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美琴「あ、あんたがホスト…!?」

ほのぼの

1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/19(土) 22:53:47.09 ID:9pTmHO5v0 [1/5]
上条「ホストっていうか、学園都市に試験的に運用される施設で働くことになってな」

上条「低能力者に個室で能力向上のためのカウンセリングをするらしい」

美琴「ふ、ふーん…」ソワソワ

上条「それで、これから講習を受けに行くわけですけども」

上条「何故か既に上条さんのシフトは一週間分の予約が埋まっているらしいのですよ」

美琴「…!へ、へぇ…凄いじゃない」

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/19(土) 23:22:04.34 ID:ykdTv9vp0 [1/3]
上条(講習の内容、全然分からなかった)
上条(だいたい、上条さんは勉強は苦手なんですよ?)
上条(まあ、大まかなには把握できたと思うが)
上条(要するに、人生相談みたいなもんだろ?)
上条(そもそも能力向上っても、俺だってレベル0な訳だし)

上条(……まあ、何とかなるか)

 コンコン

上条「あ、どーぞお入り下さいー」

 キィ

佐天「……よろしくお願いします」

上条「こちらこそ。えーと、俺……じゃなくて私がカウンセラーの上条当麻です」
上条「あなたは……(資料、資料っと)佐天、涙子さんですね?」

佐天「は、はい」

上条「あー、そんなに硬くならずに。どうぞお座りください」

佐天「あ、はい。失礼します」

上条(佐天涙子。レベル0、か……。レベルアッター使用歴有り、ね)

9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/19(土) 23:34:41.22 ID:ykdTv9vp0 [2/3]
上条(いや、レベルアッターってなんだ?)
上条(御坂から聞いた、レベルアッパーの間違いみたいだな)
上条(……この資料、俺が頭悪い事と関係なしに役に立たないんじゃないか?)
上条(誤字、脱字が目に見えて多いし、この分じゃ内容も正しいのかどうか……全く……)

上条「不幸だぁー!」

佐天「」ビクッ

上条「あ! いやいや、これは上条さんの口癖でして……驚かせちゃったかな?」

佐天「……え……あの……」

上条(やべえよ、引かれてるよ! えーとえーと)
上条「あー、佐天さん。とりあえず、叫んでみませんか?」

佐天「え?」

上条「ほら、何だか緊張されてるみたいだし。大声を出すと、リラックスできますよ?」
上条「上条さんも、毎日のように叫んでますし」
上条「……まあ、近所の苦情が怖いんですけどね」

佐天「」クスッ

上条(お、笑った! この調子でいこう!)
上条「この部屋は防音設備も調ってますから、大丈夫ですよ」
上条「俺……私に続いて叫んでみてください」
上条「不幸だーーっ!」

佐天「……ふ、ふこうだー」

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/19(土) 23:48:38.06 ID:ykdTv9vp0 [3/3]
上条「いいよいいよいいですよー!」
上条「はい、もう一度!」
上条「不幸だーーーっ!」

佐天「不幸だー!」

上条「まだまだ声が小さいよ! もっと大きい声で!」

佐天「不幸だーーっ!」

上条「ぜんっぜん気持ち伝わってこない! もう一回!」

佐天「不幸だーーーっ!」

上条「はい今死んだ! 今君の不幸死んだよ!」

佐天「……あ、あははは!」
佐天「ふ、不幸、死んじゃったんですか?」
佐天「てゆーか、松岡修造って……あはははは!」

上条(第一関門突破! 笑ってる状態なら話しやすいに決まってる!)
上条「ははは! どうかな? ちょっとは気が楽になった?」

佐天「楽っていうか、カウンセラーの人がこんな人だとは思ってなかったので」
佐天「面白い人ですね、上条さんって」

上条(会話のキャッチボール、成功!)

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/20(日) 00:08:57.79 ID:Mcqnisih0 [1/28]
上条「ええと、佐天さんは中学生だよね」

佐天「はい。そして能力のレベルは0でーす」

上条「あはは。じゃあ俺と一緒だね。俺もレベル0だから」

佐天「えっ」

上条「えっ」

佐天「いえあの、カウンセリングする側の人が無能力者だなんて思わなかったんで……」

上条「ああ。それはいくつか理由はあるんだけどね」
上条(ぶっちゃけ講習で聞いたけど忘れたしなぁ)
上条「んー、ほら。もし、レベル高い人がカウンセラーだとして……」
上条「佐天さんは、その人の言う事、素直に聞ける? 納得できる?」

佐天「……それは……」

上条「多くの能力者たちは、自分よりレベルの低い人を上から目線で見る傾向がある」
上条「それは悲しい事だけどね。実際に差がある訳だから、その全てを否定する事はできない」
上条「まあ、俺がカウンセラーに選ばれたのは、そういう事みたいなんだ」

佐天「でも」
佐天「レベルの高くても、分かってくれる人はいますよ」

上条「そうだね。俺も高レベル者の全員が、って言うつもりはないよ」

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/20(日) 00:26:36.47 ID:Mcqnisih0 [2/28]
上条「上条さんは、知り合いに高レベル能力者がいるんだけど」
上条「決して悪い奴じゃない」
上条「まあ、出会った頃は無能力者を馬鹿にするような感じはあったけど」
上条「今では、能力の有る無しではなく、やる気の問題だって気がついたみたいだ」

佐天「やる気、ですか?」

上条「うん。よく、スキルアウトみたいな連中が悪さしてるけど、あいつ等の『悪い』ところは『能力が無い』から、じゃない」
上条「『能力が無い』のを言い訳に、何の努力もしない。そこが『悪い』んだと俺は思う」

佐天「でも……やっぱり、能力が有るのと無いのとでは全然違いますよ」
佐天「レベル1でもあれば……そこから上げる希望は持てますけど……全くの、0だと……」

上条「言ってる意味が分からないな」

佐天「へ?」

上条「レベル0。今の俺たちの状況は、能力において、最下層にいると言っていい」

佐天「はい、だから……」

上条「言い換えれば、もう下はない訳だ。後は、上を目指すしかない」
上条「能力開発、パーソナルリアリティの確立。やる事は山ほどある」
上条「こりゃあ、腐ってる暇なんてないでせう?」

佐天「仰りたい事は分からなくはないんですけど」
佐天「実際問題として、私が無能力者だって事は変わらないですよね?」
佐天「いくら理論を勉強しても、能力が身につく保障なんてどこにもないんですよ!?」

23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/20(日) 00:50:36.86 ID:Mcqnisih0 [3/28]
上条「……佐天さんは、レベルアッパーの使用歴があるんだよね」

佐天「あっ……はい……」

上条「別に責めてるわけじゃないよ。俺だって、もし手に入っていたら、使ってたかもしれないし」

佐天「上条さんも、ですか……?」

上条「そりゃあ、この学園都市で、能力者になれるチャンスだしね」

佐天「でもあれは……」

上条「うん。使用者は昏睡状態に陥る……つまり、一足飛びに結果を得ようとするのには、やっぱり無理があるんだろう」

佐天「ズル、は駄目なんですよね……」

上条「んー、ま。済んだ事は仕方がないさ。同じ過ちを犯さない事を、心に刻んでおけばそれでいい。と俺は思う」
上条「それより、資料にあるんだけど……佐天さんはレベルアッパーを使った時に、能力は発動したんだよね?」

佐天「はい……ごく、小さな力でしたけど……」

上条「だったら」
上条「『能力が身につく保障が無い』なんて言えないんじゃないかな」
上条「レベルアッパーというものに頼ったとはいえ、一時的に能力者になったんだ」
上条「『絶対に能力は身につかない』なんて言い訳は使えないよな」
上条「俺には、佐天さんが能力者になれる、なんて無責任な事は言えないよ」
上条「だけど同じ無能力者として、なって欲しいとは思ってる」
上条「そして、その為に佐天さんが努力をするのなら」
上条「俺は君を全力で応援したい」

28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/20(日) 01:06:58.51 ID:Mcqnisih0 [4/28]
佐天「か、上条さん……!」

上条「君が、努力して」
上条「それでも簡単には結果は出ないかもしれない」
上条「人の心は強くて脆く、弱くて硬い」
上条「落ち込んで、自棄になることだってあるかもしれない」
上条「もし、そうなってしまったら」
上条「いつでも俺が相談に乗るよ」
上条「俺だって無能力者だけど」
上条「君のカウンセラーなんだ」
上条「これから先。もし、君が」
上条「自信を無くして落ち込んだりして」
上条「心の中が諦めでいっぱいになったとしたら」
上条「俺は、真っ先に駆けつける」
上条「そして、君の可能性の邪魔をする、マイナスの感情」
上条「まずはそいつをぶっ殺す!」

佐天「あ……う……」ポロポロ

上条「いいっ!? 俺、何かまずい事言ったー!?」

佐天「いえ……嬉しくて……上条さん……ありがとうございます……」ポロポロ

上条「あ、ああ。そう……まあ、焦らずに。気長に頑張ろう。約束だ」

佐天「……はい!」

――こうして上条は、佐天涙子の携帯番号とメルアドを手に入れた。

36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/20(日) 01:30:00.98 ID:Mcqnisih0 [5/28]
――天井裏

美琴(アイツ何してんの?)
美琴(佐天さんを元気づけるのはいいけど)
美琴(あっ! 手ぇ握った!?)
美琴(こら! 肩を抱くな!)
美琴(……携帯?)
美琴(え? 何? 番号交換?)
美琴(初対面で何しとんじゃワレ!)
美琴(『俺は、真っ先に駆けつける』キリッ)
美琴(何それ? かっこいいとか思ってんの?)
美琴(佐天さんも騙されないで!)
美琴(アイツ、アタシの電撃が効かないって異常者だから!)
美琴(同じ無能力者じゃないから!)
美琴(ああああああああああああああああああああああああああああああああああ!)
美琴(糞が糞が糞が糞が糞が糞が糞が糞が糞が糞が糞が糞が糞が糞が糞が糞が!)

