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一方通行「……鈴科百合子です。宜しく」


先日更新したスレの別の方の作品ですの!

491 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/23(火) 00:00:53.02 ID:7fgKSAtN0
上条「何いってんだよ!俺は別にそんなつもりじゃ…!」

上条「それにこいつはアク…」

一方「」ギロ

上条「」ドキ

上条「(ドキ、じゃなくて)…ただのクラスメイトだよ!昨日転入してきたばっかだし…」

御坂「ふーん、昨日会ったばっかりの子に早速手を出してるわけ?さすがね?」

上条「あぁ、もうだから…!」

一方「先行ってンな」

上条「え、ちょ……あー」

御坂「あれあの子ほんとに転入生?どっかで見たことあるような…」

上条「そ、そうか?気のせいじゃないか?」


一方「………」

492 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/23(火) 00:03:49.73 ID:7fgKSAtN0
一方「……気づかれずに済んだか?」

一方「……御坂美琴、ねェ」

一方(昨日も

494 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[ミスった] 投稿日:2010/02/23(火) 00:09:38.53 ID:7fgKSAtN0
一方(昨日の帰りも二人一緒だったよな…)

一方(そンで多分、昨日の夜はあいつン家で一緒に飯食って…)

一方(………ただのクラスメイト)

一方(そうだよな、ただのクラスメイトだ。そんなに仲良くなったわけでもねェし)

一方「………」

一方「あァ、マジでくだンねェ…」

497 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/23(火) 00:21:04.99 ID:7fgKSAtN0
上条「あれ、鈴科さんまだ来てないのか?」

土御門「荷物教室においてさっさと保健室行っちまったぜよ」

青ピ「なんや、そないに鈴科ちゃんのこと気に何のかいな?」

上条「いや、先行っちまったから俺より遅いなんてそんな」

青ピ「なんやて!?ってことは途中までは一緒やったってことか!
    なんでかみやんにばっかそんなストロベリいイベントが起こるんや!」

上条「だっ、たまたま会っただけだっての!」

青ピ「それ!それが重要なんや!偶然にでもそういうイベントを引き起こす能力!それがあるかないかで…」

上条「もういいって、そんなに熱弁しなくてもいい!」


小萌「うぅ…転入二日目にして保健室登校だなんて…」

吹寄「先生、私が様子見てきましょうか?」

小萌「いや、ここで焦ってしまっては保健室登校の長期化、深刻化に繋がります!今は静かに見守りましょう!」

上条「単なるサボりだと思うけどな…」

498 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/23(火) 00:21:50.72 ID:7fgKSAtN0
>>495
付いてる方です
女体化の意味がわからない

501 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/23(火) 00:29:51.55 ID:7fgKSAtN0
上条「埋まったと思ったら、すぐ空席になっちまった」

土御門「どうしたかみやん、ひょっとしてさみしいのかにゃー?」ニヤニヤ

上条「いや、ちょっと心配なだけだ」

土御門「あ…あれ?」

上条「朝会った時ちょっと体調悪そうだったしさ」

土御門「……」

上条「ただのサボりかも知んないけど、体弱そうだしさ」

土御門(茶化したつもりだったのに……こ、これは何ぜよ?)

上条「2時間目終わったら様子見に行くかな。倒れられても困るんだろ?」

土御門「……あ、あぁ、そうだにゃ、頼むぜよ」

青ピ「…小萌てんてーの憂う表情…たまらん…」ハァハァ

502 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/23(火) 00:40:33.02 ID:7fgKSAtN0
上条「失礼しまーす、うちのクラスの鈴科さんっています?」

保険医「あぁ、転入生の? びっくりしたわ、来てみたらもう人が寝てるんだもの」

上条「様子見て来いって言われたんですけど」

保険医「そっちのベッドよ…って、女の子が寝てるのよ?」

上条「で、ですよねーははは…」

保険医「……あなたもしかして、サンシタって名前?」

上条「いえ、違いますけど…多分俺のこと、なのかな…鈴科さんが言ったんですか?」

保険医「へぇ…ふうぅん…」ニヤニヤ

保険医「あそうだった職員室に用事があるんだったたぶん10分くらいですむかなー(棒読み)」

上条「……へ?」

保険医「じゃ、しばらく部屋空けるからよろしくね」

上条「よ、よろしくって…」

上条「………え?」

504 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/23(火) 00:50:42.88 ID:7fgKSAtN0
上条「……えーと」

