2ntブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

梓「Sweet luxury is bitter」

1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 12:55:02.55 ID:WwS/dQHL0 [1/64]

こんにちは。桜ヶ丘高校3年、中野梓です。

私は1年生の時から軽音楽部に所属しています。

今年、先輩方が卒業した上に新入部員が0と言うことで、けいおん部は廃部が決定してしまいました。

それでも顧問の山中先生が今年いっぱいは形だけでもと言って音楽室を開けてくれてます。


3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 12:58:07.33 ID:WwS/dQHL0 [2/64]

しかし私も受験生、そろそろ本格的に追い込むためにも部活を引退しようと思います。

とは言っても、これも形だけなんですけどね…。

というわけで、今日は2年半お世話になった部室の片付けをしています。



4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 13:01:52.09 ID:WwS/dQHL0

ーーーーーーー


梓「ふぅ、やっと半分くらい片付いたかな」

梓「…と言うか、なぜか唯先輩や律先輩の私物ばっかり出てくるんだけど…」


ゴソゴソ


梓「あっ、これって昔の軽音部の写真」


ペラペラ

梓「うわ~、すごいメイク…」



5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 13:08:01.67 ID:WwS/dQHL0


ガチャ


さわ子「あら?梓ちゃん来てたのね」

梓「あ、先生こんにちは。私ももうすぐ卒業ですし、部室の片付けをと思いまして」

さわ子「そう、偉いわね。そっかぁ、梓ちゃんも卒業しちゃうのね」

梓「はい…。でも来年こそは新入部員が入るかも。そうしたらまた軽音部も」



6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 13:13:45.69 ID:WwS/dQHL0

さわ子「そうだといいわね。でも来年は顧問もいなくなっちゃうし」

梓「えっ?」

梓「先生、それってどういう…」

さわ子「私、今年いっぱいでやめちゃうのよ」

梓「ついにクビですか!?」

さわ子「失敬な」



7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 13:27:21.63 ID:WwS/dQHL0

さわ子「実は父の具合が悪くて…ちょっと田舎の方に一家で移って休養させてあげようって話なの」

さわ子「両親には今まで色々と迷惑かけちゃったし、少しは親孝行しなくちゃね」

梓「確に、たくさん迷惑かけてそうですもんね」ニヤニヤ


ペラリ

さわ子「その写真は!?」

梓「部室の整理してたら出てきましたよ。ほら、こんなに」バサッ

さわ子「私の暗黒時代が…orz」



9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 13:37:28.65 ID:WwS/dQHL0

ーーーーーーー


梓「先生、お茶入りましたよ」コト

さわ子「あら、ありがと」ズズッ

梓「ところで、先生はどんな生徒だったんですか?」ズズッ

さわ子「急になに?」

梓「いえ、昔の軽音部って実際どんなのだったのかなぁと思って」

梓「まあ、これ見てるとだいたい想像つきますけどね」クスクス

さわ子「あぁん、梓ちゃんのいけずぅ~」



10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 13:42:41.10 ID:WwS/dQHL0

パラパラ

梓「あ、この写真の子と先生、すごく仲いいですね」

梓「先生に抱き着いちゃって、唯先輩みたい」クスクス

さわ子「…そう、この写真ここにあったんだ…」

さわ子「…」ズズズ


さわ子「そうね、たまには昔話でもしようかしら」



12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 13:51:09.17 ID:WwS/dQHL0

~~~~~~


こんにちは。桜ヶ丘高校1年、山中さわ子です。


今日から華の女子高生。

勉強、部活にそして恋愛にもうドキドキです!

…といっても、地味でおとなしい私は特に部活やアルバイトもすることはなく、高校初めの中間試験を迎えようとしていました…。



13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 13:56:27.86 ID:WwS/dQHL0

ーーーーーー


さわ子「(図書室で勉強してたらすっかり遅くなっちやった…早く帰らなきゃ)」


さわ子「あら?何かしらあの人だかり」


そこには大学生くらいのバンドがいわゆる路上ライブというのを行っていた。

私はその中の男性に恋をしてしまいました。

キートン山田「それは山中さわ子、15歳の春であった」



15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 14:05:12.32 ID:WwS/dQHL0

ーーーーーー

よくじつ!


さわ子「」ホーゲー

紀美「おっす、さわ子!ってどうしたの?いつもにましてボーッとしちゃって」ビローン

さわ子「ふぁ、ふぉひふぃ(あ、のりみ)」ホーゲー

今、私のほっぺを引っ張ってる彼女は河口紀美。
ちょっといじわるだけどとっても友達想いのいい子です。

