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阿良々木「あれ?なんか忘れてる」

1 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/05/12(水) 19:00:48.78 ID:yzZZN3UP [1/25]
それは、春から夏にかけて起こった一連の事件が収束し、皆の日常が平静を取り戻した時のことだった。

八九寺!久しぶりだな!
「お久しぶりです、ちゃららぎさん」
まて、僕は何か凄くチャラいキャラなのか?
「すみません、噛みました」
わざとだろ!
「いいえ、今更阿良々木さんの名前をわざと噛んだりはしませんよ?」
なんだ、恣意的か…ダメじゃん!
「ところで阿良々木さん、お時間あります?」
時間なら、まぁ無い事は無いが、無いと静止するだろ?
「THE WORLD!」
誰の真似なんだよ!
「阿良々木さんに時間が無い場合、阿良々木さんだけが世間から取り残されているともいえます」
なんか嫌だなそれは。
で、本題はなんだ?

2 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/05/12(水) 19:01:48.55 ID:yzZZN3UP [2/25]
「町外れの学習塾跡はご存知ですよね?そちらへ行ってくれますか?」
八九寺にそう告げられた事に僕は驚いた。
僕らが何度と助けられ、否、僕らを「手助け」したアイツが塒(ねぐら)にしていた元学習塾だった廃墟ビルに行くよう八九寺に告げられたからだ。
こいつはあそこに行った事が無い、いやその存在は知っていたとしても、僕とあの建物の関係を知る筈が無い。
「少し頼まれましたので…」
誰にだよ?
「それは…禁則事項です」
誰の真似なんだよ!
「まぁ、危害は加えられないと思いますので、急いで行ってください」
行くのは良いとして、まだお前にハグすらしてねぇ!
「本当にロリコンは困りますね。まぁ、また今度という事で、今日は私忙しいのですよ、こう見えて」
お前が忙しいとか嘘だろ!
「嘘ではありません。今日は帰ってから撮り溜めした深夜アニメを見無くてはなりませんから」
そ、そうか…お前が見るのって日曜午前のアニメじゃないんだな
「今一番のお勧めは『DRRR』ですよ。折原ってのがウザいんですけどね、声とか」
何か物凄く嫌味を言われた気がした。
「では阿良々木さん、またお会いしましょう」
そういうと八九寺は通りの角に消えて行った。
僕はママチャリのハンドルを大きく切りなおし、廃墟ビルへと向かった。


3 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/05/12(水) 19:04:16.50 ID:yzZZN3UP
懐かしい、いやそう時間はたってはいないが、思い出と言うか色々ここであり過ぎたから。
僕はフェンスをくぐり、4階を目指す。
多分そこに行けば誰かが待っているのだろうと確信した。
恐らく羽川だろう。
八九寺が見えるのは僕か羽川だけだろうし。
しかし僕に用があるなら携帯に電話すれば良いだけのはず…
何か事情でもあるんだろうか?
そう考えながら、4階の一室のドアを開ける。
僕は悲鳴にも似た声を上げた「お前!こんなところで何やってんだ!」

『よう阿良々木君、どうしたんだいそんな元気な声を上げて。何か良い事でもあったのかい?』
そこに居たのは僕達を手助けした忍野だった。


4 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/05/12(水) 19:05:01.31 ID:yzZZN3UP
「阿良々木君、久しぶりだねぇ。元気にしてたかい?」
そりゃ元気だけど…ていうか、忍野いつ戻ってきたんだ?
「昨日だよ。さっきコンビニへ買い物に行く途中、迷い牛だった怪異を見つけてね、恐らく阿良々木君の知り合いだろうから声を掛けたんだ」
お前、八九寺が見えるのかよ?
「阿良々木君、僕はねぇこう見えても一応は君たちを手助けした側だよ?見えないと決めつけるのは少し思慮が足りないとは思わないかい?」
忍野にそう言われると、何となく納得してしまう。
というか、忍野には見えると考える方が妥当だな。
「ところで阿良々木君、時間はあるかい?」
無かったら俺だけ取り残されるとか言うつもりか!
「おや?察しが良いねぇ、本当に阿良々木君は察しが良い。ついでだからこの先僕が言おうとしている事も分かってくれたら良いのにねぇ」
俺はエスパーじゃねーよ!
「ま、そうだろうね。じゃ単刀直入に話す」
忍野は机の上からひょいと飛び降りるとポケットから煙草を取り出し咥える。
いつものように火は付けず、ただ咥えるだけ。
「阿良々木君、君を助けに来た」
忍野はそう一言だけ言う。


