スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
男「…連続猟奇殺人事件?」
1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/28(土) 07:59:20.59 ID:r0K/Upx90 [1/43]
女「うん、マスコミはそう言って騒いでるみたい」
男「うちの町なんだよね、事件が起きてるの」
女「実感わかないね…」
男「うん…」
女「20年くらい前にあった事件と手口が一緒らしいよ」
男「そうなの?」
女「うん、被害者はみんなバラバラにされてるって…」
男「うわぁ…」
女「怖いね」
男「…」
女「こんなときは、いざとなったら女は俺が守る!っ言わないとダメなんだよ?」
男「できるだけ頑張るよ」
女「もう…」
女「うん、マスコミはそう言って騒いでるみたい」
男「うちの町なんだよね、事件が起きてるの」
女「実感わかないね…」
男「うん…」
女「20年くらい前にあった事件と手口が一緒らしいよ」
男「そうなの?」
女「うん、被害者はみんなバラバラにされてるって…」
男「うわぁ…」
女「怖いね」
男「…」
女「こんなときは、いざとなったら女は俺が守る!っ言わないとダメなんだよ?」
男「できるだけ頑張るよ」
女「もう…」
2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/28(土) 08:03:18.61 ID:r0K/Upx90
きょうしつ
「被害者は隣町の…」
「犯人は20年前に獄中で自殺した幽霊らしいよ!」
「うそーwwww」
ザワザワザワ
男「周りも事件の話でもち切りだね」
女「こんな田舎町でこれだけの事件だもの、しょうがないよ」
男「そういえば高校生ばかり被害者って聞いたけど」
女「そうみたいだね」
男「…」
女「うちの生徒が犠牲にならなければいいね」
男「うん」
3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/28(土) 08:09:09.07 ID:r0K/Upx90
おひるやすみ
「それでさーwwwみんなバラバラなんだって!www」
「ちょっとーwww食事中にする話じゃないよーwww」
「まじうけるーwwww」
男「…」
女「…」
男「騒ぎたくなるのは分かるけど、不謹慎だね」
女「そうだね」
男「…」
女「でも、男君もこの手の話は嫌いじゃないでしょ?」
男「…ほんと言うと好きかもしれない」
女「昔は探偵ごっことかによく色々付き合わされたなぁ」
男「は、恥ずかしいな、やめてよ、その話は」
女「ふふ」
4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/28(土) 08:17:12.11 ID:r0K/Upx90
ほうかご
「最初の被害者は今から一ヶ月前に殺されたんだけど…」
「それって20年前の犯人が自殺した月じゃん!」
「やだ、こわーい」
男「女、部活は?」
女「事件のせいでしばらくお休み」
男「じゃあ一緒に帰ろうよ」
女「ふふ、ちゃんと守ってね」
男「頑張るよ」
女「もう!」
男「じゃあ帰ろうか」
女「うん」
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/28(土) 08:22:00.91 ID:r0K/Upx90
女「不謹慎だけど、こうして毎日男君と帰れるのは嬉しいな」
男「言ってくれれば、部活ある日も一緒に帰るのに」
女「ありがとう、でも待たせるの悪いしね…」
男「…」
女「…犯人、早く捕まるといいね」
男「そうだね」
女「男探偵の名推理でズバッと解決してくれないかな?」
男「それは無理だよ、ワトソン君」
女「ふふ、そっか」
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/28(土) 08:24:49.38 ID:r0K/Upx90
よくあさ
男「ご、ごめん!ちょっと寝坊して」
女「…」
男「どうしたの?」
女「また犠牲者が出たの…」
男「そうなの?急いでたからニュース見てないんだ」
女「…」
男「女?」
女「…うちの学校の生徒だって」
男「え…」
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/28(土) 08:35:21.18 ID:r0K/Upx90
「一年生のあの子だよ、バスケ部の」
「ああ、あの子かー、いい子だったよね…」
「まさかうちの学校の生徒が…」
男「全校集会終わったね」
女「…」
男「女の部活の後輩だったんだ」
女「うん」
男「僕も一度会った事あるけど、元気のいい子だったね」
女「…うん」
男「…」
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/28(土) 08:40:39.98 ID:r0K/Upx90
ほうかご
男「女、一緒に帰ろう」
女「うん」
男「…」
女「…」
男「あのさ…」
女「…何?」
男「僕、この事件のこと調べてみようと思うんだ」
女「え?」
男「もちろん、犯人を捕まえてやろとかそういうんじゃなくて…」
女「…」
男「いや、捕まえられればそれにこした事はないのだけど…」
女「ありがと」
男「あ、いやその…じっちゃんの名にかけて?」
女「…ふふ」
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/28(土) 08:54:47.09 ID:r0K/Upx90
じたく
男「とりあえず事件を整理してみよう」
●被害者一覧
A子さん 17歳(蚊空町在住)
河川敷でバラバラになって発見される
隣町の高校に通っている
B男さん18歳(蚊空町在住)
路地裏にてバラバラになって発見される
東京の高校に通っている
C子さん15歳(蚊空町在住)
うちの高校の校舎裏にて同じくバラバラになって発見される
女の部活の後輩だった
男「…お粗末な内容だけど、こんなものかな」
男「こうしてみると被害者は全員高校生なんだな」
男「性別や年齢はバラバラか」
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/28(土) 09:01:43.03 ID:r0K/Upx90
男「殺害方法はみんな一緒…」
男「それ以外で共通点は…」
男「みんなうちの町に住んでるんだ」
男「犯人はこの町の住人…?」
男「…最初の被害者は犯人の身近な人物って何かの映画でやってたな」
男「となると、隣町の高校の関係者も怪しいかも…?」
男「…」
男「うーん、情報が足りないな」
男「…そういえば20年前にも同じような事件が起きたって誰かが言ってたな」
男「調べてみよう」
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/28(土) 09:22:00.06 ID:r0K/Upx90
男「…」
男「思いのほか、簡単に集まったな」
男「ネットは便利でいいな…とりあえず集めた情報を書き出してみるか」
●20年前の事件について
・犯人は25歳男性
・犯行の手口から「解体屋」と呼ばれていた
・両親は他界、広い実家に1人暮らしをしていた
・殺害方法は、被害者を埒し、自宅にて殺害し、解体していた
・被害者は全部で5人、全員が女性
・目撃証言から被疑者を割り出し、逮捕
・獄中にて自殺
・壁に謎の血文字(事件当時は何かしらの呪いか?との噂も)
男「呪いか…」
男「たしかそんな噂もあったな」
男「自殺した犯人が黒魔術で蘇って事件を起こしてるとか…」
男「……」
男「今日はこれくらいにして、また明日頑張ろう……」
