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梓「トンちゃん、ご飯だよ」夏侯惇「おう、いつもすまんな梓」
1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 20:58:11.25 ID:IFSQ2W9R0 [1/21]
もしゃっ、もしゃっ
梓「おいしい?」
夏侯惇「うむ。梓、料理の腕を上げたのではないか?」
梓「そうかな?ありがとう」
夏侯惇「孟徳にも食わせてやりたいものだ」
梓「トンちゃん、私の前で他の人の話は禁止だよ?」
夏侯惇「む、そうだったな…」
梓「まったくもう…」
もしゃっ、もしゃっ
梓「おいしい?」
夏侯惇「うむ。梓、料理の腕を上げたのではないか?」
梓「そうかな?ありがとう」
夏侯惇「孟徳にも食わせてやりたいものだ」
梓「トンちゃん、私の前で他の人の話は禁止だよ?」
夏侯惇「む、そうだったな…」
梓「まったくもう…」
4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 21:02:32.67 ID:IFSQ2W9R0
梓「はぁ…」
夏侯惇「どうした梓?溜息なぞ吐いて」
梓「ねえトンちゃん…どうしたらみんな真面目に練習してくれるのかな…」
夏侯惇「む…そうだな、下の者に対しては誠実に接することが重要だ」
梓「誠実に、か…でもなあ…」
夏侯惇「何か問題か?」
梓「全員先輩なんだよね…」
夏侯惇「む…」
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 21:09:02.88 ID:IFSQ2W9R0
夏侯惇「どうした梓、こんな時間に」
梓「なんか眠れなくて…トンちゃん、何かお話して?」
夏侯惇「話、か…(だが俺には戦のこと以外に話題なぞ無いぞ…)」
夏侯惇「ならば…官渡の話でもしてやるか」
梓「カント?…ごめんトンちゃん、私、哲学とかはちょっと…やっぱり寝るね、おやすみ」
夏侯惇「…何が悪かったのだ?」
37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 21:12:33.36 ID:IFSQ2W9R0
梓「はあ…もーっ!!」
ジャーン!ギュイイイン!ギュワワワワ~ン!
夏侯惇「ど、どうした梓!何故そんなにも琴を掻き鳴らす!?」
梓「だってぇ!今日もほとんど練習できなかったんだもん!唯先輩めーっ!!」
夏侯惇「梓…(主君の悩みは俺の悩み…ならば!)」
夏侯惇「梓!!」
梓「えっ!?な、なに…?トンちゃん…」
夏侯惇「俺を、学校へ連れて行け」
57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 21:20:45.97 ID:IFSQ2W9R0
翌日
唯「こんにちは~!」
紬「遅くなりました~」
梓「お疲れ様です!先輩方、今日も遅刻ですよ~、まったく!」
唯「へへへ~、ごめんねあずにゃ…!?」
澪「ん?ヒイイッ!!」
唯「あずにゃん…その人…だれ?」
梓「ああ、トンちゃんです」
夏侯惇「新入部員の夏侯惇です、よろしく」
律「新入部員って…」
紬「よろしくお願いします~」
69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 21:26:58.99 ID:IFSQ2W9R0
律「え~と…かこうとん、さん…でいいですか」
夏侯惇「俺は新入部員だ。好きなように呼べい!」
梓「トンちゃん!部長さんになんて口きくの!トンちゃんでいいですよ、律先輩」
夏侯惇「(俺の主君は梓ただ一人…だが、梓がそうしろと言うのであれば!)」
律「じゃ、じゃあ…トンちゃん…?」
夏侯惇「はい!よろしくお願いします、律先輩!」
81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 21:34:01.31 ID:IFSQ2W9R0
