スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
男「世界崩壊した」
1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 18:29:53.81 ID:1DJnbCZs0 [1/40]
男「………」
男「なかなか釣れないな…」
男「今日は釣果が少ないな」
男「………」
男「移動するか」
男「霧も濃くなってきたし」
男「………」
男「波をチャプチャプ、チャプチャプかきわけて~ と」チャプ チャプ
男「………」
男「なかなか釣れないな…」
男「今日は釣果が少ないな」
男「………」
男「移動するか」
男「霧も濃くなってきたし」
男「………」
男「波をチャプチャプ、チャプチャプかきわけて~ と」チャプ チャプ
3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 18:34:36.87 ID:1DJnbCZs0
男「………」
男「ここでも釣れない…」
男「今日は調子が悪いな…」
男「また移動するか…」
男「よいしょ、と」チャプ
男「よいしょ よいしょ」ギコ ギコ
5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 18:41:27.78 ID:1DJnbCZs0
男「………」ギコ ギコ
男「………」ギコ ギコ
男「ん?」
男「あれは…」
男「ビルの廃墟だ…」
男「珍しいな、まだ残ってたんだ」
男「………」
男「旧人に写真持ってったら食べ物と交換してくれるかも…」
男「写真、写真と」ガサゴソ
男「あった」
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 18:49:28.77 ID:1DJnbCZs0
カシャ カシャ
男「………」
男「こんなもんで良いかな」
男「結構状態の良さそうな廃墟だし…」
男「じゃがいも10個くらいと交換してくれるかも」
男「楽しみだな」
男「………」
男「本当に状態の良いビルだな…」
男「………」
男「もしかしたらまだ食べ物残ってるかも」
男「………」
男「行ってみよう」
男「よいしょ よいしょ」ギコ ギコ
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 18:56:15.56 ID:1DJnbCZs0
チャプン チャプン
男「うーん」
男「入り口になりそうな所が無いな…」
男「大抵は窓から入れるけど…」
男「窓の位置高すぎるや…」
男「これじゃ入れない…」
男「やっぱり潜って下から行くしかないのか」
男「水苦手なんだけど…」
男「仕方ないか…」
男「よいしょ、と」バシャン!
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 19:02:38.93 ID:1DJnbCZs0
ブクブクブク
男(………)
男(やっぱり水の中は苦手だな…)
男(臭いし…汚いし…)
男(早いとこ入り口を見つけよう)スイー
男(………)
男(………)
男(あ…)
男(窓発見…)
男(よし…)
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 19:07:24.57 ID:1DJnbCZs0
パリン、パリン バシャ!
男「………」
男「ふぅ」
男「ようやく上がってこれた…」
男「足場はどうかな」ガン ガン
男「………」
男「大丈夫そうだ…」
男「よし…」
男「探検開始…」
男「ごー」テクテク
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 19:13:27.52 ID:1DJnbCZs0
テクテクテク
男「………」
男「イスと机がいっぱいだ」
男「オフィスビルだったのかな」
男「食べ物はなさそうだ…」
男「がっかり…」
男「………」
男「旧人の欲しがりそうな物があるかも…」
男「漁ってみよう…」
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 19:18:37.95 ID:1DJnbCZs0
ガサゴソ ガサゴソ
男「………」
男「紙と壊れた機械しかない…」
男「………」
男「諦めるのはまだ早い…」
男「次はこっちの机を…」ガチャ
男「ん?」ガチャガチャ
男「鍵がかかってる」
男「何かありそう」
男「やった」
男「よいしょ」バキ!
男「開いた…」
男「どれどれ」
14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 19:26:51.14 ID:1DJnbCZs0
男「………」
男「下級生2 バイブルブラック 仕舞妻」
男「裸の旧人の絵の箱が一杯だ」
男「うーん」
男「交換してくれるかな?」
男「………」
男「とりあえず持って」ガサ
男「ん?」
?「………」
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 19:33:57.85 ID:1DJnbCZs0
男「………」
男「失敗人だ」
失敗人「………」
失敗人「………」
失敗人「………」
ゾロゾロ ゾロゾロ
男「ここは失敗人の住処だったのか」
男「めんどくさいな…」
失敗人「!!」
失敗人「!!」
失敗人「!!」
男「ああ、やっぱり襲ってきた」
男「やだなぁ」
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 19:39:20.46 ID:1DJnbCZs0
失敗人「!!」ガブ
失敗人「!!」ガブ
失敗人「!!」ガブ
男「やっぱり噛まれた」
男「やだなぁ」
失敗人達「!!」ガジガジ
男「他にも何かないかな」
男「探してみよう」テクテク
失敗人達「!!」ズルズル
男「やだなぁ」
男「重いなぁ」
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 19:44:50.64 ID:1DJnbCZs0
ガサゴソ ガサゴソ
男「………」
男「やっぱり紙しかないや」
男「甘い物とかあったら良かったのに」
男「残念だ…」
失敗人「!!」ガブ
失敗人「!!」ガブ
男「やっぱりそんな簡単にいかないのか…」
男「期待してたのに…」
男「帰ろう」テクテク
失敗人「!!」ズルズル
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 19:49:35.28 ID:1DJnbCZs0
失敗人「!!」ガブ
失敗人「!!」ガブ
失敗人達「!!」ズルズル
男「………」
男「そろそろ帰るから」
男「離れてね」ブルブル
失敗人達「!!」バタバタ
男「さよなら」バシャ
失敗人達「………」
失敗人達「………」テクテク
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 19:59:03.20 ID:1DJnbCZs0
ブクブク、ブクブク バシャ!
男「………」
男「ふぅ」
男「やっぱり船の上は落ち着くな…」
男「結局成果は裸の旧人の箱とその中身だけか」
男「箱は濡れちゃってびしょびしょだけど…」
男「中身は無事だから良いか」
男「………」
男「今日は釣果も少なかったし…」
男「交換してくれないとお腹減っちゃうな」
男「………」
男「行こう、旧人の所に…」
男「よいしょ よいしょ」ギコギコ
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 20:08:12.90 ID:1DJnbCZs0
男「よいしょ よいしょ」ギコ ギコ
男「よいしょ よいしょ」ギコ ギコ
男「ん?」
ブォーン ブォーン
男「ありゃりゃ虫霧だ…」
男「参ったな…虫昼になっちゃう」
男「旧人が引っ込んじゃう」
男「とほほ」
男「今日はご飯少ないかな…」
男「やだなぁ…」
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 20:18:58.52 ID:1DJnbCZs0
ブ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ
男「ああ、虫昼になっちゃった…」
男「………」
男「この音さえ無かったら青く光って綺麗なんだけどな」
男「やっぱり今日は旧人の所に行くのは中止かな…」
男「旧人は虫に刺されると失敗人になっちゃうし」
男「今日のご飯は魚数匹だけか…」
男「とほほ」
男「………」
男「家に帰ろう」
男「よいしょ よいしょ」ギコギコ
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 20:25:37.83 ID:1DJnbCZs0
男「よいしょ よいしょ」ギコギコ
男「よいしょ、と」ガタン
男「ついた」
男「………」
男「皆いるかな」
男「虫昼だし、広場にいるよね」
男「行ってみよう」
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 20:32:35.12 ID:1DJnbCZs0
ブ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ
男1「綺麗ですなぁ」
男2「この音が無ければもっと良いんだけどね」
男3「仕方ないよ 綺麗な物には刺があるって言うし」
男2「バラじゃない?」
男3「そうとも言う」
男「おーい」
男3「あ、男だ」
男「あの様子なら成果は無かったみたい」
男1「あらら」
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 20:41:22.80 ID:1DJnbCZs0
男「おーい 駄目だったよ あんまり釣れなかった」
男1「かわいそうに…でも食料は分けてあげません」
男2「いい加減水の中に入る事を覚えたらどうだろうか」
男3「これだから新入りは」
男「薄情な人達だなぁ」
男1「自分の物は自分の物」
男2「相手の物は相手の物」
男3「そのイカ焼き少し頂戴」
男2「おい」
男3「ごめん」
男「とほほ」
29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 20:49:41.87 ID:1DJnbCZs0
男「とほほ、今日は小食の日か…」
男1「何匹くらい釣れたの?」
男2「数によっては恵んでやらない事もない」
男3「じゃあそのイカ焼き頂戴」
男2「貴方じゃありません」
男3「残念だ」
男「駄目だよ 今日は50匹しか釣れなかったんだ」
男1・2・3「………」
男1「十分釣れたのではないだろうか」
男2「なんという欲張り」
男3「少し頂戴」
男2「おい」
男3「ごめん」
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 20:57:16.54 ID:1DJnbCZs0
男「駄目だよ これくらいの量じゃ満腹にならないんだ」
男1「なんて男だ…」
男2「さすが初期段階」
男3「バレンタインで爆釣りの男が今日は少なかったと嘆いているようだ」
男1「長い」
男2「バレンタインでチョコ貰った事あるの?」
男3「あるわけ無かろう」
男1「はっはっは」
男2「わ、笑っている…」
男3「もしや経験が」
男1「いや、無いけど」
男2・3「なんだ」
35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 21:06:38.42 ID:1DJnbCZs0
男「自分はやっぱり変なんだろうか…」
男1「まぁ初期段階はそんなもんだよな」
男2「いずれ僕たちみたいになったら自然と量が少なくなるよ」
男3「スーパーミュータント化最高」
男1「というか今までずっとお腹減らしてたのか」
男2「なんて奥ゆかしい子」
男3「パン買ってこい」
男1「ありません」
男2「ありません」
男3「おのれ」
41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 21:46:08.20 ID:1DJnbCZs0
男「皆も最初はこんな感じだったの?」
男1「たぶん」
男2「でも昔の事だから良く覚えてないや」
男3「確かに」
男「そうかぁ」
男1「まぁ気長に慣れれば良いよ」
男2「そうそう」
男3「僕らは陰気なモンスターなんだし」
男「モンスター…」
男1「あ、男がへこんだ」
男2「謝れ」
男3「だが謝らない」
42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 21:54:27.89 ID:1DJnbCZs0
男「いや、別に良いよ」
男3「新入りもそう言ってる事だし、許してやれよ」
男2「そうだな」
男1「うん」
男2「………」
男2「ん?」
男「ところで皆は何してるの?」
男1「何って虫見ですけど」
男2「空一面が青く光ってとても綺麗だしね」
男3「詩人は消毒だー!」
男1「男もどうかね?」
男「うん、参加する」
43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 22:01:01.13 ID:1DJnbCZs0
ブ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ
男「………」
男1「綺麗だなぁ…」
男2「このさい音は置いとこう」
男3「見ろよ、綺麗な色してるだろ こいつら旧人には毒なんだぜ」
男1「長い」
男2「それに何だか分からない」
男3「実は私も分からない」
男「………」
男「毒か…」
男「何で世界はこんな風になっちゃったかな」
45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 22:09:01.95 ID:1DJnbCZs0
男1「戦争か自然現象か…」
男2「何でも良いじゃん どうせ崩壊してるんだし」
男3「ほうかい、ほうかい」
男「しかし陸地がまったく無くなってるなんて異常すぎる」
男3「無視された」
男2「当たり前です」
男1「まぁ、無いなら無いで仕方ないよ」
男2「これは反応するべきか…」
男3「うーん」
男「無いなら無いで仕方ないか」
男「そうかもしれないね」
46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 22:16:47.34 ID:1DJnbCZs0
男1「渾身の説得が通じたぞ!」
男2「渾身の説得だったのか」
男3「どうみても適当に言った言葉です」
男「………」
男「あ」
男「そういえば今日変わった物を拾ったんだ」
男1「何かね」
男2「食い物?」
男3「力ずくでも奪い取る」
男2「まだ食い物と決まったわけじゃない」
男3「なるほど」
48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 22:27:53.64 ID:1DJnbCZs0
男「えっと」ガサゴソ
男「これこれ」パッ
男1「な、なんだこれは…」
男2「仕舞妻 バイなんとか 下級2?」
男3「濡れててよく分からないけど何だか右わき腹が痛い」
男2「すさまじい波動を感じる これは闇のアイテムか…」
男1「これが聖遺物…」
男「そんなに凄い物かな」
男1「さぁ?」
男2「何となく乗ってみた」
男3「きっと良い物だよ」
男「そうかぁ」
50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 22:34:20.99 ID:1DJnbCZs0
男1「ところでこれどうしたの?」
男「ビルの廃墟に残ってたんだよ」
男2「ビルの廃墟」
男3「わざわざ潜って取りにいったの?」
男「いや、ちゃんと立ったビルだよ」
男1「ちゃんと立ったビル?」
男2「浮かんでるんじゃなくて?」
男「うん」
男3「それはなんて貴重な…」
51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 22:42:18.27 ID:1DJnbCZs0
男「そんなに貴重かな」
男1「折れて沈んだり、浅い地域に浮かんだビルはまだ少なからずあるけど…」
男2「立ったビルなんて見たこと無いよ」
男3「写真は?写真は取ったのかね?」
男「うん」
男1「おお」
男2「これは…」
男3「甘い物が食べれる」
男「?」
53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 22:52:56.71 ID:1DJnbCZs0
男「いったいどうしたの?」
男1「そういえば説明していなかった」
男2「旧人の物好きが廃墟の写真や過去の遺物を食べ物や嗜好品と交換してくれるのは話したよね」
男「うん」
男1「実はこれにはランクがあって ランクが高い方が良い物と交換してくれるんだよ」
男「そうなの?」
男3「そうそう」
男2「もうだいぶ探しつくしたし、もうあんまり残って無かったから詳しく話さなかったんだよ」
男「そうなのか」
男3「そうそう」
男2「それしか言ってないな」
男3「そうそう」
54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 22:59:53.31 ID:1DJnbCZs0
男「何か写真の評価に差があると思ったら明確な基準があったのか」
男3「そうそう」
男2「もう止めなさい」
男3「ごめん」
男「じゃあ立ったビルの写真はどのくらいのランクなの?」
男1「えっと、何だっけ?」
男2「忘れちゃったな」
男3「確か一番良いんじゃなかった?」
男1「そうそう」
男2「そうそうが伝染した」
男1・3「そうそう」
男「そうかぁ 最高ランクなのかぁ」
55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 23:11:26.34 ID:1DJnbCZs0
男1「ところでそのビルどこで見つけたの?」
男「割と近くの海域だよ」
男2「近く? そんなはずは…」
男3「近くの廃墟は僕らが探しつくしたのにね」
男「でも見つけたものは仕方ないよ」
男1「まぁ、そうだね」
男2「さっそく写真を現像しよう」
男3「そうしよう そうしよう」
57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 23:22:39.80 ID:1DJnbCZs0
パシャ パシャ
男1「ふふふ、この瞬間の一時一時が明日の天国の入り口なのだ」
男2「ネルネルネルネはうへへへへ」
男3「練れば練るほど色が変わって」
男1「こうやってつけて」
男2「テーレッテレー!」
男1・2・3「練って美味しいネルネルネールネ!」
男「………」
男1「何か言いなさい」
男2「そーだ そーだ」
男3「クリームソーダ」
男「はぁ」
59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 23:28:43.44 ID:1DJnbCZs0
男1「そんなこんなで出来ました」
男2「後は乾かすだけか」
男3「明日が楽しみだ」
男「………」
男1「どうしたの?」
男「いや、別に何も」
男2「とりあえず今日はもう寝よう」
男3「明日は甘い食べ物が待ってるしね」
61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 23:35:37.34 ID:1DJnbCZs0
男「ちょっと聞きたいんだけど…」
男1「何か?」
男2「まさか添い寝してほしいとか…」
男3「そんな気はありません」
男「いや、自分の物は自分の物 相手の物は相手の物じゃないのかな、と」
男1・2・3「………」
男1「皆は一人の為に」
男2「一人は皆の為に」
男3「という言葉があってだね」
男「ふーん」
男1・2・3「………」
62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 23:45:12.04 ID:1DJnbCZs0
男1「だが君がそこまで言うなら残しておいた食料を譲らなくもない」
男2「皆は一人の為に一人は皆の為に」
男3「なんて良い言葉なんだ」
男「へへへ、それじゃ貰っとくよ」
男1「ああ、貰っときなさい」
男2「なんて遠慮のない子」
男3「パン買ってきます」
男2・3「どうぞ どうぞ」
男1「………」
男1「え?」
63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 23:53:51.35 ID:1DJnbCZs0
翌日
男「………」
男1「………」
男2「………」
男3「何も写ってないじゃないの」
男「あれ?」
男1「これはどういう事かな?」
男2「かな? かな?」
男3「待て! これは孔明の罠だ!」
男「おかしいな 何で写ってないんだろう」
男1「それは私達が聞きたいです」
男2「昨日あれだけ食べたのに…」
男3「何というジャイアン」
64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 00:03:45.23 ID:tNTMZRyj0 [1/77]
男「いや、確かに昨日ビルを見たんだよ」
男1「本当?」
男「本当だよ」
男2「信じるべきか…」
男3「俺を信じろ、お前を信じる俺を信じろ!」
男2「何それ?」
男3「知らない」
男「とにかく嘘じゃないよ 本当に見たんだよ」
男1「うーむ これはミステリーだ」
男2「写らないビル、そんな物があるのだろうか」
男3「信じるのは貴方しだいです」
男「むむむ」
70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 00:29:30.44 ID:tNTMZRyj0 [3/77]
男「そんなに疑うなら案内するよ それならはっきりするでしょ?」
男1「お? 大きく出たな」
男2「くくく、良いのかい そんな約束しちまって」
男3「俺達はそんなに甘くないぜぇ」
男「ちゃんと自分の目ではっきり見たんだから何も臆する事はない!」
男1「何という自信」
男2「だが世の中には見間違えという言葉がある」
男3「見せてもらおう 新入りの目の性能とやらを」
男「では出発します!」
男1・2・3「おー!」
71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 00:36:16.41 ID:tNTMZRyj0 [4/77]
男「よいしょ よいしょ」ギコ ギコ
男1「パンダウサギコアラ」
男2「パンダウサギコアラ」
男3「パンダウサギコアラ」
男1「パンダウサギコアラ」
男2「パンダウサギコアラ」
男3「パンダウサギコアラ」
男1「誰かオチを言えよ」
男2「オチだれ~」
男3「私です」
男1「じゃあ最初から」
男2・3「おー」
73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 00:42:49.43 ID:tNTMZRyj0 [5/77]
男「ちょっと」ギコ ギコ
男1「なに?」
男2「もしかして参加したいの?」
男3「オチを譲ってやって良い」
男「いや…」ギコ ギコ
男「うるさいから止めて」
男1「なんと」
男2「我らの伝統の歌を愚弄するとは」
男3「許さん お前だけは…」
男「いや…」ギコ ギコ
男「うるさいし…」ギコ ギコ
74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 00:54:52.90 ID:tNTMZRyj0 [6/77]
男1「聞きました? まったく最近の若い者は伝統を何だと思っとるんじゃ」
男2「これが反抗期か」
男3「まったく船に乗ってる軟弱者が けしからん」
男「いや…」ギコ ギコ
男「船は乗る物だから…」ギコ ギコ
男1「何を言ってる ウサギさん」
男2「船は引くもので乗るものじゃありませんから」
男3「これ私達の常識アル」
男「………」ギコ ギコ
男「もういいや…」ギコ ギコ
男「疲れるし」ギコ ギコ
男1・2・3「わかればよろしい」
男「………」ギコギコ
75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 01:04:38.04 ID:tNTMZRyj0 [7/77]
・
・
男「よいしょ よいしょ」ギコ ギコ
男1「まだつかないの?」
男2「結構来たね」
男3「ガンダーラ ガンダーラ」
男「後もう少しだと思うけど」ギコ ギコ
男1「暇だしパンダウサギコアラするか」
男2「そうだな」
男3「伝統音楽さいこー」
男「いや、止めて」ギコ ギコ
男1「ならばこの退屈をどう解消しろと?」
男「………」ギコ ギコ
男「じゃあ良いよ…」ギコ ギコ
男1「よろしい」
76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 01:09:56.93 ID:tNTMZRyj0 [8/77]
男1「パンダウサギコアラ」
男2「パンダウサギコアラ」
男3「パンダウサギコアラ」
男1「パンダウサギコアラ」
男2「パンダウサギコアラ」
男3「パンダウサギコアラ」
男1「おい、誰かオチ言えよ」
男2「オチだれ~」
男3「私でした」
男1「じゃあまた最初からな」
男2・3「おー」
男「………」ギコ ギコ
79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 01:14:47.07 ID:tNTMZRyj0 [9/77]
男1「パンダウサギコアラ」
男「ん?」
男2「パンダウサギコアラ」
男「あれ?」
男3「パンダウサギコアラ」
男「んん?」
男1「パンダウサギコア」
男「ちょっと」
男2「なに?」
男3「やっぱり混ざりたいの?」
男「いや、そうじゃなく…」
81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 01:24:42.66 ID:tNTMZRyj0 [10/77]
男1「じゃあ何?」
男2「また難癖つける気か」
男3「このシーシェパードめ」
男2「シーシェパードって何?」
男3「知らない」
男「いや、そうじゃなく」
男1「じゃあ何?」
男「いや…」
男「なんで後退してるの?」
男1・2・3「………」
男1・2・3「え?」
85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 01:36:14.09 ID:tNTMZRyj0 [13/77]
男1「何を言ってるのか」
男2「真っ直ぐ進んでるじゃないか」
男3「ははは!ゲイリー!」
男「いやいや、後退してるから」
男「ちょっと自分のいる方に進んでみて」
男1「まったく何を言うかと思ったら」チャプ チャプ
男2「だけど少し安心した ちゃんと冗談も言えるんだ」チャプ チャプ
男3「これなら僕らに馴染む日も近いね」チャプ チャプ
男「おーい」
男1・2・3「なにー?」
86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 01:47:23.89 ID:tNTMZRyj0 [14/77]
男1・2・3「………」
男「おーい」
男1「何でそんなに離れてるの?」
男2「??」
男3「これは…孔明の罠?」
男「何かおかしいね ここ」
男1「おかしいとは何が?」
男2「おかしいのは私の頭?それとも…あんただ!」
男3「はは!ゲイリー!」
87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 01:56:05.66 ID:tNTMZRyj0 [15/77]
男「………」
男「良い事考えた」
男1「良い事?」
男2「尻の中でしょんべんするの?」
男「いや、違う」
男3「じゃあ何?」
男「とりあえず自分は大丈夫みたいだから」
男「自分の船に目をつぶってつかまれば良いじゃないか」
男1・2・3「………」
男1「なるほど」
男2「その考えは無かったわ」
男3「そうしましょう そうしましょう」
89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 02:04:58.19 ID:tNTMZRyj0 [16/77]
男「よいしょ よいしょ」ギコ ギコ
男1「ちゃんと前に進んでるの?」
男2「う~ん 自信無いな」
男3「何も言えねぇ」
男「よいしょ よいしょ」ギコ ギコ
男「よいしょ よいしょ」ギコ ギコ
男「あ」
男1「どうしたの?」
男2「まさか遭難!」
男3「望みが絶たれた~!」
男「ビル発見…」
男1・2・3「え?」パチ
90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 02:12:03.37 ID:tNTMZRyj0 [17/77]
男1「………」
男2「………」
男3「………」
男1「凄い…ちゃんと立ってるビルだ」
男2「凄く…大きいです…」
男3「あの地~平~線~ かが~やくのは~」
男「………」
男「やっぱりあったんだ…」
男「何で皆は来れなかったんだろう」
男「………」
91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 02:19:13.14 ID:tNTMZRyj0 [18/77]
男1「男さん、男さんや」
男「ん? 何?」
男2「この建物にはどうやって入るんだい?」
男3「レクチャープリーズ」
男「ああ、それは水の中に…」
男1「水の中?」
男2「あれだけ水を嫌がってたのに」
男3「どういう事なの?」
男「………」
男「どういう事だろう…」
男「うーん」
92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 02:29:35.83 ID:tNTMZRyj0 [19/77]
男1「まぁ、このさいそれは置いといて、探索を始めようじゃないか」
男2「賛成」
男3「もしかしたら食料残ってるかも」
男「いや、それは無かったよ」
男1「見落としていたという可能性もある」
男2「わくわくするな」
男3「ダンジョン探索だぁ!」
男「………」
男「まぁ、良いか」
男1「皆行くぞー!」
男2・3「おー!」
男「おー」
94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 02:37:19.36 ID:tNTMZRyj0 [20/77]
ブクブクブク バシャ
男3「一着!」バシャ
男1「二着!」バシャ
男「よいしょ、と」バシャ
男2「三ちゃ!…あれ?」バシャ
男3「ははは!ビリめ!」
男2「なん…だと」
男「何かごめん」
男1「さて、では行くか」
男3「ビリは一番前な」
男2「おのれー!」
男「それじゃあ行こう」
95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 02:44:35.38 ID:tNTMZRyj0 [21/77]
テクテクテク
男1「何か中は普通のビルだね」
男2「古代文明の英知とか無いのかな」
男3「何か見覚えあるような」
男1「それは自分も思ってた」
男2「何だろうこの気持ち」
男3「きっと恋だよ!」
男1「それは無い」
男2「うん」
男3「ですよね」
男「………」
97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 02:56:44.83 ID:tNTMZRyj0 [22/77]
男「とりあえず静かに歩こうよ」
男1「それはまたどうして」
男「ここにはあいつらがいるから」
男2「あいつら?」
男「あいつらだよ…」
失敗人「………」
失敗人「………」
失敗人「………」
男3「あ、失敗人だ」
男「かみつかると厄介だから、かわいそうだけど撃退を…」
男1・2・3「わ!」
失敗人達「!!」
99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 03:05:37.33 ID:tNTMZRyj0 [23/77]
ダダダダダ!
男「………」
失敗人「!!」ガクガクブルブル
男「え?」
男1「ははは、馬鹿め!」
男2「成長した我々に敵は無し!」
男3「見ろ!この筋肉! カッチカチやぞ!」
男「何で?」
男1「あれ?もしかして男 失敗人に襲われてるの!?」
男2「あいつらだよ…だって!」
男3「襲撃されるの!? 襲撃されるのは初期段階までだよねー!キャハハ!」
男「そうなんだ…」
101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/30(水) 03:12:29.65 ID:tNTMZRyj0 [24/77]
男1「またスルーする…」
男2「まぁ、そういうキャラだしね」
男3「では先に進みましょうか」
男1「お宝発掘探検隊!」
男1「ファイヤー!」
男2・3「ファイヤー!」
男「………」
男「進もう…」
103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 03:24:00.16 ID:tNTMZRyj0 [25/77]
ガサゴソ ガサゴソ
男1「なんか…」
男2「本当に紙しか無いな…」
男3「がっかり…」
男「だから言ったじゃないか 食料は無いって」
男1「骨折り損か…」
男2「がっかりダンジョンか」
男3「だがちょっと待って欲しい」
男1「なんだね 君は」
男2「なんちゃって!とか言うなよ」
男3「いやいや、真面目な話」
男「……何?」
104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 03:29:41.29 ID:tNTMZRyj0 [26/77]
男3「いや、これだけ大きなビルなんだからさ」
男1「うん」
男「まだ上の階とかあるんじゃないの?」
男「………」
男1「………」
男2「………」
男・男1・男2「あ」
男3「でしょ?」
107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/30(水) 03:35:42.09 ID:tNTMZRyj0 [27/77]
少し休憩
109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 03:55:00.09 ID:tNTMZRyj0 [28/77]
男1「その考えは無かったわ…」
男2「まさかお前に発見されるなんて…くやしい!びくびく」
男「上の階か…本当に失念してたな」
男3「でしょ? でしょ?」
男3「冒険でしょでしょ?」
男1「うざい」
男2「らしいと言ったららしいか」
男「上の階の道を探そう」
男1「そうだね」
男2「賛成」
男3「俺達の冒険はまだ始まったばかりだ!」
男2「何か止めて…」
男3「うん」
111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 04:08:54.66 ID:tNTMZRyj0 [29/77]
・
・
男1「さて、無事上の階の階段を見つけたわけだが…」
男2「どうしてこうなった…」
男3「何ですかね、あのブヨブヨは」
男「上の階が肉塊で埋められてる…」ブヨブヨ
男1「所々穴なのか道なのかわからない空洞があるね」
男2「もしかしてこれ失敗人の餌?」
男3「あいつらも僕らと同じで海水飲んでも平気みたいだし、これだけ肉があれば確かに暮らしていけそうだね」
男1「というかこの肉っぽいの食えるの?」
男2「どうなんだろう…」
男3「とても食べたいとは思わない…」
男「とりあえず避けながら進もう」
男1・2・3「おー」
112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 04:18:36.80 ID:tNTMZRyj0 [30/77]
ブヨブヨ ブヨブヨ
男2「気持ち悪い! 気持ち悪い!」グチャグチャ
男1「頑張れ 頑張れ」
男3「何という罰ゲーム」
男「ビリじゃなくて良かった…」
男2「まさかこんな目にあうとは…」
男1「世の中わからないもんですな」
男2「ぐぬぬぬぬぬ」グチャグチャ
男3「おえ~」
男「が、頑張れ~」
男2「ちくしょー!」グチャグチャ
113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 04:30:33.13 ID:tNTMZRyj0 [31/77]
・
・
・
男2「ふぅ ふぅ」
男「ご苦労様です」
男3「無事上の階についたね」
男2「淫乱テディベアの恐怖を味わったぜ…」
男1「でも良くみるとここも机とかしかなさそうだね」
男3「まだ上はありますぜ 旦那」
男・男1・2・3「………」
男2「じゃんけんしよう じゃんけん」
男3「まぁ…仕方ないか」
男1「頑張ってくれたしね」
男「じゃあじゃんけんしよう」
男2「絶対に負けられない戦いがある!」
138 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 15:28:02.55 ID:tNTMZRyj0 [33/77]
男2「ぬおー! ぬおー!」グチャグチャ
男1「何というデジャブ」
男3「絶対に負けた戦いがある!」
男「ご愁傷様です」
男2「ぐぬぬぬぬぬ!」グチャグチャ
男2「最後の言葉はフラグだったのか!」
男2「謀られた!」
男1「誰も謀ってません」
男3「困った時の陰謀論」
男「とにかく進もう」
男2「ああ、その冷静さが憎らしい…」グチャグチャ
140 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 15:36:12.12 ID:tNTMZRyj0 [34/77]
男2「ふぅ ふぅ」
男「ご苦労様です」
男2「淫乱テディベアの恐怖を…」
男3「もうそれは良いから」
男2「むむむ」
男1「次の階について何だけど また机とかしかないね」
男2「なんだ…と」
失敗人「………」
男3「あ、失敗人だ」
男2「がおー!」
失敗人「!!」
141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 15:45:41.40 ID:tNTMZRyj0 [35/77]
ダダダダダダ!
男1「あ、逃げた」
男2「はっはっはー」
男3「何という八つ当たり」
男2「のび太、殴らせろ!を実践しました」
男1「しかしあいつら此処にもいたのか」
男2「前の階にもいたよね」
男3「どうやって移動してるんだろう?」
男「ブヨブヨの間に細かい穴が開いてるからその間からだろうね」
男1「なるほど」
男2「に~くをパクパク、パクパク食べ分けて~」
男3「パク パク パク」
143 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 15:58:40.42 ID:tNTMZRyj0 [36/77]
男1「冗談はさておき、何でこんなに失敗人がいるんだろう」
男2「壊れたビルや浅瀬にしか住んでなかったのにね」
男3「さっさと引っ越ししたのかな」
男「いや、前からいたんだと思う」
男1「前から?」
男「そう、たぶん何かを守らせる為に…」
男2「きな臭くなってまいりました」
男3「ここは古代文明の遺跡だったのか!」
男「古代文明とは違うけど、きっと何か貴重な物があるに違いない!」
男1「ちょっと奥さん、この子の目、見てくださいよ」
男2「ええ、ほれぼれするくらい赤く濁ってますわ!」
男3「全員そうだけどね」
145 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 16:10:31.90 ID:tNTMZRyj0 [37/77]
男1「で、その貴重な物とやらは何処にあるのかね」
男「定番だけどやっぱり最上階かな」
男2「また淫乱に入るのか…」
男1「何だよ 淫乱って」
男3「ある意味間違ってはいない」
男「とにかく先に進んでみよう!」
男1「はりきってるな 男」
男2「だがまずはジャンケンが先だ」
男3「ふふふ、敗者は見えているのではないか?」
男2「あえて何も言うまい」
男1「それじゃあジャンケンしま~す」
男・男1・2・3「ジャンケンポン!」
146 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 16:19:56.64 ID:tNTMZRyj0 [38/77]
男「ぐぬぬぬぬぬ!」グチャグチャ
男1「まさか男が負けるとは」
男2「でも体格差からあまり役にたってないのが悲しすぎる…」グチャグチャ
男3「頑張れ、ビリから二番目」
男2「せっかく勝ったと思ったのに…」グチャグチャ
男1「人生そううまくはいきません」
男2「おのれ~」グチョグチョ
男3「きりきり働け~い!」
男「うぬぬ!うぬぬぬぬ!」グチョグチョ
147 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 16:38:54.89 ID:tNTMZRyj0 [39/77]
・
・
・
男1「ふぅ ついた」
男2「あれから結構上ったけど、ここが最上階みたいだね」
男3「そうみたいだね でっかい扉しかないし」
男「扉か…鍵も無いし厄介だな…」
ドゴォォォン!
