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唯「けんとう!!!」

1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/08(火) 19:36:47.02 ID:iY7b3kOw0 [1/26]
律「おい、唯っ」

唯「あ、律ちゃん…」

律「お前、何で今までボクシングしてたこと隠してたんだよっ!!!」

唯「うう、ゴメンなさい、なんだかタイミングを逃しちゃって…」

律「毎日顔合わせておいて、何言ってんだよっ!!!」

唯「あ…」

律「私達なんかには、教える価値も無いってか?」

唯「えっ、そんなことっ…」

律「お前は大切な友達だと思ってたのに」

律「お前からしたら、私はその程度だったんだなっ」

唯「違うよっ、それは違うよっ!!!」

律「ゴメンな、今まで勝手に勘違いして、じゃあなっ」

唯「待って律ちゃんっ!誤解だよっ!!!」

2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/08(火) 19:41:26.31 ID:iY7b3kOw0
澪「お前のこと信じてたのに、酷い、裏切るなんて…」

唯「澪ちゃん、私…そんなつもりじゃっ…」

紬「唯ちゃんごめんなさい、貴方とは他人に戻らせてもらうわっ」

唯「ムギちゃんまで…」

梓「唯先輩、見損ないましたっ!唯先輩がいる部活になんか、私いたくありませんっ」

唯「あずにゃんっ、違うんだよっ!!!」

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/08(火) 19:47:46.78 ID:iY7b3kOw0
律「梓、お前が辞める必要なんてないぜっ」

律「誰かさんはもう軽音部クビだから」

唯「えっ!?」

梓「じゃあ安心ですねっ!!!」

紬「それじゃ、お茶にしましょ!私達だけで…」

唯「みんなっ、待ってよーっ!!!」

澪「唯っ!」

唯「澪ちゃん…」

澪「悪いけど、教室でも、私達に話しかけて来ないでくれよっ」

唯「そんなーっ!みんなーっ!!!私を一人にしないでーっ!!!」

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/08(火) 19:52:20.34 ID:iY7b3kOw0
唯「わーーーんっ!!!」

憂「わぁっ!!!」

憂「お姉ちゃんどうしたのっ!!!」

唯「あれ?憂?なんで?」グスグス

憂「昨日は一緒に寝たんだよ?///」

憂「えっ、お姉ちゃん、泣いてるの?」

唯「え?あれっ?」

唯「良かったーっ、夢だったんだっ!!!」

6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/08(火) 19:54:59.18 ID:iY7b3kOw0
前作は

唯「けんとう!」

唯「けんとう!!」

です

書くの遅かったり
いろいろとご迷惑おかけしますが
どうか暖かい気持ちで見てください

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/08(火) 19:59:33.35 ID:iY7b3kOw0
憂「お姉ちゃん、大丈夫?」

唯「わーんっ、怖い夢見たよーっ」グスグス

憂「かわいそうなお姉ちゃん」

憂「もうだいじょうぶだよっ」ナデナデ

唯「ういーっ」グスグス

9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/08(火) 20:04:42.35 ID:iY7b3kOw0
学校!

律「おーい、唯ーっ!」

唯「あ、律ちゃん…」

律「お前、何で今までボクシングしてたこと隠してたんだよーっ」

唯「うう、ゴメンなさい、なんだかタイミングを逃しちゃって…」

律「毎日顔合わせておいて、何言ってんだっ」

唯「あ…」

律「なんだよ水臭いな」

律「教えてくれてたら、唯とボクシングの話とか、もっと出来たのにー」

唯「あれっ?律ちゃん怒ってないの!?」

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/08(火) 20:14:47.53 ID:iY7b3kOw0
律「なんでそんな事で怒るんだよっ?」

唯「えっ?」

律「でも唯と試合ってのには、驚いたけどな」

律「これからはライバル同士でもあるからなっ!!!」

律「友達でも手加減はしないぜっ!」

唯「うわーんっ、律ちゃーんっ!!!」ダキッ

律「うわぁっ、急に抱きつくなよっ!」

唯「律ちゃん、りっちゃんっ!よかったよーっ!!!」ポロポロ

律「ええっ?なんだこいつ…?」

紬「わぁ、朝から仲が好いわねー」

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/08(火) 20:25:37.49 ID:iY7b3kOw0
和「唯、ついに知られちゃったわね」

