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律「あらしのよるに」

1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/01(日) 22:42:31.95 ID:SMhABIVy0 [1/25]
平沢さんちのお嬢さんは昔からどこか変わっていました

あれはあの子が幼稚園生の頃だったでしょうか
擦りむいた膝から流れる血を見ながら1人でケタケタ笑っていたんです

そんなことを何度か繰り返していたのですから
あの子が自分の血を見ておかしくなってしまうんだと気付くのにそう時間はかかりませんでした

最初は精神科医に連れて行こうかと親戚一同で話し合っていたようですが

幸か不幸かあの子は天才でした

皆さんもあの子のギターの上達の速さを見たでしょう
血を見て狂う異常者である以上にあの子は天才だったのです

そういうわけで
あの子は病院に入れられることもなく普通に育てられることになりました

ただひとつ
あの子に血を見せない、それだけ守る約束で
 
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/01(日) 22:47:37.50 ID:SMhABIVy0
ザアアアアアアアアアアアアア

男「来るなああ!……はぁっ……」タッタッタッタッ

「……」スタスタ

男「はぁっ……はぁ……! い、行き止まり……!」

「……」スタスタ

男「……あ……ああ……」

男「……な、何だよ!! 俺が何したってんだよ!!」

「……」スッ

男「ナ、ナイフなんて構えてどうすんだ……」

男「……や、やめろ。許してくれ! 許してくれ!!」

「……やだ♪」

グサッ!

男「うわあああああああああああああ!!」

「あははははははははははははははは!!」

グサッ! グサッ! グサッ!

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/01(日) 22:49:43.32 ID:SMhABIVy0
ガラッ

律「おはよー」

澪「おはよ」

律「なあ澪。今朝ニュース見たか?」

澪「ニュース?」

律「なんだ見てないのかよー。朝から余裕ないなぁ」

澪「女の子の朝は時間が足りないんだよ」

律「……私も一応女の子なんだけど?」

澪「これは失敬」

律「まあいいや。それでニュースの話なんだけどな」

澪「うん」

律「また出たんだってよ、あの通り魔」

澪「……え?」

9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/01(日) 22:52:45.29 ID:SMhABIVy0
澪「……ホ、ホントにあいつなのか! ただの模倣犯じゃないのか!?」

律「いいや、間違いなくあいつだ」

律「現に今回もあいつは嵐の晩に現れてる」

澪「そ、それはテレビで散々煽ってたじゃないか! 嵐の夜の殺人鬼って!」

澪「や、やっぱり模倣h

律「……今回も被害者は例の不良グループのメンバーだったよ」

律「それに殺し方もほとんど一緒。ナイフを使って全身ズタズタに切り裂かれてた」

律「テレビではそんな話してないはずだろ?」

澪「そんな……」

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/01(日) 22:55:10.87 ID:SMhABIVy0
律「ついでに今回あいつはメッセージを残してったらしいよ」

澪「メッセージ……?」

律「ほら、この写真」

澪「……ち、血文字じゃないか!」

律「ダメだった?」

澪「……いや、我慢する」

律「うん」

澪「うえっ……」

澪「……これは"Noman"? いや、"o"と"m"の間にまだ文字があるな……」

澪「かすれてるけどこれは……"r"? いや"t"か?」

律「"t"ならそのメッセージは"Not man"だな」

澪「……"人間じゃない"、か」

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/01(日) 22:59:20.18 ID:SMhABIVy0
澪「でもこれ犯人が残したメッセージなんだよな?」

律「被害者は即死だったそうだからな」

澪「だったらなんだってあいつこんなものを……」

律「そんなの本人に直接聞くのが一番早いだろ」

澪「それはそうだけどさ」

律「天気予報では明後日の夜中はまた雨だってさ」

澪「じゃあその日にまた……」

律「ああ、現れるだろうな」

澪「……行かなきゃダメかな?」

律「私たちの他に誰があいつを止めるんだ?」

澪「……」

律「ムギと梓には私から言っとくから」

澪「ああ、うん……」
 
 
澪「……」

澪「どうしてこんなことになっちゃったんだよ、唯……」

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/01(日) 23:05:31.22 ID:SMhABIVy0
2日後

ザアアアアアアアアアアアアア

梓「本当に雨降りましたね」

紬「最近の天気予報はすごいから」

澪「よーし、全員揃ったな。律以外は」

梓「集合掛けた本人が遅刻って……」

紬「まあまあ」

澪「ったく、律のやつ……」

オーイ!

