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盗賊「私は心を盗みたい」

1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/24(水) 18:08:56.31 ID:EA4bE60o0
盗賊「今日はこの家にしよう」

盗賊「大丈夫、物は盗まない」

盗賊「心を、盗む」

勇者「お前なにしてんだ?」

盗賊「!!」

魔王のアナザーストーリーです

3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/24(水) 18:12:23.85 ID:EA4bE60o0
勇者「…つまり、俺の家に入ろうとしたわけか」

盗賊「…」コクコク

勇者「なんでまたそんなことを…ああ、盗賊だもんな」

盗賊「…ごめんなさい」

勇者「まあ、物を盗まないと、盗賊じゃないけどな」

盗賊「…私は物を盗まない」

勇者「?」

盗賊「あなたの心を盗む」

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/24(水) 18:14:46.26 ID:EA4bE60o0
勇者「ははは! 面白いやつだな」

盗賊「…」

勇者「で、どうやって盗むんだ?」

盗賊「…何か、料理を作ってあげる」

勇者「え? いいのか?」

盗賊「…得意だから」

勇者「じゃあ、まかせたよ」

盗賊「…」コクリ

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/24(水) 18:18:39.53 ID:EA4bE60o0
盗賊「…」

勇者「おお、本当だ、うまそう」

盗賊「残さず食べてよね」

勇者「あ、ああ。いただきます」パクリ

盗賊「…どう?」

勇者「うん…うまい」

盗賊「よかった…」ニコ

勇者「にしても本当に腕がいいな。お前、料理とかしたらどうだ?」

盗賊「…いや」

勇者「なんで?」

盗賊「心を盗みたいから」

勇者「…そうか。まあ、夢があることはいいことだよな」

6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/24(水) 18:20:56.71 ID:EA4bE60o0
盗賊「…笑わない?」

勇者「ああ。だって、お前は心を盗みたいから、盗賊になったんだろ?」

盗賊「…」コクリ

勇者「だったら笑う要素なんて無いだろ」

盗賊「…そう」

勇者「まあ、まだ俺の心は盗めてないけどな?」

盗賊「! …頑張る」

7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/24(水) 18:24:15.73 ID:EA4bE60o0
勇者「これから、また、どこかに行くのか?」

盗賊「…」フリフリ

盗賊「ここに住む」

勇者「はぁ?」

盗賊「私はあなたの心を盗むまで、ここをでない」

勇者「おいおい…」

盗賊「…だめ?」

勇者「いや、だめじゃないけどさ」

盗賊「…これからよろしくお願いします」

勇者「あーうん、よろしく」

9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/24(水) 18:26:51.38 ID:EA4bE60o0
次の日の朝

盗賊「起きて」

勇者「ほわっと…ああ、盗賊か……。 !!」

勇者「なんでそんな格好してるんだよ?」

盗賊「男はこれが好き」

勇者「裸でエプロンなんざジョークにしか思えんぞ」

盗賊「…残念」

勇者「毎日こんなことするなよ? 俺がおかしくなりそうだ」

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/24(水) 18:32:09.29 ID:EA4bE60o0
盗賊「…ダメ?」

勇者「あのな…盗賊」

勇者「そんなことで心を盗んじゃいけません」

盗賊「…じゃあ、どうすればいいの?」

勇者「えっ…それは…うーむ」

勇者「それは自分で考えろ」

盗賊「…やっぱり、向いていないのかもしれない」

勇者(向いてるとか関係あるのか?)

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/24(水) 18:36:31.95 ID:EA4bE60o0
勇者「まあ、なんだ、盗賊」

勇者「小さな心遣いが、人を揺り動かすんだそうだ」

盗賊「…」

勇者「例えば…昨日の飯とかな。小さくはないけど、美味しいものを食べさせてもらえて、嬉しかった」

盗賊「嬉しかった?」

勇者「うむ、それで心を盗めたかどうかは、別だけどな」

盗賊「…そう」

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/24(水) 18:39:00.41 ID:EA4bE60o0
盗賊「私、頑張るから」

勇者「お、おう…しかし、俺の心を盗むのか?」

盗賊「…」コクコク

勇者「まあそれはいいけども……」

盗賊「?」

盗賊「どうしたの?」ズイ

勇者「とりあえず、服を着てくれ」

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/24(水) 18:43:10.58 ID:EA4bE60o0
盗賊「…」カァァ

盗賊「ごめんなさい、つい、うっかりしてた」

勇者「あ、ああ…」

勇者(それにしても、心を盗む盗賊か…)

勇者「そういえば、お前、親はいいのか?」

盗賊「あ……親は……小さいころに死んじゃったから」

勇者「…そうか」

勇者(俺と同じ…か)

16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/24(水) 18:47:22.00 ID:EA4bE60o0
盗賊「じゃんけんして」

勇者「はぁ? いきなりだな」

盗賊「いいから、お願い」

勇者「ほいほい」

「「じゃんけん ぽい」」

盗賊「私の勝ち」ニコ

勇者「…で? これはなんのじゃんけんだ?」

盗賊「ただしたかっただけ」

勇者「? そうか」

18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/24(水) 18:50:46.49 ID:EA4bE60o0
盗賊「命令を聞いて」

勇者「さっき、したかっただけって言ったよな!?」

盗賊「やっぱり、変更」

勇者「…うむ…じゃあ、命令を聞いてやろう」

盗賊「一緒にお散歩行こ」

勇者「…あのな、盗賊」

勇者「そんなことは別に命令としてじゃなくても、俺は一緒に言ってやるぜ?」

盗賊「…そうだったの?」

勇者「おう」

盗賊「…恥ずかしい」カァァ

勇者「赤くなるなよ…」

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/24(水) 18:56:31.29 ID:EA4bE60o0
勇者「うーさみぃ…」

盗賊「大丈夫?」

勇者「ま、まあ大丈夫だ…」

盗賊「…よかった」

勇者「お前は大丈夫か?」

盗賊「うん………ヘックチ」

勇者「…ほれ、上着だ」

盗賊「い、いい。勇者、寒くなる」

勇者「お前は元から寒そうな格好してんだから、風邪ひくぞ」

盗賊「…ごめんなさい」

勇者「いいんだよ、それに俺、寒さには強い方だから」

20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/24(水) 19:03:53.19 ID:EA4bE60o0
盗賊「…すごいね」

