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男「地球最後の男?」
1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 16:41:02.95 ID:QS4ZOza00 [1/63]
男「仕事を辞めてもう三年…」
男「いまさら就職活動なんかしても、もう駄目だ…」
男「人間怖い…」
男「だから死ななきゃ…」
男「睡眠薬沢山飲めば死ねるよね…」
男「さよなら…人生」ゴク
男「う…」
男「眠…い」
男「………」
男「仕事を辞めてもう三年…」
男「いまさら就職活動なんかしても、もう駄目だ…」
男「人間怖い…」
男「だから死ななきゃ…」
男「睡眠薬沢山飲めば死ねるよね…」
男「さよなら…人生」ゴク
男「う…」
男「眠…い」
男「………」
5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 16:46:32.27 ID:QS4ZOza00
男「………」
男「ん……」
男「あ…れ?」
男「………」
男「生きてる」
男「なんでだよ…」
男「やっぱり睡眠薬じゃ駄目だったのか…」
男「やっぱり首吊らなきゃ駄目なのかな」
男「はぁ…」
男「ロープ買ってこよう…」
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 16:51:13.27 ID:QS4ZOza00
テク テク
男「ホームセンターでロープ買って大丈夫かな」
男「不審者扱いで通報されたりしないかな」
男「はぁ…」
男「死にたい…」
男「安楽死センターとか出来ないかな」
男「出来ないか…」
男「はぁ…」
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 16:55:19.33 ID:QS4ZOza00
男「………」
男「あれ?」
男「ホームセンター休み?」
男「………」
男「もしかして潰れたのかな」
男「………」
男「別の所に行こう…」
男「ついてないな…」
9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 17:00:24.09 ID:QS4ZOza00
男「………」
男「あれ? ここも休み?」
男「定休日なのかな?」
男「でも張り紙には今日営業してるって書いてるし…」
男「もしかしてここも潰れてるの…」
男「不況って怖いな…」
男「どうしよう…」
男「はぁ…」
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 17:06:27.53 ID:QS4ZOza00
男「………」
男「………」
男「そういえば誰もいないな…」
男「今日誰ともすれ違わなかったし」
男「道路とかも何か荒れてるな…」
男「………」
男「まぁ、良いか」
男「帰ろう」
男「お腹空いたし…」
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 17:11:19.85 ID:QS4ZOza00
カチ カチ
男「あれ? 火が付かない」
男「何で…」
男「テレビも付かないし…」
男「何か変だな…」
男「………」
男「コンビニに行くか…」
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 17:16:16.97 ID:QS4ZOza00
男「………」
男「コンビニのドアが開かない…」
男「中に人も居ないみたいだし…」
男「どうなってるんだ」
男「誰か居ないのかな…」
男「探してみるか」
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 17:22:57.48 ID:QS4ZOza00
ガチャ
男「誰か居ませんか~」
男「………」
シーン
男「誰も居ませんか…」
男「………」
男「これで20件目か…」
男「もしかして誰も居ないのかな…」
男「どうしよう…」
男「………」
男「帰ろう…」
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 17:27:37.14 ID:QS4ZOza00
男「………」
男「………」
男「腹減った」
男「一体何なんだよ…」
男「………」
男「寝るか…」
男「明日にはきっと元通りだ…」
男「………」
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 17:30:22.48 ID:QS4ZOza00
男「………」
男「外に出てみよう」
男「コンビニ行かないと…」
男「昨日のは夢だよ」
男「たぶん」
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 17:35:12.69 ID:QS4ZOza00
男「………」
男「コンビニ開いてない」
男「誰も人居ないし…」
男「………」
男「もしかして…」
男「自分以外居ない?」
男「そんなまさか…」
男「………」
男「家に帰ろう…」
男「………」
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 17:42:18.76 ID:QS4ZOza00
男「………」
男「お腹空いた」
男「冷蔵庫に何も無いや…」
男「身辺整理とかしちゃったから…」
男「………」
男「死のう」
男「どうせ死ぬ気だったし」
男「…ホームセンターに行くか」
男「ロープ貰ってこよう…」
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 17:48:20.81 ID:QS4ZOza00
ガシャン ガシャン
男「………」
男「石でガラス割っちゃった…」
男「これって犯罪だよな」
男「………」
男「まぁ良いか」
男「どうせ死ぬんだし…」
男「中に入ろう…」
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 17:54:22.04 ID:QS4ZOza00
男「………」
男「やっぱり潰れてなかったんだ」
男「ちゃんと商品がある」
男「何か荒れてるけど…」
男「まぁ良いか…」
男「ロープを探そう」
男「こっちかな…」
29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 17:59:38.25 ID:QS4ZOza00
男「………」
男「ロープあったな…」
男「これで死ねるのか…」
男「家に帰るか…」
男「死ななきゃ…」
男「………」チラ
男「え?」
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 18:06:07.41 ID:QS4ZOza00
プラーン プラーン
男「………」
男「………」
男「先客さんが一杯だ」
男「………」
男「腐って落ちてるのもあるな…」
男「少なくとも人は居たんだな」
男「自分も死ななきゃ…」
男「家に帰ろう…」
31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 18:12:49.86 ID:QS4ZOza00
ガシャン ガシャン
男「お邪魔します…」
男「店員さん居ますか?」
男「………」
男「誰も居ないか…」
男「居ないなら食べ物貰っていきます…」
男「何かないかな…」
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 18:18:27.56 ID:QS4ZOza00
ガサゴソ ガサゴソ
男「………」
男「弁当系は全滅だけど缶詰とかは何とか食べられそうだ…」
男「すいません これください」カタ
男「………」
男「店員さん…」
男「居ないなら勝手に持って行きますよ?」
男「店員さん?」
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 18:24:16.09 ID:QS4ZOza00
男「……何か臭いな」チラ
男「………」
男「あぁ、下に居たんですか…」
男「仲良さそうに折り重なって…」
男「お幸せに…」
男「商品は貰っていきますね?」
男「………」
男「さよなら」
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 18:29:54.32 ID:QS4ZOza00
男「………」
男「………」
男「皆死んじゃったのか」
男「自分を残して…」
男「………」
男「何か悔しいな…」
男「何だよ…まったく」
男「………」
男「地球最後の男か…」
男「そんな映画があったな」
39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 18:37:17.56 ID:QS4ZOza00
男「どんな結末だったけ…」
男「忘れちゃったな…」
男「………」
男「どっちにしても皆居ないわけか」
男「………」
男「ならニート生活してても誰も文句言わないな」
男「………」
男「もう少し生きてみるか」
男「限界まで…」
42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 18:49:27.47 ID:QS4ZOza00
ザク ザク
男「はぁ はぁ」
男「疲れたな…」
男「クワなんて持つのは高校以来だな…」
男「農業高校卒で良かった」
男「ははは」
男「はぁ」
44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 18:57:07.67 ID:QS4ZOza00
男「本当に誰も居ないんだな…」
男「死体ばっかりだ」
男「どうなってんだろうな…」
男「………」
男「関係ないか」
男「どうせこれからずっと一人なんだし」
男「気楽で良いや」
男「ははははは!」
45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 19:01:47.06 ID:QS4ZOza00
男「………」
男「深夜に裸で外にいても誰も怒らないや…」
男「解放的だな…」
男「本屋に行けば無料で本持ってこれるし…」
男「この生活も悪くないな…」
男「うん」
男「悪くない…」
男「………」
46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 19:06:34.84 ID:QS4ZOza00
三日後
男「………」
男「お腹空いたな」
男「鯖缶でも食べるか…」
男「無くなったらまた持ってくれば良いんだし…」
男「どうせ誰も居ないんだから」
男「………」
48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 19:11:23.19 ID:QS4ZOza00
二週間後
バチ ザーーー
男「あ、テレビついた!」
男「やってみるもんだな…」
男「バッテリーでも電気ってつくんだ…」
男「やっぱり電気がないとな!」
男「ははは」
男「………」
53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 19:59:36.47 ID:QS4ZOza00
一ヶ月後
男「………」
男「………」
男「本もゲームを飽きてきたな…」
男「ずっと新作が出ないから…」
男「飯食べよう…」
男「その後は寝るか…」
男「………」
54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 20:04:25.14 ID:QS4ZOza00
半年後
男「………」
男「………」
男「ネットやりたいな…」
男「………」
男「人居ないかな…」
男「………」
男「居ないか…」
男「犬の一匹でもいれば良いのに…」
男「虫はいるのにな…」
男「………」
56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 20:11:24.31 ID:QS4ZOza00
ザッ ザッ
男「………」
男「あ」
男「もう夕方になるな」
男「………」
男「夕日綺麗だなぁ」
男「………」
男「もう一年たったのかな…」
男「時計見なくなったからなぁ」
男「最初はどうなる事かと思ったけど」
男「やっぱり一人は良いもんだ」
男「うん」
59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 20:18:19.71 ID:QS4ZOza00
男「茶髪のヤンキーもうるさいおばさんも居ない」
男「天国じゃないか」
男「うん」
男「天国だ」
男「………」
男「これがスローライフなんだよ たぶん」
男「一人だけの…」
男「………」
男「独り言も飽きたな」
男「帰るか…」
62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 20:26:28.42 ID:QS4ZOza00
テクテク
男「………」
男「…あれ?」
男「干してあった大根が一つ無い…」
男「たくあんにしようと思ったのに…」
男「鳥かな?」
男「鳥なんていたっけ…」
男「いないよな…」
男「………」
男「最初から一つ無かったんだ」
男「きっとそうだ」
男「気にしない」
男「うん」
67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 20:33:40.49 ID:QS4ZOza00
バチ バチ バチ
男「へへへ」
男「囲炉裏って良いな」
男「ガスレンジより風情があるや」
男「わざわざ田舎に来て良かった」
男「こんな古民家に誰も来ないよね」
男「まぁ、人なんて誰も居ないけどね」
男「なんか武士になったみたいだ」
男「俺かっこいい」
男「はっはっは」
69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 20:50:02.41 ID:QS4ZOza00
グツ グツ
男「味噌汁美味しそうだな」
男「いつか味噌とか醤油とか自分で作れるようにならないとな」
男「スーパーとかのはいずれ無くなるんだし」
男「目指せ食料自給率百パーセント!」
男「一人ダッシュ村かよ」
男「へへへ」
ガタ
男「………」
男「何だ?」
73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 20:56:30.65 ID:QS4ZOza00
ガタ ガタ
男「………」
男「もしかして何かいるの?」
男「生き残った猿とか猪とか…」
男「いるんだったら家畜化できそうなのが良いな」
ガタ ガタ
男「大根干してた所からだ」
ガタ ガタ
男「………」
男「行ってみるか…」
男「牛とか豚だったら良いな」
男「猪でも良いけど」
77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 21:03:46.78 ID:QS4ZOza00
ガタ ガタ
男「熊以外でお願いします…」
男「鹿は妥協します」
男「出来れば猪や犬で…」
男「最高は妊娠中のメスで」
ガタ ガタ
男「家畜化できそうなやつを」チラ
?「………」ガタガタ
男「………」
男「子供?」
子供「……!」
子供「………」ジー
84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 21:08:51.58 ID:QS4ZOza00
男「………」
子供「……」
男「何だ 子供か…」
男「子供は食えないな…」
男「がっかり」
男「………」
男「あれ」
子供「……」
男「もしかして人?」
子供「……」
85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 21:14:39.31 ID:QS4ZOza00
男「………」
子供「……」
男「あー 人ってまだ居たんだ」
子供「……」ジー
男「何だろう 喜ばしい事なんだよね」
子供「……」
男「そうかー 人ってまだいたんだ」
男「そうかー」
子供「………」
子供「………」ガタガタ
86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 21:18:56.23 ID:QS4ZOza00
男「………」
子供「……」ガタガタ
男「もしかしてお嬢ちゃん大根食べたいの?」
子供「……」ジー
男「ならあげるよ」ヒョイ
子供「……」
男「………」
91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 21:23:02.73 ID:QS4ZOza00
男「………」
子供「……」
男「………」
子供「……」
男「………」
子供「……」
男「………」
子供「……」
男「何か言うことない?」
子供「……」
男「………」
92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 21:29:07.11 ID:QS4ZOza00
男「………」
子供「……」
男「味噌汁飲む?」
子供「………」
男「ぜんまいの炒め物もあるよ?」
子供「……」
男「………」
男「た、」
子供「……」
男「食べたかったら来てね…」
子供「……」
94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 21:33:53.11 ID:QS4ZOza00
グツ グツ
男「………」
男「来ないな…」
男「もしかして幻覚だったのかな…」
男「………」
男「幻覚だったんだな」
男「………」
男「食べよう お腹空いたし…」
子供「……」チラ
男「………」
子供「……」ジー
95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 21:39:52.08 ID:QS4ZOza00
男「………」
子供「……」
男「食べる?」
子供「……」ジー
男「………」
子供「……」ドタドタ
男「………」
子供「………」チョコン
男「………」
男「食べるのね…」
男「どうぞ」サッ
96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 21:47:19.41 ID:QS4ZOza00
子供「………」ジー
男「美味しい と思う」
子供「………」ズズー
男「………」
子供「………」ズズー
男「とりあえず食べれるのか 良かった」
子供「………」サッ
男「………」
男「おかわりね」
男「どうぞ」サッ
98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 21:53:09.52 ID:QS4ZOza00
子供「……」ズズー
男「聞きたいんだけど」
子供「………」ズズー
男「どこから来たの?」
子供「……」サッ
男「おかわりね はいはい」
男「どうぞ」サッ
子供「……」ズズー
男「もしかして他にも人が居るの?」
子供「……」ズズー
男「おーい」
100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 22:00:08.90 ID:QS4ZOza00
子供「………」サッ
男「またおかわりね はいはい」
子供「……」ズズー
男「無口だけど結構厚かましい子供だな」ボソ
子供「……」ズズー
男「お嬢ちゃん 親とか居る?」
子供「……」ズズー
男「もしくは保護者とか」
子供「……」サッ
男「………」
101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 22:06:20.71 ID:QS4ZOza00
子供「………」ゲプ
男「結局全部食べちゃったのね」
男「まだ何も手をつけてないや」
男「腹減った」
子供「………」ゴロン
男「………」
男「また作れば良いか」
子供「………」
男「おーい」
子供「………」
男「聞こえてるー?」
103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 22:11:52.95 ID:QS4ZOza00
男「おーい」
子供「……」グーグー
男「え?」
子供「……」グーグー
子供「………」ゴロン
男「…寝ちゃったや」
男「まぁ 明日色々聞けば良いか」
子供「………」グーグー
男「この子に毛布かけて自分も寝るか」
104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 22:16:08.94 ID:QS4ZOza00
男「………」
男「ん…」
男「朝か…」
男「あの子はいるかな」
ドタドタ
男「………」
男「居ないや」
男「どこ行ったんだろ…」
男「探してみるか」
105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 22:22:48.31 ID:QS4ZOza00
ガタ ガタ
男「ん?」
男「何だ?」ドタドタ
子供「……」ガタガタ
男「………」
男「味噌桶揺らして何やってるの?」
子供「……」ガタガタ
男「もしかして味噌が欲しいの?」
子供「………」ジー
男「ちゃんと調理してあげるから」
子供「……」ジー
106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 22:28:18.76 ID:QS4ZOza00
男「………」
子供「……」ズズー
男「もしかして喋れないの?」
子供「……」パクパク
男「喋れない…のか」
子供「……」モグモグ
男「どっちにしろ…」
子供「……」ズズー
男「居たいだけ居ても良いよ?」
子供「……」サッ
男「おかわりね はいはい」
108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 22:35:16.55 ID:QS4ZOza00
一ヶ月後
ザッ ザッ
男「………」
男「あ」
男「夕方だ…」
男「帰るか」
男「おーい!」
子供「……」ピク
男「帰るよ~!」
子供「……」トタトタ
子供「……」ガシッ
男「帰るよ~」
子供「……」ジー
112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 22:44:59.10 ID:QS4ZOza00
男「今日は何食べようか?」
子供「……」
男「また味噌汁が良い?」
子供「……」
男「ごめんね? 種類が少なくて」
子供「……」
男「もう少ししたら キャベツとか豆とか実るからそれまで我慢してね?」
子供「……」
男「………」
男「今日は竹の子の炒め物作ろうかな」
114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 22:52:24.08 ID:QS4ZOza00
グツ グツ
男「………」
男「もう味噌無くなるかな…」
男「補充しに行かなきゃ駄目かな」
子供「……」ジー
男「ん? 何?」
子供「……」ジー
男「お腹空いたの?」
子供「……」ギュ
男「もう少しで出来るから待っててね」
子供「……」ジー
115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 22:59:43.67 ID:QS4ZOza00
子供「……」パクパク
男「食べながらで良いから聞いて欲しいんだけど…」
子供「……」モグモグ
男「明日生活必需品を取りに町に行こうと思うんだけど」
子供「……」ズズー
男「一緒に来る?」
子供「……」ズズー
男「それとも待ってる?」
子供「……」サッ
男「あ、おかわりね はいはい」
116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 23:05:29.03 ID:QS4ZOza00
子供「……」ズズー
男「まぁ ついてきたければついてくるか…」
子供「……」ズズー
子供「……」サッ
男「あ、おかわりね はいはい」
男「どうぞ」サッ
子供「……」ズズー
男「車ちゃんと動くかな…」
男「まぁ明日考えれば良いか」
117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 23:12:15.06 ID:QS4ZOza00
ブルン ブルン
ドドドドドド
男「あ、動いた」
男「良かった 自転車にならなくて」
子供「……」
男「どうしたの?」
子供「……」ジリ
男「別に車は怖くないよ?」
子供「……」
男「何かおびえてるな」
男「何でだろう?」
子供「……」
122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 23:20:18.84 ID:QS4ZOza00
男「………」
男「車怖いならここで待っててよ」
子供「……」
男「色々もってくるから家で待っててね?」バタン
子供「……!」
子供「!!」ガンガン!