梓「?」

律「おーい!」

紬「りっちゃん!」

澪「何やってたんだよ、まったく」

律「いやー、ごめんごめん。雨だから道が混んでてさー」

梓「雨の日に集合って言ったのは自分じゃないですか……」

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/01(日) 23:07:20.46 ID:SMhABIVy0
澪「それで? 今夜はどう動くんだ?」

律「うん」

律「例の不良グループが通り魔に狙われたせいで残り少なくなっちゃったらしくてな」

律「今夜あそこのボロ倉庫で集会をやるんだと」

紬「なるほど」

律「だから今日はあの倉庫に入り込んで待ち伏せる」

律「その後の行動は中で何があるのかしだいだな」

16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/01(日) 23:10:22.31 ID:SMhABIVy0
倉庫


ザワザワ

   ゴソゴソ

ワー ワー ギャー ギャー


梓「いたいた。あいつらですね」

澪「ガラ悪いなぁ……」

律「ガラのいい不良なんているもんか」

紬「しっ、静かに。集会が始まったみたいよ」

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/01(日) 23:14:47.93 ID:SMhABIVy0
「……」

リーダー「……お前ら、この間言ったよなぁ?」

「……」

リ「今度、仲間を殺られたら許さねえって」

A「で、でもリーダー。ヤツは人間じゃない。……化け物だ。俺たちじゃ太刀打ちできねえよ」

リ「……」ツカツカ

A「……?」

リ「……ふっざけんな!!!!」

ドカッ!!

A「がっ……!!」
 
 
 
 
澪「な、仲間を!」

律「いかれてる……」

紬「リーダーも焦っているのよ。次は自分が狙われるかもわからないから」

梓「なるほど……」

18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/01(日) 23:16:26.47 ID:SMhABIVy0
リ「……お前ら、ナイフ持ち歩け」

リ「今度あの通り魔の女が現れたら、ぶっ殺すんだ!!!」

「お、おう!!」
 
 
 
 
澪「お、おい不良たちが解散しちゃったぞ!」

律「うん、後をつけよう。私と澪はこっち。ムギと梓はあっちを」

梓「はい」

紬「わかったわ」

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/01(日) 23:20:19.69 ID:SMhABIVy0
憂「お姉ちゃん、今日の晩ご飯おいしい?」

唯「……」

憂「今日はお姉ちゃんのためにオムライスにしてみたんだけど」

唯「……」

憂「えへへ。今日は自信作なんだ」

唯「……」

憂「いっぱい作ったからたくさんおかわりしてね、お姉ちゃん」

……ザアアアアアアアアアアアア

憂「あ、雨……」

唯「……」スクッ

憂「!」

憂「……お姉ちゃん! 行っちゃダメ!」

唯「……」スタスタ

憂「お姉ちゃん!」

ガチャッ バタン!

20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/01(日) 23:22:58.15 ID:SMhABIVy0
ズカズカ

B「ちっ、なんだって俺たちが狙われるんだよ」

C「いいじゃねえか。どんなに恐ろしい通り魔っつったって所詮はただの女。2人がかりでいきゃ楽勝さ」

B「それもそうか」
 
 
コソコソ

律「……尾行って案外めんどくさいな」

澪「……うん」

律「はぁ……」

澪「……うん?」

律「どした?」

澪「り、律! あれ!!」

律「……!」

22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/01(日) 23:25:58.89 ID:SMhABIVy0
ザアアアアアアアアアアアアア 
 
スタスタ

「……」
 
 
B「……ん?」

C「なんだお前!!」

「……」

B「返事くらいしろよ、クソが!」

C「おい、ねえちゃん。俺たちは忙しいんだ。さっさと帰れ」

「……」

スッ

B「……ナ、ナイフだぁ!?」

C「お、おい。こいつもしかして……」

「……」

スタスタ

BC「……例の通り魔か!」

23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/01(日) 23:30:11.14 ID:SMhABIVy0
「……」

スタスタ
 
B「お、おい。どうすんだ!?」

C「決まってんだろ。ぶっ殺すだけだ!!」チャキ

B「そ、そうか!」
 
「……」

スタスタ
 
C「死ね、このアマアアアアアア!!」

ブンッ
 
「……やだ♪」
 
B「よ、避けた!?」
 
「……あははははははははははは!!!」

グサッ!
 