5 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/05/12(水) 19:06:29.12 ID:yzZZN3UP
まて、僕は何も今困ってないぞ
「阿良々木君、本当は君が困ってから手助けしようと思ったんだが、こっちにも事情があってね」
なんの事情だよ
「まぁご存知のように僕の同級生が色々とやらかした様で、僕は心が痛いんだよ、分かる?」
まぁ忍野の友人はとんでもない奴ばかりだったけどな、でも全部解決しているんだよ。
「解決?解決なんて出来てないさ、解決どころかこのままだと二度と元には戻れないというか、犯罪者さえも生み出しかねないからね」
僕が犯罪者になるとでも言うのか?説明しろ!
「本当に元気だねぇ、誰も阿良々木君が犯罪者とは言ってない、それより君の周りの人間だよ、ツンデレちゃんとか…」
どういう意味だ?
「んー、ここまで察しが悪いと僕は呆れてしまうよ本当に」
悪かったな
「阿良々木君、『フラグ』って知ってるかい?」
聞いた事はある
「ゲームやアニメに出てくる『フラグ』ね、君も色々と立てちゃってるよね?」
待て、それはどういう意味だ?
「やっぱアニメと同じだな、フラグ建築士はそのフラグに気がつかないとは、ククク」
忍野は声を[ピーーー]ように笑う。
「阿良々木君の気がつかないところでフラグは立っている、それを回収しないと大変な事になるんだよ」
僕はそんなにフラグを立てた覚えは無い。
現に僕には彼女が居て、羽川だって知っている。
「それなんだよ、それが勘違いって奴さ。いいかい阿良々木君、君が思ってるほど女の子は簡単なもんじゃないんだよ、それに…」


6 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/05/12(水) 19:08:04.78 ID:yzZZN3UP
それに?
「僕も回収しなくちゃならない事がってね」
なんだよ、お前もフラグ立ててるのか?
「やだな阿良々木君、一緒にしないでほしいな。まぁそれはいつか分かる事さ」
「それよりも、君のフラグなんだけどねぇ、委員長ちゃんの怪異は恐らく大丈夫だと思うが、他のフラグは早めに回収、いや折らないとツンデレちゃんが暴走しちゃうと思うんだ」
「ツンデレちゃんの暴走、それは阿良々木君が一番危険だと思わないかい?」
僕は何も言い返す事が出来なかった。
しかし、僕が立てたフラグってそんなに多いのか?
「仕方が無いなぁ、じゃ一から説明してあげよう」
「まず委員長ちゃん、それから百合っ子ちゃん、照れ屋ちゃん、迷い牛ちゃん、妹ちゃん達かな」
おい、色々とカウントしちゃダメなものがあるぞ!
「だから君はダメなんだよ、全部フラグが立ってるんだよ、分かるぅ?」
羽川の件は良いとして、神原は違うだろ?
「そうじゃないんだよ、ツンデレちゃんというトリガーがあるから動かないだけで、それがなきゃ恐らく猛アタックされるよ?」
あいつはBL好きで、百合…
「阿良々木君、女の子はねちょっとした事で心変わりするもんなんだよ」
……
「万に一つ、君がツンデレちゃんに捨てられたとしよう」
まぁ有り得るな、まて!


7 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/05/12(水) 19:09:32.62 ID:yzZZN3UP
「そうすれば君に対して委員長ちゃんを始め皆がアタックするよ?」
僕はそんなにもてねぇよ!
「ふんっ、君がそう言っても現実にはフラグは立っている」
「もし疑うなら、ツンデレちゃんと別れるからぼくとつきあってくださ~いと委員長ちゃんに言ってごらんよ、OKされると思うよ?紆余曲折はあると思うが…」
マジか?
「マジも大マジ。それぐらい君は愛されてるんだよ。色々と助けたせいでね」
「だから折れ」
忍野は真面目な顔で言いきった。
でも折ると言っても…
「簡単な事さ、君が誰と一緒に居たいか、それを決めればいい」
戦場ヶ原しか選択肢がないじゃないか?
「ご名答。阿良々木君は頭が良いね、いつもそれぐらい頭が回れば良いんだけど」
褒めているのか?貶しているのか?
「君の身を守るためには選択肢は一つ、今のままで居れば良い。ただし他のフラグを折っておかないと禍の火種になる」
まぁそう考えても良いのだが、本当にフラグは立っているんだろうか?
「考えも大事だが、ここはひとつ順に簡単なものから折ってきなよ」
忍野はニヤッと笑い言った。
「まずは妹ちゃん達」
というか、妹にフラグってどんなシチュエーションなんだよ
忍野曰く、「兄弟愛の延長は怖いよ、ヤンデレの妹に愛されるCD聞いた事無い?」
ねーよ、そんなもの!
このフラグは簡単に折れるらしい。
まずはこれから実行することにした。


