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結標「もうやだこの仕事」一方通行「……はァ?」
2 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/30(水) 10:36:16.53 ID:0HzvKx.o [2/25]
一方「オマエ、え、何、はァ? 何言ってんだ?」
結標「正直もううんざりなのよ、殺したり殺されそうになったりって」
一方「いや、分からねェでもねェけどよ、それを言っちゃァおしまいだろォが」
結標「私だってまだ高校生よ!? それがこれ、どこの漫画かゲームの話よ!」
一方「それこそ言っちゃおしまいだろォ!?」
一方「オマエ、え、何、はァ? 何言ってんだ?」
結標「正直もううんざりなのよ、殺したり殺されそうになったりって」
一方「いや、分からねェでもねェけどよ、それを言っちゃァおしまいだろォが」
結標「私だってまだ高校生よ!? それがこれ、どこの漫画かゲームの話よ!」
一方「それこそ言っちゃおしまいだろォ!?」
4 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/30(水) 10:43:49.33 ID:0HzvKx.o [3/25]
結標「ここどこか知ってる!? 学園都市よ!? 学園! 『学園』! 行ってないっつーのおおお!!」
一方「……もしかしてオマエ、要はアレか。平和ボケしたいのか」
結標「そうよ悪い!? 私だって青春とかしたいのよ!」
一方「全部身から出た錆だろ」
結標「そうだけど! でも土御門とか平気で学校行ってるじゃない!」
土御門「俺別に何か悪い事した訳じゃねーしな」
結標「ぐっ……」
5 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 11:03:47.00 ID:0HzvKx.o
土御門「あーもしもしー俺ー。今いいー?」
結標「ちくしょう……青春っぽい事しやがって……!」
一方「うわーオマエなンかもう色々やばい気がする」
結標「僻みよ! 妬みよ! 悪い!? 羨ましいのよ!」
一方「オマエ一度病院行け。ぜってェ疲れてるって。いい医者紹介してやるから」
結標「うわぁ哀れまれた! よりによって一方通行に!」
一方「おーい土御門ー、冥土帰しに急患だって連絡してくれー」
土御門「いやー話が通じて助かるぜい。ありがとにゃー」
一方「海原ー」
海原「自分で電話するって選択肢はないんですか」
一方「やだよめンどくせェ。アイツいちいち体調管理がどうのこうのってうるせェンだよ」
海原「見るからに体弱そうですもんねえ」
7 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 11:11:15.66 ID:0HzvKx.o
海原「はいはい分かりましたよ。分かりましたからそんな顔で睨まないで下さい」
土御門「んじゃそゆことでー。じゃあにゃー……はい海原ストップー」
海原「なんですか?」
土御門「結標、仕事」
結標「もぉやぁだー! 働きたくないでござるー!」
海原「うわぁ……」
一方「うわァ……」
8 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 11:28:09.24 ID:0HzvKx.o
土御門「まぁ聞けって」
結標「やーだー!」
土御門「いいから聞けって阿呆」
結標「ううう……何よ……」
土御門「高校、行け」
結標「………………え?」
土御門「仕事。潜入。ターゲットの監視と護衛な」
結標「…………土御門ー!!」
土御門「あーでもその前にコイツ一度病院放り込んだほうがいいかもしれねえ」
10 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 11:33:03.62 ID:0HzvKx.o
結標「……オーケー、大丈夫よ。落ち着いたわ」
一方「勘弁してくれ。心臓に悪い……」
結標「で! で!? どこの高校!?」
土御門「うち」
結標「……はい?」
土御門「よろしくな、クラスメイト」
結標「……」
土御門「なんだよそのめちゃくちゃ嫌そうな顔は! 人がせっかく根回ししてやったってのに!」
一方「って事は、監視と護衛の対象ってのは」
土御門「上条当麻」
海原「ビクッ」
11 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 11:37:37.53 ID:0HzvKx.o
土御門「あとオマエも一緒な」
一方「……はァ?」
土御門「海原は留守番な」
海原「……」
一方「ちょっと待て。俺が学校だァ? おいオマエさっきの電話誰にしてたんだよ」
土御門「理事長」
一方「……はい?」
土御門「アレイスター」
一方「」
結標「」
海原「」
12 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 11:48:47.18 ID:0HzvKx.o
月詠「そんな訳でまた転校生でーす。なんでうちのクラスばっかりなのかは先生も知りませーん。上の人に効いてくださいー」
青髪「おにゃのこきたああああ!」
結標「む、結標淡希よっ」
一方「…………鈴科だ」
上条「不幸だ。これはさすがに死んだか」
27 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 18:52:33.50 ID:0HzvKx.o
月詠「それじゃあ二人の席は一番後ろに用意してますですよ」
結標「いわゆる不良の特等席ね……」
一方「……センセー」
月詠「はいなんですか鈴科ちゃん」
一方「鈴科、ちゃン……うわァ寒気が」
月詠「ダメですか?」
一方「いやもォどォでもいいけどよ……ボクら教科書とかまだないンでー、隣の人がいた方がいいなーとか思ったりィ?」
月詠「そうなんですか!? 困りましたね、どうしましょう」
一方「知り合いがァ、一人いるンでェ、そいつに見せてもらってもいいですかァ?」
月詠「お友達ですか?」
一方「(勝手に変換してンじゃねェよ……)」
月詠「ええと、どの子ですか?」
一方「お願いしてもいいかなァ、上条当麻くゥン?」
上条「終わった。俺の学園生活もとい人生が終わった。できればあの世でくらい青春を謳歌したい」
青髪「それもこないだ終わったで?」
29 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 19:12:29.04 ID:0HzvKx.o
システムメッセージ:上条さんは旧クラスメイトの群れの中から強制射出されました
システムメッセージ:上条さんは新クラスメイトで詩的な表現をすると両手に花です
上条「せめて遺書残す時間くらいくれないか」
一方「別に取って食おうなンてつもりはねェよ阿呆」
上条「……ほんと?」
一方「あァなンだか無性に殴りてェコイツ」
月詠「はーい、それじゃホームルーム終わりー、あーんどこのまま理科行きますよー」
結標「え、ええと、上条君……? 教科書見せてもらってもいいかしら」
上条「姐さんどうぞお使いくださいっ!」
結標「え? あ、ありがとう……」
一方「コイツいつからこンなに卑屈になった」
31 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 19:31:04.33 ID:0HzvKx.o
一方「……、……」
結標「あなたは教科書見なくていいの?」
一方「馬鹿にすンな。熱力学なンて基本中の基本じゃねェか」
結標「私も物理は大体いけるわね……せめて生物か地学だったら面白みがあるのに」
上条「あれ? もしかして教科書とかいらなくねえ?」
一方「あンなの建て前に決まってンじゃねェか」
上条「不幸だいや理不尽だあああっ!?」
月詠「上条ちゃんうるさいですよ授業中は静かにしなさーい!」
32 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 19:57:54.23 ID:0HzvKx.o
月詠「まず第一法則ですが、これは――」
一方「かったりィ……」
月詠「第三法則はこれらの法則によって導き出されるものであって、決して証明できない悪魔の証明のような――」
土御門「黙々……」
月詠「悪魔といえば第二法則にはマクスウェルの悪魔というのがありまして――」
青髪「次期アニメに向けて予習せなあかんなー。ラノベ読むのは時間掛かるけどその分愛が育めていいなー」
月詠「ここで出てくる永久機関というのは事実上実現不可能であり――」
結標「……あれ? これ、青春……?」
34 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 20:15:15.71 ID:0HzvKx.o
一方「……なンだよ、ンなクソみてェな面向けて」
結標「なんか違う……」
一方「はァ? オマエがやりてェっつった事じゃねェのかよ」
結標「ええと、私の予想ではもうちょっとこう……ねぇ?」
一方「俺に同意を求めるンじゃねェよ。『ちょっと』、『こう』で分かるかボケ」
結標「うー」
一方「くっそだりィ……」
41 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 21:43:43.97 ID:0HzvKx.o
上条「うー」
結標「……あなたも何を唸ってるの」
上条「……ダメだ」
結標「はい?」
上条「ダメだ。全然ダメ。まったく、これっぽっちも」
結標「何が?」
上条「わっかんねー」
結標「……これ基本中の基本よ?」
上条「ぐっ」
結標「理論の理解ができないと物理なんてやってらんないわよ。数式を頭に詰め込むならまだしも」
上条「そっちの方が楽そうだな……」
42 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 21:51:54.76 ID:0HzvKx.o
結標「ただそれをやると応用できなくなるけれどね。……って事はあなた、物理系の能力者じゃないのね」
上条「俺があ? はは、前にどこにいたのか知らないけどこの学校無能力者とかザラだからなー、俺とか。いわゆる底辺だぜ」
結標「へ?」
上条「はい?」
結標「……ねえ。大能力者、この学校何人いるの?」
上条「いたかなぁ……」
結標「」
43 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 22:02:54.44 ID:0HzvKx.o
上条「って事はオマエ、結構強度高い?」
結標「い、一応……」
上条「へー。どんな?」
結標「……」
ちらっ
一方「(´゜皿゜`#)」
結標「ビクッ」
上条「どうした?」
アポート
結標「え、っと、3……くらい。『手中移動』」
上条「おー、空間移動系か。レアじゃん」
結標「そうかしら……?」
上条「ああ。俺も知り合いに一人いるんだけどさ、空間移動能力者。他に見たことねーもん」
結標「あら、この学校にもいるの?」
上条「いねえいねえ。他校だよ。同じ学校になってたまるか……」
結標「?」
46 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 22:26:36.16 ID:0HzvKx.o
月詠「こらそこー、ちゃんと先生の話聞いてますかー? ここテスト出ますよー?」
青髪「つーたかて今授業内容外れに外れてタバコの話しとったやん。僕らまだ未成年やでー。テストに出すなら二十歳超えてからにせな」
月詠「あ、揚げ足を取らないでくださいっ。そんな事言ってると本当に出しちゃいますよ!?」
土御門「あーあー、未成年にタバコの素晴らしさ語っちゃってー。その上テストにまで出したら問題ですにゃー」
一同『(どっ)』
月詠「こ、こほん。まあ結標ちゃんは転校初日ですから仲良くなるのはいい事ですよ? ですがっ! 二人とも学生の本分を忘れることなく……」
キーンコーンカーンコーン
月詠「ああああ」
青髪「はいさ、きりーつ、れーい、ありがとうございましたー」
一同『ありがとうございましたー』
月詠「勝手に終わらせないで下さいー!」
48 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 23:02:58.02 ID:0HzvKx.o
月詠「もー、結標ちゃんってば先生の話が右から左になるほど夢中になるなんて、一体なんの話してたんですかー」
結標「えーと……」
上条「ちょっと能力の話してて。コイツ強能力者だっていうじゃん」
一同『な、なんだってー!?』
結標「強能力者でこの反応……!?」
姫神「また私の影が薄く……。転校生キャラだけじゃ日常に埋もれてしまうのに。吸血鬼とか出てこないし」
上条「あー、そういえば前どこの学校いたんだ?」
結標「え? あー……」
ちらっ
一方「(--#) 」
結標「(えーと……これは……、……大丈夫、かしら?)」