勇者「そうか? な、なんか照れるな…」

盗賊「勇者は、何か好きな食べ物ある?」

勇者「う、うーむ…まあ、美味いものが好きだな」

盗賊「…わからない」プクー

勇者「そう頬をふくらませるなよ。そうだな…うーむ」

勇者「とにかく、美味いもんならなんでも食うぞ。つか、お前の料理なら全部食える気がする」

盗賊「…嬉しい」ポッ

勇者「なんか、意外と顔に出るんだな、盗賊は」

盗賊「そう?」

21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/24(水) 19:25:52.26 ID:EA4bE60o0
女戦士(以下、戦士)「あら、ゆーちゃんじゃない」

勇者「む、女戦士か。…その呼び方やめろ」

戦士「ごめんごめん。おや、その女の子は?」

勇者「ああ、こいつは…」

盗賊「…」ジロー

戦士「あ、あら? なんで私をジト目で見るのかしら?」

勇者「お、おい、盗賊、そんな怖い顔するなよ」

盗賊「してない」

勇者「いや、めちゃくちゃしてる」

22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/24(水) 19:29:20.53 ID:EA4bE60o0
戦士『盗賊なの? この子…』

勇者『ああ、そうらしい』

戦士『可愛いわねぇ…』

勇者『そこまでだ、レズ女』

盗賊「…二人で秘密の話…?」

勇者「いや、なんでもないよ」

盗賊「…」プイッ

戦士「…邪魔しちゃいけないわね、それじゃあ私はこれで」

24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/24(水) 19:34:27.07 ID:EA4bE60o0
勇者「おいおい、盗賊。なんであんな顔した?」

盗賊「勇者には関係ない」

勇者「ある。おおありだ。お前と女戦士の仲がどうなるか心配だぜ」

盗賊「…ゆーちゃんって、呼んでいい?」

勇者「…別にいいけど……恥ずかしいからあんまり呼ばれたくないんだが」

盗賊「なら私は、しーちゃんと呼ばれてもいい」

勇者「え? しーちゃん?」

盗賊「うん、しーちゃん」

25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/24(水) 19:38:33.27 ID:EA4bE60o0
勇者「しーちゃん…ああ、シーフからとったのか」

盗賊「呼んでくれる?」

勇者「それならおあいこだもんな」

盗賊「…ゆーちゃん」

勇者「あ、ああ。なに?」

盗賊「よ、呼んだだけ…」カァァ

勇者「そうか」

26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/24(水) 19:44:02.93 ID:EA4bE60o0
勇者「盗賊、今日はなにが食べたい?」

盗賊「…」プイッ

勇者「おい、盗賊…?」

盗賊「…」プイッ

勇者「無視するなよ」

盗賊「…しーちゃん」

勇者「…しーちゃん、今日なにが食べたい?」

盗賊「私が作るから」

勇者「お、そうか。楽しみだ」

28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/24(水) 19:48:52.50 ID:EA4bE60o0
勇者(こいつ、意外とわがままだな…)

盗賊「買い物に、付き合ってくれる?」

勇者「これは命令じゃないから、俺にも拒否権があるわけだな」

盗賊「え…」

盗賊「さ、さっきのは…なし…」

勇者「はは、大丈夫だよ。付き合ってやる付き合ってやる」

盗賊「…いじわる」

勇者(盗賊、可愛い…!)

29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/24(水) 19:49:46.12 ID:EA4bE60o0
>>17
>>27
書いたのは俺だが、また違うものと考えていただきたい。

31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/24(水) 19:58:33.77 ID:EA4bE60o0
盗賊「野菜は、食べれる?」

勇者「ああ、野菜なら一通り家にあるぜ」

盗賊「そうなの?」

勇者「おう、となりのおじさんが親切な人でな」

盗賊「…なら、買わなくてもいいの?」

勇者「うん」

盗賊「…そう」

勇者「それにしても、料理はどうしてそんなに上手くなったんだ?」

盗賊「…一人暮らしだったから」

勇者「…ああ、すまん、悪いことを聞いたな」

盗賊「別に、いい」

32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/24(水) 20:04:14.36 ID:EA4bE60o0
盗賊「…」

勇者「しーちゃん? 何考えてるんだ?」

盗賊「…どっちのお肉がいいか迷ってる」

勇者「え?」

盗賊「これは少し質がいい。けど、高い。もうひとつは質は少し悪いだけど、安い」

勇者「高い方でいいんじゃないか?」

盗賊「…ゆーちゃんに悪い」

勇者「金のことはあんま気にしなくていいぞ。王様からすこしばかりもらってるからさ」

盗賊「…そう。それじゃあ…」

勇者「おう」

33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/24(水) 20:08:52.64 ID:EA4bE60o0
勇者「お前本当に盗賊なのか?」

盗賊「ど、どういう意味?」

勇者「盗賊にしては、なんかふつーの人となんら変わらない気がするんだが…」

盗賊「そ、そんなことない」

勇者「ふうん。じゃあ、ちょっと盗賊っぽいことしてみろよ」

盗賊「…盗みはよくない」

勇者「…え?」

34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/24(水) 20:14:43.18 ID:EA4bE60o0
盗賊「私が盗むのは心だけ」

勇者「成功経験は?」

盗賊「…ゼロ」

勇者「失敗経験は?」

盗賊「…ゼロ」エッヘン

勇者「じゃあ俺が最初の被害者なのか?」

盗賊「! …なんでわかったの?」

勇者「…結構天然なのか? お前」

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/24(水) 21:25:52.63 ID:EA4bE60o0
盗賊「で、でも、心を盗むために、いろいろなことを研究した」

勇者「研究? どんなことだ?」

盗賊「…裸、エプロンとか」

勇者「俺にはまったくきいてないぞ」

盗賊「いきなり難しい人を選んでしまった」

勇者「ははは、そうかもな」

38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/24(水) 21:29:48.64 ID:EA4bE60o0
勇者(しかし、こいつ…)

勇者(あんまりこういう目で女を見ちゃいけないんだけど…)

勇者(けっこう、良いスタイルしてるんだよな)

盗賊「? ゆーちゃん?」

勇者「あ、ああ。なんだ?」

盗賊「家、ついたよ?」

勇者「あ、ああ、鍵か鍵な…」

ガチャ

?「!!」

勇者「誰だお前」

39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/24(水) 21:35:19.82 ID:EA4bE60o0
?「お前こそ、勝手に入ってくるとは、何者だ!?」

勇者(小さい女の子か…でも、面白い服着てるな。それに可愛い)

