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澪「やっぱり私のせい、だよな・・・」
1 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 00:06:42.18 ID:voNeLqOp0 [1/91]
周りの誰にも聞こえないよう、私―秋山澪―はそう呟いた。
梓「また練習もせずにじゃれあって・・・」
紬「まぁまぁ、いいじゃない」
私の後ろで大切な軽音部の仲間である、ムギと梓が話す。
そして私の前では、別の二人がじゃれあっている。
周りの誰にも聞こえないよう、私―秋山澪―はそう呟いた。
梓「また練習もせずにじゃれあって・・・」
紬「まぁまぁ、いいじゃない」
私の後ろで大切な軽音部の仲間である、ムギと梓が話す。
そして私の前では、別の二人がじゃれあっている。
2 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 00:08:46.57 ID:voNeLqOp0 [2/91]
唯「そんなことないよー!りっちゃん可愛いよー!」
同じく軽音部の仲間である、唯と、
律「辞めろってマジで!こんなの私の柄じゃないから!恥ずかしいっての!」
私にとって誰よりも大切な人―田井中律―が。
4 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 00:11:07.11 ID:voNeLqOp0 [3/91]
律「頼むからカチューシャ返せって!」
唯「だって前髪下ろしてるりっちゃん可愛いよー?」
前髪を下ろして涙目で頬を染めた、律。
澪(本当だよ律、唯の言う通り可愛いよ・・・)
そんなことを思っていたら、
律「んな訳ないだろ!私にはこんなの似合ってない!」
そう言いながら律がこちらを見た。
5 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 00:14:25.66 ID:voNeLqOp0
澪(!)
律と目が合う。
その瞬間、自分でも頬が紅潮していくのがわかる。
その気恥ずかしさから私はすぐに目を逸らしてしまった。
律「!」
その瞬間に律の動きが止まった。
律は俯き加減で立ち尽くしたまま微かに震えている。
6 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 00:16:31.23 ID:voNeLqOp0
これはまずい。
唯「りっちゃん、どうしたの?」
唯がそう話しかけると、
律「わ、私は前髪下ろすのなんて柄じゃなくて・・・」
律「こんなの本当に似合わなくて嫌なんだよ・・・」
律の目から大粒の涙が零れ始める。
7 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 00:18:51.60 ID:voNeLqOp0
唯「り、りっちゃん!?」
紬「りっちゃん!?」
梓「律先輩!?」
澪「・・・・・」
律の涙を見ていると、罪悪感で押し潰されそうだ。
10 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 00:21:53.02 ID:voNeLqOp0
予め言っておくと、律が前髪を下ろした姿は全くおかしいことなどない。
いつものカチューシャをつけている律も元気一杯で可愛いが、
前髪を下ろした姿はそれはもう絵に描いたような美少女で、きっと誰もが放っておかない。
だからこそ私はあの時、とっさに嘘をついてしまった。
そしてきっと、律は未だにその嘘に囚われてしまっている。
12 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 00:24:59.71 ID:voNeLqOp0
―――――――――中学生時代
澪「・・・」
律「・・・」
澪「ふぅ」
律「あ、宿題終わった?見せて見せて」
澪「駄目」
律「別にいいじゃんよケチー」
澪「自分のためにならないだろ」
13 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 00:27:30.04 ID:voNeLqOp0
律「ぶーぶー」
澪「わからないところは教えるからちゃんと自分でやりなさい」
律「ちぇー」
律「澪、早速わからん」
澪「早っ!」
14 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 00:29:35.16 ID:voNeLqOp0
・
・
・
律「終わったー」
澪「お疲れ様」
律「喉渇いたー、ご褒美に何か飲ませてー」
澪「結局私が殆ど教えただろうが・・・」
そうは言いながらも、すぐに飲み物をとりに行こうと部屋を出る私は甘いんだろうな・・・。
律「・・・」
15 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 00:32:10.29 ID:voNeLqOp0
澪「律、飲み物持って来たぞー」
律「う、うん。ありがとう」
澪「?」
何か変だな、律。
こっちに背中向けてるけど本を読んでるって訳でも無さそうだし・・・。
