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唯「Confession!」
1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/22(木) 21:54:05.13 ID:deHVcs3C0 [1/34]
唯「ただいまー…」
憂「お帰り、お姉ちゃん」
憂「……」
憂「遅かったね」
唯「えっ、部活がちょっとね」
憂「そう…」
唯「じゃ、じゃあ、私ごはんできるまで部屋にいるねっ」
憂「うん」
唯「また後でね」
憂「」
憂「」トントン
唯「ただいまー…」
憂「お帰り、お姉ちゃん」
憂「……」
憂「遅かったね」
唯「えっ、部活がちょっとね」
憂「そう…」
唯「じゃ、じゃあ、私ごはんできるまで部屋にいるねっ」
憂「うん」
唯「また後でね」
憂「」
憂「」トントン
2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/22(木) 21:55:09.57 ID:deHVcs3C0
唯「ううっ」
唯(苦しいよ…)
唯(辛いよ…)
唯(私、一体どうすればいいの?)
唯(あずにゃん…)
唯(今すぐ、元気なあずにゃんに会えるのなら)
唯(他のものなんて何もいらないよっ)
唯(ううっ…)
唯(なんで、なんでこんな事になっちゃったの?)
唯(あずにゃん)
唯「あずにゃん」
唯「あずにゃん、あずにゃんっ、私…」
ドンドンッ
唯「!!!?」
3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/22(木) 21:55:39.45 ID:deHVcs3C0
憂「おねーちゃん」
唯「なっ、何っ!?」ビクッ
憂「ごはん…」
唯「あぅ、今行くよっ」
憂「」
憂「待ってる…」
憂「早く……ね」
唯「わ、わかったよ」
唯(今の聞こえてないよね?)ビクビク
4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/22(木) 21:56:15.75 ID:deHVcs3C0
カチャカチャ
唯「……」モグモグ
憂「……」モグオグ
憂「おねえちゃん」
唯「なに?」
憂「昨日の電話…」
唯「えっ、何のこと…」タジッ
憂「間違い電話」
唯「あっ、ああ、そういえば、あったね」オロオロ
憂「純ちゃん、昨日お姉ちゃんに電話したって」
唯「えっ、ああ、そうだったかな?」オロオロ
憂「」
憂「止めようか、この話し…」
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/22(木) 21:57:38.27 ID:deHVcs3C0
唯「……」
憂「私、言っといたから」
唯「」
憂「梓ちゃんは、一昨日、ココに来てないって」
唯「!!!?」
唯「はあっ、はあっ」ガクガク
憂「」
憂「お姉ちゃん、大丈夫?」
唯「ああっ、うん、平気…っ!」
唯「ごほっ、はあっ、はあっ」
唯「ううっ…」
憂「……」
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/22(木) 21:58:25.74 ID:deHVcs3C0
唯「なんで…」
憂「?」
唯「なんで、そんな『嘘』ついたの?」ハアハア
憂「なんでって…」
憂「『本当』の事だから」
唯「……!?」
憂「ダメかな?」
唯「えっ?」タジッ
憂「『本当』のことつくらない?」
憂「私と…」
憂「お姉ちゃんで」
唯「!!!?」
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/22(木) 21:59:04.80 ID:deHVcs3C0
憂「いい?お姉ちゃん?」
憂「一昨日、梓ちゃんはココへは来なかった」
憂「梓ちゃんがお休みしている理由、私達は知らない…」
唯「えっ、えええっ!?」
憂「これが、『本当』の事」
唯「はあっ、憂っ、まさかっ!?」ガクガク
憂「」
憂「お姉ちゃんの考えている通りだよ…」
憂「お姉ちゃん、知ってるんでしょ?」
唯「いやっ、そんなっ、私しらないよっ!!!!」
憂「」
憂「もういいんだよ」
憂「もう、わかってる…」
9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/22(木) 21:59:43.76 ID:deHVcs3C0
憂「お姉ちゃんは知ってるっ」
唯「はあっ、もう、やめて…」
憂「一昨日、梓ちゃんに何があったか」
唯「やめてっ、憂っ!?」
憂「今どうなっているか」
唯「ダメッ!!!聞きたくないっ!!!!!」
憂「」
唯「ふうっ、がぁっ、はあ、はあっ」ブルブル
憂「お姉ちゃんは全部知ってる…」
憂「私と…」
憂「同じように…ね」
唯「!!!?」
唯「ああっ、ああああああっ!!!!!!」
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/22(木) 22:00:34.64 ID:deHVcs3C0
唯「ああああっ、がああぁぁあああっ、ごほっ、げふっ」ガクガク
憂「」
憂「お姉ちゃん…」
憂「私も、辛いの…」
唯「うううっ…」ガクガク
憂「どうすればいいのか、分かんないよ…」
憂「でも」
憂「逮捕だけはダメ」
憂「私達が一緒にいられなくなっちゃうでしょっ?」
憂「それだけはっ!!!」
憂「絶対にっ!!!だめぇっ!!!!!!!!」ドンッ
唯「ああっ!!!?」ビクビク
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/22(木) 22:01:25.16 ID:deHVcs3C0
憂「……」
唯「」ビクビク
憂「ごめんね、大きな声出して…」
憂「でも」
憂「一番大事なことは、私達が一緒にいることでしょ?」
憂「そこから考えたら、これが一番いい方法なの」
唯「ううっ…」
憂「きっと赦してくれるよね…梓ちゃんだって」
唯「!!!?」
憂「勢い余って」
憂「ちょっと」
唯「はあっ、はあっ!!!」ブルブル
憂「ちょっと、『殺しちゃった』くらい…ね」
唯「!!!!?」
唯「ああーっ!!!!」ガクガク
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/22(木) 22:02:07.66 ID:deHVcs3C0
唯「いやーっ!!!いやーーーーっ!!!!!」
憂「お姉ちゃん…」
憂「」
唯「いやっ、いやっ!」ブルブルッ
憂「大丈夫お姉ちゃん?」スッ
唯「!!!?」
唯「来ないでっ!!!!」バッ
憂「!?」
唯「近付かないでぇっ!!!」
憂「……」
唯「ちょっと、一人にさせて…」
唯「わ、私、部屋にもどるからっ!」ダッ
憂「」
憂「……」
憂「お姉ちゃん…」
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/22(木) 22:04:21.46 ID:deHVcs3C0
次の日!