男「うわ! 何で窓叩くの!?」
子供「……」ガンガン!
男「もしかして一緒に来たいの?」
子供「……」ジー
男「なら一緒に行こうか」
126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 23:28:29.86 ID:QS4ZOza00
ブオォォン
男「………」
子供「……」
男「窓の外楽しい?」
子供「……」
男「風を入れたかったら言ってね? 窓開けるから」
子供「……」
男「もう少しでつくよ」
男「スーパーで必要な物を運んだら 町で少し散歩しようか」
子供「……」
男「きっと楽しいよ」
127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 23:36:30.43 ID:QS4ZOza00
バタン
男「………」
男「だいぶ荒れてるな…」
男「半年くらい来なかったからな」
子供「……」サッ
男「ん? 何?」
子供「……」サッ
男「もしかして手を握って欲しいの?」
子供「……」サッ
男「それじゃ行こうか」ギュ
子供「……」
男「ついでに服とかも新調しよう」
139 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 23:46:13.74 ID:QS4ZOza00
パリン パリン
男「お邪魔しま~す」
子供「……」ギュ
男「どうしたの?」
子供「……」
男「まぁ、人の居ないスーパーは確かに怖いけど 必要な物を取ったらすぐ帰るよ」
子供「……」
男「とりあえずカートに乗ってみる?」カラカラ
子供「……」
男「楽しいよ」ヒョイ
子供「……」
男「行こうか」カラカラ
141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 23:54:52.76 ID:QS4ZOza00
カラカラ
男「………」
男「やっぱり菓子や加工物は全滅か…」
男「どれも食べられなさそうだ」
男「塩や砂糖類は何とか使えそうだな」
男「味噌も手に入ったし」
子供「……」
男「かなりの収穫だ」
子供「……」クイクイ
男「ん? 何?」
子供「……」クイクイ
男「そうだね そろそろ帰るか」
147 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 00:05:40.39 ID:3bDZVuj70 [1/110]
カラカラ
男「よいしょ」バタン
子供「……」
男「もう少し積めたかな…」
子供「……」クイクイ
男「ん? 何?」
子供「……」バタン
男「………」
男「もしかして帰りたいの?」
子供「……」
男「うーん もう少し見て回りたかったけど…」
子供「……」ジー
男「まぁ 良いか」
150 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 00:15:20.88 ID:3bDZVuj70 [2/110]
ブォォォン
男「………」
子供「……」
男「あんまり積めなかったな」
男「まぁ また来れば良いか」
男「ガソリンは沢山確保してるし大丈夫だろ」
子供「……」ジー
男「窓の景色面白い?」
子供「……」ジー
男「まだつかないから窓の景色見ててね?」
子供「……」ジー
151 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 00:20:26.28 ID:3bDZVuj70 [3/110]
ブォォォン
男「………」
子供「……」
男「………」
子供「……」
?「………」フラフラ
男「………!」
キキー!
子供「!!」
男「………」
子供「?」
男「人だ……」
?「………」フラフラ
157 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 00:27:18.54 ID:3bDZVuj70 [4/110]
男「まだ生き残りがいたんだ…」
男「やった!」バタン
子供「!!」ガシ!
男「うわ! 何で腕掴むの!?」
子供「!!」ブルブル
男「もしかして駄目だって言ってるの?」
子供「……」ジー
男「大丈夫だよ すぐ戻ってくるから」パッ
子供「!!」
男「すいませ~ん」
?「………」フラフラ
161 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 00:36:14.73 ID:3bDZVuj70 [5/110]
男「すいません 貴方も生き残って」
?「ああ~ ああ…あ~?」
男「………」
男「え?」
?「体が…ゆいなぁ…ああ」
男「………」
男「もしかしてゾンビ?」
?「ああ…から…かゆ…なぁ」
男「………」
男「どうしよう」
166 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 00:40:57.16 ID:3bDZVuj70 [6/110]
男「………」
男「ゾンビなのに襲いかかって来ないな…」
男「どういう事だろ…」
ガンガン!
男「ん?」
子供「……」ガンガン!
男「呼んでる」
?「ああ~から…ゆ…いなぁ~」
男「………」
男「帰るか…」
170 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 00:46:48.52 ID:3bDZVuj70 [7/110]
バタン
男「ただいま」
子供「!!」
男「………」
子供「……」ジー
男「あれ何だかわかる?」
?「あ~手が…たな…」ボト
子供「……」
男「………」
男「帰ろうか? お腹空いたでしょ」
子供「……」ギュ
男「帰ろう」
172 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 00:52:17.84 ID:3bDZVuj70 [8/110]
ブォォォン
男「………」
子供「……」
?「ああ~す…たい…」
?「からだ…ゆい…」
?「んな…どこ…」
男「なんかちらほら見かけるな」
子供「……」
男「何なんだこいつら?」
子供「……」ギュ
男「ん? 肩揉んでくれるの?」
子供「……」ギュ
177 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 01:01:46.37 ID:3bDZVuj70 [9/110]
バタン
男「ついたね」
子供「……」
男「さすがにここにはあの変なのは居ないね」
子供「……」ギュ
男「ん? 手握ってくれるの?」
子供「……」ジー
男「………」
男「ご飯にしようか? 今日は色々手に入ったから」
子供「……」ギュ
男「味噌汁とそれと竹の子の炒め物?」テクテク
子供「……」テクテク
179 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 01:08:54.38 ID:3bDZVuj70 [10/110]
一週間後
男「よいしょ」バサ
子供「……」バサ
男「キャベツや豆が良く実ったな」
子供「……」ペリペリ
男「キャベツは剥いてもキャベツしか出てこないよ」
男「あぁ 最後に芯が出てくるか」
子供「……」ペリペリ
男「まぁ 良いか」
男「早く収穫しなくちゃな」
子供「……」ペリペリ
181 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 01:16:44.26 ID:3bDZVuj70 [11/110]
男「よいしょ」ドサ
男「これだけあれば良いか」
子供「……」ペリペリ
男「まだやってたの?」
子供「………」ペリペリ
男「後で洗って食べるよ?」
子供「……」ペリペリ
男「好きなだけやらせてあげるか…」
182 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 01:21:52.94 ID:3bDZVuj70 [12/110]
男「それじゃあかえ…」
子供「?」ペリペリ
子供「!!」バサ
?「あぁ…つか…た」
男「うわ…変なのだ」
子供「………」ギュ
男「ここらにも来るようになったのか…」
子供「……」
男「うーん どうしよう」
186 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 01:31:15.79 ID:3bDZVuj70 [13/110]
?「ああ~…おん…どこ」
男「幸い一匹だけか…」
男「………」
男「クワで撃退出来るかな」
子供「……」ギュ
男「ちょっと待っててね 今倒してみるから」
子供「?」
男「うおぉぉぉぉ!」ダッ!
子供「!!」
?「んな…ど…」
188 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 01:37:39.85 ID:3bDZVuj70 [14/110]
男「うわぁぁぁぁ!」ザク!
?「せ…ちいさ…なた」
男「足切っても血も出ないや」
男「しかも生きてるし」
?「そら…か…えない」
男「腐ってるのかな」
男「さすがに頭潰せば死ぬよね」グシャ!
?「………」ジタバタ
男「………」
男「燃やそう」
男「それが良い」
192 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 01:43:46.18 ID:3bDZVuj70 [15/110]
バチバチ バチバチ
男「あんまり嗅ぎたくない臭いだな」
男「これもしかしてまた来るかな…」
男「何か対策しないと駄目か」
子供「………」
男「ん?」
子供「………」
男「さすがに近寄らないか」
男「臭いもんね」
子供「……」
男「お風呂焚かなきゃな…」
男「臭い移ってるかも」
196 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 01:52:03.95 ID:3bDZVuj70 [16/110]
トントン トントン
男「ふぅ」
男「簡易だけど柵が出来たや」
男「大工道具一式持ってきて良かった」
男「こう見えても没落した大工の息子だからな」
男「これくらいは何とかなる」
男「ような気がする」
子供「……」ギュ
男「ん? 何?」
子供「……」
男「もしかしてお腹すいたの?」
子供「……」ジー
男「それじゃあ昼ご飯にしようか」
200 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 01:59:16.73 ID:3bDZVuj70 [17/110]
グツグツ
男「出来たよ~」
子供「……」
男「今日はキャベツと竹の子の炒め物とゆでた芋だよ」
子供「……」パクパク
男「もちろん味噌汁もあるよ」
子供「……」ズズー
男「………」
男「いただきます」
男「………」パクパク
男「うめー」
203 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 02:06:27.56 ID:3bDZVuj70 [18/110]
男「ふぅ、食ったな」
子供「……」
男「さて柵の様子でも見に行くか」
男「もしかしたら変なのが来てるかも」
子供「………」
男「一緒に来る?」
子供「………」ジー
男「来るならついてきてね」
子供「……」
男「それじゃ行くか~」
204 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 02:14:02.38 ID:3bDZVuj70 [19/110]
?「ああ~くす…た…」
?「から…ゆ…」
?「とこ…ど」
男「うわ~ いるよゾンビ達」
子供「……」ギュ
男「よく見ると本当に気持ち悪いな」
男「明らかに腐ってるのになんで生きてんだろ」
男「おえ~」
206 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 02:22:47.78 ID:3bDZVuj70 [20/110]
男「まぁ簡易で作った柵でもゾンビが防げる事がわかって良かった」
男「28日後みたいなゾンビだったらどうしようかと思ったよ」
男「ロメロ系ゾンビで良かったぁ」
男「しかも咬んでこようとしないしな」
男「ちょっとした害獣だと思えば良いか」
子供「……」ギュ
男「そうだね 帰ろうか」
子供「……」
男「さよなら ゾンビ達」
?「あ…んな…しい」
?「お…こ…」
209 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 02:34:32.82 ID:3bDZVuj70 [21/110]
ドポドポ ドポドポ
男「ほら ゾンビ邪魔!」ドン
?「ああ…お…れた」ドサ
男「ほら、そこのゾンビも!」ドン
?「ああ…つち…える」ドサ
男「よいしょ よいしょ」ドポドポ
男「こんな所で良いかな」
子供「……」ジー
男「準備が済んだから一緒に離れようね」
子供「……」テクテク
男「よし、十分離れたし点火するか」シュボ
男「そ~れ」ポイ
211 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 02:42:59.32 ID:3bDZVuj70 [22/110]
ボオォォォォ! ボオォォォォ!
?「あああ…つい…あ…い」
?「もえ…える…」
?「あか…か…」
男「いくら鉄柵に換えたとはいえ さすがに多すぎると壊れるかもしれないからな」
男「定期的に焼いておかないとな」
男「なんか殺虫剤みたいだな」
子供「……」ジー
男「ゾンビ焼き面白い?」
子供「……」
男「そうでもなさそうだな」
213 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 02:51:04.20 ID:3bDZVuj70 [23/110]
パチパチ パチパチ
男「まだ残ってるけどかなり灰になったな」
男「これくらいで良いか」
男「しかし最近ゾンビ増えたな…」
男「ここ一ヶ月でどんどん増えてるや」
男「やっぱり余所に引っ越ししなきゃ駄目かな」
子供「……」ギュ
男「ん? もしかしてお腹空いた?」
子供「……」
男「自分もお腹空いたし昼飯にしようか?」
子供「……」
男「それじゃあ行こう」テクテク
215 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 03:02:48.84 ID:3bDZVuj70 [24/110]
グツグツ
男「出来たよ~召し上がれ」
子供「……」パクパク
男「味噌汁もあるからね」
子供「……」ズズー
男「……少し聞いて欲しいんだけど」
子供「……」パクパク
男「もしかしたら引っ越すかもしれないな」
子供「……」ズズー
男「最近ゾンビ増えたからその影響で…」
子供「……」サッ
男「はいはい おかわりね」
218 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 03:09:29.18 ID:3bDZVuj70 [25/110]
男「はい おかわり」サッ
子供「……」ズズー
男「候補地は大体決めてるんだけど」
子供「………」
男「山と島どっちが良いかな」
子供「……」ズズー
男「………」
子供「……」パクパク
男「まぁ 自分で考えるか」
265 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 12:41:03.42 ID:3bDZVuj70 [27/110]
三日後
バタン
男「よし大体これで良いか」
子供「……」
男「前から言っていたように余所に引っ越しするよ」
子供「……」
男「島は止めて山にする事にしたよ」
子供「……」
男「昔島にたどり着いてバッドエンドになった映画があったしね」
子供「……」
男「それじゃあ行くか」バタン
子供「……」バタン
270 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 12:51:03.09 ID:3bDZVuj70 [28/110]
ブォォォン
男「………」
子供「……」
男「山に着いたらさっそく家財道具を運ぶから手伝ってね」
子供「……」
男「良い場所を見つけたんだよ 山奥の小さな別荘だよ」
男「あそこなら罠や穴を作ればゾンビから隠れられるよ」
子供「……」
男「でもまだ持ってきてない荷物もあるから全部整うまで往復するからね」
子供「……」
男「我慢してね?」
子供「……」
271 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 12:59:52.93 ID:3bDZVuj70 [29/110]
バタン
男「着いたよ」
子供「……」
男「誰が建てたかは知らないけど、前より近代的で良い所でしょ」
子供「……」
男「着いて何だけど荷物を置いたらまたあそこに帰るからね」
子供「……」
男「夜になる前に全部終えてたら良いな」
子供「……」
男「それじゃあ荷物を運びます」
子供「……」
279 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 13:12:02.92 ID:3bDZVuj70 [30/110]
男「何とか夕食前に全部終わったな」
子供「……」パクパク
男「明日は畑作りや罠作り始めないとな」
子供「……」ズズー
男「忙しくなるけど終わるまでの辛抱か」
子供「……」パクパク
男「頑張ろう」
283 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 13:20:35.30 ID:3bDZVuj70 [31/110]
二週間後
カンカン カンカン
男「ふぅ これで柵づくりも完成か」
男「穴や罠も作ったしこれで万全かな」
男「食料備蓄はまだ割とあるし 畑に作物が実るまで何とか持つかな」
子供「……」ジー
男「ん? もしかしてお腹空いた?」
子供「……」
男「それじゃあご飯食べるか」
子供「……」
285 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 13:28:19.35 ID:3bDZVuj70 [32/110]
一ヶ月後
男「むむむ」
子供「……」
男「また調味料が少なくなってるな」
子供「……」ジー
男「また町まで補給しに行かなくちゃ駄目か」
男「面倒だけど仕方ないな」
子供「……」
男「明日また町に行くよ?」
子供「……」
男「今度は平気だよね」
子供「……」
289 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 13:38:26.97 ID:3bDZVuj70 [33/110]
ブォォォン
男「………」
男「うーん」
男「何だかゾンビ少なくなってるな」
男「前はあれだけ居たのに」
男「何処に行ったんだろ?」
子供「………」
男「まぁ 良いか」
男「少なくなるのは良い事だしな」
男「このまま居なくなればまた下に戻れるかもな」
290 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 13:46:16.24 ID:3bDZVuj70 [34/110]
数時間後
男「………」
子供「……」
男「うわぁ 何だよ」
ゾロゾロ ゾロゾロ
?「ああ…ひ…いた」
?「せっ…し…」
?「おん……だき…」
男「何で町にこんなにいるの」
子供「……」
男「気持ち悪いな」
男「一体町に何があるって言うんだよ」
子供「……」
295 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 13:50:58.54 ID:3bDZVuj70 [35/110]
男「まぁ良いか 取るもの取ったらさっさと帰るか」
子供「……」ギュ
男「………」
男「やっぱり気になるな」
男「集まってる所に行ってみるか」
子供「……」
297 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 13:58:11.96 ID:3bDZVuj70 [36/110]
ゾロゾロ ゾロゾロ
?「ああ…いた…」
?「でて…こ」
?「なか…な」
男「何かマンションの周りに異常に集まってるな」
子供「……」
男「潰されて下敷きになってるのもちらほらいるな」
男「一体何があるんだろ」
男「………」
男「車使って調べてみるか」
男「車なんて周りに何台もあるしな」
男「構わないだろ」
300 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 14:04:21.40 ID:3bDZVuj70 [37/110]
ブォォォン! ブォォォン!
