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麦野「美琴、私のものになりなよ」【2】
3 名前: ◆S83tyvVumI[sage] 投稿日:2010/07/20(火) 02:28:21.63 ID:Ic6YbRYo
【前スレまでのあらすじ】
学園都市が誇るレベル5、麦野沈利と御坂美琴。
退屈を持て余していた2人の少女はある日突然再会してしまった。
美琴は恋愛相談をするうちに気の合う友人として麦野を慕い、信頼を置いてゆく。
一方麦野は他人を壊すことしか知らない自分が、どう美琴と触れ合えばいいのか分からずにいた。
しかし二人の関係を大きく変える事件が起きる。
美琴の想い人、上条当麻への失恋。
自暴自棄となった美琴の前に現れる麦野は、まるで心の隙間を埋めるかのように甘言で惑わし
彼女を恋人という名の所有物としたのだった。
未経験故に手探りで距離を縮めるしかない2人はやがて恋の奈落へと堕ちてゆくが……。
『原子崩し』と『超電磁砲』、2人の乙女が交差するとき、物語は始まる―――!
【前スレ】
麦野「美琴、私のものになりなよ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1277566104/
【前スレまでのあらすじ】
学園都市が誇るレベル5、麦野沈利と御坂美琴。
退屈を持て余していた2人の少女はある日突然再会してしまった。
美琴は恋愛相談をするうちに気の合う友人として麦野を慕い、信頼を置いてゆく。
一方麦野は他人を壊すことしか知らない自分が、どう美琴と触れ合えばいいのか分からずにいた。
しかし二人の関係を大きく変える事件が起きる。
美琴の想い人、上条当麻への失恋。
自暴自棄となった美琴の前に現れる麦野は、まるで心の隙間を埋めるかのように甘言で惑わし
彼女を恋人という名の所有物としたのだった。
未経験故に手探りで距離を縮めるしかない2人はやがて恋の奈落へと堕ちてゆくが……。
『原子崩し』と『超電磁砲』、2人の乙女が交差するとき、物語は始まる―――!
【前スレ】
麦野「美琴、私のものになりなよ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1277566104/
【レス抽出】
対象スレ:ID:Ic6YbRYo
1 名前:カザキリ様がみてる ◆S83tyvVumI[sage] 投稿日:2010/07/20(火) 02:23:27.65 ID:Ic6YbRYo [1/3]
「ブチコロシ」
「かくていね」
さわやかな夜の挨拶が、淀みきった黒い空にこだまする。
カザキリ様のお庭に集う乙女たちが、今日も悪夢のような残酷な笑顔で、路地裏の死線をくぐりぬけていく。
血肉にまみれた心身を包むのは黒い色のAIM拡散力場。
鮮血と臓物はまき散らさないように、死体は決して残さないように、しっかりと処分するのがここでのたしなみ。
学園都市裏通り…ここは乙女の園…
ごきげんよう。
百合の花咲き乱れる学園都市の裏路地へようこそお姉様方。
当スレをご覧になる際は以下の三点に御注意下さいませ。
・スレタイ通りの電磁崩し(麦野×御坂)です
・百合要素MAXなので苦手な方はご注意ください(男も出るので百合に男はいらん!という方も)
・エロ表現、暴力表現ありありなので気をつけてください
それでは今回もよろしくお願いいたします。
28 名前:カザキリ様がみてる ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/21(水) 00:09:09.22 ID:BIfS58go [1/24]
『美しければそれでいい』
某百合(?)アニメのOPですが、これが自分の中での百合のイメージソングですw
くちびる白昼夢等いろんな曲の話が出ていたのを思い出したのでなんとなく。
タイトルのセンスが素晴らしいです。
その一言にすべてが集約されていますね。美しければそれでいいのです。
遅れましたが、ごきげんようお姉様方。
今日は投下せず書きためようと思っていたのですが、新スレで何も投下されていないのもどうかと思うので、
ちょろっとだけ投下しておきます。
ここから何回かはあまりストーリー動かないので特に深く考えずに見ていただければと。
30 名前:あ、言い忘れましたがエロ注意です。 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/21(水) 00:15:09.34 ID:BIfS58go [2/24]
―麦野宅 9:00―
カチャカチャ… カチャカチャ… ジュー…
麦野「ん……」 ゴロリ
麦野(……朝か……。美琴は……) チラリ
麦野(あれ……いない……) ムクリ
コトコトコト……トントントン
御坂「あ、沈利さんおはよー。もうすぐ朝ごはん出来るからね」
麦野「……はよ。何アンタ、ほんとに作ってくれてんのね」 ファ~ァ
御坂「沈利さんが作ってって言ったんじゃないの。顔洗って歯磨きしてきなさいよ」
麦野「はーい。シャワー浴びたいんだけど」
御坂「ご飯食べてから。私が片付けしてる間にしてね」
麦野「分かったわよ。顔洗ってくる」
33 名前:9日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/21(水) 00:18:14.95 ID:BIfS58go [3/24]
ガチャッ バタン
キュッ ジャー
麦野(……新妻みたいね。でも起きたとき誰かが近くにいるのは悪くないわ……) バシャバシャ
麦野(今日の朝ごはんは何かしら。この匂いはお味噌汁ね。朝から手間かけてくれてるわ) ハミガキコニュルッ シャコシャコシャコ
麦野(こいつ寮出ていっそここで暮らせばいいのに) シャコシャコシャコシャコ
麦野(でも中学生を家に連れ込んで……変な噂でも立ちそうよね) シャコシャコシャコ
麦野(いやいや、まだ手は出してないわよ? ……キスして乳は揉んだけど……ペッティングはセーフかしら?) シャコシャコ…ペッ!
キュッ ジャー
麦野(けどどうせそのうち手出すんだから一緒か……出せんのかしら私に) ガラガラガラ…ペッ!
麦野(あいつの体綺麗だったな……。私とは全然違う……こんな血にまみれた体が触れたら申し訳なくなるわね……) ガラガラ…ペッ!
麦野(でも抱きしめたいな……もっと美琴に触りたいし……触って欲しい……悶々とするわねー……) ムラムラ
麦野(一週間前までは全然そんなこと考えなかったのに……) クスッ
ガチャッ バタン
34 名前:9日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/21(水) 00:19:08.88 ID:BIfS58go [4/24]
麦野「洗顔歯磨き終わったわよー」
御坂「よろしい。こっちもご飯できたわよ」
麦野「美味しそうね。今日のメニューはなにかしら」
御坂「焼き鮭と卵焼き、ほうれん草の胡麻和えに玉ねぎとジャガイモのお味噌汁」
麦野「やった、鮭だー!」 パァッ
御坂「……っ」
御坂(な、なんて可愛い反応なのかしら……。鮭大好物なのね。
確かに冷凍庫にまる一匹入ってたし切り身も山ほどあったけど)
麦野「ハッ……コホンッ、よ、よしそれじゃ食べましょうか。いただきます」 パチッ
御坂「はいいただきます」 パチッ
麦野「鮭~♪ 鮭~♪」 ホグシホグシ
御坂「そんなに鮭好きなの?」
35 名前:9日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/21(水) 00:22:32.08 ID:BIfS58go [5/24]
麦野「うん、大好きー♪
こんなに魅力的な食べ物がこの世に他にあるかしら?いや無いわ。
ほどよく引き締まって脂の乗った身。様々な調理法で楽しめる食卓のエース。
美しい赤はまるでルビーを彷彿とさせる煌びやかな輝きを放っているわ。
世の中フグだの鯛だのマグロだの言ってるけどさ、結局最後は鮭なのよね。
だってこいつ赤い癖に白身魚なのよ? そういうひねくれたところもちょっと素敵。
知ってる? 鮭の身の赤ってこいつらが食う餌の色なの。オキアミとかを餌にしているから、
殻に含まれるアスタキサンチンが蓄積されて育つにつれて身が赤くなっていくのよ。
だから稚魚の鮭は白身なんだって。すごいわよねー、食べたもんの色が体に着くなんて。
ってことは私らがワインを毎日口にしたら肉の色がちょっと紫がかるとか?
まるで腐った肉みたいね。ビタミン取りまくったら黄色くなるとか? ないない。
まそんなことはどうでもよくってさ、やっぱ鮭と言えば焼き鮭よ。
ちょっと辛口くらいの塩気たっぷりがたまらない美味しさね。ご飯何杯でもいけるっていうか、
むしろご飯いらない。鮭をおかずに鮭を食える。
カラッと上げて甘酢あんかけにしたり、みぞれ煮にしたり、もちろんお鍋、ムニエルやカルパッチョも
素晴らしいわ。でもあえて私が推したいのは鮭フレーク。これね。
この鮭フレークをかけたご飯と塩鮭があれば私は生きていける。
毎食これでもいいくらい。いやいやほんと。これを生み出した人間は天才よ。人類最大の発明と
言っても過言では無いくらいよ。鮭という神が生み出した奇跡の産物と、鮭フレークという人類の英知の
集合体が食卓に揃った時そこは既にサンクチュアリなのよ。
つまり天然の塩鮭と科学の産物鮭フレークが交差する時物語は始まるの、分かる?
結局のところ何が言いたいかと言うと、鮭ってほんとに素敵よねってことで、大トロだのフグ刺しだのと
言う前にもっと身近にある鮭の偉大さに人類は気付くべきなのって話なのよ。
あなたもそう思うわよね?」
御坂「うん。沈利さんの言う通りだと思うわよ」 シレッ
36 名前:9日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/21(水) 00:23:56.97 ID:BIfS58go [6/24]
麦野「よねー。あんたは話が分かる奴だと思ってたのよ」 ニコニコ
御坂(二度と鮭の話はふらないでおきましょう)
麦野「それはそうと美味しいわね。卵焼きも綺麗に焼けてるし、お味噌汁もしっかりダシが利いてるわ」 ズズッ
御坂「まあねー。昨日美味しいもん食べさせてもらったし、お礼よ。って言っても冷蔵庫の中身勝手に使っちゃったけど」
麦野「いいわよ充分充分。まさか本当に作ってくれるなんて思ってなかったし」
御坂「喜んでくれたみたいでよかった。また作りに来てあげるわよ」
麦野「あ、そか。アンタ今夜帰るんだっけ」
御坂「門限までにはね。まあ追い出されるかもしれないけど」
麦野「うちはいつ来ても構わないからね。ま、家賃代わりにアンタには色々と衣装を用意しておくけど」
御坂「はぁ? なんでよ。それなら家賃払うわよ」
麦野「私が見たいから。とりあえず裸エプロンとメイド服ね。これは家事するときは常に着てもらうから。
あとは状況に応じて色々と用意していくわ」
御坂「あんた女なのにそんなの見て嬉しいの? 男だけじゃないの?」
麦野「好きな子のエロい姿は見たいでしょ誰だって」
37 名前:9日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/21(水) 00:25:18.87 ID:BIfS58go [7/24]
御坂「好きな子……」
麦野「あら、そこに食いついてくれて嬉しいな。ま結局脱がすんだけどねー」
御坂「勘弁してよ。沈利さんが着てくれるんだったら私も考えるけど」
麦野「はぁ? 嫌よふざけんな。どうしてアンタのメイドになんかならなくちゃいけないわけ?
アンタが私に媚びなさいよ。無い乳寄せて必死こいて私を誘惑するアンタが見たいの」
御坂「ほんと酷い人よねあんたって」
麦野「なんとでもいいな。私はアンタのあられもない姿を見られればそれでいいんだよ」
御坂「はぁ……何でこんな人好きになっちゃったんだろ」
麦野「その言い方は心外ね」
御坂「あっそ。いいよ別に。沈利さんは私に好きだって言ってくれるもんね。
素直に言われると嬉しいもんよ」
麦野「気付くのがちょっと遅かったわね」
御坂「遅くてよかったのよ。おかげで沈利さんと付き合えたんだもん」
麦野「あらあら可愛いこと言うじゃない」
御坂「もう言わないからね。さ、食べて片付けして遊ぼ遊ぼ」
38 名前:宇宙一無駄な伏線回収 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/21(水) 00:27:24.16 ID:BIfS58go [8/24]
―10:00―
御坂「さて、パパッと片付けも終わったわけだけど……」
麦野「今日今から何する? DVDでも見る?」
御坂「アダルトは無しよ」
麦野「さすがに持ってねえよ」
御坂「良かった。何があるの?」
麦野「んー、スプラッタ映画結構好きなんだけどね。あとは普通の洋画がそれなりに」
御坂「何でもいいわよ」
麦野「じゃあこのマキシマム・ザ・カミノウセキのDVDを……」
御坂「ちょっと待った。前も聞いたことあるわね。何なのそのバンド」
麦野「オシャレでPOPなバンドよ」 ニコッ
御坂「その笑顔は嘘をついてる顔だぜ」
麦野「ごちゃごちゃうっさい。何でもいいっつったのアンタでしょ。いいから見るわよ」 ウィーン…
御坂「ったく。まいいけど。沈利さんの好きなアーティストだからオシャレなのは当たってるかも……」
39 名前:9日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/21(水) 00:28:51.38 ID:BIfS58go [9/24]
ワーワーガヤガヤ
御坂(お、始まった始まった……)
麦野「あ、美琴。ここ座りなよ」
御坂「ここって……沈利さんの脚の間じゃない」
麦野「後ろからギュッてしたげる」
御坂「い、いいわよ……」
麦野「いいから来る。アンタ抱き心地が程よいのよね」
御坂「……もう」 ポフッ
麦野「はいいらっしゃいませ。ん、アンタの髪いい匂いがする……」 スンスン
御坂「嗅がないでよ……くすぐったい」
麦野「あ、ほら始まったわよ。ちゃんと見ときなさいね」 ギュッ
御坂「聞いてないんだから……真っ暗よ?」
麦野もう出てくるわよ」
御坂(ふぅん、結構大きなとこでライブやってるのね。カミノウセキってどういう意味なのかしら)
40 名前:9日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/21(水) 00:31:03.87 ID:BIfS58go [10/24]
ワァァァァァァァァァァァァッ!
御坂「お、きたきた」
御坂「何か赤青緑黄色の個性的な人たちね……」
麦野「あ、音量注意ね」
御坂「へ?」
ヴォォォォォォォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!
御坂「!?」 ビクゥッ
麦野「やっぱ朝一発目に聞くテッラのデスボイスはいいわねえ」
『異教徒燃やす燃やす~♪ 異教徒燃やす燃やす~♪』
御坂(なによこの歌。でも会場はめちゃめちゃ盛り上がってる……)
麦野「テンション上がるわよねー」
御坂(あがらないわよ)
御坂(ボーカルは緑色のトカゲみたいなオッサンがキャーキャーうるさいし、ギターボーカルは無駄に屈強だし、
ドラムの女の人はピアスだらけでなんか怖いしベースは一人だけ涼しげな顔してる……)
41 名前:9日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/21(水) 00:33:21.02 ID:BIfS58go [11/24]
『恋の国バチカンから、魔術的な手段でやってきました★(キャピッ)』
ワァァァァァアアアア!
御坂(え、何この黄色い人。顔面ピアスまみれなのにそういうキャラなの?)
麦野「あはは、ヴェントウザ可愛いわねー」
御坂(あー、そういう演出か……しかしこういっちゃなんだけど、全然オシャレ感は無いわね。そこがいいとこなのかしら?)
麦野「アンタカミノウセキ聴いたことない?」
御坂「知らないわねー。人気あるの?」
麦野「まあ好きな人は好きって感じかしら」
『ぶっ信仰する 貴様らぶっ信仰する 貴様らぶっ信仰する 貴様らぶっ信仰する!』
御坂「っていうかすごいわね、人がもみくちゃで逆さまになってるじゃない」
麦野「楽しそうよね」
御坂「そう? 痛そう。沈利さんがこういう音楽聴くのって意外。クラシックとか好きそうなのに」
麦野「私暴力的なものが好きなのよ」
御坂「なるほど。妙に納得」
42 名前:9日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/21(水) 00:35:01.97 ID:BIfS58go [12/24]
麦野「アンタはどんなの聴くの?」
御坂「私あんまり音楽聴かないからねー」
麦野「ははぁん、さては例のゲコ太のテーマとかじゃないでしょうねー?」
御坂「……」 ソッポムキッ
麦野(まじかよ……)
『ギロチンアスカロン~ギロチンアスカロン~♪』
ワァァァァァ モミクチャモミクチャ
御坂「い、いいでしょ別に!」
麦野「カラオケとか行かないの?」
御坂「あんまり行ったことないかも。黒子達とたまにって感じかしら」
麦野「私もそんな感じね。最近の曲よくわかんないのよ」
御坂「確かに。一一一(ひとついはじめ)とか流行ってるらしいけど全然知らないわ」
麦野「わかるわかる。常盤台の子もそんなの聴くの?」
御坂「そりゃお嬢様でも年頃の女の子だからね。まあ中にはクラシックしか聴きませんって子もいるけど」
43 名前:9日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/21(水) 00:37:10.62 ID:BIfS58go [13/24]
麦野「そう」
御坂「うん」
麦野「…………」
御坂「…………」
麦野「美琴……」 スッ
御坂「ぁっ……んっ……」
麦野「ちゅっ……」
御坂「んぅ……チュッ」
麦野「ちゅっ……んちゅっ……ぴちゃっ……ちゅぷっ……」
御坂「ふぁ…ぁん……ちゅぅ……ちゅぷっ……」
麦野「美琴ぉ……ちゅぷっ……」 モニュッ
御坂「ンちゅ……ぁっ……!」
麦野「ペロッ……チュッ……ちゅぅっ……」 ムニュムニュ
御坂「沈利さん……胸は……ぁんっ!」
麦野「アンタ美味しそうなんだもん…ハァ…ムラムラしてきちゃった……ハァ……」
御坂「や、やだ……ダメ……」
44 名前:9日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/21(水) 00:39:01.83 ID:BIfS58go [14/24]
麦野「最後まではしないから大丈夫よ……はむっ」 ムニムニ
御坂「そういう問題じゃ……はぁんっ……!耳は駄目ぇ……!」
麦野「いちいちうるさいわねえ。大人しくしなさいよ、耳ちぎるわよ」
御坂「んぅっ……! ふあぁ……」
麦野(あー、止まらなくなりそう……)
麦野「ね、御坂こっち向いてアンタも触ってよ……」
御坂「ん……服脱がしてもいい?」
麦野「あら積極的ね。いいわよ」
御坂「じゃあ手あげて……」
麦野「はいバンザーイ」
御坂「んしょ……うわ、沈利さんノーブラじゃない……」 ヌガシヌガシ
麦野「寝るときはね。楽だし。んなことよりほら、触って……」
御坂「う、うん……」 フワフワ
御坂(すごい……手に張り付いてきて……柔らかい……) ムニュッ…
45 名前:9日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/21(水) 00:40:20.92 ID:BIfS58go [15/24]
麦野「んっ……。上手よ……。もっと強くして」
御坂「……こう?」 モニュモニュ
麦野「ふぁ……うん、気持ちいい……」
御坂(沈利さんの目が潤んでる……喜んでくれてるんだ……先っぽも触っていいかな) スッ
麦野「んぁっ……! きゅ、急にそんなとこ触らないでっ……!」
御坂「ご、ごめん……! 痛かった?」
麦野「ううん……変な声でちゃうから……」
御坂「出してよ。聞きたいもん……」 キュッ
麦野「ぁあんっ……! 」 ビクンッ!
御坂(沈利さんの体が熱い……じっとりしてきたし……感じてくれてるのかな)
麦野「美琴……アンタばっかずるいわよ。私もアンタに触りたい……」
御坂(沈利さんの感じてる声もっと聞きたいわね……普段強気なだけに……) ゴクリ
御坂「……えい!」 ハムッ
麦野「なっ……何をっ……! うぁっ……! な、舐めちゃ駄目ぇっ!」
46 名前:9日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/21(水) 00:42:27.72 ID:BIfS58go [16/24]
御坂「ちゅぷ……チュパッ……沈利さんの乳首綺麗よね」 チュパチュパ
麦野「そ、そんなこと……! 離しなさいよっ……はぁっ……んっ……」
御坂(エッチな声出してる……。やっぱ気持ちいいのね。よし、もっと……)
麦野「いい加減に……!」 ガッ
御坂「え……きゃっ!」 ドサッ
麦野「しなさいよね……。ほんとに我慢できなくなったらどうすんのよ……」
御坂「……それは、困るけど……」
御坂(お、押し倒されちゃった……。どうしよ……このまま……) ドキドキドキ
麦野(首細いな……このまま絞め殺してしまいたいくらい、好き……) ドキドキドキ
麦野(あーもう―――っ……!)
麦野「アンタのせいだからねっ……! んちゅっ…!」
御坂「んっ……!」 チュゥッ
麦野「ハァ……チュプッ……ハァ……」 クチュッ
御坂「そ、そこは本当にダメっ!」
47 名前:9日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/21(水) 00:45:35.83 ID:BIfS58go [17/24]
麦野「下着まで濡れてんじゃん。エッチ……」
御坂「ち、違うっ……!」
麦野「違わないよ、美琴っ!」 ガバッ
御坂「んっ……沈利さん?」
麦野「ヤバイどうしよう……すっごいアンタとしたい……」
御坂「な、何言って……!?」
麦野「だって……アンタの匂いとか、感触とか……忘れられそうにないんだ……」
御坂「そ、そんなこと言われたって……」
麦野(駄目……駄目よ……! こいつとするわけにはいかない……こいつとしたら……私としたら……。
こんなに綺麗なこいつが……汚れちゃう……)
御坂(でも沈利さんそんなに私のこと……。どうにかしてあげたいな……じゃ、じゃあこういうのどうだろう……)
麦野「あ……けど大丈夫よ、こうして抱きしめさせてくれれば、ちょっとは気もおさまるしね」
御坂「しなさいよ」
麦野「……は?」
御坂「沈利さんがしてるとこ、見ててあげる」
48 名前:9日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/21(水) 00:46:46.00 ID:BIfS58go [18/24]
麦野「…………」 ポカーン
御坂「あ、あれ……?」
麦野「はぁぁああああ!?」
御坂「え……違った?」
麦野「いやまあ……あってるっちゃあってるけど……さすがの私もそういうプレイはまだ早いかなって……」
御坂「あ……わ、私何言ってんだろ……あわわ! ち、違う! 今の無し!」 アタフタ
麦野「いや……無しって言われても聞いちゃったしねえ……」
御坂「い……」 カァァ…
麦野「えっと……」 ポリポリ
御坂「いやぁぁぁあああああああああああああああああああああああああああああああッッ!!!!!!!!」 バタバタ
49 名前:9日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/21(水) 00:48:21.53 ID:BIfS58go [19/24]
―11:30―
『また遊ぼうぜ、マキシマム・ザ・カミノウセキでしたー』
ワァァァァァァッ!
麦野「ふぅ、終わったわね。何回見てもテンション上がるわー」 ピッ
御坂「…………」 ズーン…
麦野「いつまで部屋の隅っこで落ち込んでんのよ」
御坂「だって……」 プゥ…
麦野「アンタの気持ちは嬉しかったわよ。その……そういう気分になったら今度は見ててもらうのも悪くないかな……なんて」
御坂「……ほんと?」 ジッ
麦野「もちろん。私もちょっと一人で先走りすぎちゃったね、ごめん」
御坂「ううん……沈利さんが私にそういう気持ちを抱いてくれるのは、嫌じゃない……」
麦野「こんなこと言うのも今更どうかと思うんだけど、私、アンタとセックスがしたいのよ?」
御坂「うん、そうね……」
50 名前:9日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/21(水) 00:52:01.12 ID:BIfS58go [20/24]
麦野「アンタを抱かないって言ったのは、アンタに好きな人がいたから……。
今のアンタは私の恋人なんだから、そういう目で見ちゃうのよ」
御坂「わかってるわよ」
麦野「本当にそれでもいいの?」
御坂「……」
麦野(矛盾してるな私……。こいつとしたくてたまらないのに……したくない。
綺麗なままでいてほしいって気持ちと、こいつを汚したいって気持ち……どっちも私の本心だから)
御坂「……今更過ぎるじゃない。女の子のことを恋愛対象に見るっていうのは初めての経験だから、
どうすればいいのかわからないっていうとこは確かにあるわよ?」
麦野「そうよね。私も同じ」
御坂「まあ昨日もちょろっと言ったけどね。
だから正直なところ彼女がいるっていうことに対する実感てのはまだ無いのよ」
麦野「ええ」
御坂「けどね、今確かに自覚できることもあって。それはね……」
麦野「うん」
御坂「あんたのことが、世界中の誰より好きだってことなの」
麦野「……う、うん」 ドキッ
51 名前:9日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/21(水) 00:55:13.85 ID:BIfS58go [21/24]
御坂「だからあんたが私とその……エ、エッチをしたいと思ってくれてるのは、嫌なことじゃないの。
怖いとかそういう感情ももちろんあるんだけど、結局私は、沈利さんとゆっくりと前に進んでいけたらいいなって、
そう思ってるだけなんだから」
麦野「……」
御坂(は、恥ずかしい……何マジになって語っちゃってんのよ私! 経験ない癖に説得力ないじゃない……)
麦野「……そうかもね」
御坂「ん?」
麦野「ううん、今の言葉でちょっとだけ楽になった。
恋人同士のコミュニケーションなんて、裸で互いを貪り合うことしか知らないから。
アンタにも同じように接することしかできなくて。アンタを年上としてリードしなくちゃいけないんだって
勝手に張り切ってたアホな私に気づけたわ。ありがとね、美琴」
御坂「年なんて関係ないでしょ? 私は今はもう胸を張って堂々と、沈利さんの恋人だって宣言できる。
誰に何て言われたって、私が自分に正直に沈利さんを選んだだもんね」
麦野「……後輩にも?」
御坂「う、うん……別の意味で怖いけど」
麦野「真剣に伝えればわかってくれるわよ」
御坂「まあ……肝心なとこではちゃんとマジメな子だから」
52 名前:9日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/21(水) 00:57:25.30 ID:BIfS58go [22/24]
麦野「そっか……」
麦野(こいつは私が思ってるよりずっとずっと大人なのかしら……。
私はアンタの眩しさが怖くて、だからアンタとどう接すればいいのかをまだ掴めないのに……)
麦野「ねえ美琴」
御坂「うん?」
麦野「キスしてもいい?」
御坂「どうしてわざわざ聞くのよ」
麦野「アンタも求めてくれてるんだって証が欲しいの」
御坂「ばか、沈利」 スッ
麦野「呼び捨て……すんな」 カァッ
御坂「昨日言ったでしょ? あんたがしたいときは、私もしたいときなのよ……」
麦野「そうだったわね、美琴」
麦野(アンタは後戻りできなくなることが怖くないの? 私はまだ、ちょっとだけ―――)
97 名前:9日目後編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/22(木) 01:43:08.92 ID:SkjVoX.o [2/22]
―麦野宅 玄関先 16:30―
御坂「じゃあ今日のところは一旦帰るわね」
麦野「ええ、しっかり謝ってきなさい。もし追い出されたら、また戻ってきていいから」
御坂「ありがと。この家居心地よくて困るわねー」
麦野「でしょ。アンタのパジャマと歯ブラシと食器は買っておいてあげるからね」
御坂「うわそれ恋人っぽいわね! けどパジャマは自分で選ぶわよ」
麦野「なんでよ。めちゃめちゃエロいやつにしてやろうと思ってたのに」
御坂「超お断りよ!」
麦野「じゃあどんなのがいいわけ?」
御坂「……かわいいやつ……」 ボソッ
麦野「漠然としてるわねー。私のセンスで選ぶけどいいよね?」
御坂「布じゃないわよ? 服よ? いい?」
麦野「わかってるっつの。アンタにエロ路線は似合わないもんね」
98 名前:9日目後編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/22(木) 01:45:03.59 ID:SkjVoX.o [3/22]
御坂「そうそう。まあ別に私が買ってもってきてもいいけど」
麦野「それは却下」
御坂「なんで」
麦野「ここは私の城よ。つまり私がルールなんだよ。アンタは私が与えたものを着るしか選択肢は無い」
御坂「こわー……何着せられるんだか……」
麦野「なんて、うそうそ。何種類か写メで送るから」
御坂「そうして。じゃ、また来るわね」
麦野「次いつ会える?」
御坂「明日」
麦野「暇人かアンタは」
御坂「あんただって似たようなもんでしょうが」
麦野「まいいわ。暇ならおいでよ」
御坂「行く。門限までには帰らなくちゃいけないから平日は一、二時間しかいれないわよ?」
麦野「いいよ。お茶でもしましょ」
御坂「わかった。あんたも学校行きなさいよねー」
99 名前:9日目後編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/22(木) 01:46:10.01 ID:SkjVoX.o [4/22]
麦野「気が向いたらね。門限間に合わないわよ、行った行った」
御坂「ん……沈利さん……」 ギュッ
麦野「ちょっと……外なんですけど?」 ギュッ ナデナデ
御坂「だって今日はもう会えないじゃない……」
麦野「さびしがり屋さんね。メールしなさいよ」 ナデナデ
御坂「する……」
麦野「ゆっくり進んでいけばいいなんて……すごく甘えてくるじゃないの」
御坂「沈利さんとのスキンシップは好きよ。あったかいし柔らかい」
麦野「人を脂肪の塊みたいに言わないでちょうだい」
御坂「褒め言葉よ」
麦野わかってるわよ……」 チュッ
御坂「ん……」 チュッ
麦野「……よし。それじゃまたね、気をつけて帰りなさいよ」
御坂「うん、じゃね!」
タッタッタッタッ
100 名前:9日目後編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/22(木) 01:48:52.52 ID:SkjVoX.o [5/22]
麦野「…………」 ガチャッ バタンッ
ヘナヘナ ヘタリッ…
麦野「……」 フルフル…
麦野「彼女が……できちゃった……」 ポツリ
麦野(なんて濃い三日間だ……。久し振りにキスしちゃったし……)
麦野(わわわ! だ、誰かに言いたい!
