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上条「魔術…だとぉぉぉ?」 禁書「う…うん…」4

203 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 17:19:54 ID:Ht+zQBjw0 [70/103]
わかった。需要がある限りは書くわ
なくなったら、次の趣旨がまったく違うのを次スレで書くしな
多分また夜くらいになると思う

204 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 22:02:20 ID:Ht+zQBjw0 [71/103]
上条「………不幸だ…」

一方通行「テメェはまだ、ンな事をウジウジ言ってンのかァ?」

禁書「わ~い!」バシャバシャ

一方通行「あのインデックスを見やがれ。学園都市を追い出されたってのにあンなに元気だ」

上条「追い出されたとか言うなー!! ほとぼりが冷めるまで外に行けって言われただけですー!!」

一方通行「………俗にそれを追い出すって言うンじゃねェか…」

一方通行「まァ…仕方ねェンじゃねェか? 俺ら二人があの計画をぶち壊しにしちまったンだからよォ」

上条「…そうだけどなぁ…」

205 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 22:03:25 ID:Ht+zQBjw0 [72/103]
一方通行「良い気晴らしじゃねェか。海だぜ海? 学園都市にいたら絶対に拝めねェンだぜェ?」

上条「まぁ、だからインデックスもはしゃいでるんだろうな…はぁ…」

一方通行「そンなため息吐くなよ。不幸が移ンだろ」シッシ

上条「ああ、すまん。って、ん? 何だあの前方からすんげえ波が…」

??「はーーっはっはっはー!!! 聞いたよ上条当麻!! 学園都市を追い出されたそうだね!!」ドドドドド

一方通行「何だバカか」

ステイル「そして、一方通行込みのお泊り会をするそうだね? だったら、僕も参加させてもらうよ!!」ドドドドドド

上条「………なんであいつがここに来るんだよ…」

206 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 22:04:33 ID:Ht+zQBjw0 [73/103]
禁書「ねぇ、とうまー」

上条「何だよインデックス…俺は頭がいてえんだ…」

禁書「そこで素敵な帽子を拾ったから、プレゼントするんだよ」

上条「え? 帽子? …待て、それは本当に帽子なのか? もしかしたら、帽子じゃないかもしれな―

禁書「細かいこと言わずに早く被るんだよ」

上条「あ?」

一方通行「おォ?」

ステイル「え?」ドドドドドドド

上条「ぎゃあああああああああああああああああ!!!!!!! く、くらげええええええええええええええええ!!!!!!!」

207 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 22:05:33 ID:Ht+zQBjw0 [74/103]
 ―宿屋(上条の部屋)―

禁書「ごめんなんだよ…くらげなんて知らなかったんだよ…」

一方通行「ったく。ふざけンじゃねェぞ。当麻が死ンだらどォすンだよ」

ステイル「いやぁ、普通に看板にクラゲ大量発生中って書いてたね。こりゃ参ったね」

上条「いっつっつ…あ、女将さんこの薬箱ありがとうございます」

女将「いえ~いいですよ~。それじゃあ、お大事に~」ガラ

一方通行「接客のわりィ女将だなァ。あれなら俺がやった方がマシだぜェ?」

ステイル「いや、君はやめといた方がいいよ」

208 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 22:06:36 ID:Ht+zQBjw0 [75/103]
禁書「ところで、とうまのご両親はいつ来るのかな?」

上条「ん、さっき電話があって、明日になるらしい」

禁書「えー!! せっかくとうまのご両親に会えると思って…」

一方通行「文句言うンじゃねェ!! あっちにだって色々と事情があンだよォクソガキが!!」

禁書「うっ。わ、わかったから、そんなに睨まないでほしいんだよ」

一方通行「………(睨んでるつもりねェンだけどなァ…そンなに目つきわりィのかァ…?)」

ステイル(おいおい、一方通行が目つき悪いと言われてちょっと傷ついてるぞ。あの目はそうだ。間違いない)

上条「何でもいいから、風呂いかねえか?」

ステイル「なん…だと…?」

209 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 22:07:48 ID:Ht+zQBjw0 [76/103]
ステイル「つまり君はこう言いたいのかい? 男同士なんだから裸の付き合いくらい持とうぜ。と」

上条「え? 別にそんなことは…」

一方通行「ほォ。流石当麻だな。良い考えじゃねェか」

上条「え?」

ステイル「だね。真の友達ならそれくらいするのは当然だね」

一方通行「友達…。つ、つまりこれで俺達は晴れて…」

ステイル「ああ。真の友達…真友になれるのさ!!」

上条「おい、漢字が違うぞ」

禁書「二人がキャラが濃すぎて、全然ついていけないんだよ…」

210 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 22:08:59 ID:Ht+zQBjw0 [77/103]
 ―露天風呂―

ステイル「…いいね…」

一方通行「…だなァ…」

上条「………何がだよ」

ステイル「まさかわからないのかい?」

一方通行「やめろ!! きっと当麻はわかってるけど、わからねェフリをしてンだよ!!」

上条「わかんねえよ!! まだ一歩しか踏み出してねえのに何で勝手に感動してんだよ!!」

禁書(男湯の方がうるさいんだよ…)

211 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 22:10:03 ID:Ht+zQBjw0 [78/103]
ステイル「さて…まずは背中の洗いっこをしようか」

一方通行「なン…だとォ…? つ、つつつつつまり親友になるための儀式を…」

ステイル「ああ、術式の準備は完成した。後は行使するだけさ…」

上条「誰か助けてくれ…ツッコミが間に合わねえよ…」

一方通行「ってことは、当然1番先頭は当麻だろ?」

ステイル「ああ、そこは揺ぎ無いね。でも、肝心は…」

一方通行「誰が当麻の後ろを取るか…」

ステイル「その通りさ…」

212 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 22:11:44 ID:Ht+zQBjw0 [79/103]
ステイル「さあ、どうする? 僕はどんな勝負事でも負ける気はしないよ?」

一方通行「ふざけンじゃねェぞ。俺の友への思いは誰にも負けねェよ…」

ステイル「ふん、その割りにずいぶん自信が無さ気だね? 臆病風にでも吹かれたかい?」

一方通行「なっ!? 誰が臆病だ!! お、俺は全然ンな事はねェぞ!!」

ステイル「じゃあ、さっさと勝負しようか。何にする?」

一方通行(考えろ…学園都市第1位の頭脳を使ってこいつに勝てる戦いを探すンだァ…)

一方通行(何だ…? 俺がこいつに勝ってるモンってのは………)

上条「お前らいい加減にしろよ? 俺寒いんだけど」

一方通行(当麻……ン!? 当麻…だと!? ………わかったぜェ)

一方通行「ありがとよ。当麻のおかげで勝機が見えたぜ」

上条「は?」

213 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 22:12:48 ID:Ht+zQBjw0 [80/103]
一方通行「………」

ステイル「ほう…僕に勝つ手段を見つけたのかい」

一方通行「………あァ」

ステイル「じゃあ、教えてもらおうか? 君の勝つ勝負とは?」

一方通行「こいつだァ」スッ

ステイル「何だ…? 道を譲ってる…?」

一方通行「見てわかンねェか? テメェのために当麻の背中を洗う権利を譲ってやってンだよ」

ステイル「何…? はっ…まさか!!」

一方通行「ぎゃはははははは!!!!! 今更気がつきやがったか!!
      そのとォりだァ…俺はこうやってテメェに権利を譲る事で俺がどれだけ友情に熱いかを証明してンだよォ!!」

ステイル「な、なんだってー!!!!」

214 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 22:14:18 ID:Ht+zQBjw0 [81/103]
ステイル「バカな…僕の唯一のキャラ立ちしてる友情に熱いというところを…」

一方通行「あァ。わりィが吸収させてもらったぜェ?」

ステイル「くっ…ではお言葉に甘えて、上条当麻の背中を全力で洗わせてもらう…」

一方通行「あァ。そォしなァ! 俺はテメェの背中のめんどォを見てやっからよォ!!」

ステイル「ありがとう。では、背は任せたよ?」

一方通行「何を今更…当然だァ」

上条「…もういいか?」

ステイル・一方通行「ああ、十分だ」

215 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 22:16:20 ID:Ht+zQBjw0 [82/103]
上条「ふぅ…良い湯だなぁ…」

一方通行「たまには反射を切るのも悪くねェな…」

ステイル「そうだね~……って、あれ? 今反射を切ってるのかい?」

一方通行「あぁ、切ってるぜェ~…ふゥ~…」

ステイル「えい」バシャ

一方通行「ぐが、な、何しやがる!!」

ステイル「ふん! 油断してる方が悪いのさ!!」

一方通行「上等だテメェ…テメェなンざ反射なしでも勝てンだよォ!!」バシャバシャ

ステイル「ぶわっぷ!! や、やるじゃないか。お湯が目に入って涙目になったじゃないか。これでくらえ」バシャシャ

一方通行「ぎゃははははは!!!! 何だ何だ何なンですかァ!? そんな程度じゃ俺には当たらねェよォ!!」

ステイル「バカな…僕の水しぶきが…」

禁書(男湯は相変わらず五月蝿いんだよ…でも、ちょっと羨ましいんだよ…)

216 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 22:18:26 ID:Ht+zQBjw0 [83/103]
上条・ステイル・一方通行「ぷっはァァァァああああああ!!!!」

上条「やっぱり風呂あがりはコーヒー牛乳だなぁ」

ステイル「何を言ってるんだい? イチゴ牛乳に決まってるだろう」

一方通行「テメェらはバカなンですかァ!? 牛乳に勝るもンなンざねェンだよォ!!」

上条「なんだと? んなもん信じられっか!! コーヒー牛乳が最強なんだよ!!」

一方通行「あァ!? たまには人の言葉を信じやがれ!! 牛乳が1番うめェンだよォ!!」

ステイル「ふん。醜いね。僕はこのイチゴ牛乳が最強と自負してるからいいのさ」

一方通行「バカじゃねェのか。イチゴ牛乳とかただの牛乳から生まれた偽者じゃねェか。ンなモンのどこがいいンだか…」

ステイル「聞き捨てならないね? ちょっと表出ようか」

上条「今のはコーヒー牛乳信者の俺も遠まわしに責めてるな? よし、表行くぞゴラァ」

禁書(脱衣所の間は壁があるのにまる聞こえなんだよ。1番はやっぱりコーヒー牛乳なんだよ)

217 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 22:19:36 ID:Ht+zQBjw0 [84/103]
 ―4人の部屋―

女将「失礼します~。ご夕食をお持ちしましたー」

上条「お、やっと飯か!」

ステイル「ようやくかい。まったくどれだけ待たせたと思ってるんだ」

禁書「待ちくたびれたんだよーーーー!!!!!」

一方通行「ケッ。ンなことでいちいち騒ぐンじゃねェよ。(うおおおおおおお刺身あるじゃん刺身いいいいいい!!!!)」

218 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 22:20:53 ID:Ht+zQBjw0 [85/103]
上条「よし、じゃあ、いただきますするか!」

禁書「そんなの待てないんだよ!! 先手ひっしょ…」ガシ

一方通行「調子に乗ってンじゃねェぞ…それに何だその箸の持ち方はよォ…ちゃんと行儀良くしようや…なァ?」ピキピキ

禁書「わ、わわわわわわかったんだよ!! だから、この掴んだ腕を放してほしいんだよ!」

ステイル(何で一方通行はこんなに怒ってるんだ…?)