52 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 23:14:37.25 ID:0HzvKx.o
結標「霧ヶ丘だけど……」
一同『な、なんだってー!?』
結標「ビクッ」
月詠「せ、先生も初耳ですよー!?」
結標「え? あれ? 言ってなかったかしら?」
月詠「聞いてませんよー!?」
姫神「………………。あ。どこかで見たと思ったら」
吹寄「どうしたの?」
姫神「…………結標。…………先輩?」
結標「え」
土御門「あ」
一同『な、なんだってー!?』
53 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 23:32:21.18 ID:0HzvKx.o
上条「えええオマエ年上かよ先輩かよダブりかよっ!」
結標「失礼ね!?」
吹寄「そ、そこのところどうなの姫神さん!?」
姫神「よく知らない。何度か見かけたくらい。……私高校入ってすぐ軟禁されてたから。ふふ。みんな忘れてるだろうけど」
吹寄「南京? カボチャは健康にいいわね。……?」
結標「ええっと、ちょっと留学してたんだけど、そっちでトラブって、単位が足りなくなって……追い出されたり、とか、って……」
ちらっ
土御門「(´゜Д゜`#)」
結標「(あ、あとが怖い……)」
56 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 23:42:22.55 ID:0HzvKx.o
上条「……うん、まあ、なんだ。色々あるよな。俺も他人事とは思えないし」
結標「か、上条君……」
上条「ま、こうして同じクラスになったのも何かの縁だ。挨拶が遅れたけどよろしくな」
結標「う、うん! こちらこそ――」
上条「――結標先輩」
結標「」
57 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 23:49:58.24 ID:0HzvKx.o
吹寄「せ、先輩!? ええと、よろしくお願いします!」
結標「」
青髪「僕ぁ年上でもまったく構へんからね、結標先輩っ!」
結標「」
土御門「……あとでちょっとお話いいかにゃー、結標先輩?」
結標「」
姫神「結標先輩……。畜生。もう。私は背景として生きるしか」
結標「」
一方「……まァ、その、なンだ。頑張れ、強く生きろ、結標先輩」
結標「」
71 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 22:44:13.72 ID:BSdJXxso [2/9]
結標「いじめよ……これもういじめよね……」
上条「だーからー、悪かったってー」
結標「あなたのせいで私のあだ名が先輩になったじゃない! なんか凄い恥辱なんだけど! 慰謝料取るわよ!」
上条「すみませんマジ勘弁してください」
結標「ううう……」
72 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 22:48:43.61 ID:BSdJXxso [3/9]
姫神「……。あの」
結標「……何よ」
姫神「ごめんなさい。黙っていればよかったのに。余計な事を」
結標「別にいいわよ。そのうちばれてもおかしくはないし」
姫神「……それと」
結標「今度は何?」
姫神「結標。さん。でいいですか。呼び方」
結標「……」
姫神「クラスメイトを先輩って呼ぶのも。おかしいし」
結標「……うん。構わないわよ」
73 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 22:56:01.74 ID:BSdJXxso [4/9]
結標「あとついでに敬語じゃなくても結構」
結標「クラスメイトに敬語っていうのも、なんかおかしいじゃない?」
姫神「――うん。分かった」
青髪「おーい、そんなとこで何やっとんー? 始めるでー」
結標「あ、……えーと」
青髪「ほらほら、あわきんも遠慮せんとはよおいでぇ」
結標「あ、あわきん!?」
青髪「ん? あかんかった? 先輩ーじゃなんかなーと思ぉて」
結標「……まあ別に、いいけど」
吹寄「はい、結標さんの分」
結標「あ、りがと」
吹寄「いえいえ」
結標「……あは」
74 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 22:57:28.77 ID:BSdJXxso [5/9]
上条「だってさ?」
結標「うん」
上条「ほら、始めようぜ結標」
結標「……あのね、上条君」
上条「ん?」
結標「元はといえばあなたが現況でしょうが何を綺麗にまとめようとしてるのよおおおっ!!」
土御門「ああ……結標もカミやん病の餌食になりそうな気がするぜぃ……」
76 名前:また誤字ったのぜ……[saga] 投稿日:2010/07/01(木) 23:13:20.30 ID:BSdJXxso [6/9]
一方「……」
上条「どうしたーアクセ……鈴科ー。そんな寂しそうな目で見るなよ」
一方「眼科か精神科に行け。いい医者紹介してやろォか」
上条「生憎医者は間に合ってる」
一方「そォか、もっとストレートに言った方がいいか。死ね」
上条「……なぁ」
一方「ンだよ話しかけるなクソだりィ」
上条「オマエ、いきなり転校とかどうなってんだ」
一方「……」
上条「なんかさっきからオマエの態度も妙だし、結標も関係あるんだろ」
一方「……チッ」
上条「何があったんだ」
80 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/07/01(木) 23:22:37.99 ID:BSdJXxso [7/9]
一方「あァクソ、だりィ。今すぐ帰りてェ」
上条「教えろよ。事と次第によっちゃ助けになれるかもしれない」
一方「……オマエ、本当にお気楽だなァ」
上条「は?」
一方「別にキナ臭ェ事はねェよ」
上条「そうなのか?」
一方「結標がな、アイツ俺の遠縁なンだが、色々、体とか悪くてなァ……俺はまァ、お目付け役って事だ」
上条「……親戚?」
一方「はとこ」
上条「まじ?」
一方「嘘ついてどォすンだよ」
上条「……そっか」
一方「だから俺の事は気にするンじゃねェ。鬱陶しい。オラさっさと行け」
上条「オマエ、授業は」
一方「だりィ。風邪。熱がある」
上条「さすがにそれは嘘だって分かるぞ」
一方「そォいう事にしとけ気がきかねェなァ」
82 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/07/01(木) 23:28:55.98 ID:BSdJXxso [8/9]
結標「…………ねえ」
一方「なンだよ」
結標「私、いつからあなたの血縁になったのかしら」
一方「42秒前」
結標「人類皆兄弟も狙えるわね」
一方「真っ平ごめンだな。気持ちわりィ」
結標「そっけないわね。モテないわよ」
一方「うるせェ。黙れ。フォローしてやったんだ。感謝しろ」
結標「そうね、ありがと」
一方「礼はいいからさっさと行けよ。だりィ」
83 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/07/01(木) 23:40:19.06 ID:BSdJXxso [9/9]
青髪「あわきんー、何やっとんー。始まるでー」
結標「ごめんなさい、今行くわ……ほら、あなたも」
一方「仲良しこよしなンか馬鹿らしくてやってられるか」
結標「あなたはそうでも、あっちは許してくれなさそうだけど?」
一方「あァ?」
吹寄「こっちのチーム男子一人少なくない?」
姫神「まだ。あそこに一人残ってる」
吹寄「あ、えーと、鈴科君ー? こっち入ってー」
結標「ご指名よ?」
一方「…………めンどくせェったらありゃしねェ」
86 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/07/02(金) 00:07:43.76 ID:r8TSixgo [1/12]
上条「よし! アク、鈴科! パース!」
一方「……」
上条「動けよ! チームプレイに貢献しろよ」
一方「あァ、まァ少しくらいはしてやらねェ事もねェが、オマエは別だ」
上条「はぁ!?」
姫神「鈴科君。お願い」
一方「あいよォ、っと。ホラ、あと頑張れェ」
吹寄「いい場所っ! シューッ!」
青髪「ぬおおおっ吹寄の愛は僕が受け止めるーっ!」
結標「ナイスよキーパー!」
上条「あー止められた」
姫神「むぅ。言動はさておき。彼がキーパーだとやり辛い」
87 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/07/02(金) 00:10:15.01 ID:r8TSixgo [2/12]
吹寄「気持ち悪い事言うな死ねぇっ!」
青髪「がごぼっ!?」
上条「……吹寄ー、それはボールじゃないぞー。クラスメイトの頭部だぞー」
吹寄「ほら、よく言うじゃない。『ボールは友達』よ」
上条「」
結標「」
一方「……アイツ気絶してるけどいいのか?」
姫神「大丈夫。いつもの事」
土御門「ああ、いつのまにか一方通行までアホのペースに……」
100 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 01:04:16.97 ID:70qcVOY0 [1/3]
あわきデレデレ
107 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/07/02(金) 02:30:17.92 ID:r8TSixgo [4/12]
上条「あー、つっかれたー」
吹寄「しかしいい感じに泥仕合だったわね。5:5とか、野球か! って」
青髪「あー、腹減ったねー。体育の後ってどうしてこーも腹減るんやろ」
結標「復活早いわね、あなた……」
姫神「さて。ふふふ。私の時間がやってきた」
上条「弁当奉行だー! 弁当奉行のおなーりー!」
姫神「我を崇めよ」
結標「…………あれ?」
上条「ん? どうした?」
結標「学食ないの?」
上条「あるけどさ、うちの学食狭いからこの時間もう満席だぜ? 4時間目が体育の時は弁当かパンかだな」
結標「」
108 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/07/02(金) 02:36:39.82 ID:r8TSixgo [5/12]
一方「だりィ……」
一方「なンで俺なンだよ……パンくらい自分で買いに行けタコ」
一方「いや、ジャンケンで負けたけどよォ……」
一方「だからなンで俺がジャンケンしなきゃならねェンだよォ!」
一方「購買は、こっちかァ?」
一方「……」
一方「……」
一方「……、うわァ……」
一方「なンだよこの餌に集る鯉の群れみたいなのはァ……」
一方「入りたくねェ……」
一方「……」
一方「……」
一方「……」
一方「あァ分かった分かったよォ!」
一方「買ってってやればいいンだろォがクソッタレ!」
109 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/07/02(金) 03:08:18.04 ID:r8TSixgo [6/12]
一方「ほらよ」
どさどさどさ
結標「……さすがにこの量は食べきれないと思うのだけれど」
一方「残せばいい。俺が食う。ホラ、欲しけりゃ食え」
上条「え? マジ? いいの?」
一方「オマエは呼んでねェよ」
結標「あ、パンのお金」
一方「いらねェ。つーか覚えてねェ」
結標「……あ、ありがと、?」
一方「なンで疑問系なンだよ」
110 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/07/02(金) 03:22:28.50 ID:r8TSixgo [7/12]
吹寄「うわぁ気前いい……というか経済力の違い?」
姫神「鈴科君。お金持ち」
一方「……まァ、ちょっと色々と、研究の手伝いとかな」
吹寄「研究?」
一方「……電子演算技術、とか」
吹寄「……ちなみに、前の学校は?」
一方「長点上機」
青髪「なん……やて……」
姫神「何か。レアスキル系?」
一方「……いや、大気操作系。レベル2」
吹寄「じゃあやっぱり何か専門分野とか……?」
一方「あンまり聞くな」
吹寄「あ、ごめんなさい……」
結標「……ねえ、えーと、鈴科」
一方「あン?」
結標「食べましょう? ほら、あなたが買ってきてくれたんだし」
一方「……チッ、めンどくせェなァ……」
125 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/02(金) 23:24:03.31 ID:aQgo1IIo
居酒屋
136 名前:予告的な何か[saga] 投稿日:2010/07/03(土) 02:48:44.58 ID:hB145S6o [2/8]
――十月九日。
その日、学園都市から二人の超能力者と、一人の無能力者が姿を消した。
「どういうつもりだ、オマエ」
「グループ、抜けさせていただきます」
歯車は狂う。
「なぁ……なんかおかしくねぇ?」