あいつらに……いやいや、笑われそうだしあの超電磁砲と付き合うことになったなんて言えるわけないっつの!)
麦野(よし……! とにかく初デートの計画をたてよう! うん!) グッ
ハーナテココローニキザンダユメモミライサエオーキーザーリーニシーテー!
麦野(メールだ……なんか久しぶりな気がするわね……) カチッ
101 名前:9日目後編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/22(木) 01:50:12.61 ID:SkjVoX.o [6/22]
――――――――――――――――――――
from:美琴
件名:祝メール第一号!
本文:
恋人としてのメールはこれが一通目だね(*>艸<)
実は今もまだすっごくドキドキしてるの…
沈利さんとこれからどんなことが出来るんだろう。
どんなところに行けるんだろう。
そんなことばっかり、ずっと考えてるよ(∩∀`*)
ふつつかものですが、末長くよろしくお願いしま
す(*>∀<*)
★貴女の美琴さんより★
――――――――――――――――――――
麦野(これは当然のごとく保護ね) ピッ
麦野(あーもうっ……ムカつくっ! 嬉しくて、腹立たしいっ!) メルメルメル
――――――――――――――――――――
to:美琴
件名:うん
本文:
嬉しくて何て返せばいいのかわかんない(笑)
アンタとしたいことはいっぱいある。
行きたいとこも冗談みたいに思い浮かぶわよ。
だからアンタのしたいこと、してほしいこと、それ
全部して・あ・げ・る・(*ゝω・*)-☆キャピッ
こちらこそ。
わがままで迷惑かけると思うけど、よろしくね。
――――――――――――――――――――
>送信 ピッ
麦野(ああ……幸せ) フフッ
102 名前:9日目後編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/22(木) 01:51:14.55 ID:SkjVoX.o [7/22]
―麦野のマンション前 16:50―
浜面「滝壺……今の見たか?」
滝壺「うん。たまたま通りかかったら……すごいもの見ちゃったね」
浜面「……き、訊くべきなんだろうか」
滝壺「はまづら、応援してる」
浜面「俺がかよ! あれってやっぱ、抱きあってたよな……」
滝壺「うん……」
浜面「キスも……してたよな……上の階だから見にくかったけど」
滝壺「そうだね」
浜面「滝壺、俺達も……」
滝壺「帰ってからね……ここじゃだめ」
浜面「わ、わかった……」
滝壺「いい子いい子」 ナデナデ
浜面(麦野……正直ビックリしたが……ゴクリッ、いいもん見させてもらいましたっ!) グッ
103 名前:9日目後編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/22(木) 01:53:10.26 ID:SkjVoX.o [8/22]
―常盤台中学学生寮 寮監室 17:20―
寮監「何をしに戻ってきた」
御坂「……申し訳ありませんでした……!」
寮監「謝罪の言葉などいらん。何をしに帰ってきたんだと聞いている」
御坂「……すみませんでした! 許してください!」
寮監「御坂。貴様私を恫喝し、寮の正面玄関を吹き飛ばしたな? それについてはどう弁明するつもりだ」
御坂「どんな罰でも受けます!」
寮監「……」 ギロッ!
御坂「……」 ジッ!
御坂(こわー……麦野さんより怖い……でも負けるわけにはいかないわよね!
悪いのは私だもん。許してもらえるなら何だってしてやるわよ!)
寮監「……何があったのか、言い訳をせんのだな」
御坂「え?」
寮監「門限破りも寮内での能力使用も多い寮則違反常習の貴様だが、私に反抗的な態度をとったことはなかった」
御坂「それは……」
御坂(単純に怖いからよ)
105 名前:9日目後編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/22(木) 01:54:59.83 ID:SkjVoX.o [9/22]
寮監「私も鬼ではない。何か事情があったのだろうと察するが、それでは寮の規則は守れない」
御坂「はい……」
寮監「風紀委員の活動や、申請し許可の下りた事柄を除き、一切の例外を認めるわけにはいかん。
だがお前の身に何かがあってあのような行為に及んだのか、やんごとない事情があるなら言ってみろ」
御坂「いえ……全部私の個人的な事情です……」
寮監「ならば話は終わりだ。荷物を纏めろ。退学は免れただけ幸運だったと思え。
次の行先は次の土日中に決めろ。それまでは待ってやる。お前ならどこの寮でも部屋を開けてくれる」
御坂「そ、そこをなんとか……!」
寮監「ダメだ」
御坂「お願いしますっ!」
寮監「頭を上げろ。もう話は終わった。私に謝る必要などない」
御坂「で、でも!」
寮監「いい加減にしろ御坂。これがお前への罰だ」
御坂「そ……そんな……」
御坂(せっかく黒子と仲直りできたのに……離れ離れなんて……)
白井「お待ちくださいましっ!」
106 名前:9日目後編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/22(木) 01:56:50.46 ID:SkjVoX.o [10/22]
バターンッ!
御坂「く、黒子!?」
白井「お姉様のピンチに颯爽と参上ですわ」 ガチャリッ
寮監「なんだ白井。今は取り込み中だ、後にしろ」
白井「寮監様、どうかお姉様に寛大なご処置をお願いいたしますのっ!」
寮監「お前には関係のないことだ」
白井「関係大ありですわ! お姉様はわたくしのルームメイト。
お姉様のいないお部屋などクリームの無いケーキ。いえ、タバスコの無いピザのようなものですわ!」
御坂「誰が刺激物よ。そもそもなくてもいいでしょそれ」
白井「嗚呼、お姉様からの久し振りのツッコミ……天にも昇る気分ですの!」 ホァァl…
寮監「わけのわからんことを言うな。お前の事情など知らん」
白井「寮監様、こちらを」
バサッ
107 名前:9日目後編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/22(木) 01:58:25.16 ID:SkjVoX.o [11/22]
寮監「なんだこの紙の束は」
白井「どうぞご覧くださいまし」
寮監「……これは」
白井「それはお姉様の退寮処分を反対する常盤台の学生による署名ですの」
御坂「え……」
寮監「これを一日で……だと。だがこれがなんだというんだ。こんなもので寮則が……むっ」
白井「気づかれましたわね。この寮には、お姉様が必要なんですの」
御坂「どういうこと?」
白井「常盤台中学と言えば学園都市でも有数の名門校。普段から嫉妬と羨望の的である常盤台は
長点上機や霧ヶ丘等と違い、中学でしかも女子校ですの。
学舎の園の中ならいざしらず、一般的な住宅街の端に建つこの寮は様々な輩から狙われています」
寮監「……」
白井「生徒全員が高レベルの能力者集団と言えども、所詮は中学生。
多数の人間にここに押し掛けられては面倒であることには変わりありませんの」
御坂「黒子?」
108 名前:9日目後編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/22(木) 02:00:29.20 ID:SkjVoX.o [12/22]
白井「学園都市第三位のレベル5であるお姉様がこの寮にいてくださっているからこそ、
わたくし達は毎日ベッドで健やかな安眠を得ることができるというものですわ。
その嘆願書は、そうしたわたくし達の安眠を守って欲しいという意味が込められておりますの」
御坂(私ゃ番犬かい)
白井「いかがです、寮監様。お姉様のしたことは、確かに処罰されるべきことではあるかもしれません。
しかし、これまでこの寮だけでなく常盤台の多くの後輩達を導いてきてくださったお姉様が、
ただ一度のミスで寮を追い出されるなんてあんまりですの。ここは一つ、別の罰でお姉様を
お許しくださいませんか? この通りですの」 ペコッ
御坂「黒子……」
寮監「くだらん……安全面は私がいる。それに御坂は退学になるわけではない」
白井「お姉様にこの寮に居てほしいと望んでいるのは、わたくしだけではなく皆の総意ですの。これを御覧あそばせ!」
バターンッ!
御坂「なっ……」
寮監「……お前たち」
キャッキャウフフ ミサカサマヨミサカサマ ミサカサマガコノリョウカライナクナッテシマウナンテ…
ザワザワザワザワ…
ナントカオチカラニ…! ミサカサマキョウモオウツクシイワネ! ミサカサマハァハァ…
ザワザワザワ…
109 名前:9日目後編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/22(木) 02:02:01.16 ID:SkjVoX.o [13/22]
御坂「みんな……どうしてここに」
白井「お姉様の退寮処分をお許し願おうと寮生がみな集まってくれましたの。
余所の寮から来られた方もいらっしゃいますわよ。ざっと100名ほどですかしら」
寮監「なんのつもりだ……」
白井「わたくしたち皆、お姉様と同じ罰をお受けするためにここに参りましたの」
御坂「はぁっ!?」
寮監「なんだと?」
白井「お姉様が退寮にならなくて済むなら、わたくし達はどんなことだってしてみせますの」
御坂「そ、そんな……みんなに迷惑かけられないわよ!」
白井「違いますのお姉様」
御坂「え?」
白井「みんなそれだけお姉様にこの寮に留まっていてほしいと思っているんですの。
みんな、お姉様のことが大好きなのですから」
御坂「……黒子、みんな……」
キャッキャッ ミサカサマー! コッチムイテクダサイー!
ザワザワザワザワ
111 名前:9日目後編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/22(木) 02:03:31.03 ID:SkjVoX.o [14/22]
白井「どうか寮監様! お姉様をお許しくださいませ! 今までお姉様に助けられてばかりだったわたくし達が
今度はお姉様をお助けしたいんですのっ!」
「「「「お願いします!」」」」
「「「「「お願いします!」」」」」
寮監「くっ!」
御坂「わ、私からもお願いしますっ! 私やっぱり、みんながいるこの寮が好きなんです!
どうか、ここに置いてください!」
寮監「っ……」
御坂「……」 ジー
白井「……」 チラッチラッ
寮監「ふんっ……」
白井「りょ、寮監様?」
寮監「御坂」
御坂「はい……!」
寮監「白井」
白井「は、はい!」
寮監「そして全員に罰だ! 今日一晩かけてこの寮の掃除をしろ! 隅々まで徹底的に!」
ザワッ…!
113 名前:9日目後編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/22(木) 02:04:59.77 ID:SkjVoX.o [15/22]
白井「それでは……退寮は……?」 オソルオソル
寮監「今回だけだっ! 次はないっ!」
白井「りょ、寮監さまー!」 ダキッ
ワァァァァァ! キャァァァァァァァアアアアアアッ! ミサカサマァァァァアァアアアアアアッ! ペロペロサセテェェッ!
寮監「ええい離せ! 日ごろの行いの賜物だな。首の皮一枚繋がったようだぞ御坂」
御坂「は、はい! ありがとうございます!」
白井「みなさんお聞きになりましてー!? さっそく掃除をいたしますわよー!」
ハーイッ!!!
御坂「ま、待ってみんな!」
ザワッ…シンッ……
御坂「ありがとうね、みんな……!」 グスッ
キャァァァアアアア! ミサカサマがナイテオラレルワー! ナミダモウツクシイワネ! ミサカサマハァハァ…
寮監「チリ一つ残すなよ。さ、取り掛かれ!」
御坂「はいっ!」
114 名前:9日目後編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/22(木) 02:06:57.10 ID:SkjVoX.o [16/22]
―常盤台中学学生寮 二○八号室 4:00―
アンニュイな女生徒「お疲れ様でした、御坂様」
穏和な女生徒「御坂様、おやすみなさいませ」 ペコッ
御坂「うん、ありがとね。他の子にもよろしく言っておいて」
快活な女生徒「どうかお気に無さらず。御坂様のお力になれて私達も嬉しいです」
生真面目な女生徒「はい、それでは失礼します」 ペコリッ
スタスタスタスタ…
御坂「うぁー! 終わったー!」 ボフッ!
白井「お疲れ様ですの。さすがにあの人数ですと早いですわね」
御坂「ね。まあそれでも朝方までかかったけど」 クスッ
白井(ああ……なんだか今日のお姉さまには妙に色気がありますの。これは恋を知った女の背中ですわっ!
失恋し、恋愛のなんたるかをその身に刻みつけましたのね!) ゴクリ…
御坂「ほんとありがとね。黒子」
116 名前:9日目後編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/22(木) 02:10:46.18 ID:SkjVoX.o [17/22]
白井「構いませんの。お姉様の危機に駆けつけるのはパートナーとして当然のことですもの」
御坂「あんたがいてくれてほんとよかったわ」
白井「お姉様……」
白井(ハァハァ……素直なお姉様が素敵過ぎて生きてるのが辛いですのー!
このしっとりと潤んだ瞳と艶やかな唇は誘っているとしか思えませんの!) ハァハァ
御坂「もう四時かー。あと二時間ちょっとしか寝られないわね」
白井「まあ一日くらい大丈夫ですの」
御坂「それもそうか。疲れたからシャワー浴びてもう寝よ」
白井「そうですわね」
御坂(そういえば今日は一人で寝るのよね……。昨日も一昨日も沈利さんに抱かれて寝てたから寂しいわ……) フゥ…
白井(お、お姉様が切なげな溜息をっ!? 失恋のショックで体を持て余していらっしゃるのね!?
いいですわよいいですわよ! 誰も触れたことのないお姉様の文字通り処女雪のような体に最初に触れるのは
この白井黒子ですの!)
白井「ではお姉様、シャワーをお先にどうぞ」
御坂「あ、ううん。黒子先にいいわよ。私沈利さんにお礼のメール送らないといけないし」
白井「わかりましたの。ではそうさせていただきますわね。しばしお待ちを」
白井(全身の隅々まで清めてお姉様をベッドでお迎え致しますの) ハァハァ
スタスタスタ ガチャッ パタン
117 名前:9日目後編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/22(木) 02:12:14.84 ID:SkjVoX.o [18/22]
御坂(やけに御機嫌だったわね。何かいいことでもあったのかしら)
御坂(黒子とどこ行くかも考えなくちゃね。さて、沈利さんに返信しよっと)
――――――――――――――――――――
to:沈利さん
件名:遅くなってごめんね(o≧口≦)o
本文:
なんとか退寮と退学は免れたよ(*´∀`)ノ
黒子や寮の子達が助けてくれたから。
さっきまで罰としてみんなで寮の掃除してた。
ホッとしたらまた沈利さんが恋しくなっちゃった
(´ε`*)
遅くにごめんね、また明日ね(*ゝω・*)ノ
――――――――――――――――――――
>送信 ピッ
御坂(沈利さんの寝顔可愛かったな……。黙ってたらすっごい美人なのに) クスッ
御坂(初デートどこに行こうかしら。沈利さんてどんなことするのが好きなんだろ)
メールゲコ!メールゲコ!
御坂(うそっ!? もう4時なのに起きてるの!?)
119 名前:9日目後編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/22(木) 02:13:31.20 ID:SkjVoX.o [19/22]
――――――――――――――――――――
from:沈利さん
件名:よかったじゃない
本文:
お疲れ様。可愛いこと言うわね。
そんなに寂しいなら私でオナニーしてもいいのよ
?(*ゝω・*)-☆キャピッ
――――――――――――――――――――
御坂(し、しないわよ……!) ドキドキドキ…
御坂(黒子もいるのに……できるわけないでしょ……) メルメル
御坂(く、黒子がいなくたってしないわよ!) メルメル
――――――――――――――――――――
to:沈利さん
件名:無題
本文:
しないわよ!(o≧口≦)o
沈利さんエッチだよ…(´・ω・`)
――――――――――――――――――――
>送信 ピッ
御坂(そんなこと言われたら眠れなくなるでしょ……) ドキドキ…
御坂(こりゃ徹夜を覚悟しないといけないかもしれないわね……)
メールゲコ!メールゲコ!
御坂(沈利さん……会いたいな) カチッ
120 名前:9日目後編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/22(木) 02:15:13.69 ID:SkjVoX.o [20/22]
――――――――――――――――――――
from:沈利さん
件名:なんだ
本文:
つまんないの。おかずに私の下着姿の写メでも
あげようと思ったのに。
なんて、男じゃないんだから別に嬉しくないわよ
ね(笑)
アンタが無事寮に残れることになって一安心。
なんか眠くなってきたから今日はもう寝ましょ。
ムラムラしてるんなら、言ってくれたらいつでも気
持ちよくしてアゲル(ハァト)
おやすみ!
――――――――――――――――――――
御坂(この人エロいわね……。うー、何してくれるんだろ……知りたいような知りたくないような) ドキドキ…
御坂(……っていうか、沈利さんもしかして私のこと心配して起きててくれたのかしら……) トクンッ
御坂(ヤバ……きっとそうだ……。もっと早く送っておけばよかった……) メルメルメル
御坂(でもこれ沈利さんに直接訊いたら怒られそう……ううん、絶対認めないと思う。
……次から気をつけよ。沈利さん私が思ってるよりずっと私のこと気にかけてくれてるんだろうな……) メルメル
御坂(情が深い人なのよね。大事にしてくれそうで嬉しいな……) ドキドキ…
御坂(……私も、沈利さんを大切にしよう……)
121 名前:9日目後編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/22(木) 02:16:46.07 ID:SkjVoX.o [21/22]
―麦野宅 4:30―
――――――――――――――――――――
from:美琴
件名:ありがとう(*>艸<)
本文:
下着姿は別にね(笑)
でも沈利さんの写真はほしいから今度プリクラで
も撮りましょ(*ゝω・*)ノ
心配してくれてありがとう(*´∀`)ノ
沈利さんの部屋で暮らしたいって気持ちもちょっ
とあるけど、やっぱりここが私の家だから、出て
いかなくてよくなったのは嬉しいなヾ(*´Д`*)ノ
沈利さんのエッチo(≧ε≦o)
また明日!おやすみー
――――――――――――――――――――
麦野(うまくいったみたいでよかったわね) カチッ
麦野(……っつか、結局あいつの着てたジャージで3回もしちゃったな……。
私ってやっぱ欲求不満だったみたいね)
麦野(あいつとのデートプラン考えるので一日終わっちゃったし……)
麦野(でもいい感じのができたし、明日あいつに提案してみよう。今週の土日だと予約とか無理だろうから来週かしらね)
麦野(うん……楽しくなってきたわ)
麦野(一緒に楽しもうね、おやすみ、美琴) クスッ
181 名前:14日目(火曜日) ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/24(土) 20:35:54.45 ID:UHou66Io [2/30]
14日目
―第七学区 ファミリーレストラン『ジョセフ』 16:00―
麦野(美琴と付き合い始めてもう1週間か。早いもんね……) メルメルメル
――――――――――――――――――――
to:美琴
件名:じゃあ
本文:
デートのコースは大体そんな感じで。
あとはその場その場で楽しそうなことしましょ。
いよいよ今週の土曜日だもんね。
楽しみにしてるわよ
――――――――――――――――――――
>送信 ピッ
麦野(よし、これで初デートのコースは完璧。あとはあいつにサプライズでも用意してやろうかな)
麦野(けど最初にあまりにも気合入れすぎるのもよくないって聞くわね。デートコースもかなり削ったし)
麦野(まあ結局ほぼ毎日会ってるわけだし、ちょっとしたものならいいわよね)
麦野(この前の土日は後輩サービスとかで会えなかったし、付き合ってからは初めてまともに遊びにでかけるのか)
麦野(緊張するけど、やっぱすごい楽しみだわ。何着てこっかなぁ) フフッ
182 名前:14日目(火曜日) ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/24(土) 20:38:43.62 ID:UHou66Io [3/30]
フレンダ「…………」
絹旗「…………」
滝壺「…………」
浜面「…………」
麦野「……ん? 何見てんの?」
フレンダ「いやその……なんか麦野機嫌いいなぁって」
絹旗「今も嬉しそうに携帯超見てましたよ。お相手は?」
麦野「な・い・しょ」 ウフフッ
フレンダ(キモいくらいに上機嫌……!? 何事って訳よ)
絹旗(こ、これは一体何の前触れなんでしょうか……超恐ろしいです)
浜面(最近麦野によく奢ってもらってるな……言われてみりゃ機嫌いいのか。
や、やっぱあのときのマンションの……) アセッ
滝壺(あ、今日のごきげんようは誰がゲストだったんだろう……) ポヘー
麦野「ねえフレンダ、一個質問していい?」
フレンダ「何ー? 結局、私の性感帯は太ももの内側だよ」
麦野「じゃあ今度そこ電子線でエグったげるね」
フレンダ「うぎゃぁっ! 想像しただけで痛いっ!」
183 名前:14日目(火曜日) ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/24(土) 20:40:46.71 ID:UHou66Io [4/30]
絹旗「それで麦野、質問て何ですか?」
麦野「うん。女同士のセックスってどうやってすんの?」
浜面「ブボォッ!!!!!!!」 ブシャァァァァアアアアアアアアアア
滝壺「!」 ビクッ
絹旗「浜面の目と口と鼻と耳から色々な液体が……」 アセッ
麦野「きったねえな浜面ぁ。ちゃんと拭いときなさいよね。んで、知ってるのフレンダ?」
フレンダ「む、麦野……」 プルプル…
麦野「そんな100年越しの研究がようやく実を結んだ研究員みたいな目しないでくれる?
別にちょっとした興味よ。勘違いしないで」
フレンダ「ちぇー」 ブー
浜面「ピクピク……」 グッタリ
絹旗「浜面が鼻血を出しすぎて貧血に……」
麦野「いいから、どうなのよ」
フレンダ「んー、正直私もしたことないからなー」
麦野「はぁ!? アンタあんだけ私に変態行為要求しといて経験無しかよ!?」
184 名前:14日目(火曜日) ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/24(土) 20:43:06.32 ID:UHou66Io [5/30]
絹旗「超同意見です。いや、熟知されててもそれはそれでリアクションに困りますけどね」
フレンダ「結局ぅ、初めてはぁ、心に決めた人に捧げるってぇ、決めてる訳よ~。む・ぎ・の☆」 クネクネ
麦野「キモい。アンタなら知ってると思ったんだけどなー」
滝壺「むぎの、どうしてそんなに知りたいの……?」
麦野「え、どうしてって……興味があるだけって言ったでしょ?」
麦野(あいつと付き合って1週間。キスは毎回してるけど裸はあれから一回も見てないし……色々溜まってきてるし
って違う違う! 念のためよ念のため! あいつとはまだそんな……)
滝壺「そっか」
滝壺(マンションで女の子と抱き合ってたこと聞いちゃ駄目かな……)
フレンダ「結局、やっぱ指と舌じゃない?」
麦野「突っ込むもんないもんね。オモチャとか使うのかしら」
浜面「……!」 ブシュッ!
滝壺(オモチャ……?) ポカン
フレンダ「あー。でも結局、別に挿入しなくてもいいんじゃない? 触られるだけでも十分気持ちいいんでしょ?」
185 名前:14日目(火曜日) ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/24(土) 20:43:53.12 ID:UHou66Io [6/30]
麦野「まあそうね。突かれてる時より指とかで丁寧にされてる時のほうが気持ちいいよ。
ね、滝壺?」
浜面「……!」 ビクンビクン
絹旗「浜面がもう駄目な感じに血の気が失せてますね……」
滝壺「えっと……わからない」
麦野「分からないってことはないでしょ。どーせ浜面のことだから猿みたいに求めてくんじゃないの?」
滝壺「私、はまづらと……その、してないよ」
麦野「あァ?」
フレンダ「え、マジで?」
絹旗(身内のそういう話はなんか恥ずかしいです……)
浜面「」
麦野「いやいや、アンタ浜面が寝かせてくれないみたいなこと言われて顔真っ赤にしてたじゃない」
滝壺「え? はまづらと朝までテレビゲームしちゃったのが恥ずかしくて……」
麦野「…………」
フレンダ「…………」
絹旗「…………」
186 名前:14日目(火曜日) ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/24(土) 20:45:16.62 ID:UHou66Io [7/30]
麦野「なんだろ、滝壺が眩しいわ」
フレンダ「結局、私らなんてもう汚れきってる訳よ」
麦野「でもいつ性欲に我を忘れた浜面に乱暴に犯されるか分からないから適度に抜いてやんなよ」
フレンダ「滝壺のピュアさに感心した次の瞬間にそんなこと言えるなんて、麦野の精神タフすぎる訳よ」
滝壺「ぬく……?」
麦野「あーもういいや。脱線したけど、結局突っ込まないだけで普通に男女でするのと一緒なのかな」
フレンダ「そうなんじゃないの? 気持ちよければいいみたいな」
絹旗(あんまり混じりたくない会話です……。二人とも周りに人がいること超忘れてますね……)
麦野「うーん、そっかー……」
フレンダ「……?」
187 名前:14日目(火曜日) ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/24(土) 20:48:48.53 ID:UHou66Io [8/30]
―ファミレス前 17:00―
麦野「じゃ、私行くとこあるからここでね」
フレンダ「どこ行くのー?お買いもの?」
麦野「まあそんなとこ。浜面ぁ、アンタはいつまで貧血起こしてんのよ」 ゲシッ
浜面「いてっ! あまりに刺激的な会話に耐えきれなかったぜ……」 フラフラ
麦野「そんなんじゃ滝壺の全裸見たら心臓止まるよ」
浜面「やめろー! 毎日悶々としてる俺をこれ以上惑わせるなーっ!」
麦野「ははぁん、アンタの態度によっちゃ滝壺の乳首の色からもっと下まで精彩に教えてやってもいいんだけどねー?」
浜面「やめれー!」
滝壺「あれ? きぬはた、どうして私の耳を塞ぐの?」
絹旗「滝壺さんは聞いちゃいけません! 耳が超汚れます!」
滝壺「?」
麦野「それじゃまたねー」 ヒラヒラ
フレンダ「あ、ちょっ麦野!」
麦野「~♪」
絹旗「鼻歌超歌いながら行っちゃいましたよ」
188 名前:14日目(火曜日) ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/24(土) 20:50:16.58 ID:UHou66Io [9/30]
フレンダ「おかしい……」
浜面「何が?」
フレンダ「最近麦野の付き合いが悪い訳よ」
絹旗「はあ」
浜面「そうか?」
フレンダ「いつもだったらまだ解散するには早いし、今日も珍しく女同士がどうとか言ってたし……何かあるわね」
滝壺「ねえフレンダ。私この前見ちゃったんだけど……」
フレンダ「ん、何が?」
浜面「おい滝壺」
滝壺「別に悪いことじゃないから良いと思うけど……」
フレンダ「浜面は黙ってて! なになに? 教えて教えてー」
滝壺「うん、むぎのが先週むぎのの部屋の前で女の子と抱き合ってキスしてたよ」
フレンダ「」
絹旗「見間違いじゃないんですか?」
滝壺「うん、はまづらも見たよね?」
189 名前:14日目(火曜日) ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/24(土) 20:52:00.97 ID:UHou66Io [10/30]
浜面「お? ああ、まあ……な」
フレンダ「がぁぁぁああ! 麦野に最初に目をつけてたのは私なのにー! 相手は!? 誰な訳よ浜面ァッ!」
浜面「お、落ち着けって。ありゃ確か……アレだ、前麦野がメールしてるっつってた常盤台の……」
フレンダ「超電磁砲(レールガン)!?」
滝壺「うん。制服は着てなかったけど、間違いないと思うよ」
フレンダ「な、なんてこと……! 麦野に限ってそのケは無いと信じてたのにー!」
絹旗「信じてたのにアプローチかけてたんですか?」
フレンダ「いつかを実を結ぶと思って」
絹旗「超哀れな……」
浜面「ああ、でもキスしてたのかはちょっと微妙だぞ。ほら、よくあるだろ、目にゴミが入ったとか」
フレンダ「あえて漫画の読み過ぎだとは突っ込まないでおく訳よ。
確かにそのセンも十分あり得る。よし、麦野を尾行しよう!」
絹旗「は?」
190 名前:14日目(火曜日) ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/24(土) 20:53:46.34 ID:UHou66Io [11/30]
浜面「おいおい」
滝壺(帰ってお昼寝したいな……)
フレンダ「いいからっ! こんなこともあろうかと麦野のバッグに発信器を仕掛けといた訳よ」
絹旗「体張りますね。バレたら超死にますよ」
フレンダ「結局、盗聴器じゃないから大丈夫大丈夫。約6時間で風化する有機発信器な訳よ」
絹旗「それは何というかご都合主義的な……」
フレンダ「細かいことはいいのっ! 携帯でリアルタイムで位置情報が分かるから行くよ」 ダッ
絹旗「やれやれ、でも麦野がこの後超電磁砲と超イチャイチャするとこ見れるかもしれないのは楽しそうですね」
浜面「確かに、デレデレしてる麦野ってどんなんだ……気持ちわr……いやいや」
滝壺「むむ……かわいいかも」
191 名前:14日目(火曜日) ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/24(土) 20:56:27.82 ID:UHou66Io [12/30]
―第七学区 裏通り 17:30―
麦野「……」 スタスタスタ
フレンダ「結構歩いてとっくに麦野の家通りすぎちゃった訳よ」 ヒソヒソ
絹旗「常盤台の学生寮もこっちには無いですし、人気はそこそこあるものの裏通りですよ。
なんか挙動不審な人多いですし……こんなところに超電磁砲が来るとは思えませんが」 ヒソヒソ
浜面「っつか、今日麦野が超電磁砲と会うって確証は無いだろ?」 ヒソヒソ
絹旗「確かに。けどじゃあ麦野はどうしてこんなところへ……」
フレンダ「しっ! あれ見て!」
麦野「…………」 キョロキョロ
絹旗「やばいですっ! 隠れて!」 サッ
浜面「急にキョロキョロし始めたぞ」
フレンダ「この辺りが目的地なのかも」
浜面「お、なんかでかい店に入っていくな」
絹旗「普通の本屋に見えますが……」
フレンダ「普通の本も売ってるけど、実はアダルトグッズショップな訳よ」
192 名前:14日目(火曜日) ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/24(土) 20:58:12.18 ID:UHou66Io [13/30]
浜面「!?」
絹旗「なっ……!」 カァァ
滝壺(アダルト……大人っぽい雑貨屋さんかな)
浜面「おいおい……なんで麦野がそんな店に……」
フレンダ「まさか本当に超電磁砲と使うオモチャを買いに来たんじゃ……」 ワナワナ
滝壺(大人っぽいオモチャ……難しい知恵の輪とかパズルかな)
絹旗「ま、まだそうと決まったわけでは……」 ドキドキドキ
フレンダ「そうよ! 結局、麦野が新しい自慰を楽しむためのグッズを買いに来たに違いない訳よ!