一方通行(刺身様の前でンな行儀のわりィ姿見せられっか…絶対に許さねェ…)ゴォォォォ

上条「うお、一方通行がすんげえオーラ出てるぞ…でも、インデックス。ちゃんといただきますはしような?」

禁書「わかったんだよ…」

219 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 22:22:22 ID:Ht+zQBjw0 [86/103]
全員「いただきま~す」

禁書「おいしいんだよー!!!! ………え?」ガツガツ ガシ

一方通行「テメェ…俺をおちょくってンのかァ? あァ? お刺身をそンな粗末に食うンじゃねェ…」ゴゴゴゴゴ

上条(やべえ、今の一方通行には逆らっちゃいけないオーラが…これが本当に臆病者なのか?)

ステイル「ふ、隙有り…だね」ヒョイ パク

一方通行「あーーーーーーーーーー!!!!!!! て、メェ…お、俺の刺身を…お刺身様をォォォォォおおおおお!!!!」

ステイル「食事中に油断する君が悪いのさ」パクパク

一方通行「」ブチ

上条「あれ? なんか今まるで脳の血管がまとめて全部切れた音が…?」

一方通行「テメェだけは…絶対に許さねェ…」

禁書(あ、あくせられーたが怒りが頭に溜まりすぎて、血の涙を流してるんだよ…)

220 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 22:23:31 ID:Ht+zQBjw0 [87/103]
 ―夕食後―

上条「………不幸だ…」

一方通行「………なンていうか…ごめンなさい…」

ステイル「………本当にすまなかった…」

禁書(大暴れしたあくせられーたを止めに入ったとうまのご飯が全部まとめて駄目になったんだよ…流石に可哀想なんだよ…)

上条「………いいよ…俺は…明日の朝飯に全てをかけるからよ…」

一方通行・ステイル「………」

禁書(あの二人が大人しく反省してるんだよ。凄いんだよ…)

221 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 22:24:35 ID:Ht+zQBjw0 [88/103]
上条「ふ…ふふふ…」

禁書「? どうしたの? ついにとうまも切れすぎて、血の涙が流れるのかな?」

上条「うおおおおおおおおおおおお!!!! 枕投げすっぞおおおおおおおおおおおお!!!!」

禁書「…え?」

一方通行・ステイル「待ってましたあああああああああああああああああああ!!!!!」

禁書「…え? ………え? 何で二人も待ってたの?」

上条「一方通行は反射禁止な!! したら絶交だかんな!!」

一方通行「ンなもン当たり前だろうが!! それよりもステイルも変な力使うンじゃねェぞォ?」

ステイル「ふん。枕投げとは自分の力量だけで戦うものさ。そんな無粋な真似はしないさ」

222 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 22:25:49 ID:Ht+zQBjw0 [89/103]
上条「まず上条選手…一投目…投げたああああああああああ!!!!!!」ブン

ステイル「ふん。その程度で僕をしとめる気かい? 無駄さ!!」バシィィン

一方通行「ほォ。受け止めるたァ、やるじゃねェか」

ステイル「当然さ。…“灰は灰に、塵は塵に、吸血殺しの枕投げ”!!」ブォン

一方通行「速い…! けどなァ…あめェ!!!」バシィィィィィィン

ステイル「バカな…僕の必殺が…!?」

一方通行「~~~。結構来るじゃねェか…」ビリビリ

一方通行「けどなァ…俺は変わるンだよォ…昔とはちげェ…臆病者だなンて…2度と言わせねェ!!」ブゥゥゥン

上条「ああ、お前は変わろうと必死だ。けどな…テメェの思いがまだまだその程度だってんなら俺がその幻想をぶち殺す!!」バッッッッシィィィン

ステイル「あの速度の枕を右手一本で!? …なるほど…あれが噂に聞く『枕殺し』…」

禁書「もう訳がわからないんだよ…」

223 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 22:27:26 ID:Ht+zQBjw0 [90/103]
 ―消灯時間―

上条「さて、寝るためにこっちの狭いスペースに…」

ステイル「待ちなよ。どうして狭いスペースに行くんだい?」

一方通行「そォだぜ? どォして行く必要があンだよ?」

上条「え?」

ステイル「大体こっちは3人なんだ。そこで寝るにはとても無理だよ」

一方通行「そォだ。…っつう訳だ。大人しくそこに入っとけ」

禁書「なっ!? い、いやなんだよ!!」

224 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 22:28:50 ID:Ht+zQBjw0 [91/103]
上条「そうだぞ? 俺たちは男なんだぞ? こういう役を俺達が引き受けるべきじゃねえか?」

禁書「とうま…」

ステイル「まぁ、待ちなよ。インデックスは居候なんだよ?」

上条「それがどうしたんだよ」

一方通行「何で家主の当麻よりも広々と寝れンだよ」

上条「そりゃ女の子だから…」

ステイル「目を覚ますんだ!!」

上条「!?」

225 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 22:30:14 ID:Ht+zQBjw0 [92/103]
ステイル「女の子だから、たったそれだけで君は浴室で寝たり、今だって狭いスペースに押し込まれる気かい?」

一方通行「いい加減目ェ覚ませよ。そォいうンは男女差別だぜ? 女だからどうとか完全にそうじゃねェか?」

ステイル「僕は知ってるんだよ? 君がインデックスのために家では浴室で寝たり…朝には自分の分のご飯も食べられたことだってある」

一方通行「もォ十分じゃねェか。今みたいに学園都市にいない間くらい広々と寝たってよォ?」

ステイル「君の頑張りは十分に評価されているんだ。もう無理をしなくてもいいんだ」

上条「お前ら…」

一方通行「…もォ今から何をすればいいかは…わかったな?」

上条「ああ、おかげで目が覚めた」

禁書「…と、とうま…?」

一方通行・ステイル(計画通り…)

226 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 22:31:51 ID:Ht+zQBjw0 [93/103]
上条「悪いなインデックス。これも運命だ」

一方通行「(よっしゃああああああああああ!!!! これで俺達は広々と寝れるー!!)」

ステイル「(我ながら完璧な説教だ…これも上条当麻のおかげだね)」

一方通行「(さァ、当麻がどンどンインデックスへと近づいていくぜ?)」

ステイル「(悪いねインデックス。愛情と友情は別物なのさ)」

上条「………なぁんて引っかかるかああああああああああああああ!!!!」

一方通行「なン…」ステイル「だと…」


227 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 22:33:12 ID:Ht+zQBjw0 [94/103]
上条「残念だったな…テメェらが最後の最後で心の中で呟いてると思ってたことが口から出てなかったら、危うく騙されたぜ」

一方通行「クソが…浮かれすぎたかァ…」

ステイル「そのようだね…だけど、どうやってその狭いスペースに三人で入るんだい? 無理だよ?」

上条「こうすんだよ!!」

一方通行・ステイル「なっ――――

228 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 23:25:28 ID:Ht+zQBjw0 [95/103]
 ―翌日朝―

上条「う~ん…」ジリリリリリリ

一方通行「電話なってるよ~…」

ステイル「誰か出てくれないかな~…」

上条「………ヤバイ」

一方通行「どうしたの…って(あ、あぶねェ。寝起きでつい緩ンでて口調が戻っちまってた)」

ステイル「…ああ、わかった。理解したよ」

上条「昨日頑張りすぎたな…」

一方通行「クソが。テメェのせいじゃねェか…」

ステイル「まったくだよ。まさか3人一緒に1つの布団でグルグル巻きにして、無理やり詰め込むなんてね」

上条「おかげで体は密着状態…流石に暑いな…」

一方通行「とりあえず、どォやって出るか考えようぜェ?」

229 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 23:26:33 ID:Ht+zQBjw0 [96/103]
ステイル「燃やすかい?」

上条「アホか。俺がいるから消えるだろ」

一方通行「そォいう問題じゃねェだろ」

上条「じゃあ、俺の『幻想殺し』で…って、しまった!! 布団は異能の力じゃねえ!!」

一方通行「テメェはもっと考えてから発言しろ」

ステイル「う~ん。考えてみたら指一本も動かせないからルーンを胸元から取れないね」

一方通行「取れたら、どォすンだテメェは?(ルーンなンて意味知らないけど)」

上条「ああもう! じゃあ、どうすんだよ!!」


230 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 23:27:38 ID:Ht+zQBjw0 [97/103]
一方通行「俺に任せなァ! 俺がベクトル操作で…」

上条「おお、ベクトル操作万能だな!!」

ステイル「流石だね。学園都市第1位」

一方通行「へッ。まァな。………あ」

上条「どうした!?」

一方通行「………当麻の右手が布団に触れてるせいで能力使えねェ…」

上条・ステイル「………」

ステイル「こいつだ!! こいつを殺すんだ!! そうすれば全て解決する!!」

上条「おま、ちょ。友情はどうしたテメェ!!」

一方通行「うるっせェンだよォ!! …ちょ、ほンと誰か助けて!! 怖い!!」

禁書「………五月蝿いんだよ」

上条・ステイル・一方通行「ごめん(ン)なさい…」

231 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 23:29:43 ID:Ht+zQBjw0 [98/103]
 ―1時間後―

上条「ったく…結局旅館の人に助けてもらうまで出れないなんて…」

ステイル「それにしても、ついに君のご両親の到着か…緊張するね」

一方通行「ケッ。インデックスはいいのかよォ?(うわ緊張する怖い逃げたい助けてうひゃー)」

上条「いいんだよ。なんか布団出て見たら、布団かぶって寝てただろ? そっとしといてやろうぜ」

ステイル「そうだね。………ん? あ、誰か来たみたいだね」

上条「お、おう。(今の俺は記憶を失ってるからある意味で初めての対面か…)」

刀夜「お。おーい!」

一方通行(きたきたきたああああああああああ!!!! やべえ緊張し過ぎてあががががががが)

232 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 23:30:45 ID:Ht+zQBjw0 [99/103]
刀夜「ん? お友達も来てたのかい。それならそうと言ってくれればよかったのにな」

上条「あ、うん。悪い…」

刀夜「…? やけに他人行儀だな。まるで初対面みたいな初々しさだ」

上条「そ、そんな訳ねえだろ!!」

刀夜「何をムキになってるんだ? とにかくすぐに母さん達も来るからここで待ってようか」

ステイル「あの…初めまして。ステイル=マグヌスです」

刀夜「ああ。初めまして。ずいぶん背の高い外国人さんだなぁ」

ステイル「ははは、よく言われます」

一方通行「………」

ステイル「? おい、何をしてるんだい。早く挨拶するんだ」ボソ

一方通行(き、緊張して喋れねェ…)

233 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 23:32:11 ID:Ht+zQBjw0 [100/103]
刀夜「初めまして、君も当麻のお友達だろう? なにぶん不幸な息子でね。世話を焼くかもしれないけど、よろしく頼むよ」

一方通行「あ、当たり前だァ…当麻は俺の初めての友達なンだよ。言われるまでもねェよクソが(く、口が勝手に…)」

刀夜「そうかい。…ありがとう」

一方通行「いちいち礼なンて言うンじゃねェよ(ししししししまったああああああああ!!!! 緊張し過ぎてやらかしたああああああ)

上条「えーと…実はもう1人連れがいるんだけど…そっちはまだ寝てるから後ででいいか?」

刀夜「ああ、構わないよ」

上条(この人が…俺の父さん…)

234 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 23:33:12 ID:Ht+zQBjw0 [101/103]
刀夜「お、来たみたいだよ」

ステイル「ん? あ、本当だね。元気よく手を振ってこっちに来てる子がいるね」

??「……ちゃーん!」ブンブン

一方通行(あンなに手ェ振って叫んでこけないのか…? 心配だなァ…)