C「ぎゃあああああああ!!!」バタリ

B「C! うわ……ああ……うわああああああ!!」

25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/01(日) 23:31:59.33 ID:SMhABIVy0
律「1人やられた! 早く止めなくちゃ!」

律「澪! おい澪、行くぞ!」

澪「……」ブルブル

律「……澪?」

澪「……血が、血が。人が死んで、血がぁ」ガタガタ

律「……」

律「……澪は、ここで待ってろ!」

ダッ

律「やめろおおおおおお!!」
 
「……!」

26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/01(日) 23:34:25.70 ID:SMhABIVy0

「……チッ」

ダッ
 
 
律「お、おい。待てよ!」

律「……って、待てと言われて待つやつなんているわけないか」

B「……?……!?」ガタガタ

律「おい、お前!」

B「うわあああ!!」

律「しっかりしろ! どうしてお前たちはあの通り魔に狙われるんだ!」

B「し、知らない! 知らねえよ!」

律「知らないぃ?」

B「ホ、ホントに知らねえんだ! だ、だから助けてくれよ! 頼むから! 俺を助けて!!」

律「知らない、ねぇ……」

29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/01(日) 23:36:44.87 ID:SMhABIVy0

律「で」

律「こっちにあの通り魔が来たわけだけどそっちは大丈夫だった?」

紬「ええ、特に問題なかったわ」

律「そっか」

梓「律先輩!」

律「どした?」

梓「み、澪先輩が見当たりませんけど……」

梓「まさか通り魔に!?」

律「あー、違う違う」

律「あそこで結構スプラッタでショキングなシーンが展開したからな。家で寝込んでるよ」

梓「な、なんだ……」

30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/01(日) 23:39:04.77 ID:SMhABIVy0
律「あ。あと、前回あいつが残してった血文字のメッセージがあったろ?」

梓「はい」

律「どうもあれが気になるからムギにはそれを調べてもらうことにした」

梓「そうなんですか?」

紬「そうなんです」

律「そして、明日も雨らしい」

梓「あ……」

律「だから明日は私と梓だけで行くぞ」

梓「は、はい!」

32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/01(日) 23:41:01.74 ID:SMhABIVy0
ザアアアアアアアアアアアアア

唯「……」

憂「おかえり、お姉ちゃん」

唯「……」

憂「ご飯おいしい?」

唯「……」

憂「……」

唯「……」

憂「血が、いっぱい付いてるよ?」

唯「……」

憂「……」

唯「……」

憂「……食べ終わったら、シャワー浴びようね」

唯「……」

35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/01(日) 23:44:03.35 ID:SMhABIVy0
次の日

 
ザアアアアアアアアアアアアア

 
梓「あれ? 不良たちが見当たりませんね」

律「そのうち来るだろ。不良はこういう薄汚い倉庫なんかが大好きだから」

梓「はぁ……」

律「……」

梓「……そういえば」

律「ん?」

梓「……私まだ1ヶ月前の事件について詳しい話を聞いてないんですけど」

律「ああ、そうだっけ」

梓「私にも、教えてください」

律「いいよ、せっかくだから教えとこうか。なんせ嵐の夜の殺人鬼の誕生秘話だからな」

梓「……」

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/01(日) 23:46:53.40 ID:SMhABIVy0
律「1ヶ月前、あの日もちょうどこんな風に大雨だった」

律「そんな雨の中、唯と憂ちゃんはわざわざ買い物に出かけたんだよ」

律「たしか醤油が切れたとかなんとかいってな」

梓「……」

律「夜だし雨だし2人はちゃんと大きな道を選んで歩いてたんだぞ?」

律「わざわざ路地裏通って近道だなんてチープなドラマみたいな真似はしなかった」

梓「……」

律「なのに」

律「憂ちゃんが街のチンピラにぶつかっちゃってな。因縁付けられたんだ」

梓「……それが、例の不良グループのメンバーだったんですね」

律「そ」

38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/01(日) 23:48:48.57 ID:SMhABIVy0
憂「……」

憂(あの夜……)
 
 
 
 
リ『へぇー、こいつらがウチのDにぶつかったのか?』

D『はい、それが痛えのなんの。わざとに違いないぜ』

唯『嘘! そっちがぶつかってきたんじゃん!』

憂『お、お姉ちゃん』

リ『……ほぉー、反抗的だこと』

チャキ

唯憂『え?』

 
グサッ!


