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男「お前は、さっき殺したはず」女「はぁ」
1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/08/03(火) 16:12:48.24 ID:OlqVA7kp0 [1/76]
俺は22歳無職の殺し屋だ(無職じゃない)
ついさっきも女子大生を1人グサッと刺してきた(いじめのもつれ)
お金は明日貰いにいくとして今日はもう休もうと自分の部屋に帰ってきたら
――さっき殺した女子大生が、俺の部屋でなんかくつろいでた
俺は22歳無職の殺し屋だ(無職じゃない)
ついさっきも女子大生を1人グサッと刺してきた(いじめのもつれ)
お金は明日貰いにいくとして今日はもう休もうと自分の部屋に帰ってきたら
――さっき殺した女子大生が、俺の部屋でなんかくつろいでた
5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 16:14:59.47 ID:OlqVA7kp0 [2/76]
男「え? 何だよこれ? どういうこと?」
女「はぁ」
男「お前、さっき俺に刺されて死んだよな」
女「はぁ」
男「何で俺の部屋にいるの」
女「さぁ」
……何でこいつがいじめられてたかわかる気がする
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 16:17:58.92 ID:OlqVA7kp0
男「何? お前、幽霊?」
女「そういうことになるのかなぁ」
男「それとも実は生きてて復讐に来たとか?」
女「そういう見方もあるね」
男「結局お前はなんなんだよ!」
女「まぁまぁ、クールにいこうよ」
男「うるせぇこの根暗いじめられた上に殺し屋に依頼され女」
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 16:18:59.70 ID:OlqVA7kp0
もうわけがわからない(ほんとにわからない)
余りにわけがわからないのでとりあえず俺はこの女を
――追い出すことにした
9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 16:20:35.01 ID:OlqVA7kp0
取り合えず手近にあったゴキジェットを噴射してみる
女「?」
ネクラン(根暗いじめられた上に殺し屋に依頼され女の略)にはこうかがないようだ……
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 16:24:06.62 ID:OlqVA7kp0
女「何してんの?」
男「こっちの台詞」
女「この番組面白いね」
男「うるせぇネクラン。いいからさっさとでてけそして死んでないなら死んで、死んでるなら成仏しろ」
女「そうだね。その方がよさそうだ」
そういってネクランが立ち上がる。やけにあっさりしてるな。
女「とでも、いうと思った?」
男「え?」
女がそういった瞬間、俺の頭が百万ボルト☆
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 16:27:02.69 ID:OlqVA7kp0
男「ぐぁあ」
何だこれは、まるで有史以前からの記憶を頭の中に流されて脳が追いつかなくなっているかのような衝撃だ
女「有史以前からの記憶を頭の中に流された気分はどう?」
あたってた(ガビーン)
男「や、やめろ。こんなことをしてお前に何の得がある」
女「うるさいだまれ」
男「ぐぁああ」
ほんとに脳がやばい。こうなったら
俺はコートのポケットからナイフを出して、ネクランに投げつけた
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 16:29:11.91 ID:OlqVA7kp0
しかしナイフはネクランをすりぬけた(なん・・・だと・・・)
男「どういうことだ! 何でナイフがお前の体をすりぬけるんだ! 説明しろ」
女「はぁ」
しまった。この女が基本的に無口であることを忘れていた。
だがやばいこのままでは死ぬ
と、思ったところに
ププッププー ププッププー
――電話が、かかってきた
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 16:33:31.73 ID:OlqVA7kp0
しめた。これはチャンスだ
俺は電話を取る
と、同時に、その電話を女に向かって投げつけた
上司「おーい、連絡がないけどちゃんと殺したのか?」
上司(俺に仕事を斡旋する係りの人)の声が俺の部屋に響く
女「なにこの声! 私、変声機の声は駄目なんだ!」
思ったとおりだ
女「キャアアアア やめて、とめてぇ!」
男「このなぞの術をといたら、電源を切ってあげるぜ☆」
刹那、術がとけた。いやっほい
男「ありがとう。だがお前は許さない死ね」
そういって俺は電話をさらにネクランに近づけた
上司「おい! 今の悲鳴はなんだ 返事しろ」
女「いやぁああああ! しぬぅううう」
そういってネクランは気絶した
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 16:37:45.24 ID:OlqVA7kp0
【解説(ルジェンダ・アマティーン)】
~なぜ俺がネクランの弱点が変声機の声であるとわかったか~
俺の地方には昔から幽霊は変声機の声に弱いという言い伝えがある
そこで俺は推理した
①ネクランは俺が殺したはず
②ナイフが通過した
この二つから俺はネクランは幽霊であると的確に見抜き、そして上司が電話では必ず変声機を使うことを利用して、ネクランを倒したのだ
【解説終(アカデミック・パープル)】
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 16:40:40.39 ID:OlqVA7kp0
上司「おい! どうした男!」
上司がうざい。はいはいいい加減応答しますよ
そう思って電話をとろうとした瞬間
上司「くそっ! 返り討ちにあったのか? とにかく何らかの事情で取り返しのつかない目にあっていることだけは確かなようだ。だとしたら、あいつに関わる一切の証拠を抹殺しなければ」
え?
刹那、俺の部屋の窓から、手榴弾が投げ込まれた(恐らく俺の上司の部下の手によるもの)
――ドカーン!!!!!!!!!!!!
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 16:42:47.57 ID:OlqVA7kp0
男「ぐぁああああああああああああああああああああああああ」
熱い。まるでマグマの中で寒中水泳をしているようだ(意味不明)
このままでは、死んでしまう
くそ、俺にも、ネクランのように、なにか特別な力が、あれば
く。ここまで・・・か・・・
ああなんか、俺の死ぬ姿が、もう目にうかぶよ
いやだなぁ 死にたくないなぁ
――
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 16:45:27.25 ID:OlqVA7kp0
――
男「あれ? ここは」
目が覚めると公園のベンチだった
そうだ。俺は確かあの後、無事脱出し公園のベンチに寝ている俺の姿をイメージして
そこで、気を失ったんだった
だとしたら、まさか、これが俺の能力!!
未来を予知し、それを自分が思うがままに変更する力
未来予知(チェンジ・ザ・フューチャー!!)
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 16:48:29.37 ID:OlqVA7kp0
女「どうやら、目覚めてしまったようねうふふ」
男「てめぇ! ネクラン! どうやってあの部屋から」
女「ゲゲゲの鬼太郎の歌でも聴くと良いわ」
そうか――お化けは死なない!!!!(ピカーン!)
次の瞬間、ネクランに有史以前からの映像を脳内に流されもだえ苦しむ俺の姿が映った
させるか! 未来予知(チェンジ・ザ・フューチャー!!)
自分の頭に、流してろ!
女「え? 何? 嘘? あああああああああああああああああああ!!!」
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 16:50:06.88 ID:OlqVA7kp0
女が能力を解除する姿が映る
させるか! 未来予知(チェンジ・ザ・フューチャー!!)
そのまま流し、続けてろ!
女「え? 何? 嘘? あああああああああああああああああ!!!!」
こうして俺はネクランに勝った
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 16:53:44.70 ID:OlqVA7kp0
男「それにしても、この女、一体なんだったんだ」
女「ふ、ふふ・・・」
男「な! お前、まだ生きてたのか!?」
女「うふふあははおぼばりぶぶべぼあははははははおなか痛い!!!
あんたもう死ぬわよ!!! あんたも能力が目覚めてしまったのだからね!!!
今にわかるわ!! これから起こる恐ろしいことが!!!
そう、あなたはもう既に歯車(フォーチュン)なのよ」
男「なにがいいた・・・死んでる・・・」(もとから)
次の瞬間、頚動脈にナイフを刺されて死ぬ俺の姿が映った
させるか、未来予知(チェンジ・ザ・フューチャー!!)
自分の頚動脈に、刺してろ!
27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 16:56:46.16 ID:OlqVA7kp0
ネクランとは違う、女の悲鳴が轟く
男「後ろから刺そうとするとは、卑怯じゃねぇかよぉ・・・
それに、あんたは
――今回の仕事の、依頼主じゃあありませんかよぉ・・・」
そう。自らの頚動脈にナイフを突き立て、悲鳴をあげ倒れた瀕死の女は
――今回の仕事の依頼者、片山ちはる(19)だった
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 17:00:41.83 ID:OlqVA7kp0
男「どういうつもりだぁ? 仕事を依頼しておいて、俺のことを消そうとするとは、筋が通ってねぇなぁ!!」
ちはる「く、あの子の能力がやっかいだったから、専門の殺し屋に消してもらおうと思ったんだけど、まさか、死後も能力が使える上に、あんたまで能力に目覚めるとは、誤算だったわ」
男「なんだかよくわからないけどよぉ・・・そいつは、背後からナイフを突き立てようとしてもいい理由になるのかい?」
ちはる「ふ、殺し屋の貴方にだけは、いわれたくなかった、わ、ね・・・」
刹那、ちはるが死ぬ映像が流れた
こいつにはまだまだ聞きたいことがある!!
させるか! 未来予知(チェンジ・ザ・フューチャー!!)
死なずに生きる! 未来になぁ~れ!!
ちはる「あれ・・・? 傷が・・・」
31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 17:06:10.78 ID:OlqVA7kp0
俺と生還をとげたちはるは、取り合えず近くのファミレスに入ることにした
男「それで、お前のいっている能力ってのは、なんのことだよ?」
ちはる「ふ、あなたももってるじゃない。その能力のことを」
やはり未来予知(チェンジ・ザ・フューチャー!!)のことだったか
男「で、この能力があることと、お前の依頼その他もろもろの非人道的な行為となんの関連性があるんだよ?」
ちはる「うふふ。あなたなぁんにも知らないのね? 能力をもつものは、殺しあう運命なのよ」
男「なんだそれ。選ばれし100人が神の名を求めて争うとか、キースがジャバウォックを狙うとか、そういうことか?」
ちはる「ぜぇんぜぇんちがうわぁ、誰の意思でもない、得られるものもない。ただ、そういう風になっているのよ」
男「よくわからんな」
ちはる「私もよ。でも、あなたはもしやしたら、違うのかもね」
男「あ?」
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 17:09:02.59 ID:OlqVA7kp0
男「どういうことだ?」
ちはる「だってあなたは、死ぬはずの私を助けたじゃない」
ちはる「能力者同士が、助け合いをするなんて、普通は不可能よ」
男「へぇ」
ちはる「もしかしたら、あなたのその、未来を切り開く能力こそが、この過酷な運命の輪から私たちを抜け出させてくれる、唯一の方法になるのかもね」
男「なるほど。そいつは、面白そうだぐふふ」
思わぬことをきき上機嫌になっている俺の耳に
女「私もそう思うな」
というネクランの声が入ってきた
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 17:14:03.91 ID:OlqVA7kp0
男「な、お前まだ生きていたのか」
女「当然よ。鬼太郎の歌を思い出しなさい」
そうか――お化けは、死なない!!
男「それでネクラン、さっきの発言は?」
女「ん? ああ、私も、君のその未来変形能力が、私たちを運命から解放してくれる鍵になるんじゃないかって思っただけ。
さっきは殺されたこともあって復讐を考えたけど、もうやめるよ。君に協力する。ちはるもそうするんでしょ?」
ちはる「え? あ、ああ・・・うん」
気まずそうだな。そうか。よく考えたらこいつらは、大学ではいじめっこいじめられっこの立場にあり、殺し屋をも雇った関係だったんだもんな
女「もう私たち、いがみあわなくてもいいんだよね? また、あのころみたいに戻ろうよ、ちはる」
ちはる「う、う・・・うん\\\」
まぁ、仲良きことはいいことかな、か。
37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 17:20:32.29 ID:OlqVA7kp0
翌日
こうして、ちはるとネクランを見方につけた俺は、もう殺し屋をやめることにした(だって手榴弾とか投げ込まれてむかついたし)
その前に資金を作ろうということで、こうして競馬場にきたのだ
男「よしちはる、金はあるな」
ちはる「うん。十万持ってきた」
男「よし、それだけあれば十分だ」
――
ちはる「いやー、こんなに稼げるとはねぇ」
男「まぁ俺の力なら当然だな。これからもちょくちょく稼ぐとしようぐふふ」
女「フューチャーさんは凄いね」
男「おいおいネクラン、その呼び方はやめろよ。俺には大河原琉死負亜(おおかわらるしふぁ)って名前があるんだからよ」
女「じゃあルシファーさんだね。それと、この際言うけど、私にも布松おからっていうちゃんとした名前があるんだから」
男「そうか。じゃあ布松って呼ばなきゃな」
おから「お、おからでいいよ\\\」
38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 17:24:18.44 ID:OlqVA7kp0
さぁ、これで寝床には困らない。さっそく、殺し屋をやめにいくぞ
一大決心し、俺は、上司、馴初縁無(なれそめ えんなし)の住むマンションに来た
キィ(扉を開ける音)
上司「あーん。誰だ?」
縁無は銃を磨いている。ちょうどいい!!
未来予知(チェンジ・ザ・フューチャー!!)
その銃で、自分の頭を撃て!!
刹那、マンションの部屋内に、銃声が轟いた
39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 17:28:13.58 ID:OlqVA7kp0
これで、殺し屋を、やめられるいえぃ☆
そのはずだったのに・・・
なぜか、縁無が起き上がる未来が映った
くそ! なぜだ! 未来予知(チェンジ・ザ・――
ドカッ!!
男「ぐぁっ!」
間に合わなかった。縁無に殴られたのだ。まずいな。二人は外に待たせてあるし、絶体絶命だ
それにしても、縁無は一体・・・
縁無「おいおいよぉ・・・まさかてめぇも能力にめざめていたとはなぁ・・・それにしても、飼い犬に手をかまれることほど胸糞悪いことはねぇぜ? ああ?」
「も」って、ま、まさか、・・・縁無も、能力者?
