psmavRbq0
魔王「…」
勇者「これぐらいなら、自然に治ると思ったから。…盗賊に心配かけたくなかったんだよ」
魔王「…ふむ」
勇者「もう、いいか?」
魔王「…」ハムッ
勇者「ぬおっ!?」
魔王「…んもっま(動くな)」
勇者「…お、おう」
89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 18:30:45.92 ID:psmavRbq0
魔王「…」ペチャッ…
勇者「…」ドキドキ
魔王「…」
勇者「…」ドキドキ
魔王「…」
勇者「…」
勇者(な、なんだこの空気…!?)
90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 18:45:20.15 ID:psmavRbq0
魔王「…ふぅ」
勇者「…」
魔王「こ、これで、治りが良くなるはずだ」
勇者「お、おう、ありがとう」
魔王「なんだ? その顔は…?」
勇者「あ、いや、なんでもない」ドキドキ
魔王「…」カァァ
魔王「さ、さっさと行くぞ!」
91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 18:51:08.04 ID:psmavRbq0
勇者(なんだこの気持ちは…)チラッ
魔王「な、なんだ?」
勇者「あ、い、いや、なんでもない」
勇者(なんで俺、こんなドキドキしてるんだ!?)
魔王「大丈夫か?」
勇者「あ、ああ、だい、大丈夫、大丈夫」
魔王「…? そうか」
勇者(魔王が…可愛すぎる)
92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 18:57:01.33 ID:psmavRbq0
勇者(なんだ、なんだ、なんだ!?)
魔王「む、ゆーしゃ! 私はオムライスが食べたいぞ」
勇者「お、オムライスな、わ、わかった!」
魔王「うむっ」ニコッ
勇者(一つ一つの動きが凄く鮮明に映る…)
勇者(こんな気持ち、初めてだ)
93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 19:01:46.40 ID:psmavRbq0
「おまたせしましたー半熟オムライスでーす」
魔王「うむ! いただく!」
勇者「…」
魔王「はむっ…」
勇者(やべぇ…直視できないぞ…これは重症だ)
魔王「うむっ! おいしいっ!」
勇者「そ、そうか、よかった」
魔王「…さっきはすまんかったな」
勇者「え? あ? ん?」
魔王「その、私の妹が…本当に、すまんかった」
勇者「そ、そんなこと気にすることないさ」
勇者(シュンとした顔も…たまらんっ)
95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 19:12:14.13 ID:psmavRbq0
勇者(って、本当にやばいぞ! 魔王から目を離せない)
魔王「お、おいゆーしゃ」
勇者「な、なんだ?」
魔王「そんなに見られると…は、恥ずかしい」
勇者「!」カァァ
勇者「あ、ああ、すまん!」
96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 19:25:45.55 ID:psmavRbq0
勇者(あー今絶対俺顔赤くなった…)
魔王「なんか…」
勇者「ん?」
魔王「今日のゆーしゃ…なんか、変だぞ?」
勇者「そうか? いつもの俺だぞ」
魔王「それならいいんだけど…」
勇者「お前の妹にも会えて、ちょっと嬉しいよ」
魔王「そ、そうか? 生意気なやつだけどな」
勇者(お前が言うのか?)
97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 19:33:26.24 ID:psmavRbq0
新魔王「んん…」
勇者「お、目ぇ覚めたか?」
新魔王「は! こ、ここは…」
勇者「おい、ここでは暴れるなよ?」
魔王「お前は昔から熱くなる性格だからな」
勇者「そうなのか? はは」
新魔王「? 何がおかしいんですか!」
勇者「別に理由はないから、そんなに喧嘩腰になるなよ」
99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 20:08:39.32 ID:psmavRbq0
?「誰かと思えば、勇者か」
勇者「あ、賢者さん」
賢者「久方ぶりだのう。…む? 魔王が二人?」
魔王「おう、賢者」
新魔王「…?」
賢者「ふむ、こちらが魔王の妹、か」
勇者「はい、新しい魔王として魔界から来たそうなんです」
新魔王「勇者さん、あまり人に言いふらさないでください」
勇者「いいじゃねえか。減るもんじゃないし」
新魔王「…」プイッ
100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 20:27:47.68 ID:psmavRbq0
勇者「…」
賢者「はぁ…」
勇者「どうしたんですか?」
賢者「あ、ああ、気にせんでくれ」
勇者「いや、気にしますよ。どうしたんですか?」
賢者「…実はな、そろそろ婚約相手を決めないといけないんじゃ」
勇者「…へ?」
102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 20:33:02.39 ID:psmavRbq0
勇者「こ、婚約相手ですか?」
賢者「うむ。私はイヤなのじゃがな…」
勇者「じゃ、じゃあ、しなくてもいいじゃないですか」
賢者「いや、それもだめなのじゃ。父親に今週中にと言われてしまってな」