憂「お姉ちゃんっ、帰ってるの?」
唯「お帰り、憂…」グタッ
憂「だいじょうぶ?」
唯「だいじょうぶ、じゃないよ…」
憂「……」
唯「ねえ憂、どうしてこうなちゃったの?」
唯「私達、幸せだった」
唯「つい、数日前まではね…」
憂「……」
唯「私、もう、疲れちゃった…」
憂「えっ…」
唯「疲れちゃったよ…」
憂(お姉ちゃん…)
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/22(木) 22:05:18.18 ID:deHVcs3C0
唯「たった三日が」
唯「百年みたい」
唯「その間、ずっとあずにゃんが私を見てるの」
憂「!?」
唯「あずにゃんがね、カーテンの隙間とか」
唯「少し開いたドアの間とか、ベッドの下とかね」
唯「ずっと見てるの、私を、あずにゃん、ふふっ」
唯「あーーーーーっ!!!」
憂「!?」
唯「はあっ、はあっ」ガクガク
唯「いつまで続くの?こんなこと?」
唯「あと何百年?何千年?ふふっ」
憂「……」
憂「そうなの、わかったよ」
憂「ごめんねお姉ちゃん、苦しかったね…」
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/22(木) 22:05:57.68 ID:deHVcs3C0
憂「ううっ」
憂「ああっ、うああっ…」ポロポロ
憂「ううううっ、はあっ、ひっく」ボロボロ
憂「あーんっ、わーんっ」グシャグシャ
唯「憂!?」
唯「泣かないで憂っ」グスッ
唯「私がここにいるから」ダキッ
憂「おねーちゃーーーん!!!!」
唯「ううっ、ういーっ」
憂「おねえちゃん、お姉ちゃん」
憂「なんで悲しい事はあるのかな?」
憂「なんで、人を傷つけたり、傷つけられたりするのかな?」
憂「わかんないよー!」
唯「ごめんね憂、お姉ちゃんバカだからわかんんない」
唯「だっこしか、してあげられない…」
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/22(木) 22:06:53.00 ID:deHVcs3C0
憂「おねーちゃーん!お姉ちゃん!」グスグス
唯「ういーっ」ダキッ
憂「……」
憂「」
憂「ありがとう」スクッ
憂「そろそろはじめなきゃ」
唯「えっ憂?」グスッ
憂「澪さんが感づいてる」
唯「澪ちゃんが?」
憂「もしかしたら」
憂「私が今からすることも予想してるかも」
唯「えっ、憂、何をするの?」
憂「捨てて来るんだよ」
憂「梓ちゃんの死体」
唯「!!!!?」
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/22(木) 22:07:53.38 ID:deHVcs3C0
憂「行こうお姉ちゃん、私一人の力じゃ大変だよ」
唯「いやっ、いやーーーーっ!!!!!」
憂「お願いお姉ちゃん、言う事を聞いて」
憂「協力してくれないと、私達、一緒にいられなくなっちゃう」
唯「やだよっ!!!行きたくないっ!!!!あずにゃんを見たくないっ!!!」
憂「いいから来てっ、私達の為なのっ!!!!!」グイグイ
唯「やだよーっ!!!」
憂「お姉ちゃんも、梓ちゃんの場所知ってるよね?」
唯「ガレージから入る…地下の倉庫…」
憂「そこにお父さんが使ってた、大きな古い旅行鞄があるの」
憂「梓ちゃん、小柄だから入ると思うのっ」
唯「そんなものにあずにゃんを入れて、どうするの?」
憂「埋めるためには掘らなきゃいけないから」
憂「海まで行って、鞄ごと捨てようっ」
憂「中に石をいっぱい入れて、紐や鎖でしっかり縛ってね!」
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/22(木) 22:09:30.45 ID:deHVcs3C0
唯「そんな事したくないよーっ!!!!」
憂「私達姉妹が一緒にいる為だよっ!?」
憂「いいの?これから私がいなくなっても?」
唯「ううっ」オロオロ
憂「さあ、早くっ!部活があるから少し時間があるけど」
憂「澪先輩が来るかもしれないよっ」
憂「あの人は油断ならないからっ」
憂(本当は…わざと来るように仕向けたんだけどね)
憂「さあっ行くよ、お姉ちゃん!」グイッ
唯「ううっ、う…」ヨロヨロ
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/22(木) 22:10:03.51 ID:deHVcs3C0
地下の倉庫
憂「ここだね、お姉ちゃん」
唯「うっ…うん…」
憂「梓ちゃん、ビニールシートに包まれてる」
唯「……」
憂「なんか液が出て汚くなってるよ」
憂「拭いてあげれたら良かったんだけど…」
憂「お姉ちゃんも、見る?」
唯「ああっ!嫌だよっ!!!!」ブルブル
憂「ダメだよちゃんと見ないと…」
憂「大好きな梓ちゃんでしょ?」グイッ
唯「きゃっ!」
唯「!!!!?」
唯「うっ」
唯「おえっ、おええっ!!!!」ゲボゲボ
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/22(木) 22:10:49.64 ID:deHVcs3C0
憂「なんだかもう、梓ちゃんだかわかんないね」
唯「おえっ、おええっ」
憂「お姉ちゃん…」
唯「私、無理だよっ、それっ、運べないよっ!!!!!」
唯「ダメだよっ!出来ないよっ!!!」ガクガク
憂「……」
憂「うん」
憂「わかってた」
唯「えっ?」
憂「ごめんね、梓ちゃんを運ぶってのは嘘なの」
唯「どういうこと?」
憂「うん…」
憂「はじめは本当に、梓ちゃんを海へ捨てに行くつもりだったけど…」
憂「私が帰ってきてからの、お姉ちゃんの様子を見てると、気が変わったんだ…」
憂「こんなこと、お姉ちゃんには辛すぎるよ」
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/22(木) 22:11:43.33 ID:deHVcs3C0
唯「憂…」
憂「このまま計画がうまくいっても、私とお姉ちゃんは救われない」
憂「たとえ、生涯この罪がばれなくても」
憂「その分、生涯苦しみ続けなきゃいけないの…」
憂「私達、どうすればいいと思う?」
憂「現実に向き合うの?嘘をつき続けるの?」
憂「本当は辛いし、嘘は傷つくし」
憂「あははっ、どっちもいやな事だね」
唯「憂!?一体どうするつもりなの?」
憂「おねえちゃん…」
憂「終わりにしよう」
憂「もう、これしか無いんだよ…」
唯「えっ?ちょっと憂!?」
憂「ごめんねお姉ちゃん」
憂「ごめんねっ、ごめんねっ」
31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/22(木) 22:21:04.16 ID:deHVcs3C0
唯「憂っ、何する気なのっ?」
憂「お願いっ」
憂「私の頼みを聞いて」
憂「お姉ちゃん…」
唯「…!?」
憂「お姉ちゃん、自首してっ!」
唯「!!!!?」
唯「あああっ、うううっ」
唯「はあっ、はああっ」ガクガク
憂「お願いお姉ちゃん」
憂「その方が楽になるよっ」
唯「いやだっ!嫌だよっ!!!!」
憂「お姉ちゃんの苦しむ姿、もう見てられないよ…」
唯「嫌だよっ、私っ、悪くないもんっ!!!!」
唯「殺す気なんて、なかったんだもんっ!!!」
35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/22(木) 22:30:51.34 ID:deHVcs3C0
憂「お姉ちゃん、よく聞いて…」
憂「ココに来たのは、梓ちゃんを運ぶ為じゃないの…」
憂「ちゃんと向き合うため」
憂「私と、お姉ちゃんが…梓ちゃんに!」
唯「!!?」
憂「私、お姉ちゃんが梓ちゃんを殺したこと、すぐ気付いちゃった」
憂「お姉ちゃん、私にばれないかとすごく辛そうだった…」
憂「だから、私の方から、気付いてる事教えたの…」
唯「これはね、違うんだよっ、事故なのっ、私っ!!!」
唯「悪くっ、全然悪くないもんっ!!!!!」
憂「……」
憂「わかってるよ…」
憂「でもね、望まなくても悲劇は起こるものなんだと思うの…」
唯「そんなっ、なんで私がぁっ!!!嫌だよっ!!!!」
38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/22(木) 22:38:38.38 ID:deHVcs3C0
憂「お姉ちゃん…」
憂「梓ちゃんはね、死んじゃったの」
憂「お姉ちゃんが殺したのっ!」
唯「ううっ、ああああっ」ガタガタ
憂「じゃあ、隠し続けてみる?」
憂「お姉ちゃんの為なら、私、親友の梓ちゃんを」
憂「海に捨てに行ってもいいよ」
唯「あああっ、あああああっ!!!!」
憂「こんなやり方、きっとお姉ちゃんは耐えられない…」
憂「事件を隠す事は、逃げてるようで」
憂「実は追い込まれているだけなんだよ…」
唯「はあっ、はあっ」
唯「嫌だーっ、私は自首しないっ、私は悪くないーーーーっ!!!」
憂「お姉ちゃんっ!」
憂「じゃあ、なんで今苦しんでるの?」
41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/22(木) 22:49:26.16 ID:deHVcs3C0
唯「はあっ、あああっ!」
憂「心の奥ではお姉ちゃん、悪いと思ってる」
憂「その気持ちから逃げたらだめっ!」
唯「はあっ、はあっ」
憂「本当の事は辛いし、嘘は傷つくし」
憂「どっちもいやな事だけど」
憂「二人で向き合って、背負っていこうよ」
憂「悲しい本当の事実と、嘘をついてしまう自分の心に…」
憂「きっと出きるよ…私達なら…」
唯「ううっ、憂…」
憂「お姉ちゃん…」
憂「もうすぐ澪さんも来るよ」
憂「今から警察に電話するからねっ」
唯「!!!?」
唯(ううっ、でもっ、嫌だよっ、やっぱり逮捕されたくないよっ!!!!)
42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/22(木) 22:51:07.65 ID:deHVcs3C0
唯「嫌だよ憂っ!止めてよっ!!!」
憂「お願いお姉ちゃん、言うことを聞いてっ」
唯「やめて、だめっ!!!」
憂「お姉ちゃん、一生苦しむのよ?」
憂「こっちの方がイイに決まってるっ!!!!」
憂「もっと早くに『して』あげればよかったっ!!!」
憂「お姉ちゃん、だから暴れないで、大人しくしてっ」
唯「わーっ!!!」ガバッ
憂「ああっ、くっ、ああっ!!!!」ドッ
ドゴッ!!!!