さわ子「実は昨日、学校の帰りにね」


カクカクシカジカ


紀美「へぇ~、あんたが恋ねぇ」ニヤニヤ



16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 14:10:39.24 ID:WwS/dQHL0

紀美「んで名前とか連絡先は聞いたの?」

さわ子「!?そ、そんなの…まだ話しかけてもないのに…」

紀美「まぁ、あんたのことだからそんなもんだと思ったけどね」ハァ

さわ子「だって何話せばいいか…わかんないし…」モジモジ

紀美「う~ん、てかあんたもギター弾けんだったら音楽の話すればいいじゃん」



17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 14:16:19.51 ID:WwS/dQHL0

さわ子「でも私フォークだし、最近の音楽とかあんまりわかんないし…」

紀美「はぁ、もうこの際初めのきっかけがあればなんでもいいのよ!じゃあ今日の帰りに話し掛けること!」

さわ子「そ、そんなのムリ!恥ずかしいよ…」カァ

紀美「女は度胸よ!」

さわ子「そんなぁ~」



18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 14:23:30.72 ID:WwS/dQHL0

ーーーーーーー


かえりみち!


さわ子「(あ、今日もやってる…ど、どうしよう)」ジー

「ん、どうしたの?何か俺達に用かい?」

さわ子「(ははは話かけられた!)あの…その、ライブ観てました!す、すごくよかったれす!」

「くくっ、そうかい。ありがとう」クスクス

さわ子「(か、噛んだ…orz)」

「君おもしろい子だね。よかったら感想聞かせてくれないかな?」

さわ子「は、はい!」



20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 14:43:24.83 ID:WwS/dQHL0

ーーーーーーー


きっさてん!

「へぇ~、君もギターやってるんだ。好きなアーティストは?」

さわ子「えっと…さ、さだまさし…とか」

「へぇ、渋い趣味してるんだね。あ、そういや俺の名前は~」



21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 14:49:00.67 ID:WwS/dQHL0

ーーーーーーー

すうじつご!


さわ子「ふふふっ」ニヤニヤ

紀美「おっすさわ子!ってまたニヤニヤしやがって…。また例の彼ですか」ビローン

さわ子「ひはいひはい!(いたいいたい!)」

さわ子「えへへ~///昨日の夜もメールでさぁ」ヒリヒリ

紀美「はいはい。で、いつ告んの?」

さわ子「!?こ、告っなんてそんなまだ…」



22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 14:54:37.70 ID:WwS/dQHL0

紀美「あんたねぇ、相手は大学生よ?女なんて周りにゴロゴロしてるわよ?」

さわ子「そんなぁ…でも告白なんてしたことないし…」

紀美「女は度胸よ!」

さわ子「それ前も聞いたし…」



23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 15:00:48.83 ID:WwS/dQHL0

ーーーーーーー


ほうかご!

さわ子「(でも、しっかり気持ちを伝えなきゃダメよね)」

さわ子「(がんばれさわ子!おー!)」フンスッ

「ごめんごめん、遅くなっちゃった」

さわ子「いえ、わたしが急に呼び出しんで…」



25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 15:06:57.76 ID:WwS/dQHL0

「それで、話って何だい?」

さわ子「あの…その…(な、なんて言ったらいいの…)」

さわ子「…」

さわ子「好きです…」

「ごめんね、俺もっとワイルドな女の子が好きなんだ」

さわ子「…」



26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 15:12:05.11 ID:WwS/dQHL0

ーーーーーーー


よくじつ!


紀美「おはよー。さわ子昨日はどうだ…った…」

さわ子「」ズーン

紀美「…まあ…そんなこともあるわよね、うん」アセアセ

さわ子「…のりみぃ…彼、もっとワイルドな子が…好きなんだって…」グスン

紀美「おーよしよし、今はこの胸の中でおもっきり泣くがよい」ナデナデ

紀美「そいつの好みに合わなかっただけよ。さわ子は可愛いんだから自信持ちなさい」

さわ子「…そうよ、簡単なことじゃない」



27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 15:18:40.80 ID:WwS/dQHL0

紀美「さわ子?」

さわ子「なら、彼好みのワイルドな女にればいいじゃない!!」ガタンッ

紀美「お~い、さわ子さ~ん…」

さわ子「というわけで、紀美も協力して!」

紀美「ま、まって!なんで私が」

さわ子「紀美エレキギター弾けるじゃん♪」

紀美「(ダメだ…完全に自分を見失ってる!)」



28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 15:24:05.78 ID:WwS/dQHL0

私は決心した…彼の好みの女性になろうと…。

もっとワイルドに…

もっと、もっとワイルドに…

もっと、もっと、もっと!
ワイルド、ワイルド、ワイルドに!!


それから数ヵ月、私達は一部熱狂的なファンをもつ程のメタルバンドへとなっていた。