40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 17:34:02.79 ID:OlqVA7kp0
縁無「俺の能力、破るのが不可能な壁(アイアン・ウォール)じゃなかったら、あの銃弾でアウトだったな。なにしたんだ? え? ルシファー?」
なるほど。縁無は防御系能力者だったのか。全然気付かんかった・・・
やべぇ。殴られたせいで、意識が・・・
くそ、頼む早く未来の映像よ流れてくれ! それを変えて、縁無が死ぬ未来に・・・
縁無「なにしたか聞いてんだよウンコマン」
プチン
男「人をウンコマン呼ばわりするなぁあああああああーーーーーうぉおおおおおおおおおおおおお!!!」
縁無「な、てめぇ・・・」
男「う・る・せ・え良いわけすんなぁああああ」
ドカッバキッグチャッグチャッミンチ!!
縁無「ば、ばかな・・・俺の、アイアン・ウォールが・・・」
ドサッ
男「ふぅ」
――こうして俺は、殺し屋をやめた
第一部「殺し屋という輪廻からの解脱(エスケープ・キラー)編」完
41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 17:38:32.94 ID:OlqVA7kp0
なんという需要のなさ
これは2部やるか悩むレベル
42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 17:45:06.79 ID:OlqVA7kp0
第二部「能力者達の鎮魂歌(レクイエム)編」
殺し屋をやめてから一ヶ月、俺の家では
おから「こらちはる、お肉ばっかり食べないで野菜も食べるの!」
ちはる「うるさいわねぇ! あたしが肉好きなのおからだって知ってるでしょ」
おから「知ってるけど、だからってお肉ばっかり食べるのを認めるわけにはいかないよ」
ちはる「融通のきかないやつぅ」
おから「ムキー! 野菜は体にいいんだから!!」
・・・こんな風に、争いが絶えない
43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 17:47:05.39 ID:OlqVA7kp0
しかしいじめの当事者間のわりには仲いいなこいつら
まぁ、高校までは大親友だったらしいしな
それが、能力のせいでいがみあうようになってしまったと
つくづく能力というものは罪なものよのぉ
ん? 能力?
男「そういえば、お前らの能力って、結局なんなんだ?」
46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 17:50:21.65 ID:OlqVA7kp0
あのさお前らさっきから批判してばっかりだけど
じゃあ逆にきくけど
『お前等はこれよりも面白いSS書けるわけ?』
47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 17:56:08.13 ID:OlqVA7kp0
はい無言ーwwwwwwwwwwwwwwww
はい無言ーwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
所詮口だけふっふ~wwwwwwwwwwwwww
行動しないやつが行動してる奴のこと非難してんじゃねぇよこのチンカスどもが
48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 18:08:26.63 ID:OlqVA7kp0
ごめんちょっと用事ができて投下できそうにない
7時ころ戻れたら戻る
54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 19:01:57.59 ID:OlqVA7kp0
帰還
というわけで再開するぜうっほ~い
今までのあらすじ
主人公大河原琉死負亜(おおかわら るしふぁ)は殺し屋として生活していた
しかしある日、殺したはずの標的(ターゲット)がなぜか自分の部屋にいた
とまどうルシファーに、標的、布松おからの攻撃がつきささる
しかしルシファーの知略に長けた戦法により無事撃破 だが、その戦法が新たなすれ違いを生み、ルシファーの部屋に手榴弾がなげこまれる
そこでルシファーの能力が覚醒! 無事その場を切り抜けるものの、おからもまた復活しルシファーを狙っていた
それをなんとか撃退するルシファー、するとこんどは、依頼人の、片山ちはるが襲い掛かる
それもなんとか撃退 死に行くちはるを救い、その後和解
おからとも和解し、三人で共同戦線をはることを決意
そこでルシファーは殺し屋をやめることを決意
上司も能力者というアクシデントはあったものの、なんとか殺し屋脱退に成功
しかしまだ戦いは始まったばかりであった・・・
55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 19:05:11.00 ID:OlqVA7kp0
ちはる「え? 私たちの能力」
おから「ああ、そういえばまたいってなかったけ。でも見せたから大体わかるでしょ」
男「ああ、まぁおからの力はな。でもあれ、どんなちからなんだ?」
おから「私の力は世界の歴史(へヴィ・ヒストリー)、あいてに地球の始まりから現在までを体感させる能力。その余りの情報量に、脳がオーバーヒートを起こすってわけ」
男「ふぅん。怖い能力だな」
おから「まぁ、はまれば強いよ」
56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 19:10:08.25 ID:OlqVA7kp0
男「それで、ちはるは? 頚動脈刺されそうになった思い出しかないんだが」
ちはる「悪かったって。私の能力は、君とのメロディ(スプリング)、何かと共鳴することで、力をグレードアップさせる能力。ナイフなら切れ味があがったり。結構便利よ」
男「へぇ。能力単体じゃなにもできないってわけか」
ちはる「まぁ武器ありきの能力かな」
ここには俺の殺し屋時代の武器が結構あるから、それを使えば化けるかもしれない能力だな
58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 19:15:35.81 ID:OlqVA7kp0
おから「まぁ君のチート能力、未来予知(チェンジ・ザ・フューチャー!!)があれば、戦いになっても私たちの力なんか必要ないかもだけどね」
男「そうは言っても、この前も負けそうになったしなぁ」
俺は縁無戦を思い出す。勝てたことは勝てたものの、あれは結構危なかった
未来を変更できるとはいえ、その未来が映像として流れてくれないとどうしようもない
そして未来が映像で流れるタイミングは自分では決められない これは結構使いにくい力でもある
競馬でもそれで何回か落としたしなぁ
ちはる「まぁ敵がいつ襲ってくるかなんかわかんないんだし、深く考えてもしょうがないよ。ご飯食べよ」
おから「だから野菜も食べなさい!!」
・・・まぁ、それもそうだな
今はゆっくりするのも、悪くないやもしれん
63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 19:25:00.51 ID:OlqVA7kp0
その頃 縁無の部屋
縁無「くそっ! ルシファーの奴、どこに姿をくらましやがった!! あいつ住むとこもねぇはずなのに・・・」
ガチャリ(ドアの開く音)
縁無「ん? ルシファーか!?」
??「違うなぁ。まぁ、ルシファーの話をしにきたのではあるがね」
縁無「え? あ、あんたは!! まさか、ボスッ!?」
ボス「そのとおりだよ。縁無君。ところで今日は、我が『海神(リヴァイアサン)』から、ルシファー君が抜けたことに対して、一切の報告がなされていなかったことについてききにきたのだが」
縁無「な! そ、それは・・・」
65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 19:25:41.71 ID:OlqVA7kp0
ボス「私も部下からの報告でびっくりしたよ。この一ヶ月、君に回る仕事も、依頼主からの苦情もなかったからよかったものの」
縁無「す、すみません!! ルシファーは絶対に連れ戻すつもりだったので・・・その・・・」
ボス「君の裁量でやられちゃあ困るんだよ。裏切り者はすぐ報告してくれないと・・・消しにいけないだろ?」
縁無「ぼ、ボス! 縁無は消すには惜しい人材です!! わたくしめが連れ戻しますので」
ボス「うるさいだまれ」
刹那、縁無の首が、はじけた
ごとん、と縁無の体が床に倒れる
ボス「さてと、チームを編成して、徹底的にルシファーを追い詰め、始末しないとな」
ボス「全く大変だよふふふ」
67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 19:28:54.45 ID:OlqVA7kp0
ちはる「にーく!」
おから「野菜!」
男「おいおいお前等、いい加減に喧嘩せずにくえ」
おから「私はちはるのことを思って言ってるんだよ」
ちはる「あんたは私のお母さんか」パコッ
おから「いたっ! やったわねこの!」
ワーワードカッバタンッドタンッ
男「まったく・・・」
まぁでも悪くない
こんな日が、いつまでも続けばいいな・・・
69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 19:33:27.15 ID:OlqVA7kp0
翌日
――オキテ! ルシファーオキテ!!
・・・なんだこんな朝早くから、うるさいなぁ。もう少し、寝かせ・・・
おから「ルシファー起きてったら!! ちはるが! ちはるがっ・・・!!」
男「なんだよ、ちはるがどうか」
そういって起き上がり、ちはるの布団の方を見て、俺は、目を疑った
眠気が一発で吹っ飛んでいった
男「どういうことだよ・・・こりゃあ!!!!」
ちはるが寝ていたはずの場所に――ちはるが、いない
代わりにその場所に残っていたのは、ちはるのものと思われる血だまりと、一通の手紙だけだった
71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 19:36:14.64 ID:OlqVA7kp0
男「何が・・・何があったんだよ!!」
まさか、能力者の仕業か・・・。それならなぜわざわざ、ちはるだけを・・・
とにかく、手紙を読まないと
俺は興奮する気持ちをおさえ、手紙をとる
おから「ちはるっ、ちはる死んじゃったの? やだよぅ、やだよぅ・・・」ウッ ヒック
男「落ち着けおから、とにかく手紙を見てみよう」
73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 19:38:41.41 ID:OlqVA7kp0
「 大河原 琉死負亜へ
ちはるは預かった。少々血痕が残っているかもしれないが、命に別状はない。
返して欲しければ明日0時丁度に、山手線快速公園へ来い」
75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 19:41:00.83 ID:OlqVA7kp0
男「野郎! なめやがって! あからさまに罠くさいぜ・・・」
おから「でも行かなきゃ、行かなきゃちはるがっ!!」
男「ああ、わかってるよ」
だがなんでこいつはわざわざこんな回りくどいことをしてるんだ・・・
ちはる1人だけ誘って、俺を呼び出すなんて、合理的じゃない・・・
77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 19:43:29.39 ID:OlqVA7kp0
訂正
×誘って
○さらって
男「まぁでも、行くしかねぇな・・・」
おから「うん。私、絶対に許さない」
行くしかないが、ここに書いてあるとおり、ちはるが生きてる保障はない・・・
未来予知(チェンジ・ザ・フューチャー!!)でも、ちはるの生死に関する未来は見えない・・・
くっ! 頼むからいきててくれよ、ちはる
79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 19:47:36.12 ID:OlqVA7kp0
翌日 0時
俺達は指示通り、山手線快速公園に来ていた
男「おい! でてこい! 俺はここだ! 大河原琉死負亜はここだぞ!!」
深夜の公園に俺の声が響く。
男「気を抜くなよ。おから」
おから「大丈夫。絶対ちはるを助ける」
刹那、公園のすべりだいのあたりから、人影があらわれた
??「ちゃんと時間通りに現れて、えらいことえらいこと」
男「てめぇが、ちはるをさらって、このふざけた手紙をだした野郎か?」
??「そいつは違うなぁ。僕の能力は戦闘専用だからさ、さらったりとかそういうものには向いてない」
男「あん? てめぇらチームで行動してるってことかよ?」
??「そういうこと」
81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 19:52:11.19 ID:OlqVA7kp0
??「さらったのは僕の仲間さ。察しがいいな」
男「そりゃどうも。でも気になるな。能力者ってのは、基本的に協力したりできないんだろ? そのせいでいがみあうはめになっちゃった大親友を俺は知ってるんだがよぉ・・・」
??「それはちはるちゃんと、そこにいる、ええっと・・・おからちゃん? のことかい?
そうだね。基本的には能力者は協力できないよ。基本的にはね。
君だって、気付いてるだろ?」
男「ああ。てめぇのバックに、いるな? 俺と同じような、能力者をつなぎとめて、共同戦線はれる力を持った奴が」
??「ご名答♪」
男「だが、そんなことはどうでもいい。てめぇを倒せば、ちはるは帰ってくるんだろ?」
??「そうだね」
男「だったら今からぶっとばすから、覚悟してろ!!」
83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 19:57:55.35 ID:OlqVA7kp0
??「僕を倒せるかな? 君に? ふふふあはははははふはははははははは」
余裕ぶっこいてればいいさ。てめぇなんか。未来が見えりゃあ、そっこう改変して、ぶっ殺してやる
男「いくぞくそ野郎!!」
コートからナイフを取り出し、突っ込む。野郎がナイフを回避する未来でも見えたら、それを変えて突き刺してやればいい。
男「おらぁ」
??「おっと」
野郎がナイフをかわす。しかし、未来は見えない。
男「あん? どうなってんだ?」
??「なにがぁ? それより、こっちもいくよ?」
相手もナイフを取り出す。俺は一旦引いて、おからの近くに行く
男「おいおから、お前の力を使え!」
おから「わかっる! いくぞこの卑怯野郎! へヴィ・ヒストリー!!」
くらいやがれ、地球の歴史!!
85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 20:05:08.79 ID:OlqVA7kp0
訂正
×わかっる
○わかってる
しかし、相手の男は全く同時ない
普通にナイフを持って、俺達の方に襲い掛かってきた
男「どういうことだよ! なんで、あの野郎!」
おから「能力はちゃんと発動してる! なんで、なんであの人!」
??「ふふふふ、ふふふあはははあーっははははははは!!
全くお前ら愉快だなぁ! 能力がなきゃなんにもできねぇトーシロがよぉ!」
男「あん? てめぇ、何を」
??「いいかてめぇら、いくら能力が強くたって、基礎能力がだめだめじゃあ意味ないんだよ!
なぜなら、僕みたいな奴が、いや、むしろ、僕がいるから!!」
男「・・・てめぇ、まさか!!」
??「そうだよやっと気付いたか。僕の能力は、蚊帳の外(フィルター)。
この能力がある限り、僕は敵の能力の影響を一切受けないんだよ!」
なるほど、それで、俺の力で未来を見ることも、おからの力で歴史を流し込むこともできなかったのか・・・
だが、体術で殺し屋の俺に勝負を挑むとは、愚の骨頂だぜ!!
