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願わくば我こそが万民の敵とならん
811 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/16(水) 03:09:43.94 ID:XKzRlhgo [1/7]
ちょっとヴェントで書いてみたぞー!
勝手に設定付け加えちゃったりもしてるからヴェントファンごめん
というわけで5レス
ちょっとヴェントで書いてみたぞー!
勝手に設定付け加えちゃったりもしてるからヴェントファンごめん
というわけで5レス
812 名前:願わくば我こそが万民の敵とならん1/5[saga] 投稿日:2010/06/16(水) 03:10:39.66 ID:XKzRlhgo [2/7]
私と弟は2人姉弟だった。
いつも弟は私の後をくっついて回っていたし、私もそれがまんざらでもなかった
「姉ちゃん!今日の夕飯なにかな!」
近所の城跡で遊んだ帰りにはいつも夕飯の当てっこをした。
といってもほとんど弟が一方的に何が食べたい何が好きだと言っているのを私が聞いているだけであったが。
「そうだねぇ、今日はなんだろうねぇ」
かわいいやつだ、とつくづく思う。そもそもうちは大してお金のある家ではない。
それどころか貧しい部類に入るだろう。それぐらいは幼心でも察することは出来た。いや逆にそれぐらい貧しかったのだ。
それに加え両親は敬虔な十字教徒で、今日は金曜日。多分いつも通りなら魚の日のはずだ。
「わかった!今日は肉だよ姉ちゃん!きっと大きな羊の肉だよ!」
ああ、この子は本当に羊の肉が好きなんだなとつくづく実感する。
数ヶ月前に運よく店で安く手に入った羊の肉が相当気に入ったらしい。
もちろん弟に今日は肉が出ない日だよ、なんてことは教えない。
この子にとって夕飯の当てっこは好きな食べ物が食卓に並ぶことを想像するのが楽しいのだ。必ずしも正解を求めているわけではないのだ。
「ふふっ、羊の肉だといいねー。そうだといいなって、神様にお祈りしようねー」
「うんっ!」
813 名前::願わくば我こそが万民の敵とならん2/5[saga] 投稿日:2010/06/16(水) 03:11:13.67 ID:XKzRlhgo [3/7]
思えば穏やかな日々だった。
弟と両親と、このままずーっと仲良く暮らしていくものだと思っていた。
家族4人で静かに暮らして、大人になって。
「姉ちゃんはさ、大人になったら何になりたい?」
唐突にそんなことを弟が聞いてきたことがあった。
それまで全然考えたことが無かった気がする。
「んー、姉ちゃんには何がいいかしらねぇ。シスターさんとか?」
シスターさん
何となく口に出しただけだったがそれを口に出した途端なんだかとても素晴らしいことのように思えた。
朝起きて、食前、食後、寝る前と1日4度のお祈りは欠かさなかったし、そうすることでなんだか幸せになれる気がしていた。
そうやって毎日の習慣で感じられるささやかな幸せを守りたかった。
そんなことまで子供だった私が考えていたかわからないけれど、少なからずそんなようなことを考えていたんだと思う。
「すげーじゃん!姉ちゃん絶対いいシスターさんになれるよ!かわいいし!」
「アンタは何になりたいのさ?言いだしっぺで答えないなんて許さないよー?」
ちょっと意地悪く聞いてみた。
サッカー選手!とか答えるのかな、なんて可愛げのある答えを言ったらなんてからかってやろうか。
そんなことをぼんやり想像しながら答えを待った。
「うーん、わかんない!姉ちゃんと遊べればいいや」
何だそりゃ、なんて肩透かしを食らったような気になりながら、それはそれでこの子らしい答えだと思った。
無理に答えを出さない子だった。弟は、わからないものをわかる日が来るまでわからないままにしておける子だった。
私は弟とは全く逆で、答えが出ないと気がすまない子だったから。弟のそういう辛抱強さみたいなものがすごく羨ましかった。
814 名前:願わくば我こそが万民の敵とならん3/5[saga] 投稿日:2010/06/16(水) 03:11:46.48 ID:XKzRlhgo [4/7]
「遊園地!やったー!遊園地だよ姉ちゃん!」
父親の仕事の関係だとかで、新しく開園する遊園地のモニターとして私達姉弟は招待された。
遊園地なんて贅沢は今まで無かったから、弟と一緒に私も大はしゃぎに喜んだ。
