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唯「にんぎょ!」
1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 20:58:29.19 ID:HD0oFKCj0 [1/37]
こんにちは、わたしの名前は平沢唯です。
突然ですがわたしの家にはある秘密があるんです。
えっ?それが何か教えてほしいって?うーんどうしようかな?
誰にも言わない?ならおしえてあげるね、特別だよ!
実はうちにはにんぎょが暮らしてるんです!フンス
こんにちは、わたしの名前は平沢唯です。
突然ですがわたしの家にはある秘密があるんです。
えっ?それが何か教えてほしいって?うーんどうしようかな?
誰にも言わない?ならおしえてあげるね、特別だよ!
実はうちにはにんぎょが暮らしてるんです!フンス
3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 21:03:13.34 ID:HD0oFKCj0 [2/37]
去年の夏、わたしと妹の憂とで川に遊びに行った時、かのじょ・・・ムギちゃんと出会いました。
はじめてかのじょを見たとき、わたしはすっごくびっくりしました。だってにんぎょが川にいたんだよ!!
憂はびっくりというよりもむしろ頭がまっしろになってたようだったけどね・・・
けど、なんか元気なさそうだったから、憂はすぐに我に帰り、手当に移りました。さすがはわたしの妹!
あとでムギちゃんから聞いたんだけど海で泳いでたらいつの間にかここにいたんだって、おっちょこちょいだね!
そのときからです。わたしと憂とにんぎょのムギちゃんの奇妙な共同生活が始まったのは・・・
4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 21:08:06.34 ID:HD0oFKCj0
しかし、にんぎょと暮らすというのはとても大変なことです。
紬「唯ちゃ~ん、悪いんだけど体ふいてくれな~い?」
唯「わかったー、今行くね~」
まず一つ目。にんぎょは体がいつも清潔で濡れてなくちゃいけませんので
1日に数回お風呂場の水を取り換え、ムギちゃんの体を洗ってあげなきゃいけません。
5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 21:12:53.96 ID:HD0oFKCj0
紬「いつもごめんね、唯ちゃん・・・私が人魚なばっかりに。」
唯「いいよいいよ、もう慣れちゃった。それにムギちゃんが好きでやってるんだから!」フキフキ
紬「ありがとう、唯ちゃん・・・///」
憂「私もおねえちゃんと同じ気持ちだよ、紬さん!」
紬「!!憂ちゃんも・・・グスッありがとう。」
唯「もうう~い~、ムギちゃん泣かしちゃだめだよ~」
憂「えへへ、ごめんねおねえちゃん。」
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 21:17:27.14 ID:HD0oFKCj0
唯「ところで憂?今までどこ行ってたの?」
憂「え~八百屋さんと魚屋さんだよ。」
「紬さん、今日はふんぱつしていいお魚いっぱい買ってきましたよ!」
紬「まぁ、ありがとう憂ちゃん!!」
唯「良かったね~ムギちゃん!!」
二つ目は食費がものすごくかかることです。
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 21:23:00.94 ID:HD0oFKCj0
ムギちゃんいわく、にんぎょは基本的に新鮮な生魚しか食べられない(?)らしいのです。
そのため常に新鮮なおさかなさんを、それもたくさん用意しなくちゃいけないのです。
幸いにもわたしも憂もおさかなは好きだし、うちはどちらかというと裕福な家庭なのでそこまで問題じゃないけどね。
ただ、女の子ふたりで暮らしている(と思ってる)両親に『無駄遣いのし過ぎ!!』と怒られるのは困るけど・・・
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 21:27:54.01 ID:HD0oFKCj0
憂「じゃあ、これからごはん作るから待っててね、おねえちゃん。」
唯「じゃあここでムギちゃんとTV見て待ってるね。」
ついでにムギちゃんと暮らしやすいように風呂場を大きくして、
いっしょに食事をできるよう増改築しました。ごめんねお父さん!
唯「今日はなにやってるかな?ペット番組がいいな。」ピッ
TV「特集!!人魚は実在した!?衝撃の真実が―――」
唯「!?」
9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 21:31:08.19 ID:HD0oFKCj0
唯「おおっと、チャンネルまちがえちゃった。」アセアセ
紬「ねえ唯ちゃん、今TVで人魚っていってたような・・・」
唯「き、気のせいだよ。それより憂遅いね・・・」
紬「うーん。でも唯ちゃんがそういうなら私の聞き間違いね。」
唯(あぶないあぶない)フゥー
そして一番やっかいな三つ目。ムギちゃんが、この世ににんぎょがいることをばれてはいけないことです。
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 21:35:10.11 ID:HD0oFKCj0
唯(けどホントに危なかったよ・・・我ながらいい判断力だったよ)
(もしアレを見てたらムギちゃんのことだから仲間がいると思ってTV局に連絡しちゃうよ、きっと)
もしわたしたちがにんぎょと暮らしてるとわかったらおそらくとっても大変なことになります。
うちに多くのマスコミが押し寄せ、ここにはもう住めなくなります。それどころかムギちゃんのこころを傷つけるかも・・・
もしかしたらNASAがムギちゃんをさらって人体実験しちゃうかも・・・はわわ、考えただけでも不安になってきたよ。
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 21:39:50.08 ID:HD0oFKCj0
えっ!?そんなにも苦労するんだったらすぐさまムギちゃんを海に放ってあげればいいって?
