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男「正月に藁人形とか…」
1 名前:男「正月に藁人形とか…」[] 投稿日:2010/06/12(土) 23:33:51.91 ID:Tdjk1YDXO [1/12]
正月
神社
男「…」パンッパンッ
男「今年こそ女ちゃんと仲良くなれますように…」
男「さて…家に帰ってお雑煮でもすするか」
男「一人暮らしの正月は寂しいなぁちくせう…」
ムギュ
男「ん…なんか踏んだ」
男「!?」
男「藁人形…だと…?」
正月
神社
男「…」パンッパンッ
男「今年こそ女ちゃんと仲良くなれますように…」
男「さて…家に帰ってお雑煮でもすするか」
男「一人暮らしの正月は寂しいなぁちくせう…」
ムギュ
男「ん…なんか踏んだ」
男「!?」
男「藁人形…だと…?」
3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 23:34:30.54 ID:Tdjk1YDXO
男「なにこれヤバイ」
男「さ…俺は何も見なかった」
男「帰ろう」
自宅
男「えー鍵、鍵」ゴソゴソ
男「……」スッ
男「嘘だろ…」
男「俺は確かにあの人形を華麗にスルーした筈…」
男「何故ポッケに入っている!!」
男「なにこれガチじゃねぇか…」
部屋
男「おい」
男「なんだこれは」
男「マジで呪いの人形じゃねぇか…」
男「しかも釘の穴が空いてるし…」
男「今からでも遅くない!捨ててや…」
カッ
4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 23:35:39.31 ID:Tdjk1YDXO
―――
――
―
男「おい」
藁人娘「…」
男「おい」
藁人娘「ん?」
男「えーと…お家はどこかな?」
藁人娘「…ない…」
男「お母さんは?」
藁人娘「多分いない」
男「お父さんは?」
藁人娘「…」フルフル
男「なん…だと…」
男「てか…さっきまで君は何だったと思う?」
藁人娘「…藁人形…」
男「今は?」
藁人娘「…藁人形…」
男「いやどうみても人間だろ…」
男「このスベスベのお肌といい」
男「このサラサラ黒髪セミロングといい」
5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 23:38:08.71 ID:Tdjk1YDXO
男「どうしても藁人形だっていうんだな?」
藁人娘「…貴方もさっきその目で見たでしょ」
男「いや、あれは幻覚だ、初夢だ」
藁人娘「いい加減現実を受け止めて」
男「いや、むしろ今のこの状況さえ夢の中だな!ワッハッハ」
藁人娘「いい加減現実を受け止めて」
男「ええい!黙れ黙れ!!この悪霊め!!」
藁人娘「悪霊と一緒にしないでッ!!!!!!」
男「っ…」
男「ジョ…ジョークジョーク…」
藁人娘「…」
男(そんなに嫌なのか…)
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 23:40:59.27 ID:Tdjk1YDXO
男「で、何でこの姿に?」
藁人娘「神社から出たから」
男「ん?」
藁人娘「神社の力のせいで、この姿にはなれなかったの」
男「永久に藁人形のままだったってこと?」
藁人娘「そう」
男「俺はどうやら大変なパンドラボックスを空けたらしいな」
男「誰がお前を作ったか知ってるの?」
藁人娘「…知らない…」
男「あららら」
藁人娘「気付いたら神社」
男「…とりあえずはここに置いといてやるよ。行くとこないんだろ?」
藁人娘「ありがとう…」
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 23:42:39.57 ID:Tdjk1YDXO
男「とりあえず、お雑煮でも食べなさい。ちょっと待ってて」
男(しかし暗いなこの子…)
男「そうだ、新春お笑い番組でも見とけ」
藁人娘「…」
TV『ワーワー』
藁人娘「…」
―――
――
―
TV『ワハハハハハ』
藁人娘「…」
男「……できました…よ?」
藁人娘「あ…ありがとう…」
男「はは…」
藁人娘「…」ズズ…
藁人娘「あ…」
男「ふふ、さぞ美味かろう、家庭科は5だったからな。更にそれに改良をだな…」
藁人娘「わかりましたもういいです」
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 23:45:35.16 ID:Tdjk1YDXO
藁人娘「ごちそうさま」
男「おう」
男「さ、お前にはいろいろ聞きたいことがある」
―――
――
―
男「まぁ…一応きく、性別は?」
藁人娘「女」
男「名前は?」
藁人娘「ない」
男「…年齢は?」
藁人娘「知らない」
男「……」
男「仕方ない、これを使おう」
藁人娘「何それ」
男「肌年齢スキャナだ、一人暮し始めるときに母に何故かこれだけは持っていけと言われた」
男「どれ…」ピッ
男「ふむ…14歳…まぁ見た目通りか」
10 名前:こう…かな…///[] 投稿日:2010/06/12(土) 23:51:46.42 ID:Tdjk1YDXO
男「さて、まだまだ計らなければならないことがある」
藁人娘「…」
身長
150センチ
体重 10g
男「軽っ!!グラム!?」
藁人娘「もともと藁人形だから…」
スリーサイズ
藁人娘「駄目」
男「うっ…何故だ」
藁人娘「胸小さいのわかってるくせに…」
男「よし、お前がそれを気にしていることが分かっただけで充分だ」
藁人娘「…」ジト…
男「うっ…その目をやめろ」
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 23:52:56.57 ID:Tdjk1YDXO
男「さぁ、貴方の特徴を自分で言ってください!」
藁人娘「…ない…」
男「…おう…なんかないの?」
藁人娘「女」
男「うん…うん…それも特徴の一つだね…でもさぁ、」
藁人娘「あ」
男「ん?」
藁人娘「貴方、名前は男って言ったよね」
男「あぁ」
藁人娘「…不幸になるかも」
男「え!親から授かった大事な名前なのに」
藁人娘「名前は関係ない」
男「?」
藁人娘「私は呪いの目的で作られたから…一緒にいると…」
男「ほうほう、なるほど」
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 23:54:15.17 ID:Tdjk1YDXO
藁人娘「だから…この家には入られない」
男「なんで?」
藁人娘「話をちゃんと聞いててくれる?」
男「いやだからさ、不幸になるからって、なんでここ出るの?」
藁人娘「…迷惑はかけられない」
男「いやいや、不幸になるからってこんな子を追い出す奴がどこにいる」
男「それに追い出して、お前に恨まれてみろ。もっと不幸になりそうだ」
藁人娘「大丈夫…恨まない…」
男「怨まんでも俺の気が済まない!よし、今日からここはお前の家だ!」
藁人娘「え…?」
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 23:58:07.33 ID:Tdjk1YDXO
夜
男「まいった。これはまいった」
藁人娘「…」
男「風呂も入った。俺も入った。お前も入った。ここまでは問題ない」
男「布団が一つしかない」
藁人娘「…」
男「よし、ちょっと寒いが、俺はソファで寝るから、お前は布団で寝ろ」
藁人娘「え…でも」
男「女の子が体冷やしちゃいかん!いいな?」
藁人娘「…いいの?」
男「問題ない」
藁人娘「…ごめんなさい…」ゴソッ…
男「よしっ…」
男「電気消すぞ」
藁人娘「うん…」
フッ…
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 00:02:25.07 ID:YCmldqp4O [1/87]
深夜
男「ん」
男「まだ夜か」
男「うぅ…寒い…」
男「ん?」
???「…」
男「うぉああっ!?」
藁人娘「…」
男「なんだお前か…なんでここに立ってんだよ…」
藁人娘「寝れないの」
男「不眠症…まぁ呪いの人形っぽくはあるが…」
藁人娘「始めて布団で寝るから…今までは藁人形だったから…」
男「なるほど、落ち着けないのか」
藁人娘「一緒に寝て」
男「…は?」
藁人娘「ちょっとは寝やすくなるかも」
男「お…おいおい…」
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 00:03:53.22 ID:Tdjk1YDXO
男「それは…お前…だってさ…」
藁人娘「駄目?」
男「う…」
藁人娘「…」
男「ええいわかった!寝りゃいいんでしょ?」
藁人娘「ありがと」―――
――
―
男「うん…うん…予想はしてたけどさぁ…」
藁人娘「…」スゥ…スゥ…
男「俺が寝れなくなるのね」
男「まぁ、あったかい布団で寝れるしいいか」
朝
藁人娘「ん…」ムク
男「オハヨウゴザイマース…」
藁人娘「っ」ビクッ
男「いや、俺の目の隈が酷いのは分かるよ?でもそんなに怖がる必要はないよね?」
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 00:06:48.44 ID:YCmldqp4O [2/87]
男「さて、そろそろ学校に行く時間だな」
藁人娘「高校生だったんだ」
男「あぁ、一人暮しのな」
男「あ、そうそう、なんかまだまだお前には分からんことがあるから、外に出るのはまだしも、くれぐれも遠くには行かないように」
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 00:12:37.58 ID:YCmldqp4O [3/87]
学校
男友「おっす男~」
男「おっす。しかし正月明け早々授業とはこの学校はイカレてるぜ…」
女「おっはよーッ!男くんッ!」
男「おっおはよう、女ちゃん」
男「ところで男友」
男友「なんだ」
男「お前に相談したい事がある」
―――
――
―
男友「呪いの人形を拾ったらどうするかって!?」
男「あぁ」
男友「お前…まさか…」
男「…あぁ」
男友「なんと…俺なら有名な寺行って供養するね」
男「でもそしたら、その人形の気っていうか…霊みたいなんは消えるよな?」
男友「そのための供養だろが」
男「だよな…」
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 00:16:24.76 ID:YCmldqp4O [4/87]
自宅前
男「ふぅ…今日は疲れたな…」
近所のオバサマ方「あら、男君よ。今日あの子の家からね、女の子が顔出してたのよ~。学校はどうしたのかしら?まさか監禁!?」ヒソヒソ
男「…」
ガチャ
男「おい、藁人娘」
藁人娘「あ、おかえり」
男「明日から学校に行ってもらう」
藁人娘「え」
男「あ、お前は中学校な」
藁人娘「…え?」
男「よし、今から手続きだ」
藁人娘「?」
20 名前:改行しすぎたら駄目みたいだ[] 投稿日:2010/06/13(日) 00:26:23.70 ID:YCmldqp4O [5/87]
翌日
男「さぁ、今日からお前も立派な中学生だ」
藁人娘「…」
男「昨日走りまわって制服買って来たんだぞ?高ぇよしかも。」
藁人娘「どこ?」
男「あぁ、最初は送ってやるよ」
藁人娘「…」
―――
――
―
藁人娘「…」スタスタ
男「中学校は高校の隣だからな、わかりやすい」スタスタ
クロネコ「ニ゛ャ―ッ」シュババッ
男「うおぅっ!」
男「クロネコが横切るとか…ははっ偶然偶然」
藁人娘「…ごめんなさい…」
男「偶…然…」
女「あっ!男君、おはよー!」
藁人娘「…」
女「あ、妹さん?いくつ?」
藁人娘「知ら
男「14だ!14!家に越して来たんだ!」
女「へぇー、一瞬男君ってロリコンなのかと思っちゃった…」
男「え…」
女「あはは、教室でね!バイバーイ!」
男「逃げられた…だと…」
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 00:33:28.00 ID:YCmldqp4O [6/87]
中学校
先生「今日から、転校してきた転校生です」
藁人娘「…」
先生「お名前は?」
藁人娘「…藁人娘です」
先生「皆、仲良くするように。あそこの席座って」
藁人娘「…」スタスタ…ストン
休み時間
中女友「藁人娘ちゃんだっけ?よろしくね!」
藁人娘「…うん…」
中女友「静かなんだね、私と正反対だね。でも、仲良くなれる気がするのっ」
藁人娘「…」
中女友「じゃあ、学校の中案内するね!」
藁人娘「…ありがと」
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 00:38:19.44 ID:YCmldqp4O [7/87]
高校
男「違うっ!!」
男友「本当に?」
男「断じて違う!!」
男友「…」ニヤニヤ
男「俺はロリコンじゃないっ!!」
男友「かわいそうになぁ、妹ちゃんも。兄貴にそんな目で見られて」
男「何故そうなる」
男「くそう、女ちゃんにロリコンと思われちまった!」
男友「俺もあの状況見てたからなぁ…プッ」
男「くそう!女ちゃん違うんだ!!俺は女ちゃん一筋だ!!!」
…シーン…
クラスメイト「マジかよ…」ヒソヒソ
男友「今女ちゃんがいなくてよかったな」
男「…うん…」
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 00:45:48.96 ID:YCmldqp4O [8/87]
帰り道
男「はぁ…おっ?」
藁人娘「あ…」
―――
――
―
男「どうだった?中学校は」
藁人娘「…」
男「友達できたか?」
藁人娘「…多分…」
男「多分?」
藁人娘「うん…多分」
男「どんな子?」
藁人娘「明るい子…」
男「そりゃお前にピッタリだな」
男「お前大人しすぎるから、上手くやれるか心配だったんだけど…その調子なら上手くやれそうだな」
藁人娘「うん…」
男「よし、今日は家でゆっくり休むか」
藁人娘「うん」
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 00:51:33.43 ID:YCmldqp4O [9/87]
自宅
藁人娘「ねぇ、男」
男「ん?」
藁人娘「兄妹って…どんな感じ?」
男「どんな感じって…急にどうした?」
藁人娘「学校で聞かれたの、兄弟姉妹はいるのかって」
男「なんて答えた?」
藁人娘「いないって言った」
男「…俺は?」
藁人娘「あなたは男」
男「うん…うん…そうだけどさ…」
男「ちなみに俺は妹って答えた」
藁人娘「知ってる」
藁人娘「妹…」
男「ん?」
藁人娘「なんかいや…」
男「じゃあどうする?」
藁人娘「………」
藁人娘「…もういい」
男「あらら」
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 01:02:31.64 ID:YCmldqp4O [10/87]
中学校
中女友「おはよっ」
藁人娘「おはよ」
中女友「ねぇ、今日一緒に学校来てた人ってお兄さん?」
藁人娘「………」
藁人娘「…」
藁人娘「うん…」
中女友「やっぱり~!なんかあの人いいかも~」
藁人娘「…」ジッ
中女友「やっやだなぁ、そんな怖い顔しなくても~」
イケメン「あ、藁人娘ちゃん?あのさ、ちょっと話があるんだよね」
中女友「あッ」
藁人娘「何」
イケメン「もしよかったらさぁ、俺と一緒に遊園地とか行かない?ふ・た・り・で」キラッ
クラス女「キャ~~~~~~ッ!!」
藁人娘「いい」
イケメン「へ?」
藁人娘「遠慮しとく」
イケメン「ア…ハハ、そう?別に遠慮しなくても…」
藁人娘「…」ジトッ…
イケメン「うっ…じゃあ、失礼するよ」
ガタァン
イケメン「ひでるっ!」
クラス男「おい!急に転んでどうした!あ…おい!鼻折れてるぞ!!」
イケメン「あ…あふぁあああっ!」
藁人娘「…」
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 01:08:44.44 ID:YCmldqp4O [11/87]
高校
男友「よう女ちゃんファン」
男「うるせーやい」
男友「どうする?お前、ライバル多いぞ?」
男「るせー愛は無敵だ」
男友「その無敵が何十といるんだがなぁ…」
男「俺は勝つ」
男友「そうか…」
女(男くん…///)ポケーッ
女友「コラ女!何ポケッとしてんのよ!」
女「ふぇっ!?あっゴメンッ!」
お嬢様「昨日の事が本当なら、男さんは女さんの事が…むむ…私の財閥は今まで負け無しですのよ…そう…恋愛でも…くぅう」
27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 01:15:19.75 ID:YCmldqp4O [12/87]
お嬢様「男さん?ちょっとお話が…」ポッ
男友「あ…俺でよければ」
お嬢様「貴方じゃよくありませんので男さんを」シラッ
男「あ…はい」
お嬢様「あの…私…貴方に興味がありますの…」ポッ
男「え」
お嬢様「もっとお近づきたいの…まだ…もっと近付いて…」
男「ちょ、ちょっと?」
お嬢様「いいえ…まだ足りませんわ…」ムニュッ…
男(これは…Eカップ…じゃなくて)
男「ちょっとまった!いきなり近付いても警戒されるだけだぞ!?まずはゆっくり仲良くなろう…!」
お嬢様「はいっ」
お嬢様(チッ…色気づくは通用しませんでしたわ…)
男友「うらやまけしからん」
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 01:24:04.25 ID:YCmldqp4O [13/87]
帰り道
男「どーだ?」
藁人娘「何が」
男「学園生活」
藁人娘「…」
藁人娘「遊園地ってどんなところ?」
男「お!友達と行くのか」
藁人娘「行かない」
男「?」
藁人娘「男は行かないの?」
男「行ったことくらいあるさ、流石に」
藁人娘「行きたい」
男「え?」
藁人娘「遊園地行ってみたい」
男「友達と行くんだろ?金の事なら心配すんな」
藁人娘「男と行く」
男「え」
藁人娘「言わせないで…/」
男「え?え?」
藁人娘「もう帰る」
男「おっおい走るなっこっちは疲れてんだぞ?おーい!」
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 01:39:54.55 ID:YCmldqp4O [15/87]
自宅
男「じゃあ、再来週の日曜日にな」
藁人娘「…うん」
男「あと、遊園地とかは大勢で行ったほうが楽しいからな、その友達も呼ぶといい」
藁人娘「わかった」
男「まさかお前の口から遊園地が出てくるとはな…」
藁人娘「変?」
グラグラ
男「おっ地震か…」
グラッ
男「タンスが!危ない!」
藁人娘「っ!」
ガスッ
男「ぐっ…」
藁人娘「…ぁ…」
男「大丈夫…か?」
藁人娘「…う、うん…」
男「ぐっ…よいしょっ!ふぅ…」ドスンッ
藁人娘「…」
藁人娘「ごめんなさい…」
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 01:45:55.52 ID:YCmldqp4O [16/87]
翌日
中学校
中女友「え!?行く行く!」
藁人娘「わかった」
高校
男友「おう、行ってやろうじゃないの」
男「おう」
男「女ちゃんも…よかったらどうかな?」
女「え?あッ行く!行くよッ!!」
男「やった、これで決まりだな」
お嬢様「あら、この私をお忘れですの?」
男「あ」
お嬢様「貴方だけじゃ不安ですので、着いていきますわ。別に男のためじゃありませんことよ!!///」
お嬢様(決まった…このツンデレで男さんは…!)