「姉ちゃん!何に乗ろう?遊園地っていっぱい乗り物があるんだよ!」
「何に乗ろうかしらね!……あ、お化け邸はダメだからね」
仕事の両親と分かれて二人で遊園地に行った。
他にもちらほら人はいたけれど、ほとんど貸切状態だった。
「ジェットコースター…なにコレこんなスゴイ速さで走ってるけど大丈夫なのかしら?」
「もうすぐ動くってさ姉ちゃん!第一号だよ!一番前に乗ろう!」
なんだか怖かったけれど、最新の安全装置があるので大丈夫なのだそうだ。
もし途中で機械故障してもすぐ止まるように出来ている、だから安心なのだそうだ。
それならばと2人で一番前の席に乗り込んだ。
事故は起こった。
ガクンッ
逆さになる箇所で私達は席から振り落とされた。
そのまま下の線路に頭から落ちると再び加速したコースターに文字通り踏み潰された。
弟が私を叫んでいるのが聞こえたが私は声が出せなかった。
815 名前:願わくば我こそが万民の敵とならん4/5[saga] 投稿日:2010/06/16(水) 03:14:11.26 ID:XKzRlhgo [5/7]
>>814最後の行で訂正
弟が私の「名前を」叫んでいるのが にしといてください
「緊急手術だ!急げ!!」
「輸血の準備だ!血液型を早く調べろ!!」
「先生!!大変です!この子達の血液型が…!」
「なんだァ!!どうしたぁ!」
「BのRh-です!2人とも!こんな血ウチにはほとんどありませんよ!!せいぜい1人分です!」
「クソッ!あるだけで手術をやるぞ!瀕死の男の子を優先させろ!」
次に目を覚ましたのは病院の中だった。
麻酔で痛みこそ無かったけれど、私はとにかくぐちゃぐちゃになっていた。
特に顔は下半分が既に消し飛んでいて、声は愚か呼吸すらままならない状態だった。
「ヒュー……ヒュー…」
隣のベッドに寝かされた弟が横目に見えた。
大きな大人に囲まれていて、大人達が口々に叫んでいる。
弟は私と違って顔は残っていたが、腹の中身が全部弾けてしまっていた。
それでも必死に、うわごとのように、しかしはっきりと口を動かしているのが見えた。
「オ・ネ・エ・チャ・ン・ヲ・タ・ス・ケ・テ・ク・ダ・サ・イ」
そう、はっきりと繰り返していた。
「姉ちゃんの夢が僕の夢です。僕の血でお姉ちゃんを助けてください」
静かに、しかし今までの弟とはまるで別人のようなしっかりした声で告げていた。
医者もこれには耳を傾けざるを得なかった。
「……そうすると君は助からないけど、それでもお姉さんを助けたいかい?」
ダメ!やめて!私なんかよりもあの子を!!
声が出ない。出るのは荒っぽい空気の笛の音だけ
816 名前:願わくば我こそが万民の敵とならん5/5[saga] 投稿日:2010/06/16(水) 03:14:50.81 ID:XKzRlhgo [6/7]
「ヒュー…ヒュー…ゴボッ」
「先生!お姉さんの方もそろそろ限界です!」
「ようし全責任は俺が取る!この子の勇気を忘れるな!姉の方の手術に掛かるぞ!」
「「「はい!」」」
ああ…あああ…
弟にいっぱい挿入されていた管が次々と抜かれて私の方へ回される。
たくさんの大人も弟に背を向けて私にかかりきりになる。
やめて、私なんかよりあの子を助けて。あの子を殺さないで。
弟を見捨てないで。助けて…弟をたすけて…
―――
目が覚めたら私のぼろ切れのように千切れていた体は綺麗に縫合されていた。
跡こそ残るものの、失った部位などは無かったらしい。
ただ、いつも私の隣にいて、いつも私についてきてくれた弟が犠牲になった。
あの子は見捨てられたのだ。
父も母も泣いていた。
あんなジェットコースターに乗らなければ。血さえ足りていれば。と
私の治療費を稼ぐために両親は私を教会に預けて身を粉にして働いた。
無茶な働き方をしたせいで母は若くして死に、父は借金を返し終わるとともに酒に溺れて廃人になった。
結局私だけが取り残された。
私の弟を殺した科学が憎い。私の家族を壊した科学が憎い。
神になんて頼らない。神様は私達家族を助けてくれなかったじゃないか。
ならば私がそんな奴に取って代わってやろう。
願わくば我こそが万民の敵とならん(insania524)
817 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/16(水) 03:17:01.07 ID:XKzRlhgo [7/7]
おわり。体育館裏で待ち続けている奴にとどけ!