バタッ…
澪「唯っ!ココにいるのかっ!?」
純「憂ーっ!」
澪純「!!!!!?」
43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/22(木) 22:51:46.98 ID:deHVcs3C0
澪「えっ…うっ、そんな…」
純「きゃーーーっ!!!!」
唯「……」
憂「」グッタリ
唯「澪…ちゃん」
唯「私…憂を……」
澪「ああっ、くそっ、もう少し早ければ…」
純「あーん憂ーっ!!!ういーっ!!!!」ガバッ
純「ううっ、えっ?ああっ?」
純「梓?梓なの!?そんなっ、そんなぁっ!!!」
純「わーーーーーーーんっ!!!!!」グシャグシャ
澪「悲劇だっ、最悪…だ」
唯「あ…ううっ……」ペタン
45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/22(木) 23:00:07.57 ID:deHVcs3C0
________________________
__________________
___________
唯「これが事件の全貌…」
和「うそっ、そんなっ…」
唯「ごめんね和ちゃん、あずにゃんを殺したもの」
唯「憂を殺したのも私…」
唯「私を最後まで守ってくれようとした憂までも、私は…」
唯「ううっ、うううっ」ポロポロ
和「なんてことなの!?」
和「私達も、世間の人たちも、憂ちゃんが梓ちゃんを殺したと思っているのよっ」
唯「全部私が悪いの…」
唯「その私が生き残ってる」
唯「そんなの、赦されないっ」
和「!?」
和「唯、馬鹿なことは考えないでっ!」
50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/22(木) 23:10:18.18 ID:deHVcs3C0
和「唯っ!」ダキッ
唯「和ちゃん…」
和「あなたは、今報いを受けてるわ」
和「自分が壊れるほど、苦しみを味わってる」
唯「和ちゃん、私、人殺しだよ?」
唯「人殺しに優しくされる資格なんて無いよ…」
和「唯…」
和「憂の言葉を思い出して、罪を引き受けて、償っていくのよ…」
和「それでしか、唯は救われないわ…」
唯「私にできるかな?」
和「出来るわっ」
和「私が憂の代わりになってあげる」
和「一緒に償っていきましょう」
和「だから、憂や梓の為にも逃げないで」
唯「和ちゃん…」
52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/22(木) 23:16:18.66 ID:deHVcs3C0
ガチャッ
看護士「そろそろいいですか?」
和「ええ」
和「それより、大変なんですっ!」
和「唯の事件の、新事実が分かったんです!」
看護士「!?」
看護士「ふふっ」
看護士「あはははっ」
和「何を笑ってるんですか!」
和「不謹慎ですよっ!?」
和「唯も何か言ってよっ!」
唯「あははっ、えへへっ」
和「!?」
和「ちょっと唯っ?どうしたの!?」
和「さっきまで、しっかりしてたのに…!?」
54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/22(木) 23:22:57.77 ID:deHVcs3C0
看護士「すいません、真鍋さん」
和「?」
看護士「これ、よくある事なんですよ」
和「よくあることっ?」
看護士「ええ、平沢さん、急に頭が回りはじめたと思ったら」
看護士「変な事言い出すんですよ」
和「変な事?」
看護士「はい、その事件の事なら」
看護士「実は犯人は地底人だとか」
和「!?」
看護士「アメリカ大統領の陰謀だとか」
和「はぁ?」
看護士「とにかく、そんななんですよ、笑ってすみません」
和「……」
看護士「病人の妄想ですよ、真鍋さん」
56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/22(木) 23:30:55.47 ID:deHVcs3C0
和「そ、そんなっ」
看護士「あなたは真面目そうだから、信用しちゃうんですね」
看護士「私達からしたら、いつもの事なもので」
和(ついに真実が明らかになったと思ったのに)
和(これも妄想だったと言うの!?)
58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/22(木) 23:38:53.74 ID:deHVcs3C0
喫茶店
カランカラーン
澪「」キョロキョロ
和「こっちよ澪!」
澪「和、久しぶりだなっ」
純「和先輩、ご無沙汰してます!」
和「ふふっ、二人とも、変わりないようね」
澪「大学が一緒じゃないと、やっぱり会わなくなるもんだな」
和「そりゃあ、そうよ」
純「……」
和「」
和「純ちゃんは、どう?」
純「学校は、まだ…ちょっと」
純「来年から行こうと思ってます」
59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/22(木) 23:46:27.65 ID:deHVcs3C0
和「あんな事があったんだもの」
和「無理しないでね」
純「はい…」
和(一度に二人の親友を失い)
和(現場でその亡骸を見てしまったんだもの)
和(ショックが残るのも無理が無いわ)
和(むしろ普通に生活している、私達の方が異常なのかも…)
澪「それで和、話っていうのは」
澪「『事件』の事なんだろ?」
和「ええ」
純「」フルフル
和「純ちゃんは、出来るだけでいいわ」
純「いえ、大丈夫です…」
純「いつかは向き合わないといけない事ですから…」
61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/22(木) 23:56:39.64 ID:deHVcs3C0
和「最近唯に会った時、唯の口から聞いたんだけど」
和「梓ちゃんを殺したのは、唯なんだって」
澪純「!!!?」
和「もちろん唯は病人だし、正しい事か分からないの」
和「少なくとも、法的証拠にはならないわ」
澪「」
澪「うん…」
澪「それはありえないな」
和「……」
澪「私達も世間も、梓を殺したのは憂ちゃんで」
澪「唯は、憂ちゃんに無理心中を迫られた時」
澪「正当防衛で返り討ちにしたってことで納得している」
澪「状況証拠から見ても」
澪「やっぱり、それが真実にもっとも近いと思うんだ」
63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/23(金) 00:04:48.70 ID:rHySTs+Z0 [1/7]
和「そうかな?」
和「憂の性格から考えて」
和「唯の犯罪を隠すために」
和「犯人以上の、隠蔽工作をしてしまう」
和「だから犯人でもない憂が、犯人にされてしまった」
和「ありえるとは思わない?」
純「!?」
純「そうかもっ!」
純「だって、憂がそんなことする訳ないっ!」
純「きっとそれが事実なんですよっ!」
澪「……」
澪「決め付けるには早い」
澪「そんなの、可能性でしかないだろ」
純「でも…」
65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/23(金) 00:13:57.44 ID:rHySTs+Z0 [2/7]
澪「大体、純ちゃんは、憂ちゃんを犯人にしたくないだけなんだろ?」
澪「だから、無理やりに唯に罪を押し付けるっ!」
純「!!!?」
純「ううっ…」
和「」
和「澪は凄いわ」
和「私達が全然気付かない中」
和「いち早く気付き、行動を起こした」
澪「」
澪「間に合わなかったけどな…」
和「それでも凄いわ」
和「なんで私がそれを出来なかったか、悔やまれるくらい」
澪「和…」
和「でもねっ」
和「私、最近思うの」
68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/23(金) 00:28:48.76 ID:rHySTs+Z0 [3/7]
和「私達は、この世の大体の事を」
和「知ったつもりになってる…」
和「でも、真実はそれとは全然違うって事もあるんじゃない?」
和「天動説を信じていた、昔の人の様に…」
澪「」
澪「今では、宇宙に出れるし」
澪「そうでなくても、地球が回っているって証明もできる」
和「紙の上ではね」
和「私は実際、見た事ないわ」
澪「和、変な事言うようななったな」
和「私達は、自分が何故、何のために生まれたかも知らないくせに」
和「わかっているつもりの事が多すぎない?」
澪「哲学か…宗教でもはじめるつもりか?」
和「ただ思うのよ」
和「私が決め付けている以上に、世界も、人も、広くて大きい」
69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/23(金) 00:39:12.55 ID:rHySTs+Z0 [4/7]
和「この事件も、憂や梓ちゃんのことも」
和「もっとよく、考えるべきだって」
和「向き合うべきだって」
澪「…」
澪「どうせ、新しい発見なんて出てこないよ」
澪「それに、決め付けているのは和の方だ」
和「!?」
澪「お前は、唯や憂が犯罪を犯した事を、受け止めきれないだけなんだ」
澪「だから、だれも傷つかない、新しい真実を探し続けてるんだ…」
澪「それってさ」
澪「ただ迷ってるだけだ」
和「事件に本当に、向き合っていないのは」
澪「お前の方だっ!」
和「!!!?」
和「そうかもね…」
70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/23(金) 00:50:21.68 ID:rHySTs+Z0 [5/7]
純「でも、私も、分かります…」
純「最近夢を見るんです」
和「夢?」
純「さわ子先生に、私が梓の居場所を知っていると疑われて」
純「生徒指導室に連れ込まれる夢」
和「……」
純「だけど、その夢では、梓は本当に家出してて」
純「私はそれを匿ってるんです」
純「夢の私の方が、先生に嘘をつく、悪い子なんですけど」
純「そっちの方が、よかった…そんなことばっかり考えちゃう…」
和「純…」
澪「この話はこの辺にしよう…」
澪「辛いのはみんな同じなんだ」
澪「今日はせっかくあったんだ、楽しく過ごそう」
和「うん…」
72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/23(金) 00:55:47.32 ID:rHySTs+Z0 [6/7]
病院
看護士「それじゃあ、平沢さん、お散歩の時間ですよ」
唯「えへへ、わかったよ憂っ!」
看護士「だから私は憂さんじゃないですよー」
唯「あははっ、今日は花壇のとこ行くっ」
看護士(自分が殺してしまった妹が)
看護士(まだ生きていて、世話を焼いてくれていると思っている)
看護士(彼女は彼女で、幸せなのかもしれないな)
唯「ふふっ、へへっ」
唯(……)
唯(ごめんね、お姉ちゃん)
79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/23(金) 01:05:53.94 ID:rHySTs+Z0 [7/7]
事件当日
唯「憂!?一体どうするつもりなの?」
憂「おねえちゃん…」
憂「終わりにしよう」
憂「もう、これしか無いんだよ…」
唯「えっ?ちょっと憂!?」
憂「ごめんねお姉ちゃん」
憂「ごめんねっ、ごめんねっ」
唯「えっ?わかんないよっ!!!何をするのっ!?」
憂「さあ、服を脱いで」
唯「へっ、なんで?」
憂「私の服と、交換するんだよ」
唯「ええっ、何で?」
憂「それはね、私がお姉ちゃんのふりをして」
憂「澪先輩を騙す作戦なの」
82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/23(金) 01:21:16.48 ID:ar7ZvMre0 [1/15]
唯「???」
唯「なんで、澪ちゃんを?」
憂「えっとね、後で分かるよ」
憂「……」
憂「お姉ちゃん、今日澪先輩に問い詰められなかった?」
唯「うん、すごく恐かったよ…」
憂「それなら、もし澪先輩がココに来たら」
憂「私が代わってあげられるよっ」
唯「ホンと?」
唯「じゃあ、換えっこする」ヌギヌギ
憂「そうしようっ」ヌギヌギ
憂(ごめんね、おねえちゃん…)
83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/23(金) 01:24:11.98 ID:ar7ZvMre0 [2/15]
澪「唯っ!ココにいるのかっ!?」
純「憂ーっ!」
澪純「!!!!!?」
澪「えっ…うっ、そんな…」
純「きゃーーーっ!!!!」
憂「……」
唯「」グッタリ
憂「澪…ちゃん」
憂「私…憂を……」
澪「ああっ、くそっ、もう少し早ければ…」
純「あーん憂ーっ!!!ういーっ!!!!」ガバッ
純「ううっ、えっ?ああっ?」
純「梓?梓なの!?そんなっ、そんなぁっ!!!」
純「わーーーーーーーんっ!!!!!」グシャグシャ
澪「悲劇だっ、最悪…だ」
84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/23(金) 01:34:22.23 ID:ar7ZvMre0 [3/15]
病院!