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/28(土) 11:03:07.06 ID:r0K/Upx90
よくあさ
女「よくこれだけ調べたね」
男「事件が事件だから、この手の話題を取り扱ってるサイト多かったんだ」
女「…そっか」
男「これだけ情報集めて思ったんだけど、犯人はこの町の住人じゃないかなって」
女「へぇ…」
男「あくまで仮説…、勘に近いかなぁ…」
女「意外といい線いってたりしてね」
男「どうだろうな…」
女「…」
男友「よーお2人さん!」
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/28(土) 11:07:27.08 ID:r0K/Upx90
男「おはよう」
女「お早う、男友君」
男友「ご夫婦揃って登校とは、羨ましい限りですなー」
男「からかうなって」
女「ひどいわ、あなた!」
男「女ものるなよ」
男友「あはは、…ところで神妙な顔つきで何話してたんだよ?」
男「ああそれはさ………」
男友「おまえもよくこれだけ調べたなー」
女「すごいよね」
男「そんなことないよ」
男友「またまた~!…でもこの呪いってのも満更じゃないかもな」
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/28(土) 11:12:05.49 ID:r0K/Upx90
男友「この解体屋だっけ?こいつを逮捕した刑事がさ、ひどい死に方したらしいぜ」
男「偶然じゃないかな」
男友「それだけじゃないんだよ!事情聴取した刑事も突然の心臓麻痺でぽっくり」
女「なんだか怖い…」
男友「ま、まぁ偶然かもしれないけどな!」
男「…うん」
男友「あ!俺部室の掃除を頼まれてたんだった!悪いけど先行ってるぜ!!」
男「ああ、またね」
男友「おう!」
女「…」
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/28(土) 11:29:01.23 ID:r0K/Upx90
「犯人誰なんだろうねー」
「意外とうちの学校の関係者とか?あの先生とかいかにもじゃない?」
「わかるわかるーwwww」
いんちょ「やぁ、男君に女さん」
男「お早う、委員長」
女「お早う」
いんちょ「事件の話は控えるように言ったんだけどね…」
女「いいの、ありがとう委員長さん」
いんちょ「面目ない…」
男「委員長は…、呪いってあると思う?」
いんちょ「ああ、そんな噂は耳にするよ…正直くだらないって思う」
男「人間が犯人ってこと?」
いんちょ「当たり前さ、人を殺せるのは生きた人間だよ」
女「…」
いんちょ「おっと、そろそろHRの時間かな…みんなー!席ついてー!!」
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/28(土) 11:42:11.84 ID:r0K/Upx90
「またあいつに資材運ぶの手伝わされたんだけどー」
「あの先公さ、生徒にやらせるの多いよねー」
「まじうざいー」
「あいつ解体屋に呪い殺されればいいのに」
「きゃはははwwwww言い過ぎーwww」
男「(呪いか…)」
男「(僕もこの話はよく耳にする)」
男「(でも、そんなものありはずがないっていうのが正直な気持ちだ)」
男「(少なくとも今は信じる気にはなれない…)」
男「(…死人が、人を殺しているなんて)」
27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/28(土) 11:51:30.71 ID:r0K/Upx90
ほうかご
男友「女さん、具合悪そうだったけど大丈夫か?」
男「うん、帰りがけにでも家によってみるよ」
男友「途中で早退するなんて珍しいよな」
男「そうだね」
男友「あー!朝俺が無神経なこと言っちまったからなぁ…昨日の今日だし」
男「きっと気にしてないよ」
男友「そうーかなぁ…また明日登校したら謝っておくわ」
男「そっか」
男友「おう!…そうだ、まだ部室の掃除終わってないんだった!」
男「……行ってしまった」
男「僕もそろそろ帰ろう」
先生「…」
男「…?」
先生「男、女はいるか?」
29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/28(土) 11:56:06.54 ID:r0K/Upx90
男「早退しましたけど…」
先生「そうか…、なら変わりに理科準備室の掃除をしておいてくれ」
男「なんで僕が」
先生「頼んだぞ」
男「…行ってしまった」
男「今は物騒なんだから早く帰らせるべきだろうに」
男「…」
男「仕方ない、やりますか」
31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/28(土) 12:11:59.46 ID:r0K/Upx90
男「ふぅ、一通り終わったな…」
男「もう日が沈みかけてるよ、早く帰らないと」
男「…」
男「(そういえば女子生徒の生首ホルマリン付けの怪談、なんてのがあったなぁ)」
男「余計怖くなってきた!急いで帰ろう!!」
男「…」
唐突に、気配を感じた
男「(すぐ、真後ろに…何かいる?)」
呼吸する息遣い、あるはずのない存在感
男「(入り口からは誰も入ってきてないにの、どうしてこいつは僕の真後ろにいるんだ)」
男「(お、落ち着いて…昨日は事件の整理で寝不足だった上に、呪いだのなんだの考えてたし)」
男「(こいつの正体も、ただの気のせい、恥ずかしい勘違いなんだ…)」
男「(なのに…なのになんで動けない、ただ確認するだけの作業が恐ろしい…)」
33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/28(土) 12:16:01.23 ID:r0K/Upx90
男「(ゆっくりと首の向きを変えるだけ、それだけなんだ、ゆっくりと…)」
男「…」
男「いません…ね?」
男「(何確認してるんだ、馬鹿らしい!始めから分かってたことじゃないか)」
当然、後ろには誰もいなかった
僕の恥ずかしい、みっともない勘違い
だけど今はそれがとても嬉しかった
男「今度こそ、帰ろう!」
…ガラガラ
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/28(土) 12:22:35.92 ID:r0K/Upx90
男「(隣の部屋…理科室?)」
僕がおそるおそる理科室のドアを開くと、一箇所だけ窓が開いていた
先ほどの音からすると、この窓が開いた音みたいだった
男「(閉め忘れじゃない…誰かが出て行った…?)」
男「(じゃあ、僕の後ろには本当に誰かいて…この窓から…)」
男「(でも!ドアが開く音はしなかったし、どうやって音も立てずに理科室まで行ったんだ!)」
男「(ふ、不可能だ…ドアをすり抜けたってのかよ……)」
男「(それこそ不可能だ!!!!)」
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/28(土) 12:43:49.57 ID:r0K/Upx90
じたく
男「ガクガクブルブル」
男「(お、落ち着け、クールに、クールになるんだ男!)」
男「(今日あったことを落ち着いて考えてみよう…)」
男「(きっと何か理由があるはずだ)」
男「(呪いとか幽霊とかではない、もっと現実的な理由が…)」
37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/08/28(土) 12:51:44.26 ID:r0K/Upx90
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
Self-question
たしかにあのとき、後ろに気配を感じた…
でもそれは僕の真後ろだったのか?