決して超電磁砲と二人で使うものを買いに来たわけじゃないはず!」
滝壺(爺……? むぎののお祖父ちゃんにプレゼントするのかな。優しいねむぎの)
絹旗「っていうかあんなお店あったんですね……色んな意味でショックです」
193 名前:14日目(火曜日) ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/24(土) 21:00:29.15 ID:UHou66Io [14/30]
フレンダ「学園都市は学生の街だから多くは無いけど、繁華街にはラブホテルもある訳よ。
一人暮らしの学生の悶々とした情熱を発散する方法も必要だからね」
絹旗「まあ浜面もエロいDVD借りてますしね」 ジトッ
浜面「こらっ! 男なんだから仕方ねえだろ! そんな汚いもの見るような眼で見るな!」
滝壺「……さいってー」 ボソッ
浜面「た、滝壺……」
滝壺「知らない」
浜面「ご、誤解だー!」
滝壺「知らない」
絹旗「誤解じゃないでしょう」
フレンダ「何やってんのもう。そんなことより追いかけよう」
絹旗「大丈夫ですか? 店内だと気づかれる確率上がりますよ」
フレンダ「大きい店だからだいじょぶだいじょぶ」
194 名前:14日目(火曜日) ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/24(土) 21:03:37.49 ID:UHou66Io [15/30]
―第七学区 本屋『諫早書店』 17:40―
ワイワイガヤガヤ……
絹旗「確かに1階は超普通の本屋ですね。学生の姿も普通にあります」
フレンダ「まあここは普通に合法的なお店だしねー」
滝壺(オモチャ屋じゃない……あ、2階3階もあるんだ。そっちなのかな)
フレンダ「1階はね。ほら案内板見て、2階は女性向け書籍、グッズってなってる訳よ」
絹旗「や、やっぱり行くんですか?」
フレンダ「大丈夫だって。2階も手前は女の子向けの本が置いてあるだけだから。もう1個入口があって
その中が……ゲフンゴフン、な訳よ」
浜面「やけに詳しいなお前」
フレンダ「ギクッ!」
絹旗「ま、まさか……」
フレンダ「ち、違うもん! 私なんかどう見たってミドルティーンなんだから売ってくれない訳よ!」
浜面「じゃあなんでそんな詳しいんだよ」
フレンダ「3階男性向けコーナーで百合雑誌を買いに……百合姫とか」 ボソッ
195 名前:14日目(火曜日) ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/24(土) 21:05:01.93 ID:UHou66Io [16/30]
絹旗「ぬう、聞きたくなかったです」
浜面「あーもういいぞ。それより麦野は何階にいるんだ?」
フレンダ「この発信器上下は分からないからなー。うーん、とりあえず1階ずつ見ていこうか」
絹旗「入れ違いにならないよう誰か入口付近で超張っといたほうがいいんじゃないですか?」
フレンダ「だね、んじゃ浜面よろしくー」
浜面「えー、俺かよ」
フレンダ「あったりまえでしょ。女性向けエロコーナーはあんたじゃ入れないでしょ!」
絹旗「フレンダ声大きいです、周りの男の人達から視線が……」 カァァ
浜面「分かったよ。んじゃ向かいのコンビニから入口見とくわ」 スタスタスタ
フレンダ「よし、野郎ども行こうぜ」
絹旗「野郎は一人もいませんが。あれ、滝壺さんは?」
フレンダ「あれ、さっきまでいたのになー。えーっと……いたいた」
絹旗「滝壺さーん、何読んで……」
滝壺「……」 (*・△・*)ワクワク
絹旗「ど、どうします? コ○コロコミックなんか超読んでますよこの人……」 ヒソヒソ
フレンダ「なんでこんな店に児童向けのコロ○ロが置いてあるのよ……。
そっとしておいてあげよ。ここから上は滝壺には刺激が強すぎるし……」 ヒソヒソ
196 名前:14日目(火曜日) ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/24(土) 21:08:03.60 ID:UHou66Io [17/30]
絹旗「滝壺さん、私たちちょっと上行ってくるんでここで大人しく○ロコロ読んでてくださいね」
フレンダ「それ終わったら今度は電撃○王とかガ○ガンでも読んで時間潰しててね」
滝壺「うん、いってらっしゃい」 コクリ
滝壺「……」 ジー (*・△・*)ワクワク
フレンダ「よし、これで当分大丈夫」
絹旗「ざっと見たところ麦野はこの階にはいないようですし、やっぱ上ですか」
フレンダ「まあ麦野漫画読まないしね。この本屋基本的に普通の実用書とか文庫本は置いてないみたいだから。
間違いなく麦野の目的は上な訳よ」
スタスタスタ
絹旗「どっちから責めます? それとも手分けしますか?」
フレンダ「ん、ちょっと待ってあれ見て!」
絹旗「あれって……レジの店内カメラモニターですか?」
フレンダ「うん、3階のあの女の人、あれ麦野だよね?」
絹旗「えーっと……ああ、ほんとですね。あの無駄に存在感ある美人は麦野です」
フレンダ「3階……しかもあそこは私も御用達の百合ものコーナー……うう、なんか泣けてきた」
絹旗「気を超しっかり持ってください。とりあえず行きませんか?」
フレンダ「だね。はぁー、なんか片思いの人に実は彼女がいたのを知っちゃったみたいな気分な訳よ……」
絹旗「それ例えでもなんでもないですけどね。同情します……」
197 名前:14日目(火曜日) ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/24(土) 21:09:46.39 ID:UHou66Io [18/30]
―『諫早書店』 3階 17:50―
麦野「……」 ジー
フレンダ「お、いたいた」 ヒソヒソ
絹旗「なんか薄っぺらい本をジーッと超見つめて微動だにしませんよ」 ヒソヒソ
フレンダ「百合もの同人誌コーナーだね。私も見たいなー……」
絹旗「ゲッ、フレンダそんなものにまで手ぇ出すんですか?」
フレンダ「そんなものって何よぅ。同人誌だからって馬鹿にしないでよね。
結局、麦野も中見ればいいのに……恥ずかしがってるのかな」
麦野「……」 コソコソ キョロキョロ
絹旗「同人誌持ったままキョロキョロし始めましたよ」
フレンダ「万引きする中学生みたいな訳よ」
麦野「……ゴクリッ」 ペラッ
絹旗「お、開きましたよ」
フレンダ「あー、分かる分かる。私も初めて百合本の中身確認した時はあんなだったなー」
麦野「……」 ピシャッ!
絹旗「すっごい勢いで閉じましたね」
198 名前:14日目(火曜日) ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/24(土) 21:12:11.77 ID:UHou66Io [19/30]
フレンダ「思ったよりハードだったんじゃない? 私も初めての時は恥ずかしくて中身確認できなくてさー。
表紙に騙されて買って帰ったやつがウンコ食べるやつだった時はさすがの私もどうしようかと……」
絹旗「正直フレンダの経験談は超どうでもいいです……今度は別のを手にとりましたね」
フレンダ「お、読んでる読んでる。あはっ、耳赤くなってる訳よかーわいい」
絹旗「笑いごとなんですか? あれきっと超電磁砲と自分を重ね合わせてますよ」
フレンダ「そ、そうだった……。はあ……死にたい」
絹旗「そこまで落ち込まなくても……あ、ほらほら、レジに持っていってますね」
フレンダ「何買ったんだろ。棚のジャンル分け見たらどこ抜けてるか分かるかな。絹旗、麦野見張っといて!」 ダッ
絹旗「見なきゃいいのに……。私にはフレンダが自虐プレイしているようにしか見えません……」
麦野「……」 スタスタスタ
絹旗(おっと、帰るんですかね。……いや、2階で止まって……あれは入ろうか入るまいか超迷ってる感じです)
麦野「……」 クルッ スタスタスタ
絹旗(行った―――! 2階は女性向けコーナーということなのでBL本が置いてあるはず。
麦野はそっちの趣味は無いからきっとエロいグッズコーナーです。……マジですか麦野)
フレンダ「ふぇ~ん! 絹旗~!」 ガバッ!
絹旗「ちょっ!なんですかフレンダこんなところで!」
199 名前:14日目(火曜日) ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/24(土) 21:13:46.01 ID:UHou66Io [20/30]
フレンダ「麦野が純愛もの買ってってた~!」 ビー
絹旗「麦野のくせにどの面下げて純愛とか……まあいいでしょう。
とりあえず離れてくれません? 超目立ってますよ」
フレンダ「グスッ……へ?」
ザワザワザワ…
オニャノコトオニャノコガ ハァハァ… ヨウジョモエー… ユリモエー… ハァハァ…
フレンダ「わわっ、麦野に勘付かれちゃまずい」 バッ
絹旗「ほんと無駄に勘がいいですからね。麦野は2階へ行きましたよ」
フレンダ「そっちも行っちゃうのかー……追いかけてみよっか」
絹旗「まだ行くんですか」
フレンダ「こうなったら麦野が超電磁砲とどんなプレイをするのか確かめてそれ想像しながら自分を慰める訳よ。
大丈夫、私はNTRもいけるようになってみせるっ!」 グッ
絹旗「もはや偉大な人物に見えてきましたよフレンダ。超愛ですね……」
200 名前:14日目(火曜日) ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/24(土) 21:15:25.79 ID:UHou66Io [21/30]
―『諫早書店』 2階 18:10―
麦野「……」 コソコソ キョロキョロ
絹旗「案の定アダルトグッズコーナーの入口前でも迷ってますね」
フレンダ「けどあの感じだと行くね」
絹旗「中入ったらどうします?」
フレンダ「大丈夫でしょ。それなりに向こう側も広そうだし」
絹旗「いやそうじゃなくて。私たち18歳以上にはさすがに見えないんじゃ……」
フレンダ「いけるいける。結局、制服じゃなけりゃ入るだけなら注意されないよ」
絹旗「そんなもんですか」
フレンダ「そもそも裏通りに建ってる店だし、18禁なんてのもあって無いようなもんなんじゃない?
買う時もさすがに絹旗じゃ無理だけど、私とかなら年齢確認されないと思う訳よ」
絹旗「なるほど。まあ学生の街ですしね。あ、見てください。麦野入りましたよ!」
フレンダ「卑猥な単語列挙することにかけちゃ学園都市一位の麦野にしては決断が遅かったね。私たちも行こう」
タッタッタッ
201 名前:14日目(火曜日) ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/24(土) 21:16:44.06 ID:UHou66Io [22/30]
麦野「……」 ジー
フレンダ「あそこは何コーナーだろ、私も入るの初めてだからなー……」
絹旗「あれは……あわわ……」 カァァ
フレンダ「あ、バイブか。あれならまだ一人で使うって可能性もある訳よ」
絹旗(私こんなとこで何やってんでしょう……)
麦野「……」 スッ
絹旗「なんか箱をマジマジと見つめてますね。気に入った形でも超見つけたんでしょうか」
フレンダ「結局、どうでもいいけど麦野の自慰ってすごそうよね。ゴリゴリやってそう」
絹旗「うげ、想像したくないです……」
麦野「……」 ポスッ
フレンダ「棚に戻したね。買わないのかな」
絹旗「本くらいなら可愛いもんですけど、あれ買われたら明日私はどんな顔して麦野を見ればいいんですか」
フレンダ「『涼しい顔してるくせに部屋ではアレ突っ込んでヒーヒー言ってんでしょこのエロメスがっ!』
っていう目で見ればいい訳よ」
絹旗「超ヒキます」
202 名前:14日目(火曜日) ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/24(土) 21:18:15.59 ID:UHou66Io [23/30]
フレンダ「冗談冗談。私も麦野が男のモノを模したオモチャでグチュグチュやってるのは想像したくないな」
絹旗「超生々しい表現やめてください。お、今度は……な、なんですかあれ」
麦野「……ゴクリッ」 ジー
フレンダ「…………」 クラッ
絹旗「ちょちょちょ! なんですか? 貧血ですか?」 ウケトメ
フレンダ「ふぇ~! だってあれペ○バンだよ! あ、あんなの麦野が見てるなんてー!」 ビー
絹旗「見てるだけならいいじゃないですか。ほら自分で立ってくださいよ。また目立ちますよ……」
フレンダ「そだね……グスッ、最後まで見届ける訳よ」
絹旗「けど今度は手に取るどころか目を背けてますね」
フレンダ「さすがの麦野にもちょっときつかったかな。隣には双頭ディ○ド。はぁ……やっぱそういうことなのね」
絹旗「まあまあ。ただ百合ブームが麦野の中でキテるだけかもしれませんよ」
フレンダ「ふむ、一理あるなー。そうだったらいいのに」
絹旗(まあその可能性は薄いですけど……。あの人目に敏感な麦野が私たちの視線に気づいてない。
フリをしてるなら平静を装うはずですし、耳まで真っ赤にしてるあの感じだとかなりの緊張状態で
店内を超物色してます。やっぱ恋ですかね、麦野)
フレンダ「でも結局何も買わないみたいだね。出口向かってるよ」
絹旗(どんなのがあるか一応参考にってとこでしょうか。まあ純愛ものから入る人ですから、
いきなりオモチャなんて使いませんよね)
フレンダ「よし、私たちも戻ろっか」
絹旗「ですね……って、しまった滝壺さん!」
フレンダ「あっ! 漫画雑誌コーナーは入口前!」
絹旗「と、とにかく麦野を追いかけましょう!」 ダッ
203 名前:14日目(火曜日) ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/24(土) 21:19:53.14 ID:UHou66Io [24/30]
―『諫早書店』 1階 18:20―
麦野「な、なんでアンタがここにいるの?」
滝壺「むぎの……」
ササッ
フレンダ「や、やばー。滝壺と麦野会っちゃった!」 ヒソヒソ
絹旗「滝壺さんの機転に超期待するしかないです! 様子を見ましょう」 ヒソヒソ
フレンダ「あーもう怖いなー。何喋ってんだろ……」 ハラハラ
麦野「ま、まさかアンタ後つけて……」
滝壺「後? どうして?」
麦野「……どうしてって……その」
滝壺「私ははまづらがこの本屋に用があるから一緒に来ただけだよ」
麦野「一緒にって……なんでわざわざこんなとこまで……」
滝壺「分からないけど、3階に用があるからここで待っててくれって言われたの」
麦野「そ、そう……」
麦野(3階って……まさかこれ買うとこ浜面に見られたりしてないわよね?
ううん、あいつのことだからどうせ18禁コーナーよ。大丈夫大丈夫。危ないわねー……)
204 名前:14日目(火曜日) ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/24(土) 21:21:31.10 ID:UHou66Io [25/30]
滝壺「むぎのも何か買ったの?」 チラッ
麦野「な、なんでもないの!」 ササッ
滝壺「え、でもそれ……」
麦野「なんでもないったら。それよりあのバカは? 彼女待たせて何やってんだか」
滝壺「そろそろ戻ってくると思うけど……」
麦野「そ、そう。じゃあ私は帰るわね。滝壺、私とここで会ったことは誰にも内緒よ!」
滝壺「どうして?」
麦野「理由は聞かないで! 黙っててくれたら今度アイス買ったげるから」
滝壺「ほんと? いいよ」
麦野「じゃ、じゃあね! また明日」 イソイソ
滝壺「うん。バイバイ」
タッタッタッ
滝壺(アイス……嬉しいな)
絹旗「イソイソ帰っていきましたね」
フレンダ「ふう、なんとか大丈夫だったみたいだね。滝壺何か言われた?」
滝壺「誰にも会ってないよ?」
205 名前:14日目(火曜日) ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/24(土) 21:23:11.38 ID:UHou66Io [26/30]
フレンダ「へ?」
滝壺(むぎの……私、アイスを守るよっ) グッ
絹旗「いやさっきまで麦野が……」
滝壺「誰にも会ってないよ」
フレンダ「ああ、口止めされてる訳ね……まあいいや、尾行がバレてないなら」
絹旗「しかし大した収穫はありませんでしたね。麦野が純愛百合同人誌を買っていったことくらいしか」
フレンダ「あとはまあアダルトグッズコーナーに入ったけど買わず……興味本位の可能性も捨てきれない訳よ」
滝壺(ハーゲンダッツにしようかな……でもパピコも好き。あ、スーパーカップもいいな……)
フレンダ「よし、今週の土日は朝から麦野ん家前に張りこむよ!
相手が超電磁砲なら土日しかデートできないだろうし、真実をこの手でつかみ取ろう!」 グッ
絹旗「もうそっとしておいてあげましょうよ。麦野がプライベートで誰と付き合おうと知ったことじゃないです。
別に麦野が女性と超恋人関係になることが仕事に影響するわけじゃないですし」
フレンダ「むう……私には影響するもん」 ショボン
絹旗「さ、帰りましょっか。浜面はどうせコンビニでエロ本の立ち読みでもしてるんでしょうし」
滝壺「……それは許せない」 ゴゴゴ…
絹旗「滝壺さん?」 ゾワリ…
フレンダ(私はちゃんとこの目で見るまで信じないからね、麦野っ!)
207 名前:14日目(火曜日) ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/24(土) 21:26:06.15 ID:UHou66Io [27/30]
―麦野宅 19:00―
――――――――――――――――――――
from:美琴
件名:やほ(*´∀`)ノ
本文:
いよいよ今週なんだねー(*>艸<)
いっぱい沈利さんに甘えるね(∩∀`*)
お昼はどうする?
――――――――――――――――――――
麦野(ふふっ、美琴をめちゃめちゃ甘やかしたいわ……) メルメルメル
――――――――――――――――――――
to:美琴
件名:うん
本文:
知り合いに見られても知らないわよ(笑)
お昼は微妙な時間だし家で軽く済ませてきてね。
夜は期待してていいわよ。
――――――――――――――――――――
>送信 ピッ
麦野「さてと……」 イソイソ
麦野(今日買った女の子×女の子の本……) スッ
麦野(中学生の時コバ○ト文庫でそんなの読んだことあるわ……マリ○てだっけ?)
麦野(ああいうのが百合?っていうのか)
麦野(ここ1週間百合?っていうのを色々調べてみたけど、なかなか奥が深いのね)
麦野「しかし百合って何だ……。レズビアンじゃ駄目なわけ? まいいや」
麦野(あいつを頑張ってエスコートしてやらなくちゃね。私のほうが年上なんだから、それくらいはしないと)
208 名前:14日目(火曜日) ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/24(土) 21:28:09.25 ID:UHou66Io [28/30]
―常盤台中学学生寮 二○八号室 19:30―
――――――――――――――――――――
to:沈利さん
件名:いいの(∩∀`*)
本文:
むしろ見せつけてやればいいのよ(´ε`*)
はーい(*´∀`)ノ
――――――――――――――――――――
>送信 ピッ
御坂(沈利さんと付き合ってもう一週間なのか、早いわねー)
白井「お姉様、今週の土曜日はお暇ですの?
よろしければ第六学区にでも足を延ばして遊びに行きませんこと? 初春達も誘って」
御坂「ん? あー……ごめんねいつも誘ってもらってんのに。
今回も先約有りなのよ。」
白井「別に構いませんわよ。先日は色々とご馳走していただきましたし。
それはそうと、今回もまた麦野さんとお出かけになられますの?」
御坂「うん。第六学区の水族館にね。夜も沈利さんに泊めてもらうから帰らないけど心配しなくていいから」
白井「あら、それは楽しそうですわね」
白井(少々妬けますけれど、久しぶりにお姉様の下着チェックをするにはいい機会ですの) グヘヘ…
御坂「うん、お土産買ってきてあげるからね」
209 名前:14日目(火曜日) ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/24(土) 21:31:15.16 ID:UHou66Io [29/30]
白井「お気づかいなく。ところでよくそんなに外泊申請が通るものですわね。
麦野さんはお姉様の御兄弟等の身内というわけでもありませんのに」
御坂「まあ沈利さんは身元もしっかりしてるしレベル5同士だからじゃない?
許可を出すのは寮監じゃなくて常盤台の先生達だし、言うほど厳しくないわよ」
白井「なるほどですの。
確かに常盤台の学校側としても、お姉様と麦野さんが友好的なのは喜ばしいことですものね」
御坂「そうとられると素直に喜べないわねー」
白井「まあまあ。お二人の仲がよろしいことは悪いことではありませんし」
御坂「そうだけどさー。ま、あんたに言っても仕方ないしね。さ、お風呂入ろっと」
白井「あらん、一緒に入ってもよろしくってー? お背中お流しいたしますわよ、黒子の肌で」 ウヘヘヘ
御坂「間に合ってるからいいわ」
白井「ちぃっ! それは残念ですの!」
ガチャッ パタン
白井「……ん? 間に合ってるとは?」
白井(……聞き間違いではありませんわよね……どういうことですのお姉様!)
白井(泡立てたボディソープで肌と肌を擦り合わせる素敵な遊びを間に合ってるだなんて……
聞き捨てなりませんわー!)
白井(……そういえばここ最近お姉様ったら麦野さんのことを『沈利さん』とお呼びするようになっておられますの……)
白井(最初はちょっと仲良くなっただけだと思っておりましたが……なんだか嫌な予感がしますの)
白井(しかしわたくしが言うのも何ですがお姉様にそっちのケがあるとはとても……いえ、恋は人を変えるもの。
これは少々確かめねばならないようですわね!) ゴゴゴゴゴゴゴゴ…
266 名前:18日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/26(月) 21:13:58.39 ID:3J.texQo [3/34]
18日目 (土曜日)
―第七学区駅前 13:00―
御坂「~♪」
御坂(いよいよ沈利さんと初デートね。よく考えりゃ私まともなデート自体がそもそも初めて……) ドキドキドキ
御坂(途中で私服に着替えたけど変じゃないわよね……。Tシャツに短パンってラフ過ぎないかな?)
御坂(別に沈利さん男じゃないんだからスカート穿いたって嬉しいわけじゃないだろうし、大丈夫よね。
あ、けど好きな子のエロい格好は見たいとか言ってたような……)
御坂(沈利さん結構やらしいからなー……あんまり挑発するような格好はしないでおこう。うん)
タッタッタッ
麦野「おまたせー」
御坂「おーす。あ、今日はミニスカートなのね」
麦野「あんま見んな。太いのバレる」 ササッ
御坂「なんで穿くのよ。しかも全然細いってば。気にしすぎじゃないの?」
麦野「美脚のアンタには分からないわよ。っつかアンタこそ生足出しちゃって、誘ってんの?」
御坂「違うっつの。ほら、行きましょ」
麦野「はいはい」 スッ
御坂「あっ……手……」
267 名前:18日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/26(月) 21:16:17.55 ID:3J.texQo [4/34]
麦野「嫌?」
御坂「そんなことないけど、恥ずかしいわね……」
麦野「見せつけてやろうなんて言ったやがったのはどこのどいつだっけ?」
御坂「そうだけどさ。周りの人からすりゃ別に見せつけられてもって感じじゃない?」
麦野「そうかしら、こんな可愛い女の子が二人手をつないで歩いてたら、男はそれだけで三日は抜けるわよ」
御坂「自分でそこまで言うか……」
麦野「なんて、女の子同士で手繋いで歩くのなんて別によくあることじゃない」
御坂「そうね、小学校くらいまではね」
麦野「何よ。いいだろ、誰も困らないんだし」
御坂「そりゃそうか。じゃ、今日はしっかり引っ張っていってね、沈利さん」
麦野「お姫様って柄かしら。まあいいわ、今日はたっぷり楽しみましょ」
御坂「うん!」
268 名前:18日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/26(月) 21:20:38.77 ID:3J.texQo [5/34]
―駅前 同時刻―
サササッ!
白井「……見つけましてよ、お姉様」 ボソッ
白井(意気揚々と出かけて行かれたのでわざわざサングラスとトレンチコートで変装して尾けてみれば、
これはどういうことですの……?)
白井(確かに麦野さんと第六学区へ遊びに行かれるとおっしゃってましたが、まさか手を繋ぐなんて聞いていませんの)
白井(いえいえ、早まっては駄目よ黒子! 仲の良い女性同士なら手を繋ぐことも考えられない話ではありませんの。
小学校低学年の時まではわたくしもしていましたし……しかし、いつもわたくしが手を繋ぎたいと申しても
絶対に繋いでくれませんのに、お姉様ったら麦野さんには随分大胆ですのね……)
白井(ハッ! ま、負けては駄目ですの! お姉様が年下だから、先輩の麦野さんの自尊心を満たして差し上げようと
エスコートをお願いしているだけですの! 今日一日見届けさせてもらいますわよ!)
ギギギギッ!
白井「ん?」
白井(な、なんですのこの歯ぎしりの音は……)
フレンダ「……」 ギリギリギリ… ミシミシミシ
白井(な、なんですのあの金髪に帽子の方……? 一応年上に見えますけれど。
それにしても街灯を握り潰さんばかりの力で握っていますの……)
フレンダ(ななな! 何よこれぇっ!)
フレンダ(麦野が朝からにこにこ嬉しそうに出かけていったかと思えば……れれれ超電磁砲と手なんか繋いで―――!)
269 名前:18日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/26(月) 21:22:52.92 ID:3J.texQo [6/34]
フレンダ(私だってまだ繋いだことないのにー!) ギリギリ…
フレンダ(わざわざ来る途中セブンスミストでキャップとジャージまで買って変装したんだから、
今日はたっぷり麦野を視姦……ゲフンゲフン調査してやる訳よ!) グッ
白井(ブツブツと独り言を……。ああいう方に好かれる方は大変ですわね。ストーカー予備軍ではありませんの?)
フレンダ「ん?」
フレンダ(何な訳よあのグラサンとコートのツインテール……じっとこっち見て。……ストーカー?)
フレンダ(あーやだやだ、変態ってのはいつの世もいる訳よ。見た目中学生くらいだってのに、結局世も末って感じよね)
白井(まああのような非常識な方は放っておいて、お姉様達の後を尾けるとしますの)
白井(それにしても……フヒヒッ、お姉様の生足ファッション、いいですわー!
嗚呼、その太股にお顔を挟んでフニフニしてほしいですのー!) ハァハァ
フレンダ(何あの子、ハァハァ言っててキモッ! まどうでもいい訳よ。麦野達の後を追わなくちゃ)
フレンダ(にしても結局……麦野のミニスカートキタ━━━(゜∀゜)━━━ !!!!!
何あのエロい太股! 胸もいつになく強調しちゃって谷間丸見えな訳よ! 挟まれたい!) ハァハァ
白フレ((いい思い出になりそうですの(な訳よ)!))
270 名前:18日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/26(月) 21:25:46.21 ID:3J.texQo [7/34]
―電車内 13:15―
ガタンゴトン… ガタンゴトン…
麦野「電車なんて久しぶりに乗ったわ。第六学区行くのも結構久しぶりかも」
御坂「私もそっちは滅多に行かないわねー。あ、でもこの前黒子連れて遊びに行ったわよ」
麦野「あらそう。何して遊んだの?」
御坂「えーっと、適当にアミューズメント施設はしごして、おやつ食べてって感じかな」
麦野「ふぅん」
御坂「あ、沈利さんもしかして焼きもち~?」 ニヤニヤ
麦野「べっつにー」 プィッ
御坂「妬かない妬かない。それより今日行く水族館てどんなところなの?」
麦野「ん、今フェアやってるらしくて、泳いでる魚を調理してくれるみたいだね」
271 名前:18日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/26(月) 21:27:00.46 ID:3J.texQo [8/34]
御坂「何そのエグいフェア」
麦野「さすがに水槽で泳いでる奴をその場で釣って食べるわけじゃないと思うけど」
御坂「そりゃそうでしょ……。動物園で牛の檻の前でバーベキューするようなもんよ」
麦野「水族館ってデートっぽいと思ったんだけど……」 シュン…
御坂「あ、い、いいのよ全然! 魚もお寿司も好きだし! だから落ち込まないでよ!」
麦野「べ、別に落ち込んでなんかないわよ!」
御坂「…そ、そう?」
御坂(シュンってなってたくせに……。まあ確かに水族館は定番よね。けど魚なんて見て楽しいのかしら……?)
麦野(新鮮な鮭が食べられる! あれ、でも水族館に普通鮭の水槽なんてあるか……?) ハテ
272 名前:18日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/26(月) 21:29:17.28 ID:3J.texQo [9/34]
―電車内 同時刻―
白井(キィィ! なんですのなんですのなんなんですのー!?