勇者「…そうですか」
賢者「しかし、私は一度二度あった男と結婚はしたくないのじゃ」
勇者「…」
104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 20:43:16.17 ID:psmavRbq0
賢者「…あ、あの、じゃな、勇者…」ドギマギ
勇者「は、はい?」
賢者「…よ、よければでいいんだが…」
勇者「…?」
賢者「私の、婿になってくれんか?」
魔王「!?」
105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 20:50:10.57 ID:psmavRbq0
魔王「な、なに意味のわからないことを、言っているんだ!?」
新魔王「あら、お姉さま、とても驚いていますね」
魔王「お前は黙っていろ!」
勇者「お、俺がですか?」
賢者「…うむ、できれば返事は今日中で頼む、それじゃあ!」
勇者「あっ…ちょっと…」
魔王「…」
106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 20:56:15.00 ID:psmavRbq0
勇者「…」
新魔王「どうするんです?」
勇者「うぇ? …ああ」
新魔王「あー残念です。私のお婿さんにしようと思っていたのに」
魔王「なにぃ!?」
勇者「え、でも、さっき…」
新魔王「好きな人には素直になれないもんですよ。ね? お姉さま」
魔王「! なぜ私にふる!?」
107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 20:59:12.45 ID:psmavRbq0
新魔王「さて、なんででしょうねぇ?」
勇者「?」
魔王「…うぅ」
勇者「…とりあえず、魔王、食い終わったか?」
魔王「ん? う、うむ」
勇者「じゃあ帰るぞ」
魔王「…うむ」
109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 21:04:35.14 ID:psmavRbq0
盗賊「え、…お婿さん?」
武闘家「えーお兄ちゃん結婚するん?」
勇者「…」
魔王「ゆ、ゆーしゃ! お前はまだ、け、結婚なんて、しないよな?」
勇者「…当たり前だろ」
魔王「な、なんだ! ならなんでそんなに考えているんだ?」
勇者「賢者さんが、結婚するの、イヤだ」
魔王「?」
勇者「俺はあの人と、この関係をずっと保ちたかった! なのにそんな関係も今週で終わり!」
魔王「ゆ、ゆーしゃ落ち着け!」
110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 21:06:36.46 ID:psmavRbq0
勇者「…だからといって、結婚はできない」
新魔王「なぜです?」
勇者「それは―――――」
遊び人「おい、勇者!」
勇者「おお、遊び人」
遊び人「帰ってくるなら言ってよ! もうっ」
勇者「すまんすまん」
新魔王(言いかけたこと、なんだったんだろう…)
111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 21:08:41.43 ID:psmavRbq0
※ 新魔王がいることについては省略。
遊び人「それにしても…」
勇者「ん?」
遊び人「勇者以外全員女だな…」
勇者「ん? 魔王、新魔王、盗賊、武闘家、遊び人。5人だな」
遊び人「…お前、いつか死ぬかもな」
勇者「縁起でもないこと言うなよ…」
114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 21:12:35.50 ID:psmavRbq0
>>112
どんな期待にだよw
115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 21:14:27.82 ID:psmavRbq0
遊び人「絶対に負けない」
勇者「え?」
遊び人「な、なんでもない!」
勇者「? そうか」
武闘家「お兄ちゃんは誰にもわたさへんからなっ!」ギュッ
盗賊「…」ギュッ
勇者「うお!? お前ら、どうしたんだ!?」
魔王「ずるい! 私もー!」
遊び人「…いきなり負けそう」
117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 21:19:02.25 ID:psmavRbq0
勇者「あーもー苦しい! やめろー!」
夜
勇者「…ちわっす」
賢者「…勇者」
勇者「昼の、件ですけど…」
賢者「…うむ」
勇者「俺は…無理です」
賢者「…そ、そうか」
勇者「…はい」
118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 21:22:46.14 ID:psmavRbq0
勇者「俺には、結婚するって約束したやつがいるんです」
賢者「…そうなのか」
勇者「だから…賢者さんとは、結婚できないです」
勇者「でも、俺、すっごく嬉しかったです。賢者さんのこと、好きだし」
賢者「ゆ、勇者…」
119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 21:27:28.43 ID:psmavRbq0
勇者「…それじゃあ、これで」
賢者「待って、くれ」
勇者「? はい?」
賢者「…」ギュッ
勇者「!」
賢者「すこしだけ、このままにしてくれ…」
魔王「!!」
新魔王「のぞきなんて最低ですよ」
魔王「あ、あれ…オーケー…したのか?」
新魔王「…さぁ」