…あの気配はドアを隔てた理科室ではなかったのではないだろうか
その可能性は十分にある、あのときは軽いパニック状態であったし
昨日の寝不足から、まともなコンディションではなかった
…つまり結論は
理科室でした人の気配を、すぐ真後ろに感じたと勘違いした!
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/28(土) 12:56:11.24 ID:r0K/Upx90
男「それはそれで怖いけど…相手が人間だと分かっただけマシなのかな…」
それはそうだろう、ドアを隔てたすぐ向こうに
ドアに耳をピタっとつけてこちらの様子を窺う人間なんて真っ当なやつじゃない
男「…窓が開いた音は別の場所で、たまたまあそこの窓が開いていたという可能性もあるけど」
男「(幽霊じゃないとわかっただけいいかな…今日はどっと疲れた気がする)」
男「(眠気も限界に近い…寝よう………)」
男「…」
男「zzz」
45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/28(土) 16:36:39.68 ID:r0K/Upx90
保守ありがとうございます
男「お早う、もう体調は平気?」
女「うん、心配かけてごめんね」
男「なら良かったよ」
女「ありがとう」
男「じゃあ、行こうか」
女「うん」
男「…」
女「…」
男友「おーい!」
男「男友、おはよう」
男友「おはよう!それと女さん、昨日はごめん!!」
女「?」
男友「女さんの後輩がなくなったのに呪いだのなんだの無神経なこといって…」
46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/28(土) 16:40:17.50 ID:r0K/Upx90
女「私は気にしてないから、別にいいのに…」
男友「それでも、謝っておきたかったんだ、ごめん!」
男「真っ直ぐで恥ずかしいやつでしょ?」
女「ふふ、そうね」
女「…顔を上げて、男友君」
男友「…」
男「それじゃあ…三人仲良く登校しよう」
女「そうだね」
男友「!」
男「ほら、何ぼけっとしてるんだよ、遅刻するよ」
男友「おう!」
48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/28(土) 16:50:36.39 ID:r0K/Upx90
いんちょ「やあ、三人ともお早う」
男友「おーっす」
男「おはよう」
女「お早う、委員長さん、昨日は心配かけてごめんね」
いんちょ「いやいや、大事にならなくてなによりだよ」
男友「いんちょーは心配性だなぁ」
男「おまえが言うな」
男友「あいた!今日はツッコミがするど過ぎるぞ!!」
女「ふふ」
52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/28(土) 16:56:59.83 ID:r0K/Upx90
男「…」
男友「どうしたい?ボケっとして」
男「ちょっと考えごとをね」
男友「ふーん…それよりさ、今日うちにこないか?」
男「寮に?」
男友「こないだ話したゲーム、やっと届いたんだよ」
男「それは興味あるけど…」
男友「てか晩御飯作ってください」
男「…」
男友「男の味が忘れられないの」
男「気色悪いこと言うな!」
男友「なんだー?女さんとこでも行くんか?」
男「そうじゃないけど」
男友「女さんも大変だよな、両親が海外で共働きなんてさ」
54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/28(土) 17:01:44.13 ID:r0K/Upx90
いんちょ「たまに男君が料理を作りに行ってあげてるんだろう?」
男友「通い妻だな」
男「委員長まで…」
いんちょ「どうやら僕たちの入り込む隙はないようだね、男友くん」
男友「ああ、悔しいがまったくもってその通りだ」
いんちょ「しくしく」
男友「めそめそ」
男「あーもー!あっち行け!しっし!!」
56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/28(土) 17:13:43.87 ID:r0K/Upx90
じゅぎょうちゅう
男「(2人のせいで全く集中できなかった…)」
男「(授業中に考えるのは忍びないけど、事件のことについてもう一度考えてみよう)」
男「(被害者の共通点は、同じ町に住んでいること…)」
男「(殺害方法が一緒…皆バラバラにされていたこと…)」
男「(聞いた話じゃ、両手、両足、首が切り落とされていたらしい…)」
男「(手も足も、隠されることなく一箇所で見つかったとか…)」
男「……」
57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/28(土) 17:21:33.58 ID:r0K/Upx90
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
Self-question ~殺害方法について~
バラバラにした死体のパーツが全て一箇所で見つかる
これはどういうことだろう…
そもそもバラバラにする動機とはなんだろうか
強い恨み?可能性はあるがいまいちピンとこない…
…バラバラにする理由…利点…
死体隠蔽?そう考えるのが自然だろう
過去にミキサーで粉々にして、トイレに流して隠した犯人もいたらしいし…
しかし、今回の事件は違う…
なら犯人はなぜこんなことをしたのだろうか…
……もしかしたら理由なんてないのかもしれない
犯人は…快楽殺人鬼?