38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 01:55:00.46 ID:YCmldqp4O [17/87]
再来週の日曜日
男「さっ行くぞ」
藁人娘「うん」
男「あっほら、ここ曲がってるぞ。友達も拾っていくからな、お洒落しないと」
男「これでよし!」
藁人娘「ぁ…ありがと…」
男「ん?」
藁人娘「なんでもない」プイッ
男「?」
遊園地
男「着いたぞ」
藁人娘「わ…」
中女友「うわぁっ」
男「結構広いな、ここは…」
男友「あ!おい!こっちだ!」
男「おっ」
中女友「あっ!?」
お嬢様「なっ!?」
中女友「お姉ちゃん!?」
お嬢様「あ…なんで貴方がここに?」
中女友「だって、藁人娘ちゃんと友達だから…」
お嬢様「ふふん、ここでも妹の世話に追われるとは…はぁ…」
男友「え?何?感動の再会?」
お嬢様「全然…」
女「まぁ、集まったし、ジェットコースターのろーよ」
男「そうだね」
40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 02:07:45.57 ID:YCmldqp4O [18/87]
ジェット
女「キャーーーッ!」
中女友「わぁーーーッ!」
男「うおぉぉぉああ」
藁人娘「ッッッッッ!!!」
男友「うっひょーーーーッ」
お嬢様「………………」ガク…
―――
――
―
中女友「ちょっと!?お姉ちゃん!お姉ちゃん!」
男「よっぽど怖かったんだな…」
女「失神してる…」お嬢様「………」シーン…
―
――
―――
お化け屋敷
男「お嬢様は中女友に預けたわいいが…怖いなここ…しかし藁人娘は怖くないのか?」
藁人娘「何が?」
男「ですよね…」
男友「うわぁ…暗くて見えない…」サワッ
男「残念だったな、それは俺の尻だ」
男友「何!?くそ…」サワッ
女「ひァんッ!?」ビクッ
男「」 バキッ
男友「ぐえ!」
41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 02:11:47.21 ID:YCmldqp4O [19/87]
中女友「お帰りなさい…あれ?なんで男友さんはそんなにボロボロなの?」
男「あぁ、中のアトラクションは凄まじすぎた」
男友「誰が…」
男「なんか言った?」
男友「別にぃ?」
お嬢様「私としたことが…とんだ醜態を…」
女「あっ起きた」
藁人娘「…」
44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 02:21:31.04 ID:YCmldqp4O [20/87]
男友「さぁ、お待ち兼ねの観覧車ですよ」
藁人娘「観覧車」
男友「さぁ!僕と一緒に」
男「死ね」
お嬢様「男さん…私と一緒に愛の展望台で二人の未来を眺めましょう」
中女友「お姉ちゃんはまた何か起こしそうだから私と一緒ね」
お嬢様「なっ…!?」
―――
――
―
中女友「わぁーいい眺め!」
お嬢様「そうね」シレッ
男友「おお…いい景色だ…だが君には劣るよ…君の美にはね」
男友「…」
男友「なんで俺だけ一人なんだ」
男「なぁ」
藁人娘「…」
女「…えへへ」
男「ここだけ3人って…男友かわいそうだろうが…」
45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 02:26:24.47 ID:YCmldqp4O [21/87]
男「…」
女「いい眺めだねー」
藁人娘「…」
男(うん…両手に花…申し分ないんだけど…だけど…)
藁人娘「…あ、鳥」
女「高い…ちょっと酔ってきたぁ…」
男「なんだかなぁ」
バキンッ
男「!?」
47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 02:36:57.62 ID:YCmldqp4O [22/87]
グラァッ
男「うわっ!!」
女「キャァッ!」
藁人娘「ぁッ!!」
男「ぐっ…」ブラーン
女「男…くんっ!大丈夫!?」
藁人娘「男…!」
男「くっ…まさか観覧車のボルトが外れるなんてな…流石にビックリだぜ…外に放り出されたのが俺だけでよかった…」
男友「なっ!?男!!」
お嬢様「男様ァーー!!すっすぐにヘリを手配なさい!」
中女友「はい!」
―――
――
―
女「くぅう…」プルプル
藁人娘「う…うぅ…」プルプル
男「おい!二人とも手を離せ!お前らまで落ちたらシャレにならん!」
藁人娘「嫌!!落ちてもいい!!」
女「うん!!」
男「そんな…」
男友「男!!これに掴まれぇ!」
48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 02:38:08.38 ID:YCmldqp4O [23/87]
>>46
無理せんでもええ。婆ちゃんはいつでもヒロシの味方じゃ
49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 02:46:54.98 ID:YCmldqp4O [24/87]
男「おお…マフラー、ズボン、上着、Tシャツ、その他諸々…俺が手に持つところにトランクスが来ているのは気に入らんが助かった!!」
男友「寒ぃ~~早くしろォ!!」
男「おう!」ガシッ
バラララララ
お嬢様「オーッホッホッホ」
男「お!」
お嬢様「愛のヘリ、今貴方の元へ来ましたわ!!」
中女友「これに乗ってくださいっ!」
男「ありがとう!!」
―――
――
―
男「ふぅ…」
藁人娘「………」
男友「一時はどうなるかと…」
お嬢様「私の力にすればお茶のこさいさいですわ」
女「よかったぁ…本当によかったぁ…」グスッ
50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 02:56:03.33 ID:YCmldqp4O [25/87]
帰り道
男「ふぅ…今日は疲れたな…」
藁人娘「……」
男「なんだかゴメンな、せっかくの初めての遊園地だったのに…」
藁人娘「………」ジワッ
ガバッ
藁人娘「ちがう…ちがうの…」
男「?」
藁人娘「ごめんなさい…ごめんなさい…私のせいで…私のせいで…!!」グスッ
男「違う」
藁人娘「ごめんなさい…!」
男「違う!!」
藁人娘「っ…?」グスッ
男「お前のせいじゃない…」
藁人娘「でも…私は…」
男「仮にお前のせいだったとしても、こうして助かったんだ。ハッピーエンドじゃないか」
藁人娘「…」グスッ
男「さ、お土産のケーキも買ったし、はやく家帰って食べるぞ!な?」
藁人娘「……うん……」
51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 03:07:12.20 ID:YCmldqp4O [26/87]
1週間後
男「何?」
藁人娘「…」
男「修学旅行?」
―
――
―――
前日
中女友「明日は修学旅行だね!」
藁人娘「修学旅行?」
中女友「クラスで旅行にいくの。知らないの?」
藁人娘「……」
中女友「この前は遊園地で大変な目にあったから、今回は平和に終わって欲しいね」
藁人娘「…」シュン…
中女友「え?なんでヘコむのさ!?」
―
――
―――
男「なるほどな」
藁人娘「うん…」
男「よし、準備するか!」
藁人娘「うん」
男「そういえば、俺、最近髪伸びてきたな…」
藁人娘「…」
男「お前は伸びてないみたいだけど、どうしたんだろ」
藁人娘「人間じゃないから…」
男「あ…」
藁人娘「伸びないの」
男「へぇ…まぁ、その長さだとヘアスタイルは色々あるだろうな」
藁人娘「……」
53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 03:11:56.28 ID:YCmldqp4O [27/87]
当日
中女友「迎えにきたよー」
男「おう、おはよう。準備はできたか?」
藁人娘「うん」
男「よし、行っておいで」
藁人娘「その子供づかいやめて欲しい」
男「ごめんなさい、調子乗りました」
中女友「もうすぐ集合時間だよ!行こ!」
藁人娘「ん」
男「気をつけろよ!」
男「4日間、寂しくなりそうだなー」
54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 03:20:32.24 ID:YCmldqp4O [28/87]
バス
中女友「あのねーそれでねー!!」アハハ
藁人娘「ん…」
藁人娘(男と離れて4日間か…)
高校
男「おはよ」
男友「おはよ」
女「おはよ!男君!」
男友「今日から妹さん、修学旅行だっけ」
男「うっ何故知っている」
男友「あそこ見てみ」ヒョイ
お嬢様「あんな五月蝿い妹がいなくなってせいせいしますわ!オーッホッホッホ!!」
女「あんなこと言ってても、結構寂しいみたいだよねー」
男「寂しい…か」
56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 03:29:08.45 ID:YCmldqp4O [29/87]
夜
修学旅行
中女友「ねぇ知ってる?」
藁人娘「何?」
中女友「寝る前の戦いを」
藁人娘「?」
中女友「その名も枕投げ!行け!者どもよー!」
クラスメイツ「おりゃあ~~ッ!」
藁人娘「枕投げ?私は早く寝たぶッ!」バスッ
中女友「クリティカルッ!」
藁人娘「………」ギロッ
藁人娘「………」ガシッ
藁人娘「…………ッ!」ヒュヒュヒュヒュヒュヒュ
ヒュヒュヒュヒュヒュヒュッ!
中女友「おおう!なんという弾幕ぶわッ!」バスバスバスバス
中女友「やったなー!それー!」
自宅
男「はぁ…」
男「静かな夜もいいもんだ…」
57 名前:じゃあ4時まで頑張る[] 投稿日:2010/06/13(日) 03:34:46.86 ID:YCmldqp4O [30/87]
深夜
コチ…コチ…
男「」
男「…」
男「マズイ」
男「静かすぎて逆に眠れん…」
男「あいつ、寝息とかは凄い静かだけど、寝相は地味に酷いんだよな」
男「一日五回は蹴られるな」
男「はぁ…久しぶりだなぁこんな夜は」
修学旅行先
中女友「くぅ…すぅ…」
藁人娘「…」スゥ…スゥ…
藁人娘「…」パチッ
藁人娘「…」
藁人娘「寝れない」
藁人娘「…」モゾモゾ
藁人娘「…」スウ…スウ…
藁人娘「…」
藁人娘「…」パチッ
59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 03:46:53.83 ID:YCmldqp4O [31/87]
翌朝
藁人娘「…」
中女友「あ、あの~」
藁人娘「…何?」
中女友「大丈夫?昨日寝たの?」
藁人娘「寝てない…」
中女友「あちゃ~落ち着けないってのは分かるけどさぁ…」
高校
男「…」
男友「お…おう…」
男「おはよ…」
男友「何があった…」
男「眠れんかった…」
男友「さようか」
男「さよう」
女「大丈夫ー?」
男「大丈夫だよ、女ちゃん…」
お嬢様「可哀相に!いいえ、違いますわ!私の膝枕の為に睡眠をとっておいてくださったのね!」
男「…」
男友「じゃ、俺が代わりと言っちゃアレですが…」
お嬢様「アレすぎますわ」
男「グー…」
69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 10:00:36.59 ID:YCmldqp4O [37/87]
昼
男「ふ…」
男友「んだよ」
男「一人分の弁当はわりとゴージャスに作れるからな」
男友「それがゴージャス?」
男「うるさい!唐揚げを5つも入れれる喜びを知らんのかお前は!!」
お嬢様「あら、ゴージャスなお弁当がお好きなら、私のコックに作らせてよ?男さん」
男「…遠慮しときます…」
修学旅行先
中女友「おいし~~い!!」
藁人娘「…」パクッ
中女友「お昼からこんなもの食べられるなんて、ウチの学校太っ腹だね」
藁人娘「…うん」
中女友「写真撮ろ!一緒に!記念記念!」
藁人娘「え…」
パシャ
71 名前:待たせたな!まぁ寝ると言ってから4時に仕事が[] 投稿日:2010/06/13(日) 10:13:59.77 ID:YCmldqp4O [38/87]
風呂
カポーン
男「ふぅ…」
男「1番風呂も久しぶりだ…」
男「一人なのに風呂わかすのはなんか勿体ない気もするが…」
男「ふぅ…」
修学旅行先
中女友「ふい~気持ちいい~~…」
藁人娘「…」フゥ…
中女友「あ…やば!もうそろそろ夕飯じゃん!早っ!」
藁人娘「…体洗う」
中女友「待って!」
藁人娘「?」
中女友「修学旅行と言えば洗いっこでしょ!背中洗ってあげるね!」
藁人娘「えっ…あっ、ちょっちょっと…ぁっ」
72 名前:書類を整理してたんだがな![] 投稿日:2010/06/13(日) 10:17:49.57 ID:YCmldqp4O [39/87]
夜
男「うん…うん…」
男「刺身うめ…一人だと奮発できる」
男「でもなんだろう、なんか足りない」
男「わさび?いやそうじゃなくて」
男「やっぱアイツがいないともの足りないなぁ…」
修学旅行先
藁人娘「背中だけだって言ったのに…」
中女友「言ってない言ってない」
中女友「夕飯はバーベキューとな!?」
藁人娘「…」
中女友「この学校のいつものケチっぷりはどこへ…」
73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 10:22:37.59 ID:YCmldqp4O [40/87]
夜
男「ふぅ…二日目…」
男「流石に眠れるか?」
5分後
男「zZZ…」
修学旅行先
中女友「二日目、そろそろ慣れてきたね」
藁人娘「うん」
中女友「そこで修学旅行のお約束第二段!」
藁人娘「?」
中女友「好きな人だれ?」
藁人娘「ッッ!?///」
中女友「あははっ赤くなってるとこ初めて見た!」
中女友「てことはさー…いるんだよねー…」
藁人娘「い、いない」
中女友「誰?」ニヤニヤ
75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 11:06:09.15 ID:YCmldqp4O [41/87]
藁人娘「い、いない…!」
中女友「…」ニヤニヤ
藁人娘「ほ、ホントに…」
中女友「ふぅん。ま、言いたくないなら別にいいけど…」
中女友「まさか男さん?」
藁人娘「ッ!!!」ボンッ
中女友「なわけないよね、兄妹だから」藁人娘「…」シュウ~…
中女友「まぁ、でもいつかは教えてね?」ニコ
藁人娘「…うん…」
76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 11:11:44.32 ID:YCmldqp4O [42/87]
朝
男「あったーらしいい朝がきった」
男「きぼぉぉうのあーさーだ」
男「…うん」
男「学校いくか」
修学旅行先
藁人娘「ん…」
中女友「ふぁ…」
クラスメイツ「あ、やっと起きた」
中女友「おはよー…ふぁあ…」
クラスメイツ「あんた達、喧嘩でもしたの?」
中女友「え?」
クラスメイツ「夜中に二人で凄い勢いで蹴りの応酬してたわよ。上段、下段、はたまた中段まで駆使して」
中女友「…」
藁人娘「…」
クラスメイツ「まさか寝相…なわけないしねぇ」
中女友「…」
藁人娘「…」
77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 11:21:47.83 ID:YCmldqp4O [43/87]
お昼
男「ふぅ」
男友「ん?弁当が貧相になってんじゃん」
男「貧相とか言うな。ゴージャスに作るの面倒になった」
男友「て言ってもお前…米だけじゃん」
男「作りがいがないからなー…」
男友「なんだ、妹が修学旅行で寂しいのか。おおよしよし」
男「うるせーやい」
女「男くん?よかったら、私のおかず少し、食べる?」
男「お…おお…」プルプル
男(神よ…!おお我が主よ!!有り難き幸せ!!)