16 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 00:34:03.12 ID:voNeLqOp0
律「実は澪にもご褒美があります!」
唐突に律が言った。
澪「ど、どうした急に」
律「という訳で!じゃーん!」
そう言うと、律が振り返った。
17 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 00:37:17.10 ID:voNeLqOp0
澪「―――」
思わず、息を呑む。
初めて逢った時から、いつもカチューシャをつけて前髪を上げていた律。
その律が初めて私の前で髪を下ろしていた。
律「どうだ?美少女りっちゃんのイメチェンは?」
18 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 00:39:36.95 ID:voNeLqOp0
返す言葉が出てこない。
その程度の驚愕を私に与える程、前髪を下ろした律は可愛かった。
いつもの活発な感じとは違って、とても女の子らしい清楚で可憐な可愛さ。
できることなら今すぐにでも抱きしめたくなるような。
とりあえず律、私が飲み物を置いてから振り返ったのは正解だ。
いきなりそんなに可愛いお前を見せられていたら私の部屋のカーペットは今頃紅茶まみれだ。
19 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 00:43:13.85 ID:voNeLqOp0
律「な、何で何も言わないんだよ・・・」
律の一言で我に返る。あまりに可愛いから見とれてしまっていたようだ。
澪「わ、悪い」
律「自分でも結構似合ってると思うんだよなー、どう?」
なんて言いながらその場でくるっと回ってみせたりする。
何て可愛いんだ律。今すぐ抱きしめてキスしたい。
・・・まぁ臆病な私にそんなことできる筈も無いんだけど。
21 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 00:46:08.14 ID:voNeLqOp0
律「澪に感想聞いて良い感じだったら今後はこの髪型にしようかなと思っててさー」
・・・え?
いや、待て律。それはまずい。それは非常にまずい。
今まででもかなりモテていたのに、その髪型に変えてしまったら・・・。
律「なぁーどうなんだよ澪ー」
余計に悪い虫(男女共に)共が寄って来てしまうじゃないか・・・!
それは困る、非常に困る、すごく困る。
私はいつだって律と一緒に居たい、律の一番で居たいんだ・・・!
23 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 00:50:37.54 ID:voNeLqOp0
律「なぁ澪ってば
澪「そ、そんなの駄目だ!」
律「え・・・」
澪「や、やっぱりいつもの髪型の方が律らしくて断然いいと私は思う!」
今の髪型、すごく似合ってて可愛いけど
澪「そういう髪型って律の柄じゃないしさ」
本当に誰より可愛いと思うけど
澪「正直あんまり似合ってないと思う!」
私以外の人間に律の可愛い姿を見られたくない!
24 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 00:52:50.06 ID:voNeLqOp0
律「・・・」
思ってることを素直に伝えられるなら、それはどんなに素敵なことなんだろう。
律「だ、だよなー・・・、やっぱりいつもの髪型の方が私らしいもんな!」
澪「う、うん!」
な、何とか阻止できたか。
25 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 00:55:13.80 ID:voNeLqOp0
律「ごめんなー、急に変なこと聴いちゃって」
澪「ぜ、全然構わないよ。むしろ先にその髪型見せてくれて嬉しかったよ」
いきなりそれで学校なんて行かれたら私にはどうしようもなかったからな・・・。
律「澪に感想言ってもらえて助かったよ、じゃ私はそろそろ帰るわ」
澪「え?律?」
口を開くなり律はすぐに部屋を出て行ってしまった。
26 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 00:59:10.57 ID:voNeLqOp0
・
・
・
やっぱりあんな言い方は不味かったよな・・・。
自分でも結構似合ってると思うなんて言ってたのに、柄じゃないとか似合わないとか言っちゃったもんな・・・。
澪「律のこと、傷つけちゃったかな・・・」
明日の朝、律が気にしてるみたいだったら謝ろう。
29 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 01:02:31.71 ID:voNeLqOp0
・
・
・
律「おう澪、おはよー」
澪「お、おはよう」
呆気にとられてしまった。
会ってみればそこにはいつもと全く変わらない、笑顔の律が居た。
30 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 01:04:36.84 ID:voNeLqOp0
・
・
・
律「でさー、昨日のあの番組でさー・・・」