ガタガタガタガタガタ!
?「ああ…はね…られ…」
?「からだ…こ」
?「ちいさ…なた」
男「腐ってるから楽に殺せるな」ガタガタ
男「なんかボーリングみたいで楽しいな」ガタガタ プスン
男「あれ? 壊れた?」
男「………」
男「今度はトラックでやるか」
305 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 14:10:45.02 ID:3bDZVuj70 [38/110]
ガタガタガタガタ…
男「ふぅ だいぶ肉になったな」
男「車何台か壊れたけどこれで何とかマンションに近づける」
子供「……」
男「なんかわくわくするな」
男「ゾンビの宝とかあったりして」
男「ゾンビの宝なんていらないけどね」
子供「……」
男「よっしゃ行くか」テクテク
308 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 14:19:29.67 ID:3bDZVuj70 [39/110]
男「うーん」
子供「……」
男「見たところ普通のマンションだな」
男「ゾンビの宝なんて見当たらないや」
男「骨折り損だったかな」
男「まぁ楽しかったから良いか」
?「………」ジー
男「ん」
?「………」ジー
男「窓から誰かが双眼鏡で見てる…」
男「……うわ どうしよう」
311 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 14:25:01.59 ID:3bDZVuj70 [40/110]
男「………」
子供「……」
?「………」ジー
男「あ」
男「あの~!」
?「……!」
男「もしかして生存者ですか~!」
?「………」
男1「しっかり喋った 人間だ…」
男2「まじかよ…」
女「うそ…」
318 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 14:31:18.72 ID:3bDZVuj70 [41/110]
男「………」
子供「……」
男「引っ込んじゃった…」
男「何でかな」
子供「……」
男1「………」ガタ
男「あ 出てきた」
男1「………」
男「………」
男1「おい! あんた!」
男「はい?」
321 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 14:37:51.64 ID:3bDZVuj70 [42/110]
男1「あんた生きてんのか!」
男「はぁ 生きてますが…」
男2「何で生きてるんだよ! おい!」
男「そんな事言われても…」
女「ゾンビと一緒で平気なの!?」
男「まぁ そうですが」
男1、2女「………」
男「何なんだ いったい」
324 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 14:45:23.32 ID:3bDZVuj70 [43/110]
男1「………」
男1「急に質問責めにして悪かった」
男「はぁ」
男1「あんたどこから来たんだ?」
男「山奥の別荘からですが」
男1「いつからそこに?」
男「一ヶ月かそこらです」
男1「ずっと一人でか?」
男「いえ、この子と一緒ですが」
子供「……」ササッ
男「何で背中に隠れてるの? ちゃんと挨拶しなきゃ駄目だよ?」
男「ほら」グイ
326 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 14:51:02.14 ID:3bDZVuj70 [44/110]
子供「………」
男1「………」
男2「………」
女「………」
男「ん?」
男2「おい…ふざけんなよ…」
男「はい?」
男2「感染者じゃねぇか! おい!」
男「感染者?」
男2「くそ!やっぱり化け物の仲間かよ! 死ね!死ね!」バンバン!
338 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 14:58:22.37 ID:3bDZVuj70 [45/110]
男「うわ! 撃ってきた!」
男1「おい! やめろ!」
男2「死ね!死ね! 死に絶えろ!」バンバン!
子供「………」
男2「なんだと! このゾンビ野郎が!」バンバン!
男「うわ! この人狂ってる!逃げるよ!」ヒョイ
子供「……」
男2「うわぁ!死ね死ね!」カチカチ
344 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 15:04:32.62 ID:3bDZVuj70 [46/110]
男「ハァ ハァ」
男「せっかく生存者を見つけたと思ったのに」
男「まさか銃で撃ってくるなんて…」
男「とほほ」
子供「……」ギュ
男「………」
男「そうだね 帰ろうか」
子供「……」
男「まったくついてないや」
子供「……」
350 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 15:12:22.53 ID:3bDZVuj70 [47/110]
ブォォォン
男「しかし怪我しなくて良かったな」
子供「……」
男「せっかく他の人を見つけたと思ったのに 狂人が混じってたなんてなぁ」
子供「……」
男「まぁ 最初から居なかったと思えば良いか」
子供「……」
男「家に帰ったらご飯食べて早く寝よ」
355 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 15:20:38.62 ID:3bDZVuj70 [48/110]
子供「………」パクパク
男「召し上がれ~ てもう食ってるか」
子供「……」パクパク
男「………」
男「今日は色々あったな…」
男「ゾンビボウリングしたり、生存者に会ったり…」
男「生存者か…まだ生き残りがいたんだな」
男「良かった…」
子供「……」サッ
男「はいはい おかわりね」
360 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 15:28:11.31 ID:3bDZVuj70 [49/110]
男「はい どうぞ」サッ
子供「……」ズズー
男「………」
男「感染者か…」
男「別段変わった所は無いのにな」
男「変な人だったな」
子供「……」パクパク
男「感染者…ね」
男「もしかしてあそこの人達は何か知ってるのかな」
男「………」
男「危険だけどまた行ってみるかな…」
372 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 15:34:30.23 ID:3bDZVuj70 [50/110]
ブォォォン
男「ごめんね 昨日行ったばっかりなのに」
子供「……」
男「やっぱりあの人らが気になってね」
子供「……」
男「用事が済んだらちゃんと帰ってくるから」
子供「……」
男「車で大人しく待っててね?」
子供「……」
379 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 15:41:52.86 ID:3bDZVuj70 [51/110]
バタン
男「着いたか…」
男「うーん」
男「何か前にも増してゾンビが増えてきてるな」
男「あの人達大丈夫かな」
子供「……」
男「それじゃあ行ってくるから車で大人しく待っててね?」カチャ
子供「………」
382 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 15:48:51.75 ID:3bDZVuj70 [52/110]
ワラワラ ワラワラ
?「はや…で…こい…」
?「ん…きた…」
?「ま…こな…」
男「やっぱりマンション周辺は一杯居るなぁ」
男「秘密兵器持ってきて良かった」
男「ちゃっちゃと一掃してあの人等に会うか」
男「よいしょ」バタン
男「よいしょ」ズルズル
男「よし」カシャン
男「発射」カチ
390 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 15:55:10.59 ID:3bDZVuj70 [53/110]
プシャアアアアアアア!
?「ああ…水…つめ…い」
?「ころん…たい…」
?「すべ…」
男「そ~れ 放水放水~」
?「ああ…たおれ…」
男「うんやっぱり消防車なら楽で良いな」
男「適当に散らしながら中心に行くか」
男1「………」ジー
男1「狂ってる」
394 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 16:00:31.27 ID:3bDZVuj70 [54/110]
プシャアアアアァ…
男「これくらいで良いか」
男「だいぶ散ったな」
男「それじゃあ会いに行くか」
男「今度は撃ってきたりしないよね」
401 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 16:08:39.68 ID:3bDZVuj70 [55/110]
男「………」
男1「………」
男「どうも」
男1「どうも」
男「お一人で?」
男1「あぁ そうだ弟と妹は下がらせた」
男「弟と妹と言うと前の…」
男1「あぁ、そうだ 俺達は偵察役なんだ」
男「もしかして他にも人が?」
男1「あぁ、全部で三十人ほどいるな」
男「そんなに居るんだ」
405 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 16:13:54.64 ID:3bDZVuj70 [56/110]
男1「………」
男1「前は悪かったな」
男「前?」
男1「弟の事だよ」
男「あぁ」
男1「またこうして来てくれて良かったよ」
男「はぁ…」
男1「何か聞きたい事があったんじゃないのかい?」
男「まぁ 確かに」
男1「言ってみなよ」
408 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 16:21:56.10 ID:3bDZVuj70 [57/110]
男「それなら聞きたいんですけど」
男1「あぁ良いよ」
男「この世界はどうなったんですか?」
男1「ん?」
男「何か人がいないしゾンビがいるしで」
男「なんか滅茶苦茶ですよ?」
男1「………」
男1「知らないで生きてたのか?」
男「知らないで生きてました」
男1「…そうか」
男1「それならわかりやすく教えてあげよう」
男「お願いします」
416 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 16:30:04.37 ID:3bDZVuj70 [58/110]
男1「まず簡単にいえばウイルス感染だな」
男「やっぱり」
男1「さすがにこれは感づいてただろ?」
男「はい」
男1「皆ウイルスに感染して残ったのが数人だけ」
男1「そんな所だ」
男「………」
男「もっと詳しくお願いします」
男1「あぁ、わかってるよ」
男「はぁ」
424 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 16:37:49.29 ID:3bDZVuj70 [59/110]
男1「どういう経緯でウイルスが人に感染したのか分からないが、これはあっと言う間に広まったよ」
男「やっぱり凶暴化して食いあって…」
男1「いや、違うよ」
男「それじゃ空気感染?」
男1「いや、それも違う」
男「それじゃあ何なんですか?」
男1「接触感染だ」
男「接触感染?」
男1「そうだ」
431 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/13(日) 16:46:17.93 ID:3bDZVuj70 [60/110]
男「接触感染でそんなに広まるもんなんですか?」
男1「人間含め動物全てに感染したし、それに感染者は凶暴化するからな」
男「凶暴化?」
男1「ああ、食おうとはしないが近づいてきて繁殖しようとするんだ」
男「繁殖?」
男1「レイプだよ レイプ」
男「え!?」
男1「今の状態じゃ考えられないかもしれないけど初期は本当に酷かった」
男1「狂ったゾンビがレイプしようとしてくるんだからな」
男「………」
444 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/13(日) 16:53:27.10 ID:3bDZVuj70 [61/110]
男1「あいつらの声聞いただろ?」
男1「女欲しい、セックスしたいってね」
男「そういえばそうか…」
男1「そして俺達はあいつらとの接触を防ぐため こうしてバリケードを作ってマンションに隠っているってわけだ」
男1「わかったかい?」
男「何となく」
男1「それは良かった」
男「………」
454 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/13(日) 17:01:07.68 ID:3bDZVuj70 [62/110]
男「あの…」
男1「そっちの用が済んだなら こっちの用件を聞いて貰って良いかい?」
男「…はぁ どうぞ」
男1「君はなぜかウイルスに耐性があるみたいだから 町から色々持ってきて貰いたいんだ」
男「色々?」
男1「あぁ、調味料とか機械の部品とか」
男「まぁ、構いませんけど…」
男1「頼むよ 持ってきてくれたらまた質問を聞くから」
男「はぁ、わかりました」
男1「じゃあ持ってきて貰いたい物を書くよ」
男「はぁ」
464 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/13(日) 17:09:39.71 ID:3bDZVuj70 [63/110]
バタン
男「ふぅ」
子供「……」
男「ただいま」
子供「……」
男「ごめんね 遅くなって」
男「色々こき使われてね」
子供「……」
男「やっぱりあんなきっちりした人は苦手だな つい言う事聞いちゃうや」
子供「……」
男「お腹空いたでしょ? 帰ろうか」
子供「……」
466 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/13(日) 17:18:53.20 ID:3bDZVuj70 [64/110]
子供「……」パクパク
男「結局あの後分かったのは感染者に生殖能力が無い事と 移動しながら生存者を探すって事だけか…」
子供「……」パクパク
男「この子の事とか聞きたかったんだけどな」
子供「……」ズズー
男「何も変な所は無いのになんであんなに驚いたんだろう」
子供「……」ズズー
男「変なの」
子供「……」サッ
男「はいはい おかわりね」サッ
子供「……」ズズー
472 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/13(日) 17:27:48.92 ID:3bDZVuj70 [65/110]
一週間後
男「よいしょ よいしょ」
男1「よしロープを引っ張るぞ」グイグイ
男「どうですか?」
男1「あぁ全部あるよ ありがとう」
男「いえいえ」
男1「いつも必要な物を持ってきてくれてありがとう」
男1「君には感謝してるよ」
男「いや、困った時はお互い様ですから」
男1「そういって貰うと助かるよ」
男「はい、それじゃ」
男1「………」
475 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/13(日) 17:32:46.52 ID:3bDZVuj70 [66/110]
男1「ちょっと待ってくれないか?」
男「はい?」
男1「すまないね弟と妹が顔を合わせないで」
男「いえいえ…」
男1「前の件でまだ君を気味悪がっててね」
男「前の件…」
男1「君の連れていた感染者の事だよ」
男「………」
488 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/13(日) 17:42:11.33 ID:3bDZVuj70 [67/110]
男1「君はあの子をどう見える?」
男「どうって普通の女の子ですけど?」
男1「俺には毛が抜け落ちた醜いゾンビに見えるけどな」
男「え?」
男1「他の感染者とは違うみたいだけどあれはどう見えても感染者だよ」
男「そんな…」
男1「早急に始末した方が良いよ?」
男「………」
男「帰ります」
680 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/13(日) 19:38:28.58 ID:3bDZVuj70 [82/110]
子供「……」パクパク
男「毛の抜け落ちたゾンビか…」
子供「……」パクパク
男「何も変わらないじゃないか…」
男「やっぱりあの人も狂ってたのかな…」
男「せっかくの生存者だと思ったの…」
子供「……」ズズー
男「………」
男「どこがゾンビなんだよ」
男「まったく」
688 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/13(日) 19:51:35.75 ID:3bDZVuj70 [83/110]
一週間後
ザク ザク カリカリ
男「よいしょ よいしょ」
ザッザ
子供「……」カリカリ
男「よいしょ よいしょ」
ザッザ
子供「……」カリカリ
男「ふぅ、こんな所で良いか」
子供「……」
男「お疲れさま ジャガイモでも食べようか?」
子供「……」
696 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/13(日) 20:01:36.78 ID:3bDZVuj70 [84/110]
男「ゾンビが居なくなったから下に帰ってこれたけど」
男「畑はむちゃくちゃ家は荒てるわで大変だったけど 何とか整ってきたな」
子供「……」
男「今度からは山とこことで農地を分けるかな」
子供「……」
男「疲れた?」
子供「……」
男「家に帰って寝ようか」
子供「……」
698 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/13(日) 20:08:54.19 ID:3bDZVuj70 [85/110]
男「………」
子供「……」
男「………」ジー
子供「……」
男「普通の子じゃないか」
子供「……」
男「何の変哲の無い」
子供「……」
男「もう少ししたら他の作物も食べさせてあげるからね」
子供「……」
男「まっててね」
704 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/13(日) 20:19:28.03 ID:3bDZVuj70 [86/110]
三日目
男「………」
子供「……」
男「あの人達どうしてるかな」
子供「……」
男「まったく会ってないけど」
男「生きてるのかな」
子供「……」
男「………」
男「少し様子見てくるかな」
男「少しだけなら良いよね」
708 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/13(日) 20:26:10.71 ID:3bDZVuj70 [87/110]
ブォォォン
男「………」
子供「……」
男「何だかゾンビがぐっと少なくなったな」
男「前はあんなに居たのに」
子供「……」
男「少なければ少ないで良いけどなんか不気味だ」
子供「……」
男「急ごう」
717 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/13(日) 20:34:27.55 ID:3bDZVuj70 [89/110]
バタン
男「少しここで待っててね? ちょっと言ったら戻ってくるから」
子供「……」
男「………」
男「やっぱり一緒に行こう」
子供「……」
男「まともな人が居ればちゃんと証明してくれるよ」
子供「……」
男「絶対にゾンビなんかじゃない」
子供「……」
男「行こう」
724 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/13(日) 20:41:43.25 ID:3bDZVuj70 [90/110]
テクテク
男「あの人達はきっとあんな生活で頭がおかしくなったんだよ」
男「だからあんな暴言を吐くんだ」
子供「……」
男「よくちゃんと見ればこの子が普通だって気づくさ」
子供「……」
男「三十人もいるって言ってたしまともな人もきっとい
子供「……」
男「る…」
子供「……」
男「………」
男「バリケードが破られてる…」
729 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/13(日) 20:48:29.13 ID:3bDZVuj70 [91/110]
男「………」
