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( ^ω^)戦うようです

1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/28(日) 21:08:43.15 ID:gffdRPSj0
立つかな

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/28(日) 21:19:59.28 ID:gffdRPSj0
剣と剣が交差したり
拳で打ち合ったり
そんな大それた戦いなんてのは、無い

けれど、あの時、確かに僕は

戦っていたんだ

6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/28(日) 21:22:05.10 ID:gffdRPSj0






Case1:便意





8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/28(日) 21:28:40.47 ID:gffdRPSj0
ふぎぎ、だか
ぬぎぎ、だか

とにかく、僕は
凄い顔で唸っていたはずだ

(  ゚ω 。)ぬふううう…

何故って? 決まってる
もらしそうだったからっさ

しかも、通勤電車内でだ
これは我慢しないほうがおかしい

9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/28(日) 21:33:52.74 ID:gffdRPSj0
もれるもれるもれるもえる

頭の中は、便意で一杯だった
腸に詰まった排泄物が、少しの衝撃で
荒れ狂う津波のように撒き散らされる
そんな地獄を作り出したくは無かったから

僕だって、当時は他人を慮る気持ちくらいあった
今じゃ、見る影も無いけどね

(  ゚ω 。)あがががが…

とにかく、僕は頑張っていたんだよ

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/28(日) 21:39:27.09 ID:gffdRPSj0
だから、僕は堪えた
耐えようとした、我慢した
最寄の駅まで、後5分もないことが
僕の精神にいくらかの余裕を与えていたこともある

(  ゚ω 。)るうううぅぅ…

隣に立つ人が
僕を囲む乗客が
いくら奇異の目で見てきても
僕は、まだ耐えていたんだ
必死になってね

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/28(日) 21:43:27.07 ID:gffdRPSj0
がたん、と軽くゆれたときは
内臓がひっくり返りそうになったね
あれは、危なかった

(  ゚ω 。)はぁ…はぁ…

へたすると、少し出ていたかもしれない
まあ、今となっては確認しようが無いね
そんな些細なことは、遠い記憶の彼方へ行ってしまったよ
フルスロットルでね

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/28(日) 21:53:45.87 ID:7G9511js0
けれど、僕は耐え切った
それが、そんなことが

堪らなく、誇らしかった
たったそれだけの事なのに
とてつもない偉業を達成したかのように思えて

大声で叫びたくなったんだ

(  ゚ω 。)我慢しましたよ!

(  ゚ω 。)耐え切りましたよ!

ってね

今思うと、それだけ追い詰められていたんだろうね

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/28(日) 21:59:01.35 ID:7G9511js0
それでも僕は、叫ばなかった
否、叫べなかった

叫ぼうとすれば、たちまちに溢れてしまう
声帯の振動ですら、僕には凶器だったんだ

(  ゚ω 。)ううぅううぅ…

それでも、最寄り駅まで後3分を切っていたのだから
たいしたものだ、と我ながら思う
今なら、躊躇い無く漏らす自信があるよ


15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/28(日) 22:05:49.64 ID:7G9511js0
ぷすり
誰かが、すかしっ屁をかました
断じておこう、この時点でそれをしたのは
僕ではない

固形物を閉じ込めておきながら
ガスだけを排出するそんな高度なテクニックなんて
あいにくと、持ち合わせていないんだ
だから、断じて僕ではない

(  ゚ω 。)くううぁぁ…

しかし、それは
僕にとって、悪夢のようであった

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/28(日) 22:13:32.09 ID:7G9511js0
僕が我慢しているのに
その、知らない誰かが
そ知らぬ顔して、排出活動を行っている
そんな事実に
身勝手だと思うけれど
僕は怒りを抱いた

(  ゚ω 。)あぁぁぁああぁ

だけど、しかし
抱いたところで何になるんだ
わずかに残っていた冷静な僕がたしなめる

それよりも便意を我慢するべきだって

あれは、本当に助かった
たしなめられなければ、絶対
怒りに身を任せ
噴出していただろうからね


18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/28(日) 22:20:24.04 ID:7G9511js0
そうなれば、もう地獄すら生温いだろうね
密閉された空間の中で
だんだんと、迫り来る茶色い、それ
足首、膝、股間、腰、胸、首

どうだい、想像を絶する恐怖なんじゃないのかな

まあ、僕はなんとも無いんだけれど
それでも、馬鹿みたいに我慢していたさ

(  ゚ω 。)おぅふ…

あの時は恥らいなんてものを持っていたからね
今は捨て去ったよ
あんなもの、いらないさ

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/28(日) 22:31:51.89 ID:7G9511js0
時は平等に不平等だ
今まさに、生命を散らそうとしているもの
今まさに、便意をなんとか我慢しているもの

分け隔てなく、平等に不平等がのしかかる

(  ゚ω 。)…っふう

そんな残酷な時に、僕は踊らされ続けていたんだ
間抜けも間抜け、大間抜けさ

20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/28(日) 22:37:02.51 ID:7G9511js0
(  ゚ω 。)あがががががが

躍らせれていたとしても、あの時の僕ほど
輝いていたものはないと、断言しよう
それほどに、僕は素晴らしかった

(  ゚ω 。)まぁぁぁんぬ…

最寄駅まで1分を切った
僕は、負けない
負けられないんだ



21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/28(日) 22:40:57.66 ID:7G9511js0
ホームに滑り込む列車
もうそろそろだ
トイレまでは、もう距離も時間も
全ては手の内に……!

(  ゚ω 。)がまあまあま…

だが、まだだ
最後に、停車時のゆれが残っている
油断しては、駄目だ
駄目だったんだ
なのに

22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/28(日) 22:42:31.46 ID:7G9511js0





筆舌尽くしがたい音が響いた






23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/28(日) 22:46:41.04 ID:7G9511js0
同時に生み出される、異臭
聴覚に悪寒を訴える音と共に
吐き出されたそれは
車内に、阿鼻叫喚をもたらした

(  ゚ω 。)あぁあ…あああああああああ!!!!

限界だったさ
僕も、皆も
とめどなく溢れるそれに
釣られるのは、仕方なかったんだよ



24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/28(日) 22:52:43.18 ID:7G9511js0
釣られた、隣のOLが嘔吐し
座席に腰掛けていた青年に浴びせかければ
まじかで見ていた、僕の括約筋が緩み
液体と悪臭を放ち
周囲の乗客を巻き込んだ

(  ゚ω 。)――――――!!!!

声にならない悲鳴がそこかしこから爆発
地獄が地獄を呼ぶ、悪魔の連鎖反応



26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/28(日) 22:56:35.82 ID:7G9511js0
この場所が、世界中のどこよりも
悲しくて、寂しくて、憤っていて
辛い場所だって、思うほどに
悲鳴と怒号に満ちていたんだ

(  ;ω;)ああ、ああああああああ―――!!!!

だから

泣いて

泣いて

泣いて


笑った

27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/28(日) 23:02:30.33 ID:7G9511js0
まあ、結局、僕は負けてしまった訳なんだがね
あそこで負けてよかったと思っているよ

何せ、自分を――ああ、別にいいか
こんなことは

どうしても気になるなら
君が自分自身で、考え見つけ出してくれ

僕が戦った物と、その理由を


Case1:便意  終



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