男1「よし、開いた」
男2「困った時は力ずく」
男3「脳筋さいこー」
男「………」
男1「何してるの? 行くよ~」
男2「これだから頭でっかちは」
男3「頭かっちかちやぞ!」
男「………」
男「まぁ、良いか」
150 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 16:48:34.48 ID:tNTMZRyj0 [40/77]
テクテクテク
男1「何か殺風景な部屋だね」
男2「ずっと細い道しかないし」
男3「でもぎりぎり通れるから良いじゃい」
男「いや、結構削ってる」
男1「気にしない 気にしない」
男2「そうそう、どうせ誰もいないんだし」
男3「賠償請求は受け付けません」
男「確かにこのさいどうでも良いか」
男1「そうそう」
男2「我らは明日のお宝の為に突き進むのみ」
男3「押して参る!」
151 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 17:02:06.52 ID:tNTMZRyj0 [41/77]
男・男1・2・3「………」
男1「これは何というべきか…」
男2「先の道がガラス片でいっぱいです…」
男3「あっちには下の階の入り口もあります」
男「あらら」
男1「これはもしや最初の海の時みたいな事が…」
男2「ブーメラン・ブーメラン」
男3「押したら引いてたとは…」
男「いや、単純に道が円になってるだけだと思う」
男1「円?」
男2「だとしたらお宝は無し?」
男3「えーん えーん」
154 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 17:11:21.16 ID:tNTMZRyj0 [42/77]
男「いや、きっと隠し扉のような物があるはず」
男1「隠し扉とな?」
男2「もうどうにでもな~れ!」
男3「で、その隠し扉はどこにあるのかね?」
男「それはわからない だから皆で手分けして探そう」
男1「手分けして探す…」
男2「となるとやっぱりあれしかないか」
男3「ああ、まったくですな」
男「あれ?」
男1「やだなぁ、あれですよ あれ」
男2「僕らは脳筋、そういう事だ」
男3「ミュータントパワー!」
155 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 17:22:06.24 ID:tNTMZRyj0 [43/77]
ドゴォォォン! パラパラ…
男「まさか壁を蹴破るなんて…まさに脳筋」
男1「どう、何かあった?」
男2「こういう時定番では沢山の宝箱が」
男3「ふとシルバードラゴン・デスティニーストーンと浮かんだ」
男「えっと……」
男「あ」
男1「何かあったのかね?」
男2「お宝ざくざく?」
男3「もうゴールしても良いよね」
男「あそこに鉄の扉みたいな物がある」
男1・2・3「………」
157 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 17:29:47.95 ID:tNTMZRyj0 [44/77]
男1「ここにきてまた扉か…」
男2「俺達の旅はもう終わって良いはず…」
男3「会えない 会えないシルバードラゴン…」
男「きっとこれが最後だよ! 諦めずに頑張ろう」
男1「そういう事なら良いけど…」
男2「これで扉の中がダンジョンの入り口だったら帰りますからね」
男3「お腹空いたしね」
男「わかったよ」
男「とにかく行ってみよう」
男1・2・3「おー」
159 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 17:39:52.31 ID:tNTMZRyj0 [45/77]
男1「うーん」
男2「かなり頑丈そうな扉だね」
男3「でっかいハンドルも付いてますな」
男「引けそう?」
男1「むむむ…一人じゃ無理そう」ギリギリ
男2「今こそ力を合わせるべきか」
男3「三本の矢改め四本の槍ですな」
男「自分もちゃんと入ってるのか」
男1「当たり前です」
男2「一人だけ楽をしようったってそうはいかないぞ」
男3「僕らはなか~ま~さ~」
160 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 17:47:36.65 ID:tNTMZRyj0 [46/77]
男1「パンダウサギコアラ」キュルキュル
男2「パンダウサギコアラ」キュルキュル
男3「パンダウサギコアラ」キュルキュル
男「よいしょ よいしょ」キュルキュル
男1「パンダウサギコアラ」キュルキュル
男2「パンダウサギ…」ガタン
男3「あ、開いた」
男1「さて、この先は栄光のお宝ロードか」
男2「はたまた地獄のダンジョンめぐりか」
男3「あえて何も言うまい」
男「入ってみよう」
163 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 18:20:41.82 ID:tNTMZRyj0 [48/77]
男1「う~ん」
男2「一応ダンジョンへの道じゃ無かったけど」
男3「何かびっしり黒い箱みたいのがあるね」
男「何だろう…これ?」
男1「皆目検討がつきません」
男2「誰か開けてみようという勇者はいないのかね」
男3「どうせいないし、じゃんけんで決めるしかないんじゃない?」
男1「なるほど」
男2「じゃんけんか…弱いんだよな~」
男3「やってみなければわからない」
男「そうだね」
男1「それではジャンケンします」
男・男1・2・3「ジャンケンポイ」
165 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 18:28:56.06 ID:tNTMZRyj0 [49/77]
男3「………」
男3「まさか自分がジャンケンで負ける事があろうとは…」
男1「頑張れビリッケツ」
男2「ははは!ざまぁないぜ!」
男「頑張ってくれ」
男3「仕方ない開けるか」カチャ
男1「鍵がかかってるから無理とか言うなよ」
男2「駄目ならこじ開けろい!」
男3「…わかっとるがな」
男3「………」
男3「よいしょ、と」バキ!
166 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 18:39:03.82 ID:tNTMZRyj0 [50/77]
プシャーーーー!
男3「うわ!何だ!」
男1「ありゃりゃ、やっぱり罠があったか」
男2「残念、君の冒険はここで終わってしまった!」
男「大丈夫?」
男3「ハムナプトラ展開にならなくて良かった」
男1「どうやら大丈夫なようだ」
男2「あのガスなんだったんだろう」
男「きっと侵入者用の毒ガスか何かだったんだよ」
男1「聞かなければどうという事はないな」
男2「ところで箱の中身はなんじゃろな」
男3「待て待て、自分が見るのが先だ」
男「そうだね」
168 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 18:53:05.80 ID:tNTMZRyj0 [51/77]
男3「うーん」
男2「箱の中身は何だった?」
男1「甘い物だったら良いな」
男「さすがにそれは無いと思う」
男3「うーん 何だろう、これ」ヒョイ
男1「何それ?」
男2「少なくとも食べ物じゃなさそう」
男「何かのカプセルみたいだね」
男1「形状が座薬に似てる」
男2「ここまで来て座薬かよ…」
男3「何というがっかり感…」
男「………」
170 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 19:03:26.84 ID:tNTMZRyj0 [52/77]
男1「どうする、これ?」
男2「こんな物いらないよ」
男3「そうだな」
男「ちょっと待って」
男1「なに?」
男「せっかくだから、それ持って行かないか?」
男2「座薬を?」
男3「痔なの?」
男「いや、痔じゃないけどさ」
男「わざわざ隠し部屋まで作ってこんなに厳重に保管してるんだから」
男「これはきっともの凄く良い物なんじゃないかな、と」
男1・2・3「………」
171 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 19:14:39.56 ID:tNTMZRyj0 [53/77]
男1「確かにそうだ…」
男2「確かにこれだけ苦労したんだからゴミなわけない…」
男3「中にはきっと大量のダイヤが…」
男1「旧人にあげたら美味しい物沢山貰えるかも」
男2「チョコレート 羊羹…」
男3「ジャム チーズケーキ…」
男1・2・3「へへへ」
男「皆食べ物直結なんだね…」
男1「良いだろう、この黒い箱を持っていく事を許可する!」
男2「承認! 承認!」
男3「ゴルディオンハンマー!」
男「それじゃ持ってい」
174 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 19:23:16.69 ID:tNTMZRyj0 [54/77]
男1「どうかしたの?」
男2「こうが足りない」
男「いや、ちょっと前の壁をよく見て欲しいんだけど」
男3「前の壁?」
男1「前の壁、前の壁」
男2「うーん」ジー
男3「よく見ると何か継ぎ目があるような…」
男1「もしかしてまた隠しダンジョン?」
男2「もういいよ…」
男3「でも嫌な予感…」
男「行ってみよう」
男1・2・3「やっぱり…」
175 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 19:32:52.66 ID:tNTMZRyj0 [55/77]
男1「さすがにもういいのではないか」
男2「ダンジョン飽きた 帰りたい」
男3「このトルネコ野郎!」
男「いやいや、これで最後にするから」
男「それにただの模様という可能性もあるし、とりあえず蹴破ってから決めよう」
男1「蹴破るね…」
男2「どうか何もありませんように…」
男3「あえて何も言うまい」
177 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 19:41:57.45 ID:tNTMZRyj0 [56/77]
ドゴォォン! パラパラ…
男1「………」
男2「隠しダンジョン発見」
男3「あえて何も言わなかったのに…」
男「それじゃあ行こう」
男1「蹴破ってから決めるのではなかったのだろうか」
男2「どうせ聞き入れはしないさ」
男3「行っても良いけど新入りが先な」
男「それはもう、良いよ」
男「それでは出発します」
男1・2・3「おー…」
178 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 19:52:29.92 ID:tNTMZRyj0 [57/77]
テクテク ズルズル
男1「また細い道か…」
男2「男以外は這って歩かないとさすがに通れないね」
男3「ノコノコは何処かね?」
男「最終ダンジョンの果ての隠しダンジョン…」
男「きっと先には良い物が!」
男1「元気だな 男」
男「この元気さをいつものテンションに出来たら」
男3「とっても気持ち悪いです」
男「あ、あそこに扉がある」
男「行ってみよう!」
179 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 19:59:43.73 ID:tNTMZRyj0 [58/77]
男「うーん」
男1「どんな感じ?」
男2「一人で蹴破れそう?」
男「いや、ドアノブ式だし鍵はかかってなさそう」
男3「それなら思い切って飛び込めば良いじゃない」
男「………」
男「そうだね…」
男「よし!」
男「とりゃぁ!」ガチャ
男「………」
男「ん?」
男「あれ?」
180 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 20:06:18.74 ID:tNTMZRyj0 [59/77]
男「うわあぁぁぁぁぁぁ!」ヒュー
男1・2・3「………」
バシャン…
男1「このドア先が無いよ」
男2「なんという罠」
男3「新入りは?」
男1「下で泳いでるよ」
男2「なら安心」
男3「帰りましょ 帰りましょ」
男1「ちゃんと黒い箱は持っていこうな」
男2「はいよ」
男3「やっと帰れるのか」
男1「それでは撤収」
男2・3「おー!」
182 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 20:18:51.14 ID:tNTMZRyj0 [60/77]
深夜
男「今日は最後の最後で酷い目にあった…」
男1「海があって良かったね」
男2「うわあぁぁぁぁ!とか」
男3「なんという断末魔」
男「むむむ」
男1「まぁ、ご飯でも食べて落ち着きなさい」
男2「今日はミュータントピラニアの串焼きだよ」
男3「あの海域ピラニアの宝庫だったな」
男1「男を連れて明日も行くかい?」
男2「その前にあの黒い箱の売り込みに行かなきゃね」
男3「そうだな」
192 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 21:29:25.21 ID:tNTMZRyj0 [62/77]
翌朝
男1「パンダウサギコアラ」男2「パンダウサギコアラ」男3「パンダウサギコアラ」男「よいしょ よいしょ」ギコ ギコ
男1「パンダウサギコアラ」
男2「パンダウサギコアラ」
男3「パンダウサギコアラ」
男1「おい、誰かオチ言えよ」
男2「オチだれ~」
男3「私でした」
男1「じゃあまた最初からな」
男「よいしょ よいしょ」ギコ ギコ
193 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 21:39:29.51 ID:tNTMZRyj0 [63/77]
男1「今日はカラッと晴れて虫も少ないから良い交渉が出来そうだね」
男2「晴れてる時じゃないと撃たれるからね」
男3「旧人まじ怒りやすい」
男「船に乗ってたら襲われないのに…」
男1「船なんて邪道です」
男2「完全体になって五十年、未だに現役です」
男3「まだ若い者には負けん!」
男「あ、そう」
男1「なんて気のない返事」
男2「これがツンデレというやつか」
男3「クーツンじゃね?」
194 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 21:48:20.14 ID:tNTMZRyj0 [64/77]
男「なんだかんだ言ってる間にドームが見えてきたよ」ギコ ギコ
男1「あ、本当だ」
男「えっと…何ドームだっけ?」
男3「確かプロメテドームだった気がする」
男「アマテラスドームでしょ」
男1「そうそう、それそれ」
男2「アマテラスって何かかっこいいな」
男3「俺の屍を越えていけ!」
男2「何それ」
男3「知らない」
男「とにかく接触しよう」
男1・2・3「おー!」
198 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 21:56:38.79 ID:tNTMZRyj0 [65/77]
守衛1「………」
守衛1「ん?」
守衛1「おい」
守衛2「何だ」
守衛3「どうした」
守衛1「あれ見ろよ」
守衛2「あれ?」
守衛3「げ!化け物どもだ!」
守衛2「また来やがったのか…」
守衛1「少し脅かしてやろうぜ」
守衛2「そうだな」
守衛3「どうせ逃げねぇよ」
199 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 22:05:28.80 ID:tNTMZRyj0 [66/77]
ズダダダダダダ!
男1「うわ!何だ!」
男2「どうやら銃撃みたいだ!」
男3「何で撃ってくるの!」
男「おい、やめろ!」
守衛1「うるさい化け物ども!」
守衛2「俺達は暇じゃないんだ! 帰れ帰れ!」
守衛3「帰らないと撃つぞ!」
ズダダダダダダ!
男1「もう撃っとるがな!」
男2「やめてよね! 弾丸取るの面倒なんだから!」
男3「ハハ!ゲイリー!」
男「船に穴が開くだろ!止めろ!」
200 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 22:13:49.34 ID:tNTMZRyj0 [67/77]
守衛1「死ね!死ね!死ね!」ズダダダダダ!
守衛2「おい、弾の無駄だ 止めろ」
守衛3「ち、やっぱり逃げないか 前任の言ってた通りだ」
男「ああ、船に穴が」
男1「貴方にも穴が開いています」
男2「でもしっかり生きています」
男3「俺達マジ頑丈」
男「何で急に銃撃なんて…」
男1「よく見ると人が変わってるね」
男2「また交代したのか」
男3「海洋警備って人気無いみたいだからね」
202 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 22:27:08.33 ID:tNTMZRyj0 [68/77]
守衛1「おい!何してやがる! 早く帰れって言ってるだろうが!」
男1「今度の守衛は何か乱暴だね」
男2「前の守衛の方がまだ良かったね」
男3「確かに これでもかってくらい見下してたけど、少なくとも紳士的だったしね」
守衛2「おい!何だべってやがる! 早く出ていけ!」
男1「出ていってあげても良いけど、僕らが急に来なくなったらまた雇い主に怒られるんじゃないの?」
守衛3「う…」
男3「外の情報手に入らなくて雇い主マジ激怒」
男1「個人的感情で仕事を怠けちゃいけません」
守衛1「………」
守衛2「………」
守衛3「………」
205 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 22:38:55.29 ID:tNTMZRyj0 [69/77]
男「黙っちゃった」
男1「あのマスクマンズは雇い主の言う事には基本的に逆らえないみたいだから、こうやって脅せば交渉してくれるんだよ」
男2「大体初期の子はこの手を使うよね」
男3「いきなり撃たれた事は無いけどね」
男「ふーん」
守衛1「おい」
男1「あ、はいはい」
守衛1「で? 何を持ってきたんだよ」
男2「これだよ これ」
守衛1「早く見せろよ」
男3「だからこれだって」
守衛1「あ?」
209 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 22:48:06.24 ID:tNTMZRyj0 [70/77]
男1「あ?だって」
男2「どういう事?」
男3「もしかして分かってないんじゃない」
守衛1「おい、早く見せろよ! 言葉が理解できないのか!あ!?」
男1「………」
男2「この位置から見せて、見えるの?」
守衛1「あ?」
男3「貴方と私の位置でどのくらい高低差があると思うのかね」
男1「貴方はもの凄く高い高台から私達を見おろしています」
男2「後はわかるな」
守衛1「………」
守衛1「あ?」
211 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 22:54:42.44 ID:tNTMZRyj0 [71/77]
男1・2・3「………」
守衛1「おい、なに黙ってやがる! 交渉する気あるのか!」
男1「とりあえずロープを下ろしてください」
男2「話はそれからだ」
守衛1「ロープ?」
守衛1「ああ、そうか」
守衛1「今下ろしてやる」
男「随分抜けてる守衛だね」
男3「たまにはこんなのもいるよね」
212 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 23:04:24.28 ID:tNTMZRyj0 [72/77]
守衛1「うーん」
守衛2「なんだこりゃ」
守衛3「何かの薬か?」
守衛1「よく分からないな」
守衛2「こういう時どうするんだっけ?」
男1「責任者を呼びなさいよ! 責任者を!」
男2「これだから新人は…」
守衛1「くそ!耳の良い化け物だな! おい!」
守衛2「おい、見せに行こうぜ」
守衛3「そうだな」ガタ
男3「あ!乱暴に扱うなよ! 丁寧に扱いなさい!」
215 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 23:15:17.55 ID:tNTMZRyj0 [73/77]
男1「まったく今度の守衛は特別酷いな」
男「前はそんなに酷くなかったのにどうしてこんな急に質が下がったんだろう」
男2「まぁ、元々は海洋警備は旧人社会の懲罰的な意味があるみたいだしね」
男3「運悪く虫を吸い込んじゃったら失敗人になっちゃうしね」
男1「前のは確か女性問題でへましたエリート層じゃなかったっけ?」
男2「集団○○プしたとかなんとか」
男3「○○プいくない!」
男「あいつらも何か犯罪を犯したのかな」
男1「そうじゃない」
男2「恐ろしい世の中ですな」
男3「○○プは二次元までだよ」
217 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 23:26:46.67 ID:tNTMZRyj0 [74/77]
守衛1「おい、化け物ども」
男1「あ、帰ってきた」
男2「どんな感じだった?」
男3「甘もんおくれ~」
守衛1「ボスがおまえらに会いたいそうだ」
男1「会いたい?」
男2「それは珍しい 確か初代以来ずっと会ってないよね」
男3「それでいつ来るの?」
守衛1「あ?」
男「ん?」
守衛1「おまえらが会いに来いよ」
男1「え?」
219 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 23:35:19.39 ID:tNTMZRyj0 [75/77]
男1「そっちから会いに来るんじゃないの?」
守衛1「あ? おまえらが会いに行けよ」
男2「どうやって? ハシゴも無いのに」
男3「もっとちゃんと考えて話しましょう」
守衛1「あ?」
守衛1「ああ」
守衛1「今ハシゴを降ろしてやる」シュルシュル
男1「あれ? 本当に会いにいくの」
男2「どういう事?」
男3「待て! これは孔明の罠だ!」
男「危険視されてるんじゃなかったっけ?」
221 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 23:43:51.25 ID:tNTMZRyj0 [76/77]
男・男1・2・3「………」
守衛1「おい、どうしたんだよ お前らが来ないと俺が怒られるだろ」
男1「本当にここの所長さんは自分達に来て欲しいって言ったの?」
守衛1「ああ、言ったよ」
男2「言ったのか…」
男3「でもこの縄梯子で全員渡れる?」
男1「とりあえず登ってみよう」
男2「駄目だったら海に落ちるだけだし」
男「そうだね」
223 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 23:54:17.63 ID:tNTMZRyj0 [77/77]
男1「じゃあまずは私が登ります」ギュ
男2「それでは次は私が」ギュ
男3「それじゃあ次は」
守衛1「おい!何やってんだよ!」
男1「何と言われても」
男2「見ればわかるというか」
男3「梯子を登ろうとしてるんだけど」
守衛「お前等はいらないって言っただろ! そこの一番チビの奴だけだろ!」
守衛1「化け物は言葉が理解できねぇのか! あぁ!?」
男1・2・3「………」
224 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 00:03:46.26 ID:3HwzCiiC0 [1/57]
男1「さてこの人物は我々にそのような言葉を発しただろうか」
男2「記憶にございません」
男3「このさい紳士に無視しよう」
男1「それじゃあ男、行ってらっしゃい」
男「なんで自分だけなんだろう」
男2「一番弱そうだからじゃない」
男3「または一番賢そうだったか」
男「意味がわからない…」
男1「わからなくてもあの守衛に聞いちゃ駄目だよ」
男2「たぶんさらにわからなくなる」
男3「細かい事は考えずに行ってらっしゃいな」
男「………」
男「わかった」
226 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 00:13:18.86 ID:3HwzCiiC0 [2/57]
ギュ ギュ ギュ
男「よいしょ、と」トン
男「ついた」
守衛1「………」カチャ
男「何で銃を向けるの?」
守衛1「うるせぇ化け物! さっさと前に進め!」
男「………」
男1「平常心! 平常心!」
男2「明鏡止水の心を持って!」
男3「今必殺のサン・アタッーク!」
男2「何か違う気がする」
男3「確かにそうかも」
男「………」
男「進もう」
228 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 00:25:51.53 ID:3HwzCiiC0 [3/57]
テクテクテク
男「………」
守衛1「………」
男(何か細い道ばっかりだ)
男(居住関係とはまったくつながってないみたいだな)
男(ちょっと残念)
守衛1「おい、そこのエレベータを押せ」
男「………」
男「よいしょ よいしょ」グイグイ
守衛1「何エレベーターを押してんだよ! エレベーターのボタンを押せよ!」
男「………」
男「上? 下?」
守衛1「上だよ! 上!」
男「ああ、そう」
男「これで良いのね」カチ
230 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 00:36:32.44 ID:3HwzCiiC0 [4/57]
ウィーーン……チーン
男「エレベーターついたよ」
守衛1「それじゃ乗れよ」
男「貴方は乗らないの?」
守衛1「俺は乗らねぇよ」
男「何階のボタンを押せば良いの?」
守衛1「最上階に決まってるだろ!」
男「一番上のボタンを押せば良いの」
守衛1「そうだよ」
男「それではさようなら」ウィーン
守衛1「………」
守衛1「は! いちいち聞かなきゃわからないのかよ!」
守衛1「やっぱり化け物は馬鹿だな!」
231 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 00:44:54.32 ID:3HwzCiiC0 [5/57]
ウィーーン
男「………」
チーン
男「ついたのか」
男「さて、何処に行けば良いんだろう」
男「肝心な場所を聞くのを忘れたな」
男「まぁ、とりあえず適当に歩いてみるか」
男「案内もつけず、好き勝手に移動させるのが悪い」
男「レッツゴー」テクテク
234 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 00:54:32.59 ID:3HwzCiiC0 [6/57]
テクテクテク
男「………」
男「最上階の所長がいる階層なのに」
男「ずいぶん機械的な所だな」
男「………」
男「どこかに入れる所はないかな」キュロキョロ
男「………」
男「あ」
男「あそこに部屋らしき所があるな」
男「鍵がかかって…」カチャカチャ
男「無い!」バキ!
男「よし」
男「おじゃましまーす」ガラガラ
237 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 01:06:05.06 ID:3HwzCiiC0 [7/57]
男「………」
男「これは…」
男「失敗人の標本?」
男「………」テクテク
男「色々な種類があるな」
男「顔だけ違ったり、足だけ旧人だったり」
?「これは寄生者のワクチン投与の実験の結果だよ」
男「実験?」
?「そう、私達をこの狭いドームに押し込めた虫達との戦いの記録さ」
男「戦いの記録…か」
?「いまだに勝った例は無いんだけどね」
男「そうですか」
239 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 01:16:12.42 ID:3HwzCiiC0 [8/57]
男「とりあえず勝手に入った事は謝ります 鍵がかかってなかったものですから」
?「そうか 確かに鍵は壊れていたね」
男「はい」
?「しかし残念だ こっそり入って驚かせようと思ったんだけどね」
男「足音がしましたから」
?「そうか」
男「ところで失礼ですが、貴方は誰ですか?」
所長「私かい? 私はこの研究区画の所長だよ」
男「そうですか 初めまして」
所長「まぁ挨拶がすんだ事だし、落ち着いた所でゆっくり話さないかい?」
男「そうですね」
242 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 01:25:34.28 ID:3HwzCiiC0 [9/57]
男「………」
所長「ふぅ、やっぱり自分の部屋は落ち着くな」
男「そうですか」
所長「さて、何から話すべきかな」
男「自分をここに呼んだ理由だけで良いです」
所長「まぁそういわずに色々聞いていきなさい」
男「はぁ」
所長「さて、君はこの世界がこうなってしまった顛末を知っているかね」
男「いえ、詳しくは知りません」
所長「そうか なら私が話してあげよう」
男「はぁ」
246 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 01:39:11.70 ID:3HwzCiiC0 [10/57]
所長「今では信じられないかもしれないけど昔はこの世界は大地と緑で溢れ、我々人も大層栄えていたそうだ」
男「そのようですね」
所長「だがそんな栄えた世界にも悩みがあったようでね」
男「悩み?」
所長「水不足だよ」
男「水不足?」
所長「そう、増えすぎた人を養うには大量の作物とそれを育てる水が必要だったんだよ」
男「そうですか」
所長「今考えると馬鹿みたいだろう」
所長「今の世界は水だらけなのにね」
男「はぁ」
247 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 01:48:58.20 ID:3HwzCiiC0 [11/57]
男「でも海水で作物は育ちませんよ」
所長「細かい事は良いんだよ」
男「はぁ」
所長「そして昔の人達は水を得るために様々な努力をしたんだ」
所長「地下から水を引いたり、海水を真水に換えたり」
男「大変ですね」
所長「そしてその果てにあの虫を作りだした」
男「虫?」
男「今この世界を覆っているあの虫だよ」
男「………」
249 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 02:04:30.83 ID:3HwzCiiC0 [12/57]
男「虫と今の状態が何か関係があるんですか?」
所長「関係というか原因そのものだよ」
男「どういう事ですか?」
所長「昔とある会社が土を水にかえる画期的な虫を生み出したんだ」
所長「その虫は繁殖力も高く、あっという間に大地を豊富な水源にかえるため 世界から大変珍重された」
所長「人々はこぞって土地を買いあさりその虫を使って大地を水にかえていった」
男「………」
所長「しかし困った事にその虫は管理のずさんさから大量に流失し、どんどん野生化していったんだ」
男「………」
所長「もちろんそうなると野生化した地域では土地が段々と無くなっていった」
252 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 02:20:01.11 ID:3HwzCiiC0 [13/57]
男「世界は何もしなかったんですか?」
所長「もちろん様々な手段を試したさ」
所長「火を使って焼いてみたり、殺虫剤をばらまいたりね」
男「それでどうなったんですか?」
所長「どうにもならないよ 財力がある国家は処置できたみたいだけど、虫が持ち込まれたのは大半は土地を売った弱い小国だったからね」
男「そんな…」
所長「そしてそんな小国から一つまた一つと国が消えていったんだ」
男「………」
所長「だけど土地が消えてもその土地にいた人間は難民となり、船を作って隣国などに住み着いた」
所長「少しなら良かったんだけど 国が消えるたびにそんな人達が増えていって…最後には戦争になった」
男「戦争?」
所長「世界を巻き込んだ大変大きな戦争だったらしい」
253 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 02:33:47.00 ID:3HwzCiiC0 [14/57]
所長「そして国家は戦っていくうち、虫を兵器にする事を考えだしたんだ」
男「兵器に?」
所長「そう、人間を殺す毒のような物を出して相手を効率よく殺せないかとね」
男「………」
所長「それで出来上がったのがあの虫達さ」
所長「人に寄生虫を産み込み恐ろしい怪物にし、さらには土地を奪っていく」
所長「そしてそれは想像以上の能力で世界を飲み込んでいき」
男「………」
所長「今の世界が出来上がったわけだな」
男「………」
所長「まぁ、こんなところだ」
男「そうですか…」
255 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 02:44:45.24 ID:3HwzCiiC0 [15/57]
男「………」
男「少し聞きたい事があるんですが…」
所長「何かね?どんどん聞きなさい」
男「そんなに恐ろしい物を作ったんなら」
男「なんでワクチンのような物を作らなかったんですか?」
所長「いや、作ってはいたようだ」
男「では何でこんな事に?」
所長「簡単な事だよ」
所長「作られたワクチンが偽物だったんだよ」
男「偽物?」
所長「そう、偽物」
257 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 02:59:36.79 ID:3HwzCiiC0 [16/57]
所長「そのワクチンが出来上がった後 強化した虫を使う前に国家は全国民にそのワクチンを打った」
所長「打った後一年くらいは大丈夫だったんだがその後は段々効果が薄れていき」
男「………」
所長「最後には抵抗を持つ者はいなくなり大半が寄生者に変わっていった」
所長「そして国家は緊急用に製造したこのドームに選ばれた人類を乗せ、長い閉鎖生活を送るようになったというわけだ」
男「………」
男「でもそれじゃあワクチンを偽物だという訳がわかりません」
男「ただの失敗作だったんじゃないですか?」
所長「まぁそれは一種の伝説みたいなものだ」
男「伝説?」
258 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 03:13:44.30 ID:3HwzCiiC0 [17/57]
所長「話の中で私は 虫はとある会社が作りだしたといったね」
男「はい」
所長「実は強化した虫もその会社が作り出したんだ」
男「え?」
所長「そしてさっき言ったワクチンも作り出したのがその会社」
男「………」
所長「そんな事情があってか、人々の中にちょっとした伝説が生まれたんだ」
男「………」
男「それは?」
所長「この荒廃した世界の中でそのワクチンを作った会社だけが生き残り、未だに完全なワクチンを隠しているんじゃないか」
所長「そしてその会社の人間だけが世界を独占し、我らを僻地に押しやったのではないか…と」
男「………」
261 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 03:30:06.67 ID:3HwzCiiC0 [18/57]
所長「そういう事で君には聞きたい事があるんだけど」
男「………」
男「何でしょう?」
所長「この黒い箱の中に入ったカプセルは」
所長「何処で手に入れたのかね?」
男「それは、ビルの廃墟に」
所長「そのビルは立っていたかね」
男「………」
男「はい、立っていました」
所長「それは本当かね」
男「はい」
262 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 03:34:50.11 ID:3HwzCiiC0 [19/57]
所長「そうか」
所長「それは」
所長「そうか…」
男「あの」
所長「伝説は本当だったのか…」
所長「どうだ…」
所長「うーん」
男「あのー!」
所長「ん?」
所長「ああ、君か」
所長「どうかしたかね?」
264 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 03:43:33.50 ID:3HwzCiiC0 [20/57]
男「あの他に用件は…」
所長「ああ…今の所もう無いよ」
男「それなら帰って良いんですか」
所長「ああ、今の所良いよ」
男「あの」
所長「何かね?」
男「そのカプセルを探してきたお礼が欲しいんですけど」
所長「お礼?良いよ どうせお菓子類でしょ?沢山あげるよ」
男「あともう一つ」
所長「何かね?」
男「何で自分を呼んだんですか あの高台からでも良かったのに」
所長「それは…」
所長「何となく…」
男「……そうですか」
302 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 17:14:23.20 ID:3HwzCiiC0 [22/57]
ウィーン……チーン
男「………」
男「ついた」
守衛1「………」
守衛1「来たか」
男「あれ?いたの」
守衛1「ああ、お前をちゃんと遅れとさ」カチャ
男「………」
男「いちいち銃をむけないと案内出来ないの?」
守衛1「うるせぇ!黙ってついてこい!」
男「………」
男「はいはい」
304 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 17:23:07.44 ID:3HwzCiiC0 [23/57]
・
・
・
男1「トマト」
男2「トマト」
男3「トマト」
男「………」
男「何やってるの?」
男1「おお!やっと来たのか! 待ちくたびれた」
男2「かなり長かったね」
男3「暇を持て余してました」
男「それはそれはとして」
男「なぜトマトの連打を?」
306 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 17:31:30.92 ID:3HwzCiiC0 [24/57]
男1「なにってしりとりですが 何か?」
男2「トマトと連打する事により、延々としりとりが出来ます」
男「人、それを無限ループとも言う」
男「………」
男「ああ、そう」
男1「ところで会談の成果はどうだった?」
男2「食料ザクザク?」
男3「たまには動物肉も良いよね!」
男「まあ、そこそこ成果はあったと思う」
男1・2・3「おー」
307 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 17:39:28.05 ID:3HwzCiiC0 [25/57]
男1「成果ありか、待ったかいがあったな」
男2「トマトのおかげだな」
男3「トマト万能説」
男「いや」
守衛1「おい!」
男「ん?」
守衛1「何ぐだぐだだべってやがる! さっさと海に帰れよ!」
男「………」
男「遺産の報酬をまだ受け取ってないんだけど」
守衛1「あ?」
守衛1「ああ」
309 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 17:48:33.48 ID:3HwzCiiC0 [26/57]
守衛1「それなら後で他のやつが持ってくんだよ! だからさっさと海に帰れよ!」
男「………」
男「それは本当?」
守衛1「ああ!?疑うっていうのか!」
守衛1「撃ち殺すぞ!化け物が!」カチャ
男「………」
男「まぁ、ちゃんと報酬をくれるなら良いけどね」
男「それじゃあ帰るか」
男「よいしょ、と」バシャン!