まったくわかってないなぁ~、ホントわかってないよ君たちは!
ムギちゃんはね、おっともぽわぽわでとってもとってもかわいいんだよ!!
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 21:45:03.02 ID:HD0oFKCj0
きれいな髪、クリクリのお目々、透き通るほど白いお肌、豊満な身体、特徴的な眉毛・・・etc
もう数え上げたらきりがないほどの魅力をムギちゃんは持ってるんだよ!!
たしかにムギちゃんはにんぎょだから下半身はおさかなさんみたいだよ、
けどね、それ以外は普通の女の子と同じだよ!
バスタブの中で寝てる時は下半身がちょうど隠れるようになるから普通の女の子にしか見えないし!
しいて変ってるとこ挙げるとしたら魅力的すぎるとこかな、でへへ///
まぁムギちゃんの天使のような寝顔を見れば誰だって手放したくないと思うはずだよ!フンス
14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 21:50:29.77 ID:HD0oFKCj0
とにかくムギちゃんの魅力を思えばあんな苦労取るに足らないよ
むしろたったあれだけの苦労でムギちゃんと暮らせると思うとわたしも憂もすごーくしあわせ!
死んでもいい!でもだめ、死んだらムギちゃんが悲しんじゃう!それだけはだめ!
けどホントしあわせだな~、このしあわせをみんなに分けてあげたいよ~。ニヤニヤ
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 21:55:31.20 ID:HD0oFKCj0
憂「今日のご飯はどうだったおねえちゃん?」
唯「ムギちゃんといっしょならなんだっておいしく感じるね!」キリッ
紬「もう唯ちゃんったら///」
憂「でも私もそう思います。紬さんが来てからご飯がよりおいしく感じられるようになりましたし。」
紬「~~~///ふっ、ふたりして私をからかって!もう知らない!!」プク-
唯「ご、ごめんねムギちゃん(怒った顔もかわいいな~)」
憂「すみません、つい本音が・・・(紬さんマジ天使、いやマジ人魚)
紬「反省してる?なら許してあげる♪」
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 22:00:53.03 ID:HD0oFKCj0
唯「じゃあさじゃあさ、仲直りついでにみんなで一曲奏でよ~よ。」
憂「うん!ナイスアイデア!じゃあ私とおねえちゃんで伴奏するの紬さんは歌ってください!」
紬「わかったわ!」
憂「それじゃあいきますよ、1、2、3~」
紬「~~~~~~~~♪」
唯憂(ああ~いつ聴いても心が洗われるぅ~///)
今日はとても心地よく眠れそうです。
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 22:06:14.34 ID:HD0oFKCj0
唯「あれ?うい~、まだ起きてたの?」
憂(しー!静かにおねえちゃん、紬さんが起きちゃうでしょ!)ヒソッ
唯(ごめんごめん。ところで憂は何してるの?)
憂(紬さんの寝顔を見てたんだ~)
唯(きっと歌って疲れたんだね。とってもしあわせそうに寝てる)フフフ
憂(ホントだね!・・・・ねえおねえちゃん、こんな日々がずっと続くといいね・・・)
唯(そうだね、ずっとこうしてたい・・・)
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 22:10:31.24 ID:HD0oFKCj0
しかし、ムギちゃんとの別れは突然やってきました・・・
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 22:15:57.37 ID:HD0oFKCj0
唯「わたしたちそろそろ買い物に行くから今日もお願いね!」
紬「わかったわ、いつもみたくバスタブに寝てればいいのよね。」
憂「もしお腹すいても大丈夫なように新鮮なお魚を置いときますね。」
紬「いつもありがとね、2人とも。」
唯「やだなぁムギちゃん、お礼なんていらないよ///」
紬「そう・・・」シュン
唯「じゃあ行ってくるね!」
憂「それでは行ってきます!」
紬「いってらっしゃ~い!」
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 22:20:51.82 ID:HD0oFKCj0
憂「はやく用事済まして帰ろう、おねえちゃん!」
「ってあれ?どうしたの?浮かない顔して・・・」
唯「えっ!?いやなんでもないよ、なんでも・・・」
(あれっ家の鍵閉めたっけなぁ?まぁだいじょーぶだよね、すぐ戻るし)
憂「ふふふ、変なおねえちゃん。」
こんな些細なことであんなことになるとは、このときのわたしはまだ知る由もありませんでした・・・。
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 22:25:25.67 ID:HD0oFKCj0
とめ「ゆいちゃん、回覧板まわってきたわよ。」ピンポーン
とめ「あれ、いないのかねぇ。じゃあぽすとに・・・あれまぁとびらのかぎが開いたままだねぇ。」ガチャリ
とめ「ゆいちゃ~ん、ういちゃ~ん、いるんだったらでてきておくれ~」
シーン
とめ「あれまぁ誰もいないのかい、不用心だねぇ・・・」
ドンッ
とめ「なんだ、やっぱりいるんだね。」
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 22:30:46.43 ID:HD0oFKCj0
とめ「こっちのほうから音がしたような・・・」
とめ「ここは浴室かい、なんだお風呂だったのかい。」
とめ「ゆいちゃ~ん、回覧板もってきたからねぇ。」
シーン
とめ「ゆいちゃん?聞こえてたら返事しておくれ。」
シーン
とめ「あれまぁちょっと変だねぇ」