 ヒーハーヒーハー

美琴(よーし落ち着くのよ御坂美琴! アタシがここにいる理由を思い出しなさい!)
美琴(女の子と見ればすぐに手を出すあの色魔から、哀れな被害者を出さない為!)
美琴(……)
美琴(何で佐天さん満面の笑みなのよっ!? アイツはアイツでにやけてるしっ!?)
美琴(……こっから『超電磁砲』撃ったろか? コインコイン……)ゴソゴソ

美琴(あ……部屋から出てった? 休憩時間か……)
美琴(……まあいいわ。佐天さんはアタシの友達だもん)
美琴(吹き飛ばすわけにもいかないわよねぇ……)
美琴「あはははははははははははははははははははははははははははははははははは!」

38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/20(日) 01:42:43.27 ID:Mcqnisih0 [6/28]
上条「えーっと今日は……」
上条「……初春、飾利さんか」

 コンコン

上条「はい、どーぞー」

 キィ

初春「初めまして、初春飾利です。よろしくお願いします」

上条「あ、カウンセラーの上条当麻です。よろしく」
上条「まあ、お座り下さい」

初春「はい。失礼します」

上条(……何だこの子?)
上条(昨日の佐天さんに比べると、会話はしやすそうだが……)
上条(この頭はなんなんですか!?)
上条(お花畑ですか? むしろ花瓶ですか? こういうの今、流行ってるんですかぁ?)

初春「あの」

上条「はいぃ!?」

初春「カウンセリング、始めないんですか?」

上条「あー、いや、始めますよー」

44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/20(日) 01:57:47.41 ID:Mcqnisih0 [7/28]
初春「私はレベルは1で、小学生の頃から全然上がらなくって――」
初春「でも、せっかく持ってる能力だから、ドーンと成長してみたくって――」

上条(……あの花、お洒落じゃないよな)
上条(どう見てもファッションのレベルを超えている)
上条(見れば結構、可愛らしい子なのに)
上条(はっ!)
上条(もしかして何かの魔術に関わってるのか!?)
上条(それなら、この奇天烈な格好も説明できる……!)

初春「あの、上条さん? 聞いてるんですか?」

上条「ぇえ? も、もちろん聞いてますとも!」
上条「んじゃ、こちらから質問をいくつかいいですか?」

初春「はい!」

上条「えー……その頭のお花は何なんでしょうか?」

初春「何の事ですか?」

上条「え? いや、頭の花の話を……」

初春「何の事ですか?」

上条「あの……花が……」

初春「何の事ですか?」

上条(無限ループ……ドラクエやってんじゃねえんだよ!?)

48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/20(日) 02:15:09.64 ID:Mcqnisih0 [8/28]
上条「……あー、じゃあ質問を変えますね」
上条「あなたの能力……『触れている物体の温度を一定に保つことが出来る』ですか」
上条「これは今までの生活で、何かの役に立ったことはありますか?」

初春「ええと……やっぱりレベル0なので……」
初春「あ! タイヤキを暖かいまま入院していた友達に食べさせてあげることができました!」
初春「遠くのお店からでも、手に持って運べば冷めないんですよ!」

上条(なんて天真爛漫な笑顔なんだ……! 友達想いの良い子だし……!)
上条(さっきの無限ループで確信したぜ! この花は魔術師の仕業だ!)
上条(見知らぬ魔術師よ)
上条(こんな無垢な少女に、何だか知らないが卑劣な魔術を使うだと?)
上条(もしこの笑顔を消すような、そんな真似をしやがると言うのなら!)

上条「まずは、その幻想をぶっ殺す!」

初春「うっ、ひわわわわ!」

 ガシャン ドタッ

上条「あっ、大丈夫か?」

初春「えっ、あ、あの、ぶっ殺すって何なんですか? カウンセリングじゃないんですか?」

上条「いや、その、カウンセリングだよ?」
上条「ぶっ殺す、ってのは、ほら、初春さんの限界の壁をって意味でね?」

初春「はー、そうなんですかー」

上条(単純な子で助かったぜ……)

51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/20(日) 02:38:16.63 ID:Mcqnisih0 [9/28]
初春「システムスキャンのたびに思うんですけど――」
初春「でも、たった1でもレベルがあるんだから、私は頑張らないといけないんで――」
初春「大切な友達が苦しんでる事に気がついてあげられなかった時は――」

上条(インデックスに連絡を入れるか?)
上条(頭に大量の花を乗せて発動する魔術……あるのかどうか知らんが)
上条(あいつの頭の中の魔道書なら、あるいは……)
上条(……この子を、このままにしてはおけないよな)
上条(ステイルに応援を頼むにしても)
上条(初春さん自身に、自分の身に何が起こっているのか知らせるべきか……)

初春「正直、レベルは上げたいですけど今は――」
初春「この学園都市で、楽しく過ごせている日常が――」

上条「……初春さん」

初春「はい?」

上条「落ち着いて聞いて欲しい」
上条「実は君は、ある陰謀に巻き込まれているみたいなんだ」

初春「え? ど、どういう事なんですか!?」

上条「……今はまだ、詳しくは言えない。不安を抱かせるような事しか言えなくて、本当にすまない」

初春「陰謀……」
初春(この人は学園都市のカウンセラー……こんな嘘をつくはずがありません!)

52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/20(日) 02:48:26.09 ID:Mcqnisih0 [10/28]
初春「私は、どうすればいいんでしょう!?」

上条「……そうだな。とりあえず、頭に手を乗せてみてもいいかな?」

初春「ぬっふぇ? それが陰謀と関係が!?」

上条「ごめん。詳しくは……」

初春「いえ! 大丈夫です! さあ、どうぞ!」

上条(この花……魔術によるものだとしたら、俺の右手で解除できるはず!)
上条(どこの誰が、どんな目的でこんな事をしたのか知らねえが!)
上条(こんな素直で物分りのいい子を、思い通りにはさせやしねえ!)
上条(もし、邪悪な目的で、この頭にお花畑を創ったというのなら!)
上条(俺は、その幻想をぶっ殺す!)

上条「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!」

 ガッ ワッシワッシワッシワッシ

初春「ぬっふぇ? ぬっふぇ? ぬっふぇ? ぬっふぇ?」

上条「いっけえええええっ! イマジンブレイカーーーっ!」

 ブチブチブチブチブチブチブチブチ

上条「……やったか?」

56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/20(日) 02:59:54.04 ID:Mcqnisih0 [11/28]
初春「」

上条「……とりあえず、花は全て引っこ抜いた」
上条「これでひとまずは、安心、か……」
上条「ん!?」

 グニュル ニュルニュル ニュルニュルニュル

上条「そんな……再生した……だと……」

初春「う……うん……一体、何が起こったんです?」

上条「初春さん。事態はかなり深刻だ」

初春「え……」

上条「俺はこれから、関係者に連絡を入れ、この事態を解決するために動くつもりだ」

初春「私は、どうすれば?」

上条「君は……そうだな、普段通りの生活をしていてくれ」
上条「やつらに、こちらが気づいたという事を感づかれるとまずい」

初春「は、はい! 分かりました!」

上条「おって連絡を入れるから、携帯の番号を教えておいてもらえるか?」

初春「はい! メアドも交換しましょう!」

――こうして上条は、初春飾利の携帯番号とメルアドを手に入れた。

57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/20(日) 03:13:50.61 ID:Mcqnisih0 [12/28]
――天井裏

美琴(今日は初春さん?)
美琴(まあ、低レベルの能力者のカウンセリングだから初春さんが来るのもおかしくはないけど)
美琴(なんで! アイツのとこなのよ! 他にもカウンセラーはいるでしょうが!)
美琴(……頭に手を乗せた?)
美琴(え? 何? 頭ナデナデ?)
美琴(初対面で何しとんじゃワレ!)
美琴(うわああああああああああああああああああああああああああああああああ!)
美琴(女の子の髪に軽々しく手を触れるんじゃないわよっ!)
美琴(初春さんも抵抗してよ!)
美琴(え? アイツ、頭の花を毟り始めた!?)
美琴(……何してんの? 馬鹿なの? 死ぬの?)
美琴(……全部毟っちゃった……)
美琴(!)
美琴(嘘! 再生した!?)