男「いただきます!」
女「えへへッ」
男友「じゃあ俺も…」
女「男友君は具だくさんでしょッ」
男「そーだそーだ」
男友「うっ…」
78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 11:26:01.44 ID:YCmldqp4O [44/87]
修学旅行先 繁華街
中女友「こんなご当地グルメがたくさん食べられるなんて夢のようだね」
中女友「家が財閥でよかったぁ~…」
藁人娘「…」
中女友「ん?どしたの?」
藁人娘「…なんでもない」
中女友「さてはホームシックだな?」
藁人娘「…?」
中女友「家が恋しいでしょ?」
藁人娘「…わからない…」
中女友「私も早く帰りたいな、やっぱりいつも寝てるベッドが1番だもん」
藁人娘「…うん」
中女友「明日には帰れるよ。お土産屋さん行こ?」
藁人娘「うん…」
79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 11:32:58.18 ID:YCmldqp4O [45/87]
夜
男「あぁ」
男「これを最後に一人の夜とはおさらばか」
男「名残おしいような嬉しいような…」
男「とりあえず一人の夜を堪能するか、よし、今日は徹夜でゲームだ」
男友「そうだな」
男「どこから沸いて出た」
修学旅行先
中女友「さて…」
藁人娘「おやすみ…」
中女友「待てぃ!!」
藁人娘「?」
中女友「もうそなたにも分かるであろう、最後の夜の過ごし方を!」
藁人娘「?」
中女友「徹夜で遊ぶのよ!オールナイトォ!」
クラスメイツ「オーッ!」
担任「五月蝿い!」ガラッ
中女友「…」スゥー…スゥー…
クラスメイツ「…」スゥ…スゥ…
藁人娘「…」
担任「ん、藁人娘だけか、お前は騒ぐ奴じゃないからな。別の部屋か」ガララ、ピシャッ
中女友「任務を再会しよう」ムクッ
クラスメイツ「サー、イェッサー」ムクッ
80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 11:38:12.94 ID:YCmldqp4O [46/87]
中女友「さぁ…男衆を呼べ!」
クラスメイツ「イエッサー!」
男子「ワラワラ」
中女友「よし…男子がくると盛り上がると思ったけど、別にそうでもなかったようね」
藁人娘「…」コクリ…コクリ…ガクッガクッ
中女友「寝るな!」パシンッ
藁人娘「っ?」
中女友「まずはセオリー通りトランプね」
藁人娘「トランプ?」
――――
―――
――
―
…
81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 11:42:19.20 ID:YCmldqp4O [47/87]
朝
男「おーっす…」
男友「うす…」
男「お前途中で寝たろ…」
男友「あぁ…」
男「…倒したぞ…裏ボスを…」
男友「何!?」
男「燃えつきたぜ…真っ白に…」ガクッ
男友「男…?男!返事をしろ!男ーーーーッ!!!」
修学旅行先
中女友「やっと帰れるね」
藁人娘「うん」
中女友「あんた途中で寝た?」
藁人娘「寝てない…」
中女友「おおぅ…よく頑張った!」
藁人娘「ぅん…」カクンッカクンッ
中女友「寝るな!」パシンッ
藁人娘「ぁぅっ」
82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 11:49:03.50 ID:YCmldqp4O [48/87]
夕方
男「そろそろ帰る頃か」
お嬢様「お迎えなら私も一緒に行きますわ!」
男「そう…」
中学校
担任「じゃ、今日は解散!」
ワイワイガヤガヤ
中女友「ふぅ…つかれた~」
藁人娘「…」
藁人娘「…あ」
男「おっす」
藁人娘「…」トテトテトテ
ボスッ
男「おうっ!」
男「あのなぁ…」
藁人娘「…」スゥ…スゥ…
男「おやおや…ずいぶん遊んで来たご様子で」
お嬢様「ふん、やっと帰ってきたのね」
中女友「ふん、だ!」
お嬢様「帰るわよ!!」
中女友「何よ!そんな態度とって!」
お嬢様「あんたの為にこうして来たのよ?礼くらい言いなさいよ!」
中女友「何よ!」
お嬢様「帰るわよ、美味しい夕食が待ってるから」
中女友「え…あ、うん」
お嬢様「…」ニコ
83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 11:51:36.12 ID:YCmldqp4O [49/87]
自宅
男「ふぅ…なんでお前をここまで背負って…んもうっ」
藁人娘「…ん…」
男「着いたぞ…俺だって…徹夜で…」ウトウト…
男「う…」
藁人娘「…」
男「…」ZZZ…
藁人娘「スウ…スウ…」
84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 12:05:10.08 ID:YCmldqp4O [50/87]
朝
男「うん」ズビビッ
藁人娘「…」
男「あぁ…」ズズズッ
男「ひいたな、風邪。玄関で寝てたから…くそったれっ…」
藁人娘「…」
男「お前は大丈夫なのか」
藁人娘「藁人形は風邪ひかない」
男「うん…だけどさぁ…」
男「今日は学校休むか」
藁人娘「…」
男「あっもう時間だぞ?早く行ってきな」
藁人娘「看病くらいできる」
男「いや…俺のことはいいからさ」
藁人娘「私も休む」
男「あ…あの~」
86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 12:18:33.33 ID:YCmldqp4O [51/87]
男「気持ちは嬉しい」
男「だが、今日は学校に行きなさい」
藁人娘「…」
男「わかった?」
藁人娘「…わかった…」
ガチャ
昼
学校
中女友「ねぇねぇ、今日何の日か知ってる?」
藁人娘「…?」
中女友「バレンタイン!」
藁人娘「ばれん…何?」
自宅
男「ぶぇえくしょほほぉ~い!」ズビッ
男「いかん…寝るぞ…俺は寝る!!」
プルルル
男「ん?誰からだ?」
『男友「元気か~い?」』
男「…」
ガチャッ
ツー、ツー、
87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 12:24:28.30 ID:YCmldqp4O [52/87]
中学校
中女友「だから、好きな人にあげるの」
藁人娘「好きな人に…」
中女友「藁人娘ちゃんは誰にあげるのかな~?」
藁人娘「ぅ…」
中女友「放課後、作り方教えてあげる!家庭科の調理室に来てね」
藁人娘「うん」
高校
女「今日は男君休みなんだ…(折角チョコもってきたのに)」
男友「あぁ、切られた」
お嬢様「あぁなんという事!この私が!この私が愛の施しを!そしてこの高級チョコレートを!」
女「それだ!!」
男友「おぉうっ!?」
女「あ…ごめんごめん」
88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 12:28:20.15 ID:YCmldqp4O [53/87]
自宅
ピンポーン
女「男くん、いるー?」
お嬢様「男さまー?」
男「…」(居留守だ…女ちゃんがいるのは嬉しいけど…お嬢様がいるとなると…)
男友「この道程野郎」ボソ
男「てめぇも赤く染めてやろうか!?」バタンッ
お嬢様「あ…」ポッ
女「あ…来ちゃった…アハハ」
男友「よう某テニス少年」
男「あ…」
89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 12:35:34.49 ID:YCmldqp4O [54/87]
男「気持ちは嬉しいけど、風邪がうつるよ」
お嬢様「むしろ本望ですわ」ドタドタ
女「入って…いいかな?」
男「あ、うん。ただし男友、てめーは駄目だ」
男友「なんで!?」
お嬢様「男さま!私の…私の愛の形を…」
男「あ…ありがとう…美味しくいただくよ…」
男友「俺には?」
お嬢様「ありません」シレッ
女(やっぱり渡すの、恥ずかしいや…。ここに、置いていくね…。)コトッ
―――
――
―
男友「じゃ、明日は来いよ」
女「じゃね、男君!」
お嬢様「また参上しますわ、男さま」
男「ん…今日はありがとう!また明日な!」
男「いつのまに『男さま』になったんだよ…ん?」
男「チョコの箱が二つ…?もう一つのは…ハハ、まさかね」
ガチャ
藁人娘「…」
男「おう、おかえり」
90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 12:46:51.40 ID:YCmldqp4O [55/87]
男「さて、夕食の準備しないとな」
藁人娘「私が作る」
男「え…」
藁人娘「…駄目?」
男「それじゃ、お願いしようかな?」
藁人娘「うん」
―――
――
藁人娘「出来た」
男「おっどれどれ」
男「お…おお…どこで習った…」
藁人娘「中女友…」
男「あの子か、料理できたんだな、あの子」
男「それじゃいただきます」
――
―
男「うん…頬っぺたが落ちそうだった」
藁人娘「よかった。でも」
男「ん?」
藁人娘「本当に教わったのはこれじゃない」
藁人娘「これ…」スッ
男「…チョコケーキ?」
藁人娘「…」
男「俺に?」
藁人娘「…」コクンッ
藁人娘「食べて」
男「お…おう…じゃあ…」パクッ
藁人娘「…どう…?」ゴク…
男「うん、夕食より美味しい!」
藁人娘「………」ニコッ
91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 13:01:33.66 ID:YCmldqp4O [56/87]
翌朝
男「うし、治った」
藁人娘「よかった」
男「ありがと」
高校
男「おう」
男友「治ったか」
女「あ、男君!よかったぁ!!」
男「ありがとう!」
お嬢様「あ、男さま!復活ですのね!」
男「あ…あぁ…ありがとう…」
男友「あ、知ってたか?男」
男「ん?」
男友「今日は宿泊学習らしいぞ」
男「!!??」
男「聞いてないぞ!!」
男友「知らん、校長の気まぐれだ」
男「どこで寝るんだよ…」
男友「知らん、各自好きなところで寝ろってさ」
男「なんだよそれ…」
92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 13:12:24.73 ID:YCmldqp4O [57/87]
中学校
中女友「ねぇ知ってる?」
藁人娘「?」
中女友「今日高校は宿泊学習なんだって」
藁人娘「!!?」
中女友「やっと修学旅行終わったと思ったら今度はあっちが泊まりみたいでさー」
藁人娘「…」
夕方
自宅
プルルルル
藁人娘「…」ガチャ
男「もしもし?」
藁人娘「…」
男「もっしもーし。返事してくれ」
藁人娘「…何」
男「なんだもう帰ってたのかよ。あのな、今日は学校で宿泊学習があったんだ」
藁人娘「知ってる」
男「知ってる!?話が早い!!今日は家に帰れない!すまんが、まかせた!」
藁人娘「…」
男「はぁ…」ガチャ
男「いきなりすぎるだろ…」
93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 13:21:31.28 ID:YCmldqp4O [58/87]
校長「では、各自校舎内の好き場所で寝るように!解散!」
男友「校長ェ…」
男「大丈夫なのかよあんな校長」
男「とりあえずお前と寝るのはごめんだ」
男友「じゃ、俺は体育倉庫で」
男「おい、お前なんか狙ってるだろ」
男「じゃ、俺はここで」
男友「バイちゃ」
―――
――
―
男「ふぅ、ここの空き倉庫は狭いけど静かだからな」
男「まだマシだ」
ガララ…
男「ん…?誰?」
女「あ…」
男「女ちゃん!?」
94 名前:そんなに長編にするつもりはない[] 投稿日:2010/06/13(日) 13:52:56.15 ID:YCmldqp4O [59/87]
女「男くん…?」
男「ど、どうも」
女「う~ん、どーしよー、場所変えるねっ!」
男「いや、俺が変えるよ!ここ使っていいからさ」
女「ダメダメ!男君が先に見つけたんだよ?ここは男君のテリトリーッ!!」
男「でも…」
コツ…コツ…
男「誰か来た!見つかったら誤解されそうだ!隠れて!」
女「うんッ!!」
コツ…コツ…
男「行ったみたいだな…」
女「うんッ」
女「でもここって確か…」
男「?」
女「幽霊出るって噂だったよね…」
男「あ…」
95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 13:58:07.31 ID:YCmldqp4O [60/87]
男「やだね、そんなの迷信の…はず…」
女「でも見た人いっぱいいるみたいだよ?」
男「…」
男「…あ!後ろ!!」
女「ひゃッ!!!」
男「なんつっ亭☆」
女「あッ!?もぉーーーッ!!」ムスッ
ガタァンッ!
女「ひぁああッ!!」
ガバッ
男「うわっ!!」
………
男「…はぁ、はぁ…」
女「…」
男「あーびっくりした。女ちゃん?もう大丈夫だよ?」
女「…たくない…」
男「え?」
女「離したくないよ…」
男「え?」
女「ゴメン、男君…私…初めて…」
男「はい…?」
女「こんなに体が熱いの…初めてなの…」
男「」
97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 14:07:56.06 ID:YCmldqp4O [61/87]
男「あの…女ちゃ…うわっ」ドサッ
女「男…くん」ムニュッ
男「うっ…」
女「私だって女の子だよ?…だから…女の子には恥かかせないで…」
男「うぅ…」
男(女ちゃんって実は…すごいエロイ体してたんだな…感触的に…じゃなくてっ)
男「落ち着こう?ね?ね?」
女「ダメ…もう…ダメェ…」
男「う…」
ガララララッ!!