座席は空いているのですからあんなに詰めて座らなくてもよろしいんじゃありませんこと!?) ガァァ
フレンダ(あぁー! 超電磁砲私の麦野にくっつきすぎ! あんなに近づいたら麦野のいい匂いを嗅ぎ放題じゃない!
麦野はいつから女の子とそんな密着するようなエロい子になったの!?) ダァァ
白井フレンダ((しかも……)) チラッ
白井(なんでこの方この電車に乗ってますの? 第六学区なんて一人で遊びに行くようなところではありませんわよ)
フレンダ(電車の中でもサングラスって、結局アホだよね。なんか呼吸荒いし危ない人なんじゃないの?)
白井(大体電車の中でキャップって……しかも年頃の若い女性が上下ジャージで電車だなんて……)
フレンダ(チビのくせに何よロング丈のトレンチコートって。結局、コロンボでも目指してる訳?)
白井(華の休日にこういう無益な過ごし方をする方にだけはなりたくありませんわね)
フレンダ(どうせモテないから周りのカップル睨んで威嚇するような寂しい過ごし方してるんだろうなー……
こういう人にだけはならないように気をつけよっと)
白井(そんなことより、何を話しているんでしょうかお姉様達は、随分と楽しそうですわねー)
フレンダ(ま、こんな変態に構ってるのは時間の無駄な訳よ。それより、なんか仲よさそうだなー。
こんなこともあろうかと小型指向性集音マイクを持ってきているから問題ない訳よ) テレレッテレー!
273 名前:18日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/26(月) 21:32:12.71 ID:3J.texQo [10/34]
白井(ゲェッ、な、なんですのあの方。電車の中だと言うのに何やら怪しげな機材を取り出しましたわよー!?
これはかなりの危険人物ですの……ありえませんの……) ヒキッ
フレンダ(あの子何こっち見てんだろ。わ、私をターゲットにするのはやめてほしい訳よ!
無視無視無視! 無線イヤホン着けてっと……どれどれ)
ガガー……ザザザ
麦野『美琴、カエルのヘアピンどうしてるの?』
御坂『沈利さんに買ってもらったアレ? 大事にとってるわよ。私の宝物だもん』
麦野『使ってよ。壊れたらまた買ってあげるからさ』
フレンダ(おーっし、感度良好!)
御坂『いや、白状すると、さすがにあれを着けて歩くのは私でもちょっと恥ずかしいかなって』
麦野『恥ずかしがってるアンタを見たいのに』
御坂『んなもん見てどうすんのよ』
麦野『おかずにする』
フレンダ「おかずぅっ!?」
274 名前:18日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/26(月) 21:33:31.12 ID:3J.texQo [11/34]
ザワッ!
フレンダ(や、やばっ) コソコソッ
ザザザ……
麦野『な、何今の声……私の声大きかった?』
御坂『ううん。なんだろ、偶然じゃない?』
麦野『そうよね、いくらなんでもそんなでかい声でしゃべらないわよ。にしても今の声誰かに似てるような……』
白井(ほんとなんなんですのこの方……突然お、『犯す』だなんて意味の分からないことを叫んで……。
そろそろ警備員(アンチスキル)を呼んだ方がいいかもしれませんわね……)
フレンダ(危ない危ない……あまりに衝撃的な言葉に我を忘れてしまった訳よ)
ザザザ…
御坂『と、ところでおかずって何よ……』
麦野『アンタのことを妄想してオナニーすることよ』
御坂『な、なななっ!』
275 名前:18日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/26(月) 21:35:48.36 ID:3J.texQo [12/34]
麦野『昨日なんか朝までしてたから眠くて眠くて……ふぁ~』
御坂『ばか……』
麦野『なんてね、冗談よ。そうやって困ってるアンタが可愛いから』 ナデナデ
御坂『どっちにしたって恥ずかしいもん……』 カァァ
フレンダ(ぐぐぐっ……血涙が止まらねえ訳よ。でも冗談か、よかったよかった。
だけど結局、麦野に頭を撫で撫でしてもらえるなんて至上の喜びな訳よ! う、羨ましい~!) プルプル…
白井(プルプルしていて気持ちが悪いですの……。
それはともかく、今お姉様頭を撫でられていましたわね……まあなんてこと。
お姉様もお姉様ですの、照れたりなんかしてわたくしがそんなことしようものなら有無を言わさず
アルゼンチンバックブリーカーの刑ですのにぃっ! エヘッ、でもその時はお姉様に密着できるからそれも
悪くありませんの。黒子ったらけ・な・げ) キャピッ
フレンダ(ゲッ、あいつキモッ……くねくねしちゃって、かよわい乙女の私には恐ろしい存在な訳よ)
ピロリロリーン♪
『まもなく第六学区中央駅。第六学区中央駅です』
276 名前:18日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/26(月) 21:36:49.73 ID:3J.texQo [13/34]
ザザザ…
麦野『あ、もう着くね。なんかワクワクしてきた』
御坂『沈利さんでもワクワクとかするのね』
麦野『私ゃ冷血人間じゃねえんだよ。……ま、アンタと一緒だからね』
御坂『うん……私もよ』
フレンダ(くぅっ! イチャイチャしちゃってムカつくー! 超電磁砲そこ代われ! 私も麦野とデートしたいのにぃぃいい!)
白井(また手を繋いでいますの。寂しんぼうさん達ですの? う、羨ましくなんてないですわよ!)
スタスタスタ
白井フレンダ「「ん?」」 ピタッ
白井「ど、どうぞお先にですの」
フレンダ「あ、ありがとう」
白井(この方やっぱり第六学区へ……一体その格好で何しに行くつもりですの……? 怪しい、怪しすぎますのー!)
フレンダ(ほんと一人で第六学区で何する訳よこの子。怪しいなー……)
277 名前:18日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/26(月) 21:38:43.94 ID:3J.texQo [14/34]
―第六学区 水族館『アドリア海の女王』 13:40―
ザワザワザワ ワイワイガヤガヤ
麦野「結構混んでるわね。晴れてるしイルカショーとかも並んでそうだな」
御坂「仕方ないわよ。むしろこれくらいのほうが休み満喫してる感じがして楽しくない?」
麦野「水槽の前で混むのは嫌よー」
御坂「ま確かにね。けどこれくらいなら大丈夫よ。さ、並びましょ」
麦野「オッケー。アンタなんか見たいやつとかある?」
御坂「んー、何がいるのかわかんないけど……可愛いやつ」
麦野「具体性の欠片も無いわね。言っとくけどカエルはいないわよ」
御坂「わ、分かってるわよ! っていうか別に魚なんか見ても可愛いとは思わないっつの」
麦野「そうねー。どちらかと言えば水槽の中で自由に泳ぐ魚達の全体像を見て綺麗だって思うのが正しい楽しみ方かしら」
御坂「そうよそうよ! 水族館に可愛いものなんて期待してないわよ!」
麦野「分かった分かった、ほら空いたわよ。纏めて買うからお金は?」
御坂「あ、今日は崩してきた」
麦野「えらいわね。イルカショーも見る?」
御坂「見たい見たい。ほんと小さい時に行ったっきりだから楽しめるかしら」
麦野「どうかしらね。私もそうだし、ま、行ってみましょ」
278 名前:18日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/26(月) 21:40:30.14 ID:3J.texQo [15/34]
―水族館前 同時刻―
コソコソコソッ…
フレンダ(結構人いっぱいな訳よ。見失わないように気をつけないと。
指向性マイクも仕込んでっと……よしチケット売り場並ぼう)
白井(お姉様ったらあんなに麦野さんに密着して……いやらしいですの!
チケット売り場はこちらですわね)
スタスタスタ
フレンダ「あ」
白井「む」
フレンダ「先にどうぞ」
白井「それはどうも……」
フレンダ「……」
白井「……」
フレンダ(なんでこの子こんなとこにいる訳よ。一人で水族館て……遊園地よりマシだけどさ)
白井(一体どこまで一緒ですのこの方。一人で水族館なんて正気の沙汰とは思えませんの。
余程お魚のお好きな方なんですの?)
279 名前:18日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/26(月) 21:41:53.43 ID:3J.texQo [16/34]
フレンダ(まあそんなことより麦野達は……お、いたいた。チケット買って入ってくな、急がないと)
白井(お姉様達はあそこですわね。むう、一見仲のよいお友達のように見えますが、背中から出ているピンク色の
オーラがどうにも腹立たしいですの)
係員「次の方どうぞー」
フレンダ「学生1枚」
係員「2000円になります」
フレンダ「はい」
係員「ではこちらが入場チケットでございます。
入場口を入ってすぐ写真撮影を行っておりますのでよろしければどうぞ」
フレンダ「お世話さまー」
白井(ぷぷっ、寂しい方ですの。周りは家族連れや学生ばかりですのに) ニヤニヤ
フレンダ(何ニヤニヤしてんだろこの子。魚フェチ?
怖いなー……まあ麦野にならうなぎを服に中に入れられても嬉しいけど) ニヤニヤ
280 名前:18日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/26(月) 21:43:25.83 ID:3J.texQo [17/34]
係員「次の方どうぞー」
白井「学生1枚お願いしますの」
係員「2000円になります」
白井「はいですの」
係員「ではこちらが入場チケットでございます。
入場口入ってすぐ写真撮影を行っておりますのでよろしければどうぞ」
白井「どうもですの」
係員(なんか変な格好のお客さんだったな……)
スタスタスタ
写真係「ではでは撮りますよー! ハイチーズ!」 パシャッ
白井(ここが写真撮影の場所ですわね……。おっと、ちょうど次がお姉様達の番ですの。
魚と戯れるお姉様の写真もコレクションに加えたいですの)
フレンダ(麦野と写真かぁ、いいなぁ……まあ麦野の写真なんていくらでも持ってるけど。
ツーショットはまともなの無いんだよねー。額に入れて飾るのに)
281 名前:18日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/26(月) 21:46:53.32 ID:3J.texQo [18/34]
写真係「ではお次の方こちらに立ってくださーい!」
フレンダ(む、麦野達の番だ!) コソッ
ザザザ…
麦野『美琴、もっとこっち来てよ』
御坂『えー、沈利さん当たってるわよ……』
麦野『ばぁか、当ててんのよ』 ギュッ
フレンダ「むぎっ……!」
白井「おねっ……!」
麦野御坂『『ん?』』
白井フレンダ((やっべぇっ!)) カクレミッ!
写真係『どうかされましたー?』
麦野『いえ何でも。すみません、もう一度お願いできますか?』
写真係「もちろん。気を取り直していきましょー! ハイチーズ!」
282 名前:18日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/26(月) 21:49:21.02 ID:3J.texQo [19/34]
麦野『……』 ギュッ!
御坂『……』 ギュッ!
パシャッ!
写真係『ではこちらはお帰りの際出口にて1枚500円で販売しておりますのでよろしければどうぞ』
麦野『か、買う?』
御坂『う、うん……ほしいかも……』
麦野『ねえ今度ゲーセンでチュープリも撮ろうよ……』
御坂『い、いいわよ……』
スタスタスタ
フレンダ(な、なんてものを見てしまったんだろ……! 麦野と超電磁砲が寄り添ってツーショットなんて……!
うぅ……ショックだなぁ。……い、いやそれより!) チラッ
白井(な、なんという写真を撮っていますのお二人ってばっ! あんなにギュッと! ギュッと!
ああんっ! 黒子も壊れる程に愛されたいですのー! 3分の1も伝わらなくてもいいですのー!) キィィ!
フレンダ「ね、ねえ……」
283 名前:18日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/26(月) 21:52:17.84 ID:3J.texQo [20/34]
白井(げぇっ! この方まだいましたの!? 一人での写真撮影なんて空気呼んで列抜けてさっさと前に進めばよろしいのに……」
フレンダ「もしかして超電磁砲の知り合いだったりする……?」
白井「!? な、何故それを……」
フレンダ「私は原子崩し……ええと、超電磁砲と一緒にいた女の子の友達なんだけど」
白井「麦野さんの!?」
フレンダ「あ、知り合いだった?」
白井「まあ少しだけ……」
白井(た、確かにそう考えてみればわたくしの行く先々にこの方がいるのも頷けるというものですの……)
フレンダ(やっぱそうだった訳よ。おかしいと思ったんだよねー、私と同じ方向見つめながらハァハァ言ってるし……)
白井(しかし認めたくはありませんが、わたくしの想像が正しければこの方……)
フレンダ(っていうか結局、この子って……)
白フレ((二人の後尾けてきたんじゃ……))
フレンダ(うひゃー、ヒクわー。いくら尊敬する先輩だからってプライベートの監視なんかしちゃう?
超電磁砲に同情しちゃう訳よ。え、私? 私はいいのっ、麦野への愛がそうさせるんだから)
白井(何て残念なお人なのでしょう。普通知り合いのプライベートを覗き見たりしますかしら。
麦野さんもお可哀想に。え、わたくしですの? 黒子はお姉様のパートナーですもの。
お姉様のことは何でも知っていないといけませんの!)
284 名前:18日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/26(月) 21:54:04.44 ID:3J.texQo [21/34]
フレンダ「……」 ニコッ
白井「……」 ニコッ
フレンダ「そ、そうなんだー。二人とも仲いいんだねー。ところであなたって常盤台の学生さんだよね?
やっぱ何かすごい能力者なの?」
フレンダ(どうせ麦野のことだから超電磁砲なんてすぐ飽きてポイだよポイッ!
そしたらこの子達とも戦うことになるかもしれないし、情報拾っておかないといけない訳よ。
さすが麦野の頼れる相棒フレンダちゃん。麦野の頭撫で撫ではいただきよ!)
白井「いえいえ、わたくしなどお姉様に比べたら何て事ありませんの。
空間移動(テレポート)を少々嗜んでおりますの。レベルは4ですけれど。
それより貴女こそ、先ほどから持っておられるその機材はなんですの?」
白井(少々奇行の目立つ方ですし、お姉様に御迷惑がかからないよう確認しておかなくてはなりませんの)
フレンダ「へー! レベル4なんてすごいね! 私のこれは手製の小型指向性集音マイクだよ。
ふふん、結構器用でしょー。他にも超小型カメラとか色々あるよー」
フレンダ(レベル4空間移動能力者(テレポーター)!? すっげぇ訳よ!
いいないいなー! それがあれば麦野の下着も取り放題。麦野の体内に私の体液を転移させたりも出来る!
よし、ちょっと仲良くなってその力利用させてもらおう) フヒッ
白井「それはそれは、大したものですの」
白井(色々と犯罪じみた道具をお持ちですのね……。でもすっげぇですの!
その技術があればお姉様のあらゆる秘め事も24時間365日死角無しで撮影盗聴し放題ではありませんの!
少々お近づきになって機材をお借りできませんかしら) フヒッ
285 名前:18日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/26(月) 21:57:43.01 ID:3J.texQo [22/34]
フレンダ「それほどでもないけどねー。よかったら一緒に聞く? 無線イヤホンもう一個持ってるし」
白井「いいんですの?」
フレンダ「いいよ。その代わり二人に見つかりそうになったらあなたの能力で私も一緒に逃がしてね。
あ、別に後を尾けてきたとかそんなんじゃないんだけど、なんとなく気まずいから」
白井「それくらいお安いご用ですの。わたくしこそこんな素晴らしいものをお借りしてありがとうございますの。
いえ別にわたくしも後を尾けてきたとかそういうわけではありませんけれど、少々気恥ずかしいですものね」
フレンダ(よーし、これで私の唾液を麦野の口内に転移させる計画の第一歩が始まった訳よ!)
白井(完ッ璧ですわ。これでお姉様ドキュメンタリー『お姉様とその生態』のクランクインが近付きましたの!)
フレンダ「じゃよろしくね。私はフレンダ」 ガシッ
白井「わたくしは白井黒子と申しますの。どうぞよろしく」 ガシッ
写真係「次の方どうぞー」
白井フレンダ「「はい?」」
写真係「さ、写真をお撮りしますよ。どうぞこちらへ」
白井「い、いえ私たちはその……」
フレンダ「ま、まあいいんじゃない? せっかくだから撮ってもらおうよ」
286 名前:18日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/26(月) 21:59:21.16 ID:3J.texQo [23/34]
白井「そうですか? では……」
フレンダ(ちょっとでも仲良くなっとかないとね。あんたの能力たっぷり利用させてもらうんだから)
白井(どういうつもりですの? けれどこの方の技術を手に入れるためなら悪くありませんわね。
お姉様のためならこの方を欺いてみせますの!)
写真係「はいではもっと寄ってください! いきますよー! はいチーズ」 パシャッ
白井フレンダ「「……(ニコッ)」」 ウワッツラー
写真係「ではこの写真は後ほどお出口で……って、あれ?」
白井「急ぎませんと見失ってしまいますの!」 ダッ!
フレンダ「だね! 二人ともせっかちそうだからダッシュダッシュダッシュ!」 ダッ
白井「キック&ダッシュですのー!」 ダッ
写真係(変な子達だなー……)
287 名前:18日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/26(月) 22:01:01.81 ID:3J.texQo [24/34]
―水族館館内『ラッコの水槽』 14:00―
プカプカ
ワイワイワイ… ガヤガヤ
御坂「キャ―――! 可愛い~!」
麦野「おい、水族館に可愛いもんは期待してないんじゃなかったの?」
御坂「だってこんな可愛いのいるなんて知らなかったんだもーん! 見て見て! ぐるぐる回ってる!
あーん、こんなのだったら一日中見てられるわ-!」
麦野「そうね。胴体長いわね」
御坂「見て見て!毛づくろいしてるわよ! 抱きしめたらプニプニもこもこで気持ちよさそう~。
可愛いなー、ね、沈利さん!」 パァッ
麦野「……そうね」
麦野(テメェのが兆倍可愛いっつの)
御坂「ねね、私デジカメもってきたんだ! 撮ろう撮ろう!」
麦野「あーはいはい、引っ張るな。はしゃいじゃって、ガキっぽいわよ」
御坂「沈利さんこそもっと笑って笑って! ラッコはあんま好みじゃない?」
288 名前:18日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/26(月) 22:02:56.68 ID:3J.texQo [25/34]
麦野「楽しんでるからお構いなく。アンタ見てた方が面白いけどね」
御坂「なによぅ、私は見せもんじゃないわよー! ほら沈利さん撮るよ、もっとこっち寄って!」
麦野「背景にちゃんとラッコ入るんでしょうね?」
御坂「沈利さんとのツーショットいっぱい撮るために持ってきたんだから細かいことはいいの!
ハイチーズ!」 パシャッ!
麦野「撮れた?」
御坂「えっと……あ! ぷぷっ! 沈利さんまばたきしたでしょ! 半眼になってるわよー」 クスクスッ
麦野「ちょっ! テメ、消せよ!」 ガッ!
御坂「やーだ。これも思い出だもん」 ヒョイッ
麦野「ふざけんなっ! 美しくない私を写真に収めることは許さないわよ!」
御坂「沈利さんはどんな表情でも美人だから大丈夫よ!」
麦野「分かりきったこと言わないで! こら貸せ!」
御坂「貸さなーい。あ、ねえねえ、あっちにはカワウソがいるわよ! 行こう行こう!」 タッタッタッ
麦野「あーもうったく! 分かったから走るなっての」 タッタッタッ
289 名前:18日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/26(月) 22:04:16.09 ID:3J.texQo [26/34]
―同時刻―
フレンダ「」
白井「」
フレンダ「のっけから飛ばしてる訳よあの二人……」
白井「確かにレベル5の集中力は伊達ではありませんの……お互いしか見えていないような……」
フレンダ「よ、弱気になってどうするの! 結局、すっごい仲の良い友達なだけなんだから!」
白井「そ、そうですわよね! 手を繋いで歩いたり、頬が当たるくらいに寄り添って写真を撮るくらいじゃ
まだまだ友達の域ですの!」
フレンダ「お、今度はカワウソの方に行った訳よ」
白井「お姉様ったらあんなにはしゃいで……まるで無邪気な子供のようですの」
フレンダ「麦野からすりゃ14歳なんて十分子供でしょ……」
ザザザ…
麦野『あら、この子達は結構可愛いわね』
御坂『ラッコよりこっちのほうが好き?』
麦野『どちらかと言えばね。んー、でも私早くペンギン見たいなー』
御坂『いいわね! ペンギンってヨチヨチ歩くからラブリー』
290 名前:18日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/26(月) 22:05:55.95 ID:3J.texQo [27/34]
麦野『でもあいつら水中だとどや顔でミサイルみたく泳ぐわよ。
失速するとプカーッて水面に浮いてくるところが間抜けでいいよね』
御坂『何それすっごい見たい! 行きましょう行きましょう!』
麦野『急がなくたって逃げないわよ。落ち着いて楽しみなさいよ』
御坂『沈利さんの口から「落ち着け」だなんて。おっかしーの』 キャッキャッ
麦野『あんまり調子こいたこと言ってると上下に引き裂くわよ?』
御坂『ご、ごめんなさい。あまりに信じられない発言につい』
麦野『よし。次言ったら3分割』
御坂『もう、細かいこと気にすんじゃないの!』
白井「会話自体は確かに仲の良い友達同士という感じもしますが……」
フレンダ「だよね。まだ核心に触れてない感じな訳よ」
フレンダ(まああの麦野があんなに楽しそうにしてること自体が異常な訳だけど)
291 名前:18日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/26(月) 22:08:08.38 ID:3J.texQo [28/34]
―水族館館内 『ペンギンの水槽』 14:20―
麦野「こ……これは……」 ホァァ
御坂「か、かわゆい……」 ポヘー
麦野「ねね、写真撮ろ撮ろ!」
御坂「お、ノってきたわねー。よし、沈利さんそこ立って、撮ったげるから!」
麦野「うん、お願いね」
御坂「いくよーん。ハイチーズ」 パシャッ!
麦野「ありがと。帰りペンギンのぬいぐるみ買おうっと」
御坂「随分気に行ったみたいね」
麦野「次はアンタも撮ったげるからそこ立ちな」
御坂「うん、可愛く撮ってよね」
麦野「よし、なら脱げ」
御坂「なんでよ!」
麦野「アンタの裸綺麗だし。一番綺麗な姿を撮ってあげる」 キャピッ☆
御坂「そ、そんなことこんなとこで言わないでよ!」 カァァ
292 名前:18日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/26(月) 22:10:19.28 ID:3J.texQo [29/34]
麦野「ふふっ、ごめんごめん」 パシャッ!
御坂「なっ! 撮る前になんか言いなさいよ!」
麦野「美琴の照れ顔撮っちゃった」 バチコンッ☆
御坂「可愛くウィンクしても誤魔化されないからね! い、今すぐ消しなさい!」
麦野「消しません。携帯でも撮ったから今からこれ私の待ち受けよん」
御坂「だぁぁー! んなもん誰かに見られたらどうすんのよ! すっごい恥ずかしいじゃないのよ!」
麦野「アンタだって私の半眼撮っただろ。諦めなさい」
御坂「うう、余計なことするんじゃなかった……」
麦野「さ、次はあそこね。あ、鮫がいるみたい」
御坂「鮫かー。沈利さんっぽいよね」
麦野「あァ?!」
御坂「じょ、冗談じゃない」 ビクッ
麦野「私のどこがサメ肌だってのよ。しっとりもちもち卵肌でしょが」
御坂(そこじゃないわよ)
293 名前:18日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/26(月) 22:12:29.78 ID:3J.texQo [30/34]
―同時刻―
フレンダ「ど、どう見てもイチャイチャしてるようにしか見えない訳よ……」
白井「お姉様の裸とか肌がどうとかおっしゃってましたわね……」
フレンダ「それにしてもペンギン可愛い訳よ」 ホワァ
白井「ですわねー。このデップリとした感じがなんとも愛らしいですのー」 ホワァ
フレンダ「あー、見て見てー! 飼育員さんが餌あげてるよー!」
白井「まあ本当。現金なものですわね、バケツの中に餌が入ってると分かっているのでしょう、
わらわらと集まっていきますの」
フレンダ「食べてる食べてるー! あはは、お腹空いてるのかな」
白井「お魚を丸呑みですの。あら、あちらは掃除をされている飼育員の方の後をペタペタ着いていってますわよ」
フレンダ「わぁかわいい! きゃははっ、あっち行きなって押しやられてる」
白井「それでも寄って行きますの。なかなか健気な子ですわね」
フレンダ「水族館なんて久しぶりに来たけど結構楽しいねー!」
白井「悪くありませんわ。あ、あっちにはタコがいますわよ!」
フレンダ「どこどこー! うわっ! うねうねしてる! 結局、白井さんのツインテールみたいだね!」
295 名前:18日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/26(月) 22:14:46.50 ID:3J.texQo [31/34]
白井「んまっ! それは心外ですの! 」
フレンダ「冗談だよー。タコ焼き食べたくなってきた訳よ」
白井「現在フェア期間中ですから出口で食べられますわよ」
フレンダ「そうだったね。お腹空いてきちゃったなー」
白井「仕方ありませんわねー。飴でよろしければありますからこれでも嘗めてらしたら?」
フレンダ「わーい! 黒飴って、おばあちゃんみたーい! いただきー」 パクッ
白井「誰がお婆ちゃんですの!」
フレンダ「コロコロ……美味しいからいいのいいの。ありがとね。よし、次はあっち見よう!」 ダッ
白井「まったく、仕様のない方ですの。あらま大きな水槽がありますの。あれはマンタですわね」
フレンダ「ひらひらしてて綺麗だよねー。他にもいっぱい泳いでる。小さい鮫もいるね。
うぉっ! あの大きいの何ー!?」
白井「あれはジンベエザメですの。エイもマンタだけではなく他にも何種類か泳いでますわよ」
フレンダ「ほんとだ、微妙に違うね。白井さん詳しいね」
白井「これくらい常識ですの。そう言えば貴女お年はおいくつですの?」
フレンダ「ん? 16」
白井「私より3つも上ではありませんの。落ち着きのない方ですわねー」
296 名前:18日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/26(月) 22:16:51.66 ID:3J.texQo [32/34]
フレンダ「うるさいなー。そんなことより結局、鯖はいないの鯖は?」
白井「鯖ですの? それでしたらあちらのようですわよ」
フレンダ「えー、いるんだ。行きたい行きたい!」
白井「鯖がお好きなんですの?」
フレンダ「正確には鯖缶がね。美味しいよねー」
白井「食べたことありませんの。でもフェアで鯖寿司とかもあるようですわよ」
フレンダ「お寿司かー。嫌いじゃないけどね。鯖に一番合うのはカレーな訳よ」
白井「あなたの舌がバカだということはよく分かりましたの」
フレンダ「失礼な! 白井さんの好物は何な訳よ!」
白井「わたくしは淑女らしく紅茶やケーキはもちろん、スコーンやブリオッシュ等が好きですの」
フレンダ「ブリ……何? 鰤の照り焼きの仲間?」
白井「魚類から離れてくださいませんこと? ブリオッシュとはパンに似たフランスの焼き菓子のことですの。
詳しくはwikipediaをご覧になってくださいまし」
フレンダ「ふぅん、まいいや。鯖カレーの方がおいしそうだし」
297 名前:18日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/26(月) 22:20:28.90 ID:3J.texQo [33/34]
白井「だからなんでそのメニューに挑戦しようと思ったんですの……?」
フレンダ「美味しいんだってばー。今度試して……あ」
白井「どうしましたの?」
フレンダ「麦野と超電磁砲見失った……」
白井「あ……すっかり失念しておりましたの。あ、あなたがペンギンなどに気を取られているからですわよ!」
フレンダ「しょ、しょうがないじゃん可愛いんだもん! 白井さんだってなんだかんだ楽しんでた訳よ!」
白井「わ、わたくしは……! むぅ、確かにそれはそうですの……貴女だけを責めるのはお門違いというものですわね」
フレンダ「あはは、まあ気を取り直してがんばろ。……っと」 ブルルッ
白井「今度はなんですの? 急ぎませんと……」
フレンダ「ちょっとおしっこ行ってきてもいい? 結局、麦野達たぶん3時からのイルカショー見ると思うし大丈夫な訳よ」
白井「まったく。どうぞですの。ところで女性ならせめてお手洗いと言ってくださいましね」
フレンダ「細かいことはいいじゃない。ごめんねー。すぐ戻ってくるからー!」 タッタッタッ
白井「やれやれですの……」 フゥ…
白井(でも意外と人懐っこくて明るい方でしたわね。悪い人では無さそうですの)
続きます&おまけ。
347 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/28(水) 18:16:41.18 ID:QqhVanAo [1/2]
これが今はベッタベタなのか…いいな
350 名前: ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/28(水) 20:05:28.99 ID:xQD8DnYo [1/34]
>347
麦野「あれー? アンタ私が昼ごはんの後ここに置いてあった鮭弁食った?」
御坂「あ、ごめーん。残してあったからもういらないのかと思って捨てるのもったいないし食べちゃったわ」
麦野「おいおい後で食べようと残してたんだよ。美琴ちゃーん、アンタはやっちゃいけないことやっちゃったわねー。
私は今日まで私をコケにした奴と鮭弁を横取りした奴だけは生かしちゃこなかったのよ」
御坂「はぁ? 小さいこと言ってんじゃないわよ。ごめんって言ったでしょ。また新しいの買ってきてあげるから」
麦野「小さい? カッチーンときちゃった。胸まで小さいくせにゴチャゴチャ言ってんじゃねえぞ。
私は今、あの鮭が食べたいの。腹ん中から吐かせてほしい?」
御坂「はー、そこまで言われたらさすがに頭に来たわ。鮭サケうるさいのよサーモン女。どの鮭でも同じでしょうが。
そうやって食い意地張ってるから太るんじゃないんですかねー?」
麦野「あァ? いい度胸ね。やんのかコラ?」 アゴクィッ
御坂「お? 触らないでくれる? 上等じゃないの」 アシフミッ
※※※中略※※※
麦野「私が悪かったわ……ごめんね」 ギュッ
御坂「いいの。私も言い過ぎたもん……」 ギュッ
麦野「美琴……」 キラキラキラ
御坂「沈利さん……」 キラキラキラ
というアホな痴話喧嘩の途中にしか見えないのは麦琴SS書き続けた弊害ですね。
本日投下分も麦琴いちゃいちゃ分やや少なめなので口直しがてらに燃料を。
まだやることがあるので本日の投下は前回と同じく21時~22時になります。
それではまた後ほど。
対象スレ:ID:Ic6YbRYo
1 名前:カザキリ様がみてる ◆S83tyvVumI[sage] 投稿日:2010/07/20(火) 02:23:27.65 ID:Ic6YbRYo [1/3]
「ブチコロシ」
「かくていね」
さわやかな夜の挨拶が、淀みきった黒い空にこだまする。
カザキリ様のお庭に集う乙女たちが、今日も悪夢のような残酷な笑顔で、路地裏の死線をくぐりぬけていく。
血肉にまみれた心身を包むのは黒い色のAIM拡散力場。
鮮血と臓物はまき散らさないように、死体は決して残さないように、しっかりと処分するのがここでのたしなみ。
学園都市裏通り…ここは乙女の園…
ごきげんよう。
百合の花咲き乱れる学園都市の裏路地へようこそお姉様方。
当スレをご覧になる際は以下の三点に御注意下さいませ。
・スレタイ通りの電磁崩し(麦野×御坂)です
・百合要素MAXなので苦手な方はご注意ください(男も出るので百合に男はいらん!という方も)
・エロ表現、暴力表現ありありなので気をつけてください
それでは今回もよろしくお願いいたします。
28 名前:カザキリ様がみてる ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/21(水) 00:09:09.22 ID:BIfS58go [1/24]
『美しければそれでいい』
某百合(?)アニメのOPですが、これが自分の中での百合のイメージソングですw
くちびる白昼夢等いろんな曲の話が出ていたのを思い出したのでなんとなく。
タイトルのセンスが素晴らしいです。
その一言にすべてが集約されていますね。美しければそれでいいのです。
遅れましたが、ごきげんようお姉様方。
今日は投下せず書きためようと思っていたのですが、新スレで何も投下されていないのもどうかと思うので、
ちょろっとだけ投下しておきます。
ここから何回かはあまりストーリー動かないので特に深く考えずに見ていただければと。
30 名前:あ、言い忘れましたがエロ注意です。 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/21(水) 00:15:09.34 ID:BIfS58go [2/24]
―麦野宅 9:00―
カチャカチャ… カチャカチャ… ジュー…
麦野「ん……」 ゴロリ
麦野(……朝か……。美琴は……) チラリ
麦野(あれ……いない……) ムクリ
コトコトコト……トントントン
御坂「あ、沈利さんおはよー。もうすぐ朝ごはん出来るからね」
麦野「……はよ。何アンタ、ほんとに作ってくれてんのね」 ファ~ァ
御坂「沈利さんが作ってって言ったんじゃないの。顔洗って歯磨きしてきなさいよ」
麦野「はーい。シャワー浴びたいんだけど」
御坂「ご飯食べてから。私が片付けしてる間にしてね」
麦野「分かったわよ。顔洗ってくる」
33 名前:9日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/21(水) 00:18:14.95 ID:BIfS58go [3/24]
ガチャッ バタン
キュッ ジャー
麦野(……新妻みたいね。でも起きたとき誰かが近くにいるのは悪くないわ……) バシャバシャ
麦野(今日の朝ごはんは何かしら。この匂いはお味噌汁ね。朝から手間かけてくれてるわ) ハミガキコニュルッ シャコシャコシャコ
麦野(こいつ寮出ていっそここで暮らせばいいのに) シャコシャコシャコシャコ
麦野(でも中学生を家に連れ込んで……変な噂でも立ちそうよね) シャコシャコシャコ
麦野(いやいや、まだ手は出してないわよ? ……キスして乳は揉んだけど……ペッティングはセーフかしら?) シャコシャコ…ペッ!