 ゴクリ……

美琴(初春さんの頭の花に、あんな秘密があったなんて……!)
美琴(……)
美琴(いや、だから、何で初春さんも満面の笑みなのよっ!? アイツは何か覚悟決めた良い顔してるし!?)
美琴(ああああああああああああああああああああああああああああああああああ!)
美琴(糞が糞が糞が糞が糞が糞が糞が糞が糞が糞が糞が糞が糞が糞が糞が糞が!)

美琴(また携帯の番号とメルアド交換!?)
美琴(アイツの下半身には節操ってものがないの!?)
美琴(ぶっ殺すぶっ殺すぶっ殺すぶっ殺すぶっ殺すぶっ殺すぶっ殺すぶっ殺すぶっ殺す)

美琴「ぶはははははははははははははははははははははははははははははははははは!」

60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/20(日) 03:17:56.64 ID:Mcqnisih0 [13/28]
御坂妹や打ち止め、小萌先生や美琴が無理やりカウンセリング受けに来るとかも書きたかったんですが、眠いので寝ます。


88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/20(日) 17:28:17.10 ID:Mcqnisih0 [14/28]
まだ残ってたとはwww てか誰か書けばいいのに……

89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/20(日) 17:48:10.62 ID:Mcqnisih0 [15/28]
上条「プリキュア面白いなあ……青ピが薦めるから仕方なく観たけど、熱いぜ……」
上条「『海より広い俺の心も、ここらが我慢の限界だ!』 むふん!」

 コンコン

上条「はーい、どーぞー。お入り下さーい」
上条(そういや今日は誰が来るのか資料もらってないな……まあいいか)

 キィ

黒子「失礼いたしますの」

上条「……」

黒子「あら。何故、上条さんがこんな所に?」

上条「それはこっちのセリフだろ!? 低能力者のカウンセリングに、何でお前が来るんだよ!?」

黒子「上条さんは能力のレベルが高ければ、来てはいけないと仰るのでしょうか」
黒子「わたくしにだって悩み事の一つや二つや三つや四つ、この胸の奥に秘めておりますのよ?」
黒子「そういう者のメンタルケアをするのも、カウンセラーのお仕事だと思います」
黒子「ちなみに、この施設は学園都市で試験的に運用されている、いわば実験場」
黒子「どんな相手であろうとも、その人物に合った最適のケアをするのが、カウンセラーとしての義務か、と」
黒子「そして低レベルはもちろん、高レベルのケアもできうるならば……というのが上層部の考えらしいですわね」
黒子「実はわたくし、その対象に選ばれてここにきたのですの」
黒子「……まあ、担当のカウンセラーが類人猿……もとい上条さんだとは知りませんでしたが。……今から変更の手続きをするのも面倒ですし」
黒子「ここはお互い、初対面という事にしてカウンセリングをしてくださいな。……もちろん、守秘義務は守ってくださいませね?」

上条「カウンセリング受けに来て、カウンセラーよりたくさん喋る奴ってどうなの?」
(注:割といます。というかそれを聞くのもカウンセラーのお仕事です)

90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/20(日) 18:03:57.54 ID:Mcqnisih0 [16/28]
上条「じゃ、白井……さん。お座り下さい」

黒子「もう座ってますの」

上条「ああ……うん。ではですね、白井さんの悩みを聞かせてもらえますか?」

黒子「乙女の秘密を暴こうとするなんて! プライバシーの侵害ですわ! この「精神強姦魔」(メンタルレイパー)!」

上条「新しい能力みたいに言うな! てか何しに来たんだよお前は! どんな悩みか分からないと、アドバイスもできませんよ!?」

黒子「むむ……それもそうですわね」
黒子「わたくしの悩みは数多いのですが……やはりこの施設に合わせたものを明かしましょう」

上条「というと?」

黒子「無論、能力のレベルについての相談ですわ」

上条「レベル4って充分にすごいでしょうに」

黒子「それはもちろん、自身の力に対する誇りはあります……が」
黒子「近頃、少々伸び悩んでおりまして」
黒子「これが、わたくしの限界か、と思うと……」

上条(あ、何かそれらしくなってきた)
上条(……といっても俺が能力の成長について、助言なんてできるか?)
上条(無理だよな。自分の右手の事だって、よく分かってねえのに)
上条(だったら、俺にできる事は……)

92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/20(日) 18:24:06.45 ID:Mcqnisih0 [17/28]
上条「……原点回帰から始めてみましょうか」

黒子「原点……?」

上条「白井さんの、自分の能力を高めたいという、その想いはどこから来るんでしょう」
上条「もちろん、レベルの上昇そのものが目的であるのかもしれませんが」
上条「その他に理由はありませんか? 思い出してみてください」
上条「自分が、何故、そこまで努力しているのか」

黒子「……」
黒子「わたくしは……」
黒子「元々は、あまりレベルに拘ってなかったんですの」
黒子「必要なのは、力。力そのもの……」
黒子「ジャッジメントとして、己を鍛え」
黒子「窮地に陥った時に、鍛錬不足を嘆くような真似はしたくなかった」
黒子「結果として、レベル4に認定されましたが」
黒子「この力で、治安を守る事ができる……それがわたくしの望んだ事」

上条「白井さんは、レベル4になってからも、能力向上の努力を怠っていませんね?」

黒子「もちろんですの」

上条「なら、それでいいんじゃないでしょうか」

黒子「っ! 良くはありませんの! 聞いておられませんでしたの? 近頃はシステムスキャンの結果も芳しくなく……!」

上条「……なあ白井」
上条「そんなに焦る事はないんじゃないか?」

93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/20(日) 18:54:11.96 ID:Mcqnisih0 [18/28]
黒子「どういう意味ですの」

上条「レベル0の俺から見れば、お前はすげえ奴だ」
上条「そんなにすげえのに、まだ努力してる。尊敬するよ」
上条「でもな」
上条「レベルであろうが、力そのものであろうが、それは目的にしか過ぎない」
上条「結果がでなくて、焦ったり、落ち込んだりするのは分かる」
上条「だけど、結果なんてどうでもいいんじゃないか?」

黒子「どうでも……!?」

上条「確かに結果ってのは……どうしても考えちまう」
上条「記録されて、数値で、そしてレベルで見せつけられれば、嫌でも頭に残っちまう」
上条「だけど、な」
上条「お前がジャッジメントで果たしてきた任務」
上条「それは紙やデータに記された数値じゃなく、『お前自身』が解決してきたものだろう?」
上条「能力だけじゃなく、体術も使うだろうし、何より現場での判断はその時の『お前』がするものだよな」
上条「レベルが事件を解決するか? 数値が事故を解決するか?」
上条「現実に動くのは、そこにいる『お前』だろ」

黒子「それは……そう……ですけど……」

上条「俺の個人的な意見として言わせてもらうが」
上条「数値の『結果』を誇るより、実際に自分がやり遂げた『結果』のほうが凄くないか?」
上条「いくらレベルが高くとも、それに慢心して他人を笑い、蔑む奴だっている」
上条「白井」
上条「俺は、お前には、そうなって欲しくない」

95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/20(日) 19:15:20.20 ID:Mcqnisih0 [19/28]
黒子「……結局のところ、どうしていいのか分かりませんの」

上条「どうするもなにも。決まってるだろ」

黒子「は?」

上条「今まで通り、訓練頑張って、ジャッジメントも頑張って」
上条「努力を続けたらいい」
上条「ただな」
上条「自分の限界はこんなものだ、とかは、もう考えるな」
上条「それは、考えたところで意味が無い事だからな」
上条「もし、それでもお前がうじうじと」
上条「限界がどうのだの、くだらねえ事を考え続けると言うのなら!」
上条「俺が、その幻想をぶっ殺す!」

黒子「……」

上条「……」

黒子「稚拙な内容。筋が通っているとは言えない論法。今どき流行らない精神論のオンパレードですわね」

上条「おふっ!」

黒子「よく、それでカウンセラーに選ばれたものですわ」

上条「痛いっ! 心が痛い!」

黒子「……でも、まあ」

98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/20(日) 19:26:40.60 ID:Mcqnisih0 [20/28]
黒子「わたくしに対して、馬鹿にせず」
黒子「真面目に考え、元気付けようと足掻いてくれた」
黒子「その事には感謝いたしますわ」

上条「うう……」

黒子「そんなに落ち込まないでくださいまし」
黒子「わたくし、上条さんを褒めておりますのよ?」
黒子「どうせ、バイト感覚で適当におやりになるんじゃないか、と思っていたら」
黒子「少なくとも、その真剣さは評価に値しますわ」