勇者「それはこっちのセリフだ。ここは俺の家だ。」

?「む、むぅ…お腹が空いているのだ。何か食わせろ」

勇者(…生意気)

?「聞こえんかったのか? 何か食わせろと言っている」

勇者「手に持ってる野菜はなんだよ?」

?「こ、これは…ふ、ふん! まずいから今捨てようと思っていたところだ!」

盗賊「ゆーちゃん、誰? この子」

勇者「俺もよくわからん…」

40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/24(水) 21:39:45.36 ID:EA4bE60o0
?「ゆーちゃん? お前、ゆーちゃんと言うのか!」

勇者「やめろ、初対面でその名を口にするな!」

?「ふん、お前、名を名乗ってみよ」

勇者「…勇者だ」

?「勇者…?」

勇者「ああ勇者だ」

?「ふふふ…」

盗賊「…」ビク

?「ふははははははは! 会いたかったぞ勇者!」

勇者「あん?」

?「貴様を殺しに、わざわざここまで来てやったのさ!」

勇者「な、何言ってんだ? お前」

41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/24(水) 21:44:33.17 ID:EA4bE60o0
?「ほう…? 私を誰だか知らないのか?」

勇者「ああ、まったくな」

?「ふふふ…しかし、お前は私の名を知る前に、死んでもらう!」

勇者「はぁ?」

?「死ねい!!」

MPが足りません。

勇者「…ぷっ」

?「…あれ?」

勇者「あーはっはっはっは!! こいつおもしれえ!」

?「な、なぜ出せん!? なぜ出せんのだ!?」

勇者「元々MP0のお前がそんなことできるわけないだろ! あははははははは!!」

?「バカにしよってぇ!」

盗賊「…早く出ていって」

?「む?」

盗賊「迷惑」

43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/24(水) 21:49:56.02 ID:EA4bE60o0
勇者「しーちゃん、そんなきつく言うなって」

?「…なんじゃ、お前はしーちゃんというのか」

盗賊「気安く呼ばないで」

?「むぅ? 喧嘩腰だのう…やるか?」

勇者「や、やめろよ、ふたりとも」

盗賊「…やだ」

?「ガクッ……負けるのが怖いのか?」

盗賊「ゆーちゃんがやめろって言ってるから」

勇者「し、しーちゃん…」

44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/24(水) 21:54:55.21 ID:EA4bE60o0
勇者「あー本当にしーちゃんはいい子だなぁ~! よしよし!」

盗賊「あっ…撫で…」

勇者「と、言うわけだ、早く帰りな、美少女ちゃん」

?「び、美少女…!」カァァ

?「私は全知全能の魔王なのだぞ! 美少女ではない!!」

勇者「魔王? はは、冗談きついぜ」

魔王「本当だー!」

盗賊「うるさい」

魔王「う……うわぁぁん!」ダッ

勇者「お、おい…飛び出してったな」

45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/24(水) 21:57:52.88 ID:EA4bE60o0
盗賊「ゆーちゃん…」

勇者「あん? なんだ?」

盗賊「もう一回ナデナデして」

勇者「え? ああ、うん」

盗賊「…」ゴロゴロ

勇者(猫みたいだな…)

勇者(それにしても、さっきのあいつ…大丈夫なんだろうか…)

46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/24(水) 22:03:17.38 ID:EA4bE60o0
盗賊「…ゆーちゃん?」

勇者「ん? ああ、なんでもない、気にするな」

盗賊「…何か、考えてた?」

勇者「あ、ああ…ちょっとな」

盗賊「…あっ…」

勇者「え?」

盗賊「もう一回…」

勇者「ああ、ナデナデ?」

盗賊「…」コクリ

勇者「可愛いな、しーちゃん」

47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/24(水) 22:07:36.42 ID:EA4bE60o0
盗賊「…照れる」カァァ

勇者「昨日から疑問だったんだけどさ」

盗賊「なに?」

勇者「しーちゃん、ちょっと肌黒いよな」

盗賊「…嫌い?」

勇者「…え?」

盗賊「褐色肌は…嫌い?」

勇者「俺はそんなことで人を嫌いになったりしないよ」

盗賊「…本当?」

勇者「おう」

盗賊「よかった…」

勇者「それにしても、なんでそんなこと言うんだ?」

盗賊「…この肌のせいでいじめられたから」

勇者「…」

48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/24(水) 22:14:59.99 ID:EA4bE60o0
見てる人少ないなw
でも、支援してくれてる人がいるからには、何が何でも頑張らないと…。
風呂に行ってきます。

52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/24(水) 22:48:20.27 ID:EA4bE60o0
勇者「また、嫌なこと聞いちまったな」

盗賊「…大丈夫、ゆーちゃんは受け入れてくれるから」ニコ

勇者「そうか、俺も、お前がそこまで信じてくれてて嬉しいよ」

盗賊「…」カァァ

勇者「しーちゃんさ、そろそろ飯作ってくれないか?」

盗賊「あ…ごめんなさい」

勇者「あやまらなくていいさ。美味いの、期待してるぜ」

盗賊「…期待、してて」

53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/24(水) 22:52:45.95 ID:EA4bE60o0
勇者「…」ボー

盗賊「…」

勇者「…」ボー

盗賊「…」テレテレ

勇者「どうしたぁ?」

盗賊「あまり、見られると…恥ずかしい」

勇者「ああ、すまんすまん」

54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/24(水) 22:57:12.13 ID:EA4bE60o0
勇者「恥ずかしがり屋で、素直」

盗賊「え…?」

勇者「いや、盗賊…しーちゃんって、恥ずかしがり屋で、素直だなって」

盗賊「…そう、かな」

勇者「恥ずかしがり屋なのに、自分のいいたいことをちゃんと言うってのは、結構すごいことだぜ」

盗賊「あ、ありがと、う」

57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/24(水) 23:05:40.48 ID:EA4bE60o0
盗賊「はい、できました」

勇者「おお、これはまた美味そうだ!」

盗賊「…腕に、よりをかけました」

勇者「じゃあ早速…っと、思ったが」

盗賊「?」

勇者「しーちゃんも一緒に食べようぜ、な?」

盗賊「う、うん…」ドキドキ

58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/24(水) 23:43:26.26 ID:EA4bE60o0
今日も落ちたな…なんか最近よく落ちる。
再開します。

59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/24(水) 23:47:38.08 ID:EA4bE60o0
盗賊「…ゆーちゃん」