男1・2・3「おかえり~」
男「うん」
310 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 17:59:59.47 ID:3HwzCiiC0 [27/57]
男1「しかしかなり遅かったけど、いったい何の話をしてたの」
男2「人生相談とか」
男3「神竜撃破の方法とか」
男「いや、大した事じゃないよ」
男1「言いたくない事ですね わかります」
男2「○○で××な事か」
男3「大人になるって悲しい事なの…」
男2「何か止めて」
男3「うん」
男「いや、別に怪しい事じゃないんだけどね」
男1・2・3「そうか、そうか」
男「………」
312 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 18:11:53.77 ID:3HwzCiiC0 [28/57]
男1「相変わらずクールな男ですな」
男2「ただしイケメンに限る」
男3「だが我々はイケメンを通り越し、バケメンに」
守衛1「おい!化け物ども!」
男「ん?」
守衛2「新しい餌を持ってきてやったぞ」
守衛3「箱一杯の菓子と食い物だとよ」ズルズル
男1・2・3「キター!」
男「ちゃんと約束は守るのか」
男「ちょっと見直した」
男1・2・3「早く早く!」
守衛1「うるせぇなぁ わかってるよ」
守衛1「ほれ」ポチャン
315 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 18:22:49.88 ID:3HwzCiiC0 [29/57]
男・男1・2・3「………」
男1「何これ」
守衛1「なにってうまい棒だろうが」
男2「凄く…ぬちゃぬちゃです」
男3「せめてビニールをつけるべきでは」
男「どういう事?」
守衛1「化け物が菓子やハムなんて食べても腹を壊すだけだろ?」
守衛2「だからこの食料は俺達が有効利用してやるよ」
守衛3「お前らはうまい棒でも食ってろ」
318 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 18:32:29.62 ID:3HwzCiiC0 [30/57]
男1「これは酷い」
男2「彼らはジャイアニズムの体現者だったのか」
男2「この怒りはゲームのフリーズ時よりも深い」
男「見直して損した」
守衛1「うるせぇ化け物ども! 早く帰らねぇと撃つぞ!」
守衛2「またよろしくね!」
守衛3「美味しいチョコレートだな」パクパク
男・男1・2・3「………」
男1「この恨みはらさでおくべきか…」
男2「安全地域にいるからとなめおって…」
男「その幻想をぶち壊す!」
320 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 18:43:40.36 ID:3HwzCiiC0 [31/57]
男1「怒りのあまり男3が男になったよ…」
男2「もはや許しておけん…」
男3「殺してでも奪い取る」
男「どうするの?」
男1「あいつらは梯子が無いと我らが上ってこれないと思ってるようだ」
男2「だが別に無くても上れる」
男「上る?どうやって?」
男3「こうやって」ガシ
男1「よいしょ、と」ガシ
男2「こらしょ、と」ガシ
男「………」
男「え?」
322 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 18:51:48.93 ID:3HwzCiiC0 [32/57]
男「もしかして力ずくで上るの!?」
男1「そうですが何か?」
男「いや!銃で蜂の巣にされるから!」
男2「だれがロッククライミングすると言った」
男3「ここはこうするのさ!」
男「こう?」
男1・2・3「こう!」
ピョーン!
男「………」
男「なるほど腕の力だけでジャンプしたのか」
男「………」
男「まぁ、良いや」
324 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 19:01:58.29 ID:3HwzCiiC0 [33/57]
守衛1「この菓子美味しいな」パクパク
守衛2「こういう菓子類はなかなか配給されないしな」パクパク
守衛3「妹にも持っていってやるか」パクパク
ヒューー
守衛1「何だ?」
男1「1!」
男2「2!」
男3「さ、うわあああああ!」バシャン
守衛1・2・3「………」
男1・2「………」
男1・2「お菓子返せ」
守衛1・2・3「………」
326 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 19:13:34.14 ID:3HwzCiiC0 [34/57]
男1・2「………」
男1「どうする?あんまり怖がってないよ」
男2「最後の締めが悪かったか…」
守衛1・2・3「………」
守衛1・2・3「うわ」
守衛1・2・3「うわああああああ!」ダッ!
男1「あ、逃げた」
男2「ふふふ我らに恐れをなしたか」
守衛1・2・3「うわあああああ!」ダッ!
男1「あれ?でもあいつら海に」
男2「ん?」
バシャン!
男1・2「あらら」
327 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 19:22:06.33 ID:3HwzCiiC0 [35/57]
守衛1・2・3「うわ!ぐが!」バシャバシャ
男「………」
男3「晴れ時々旧人か」
男1「おーい さすがに死なれたやっかいだから拾ってあげて」
男2「言っておくけどそいつら勝手に落ちたのよ」
男3「はいはい、と」
男「まったく」
守衛1「うわ!さわんな化け物!」
守衛2「気持ち悪い!」
守衛3「うわ!うわぁぁぁ!」バシャバシャ
334 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 19:47:21.00 ID:3HwzCiiC0 [37/57]
男3「さて、こいつも回収して、と」
守衛3「くそ!放せ!放せ!」ズダダダダ!
男3「イタタタタタ!」
男3「何するんだよ!」ポイ
守衛3「ぐえ!」バシャン!
男3「おーびっくりした」
男「撃たれてびっくりしたですむんだ」
男3「それがミュータントクオリティ」
男「ははは」
守衛3「ぐぼ!ぐが」バシャバシャ
337 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 19:56:38.05 ID:3HwzCiiC0 [38/57]
男1「置いてあった梯子下ろすよ~」シュルシュル
男3「はいはい、と」
男3「ほら、上れよ」ヒョイ
守衛1「くそ!」ギュ
守衛2「ついてねぇな…」ギュ
男3「礼も言えないとは、ほんとしつけがなってないな」
男「後はあいつを回収するだけか」
男3「まったくどうしてこんな事に」
守衛3「うわ!うわあああああ!」ズダダダダ!
男3「こら!暴れるな!」
守衛3「ああああああああああ!」ズダダ!ズダダ!
339 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 20:03:52.97 ID:3HwzCiiC0 [39/57]
男「何か様子おかしくない?」
男3「何だ?」
守衛3「ぐあああああ!いだ!あああああ!」
男2「志村!後ろ、じゃなくて中、中!」
男3「中?」
男1「めっちゃ食われてるから! めっちゃ食われてるから」
男3「え?」
守衛3「が…あがが…」
男「とにかく引き上げて!」
男3「う、うん!」バシャ
男3「………」
男3「うわ」
340 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 20:11:03.35 ID:3HwzCiiC0 [40/57]
守衛1・2「………」
守衛1「おい、ふざけんなよ…」
守衛2「………」
男・男1・2・3「………」
男1「なんでもな~い なんでもな~い」
男2「君の笑顔が~」
男3「あっとゆま~に あっとゆま~にそらよみ~がえ~る」
守衛1「ふざけるなよ!この野郎!」ズダダダダダ!
守衛2「うわあああああ!」ズダダダダダ
男3「うわわわわわ!」
341 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 20:18:56.45 ID:3HwzCiiC0 [41/57]
男1「に、荷物を回収して撤退!」
男2「あいあいさー!」
守衛1「うわあああああああ!」ズダダダダダ!
守衛2「死ね!死ね!」ズダダダダダ!
男3「先に逃げてます~!」
男「うわわ!船に穴が」ブクブク
男1「荷物は回収した!?」
男2「うん!」
男1「それじゃあ撤収!」バシャン!
男2「おー!」バシャン!
守衛1「この野郎!この野郎!」ズダダダダダ!
守衛2「人殺しの化け物が!」ズダダダダダ!
348 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 20:31:08.92 ID:3HwzCiiC0 [42/57]
守衛1「くそ!くそ!」ガタン
守衛2「化け物が!」ガタン
守衛1「うわあああああ!」ズダダダダダ!
守衛2「うわああ!……あ?」
守衛1「どうした!?」カチャ
守衛2「何だか体が…」
守衛1「俺も何だか…あ…ぐあ…」
守衛2「痛い!体が痛い!」
守衛1「あ…ああ…ぐあ…」
守衛1・2「ああああああああ!」グジュグジュ
守衛1・2「………」
守衛1・2「………」ムクリ
350 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 20:40:24.59 ID:3HwzCiiC0 [43/57]
・
・
・
男1「パンダウサギコアラ」
男2「パンダウサギコアラ」
男3「パンダウサギコアラ」
男「………」
男「ちょっと」
男1「なんだい、男くん改め」
男2「てん・ぷくおくん」
男3「言いたい事はわかる、だが言うな」
男「あいつらだいぶ怒ってたね」
男1「でも聞いちゃうのが男クオリティ」
男2「さすがてん・ぷくお」
男3「このファミコン探偵が!」
352 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 20:53:53.66 ID:3HwzCiiC0 [44/57]
男「今後旧人との交渉どうなるんだろう…」
男1「何という重い話題」
男2「とにかくあれが不幸な事故だったって説明するしかないよ」
男3「まさが旧人があんなに脆いなんて思わなかったわ」
男1「あんな雑魚に食われるんならイカやタコに襲われたらどうなるんだろうな」
男2「そりゃ食われるだろう」
男3「俺様お前まるかじり」
男「………」
男「そうか…」
男1「そうそう」
男2「とにかく忘れよう あいつら少し自業自得な所もあったし」
男3「さすがにあいつらは酷すぎた」
353 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 21:03:45.93 ID:3HwzCiiC0 [45/57]
男「そうかもしれないな」
男1「そうそう」
男2「まぁ、家に帰ったら念仏でも唱えよう ちゃんと成仏できるように」
男3「もっこく どこくすい こっか こっきん こくもく てん!」
男2「ふと教育テレビと浮かんだ」
男1「そもそもそれは念仏じゃない」
男3「昔の天テレは良かった…」
男「………」
男「昔か…」
男「自分の昔はどんなだったんだろうな」
365 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 22:07:21.51 ID:3HwzCiiC0 [47/57]
・
・
・
所長「サンプルの様子はどうだね」
所員「さっきまでだいぶ暴れていましたが、鎮静剤の効果もあってか今は安定しています」
所長「そうか、上の連中も最近はサンプル作成を渋るようになってきたから」
所長「こうして天然のサンプルが手にはいるのは不謹慎だが喜ばしい事だ」
所員「しかし恐ろしいですね 熱処理されていない水を少し飲んだだけで感染するなんて」
所長「ここ以外の水源は完全に汚染されているからね、一口飲んだだけでもうアウトさ」
所員「しかしあの耐性者がもってきたカプセル、本当に信じて良いんでしょうか?」
所長「なに、ちょっとした神頼みさ」
所長「違ったらまたふりだしに戻る」
所長「ただそれだけさ」
367 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 22:16:51.47 ID:3HwzCiiC0 [48/57]
守衛1「………」
守衛2「………」
所長「君も私も、不幸な時代に生まれたものだ」
所長「このような隔離した世界で生まれ、そして死んでいく」
所長「先祖はあんなに繁栄を謳歌していたのにね」チャキ
所長「だがそれも終わりになるかもしれない」プス
所長「君達の犠牲に感謝する」スー
守衛1・2「………」
所長「………」
所員「所長」
所員「ああ、後は様子をみるだけだ」
372 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 22:31:26.15 ID:3HwzCiiC0 [49/57]
数カ月後
所長「………」
所員「………」
守衛1「おい、いい加減だしてよ」
守衛2「ここ何処ですか」
所員「これは…成功したんでしょうか」
所長「外見が耐性者の初期に似ているな これは興味深い」
所員「それではあのワクチンは本当に伝説のワクチンだったんでしょうか?」
所長「いや、偽物の件もある、まだ判断できない」
所長「だが…」
所長「これがもし本物なら我々は再びこの世界を征すことが出来る」
所長「なんとも夢が広がるじゃないか! 神は我々をまだ見捨ててはいなかったのだ!」
所長「やった!やったぞ!」
所長「ははははははははは!」
374 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 22:41:37.91 ID:3HwzCiiC0 [50/57]
・
・
・
男1「………」
男2「………」
男3「お腹空いた~」
男「………」
男1「我慢しろよ まだ出てったら危ないだろ」
男2「昔は良かったな~ 好きな時に海に出て好きなだけ食べてさ」
男3「それがどうしてこうなった…」
男「………」
男「自分のせいだ…自分があんな物持っていかなければ…」
男「まさか旧人があんなに活気を取り戻すなんて…」
男1・2・3「………」
377 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 22:49:30.93 ID:3HwzCiiC0 [51/57]
人間「はははは!それ!追い込め!」ヴィーン!
人間「このゾンビ野郎が!」ズダダダダダ!
失敗人「!!」グチャグチャ
失敗人「!!」グチャグチャ
人間「先祖の仇だ!死ね死ね!」
男1「………」
男2「この辺はあんまりいなかったのに…」
男3「また勢力範囲を拡大なされたようで…」
男「………」
男1「移動しましょ」
男2「そうしましょ」
男3「また飯抜きか…」
380 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 22:55:26.67 ID:3HwzCiiC0 [52/57]
人間「おい!あそこのいるの賞金首じゃないか!?」
人間「本当だ!捕まえろ!」
男1「うわ!見つかった!」
男2「逃げろ逃げろ~!」
男3「うわ~ん!」
男「くっ!」
人間「逃がすな!大金の塊だぞ!」
人間「網を持ってこい!」
383 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 23:04:58.92 ID:3HwzCiiC0 [53/57]
・
・
・
男1「ただいま~と」
男2「といってもただの流木ですが…」
男3「前のお家が懐かしいお」
男「………」
男1「気分は没落貴族!」
男2「前向きに前向きに」
男3「思考回路は絶望寸前、今すぐ~泣きたいの~」
男「ごめん…」
男1「あんまり男の心にダメージを与えるなよ」
男2「ギザギザハートの子守歌を歌うんだ!」
男3「その前に私の心がギザギザです」
387 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 23:17:10.86 ID:3HwzCiiC0 [54/57]
男「………」
男1「返事が無い、ただの屍のようだ」
男2「ここ数年で本当にガラスハートになっちゃったな」
男3「ほんの冗談なのに」
男「………」
男1「しかし、まさか旧人が耐性つけてこんなに繁殖するとは思わなかったな」
男2「繁殖といってもドームの中からただ出てきただけでは?」
男3「昔はあんなにちやほやしてたのに 耐性出来たとたん賞金首と呼ばれるなんてなぁ」
男1「言うほどちやほやしてたか?」
男2「初期の初期でしょ ちやほやしたのは」
男3「確かに後期は酷かった まるでコードギアスのようだ」
男2「なぜかカレン最高!と思った」
男1「CCも捨てがたい」
389 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 23:27:43.94 ID:3HwzCiiC0 [55/57]
男「ねぇ」
男1「何かね? 男よ」
男2「まさか…そんな事が!」
男3「サラマンダーよりはやーい!」
男「自分達って何で生まれたのかな…」
男1「ん?」
男「人間にも戻れず失敗人みたいに理性を忘れる事もなく…」
男1「うーん 何というか…」
男2「この症状は見覚えあるような…」
男3「中2病だ!中2病を発生なされた!」
男「いや、真面目な話」
男1・2・3「………」
391 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 23:37:04.98 ID:3HwzCiiC0 [56/57]
男1「簡潔に言えば私達は私達です」
男2「旧人の初期の人の話だと新たな新種だそうだよ」
男3「虫に耐性あってラッキー!て思わなきゃ」
男「………」
男1「そんなに落ち込みなさるな なんとかなるさ」
男2「きっとまだ旧人のいない所もあるよ」
男3「あるの?」
男1・2「あるの!」
男3「なんだってー!」
男「………」
394 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 23:48:05.56 ID:3HwzCiiC0 [57/57]
男1「あらら、まだ回復しないや」
男2「正直な話これからどうする?」
男3「最後の聖域だと思ってたあのビルは旧人に封鎖されちゃったしね」
男1「あそこは良かった… ピラニア一杯いたし、屋根のある所で眠れたし」
男2「屋根か…屋根欲しいな ちゃんと寝たい」
男3「昔はイカ焼き食べてゴロ寝しながら 虫昼観賞できたのに」
男「………」
男「ん?」
男1・2・3「ん?」
396 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 00:00:54.63 ID:naNL8o9m0 [1/54]
男1「どうかしたかね? 男よ」
男2「もしかして○ん○?」
男3「便秘には幸楽!」
男「そういえばあの虫達は何処から来るんだろう?」
男1「ん?確かに何処だろう?」
男2「あの世からとか」
男3「さぁ、お逝きなさい」
男2「何だろう…それは」
男1「く~る きっとくる~」
男2「違うと思う」
男3「それより幸楽の長男の名前なんだっけ いなりだっけ?」
400 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 00:11:02.82 ID:naNL8o9m0 [2/54]
男「いや、真面目な話」
男1「うーん 真面目な話と言われても…」
男2「気にとめた事はないな」
男3「それよりいなりだよ いなりかずきで良いんだっけ?」
男「もしかしたら虫を追っていけば何らかの楽園が見えてくるかも」
男1「楽園?」
男2「リンゴが一杯あるのかい」
男3「リンゴ食べたい!甘い物プリーズ!」
男「なんとなく…」
男「そんな気がする」
男1・2・3「うーむ」
402 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 00:24:11.95 ID:naNL8o9m0 [3/54]
男1「どうせこの先行く当ては無いし、浪漫飛行に乗るのも良いかもね」
男2「あの地平線輝くのはどこかに君を隠しているから作戦だな」
男3「沢山の火が懐かしいのはそのどれか一つに君がいるから作戦も捨てがたい」
男「いや、ここはシンプルに新天地作戦と行こう」
男1「男元気になったな」
男2「彼は根っからの冒険者気質のようだ」
男3「さすがトルネコさん!」
男「よし、それじゃあ明日に備えて早く寝よう!」
男1・2・3「おー!」
404 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 00:35:32.63 ID:naNL8o9m0 [4/54]
男3「それじゃあ寝る前にエロゲー様に就寝の挨拶を」
男「それいつまで持ってるの?」
男1「何をおっしゃるウサギさん!」
男2「これを捨てるなんてとんでもない!」
男3「祟りじゃ!エロゲー様の祟りが怒るぞ!」
男「まぁ、良いんだけどね」
男1「仕舞妻様さようなら」
男2「バイブルブラック様さようなら」
男3「下級生2様 さようなら」
男1・2・3「それではおやすみなさい」
男「………」
男「まぁ、良いか」
406 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 00:48:11.36 ID:naNL8o9m0 [5/54]
・
・
・
ガボガボガボ プシャァ!
所長「………」
所長「ふぅ」
所長「やっとついたな」
所員「そうですね やはり潜水艦を借りてきたのは正解でしたね」
所長「ヘリは虫に妨害され、海中はピラニアの餌食、本当にやっかいな所だよ」
所員「あの謎の妨害波が無ければもっと楽に進めたのですが」
所長「まぁ、今更何をいっても遅い」
所長「とにかく兵隊さん、護衛は任せましたぞ」
兵士「お任せください」
所長「うむ」
412 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 01:22:43.52 ID:naNL8o9m0 [7/54]
テクテクテク
所長「やはり初階はかなり荒れているな」
兵士「突入する際魚雷を一発撃ちましたからこうなるでしょう まぁ火薬の量は調整しましたが」
所長「そうか、まぁまだ上の階があるさ 気長に進もう」
所員「そうですね」
所長「それじゃ」
失敗人「………」
失敗人「………」
失敗人「………」
所長「どうやらお出迎えのようだな」
兵士「お任せください」カチャ
所長「うむ」
415 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 01:38:35.13 ID:naNL8o9m0 [8/54]
ズダダダダダ……
・
・
・
所長「さて、もう最上階か」
兵士「そのようですね 誰かが道を作ってくれたのか だいぶ楽に進めました」
所員「階段の周りにあった肉塊はなんだったんでしょうか」
所長「あれはどうやらタンパク質の塊のようだ」
所長「きっと侵入者対策とあの感染者の餌も兼ねていたのだろう」
所員「とうせんぼと番犬ですか」
所長「あの塊には大量のミミズ虫も住み着いていた 耐性のない者は触れただけで感染者になっただろうな」
所員「………」
所長「まぁどっちにしろ今の私達には関係ないがな」
所員「はい」
所長「進もう」
417 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 01:46:02.96 ID:naNL8o9m0 [9/54]
所員「壁に穴が開いていますね」
兵士「鍵でもかかっていたんでしょうか」
所長「いや、ドアらしき物がない きっと隠し部屋か何かだったんだろう」
所員「隠し部屋ですか」
所長「どうやって見つけたのか興味深いな」
所員「はぁ」
兵士「中に大きな金庫があるようです」
所長「きっっあのワクチンがあった所だな」
所長「行ってみよう」
兵士「はい」
420 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 01:56:34.93 ID:naNL8o9m0 [10/54]
所長「………」
所長「ふむ」
所員「大きな金庫ですね」
兵士「電力も通っておらず、ダイヤルらしき物も無いようですね」
所長「だが大きなハンドルがある」
所員「手動…ですか」
所長「まるで彼らの為に用意されていたかのような仕掛けばかりだな」
所員「彼ら…ですか」
所長「一緒に連れて来れなくて残念だよ かなり懸賞金を出したんだがな」
所員「しかし今の彼らにそれほどの価値があるでしょうか? こうしてビルも見つけられましたし」
所長「まぁ、楽を出来るならするに限るしな」
所員「はぁ」
421 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 02:07:03.26 ID:naNL8o9m0 [11/54]
ガサゴソ ガサゴソ
所長「ふむ、どうやらあのカプセルが入った箱しかないようだな」
兵士「そのようですね」
所員「しかし中身が違う可能性もあります」
所長「そうだね 兵隊さん頼んだよ」
兵士「わかりました 少し待っていてください」スチャ
兵士「よっ、と」キン キン
所員「ナイフで鍵破りですか、乱暴ですね」
所長「彼らはもっと乱暴にやっただろうさ」
兵士「………」キン キン
兵士「!」バキ
兵士「よし、とれ」
424 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 02:17:57.58 ID:naNL8o9m0 [12/54]
プシャーーーーー!
兵士「うわ!何だ!」
所員「ガスです!早く逃げましょう」
所長「ガスマスクをしてるだろ」
所員「あ」
兵士「まさか罠が仕掛けられていたとは…」
所長「どうやら彼らには効かないガスのようだな」
所長「それともただのはったりだったのかもしれんな」
所員「意地が悪いですな」
所長「どうやら中身も普通のカプセルのようだな」
所員「そのようですね」
425 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 02:25:36.15 ID:naNL8o9m0 [13/54]
所長「さて、次はこの壁の先か」
所員「怪しさ満点ですね」
兵士「先行者も通ったんですから きっと大丈夫ですよね」
所長「大変かもしれないが先を頼むよ」
兵士「わかりました」
兵士「では進みましょう」
429 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 02:36:54.53 ID:naNL8o9m0 [14/54]
テクテクテク
所員「何かいかにもな感じの隠し通路ですね」
所長「かなり道が歪んでるな きっと無理矢理入ったんだろう」
所員「ここにいったい何があったんでしょう」
所長「どちらにしろ 彼らが気に入る物は無かったんだろう」
所員「という事は金銀財宝が」
所長「夢があって良いが…それなら真っ先に交換しに来ただろうな」
所員「そうですか」
兵士「所長」
所長「何だね」
兵士「どうやら道はここまでのようです」
所長「そうか」
430 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 02:44:57.21 ID:naNL8o9m0 [15/54]
所員「どうやら先は古いタイプの扉のようです」
所長「ドアノブか 鍵はかかってるのかね?」
兵士「いえ、大丈夫のようです」カチャ
所長「そうか、それは良かった」
兵士「では先行します」
所長「頼むよ」
兵士「………」カチャ
兵士「!」バッ!
兵士「………」
兵士「………」
兵士「あれ?」
431 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 02:54:14.84 ID:naNL8o9m0 [16/54]
兵士「うわあああああああ!」
バシャン!
所員「ああ!落ちた!」
所長「なんと!」
兵士「うわ!あ!」
所長「大丈夫かね?」
兵士「何とかだいじょ…」
所員「どうかしましたか?」
兵士「うわああああああ!」バシャバシャ!
所員「どうしたんですか!」
兵士「あが!ああああああああ!」バシャバシャ
所長「そういえばここは危険魚の住処だったな…」
所員「それじゃあ…」
434 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 03:06:37.60 ID:naNL8o9m0 [17/54]
兵士「………」バシャバシャ
所員「ああ…どんどん無くなっていく」
所長「かわいそうに…まだ若いのに」
所員「最後の最後でとんでもない罠を用意しましたね」
所長「………」
所員「所長?」
所長「本当なこれだけだったのかね?」
所員「はい?」
所長「いや、ご丁寧に隠し通路を作っておいて罠だけですませるのかと思ってね」
所員「はぁ」
所長「きっとまだ何かあるはずだ 探してみよう」
所員「……わかりました」
435 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 03:15:46.69 ID:naNL8o9m0 [18/54]
キョロキョロ サワサワ
所員「壁には何も変わった所はありませんね」
所長「天井もそうだ」
所員「どうやら何もないみたいですね」
所長「うーん そんなはずはないんだが…」
所員「しかし現に何も存在しません」
所長「待て!まだ扉の外を探してないぞ!扉の外を探してみよう もしかしたスイッチか何かあるはずだ」
所員「スイッチ…ですか?」
所長「そんな目で見るな! これで最後にするから」
所員「扉の外ですか…」
所員「何もあるわけ」チラ
所員「………」
所員「あ」
437 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 03:24:56.85 ID:naNL8o9m0 [19/54]
所長「何かあったのかね?」
所員「はい」
所長「ほう!それは何だね!?」
所員「何か上に梯子のようなものがあります」
所長「梯子?」
所員「はい、どうやら上に続いているようです」
所長「どれどれ」チラ
所長「おお!本当だ!」
所長「しかし私の老体では先に進めそうにないな…」
所員「では私が行ってきましょう」
所長「口惜しいが頼んだよ」
所員「わかりました」
438 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 03:36:06.79 ID:naNL8o9m0 [20/54]
カンカンカン
所員「高い所は得意なつもりだけど」
所員「さすがにこれは高すぎるな」
所員「だが人類の未来の為」
所員「頑張らないとな」
所員「………」
所員「ん?」
所員「あそこに扉がある」
所員「入り口…か」
所員「でもあの兵士の事もあるし、慎重にいかないとな」
所員「………」
所員「よいしょ、と」キィ
441 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 03:43:40.50 ID:naNL8o9m0 [21/54]
所員「………」
所員「罠は無いな」
所員「………」トン
所員「随分殺風景な部屋だ」
所員「まさに隠れ家だな」
所員「………」
所員「さて」
所員「奥に宝箱らしき物が一つだけ」
所員「………」
所員「開けてみるか」
所員「ここまで来たんだから」
所員「よし」
444 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 03:51:37.38 ID:naNL8o9m0 [22/54]
ガタ ガタン
所員「開いた…」
所員「さて…」
所員「中身は何かな…と」ガサガサ
所員「………」
所員「北を差していないコンパスと…何かの手紙…か」
所員「………」
所員「読んでみるか…」
所員「どれどれ…」
・
・
・
448 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 04:02:49.33 ID:naNL8o9m0 [23/54]
・
・
・
男1「パンダウサギコアラ」
男2「パンダウサギコアラ」
男3「パンダウサギコアラ」
男「………」
男1「パンダウサギコアラ」
男2「パンダウサギコアラ」
男3「パンダウサギコアラ」
男1「おい、誰かオチ言えよ」
男2「オチだれ~」
男3「私でした」
男1「じゃあまた最初からな」
男「………」
451 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 04:14:33.85 ID:naNL8o9m0 [24/54]
男「ちょっと」
男1「何かな、男よ?」
男「いい加減それ止めたらどうかと」
男2「ま~た伝統音楽を愚弄する~」
男3「この緑豆!」
男「いや、飽きないのかな、と」
男1「これは私達に受け継がれた伝統音楽です」
男2「それを捨てるなんてとんでもない!」
男3「パンダウサギコアラ!」
男「………」
男「わかったよ」
男1・2・3「よろしい」
499 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 18:38:53.18 ID:naNL8o9m0 [26/54]
男1「それにしてもあれからどれくらいたっただろう」
男2「言ったり来たりの虫に翻弄されもう疲れました」
男3「甘い言葉に乗せられて~」
男「きっともう少しだよ 我慢しよう」
男1「その言葉何回も聞いた気がする」
男2「なんという傲慢」
男3「彼は昔からそうでした」
男1「まさかあんな事をするなんて…」
男2「学生時代は大人しい子だったんです」
男3「切れる十代、また狂気の犯行 彼の鞄にはゲームで有名なナイフが」
男1「印象操作は良くないな」
男2「若者の○○離れか」
501 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 18:49:48.47 ID:naNL8o9m0 [27/54]
男「とにかく辛抱して待」
ブ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ
男「あ、来た!」
男1「やっと来たよ」
男2「でも早いからまた少ししか進めませんけどね」
男3「サラマンダーよりはや~い」
男2「うざいという事では一致してる気がする」
男3「王女様の部屋から苦しそうな声がするのぉ」
男「もう、そういうのいいから早く進もう」
男1「はいはい、と」
男2「今日はどこまで進めるかな」
男3「まさにトルネコの大冒険」
男「行こう」
504 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 18:58:27.66 ID:naNL8o9m0 [28/54]
バシャバシャバシャ
男1「あおぉぉぉぉ!」バシャバシャ!
男2「いおぉぉぉぉ!」バシャバシャ!
男3「うおぉぉぉぉ!」バシャバシャ!
男「ま、待って~」バシャバシャ
男1「彼は勢いはあるのだが」
男2「いかんせん体力が足りない」
男3「そして早さが足りない!」
男「むむむ」
男1・2・3「ほらほら置いてっちゃうぞ~!」バシャバシャ!
男「………」
男「ん?」
507 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 19:11:02.26 ID:naNL8o9m0 [29/54]
男1・2・3「ほらほら~!追いついてみろよ~!」バシャバシャ!
男「………」
男1・2・3「ほれほれ~!」バシャバシャ!