生徒「やっと見つけた」
98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 14:11:50.47 ID:YCmldqp4O [62/87]
男「え?」
女「あッ!」
生徒「還れ」シュバッ
男「何か投げた…札?」
ビシィッ
女「あっ…」
女「うっぁああああいあああああっ!!」
男「おいよせ!何かわからんが苦しんでるぞ!!」
生徒「安心しろ、苦しんでるのは中の奴だ」
女「ぅ…ぅ…」
生徒「抜けたようだな」
女「え…ここ…あッ!何?こんな恥ずかしいカッコ…!」
男「!?」
霊能生徒「お前についていた色魔は消した。もう安心だ」
男「一体…お前は…」
霊能生徒「私は霊能生徒、ん?お前…何かとてつもない邪気を感じる…」
男(ギクッ)
霊能生徒「まぁいい、近いうち…そいつも消してやろう」
男「う…」モゾ
女「ひぁうッ!?」ピクンッ
男「あ…ごめん…」
女「ん…くッ…うん…男の変態!」
男「!?」
100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 14:17:05.95 ID:YCmldqp4O [63/87]
翌朝
男「…」
女「…///」
男「なんで…?」
女「ばか…」
男友「どうした?」
女「なんでもない!!」
男友「ひぃい!!」
男(あの霊能者の子…気をつけた方がいいかもだな…)
自宅
男「ただいま」
藁人娘「おかえりなさい」
男「話がある」
―――
――
―
藁人娘「え…」
男「スマン…」
男「今日から外に出ないで欲しい」
藁人娘「なんで…」
男「お前を狙ってる奴がいる」
藁人娘「…!!」
男「その為には、外に出ないのが1番だ」
藁人娘「……でも…」
男「たのむ…わかってくれ…」
藁人娘「…」
藁人娘「……」
101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 14:24:06.31 ID:YCmldqp4O [64/87]
翌日
高校
男「皆…話があるんだ…」
男友「何?」
女「どうしたの?」
お嬢様「男様…ついに私との契りを…」
男「違う、全く違う」
―――
――
―
男友「…」
男友「え」
女「うそ…」
お嬢様「…!?」
男「本当だ、あの妹って言ってた子は本当は藁人形で…」
男「例の霊能者に、俺は目をつけられた…」
男友「どうすんだよ!?」
男「とりあえず外には出さないようにしている」
男「そこでお嬢様、妹さんを、時々遊びに来るように言ってくれないかな?」
男「アイツの…数少ない親友だから…」
お嬢様「わかりましたわ、あの子にこの事は?」
男「伝えてくれ」
女「私、何ができるかな…?」
男「すまない…俺にもわからないんだ…」
女「そう…だよね…」
男友「歯痒いな…」
102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 14:27:12.84 ID:YCmldqp4O [65/87]
休み時間
男「…あっ」
霊能生徒「ん…」
霊能生徒「ふむ…」霊能生徒「邪気が濃くなってきている…危険だな」
男「え!?お、俺のご先祖様にそんな口を聞くのか!!!」
霊能生徒「え、いや、ご先祖様は…」
男「お前のような無礼者は知らん!フンッ」スタコラサッサ
霊能生徒「…」
男「よし…上手くまいたぜ…」
104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 14:31:45.28 ID:YCmldqp4O [66/87]
自宅
男「ただいまー」
中女友「あっお邪魔してまーす!!」
藁人娘「お帰り…」
男「おっ」
男「ちょっと待ってな、お菓子もってくるから」
中女友「あっおかまいなく~」
―――
――
―
中女友「あ、もうこんな時間だね、じゃあ藁人娘ちゃん!…気をつけてね」
男「帰ったか…」
男「いい友達持ったな…」
藁人娘「…うん…」
男「よし」
男「明日二人で海にいくぞ」
105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 14:36:30.70 ID:YCmldqp4O [67/87]
藁人娘「え…でも…」
男「はは、まだまだ寒いのにな」
藁人娘「じゃなくて」
藁人娘「私、外に出ていいの?」
男「発想の転換だ。お前への警戒は日々強くなってる」
男「今のうちに行きたいとこ行こう」
藁人娘「…」
男「やっぱり…行きたくないか?」
藁人娘「…」
藁人娘「行きたい…」
翌日
男「よし、出るぞ!」
藁人娘「うん」
男「カメラも持った。金も持った」
男「今日は本当は学校で授業」
男「したがってアイツの危険性は0」
男「行くか」
藁人娘「うん」
106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 14:40:50.12 ID:YCmldqp4O [68/87]
海
ザザーン…
藁人娘「…わ…」
男「キレイだなー」
男「おお、カモメもおるわおるわ」
男「安心しろ、エサは持ってきた」
男「カモメにやってみろ」
藁人娘「…」
バクンッ
藁人娘「ッ!」ビクッ!
男「あははは、すごいビビったろ、今」
藁人娘「うん…」
男「まだ寒いから泳いだりはできないけど、海っていいねぇ」
藁人娘「…」
男「よし、昼飯食うか」
107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 14:47:30.99 ID:YCmldqp4O [69/87]
男「ふふ、今日はゴージャスに作って来た」
男「見たまえ、この自信作の結晶達を!!」
藁人娘「…」パクッ
藁人娘「美味しい…」
男「さぞ美味かろう!なんせ俺は家庭科5…」
藁人娘「それは前にも聞いた」
男「あれ?そうだっけ?」
藁人娘「…」
男「…ぷっ」
男「あはははは」
藁人娘「フフフフッ!」クスクス
男「よし…」
男「記念写真だ」
藁人娘「…え」
男「ばか、こんな日に写真撮らんでどうする」
男「さっ笑って」
藁人娘「…」
男「うむ…」ツンッ
藁人娘「!!」ビクッ
藁人娘「…脇腹つつかないで」
男「だって笑わないんだもん」
男「撮るぞ!」
藁人娘「…」ニコ…
パシャッ
108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 14:53:25.95 ID:YCmldqp4O [70/87]
翌日
男「よし、学校行ってくるな」
藁人娘「うん」
男「それじゃ!」バタンッ
高校
男「どうだった?」
男友「昨日は普通、いつも通りだった」男友「アイツの通学路は俺が補足してるからな!」
男「おお…なんか変態っぽいけどありがとう」
自宅
中女友「また中学校休んで来ちゃった」
藁人娘「いいの?」
中女友「全然!義務教育だから痛くも痒くもないよ!」
中女友「ところで、その写真ずーっと眺めてるけど、藁人娘ちゃんと男さんだよね?」
藁人娘「うん…」
中女友「男さんの事、好きなんだよね…」
藁人娘「…うん」
109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 15:00:49.18 ID:YCmldqp4O [71/87]
男「髪が伸びて来たな…また…」
藁人娘「…」
藁人娘「私も切りたい」
男「ダーメ、外は危ないの。俺が切ってやろうか?センスは保障できんが…」
藁人娘「…」
男「しかも、お前の髪は一度切ったら元に戻んないんだから、あとで後悔するぞ?」
藁人娘「…」
男「ん?どうした?」
藁人娘「人形だから?」
男「?」
藁人娘「私が呪いの人形だから、外に出ちゃダメなの?」
男「違う、お前を狙ってる奴が」
藁人娘「だいたいわかる!私が呪いの人形だから、その人が私を狙ってるんでしょ!?」
男「おちつけよ」
藁人娘「私だって、人形じゃなかったら!人間だったら!」
藁人娘「女さんや、お嬢様みたいに、同じ土俵に立ちたかった」
藁人娘「せめて人間に生まれたかった!!」バッ
ガチャンッ
タタタタタタッ
男「おいっ!!」
男「まいったな…」
110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 15:03:58.12 ID:YCmldqp4O [72/87]
霊能生徒「これは…とんでもない邪気…!!」ダッ
男友「あっ」
自宅
プルルルル
男「もしもし」
男友「もしもしじゃねぇよ!!霊能生徒の奴、急に血相変えて走っていったぞ!!何かあったんじゃねぇのか!?」
男「なんだと!?マズい!!」ダッ
111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 15:08:52.45 ID:YCmldqp4O [73/87]
藁人娘「はぁ、はぁ、」タッタッタッタ
藁人娘「男なんて…嫌い…!結局…結局私をちゃんと見てくれてなかった!!藁人形だからって!!う…うぅ…グスッ」タッタッタッタッ
男「ちっ…どこに行った!?」
男「すみません!このくらいの身長の女の子見ませんでしたか!!?」
市民「さぁ…知らないねぇ…」
男「くっ」ダッ
霊能生徒「これだけ力が強ければわかる…こっちの方角か!!」
112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 15:14:48.37 ID:YCmldqp4O [74/87]
女「ここは通さないよ!!」
霊能生徒「!」
霊能生徒「私がどこに行こうとしてるか知りもしない癖に…」
女「男友君から聞いたの!貴方は邪気ってのを消そうとしてるんでしょ!?そんなのさせない!あれは邪気なんかじゃない!!」
霊能生徒「なに?大して知りもしない者がでしゃばるな!!」
女「私は貴方より何倍も知ってる!あの子は大人しいってこと!!でも本当はいい子ってこと!!男君のことが好きってこと!!」
霊能生徒「!?なるほど…あいつの所に行けば手掛かりが掴めそうだ」
女「行かせない!!」
霊能生徒「どけッ!!」
女「キャアッ!!」
113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 15:21:08.52 ID:YCmldqp4O [75/87]
男「ゼェッ…ゼェッ…」
男「どこに行きやがった…」
『お嬢様「心配ありませんわ!!」』
男「お嬢様!?どこから…」
『お嬢様「今、スタッフ総動員であの子を捜しています!これで見つかる時間はぐっと短縮できます!」』
男「へ、ヘリコプター!?」
霊能生徒「…」ザッ
男「お前は…」
霊能生徒「お前から邪気は感じられないが、『あの子』とやらをてなづける道具にはなりそうだな。だが道具に用はない…てなづける必要もない。消すのみ…か」バッ
男「待て!!」ガシッ
霊能生徒「離せ」ググッ
男「行かさん…ぞ…」
115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 15:26:04.48 ID:YCmldqp4O [76/87]
霊能生徒「理解できんな」
男「…」
霊能生徒「そいつはお前に散々と迷惑をかけた筈だ。精神的…経済的…さらには命にまでかかわるほどの事故まで…な」
男「あぁ…大当りだ…占い師にでもなったらどうだ?」
霊能生徒「…」
男「あいつと一緒にいたとき、女ちゃんに嫌われかけた」
男「あいつと一緒に暮らすから、学費、食費が余計にかかるようになった」
男「あいつと一緒にいたら、タンスが倒れたり、はたまた観覧車のボルトが外れた!」
霊能生徒「…」
男「だからなんだ?」
霊能生徒「!?」
116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 15:29:21.30 ID:YCmldqp4O [77/87]
男「それでも俺はあいつに出会えたことを、人生1番の幸せだと思ってる!!」
霊能生徒「こいつ…気に触れたか…」
男「キチガイだって言われてもいい!あいつは人間だ!!藁人形でも人間なんだ!!」
霊能生徒「チっ…」バッ
男「うわっ」
タタタタタタタタッ
男「待て!待ちやがれぇ!!」
118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 15:33:39.90 ID:YCmldqp4O [78/87]
霊能生徒「ちっ、バイクに乗るのは気がひけるが、仕方ない、この為の道具なのだから!!」
ブォォォオン
男「くそっ…なんて速さだ!!」
男「足が…動け!動け!」
『お嬢様「見つけましたわ!ここから10キロの海岸にいるようです!いますぐそちらにヘリを寄越します!!」』
119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 15:37:31.88 ID:YCmldqp4O [79/87]
海
藁人娘「…」
藁人娘「男…写真もって来ちゃった…」
藁人娘「あの時あんなに穏やかだったのに」
藁人娘「今日はこんなに荒れてる…」
藁人娘「…私は…私は…」
霊能生徒「見つけた」
藁人娘「!?」
ヘリ内
お嬢様「男さん、落ち着いてください!」
男「わかってる…ありがとう…だけど、こうしている間にも…!!」
お嬢様「…」
男「藁人娘…」
120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 15:45:03.75 ID:YCmldqp4O [80/87]
お嬢様「着きました!!でも、ここまでにしかヘリは止められないんです…」
男「よし!ありがとう!」
男「ハァッハァッ」ダッダッダッ
海
藁人娘「あ……あああ………」ガタガタガタガタ
霊能生徒「よもやこんな姿で人間社会に住みついていたとはな…」
霊能生徒「大人しく神社仏閣で縮こまっていればよかったものを…」
霊能生徒「『藁人形ごとき』の分際で私の手を煩わしたな…まぁいい、消えろ!!」スッ…
男「待てーーーーーーッ!!!」ダダダダッ
藁人娘「男……?」
男「間に合え!間に合えーーッ!!」
霊能生徒「フン」ビッ
藁人娘「 」
男「え………」
藁人娘「大好き……」
ビシィッ!!
121 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 15:51:02.16 ID:YCmldqp4O [81/87]
―――
――
―
霊能生徒「フン…」
お嬢様「そ…そんな…」
霊能生徒「呼び掛けたところで無駄だ、そいつは完全に消えた…見ろ、ただの藁の塊になっているのがいい証拠だ」
男「おいっ!!!藁人娘!!おい!!聞こえてんだろ!!?なぁ!!」
霊能生徒「…私は、任務を遂行したまでだと言っておく…」
男「おい!戻せるんだろ!?戻せよ!!早く!!」
霊能生徒「できんな。できたとしても、お前の不幸が増えるだけだ。これで晴れてハッピーエンドじゃないか」
男「てめぇ!!」
霊能生徒「フンッ」
男「ちくしょう…ちくしょう…」
122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 15:56:07.26 ID:YCmldqp4O [82/87]
翌日
自宅
男「…藁人娘…」
男「スマン…俺が…俺があの時…」
男「………」
学校
男友「そんな…」
お嬢様「ごめんなさい…本当に…」
女「お嬢様が悪いわけじゃないよ…」
男友「俺、あいつをぶん殴ってくる」
女「だめ!!」
男友「なんで!!」
女「落ち着いて…お願い…」
男友「だって…だってさ…」ジワッ
男友「悔しいよ、俺…」
お嬢様「うぅ…」ポロッ
女「……」グスッ
123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 16:00:45.04 ID:YCmldqp4O [83/87]
一週間後
男「…決めた」
男「海に行こう」
男「この写真を持って…」
男「こいつの笑顔の写真を持って…」
男友「俺も行くよ」
女「私も!」
お嬢様「私も」
中女友「私だって!」
男「ありがとう…でも…」
男「一人で…俺だけでやらせて欲しい…こいつの弔いは…」
男友「でも…」
女「うん…わかった…」
男友「っ…?」
女「今は…一人にしてあげましょう」
124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 16:04:49.25 ID:YCmldqp4O [84/87]
海
男「ここか…」
男「お前と写真撮った場所は…」
男「お前、最後まで大人しい奴だったな…」
男「何が大好きだよ…お前が生きてなきゃ意味ねぇじゃねぇか…!」
男「…」
男「とりあえず、お前の体の藁は、ここに、海に葬ることにした…」
男「俺のわがままで無理矢理作った思い出の場所だからな…」
男「…さよなら…」
125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 16:10:52.37 ID:YCmldqp4O [85/87]
男「…」
男「さよなら…か…」
男「確かにお前が来てから、運は悪くなった…死にかけもした」
男「でも、俺はお前が、大好きだった」男「今でも大好きだぞ」
男「これ…あいつが聞いたらなんて言うかな…はははっ」
藁人娘「私も大好き」
男「…」
藁人娘「そう言うと思う…」
男「お前…」
藁人娘「私…」
男「大丈夫なのか!?どうやって!!?」
藁人娘「知らない」ギュッ
藁人娘「人間じゃなくても…好き?」
男「…え?」
藁人娘「私…人間になりたいな…」
男「人間じゃなくたって大丈夫だよ…」
126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 16:15:10.87 ID:YCmldqp4O [86/87]
半年後
男「さっ俺はそろそろ高校に行くぞ」
藁人娘「うん」
男「お前も早く行けよ中女友ちゃんが待ってるだろが」
藁人娘「うん」
中女友「藁人娘ちゃん!来たよーッ!!」
男「ほら、来たぞ?」
藁人娘「行ってくる…」ガチャ
男「あぁ、ちょっと待て」
藁人娘「…?」
男「お前、そろそろ髪伸びて来たんじゃないのか?また切らないとな」
藁人娘「…うんッ!」
FIN
128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 16:19:28.91 ID:YCmldqp4O [87/87]
燃えつきたぜ…真っ白に…さぁ寝るか!