87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 20:13:40.08 ID:OlqVA7kp0
男「おからぁ! 下がってろ! こいつは、俺がぶっ殺す!」
おから「う・・・うん・・・」
悪いなおから。てめぇだってぶんなぐってやりたいだろうに・・・
だが、俺がこいつをぶっ飛ばすまで、待ってくれ
男「いくぞカスがぁ!」
俺とフィルタリング野郎が激突する
男「俺は殺し屋だぞ!! てめぇみてぇな野郎に体術で・・・」
刹那、男の姿が俺の目の前から消えた
フィルタ「奇遇だねぇ。僕も、殺し屋なんですよぉうふふふふふ」
背後から聞こえる声。気付けば、俺の首に、ナイフが突きつけられていた。
89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 20:14:35.21 ID:OlqVA7kp0
男「てめぇも、殺し屋?」
フィルタ「ああ。幹部を、しているよ
――海神(リヴァイアサン)のね」
男「あん・・・だと?」
海神、だと・・・
男「まさか、じゃあ、てめぇらのバックにいるのは」
フィルタ「ああ。リヴァイアサンのボスだよ」
てことは、おい、何か?
・・・こいつは、海神を抜けた俺を始末しに来たってことか?
てことは、つまり
――俺の所為で、ちはるはさらわれたってことか?
92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 20:19:12.39 ID:OlqVA7kp0
確かに、手紙が俺宛だった時点でおかしいと思ってた
だがあれは、ちはるを餌に芋蔓式に能力者をおびき出すためのものだと思ってた
だのに、最初からターゲットは俺で、ちはるは、そのためだけに連れ去られた、だと?
男「ふっざけんなぁあああああああああああああああ!!」
フィルタ「なんだようるさいなぁ。お前状況わかってんの?」
おからの泣き叫ぶ声が聞こえてくる。ああ、そういや今俺の首には、ナイフが突き立てられてるんだな。
だが、関係ねぇ
男「何で、それなら、何でてめぇら俺を最初から狙わねぇんだ!!
ちはるを連れ去るような、こんな真似、しやがって!!」
フィルタ「あーうるさいうるさい。僕らだってこんな手間ぁかかることしたくなかったよ。けどしゃーねーだろ? 情報量が少なすぎたんだ」
男「あ? 情報量だぁ?」
94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 20:27:10.07 ID:OlqVA7kp0
フィルタ「そ。僕の仲間の能力、誘拐(アブダクション)ってんだけどさ、一定の個人情報を持っている相手を、特殊な空間を通して自分のもとに連れ去る能力なんだよ。
まぁそのときちょっと抵抗されて血とかでちゃったんだけど。」
男「あん? 俺の個人情報くらい、縁無のとこにいきゃあ・・・」
フィルタ「その縁無がお前の情報全部処分してたんだよ。まぁあいつはアブダクションもしってたし、お前の身を案じてのことだろうな」
あの縁無が、そんな気遣いを・・・?
フィルタ「で、かわりに残ってたてめぇの最後の客をさらったわけ。手がかりになっかと思って。
そしたら、ビンゴォ! 自白強要能力者の力を使って吐かせてみたら、なんとてめぇらくんでるらしいじゃん!
でもどんなに能力つかってもあのカスてめぇの居場所をはかねぇから、さらうとき使った空間使って手紙をおいたわけ。
まぁこんな簡単につれるとは思ってなかったんだけどねぇえええええ!!」
男「・・・なるほど。把握した」
男「てめぇは、殺す!!」
96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 20:33:15.66 ID:OlqVA7kp0
フィルタ「死ぬのは君だよ♪ ルシファー君」
次の瞬間、俺の首に、ナイフが突き立てられた。おからの悲鳴が聞こえる。
俺が死ぬ、映像が流れる。
男「俺は・・・死なねぇよ・・・」
未来予知(チェンジ・ザ・フューチャー!!)
俺が死ぬ未来から、俺の死なない未来に!
男「・・・よぉ、俺は死ななかったぜ、フィルタリング君
てめぇが影響を受けないわけで、能力自体は使えるんだから、そらぁ、こうなるわなぁ」
そういって俺は、ナイフをフィルタリングに向ける。
男「死ぬのはてめぇだ♪ くそごみフィルター!」
フィルタ「な、な、このくそがああああああああああああああ!」
刹那、俺のナイフが、フィルタの心臓に突き刺さった。
能力がとけたのか、フィルタが死ぬ、未来が見える。
男「チェンジ・ザ・フューチャー!! ・・・しねぇよ」
フィルターは、死んだ
98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 20:35:32.42 ID:OlqVA7kp0
ごめんちょっと風呂入ってくる
103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 21:30:20.31 ID:OlqVA7kp0
帰還なのだよ
というわけで再開
おから「ルシファー、さん・・・」
男「ああ、終わったぜ。悪いな。殺しちまった。てめぇも殴りたかっただろうに。まぁ、アブダクションって奴で我慢してくれ」
おから「・・・・・・はい。で、でも、肝心のちはるさんはどうなってるんでしょう」
男「・・!! ああ・・・やっぱりこいつを生かして、こいつに吐かせるべきだったか・・・
だがまぁ、こいつらは俺をおってるんだから、このフィルタ野郎がやられたとわかれば、あっちからアプローチかけてくるだろ」
??「その通りだ」
男&おから「!?」
野太い、男の声。
瞬間、俺達の目の前に、気を失ったちはるが現れた
105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 21:30:58.91 ID:OlqVA7kp0
男&おから「ちはる!!」
おから「ちはるぅ・・・よかったよぉ・・・」
傷はあるが、息もきちんとしてる。
男「ああ、よかった。でも、どうなってんだ? それに、今の声・・・」
??「彼女はお返しするよ。私の海神(リヴァイアサン)の、大事なお客様だからね」
男「またっ!! 誰なんだ! てめぇは!!」
??「私、私か? 私はな・・・」
ボス「海神(リヴァイアサン)のボスだよ」
男「てめぇが・・・。いきなりおでましとは、随分とあわててらっしゃることで」
ボス「何、お前も私と同じ『チート能力持ち』なら、やはり私が出るのが一番だろう。
フィルタ以外に君に太刀打ちできる能力者など、1人もいないからな」
107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 21:35:46.69 ID:OlqVA7kp0
男「『チート能力持ち』?」
ボス「ん? 知らないのか? 能力者は基本的に組むことはできない。能力者の血がそうさせるんだ。
だが、圧倒的な力を持った能力者がいる場合、能力者の血が、はむかうだけ無駄と認識させ、そのものを中心にチームが組みあがることがあるのだ。
そのような中心となる能力者を、私達は、『チート能力持ち』と呼んでるのさ」
男「へぇ・・・そういうわけだったのか。まぁいいさ。理論なんかどうでもいい。俺とおからとちはるの絆は、説明が必要な者じゃないしな」
ボス「・・・ふふふ」
男「何がおかしい!!」
ボス「ふふふ・・・いや、失礼。
――これから、その絆とやらが崩れるシーンが見れると思うと、笑いが、とまらなくてなふふふ」
男「あん?」
109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 21:41:00.41 ID:OlqVA7kp0
ボス「・・・なぁ、ただで返すと思ったのかね?」
男「あ?」
ボス「彼女だよ。われわれは彼女をさらい、お前に関する情報を吐かせた。
われわれのアジトの場所や秘密のいくらかが、漏れる恐れは十分にある。
・・・なぁ、ただで返すと思ったかね?」
男「・・・てめぇ・・・まさかっ!」
ボス「そのまさかだよっ!」
ちはる「う、うぅううん。あれ? ここ、どこ?」
おから「あ、ちはる!! ちはるぅ! 良かったよぉ?」
ちはる「へ・・・あんた、布松!?」
ちはるは、おからの顔を見るやいなや、その場から飛びのいた
おから「・・・・・・え?」
ボス「当然、彼女の記憶は消させてもらったよ。君達がチームを組み始める前までね」
111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 21:47:19.47 ID:OlqVA7kp0
おから「え? ちはる? 何で、どうしたの? そんなに勢い良く逃げて? それに、私のこと、布松って・・・」
ちはる「どうしたの? はこっちの台詞よ! なんで布松が私の近くにいるのよ!
大体、なんか最近の記憶が曖昧なんだけど、あんたの仕業!? 何たくらんでんのよ布松!?
何? 何? 何? いじめの復讐? 何よ何よ何よ!! いじめなんてされる側が100%悪いのよ!!
あんたが、あんたが悪いのよ!! そんな力もって、いつそれで殺されるか、びくびく過ごすのは嫌なのよ!!
はやく追い詰められて死んでよ! 消えてよ! 私の前からいなくなってよ!!」
おから「・・・え? ちょっとちはる? なに言ってるの・・・え? なんで・・・私達、親友、だよね?」
男「やめろ! おから・・・」
おから「ルシファーさんは黙っててください・・・。ねぇちはる、私達、親友じゃん。なんで、なんで」
ちはる「何いってんのよ! あんたなんか――」
ボス「くははははははは」
男「やめろちはるー!!!」
ちはる「あんたなんか、敵よ! 私の敵!! 最悪な敵! 何が親友よ! 笑わせないで!」
113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 21:54:45.61 ID:OlqVA7kp0
ボス「はははははははは!! いつみてもいいな。こういうシーンは」
おから「え・・・ちはる、そんな、やっと、やっと、やっと昔みたいに・・・」
ちはる「うるさい! 死ね!! 消えろ!! あんたなんか死ねー!!」
ちはるが近くに落ちていた石を拾い、投げる。
石はおからの腹部に直撃し、おからは3M近く吹き飛ばされる。普通の石の威力じゃない。恐らくこれが、ちはるの能力、君とのメロディ(スプリング)の力だろう。
おから「痛いよ、ちはる、痛いよ・・・」
男「ちはる・・・やめろ・・・ちはる・・・」
ちはる「さっきからうるさいわねぇ!! 誰よあんた! なんで私の名前知ってるの!? 何なのあんたも布松も!!」
男「ちはる・・・。
おい、ボス!! こんな・・・・こんなことして、何が面白いんだよ!!?」
ボス「ん? 何、私の組織には信頼だとか絆だとかいう概念は基本的にないからな。お客様からの信用は大事だが。
だから、そういう架空のものを信じている奴らが、こんなちょっとしたことで崩れていくさまを見ると、痛快だ。
まぁ、君にはわからないだろうがな」
男「ああ。わかんねぇよ。・・・ボス、てめぇは俺が、ぶっ殺す!!」
115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 21:59:07.08 ID:OlqVA7kp0
ボス「私を、殺す・・・。そいつは無理な話だ」
男「あん? てめぇが『チート能力持ち』でも、それは俺も一緒だ。能力は互角。
それにくわえていまの俺はプチンときてる。てめぇが勝つ方が無理な話だ」
ボス「ふ、ははは。それ本気でいってるのか? 一重にチート能力といっても、それにもまたピンからキリまであるのだよ。
君の能力は、チート能力からすれば・・・ゴミだな」
男「だったらやってみろよ。ゴミかどうかは、俺が教えてやる」
おから「・・・ちはる。嘘でしょ・・・ちはる」
男「・・・おからぁ!! てめぇも戦え!!」
117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 22:03:40.92 ID:OlqVA7kp0
おから「え?」
男「てめぇが辛いのはわかる! だけどないてたって何の解決にもならねぇよ!!
お前、ちはると仲直りできて、あんなに喜ぶくらい・・・それほどちはると、仲良くしたかったんだろ!!
だったらもう一回すればいいんだよ!! 仲のいい親友は、何回喧嘩したって、結局仲直りして落ち着くって相場が決まってるんだ!!」
おから「・・・ルシファー、さん」
男「それで、見せ付けてやれよ。あそこにいる糞野郎に、絆は架空の概念なんかじゃないって証拠をよぉ・・・」
おから「・・・わかりました。確かに、泣いててもはじまらない」
男「てわけでいくぞ。糞ボス!」
ボス「ふ、大層な自信だな。俺もお前のような奴を見ると虫唾がわく。いいぜ、来いよ」
119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 22:09:30.50 ID:OlqVA7kp0
SIDE ルシファー
男「おらああああああ」
ナイフを構え、ボスに突っ込む。こいつはフィルタリングしてない以上、なんらかの未来が見えるはず。それを、変更する。
ボスがナイフを避ける映像が、流れる。
させるか!! 未来予知(チェンジ・ザ・フューチャー!!)
ナイフを避ける未来から、ナイフに心臓を突き刺される未来へ・・・
未来へ・・・
未来へ・・・
――
ボス「ふん」
男「な・・・!!」
ボスは――ナイフを避けた。
背中に激痛が走る。肘鉄を、食らった。
男「がっ!!」
そのまま、地面に倒れこむ。・・・どういうことだよ、なんでこいつ、チェンジ・ザ・フューチャーが、きかねぇんだ・・・
121 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 22:15:44.43 ID:OlqVA7kp0
ボス「驚いたか。これが私の能力だ。その名も、未来工場(フューチャー・ファクトリー)。
これにより私は自分にとって都合のいい未来をいくらでも作れる。既に決まっている未来と同じ未来を作ることで、未来を補強することもできる。
補強された未来は、お前のちっぽけなチート能力では、変更できないのだよ。」
男「な・・・」
つまり、ボスは「ナイフを避ける」という既に決まってる未来をもう一度作ることで、俺すらも変えられない強固な未来にしたってことか。
その上俺みたいに受身じゃなくて、積極的に都合のいい未来を作れる。何だよそれ・・・完全に、俺の上位互換能力じゃあねぇか・・・
ボス「これで自分の力がいかにゴミかわかったかね?