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 22:35:08.61 ID:HD0oFKCj0
とめ「ごめんね、ゆいちゃん。」ガラガラガラ
とめ「あれあれ、誰もいないねぇ?わたしもとうとうボケがきたようだ」
とめ「せめてゆいちゃんの晴れ姿ぐらい見たかっ・・・ん?なんで浴室に机が?」
ドン
とめ「あれま、今浴槽から音がしたような・・・」ガラガラ
とめ「・・・・・。」
とめ「ひぃええええぇぇぇぇぇえええええ!!!!」
27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 22:40:28.01 ID:HD0oFKCj0
すまん、とみだった・・・
とみ「はぁはぁはぁ・・・」
和「ど、どうしたんですか?叫び声がしたから急いで駆け付けたんですが。」
とみ「じじじじじ実はゆいちゃんの家の浴槽に・・・」ゴニョゴニョ
和「な、なんですってー!?そんな唯が・・・」
「みっ見間違いってことはありませんか?」
とみ「じゃあ今度は一緒に見に行こうかい?」
和「・・・はい。(唯・・・どうして)」
29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 22:44:30.36 ID:HD0oFKCj0
憂「へへへ、今日も紬さんのために奮発しちゃったね!」
唯「うん、ムギちゃんきっと喜ぶだろ~な~」シシシ
憂「あれ?ねえおねえちゃん、あれ和さんととみおばあちゃんじゃない?」
唯「ホントだ~。でもなんか様子がおかしいよ・・・」
憂「ほんとだ。なにかあったのかな?」
唯「・・・・・。」
憂「・・・・・。」
唯憂「「まっ、まさか!!!」」
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 22:50:17.79 ID:HD0oFKCj0
和「!!」チラッ
和「唯!!憂!!あれはどういうことなの!!」
憂「和さん、声大きい・・・」
唯「あああれってなんのこと~、わたしにはさっぱr」
和「とぼけないで!!浴槽にあったあれのことよ!!!」
憂(やっぱり紬さんを見られたんだ・・・こうなったら)タッタッタッ
31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 22:56:05.99 ID:HD0oFKCj0
和「らちがあかないわ・・・こうなったら・・・」
ブロロロロロロ キキー
唯和「「!!」」
憂「さぁ、おねえちゃん早く乗って!!!」
唯「え!?でも・・・」
憂「いいから早く!!」
唯「・・・わかった。」
和「ちょっと待ちなさい!!」
唯「ごめんね和ちゃん、終わったら全部話すから・・・ごめんね」
和「ちょ、ちょっと唯!?」
和「なんで・・・なんで私に相談してくれなかったの?私だって唯の力になれたかもしれないのに」ウウウッ
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 23:00:41.95 ID:HD0oFKCj0
唯「・・・憂、お父さんの車運転で来たんだ。」
憂「うん・・・いつもみてたから。」
唯「そう・・・そういえばムギちゃんは!?」
紬「ここにいるわよ~」
唯「よかった、本当によかった。無事だったんだね。」ポロポロ
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 23:05:46.66 ID:HD0oFKCj0
紬「私こうやって2人とドライブするのが夢だったの~」
唯「ははは・・・ムギちゃんはいつも通り平常運行だね。」
「ところで憂はこのまま逃げるつもり?それともどこかに目的地はきまってるの?」
憂「・・・琴吹海。」
唯「え!?それってもしかして・・・」
憂「うん、紬さんを海に送り出す・・・」
紬「!!」
唯「何言ってるの憂!?」
憂「だから紬さんを海に帰すっていってるの!!」
唯「なんでよ!!」
35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 23:10:26.83 ID:HD0oFKCj0
憂「だってこのままじゃ・・・」
唯「大丈夫だよ、みんなにきちんと言えば大丈夫だって・・・」
憂「何が大丈夫なの!!」
唯「うう・・・そ、それじゃあこうやってずっと逃げてようよ。」
憂「何言ってるの?そんなこと無理だよ!!」
「仮に逃げられたとしても一生ビクビクしながら生きる羽目のなるんだよ!!」
「そうなって一番かわいそうなのは誰か分かる?紬さんなんだよ!!」
唯「!!」
37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 23:16:40.94 ID:HD0oFKCj0
憂「だからわかっておねえちゃん。おねえちゃんだけじゃないんだよ、悲しいのは・・・」ポロポロ
唯「ごべんね゛う゛い゛ー!わだじ自分のごとしか考えでなぐでー」
憂「うん、わかったから泣かないでおねえちゃん。わ・・グス・たしまで。グスッ」
「紬さんもわかってください。これが最善の策なんです・・・」
紬「わかったわ」
憂「やっぱりすごいですね紬さんは。こんなときでも笑顔でいられるなんて・・・」
紬「別にすごくなんてない、ただ唯ちゃんと憂ちゃんがこれ以上悲しむ姿を見たくないだけよ。」
憂「やっぱりすごいですよ紬さんは。」グスン
39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 23:22:01.81 ID:HD0oFKCj0
~琴吹海 浜辺~
憂「紬さん約束してください、二度と人間界には近づかないと。」
唯「憂!!!怒るよ!!」
紬「唯ちゃんやめて!憂ちゃんも私の身を案じての発言だし・・・」
「それに最後くらいみんな笑顔でさよならしたいじゃない!」
唯「ムギちゃん・・・」
憂「紬さん・・・」
