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佐天「戦争が起こる…?」


未完です

1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/07(月) 21:57:02.01 ID:ElcBQDQ6O [1/15]
酒場の主人「ああ…、羅公が傭兵を雇ったり、呉公やたら物質を溜め込んだりと、きな臭いニオイがプンプンするよ」

佐天「…」

主人「お嬢さんは、傭兵になる為にこの街に来たクチじゃないのかい?」

佐天「…興味ない」チャリッ

主人「毎度あり」


カランカラン

主人「…変わった娘さんだ」

2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/07(月) 22:02:31.00 ID:ElcBQDQ6O
翌日=職業斡旋所=

佐天「仕事が無い?」

係員「ええ、傭兵以外は」

佐天「配達業でも探偵でも何でもいいんだけど」

係員「申し訳ありませんが。しかし、見たところ貴女はなかなか腕が立つようですが、傭兵は嫌なのですか?」

佐天「…ああ」

係員「そうですか…」

佐天「ありがとう、では」

バタン

3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/07(月) 22:08:09.56 ID:ElcBQDQ6O
佐天「昨日の噂は本当だったのか…」

「キャーッ!?」

佐天「悲鳴!?」




女騎士「貴様ら…何をしているか分かっているのか!」

盗賊「ああ、わかってなけりゃ女王様の馬車なんか襲わないよ」

女騎士「外道が…!」

盗賊「騎士団ってのも呆気ないな!残るはテメーだけだぜ!」

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/07(月) 22:15:17.80 ID:ElcBQDQ6O
剣を持った盗賊「さあ、女王様をこっちに寄越せ」

女騎士「断る。貴様にやるのは引導だ」

斧を持った盗賊「生意気な女だ! やれ!」

弓を持った盗賊「放て!」

羽付き帽子の盗賊が手をかざすと、女騎士の周りの屋根から一斉に矢が降り注いぐ

女騎士「はぁっ!」

しかし、その矢が女騎士を貫く事は無く、女騎士に当たる矢だけが薙払われた

6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/07(月) 22:22:25.98 ID:ElcBQDQ6O
斧を持った盗賊「なかなかやるな」

剣を持った盗賊「だがいつまで耐えられるかな?」

キィンッ カシッ

女騎士「せっ はっ!」


女騎士は戸惑っていた

何故救援が来ないのか

ここは女王様に仕える呉公の領土

その女王様の馬車が教われているのに、街の騎士団は何故救援に来ないのか…

7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/07(月) 22:30:36.26 ID:ElcBQDQ6O
答えは簡単だ

呉公の指揮する軍は、彼女の所属する騎士団…即ち、女王様の護衛部隊を除いて全て要塞や主要都市に集結しつつあったからだ

その事を彼女は知らない

知らされなかったのだ


「ぐぁぁっ!?」

剣盗賊「なに!?」

女騎士「…え!?」


―ルルッ ドサッ


弓盗賊「」

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/07(月) 22:40:42.52 ID:ElcBQDQ6O
佐天「ムダよ、騎士様。この街には貴女の仲間はいない…いえ、もうどこにも」

女騎士「なんだと…!?」

佐天「はめられたのよ。呉公は女王様の生存を望まれていない」

女騎士「! 貴様! デタラメを言うな!」シャキッ

佐天「考えてもみてよ。前王の御子息と、政略結婚で畏の国に嫁いだ名ばかりの女王…どちらが王位に近い?」

女騎士「黙れ! それ以上の侮辱は許さん!」

9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/07(月) 22:55:18.17 ID:ElcBQDQ6O
佐天「王家の血を引く王子側の羅公と、人質の女王側の呉公では、どちらが有利かしら」

女騎士「貴様…!」

斧盗賊「なんだ? 勝手に殺し合ってくれるのか?」

佐天「冗談、私はあなた達『白梟騎士団』とはやりあっても、そこの騎士様とは殺し合わないわ」

斧盗賊「!」

女騎士「なに!?」

剣盗賊「全隊! この二人を消せ!」

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/07(月) 23:03:14.83 ID:ElcBQDQ6O
ヒュンヒュンッ ヒュンッ