上条「とりあえずこいつは女ってことになってるんだし、俺の風当たりが悪くならないにこしたことないよな」

上条「……何緊張してんだ、俺」

上条「…し、失礼しまーす」

一方「……zzz」スカー

上条「…寝てるだけ、か?」

上条「いや、もしかしたら熱あるかも知れないし…」

一方「……zzz」スカー

上条「………」

上条「……ほっぺた」

上条「………はっ!た、体温計!体温計とってこよう!」

505 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/23(火) 01:00:11.92 ID:7fgKSAtN0
上条「あ、あったあった!これをわきに挟んで…」

一方「……zzzz」スカー

上条「わきに……」

上条(………服、脱がすのか?)

一方「ン……うゥン」ゴロン

上条「………せ、先生が戻ってきたときに誤解されるのもあれだしな!
   うん、俺くらい不幸慣れしてるとこれくらいの危機回避は余裕ですよ」

上条「体温計使わなくても、ちょっとおでこ触れば熱あるかどうかなんて…」

一方「………zzzz」スーコー

上条「………」ゴクリ

506 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/23(火) 01:03:44.60 ID:7fgKSAtN0
すまん酒の勢い借りて書いてたけど、眠いからいつ寝オチするかわかんね…
俺が消えたら誰か頼むよ…できればおにんにん付きで…

510 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/23(火) 01:11:00.34 ID:7fgKSAtN0
上条「………本当に、肌白いよな」

上条「女の子みたいというか、女の子より奇麗なんじゃないか?」

上条「………」

一方「……zzzz」スヤー

上条(なんだ、土御門とかにはこれくらい普通にできるだろ?青ピとも普通に…)

上条(あー、心臓がうるさい、耳が熱い、口渇く)

上条「う………」スッ

上条「…………」


上条「……熱、全然無いじゃないか」

511 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/23(火) 01:23:33.90 ID:7fgKSAtN0
上条「むしろ冷たくて、ほんと…」

一方「………zzzz」

上条「髪もサラサラだし…そうか、いつも反射してたから痛んでないのか」

上条「もし今目覚ましたら殺されるかな、はは……」

上条「うん、熱も無かったことだしとりあえずひと安心ですよ」

上条「…ってことはサボりか、こいつ。起こした方が……」

一方「………」

上条「…………ほっぺた、やわらかそうだな」

上条「いや、でもそれはさすがに起きるだろ!…こんなところで絶命したくはないしな」

一方「おィ三下ァ…」

上条「は、はい!すみませんでしたどうか命だけは」

一方「マーブルあずきパンとか、なめてンだろこれ……」

上条「は……?寝言、か?」

513 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/23(火) 01:27:36.16 ID:7fgKSAtN0
上条「あぁ、だからさっき先生が俺のこと三下かって…」

上条「………心臓に悪い」

一方「……zzzz」グオー

上条「どうやら体調は大丈夫そうだし、戻るか」

上条「鈴科はこのまま寝かせておくか、うん」

キーンコーンカーンコーン

上条「やべ、これ始業ベルだ!」ガラッ




一方(やべェ……何やってンだ寝たふりなんて…/////)カァァァァァ

515 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/23(火) 01:36:45.93 ID:7fgKSAtN0
昼休み屋上
土御門「どうしたかみやん、不幸そうな顔して…って、いつもだったにゃー」

上条「……土御門、お前の妹の舞夏ってさ、その、オタクだったよな?」

土御門「おぅ、腐がつくようなオタクぜよ」

上条「腐か…」

上条「お前もそういう本とか、読んだことあるか?」

土御門「んー?部屋におちてりゃ目には入るし手にも取るかにゃ?別に好き好んで読むわけじゃないけどにゃ」

上条「……そうか」

土御門「どうしたんだにゃ?まさかインデックスちゃんもその道に入っちゃいそうなのかにゃ?」

上条「いやそういうわけじゃないけどさ」ハァ

土御門「で、それがどうかしたかにゃ?」

上条「………んー」

土御門(………嫌な予感しかしない)