ところでお前は、一気にどの程度の未来を作れるのだ?
・・・私は、お前をゲームオーバーにする未来を、2、30個は作れるのだが」
冗談じゃねぇ・・・間に合わねぇ・・・畜生、万事休すか・・・
123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 22:22:21.74 ID:OlqVA7kp0
SIDE おから
私は走り続けていた。公園から逃げ出してしまったちはるを追いかけて。
おから「待って! 待ってよちはる! 話を聞いて! お願い」
ちはる「やめて! やめて! 来ないで! あんたの能力射程に入ったら、殺される!」
おから「そんなこと・・・そんなこと・・・絶対・・・絶対しないよ!!」
ちはる「口ではそういったって、体がしちゃうに決まってるじゃない!
あんただって、わかるでしょ? 能力者同士が仲良くするなんて・・・無理なようにできてるのよ!!」
おから「・・・・・・そんなこと、そんなこと、そんなこと絶対にない!!」
ちはる「・・・布松・・・」
おから「確かに、確かに私の中の何かが、ちはるに能力を使えっていってくるけど、私は、絶対にそんなことしないよ!! できないよ!!」
おから「私達の友情は、こんな、こんな力に負けるようなものじゃないじゃん!!
能力発動を我慢すれば、そりゃあ、苦しいし、血はうずくし、体が蝕まれるようだけど!
ちはるに攻撃する辛さに比べたら、全然大したことないよ!
だから、だから私、ちはるに一回も、能力なんて使ってないじゃない・・・」
ちはる「・・・・・・おから」
125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 22:30:28.53 ID:OlqVA7kp0
私はゆっくりと、ちはるに近づく。
ちはるは足をとめたまま、動かない。
ちはるに、ちはるに避けられるようになってから、私は無口になった。辛かったから。
けど、もっとはやく、ちゃんと、自分の思いを伝えればよかった
私は、2度もルシファーさんに、助けられた
ちはる「おから・・・おから!!」
ちはるが私に近づいてくる。私は、思いっきりちはるを抱きしめた。
私の体は霊体だから、物理的に抱きしめることなどできないはずだけど。
そんなことは、関係なかった
ちはる「おから・・・おから・・・私の、私の能力が、あんたと共鳴してるよ・・・なんで・・・なんで・・・
能力者が、能力に共鳴するなんて」
おから「そりゃあ、するよ。だって、その能力は、私達二人のメロディーじゃん」
127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 22:34:29.99 ID:OlqVA7kp0
――まだ、私は能力を手にしてなかったあの頃・・・
ちはる「ねぇねぇおから、これ凄くない? なんかね、私の体が、メロディーを奏でてるみたいなの」
おから「何いってるのちはる」
ちはる「本当なんだって、なんかね、これで物に触ると、良い感じになるんだよぉ~共鳴っていうの?」
おから「へぇ。じゃあそれでギター弾いたら、いつもよりうまくなるの」
ちはる「なるよなるよすっごいなるよ!!」
ギュイイイイイイイインガガリコオォオオオオオンン
おから「ほんとだ・・・プロみたい・・・」
ちはる「どれどれおからに触れたらどうなるかなぁ」
おから「ちょっとちはる・・・あ・・・でもなんか凄い、確かに、共鳴してる感じ」
ちはる「じゃあこの力を、君とのメロディ(スプリング)とよぼう!」
おから「何それ・・・?」
ちはる「私の好きな歌!! さぁおからちゃん! 私のギターに合わせて歌っちゃおうか!!」
おから「まったく、何いってるんだか・・・」
129 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 22:40:27.85 ID:OlqVA7kp0
――
ちはる「・・・そうだね。・・・そうだよ・・・私達の、私達のメロディーだよ・・・」
おから「・・・うん。ちはる」
ちはる「・・・でも私、どうしちゃったの? 全然あそこに寝てたわけとか、わからないんだけど・・・」
おから「あ、そうだった」
私はちはるにかいつまみつつも一連の流れはわかるように事情を説明した。
ルシファーさんのことも気になるし、加勢しなきゃやばいかもだし
――
ちはる「ええ!? じゃあ1回私達、仲直りしてたの!?」
おから「そうだよ。それなのに、忘れちゃって・・・」
ちはる「でも、ほんとに私・・・殺し屋に、依頼なんか・・・」
おから「そんなのもう気にしなくていいよ。何か霊体も気楽だし。悲しんでくれる人なんて、ちはるくらいなもんだしね」
ちはる「でも・・・ごめんなさい・・・おから・・・」
おから「いいから。それより、その元殺し屋のルシファーさんが今ピンチかもなんだよ! 助けなきゃ!」
ちはる「う、うん・・・」
131 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 22:47:41.80 ID:OlqVA7kp0
SIDEルシファー
ボス「ははははははははははは! もう終わりか? もう駄目か? エンヅ? デッドエエ~ンド? ルシファー君?
そんなんじゃ、お前をかばったために死んだ、縁無君が報われないぞ?」
男「てめぇ・・・縁無まで、殺したのか・・・」
ボス「ン当然! 使えないゴミと謀反者は容赦なく殺すのが、組織を長持ちさせるコツさ」
男「くそっ・・・野郎」
ぶっとばしてぇ・・・だが、どうにもならねぇ
奴の作った未来で視認できるのなんて高が知れてるし、さらに変えられる未来となるとより絞られる
幸いまだ致命的な未来は作られてないから生きてはいるが、もう生殺与奪は完全にあいつに握られている
男「俺も、ここまでか・・・」
ちはるとおからは、ちゃんと仲直りしたかな・・・
それだけが、気がかりだ・・・
ボス「さて、裏切り者はなぶって殺すがモットーなのだが、もうなぶりつかれたな・・・
いい加減、死のっか☆」
133 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 22:54:51.36 ID:OlqVA7kp0
ボス「死亡確率100%の未来を10個作った。
どれで死にたいか、視認した上で、取捨選択しな」
へ・・・最後の最後まで、趣味の悪い野郎だぜ・・・
じゃあな・・・おから、ちはる
135 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 23:09:01.21 ID:OlqVA7kp0
「ルシファーさ~ん!!」
男&ボス「!!」
おから「ルシファーさん、何で、何でそんなぼろぼろに・・・」
男「お前ら・・・ちゃんと、仲直り」
おから「はい! ルシファーさんのおかげです」
よかった・・・これで、思い残すことはない・・・
男「そっか、じゃあお前等、幸せに生きろよ」
おから&ちはる「え?」
ボス「ふははは!! よかったなぁお前等。むかつくくらいだ。
だが、そのきっかけをくれたルシファーさんは、もう30秒程度の命だよ」
おから「なっ! そんなルシファーさんがやられるなんて、ありえるわけ!!」
ボス「私の能力の方が上なだけさ。お前等の力はただの歴史と共鳴だろ? 加勢にすらなりゃしない」
おから「歴史と、共鳴・・・きょう、めい! そうだ! ちはる、はやくルシファーさんに触れて!」
ちはる「え? ちょっとどゆこと?」
ボス「!?」
137 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 23:16:17.70 ID:OlqVA7kp0
ごめんさるさんくらってた
おから「ちはるの力で男さんの力をレベルアップさせるんだよ!!」
ちはる「え? あ、とにかくわかった」
ボス「何だと!! させるか!!」
ピタッ!
ピィイイイイイイイイイィイイイイイイン
男「・・・なるほど・・・おから、ちはる、お前等、最高だぜ・・・」
ボス「な、貴様・・・」
男「すげえよ、能力が、レベルアップしてるのが自分でもわかる・・・」
ボス「お前には、10個の致死未来が・・・」
男「既に変更した」
ボス「何っ!? はっ、本当に、変えられている!!」
138 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 23:17:29.67 ID:OlqVA7kp0
男「ところで、致死未来に、お前が関係しているものがあったのだが」
ボス「!?」
男「そいつをいじくらかして、お前の致死未来にしておいてやったぞ」
ボス「な、なんだとぉーーーーー!! 早く! 上書きを!!」
男「上書きなんて、させねぇよ」
未来予知(チェンジ・ザ・フューチャー!!)
ボスが、腰から拳銃を取り出し、自分の眉間の前へ持っていく
ボス「うわ、いやだ! 嫌だ! こんな、こんな馬鹿なことがっ!」
男「あばよ、ボス、そして、『海神(リヴァイアサン』」
ボス「私が負けるはずがぁああああーーーーーあああああああああああああああああああああああああああ」
公園に、一発の銃声が、轟いた
142 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 23:24:09.16 ID:OlqVA7kp0
男「最後は、てめぇの否定した、絆にやられたんだよ。てめぇは。
・・・ところでちはる、記憶は戻ったのか?」
ちはる「あ、いえ。でも、大体の事情は説明してもらったんで・・・
私も、あなたとあんなにすんなり共鳴できて驚いてるんです。能力者なのに・・・」
男「そっか。まぁ、思い出なんてこれからでも作れる。これで組織に追われる心配も、なくなったしな。
まぁ、ちょっと駄目押しは、いかなきゃだけど・・・」
おから「ダメ押し?」
男「ああ。アブダクション等その他の始末だよ。ちはるの記憶も取り戻せるかもしれん」
おから「本当ですかっ!? でも・・・どうやって」
男「簡単さ。今のレベルアップした俺の力なら」
未来予知(チェンジ・ザ・フューチャー!!)
眼前に、3人の男が現れた
男「てめぇらが、アブダクション、自白剤、記憶操作か・・・」
おから「すごい、もう未来予知のレベルを超えてる・・・」
敵1「え? なんで俺! こんなとこに」
敵2「ボスがやられたからとんずらここ思ってたのに!」
敵3「おたすけぇ~」
145 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 23:29:16.49 ID:OlqVA7kp0
男「あーまぁ、取り合えず、ちはるの記憶奪った奴かもぉ~ん」
敵2「それわてです」
男「よし、記憶を返さないで苦痛を味わいつつ死ぬのと、記憶を返して楽に死ぬの、どっちがいい?」
敵2「どのみち死ぬんですかえ!?」
ちはる「あ、あの、私は記憶さえ返してもらえれば・・・」
男「ん? そうか? 仕方ない、じゃあ、記憶を返してくれればいいよ」
敵2「ありがとうございます! あんた本当に女神や!!」
おから「調子に乗るなよ?」
敵2「す、すいません。すぐ戻しまっせ」
149 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 23:34:23.66 ID:OlqVA7kp0
ピィイイイイイイピィピィピィチィチャン(記憶を戻している音)
ちはる「あ・・・思い出した・・・おから!! ルシファーさん!!」
おから「ちはる!!」
男「よしよし。じゃあ敵2、お前は帰って良いが・・・」
敵2「?」
150 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 23:35:23.77 ID:OlqVA7kp0
ボカッ
男「取り合えず一発殴っとくぞ? ちゃんと海神(リヴァイアサン)潰せよ? もう追ってくんなよ? な?」
敵2「は、はい! ひ、ひぃいい殴る手が全然見えんかった!!」
男「残りの奴も」
敵1&3「!!」
ボカッボカッ!
男「次追ってきたらこれがナイフになると思えよ? わかったら帰ってよし!」
敵1&2&3「は、はい!!