上条「………ん? (あれ? どっかで見たことが…)」

美琴?「お兄ちゃーん!!!!」

上条「は?」 一方通行「え?」

美琴?「お兄ちゃーん!!」ダキ

上条「ぐわ!!」

美琴?「あー!! 会いたかったよー!!!!」

一方通行(どうなってンの…? え? 何で第3位がこンなところに…? って、おっと口調が…って、心の中だしいいかァ)

235 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 23:35:09 ID:Ht+zQBjw0 [102/103]
ステイル「元気な子だね。まるであの子を思い出すよ…」

一方通行「テメェの言ってるあの子ってのはもしかして、あのシスターのことか? そうなら遠くに行った奴みたいな言い方すンじゃねェよ」

上条「な、なななな!!」

美琴?「どうしたの~? お兄ちゃん!」

上条「テメェこそ何してんだよ!! 何だ何だ何のつもりだー!!!!」

美琴?「もう~何言ってるの! 私は私だよ~」

上条「ああもう! 何だその気持ちの悪い猫なで声は!! テメェのあのキャラはどうしたんだよ!!」

美琴?「お兄ちゃん? 何言ってるの?」

上条「はぁ? テメェこそ何言ってんだ…?」

236 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 23:54:03 ID:Ht+zQBjw0 [103/103]
刀夜「当麻! どうしたんだ? この子は紛れもない竜神乙姫ちゃんじゃないか」

乙姫「そうだよ~。お兄ちゃんもしかして私のこと忘れちゃったの…?」

上条「え? あ、いやそうじゃなくて…て、テメェは本当に乙姫ってのなのか!? 信じられねえよ!!」

ステイル「おいおい、何を怒鳴ってるんだい? 全く意味がわからないよ?」

上条「ああ? 何言ってんだ…って、そうかステイルはこいつを見たことがねえからか…」

ステイル「…? 当然だろう? もしかして、昨日枕投げで僕の枕が顔面に命中してバカに…?」

上条「んな訳ねえだろ!! くそ…一方通行はわかるよな?」

一方通行「………わかるけどよォ…目の前のことに頭がおっつかねェっつうか、なンつうか…」

上条「しっかりしろよ!! それでも学園都市第1位なのかよ!!」

一方通行「ンなこと言われてもなァ…」

??「あらあら、当麻さん的には久しぶりに会う乙姫ちゃんに抱きつかれるのが恥ずかしいのかしら?」

上条「…あ?」

238 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/23(月) 00:27:14 ID:tGPqcILk0 [1/45]
刀夜「やぁ、母さん! その服似合ってるじゃないか」

上条「………あ、れ…?」 ステイル「………え?」タバコポロリ  一方通行「………ハァ…?」

禁書?「あらあら、刀夜さんったら…」

上条「テッメェ…」ビキピキパキベキ

上条「こんなところで何してやがる!! さっきまで部屋でぐーすか寝てただろ!! どうやって抜け出したんだ!!
    っつうか何だそのミセスでせにょ~るな喋り方は!! 何だ何だ何ですか!? 俺をおちょくってんのか!?
    何だよ親子対面っつうから楽しみにしてみりゃ…クソッ、俺の疑い深い性格の理由が今やっとわかった気がするぜ…」

刀夜「コラ当麻!! お前こそ何だ? 母さんに向かってその口の聞き方は?」

上条「…へ?」

刀夜「母さんに向かって、その口の聞き方は何だと言っているんだ!」

上条「………」

一方通行(おいおい、ショックのあまりに固まっちまってンじゃねェか…)

239 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/23(月) 18:33:24 ID:tGPqcILk0 [2/45]
上条「えーと…父さん? 父さんはこのちんちくりんの…
    R15の映画館に入ればたちまち追い出されてしまいそうなこれが俺の母さんだと?」

禁書?「あらあら、当麻さん的には母さんが歳よりも若く見えるのかしら」

上条「そして、今俺の背にしがみついてるビリビリ中学生が…俺のいとこの竜神乙姫ちゃんだと?」

乙姫「ビリビリ中学生ってなぁ~に?」

刀夜「ああ。間違いなく母さんと乙姫ちゃんじゃないか。他の誰だって言うんだ? 一体どうしたって言うんだ当麻」

上条「………」

刀夜「………?」

上条「ふ、ふふふ…」

ステイル(ん? あの笑いは吹っ切れたときにこみ上げてくる笑いだね)

上条「ふっざけんじゃねええええええええええ!!!!!」

一方通行(こりゃ切れるわ…)

240 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/23(月) 18:34:48 ID:tGPqcILk0 [3/45]
上条「よってたかって上条さんの純粋無垢ないたいけな少年の心を弄びやがって!!
    だー、くそぅ。小萌先生が言ってたから、最近色々あったし、人の言葉を信じてみようかなと思えばやっぱりこれだ!!
    人のことなんて簡単に信じるんじゃかったよクソッ!! あー、気分悪い!! 先に宿に戻ってるぞ一方通行! ステイル!!」

一方通行「あ、あァ…(マジギレする当麻なンざ初めて見たぞ…って最近友達になったばかりだから当然か)

ステイル「…わかった。(…これからはおちょくるときは加減しよう。あんなに怒られたら僕はとても立ち直れないよ)」

刀夜「当麻のやつどうしたんだ…?」

乙姫「さぁ…?」

一方通行「…? (当麻があそこまでキレたのにまったく意味がわかってねェよォな顔をしてやがる…? どォいう事だァ…?)」

上条「んぎゃあああああああああああああああ!!!!」

ステイル「ん!? 何だ!?」

241 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/23(月) 18:36:10 ID:tGPqcILk0 [4/45]
上条「テメェまで何してやがる…」

御坂妹?「お帰りなさいませ~」

一方通行「何事だァ? って、ゲッ」

ステイル「ん? この顔、乙姫ちゃんと似てないか?」

刀夜「どうもどうも、到着が遅れてしまって…」

偽アウレオルス?「ようこそいらっしゃいました…」

上条・ステイル「我が友よ!」

一方通行「?」

偽アウレオルス?「おや、お連れ様がお目覚めの様ですね」

上条・ステイル・一方通行「…? …………んぎッ!?」

青ピ?「とうまー、お腹すいたよ~ご飯まだ~?」

上条・ステイル・一方通行「ぎ、ぎぎぎぎぎぎぎゃああああああああああああああああああああ!!!!!!!!」

242 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/23(月) 18:38:22 ID:tGPqcILk0 [5/45]
 ―海―

乙姫「お兄ちゃ~ん! 海綺麗だよ海ー!!」バシャバシャ

上条「………」

ステイル「………(あれが学園都市第3位と聞いた時は学園都市終わったと思ったね。まぁ、第1位がこの調子だし、ありえるかな)」

一方通行「………(あれ、第3位が可愛く見えるぞ? あれ? 何かそそるものを感じるぞ? ヤベ、デジカメ忘れたな…)」

上条「………(はぁ…この茶番は一体いつまで続くんだよ…御坂は御坂で相変わらずまだ妹キャラやってるし…)」

一方通行「…チッ。あのガキずっと当麻に手ェ振ってやがる。仕方ねェ、俺が相手してきてやるから、テメェらはここで待ってな」スタスタ

ステイル(…あいつ絶対に欲情してるぞ。大丈夫なのかな…?)

刀夜「落ち着いたか当麻? 何を思い悩んでるか知らんが、お前にはこんな愉快な友達がいるんだ。何も思い悩むことはない」

乙姫「きゃー! お兄ちゃん顔怖い~!!」バシャバシャ

一方通行「待てよ~!! 待たないとベクトル操作しちゃうぞォ~!!!(ヒャッハー!!! 楽しいぜェー!!!!)」

上条「………愉快過ぎて笑えねえよ…」

243 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/23(月) 18:45:02 ID:tGPqcILk0 [6/45]
刀夜「そうだ、これをやろう。出張でロシアに行った時に買ったお土産だ。どうだ? なかなか面白いだろ?」

上条「面白くもなんともないわ…。そんなので喜ぶのは赤ん坊くらいなモンだ!」

禁書?「あらあら、当麻さん的にはお父さんのセンスが通じないのかしら?」

ステイル「………おふぅ」ドブゥゥゥ

上条「いぃッ!? こっちは鼻血の噴水!?」

刀夜「やぁ、母さん! なかなか似合うじゃないか~」

上条「こ、これはテメェのセンスか!! やっぱりテメェのセンスは1つ2つくらいぶっ飛んでんじゃねえか!!」

刀夜「いやね、出張ばかりしてると日本の女性は大胆さがないと言うか…って!! いきなり何をする当麻!!」

上条「今確信したぜ!!俺の親父はただの駄目親父だと!! 信じちゃいけない人なんだと!!」

??「ふんふんふんふんふふ~ん♪」

上条「こ、の…声…は…」

刀夜「お~。来たぞ。お前のお友達の… 上条「ぶっ殺す!!!!!!」シュタタタタ

244 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/23(月) 18:49:42 ID:tGPqcILk0 [7/45]
一方通行「なンだァ? って、うわ…青ピの野郎が首だけになってンぞ…」

乙姫「白いお兄ちゃん、どうしたの? えい」バシャ

一方通行「何でもないよ~。うん。お兄ちゃんちょっと油断してたな~。ほら見てごらン。水のベクトルを操って…」

乙姫「?」

一方通行「おい、そこの鼻血赤毛野郎! こっちにきやがれ!!」

ステイル「なんだい? 僕は今幸せいっぱいだから、大抵の事は許すよ?」

一方通行「ちょっと、待ちなァ! こうやってベクトルを水の中で乱反射させて…『螺旋丸』!!!!!!」ドゴォォォォン

ステイル「うぎゃああああああああああ!!!!」クルクル バタ

乙姫「すっごぉぉぉい!! 赤毛のおじさんが回りながら飛んでったよ!!」

一方通行「ざっとこンなモンだァ…って、ン? あれ? 当麻が帰って行くなァ…俺はもう少しここにいるかァ」

乙姫「え? お兄ちゃんが? あ、待ってよお兄ちゃん!!」タタタ

一方通行「あ………。ま、待てよ当麻!!」ダッ

245 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/23(月) 18:51:23 ID:tGPqcILk0 [8/45]
 ―宿内―

上条「まったく…あんなとんでも親父とは思ってもなかった…って、ん!?」

一方通行「待てよ、当麻。乙姫ちゃんが心配してンぞ…って、ハァ?」

上条「こ、このテレビに出てるのあの蛙顔の医者…」

一方通行(…どォなってンだァ? 流石にドッキリとかそういうレベルを超えてンぞ?)

上条「なッ!? 小萌先生!?」

一方通行「………オイ、当麻」

上条「ぎゃああああああああ、いつかに見たテレポート女!!」

一方通行「…頭の電子信号のベクトルを操って……冷静になりやがれェ!!」

上条「はッ!? おい、一方通行!!」

一方通行「あァ。こいつァ…何か変だ。俺はステイルを呼んでくる。一緒にちょっと外を見に行くぞ」

246 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/23(月) 18:53:33 ID:tGPqcILk0 [9/45]
ステイル「………変だね」

上条「………だろ? いくらなんでも何かのドッキリってレベルを超えてやがる」

一方通行「…オイ、クソババアがセーラー服着て歩いてるぞ…」

上条「…あっちなんて、幼女が同人誌読んでるぞ…」

ステイル「………何かおかしい。魔術の匂いがするよ」

上条「テメェ…もしも、これが魔術のせいならテメェさっさと気づけよ!!」

ステイル「ごめんね。友達がすぐ近くにいるとどうも、自分が魔術師だって忘れてね」

一方通行「テメェら何言ってンだァ?」

上条「戯言」

一方通行「意味わかンねェ…」

乙姫「お兄ちゃん!」ガバ

上条「うわ!!」

247 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/23(月) 18:56:39 ID:tGPqcILk0 [10/45]
乙姫「ほら、去年のお正月の写真だよ! これで私のこと思い出してくれた?」

上条(どう…なってんだ…? 写真と明らかに違うじゃねえか…気づいてねえ?)