516 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/23(火) 01:41:54.01 ID:7fgKSAtN0
上条「…空は青いな」

土御門「そうだにゃ」

上条「なのに雲は白いよな」

土御門「そりゃそうぜよ」

上条「…なあ」

土御門「何ぜよ?」

上条「俺らってさ、友達、だよな?」

土御門「」

土御門「え、おう、そうだにゃ!」

上条「………」

土御門「………」

上条「友達、か……」ハァ

土御門(な、何なんだ一体……)

519 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/23(火) 02:02:11.44 ID:7fgKSAtN0
土御門「……」

上条「なぁ土御門」

土御門「は、はいなんでしょう!?」ビクン

上条「お前って、好きな人いる?」

土御門「いるいる!いるにゃ!だから俺は…」

上条「その人のこと考えてさ、他のこと何にも考えられなくなることって、あるか?」

土御門「あるような、ないような…えぇと、それが一体…?」

上条「……んー、ちょっとな。考え事」

青ピ「お、なんや二人ともこんなところにおったんかいな」

上条「あ、すまんすまん。ちょっと相談しててさ」

土御門(何かよくわからんけど助かったにゃ!)

青ピ「遠くから見たら二人してなんやイイ雰囲気やったから、告白シーンか思うて出て行きづらかったで?」

上条「お前何言ってんだよ…って、土御門、顔色悪いぞ?」

土御門「へ、平気だにゃ……」

521 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/23(火) 02:08:05.17 ID:7fgKSAtN0
書き方まずかったか…あ、あくまでも上条たんは一方通行にLOVEずっきゅんなんだからな!
俺はBL好きだけど筋肉はちょっと苦手なんだからな!ビバ耽美!

524 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/23(火) 02:29:29.30 ID:7fgKSAtN0
一方「……もう昼かァ」

一方「今日はアイツ、起こしに来ないンだな」

一方「……」

一方(あいつの手、すンげーあったかかったなァ)

一方(幻想殺しねェ…アレに俺はぶン殴られたわけか)

一方「………効いてねェじゃねェか、この幻想残ったままだぞ」

保険医「んー、どうかしたー?」

一方「ンな、何でもねェッ!聞いてンじゃねェよ!」

保険医「聞こえなかったから聞き返したんだけどな…」

一方「何でもねェから!クソッ!」

保険医「」ニヤニヤ

526 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/23(火) 02:53:58.20 ID:7fgKSAtN0
青ピ「あ、鈴科ちゃん戻ってきたで」

上条「もう体調のほうはいいのか?」

一方「……あれ以上あの保健室に居られるかよォ」

上条「そうか、そりゃよかった」

一方「フン」

青ピ「いやーこれで小萌てんてーもひと安心やで」

一方「あァン?どういうことだ?」

上条「転入早々保健室登校なんて、心配にもなるだろうよ」

一方「心配?俺をかァ?」

青ピ「せやでー?」

一方「………」

707 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/25(木) 15:14:25.17 ID:xVVEJOiu0
うほーい!残ってる!
ID:7fgKSAtN0だけど今の今まで報告書書いてて先の展開何も考えてない!
でも書いちゃう俺はドM

710 名前:>>526の続き[] 投稿日:2010/02/25(木) 15:31:57.92 ID:xVVEJOiu0
一方(……心配、ねェ)

青ピ「もっちろん!ボクも心配しとったでー!?」

一方「そうかい」

上条「ところで昼飯はもう食ったのか?」

一方「あァ…別に腹へってねェし」

上条「…食べてないんですね。これやるよ」ヒョイ

一方「…なンだこれ、コーヒーパン?」

上条「お前コーヒーばっか飲んでるだろ?」

一方「考え方が短絡的すぎンだろうが。こンなもンのどこがコーヒー味だってンだ」

土御門「言わんとすることはよーく分かるにゃ」

上条「…そっか」シュン

一方「…………」

一方「……フン」モグモグ

青ピ「あ、それでも食うんやな」

一方「食いもンに罪はねェ」モグモグ

711 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/25(木) 15:42:41.59 ID:xVVEJOiu0
キーンコーンカーンコーン
上条「あ、やべ次移動だ」