アラホラセッセー」
――
男「よし! ちはる! おから!」
ちはる「うん!」
おから「ええ!!」
男「帰るか! 俺達の家へ!!」
第二部「能力者達の鎮魂歌(レクイエム)」編 完
154 :1:2010/08/04(水) 00:07:04.73 ID:YSaDZZfc0
1です
じゃあちゃらっとおまけ投下して完結します
一応最終部ということで
最終部「俺達の戦いはこれからだ」編
ボスとの戦いから一ヶ月、昔お世話になっていた裏の情報ルートによれば、海神(リヴァイアサン)は崩壊し、その構成員は山神(オーク)や神空(ドラゴン)に流れていったらしい
もう追われる心配もないだろう
そして、俺達はといえば・・・
156 :1:2010/08/04(水) 00:11:03.60 ID:YSaDZZfc0
おから「だぁ~かぁ~らぁ、どうしてちはるは肉ばっかり食べるの!?」
ちはる「うるさいわねぇ~あんたは私のお母さんか!」
おから「誕生日は私の方がはやいもん」
ちはる「じゃあお姉ちゃんだね。おねえちゃ~んちはるお肉食べた~い」
おから「いや\\\・・・痛々しいし女子大生・・・」
ちはる「と、いいつつ照れるっ! てか大学辞めたし」
おから「ああ、そうだっけ・・・」
ちはる「ルシファーさんの力があれば食には困らないしねぇ~♪」
男「まったく、お前等はしずかにご飯を食べるという考えがないのか」
158 :1:2010/08/04(水) 00:14:50.36 ID:YSaDZZfc0
ちはる「まぁまぁ♪ 騒ぎながら食べるのが、大勢で食卓囲む醍醐味でありゃんせ♪」
まぁ確かに、殺し屋になってからは1人で弁当食うのが当たり前だったからな・・・新鮮で・・・
って、もう2ヶ月もこんなんじゃいいかげんうざいし
おから「でもさぁ、海神は滅んだけど、元々私達の敵って海神だけじゃないじゃん・・・」
ちはる「なーにがいいたいのよ?」
おから「また、あんなことが起きないかなって・・・」
・・・
能力者が何人いるかはわからないが、まだまだいるのは確かだ
いつ能力者が俺達を襲う日が来るかもわからない・・・
けどまぁ・・・
160 :1:2010/08/04(水) 00:18:33.15 ID:YSaDZZfc0
男「大丈夫だろ」
ちはる&おから「!」
男「だってさ、俺達が力を合わせたら、無敵だろ?」
自然と、二人の顔に笑みが毀れる
ちはる「ふふっそうだね」
おから「ルシファーさんの力は、チートだしねぇ」
ちはる「そして私の力でさらなるチートへ!!」
・・・いつまでもこんな日が続くといいが
もし続かなくなっても、またこんな日々に戻ればいいだけの話だ
男「いいからご飯食べるぞ! しずかにな!」
ちはる&おから「はーい!」
――
最終部「俺達の戦いはこれからだ」編 完
男「お前は、さっき殺したはず」女「はぁ」 完
男「え? 何だよこれ? どういうこと?」
女「はぁ」
男「お前、さっき俺に刺されて死んだよな」
女「はぁ」
男「何で俺の部屋にいるの」
女「さぁ」
……何でこいつがいじめられてたかわかる気がする
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 16:17:58.92 ID:OlqVA7kp0
男「何? お前、幽霊?」
女「そういうことになるのかなぁ」
男「それとも実は生きてて復讐に来たとか?」
女「そういう見方もあるね」
男「結局お前はなんなんだよ!」
女「まぁまぁ、クールにいこうよ」
男「うるせぇこの根暗いじめられた上に殺し屋に依頼され女」
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 16:18:59.70 ID:OlqVA7kp0
もうわけがわからない(ほんとにわからない)
余りにわけがわからないのでとりあえず俺はこの女を
――追い出すことにした
9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 16:20:35.01 ID:OlqVA7kp0
取り合えず手近にあったゴキジェットを噴射してみる
女「?」
ネクラン(根暗いじめられた上に殺し屋に依頼され女の略)にはこうかがないようだ……
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 16:24:06.62 ID:OlqVA7kp0
女「何してんの?」
男「こっちの台詞」
女「この番組面白いね」
男「うるせぇネクラン。いいからさっさとでてけそして死んでないなら死んで、死んでるなら成仏しろ」
女「そうだね。その方がよさそうだ」
そういってネクランが立ち上がる。やけにあっさりしてるな。
女「とでも、いうと思った?」
男「え?」
女がそういった瞬間、俺の頭が百万ボルト☆
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 16:27:02.69 ID:OlqVA7kp0
男「ぐぁあ」
何だこれは、まるで有史以前からの記憶を頭の中に流されて脳が追いつかなくなっているかのような衝撃だ
女「有史以前からの記憶を頭の中に流された気分はどう?」
あたってた(ガビーン)
男「や、やめろ。こんなことをしてお前に何の得がある」
女「うるさいだまれ」
男「ぐぁああ」
ほんとに脳がやばい。こうなったら
俺はコートのポケットからナイフを出して、ネクランに投げつけた
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 16:29:11.91 ID:OlqVA7kp0
しかしナイフはネクランをすりぬけた(なん・・・だと・・・)
男「どういうことだ! 何でナイフがお前の体をすりぬけるんだ! 説明しろ」
女「はぁ」
しまった。この女が基本的に無口であることを忘れていた。
だがやばいこのままでは死ぬ
と、思ったところに
ププッププー ププッププー
――電話が、かかってきた
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 16:33:31.73 ID:OlqVA7kp0
しめた。これはチャンスだ
俺は電話を取る
と、同時に、その電話を女に向かって投げつけた
上司「おーい、連絡がないけどちゃんと殺したのか?」
上司(俺に仕事を斡旋する係りの人)の声が俺の部屋に響く
女「なにこの声! 私、変声機の声は駄目なんだ!」
思ったとおりだ
女「キャアアアア やめて、とめてぇ!」
男「このなぞの術をといたら、電源を切ってあげるぜ☆」
刹那、術がとけた。いやっほい
男「ありがとう。だがお前は許さない死ね」
そういって俺は電話をさらにネクランに近づけた
上司「おい! 今の悲鳴はなんだ 返事しろ」
女「いやぁああああ! しぬぅううう」
そういってネクランは気絶した
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 16:37:45.24 ID:OlqVA7kp0
【解説(ルジェンダ・アマティーン)】
~なぜ俺がネクランの弱点が変声機の声であるとわかったか~
俺の地方には昔から幽霊は変声機の声に弱いという言い伝えがある
そこで俺は推理した
①ネクランは俺が殺したはず
②ナイフが通過した
この二つから俺はネクランは幽霊であると的確に見抜き、そして上司が電話では必ず変声機を使うことを利用して、ネクランを倒したのだ
【解説終(アカデミック・パープル)】
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 16:40:40.39 ID:OlqVA7kp0
上司「おい! どうした男!」
上司がうざい。はいはいいい加減応答しますよ
そう思って電話をとろうとした瞬間
上司「くそっ! 返り討ちにあったのか? とにかく何らかの事情で取り返しのつかない目にあっていることだけは確かなようだ。だとしたら、あいつに関わる一切の証拠を抹殺しなければ」
え?
刹那、俺の部屋の窓から、手榴弾が投げ込まれた(恐らく俺の上司の部下の手によるもの)
――ドカーン!!!!!!!!!!!!
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 16:42:47.57 ID:OlqVA7kp0
男「ぐぁああああああああああああああああああああああああ」
熱い。まるでマグマの中で寒中水泳をしているようだ(意味不明)
このままでは、死んでしまう
くそ、俺にも、ネクランのように、なにか特別な力が、あれば
く。ここまで・・・か・・・
ああなんか、俺の死ぬ姿が、もう目にうかぶよ
いやだなぁ 死にたくないなぁ
――
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 16:45:27.25 ID:OlqVA7kp0
――
男「あれ? ここは」
目が覚めると公園のベンチだった
そうだ。俺は確かあの後、無事脱出し公園のベンチに寝ている俺の姿をイメージして
そこで、気を失ったんだった
だとしたら、まさか、これが俺の能力!!
未来を予知し、それを自分が思うがままに変更する力
未来予知(チェンジ・ザ・フューチャー!!)
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 16:48:29.37 ID:OlqVA7kp0
女「どうやら、目覚めてしまったようねうふふ」
男「てめぇ! ネクラン! どうやってあの部屋から」
女「ゲゲゲの鬼太郎の歌でも聴くと良いわ」
そうか――お化けは死なない!!!!(ピカーン!)
次の瞬間、ネクランに有史以前からの映像を脳内に流されもだえ苦しむ俺の姿が映った
させるか! 未来予知(チェンジ・ザ・フューチャー!!)
自分の頭に、流してろ!
女「え? 何? 嘘? あああああああああああああああああああ!!!」
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 16:50:06.88 ID:OlqVA7kp0
女が能力を解除する姿が映る
させるか! 未来予知(チェンジ・ザ・フューチャー!!)
そのまま流し、続けてろ!
女「え? 何? 嘘? あああああああああああああああああ!!!!」
こうして俺はネクランに勝った
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 16:53:44.70 ID:OlqVA7kp0
男「それにしても、この女、一体なんだったんだ」
女「ふ、ふふ・・・」
男「な! お前、まだ生きてたのか!?」
女「うふふあははおぼばりぶぶべぼあははははははおなか痛い!!!
あんたもう死ぬわよ!!! あんたも能力が目覚めてしまったのだからね!!!
今にわかるわ!! これから起こる恐ろしいことが!!!
そう、あなたはもう既に歯車(フォーチュン)なのよ」
男「なにがいいた・・・死んでる・・・」(もとから)
次の瞬間、頚動脈にナイフを刺されて死ぬ俺の姿が映った
させるか、未来予知(チェンジ・ザ・フューチャー!!)
自分の頚動脈に、刺してろ!
27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 16:56:46.16 ID:OlqVA7kp0
ネクランとは違う、女の悲鳴が轟く
男「後ろから刺そうとするとは、卑怯じゃねぇかよぉ・・・
それに、あんたは
――今回の仕事の、依頼主じゃあありませんかよぉ・・・」
そう。自らの頚動脈にナイフを突き立て、悲鳴をあげ倒れた瀕死の女は
――今回の仕事の依頼者、片山ちはる(19)だった
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 17:00:41.83 ID:OlqVA7kp0
男「どういうつもりだぁ? 仕事を依頼しておいて、俺のことを消そうとするとは、筋が通ってねぇなぁ!!」
ちはる「く、あの子の能力がやっかいだったから、専門の殺し屋に消してもらおうと思ったんだけど、まさか、死後も能力が使える上に、あんたまで能力に目覚めるとは、誤算だったわ」
男「なんだかよくわからないけどよぉ・・・そいつは、背後からナイフを突き立てようとしてもいい理由になるのかい?」
ちはる「ふ、殺し屋の貴方にだけは、いわれたくなかった、わ、ね・・・」
刹那、ちはるが死ぬ映像が流れた
こいつにはまだまだ聞きたいことがある!!
させるか! 未来予知(チェンジ・ザ・フューチャー!!)
死なずに生きる! 未来になぁ~れ!!
ちはる「あれ・・・? 傷が・・・」
31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 17:06:10.78 ID:OlqVA7kp0
俺と生還をとげたちはるは、取り合えず近くのファミレスに入ることにした
男「それで、お前のいっている能力ってのは、なんのことだよ?」
ちはる「ふ、あなたももってるじゃない。その能力のことを」
やはり未来予知(チェンジ・ザ・フューチャー!!)のことだったか
男「で、この能力があることと、お前の依頼その他もろもろの非人道的な行為となんの関連性があるんだよ?」
ちはる「うふふ。あなたなぁんにも知らないのね? 能力をもつものは、殺しあう運命なのよ」
男「なんだそれ。選ばれし100人が神の名を求めて争うとか、キースがジャバウォックを狙うとか、そういうことか?」
ちはる「ぜぇんぜぇんちがうわぁ、誰の意思でもない、得られるものもない。ただ、そういう風になっているのよ」
男「よくわからんな」
ちはる「私もよ。でも、あなたはもしやしたら、違うのかもね」
男「あ?」
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 17:09:02.59 ID:OlqVA7kp0
男「どういうことだ?」
ちはる「だってあなたは、死ぬはずの私を助けたじゃない」
ちはる「能力者同士が、助け合いをするなんて、普通は不可能よ」
男「へぇ」
ちはる「もしかしたら、あなたのその、未来を切り開く能力こそが、この過酷な運命の輪から私たちを抜け出させてくれる、唯一の方法になるのかもね」
男「なるほど。そいつは、面白そうだぐふふ」
思わぬことをきき上機嫌になっている俺の耳に
女「私もそう思うな」
というネクランの声が入ってきた
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 17:14:03.91 ID:OlqVA7kp0
男「な、お前まだ生きていたのか」
女「当然よ。鬼太郎の歌を思い出しなさい」
そうか――お化けは、死なない!!
男「それでネクラン、さっきの発言は?」
女「ん? ああ、私も、君のその未来変形能力が、私たちを運命から解放してくれる鍵になるんじゃないかって思っただけ。
さっきは殺されたこともあって復讐を考えたけど、もうやめるよ。君に協力する。ちはるもそうするんでしょ?」
ちはる「え? あ、ああ・・・うん」
気まずそうだな。そうか。よく考えたらこいつらは、大学ではいじめっこいじめられっこの立場にあり、殺し屋をも雇った関係だったんだもんな
女「もう私たち、いがみあわなくてもいいんだよね? また、あのころみたいに戻ろうよ、ちはる」
ちはる「う、う・・・うん\\\」
まぁ、仲良きことはいいことかな、か。
37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 17:20:32.29 ID:OlqVA7kp0
翌日
こうして、ちはるとネクランを見方につけた俺は、もう殺し屋をやめることにした(だって手榴弾とか投げ込まれてむかついたし)
その前に資金を作ろうということで、こうして競馬場にきたのだ
男「よしちはる、金はあるな」
ちはる「うん。十万持ってきた」
男「よし、それだけあれば十分だ」
――
ちはる「いやー、こんなに稼げるとはねぇ」
男「まぁ俺の力なら当然だな。これからもちょくちょく稼ぐとしようぐふふ」
女「フューチャーさんは凄いね」
男「おいおいネクラン、その呼び方はやめろよ。俺には大河原琉死負亜(おおかわらるしふぁ)って名前があるんだからよ」
女「じゃあルシファーさんだね。それと、この際言うけど、私にも布松おからっていうちゃんとした名前があるんだから」
男「そうか。じゃあ布松って呼ばなきゃな」
おから「お、おからでいいよ\\\」
38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 17:24:18.44 ID:OlqVA7kp0
さぁ、これで寝床には困らない。さっそく、殺し屋をやめにいくぞ
一大決心し、俺は、上司、馴初縁無(なれそめ えんなし)の住むマンションに来た
キィ(扉を開ける音)
上司「あーん。誰だ?」
縁無は銃を磨いている。ちょうどいい!!
未来予知(チェンジ・ザ・フューチャー!!)
その銃で、自分の頭を撃て!!
刹那、マンションの部屋内に、銃声が轟いた
39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 17:28:13.58 ID:OlqVA7kp0
これで、殺し屋を、やめられるいえぃ☆
そのはずだったのに・・・
なぜか、縁無が起き上がる未来が映った
くそ! なぜだ! 未来予知(チェンジ・ザ・――
ドカッ!!
男「ぐぁっ!」
間に合わなかった。縁無に殴られたのだ。まずいな。二人は外に待たせてあるし、絶体絶命だ
それにしても、縁無は一体・・・
縁無「おいおいよぉ・・・まさかてめぇも能力にめざめていたとはなぁ・・・それにしても、飼い犬に手をかまれることほど胸糞悪いことはねぇぜ? ああ?」
「も」って、ま、まさか、・・・縁無も、能力者?