一方通行(決まりだなァ。こいつァドッキリだとかそういうモンじゃねェ。誰かが何かをしやがったンだ)

ステイル(…ん? この気配は…)

乙姫「…もう…大丈夫? 今日のお兄ちゃんなんか変だよ?」

一方通行「当麻は実は階段から落ちて、一時的に記憶が曖昧になってンだ。もう少しすりゃ治るから気にすンじゃねェ」

乙姫「あ、そうなの? ごめんねお兄ちゃん。そんなこと知らなくて…」

上条(一方通行ナイスフォローだ!)

一方通行(伊達に友達やってねェよ)

ステイル「ちょっといいかな? 少しあっちの方に行きたいんだけど」

上条「…? いいけど、何だ?」

ステイル「それは…行ってからのお楽しみさ」

248 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/23(月) 18:57:40 ID:tGPqcILk0 [11/45]
上条「…うわ、何か立ってるぞ…」

一方通行「何だァ? 水着かァ? 海で泳ぎましょうってかァ?」

ステイル「………あれ、魔術師だよ」ボソ

上条「…はぁ? 何でこんなところに…って、あ?」

??「問1、術師はあなたか?」

一方通行「テ、メェ…」

上条「あ、やめろ一方通行!!」

??「問1をもう1度、術師はあなたか?」

??「待ってください。その少年だと決め付けるのは早計です」

ステイル(ふ、やっぱりいたか。この変態拷問女は誰か知らないけどね)

??「ふぅ~。間に合ってよかったにゃ~」

上条「この声は…」

249 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/23(月) 19:03:59 ID:tGPqcILk0 [12/45]
上条「土御門!! 神裂!!」

土御門「しかも、ちゃんとこの俺が土御門元春だって見えてるようだぜよ?」

神裂「ええ…しかし、正しくあなたを認識していると言うことはやはり…」

土御門「いやいや、ねーちん。カミやんの体の何処にこんな大掛かりな魔術を使った痕跡が残ってるにゃー」

神裂「どうやら、私達同様に難を逃れた者のようです」

神裂「私は『必要悪の教会』所属、神裂火織です。ここに来た理由はあなたと同じで、歪みの中心を見定めたためです」

ステイル「なるほどね、やっぱりこの異変はここを中心に起こってるんだね?」

神裂「…! ステイル! 何故ここに!?」

ステイル「ふん。僕はここに何かが起きると先読みして、先に潜伏しておいたのさ(お泊り会があると聞いて…ね)」

神裂「…本当は上条当麻と遊びたかっただけなんでしょう?」

ステイル「…! そこに気づくとは…流石『聖人』だね…恐れ入るよ」

一方通行(どこにいても、ステイルはバカっつうことはわかったな)

250 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/23(月) 19:10:13 ID:tGPqcILk0 [13/45]
神裂「とにかく、その少年を術師と決め付けるには無理があります。とりあえず、その凶器を下ろしてもらえませんか?」

ミーシャ「………」スッ

上条「はぁ…寿命が3年縮んだ…不幸だ…」

ミーシャ「ロシア成教『殲滅白書』の魔術師、ミーシャ=クロイツェフ」

土御門「んにゃー!! 『殲滅白書』のメンバーをこんなところでお目にかかれるとはにゃー!」

ミーシャ「問1、この少年が術師でないとする根拠は」

ミーシャ「問2、この男が術師でないとするなら、術師は誰か」

上条「ちょ、話が全然見えないんですがー!? っていうか! 何で土御門がここに!?」

一方通行「俺達と遊びたかったンだろ?」

ステイル「なるほどね。これで繋がった訳だ」

251 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/23(月) 19:14:34 ID:tGPqcILk0 [14/45]
神裂「………この少年は魔術師ではなく、超能力者。超能力者が魔術を使えば、それだけで…」

上条「っていうか! 殺されかけた俺をお前らはスルーですか!? 何とか言えやテメェ!!」

神裂「………とりあえず、座って話でもしましょうか」

上条「…やっぱり無視かよくそぅ…」

ステイル「めげることはないよ。話しかけていれば、きっと心を開いてくれるさ」

一方通行「ドンマイだァ。当麻!」

252 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/23(月) 19:19:21 ID:tGPqcILk0 [15/45]
神裂「では、当事者たちに状況を把握してもらうために…」

ステイル「親睦会かい? いやぁ、いいね。あ、ちょっとカキ氷買ってくるね」

一方通行「…みぞれ味のカキ氷頼む」

土御門「俺はレモン味だにゃー」

ステイル「僕をパシリと思ってないかい? …まぁ、いいだろう。買ってこよう」

神裂「………当事者にまともな人がいなかった…ミ、ミーシャ。先程の問についてですが…」

ミーシャ「問1、あなたは変態なのか」

一方通行「いいや、変態じゃねェ。むしろ、友達思いの良い奴だぜェ?」

土御門「でも、一方通行からは俺と同じ臭いがするにゃー!」

上条「何言ってんだテメェらは…。あ、ちなみにどっちかというと俺が1番友達思いだな!」

神裂「………増援呼びたい…あ、無理でした…」

253 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/23(月) 19:27:06 ID:tGPqcILk0 [16/45]
ステイル「さぁ、待たせたね。カキ氷だ」

土御門「待ってたにゃー!」

一方通行「はしゃぐンじゃねェよ!!(み・ぞ・れ♪)」

ミーシャ「問2、それはおいしい?」

一方通行「おォ、うまいぜェ? なンなら1口食うか?」

ミーシャ「………」パク

一方通行「どォだ?」

ミーシャ「第1の解答ですが、これは甘くておいしいですね」

一方通行「だろォ? だからやめられねェンだァ」パクパク

神裂「………皆さん、そろそろ本題に…」

上条「テメェらいい加減にしやがれ!!」

254 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/23(月) 19:28:07 ID:tGPqcILk0 [17/45]
上条「俺の分のカキ氷ねえじゃねえか!!」

ステイル「だって、僕に頼まなかったから、いらないのかなーと」

土御門「これはカミやんが悪いにゃー」

上条「だァァァああああああああああ!!!!! 不幸だああああああああああああ!!!!」

神裂(不幸なのはこのメンツに囲まれた私です…)

255 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/23(月) 19:30:39 ID:tGPqcILk0 [18/45]
上条「さて…カキ氷も食ったし、そろそろ本題に行くか」

ステイル「君は食べてないけどね」

上条「やかましい。それで、今は一体どうなってんだ? 神裂さんよ」

神裂「………今とある魔術が世界規模で広がっています。構成、術式も不明。我々はこの魔術を『御使堕し』と名付けました」

一方通行「…『御使堕し』?」

神裂「ええ、セフィロトの樹という言葉を知っていますか?」
 ~中略~
上条「なるほど、わからん」 ステイル「僕もさっぱりだ」

一方通行「テメェは魔術師ってやつなンだろ? 何でわかンねェンだよ…」

上条「ステイルはともかく、そもそも俺は魔術なんて信じてねえからなぁ」

神裂「え、まだそんなことを言ってたんですか?」

上条「そりゃ俺は魔術=超能力の亜種って勝手に決め付けてるからなぁ」

一方通行「なるほどなァ。そういう認識でいいのか。ラクだなァオイ! カキクケコカキキキ!!!」

256 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/23(月) 19:33:00 ID:tGPqcILk0 [19/45]
土御門「まぁ、何にせよ。カミやんは既にこの魔術の影響を目の当たりにしてるはずだぜ?」

上条「…その影響ってのが外見の入れ替わりって訳か? クソ、疑いたいのに疑う余地なしときやがった…」

一方通行「乙姫ちゃンが元々どンな子でも…俺は白いお兄ちゃンとして接するだけだしなァ」

ステイル「いや、聞いてないからね?」

土御門「カミやん珍しく冴えてるぜよ。つまり、今は天使が落っこちてきた影響で人間の世界の見た目と中身が
     バラバラにはぐれちまった。さて、イス取りゲームは速い者勝ちだ。
     見た目は我先にと中身に座っていく。その結果…」

一方通行「みんな中身と外見が違うって訳か。ケッ、つまンねェなァオイ」

土御門「誰がどういう理由でこの魔術を発動させたかはわからんが…肝心なのはこの歪みの中心にカミやん。お前がいたって事だ」

神裂「上条当麻と白髪とステイルは『御使堕し』の第1容疑者なのです。この魔術を止めようとする魔術師から先程のミーシャの
    時の様に命を狙われる立場にあるわけです」

神裂「まぁ、だからと言って、この上条当麻だけは犯人であるという可能性は限りなく0です。
    1つ、彼に魔術知識はない。1つ、超能力者が魔術を使った際にかかる負荷の痕跡が見当たりません」

ミーシャ「反論1、この少年は魔術の影響を受けていない」

257 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/23(月) 19:35:48 ID:tGPqcILk0 [20/45]
土御門「まぁ、なんつったって、カミやんの右手にはどんな異能の力も打ち消す『幻想殺し』が宿ってるんだからな!」

上条「そっか! それで俺達3人は大丈夫だったのか! って、なんで土御門が俺の右手の事を…」

神裂「…? とりあえず先に、それで俺達3人は大丈夫だったのか! と言った意味を教えてもらえませんか?」

ステイル「それは僕から説明するよ。僕達は昨日の夜から今日の朝にかけて3人一緒に布団でグルグル巻きになって、寝てたんだ。
      完全に密着状態だったから上条当麻の右手が僕たち二人の体にも当たって、その『御使堕し』を防いでくれたんだろうね」

神裂「………あなたたちは一体何をしていたんですか…」

ミーシャ「反論2、本当にそうなっていた証拠がない」

ステイル「だったら、緑髪のオールバックの従業員にでも聞くがいいさ。僕達は彼が朝に助けに来るまでずっと密着状態だったからね。
      それに、布団なんかもよく見てもらえば、僕達三人の髪が多分ついてるんじゃないかな。
      ついでに僕達3人は寝ぼけてて、従業員がその頃には既に変わっていただろうけど…気づかなかったね」

上条「正確にはもうすぐ親父が来るってわかっていたから、準備に忙しくて気にも留めてなかったからだけどな」

土御門「ふ~ん、色々あったんだにゃー…」

258 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/23(月) 19:40:05 ID:tGPqcILk0 [21/45]
上条「とにかく話が逸れちまったけど、何で俺の右手を知ってんだよ!?」

ミーシャ「………」ブツブツ

土御門「カミやん、気をつけろよ?」

上条「あ? 何言ってんだよ?」

土御門「う・し・ろ♪」

上条「あ?」クルリ

一方通行「何だありゃ!? 水が当麻へ目掛けて…クソが!!」バッ

ステイル「待ちなよ」ガシ

一方通行「ああ!? 何でだよ!?」

ステイル「……まぁ、見てなよ」

上条「うわあああああああああ!!!」バッ バシューン

一方通行「何だ…? 水が当麻の右手に触れた瞬間にただの海の水に戻りやがった…?」

259 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/23(月) 19:41:07 ID:tGPqcILk0 [22/45]
ミーシャ「正当。この解を容疑撤回の証明手段として認める。少年。誤った解のために刃を向けた事をここに謝罪する」

土御門「さてと。容疑は晴れても、カミやんを中心に『御使堕し』が展開してる事には変わりはないぜよ。
     術師はカミやんの近くにいる可能性が高い」

神裂「これほどの魔術を術師単体で発動させているとは考えにくい。恐らく…」

上条「何だこれ。魔術なんて信じてねえけど…本当にそんな世界に入り込んだみたいな話になってるなぁ…」

一方通行「さっき当麻が言ってたみたいに魔術を超能力の亜種で脳内変換すれば結構違和感ねェぜ?」

上条「お前は適応が早すぎるんだよ、クソッ…」

260 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/23(月) 19:42:07 ID:tGPqcILk0 [23/45]
上条「とにかくテメェは何なんだよ土御門! 何で超能力者が魔術師と仲良くお話してるんだよ!
    何で俺の右手のこと知ってんだよ! さっきから俺のことスルーしてて、結構傷ついてるんだぞ!!
    答えろよ、土御門!」

土御門「いやー。だからな、カミやん」

ステイル「………君が『必要悪の教会』の一員だから…だよね?」

土御門「おいおい、俺が言いたかったことを何で先に言うんだにゃー…」

ステイル「そこは…僕がアホだからさ」

土御門「ああ、納得だにゃー」

一方通行(ステイルって何でこンなアホなンだ? もしかすると本当は逆にすげェ天才なのかァ?)