昨日の話題については全く触れようともしない。
私の思い過ごしだったのか・・・。
我ながら自意識過剰だったのかもしれないな。
31 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 01:06:30.65 ID:voNeLqOp0
律「澪?聞いてるか?」
澪「あ、悪い。ボーっとしてた」
律「ちゃんと聞けよー、全くー」
澪「ごめんごめん」
それに正直、こっちから昨日の話題を掘り返したくはない。
33 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 01:11:02.11 ID:voNeLqOp0
前髪を下ろした状態で色んな人の前に出て欲しくはないし、
かと言って私にはその理由を素直に言うことなど到底出来はしないだろう。
我ながら辟易するが、これが秋山澪という人間だ。
律も気にしていないようだし、この話題はもう終わりだ。
いつも通り律と一緒に居る時間を精一杯楽しもう。
――――――――――――――――――
34 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 01:14:52.47 ID:voNeLqOp0
なんて事が、中学生の時にあった。
あの時は気にしてないように振舞っていたけど、やっぱり本当はショックだったんだな・・・。
そもそもいつも律はそういう奴じゃないか。
人が落ち込んで居たら放っておけない癖に、人には心配かけるからってそういうところを見せようともしない。
そんなのわかりきっていたことだって言うのに・・・
ああもう、本当に情けない。本当にどうしようもないぞ私。
律はまだ泣いている。
理由がよくわからない唯やムギや梓は慌てている。それも当然だ。
35 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 01:18:14.62 ID:voNeLqOp0
澪「律」
私が立ち上がってそう発すると律は身を震わせた。
他の皆も驚いたようにこっちを見る。
あくまで律があの時のことで傷ついている、なんてのは私の想像でしか無い。
これで違っていたら相当な自意識過剰女だ。
普段の私だったらそんな勘違いをされることを恐れて何も言えなかっただろう。
36 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 01:21:36.07 ID:voNeLqOp0
でも、
それ以上に、
律が泣いていることの方が私には辛い。
泣き虫な私が泣く度に、私のことを慰めてくれる誰よりも優しいあの少女が泣いている。
それは普段情けない自分の心を奮い立たせてくれるには充分すぎた。
澪「律、本当にごめん!」
私が頭を下げてそう叫んだと同時に辺りは静寂に包まれた。
皆事情が呑み込めず固まっているのだろう。
40 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 01:26:40.18 ID:voNeLqOp0
澪「中学の時、律が前髪下ろした姿を似合わないなんて言っちゃったけど、あれは嘘なんだ!」
律「・・・」
律は、何も言わない。
やっぱり私の勘違いなのかもしれないな
・・・なんて言ったらあの時と何も変わらない。
律は皆が思っているより繊細な少女だ。何も思わなかった筈なんて無い。
あの時だってそんなこと気付いていた筈なのに、私は逃げた。
だから今は精一杯、私の思いの丈の全てで、精一杯律に謝ろう。
41 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 01:28:54.67 ID:voNeLqOp0
澪「本当にごめん!とっさにあんなこと言っちゃって!しかもあの時はそんなこと何も言わないで今更になって・・・!」
唯「え?どういうこと?」
梓「澪先輩、私達の存在思いっきり忘れてますよね・・・」
紬「まぁまぁ(百合の匂いがするわね・・・!)」
澪「今更になって謝罪するなんて都合が良すぎるかもしれないけど・・・本当に反省してる!」
律「・・・何だよ、それ」
42 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 01:33:04.95 ID:voNeLqOp0
ようやく律の口から出てきたのは、当然だが私を非難する言葉だった。
律「私はあの時、本当にショックだったんだぞ!」
律「あんまりあんなことしないけど、折角可愛くなれたと思ったから澪に見て欲しくて!」
律「私は他の誰でもない!澪に!似合ってるって、可愛いって言ってもらいたかっただけなのに・・・!」
唯「しゅ、修羅場?これ修羅場?」
梓「完全に私達空気ですよね」
紬「うふふふふふふふふふ」ツー
43 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 01:37:25.03 ID:voNeLqOp0
律から浴びせられた言葉に、私は泣き出しそうになってしまう。
でも耐えろ、耐えるんだ秋山澪。
悪いのは私なんだから、ここで泣いちゃいけない。
それよりもするべきことが、言わなきゃならないことが私にはある筈だ!