キュッ ジャー
麦野(けどどうせそのうち手出すんだから一緒か……出せんのかしら私に) ガラガラガラ…ペッ!
麦野(あいつの体綺麗だったな……。私とは全然違う……こんな血にまみれた体が触れたら申し訳なくなるわね……) ガラガラ…ペッ!
麦野(でも抱きしめたいな……もっと美琴に触りたいし……触って欲しい……悶々とするわねー……) ムラムラ
麦野(一週間前までは全然そんなこと考えなかったのに……) クスッ
ガチャッ バタン
34 名前:9日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/21(水) 00:19:08.88 ID:BIfS58go [4/24]
麦野「洗顔歯磨き終わったわよー」
御坂「よろしい。こっちもご飯できたわよ」
麦野「美味しそうね。今日のメニューはなにかしら」
御坂「焼き鮭と卵焼き、ほうれん草の胡麻和えに玉ねぎとジャガイモのお味噌汁」
麦野「やった、鮭だー!」 パァッ
御坂「……っ」
御坂(な、なんて可愛い反応なのかしら……。鮭大好物なのね。
確かに冷凍庫にまる一匹入ってたし切り身も山ほどあったけど)
麦野「ハッ……コホンッ、よ、よしそれじゃ食べましょうか。いただきます」 パチッ
御坂「はいいただきます」 パチッ
麦野「鮭~♪ 鮭~♪」 ホグシホグシ
御坂「そんなに鮭好きなの?」
35 名前:9日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/21(水) 00:22:32.08 ID:BIfS58go [5/24]
麦野「うん、大好きー♪
こんなに魅力的な食べ物がこの世に他にあるかしら?いや無いわ。
ほどよく引き締まって脂の乗った身。様々な調理法で楽しめる食卓のエース。
美しい赤はまるでルビーを彷彿とさせる煌びやかな輝きを放っているわ。
世の中フグだの鯛だのマグロだの言ってるけどさ、結局最後は鮭なのよね。
だってこいつ赤い癖に白身魚なのよ? そういうひねくれたところもちょっと素敵。
知ってる? 鮭の身の赤ってこいつらが食う餌の色なの。オキアミとかを餌にしているから、
殻に含まれるアスタキサンチンが蓄積されて育つにつれて身が赤くなっていくのよ。
だから稚魚の鮭は白身なんだって。すごいわよねー、食べたもんの色が体に着くなんて。
ってことは私らがワインを毎日口にしたら肉の色がちょっと紫がかるとか?
まるで腐った肉みたいね。ビタミン取りまくったら黄色くなるとか? ないない。
まそんなことはどうでもよくってさ、やっぱ鮭と言えば焼き鮭よ。
ちょっと辛口くらいの塩気たっぷりがたまらない美味しさね。ご飯何杯でもいけるっていうか、
むしろご飯いらない。鮭をおかずに鮭を食える。
カラッと上げて甘酢あんかけにしたり、みぞれ煮にしたり、もちろんお鍋、ムニエルやカルパッチョも
素晴らしいわ。でもあえて私が推したいのは鮭フレーク。これね。
この鮭フレークをかけたご飯と塩鮭があれば私は生きていける。
毎食これでもいいくらい。いやいやほんと。これを生み出した人間は天才よ。人類最大の発明と
言っても過言では無いくらいよ。鮭という神が生み出した奇跡の産物と、鮭フレークという人類の英知の
集合体が食卓に揃った時そこは既にサンクチュアリなのよ。
つまり天然の塩鮭と科学の産物鮭フレークが交差する時物語は始まるの、分かる?
結局のところ何が言いたいかと言うと、鮭ってほんとに素敵よねってことで、大トロだのフグ刺しだのと
言う前にもっと身近にある鮭の偉大さに人類は気付くべきなのって話なのよ。
あなたもそう思うわよね?」
御坂「うん。沈利さんの言う通りだと思うわよ」 シレッ
36 名前:9日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/21(水) 00:23:56.97 ID:BIfS58go [6/24]
麦野「よねー。あんたは話が分かる奴だと思ってたのよ」 ニコニコ
御坂(二度と鮭の話はふらないでおきましょう)
麦野「それはそうと美味しいわね。卵焼きも綺麗に焼けてるし、お味噌汁もしっかりダシが利いてるわ」 ズズッ
御坂「まあねー。昨日美味しいもん食べさせてもらったし、お礼よ。って言っても冷蔵庫の中身勝手に使っちゃったけど」
麦野「いいわよ充分充分。まさか本当に作ってくれるなんて思ってなかったし」
御坂「喜んでくれたみたいでよかった。また作りに来てあげるわよ」
麦野「あ、そか。アンタ今夜帰るんだっけ」
御坂「門限までにはね。まあ追い出されるかもしれないけど」
麦野「うちはいつ来ても構わないからね。ま、家賃代わりにアンタには色々と衣装を用意しておくけど」
御坂「はぁ? なんでよ。それなら家賃払うわよ」
麦野「私が見たいから。とりあえず裸エプロンとメイド服ね。これは家事するときは常に着てもらうから。
あとは状況に応じて色々と用意していくわ」
御坂「あんた女なのにそんなの見て嬉しいの? 男だけじゃないの?」
麦野「好きな子のエロい姿は見たいでしょ誰だって」
37 名前:9日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/21(水) 00:25:18.87 ID:BIfS58go [7/24]
御坂「好きな子……」
麦野「あら、そこに食いついてくれて嬉しいな。ま結局脱がすんだけどねー」
御坂「勘弁してよ。沈利さんが着てくれるんだったら私も考えるけど」
麦野「はぁ? 嫌よふざけんな。どうしてアンタのメイドになんかならなくちゃいけないわけ?
アンタが私に媚びなさいよ。無い乳寄せて必死こいて私を誘惑するアンタが見たいの」
御坂「ほんと酷い人よねあんたって」
麦野「なんとでもいいな。私はアンタのあられもない姿を見られればそれでいいんだよ」
御坂「はぁ……何でこんな人好きになっちゃったんだろ」
麦野「その言い方は心外ね」
御坂「あっそ。いいよ別に。沈利さんは私に好きだって言ってくれるもんね。
素直に言われると嬉しいもんよ」
麦野「気付くのがちょっと遅かったわね」
御坂「遅くてよかったのよ。おかげで沈利さんと付き合えたんだもん」
麦野「あらあら可愛いこと言うじゃない」
御坂「もう言わないからね。さ、食べて片付けして遊ぼ遊ぼ」
38 名前:宇宙一無駄な伏線回収 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/21(水) 00:27:24.16 ID:BIfS58go [8/24]
―10:00―
御坂「さて、パパッと片付けも終わったわけだけど……」
麦野「今日今から何する? DVDでも見る?」
御坂「アダルトは無しよ」
麦野「さすがに持ってねえよ」
御坂「良かった。何があるの?」
麦野「んー、スプラッタ映画結構好きなんだけどね。あとは普通の洋画がそれなりに」
御坂「何でもいいわよ」
麦野「じゃあこのマキシマム・ザ・カミノウセキのDVDを……」
御坂「ちょっと待った。前も聞いたことあるわね。何なのそのバンド」
麦野「オシャレでPOPなバンドよ」 ニコッ
御坂「その笑顔は嘘をついてる顔だぜ」
麦野「ごちゃごちゃうっさい。何でもいいっつったのアンタでしょ。いいから見るわよ」 ウィーン…
御坂「ったく。まいいけど。沈利さんの好きなアーティストだからオシャレなのは当たってるかも……」
39 名前:9日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/21(水) 00:28:51.38 ID:BIfS58go [9/24]
ワーワーガヤガヤ
御坂(お、始まった始まった……)
麦野「あ、美琴。ここ座りなよ」
御坂「ここって……沈利さんの脚の間じゃない」
麦野「後ろからギュッてしたげる」
御坂「い、いいわよ……」
麦野「いいから来る。アンタ抱き心地が程よいのよね」
御坂「……もう」 ポフッ
麦野「はいいらっしゃいませ。ん、アンタの髪いい匂いがする……」 スンスン
御坂「嗅がないでよ……くすぐったい」
麦野「あ、ほら始まったわよ。ちゃんと見ときなさいね」 ギュッ
御坂「聞いてないんだから……真っ暗よ?」
麦野もう出てくるわよ」
御坂(ふぅん、結構大きなとこでライブやってるのね。カミノウセキってどういう意味なのかしら)
40 名前:9日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/21(水) 00:31:03.87 ID:BIfS58go [10/24]
ワァァァァァァァァァァァァッ!
御坂「お、きたきた」
御坂「何か赤青緑黄色の個性的な人たちね……」
麦野「あ、音量注意ね」
御坂「へ?」
ヴォォォォォォォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!
御坂「!?」 ビクゥッ
麦野「やっぱ朝一発目に聞くテッラのデスボイスはいいわねえ」
『異教徒燃やす燃やす~♪ 異教徒燃やす燃やす~♪』
御坂(なによこの歌。でも会場はめちゃめちゃ盛り上がってる……)
麦野「テンション上がるわよねー」
御坂(あがらないわよ)
御坂(ボーカルは緑色のトカゲみたいなオッサンがキャーキャーうるさいし、ギターボーカルは無駄に屈強だし、
ドラムの女の人はピアスだらけでなんか怖いしベースは一人だけ涼しげな顔してる……)
41 名前:9日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/21(水) 00:33:21.02 ID:BIfS58go [11/24]
『恋の国バチカンから、魔術的な手段でやってきました★(キャピッ)』
ワァァァァァアアアア!
御坂(え、何この黄色い人。顔面ピアスまみれなのにそういうキャラなの?)
麦野「あはは、ヴェントウザ可愛いわねー」
御坂(あー、そういう演出か……しかしこういっちゃなんだけど、全然オシャレ感は無いわね。そこがいいとこなのかしら?)
麦野「アンタカミノウセキ聴いたことない?」
御坂「知らないわねー。人気あるの?」
麦野「まあ好きな人は好きって感じかしら」
『ぶっ信仰する 貴様らぶっ信仰する 貴様らぶっ信仰する 貴様らぶっ信仰する!』
御坂「っていうかすごいわね、人がもみくちゃで逆さまになってるじゃない」
麦野「楽しそうよね」
御坂「そう? 痛そう。沈利さんがこういう音楽聴くのって意外。クラシックとか好きそうなのに」
麦野「私暴力的なものが好きなのよ」
御坂「なるほど。妙に納得」
42 名前:9日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/21(水) 00:35:01.97 ID:BIfS58go [12/24]
麦野「アンタはどんなの聴くの?」
御坂「私あんまり音楽聴かないからねー」
麦野「ははぁん、さては例のゲコ太のテーマとかじゃないでしょうねー?」
御坂「……」 ソッポムキッ
麦野(まじかよ……)
『ギロチンアスカロン~ギロチンアスカロン~♪』
ワァァァァァ モミクチャモミクチャ
御坂「い、いいでしょ別に!」
麦野「カラオケとか行かないの?」
御坂「あんまり行ったことないかも。黒子達とたまにって感じかしら」
麦野「私もそんな感じね。最近の曲よくわかんないのよ」
御坂「確かに。一一一(ひとついはじめ)とか流行ってるらしいけど全然知らないわ」
麦野「わかるわかる。常盤台の子もそんなの聴くの?」
御坂「そりゃお嬢様でも年頃の女の子だからね。まあ中にはクラシックしか聴きませんって子もいるけど」
43 名前:9日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/21(水) 00:37:10.62 ID:BIfS58go [13/24]
麦野「そう」
御坂「うん」
麦野「…………」
御坂「…………」
麦野「美琴……」 スッ
御坂「ぁっ……んっ……」
麦野「ちゅっ……」
御坂「んぅ……チュッ」
麦野「ちゅっ……んちゅっ……ぴちゃっ……ちゅぷっ……」
御坂「ふぁ…ぁん……ちゅぅ……ちゅぷっ……」
麦野「美琴ぉ……ちゅぷっ……」 モニュッ
御坂「ンちゅ……ぁっ……!」
麦野「ペロッ……チュッ……ちゅぅっ……」 ムニュムニュ
御坂「沈利さん……胸は……ぁんっ!」
麦野「アンタ美味しそうなんだもん…ハァ…ムラムラしてきちゃった……ハァ……」
御坂「や、やだ……ダメ……」
44 名前:9日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/21(水) 00:39:01.83 ID:BIfS58go [14/24]
麦野「最後まではしないから大丈夫よ……はむっ」 ムニムニ
御坂「そういう問題じゃ……はぁんっ……!耳は駄目ぇ……!」
麦野「いちいちうるさいわねえ。大人しくしなさいよ、耳ちぎるわよ」
御坂「んぅっ……! ふあぁ……」
麦野(あー、止まらなくなりそう……)
麦野「ね、御坂こっち向いてアンタも触ってよ……」
御坂「ん……服脱がしてもいい?」
麦野「あら積極的ね。いいわよ」
御坂「じゃあ手あげて……」
麦野「はいバンザーイ」
御坂「んしょ……うわ、沈利さんノーブラじゃない……」 ヌガシヌガシ
麦野「寝るときはね。楽だし。んなことよりほら、触って……」
御坂「う、うん……」 フワフワ
御坂(すごい……手に張り付いてきて……柔らかい……) ムニュッ…
45 名前:9日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/21(水) 00:40:20.92 ID:BIfS58go [15/24]
麦野「んっ……。上手よ……。もっと強くして」
御坂「……こう?」 モニュモニュ
麦野「ふぁ……うん、気持ちいい……」
御坂(沈利さんの目が潤んでる……喜んでくれてるんだ……先っぽも触っていいかな) スッ
麦野「んぁっ……! きゅ、急にそんなとこ触らないでっ……!」
御坂「ご、ごめん……! 痛かった?」
麦野「ううん……変な声でちゃうから……」
御坂「出してよ。聞きたいもん……」 キュッ
麦野「ぁあんっ……! 」 ビクンッ!
御坂(沈利さんの体が熱い……じっとりしてきたし……感じてくれてるのかな)
麦野「美琴……アンタばっかずるいわよ。私もアンタに触りたい……」
御坂(沈利さんの感じてる声もっと聞きたいわね……普段強気なだけに……) ゴクリ
御坂「……えい!」 ハムッ
麦野「なっ……何をっ……! うぁっ……! な、舐めちゃ駄目ぇっ!」
46 名前:9日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/21(水) 00:42:27.72 ID:BIfS58go [16/24]
御坂「ちゅぷ……チュパッ……沈利さんの乳首綺麗よね」 チュパチュパ
麦野「そ、そんなこと……! 離しなさいよっ……はぁっ……んっ……」
御坂(エッチな声出してる……。やっぱ気持ちいいのね。よし、もっと……)
麦野「いい加減に……!」 ガッ
御坂「え……きゃっ!」 ドサッ
麦野「しなさいよね……。ほんとに我慢できなくなったらどうすんのよ……」
御坂「……それは、困るけど……」
御坂(お、押し倒されちゃった……。どうしよ……このまま……) ドキドキドキ
麦野(首細いな……このまま絞め殺してしまいたいくらい、好き……) ドキドキドキ
麦野(あーもう―――っ……!)
麦野「アンタのせいだからねっ……! んちゅっ…!」
御坂「んっ……!」 チュゥッ
麦野「ハァ……チュプッ……ハァ……」 クチュッ
御坂「そ、そこは本当にダメっ!」
47 名前:9日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/21(水) 00:45:35.83 ID:BIfS58go [17/24]
麦野「下着まで濡れてんじゃん。エッチ……」
御坂「ち、違うっ……!」
麦野「違わないよ、美琴っ!」 ガバッ
御坂「んっ……沈利さん?」
麦野「ヤバイどうしよう……すっごいアンタとしたい……」
御坂「な、何言って……!?」
麦野「だって……アンタの匂いとか、感触とか……忘れられそうにないんだ……」
御坂「そ、そんなこと言われたって……」
麦野(駄目……駄目よ……! こいつとするわけにはいかない……こいつとしたら……私としたら……。
こんなに綺麗なこいつが……汚れちゃう……)
御坂(でも沈利さんそんなに私のこと……。どうにかしてあげたいな……じゃ、じゃあこういうのどうだろう……)
麦野「あ……けど大丈夫よ、こうして抱きしめさせてくれれば、ちょっとは気もおさまるしね」
御坂「しなさいよ」
麦野「……は?」
御坂「沈利さんがしてるとこ、見ててあげる」
48 名前:9日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/21(水) 00:46:46.00 ID:BIfS58go [18/24]
麦野「…………」 ポカーン
御坂「あ、あれ……?」
麦野「はぁぁああああ!?」
御坂「え……違った?」
麦野「いやまあ……あってるっちゃあってるけど……さすがの私もそういうプレイはまだ早いかなって……」
御坂「あ……わ、私何言ってんだろ……あわわ! ち、違う! 今の無し!」 アタフタ
麦野「いや……無しって言われても聞いちゃったしねえ……」
御坂「い……」 カァァ…
麦野「えっと……」 ポリポリ
御坂「いやぁぁぁあああああああああああああああああああああああああああああああッッ!!!!!!!!」 バタバタ
49 名前:9日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/21(水) 00:48:21.53 ID:BIfS58go [19/24]
―11:30―
『また遊ぼうぜ、マキシマム・ザ・カミノウセキでしたー』
ワァァァァァァッ!
麦野「ふぅ、終わったわね。何回見てもテンション上がるわー」 ピッ
御坂「…………」 ズーン…
麦野「いつまで部屋の隅っこで落ち込んでんのよ」
御坂「だって……」 プゥ…
麦野「アンタの気持ちは嬉しかったわよ。その……そういう気分になったら今度は見ててもらうのも悪くないかな……なんて」
御坂「……ほんと?」 ジッ
麦野「もちろん。私もちょっと一人で先走りすぎちゃったね、ごめん」
御坂「ううん……沈利さんが私にそういう気持ちを抱いてくれるのは、嫌じゃない……」
麦野「こんなこと言うのも今更どうかと思うんだけど、私、アンタとセックスがしたいのよ?」
御坂「うん、そうね……」
50 名前:9日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/21(水) 00:52:01.12 ID:BIfS58go [20/24]
麦野「アンタを抱かないって言ったのは、アンタに好きな人がいたから……。
今のアンタは私の恋人なんだから、そういう目で見ちゃうのよ」
御坂「わかってるわよ」
麦野「本当にそれでもいいの?」
御坂「……」
麦野(矛盾してるな私……。こいつとしたくてたまらないのに……したくない。
綺麗なままでいてほしいって気持ちと、こいつを汚したいって気持ち……どっちも私の本心だから)
御坂「……今更過ぎるじゃない。女の子のことを恋愛対象に見るっていうのは初めての経験だから、
どうすればいいのかわからないっていうとこは確かにあるわよ?」
麦野「そうよね。私も同じ」
御坂「まあ昨日もちょろっと言ったけどね。
だから正直なところ彼女がいるっていうことに対する実感てのはまだ無いのよ」
麦野「ええ」
御坂「けどね、今確かに自覚できることもあって。それはね……」
麦野「うん」
御坂「あんたのことが、世界中の誰より好きだってことなの」
麦野「……う、うん」 ドキッ
51 名前:9日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/21(水) 00:55:13.85 ID:BIfS58go [21/24]
御坂「だからあんたが私とその……エ、エッチをしたいと思ってくれてるのは、嫌なことじゃないの。
怖いとかそういう感情ももちろんあるんだけど、結局私は、沈利さんとゆっくりと前に進んでいけたらいいなって、
そう思ってるだけなんだから」
麦野「……」
御坂(は、恥ずかしい……何マジになって語っちゃってんのよ私! 経験ない癖に説得力ないじゃない……)
麦野「……そうかもね」
御坂「ん?」
麦野「ううん、今の言葉でちょっとだけ楽になった。
恋人同士のコミュニケーションなんて、裸で互いを貪り合うことしか知らないから。
アンタにも同じように接することしかできなくて。アンタを年上としてリードしなくちゃいけないんだって
勝手に張り切ってたアホな私に気づけたわ。ありがとね、美琴」
御坂「年なんて関係ないでしょ? 私は今はもう胸を張って堂々と、沈利さんの恋人だって宣言できる。
誰に何て言われたって、私が自分に正直に沈利さんを選んだだもんね」
麦野「……後輩にも?」
御坂「う、うん……別の意味で怖いけど」
麦野「真剣に伝えればわかってくれるわよ」
御坂「まあ……肝心なとこではちゃんとマジメな子だから」
52 名前:9日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/21(水) 00:57:25.30 ID:BIfS58go [22/24]
麦野「そっか……」
麦野(こいつは私が思ってるよりずっとずっと大人なのかしら……。
私はアンタの眩しさが怖くて、だからアンタとどう接すればいいのかをまだ掴めないのに……)
麦野「ねえ美琴」
御坂「うん?」
麦野「キスしてもいい?」
御坂「どうしてわざわざ聞くのよ」
麦野「アンタも求めてくれてるんだって証が欲しいの」
御坂「ばか、沈利」 スッ
麦野「呼び捨て……すんな」 カァッ
御坂「昨日言ったでしょ? あんたがしたいときは、私もしたいときなのよ……」
麦野「そうだったわね、美琴」
麦野(アンタは後戻りできなくなることが怖くないの? 私はまだ、ちょっとだけ―――)
97 名前:9日目後編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/22(木) 01:43:08.92 ID:SkjVoX.o [2/22]
―麦野宅 玄関先 16:30―
御坂「じゃあ今日のところは一旦帰るわね」
麦野「ええ、しっかり謝ってきなさい。もし追い出されたら、また戻ってきていいから」
御坂「ありがと。この家居心地よくて困るわねー」
麦野「でしょ。アンタのパジャマと歯ブラシと食器は買っておいてあげるからね」
御坂「うわそれ恋人っぽいわね! けどパジャマは自分で選ぶわよ」
麦野「なんでよ。めちゃめちゃエロいやつにしてやろうと思ってたのに」
御坂「超お断りよ!」
麦野「じゃあどんなのがいいわけ?」
御坂「……かわいいやつ……」 ボソッ
麦野「漠然としてるわねー。私のセンスで選ぶけどいいよね?」
御坂「布じゃないわよ? 服よ? いい?」
麦野「わかってるっつの。アンタにエロ路線は似合わないもんね」
98 名前:9日目後編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/22(木) 01:45:03.59 ID:SkjVoX.o [3/22]
御坂「そうそう。まあ別に私が買ってもってきてもいいけど」
麦野「それは却下」
御坂「なんで」
麦野「ここは私の城よ。つまり私がルールなんだよ。アンタは私が与えたものを着るしか選択肢は無い」
御坂「こわー……何着せられるんだか……」
麦野「なんて、うそうそ。何種類か写メで送るから」
御坂「そうして。じゃ、また来るわね」
麦野「次いつ会える?」
御坂「明日」
麦野「暇人かアンタは」
御坂「あんただって似たようなもんでしょうが」
麦野「まいいわ。暇ならおいでよ」
御坂「行く。門限までには帰らなくちゃいけないから平日は一、二時間しかいれないわよ?」
麦野「いいよ。お茶でもしましょ」
御坂「わかった。あんたも学校行きなさいよねー」
99 名前:9日目後編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/22(木) 01:46:10.01 ID:SkjVoX.o [4/22]
麦野「気が向いたらね。門限間に合わないわよ、行った行った」
御坂「ん……沈利さん……」 ギュッ
麦野「ちょっと……外なんですけど?」 ギュッ ナデナデ
御坂「だって今日はもう会えないじゃない……」
麦野「さびしがり屋さんね。メールしなさいよ」 ナデナデ
御坂「する……」
麦野「ゆっくり進んでいけばいいなんて……すごく甘えてくるじゃないの」
御坂「沈利さんとのスキンシップは好きよ。あったかいし柔らかい」
麦野「人を脂肪の塊みたいに言わないでちょうだい」
御坂「褒め言葉よ」
麦野わかってるわよ……」 チュッ
御坂「ん……」 チュッ
麦野「……よし。それじゃまたね、気をつけて帰りなさいよ」
御坂「うん、じゃね!」
タッタッタッタッ
100 名前:9日目後編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/22(木) 01:48:52.52 ID:SkjVoX.o [5/22]
麦野「…………」 ガチャッ バタンッ
ヘナヘナ ヘタリッ…
麦野「……」 フルフル…
麦野「彼女が……できちゃった……」 ポツリ
麦野(なんて濃い三日間だ……。久し振りにキスしちゃったし……)
麦野(わわわ! だ、誰かに言いたい!
あいつらに……いやいや、笑われそうだしあの超電磁砲と付き合うことになったなんて言えるわけないっつの!)
麦野(よし……! とにかく初デートの計画をたてよう! うん!) グッ
ハーナテココローニキザンダユメモミライサエオーキーザーリーニシーテー!
麦野(メールだ……なんか久しぶりな気がするわね……) カチッ
101 名前:9日目後編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/22(木) 01:50:12.61 ID:SkjVoX.o [6/22]
――――――――――――――――――――
from:美琴
件名:祝メール第一号!