青ピ「そんな焦らんでも、奴の授業いっつも始まるの遅いやん」

上条「そうやって油断してると時間通りに始まる、上条さんの嫌な予感は当たるんです」ダッ

青ピ「そう言われたら急がなあかんような気してきたで…」ダッ

一方「…おィ」

土御門「…どうしたぜよ?」

一方「オメェに聞きてェことがあるンだけどよォ」

土御門「……、なんだ」

一方「……なンだ、その」

一方「……奴も、心配してたのか?」

土御門「……は?」

一方「だから……、何でもねェよ」

土御門(……一体何ぜよ?)

一方「…なぁ、よくわかンねぇンだけどよォ………友達って、どンなことを言うンだ」

土御門(……ま、またかにゃ!?)ぞわっ

713 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/25(木) 15:56:17.61 ID:xVVEJOiu0
土御門「…ど、どう言うって、どういうことぜよ?」ドギマギ

一方「……」

土御門(だ、黙るなぁぁっ!)ビクーン

一方「……俺ァ、よくわかんねェンだ」

土御門「……?」

一方「今まで欲しいと思ったことすらねェしよォ」

土御門「あ、あぁ。そういうことかにゃ」ホッ

土御門「友達ねェ。お前もそういう人並みなことを考えるようになったんだにゃ?」

一方「うっせェぶっ殺すぞ」

土御門「でも、なかなか返答に困る質問ぜよ?」

土御門「知り合い程度の友達もいれば、自分の命以上の友達もいる。
     一緒に居れば安心できる友達もいれば、刺激し合うような友達もいる。
     それに改めて口に出すのがはずかしいもんだしにゃ」

一方「……よくわかんねェな」

土御門「そんなもんだにゃ」

715 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/25(木) 16:06:24.85 ID:xVVEJOiu0
土御門「人付き合いが難しいってとこは、お前は痛いほど知ってるはずぜよ。
     面倒くさいけど、それでも一緒に居たら楽しいのが友達なんじゃないかにゃ?」

一方「一緒に居たい、ねェ…」

一方「………」

一方「一緒に居て、安心する」

土御門「それだけじゃないかもしれないけどにゃ」

一方「一緒に居て、ドキドキするのもかァ?」

土御門「ん?」

一方「だから、一緒に居て安心したりするモンなんだろ?」

土御門「お、おぅ」

一方「ってことはよ、安心したり、イライラしたり、ドキドキしたりよくわかンねェのも友達ってことか」

土御門「…えーと、なんというかその…」

一方「……どうしたァ?」

土御門「………、そういうのは女子のほうがよくわかるんじゃないかにゃー?」

一方「どうしてだァ?」

土御門「少なくとも、俺にはちょっと判断しづらいかにゃ?」(こ、怖いこの状況……)

717 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/25(木) 16:20:45.34 ID:xVVEJOiu0
土御門「移動教室だし俺もそろそろ行くにゃ!お前も出る気があるんなら急いだ方がいいにゃ!」

一方「…行っちまった」


一方「女子ねェ……」

一方(打ち止めや芳川に聞くのは癪だしなァ、その辺の女子に聞いてみっか)

一方「おィ、ちょっと聞きてェ事があるンだけどよォ」

姫神「…わ。私か?今は授業中」

一方「ばれやしねェよ」

姫神「で。聞きたいこと。とは」

一方「あァ、改めて口に出すのが恥ずかしいこと……?らしいンだかよォ」

姫神「?」

一方「そのさ、友達ってよォ……」

718 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/25(木) 16:26:23.28 ID:xVVEJOiu0
姫神「ずばり。言う」

一方「…なンだ?」

姫神「それは。恋」


一方「」ガタン

教師「鈴科、どうした?…保健室行くか?」オドオド

一方「…平気、気にすンな」

教師「そ、そうか、遠慮するんじゃないぞ?」オドオド

姫神「あら。あらあら」ニヤニヤ

一方「お、オメェが変なこと言うからだろ!」

姫神「一般論を。述べただけよ。私は」

一方「……恋だとォ!?」

姫神「恋。どう。考えても」

一方「~~ッ!」

姫神「で。そのお相手は。どんな方なの」

一方「黙ってろッ!」

719 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/25(木) 16:55:56.40 ID:xVVEJOiu0
帰り道
一方「……」