40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 23:25:46.80 ID:HD0oFKCj0
紬「それじゃあね!私のことできれば忘れないでね!」
唯「うん、ムギちゃんバイバイ!!ムギちゃんとの思い出、一生忘れないよ!!!」
憂「・・・・・。」
唯「ほら、憂も。さっきムギちゃん言ってたでしょ、別れは笑顔でって。」
憂「・・・たくない」
紬「え?なぁに?」
憂「私は紬さんとサヨナラしたくない!!」
42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 23:31:10.82 ID:HD0oFKCj0
唯「憂・・・」
憂「わかってる、わかってるよ!自分が言い出したことも!わがままだってことも!」
憂「でもそれでもいい、それでもいいから紬さんとずっと一緒にいたい!!」
唯「うい・・・」
憂「けど・・それはいけないことですよね。」
憂「すみません、取り乱しちゃって・・・」
紬「いいのよ、それだけ私を思ってくれてるってことですもの。」
43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 23:35:24.96 ID:HD0oFKCj0
紬「それじゃあ今度こそ本当にさようならね!」
紬「唯ちゃん憂ちゃん、2人とも私に優しさというかけがえのないものを与えてくれた。」
唯「ムギちゃん・・・」
紬「私に向けたその優しさを他の人にも向けることができれば2人とももっと素晴らしい人になれるわ!がんばってね!」
憂「紬さん・・・」
紬「ごめんね、こんな月並みなセリフしか言えないけど」
唯「ううん、どんな言葉だろうと誰でもないムギちゃんがことだもん。うれしいよ!」
紬「ありがと、唯ちゃん・・・」
44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 23:41:39.90 ID:HD0oFKCj0
紬「今度こそ本当のさようならね、唯ちゃん憂ちゃん大好きよ!!じゃあね!!」
唯「ムギちゃ~ん!今まで楽しかったよ~!!わたしもムギちゃんが大好きだよ!!」
憂「私も~、私も紬さんのこと――――」
紬「~~~~~~~♪」
憂「!!歌が・・・聞こえる・・・」
紬「~~~~~~~♪」
45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 23:45:30.58 ID:HD0oFKCj0
『そういえば・・・なんで俺あんなことで怒ってたんだ?』
『まったく何だよこの書類は!!けどこことここはよかったぞ、次がんばれ!・・・そういや俺も昔あんなミスしてよく上司に怒られてたっけ。』
『み、澪、あのさぁ、なんつーかさっきは悪かったな・・・』
『いや、私こそついカッとなってすまなかったな律・・・』
『もしもし母さん?・・・ええっなんで突然電話したかって?いや、その母さんの声が聞きたくなって・・・』
『にゃーにゃー、ふにゃーん♪』
46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 23:50:50.09 ID:HD0oFKCj0
その日、琴吹海から発せられたとても美しい歌声により、世界中の人々がほんの少しだけ優しくなったよな気がしました。
47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 23:56:29.81 ID:HD0oFKCj0
唯「結局、ムギちゃん最後まで涙を見せなかったね・・・」
憂「・・・うん、やっぱりすごい人だったね。」
憂「それよりこれからどうしよっか?和さんや警察とか。私なんて無免許運転しちゃったし・・・」
唯「そんなことなら大丈夫だよ!」
憂「??どうして?」
唯「わたしたちは何もしてない、ただ琴吹海に来ただけ。ただそれだけ。」
唯「わたしたちはにんぎょの存在を隠し通せばいいだけなんだから!」フンス
唯「そのためだったら多少の犠牲はしかたないよ。」
憂「おねえちゃん・・・。」
48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 00:00:44.43 ID:NnEFveAk0 [1/5]
わたしたちがおうちに帰ったとき、無数のフラッシュが浴びせられました。マスコミめ・・・
「あなたが平沢さんですね?失礼ですが今までどちらに?」
ふんっ、やっぱりそうきたね。けど安心してムギちゃん。絶対にムギちゃんのことだけは話さないからね!
「ただ海に行ってただけです。まさか海底王国にでも行ってきた、とでも言うと思いましたか?」
ざわざわ ざわざわ
そういうと急にまわりがざわつき始め、そしてひとりの男の人がこう言いました。
50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 00:04:55.34 ID:NnEFveAk0 [2/5]
「なるほど、君は海に行ってきたんだね。とすると死体は海に捨ててきたってことだね・・・。
すまない、申し遅れたが私は警察のものでね。詳しくは署で聞こう。
しかし、つくづくおかしな世の中になったものだよ。
こんなどこにでもいるような女子高生が自宅の風呂場にに水死体を隠したなんて・・・。
えっ?何、人魚だって?まったくなんて言い訳だ。バカも休み休み言いなさい。
だいたい、人魚なんてこの世にいるわけないだろう。」
52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 00:07:01.28 ID:NnEFveAk0 [3/5]
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/: : : :/ \/ __ノ|: : :.|∧ ゝ:_:_:_: : |: : : : : : : : .