「そーお? 目障りなのがいなくなって清々してるんだけど」
世界は狂う。
「ミサカは――ミサカ、は――ミサ――」
「ミサカ……さん?」
物語は狂う。
「クソッ、チクショウ! 一体どうなってやがる!」
「よう、久し振りだな。ウジムシ野郎」
幻想が、狂う。
「わたくし、お姉様のお側にいると決めておりますので」
「――ごめん」
いくつもの想いが交錯するとき、物語は始まり、そして終わる。
「――行くわよ、幻想殺し」
ヒ ー ロ ー
この物語に、幻想殺しの少年は登場しない――。
146 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/07/03(土) 22:15:21.27 ID:hB145S6o [4/8]
一方「なンで俺まで……」
結標「いいじゃない。みんながせっかく誘ってくれてるんだし、転入生の歓迎会っていうならあなたも対象でしょ」
一方「馴れ合うつもりはねェよ。オマエと一緒にするンじゃねェ」
結標「それにしては結構サッカーとか楽しんでた気がするけど?」
一方「ありゃ授業だからな。放課後は別だろ」
結標「まあそう言わず少しくらい付き合いなさいよ」
一方「はァ……かったりィ」
上条「なんだかんだ言って結局は付き合うんだよな……」
一方「あァン? なンか言ったかおィ」
上条「なんでもねーです、なんでもねーですからそんな顔でこっちに詰め寄らないで怖ええよ!」
147 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/07/03(土) 22:39:55.85 ID:hB145S6o [5/8]
青髪「ついたでー」
結標「へー、こんなのあったんだ」
吹寄「できたのは秋ごろだっけ? 私も二、三回ひっぱられて来たくらいだし」
姫神「大覇星祭の打ち上げ。ここでやった」
青髪「大きくゲーセンと、カラオケと、ボーリングとかビリヤードとかのブースやね。あとファミレスがいくらか」
青髪「一日くらいは潰せるしわりとリーズナブルやね。近場に映画館もあるし最近のデートはここやねー」
吹寄「おい貴様からなぜそんな単語が出てくる」
青髪「僕舐めてもらったら困るで? 僕かてな、デートコースくらい見んのや」
姫神「それで。相手は?」
青髪「姫神ちゃん今度一緒にきーへん?」
姫神「それは。ちょっと」
青髪「絶望した! やっぱり非情な現実に絶望したあああっ!! 僕の嫁はやっぱりこっちなんか!!」
土御門「こんなリア充の巣窟っぽいところにすれ違い通信するような奴はいねーと思うけどにゃー」
148 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/07/03(土) 23:12:04.07 ID:hB145S6o [6/8]
土御門「まあ、無難だよなぁ」
青髪「さーて何いくかねー」
吹寄「ソイツにマイクを握らせるなあああっ!」
青髪「なんでやー!?」
吹寄「アニソンしか歌わないじゃない!」
青髪「失礼な! ちゃんとゲーソンも入れるで! あとニコニk」
姫神「どれも同じだと思う」
上条「待て待て。ここは新入りに先陣を切ってもらおう。ほれ」
一方「……はァ?」
上条「鈴科さんの美声が聞ける機会なんてめったにないっすから」
土御門「よっ、大将待ってましたーっ!」
一方「オマエらァ……」
結標「いいじゃない。どうせ歌う事になるんだし」
一方「クソ、カラオケなンかそうそう来ねェってのに……」
152 名前:ここからはやらねーよ。別スレの話だよ[saga] 投稿日:2010/07/03(土) 23:32:20.26 ID:hB145S6o [7/8]
一方「――オラ、次オマエだろ」
結標「……なんていうか」
吹寄「選曲が卑怯というか」
姫神「王道。名曲。知名度高し。でも自己主張してる。かつ上手い」
青髪「これが……リア充という奴か……!」
上条「くそっ、女子の評価が高すぎる!」
土御門「ジョン・レノンとはまたど真ん中を……しかし中々上手いトコ突いてくるじゃにゃーですか」
姫神「上条君。喧嘩売られてるよ」
上条「あ、やっぱり……?」
153 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/07/03(土) 23:56:26.76 ID:hB145S6o [8/8]
青髪「キャラソン持ちめ……クソっ、クソっ!」
吹寄「二期が来たら貰えるかなあ……」
姫神「大丈夫。私でもあったから」
上条「それはちょっと自虐が過ぎやしないか……?」
一方「めンどくせェ。いらねェ」
結標「どうせあなた、カップリング相手はあの子じゃないの」
一方「出るのは確定なのか……」
上条「出ないのか?」
結標「出るわよねぇ。私は多分ないけど」
上条「いや待て。もしかしたらもしかするかもしれないぞ……?」
結標「そんな甘い言葉で淡い希望を持たせないで!」
土御門「(……出るとしたらカップリング相手は海原か青髪ピアスしかいない俺はどうすれば)」
155 名前:ダメだカラオケはネタが続かない。というか前のを全力でやりすぎた[saga] 投稿日:2010/07/04(日) 00:13:08.71 ID:upNoE9co [1/31]
結標「せっかくだからチーム戦にしましょう。アベレージで負けたほうが夕飯オゴリって事で」
姫神「どう分かれるの?」
青髪「二人は別チームとして、あとは男女分かれてグッパ?」
上条「りょーかい」
結標「あ、こっちも決めないとだめよね」
一方「なンでこンなしちめんどくせェ事しなきゃならねェンだよ……」
結標「細かい事グチグチ言うんじゃないの。ほら」
一方「ったく……しゃァねェなァ。せーの、ぐっちっぱ」
結標「……ええと、どこから突っ込んだらいいかしら?」
一方「おら、パーは誰だ」
上条「(;´Д`)」
一方「(´゜Д゜` )」
吹寄「ヽ(`Д´#)ノ」
157 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/07/04(日) 00:25:53.39 ID:upNoE9co [2/31]
上条「ぎゃあああああまたスネークアイかよおおお」
吹寄「そこそこ上手いのにどうしてこう変な形に残すかな貴様は」
一方「運も実力の内ってかァ? ほら、よっ」
青髪「おー鈴科もやるんねぇ。僕も少しはいい格好見せなあかんなー、っどりゃー!」
姫神「重い……」
結標「もう少し軽いのを選んだら? さすがに14ポンドはあなたには重過ぎると思うんだけど」
姫神「こっちの方が。破壊力が」
土御門「基準点がそこですかぃ……」
158 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/07/04(日) 00:36:12.94 ID:upNoE9co [3/31]
結標「タダメシは美味しいわー」
吹寄「どう考えても敗因は貴様」
上条「オマエの方がアベレージ低いじゃねえか!」
吹寄「女子に責任を押し付ける気?」
上条「男女差別だあああっ!?」
青髪「おねーさーん、マルゲリータ追加でー」
一方「はァ……」
姫神「鈴科君、菜食主義?」
一方「胃にもたれるンだよ」
土御門「男なら肉食え! 肉!」
上条「テメ土御門! 人の金だと思って遠慮なくステーキ食ってんじゃねえよ!」
土御門「資本主義ばんざーい。世の中弱肉強食だにゃー」
159 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/07/04(日) 00:43:30.27 ID:upNoE9co [4/31]
上条「はぁ……財布のダメージが深刻です……」
吹寄「どうする? ゲームセンター行く?」
姫神「このままここで駄弁るというのも」
結標「ゲーセンは好みが分かれるわねえ……」
青髪「……ふむ」
土御門「ん?」
青髪「なぁ、転校生二人」
一方「あン?」
結標「何かしら?」
青髪「ひとつガチで勝負せーへん?」
一方「ボーリングはもォいいだろ」
上条「お、アレっすか」
青髪「いぇーっす、ざっつらいー」
結標「アレ?」
160 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/07/04(日) 00:51:53.08 ID:upNoE9co [5/31]
青髪「ビ・リ・ヤ・ア・ド」
結標「え? 私やったことないわよ? あなたは?」
一方「あるわけねェだろ」
上条「お、条件対等?」
青髪「明日の昼飯でも賭ける?」
吹寄「賭けっ……まさかいつもやってるっての!?」
上条「いやっ、あの、たまーにですよ、たまーに。ジュースとか」
姫神「宿題の代筆とかも。たまーに」
上条「あ、馬鹿」
吹寄「……貴様ら」
青髪「ちょっ、自分も夕飯ボーリングで賭けたやん!?」
吹寄「なんで私も呼ばないのよ!」
土御門「ああ、最後の砦が陥落した……」
161 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/07/04(日) 01:10:47.77 ID:upNoE9co [6/31]
青髪「じゃあ簡単なのでナインボール。1番から順番にポケットに落とすんな。9番落としたら勝ち」
青髪「ショットするときは最初は一番番号の若い球に当てる事。そいつをポケットに落とせばターン続投。失敗したら交代」
青髪「あと別に狙った奴意外を落としてもええでー。ただしいきなり9番直接狙うのはなしなー」
土御門「もっと細かいルールはWikipedia先生にでも聞いてくれぃ」
吹寄「やけに詳しいわね……」
青髪「モテると思おて!」
姫神「口を開かなければ。それなりの線はいくと思うのだけど」
上条「しぃっ……! コイツにそれは教えちゃダメだ……!」
162 名前:おっとごめん。「9番を直接手球で狙うのはなし」という意味。初手から9番を間接的に落とすのはアリ[saga] 投稿日:2010/07/04(日) 01:26:12.19 ID:upNoE9co [7/31]
上条「せっかくだから先攻後攻も球で決めるか」
一方「あァ? ジャンケンでいいだろォ」
姫神「郷に入っては。郷に従え」
結標「どうやるの?」
上条「こっからお互いに反対側に突いて、跳ね返して、手前のクッションに球が近いほうが選べる」
結標「単純だけど難しいわね……どれくらいの力でどの程度動くのか見ていいかしら?」
一方「お好きにィ」
結標「んじゃ遠慮なく……よっ」
カキッ
結標「ふうん……? まあ、なんとかなるかしら?」
カコッ
青髪「おー、真っ直ぐ飛ぶやん。あわきん才能あるんちゃう?」
結標「そうかしら。ありがと」
一方「…………」
163 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/07/04(日) 01:32:03.41 ID:upNoE9co [8/31]
青髪「三本先取なー」
上条「結標! 結標に張る!」
土御門「じゃあ俺はアク……鈴科に賭けるかにゃー」
姫神「じゃあ。私も結標さん」
吹寄「ボーリングも上手かったし鈴科君に賭けるしかないわね」
青髪「あわきんー! 頑張ってぇなー!」
165 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/07/04(日) 01:35:53.22 ID:upNoE9co [9/31]
一方「外野がうるせェ……」
結標「あら、オーディエンスは大事よ? やる気が出てくるもの」
一方「やけに張り切ってるじゃねェか」
結標「張り切るわよ。なんたって、私がやりたかったのはこういうのなんだから」
一方「そォかい。そりゃよかったな」
結標「……あなたは、こういうの嫌いかしら?」
一方「くっだらねェ」
結標「とは言うけれど妙なプレッシャーを感じるのだけれど?」
一方「こンなチャチなゲームでもな、オマエに負けるのが気に入らねェだけだ」
166 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/07/04(日) 01:39:50.55 ID:upNoE9co [10/31]
結標「……ねえ」
一方「なンだよ」
結標「私たちも、何か賭ける?」
一方「何をだよ」
結標「負けた方が勝った方に、明日お弁当作ってくるってのはどうかしら?」
一方「それ俺になンのメリットがあるンだよ」
結標「女の子の手作りのお弁当、食べたくない?」
一方「どォでもいい」
結標「つれないわね。それとも怖気付いたのかしら」
一方「やっすい挑発だなァ……まァいい。乗ってやるよ」
結標「能力、なしね」
一方「上等じゃねェか」
――――カツッ
168 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/07/04(日) 01:53:27.42 ID:upNoE9co [11/31]
上条「……」
土御門「……」
姫神「……これは」
結標「――残念。どうぞ」
青髪「おいおいおいおい、本当に二人とも初心者なん!?」
吹寄「え、だって、二人ともほとんどゼロ距離よ!?」
一方「先攻、行くぜ」
――ガパキィッ!