勇者「ん?」

盗賊「あ、あの…あー…」

勇者「?」

盗賊「あ、あー……ん」

勇者「あーん」パクッ

盗賊「…へへ」カァァ

勇者「うん、美味いぞ」

盗賊「…よかった…」パクッ

61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/24(水) 23:53:31.58 ID:EA4bE60o0
盗賊「うん…おいし」

勇者「やっぱり飯は一人で食うよりみんなで食べた方が美味いな」

盗賊「そう…だね」

勇者「…あのさ、しーちゃん」

盗賊「なに?」

勇者「もう、心を盗むとかなしに、俺と一緒に暮らさないか?」

盗賊「え…」ドキッ

勇者「俺、しーちゃんの作る飯が食いたい。それに、しーちゃんと一緒にいたいよ」

盗賊「…」カァァァ

盗賊「…まだ、答えられない」

勇者「そうか…うん、確かに俺の自分勝手だった。すまん」

62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/25(木) 00:00:14.18 ID:WTknyT2h0
勇者「つか、そうだったな」

盗賊「?」

勇者「しーちゃんは、俺の心を盗むために、こうやって、色んなことをしてくれてるんだよな」

盗賊「!」

勇者「俺がしーちゃんのこと、本当に好きになったら、しーちゃんは、どこか行っちまうんだよな…」

盗賊「…」

勇者「わりぃ、変なこと言っちまった」

盗賊「…」フルフル

勇者「…ごちそうさま。ちょっと早いけど、俺、先に寝るよ」

盗賊「お、おやすみ、なさいっ」

勇者「うん、おやすみ」

63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/25(木) 00:07:26.98 ID:WTknyT2h0
盗賊(…私は…どうしたのだろう)

盗賊(…勇者のことが…好きなのだろうか?)

盗賊(…あーもう……)

盗賊「自分がわからない…」

盗賊「心を盗めるような、盗賊になりたいと思って、頑張ってきたのに…」

盗賊「一人目で、その人に恋をしてしまうなんて…」

65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/25(木) 00:12:55.87 ID:WTknyT2h0
勇者「窓から外に飛び出したわけだが…むぅ」

勇者「…バレたらどうなるんだろうか? まあ、許してはくれるだろうけど…」

勇者「ん? あいつは…」

魔王「…」トボトボ

勇者「おい」

魔王「!」ビク

勇者「よう、奇遇じゃねぇか」

魔王「き、貴様! 私が魔王だとわかって、早速倒しに来たのか!?」

66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/25(木) 00:19:14.32 ID:WTknyT2h0
勇者「んなわけねぇだろ。第一、魔王はこんな平和な村に現れねぇよ」

魔王「ほう? お前、まだ信じていないのだな?」

勇者「信じれねぇよ。お前みたいなちんまりして可愛いやつが魔王なわけないだろ」

魔王「なにおー! 見せてやる、私の力を!」

勇者「MPが足りなかったら、俺の言う事を一つ聞け」

魔王「ふん! どうせお前は死ぬんだから、そんな約束あって、無いようなものだ!」

魔王「くらえい!」

MPが足りません。

魔王「そんなぁ!?」

69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/25(木) 00:30:50.80 ID:WTknyT2h0
勇者「あーはっはっはっはっは!!! やっぱりお前、面白いなぁ!」

魔王「お、おまえなんか攻撃で倒せる! うおおっ!」

ブンブンブン

勇者「頭押さえたら腕届かないだろ」

ブンブンブン

魔王「な、なかなかやるな…」

勇者「あははははは!! やべえ、腹いてえ!」

70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/25(木) 00:39:03.74 ID:WTknyT2h0
魔王「うう…手加減してるだけだ!」

勇者「手加減ねぇ…」ニヤニヤ

魔王「むかつくー!」

勇者「約束通り、俺の言う事を一つ聞いてもらおう」

魔王「ふん…誰がお前の言う事なんぞ…」

勇者「うわーあの全知全能の魔王様が約束破るのかー?」

魔王「うぅ…しょうがないな! 一つだけだぞ!」

72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/25(木) 00:48:29.35 ID:WTknyT2h0
みんな見てるとすっごく魔王人気なんだな…
うーんどうしよう…。


74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/25(木) 00:51:11.82 ID:WTknyT2h0
>>73
姫様は後々やるつもり…だったんだが。
魔王様の人気がハンパないw
俺よく席外すから過疎ると一瞬で落ちるんだよな…。

76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/25(木) 01:00:42.04 ID:WTknyT2h0
魔王「…さっきはごめんなさい」

盗賊「…」キョトン

魔王「こ、これでいいんだな!?」

勇者「いいや、ダメだ」

魔王「いいかげんにしろぉ!」

MPが足りません。

魔王「うわああぁん!」

勇者「はっはっは。やっぱりこいつ、おもしれぇ」

盗賊「…クス」

魔王「あー! 今笑ったな!?」

勇者「しーちゃん! もっと笑っていいぞー!」

77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/25(木) 01:05:36.60 ID:WTknyT2h0
魔王「私をいじめるためにここまで呼んだのか!?」

勇者「違うぜ、お前、行く場所あるかどうか聞くためにさ」

魔王「行くところ?」

勇者「おう、帰る場所はあるのか?」

魔王「ふん! あるに決まっているだろう!」

勇者「どこにだ?」

魔王「私の城だ」

勇者「え、お前どこかの国の姫なのか?」

姫「呼びましたか!?」

勇者「うおわっ!? どっから!?」

79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/25(木) 01:14:55.23 ID:WTknyT2h0
姫「勇者様! この二人の女性はどういうことですか!?」

勇者「いや、どうと言われましても…」

魔王「誰じゃ? この変な女は」

勇者「こ、こら!」

姫「変ですって!? あんたはチビのくせに!」

勇者「姫もそんなこと言わないでください!」

魔王「なにおう!」ビリビリビリ

勇者「なんか電気発してないか!?」

80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/25(木) 01:20:49.55 ID:WTknyT2h0
閑話休題。

姫「それでは…勇者様」

勇者「はい、さよならー」

魔王「…」ムッスー

勇者「おいおい、なんでそんなに怒ってんだよ」

魔王「ふん! お前には教えぬ!」

勇者「…じゃあ、しーちゃんに教えてやってくれ」

魔王「だ、誰にも教えぬ!!」

盗賊「…」

81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/25(木) 01:29:19.45 ID:WTknyT2h0
盗賊「…」ジロー

魔王(…視線が怖い)

勇者「俺の家に住まないか?」

魔王「はぁ?」

勇者「帰る場所があるのに、まだここらへんをうろちょろしてるってことは、なにかあったんだろ?」

魔王「ちょっと、遠いからだ」

勇者「遠かったらなおさらここらへんをうろつかねぇよ」

魔王「あーわかった! そういうのならもういい! じゃあな!」

83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/25(木) 01:31:11.66 ID:WTknyT2h0
勇者「どうする気だ?」

魔王「ワープする。じゃあな」

勇者「…できるのか?」

魔王「できるもん! はぁ」

勇者「おい! 移動魔法を室内で使ったら…!」

ヒュウン ドゴーン!