子供「……」
男「………」
男「そんな…」
男「ゾンビも周りに居ないし…」
男「………」
男「車か何かで無理矢理突破したみたいだ…」
男「………」
男「もしかして生存者は誰も…」
男「………」
男「中に入ってみよう」
731 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/13(日) 20:56:43.07 ID:3bDZVuj70 [92/110]
男「すいませ~ん」
子供「……」
男「誰かいませんか~」
子供「……」
男「何の返事も無い…」
男「もしかして誰も…」
子供「……」
男「いや、諦めるのはまだ早い」
男「マンションなんだから鍵をかけて隠れてる可能性だってある」
子供「……」
男「部屋を見てみよう」
736 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/13(日) 21:02:25.38 ID:3bDZVuj70 [93/110]
カチャカチャ
男「ここも鍵がかかってるな」
男「すいませーん!」ドンドン
男「誰か居ますかー!」ドンドン
男「………」
男「誰も居ないのか…」
男「次の部屋に行ってみよう」
子供「……」
男「きっと生存者がいる筈だ」
749 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/13(日) 21:31:27.55 ID:3bDZVuj70 [95/110]
ガチャ
男「あ」
男「この部屋開いてる」
男「………」
男「もしかして生存者がいるかも」
子供「……」
男「ちょっと中に入ってみるから待っててね?」
子供「……」
男「お邪魔しま~す」ガチャ
子供「………」
756 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/13(日) 21:38:17.70 ID:3bDZVuj70 [96/110]
男「すいません 誰かいますか?」
男「居たら返事して欲しいんですが…」
男「すいま」
男「………」
男「人が死んでる…」
男「女の人だ…」
男「………」
男「首筋を切ってるや…」
男「自殺したんだ…」
男「そうか」
男「そうか…」
767 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/13(日) 21:47:20.24 ID:3bDZVuj70 [97/110]
男「わかってはいたんだよな…」
男「あれから何日もたってるしさ…」
男「きっと他の部屋の人だって皆自殺してるんだ…」
男「………」
男「一体何があったんだよ…」
男「くそ…」
男「皆死んじゃったよ…」
769 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/13(日) 21:52:38.78 ID:3bDZVuj70 [98/110]
男「………」
男「この人は何でドアを開けてたんだろう」
男「………」
男「もしかしたら何か残してるかも」
男「……」
男「この人には悪いけど少し部屋を探ってみよう」
772 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/13(日) 21:58:00.99 ID:3bDZVuj70 [99/110]
ガサゴソ ガサゴソ
男「あ」
男「ノートがある…」
男「日記って書いてあるや」
男「やった」
男「悪いけど見てみよう」パラ
男「結構びっしり書いてるな」
男「最近の日付のから見てみよう」
779 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/13(日) 22:04:25.65 ID:3bDZVuj70 [100/110]
○月×日
今日見張りの兄弟が変な事を言っていた
化け物の仲間が理性を付けてやってきたらしい
ばかばかしい あれだからあの兄弟は信用出来ない
相手にしない方が良い どうせ嘘だ
785 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/13(日) 22:10:56.27 ID:3bDZVuj70 [101/110]
○月×日
今日見張りの兄弟が機械のパーツや調味料を持ってきた
理性のある化け物を騙して手に入れたらしい
食料と交換で皆に配給するらしい 機械の部品も
食料はともかく機械の部品類は整備してくれてる人にただで渡せば良いのに
やっぱりあの兄弟は信用できない
792 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/13(日) 22:18:29.65 ID:3bDZVuj70 [102/110]
○月×日
今日あの人達を呼んで乱
男「これは読まなくて良いな 次」パラ
○月×日
またあの兄弟が色々持ってきたようだ
どうやら理性のある化け物を完全に手懐けたらしい
理性のある化け物とは言うがもしかしたら人間なんじゃないか
そう思う人は他にもいたようで下の階のおじさんが兄弟に色々訪ねていた。
正直どうでも良い
801 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/13(日) 22:26:53.11 ID:3bDZVuj70 [103/110]
○月×日
もうここは終わりだ 何者かが車でバリケードを破ったみたいだ
兄弟がしきりに化け物が本性を現したと叫んでいる
どういう事があったにしろ 鍵をかけて部屋に隠るしかない
でも私は鍵をかけない 部屋に入ってきたあいつらの目の前で死んでやる
獲物を前にして喜ぶあいつらの前で死んでやる
あいつらは死姦はしない 増えないから 私は最後の復讐をしてやる ただでは死なない 餓死なんて嫌だ
さよなら
813 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/13(日) 22:35:09.16 ID:3bDZVuj70 [104/110]
男「自分に関係のありそうな所だけ読んでみたけど…」
男「もしかして理性のある化け物って自分かな…」
男「理性のある化け物って思われてのか…」
男「ショックだな」
男「………」
男「最後の日付のやつ」
男「理性のある化け物が襲ってきたってあったな」
男「理性のある化け物…」
男「もしかして自分が?」
男「そんなまさか…」
832 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/13(日) 22:42:10.23 ID:3bDZVuj70 [105/110]
男「………」
子供「……」
男「うわ! びっくりした!」
子供「……」
男「もしかして待ちくたびれた?」
子供「……」
男「帰ろうか いったん家で休みたい…」
男「色々考える事があるし…」
子供「……」
834 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/13(日) 22:50:54.17 ID:3bDZVuj70 [106/110]
翌日
男「………」
男「理性のある化け物が車で襲ってきた…か」
男「理性のある化け物って自分の事だよな…」
男「でもそんな記憶ないし…」
子供「……」
男「………」
男「わからん まったくわからん」
子供「……」
男「………」
男「今日は作業してさっさと寝るか」
男「明日考えよう」
840 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/13(日) 22:57:01.66 ID:3bDZVuj70 [107/110]
一週間後
ザッ ザッ カリカリ
男「うーん」
子供「……」
男「うーん」
子供「……」
男「あ」
子供「……」
男「そういえばあの日記に気になる事が載ってた気がする」
男「下の階がどうとか」
男「………」
子供「……」
男「また行ってみるか マンションに」
848 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/13(日) 23:05:22.03 ID:3bDZVuj70 [108/110]
チュイーン! ガリガリガリガリ!
バタン
男「ふぅ」パカ
男「何とか入れるな」
男「チェーンソーで切る以外の発想が浮かばない自分が悔しい」
子供「……」
男「少し待っててね ちょっと行ってくるから」
子供「………」
858 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/13(日) 23:14:29.74 ID:3bDZVuj70 [109/110]
男「すいません 少し入りますよ?」ガタガタ
男「何か書類で一杯で汚い部屋だな」
男「死体があったけど このさい無視してさっさと探索しちゃおう」
男「あの子も待ってるしね」
男「まったく汚い 汚い」
ガサゴソ ガサゴソ
男「………」ピタ
男「お」
男「ゾンビウイルスの研究レポート?」
男「ゾンビウイルス?」
男「率直な名前だな」
男「名前からしてあの男が言ってたウイルスの書物だ」
男「読んでみよう」
9 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/13(日) 23:33:12.13 ID:JnqCvmQ0 [2/6]
○月×日
今日10匹目の猿にゾンビウイルスを注入したが やはりいぜん変わらず凶暴化する
注入した途端に暴れだし柵を叩いて暴れるのだ
さすがにゾンビウイルスと名付けられただけはある
すさまじい速効性と浸透率だ
怖くなるくらいに
15 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/13(日) 23:38:13.50 ID:JnqCvmQ0 [3/6]
○月×日
注入して52匹目で驚いた事に耐性を持つ個体が現れた
ゾンビウイルスを注入してもまったく暴れようとはせず、体毛も抜け落ちない
周りがうるさく騒ぎ立てるなか彼はいたって冷静である
これは大きな発見だ
21 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/13(日) 23:41:33.41 ID:JnqCvmQ0 [4/6]
○月×日
今日ゾンビウイルスを投下した個体を一カ所に集める事にした
集団でどのような事になるか実験するようだ
あの彼も一緒だ 大丈夫だろうか…
28 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/13(日) 23:47:31.60 ID:JnqCvmQ0 [5/6]
○月×日
非常に驚いた
ゾンビウイルスを投与した猿達はまったく争わずしきりにこちらに唸り声をあげる
まるで他の個体が見えていないかのように
もちろん彼も無事だ だがおかしい事がある
なぜか感染している雌猿としきりに毛づくろいしている
33 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/13(日) 23:52:26.77 ID:JnqCvmQ0 [6/6]
○月×日
感染した雌猿と彼とを同じ部屋に隔離してみた
明らかに醜くなった雌猿に甲斐甲斐しく毛づくろいをしている
異様な光景だ 彼女に毛は無いのに
しかも彼は与えた餌を優先的に彼女に与えている
どういう事だろうか
39 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/14(月) 00:00:08.99 ID:rhmHg2s0 [1/17]
○月×日
二匹の猿を調べた結果 雌の猿は知能が少し下がるが脳波の数値が格段に上昇する
雄は逆にかなり低下する
彼らをよく観察すると雌の方が雄の手をしきりに掴み、毛づくろいや餌の催促を行っている
これは推測だがあれは一種の洗脳ではな
43 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/14(月) 00:06:02.02 ID:rhmHg2s0 [2/17]
男「…………」
男「何だろう…何か当てはまる気がする」
男「雄は変わらず雌は感染者に…」
男「これってもしかして…」
ガタ
男「……!」
子供「……」
男「………」
男「く、来るな…」
子供「……」
男「お前がやったのか!」
男「お前が襲わせたのか!!」
51 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/14(月) 00:11:13.74 ID:rhmHg2s0 [3/17]
子供「……」
男「何とか言えよ! 本当はもうゾンビなんだろ!!」
子供「……」
男「その姿は偽りで ほんとは…もう」
子供「……」
男「ひ…来るなぁ…来るなよ!!」
子供「……」ギュ
男「あ」
子供「……」
男「………」
60 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/14(月) 00:17:47.51 ID:rhmHg2s0 [4/17]
男「ははは…落ち着いたや」
子供「……」
男「このレポートに書いてあった通りだ…」
男「自分は洗脳されてたのか…」
子供「……」
男「そうだね 帰ってご飯を食べようか…」
子供「……」
男「帰ろう…家に」
子供「……」
72 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/14(月) 00:24:18.27 ID:rhmHg2s0 [5/17]
子供「………」パクパク
男「美味しい?」
子供「……」パクパク
男「そうか美味しいか…」
子供「……」ズズー
男「………」
子供「……」サッ
男「はいはい おかわりね」
男「はいはい…」
79 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/14(月) 00:28:55.38 ID:rhmHg2s0 [6/17]
男「………」
子供「……」
男「そういえばあのレポートの続きはなんだったんだろう」
子供「……」
男「持ってきてたし ちょっと読んで見るか」
男「えっと」ガサガサ
男「あった」
男「どれどれ」
92 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/14(月) 00:38:38.42 ID:rhmHg2s0 [7/17]
○月×日
耐性のある二匹は相変わらず仲が良いが、他の猿達はもう目もあてられない
餌の摂取を全くしないためガリガリに痩せているばかりか
ウイルスの影響なのか死亡する個体はまったく出ないのだ
これでは動く死体だ…
早々と全個体の実験を行って良かった
感染者は餌を食べない事を常識にしていたため感染者には餌の投与をおこなっていなかったからだ
98 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/14(月) 00:43:21.08 ID:rhmHg2s0 [8/17]
おかげで彼女が死なずにすんだ
もしかしたら彼女が他の感染者達と一緒に暴れていたのはただ餌が欲しかっただけだったのかもしれない
彼女には悪い事をした
今度檻から出してあげなきゃ
116 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/14(月) 00:49:40.50 ID:rhmHg2s0 [9/17]
○月×日
とんでもない事をしてしまった
自分でも訳が分からずあの二匹を解放してしまった
私はどうすれ
男「……」パサ
子供「……」
男「もういいや…」
男「そんな偶然…あるわけ無いしな」
子供「……」
125 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/14(月) 00:54:10.64 ID:rhmHg2s0 [10/17]
男「………」
子供「……」
男「少し外に出てみるか」
男「きっと星が綺麗だ」
子供「……」
男「一緒に行こうか?」ギュ
子供「……」
男「よし行こう」
128 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/14(月) 01:00:15.22 ID:rhmHg2s0 [11/17]
男「………」
子供「……」
男「星が綺麗だな…」
子供「……」
男「この星をまだ見てる人はいるのかな…」
子供「……」
男「それとも自分達が最後の人かな?」
子供「………」
男「まぁ良いか」
男「また明日はあるんだし」
男「寝るかな」
132 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/14(月) 01:03:52.25 ID:rhmHg2s0 [12/17]
男「………」
子供「……」
男「それじゃあ寝ますか?」
子供「……」
男「おやすみ」
子供「……」
子供(お休み)
終わり
145 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/14(月) 01:07:36.65 ID:rhmHg2s0 [13/17]
これで最後です 見てくれてありがとう
後半色々ありましたが何とか完結しました
見てくれてありがとう
男「………」
男「ん……」
男「あ…れ?」
男「………」
男「生きてる」
男「なんでだよ…」
男「やっぱり睡眠薬じゃ駄目だったのか…」
男「やっぱり首吊らなきゃ駄目なのかな」
男「はぁ…」
男「ロープ買ってこよう…」
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 16:51:13.27 ID:QS4ZOza00
テク テク
男「ホームセンターでロープ買って大丈夫かな」
男「不審者扱いで通報されたりしないかな」
男「はぁ…」
男「死にたい…」
男「安楽死センターとか出来ないかな」
男「出来ないか…」
男「はぁ…」
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 16:55:19.33 ID:QS4ZOza00
男「………」
男「あれ?」
男「ホームセンター休み?」
男「………」
男「もしかして潰れたのかな」
男「………」
男「別の所に行こう…」
男「ついてないな…」
9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 17:00:24.09 ID:QS4ZOza00
男「………」
男「あれ? ここも休み?」
男「定休日なのかな?」
男「でも張り紙には今日営業してるって書いてるし…」
男「もしかしてここも潰れてるの…」
男「不況って怖いな…」
男「どうしよう…」
男「はぁ…」
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 17:06:27.53 ID:QS4ZOza00
男「………」
男「………」
男「そういえば誰もいないな…」
男「今日誰ともすれ違わなかったし」
男「道路とかも何か荒れてるな…」
男「………」
男「まぁ、良いか」
男「帰ろう」
男「お腹空いたし…」
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 17:11:19.85 ID:QS4ZOza00
カチ カチ
男「あれ? 火が付かない」
男「何で…」
男「テレビも付かないし…」
男「何か変だな…」
男「………」
男「コンビニに行くか…」
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 17:16:16.97 ID:QS4ZOza00
男「………」
男「コンビニのドアが開かない…」
男「中に人も居ないみたいだし…」
男「どうなってるんだ」
男「誰か居ないのかな…」
男「探してみるか」
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 17:22:57.48 ID:QS4ZOza00
ガチャ
男「誰か居ませんか~」
男「………」
シーン
男「誰も居ませんか…」
男「………」
男「これで20件目か…」
男「もしかして誰も居ないのかな…」
男「どうしよう…」
男「………」
男「帰ろう…」
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 17:27:37.14 ID:QS4ZOza00
男「………」
男「………」
男「腹減った」
男「一体何なんだよ…」