一方「……ッチ、一番」
パキャッ――コォン――
一方「二番」
カッ――ゴォン
一方「……四番」
カッ、コッ、キン――コ、コォン
一方「六番落としたから次は八でいいンだよなァ?」
青髪「あ、ああ、せやで」
一方「…………」
カッ、ココッ――
一方「チッ、欲張りすぎたか」
結標「とりあえず八番落とせばいいのよね」
――カッ、カコォン
結標「……この辺かしら?」
カツッ――――、――コン
170 名前:三番、五番、七番は初手のブレイクで落ちました[saga] 投稿日:2010/07/04(日) 02:02:32.61 ID:upNoE9co [12/31]
結標「悪いわね。ご馳走様」
一方「次、オマエが先だな」
吹寄「え、ちょっと、あなたたち本当に初めて!?」
一方「まァ力の入れ方と反射角とかは専門だしなァ」
結標「空間把握と物体移動なら得意よ」
上条「ああ、そうか……」
土御門「おいカミやん、これはちぃと面白くねえかい?」
青髪「やっべ、ワクワクしてきたでぇ……!」
171 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/07/04(日) 02:13:16.02 ID:upNoE9co [13/31]
結標(さっきは運がよかったけど……今度手番を渡したら一気に詰められる)
結標(一個ずつ丁寧に、確実に落としていく……!)
結標「次、四番」
カキャッ――コトン
結標「五番」
カキッ――コン、カタン
上条「げ」
青髪「あー、手球をポケットに落としてもーたらファウルや」
結標「くっ……」
一方「おい、どこから始めりゃいいンだ」
青髪「手球好きなとこにどーぞ」
一方「はン。そォかい」
カッ、ゴッ。ガキッ、ゴトン。キンッ、ガタン
一方「ラストォ」
コッ――コォン
一方「悪いなァ、ごちそォさまァ」
結標「っ……」
173 名前:演出上の都合。そして実は俺自身あんまりビリヤードやったことないんだ……[saga] 投稿日:2010/07/04(日) 02:27:39.85 ID:upNoE9co [14/31]
一方「……、……」
姫神「どうしたの?」
一方「なァ……これ、最初に九番落としたらどォなるンだァ?」
上条「その時点で勝ち……ってまさか」
一方「へェ、そォかい――ッ!」
――バギィッ! ガゴガギギガゴゴンッ!! ガッ!
一方「――落ちたぞ」
吹寄「……え、うそ」
青髪「ぶ……ブレイクエース……」
一方「カハッ。次、オマエの番だなァ」
結標「く……」
175 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/07/04(日) 02:41:49.39 ID:upNoE9co [15/31]
結標「――――すぅ、――、っ!」
カッ――コォン
姫神「……ブレイク。ラン。アウト」
一方「お見事ォ」
結標「嬉しくないわよ。あなたに渡したらその時点で負けが確定するんだから、こっちだって必死なのよ」
上条「ヲイヲイ……オマエら本気出しすぎだろ」
青髪「え? 何? 物理系の能力者ってみんなこんななん!?」
吹寄「だ、だとしても鈴科君はレベル2って……!」
土御門「これで2対2……だが、」
177 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/07/04(日) 02:49:56.44 ID:upNoE9co [16/31]
結標「最後ね」
一方「俺が最初やっていいのかァ?」
結標「どうぞ。そういうルールだしね」
一方「じゃァ遠慮なく……。……、ッ!」
ガガガガガガガガガガッッ!!
上条「……」
青髪「……え?」
土御門「…………」
一方「あちゃァざンねェン、落ちなかったなァ」
姫神「ブレイクノーイン……。ファウル。交代」
吹寄「で、でもこれ……一番離れてる上に線がないわよ!?」
青髪「――いや、ギリギリ当てれるで。五番と九番の間通して、クッションしてやれば……落ちんことも、ないと思う」
土御門「(…………コイツ)」
上条「(遊んでやがる……!)」
179 名前:あれ、ブレイクノーインってファウルじゃなかったか?まあ細けぇ(ry[saga] 投稿日:2010/07/04(日) 03:05:44.17 ID:upNoE9co [17/31]
結標(何よ……一番面白がってるのはコイツじゃない……!)
結標(クソッ、地力で負けてるのは分かってはいるけれど、こういう遊ばれ方をされるのは腹が立つわね)
結標(…………でも)
結標(要するに、順番に落とせば文句ないのよね……!)
結標「――――っ」
カッ――コッ、コ、――カコン
青髪「……ほら、入ったで……?」
吹寄「え、ええ……!?」
結標「……ふぅ。さて二番はどこかしら」
姫神「ええと。あ。ここ」
結標「また凄い場所に隠れて……、っ!」
カッ、コ、カカッ――コン、コトン
青髪「また入れたでぇ……」
吹寄「うん、あのね、難しいってことは分かるんだけど」
姫神「大丈夫。私も」
結標「次、三番っ……!」
180 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/07/04(日) 03:15:39.93 ID:upNoE9co [18/31]
結標「五番……!」
カッ――カコ、コン、カコン
上条「お、おい結標。なんか冷や汗やばくね……?」
結標「大丈夫よ。ありがとう……次、六っ!」
吹寄「ねえ……いくらなんでもおかしくない? 毎回凄い狙い辛い位置よ?」
青髪「……まっさか、ねえ。偶然っしょ。ねぇ?」
一方「当たり前だろォ。コイツをわざとやったって言うのかよ」
青髪「で、ですよねー……」
上条「遠いぞ! しっかり狙え!」
結標「七番………………っ!」
181 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/07/04(日) 03:31:26.57 ID:upNoE9co [19/31]
結標「…………」
姫神「……。これは」
吹寄「考えたくなかったんだけど……九番の影にすっぽり隠れてるわね」
青髪「角で後ろはポケット。左右の隙間は狭すぎて狙えへんけど……」
土御門「ジャンプショット……球を浮かせて、九番を飛び越えれば」
上条「でもいくら上手いって言っても初心者、っつーか初プレイだろ!?」
結標「……ねえ、上条君」
上条「あ?」
結標「どうやるの?」
上条「っ……!」
青髪「それでも行くのか、あわきん……!」
182 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/07/04(日) 03:38:01.96 ID:upNoE9co [20/31]
土御門「ほら、これ使え」
上条「……ジャンプキューっていうんだけどよ、短いだろ。そいつで斜め上から突き下ろして飛ばすんだ」
青髪「掬い上げたらあかんで。そいつはファウルや」
結標「……ねえ、一回だけ試してみていいかしら」
一方「好きにしろ」
結標「ありがと……こんな感じ?」
上条「そう。んで、この辺狙って……」
結標「――――ふっ!」
ガッ――――ゴン、――コツ
青髪「一発でジャンプさせたで……」
結標「………………、うん。やってみるわ」
183 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/07/04(日) 03:40:28.83 ID:upNoE9co [21/31]
「――――――、――――っ!!」
ガッ!
ゴ、
カツ、
――コトン
――コン
184 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/07/04(日) 03:46:46.58 ID:upNoE9co [22/31]
上条「う、あ」
吹寄「うそ……」
土御門「……、……」
青髪「あわきん……」
結標「うん、……ちょっと力入りすぎたかしら」
姫神「……。……スクラッチ。手球がポケットに落ちたから。ファウル。……交代」
187 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/07/04(日) 03:54:41.69 ID:upNoE9co [23/31]
一方「…………よっとォ」
コ、コトン
一方「コイツで、三本だなァ」
結標「あーあ、負けたわ」
一方「ハッ、オマエにしちゃ頑張ったじゃねェか」
結標「そうかしら? 褒め言葉として受け取っておくわ。――あれ」
姫神「結標。さん」
結標「あー……やだなぁ。こんなのでマジになって、その上、泣いちゃったりとか。なんか、かっこ悪い」
上条「結標……」
土御門「…………」
189 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/07/04(日) 04:00:07.25 ID:upNoE9co [24/31]
「姉ちゃんー! かっこよかったぞー!!」
結標「……え?」
「なんだアンタめちゃくちゃ上手いな! 本当に初心者かよ!?」
「普通あそこからジャンプいけるかぁ?」
「ノーハンデプレイだろ? 能力無しかよおい」
「やべ、ビリヤードってクソ熱いなぁ!?」
「オマエなんか能力使ってもあのねーちゃんに勝てるかよ」
「そう言うオマエこそ」
「おい高校生ども、ちょっとオニーサン混ぜてくれよ。色々教えてやるから」
結標「……、……」
191 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/07/04(日) 04:06:28.54 ID:upNoE9co [25/31]
「おいガキども! 警備員来たぞ! 補導されっぞ、逃げろ!」
青髪「あ、え、時間やっばぁー!?」
吹寄「ちょっと、補導とか勘弁してよね!?」
上条「黄泉川センセとかだったら最悪だぞ! 管轄だろここ!」
一方「ゲ」
姫神「総員。速やかに撤収」
土御門「わりぃニイチャン! 片付け頼むぜぃ!」
「あ、こらチクショウっ」
結標「ごめんなさい、今度教えてねっ!」
「――覚えてろよコノヤロー!」
192 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/07/04(日) 04:12:43.17 ID:upNoE9co [26/31]
青髪「裏口こっちや!」
吹寄「ちょっと、こんなとこ勝手に入っていいの!? 従業員専用って書いてあるわよ!」
姫神「大丈夫。お店公認だから」
吹寄「いつもお世話になってるのかっ」
上条「ぎゃー! 靴紐解けたー!!」
一方「ハッ、おいてくぞォ」
土御門「もたもたしてっと捕まるんだにゃー」
上条「ちょっ、ひどぉっ!? 少しは思いやってくれよ心配してくれよダチだろぉ!?」
土御門「カミやんの尊い犠牲は忘れないぜぃ」
姫神「それにしてもこの連中。実に容赦がない」
一方「そォ言うオマエもなァ」
193 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/07/04(日) 04:17:22.35 ID:upNoE9co [27/31]
結標「――――あは」
姫神「うん。ふふっ」
青髪「ははははっ」
吹寄「ちょっと、何よ、あはは」
土御門「何って、分かってるんじゃにゃーかい。へへっ」
一方「ッハ、カカッ」
上条「なんだよオマエまで。ははっ」
結標「あー、えっとね、うん」
結標「たっのしかったぁ――!」
194 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/07/04(日) 04:24:11.88 ID:upNoE9co [28/31]
"the Moving Stars Shot at a Point"is over.