40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/01(日) 23:51:01.51 ID:SMhABIVy0
唯『いやああああああああ!!』

憂『お、お姉ちゃん! 腕を!』

リ『はははははは! いーい悲鳴だ』

リ『おい、お前ら。後任せたぞ』

『はい!』

スタスタ

 
D『……へっへっへっ。人を殺すってどんな感じだろうな』

E『やればわかるだろ。さっさとやれよ』

D『わーってるよ』

チャキ

 
 
唯『痛いぃ……いたいよお……』

憂『お姉ちゃん……』

唯『うう……うう…………』

憂『しっかりして、お姉ちゃん!』

42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/01(日) 23:57:25.91 ID:SMhABIVy0
唯『あ……ああ……あ、あ……』

唯『……あははははははははははははは!!!』
 
憂『!?』

D『な、なんだぁ!?』

唯『……それ、貸して♪』カシッ

D『こいつ! 俺のナイフを……!』

唯『……あは♪』

グサッ!

D『あ゛』バタリ

唯『あははははははははははははは!!!』

グサッ! グサッ! グサッ!

F『く、狂ってる……! うわああああああ!』ダッ

E『お、おい。待てよ!』ダッ

唯『……♪』ダッ

憂『……ま、待ってよお姉ちゃん!』

43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/02(月) 00:00:08.78 ID:TzOvXAM40 [1/3]
唯『……?』

憂『お姉ちゃん……』

唯『……』

憂『お姉ちゃん』

唯『……』

憂『お姉ちゃん!』

唯『……』

憂『……』

唯『……憂?』

憂『お姉ちゃん!』

44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/02(月) 00:02:29.48 ID:TzOvXAM40 [2/3]
憂「お姉ちゃんは私を守るために立ち上がってくれた」

憂「だよね? お姉ちゃん?」

唯「……」

憂「……?」

唯「……」

憂「……そっか、怒ってるんだね。邪魔が入って1人殺し損ねたから」

唯「……」

 
ザアアアアアアアアアアアアア 

唯「……」スクッ

憂「……お姉ちゃん、もう止めようよ」

憂「復讐なんかしたって仕方ないよ」

唯「……」

スタスタ

憂「お姉ちゃん!」

ガチャッ バタン!

45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/02(月) 00:05:55.46 ID:TzOvXAM40 [3/3]
梓「そんなことが……」

律「和が言ってたよ。血を見せちゃいけなかったんだって」

梓「血……?」

律「そうさ」

律「あいつは昔から血を見るとおかしくなっちゃうんだって」

律「しかもあの時、おかしくなった状態で人を殺すことを覚えちゃった」

律「今のあいつはただの狂った殺人鬼だよ」

梓「……」

45:08/02(月) 00:05 TzOvXAM40
梓「そんなことが……」

律「和が言ってたよ。血を見せちゃいけなかったんだって」

梓「血……?」

律「そうさ」

律「あいつは昔から血を見るとおかしくなっちゃうんだって」

律「しかもあの時、おかしくなった状態で人を殺すことを覚えちゃった」

律「今のあいつはただの狂った殺人鬼だよ」

梓「……」

46:08/02(月) 00:08 TzOvXAM40
ザアアアアアアアアアアアアア
 
 
梓「……あ」

律「ん?」

ゾロゾロ

リ「……なんだお前ら」

律「……げ」

リ「まさか、お前らが嵐の殺人鬼か?」

梓「ち、違います!」

リ「だったらさっさと帰れ!!!」

 
「……あははははははははははははは!!!」

 
律梓「!」

47:08/02(月) 00:10 TzOvXAM40
グサッ!

F「ぎゃっ」バタリ

「……」

スタスタ

 
リ「こ、こいつが嵐の夜の殺人鬼か……!」

リ「お前らやれ! やれえええ!!」

「お、おう!」

 
「……あははははははははははは!!」
 
 
グサッ! ブシュッ!

       ザクッ! グサッ! 
 
49:08/02(月) 00:13 TzOvXAM40

「……あは♪」

ザクッ!

E「ぐぎっ」

バタリ

 
梓「あ……」

リ「ぜ、全滅だとぉ……」

「……」ダッ

リ「来る……!」

「……あははははははははは!!」

ブンッ

リ「くっ!」

 
ガシッ!