憂(ごめんね、お姉ちゃん)
憂(私、こうしないと捕まっちゃうから)
憂(お姉ちゃんの名前と、戸籍、もらうねっ)
憂(お姉ちゃん…)
憂(これでやっと一つになれた)
憂(邪魔な梓ちゃんは始末できたし)
憂(お姉ちゃんをこの手で殺したんだもん)
憂(お姉ちゃんは、もう誰にも汚されない)
憂(永遠に私のもの…)
憂(わたし、お姉ちゃんになったんだね)
看護士「平沢さーん、こっちですよー」
憂「えへへっ、はははっ」
憂「あははははっ!!!」
86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/23(金) 01:43:15.77 ID:ar7ZvMre0 [4/15]
和「きゃーーっ!!!!!」バサッ
和「はあ、はあっ」
和「」
和「恐い夢…」
和「また梓が猫になったりするのが良かったわ…」
和「やっぱり」
和「澪の言うとおり…」
和「まだ私、ハッピーエンドを求めてるの」
和「梓の死も、憂の死も、唯の罪も」
和「みんな認めたくないっ」
和「新しい史実がどこかに無いの?」
和「何か見落としてない?」
和「わたし、まだあの事件から離れられない…」
87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/23(金) 01:54:15.20 ID:ar7ZvMre0 [5/15]
ピリリリッ ピリリリッ
和(電話っ、とらなきゃ)
和(なにこれ?知らない番号ね…)
ピッ
和「はい」
?「お久しぶりです」
和「えっ、何方ですか?」
?「私を忘れたんですか?ひどいですね」
和「ごめんなさい、聞き覚えのある声なんだけど…」
?「最近、唯先輩のところによく行きますね」
和「!?」
?「そのことで、ちょっと会えませんか?」
和「まさか、あなたっ!?」
?「場所を教えますね、会えるのが楽しみです!」
和(そんなっ?嘘でしょ!?)
88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/23(金) 02:02:03.71 ID:ar7ZvMre0 [6/15]
和「あなた…」
和「梓…ちゃん!?」
梓「正解ですっ!」
和「そんなっ、どうしてっ!」
梓「えへへ、ゴメンなさい」
梓「事情があって、私達、死んだ事にしなきゃいけなかったんです」
和「ええっ!!!?」
和「いやっ、まって『私達』って!?」
梓「もちろん、憂の事です」
梓「憂も一緒にいますよっ!」
和「!!!?」
93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/23(金) 02:16:29.51 ID:ar7ZvMre0 [7/15]
和「どうして!?」
和「二人が生きてるなんて考えられないっ!?」
梓「でも、私が生きているのは事実ですよ」
和「!!!?」
梓「まあ、とにかく、早く来てくださいっ」
梓「誰にも悟られずに」
和「えっ、何でよ?」
梓「私達、死んだ事にしないといけないほどの危機でした」
梓「その危機が、和先輩にも迫っています」
和「!!!?」
和「そんなっ!?誰に狙われてるって言うの」
梓「よく考えれば分かるはずです、私たちの死体を見たのは誰ですか?」
梓「事件の形を作り上げたのは誰ですか?」
梓「和先輩は、人から聞いた話で、事件を知っているだけ」
梓「知っている事件の、根本から間違っているとしたら?」
94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/23(金) 02:27:07.75 ID:ar7ZvMre0 [8/15]
和「へっ?急に言われても、わかんないわよっ!?」
梓「根本が間違っているといっても」
梓「一つの見落としがあるだけなんですが…」
和「見落とし…?」
梓「とにかく、何処まで敵の手がまわっているか分かりません」
梓「真っ直ぐ、これから言う住所まで来てくださいっ」
梓「そこで全てお話します」
和「わかったわっ!」
97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/23(金) 02:45:25.43 ID:ar7ZvMre0 [9/15]
某沿岸貸し倉庫
ガラガラッ
和(確か、場所はここねっ!)
梓「ようこそっ、和先輩」
和「!!!?」
和「……」
梓「どうしました?」
和「いえ、実際この目で見るまで、信じれなくて」
和「本当に、生きていたのねっ」
梓「やだな和先輩、実際に生きている私より」
梓「話しに聞いた、死んだ私を信じていたんですね」
和「」
和「私の感も捨てたもんじゃ無かったわね…」
和「本当に、二人が生きているなんて」
和「ハッピーエンドが残されていたなんてっ!!!」
100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/23(金) 02:54:22.34 ID:ar7ZvMre0 [10/15]
梓「へへっ」
梓「いろいろ苦労もしましたが」
梓「計画はうまく行っています!」
和「あなた達のしようとしている事も気になるけど」
和「先ずは事件の全貌を教えてくれない?」
梓「いっけない!そうですよね」
梓「でもその前に、憂にも会いたくないですか?」
和「そりゃ会いたいわよっ!ココに来てるの!?」
梓「えへへ、憂もきっと、和先輩に会えること楽しみにしてますよ」
梓「ちょっとこっちへ、来て下さい」
梓「全ての謎を一つ一つ説明するより、てっとり早いです」
和「何かしら?」テクテク
101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/23(金) 03:02:47.74 ID:ar7ZvMre0 [11/15]
グサッ
和「かっ…は…」
梓「くひひっ」
梓「ひひひひひっ」
和「なん…で?」
梓「憂に会いたいんでしょ?」
梓「天国の憂にー?」
和「!!!?」
和「あなた…いった…い?」
梓「私は誰にも殺されたりしませんよ」
梓「ただ、私の服を着せた死体を、平沢家に置いただけですっ」
和「!?」
和(唯も、憂も、梓を殺してなんかなかった!?)
和(お互いに、お互いが殺したと錯覚させられていた!?)
104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/23(金) 03:11:51.06 ID:ar7ZvMre0 [12/15]
和「なん、で…?」
梓「それはあの姉妹を苦しめる為ですっ」
梓「あいつらが苦しむほど、私はうれしいんですっ!?」
梓「仲が良い姉妹同士、殺しあうなんて、たまりませんっ!」
梓「思い出しただけで、もうっ、ぐへっ、ぐへへへっ」ニタニタ
和「く…や…」
梓「はぁ?」
梓「聞こえないですよ?」
和「」
和「くそ…やろう」
梓「プッ」
梓「きゃははははははははっ!」
梓「悔しいでしょー?」
梓「憎いですよねーっ?」
梓「ぎゃははっ、サイコーですっ!!!!」
107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/23(金) 03:21:48.16 ID:ar7ZvMre0 [13/15]
梓「肉体を苦しめるなんて三流のする事ですっ」
梓「精神的に追い詰めて二流」
梓「人生をめちゃくちゃにするのが私達一流ですっ!!!!」
和「……」
梓「妹が死んで、姉はおかしくなって」
梓「責めようが無くて困っていたんですよ…」
梓「和先輩が、唯先輩の病院に通いつめてくれて助かりました」
梓「和先輩が来れなくなれば、少しは唯先輩の寂しい顔が拝めますっ」
和「……」
109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/23(金) 03:42:45.85 ID:ar7ZvMre0 [14/15]
和(あーあ、最低)
和(馬鹿みたい)
和(今回の夢は今までで一番最悪な落ち)
和(尻相撲の方がまだいいよ…)
和(早く目が覚めないかな)
和(こんなのが真実の訳が無いよね)
和(きっと目が覚めれば、もう一度)
和(新しくはじまる)
梓「ぎゅははっ、じゃあ、死ねっ!」
グリッ
和「……っ!!!?」
和「」
和「」
続く
永遠に続く
110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/23(金) 03:44:04.00 ID:ar7ZvMre0 [15/15]
観念を捨てて現実に生きろ
ikakcv@t,am^pse]i/cvosvi7x/[ivsrjicnvnjf[ae/t@[]p
唯「ううっ」
唯(苦しいよ…)
唯(辛いよ…)
唯(私、一体どうすればいいの?)