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/28(土) 17:30:13.23 ID:r0K/Upx90
男「(被害者は別の場所で殺されて、バラバラにされてから遺棄されてたってニュースでもやってたな)」
男「(犯人は快楽殺人鬼…十分に可能性はある…)」
男「(それから被害者が全員高校生で、この町に住んでるってのも気にかかる…)」
男「(……)」
先生「男、教科書120ページから読んでみろ」
男「は、はひ!?」
先生「ちゃんと授業聞いてろ」
男「す、すみません」
先生「…」
60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/28(土) 17:54:58.18 ID:r0K/Upx90
女「男君が授業中ぼーっとしてるなんて珍しいね」
男「ちょっと考え事をね」
女「事件のこと?」
男「…うん」
女「…そっか」
先生「おーい女ー」
女「はい?」
先生「以前集めてもらった資料だけどな…」
女「はい…」
先生「ここが…これで………」
女「はい…はい…」
男「…」
61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/28(土) 17:58:36.04 ID:r0K/Upx90
男「…なんだったの?」
女「以前、先生に資料集めるの頼まれて」
男「そうなんだ」
女「一ヶ月くらい前なんだけど、この町の歴史とか起こった事件とかを調べてほしいって」
男「…」
女「図書館とインターネットで調べたんだけど、いくつか間違ったものがあったみたい」
男「生徒にやらせずに自分でやればいいのにな」
女「そうね、…それでちょっと怒られちゃった」
男「気にすることないよ」
女「ふふ、ありがとう」
65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/28(土) 19:52:12.71 ID:r0K/Upx90
げこうちゅう
女「周りは呪いだなんだって騒いでるけど、男君はどう思う?」
男「呪いなんて…ありえないよ」
女「そう…かな」
僕は今まで考えてきたことを女に話した
犯人はこの町に住んでいる可能性が高いこと
そして快楽殺人鬼であること…
女「すごいね、そこまで推理してたんだ」
男「だいぶお粗末なものだけどね」
女「この町に殺人鬼が…そう考えると怖い…」
男「…僕が、いざとなったら守るよ」
女「ふふ、頼りにしてるね、王子様」
66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/28(土) 20:05:48.51 ID:r0K/Upx90
じたく
犯人はこの町の住人
そして…、呪いなんかよりも恐ろしい疑惑が、僕の中でゆっくりと芽吹きつつあった
くだらない妄想の域を出ないけど、きっとそれはとても恐ろしいこと…
…そんなことを考えながらふと時計を見ると、もう遅い時間になっていた
こんな時間までカーペットの上でゴロゴロしてたのか…
なんだか今日はお風呂に入るのも面倒だな…このまま寝てしまうのも悪くない…
何度目かの寝返りを打つと唐突に目が合った…
…誰と?
67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/28(土) 20:14:10.44 ID:r0K/Upx90
この部屋には僕しかいないはず、そうでなきゃおかしい
誰も入ってきてはいない、じゃあ何でこいつはここにいる?
ベッドの下の仄暗い小さな隙間
包丁を持った男がそこにはいた
笑うでもなく、取り乱すでもなく、じっと僕の目を見ている
…目を離したらやられる、理由さえもよく分からない、だけど確信めいたものがあって
目が離せなかった…
まったく微動だにせず、こっちを見ているものだから、僕はこいつが例の解体屋なんだって思った
死んだ人間が蘇って殺しまわっている…
あれは本当の話で、僕は4人目の犠牲者で…
下で寝ている父さんと母さんは無事だろうか…
……気がつけば男は消えていて…また、後ろに気配を感じた
そこで僕の意識は途絶えた……
68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/28(土) 20:20:14.58 ID:r0K/Upx90
それから目を覚ますと、解体屋は何処にもいなかった
もちろん、ベッドの下も確認した…
どうやらいつの間にか寝て、怖い夢を見たいたようだ…
そういえば都市伝説に似たような話があったな、ベッドの下の包丁男だっけ?