 
「!」

52:08/02(月) 00:15 TzOvXAM40

「……」

グググ

律「もう、止めろ! 止めるんだ……っ!」

梓「律先輩!」

律「このっ……!」

グイッ

「……!」

ボカッ!

「……ぐっ!」

ダッ

梓「に、逃げた!」

律「逃がすかっ!」

ダッ

53:08/02(月) 00:19 TzOvXAM40
「……」タッタッタッタッ
 
律「待てーっ!」

梓「はぁっ……」

タッタッタッタッ
 
「……!」タッタッタ…
 
律「……よしっ!」

梓「行き止まりだ!」

タッタッタ…
 
「……」

梓「ようやく追い詰められましたね」

律「観念しろ!!」
 
 
憂「ま、待ってください!!」
 
 
梓「え?」

律「憂ちゃん?」

54:08/02(月) 00:21 TzOvXAM40
律「ど、どうしたんだよ。憂ちゃん」

憂「……これ以上お姉ちゃんに乱暴しないでください!」

憂「お姉ちゃんは悪くない! 悪いのはあいつらなんです!」

梓「憂……?」

憂「1ヶ月前、あいつらは私たちの幸せな時間を奪いました」

憂「平凡でいつも通りだけど、かけがえのない私たちの幸せをあいつらは奪ったんです!」

55:08/02(月) 00:23 TzOvXAM40
憂「あいつらは人間じゃない。けだものです」

憂「だからお姉ちゃんのしたことは悪くなんかない!」

梓「憂……」

律「違うよ、憂ちゃん」

憂「律さん?」

律「……今は、今は復讐のためなのかもしれないけどさ」

律「いずれソレは無軌道な殺人に変わっていくよ」

律「それは憂ちゃん、君自身が一番よくわかっているはずだ」

憂「私が……?」

57:08/02(月) 00:25 TzOvXAM40
律「……不良たちを手に掛けた時の姿を思い出してみろよ。あんなの、ただの快楽殺人者じゃないか」

憂「……お姉ちゃんは私の命を守るために立ち上がってくれたんです」

憂「お姉ちゃんは、そんな異常者なんかじゃない!」

律「……」

梓「……なら、どうして唯先輩を殺したの?」

憂「……は?」

梓「あの夜、腕を切りつけられて狂ったのは唯先輩じゃない」

梓「血を見て狂ったのも、殺人を繰り返していたのも憂自身でしょ!」

憂「……はあ?」

59:08/02(月) 00:28 TzOvXAM40
憂「わけのわからないわからない冗談は止めて!」

憂「お姉ちゃんならそこにいるよ!!」

梓「……唯先輩は死んだ。もうこの世にはいないんだよ」

憂「嘘!! 嘘、嘘、嘘!!!」

梓「憂……」

律「……だったら」

律「その頬の腫れはなんだ? ソレはさっき私が通り魔を殴った時の傷じゃないのか?」

憂「!」

律「それにその制服は? いつから憂ちゃんのリボンは青くなったんだ?」

憂「……!」

60:08/02(月) 00:30 TzOvXAM40
憂「馬鹿げてる!!」

憂「お姉ちゃんからも何か言ってあげてよ!」

憂「……」

憂「……お姉ちゃん?」
 
 
「…………」

「……」

「」
 
 
 
 
憂「……いない。いない! お姉ちゃんがいない!」

律「……」

梓「……」

憂「あ……ああ……」

憂「……お、思い出した」

憂「あの夜のこと……」

61:08/02(月) 00:33 TzOvXAM40
グサッ!

憂『いやああああああああ!!』

唯『憂! う、腕を!』

リ『はははははは! いーい悲鳴だ』

リ『おい、お前ら。後任せたぞ』

『はい!』

スタスタ
 
 
D『……へっへっへっ。人を殺すってどんな感じだろうな』

E『やればわかるだろ。さっさとやれよ』

D『わーってるよ』チャキ
 
 
憂『痛いぃ……いたいよお……』

唯『憂……』

憂『うう……うう…………』

唯『しっかりして、憂!』

63:08/02(月) 00:35 TzOvXAM40
憂『あ……ああ……あ、あ……』

憂『……あははははははははははははは!!!』

唯『!?』

D『な、なんだぁ!?』

憂『……それ、貸してよ♪』カシッ

D『こいつ! 俺のナイフを……!』

憂『……あは♪』

グサッ!