姫神『気づいたら。その人のことを考えていたり。寝る前に顔を思い浮かべたり。
    その時はすごく幸せ。でも。どこか苛立ったりするんでしょう。』

姫神『その人に会ったり。不意に手が触れたときなんかに。体が熱くなったり。
    どうしようもないくらいに恥ずかしくなったり。
    その人の目の前だと。素直になれなかったりするんでしょう。それは。恋よ』


一方「……」

一方(……ふざけンな)

一方(恋だと?俺が、三下にィ?はッ!馬鹿馬鹿しい!)

上条「お、いたいた。鈴科ぁー!」

一方「」ドッキーン

一方(な、な、な……、い、いきなり呼び止められてびっくりしただけだ、びっくりしただけ…)

上条「気づいたらもういなかったからさ、心配したんだぜ?」

一方「…フン」

721 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/25(木) 17:18:21.22 ID:xVVEJOiu0
一方「………」

上条「………」

一方「……なンかしゃべらねェのかよ」

上条「え、いや、ははは……」

一方(はははじゃねェよ…クソ、俺の気もしらねェで……)

    どうしようもないくらいに恥ずかしくなったり。
    その人の目の前だと。素直になれなかったりするんでしょう。

一方(違う違う違う違う違う違う!断じて違う!)


上条「…の、喉渇かないか?今日温かいし喉渇いたから…よかったらなんか奢るよ!」

一方「いや、金ぐれぇ自分で出す」

上条「遠慮するなよ。貧乏な上条さんにもそれくらいの余裕はあるんですよ」

一方「……そんなに言うンなら、奢らせてやる」

722 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/25(木) 17:26:25.66 ID:xVVEJOiu0
上条「えっと、ブラックでいいか?」

一方「お前は何にすンだ?」

上条「俺か?え…っと、このいちごレモネードにしようかな」

一方「じゃあ俺もそれで」

上条「え?」

一方「お前と同じのでいいっつってンだよ」

上条「そ、そうですか」ピ

一方「……」

上条「ほら、これでいいか?」

一方「オゥ、サンキュー」スッ

上条「あ」ピトッ

一方「あ」ビクッ

ガタン

上条「ど、どうしたんだよ…そんなびっくりするほど冷たかったか?」

一方「て、手が滑っただけだ、ワリィな…」(な、何意識してンだ……)

725 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/25(木) 17:43:02.96 ID:xVVEJOiu0
一方「……お前、いつもこンなモン飲んでンのかァ?」

上条「皆まで言うな、これは外れだった」

一方「甘ったるいし薬っぽいし…お前はクソまじィモンを選ぶ才能でもあンのか?」

上条「……本当に申し訳ないです」

一方「ったく」カラン

上条「それでも全部飲むんだな」カラン

一方「せっかくお前のおごりなンだ」

上条「………」

一方「……なんて顔してんだよ、驚きすぎだろ」

上条「え、別に驚いてなんか…」

一方「まァ、別に何でもいいけどよォ」


御坂「……」ビリィ

730 名前:>>728ふざけるなちゃんと付けろ[] 投稿日:2010/02/25(木) 18:07:35.07 ID:xVVEJOiu0
御坂「あら、ただのクラスメイトに奢りだなんて、あんたの懐もずいぶん暖かくなったのね?」

上条「ビリビリ?…どうした、不機嫌そうだな」

御坂「だから!私には御坂美琴っていう名前があるって何度も言ってるじゃないのよ!」

上条「わ、わかった!で、一体どうしたんだよ御坂」

御坂「…登下校ずっと一緒なの?」

上条「…へ?」

御坂「だ、だからその…ただの友達とそんなことするのかって聞いてんのよ!
    調子に乗って遊び半分でジゴロ気取ってんならその子に失礼でしょ!」

一方「……!」

上条「い、一体何を言ってるんだお前は!」

一方「はァ、もうめんどくせェ…俺は行くぜ。あばよ三下、超電磁砲」

御坂「ちょっと、待…え?超電磁砲?なんで…て、その声!?」

上条「あぁ、またややこしくなる……」

御坂「え?ちょっと、どういうことよ!説明しなさい!」

一方「俺は一方通行。で、男。そいつとはダチ。これでなンも問題ねェだろ?」

御坂「……は?……へ?」

732 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/25(木) 18:24:03.66 ID:xVVEJOiu0
上条「…と、そういうわけです。一方通行は行っちまったけど、これで納得したか?」