197 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/07/04(日) 04:29:44.11 ID:upNoE9co [29/31]
というわけで、あわきん大はしゃぎなお話でした
グループ内で他との関わりがほとんど描かれていない結標ですが、そんな彼女の学校生活は、と思ったのが今回の発端だったり
普段あまり書かれない姫神、吹寄、そして青髪ピアスも遊ばせる事ができたので個人的にはビリヤードのシーンはめちゃくちゃ楽しかったです
まあ、寂れたボーリング場の二階で好き勝手やってるだけなんですが。そのへんハスラーの方々にはすみません
そして出番がほとんどなかった海原は……まあ、異邦人だし
運がよければ出てくるかもしれません
まあ毎度のごとくこっから先も何も考えてないんですが
続くかすら未定ですが、とりあえず
お付き合いいただき、ありがとうございました
結標「ここどこか知ってる!? 学園都市よ!? 学園! 『学園』! 行ってないっつーのおおお!!」
一方「……もしかしてオマエ、要はアレか。平和ボケしたいのか」
結標「そうよ悪い!? 私だって青春とかしたいのよ!」
一方「全部身から出た錆だろ」
結標「そうだけど! でも土御門とか平気で学校行ってるじゃない!」
土御門「俺別に何か悪い事した訳じゃねーしな」
結標「ぐっ……」
5 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 11:03:47.00 ID:0HzvKx.o
土御門「あーもしもしー俺ー。今いいー?」
結標「ちくしょう……青春っぽい事しやがって……!」
一方「うわーオマエなンかもう色々やばい気がする」
結標「僻みよ! 妬みよ! 悪い!? 羨ましいのよ!」
一方「オマエ一度病院行け。ぜってェ疲れてるって。いい医者紹介してやるから」
結標「うわぁ哀れまれた! よりによって一方通行に!」
一方「おーい土御門ー、冥土帰しに急患だって連絡してくれー」
土御門「いやー話が通じて助かるぜい。ありがとにゃー」
一方「海原ー」
海原「自分で電話するって選択肢はないんですか」
一方「やだよめンどくせェ。アイツいちいち体調管理がどうのこうのってうるせェンだよ」
海原「見るからに体弱そうですもんねえ」
7 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 11:11:15.66 ID:0HzvKx.o
海原「はいはい分かりましたよ。分かりましたからそんな顔で睨まないで下さい」
土御門「んじゃそゆことでー。じゃあにゃー……はい海原ストップー」
海原「なんですか?」
土御門「結標、仕事」
結標「もぉやぁだー! 働きたくないでござるー!」
海原「うわぁ……」
一方「うわァ……」
8 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 11:28:09.24 ID:0HzvKx.o
土御門「まぁ聞けって」
結標「やーだー!」
土御門「いいから聞けって阿呆」
結標「ううう……何よ……」
土御門「高校、行け」
結標「………………え?」
土御門「仕事。潜入。ターゲットの監視と護衛な」
結標「…………土御門ー!!」
土御門「あーでもその前にコイツ一度病院放り込んだほうがいいかもしれねえ」
10 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 11:33:03.62 ID:0HzvKx.o
結標「……オーケー、大丈夫よ。落ち着いたわ」
一方「勘弁してくれ。心臓に悪い……」
結標「で! で!? どこの高校!?」
土御門「うち」
結標「……はい?」
土御門「よろしくな、クラスメイト」
結標「……」
土御門「なんだよそのめちゃくちゃ嫌そうな顔は! 人がせっかく根回ししてやったってのに!」
一方「って事は、監視と護衛の対象ってのは」
土御門「上条当麻」
海原「ビクッ」
11 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 11:37:37.53 ID:0HzvKx.o
土御門「あとオマエも一緒な」
一方「……はァ?」
土御門「海原は留守番な」
海原「……」
一方「ちょっと待て。俺が学校だァ? おいオマエさっきの電話誰にしてたんだよ」
土御門「理事長」
一方「……はい?」
土御門「アレイスター」
一方「」
結標「」
海原「」
12 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 11:48:47.18 ID:0HzvKx.o
月詠「そんな訳でまた転校生でーす。なんでうちのクラスばっかりなのかは先生も知りませーん。上の人に効いてくださいー」
青髪「おにゃのこきたああああ!」
結標「む、結標淡希よっ」
一方「…………鈴科だ」
上条「不幸だ。これはさすがに死んだか」
27 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 18:52:33.50 ID:0HzvKx.o
月詠「それじゃあ二人の席は一番後ろに用意してますですよ」
結標「いわゆる不良の特等席ね……」
一方「……センセー」
月詠「はいなんですか鈴科ちゃん」
一方「鈴科、ちゃン……うわァ寒気が」
月詠「ダメですか?」
一方「いやもォどォでもいいけどよ……ボクら教科書とかまだないンでー、隣の人がいた方がいいなーとか思ったりィ?」
月詠「そうなんですか!? 困りましたね、どうしましょう」
一方「知り合いがァ、一人いるンでェ、そいつに見せてもらってもいいですかァ?」
月詠「お友達ですか?」
一方「(勝手に変換してンじゃねェよ……)」
月詠「ええと、どの子ですか?」
一方「お願いしてもいいかなァ、上条当麻くゥン?」
上条「終わった。俺の学園生活もとい人生が終わった。できればあの世でくらい青春を謳歌したい」
青髪「それもこないだ終わったで?」
29 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 19:12:29.04 ID:0HzvKx.o
システムメッセージ:上条さんは旧クラスメイトの群れの中から強制射出されました
システムメッセージ:上条さんは新クラスメイトで詩的な表現をすると両手に花です
上条「せめて遺書残す時間くらいくれないか」
一方「別に取って食おうなンてつもりはねェよ阿呆」
上条「……ほんと?」
一方「あァなンだか無性に殴りてェコイツ」
月詠「はーい、それじゃホームルーム終わりー、あーんどこのまま理科行きますよー」
結標「え、ええと、上条君……? 教科書見せてもらってもいいかしら」
上条「姐さんどうぞお使いくださいっ!」
結標「え? あ、ありがとう……」
一方「コイツいつからこンなに卑屈になった」
31 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 19:31:04.33 ID:0HzvKx.o
一方「……、……」
結標「あなたは教科書見なくていいの?」
一方「馬鹿にすンな。熱力学なンて基本中の基本じゃねェか」
結標「私も物理は大体いけるわね……せめて生物か地学だったら面白みがあるのに」
上条「あれ? もしかして教科書とかいらなくねえ?」
一方「あンなの建て前に決まってンじゃねェか」
上条「不幸だいや理不尽だあああっ!?」
月詠「上条ちゃんうるさいですよ授業中は静かにしなさーい!」
32 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 19:57:54.23 ID:0HzvKx.o
月詠「まず第一法則ですが、これは――」
一方「かったりィ……」
月詠「第三法則はこれらの法則によって導き出されるものであって、決して証明できない悪魔の証明のような――」
土御門「黙々……」
月詠「悪魔といえば第二法則にはマクスウェルの悪魔というのがありまして――」
青髪「次期アニメに向けて予習せなあかんなー。ラノベ読むのは時間掛かるけどその分愛が育めていいなー」
月詠「ここで出てくる永久機関というのは事実上実現不可能であり――」
結標「……あれ? これ、青春……?」
34 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 20:15:15.71 ID:0HzvKx.o
一方「……なンだよ、ンなクソみてェな面向けて」
結標「なんか違う……」
一方「はァ? オマエがやりてェっつった事じゃねェのかよ」
結標「ええと、私の予想ではもうちょっとこう……ねぇ?」
一方「俺に同意を求めるンじゃねェよ。『ちょっと』、『こう』で分かるかボケ」
結標「うー」
一方「くっそだりィ……」
41 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 21:43:43.97 ID:0HzvKx.o
上条「うー」
結標「……あなたも何を唸ってるの」
上条「……ダメだ」
結標「はい?」
上条「ダメだ。全然ダメ。まったく、これっぽっちも」
結標「何が?」
上条「わっかんねー」
結標「……これ基本中の基本よ?」
上条「ぐっ」
結標「理論の理解ができないと物理なんてやってらんないわよ。数式を頭に詰め込むならまだしも」
上条「そっちの方が楽そうだな……」
42 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 21:51:54.76 ID:0HzvKx.o
結標「ただそれをやると応用できなくなるけれどね。……って事はあなた、物理系の能力者じゃないのね」
上条「俺があ? はは、前にどこにいたのか知らないけどこの学校無能力者とかザラだからなー、俺とか。いわゆる底辺だぜ」
結標「へ?」
上条「はい?」
結標「……ねえ。大能力者、この学校何人いるの?」
上条「いたかなぁ……」
結標「」
43 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 22:02:54.44 ID:0HzvKx.o
上条「って事はオマエ、結構強度高い?」
結標「い、一応……」
上条「へー。どんな?」
結標「……」
ちらっ
一方「(´゜皿゜`#)」
結標「ビクッ」
上条「どうした?」
アポート
結標「え、っと、3……くらい。『手中移動』」
上条「おー、空間移動系か。レアじゃん」
結標「そうかしら……?」
上条「ああ。俺も知り合いに一人いるんだけどさ、空間移動能力者。他に見たことねーもん」
結標「あら、この学校にもいるの?」
上条「いねえいねえ。他校だよ。同じ学校になってたまるか……」
結標「?」
46 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 22:26:36.16 ID:0HzvKx.o
月詠「こらそこー、ちゃんと先生の話聞いてますかー? ここテスト出ますよー?」
青髪「つーたかて今授業内容外れに外れてタバコの話しとったやん。僕らまだ未成年やでー。テストに出すなら二十歳超えてからにせな」
月詠「あ、揚げ足を取らないでくださいっ。そんな事言ってると本当に出しちゃいますよ!?」
土御門「あーあー、未成年にタバコの素晴らしさ語っちゃってー。その上テストにまで出したら問題ですにゃー」
一同『(どっ)』
月詠「こ、こほん。まあ結標ちゃんは転校初日ですから仲良くなるのはいい事ですよ? ですがっ! 二人とも学生の本分を忘れることなく……」
キーンコーンカーンコーン
月詠「ああああ」
青髪「はいさ、きりーつ、れーい、ありがとうございましたー」
一同『ありがとうございましたー』
月詠「勝手に終わらせないで下さいー!」
48 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 23:02:58.02 ID:0HzvKx.o
月詠「もー、結標ちゃんってば先生の話が右から左になるほど夢中になるなんて、一体なんの話してたんですかー」
結標「えーと……」
上条「ちょっと能力の話してて。コイツ強能力者だっていうじゃん」
一同『な、なんだってー!?』
結標「強能力者でこの反応……!?」
姫神「また私の影が薄く……。転校生キャラだけじゃ日常に埋もれてしまうのに。吸血鬼とか出てこないし」
上条「あー、そういえば前どこの学校いたんだ?」
結標「え? あー……」
ちらっ
一方「(--#) 」
結標「(えーと……これは……、……大丈夫、かしら?)」
52 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 23:14:37.25 ID:0HzvKx.o
結標「霧ヶ丘だけど……」
一同『な、なんだってー!?』
結標「ビクッ」
月詠「せ、先生も初耳ですよー!?」
