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唯「ロザリオ?スール?」


未完です

1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 15:22:37.87 ID:LXkAW944O [1/48]

唯「なにそれ?」
和「唯ったら、やっぱり知らなかったのね。今年から、桜が丘高校でもスール制度を導入することになったのよ。」
唯「すーる……」

2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 15:23:54.42 ID:LXkAW944O [2/48]
和「スール、日本語で言うと姉妹ね。先輩・後輩で義理の姉妹関係を結んで、授業・部活動や生活面での面倒を見てあげるのよ。」
唯「な、なるほどぉー。」
和「……とはいえ、『姉妹とはこうあるべき!』っていう完全な指標があるわけでもないし、現段階では『先輩後輩で仲良くしましょう』ぐらいの感覚でいいみたい」
唯「ふーん」
和「ちなみにスール契約はロザリオの授受で行われるの。近隣の女子高がこの制度で風紀を保っていることを受けて、うちでも試験的に導入することになったのよね。
おかげでここ何週間、生徒会の面々は大忙しよ……ふあぁ……」
唯「和ちゃんが欠伸するなんて……お疲れさまだよ~……」
和「ありがとう唯。詳しいことはさわちゃんから発表があると思うから、ちゃんと聞くのよ」
唯「はーい!」



3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 15:25:47.95 ID:LXkAW944O

さわ子「という訳で、これから皆さんにロザリオを配ります。他の子のと混ざらないよう、配られたら後ろに名前シールを貼ってね。」

ガヤガヤ

唯「わぁ、ロザリオかわいーっ!青くてキラキラ!」

さわ子「ご覧の通り、3年生のみんなには青い飾り石のついたロザリオを渡しています。2年生は赤、1年生は緑、ネクタイの色と同じね。少なくともこれから1週間の間は見えるところにつけること!」

さわ子「もう一度言いますが、スール契約の期間は一週間です。一週間の間にスールが見つかったら、その子とロザリオを交換してください。」

さわ子「学年間の積極的な交流を促すために、この一週間だけは初対面の相手でも好きに話しかけていいことになってるわ。
でもネクタイの色と違う色のロザリオをつけている生徒は、もうスール契約が済んじゃった子たちだから声を掛けちゃだめよ。」

さわ子「それから、もし相手が見つからなくても心配しないでね。一週間の期間が過ぎてスールのいない子には、同じようにスールのいない下級生を集めた抽選会があります。どのみち一人ぼっちにはならないから安心してね」

さわ子「それじゃあ、スール探しは今日の放課後17時から来週の火曜17時までです。健闘を祈るわ」


「誰にしよっかなぁ」「楽しみ♪」「受け取ってくれるかなぁ?」「どうしようかな」
ざわざわ


唯「何かみんな楽しそう……私もわくわくしてきちゃった♪」


4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 15:28:40.13 ID:LXkAW944O

16:30

梓「……」そわそわ

ガチャッ

梓「!」ぴくっ

律「よーっす!ってあれ?梓だけかー」
梓「な、なんだ……律先輩ですか……」
律「なんだとはなんだ?!こんの~」
梓「わ、やめ、やめてくださいー」

ガチャ

梓「!」ぴくっ

紬「あら楽しそう」
澪「律、後輩いじめもほどほどにな」

梓「……せ、先輩達でしたか」どきどき

紬「?」

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 15:29:07.40 ID:LXkAW944O

律「聞いてくれよムギ、澪。梓が何か変なんだよ。」
澪「へん?」
律「今日は妙に挙動不審っていうかさぁ」
澪「そうなのか?梓。具合が悪いなら……」

ガチャ

梓「にゃ゛!」ビックーン

唯「やっほー!……ってあれ?何してんの?」

梓「ッゆゆゅゅ唯先輩、お、お、遅いですよ!もう!」

澪・律「?」
紬「(……なるほどね。)」



7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 15:30:06.24 ID:LXkAW944O

16:50

梓「……」そわそわ

唯「ぅはーっ、この一杯のために生きてるよ」
澪「紅茶をビールみたいに言うな!」
律「唯係長、やはり飲みニュケーションは大事ですなぁ、飲みニュニュケニュ」
澪「意味が違うし噛んでるし」
紬「ふふふ、どんどんおかわりしてね。お菓子もまだあるから」