唯「えっ?和ちゃん!?」

律「流石に和には教えてたんだな?」

唯「私、和ちゃんにも言ってなかったんだけど…」

和「唯に言われるまで知らない振りしてただけよー」

和「ほら、あのジム、家の直ぐ近くじゃない?」

唯「うへーっ、ばれてやしたかっ」

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/08(火) 20:35:44.99 ID:iY7b3kOw0
澪「まったく、お前らは軽音部をボクシング部にするつもりかっ?」

唯「澪ちゃん、黙ってってゴメンね」

澪「そんな、いいんだよ、私こそゴメン」

澪「私がボクシングのことよく言ってなかったから、ってのもあるんだろ?」

唯「澪ちゃん…」

紬「唯ちゃんのボクシング、素敵だと思うわー」

唯「ムギちゃんっ!」

唯「私、みんなに怒られると思ってたよーっ」

律「バカだなー、そんな訳無いだろー?」

唯「よかったーっ、全然心配する必要無かったんだねっ!!!」

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/08(火) 20:43:58.38 ID:iY7b3kOw0
部室!

梓「冗談じゃないですっ!」ドーン

梓「唯先輩までボクシングなんて、私認めませんからっ!!!」

唯「ひえーっ」シクシク

律「なんだよ梓、私の時は全然反対しなかったのに?」

梓「唯先輩がボクシングなんて危なすぎますっ!今すぐ辞めて下さいっ!!!」

唯「ゆるしてーっ」シクシク

律『私は危なくてもかまわないのかっ!?』

澪『人には大人気ないなんて言ってたくせに…』

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/08(火) 20:56:09.31 ID:iY7b3kOw0
律「でも梓、唯はすごく強くて、男の人でもKOしちゃうんだぞっ?」

梓「嘘ですっ、そんな訳ないですよっ!」

梓「いいですか唯先輩?ちゃんと今日辞めるって言いに行くんですよ?」

唯「わーん、おねがいー!!!」シクシク

律『確かにこんな唯が、四回連続KOなんて私も信じられないよ』

律「なあ唯っ、シャドー見せてくれよっ?」

唯「えーっ、みんなの前で恥かしいよー?」

16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/08(火) 21:02:36.11 ID:iY7b3kOw0
澪「シャドーって、律が暇を見つけてはウザイほどしてる素振りみたいのか?」

律「ウザイとか言うなよっ」

澪「でも確かに、唯があんな動きするの想像できないなー」

紬「唯ちゃんやって見せてーっ!」

唯「えーっ、そんなー、はずかしーよーっ!」

律『そんなこと言いながら用意してるし』

梓「滑って転ばないで下さいよっ」

18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/08(火) 21:12:45.87 ID:iY7b3kOw0
タタッタタッタタタタッ

唯「」シュシュシュシュッ

唯「」シュシュシュシュシュッ!

律「!!!!?」

律『うまいっ、速いし動きが滑らかだし、何年もやってる人みたいだ!』

スタタタッスタッ

唯「」シュシュシュ

律『えっ?まだ早くなるのか!?』

律『なんだ今の動きっ?あんなのまだ教えてもらってない…!?』

律『私なんかより、断然……っ』

梓『すごいですっ、すごくカッコいい…』

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/08(火) 21:22:24.61 ID:iY7b3kOw0
唯「ふぅ、こんなもんかな?」

澪「いやー、なんて言うか…凄いな、人間あんな機敏な動き出来るんだな」

紬「素晴らしいわ唯ちゃんっ!!!」

梓「まっ、まあ、唯先輩にしてはいいんじゃないですか?///」

律「……」

唯「えへへ、まだまだ全然だけどねっ?」

律『これだけ出来て、全然なんて…っ』

20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/08(火) 21:30:37.58 ID:iY7b3kOw0
澪「話だけじゃ、なんとなく信じられなかったけど」

澪「これで唯もボクシングしてるって事が証明されたな」

紬「そして律ちゃんと試合するなんて…」

唯「負けないよりっちゃんっ!」

律「お…おうっ」

梓「でも、試合となると、本気で殴り合うんですよね?」

梓「友達同士なのに、抵抗無いんですか?」

21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/08(火) 21:43:05.76 ID:iY7b3kOw0
唯「そんなの無いよっ!私と律ちゃんの間には、硬い絆があるからねっ」