魔王「…っ」

勇者「あーもー言わんこっちゃない!!」

84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/25(木) 01:36:14.64 ID:WTknyT2h0
勇者「ああ! あいつのせいで天井に穴が!」

魔王「キュゥ」

盗賊「…ゆーちゃん」

勇者「あ? なんだ?」

盗賊「ほっと…こうよ」

勇者「な、なんで?」

盗賊「だ、だって…」

勇者「こんな小さい子を見捨てることなんて、俺にはできないよ」

盗賊「…っ……」

盗賊「ごめん…なさぃ…」ポタポタ

勇者「お、おい! なんで、泣いてんだよ?」

85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/25(木) 01:41:16.36 ID:WTknyT2h0
盗賊「な、泣いてない…よ?」

勇者「いや、すっげー涙出てるぞ」

盗賊「こ、これは…違う…」

勇者「隠さなくていい! 言いたいことがあるなら言ってくれ」

盗賊「…」グスッ

盗賊「ゆー、ちゃんが...その子…のことばかり………気にかけるから」

88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/25(木) 01:46:06.25 ID:WTknyT2h0
勇者「そ、そんなことない!」

盗賊「ある! あ、ごめん…なさい」

勇者「……」

盗賊「…?」

勇者「俺は、お前のことだって、ちゃんと気にしてるよ」

盗賊「…さっき、寝るって…言ったのは……その子を探すためだったんでしょ?」

勇者「…まぁ、そうだ」

盗賊「…」チャキ

勇者「おい! 手に持ってるナイフはなんだ!?」

89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/25(木) 01:52:32.46 ID:WTknyT2h0
盗賊「……その子を殺せば…あなたは………私をみてくれる?」

勇者「いや、殺したら目を背ける!」

盗賊「なんで? どう…して?」

勇者「それは犯罪だ! いきなり思い切ったことするな!」

盗賊「でも、でも…」

勇者「お前が犯罪者になったら、もうお前の飯が食えなくなっちまう!」

盗賊「…」

勇者「お前と、買い物にも、行けなくなっちまう!」

盗賊「…」カラン

盗賊「ごめ…ごめ…ごめんな…さ………い」ウルウル

勇者「…わかってくれりゃいいんだ」

90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/25(木) 01:58:00.93 ID:WTknyT2h0
魔王「むむ…ここは…?」

勇者「よう、おばかさん」

魔王「だ、誰がおばかさんだ!」

勇者「お前以外にいるのか?」

魔王「…ふん!」

盗賊「は、はい。これ…」

魔王「む、なんだ、これは?」

勇者「飯だ。お前、腹、減ってたんだろ?」

魔王「ま、まぁな」

勇者「じゃあ、食え。盗賊の作った飯はとてつもなく美味いぞ」

魔王「…」パクッ

91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/25(木) 02:01:35.14 ID:WTknyT2h0
魔王「…こんなまずいもの食べれるか!」

盗賊「!」ガーン

魔王「まったく! こんなもの食べさせよって…」パクパクパク

勇者「はっはっは! 言ってるわりには完食かよ!」

魔王「は!! か、体が勝手に!」

盗賊「…? まずいんじゃ、ないの?」

勇者「素直じゃねぇな、お前」

魔王「う、うるさいうるさい!」

92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/25(木) 02:04:51.49 ID:WTknyT2h0
盗賊「おいし……かった?」

魔王「む? …ま、まぁ…まずくは…なかった…ぞ?」

勇者「なんで正直に美味いって言えねぇんだお前は」

魔王「う、うまくはないもん!」

勇者「ウソつくな!」

盗賊「…ふふ…」

勇者「?」

盗賊「…楽しい」

93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/25(木) 02:10:02.53 ID:WTknyT2h0
勇者「…」ニヤー

魔王「うわっ、気持ち悪っ」

勇者「なんだその顔は! めちゃくちゃ引いてるじゃねえか!」

魔王「あやつの顔を見てニヤけているお前が悪い!」

勇者「なにおう! 素直じゃないお前のほうがよっぽど気持ち悪いわ!」

盗賊「け、喧嘩はやめて…」

勇者「っ…ご、ごめん、しーちゃん」

魔王「…ふんっ」

盗賊「…あなたが原因。ゆーちゃんに謝って」

魔王「なんで私が!」

94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/25(木) 02:11:08.30 ID:WTknyT2h0
わ、脇腹が…! すいません、落ちます。
もし、このあとの展開についての要望がありましたら、どうぞお申し付けください!

116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/25(木) 18:44:54.84 ID:WTknyT2h0
もうすこしでまたでかけないと行けない
ごめんもうすこし待てるかな?
落ちた時はそのときだ。

125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/25(木) 21:28:12.04 ID:WTknyT2h0
ただいま。
たくさんの方、保守、ありがとうございます。

127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/25(木) 21:30:58.44 ID:WTknyT2h0
盗賊「ゆーちゃんは気持ち悪くないもん」

勇者「し、しーちゃん…」

魔王「うう…わ、わ、わかったよ、ごめんなさい! こ、これでいいんだろ?」

盗賊「ゆーちゃんの目を見て」

魔王「もう、なんなんだお前は!」

盗賊「早く」ジッ

魔王「う、うう…」

128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/25(木) 21:34:30.98 ID:WTknyT2h0
魔王「ご、ごめん…なさい!」

勇者「おや~? 目から大粒の…?」

魔王「な、泣いてないんだからな!」

勇者「俺は一度もそんなこと言ってないぜ?」

魔王「う、うわぁぁぁぁん!」

盗賊「…クスクス」

勇者(…盗賊が笑ってる…あいつがいてくれると、盗賊も笑顔になれる)

129 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/25(木) 21:39:22.54 ID:WTknyT2h0
魔王「も、もう、ここに用事はすんだ! お前たちとはさよならだ!」