8 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/05/12(水) 19:12:11.53 ID:yzZZN3UP
Pipipi
「あー、戦場ヶ原?僕だけど」
「あら阿良々木君こんにちは。私の声が聞きたくなって電話して来たの?これだから童貞は…」
「待て!ていうか、明日暇?」
「暇じゃないわ。こう見えて私、モテモテだからデートの誘いが多くて困っているぐらいなの」
「ふーん、そうか。じゃもういいわ、ごめんな」
「切ったら[ピーーー]わよ」
「おい、なんだそりゃ!」
「まぁ、話ぐらい聞いてあげるわ。何?声をオカズにしようとしている童貞さん」
「なんかお前に言われるとムカつくよな」
「そう?私はスッキリするけど」
「あのさー明日暇ならうちに来ない?」
「え?何をする気なの?まさか私を睡眠薬で眠らせて、あらん限りの猥褻行為を行う気ね」
「そんなんじゃねーよ」
「じゃあ何?」
「んー、まぁ単刀直入に言うと、家族に紹介したい」
「家族…」
「阿良々木君、当てつけなの?」
「ち、違うよ!純粋に彼女として俺の親に紹介したい。それに勉強も見て貰ってる事を報告したい」
「それなら私がわざわざ行く必要などないじゃない。説明だけすればいいでしょ?」
「うっ…まぁそういう口実でお前に会いたいんだよ!」
「まぁ言いきったわね、下僕の分際で。まぁ良いわ、丁度空き時間もあった事だし伺うわ」
「ああ、あ、ありがとう」
「礼には及ばないわ、その代り変な事しようとしたら裁断機で切るわよ?」
「ていうかあれも文房具なのか?」
「さぁ?じゃ明日ね」


9 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/05/12(水) 19:13:38.30 ID:yzZZN3UP
戦場ヶ原との約束は出来た。
これで明日戦場ヶ原を彼女だと家族に紹介すれば良いって忍野は言ったが、本当に上手くいくのか?
色々と心配になってきた。

翌日、僕は戦場ヶ原を迎えに戦場ヶ原の家に行く。
「あら…何故自転車なの?こういう場合、左ハンドルの車で迎えに来るのが礼儀じゃなくて?」
「僕は免許がありません」
「浅はかね、ハイヤーぐらいチャーターしなさいよ」
「ゴメン…」
「嘘よ、冗談よ。さぁ行きましょう」
「ああ」
僕は戦場ヶ原を後ろに乗せペダルを漕ぐ。
「ねぇ阿良々木君、今日の服装変じゃないかしら?」
「は?別におかしくは無いぜ?というか初めて見る服だな。買ったのか?」
「ぐはぁ!」突然脇腹に鈍い痛みを感じる
「私が盗んできたとでも言うの?」
「そうじゃない!今日の為に買ったのかって聞いただけだ!」
「何なのその自信、まるで私が阿良々木君の家に行くのを楽しみにして服を新調したような言い方」
「いや、初めて見る服だし」
「私が一張羅だけで生きているとでも思っているのかしら、この下僕は」
「そういう言い方止めろよな。ていうか家族の前では止めて欲しい」
「まぁそこまで言うなら仕方が無いわね、ダーリンって呼んであげる」
「それもどうかと思うぞ、それより首に値札がついたままだぜ?」
「え?嘘!?」
「嘘だよ」今度は背中に尖った痛みを感じた。
「次そういう事したら再生できないぐらいコマ切れにするから」
「こえーよ!」


10 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/05/12(水) 19:21:51.48 ID:yzZZN3UP
ただいま~と僕は自転車を止め、玄関のドアを開ける。
事前に家族に伝えてあったので、みんな居間で寛ぐというか、待機状態。
僕の自転車を止める音を聞いて、火憐ちゃんと月火ちゃんが玄関まで出てきた。
「にいちゃんおかえり!」「おにいちゃんおかえり!」
いつになく元気な二人だ。
「初めまして、妹の火憐です」「妹の月火です」
「こんにちは。戦場ヶ原ひたぎです」
「綺麗な人だね~」と火憐が戦場ヶ原の挨拶を遮るように言う。
まぁ立ち話も何だし、上がってよ。
「どうぞー」と月火ちゃんがスリッパを差しだす。
「阿良々木君の妹さん、とても素直な子ね」
そうか?お前もファイヤーシスターズの話は知ってるんだろ?
「噂はね。でも実物は思ったより…阿良々木君の女の子バージョンね」
そりゃどういう意味だ?
「ふふ」とほほ笑んでそれ以上戦場ヶ原は話さなかった。
戦場ヶ原をリビングに通すと、母親がお茶を用意していた。
「初めまして、暦の母です」
「初めまして、戦場ヶ原ひたぎです。暦さんにはいつもお世話になっております」
「本当は父さんも居たんだけど、急用ができたってさっき出かけちゃったんだよ」
「そそ、火憐ちゃんと引きとめたんだけど…逃げた!兄ちゃんそっくりだよ」
お前ら、父さんの事をそんな風に言うんじゃありません。
母さんがお茶とお菓子を出す。
みんな、色々と質問したいようでウズウズしている。
ここは僕から先に言うべきだなと、意を決した瞬間に戦場ヶ原が語り出した。