本文:
恋人としてのメールはこれが一通目だね(*>艸<)
実は今もまだすっごくドキドキしてるの…
沈利さんとこれからどんなことが出来るんだろう。
どんなところに行けるんだろう。
そんなことばっかり、ずっと考えてるよ(∩∀`*)
ふつつかものですが、末長くよろしくお願いしま
す(*>∀<*)
★貴女の美琴さんより★
――――――――――――――――――――
麦野(これは当然のごとく保護ね) ピッ
麦野(あーもうっ……ムカつくっ! 嬉しくて、腹立たしいっ!) メルメルメル
――――――――――――――――――――
to:美琴
件名:うん
本文:
嬉しくて何て返せばいいのかわかんない(笑)
アンタとしたいことはいっぱいある。
行きたいとこも冗談みたいに思い浮かぶわよ。
だからアンタのしたいこと、してほしいこと、それ
全部して・あ・げ・る・(*ゝω・*)-☆キャピッ
こちらこそ。
わがままで迷惑かけると思うけど、よろしくね。
――――――――――――――――――――
>送信 ピッ
麦野(ああ……幸せ) フフッ
102 名前:9日目後編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/22(木) 01:51:14.55 ID:SkjVoX.o [7/22]
―麦野のマンション前 16:50―
浜面「滝壺……今の見たか?」
滝壺「うん。たまたま通りかかったら……すごいもの見ちゃったね」
浜面「……き、訊くべきなんだろうか」
滝壺「はまづら、応援してる」
浜面「俺がかよ! あれってやっぱ、抱きあってたよな……」
滝壺「うん……」
浜面「キスも……してたよな……上の階だから見にくかったけど」
滝壺「そうだね」
浜面「滝壺、俺達も……」
滝壺「帰ってからね……ここじゃだめ」
浜面「わ、わかった……」
滝壺「いい子いい子」 ナデナデ
浜面(麦野……正直ビックリしたが……ゴクリッ、いいもん見させてもらいましたっ!) グッ
103 名前:9日目後編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/22(木) 01:53:10.26 ID:SkjVoX.o [8/22]
―常盤台中学学生寮 寮監室 17:20―
寮監「何をしに戻ってきた」
御坂「……申し訳ありませんでした……!」
寮監「謝罪の言葉などいらん。何をしに帰ってきたんだと聞いている」
御坂「……すみませんでした! 許してください!」
寮監「御坂。貴様私を恫喝し、寮の正面玄関を吹き飛ばしたな? それについてはどう弁明するつもりだ」
御坂「どんな罰でも受けます!」
寮監「……」 ギロッ!
御坂「……」 ジッ!
御坂(こわー……麦野さんより怖い……でも負けるわけにはいかないわよね!
悪いのは私だもん。許してもらえるなら何だってしてやるわよ!)
寮監「……何があったのか、言い訳をせんのだな」
御坂「え?」
寮監「門限破りも寮内での能力使用も多い寮則違反常習の貴様だが、私に反抗的な態度をとったことはなかった」
御坂「それは……」
御坂(単純に怖いからよ)
105 名前:9日目後編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/22(木) 01:54:59.83 ID:SkjVoX.o [9/22]
寮監「私も鬼ではない。何か事情があったのだろうと察するが、それでは寮の規則は守れない」
御坂「はい……」
寮監「風紀委員の活動や、申請し許可の下りた事柄を除き、一切の例外を認めるわけにはいかん。
だがお前の身に何かがあってあのような行為に及んだのか、やんごとない事情があるなら言ってみろ」
御坂「いえ……全部私の個人的な事情です……」
寮監「ならば話は終わりだ。荷物を纏めろ。退学は免れただけ幸運だったと思え。
次の行先は次の土日中に決めろ。それまでは待ってやる。お前ならどこの寮でも部屋を開けてくれる」
御坂「そ、そこをなんとか……!」
寮監「ダメだ」
御坂「お願いしますっ!」
寮監「頭を上げろ。もう話は終わった。私に謝る必要などない」
御坂「で、でも!」
寮監「いい加減にしろ御坂。これがお前への罰だ」
御坂「そ……そんな……」
御坂(せっかく黒子と仲直りできたのに……離れ離れなんて……)
白井「お待ちくださいましっ!」
106 名前:9日目後編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/22(木) 01:56:50.46 ID:SkjVoX.o [10/22]
バターンッ!
御坂「く、黒子!?」
白井「お姉様のピンチに颯爽と参上ですわ」 ガチャリッ
寮監「なんだ白井。今は取り込み中だ、後にしろ」
白井「寮監様、どうかお姉様に寛大なご処置をお願いいたしますのっ!」
寮監「お前には関係のないことだ」
白井「関係大ありですわ! お姉様はわたくしのルームメイト。
お姉様のいないお部屋などクリームの無いケーキ。いえ、タバスコの無いピザのようなものですわ!」
御坂「誰が刺激物よ。そもそもなくてもいいでしょそれ」
白井「嗚呼、お姉様からの久し振りのツッコミ……天にも昇る気分ですの!」 ホァァl…
寮監「わけのわからんことを言うな。お前の事情など知らん」
白井「寮監様、こちらを」
バサッ
107 名前:9日目後編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/22(木) 01:58:25.16 ID:SkjVoX.o [11/22]
寮監「なんだこの紙の束は」
白井「どうぞご覧くださいまし」
寮監「……これは」
白井「それはお姉様の退寮処分を反対する常盤台の学生による署名ですの」
御坂「え……」
寮監「これを一日で……だと。だがこれがなんだというんだ。こんなもので寮則が……むっ」
白井「気づかれましたわね。この寮には、お姉様が必要なんですの」
御坂「どういうこと?」
白井「常盤台中学と言えば学園都市でも有数の名門校。普段から嫉妬と羨望の的である常盤台は
長点上機や霧ヶ丘等と違い、中学でしかも女子校ですの。
学舎の園の中ならいざしらず、一般的な住宅街の端に建つこの寮は様々な輩から狙われています」
寮監「……」
白井「生徒全員が高レベルの能力者集団と言えども、所詮は中学生。
多数の人間にここに押し掛けられては面倒であることには変わりありませんの」
御坂「黒子?」
108 名前:9日目後編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/22(木) 02:00:29.20 ID:SkjVoX.o [12/22]
白井「学園都市第三位のレベル5であるお姉様がこの寮にいてくださっているからこそ、
わたくし達は毎日ベッドで健やかな安眠を得ることができるというものですわ。
その嘆願書は、そうしたわたくし達の安眠を守って欲しいという意味が込められておりますの」
御坂(私ゃ番犬かい)
白井「いかがです、寮監様。お姉様のしたことは、確かに処罰されるべきことではあるかもしれません。
しかし、これまでこの寮だけでなく常盤台の多くの後輩達を導いてきてくださったお姉様が、
ただ一度のミスで寮を追い出されるなんてあんまりですの。ここは一つ、別の罰でお姉様を
お許しくださいませんか? この通りですの」 ペコッ
御坂「黒子……」
寮監「くだらん……安全面は私がいる。それに御坂は退学になるわけではない」
白井「お姉様にこの寮に居てほしいと望んでいるのは、わたくしだけではなく皆の総意ですの。これを御覧あそばせ!」
バターンッ!
御坂「なっ……」
寮監「……お前たち」
キャッキャウフフ ミサカサマヨミサカサマ ミサカサマガコノリョウカライナクナッテシマウナンテ…
ザワザワザワザワ…
ナントカオチカラニ…! ミサカサマキョウモオウツクシイワネ! ミサカサマハァハァ…
ザワザワザワ…
109 名前:9日目後編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/22(木) 02:02:01.16 ID:SkjVoX.o [13/22]
御坂「みんな……どうしてここに」
白井「お姉様の退寮処分をお許し願おうと寮生がみな集まってくれましたの。
余所の寮から来られた方もいらっしゃいますわよ。ざっと100名ほどですかしら」
寮監「なんのつもりだ……」
白井「わたくしたち皆、お姉様と同じ罰をお受けするためにここに参りましたの」
御坂「はぁっ!?」
寮監「なんだと?」
白井「お姉様が退寮にならなくて済むなら、わたくし達はどんなことだってしてみせますの」
御坂「そ、そんな……みんなに迷惑かけられないわよ!」
白井「違いますのお姉様」
御坂「え?」
白井「みんなそれだけお姉様にこの寮に留まっていてほしいと思っているんですの。
みんな、お姉様のことが大好きなのですから」
御坂「……黒子、みんな……」
キャッキャッ ミサカサマー! コッチムイテクダサイー!
ザワザワザワザワ
111 名前:9日目後編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/22(木) 02:03:31.03 ID:SkjVoX.o [14/22]
白井「どうか寮監様! お姉様をお許しくださいませ! 今までお姉様に助けられてばかりだったわたくし達が
今度はお姉様をお助けしたいんですのっ!」
「「「「お願いします!」」」」
「「「「「お願いします!」」」」」
寮監「くっ!」
御坂「わ、私からもお願いしますっ! 私やっぱり、みんながいるこの寮が好きなんです!
どうか、ここに置いてください!」
寮監「っ……」
御坂「……」 ジー
白井「……」 チラッチラッ
寮監「ふんっ……」
白井「りょ、寮監様?」
寮監「御坂」
御坂「はい……!」
寮監「白井」
白井「は、はい!」
寮監「そして全員に罰だ! 今日一晩かけてこの寮の掃除をしろ! 隅々まで徹底的に!」
ザワッ…!
113 名前:9日目後編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/22(木) 02:04:59.77 ID:SkjVoX.o [15/22]
白井「それでは……退寮は……?」 オソルオソル
寮監「今回だけだっ! 次はないっ!」
白井「りょ、寮監さまー!」 ダキッ
ワァァァァァ! キャァァァァァァァアアアアアアッ! ミサカサマァァァァアァアアアアアアッ! ペロペロサセテェェッ!
寮監「ええい離せ! 日ごろの行いの賜物だな。首の皮一枚繋がったようだぞ御坂」
御坂「は、はい! ありがとうございます!」
白井「みなさんお聞きになりましてー!? さっそく掃除をいたしますわよー!」
ハーイッ!!!
御坂「ま、待ってみんな!」
ザワッ…シンッ……
御坂「ありがとうね、みんな……!」 グスッ
キャァァァアアアア! ミサカサマがナイテオラレルワー! ナミダモウツクシイワネ! ミサカサマハァハァ…
寮監「チリ一つ残すなよ。さ、取り掛かれ!」
御坂「はいっ!」
114 名前:9日目後編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/22(木) 02:06:57.10 ID:SkjVoX.o [16/22]
―常盤台中学学生寮 二○八号室 4:00―
アンニュイな女生徒「お疲れ様でした、御坂様」
穏和な女生徒「御坂様、おやすみなさいませ」 ペコッ
御坂「うん、ありがとね。他の子にもよろしく言っておいて」
快活な女生徒「どうかお気に無さらず。御坂様のお力になれて私達も嬉しいです」
生真面目な女生徒「はい、それでは失礼します」 ペコリッ
スタスタスタスタ…
御坂「うぁー! 終わったー!」 ボフッ!
白井「お疲れ様ですの。さすがにあの人数ですと早いですわね」
御坂「ね。まあそれでも朝方までかかったけど」 クスッ
白井(ああ……なんだか今日のお姉さまには妙に色気がありますの。これは恋を知った女の背中ですわっ!
失恋し、恋愛のなんたるかをその身に刻みつけましたのね!) ゴクリ…
御坂「ほんとありがとね。黒子」
116 名前:9日目後編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/22(木) 02:10:46.18 ID:SkjVoX.o [17/22]
白井「構いませんの。お姉様の危機に駆けつけるのはパートナーとして当然のことですもの」
御坂「あんたがいてくれてほんとよかったわ」
白井「お姉様……」
白井(ハァハァ……素直なお姉様が素敵過ぎて生きてるのが辛いですのー!
このしっとりと潤んだ瞳と艶やかな唇は誘っているとしか思えませんの!) ハァハァ
御坂「もう四時かー。あと二時間ちょっとしか寝られないわね」
白井「まあ一日くらい大丈夫ですの」
御坂「それもそうか。疲れたからシャワー浴びてもう寝よ」
白井「そうですわね」
御坂(そういえば今日は一人で寝るのよね……。昨日も一昨日も沈利さんに抱かれて寝てたから寂しいわ……) フゥ…
白井(お、お姉様が切なげな溜息をっ!? 失恋のショックで体を持て余していらっしゃるのね!?
いいですわよいいですわよ! 誰も触れたことのないお姉様の文字通り処女雪のような体に最初に触れるのは
この白井黒子ですの!)
白井「ではお姉様、シャワーをお先にどうぞ」
御坂「あ、ううん。黒子先にいいわよ。私沈利さんにお礼のメール送らないといけないし」
白井「わかりましたの。ではそうさせていただきますわね。しばしお待ちを」
白井(全身の隅々まで清めてお姉様をベッドでお迎え致しますの) ハァハァ
スタスタスタ ガチャッ パタン
117 名前:9日目後編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/22(木) 02:12:14.84 ID:SkjVoX.o [18/22]
御坂(やけに御機嫌だったわね。何かいいことでもあったのかしら)
御坂(黒子とどこ行くかも考えなくちゃね。さて、沈利さんに返信しよっと)
――――――――――――――――――――
to:沈利さん
件名:遅くなってごめんね(o≧口≦)o
本文:
なんとか退寮と退学は免れたよ(*´∀`)ノ
黒子や寮の子達が助けてくれたから。
さっきまで罰としてみんなで寮の掃除してた。
ホッとしたらまた沈利さんが恋しくなっちゃった
(´ε`*)
遅くにごめんね、また明日ね(*ゝω・*)ノ
――――――――――――――――――――
>送信 ピッ
御坂(沈利さんの寝顔可愛かったな……。黙ってたらすっごい美人なのに) クスッ
御坂(初デートどこに行こうかしら。沈利さんてどんなことするのが好きなんだろ)
メールゲコ!メールゲコ!
御坂(うそっ!? もう4時なのに起きてるの!?)
119 名前:9日目後編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/22(木) 02:13:31.20 ID:SkjVoX.o [19/22]
――――――――――――――――――――
from:沈利さん
件名:よかったじゃない
本文:
お疲れ様。可愛いこと言うわね。
そんなに寂しいなら私でオナニーしてもいいのよ
?(*ゝω・*)-☆キャピッ
――――――――――――――――――――
御坂(し、しないわよ……!) ドキドキドキ…
御坂(黒子もいるのに……できるわけないでしょ……) メルメル
御坂(く、黒子がいなくたってしないわよ!) メルメル
――――――――――――――――――――
to:沈利さん
件名:無題
本文:
しないわよ!(o≧口≦)o
沈利さんエッチだよ…(´・ω・`)
――――――――――――――――――――
>送信 ピッ
御坂(そんなこと言われたら眠れなくなるでしょ……) ドキドキ…
御坂(こりゃ徹夜を覚悟しないといけないかもしれないわね……)
メールゲコ!メールゲコ!
御坂(沈利さん……会いたいな) カチッ
120 名前:9日目後編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/22(木) 02:15:13.69 ID:SkjVoX.o [20/22]
――――――――――――――――――――
from:沈利さん
件名:なんだ
本文:
つまんないの。おかずに私の下着姿の写メでも
あげようと思ったのに。
なんて、男じゃないんだから別に嬉しくないわよ
ね(笑)
アンタが無事寮に残れることになって一安心。
なんか眠くなってきたから今日はもう寝ましょ。
ムラムラしてるんなら、言ってくれたらいつでも気
持ちよくしてアゲル(ハァト)
おやすみ!
――――――――――――――――――――
御坂(この人エロいわね……。うー、何してくれるんだろ……知りたいような知りたくないような) ドキドキ…
御坂(……っていうか、沈利さんもしかして私のこと心配して起きててくれたのかしら……) トクンッ
御坂(ヤバ……きっとそうだ……。もっと早く送っておけばよかった……) メルメルメル
御坂(でもこれ沈利さんに直接訊いたら怒られそう……ううん、絶対認めないと思う。
……次から気をつけよ。沈利さん私が思ってるよりずっと私のこと気にかけてくれてるんだろうな……) メルメル
御坂(情が深い人なのよね。大事にしてくれそうで嬉しいな……) ドキドキ…
御坂(……私も、沈利さんを大切にしよう……)
121 名前:9日目後編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/22(木) 02:16:46.07 ID:SkjVoX.o [21/22]
―麦野宅 4:30―
――――――――――――――――――――
from:美琴
件名:ありがとう(*>艸<)
本文:
下着姿は別にね(笑)
でも沈利さんの写真はほしいから今度プリクラで
も撮りましょ(*ゝω・*)ノ
心配してくれてありがとう(*´∀`)ノ
沈利さんの部屋で暮らしたいって気持ちもちょっ
とあるけど、やっぱりここが私の家だから、出て
いかなくてよくなったのは嬉しいなヾ(*´Д`*)ノ
沈利さんのエッチo(≧ε≦o)
また明日!おやすみー
――――――――――――――――――――
麦野(うまくいったみたいでよかったわね) カチッ
麦野(……っつか、結局あいつの着てたジャージで3回もしちゃったな……。
私ってやっぱ欲求不満だったみたいね)
麦野(あいつとのデートプラン考えるので一日終わっちゃったし……)
麦野(でもいい感じのができたし、明日あいつに提案してみよう。今週の土日だと予約とか無理だろうから来週かしらね)
麦野(うん……楽しくなってきたわ)
麦野(一緒に楽しもうね、おやすみ、美琴) クスッ
181 名前:14日目(火曜日) ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/24(土) 20:35:54.45 ID:UHou66Io [2/30]
14日目
―第七学区 ファミリーレストラン『ジョセフ』 16:00―
麦野(美琴と付き合い始めてもう1週間か。早いもんね……) メルメルメル
――――――――――――――――――――
to:美琴
件名:じゃあ
本文:
デートのコースは大体そんな感じで。
あとはその場その場で楽しそうなことしましょ。
いよいよ今週の土曜日だもんね。
楽しみにしてるわよ
――――――――――――――――――――
>送信 ピッ
麦野(よし、これで初デートのコースは完璧。あとはあいつにサプライズでも用意してやろうかな)
麦野(けど最初にあまりにも気合入れすぎるのもよくないって聞くわね。デートコースもかなり削ったし)
麦野(まあ結局ほぼ毎日会ってるわけだし、ちょっとしたものならいいわよね)
麦野(この前の土日は後輩サービスとかで会えなかったし、付き合ってからは初めてまともに遊びにでかけるのか)
麦野(緊張するけど、やっぱすごい楽しみだわ。何着てこっかなぁ) フフッ
182 名前:14日目(火曜日) ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/24(土) 20:38:43.62 ID:UHou66Io [3/30]
フレンダ「…………」
絹旗「…………」
滝壺「…………」
浜面「…………」
麦野「……ん? 何見てんの?」
フレンダ「いやその……なんか麦野機嫌いいなぁって」
絹旗「今も嬉しそうに携帯超見てましたよ。お相手は?」
麦野「な・い・しょ」 ウフフッ
フレンダ(キモいくらいに上機嫌……!? 何事って訳よ)
絹旗(こ、これは一体何の前触れなんでしょうか……超恐ろしいです)
浜面(最近麦野によく奢ってもらってるな……言われてみりゃ機嫌いいのか。
や、やっぱあのときのマンションの……) アセッ
滝壺(あ、今日のごきげんようは誰がゲストだったんだろう……) ポヘー
麦野「ねえフレンダ、一個質問していい?」
フレンダ「何ー? 結局、私の性感帯は太ももの内側だよ」
麦野「じゃあ今度そこ電子線でエグったげるね」
フレンダ「うぎゃぁっ! 想像しただけで痛いっ!」
183 名前:14日目(火曜日) ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/24(土) 20:40:46.71 ID:UHou66Io [4/30]
絹旗「それで麦野、質問て何ですか?」
麦野「うん。女同士のセックスってどうやってすんの?」
浜面「ブボォッ!!!!!!!」 ブシャァァァァアアアアアアアアアア
滝壺「!」 ビクッ
絹旗「浜面の目と口と鼻と耳から色々な液体が……」 アセッ
麦野「きったねえな浜面ぁ。ちゃんと拭いときなさいよね。んで、知ってるのフレンダ?」
フレンダ「む、麦野……」 プルプル…
麦野「そんな100年越しの研究がようやく実を結んだ研究員みたいな目しないでくれる?
別にちょっとした興味よ。勘違いしないで」
フレンダ「ちぇー」 ブー
浜面「ピクピク……」 グッタリ
絹旗「浜面が鼻血を出しすぎて貧血に……」
麦野「いいから、どうなのよ」
フレンダ「んー、正直私もしたことないからなー」
麦野「はぁ!? アンタあんだけ私に変態行為要求しといて経験無しかよ!?」
184 名前:14日目(火曜日) ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/24(土) 20:43:06.32 ID:UHou66Io [5/30]
絹旗「超同意見です。いや、熟知されててもそれはそれでリアクションに困りますけどね」
フレンダ「結局ぅ、初めてはぁ、心に決めた人に捧げるってぇ、決めてる訳よ~。む・ぎ・の☆」 クネクネ
麦野「キモい。アンタなら知ってると思ったんだけどなー」
滝壺「むぎの、どうしてそんなに知りたいの……?」
麦野「え、どうしてって……興味があるだけって言ったでしょ?」
麦野(あいつと付き合って1週間。キスは毎回してるけど裸はあれから一回も見てないし……色々溜まってきてるし
って違う違う! 念のためよ念のため! あいつとはまだそんな……)
滝壺「そっか」
滝壺(マンションで女の子と抱き合ってたこと聞いちゃ駄目かな……)
フレンダ「結局、やっぱ指と舌じゃない?」
麦野「突っ込むもんないもんね。オモチャとか使うのかしら」
浜面「……!」 ブシュッ!
滝壺(オモチャ……?) ポカン
フレンダ「あー。でも結局、別に挿入しなくてもいいんじゃない? 触られるだけでも十分気持ちいいんでしょ?」
185 名前:14日目(火曜日) ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/24(土) 20:43:53.12 ID:UHou66Io [6/30]
麦野「まあそうね。突かれてる時より指とかで丁寧にされてる時のほうが気持ちいいよ。
ね、滝壺?」
浜面「……!」 ビクンビクン
絹旗「浜面がもう駄目な感じに血の気が失せてますね……」
滝壺「えっと……わからない」
麦野「分からないってことはないでしょ。どーせ浜面のことだから猿みたいに求めてくんじゃないの?」
滝壺「私、はまづらと……その、してないよ」
麦野「あァ?」
フレンダ「え、マジで?」
絹旗(身内のそういう話はなんか恥ずかしいです……)
浜面「」
麦野「いやいや、アンタ浜面が寝かせてくれないみたいなこと言われて顔真っ赤にしてたじゃない」
滝壺「え? はまづらと朝までテレビゲームしちゃったのが恥ずかしくて……」
麦野「…………」
フレンダ「…………」
絹旗「…………」
186 名前:14日目(火曜日) ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/24(土) 20:45:16.62 ID:UHou66Io [7/30]
麦野「なんだろ、滝壺が眩しいわ」
フレンダ「結局、私らなんてもう汚れきってる訳よ」
麦野「でもいつ性欲に我を忘れた浜面に乱暴に犯されるか分からないから適度に抜いてやんなよ」
フレンダ「滝壺のピュアさに感心した次の瞬間にそんなこと言えるなんて、麦野の精神タフすぎる訳よ」
滝壺「ぬく……?」
麦野「あーもういいや。脱線したけど、結局突っ込まないだけで普通に男女でするのと一緒なのかな」
フレンダ「そうなんじゃないの? 気持ちよければいいみたいな」
絹旗(あんまり混じりたくない会話です……。二人とも周りに人がいること超忘れてますね……)
麦野「うーん、そっかー……」
フレンダ「……?」
187 名前:14日目(火曜日) ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/24(土) 20:48:48.53 ID:UHou66Io [8/30]
―ファミレス前 17:00―
麦野「じゃ、私行くとこあるからここでね」
フレンダ「どこ行くのー?お買いもの?」
麦野「まあそんなとこ。浜面ぁ、アンタはいつまで貧血起こしてんのよ」 ゲシッ
浜面「いてっ! あまりに刺激的な会話に耐えきれなかったぜ……」 フラフラ
麦野「そんなんじゃ滝壺の全裸見たら心臓止まるよ」
浜面「やめろー! 毎日悶々としてる俺をこれ以上惑わせるなーっ!」
麦野「ははぁん、アンタの態度によっちゃ滝壺の乳首の色からもっと下まで精彩に教えてやってもいいんだけどねー?」
浜面「やめれー!」
滝壺「あれ? きぬはた、どうして私の耳を塞ぐの?」
絹旗「滝壺さんは聞いちゃいけません! 耳が超汚れます!」
滝壺「?」
麦野「それじゃまたねー」 ヒラヒラ
フレンダ「あ、ちょっ麦野!」
麦野「~♪」
絹旗「鼻歌超歌いながら行っちゃいましたよ」
188 名前:14日目(火曜日) ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/24(土) 20:50:16.58 ID:UHou66Io [9/30]
フレンダ「おかしい……」
浜面「何が?」
フレンダ「最近麦野の付き合いが悪い訳よ」
絹旗「はあ」
浜面「そうか?」
フレンダ「いつもだったらまだ解散するには早いし、今日も珍しく女同士がどうとか言ってたし……何かあるわね」
滝壺「ねえフレンダ。私この前見ちゃったんだけど……」
フレンダ「ん、何が?」
浜面「おい滝壺」
滝壺「別に悪いことじゃないから良いと思うけど……」
フレンダ「浜面は黙ってて! なになに? 教えて教えてー」
滝壺「うん、むぎのが先週むぎのの部屋の前で女の子と抱き合ってキスしてたよ」
フレンダ「」
絹旗「見間違いじゃないんですか?」
滝壺「うん、はまづらも見たよね?」
189 名前:14日目(火曜日) ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/24(土) 20:52:00.97 ID:UHou66Io [10/30]
浜面「お? ああ、まあ……な」
フレンダ「がぁぁぁああ! 麦野に最初に目をつけてたのは私なのにー! 相手は!? 誰な訳よ浜面ァッ!」
浜面「お、落ち着けって。ありゃ確か……アレだ、前麦野がメールしてるっつってた常盤台の……」
フレンダ「超電磁砲(レールガン)!?」
滝壺「うん。制服は着てなかったけど、間違いないと思うよ」
フレンダ「な、なんてこと……! 麦野に限ってそのケは無いと信じてたのにー!」
絹旗「信じてたのにアプローチかけてたんですか?」
フレンダ「いつかを実を結ぶと思って」
絹旗「超哀れな……」
浜面「ああ、でもキスしてたのかはちょっと微妙だぞ。ほら、よくあるだろ、目にゴミが入ったとか」
フレンダ「あえて漫画の読み過ぎだとは突っ込まないでおく訳よ。
確かにそのセンも十分あり得る。よし、麦野を尾行しよう!」
絹旗「は?」
190 名前:14日目(火曜日) ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/24(土) 20:53:46.34 ID:UHou66Io [11/30]
浜面「おいおい」
滝壺(帰ってお昼寝したいな……)
フレンダ「いいからっ! こんなこともあろうかと麦野のバッグに発信器を仕掛けといた訳よ」
絹旗「体張りますね。バレたら超死にますよ」
フレンダ「結局、盗聴器じゃないから大丈夫大丈夫。約6時間で風化する有機発信器な訳よ」
絹旗「それは何というかご都合主義的な……」
フレンダ「細かいことはいいのっ! 携帯でリアルタイムで位置情報が分かるから行くよ」 ダッ
絹旗「やれやれ、でも麦野がこの後超電磁砲と超イチャイチャするとこ見れるかもしれないのは楽しそうですね」
浜面「確かに、デレデレしてる麦野ってどんなんだ……気持ちわr……いやいや」
滝壺「むむ……かわいいかも」
191 名前:14日目(火曜日) ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/24(土) 20:56:27.82 ID:UHou66Io [12/30]
―第七学区 裏通り 17:30―
麦野「……」 スタスタスタ
フレンダ「結構歩いてとっくに麦野の家通りすぎちゃった訳よ」 ヒソヒソ
絹旗「常盤台の学生寮もこっちには無いですし、人気はそこそこあるものの裏通りですよ。
なんか挙動不審な人多いですし……こんなところに超電磁砲が来るとは思えませんが」 ヒソヒソ
浜面「っつか、今日麦野が超電磁砲と会うって確証は無いだろ?」 ヒソヒソ
絹旗「確かに。けどじゃあ麦野はどうしてこんなところへ……」
フレンダ「しっ! あれ見て!」
麦野「…………」 キョロキョロ
絹旗「やばいですっ! 隠れて!」 サッ
浜面「急にキョロキョロし始めたぞ」
フレンダ「この辺りが目的地なのかも」
浜面「お、なんかでかい店に入っていくな」
絹旗「普通の本屋に見えますが……」
フレンダ「普通の本も売ってるけど、実はアダルトグッズショップな訳よ」
192 名前:14日目(火曜日) ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/24(土) 20:58:12.18 ID:UHou66Io [13/30]
浜面「!?」
絹旗「なっ……!」 カァァ
滝壺(アダルト……大人っぽい雑貨屋さんかな)
浜面「おいおい……なんで麦野がそんな店に……」
フレンダ「まさか本当に超電磁砲と使うオモチャを買いに来たんじゃ……」 ワナワナ
滝壺(大人っぽいオモチャ……難しい知恵の輪とかパズルかな)
絹旗「ま、まだそうと決まったわけでは……」 ドキドキドキ
フレンダ「そうよ! 結局、麦野が新しい自慰を楽しむためのグッズを買いに来たに違いない訳よ!