40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 17:34:02.79 ID:OlqVA7kp0
縁無「俺の能力、破るのが不可能な壁(アイアン・ウォール)じゃなかったら、あの銃弾でアウトだったな。なにしたんだ? え? ルシファー?」
なるほど。縁無は防御系能力者だったのか。全然気付かんかった・・・
やべぇ。殴られたせいで、意識が・・・
くそ、頼む早く未来の映像よ流れてくれ! それを変えて、縁無が死ぬ未来に・・・
縁無「なにしたか聞いてんだよウンコマン」
プチン
男「人をウンコマン呼ばわりするなぁあああああああーーーーーうぉおおおおおおおおおおおおお!!!」
縁無「な、てめぇ・・・」
男「う・る・せ・え良いわけすんなぁああああ」
ドカッバキッグチャッグチャッミンチ!!
縁無「ば、ばかな・・・俺の、アイアン・ウォールが・・・」
ドサッ
男「ふぅ」
――こうして俺は、殺し屋をやめた
第一部「殺し屋という輪廻からの解脱(エスケープ・キラー)編」完
41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 17:38:32.94 ID:OlqVA7kp0
なんという需要のなさ
これは2部やるか悩むレベル
42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 17:45:06.79 ID:OlqVA7kp0
第二部「能力者達の鎮魂歌(レクイエム)編」
殺し屋をやめてから一ヶ月、俺の家では
おから「こらちはる、お肉ばっかり食べないで野菜も食べるの!」
ちはる「うるさいわねぇ! あたしが肉好きなのおからだって知ってるでしょ」
おから「知ってるけど、だからってお肉ばっかり食べるのを認めるわけにはいかないよ」
ちはる「融通のきかないやつぅ」
おから「ムキー! 野菜は体にいいんだから!!」
・・・こんな風に、争いが絶えない
43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 17:47:05.39 ID:OlqVA7kp0
しかしいじめの当事者間のわりには仲いいなこいつら
まぁ、高校までは大親友だったらしいしな
それが、能力のせいでいがみあうようになってしまったと
つくづく能力というものは罪なものよのぉ
ん? 能力?
男「そういえば、お前らの能力って、結局なんなんだ?」
46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 17:50:21.65 ID:OlqVA7kp0
あのさお前らさっきから批判してばっかりだけど
じゃあ逆にきくけど
『お前等はこれよりも面白いSS書けるわけ?』
47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 17:56:08.13 ID:OlqVA7kp0
はい無言ーwwwwwwwwwwwwwwww
はい無言ーwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
所詮口だけふっふ~wwwwwwwwwwwwww
行動しないやつが行動してる奴のこと非難してんじゃねぇよこのチンカスどもが
48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 18:08:26.63 ID:OlqVA7kp0
ごめんちょっと用事ができて投下できそうにない
7時ころ戻れたら戻る
54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 19:01:57.59 ID:OlqVA7kp0
帰還
というわけで再開するぜうっほ~い
今までのあらすじ
主人公大河原琉死負亜(おおかわら るしふぁ)は殺し屋として生活していた
しかしある日、殺したはずの標的(ターゲット)がなぜか自分の部屋にいた
とまどうルシファーに、標的、布松おからの攻撃がつきささる
しかしルシファーの知略に長けた戦法により無事撃破 だが、その戦法が新たなすれ違いを生み、ルシファーの部屋に手榴弾がなげこまれる
そこでルシファーの能力が覚醒! 無事その場を切り抜けるものの、おからもまた復活しルシファーを狙っていた
それをなんとか撃退するルシファー、するとこんどは、依頼人の、片山ちはるが襲い掛かる
それもなんとか撃退 死に行くちはるを救い、その後和解
おからとも和解し、三人で共同戦線をはることを決意
そこでルシファーは殺し屋をやめることを決意
上司も能力者というアクシデントはあったものの、なんとか殺し屋脱退に成功
しかしまだ戦いは始まったばかりであった・・・
55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 19:05:11.00 ID:OlqVA7kp0
ちはる「え? 私たちの能力」
おから「ああ、そういえばまたいってなかったけ。でも見せたから大体わかるでしょ」
男「ああ、まぁおからの力はな。でもあれ、どんなちからなんだ?」
おから「私の力は世界の歴史(へヴィ・ヒストリー)、あいてに地球の始まりから現在までを体感させる能力。その余りの情報量に、脳がオーバーヒートを起こすってわけ」
男「ふぅん。怖い能力だな」
おから「まぁ、はまれば強いよ」
56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 19:10:08.25 ID:OlqVA7kp0
男「それで、ちはるは? 頚動脈刺されそうになった思い出しかないんだが」
ちはる「悪かったって。私の能力は、君とのメロディ(スプリング)、何かと共鳴することで、力をグレードアップさせる能力。ナイフなら切れ味があがったり。結構便利よ」
男「へぇ。能力単体じゃなにもできないってわけか」
ちはる「まぁ武器ありきの能力かな」
ここには俺の殺し屋時代の武器が結構あるから、それを使えば化けるかもしれない能力だな
58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 19:15:35.81 ID:OlqVA7kp0
おから「まぁ君のチート能力、未来予知(チェンジ・ザ・フューチャー!!)があれば、戦いになっても私たちの力なんか必要ないかもだけどね」
男「そうは言っても、この前も負けそうになったしなぁ」
俺は縁無戦を思い出す。勝てたことは勝てたものの、あれは結構危なかった
未来を変更できるとはいえ、その未来が映像として流れてくれないとどうしようもない
そして未来が映像で流れるタイミングは自分では決められない これは結構使いにくい力でもある
競馬でもそれで何回か落としたしなぁ
ちはる「まぁ敵がいつ襲ってくるかなんかわかんないんだし、深く考えてもしょうがないよ。ご飯食べよ」
おから「だから野菜も食べなさい!!」
・・・まぁ、それもそうだな
今はゆっくりするのも、悪くないやもしれん
63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 19:25:00.51 ID:OlqVA7kp0
その頃 縁無の部屋
縁無「くそっ! ルシファーの奴、どこに姿をくらましやがった!! あいつ住むとこもねぇはずなのに・・・」
ガチャリ(ドアの開く音)
縁無「ん? ルシファーか!?」
??「違うなぁ。まぁ、ルシファーの話をしにきたのではあるがね」
縁無「え? あ、あんたは!! まさか、ボスッ!?」
ボス「そのとおりだよ。縁無君。ところで今日は、我が『海神(リヴァイアサン)』から、ルシファー君が抜けたことに対して、一切の報告がなされていなかったことについてききにきたのだが」
縁無「な! そ、それは・・・」
65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 19:25:41.71 ID:OlqVA7kp0
ボス「私も部下からの報告でびっくりしたよ。この一ヶ月、君に回る仕事も、依頼主からの苦情もなかったからよかったものの」
縁無「す、すみません!! ルシファーは絶対に連れ戻すつもりだったので・・・その・・・」
ボス「君の裁量でやられちゃあ困るんだよ。裏切り者はすぐ報告してくれないと・・・消しにいけないだろ?」
縁無「ぼ、ボス! 縁無は消すには惜しい人材です!! わたくしめが連れ戻しますので」
ボス「うるさいだまれ」
刹那、縁無の首が、はじけた
ごとん、と縁無の体が床に倒れる
ボス「さてと、チームを編成して、徹底的にルシファーを追い詰め、始末しないとな」
ボス「全く大変だよふふふ」
67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 19:28:54.45 ID:OlqVA7kp0
ちはる「にーく!」
おから「野菜!」
男「おいおいお前等、いい加減に喧嘩せずにくえ」
おから「私はちはるのことを思って言ってるんだよ」
ちはる「あんたは私のお母さんか」パコッ
おから「いたっ! やったわねこの!」
ワーワードカッバタンッドタンッ
男「まったく・・・」
まぁでも悪くない
こんな日が、いつまでも続けばいいな・・・
69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 19:33:27.15 ID:OlqVA7kp0
翌日
――オキテ! ルシファーオキテ!!
・・・なんだこんな朝早くから、うるさいなぁ。もう少し、寝かせ・・・
おから「ルシファー起きてったら!! ちはるが! ちはるがっ・・・!!」
男「なんだよ、ちはるがどうか」
そういって起き上がり、ちはるの布団の方を見て、俺は、目を疑った
眠気が一発で吹っ飛んでいった
男「どういうことだよ・・・こりゃあ!!!!」
ちはるが寝ていたはずの場所に――ちはるが、いない
代わりにその場所に残っていたのは、ちはるのものと思われる血だまりと、一通の手紙だけだった
71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 19:36:14.64 ID:OlqVA7kp0
男「何が・・・何があったんだよ!!」
まさか、能力者の仕業か・・・。それならなぜわざわざ、ちはるだけを・・・
とにかく、手紙を読まないと
俺は興奮する気持ちをおさえ、手紙をとる
おから「ちはるっ、ちはる死んじゃったの? やだよぅ、やだよぅ・・・」ウッ ヒック
男「落ち着けおから、とにかく手紙を見てみよう」
73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 19:38:41.41 ID:OlqVA7kp0
「 大河原 琉死負亜へ
ちはるは預かった。少々血痕が残っているかもしれないが、命に別状はない。
返して欲しければ明日0時丁度に、山手線快速公園へ来い」
75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 19:41:00.83 ID:OlqVA7kp0
男「野郎! なめやがって! あからさまに罠くさいぜ・・・」
おから「でも行かなきゃ、行かなきゃちはるがっ!!」
男「ああ、わかってるよ」
だがなんでこいつはわざわざこんな回りくどいことをしてるんだ・・・
ちはる1人だけ誘って、俺を呼び出すなんて、合理的じゃない・・・
77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 19:43:29.39 ID:OlqVA7kp0
訂正
×誘って
○さらって
男「まぁでも、行くしかねぇな・・・」
おから「うん。私、絶対に許さない」
行くしかないが、ここに書いてあるとおり、ちはるが生きてる保障はない・・・
未来予知(チェンジ・ザ・フューチャー!!)でも、ちはるの生死に関する未来は見えない・・・
くっ! 頼むからいきててくれよ、ちはる
79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 19:47:36.12 ID:OlqVA7kp0
翌日 0時
俺達は指示通り、山手線快速公園に来ていた
男「おい! でてこい! 俺はここだ! 大河原琉死負亜はここだぞ!!」
深夜の公園に俺の声が響く。
男「気を抜くなよ。おから」
おから「大丈夫。絶対ちはるを助ける」
刹那、公園のすべりだいのあたりから、人影があらわれた
??「ちゃんと時間通りに現れて、えらいことえらいこと」
男「てめぇが、ちはるをさらって、このふざけた手紙をだした野郎か?」
??「そいつは違うなぁ。僕の能力は戦闘専用だからさ、さらったりとかそういうものには向いてない」
男「あん? てめぇらチームで行動してるってことかよ?」
??「そういうこと」
81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 19:52:11.19 ID:OlqVA7kp0
??「さらったのは僕の仲間さ。察しがいいな」
男「そりゃどうも。でも気になるな。能力者ってのは、基本的に協力したりできないんだろ? そのせいでいがみあうはめになっちゃった大親友を俺は知ってるんだがよぉ・・・」
??「それはちはるちゃんと、そこにいる、ええっと・・・おからちゃん? のことかい?
そうだね。基本的には能力者は協力できないよ。基本的にはね。
君だって、気付いてるだろ?」
男「ああ。てめぇのバックに、いるな? 俺と同じような、能力者をつなぎとめて、共同戦線はれる力を持った奴が」
??「ご名答♪」
男「だが、そんなことはどうでもいい。てめぇを倒せば、ちはるは帰ってくるんだろ?」
??「そうだね」
男「だったら今からぶっとばすから、覚悟してろ!!」
83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 19:57:55.35 ID:OlqVA7kp0
??「僕を倒せるかな? 君に? ふふふあはははははふはははははははは」
余裕ぶっこいてればいいさ。てめぇなんか。未来が見えりゃあ、そっこう改変して、ぶっ殺してやる
男「いくぞくそ野郎!!」
コートからナイフを取り出し、突っ込む。野郎がナイフを回避する未来でも見えたら、それを変えて突き刺してやればいい。
男「おらぁ」
??「おっと」
野郎がナイフをかわす。しかし、未来は見えない。
男「あん? どうなってんだ?」
??「なにがぁ? それより、こっちもいくよ?」
相手もナイフを取り出す。俺は一旦引いて、おからの近くに行く
男「おいおから、お前の力を使え!」
おから「わかっる! いくぞこの卑怯野郎! へヴィ・ヒストリー!!」
くらいやがれ、地球の歴史!!
85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 20:05:08.79 ID:OlqVA7kp0
訂正
×わかっる
○わかってる
しかし、相手の男は全く同時ない
普通にナイフを持って、俺達の方に襲い掛かってきた
男「どういうことだよ! なんで、あの野郎!」
おから「能力はちゃんと発動してる! なんで、なんであの人!」
??「ふふふふ、ふふふあはははあーっははははははは!!
全くお前ら愉快だなぁ! 能力がなきゃなんにもできねぇトーシロがよぉ!」
男「あん? てめぇ、何を」
??「いいかてめぇら、いくら能力が強くたって、基礎能力がだめだめじゃあ意味ないんだよ!
なぜなら、僕みたいな奴が、いや、むしろ、僕がいるから!!」
男「・・・てめぇ、まさか!!」
??「そうだよやっと気付いたか。僕の能力は、蚊帳の外(フィルター)。
この能力がある限り、僕は敵の能力の影響を一切受けないんだよ!」
なるほど、それで、俺の力で未来を見ることも、おからの力で歴史を流し込むこともできなかったのか・・・
だが、体術で殺し屋の俺に勝負を挑むとは、愚の骨頂だぜ!!