唯「本気を出し合える信頼関係があるんだよっ」

唯『そうだよね?律ちゃんと師匠が教えてくれたんだよ?』

律「そ、そうだぜ、お互い危険は覚悟の上だぜっ!」

律『男をKOするパンチを、あんなスピードで躊躇無く打ち込んでくるのかっ!?』ゾッ

紬「二人の関係はただの友情を超えているのねっ」キラキラ

澪「二人とも、怪我して部活に支障をきたすのだけは止めてくれよっ!」イライラ

22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/08(火) 21:55:25.32 ID:iY7b3kOw0
唯「律ちゃん、今度の試合楽しみだね!?」

律「ああ、そ、そうだなっ」

澪「ボクシングの話はこれぐらいにしよう、今は軽音部の時間だぞっ」イライラ

律「ああ、これぐらいにしとくか…」

紬「それじゃあ、練習しましょう!」

梓『唯先輩のシャドー、もう一度見たいな…』

唯『ボクシングして、律ちゃんとの仲がますます深まったよっ!!!』

唯『うふふっ、ボクシング始めてよかった!』

23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/08(火) 22:12:56.38 ID:iY7b3kOw0
律のジム!

会長「よく来たな小娘っ!」

会長「今日から地獄の特訓じゃっ!覚悟は出来ておるかっ!!!?」

律「はい…」

会長「おいおい、なんじゃ、気合が入らんな、始めからそんなんでどうする?」

律「いえ…」

ト「何かあったのかい?」

律「実は…」

24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/08(火) 22:25:49.46 ID:iY7b3kOw0
会長「なるほど、相手の動きを、その目で見たのか?」

会長「四回連続KOの相手じゃ、タダの動きじゃないはずじゃ」

会長「それで?収穫は?」

律「えっ?収穫って?」

会長「せっかく相手の動きを見れたんじゃ」

会長「特徴を研究して対策の材料にせんともったいないじゃろ?」

律「特徴って言っても、私よりうまかったとしか…」

26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/08(火) 22:44:13.31 ID:iY7b3kOw0
ト「例えば、ショートパンチの連打が目立ったとか、ストレート系のパンチが多いとか」

ト「ダッキングとスウェーバックどっちが多いかとかで」

ト「インファイターか、アウトファイターか、その位は分からなかったかい?」

律「ダッキングは頭を低くして相手の懐に潜り込む動きで」

律「すウェーバックってのは、体を後ろに反らせて」

律「パンチが顔に当たらない距離へ避ける動きでしたよね?」

会長「何を今更っ、それでどうなんじゃっ!?」

律「うーん、ダッキングで潜り込む動きはあんまりなかったなー」

律「パンチはいろんな種類出してたな」

律「フットワークは速かったけど、足はそこまで使ってなかった」

27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/08(火) 22:55:07.14 ID:iY7b3kOw0
会長「なるほど、KO率から考えて、ごり押しのインファイターかと思ったが」

会長「中間距離で打ち合うタイプの様じゃなっ、これはこれで厄介だが…」

会長「なあ、なんにせよ、よくやったっ!」

律「えっ?そんな、誉められる事なんて?」

ト「実は相手の情報はまだまだ少ないんだよ」

会長「最近まで素人だった女の子にKO負けなど、本人にもジムにも恥」

会長「あまり外部には知られたくないらしく」

会長「試合結果までは分かったものの、試合内容まではよく分かっておらんのじゃ」

ト「だから、律ちゃんにも出来るだけ相手の情報を探ってもらうと助かるんだっ!」

28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/08(火) 23:07:02.27 ID:iY7b3kOw0
律「それって、私が友達なのを利用して」

律「唯をスパイしろって事ですかっ!?」

ト「ああっ、ゴメンよ、そんなつもりじゃないんだ」

ト「嫌ならいいんだ、情報収集は僕らサイドの仕事だしね」

会長「だがな小娘、これだけは覚えておけ、戦いは既に始まっておるっ!」

律「へっ?」

ト「相手に合わせた作戦を考え、それに対応した練習を積む」

ト「これが試合前にやっておかなければならない事なんだ」

会長「その為には相手の情報が必須!情報を集めることが勝利には必要じゃ!」

29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/08(火) 23:16:18.71 ID:iY7b3kOw0
会長「お前が情報を集めたくないと言うなら、無理強いはせんっ!」