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. /: :/ : 八/ / } / } 〉|: :/: : /: : .〈
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| :/: : : : / しノ ////// しし'/: : : : :/ :/ヽ: : : : |
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┼ヽ -|r‐、. レ |
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56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 00:17:20.92 ID:NnEFveAk0 [4/5]
こんな駄文を読んでくださった皆様、どうもありがとう。
正直ほぼオナニーSSだったけどムギちゃんのかわいさが伝わってくれれば光栄です。
本当にありがとうございました。
去年の夏、わたしと妹の憂とで川に遊びに行った時、かのじょ・・・ムギちゃんと出会いました。
はじめてかのじょを見たとき、わたしはすっごくびっくりしました。だってにんぎょが川にいたんだよ!!
憂はびっくりというよりもむしろ頭がまっしろになってたようだったけどね・・・
けど、なんか元気なさそうだったから、憂はすぐに我に帰り、手当に移りました。さすがはわたしの妹!
あとでムギちゃんから聞いたんだけど海で泳いでたらいつの間にかここにいたんだって、おっちょこちょいだね!
そのときからです。わたしと憂とにんぎょのムギちゃんの奇妙な共同生活が始まったのは・・・
4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 21:08:06.34 ID:HD0oFKCj0
しかし、にんぎょと暮らすというのはとても大変なことです。
紬「唯ちゃ~ん、悪いんだけど体ふいてくれな~い?」
唯「わかったー、今行くね~」
まず一つ目。にんぎょは体がいつも清潔で濡れてなくちゃいけませんので
1日に数回お風呂場の水を取り換え、ムギちゃんの体を洗ってあげなきゃいけません。
5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 21:12:53.96 ID:HD0oFKCj0
紬「いつもごめんね、唯ちゃん・・・私が人魚なばっかりに。」
唯「いいよいいよ、もう慣れちゃった。それにムギちゃんが好きでやってるんだから!」フキフキ
紬「ありがとう、唯ちゃん・・・///」
憂「私もおねえちゃんと同じ気持ちだよ、紬さん!」
紬「!!憂ちゃんも・・・グスッありがとう。」
唯「もうう~い~、ムギちゃん泣かしちゃだめだよ~」
憂「えへへ、ごめんねおねえちゃん。」
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 21:17:27.14 ID:HD0oFKCj0
唯「ところで憂?今までどこ行ってたの?」
憂「え~八百屋さんと魚屋さんだよ。」
「紬さん、今日はふんぱつしていいお魚いっぱい買ってきましたよ!」
紬「まぁ、ありがとう憂ちゃん!!」
唯「良かったね~ムギちゃん!!」
二つ目は食費がものすごくかかることです。
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 21:23:00.94 ID:HD0oFKCj0
ムギちゃんいわく、にんぎょは基本的に新鮮な生魚しか食べられない(?)らしいのです。
そのため常に新鮮なおさかなさんを、それもたくさん用意しなくちゃいけないのです。
幸いにもわたしも憂もおさかなは好きだし、うちはどちらかというと裕福な家庭なのでそこまで問題じゃないけどね。
ただ、女の子ふたりで暮らしている(と思ってる)両親に『無駄遣いのし過ぎ!!』と怒られるのは困るけど・・・
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 21:27:54.01 ID:HD0oFKCj0
憂「じゃあ、これからごはん作るから待っててね、おねえちゃん。」
唯「じゃあここでムギちゃんとTV見て待ってるね。」
ついでにムギちゃんと暮らしやすいように風呂場を大きくして、
いっしょに食事をできるよう増改築しました。ごめんねお父さん!
唯「今日はなにやってるかな?ペット番組がいいな。」ピッ
TV「特集!!人魚は実在した!?衝撃の真実が―――」
唯「!?」
9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 21:31:08.19 ID:HD0oFKCj0
唯「おおっと、チャンネルまちがえちゃった。」アセアセ
紬「ねえ唯ちゃん、今TVで人魚っていってたような・・・」
唯「き、気のせいだよ。それより憂遅いね・・・」
紬「うーん。でも唯ちゃんがそういうなら私の聞き間違いね。」
唯(あぶないあぶない)フゥー
そして一番やっかいな三つ目。ムギちゃんが、この世ににんぎょがいることをばれてはいけないことです。
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 21:35:10.11 ID:HD0oFKCj0
唯(けどホントに危なかったよ・・・我ながらいい判断力だったよ)
(もしアレを見てたらムギちゃんのことだから仲間がいると思ってTV局に連絡しちゃうよ、きっと)
もしわたしたちがにんぎょと暮らしてるとわかったらおそらくとっても大変なことになります。
うちに多くのマスコミが押し寄せ、ここにはもう住めなくなります。それどころかムギちゃんのこころを傷つけるかも・・・
もしかしたらNASAがムギちゃんをさらって人体実験しちゃうかも・・・はわわ、考えただけでも不安になってきたよ。
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 21:39:50.08 ID:HD0oFKCj0
えっ!?そんなにも苦労するんだったらすぐさまムギちゃんを海に放ってあげればいいって?
まったくわかってないなぁ~、ホントわかってないよ君たちは!
ムギちゃんはね、おっともぽわぽわでとってもとってもかわいいんだよ!!