11 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/05/12(水) 19:23:57.23 ID:yzZZN3UP
「暦さんとは真剣にお付き合いをさせていただいております。その…清い交際ですが///」
お前!照れながら凄い事言ってるぞ!
「あら、暦の彼女さんね。こちらこそどうしようもない息子ですが宜しくお願いします」
母さんまで…
「ところで兄ちゃん、前に言ってた「彼女紹介する」って勿論戦場ヶ原さんの事だよね?」
え?ああ、そうだけど?
「なんか不釣り合いだよね、兄ちゃんとは」火憐は怖いもの知らずである。
「そう?優しそうだけど厳しそうな面もあってお兄ちゃんにはピッタリかも」と月火。
月火の鋭さは…いや、今その事を考えるのは止めよう。
「いえ、実は私の方が暦さんに告白してOK貰ったんです」
うわぁーこいつ言っちゃったよ!ていうかその真顔まぶしすぎる!
三人は、リビングのソファーに掛けたまま固まってしまっている。
おーい!おまえらーかえってこーい!
「私、イケメンの息子を産んだ覚えは無いわ」(怪異は産んだけどな)
「兄ちゃん、本当の素顔を見せろ!」(ヒーローごっこかよ)
「あれか?何か凄い物持ってるのか?」(お前だから良いけど神原だと卑猥だろうな)
お前らな、人を何だと思ってるんだ?
「今、暦さんの勉強を見ています。出来たら来年は同じ大学に進学して、将来は一緒になりたいと思っています」
でた、人生設計と逆プロポーズ!
流石に僕が固まっちまったよ。
しかし、我が家の女性陣は強い。
「あらあらひたぎさん、そんなに無理しないで。嫌になったら捨てていいのよ?」
母さん…
「兄ちゃんより良い男は幾らでも居るよ?」
「兄ちゃんが大学行きたいって女がらみだったのか!」
もう僕はボロ雑巾のような扱いだ。
しかし戦場ヶ原は顔色一つ変えず言う。
「私が、今の私で居られるのは暦さんのおかげです。だからずっと一緒に居たいと思います」
眉一つ動かさず戦場ヶ原は家族を直視したまま語る。
ここに親父がいたらきっと卒倒していたに違いない。
ああ、これは戦場ヶ原なりのジョークなのだろう。
まぁジャブにしては強すぎて、みんなノックアウトされているけどな。
先制攻撃が効いたのか、みんなそう言った話はせず世間話に切り替えてきた。
一時間程度話したところで、僕は自室にひたぎを招き入れた。


12 名前:ここで休憩します[] 投稿日:2010/05/12(水) 19:26:22.68 ID:yzZZN3UP
「ふーん、ここが阿良々木君の部屋なの」
なぁそれよりさっきのは驚いたぞ
「何?ああ、ただのリップサービスよ。それより…阿良々木君は他の「リップサービス」がされたいの?」
え?あ、いや、別にそんなつもりは…
「それよりも、この部屋臭いわ」
嘘!ちゃんと窓も空けてあったし、特に匂いのするものは…
「妹とお母さん以外の匂いがする。一つは分からないけど、あとの2つはよく知っている匂い」
お前は犬か!もう何か月も前の匂いだぞ!匂いが残ってる訳ないじゃないか!
「やっぱり、ただのカマ掛けよ。さっきのお返しよ」
やっぱ値札の件怒ってたんだな。
しかしこいつは匂いで羽川が居たのをあてた事もあるしな、冗談とは思えん。
「彼女の私が一番最後ってのも悔しいような気もするけど、真打登場って感じで悪くも無いわね」
やっぱこいつ犬以上だ。
「ねえ阿良々木君、しましょう」
え?>?????何を?なんて言った?