D『あ゛』バタリ

憂『あははははははははははははは!!!』

グサッ! グサッ! グサッ!

F『く、狂ってる……! うわああああああ!』ダッ

E『お、おい。待てよ!』ダッ

憂『……♪』ダッ

唯『ま、待ってよ憂!』

65:08/02(月) 00:37 TzOvXAM40
憂『……?』

唯『憂……』

憂『……』

唯『憂』

憂『……』

唯『憂!』

憂『……』

唯『……』

憂『……お姉、ちゃん?』

唯『憂!』

 
憂『……あははははははははは!!!』

 
唯『!』

グサッ! ザクッ!
 
 
67:08/02(月) 00:39 TzOvXAM40
律「憂ちゃん」

律「憂ちゃんは、あの夜唯を殺したんだ。でもどうしてもその事実を認めたくなかった」

梓「だから、今も唯先輩が生きていると信じ込もうとした」

律「そのために自分の記憶をねじ曲げて、自分で唯になって、やつらに復讐を……」

憂「あ……ああ……あああああああああ!!!」

梓「憂!」

憂「そ、そんな……」

憂「それじゃあ、それじゃあ……」

憂「……私が?」

68:08/02(月) 00:41 TzOvXAM40
 
 
 
 
 
 
 
私ガ、オ姉チャンヲ殺シタノ……?
 
 
 
 
 
 
 
69:08/02(月) 00:43 TzOvXAM40
憂「……嘘だ」

憂「嘘だ! 嘘だ!! 嘘だ!!!」

梓「ひっ!」

憂「お姉ちゃんが死んだはずない! 私がお姉ちゃんを殺すはずな
 
 
パアンッ!
 
 
憂「い゛っ……!」

律「!?」

梓「て、鉄砲!?」

72:08/02(月) 00:45 TzOvXAM40
リ「は、はははは。当たった、当たった!」

憂「あ……ああ……」

梓「憂!」

律「あ、あの野郎!」

リ「今のは腕に当たっただけだが、今度は脳天に
 
 
憂「……あははははははははははは!!」

ダッ
 
 
リ「!」

憂「……バイバイ♪」

リ「は?」

グサッ!
 
76:08/02(月) 00:48 TzOvXAM40
リ「がっ……!」バタリ

憂「……」
 
 
憂「……あはは。復讐、終わっちゃったね」

憂「今度は誰を殺そうか、お姉ちゃん」

憂「……あは」
 
 
憂「あははははははははははははは!!!」

グサリッ!
 
 
梓「!」

律「じ、自分を自分で!?」

憂「……あははははははははは!!!」

グサッ! グサッ! グサッ!

梓「……止めて、止めてーっ!!!」

憂「……あは、はははは」

バタリ

77:08/02(月) 00:50 TzOvXAM40
一週間後
 
 
 
律「と、いうわけだったんだ」

澪「……」

律「憂ちゃんには耐えられなかったんだな。唯が死んだ事実も、唯を殺した事実も」

澪「……」

律「そういえばさ、いつか澪に血文字のメッセージ見せたじゃん」

澪「ああ。"Not man"だったっけ?」

律「うん。それのホントの意味、ムギが突き止めてくれたんだ」

澪「ホントの意味?」

78:08/02(月) 00:53 TzOvXAM40
律「澪が最初に言ったのが正解だったんだよ」

澪「?」

律「かすれていたのは"r"。メッセージは"Norman"」

澪「"Norman"?」

律「昔のスリラー映画の主人公の名前でな」

律「そいつは愛する母の死を受け入れられず、自分が母を演じた殺人鬼だったんだ」

澪「それって……」

律「ああ。憂ちゃん、そのまんまだよ」

律「異常者として目覚めた憂ちゃんの中に残る、人間としての人格が」

律「自分のゆがんだ正体を血文字のメッセージに残したんだ」

澪「……もしかすると憂ちゃんは誰かに止めて欲しかったのかもな」

律「そうかもな……」

80:08/02(月) 00:56 TzOvXAM40
おしまい
納涼怪談がしたかったのにいつの間にやらスプラッタ
 
元ネタはULTRSEVENX ep9 BLOOD MESSAGE
さらにこの話はサイコって映画を下敷きにしててNormanもこの映画の主人公らしい
 
 
ご愛読ありがとうございました

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