会長「だがな、貴様が少しでも有利な状態で、本番のリングに上がれるようにすることが」

会長「わし等の役目だと言うことを分かってくれっ!」

律「……!?」

会長「お前が相手の動きを見て、少なからず戦意をそがれたのは分かる」

会長「だがな、わし等はお前が負けるなんて思っとらんっ!」

会長「ワシが必ず奴を倒せるボクサーにしてみせるっ」

ト「律ちゃん、リングに上がるのは一人だけど、僕らはみんなで戦うチームなんだよっ」

30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/08(火) 23:26:22.72 ID:iY7b3kOw0
会長「わし等もボクシング指導のプロじゃ」

会長「わしらに任せて付いて来てくれんかっ!?」

律「……!?」

律『私一人で、勝手に勝てるはず無いなんて思っちゃったけど』

律『この試合は私一人のものじゃないんだっ』

律「わかりましたっ、情報集めは協力できないかもしれませんが」

律「私、二人を信じて全力でやりますっ」

会長『ほう、いい目をしとる、さっきまでとはまるで別人じゃ』

会長「よくぞ言ったっ!!!それでは特訓を始めるぞっ!!!」

律「はいっ!!!」

31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/08(火) 23:59:46.56 ID:iY7b3kOw0
とあるジム

爺「さあ、唯ちゃん用意してっ」

唯「はーいっ、憂ー、バンテージ巻いてーっ!」

憂「うんっ、お姉ちゃん、手出してっ」

爺「唯ちゃん、そろそろ一人で巻ける様になってよー」


四「本当にあんな女の子とスパーするのか?俺は四回戦だが一応プロだぞ?」

トレ「なんでもあそこの爺さんに、昔ここの会長が世話になったらしくてな」

トレ「直接来られて頼まれては、断りきれなかったらしい」

四「それで、その会長に頼まれては俺が断れないってか?」

四「世の中弱いものを虐めるように出来てらぁ」

トレ「そう言うな、可愛い女の子を相手できるんだ、喜べよ」

四「デートしてくれるってならいいけど、俺は女を殴るサドな趣味はなくてね」

四「ソッコーで終わらせて、自分の練習をさせて貰うよ」

トレ「おいおい、サドな趣味は無いんじゃ無かったのか?」

四「心配しなくても、あんな女の子、軽くつつけば三分間に二回なんて直ぐスッ転ぶよ」

33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/09(水) 00:13:22.93 ID:4AnQlIne0 [1/4]
爺「もう直ぐ始めるが、君のところの選手、ヘッドギアの準備がまだだよ」

トレ「あいつは付けなくて大丈夫でしょ?このまま始めましょう」

爺「こっちは構わんが、せっかくプロの選手をお借りしたのに」

爺「ダメージを残して返したら、申し訳なくてね」

トレ『この爺さん、ボケてんのか?』

トレ「ははっ、責任は私が持ちますので、ご心配なく」

四「時間がもったいない、早く始めましょうよっ!」


憂「もうすぐ始まるね、お姉ちゃんがんばってっ!」

唯「うんっ!KO勝ちならアイス二個だもんっ!絶対に負けられないよー」

憂『うふふ、お姉ちゃんったら』

トレ「じゃあ、リングに上がってっ!始めるよ」


唯「よろしくお願いしますっ」

四「へへっ、痛いのは初めだけだから、安心しなっ」

唯「???」

34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/09(水) 00:30:51.68 ID:4AnQlIne0 [2/4]
憂「お姉ちゃんしっかり!」

爺「油断はダメだよ!」

唯「うん!がんばるよー」


カーンッ


四『こんな相手、ジャブで様子見る必要もねえな、初めから両手で打ち込んでやる』

唯『来たっ、いきなりっ』

四『悪いな、まず一ダウンもらいだっ』ババッ

パーーーンッ

「ワン・ツー・スリー・フォー…」

四『あれっ?』

四『何?どうなってんだ?なんで天井が見えてるんだ?』

トレ「バカヤロウっ!早く立てっ!!!フザケてんのかっ!?」

四「!!!?」

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/09(水) 00:46:11.52 ID:4AnQlIne0 [3/4]
四『バカなっ、俺の方が倒れたのかっ!?』ムクッ