決して超電磁砲と二人で使うものを買いに来たわけじゃないはず!」
滝壺(爺……? むぎののお祖父ちゃんにプレゼントするのかな。優しいねむぎの)
絹旗「っていうかあんなお店あったんですね……色んな意味でショックです」
193 名前:14日目(火曜日) ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/24(土) 21:00:29.15 ID:UHou66Io [14/30]
フレンダ「学園都市は学生の街だから多くは無いけど、繁華街にはラブホテルもある訳よ。
一人暮らしの学生の悶々とした情熱を発散する方法も必要だからね」
絹旗「まあ浜面もエロいDVD借りてますしね」 ジトッ
浜面「こらっ! 男なんだから仕方ねえだろ! そんな汚いもの見るような眼で見るな!」
滝壺「……さいってー」 ボソッ
浜面「た、滝壺……」
滝壺「知らない」
浜面「ご、誤解だー!」
滝壺「知らない」
絹旗「誤解じゃないでしょう」
フレンダ「何やってんのもう。そんなことより追いかけよう」
絹旗「大丈夫ですか? 店内だと気づかれる確率上がりますよ」
フレンダ「大きい店だからだいじょぶだいじょぶ」
194 名前:14日目(火曜日) ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/24(土) 21:03:37.49 ID:UHou66Io [15/30]
―第七学区 本屋『諫早書店』 17:40―
ワイワイガヤガヤ……
絹旗「確かに1階は超普通の本屋ですね。学生の姿も普通にあります」
フレンダ「まあここは普通に合法的なお店だしねー」
滝壺(オモチャ屋じゃない……あ、2階3階もあるんだ。そっちなのかな)
フレンダ「1階はね。ほら案内板見て、2階は女性向け書籍、グッズってなってる訳よ」
絹旗「や、やっぱり行くんですか?」
フレンダ「大丈夫だって。2階も手前は女の子向けの本が置いてあるだけだから。もう1個入口があって
その中が……ゲフンゴフン、な訳よ」
浜面「やけに詳しいなお前」
フレンダ「ギクッ!」
絹旗「ま、まさか……」
フレンダ「ち、違うもん! 私なんかどう見たってミドルティーンなんだから売ってくれない訳よ!」
浜面「じゃあなんでそんな詳しいんだよ」
フレンダ「3階男性向けコーナーで百合雑誌を買いに……百合姫とか」 ボソッ
195 名前:14日目(火曜日) ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/24(土) 21:05:01.93 ID:UHou66Io [16/30]
絹旗「ぬう、聞きたくなかったです」
浜面「あーもういいぞ。それより麦野は何階にいるんだ?」
フレンダ「この発信器上下は分からないからなー。うーん、とりあえず1階ずつ見ていこうか」
絹旗「入れ違いにならないよう誰か入口付近で超張っといたほうがいいんじゃないですか?」
フレンダ「だね、んじゃ浜面よろしくー」
浜面「えー、俺かよ」
フレンダ「あったりまえでしょ。女性向けエロコーナーはあんたじゃ入れないでしょ!」
絹旗「フレンダ声大きいです、周りの男の人達から視線が……」 カァァ
浜面「分かったよ。んじゃ向かいのコンビニから入口見とくわ」 スタスタスタ
フレンダ「よし、野郎ども行こうぜ」
絹旗「野郎は一人もいませんが。あれ、滝壺さんは?」
フレンダ「あれ、さっきまでいたのになー。えーっと……いたいた」
絹旗「滝壺さーん、何読んで……」
滝壺「……」 (*・△・*)ワクワク
絹旗「ど、どうします? コ○コロコミックなんか超読んでますよこの人……」 ヒソヒソ
フレンダ「なんでこんな店に児童向けのコロ○ロが置いてあるのよ……。
そっとしておいてあげよ。ここから上は滝壺には刺激が強すぎるし……」 ヒソヒソ
196 名前:14日目(火曜日) ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/24(土) 21:08:03.60 ID:UHou66Io [17/30]
絹旗「滝壺さん、私たちちょっと上行ってくるんでここで大人しく○ロコロ読んでてくださいね」
フレンダ「それ終わったら今度は電撃○王とかガ○ガンでも読んで時間潰しててね」
滝壺「うん、いってらっしゃい」 コクリ
滝壺「……」 ジー (*・△・*)ワクワク
フレンダ「よし、これで当分大丈夫」
絹旗「ざっと見たところ麦野はこの階にはいないようですし、やっぱ上ですか」
フレンダ「まあ麦野漫画読まないしね。この本屋基本的に普通の実用書とか文庫本は置いてないみたいだから。
間違いなく麦野の目的は上な訳よ」
スタスタスタ
絹旗「どっちから責めます? それとも手分けしますか?」
フレンダ「ん、ちょっと待ってあれ見て!」
絹旗「あれって……レジの店内カメラモニターですか?」
フレンダ「うん、3階のあの女の人、あれ麦野だよね?」
絹旗「えーっと……ああ、ほんとですね。あの無駄に存在感ある美人は麦野です」
フレンダ「3階……しかもあそこは私も御用達の百合ものコーナー……うう、なんか泣けてきた」
絹旗「気を超しっかり持ってください。とりあえず行きませんか?」
フレンダ「だね。はぁー、なんか片思いの人に実は彼女がいたのを知っちゃったみたいな気分な訳よ……」
絹旗「それ例えでもなんでもないですけどね。同情します……」
197 名前:14日目(火曜日) ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/24(土) 21:09:46.39 ID:UHou66Io [18/30]
―『諫早書店』 3階 17:50―
麦野「……」 ジー
フレンダ「お、いたいた」 ヒソヒソ
絹旗「なんか薄っぺらい本をジーッと超見つめて微動だにしませんよ」 ヒソヒソ
フレンダ「百合もの同人誌コーナーだね。私も見たいなー……」
絹旗「ゲッ、フレンダそんなものにまで手ぇ出すんですか?」
フレンダ「そんなものって何よぅ。同人誌だからって馬鹿にしないでよね。
結局、麦野も中見ればいいのに……恥ずかしがってるのかな」
麦野「……」 コソコソ キョロキョロ
絹旗「同人誌持ったままキョロキョロし始めましたよ」
フレンダ「万引きする中学生みたいな訳よ」
麦野「……ゴクリッ」 ペラッ
絹旗「お、開きましたよ」
フレンダ「あー、分かる分かる。私も初めて百合本の中身確認した時はあんなだったなー」
麦野「……」 ピシャッ!
絹旗「すっごい勢いで閉じましたね」
198 名前:14日目(火曜日) ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/24(土) 21:12:11.77 ID:UHou66Io [19/30]
フレンダ「思ったよりハードだったんじゃない? 私も初めての時は恥ずかしくて中身確認できなくてさー。
表紙に騙されて買って帰ったやつがウンコ食べるやつだった時はさすがの私もどうしようかと……」
絹旗「正直フレンダの経験談は超どうでもいいです……今度は別のを手にとりましたね」
フレンダ「お、読んでる読んでる。あはっ、耳赤くなってる訳よかーわいい」
絹旗「笑いごとなんですか? あれきっと超電磁砲と自分を重ね合わせてますよ」
フレンダ「そ、そうだった……。はあ……死にたい」
絹旗「そこまで落ち込まなくても……あ、ほらほら、レジに持っていってますね」
フレンダ「何買ったんだろ。棚のジャンル分け見たらどこ抜けてるか分かるかな。絹旗、麦野見張っといて!」 ダッ
絹旗「見なきゃいいのに……。私にはフレンダが自虐プレイしているようにしか見えません……」
麦野「……」 スタスタスタ
絹旗(おっと、帰るんですかね。……いや、2階で止まって……あれは入ろうか入るまいか超迷ってる感じです)
麦野「……」 クルッ スタスタスタ
絹旗(行った―――! 2階は女性向けコーナーということなのでBL本が置いてあるはず。
麦野はそっちの趣味は無いからきっとエロいグッズコーナーです。……マジですか麦野)
フレンダ「ふぇ~ん! 絹旗~!」 ガバッ!
絹旗「ちょっ!なんですかフレンダこんなところで!」
199 名前:14日目(火曜日) ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/24(土) 21:13:46.01 ID:UHou66Io [20/30]
フレンダ「麦野が純愛もの買ってってた~!」 ビー
絹旗「麦野のくせにどの面下げて純愛とか……まあいいでしょう。
とりあえず離れてくれません? 超目立ってますよ」
フレンダ「グスッ……へ?」
ザワザワザワ…
オニャノコトオニャノコガ ハァハァ… ヨウジョモエー… ユリモエー… ハァハァ…
フレンダ「わわっ、麦野に勘付かれちゃまずい」 バッ
絹旗「ほんと無駄に勘がいいですからね。麦野は2階へ行きましたよ」
フレンダ「そっちも行っちゃうのかー……追いかけてみよっか」
絹旗「まだ行くんですか」
フレンダ「こうなったら麦野が超電磁砲とどんなプレイをするのか確かめてそれ想像しながら自分を慰める訳よ。
大丈夫、私はNTRもいけるようになってみせるっ!」 グッ
絹旗「もはや偉大な人物に見えてきましたよフレンダ。超愛ですね……」
200 名前:14日目(火曜日) ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/24(土) 21:15:25.79 ID:UHou66Io [21/30]
―『諫早書店』 2階 18:10―
麦野「……」 コソコソ キョロキョロ
絹旗「案の定アダルトグッズコーナーの入口前でも迷ってますね」
フレンダ「けどあの感じだと行くね」
絹旗「中入ったらどうします?」
フレンダ「大丈夫でしょ。それなりに向こう側も広そうだし」
絹旗「いやそうじゃなくて。私たち18歳以上にはさすがに見えないんじゃ……」
フレンダ「いけるいける。結局、制服じゃなけりゃ入るだけなら注意されないよ」
絹旗「そんなもんですか」
フレンダ「そもそも裏通りに建ってる店だし、18禁なんてのもあって無いようなもんなんじゃない?
買う時もさすがに絹旗じゃ無理だけど、私とかなら年齢確認されないと思う訳よ」
絹旗「なるほど。まあ学生の街ですしね。あ、見てください。麦野入りましたよ!」
フレンダ「卑猥な単語列挙することにかけちゃ学園都市一位の麦野にしては決断が遅かったね。私たちも行こう」
タッタッタッ
201 名前:14日目(火曜日) ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/24(土) 21:16:44.06 ID:UHou66Io [22/30]
麦野「……」 ジー
フレンダ「あそこは何コーナーだろ、私も入るの初めてだからなー……」
絹旗「あれは……あわわ……」 カァァ
フレンダ「あ、バイブか。あれならまだ一人で使うって可能性もある訳よ」
絹旗(私こんなとこで何やってんでしょう……)
麦野「……」 スッ
絹旗「なんか箱をマジマジと見つめてますね。気に入った形でも超見つけたんでしょうか」
フレンダ「結局、どうでもいいけど麦野の自慰ってすごそうよね。ゴリゴリやってそう」
絹旗「うげ、想像したくないです……」
麦野「……」 ポスッ
フレンダ「棚に戻したね。買わないのかな」
絹旗「本くらいなら可愛いもんですけど、あれ買われたら明日私はどんな顔して麦野を見ればいいんですか」
フレンダ「『涼しい顔してるくせに部屋ではアレ突っ込んでヒーヒー言ってんでしょこのエロメスがっ!』
っていう目で見ればいい訳よ」
絹旗「超ヒキます」
202 名前:14日目(火曜日) ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/24(土) 21:18:15.59 ID:UHou66Io [23/30]
フレンダ「冗談冗談。私も麦野が男のモノを模したオモチャでグチュグチュやってるのは想像したくないな」
絹旗「超生々しい表現やめてください。お、今度は……な、なんですかあれ」
麦野「……ゴクリッ」 ジー
フレンダ「…………」 クラッ
絹旗「ちょちょちょ! なんですか? 貧血ですか?」 ウケトメ
フレンダ「ふぇ~! だってあれペ○バンだよ! あ、あんなの麦野が見てるなんてー!」 ビー
絹旗「見てるだけならいいじゃないですか。ほら自分で立ってくださいよ。また目立ちますよ……」
フレンダ「そだね……グスッ、最後まで見届ける訳よ」
絹旗「けど今度は手に取るどころか目を背けてますね」
フレンダ「さすがの麦野にもちょっときつかったかな。隣には双頭ディ○ド。はぁ……やっぱそういうことなのね」
絹旗「まあまあ。ただ百合ブームが麦野の中でキテるだけかもしれませんよ」
フレンダ「ふむ、一理あるなー。そうだったらいいのに」
絹旗(まあその可能性は薄いですけど……。あの人目に敏感な麦野が私たちの視線に気づいてない。
フリをしてるなら平静を装うはずですし、耳まで真っ赤にしてるあの感じだとかなりの緊張状態で
店内を超物色してます。やっぱ恋ですかね、麦野)
フレンダ「でも結局何も買わないみたいだね。出口向かってるよ」
絹旗(どんなのがあるか一応参考にってとこでしょうか。まあ純愛ものから入る人ですから、
いきなりオモチャなんて使いませんよね)
フレンダ「よし、私たちも戻ろっか」
絹旗「ですね……って、しまった滝壺さん!」
フレンダ「あっ! 漫画雑誌コーナーは入口前!」
絹旗「と、とにかく麦野を追いかけましょう!」 ダッ
203 名前:14日目(火曜日) ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/24(土) 21:19:53.14 ID:UHou66Io [24/30]
―『諫早書店』 1階 18:20―
麦野「な、なんでアンタがここにいるの?」
滝壺「むぎの……」
ササッ
フレンダ「や、やばー。滝壺と麦野会っちゃった!」 ヒソヒソ
絹旗「滝壺さんの機転に超期待するしかないです! 様子を見ましょう」 ヒソヒソ
フレンダ「あーもう怖いなー。何喋ってんだろ……」 ハラハラ
麦野「ま、まさかアンタ後つけて……」
滝壺「後? どうして?」
麦野「……どうしてって……その」
滝壺「私ははまづらがこの本屋に用があるから一緒に来ただけだよ」
麦野「一緒にって……なんでわざわざこんなとこまで……」
滝壺「分からないけど、3階に用があるからここで待っててくれって言われたの」
麦野「そ、そう……」
麦野(3階って……まさかこれ買うとこ浜面に見られたりしてないわよね?
ううん、あいつのことだからどうせ18禁コーナーよ。大丈夫大丈夫。危ないわねー……)
204 名前:14日目(火曜日) ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/24(土) 21:21:31.10 ID:UHou66Io [25/30]
滝壺「むぎのも何か買ったの?」 チラッ
麦野「な、なんでもないの!」 ササッ
滝壺「え、でもそれ……」
麦野「なんでもないったら。それよりあのバカは? 彼女待たせて何やってんだか」
滝壺「そろそろ戻ってくると思うけど……」
麦野「そ、そう。じゃあ私は帰るわね。滝壺、私とここで会ったことは誰にも内緒よ!」
滝壺「どうして?」
麦野「理由は聞かないで! 黙っててくれたら今度アイス買ったげるから」
滝壺「ほんと? いいよ」
麦野「じゃ、じゃあね! また明日」 イソイソ
滝壺「うん。バイバイ」
タッタッタッ
滝壺(アイス……嬉しいな)
絹旗「イソイソ帰っていきましたね」
フレンダ「ふう、なんとか大丈夫だったみたいだね。滝壺何か言われた?」
滝壺「誰にも会ってないよ?」
205 名前:14日目(火曜日) ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/24(土) 21:23:11.38 ID:UHou66Io [26/30]
フレンダ「へ?」
滝壺(むぎの……私、アイスを守るよっ) グッ
絹旗「いやさっきまで麦野が……」
滝壺「誰にも会ってないよ」
フレンダ「ああ、口止めされてる訳ね……まあいいや、尾行がバレてないなら」
絹旗「しかし大した収穫はありませんでしたね。麦野が純愛百合同人誌を買っていったことくらいしか」
フレンダ「あとはまあアダルトグッズコーナーに入ったけど買わず……興味本位の可能性も捨てきれない訳よ」
滝壺(ハーゲンダッツにしようかな……でもパピコも好き。あ、スーパーカップもいいな……)
フレンダ「よし、今週の土日は朝から麦野ん家前に張りこむよ!
相手が超電磁砲なら土日しかデートできないだろうし、真実をこの手でつかみ取ろう!」 グッ
絹旗「もうそっとしておいてあげましょうよ。麦野がプライベートで誰と付き合おうと知ったことじゃないです。
別に麦野が女性と超恋人関係になることが仕事に影響するわけじゃないですし」
フレンダ「むう……私には影響するもん」 ショボン
絹旗「さ、帰りましょっか。浜面はどうせコンビニでエロ本の立ち読みでもしてるんでしょうし」
滝壺「……それは許せない」 ゴゴゴ…
絹旗「滝壺さん?」 ゾワリ…
フレンダ(私はちゃんとこの目で見るまで信じないからね、麦野っ!)
207 名前:14日目(火曜日) ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/24(土) 21:26:06.15 ID:UHou66Io [27/30]
―麦野宅 19:00―
――――――――――――――――――――
from:美琴
件名:やほ(*´∀`)ノ
本文:
いよいよ今週なんだねー(*>艸<)
いっぱい沈利さんに甘えるね(∩∀`*)
お昼はどうする?
――――――――――――――――――――
麦野(ふふっ、美琴をめちゃめちゃ甘やかしたいわ……) メルメルメル
――――――――――――――――――――
to:美琴
件名:うん
本文:
知り合いに見られても知らないわよ(笑)
お昼は微妙な時間だし家で軽く済ませてきてね。
夜は期待してていいわよ。
――――――――――――――――――――
>送信 ピッ
麦野「さてと……」 イソイソ
麦野(今日買った女の子×女の子の本……) スッ
麦野(中学生の時コバ○ト文庫でそんなの読んだことあるわ……マリ○てだっけ?)
麦野(ああいうのが百合?っていうのか)
麦野(ここ1週間百合?っていうのを色々調べてみたけど、なかなか奥が深いのね)
麦野「しかし百合って何だ……。レズビアンじゃ駄目なわけ? まいいや」
麦野(あいつを頑張ってエスコートしてやらなくちゃね。私のほうが年上なんだから、それくらいはしないと)
208 名前:14日目(火曜日) ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/24(土) 21:28:09.25 ID:UHou66Io [28/30]
―常盤台中学学生寮 二○八号室 19:30―
――――――――――――――――――――
to:沈利さん
件名:いいの(∩∀`*)
本文:
むしろ見せつけてやればいいのよ(´ε`*)
はーい(*´∀`)ノ
――――――――――――――――――――
>送信 ピッ
御坂(沈利さんと付き合ってもう一週間なのか、早いわねー)
白井「お姉様、今週の土曜日はお暇ですの?
よろしければ第六学区にでも足を延ばして遊びに行きませんこと? 初春達も誘って」
御坂「ん? あー……ごめんねいつも誘ってもらってんのに。
今回も先約有りなのよ。」
白井「別に構いませんわよ。先日は色々とご馳走していただきましたし。
それはそうと、今回もまた麦野さんとお出かけになられますの?」
御坂「うん。第六学区の水族館にね。夜も沈利さんに泊めてもらうから帰らないけど心配しなくていいから」
白井「あら、それは楽しそうですわね」
白井(少々妬けますけれど、久しぶりにお姉様の下着チェックをするにはいい機会ですの) グヘヘ…
御坂「うん、お土産買ってきてあげるからね」
209 名前:14日目(火曜日) ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/24(土) 21:31:15.16 ID:UHou66Io [29/30]
白井「お気づかいなく。ところでよくそんなに外泊申請が通るものですわね。
麦野さんはお姉様の御兄弟等の身内というわけでもありませんのに」
御坂「まあ沈利さんは身元もしっかりしてるしレベル5同士だからじゃない?
許可を出すのは寮監じゃなくて常盤台の先生達だし、言うほど厳しくないわよ」
白井「なるほどですの。
確かに常盤台の学校側としても、お姉様と麦野さんが友好的なのは喜ばしいことですものね」
御坂「そうとられると素直に喜べないわねー」
白井「まあまあ。お二人の仲がよろしいことは悪いことではありませんし」
御坂「そうだけどさー。ま、あんたに言っても仕方ないしね。さ、お風呂入ろっと」
白井「あらん、一緒に入ってもよろしくってー? お背中お流しいたしますわよ、黒子の肌で」 ウヘヘヘ
御坂「間に合ってるからいいわ」
白井「ちぃっ! それは残念ですの!」
ガチャッ パタン
白井「……ん? 間に合ってるとは?」
白井(……聞き間違いではありませんわよね……どういうことですのお姉様!)
白井(泡立てたボディソープで肌と肌を擦り合わせる素敵な遊びを間に合ってるだなんて……
聞き捨てなりませんわー!)
白井(……そういえばここ最近お姉様ったら麦野さんのことを『沈利さん』とお呼びするようになっておられますの……)
白井(最初はちょっと仲良くなっただけだと思っておりましたが……なんだか嫌な予感がしますの)
白井(しかしわたくしが言うのも何ですがお姉様にそっちのケがあるとはとても……いえ、恋は人を変えるもの。
これは少々確かめねばならないようですわね!) ゴゴゴゴゴゴゴゴ…
266 名前:18日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/26(月) 21:13:58.39 ID:3J.texQo [3/34]
18日目 (土曜日)
―第七学区駅前 13:00―
御坂「~♪」
御坂(いよいよ沈利さんと初デートね。よく考えりゃ私まともなデート自体がそもそも初めて……) ドキドキドキ
御坂(途中で私服に着替えたけど変じゃないわよね……。Tシャツに短パンってラフ過ぎないかな?)
御坂(別に沈利さん男じゃないんだからスカート穿いたって嬉しいわけじゃないだろうし、大丈夫よね。
あ、けど好きな子のエロい格好は見たいとか言ってたような……)
御坂(沈利さん結構やらしいからなー……あんまり挑発するような格好はしないでおこう。うん)
タッタッタッ
麦野「おまたせー」
御坂「おーす。あ、今日はミニスカートなのね」
麦野「あんま見んな。太いのバレる」 ササッ
御坂「なんで穿くのよ。しかも全然細いってば。気にしすぎじゃないの?」
麦野「美脚のアンタには分からないわよ。っつかアンタこそ生足出しちゃって、誘ってんの?」
御坂「違うっつの。ほら、行きましょ」
麦野「はいはい」 スッ
御坂「あっ……手……」
267 名前:18日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/26(月) 21:16:17.55 ID:3J.texQo [4/34]
麦野「嫌?」
御坂「そんなことないけど、恥ずかしいわね……」
麦野「見せつけてやろうなんて言ったやがったのはどこのどいつだっけ?」
御坂「そうだけどさ。周りの人からすりゃ別に見せつけられてもって感じじゃない?」
麦野「そうかしら、こんな可愛い女の子が二人手をつないで歩いてたら、男はそれだけで三日は抜けるわよ」
御坂「自分でそこまで言うか……」
麦野「なんて、女の子同士で手繋いで歩くのなんて別によくあることじゃない」
御坂「そうね、小学校くらいまではね」
麦野「何よ。いいだろ、誰も困らないんだし」
御坂「そりゃそうか。じゃ、今日はしっかり引っ張っていってね、沈利さん」
麦野「お姫様って柄かしら。まあいいわ、今日はたっぷり楽しみましょ」
御坂「うん!」
268 名前:18日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/26(月) 21:20:38.77 ID:3J.texQo [5/34]
―駅前 同時刻―
サササッ!
白井「……見つけましてよ、お姉様」 ボソッ
白井(意気揚々と出かけて行かれたのでわざわざサングラスとトレンチコートで変装して尾けてみれば、
これはどういうことですの……?)
白井(確かに麦野さんと第六学区へ遊びに行かれるとおっしゃってましたが、まさか手を繋ぐなんて聞いていませんの)
白井(いえいえ、早まっては駄目よ黒子! 仲の良い女性同士なら手を繋ぐことも考えられない話ではありませんの。
小学校低学年の時まではわたくしもしていましたし……しかし、いつもわたくしが手を繋ぎたいと申しても
絶対に繋いでくれませんのに、お姉様ったら麦野さんには随分大胆ですのね……)
白井(ハッ! ま、負けては駄目ですの! お姉様が年下だから、先輩の麦野さんの自尊心を満たして差し上げようと
エスコートをお願いしているだけですの! 今日一日見届けさせてもらいますわよ!)
ギギギギッ!
白井「ん?」
白井(な、なんですのこの歯ぎしりの音は……)
フレンダ「……」 ギリギリギリ… ミシミシミシ
白井(な、なんですのあの金髪に帽子の方……? 一応年上に見えますけれど。
それにしても街灯を握り潰さんばかりの力で握っていますの……)
フレンダ(ななな! 何よこれぇっ!)
フレンダ(麦野が朝からにこにこ嬉しそうに出かけていったかと思えば……れれれ超電磁砲と手なんか繋いで―――!)
269 名前:18日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/26(月) 21:22:52.92 ID:3J.texQo [6/34]
フレンダ(私だってまだ繋いだことないのにー!) ギリギリ…
フレンダ(わざわざ来る途中セブンスミストでキャップとジャージまで買って変装したんだから、
今日はたっぷり麦野を視姦……ゲフンゲフン調査してやる訳よ!) グッ
白井(ブツブツと独り言を……。ああいう方に好かれる方は大変ですわね。ストーカー予備軍ではありませんの?)
フレンダ「ん?」
フレンダ(何な訳よあのグラサンとコートのツインテール……じっとこっち見て。……ストーカー?)
フレンダ(あーやだやだ、変態ってのはいつの世もいる訳よ。見た目中学生くらいだってのに、結局世も末って感じよね)
白井(まああのような非常識な方は放っておいて、お姉様達の後を尾けるとしますの)
白井(それにしても……フヒヒッ、お姉様の生足ファッション、いいですわー!
嗚呼、その太股にお顔を挟んでフニフニしてほしいですのー!) ハァハァ
フレンダ(何あの子、ハァハァ言っててキモッ! まどうでもいい訳よ。麦野達の後を追わなくちゃ)
フレンダ(にしても結局……麦野のミニスカートキタ━━━(゜∀゜)━━━ !!!!!
何あのエロい太股! 胸もいつになく強調しちゃって谷間丸見えな訳よ! 挟まれたい!) ハァハァ
白フレ((いい思い出になりそうですの(な訳よ)!))
270 名前:18日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/26(月) 21:25:46.21 ID:3J.texQo [7/34]
―電車内 13:15―
ガタンゴトン… ガタンゴトン…
麦野「電車なんて久しぶりに乗ったわ。第六学区行くのも結構久しぶりかも」
御坂「私もそっちは滅多に行かないわねー。あ、でもこの前黒子連れて遊びに行ったわよ」
麦野「あらそう。何して遊んだの?」
御坂「えーっと、適当にアミューズメント施設はしごして、おやつ食べてって感じかな」
麦野「ふぅん」
御坂「あ、沈利さんもしかして焼きもち~?」 ニヤニヤ
麦野「べっつにー」 プィッ
御坂「妬かない妬かない。それより今日行く水族館てどんなところなの?」
麦野「ん、今フェアやってるらしくて、泳いでる魚を調理してくれるみたいだね」
271 名前:18日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/26(月) 21:27:00.46 ID:3J.texQo [8/34]
御坂「何そのエグいフェア」
麦野「さすがに水槽で泳いでる奴をその場で釣って食べるわけじゃないと思うけど」
御坂「そりゃそうでしょ……。動物園で牛の檻の前でバーベキューするようなもんよ」
麦野「水族館ってデートっぽいと思ったんだけど……」 シュン…
御坂「あ、い、いいのよ全然! 魚もお寿司も好きだし! だから落ち込まないでよ!」
麦野「べ、別に落ち込んでなんかないわよ!」
御坂「…そ、そう?」
御坂(シュンってなってたくせに……。まあ確かに水族館は定番よね。けど魚なんて見て楽しいのかしら……?)
麦野(新鮮な鮭が食べられる! あれ、でも水族館に普通鮭の水槽なんてあるか……?) ハテ
272 名前:18日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/26(月) 21:29:17.28 ID:3J.texQo [9/34]
―電車内 同時刻―
白井(キィィ! なんですのなんですのなんなんですのー!?
座席は空いているのですからあんなに詰めて座らなくてもよろしいんじゃありませんこと!?) ガァァ
フレンダ(あぁー! 超電磁砲私の麦野にくっつきすぎ! あんなに近づいたら麦野のいい匂いを嗅ぎ放題じゃない!
麦野はいつから女の子とそんな密着するようなエロい子になったの!?) ダァァ
白井フレンダ((しかも……)) チラッ
白井(なんでこの方この電車に乗ってますの? 第六学区なんて一人で遊びに行くようなところではありませんわよ)
フレンダ(電車の中でもサングラスって、結局アホだよね。なんか呼吸荒いし危ない人なんじゃないの?)
白井(大体電車の中でキャップって……しかも年頃の若い女性が上下ジャージで電車だなんて……)
フレンダ(チビのくせに何よロング丈のトレンチコートって。結局、コロンボでも目指してる訳?)