13 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/05/12(水) 19:47:06.76 ID:yzZZN3UP
「お話をしましょう」
ほっ…というか少し残念なのは内緒だ。
で、何の話?
「今日の私どうだったかしら?」
なんか驚いた
「そう、ご家族にもかなり効いたようね」
だろうなぁ
「じゃこれで私は帰るわ」
なんだもう少しゆっくりして行けよ
「嫌よ、臭いし。それに長居してたら童貞に何されるか解らないし、御家族にもそう思われるのは勘弁よ」
お前、よくそこまで言えるな
「言ったでしょ、私はメンヘル処女。愛された事を悲しむのね、阿良々木君」
もう何が何だか。
「それと、これで一つは折れたでしょう?いや3つかな?羽川さんと神原のフラグ」
お前、何でその事を知ってんだ!
「忍野さんに聞いたのよ。全部ね」
全部…
「そう全部。だから今日来たのよ」
お前、いつ忍野に?
「昨日、公衆電話から携帯に電話があったわ」
それで協力したと…しかし、あいつがお前の番号をよく知ってたな。
「前にお礼を払った時に連絡先を渡していたのよ。」
「それと勘違いしないでね、協力じゃなくて排除しただけ。阿良々木君は私の物だから」
背筋が凍った。俺はとんでもない女に愛されちまったんじゃないのか?
確かに忍野の言うように、フラグを折って正解だったな。
これ間違ったフラグ回収したら、俺死んでたな、多分。いや必ず。
戦場ヶ原が言うには、羽川や神原に今日の話は妹達を経由して必ず届くだろうと。
確かにそうだ。
しかし、一度に折ってしまうとは恐るべしだな。
その後、また自転車で戦場ヶ原を送り、僕は忍野の所へ向かった。


14 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/05/12(水) 19:48:27.39 ID:yzZZN3UP
「よぉ阿良々木君今日も元気そうだね」
忍野、お前何で戦場ヶ原に言ったんだ?
「まぁあれだ、君ひとりじゃ荷が重いと思ってね」
やってみなくちゃ分からないだろそんなの
「いいじゃない、上手く行ったんだし」
確かに、『戦場ヶ原』と言う深窓の令嬢風の彼女がいれば、
妹達は兄を尊敬しても恋愛対象にはならない…
まて、端から妹達は関係ないんじゃないか!
「阿良々木君、鋭いねぇ。まぁ、もっと早く気がつくかと思ったがやっぱり阿良々木君はダメダメだよ、本当に」
お前なぁ
「妹ちゃん達には広報活動をして貰っただけさ。これでツンデレちゃんの意思の固さが伝わっただろうに」
まぁそうだけど
「じゃ、次は照れ屋ちゃんか」
ていうかそのフラグって本物なのか?
例え立っていても折る必要はないんじゃないのか?
憧れとかそんな感じの物だろう、どうせ。
「甘い。甘いねぇ阿良々木君、忍ちゃんが好きなドーナツの様だよ」
人を食べ物に例えるんじゃねぇ!
「真ん中もポッカリと空洞、おっと失礼」
……
「10年、10年たったら阿良々木君は28歳、そこに24歳の女性が現れた。阿良々木君は恐らく心を奪われる」
勝手に決めんなよ!
「だってさぁ、28歳はオバサン手前だよ?24はまだピチピチかも知れない」
「いや、5年後、5年後でいいな、うん。23歳と19歳、確実に19歳に心奪われる」
もううんざりだ!
「さて冗談はさておき、要はねいつまでも阿良々木君の事を片思いで居ると良くないって事」
「フラグは一本で良いんだよ、一本で」
じゃぁどうすりゃいいんだよ
「何もする事は無いさ、妹達が勝手に言ってくれるよ」
でも今はそんなに交流がある訳でもなく…
「簡単な事さ、電話」


15 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/05/12(水) 19:49:53.24 ID:yzZZN3UP
電話?
「そう電話。妹達の前で照れ屋ちゃんに電話する、それだけで良いんだよ」
よく分からないが、今まで忍野の言うやり方で間違いは無かった。
今回も信用して…良いんだろうか?
「大丈夫阿良々木君、きっと上手く行くさ」
そうかな?
「大丈夫さ、人間なんて怪異に比べたら素直なもんだよ」
笑えないな
僕は自宅に帰り、千石に電話をした。
「もしもし、ああ、暦だけど」
すると月火が電話をしている僕の所に駆け寄る。
「兄ちゃん、戦場ヶ原さんと電話?」
いや違うって
「ちょっと代わって!」
そう言って僕の電話を奪い取る。
「あーもしもし、また遊びに来てね」
おい!
「あれ?もしかしてその声はなでこ?」
「ごめーん、てっきり兄ちゃんの彼女かと思って。今日遊びに来てたんだよ」
「それが凄く美人でね、びっくりしたよ」
いいから代われ
「もしもし、千石?」
「…」
「あーすまん、月火がつい」
「暦お兄ちゃん、彼女出来たんだ」
「あ、うん」
「良かったね」
「ありがとう」
「じゃ」
Pu-pu-pu
切れた…一方的に切られた。
というか折れた。
後味の悪い折り方だ。
気分が悪い。
僕はまた自転車に乗って忍野の所へ向かった。