結標「え? あれ? 言ってなかったかしら?」
月詠「聞いてませんよー!?」
姫神「………………。あ。どこかで見たと思ったら」
吹寄「どうしたの?」
姫神「…………結標。…………先輩?」
結標「え」
土御門「あ」
一同『な、なんだってー!?』
53 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 23:32:21.18 ID:0HzvKx.o
上条「えええオマエ年上かよ先輩かよダブりかよっ!」
結標「失礼ね!?」
吹寄「そ、そこのところどうなの姫神さん!?」
姫神「よく知らない。何度か見かけたくらい。……私高校入ってすぐ軟禁されてたから。ふふ。みんな忘れてるだろうけど」
吹寄「南京? カボチャは健康にいいわね。……?」
結標「ええっと、ちょっと留学してたんだけど、そっちでトラブって、単位が足りなくなって……追い出されたり、とか、って……」
ちらっ
土御門「(´゜Д゜`#)」
結標「(あ、あとが怖い……)」
56 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 23:42:22.55 ID:0HzvKx.o
上条「……うん、まあ、なんだ。色々あるよな。俺も他人事とは思えないし」
結標「か、上条君……」
上条「ま、こうして同じクラスになったのも何かの縁だ。挨拶が遅れたけどよろしくな」
結標「う、うん! こちらこそ――」
上条「――結標先輩」
結標「」
57 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 23:49:58.24 ID:0HzvKx.o
吹寄「せ、先輩!? ええと、よろしくお願いします!」
結標「」
青髪「僕ぁ年上でもまったく構へんからね、結標先輩っ!」
結標「」
土御門「……あとでちょっとお話いいかにゃー、結標先輩?」
結標「」
姫神「結標先輩……。畜生。もう。私は背景として生きるしか」
結標「」
一方「……まァ、その、なンだ。頑張れ、強く生きろ、結標先輩」
結標「」
71 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 22:44:13.72 ID:BSdJXxso [2/9]
結標「いじめよ……これもういじめよね……」
上条「だーからー、悪かったってー」
結標「あなたのせいで私のあだ名が先輩になったじゃない! なんか凄い恥辱なんだけど! 慰謝料取るわよ!」
上条「すみませんマジ勘弁してください」
結標「ううう……」
72 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 22:48:43.61 ID:BSdJXxso [3/9]
姫神「……。あの」
結標「……何よ」
姫神「ごめんなさい。黙っていればよかったのに。余計な事を」
結標「別にいいわよ。そのうちばれてもおかしくはないし」
姫神「……それと」
結標「今度は何?」
姫神「結標。さん。でいいですか。呼び方」
結標「……」
姫神「クラスメイトを先輩って呼ぶのも。おかしいし」
結標「……うん。構わないわよ」
73 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 22:56:01.74 ID:BSdJXxso [4/9]
結標「あとついでに敬語じゃなくても結構」
結標「クラスメイトに敬語っていうのも、なんかおかしいじゃない?」
姫神「――うん。分かった」
青髪「おーい、そんなとこで何やっとんー? 始めるでー」
結標「あ、……えーと」
青髪「ほらほら、あわきんも遠慮せんとはよおいでぇ」
結標「あ、あわきん!?」
青髪「ん? あかんかった? 先輩ーじゃなんかなーと思ぉて」
結標「……まあ別に、いいけど」
吹寄「はい、結標さんの分」
結標「あ、りがと」
吹寄「いえいえ」
結標「……あは」
74 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 22:57:28.77 ID:BSdJXxso [5/9]
上条「だってさ?」
結標「うん」
上条「ほら、始めようぜ結標」
結標「……あのね、上条君」
上条「ん?」
結標「元はといえばあなたが現況でしょうが何を綺麗にまとめようとしてるのよおおおっ!!」
土御門「ああ……結標もカミやん病の餌食になりそうな気がするぜぃ……」
76 名前:また誤字ったのぜ……[saga] 投稿日:2010/07/01(木) 23:13:20.30 ID:BSdJXxso [6/9]
一方「……」
上条「どうしたーアクセ……鈴科ー。そんな寂しそうな目で見るなよ」
一方「眼科か精神科に行け。いい医者紹介してやろォか」
上条「生憎医者は間に合ってる」
一方「そォか、もっとストレートに言った方がいいか。死ね」
上条「……なぁ」
一方「ンだよ話しかけるなクソだりィ」
上条「オマエ、いきなり転校とかどうなってんだ」
一方「……」
上条「なんかさっきからオマエの態度も妙だし、結標も関係あるんだろ」
一方「……チッ」
上条「何があったんだ」
80 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/07/01(木) 23:22:37.99 ID:BSdJXxso [7/9]
一方「あァクソ、だりィ。今すぐ帰りてェ」
上条「教えろよ。事と次第によっちゃ助けになれるかもしれない」
一方「……オマエ、本当にお気楽だなァ」
上条「は?」
一方「別にキナ臭ェ事はねェよ」
上条「そうなのか?」
一方「結標がな、アイツ俺の遠縁なンだが、色々、体とか悪くてなァ……俺はまァ、お目付け役って事だ」
上条「……親戚?」
一方「はとこ」
上条「まじ?」
一方「嘘ついてどォすンだよ」
上条「……そっか」
一方「だから俺の事は気にするンじゃねェ。鬱陶しい。オラさっさと行け」
上条「オマエ、授業は」
一方「だりィ。風邪。熱がある」
上条「さすがにそれは嘘だって分かるぞ」
一方「そォいう事にしとけ気がきかねェなァ」
82 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/07/01(木) 23:28:55.98 ID:BSdJXxso [8/9]
結標「…………ねえ」
一方「なンだよ」
結標「私、いつからあなたの血縁になったのかしら」
一方「42秒前」
結標「人類皆兄弟も狙えるわね」
一方「真っ平ごめンだな。気持ちわりィ」
結標「そっけないわね。モテないわよ」
一方「うるせェ。黙れ。フォローしてやったんだ。感謝しろ」
結標「そうね、ありがと」
一方「礼はいいからさっさと行けよ。だりィ」
83 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/07/01(木) 23:40:19.06 ID:BSdJXxso [9/9]
青髪「あわきんー、何やっとんー。始まるでー」
結標「ごめんなさい、今行くわ……ほら、あなたも」
一方「仲良しこよしなンか馬鹿らしくてやってられるか」
結標「あなたはそうでも、あっちは許してくれなさそうだけど?」
一方「あァ?」
吹寄「こっちのチーム男子一人少なくない?」
姫神「まだ。あそこに一人残ってる」
吹寄「あ、えーと、鈴科君ー? こっち入ってー」
結標「ご指名よ?」
一方「…………めンどくせェったらありゃしねェ」
86 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/07/02(金) 00:07:43.76 ID:r8TSixgo [1/12]
上条「よし! アク、鈴科! パース!」
一方「……」
上条「動けよ! チームプレイに貢献しろよ」
一方「あァ、まァ少しくらいはしてやらねェ事もねェが、オマエは別だ」
上条「はぁ!?」
姫神「鈴科君。お願い」
一方「あいよォ、っと。ホラ、あと頑張れェ」
吹寄「いい場所っ! シューッ!」
青髪「ぬおおおっ吹寄の愛は僕が受け止めるーっ!」
結標「ナイスよキーパー!」
上条「あー止められた」
姫神「むぅ。言動はさておき。彼がキーパーだとやり辛い」
87 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/07/02(金) 00:10:15.01 ID:r8TSixgo [2/12]
吹寄「気持ち悪い事言うな死ねぇっ!」
青髪「がごぼっ!?」
上条「……吹寄ー、それはボールじゃないぞー。クラスメイトの頭部だぞー」
吹寄「ほら、よく言うじゃない。『ボールは友達』よ」
上条「」
結標「」
一方「……アイツ気絶してるけどいいのか?」
姫神「大丈夫。いつもの事」
土御門「ああ、いつのまにか一方通行までアホのペースに……」
100 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 01:04:16.97 ID:70qcVOY0 [1/3]
あわきデレデレ
107 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/07/02(金) 02:30:17.92 ID:r8TSixgo [4/12]
上条「あー、つっかれたー」
吹寄「しかしいい感じに泥仕合だったわね。5:5とか、野球か! って」
青髪「あー、腹減ったねー。体育の後ってどうしてこーも腹減るんやろ」
結標「復活早いわね、あなた……」
姫神「さて。ふふふ。私の時間がやってきた」
上条「弁当奉行だー! 弁当奉行のおなーりー!」
姫神「我を崇めよ」
結標「…………あれ?」
上条「ん? どうした?」
結標「学食ないの?」
上条「あるけどさ、うちの学食狭いからこの時間もう満席だぜ? 4時間目が体育の時は弁当かパンかだな」
結標「」
108 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/07/02(金) 02:36:39.82 ID:r8TSixgo [5/12]
一方「だりィ……」
一方「なンで俺なンだよ……パンくらい自分で買いに行けタコ」
一方「いや、ジャンケンで負けたけどよォ……」
一方「だからなンで俺がジャンケンしなきゃならねェンだよォ!」
一方「購買は、こっちかァ?」
一方「……」
一方「……」
一方「……、うわァ……」
一方「なンだよこの餌に集る鯉の群れみたいなのはァ……」
一方「入りたくねェ……」
一方「……」
一方「……」
一方「……」
一方「あァ分かった分かったよォ!」
一方「買ってってやればいいンだろォがクソッタレ!」
109 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/07/02(金) 03:08:18.04 ID:r8TSixgo [6/12]
一方「ほらよ」
どさどさどさ
結標「……さすがにこの量は食べきれないと思うのだけれど」
一方「残せばいい。俺が食う。ホラ、欲しけりゃ食え」
上条「え? マジ? いいの?」
一方「オマエは呼んでねェよ」
結標「あ、パンのお金」
一方「いらねェ。つーか覚えてねェ」
結標「……あ、ありがと、?」
一方「なンで疑問系なンだよ」
110 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/07/02(金) 03:22:28.50 ID:r8TSixgo [7/12]
吹寄「うわぁ気前いい……というか経済力の違い?」
姫神「鈴科君。お金持ち」
一方「……まァ、ちょっと色々と、研究の手伝いとかな」
吹寄「研究?」
一方「……電子演算技術、とか」
吹寄「……ちなみに、前の学校は?」
一方「長点上機」
青髪「なん……やて……」
姫神「何か。レアスキル系?」
一方「……いや、大気操作系。レベル2」
吹寄「じゃあやっぱり何か専門分野とか……?」
一方「あンまり聞くな」
吹寄「あ、ごめんなさい……」
結標「……ねえ、えーと、鈴科」
一方「あン?」
結標「食べましょう? ほら、あなたが買ってきてくれたんだし」
一方「……チッ、めンどくせェなァ……」
125 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/02(金) 23:24:03.31 ID:aQgo1IIo
居酒屋
136 名前:予告的な何か[saga] 投稿日:2010/07/03(土) 02:48:44.58 ID:hB145S6o [2/8]
――十月九日。
その日、学園都市から二人の超能力者と、一人の無能力者が姿を消した。
「どういうつもりだ、オマエ」
「グループ、抜けさせていただきます」
歯車は狂う。
「なぁ……なんかおかしくねぇ?」
「そーお? 目障りなのがいなくなって清々してるんだけど」
世界は狂う。
「ミサカは――ミサカ、は――ミサ――」
「ミサカ……さん?」