佐天「ありゃ、カマ掛けたつもりがこんな上手く引っかかるとは」ササッ

弓盗賊「屋根の上では動きが限られる! 逃げ場はない、一斉に矢を浴びせるんだ!」ギリ…ッ


佐天「確かにね、でもあなた達が矢を放つのと私が全員蹴り落とすの、どっちが速いか…なッ」バッ

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/07(月) 23:10:42.43 ID:ElcBQDQ6O
―バッ

―バッ

―バッ


―トンッ



一瞬の出来事だった

盗賊が佐天に向かって矢を放った時には、既に佐天は目の前まで跳んできてた

先程まで、路地の向こうにいた筈の獲物は、三人の仲間を地面とキスさせた後、盗賊の下に舞い降り

佐天「サヨナラ」

と言った

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/07(月) 23:15:57.55 ID:ElcBQDQ6O
女騎士「形勢逆転のようね」

剣盗賊「何を余裕をかましている」

斧盗賊「まだ2対2だろ」

女騎士「あの女を入れて3対1でもいいんだぞ」

斧盗賊「ほざけ!」グオッ


グシャアッ



斧盗賊「…ア"?」

女騎士「白梟の恥共が」


ブシュウウッ

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/07(月) 23:26:57.98 ID:ElcBQDQ6O
剣盗賊は斧盗賊に時間差をつけてかかるつもりだった

いや、実際に突っ込んでいたが止めてしまった



が、斧盗賊の頭が斧ごと叩き斬られたのを見てしまったから



剣盗賊「そうか、お前が『聖騎士アリア』…」

アリア「言い残す事はあるか…」

剣盗賊「俺もお前のような英雄になりたかった」


ズバッ

16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/07(月) 23:34:28.82 ID:ElcBQDQ6O
佐天「流石騎士様」

アリア「よせ、私は既に騎士の称号は剥奪されているだろう」

佐天「それは呉公の力の強い所での話でしょ。貴女の活躍は民衆の心に深く根付いているわ」

アリア「…女王様を貶したり、助太刀したり、一体何が目的だ」

佐天「…」

アリア「何故黙る」

佐天「目的は…ない」

アリア「何…?」

18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/07(月) 23:49:59.44 ID:ElcBQDQ6O
佐天「ただ、あなた達と一緒にいればこの戦争の真実にたどり着ける気がしたの」

アリア「戦争だと」

佐天「呉公は女王様を幽閉もしくは暗殺し、羅公側が暗殺したと主張する事で大義の下に戦争を仕掛ける気なのよ」

アリア「…仮に、100歩譲ってその計画を実行したとして、どれほどの者が羅公が暗殺したと信じる?」

佐天「信じる信じないの問題ではないのよ」

アリア「単刀直入に言え」

佐天「ここ畏の国ではお飾りの女王様でも、まがりなりにも尾の国の血族…。その女王を暗殺するような事をしたら…?」

アリア「! 再び大戦の恐れが!」

20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/07(月) 23:59:10.33 ID:ElcBQDQ6O
佐天「噂は立つだけでいいの。黒じゃなくても灰色なら大義名分は下りる」

アリア「なんという事だ…その様な事態になっていたとは」

佐天「まあ貴女に対してこの情報が入らないように仕組まれていたでしょうし、そう気を落とさないで」

アリア「…しかし、何故女王様の護衛から私を外さなかったんだ? 思わぬイレギュラーだが、暗殺は失敗してしまったし、仮にも私は白梟騎士団の5強の一人だぞ」

佐天「貴女を外したら、それこそ不自然でしょ。貴女を失うリスクと羅公側が暗殺を仕掛けたという臭いを強くするリターン、呉公はリターンを取ったのね」

アリア「そんな…」

22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/08(火) 00:02:49.97 ID:nX+HKIwoO [1/33]
佐天「…自分達の置かれている状況がわかったかしら」

アリア「ああ…、四面楚歌とはこの事か」

佐天「何言ってるの、道は四方八方に開けてるわよ」

アリア「何…?」


「その通りですよ、アリア」


佐天「どうやら女王様の方が貴女より頭がキレるようね」

アリア「女王様!」

23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/08(火) 00:08:33.27 ID:nX+HKIwoO [2/33]
佐天「お初にお目にかかります、リーシャ女王」