261 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/23(月) 19:43:08 ID:tGPqcILk0 [24/45]
 ―夜、宿屋―

上条「………」

上条(土御門のやつ…スパイだったのか…全く知らなかった…)

上条(ステイルも教えてくれなかったから…というか神裂も…)

上条(電話したときとか確かに聞かなかったけど…)

上条(って、待てよ…土御門の言葉を信じるのか? スパイとか堂々と言うんだぞ? 嘘かもしれない)

上条(…だけど、嘘って証拠もねえ…それにあっちには証人が二人もいる…。そう、『必要悪の教会』に所属する神裂とステイル…)

上条(だー、くそ…どんどん自分が変わっていきやがる…人を信じるのに抵抗が無くなってる…)

上条(どうなってんだ? 一体いつからこうなってきた…? ………わからねえ…)

土御門「お悩みかい? カミやん」

上条「…土御門か」

262 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/23(月) 19:44:22 ID:tGPqcILk0 [25/45]
土御門「一体どうしたんだ?」

上条「………わからねえ。最近、自分のことがわからなくなってるんだ」

土御門「どういうことだ?」

上条「お前が俺に自分はスパイだって言ったときに、実は素直に信じそうになったんだ」

土御門「…」

上条「それで、俺は自分で思ったんだ。あれ? 俺ってこんなに素直だったか? って。
    だってさ、俺は少し前まではもっと人の話を疑って…とにかく質問攻めばっかりしてた。
    それなのに今じゃ話を少し聞いただけで人の話を鵜呑みにしちまう…どうかしてるよ」

土御門「………そんなことはないぜ?」

上条「え?」

土御門「人を信じることの何が悪い? 人間なんだから人を信じるのは当然だぜ?
     カミやんは少し疑い深いだけで、普通の人間なんだから、人を信じたりもするだろう。
     それとも、まだ誰も信じたことなんてないのか?」

上条「俺は…」

263 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/23(月) 19:46:24 ID:tGPqcILk0 [26/45]
上条「俺は…俺の友達を信じている。お前がスパイだろうが、何だろうが結局は俺の友達だって事実は変わらねえんだろ?」

土御門「ああ、当然だ」

上条「だったら、俺はその言葉を信じる。テメェは俺の友達だ」

土御門「そうか」

上条「………ところで、みんなのところには行かないのか?」

土御門「行きたくても行けないにゃー。俺とねーちんは咄嗟に防御結界を張ったが、完全には防ぎきれなかったにゃー」

上条「…つまり?」

土御門「今の俺は一一一に見えるらしいぜよ」

上条「一一一ってあのチャラいアイドルか? それじゃあ、神裂は…?」

土御門「………ふっ。実はな―――

264 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/23(月) 19:47:59 ID:tGPqcILk0 [27/45]
上条「…え? 何だって?」

土御門「だから、偽者じゃなくて、本物の方のアウレオルスに見えるらしい」

上条「何だそりゃ、性別変わってるじゃねえか。歳は一緒だけど…あ! 歳つながりか!」

土御門「その辺はわからないけどな!」

上条「ははは、そりゃいいや! って、え? さっきお前結界張ったって言ったか? 超能力者に魔術は使えないんじゃ…?」

土御門「ああ、だから、体はボロボロだぜ?」ピラ

上条「これはひどい」

土御門「今度魔術使えば、体がボーン。確実に死んじまうぜ」

土御門「あ、そうそう。カミやんの口癖の不幸だって言うあれ。ねーちんの前では自粛してくれないか?」

上条「俺からキャラを奪う気か? やめておけ。凡人になるぞ」

土御門「いや、そういうんじゃなくてだにゃー」

265 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/23(月) 19:52:24 ID:tGPqcILk0 [28/45]
土御門「ねーちんはカミやんとの全くの逆。幸運過ぎて、その幸運が許せないんだにゃー」

上条「嘘だな。あいつとは時々電話で話すけど、そんなの聞いたことねえよ」

土御門「ふぅー…いや、実際にそうなんだよ。ねーちんは『聖人』っつってな。もう生まれた時点で幸運なんだにゃー」

上条「そういや…みんな神裂のことを『聖人』とかそんなこと言ってたな…」

土御門「詳しくはステイルにでも聞いてくれ」

上条「…? わかった」

  ―1つ下の部屋―

一方通行「(…ケッ。盗み聞きは趣味じゃねェが…土御門の言ってる意味わからねェぜ)…あ、それポン」

ステイル「また鳴くのかい? 一体何を狙っているのかなっと、お、リーチだ」

刀夜「む、もうかい? …安全牌で行くか…」

禁書「ふふふ、完全記憶能力の私にはみんなが捨てた牌で何を狙ってるのかまるわかりなんだよ!」

神裂「………(運が良すぎて、仲間外れにされました…寂しい…)」

266 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/23(月) 20:18:10 ID:tGPqcILk0 [29/45]
上条「なんだよ…これ…」

一方通行「ケケケ!! 弱すぎンだよテメェらは!!」

ステイル「くそ…まさかタンヤオの13連チャンで倒されるとはね…」

刀夜「悔しいな…君は本当に凄いな!」

禁書「そんなバカな…なんだよ…」

上条(男4人がむさ苦しく麻雀やってやがる…)

上条「って、あれ? 神裂は?」

ステイル「風呂だってさ」

上条「ふ~ん。ミーシャはどこだ?」

ステイル「ミーシャなら…」

267 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/23(月) 20:20:33 ID:tGPqcILk0 [30/45]
上条「よぉ、こんなところで何をしてんだ?」

ミーシャ「………」

上条「その服エロいな、どう? 一発やってかね?」

ミーシャ「………」

上条「………」

ミーシャ「………」

上条(くそう!! 何で俺はこいつが部屋にいないことで心配なんかしたんだ!! 無視しかしねえじゃねえか!!)

上条「あ、そうだ。…えっと、これ食う?」スッ

ミーシャ「………」スッ オソルオソル

上条「…んで、『御使堕し』について何か他にわかったことあるか?」

ミーシャ「…」フルフル

268 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/23(月) 20:21:35 ID:tGPqcILk0 [31/45]
ミーシャ「少しだけならわかる。この『御使堕し』は未完成」

上条「え? そうなのか?」

ミーシャ「天使の力は、たった1人でバチカンを壊滅させるほど」

上条「問1、それは本当ですか?」

ミーシャ「解答1、本当」

上条「問2、証拠を見せてください」

ミーシャ「解答2、天使にまつわる本でも読めばわかる」

上条「問3、それじゃあ答えになってないです」

ミーシャ「解答3、もうめんどくさい」

上条「問4、許しません」

ミーシャ「」イラ

269 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/23(月) 20:24:02 ID:tGPqcILk0 [32/45]
上条「とにかく完成したら、何が起こるんだ?」

ミーシャ「解答4、大変なことになる」

上条「お前実は俺こと嫌いだろ。だから、そんな投げやりなんだろ? わかるぞ俺」

ミーシャ「解答5、どちらかというと、微妙。先程部屋でやった麻雀でビリだったので不機嫌なだけ」

上条「あいつらのせいかよ…って、その大変なことになるって、絶対に起きるのか?」

ミーシャ「解答5、絶対に起きる。これは断言できる」

上条「………そうか。…止めないとな」

ミーシャ「………」コクリ

270 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/23(月) 20:25:36 ID:tGPqcILk0 [33/45]
 ―翌日―

禁書「とうまーとうまー、とうまがお部屋にいないんだよー」

禁書「昨日の夜から帰ってないみたいなんだよー」

禁書「とうまー、おごッ!!」

上条「ん? 何か…」

土御門「もたもたするなカミやん!」

上条「おっとそうだった! いくぞ!」

ステイル「ああ!」

一方通行「ヒャッハー!!!!!」

禁書「………うぅ…ひどいんだよ…」

271 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/23(月) 20:27:10 ID:tGPqcILk0 [34/45]
 ―宿屋、玄関―

上条「うおおおおおおおお!!!!!! って、ん?」

刀夜「そうか…困ったなぁ」

上条「こんなところでどうしたんだ?」

刀夜「おぉ、当麻か。いやね、母さんが家の玄関の鍵を閉め忘れたんだって」

詩菜「行って戸締りしてきますわ」

ミーシャ「問1、同行しても構わないか?」

詩菜「あらあら、ミーシャちゃんは私の話し相手になってくれるのかしら。いいわ。一緒に行きましょう」

ミーシャ「………」コクリ

上条(ミーシャ…どういうつもりだ?)

刀夜「奥ゆかしい子だね。昨日の夜はどんな熱い夜だったんだ? 当麻」

上条「なぁッ!? 見てたのかよ変態親父!!」

272 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/23(月) 20:28:59 ID:tGPqcILk0 [35/45]
刀夜「良い雰囲気だったじゃないか。彼女にあのガムを上げたのは好印象だったんだろう」

上条「…ガムでしか釣れない俺って…」

刀夜「しかし…本当に奥ゆかしい子だね。何せ、ガムを取るときにお前の手に触れようともしなかったんだからな」

上条(手…? ………そういや、あの時に何であんな恐る恐る俺の右手に触れない様にガムを取ったんだ?)