男「なにこれヤバイ」
男「さ…俺は何も見なかった」
男「帰ろう」
自宅
男「えー鍵、鍵」ゴソゴソ
男「……」スッ
男「嘘だろ…」
男「俺は確かにあの人形を華麗にスルーした筈…」
男「何故ポッケに入っている!!」
男「なにこれガチじゃねぇか…」
部屋
男「おい」
男「なんだこれは」
男「マジで呪いの人形じゃねぇか…」
男「しかも釘の穴が空いてるし…」
男「今からでも遅くない!捨ててや…」
カッ
4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 23:35:39.31 ID:Tdjk1YDXO
―――
――
―
男「おい」
藁人娘「…」
男「おい」
藁人娘「ん?」
男「えーと…お家はどこかな?」
藁人娘「…ない…」
男「お母さんは?」
藁人娘「多分いない」
男「お父さんは?」
藁人娘「…」フルフル
男「なん…だと…」
男「てか…さっきまで君は何だったと思う?」
藁人娘「…藁人形…」
男「今は?」
藁人娘「…藁人形…」
男「いやどうみても人間だろ…」
男「このスベスベのお肌といい」
男「このサラサラ黒髪セミロングといい」
5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 23:38:08.71 ID:Tdjk1YDXO
男「どうしても藁人形だっていうんだな?」
藁人娘「…貴方もさっきその目で見たでしょ」
男「いや、あれは幻覚だ、初夢だ」
藁人娘「いい加減現実を受け止めて」
男「いや、むしろ今のこの状況さえ夢の中だな!ワッハッハ」
藁人娘「いい加減現実を受け止めて」
男「ええい!黙れ黙れ!!この悪霊め!!」
藁人娘「悪霊と一緒にしないでッ!!!!!!」
男「っ…」
男「ジョ…ジョークジョーク…」
藁人娘「…」
男(そんなに嫌なのか…)
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 23:40:59.27 ID:Tdjk1YDXO
男「で、何でこの姿に?」
藁人娘「神社から出たから」
男「ん?」
藁人娘「神社の力のせいで、この姿にはなれなかったの」
男「永久に藁人形のままだったってこと?」
藁人娘「そう」
男「俺はどうやら大変なパンドラボックスを空けたらしいな」
男「誰がお前を作ったか知ってるの?」
藁人娘「…知らない…」
男「あららら」
藁人娘「気付いたら神社」
男「…とりあえずはここに置いといてやるよ。行くとこないんだろ?」
藁人娘「ありがとう…」
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 23:42:39.57 ID:Tdjk1YDXO
男「とりあえず、お雑煮でも食べなさい。ちょっと待ってて」
男(しかし暗いなこの子…)
男「そうだ、新春お笑い番組でも見とけ」
藁人娘「…」
TV『ワーワー』
藁人娘「…」
―――
――
―
TV『ワハハハハハ』
藁人娘「…」
男「……できました…よ?」
藁人娘「あ…ありがとう…」
男「はは…」
藁人娘「…」ズズ…
藁人娘「あ…」
男「ふふ、さぞ美味かろう、家庭科は5だったからな。更にそれに改良をだな…」
藁人娘「わかりましたもういいです」
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 23:45:35.16 ID:Tdjk1YDXO
藁人娘「ごちそうさま」
男「おう」
男「さ、お前にはいろいろ聞きたいことがある」
―――
――
―
男「まぁ…一応きく、性別は?」
藁人娘「女」
男「名前は?」
藁人娘「ない」
男「…年齢は?」
藁人娘「知らない」
男「……」
男「仕方ない、これを使おう」
藁人娘「何それ」
男「肌年齢スキャナだ、一人暮し始めるときに母に何故かこれだけは持っていけと言われた」
男「どれ…」ピッ
男「ふむ…14歳…まぁ見た目通りか」
10 名前:こう…かな…///[] 投稿日:2010/06/12(土) 23:51:46.42 ID:Tdjk1YDXO
男「さて、まだまだ計らなければならないことがある」
藁人娘「…」
身長
150センチ
体重 10g
男「軽っ!!グラム!?」
藁人娘「もともと藁人形だから…」
スリーサイズ
藁人娘「駄目」
男「うっ…何故だ」
藁人娘「胸小さいのわかってるくせに…」
男「よし、お前がそれを気にしていることが分かっただけで充分だ」
藁人娘「…」ジト…
男「うっ…その目をやめろ」
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 23:52:56.57 ID:Tdjk1YDXO
男「さぁ、貴方の特徴を自分で言ってください!」
藁人娘「…ない…」
男「…おう…なんかないの?」
藁人娘「女」
男「うん…うん…それも特徴の一つだね…でもさぁ、」
藁人娘「あ」
男「ん?」
藁人娘「貴方、名前は男って言ったよね」
男「あぁ」
藁人娘「…不幸になるかも」
男「え!親から授かった大事な名前なのに」
藁人娘「名前は関係ない」
男「?」
藁人娘「私は呪いの目的で作られたから…一緒にいると…」
男「ほうほう、なるほど」
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 23:54:15.17 ID:Tdjk1YDXO
藁人娘「だから…この家には入られない」
男「なんで?」
藁人娘「話をちゃんと聞いててくれる?」
男「いやだからさ、不幸になるからって、なんでここ出るの?」
藁人娘「…迷惑はかけられない」
男「いやいや、不幸になるからってこんな子を追い出す奴がどこにいる」
男「それに追い出して、お前に恨まれてみろ。もっと不幸になりそうだ」
藁人娘「大丈夫…恨まない…」
男「怨まんでも俺の気が済まない!よし、今日からここはお前の家だ!」
藁人娘「え…?」
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/12(土) 23:58:07.33 ID:Tdjk1YDXO
夜
男「まいった。これはまいった」
藁人娘「…」
男「風呂も入った。俺も入った。お前も入った。ここまでは問題ない」
男「布団が一つしかない」
藁人娘「…」
男「よし、ちょっと寒いが、俺はソファで寝るから、お前は布団で寝ろ」
藁人娘「え…でも」
男「女の子が体冷やしちゃいかん!いいな?」
藁人娘「…いいの?」
男「問題ない」
藁人娘「…ごめんなさい…」ゴソッ…
男「よしっ…」
男「電気消すぞ」
藁人娘「うん…」
フッ…
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 00:02:25.07 ID:YCmldqp4O [1/87]
深夜
男「ん」
男「まだ夜か」
男「うぅ…寒い…」
男「ん?」
???「…」
男「うぉああっ!?」
藁人娘「…」
男「なんだお前か…なんでここに立ってんだよ…」
藁人娘「寝れないの」
男「不眠症…まぁ呪いの人形っぽくはあるが…」
藁人娘「始めて布団で寝るから…今までは藁人形だったから…」
男「なるほど、落ち着けないのか」
藁人娘「一緒に寝て」
男「…は?」
藁人娘「ちょっとは寝やすくなるかも」
男「お…おいおい…」
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 00:03:53.22 ID:Tdjk1YDXO
男「それは…お前…だってさ…」
藁人娘「駄目?」
男「う…」
藁人娘「…」
男「ええいわかった!寝りゃいいんでしょ?」
藁人娘「ありがと」―――
――
―
男「うん…うん…予想はしてたけどさぁ…」
藁人娘「…」スゥ…スゥ…
男「俺が寝れなくなるのね」
男「まぁ、あったかい布団で寝れるしいいか」
朝
藁人娘「ん…」ムク
男「オハヨウゴザイマース…」
藁人娘「っ」ビクッ
男「いや、俺の目の隈が酷いのは分かるよ?でもそんなに怖がる必要はないよね?」
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 00:06:48.44 ID:YCmldqp4O [2/87]
男「さて、そろそろ学校に行く時間だな」
藁人娘「高校生だったんだ」
男「あぁ、一人暮しのな」
男「あ、そうそう、なんかまだまだお前には分からんことがあるから、外に出るのはまだしも、くれぐれも遠くには行かないように」
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 00:12:37.58 ID:YCmldqp4O [3/87]
学校
男友「おっす男~」
男「おっす。しかし正月明け早々授業とはこの学校はイカレてるぜ…」
女「おっはよーッ!男くんッ!」
男「おっおはよう、女ちゃん」
男「ところで男友」
男友「なんだ」
男「お前に相談したい事がある」
―――
――
―
男友「呪いの人形を拾ったらどうするかって!?」
男「あぁ」
男友「お前…まさか…」
男「…あぁ」
男友「なんと…俺なら有名な寺行って供養するね」
男「でもそしたら、その人形の気っていうか…霊みたいなんは消えるよな?」
男友「そのための供養だろが」
男「だよな…」
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 00:16:24.76 ID:YCmldqp4O [4/87]
自宅前
男「ふぅ…今日は疲れたな…」
近所のオバサマ方「あら、男君よ。今日あの子の家からね、女の子が顔出してたのよ~。学校はどうしたのかしら?まさか監禁!?」ヒソヒソ
男「…」
ガチャ
男「おい、藁人娘」
藁人娘「あ、おかえり」
男「明日から学校に行ってもらう」
藁人娘「え」
男「あ、お前は中学校な」
藁人娘「…え?」
男「よし、今から手続きだ」
藁人娘「?」
20 名前:改行しすぎたら駄目みたいだ[] 投稿日:2010/06/13(日) 00:26:23.70 ID:YCmldqp4O [5/87]
翌日
男「さぁ、今日からお前も立派な中学生だ」
藁人娘「…」
男「昨日走りまわって制服買って来たんだぞ?高ぇよしかも。」
藁人娘「どこ?」
男「あぁ、最初は送ってやるよ」
藁人娘「…」
―――
――
―
藁人娘「…」スタスタ
男「中学校は高校の隣だからな、わかりやすい」スタスタ
クロネコ「ニ゛ャ―ッ」シュババッ
男「うおぅっ!」
男「クロネコが横切るとか…ははっ偶然偶然」
藁人娘「…ごめんなさい…」
男「偶…然…」
女「あっ!男君、おはよー!」
藁人娘「…」
女「あ、妹さん?いくつ?」
藁人娘「知ら
男「14だ!14!家に越して来たんだ!」
女「へぇー、一瞬男君ってロリコンなのかと思っちゃった…」
男「え…」
女「あはは、教室でね!バイバーイ!」
男「逃げられた…だと…」
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 00:33:28.00 ID:YCmldqp4O [6/87]
中学校
先生「今日から、転校してきた転校生です」
藁人娘「…」
先生「お名前は?」
藁人娘「…藁人娘です」
先生「皆、仲良くするように。あそこの席座って」
藁人娘「…」スタスタ…ストン
休み時間
中女友「藁人娘ちゃんだっけ?よろしくね!」
藁人娘「…うん…」
中女友「静かなんだね、私と正反対だね。でも、仲良くなれる気がするのっ」
藁人娘「…」
中女友「じゃあ、学校の中案内するね!」
藁人娘「…ありがと」
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 00:38:19.44 ID:YCmldqp4O [7/87]
高校
男「違うっ!!」
男友「本当に?」
男「断じて違う!!」
男友「…」ニヤニヤ
男「俺はロリコンじゃないっ!!」
男友「かわいそうになぁ、妹ちゃんも。兄貴にそんな目で見られて」
男「何故そうなる」
男「くそう、女ちゃんにロリコンと思われちまった!」
男友「俺もあの状況見てたからなぁ…プッ」
男「くそう!女ちゃん違うんだ!!俺は女ちゃん一筋だ!!!」
…シーン…
クラスメイト「マジかよ…」ヒソヒソ
男友「今女ちゃんがいなくてよかったな」
男「…うん…」
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 00:45:48.96 ID:YCmldqp4O [8/87]
帰り道
男「はぁ…おっ?」
藁人娘「あ…」
―――
――
―
男「どうだった?中学校は」
藁人娘「…」
男「友達できたか?」
藁人娘「…多分…」
男「多分?」
藁人娘「うん…多分」
男「どんな子?」
藁人娘「明るい子…」
男「そりゃお前にピッタリだな」
男「お前大人しすぎるから、上手くやれるか心配だったんだけど…その調子なら上手くやれそうだな」
藁人娘「うん…」
男「よし、今日は家でゆっくり休むか」
藁人娘「うん」
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 00:51:33.43 ID:YCmldqp4O [9/87]
自宅
藁人娘「ねぇ、男」
男「ん?」
藁人娘「兄妹って…どんな感じ?」
男「どんな感じって…急にどうした?」
藁人娘「学校で聞かれたの、兄弟姉妹はいるのかって」
男「なんて答えた?」
藁人娘「いないって言った」
男「…俺は?」
藁人娘「あなたは男」
男「うん…うん…そうだけどさ…」
男「ちなみに俺は妹って答えた」
藁人娘「知ってる」
藁人娘「妹…」
男「ん?」
藁人娘「なんかいや…」
男「じゃあどうする?」
藁人娘「………」
藁人娘「…もういい」
男「あらら」
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 01:02:31.64 ID:YCmldqp4O [10/87]
中学校
中女友「おはよっ」
藁人娘「おはよ」
中女友「ねぇ、今日一緒に学校来てた人ってお兄さん?」
藁人娘「………」
藁人娘「…」
藁人娘「うん…」
中女友「やっぱり~!なんかあの人いいかも~」
藁人娘「…」ジッ
中女友「やっやだなぁ、そんな怖い顔しなくても~」
イケメン「あ、藁人娘ちゃん?あのさ、ちょっと話があるんだよね」
中女友「あッ」
藁人娘「何」
イケメン「もしよかったらさぁ、俺と一緒に遊園地とか行かない?ふ・た・り・で」キラッ
クラス女「キャ~~~~~~ッ!!」
藁人娘「いい」
イケメン「へ?」
藁人娘「遠慮しとく」
イケメン「ア…ハハ、そう?別に遠慮しなくても…」
藁人娘「…」ジトッ…
イケメン「うっ…じゃあ、失礼するよ」
ガタァン
イケメン「ひでるっ!」
クラス男「おい!急に転んでどうした!あ…おい!鼻折れてるぞ!!」
イケメン「あ…あふぁあああっ!」
藁人娘「…」
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 01:08:44.44 ID:YCmldqp4O [11/87]
高校
男友「よう女ちゃんファン」
男「うるせーやい」
男友「どうする?お前、ライバル多いぞ?」
男「るせー愛は無敵だ」
男友「その無敵が何十といるんだがなぁ…」
男「俺は勝つ」
男友「そうか…」
女(男くん…///)ポケーッ
女友「コラ女!何ポケッとしてんのよ!」
女「ふぇっ!?あっゴメンッ!」
お嬢様「昨日の事が本当なら、男さんは女さんの事が…むむ…私の財閥は今まで負け無しですのよ…そう…恋愛でも…くぅう」
27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 01:15:19.75 ID:YCmldqp4O [12/87]
お嬢様「男さん?ちょっとお話が…」ポッ
男友「あ…俺でよければ」
お嬢様「貴方じゃよくありませんので男さんを」シラッ
男「あ…はい」
お嬢様「あの…私…貴方に興味がありますの…」ポッ
男「え」
お嬢様「もっとお近づきたいの…まだ…もっと近付いて…」
男「ちょ、ちょっと?」
お嬢様「いいえ…まだ足りませんわ…」ムニュッ…
男(これは…Eカップ…じゃなくて)
男「ちょっとまった!いきなり近付いても警戒されるだけだぞ!?まずはゆっくり仲良くなろう…!」
お嬢様「はいっ」
お嬢様(チッ…色気づくは通用しませんでしたわ…)
男友「うらやまけしからん」
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 01:24:04.25 ID:YCmldqp4O [13/87]
帰り道
男「どーだ?」
藁人娘「何が」
男「学園生活」
藁人娘「…」
藁人娘「遊園地ってどんなところ?」
男「お!友達と行くのか」
藁人娘「行かない」
男「?」
藁人娘「男は行かないの?」
男「行ったことくらいあるさ、流石に」
藁人娘「行きたい」
男「え?」
藁人娘「遊園地行ってみたい」
男「友達と行くんだろ?金の事なら心配すんな」
藁人娘「男と行く」
男「え」
藁人娘「言わせないで…/」
男「え?え?」
藁人娘「もう帰る」
男「おっおい走るなっこっちは疲れてんだぞ?おーい!」
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 01:39:54.55 ID:YCmldqp4O [15/87]
自宅
男「じゃあ、再来週の日曜日にな」
藁人娘「…うん」
男「あと、遊園地とかは大勢で行ったほうが楽しいからな、その友達も呼ぶといい」
藁人娘「わかった」
男「まさかお前の口から遊園地が出てくるとはな…」
藁人娘「変?」
グラグラ
男「おっ地震か…」
グラッ
男「タンスが!危ない!」
藁人娘「っ!」
ガスッ
男「ぐっ…」
藁人娘「…ぁ…」
男「大丈夫…か?」
藁人娘「…う、うん…」
男「ぐっ…よいしょっ!ふぅ…」ドスンッ
藁人娘「…」
藁人娘「ごめんなさい…」
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 01:45:55.52 ID:YCmldqp4O [16/87]
翌日
中学校
中女友「え!?行く行く!」
藁人娘「わかった」
高校
男友「おう、行ってやろうじゃないの」
男「おう」
男「女ちゃんも…よかったらどうかな?」
女「え?あッ行く!行くよッ!!」
男「やった、これで決まりだな」
お嬢様「あら、この私をお忘れですの?」
男「あ」
お嬢様「貴方だけじゃ不安ですので、着いていきますわ。別に男のためじゃありませんことよ!!///」
お嬢様(決まった…このツンデレで男さんは…!)