44 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 01:39:34.66 ID:voNeLqOp0
澪「本当はすごく似合ってた!」
律「え」
澪「前髪を下ろした律を見た時、あまりにも可愛くて、抱きしめたいとか、キスしたいとかそういうことだって思った!」
律からは何の言葉も返って来ない。
澪「でも、律が今度からそういう髪型にしようかなって言ったの聞いて」
でも、それでも今は素直に気持ちを伝えるんだ。
45 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 01:41:27.32 ID:voNeLqOp0
澪「律のこんな可愛いところ誰にも見られたくないって思って・・・」
唯「わーりっちゃん顔真っ赤ー」
澪「こんな可愛い律を見られたら律をとられちゃうんじゃないかと思って・・・」
梓「私砂吐きそうです」ザー
唯「もう吐いちゃってるよ、あずにゃん」
澪「あの時、ううん、今でも律の一番近くに居たいからそんなの絶対嫌だって思って」
梓「ムギ先輩鼻血出過ぎです、これ使って下さい」ザー
紬「あら梓ちゃん、ありがとう」ボタボタボタ
47 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 01:45:44.13 ID:voNeLqOp0
澪「だからとっさに似合わないなんて言っちゃって・・・!」
まだ律は何も言ってくれない。
澪「私の勝手な我侭で、それで律を傷つけちゃって・・・本当に本当に反省してる・・・」
流石に律に嫌われてしまったのかもしれない。
澪「ごめん、律・・・私本当に反省してるから・・・」
自業自得なんだから仕方ないのに、わかってるのに。
澪「だから・・・お願い、律・・・私のこと嫌いにならないで・・・」
ここで泣いちゃ駄目だっていうのに、涙が出るのを止められない。
49 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 01:49:28.72 ID:voNeLqOp0
律「み、澪!?」
澪「ごめ、ごめんなさい・・・もう絶対こんなことしないから・・・」
律「わ、わかった!もう気にしてないから泣き止め!」
澪「本当・・・?」
律「ああ、本当だって!澪は私の言うこと信じられないのか!?」
澪「ううん・・・」
澪「律の言葉なら信じるよ、私律のこと大好きだから」
律「うん、私もだよ、澪」
50 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 01:53:06.37 ID:voNeLqOp0
唯「何か今日はいつにも増してすごいね二人共・・・」
紬「うふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ」ボタボタボタボタ
梓「ムギ先輩鼻のティッシュ変えて下さい、既に詰めたティッシュの先から滴り落ちてます」ザザー
紬「あらありがとう、それにしてもりっちゃんも澪ちゃんも大胆ねー。あんなこと大声でお互い言い合って・・・」ポタ・・・
律澪「「え?」」
51 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 01:55:55.64 ID:voNeLqOp0
紬「あら二人共必死だったから記憶に無い?こんな時のために録音しておいたのよー」
唯「流石ムギちゃん!」
梓(絶対個人的な理由だ・・・)
・
・
・
ボイスレコーダー再生中・・・
53 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 01:57:41.34 ID:voNeLqOp0
・
・
・
唯「と、いう訳で」
梓「落ち着きましたか二人共?」
澪「はい・・・」
律「おう・・・」
54 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 02:00:16.33 ID:voNeLqOp0
私は机に突っ伏したまま動けないでいる。
さっきは律に許してもらうことに必死だったから気にしてなかったけど、色々とんでもないことを口走っちゃっていたからだ。
唯「さっきはすごかったよねーりっちゃん。『澪に可愛いって言って欲しかっただけなのに!』なんてさー」
梓「澪先輩も返す刀で『あまりにも可愛かったから』、『私が一番で居たいから』ですもんね。思い出すだけで砂吐きそうです」ザー
唯「また出ちゃってるよあずにゃん」
二人共お願いだからあまり掘り返さないで欲しいなあ・・・。
というか、何より・・・もう私の気持ちが律にばれちゃったよなあ・・・。
57 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 02:02:43.51 ID:voNeLqOp0
紬「あれだけ言っちゃえばね~」
澪「心を読まないで下さい」
紬「ふふふ」
でも、そうだよな。あれだけ言っちゃったんだ。
だったら今日は勢いに任せて、大事なことをきちんと伝えるべきなのかもしれない。
いつも律に頼ってばかりじゃなくて、私から動くんだ。
58 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 02:06:10.42 ID:voNeLqOp0
澪「律!」
そうと決めると私は勢いよく跳ね起きた。
律「な、何?」
律も同じ状態だったらしく、私に驚いて跳ね起きる。
皆もびっくりしたみたいで、私に注目している。
それでも私は、誰から見られていようともどうしても伝えなければいけない言葉を紡ぎだす。
澪「私、律のことが―」
fin
唯「そんなことないよー!りっちゃん可愛いよー!」
同じく軽音部の仲間である、唯と、
律「辞めろってマジで!こんなの私の柄じゃないから!恥ずかしいっての!」
私にとって誰よりも大切な人―田井中律―が。
4 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 00:11:07.11 ID:voNeLqOp0 [3/91]
律「頼むからカチューシャ返せって!」
唯「だって前髪下ろしてるりっちゃん可愛いよー?」
前髪を下ろして涙目で頬を染めた、律。
澪(本当だよ律、唯の言う通り可愛いよ・・・)
そんなことを思っていたら、
律「んな訳ないだろ!私にはこんなの似合ってない!」
そう言いながら律がこちらを見た。
5 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 00:14:25.66 ID:voNeLqOp0
澪(!)