男「………」
男「寝るか…」
男「明日にはきっと元通りだ…」
男「………」
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 17:30:22.48 ID:QS4ZOza00
男「………」
男「外に出てみよう」
男「コンビニ行かないと…」
男「昨日のは夢だよ」
男「たぶん」
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 17:35:12.69 ID:QS4ZOza00
男「………」
男「コンビニ開いてない」
男「誰も人居ないし…」
男「………」
男「もしかして…」
男「自分以外居ない?」
男「そんなまさか…」
男「………」
男「家に帰ろう…」
男「………」
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 17:42:18.76 ID:QS4ZOza00
男「………」
男「お腹空いた」
男「冷蔵庫に何も無いや…」
男「身辺整理とかしちゃったから…」
男「………」
男「死のう」
男「どうせ死ぬ気だったし」
男「…ホームセンターに行くか」
男「ロープ貰ってこよう…」
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 17:48:20.81 ID:QS4ZOza00
ガシャン ガシャン
男「………」
男「石でガラス割っちゃった…」
男「これって犯罪だよな」
男「………」
男「まぁ良いか」
男「どうせ死ぬんだし…」
男「中に入ろう…」
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 17:54:22.04 ID:QS4ZOza00
男「………」
男「やっぱり潰れてなかったんだ」
男「ちゃんと商品がある」
男「何か荒れてるけど…」
男「まぁ良いか…」
男「ロープを探そう」
男「こっちかな…」
29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 17:59:38.25 ID:QS4ZOza00
男「………」
男「ロープあったな…」
男「これで死ねるのか…」
男「家に帰るか…」
男「死ななきゃ…」
男「………」チラ
男「え?」
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 18:06:07.41 ID:QS4ZOza00
プラーン プラーン
男「………」
男「………」
男「先客さんが一杯だ」
男「………」
男「腐って落ちてるのもあるな…」
男「少なくとも人は居たんだな」
男「自分も死ななきゃ…」
男「家に帰ろう…」
31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 18:12:49.86 ID:QS4ZOza00
ガシャン ガシャン
男「お邪魔します…」
男「店員さん居ますか?」
男「………」
男「誰も居ないか…」
男「居ないなら食べ物貰っていきます…」
男「何かないかな…」
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 18:18:27.56 ID:QS4ZOza00
ガサゴソ ガサゴソ
男「………」
男「弁当系は全滅だけど缶詰とかは何とか食べられそうだ…」
男「すいません これください」カタ
男「………」
男「店員さん…」
男「居ないなら勝手に持って行きますよ?」
男「店員さん?」
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 18:24:16.09 ID:QS4ZOza00
男「……何か臭いな」チラ
男「………」
男「あぁ、下に居たんですか…」
男「仲良さそうに折り重なって…」
男「お幸せに…」
男「商品は貰っていきますね?」
男「………」
男「さよなら」
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 18:29:54.32 ID:QS4ZOza00
男「………」
男「………」
男「皆死んじゃったのか」
男「自分を残して…」
男「………」
男「何か悔しいな…」
男「何だよ…まったく」
男「………」
男「地球最後の男か…」
男「そんな映画があったな」
39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 18:37:17.56 ID:QS4ZOza00
男「どんな結末だったけ…」
男「忘れちゃったな…」
男「………」
男「どっちにしても皆居ないわけか」
男「………」
男「ならニート生活してても誰も文句言わないな」
男「………」
男「もう少し生きてみるか」
男「限界まで…」
42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 18:49:27.47 ID:QS4ZOza00
ザク ザク
男「はぁ はぁ」
男「疲れたな…」
男「クワなんて持つのは高校以来だな…」
男「農業高校卒で良かった」
男「ははは」
男「はぁ」
44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 18:57:07.67 ID:QS4ZOza00
男「本当に誰も居ないんだな…」
男「死体ばっかりだ」
男「どうなってんだろうな…」
男「………」
男「関係ないか」
男「どうせこれからずっと一人なんだし」
男「気楽で良いや」
男「ははははは!」
45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 19:01:47.06 ID:QS4ZOza00
男「………」
男「深夜に裸で外にいても誰も怒らないや…」
男「解放的だな…」
男「本屋に行けば無料で本持ってこれるし…」
男「この生活も悪くないな…」
男「うん」
男「悪くない…」
男「………」
46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 19:06:34.84 ID:QS4ZOza00
三日後
男「………」
男「お腹空いたな」
男「鯖缶でも食べるか…」
男「無くなったらまた持ってくれば良いんだし…」
男「どうせ誰も居ないんだから」
男「………」
48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 19:11:23.19 ID:QS4ZOza00
二週間後
バチ ザーーー
男「あ、テレビついた!」
男「やってみるもんだな…」
男「バッテリーでも電気ってつくんだ…」
男「やっぱり電気がないとな!」
男「ははは」
男「………」
53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 19:59:36.47 ID:QS4ZOza00
一ヶ月後
男「………」
男「………」
男「本もゲームを飽きてきたな…」
男「ずっと新作が出ないから…」
男「飯食べよう…」
男「その後は寝るか…」
男「………」
54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 20:04:25.14 ID:QS4ZOza00
半年後
男「………」
男「………」
男「ネットやりたいな…」
男「………」
男「人居ないかな…」
男「………」
男「居ないか…」
男「犬の一匹でもいれば良いのに…」
男「虫はいるのにな…」
男「………」
56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 20:11:24.31 ID:QS4ZOza00
ザッ ザッ
男「………」
男「あ」
男「もう夕方になるな」
男「………」
男「夕日綺麗だなぁ」
男「………」
男「もう一年たったのかな…」
男「時計見なくなったからなぁ」
男「最初はどうなる事かと思ったけど」
男「やっぱり一人は良いもんだ」
男「うん」
59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 20:18:19.71 ID:QS4ZOza00
男「茶髪のヤンキーもうるさいおばさんも居ない」
男「天国じゃないか」
男「うん」
男「天国だ」
男「………」
男「これがスローライフなんだよ たぶん」
男「一人だけの…」
男「………」
男「独り言も飽きたな」
男「帰るか…」
62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 20:26:28.42 ID:QS4ZOza00
テクテク
男「………」
男「…あれ?」
男「干してあった大根が一つ無い…」
男「たくあんにしようと思ったのに…」
男「鳥かな?」
男「鳥なんていたっけ…」
男「いないよな…」
男「………」
男「最初から一つ無かったんだ」
男「きっとそうだ」
男「気にしない」
男「うん」
67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 20:33:40.49 ID:QS4ZOza00
バチ バチ バチ
男「へへへ」
男「囲炉裏って良いな」
男「ガスレンジより風情があるや」
男「わざわざ田舎に来て良かった」
男「こんな古民家に誰も来ないよね」
男「まぁ、人なんて誰も居ないけどね」
男「なんか武士になったみたいだ」
男「俺かっこいい」
男「はっはっは」
69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 20:50:02.41 ID:QS4ZOza00
グツ グツ
男「味噌汁美味しそうだな」
男「いつか味噌とか醤油とか自分で作れるようにならないとな」
男「スーパーとかのはいずれ無くなるんだし」
男「目指せ食料自給率百パーセント!」
男「一人ダッシュ村かよ」
男「へへへ」
ガタ
男「………」
男「何だ?」
73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 20:56:30.65 ID:QS4ZOza00
ガタ ガタ
男「………」
男「もしかして何かいるの?」
男「生き残った猿とか猪とか…」
男「いるんだったら家畜化できそうなのが良いな」
ガタ ガタ
男「大根干してた所からだ」
ガタ ガタ
男「………」
男「行ってみるか…」
男「牛とか豚だったら良いな」
男「猪でも良いけど」
77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 21:03:46.78 ID:QS4ZOza00
ガタ ガタ
男「熊以外でお願いします…」
男「鹿は妥協します」
男「出来れば猪や犬で…」
男「最高は妊娠中のメスで」
ガタ ガタ
男「家畜化できそうなやつを」チラ
?「………」ガタガタ
男「………」
男「子供?」
子供「……!」
子供「………」ジー
84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 21:08:51.58 ID:QS4ZOza00
男「………」
子供「……」
男「何だ 子供か…」
男「子供は食えないな…」
男「がっかり」
男「………」
男「あれ」
子供「……」
男「もしかして人?」
子供「……」
85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 21:14:39.31 ID:QS4ZOza00
男「………」
子供「……」
男「あー 人ってまだ居たんだ」
子供「……」ジー
男「何だろう 喜ばしい事なんだよね」
子供「……」
男「そうかー 人ってまだいたんだ」
男「そうかー」
子供「………」
子供「………」ガタガタ
86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 21:18:56.23 ID:QS4ZOza00
男「………」
子供「……」ガタガタ
男「もしかしてお嬢ちゃん大根食べたいの?」
子供「……」ジー
男「ならあげるよ」ヒョイ
子供「……」
男「………」
91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 21:23:02.73 ID:QS4ZOza00
男「………」
子供「……」
男「………」
子供「……」
男「………」
子供「……」
男「………」
子供「……」
男「何か言うことない?」
子供「……」
男「………」
92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 21:29:07.11 ID:QS4ZOza00
男「………」
子供「……」
男「味噌汁飲む?」
子供「………」
男「ぜんまいの炒め物もあるよ?」
子供「……」
男「………」
男「た、」
子供「……」
男「食べたかったら来てね…」
子供「……」
94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 21:33:53.11 ID:QS4ZOza00
グツ グツ
男「………」
男「来ないな…」
男「もしかして幻覚だったのかな…」
男「………」
男「幻覚だったんだな」
男「………」
男「食べよう お腹空いたし…」
子供「……」チラ
男「………」
子供「……」ジー
95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 21:39:52.08 ID:QS4ZOza00
男「………」
子供「……」
男「食べる?」
子供「……」ジー
男「………」
子供「……」ドタドタ
男「………」
子供「………」チョコン
男「………」
男「食べるのね…」
男「どうぞ」サッ
96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 21:47:19.41 ID:QS4ZOza00
子供「………」ジー
男「美味しい と思う」
子供「………」ズズー
男「………」
子供「………」ズズー
男「とりあえず食べれるのか 良かった」
子供「………」サッ
男「………」
男「おかわりね」
男「どうぞ」サッ
98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 21:53:09.52 ID:QS4ZOza00
子供「……」ズズー
男「聞きたいんだけど」
子供「………」ズズー
男「どこから来たの?」
子供「……」サッ
男「おかわりね はいはい」
男「どうぞ」サッ
子供「……」ズズー
男「もしかして他にも人が居るの?」
子供「……」ズズー
男「おーい」
100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 22:00:08.90 ID:QS4ZOza00
子供「………」サッ
男「またおかわりね はいはい」
子供「……」ズズー
男「無口だけど結構厚かましい子供だな」ボソ
子供「……」ズズー
男「お嬢ちゃん 親とか居る?」
子供「……」ズズー
男「もしくは保護者とか」
子供「……」サッ
男「………」
101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 22:06:20.71 ID:QS4ZOza00
子供「………」ゲプ
男「結局全部食べちゃったのね」
男「まだ何も手をつけてないや」
男「腹減った」
子供「………」ゴロン
男「………」
男「また作れば良いか」
子供「………」
男「おーい」
子供「………」
男「聞こえてるー?」
103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 22:11:52.95 ID:QS4ZOza00
男「おーい」
子供「……」グーグー
男「え?」
子供「……」グーグー
子供「………」ゴロン
男「…寝ちゃったや」
男「まぁ 明日色々聞けば良いか」
子供「………」グーグー
男「この子に毛布かけて自分も寝るか」
104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 22:16:08.94 ID:QS4ZOza00
男「………」
男「ん…」
男「朝か…」
男「あの子はいるかな」
ドタドタ
男「………」
男「居ないや」
男「どこ行ったんだろ…」
男「探してみるか」
105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 22:22:48.31 ID:QS4ZOza00
ガタ ガタ
男「ん?」
男「何だ?」ドタドタ
子供「……」ガタガタ
男「………」
男「味噌桶揺らして何やってるの?」
子供「……」ガタガタ
男「もしかして味噌が欲しいの?」
子供「………」ジー
男「ちゃんと調理してあげるから」
子供「……」ジー
106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 22:28:18.76 ID:QS4ZOza00
男「………」
子供「……」ズズー
男「もしかして喋れないの?」
子供「……」パクパク
男「喋れない…のか」
子供「……」モグモグ
男「どっちにしろ…」
子供「……」ズズー
男「居たいだけ居ても良いよ?」
子供「……」サッ
男「おかわりね はいはい」
108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 22:35:16.55 ID:QS4ZOza00
一ヶ月後
ザッ ザッ
男「………」
男「あ」
男「夕方だ…」
男「帰るか」
男「おーい!」
子供「……」ピク
男「帰るよ~!」
子供「……」トタトタ
子供「……」ガシッ
男「帰るよ~」
子供「……」ジー
112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 22:44:59.10 ID:QS4ZOza00
男「今日は何食べようか?」
子供「……」
男「また味噌汁が良い?」
子供「……」
男「ごめんね? 種類が少なくて」
子供「……」
男「もう少ししたら キャベツとか豆とか実るからそれまで我慢してね?」
子供「……」
男「………」
男「今日は竹の子の炒め物作ろうかな」
114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 22:52:24.08 ID:QS4ZOza00
グツ グツ
男「………」
男「もう味噌無くなるかな…」
男「補充しに行かなきゃ駄目かな」
子供「……」ジー
男「ん? 何?」
子供「……」ジー
男「お腹空いたの?」
子供「……」ギュ
男「もう少しで出来るから待っててね」
子供「……」ジー
115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 22:59:43.67 ID:QS4ZOza00
子供「……」パクパク
男「食べながらで良いから聞いて欲しいんだけど…」
子供「……」モグモグ
男「明日生活必需品を取りに町に行こうと思うんだけど」
子供「……」ズズー
男「一緒に来る?」
子供「……」ズズー
男「それとも待ってる?」
子供「……」サッ
男「あ、おかわりね はいはい」
116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 23:05:29.03 ID:QS4ZOza00
子供「……」ズズー
男「まぁ ついてきたければついてくるか…」
子供「……」ズズー
子供「……」サッ
男「あ、おかわりね はいはい」
男「どうぞ」サッ
子供「……」ズズー
男「車ちゃんと動くかな…」
男「まぁ明日考えれば良いか」
117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 23:12:15.06 ID:QS4ZOza00
ブルン ブルン
ドドドドドド
男「あ、動いた」
男「良かった 自転車にならなくて」
子供「……」
男「どうしたの?」
子供「……」ジリ
男「別に車は怖くないよ?」
子供「……」
男「何かおびえてるな」
男「何でだろう?」
子供「……」
122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 23:20:18.84 ID:QS4ZOza00
男「………」
男「車怖いならここで待っててよ」
子供「……」
男「色々もってくるから家で待っててね?」バタン
子供「……!」
子供「!!」ガンガン!