上条「……カウンセリングされる側に評価されるカウンセラーの立場って……」

黒子「ま、貴方も努力して立派なカウンセラーになってくださいな」
黒子「素質は充分おありになると、黒子は思いますわ」

上条「……まあ、頑張ります」

黒子「では、失礼します」

 キィ

上条「俺のそげぶがぶっ殺された……」
上条「ん? 頭の上に紙切れ?」
上条「『わたくしが弱音を吐く事があったら、その幻想をぶっ殺してくださいね』……?」
上条「あ。白井の携帯番号と、メルアドも書いてある」
上条「……頭の上にテレポートすんなよ」

――こうして上条は、初春飾利の携帯番号とメルアドを手に入れた。

105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/20(日) 19:46:21.66 ID:Mcqnisih0 [21/28]
――天井裏

美琴(え? 黒子?)
美琴(何で黒子がここに来るのよ! アンタ、レベル4でしょーが!)
美琴(……えらく会話が弾んでるわね。アタシと話す時と、違くね?)
美琴(何言ってんだろね、アイツ……)
美琴(レベル4相手に真剣になっちゃって……)
美琴(……何よ、あの目。イケメンAAの出番?)
美琴(かっこいいとか思ってんの?)
美琴(黒子も黒子よ! そんな与太話、聞いてんじゃないわよ!)
美琴(……)
美琴(ぷげらっ! 黒子! ちょっと酷くない!?)
美琴(……へ? 何? 褒めてんの?)
美琴(何をちょっと優しくしてんのよ、あの子は!)
美琴(糞が糞が糞が糞が糞が糞が糞が糞が糞が糞が糞が糞が糞が糞が糞が糞が!)
美琴(ギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギッ!)

 ヒューゴー  ヒューゴー

美琴(……黒子、出てったわね)
美琴(あ、アイツ凹んでる!)
美琴(これチャンス? 今日の帰りにでも、さり気なーく慰めてやれば……!)
美琴(……ぐふっぐふふ……)

美琴(ん……アイツの頭の上に紙切れ?)
美琴(……メッセージに、携帯番号&メルアド!?)
美琴(黒子……)
美琴(黒子黒子黒子黒子黒子黒子黒子黒子黒子黒子黒子黒子黒子黒子黒子黒子黒子黒子黒子ォー!)
美琴(後輩の癖して何してくれてんの? 死にたいの? 馬鹿なの? そう、死にたいのね!)
美琴「げほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほほ!」

108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/20(日) 19:51:55.30 ID:Mcqnisih0 [22/28]
あ、黒子が初春の個人情報を……! ミスです、すんません。まあ、やりかねないけどね!
ちょいと席を外します。>>99読みてえ! 書いて!

122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/20(日) 23:02:41.22 ID:Mcqnisih0 [23/28]
>>120 やりそうだよねえ……

123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/20(日) 23:05:08.41 ID:Mcqnisih0 [24/28]
上条「さてと、今日は誰でしょうかね、と資料に目を……」
上条「なん……だと……」

 コンコン

上条「ど、どうぞー」

 キィ カッ カッ カッ

一方通行「失礼しまァ……三下ァ!?」

上条「……いや、これ低能力者の為のカウンセリングだろ? 何で学園都市第一位が来ちゃうんですか!?」

一方通行「まさかァ……てめェがカウンセラーだ、とかぬかすンじゃねェだろォな!?」

上条「はいそのまさかですよー。お帰りは今入ってきたドアからどうぞー」

一方通行「はァ? このオレに尻尾巻いて逃げろたァ、いい度胸してンじゃねェか」
一方通行「いいぜェ……てめェのカウンセリング、受けてやろうじゃねェか!」

上条(もうやだ帰ってお願い)

一方通行「この身体だァ。座っても構いませんねェ、先生ェ?」

上条「……どうぞお座り下さい」
上条(どうしてこうなった)

124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/20(日) 23:15:44.61 ID:Mcqnisih0 [25/28]
上条「で、どんなご相談でしょうか」

一方通行「……やけに手馴れてるじゃねェか」
一方通行「まァ、いいかァ。オレが困ってンのは、ウチのガキの事だ」

上条「打ち止め?」

一方通行「最近、あいつの様子がおかしくてよォ……」

上条「というと、隙をみては鉈で切りかかってきたり?」

一方通行「どこぞのエロゲェみてェな展開じゃねェよ!」
一方通行「なンつーか……奇行が多いっつーか」
一方通行「オレが風呂ォ入ってると、曇りガラスの向こうでずぅーっと立ってたり」

上条「怖っ」

一方通行「脱衣所に脱ぎ捨てたオレのパンツがぐっしょり濡れてたり」

上条「濡れてる?」

一方通行「どゥも、口ン中にほお張って、もぐもぐしてるらしい」
一方通行「アレが当たる部分は、より丹念にくちゃくちゃしてるみてェだ」

上条「……」
上条「カウンセリングに来るのは貴方ではなく打ち止めの方ではないでしょうか?」

127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/20(日) 23:28:27.27 ID:Mcqnisih0 [26/28]
一方通行「かも知れねェが……正直、先に俺の精神が持たねェ」

上条「他には?」

一方通行「オレがトイレに入って、出た後にすぐ入りやがる」
一方通行「まァ、順番待ってただけだと、今までは思ってたんだが」
一方通行「にしてもタイミングが良すぎるンだ」

上条「はあ」

一方通行「ンで、一度フェイントかけて、トイレのドア開いてみた」
一方通行「……もンのすごい深呼吸を繰り返してた」

上条「……なんなんでしょうね」

一方通行「……やっぱり、オレのやった事を許してねェんだろォな」
一方通行「直接には手を出さず。こうして精神的に追い詰める……たいしたもンだァ!」
一方通行「お陰で三下にカウンセリングを受けるまでに落ちぶれたんだからなァ!」

上条「……ええと、被害妄想気味、と」カキカキ

一方通行「なァ、三下……いや、先生ェ! オレはどうしたらいいンだ!?」
一方通行「このまま嫌がらせされて! オレが駄目になっても別に構わねェ!」
一方通行「でも、よォ……あいつに、罪を犯させたくはねェんだ……!」

上条「……情緒不安定、自己陶酔傾向有り……」カキカキ

131 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/20(日) 23:39:25.36 ID:Mcqnisih0 [27/28]
一方通行「聞いてンのかよォ、先生ェ……」

上条「ああ、もちろん聞いてますよー」
上条「一方通行さんは、ちょーっと悪いふうに考えすぎですね」
上条「多分、それは打ち止めの愛情表現だと上条さんは思いますよ」

一方通行「愛情……表現……?」
一方通行「クケラクケクカコケカッ!」
一方通行「どう聞いたらそんな意味に取れるンですかァ?」
一方通行「……やっぱり、てめェに頼ったオレが馬鹿だったって事かァ!」

上条「……」
上条「いい加減にしろよ」

一方通行「アァ!?」

上条「打ち止めがどんな気持ちでお前と暮らしてるのか、ちゃんと考えた事があるか?」
上条「本当に憎い相手と、一緒に暮らして、笑って……」
上条「そんな事が打ち止めにできると本当に思ってんのかよ!」

一方通行「……」

上条「もし、お前が本当に」
上条「打ち止めの行動が、自分を苦しめる為にやっているものだと思っていると言うのなら!」
上条「まずは、その幻想をぶち殺す!」

一方通行「ヒャッハァーッ! どォやってぶち殺してくれるンですかァ、先生ェよォ!」

上条「……『後ろ』を見ろ」

137 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/20(日) 23:53:09.39 ID:Mcqnisih0 [28/28]
一方通行「ハッ!」

打ち止め「あーん、見つかっちゃったー、ってミサカはミサカは嘆いてみたり!」

一方通行「な……ンで、てめェが……ここに……?」

打ち止め「しっかり気配を消して24時間コンビニエンスよろしく張り付いていたり、ってミサカはミサカは自慢してみたり!」

一方通行「嘘ォ……だろォ……オレが、全く気がつかねェ、なんてェ……」

上条「打ち止めの行動は……確かに常識より、少しは外れてるかもしれない」
上条「だけどな、一方通行」
上条「人は、恨みだけでこんな情熱的な行動を取ったりしない」
上条「お前は……打ち止めに『愛されて』いるんだよ!」
上条「精神的に参っちまったのは、『愛されて』いることを自覚してなかったからだ!」
上条「お前も打ち止めを『愛して』みろよ!」
上条「『愛して』くれる人を『愛しかえして』みせろよ!」
上条「もし、お前が、人を『愛する』勇気が無い、自分にはそんな資格は無いなんて」
上条「そんなふざけた事を言うのなら!」
上条「俺は、その幻想をぶっ殺す!」