38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 01:55:00.46 ID:YCmldqp4O [17/87]
再来週の日曜日
男「さっ行くぞ」
藁人娘「うん」
男「あっほら、ここ曲がってるぞ。友達も拾っていくからな、お洒落しないと」
男「これでよし!」
藁人娘「ぁ…ありがと…」
男「ん?」
藁人娘「なんでもない」プイッ
男「?」
遊園地
男「着いたぞ」
藁人娘「わ…」
中女友「うわぁっ」
男「結構広いな、ここは…」
男友「あ!おい!こっちだ!」
男「おっ」
中女友「あっ!?」
お嬢様「なっ!?」
中女友「お姉ちゃん!?」
お嬢様「あ…なんで貴方がここに?」
中女友「だって、藁人娘ちゃんと友達だから…」
お嬢様「ふふん、ここでも妹の世話に追われるとは…はぁ…」
男友「え?何?感動の再会?」
お嬢様「全然…」
女「まぁ、集まったし、ジェットコースターのろーよ」
男「そうだね」
40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 02:07:45.57 ID:YCmldqp4O [18/87]
ジェット
女「キャーーーッ!」
中女友「わぁーーーッ!」
男「うおぉぉぉああ」
藁人娘「ッッッッッ!!!」
男友「うっひょーーーーッ」
お嬢様「………………」ガク…
―――
――
―
中女友「ちょっと!?お姉ちゃん!お姉ちゃん!」
男「よっぽど怖かったんだな…」
女「失神してる…」お嬢様「………」シーン…
―
――
―――
お化け屋敷
男「お嬢様は中女友に預けたわいいが…怖いなここ…しかし藁人娘は怖くないのか?」
藁人娘「何が?」
男「ですよね…」
男友「うわぁ…暗くて見えない…」サワッ
男「残念だったな、それは俺の尻だ」
男友「何!?くそ…」サワッ
女「ひァんッ!?」ビクッ
男「」 バキッ
男友「ぐえ!」
41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 02:11:47.21 ID:YCmldqp4O [19/87]
中女友「お帰りなさい…あれ?なんで男友さんはそんなにボロボロなの?」
男「あぁ、中のアトラクションは凄まじすぎた」
男友「誰が…」
男「なんか言った?」
男友「別にぃ?」
お嬢様「私としたことが…とんだ醜態を…」
女「あっ起きた」
藁人娘「…」
44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 02:21:31.04 ID:YCmldqp4O [20/87]
男友「さぁ、お待ち兼ねの観覧車ですよ」
藁人娘「観覧車」
男友「さぁ!僕と一緒に」
男「死ね」
お嬢様「男さん…私と一緒に愛の展望台で二人の未来を眺めましょう」
中女友「お姉ちゃんはまた何か起こしそうだから私と一緒ね」
お嬢様「なっ…!?」
―――
――
―
中女友「わぁーいい眺め!」
お嬢様「そうね」シレッ
男友「おお…いい景色だ…だが君には劣るよ…君の美にはね」
男友「…」
男友「なんで俺だけ一人なんだ」
男「なぁ」
藁人娘「…」
女「…えへへ」
男「ここだけ3人って…男友かわいそうだろうが…」
45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 02:26:24.47 ID:YCmldqp4O [21/87]
男「…」
女「いい眺めだねー」
藁人娘「…」
男(うん…両手に花…申し分ないんだけど…だけど…)
藁人娘「…あ、鳥」
女「高い…ちょっと酔ってきたぁ…」
男「なんだかなぁ」
バキンッ
男「!?」
47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 02:36:57.62 ID:YCmldqp4O [22/87]
グラァッ
男「うわっ!!」
女「キャァッ!」
藁人娘「ぁッ!!」
男「ぐっ…」ブラーン
女「男…くんっ!大丈夫!?」
藁人娘「男…!」
男「くっ…まさか観覧車のボルトが外れるなんてな…流石にビックリだぜ…外に放り出されたのが俺だけでよかった…」
男友「なっ!?男!!」
お嬢様「男様ァーー!!すっすぐにヘリを手配なさい!」
中女友「はい!」
―――
――
―
女「くぅう…」プルプル
藁人娘「う…うぅ…」プルプル
男「おい!二人とも手を離せ!お前らまで落ちたらシャレにならん!」
藁人娘「嫌!!落ちてもいい!!」
女「うん!!」
男「そんな…」
男友「男!!これに掴まれぇ!」
48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 02:38:08.38 ID:YCmldqp4O [23/87]
>>46
無理せんでもええ。婆ちゃんはいつでもヒロシの味方じゃ
49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 02:46:54.98 ID:YCmldqp4O [24/87]
男「おお…マフラー、ズボン、上着、Tシャツ、その他諸々…俺が手に持つところにトランクスが来ているのは気に入らんが助かった!!」
男友「寒ぃ~~早くしろォ!!」
男「おう!」ガシッ
バラララララ
お嬢様「オーッホッホッホ」
男「お!」
お嬢様「愛のヘリ、今貴方の元へ来ましたわ!!」
中女友「これに乗ってくださいっ!」
男「ありがとう!!」
―――
――
―
男「ふぅ…」
藁人娘「………」
男友「一時はどうなるかと…」
お嬢様「私の力にすればお茶のこさいさいですわ」
女「よかったぁ…本当によかったぁ…」グスッ
50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 02:56:03.33 ID:YCmldqp4O [25/87]
帰り道
男「ふぅ…今日は疲れたな…」
藁人娘「……」
男「なんだかゴメンな、せっかくの初めての遊園地だったのに…」
藁人娘「………」ジワッ
ガバッ
藁人娘「ちがう…ちがうの…」
男「?」
藁人娘「ごめんなさい…ごめんなさい…私のせいで…私のせいで…!!」グスッ
男「違う」
藁人娘「ごめんなさい…!」
男「違う!!」
藁人娘「っ…?」グスッ
男「お前のせいじゃない…」
藁人娘「でも…私は…」
男「仮にお前のせいだったとしても、こうして助かったんだ。ハッピーエンドじゃないか」
藁人娘「…」グスッ
男「さ、お土産のケーキも買ったし、はやく家帰って食べるぞ!な?」
藁人娘「……うん……」
51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 03:07:12.20 ID:YCmldqp4O [26/87]
1週間後
男「何?」
藁人娘「…」
男「修学旅行?」
―
――
―――
前日
中女友「明日は修学旅行だね!」
藁人娘「修学旅行?」
中女友「クラスで旅行にいくの。知らないの?」
藁人娘「……」
中女友「この前は遊園地で大変な目にあったから、今回は平和に終わって欲しいね」
藁人娘「…」シュン…
中女友「え?なんでヘコむのさ!?」
―
――
―――
男「なるほどな」
藁人娘「うん…」
男「よし、準備するか!」
藁人娘「うん」
男「そういえば、俺、最近髪伸びてきたな…」
藁人娘「…」
男「お前は伸びてないみたいだけど、どうしたんだろ」
藁人娘「人間じゃないから…」
男「あ…」
藁人娘「伸びないの」
男「へぇ…まぁ、その長さだとヘアスタイルは色々あるだろうな」
藁人娘「……」
53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 03:11:56.28 ID:YCmldqp4O [27/87]
当日
中女友「迎えにきたよー」
男「おう、おはよう。準備はできたか?」
藁人娘「うん」
男「よし、行っておいで」
藁人娘「その子供づかいやめて欲しい」
男「ごめんなさい、調子乗りました」
中女友「もうすぐ集合時間だよ!行こ!」
藁人娘「ん」
男「気をつけろよ!」
男「4日間、寂しくなりそうだなー」
54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 03:20:32.24 ID:YCmldqp4O [28/87]
バス
中女友「あのねーそれでねー!!」アハハ
藁人娘「ん…」
藁人娘(男と離れて4日間か…)
高校
男「おはよ」
男友「おはよ」
女「おはよ!男君!」
男友「今日から妹さん、修学旅行だっけ」
男「うっ何故知っている」
男友「あそこ見てみ」ヒョイ
お嬢様「あんな五月蝿い妹がいなくなってせいせいしますわ!オーッホッホッホ!!」
女「あんなこと言ってても、結構寂しいみたいだよねー」
男「寂しい…か」
56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 03:29:08.45 ID:YCmldqp4O [29/87]
夜
修学旅行
中女友「ねぇ知ってる?」
藁人娘「何?」
中女友「寝る前の戦いを」
藁人娘「?」
中女友「その名も枕投げ!行け!者どもよー!」
クラスメイツ「おりゃあ~~ッ!」
藁人娘「枕投げ?私は早く寝たぶッ!」バスッ
中女友「クリティカルッ!」
藁人娘「………」ギロッ
藁人娘「………」ガシッ
藁人娘「…………ッ!」ヒュヒュヒュヒュヒュヒュ
ヒュヒュヒュヒュヒュヒュッ!
中女友「おおう!なんという弾幕ぶわッ!」バスバスバスバス
中女友「やったなー!それー!」
自宅
男「はぁ…」
男「静かな夜もいいもんだ…」
57 名前:じゃあ4時まで頑張る[] 投稿日:2010/06/13(日) 03:34:46.86 ID:YCmldqp4O [30/87]
深夜
コチ…コチ…
男「」
男「…」
男「マズイ」
男「静かすぎて逆に眠れん…」
男「あいつ、寝息とかは凄い静かだけど、寝相は地味に酷いんだよな」
男「一日五回は蹴られるな」
男「はぁ…久しぶりだなぁこんな夜は」
修学旅行先
中女友「くぅ…すぅ…」
藁人娘「…」スゥ…スゥ…
藁人娘「…」パチッ
藁人娘「…」
藁人娘「寝れない」
藁人娘「…」モゾモゾ
藁人娘「…」スウ…スウ…
藁人娘「…」
藁人娘「…」パチッ
59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 03:46:53.83 ID:YCmldqp4O [31/87]
翌朝
藁人娘「…」
中女友「あ、あの~」
藁人娘「…何?」
中女友「大丈夫?昨日寝たの?」
藁人娘「寝てない…」
中女友「あちゃ~落ち着けないってのは分かるけどさぁ…」
高校
男「…」
男友「お…おう…」
男「おはよ…」
男友「何があった…」
男「眠れんかった…」
男友「さようか」
男「さよう」
女「大丈夫ー?」
男「大丈夫だよ、女ちゃん…」
お嬢様「可哀相に!いいえ、違いますわ!私の膝枕の為に睡眠をとっておいてくださったのね!」
男「…」
男友「じゃ、俺が代わりと言っちゃアレですが…」
お嬢様「アレすぎますわ」
男「グー…」
69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 10:00:36.59 ID:YCmldqp4O [37/87]
昼
男「ふ…」
男友「んだよ」
男「一人分の弁当はわりとゴージャスに作れるからな」
男友「それがゴージャス?」
男「うるさい!唐揚げを5つも入れれる喜びを知らんのかお前は!!」
お嬢様「あら、ゴージャスなお弁当がお好きなら、私のコックに作らせてよ?男さん」
男「…遠慮しときます…」
修学旅行先
中女友「おいし~~い!!」
藁人娘「…」パクッ
中女友「お昼からこんなもの食べられるなんて、ウチの学校太っ腹だね」
藁人娘「…うん」
中女友「写真撮ろ!一緒に!記念記念!」
藁人娘「え…」
パシャ
71 名前:待たせたな!まぁ寝ると言ってから4時に仕事が[] 投稿日:2010/06/13(日) 10:13:59.77 ID:YCmldqp4O [38/87]
風呂
カポーン
男「ふぅ…」
男「1番風呂も久しぶりだ…」
男「一人なのに風呂わかすのはなんか勿体ない気もするが…」
男「ふぅ…」
修学旅行先
中女友「ふい~気持ちいい~~…」
藁人娘「…」フゥ…
中女友「あ…やば!もうそろそろ夕飯じゃん!早っ!」
藁人娘「…体洗う」
中女友「待って!」
藁人娘「?」
中女友「修学旅行と言えば洗いっこでしょ!背中洗ってあげるね!」
藁人娘「えっ…あっ、ちょっちょっと…ぁっ」
72 名前:書類を整理してたんだがな![] 投稿日:2010/06/13(日) 10:17:49.57 ID:YCmldqp4O [39/87]
夜
男「うん…うん…」
男「刺身うめ…一人だと奮発できる」
男「でもなんだろう、なんか足りない」
男「わさび?いやそうじゃなくて」
男「やっぱアイツがいないともの足りないなぁ…」
修学旅行先
藁人娘「背中だけだって言ったのに…」
中女友「言ってない言ってない」
中女友「夕飯はバーベキューとな!?」
藁人娘「…」
中女友「この学校のいつものケチっぷりはどこへ…」
73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 10:22:37.59 ID:YCmldqp4O [40/87]
夜
男「ふぅ…二日目…」
男「流石に眠れるか?」
5分後
男「zZZ…」
修学旅行先
中女友「二日目、そろそろ慣れてきたね」
藁人娘「うん」
中女友「そこで修学旅行のお約束第二段!」
藁人娘「?」
中女友「好きな人だれ?」
藁人娘「ッッ!?///」
中女友「あははっ赤くなってるとこ初めて見た!」
中女友「てことはさー…いるんだよねー…」
藁人娘「い、いない」
中女友「誰?」ニヤニヤ
75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 11:06:09.15 ID:YCmldqp4O [41/87]
藁人娘「い、いない…!」
中女友「…」ニヤニヤ
藁人娘「ほ、ホントに…」
中女友「ふぅん。ま、言いたくないなら別にいいけど…」
中女友「まさか男さん?」
藁人娘「ッ!!!」ボンッ
中女友「なわけないよね、兄妹だから」藁人娘「…」シュウ~…
中女友「まぁ、でもいつかは教えてね?」ニコ
藁人娘「…うん…」
76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 11:11:44.32 ID:YCmldqp4O [42/87]
朝
男「あったーらしいい朝がきった」
男「きぼぉぉうのあーさーだ」
男「…うん」
男「学校いくか」
修学旅行先
藁人娘「ん…」
中女友「ふぁ…」
クラスメイツ「あ、やっと起きた」
中女友「おはよー…ふぁあ…」
クラスメイツ「あんた達、喧嘩でもしたの?」
中女友「え?」
クラスメイツ「夜中に二人で凄い勢いで蹴りの応酬してたわよ。上段、下段、はたまた中段まで駆使して」
中女友「…」
藁人娘「…」
クラスメイツ「まさか寝相…なわけないしねぇ」
中女友「…」
藁人娘「…」
77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 11:21:47.83 ID:YCmldqp4O [43/87]
お昼
男「ふぅ」
男友「ん?弁当が貧相になってんじゃん」
男「貧相とか言うな。ゴージャスに作るの面倒になった」
男友「て言ってもお前…米だけじゃん」
男「作りがいがないからなー…」
男友「なんだ、妹が修学旅行で寂しいのか。おおよしよし」
男「うるせーやい」
女「男くん?よかったら、私のおかず少し、食べる?」
男「お…おお…」プルプル
男(神よ…!おお我が主よ!!有り難き幸せ!!)