御坂「……正直、まだ混乱してる」

上条「でしょうね」

御坂「でしょうねっ…て、なんであんたはそんなに普通でいられるのよ!
    あ、一方通行よ?しかも女装よ?なんでとか思わないの!?」

上条「思うけど、そんなもん本人の趣味なんだからなぁ」

御坂「私には無理、受け入れられないわ……あんなのが学園都市最強……」ブツブツ

上条「人それぞれだってことでいいじゃないか」

御坂「でも、まぁ……安心したわ」

上条「安心、何がだ?」

御坂「んな、何でもないわよ!」

上条「…?」


一方「………受け入れられねェ、か」

一方「……奴も、そう思ってやがンのか?」

一方「……、どうでもいいけどなァ」グス

736 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/25(木) 18:35:03.07 ID:xVVEJOiu0
御坂「でもあんたたち、よくここまで仲良くなれたわね」

上条「へ?」

御坂「だって、あの一方通行よ?ちょっと前は殺るか殺られるかのやり合いしてたじゃないの」

上条「そういえば……、そうだな」

御坂「まぁあの一方通行のことだからまた何しでかすか…」

上条「なぁ、俺たち仲良さそうに見えたか?」

御坂「へ…?あ、うん…女装もしてたし、傍から見たら恋人同士よ」

上条「こぃ…!何を言い出すんだ急に!」

御坂「あら?なに慌ててんの、冗談に決まってるじゃない」

上条「……恋人だなんて、そんな」

御坂「嫌ねぇ、まさか本当にソッチの気でもあるの?」

上条「………」

御坂「……え?」

上条「いや……、ごめん俺もう行くわ」

御坂「え?ちょ、待ちなさいよ!」

739 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/25(木) 18:40:31.31 ID:xVVEJOiu0
一方「街灯が……、もうそんな時間か」

一方「……友達、ねェ」

一方(……自意識過剰だな。ほんのちょっと受け入れられたからって勘違いして)

一方(女装なんて、フツーに考えたら受け入れられるワケねェじゃねェか)

一方「…………」


一方「………くそ、寒ィな。この格好は」

740 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/25(木) 18:41:33.41 ID:xVVEJOiu0
お  ら
 い て
  も

741 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/25(木) 18:51:10.15 ID:xVVEJOiu0
上条「……受け入れられない、か」タッタッ

上条(よく考えたら、一方通行のやつは今までずっと…)タッタッ

上条(ただでさえ能力のせいで、受け入れられることが無かったんだな)タッタッ

上条(全然気にしてないみたいにしてたけど…そんな…)タッタッ

上条(そんなことに慣れるなんて、悲し過ぎるじゃないか!)タッタッ

上条(……俺は、一方通行に、なんて言ってやればいい?)タッタッ

上条(……いや、何を言いたいんだ?何を伝えたいんだ上条当麻!)タッタッ

744 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/25(木) 18:59:54.47 ID:xVVEJOiu0
上条「……いた!アク……鈴科!」

一方「…どうした三下ァ、でけェ声出して。近所迷惑をちったァ考えろ」

上条「鈴科、百合子」

一方「なんだよ」

上条「その…、寒くないか、その格好?」

一方「はァ……?寒かァねぇよ、別に」

上条(…じゃなくて)

上条「鈴科。俺さ、お前に…」

一方「一方通行」

上条「……え」

一方「俺ァ一方通行だ。学園都市最強のレベル5第一位、一方通行。間違えンな」

上条「……俺は、鈴科」

一方「しつけェな、だから…」

上条「お前が、好きだ」

748 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/25(木) 19:06:23.20 ID:xVVEJOiu0
一方「………はァ?」