29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 15:38:37.81 ID:WwS/dQHL0

ーーーーーーー


さわ子「付き合ってやってもいいんだぜ…///」


「さわ子…やりすぎ…」ポンッ



2回目の春、桜が満開のよく晴れた日。

私の想いは散りました…。


キートン山田「さわ子がダークサイドに堕ちた瞬間だった。後半へ続く」



32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 15:50:08.31 ID:WwS/dQHL0
オリキャラ(♀)がでます。
こっから糞スレ度がさらにkskするのでご注意ください。

俺もさわ子の過去話アニメ化希望。


33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 15:53:22.42 ID:WwS/dQHL0

しかし、それからも私は本格的にメタルの世界にのめり込んで行った。
仲間と音楽やってる時が一番楽しくてサイコーの時間だった。

そしてそんな日々はあっと言う間に過ぎていく。

本日は曇り空、そんな3回目の春の日でした。



34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 16:07:16.67 ID:WwS/dQHL0

ーーーーーーー


紀美「いや~新歓ライブ最高だったわね」

紀美「しっかしさわ子、やることが大胆よねぇ~」ヒュー

さわ子「なによ、大体こんな格好だからってライブの許可ださない生徒会が悪いのよ」

デラ(ベース)「だからってステージジャックとはね。センコーのキョドりっぷりと来たら」ケラケラ



35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 16:16:02.42 ID:WwS/dQHL0

紀美「んで?明日から部禁なんだけど、どーすんの?」

さわ子「そんなの、部室に誰も入れなけりゃ止められやしないわ」

ジェーン(ドラムス)「それもそっか。しかしあれで新入部員くる?」

さわ子「そんなのどっちだっていいわ。それこそ生ぬるい連中に来られても迷惑よ」

紀美「まーそんなもんかね」ヤレヤレ



36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 16:29:40.89 ID:WwS/dQHL0

バタンッ!!


???「たのもー!」

???「私をけいおん部に入れてください!!」


そこにはなんともちっちゃくて可愛らしい少女が、その体に不釣り合いなおっきなベースを担ぎ、中指を突き起てていた。

それが彼女との出会い…。



37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 16:36:38.66 ID:WwS/dQHL0

さわ子「あんた誰?」

麻里「あ!キャサリンさん!おはようございます!申し遅れました、私『上田 麻里』って言います!先輩達のライブ、感動しました!ぜひけいおん部にと!」ペラペラ

紀美「なんだか『!』が多くて騒がしい子ね…」

さわ子「ま、いいわ。んじゃ早速何か弾いてみて」

麻里「はい!ではでは」



38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 16:46:41.00 ID:WwS/dQHL0

部室に響きわたる重低音。
それは女子高生が弾いているとは思えない、なんとも力強く脳を揺らす。

紀美「ちょっとかなりレベル高くない??」ゴニョゴニョ

さわ子「…」

さわ子「まあまあね。桜高けいおん部にようこそ。あんたは今日からマリーよ」ビシッ

麻里「はい!!ありがたき幸せ~」ハハァー


キートン山田「麻里が仲間になった」



39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 17:18:50.67 ID:WwS/dQHL0

ーーーーーーー


季節は過ぎ、梅雨。
今日も降り頻る雨。鬱陶しい…。


ザー


さわ子「もう、この時期って雨ばっかでやんなっちゃうわ…」バサッ

さわ子「…あの子なにやってるの…?」

そこには傘もささず、びしょ濡れで歩く麻里の姿があった。



42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 17:36:36.85 ID:WwS/dQHL0

スッ

さわ子「あんた何やってんのよ…」

麻里「あ、さわ子先輩!いや~傘忘れちゃいまして~」ニコニコ

さわ子「はぁ。だからってあんた、ずぶ濡れじゃない」

麻里「まあ私、雨好きですから」フンスッ


43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 17:43:32.70 ID:WwS/dQHL0

さわ子「もう、だからって風邪引くでしよ?ほら」

麻里「いやぁ~ん、先輩と相合傘なんて」ダキツキッ

さわ子「こら!くっつかないでよ!こっちまで濡れちゃうでしょ」

麻里「いや~ん、先輩のスケベ~」

さわ子「何いってんのこの欲情ムスメが」ペシッ



44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 17:46:55.19 ID:WwS/dQHL0

麻里「あいた!もー、いいじゃないですかぁ。先輩のいけずぅ~」

麻里「いや~しかし今日はホントいい日です!これはもう記念日ですね!」

さわ子「もう、またくだらないこと言って…。うりゃ」デコピンッ

麻里「へへへ///」サスリサスリ