勇者「えー頭大丈夫か?」

魔王「頭が悪いとでも言いたいのか!?」

勇者「いや、さっきぶつけただろ?」

魔王「ふふ…私を誰だと思っている? 全知全能の、魔王だぞ!」ヨロヨロ

ドテッ

魔王「…」グスッ

盗賊「…クスクス……大丈夫?」

魔王「い、今、笑っただろ!」

130 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/25(木) 21:44:21.27 ID:WTknyT2h0
盗賊「あ……ごめんなさい」

魔王「ふん! 別に、大丈夫だ!」

盗賊「あたま、ちょっと腫れてるね」

勇者「ははは! もうダメだ、お前どっか行ったら怒るからな」

魔王「な、なんだと! 私の行動をお前が決めることはできんぞ!」

勇者「はいはいはい、じゃあ、俺を倒してみろよ?」

魔王「後悔するなよ? お前なんか瞬殺…いたぁい!!」

盗賊「…ちょっと、染みるよ?」

魔王「さ、先に言え!」

132 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/25(木) 21:49:10.61 ID:WTknyT2h0
盗賊「ご、ごめ……」

勇者「お前、盗賊はお前の頭を治療してるんだぞ? すこしはジッとしとけよ」

魔王「ふん! べ、別に痛くないもん!」

勇者「そうなのか? えいっ」

魔王「! …うわーん! 痛いぃ!!」

盗賊「ゆ、ゆーちゃん…」

勇者「しーちゃん、治療よろしくっ」

133 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/25(木) 21:54:59.49 ID:WTknyT2h0
魔王「…この、鬼!」

勇者「えー? 俺なんかしたか?」

魔王「しらばっくれるでない!」

盗賊「…う、動かないで…」

魔王「こんなもの、回復魔法で…」

MPが足りません。

魔王「…もう、いやだ」

勇者「あはははははは! また、無意味なことを…!」

盗賊「ゆ、ゆーちゃん、言い過ぎ…」

勇者「そんなんじゃ、お前を外においておくのは危なっかしいぜ。だから、ちょっとでもいいから…な?」

魔王「…ま、まぁ…ちょっとぐらいなら……べ、別に、いてやっても…か、構わないぞ?」

136 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/25(木) 22:08:52.88 ID:WTknyT2h0
勇者「よかったよかった!」

魔王「そ、そんなに嬉しいか!」

勇者「そりゃな!」(これで盗賊にも笑顔…)

盗賊「…」シュン

勇者(…じゃ、ない)

魔王「ふ、ふん! そ、そんなに嬉しいなら…ず、ずず、ずっと、いてやっても…いいぞ?」

137 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/25(木) 22:19:05.33 ID:WTknyT2h0
勇者「あ、ああ…」

魔王「…な、なんだ、迷惑ならそう言えばいいでわないか!」

盗賊「ゆ、ゆーちゃんは…そんなこと、…思ってない」

魔王「む?」

盗賊「…ね?」

勇者「あ、ああ。いてくれるのはとても嬉しい。けど…」

魔王「けど?」

勇者「…いや、なんでもない! 気にするな」

盗賊「…」

138 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/25(木) 22:25:37.87 ID:WTknyT2h0
魔王「すぅすぅ…」

勇者「…はぁ」

盗賊「…ありがとね……ゆーちゃん」

勇者「え? な、なにが?」

盗賊「私の…ため…に…でしょ?」

勇者「ギクッ! な、なにがだよ?」

盗賊「…クスッ……焦ってる、勇者、かわいい」

勇者「そ、そうか?」(い、今勇者って…)

139 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/25(木) 22:29:06.14 ID:WTknyT2h0
盗賊「…私、そろそろ、行く」

勇者「え?」

盗賊「次の人のところへ、行く」

勇者「な、なんでだよ? い、行っちまうのか?」

盗賊「…」コクリ

勇者「…わかった、俺としては、ずっと一緒にいたかったけどな…」

盗賊「! ………本当?」

勇者「ああ。本当だ。…もしかしたら、これが心を奪われたって言うのかもな」

盗賊「…わからない」

140 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/25(木) 22:32:46.52 ID:WTknyT2h0
勇者「…でも、きっと心を盗まれたってことなんだと思う」

盗賊「…なんで?」

勇者「なんか、お前がいなくなるってだけで、心にぽかっと、穴が開いた感じがするんだ」

盗賊「…」カァァ

勇者「だから…いてくれないか? 心だけ盗んでいくなんて、物を盗むよりも、悲しい」

盗賊「…でも、私は…」

勇者「…やっぱり、ダメなのか?」

盗賊(私は…私が盗まれて…しまうと思う)

盗賊(あなたに、奪われてしまいそう)

141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/25(木) 22:41:25.63 ID:WTknyT2h0
勇者「…いつごろ、行っちまうんだ?」

盗賊「…考えてない」

勇者「……」

盗賊「……」

勇者「まだ、お前と一緒にいた時間なんて、ちょっとだったんだな」

盗賊「…」コクリ

勇者「…なんか、すっげー長い時間に感じたぜ」

盗賊「そういってもらえると…嬉しい…」

142 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/25(木) 22:47:48.82 ID:WTknyT2h0
盗賊「これからは、あの子と一緒に…」

勇者「あ、ああ。あいつか」

盗賊「…私がいなくなると、寂しい?」

勇者「寂しい」

盗賊「…」カァァ

勇者「…はぁ」

盗賊「あの……お、おねがい、聞いてくれる?」

144 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/25(木) 22:54:49.74 ID:WTknyT2h0
勇者「ん? お願い?」

盗賊「…うん」

勇者「ああ、別にいいぜ。お前の頼みならなんでも聞いてやるぜ」

盗賊「…本当?」

勇者「うん」

盗賊「そ、それじゃあ…お……お…」

勇者「…?」

盗賊「一緒に、お風呂に…入ってくれる?」

146 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/25(木) 23:09:42.70 ID:WTknyT2h0
勇者「風呂?」

盗賊「う…うん」

勇者「ふ、風呂か?」

盗賊「うん…」

盗賊「だめ?」

勇者「いや、いいけど…お前、いいのか?」

盗賊「勇者の、背中を洗いたい」

勇者「…わかった」

149 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/25(木) 23:34:14.18 ID:WTknyT2h0
勇者「…」ドキドキ

勇者(先に入ってろって…すっごくドキドキするんだが…)