梓「……」ぱく……

紬「梓ちゃん、あんまり進んでないわね。どうしたの?」
梓「へ!?」びく
紬「……さっきから唯ちゃんの方ばっかり見てるけど?」ぼそ
梓「なっ、なっ、ちが……」


律「あ!」

梓「!?」びくっ



8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 15:30:38.41 ID:LXkAW944O

律「そういえば今日からだなぁ、えーと、ドライブ……」
唯「スルー!」
澪「スール制度な」

梓「!!!」びくびくっ
紬「……」にまにま



10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 15:31:09.70 ID:LXkAW944O

唯「みんなどうするのー?もう決めたの?」

梓「……」そわそわ

澪「って言ってもなぁー。私達の後輩って梓一人だろ?全員が梓の姉になるのは無理だしなぁ」
律「こういう時はあれだ、梓の手を引っ張って強い方が勝ちと見せつつ先に離した方が勝ちみたいな……」
澪「童話か!」
唯「あーそれ知ってる!」
澪「乗るな!」
律「まぁでも、うちの部だけじゃどっちにしろ上級生が余るからな。サイアク抽選でもいーや、よく分からんし」
唯「律ちゃんだったら誰と当たっても仲良くなれそうだもんね~」



11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 15:31:42.18 ID:LXkAW944O

紬「それで、梓ちゃんはどうしたいの?」
梓「わ、私は……」
澪・律「?」
梓「ゆ」


唯「あ!」

全員「!?」

唯「憂がいるじゃん!ねぇねぇ、私は憂にするからみんながあずにゃんと組んでいいよー!」

梓「……」ガーン



16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 15:40:19.07 ID:LXkAW944O

澪「あぁ、そういえばそうだな。スールっていうかリアル姉妹だし」
律「色々と立場逆転してるが、憂なら唯の面倒ちゃんと見られるしな」

梓「……」ふるふる

唯「ぶー!律ちゃんひどい!私だって憂の面倒…………あれ?見たことあったっけ……」
律「あはは、全然だめじゃん!」
唯「そ、そんなことないよ!ちゃんと面倒見てるけど、でも、……あれ?あれぇ……?……お、思い出せないだけだよ!」
澪「憂ちゃんの苦労が思いやられるな」

わいわいがやがや

梓「……」

梓「……」つつー、ぽろり

紬「(あ、泣いた)」



17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 15:50:57.72 ID:LXkAW944O
唯「よぉっし!そうと決まれば善は急げだね!ちょろっと憂に渡してくるよー!」

澪「ちょうど17時だしな」
律「転ぶなよー!」

唯「分かってるって!じゃ、行ってきまー……」

ガチャ

唯「……」

律「どした?」

唯「み、みおちゃん!にげてー!」

澪「!?」



18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 15:51:18.77 ID:LXkAW944O


ぞろ……

ぞろぞろぞろ……

ぞろぞろぞろぞろぞろぞろぞろぞろぞろぞろぞろぞろ

「「「「澪先輩!!」」」」



澪「ひ、ひぃぃー!?」





19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 16:00:35.63 ID:LXkAW944O

「澪せんぱい!私のロザリオを」「いいえ私のを」
「受け取ってください澪先輩」「先輩しかいないんです」
「好きです」「愛してます」
「お慕いしております」「月がきれいです」
「さぁロザリオを!」「ロザリオを!」
「ロザリオを!」「ロザリオを!!」ぞろぞろぞろぞろ


澪「だ……誰かー!!」


律「……壮絶だな」
唯「澪ちゃんファンクラブのみんなだねぇ……」
梓「……」
紬「ファンクラブ以外の子もいるみたい。部屋がパンクしそう……」オロオロ




21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 16:13:01.75 ID:LXkAW944O
「澪先輩こっち向いて」「澪先輩私のロザリオを」
「澪先輩澪先輩」「澪先輩のロザリオをもらえば」
「ずるい!私が澪先輩のをもらうわ」「澪先輩をもらうわ」
「ロザリオは私の」「私の」
「澪先輩は私の」「私の」