リーシャ「畏まらなくても結構ですよ。救援ありがとうございます」

佐天「いえいえ」

アリア「こら! 女王様の御前だ!」

リーシャ「いいのです。道中の仲間とは仲良くするべきですよ、アリア」

アリア「……道中の仲間?」

佐天「察しが悪いなぁ」

リーシャ「軍議では冴えているのですがねぇ」

25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/08(火) 00:16:04.10 ID:nX+HKIwoO [3/33]
佐天「まず一つ、リーシャ様のご健在とこの事件の真相を世に知らしめ、畏国と尾国の戦争を止める」

佐天「二つ、王位継承争いに疑念を抱いている将、リーシャ様暗殺計画に反対していた将に近づき、協力要請する」

佐天「三つ、先の二つには人手が必要だ」

リーシャ「そういう事です」

アリア「合点がいきました」

佐天「あと四つ目は余談だけど、私が傭兵の仕事嫌いだから」

リーシャ「私達の護衛も傭兵では?」

佐天「じゃあ友達って事で」

アリア「無礼な!」

リーシャ「まぁ素敵!」

アリア「リーシャ様!」

29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/08(火) 00:28:10.66 ID:nX+HKIwoO [4/33]
リーシャ「アリア、何が不満なのですか」

アリア「あなた様は我々平民とは違うのです! 素性も知れぬ女と友達など」

リーシャ「アリア」

アリア「!」

リーシャ「その様な驕りが貴族、それに我ら王家を堕落させたのではありませんか?」

アリア「し、しかし…」

佐天「じゃあ私、アリアちゃんと友達になるー」ムギュッ

アリア「あ!? こら!」

32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/08(火) 00:32:55.16 ID:nX+HKIwoO [5/33]
アリア「は、な、さんっかー!」グィッ

佐天「いけずー」ムギュッ

リーシャ「アリア、羨ましいです」

佐天「じゃあリーシャにむぎゅー」

リーシャ「あはは」ムギュッ

アリア「ああっ こらっ」




アリア「まだ名を聞いてなかったな」

佐天「…佐天、佐天涙子」

33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/08(火) 00:36:35.08 ID:nX+HKIwoO [6/33]
アリア「変わった名前だな…倭国の出身か?」

佐天「…わからない」

アリア「わからない?」

佐天「生い立ちから何から…記憶がないの」



~約一年前~

ガタゴトガタゴト

佐天「……ん」

佐天「…ここは?」

34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/08(火) 00:43:12.88 ID:nX+HKIwoO [7/33]
佐天「何これ…馬車? 痛っ!?」

佐天「何で私縛られて… えっ」

周りを見渡すと私と同じ様に手足を縛られた少女が10人程居た

いずれも服とはとても呼べないボロきれを身につけて、それはさながら

佐天「奴隷―」


私は奴隷商の馬車に居た

36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/08(火) 00:48:29.57 ID:nX+HKIwoO [8/33]
佐天「い…嫌!」

「気が付いた?」

声の方を見ると、私よりも幼い少女がうずくまっていた

佐天「な、なんなのよこれ…!」

「決まってるでしょ、私達はこれから売られるの」

佐天「なんでそんなに落ち着いていられるの!?」

「私、親に売られたの」

佐天「―」


言葉が出なかった

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/08(火) 00:54:41.47 ID:nX+HKIwoO [9/33]
「あなた、今私に同情したでしょ」

佐天「―え」

「自分も無力なのに何同情してんのよ」

佐天「…」


少女はそれっきり顔を伏せて喋らなくなった


佐天「…」

38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/08(火) 01:02:23.43 ID:nX+HKIwoO [10/33]
佐天「ふ、…くっ」ギチッ

無力と言われ、一時消沈した心も、迫りくる何時とも分からぬタイムリミットに急かされ再び熱くなる

無情に食い込む縄に歯を食いしばりながら、私は馬車で見つけた一本の釘でロープを削る

佐天「っ! 痛い…」

ジワッと血の滲む音が聞こえた気がした

ロープの削れる音は全く聞こえないのに

40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/08(火) 01:06:58.33 ID:nX+HKIwoO [11/33]
それから6回馬車が止まった