あれとそっくり
…例え夢と分かっていても、誰だっていい気がするものではない
結局その日は、夢のお陰でなかなか寝付くことができなかった
70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/28(土) 21:19:39.34 ID:r0K/Upx90
よくあさ
女「お早う、男君」
男「おふぁよう…」
女「ふふ、とても眠そう」
男友「おっーす!どした男!?元気ないぜ!!」
男「いたっ!…叩いて元気でるわけないだろ!」
男友「眠気は覚めるだろ?」
男「男友!!」
いんちょ「……朝から元気なことだな」
女「そうね、ふふ」
71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/28(土) 21:27:16.97 ID:r0K/Upx90
おひるやすみ
女「男君、ご飯にしようよ」
男「うん」
女「眠そうだけど、また事件のことでも考えてたんでしょう?」
男「まぁね…」
女「あまり、無理はしないでね…」
男「…」
女「…」
男「…そうだね、体調を整えておかないと、いざってときに女を守れないし」
女「…男君」
男「あー…今の忘れて…」
女「やだ、忘れてやらない」
男「そうですか…」
72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/28(土) 21:29:55.16 ID:r0K/Upx90
男友「いざってときに女を守れない(キリッ」
いんちょ「男くぅん」
男「…」
女「…」
男「お、おまえら!!!!!」
男友「わー逃げろー」
いんちょ「わー」
女「ふふ」
73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/28(土) 22:04:20.45 ID:r0K/Upx90
あれから事件は起きることもなく
いつの間にか平和な日常が戻ってきた
犯人も結局捕まることはなかったが、僕と女はこの事件を機により仲を深め…
付き合い始めた
大学に進学した今でも、関係は続いている…
…まだ僅かなわだかまりは拭いきれないが、それは時が解決してくれるだろう
僕は今、幸せだと思うから……
74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/28(土) 22:10:29.11 ID:r0K/Upx90 [43/43]
エンディング1 了
次は恐怖に囚われた男が暴走しちゃうオカルトルートの予定
>>36あたりから分岐する
ひぐらしでいう鬼隠し編みたな感じで
それが終わって、真相ルートに進む予定
難解なトリックなどを期待してる方は初めからいないと思いますが…
そういった類のものは一切ないです
きょうしつ
「被害者は隣町の…」
「犯人は20年前に獄中で自殺した幽霊らしいよ!」
「うそーwwww」
ザワザワザワ
男「周りも事件の話でもち切りだね」
女「こんな田舎町でこれだけの事件だもの、しょうがないよ」
男「そういえば高校生ばかり被害者って聞いたけど」
女「そうみたいだね」
男「…」
女「うちの生徒が犠牲にならなければいいね」
男「うん」
3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/28(土) 08:09:09.07 ID:r0K/Upx90
おひるやすみ
「それでさーwwwみんなバラバラなんだって!www」
「ちょっとーwww食事中にする話じゃないよーwww」
「まじうけるーwwww」
男「…」
女「…」
男「騒ぎたくなるのは分かるけど、不謹慎だね」
女「そうだね」
男「…」
女「でも、男君もこの手の話は嫌いじゃないでしょ?」
男「…ほんと言うと好きかもしれない」
女「昔は探偵ごっことかによく色々付き合わされたなぁ」
男「は、恥ずかしいな、やめてよ、その話は」
女「ふふ」
4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/28(土) 08:17:12.11 ID:r0K/Upx90
ほうかご
「最初の被害者は今から一ヶ月前に殺されたんだけど…」
「それって20年前の犯人が自殺した月じゃん!」
「やだ、こわーい」
男「女、部活は?」
女「事件のせいでしばらくお休み」
男「じゃあ一緒に帰ろうよ」
女「ふふ、ちゃんと守ってね」
男「頑張るよ」
女「もう!」
男「じゃあ帰ろうか」
女「うん」
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/28(土) 08:22:00.91 ID:r0K/Upx90
女「不謹慎だけど、こうして毎日男君と帰れるのは嬉しいな」
男「言ってくれれば、部活ある日も一緒に帰るのに」
女「ありがとう、でも待たせるの悪いしね…」
男「…」
女「…犯人、早く捕まるといいね」
男「そうだね」
女「男探偵の名推理でズバッと解決してくれないかな?」
男「それは無理だよ、ワトソン君」
女「ふふ、そっか」
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/28(土) 08:24:49.38 ID:r0K/Upx90
よくあさ
男「ご、ごめん!ちょっと寝坊して」
女「…」
男「どうしたの?」
女「また犠牲者が出たの…」
男「そうなの?急いでたからニュース見てないんだ」
女「…」
男「女?」
女「…うちの学校の生徒だって」
男「え…」
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/28(土) 08:35:21.18 ID:r0K/Upx90
「一年生のあの子だよ、バスケ部の」
「ああ、あの子かー、いい子だったよね…」
「まさかうちの学校の生徒が…」
男「全校集会終わったね」
女「…」
男「女の部活の後輩だったんだ」
女「うん」
男「僕も一度会った事あるけど、元気のいい子だったね」
女「…うん」
男「…」
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/28(土) 08:40:39.98 ID:r0K/Upx90
ほうかご
男「女、一緒に帰ろう」
女「うん」
男「…」
女「…」
男「あのさ…」
女「…何?」
男「僕、この事件のこと調べてみようと思うんだ」
女「え?」
男「もちろん、犯人を捕まえてやろとかそういうんじゃなくて…」
女「…」
男「いや、捕まえられればそれにこした事はないのだけど…」
女「ありがと」
男「あ、いやその…じっちゃんの名にかけて?」
女「…ふふ」
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/28(土) 08:54:47.09 ID:r0K/Upx90
じたく
男「とりあえず事件を整理してみよう」
●被害者一覧
A子さん 17歳(蚊空町在住)
河川敷でバラバラになって発見される
隣町の高校に通っている
B男さん18歳(蚊空町在住)
路地裏にてバラバラになって発見される
東京の高校に通っている
C子さん15歳(蚊空町在住)
うちの高校の校舎裏にて同じくバラバラになって発見される
女の部活の後輩だった
男「…お粗末な内容だけど、こんなものかな」
男「こうしてみると被害者は全員高校生なんだな」
男「性別や年齢はバラバラか」
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/28(土) 09:01:43.03 ID:r0K/Upx90
男「殺害方法はみんな一緒…」
男「それ以外で共通点は…」
男「みんなうちの町に住んでるんだ」
男「犯人はこの町の住人…?」
男「…最初の被害者は犯人の身近な人物って何かの映画でやってたな」
男「となると、隣町の高校の関係者も怪しいかも…?」
男「…」
男「うーん、情報が足りないな」
男「…そういえば20年前にも同じような事件が起きたって誰かが言ってたな」
男「調べてみよう」
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/28(土) 09:22:00.06 ID:r0K/Upx90
男「…」
男「思いのほか、簡単に集まったな」
男「ネットは便利でいいな…とりあえず集めた情報を書き出してみるか」
●20年前の事件について
・犯人は25歳男性