唯(あずにゃん…)
唯(今すぐ、元気なあずにゃんに会えるのなら)
唯(他のものなんて何もいらないよっ)
唯(ううっ…)
唯(なんで、なんでこんな事になっちゃったの?)
唯(あずにゃん)
唯「あずにゃん」
唯「あずにゃん、あずにゃんっ、私…」
ドンドンッ
唯「!!!?」
3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/22(木) 21:55:39.45 ID:deHVcs3C0
憂「おねーちゃん」
唯「なっ、何っ!?」ビクッ
憂「ごはん…」
唯「あぅ、今行くよっ」
憂「」
憂「待ってる…」
憂「早く……ね」
唯「わ、わかったよ」
唯(今の聞こえてないよね?)ビクビク
4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/22(木) 21:56:15.75 ID:deHVcs3C0
カチャカチャ
唯「……」モグモグ
憂「……」モグオグ
憂「おねえちゃん」
唯「なに?」
憂「昨日の電話…」
唯「えっ、何のこと…」タジッ
憂「間違い電話」
唯「あっ、ああ、そういえば、あったね」オロオロ
憂「純ちゃん、昨日お姉ちゃんに電話したって」
唯「えっ、ああ、そうだったかな?」オロオロ
憂「」
憂「止めようか、この話し…」
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/22(木) 21:57:38.27 ID:deHVcs3C0
唯「……」
憂「私、言っといたから」
唯「」
憂「梓ちゃんは、一昨日、ココに来てないって」
唯「!!!?」
唯「はあっ、はあっ」ガクガク
憂「」
憂「お姉ちゃん、大丈夫?」
唯「ああっ、うん、平気…っ!」
唯「ごほっ、はあっ、はあっ」
唯「ううっ…」
憂「……」
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/22(木) 21:58:25.74 ID:deHVcs3C0
唯「なんで…」
憂「?」
唯「なんで、そんな『嘘』ついたの?」ハアハア
憂「なんでって…」
憂「『本当』の事だから」
唯「……!?」
憂「ダメかな?」
唯「えっ?」タジッ
憂「『本当』のことつくらない?」
憂「私と…」
憂「お姉ちゃんで」
唯「!!!?」
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/22(木) 21:59:04.80 ID:deHVcs3C0
憂「いい?お姉ちゃん?」
憂「一昨日、梓ちゃんはココへは来なかった」
憂「梓ちゃんがお休みしている理由、私達は知らない…」
唯「えっ、えええっ!?」
憂「これが、『本当』の事」
唯「はあっ、憂っ、まさかっ!?」ガクガク
憂「」
憂「お姉ちゃんの考えている通りだよ…」
憂「お姉ちゃん、知ってるんでしょ?」
唯「いやっ、そんなっ、私しらないよっ!!!!」
憂「」
憂「もういいんだよ」
憂「もう、わかってる…」
9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/22(木) 21:59:43.76 ID:deHVcs3C0
憂「お姉ちゃんは知ってるっ」
唯「はあっ、もう、やめて…」
憂「一昨日、梓ちゃんに何があったか」
唯「やめてっ、憂っ!?」
憂「今どうなっているか」
唯「ダメッ!!!聞きたくないっ!!!!!」
憂「」
唯「ふうっ、がぁっ、はあ、はあっ」ブルブル
憂「お姉ちゃんは全部知ってる…」
憂「私と…」
憂「同じように…ね」
唯「!!!?」
唯「ああっ、ああああああっ!!!!!!」
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/22(木) 22:00:34.64 ID:deHVcs3C0
唯「ああああっ、がああぁぁあああっ、ごほっ、げふっ」ガクガク
憂「」
憂「お姉ちゃん…」
憂「私も、辛いの…」
唯「うううっ…」ガクガク
憂「どうすればいいのか、分かんないよ…」
憂「でも」
憂「逮捕だけはダメ」
憂「私達が一緒にいられなくなっちゃうでしょっ?」
憂「それだけはっ!!!」
憂「絶対にっ!!!だめぇっ!!!!!!!!」ドンッ
唯「ああっ!!!?」ビクビク
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/22(木) 22:01:25.16 ID:deHVcs3C0
憂「……」
唯「」ビクビク
憂「ごめんね、大きな声出して…」
憂「でも」
憂「一番大事なことは、私達が一緒にいることでしょ?」
憂「そこから考えたら、これが一番いい方法なの」
唯「ううっ…」
憂「きっと赦してくれるよね…梓ちゃんだって」
唯「!!!?」
憂「勢い余って」
憂「ちょっと」
唯「はあっ、はあっ!!!」ブルブル
憂「ちょっと、『殺しちゃった』くらい…ね」
唯「!!!!?」
唯「ああーっ!!!!」ガクガク
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/22(木) 22:02:07.66 ID:deHVcs3C0
唯「いやーっ!!!いやーーーーっ!!!!!」
憂「お姉ちゃん…」
憂「」
唯「いやっ、いやっ!」ブルブルッ
憂「大丈夫お姉ちゃん?」スッ
唯「!!!?」
唯「来ないでっ!!!!」バッ
憂「!?」
唯「近付かないでぇっ!!!」
憂「……」
唯「ちょっと、一人にさせて…」
唯「わ、私、部屋にもどるからっ!」ダッ
憂「」
憂「……」
憂「お姉ちゃん…」
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/22(木) 22:04:21.46 ID:deHVcs3C0
次の日!
憂「お姉ちゃんっ、帰ってるの?」
唯「お帰り、憂…」グタッ
憂「だいじょうぶ?」
唯「だいじょうぶ、じゃないよ…」
憂「……」
唯「ねえ憂、どうしてこうなちゃったの?」
唯「私達、幸せだった」
唯「つい、数日前まではね…」
憂「……」
唯「私、もう、疲れちゃった…」
憂「えっ…」
唯「疲れちゃったよ…」
憂(お姉ちゃん…)
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/22(木) 22:05:18.18 ID:deHVcs3C0
唯「たった三日が」
唯「百年みたい」
唯「その間、ずっとあずにゃんが私を見てるの」
憂「!?」
唯「あずにゃんがね、カーテンの隙間とか」
唯「少し開いたドアの間とか、ベッドの下とかね」
唯「ずっと見てるの、私を、あずにゃん、ふふっ」
唯「あーーーーーっ!!!」
憂「!?」
唯「はあっ、はあっ」ガクガク
唯「いつまで続くの?こんなこと?」
唯「あと何百年?何千年?ふふっ」
憂「……」
憂「そうなの、わかったよ」
憂「ごめんねお姉ちゃん、苦しかったね…」
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/22(木) 22:05:57.68 ID:deHVcs3C0
憂「ううっ」
憂「ああっ、うああっ…」ポロポロ
憂「ううううっ、はあっ、ひっく」ボロボロ
憂「あーんっ、わーんっ」グシャグシャ
唯「憂!?」
唯「泣かないで憂っ」グスッ
唯「私がここにいるから」ダキッ
憂「おねーちゃーーーん!!!!」
唯「ううっ、ういーっ」
憂「おねえちゃん、お姉ちゃん」
憂「なんで悲しい事はあるのかな?」
憂「なんで、人を傷つけたり、傷つけられたりするのかな?」
憂「わかんないよー!」
唯「ごめんね憂、お姉ちゃんバカだからわかんんない」
唯「だっこしか、してあげられない…」
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/22(木) 22:06:53.00 ID:deHVcs3C0
憂「おねーちゃーん!お姉ちゃん!」グスグス
唯「ういーっ」ダキッ
憂「……」
憂「」
憂「ありがとう」スクッ
憂「そろそろはじめなきゃ」
唯「えっ憂?」グスッ
憂「澪さんが感づいてる」