男「………」
男「また後ろに戻ってるよ」
男1・2・3「………」
男1・2・3「ん?」
男「………」
男1「また迷いの森か…」
男2「また男の独壇場か…」
男3「武蔵伝の迷いの森のようなうざさ…」
男「まぁ、とにかく自分から離れないようにしてね」
男1・2・3「はいはい」
509 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 19:25:20.67 ID:naNL8o9m0 [30/54]
バシャバシャバシャ
男1「ここから自由遊泳で良いのか」
男2「といっても男を掴み、行き先も男次第ですが」
男3「ごめん皆、ここ俺しか進めないんだですね」
男「とにかくこの変な空間があるって事はきっと先に良い物があるに違いない!」
男1「男の冒険心炸裂か」
男2「いつもの事 いつもの事」
男3「早くダッシュ3を出してください」
男「よいしょ よいしょ」バシャバシャ
男1・2・3「………」バシャバシャ
511 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 19:35:00.50 ID:naNL8o9m0 [31/54]
深夜
男1「今日もかなり進みましたな」
男2「ここは旧人もいないし、魚も一杯いるけど寝る場所が無いのが痛いね」
男3「屋根のある所で寝」
男2「やめて」
男3「はい」
男「………」
男1「どうした男よ」
男「いや」
男「本当にちゃんと何かあるかな、と」
男「不安になってね…」
男1・2・3「………」
512 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 19:47:31.72 ID:naNL8o9m0 [32/54]
男1「なに、何も無くてもその時はその時だよ」
男2「前向きに前向きに」
男3「ミュータントくじけない!」
男「………」
男「そうだね」
男1「そうそう」
男「じゃあ今日はもう寝ようか」
男1・2・3「おー!」
男「それじゃあ寝よう」
男1「あ、そうだ男よ」
男「なに?」
男1「後悔はしないようにね」
男「?」
514 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 20:00:38.88 ID:naNL8o9m0 [33/54]
男1・2・3「………」バシャバシャ
男「よいしょ よいしょ」バシャバシャ
男1「伝統音楽を封じられると途端に暇になりますな」
男2「おのれ男め 弱みを握りおって」
男3「特にネタ無し」
男「だってうるさいし」
男1「なら参加すれば良いじゃない」
男2「まったく頭の固い男だ」
男3「一緒に幸せになろうよ~」
男「………」
男「とにかく進むよ」
男1・2・3「いけず~」
515 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 20:11:03.82 ID:naNL8o9m0 [34/54]
バシャバシャバシャ
男・男1・2・3「………」バシャバシャ
男・男1・2・3「………」バシャバシャ
男「………」バシャバシャ
男「ん?」
男「!!」
男1「どうした男よ?」
男2「もしやラピュタが!」
男3「ラピュタまじ勘弁」
男「………」
男「陸地がある…」
男1・2・3「な」
男1・2・3「なんだってー!」
517 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 20:22:21.33 ID:naNL8o9m0 [35/54]
男1「と驚いて見たものの」
男2「そんな物あるわけありません」
男3「開けてびっくり何も無し ほんと新入りはサプライズ好きやで!」
男「いや、本当だから! 早く目を開けて確かめて見てよ!」
男1「どれどれ騙されたと思って」パチ
男2「そして騙されるんですね」パチ
男3「騙されたと思ったらまた騙される まるでオルステッドのようだ」パチ
男1・2・3「………」
男1・2・3「わぁ」
男1・2・3「本当だ」
522 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 20:35:46.91 ID:naNL8o9m0 [36/54]
男「何で皆そんなにテンションが低いんだよ!」
男「これは凄い事だよ! この世界は虫の影響で陸地がもう無いはずなのに!」
男1「まさか男にテンションが低いと言われるなんて…」
男2「これが青天の霹靂か」
男3「中から高のビフォーアフターですね」
男2「あいついつの間にか髪を染めている…という言葉が浮かんだ」
男1「彼女なんて無いさ~彼女なんて嘘さ~寝ぼけた人が~見間違えたのさ」
男「とにかく上陸してみよう! 急いで!」
男1「はいはい、まったくこの冒険野郎は」
男2「こういうの好きね~」
男3「なぜかトロピコと浮かんだ」
524 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 20:46:01.72 ID:naNL8o9m0 [37/54]
バチャバチャバチャ
男1「久しぶりに水から離れた気がするな」
男2「あのままマーメイドになると思った」
男3「いや、マーマンでしょう」
男「凄い…ちゃんと歩ける」
男1「そりゃ歩けるでしょう」
男2「何にでも興味を持つお年頃か」
男「初心を持つ事は良い事だよ」
男「いったいどうしてこんな陸地が…」
男1「それはきっと神様が」
ブ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ
男2「ん?」
男3「虫ですな」
526 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 20:55:24.60 ID:naNL8o9m0 [38/54]
ボタボタボタ ボタボタボタ
男1「うわ!何か落としてきた!」
男2「うんこだ! うんこ!」
男3「うわ!えんがちょ!」
男「………」
男「………」ピト
男1「うんこ触るなよ」
男2「彼にそんな趣味が」
男3「風船クラブを愛読してたのか」
男「………」サワサワ
男「………」
男「これ土だ…]
535 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 21:49:12.28 ID:naNL8o9m0 [40/54]
男1「土?」
男2「ツチノコか」
男3「虫のうんこはつっちつち~」
男「虫は土を食べて水を出すはずなのになんで…」
男1「ジョブチェンジしたとか」
男2「転職ですね わかります」
男3「あの頃は酷い就職難でした」
男「ジョブチェンジ? 就職?」
男「………」
男「そうか…」
男「性質を変えたのか…」
539 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 21:57:26.92 ID:naNL8o9m0 [41/54]
男1「男さんが何か閃いたようで」
男2「ピコーン!」
男3「乱れ雪月花!」
男「変だと思ったんだ」
男「もう大地なんてないのに虫が生きてるなんて…」
男「性質を変えて生きのびたのか」
男「じゃあ虫昼の時のあの光は…」
男「水を土に変換して…」
男1「何という科学者気質」
男2「周りが見えていません」
男2「ダーウィンの進化論ですな」
542 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 22:06:22.00 ID:naNL8o9m0 [42/54]
男「………」
男1「男さんが瞑想モードに入りました」
男2「じゃあとりあえず遊ぼうぜ!」
男3「虫のうんこでどろんこ遊びしよう!」
男1「こういう時は夏の定番トンネル開通だ!」
男2「夏定番とは限らないが賛成ー!」
男3「城も作ろうよ!」
男1「土の帝国ですな!」
男2「まほろばの夢と共に朽ちて消えゆくんですね!」
男3「忍ペンまん丸だ!」
男「………」
543 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 22:14:28.45 ID:naNL8o9m0 [43/54]
男「………」
男1「あ!トンネル崩れた!」
男2「腕が太すぎるから」
男3「ミュータントトンネル開通ならず!」
男1「くそ!我々は永遠にトンネル開通が出来ないのか!」
男2「微妙に下ネタですな」
男3「開通済みのトンネルすら通った事がありません」
男1「そもそもトンネルがもうありませんな」
男2「あっても開通できないよ」
男3「君の早さは僕に似ている!」
男「………」
547 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 22:23:58.71 ID:naNL8o9m0 [44/54]
男「………」
男1「ふぅ 結構遊びましたな」
男2「童心に帰ったようだ」
男3「楽しかったな」
男「………」
男1「男はまだ瞑想タイムか」
男2「瞑想を通り越し妄想になっているのでは…」
男3「私が初めて妄想した世界のラスボスはラヴォスでした」
男2「ビックストルネードで余裕」
男1「どうせ後でお腹空かせるだろうしお魚採ってきてやろう」
男2・3「そうだな」
男「………」
549 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 22:30:39.67 ID:naNL8o9m0 [45/54]
パチパチパチ
男「ん?」
男「良いにおい」
男1「あ、おかえり~」
男2「ようやく戻ってきたか」
男3「戦士達だ…戦士達が黄泉の国から帰ってきた!」
男「焼き魚?」
男「材料はどこに?」
男1「そこらの木ですが」
男2「奥に行けば結構あるよ」
男3「ちなみに火をおこしたのは私です」
男「木?」
男「木まで生えているのか…」
551 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 22:38:48.10 ID:naNL8o9m0 [46/54]
男1「こら、また瞑想モードに入らない」
男2「良いから食べよう まだ沢山あるよ」
男3「なんだかんだ行って新入りは毎日お腹空かせてたみたいだしね」
男「う、うん ありがとう」
男1「遠慮せず食べなさい 僕らは海で散々食べてきた」
男2「生魚も良いもんだよな」
男3「海水はスパイス」
男「それじゃあ頂きます」
男1・2・3「どうぞ どうぞ」
男「………」パク
男「美味しい」モグモグ
553 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 22:47:41.04 ID:naNL8o9m0 [47/54]
パチパチパチ
男「………」
男「火か…」
男「火を見るなんて久しぶりだな」
男1「満腹になった途端感傷モードか」
男2「そのどれか一つに誰かいるよ」
男3「途端にホラーになったな」
男「………」
男「ここはやっぱり楽園なのかな」
男1「楽園?」
男「そう、最後の楽園」
男2「最楽園ですな」
男3「遊園地みたいだな」
554 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 22:59:39.17 ID:naNL8o9m0 [48/54]
男「大地も植物もあって空が綺麗で…」
男「虫昼のうるささも無いし…」
男1「視点を変えれば虫の便所暮らしですけどね」
男2「動物の姿は皆無だし」
男3「魚肉生活延長か」
男「ここでずっと暮らしたいな」
男1「遠回しな家建造の催促ですね」
男2「全身大工道具の我々に建てぬ建物無し!」
男3「指示お願いね」
男「いや、自分も手伝うよ」
男1「…ああ、そうだね」
男2「じゃあとりあえず屋根があれば良いね」
男3「念願の屋根が!」
556 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 23:09:50.84 ID:naNL8o9m0 [49/54]
・
・
・
男・男1・2・3「………」パチパチ
男1「出来たかな?」パカ
男2「あ、出来てるんじゃない!」
男3「美味しそうな薫製だ」
男「また夕食のメニューが増えるね」
男1「これが加工技術か」
男2「加工食品さいこー!」
男3「これが文明開花か」
男「さっそく献立に加えよう」
男1・2・3「おー!」
558 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 23:19:19.28 ID:naNL8o9m0 [50/54]
パクパク カチャカチャ
男1「まさか箸で魚を食べる日が来ようとは」
男2「野菜美味しいです」
男3「手作り家具も良い感じ」
男「そうだね~」
男1「少し前まで水の中で生魚を食らっていた自分が恥ずかしい!」
男2「夢のマイホーム生活!」
男3「なんという事でしょう!」
男「静かに食べようよ 文明人なら」
男1「その手には乗らん!」
男2「食事はわいわい食べる物です」
男3「この…特にネタ無し」
559 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 23:30:37.60 ID:naNL8o9m0 [51/54]
男1「さて食った食った」
男2「これからどうする~」
男3「ここはけんけんぱでも」
男1「いや、鬼ごっこも捨てがたい」
男2「毎日が日曜日!」
男3「毎日は土曜日にしよう 日曜の次は月曜が来るぞ」
男1「月曜日…なんて恐ろしい…」
男2「とんでもない間違いを犯す所だった…」
男「ちょっと待って」
男1「ん? どうしたの?」
男「今日は探検タイムにしよう」
男2「え? また?」
562 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 23:39:49.85 ID:naNL8o9m0 [52/54]
男1「男は本当に冒険が好きですな~」
男2「どうせもう何も無いよ」
男3「そうそう」
男「まぁ良いじゃない 探検も楽しいよ」
男1「まぁ、そうなんですけどね」
男2「お弁当持ってピクニックか 良いかもね」
男3「弁当箱は木の皮ですけど」
男1「何か皆乗り気みたいだし良いよ」
男「ありがとう」
男1「でも暗くなる前には帰るよ」
男「うん、わかった」
男1「それでは出発!」
男・男2・3「おー!」
564 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 23:49:25.39 ID:naNL8o9m0 [53/54]
・
・
・
ガタン ガタガタガタ
?「よいしょ、と」ガタ
?「ふぅ」
所長「ついたのか」
所員「どうやらそのようですね」
所長「まさか本当に大地が残っていたなんて…」
所員「この手紙に書いてあった事は本当だったんですね」
所長「コンパスの指す所に大地有り、か」
所長「ワクチンの事が無ければさすがに上を説得出来なかっただろうな」
所員「ここはいったい何なんでしょうか」
所長「それを今から探すんだろう?」
所員「そうですね」
565 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 00:01:29.84 ID:naNL8o9m0 [54/54]
ザッザッザッ
所員「………」
所員「これが自然の土ですか…」
所員「何だか初めて月に行った宇宙飛行士の気分です」
所長「新大陸を発見したコロンブスとも言えるな」
所員「そちらの方が近いかもしれませんね」
所長「どちらにしろ大発見だよ」
所員「嬉しいな…歴史的発見者になれるなんて」
所長「真っ先に名前が残るのは私だろうが」
所員「所長のついででも十分名誉ですよ」
所長「そうだろうとも」
所員「早く先に進みましょう」
所長「まぁそう焦るな」
567 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 00:08:25.26 ID:skEdF0Od0 [1/50]
ザッザッザッ
所員「………」
所員「ん?」
所員「所長!あれ!」
所長「………」
所長「あれは…」
所長「家?」
所長「何でこんな所に家が…」
所員「何ででしょう」
所長「とにかく行ってみよう」
所員「わかりました」
569 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 00:15:05.77 ID:skEdF0Od0 [2/50]
所長「………」
所長「ふむ」
所長「どうやらさっきまで食事を取っていた後がある」
所長「どうやらちゃんと住んでいるようだ」
所員「住んでいる? なら原住民ですか!?」
所長「原住民か…それに近いかもしれないな」
所員「ん?」
所員「どういう事ですか?」
575 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 00:24:23.64 ID:skEdF0Od0 [3/50]
所長「考えてみたまえ、この世界でワクチンが出来るまで自由に世界を行き来できた唯一の存在を」
所員「唯一の存在…」
所員「………」
所員「虫と寄生者ですか?」
所長「…知性あると付け加える」
所員「知性…ですか」
所員「うーん…」
所員「あ!」
所員「彼らか!」
所長「そう、あの耐性者達だよ」
所員「彼らがここに…」
578 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 00:33:55.80 ID:skEdF0Od0 [4/50]
所長「まさか求めていた物がこんな所で手に入るとは思わなかったよ」
所員「手に入る…彼らを捕らえるんですね」
所員「しかしどうやって? 彼らは体力もありますし」
所長「なに、知性の無い怪物を捕らえるとは違うんだ 私に考えがある」
所員「考えですか?」
所長「そうだ 君はいますぐ船の乗組員を連れてきなさい」
所員「乗組員ですか? しかしなぜ」
所長「なに、ちょっと手伝って貰うだけさ」
所長「早く連れて来なさい」
所員「………」
所員「わかりました」
580 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 00:46:16.58 ID:skEdF0Od0 [5/50]
・
・
・
男1「魚の薫製美味しいね」
男2「まさに至福の時」
男3「これがピクニック 円満家庭の象徴か」
男「今日は何も見つからなかったね」
男1「今日はですってよ 奥さん」
男2「この人何言ってるのかしら ずっとご無沙汰のくせに」
男3「この探検猫!まだ探検したりないの!」
男「きょうはたまたま何も見つからなかっただけだよ」
男1「祟りじゃ!大地の祟りじゃ! 男がポジティブになってしまった!」
男2「貴方! あの頃に戻って!」
男3「大人になるって悲しい事なの…」
586 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 00:56:47.45 ID:skEdF0Od0 [6/50]
男1「しかし男よ 男は何を見つけたら満足するのかね」
男「え?」
男「えっと」
男「うーん」
男2「相変わらず行き当たりばったりだね」
男3「この計画倒れが!」
男「むむむ」
男1「取りあえず今日は帰りましょう 暗くなる前に」
男「そ、そうだね」
男2「まぁ! 話をそらしましたよ この人」
男3「帰れるなら良いじゃん」
589 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 01:04:37.78 ID:skEdF0Od0 [7/50]
男1「それでは帰り道は我らの伝統音楽で」
男「いや、それは…」
男2「問答無用」
男3「俺の歌を聞けー!」
男「いや……ここはしりとりが良いと思う!」
男1「しりとり? 無限しりとり?」
男「違う 普通のしりとり」
男1「ですって? どうする?」
男2「男も参加するなら良い」
男3「うむ」
男「わ、わかったよ」
男1「それじゃあしりとりしよう」
男2・3「おー!」
590 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 01:13:57.33 ID:skEdF0Od0 [8/50]
男2「トマト」
男3「トマト」
男「……ト、とんま!」
男1「マント」
男2「トマト」
男3「トマト」
男「………」
男1「いい加減観念しなよ ふっふっふ」
男2「へへへ 馬鹿な男だぜ~ しりとりの常識なんて俺達は知らないぜ~」
男3「ト地獄を味わうが良い!」
男「むむむ」
594 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 01:24:25.85 ID:skEdF0Od0 [9/50]
男1「トマト」
男2「トマト」
男3「トマト」
男「………」
男「トマト」
男1「さて、家につきました 皆さん」
男2「今日は男が観念した所を見れただけでも収穫でしたな」
男3「トマトのトに屈した様は見事だったぜ!」
男「はぁ」
男1「さて、それじゃあ ただいま~と」ガチャ
597 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 01:33:24.92 ID:skEdF0Od0 [10/50]
ズダダダダダダ!
男1「うわ!何だ! いてててて!」
船員「………」
船員「………」
船員「………」
ゾロゾロ
男「何だ!お前ら!?」
男2「団体さんが一杯だ」
男3「勇者様が沢山いらっしゃる」
男1「誰も自分の心配をしてくれない事に絶望した!」
所長「やぁ 久しぶりだね」テクテク
男「貴方はセンターの所長!?」
所長「覚えていてくれたのか ありがとう」
598 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 01:43:43.95 ID:skEdF0Od0 [11/50]
男・男1・2・3「………」
男「どうして貴方がここに?」
所長「なに、ちょっとした贈り物に導かれてね」
男「贈り物?」
所長「君達に贈るはずだった物かもしれないがね」
男「?」
所長「分からないかい 実は私もよくわからないんだよ」
男1「じゃあ言うなよ」
男2「これが痴呆か」
男3「地方の痴呆か」
所長「………」
所長「話しを続けよう」
600 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 01:51:43.08 ID:skEdF0Od0 [12/50]
男1「無視するとは…許せん」
男2「なら徹底的に騒いでやる!」
男3「巫女巫女ナース!巫女巫女ナース!」
所長「………」サッ
ズダダダダダダ!
男1・2・3「いててててて!」
男「おい! やめろ!」
所長「すまない 静かに話したかったからつい、ね」
男1「つい、で撃たれる僕達」
男2「ここは空気を読むべきか」
男3「黙ってましょ黙ってましょ」
602 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 01:59:37.05 ID:skEdF0Od0 [13/50]
所長「もっとちゃんと説明する気だったが興がそがれた」
所長「単刀直入に言う 私達と一緒に来て欲しい」
男「何を!」
男1・2・3「嫌です」
所長「………」サッ
ズダダダダダ!
男1・2・3「いててててて!」
男「この!やめろ!」
所長「分かっただろう? 抵抗しても無駄なんだ」
所長「それなら大人しく従った方が良い」
男「くっ!」
604 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 02:09:52.12 ID:skEdF0Od0 [14/50]
所長「大丈夫待遇は保証するよ ちょっと実験や検査に付き合ってくれるだけで良いんだ」
所長「こちらが外の情報を取引する必要も無くなったから、君達は甘い物に飢えてるだろう?」
所長「協力してくれたら沢山お菓子を上げるよ?」
男「馬鹿にするな!誰がそんな!」
男1「ギブミー!チョコレート!」
男2「アイスアイス!」
男3「チーズケーキの味をもう一度!」
男「………」
所長「君の仲間はどうやら乗り気のようだね」
男「………」
所長「君も幸せになりなよ」
606 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 02:18:22.55 ID:skEdF0Od0 [15/50]
男「誰がそんな…」
男1「なんか飽きてきたな」
男2「あのおじさんは交渉力が足りない」
男3「時代劇の見すぎ」
所長「…ふぅ」
所長「………」サッ
ズダダダダダダ!
男1「はいはい、痛い痛い」
男2「もう良いよ」
男3「どうみても素人の射撃ですな」
船員達「!!」
男1・2・3「がおー!」
所長「ひ!」バタン
608 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 02:27:09.07 ID:skEdF0Od0 [16/50]
男「………」
男1「そ~れ ジャイアントスイング」ブンブン
船員「うわあああああ!」
男2「実は銃って折り畳める物なんです 畳んだらもう使えませんが」クニャ
船員「あわわわわわわ」
男3「がおー!」
船員「ぎゃあああああああ!」ビクビク
男「………」
所長「あ……あ」
男「………」カチャ
所長「ひ!撃たないで!」
男「ここは自分達の大地だ」カチ
610 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 02:37:40.54 ID:skEdF0Od0 [17/50]
ズダダダダダダ!
男「………」
所長「ああ…たすか…」シュゥゥゥゥ…
男「何で止めるの?」
男1「まぁまぁ、落ち着いて」
男2「だがちょっと待って欲しい 殺す事はないのではないか」
男3「駄目だ!そっちに行っちゃ行けない!」
男「何を言ってるんだ!仲間を呼ぶ前に皆殺しにしないと!」
男「せっかく楽園を見つけたのに!」
男1「何を言ってるのか」
男2「男が望んだ事だろう?」
男3「相変わらず過激思考ですな」
男「え?」
613 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 02:47:44.01 ID:skEdF0Od0 [18/50]
男「何を言って…」
男1「そんな事よりスタコラサッサだぜ!」
男2「さらばスローライフ」
男3「これがトロピコ島流しエンド」
男「ちょっと待って!」
男1「待ちません!連れていきます!」ガシ!
男2「そーれ わっしょい!わっしょい!」
男3「力ずくでも連れていく!」
男「くそ!何だよ…」
男「放せよ!」
男「おい!」
男1・2・3「わっしょい!わっしょい!」
614 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 02:57:39.91 ID:skEdF0Od0 [19/50]
・
・
・
所員「………」
所員「あ」
所員「所長!」
所長「………」
所員「………」
所員「その様子じゃ駄目だったみたいですね」
所長「ああ、失敗だったよ どうやら彼らは想像以上に堅かったようだ」
所員「はぁ」
所長「まぁ、2兎は追う者は1兎をも得ずと言うしここは諦めよう」
所員「そうですか」
615 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 03:06:15.37 ID:skEdF0Od0 [20/50]
所員「そんな事より所長! 朗報ですよ! 朗報!」
所長「朗報? それは何だね」
所員「実は所長に言われてこの土地のサーチを行ったのですが」
所員「なんとこの大地 かつての大陸ほどの大きさがあるようです!」
所長「なんと!そんなにか!」
所員「詳しい事はまだ分かりませんが十分居住可能です」
所長「そうか…それは…」
所員「所長?」
所長「そうか…ここは人類の希望の大地だったんだな!」
所員「?」
617 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 03:18:24.53 ID:skEdF0Od0 [21/50]
所長「君、この地から出たらすぐに他の国のドームにもこの事を知らせなさい!」
所員「え? しかしそれは…」
所長「どうせいずれわかる事だ! それなら最初から皆で手を取り合い一緒にかつての栄光を取り戻そうじゃないか!」
所員「かつての栄光…」
所長「先人の間違いを繰り返さず この地で人類の融和の世界を作るんだ!」
所員「所長……」
所員「わかりました!」
所長「ああ!分かってくれたか!」
所員「今すぐ船を出すように言います!」
所長「やったぞ!長年の夢が叶う!」
所長「我々は生まれ変わるんだ!」
618 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 03:26:43.49 ID:skEdF0Od0 [22/50]
・
・
・
男「………」
男1「男さんや 何時になったら機嫌を直すんだい?」
男2「ご機嫌ななめですね」
男3「ひっくり返って逆に良くなるかも」
男「あれはいったいどういう事?」
男1「どういう事と言われまして」
男2「答えてあげるが世の情け?」
男3「ラブリーチャーミーなかた」
男「ふざけるな!」
男「真面目に答えろよ!」
男1・2・3「………」
620 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 03:37:31.95 ID:skEdF0Od0 [23/50]
男1「そんな事より男よ 何か思い出してこないかい?」
男2「虫の知らせに耳を傾けましょう」
男3「思いだ~す 思いだ~す」
男「何を……」
男「………」
男「あ」
男1「何か思い出した?」
男「…うん」
男2「それならその思い出した場所に言ってみよう」
男3「パーティはまだ終わってません」
男「………」
男「わかった」
623 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 03:47:51.53 ID:skEdF0Od0 [24/50]
・
・
・
男「………」
男「これは…」
男「大きな塔?」
男「いびつな形だけどあまり風化してない」
男1「久しぶりに帰って来れた」
男2「懐かしき我が家!」
男3「しんい…じゃなくて男のコンパスが無いと来れないからな~この家」
男「………」
男「皆はここを知ってるの?」
男1「知ってるのも何もここに住んでましたが何か?」
男2「懐かしい我が家です」
男3「この地には大量のゲームが! 久しぶりにモンハンやろ!」
男「………」
625 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 03:54:41.96 ID:skEdF0Od0 [25/50]
バタン ガタガタ
男1「ただいまんこ」
男2「ただいマンモス」
男3「ただいまー!帰って来れてマンモスうれピー!」
男「………」
男1「ただいまは?」
男「え?」
男2「さぁ!ただいまと元気良く!」
男3「レッツトライ!」
男「………」
男「ただいま」
男1・2・3「おかえり~」
627 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 04:03:34.37 ID:skEdF0Od0 [26/50]
男「ここはいったい…」
男1「今はあんまり考えなくて良いよ 時がくれば虫が知らせてくれるから」
男「虫?」
男2「簡単に言えば君は頭脳労働 僕らは肉体労働」
男3「頭脳労働の方がエネルギーを消費するなんて変な話だよね」
男2「知恵熱ですね わかります」
男1「どっちにしろ苦労するのは僕達です」
男2・3「だねー!」
男「………」
男「どういう事だ…」
男「いったいどういう事だ!」
男1・2・3「………」
629 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 04:10:49.92 ID:skEdF0Od0 [27/50]
男「まるで皆全部知ってるみたいに!」
男「皆で自分を騙してたのか!?」
男「答えろよ!おい!」
男1・2・3「………」
男1「男が望んだ事だよ」
男「え?」
男2「うん 初心に帰って冒険に浸りたいって」
男3「男はRPG大好きだしね」
男「………」
男「どういう事?」
631 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 04:21:25.79 ID:skEdF0Od0 [28/50]
男1「男は忘れてるんだよ 男と共生してる虫は記憶をいじれる虫だから」
男2「あのビルや大地そしてここの塔で僕らが方向を失うのも男の虫が関係しています」
男3「記憶をいじられちゃう~ でも巧く使うと賢さアップ!」
男「………」
男1「何という男の思惑通り…」
男2「男が男の手のひらで踊っている!」
男3「未知の感覚を味わいたいとか言ってたもんね」
男「………」
男「未知の感覚を味わう?」
男「………」
633 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 04:28:01.89 ID:skEdF0Od0 [29/50]
男「それで…」
男「自分は何がしたかったの?」
男1「それはこれからのお楽しみ」
男2「男の大好きなサプライズだよ!」
男3「孤児院の頃からビックリパーティ大好きだったしね!」
男2「変な情報を吹き込まない」
男3「ごめん」
男「………」
男「じゃあいつ打ち明けてくれるの…」
634 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 04:35:31.43 ID:skEdF0Od0 [30/50]
男1「六年後だよ」
男「六年!長すぎる!」
男「それに中途半端だ!」
男2「それは私も言いました」
男3「ドラクエ6やって思いついた作戦なんでしょ?」
男「ドラクエ6?」
男1「まぁまぁ、エロゲーでもやりながら気長にやりましょう」
男2「最近手に入れた新たなストックですな!」
男3「新作は何よりもうれしいな! 性欲もう無いけど!」
男「それまだ持ってたんだ」
男1・2・3「へへへへへ」
636 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 04:43:54.79 ID:skEdF0Od0 [31/50]
男1「そういう事だから気長に待とうよ」
男2「遊んでいれば時間はすぐ立ちます!」
男3「それでは迷作と言われた下級生2をやりますか! お前達にたまきの恐ろしさを見せてやる!」
男2「ずいぶん詳しいですな」
男1「まさかプレイ済みでは?」
男3「断固拒否権を発動する!」
男「………」
男「もしかして本当に遊ぶの?」
男1「もちろんです!」
男2「ハードディスクの中身見せるよ!」
男3「男も再びヨヨのトラウマを味わうが良い!」
638 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 04:53:43.05 ID:skEdF0Od0 [32/50]
1年後
男3「ほら、これが問題のたまきだよ」
男2「これは酷い…」
男1「ビッチってレベルじゃねえぞ!」
2年後
男3「さあお待ちかね!これが噂のヨヨ様だ!」
男「ヨヨ死ね!まじで死ね!」
三年後
男2「下級生はこんなに名作なんだけどね~」
男「麗子と涼子以外いらないな」
四年後
男1「また男の勝ちか」
男「はっはっは」
男2「なぜ自分ばかりババを引く…」
男3「ほんと勝負事弱いね」
640 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 05:03:25.54 ID:skEdF0Od0 [33/50]
そして……五年後
男「ちくしょー!また負けた!」
男3「おや男さん どうしたかね?」
男「FF5やってるんだけど神竜が倒せなくて」
男2「そいつの攻略法はね」
男「うわー!言わないで自分で見つけるから!」
男1「散々最速クリアを自慢していた男がこうも堕ちるとは…」
男2「低レベルクリア?余裕! とか言ってたのに」
男3「ちょっとうらやましいかも」
男「ああ!また負けた! 何でだ!」
男1「まぁ、前の調子に戻るのは良い事だよ」
男2「もしかしたらこのまま元に」
641 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 05:12:23.29 ID:skEdF0Od0 [34/50]
ビーーー!ビーーー!
男1・2・3「………」
男「何だこの音!」
男1「音なんて聞こえないよね…」
男2「何も聞こえ…なかったら良いな」
男3「何でだよ…あと少しだったのに」
男「もしかしてこれが例のサプライズ?」
男1「の失敗の合図だよ」
男2「大地で虫が沢山死んだんだ…」
男3「事故…だったら良いな」
男「………」
男「説明して」
643 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 05:19:58.21 ID:skEdF0Od0 [35/50]
男1「とにかくモニターで確認してみよう まだ決まったわけじゃない」
男2・3「そうだね」
男「モニター?いったい何を見るモニターなの?」
男1「大地だよ 大地」
男2「偵察用の小型カメラつけた虫だよ 定期的に飛ばしてたんだ」
男「そんなのがあったのか」
男3「作ったのはあんたです」
男1「細かい事はいいから早く行こう!」
男2・3「おー!」
男「………」
男「おー」
644 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 05:26:09.29 ID:skEdF0Od0 [36/50]
ザザ ザザーー
男1「ちゃんと生き残ってるかな」
男2「大丈夫な事を祈るばかり!」
ザザ ザーー パチン
男3「映った!けど…」
男1・2「………」
男「………」
男「旧人が戦争してる…」
男1・2・3「………」
男1・2・3「どうして…」
645 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 05:32:23.43 ID:skEdF0Od0 [37/50]
男1「まだあんなに武器が残ってたんだ…」
男2「どうして戦争なんて…仲良くやろうよ」
男3「………」
男「………」
男「いったいどうしたの?」
男「旧人が戦争して何か不都合があるの?」
男1・2・3「………」
男1「駄目だった…」
男「えっ?」
男1・2・3「駄目だったよ社長、失敗しちゃった」
男「あ」
648 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 05:41:56.53 ID:skEdF0Od0 [38/50]
男「………」
男1「社長?」
男「駄目だよ」
男2「えっ?」
男「駄目だよ男3君会社にエロゲー持ち込んじゃ あの机男3君の机でしょ?」
男3「あ」
男3「何考えてたの? まったく普通なら首だよ?」
男3「実は上司に嫌われて仕事与えて貰えなくて…」
男「そうか~やっぱりコネ入社は風当たりが強いのか~」
男「僕の友達を傷付ける人なんていらないや そんな奴は首にしてやる」
男3「………」
男「ああそうか…もういないんだった」
男「皆会社で失敗人になったんだよね」
650 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 05:52:28.02 ID:skEdF0Od0 [39/50]
男1「記憶戻ったんだ…」
男「うん!ばっちり戻ったよ! 今なら神竜も簡単にいける!」
男2「そう…」
男「それと皆会社で何かあったら自分に言わなきゃ駄目だよ? そんな奴は首にして会社を去って貰うからね!」
男「社員はもういないけど!」
男1・2・3「………」
男「元社長の養子で孤児だからって社員は僕をなめすぎなんだよね!」
男「あの虫もウイルスも僕が作ったのに!」
男「僕のおかげで大会社になれたのに!」
男「大人ってほんと卑怯!」
男「陰でぐちぐちオタクだ…童貞だって言ってるくせに僕の前じゃへこへこ へこへこ」
男「皆いなくなってせいせいした!」
651 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 06:03:43.76 ID:skEdF0Od0 [40/50]
男「僕と友達だけの世界が良い!そうなったら嬉しいよね!」
男「僕は社長だから頭脳虫!男君達は友達だけど社員だから筋力虫!」
男「他はいらない!騙して皆殺してやる! 社員は甘い言葉で騙して本社に隔離だ!」
男「本社は世界が水没しても大丈夫なくらいしっかり改築するよ!」
男「完璧じゃないか! 皆いなくなった後は虫を改造して友達と大地で仲良く暮らせば良いんだ!」
男1・2・3「………」
男1「でも…」
男2「寂しくなったんだよね…」
男3「四人だけじゃ…」
男「………」
男「そうだよ」
男「そうだった…」
652 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 06:16:21.29 ID:skEdF0Od0 [41/50]
男「友達と一緒に暮らすのは楽しかったけど…」
男「ゲームしか娯楽が無くて 刺激も無くて…」
男「そして…」
男「寂しかった」
男「だから他の人間がドームで生きてるとわかって嬉しくて」
男「ワクチン作ったり噂流したり…」
男「自分も楽しめるように記憶までいじって」
男「あんなに沢山準備したのに…」
男「まさかゲームオーバー(戦争)だなんて…」
男1・2・3「………」
655 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 06:24:01.15 ID:skEdF0Od0 [42/50]
男「ゲームオーバーは新種ウイルス虫の投与だったよね」
男「かなり強力に作ったから皆イチコロだ!」
男1「やっぱり止めない? さすがにもう…」
男2「そうだよ…せっかく栄えたのに…」
男3「いずれ新たなゲーム文化も…」
男「………」
男「ねぇ…皆」
男1・2・3「なに?」
男「皆で歌おうよ」
男「僕らの伝統音楽を」
男1・2・3「………」
656 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 06:27:42.89 ID:skEdF0Od0 [43/50]
男1「パンダウサギコアラ」
男2「パンダウサギコアラ」
男3「パンダウサギコアラ」
男1「パンダウサギコアラ」
男2「パンダウサギコアラ」
男3「パンダウサギコアラ」
男「………」
男「パンダ・ウサギ・コアラ」
658 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 06:36:47.63 ID:skEdF0Od0 [44/50]
ガタガタ ヴオォォォォ…
男「あ、解凍が始まった」
男1・2・3「………」
男「この歌好きだったんだよね」
男「お母さんって人が昔歌ってくれたんだ」
男「………」
男「もういないけどね…」
男1・2・3「………」
ブ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ
男「………」
男「頑張れ僕の虫達…」
男「古い人間なんて皆殺しちゃえ」
男「みんな…」
男「皆生きるのに失敗すれば良いんだ」
男「ははは」
659 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 06:44:35.62 ID:skEdF0Od0 [45/50]
・
・
・
男「………」
男1・2・3「………」
男「ねぇ、皆」
男1「なに?」
男「なにかな?」
男「なんざんしょ?」
男「なんで僕が記憶を失った時に僕を始末しなかったの?」
男「僕はこんなに危険なのに…」
男1「自分は危険な男だ 近寄るな!ですか」
男2「何いってるのか この男は」
男「友達は殺せないじゃん じゃん」
男「友達…」
男「友達…良いよね」
662 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 06:51:36.37 ID:skEdF0Od0 [46/50]
男「ねぇ…」
男1「何かね?男よ」
男「伝統音楽を違う音楽にしない?」
男2「ほほう、それは何かね」
男「僕の思い出の音楽じゃなくて誰かの思い出の音楽だよ 誰か何か無いの?」
男3「それなら私が立候補します」
男1「ほう、何か良い音楽があるのかね?」
男3「あるよ! とっておきのがね!」
男2「よろしい歌ってみなさい」
男3「よっしゃ!歌います!」
663 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 06:53:10.23 ID:skEdF0Od0 [47/50]
幸せなら手を叩こ
幸せなら手を叩こ
幸せなら態度でしめそうよ
ほら皆で手を叩こ
664 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 06:54:13.49 ID:skEdF0Od0 [48/50]
・
・
・
・
男・男1・2(空気読め…)
667 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 07:00:22.26 ID:skEdF0Od0 [49/50]
終わり
674 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 07:04:42.95 ID:skEdF0Od0 [50/50]
皆さん 見てくれてありがとう
とても楽しかったです
それではさようなら
男「………」
男「ここでも釣れない…」
男「今日は調子が悪いな…」
男「また移動するか…」
男「よいしょ、と」チャプ
男「よいしょ よいしょ」ギコ ギコ
5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 18:41:27.78 ID:1DJnbCZs0
男「………」ギコ ギコ
男「………」ギコ ギコ
男「ん?」
男「あれは…」
男「ビルの廃墟だ…」
男「珍しいな、まだ残ってたんだ」
男「………」
男「旧人に写真持ってったら食べ物と交換してくれるかも…」
男「写真、写真と」ガサゴソ
男「あった」
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 18:49:28.77 ID:1DJnbCZs0
カシャ カシャ
男「………」
男「こんなもんで良いかな」
男「結構状態の良さそうな廃墟だし…」
男「じゃがいも10個くらいと交換してくれるかも」
男「楽しみだな」
男「………」
男「本当に状態の良いビルだな…」
男「………」
男「もしかしたらまだ食べ物残ってるかも」
男「………」
男「行ってみよう」
男「よいしょ よいしょ」ギコ ギコ
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 18:56:15.56 ID:1DJnbCZs0
チャプン チャプン
男「うーん」
男「入り口になりそうな所が無いな…」
男「大抵は窓から入れるけど…」
男「窓の位置高すぎるや…」
男「これじゃ入れない…」
男「やっぱり潜って下から行くしかないのか」
男「水苦手なんだけど…」
男「仕方ないか…」
男「よいしょ、と」バシャン!