16 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/05/12(水) 19:50:48.59 ID:yzZZN3UP
「なんだい阿良々木君、また来たのかい?」
忍野!
「照れ屋ちゃんの件、上手く行ったみたいだね」
お前、こうなる事が分かってたのか
「まぁ、想像できるから言ったんだけどね」
他にやり方があるだろ
「他に?他のやり方だともっとキズ付けるような気もするが、どうだろう阿良々木君」
しかしだな
「阿良々木君は甘いんだよ、人間にも怪異にも」
どうせ僕はアマチャンだよ
「それに怪異以上に人間の憎悪は怖いよ、何せ命まで取っちゃうからね」
別に愛憎劇で刺し殺されてもいいよ、僕は
「おやおや、童貞の分際で良く言うねぇ」
戦場ヶ原みたいな事を言うな!
「さてと…一応はこれで全部終わった。僕はこれでお暇するよ」
まてよ、お前も何か回収するんじゃなかったのかよ?
「ああ、そうだねぇ、どうしよっか?」
僕に関係する事なのか?
「そうさ阿良々木君、僕が回収する為には君の同意を得る必要がある」
僕の?
「そうだよ阿良々木君、君の同意、君の人生、どうする?」
どうするも何も何の事か解らないのに返事なんか出来ない。
「やっぱ阿良々木君は頭が良いよ、二つ返事で任してくれない辺りが」
上げたり落としたり忙しい奴だ
「じゃあ、ついでだからツンデレちゃんも呼ぼうか?」
戦場ヶ原を?
「そう、話はそれからにしよう」
忍野はポケットから煙草を取り出し咥えた。


17 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/05/12(水) 19:51:38.23 ID:yzZZN3UP
僕はまた自転車で戦場ヶ原の家に向かう。
今日一日で50㎞ぐらい走行してるよな、きっと。
先に電話をしていたので、戦場ヶ原は家の前で待っていた。
「あら?やっぱり自転車なの?左ハンドルは?」
はいはい、じゃぁ、こっちのハンドル握れよ
僕は自転車の左ハンドルを戦場ヶ原に差しだす。
「阿良々木君にしては上手く言えたわね」
言えてねーよ!
「ところで忍野さん、一体全体何の話なのかしら?」
さあな、お前の方が知ってるんじゃないのか?
「私は何も知らないわ。何も知らないし何も出来ない」
なんだこの含みのある言い方は。
「でも忍野さんが呼ぶなら仕方が無いわ、行きましょう」
僕たちは忍野の所へ向かった。


18 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/05/12(水) 19:53:15.16 ID:yzZZN3UP
「やぁツンデレちゃん久しぶりだね、昨日は電話で話したけどさ」
「お久しぶりです。というか今日は何のご用でしょう?」
「まぁそう焦りなさんなって」
忍野と戦場ヶ原のやり取り、他愛も無い挨拶の様で見えない刃が火花を散らすようにも聞こえる。
「さて、役者をもう一人呼ばないと始まらない」
誰の事だ?
「よし、始めるとするか」
そう言って忍野は机から飛び降り、僕の前に立ちはだかった。
「忍、出ておいで」
忍野は僕の影に向かって問いかける。
「出てこないと引っ張りだしちゃうぞっと!」
と話しかけながら影に近づく。
その瞬間、忍が影から飛び出す。
「なんじゃ、忍野か。わしを呼ぶから誰かと思いきや相変わらずむさ苦しい顔じゃな」
忍は忍野を睨みつけながらそう言った。
「阿良々木君、これは何なの?」
ああ戦場ヶ原には言ってなかったか
これが吸血鬼さ、なれの果てというかまた育って同級生ぐらいなんだけどな。
訳有って俺の陰の中に潜んでる


19 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/05/12(水) 19:54:26.33 ID:yzZZN3UP
「おや、忍ちゃんちょっと見ない間に成長しちゃったね」
「阿良々木君がこの子に吸われて吸血鬼になったんだよ、ツンデレちゃん。びっくりした?」
戦場ヶ原は正直に頷いた。
「そりゃそうだよね、彼氏の影の中にこんな美人さんがいたらヤキモチの一つも焼きたくなるって」
そういう問題か?
「さて、そんな話はまた今度ゆっくりするとして、僕はね忍ちゃんの回収に来た」
忍野はそう告げる。
忍は不機嫌そうな顔になる。
僕は二人の距離を見つめる。
「なんじゃ、わしを笑わせに来たのか?忍野」
「つれないねぇ、忍ちゃん。3か月も一緒に暮らした仲だってのに」
「ふん、わしはお前のくだらない話を聞かされていただけさ」
「まぁ、そんな事はどうでも良い。名前を返す」
忍はその言葉に一瞬ためらった表情をする。
「阿良々木君、悪いんだけど「名を返す」と言ってみてくれる?
名を返す…こうか?
「いやー実に良いね、よく似てる。素晴らしいよ」
僕には何の事かよく分からなかった。
忍野が忍に名を返す、それは忍が「キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード」にもどると言う事。
言いかえれば、僕がまた彼女の眷族になると言う事でもある。
「さて、ここからは少し長くなるけど僕の話を最後まで聞いてほしい」と忍野は断る。
「僕が忍野メメであり、何故ここに居るのか」
忍野が初めて煙草に火を付けた。
何かが始まると僕は感じた。