麻里「やっぱり先輩はあったかいや…」ボソッ

さわ子「ん、なに?」

麻里「いえ、なーんにも♪」



45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 17:52:48.52 ID:WwS/dQHL0

ーーーーーーー

夏が過ぎ、それでもまだ少し汗ばむ季節。
もうすぐ文化祭、私達にとって最後の秋になる。


ぶしつ!

紀美「あんた進路調査表まだだしてないんだって?」

さわ子「うっさいわね、もう書いたわよ」

紀美「へー。ちょっと見せて」バッ

さわ子「あ、ちょっと!」



46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 17:57:05.88 ID:WwS/dQHL0
紀美「…ぷぷぷ、あんた教師ってどういう風の吹き回しよ」ケラケラ

さわ子「いいでしょ!なんだって」

紀美「どーせどっかの男が教師目指してるとかそんな理由でしょ?」ニヤニヤ

さわ子「うっさい、埋めるわよ///」


47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 18:00:40.49 ID:WwS/dQHL0

紀美「さわ子が何か始めたらだいたい男絡みだもん。あ~あほらし」ケラケラ

ベラ「まぁさわ子は勉強だけはしっかりやってきてるからねぇ。でも教師はないわ」ケラケラ

麻里「さわ子先輩の教師…あると思います!」

一同「へ?」

麻里「音楽教師になって生徒達をメタルに染めていく…。そしていつかDEATH DEVILを世界に!!」

一同「(ダメだこの子…)」



48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 18:08:51.94 ID:WwS/dQHL0

ーーーーーーー


紀美「ふぅ、今日はこんなもんね。んじゃあたしら予備校あるから、さわ子せんせー鍵よろしく~」ヒラヒラ

さわ子「あっ、もう…」ハァ

麻里「…やっと二人きりになれましたね」

さわ子「はいはいそーですね」

麻里「あぁん、先輩もっと麻里にかまって~」ゴホッゴホッ

さわ子「もう、早く帰る準備しなさい」



49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 18:14:06.95 ID:WwS/dQHL0

麻里「ブー、はぁ~い。もう、もっとノってくれたって…っゲホッゴホッ!」

さわ子「ちょっと大丈夫?」

麻里「はい、そんなにたいしたことないですから」ケホケホ

さわ子「もう、学祭前に風邪なんてやめてよ?」

麻里「すみません…」ゴホッ



50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 18:22:28.35 ID:WwS/dQHL0

麻里「…そういえば、ほんとに先輩は先生に向いてると思いますよ?」

さわ子「?」

麻里「だって先輩やさしいし、それにあったかいですもん」ニコッ

さわ子「急に何よ、きもちわるいわね///」カァ

麻里「えへへ~、先輩照れてんすかぁ?」ニカニカ

さわ子「ばーか!ばーか!」



52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 18:31:48.35 ID:WwS/dQHL0

ーーーーーーー

それからみんな文化祭の出しものの準備にライブの練習、その合間に受験勉強だってした。

そして文化祭当日、忘れられない日になった。



55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 18:43:56.46 ID:WwS/dQHL0

麻里「じゃあ機材運んどきますね」ヨイショ

紀美「ん?あんたその腕どうしたの?」

麻里「えっ?うわ、紫になってる!どっかぶつけたかなぁ…?」ゴホッ

さわ子「ちょっと、大丈夫なの?」



57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 18:50:50.96 ID:WwS/dQHL0

麻里「はい、別になんともないんで」ケホッ

さわ子「風邪もちゃんと治ってないし…あんまりムリしちゃだめよ?」

麻里「心配してくれてるんですか?先輩やっさしぃ~ん!」ダキツキッ

さわ子「ちょ、ちょっと離れなさい!風邪うつるでしょ///」

麻里「…あれ?なんだか目眩が…」クラッ



58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 18:54:19.06 ID:WwS/dQHL0

バタッ

さわ子「えっ!?ちょっと麻里、麻里!!」ユサユサ


紀美「誰か!先生呼んできて、早く!!」


麻里が倒れた。



59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 18:59:28.90 ID:WwS/dQHL0

ーーーーーーー


びょうしつ!

コンコンコンッ

ガチャ


紀美「おじゃましまーす。麻里だいじょうぶ?」

麻里「あ、先輩達来てくださったんですね」

ベラ「急に倒れるんだからホント焦ったよ。もう大丈夫なの?」



60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 19:05:02.00 ID:WwS/dQHL0

麻里「さあ?なんか色々検査するみたいですけど」

ジェーン「おいおい、それってやばいんじゃ…」

麻里「なんか急性…なんとか?…がどうとか…?」

紀美「なに?意味不明すぎよ?」ハァ

麻里「だってよくわかんなかったんですもん」

紀美「もう…。まあ今は落ち着いてるみたいだし、大丈夫そうね」