紬「お茶が入ったわよ~」
律「え~と、トンちゃん…あの、じゃあ自己紹介も兼ねて…お茶にしようか」
梓「お茶だってさ、トンちゃん!むぎ先輩の淹れたお茶はすごく美味しいんだよ」
夏侯惇「ご馳走になります!むぎ先輩!」
紬「うふふ~、どうぞ~」
梓「ほら澪先輩、起きてくださいよ!」
澪「う、う~ん…」
夏侯惇「大丈夫ですか、澪先輩」
澪「ひいいいっ!!」
ばたっ
梓「澪先輩?寝不足なんですか!?」
夏侯惇「寝かしておいてやれ、梓」
89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 21:41:01.50 ID:IFSQ2W9R0
紬「今日のお茶菓子は中国の点心よ」
夏侯惇「(点心だと?しかし、こんな点心は知らぬぞ…?)」
梓「ほら、トンちゃん。私の分、半分あげるね」
夏侯惇「すまんな、梓。いただきます」
もしゃっ、もしゃっ、もしゃっ
夏侯惇「(何だこれは…!?こんなものが点心だと…!?俺の知る点心とはまるで違う!!)」
もしゃっ、もしゃっ、もしゃっ
夏侯惇「(しかし!一体何だというのだ、この胸の奥から湧き上がる熱き感情は!)」
梓「と、トンちゃん…どうしたの…?」
夏侯惇「美味い…!!」
唯「泣いてる…」
94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 21:46:56.13 ID:IFSQ2W9R0
ひそひそ
唯「ねえ、あずにゃん…」
梓「何ですか?唯先輩、急に耳打ちなんて」
唯「あのさ、あの人と、どういう関係なの?」
梓「?あの人って誰です?」
唯「何言ってんの~?トンちゃんだよ、トンちゃん」
梓「唯先輩こそ何言ってるんですか?トンちゃんは人じゃなくてカメですよ」
唯「ふぇ?」
梓「正確にはスッポンモドキっていうらしいです。成長すると1メートル近くまで大きくなるらしいですよ」
唯「…もう180センチ以上あるよね…」
102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 21:55:50.82 ID:IFSQ2W9R0
律「え~と、トンちゃんはさ、何か、楽器の経験とかは…あるのかな…?」
夏候惇「銅鑼や戦鼓なら少々」
唯「ドラム?せんこってのはなんだろ?」
夏候惇「太鼓だ」
唯「じゃあ律ちゃんと同じだね!」
律「そっか~、でもドラム二人はいらないよな~。他には?歌とか」
夏候惇「荀殿に声の大きさを見込まれたことならあるがな」
紬「声が大きいのは素敵ね~」
夏候惇「それから時折、無くなった目の奥がカラカラ鳴ることがあるぞ」
律「それは楽器じゃないです」
108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 22:04:53.60 ID:IFSQ2W9R0
律「まあ、楽器選びはまた後ででいいだろ。今日はもう遅いし、そろそろ帰ろうぜ」
梓「結局今日も練習してない…」
夏候惇「(ここで俺が声の一つも張り上げれば練習も始まろうが…まだ時期尚早か)」
唯「ね~、澪ちゃんまだ伸びてるよ~?」
律「しょうがないな~、叩き起こすとするか」
夏候惇「待て。寝たいのならば寝かせておいたらいいんじゃないか」
唯「でも、それじゃ澪ちゃんだけ部室に残っちゃうよ~?」
夏候惇「俺が運ぼう」
むんず
律「お~ぅ、お姫様だっこ~」
澪「ん…うぅん…はっ!?」
夏候惇「起こしてしまったか。すまんな」
澪「…・・・」
きゅんっ
120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 22:14:45.08 ID:IFSQ2W9R0
中野家
梓「どうだった、トンちゃん?軽音部のみなさん…」
夏候惇「あれが部活か!何から何まで弛緩しながらだらけておる!打算と保身がみえみえだ!」
梓「そ…それはちょっと言いすぎかな…」
夏候惇「(…そうだ、俺は部員だ!新入部員に徹するのだ)」
梓「まあ、とりあえず…しばらく様子を見るしかないね」