トレ「あんなラッキーパンチに当たりやがって、油断し過ぎだぞっ!!!」

四「ああ、わりぃ」

四『ラッキーパンチ?そうだよな?そうじゃないと俺がダウンする訳ない』

四『くそっ、こんな女の子相手にとんだ恥だぜっ、だがまあ、少しは注意してかかるか…』


爺『ふふっ、早速出たな…』

憂「お姉ちゃん、いきなり一回だねっ!」

唯「へへっ、後一回だね、今回は楽勝だよっ」

爺「せっかくのプロ選手が相手なんだ」

爺「唯ちゃん、このラウンドはもうダウン取っちゃいけないよ」

唯「えーっ、せっかくダウン取ったのにー」

憂「お姉ちゃん、お爺ちゃんの言うこと聞こうよー」

唯「だってー」

爺「さあ、相手も立ったしもう始まるよ、言うこと聞いてくれたら、プリンも付けるからっ」

唯「えっ、プリンもっ!?やったーっ!!!」

38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/09(水) 01:05:10.53 ID:4AnQlIne0 [4/4]
ファイッ

四『くそっ、先ずは落ち着こう、ミスは焦った時に重なるもんだ』

四『俺の本来のスタイルで、先ずは左を突いていこう』

四『攻めるのはラウンドの後半からで十分だっ』


唯『倒さないってなると難しいなー』

唯『足使いすぎるのも疲れるから嫌だし』

唯『ジャブばっかり出して攻め込まなければオッケーかな?』


四『先ずは左っ』シュシュッ

唯「」ススッ シュッ

四「」バシッ

四『かわして打ち返して来ただとっ!?』

四『この女、ただもんじゃねえ、おそらくアマチュアで何年もならしているランカークラスだ』

四『くそっ、もう油断しねえ、さっきの汚点を返す為に、最後はぶっ飛ばして終わらせてやる』

39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/09(水) 01:23:53.04 ID:lI0Z10u+0 [1/12]
四「」タタッ シュシュシュシュッ タタタッ

唯「」ババッ ススッ シュシュシュッ

四『かなりやる様だが、離れて左の突き合いからの攻防は俺の得意とするところ』

四『競り勝った所に、右ストレートをぶちかましてやる』

唯『あれっ?この人、今までスパーしてきた人達より、左の打ち合い巧いっ!?』

四『このまま押し切れるっ、しかもコイツ、こんな時に左のガードが下がってきてやがる』


爺「唯ちゃんっ!ダメだっ!!!ガードを上げるんだっ!!!」

憂「ああ、ダメ、このままじゃお姉ちゃん…っ!?」


四『普段なら女を思い切り殴るのには、抵抗あるが、今の俺はダウン貰ってイラついてるんだ』

四『そこだっ!撃たせてもらうぜっ』シャッ

バーーーンッ


爺「ああっ!言わんこっちゃないっ!!!」

憂「おねーちゃんっ!!!」

41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/09(水) 01:40:34.82 ID:lI0Z10u+0 [2/12]
唯「確かに巧いけど、憂程じゃないねー」

カーンカンカン 試合終了

爺「倒しちゃいけないって言ったのになー」

憂「左のガードを少し下げるのは、お姉ちゃんがカウンターを誘うモーションだもんね」

唯「あっいけないっ、倒しちゃったよー」

爺「今日の唯ちゃんは言うこと聞かない悪い子だ、アイスは一個だよ」

唯「えーっ、そんなーっ!」シクシク

憂『でも一個はくれるんだね』


四「俺は、負けたのか?」

トレ「……」

四「こんな女の子に負けるプロボクサーだって?」

四「くそっ笑えねえよっ…」

トレ「いや、お前、最後にもらったパンチ、何だったか分かるか?」

四「カウンターってのは分かるが、相手のパンチは分からなかった」

トレ「!?」

42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/09(水) 01:51:48.50 ID:lI0Z10u+0 [3/12]
トレ「じゃあ、初めのダウンのラッキーパンチはどんなパンチだった?」