白井(華の休日にこういう無益な過ごし方をする方にだけはなりたくありませんわね)
フレンダ(どうせモテないから周りのカップル睨んで威嚇するような寂しい過ごし方してるんだろうなー……
こういう人にだけはならないように気をつけよっと)
白井(そんなことより、何を話しているんでしょうかお姉様達は、随分と楽しそうですわねー)
フレンダ(ま、こんな変態に構ってるのは時間の無駄な訳よ。それより、なんか仲よさそうだなー。
こんなこともあろうかと小型指向性集音マイクを持ってきているから問題ない訳よ) テレレッテレー!
273 名前:18日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/26(月) 21:32:12.71 ID:3J.texQo [10/34]
白井(ゲェッ、な、なんですのあの方。電車の中だと言うのに何やら怪しげな機材を取り出しましたわよー!?
これはかなりの危険人物ですの……ありえませんの……) ヒキッ
フレンダ(あの子何こっち見てんだろ。わ、私をターゲットにするのはやめてほしい訳よ!
無視無視無視! 無線イヤホン着けてっと……どれどれ)
ガガー……ザザザ
麦野『美琴、カエルのヘアピンどうしてるの?』
御坂『沈利さんに買ってもらったアレ? 大事にとってるわよ。私の宝物だもん』
麦野『使ってよ。壊れたらまた買ってあげるからさ』
フレンダ(おーっし、感度良好!)
御坂『いや、白状すると、さすがにあれを着けて歩くのは私でもちょっと恥ずかしいかなって』
麦野『恥ずかしがってるアンタを見たいのに』
御坂『んなもん見てどうすんのよ』
麦野『おかずにする』
フレンダ「おかずぅっ!?」
274 名前:18日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/26(月) 21:33:31.12 ID:3J.texQo [11/34]
ザワッ!
フレンダ(や、やばっ) コソコソッ
ザザザ……
麦野『な、何今の声……私の声大きかった?』
御坂『ううん。なんだろ、偶然じゃない?』
麦野『そうよね、いくらなんでもそんなでかい声でしゃべらないわよ。にしても今の声誰かに似てるような……』
白井(ほんとなんなんですのこの方……突然お、『犯す』だなんて意味の分からないことを叫んで……。
そろそろ警備員(アンチスキル)を呼んだ方がいいかもしれませんわね……)
フレンダ(危ない危ない……あまりに衝撃的な言葉に我を忘れてしまった訳よ)
ザザザ…
御坂『と、ところでおかずって何よ……』
麦野『アンタのことを妄想してオナニーすることよ』
御坂『な、なななっ!』
275 名前:18日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/26(月) 21:35:48.36 ID:3J.texQo [12/34]
麦野『昨日なんか朝までしてたから眠くて眠くて……ふぁ~』
御坂『ばか……』
麦野『なんてね、冗談よ。そうやって困ってるアンタが可愛いから』 ナデナデ
御坂『どっちにしたって恥ずかしいもん……』 カァァ
フレンダ(ぐぐぐっ……血涙が止まらねえ訳よ。でも冗談か、よかったよかった。
だけど結局、麦野に頭を撫で撫でしてもらえるなんて至上の喜びな訳よ! う、羨ましい~!) プルプル…
白井(プルプルしていて気持ちが悪いですの……。
それはともかく、今お姉様頭を撫でられていましたわね……まあなんてこと。
お姉様もお姉様ですの、照れたりなんかしてわたくしがそんなことしようものなら有無を言わさず
アルゼンチンバックブリーカーの刑ですのにぃっ! エヘッ、でもその時はお姉様に密着できるからそれも
悪くありませんの。黒子ったらけ・な・げ) キャピッ
フレンダ(ゲッ、あいつキモッ……くねくねしちゃって、かよわい乙女の私には恐ろしい存在な訳よ)
ピロリロリーン♪
『まもなく第六学区中央駅。第六学区中央駅です』
276 名前:18日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/26(月) 21:36:49.73 ID:3J.texQo [13/34]
ザザザ…
麦野『あ、もう着くね。なんかワクワクしてきた』
御坂『沈利さんでもワクワクとかするのね』
麦野『私ゃ冷血人間じゃねえんだよ。……ま、アンタと一緒だからね』
御坂『うん……私もよ』
フレンダ(くぅっ! イチャイチャしちゃってムカつくー! 超電磁砲そこ代われ! 私も麦野とデートしたいのにぃぃいい!)
白井(また手を繋いでいますの。寂しんぼうさん達ですの? う、羨ましくなんてないですわよ!)
スタスタスタ
白井フレンダ「「ん?」」 ピタッ
白井「ど、どうぞお先にですの」
フレンダ「あ、ありがとう」
白井(この方やっぱり第六学区へ……一体その格好で何しに行くつもりですの……? 怪しい、怪しすぎますのー!)
フレンダ(ほんと一人で第六学区で何する訳よこの子。怪しいなー……)
277 名前:18日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/26(月) 21:38:43.94 ID:3J.texQo [14/34]
―第六学区 水族館『アドリア海の女王』 13:40―
ザワザワザワ ワイワイガヤガヤ
麦野「結構混んでるわね。晴れてるしイルカショーとかも並んでそうだな」
御坂「仕方ないわよ。むしろこれくらいのほうが休み満喫してる感じがして楽しくない?」
麦野「水槽の前で混むのは嫌よー」
御坂「ま確かにね。けどこれくらいなら大丈夫よ。さ、並びましょ」
麦野「オッケー。アンタなんか見たいやつとかある?」
御坂「んー、何がいるのかわかんないけど……可愛いやつ」
麦野「具体性の欠片も無いわね。言っとくけどカエルはいないわよ」
御坂「わ、分かってるわよ! っていうか別に魚なんか見ても可愛いとは思わないっつの」
麦野「そうねー。どちらかと言えば水槽の中で自由に泳ぐ魚達の全体像を見て綺麗だって思うのが正しい楽しみ方かしら」
御坂「そうよそうよ! 水族館に可愛いものなんて期待してないわよ!」
麦野「分かった分かった、ほら空いたわよ。纏めて買うからお金は?」
御坂「あ、今日は崩してきた」
麦野「えらいわね。イルカショーも見る?」
御坂「見たい見たい。ほんと小さい時に行ったっきりだから楽しめるかしら」
麦野「どうかしらね。私もそうだし、ま、行ってみましょ」
278 名前:18日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/26(月) 21:40:30.14 ID:3J.texQo [15/34]
―水族館前 同時刻―
コソコソコソッ…
フレンダ(結構人いっぱいな訳よ。見失わないように気をつけないと。
指向性マイクも仕込んでっと……よしチケット売り場並ぼう)
白井(お姉様ったらあんなに麦野さんに密着して……いやらしいですの!
チケット売り場はこちらですわね)
スタスタスタ
フレンダ「あ」
白井「む」
フレンダ「先にどうぞ」
白井「それはどうも……」
フレンダ「……」
白井「……」
フレンダ(なんでこの子こんなとこにいる訳よ。一人で水族館て……遊園地よりマシだけどさ)
白井(一体どこまで一緒ですのこの方。一人で水族館なんて正気の沙汰とは思えませんの。
余程お魚のお好きな方なんですの?)
279 名前:18日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/26(月) 21:41:53.43 ID:3J.texQo [16/34]
フレンダ(まあそんなことより麦野達は……お、いたいた。チケット買って入ってくな、急がないと)
白井(お姉様達はあそこですわね。むう、一見仲のよいお友達のように見えますが、背中から出ているピンク色の
オーラがどうにも腹立たしいですの)
係員「次の方どうぞー」
フレンダ「学生1枚」
係員「2000円になります」
フレンダ「はい」
係員「ではこちらが入場チケットでございます。
入場口を入ってすぐ写真撮影を行っておりますのでよろしければどうぞ」
フレンダ「お世話さまー」
白井(ぷぷっ、寂しい方ですの。周りは家族連れや学生ばかりですのに) ニヤニヤ
フレンダ(何ニヤニヤしてんだろこの子。魚フェチ?
怖いなー……まあ麦野にならうなぎを服に中に入れられても嬉しいけど) ニヤニヤ
280 名前:18日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/26(月) 21:43:25.83 ID:3J.texQo [17/34]
係員「次の方どうぞー」
白井「学生1枚お願いしますの」
係員「2000円になります」
白井「はいですの」
係員「ではこちらが入場チケットでございます。
入場口入ってすぐ写真撮影を行っておりますのでよろしければどうぞ」
白井「どうもですの」
係員(なんか変な格好のお客さんだったな……)
スタスタスタ
写真係「ではでは撮りますよー! ハイチーズ!」 パシャッ
白井(ここが写真撮影の場所ですわね……。おっと、ちょうど次がお姉様達の番ですの。
魚と戯れるお姉様の写真もコレクションに加えたいですの)
フレンダ(麦野と写真かぁ、いいなぁ……まあ麦野の写真なんていくらでも持ってるけど。
ツーショットはまともなの無いんだよねー。額に入れて飾るのに)
281 名前:18日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/26(月) 21:46:53.32 ID:3J.texQo [18/34]
写真係「ではお次の方こちらに立ってくださーい!」
フレンダ(む、麦野達の番だ!) コソッ
ザザザ…
麦野『美琴、もっとこっち来てよ』
御坂『えー、沈利さん当たってるわよ……』
麦野『ばぁか、当ててんのよ』 ギュッ
フレンダ「むぎっ……!」
白井「おねっ……!」
麦野御坂『『ん?』』
白井フレンダ((やっべぇっ!)) カクレミッ!
写真係『どうかされましたー?』
麦野『いえ何でも。すみません、もう一度お願いできますか?』
写真係「もちろん。気を取り直していきましょー! ハイチーズ!」
282 名前:18日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/26(月) 21:49:21.02 ID:3J.texQo [19/34]
麦野『……』 ギュッ!
御坂『……』 ギュッ!
パシャッ!
写真係『ではこちらはお帰りの際出口にて1枚500円で販売しておりますのでよろしければどうぞ』
麦野『か、買う?』
御坂『う、うん……ほしいかも……』
麦野『ねえ今度ゲーセンでチュープリも撮ろうよ……』
御坂『い、いいわよ……』
スタスタスタ
フレンダ(な、なんてものを見てしまったんだろ……! 麦野と超電磁砲が寄り添ってツーショットなんて……!
うぅ……ショックだなぁ。……い、いやそれより!) チラッ
白井(な、なんという写真を撮っていますのお二人ってばっ! あんなにギュッと! ギュッと!
ああんっ! 黒子も壊れる程に愛されたいですのー! 3分の1も伝わらなくてもいいですのー!) キィィ!
フレンダ「ね、ねえ……」
283 名前:18日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/26(月) 21:52:17.84 ID:3J.texQo [20/34]
白井(げぇっ! この方まだいましたの!? 一人での写真撮影なんて空気呼んで列抜けてさっさと前に進めばよろしいのに……」
フレンダ「もしかして超電磁砲の知り合いだったりする……?」
白井「!? な、何故それを……」
フレンダ「私は原子崩し……ええと、超電磁砲と一緒にいた女の子の友達なんだけど」
白井「麦野さんの!?」
フレンダ「あ、知り合いだった?」
白井「まあ少しだけ……」
白井(た、確かにそう考えてみればわたくしの行く先々にこの方がいるのも頷けるというものですの……)
フレンダ(やっぱそうだった訳よ。おかしいと思ったんだよねー、私と同じ方向見つめながらハァハァ言ってるし……)
白井(しかし認めたくはありませんが、わたくしの想像が正しければこの方……)
フレンダ(っていうか結局、この子って……)
白フレ((二人の後尾けてきたんじゃ……))
フレンダ(うひゃー、ヒクわー。いくら尊敬する先輩だからってプライベートの監視なんかしちゃう?
超電磁砲に同情しちゃう訳よ。え、私? 私はいいのっ、麦野への愛がそうさせるんだから)
白井(何て残念なお人なのでしょう。普通知り合いのプライベートを覗き見たりしますかしら。
麦野さんもお可哀想に。え、わたくしですの? 黒子はお姉様のパートナーですもの。
お姉様のことは何でも知っていないといけませんの!)
284 名前:18日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/26(月) 21:54:04.44 ID:3J.texQo [21/34]
フレンダ「……」 ニコッ
白井「……」 ニコッ
フレンダ「そ、そうなんだー。二人とも仲いいんだねー。ところであなたって常盤台の学生さんだよね?
やっぱ何かすごい能力者なの?」
フレンダ(どうせ麦野のことだから超電磁砲なんてすぐ飽きてポイだよポイッ!
そしたらこの子達とも戦うことになるかもしれないし、情報拾っておかないといけない訳よ。
さすが麦野の頼れる相棒フレンダちゃん。麦野の頭撫で撫ではいただきよ!)
白井「いえいえ、わたくしなどお姉様に比べたら何て事ありませんの。
空間移動(テレポート)を少々嗜んでおりますの。レベルは4ですけれど。
それより貴女こそ、先ほどから持っておられるその機材はなんですの?」
白井(少々奇行の目立つ方ですし、お姉様に御迷惑がかからないよう確認しておかなくてはなりませんの)
フレンダ「へー! レベル4なんてすごいね! 私のこれは手製の小型指向性集音マイクだよ。
ふふん、結構器用でしょー。他にも超小型カメラとか色々あるよー」
フレンダ(レベル4空間移動能力者(テレポーター)!? すっげぇ訳よ!
いいないいなー! それがあれば麦野の下着も取り放題。麦野の体内に私の体液を転移させたりも出来る!
よし、ちょっと仲良くなってその力利用させてもらおう) フヒッ
白井「それはそれは、大したものですの」
白井(色々と犯罪じみた道具をお持ちですのね……。でもすっげぇですの!
その技術があればお姉様のあらゆる秘め事も24時間365日死角無しで撮影盗聴し放題ではありませんの!
少々お近づきになって機材をお借りできませんかしら) フヒッ
285 名前:18日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/26(月) 21:57:43.01 ID:3J.texQo [22/34]
フレンダ「それほどでもないけどねー。よかったら一緒に聞く? 無線イヤホンもう一個持ってるし」
白井「いいんですの?」
フレンダ「いいよ。その代わり二人に見つかりそうになったらあなたの能力で私も一緒に逃がしてね。
あ、別に後を尾けてきたとかそんなんじゃないんだけど、なんとなく気まずいから」
白井「それくらいお安いご用ですの。わたくしこそこんな素晴らしいものをお借りしてありがとうございますの。
いえ別にわたくしも後を尾けてきたとかそういうわけではありませんけれど、少々気恥ずかしいですものね」
フレンダ(よーし、これで私の唾液を麦野の口内に転移させる計画の第一歩が始まった訳よ!)
白井(完ッ璧ですわ。これでお姉様ドキュメンタリー『お姉様とその生態』のクランクインが近付きましたの!)
フレンダ「じゃよろしくね。私はフレンダ」 ガシッ
白井「わたくしは白井黒子と申しますの。どうぞよろしく」 ガシッ
写真係「次の方どうぞー」
白井フレンダ「「はい?」」
写真係「さ、写真をお撮りしますよ。どうぞこちらへ」
白井「い、いえ私たちはその……」
フレンダ「ま、まあいいんじゃない? せっかくだから撮ってもらおうよ」
286 名前:18日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/26(月) 21:59:21.16 ID:3J.texQo [23/34]
白井「そうですか? では……」
フレンダ(ちょっとでも仲良くなっとかないとね。あんたの能力たっぷり利用させてもらうんだから)
白井(どういうつもりですの? けれどこの方の技術を手に入れるためなら悪くありませんわね。
お姉様のためならこの方を欺いてみせますの!)
写真係「はいではもっと寄ってください! いきますよー! はいチーズ」 パシャッ
白井フレンダ「「……(ニコッ)」」 ウワッツラー
写真係「ではこの写真は後ほどお出口で……って、あれ?」
白井「急ぎませんと見失ってしまいますの!」 ダッ!
フレンダ「だね! 二人ともせっかちそうだからダッシュダッシュダッシュ!」 ダッ
白井「キック&ダッシュですのー!」 ダッ
写真係(変な子達だなー……)
287 名前:18日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/26(月) 22:01:01.81 ID:3J.texQo [24/34]
―水族館館内『ラッコの水槽』 14:00―
プカプカ
ワイワイワイ… ガヤガヤ
御坂「キャ―――! 可愛い~!」
麦野「おい、水族館に可愛いもんは期待してないんじゃなかったの?」
御坂「だってこんな可愛いのいるなんて知らなかったんだもーん! 見て見て! ぐるぐる回ってる!
あーん、こんなのだったら一日中見てられるわ-!」
麦野「そうね。胴体長いわね」
御坂「見て見て!毛づくろいしてるわよ! 抱きしめたらプニプニもこもこで気持ちよさそう~。
可愛いなー、ね、沈利さん!」 パァッ
麦野「……そうね」
麦野(テメェのが兆倍可愛いっつの)
御坂「ねね、私デジカメもってきたんだ! 撮ろう撮ろう!」
麦野「あーはいはい、引っ張るな。はしゃいじゃって、ガキっぽいわよ」
御坂「沈利さんこそもっと笑って笑って! ラッコはあんま好みじゃない?」
288 名前:18日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/26(月) 22:02:56.68 ID:3J.texQo [25/34]
麦野「楽しんでるからお構いなく。アンタ見てた方が面白いけどね」
御坂「なによぅ、私は見せもんじゃないわよー! ほら沈利さん撮るよ、もっとこっち寄って!」
麦野「背景にちゃんとラッコ入るんでしょうね?」
御坂「沈利さんとのツーショットいっぱい撮るために持ってきたんだから細かいことはいいの!
ハイチーズ!」 パシャッ!
麦野「撮れた?」
御坂「えっと……あ! ぷぷっ! 沈利さんまばたきしたでしょ! 半眼になってるわよー」 クスクスッ
麦野「ちょっ! テメ、消せよ!」 ガッ!
御坂「やーだ。これも思い出だもん」 ヒョイッ
麦野「ふざけんなっ! 美しくない私を写真に収めることは許さないわよ!」
御坂「沈利さんはどんな表情でも美人だから大丈夫よ!」
麦野「分かりきったこと言わないで! こら貸せ!」
御坂「貸さなーい。あ、ねえねえ、あっちにはカワウソがいるわよ! 行こう行こう!」 タッタッタッ
麦野「あーもうったく! 分かったから走るなっての」 タッタッタッ
289 名前:18日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/26(月) 22:04:16.09 ID:3J.texQo [26/34]
―同時刻―
フレンダ「」
白井「」
フレンダ「のっけから飛ばしてる訳よあの二人……」
白井「確かにレベル5の集中力は伊達ではありませんの……お互いしか見えていないような……」
フレンダ「よ、弱気になってどうするの! 結局、すっごい仲の良い友達なだけなんだから!」
白井「そ、そうですわよね! 手を繋いで歩いたり、頬が当たるくらいに寄り添って写真を撮るくらいじゃ
まだまだ友達の域ですの!」
フレンダ「お、今度はカワウソの方に行った訳よ」
白井「お姉様ったらあんなにはしゃいで……まるで無邪気な子供のようですの」
フレンダ「麦野からすりゃ14歳なんて十分子供でしょ……」
ザザザ…
麦野『あら、この子達は結構可愛いわね』
御坂『ラッコよりこっちのほうが好き?』
麦野『どちらかと言えばね。んー、でも私早くペンギン見たいなー』
御坂『いいわね! ペンギンってヨチヨチ歩くからラブリー』
290 名前:18日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/26(月) 22:05:55.95 ID:3J.texQo [27/34]
麦野『でもあいつら水中だとどや顔でミサイルみたく泳ぐわよ。
失速するとプカーッて水面に浮いてくるところが間抜けでいいよね』
御坂『何それすっごい見たい! 行きましょう行きましょう!』
麦野『急がなくたって逃げないわよ。落ち着いて楽しみなさいよ』
御坂『沈利さんの口から「落ち着け」だなんて。おっかしーの』 キャッキャッ
麦野『あんまり調子こいたこと言ってると上下に引き裂くわよ?』
御坂『ご、ごめんなさい。あまりに信じられない発言につい』
麦野『よし。次言ったら3分割』
御坂『もう、細かいこと気にすんじゃないの!』
白井「会話自体は確かに仲の良い友達同士という感じもしますが……」
フレンダ「だよね。まだ核心に触れてない感じな訳よ」
フレンダ(まああの麦野があんなに楽しそうにしてること自体が異常な訳だけど)
291 名前:18日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/26(月) 22:08:08.38 ID:3J.texQo [28/34]
―水族館館内 『ペンギンの水槽』 14:20―
麦野「こ……これは……」 ホァァ
御坂「か、かわゆい……」 ポヘー
麦野「ねね、写真撮ろ撮ろ!」
御坂「お、ノってきたわねー。よし、沈利さんそこ立って、撮ったげるから!」
麦野「うん、お願いね」
御坂「いくよーん。ハイチーズ」 パシャッ!
麦野「ありがと。帰りペンギンのぬいぐるみ買おうっと」
御坂「随分気に行ったみたいね」
麦野「次はアンタも撮ったげるからそこ立ちな」
御坂「うん、可愛く撮ってよね」
麦野「よし、なら脱げ」
御坂「なんでよ!」
麦野「アンタの裸綺麗だし。一番綺麗な姿を撮ってあげる」 キャピッ☆
御坂「そ、そんなことこんなとこで言わないでよ!」 カァァ
292 名前:18日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/26(月) 22:10:19.28 ID:3J.texQo [29/34]
麦野「ふふっ、ごめんごめん」 パシャッ!
御坂「なっ! 撮る前になんか言いなさいよ!」
麦野「美琴の照れ顔撮っちゃった」 バチコンッ☆
御坂「可愛くウィンクしても誤魔化されないからね! い、今すぐ消しなさい!」
麦野「消しません。携帯でも撮ったから今からこれ私の待ち受けよん」
御坂「だぁぁー! んなもん誰かに見られたらどうすんのよ! すっごい恥ずかしいじゃないのよ!」
麦野「アンタだって私の半眼撮っただろ。諦めなさい」
御坂「うう、余計なことするんじゃなかった……」
麦野「さ、次はあそこね。あ、鮫がいるみたい」
御坂「鮫かー。沈利さんっぽいよね」
麦野「あァ?!」
御坂「じょ、冗談じゃない」 ビクッ
麦野「私のどこがサメ肌だってのよ。しっとりもちもち卵肌でしょが」
御坂(そこじゃないわよ)
293 名前:18日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/26(月) 22:12:29.78 ID:3J.texQo [30/34]
―同時刻―
フレンダ「ど、どう見てもイチャイチャしてるようにしか見えない訳よ……」
白井「お姉様の裸とか肌がどうとかおっしゃってましたわね……」
フレンダ「それにしてもペンギン可愛い訳よ」 ホワァ
白井「ですわねー。このデップリとした感じがなんとも愛らしいですのー」 ホワァ
フレンダ「あー、見て見てー! 飼育員さんが餌あげてるよー!」
白井「まあ本当。現金なものですわね、バケツの中に餌が入ってると分かっているのでしょう、
わらわらと集まっていきますの」
フレンダ「食べてる食べてるー! あはは、お腹空いてるのかな」
白井「お魚を丸呑みですの。あら、あちらは掃除をされている飼育員の方の後をペタペタ着いていってますわよ」
フレンダ「わぁかわいい! きゃははっ、あっち行きなって押しやられてる」
白井「それでも寄って行きますの。なかなか健気な子ですわね」
フレンダ「水族館なんて久しぶりに来たけど結構楽しいねー!」
白井「悪くありませんわ。あ、あっちにはタコがいますわよ!」
フレンダ「どこどこー! うわっ! うねうねしてる! 結局、白井さんのツインテールみたいだね!」
295 名前:18日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/26(月) 22:14:46.50 ID:3J.texQo [31/34]
白井「んまっ! それは心外ですの! 」
フレンダ「冗談だよー。タコ焼き食べたくなってきた訳よ」
白井「現在フェア期間中ですから出口で食べられますわよ」
フレンダ「そうだったね。お腹空いてきちゃったなー」
白井「仕方ありませんわねー。飴でよろしければありますからこれでも嘗めてらしたら?」
フレンダ「わーい! 黒飴って、おばあちゃんみたーい! いただきー」 パクッ
白井「誰がお婆ちゃんですの!」
フレンダ「コロコロ……美味しいからいいのいいの。ありがとね。よし、次はあっち見よう!」 ダッ
白井「まったく、仕様のない方ですの。あらま大きな水槽がありますの。あれはマンタですわね」
フレンダ「ひらひらしてて綺麗だよねー。他にもいっぱい泳いでる。小さい鮫もいるね。
うぉっ! あの大きいの何ー!?」
白井「あれはジンベエザメですの。エイもマンタだけではなく他にも何種類か泳いでますわよ」
フレンダ「ほんとだ、微妙に違うね。白井さん詳しいね」
白井「これくらい常識ですの。そう言えば貴女お年はおいくつですの?」
フレンダ「ん? 16」
白井「私より3つも上ではありませんの。落ち着きのない方ですわねー」
296 名前:18日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/26(月) 22:16:51.66 ID:3J.texQo [32/34]
フレンダ「うるさいなー。そんなことより結局、鯖はいないの鯖は?」
白井「鯖ですの? それでしたらあちらのようですわよ」
フレンダ「えー、いるんだ。行きたい行きたい!」
白井「鯖がお好きなんですの?」
フレンダ「正確には鯖缶がね。美味しいよねー」
白井「食べたことありませんの。でもフェアで鯖寿司とかもあるようですわよ」
フレンダ「お寿司かー。嫌いじゃないけどね。鯖に一番合うのはカレーな訳よ」
白井「あなたの舌がバカだということはよく分かりましたの」
フレンダ「失礼な! 白井さんの好物は何な訳よ!」
白井「わたくしは淑女らしく紅茶やケーキはもちろん、スコーンやブリオッシュ等が好きですの」
フレンダ「ブリ……何? 鰤の照り焼きの仲間?」
白井「魚類から離れてくださいませんこと? ブリオッシュとはパンに似たフランスの焼き菓子のことですの。
詳しくはwikipediaをご覧になってくださいまし」
フレンダ「ふぅん、まいいや。鯖カレーの方がおいしそうだし」
297 名前:18日目前編 ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/26(月) 22:20:28.90 ID:3J.texQo [33/34]
白井「だからなんでそのメニューに挑戦しようと思ったんですの……?」
フレンダ「美味しいんだってばー。今度試して……あ」
白井「どうしましたの?」
フレンダ「麦野と超電磁砲見失った……」
白井「あ……すっかり失念しておりましたの。あ、あなたがペンギンなどに気を取られているからですわよ!」
フレンダ「しょ、しょうがないじゃん可愛いんだもん! 白井さんだってなんだかんだ楽しんでた訳よ!」
白井「わ、わたくしは……! むぅ、確かにそれはそうですの……貴女だけを責めるのはお門違いというものですわね」
フレンダ「あはは、まあ気を取り直してがんばろ。……っと」 ブルルッ
白井「今度はなんですの? 急ぎませんと……」
フレンダ「ちょっとおしっこ行ってきてもいい? 結局、麦野達たぶん3時からのイルカショー見ると思うし大丈夫な訳よ」
白井「まったく。どうぞですの。ところで女性ならせめてお手洗いと言ってくださいましね」
フレンダ「細かいことはいいじゃない。ごめんねー。すぐ戻ってくるからー!」 タッタッタッ
白井「やれやれですの……」 フゥ…
白井(でも意外と人懐っこくて明るい方でしたわね。悪い人では無さそうですの)
続きます&おまけ。
347 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/28(水) 18:16:41.18 ID:QqhVanAo [1/2]
これが今はベッタベタなのか…いいな
350 名前: ◆S83tyvVumI[saga] 投稿日:2010/07/28(水) 20:05:28.99 ID:xQD8DnYo [1/34]
>347
麦野「あれー? アンタ私が昼ごはんの後ここに置いてあった鮭弁食った?」
御坂「あ、ごめーん。残してあったからもういらないのかと思って捨てるのもったいないし食べちゃったわ」
麦野「おいおい後で食べようと残してたんだよ。美琴ちゃーん、アンタはやっちゃいけないことやっちゃったわねー。
私は今日まで私をコケにした奴と鮭弁を横取りした奴だけは生かしちゃこなかったのよ」
御坂「はぁ? 小さいこと言ってんじゃないわよ。ごめんって言ったでしょ。また新しいの買ってきてあげるから」
麦野「小さい? カッチーンときちゃった。胸まで小さいくせにゴチャゴチャ言ってんじゃねえぞ。
私は今、あの鮭が食べたいの。腹ん中から吐かせてほしい?」
御坂「はー、そこまで言われたらさすがに頭に来たわ。鮭サケうるさいのよサーモン女。どの鮭でも同じでしょうが。
そうやって食い意地張ってるから太るんじゃないんですかねー?」
麦野「あァ? いい度胸ね。やんのかコラ?」 アゴクィッ
御坂「お? 触らないでくれる? 上等じゃないの」 アシフミッ
※※※中略※※※
麦野「私が悪かったわ……ごめんね」 ギュッ
御坂「いいの。私も言い過ぎたもん……」 ギュッ
麦野「美琴……」 キラキラキラ
御坂「沈利さん……」 キラキラキラ
というアホな痴話喧嘩の途中にしか見えないのは麦琴SS書き続けた弊害ですね。
本日投下分も麦琴いちゃいちゃ分やや少なめなので口直しがてらに燃料を。
まだやることがあるので本日の投下は前回と同じく21時~22時になります。
それではまた後ほど。
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