律と目が合う。
その瞬間、自分でも頬が紅潮していくのがわかる。
その気恥ずかしさから私はすぐに目を逸らしてしまった。
律「!」
その瞬間に律の動きが止まった。
律は俯き加減で立ち尽くしたまま微かに震えている。
6 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 00:16:31.23 ID:voNeLqOp0
これはまずい。
唯「りっちゃん、どうしたの?」
唯がそう話しかけると、
律「わ、私は前髪下ろすのなんて柄じゃなくて・・・」
律「こんなの本当に似合わなくて嫌なんだよ・・・」
律の目から大粒の涙が零れ始める。
7 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 00:18:51.60 ID:voNeLqOp0
唯「り、りっちゃん!?」
紬「りっちゃん!?」
梓「律先輩!?」
澪「・・・・・」
律の涙を見ていると、罪悪感で押し潰されそうだ。
10 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 00:21:53.02 ID:voNeLqOp0
予め言っておくと、律が前髪を下ろした姿は全くおかしいことなどない。
いつものカチューシャをつけている律も元気一杯で可愛いが、
前髪を下ろした姿はそれはもう絵に描いたような美少女で、きっと誰もが放っておかない。
だからこそ私はあの時、とっさに嘘をついてしまった。
そしてきっと、律は未だにその嘘に囚われてしまっている。
12 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 00:24:59.71 ID:voNeLqOp0
―――――――――中学生時代
澪「・・・」
律「・・・」
澪「ふぅ」
律「あ、宿題終わった?見せて見せて」
澪「駄目」
律「別にいいじゃんよケチー」
澪「自分のためにならないだろ」
13 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 00:27:30.04 ID:voNeLqOp0
律「ぶーぶー」
澪「わからないところは教えるからちゃんと自分でやりなさい」
律「ちぇー」
律「澪、早速わからん」
澪「早っ!」
14 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 00:29:35.16 ID:voNeLqOp0
・
・
・
律「終わったー」
澪「お疲れ様」
律「喉渇いたー、ご褒美に何か飲ませてー」
澪「結局私が殆ど教えただろうが・・・」
そうは言いながらも、すぐに飲み物をとりに行こうと部屋を出る私は甘いんだろうな・・・。
律「・・・」
15 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 00:32:10.29 ID:voNeLqOp0
澪「律、飲み物持って来たぞー」
律「う、うん。ありがとう」
澪「?」
何か変だな、律。
こっちに背中向けてるけど本を読んでるって訳でも無さそうだし・・・。
16 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 00:34:03.12 ID:voNeLqOp0
律「実は澪にもご褒美があります!」
唐突に律が言った。
澪「ど、どうした急に」
律「という訳で!じゃーん!」
そう言うと、律が振り返った。
17 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 00:37:17.10 ID:voNeLqOp0
澪「―――」
思わず、息を呑む。
初めて逢った時から、いつもカチューシャをつけて前髪を上げていた律。
その律が初めて私の前で髪を下ろしていた。
律「どうだ?美少女りっちゃんのイメチェンは?」
18 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 00:39:36.95 ID:voNeLqOp0
返す言葉が出てこない。
その程度の驚愕を私に与える程、前髪を下ろした律は可愛かった。
いつもの活発な感じとは違って、とても女の子らしい清楚で可憐な可愛さ。
できることなら今すぐにでも抱きしめたくなるような。
とりあえず律、私が飲み物を置いてから振り返ったのは正解だ。
いきなりそんなに可愛いお前を見せられていたら私の部屋のカーペットは今頃紅茶まみれだ。
19 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 00:43:13.85 ID:voNeLqOp0
律「な、何で何も言わないんだよ・・・」
律の一言で我に返る。あまりに可愛いから見とれてしまっていたようだ。
澪「わ、悪い」
律「自分でも結構似合ってると思うんだよなー、どう?」
なんて言いながらその場でくるっと回ってみせたりする。
何て可愛いんだ律。今すぐ抱きしめてキスしたい。
・・・まぁ臆病な私にそんなことできる筈も無いんだけど。
21 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 00:46:08.14 ID:voNeLqOp0
律「澪に感想聞いて良い感じだったら今後はこの髪型にしようかなと思っててさー」
・・・え?