四「それもわかんねえんだ、気が付いたら天井が見えたよ」

トレ「!!?」

四「それがそうした?パンチも見えねえ俺を笑いたいのかっ!?」

トレ「そうじゃない、偶然にしてもおかし過ぎる」

トレ「狙いどうりだとすると…いや、そんなこと出来る奴いるわけねえ」

トレ「少なくとも日本じゃ聞いたことが無いっ!」

四「何なんだっ!」

四「もったいぶらずに教えろよっ!!!」

トレ「それが…」

トレ「お前を倒したパンチ、二発とも……」

43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/09(水) 02:19:24.13 ID:lI0Z10u+0 [4/12]
会長「バカモンっ!!!スピードが落ちてきとるぞっ!!!」

律「うへぇ、一体どこまで走らせるんだよーっ」

会長「もう少しで休憩じゃっ!!!それまでスピードを落とすなっ!!!」

会長「いや、むしろココでスパートじゃっ!!!もっと速く走れぇい!!!」

律「無茶言うなよっ!、もう限界っ!」

会長「限界を超えろーっ!自分の殻を破るのじゃっ!!!」

律「今時そんな精神論トレーニング、流行んないよーっ!!!」


会長「よーし、着いたぞ、一休みじゃ、よく頑張った」

律「……」ゼエゼエ

会長「おい、いきなり座るな、暫く、歩くか柔軟でもしとれっ」

律「…無理」ゼエゼエ

会長「おい、急に座り込むと体に悪いんじゃ」

律「…無理だって」ゼエゼエ

会長「ほら、立てといっとる」グイグイ

律「もー、引っ張るなよぉー」ゼエゼエ

45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/09(水) 02:37:48.93 ID:lI0Z10u+0 [5/12]
律「止めてって言ってるだろ」バッ

会長「お前の為に言っておるのに、このわしを押しよってっ!!」グッ

律「いててて、何すんだよっ!押すなよっ」ググッ

会長「やるのか小娘っ!!!舐めるなっ!!!」グイグイ

律「爺さんの癖に大人気ないんだよっ」グイグイ



律「はあ、はあ、余計疲れた」ゼイゼイ

会長「全く、わし等は何をしておるんじゃ」ゼイゼイ

律「所で、ここ何処なの?」ゼイ

会長「見ての通り、寺じゃ」ゼイゼイ

律「必勝祈願でもするつもりか?」

会長「いや、ココでトレーニングするんじゃ」ゼイゼイ

律「はぁ?座禅でもくむのかよ?」

会長「いや、違う、もっと分かりやすいトレーニングじゃ」ゼイゼイ

律「まあいいや、それで、どうすればいいの?」

46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/09(水) 02:53:16.14 ID:lI0Z10u+0 [6/12]
会長「ちょっと待て」ゼイゼイ

律「えっ、なんで?」

会長「わしの息が整うまで、ちょっと待て」ゼイゼイ

律「……」



会長「よしっ、始めるぞっ!準備はいいか小娘っ!!!?」

律『会長待ちだったんだけど…』

会長「お前の足元を見てみろ」

律「小さな石がひいてあるね」

会長「そうじゃ、その上をお前は」

会長「走るのじゃのじゃっ」

律「……えーっ!?」

会長「なにか不満か?」

律「わざわざ結構な距離走って、ここでも走るだけ?」

47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/09(水) 03:12:47.53 ID:lI0Z10u+0 [7/12]
会長「他にもあるが、今日はまずこの環境に慣れるのじゃ」

会長「さあ、向こう端まで往復、行って来いっ」

律「分かったよー、行けばいいんだろ?」ダッ


律『うわっ、なんだこれ、小石に足が取られて走りにくいよー』ジャリジャリジャリ


会長「走った感じはどうじゃ?」

律「きつい、走りにくい、シューズに小石が入るっ」

会長「ココで走ると、普通に走るより蹴らないといけない分、つま先の力を使うのじゃ」

会長「つま先の力は、ボクシングにおいて非常に重要じゃ、パンチ力の源でもあり」

会長「フットワークの要でもある、ここを鍛えることにより、お主の動きは格段に良くなるぞっ」

会長「さらに、小石がクッションとなって、固い道で走るより、ひざに負担がかかり難い」

会長「これから集中して激しいトレーニングを行う上で」

会長「体を壊してしまっては試合どころではない」

会長「怪我のリスクを低くして、思う存分鍛えられるメリットは大きいっ!!!」

48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/09(水) 03:28:27.84 ID:lI0Z10u+0 [8/12]
会長「分かったら、もう一往復行って来いっ!!!」