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 19:02:38.93 ID:1DJnbCZs0
ブクブクブク
男(………)
男(やっぱり水の中は苦手だな…)
男(臭いし…汚いし…)
男(早いとこ入り口を見つけよう)スイー
男(………)
男(………)
男(あ…)
男(窓発見…)
男(よし…)
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 19:07:24.57 ID:1DJnbCZs0
パリン、パリン バシャ!
男「………」
男「ふぅ」
男「ようやく上がってこれた…」
男「足場はどうかな」ガン ガン
男「………」
男「大丈夫そうだ…」
男「よし…」
男「探検開始…」
男「ごー」テクテク
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 19:13:27.52 ID:1DJnbCZs0
テクテクテク
男「………」
男「イスと机がいっぱいだ」
男「オフィスビルだったのかな」
男「食べ物はなさそうだ…」
男「がっかり…」
男「………」
男「旧人の欲しがりそうな物があるかも…」
男「漁ってみよう…」
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 19:18:37.95 ID:1DJnbCZs0
ガサゴソ ガサゴソ
男「………」
男「紙と壊れた機械しかない…」
男「………」
男「諦めるのはまだ早い…」
男「次はこっちの机を…」ガチャ
男「ん?」ガチャガチャ
男「鍵がかかってる」
男「何かありそう」
男「やった」
男「よいしょ」バキ!
男「開いた…」
男「どれどれ」
14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 19:26:51.14 ID:1DJnbCZs0
男「………」
男「下級生2 バイブルブラック 仕舞妻」
男「裸の旧人の絵の箱が一杯だ」
男「うーん」
男「交換してくれるかな?」
男「………」
男「とりあえず持って」ガサ
男「ん?」
?「………」
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 19:33:57.85 ID:1DJnbCZs0
男「………」
男「失敗人だ」
失敗人「………」
失敗人「………」
失敗人「………」
ゾロゾロ ゾロゾロ
男「ここは失敗人の住処だったのか」
男「めんどくさいな…」
失敗人「!!」
失敗人「!!」
失敗人「!!」
男「ああ、やっぱり襲ってきた」
男「やだなぁ」
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 19:39:20.46 ID:1DJnbCZs0
失敗人「!!」ガブ
失敗人「!!」ガブ
失敗人「!!」ガブ
男「やっぱり噛まれた」
男「やだなぁ」
失敗人達「!!」ガジガジ
男「他にも何かないかな」
男「探してみよう」テクテク
失敗人達「!!」ズルズル
男「やだなぁ」
男「重いなぁ」
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 19:44:50.64 ID:1DJnbCZs0
ガサゴソ ガサゴソ
男「………」
男「やっぱり紙しかないや」
男「甘い物とかあったら良かったのに」
男「残念だ…」
失敗人「!!」ガブ
失敗人「!!」ガブ
男「やっぱりそんな簡単にいかないのか…」
男「期待してたのに…」
男「帰ろう」テクテク
失敗人「!!」ズルズル
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 19:49:35.28 ID:1DJnbCZs0
失敗人「!!」ガブ
失敗人「!!」ガブ
失敗人達「!!」ズルズル
男「………」
男「そろそろ帰るから」
男「離れてね」ブルブル
失敗人達「!!」バタバタ
男「さよなら」バシャ
失敗人達「………」
失敗人達「………」テクテク
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 19:59:03.20 ID:1DJnbCZs0
ブクブク、ブクブク バシャ!
男「………」
男「ふぅ」
男「やっぱり船の上は落ち着くな…」
男「結局成果は裸の旧人の箱とその中身だけか」
男「箱は濡れちゃってびしょびしょだけど…」
男「中身は無事だから良いか」
男「………」
男「今日は釣果も少なかったし…」
男「交換してくれないとお腹減っちゃうな」
男「………」
男「行こう、旧人の所に…」
男「よいしょ よいしょ」ギコギコ
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 20:08:12.90 ID:1DJnbCZs0
男「よいしょ よいしょ」ギコ ギコ
男「よいしょ よいしょ」ギコ ギコ
男「ん?」
ブォーン ブォーン
男「ありゃりゃ虫霧だ…」
男「参ったな…虫昼になっちゃう」
男「旧人が引っ込んじゃう」
男「とほほ」
男「今日はご飯少ないかな…」
男「やだなぁ…」
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 20:18:58.52 ID:1DJnbCZs0
ブ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ
男「ああ、虫昼になっちゃった…」
男「………」
男「この音さえ無かったら青く光って綺麗なんだけどな」
男「やっぱり今日は旧人の所に行くのは中止かな…」
男「旧人は虫に刺されると失敗人になっちゃうし」
男「今日のご飯は魚数匹だけか…」
男「とほほ」
男「………」
男「家に帰ろう」
男「よいしょ よいしょ」ギコギコ
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 20:25:37.83 ID:1DJnbCZs0
男「よいしょ よいしょ」ギコギコ
男「よいしょ、と」ガタン
男「ついた」
男「………」
男「皆いるかな」
男「虫昼だし、広場にいるよね」
男「行ってみよう」
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 20:32:35.12 ID:1DJnbCZs0
ブ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ
男1「綺麗ですなぁ」
男2「この音が無ければもっと良いんだけどね」
男3「仕方ないよ 綺麗な物には刺があるって言うし」
男2「バラじゃない?」
男3「そうとも言う」
男「おーい」
男3「あ、男だ」
男「あの様子なら成果は無かったみたい」
男1「あらら」
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 20:41:22.80 ID:1DJnbCZs0
男「おーい 駄目だったよ あんまり釣れなかった」
男1「かわいそうに…でも食料は分けてあげません」
男2「いい加減水の中に入る事を覚えたらどうだろうか」
男3「これだから新入りは」
男「薄情な人達だなぁ」
男1「自分の物は自分の物」
男2「相手の物は相手の物」
男3「そのイカ焼き少し頂戴」
男2「おい」
男3「ごめん」
男「とほほ」
29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 20:49:41.87 ID:1DJnbCZs0
男「とほほ、今日は小食の日か…」
男1「何匹くらい釣れたの?」
男2「数によっては恵んでやらない事もない」
男3「じゃあそのイカ焼き頂戴」
男2「貴方じゃありません」
男3「残念だ」
男「駄目だよ 今日は50匹しか釣れなかったんだ」
男1・2・3「………」
男1「十分釣れたのではないだろうか」
男2「なんという欲張り」
男3「少し頂戴」
男2「おい」
男3「ごめん」
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 20:57:16.54 ID:1DJnbCZs0
男「駄目だよ これくらいの量じゃ満腹にならないんだ」
男1「なんて男だ…」
男2「さすが初期段階」
男3「バレンタインで爆釣りの男が今日は少なかったと嘆いているようだ」
男1「長い」
男2「バレンタインでチョコ貰った事あるの?」
男3「あるわけ無かろう」
男1「はっはっは」
男2「わ、笑っている…」
男3「もしや経験が」
男1「いや、無いけど」
男2・3「なんだ」
35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 21:06:38.42 ID:1DJnbCZs0
男「自分はやっぱり変なんだろうか…」
男1「まぁ初期段階はそんなもんだよな」
男2「いずれ僕たちみたいになったら自然と量が少なくなるよ」
男3「スーパーミュータント化最高」
男1「というか今までずっとお腹減らしてたのか」
男2「なんて奥ゆかしい子」
男3「パン買ってこい」
男1「ありません」
男2「ありません」
男3「おのれ」
41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 21:46:08.20 ID:1DJnbCZs0
男「皆も最初はこんな感じだったの?」
男1「たぶん」
男2「でも昔の事だから良く覚えてないや」
男3「確かに」
男「そうかぁ」
男1「まぁ気長に慣れれば良いよ」
男2「そうそう」
男3「僕らは陰気なモンスターなんだし」
男「モンスター…」
男1「あ、男がへこんだ」
男2「謝れ」
男3「だが謝らない」
42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 21:54:27.89 ID:1DJnbCZs0
男「いや、別に良いよ」
男3「新入りもそう言ってる事だし、許してやれよ」
男2「そうだな」
男1「うん」
男2「………」
男2「ん?」
男「ところで皆は何してるの?」
男1「何って虫見ですけど」
男2「空一面が青く光ってとても綺麗だしね」
男3「詩人は消毒だー!」
男1「男もどうかね?」
男「うん、参加する」
43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 22:01:01.13 ID:1DJnbCZs0
ブ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ
男「………」
男1「綺麗だなぁ…」
男2「このさい音は置いとこう」
男3「見ろよ、綺麗な色してるだろ こいつら旧人には毒なんだぜ」
男1「長い」
男2「それに何だか分からない」
男3「実は私も分からない」
男「………」
男「毒か…」
男「何で世界はこんな風になっちゃったかな」
45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 22:09:01.95 ID:1DJnbCZs0
男1「戦争か自然現象か…」
男2「何でも良いじゃん どうせ崩壊してるんだし」
男3「ほうかい、ほうかい」
男「しかし陸地がまったく無くなってるなんて異常すぎる」
男3「無視された」
男2「当たり前です」
男1「まぁ、無いなら無いで仕方ないよ」
男2「これは反応するべきか…」
男3「うーん」
男「無いなら無いで仕方ないか」
男「そうかもしれないね」
46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 22:16:47.34 ID:1DJnbCZs0
男1「渾身の説得が通じたぞ!」
男2「渾身の説得だったのか」
男3「どうみても適当に言った言葉です」
男「………」
男「あ」
男「そういえば今日変わった物を拾ったんだ」
男1「何かね」
男2「食い物?」
男3「力ずくでも奪い取る」
男2「まだ食い物と決まったわけじゃない」
男3「なるほど」
48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 22:27:53.64 ID:1DJnbCZs0
男「えっと」ガサゴソ
男「これこれ」パッ
男1「な、なんだこれは…」
男2「仕舞妻 バイなんとか 下級2?」
男3「濡れててよく分からないけど何だか右わき腹が痛い」
男2「すさまじい波動を感じる これは闇のアイテムか…」
男1「これが聖遺物…」
男「そんなに凄い物かな」
男1「さぁ?」
男2「何となく乗ってみた」
男3「きっと良い物だよ」
男「そうかぁ」
50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 22:34:20.99 ID:1DJnbCZs0
男1「ところでこれどうしたの?」
男「ビルの廃墟に残ってたんだよ」
男2「ビルの廃墟」
男3「わざわざ潜って取りにいったの?」
男「いや、ちゃんと立ったビルだよ」
男1「ちゃんと立ったビル?」
男2「浮かんでるんじゃなくて?」
男「うん」
男3「それはなんて貴重な…」
51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 22:42:18.27 ID:1DJnbCZs0
男「そんなに貴重かな」
男1「折れて沈んだり、浅い地域に浮かんだビルはまだ少なからずあるけど…」
男2「立ったビルなんて見たこと無いよ」
男3「写真は?写真は取ったのかね?」
男「うん」
男1「おお」
男2「これは…」
男3「甘い物が食べれる」
男「?」
53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 22:52:56.71 ID:1DJnbCZs0
男「いったいどうしたの?」
男1「そういえば説明していなかった」
男2「旧人の物好きが廃墟の写真や過去の遺物を食べ物や嗜好品と交換してくれるのは話したよね」
男「うん」
男1「実はこれにはランクがあって ランクが高い方が良い物と交換してくれるんだよ」
男「そうなの?」
男3「そうそう」
男2「もうだいぶ探しつくしたし、もうあんまり残って無かったから詳しく話さなかったんだよ」
男「そうなのか」
男3「そうそう」
男2「それしか言ってないな」
男3「そうそう」
54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 22:59:53.31 ID:1DJnbCZs0
男「何か写真の評価に差があると思ったら明確な基準があったのか」
男3「そうそう」
男2「もう止めなさい」
男3「ごめん」
男「じゃあ立ったビルの写真はどのくらいのランクなの?」
男1「えっと、何だっけ?」
男2「忘れちゃったな」
男3「確か一番良いんじゃなかった?」
男1「そうそう」
男2「そうそうが伝染した」
男1・3「そうそう」
男「そうかぁ 最高ランクなのかぁ」
55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 23:11:26.34 ID:1DJnbCZs0
男1「ところでそのビルどこで見つけたの?」
男「割と近くの海域だよ」
男2「近く? そんなはずは…」
男3「近くの廃墟は僕らが探しつくしたのにね」
男「でも見つけたものは仕方ないよ」
男1「まぁ、そうだね」
男2「さっそく写真を現像しよう」
男3「そうしよう そうしよう」
57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 23:22:39.80 ID:1DJnbCZs0
パシャ パシャ
男1「ふふふ、この瞬間の一時一時が明日の天国の入り口なのだ」
男2「ネルネルネルネはうへへへへ」
男3「練れば練るほど色が変わって」
男1「こうやってつけて」
男2「テーレッテレー!」
男1・2・3「練って美味しいネルネルネールネ!」
男「………」
男1「何か言いなさい」
男2「そーだ そーだ」
男3「クリームソーダ」
男「はぁ」
59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 23:28:43.44 ID:1DJnbCZs0
男1「そんなこんなで出来ました」
男2「後は乾かすだけか」
男3「明日が楽しみだ」
男「………」
男1「どうしたの?」
男「いや、別に何も」
男2「とりあえず今日はもう寝よう」
男3「明日は甘い食べ物が待ってるしね」
61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 23:35:37.34 ID:1DJnbCZs0
男「ちょっと聞きたいんだけど…」
男1「何か?」
男2「まさか添い寝してほしいとか…」
男3「そんな気はありません」
男「いや、自分の物は自分の物 相手の物は相手の物じゃないのかな、と」
男1・2・3「………」
男1「皆は一人の為に」
男2「一人は皆の為に」
男3「という言葉があってだね」
男「ふーん」
男1・2・3「………」
62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 23:45:12.04 ID:1DJnbCZs0
男1「だが君がそこまで言うなら残しておいた食料を譲らなくもない」
男2「皆は一人の為に一人は皆の為に」
男3「なんて良い言葉なんだ」
男「へへへ、それじゃ貰っとくよ」
男1「ああ、貰っときなさい」
男2「なんて遠慮のない子」
男3「パン買ってきます」
男2・3「どうぞ どうぞ」
男1「………」
男1「え?」
63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/29(火) 23:53:51.35 ID:1DJnbCZs0
翌日
男「………」
男1「………」
男2「………」
男3「何も写ってないじゃないの」
男「あれ?」
男1「これはどういう事かな?」
男2「かな? かな?」
男3「待て! これは孔明の罠だ!」
男「おかしいな 何で写ってないんだろう」
男1「それは私達が聞きたいです」
男2「昨日あれだけ食べたのに…」
男3「何というジャイアン」
64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 00:03:45.23 ID:tNTMZRyj0 [1/77]
男「いや、確かに昨日ビルを見たんだよ」
男1「本当?」
男「本当だよ」
男2「信じるべきか…」
男3「俺を信じろ、お前を信じる俺を信じろ!」
男2「何それ?」
男3「知らない」
男「とにかく嘘じゃないよ 本当に見たんだよ」
男1「うーむ これはミステリーだ」
男2「写らないビル、そんな物があるのだろうか」
男3「信じるのは貴方しだいです」
男「むむむ」
70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 00:29:30.44 ID:tNTMZRyj0 [3/77]
男「そんなに疑うなら案内するよ それならはっきりするでしょ?」
男1「お? 大きく出たな」
男2「くくく、良いのかい そんな約束しちまって」
男3「俺達はそんなに甘くないぜぇ」
男「ちゃんと自分の目ではっきり見たんだから何も臆する事はない!」
男1「何という自信」
男2「だが世の中には見間違えという言葉がある」
男3「見せてもらおう 新入りの目の性能とやらを」
男「では出発します!」
男1・2・3「おー!」
71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 00:36:16.41 ID:tNTMZRyj0 [4/77]
男「よいしょ よいしょ」ギコ ギコ
男1「パンダウサギコアラ」
男2「パンダウサギコアラ」
男3「パンダウサギコアラ」
男1「パンダウサギコアラ」
男2「パンダウサギコアラ」
男3「パンダウサギコアラ」
男1「誰かオチを言えよ」
男2「オチだれ~」
男3「私です」
男1「じゃあ最初から」
男2・3「おー」
73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 00:42:49.43 ID:tNTMZRyj0 [5/77]
男「ちょっと」ギコ ギコ
男1「なに?」
男2「もしかして参加したいの?」
男3「オチを譲ってやって良い」
男「いや…」ギコ ギコ
男「うるさいから止めて」
男1「なんと」
男2「我らの伝統の歌を愚弄するとは」
男3「許さん お前だけは…」
男「いや…」ギコ ギコ
男「うるさいし…」ギコ ギコ
74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 00:54:52.90 ID:tNTMZRyj0 [6/77]
男1「聞きました? まったく最近の若い者は伝統を何だと思っとるんじゃ」
男2「これが反抗期か」
男3「まったく船に乗ってる軟弱者が けしからん」
男「いや…」ギコ ギコ
男「船は乗る物だから…」ギコ ギコ
男1「何を言ってる ウサギさん」
男2「船は引くもので乗るものじゃありませんから」
男3「これ私達の常識アル」
男「………」ギコ ギコ
男「もういいや…」ギコ ギコ
男「疲れるし」ギコ ギコ
男1・2・3「わかればよろしい」
男「………」ギコギコ
75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 01:04:38.04 ID:tNTMZRyj0 [7/77]
・
・
男「よいしょ よいしょ」ギコ ギコ
男1「まだつかないの?」
男2「結構来たね」
男3「ガンダーラ ガンダーラ」
男「後もう少しだと思うけど」ギコ ギコ
男1「暇だしパンダウサギコアラするか」
男2「そうだな」
男3「伝統音楽さいこー」
男「いや、止めて」ギコ ギコ
男1「ならばこの退屈をどう解消しろと?」
男「………」ギコ ギコ
男「じゃあ良いよ…」ギコ ギコ
男1「よろしい」
76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 01:09:56.93 ID:tNTMZRyj0 [8/77]
男1「パンダウサギコアラ」
男2「パンダウサギコアラ」
男3「パンダウサギコアラ」
男1「パンダウサギコアラ」
男2「パンダウサギコアラ」
男3「パンダウサギコアラ」
男1「おい、誰かオチ言えよ」
男2「オチだれ~」
男3「私でした」
男1「じゃあまた最初からな」
男2・3「おー」
男「………」ギコ ギコ
79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 01:14:47.07 ID:tNTMZRyj0 [9/77]
男1「パンダウサギコアラ」
男「ん?」
男2「パンダウサギコアラ」
男「あれ?」
男3「パンダウサギコアラ」
男「んん?」
男1「パンダウサギコア」
男「ちょっと」
男2「なに?」
男3「やっぱり混ざりたいの?」
男「いや、そうじゃなく…」
81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 01:24:42.66 ID:tNTMZRyj0 [10/77]
男1「じゃあ何?」
男2「また難癖つける気か」
男3「このシーシェパードめ」
男2「シーシェパードって何?」
男3「知らない」
男「いや、そうじゃなく」
男1「じゃあ何?」
男「いや…」
男「なんで後退してるの?」
男1・2・3「………」
男1・2・3「え?」
85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 01:36:14.09 ID:tNTMZRyj0 [13/77]
男1「何を言ってるのか」
男2「真っ直ぐ進んでるじゃないか」
男3「ははは!ゲイリー!」
男「いやいや、後退してるから」
男「ちょっと自分のいる方に進んでみて」
男1「まったく何を言うかと思ったら」チャプ チャプ
男2「だけど少し安心した ちゃんと冗談も言えるんだ」チャプ チャプ
男3「これなら僕らに馴染む日も近いね」チャプ チャプ
男「おーい」
男1・2・3「なにー?」
86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 01:47:23.89 ID:tNTMZRyj0 [14/77]
男1・2・3「………」
男「おーい」
男1「何でそんなに離れてるの?」
男2「??」
男3「これは…孔明の罠?」
男「何かおかしいね ここ」
男1「おかしいとは何が?」
男2「おかしいのは私の頭?それとも…あんただ!」
男3「はは!ゲイリー!」
87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 01:56:05.66 ID:tNTMZRyj0 [15/77]
男「………」
男「良い事考えた」
男1「良い事?」
男2「尻の中でしょんべんするの?」
男「いや、違う」
男3「じゃあ何?」
男「とりあえず自分は大丈夫みたいだから」
男「自分の船に目をつぶってつかまれば良いじゃないか」
男1・2・3「………」
男1「なるほど」
男2「その考えは無かったわ」
男3「そうしましょう そうしましょう」
89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 02:04:58.19 ID:tNTMZRyj0 [16/77]
男「よいしょ よいしょ」ギコ ギコ
男1「ちゃんと前に進んでるの?」
男2「う~ん 自信無いな」
男3「何も言えねぇ」
男「よいしょ よいしょ」ギコ ギコ
男「よいしょ よいしょ」ギコ ギコ
男「あ」
男1「どうしたの?」
男2「まさか遭難!」
男3「望みが絶たれた~!」
男「ビル発見…」
男1・2・3「え?」パチ
90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 02:12:03.37 ID:tNTMZRyj0 [17/77]
男1「………」
男2「………」
男3「………」
男1「凄い…ちゃんと立ってるビルだ」
男2「凄く…大きいです…」
男3「あの地~平~線~ かが~やくのは~」
男「………」
男「やっぱりあったんだ…」
男「何で皆は来れなかったんだろう」
男「………」
91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 02:19:13.14 ID:tNTMZRyj0 [18/77]
男1「男さん、男さんや」
男「ん? 何?」
男2「この建物にはどうやって入るんだい?」
男3「レクチャープリーズ」
男「ああ、それは水の中に…」
男1「水の中?」
男2「あれだけ水を嫌がってたのに」
男3「どういう事なの?」
男「………」
男「どういう事だろう…」
男「うーん」
92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 02:29:35.83 ID:tNTMZRyj0 [19/77]
男1「まぁ、このさいそれは置いといて、探索を始めようじゃないか」
男2「賛成」
男3「もしかしたら食料残ってるかも」
男「いや、それは無かったよ」
男1「見落としていたという可能性もある」
男2「わくわくするな」
男3「ダンジョン探索だぁ!」
男「………」
男「まぁ、良いか」
男1「皆行くぞー!」
男2・3「おー!」
男「おー」
94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 02:37:19.36 ID:tNTMZRyj0 [20/77]
ブクブクブク バシャ
男3「一着!」バシャ
男1「二着!」バシャ
男「よいしょ、と」バシャ
男2「三ちゃ!…あれ?」バシャ
男3「ははは!ビリめ!」
男2「なん…だと」
男「何かごめん」
男1「さて、では行くか」
男3「ビリは一番前な」
男2「おのれー!」
男「それじゃあ行こう」
95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 02:44:35.38 ID:tNTMZRyj0 [21/77]
テクテクテク
男1「何か中は普通のビルだね」
男2「古代文明の英知とか無いのかな」
男3「何か見覚えあるような」
男1「それは自分も思ってた」
男2「何だろうこの気持ち」
男3「きっと恋だよ!」
男1「それは無い」
男2「うん」
男3「ですよね」
男「………」
97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 02:56:44.83 ID:tNTMZRyj0 [22/77]
男「とりあえず静かに歩こうよ」
男1「それはまたどうして」
男「ここにはあいつらがいるから」
男2「あいつら?」
男「あいつらだよ…」
失敗人「………」
失敗人「………」
失敗人「………」
男3「あ、失敗人だ」
男「かみつかると厄介だから、かわいそうだけど撃退を…」
男1・2・3「わ!」
失敗人達「!!」
99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 03:05:37.33 ID:tNTMZRyj0 [23/77]
ダダダダダ!
男「………」
失敗人「!!」ガクガクブルブル
男「え?」
男1「ははは、馬鹿め!」
男2「成長した我々に敵は無し!」
男3「見ろ!この筋肉! カッチカチやぞ!」
男「何で?」
男1「あれ?もしかして男 失敗人に襲われてるの!?」
男2「あいつらだよ…だって!」
男3「襲撃されるの!? 襲撃されるのは初期段階までだよねー!キャハハ!」
男「そうなんだ…」
101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/30(水) 03:12:29.65 ID:tNTMZRyj0 [24/77]
男1「またスルーする…」
男2「まぁ、そういうキャラだしね」
男3「では先に進みましょうか」
男1「お宝発掘探検隊!」
男1「ファイヤー!」
男2・3「ファイヤー!」
男「………」
男「進もう…」
103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 03:24:00.16 ID:tNTMZRyj0 [25/77]
ガサゴソ ガサゴソ
男1「なんか…」
男2「本当に紙しか無いな…」
男3「がっかり…」
男「だから言ったじゃないか 食料は無いって」
男1「骨折り損か…」
男2「がっかりダンジョンか」
男3「だがちょっと待って欲しい」
男1「なんだね 君は」
男2「なんちゃって!とか言うなよ」
男3「いやいや、真面目な話」
男「……何?」
104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 03:29:41.29 ID:tNTMZRyj0 [26/77]
男3「いや、これだけ大きなビルなんだからさ」
男1「うん」
男「まだ上の階とかあるんじゃないの?」
男「………」
男1「………」
男2「………」
男・男1・男2「あ」
男3「でしょ?」
107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/30(水) 03:35:42.09 ID:tNTMZRyj0 [27/77]
少し休憩
109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 03:55:00.09 ID:tNTMZRyj0 [28/77]
男1「その考えは無かったわ…」
男2「まさかお前に発見されるなんて…くやしい!びくびく」
男「上の階か…本当に失念してたな」
男3「でしょ? でしょ?」
男3「冒険でしょでしょ?」
男1「うざい」
男2「らしいと言ったららしいか」
男「上の階の道を探そう」
男1「そうだね」
男2「賛成」
男3「俺達の冒険はまだ始まったばかりだ!」
男2「何か止めて…」
男3「うん」
111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 04:08:54.66 ID:tNTMZRyj0 [29/77]
・
・
男1「さて、無事上の階の階段を見つけたわけだが…」
男2「どうしてこうなった…」
男3「何ですかね、あのブヨブヨは」
男「上の階が肉塊で埋められてる…」ブヨブヨ
男1「所々穴なのか道なのかわからない空洞があるね」
男2「もしかしてこれ失敗人の餌?」
男3「あいつらも僕らと同じで海水飲んでも平気みたいだし、これだけ肉があれば確かに暮らしていけそうだね」
男1「というかこの肉っぽいの食えるの?」
男2「どうなんだろう…」
男3「とても食べたいとは思わない…」
男「とりあえず避けながら進もう」
男1・2・3「おー」
112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 04:18:36.80 ID:tNTMZRyj0 [30/77]
ブヨブヨ ブヨブヨ
男2「気持ち悪い! 気持ち悪い!」グチャグチャ
男1「頑張れ 頑張れ」
男3「何という罰ゲーム」
男「ビリじゃなくて良かった…」
男2「まさかこんな目にあうとは…」
男1「世の中わからないもんですな」
男2「ぐぬぬぬぬぬ」グチャグチャ
男3「おえ~」
男「が、頑張れ~」
男2「ちくしょー!」グチャグチャ
113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 04:30:33.13 ID:tNTMZRyj0 [31/77]
・
・
・
男2「ふぅ ふぅ」
男「ご苦労様です」
男3「無事上の階についたね」
男2「淫乱テディベアの恐怖を味わったぜ…」
男1「でも良くみるとここも机とかしかなさそうだね」
男3「まだ上はありますぜ 旦那」
男・男1・2・3「………」
男2「じゃんけんしよう じゃんけん」
男3「まぁ…仕方ないか」
男1「頑張ってくれたしね」
男「じゃあじゃんけんしよう」
男2「絶対に負けられない戦いがある!」
138 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 15:28:02.55 ID:tNTMZRyj0 [33/77]
男2「ぬおー! ぬおー!」グチャグチャ
男1「何というデジャブ」
男3「絶対に負けた戦いがある!」
男「ご愁傷様です」
男2「ぐぬぬぬぬぬ!」グチャグチャ
男2「最後の言葉はフラグだったのか!」
男2「謀られた!」
男1「誰も謀ってません」
男3「困った時の陰謀論」
男「とにかく進もう」
男2「ああ、その冷静さが憎らしい…」グチャグチャ
140 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 15:36:12.12 ID:tNTMZRyj0 [34/77]
男2「ふぅ ふぅ」
男「ご苦労様です」
男2「淫乱テディベアの恐怖を…」
男3「もうそれは良いから」
男2「むむむ」
男1「次の階について何だけど また机とかしかないね」
男2「なんだ…と」
失敗人「………」
男3「あ、失敗人だ」
男2「がおー!」
失敗人「!!」
141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 15:45:41.40 ID:tNTMZRyj0 [35/77]
ダダダダダダ!
男1「あ、逃げた」
男2「はっはっはー」
男3「何という八つ当たり」
男2「のび太、殴らせろ!を実践しました」
男1「しかしあいつら此処にもいたのか」
男2「前の階にもいたよね」
男3「どうやって移動してるんだろう?」
男「ブヨブヨの間に細かい穴が開いてるからその間からだろうね」
男1「なるほど」
男2「に~くをパクパク、パクパク食べ分けて~」
男3「パク パク パク」
143 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 15:58:40.42 ID:tNTMZRyj0 [36/77]
男1「冗談はさておき、何でこんなに失敗人がいるんだろう」
男2「壊れたビルや浅瀬にしか住んでなかったのにね」
男3「さっさと引っ越ししたのかな」
男「いや、前からいたんだと思う」
男1「前から?」
男「そう、たぶん何かを守らせる為に…」
男2「きな臭くなってまいりました」
男3「ここは古代文明の遺跡だったのか!」
男「古代文明とは違うけど、きっと何か貴重な物があるに違いない!」
男1「ちょっと奥さん、この子の目、見てくださいよ」
男2「ええ、ほれぼれするくらい赤く濁ってますわ!」
男3「全員そうだけどね」
145 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 16:10:31.90 ID:tNTMZRyj0 [37/77]
男1「で、その貴重な物とやらは何処にあるのかね」
男「定番だけどやっぱり最上階かな」
男2「また淫乱に入るのか…」
男1「何だよ 淫乱って」
男3「ある意味間違ってはいない」
男「とにかく先に進んでみよう!」
男1「はりきってるな 男」
男2「だがまずはジャンケンが先だ」
男3「ふふふ、敗者は見えているのではないか?」
男2「あえて何も言うまい」
男1「それじゃあジャンケンしま~す」
男・男1・2・3「ジャンケンポン!」
146 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 16:19:56.64 ID:tNTMZRyj0 [38/77]
男「ぐぬぬぬぬぬ!」グチャグチャ
男1「まさか男が負けるとは」
男2「でも体格差からあまり役にたってないのが悲しすぎる…」グチャグチャ
男3「頑張れ、ビリから二番目」
男2「せっかく勝ったと思ったのに…」グチャグチャ
男1「人生そううまくはいきません」
男2「おのれ~」グチョグチョ
男3「きりきり働け~い!」
男「うぬぬ!うぬぬぬぬ!」グチョグチョ
147 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 16:38:54.89 ID:tNTMZRyj0 [39/77]
・
・
・
男1「ふぅ ついた」
男2「あれから結構上ったけど、ここが最上階みたいだね」
男3「そうみたいだね でっかい扉しかないし」
男「扉か…鍵も無いし厄介だな…」
ドゴォォォン!