刀夜「まぁ、何にせよ。まずは朝飯と行こうか、なぁ当麻!」

上条「…悪い、ちょっと考え事があるから!」ダッ

刀夜「あ、当麻! …行ってしまったか。何なんだ?」

273 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/23(月) 20:35:30 ID:tGPqcILk0 [36/45]
土御門「どうしたんだカミやん? 急に呼び出して」

上条「あのさ土御門。『御使堕し』についてどれくらいわかってる?」

土御門「突然だなぁ。えーと…正直詳しくはわかってないにゃー。英国図書館にもほとんど書き込みがされてないからにゃー」

上条「…実は昨日ミーシャと話をしてたんだ」

土御門「…? それで?」

上条「あいつさ。話してると、この『御使堕し』はまだ未完成だって言ってたんだ」

土御門「…未完成?」

上条「ああ、それで完成したら、絶対に大変なことになるって…」

土御門「………大変なことかにゃー…」

上条「それでさ、思ったんだけど…」

274 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/23(月) 20:36:33 ID:tGPqcILk0 [37/45]
土御門「何だにゃー?」

上条「…なんでミーシャにはこの『御使堕し』がまだ未完成ってわかったんだ…?」

土御門「…!」

上条「そんな英国図書館でも載ってないようなことなのに…なんでミーシャは『御使堕し』を未完成と言い切って
    更に大変なことになるだなんて…なんで知ってるんだ…?」

土御門「…」

上条「しかも、最初話しかけても無視されたから、ガムで釣ろうと思って、食うかって聞いたんだ」

土御門「…それで?」

上条「ミーシャに右手でガムを差し出したんだ。すると、右手に触れない様にガムを取ったんだ」

土御門「…これはもしかすると…」

275 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/23(月) 20:50:00 ID:tGPqcILk0 [38/45]
上条「俺の話を信じてくれとは言わない。けどな、もしも、ミーシャが『御使堕し』を発動させた本人だとしたら…」

土御門「カミやんの右手に触れて…『御使堕し』を打ち消されたくなかった…?」

上条「…どうだ?」

土御門「………カミやん。ミーシャは?」

上条「母さんと俺の家に向かってる」

土御門「…そうか。よし、案内しろ」

上条「…おう!」

276 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/23(月) 20:51:28 ID:tGPqcILk0 [39/45]
上条「父さん! 俺の家って何処だっけ!!」

刀夜「今度はどうしたんだ…先月引越し先を教えたはずだが」

上条「忘れちまったんだよ!! いいから! 母さんを追いかける。早く教えてくれ!」

刀夜「まったくどういうつもりなんだ…まぁいい。わかった」

土御門「カミやん! 一方通行を連れてきた!!」

一方通行「何だ何だ何なンですかァ? 突然腕引っ張ってきやがって…」

上条「一方通行! 今から言う住所を覚えろ!! 住所は―

一方通行「…? 覚えたぞ」

上条「次にこの地図を見ろ。そして、俺と土御門をこの住所まで案内してくれ!!」

一方通行「あァ? 何言ってやがるン…」

上条「いいから! 頭の良いお前ならできんだろ!!」

一方通行「あ、ああ…」

277 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/23(月) 20:53:42 ID:tGPqcILk0 [40/45]
 ―上空2000m―

一方通行「ヒャッハー!!!!!」

上条「あばばばばばばばば」

土御門「いびびびびびびび」

上条「は、速すぎてえべべべべべべ」

土御門「確かに急げっつったってこれはあばばばばばば」

上条「それにこれどうやってえべべべべべべべべ」

一方通行「へッ、重力のベクトルを操って、宙に浮かンで、後は風のベクトル使って前進してるだけだァ。
      車よりも速ェぜ!! ヒャッハーーーー!!!!」

上条「ってか、お前の体にしがみついてる俺たちのことも考えやがれ!! 落ちたら死ぬぞクソ!!」

一方通行「細けェこたァいいンだよォ!! さっさと行くぜヒャッハーーーー!!!!!!!」

上条「不幸だあああああああああああああああああああ!!!!!!!」

278 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/23(月) 20:57:48 ID:tGPqcILk0 [41/45]
 ―上条宅―

上条「…ここが…俺の家…(そういや引越ししたとか家の住所聞いた時に言ってたな。そうか…生まれた家は拝めないか…)」

土御門「土産物がいっぱいだな」

一方通行「すげェなァ…ここまでいっぱいあるモンなンだなァ…」

上条「…親父の土産マニアっぷりは筋金入りだな…」

土御門「鍵が開いてたから、まだ2人は到着してないんだろう。ここで待つとしよう」

一方通行「………(何だァ? 妙なベクトルを感じやがる…)」

上条「………この部屋にも……ん?」

一方通行「…どォしたァ? って、これは…小さい頃の当麻が書いた絵か。うめェじゃねェか! カキクケキキキカ!!!」

上条「………(…部屋に入って色々見て回ってるけど…やっぱり何も思い出せねえか…)」

279 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/23(月) 21:04:45 ID:tGPqcILk0 [42/45]
上条「あれ? 土御門はそんなところで何してるんだ?」

土御門「…なるほど、そういうことだったとはな…」

上条「何言ってんだ? …これが何かあるのか?」スッ

土御門「触るな!」ガシ

一方通行「テメェ…グラサンかけててちょっと調子乗ってンじゃねェのかァ? あァ!?」

上条「やめろって、何か意味があるんだって」

上条(何なんだ一体…って、ん?)

一方通行「…! お、オイ当麻!!」

上条「………ああ、わかってる。今俺もこの写真を見て違和感を覚えたが…」

土御門「………『御使堕し』の影響を受けないのは…カミやんとその愉快な仲間を除いて、たった1人」

上条「………『御使堕し』の術師だけ…」

280 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/23(月) 21:05:55 ID:tGPqcILk0 [43/45]
詩菜「あらあらあらあら」

上条「母さんが…帰ってきた…」

ミーシャ「…!」タタタ

上条「あ! ミーシャ!!」

土御門「あっ! クソ!!」ダッ

詩菜「まあまあまあまあ!! 一一一!!! 私ファンで…」ダキ

土御門「クソ!! カミやん!! 玄関にいる一方通行と一緒に行け!!
     お前を犯人と疑ったミーシャがお前に何をしたか忘れたのか!?」

上条「…! すまない土御門!! 疑ってる余地もねえな…行ってくる!!」ダダダ

上条「一方通行!!」

一方通行「あァ!? どォした!! 今さっきミーシャとか言う女が…」

上条「説明は相変わらずの上空でだ。さっさと行くぞ!! 俺の父さんの命が危ないんだ!!」

一方通行「…チッ、行くぞ!!」

281 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/23(月) 21:10:17 ID:tGPqcILk0 [44/45]
 ―宿屋前―

神裂「………ん?」

一方通行「一丁あがりィィィィいいいいい!!!!!」ストン

上条「神裂!! ミーシャは!?」ダァン

神裂「土御門から電話で全て聞きました。あなたたちが速すぎてミーシャはまだこちらには帰ってません」

上条「そうか…よし、父さんは!?」

神裂「先程、浜辺でステイルと散歩しているところを見ました」

上条「わかった。…一方通行! 行くぞ!!」

一方通行「わァーってら!!」

286 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/25(水) 10:49:16 ID:+PHilGpQ0 [1/30]
 ―浜辺―

上条「父さん…」

刀夜「…? 当麻か」

一方通行「おい、ステイル」

ステイル「…? なんだい一方通行」

一方通行「ちょっと着やがれ」

ステイル「…? わかった」

刀夜「何だ当麻。戻ってたのか。母さんたちも一緒か? どうだった? 新しい家は」

上条「………」

刀夜「何だ? 怖い顔をして。さては母さんと喧嘩でも―

上条「何でだよ…」

刀夜「ん?」

287 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/25(水) 10:50:36 ID:+PHilGpQ0 [2/30]
一方通行「っつう訳だァ」

ステイル「なるほどね。そんなことがあったのかい。だから、今上条当麻は自分の父親と向き合ってるんだね」

一方通行「そォいうことだァ。こういうのは本人同士でするモンだ。邪魔者は遠くで声が聞こえない程度の距離を取って見守るモンだァ」

ステイル「君もなかなか上手になったね」

一方通行「ふン、テメェらと一緒にいるせいでなァ」

ステイル「はは、違わないね。僕はちょっと調べものをしてくる。ここは頼んだよ」

一方通行「おォ。任せとけェ」

288 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/25(水) 10:52:52 ID:+PHilGpQ0 [3/30]
上条「何でなんだよ…何でオカルトなんかに手ぇ出してんだよ…」

刀夜「おいおい一体…」

上条「白切ってんじゃねえ!! どうして魔術師なんてありもしねえモンの真似事なんかしたんだって聞いてんだ!!」

刀夜「…! ………なるほどな…。さて、何から話そうか…」

上条「………」

刀夜「当麻、お前は小さい頃に周りからなんて呼ばれていたか…覚えているか?」

上条「…悪い…」

刀夜「そうか…。…『疫病神』…だとさ」

上条「…!」

289 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/25(水) 10:55:54 ID:+PHilGpQ0 [4/30]
刀夜「どういう訳か、お前の周りでは不幸なことが連続して起こった。やがて友達ばかりか、その親にまでそう呼び
    遠ざかるようになった。…私がお前を学園都市に入れたのも、それが理由だ。…怖かったんだよ。迷信に突き動かされる
    人の心が…ね。だから…そんな迷信のない世界へお前を…。しかし、あの科学の町でさえ、お前は不幸な人間として
    扱われて来た。科学でさえ打ち消せない不幸を一体どうやったら、取り除けるのか。…そして、私はオカルトに頼る
    ことにした。…ふぅ…滑稽だろう? 迷信を断ち切りたいのに、あの学園都市に入れたのに今また正に迷信にすがり付く
    なんてね…」

上条「…バカクソ親父が…ああ、そうだよ!! 俺は不幸だ。そして、(多分昔のそのイジメのせいで)多分俺は疑い深くにも
    なったんだろうよ!! けどな…たった1度でも後悔してるなんて言ったかよ!? 冗談じゃねえ…どんな目に合おうが
    俺の道は…俺が歩く!! 例えどんなに人間不信に陥ってもまた這い出してやる!! だって、父さんも言っただろ?
    俺には…あんな愉快な友達がいるんだからよぉ…」

刀夜「…! お前は…幸せなのか? …バカだな…私は…。私はお前からその幸せを奪おうとしてたのか…もっとも…あんなお土産
    を集めたところで、何かが変わるはずがないってわかってたんだが…」

上条「…はぁ? ………お、みや…げ?」

刀夜「ああ、もうお土産漁りは止めにするよ」

上条「ちょ、ちょっと待て!! 父さんが『御使堕し』を引き起こしたんじゃ…(何かが…何かがおかしい…!?)」

刀夜「『御使堕し』? それは何処の国のお土産だ?」

290 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/25(水) 10:58:01 ID:+PHilGpQ0 [5/30]
上条「………1つ聞く。今、母さんが何処にいるかわかるか?」

刀夜「何を言ってるんだ? お前が母さんを追いかけていったんだ。お前の方が知ってるんじゃないか?」

上条(…入れ替わりに…気づいていない…? ってことはやっぱり『御使堕し』の影響を…?)

刀夜「やぁ、ミーシャちゃん」

上条「…!」

刀夜「悪かったね、わざわざ母さんに付き添ってもらって」

上条「(ま、マズイ!)待ってくれミーシャ。父さんは誰とも入れ替わってない。…けど周りが入れ替わってることにも
    気づいてないんだ。これって…。…!」

ミーシャ「解答1、自己かいt 一方通行「何しとンじゃテメェェェェェェええええええ!!!!!!」ドゴォォォン がっはァ…!」

上条「…え?」

刀夜「…へ?」

291 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/25(水) 11:00:51 ID:+PHilGpQ0 [6/30]
上条「ちょ、一方通行!! テメェこそ何やってんだ!!」

一方通行「何言ってンだァ!! こいつは…こいつは当麻と親父の間の大事な話の間に割って入ったンだぜェ?
      常識知らずにも程があンだろォ? せめて常識くらいは教えてやるよォォォォ」ビキパキペキ

上条(やべえ、なんか一方通行がまた変なスイッチ入ってる…。何でこいつってこんな扱い難しいんだよ!!)