物語は狂う。
「クソッ、チクショウ! 一体どうなってやがる!」
「よう、久し振りだな。ウジムシ野郎」
幻想が、狂う。
「わたくし、お姉様のお側にいると決めておりますので」
「――ごめん」
いくつもの想いが交錯するとき、物語は始まり、そして終わる。
「――行くわよ、幻想殺し」
ヒ ー ロ ー
この物語に、幻想殺しの少年は登場しない――。
146 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/07/03(土) 22:15:21.27 ID:hB145S6o [4/8]
一方「なンで俺まで……」
結標「いいじゃない。みんながせっかく誘ってくれてるんだし、転入生の歓迎会っていうならあなたも対象でしょ」
一方「馴れ合うつもりはねェよ。オマエと一緒にするンじゃねェ」
結標「それにしては結構サッカーとか楽しんでた気がするけど?」
一方「ありゃ授業だからな。放課後は別だろ」
結標「まあそう言わず少しくらい付き合いなさいよ」
一方「はァ……かったりィ」
上条「なんだかんだ言って結局は付き合うんだよな……」
一方「あァン? なンか言ったかおィ」
上条「なんでもねーです、なんでもねーですからそんな顔でこっちに詰め寄らないで怖ええよ!」
147 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/07/03(土) 22:39:55.85 ID:hB145S6o [5/8]
青髪「ついたでー」
結標「へー、こんなのあったんだ」
吹寄「できたのは秋ごろだっけ? 私も二、三回ひっぱられて来たくらいだし」
姫神「大覇星祭の打ち上げ。ここでやった」
青髪「大きくゲーセンと、カラオケと、ボーリングとかビリヤードとかのブースやね。あとファミレスがいくらか」
青髪「一日くらいは潰せるしわりとリーズナブルやね。近場に映画館もあるし最近のデートはここやねー」
吹寄「おい貴様からなぜそんな単語が出てくる」
青髪「僕舐めてもらったら困るで? 僕かてな、デートコースくらい見んのや」
姫神「それで。相手は?」
青髪「姫神ちゃん今度一緒にきーへん?」
姫神「それは。ちょっと」
青髪「絶望した! やっぱり非情な現実に絶望したあああっ!! 僕の嫁はやっぱりこっちなんか!!」
土御門「こんなリア充の巣窟っぽいところにすれ違い通信するような奴はいねーと思うけどにゃー」
148 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/07/03(土) 23:12:04.07 ID:hB145S6o [6/8]
土御門「まあ、無難だよなぁ」
青髪「さーて何いくかねー」
吹寄「ソイツにマイクを握らせるなあああっ!」
青髪「なんでやー!?」
吹寄「アニソンしか歌わないじゃない!」
青髪「失礼な! ちゃんとゲーソンも入れるで! あとニコニk」
姫神「どれも同じだと思う」
上条「待て待て。ここは新入りに先陣を切ってもらおう。ほれ」
一方「……はァ?」
上条「鈴科さんの美声が聞ける機会なんてめったにないっすから」
土御門「よっ、大将待ってましたーっ!」
一方「オマエらァ……」
結標「いいじゃない。どうせ歌う事になるんだし」
一方「クソ、カラオケなンかそうそう来ねェってのに……」
152 名前:ここからはやらねーよ。別スレの話だよ[saga] 投稿日:2010/07/03(土) 23:32:20.26 ID:hB145S6o [7/8]
一方「――オラ、次オマエだろ」
結標「……なんていうか」
吹寄「選曲が卑怯というか」
姫神「王道。名曲。知名度高し。でも自己主張してる。かつ上手い」
青髪「これが……リア充という奴か……!」
上条「くそっ、女子の評価が高すぎる!」
土御門「ジョン・レノンとはまたど真ん中を……しかし中々上手いトコ突いてくるじゃにゃーですか」
姫神「上条君。喧嘩売られてるよ」
上条「あ、やっぱり……?」
153 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/07/03(土) 23:56:26.76 ID:hB145S6o [8/8]
青髪「キャラソン持ちめ……クソっ、クソっ!」
吹寄「二期が来たら貰えるかなあ……」
姫神「大丈夫。私でもあったから」
上条「それはちょっと自虐が過ぎやしないか……?」
一方「めンどくせェ。いらねェ」
結標「どうせあなた、カップリング相手はあの子じゃないの」
一方「出るのは確定なのか……」
上条「出ないのか?」
結標「出るわよねぇ。私は多分ないけど」
上条「いや待て。もしかしたらもしかするかもしれないぞ……?」
結標「そんな甘い言葉で淡い希望を持たせないで!」
土御門「(……出るとしたらカップリング相手は海原か青髪ピアスしかいない俺はどうすれば)」
155 名前:ダメだカラオケはネタが続かない。というか前のを全力でやりすぎた[saga] 投稿日:2010/07/04(日) 00:13:08.71 ID:upNoE9co [1/31]
結標「せっかくだからチーム戦にしましょう。アベレージで負けたほうが夕飯オゴリって事で」
姫神「どう分かれるの?」
青髪「二人は別チームとして、あとは男女分かれてグッパ?」
上条「りょーかい」
結標「あ、こっちも決めないとだめよね」
一方「なンでこンなしちめんどくせェ事しなきゃならねェンだよ……」
結標「細かい事グチグチ言うんじゃないの。ほら」
一方「ったく……しゃァねェなァ。せーの、ぐっちっぱ」
結標「……ええと、どこから突っ込んだらいいかしら?」
一方「おら、パーは誰だ」
上条「(;´Д`)」
一方「(´゜Д゜` )」
吹寄「ヽ(`Д´#)ノ」
157 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/07/04(日) 00:25:53.39 ID:upNoE9co [2/31]
上条「ぎゃあああああまたスネークアイかよおおお」
吹寄「そこそこ上手いのにどうしてこう変な形に残すかな貴様は」
一方「運も実力の内ってかァ? ほら、よっ」
青髪「おー鈴科もやるんねぇ。僕も少しはいい格好見せなあかんなー、っどりゃー!」
姫神「重い……」
結標「もう少し軽いのを選んだら? さすがに14ポンドはあなたには重過ぎると思うんだけど」
姫神「こっちの方が。破壊力が」
土御門「基準点がそこですかぃ……」
158 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/07/04(日) 00:36:12.94 ID:upNoE9co [3/31]
結標「タダメシは美味しいわー」
吹寄「どう考えても敗因は貴様」
上条「オマエの方がアベレージ低いじゃねえか!」
吹寄「女子に責任を押し付ける気?」
上条「男女差別だあああっ!?」
青髪「おねーさーん、マルゲリータ追加でー」
一方「はァ……」
姫神「鈴科君、菜食主義?」
一方「胃にもたれるンだよ」
土御門「男なら肉食え! 肉!」
上条「テメ土御門! 人の金だと思って遠慮なくステーキ食ってんじゃねえよ!」
土御門「資本主義ばんざーい。世の中弱肉強食だにゃー」
159 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/07/04(日) 00:43:30.27 ID:upNoE9co [4/31]
上条「はぁ……財布のダメージが深刻です……」
吹寄「どうする? ゲームセンター行く?」
姫神「このままここで駄弁るというのも」
結標「ゲーセンは好みが分かれるわねえ……」
青髪「……ふむ」
土御門「ん?」
青髪「なぁ、転校生二人」
一方「あン?」
結標「何かしら?」
青髪「ひとつガチで勝負せーへん?」
一方「ボーリングはもォいいだろ」
上条「お、アレっすか」
青髪「いぇーっす、ざっつらいー」
結標「アレ?」
160 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/07/04(日) 00:51:53.08 ID:upNoE9co [5/31]
青髪「ビ・リ・ヤ・ア・ド」
結標「え? 私やったことないわよ? あなたは?」
一方「あるわけねェだろ」
上条「お、条件対等?」
青髪「明日の昼飯でも賭ける?」
吹寄「賭けっ……まさかいつもやってるっての!?」
上条「いやっ、あの、たまーにですよ、たまーに。ジュースとか」
姫神「宿題の代筆とかも。たまーに」
上条「あ、馬鹿」
吹寄「……貴様ら」
青髪「ちょっ、自分も夕飯ボーリングで賭けたやん!?」
吹寄「なんで私も呼ばないのよ!」
土御門「ああ、最後の砦が陥落した……」
161 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/07/04(日) 01:10:47.77 ID:upNoE9co [6/31]
青髪「じゃあ簡単なのでナインボール。1番から順番にポケットに落とすんな。9番落としたら勝ち」
青髪「ショットするときは最初は一番番号の若い球に当てる事。そいつをポケットに落とせばターン続投。失敗したら交代」
青髪「あと別に狙った奴意外を落としてもええでー。ただしいきなり9番直接狙うのはなしなー」
土御門「もっと細かいルールはWikipedia先生にでも聞いてくれぃ」
吹寄「やけに詳しいわね……」
青髪「モテると思おて!」
姫神「口を開かなければ。それなりの線はいくと思うのだけど」
上条「しぃっ……! コイツにそれは教えちゃダメだ……!」
162 名前:おっとごめん。「9番を直接手球で狙うのはなし」という意味。初手から9番を間接的に落とすのはアリ[saga] 投稿日:2010/07/04(日) 01:26:12.19 ID:upNoE9co [7/31]
上条「せっかくだから先攻後攻も球で決めるか」
一方「あァ? ジャンケンでいいだろォ」
姫神「郷に入っては。郷に従え」
結標「どうやるの?」
上条「こっからお互いに反対側に突いて、跳ね返して、手前のクッションに球が近いほうが選べる」
結標「単純だけど難しいわね……どれくらいの力でどの程度動くのか見ていいかしら?」
一方「お好きにィ」
結標「んじゃ遠慮なく……よっ」
カキッ
結標「ふうん……? まあ、なんとかなるかしら?」
カコッ
青髪「おー、真っ直ぐ飛ぶやん。あわきん才能あるんちゃう?」
結標「そうかしら。ありがと」
一方「…………」
163 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/07/04(日) 01:32:03.41 ID:upNoE9co [8/31]
青髪「三本先取なー」
上条「結標! 結標に張る!」
土御門「じゃあ俺はアク……鈴科に賭けるかにゃー」
姫神「じゃあ。私も結標さん」
吹寄「ボーリングも上手かったし鈴科君に賭けるしかないわね」
青髪「あわきんー! 頑張ってぇなー!」
165 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/07/04(日) 01:35:53.22 ID:upNoE9co [9/31]
一方「外野がうるせェ……」
結標「あら、オーディエンスは大事よ? やる気が出てくるもの」
一方「やけに張り切ってるじゃねェか」
結標「張り切るわよ。なんたって、私がやりたかったのはこういうのなんだから」
一方「そォかい。そりゃよかったな」
結標「……あなたは、こういうの嫌いかしら?」
一方「くっだらねェ」
結標「とは言うけれど妙なプレッシャーを感じるのだけれど?」
一方「こンなチャチなゲームでもな、オマエに負けるのが気に入らねェだけだ」
166 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/07/04(日) 01:39:50.55 ID:upNoE9co [10/31]
結標「……ねえ」
一方「なンだよ」
結標「私たちも、何か賭ける?」
一方「何をだよ」
結標「負けた方が勝った方に、明日お弁当作ってくるってのはどうかしら?」
一方「それ俺になンのメリットがあるンだよ」
結標「女の子の手作りのお弁当、食べたくない?」
一方「どォでもいい」
結標「つれないわね。それとも怖気付いたのかしら」
一方「やっすい挑発だなァ……まァいい。乗ってやるよ」
結標「能力、なしね」
一方「上等じゃねェか」
――――カツッ
168 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/07/04(日) 01:53:27.42 ID:upNoE9co [11/31]
上条「……」
土御門「……」
姫神「……これは」
結標「――残念。どうぞ」
青髪「おいおいおいおい、本当に二人とも初心者なん!?」
吹寄「え、だって、二人ともほとんどゼロ距離よ!?」
一方「先攻、行くぜ」
――ガパキィッ!