一方通行「ンなァ!? まさかの二発め……!」

打ち止め「一方通行……ミサカの『愛』を、受け止めて!」

一方通行「ぬ、ぬわーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!」

 ドドーン……

141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/21(月) 00:02:05.71 ID:0p6r3+nV0 [1/20]
打ち止め「先生、どうもありがとう、ってミサカはミサカは心からのお礼を言ってみる!」

上条「なに、いいって事さ」

打ち止め「さ、一方通行。おうちに帰ろ、ってミサカはミサカはネットワークから操作して歩かせてみる!」

一方通行「」

 カッ カッ カッ……

上条「……」
上条「『愛』、か……」
上条「いいもんだな。絆ってやつは」
上条「あいつらは、これからいい関係を築いていくんだろうな」
上条「……」
上条(正直言うと、引いた)
上条(でも、俺が口を出せる問題じゃなかったし)
上条(なるべくしてなった結果を、早送りしただけだ)

 ズズー

上条「あー、缶コーヒー美味え」
上条「打ち止めが、お礼にって置いていってくれたけど」
上条「ダンボール十箱って多いな、しかし」
上条「……ま、インデックスがすぐに飲んじまうだろうけど」

――こうして上条は、大量の缶コーヒーと、小さな満足感を手に入れた。

145 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/21(月) 00:17:17.93 ID:0p6r3+nV0 [2/20]
――天井裏

美琴(はあ? 一方通行?)
美琴(学園都市の第一位が何してんのよ?)
美琴(……まあ、男だからほっとしたわね)
美琴(……)
美琴(ええっ、打ち止めそんなことしてんの?)
美琴(……いやー、それは引くわー。無いわー)
美琴(ん? 『後ろ』……?)
美琴(ゲェーーッ! 打ち止めぇーー!)
美琴(き、気がつかなかった……打ち止め、恐ろしい子……)
美琴(へ? 『愛』……?)
美琴(『愛』があるから、こその行動……)
美琴(……)
美琴(ふふっ……まさか打ち止めに教わるとわね)
美琴(そうよね……『愛』があればこその行動よね……)

美琴(愛が愛が愛が愛が愛が愛が愛が愛が愛が愛が愛が愛が愛が愛が愛が愛がっ!)
美琴(パンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツパンツッ!)

美琴(……アイツの……パンツ?)
美琴(べっ別に欲しくなんかないんだからねっ!)
美琴(インデックス……?)
美琴(ああ……あのシスターか……)
美琴(缶コーヒー、あげるのかなぁ……いいなぁ……アタシも欲しいなぁ……)
美琴(一本だけでいいんだけどな……むしろ、飲みかけでも……いや飲みかけ! 間接キッス!?)
美琴「クカラコケココカケロコカケケクコカカックケケカカコカコカケカコッ!」
美琴「げっほげほげほっ! ……一方通行、よくあんな笑い方でむせないわよね……なんかベクトル操作してんのかしら?」

176 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/21(月) 16:48:30.48 ID:0p6r3+nV0 [3/20]
ちょwwまだあったwww何で残すのかwwwwwwwww
でも支援保守されてるスレだから、少し書きます。もういっぱいいっぱいなので、内容は期待しないでください。

178 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/21(月) 16:51:38.49 ID:0p6r3+nV0 [4/20]
上条「うんたん♪ うんたん♪」

 コンコン

上条「はーい。お入りくださーい」

 キィ

重福「……」

上条(変な髪形だなぁ)
上条「あの、どうぞおかけになってください」

重福「……」

上条(……何か暗い感じの子だなあ。こりゃ厄介そうだ)
上条「ええと、重福省帆さんですよね?」

重福「……はい」

上条「カウンセラーの上条です。よろしく」

重福「……」コク

上条(頷いただけ?)
上条「……資料によれば、重福さんはレベル2の「視覚阻害」(ダミーチェック)という能力をお持ちだそうで」

重福「……」

上条「やっぱり、レベルを上げたいってお悩みなんでしょうか?」

180 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/21(月) 16:54:00.13 ID:0p6r3+nV0 [5/20]
重福「……」

上条「……ええと、あの」

重福「……わたしは」
重福「レベルには、そんなに興味はないんです」

上条「はあ」

重福「わたしの悩みは……」
重福「……」

上条「遠慮なさらずに、打ち明けてください。その為のカウンセラーですから」キリッ

重福「……じゃあ、これを見てください」

 パサ

上条「! ……って眉毛? 眉毛なのコレ?」

重福「……おかしいですよね? 笑っていいですよ。 笑えばいいわ。あの人みたいに……!」
重福「彼が憎い。彼を奪った眉毛が憎い。この世のすべての眉毛が憎い!」
重福「だからわたしは決心したんです!」
重福「この世のすべての眉毛を、面白いものにしてやろうと!」

上条「……そんなどっかの海賊王みたいな事を言われても」
上条「つまり、重福さんは、その面白い眉毛がコンプレックスになっている、と」

重福「……一度は、ある人のお陰で目が覚めました。けど……」
重福「その人も、わたしを裏切った……!」

181 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/21(月) 16:56:45.85 ID:0p6r3+nV0 [6/20]
上条「裏切った?」

重福「……この眉毛が、好きだって言ってくれたんです」
重福「お手紙で、つながっていてくれるって、約束したんです」
重福「一日に十通は出しました」

上条(怖っ!)

重福「けど、その人からは三週間に、一通しか……」
重福「その内容も、だんだんおざなりなものになって……」
重福「……この前届いたのは、何も書いてない絵葉書でした」
重福「だから! わたしは! もう一度、復讐しようと決心したんです!」

上条(噂に聞くメンヘラってやつですか!?)
上条(本物のカウンセリングを受けたほうがいいんじゃないでせうか?)
上条(しかし)
上条(俺だって、臨時とはいえカウンセラーなんだ)
上条(何とか、この子の悩みを解決してやりたい……!)

重福「……」

上条「重福さん」
上条「君が、眉毛を憎む気持ち、分かったとは言えない」
上条「俺は君じゃない。例え俺が、君みたいな面白い眉毛だったとしても」
上条「重福さんと同じ考えに至るかどうかは分からない」

重福「……」

上条「それでも」
上条「俺は君の力になりたい」

182 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/21(月) 17:00:40.39 ID:0p6r3+nV0 [7/20]
重福「……力、ですか?」

上条「眉毛を憎み、手紙をなおざりにしてきた人を憎み」
上条「復讐を果たしたとして、君に何が残る?」
上条「達成感なんかじゃないさ」
上条「深い悲しみ、後悔。そして面白い眉毛。……君が得るのはそれだけだ」

重福「後悔……と、この眉毛……だけ……」
重福「じゃあ、わたしは! どうすればいいっていうんですか!?」

上条「俺に任せてみてくれないか」
上条「ちょっと手荒な真似かもしれないが、解決できる方法を思いついちまったんだ」

重福「え……」

上条「今まで、辛かっただろう」
上条「けどな」
上条「この世のすべての眉毛を憎んで」
上条「復讐なんて考えさせちまう」
上条「君の面白い眉毛が、全ての原因だというのなら!」
上条「俺はまず、その幻想をぶち殺す!」

重福「ひっ……!」

上条「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!」

 ガッ ブチブチブチブチブチブチブチブチ

上条「いっけえええええっ! 俺の右手ぇーーーっ!」

184 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/21(月) 17:08:10.89 ID:0p6r3+nV0 [8/20]
上条「……こんなもんか」

重福「」ブクブク

上条「おい、大丈夫か」

重福「う……一体、何を……」

上条「ほら、これを見てみな」

重福「ひぃっ! 鏡! 嫌っ、わたしに眉毛を見せないで!」

上条「勇気を出すんだ! たった一歩踏み出すだけで、世界は君に微笑んでくれる!」

重福「……え……あ……!」
重福「眉毛……、わたしの……眉毛が、無い……!?」

上条「荒療治だったがな」
上条「全部、毟らせてもらった」
上条「嫌な眉毛なら、その眉毛を何とかすればいいんだ」
上条「他人の眉毛をどうにかしようなんて」
上条「そんな必要、無いはずだろう?」

重福「あの……」
重福「……眉毛無しは、それはそれでおかしくはありませんか?」

上条「……」
上条「いや、あの、ほら」
上条「描けば、いいんじゃないかな?」

187 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/21(月) 17:21:34.30 ID:0p6r3+nV0 [9/20]
重福「!」

上条「女の子って化粧するだろ? 生えたら毟り、描けばいいんだ」
上条「君の目の上という、白いキャンバスに。君の思う、理想の眉毛を描けばいい」

重福「……は、はい!」
重福「ちょうど、ペンを持ってるので描いてみますね」

上条「ああ! 思う存分描いてみな!」

 キュ キュ キュー

上条「……」

重福「……失敗しました」

上条「うん。元より面白くなっちまったな……」
上条「いやいや、洗って消して、書き直せばいいだけだよ、うん! 大丈夫!」

重福「……このペン。特製で、一週間は消えないんです……」

上条「……」

重福「……」

上条「一週間、前髪で隠しとこうな」

重福「……うう……ぐすっ……っうえええ……」ポロポロ

――こうして上条は、重福省帆の面白い眉毛を手に入れた。ムギちゃんの眉毛だと思って大事にするつもりだ。

188 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/21(月) 17:26:48.11 ID:0p6r3+nV0 [10/20]
――天井裏

美琴(あれ? あの子!?)
美琴(眉毛事件の時の?)
美琴(……また女の子が来た来て来る来た来て来る来た?)
美琴(女の子を引きつけるフェロモン分泌してんのか、アンタは?)
美琴(……)
美琴(いや、分かんなくはないけどね? 全世界に復讐って病んでるわー)
美琴(……佐天さん……ちゃんと文通してあげようよ……)
美琴(怖いのは分かるけど)
美琴(ん? アイツ、何してんの?)
美琴(近い近い! 顔が近い!)
美琴(!)
美琴(……ま、眉毛……全部、毟った……)
美琴(外道だ……)
美琴(でも……アタシの眉毛も面白かったら)
美琴(アイツが、右手で抜いてくれるのかなぁ……)

美琴(眉毛眉毛眉毛眉毛眉毛眉毛眉毛眉毛眉毛眉毛眉毛眉毛眉毛眉毛眉毛眉毛ぇっ!)