神裂「神の名をn…って、あれ? ミーシャが既にぶっ飛ばされて…?」

上条「あ、神裂! 良いところに…一方通行が誤解したミーシャに…」

ステイル「ふっ、彼女の名前はミーシャじゃないよ」

上条「何?」

ステイル「ロシア成教に問い合わせたんだけど…ミーシャなんて人物はいないんだよ。ただ…サーシャ=クロイツェフなら
      存在するんだけどね」

上条「どういうことだよ!? じゃあ、あのぶっ倒れてる体はそのサーシャってやつのモンなんだろうけど、その中身は…?」

ステイル「この世にはね。常に性別も決まってなくて常に両性として、神話に描かれる存在がいるんだけど、彼らにとって
      名前とは神によって作られた目的そのものなのさ。無闇に他人と交換ができるはずがないんだよ。目的だからね」

上条「ちょっと待てよ。それってどういう意味だ?」

292 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/25(水) 11:21:20 ID:+PHilGpQ0 [7/30]
ステイル「忘れたのかい? 今展開されてる魔術の名前をさ」

上条「…! 『御使堕し』…」

ミーシャ「…!!」

一方通行「何だァ!? 突然夜になりやがったぞ!!」

ステイル「気をつけろ!! ミーシャは今の一方通行のドロップキックではやられていない! この夜もそうだ。自身の属性強化
      のためのものだ!! 見てみなよ…水の象徴にして、青を司る。月の守護者にして、後方を加護する者…その名は…
      『神の力』!!」

ミーシャ「………」バッ

一方通行「今度は何なンですかァ? あの妙なモンを掲げたら、魔方陣見てェな変な紋章が空に展開されたぞォ!!」

ステイル「…! 『一掃』…!? かつて、堕落した文明をまるごと焼き尽くした火矢の業…」

ステイル「天井に戻るというたった1つの銘のために君はこの世界を滅ぼす気かい?」

上条「ふざけやがって…」スッ

ステイル「…何のつもりだい?」

293 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/25(水) 11:22:49 ID:+PHilGpQ0 [8/30]
上条「あいつは俺の右手に触れようとしなかった。つまり、右手で触れれば消えるんじゃないか?」

ステイル「…無理だね」

上条「なんだと?」

ステイル「あんな天使相手にまともに右手を叩き込む暇があると思うかい? 答えはないよ」

上条「でも…」

ステイル「それに…君には他にやることがあるだろう? …刀夜さんと一緒にこの『御使堕し』を止めるんだ!!
      そうすれば、『神の力』が刀夜さんを狙うことも『一掃』を放つ必要も無くなる。…時間がないんだ
      あの術式が完成する前に早く行け!! 能力者!!」

上条「ステイル…」

ステイル「僕と一方通行が何とかする。だから、さっさと行くんだ!!」

一方通行「ケケケ!! 常識知らずの天使様にはたっぷりとお仕置きってなァ!!」

神裂「ちょ、ちょっと待ってください!! わ、私も戦います!」

294 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/25(水) 11:24:54 ID:+PHilGpQ0 [9/30]
上条「何だ神裂。いたのか」 ステイル「空気過ぎて、気づかなかったよ」 一方通行「男の友情に入ってくンなよ。空気読めよ、帰れよ」

神裂「うぐっ…し、しかし、天使に対抗するには『聖人』たる私が必要だと…」

一方通行「何ですかァそれは? 俺らを見下してンのかァ? テメェはそうやって無意識の中に何人の人を見下して
      きたンだァ?」

神裂「…!」

一方通行「人を見下す様なやつの助けなンざお呼びじゃねェンだよォ!!」

神裂「…くっ…」

ステイル「早く行け!! 上条当麻!!」

上条「…わかった。行くぞ父さん!!」ダッ

刀夜「お、おい当麻…?」ダッ

一方通行「………さァて…当麻も行った事だしよォ…」

ステイル「ああ、そうだね」

一方通行「いっちょかかってこいよォ!! 元ビビリにビビらされて逝っちまいなァ!!」

295 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/25(水) 11:39:16 ID:+PHilGpQ0 [10/30]
ミーシャの背後には海水で氷を形成し、それを翼の様に背後に携えていた。
そして、それを一方通行へと放つ際に巨大な刃の様な鋭利な氷が一方通行へと投げられる。
しかし、一方通行は焦らない。
一方通行は脚力のベクトル操作をし、高速移動でミーシャの攻撃をかわしていく。
チラリと、一方通行はミーシャの背後にある氷の翼の様なものを見る。

一方通行(恐らくああやって、距離を取ってあの『一掃』とか言う力が使えるまで時間稼ぎをするつもりなンだろうなァ)

そう相手の戦闘スタイルを予測すると、一方通行は少し離れた地面に突き刺さった鋭利な氷の元へと駆けていく。
それを見たミーシャは氷を放ち、一方通行の動きを予知しては氷を放つが一方通行には何故か当たらない。
一方通行は考える。相手の力を

一方通行(やつの力は未知数だァ…反射で防げるのかどォかもわからねェ…つまるところは『解析』するしかねェよなァ!!)

一方通行はようやく地面に突き刺さった氷へとたどり着くと躊躇うことなくそれに手を伸ばす。
そして、解析を始めると、一方通行は顔をしかめた。
なンだァこいつはァ…? と一方通行は思った。
まったくの知らない未知のベクトルを感じたからだ。
しかし、この未知のベクトルは何処かで1度感じたことがある。そうそれは――
と、そんな固まって思考していた状態の一方通行へとミーシャは攻撃する。

一方通行(しまっ―――

296 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/25(水) 11:41:57 ID:+PHilGpQ0 [11/30]
 ―宿屋内―

上条「どうなってんだ!!」

刀夜「当麻!! 待つんだ!」

上条(青ピの姿をしたインデックスもビリビリの姿をした乙姫も…眠らされてた様だ…一体どういうことだ…!?)

刀夜「説明してくれ! …一体何がおきてるんだ?」

上条「…いいか父さん。このままだと大勢の人が死ぬ。それを止めるには『御使堕し』を解除するしかない!」

刀夜「だから何だ…? その『御使堕し』ってのは…」

上条「うすら惚けてんじゃねえ!! せめて儀式場の場所くらい教えろ!!

土御門「やめとけよカミやん」

上条「…! 土御門…?」

土御門「ハァ…まだ真相には気づいてないか…ま! 無理もない。カミやんは魔術知識については素人だからな」

上条「…なんだよ…真相って…?」

297 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/25(水) 11:43:36 ID:+PHilGpQ0 [12/30]
上条「…! もしかして、『御使堕し』を発動させたのって…父さんじゃなくて…」

土御門「いいや、犯人は間違いなく上条刀夜、その人だ。本人はまったく自覚がないようだがな…」

上条「自覚がないだって? 『御使堕し』を発動させるには大掛かりな儀式場がいるんだって、上空3000mを飛んでる
    時に説明してくれたじゃねえか」

土御門「そう。儀式場はあった。カミやんの実家に…カミやんにもわかりやすく言うとな。上条刀夜の買って集めた土産物、
     それを風水上に意味のある配置に置くと、その1つ1つの土産物が大きな力となる」

上条「なん…だって…? そんなバカな…嘘だろ?」

土御門「カミやん…俺は風水魔術に関しては天才なんだぜ? その俺が言うんだ間違いない」

上条「だって、そんなことが…父さんにできるはずが…」

土御門「偶然だ」

上条「は? 偶然?」

土御門「『御使堕し』はたまたま発動した魔術に過ぎない。下手するともっと深刻な魔術が発動する可能性だってあった。
     あの魔方陣を破壊するには…一撃で破壊しなきゃならない。でなけりゃ…」

上条「術師を…倒すしかない…?」

298 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/25(水) 11:44:41 ID:+PHilGpQ0 [13/30]
土御門「しかし困った…今の俺には魔術は使えない。まったく…こんな状態で仕事しろだなんて教会も面白い注文をつけてくる」

上条「やらせるか!!」

土御門「やめとけよカミやん。怪我するだけだぞ?」

刀夜「当麻!」

上条「引っ込んでろ!! こいつの言葉が完全に本当とは限らねえ!! 本当は父さんが殺される以外の方法だってあるかもしれねえ!!
    俺は信じねえぞ…誰かが犠牲にならないといけねえなんて…そんな残酷な法則があるのなら、まずはその幻想をぶち殺す!!」

土御門「…ふん!」

299 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/25(水) 11:45:52 ID:+PHilGpQ0 [14/30]
一方通行は確実に死んでいた、ミーシャの氷の翼の一撃によって。

ただし。

それは一方通行とミーシャの間に神裂が割って入っていなければの話だ。

神裂「何をボヤボヤしてるんですか!!」

一方通行「なっ!? テメェ!!」

神裂「相手は天使です。一人で突っ込むなど無謀過ぎます!」

一方通行「だからなンだってンだァ? 『聖人』様お力をお貸しくださいって頼めってかァ?」

神裂「…確かに私は無意識にあなたたちのことを見下していました。そして、それが先程の言動でしょう。
    自分でも愚かだとあなたの言葉でようやく気づくことができました…その借りを返すことの理由で
    参戦してはいけませんか?」

一方通行「…ケッ。勝手にしやがれ」

神裂「ええ。そうさせてもらいます!! では、『唯閃』の使用とともに1つの名を…『Salvare000』!!!!」

ステイル「ようやく準備が出来たよ…」

300 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/25(水) 11:48:57 ID:+PHilGpQ0 [15/30]
一方通行「ステイル! テメェどこ行ってやがったァ!!」

ステイル「ふん。気づかないのかい?」

一方通行「あァ? ………な、なンだと…そこらの地面におびただしい数のルーンが貼られてやがる!! いつの間に!?」

ステイル「『イノケンティウス』を強く顕現するにはルーンの数は多いに越したことはないしね。それに相手はあの天使だ」

一方通行「おもしれェじゃねェか…3人でいっちょ天使狩りと行きますかァ!! ヒャーッハッハッハッハ!!!!!」

神裂「上条当麻が『御使堕し』を解除するまで…それまでなんとしてももたせます。…行きますよ!!」

一方通行「おォよォ!!」

ステイル「『Fortis931』!!!! 出でよ…『イノケンティウス』!!!!!」

301 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/25(水) 11:53:13 ID:+PHilGpQ0 [16/30]
上条と土御門とのお互いの距離は3mほど。少しでも踏み込めば攻撃が当たる範囲だ。
上条は素人丸出しの構えを取ると、土御門はふんと鼻で笑うと同時に一気に踏み込んだ。
そして、その踏み込んだ足で上条の足を思い切り踏んづけた。

上条「がァッ!!」

体重の加わった踏み付けを食らって上条は痛みで表情を歪めた。
そんな上条に土御門は立て続けに攻撃を加える。
握った拳を上条の喉ぼとけに叩き込んだ。
それだけで上条は呼吸困難になりかけた。
苦しんで体をくの字に曲げたときに、土御門は両手をがっちりと合わせて、ハンマーを振り下ろす様に上条の背中へとそれを叩き込んだ。
あまりの衝撃に上条の足は上条の体を支えきれずに地面に倒れこんだ。
そんな倒れた上条の襟元を掴んだ土御門はふすまの方へ放り投げる。

上条「がっはァ…」

土御門「なぁ、カミやんわかるか? 俺は魔術が使えなくなった。これの本当の意味を」

上条「…?」

土御門「つまり、俺は役立たずの無能に成り下がった訳だ。それでも敵は待ってくれるか? …待ってくれないんだ。だから、他の方法で
     開いた穴を埋めるしかないんだ。力を失っても、それでも守りたいものがある。だから俺は諦めずに途中で折れ曲がる様なこと
     はない。真っ直ぐと立っていられるんだ。…カミやんはどうなんだ? 守りたいものはないのか?」

302 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/25(水) 11:56:37 ID:+PHilGpQ0 [17/30]
上条「………あるに…決まってんだろ…」

上条「それがあるから、俺も今こうしてテメェの前で立ってんだ…負けられねえんだよ…」

その言葉を聞くと、土御門はニッと1回笑うと、直ぐに顔を元の顔へ戻した。

刀夜「私に用があるのなら、私にしろ! 当麻には手を出すな…」

土御門「へぇ~」

刀夜「これ以上当麻を傷つけることは…私が許さない!」

土御門「笑わせるな。まさか、この俺に勝てるとでも?」

刀夜「思わない。だが、これ以上当麻を傷つけると言うのなら、私はお前を許さない。
    なぜだかわかるか? 私は上条当麻の父親だからだ!!」

上条「父さん……くっ…」

刀夜「もう止めろ当麻! これ以上私を守ったところで救われる人間なんてどこにもいない」

上条「ふざけんじゃねえぞ…」

303 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/25(水) 11:58:57 ID:+PHilGpQ0 [18/30]
上条「救われる人間ならここにいる…それに母さんも…俺は…上条刀夜の息子だからだ!!」

刀夜「当麻…」

土御門「はっ! やっと良い目になったな! いいぜ、認めてやるよ。これより上条当麻は土御門元春の“敵”だ!」

そう宣言した土御門はまたしても、一気に踏み込んだ。

上条(あの踏み込み足…あれで俺の足を踏まれなければ、まずは隙を作ることはない!!)