男「うわ! 何で窓叩くの!?」
子供「……」ガンガン!
男「もしかして一緒に来たいの?」
子供「……」ジー
男「なら一緒に行こうか」
126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 23:28:29.86 ID:QS4ZOza00
ブオォォン
男「………」
子供「……」
男「窓の外楽しい?」
子供「……」
男「風を入れたかったら言ってね? 窓開けるから」
子供「……」
男「もう少しでつくよ」
男「スーパーで必要な物を運んだら 町で少し散歩しようか」
子供「……」
男「きっと楽しいよ」
127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 23:36:30.43 ID:QS4ZOza00
バタン
男「………」
男「だいぶ荒れてるな…」
男「半年くらい来なかったからな」
子供「……」サッ
男「ん? 何?」
子供「……」サッ
男「もしかして手を握って欲しいの?」
子供「……」サッ
男「それじゃ行こうか」ギュ
子供「……」
男「ついでに服とかも新調しよう」
139 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 23:46:13.74 ID:QS4ZOza00
パリン パリン
男「お邪魔しま~す」
子供「……」ギュ
男「どうしたの?」
子供「……」
男「まぁ、人の居ないスーパーは確かに怖いけど 必要な物を取ったらすぐ帰るよ」
子供「……」
男「とりあえずカートに乗ってみる?」カラカラ
子供「……」
男「楽しいよ」ヒョイ
子供「……」
男「行こうか」カラカラ
141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 23:54:52.76 ID:QS4ZOza00
カラカラ
男「………」
男「やっぱり菓子や加工物は全滅か…」
男「どれも食べられなさそうだ」
男「塩や砂糖類は何とか使えそうだな」
男「味噌も手に入ったし」
子供「……」
男「かなりの収穫だ」
子供「……」クイクイ
男「ん? 何?」
子供「……」クイクイ
男「そうだね そろそろ帰るか」
147 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 00:05:40.39 ID:3bDZVuj70 [1/110]
カラカラ
男「よいしょ」バタン
子供「……」
男「もう少し積めたかな…」
子供「……」クイクイ
男「ん? 何?」
子供「……」バタン
男「………」
男「もしかして帰りたいの?」
子供「……」
男「うーん もう少し見て回りたかったけど…」
子供「……」ジー
男「まぁ 良いか」
150 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 00:15:20.88 ID:3bDZVuj70 [2/110]
ブォォォン
男「………」
子供「……」
男「あんまり積めなかったな」
男「まぁ また来れば良いか」
男「ガソリンは沢山確保してるし大丈夫だろ」
子供「……」ジー
男「窓の景色面白い?」
子供「……」ジー
男「まだつかないから窓の景色見ててね?」
子供「……」ジー
151 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 00:20:26.28 ID:3bDZVuj70 [3/110]
ブォォォン
男「………」
子供「……」
男「………」
子供「……」
?「………」フラフラ
男「………!」
キキー!
子供「!!」
男「………」
子供「?」
男「人だ……」
?「………」フラフラ
157 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 00:27:18.54 ID:3bDZVuj70 [4/110]
男「まだ生き残りがいたんだ…」
男「やった!」バタン
子供「!!」ガシ!
男「うわ! 何で腕掴むの!?」
子供「!!」ブルブル
男「もしかして駄目だって言ってるの?」
子供「……」ジー
男「大丈夫だよ すぐ戻ってくるから」パッ
子供「!!」
男「すいませ~ん」
?「………」フラフラ
161 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 00:36:14.73 ID:3bDZVuj70 [5/110]
男「すいません 貴方も生き残って」
?「ああ~ ああ…あ~?」
男「………」
男「え?」
?「体が…ゆいなぁ…ああ」
男「………」
男「もしかしてゾンビ?」
?「ああ…から…かゆ…なぁ」
男「………」
男「どうしよう」
166 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 00:40:57.16 ID:3bDZVuj70 [6/110]
男「………」
男「ゾンビなのに襲いかかって来ないな…」
男「どういう事だろ…」
ガンガン!
男「ん?」
子供「……」ガンガン!
男「呼んでる」
?「ああ~から…ゆ…いなぁ~」
男「………」
男「帰るか…」
170 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 00:46:48.52 ID:3bDZVuj70 [7/110]
バタン
男「ただいま」
子供「!!」
男「………」
子供「……」ジー
男「あれ何だかわかる?」
?「あ~手が…たな…」ボト
子供「……」
男「………」
男「帰ろうか? お腹空いたでしょ」
子供「……」ギュ
男「帰ろう」
172 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 00:52:17.84 ID:3bDZVuj70 [8/110]
ブォォォン
男「………」
子供「……」
?「ああ~す…たい…」
?「からだ…ゆい…」
?「んな…どこ…」
男「なんかちらほら見かけるな」
子供「……」
男「何なんだこいつら?」
子供「……」ギュ
男「ん? 肩揉んでくれるの?」
子供「……」ギュ
177 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 01:01:46.37 ID:3bDZVuj70 [9/110]
バタン
男「ついたね」
子供「……」
男「さすがにここにはあの変なのは居ないね」
子供「……」ギュ
男「ん? 手握ってくれるの?」
子供「……」ジー
男「………」
男「ご飯にしようか? 今日は色々手に入ったから」
子供「……」ギュ
男「味噌汁とそれと竹の子の炒め物?」テクテク
子供「……」テクテク
179 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 01:08:54.38 ID:3bDZVuj70 [10/110]
一週間後
男「よいしょ」バサ
子供「……」バサ
男「キャベツや豆が良く実ったな」
子供「……」ペリペリ
男「キャベツは剥いてもキャベツしか出てこないよ」
男「あぁ 最後に芯が出てくるか」
子供「……」ペリペリ
男「まぁ 良いか」
男「早く収穫しなくちゃな」
子供「……」ペリペリ
181 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 01:16:44.26 ID:3bDZVuj70 [11/110]
男「よいしょ」ドサ
男「これだけあれば良いか」
子供「……」ペリペリ
男「まだやってたの?」
子供「………」ペリペリ
男「後で洗って食べるよ?」
子供「……」ペリペリ
男「好きなだけやらせてあげるか…」
182 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 01:21:52.94 ID:3bDZVuj70 [12/110]
男「それじゃあかえ…」
子供「?」ペリペリ
子供「!!」バサ
?「あぁ…つか…た」
男「うわ…変なのだ」
子供「………」ギュ
男「ここらにも来るようになったのか…」
子供「……」
男「うーん どうしよう」
186 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 01:31:15.79 ID:3bDZVuj70 [13/110]
?「ああ~…おん…どこ」
男「幸い一匹だけか…」
男「………」
男「クワで撃退出来るかな」
子供「……」ギュ
男「ちょっと待っててね 今倒してみるから」
子供「?」
男「うおぉぉぉぉ!」ダッ!
子供「!!」
?「んな…ど…」
188 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 01:37:39.85 ID:3bDZVuj70 [14/110]
男「うわぁぁぁぁ!」ザク!
?「せ…ちいさ…なた」
男「足切っても血も出ないや」
男「しかも生きてるし」
?「そら…か…えない」
男「腐ってるのかな」
男「さすがに頭潰せば死ぬよね」グシャ!
?「………」ジタバタ
男「………」
男「燃やそう」
男「それが良い」
192 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 01:43:46.18 ID:3bDZVuj70 [15/110]
バチバチ バチバチ
男「あんまり嗅ぎたくない臭いだな」
男「これもしかしてまた来るかな…」
男「何か対策しないと駄目か」
子供「………」
男「ん?」
子供「………」
男「さすがに近寄らないか」
男「臭いもんね」
子供「……」
男「お風呂焚かなきゃな…」
男「臭い移ってるかも」
196 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 01:52:03.95 ID:3bDZVuj70 [16/110]
トントン トントン
男「ふぅ」
男「簡易だけど柵が出来たや」
男「大工道具一式持ってきて良かった」
男「こう見えても没落した大工の息子だからな」
男「これくらいは何とかなる」
男「ような気がする」
子供「……」ギュ
男「ん? 何?」
子供「……」
男「もしかしてお腹すいたの?」
子供「……」ジー
男「それじゃあ昼ご飯にしようか」
200 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 01:59:16.73 ID:3bDZVuj70 [17/110]
グツグツ
男「出来たよ~」
子供「……」
男「今日はキャベツと竹の子の炒め物とゆでた芋だよ」
子供「……」パクパク
男「もちろん味噌汁もあるよ」
子供「……」ズズー
男「………」
男「いただきます」
男「………」パクパク
男「うめー」
203 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 02:06:27.56 ID:3bDZVuj70 [18/110]
男「ふぅ、食ったな」
子供「……」
男「さて柵の様子でも見に行くか」
男「もしかしたら変なのが来てるかも」
子供「………」
男「一緒に来る?」
子供「………」ジー
男「来るならついてきてね」
子供「……」
男「それじゃ行くか~」
204 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 02:14:02.38 ID:3bDZVuj70 [19/110]
?「ああ~くす…た…」
?「から…ゆ…」
?「とこ…ど」
男「うわ~ いるよゾンビ達」
子供「……」ギュ
男「よく見ると本当に気持ち悪いな」
男「明らかに腐ってるのになんで生きてんだろ」
男「おえ~」
206 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 02:22:47.78 ID:3bDZVuj70 [20/110]
男「まぁ簡易で作った柵でもゾンビが防げる事がわかって良かった」
男「28日後みたいなゾンビだったらどうしようかと思ったよ」
男「ロメロ系ゾンビで良かったぁ」
男「しかも咬んでこようとしないしな」
男「ちょっとした害獣だと思えば良いか」
子供「……」ギュ
男「そうだね 帰ろうか」
子供「……」
男「さよなら ゾンビ達」
?「あ…んな…しい」
?「お…こ…」
209 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 02:34:32.82 ID:3bDZVuj70 [21/110]
ドポドポ ドポドポ
男「ほら ゾンビ邪魔!」ドン
?「ああ…お…れた」ドサ
男「ほら、そこのゾンビも!」ドン
?「ああ…つち…える」ドサ
男「よいしょ よいしょ」ドポドポ
男「こんな所で良いかな」
子供「……」ジー
男「準備が済んだから一緒に離れようね」
子供「……」テクテク
男「よし、十分離れたし点火するか」シュボ
男「そ~れ」ポイ
211 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 02:42:59.32 ID:3bDZVuj70 [22/110]
ボオォォォォ! ボオォォォォ!
?「あああ…つい…あ…い」
?「もえ…える…」
?「あか…か…」
男「いくら鉄柵に換えたとはいえ さすがに多すぎると壊れるかもしれないからな」
男「定期的に焼いておかないとな」
男「なんか殺虫剤みたいだな」
子供「……」ジー
男「ゾンビ焼き面白い?」
子供「……」
男「そうでもなさそうだな」
213 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 02:51:04.20 ID:3bDZVuj70 [23/110]
パチパチ パチパチ
男「まだ残ってるけどかなり灰になったな」
男「これくらいで良いか」
男「しかし最近ゾンビ増えたな…」
男「ここ一ヶ月でどんどん増えてるや」
男「やっぱり余所に引っ越ししなきゃ駄目かな」
子供「……」ギュ
男「ん? もしかしてお腹空いた?」
子供「……」
男「自分もお腹空いたし昼飯にしようか?」
子供「……」
男「それじゃあ行こう」テクテク
215 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 03:02:48.84 ID:3bDZVuj70 [24/110]
グツグツ
男「出来たよ~召し上がれ」
子供「……」パクパク
男「味噌汁もあるからね」
子供「……」ズズー
男「……少し聞いて欲しいんだけど」
子供「……」パクパク
男「もしかしたら引っ越すかもしれないな」
子供「……」ズズー
男「最近ゾンビ増えたからその影響で…」
子供「……」サッ
男「はいはい おかわりね」
218 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 03:09:29.18 ID:3bDZVuj70 [25/110]
男「はい おかわり」サッ
子供「……」ズズー
男「候補地は大体決めてるんだけど」
子供「………」
男「山と島どっちが良いかな」
子供「……」ズズー
男「………」
子供「……」パクパク
男「まぁ 自分で考えるか」
265 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 12:41:03.42 ID:3bDZVuj70 [27/110]
三日後
バタン
男「よし大体これで良いか」
子供「……」
男「前から言っていたように余所に引っ越しするよ」
子供「……」
男「島は止めて山にする事にしたよ」
子供「……」
男「昔島にたどり着いてバッドエンドになった映画があったしね」
子供「……」
男「それじゃあ行くか」バタン
子供「……」バタン
270 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 12:51:03.09 ID:3bDZVuj70 [28/110]
ブォォォン
男「………」
子供「……」
男「山に着いたらさっそく家財道具を運ぶから手伝ってね」
子供「……」
男「良い場所を見つけたんだよ 山奥の小さな別荘だよ」
男「あそこなら罠や穴を作ればゾンビから隠れられるよ」
子供「……」
男「でもまだ持ってきてない荷物もあるから全部整うまで往復するからね」
子供「……」
男「我慢してね?」
子供「……」
271 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 12:59:52.93 ID:3bDZVuj70 [29/110]
バタン
男「着いたよ」
子供「……」
男「誰が建てたかは知らないけど、前より近代的で良い所でしょ」
子供「……」
男「着いて何だけど荷物を置いたらまたあそこに帰るからね」
子供「……」
男「夜になる前に全部終えてたら良いな」
子供「……」
男「それじゃあ荷物を運びます」
子供「……」
279 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 13:12:02.92 ID:3bDZVuj70 [30/110]
男「何とか夕食前に全部終わったな」
子供「……」パクパク
男「明日は畑作りや罠作り始めないとな」
子供「……」ズズー
男「忙しくなるけど終わるまでの辛抱か」
子供「……」パクパク
男「頑張ろう」
283 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 13:20:35.30 ID:3bDZVuj70 [31/110]
二週間後
カンカン カンカン
男「ふぅ これで柵づくりも完成か」
男「穴や罠も作ったしこれで万全かな」
男「食料備蓄はまだ割とあるし 畑に作物が実るまで何とか持つかな」
子供「……」ジー
男「ん? もしかしてお腹空いた?」
子供「……」
男「それじゃあご飯食べるか」
子供「……」
285 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 13:28:19.35 ID:3bDZVuj70 [32/110]
一ヶ月後
男「むむむ」
子供「……」
男「また調味料が少なくなってるな」
子供「……」ジー
男「また町まで補給しに行かなくちゃ駄目か」
男「面倒だけど仕方ないな」
子供「……」
男「明日また町に行くよ?」
子供「……」
男「今度は平気だよね」
子供「……」
289 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 13:38:26.97 ID:3bDZVuj70 [33/110]
ブォォォン
男「………」
男「うーん」
男「何だかゾンビ少なくなってるな」
男「前はあれだけ居たのに」
男「何処に行ったんだろ?」
子供「………」
男「まぁ 良いか」
男「少なくなるのは良い事だしな」
男「このまま居なくなればまた下に戻れるかもな」
290 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 13:46:16.24 ID:3bDZVuj70 [34/110]
数時間後
男「………」
子供「……」
男「うわぁ 何だよ」
ゾロゾロ ゾロゾロ
?「ああ…ひ…いた」
?「せっ…し…」
?「おん……だき…」
男「何で町にこんなにいるの」
子供「……」
男「気持ち悪いな」
男「一体町に何があるって言うんだよ」
子供「……」
295 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 13:50:58.54 ID:3bDZVuj70 [35/110]
男「まぁ良いか 取るもの取ったらさっさと帰るか」
子供「……」ギュ
男「………」
男「やっぱり気になるな」
男「集まってる所に行ってみるか」
子供「……」
297 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 13:58:11.96 ID:3bDZVuj70 [36/110]
ゾロゾロ ゾロゾロ
?「ああ…いた…」
?「でて…こ」
?「なか…な」
男「何かマンションの周りに異常に集まってるな」
子供「……」
男「潰されて下敷きになってるのもちらほらいるな」
男「一体何があるんだろ」
男「………」
男「車使って調べてみるか」
男「車なんて周りに何台もあるしな」
男「構わないだろ」
300 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 14:04:21.40 ID:3bDZVuj70 [37/110]
ブォォォン! ブォォォン!