87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 20:13:40.08 ID:OlqVA7kp0
男「おからぁ! 下がってろ! こいつは、俺がぶっ殺す!」
おから「う・・・うん・・・」
悪いなおから。てめぇだってぶんなぐってやりたいだろうに・・・
だが、俺がこいつをぶっ飛ばすまで、待ってくれ
男「いくぞカスがぁ!」
俺とフィルタリング野郎が激突する
男「俺は殺し屋だぞ!! てめぇみてぇな野郎に体術で・・・」
刹那、男の姿が俺の目の前から消えた
フィルタ「奇遇だねぇ。僕も、殺し屋なんですよぉうふふふふふ」
背後から聞こえる声。気付けば、俺の首に、ナイフが突きつけられていた。
89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 20:14:35.21 ID:OlqVA7kp0
男「てめぇも、殺し屋?」
フィルタ「ああ。幹部を、しているよ
――海神(リヴァイアサン)のね」
男「あん・・・だと?」
海神、だと・・・
男「まさか、じゃあ、てめぇらのバックにいるのは」
フィルタ「ああ。リヴァイアサンのボスだよ」
てことは、おい、何か?
・・・こいつは、海神を抜けた俺を始末しに来たってことか?
てことは、つまり
――俺の所為で、ちはるはさらわれたってことか?
92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 20:19:12.39 ID:OlqVA7kp0
確かに、手紙が俺宛だった時点でおかしいと思ってた
だがあれは、ちはるを餌に芋蔓式に能力者をおびき出すためのものだと思ってた
だのに、最初からターゲットは俺で、ちはるは、そのためだけに連れ去られた、だと?
男「ふっざけんなぁあああああああああああああああ!!」
フィルタ「なんだようるさいなぁ。お前状況わかってんの?」
おからの泣き叫ぶ声が聞こえてくる。ああ、そういや今俺の首には、ナイフが突き立てられてるんだな。
だが、関係ねぇ
男「何で、それなら、何でてめぇら俺を最初から狙わねぇんだ!!
ちはるを連れ去るような、こんな真似、しやがって!!」
フィルタ「あーうるさいうるさい。僕らだってこんな手間ぁかかることしたくなかったよ。けどしゃーねーだろ? 情報量が少なすぎたんだ」
男「あ? 情報量だぁ?」
94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 20:27:10.07 ID:OlqVA7kp0
フィルタ「そ。僕の仲間の能力、誘拐(アブダクション)ってんだけどさ、一定の個人情報を持っている相手を、特殊な空間を通して自分のもとに連れ去る能力なんだよ。
まぁそのときちょっと抵抗されて血とかでちゃったんだけど。」
男「あん? 俺の個人情報くらい、縁無のとこにいきゃあ・・・」
フィルタ「その縁無がお前の情報全部処分してたんだよ。まぁあいつはアブダクションもしってたし、お前の身を案じてのことだろうな」
あの縁無が、そんな気遣いを・・・?
フィルタ「で、かわりに残ってたてめぇの最後の客をさらったわけ。手がかりになっかと思って。
そしたら、ビンゴォ! 自白強要能力者の力を使って吐かせてみたら、なんとてめぇらくんでるらしいじゃん!
でもどんなに能力つかってもあのカスてめぇの居場所をはかねぇから、さらうとき使った空間使って手紙をおいたわけ。
まぁこんな簡単につれるとは思ってなかったんだけどねぇえええええ!!」
男「・・・なるほど。把握した」
男「てめぇは、殺す!!」
96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 20:33:15.66 ID:OlqVA7kp0
フィルタ「死ぬのは君だよ♪ ルシファー君」
次の瞬間、俺の首に、ナイフが突き立てられた。おからの悲鳴が聞こえる。
俺が死ぬ、映像が流れる。
男「俺は・・・死なねぇよ・・・」
未来予知(チェンジ・ザ・フューチャー!!)
俺が死ぬ未来から、俺の死なない未来に!
男「・・・よぉ、俺は死ななかったぜ、フィルタリング君
てめぇが影響を受けないわけで、能力自体は使えるんだから、そらぁ、こうなるわなぁ」
そういって俺は、ナイフをフィルタリングに向ける。
男「死ぬのはてめぇだ♪ くそごみフィルター!」
フィルタ「な、な、このくそがああああああああああああああ!」
刹那、俺のナイフが、フィルタの心臓に突き刺さった。
能力がとけたのか、フィルタが死ぬ、未来が見える。
男「チェンジ・ザ・フューチャー!! ・・・しねぇよ」
フィルターは、死んだ
98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 20:35:32.42 ID:OlqVA7kp0
ごめんちょっと風呂入ってくる
103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 21:30:20.31 ID:OlqVA7kp0
帰還なのだよ
というわけで再開
おから「ルシファー、さん・・・」
男「ああ、終わったぜ。悪いな。殺しちまった。てめぇも殴りたかっただろうに。まぁ、アブダクションって奴で我慢してくれ」
おから「・・・・・・はい。で、でも、肝心のちはるさんはどうなってるんでしょう」
男「・・!! ああ・・・やっぱりこいつを生かして、こいつに吐かせるべきだったか・・・
だがまぁ、こいつらは俺をおってるんだから、このフィルタ野郎がやられたとわかれば、あっちからアプローチかけてくるだろ」
??「その通りだ」
男&おから「!?」
野太い、男の声。
瞬間、俺達の目の前に、気を失ったちはるが現れた
105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 21:30:58.91 ID:OlqVA7kp0
男&おから「ちはる!!」
おから「ちはるぅ・・・よかったよぉ・・・」
傷はあるが、息もきちんとしてる。
男「ああ、よかった。でも、どうなってんだ? それに、今の声・・・」
??「彼女はお返しするよ。私の海神(リヴァイアサン)の、大事なお客様だからね」
男「またっ!! 誰なんだ! てめぇは!!」
??「私、私か? 私はな・・・」
ボス「海神(リヴァイアサン)のボスだよ」
男「てめぇが・・・。いきなりおでましとは、随分とあわててらっしゃることで」
ボス「何、お前も私と同じ『チート能力持ち』なら、やはり私が出るのが一番だろう。
フィルタ以外に君に太刀打ちできる能力者など、1人もいないからな」
107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 21:35:46.69 ID:OlqVA7kp0
男「『チート能力持ち』?」
ボス「ん? 知らないのか? 能力者は基本的に組むことはできない。能力者の血がそうさせるんだ。
だが、圧倒的な力を持った能力者がいる場合、能力者の血が、はむかうだけ無駄と認識させ、そのものを中心にチームが組みあがることがあるのだ。
そのような中心となる能力者を、私達は、『チート能力持ち』と呼んでるのさ」
男「へぇ・・・そういうわけだったのか。まぁいいさ。理論なんかどうでもいい。俺とおからとちはるの絆は、説明が必要な者じゃないしな」
ボス「・・・ふふふ」
男「何がおかしい!!」
ボス「ふふふ・・・いや、失礼。
――これから、その絆とやらが崩れるシーンが見れると思うと、笑いが、とまらなくてなふふふ」
男「あん?」
109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 21:41:00.41 ID:OlqVA7kp0
ボス「・・・なぁ、ただで返すと思ったのかね?」
男「あ?」
ボス「彼女だよ。われわれは彼女をさらい、お前に関する情報を吐かせた。
われわれのアジトの場所や秘密のいくらかが、漏れる恐れは十分にある。
・・・なぁ、ただで返すと思ったかね?」
男「・・・てめぇ・・・まさかっ!」
ボス「そのまさかだよっ!」
ちはる「う、うぅううん。あれ? ここ、どこ?」
おから「あ、ちはる!! ちはるぅ! 良かったよぉ?」
ちはる「へ・・・あんた、布松!?」
ちはるは、おからの顔を見るやいなや、その場から飛びのいた
おから「・・・・・・え?」
ボス「当然、彼女の記憶は消させてもらったよ。君達がチームを組み始める前までね」
111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 21:47:19.47 ID:OlqVA7kp0
おから「え? ちはる? 何で、どうしたの? そんなに勢い良く逃げて? それに、私のこと、布松って・・・」
ちはる「どうしたの? はこっちの台詞よ! なんで布松が私の近くにいるのよ!
大体、なんか最近の記憶が曖昧なんだけど、あんたの仕業!? 何たくらんでんのよ布松!?
何? 何? 何? いじめの復讐? 何よ何よ何よ!! いじめなんてされる側が100%悪いのよ!!
あんたが、あんたが悪いのよ!! そんな力もって、いつそれで殺されるか、びくびく過ごすのは嫌なのよ!!
はやく追い詰められて死んでよ! 消えてよ! 私の前からいなくなってよ!!」
おから「・・・え? ちょっとちはる? なに言ってるの・・・え? なんで・・・私達、親友、だよね?」
男「やめろ! おから・・・」
おから「ルシファーさんは黙っててください・・・。ねぇちはる、私達、親友じゃん。なんで、なんで」
ちはる「何いってんのよ! あんたなんか――」
ボス「くははははははは」
男「やめろちはるー!!!」
ちはる「あんたなんか、敵よ! 私の敵!! 最悪な敵! 何が親友よ! 笑わせないで!」
113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 21:54:45.61 ID:OlqVA7kp0
ボス「はははははははは!! いつみてもいいな。こういうシーンは」
おから「え・・・ちはる、そんな、やっと、やっと、やっと昔みたいに・・・」
ちはる「うるさい! 死ね!! 消えろ!! あんたなんか死ねー!!」
ちはるが近くに落ちていた石を拾い、投げる。
石はおからの腹部に直撃し、おからは3M近く吹き飛ばされる。普通の石の威力じゃない。恐らくこれが、ちはるの能力、君とのメロディ(スプリング)の力だろう。
おから「痛いよ、ちはる、痛いよ・・・」
男「ちはる・・・やめろ・・・ちはる・・・」
ちはる「さっきからうるさいわねぇ!! 誰よあんた! なんで私の名前知ってるの!? 何なのあんたも布松も!!」
男「ちはる・・・。
おい、ボス!! こんな・・・・こんなことして、何が面白いんだよ!!?」
ボス「ん? 何、私の組織には信頼だとか絆だとかいう概念は基本的にないからな。お客様からの信用は大事だが。
だから、そういう架空のものを信じている奴らが、こんなちょっとしたことで崩れていくさまを見ると、痛快だ。
まぁ、君にはわからないだろうがな」
男「ああ。わかんねぇよ。・・・ボス、てめぇは俺が、ぶっ殺す!!」
115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 21:59:07.08 ID:OlqVA7kp0
ボス「私を、殺す・・・。そいつは無理な話だ」
男「あん? てめぇが『チート能力持ち』でも、それは俺も一緒だ。能力は互角。
それにくわえていまの俺はプチンときてる。てめぇが勝つ方が無理な話だ」
ボス「ふ、ははは。それ本気でいってるのか? 一重にチート能力といっても、それにもまたピンからキリまであるのだよ。
君の能力は、チート能力からすれば・・・ゴミだな」
男「だったらやってみろよ。ゴミかどうかは、俺が教えてやる」
おから「・・・ちはる。嘘でしょ・・・ちはる」
男「・・・おからぁ!! てめぇも戦え!!」
117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 22:03:40.92 ID:OlqVA7kp0
おから「え?」
男「てめぇが辛いのはわかる! だけどないてたって何の解決にもならねぇよ!!
お前、ちはると仲直りできて、あんなに喜ぶくらい・・・それほどちはると、仲良くしたかったんだろ!!
だったらもう一回すればいいんだよ!! 仲のいい親友は、何回喧嘩したって、結局仲直りして落ち着くって相場が決まってるんだ!!」
おから「・・・ルシファー、さん」
男「それで、見せ付けてやれよ。あそこにいる糞野郎に、絆は架空の概念なんかじゃないって証拠をよぉ・・・」
おから「・・・わかりました。確かに、泣いててもはじまらない」
男「てわけでいくぞ。糞ボス!」
ボス「ふ、大層な自信だな。俺もお前のような奴を見ると虫唾がわく。いいぜ、来いよ」
119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 22:09:30.50 ID:OlqVA7kp0
SIDE ルシファー
男「おらああああああ」
ナイフを構え、ボスに突っ込む。こいつはフィルタリングしてない以上、なんらかの未来が見えるはず。それを、変更する。
ボスがナイフを避ける映像が、流れる。
させるか!! 未来予知(チェンジ・ザ・フューチャー!!)
ナイフを避ける未来から、ナイフに心臓を突き刺される未来へ・・・
未来へ・・・
未来へ・・・
――
ボス「ふん」
男「な・・・!!」
ボスは――ナイフを避けた。
背中に激痛が走る。肘鉄を、食らった。
男「がっ!!」
そのまま、地面に倒れこむ。・・・どういうことだよ、なんでこいつ、チェンジ・ザ・フューチャーが、きかねぇんだ・・・
121 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 22:15:44.43 ID:OlqVA7kp0
ボス「驚いたか。これが私の能力だ。その名も、未来工場(フューチャー・ファクトリー)。
これにより私は自分にとって都合のいい未来をいくらでも作れる。既に決まっている未来と同じ未来を作ることで、未来を補強することもできる。
補強された未来は、お前のちっぽけなチート能力では、変更できないのだよ。」
男「な・・・」
つまり、ボスは「ナイフを避ける」という既に決まってる未来をもう一度作ることで、俺すらも変えられない強固な未来にしたってことか。
その上俺みたいに受身じゃなくて、積極的に都合のいい未来を作れる。何だよそれ・・・完全に、俺の上位互換能力じゃあねぇか・・・
ボス「これで自分の力がいかにゴミかわかったかね?
ところでお前は、一気にどの程度の未来を作れるのだ?
・・・私は、お前をゲームオーバーにする未来を、2、30個は作れるのだが」
冗談じゃねぇ・・・間に合わねぇ・・・畜生、万事休すか・・・
123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 22:22:21.74 ID:OlqVA7kp0
SIDE おから
私は走り続けていた。公園から逃げ出してしまったちはるを追いかけて。
おから「待って! 待ってよちはる! 話を聞いて! お願い」
ちはる「やめて! やめて! 来ないで! あんたの能力射程に入ったら、殺される!」
おから「そんなこと・・・そんなこと・・・絶対・・・絶対しないよ!!」
ちはる「口ではそういったって、体がしちゃうに決まってるじゃない!