美琴(……まさかっ!?)
美琴(描くのに失敗するだなんて!)
美琴(ぶふっくくくくくくくくくくくくくくくく……!)
美琴(更に面白い眉毛に進化した……!)
美琴(……しかも、あの時のペン……自業自得とはいえ、同情するわ……)
美琴(でも、いいなあ……眉毛、触ってほしいなあ……)
美琴(『御坂の眉毛は綺麗だ』……なぁんて? いやいいやいやいや! アイツのキャラじゃないし!)
美琴(でもでもでも! もしそんな事されたら? されたら? もーーー!)
美琴「キャーッホホホゥーイキキッキャーッホホーイウキャキャキャーイッホーイッ!」

189 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/21(月) 17:29:48.18 ID:0p6r3+nV0 [11/20]
キーボードクラッシャーよろしく連打したので手が痛いです。そういえば重福って原作にいたっけ?

198 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/21(月) 19:45:12.12 ID:0p6r3+nV0 [12/20]
アーナルほど。やっぱりオリキャラでしたか……。納得しました。

上条「あ、寝取られ中学生!」
重福「寝取られじゃねえっての! 面白眉毛じゃねえっての! 存在感消したろか!」
上条「あれ? いない?」

やはりメインヒロインには敵いませんね。いや、好きですが。

199 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/21(月) 19:51:36.03 ID:0p6r3+nV0 [13/20]
上条「なんだかんだで、もう五日も過ぎちまったなぁ」
上条「今日を入れて、後二日。しっかりカウンセラーに励みますかね!」
上条「……資料受け取るの忘れた。誰だよ今日は」

 コンコン

上条「どーぞー」

 キィ

木山「お邪魔するよ」

上条(……何で大人の女性がくるの? 学生の相手じゃなかったの?)
上条(しかし! もはや自称一流カウンセラーの上条さんは、相手を選びません!)
上条「どうも初めまして。カウンセラーの上条当麻です」

木山「木山春生だ。宜しく。……君とは会ったのは、初めてではないと思うのだが」

上条「え? そうでしたっけ?」

木山「車を停めた駐車場の場所が分からなくなった私に、声をかけてくれたはずだがね」
木山「……まあ、私のような特徴の無い人間をいちいち覚えているはずもない、か」

上条(いやいや、貴方みたいな独特の雰囲気をかもし出す人は、普通忘れませんよ?)
上条(……多分、俺の失われた記憶の時間で会ってるんだろうな。……話を合わせとくか)
上条「ああ! あの時の! いやー、駐車場の場所を探すのに苦労しましたよね! ははは!」

木山「……? 君は知り合いに私を預けて、用事があると言い、どこかへ行ってしまったはずだが」

上条「おぅふ」

200 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/21(月) 19:59:22.91 ID:0p6r3+nV0 [14/20]
木山「まあ、それはともかく。座らせてもらってもいいだろうか?」

上条「は、はいどうぞどうぞ!」
上条(いきなり失敗かよ! くそぅ、知ったかぶりするんじゃなかった!)

木山「……ここはクーラーが効いてるな」

上条「ええ、外は暑かったでしょう」

木山「ああ。汗でびっしょりだ。このままでは風邪を引いてしまう」

 ヌギヌギ

上条「何してんのこの人ーー!?」
上条「ちょっ、シャツを着てください!」

木山「ここは個室だろう? 私が脱いだところで、誰に迷惑をかけることもないと思うのだが」

上条「いや、俺がいるでしょう!?」

木山「君が、起伏の少ない私の身体に欲情するとは思えない」
木山「不埒な行為を行う人間にも見えないしね」

上条「お、落ち着かないから着て下さい! お願いですから!」

木山「気分の問題、というやつか。まあそこまで言われては、仕方がない」

上条(俺はこの人の露出癖を治すの? 自称一流カウンセラーには難易度高いよ!)

202 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/21(月) 20:18:00.34 ID:0p6r3+nV0 [15/20]
木山「さて。一つ、君に聞きたい事があるのだが」

上条「はあ」

木山「これは例えばの話なんだが……」
木山「長い間、眠っていた子供達がいたとする」
木山「彼らは目覚めることはできたが、大切な……時間というものを失っている」
木山「今はまだ、実感は無くとも……」
木山「その子達が将来的に、その不幸な経験を辛い記憶として持ち続けるとしたら」
木山「君なら、どうする?」

上条「眠っていた……あの、レベルアッパーみたいな感じですか?」

木山「正にその通り。アレより昏睡の期間は長いものだとしよう」
木山「そう……少なくとも、数年単位の時間だ」

上条「うーん……」

木山「やはり、難しい問題かな?」

上条「いえ、別に。簡単な話なんで、逆に即答できなかっただけです」

木山「簡単? 私には、どんな方程式よりも難しく、答えを導き出せるのかすら分からない難問だと思えるのだが?」

上条「んー。だから、そんなに小難しく考える必要は無いんです」
上条「もし、俺に。そんな子供達を相手にする機会があるのなら」
上条「思いっきり遊んでやりますよ」

木山「遊ぶ?」

207 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/21(月) 20:39:16.77 ID:0p6r3+nV0 [16/20]
上条「失われた時間なんて、いくら考えても戻ってきやしませんよ」
上条「なら、その無くした時間……そこにできるはずだった思い出を」
上条「たくさん創ってやればやればいい」
上条「人間、嫌な事ばっかり考えていられるようには、なかなか出来てません」
上条「面白い事、楽しい事に意識は向いちゃうもんです」
上条「だから……不幸な経験なんか、思い出させないように」
上条「心の中を、幸せで一杯にしてやるんです」

木山「……」
木山「君は、なんて楽観的なんだ」
木山「底抜けに人が良いというか……」
木山「ポジティブにも程がある」

上条「……まあ、俺だって、これが正しいとは言いませんよ?」
上条「ただ、俺がそんな子供達と出会う事があれば」
上条「それくらいの事しかできないってだけで」
上条「他に方法が無いのなら、その時に出来る事を、やるだけの事です」

木山「……」
木山「私には……そんな事は……」

上条「出来ないはずはありませんよ」
上条「そんなにその子供達の事を考えているんですから」
上条「むしろ、俺なんかより、ずっと楽しい思い出を創ってあげられると思います」

木山「……そんな資格が、果たして私にあるのだろうか」
木山「私は……」

上条「木山さん」

214 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/21(月) 20:55:08.50 ID:0p6r3+nV0 [17/20]
上条「人を幸せにするのに、資格が必要でしょうか」
上条「幸せになるのに、資格が必要でしょうか」
上条「いいじゃないですか!」
上条「今まで辛かったんなら、幸せになったって!」
上条「資格? そんなものはどうでもいい!」
上条「この世に生まれてきた全ての人間は!」
上条「幸せになる権利を持っているはずだ!」

木山「それが罪を犯した者でもか!」
木山「何千、何万人を苦しめた罪人であっても、君はそれを言えるのか!?」

上条「当たり前だ!」

木山「!」

上条「そりゃあ犯罪を犯し、他人を犠牲にして自分だけ幸せになろうって奴もいるよ!」
上条「それは確かに間違ってる! だけどな!」
上条「幸せを求める事、それ事態は間違ってなんかないんだ!」
上条「やり方を間違っただけなんだ!」
上条「もし、そいつが自分の犯した罪を理由にして、子供達に何もする事ができない!」
上条「何もしようとしないというのなら!」
上条「まずは、その幻想をぶち殺す!」

 ガンッ

木山「……テーブルを殴るのは感心しないな。手を傷めると思うのだが」

上条「……勢いがついて、つい。……痛え……骨にひび入ったかも」

218 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/21(月) 21:08:11.70 ID:0p6r3+nV0 [18/20]
木山「……君の言う事も、気には止めておこう」
木山「ただ、興奮している所を悪いのだがね」
木山「最初に言った通り、今の話は『例えば』のものだ」