21 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/05/12(水) 20:14:38.82 ID:yzZZN3UP
「さて、忍。いや、キスショット、久しぶりだな。400年ぶりか」
「何?」忍が怪訝そうな顔をする。
「全然思い出せないようだね」
「ま、仕方が無い、説明するからちゃんと最後まで聞くんだぜ」
「その前に、ツンデレちゃん。阿良々木君の影に彼女が居た状態でずっと阿良々木君と居られるか?」
「結婚したとして、食事する時も、寛いでいる時も、はたまた寝る時も、四六時中誰かが見てる」
戦場ヶ原は一瞬ためらったが「嫌よ、そんなの」と短く答えた。
「そりゃそうだよね、誰だって人に見られたくない事がある。特に…まぁ言わなくても分かるか」
「そこで、僕がキスショットを回収に来た訳さ」
忍野、お前何者なんだ?
「阿良々木君、良い質問だ。僕はね、キスショットの最初の眷族さ」
その言葉に忍の表情が曇る。
「キスショットは忘れているようだけどね」
「わしの最初の眷族は自害したのじゃ、生きてはおらぬ」
「まぁそう思うのが普通だな。しかし、それは勘違いさ」
「僕は自害した、多分死んだと思うよ。でもね、この国の昔の人は凄かった。」
「死んだ僕を蘇らせる術を持っていたんだよ、陰陽師って知ってるよね?影縫ともあっただろうし」
「壊す以外にも再生などの術を持った陰陽師は居たんだな、これが」
「魂だけ浮翌遊して日本に戻ったら術式で蘇らされ、俺は体を得た訳だ」
「勿論、一度死んだから眷族ではなくなったが、記憶や再生能力は残った」
「長い間、その陰陽師に使える形で過ごしてきたさ、何年も何十年も、否何百年と」
「現代になってそういった類が必要となくなり僕は解放されてね、ふらふらと世の中を渡り歩いている時にキスショットに再会した訳だ」
「で、阿良々木君とも出会った」


22 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/05/12(水) 20:16:16.24 ID:yzZZN3UP
じゃ、なんで忍の心臓を抜いたりしたんだ?
「いやー、驚かせようと思ってね。それがあんな事になるとは思いもよらなかったが…」
「忍野メメ、阿良々木君なら分かると思うが、キスショットに付けた忍ってのは忍野の忍ではなく、ハートアンダーブレード、「刃の下に心」から付けたんだが、本来は「忍野」がハートアンダーブレードから付けたと言ったら理解出来るかな?
ハートアンダーブレードの眷族、元侍」
「阿良々木君、侍のイメージってなんだい?」
そりゃ二本差しの刀にちょんまげだな
「ご名答、しかしこの時代にちょんまげも帯刀も変だし目立つ、だから僕は名前で元眷族である事を結んだ、それがメメ」
「メメ何かに見えないかい?」
何かって…うーん?なんだ?
「二本刀」と戦場ヶ原が呟く。
「流石ツンデレちゃん、偉いね。その通りなんだよ、片仮名のメの字は刀そっくりだろう?」
「ハートアンダーブレードの眷族の侍、忍野メメ。それが僕さ」
「何だと!」忍が叫ぶ。
「いやー今まで黙っててごめんね、いつかはバレると思ってたんだが、誰も気がつかなくてね」
忍野は笑いを堪えながら話を続ける。
「じゃ本題に戻ろう。眷族としてキスショットを返してもらう」