あんただって、わかるでしょ? 能力者同士が仲良くするなんて・・・無理なようにできてるのよ!!」
おから「・・・・・・そんなこと、そんなこと、そんなこと絶対にない!!」
ちはる「・・・布松・・・」
おから「確かに、確かに私の中の何かが、ちはるに能力を使えっていってくるけど、私は、絶対にそんなことしないよ!! できないよ!!」
おから「私達の友情は、こんな、こんな力に負けるようなものじゃないじゃん!!
能力発動を我慢すれば、そりゃあ、苦しいし、血はうずくし、体が蝕まれるようだけど!
ちはるに攻撃する辛さに比べたら、全然大したことないよ!
だから、だから私、ちはるに一回も、能力なんて使ってないじゃない・・・」
ちはる「・・・・・・おから」
125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 22:30:28.53 ID:OlqVA7kp0
私はゆっくりと、ちはるに近づく。
ちはるは足をとめたまま、動かない。
ちはるに、ちはるに避けられるようになってから、私は無口になった。辛かったから。
けど、もっとはやく、ちゃんと、自分の思いを伝えればよかった
私は、2度もルシファーさんに、助けられた
ちはる「おから・・・おから!!」
ちはるが私に近づいてくる。私は、思いっきりちはるを抱きしめた。
私の体は霊体だから、物理的に抱きしめることなどできないはずだけど。
そんなことは、関係なかった
ちはる「おから・・・おから・・・私の、私の能力が、あんたと共鳴してるよ・・・なんで・・・なんで・・・
能力者が、能力に共鳴するなんて」
おから「そりゃあ、するよ。だって、その能力は、私達二人のメロディーじゃん」
127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 22:34:29.99 ID:OlqVA7kp0
――まだ、私は能力を手にしてなかったあの頃・・・
ちはる「ねぇねぇおから、これ凄くない? なんかね、私の体が、メロディーを奏でてるみたいなの」
おから「何いってるのちはる」
ちはる「本当なんだって、なんかね、これで物に触ると、良い感じになるんだよぉ~共鳴っていうの?」
おから「へぇ。じゃあそれでギター弾いたら、いつもよりうまくなるの」
ちはる「なるよなるよすっごいなるよ!!」
ギュイイイイイイイインガガリコオォオオオオオンン
おから「ほんとだ・・・プロみたい・・・」
ちはる「どれどれおからに触れたらどうなるかなぁ」
おから「ちょっとちはる・・・あ・・・でもなんか凄い、確かに、共鳴してる感じ」
ちはる「じゃあこの力を、君とのメロディ(スプリング)とよぼう!」
おから「何それ・・・?」
ちはる「私の好きな歌!! さぁおからちゃん! 私のギターに合わせて歌っちゃおうか!!」
おから「まったく、何いってるんだか・・・」
129 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 22:40:27.85 ID:OlqVA7kp0
――
ちはる「・・・そうだね。・・・そうだよ・・・私達の、私達のメロディーだよ・・・」
おから「・・・うん。ちはる」
ちはる「・・・でも私、どうしちゃったの? 全然あそこに寝てたわけとか、わからないんだけど・・・」
おから「あ、そうだった」
私はちはるにかいつまみつつも一連の流れはわかるように事情を説明した。
ルシファーさんのことも気になるし、加勢しなきゃやばいかもだし
――
ちはる「ええ!? じゃあ1回私達、仲直りしてたの!?」
おから「そうだよ。それなのに、忘れちゃって・・・」
ちはる「でも、ほんとに私・・・殺し屋に、依頼なんか・・・」
おから「そんなのもう気にしなくていいよ。何か霊体も気楽だし。悲しんでくれる人なんて、ちはるくらいなもんだしね」
ちはる「でも・・・ごめんなさい・・・おから・・・」
おから「いいから。それより、その元殺し屋のルシファーさんが今ピンチかもなんだよ! 助けなきゃ!」
ちはる「う、うん・・・」
131 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 22:47:41.80 ID:OlqVA7kp0
SIDEルシファー
ボス「ははははははははははは! もう終わりか? もう駄目か? エンヅ? デッドエエ~ンド? ルシファー君?
そんなんじゃ、お前をかばったために死んだ、縁無君が報われないぞ?」
男「てめぇ・・・縁無まで、殺したのか・・・」
ボス「ン当然! 使えないゴミと謀反者は容赦なく殺すのが、組織を長持ちさせるコツさ」
男「くそっ・・・野郎」
ぶっとばしてぇ・・・だが、どうにもならねぇ
奴の作った未来で視認できるのなんて高が知れてるし、さらに変えられる未来となるとより絞られる
幸いまだ致命的な未来は作られてないから生きてはいるが、もう生殺与奪は完全にあいつに握られている
男「俺も、ここまでか・・・」
ちはるとおからは、ちゃんと仲直りしたかな・・・
それだけが、気がかりだ・・・
ボス「さて、裏切り者はなぶって殺すがモットーなのだが、もうなぶりつかれたな・・・
いい加減、死のっか☆」
133 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 22:54:51.36 ID:OlqVA7kp0
ボス「死亡確率100%の未来を10個作った。
どれで死にたいか、視認した上で、取捨選択しな」
へ・・・最後の最後まで、趣味の悪い野郎だぜ・・・
じゃあな・・・おから、ちはる
135 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 23:09:01.21 ID:OlqVA7kp0
「ルシファーさ~ん!!」
男&ボス「!!」
おから「ルシファーさん、何で、何でそんなぼろぼろに・・・」
男「お前ら・・・ちゃんと、仲直り」
おから「はい! ルシファーさんのおかげです」
よかった・・・これで、思い残すことはない・・・
男「そっか、じゃあお前等、幸せに生きろよ」
おから&ちはる「え?」
ボス「ふははは!! よかったなぁお前等。むかつくくらいだ。
だが、そのきっかけをくれたルシファーさんは、もう30秒程度の命だよ」
おから「なっ! そんなルシファーさんがやられるなんて、ありえるわけ!!」
ボス「私の能力の方が上なだけさ。お前等の力はただの歴史と共鳴だろ? 加勢にすらなりゃしない」
おから「歴史と、共鳴・・・きょう、めい! そうだ! ちはる、はやくルシファーさんに触れて!」
ちはる「え? ちょっとどゆこと?」
ボス「!?」
137 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 23:16:17.70 ID:OlqVA7kp0
ごめんさるさんくらってた
おから「ちはるの力で男さんの力をレベルアップさせるんだよ!!」
ちはる「え? あ、とにかくわかった」
ボス「何だと!! させるか!!」
ピタッ!
ピィイイイイイイイイイィイイイイイイン
男「・・・なるほど・・・おから、ちはる、お前等、最高だぜ・・・」
ボス「な、貴様・・・」
男「すげえよ、能力が、レベルアップしてるのが自分でもわかる・・・」
ボス「お前には、10個の致死未来が・・・」
男「既に変更した」
ボス「何っ!? はっ、本当に、変えられている!!」
138 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 23:17:29.67 ID:OlqVA7kp0
男「ところで、致死未来に、お前が関係しているものがあったのだが」
ボス「!?」
男「そいつをいじくらかして、お前の致死未来にしておいてやったぞ」
ボス「な、なんだとぉーーーーー!! 早く! 上書きを!!」
男「上書きなんて、させねぇよ」
未来予知(チェンジ・ザ・フューチャー!!)
ボスが、腰から拳銃を取り出し、自分の眉間の前へ持っていく
ボス「うわ、いやだ! 嫌だ! こんな、こんな馬鹿なことがっ!」
男「あばよ、ボス、そして、『海神(リヴァイアサン』」
ボス「私が負けるはずがぁああああーーーーーあああああああああああああああああああああああああああ」
公園に、一発の銃声が、轟いた
142 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 23:24:09.16 ID:OlqVA7kp0
男「最後は、てめぇの否定した、絆にやられたんだよ。てめぇは。
・・・ところでちはる、記憶は戻ったのか?」
ちはる「あ、いえ。でも、大体の事情は説明してもらったんで・・・
私も、あなたとあんなにすんなり共鳴できて驚いてるんです。能力者なのに・・・」
男「そっか。まぁ、思い出なんてこれからでも作れる。これで組織に追われる心配も、なくなったしな。
まぁ、ちょっと駄目押しは、いかなきゃだけど・・・」
おから「ダメ押し?」
男「ああ。アブダクション等その他の始末だよ。ちはるの記憶も取り戻せるかもしれん」
おから「本当ですかっ!? でも・・・どうやって」
男「簡単さ。今のレベルアップした俺の力なら」
未来予知(チェンジ・ザ・フューチャー!!)
眼前に、3人の男が現れた
男「てめぇらが、アブダクション、自白剤、記憶操作か・・・」
おから「すごい、もう未来予知のレベルを超えてる・・・」
敵1「え? なんで俺! こんなとこに」
敵2「ボスがやられたからとんずらここ思ってたのに!」
敵3「おたすけぇ~」
145 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 23:29:16.49 ID:OlqVA7kp0
男「あーまぁ、取り合えず、ちはるの記憶奪った奴かもぉ~ん」
敵2「それわてです」
男「よし、記憶を返さないで苦痛を味わいつつ死ぬのと、記憶を返して楽に死ぬの、どっちがいい?」
敵2「どのみち死ぬんですかえ!?」
ちはる「あ、あの、私は記憶さえ返してもらえれば・・・」
男「ん? そうか? 仕方ない、じゃあ、記憶を返してくれればいいよ」
敵2「ありがとうございます! あんた本当に女神や!!」
おから「調子に乗るなよ?」
敵2「す、すいません。すぐ戻しまっせ」
149 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 23:34:23.66 ID:OlqVA7kp0
ピィイイイイイイピィピィピィチィチャン(記憶を戻している音)
ちはる「あ・・・思い出した・・・おから!! ルシファーさん!!」
おから「ちはる!!」
男「よしよし。じゃあ敵2、お前は帰って良いが・・・」
敵2「?」
150 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/03(火) 23:35:23.77 ID:OlqVA7kp0
ボカッ
男「取り合えず一発殴っとくぞ? ちゃんと海神(リヴァイアサン)潰せよ? もう追ってくんなよ? な?」
敵2「は、はい! ひ、ひぃいい殴る手が全然見えんかった!!」
男「残りの奴も」
敵1&3「!!」
ボカッボカッ!
男「次追ってきたらこれがナイフになると思えよ? わかったら帰ってよし!」
敵1&2&3「は、はい!!
アラホラセッセー」
――
男「よし! ちはる! おから!」
ちはる「うん!」
おから「ええ!!」
男「帰るか! 俺達の家へ!!」
第二部「能力者達の鎮魂歌(レクイエム)」編 完
154 :1:2010/08/04(水) 00:07:04.73 ID:YSaDZZfc0
1です
じゃあちゃらっとおまけ投下して完結します
一応最終部ということで
最終部「俺達の戦いはこれからだ」編
ボスとの戦いから一ヶ月、昔お世話になっていた裏の情報ルートによれば、海神(リヴァイアサン)は崩壊し、その構成員は山神(オーク)や神空(ドラゴン)に流れていったらしい
もう追われる心配もないだろう
そして、俺達はといえば・・・
156 :1:2010/08/04(水) 00:11:03.60 ID:YSaDZZfc0
おから「だぁ~かぁ~らぁ、どうしてちはるは肉ばっかり食べるの!?」
ちはる「うるさいわねぇ~あんたは私のお母さんか!」
おから「誕生日は私の方がはやいもん」
ちはる「じゃあお姉ちゃんだね。おねえちゃ~んちはるお肉食べた~い」
おから「いや\\\・・・痛々しいし女子大生・・・」
ちはる「と、いいつつ照れるっ! てか大学辞めたし」
おから「ああ、そうだっけ・・・」
ちはる「ルシファーさんの力があれば食には困らないしねぇ~♪」
男「まったく、お前等はしずかにご飯を食べるという考えがないのか」
158 :1:2010/08/04(水) 00:14:50.36 ID:YSaDZZfc0
ちはる「まぁまぁ♪ 騒ぎながら食べるのが、大勢で食卓囲む醍醐味でありゃんせ♪」
まぁ確かに、殺し屋になってからは1人で弁当食うのが当たり前だったからな・・・新鮮で・・・
って、もう2ヶ月もこんなんじゃいいかげんうざいし
おから「でもさぁ、海神は滅んだけど、元々私達の敵って海神だけじゃないじゃん・・・」
ちはる「なーにがいいたいのよ?」
おから「また、あんなことが起きないかなって・・・」
・・・
能力者が何人いるかはわからないが、まだまだいるのは確かだ
いつ能力者が俺達を襲う日が来るかもわからない・・・
けどまぁ・・・
160 :1:2010/08/04(水) 00:18:33.15 ID:YSaDZZfc0
男「大丈夫だろ」
ちはる&おから「!」
男「だってさ、俺達が力を合わせたら、無敵だろ?」
自然と、二人の顔に笑みが毀れる
ちはる「ふふっそうだね」
おから「ルシファーさんの力は、チートだしねぇ」
ちはる「そして私の力でさらなるチートへ!!」
・・・いつまでもこんな日が続くといいが
もし続かなくなっても、またこんな日々に戻ればいいだけの話だ
男「いいからご飯食べるぞ! しずかにな!」
ちはる&おから「はーい!」
――
最終部「俺達の戦いはこれからだ」編 完
男「お前は、さっき殺したはず」女「はぁ」 完
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