上条「あー……」
上条「いや、なんか俺、恥ずかしいとこ見せちゃったみたいで」

木山「いやいや。なかなかに面白い意見を聞かせてもらったよ」
木山「理論的に考える癖のついた私には、貴重な意見かもしれない」
木山「何というか、君の側に入られる人間は、羨ましい……」

上条「天井がどうかしましたか?」

木山「いや。別に」

 キィ

職員「ああ、木山先生。ここでしたか」

木山「ん、済まない。道に迷ってしまってね」

上条「へ? 先生?」

木山「実は私も、ここで実践的なカウンセリングを学んでいるのだよ」
木山「この部屋には、道を尋ねようと入ったのだがね」
木山「……まあ、楽しい時間を過ごせたし、良しとしよう。邪魔して済まなかった。では」

上条「相談相手じゃなかった……? こ、こっ恥ずかしぃーー!」

――こうして上条は、あんまり関係の無い相手にそげぶして恥ずかしいという感情を手に入れた。

221 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/21(月) 21:18:26.80 ID:0p6r3+nV0 [19/20]
――天井裏

美琴(ぶぶっ!? 木山春生!?)
美琴(何しに来たの?)
美琴(……というか、また女が来た来た来た来て来た来て来た? 来て来る? 来た?)
美琴(……)
美琴(脱ぐなっつってんでしょうがこの露出狂!)
美琴(あががががががが! アンタも目を隠しているふうに見せて指の間から見ない!)
美琴(ヌフーッ! ヌフーッ!)
美琴(……)
美琴(……子供達……)
美琴(そっか……)
美琴(……はは、アイツはまた理想ばっかし……)
美琴(……でも)
美琴(臭い理想を、現実にしたいって、本気で思う馬鹿なのよね……)
美琴(ほんと、バカ……)

美琴(っ! 木山! まさか気づいてる!? そ、そんな分けないわよね! この施設の防衛装置には手をまわしてるんだし!)

美琴(……大丈夫そうね……)
美琴(……)
美琴(……)
美琴(……)
美琴(……)
美琴(……)
美琴(明日で、カウンセリングも終わりか……)
美琴(……)
美琴「うふ、うふ、うふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ……」

250 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/22(火) 02:08:28.07 ID:javoNfjC0 [2/14]
上条「右手の指の骨が全部折れてたとはなぁ……」
上条「ま、今日でカウンセリングも最後だ」
上条「無事に終えたらバイト代が手に入る!」
上条「俺……これが終わったら焼肉するんだ……」
上条「それはともかく、今日は資料をちゃんと受け取ってきたぞ。ええと……」
上条「検体番号10721号 って!?」

 コンコン

 キィ

10721号「失礼します、とミサカは挨拶しつつ入ります」

上条「知り合い率高いな、おい」
上条「えっと俺は」

10721号「上条当麻。今実験のカウンセラー役をどうにか果たしているミサカ達に馴染みの深い人物、とミサカは先回りしてみます」

上条「……そうだね、プロテインだね」
上条「お前と直接会ったことは……」

10721号「ありません。このミサカは先日、南極から学園都市に戻ってきたばかりです、とミサカは説明します」

上条「なんで南極?」

10721号「南極にも研究施設はあるのですよ、とミサカは貴方の知識の少なさを哀れに思います」

上条「……で、なんでカウンセリングに来たわけ?」

10721号「それは、ミサカの個性化についての相談をしたかったからです、とミサカは動機を述べます」

251 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/22(火) 02:14:12.35 ID:javoNfjC0 [3/14]
上条「個性化?」

10721号「はい。学園都市のミサカ達と会話をしてみると、そのミサカ達からは以前と違うモノが感じられました」
10721号「それは個性であり、ミサカが一人の人間として生きていくうえで、とても大切な要素である、とミサカは判断しました」

上条「ふうん。いや、良い事じゃねえか?」
上条「そうやって自発的に行動する事も、既に個性と言えるだろ」

10721号「しかしこのミサカには、どのような個性が良いのか分かりません」
10721号「なので、ネットワークでよく話題に上がる貴方に助言を求めに来ました、とミサカは素直に言います」

上条「俺、よく話題にされてるの? どんな事言われてるの?」

10721号「ふへっ」

上条「なんか嫌な感じの笑みが怖いよ!」

10721号「それよりカウンセリングをお願いします、とミサカは懇切丁寧に頼み込みます」

上条「って言われてもなぁ。個性なんて、意識して身につけるもんじゃないと思うが」
上条「こう、自然と湧き上がってくるものだと思うんだけど」

10721号「問題を丸投げですか。カウンセラーが聞いて呆れます、とミサカは鼻で笑います」

上条「う……」
上条「じゃ、じゃあさ。例えば、この人みたいになりたーいって、憧れる人物とかいないか?」
上条「それを目標にすれば、自分の個性の指針にはなるだろ?」

10721号「なりたい人物……お姉さま、でしょうか、とミサカは憧れを口に出してみます」

253 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/22(火) 02:20:43.77 ID:javoNfjC0 [4/14]
何故ばれたし でも1ではないよ、乗っ取りのオナニーだよ?

254 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/22(火) 02:21:28.42 ID:javoNfjC0 [5/14]
上条「お姉さまって……ビリビリの事か?」

10721号「はい、とミサカは即答します」

上条「アレを憧れに、ねえ……」

10721号「いけませんか? とミサカは可愛らしく首を傾げます」
10721号「常盤台のお嬢様にして、学園都市の第三位にも関わらず、気さくな性格」
10721号「おしとやかで、慎ましく、人に優しく」
10721号「学園都市アンケート『彼女にしたい女の子』ナンバー1の座を欲しいままにしている」
10721号「そんなお姉さまでは、目標になりませんか? とミサカは問いただします」

上条「……ミサカネットワークってちゃんと情報を伝えてんのか?」
上条「本物のビリビリはなぁ」
上条「がさつな態度で、目上の者に対する敬意も無い」
上条「すぐにキレるわ暴れるわ、自販機に蹴り入れて缶ジュースただ飲みするわ」
上条「出会い頭に電撃ぶっ放してくるじゃじゃ馬だぞ?」
上条「忠告しておいてやる。あいつを目標にするのはやめとけ」
上条「ま、反面教師って意味なら見習うところはありそうだがな」

10721号「……」

上条「ど、どうした」

10721号「それは貴方の本心ですか? とミサカは結構、真剣に問います」

上条「まあ……そりゃな」
上条「あんなの、あいつ一人だけで充分だろ」

255 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/22(火) 02:27:15.82 ID:javoNfjC0 [6/14]
10721号「残念です、とミサカは深い溜息をつきます」

上条「はあ? 残念って……」
上条「ハッ! ま、まさかお前は……!」

10721号「ふへっ」

上条「あ、あの……本物の……ビリビリだったり……?」

10721号「そんなわけ、ないじゃありませんか、とミサカは否定します」

上条「はは……助かったぁ……」
上条「あ! なあ、お前! ビリビリには俺の言った事、内緒な! 頼む!」

10721号「尻上げ土下座までされては仕方がありません、とミサカは約束します」
10721号「決してミサカの口からは、先程の情報は漏らしません、と約束を強化します」

上条「ありがとう! 良い奴だな、お前は!」
上条「お前なら、さっき自分が言った理想の個性が身につくかもしれねえぜ!」
上条「ていうか学園都市で『彼女にしたい女の子』アンケートなんてやってんのか?」

10721号「知りません。ミサカもお姉さまにそう言うように言われただけですので、とミサカは正直に言います」

上条「……は?」

10721号「……そろそろ衝撃に備える事を推奨します、とミサカは」

 ドドドドドドーーーーーンンッ!!!!