外の様子はわからないが、2日ぐらい経っただろうか

私は寝る間も惜しんでロープを削り、遂に―

ブツッ

佐天「…!」


両手が自由になった

喜びに思わず声を上げそうになるが、周りに気取られないよう声を飲み込む

41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/08(火) 01:13:35.24 ID:nX+HKIwoO [12/33]
私の手が自由になって初めて馬車が止まった

馬車の僅かな隙間から見ると、どうやら今は夜らしい

佐天「よし」

私は体育座りになり、足のロープを解きにかかる。かなりギチギチに結ばれていたが、釘で抉ったりする内に解く事に成功した

佐天「これで逃げ―」

ガクンッ バタッ

佐天「あれ…」

42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/08(火) 01:19:59.41 ID:nX+HKIwoO [13/33]
いざ逃げるとなって気づいた

私は目覚めてから何も口にしていない

加えて、同じ体制だった為に体が強張り、何度やっても上手く動けない

そして馬車の出口、恐らく鍵がかかっている筈―




ガチッ ギィィ

佐天「!」

「うるせぇぞ奴隷がァ」

43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/08(火) 01:22:08.39 ID:nX+HKIwoO [14/33]
「!? な、なんでロープが」

佐天「うああああああああああああああ」
私は倒れ込むように男に飛びかかり


ズブッ


「ぎゃああああああああああああッッ!?」

男の両目を潰した

44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/08(火) 01:25:39.49 ID:nX+HKIwoO [15/33]
佐天「はあ…ッ はぁッ!」

暴れる男に押しのけられ、私は少し離れた場所でのた打つ男を見ていた

今思えば、あの馬車に男しかいなかったのは相当運が良かった



私は、先程までと変わって低い唸りを上げる男に向かって



グシャッ
石を叩きつけた

45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/08(火) 01:29:01.21 ID:nX+HKIwoO [16/33]
男の亡骸からナイフを奪い、馬車に戻る

これで他の少女達も解放される

それだけが私の殺人という罪の意識を軽くしてくれた





「なんて事してくれたの」



えっ

48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/08(火) 01:32:11.15 ID:nX+HKIwoO [17/33]
「私達は金持ちに買われたかったの」

「貧困から抜け出すチャンスをよくも潰してくれたわね」

「餓死するぐらいなら愛玩動物の方がマシよ」



浴びせられる罵詈雑言

彼女達と私では、決定的に世界が違った


………



49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/08(火) 01:35:29.66 ID:nX+HKIwoO [18/33]
佐天「!」バサッ


ダダダッ




佐天「…うぇ」


また、あの夢を見た

『この世界』と『私の世界』の違い

受け入れ難い現実


佐天「最悪の目覚め…」

50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/08(火) 01:40:09.79 ID:nX+HKIwoO [19/33]
=宿屋=

リーシャ「おはよう、佐天さん」

アリア「む、なかなか早い目覚めだな」

佐天「おはー」

リーシャ「…顔色が優れませんが」

佐天「ああ、ちょっと夢見が悪くて」

アリア「そんなタマには見えないが」

佐天「うるはい」パクッ

宿屋の朝食…パンを無理やり突っ込む

今日から死線を潜るのに、吐き気ぐらいで朝食を抜いていられない

51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/08(火) 01:43:50.51 ID:nX+HKIwoO [20/33]
佐天「リーシャ、その服どうしたの?」

リーシャ「ドレスは目立つので売りました」

佐天「ええっ」

アリア「リーシャ様に不釣り合いだが、世を忍べる上、資金にもなって良い選択だったろ」

佐天「アリア、リーシャ、発つわよ」

リーシャ「え?」

アリア「あ、こら!」

52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/08(火) 01:49:16.70 ID:nX+HKIwoO [21/33]
アリア「一体どうしたのだ!」

佐天「確かにドレスから着替えるのは重要、旅費もいつかは稼がないといけない」

佐天「でもね、あんな高級ドレス『女王様がいます』って主張してるようなもんじゃない」

アリア「…しまった!」

佐天「検問敷かれる前に街を出るわよ」

リーシャ「…すみません」

佐天「落ち込む暇わないわ。気取られないようにしつつ、周囲に気をつけて」

53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/08(火) 01:54:36.52 ID:nX+HKIwoO [22/33]
=関所=