勝手に魔法名つけちゃったてへぺろ
深夜のテンションやべえな。
多分朝になってコレ読んだら俺枕に頭うずめてばたばたするわ
私と弟は2人姉弟だった。
いつも弟は私の後をくっついて回っていたし、私もそれがまんざらでもなかった
「姉ちゃん!今日の夕飯なにかな!」
近所の城跡で遊んだ帰りにはいつも夕飯の当てっこをした。
といってもほとんど弟が一方的に何が食べたい何が好きだと言っているのを私が聞いているだけであったが。
「そうだねぇ、今日はなんだろうねぇ」
かわいいやつだ、とつくづく思う。そもそもうちは大してお金のある家ではない。
それどころか貧しい部類に入るだろう。それぐらいは幼心でも察することは出来た。いや逆にそれぐらい貧しかったのだ。
それに加え両親は敬虔な十字教徒で、今日は金曜日。多分いつも通りなら魚の日のはずだ。
「わかった!今日は肉だよ姉ちゃん!きっと大きな羊の肉だよ!」
ああ、この子は本当に羊の肉が好きなんだなとつくづく実感する。
数ヶ月前に運よく店で安く手に入った羊の肉が相当気に入ったらしい。
もちろん弟に今日は肉が出ない日だよ、なんてことは教えない。
この子にとって夕飯の当てっこは好きな食べ物が食卓に並ぶことを想像するのが楽しいのだ。必ずしも正解を求めているわけではないのだ。
「ふふっ、羊の肉だといいねー。そうだといいなって、神様にお祈りしようねー」
「うんっ!」
813 名前::願わくば我こそが万民の敵とならん2/5[saga] 投稿日:2010/06/16(水) 03:11:13.67 ID:XKzRlhgo [3/7]
思えば穏やかな日々だった。
弟と両親と、このままずーっと仲良く暮らしていくものだと思っていた。
家族4人で静かに暮らして、大人になって。
「姉ちゃんはさ、大人になったら何になりたい?」
唐突にそんなことを弟が聞いてきたことがあった。
それまで全然考えたことが無かった気がする。
「んー、姉ちゃんには何がいいかしらねぇ。シスターさんとか?」
シスターさん
何となく口に出しただけだったがそれを口に出した途端なんだかとても素晴らしいことのように思えた。
朝起きて、食前、食後、寝る前と1日4度のお祈りは欠かさなかったし、そうすることでなんだか幸せになれる気がしていた。
そうやって毎日の習慣で感じられるささやかな幸せを守りたかった。
そんなことまで子供だった私が考えていたかわからないけれど、少なからずそんなようなことを考えていたんだと思う。
「すげーじゃん!姉ちゃん絶対いいシスターさんになれるよ!かわいいし!」
「アンタは何になりたいのさ?言いだしっぺで答えないなんて許さないよー?」
ちょっと意地悪く聞いてみた。
サッカー選手!とか答えるのかな、なんて可愛げのある答えを言ったらなんてからかってやろうか。
そんなことをぼんやり想像しながら答えを待った。
「うーん、わかんない!姉ちゃんと遊べればいいや」
何だそりゃ、なんて肩透かしを食らったような気になりながら、それはそれでこの子らしい答えだと思った。
無理に答えを出さない子だった。弟は、わからないものをわかる日が来るまでわからないままにしておける子だった。
私は弟とは全く逆で、答えが出ないと気がすまない子だったから。弟のそういう辛抱強さみたいなものがすごく羨ましかった。
814 名前:願わくば我こそが万民の敵とならん3/5[saga] 投稿日:2010/06/16(水) 03:11:46.48 ID:XKzRlhgo [4/7]
「遊園地!やったー!遊園地だよ姉ちゃん!」
父親の仕事の関係だとかで、新しく開園する遊園地のモニターとして私達姉弟は招待された。
遊園地なんて贅沢は今まで無かったから、弟と一緒に私も大はしゃぎに喜んだ。
「姉ちゃん!何に乗ろう?遊園地っていっぱい乗り物があるんだよ!」
「何に乗ろうかしらね!……あ、お化け邸はダメだからね」
仕事の両親と分かれて二人で遊園地に行った。
他にもちらほら人はいたけれど、ほとんど貸切状態だった。
「ジェットコースター…なにコレこんなスゴイ速さで走ってるけど大丈夫なのかしら?」
「もうすぐ動くってさ姉ちゃん!第一号だよ!一番前に乗ろう!」
なんだか怖かったけれど、最新の安全装置があるので大丈夫なのだそうだ。