男1「よし、開いた」
男2「困った時は力ずく」
男3「脳筋さいこー」
男「………」
男1「何してるの? 行くよ~」
男2「これだから頭でっかちは」
男3「頭かっちかちやぞ!」
男「………」
男「まぁ、良いか」
150 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 16:48:34.48 ID:tNTMZRyj0 [40/77]
テクテクテク
男1「何か殺風景な部屋だね」
男2「ずっと細い道しかないし」
男3「でもぎりぎり通れるから良いじゃい」
男「いや、結構削ってる」
男1「気にしない 気にしない」
男2「そうそう、どうせ誰もいないんだし」
男3「賠償請求は受け付けません」
男「確かにこのさいどうでも良いか」
男1「そうそう」
男2「我らは明日のお宝の為に突き進むのみ」
男3「押して参る!」
151 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 17:02:06.52 ID:tNTMZRyj0 [41/77]
男・男1・2・3「………」
男1「これは何というべきか…」
男2「先の道がガラス片でいっぱいです…」
男3「あっちには下の階の入り口もあります」
男「あらら」
男1「これはもしや最初の海の時みたいな事が…」
男2「ブーメラン・ブーメラン」
男3「押したら引いてたとは…」
男「いや、単純に道が円になってるだけだと思う」
男1「円?」
男2「だとしたらお宝は無し?」
男3「えーん えーん」
154 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 17:11:21.16 ID:tNTMZRyj0 [42/77]
男「いや、きっと隠し扉のような物があるはず」
男1「隠し扉とな?」
男2「もうどうにでもな~れ!」
男3「で、その隠し扉はどこにあるのかね?」
男「それはわからない だから皆で手分けして探そう」
男1「手分けして探す…」
男2「となるとやっぱりあれしかないか」
男3「ああ、まったくですな」
男「あれ?」
男1「やだなぁ、あれですよ あれ」
男2「僕らは脳筋、そういう事だ」
男3「ミュータントパワー!」
155 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 17:22:06.24 ID:tNTMZRyj0 [43/77]
ドゴォォォン! パラパラ…
男「まさか壁を蹴破るなんて…まさに脳筋」
男1「どう、何かあった?」
男2「こういう時定番では沢山の宝箱が」
男3「ふとシルバードラゴン・デスティニーストーンと浮かんだ」
男「えっと……」
男「あ」
男1「何かあったのかね?」
男2「お宝ざくざく?」
男3「もうゴールしても良いよね」
男「あそこに鉄の扉みたいな物がある」
男1・2・3「………」
157 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 17:29:47.95 ID:tNTMZRyj0 [44/77]
男1「ここにきてまた扉か…」
男2「俺達の旅はもう終わって良いはず…」
男3「会えない 会えないシルバードラゴン…」
男「きっとこれが最後だよ! 諦めずに頑張ろう」
男1「そういう事なら良いけど…」
男2「これで扉の中がダンジョンの入り口だったら帰りますからね」
男3「お腹空いたしね」
男「わかったよ」
男「とにかく行ってみよう」
男1・2・3「おー」
159 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 17:39:52.31 ID:tNTMZRyj0 [45/77]
男1「うーん」
男2「かなり頑丈そうな扉だね」
男3「でっかいハンドルも付いてますな」
男「引けそう?」
男1「むむむ…一人じゃ無理そう」ギリギリ
男2「今こそ力を合わせるべきか」
男3「三本の矢改め四本の槍ですな」
男「自分もちゃんと入ってるのか」
男1「当たり前です」
男2「一人だけ楽をしようったってそうはいかないぞ」
男3「僕らはなか~ま~さ~」
160 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 17:47:36.65 ID:tNTMZRyj0 [46/77]
男1「パンダウサギコアラ」キュルキュル
男2「パンダウサギコアラ」キュルキュル
男3「パンダウサギコアラ」キュルキュル
男「よいしょ よいしょ」キュルキュル
男1「パンダウサギコアラ」キュルキュル
男2「パンダウサギ…」ガタン
男3「あ、開いた」
男1「さて、この先は栄光のお宝ロードか」
男2「はたまた地獄のダンジョンめぐりか」
男3「あえて何も言うまい」
男「入ってみよう」
163 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 18:20:41.82 ID:tNTMZRyj0 [48/77]
男1「う~ん」
男2「一応ダンジョンへの道じゃ無かったけど」
男3「何かびっしり黒い箱みたいのがあるね」
男「何だろう…これ?」
男1「皆目検討がつきません」
男2「誰か開けてみようという勇者はいないのかね」
男3「どうせいないし、じゃんけんで決めるしかないんじゃない?」
男1「なるほど」
男2「じゃんけんか…弱いんだよな~」
男3「やってみなければわからない」
男「そうだね」
男1「それではジャンケンします」
男・男1・2・3「ジャンケンポイ」
165 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 18:28:56.06 ID:tNTMZRyj0 [49/77]
男3「………」
男3「まさか自分がジャンケンで負ける事があろうとは…」
男1「頑張れビリッケツ」
男2「ははは!ざまぁないぜ!」
男「頑張ってくれ」
男3「仕方ない開けるか」カチャ
男1「鍵がかかってるから無理とか言うなよ」
男2「駄目ならこじ開けろい!」
男3「…わかっとるがな」
男3「………」
男3「よいしょ、と」バキ!
166 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 18:39:03.82 ID:tNTMZRyj0 [50/77]
プシャーーーー!
男3「うわ!何だ!」
男1「ありゃりゃ、やっぱり罠があったか」
男2「残念、君の冒険はここで終わってしまった!」
男「大丈夫?」
男3「ハムナプトラ展開にならなくて良かった」
男1「どうやら大丈夫なようだ」
男2「あのガスなんだったんだろう」
男「きっと侵入者用の毒ガスか何かだったんだよ」
男1「聞かなければどうという事はないな」
男2「ところで箱の中身はなんじゃろな」
男3「待て待て、自分が見るのが先だ」
男「そうだね」
168 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 18:53:05.80 ID:tNTMZRyj0 [51/77]
男3「うーん」
男2「箱の中身は何だった?」
男1「甘い物だったら良いな」
男「さすがにそれは無いと思う」
男3「うーん 何だろう、これ」ヒョイ
男1「何それ?」
男2「少なくとも食べ物じゃなさそう」
男「何かのカプセルみたいだね」
男1「形状が座薬に似てる」
男2「ここまで来て座薬かよ…」
男3「何というがっかり感…」
男「………」
170 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 19:03:26.84 ID:tNTMZRyj0 [52/77]
男1「どうする、これ?」
男2「こんな物いらないよ」
男3「そうだな」
男「ちょっと待って」
男1「なに?」
男「せっかくだから、それ持って行かないか?」
男2「座薬を?」
男3「痔なの?」
男「いや、痔じゃないけどさ」
男「わざわざ隠し部屋まで作ってこんなに厳重に保管してるんだから」
男「これはきっともの凄く良い物なんじゃないかな、と」
男1・2・3「………」
171 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 19:14:39.56 ID:tNTMZRyj0 [53/77]
男1「確かにそうだ…」
男2「確かにこれだけ苦労したんだからゴミなわけない…」
男3「中にはきっと大量のダイヤが…」
男1「旧人にあげたら美味しい物沢山貰えるかも」
男2「チョコレート 羊羹…」
男3「ジャム チーズケーキ…」
男1・2・3「へへへ」
男「皆食べ物直結なんだね…」
男1「良いだろう、この黒い箱を持っていく事を許可する!」
男2「承認! 承認!」
男3「ゴルディオンハンマー!」
男「それじゃ持ってい」
174 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 19:23:16.69 ID:tNTMZRyj0 [54/77]
男1「どうかしたの?」
男2「こうが足りない」
男「いや、ちょっと前の壁をよく見て欲しいんだけど」
男3「前の壁?」
男1「前の壁、前の壁」
男2「うーん」ジー
男3「よく見ると何か継ぎ目があるような…」
男1「もしかしてまた隠しダンジョン?」
男2「もういいよ…」
男3「でも嫌な予感…」
男「行ってみよう」
男1・2・3「やっぱり…」
175 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 19:32:52.66 ID:tNTMZRyj0 [55/77]
男1「さすがにもういいのではないか」
男2「ダンジョン飽きた 帰りたい」
男3「このトルネコ野郎!」
男「いやいや、これで最後にするから」
男「それにただの模様という可能性もあるし、とりあえず蹴破ってから決めよう」
男1「蹴破るね…」
男2「どうか何もありませんように…」
男3「あえて何も言うまい」
177 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 19:41:57.45 ID:tNTMZRyj0 [56/77]
ドゴォォン! パラパラ…
男1「………」
男2「隠しダンジョン発見」
男3「あえて何も言わなかったのに…」
男「それじゃあ行こう」
男1「蹴破ってから決めるのではなかったのだろうか」
男2「どうせ聞き入れはしないさ」
男3「行っても良いけど新入りが先な」
男「それはもう、良いよ」
男「それでは出発します」
男1・2・3「おー…」
178 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 19:52:29.92 ID:tNTMZRyj0 [57/77]
テクテク ズルズル
男1「また細い道か…」
男2「男以外は這って歩かないとさすがに通れないね」
男3「ノコノコは何処かね?」
男「最終ダンジョンの果ての隠しダンジョン…」
男「きっと先には良い物が!」
男1「元気だな 男」
男「この元気さをいつものテンションに出来たら」
男3「とっても気持ち悪いです」
男「あ、あそこに扉がある」
男「行ってみよう!」
179 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 19:59:43.73 ID:tNTMZRyj0 [58/77]
男「うーん」
男1「どんな感じ?」
男2「一人で蹴破れそう?」
男「いや、ドアノブ式だし鍵はかかってなさそう」
男3「それなら思い切って飛び込めば良いじゃない」
男「………」
男「そうだね…」
男「よし!」
男「とりゃぁ!」ガチャ
男「………」
男「ん?」
男「あれ?」
180 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 20:06:18.74 ID:tNTMZRyj0 [59/77]
男「うわあぁぁぁぁぁぁ!」ヒュー
男1・2・3「………」
バシャン…
男1「このドア先が無いよ」
男2「なんという罠」
男3「新入りは?」
男1「下で泳いでるよ」
男2「なら安心」
男3「帰りましょ 帰りましょ」
男1「ちゃんと黒い箱は持っていこうな」
男2「はいよ」
男3「やっと帰れるのか」
男1「それでは撤収」
男2・3「おー!」
182 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 20:18:51.14 ID:tNTMZRyj0 [60/77]
深夜
男「今日は最後の最後で酷い目にあった…」
男1「海があって良かったね」
男2「うわあぁぁぁぁ!とか」
男3「なんという断末魔」
男「むむむ」
男1「まぁ、ご飯でも食べて落ち着きなさい」
男2「今日はミュータントピラニアの串焼きだよ」
男3「あの海域ピラニアの宝庫だったな」
男1「男を連れて明日も行くかい?」
男2「その前にあの黒い箱の売り込みに行かなきゃね」
男3「そうだな」
192 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 21:29:25.21 ID:tNTMZRyj0 [62/77]
翌朝
男1「パンダウサギコアラ」男2「パンダウサギコアラ」男3「パンダウサギコアラ」男「よいしょ よいしょ」ギコ ギコ
男1「パンダウサギコアラ」
男2「パンダウサギコアラ」
男3「パンダウサギコアラ」
男1「おい、誰かオチ言えよ」
男2「オチだれ~」
男3「私でした」
男1「じゃあまた最初からな」
男「よいしょ よいしょ」ギコ ギコ
193 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 21:39:29.51 ID:tNTMZRyj0 [63/77]
男1「今日はカラッと晴れて虫も少ないから良い交渉が出来そうだね」
男2「晴れてる時じゃないと撃たれるからね」
男3「旧人まじ怒りやすい」
男「船に乗ってたら襲われないのに…」
男1「船なんて邪道です」
男2「完全体になって五十年、未だに現役です」
男3「まだ若い者には負けん!」
男「あ、そう」
男1「なんて気のない返事」
男2「これがツンデレというやつか」
男3「クーツンじゃね?」
194 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 21:48:20.14 ID:tNTMZRyj0 [64/77]
男「なんだかんだ言ってる間にドームが見えてきたよ」ギコ ギコ
男1「あ、本当だ」
男「えっと…何ドームだっけ?」
男3「確かプロメテドームだった気がする」
男「アマテラスドームでしょ」
男1「そうそう、それそれ」
男2「アマテラスって何かかっこいいな」
男3「俺の屍を越えていけ!」
男2「何それ」
男3「知らない」
男「とにかく接触しよう」
男1・2・3「おー!」
198 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 21:56:38.79 ID:tNTMZRyj0 [65/77]
守衛1「………」
守衛1「ん?」
守衛1「おい」
守衛2「何だ」
守衛3「どうした」
守衛1「あれ見ろよ」
守衛2「あれ?」
守衛3「げ!化け物どもだ!」
守衛2「また来やがったのか…」
守衛1「少し脅かしてやろうぜ」
守衛2「そうだな」
守衛3「どうせ逃げねぇよ」
199 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 22:05:28.80 ID:tNTMZRyj0 [66/77]
ズダダダダダダ!
男1「うわ!何だ!」
男2「どうやら銃撃みたいだ!」
男3「何で撃ってくるの!」
男「おい、やめろ!」
守衛1「うるさい化け物ども!」
守衛2「俺達は暇じゃないんだ! 帰れ帰れ!」
守衛3「帰らないと撃つぞ!」
ズダダダダダダ!
男1「もう撃っとるがな!」
男2「やめてよね! 弾丸取るの面倒なんだから!」
男3「ハハ!ゲイリー!」
男「船に穴が開くだろ!止めろ!」
200 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 22:13:49.34 ID:tNTMZRyj0 [67/77]
守衛1「死ね!死ね!死ね!」ズダダダダダ!
守衛2「おい、弾の無駄だ 止めろ」
守衛3「ち、やっぱり逃げないか 前任の言ってた通りだ」
男「ああ、船に穴が」
男1「貴方にも穴が開いています」
男2「でもしっかり生きています」
男3「俺達マジ頑丈」
男「何で急に銃撃なんて…」
男1「よく見ると人が変わってるね」
男2「また交代したのか」
男3「海洋警備って人気無いみたいだからね」
202 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 22:27:08.33 ID:tNTMZRyj0 [68/77]
守衛1「おい!何してやがる! 早く帰れって言ってるだろうが!」
男1「今度の守衛は何か乱暴だね」
男2「前の守衛の方がまだ良かったね」
男3「確かに これでもかってくらい見下してたけど、少なくとも紳士的だったしね」
守衛2「おい!何だべってやがる! 早く出ていけ!」
男1「出ていってあげても良いけど、僕らが急に来なくなったらまた雇い主に怒られるんじゃないの?」
守衛3「う…」
男3「外の情報手に入らなくて雇い主マジ激怒」
男1「個人的感情で仕事を怠けちゃいけません」
守衛1「………」
守衛2「………」
守衛3「………」
205 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 22:38:55.29 ID:tNTMZRyj0 [69/77]
男「黙っちゃった」
男1「あのマスクマンズは雇い主の言う事には基本的に逆らえないみたいだから、こうやって脅せば交渉してくれるんだよ」
男2「大体初期の子はこの手を使うよね」
男3「いきなり撃たれた事は無いけどね」
男「ふーん」
守衛1「おい」
男1「あ、はいはい」
守衛1「で? 何を持ってきたんだよ」
男2「これだよ これ」
守衛1「早く見せろよ」
男3「だからこれだって」
守衛1「あ?」
209 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 22:48:06.24 ID:tNTMZRyj0 [70/77]
男1「あ?だって」
男2「どういう事?」
男3「もしかして分かってないんじゃない」
守衛1「おい、早く見せろよ! 言葉が理解できないのか!あ!?」
男1「………」
男2「この位置から見せて、見えるの?」
守衛1「あ?」
男3「貴方と私の位置でどのくらい高低差があると思うのかね」
男1「貴方はもの凄く高い高台から私達を見おろしています」
男2「後はわかるな」
守衛1「………」
守衛1「あ?」
211 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 22:54:42.44 ID:tNTMZRyj0 [71/77]
男1・2・3「………」
守衛1「おい、なに黙ってやがる! 交渉する気あるのか!」
男1「とりあえずロープを下ろしてください」
男2「話はそれからだ」
守衛1「ロープ?」
守衛1「ああ、そうか」
守衛1「今下ろしてやる」
男「随分抜けてる守衛だね」
男3「たまにはこんなのもいるよね」
212 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 23:04:24.28 ID:tNTMZRyj0 [72/77]
守衛1「うーん」
守衛2「なんだこりゃ」
守衛3「何かの薬か?」
守衛1「よく分からないな」
守衛2「こういう時どうするんだっけ?」
男1「責任者を呼びなさいよ! 責任者を!」
男2「これだから新人は…」
守衛1「くそ!耳の良い化け物だな! おい!」
守衛2「おい、見せに行こうぜ」
守衛3「そうだな」ガタ
男3「あ!乱暴に扱うなよ! 丁寧に扱いなさい!」
215 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 23:15:17.55 ID:tNTMZRyj0 [73/77]
男1「まったく今度の守衛は特別酷いな」
男「前はそんなに酷くなかったのにどうしてこんな急に質が下がったんだろう」
男2「まぁ、元々は海洋警備は旧人社会の懲罰的な意味があるみたいだしね」
男3「運悪く虫を吸い込んじゃったら失敗人になっちゃうしね」
男1「前のは確か女性問題でへましたエリート層じゃなかったっけ?」
男2「集団○○プしたとかなんとか」
男3「○○プいくない!」
男「あいつらも何か犯罪を犯したのかな」
男1「そうじゃない」
男2「恐ろしい世の中ですな」
男3「○○プは二次元までだよ」
217 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 23:26:46.67 ID:tNTMZRyj0 [74/77]
守衛1「おい、化け物ども」
男1「あ、帰ってきた」
男2「どんな感じだった?」
男3「甘もんおくれ~」
守衛1「ボスがおまえらに会いたいそうだ」
男1「会いたい?」
男2「それは珍しい 確か初代以来ずっと会ってないよね」
男3「それでいつ来るの?」
守衛1「あ?」
男「ん?」
守衛1「おまえらが会いに来いよ」
男1「え?」
219 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 23:35:19.39 ID:tNTMZRyj0 [75/77]
男1「そっちから会いに来るんじゃないの?」
守衛1「あ? おまえらが会いに行けよ」
男2「どうやって? ハシゴも無いのに」
男3「もっとちゃんと考えて話しましょう」
守衛1「あ?」
守衛1「ああ」
守衛1「今ハシゴを降ろしてやる」シュルシュル
男1「あれ? 本当に会いにいくの」
男2「どういう事?」
男3「待て! これは孔明の罠だ!」
男「危険視されてるんじゃなかったっけ?」
221 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 23:43:51.25 ID:tNTMZRyj0 [76/77]
男・男1・2・3「………」
守衛1「おい、どうしたんだよ お前らが来ないと俺が怒られるだろ」
男1「本当にここの所長さんは自分達に来て欲しいって言ったの?」
守衛1「ああ、言ったよ」
男2「言ったのか…」
男3「でもこの縄梯子で全員渡れる?」
男1「とりあえず登ってみよう」
男2「駄目だったら海に落ちるだけだし」
男「そうだね」
223 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/30(水) 23:54:17.63 ID:tNTMZRyj0 [77/77]
男1「じゃあまずは私が登ります」ギュ
男2「それでは次は私が」ギュ
男3「それじゃあ次は」
守衛1「おい!何やってんだよ!」
男1「何と言われても」
男2「見ればわかるというか」
男3「梯子を登ろうとしてるんだけど」
守衛「お前等はいらないって言っただろ! そこの一番チビの奴だけだろ!」
守衛1「化け物は言葉が理解できねぇのか! あぁ!?」
男1・2・3「………」
224 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 00:03:46.26 ID:3HwzCiiC0 [1/57]
男1「さてこの人物は我々にそのような言葉を発しただろうか」
男2「記憶にございません」
男3「このさい紳士に無視しよう」
男1「それじゃあ男、行ってらっしゃい」
男「なんで自分だけなんだろう」
男2「一番弱そうだからじゃない」
男3「または一番賢そうだったか」
男「意味がわからない…」
男1「わからなくてもあの守衛に聞いちゃ駄目だよ」
男2「たぶんさらにわからなくなる」
男3「細かい事は考えずに行ってらっしゃいな」
男「………」
男「わかった」
226 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 00:13:18.86 ID:3HwzCiiC0 [2/57]
ギュ ギュ ギュ
男「よいしょ、と」トン
男「ついた」
守衛1「………」カチャ
男「何で銃を向けるの?」
守衛1「うるせぇ化け物! さっさと前に進め!」
男「………」
男1「平常心! 平常心!」
男2「明鏡止水の心を持って!」
男3「今必殺のサン・アタッーク!」
男2「何か違う気がする」
男3「確かにそうかも」
男「………」
男「進もう」
228 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 00:25:51.53 ID:3HwzCiiC0 [3/57]
テクテクテク
男「………」
守衛1「………」
男(何か細い道ばっかりだ)
男(居住関係とはまったくつながってないみたいだな)
男(ちょっと残念)
守衛1「おい、そこのエレベータを押せ」
男「………」
男「よいしょ よいしょ」グイグイ
守衛1「何エレベーターを押してんだよ! エレベーターのボタンを押せよ!」
男「………」
男「上? 下?」
守衛1「上だよ! 上!」
男「ああ、そう」
男「これで良いのね」カチ
230 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 00:36:32.44 ID:3HwzCiiC0 [4/57]
ウィーーン……チーン
男「エレベーターついたよ」
守衛1「それじゃ乗れよ」
男「貴方は乗らないの?」
守衛1「俺は乗らねぇよ」
男「何階のボタンを押せば良いの?」
守衛1「最上階に決まってるだろ!」
男「一番上のボタンを押せば良いの」
守衛1「そうだよ」
男「それではさようなら」ウィーン
守衛1「………」
守衛1「は! いちいち聞かなきゃわからないのかよ!」
守衛1「やっぱり化け物は馬鹿だな!」
231 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 00:44:54.32 ID:3HwzCiiC0 [5/57]
ウィーーン
男「………」
チーン
男「ついたのか」
男「さて、何処に行けば良いんだろう」
男「肝心な場所を聞くのを忘れたな」
男「まぁ、とりあえず適当に歩いてみるか」
男「案内もつけず、好き勝手に移動させるのが悪い」
男「レッツゴー」テクテク
234 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 00:54:32.59 ID:3HwzCiiC0 [6/57]
テクテクテク
男「………」
男「最上階の所長がいる階層なのに」
男「ずいぶん機械的な所だな」
男「………」
男「どこかに入れる所はないかな」キュロキョロ
男「………」
男「あ」
男「あそこに部屋らしき所があるな」
男「鍵がかかって…」カチャカチャ
男「無い!」バキ!
男「よし」
男「おじゃましまーす」ガラガラ
237 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 01:06:05.06 ID:3HwzCiiC0 [7/57]
男「………」
男「これは…」
男「失敗人の標本?」
男「………」テクテク
男「色々な種類があるな」
男「顔だけ違ったり、足だけ旧人だったり」
?「これは寄生者のワクチン投与の実験の結果だよ」
男「実験?」
?「そう、私達をこの狭いドームに押し込めた虫達との戦いの記録さ」
男「戦いの記録…か」
?「いまだに勝った例は無いんだけどね」
男「そうですか」
239 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 01:16:12.42 ID:3HwzCiiC0 [8/57]
男「とりあえず勝手に入った事は謝ります 鍵がかかってなかったものですから」
?「そうか 確かに鍵は壊れていたね」
男「はい」
?「しかし残念だ こっそり入って驚かせようと思ったんだけどね」
男「足音がしましたから」
?「そうか」
男「ところで失礼ですが、貴方は誰ですか?」
所長「私かい? 私はこの研究区画の所長だよ」
男「そうですか 初めまして」
所長「まぁ挨拶がすんだ事だし、落ち着いた所でゆっくり話さないかい?」
男「そうですね」
242 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 01:25:34.28 ID:3HwzCiiC0 [9/57]
男「………」
所長「ふぅ、やっぱり自分の部屋は落ち着くな」
男「そうですか」
所長「さて、何から話すべきかな」
男「自分をここに呼んだ理由だけで良いです」
所長「まぁそういわずに色々聞いていきなさい」
男「はぁ」
所長「さて、君はこの世界がこうなってしまった顛末を知っているかね」
男「いえ、詳しくは知りません」
所長「そうか なら私が話してあげよう」
男「はぁ」
246 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 01:39:11.70 ID:3HwzCiiC0 [10/57]
所長「今では信じられないかもしれないけど昔はこの世界は大地と緑で溢れ、我々人も大層栄えていたそうだ」
男「そのようですね」
所長「だがそんな栄えた世界にも悩みがあったようでね」
男「悩み?」
所長「水不足だよ」
男「水不足?」
所長「そう、増えすぎた人を養うには大量の作物とそれを育てる水が必要だったんだよ」
男「そうですか」
所長「今考えると馬鹿みたいだろう」
所長「今の世界は水だらけなのにね」
男「はぁ」
247 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 01:48:58.20 ID:3HwzCiiC0 [11/57]
男「でも海水で作物は育ちませんよ」
所長「細かい事は良いんだよ」
男「はぁ」
所長「そして昔の人達は水を得るために様々な努力をしたんだ」
所長「地下から水を引いたり、海水を真水に換えたり」
男「大変ですね」
所長「そしてその果てにあの虫を作りだした」
男「虫?」
男「今この世界を覆っているあの虫だよ」
男「………」
249 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 02:04:30.83 ID:3HwzCiiC0 [12/57]
男「虫と今の状態が何か関係があるんですか?」
所長「関係というか原因そのものだよ」
男「どういう事ですか?」
所長「昔とある会社が土を水にかえる画期的な虫を生み出したんだ」
所長「その虫は繁殖力も高く、あっという間に大地を豊富な水源にかえるため 世界から大変珍重された」
所長「人々はこぞって土地を買いあさりその虫を使って大地を水にかえていった」
男「………」
所長「しかし困った事にその虫は管理のずさんさから大量に流失し、どんどん野生化していったんだ」
男「………」
所長「もちろんそうなると野生化した地域では土地が段々と無くなっていった」
252 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 02:20:01.11 ID:3HwzCiiC0 [13/57]
男「世界は何もしなかったんですか?」
所長「もちろん様々な手段を試したさ」
所長「火を使って焼いてみたり、殺虫剤をばらまいたりね」
男「それでどうなったんですか?」
所長「どうにもならないよ 財力がある国家は処置できたみたいだけど、虫が持ち込まれたのは大半は土地を売った弱い小国だったからね」
男「そんな…」
所長「そしてそんな小国から一つまた一つと国が消えていったんだ」
男「………」
所長「だけど土地が消えてもその土地にいた人間は難民となり、船を作って隣国などに住み着いた」
所長「少しなら良かったんだけど 国が消えるたびにそんな人達が増えていって…最後には戦争になった」
男「戦争?」
所長「世界を巻き込んだ大変大きな戦争だったらしい」
253 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 02:33:47.00 ID:3HwzCiiC0 [14/57]
所長「そして国家は戦っていくうち、虫を兵器にする事を考えだしたんだ」
男「兵器に?」
所長「そう、人間を殺す毒のような物を出して相手を効率よく殺せないかとね」
男「………」
所長「それで出来上がったのがあの虫達さ」
所長「人に寄生虫を産み込み恐ろしい怪物にし、さらには土地を奪っていく」
所長「そしてそれは想像以上の能力で世界を飲み込んでいき」
男「………」
所長「今の世界が出来上がったわけだな」
男「………」
所長「まぁ、こんなところだ」
男「そうですか…」
255 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 02:44:45.24 ID:3HwzCiiC0 [15/57]
男「………」
男「少し聞きたい事があるんですが…」
所長「何かね?どんどん聞きなさい」
男「そんなに恐ろしい物を作ったんなら」
男「なんでワクチンのような物を作らなかったんですか?」
所長「いや、作ってはいたようだ」
男「では何でこんな事に?」
所長「簡単な事だよ」
所長「作られたワクチンが偽物だったんだよ」
男「偽物?」
所長「そう、偽物」
257 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 02:59:36.79 ID:3HwzCiiC0 [16/57]
所長「そのワクチンが出来上がった後 強化した虫を使う前に国家は全国民にそのワクチンを打った」
所長「打った後一年くらいは大丈夫だったんだがその後は段々効果が薄れていき」
男「………」
所長「最後には抵抗を持つ者はいなくなり大半が寄生者に変わっていった」
所長「そして国家は緊急用に製造したこのドームに選ばれた人類を乗せ、長い閉鎖生活を送るようになったというわけだ」
男「………」
男「でもそれじゃあワクチンを偽物だという訳がわかりません」
男「ただの失敗作だったんじゃないですか?」
所長「まぁそれは一種の伝説みたいなものだ」
男「伝説?」
258 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 03:13:44.30 ID:3HwzCiiC0 [17/57]
所長「話の中で私は 虫はとある会社が作りだしたといったね」
男「はい」
所長「実は強化した虫もその会社が作り出したんだ」
男「え?」
所長「そしてさっき言ったワクチンも作り出したのがその会社」
男「………」
所長「そんな事情があってか、人々の中にちょっとした伝説が生まれたんだ」
男「………」
男「それは?」
所長「この荒廃した世界の中でそのワクチンを作った会社だけが生き残り、未だに完全なワクチンを隠しているんじゃないか」
所長「そしてその会社の人間だけが世界を独占し、我らを僻地に押しやったのではないか…と」
男「………」
261 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 03:30:06.67 ID:3HwzCiiC0 [18/57]
所長「そういう事で君には聞きたい事があるんだけど」
男「………」
男「何でしょう?」
所長「この黒い箱の中に入ったカプセルは」
所長「何処で手に入れたのかね?」
男「それは、ビルの廃墟に」
所長「そのビルは立っていたかね」
男「………」
男「はい、立っていました」
所長「それは本当かね」
男「はい」
262 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 03:34:50.11 ID:3HwzCiiC0 [19/57]
所長「そうか」
所長「それは」
所長「そうか…」
男「あの」
所長「伝説は本当だったのか…」
所長「どうだ…」
所長「うーん」
男「あのー!」
所長「ん?」
所長「ああ、君か」
所長「どうかしたかね?」
264 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 03:43:33.50 ID:3HwzCiiC0 [20/57]
男「あの他に用件は…」
所長「ああ…今の所もう無いよ」
男「それなら帰って良いんですか」
所長「ああ、今の所良いよ」
男「あの」
所長「何かね?」
男「そのカプセルを探してきたお礼が欲しいんですけど」
所長「お礼?良いよ どうせお菓子類でしょ?沢山あげるよ」
男「あともう一つ」
所長「何かね?」
男「何で自分を呼んだんですか あの高台からでも良かったのに」
所長「それは…」
所長「何となく…」
男「……そうですか」
302 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 17:14:23.20 ID:3HwzCiiC0 [22/57]
ウィーン……チーン
男「………」
男「ついた」
守衛1「………」
守衛1「来たか」
男「あれ?いたの」
守衛1「ああ、お前をちゃんと遅れとさ」カチャ
男「………」
男「いちいち銃をむけないと案内出来ないの?」
守衛1「うるせぇ!黙ってついてこい!」
男「………」
男「はいはい」
304 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 17:23:07.44 ID:3HwzCiiC0 [23/57]
・
・
・
男1「トマト」
男2「トマト」
男3「トマト」
男「………」
男「何やってるの?」
男1「おお!やっと来たのか! 待ちくたびれた」
男2「かなり長かったね」
男3「暇を持て余してました」
男「それはそれはとして」
男「なぜトマトの連打を?」
306 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 17:31:30.92 ID:3HwzCiiC0 [24/57]
男1「なにってしりとりですが 何か?」
男2「トマトと連打する事により、延々としりとりが出来ます」
男「人、それを無限ループとも言う」
男「………」
男「ああ、そう」
男1「ところで会談の成果はどうだった?」
男2「食料ザクザク?」
男3「たまには動物肉も良いよね!」
男「まあ、そこそこ成果はあったと思う」
男1・2・3「おー」
307 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 17:39:28.05 ID:3HwzCiiC0 [25/57]
男1「成果ありか、待ったかいがあったな」
男2「トマトのおかげだな」
男3「トマト万能説」
男「いや」
守衛1「おい!」
男「ん?」
守衛1「何ぐだぐだだべってやがる! さっさと海に帰れよ!」
男「………」
男「遺産の報酬をまだ受け取ってないんだけど」
守衛1「あ?」
守衛1「ああ」
309 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 17:48:33.48 ID:3HwzCiiC0 [26/57]
守衛1「それなら後で他のやつが持ってくんだよ! だからさっさと海に帰れよ!」
男「………」
男「それは本当?」
守衛1「ああ!?疑うっていうのか!」
守衛1「撃ち殺すぞ!化け物が!」カチャ
男「………」
男「まぁ、ちゃんと報酬をくれるなら良いけどね」
男「それじゃあ帰るか」
男「よいしょ、と」バシャン!