上条「…………好きだ。友達としてなんかじゃなく」

一方「…………」

上条「…………」

一方「馬鹿じゃねェのか?」

上条「馬鹿だと思う」

一方「俺ァ男だぞ?」

上条「知ってる」

一方「ホモ野郎だったのか、オメェ」

上条「かもしれない」

一方「………本気かよ」

上条「本気だ」

一方「………」

751 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/25(木) 19:17:30.60 ID:xVVEJOiu0
一方「……そうかい」

上条「………鈴科」

一方「残念だったな。俺ァ鈴科百合子なンかじゃねェ。
    ……お前の友達の、一方通行だ」

上条「そ……そんな、俺は鈴科だろうが一方通行だろうが」

一方「まだわかンねェのか、俺にその気はねェっつってンだよ」

上条「………そうか」

一方「………あァ」


上条「…悪かったな、なんか、変なこと言って」

一方「気にすンな。俺は気にしてねェンだから」

上条「…まだ俺たち、友達、だよな?」

一方「しつけェと女にも嫌われンぞ?オメェは俺を受け入れてくれる……数すくねェ友達だ」

上条「……ありがとう」

752 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/25(木) 19:35:05.92 ID:xVVEJOiu0
一方「……あのグラサン野郎の言う通りだな、なんだ」

上条「どうした?」

一方「友達とかそういうの、改めて口に出したらよォ、…恥ずかしくてしょうがねェ」

上条「………」

一方「こっち来ンなよ、てれっからよォ」

上条「…あぁ」

一方「もう帰る……俺ン家、こっちだからよ」

上条「……また、明日な」

一方「オゥ、早く帰れ」

一方「……じゃあな」タッ


あの時、一方通行が泣いていたのに俺は気付いていた。
それでも俺は、呼び止めも追いかけもしなかった。できなかった。
何で泣いていたのかを、家に帰る途中で何回も何回も考えた。
何度考えても、ちゃんとした答えはわからなかった。
それでも、俺ではその涙をぬぐうことはできなかったことだけはわかった。
家に着いてインデックスに心配されるまで、俺も泣いていたことに気付かなかった。

756 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/25(木) 19:51:16.74 ID:xVVEJOiu0
次の朝はなんてこともなく時間通りにやってきて、俺はいつも通り準備して
昨晩のことなんて気にしない様子のインデックスに見送られて家を出た。
俺は、昨日で世界が終ってしまうような、世界が変わってしまうような気がしたけど、
そんなことは全然無くて、車は走り、清掃ロボは働き、俺は普通に登校している。
いろんなことが頭の中を駆け巡っているようで、そのすべてが無意味で解読不能だった。

上条「…て、何感傷的になってるんだ」

一方「いつまでも失恋を引きずってンじゃねェぞ三下ァ」

上条「すっ…!一方通行、どうしたんだよいきなり!」

一方「オメェが自殺しそうな顔でふらふら歩いてっから声かけてみたンだよ」

上条「あ…」

ケラケラと笑う一方通行の目元は、真っ赤にはれていた。

一方「どうしたンだァ、人の顔ジロジロ見て」

上条「……なんでもねぇよ、一方通行」

758 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/25(木) 20:03:17.72 ID:xVVEJOiu0
御坂「おっはよ……ぅ」

上条「どうした?ビリビリ」

御坂「え、えぇ…と、あんたたち、その…」

一方「歯切れ悪ぃな、一体なンだってンだ」

御坂「ず、ずいぶんと仲がよさそうだけど…えぇと…」

上条「友達が仲良さそうだと、何か問題あるのか?」

御坂「と、友達!?そ、そうよね!は、ははは…」

上条「朝っぱらから変な奴だな」

一方「こいつァ昼夜問わず変な奴だと思うぜ、俺ァ」

御坂「へ、変な奴って!その格好で言われたくないわよ!」

一方「人の趣味に口出しすンなよ。お前だってスカートの下は野郎みてェなモンはいてんじゃねェか」

上条「でも、スカートって寒くないのか?」

御坂「え、まさかあんたも…」

上条「…心配してるだけだよ。で、どうなんだ?」

一方「あァ、寒くなんかねェよ。
    俺ァ、学園都市最強の一方通行だぜェ?」                  fin


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