もし途中で機械故障してもすぐ止まるように出来ている、だから安心なのだそうだ。
それならばと2人で一番前の席に乗り込んだ。
事故は起こった。
ガクンッ
逆さになる箇所で私達は席から振り落とされた。
そのまま下の線路に頭から落ちると再び加速したコースターに文字通り踏み潰された。
弟が私を叫んでいるのが聞こえたが私は声が出せなかった。
815 名前:願わくば我こそが万民の敵とならん4/5[saga] 投稿日:2010/06/16(水) 03:14:11.26 ID:XKzRlhgo [5/7]
>>814最後の行で訂正
弟が私の「名前を」叫んでいるのが にしといてください
「緊急手術だ!急げ!!」
「輸血の準備だ!血液型を早く調べろ!!」
「先生!!大変です!この子達の血液型が…!」
「なんだァ!!どうしたぁ!」
「BのRh-です!2人とも!こんな血ウチにはほとんどありませんよ!!せいぜい1人分です!」
「クソッ!あるだけで手術をやるぞ!瀕死の男の子を優先させろ!」
次に目を覚ましたのは病院の中だった。
麻酔で痛みこそ無かったけれど、私はとにかくぐちゃぐちゃになっていた。
特に顔は下半分が既に消し飛んでいて、声は愚か呼吸すらままならない状態だった。
「ヒュー……ヒュー…」
隣のベッドに寝かされた弟が横目に見えた。
大きな大人に囲まれていて、大人達が口々に叫んでいる。
弟は私と違って顔は残っていたが、腹の中身が全部弾けてしまっていた。
それでも必死に、うわごとのように、しかしはっきりと口を動かしているのが見えた。
「オ・ネ・エ・チャ・ン・ヲ・タ・ス・ケ・テ・ク・ダ・サ・イ」
そう、はっきりと繰り返していた。
「姉ちゃんの夢が僕の夢です。僕の血でお姉ちゃんを助けてください」
静かに、しかし今までの弟とはまるで別人のようなしっかりした声で告げていた。
医者もこれには耳を傾けざるを得なかった。
「……そうすると君は助からないけど、それでもお姉さんを助けたいかい?」
ダメ!やめて!私なんかよりもあの子を!!
声が出ない。出るのは荒っぽい空気の笛の音だけ
816 名前:願わくば我こそが万民の敵とならん5/5[saga] 投稿日:2010/06/16(水) 03:14:50.81 ID:XKzRlhgo [6/7]
「ヒュー…ヒュー…ゴボッ」
「先生!お姉さんの方もそろそろ限界です!」
「ようし全責任は俺が取る!この子の勇気を忘れるな!姉の方の手術に掛かるぞ!」
「「「はい!」」」
ああ…あああ…
弟にいっぱい挿入されていた管が次々と抜かれて私の方へ回される。
たくさんの大人も弟に背を向けて私にかかりきりになる。
やめて、私なんかよりあの子を助けて。あの子を殺さないで。
弟を見捨てないで。助けて…弟をたすけて…
―――
目が覚めたら私のぼろ切れのように千切れていた体は綺麗に縫合されていた。
跡こそ残るものの、失った部位などは無かったらしい。
ただ、いつも私の隣にいて、いつも私についてきてくれた弟が犠牲になった。
あの子は見捨てられたのだ。
父も母も泣いていた。
あんなジェットコースターに乗らなければ。血さえ足りていれば。と
私の治療費を稼ぐために両親は私を教会に預けて身を粉にして働いた。
無茶な働き方をしたせいで母は若くして死に、父は借金を返し終わるとともに酒に溺れて廃人になった。
結局私だけが取り残された。
私の弟を殺した科学が憎い。私の家族を壊した科学が憎い。
神になんて頼らない。神様は私達家族を助けてくれなかったじゃないか。
ならば私がそんな奴に取って代わってやろう。
願わくば我こそが万民の敵とならん(insania524)
817 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/16(水) 03:17:01.07 ID:XKzRlhgo [7/7]
おわり。体育館裏で待ち続けている奴にとどけ!
勝手に魔法名つけちゃったてへぺろ
深夜のテンションやべえな。
多分朝になってコレ読んだら俺枕に頭うずめてばたばたするわ
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