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 21:45:03.02 ID:HD0oFKCj0
きれいな髪、クリクリのお目々、透き通るほど白いお肌、豊満な身体、特徴的な眉毛・・・etc
もう数え上げたらきりがないほどの魅力をムギちゃんは持ってるんだよ!!
たしかにムギちゃんはにんぎょだから下半身はおさかなさんみたいだよ、
けどね、それ以外は普通の女の子と同じだよ!
バスタブの中で寝てる時は下半身がちょうど隠れるようになるから普通の女の子にしか見えないし!
しいて変ってるとこ挙げるとしたら魅力的すぎるとこかな、でへへ///
まぁムギちゃんの天使のような寝顔を見れば誰だって手放したくないと思うはずだよ!フンス
14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 21:50:29.77 ID:HD0oFKCj0
とにかくムギちゃんの魅力を思えばあんな苦労取るに足らないよ
むしろたったあれだけの苦労でムギちゃんと暮らせると思うとわたしも憂もすごーくしあわせ!
死んでもいい!でもだめ、死んだらムギちゃんが悲しんじゃう!それだけはだめ!
けどホントしあわせだな~、このしあわせをみんなに分けてあげたいよ~。ニヤニヤ
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 21:55:31.20 ID:HD0oFKCj0
憂「今日のご飯はどうだったおねえちゃん?」
唯「ムギちゃんといっしょならなんだっておいしく感じるね!」キリッ
紬「もう唯ちゃんったら///」
憂「でも私もそう思います。紬さんが来てからご飯がよりおいしく感じられるようになりましたし。」
紬「~~~///ふっ、ふたりして私をからかって!もう知らない!!」プク-
唯「ご、ごめんねムギちゃん(怒った顔もかわいいな~)」
憂「すみません、つい本音が・・・(紬さんマジ天使、いやマジ人魚)
紬「反省してる?なら許してあげる♪」
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 22:00:53.03 ID:HD0oFKCj0
唯「じゃあさじゃあさ、仲直りついでにみんなで一曲奏でよ~よ。」
憂「うん!ナイスアイデア!じゃあ私とおねえちゃんで伴奏するの紬さんは歌ってください!」
紬「わかったわ!」
憂「それじゃあいきますよ、1、2、3~」
紬「~~~~~~~~♪」
唯憂(ああ~いつ聴いても心が洗われるぅ~///)
今日はとても心地よく眠れそうです。
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 22:06:14.34 ID:HD0oFKCj0
唯「あれ?うい~、まだ起きてたの?」
憂(しー!静かにおねえちゃん、紬さんが起きちゃうでしょ!)ヒソッ
唯(ごめんごめん。ところで憂は何してるの?)
憂(紬さんの寝顔を見てたんだ~)
唯(きっと歌って疲れたんだね。とってもしあわせそうに寝てる)フフフ
憂(ホントだね!・・・・ねえおねえちゃん、こんな日々がずっと続くといいね・・・)
唯(そうだね、ずっとこうしてたい・・・)
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 22:10:31.24 ID:HD0oFKCj0
しかし、ムギちゃんとの別れは突然やってきました・・・
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 22:15:57.37 ID:HD0oFKCj0
唯「わたしたちそろそろ買い物に行くから今日もお願いね!」
紬「わかったわ、いつもみたくバスタブに寝てればいいのよね。」
憂「もしお腹すいても大丈夫なように新鮮なお魚を置いときますね。」
紬「いつもありがとね、2人とも。」
唯「やだなぁムギちゃん、お礼なんていらないよ///」
紬「そう・・・」シュン
唯「じゃあ行ってくるね!」
憂「それでは行ってきます!」
紬「いってらっしゃ~い!」
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 22:20:51.82 ID:HD0oFKCj0
憂「はやく用事済まして帰ろう、おねえちゃん!」
「ってあれ?どうしたの?浮かない顔して・・・」
唯「えっ!?いやなんでもないよ、なんでも・・・」
(あれっ家の鍵閉めたっけなぁ?まぁだいじょーぶだよね、すぐ戻るし)
憂「ふふふ、変なおねえちゃん。」
こんな些細なことであんなことになるとは、このときのわたしはまだ知る由もありませんでした・・・。
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 22:25:25.67 ID:HD0oFKCj0
とめ「ゆいちゃん、回覧板まわってきたわよ。」ピンポーン
とめ「あれ、いないのかねぇ。じゃあぽすとに・・・あれまぁとびらのかぎが開いたままだねぇ。」ガチャリ
とめ「ゆいちゃ~ん、ういちゃ~ん、いるんだったらでてきておくれ~」
シーン
とめ「あれまぁ誰もいないのかい、不用心だねぇ・・・」
ドンッ
とめ「なんだ、やっぱりいるんだね。」
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 22:30:46.43 ID:HD0oFKCj0
とめ「こっちのほうから音がしたような・・・」
とめ「ここは浴室かい、なんだお風呂だったのかい。」
とめ「ゆいちゃ~ん、回覧板もってきたからねぇ。」
シーン
とめ「ゆいちゃん?聞こえてたら返事しておくれ。」
シーン
とめ「あれまぁちょっと変だねぇ」
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 22:35:08.61 ID:HD0oFKCj0
とめ「ごめんね、ゆいちゃん。」ガラガラガラ
とめ「あれあれ、誰もいないねぇ?わたしもとうとうボケがきたようだ」