23 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/05/12(水) 20:18:30.64 ID:yzZZN3UP
「というか再び眷族になるって事なんだけどね」
まてよ、それと僕の事とどう関係があるんだ?
「慌てなさんな。今から言うから良く聞きなよ」
「僕がキスショットを[ピーーー]、そして蘇らせる。キスショットは元の意識と記憶を持って吸血鬼として蘇る。そうすれば阿良々木君は眷族で無くなる。勿論、人間として生きられる。その上で僕がもう一度キスショットの眷族になれば、400年前に戻れるって訳、分かる?」
分かるけど…忍野はそれで良いのか?
「別に眷族になる必要なんて必要もないんだが、キスショットも寂しと思ってさ。まぁその先の事はキスショット次第、というより素直に殺されてくれるかどうかだな」
忍野は不敵な笑みを浮かべ、忍を見つめる。
「良かろう、阿良々木が人間に戻り、わしがまた吸血鬼に戻れるなら忍野に任せよう。
但し、忍野をまた眷族にするかどうかは分からんがのぅ」
「相変わらずキスショットは気が強い、そんな所に惚れたんだがな」
「じゃ、今から始めようとするか」
「まて、わしは本当に吸血鬼として蘇るのか?」
「そりゃそうさ、吸血鬼として生まれた者は吸血鬼に。人間として生まれた者は人間、これは変えられない。後から加味された能力は消えないんだけどな」
そういうと忍野は耳にぶら下がっていた十字架のピアスを引きちぎる。
耳たぶごと千切れたが、直ぐに再生していく。
「じゃ始めるよ」と忍野はいうと、そのピアスの十字架を忍の額に押しつける。
忍はのたうち回ろうとする、しかし忍野がそれを押さえつける。
どのくらいの時間だろう、多分数十秒だったような気がする。
忍が動かなくなり、少しづつ体が崩れてゆく。
「忍野?いつ再生するんだ?」
「再生ねぇ…このまま死なせてやっていいんじゃなかなぁなんて思ったりもして、今考え中」
おい、お前。端からそのつもりだったんじゃ…
「冗談だよ阿良々木君、何か良い事でもあったのかい?」
「じゃ始めるとするか」
忍野は消えかかる忍の前で手を合わせ、聞きなれない呪文を唱える。
一瞬の光のあと、また闇が戻る。
そこには僕が初めてであった時のキスショットが居た。


24 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/05/12(水) 20:20:07.92 ID:yzZZN3UP
「おお、わしが元のわしに戻ったぞ!」
いつもクールなキスショットが雄たけびを上げる。
「さて、この先は好きにすりゃいい、眷族にするもよし、[ピーーー]もよし、若しくは餌にしてもいい」
「さて…わしはどうするべきかのぅ?なぁお前さん」
僕に振るなよ…人の人生が掛かってんだから。
「忍野、ではお主から血を貰おうとしよう。こっちに来るがいい」
「いいねぇ、それでこそ俺の惚れたキスショットだ」
忍、いやキスショットは忍野の首筋に噛みついた。
そして忍野が床に突っ伏する。
どっちなんだ?生きてるのか死んでるのか?
「我が眷族、目覚めよ」
「あーやっぱこうなったか、しょうがねぇなぁ全く。また死にたくなるまで付き合ってやるよ」
忍野はキスショットの眷族になった、いや戻った。
「阿良々木君、たぶんこれで君は人間に戻ったと思うよ?なんならツンデレちゃんに1回刺して貰ったらどうだい?」
お前、もし本当に戻ってたら僕は死んじゃうじゃないか!
「ねぇ阿良々木君、本当にどうなの?」
さぁ、全然分からないよ
「そう…」
突然腕に痛みが走る
「どうかしら?」
腕を見ると戦場ヶ原がカッターナイフの先で僕の腕を刺している。
ほんの軽くなんだけど、そこから血が出ている。
いつもなら数十秒で止まり、キズは消える。
傷口を眺める、いつまでも真っ赤な血が流れる。
「良かったねぇ阿良々木君、これで人間に戻れたじゃないか」
「お前さん、いや阿良々木暦よ、世話になったな」
これで一連の事件とおさらば出来る。
そう思うと突然足が震えだした、なんだろうこの感じ、嬉しくて武者震いなのか?
床にへたり込んだ僕に戦場ヶ原が優しい声で話しかけてきた。
「お帰りなさい、でも二度と痛めつけられないと思ったら少し残念だわ」
「なんならもう一回眷族になる?忍野さんが生きている限り、何度でも元に戻れるのよ?」
あーもう好きにしてくれよ!


25 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/05/12(水) 20:21:22.74 ID:yzZZN3UP
それから
キスショットと忍野はまだ学習塾跡に住んでいる。
二人して夜になったら閉店間際のミスタードーナツに行っては、ドーナツを食い、ダベっている。
30過ぎのおっさんと30前の外国人、街ではちょっとした有名人だ。
僕は相変わらず受験に向けての勉強をしている。
講師は羽川なんだけどね。
戦場ヶ原も一応は受験生なんで自分の勉強をするという事で。
羽川は教師に説得され、一応受験はするらしい。
それが何故か僕と戦場ヶと同じ大学。
もっと高い所でも狙えるはずなんだが、本人いわく
「戦場ヶ原さんや阿良々木君と居ると楽しいじゃない、ただそれだけよ」
いや、絶対に何か裏がある。
この1年近くで僕は確信した事がある。
ひたぎは裏表共に怖い、羽川は裏がとっても怖いって事。

春の事は春になってから考えよう
また続きがあるなら話をしたい。
でも、どこにでもあるような学生生活なら話す事も無いだろうけどね。
しかし、何か一つ忘れているような気がするんだが、気のせいか?

終わり


26 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/05/12(水) 20:24:00.33 ID:yzZZN3UP [25/25]
第二部ただ今書いてます

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