盗賊「…入って、いい?」

勇者「…あ、ああ!」

盗賊「……や、やっぱり…恥ずかしい」

勇者「じゃ、じゃあや、やめるか?」

盗賊「う、ううん…これが最後のお願いになるかもしれないし…」

150 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/25(木) 23:40:35.81 ID:WTknyT2h0
勇者「…そう…だな」

盗賊「…じゃあ…入る…よ?」

勇者「お、おう」

盗賊「!」

勇者「ん?」

盗賊「…な、中には誰もいな…あっ」

ガラッ

魔王「!!!」

勇者「うおっ!?」

魔王「キャーーーーーーーーーーーー!!!」ドサッ

勇者「おおい!? 大丈夫か?」

152 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/26(金) 00:01:29.80 ID:ODkRxSMq0
勇者「あちゃー…気絶してるな…」

魔王「」

盗賊「だ…、大丈夫!?」

勇者「ああ、大丈夫…てうおわっ!」

盗賊「?」

勇者(た、タオルで隠れているけど…胸がこぼれんばかりに!!)

盗賊「!」カァァァァァ

盗賊「…」ドサ

勇者「うえ!? と、盗賊? おーい!?」

154 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/26(金) 00:11:28.63 ID:ODkRxSMq0
ごめん、今日は早めに落ちます。
今回のはすぐに終わると思うので、今日中には終わるかもしれないです。
すいません、では!

174 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/26(金) 14:08:57.59 ID:ODkRxSMq0
すまん、もうすこし待ってられる?
本当にみんな、ごめんな。
今日こんなに用事あるとは思わんかった…。
真央ちゃん、よく頑張った。

189 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/26(金) 21:05:04.33 ID:ODkRxSMq0
勇者「…」

魔王「…」

盗賊「…」

魔王「…変態」

勇者「おい! 今なんて言った!?」

盗賊「お、落ち着いて…」

勇者「お前だって変態だろうが! いきなり風呂に入ってくるやつの方が変態だ!」

魔王「なかに変なやつがいるのかと思って見ただけだ!」

魔王「そしたらこいつが入ろうとしているのになんでお前がいるんだ!?」

勇者「それは…」

魔王「はっ、反論できないではないか! この変態! ドスケベ!」

勇者「うるせー!」

魔王「私だって一緒に…」ゴニョゴニョ

191 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/26(金) 21:10:47.34 ID:ODkRxSMq0
勇者「あ? 何か言ったか?」

魔王「い、いってない!」

盗賊「…」

勇者「言っておくがな、俺は盗賊に、一緒n…」
盗賊「だ、だめ!」

勇者「…に風呂の掃除をしようとしていただけだ」

魔王「そ、それだったら裸にならなくてもよいだろう!」

勇者「ちゃんと腰にタオルを巻いていただろう!?」

魔王「そんなの、ちゃんと見とらんわ!」

192 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/26(金) 21:16:02.28 ID:ODkRxSMq0
盗賊「…」

魔王「…ふん!」

勇者「んだよ…」

盗賊「ちょっと、涼んで…くる」

勇者「どうした?」

盗賊「ちょっと、体が熱くなって…火照ってきた」

勇者「そうか、外寒いかもしれないから、早く帰ってこいよ」

盗賊「…うん」

193 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/26(金) 21:20:24.79 ID:ODkRxSMq0
盗賊「…涼しい…」

盗賊「…」

「あれ、お前…盗賊か?」

盗賊「!!」

「おーやっぱり盗賊か、久しぶりじゃねぇか」

盗賊「…なんで、あなたが…」

「お前を探しに来たんだよぉ、盗賊ぅ」

盗賊「…私は、戻ら、ない」

「あぁ?」

196 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/26(金) 21:25:33.85 ID:ODkRxSMq0
盗賊「…」ビクッ

「何いってんだよ…お前…」

「お前は俺の、奴隷だろうが!?」

盗賊「…」

「砂漠地帯で餓死寸前のお前を助けたのは誰だと思ってるんだ!?」

盗賊「あなたは……私を…ペットのように扱った…」

盗賊「…助けて、ない」

「ふざけんじゃねぇぞ? 殺すぞ? あぁ?」

盗賊「…奴隷になるつもりは…ない」

「お前、忘れたのか? お前は昔俺に、『私はあなたの奴隷です』って、何度も何度も俺に言ってたんだぜ?」

盗賊「…昔のこと」

197 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/26(金) 21:33:12.62 ID:ODkRxSMq0
「ほう…殺されたいわけか」チャキッ

盗賊「…や、やめて…」


勇者「…遅いな」

魔王「知らぬ!」

勇者「これから一緒なんだから、すこしは心配しろよ!」

魔王「心配なら見に行けばいいであろう!」

勇者「…わかった。そうする」

魔王「あっ…」

199 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/26(金) 21:37:37.98 ID:ODkRxSMq0
勇者「おーい…盗賊ー?」

盗賊「…かはっ…」

ドサッ

勇者「!?」

「ん? なんだよ、人が来ちまったな」

勇者「盗賊!? 大丈夫か!?」

盗賊「だ……め……きちゃ…ダ…メ…」

「ん? お前が、新しい飼い主か?」

勇者「飼い主…?」

200 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/26(金) 21:45:48.43 ID:ODkRxSMq0
「そうよ。こいつは金のためなら手段を選ばない、最低野郎だ」

勇者「…!」

盗賊「ち、ちがう…かはっ…コホッコホッ…」

勇者「! 大丈夫か!?」

盗賊「…はぁ…はぁ…」

勇者(くそ、血が止まらねぇ!)