兵士「…」


佐天「昨日は蛻の殻だったのに…」

アリア「暗殺部隊が戻らなかったからだろうな」

佐天「…もしくは泳がされてるか」

アリア「何か言ったか?」

佐天「どうやって抜けようかなー」

リーシャ「私に名案があります」

54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/08(火) 01:59:11.85 ID:nX+HKIwoO [23/33]
「いたぞー!」

「あのドレスを追えー!」


リーシャ「はっはっはっ」コッコッコッ


「お前らはあっちから回れ!」

「総力を挙げて捕まえるぞ!」



リーシャ「ハイヒール…走りにくっいっ!」コッコッ

55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/08(火) 02:06:05.84 ID:nX+HKIwoO [24/33]
アリア「本当に蛻抜けの殻になりましたね」

リーシャ「佐天さんが『女王様がいますって主張してるようなもの』と言ったので閃きました」

アリア「怪我の功名ですね」

リーシャ「後は佐天さんが無事に戻ってきてくれれば…」

アリア「…信じましょう」

57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/08(火) 02:10:55.87 ID:nX+HKIwoO [25/33]
リーシャもとい佐天「あー、無理、疲れた」

兵士「…なんか、女王様じゃないぞ?」

兵士「ただ高級ドレス着てただけの女…?」

佐天「な、なんですか! 女王様を兵士の人がなんで追いかけてるんですか!」

兵士「えっ」

兵士「それは…」

佐天「言えないんですか? 怪しい…」

兵士「い、いや、あのだな」

佐天「失礼な人!」プイッ

兵士「…」

58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/08(火) 02:16:27.78 ID:nX+HKIwoO [26/33]
=魔法都市への街道=

佐天「おーい」

リーシャ「佐天さん!」

アリア「無事だったか!」

佐天「やー、疲れた」

アリア「大義だったぞ」

リーシャ「すみません、危険な役をお願いしてしまって」

佐天「いいの、アリアは有名人だし、私しかできる人いなかったから」

リーシャ「…ありがとう」

アリア「ありがとう」

佐天「えへへ」

59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/08(火) 02:27:24.72 ID:nX+HKIwoO [27/33]
アリア「これから何処へ行くのだ?」

佐天「とりあえず羅公領地へ」

アリア「王子側の方は危ないのでは?」

リーシャ「彼の地は黒梟騎士団の地、シオンを頼れば羅公の下まで護衛してくれるでしょう」

佐天「王家はまだ分断しきってないからね」

アリア「なるほど、『戦神』シオン殿なら義を違える事はないだろう」

60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/08(火) 02:33:25.78 ID:nX+HKIwoO [28/33]
寝る

62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/08(火) 03:05:46.98 ID:nX+HKIwoO [29/33]


リーシャ「はぁ…はぁ…」

アリア「佐天、歩くのが速い」

佐天「あれ、ごめん」

アリア「リーシャ様、少し休憩しますか?」

リーシャ「では、お言葉に甘えて…」



リーシャ「魔法都市まではあとどれぐらいです?」

アリア「4日程ですね」

リーシャ「4日…!?」

アリア「はい?」

63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/08(火) 03:10:11.10 ID:nX+HKIwoO [30/33]
リーシャ「私達の国は大きかったのですね…」

アリア「はい、多くの英霊により守られた土地です」

リーシャ「…では、この旅はいい機会なので全国踏破しましょう!」

アリア「リーシャ様、馬を使ってもなかなか難しいですよ」

リーシャ「ふふ、冗談です」

66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/08(火) 03:16:57.94 ID:nX+HKIwoO [32/33]
アリア「そういえば、その鞄はなんだ?」

佐天「これ? リーシャのドレス」

リーシャ「まぁ!」

アリア「お前!旅費はどうした!」

佐天「旅費は稼げばなんとかなるけど、このドレスはシオン殿に会うのに必要でしょ」

リーシャ「確かに…」

佐天「それに、その服もかわいいけど、やっぱり素敵なドレスのが似合うし」

アリア「ふむ、なかなか見る目があるな」

佐天「…アリアもスタイルいいし、似合いそう」

アリア「わ、私は軍服か鎧で…」

リーシャ「アリアったら照れてますよ」


ここでスレ落ち。

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