・犯行の手口から「解体屋」と呼ばれていた
・両親は他界、広い実家に1人暮らしをしていた
・殺害方法は、被害者を埒し、自宅にて殺害し、解体していた
・被害者は全部で5人、全員が女性
・目撃証言から被疑者を割り出し、逮捕
・獄中にて自殺
・壁に謎の血文字(事件当時は何かしらの呪いか?との噂も)
男「呪いか…」
男「たしかそんな噂もあったな」
男「自殺した犯人が黒魔術で蘇って事件を起こしてるとか…」
男「……」
男「今日はこれくらいにして、また明日頑張ろう……」
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/28(土) 11:03:07.06 ID:r0K/Upx90
よくあさ
女「よくこれだけ調べたね」
男「事件が事件だから、この手の話題を取り扱ってるサイト多かったんだ」
女「…そっか」
男「これだけ情報集めて思ったんだけど、犯人はこの町の住人じゃないかなって」
女「へぇ…」
男「あくまで仮説…、勘に近いかなぁ…」
女「意外といい線いってたりしてね」
男「どうだろうな…」
女「…」
男友「よーお2人さん!」
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/28(土) 11:07:27.08 ID:r0K/Upx90
男「おはよう」
女「お早う、男友君」
男友「ご夫婦揃って登校とは、羨ましい限りですなー」
男「からかうなって」
女「ひどいわ、あなた!」
男「女ものるなよ」
男友「あはは、…ところで神妙な顔つきで何話してたんだよ?」
男「ああそれはさ………」
男友「おまえもよくこれだけ調べたなー」
女「すごいよね」
男「そんなことないよ」
男友「またまた~!…でもこの呪いってのも満更じゃないかもな」
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/28(土) 11:12:05.49 ID:r0K/Upx90
男友「この解体屋だっけ?こいつを逮捕した刑事がさ、ひどい死に方したらしいぜ」
男「偶然じゃないかな」
男友「それだけじゃないんだよ!事情聴取した刑事も突然の心臓麻痺でぽっくり」
女「なんだか怖い…」
男友「ま、まぁ偶然かもしれないけどな!」
男「…うん」
男友「あ!俺部室の掃除を頼まれてたんだった!悪いけど先行ってるぜ!!」
男「ああ、またね」
男友「おう!」
女「…」
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/28(土) 11:29:01.23 ID:r0K/Upx90
「犯人誰なんだろうねー」
「意外とうちの学校の関係者とか?あの先生とかいかにもじゃない?」
「わかるわかるーwwww」
いんちょ「やぁ、男君に女さん」
男「お早う、委員長」
女「お早う」
いんちょ「事件の話は控えるように言ったんだけどね…」
女「いいの、ありがとう委員長さん」
いんちょ「面目ない…」
男「委員長は…、呪いってあると思う?」
いんちょ「ああ、そんな噂は耳にするよ…正直くだらないって思う」
男「人間が犯人ってこと?」
いんちょ「当たり前さ、人を殺せるのは生きた人間だよ」
女「…」
いんちょ「おっと、そろそろHRの時間かな…みんなー!席ついてー!!」
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/28(土) 11:42:11.84 ID:r0K/Upx90
「またあいつに資材運ぶの手伝わされたんだけどー」
「あの先公さ、生徒にやらせるの多いよねー」
「まじうざいー」
「あいつ解体屋に呪い殺されればいいのに」
「きゃはははwwwww言い過ぎーwww」
男「(呪いか…)」
男「(僕もこの話はよく耳にする)」
男「(でも、そんなものありはずがないっていうのが正直な気持ちだ)」
男「(少なくとも今は信じる気にはなれない…)」
男「(…死人が、人を殺しているなんて)」
27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/28(土) 11:51:30.71 ID:r0K/Upx90
ほうかご
男友「女さん、具合悪そうだったけど大丈夫か?」
男「うん、帰りがけにでも家によってみるよ」
男友「途中で早退するなんて珍しいよな」
男「そうだね」
男友「あー!朝俺が無神経なこと言っちまったからなぁ…昨日の今日だし」
男「きっと気にしてないよ」
男友「そうーかなぁ…また明日登校したら謝っておくわ」
男「そっか」
男友「おう!…そうだ、まだ部室の掃除終わってないんだった!」
男「……行ってしまった」
男「僕もそろそろ帰ろう」
先生「…」
男「…?」
先生「男、女はいるか?」
29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/28(土) 11:56:06.54 ID:r0K/Upx90
男「早退しましたけど…」
先生「そうか…、なら変わりに理科準備室の掃除をしておいてくれ」
男「なんで僕が」
先生「頼んだぞ」
男「…行ってしまった」
男「今は物騒なんだから早く帰らせるべきだろうに」
男「…」
男「仕方ない、やりますか」
31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/28(土) 12:11:59.46 ID:r0K/Upx90
男「ふぅ、一通り終わったな…」
男「もう日が沈みかけてるよ、早く帰らないと」
男「…」
男「(そういえば女子生徒の生首ホルマリン付けの怪談、なんてのがあったなぁ)」
男「余計怖くなってきた!急いで帰ろう!!」
男「…」
唐突に、気配を感じた
男「(すぐ、真後ろに…何かいる?)」
呼吸する息遣い、あるはずのない存在感
男「(入り口からは誰も入ってきてないにの、どうしてこいつは僕の真後ろにいるんだ)」
男「(お、落ち着いて…昨日は事件の整理で寝不足だった上に、呪いだのなんだの考えてたし)」
男「(こいつの正体も、ただの気のせい、恥ずかしい勘違いなんだ…)」
男「(なのに…なのになんで動けない、ただ確認するだけの作業が恐ろしい…)」
33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/28(土) 12:16:01.23 ID:r0K/Upx90
男「(ゆっくりと首の向きを変えるだけ、それだけなんだ、ゆっくりと…)」
男「…」
男「いません…ね?」
男「(何確認してるんだ、馬鹿らしい!始めから分かってたことじゃないか)」
当然、後ろには誰もいなかった
僕の恥ずかしい、みっともない勘違い
だけど今はそれがとても嬉しかった
男「今度こそ、帰ろう!」
…ガラガラ
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/28(土) 12:22:35.92 ID:r0K/Upx90
男「(隣の部屋…理科室?)」
僕がおそるおそる理科室のドアを開くと、一箇所だけ窓が開いていた
先ほどの音からすると、この窓が開いた音みたいだった
男「(閉め忘れじゃない…誰かが出て行った…?)」
男「(じゃあ、僕の後ろには本当に誰かいて…この窓から…)」
男「(でも!ドアが開く音はしなかったし、どうやって音も立てずに理科室まで行ったんだ!)」
男「(ふ、不可能だ…ドアをすり抜けたってのかよ……)」
男「(それこそ不可能だ!!!!)」
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/28(土) 12:43:49.57 ID:r0K/Upx90
じたく
男「ガクガクブルブル」
男「(お、落ち着け、クールに、クールになるんだ男!)」
男「(今日あったことを落ち着いて考えてみよう…)」
男「(きっと何か理由があるはずだ)」
男「(呪いとか幽霊とかではない、もっと現実的な理由が…)」
37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/08/28(土) 12:51:44.26 ID:r0K/Upx90
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
Self-question
たしかにあのとき、後ろに気配を感じた…
でもそれは僕の真後ろだったのか?