いや、待て律。それはまずい。それは非常にまずい。
今まででもかなりモテていたのに、その髪型に変えてしまったら・・・。
律「なぁーどうなんだよ澪ー」
余計に悪い虫(男女共に)共が寄って来てしまうじゃないか・・・!
それは困る、非常に困る、すごく困る。
私はいつだって律と一緒に居たい、律の一番で居たいんだ・・・!
23 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 00:50:37.54 ID:voNeLqOp0
律「なぁ澪ってば
澪「そ、そんなの駄目だ!」
律「え・・・」
澪「や、やっぱりいつもの髪型の方が律らしくて断然いいと私は思う!」
今の髪型、すごく似合ってて可愛いけど
澪「そういう髪型って律の柄じゃないしさ」
本当に誰より可愛いと思うけど
澪「正直あんまり似合ってないと思う!」
私以外の人間に律の可愛い姿を見られたくない!
24 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 00:52:50.06 ID:voNeLqOp0
律「・・・」
思ってることを素直に伝えられるなら、それはどんなに素敵なことなんだろう。
律「だ、だよなー・・・、やっぱりいつもの髪型の方が私らしいもんな!」
澪「う、うん!」
な、何とか阻止できたか。
25 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 00:55:13.80 ID:voNeLqOp0
律「ごめんなー、急に変なこと聴いちゃって」
澪「ぜ、全然構わないよ。むしろ先にその髪型見せてくれて嬉しかったよ」
いきなりそれで学校なんて行かれたら私にはどうしようもなかったからな・・・。
律「澪に感想言ってもらえて助かったよ、じゃ私はそろそろ帰るわ」
澪「え?律?」
口を開くなり律はすぐに部屋を出て行ってしまった。
26 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 00:59:10.57 ID:voNeLqOp0
・
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やっぱりあんな言い方は不味かったよな・・・。
自分でも結構似合ってると思うなんて言ってたのに、柄じゃないとか似合わないとか言っちゃったもんな・・・。
澪「律のこと、傷つけちゃったかな・・・」
明日の朝、律が気にしてるみたいだったら謝ろう。
29 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 01:02:31.71 ID:voNeLqOp0
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律「おう澪、おはよー」
澪「お、おはよう」
呆気にとられてしまった。
会ってみればそこにはいつもと全く変わらない、笑顔の律が居た。
30 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 01:04:36.84 ID:voNeLqOp0
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律「でさー、昨日のあの番組でさー・・・」
昨日の話題については全く触れようともしない。
私の思い過ごしだったのか・・・。
我ながら自意識過剰だったのかもしれないな。
31 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 01:06:30.65 ID:voNeLqOp0
律「澪?聞いてるか?」
澪「あ、悪い。ボーっとしてた」
律「ちゃんと聞けよー、全くー」
澪「ごめんごめん」
それに正直、こっちから昨日の話題を掘り返したくはない。
33 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 01:11:02.11 ID:voNeLqOp0
前髪を下ろした状態で色んな人の前に出て欲しくはないし、
かと言って私にはその理由を素直に言うことなど到底出来はしないだろう。
我ながら辟易するが、これが秋山澪という人間だ。