男1・2・3「おかえり~」
男「うん」
310 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 17:59:59.47 ID:3HwzCiiC0 [27/57]
男1「しかしかなり遅かったけど、いったい何の話をしてたの」
男2「人生相談とか」
男3「神竜撃破の方法とか」
男「いや、大した事じゃないよ」
男1「言いたくない事ですね わかります」
男2「○○で××な事か」
男3「大人になるって悲しい事なの…」
男2「何か止めて」
男3「うん」
男「いや、別に怪しい事じゃないんだけどね」
男1・2・3「そうか、そうか」
男「………」
312 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 18:11:53.77 ID:3HwzCiiC0 [28/57]
男1「相変わらずクールな男ですな」
男2「ただしイケメンに限る」
男3「だが我々はイケメンを通り越し、バケメンに」
守衛1「おい!化け物ども!」
男「ん?」
守衛2「新しい餌を持ってきてやったぞ」
守衛3「箱一杯の菓子と食い物だとよ」ズルズル
男1・2・3「キター!」
男「ちゃんと約束は守るのか」
男「ちょっと見直した」
男1・2・3「早く早く!」
守衛1「うるせぇなぁ わかってるよ」
守衛1「ほれ」ポチャン
315 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 18:22:49.88 ID:3HwzCiiC0 [29/57]
男・男1・2・3「………」
男1「何これ」
守衛1「なにってうまい棒だろうが」
男2「凄く…ぬちゃぬちゃです」
男3「せめてビニールをつけるべきでは」
男「どういう事?」
守衛1「化け物が菓子やハムなんて食べても腹を壊すだけだろ?」
守衛2「だからこの食料は俺達が有効利用してやるよ」
守衛3「お前らはうまい棒でも食ってろ」
318 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 18:32:29.62 ID:3HwzCiiC0 [30/57]
男1「これは酷い」
男2「彼らはジャイアニズムの体現者だったのか」
男2「この怒りはゲームのフリーズ時よりも深い」
男「見直して損した」
守衛1「うるせぇ化け物ども! 早く帰らねぇと撃つぞ!」
守衛2「またよろしくね!」
守衛3「美味しいチョコレートだな」パクパク
男・男1・2・3「………」
男1「この恨みはらさでおくべきか…」
男2「安全地域にいるからとなめおって…」
男「その幻想をぶち壊す!」
320 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 18:43:40.36 ID:3HwzCiiC0 [31/57]
男1「怒りのあまり男3が男になったよ…」
男2「もはや許しておけん…」
男3「殺してでも奪い取る」
男「どうするの?」
男1「あいつらは梯子が無いと我らが上ってこれないと思ってるようだ」
男2「だが別に無くても上れる」
男「上る?どうやって?」
男3「こうやって」ガシ
男1「よいしょ、と」ガシ
男2「こらしょ、と」ガシ
男「………」
男「え?」
322 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 18:51:48.93 ID:3HwzCiiC0 [32/57]
男「もしかして力ずくで上るの!?」
男1「そうですが何か?」
男「いや!銃で蜂の巣にされるから!」
男2「だれがロッククライミングすると言った」
男3「ここはこうするのさ!」
男「こう?」
男1・2・3「こう!」
ピョーン!
男「………」
男「なるほど腕の力だけでジャンプしたのか」
男「………」
男「まぁ、良いや」
324 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 19:01:58.29 ID:3HwzCiiC0 [33/57]
守衛1「この菓子美味しいな」パクパク
守衛2「こういう菓子類はなかなか配給されないしな」パクパク
守衛3「妹にも持っていってやるか」パクパク
ヒューー
守衛1「何だ?」
男1「1!」
男2「2!」
男3「さ、うわあああああ!」バシャン
守衛1・2・3「………」
男1・2「………」
男1・2「お菓子返せ」
守衛1・2・3「………」
326 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 19:13:34.14 ID:3HwzCiiC0 [34/57]
男1・2「………」
男1「どうする?あんまり怖がってないよ」
男2「最後の締めが悪かったか…」
守衛1・2・3「………」
守衛1・2・3「うわ」
守衛1・2・3「うわああああああ!」ダッ!
男1「あ、逃げた」
男2「ふふふ我らに恐れをなしたか」
守衛1・2・3「うわあああああ!」ダッ!
男1「あれ?でもあいつら海に」
男2「ん?」
バシャン!
男1・2「あらら」
327 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 19:22:06.33 ID:3HwzCiiC0 [35/57]
守衛1・2・3「うわ!ぐが!」バシャバシャ
男「………」
男3「晴れ時々旧人か」
男1「おーい さすがに死なれたやっかいだから拾ってあげて」
男2「言っておくけどそいつら勝手に落ちたのよ」
男3「はいはい、と」
男「まったく」
守衛1「うわ!さわんな化け物!」
守衛2「気持ち悪い!」
守衛3「うわ!うわぁぁぁ!」バシャバシャ
334 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 19:47:21.00 ID:3HwzCiiC0 [37/57]
男3「さて、こいつも回収して、と」
守衛3「くそ!放せ!放せ!」ズダダダダ!
男3「イタタタタタ!」
男3「何するんだよ!」ポイ
守衛3「ぐえ!」バシャン!
男3「おーびっくりした」
男「撃たれてびっくりしたですむんだ」
男3「それがミュータントクオリティ」
男「ははは」
守衛3「ぐぼ!ぐが」バシャバシャ
337 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 19:56:38.05 ID:3HwzCiiC0 [38/57]
男1「置いてあった梯子下ろすよ~」シュルシュル
男3「はいはい、と」
男3「ほら、上れよ」ヒョイ
守衛1「くそ!」ギュ
守衛2「ついてねぇな…」ギュ
男3「礼も言えないとは、ほんとしつけがなってないな」
男「後はあいつを回収するだけか」
男3「まったくどうしてこんな事に」
守衛3「うわ!うわあああああ!」ズダダダダ!
男3「こら!暴れるな!」
守衛3「ああああああああああ!」ズダダ!ズダダ!
339 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 20:03:52.97 ID:3HwzCiiC0 [39/57]
男「何か様子おかしくない?」
男3「何だ?」
守衛3「ぐあああああ!いだ!あああああ!」
男2「志村!後ろ、じゃなくて中、中!」
男3「中?」
男1「めっちゃ食われてるから! めっちゃ食われてるから」
男3「え?」
守衛3「が…あがが…」
男「とにかく引き上げて!」
男3「う、うん!」バシャ
男3「………」
男3「うわ」
340 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 20:11:03.35 ID:3HwzCiiC0 [40/57]
守衛1・2「………」
守衛1「おい、ふざけんなよ…」
守衛2「………」
男・男1・2・3「………」
男1「なんでもな~い なんでもな~い」
男2「君の笑顔が~」
男3「あっとゆま~に あっとゆま~にそらよみ~がえ~る」
守衛1「ふざけるなよ!この野郎!」ズダダダダダ!
守衛2「うわあああああ!」ズダダダダダ
男3「うわわわわわ!」
341 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 20:18:56.45 ID:3HwzCiiC0 [41/57]
男1「に、荷物を回収して撤退!」
男2「あいあいさー!」
守衛1「うわあああああああ!」ズダダダダダ!
守衛2「死ね!死ね!」ズダダダダダ!
男3「先に逃げてます~!」
男「うわわ!船に穴が」ブクブク
男1「荷物は回収した!?」
男2「うん!」
男1「それじゃあ撤収!」バシャン!
男2「おー!」バシャン!
守衛1「この野郎!この野郎!」ズダダダダダ!
守衛2「人殺しの化け物が!」ズダダダダダ!
348 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 20:31:08.92 ID:3HwzCiiC0 [42/57]
守衛1「くそ!くそ!」ガタン
守衛2「化け物が!」ガタン
守衛1「うわあああああ!」ズダダダダダ!
守衛2「うわああ!……あ?」
守衛1「どうした!?」カチャ
守衛2「何だか体が…」
守衛1「俺も何だか…あ…ぐあ…」
守衛2「痛い!体が痛い!」
守衛1「あ…ああ…ぐあ…」
守衛1・2「ああああああああ!」グジュグジュ
守衛1・2「………」
守衛1・2「………」ムクリ
350 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 20:40:24.59 ID:3HwzCiiC0 [43/57]
・
・
・
男1「パンダウサギコアラ」
男2「パンダウサギコアラ」
男3「パンダウサギコアラ」
男「………」
男「ちょっと」
男1「なんだい、男くん改め」
男2「てん・ぷくおくん」
男3「言いたい事はわかる、だが言うな」
男「あいつらだいぶ怒ってたね」
男1「でも聞いちゃうのが男クオリティ」
男2「さすがてん・ぷくお」
男3「このファミコン探偵が!」
352 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 20:53:53.66 ID:3HwzCiiC0 [44/57]
男「今後旧人との交渉どうなるんだろう…」
男1「何という重い話題」
男2「とにかくあれが不幸な事故だったって説明するしかないよ」
男3「まさが旧人があんなに脆いなんて思わなかったわ」
男1「あんな雑魚に食われるんならイカやタコに襲われたらどうなるんだろうな」
男2「そりゃ食われるだろう」
男3「俺様お前まるかじり」
男「………」
男「そうか…」
男1「そうそう」
男2「とにかく忘れよう あいつら少し自業自得な所もあったし」
男3「さすがにあいつらは酷すぎた」
353 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 21:03:45.93 ID:3HwzCiiC0 [45/57]
男「そうかもしれないな」
男1「そうそう」
男2「まぁ、家に帰ったら念仏でも唱えよう ちゃんと成仏できるように」
男3「もっこく どこくすい こっか こっきん こくもく てん!」
男2「ふと教育テレビと浮かんだ」
男1「そもそもそれは念仏じゃない」
男3「昔の天テレは良かった…」
男「………」
男「昔か…」
男「自分の昔はどんなだったんだろうな」
365 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 22:07:21.51 ID:3HwzCiiC0 [47/57]
・
・
・
所長「サンプルの様子はどうだね」
所員「さっきまでだいぶ暴れていましたが、鎮静剤の効果もあってか今は安定しています」
所長「そうか、上の連中も最近はサンプル作成を渋るようになってきたから」
所長「こうして天然のサンプルが手にはいるのは不謹慎だが喜ばしい事だ」
所員「しかし恐ろしいですね 熱処理されていない水を少し飲んだだけで感染するなんて」
所長「ここ以外の水源は完全に汚染されているからね、一口飲んだだけでもうアウトさ」
所員「しかしあの耐性者がもってきたカプセル、本当に信じて良いんでしょうか?」
所長「なに、ちょっとした神頼みさ」
所長「違ったらまたふりだしに戻る」
所長「ただそれだけさ」
367 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 22:16:51.47 ID:3HwzCiiC0 [48/57]
守衛1「………」
守衛2「………」
所長「君も私も、不幸な時代に生まれたものだ」
所長「このような隔離した世界で生まれ、そして死んでいく」
所長「先祖はあんなに繁栄を謳歌していたのにね」チャキ
所長「だがそれも終わりになるかもしれない」プス
所長「君達の犠牲に感謝する」スー
守衛1・2「………」
所長「………」
所員「所長」
所員「ああ、後は様子をみるだけだ」
372 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 22:31:26.15 ID:3HwzCiiC0 [49/57]
数カ月後
所長「………」
所員「………」
守衛1「おい、いい加減だしてよ」
守衛2「ここ何処ですか」
所員「これは…成功したんでしょうか」
所長「外見が耐性者の初期に似ているな これは興味深い」
所員「それではあのワクチンは本当に伝説のワクチンだったんでしょうか?」
所長「いや、偽物の件もある、まだ判断できない」
所長「だが…」
所長「これがもし本物なら我々は再びこの世界を征すことが出来る」
所長「なんとも夢が広がるじゃないか! 神は我々をまだ見捨ててはいなかったのだ!」
所長「やった!やったぞ!」
所長「ははははははははは!」
374 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 22:41:37.91 ID:3HwzCiiC0 [50/57]
・
・
・
男1「………」
男2「………」
男3「お腹空いた~」
男「………」
男1「我慢しろよ まだ出てったら危ないだろ」
男2「昔は良かったな~ 好きな時に海に出て好きなだけ食べてさ」
男3「それがどうしてこうなった…」
男「………」
男「自分のせいだ…自分があんな物持っていかなければ…」
男「まさか旧人があんなに活気を取り戻すなんて…」
男1・2・3「………」
377 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 22:49:30.93 ID:3HwzCiiC0 [51/57]
人間「はははは!それ!追い込め!」ヴィーン!
人間「このゾンビ野郎が!」ズダダダダダ!
失敗人「!!」グチャグチャ
失敗人「!!」グチャグチャ
人間「先祖の仇だ!死ね死ね!」
男1「………」
男2「この辺はあんまりいなかったのに…」
男3「また勢力範囲を拡大なされたようで…」
男「………」
男1「移動しましょ」
男2「そうしましょ」
男3「また飯抜きか…」
380 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 22:55:26.67 ID:3HwzCiiC0 [52/57]
人間「おい!あそこのいるの賞金首じゃないか!?」
人間「本当だ!捕まえろ!」
男1「うわ!見つかった!」
男2「逃げろ逃げろ~!」
男3「うわ~ん!」
男「くっ!」
人間「逃がすな!大金の塊だぞ!」
人間「網を持ってこい!」
383 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 23:04:58.92 ID:3HwzCiiC0 [53/57]
・
・
・
男1「ただいま~と」
男2「といってもただの流木ですが…」
男3「前のお家が懐かしいお」
男「………」
男1「気分は没落貴族!」
男2「前向きに前向きに」
男3「思考回路は絶望寸前、今すぐ~泣きたいの~」
男「ごめん…」
男1「あんまり男の心にダメージを与えるなよ」
男2「ギザギザハートの子守歌を歌うんだ!」
男3「その前に私の心がギザギザです」
387 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 23:17:10.86 ID:3HwzCiiC0 [54/57]
男「………」
男1「返事が無い、ただの屍のようだ」
男2「ここ数年で本当にガラスハートになっちゃったな」
男3「ほんの冗談なのに」
男「………」
男1「しかし、まさか旧人が耐性つけてこんなに繁殖するとは思わなかったな」
男2「繁殖といってもドームの中からただ出てきただけでは?」
男3「昔はあんなにちやほやしてたのに 耐性出来たとたん賞金首と呼ばれるなんてなぁ」
男1「言うほどちやほやしてたか?」
男2「初期の初期でしょ ちやほやしたのは」
男3「確かに後期は酷かった まるでコードギアスのようだ」
男2「なぜかカレン最高!と思った」
男1「CCも捨てがたい」
389 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 23:27:43.94 ID:3HwzCiiC0 [55/57]
男「ねぇ」
男1「何かね? 男よ」
男2「まさか…そんな事が!」
男3「サラマンダーよりはやーい!」
男「自分達って何で生まれたのかな…」
男1「ん?」
男「人間にも戻れず失敗人みたいに理性を忘れる事もなく…」
男1「うーん 何というか…」
男2「この症状は見覚えあるような…」
男3「中2病だ!中2病を発生なされた!」
男「いや、真面目な話」
男1・2・3「………」
391 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 23:37:04.98 ID:3HwzCiiC0 [56/57]
男1「簡潔に言えば私達は私達です」
男2「旧人の初期の人の話だと新たな新種だそうだよ」
男3「虫に耐性あってラッキー!て思わなきゃ」
男「………」
男1「そんなに落ち込みなさるな なんとかなるさ」
男2「きっとまだ旧人のいない所もあるよ」
男3「あるの?」
男1・2「あるの!」
男3「なんだってー!」
男「………」
394 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/01(木) 23:48:05.56 ID:3HwzCiiC0 [57/57]
男1「あらら、まだ回復しないや」
男2「正直な話これからどうする?」
男3「最後の聖域だと思ってたあのビルは旧人に封鎖されちゃったしね」
男1「あそこは良かった… ピラニア一杯いたし、屋根のある所で眠れたし」
男2「屋根か…屋根欲しいな ちゃんと寝たい」
男3「昔はイカ焼き食べてゴロ寝しながら 虫昼観賞できたのに」
男「………」
男「ん?」
男1・2・3「ん?」
396 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 00:00:54.63 ID:naNL8o9m0 [1/54]
男1「どうかしたかね? 男よ」
男2「もしかして○ん○?」
男3「便秘には幸楽!」
男「そういえばあの虫達は何処から来るんだろう?」
男1「ん?確かに何処だろう?」
男2「あの世からとか」
男3「さぁ、お逝きなさい」
男2「何だろう…それは」
男1「く~る きっとくる~」
男2「違うと思う」
男3「それより幸楽の長男の名前なんだっけ いなりだっけ?」
400 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 00:11:02.82 ID:naNL8o9m0 [2/54]
男「いや、真面目な話」
男1「うーん 真面目な話と言われても…」
男2「気にとめた事はないな」
男3「それよりいなりだよ いなりかずきで良いんだっけ?」
男「もしかしたら虫を追っていけば何らかの楽園が見えてくるかも」
男1「楽園?」
男2「リンゴが一杯あるのかい」
男3「リンゴ食べたい!甘い物プリーズ!」
男「なんとなく…」
男「そんな気がする」
男1・2・3「うーむ」
402 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 00:24:11.95 ID:naNL8o9m0 [3/54]
男1「どうせこの先行く当ては無いし、浪漫飛行に乗るのも良いかもね」
男2「あの地平線輝くのはどこかに君を隠しているから作戦だな」
男3「沢山の火が懐かしいのはそのどれか一つに君がいるから作戦も捨てがたい」
男「いや、ここはシンプルに新天地作戦と行こう」
男1「男元気になったな」
男2「彼は根っからの冒険者気質のようだ」
男3「さすがトルネコさん!」
男「よし、それじゃあ明日に備えて早く寝よう!」
男1・2・3「おー!」
404 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 00:35:32.63 ID:naNL8o9m0 [4/54]
男3「それじゃあ寝る前にエロゲー様に就寝の挨拶を」
男「それいつまで持ってるの?」
男1「何をおっしゃるウサギさん!」
男2「これを捨てるなんてとんでもない!」
男3「祟りじゃ!エロゲー様の祟りが怒るぞ!」
男「まぁ、良いんだけどね」
男1「仕舞妻様さようなら」
男2「バイブルブラック様さようなら」
男3「下級生2様 さようなら」
男1・2・3「それではおやすみなさい」
男「………」
男「まぁ、良いか」
406 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 00:48:11.36 ID:naNL8o9m0 [5/54]
・
・
・
ガボガボガボ プシャァ!
所長「………」
所長「ふぅ」
所長「やっとついたな」
所員「そうですね やはり潜水艦を借りてきたのは正解でしたね」
所長「ヘリは虫に妨害され、海中はピラニアの餌食、本当にやっかいな所だよ」
所員「あの謎の妨害波が無ければもっと楽に進めたのですが」
所長「まぁ、今更何をいっても遅い」
所長「とにかく兵隊さん、護衛は任せましたぞ」
兵士「お任せください」
所長「うむ」
412 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 01:22:43.52 ID:naNL8o9m0 [7/54]
テクテクテク
所長「やはり初階はかなり荒れているな」
兵士「突入する際魚雷を一発撃ちましたからこうなるでしょう まぁ火薬の量は調整しましたが」
所長「そうか、まぁまだ上の階があるさ 気長に進もう」
所員「そうですね」
所長「それじゃ」
失敗人「………」
失敗人「………」
失敗人「………」
所長「どうやらお出迎えのようだな」
兵士「お任せください」カチャ
所長「うむ」
415 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 01:38:35.13 ID:naNL8o9m0 [8/54]
ズダダダダダ……
・
・
・
所長「さて、もう最上階か」
兵士「そのようですね 誰かが道を作ってくれたのか だいぶ楽に進めました」
所員「階段の周りにあった肉塊はなんだったんでしょうか」
所長「あれはどうやらタンパク質の塊のようだ」
所長「きっと侵入者対策とあの感染者の餌も兼ねていたのだろう」
所員「とうせんぼと番犬ですか」
所長「あの塊には大量のミミズ虫も住み着いていた 耐性のない者は触れただけで感染者になっただろうな」
所員「………」
所長「まぁどっちにしろ今の私達には関係ないがな」
所員「はい」
所長「進もう」
417 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 01:46:02.96 ID:naNL8o9m0 [9/54]
所員「壁に穴が開いていますね」
兵士「鍵でもかかっていたんでしょうか」
所長「いや、ドアらしき物がない きっと隠し部屋か何かだったんだろう」
所員「隠し部屋ですか」
所長「どうやって見つけたのか興味深いな」
所員「はぁ」
兵士「中に大きな金庫があるようです」
所長「きっっあのワクチンがあった所だな」
所長「行ってみよう」
兵士「はい」
420 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 01:56:34.93 ID:naNL8o9m0 [10/54]
所長「………」
所長「ふむ」
所員「大きな金庫ですね」
兵士「電力も通っておらず、ダイヤルらしき物も無いようですね」
所長「だが大きなハンドルがある」
所員「手動…ですか」
所長「まるで彼らの為に用意されていたかのような仕掛けばかりだな」
所員「彼ら…ですか」
所長「一緒に連れて来れなくて残念だよ かなり懸賞金を出したんだがな」
所員「しかし今の彼らにそれほどの価値があるでしょうか? こうしてビルも見つけられましたし」
所長「まぁ、楽を出来るならするに限るしな」
所員「はぁ」
421 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 02:07:03.26 ID:naNL8o9m0 [11/54]
ガサゴソ ガサゴソ
所長「ふむ、どうやらあのカプセルが入った箱しかないようだな」
兵士「そのようですね」
所員「しかし中身が違う可能性もあります」
所長「そうだね 兵隊さん頼んだよ」
兵士「わかりました 少し待っていてください」スチャ
兵士「よっ、と」キン キン
所員「ナイフで鍵破りですか、乱暴ですね」
所長「彼らはもっと乱暴にやっただろうさ」
兵士「………」キン キン
兵士「!」バキ
兵士「よし、とれ」
424 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 02:17:57.58 ID:naNL8o9m0 [12/54]
プシャーーーーー!
兵士「うわ!何だ!」
所員「ガスです!早く逃げましょう」
所長「ガスマスクをしてるだろ」
所員「あ」
兵士「まさか罠が仕掛けられていたとは…」
所長「どうやら彼らには効かないガスのようだな」
所長「それともただのはったりだったのかもしれんな」
所員「意地が悪いですな」
所長「どうやら中身も普通のカプセルのようだな」
所員「そのようですね」
425 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 02:25:36.15 ID:naNL8o9m0 [13/54]
所長「さて、次はこの壁の先か」
所員「怪しさ満点ですね」
兵士「先行者も通ったんですから きっと大丈夫ですよね」
所長「大変かもしれないが先を頼むよ」
兵士「わかりました」
兵士「では進みましょう」
429 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 02:36:54.53 ID:naNL8o9m0 [14/54]
テクテクテク
所員「何かいかにもな感じの隠し通路ですね」
所長「かなり道が歪んでるな きっと無理矢理入ったんだろう」
所員「ここにいったい何があったんでしょう」
所長「どちらにしろ 彼らが気に入る物は無かったんだろう」
所員「という事は金銀財宝が」
所長「夢があって良いが…それなら真っ先に交換しに来ただろうな」
所員「そうですか」
兵士「所長」
所長「何だね」
兵士「どうやら道はここまでのようです」
所長「そうか」
430 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 02:44:57.21 ID:naNL8o9m0 [15/54]
所員「どうやら先は古いタイプの扉のようです」
所長「ドアノブか 鍵はかかってるのかね?」
兵士「いえ、大丈夫のようです」カチャ
所長「そうか、それは良かった」
兵士「では先行します」
所長「頼むよ」
兵士「………」カチャ
兵士「!」バッ!
兵士「………」
兵士「………」
兵士「あれ?」
431 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 02:54:14.84 ID:naNL8o9m0 [16/54]
兵士「うわあああああああ!」
バシャン!
所員「ああ!落ちた!」
所長「なんと!」
兵士「うわ!あ!」
所長「大丈夫かね?」
兵士「何とかだいじょ…」
所員「どうかしましたか?」
兵士「うわああああああ!」バシャバシャ!
所員「どうしたんですか!」
兵士「あが!ああああああああ!」バシャバシャ
所長「そういえばここは危険魚の住処だったな…」
所員「それじゃあ…」
434 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 03:06:37.60 ID:naNL8o9m0 [17/54]
兵士「………」バシャバシャ
所員「ああ…どんどん無くなっていく」
所長「かわいそうに…まだ若いのに」
所員「最後の最後でとんでもない罠を用意しましたね」
所長「………」
所員「所長?」
所長「本当なこれだけだったのかね?」
所員「はい?」
所長「いや、ご丁寧に隠し通路を作っておいて罠だけですませるのかと思ってね」
所員「はぁ」
所長「きっとまだ何かあるはずだ 探してみよう」
所員「……わかりました」
435 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 03:15:46.69 ID:naNL8o9m0 [18/54]
キョロキョロ サワサワ
所員「壁には何も変わった所はありませんね」
所長「天井もそうだ」
所員「どうやら何もないみたいですね」
所長「うーん そんなはずはないんだが…」
所員「しかし現に何も存在しません」
所長「待て!まだ扉の外を探してないぞ!扉の外を探してみよう もしかしたスイッチか何かあるはずだ」
所員「スイッチ…ですか?」
所長「そんな目で見るな! これで最後にするから」
所員「扉の外ですか…」
所員「何もあるわけ」チラ
所員「………」
所員「あ」
437 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 03:24:56.85 ID:naNL8o9m0 [19/54]
所長「何かあったのかね?」
所員「はい」
所長「ほう!それは何だね!?」
所員「何か上に梯子のようなものがあります」
所長「梯子?」
所員「はい、どうやら上に続いているようです」
所長「どれどれ」チラ
所長「おお!本当だ!」
所長「しかし私の老体では先に進めそうにないな…」
所員「では私が行ってきましょう」
所長「口惜しいが頼んだよ」
所員「わかりました」
438 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 03:36:06.79 ID:naNL8o9m0 [20/54]
カンカンカン
所員「高い所は得意なつもりだけど」
所員「さすがにこれは高すぎるな」
所員「だが人類の未来の為」
所員「頑張らないとな」
所員「………」
所員「ん?」
所員「あそこに扉がある」
所員「入り口…か」
所員「でもあの兵士の事もあるし、慎重にいかないとな」
所員「………」
所員「よいしょ、と」キィ
441 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 03:43:40.50 ID:naNL8o9m0 [21/54]
所員「………」
所員「罠は無いな」
所員「………」トン
所員「随分殺風景な部屋だ」
所員「まさに隠れ家だな」
所員「………」
所員「さて」
所員「奥に宝箱らしき物が一つだけ」
所員「………」
所員「開けてみるか」
所員「ここまで来たんだから」
所員「よし」
444 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 03:51:37.38 ID:naNL8o9m0 [22/54]
ガタ ガタン
所員「開いた…」
所員「さて…」
所員「中身は何かな…と」ガサガサ
所員「………」
所員「北を差していないコンパスと…何かの手紙…か」
所員「………」
所員「読んでみるか…」
所員「どれどれ…」
・
・
・
448 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 04:02:49.33 ID:naNL8o9m0 [23/54]
・
・
・
男1「パンダウサギコアラ」
男2「パンダウサギコアラ」
男3「パンダウサギコアラ」
男「………」
男1「パンダウサギコアラ」
男2「パンダウサギコアラ」
男3「パンダウサギコアラ」
男1「おい、誰かオチ言えよ」
男2「オチだれ~」
男3「私でした」
男1「じゃあまた最初からな」
男「………」
451 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 04:14:33.85 ID:naNL8o9m0 [24/54]
男「ちょっと」
男1「何かな、男よ?」
男「いい加減それ止めたらどうかと」
男2「ま~た伝統音楽を愚弄する~」
男3「この緑豆!」
男「いや、飽きないのかな、と」
男1「これは私達に受け継がれた伝統音楽です」
男2「それを捨てるなんてとんでもない!」
男3「パンダウサギコアラ!」
男「………」
男「わかったよ」
男1・2・3「よろしい」
499 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 18:38:53.18 ID:naNL8o9m0 [26/54]
男1「それにしてもあれからどれくらいたっただろう」
男2「言ったり来たりの虫に翻弄されもう疲れました」
男3「甘い言葉に乗せられて~」
男「きっともう少しだよ 我慢しよう」
男1「その言葉何回も聞いた気がする」
男2「なんという傲慢」
男3「彼は昔からそうでした」
男1「まさかあんな事をするなんて…」
男2「学生時代は大人しい子だったんです」
男3「切れる十代、また狂気の犯行 彼の鞄にはゲームで有名なナイフが」
男1「印象操作は良くないな」
男2「若者の○○離れか」
501 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 18:49:48.47 ID:naNL8o9m0 [27/54]
男「とにかく辛抱して待」
ブ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ
男「あ、来た!」
男1「やっと来たよ」
男2「でも早いからまた少ししか進めませんけどね」
男3「サラマンダーよりはや~い」
男2「うざいという事では一致してる気がする」
男3「王女様の部屋から苦しそうな声がするのぉ」
男「もう、そういうのいいから早く進もう」
男1「はいはい、と」
男2「今日はどこまで進めるかな」
男3「まさにトルネコの大冒険」
男「行こう」
504 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 18:58:27.66 ID:naNL8o9m0 [28/54]
バシャバシャバシャ
男1「あおぉぉぉぉ!」バシャバシャ!
男2「いおぉぉぉぉ!」バシャバシャ!
男3「うおぉぉぉぉ!」バシャバシャ!
男「ま、待って~」バシャバシャ
男1「彼は勢いはあるのだが」
男2「いかんせん体力が足りない」
男3「そして早さが足りない!」
男「むむむ」
男1・2・3「ほらほら置いてっちゃうぞ~!」バシャバシャ!
男「………」
男「ん?」
507 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 19:11:02.26 ID:naNL8o9m0 [29/54]
男1・2・3「ほらほら~!追いついてみろよ~!」バシャバシャ!
男「………」
男1・2・3「ほれほれ~!」バシャバシャ!