…あの気配はドアを隔てた理科室ではなかったのではないだろうか
その可能性は十分にある、あのときは軽いパニック状態であったし
昨日の寝不足から、まともなコンディションではなかった
…つまり結論は
理科室でした人の気配を、すぐ真後ろに感じたと勘違いした!
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/28(土) 12:56:11.24 ID:r0K/Upx90
男「それはそれで怖いけど…相手が人間だと分かっただけマシなのかな…」
それはそうだろう、ドアを隔てたすぐ向こうに
ドアに耳をピタっとつけてこちらの様子を窺う人間なんて真っ当なやつじゃない
男「…窓が開いた音は別の場所で、たまたまあそこの窓が開いていたという可能性もあるけど」
男「(幽霊じゃないとわかっただけいいかな…今日はどっと疲れた気がする)」
男「(眠気も限界に近い…寝よう………)」
男「…」
男「zzz」
45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/28(土) 16:36:39.68 ID:r0K/Upx90
保守ありがとうございます
男「お早う、もう体調は平気?」
女「うん、心配かけてごめんね」
男「なら良かったよ」
女「ありがとう」
男「じゃあ、行こうか」
女「うん」
男「…」
女「…」
男友「おーい!」
男「男友、おはよう」
男友「おはよう!それと女さん、昨日はごめん!!」
女「?」
男友「女さんの後輩がなくなったのに呪いだのなんだの無神経なこといって…」
46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/28(土) 16:40:17.50 ID:r0K/Upx90
女「私は気にしてないから、別にいいのに…」
男友「それでも、謝っておきたかったんだ、ごめん!」
男「真っ直ぐで恥ずかしいやつでしょ?」
女「ふふ、そうね」
女「…顔を上げて、男友君」
男友「…」
男「それじゃあ…三人仲良く登校しよう」
女「そうだね」
男友「!」
男「ほら、何ぼけっとしてるんだよ、遅刻するよ」
男友「おう!」
48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/28(土) 16:50:36.39 ID:r0K/Upx90
いんちょ「やあ、三人ともお早う」
男友「おーっす」
男「おはよう」
女「お早う、委員長さん、昨日は心配かけてごめんね」
いんちょ「いやいや、大事にならなくてなによりだよ」
男友「いんちょーは心配性だなぁ」
男「おまえが言うな」
男友「あいた!今日はツッコミがするど過ぎるぞ!!」
女「ふふ」
52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/28(土) 16:56:59.83 ID:r0K/Upx90
男「…」
男友「どうしたい?ボケっとして」
男「ちょっと考えごとをね」
男友「ふーん…それよりさ、今日うちにこないか?」
男「寮に?」
男友「こないだ話したゲーム、やっと届いたんだよ」
男「それは興味あるけど…」
男友「てか晩御飯作ってください」
男「…」
男友「男の味が忘れられないの」
男「気色悪いこと言うな!」
男友「なんだー?女さんとこでも行くんか?」
男「そうじゃないけど」
男友「女さんも大変だよな、両親が海外で共働きなんてさ」
54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/28(土) 17:01:44.13 ID:r0K/Upx90
いんちょ「たまに男君が料理を作りに行ってあげてるんだろう?」
男友「通い妻だな」
男「委員長まで…」
いんちょ「どうやら僕たちの入り込む隙はないようだね、男友くん」
男友「ああ、悔しいがまったくもってその通りだ」
いんちょ「しくしく」
男友「めそめそ」
男「あーもー!あっち行け!しっし!!」
56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/28(土) 17:13:43.87 ID:r0K/Upx90
じゅぎょうちゅう
男「(2人のせいで全く集中できなかった…)」
男「(授業中に考えるのは忍びないけど、事件のことについてもう一度考えてみよう)」
男「(被害者の共通点は、同じ町に住んでいること…)」
男「(殺害方法が一緒…皆バラバラにされていたこと…)」
男「(聞いた話じゃ、両手、両足、首が切り落とされていたらしい…)」
男「(手も足も、隠されることなく一箇所で見つかったとか…)」
男「……」
57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/28(土) 17:21:33.58 ID:r0K/Upx90
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
Self-question ~殺害方法について~
バラバラにした死体のパーツが全て一箇所で見つかる
これはどういうことだろう…
そもそもバラバラにする動機とはなんだろうか
強い恨み?可能性はあるがいまいちピンとこない…
…バラバラにする理由…利点…
死体隠蔽?そう考えるのが自然だろう
過去にミキサーで粉々にして、トイレに流して隠した犯人もいたらしいし…
しかし、今回の事件は違う…
なら犯人はなぜこんなことをしたのだろうか…
……もしかしたら理由なんてないのかもしれない
犯人は…快楽殺人鬼?