120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 21:32:54.20 ID:psmavRbq0
魔王「ゆーしゃ!」
勇者「! 魔王」
魔王「お前…」
賢者「…私は邪魔者だな、ここで失礼する」
魔王「…え?」
勇者「…断ったぞ」
魔王「そ、そうだったのか! なは、なははは!」
122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 21:37:02.69 ID:psmavRbq0
勇者「…当たり前だろ」
魔王「え?」
勇者「だって、俺は…」
新魔王「待ってください、勇者さん」
勇者「!」
新魔王「…あなたの意中の方を、教えていただきたいです」
勇者「…」
新魔王「私は返答によって、あなたを殺します」
勇者「…俺は…」
魔王「…」ゴクリ
123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 21:41:25.34 ID:psmavRbq0
勇者「もちろん、お前だ」
魔王「!! 私…か?」
勇者「前に、言った言葉、覚えてるか?」
魔王「え?」
勇者「結婚しようって、言っただろ?」
魔王「そ、そんなこと…わすれたわ!」
勇者「はははっひでぇやつだなぁ」
126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 21:49:56.94 ID:psmavRbq0
魔王「…私で、いいのか?」
勇者「…わがままで自己中で、食いしん坊で高飛車で」
勇者「素直じゃなくて、電気を発したり…」
魔王「な、なに!?」
勇者「でも、優しくて、心配性で、甘えん坊で…」
勇者「いつからか、そんなお前から、目を離せなくなってた」
127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 21:54:07.55 ID:psmavRbq0
魔王「…」
勇者「…俺はいいんだ。それより、お前がいいかだ」
魔王「…お前は………」
勇者「?」
魔王「…ダメだ、悪いところがあがらない……」
勇者「ははっ」
魔王「お前の悪いところ、いいところ、全部好きだ! 全部全部、大好きだ!」
128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 21:59:06.90 ID:psmavRbq0
勇者「…これが、俺の答えだ」
新魔王「…そうですか」
魔王「…なにをするつもりだ?」
新魔王「…」ボォーーー
魔王「!?」
新魔王「それでは、勇者さん…」ボワワワワ
勇者「!」
MPが足りません。
新魔王「…お姉さまを、よろしくお願いします」
129 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 22:02:31.61 ID:psmavRbq0
勇者「…え?」
新魔王「…実はですね、新しい魔王っていうのも、全部嘘です」
魔王「!? なに!」
新魔王「お姉さまのフィアンセがどのような方なのか、見に行きたかったのですよ」
勇者「そ、そうだったのか…!」
新魔王「これからは、お義兄さまと呼ばせていただきます」
魔王「…はずかしっ!」
130 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 22:06:13.20 ID:psmavRbq0
――――――――数年前――――――――
遊び人「おい、勇者」
勇者「ん?」
遊び人「もしも、だぞ?」
勇者「おう」
遊び人「俺達が大きくなって、俺がお前に告白したら…お前はオーケーしてくれるか?」
勇者「え? 俺達って付き合ってるんじゃないのか?」
遊び人「え…」カァァ
勇者「?」
――――――――――――――――
131 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 22:10:52.08 ID:psmavRbq0
遊び人(そういえばこんなこと話してたな…)
勇者「おう、遊び人」
遊び人「んぁ…勇者」
勇者「今朝は早いな」
遊び人「まぁな…」
勇者「…それにしても、まさかここに世話になるとは思ってなかったぜ」
遊び人「そうなのか?」
勇者「俺、魔王のところまで行く時に、死ぬと思ってたからさ」
遊び人「縁起でもないこというなよ」
132 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 22:14:26.84 ID:psmavRbq0
勇者「それでもま、今日は記念日になるわけだな」
遊び人「…そうだな。」
遊び人「昔さ、お前、私と付き合ってたよな?」
勇者「はぁ?」
遊び人「な、なんでもない!」
勇者「…それにしても、おそいな」
戦士「おまたせ!」
133 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/03/05(金) 22:18:46.22 ID:psmavRbq0
勇者「おう、終わったのか?」
戦士「うん! もう、本当に可愛くなっちゃったわよ!」
勇者「楽しみだな」
ギィ…
「…勇者」
勇者「…魔王…か?」
魔王「…」コクッ
勇者「…なんだよ、お前…」
魔王「な、なんだとはなんだ!」
勇者「…すっげえ、似合ってるぞ、ウェディングドレス」
-Fin-
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