ガタガタガタガタガタ!
?「ああ…はね…られ…」
?「からだ…こ」
?「ちいさ…なた」
男「腐ってるから楽に殺せるな」ガタガタ
男「なんかボーリングみたいで楽しいな」ガタガタ プスン
男「あれ? 壊れた?」
男「………」
男「今度はトラックでやるか」
305 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 14:10:45.02 ID:3bDZVuj70 [38/110]
ガタガタガタガタ…
男「ふぅ だいぶ肉になったな」
男「車何台か壊れたけどこれで何とかマンションに近づける」
子供「……」
男「なんかわくわくするな」
男「ゾンビの宝とかあったりして」
男「ゾンビの宝なんていらないけどね」
子供「……」
男「よっしゃ行くか」テクテク
308 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 14:19:29.67 ID:3bDZVuj70 [39/110]
男「うーん」
子供「……」
男「見たところ普通のマンションだな」
男「ゾンビの宝なんて見当たらないや」
男「骨折り損だったかな」
男「まぁ楽しかったから良いか」
?「………」ジー
男「ん」
?「………」ジー
男「窓から誰かが双眼鏡で見てる…」
男「……うわ どうしよう」
311 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 14:25:01.59 ID:3bDZVuj70 [40/110]
男「………」
子供「……」
?「………」ジー
男「あ」
男「あの~!」
?「……!」
男「もしかして生存者ですか~!」
?「………」
男1「しっかり喋った 人間だ…」
男2「まじかよ…」
女「うそ…」
318 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 14:31:18.72 ID:3bDZVuj70 [41/110]
男「………」
子供「……」
男「引っ込んじゃった…」
男「何でかな」
子供「……」
男1「………」ガタ
男「あ 出てきた」
男1「………」
男「………」
男1「おい! あんた!」
男「はい?」
321 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 14:37:51.64 ID:3bDZVuj70 [42/110]
男1「あんた生きてんのか!」
男「はぁ 生きてますが…」
男2「何で生きてるんだよ! おい!」
男「そんな事言われても…」
女「ゾンビと一緒で平気なの!?」
男「まぁ そうですが」
男1、2女「………」
男「何なんだ いったい」
324 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 14:45:23.32 ID:3bDZVuj70 [43/110]
男1「………」
男1「急に質問責めにして悪かった」
男「はぁ」
男1「あんたどこから来たんだ?」
男「山奥の別荘からですが」
男1「いつからそこに?」
男「一ヶ月かそこらです」
男1「ずっと一人でか?」
男「いえ、この子と一緒ですが」
子供「……」ササッ
男「何で背中に隠れてるの? ちゃんと挨拶しなきゃ駄目だよ?」
男「ほら」グイ
326 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 14:51:02.14 ID:3bDZVuj70 [44/110]
子供「………」
男1「………」
男2「………」
女「………」
男「ん?」
男2「おい…ふざけんなよ…」
男「はい?」
男2「感染者じゃねぇか! おい!」
男「感染者?」
男2「くそ!やっぱり化け物の仲間かよ! 死ね!死ね!」バンバン!
338 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 14:58:22.37 ID:3bDZVuj70 [45/110]
男「うわ! 撃ってきた!」
男1「おい! やめろ!」
男2「死ね!死ね! 死に絶えろ!」バンバン!
子供「………」
男2「なんだと! このゾンビ野郎が!」バンバン!
男「うわ! この人狂ってる!逃げるよ!」ヒョイ
子供「……」
男2「うわぁ!死ね死ね!」カチカチ
344 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 15:04:32.62 ID:3bDZVuj70 [46/110]
男「ハァ ハァ」
男「せっかく生存者を見つけたと思ったのに」
男「まさか銃で撃ってくるなんて…」
男「とほほ」
子供「……」ギュ
男「………」
男「そうだね 帰ろうか」
子供「……」
男「まったくついてないや」
子供「……」
350 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 15:12:22.53 ID:3bDZVuj70 [47/110]
ブォォォン
男「しかし怪我しなくて良かったな」
子供「……」
男「せっかく他の人を見つけたと思ったのに 狂人が混じってたなんてなぁ」
子供「……」
男「まぁ 最初から居なかったと思えば良いか」
子供「……」
男「家に帰ったらご飯食べて早く寝よ」
355 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 15:20:38.62 ID:3bDZVuj70 [48/110]
子供「………」パクパク
男「召し上がれ~ てもう食ってるか」
子供「……」パクパク
男「………」
男「今日は色々あったな…」
男「ゾンビボウリングしたり、生存者に会ったり…」
男「生存者か…まだ生き残りがいたんだな」
男「良かった…」
子供「……」サッ
男「はいはい おかわりね」
360 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 15:28:11.31 ID:3bDZVuj70 [49/110]
男「はい どうぞ」サッ
子供「……」ズズー
男「………」
男「感染者か…」
男「別段変わった所は無いのにな」
男「変な人だったな」
子供「……」パクパク
男「感染者…ね」
男「もしかしてあそこの人達は何か知ってるのかな」
男「………」
男「危険だけどまた行ってみるかな…」
372 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 15:34:30.23 ID:3bDZVuj70 [50/110]
ブォォォン
男「ごめんね 昨日行ったばっかりなのに」
子供「……」
男「やっぱりあの人らが気になってね」
子供「……」
男「用事が済んだらちゃんと帰ってくるから」
子供「……」
男「車で大人しく待っててね?」
子供「……」
379 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 15:41:52.86 ID:3bDZVuj70 [51/110]
バタン
男「着いたか…」
男「うーん」
男「何か前にも増してゾンビが増えてきてるな」
男「あの人達大丈夫かな」
子供「……」
男「それじゃあ行ってくるから車で大人しく待っててね?」カチャ
子供「………」
382 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 15:48:51.75 ID:3bDZVuj70 [52/110]
ワラワラ ワラワラ
?「はや…で…こい…」
?「ん…きた…」
?「ま…こな…」
男「やっぱりマンション周辺は一杯居るなぁ」
男「秘密兵器持ってきて良かった」
男「ちゃっちゃと一掃してあの人等に会うか」
男「よいしょ」バタン
男「よいしょ」ズルズル
男「よし」カシャン
男「発射」カチ
390 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 15:55:10.59 ID:3bDZVuj70 [53/110]
プシャアアアアアアア!
?「ああ…水…つめ…い」
?「ころん…たい…」
?「すべ…」
男「そ~れ 放水放水~」
?「ああ…たおれ…」
男「うんやっぱり消防車なら楽で良いな」
男「適当に散らしながら中心に行くか」
男1「………」ジー
男1「狂ってる」
394 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 16:00:31.27 ID:3bDZVuj70 [54/110]
プシャアアアアァ…
男「これくらいで良いか」
男「だいぶ散ったな」
男「それじゃあ会いに行くか」
男「今度は撃ってきたりしないよね」
401 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 16:08:39.68 ID:3bDZVuj70 [55/110]
男「………」
男1「………」
男「どうも」
男1「どうも」
男「お一人で?」
男1「あぁ そうだ弟と妹は下がらせた」
男「弟と妹と言うと前の…」
男1「あぁ、そうだ 俺達は偵察役なんだ」
男「もしかして他にも人が?」
男1「あぁ、全部で三十人ほどいるな」
男「そんなに居るんだ」
405 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 16:13:54.64 ID:3bDZVuj70 [56/110]
男1「………」
男1「前は悪かったな」
男「前?」
男1「弟の事だよ」
男「あぁ」
男1「またこうして来てくれて良かったよ」
男「はぁ…」
男1「何か聞きたい事があったんじゃないのかい?」
男「まぁ 確かに」
男1「言ってみなよ」
408 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 16:21:56.10 ID:3bDZVuj70 [57/110]
男「それなら聞きたいんですけど」
男1「あぁ良いよ」
男「この世界はどうなったんですか?」
男1「ん?」
男「何か人がいないしゾンビがいるしで」
男「なんか滅茶苦茶ですよ?」
男1「………」
男1「知らないで生きてたのか?」
男「知らないで生きてました」
男1「…そうか」
男1「それならわかりやすく教えてあげよう」
男「お願いします」
416 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 16:30:04.37 ID:3bDZVuj70 [58/110]
男1「まず簡単にいえばウイルス感染だな」
男「やっぱり」
男1「さすがにこれは感づいてただろ?」
男「はい」
男1「皆ウイルスに感染して残ったのが数人だけ」
男1「そんな所だ」
男「………」
男「もっと詳しくお願いします」
男1「あぁ、わかってるよ」
男「はぁ」
424 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 16:37:49.29 ID:3bDZVuj70 [59/110]
男1「どういう経緯でウイルスが人に感染したのか分からないが、これはあっと言う間に広まったよ」
男「やっぱり凶暴化して食いあって…」
男1「いや、違うよ」
男「それじゃ空気感染?」
男1「いや、それも違う」
男「それじゃあ何なんですか?」
男1「接触感染だ」
男「接触感染?」
男1「そうだ」
431 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/13(日) 16:46:17.93 ID:3bDZVuj70 [60/110]
男「接触感染でそんなに広まるもんなんですか?」
男1「人間含め動物全てに感染したし、それに感染者は凶暴化するからな」
男「凶暴化?」
男1「ああ、食おうとはしないが近づいてきて繁殖しようとするんだ」
男「繁殖?」
男1「レイプだよ レイプ」
男「え!?」
男1「今の状態じゃ考えられないかもしれないけど初期は本当に酷かった」
男1「狂ったゾンビがレイプしようとしてくるんだからな」
男「………」
444 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/13(日) 16:53:27.10 ID:3bDZVuj70 [61/110]
男1「あいつらの声聞いただろ?」
男1「女欲しい、セックスしたいってね」
男「そういえばそうか…」
男1「そして俺達はあいつらとの接触を防ぐため こうしてバリケードを作ってマンションに隠っているってわけだ」
男1「わかったかい?」
男「何となく」
男1「それは良かった」
男「………」
454 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/13(日) 17:01:07.68 ID:3bDZVuj70 [62/110]
男「あの…」
男1「そっちの用が済んだなら こっちの用件を聞いて貰って良いかい?」
男「…はぁ どうぞ」
男1「君はなぜかウイルスに耐性があるみたいだから 町から色々持ってきて貰いたいんだ」
男「色々?」
男1「あぁ、調味料とか機械の部品とか」
男「まぁ、構いませんけど…」
男1「頼むよ 持ってきてくれたらまた質問を聞くから」
男「はぁ、わかりました」
男1「じゃあ持ってきて貰いたい物を書くよ」
男「はぁ」
464 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/13(日) 17:09:39.71 ID:3bDZVuj70 [63/110]
バタン
男「ふぅ」
子供「……」
男「ただいま」
子供「……」
男「ごめんね 遅くなって」
男「色々こき使われてね」
子供「……」
男「やっぱりあんなきっちりした人は苦手だな つい言う事聞いちゃうや」
子供「……」
男「お腹空いたでしょ? 帰ろうか」
子供「……」
466 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/13(日) 17:18:53.20 ID:3bDZVuj70 [64/110]
子供「……」パクパク
男「結局あの後分かったのは感染者に生殖能力が無い事と 移動しながら生存者を探すって事だけか…」
子供「……」パクパク
男「この子の事とか聞きたかったんだけどな」
子供「……」ズズー
男「何も変な所は無いのになんであんなに驚いたんだろう」
子供「……」ズズー
男「変なの」
子供「……」サッ
男「はいはい おかわりね」サッ
子供「……」ズズー
472 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/13(日) 17:27:48.92 ID:3bDZVuj70 [65/110]
一週間後
男「よいしょ よいしょ」
男1「よしロープを引っ張るぞ」グイグイ
男「どうですか?」
男1「あぁ全部あるよ ありがとう」
男「いえいえ」
男1「いつも必要な物を持ってきてくれてありがとう」
男1「君には感謝してるよ」
男「いや、困った時はお互い様ですから」
男1「そういって貰うと助かるよ」
男「はい、それじゃ」
男1「………」
475 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/13(日) 17:32:46.52 ID:3bDZVuj70 [66/110]
男1「ちょっと待ってくれないか?」
男「はい?」
男1「すまないね弟と妹が顔を合わせないで」
男「いえいえ…」
男1「前の件でまだ君を気味悪がっててね」
男「前の件…」
男1「君の連れていた感染者の事だよ」
男「………」
488 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/13(日) 17:42:11.33 ID:3bDZVuj70 [67/110]
男1「君はあの子をどう見える?」
男「どうって普通の女の子ですけど?」
男1「俺には毛が抜け落ちた醜いゾンビに見えるけどな」
男「え?」
男1「他の感染者とは違うみたいだけどあれはどう見えても感染者だよ」
男「そんな…」
男1「早急に始末した方が良いよ?」
男「………」
男「帰ります」
680 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/13(日) 19:38:28.58 ID:3bDZVuj70 [82/110]
子供「……」パクパク
男「毛の抜け落ちたゾンビか…」
子供「……」パクパク
男「何も変わらないじゃないか…」
男「やっぱりあの人も狂ってたのかな…」
男「せっかくの生存者だと思ったの…」
子供「……」ズズー
男「………」
男「どこがゾンビなんだよ」
男「まったく」
688 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/13(日) 19:51:35.75 ID:3bDZVuj70 [83/110]
一週間後
ザク ザク カリカリ
男「よいしょ よいしょ」
ザッザ
子供「……」カリカリ
男「よいしょ よいしょ」
ザッザ
子供「……」カリカリ
男「ふぅ、こんな所で良いか」
子供「……」
男「お疲れさま ジャガイモでも食べようか?」
子供「……」
696 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/13(日) 20:01:36.78 ID:3bDZVuj70 [84/110]
男「ゾンビが居なくなったから下に帰ってこれたけど」
男「畑はむちゃくちゃ家は荒てるわで大変だったけど 何とか整ってきたな」
子供「……」
男「今度からは山とこことで農地を分けるかな」
子供「……」
男「疲れた?」
子供「……」
男「家に帰って寝ようか」
子供「……」
698 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/13(日) 20:08:54.19 ID:3bDZVuj70 [85/110]
男「………」
子供「……」
男「………」ジー
子供「……」
男「普通の子じゃないか」
子供「……」
男「何の変哲の無い」
子供「……」
男「もう少ししたら他の作物も食べさせてあげるからね」
子供「……」
男「まっててね」
704 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/13(日) 20:19:28.03 ID:3bDZVuj70 [86/110]
三日目
男「………」
子供「……」
男「あの人達どうしてるかな」
子供「……」
男「まったく会ってないけど」
男「生きてるのかな」
子供「……」
男「………」
男「少し様子見てくるかな」
男「少しだけなら良いよね」
708 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/13(日) 20:26:10.71 ID:3bDZVuj70 [87/110]
ブォォォン
男「………」