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/28(土) 17:30:13.23 ID:r0K/Upx90
男「(被害者は別の場所で殺されて、バラバラにされてから遺棄されてたってニュースでもやってたな)」
男「(犯人は快楽殺人鬼…十分に可能性はある…)」
男「(それから被害者が全員高校生で、この町に住んでるってのも気にかかる…)」
男「(……)」
先生「男、教科書120ページから読んでみろ」
男「は、はひ!?」
先生「ちゃんと授業聞いてろ」
男「す、すみません」
先生「…」
60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/28(土) 17:54:58.18 ID:r0K/Upx90
女「男君が授業中ぼーっとしてるなんて珍しいね」
男「ちょっと考え事をね」
女「事件のこと?」
男「…うん」
女「…そっか」
先生「おーい女ー」
女「はい?」
先生「以前集めてもらった資料だけどな…」
女「はい…」
先生「ここが…これで………」
女「はい…はい…」
男「…」
61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/28(土) 17:58:36.04 ID:r0K/Upx90
男「…なんだったの?」
女「以前、先生に資料集めるの頼まれて」
男「そうなんだ」
女「一ヶ月くらい前なんだけど、この町の歴史とか起こった事件とかを調べてほしいって」
男「…」
女「図書館とインターネットで調べたんだけど、いくつか間違ったものがあったみたい」
男「生徒にやらせずに自分でやればいいのにな」
女「そうね、…それでちょっと怒られちゃった」
男「気にすることないよ」
女「ふふ、ありがとう」
65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/28(土) 19:52:12.71 ID:r0K/Upx90
げこうちゅう
女「周りは呪いだなんだって騒いでるけど、男君はどう思う?」
男「呪いなんて…ありえないよ」
女「そう…かな」
僕は今まで考えてきたことを女に話した
犯人はこの町に住んでいる可能性が高いこと
そして快楽殺人鬼であること…
女「すごいね、そこまで推理してたんだ」
男「だいぶお粗末なものだけどね」
女「この町に殺人鬼が…そう考えると怖い…」
男「…僕が、いざとなったら守るよ」
女「ふふ、頼りにしてるね、王子様」
66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/28(土) 20:05:48.51 ID:r0K/Upx90
じたく
犯人はこの町の住人
そして…、呪いなんかよりも恐ろしい疑惑が、僕の中でゆっくりと芽吹きつつあった
くだらない妄想の域を出ないけど、きっとそれはとても恐ろしいこと…
…そんなことを考えながらふと時計を見ると、もう遅い時間になっていた
こんな時間までカーペットの上でゴロゴロしてたのか…
なんだか今日はお風呂に入るのも面倒だな…このまま寝てしまうのも悪くない…
何度目かの寝返りを打つと唐突に目が合った…
…誰と?
67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/28(土) 20:14:10.44 ID:r0K/Upx90
この部屋には僕しかいないはず、そうでなきゃおかしい
誰も入ってきてはいない、じゃあ何でこいつはここにいる?
ベッドの下の仄暗い小さな隙間
包丁を持った男がそこにはいた
笑うでもなく、取り乱すでもなく、じっと僕の目を見ている
…目を離したらやられる、理由さえもよく分からない、だけど確信めいたものがあって
目が離せなかった…
まったく微動だにせず、こっちを見ているものだから、僕はこいつが例の解体屋なんだって思った
死んだ人間が蘇って殺しまわっている…
あれは本当の話で、僕は4人目の犠牲者で…
下で寝ている父さんと母さんは無事だろうか…
……気がつけば男は消えていて…また、後ろに気配を感じた
そこで僕の意識は途絶えた……
68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/28(土) 20:20:14.58 ID:r0K/Upx90
それから目を覚ますと、解体屋は何処にもいなかった
もちろん、ベッドの下も確認した…
どうやらいつの間にか寝て、怖い夢を見たいたようだ…
そういえば都市伝説に似たような話があったな、ベッドの下の包丁男だっけ?
あれとそっくり
…例え夢と分かっていても、誰だっていい気がするものではない
結局その日は、夢のお陰でなかなか寝付くことができなかった
70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/28(土) 21:19:39.34 ID:r0K/Upx90
よくあさ
女「お早う、男君」
男「おふぁよう…」
女「ふふ、とても眠そう」
男友「おっーす!どした男!?元気ないぜ!!」
男「いたっ!…叩いて元気でるわけないだろ!」
男友「眠気は覚めるだろ?」
男「男友!!」
いんちょ「……朝から元気なことだな」
女「そうね、ふふ」
71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/28(土) 21:27:16.97 ID:r0K/Upx90
おひるやすみ
女「男君、ご飯にしようよ」
男「うん」
女「眠そうだけど、また事件のことでも考えてたんでしょう?」
男「まぁね…」
女「あまり、無理はしないでね…」
男「…」
女「…」
男「…そうだね、体調を整えておかないと、いざってときに女を守れないし」
女「…男君」
男「あー…今の忘れて…」
女「やだ、忘れてやらない」
男「そうですか…」
72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/28(土) 21:29:55.16 ID:r0K/Upx90
男友「いざってときに女を守れない(キリッ」
いんちょ「男くぅん」
男「…」
女「…」
男「お、おまえら!!!!!」
男友「わー逃げろー」
いんちょ「わー」
女「ふふ」
73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/28(土) 22:04:20.45 ID:r0K/Upx90
あれから事件は起きることもなく
いつの間にか平和な日常が戻ってきた
犯人も結局捕まることはなかったが、僕と女はこの事件を機により仲を深め…
付き合い始めた
大学に進学した今でも、関係は続いている…
…まだ僅かなわだかまりは拭いきれないが、それは時が解決してくれるだろう
僕は今、幸せだと思うから……
74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/28(土) 22:10:29.11 ID:r0K/Upx90 [43/43]
エンディング1 了
次は恐怖に囚われた男が暴走しちゃうオカルトルートの予定
>>36あたりから分岐する
ひぐらしでいう鬼隠し編みたな感じで
それが終わって、真相ルートに進む予定
難解なトリックなどを期待してる方は初めからいないと思いますが…
そういった類のものは一切ないです
<<狐「よめいり!」 | ホーム | 澪「律と私と三者面談」律「あと一人誰だ」>>
コメント
No title
コメントの投稿
トラックバック
| ホーム |
真相ルート期待