夏候惇「梓がそう言うのであれば、俺は従うだけだ」
125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 22:21:36.18 ID:IFSQ2W9R0
翌日
律「おーっす!」
唯「あずにゃん、トンちゃん、こんにちは~」
梓「お疲れ様です!」
夏候惇「お疲れ様です!」
澪「や、やあ…梓…と、トン…トンちゃん…///」
梓「?澪先輩、顔が赤いですよ?」
澪「あぁ~っ!?何でもない何でもない何でもない!!」
夏候惇「?」
律「さて!とりあえず今日は、トンちゃんに我が軽音部を実際に体験してもらおうと思います!」
夏候惇「体験?」
律「まず演奏を聞いてもらって、それからやりたいパートを決めるのさ!」
136 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 22:35:09.72 ID:IFSQ2W9R0
演奏終了後
唯「ふぅ…どうだった?トンちゃん、ふでペンボールペン」
夏候惇「………」
夏候惇「(個々の力量は未熟ながらも、誰もが自由闊達に演奏するその空気と)」
夏候惇「(それらをまとめ上げて一個の曲とするボーカルの器量がこのバンドの厚みのある強さを生んでいる)」
梓「…トンちゃん?」
夏候惇「………うむ!!」
律「うっし!やりぃ!」
澪「///」
147 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 22:49:57.80 ID:IFSQ2W9R0
律「じゃあトンちゃん、とりあえず何やってみたい?」
夏候惇「そうだな…駄目だまるで思いつかん」
唯「とりあえず一通りやってみたらいいんじゃないかな~?」
律「それもそうだな。じゃあどうする?まずは…ギターでいいか」
唯「はーい!じゃあ私のギー太貸してあげるよ~」
夏候惇「ありがとうございます唯先輩」
夏候惇「……!?」
夏候惇「(戦場ならばこの夏候惇ひとりで1千は討てる。…しかし)」
夏候惇「(これがレスポールの手触りか。意外なほどに弦は細く強く)」
夏候惇「(そしてネックの太さには初めて矛を持ったときのような威圧感を感じる)」
夏候惇「(これは馬上で戦ってきた俺の知る戦場とはまるで違う!)」
唯「トンちゃん…?」
紬「お気に召さないみたいね~」
150 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 22:55:38.44 ID:IFSQ2W9R0
数十分後
唯「結局どれも駄目みたいだね~」
律「どの楽器触っても固まっちゃったもんな~」
梓「トンちゃん、大丈夫?何か楽器に嫌な思い出でもあるの?」
夏候惇「いや、大丈夫だ梓。全ては俺の不明だ」
律「う~ん…楽器が無理となると…やっぱボーカルだな」
唯「ツインボーカルなんてどうかな~?澪ちゃんとトンちゃんで」
澪「えええええっ!?駄目駄目駄目駄目!!無理無理無理無理!!」
唯「…冗談だって」
澪「(トンちゃんと一緒に歌うなんて…のぼせ上がって死んじゃうよぅ…)」
153 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 23:00:54.82 ID:IFSQ2W9R0
律「ボーカルも駄目となると…あとはコーラスぐらいしかないな」
唯「…あっ!!ちょっと待ってて!私、違う楽器持ってるよ!!」
梓「えっ!?唯先輩、今までそんなこと一度も言わなかったじゃないですか!」
ごそごそ
唯「確か物置の奥に…あった!!」
唯「トンちゃん!これならトンちゃんにもできると思うよ!」
夏候惇「…何だ、これは」
唯「カスタネットだよ!!」
161 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 23:10:32.86 ID:IFSQ2W9R0
律「ワン・ツースリー・フォー!」
ジャガジャガジャッジャガジャッジャガジャガジャッ
澪「君を見てるといつもハートDOKI☆DOKI」