上条は右足を後ろに下げ、土御門の足潰しをかわす。

上条(できた!)「うおおおおおおおおおおおおお!!!!」

上条は雄たけびとともに土御門へ全力の拳を放つが、これを土御門は易々と避ける。
そして、避けられたことによって体勢を崩した上条の首へとまたしても、拳を叩き込む。

上条「ごォはァッ!!」

刀夜「…! おおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!! ぐッ…が…ァ…」

上条の苦しむ姿を見た刀夜は土御門へと突進するが、溝を殴られ、簡単に床に伏せてしまう。

304 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/25(水) 12:03:20 ID:+PHilGpQ0 [19/30]
上条「父さん…!」

土御門「…(そろそろ頃合か…)」

上条「おおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」ダァン

土御門「な、に? (まだ立つ力が残っていたのか!)」

上条「ッラァ!!」シュ

土御門(だが、拳の速度が明らかに落ちてる…カミやん。親父さんが目の前でやられて根性だけで…)ヒョイ

上条「ッハ!!」ビュ

土御門「………」ヒョイ

上条「おおおおおおおおおお!!!!」

土御門(なぁカミやん。お前は俺と初めて会った時に言った時に言った言葉を覚えてるか? あんな事を言ったお前が
     今は大切な人のために頑張ってる。ほんと信じられねえ進歩だよ…)

305 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/25(水) 12:04:39 ID:+PHilGpQ0 [20/30]
上条「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」

土御門「はッ!」ドォォン

上条「がッ…はァ…」

土御門「寝てろ。(カミやん、お前は十分頑張った。次は…俺が頑張る番だぜ?)」

土御門「“それでは皆さん、種も仕掛けもあるマジックをご堪能あれ。本日のステージはこちら。
      まずはめんどくせぇ下ごしらえから、それでは我がマジック一座の仲間をご紹介、
      働け馬鹿供。『朱雀』、『青竜』、『玄武』、『白虎』。ピストルは完成した。
      続いて弾丸を装填する。弾丸には飛びっきり凶暴なふざけたくらいの物を、
      ピストルには結界を、弾丸には式神を”」

上条「土…御門? お前…何をして…」

土御門「“トリガーにはテメェの手を…がっはッ!!」

上条「…!! ち、血?」

土御門「言っただろ…カミやん…」

306 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/25(水) 12:06:37 ID:+PHilGpQ0 [21/30]
土御門「『御使堕し』を止める方法は2つ。術師を殺すか、魔方陣を破壊すること」

上条「まさか…テメェ……や、めろ!!」

土御門「カミやんは、神裂によく似てるからなぁ。このくらいしないと『幻想殺し』で絶対に邪魔
     されるとわかってたからな。…殴ってすまなかった。こんな方法を使うとわかれば、全力
     で止めたに違いない。…そうだろ? カミやん。そうでないと守る意味がない。まぁ、
     あんな術式なら、俺の魔術で丸ごと吹き飛ばして…ごほッがはッ!!」

上条「やめるんだ…テメェ1人を失って、幸せになれってか…? ふざけんじゃねえ…言っただろ…テメェは
    俺の大切な友達の1人なんだ。それが欠けるだけで…それだけで駄目なんだ!! お前は…」

土御門「悪い、カミやん」

上条「…あ?」

土御門「俺ってば、実は…嘘つきなんだぜ? それをよく覚えておくんだな」

上条「つち…みかど…土御門おおおおおおおおおおおおお!!!!!!」

307 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/25(水) 13:12:05 ID:+PHilGpQ0 [22/30]
一方通行「なンだァ!? 宿からすンげェ光が…」

ステイル「飛んでいって…」

神裂「爆発した…? …! あっ…」

ステイル「『御使堕し』が解けていく…どうやら、あのアホがやってくれたみたいだね」

一方通行「ケッ。それをテメェが言うかよ…って、こうしちゃいられねェ!! 当麻!!」ダッ

ステイル「なっ!? 抜け駆けして、先に行く気かい!? 待ちなよ。僕も行く!」ダッ

神裂「………ふぅ~………また…借りを作ってしまいましたね…」

308 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/25(水) 13:14:10 ID:+PHilGpQ0 [23/30]
 ―学園都市内蛙顔の病院の上条当麻の病室―

上条「ん…」ムクリ

上条「ここは………そうか。また学園都市に戻ってきたのか。ん? 書置き?」

上条「………あの蛙顔のおっさん…皮肉でも言いてえのか…?」

上条「って! 土御門!!」

上条「………そうか…。土御門は魔術を使って…バカ野郎…」コンコン

上条「ん? 誰だ…? どうぞ」

土御門「カミやーん! 大丈夫かにゃー?」

上条「………は?」

309 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/25(水) 13:15:23 ID:+PHilGpQ0 [24/30]
―――
――


土御門「という訳ぜよ」

上条「なんだよそれ…真剣に心配した俺がバカみたいじゃねえか!!」

土御門「まぁ、そう怒るな。代わりといってはなんだが…連れて来てやったぜ?」スッ

上条「一体誰をだ…って、かあ…さん?」

刀夜「やぁ当麻。体の調子はどうだ?」

詩菜「具合はどう? 当麻さん」

上条「え、あ…いや…いい加減に病院慣れしたというかなんというか…」

詩菜「あらあら、それを慣れなれても、親としては心配なのよ?」

刀夜「でも、元気そうでよかった。お前の無事に比べれば、家が吹っ飛んだのもいとわないさ」

上条「は? 家が?」

310 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/25(水) 13:18:32 ID:+PHilGpQ0 [25/30]
詩菜「謎の大爆発でお家が丸ごと吹っ飛んじゃったの」

上条(………あ、土御門が儀式場を丸ごと吹っ飛ばすために!?)

刀夜「だから、家が建て直されるまでは、またあのアパートに逆戻りさ」

詩菜「たまたま前の部屋が残ってたのよ」

上条「アパート?」

詩菜「ええ。あなたが生まれた。あなたが散々狭くて嫌だって愚痴ってたあのアパートよ」

上条「………そっか。(ある意味よかったな。もしかすると、そのうち自分の生まれ育った家を見れるかもしれないんだからな)」

311 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/25(水) 13:20:00 ID:+PHilGpQ0 [26/30]
 ―同時刻、別の場所にて―

一方通行「だァーから、その遠まわしに人を見下す言い方を止めろっつってンだよォ!!」

神裂「で、ですから私は私なりにそれを止めるためにあなたに聞いてるんじゃないですか!」

ステイル「はぁ…神裂が珍しく僕の友達に会いたいって言うからなんだろうと思えば…なんだい? 実は何か企んでるんだろう?」

神裂「ええ。実はこの無意識に『聖人』の私と他の人たちを比べるような考えを捨て去りたいんです。そして、完全にそれを無くせ
    れば、あそこに帰ることだって…」

ステイル「ふぅん。天草式のことかい。なるほどね、事情はわかった。よし、一方通行」

一方通行「俺には話が見えねェよ…で、何だァ?」

ステイル「彼女を僕達の仲間に入れて、彼女の仲間達の元へと帰れる様に教育をお願いしたいんだけど…いいかな?」

神裂「え? 待って下さい! 別に私をあなたたちのお馬鹿集団に入れなくても…」

一方通行「神裂が自分の仲間の元へ…ねェ。いいぜェ? 面白そうじゃねェか!! 神裂の仲間ってのも見てェしなァ!!」

神裂「あーもう!! 何で一方通行も簡単にOKサイン出すんですか!! ある意味不幸です…」

312 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/25(水) 13:24:17 ID:+PHilGpQ0 [27/30]
 ―とある場所―

禁書「あ、あくせられーた!」

一方通行「あン?」

禁書「とうまが何処にいるか知らないかな? ちょっと色々あってね…」

一方通行「………テメェはまた当麻を噛む気か」

禁書「だって、許せないんだよ! 首を絞められるし、首まで埋められるし、ドアに挟まれたし!」

一方通行「…なァ」

禁書「ん?」

一方通行「当麻は今回もまた色ンな人を救ったンだぜ? テメェがぐうすか寝てる間になァ。だから、今回は許してやれよ。
      それに当麻はようやく元の姿の母親と感動の再会を果たしてンだ。水をさすな」

禁書「………(元の姿って言うのが意味が少しわからないんだよ…でも…)」

一方通行「わかったら、このまま俺についてきやがれ。…当麻の家まで送ってやっからよォ」

禁書「……………わかったんだよ…」

313 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/25(水) 13:25:46 ID:+PHilGpQ0 [28/30]
 ―病院、刀夜と詩菜帰宅から30分後―

青ピ「なんや。カミやんもこの病院に入院しとってんなぁ?」

上条「ああ。今日から入院だ」

青ピ「今回は何しでかしたん? カミやんはいっつも何かしら起こすからね」

上条「土御門にボコボコにされた」

青ピ「ビックリした!? 土御門クンになんで殴られたん!?」

上条「んー、これがまた色々とあってなぁ…」

青ピ「いつかのあの緑オールバック君が使ってたああいう妙な力に関わったからなん?」

上条「………いいや、違う。そんなモンとは関わってねえ」

青ピ「ほんまに? カミやんは何かしらあるからね」

上条「だって、俺は魔術なんてそんなけったいなモン、信じてないんだからな」

 ―第4巻完―

314 名前:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします[] 投稿日:2010/08/25(水) 13:31:28 ID:+PHilGpQ0 [29/30]
 ―ただいまの上条勢力―

上条当麻
ステイル
神裂火織
一方通行
青髪ピアス
土御門元春
偽アウレオルス(故人)
御坂美琴(仮):一応は上条当麻と一方通行が実験を潰してくれたことに感謝はしてる状態
御坂妹、以下残り19999人の『妹達』:実験を中止にしてくれたことにより上条勢力入り。お馬鹿集団入りはまだしていない。

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なんかこのシリーズ好きですw

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