男「いただきます!」
女「えへへッ」
男友「じゃあ俺も…」
女「男友君は具だくさんでしょッ」
男「そーだそーだ」
男友「うっ…」
78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 11:26:01.44 ID:YCmldqp4O [44/87]
修学旅行先 繁華街
中女友「こんなご当地グルメがたくさん食べられるなんて夢のようだね」
中女友「家が財閥でよかったぁ~…」
藁人娘「…」
中女友「ん?どしたの?」
藁人娘「…なんでもない」
中女友「さてはホームシックだな?」
藁人娘「…?」
中女友「家が恋しいでしょ?」
藁人娘「…わからない…」
中女友「私も早く帰りたいな、やっぱりいつも寝てるベッドが1番だもん」
藁人娘「…うん」
中女友「明日には帰れるよ。お土産屋さん行こ?」
藁人娘「うん…」
79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 11:32:58.18 ID:YCmldqp4O [45/87]
夜
男「あぁ」
男「これを最後に一人の夜とはおさらばか」
男「名残おしいような嬉しいような…」
男「とりあえず一人の夜を堪能するか、よし、今日は徹夜でゲームだ」
男友「そうだな」
男「どこから沸いて出た」
修学旅行先
中女友「さて…」
藁人娘「おやすみ…」
中女友「待てぃ!!」
藁人娘「?」
中女友「もうそなたにも分かるであろう、最後の夜の過ごし方を!」
藁人娘「?」
中女友「徹夜で遊ぶのよ!オールナイトォ!」
クラスメイツ「オーッ!」
担任「五月蝿い!」ガラッ
中女友「…」スゥー…スゥー…
クラスメイツ「…」スゥ…スゥ…
藁人娘「…」
担任「ん、藁人娘だけか、お前は騒ぐ奴じゃないからな。別の部屋か」ガララ、ピシャッ
中女友「任務を再会しよう」ムクッ
クラスメイツ「サー、イェッサー」ムクッ
80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 11:38:12.94 ID:YCmldqp4O [46/87]
中女友「さぁ…男衆を呼べ!」
クラスメイツ「イエッサー!」
男子「ワラワラ」
中女友「よし…男子がくると盛り上がると思ったけど、別にそうでもなかったようね」
藁人娘「…」コクリ…コクリ…ガクッガクッ
中女友「寝るな!」パシンッ
藁人娘「っ?」
中女友「まずはセオリー通りトランプね」
藁人娘「トランプ?」
――――
―――
――
―
…
81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 11:42:19.20 ID:YCmldqp4O [47/87]
朝
男「おーっす…」
男友「うす…」
男「お前途中で寝たろ…」
男友「あぁ…」
男「…倒したぞ…裏ボスを…」
男友「何!?」
男「燃えつきたぜ…真っ白に…」ガクッ
男友「男…?男!返事をしろ!男ーーーーッ!!!」
修学旅行先
中女友「やっと帰れるね」
藁人娘「うん」
中女友「あんた途中で寝た?」
藁人娘「寝てない…」
中女友「おおぅ…よく頑張った!」
藁人娘「ぅん…」カクンッカクンッ
中女友「寝るな!」パシンッ
藁人娘「ぁぅっ」
82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 11:49:03.50 ID:YCmldqp4O [48/87]
夕方
男「そろそろ帰る頃か」
お嬢様「お迎えなら私も一緒に行きますわ!」
男「そう…」
中学校
担任「じゃ、今日は解散!」
ワイワイガヤガヤ
中女友「ふぅ…つかれた~」
藁人娘「…」
藁人娘「…あ」
男「おっす」
藁人娘「…」トテトテトテ
ボスッ
男「おうっ!」
男「あのなぁ…」
藁人娘「…」スゥ…スゥ…
男「おやおや…ずいぶん遊んで来たご様子で」
お嬢様「ふん、やっと帰ってきたのね」
中女友「ふん、だ!」
お嬢様「帰るわよ!!」
中女友「何よ!そんな態度とって!」
お嬢様「あんたの為にこうして来たのよ?礼くらい言いなさいよ!」
中女友「何よ!」
お嬢様「帰るわよ、美味しい夕食が待ってるから」
中女友「え…あ、うん」
お嬢様「…」ニコ
83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 11:51:36.12 ID:YCmldqp4O [49/87]
自宅
男「ふぅ…なんでお前をここまで背負って…んもうっ」
藁人娘「…ん…」
男「着いたぞ…俺だって…徹夜で…」ウトウト…
男「う…」
藁人娘「…」
男「…」ZZZ…
藁人娘「スウ…スウ…」
84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 12:05:10.08 ID:YCmldqp4O [50/87]
朝
男「うん」ズビビッ
藁人娘「…」
男「あぁ…」ズズズッ
男「ひいたな、風邪。玄関で寝てたから…くそったれっ…」
藁人娘「…」
男「お前は大丈夫なのか」
藁人娘「藁人形は風邪ひかない」
男「うん…だけどさぁ…」
男「今日は学校休むか」
藁人娘「…」
男「あっもう時間だぞ?早く行ってきな」
藁人娘「看病くらいできる」
男「いや…俺のことはいいからさ」
藁人娘「私も休む」
男「あ…あの~」
86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 12:18:33.33 ID:YCmldqp4O [51/87]
男「気持ちは嬉しい」
男「だが、今日は学校に行きなさい」
藁人娘「…」
男「わかった?」
藁人娘「…わかった…」
ガチャ
昼
学校
中女友「ねぇねぇ、今日何の日か知ってる?」
藁人娘「…?」
中女友「バレンタイン!」
藁人娘「ばれん…何?」
自宅
男「ぶぇえくしょほほぉ~い!」ズビッ
男「いかん…寝るぞ…俺は寝る!!」
プルルル
男「ん?誰からだ?」
『男友「元気か~い?」』
男「…」
ガチャッ
ツー、ツー、
87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 12:24:28.30 ID:YCmldqp4O [52/87]
中学校
中女友「だから、好きな人にあげるの」
藁人娘「好きな人に…」
中女友「藁人娘ちゃんは誰にあげるのかな~?」
藁人娘「ぅ…」
中女友「放課後、作り方教えてあげる!家庭科の調理室に来てね」
藁人娘「うん」
高校
女「今日は男君休みなんだ…(折角チョコもってきたのに)」
男友「あぁ、切られた」
お嬢様「あぁなんという事!この私が!この私が愛の施しを!そしてこの高級チョコレートを!」
女「それだ!!」
男友「おぉうっ!?」
女「あ…ごめんごめん」
88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 12:28:20.15 ID:YCmldqp4O [53/87]
自宅
ピンポーン
女「男くん、いるー?」
お嬢様「男さまー?」
男「…」(居留守だ…女ちゃんがいるのは嬉しいけど…お嬢様がいるとなると…)
男友「この道程野郎」ボソ
男「てめぇも赤く染めてやろうか!?」バタンッ
お嬢様「あ…」ポッ
女「あ…来ちゃった…アハハ」
男友「よう某テニス少年」
男「あ…」
89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 12:35:34.49 ID:YCmldqp4O [54/87]
男「気持ちは嬉しいけど、風邪がうつるよ」
お嬢様「むしろ本望ですわ」ドタドタ
女「入って…いいかな?」
男「あ、うん。ただし男友、てめーは駄目だ」
男友「なんで!?」
お嬢様「男さま!私の…私の愛の形を…」
男「あ…ありがとう…美味しくいただくよ…」
男友「俺には?」
お嬢様「ありません」シレッ
女(やっぱり渡すの、恥ずかしいや…。ここに、置いていくね…。)コトッ
―――
――
―
男友「じゃ、明日は来いよ」
女「じゃね、男君!」
お嬢様「また参上しますわ、男さま」
男「ん…今日はありがとう!また明日な!」
男「いつのまに『男さま』になったんだよ…ん?」
男「チョコの箱が二つ…?もう一つのは…ハハ、まさかね」
ガチャ
藁人娘「…」
男「おう、おかえり」
90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 12:46:51.40 ID:YCmldqp4O [55/87]
男「さて、夕食の準備しないとな」
藁人娘「私が作る」
男「え…」
藁人娘「…駄目?」
男「それじゃ、お願いしようかな?」
藁人娘「うん」
―――
――
藁人娘「出来た」
男「おっどれどれ」
男「お…おお…どこで習った…」
藁人娘「中女友…」
男「あの子か、料理できたんだな、あの子」
男「それじゃいただきます」
――
―
男「うん…頬っぺたが落ちそうだった」
藁人娘「よかった。でも」
男「ん?」
藁人娘「本当に教わったのはこれじゃない」
藁人娘「これ…」スッ
男「…チョコケーキ?」
藁人娘「…」
男「俺に?」
藁人娘「…」コクンッ
藁人娘「食べて」
男「お…おう…じゃあ…」パクッ
藁人娘「…どう…?」ゴク…
男「うん、夕食より美味しい!」
藁人娘「………」ニコッ
91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 13:01:33.66 ID:YCmldqp4O [56/87]
翌朝
男「うし、治った」
藁人娘「よかった」
男「ありがと」
高校
男「おう」
男友「治ったか」
女「あ、男君!よかったぁ!!」
男「ありがとう!」
お嬢様「あ、男さま!復活ですのね!」
男「あ…あぁ…ありがとう…」
男友「あ、知ってたか?男」
男「ん?」
男友「今日は宿泊学習らしいぞ」
男「!!??」
男「聞いてないぞ!!」
男友「知らん、校長の気まぐれだ」
男「どこで寝るんだよ…」
男友「知らん、各自好きなところで寝ろってさ」
男「なんだよそれ…」
92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 13:12:24.73 ID:YCmldqp4O [57/87]
中学校
中女友「ねぇ知ってる?」
藁人娘「?」
中女友「今日高校は宿泊学習なんだって」
藁人娘「!!?」
中女友「やっと修学旅行終わったと思ったら今度はあっちが泊まりみたいでさー」
藁人娘「…」
夕方
自宅
プルルルル
藁人娘「…」ガチャ
男「もしもし?」
藁人娘「…」
男「もっしもーし。返事してくれ」
藁人娘「…何」
男「なんだもう帰ってたのかよ。あのな、今日は学校で宿泊学習があったんだ」
藁人娘「知ってる」
男「知ってる!?話が早い!!今日は家に帰れない!すまんが、まかせた!」
藁人娘「…」
男「はぁ…」ガチャ
男「いきなりすぎるだろ…」
93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 13:21:31.28 ID:YCmldqp4O [58/87]
校長「では、各自校舎内の好き場所で寝るように!解散!」
男友「校長ェ…」
男「大丈夫なのかよあんな校長」
男「とりあえずお前と寝るのはごめんだ」
男友「じゃ、俺は体育倉庫で」
男「おい、お前なんか狙ってるだろ」
男「じゃ、俺はここで」
男友「バイちゃ」
―――
――
―
男「ふぅ、ここの空き倉庫は狭いけど静かだからな」
男「まだマシだ」
ガララ…
男「ん…?誰?」
女「あ…」
男「女ちゃん!?」
94 名前:そんなに長編にするつもりはない[] 投稿日:2010/06/13(日) 13:52:56.15 ID:YCmldqp4O [59/87]
女「男くん…?」
男「ど、どうも」
女「う~ん、どーしよー、場所変えるねっ!」
男「いや、俺が変えるよ!ここ使っていいからさ」
女「ダメダメ!男君が先に見つけたんだよ?ここは男君のテリトリーッ!!」
男「でも…」
コツ…コツ…
男「誰か来た!見つかったら誤解されそうだ!隠れて!」
女「うんッ!!」
コツ…コツ…
男「行ったみたいだな…」
女「うんッ」
女「でもここって確か…」
男「?」
女「幽霊出るって噂だったよね…」
男「あ…」
95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 13:58:07.31 ID:YCmldqp4O [60/87]
男「やだね、そんなの迷信の…はず…」
女「でも見た人いっぱいいるみたいだよ?」
男「…」
男「…あ!後ろ!!」
女「ひゃッ!!!」
男「なんつっ亭☆」
女「あッ!?もぉーーーッ!!」ムスッ
ガタァンッ!
女「ひぁああッ!!」
ガバッ
男「うわっ!!」
………
男「…はぁ、はぁ…」
女「…」
男「あーびっくりした。女ちゃん?もう大丈夫だよ?」
女「…たくない…」
男「え?」
女「離したくないよ…」
男「え?」
女「ゴメン、男君…私…初めて…」
男「はい…?」
女「こんなに体が熱いの…初めてなの…」
男「」
97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 14:07:56.06 ID:YCmldqp4O [61/87]
男「あの…女ちゃ…うわっ」ドサッ
女「男…くん」ムニュッ
男「うっ…」
女「私だって女の子だよ?…だから…女の子には恥かかせないで…」
男「うぅ…」
男(女ちゃんって実は…すごいエロイ体してたんだな…感触的に…じゃなくてっ)
男「落ち着こう?ね?ね?」
女「ダメ…もう…ダメェ…」
男「う…」
ガララララッ!!