夏候惇「うんたん!うんたん!」
澪「揺れる思いはマシュマロみたいにふーわふわ」
夏候惇「うんたん!」
澪「いーつもがんばる」
唯・惇「いーつもがんばる」
澪「きーみの横顔」
唯・惇「きーみの横顔」
澪「ずーっと見てても気付かないよね」
夏候惇「うんたん!うんたん!」
169 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 23:18:19.97 ID:IFSQ2W9R0
演奏終了
律「…バッチリだ」
唯「…すごかったね、トンちゃんのカスタネットさばき」
梓「一人加わるだけでこんなにも質が上がるとは…」
紬「すごいわ!すごいわ~!」
夏候惇「あんな感じで…良かったのか?」
澪「カンペキだよ、トンちゃん!すごい!すごいよトンちゃん!」
律「行ける!次のライブは大成功間違いなしだ!!」
ガチャッ
さわ子「みんな~、今日のお菓子は何~?って…どなた?」
夏候惇「カスタネット担当の夏候惇です、よろしく」
172 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 23:30:46.03 ID:IFSQ2W9R0
さわ子「カスタネット…?かこうとん…?」
律「あ、あのなさわちゃん!この人は」
澪「新入部員のトンちゃんです!私たちの新しい仲間です!とても頼りになるし、優しい人です」
梓「人じゃないです!スッポンモドキですよ!」
さわ子「う~ん、よくわからないけど…あなたも軽音部に入ったのね?」
夏候惇「おお!この夏候惇の身命は軽音部のもとにあるぞ!」
さわ子「……いいわ。あなた、すごくいい!」
唯「さわちゃん…?」
さわ子「次のライブの衣装、全員分作り直すわ!もちろんあなたのものも作るわよ!ああっ、燃えてきたわああああっ!!」
梓「よかったね、トンちゃん!これでトンちゃんは、正真正銘の軽音部メンバーだよ!」
夏候惇「梓…みんな…」
夏候惇「よおし!みな、わき目もふらず堂々と演奏せい!この夏候惇のカスタネットがしかと支えてやるぞ!」
一同「おーーーーーーっ!!」
174 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 23:40:14.58 ID:IFSQ2W9R0
・
・
・
呂布「む…」
陣宮「お目覚めですか、呂布殿」
呂布「い 嫌な、 ゆ 夢を、 み 見た」
呂布「か 夏候惇が、 お 女と、 た 戯れていた」
陣宮「それはそれは。奇遇ですな、ちょうど夏候惇の軍が東門に攻め寄せております」
呂布「ち 陣宮。 で 出るぞ!!」
陣宮「こ、心得ました!!下邳城東門、開門じゃあ!!」
ギィィィ
呂布「け けいおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおん!!」
おわり
梓「はぁ…」
夏侯惇「どうした梓?溜息なぞ吐いて」
梓「ねえトンちゃん…どうしたらみんな真面目に練習してくれるのかな…」
夏侯惇「む…そうだな、下の者に対しては誠実に接することが重要だ」
梓「誠実に、か…でもなあ…」
夏侯惇「何か問題か?」
梓「全員先輩なんだよね…」
夏侯惇「む…」
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 21:09:02.88 ID:IFSQ2W9R0
夏侯惇「どうした梓、こんな時間に」
梓「なんか眠れなくて…トンちゃん、何かお話して?」
夏侯惇「話、か…(だが俺には戦のこと以外に話題なぞ無いぞ…)」
夏侯惇「ならば…官渡の話でもしてやるか」
梓「カント?…ごめんトンちゃん、私、哲学とかはちょっと…やっぱり寝るね、おやすみ」
夏侯惇「…何が悪かったのだ?」
37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 21:12:33.36 ID:IFSQ2W9R0
梓「はあ…もーっ!!」
ジャーン!ギュイイイン!ギュワワワワ~ン!