男「………」
男「また後ろに戻ってるよ」
男1・2・3「………」
男1・2・3「ん?」
男「………」
男1「また迷いの森か…」
男2「また男の独壇場か…」
男3「武蔵伝の迷いの森のようなうざさ…」
男「まぁ、とにかく自分から離れないようにしてね」
男1・2・3「はいはい」
509 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 19:25:20.67 ID:naNL8o9m0 [30/54]
バシャバシャバシャ
男1「ここから自由遊泳で良いのか」
男2「といっても男を掴み、行き先も男次第ですが」
男3「ごめん皆、ここ俺しか進めないんだですね」
男「とにかくこの変な空間があるって事はきっと先に良い物があるに違いない!」
男1「男の冒険心炸裂か」
男2「いつもの事 いつもの事」
男3「早くダッシュ3を出してください」
男「よいしょ よいしょ」バシャバシャ
男1・2・3「………」バシャバシャ
511 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 19:35:00.50 ID:naNL8o9m0 [31/54]
深夜
男1「今日もかなり進みましたな」
男2「ここは旧人もいないし、魚も一杯いるけど寝る場所が無いのが痛いね」
男3「屋根のある所で寝」
男2「やめて」
男3「はい」
男「………」
男1「どうした男よ」
男「いや」
男「本当にちゃんと何かあるかな、と」
男「不安になってね…」
男1・2・3「………」
512 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 19:47:31.72 ID:naNL8o9m0 [32/54]
男1「なに、何も無くてもその時はその時だよ」
男2「前向きに前向きに」
男3「ミュータントくじけない!」
男「………」
男「そうだね」
男1「そうそう」
男「じゃあ今日はもう寝ようか」
男1・2・3「おー!」
男「それじゃあ寝よう」
男1「あ、そうだ男よ」
男「なに?」
男1「後悔はしないようにね」
男「?」
514 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 20:00:38.88 ID:naNL8o9m0 [33/54]
男1・2・3「………」バシャバシャ
男「よいしょ よいしょ」バシャバシャ
男1「伝統音楽を封じられると途端に暇になりますな」
男2「おのれ男め 弱みを握りおって」
男3「特にネタ無し」
男「だってうるさいし」
男1「なら参加すれば良いじゃない」
男2「まったく頭の固い男だ」
男3「一緒に幸せになろうよ~」
男「………」
男「とにかく進むよ」
男1・2・3「いけず~」
515 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 20:11:03.82 ID:naNL8o9m0 [34/54]
バシャバシャバシャ
男・男1・2・3「………」バシャバシャ
男・男1・2・3「………」バシャバシャ
男「………」バシャバシャ
男「ん?」
男「!!」
男1「どうした男よ?」
男2「もしやラピュタが!」
男3「ラピュタまじ勘弁」
男「………」
男「陸地がある…」
男1・2・3「な」
男1・2・3「なんだってー!」
517 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 20:22:21.33 ID:naNL8o9m0 [35/54]
男1「と驚いて見たものの」
男2「そんな物あるわけありません」
男3「開けてびっくり何も無し ほんと新入りはサプライズ好きやで!」
男「いや、本当だから! 早く目を開けて確かめて見てよ!」
男1「どれどれ騙されたと思って」パチ
男2「そして騙されるんですね」パチ
男3「騙されたと思ったらまた騙される まるでオルステッドのようだ」パチ
男1・2・3「………」
男1・2・3「わぁ」
男1・2・3「本当だ」
522 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 20:35:46.91 ID:naNL8o9m0 [36/54]
男「何で皆そんなにテンションが低いんだよ!」
男「これは凄い事だよ! この世界は虫の影響で陸地がもう無いはずなのに!」
男1「まさか男にテンションが低いと言われるなんて…」
男2「これが青天の霹靂か」
男3「中から高のビフォーアフターですね」
男2「あいついつの間にか髪を染めている…という言葉が浮かんだ」
男1「彼女なんて無いさ~彼女なんて嘘さ~寝ぼけた人が~見間違えたのさ」
男「とにかく上陸してみよう! 急いで!」
男1「はいはい、まったくこの冒険野郎は」
男2「こういうの好きね~」
男3「なぜかトロピコと浮かんだ」
524 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 20:46:01.72 ID:naNL8o9m0 [37/54]
バチャバチャバチャ
男1「久しぶりに水から離れた気がするな」
男2「あのままマーメイドになると思った」
男3「いや、マーマンでしょう」
男「凄い…ちゃんと歩ける」
男1「そりゃ歩けるでしょう」
男2「何にでも興味を持つお年頃か」
男「初心を持つ事は良い事だよ」
男「いったいどうしてこんな陸地が…」
男1「それはきっと神様が」
ブ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ
男2「ん?」
男3「虫ですな」
526 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 20:55:24.60 ID:naNL8o9m0 [38/54]
ボタボタボタ ボタボタボタ
男1「うわ!何か落としてきた!」
男2「うんこだ! うんこ!」
男3「うわ!えんがちょ!」
男「………」
男「………」ピト
男1「うんこ触るなよ」
男2「彼にそんな趣味が」
男3「風船クラブを愛読してたのか」
男「………」サワサワ
男「………」
男「これ土だ…]
535 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 21:49:12.28 ID:naNL8o9m0 [40/54]
男1「土?」
男2「ツチノコか」
男3「虫のうんこはつっちつち~」
男「虫は土を食べて水を出すはずなのになんで…」
男1「ジョブチェンジしたとか」
男2「転職ですね わかります」
男3「あの頃は酷い就職難でした」
男「ジョブチェンジ? 就職?」
男「………」
男「そうか…」
男「性質を変えたのか…」
539 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 21:57:26.92 ID:naNL8o9m0 [41/54]
男1「男さんが何か閃いたようで」
男2「ピコーン!」
男3「乱れ雪月花!」
男「変だと思ったんだ」
男「もう大地なんてないのに虫が生きてるなんて…」
男「性質を変えて生きのびたのか」
男「じゃあ虫昼の時のあの光は…」
男「水を土に変換して…」
男1「何という科学者気質」
男2「周りが見えていません」
男2「ダーウィンの進化論ですな」
542 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 22:06:22.00 ID:naNL8o9m0 [42/54]
男「………」
男1「男さんが瞑想モードに入りました」
男2「じゃあとりあえず遊ぼうぜ!」
男3「虫のうんこでどろんこ遊びしよう!」
男1「こういう時は夏の定番トンネル開通だ!」
男2「夏定番とは限らないが賛成ー!」
男3「城も作ろうよ!」
男1「土の帝国ですな!」
男2「まほろばの夢と共に朽ちて消えゆくんですね!」
男3「忍ペンまん丸だ!」
男「………」
543 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 22:14:28.45 ID:naNL8o9m0 [43/54]
男「………」
男1「あ!トンネル崩れた!」
男2「腕が太すぎるから」
男3「ミュータントトンネル開通ならず!」
男1「くそ!我々は永遠にトンネル開通が出来ないのか!」
男2「微妙に下ネタですな」
男3「開通済みのトンネルすら通った事がありません」
男1「そもそもトンネルがもうありませんな」
男2「あっても開通できないよ」
男3「君の早さは僕に似ている!」
男「………」
547 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 22:23:58.71 ID:naNL8o9m0 [44/54]
男「………」
男1「ふぅ 結構遊びましたな」
男2「童心に帰ったようだ」
男3「楽しかったな」
男「………」
男1「男はまだ瞑想タイムか」
男2「瞑想を通り越し妄想になっているのでは…」
男3「私が初めて妄想した世界のラスボスはラヴォスでした」
男2「ビックストルネードで余裕」
男1「どうせ後でお腹空かせるだろうしお魚採ってきてやろう」
男2・3「そうだな」
男「………」
549 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 22:30:39.67 ID:naNL8o9m0 [45/54]
パチパチパチ
男「ん?」
男「良いにおい」
男1「あ、おかえり~」
男2「ようやく戻ってきたか」
男3「戦士達だ…戦士達が黄泉の国から帰ってきた!」
男「焼き魚?」
男「材料はどこに?」
男1「そこらの木ですが」
男2「奥に行けば結構あるよ」
男3「ちなみに火をおこしたのは私です」
男「木?」
男「木まで生えているのか…」
551 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 22:38:48.10 ID:naNL8o9m0 [46/54]
男1「こら、また瞑想モードに入らない」
男2「良いから食べよう まだ沢山あるよ」
男3「なんだかんだ行って新入りは毎日お腹空かせてたみたいだしね」
男「う、うん ありがとう」
男1「遠慮せず食べなさい 僕らは海で散々食べてきた」
男2「生魚も良いもんだよな」
男3「海水はスパイス」
男「それじゃあ頂きます」
男1・2・3「どうぞ どうぞ」
男「………」パク
男「美味しい」モグモグ
553 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 22:47:41.04 ID:naNL8o9m0 [47/54]
パチパチパチ
男「………」
男「火か…」
男「火を見るなんて久しぶりだな」
男1「満腹になった途端感傷モードか」
男2「そのどれか一つに誰かいるよ」
男3「途端にホラーになったな」
男「………」
男「ここはやっぱり楽園なのかな」
男1「楽園?」
男「そう、最後の楽園」
男2「最楽園ですな」
男3「遊園地みたいだな」
554 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 22:59:39.17 ID:naNL8o9m0 [48/54]
男「大地も植物もあって空が綺麗で…」
男「虫昼のうるささも無いし…」
男1「視点を変えれば虫の便所暮らしですけどね」
男2「動物の姿は皆無だし」
男3「魚肉生活延長か」
男「ここでずっと暮らしたいな」
男1「遠回しな家建造の催促ですね」
男2「全身大工道具の我々に建てぬ建物無し!」
男3「指示お願いね」
男「いや、自分も手伝うよ」
男1「…ああ、そうだね」
男2「じゃあとりあえず屋根があれば良いね」
男3「念願の屋根が!」
556 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 23:09:50.84 ID:naNL8o9m0 [49/54]
・
・
・
男・男1・2・3「………」パチパチ
男1「出来たかな?」パカ
男2「あ、出来てるんじゃない!」
男3「美味しそうな薫製だ」
男「また夕食のメニューが増えるね」
男1「これが加工技術か」
男2「加工食品さいこー!」
男3「これが文明開花か」
男「さっそく献立に加えよう」
男1・2・3「おー!」
558 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 23:19:19.28 ID:naNL8o9m0 [50/54]
パクパク カチャカチャ
男1「まさか箸で魚を食べる日が来ようとは」
男2「野菜美味しいです」
男3「手作り家具も良い感じ」
男「そうだね~」
男1「少し前まで水の中で生魚を食らっていた自分が恥ずかしい!」
男2「夢のマイホーム生活!」
男3「なんという事でしょう!」
男「静かに食べようよ 文明人なら」
男1「その手には乗らん!」
男2「食事はわいわい食べる物です」
男3「この…特にネタ無し」
559 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 23:30:37.60 ID:naNL8o9m0 [51/54]
男1「さて食った食った」
男2「これからどうする~」
男3「ここはけんけんぱでも」
男1「いや、鬼ごっこも捨てがたい」
男2「毎日が日曜日!」
男3「毎日は土曜日にしよう 日曜の次は月曜が来るぞ」
男1「月曜日…なんて恐ろしい…」
男2「とんでもない間違いを犯す所だった…」
男「ちょっと待って」
男1「ん? どうしたの?」
男「今日は探検タイムにしよう」
男2「え? また?」
562 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 23:39:49.85 ID:naNL8o9m0 [52/54]
男1「男は本当に冒険が好きですな~」
男2「どうせもう何も無いよ」
男3「そうそう」
男「まぁ良いじゃない 探検も楽しいよ」
男1「まぁ、そうなんですけどね」
男2「お弁当持ってピクニックか 良いかもね」
男3「弁当箱は木の皮ですけど」
男1「何か皆乗り気みたいだし良いよ」
男「ありがとう」
男1「でも暗くなる前には帰るよ」
男「うん、わかった」
男1「それでは出発!」
男・男2・3「おー!」
564 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/02(金) 23:49:25.39 ID:naNL8o9m0 [53/54]
・
・
・
ガタン ガタガタガタ
?「よいしょ、と」ガタ
?「ふぅ」
所長「ついたのか」
所員「どうやらそのようですね」
所長「まさか本当に大地が残っていたなんて…」
所員「この手紙に書いてあった事は本当だったんですね」
所長「コンパスの指す所に大地有り、か」
所長「ワクチンの事が無ければさすがに上を説得出来なかっただろうな」
所員「ここはいったい何なんでしょうか」
所長「それを今から探すんだろう?」
所員「そうですね」
565 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 00:01:29.84 ID:naNL8o9m0 [54/54]
ザッザッザッ
所員「………」
所員「これが自然の土ですか…」
所員「何だか初めて月に行った宇宙飛行士の気分です」
所長「新大陸を発見したコロンブスとも言えるな」
所員「そちらの方が近いかもしれませんね」
所長「どちらにしろ大発見だよ」
所員「嬉しいな…歴史的発見者になれるなんて」
所長「真っ先に名前が残るのは私だろうが」
所員「所長のついででも十分名誉ですよ」
所長「そうだろうとも」
所員「早く先に進みましょう」
所長「まぁそう焦るな」
567 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 00:08:25.26 ID:skEdF0Od0 [1/50]
ザッザッザッ
所員「………」
所員「ん?」
所員「所長!あれ!」
所長「………」
所長「あれは…」
所長「家?」
所長「何でこんな所に家が…」
所員「何ででしょう」
所長「とにかく行ってみよう」
所員「わかりました」
569 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 00:15:05.77 ID:skEdF0Od0 [2/50]
所長「………」
所長「ふむ」
所長「どうやらさっきまで食事を取っていた後がある」
所長「どうやらちゃんと住んでいるようだ」
所員「住んでいる? なら原住民ですか!?」
所長「原住民か…それに近いかもしれないな」
所員「ん?」
所員「どういう事ですか?」
575 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 00:24:23.64 ID:skEdF0Od0 [3/50]
所長「考えてみたまえ、この世界でワクチンが出来るまで自由に世界を行き来できた唯一の存在を」
所員「唯一の存在…」
所員「………」
所員「虫と寄生者ですか?」
所長「…知性あると付け加える」
所員「知性…ですか」
所員「うーん…」
所員「あ!」
所員「彼らか!」
所長「そう、あの耐性者達だよ」
所員「彼らがここに…」
578 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 00:33:55.80 ID:skEdF0Od0 [4/50]
所長「まさか求めていた物がこんな所で手に入るとは思わなかったよ」
所員「手に入る…彼らを捕らえるんですね」
所員「しかしどうやって? 彼らは体力もありますし」
所長「なに、知性の無い怪物を捕らえるとは違うんだ 私に考えがある」
所員「考えですか?」
所長「そうだ 君はいますぐ船の乗組員を連れてきなさい」
所員「乗組員ですか? しかしなぜ」
所長「なに、ちょっと手伝って貰うだけさ」
所長「早く連れて来なさい」
所員「………」
所員「わかりました」
580 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 00:46:16.58 ID:skEdF0Od0 [5/50]
・
・
・
男1「魚の薫製美味しいね」
男2「まさに至福の時」
男3「これがピクニック 円満家庭の象徴か」
男「今日は何も見つからなかったね」
男1「今日はですってよ 奥さん」
男2「この人何言ってるのかしら ずっとご無沙汰のくせに」
男3「この探検猫!まだ探検したりないの!」
男「きょうはたまたま何も見つからなかっただけだよ」
男1「祟りじゃ!大地の祟りじゃ! 男がポジティブになってしまった!」
男2「貴方! あの頃に戻って!」
男3「大人になるって悲しい事なの…」
586 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 00:56:47.45 ID:skEdF0Od0 [6/50]
男1「しかし男よ 男は何を見つけたら満足するのかね」
男「え?」
男「えっと」
男「うーん」
男2「相変わらず行き当たりばったりだね」
男3「この計画倒れが!」
男「むむむ」
男1「取りあえず今日は帰りましょう 暗くなる前に」
男「そ、そうだね」
男2「まぁ! 話をそらしましたよ この人」
男3「帰れるなら良いじゃん」
589 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 01:04:37.78 ID:skEdF0Od0 [7/50]
男1「それでは帰り道は我らの伝統音楽で」
男「いや、それは…」
男2「問答無用」
男3「俺の歌を聞けー!」
男「いや……ここはしりとりが良いと思う!」
男1「しりとり? 無限しりとり?」
男「違う 普通のしりとり」
男1「ですって? どうする?」
男2「男も参加するなら良い」
男3「うむ」
男「わ、わかったよ」
男1「それじゃあしりとりしよう」
男2・3「おー!」
590 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 01:13:57.33 ID:skEdF0Od0 [8/50]
男2「トマト」
男3「トマト」
男「……ト、とんま!」
男1「マント」
男2「トマト」
男3「トマト」
男「………」
男1「いい加減観念しなよ ふっふっふ」
男2「へへへ 馬鹿な男だぜ~ しりとりの常識なんて俺達は知らないぜ~」
男3「ト地獄を味わうが良い!」
男「むむむ」
594 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 01:24:25.85 ID:skEdF0Od0 [9/50]
男1「トマト」
男2「トマト」
男3「トマト」
男「………」
男「トマト」
男1「さて、家につきました 皆さん」
男2「今日は男が観念した所を見れただけでも収穫でしたな」
男3「トマトのトに屈した様は見事だったぜ!」
男「はぁ」
男1「さて、それじゃあ ただいま~と」ガチャ
597 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 01:33:24.92 ID:skEdF0Od0 [10/50]
ズダダダダダダ!
男1「うわ!何だ! いてててて!」
船員「………」
船員「………」
船員「………」
ゾロゾロ
男「何だ!お前ら!?」
男2「団体さんが一杯だ」
男3「勇者様が沢山いらっしゃる」
男1「誰も自分の心配をしてくれない事に絶望した!」
所長「やぁ 久しぶりだね」テクテク
男「貴方はセンターの所長!?」
所長「覚えていてくれたのか ありがとう」
598 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 01:43:43.95 ID:skEdF0Od0 [11/50]
男・男1・2・3「………」
男「どうして貴方がここに?」
所長「なに、ちょっとした贈り物に導かれてね」
男「贈り物?」
所長「君達に贈るはずだった物かもしれないがね」
男「?」
所長「分からないかい 実は私もよくわからないんだよ」
男1「じゃあ言うなよ」
男2「これが痴呆か」
男3「地方の痴呆か」
所長「………」
所長「話しを続けよう」
600 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 01:51:43.08 ID:skEdF0Od0 [12/50]
男1「無視するとは…許せん」
男2「なら徹底的に騒いでやる!」
男3「巫女巫女ナース!巫女巫女ナース!」
所長「………」サッ
ズダダダダダダ!
男1・2・3「いててててて!」
男「おい! やめろ!」
所長「すまない 静かに話したかったからつい、ね」
男1「つい、で撃たれる僕達」
男2「ここは空気を読むべきか」
男3「黙ってましょ黙ってましょ」
602 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 01:59:37.05 ID:skEdF0Od0 [13/50]
所長「もっとちゃんと説明する気だったが興がそがれた」
所長「単刀直入に言う 私達と一緒に来て欲しい」
男「何を!」
男1・2・3「嫌です」
所長「………」サッ
ズダダダダダ!
男1・2・3「いててててて!」
男「この!やめろ!」
所長「分かっただろう? 抵抗しても無駄なんだ」
所長「それなら大人しく従った方が良い」
男「くっ!」
604 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 02:09:52.12 ID:skEdF0Od0 [14/50]
所長「大丈夫待遇は保証するよ ちょっと実験や検査に付き合ってくれるだけで良いんだ」
所長「こちらが外の情報を取引する必要も無くなったから、君達は甘い物に飢えてるだろう?」
所長「協力してくれたら沢山お菓子を上げるよ?」
男「馬鹿にするな!誰がそんな!」
男1「ギブミー!チョコレート!」
男2「アイスアイス!」
男3「チーズケーキの味をもう一度!」
男「………」
所長「君の仲間はどうやら乗り気のようだね」
男「………」
所長「君も幸せになりなよ」
606 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 02:18:22.55 ID:skEdF0Od0 [15/50]
男「誰がそんな…」
男1「なんか飽きてきたな」
男2「あのおじさんは交渉力が足りない」
男3「時代劇の見すぎ」
所長「…ふぅ」
所長「………」サッ
ズダダダダダダ!
男1「はいはい、痛い痛い」
男2「もう良いよ」
男3「どうみても素人の射撃ですな」
船員達「!!」
男1・2・3「がおー!」
所長「ひ!」バタン
608 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 02:27:09.07 ID:skEdF0Od0 [16/50]
男「………」
男1「そ~れ ジャイアントスイング」ブンブン
船員「うわあああああ!」
男2「実は銃って折り畳める物なんです 畳んだらもう使えませんが」クニャ
船員「あわわわわわわ」
男3「がおー!」
船員「ぎゃあああああああ!」ビクビク
男「………」
所長「あ……あ」
男「………」カチャ
所長「ひ!撃たないで!」
男「ここは自分達の大地だ」カチ
610 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 02:37:40.54 ID:skEdF0Od0 [17/50]
ズダダダダダダ!
男「………」
所長「ああ…たすか…」シュゥゥゥゥ…
男「何で止めるの?」
男1「まぁまぁ、落ち着いて」
男2「だがちょっと待って欲しい 殺す事はないのではないか」
男3「駄目だ!そっちに行っちゃ行けない!」
男「何を言ってるんだ!仲間を呼ぶ前に皆殺しにしないと!」
男「せっかく楽園を見つけたのに!」
男1「何を言ってるのか」
男2「男が望んだ事だろう?」
男3「相変わらず過激思考ですな」
男「え?」
613 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 02:47:44.01 ID:skEdF0Od0 [18/50]
男「何を言って…」
男1「そんな事よりスタコラサッサだぜ!」
男2「さらばスローライフ」
男3「これがトロピコ島流しエンド」
男「ちょっと待って!」
男1「待ちません!連れていきます!」ガシ!
男2「そーれ わっしょい!わっしょい!」
男3「力ずくでも連れていく!」
男「くそ!何だよ…」
男「放せよ!」
男「おい!」
男1・2・3「わっしょい!わっしょい!」
614 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 02:57:39.91 ID:skEdF0Od0 [19/50]
・
・
・
所員「………」
所員「あ」
所員「所長!」
所長「………」
所員「………」
所員「その様子じゃ駄目だったみたいですね」
所長「ああ、失敗だったよ どうやら彼らは想像以上に堅かったようだ」
所員「はぁ」
所長「まぁ、2兎は追う者は1兎をも得ずと言うしここは諦めよう」
所員「そうですか」
615 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 03:06:15.37 ID:skEdF0Od0 [20/50]
所員「そんな事より所長! 朗報ですよ! 朗報!」
所長「朗報? それは何だね」
所員「実は所長に言われてこの土地のサーチを行ったのですが」
所員「なんとこの大地 かつての大陸ほどの大きさがあるようです!」
所長「なんと!そんなにか!」
所員「詳しい事はまだ分かりませんが十分居住可能です」
所長「そうか…それは…」
所員「所長?」
所長「そうか…ここは人類の希望の大地だったんだな!」
所員「?」
617 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 03:18:24.53 ID:skEdF0Od0 [21/50]
所長「君、この地から出たらすぐに他の国のドームにもこの事を知らせなさい!」
所員「え? しかしそれは…」
所長「どうせいずれわかる事だ! それなら最初から皆で手を取り合い一緒にかつての栄光を取り戻そうじゃないか!」
所員「かつての栄光…」
所長「先人の間違いを繰り返さず この地で人類の融和の世界を作るんだ!」
所員「所長……」
所員「わかりました!」
所長「ああ!分かってくれたか!」
所員「今すぐ船を出すように言います!」
所長「やったぞ!長年の夢が叶う!」
所長「我々は生まれ変わるんだ!」
618 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 03:26:43.49 ID:skEdF0Od0 [22/50]
・
・
・
男「………」
男1「男さんや 何時になったら機嫌を直すんだい?」
男2「ご機嫌ななめですね」
男3「ひっくり返って逆に良くなるかも」
男「あれはいったいどういう事?」
男1「どういう事と言われまして」
男2「答えてあげるが世の情け?」
男3「ラブリーチャーミーなかた」
男「ふざけるな!」
男「真面目に答えろよ!」
男1・2・3「………」
620 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 03:37:31.95 ID:skEdF0Od0 [23/50]
男1「そんな事より男よ 何か思い出してこないかい?」
男2「虫の知らせに耳を傾けましょう」
男3「思いだ~す 思いだ~す」
男「何を……」
男「………」
男「あ」
男1「何か思い出した?」
男「…うん」
男2「それならその思い出した場所に言ってみよう」
男3「パーティはまだ終わってません」
男「………」
男「わかった」
623 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 03:47:51.53 ID:skEdF0Od0 [24/50]
・
・
・
男「………」
男「これは…」
男「大きな塔?」
男「いびつな形だけどあまり風化してない」
男1「久しぶりに帰って来れた」
男2「懐かしき我が家!」
男3「しんい…じゃなくて男のコンパスが無いと来れないからな~この家」
男「………」
男「皆はここを知ってるの?」
男1「知ってるのも何もここに住んでましたが何か?」
男2「懐かしい我が家です」
男3「この地には大量のゲームが! 久しぶりにモンハンやろ!」
男「………」
625 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 03:54:41.96 ID:skEdF0Od0 [25/50]
バタン ガタガタ
男1「ただいまんこ」
男2「ただいマンモス」
男3「ただいまー!帰って来れてマンモスうれピー!」
男「………」
男1「ただいまは?」
男「え?」
男2「さぁ!ただいまと元気良く!」
男3「レッツトライ!」
男「………」
男「ただいま」
男1・2・3「おかえり~」
627 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 04:03:34.37 ID:skEdF0Od0 [26/50]
男「ここはいったい…」
男1「今はあんまり考えなくて良いよ 時がくれば虫が知らせてくれるから」
男「虫?」
男2「簡単に言えば君は頭脳労働 僕らは肉体労働」
男3「頭脳労働の方がエネルギーを消費するなんて変な話だよね」
男2「知恵熱ですね わかります」
男1「どっちにしろ苦労するのは僕達です」
男2・3「だねー!」
男「………」
男「どういう事だ…」
男「いったいどういう事だ!」
男1・2・3「………」
629 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 04:10:49.92 ID:skEdF0Od0 [27/50]
男「まるで皆全部知ってるみたいに!」
男「皆で自分を騙してたのか!?」
男「答えろよ!おい!」
男1・2・3「………」
男1「男が望んだ事だよ」
男「え?」
男2「うん 初心に帰って冒険に浸りたいって」
男3「男はRPG大好きだしね」
男「………」
男「どういう事?」
631 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 04:21:25.79 ID:skEdF0Od0 [28/50]
男1「男は忘れてるんだよ 男と共生してる虫は記憶をいじれる虫だから」
男2「あのビルや大地そしてここの塔で僕らが方向を失うのも男の虫が関係しています」
男3「記憶をいじられちゃう~ でも巧く使うと賢さアップ!」
男「………」
男1「何という男の思惑通り…」
男2「男が男の手のひらで踊っている!」
男3「未知の感覚を味わいたいとか言ってたもんね」
男「………」
男「未知の感覚を味わう?」
男「………」
633 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 04:28:01.89 ID:skEdF0Od0 [29/50]
男「それで…」
男「自分は何がしたかったの?」
男1「それはこれからのお楽しみ」
男2「男の大好きなサプライズだよ!」
男3「孤児院の頃からビックリパーティ大好きだったしね!」
男2「変な情報を吹き込まない」
男3「ごめん」
男「………」
男「じゃあいつ打ち明けてくれるの…」
634 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 04:35:31.43 ID:skEdF0Od0 [30/50]
男1「六年後だよ」
男「六年!長すぎる!」
男「それに中途半端だ!」
男2「それは私も言いました」
男3「ドラクエ6やって思いついた作戦なんでしょ?」
男「ドラクエ6?」
男1「まぁまぁ、エロゲーでもやりながら気長にやりましょう」
男2「最近手に入れた新たなストックですな!」
男3「新作は何よりもうれしいな! 性欲もう無いけど!」
男「それまだ持ってたんだ」
男1・2・3「へへへへへ」
636 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 04:43:54.79 ID:skEdF0Od0 [31/50]
男1「そういう事だから気長に待とうよ」
男2「遊んでいれば時間はすぐ立ちます!」
男3「それでは迷作と言われた下級生2をやりますか! お前達にたまきの恐ろしさを見せてやる!」
男2「ずいぶん詳しいですな」
男1「まさかプレイ済みでは?」
男3「断固拒否権を発動する!」
男「………」
男「もしかして本当に遊ぶの?」
男1「もちろんです!」
男2「ハードディスクの中身見せるよ!」
男3「男も再びヨヨのトラウマを味わうが良い!」
638 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 04:53:43.05 ID:skEdF0Od0 [32/50]
1年後
男3「ほら、これが問題のたまきだよ」
男2「これは酷い…」
男1「ビッチってレベルじゃねえぞ!」
2年後
男3「さあお待ちかね!これが噂のヨヨ様だ!」
男「ヨヨ死ね!まじで死ね!」
三年後
男2「下級生はこんなに名作なんだけどね~」
男「麗子と涼子以外いらないな」
四年後
男1「また男の勝ちか」
男「はっはっは」
男2「なぜ自分ばかりババを引く…」
男3「ほんと勝負事弱いね」
640 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 05:03:25.54 ID:skEdF0Od0 [33/50]
そして……五年後
男「ちくしょー!また負けた!」
男3「おや男さん どうしたかね?」
男「FF5やってるんだけど神竜が倒せなくて」
男2「そいつの攻略法はね」
男「うわー!言わないで自分で見つけるから!」
男1「散々最速クリアを自慢していた男がこうも堕ちるとは…」
男2「低レベルクリア?余裕! とか言ってたのに」
男3「ちょっとうらやましいかも」
男「ああ!また負けた! 何でだ!」
男1「まぁ、前の調子に戻るのは良い事だよ」
男2「もしかしたらこのまま元に」
641 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 05:12:23.29 ID:skEdF0Od0 [34/50]
ビーーー!ビーーー!
男1・2・3「………」
男「何だこの音!」
男1「音なんて聞こえないよね…」
男2「何も聞こえ…なかったら良いな」
男3「何でだよ…あと少しだったのに」
男「もしかしてこれが例のサプライズ?」
男1「の失敗の合図だよ」
男2「大地で虫が沢山死んだんだ…」
男3「事故…だったら良いな」
男「………」
男「説明して」
643 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 05:19:58.21 ID:skEdF0Od0 [35/50]
男1「とにかくモニターで確認してみよう まだ決まったわけじゃない」
男2・3「そうだね」
男「モニター?いったい何を見るモニターなの?」
男1「大地だよ 大地」
男2「偵察用の小型カメラつけた虫だよ 定期的に飛ばしてたんだ」
男「そんなのがあったのか」
男3「作ったのはあんたです」
男1「細かい事はいいから早く行こう!」
男2・3「おー!」
男「………」
男「おー」
644 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 05:26:09.29 ID:skEdF0Od0 [36/50]
ザザ ザザーー
男1「ちゃんと生き残ってるかな」
男2「大丈夫な事を祈るばかり!」
ザザ ザーー パチン
男3「映った!けど…」
男1・2「………」
男「………」
男「旧人が戦争してる…」
男1・2・3「………」
男1・2・3「どうして…」
645 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 05:32:23.43 ID:skEdF0Od0 [37/50]
男1「まだあんなに武器が残ってたんだ…」
男2「どうして戦争なんて…仲良くやろうよ」
男3「………」
男「………」
男「いったいどうしたの?」
男「旧人が戦争して何か不都合があるの?」
男1・2・3「………」
男1「駄目だった…」
男「えっ?」
男1・2・3「駄目だったよ社長、失敗しちゃった」
男「あ」
648 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 05:41:56.53 ID:skEdF0Od0 [38/50]
男「………」
男1「社長?」
男「駄目だよ」
男2「えっ?」
男「駄目だよ男3君会社にエロゲー持ち込んじゃ あの机男3君の机でしょ?」
男3「あ」
男3「何考えてたの? まったく普通なら首だよ?」
男3「実は上司に嫌われて仕事与えて貰えなくて…」
男「そうか~やっぱりコネ入社は風当たりが強いのか~」
男「僕の友達を傷付ける人なんていらないや そんな奴は首にしてやる」
男3「………」
男「ああそうか…もういないんだった」
男「皆会社で失敗人になったんだよね」
650 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 05:52:28.02 ID:skEdF0Od0 [39/50]
男1「記憶戻ったんだ…」
男「うん!ばっちり戻ったよ! 今なら神竜も簡単にいける!」
男2「そう…」
男「それと皆会社で何かあったら自分に言わなきゃ駄目だよ? そんな奴は首にして会社を去って貰うからね!」
男「社員はもういないけど!」
男1・2・3「………」
男「元社長の養子で孤児だからって社員は僕をなめすぎなんだよね!」
男「あの虫もウイルスも僕が作ったのに!」
男「僕のおかげで大会社になれたのに!」
男「大人ってほんと卑怯!」
男「陰でぐちぐちオタクだ…童貞だって言ってるくせに僕の前じゃへこへこ へこへこ」
男「皆いなくなってせいせいした!」
651 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 06:03:43.76 ID:skEdF0Od0 [40/50]
男「僕と友達だけの世界が良い!そうなったら嬉しいよね!」
男「僕は社長だから頭脳虫!男君達は友達だけど社員だから筋力虫!」
男「他はいらない!騙して皆殺してやる! 社員は甘い言葉で騙して本社に隔離だ!」
男「本社は世界が水没しても大丈夫なくらいしっかり改築するよ!」
男「完璧じゃないか! 皆いなくなった後は虫を改造して友達と大地で仲良く暮らせば良いんだ!」
男1・2・3「………」
男1「でも…」
男2「寂しくなったんだよね…」
男3「四人だけじゃ…」
男「………」
男「そうだよ」
男「そうだった…」
652 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 06:16:21.29 ID:skEdF0Od0 [41/50]
男「友達と一緒に暮らすのは楽しかったけど…」
男「ゲームしか娯楽が無くて 刺激も無くて…」
男「そして…」
男「寂しかった」
男「だから他の人間がドームで生きてるとわかって嬉しくて」
男「ワクチン作ったり噂流したり…」
男「自分も楽しめるように記憶までいじって」
男「あんなに沢山準備したのに…」
男「まさかゲームオーバー(戦争)だなんて…」
男1・2・3「………」
655 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 06:24:01.15 ID:skEdF0Od0 [42/50]
男「ゲームオーバーは新種ウイルス虫の投与だったよね」
男「かなり強力に作ったから皆イチコロだ!」
男1「やっぱり止めない? さすがにもう…」
男2「そうだよ…せっかく栄えたのに…」
男3「いずれ新たなゲーム文化も…」
男「………」
男「ねぇ…皆」
男1・2・3「なに?」
男「皆で歌おうよ」
男「僕らの伝統音楽を」
男1・2・3「………」
656 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 06:27:42.89 ID:skEdF0Od0 [43/50]
男1「パンダウサギコアラ」
男2「パンダウサギコアラ」
男3「パンダウサギコアラ」
男1「パンダウサギコアラ」
男2「パンダウサギコアラ」
男3「パンダウサギコアラ」
男「………」
男「パンダ・ウサギ・コアラ」
658 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 06:36:47.63 ID:skEdF0Od0 [44/50]
ガタガタ ヴオォォォォ…
男「あ、解凍が始まった」
男1・2・3「………」
男「この歌好きだったんだよね」
男「お母さんって人が昔歌ってくれたんだ」
男「………」
男「もういないけどね…」
男1・2・3「………」
ブ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ
男「………」
男「頑張れ僕の虫達…」
男「古い人間なんて皆殺しちゃえ」
男「みんな…」
男「皆生きるのに失敗すれば良いんだ」
男「ははは」
659 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 06:44:35.62 ID:skEdF0Od0 [45/50]
・
・
・
男「………」
男1・2・3「………」
男「ねぇ、皆」
男1「なに?」
男「なにかな?」
男「なんざんしょ?」
男「なんで僕が記憶を失った時に僕を始末しなかったの?」
男「僕はこんなに危険なのに…」
男1「自分は危険な男だ 近寄るな!ですか」
男2「何いってるのか この男は」
男「友達は殺せないじゃん じゃん」
男「友達…」
男「友達…良いよね」
662 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 06:51:36.37 ID:skEdF0Od0 [46/50]
男「ねぇ…」
男1「何かね?男よ」
男「伝統音楽を違う音楽にしない?」
男2「ほほう、それは何かね」
男「僕の思い出の音楽じゃなくて誰かの思い出の音楽だよ 誰か何か無いの?」
男3「それなら私が立候補します」
男1「ほう、何か良い音楽があるのかね?」
男3「あるよ! とっておきのがね!」
男2「よろしい歌ってみなさい」
男3「よっしゃ!歌います!」
663 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 06:53:10.23 ID:skEdF0Od0 [47/50]
幸せなら手を叩こ
幸せなら手を叩こ
幸せなら態度でしめそうよ
ほら皆で手を叩こ
664 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 06:54:13.49 ID:skEdF0Od0 [48/50]
・
・
・
・
男・男1・2(空気読め…)
667 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 07:00:22.26 ID:skEdF0Od0 [49/50]
終わり
674 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/03(土) 07:04:42.95 ID:skEdF0Od0 [50/50]
皆さん 見てくれてありがとう
とても楽しかったです
それではさようなら
<<キョン「なあ、ハルヒ。お前は誰かに恋愛感情を抱いたことあるのか」 | ホーム | 幼馴染「えっ男君、好きな人いたんだ……」 >>
コメント
コメントの投稿
トラックバック
| ホーム |