律も気にしていないようだし、この話題はもう終わりだ。
いつも通り律と一緒に居る時間を精一杯楽しもう。
――――――――――――――――――
34 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 01:14:52.47 ID:voNeLqOp0
なんて事が、中学生の時にあった。
あの時は気にしてないように振舞っていたけど、やっぱり本当はショックだったんだな・・・。
そもそもいつも律はそういう奴じゃないか。
人が落ち込んで居たら放っておけない癖に、人には心配かけるからってそういうところを見せようともしない。
そんなのわかりきっていたことだって言うのに・・・
ああもう、本当に情けない。本当にどうしようもないぞ私。
律はまだ泣いている。
理由がよくわからない唯やムギや梓は慌てている。それも当然だ。
35 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 01:18:14.62 ID:voNeLqOp0
澪「律」
私が立ち上がってそう発すると律は身を震わせた。
他の皆も驚いたようにこっちを見る。
あくまで律があの時のことで傷ついている、なんてのは私の想像でしか無い。
これで違っていたら相当な自意識過剰女だ。
普段の私だったらそんな勘違いをされることを恐れて何も言えなかっただろう。
36 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 01:21:36.07 ID:voNeLqOp0
でも、
それ以上に、
律が泣いていることの方が私には辛い。
泣き虫な私が泣く度に、私のことを慰めてくれる誰よりも優しいあの少女が泣いている。
それは普段情けない自分の心を奮い立たせてくれるには充分すぎた。
澪「律、本当にごめん!」
私が頭を下げてそう叫んだと同時に辺りは静寂に包まれた。
皆事情が呑み込めず固まっているのだろう。
40 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 01:26:40.18 ID:voNeLqOp0
澪「中学の時、律が前髪下ろした姿を似合わないなんて言っちゃったけど、あれは嘘なんだ!」
律「・・・」
律は、何も言わない。
やっぱり私の勘違いなのかもしれないな
・・・なんて言ったらあの時と何も変わらない。
律は皆が思っているより繊細な少女だ。何も思わなかった筈なんて無い。
あの時だってそんなこと気付いていた筈なのに、私は逃げた。
だから今は精一杯、私の思いの丈の全てで、精一杯律に謝ろう。
41 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 01:28:54.67 ID:voNeLqOp0
澪「本当にごめん!とっさにあんなこと言っちゃって!しかもあの時はそんなこと何も言わないで今更になって・・・!」
唯「え?どういうこと?」
梓「澪先輩、私達の存在思いっきり忘れてますよね・・・」
紬「まぁまぁ(百合の匂いがするわね・・・!)」
澪「今更になって謝罪するなんて都合が良すぎるかもしれないけど・・・本当に反省してる!」
律「・・・何だよ、それ」
42 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 01:33:04.95 ID:voNeLqOp0
ようやく律の口から出てきたのは、当然だが私を非難する言葉だった。
律「私はあの時、本当にショックだったんだぞ!」
律「あんまりあんなことしないけど、折角可愛くなれたと思ったから澪に見て欲しくて!」
律「私は他の誰でもない!澪に!似合ってるって、可愛いって言ってもらいたかっただけなのに・・・!」
唯「しゅ、修羅場?これ修羅場?」
梓「完全に私達空気ですよね」
紬「うふふふふふふふふふ」ツー
43 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 01:37:25.03 ID:voNeLqOp0
律から浴びせられた言葉に、私は泣き出しそうになってしまう。
でも耐えろ、耐えるんだ秋山澪。
悪いのは私なんだから、ここで泣いちゃいけない。
それよりもするべきことが、言わなきゃならないことが私にはある筈だ!