61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 19:11:01.53 ID:WwS/dQHL0

麻里「それより、ライブはどうでした?」

紀美「…えぇ、最高に盛り上がったよ、ね?」

ジェーン「あ、あぁ…。いやーあのライブ見れなかったなんてな…ははは…」

麻里「あーあ、先輩たちの最後のライブみたかったなぁ」ハァ



62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 19:15:16.03 ID:WwS/dQHL0

紀美「…まぁ卒業ライブもやるつもりだし、早く元気になんなさい」

麻里「はい!楽しみにしてます!」

麻里「ところで…さわ子先輩は…」

紀美「…そろそろ来るんじゃないかな。じゃあ私達先に帰ってるから」

麻里「はい…今日はすみませんでした…」

紀美「気にしなくていいのよ、それじゃあね」



63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 19:25:58.60 ID:WwS/dQHL0

ガチャ

バタン


紀美「まさかライブ出来なかったなんて言えないわね…」

ジェーン「あぁ、さわ子が過呼吸起こすとはね…」

紀美「きっと麻里も気にしちゃいそうだし…この事は黙っておきましょ」



64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 19:31:36.22 ID:WwS/dQHL0

さわ子「…」

紀美「あっ、さわ子!あんた大丈夫なの?」

さわ子「麻里の病室は?」

紀美「すぐそこよ…」

さわ子「…ありがとう、ごめんね…」

紀美「…何いってんのよ、シャキッとしなさい」

さわ子「…うん」



65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 19:35:08.11 ID:WwS/dQHL0

コンコンコンッ


麻里「はい、どうぞ」

ガチャ


さわ子「麻里…体は大丈夫なの?」

麻里「ごほっ、けほっ!あぁ…さわ子先輩…来てくれたんですね…」

麻里「私はもうダメみたいです…」トオイメー

さわ子「ちょっと何言ってんの!?」

麻里「最後にプリンいっぱいのプールで…泳ぎたかった…です…」ガクッ

さわ子「ちょっと麻里!」



66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 19:38:52.08 ID:WwS/dQHL0

麻里「クククっ、あははは!もー冗談ですよーせんぱぁい」ニヤニヤ

さわ子「…」

麻里「?…先輩?」

さわ子「バカ!こっちは本気で心配してんのよ!」ジワッ

麻里「っ!」ビクッ

麻里「…すみません…」



67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 19:42:02.86 ID:WwS/dQHL0

麻里「次は卒業ライブですか?」

麻里「次は私も一緒に演奏したいです!」

さわ子「じゃあ…はやく帰って来なさいよ」

麻里「はい!」



68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 19:49:59.31 ID:WwS/dQHL0

さわ子「それじゃ、お大事にね」

麻里「…先輩!」

さわ子「なあに?」

麻里「…」

麻里「なんでもありません!」ニコッ

さわ子「?へんな子ね」クスッ



69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 19:59:13.11 ID:WwS/dQHL0

ーーーーーーー

それから私たちは受験勉強が忙しく、麻里に会いには行ってあげれなかった。
たまにメールを送っては相変わらずくだらないやりとり。
今思うと、そんな日常が幸せだった気がする。


それから日は経ち今日は卒業式。

桜高生最後の春。

その日もよく晴れた、でも少し肌寒い日だった。

桜はまだほとんど蕾。

そんな中、突然の通り雨。

彼女の好きだった雨。

それは私達を送りだしてくれてるようだった。



70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 20:02:31.92 ID:WwS/dQHL0

そして彼女も一緒に…。

急性骨髄球性白血病。

彼女は小さな体で闘った。

しかし彼女は今日、静かに息を引き取った。

あまりにも短い人生だった。



71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 20:05:35.33 ID:WwS/dQHL0

ーーーーーーー


ジェーン「卒業式ってあんがい感動するもんなのね」グスン

ベラ「たしかに、中学ん時とはちょっと違ったかな」

紀美「そうね…まあ色々あったからじゃない?さ、このまま麻里んとこいきましょ。きっとあの子びっくりするわよ」

さわ子「ふふふっ、そうね。アポなしで驚かせてやるわ」



73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 20:08:42.73 ID:WwS/dQHL0

さわ子「さぁみんな行きましょ!」

一同「おー!」


信号は青。
私達はそれぞれの道を歩み始める。


さわ子「あっ、風船!」


 fin



77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 20:19:31.30 ID:WwS/dQHL0
ごめん、もうちょっとある。