唯「澪ちゃんが?」
憂「もしかしたら」
憂「私が今からすることも予想してるかも」
唯「えっ、憂、何をするの?」
憂「捨てて来るんだよ」
憂「梓ちゃんの死体」
唯「!!!!?」
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/22(木) 22:07:53.38 ID:deHVcs3C0
憂「行こうお姉ちゃん、私一人の力じゃ大変だよ」
唯「いやっ、いやーーーーっ!!!!!」
憂「お願いお姉ちゃん、言う事を聞いて」
憂「協力してくれないと、私達、一緒にいられなくなっちゃう」
唯「やだよっ!!!行きたくないっ!!!!あずにゃんを見たくないっ!!!」
憂「いいから来てっ、私達の為なのっ!!!!!」グイグイ
唯「やだよーっ!!!」
憂「お姉ちゃんも、梓ちゃんの場所知ってるよね?」
唯「ガレージから入る…地下の倉庫…」
憂「そこにお父さんが使ってた、大きな古い旅行鞄があるの」
憂「梓ちゃん、小柄だから入ると思うのっ」
唯「そんなものにあずにゃんを入れて、どうするの?」
憂「埋めるためには掘らなきゃいけないから」
憂「海まで行って、鞄ごと捨てようっ」
憂「中に石をいっぱい入れて、紐や鎖でしっかり縛ってね!」
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/22(木) 22:09:30.45 ID:deHVcs3C0
唯「そんな事したくないよーっ!!!!」
憂「私達姉妹が一緒にいる為だよっ!?」
憂「いいの?これから私がいなくなっても?」
唯「ううっ」オロオロ
憂「さあ、早くっ!部活があるから少し時間があるけど」
憂「澪先輩が来るかもしれないよっ」
憂「あの人は油断ならないからっ」
憂(本当は…わざと来るように仕向けたんだけどね)
憂「さあっ行くよ、お姉ちゃん!」グイッ
唯「ううっ、う…」ヨロヨロ
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/22(木) 22:10:03.51 ID:deHVcs3C0
地下の倉庫
憂「ここだね、お姉ちゃん」
唯「うっ…うん…」
憂「梓ちゃん、ビニールシートに包まれてる」
唯「……」
憂「なんか液が出て汚くなってるよ」
憂「拭いてあげれたら良かったんだけど…」
憂「お姉ちゃんも、見る?」
唯「ああっ!嫌だよっ!!!!」ブルブル
憂「ダメだよちゃんと見ないと…」
憂「大好きな梓ちゃんでしょ?」グイッ
唯「きゃっ!」
唯「!!!!?」
唯「うっ」
唯「おえっ、おええっ!!!!」ゲボゲボ
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/22(木) 22:10:49.64 ID:deHVcs3C0
憂「なんだかもう、梓ちゃんだかわかんないね」
唯「おえっ、おええっ」
憂「お姉ちゃん…」
唯「私、無理だよっ、それっ、運べないよっ!!!!!」
唯「ダメだよっ!出来ないよっ!!!」ガクガク
憂「……」
憂「うん」
憂「わかってた」
唯「えっ?」
憂「ごめんね、梓ちゃんを運ぶってのは嘘なの」
唯「どういうこと?」
憂「うん…」
憂「はじめは本当に、梓ちゃんを海へ捨てに行くつもりだったけど…」
憂「私が帰ってきてからの、お姉ちゃんの様子を見てると、気が変わったんだ…」
憂「こんなこと、お姉ちゃんには辛すぎるよ」
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/22(木) 22:11:43.33 ID:deHVcs3C0
唯「憂…」
憂「このまま計画がうまくいっても、私とお姉ちゃんは救われない」
憂「たとえ、生涯この罪がばれなくても」
憂「その分、生涯苦しみ続けなきゃいけないの…」
憂「私達、どうすればいいと思う?」
憂「現実に向き合うの?嘘をつき続けるの?」
憂「本当は辛いし、嘘は傷つくし」
憂「あははっ、どっちもいやな事だね」
唯「憂!?一体どうするつもりなの?」
憂「おねえちゃん…」
憂「終わりにしよう」
憂「もう、これしか無いんだよ…」
唯「えっ?ちょっと憂!?」
憂「ごめんねお姉ちゃん」
憂「ごめんねっ、ごめんねっ」
31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/22(木) 22:21:04.16 ID:deHVcs3C0
唯「憂っ、何する気なのっ?」
憂「お願いっ」
憂「私の頼みを聞いて」
憂「お姉ちゃん…」
唯「…!?」
憂「お姉ちゃん、自首してっ!」
唯「!!!!?」
唯「あああっ、うううっ」
唯「はあっ、はああっ」ガクガク
憂「お願いお姉ちゃん」
憂「その方が楽になるよっ」
唯「いやだっ!嫌だよっ!!!!」
憂「お姉ちゃんの苦しむ姿、もう見てられないよ…」
唯「嫌だよっ、私っ、悪くないもんっ!!!!」
唯「殺す気なんて、なかったんだもんっ!!!」
35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/22(木) 22:30:51.34 ID:deHVcs3C0
憂「お姉ちゃん、よく聞いて…」
憂「ココに来たのは、梓ちゃんを運ぶ為じゃないの…」
憂「ちゃんと向き合うため」
憂「私と、お姉ちゃんが…梓ちゃんに!」
唯「!!?」
憂「私、お姉ちゃんが梓ちゃんを殺したこと、すぐ気付いちゃった」
憂「お姉ちゃん、私にばれないかとすごく辛そうだった…」
憂「だから、私の方から、気付いてる事教えたの…」
唯「これはね、違うんだよっ、事故なのっ、私っ!!!」
唯「悪くっ、全然悪くないもんっ!!!!!」
憂「……」
憂「わかってるよ…」
憂「でもね、望まなくても悲劇は起こるものなんだと思うの…」
唯「そんなっ、なんで私がぁっ!!!嫌だよっ!!!!」
38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/22(木) 22:38:38.38 ID:deHVcs3C0
憂「お姉ちゃん…」
憂「梓ちゃんはね、死んじゃったの」
憂「お姉ちゃんが殺したのっ!」
唯「ううっ、ああああっ」ガタガタ
憂「じゃあ、隠し続けてみる?」
憂「お姉ちゃんの為なら、私、親友の梓ちゃんを」
憂「海に捨てに行ってもいいよ」
唯「あああっ、あああああっ!!!!」
憂「こんなやり方、きっとお姉ちゃんは耐えられない…」
憂「事件を隠す事は、逃げてるようで」
憂「実は追い込まれているだけなんだよ…」
唯「はあっ、はあっ」
唯「嫌だーっ、私は自首しないっ、私は悪くないーーーーっ!!!」
憂「お姉ちゃんっ!」
憂「じゃあ、なんで今苦しんでるの?」
41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/22(木) 22:49:26.16 ID:deHVcs3C0
唯「はあっ、あああっ!」
憂「心の奥ではお姉ちゃん、悪いと思ってる」
憂「その気持ちから逃げたらだめっ!」
唯「はあっ、はあっ」
憂「本当の事は辛いし、嘘は傷つくし」
憂「どっちもいやな事だけど」
憂「二人で向き合って、背負っていこうよ」
憂「悲しい本当の事実と、嘘をついてしまう自分の心に…」
憂「きっと出きるよ…私達なら…」
唯「ううっ、憂…」
憂「お姉ちゃん…」
憂「もうすぐ澪さんも来るよ」
憂「今から警察に電話するからねっ」
唯「!!!?」
唯(ううっ、でもっ、嫌だよっ、やっぱり逮捕されたくないよっ!!!!)
42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/22(木) 22:51:07.65 ID:deHVcs3C0
唯「嫌だよ憂っ!止めてよっ!!!」
憂「お願いお姉ちゃん、言うことを聞いてっ」
唯「やめて、だめっ!!!」
憂「お姉ちゃん、一生苦しむのよ?」
憂「こっちの方がイイに決まってるっ!!!!」
憂「もっと早くに『して』あげればよかったっ!!!」
憂「お姉ちゃん、だから暴れないで、大人しくしてっ」
唯「わーっ!!!」ガバッ
憂「ああっ、くっ、ああっ!!!!」ドッ
ドゴッ!!!!