とめ「せめてゆいちゃんの晴れ姿ぐらい見たかっ・・・ん?なんで浴室に机が?」
ドン
とめ「あれま、今浴槽から音がしたような・・・」ガラガラ
とめ「・・・・・。」
とめ「ひぃええええぇぇぇぇぇえええええ!!!!」
27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 22:40:28.01 ID:HD0oFKCj0
すまん、とみだった・・・
とみ「はぁはぁはぁ・・・」
和「ど、どうしたんですか?叫び声がしたから急いで駆け付けたんですが。」
とみ「じじじじじ実はゆいちゃんの家の浴槽に・・・」ゴニョゴニョ
和「な、なんですってー!?そんな唯が・・・」
「みっ見間違いってことはありませんか?」
とみ「じゃあ今度は一緒に見に行こうかい?」
和「・・・はい。(唯・・・どうして)」
29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 22:44:30.36 ID:HD0oFKCj0
憂「へへへ、今日も紬さんのために奮発しちゃったね!」
唯「うん、ムギちゃんきっと喜ぶだろ~な~」シシシ
憂「あれ?ねえおねえちゃん、あれ和さんととみおばあちゃんじゃない?」
唯「ホントだ~。でもなんか様子がおかしいよ・・・」
憂「ほんとだ。なにかあったのかな?」
唯「・・・・・。」
憂「・・・・・。」
唯憂「「まっ、まさか!!!」」
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 22:50:17.79 ID:HD0oFKCj0
和「!!」チラッ
和「唯!!憂!!あれはどういうことなの!!」
憂「和さん、声大きい・・・」
唯「あああれってなんのこと~、わたしにはさっぱr」
和「とぼけないで!!浴槽にあったあれのことよ!!!」
憂(やっぱり紬さんを見られたんだ・・・こうなったら)タッタッタッ
31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 22:56:05.99 ID:HD0oFKCj0
和「らちがあかないわ・・・こうなったら・・・」
ブロロロロロロ キキー
唯和「「!!」」
憂「さぁ、おねえちゃん早く乗って!!!」
唯「え!?でも・・・」
憂「いいから早く!!」
唯「・・・わかった。」
和「ちょっと待ちなさい!!」
唯「ごめんね和ちゃん、終わったら全部話すから・・・ごめんね」
和「ちょ、ちょっと唯!?」
和「なんで・・・なんで私に相談してくれなかったの?私だって唯の力になれたかもしれないのに」ウウウッ
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 23:00:41.95 ID:HD0oFKCj0
唯「・・・憂、お父さんの車運転で来たんだ。」
憂「うん・・・いつもみてたから。」
唯「そう・・・そういえばムギちゃんは!?」
紬「ここにいるわよ~」
唯「よかった、本当によかった。無事だったんだね。」ポロポロ
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 23:05:46.66 ID:HD0oFKCj0
紬「私こうやって2人とドライブするのが夢だったの~」
唯「ははは・・・ムギちゃんはいつも通り平常運行だね。」
「ところで憂はこのまま逃げるつもり?それともどこかに目的地はきまってるの?」
憂「・・・琴吹海。」
唯「え!?それってもしかして・・・」
憂「うん、紬さんを海に送り出す・・・」
紬「!!」
唯「何言ってるの憂!?」
憂「だから紬さんを海に帰すっていってるの!!」
唯「なんでよ!!」
35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 23:10:26.83 ID:HD0oFKCj0
憂「だってこのままじゃ・・・」
唯「大丈夫だよ、みんなにきちんと言えば大丈夫だって・・・」
憂「何が大丈夫なの!!」
唯「うう・・・そ、それじゃあこうやってずっと逃げてようよ。」
憂「何言ってるの?そんなこと無理だよ!!」
「仮に逃げられたとしても一生ビクビクしながら生きる羽目のなるんだよ!!」
「そうなって一番かわいそうなのは誰か分かる?紬さんなんだよ!!」
唯「!!」
37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 23:16:40.94 ID:HD0oFKCj0
憂「だからわかっておねえちゃん。おねえちゃんだけじゃないんだよ、悲しいのは・・・」ポロポロ
唯「ごべんね゛う゛い゛ー!わだじ自分のごとしか考えでなぐでー」
憂「うん、わかったから泣かないでおねえちゃん。わ・・グス・たしまで。グスッ」
「紬さんもわかってください。これが最善の策なんです・・・」
紬「わかったわ」
憂「やっぱりすごいですね紬さんは。こんなときでも笑顔でいられるなんて・・・」
紬「別にすごくなんてない、ただ唯ちゃんと憂ちゃんがこれ以上悲しむ姿を見たくないだけよ。」
憂「やっぱりすごいですよ紬さんは。」グスン
39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 23:22:01.81 ID:HD0oFKCj0
~琴吹海 浜辺~
憂「紬さん約束してください、二度と人間界には近づかないと。」
唯「憂!!!怒るよ!!」
紬「唯ちゃんやめて!憂ちゃんも私の身を案じての発言だし・・・」
「それに最後くらいみんな笑顔でさよならしたいじゃない!」
唯「ムギちゃん・・・」
憂「紬さん・・・」
40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 23:25:46.80 ID:HD0oFKCj0
紬「それじゃあね!私のことできれば忘れないでね!」
唯「うん、ムギちゃんバイバイ!!ムギちゃんとの思い出、一生忘れないよ!!!」
憂「・・・・・。」
唯「ほら、憂も。さっきムギちゃん言ってたでしょ、別れは笑顔でって。」
憂「・・・たくない」
紬「え?なぁに?」
憂「私は紬さんとサヨナラしたくない!!」