夏侯惇「ど、どうした梓!何故そんなにも琴を掻き鳴らす!?」
梓「だってぇ!今日もほとんど練習できなかったんだもん!唯先輩めーっ!!」
夏侯惇「梓…(主君の悩みは俺の悩み…ならば!)」
夏侯惇「梓!!」
梓「えっ!?な、なに…?トンちゃん…」
夏侯惇「俺を、学校へ連れて行け」
57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 21:20:45.97 ID:IFSQ2W9R0
翌日
唯「こんにちは~!」
紬「遅くなりました~」
梓「お疲れ様です!先輩方、今日も遅刻ですよ~、まったく!」
唯「へへへ~、ごめんねあずにゃ…!?」
澪「ん?ヒイイッ!!」
唯「あずにゃん…その人…だれ?」
梓「ああ、トンちゃんです」
夏侯惇「新入部員の夏侯惇です、よろしく」
律「新入部員って…」
紬「よろしくお願いします~」
69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 21:26:58.99 ID:IFSQ2W9R0
律「え~と…かこうとん、さん…でいいですか」
夏侯惇「俺は新入部員だ。好きなように呼べい!」
梓「トンちゃん!部長さんになんて口きくの!トンちゃんでいいですよ、律先輩」
夏侯惇「(俺の主君は梓ただ一人…だが、梓がそうしろと言うのであれば!)」
律「じゃ、じゃあ…トンちゃん…?」
夏侯惇「はい!よろしくお願いします、律先輩!」
81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 21:34:01.31 ID:IFSQ2W9R0
紬「お茶が入ったわよ~」
律「え~と、トンちゃん…あの、じゃあ自己紹介も兼ねて…お茶にしようか」
梓「お茶だってさ、トンちゃん!むぎ先輩の淹れたお茶はすごく美味しいんだよ」
夏侯惇「ご馳走になります!むぎ先輩!」
紬「うふふ~、どうぞ~」
梓「ほら澪先輩、起きてくださいよ!」
澪「う、う~ん…」
夏侯惇「大丈夫ですか、澪先輩」
澪「ひいいいっ!!」
ばたっ
梓「澪先輩?寝不足なんですか!?」
夏侯惇「寝かしておいてやれ、梓」
89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 21:41:01.50 ID:IFSQ2W9R0
紬「今日のお茶菓子は中国の点心よ」
夏侯惇「(点心だと?しかし、こんな点心は知らぬぞ…?)」
梓「ほら、トンちゃん。私の分、半分あげるね」
夏侯惇「すまんな、梓。いただきます」
もしゃっ、もしゃっ、もしゃっ
夏侯惇「(何だこれは…!?こんなものが点心だと…!?俺の知る点心とはまるで違う!!)」
もしゃっ、もしゃっ、もしゃっ
夏侯惇「(しかし!一体何だというのだ、この胸の奥から湧き上がる熱き感情は!)」
梓「と、トンちゃん…どうしたの…?」
夏侯惇「美味い…!!」
唯「泣いてる…」
94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 21:46:56.13 ID:IFSQ2W9R0
ひそひそ
唯「ねえ、あずにゃん…」
梓「何ですか?唯先輩、急に耳打ちなんて」
唯「あのさ、あの人と、どういう関係なの?」
梓「?あの人って誰です?」
唯「何言ってんの~?トンちゃんだよ、トンちゃん」
梓「唯先輩こそ何言ってるんですか?トンちゃんは人じゃなくてカメですよ」
唯「ふぇ?」
梓「正確にはスッポンモドキっていうらしいです。成長すると1メートル近くまで大きくなるらしいですよ」
唯「…もう180センチ以上あるよね…」
102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 21:55:50.82 ID:IFSQ2W9R0
律「え~と、トンちゃんはさ、何か、楽器の経験とかは…あるのかな…?」
夏候惇「銅鑼や戦鼓なら少々」
唯「ドラム?せんこってのはなんだろ?」
夏候惇「太鼓だ」
唯「じゃあ律ちゃんと同じだね!」
律「そっか~、でもドラム二人はいらないよな~。他には?歌とか」
夏候惇「荀殿に声の大きさを見込まれたことならあるがな」
紬「声が大きいのは素敵ね~」
夏候惇「それから時折、無くなった目の奥がカラカラ鳴ることがあるぞ」
律「それは楽器じゃないです」