バタッ…
澪「唯っ!ココにいるのかっ!?」
純「憂ーっ!」
澪純「!!!!!?」
43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/22(木) 22:51:46.98 ID:deHVcs3C0
澪「えっ…うっ、そんな…」
純「きゃーーーっ!!!!」
唯「……」
憂「」グッタリ
唯「澪…ちゃん」
唯「私…憂を……」
澪「ああっ、くそっ、もう少し早ければ…」
純「あーん憂ーっ!!!ういーっ!!!!」ガバッ
純「ううっ、えっ?ああっ?」
純「梓?梓なの!?そんなっ、そんなぁっ!!!」
純「わーーーーーーーんっ!!!!!」グシャグシャ
澪「悲劇だっ、最悪…だ」
唯「あ…ううっ……」ペタン
45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/22(木) 23:00:07.57 ID:deHVcs3C0
________________________
__________________
___________
唯「これが事件の全貌…」
和「うそっ、そんなっ…」
唯「ごめんね和ちゃん、あずにゃんを殺したもの」
唯「憂を殺したのも私…」
唯「私を最後まで守ってくれようとした憂までも、私は…」
唯「ううっ、うううっ」ポロポロ
和「なんてことなの!?」
和「私達も、世間の人たちも、憂ちゃんが梓ちゃんを殺したと思っているのよっ」
唯「全部私が悪いの…」
唯「その私が生き残ってる」
唯「そんなの、赦されないっ」
和「!?」
和「唯、馬鹿なことは考えないでっ!」
50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/22(木) 23:10:18.18 ID:deHVcs3C0
和「唯っ!」ダキッ
唯「和ちゃん…」
和「あなたは、今報いを受けてるわ」
和「自分が壊れるほど、苦しみを味わってる」
唯「和ちゃん、私、人殺しだよ?」
唯「人殺しに優しくされる資格なんて無いよ…」
和「唯…」
和「憂の言葉を思い出して、罪を引き受けて、償っていくのよ…」
和「それでしか、唯は救われないわ…」
唯「私にできるかな?」
和「出来るわっ」
和「私が憂の代わりになってあげる」
和「一緒に償っていきましょう」
和「だから、憂や梓の為にも逃げないで」
唯「和ちゃん…」
52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/22(木) 23:16:18.66 ID:deHVcs3C0
ガチャッ
看護士「そろそろいいですか?」
和「ええ」
和「それより、大変なんですっ!」
和「唯の事件の、新事実が分かったんです!」
看護士「!?」
看護士「ふふっ」
看護士「あはははっ」
和「何を笑ってるんですか!」
和「不謹慎ですよっ!?」
和「唯も何か言ってよっ!」
唯「あははっ、えへへっ」
和「!?」
和「ちょっと唯っ?どうしたの!?」
和「さっきまで、しっかりしてたのに…!?」
54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/22(木) 23:22:57.77 ID:deHVcs3C0
看護士「すいません、真鍋さん」
和「?」
看護士「これ、よくある事なんですよ」
和「よくあることっ?」
看護士「ええ、平沢さん、急に頭が回りはじめたと思ったら」
看護士「変な事言い出すんですよ」
和「変な事?」
看護士「はい、その事件の事なら」
看護士「実は犯人は地底人だとか」
和「!?」
看護士「アメリカ大統領の陰謀だとか」
和「はぁ?」
看護士「とにかく、そんななんですよ、笑ってすみません」
和「……」
看護士「病人の妄想ですよ、真鍋さん」
56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/22(木) 23:30:55.47 ID:deHVcs3C0
和「そ、そんなっ」
看護士「あなたは真面目そうだから、信用しちゃうんですね」
看護士「私達からしたら、いつもの事なもので」
和(ついに真実が明らかになったと思ったのに)
和(これも妄想だったと言うの!?)
58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/22(木) 23:38:53.74 ID:deHVcs3C0
喫茶店
カランカラーン
澪「」キョロキョロ
和「こっちよ澪!」
澪「和、久しぶりだなっ」
純「和先輩、ご無沙汰してます!」
和「ふふっ、二人とも、変わりないようね」
澪「大学が一緒じゃないと、やっぱり会わなくなるもんだな」
和「そりゃあ、そうよ」
純「……」
和「」
和「純ちゃんは、どう?」
純「学校は、まだ…ちょっと」
純「来年から行こうと思ってます」
59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/22(木) 23:46:27.65 ID:deHVcs3C0
和「あんな事があったんだもの」
和「無理しないでね」
純「はい…」
和(一度に二人の親友を失い)
和(現場でその亡骸を見てしまったんだもの)
和(ショックが残るのも無理が無いわ)
和(むしろ普通に生活している、私達の方が異常なのかも…)
澪「それで和、話っていうのは」
澪「『事件』の事なんだろ?」
和「ええ」
純「」フルフル
和「純ちゃんは、出来るだけでいいわ」
純「いえ、大丈夫です…」
純「いつかは向き合わないといけない事ですから…」
61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/22(木) 23:56:39.64 ID:deHVcs3C0
和「最近唯に会った時、唯の口から聞いたんだけど」
和「梓ちゃんを殺したのは、唯なんだって」
澪純「!!!?」
和「もちろん唯は病人だし、正しい事か分からないの」
和「少なくとも、法的証拠にはならないわ」
澪「」
澪「うん…」
澪「それはありえないな」
和「……」
澪「私達も世間も、梓を殺したのは憂ちゃんで」
澪「唯は、憂ちゃんに無理心中を迫られた時」
澪「正当防衛で返り討ちにしたってことで納得している」
澪「状況証拠から見ても」
澪「やっぱり、それが真実にもっとも近いと思うんだ」
63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/23(金) 00:04:48.70 ID:rHySTs+Z0 [1/7]
和「そうかな?」
和「憂の性格から考えて」
和「唯の犯罪を隠すために」
和「犯人以上の、隠蔽工作をしてしまう」
和「だから犯人でもない憂が、犯人にされてしまった」
和「ありえるとは思わない?」
純「!?」
純「そうかもっ!」
純「だって、憂がそんなことする訳ないっ!」
純「きっとそれが事実なんですよっ!」
澪「……」
澪「決め付けるには早い」
澪「そんなの、可能性でしかないだろ」
純「でも…」
65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/23(金) 00:13:57.44 ID:rHySTs+Z0 [2/7]
澪「大体、純ちゃんは、憂ちゃんを犯人にしたくないだけなんだろ?」
澪「だから、無理やりに唯に罪を押し付けるっ!」
純「!!!?」
純「ううっ…」
和「」
和「澪は凄いわ」
和「私達が全然気付かない中」
和「いち早く気付き、行動を起こした」
澪「」
澪「間に合わなかったけどな…」
和「それでも凄いわ」
和「なんで私がそれを出来なかったか、悔やまれるくらい」
澪「和…」
和「でもねっ」
和「私、最近思うの」
68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/23(金) 00:28:48.76 ID:rHySTs+Z0 [3/7]
和「私達は、この世の大体の事を」
和「知ったつもりになってる…」
和「でも、真実はそれとは全然違うって事もあるんじゃない?」
和「天動説を信じていた、昔の人の様に…」
澪「」
澪「今では、宇宙に出れるし」
澪「そうでなくても、地球が回っているって証明もできる」
和「紙の上ではね」
和「私は実際、見た事ないわ」
澪「和、変な事言うようななったな」
和「私達は、自分が何故、何のために生まれたかも知らないくせに」
和「わかっているつもりの事が多すぎない?」
澪「哲学か…宗教でもはじめるつもりか?」
和「ただ思うのよ」
和「私が決め付けている以上に、世界も、人も、広くて大きい」
69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/23(金) 00:39:12.55 ID:rHySTs+Z0 [4/7]
和「この事件も、憂や梓ちゃんのことも」
和「もっとよく、考えるべきだって」
和「向き合うべきだって」
澪「…」
澪「どうせ、新しい発見なんて出てこないよ」
澪「それに、決め付けているのは和の方だ」
和「!?」
澪「お前は、唯や憂が犯罪を犯した事を、受け止めきれないだけなんだ」
澪「だから、だれも傷つかない、新しい真実を探し続けてるんだ…」
澪「それってさ」
澪「ただ迷ってるだけだ」
和「事件に本当に、向き合っていないのは」
澪「お前の方だっ!」
和「!!!?」
和「そうかもね…」
70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/23(金) 00:50:21.68 ID:rHySTs+Z0 [5/7]
純「でも、私も、分かります…」
純「最近夢を見るんです」
和「夢?」
純「さわ子先生に、私が梓の居場所を知っていると疑われて」
純「生徒指導室に連れ込まれる夢」
和「……」
純「だけど、その夢では、梓は本当に家出してて」
純「私はそれを匿ってるんです」
純「夢の私の方が、先生に嘘をつく、悪い子なんですけど」
純「そっちの方が、よかった…そんなことばっかり考えちゃう…」
和「純…」
澪「この話はこの辺にしよう…」
澪「辛いのはみんな同じなんだ」
澪「今日はせっかくあったんだ、楽しく過ごそう」
和「うん…」
72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/23(金) 00:55:47.32 ID:rHySTs+Z0 [6/7]
病院
看護士「それじゃあ、平沢さん、お散歩の時間ですよ」
唯「えへへ、わかったよ憂っ!」
看護士「だから私は憂さんじゃないですよー」
唯「あははっ、今日は花壇のとこ行くっ」
看護士(自分が殺してしまった妹が)
看護士(まだ生きていて、世話を焼いてくれていると思っている)
看護士(彼女は彼女で、幸せなのかもしれないな)
唯「ふふっ、へへっ」
唯(……)
唯(ごめんね、お姉ちゃん)
79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/23(金) 01:05:53.94 ID:rHySTs+Z0 [7/7]
事件当日
唯「憂!?一体どうするつもりなの?」
憂「おねえちゃん…」
憂「終わりにしよう」
憂「もう、これしか無いんだよ…」
唯「えっ?ちょっと憂!?」
憂「ごめんねお姉ちゃん」
憂「ごめんねっ、ごめんねっ」
唯「えっ?わかんないよっ!!!何をするのっ!?」
憂「さあ、服を脱いで」
唯「へっ、なんで?」
憂「私の服と、交換するんだよ」
唯「ええっ、何で?」
憂「それはね、私がお姉ちゃんのふりをして」
憂「澪先輩を騙す作戦なの」
82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/23(金) 01:21:16.48 ID:ar7ZvMre0 [1/15]
唯「???」
唯「なんで、澪ちゃんを?」
憂「えっとね、後で分かるよ」
憂「……」
憂「お姉ちゃん、今日澪先輩に問い詰められなかった?」
唯「うん、すごく恐かったよ…」
憂「それなら、もし澪先輩がココに来たら」
憂「私が代わってあげられるよっ」
唯「ホンと?」
唯「じゃあ、換えっこする」ヌギヌギ
憂「そうしようっ」ヌギヌギ
憂(ごめんね、おねえちゃん…)
83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/23(金) 01:24:11.98 ID:ar7ZvMre0 [2/15]
澪「唯っ!ココにいるのかっ!?」
純「憂ーっ!」
澪純「!!!!!?」
澪「えっ…うっ、そんな…」
純「きゃーーーっ!!!!」
憂「……」
唯「」グッタリ
憂「澪…ちゃん」
憂「私…憂を……」
澪「ああっ、くそっ、もう少し早ければ…」
純「あーん憂ーっ!!!ういーっ!!!!」ガバッ
純「ううっ、えっ?ああっ?」
純「梓?梓なの!?そんなっ、そんなぁっ!!!」
純「わーーーーーーーんっ!!!!!」グシャグシャ
澪「悲劇だっ、最悪…だ」
84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/23(金) 01:34:22.23 ID:ar7ZvMre0 [3/15]
病院!