42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 23:31:10.82 ID:HD0oFKCj0
唯「憂・・・」
憂「わかってる、わかってるよ!自分が言い出したことも!わがままだってことも!」
憂「でもそれでもいい、それでもいいから紬さんとずっと一緒にいたい!!」
唯「うい・・・」
憂「けど・・それはいけないことですよね。」
憂「すみません、取り乱しちゃって・・・」
紬「いいのよ、それだけ私を思ってくれてるってことですもの。」
43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 23:35:24.96 ID:HD0oFKCj0
紬「それじゃあ今度こそ本当にさようならね!」
紬「唯ちゃん憂ちゃん、2人とも私に優しさというかけがえのないものを与えてくれた。」
唯「ムギちゃん・・・」
紬「私に向けたその優しさを他の人にも向けることができれば2人とももっと素晴らしい人になれるわ!がんばってね!」
憂「紬さん・・・」
紬「ごめんね、こんな月並みなセリフしか言えないけど」
唯「ううん、どんな言葉だろうと誰でもないムギちゃんがことだもん。うれしいよ!」
紬「ありがと、唯ちゃん・・・」
44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 23:41:39.90 ID:HD0oFKCj0
紬「今度こそ本当のさようならね、唯ちゃん憂ちゃん大好きよ!!じゃあね!!」
唯「ムギちゃ~ん!今まで楽しかったよ~!!わたしもムギちゃんが大好きだよ!!」
憂「私も~、私も紬さんのこと――――」
紬「~~~~~~~♪」
憂「!!歌が・・・聞こえる・・・」
紬「~~~~~~~♪」
45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 23:45:30.58 ID:HD0oFKCj0
『そういえば・・・なんで俺あんなことで怒ってたんだ?』
『まったく何だよこの書類は!!けどこことここはよかったぞ、次がんばれ!・・・そういや俺も昔あんなミスしてよく上司に怒られてたっけ。』
『み、澪、あのさぁ、なんつーかさっきは悪かったな・・・』
『いや、私こそついカッとなってすまなかったな律・・・』
『もしもし母さん?・・・ええっなんで突然電話したかって?いや、その母さんの声が聞きたくなって・・・』
『にゃーにゃー、ふにゃーん♪』
46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 23:50:50.09 ID:HD0oFKCj0
その日、琴吹海から発せられたとても美しい歌声により、世界中の人々がほんの少しだけ優しくなったよな気がしました。
47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 23:56:29.81 ID:HD0oFKCj0
唯「結局、ムギちゃん最後まで涙を見せなかったね・・・」
憂「・・・うん、やっぱりすごい人だったね。」
憂「それよりこれからどうしよっか?和さんや警察とか。私なんて無免許運転しちゃったし・・・」
唯「そんなことなら大丈夫だよ!」
憂「??どうして?」
唯「わたしたちは何もしてない、ただ琴吹海に来ただけ。ただそれだけ。」
唯「わたしたちはにんぎょの存在を隠し通せばいいだけなんだから!」フンス
唯「そのためだったら多少の犠牲はしかたないよ。」
憂「おねえちゃん・・・。」
48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 00:00:44.43 ID:NnEFveAk0 [1/5]
わたしたちがおうちに帰ったとき、無数のフラッシュが浴びせられました。マスコミめ・・・
「あなたが平沢さんですね?失礼ですが今までどちらに?」
ふんっ、やっぱりそうきたね。けど安心してムギちゃん。絶対にムギちゃんのことだけは話さないからね!
「ただ海に行ってただけです。まさか海底王国にでも行ってきた、とでも言うと思いましたか?」
ざわざわ ざわざわ
そういうと急にまわりがざわつき始め、そしてひとりの男の人がこう言いました。
50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 00:04:55.34 ID:NnEFveAk0 [2/5]
「なるほど、君は海に行ってきたんだね。とすると死体は海に捨ててきたってことだね・・・。
すまない、申し遅れたが私は警察のものでね。詳しくは署で聞こう。
しかし、つくづくおかしな世の中になったものだよ。
こんなどこにでもいるような女子高生が自宅の風呂場にに水死体を隠したなんて・・・。
えっ?何、人魚だって?まったくなんて言い訳だ。バカも休み休み言いなさい。
だいたい、人魚なんてこの世にいるわけないだろう。」
52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 00:07:01.28 ID:NnEFveAk0 [3/5]
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┼ヽ -|r‐、. レ |
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56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 00:17:20.92 ID:NnEFveAk0 [4/5]
こんな駄文を読んでくださった皆様、どうもありがとう。
正直ほぼオナニーSSだったけどムギちゃんのかわいさが伝わってくれれば光栄です。
本当にありがとうございました。
<<一方通行「俺の携帯知らねェか?」御坂妹「し、知りませんとミサカは(ry」 | ホーム | 姉「幼女が大好きな弟」>>
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