律「ちょっと待って、靴の小石とってからーっ」



会長「フム、今日はこの辺にするか」

律「今度こそもうダメ、歩くのもキツイよー」

会長「何を言っておる、走ってジムに帰るぞっ!」

律「えーっ、自転車に乗せてってよー」

会長「バカモン、二人乗りは法律違反じゃっ!」

律「良いじゃん、ちょっとぐらいー」

会長「何をやっておるっ!降りんかいっ!!!」グイ

律「押すなよっ、危ないだろーっ」グイグイ

会長「いい加減にしろっ!小娘っ!!!」グイグイ


律「余計疲れた」ゼイゼイ

会長「これもトレーニングの内じゃ」ゼイゼイ

律「嘘付けよっ」ゼイゼイ

49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/09(水) 03:52:05.03 ID:lI0Z10u+0 [9/12]
会長「よーし、今日はよく頑張ったのうっ!!!」

会長「あの寺にはこれから、一日おきに行くぞっ!!!」

律「でも、あんなトレーニングばっかで、本番に間に合うのか?」

会長「今回、お前が鍛えるのは、まず体っ!!!」

会長「才能においてこっちより秀でる相手に対して、体まで負けては話にならんっ!」

会長「筋力、持久力、耐久力、全てにおいて相手より上のレベルに鍛え上げるぞっ!!!」

会長「そしてフットワーク、おそらく、相手は打ち合いに絶対の強さを誇る」

会長「足のスピードで相手を翻弄して、攻め逃げ、有利に持っていくのじゃっ!」

会長「その為には、走りこみ、下半身強化は外せないのじゃ」

律「うーん、なるほど」


会長「そして攻撃、いくら正面からの打ち合いを避けたとしても」

会長「こっちが相手を倒す、武器をもっとらんと勝てはせんっ!!!」

律「おっ!それって、必殺技ってやつ!?」

会長「まあ、そう言ってもいいじゃろう」

50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/09(水) 04:23:39.53 ID:lI0Z10u+0 [10/12]
会長「だがそれは、体とフットワークが出来上がってからじゃ」

律「えーっ、いいじゃん、早くから練習した方が本番で使えるだろっ!?」

ト「僕もそう思います、律ちゃんは飽きっぽいから、同じ練習を続けさせるより」

ト「集中力が出るんじゃないでしょうか?」

会長「ふーむ、お前がそう言うなら仕方ないじゃろ…」

律「わーい、やったーっ!!」

51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/09(水) 04:56:39.56 ID:lI0Z10u+0 [11/12]
唯のジム

唯「うー、今日はアイス二個もらえるはずだったのにー」

憂「仕方ないよ、お姉ちゃん…」

憂「でも、今日は一回KOなんて凄いねっ!」

唯「えへっ、今日は運もよかったよー、相手がいきなり突っ込んできたしー」

唯「ジャブの打ち合いで離れてた時には、少し戸惑ったけど」

唯「誘ったら、直ぐに攻めて来てくれたしねっ」

憂「お姉ちゃんの得意技が決まり安い距離だもんね」

憂「お姉ちゃんの得意技ー」

憂「カスタネットパンチ!」
唯「うんたんパンチ!」

憂「名前、統一しようよー」

唯「えへへ」

爺『対戦相手の律選には悪いが』

爺『唯ちゃんが負ける事は絶対に無いだろう』

爺『この、魔法のパンチある限り……』

52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/09(水) 05:21:42.89 ID:lI0Z10u+0 [12/12]
次回予告

いよいよ律の必殺技習得が始まった

ドラマーならではのリズム感を生かしたその技とは?

そして唯の必殺技「カスタネットパンチ」(うんたんパンチ)

その絶対攻略不可能な恐怖の全貌が明らかになる

男子プロまで簡単に倒す、規格外な唯の実力

脅威の天才に、律は勝つことが出来るのだろうか?

お互い負けられない理由を持ちながらも、親友同士の拳は熱く交わり火花を散らす

闘いを通して、二人の少女は何を見るのか


そして、何度もキーボドに頭を打ちつけながら書いていると、全然進まないのに

いつの間にか朝になってしまった!いい歳をしての慢性的睡眠不足は

俺の健康と精神を着実に蝕んでいくっ! キーボードのYがはずれているが

一体どこに飛んでいってしまったのだろうか?

律唯戦、今日もたどり着けなかったホンとにどうすんだ      ご期待下さい


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