108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 22:04:53.60 ID:IFSQ2W9R0
律「まあ、楽器選びはまた後ででいいだろ。今日はもう遅いし、そろそろ帰ろうぜ」
梓「結局今日も練習してない…」
夏候惇「(ここで俺が声の一つも張り上げれば練習も始まろうが…まだ時期尚早か)」
唯「ね~、澪ちゃんまだ伸びてるよ~?」
律「しょうがないな~、叩き起こすとするか」
夏候惇「待て。寝たいのならば寝かせておいたらいいんじゃないか」
唯「でも、それじゃ澪ちゃんだけ部室に残っちゃうよ~?」
夏候惇「俺が運ぼう」
むんず
律「お~ぅ、お姫様だっこ~」
澪「ん…うぅん…はっ!?」
夏候惇「起こしてしまったか。すまんな」
澪「…・・・」
きゅんっ
120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 22:14:45.08 ID:IFSQ2W9R0
中野家
梓「どうだった、トンちゃん?軽音部のみなさん…」
夏候惇「あれが部活か!何から何まで弛緩しながらだらけておる!打算と保身がみえみえだ!」
梓「そ…それはちょっと言いすぎかな…」
夏候惇「(…そうだ、俺は部員だ!新入部員に徹するのだ)」
梓「まあ、とりあえず…しばらく様子を見るしかないね」
夏候惇「梓がそう言うのであれば、俺は従うだけだ」
125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 22:21:36.18 ID:IFSQ2W9R0
翌日
律「おーっす!」
唯「あずにゃん、トンちゃん、こんにちは~」
梓「お疲れ様です!」
夏候惇「お疲れ様です!」
澪「や、やあ…梓…と、トン…トンちゃん…///」
梓「?澪先輩、顔が赤いですよ?」
澪「あぁ~っ!?何でもない何でもない何でもない!!」
夏候惇「?」
律「さて!とりあえず今日は、トンちゃんに我が軽音部を実際に体験してもらおうと思います!」
夏候惇「体験?」
律「まず演奏を聞いてもらって、それからやりたいパートを決めるのさ!」
136 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 22:35:09.72 ID:IFSQ2W9R0
演奏終了後
唯「ふぅ…どうだった?トンちゃん、ふでペンボールペン」
夏候惇「………」
夏候惇「(個々の力量は未熟ながらも、誰もが自由闊達に演奏するその空気と)」
夏候惇「(それらをまとめ上げて一個の曲とするボーカルの器量がこのバンドの厚みのある強さを生んでいる)」
梓「…トンちゃん?」
夏候惇「………うむ!!」
律「うっし!やりぃ!」
澪「///」
147 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 22:49:57.80 ID:IFSQ2W9R0
律「じゃあトンちゃん、とりあえず何やってみたい?」
夏候惇「そうだな…駄目だまるで思いつかん」
唯「とりあえず一通りやってみたらいいんじゃないかな~?」
律「それもそうだな。じゃあどうする?まずは…ギターでいいか」
唯「はーい!じゃあ私のギー太貸してあげるよ~」
夏候惇「ありがとうございます唯先輩」
夏候惇「……!?」
夏候惇「(戦場ならばこの夏候惇ひとりで1千は討てる。…しかし)」
夏候惇「(これがレスポールの手触りか。意外なほどに弦は細く強く)」
夏候惇「(そしてネックの太さには初めて矛を持ったときのような威圧感を感じる)」
夏候惇「(これは馬上で戦ってきた俺の知る戦場とはまるで違う!)」
唯「トンちゃん…?」
紬「お気に召さないみたいね~」
150 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 22:55:38.44 ID:IFSQ2W9R0
数十分後
唯「結局どれも駄目みたいだね~」
律「どの楽器触っても固まっちゃったもんな~」
梓「トンちゃん、大丈夫?何か楽器に嫌な思い出でもあるの?」
夏候惇「いや、大丈夫だ梓。全ては俺の不明だ」
律「う~ん…楽器が無理となると…やっぱボーカルだな」
唯「ツインボーカルなんてどうかな~?澪ちゃんとトンちゃんで」
澪「えええええっ!?駄目駄目駄目駄目!!無理無理無理無理!!」
唯「…冗談だって」
澪「(トンちゃんと一緒に歌うなんて…のぼせ上がって死んじゃうよぅ…)」