257 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/22(火) 02:32:29.21 ID:javoNfjC0 [7/14]
上条「げほっ、げほっ」
上条「何だ!? 何が起きた!?」
上条「……天井が、落ちた?」

 パチッ バチバチッ

上条「10721号さん……そこに立っていらっしゃるのは……」

10721号「この一週間、天井裏で貴方を観察していたお姉さまです、とミサカは疑問に答えます」

上条「一週間? 怖えええ! 何やってんだよ、ビリビリ!」

美琴「うふ、うふ、うふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ」

上条「うわああん! 何だか電撃より怖えええ!」

10721号「流石はお姉さま。能力を出さずに相手から戦意を失わせるとは、とミサカは……」

上条「言ってる場合じゃねえ! あいつの目つき、明らかにヤバイ! 逃げるぞ」

10721号「ミサカが逃げる必要はないかと、ミサカは事実を述べてみます」

上条「10721号。お前には良い意味での人質になってもらう」
上条「いくら錯乱したあいつでも、妹巻き込んで『超電磁砲』は撃たねえだろ」

10721号「このゲスが、とミサカは適正な評価を下します」

上条「ゲスでもいいよ! 暴走したレベル5の無差別攻撃なんて喰らいたくねえ!」

259 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/22(火) 02:36:30.48 ID:javoNfjC0 [8/14]
――
上条「……撒いたか?」

10721号「……お姉さまの電磁波が近づいてくるようです、とミサカは報告します」

上条「うそぉ! 結構、色々なとこ廻りまくったから、分かりっこないはずなのに!」

10721号「……ミサカの電磁波を感知しているのだと推測します」
10721号「お姉さまの能力はミサカより高いですから、とミサカは説明します」

上条「うう……とはいっても今更お前と別れて逃げても……」

10721号「はい。今のお姉さまは、関係の無い施設関係者にまで攻撃を及ぼそうとしています」
10721号「貴方のせいで、ミサカの命も危うい、とミサカは残酷な事実を述べます」

上条「……というか、なんであいつ、あんなに暴れるんだ?」
上条「それに、一週間も天井裏に潜んでたって……普通じゃねえだろ!?」

10721号「……普通とは、なんなんでしょうか」

上条「はい?」

10721号「ミサカには、お姉さまが何の理由も無くこのような蛮行に出たとは思えません」
10721号「そもそもミサカは、お姉さまに頼まれて、貴方のカウンセリングを受けに来たのですから」
10721号「理由があるからこそ、天井裏に隠れたり今のように暴れたりするのではないでしょうか」
10721号「……と、ミサカは長いセリフを言ってみます」

上条「……あいつが、こんな事をする、理由……」

261 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/22(火) 02:41:08.47 ID:javoNfjC0 [9/14]
 カツーン カツーン カツーン……

上条「……」

10721号「……!」

美琴「みィつけた」

上条「御坂……!」

美琴「ねェ、三下ァ? なンでアタシから逃げるのォ? どォしてその子と逃げちゃうのォ?」
美琴「でもねェ……もォ見つけちゃったからァ! 鬼ごっこは終わりよォ!」
美琴「クケラクカクコカクカコケラケコカッ!」

上条「何……だよ……」
上条「なに、一方通行みたいな喋り方してんだよっ!」

美琴「じゃあレベルアッパー、使ったほうがよかったんですか?」
美琴「レベル6に憧れて……昏睡状態に陥ったらよかったんですか?」

上条「お前……何を……」

美琴「それともお花ですか? 頭にお花が咲いてればいいんですか?」
美琴「いえ……違いますわね。テレポーターで、ジャッジメントをしていれば宜しかったのでしょうか?」

10721号「……お姉さま」

美琴「それも違うなら……眉毛? 面白い眉毛なんですか?」
美琴「もしかして、子供達の為に、大量の犠牲者を出せば良かったのだろうか?」
美琴「……もう、何がいいのかミサカには分かりません、とミサカはクローンなら良かったのでしょうか?」

262 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/22(火) 02:45:43.49 ID:javoNfjC0 [10/14]
上条「何……なんだよ、あいつ!」

10721号「……お姉さまは、恐らく貴方のカウンセリングを受けたかったのでないか、とミサカは推測します」

上条「はあ? 何で? てか受けたかったなら来れば良かったんじゃねえか!」

10721号「お姉さまは、素直になれないタイプなのではないでしょうか、とミサカは分析します」
10721号「……何にせよ、今のお姉さまを止められるのは、貴方以外にいない、とミサカは断言します」

上条「……分かったよ」
上条「そんなに俺のカウンセリングが受けたいっていうんなら」
上条「受けさせてやろうじゃねえか!」

10721号「鉄球弾の乱射で、電撃をほんの少しですが逸らします。それで出来る、僅かな隙から……」

 ダンッ! ダンッ! ダンッ! ダンッ! ダンッ! ダンッ!

上条「おうっ! 懐に飛び込んでやるっ」
上条「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!」

 バチバチバチバチバチバチバチバチッッッッ!!!!!

美琴「ヒィーッハァーッ」

 ガシッ

上条「……捕まえたぜ。御坂……!」
上条「受けてもらうぜ……俺のカウンセリングをなあ!」

268 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/22(火) 03:25:00.49 ID:javoNfjC0 [11/14]
美琴「一体、何のおつもりですの? アタシの両腕を掴んで……」

上条「お前は誰だ! 一方通行でも、白井でもねえだろが! しっかりしろよ!」
上条「お前は、世界でたった一人しかいない、御坂美琴だろ!」
上条「レベルも所属も関係無い! 御坂美琴っていう一人の女の子だろうが!」
上条「もしお前が! 自分が自分じゃないほうが良い」
上条「他の誰かになっちまったほうが良いなんて、ふざけた事を言うのなら!」
上条「まずは、その幻想をぶち殺す!」

美琴「……ク……カコ……です……の……」
美琴「……」
美琴「あ……アタシ……何を……」

上条「ようやく正気に戻ってくれたみたいだな」

美琴「アンタ……あ、手……」

上条「ああ。右手の指、骨折してんだよ」
上条「……ったく、痛いんだからな? この手で掴むのは」

美琴「ごっ、ごめ」

上条「さあ、行こうぜ」

美琴「……え……どこ、に?」

上条「上条さんのカウンセリング、受けてみませんか?」
上条「悩みがあるなら、俺が相談に乗ってやるよ。前にも言ったろ? 一人で抱え込むなって」

美琴「……ぅん」

271 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/22(火) 03:33:26.13 ID:javoNfjC0 [12/14]
 学園都市で試験的に運用された、低能力者の能力向上のためのカウンセリング施設。
 運用中に事故が発生し、一時は施設開発の凍結が意見に上げられたものの、
 多くの利用者からの支持を受け、小規模からではあるが開設に至る。
 利用者の多くは、その能力の向上心から焦りを生み、精神に多大なストレスを溜める傾向を持ち、
 それを上手く解消させるカウンセラーの存在は、これからの学園都市に、必要不可欠なものとなるのかもしれない。

上条「……結局、あの施設での試験運用はレベル5が暴れたからって中止になっちまった」
上条「その原因の一端が、知り合いの俺にもあるとかで、バイト代はうやむやのうちに貰えなかった」
上条「あと、半日で今頃は……焼肉だったってのに……」
上条「はあ、不幸だ……」

美琴「だぁから! 悪かったと思って、こうして奢ってるじゃないの!」

上条「いや、でも自分で稼いだお金で食う焼肉は最高に美味いんですよ?」

美琴「アタシの奢るファミレスのご飯は美味しくないっての? はい、あーん」

上条「い、いやいや! とても美味しく頂いてますよー! ってか一人で食えるって!」
――
10721号「……道ばたで寝っ転がって、どうかしたのですか? とミサカは尋ねます」

インデックス「とうまが一週間も帰ってこないんだよ……お腹ぺこぺこなんだよ……!」

10721号「可哀相ですが、ミサカは南極に帰らなければならないので失礼致します。とミサカは哀れみながら立ち去ります」

インデックス「とうまー! お腹すいたんだよー!」バタバタ ギャー

10721号「ふへっ」

 end

272 名前:南部十四朗 ◆pTqMLhEhmY [sage] 投稿日:2010/06/22(火) 03:35:12.05 ID:javoNfjC0 [13/14]
 とにかく終わりです。乗っ取りだし、三日も残るとは思いませんでした。
 支援・保守してくださった方々、ならびに読んでくださった方々、ありがとうございました。

278 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/22(火) 03:53:20.31 ID:javoNfjC0 [14/14]
打ち止め「ほぉら、ちゃんとお箸持って食べなきゃだめだよ、ってミサカはミサカはお箸を握らせる」

一方通行「……」

打ち止め「ねえ、美味しい? ミサカの作ったご飯、ってミサカはミサカは尋ねてみる」

一方通行「……」カクカク

打ち止め「あ! こぼしちゃだめでしょ! ってミサカはミサカは怒ってみる!」
打ち止め「汚れちゃったから、脱がないとね? ってミサカはミサカは言ってみる」

一方通行「……」ヌギヌギ

打ち止め「ふはぁーーっ! 貴方のパンツ、ゲッツ! ミサカはミサカは、もう……」

 クッチャ クッチャ クッチャ クッチャ クッチャ クッチャ……

一方通行「……」
一方通行(誰か……)
一方通行(助けてくれよォ……)
一方通行(三下ァ……! ヒーローなら、助けに来てくれてもいいんじゃねえかァ?)
一方通行(なまじ意識が残されてるのが……キツいんだァ)
一方通行(自分の意思では指一本動かせず、ガキの思うとおりに操作される毎日……)
一方通行(こんな『愛』なら、いらねェよ……!)

打ち止め「うふ、うふふ。腋の下、汗かいてるね! ミサカはミサカはご馳走を見つけちゃったり!」

 ペロペロペロペロ……

 こんなラブラブ生活書いても面白くないですからー ではおやすみなさい

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ヤンデレ打ち止めは中々良いかも

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