~~~~~~


梓「先生、そんなことが…」グスン

さわ子「って言う話を考えた文芸部の友達がいてね~」

さわ子「学園祭で売り出したんだけど、全然だめだったのよ」ハァ

梓「…え?」

さわ子「やーね梓ちゃん、そんなドラマみたいな話ほんとにあるわけないでしょ」ケラケラ

梓「先生ひどいです!私の涙返せコノヤローです!!」

さわ子「まあまあ、なかなか感動的な話だったでしょ?」

梓「そういう問題じゃありません!」



78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 20:26:32.84 ID:WwS/dQHL0

ズズズッ

さわ子「ふぅ、でもなんだか久しぶりにゆっくりした気がするわ…甘美な大人の贅沢…かしら」クスッ

梓「何ですかそれ?」

さわ子「ふふふっ、梓ちゃんにもその内きっとわかるわよ」

梓「?はぁ…」



79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 20:31:56.89 ID:WwS/dQHL0

梓「あ、もうこんな時間!今日は予備校の日なのに」

さわ子「なら先に帰ってていいわよ。鍵は私が閉めておくから」

梓「すみません。じゃあお先に失礼します」


ガチャ

さわ子「あ、梓ちゃん」

梓「はい?」

さわ子「がんばんなさい」ニコッ

梓「?あ、ありがとうございます」


バタン



80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 20:42:34.28 ID:WwS/dQHL0

カチャ

ズズズッ


さわ子「…(あれからもう10年近くになるのね…)」カチャン

さわ子「あの頃は紅茶なんてただ苦いだけだと思ってたけど…」

さわ子「…まぁあんたにはきっとまだ苦いだけね」クスッ


81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 20:46:23.67 ID:WwS/dQHL0

さわ子「(これからもけいおん部を見守ってあげてね)」

さわ子「それじゃ…ばいばい」


ガチャ


バタン


 Λ
/ \
 ̄Т ̄
キ│マ
ャ│リ
サ││
リ│
ン│


On rainy day...
Mary and Cathy


おしまい



82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/15(日) 20:51:39.00 ID:WwS/dQHL0 [64/64]
今度こそ終わり。
なんかグダグダでゴメン。
最後に読んでくれた方々ありがとうございました。


コメント

コメントの投稿

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)