一方「……ッチ、一番」
パキャッ――コォン――
一方「二番」
カッ――ゴォン
一方「……四番」
カッ、コッ、キン――コ、コォン
一方「六番落としたから次は八でいいンだよなァ?」
青髪「あ、ああ、せやで」
一方「…………」
カッ、ココッ――
一方「チッ、欲張りすぎたか」
結標「とりあえず八番落とせばいいのよね」
――カッ、カコォン
結標「……この辺かしら?」
カツッ――――、――コン
170 名前:三番、五番、七番は初手のブレイクで落ちました[saga] 投稿日:2010/07/04(日) 02:02:32.61 ID:upNoE9co [12/31]
結標「悪いわね。ご馳走様」
一方「次、オマエが先だな」
吹寄「え、ちょっと、あなたたち本当に初めて!?」
一方「まァ力の入れ方と反射角とかは専門だしなァ」
結標「空間把握と物体移動なら得意よ」
上条「ああ、そうか……」
土御門「おいカミやん、これはちぃと面白くねえかい?」
青髪「やっべ、ワクワクしてきたでぇ……!」
171 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/07/04(日) 02:13:16.02 ID:upNoE9co [13/31]
結標(さっきは運がよかったけど……今度手番を渡したら一気に詰められる)
結標(一個ずつ丁寧に、確実に落としていく……!)
結標「次、四番」
カキャッ――コトン
結標「五番」
カキッ――コン、カタン
上条「げ」
青髪「あー、手球をポケットに落としてもーたらファウルや」
結標「くっ……」
一方「おい、どこから始めりゃいいンだ」
青髪「手球好きなとこにどーぞ」
一方「はン。そォかい」
カッ、ゴッ。ガキッ、ゴトン。キンッ、ガタン
一方「ラストォ」
コッ――コォン
一方「悪いなァ、ごちそォさまァ」
結標「っ……」
173 名前:演出上の都合。そして実は俺自身あんまりビリヤードやったことないんだ……[saga] 投稿日:2010/07/04(日) 02:27:39.85 ID:upNoE9co [14/31]
一方「……、……」
姫神「どうしたの?」
一方「なァ……これ、最初に九番落としたらどォなるンだァ?」
上条「その時点で勝ち……ってまさか」
一方「へェ、そォかい――ッ!」
――バギィッ! ガゴガギギガゴゴンッ!! ガッ!
一方「――落ちたぞ」
吹寄「……え、うそ」
青髪「ぶ……ブレイクエース……」
一方「カハッ。次、オマエの番だなァ」
結標「く……」
175 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/07/04(日) 02:41:49.39 ID:upNoE9co [15/31]
結標「――――すぅ、――、っ!」
カッ――コォン
姫神「……ブレイク。ラン。アウト」
一方「お見事ォ」
結標「嬉しくないわよ。あなたに渡したらその時点で負けが確定するんだから、こっちだって必死なのよ」
上条「ヲイヲイ……オマエら本気出しすぎだろ」
青髪「え? 何? 物理系の能力者ってみんなこんななん!?」
吹寄「だ、だとしても鈴科君はレベル2って……!」
土御門「これで2対2……だが、」
177 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/07/04(日) 02:49:56.44 ID:upNoE9co [16/31]
結標「最後ね」
一方「俺が最初やっていいのかァ?」
結標「どうぞ。そういうルールだしね」
一方「じゃァ遠慮なく……。……、ッ!」
ガガガガガガガガガガッッ!!
上条「……」
青髪「……え?」
土御門「…………」
一方「あちゃァざンねェン、落ちなかったなァ」
姫神「ブレイクノーイン……。ファウル。交代」
吹寄「で、でもこれ……一番離れてる上に線がないわよ!?」
青髪「――いや、ギリギリ当てれるで。五番と九番の間通して、クッションしてやれば……落ちんことも、ないと思う」
土御門「(…………コイツ)」
上条「(遊んでやがる……!)」
179 名前:あれ、ブレイクノーインってファウルじゃなかったか?まあ細けぇ(ry[saga] 投稿日:2010/07/04(日) 03:05:44.17 ID:upNoE9co [17/31]
結標(何よ……一番面白がってるのはコイツじゃない……!)
結標(クソッ、地力で負けてるのは分かってはいるけれど、こういう遊ばれ方をされるのは腹が立つわね)
結標(…………でも)
結標(要するに、順番に落とせば文句ないのよね……!)
結標「――――っ」
カッ――コッ、コ、――カコン
青髪「……ほら、入ったで……?」
吹寄「え、ええ……!?」
結標「……ふぅ。さて二番はどこかしら」
姫神「ええと。あ。ここ」
結標「また凄い場所に隠れて……、っ!」
カッ、コ、カカッ――コン、コトン
青髪「また入れたでぇ……」
吹寄「うん、あのね、難しいってことは分かるんだけど」
姫神「大丈夫。私も」
結標「次、三番っ……!」
180 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/07/04(日) 03:15:39.93 ID:upNoE9co [18/31]
結標「五番……!」
カッ――カコ、コン、カコン
上条「お、おい結標。なんか冷や汗やばくね……?」
結標「大丈夫よ。ありがとう……次、六っ!」
吹寄「ねえ……いくらなんでもおかしくない? 毎回凄い狙い辛い位置よ?」
青髪「……まっさか、ねえ。偶然っしょ。ねぇ?」
一方「当たり前だろォ。コイツをわざとやったって言うのかよ」
青髪「で、ですよねー……」
上条「遠いぞ! しっかり狙え!」
結標「七番………………っ!」
181 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/07/04(日) 03:31:26.57 ID:upNoE9co [19/31]
結標「…………」
姫神「……。これは」
吹寄「考えたくなかったんだけど……九番の影にすっぽり隠れてるわね」
青髪「角で後ろはポケット。左右の隙間は狭すぎて狙えへんけど……」
土御門「ジャンプショット……球を浮かせて、九番を飛び越えれば」
上条「でもいくら上手いって言っても初心者、っつーか初プレイだろ!?」
結標「……ねえ、上条君」
上条「あ?」
結標「どうやるの?」
上条「っ……!」
青髪「それでも行くのか、あわきん……!」
182 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/07/04(日) 03:38:01.96 ID:upNoE9co [20/31]
土御門「ほら、これ使え」
上条「……ジャンプキューっていうんだけどよ、短いだろ。そいつで斜め上から突き下ろして飛ばすんだ」
青髪「掬い上げたらあかんで。そいつはファウルや」
結標「……ねえ、一回だけ試してみていいかしら」
一方「好きにしろ」
結標「ありがと……こんな感じ?」
上条「そう。んで、この辺狙って……」
結標「――――ふっ!」
ガッ――――ゴン、――コツ
青髪「一発でジャンプさせたで……」
結標「………………、うん。やってみるわ」
183 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/07/04(日) 03:40:28.83 ID:upNoE9co [21/31]
「――――――、――――っ!!」
ガッ!
ゴ、
カツ、
――コトン
――コン
184 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/07/04(日) 03:46:46.58 ID:upNoE9co [22/31]
上条「う、あ」
吹寄「うそ……」
土御門「……、……」
青髪「あわきん……」
結標「うん、……ちょっと力入りすぎたかしら」
姫神「……。……スクラッチ。手球がポケットに落ちたから。ファウル。……交代」
187 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/07/04(日) 03:54:41.69 ID:upNoE9co [23/31]
一方「…………よっとォ」
コ、コトン
一方「コイツで、三本だなァ」
結標「あーあ、負けたわ」
一方「ハッ、オマエにしちゃ頑張ったじゃねェか」
結標「そうかしら? 褒め言葉として受け取っておくわ。――あれ」
姫神「結標。さん」
結標「あー……やだなぁ。こんなのでマジになって、その上、泣いちゃったりとか。なんか、かっこ悪い」
上条「結標……」
土御門「…………」
189 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/07/04(日) 04:00:07.25 ID:upNoE9co [24/31]
「姉ちゃんー! かっこよかったぞー!!」
結標「……え?」
「なんだアンタめちゃくちゃ上手いな! 本当に初心者かよ!?」
「普通あそこからジャンプいけるかぁ?」
「ノーハンデプレイだろ? 能力無しかよおい」
「やべ、ビリヤードってクソ熱いなぁ!?」
「オマエなんか能力使ってもあのねーちゃんに勝てるかよ」
「そう言うオマエこそ」
「おい高校生ども、ちょっとオニーサン混ぜてくれよ。色々教えてやるから」
結標「……、……」
191 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/07/04(日) 04:06:28.54 ID:upNoE9co [25/31]
「おいガキども! 警備員来たぞ! 補導されっぞ、逃げろ!」
青髪「あ、え、時間やっばぁー!?」
吹寄「ちょっと、補導とか勘弁してよね!?」
上条「黄泉川センセとかだったら最悪だぞ! 管轄だろここ!」
一方「ゲ」
姫神「総員。速やかに撤収」
土御門「わりぃニイチャン! 片付け頼むぜぃ!」
「あ、こらチクショウっ」
結標「ごめんなさい、今度教えてねっ!」
「――覚えてろよコノヤロー!」
192 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/07/04(日) 04:12:43.17 ID:upNoE9co [26/31]
青髪「裏口こっちや!」
吹寄「ちょっと、こんなとこ勝手に入っていいの!? 従業員専用って書いてあるわよ!」
姫神「大丈夫。お店公認だから」
吹寄「いつもお世話になってるのかっ」
上条「ぎゃー! 靴紐解けたー!!」
一方「ハッ、おいてくぞォ」
土御門「もたもたしてっと捕まるんだにゃー」
上条「ちょっ、ひどぉっ!? 少しは思いやってくれよ心配してくれよダチだろぉ!?」
土御門「カミやんの尊い犠牲は忘れないぜぃ」
姫神「それにしてもこの連中。実に容赦がない」
一方「そォ言うオマエもなァ」
193 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/07/04(日) 04:17:22.35 ID:upNoE9co [27/31]
結標「――――あは」
姫神「うん。ふふっ」
青髪「ははははっ」
吹寄「ちょっと、何よ、あはは」
土御門「何って、分かってるんじゃにゃーかい。へへっ」
一方「ッハ、カカッ」
上条「なんだよオマエまで。ははっ」
結標「あー、えっとね、うん」
結標「たっのしかったぁ――!」
194 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/07/04(日) 04:24:11.88 ID:upNoE9co [28/31]
"the Moving Stars Shot at a Point"is over.
197 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/07/04(日) 04:29:44.11 ID:upNoE9co [29/31]
というわけで、あわきん大はしゃぎなお話でした
グループ内で他との関わりがほとんど描かれていない結標ですが、そんな彼女の学校生活は、と思ったのが今回の発端だったり
普段あまり書かれない姫神、吹寄、そして青髪ピアスも遊ばせる事ができたので個人的にはビリヤードのシーンはめちゃくちゃ楽しかったです
まあ、寂れたボーリング場の二階で好き勝手やってるだけなんですが。そのへんハスラーの方々にはすみません
そして出番がほとんどなかった海原は……まあ、異邦人だし
運がよければ出てくるかもしれません
まあ毎度のごとくこっから先も何も考えてないんですが
続くかすら未定ですが、とりあえず
お付き合いいただき、ありがとうございました
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