「早くしないと、そいつ死んじまうぞぉ?」

魔王「はぁ…しょうがない」

勇者「な、なんで来た!? あぶないから来るなよ!」

魔王「こいつを回復する。お前はそいつを始末しろ」

203 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/26(金) 21:54:28.98 ID:ODkRxSMq0
勇者「安心できねぇ!」

魔王「なんだと! 私だってやるときはやるんだ!」

MPが足りません。

勇者「役立たず!」

魔王「う、うるさい!」

盗賊「…」ドクドク

「お、可愛いやつが出てきたなぁ…うへへ……高値で売れそうだぜ」

勇者「…高値で売れるって、どういうことだよ?」

「ああん? そういう若いヤツは高値で売れるって意味だよ」

勇者「…何言ってだお前?」

「その盗賊も、もうだめだな。使い物になら…」ザシュ

「か…はぁっ…」

勇者「…わりぃな。人は斬らねぇ主義なんだけどよ…」

勇者「お前が言ってることは、人間じゃねぇ」

204 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/26(金) 22:01:20.54 ID:ODkRxSMq0
「そ、そいつは、あの、だ、大泥棒…なんだぞ?」

勇者「…?」

「ああ……貧しい家庭でも平気で金を盗む…最低な野郎だ!」

勇者「! あの…砂漠地帯で恐れられている…あいつなのか?」

「そうだ! …お前も盗まれるかもしれないぜ? 気をつけろよ?」ザシュ

勇者「! こいつ、自分の首を…!」

魔王「おい、勇者! 血が! 血がぁ!」

勇者「と、とりあえず賢者さんのところに運ぼう!」

205 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/26(金) 22:13:57.40 ID:ODkRxSMq0
賢者「ふわぁ…こんな夜中になんじゃ?」

勇者「はぁはぁ…賢者さん! こいつを…治癒してください!」

賢者「ちゅ、チュー!?」

勇者「違います! 回復してください!」

賢者「ゆ、勇者がいいのなら…わ、私は構わないが…」

勇者「違いますって! ああ、ダメだ。この人寝ぼけてる!」

魔王「もういい!私が回復するっ」

MPが足りません。

勇者「このままじゃ…盗賊が…!」

207 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/26(金) 22:21:13.94 ID:ODkRxSMq0
魔王「えい!」

MPが足りません。

魔王「とりゃ!」

MPが足りません。

魔王「それい!」

MPが足りません。

魔王「これでどうだぁ!」

MPが足りません。

勇者「見苦しい!」

209 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/26(金) 22:27:44.24 ID:ODkRxSMq0
勇者「くそうこうなったら俺が…」

魔王「お前に何が出来る!」

勇者「…神よ…」

勇者「我の身体、そして精神を捧げん…」

賢者「! ハッ!? 私は一体!?」

勇者「あ、起きた!」

210 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/26(金) 22:31:38.61 ID:ODkRxSMq0
賢者「むむむ! なんじゃこの娘は!? 血がたくさん出ておるではないか!」

勇者「は、早く治療を!」

賢者「うむ! わかった!」


勇者「ふう…これで一安心だな」

魔王「…うぅ…自分が情けない…」

勇者「見苦しかったぜ、お前」

魔王「う、うるさい!」

212 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/26(金) 22:41:56.91 ID:ODkRxSMq0
勇者「…でも、ありがとな」

勇者「お前、こいつを治すために、出てきてくれたんだろ?」

魔王「あ、…え…」カァァ

魔王「そ、そうだ! べ、別にお前が困ってたからとかじゃないからな!?」

勇者「ああ。ありがとう」

魔王「ふ、ふん!」

214 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/26(金) 22:49:47.59 ID:ODkRxSMq0
賢者「ふぅ、これで大丈夫だ」

勇者「ありがとうございます! 賢者さん!」

賢者「む、う、うむ」

勇者「盗賊! 大丈夫か!?」

賢者「ああ、今は寝ておるぞ。もう大丈夫じゃ」

勇者「はぁ…よかった」

魔王「…」

215 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/26(金) 22:56:38.56 ID:ODkRxSMq0
魔王「…」

勇者「よいしょっと…」

魔王「…胸が当たっとる!」

勇者「ああ? んなこと気にしてたら盗賊おぶれねーだろ」

魔王「こんの変態!」

勇者「うるせー! そういうところばっかり見てるお前に言われたくないわ!」

盗賊「…だいじょうぶ…一人で歩ける…」

勇者「と、盗賊…よかった…」

216 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/26(金) 23:00:42.02 ID:ODkRxSMq0
盗賊「…」

勇者「本当に、大丈夫か? もう、いいのか?」

盗賊「うん…もう、平気だから」

勇者「そうか、じゃあ帰ろう」

盗賊「それは…できない…」

勇者「え?」

盗賊「私は、あなたのそばには…いられない」

219 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/26(金) 23:37:21.51 ID:ODkRxSMq0
勇者「な、なんでだよ…」

盗賊「…あなたは、聞いたでしょ?」

勇者「は?」

盗賊「…私は、大泥棒…」

勇者「…それがどうしたんだ?」

盗賊「えっ…」

勇者「お前は、物を盗まないんだろう? 俺はそれを信じる」

盗賊「ゆ、勇者…」

勇者「だから、一緒にいようぜ? もう、俺たちは仲間なんだからさ」

盗賊「……」ギュッ

魔王「ー!ー!」

勇者「はは、いきなり抱きつくなって…」

盗賊「好き、好き、好き…」

勇者「俺も、大好きだ」

220 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/26(金) 23:40:20.08 ID:ODkRxSMq0
勇者:
まあ、こんな感じで、俺と盗賊は打ち解けたわけだが…。
これからはしょっちゅう盗賊は笑顔になった。
その度あいつは不機嫌にふくれっつらになって、すごく可愛かった。
盗賊は、俺の心を、盗んだ。
しかし、盗んで、どこかに行ってしまったわけではない。
俺と一緒に、いつも、一緒にいるんだ。

221 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/26(金) 23:43:31.71 ID:ODkRxSMq0
勇者「うむ、今日も美味!」

盗賊「あ、ありがとう…」ニコッ

魔王「…」ムスーッ

勇者「おいおい、そんな顔するなって…」

盗賊「なんだかあなたって…」

魔王「な、なんだ! 私がなんだと言いたい?」

盗賊「…子供みたいね」

魔王「子供だとぉ!? た、たしかに身長は貴様らより下だが、お前らより歳h…」

勇者「じゃあ俺は父さんで、盗賊が母さんだな」

盗賊「…ゆ、ゆーしゃ…」ポッ

魔王「なんでお前らの娘なんだーーーー!!」

THE END

223 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/26(金) 23:46:22.19 ID:ODkRxSMq0
本当に長い間、保守ありがとうございました。
これで、終です。
今回は結構短めで、終わりました。
たぶん、自分の初めての短編だと思う。
魔王SSから引き続き見てくれた人、そしてこの話から見てくれた人、本当にありがとうございました。

229 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/26(金) 23:58:20.00 ID:ODkRxSMq0
今度また立てるつもりなんだが…どんなのがいい?
まあ、こうやって媚びるの嫌いな人もいると思うから、あんまり大きくは言えないのだけれど。
パー速行けってなっちゃうから、少しは別物にしちゃうけど。
なんでも書くよ。書くの好きだから。


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