子供「……」
男「何だかゾンビがぐっと少なくなったな」
男「前はあんなに居たのに」
子供「……」
男「少なければ少ないで良いけどなんか不気味だ」
子供「……」
男「急ごう」
717 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/13(日) 20:34:27.55 ID:3bDZVuj70 [89/110]
バタン
男「少しここで待っててね? ちょっと言ったら戻ってくるから」
子供「……」
男「………」
男「やっぱり一緒に行こう」
子供「……」
男「まともな人が居ればちゃんと証明してくれるよ」
子供「……」
男「絶対にゾンビなんかじゃない」
子供「……」
男「行こう」
724 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/13(日) 20:41:43.25 ID:3bDZVuj70 [90/110]
テクテク
男「あの人達はきっとあんな生活で頭がおかしくなったんだよ」
男「だからあんな暴言を吐くんだ」
子供「……」
男「よくちゃんと見ればこの子が普通だって気づくさ」
子供「……」
男「三十人もいるって言ってたしまともな人もきっとい
子供「……」
男「る…」
子供「……」
男「………」
男「バリケードが破られてる…」
729 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/13(日) 20:48:29.13 ID:3bDZVuj70 [91/110]
男「………」
子供「……」
男「………」
男「そんな…」
男「ゾンビも周りに居ないし…」
男「………」
男「車か何かで無理矢理突破したみたいだ…」
男「………」
男「もしかして生存者は誰も…」
男「………」
男「中に入ってみよう」
731 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/13(日) 20:56:43.07 ID:3bDZVuj70 [92/110]
男「すいませ~ん」
子供「……」
男「誰かいませんか~」
子供「……」
男「何の返事も無い…」
男「もしかして誰も…」
子供「……」
男「いや、諦めるのはまだ早い」
男「マンションなんだから鍵をかけて隠れてる可能性だってある」
子供「……」
男「部屋を見てみよう」
736 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/13(日) 21:02:25.38 ID:3bDZVuj70 [93/110]
カチャカチャ
男「ここも鍵がかかってるな」
男「すいませーん!」ドンドン
男「誰か居ますかー!」ドンドン
男「………」
男「誰も居ないのか…」
男「次の部屋に行ってみよう」
子供「……」
男「きっと生存者がいる筈だ」
749 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/13(日) 21:31:27.55 ID:3bDZVuj70 [95/110]
ガチャ
男「あ」
男「この部屋開いてる」
男「………」
男「もしかして生存者がいるかも」
子供「……」
男「ちょっと中に入ってみるから待っててね?」
子供「……」
男「お邪魔しま~す」ガチャ
子供「………」
756 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/13(日) 21:38:17.70 ID:3bDZVuj70 [96/110]
男「すいません 誰かいますか?」
男「居たら返事して欲しいんですが…」
男「すいま」
男「………」
男「人が死んでる…」
男「女の人だ…」
男「………」
男「首筋を切ってるや…」
男「自殺したんだ…」
男「そうか」
男「そうか…」
767 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/13(日) 21:47:20.24 ID:3bDZVuj70 [97/110]
男「わかってはいたんだよな…」
男「あれから何日もたってるしさ…」
男「きっと他の部屋の人だって皆自殺してるんだ…」
男「………」
男「一体何があったんだよ…」
男「くそ…」
男「皆死んじゃったよ…」
769 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/13(日) 21:52:38.78 ID:3bDZVuj70 [98/110]
男「………」
男「この人は何でドアを開けてたんだろう」
男「………」
男「もしかしたら何か残してるかも」
男「……」
男「この人には悪いけど少し部屋を探ってみよう」
772 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/13(日) 21:58:00.99 ID:3bDZVuj70 [99/110]
ガサゴソ ガサゴソ
男「あ」
男「ノートがある…」
男「日記って書いてあるや」
男「やった」
男「悪いけど見てみよう」パラ
男「結構びっしり書いてるな」
男「最近の日付のから見てみよう」
779 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/13(日) 22:04:25.65 ID:3bDZVuj70 [100/110]
○月×日
今日見張りの兄弟が変な事を言っていた
化け物の仲間が理性を付けてやってきたらしい
ばかばかしい あれだからあの兄弟は信用出来ない
相手にしない方が良い どうせ嘘だ
785 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/13(日) 22:10:56.27 ID:3bDZVuj70 [101/110]
○月×日
今日見張りの兄弟が機械のパーツや調味料を持ってきた
理性のある化け物を騙して手に入れたらしい
食料と交換で皆に配給するらしい 機械の部品も
食料はともかく機械の部品類は整備してくれてる人にただで渡せば良いのに
やっぱりあの兄弟は信用できない
792 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/13(日) 22:18:29.65 ID:3bDZVuj70 [102/110]
○月×日
今日あの人達を呼んで乱
男「これは読まなくて良いな 次」パラ
○月×日
またあの兄弟が色々持ってきたようだ
どうやら理性のある化け物を完全に手懐けたらしい
理性のある化け物とは言うがもしかしたら人間なんじゃないか
そう思う人は他にもいたようで下の階のおじさんが兄弟に色々訪ねていた。
正直どうでも良い
801 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/13(日) 22:26:53.11 ID:3bDZVuj70 [103/110]
○月×日
もうここは終わりだ 何者かが車でバリケードを破ったみたいだ
兄弟がしきりに化け物が本性を現したと叫んでいる
どういう事があったにしろ 鍵をかけて部屋に隠るしかない
でも私は鍵をかけない 部屋に入ってきたあいつらの目の前で死んでやる
獲物を前にして喜ぶあいつらの前で死んでやる
あいつらは死姦はしない 増えないから 私は最後の復讐をしてやる ただでは死なない 餓死なんて嫌だ
さよなら
813 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/13(日) 22:35:09.16 ID:3bDZVuj70 [104/110]
男「自分に関係のありそうな所だけ読んでみたけど…」
男「もしかして理性のある化け物って自分かな…」
男「理性のある化け物って思われてのか…」
男「ショックだな」
男「………」
男「最後の日付のやつ」
男「理性のある化け物が襲ってきたってあったな」
男「理性のある化け物…」
男「もしかして自分が?」
男「そんなまさか…」
832 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/13(日) 22:42:10.23 ID:3bDZVuj70 [105/110]
男「………」
子供「……」
男「うわ! びっくりした!」
子供「……」
男「もしかして待ちくたびれた?」
子供「……」
男「帰ろうか いったん家で休みたい…」
男「色々考える事があるし…」
子供「……」
834 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/13(日) 22:50:54.17 ID:3bDZVuj70 [106/110]
翌日
男「………」
男「理性のある化け物が車で襲ってきた…か」
男「理性のある化け物って自分の事だよな…」
男「でもそんな記憶ないし…」
子供「……」
男「………」
男「わからん まったくわからん」
子供「……」
男「………」
男「今日は作業してさっさと寝るか」
男「明日考えよう」
840 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/13(日) 22:57:01.66 ID:3bDZVuj70 [107/110]
一週間後
ザッ ザッ カリカリ
男「うーん」
子供「……」
男「うーん」
子供「……」
男「あ」
子供「……」
男「そういえばあの日記に気になる事が載ってた気がする」
男「下の階がどうとか」
男「………」
子供「……」
男「また行ってみるか マンションに」
848 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/13(日) 23:05:22.03 ID:3bDZVuj70 [108/110]
チュイーン! ガリガリガリガリ!
バタン
男「ふぅ」パカ
男「何とか入れるな」
男「チェーンソーで切る以外の発想が浮かばない自分が悔しい」
子供「……」
男「少し待っててね ちょっと行ってくるから」
子供「………」
858 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/13(日) 23:14:29.74 ID:3bDZVuj70 [109/110]
男「すいません 少し入りますよ?」ガタガタ
男「何か書類で一杯で汚い部屋だな」
男「死体があったけど このさい無視してさっさと探索しちゃおう」
男「あの子も待ってるしね」
男「まったく汚い 汚い」
ガサゴソ ガサゴソ
男「………」ピタ
男「お」
男「ゾンビウイルスの研究レポート?」
男「ゾンビウイルス?」
男「率直な名前だな」
男「名前からしてあの男が言ってたウイルスの書物だ」
男「読んでみよう」
9 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/13(日) 23:33:12.13 ID:JnqCvmQ0 [2/6]
○月×日
今日10匹目の猿にゾンビウイルスを注入したが やはりいぜん変わらず凶暴化する
注入した途端に暴れだし柵を叩いて暴れるのだ
さすがにゾンビウイルスと名付けられただけはある
すさまじい速効性と浸透率だ
怖くなるくらいに
15 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/13(日) 23:38:13.50 ID:JnqCvmQ0 [3/6]
○月×日
注入して52匹目で驚いた事に耐性を持つ個体が現れた
ゾンビウイルスを注入してもまったく暴れようとはせず、体毛も抜け落ちない
周りがうるさく騒ぎ立てるなか彼はいたって冷静である
これは大きな発見だ
21 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/13(日) 23:41:33.41 ID:JnqCvmQ0 [4/6]
○月×日
今日ゾンビウイルスを投下した個体を一カ所に集める事にした
集団でどのような事になるか実験するようだ
あの彼も一緒だ 大丈夫だろうか…
28 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/13(日) 23:47:31.60 ID:JnqCvmQ0 [5/6]
○月×日
非常に驚いた
ゾンビウイルスを投与した猿達はまったく争わずしきりにこちらに唸り声をあげる
まるで他の個体が見えていないかのように
もちろん彼も無事だ だがおかしい事がある
なぜか感染している雌猿としきりに毛づくろいしている
33 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/13(日) 23:52:26.77 ID:JnqCvmQ0 [6/6]
○月×日
感染した雌猿と彼とを同じ部屋に隔離してみた
明らかに醜くなった雌猿に甲斐甲斐しく毛づくろいをしている
異様な光景だ 彼女に毛は無いのに
しかも彼は与えた餌を優先的に彼女に与えている
どういう事だろうか
39 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/14(月) 00:00:08.99 ID:rhmHg2s0 [1/17]
○月×日
二匹の猿を調べた結果 雌の猿は知能が少し下がるが脳波の数値が格段に上昇する
雄は逆にかなり低下する
彼らをよく観察すると雌の方が雄の手をしきりに掴み、毛づくろいや餌の催促を行っている
これは推測だがあれは一種の洗脳ではな
43 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/14(月) 00:06:02.02 ID:rhmHg2s0 [2/17]
男「…………」
男「何だろう…何か当てはまる気がする」
男「雄は変わらず雌は感染者に…」
男「これってもしかして…」
ガタ
男「……!」
子供「……」
男「………」
男「く、来るな…」
子供「……」
男「お前がやったのか!」
男「お前が襲わせたのか!!」
51 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/14(月) 00:11:13.74 ID:rhmHg2s0 [3/17]
子供「……」
男「何とか言えよ! 本当はもうゾンビなんだろ!!」
子供「……」
男「その姿は偽りで ほんとは…もう」
子供「……」
男「ひ…来るなぁ…来るなよ!!」
子供「……」ギュ
男「あ」
子供「……」
男「………」
60 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/14(月) 00:17:47.51 ID:rhmHg2s0 [4/17]
男「ははは…落ち着いたや」
子供「……」
男「このレポートに書いてあった通りだ…」
男「自分は洗脳されてたのか…」
子供「……」
男「そうだね 帰ってご飯を食べようか…」
子供「……」
男「帰ろう…家に」
子供「……」
72 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/14(月) 00:24:18.27 ID:rhmHg2s0 [5/17]
子供「………」パクパク
男「美味しい?」
子供「……」パクパク
男「そうか美味しいか…」
子供「……」ズズー
男「………」
子供「……」サッ
男「はいはい おかわりね」
男「はいはい…」
79 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/14(月) 00:28:55.38 ID:rhmHg2s0 [6/17]
男「………」
子供「……」
男「そういえばあのレポートの続きはなんだったんだろう」
子供「……」
男「持ってきてたし ちょっと読んで見るか」
男「えっと」ガサガサ
男「あった」
男「どれどれ」
92 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/14(月) 00:38:38.42 ID:rhmHg2s0 [7/17]
○月×日
耐性のある二匹は相変わらず仲が良いが、他の猿達はもう目もあてられない
餌の摂取を全くしないためガリガリに痩せているばかりか
ウイルスの影響なのか死亡する個体はまったく出ないのだ
これでは動く死体だ…
早々と全個体の実験を行って良かった
感染者は餌を食べない事を常識にしていたため感染者には餌の投与をおこなっていなかったからだ
98 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/14(月) 00:43:21.08 ID:rhmHg2s0 [8/17]
おかげで彼女が死なずにすんだ
もしかしたら彼女が他の感染者達と一緒に暴れていたのはただ餌が欲しかっただけだったのかもしれない
彼女には悪い事をした
今度檻から出してあげなきゃ
116 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/14(月) 00:49:40.50 ID:rhmHg2s0 [9/17]
○月×日
とんでもない事をしてしまった
自分でも訳が分からずあの二匹を解放してしまった
私はどうすれ
男「……」パサ
子供「……」
男「もういいや…」
男「そんな偶然…あるわけ無いしな」
子供「……」
125 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/14(月) 00:54:10.64 ID:rhmHg2s0 [10/17]
男「………」
子供「……」
男「少し外に出てみるか」
男「きっと星が綺麗だ」
子供「……」
男「一緒に行こうか?」ギュ
子供「……」
男「よし行こう」
128 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/14(月) 01:00:15.22 ID:rhmHg2s0 [11/17]
男「………」
子供「……」
男「星が綺麗だな…」
子供「……」
男「この星をまだ見てる人はいるのかな…」
子供「……」
男「それとも自分達が最後の人かな?」
子供「………」
男「まぁ良いか」
男「また明日はあるんだし」
男「寝るかな」
132 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/14(月) 01:03:52.25 ID:rhmHg2s0 [12/17]
男「………」
子供「……」
男「それじゃあ寝ますか?」
子供「……」
男「おやすみ」
子供「……」
子供(お休み)
終わり
145 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/14(月) 01:07:36.65 ID:rhmHg2s0 [13/17]
これで最後です 見てくれてありがとう
後半色々ありましたが何とか完結しました
見てくれてありがとう
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