憂(ごめんね、お姉ちゃん)
憂(私、こうしないと捕まっちゃうから)
憂(お姉ちゃんの名前と、戸籍、もらうねっ)
憂(お姉ちゃん…)
憂(これでやっと一つになれた)
憂(邪魔な梓ちゃんは始末できたし)
憂(お姉ちゃんをこの手で殺したんだもん)
憂(お姉ちゃんは、もう誰にも汚されない)
憂(永遠に私のもの…)
憂(わたし、お姉ちゃんになったんだね)
看護士「平沢さーん、こっちですよー」
憂「えへへっ、はははっ」
憂「あははははっ!!!」
86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/23(金) 01:43:15.77 ID:ar7ZvMre0 [4/15]
和「きゃーーっ!!!!!」バサッ
和「はあ、はあっ」
和「」
和「恐い夢…」
和「また梓が猫になったりするのが良かったわ…」
和「やっぱり」
和「澪の言うとおり…」
和「まだ私、ハッピーエンドを求めてるの」
和「梓の死も、憂の死も、唯の罪も」
和「みんな認めたくないっ」
和「新しい史実がどこかに無いの?」
和「何か見落としてない?」
和「わたし、まだあの事件から離れられない…」
87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/23(金) 01:54:15.20 ID:ar7ZvMre0 [5/15]
ピリリリッ ピリリリッ
和(電話っ、とらなきゃ)
和(なにこれ?知らない番号ね…)
ピッ
和「はい」
?「お久しぶりです」
和「えっ、何方ですか?」
?「私を忘れたんですか?ひどいですね」
和「ごめんなさい、聞き覚えのある声なんだけど…」
?「最近、唯先輩のところによく行きますね」
和「!?」
?「そのことで、ちょっと会えませんか?」
和「まさか、あなたっ!?」
?「場所を教えますね、会えるのが楽しみです!」
和(そんなっ?嘘でしょ!?)
88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/23(金) 02:02:03.71 ID:ar7ZvMre0 [6/15]
和「あなた…」
和「梓…ちゃん!?」
梓「正解ですっ!」
和「そんなっ、どうしてっ!」
梓「えへへ、ゴメンなさい」
梓「事情があって、私達、死んだ事にしなきゃいけなかったんです」
和「ええっ!!!?」
和「いやっ、まって『私達』って!?」
梓「もちろん、憂の事です」
梓「憂も一緒にいますよっ!」
和「!!!?」
93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/23(金) 02:16:29.51 ID:ar7ZvMre0 [7/15]
和「どうして!?」
和「二人が生きてるなんて考えられないっ!?」
梓「でも、私が生きているのは事実ですよ」
和「!!!?」
梓「まあ、とにかく、早く来てくださいっ」
梓「誰にも悟られずに」
和「えっ、何でよ?」
梓「私達、死んだ事にしないといけないほどの危機でした」
梓「その危機が、和先輩にも迫っています」
和「!!!?」
和「そんなっ!?誰に狙われてるって言うの」
梓「よく考えれば分かるはずです、私たちの死体を見たのは誰ですか?」
梓「事件の形を作り上げたのは誰ですか?」
梓「和先輩は、人から聞いた話で、事件を知っているだけ」
梓「知っている事件の、根本から間違っているとしたら?」
94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/23(金) 02:27:07.75 ID:ar7ZvMre0 [8/15]
和「へっ?急に言われても、わかんないわよっ!?」
梓「根本が間違っているといっても」
梓「一つの見落としがあるだけなんですが…」
和「見落とし…?」
梓「とにかく、何処まで敵の手がまわっているか分かりません」
梓「真っ直ぐ、これから言う住所まで来てくださいっ」
梓「そこで全てお話します」
和「わかったわっ!」
97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/23(金) 02:45:25.43 ID:ar7ZvMre0 [9/15]
某沿岸貸し倉庫
ガラガラッ
和(確か、場所はここねっ!)
梓「ようこそっ、和先輩」
和「!!!?」
和「……」
梓「どうしました?」
和「いえ、実際この目で見るまで、信じれなくて」
和「本当に、生きていたのねっ」
梓「やだな和先輩、実際に生きている私より」
梓「話しに聞いた、死んだ私を信じていたんですね」
和「」
和「私の感も捨てたもんじゃ無かったわね…」
和「本当に、二人が生きているなんて」
和「ハッピーエンドが残されていたなんてっ!!!」
100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/23(金) 02:54:22.34 ID:ar7ZvMre0 [10/15]
梓「へへっ」
梓「いろいろ苦労もしましたが」
梓「計画はうまく行っています!」
和「あなた達のしようとしている事も気になるけど」
和「先ずは事件の全貌を教えてくれない?」
梓「いっけない!そうですよね」
梓「でもその前に、憂にも会いたくないですか?」
和「そりゃ会いたいわよっ!ココに来てるの!?」
梓「えへへ、憂もきっと、和先輩に会えること楽しみにしてますよ」
梓「ちょっとこっちへ、来て下さい」
梓「全ての謎を一つ一つ説明するより、てっとり早いです」
和「何かしら?」テクテク
101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/23(金) 03:02:47.74 ID:ar7ZvMre0 [11/15]
グサッ
和「かっ…は…」
梓「くひひっ」
梓「ひひひひひっ」
和「なん…で?」
梓「憂に会いたいんでしょ?」
梓「天国の憂にー?」
和「!!!?」
和「あなた…いった…い?」
梓「私は誰にも殺されたりしませんよ」
梓「ただ、私の服を着せた死体を、平沢家に置いただけですっ」
和「!?」
和(唯も、憂も、梓を殺してなんかなかった!?)
和(お互いに、お互いが殺したと錯覚させられていた!?)
104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/23(金) 03:11:51.06 ID:ar7ZvMre0 [12/15]
和「なん、で…?」
梓「それはあの姉妹を苦しめる為ですっ」
梓「あいつらが苦しむほど、私はうれしいんですっ!?」
梓「仲が良い姉妹同士、殺しあうなんて、たまりませんっ!」
梓「思い出しただけで、もうっ、ぐへっ、ぐへへへっ」ニタニタ
和「く…や…」
梓「はぁ?」
梓「聞こえないですよ?」
和「」
和「くそ…やろう」
梓「プッ」
梓「きゃははははははははっ!」
梓「悔しいでしょー?」
梓「憎いですよねーっ?」
梓「ぎゃははっ、サイコーですっ!!!!」
107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/23(金) 03:21:48.16 ID:ar7ZvMre0 [13/15]
梓「肉体を苦しめるなんて三流のする事ですっ」
梓「精神的に追い詰めて二流」
梓「人生をめちゃくちゃにするのが私達一流ですっ!!!!」
和「……」
梓「妹が死んで、姉はおかしくなって」
梓「責めようが無くて困っていたんですよ…」
梓「和先輩が、唯先輩の病院に通いつめてくれて助かりました」
梓「和先輩が来れなくなれば、少しは唯先輩の寂しい顔が拝めますっ」
和「……」
109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/23(金) 03:42:45.85 ID:ar7ZvMre0 [14/15]
和(あーあ、最低)
和(馬鹿みたい)
和(今回の夢は今までで一番最悪な落ち)
和(尻相撲の方がまだいいよ…)
和(早く目が覚めないかな)
和(こんなのが真実の訳が無いよね)
和(きっと目が覚めれば、もう一度)
和(新しくはじまる)
梓「ぎゅははっ、じゃあ、死ねっ!」
グリッ
和「……っ!!!?」
和「」
和「」
続く
永遠に続く
110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/23(金) 03:44:04.00 ID:ar7ZvMre0 [15/15]
観念を捨てて現実に生きろ
ikakcv@t,am^pse]i/cvosvi7x/[ivsrjicnvnjf[ae/t@[]p
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