生徒「やっと見つけた」
98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 14:11:50.47 ID:YCmldqp4O [62/87]
男「え?」
女「あッ!」
生徒「還れ」シュバッ
男「何か投げた…札?」
ビシィッ
女「あっ…」
女「うっぁああああいあああああっ!!」
男「おいよせ!何かわからんが苦しんでるぞ!!」
生徒「安心しろ、苦しんでるのは中の奴だ」
女「ぅ…ぅ…」
生徒「抜けたようだな」
女「え…ここ…あッ!何?こんな恥ずかしいカッコ…!」
男「!?」
霊能生徒「お前についていた色魔は消した。もう安心だ」
男「一体…お前は…」
霊能生徒「私は霊能生徒、ん?お前…何かとてつもない邪気を感じる…」
男(ギクッ)
霊能生徒「まぁいい、近いうち…そいつも消してやろう」
男「う…」モゾ
女「ひぁうッ!?」ピクンッ
男「あ…ごめん…」
女「ん…くッ…うん…男の変態!」
男「!?」
100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 14:17:05.95 ID:YCmldqp4O [63/87]
翌朝
男「…」
女「…///」
男「なんで…?」
女「ばか…」
男友「どうした?」
女「なんでもない!!」
男友「ひぃい!!」
男(あの霊能者の子…気をつけた方がいいかもだな…)
自宅
男「ただいま」
藁人娘「おかえりなさい」
男「話がある」
―――
――
―
藁人娘「え…」
男「スマン…」
男「今日から外に出ないで欲しい」
藁人娘「なんで…」
男「お前を狙ってる奴がいる」
藁人娘「…!!」
男「その為には、外に出ないのが1番だ」
藁人娘「……でも…」
男「たのむ…わかってくれ…」
藁人娘「…」
藁人娘「……」
101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 14:24:06.31 ID:YCmldqp4O [64/87]
翌日
高校
男「皆…話があるんだ…」
男友「何?」
女「どうしたの?」
お嬢様「男様…ついに私との契りを…」
男「違う、全く違う」
―――
――
―
男友「…」
男友「え」
女「うそ…」
お嬢様「…!?」
男「本当だ、あの妹って言ってた子は本当は藁人形で…」
男「例の霊能者に、俺は目をつけられた…」
男友「どうすんだよ!?」
男「とりあえず外には出さないようにしている」
男「そこでお嬢様、妹さんを、時々遊びに来るように言ってくれないかな?」
男「アイツの…数少ない親友だから…」
お嬢様「わかりましたわ、あの子にこの事は?」
男「伝えてくれ」
女「私、何ができるかな…?」
男「すまない…俺にもわからないんだ…」
女「そう…だよね…」
男友「歯痒いな…」
102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 14:27:12.84 ID:YCmldqp4O [65/87]
休み時間
男「…あっ」
霊能生徒「ん…」
霊能生徒「ふむ…」霊能生徒「邪気が濃くなってきている…危険だな」
男「え!?お、俺のご先祖様にそんな口を聞くのか!!!」
霊能生徒「え、いや、ご先祖様は…」
男「お前のような無礼者は知らん!フンッ」スタコラサッサ
霊能生徒「…」
男「よし…上手くまいたぜ…」
104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 14:31:45.28 ID:YCmldqp4O [66/87]
自宅
男「ただいまー」
中女友「あっお邪魔してまーす!!」
藁人娘「お帰り…」
男「おっ」
男「ちょっと待ってな、お菓子もってくるから」
中女友「あっおかまいなく~」
―――
――
―
中女友「あ、もうこんな時間だね、じゃあ藁人娘ちゃん!…気をつけてね」
男「帰ったか…」
男「いい友達持ったな…」
藁人娘「…うん…」
男「よし」
男「明日二人で海にいくぞ」
105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 14:36:30.70 ID:YCmldqp4O [67/87]
藁人娘「え…でも…」
男「はは、まだまだ寒いのにな」
藁人娘「じゃなくて」
藁人娘「私、外に出ていいの?」
男「発想の転換だ。お前への警戒は日々強くなってる」
男「今のうちに行きたいとこ行こう」
藁人娘「…」
男「やっぱり…行きたくないか?」
藁人娘「…」
藁人娘「行きたい…」
翌日
男「よし、出るぞ!」
藁人娘「うん」
男「カメラも持った。金も持った」
男「今日は本当は学校で授業」
男「したがってアイツの危険性は0」
男「行くか」
藁人娘「うん」
106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 14:40:50.12 ID:YCmldqp4O [68/87]
海
ザザーン…
藁人娘「…わ…」
男「キレイだなー」
男「おお、カモメもおるわおるわ」
男「安心しろ、エサは持ってきた」
男「カモメにやってみろ」
藁人娘「…」
バクンッ
藁人娘「ッ!」ビクッ!
男「あははは、すごいビビったろ、今」
藁人娘「うん…」
男「まだ寒いから泳いだりはできないけど、海っていいねぇ」
藁人娘「…」
男「よし、昼飯食うか」
107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 14:47:30.99 ID:YCmldqp4O [69/87]
男「ふふ、今日はゴージャスに作って来た」
男「見たまえ、この自信作の結晶達を!!」
藁人娘「…」パクッ
藁人娘「美味しい…」
男「さぞ美味かろう!なんせ俺は家庭科5…」
藁人娘「それは前にも聞いた」
男「あれ?そうだっけ?」
藁人娘「…」
男「…ぷっ」
男「あはははは」
藁人娘「フフフフッ!」クスクス
男「よし…」
男「記念写真だ」
藁人娘「…え」
男「ばか、こんな日に写真撮らんでどうする」
男「さっ笑って」
藁人娘「…」
男「うむ…」ツンッ
藁人娘「!!」ビクッ
藁人娘「…脇腹つつかないで」
男「だって笑わないんだもん」
男「撮るぞ!」
藁人娘「…」ニコ…
パシャッ
108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 14:53:25.95 ID:YCmldqp4O [70/87]
翌日
男「よし、学校行ってくるな」
藁人娘「うん」
男「それじゃ!」バタンッ
高校
男「どうだった?」
男友「昨日は普通、いつも通りだった」男友「アイツの通学路は俺が補足してるからな!」
男「おお…なんか変態っぽいけどありがとう」
自宅
中女友「また中学校休んで来ちゃった」
藁人娘「いいの?」
中女友「全然!義務教育だから痛くも痒くもないよ!」
中女友「ところで、その写真ずーっと眺めてるけど、藁人娘ちゃんと男さんだよね?」
藁人娘「うん…」
中女友「男さんの事、好きなんだよね…」
藁人娘「…うん」
109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 15:00:49.18 ID:YCmldqp4O [71/87]
男「髪が伸びて来たな…また…」
藁人娘「…」
藁人娘「私も切りたい」
男「ダーメ、外は危ないの。俺が切ってやろうか?センスは保障できんが…」
藁人娘「…」
男「しかも、お前の髪は一度切ったら元に戻んないんだから、あとで後悔するぞ?」
藁人娘「…」
男「ん?どうした?」
藁人娘「人形だから?」
男「?」
藁人娘「私が呪いの人形だから、外に出ちゃダメなの?」
男「違う、お前を狙ってる奴が」
藁人娘「だいたいわかる!私が呪いの人形だから、その人が私を狙ってるんでしょ!?」
男「おちつけよ」
藁人娘「私だって、人形じゃなかったら!人間だったら!」
藁人娘「女さんや、お嬢様みたいに、同じ土俵に立ちたかった」
藁人娘「せめて人間に生まれたかった!!」バッ
ガチャンッ
タタタタタタッ
男「おいっ!!」
男「まいったな…」
110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 15:03:58.12 ID:YCmldqp4O [72/87]
霊能生徒「これは…とんでもない邪気…!!」ダッ
男友「あっ」
自宅
プルルルル
男「もしもし」
男友「もしもしじゃねぇよ!!霊能生徒の奴、急に血相変えて走っていったぞ!!何かあったんじゃねぇのか!?」
男「なんだと!?マズい!!」ダッ
111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 15:08:52.45 ID:YCmldqp4O [73/87]
藁人娘「はぁ、はぁ、」タッタッタッタ
藁人娘「男なんて…嫌い…!結局…結局私をちゃんと見てくれてなかった!!藁人形だからって!!う…うぅ…グスッ」タッタッタッタッ
男「ちっ…どこに行った!?」
男「すみません!このくらいの身長の女の子見ませんでしたか!!?」
市民「さぁ…知らないねぇ…」
男「くっ」ダッ
霊能生徒「これだけ力が強ければわかる…こっちの方角か!!」
112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 15:14:48.37 ID:YCmldqp4O [74/87]
女「ここは通さないよ!!」
霊能生徒「!」
霊能生徒「私がどこに行こうとしてるか知りもしない癖に…」
女「男友君から聞いたの!貴方は邪気ってのを消そうとしてるんでしょ!?そんなのさせない!あれは邪気なんかじゃない!!」
霊能生徒「なに?大して知りもしない者がでしゃばるな!!」
女「私は貴方より何倍も知ってる!あの子は大人しいってこと!!でも本当はいい子ってこと!!男君のことが好きってこと!!」
霊能生徒「!?なるほど…あいつの所に行けば手掛かりが掴めそうだ」
女「行かせない!!」
霊能生徒「どけッ!!」
女「キャアッ!!」
113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 15:21:08.52 ID:YCmldqp4O [75/87]
男「ゼェッ…ゼェッ…」
男「どこに行きやがった…」
『お嬢様「心配ありませんわ!!」』
男「お嬢様!?どこから…」
『お嬢様「今、スタッフ総動員であの子を捜しています!これで見つかる時間はぐっと短縮できます!」』
男「へ、ヘリコプター!?」
霊能生徒「…」ザッ
男「お前は…」
霊能生徒「お前から邪気は感じられないが、『あの子』とやらをてなづける道具にはなりそうだな。だが道具に用はない…てなづける必要もない。消すのみ…か」バッ
男「待て!!」ガシッ
霊能生徒「離せ」ググッ
男「行かさん…ぞ…」
115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 15:26:04.48 ID:YCmldqp4O [76/87]
霊能生徒「理解できんな」
男「…」
霊能生徒「そいつはお前に散々と迷惑をかけた筈だ。精神的…経済的…さらには命にまでかかわるほどの事故まで…な」
男「あぁ…大当りだ…占い師にでもなったらどうだ?」
霊能生徒「…」
男「あいつと一緒にいたとき、女ちゃんに嫌われかけた」
男「あいつと一緒に暮らすから、学費、食費が余計にかかるようになった」
男「あいつと一緒にいたら、タンスが倒れたり、はたまた観覧車のボルトが外れた!」
霊能生徒「…」
男「だからなんだ?」
霊能生徒「!?」
116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 15:29:21.30 ID:YCmldqp4O [77/87]
男「それでも俺はあいつに出会えたことを、人生1番の幸せだと思ってる!!」
霊能生徒「こいつ…気に触れたか…」
男「キチガイだって言われてもいい!あいつは人間だ!!藁人形でも人間なんだ!!」
霊能生徒「チっ…」バッ
男「うわっ」
タタタタタタタタッ
男「待て!待ちやがれぇ!!」
118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 15:33:39.90 ID:YCmldqp4O [78/87]
霊能生徒「ちっ、バイクに乗るのは気がひけるが、仕方ない、この為の道具なのだから!!」
ブォォォオン
男「くそっ…なんて速さだ!!」
男「足が…動け!動け!」
『お嬢様「見つけましたわ!ここから10キロの海岸にいるようです!いますぐそちらにヘリを寄越します!!」』
119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 15:37:31.88 ID:YCmldqp4O [79/87]
海
藁人娘「…」
藁人娘「男…写真もって来ちゃった…」
藁人娘「あの時あんなに穏やかだったのに」
藁人娘「今日はこんなに荒れてる…」
藁人娘「…私は…私は…」
霊能生徒「見つけた」
藁人娘「!?」
ヘリ内
お嬢様「男さん、落ち着いてください!」
男「わかってる…ありがとう…だけど、こうしている間にも…!!」
お嬢様「…」
男「藁人娘…」
120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 15:45:03.75 ID:YCmldqp4O [80/87]
お嬢様「着きました!!でも、ここまでにしかヘリは止められないんです…」
男「よし!ありがとう!」
男「ハァッハァッ」ダッダッダッ
海
藁人娘「あ……あああ………」ガタガタガタガタ
霊能生徒「よもやこんな姿で人間社会に住みついていたとはな…」
霊能生徒「大人しく神社仏閣で縮こまっていればよかったものを…」
霊能生徒「『藁人形ごとき』の分際で私の手を煩わしたな…まぁいい、消えろ!!」スッ…
男「待てーーーーーーッ!!!」ダダダダッ
藁人娘「男……?」
男「間に合え!間に合えーーッ!!」
霊能生徒「フン」ビッ
藁人娘「 」
男「え………」
藁人娘「大好き……」
ビシィッ!!
121 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 15:51:02.16 ID:YCmldqp4O [81/87]
―――
――
―
霊能生徒「フン…」
お嬢様「そ…そんな…」
霊能生徒「呼び掛けたところで無駄だ、そいつは完全に消えた…見ろ、ただの藁の塊になっているのがいい証拠だ」
男「おいっ!!!藁人娘!!おい!!聞こえてんだろ!!?なぁ!!」
霊能生徒「…私は、任務を遂行したまでだと言っておく…」
男「おい!戻せるんだろ!?戻せよ!!早く!!」
霊能生徒「できんな。できたとしても、お前の不幸が増えるだけだ。これで晴れてハッピーエンドじゃないか」
男「てめぇ!!」
霊能生徒「フンッ」
男「ちくしょう…ちくしょう…」
122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 15:56:07.26 ID:YCmldqp4O [82/87]
翌日
自宅
男「…藁人娘…」
男「スマン…俺が…俺があの時…」
男「………」
学校
男友「そんな…」
お嬢様「ごめんなさい…本当に…」
女「お嬢様が悪いわけじゃないよ…」
男友「俺、あいつをぶん殴ってくる」
女「だめ!!」
男友「なんで!!」
女「落ち着いて…お願い…」
男友「だって…だってさ…」ジワッ
男友「悔しいよ、俺…」
お嬢様「うぅ…」ポロッ
女「……」グスッ
123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 16:00:45.04 ID:YCmldqp4O [83/87]
一週間後
男「…決めた」
男「海に行こう」
男「この写真を持って…」
男「こいつの笑顔の写真を持って…」
男友「俺も行くよ」
女「私も!」
お嬢様「私も」
中女友「私だって!」
男「ありがとう…でも…」
男「一人で…俺だけでやらせて欲しい…こいつの弔いは…」
男友「でも…」
女「うん…わかった…」
男友「っ…?」
女「今は…一人にしてあげましょう」
124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 16:04:49.25 ID:YCmldqp4O [84/87]
海
男「ここか…」
男「お前と写真撮った場所は…」
男「お前、最後まで大人しい奴だったな…」
男「何が大好きだよ…お前が生きてなきゃ意味ねぇじゃねぇか…!」
男「…」
男「とりあえず、お前の体の藁は、ここに、海に葬ることにした…」
男「俺のわがままで無理矢理作った思い出の場所だからな…」
男「…さよなら…」
125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 16:10:52.37 ID:YCmldqp4O [85/87]
男「…」
男「さよなら…か…」
男「確かにお前が来てから、運は悪くなった…死にかけもした」
男「でも、俺はお前が、大好きだった」男「今でも大好きだぞ」
男「これ…あいつが聞いたらなんて言うかな…はははっ」
藁人娘「私も大好き」
男「…」
藁人娘「そう言うと思う…」
男「お前…」
藁人娘「私…」
男「大丈夫なのか!?どうやって!!?」
藁人娘「知らない」ギュッ
藁人娘「人間じゃなくても…好き?」
男「…え?」
藁人娘「私…人間になりたいな…」
男「人間じゃなくたって大丈夫だよ…」
126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 16:15:10.87 ID:YCmldqp4O [86/87]
半年後
男「さっ俺はそろそろ高校に行くぞ」
藁人娘「うん」
男「お前も早く行けよ中女友ちゃんが待ってるだろが」
藁人娘「うん」
中女友「藁人娘ちゃん!来たよーッ!!」
男「ほら、来たぞ?」
藁人娘「行ってくる…」ガチャ
男「あぁ、ちょっと待て」
藁人娘「…?」
男「お前、そろそろ髪伸びて来たんじゃないのか?また切らないとな」
藁人娘「…うんッ!」
FIN
128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/13(日) 16:19:28.91 ID:YCmldqp4O [87/87]
燃えつきたぜ…真っ白に…さぁ寝るか!
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