44 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 01:39:34.66 ID:voNeLqOp0
澪「本当はすごく似合ってた!」
律「え」
澪「前髪を下ろした律を見た時、あまりにも可愛くて、抱きしめたいとか、キスしたいとかそういうことだって思った!」
律からは何の言葉も返って来ない。
澪「でも、律が今度からそういう髪型にしようかなって言ったの聞いて」
でも、それでも今は素直に気持ちを伝えるんだ。
45 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 01:41:27.32 ID:voNeLqOp0
澪「律のこんな可愛いところ誰にも見られたくないって思って・・・」
唯「わーりっちゃん顔真っ赤ー」
澪「こんな可愛い律を見られたら律をとられちゃうんじゃないかと思って・・・」
梓「私砂吐きそうです」ザー
唯「もう吐いちゃってるよ、あずにゃん」
澪「あの時、ううん、今でも律の一番近くに居たいからそんなの絶対嫌だって思って」
梓「ムギ先輩鼻血出過ぎです、これ使って下さい」ザー
紬「あら梓ちゃん、ありがとう」ボタボタボタ
47 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 01:45:44.13 ID:voNeLqOp0
澪「だからとっさに似合わないなんて言っちゃって・・・!」
まだ律は何も言ってくれない。
澪「私の勝手な我侭で、それで律を傷つけちゃって・・・本当に本当に反省してる・・・」
流石に律に嫌われてしまったのかもしれない。
澪「ごめん、律・・・私本当に反省してるから・・・」
自業自得なんだから仕方ないのに、わかってるのに。
澪「だから・・・お願い、律・・・私のこと嫌いにならないで・・・」
ここで泣いちゃ駄目だっていうのに、涙が出るのを止められない。
49 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 01:49:28.72 ID:voNeLqOp0
律「み、澪!?」
澪「ごめ、ごめんなさい・・・もう絶対こんなことしないから・・・」
律「わ、わかった!もう気にしてないから泣き止め!」
澪「本当・・・?」
律「ああ、本当だって!澪は私の言うこと信じられないのか!?」
澪「ううん・・・」
澪「律の言葉なら信じるよ、私律のこと大好きだから」
律「うん、私もだよ、澪」
50 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 01:53:06.37 ID:voNeLqOp0
唯「何か今日はいつにも増してすごいね二人共・・・」
紬「うふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ」ボタボタボタボタ
梓「ムギ先輩鼻のティッシュ変えて下さい、既に詰めたティッシュの先から滴り落ちてます」ザザー
紬「あらありがとう、それにしてもりっちゃんも澪ちゃんも大胆ねー。あんなこと大声でお互い言い合って・・・」ポタ・・・
律澪「「え?」」
51 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 01:55:55.64 ID:voNeLqOp0
紬「あら二人共必死だったから記憶に無い?こんな時のために録音しておいたのよー」
唯「流石ムギちゃん!」
梓(絶対個人的な理由だ・・・)
・
・
・
ボイスレコーダー再生中・・・
53 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 01:57:41.34 ID:voNeLqOp0
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・
唯「と、いう訳で」
梓「落ち着きましたか二人共?」
澪「はい・・・」
律「おう・・・」
54 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 02:00:16.33 ID:voNeLqOp0
私は机に突っ伏したまま動けないでいる。
さっきは律に許してもらうことに必死だったから気にしてなかったけど、色々とんでもないことを口走っちゃっていたからだ。
唯「さっきはすごかったよねーりっちゃん。『澪に可愛いって言って欲しかっただけなのに!』なんてさー」
梓「澪先輩も返す刀で『あまりにも可愛かったから』、『私が一番で居たいから』ですもんね。思い出すだけで砂吐きそうです」ザー
唯「また出ちゃってるよあずにゃん」
二人共お願いだからあまり掘り返さないで欲しいなあ・・・。
というか、何より・・・もう私の気持ちが律にばれちゃったよなあ・・・。
57 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 02:02:43.51 ID:voNeLqOp0
紬「あれだけ言っちゃえばね~」
澪「心を読まないで下さい」
紬「ふふふ」
でも、そうだよな。あれだけ言っちゃったんだ。
だったら今日は勢いに任せて、大事なことをきちんと伝えるべきなのかもしれない。
いつも律に頼ってばかりじゃなくて、私から動くんだ。
58 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 02:06:10.42 ID:voNeLqOp0
澪「律!」
そうと決めると私は勢いよく跳ね起きた。
律「な、何?」
律も同じ状態だったらしく、私に驚いて跳ね起きる。
皆もびっくりしたみたいで、私に注目している。
それでも私は、誰から見られていようともどうしても伝えなければいけない言葉を紡ぎだす。
澪「私、律のことが―」
fin
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