153 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 23:00:54.82 ID:IFSQ2W9R0
律「ボーカルも駄目となると…あとはコーラスぐらいしかないな」
唯「…あっ!!ちょっと待ってて!私、違う楽器持ってるよ!!」
梓「えっ!?唯先輩、今までそんなこと一度も言わなかったじゃないですか!」
ごそごそ
唯「確か物置の奥に…あった!!」
唯「トンちゃん!これならトンちゃんにもできると思うよ!」
夏候惇「…何だ、これは」
唯「カスタネットだよ!!」
161 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 23:10:32.86 ID:IFSQ2W9R0
律「ワン・ツースリー・フォー!」
ジャガジャガジャッジャガジャッジャガジャガジャッ
澪「君を見てるといつもハートDOKI☆DOKI」
夏候惇「うんたん!うんたん!」
澪「揺れる思いはマシュマロみたいにふーわふわ」
夏候惇「うんたん!」
澪「いーつもがんばる」
唯・惇「いーつもがんばる」
澪「きーみの横顔」
唯・惇「きーみの横顔」
澪「ずーっと見てても気付かないよね」
夏候惇「うんたん!うんたん!」
169 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 23:18:19.97 ID:IFSQ2W9R0
演奏終了
律「…バッチリだ」
唯「…すごかったね、トンちゃんのカスタネットさばき」
梓「一人加わるだけでこんなにも質が上がるとは…」
紬「すごいわ!すごいわ~!」
夏候惇「あんな感じで…良かったのか?」
澪「カンペキだよ、トンちゃん!すごい!すごいよトンちゃん!」
律「行ける!次のライブは大成功間違いなしだ!!」
ガチャッ
さわ子「みんな~、今日のお菓子は何~?って…どなた?」
夏候惇「カスタネット担当の夏候惇です、よろしく」
172 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 23:30:46.03 ID:IFSQ2W9R0
さわ子「カスタネット…?かこうとん…?」
律「あ、あのなさわちゃん!この人は」
澪「新入部員のトンちゃんです!私たちの新しい仲間です!とても頼りになるし、優しい人です」
梓「人じゃないです!スッポンモドキですよ!」
さわ子「う~ん、よくわからないけど…あなたも軽音部に入ったのね?」
夏候惇「おお!この夏候惇の身命は軽音部のもとにあるぞ!」
さわ子「……いいわ。あなた、すごくいい!」
唯「さわちゃん…?」
さわ子「次のライブの衣装、全員分作り直すわ!もちろんあなたのものも作るわよ!ああっ、燃えてきたわああああっ!!」
梓「よかったね、トンちゃん!これでトンちゃんは、正真正銘の軽音部メンバーだよ!」
夏候惇「梓…みんな…」
夏候惇「よおし!みな、わき目もふらず堂々と演奏せい!この夏候惇のカスタネットがしかと支えてやるぞ!」
一同「おーーーーーーっ!!」
174 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 23:40:14.58 ID:IFSQ2W9R0
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呂布「む…」
陣宮「お目覚めですか、呂布殿」
呂布「い 嫌な、 ゆ 夢を、 み 見た」
呂布「か 夏候惇が、 お 女と、 た 戯れていた」
陣宮「それはそれは。奇遇ですな、ちょうど夏候惇の軍が東門に攻め寄せております」
呂布「ち 陣宮。 で 出るぞ!!」
陣宮「こ、心得ました!!下邳城東門、開門じゃあ!!」
ギィィィ
呂布「け けいおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおん!!」
おわり
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コメント
No title
やっぱり蒼天航路か。というかオチが…www
No title
>夏候惇「うんたん!うんたん!」
やめろw
やめろw
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