澪「押さないで……あ、ぐぎ……い……ロザリオは引っ張っちゃ……だ……め……」


梓「せ、先輩の首が!!」
唯「み、澪ちゃん!!!」
紬「みんなやめて!!あぁ、誰も聞いてない!!」

律「……ち、見てらんねーな」

タッ

唯「律ちゃん!?」



22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 16:18:19.36 ID:LXkAW944O



律「……おまえらーーーーーーーーッッ!!!!!!!」

下級生ズ「!」びくっ

律「その手をはなせ!!勘違いしているようだが……」



律「澪は私のだ!!!」



下級生ズ「!?」




23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 16:31:24.72 ID:LXkAW944O

澪「り……律……!?」

律「ロザリオだ?スールだ?知らねーよ!こちとら何年一緒だと思ってんだ、お前らに澪は渡さない!!」

澪「律……」

律「澪、こっちこい!」ぐいっ
澪「え?」ふわっ


下級生ズ「!?!?!?」


唯「お姫様だっこー!?」
梓「なんて無茶を!」
紬「(ビデオカメラ持ってきたらよかった……)」


律「どけどけどけー!田井中律様のお通りだーーーーー!!」

下級生ズ「きゃああーっ」


ドタドタドタドタドタドタドタドタ

26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 16:40:13.37 ID:LXkAW944O

唯「行っちゃった……」
梓「下級生達がモーセの十戒のように道を開けましたね」
唯「すごい勢いだったよね。……ムギちゃん、どうしたの?」
紬「待って話しかけないで今の動画データを脳内フォルダに厳重保存してるから」ジジー……ピピピ
唯「サイボーグ!?」



27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 16:41:13.51 ID:LXkAW944O

その後

下級生ズ「すみませんでした!!!」

梓「(こう大勢に一斉に謝られると壮観……)」

唯「で、でも、悪気はなかったんだよね……」

下級生「はい、それは!私たちはただ澪先輩をお慕いする一心で……」
下級生「ただ、他の生徒も同じようにお慕いしていたので、負けたくないと思うあまり……」
下級生「つい熱くなって……」
下級生「完全に我を忘れていました。ごめんなさい……」

唯「い、いいよぅ、大丈夫だよぅ……(こんなにたくさんの子にいっぺんに謝られても、怖いよー)」
紬「秋山さんには私たちの方からちゃんと伝えておくから。ね?」
梓「先輩達も荷物置いたままですし、このままでは帰ってきづらいかと。今日のところは……」

下級生ズ「はい、失礼します……」

ガチャ

ぞろぞろとぼとぼとぼ……

唯「あ、あんまり気に病まないでねー……?」

29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 16:50:01.10 ID:LXkAW944O

梓「帰りましたね」
唯「ふぅ……何だか一日分の体力使ったよー」
梓「唯先輩は何もしてないじゃないですか」
唯「疲れた時には甘いものだよね、ムーギちゃーん!」
紬「はいはい」
梓「それが目的でしょ!」



唯「ぷっはー!一仕事のあとのいっぱいはカクベツですなぁ!」
梓「突っ込みませんよ」
唯「あずにゃんひどーい。今日はツンデレさんな気分なのかなぁ?」
梓「ち、違います!でも……」
唯「?」
梓「なんでもないです!」

梓「(唯先輩は、私をスールにしてくれない……)」

梓「……なんでも……ないです……」

30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 16:58:28.14 ID:LXkAW944O

~♪

唯「だれ?」
紬「私ね。……あ、和ちゃんからだわ」
唯「和ちゃん?なんのメール?」
紬「ん、ちょっと待ってね……」

ぷちぷち

紬「あら」
唯「なになに?」
紬「……唯ちゃん、憂ちゃんは和ちゃんのスールになったんですって!」
唯「ええっ!?」
梓「え!?」

紬「唯ちゃんを好きな子同士、気が合ったのかも。和ちゃんと話してみる?」

唯「う、うん!」


33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 17:11:29.55 ID:LXkAW944O

rrrrr

和『どうかした?』
唯「和ちゃん、憂がスールになったってほんと!?」
和『本当よ。元々面識あったし、気が合うから』
唯「そっかー……うぅ、和ちゃんならしっかりしてるし文句ないけど……」
和『安心して。スール制度をやってる大元の学校は、山百合会って言って、代々スールが生徒会を継ぐことが多いけど』
和『うちの学校にはそういうのもないし、今までとあまり変わらないと思うわ。』
唯「そっか……」
和『大丈夫、あなたの妹さんはちゃんと大事にするわ。任せて』
唯「……そうだね、ありがと!ちょっとびっくりしたけど、和ちゃんなら全然いいや!よろしくね!」
和『ええ、こちらこそ。じゃあね』


34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 17:17:56.66 ID:LXkAW944O

ピッ

紬「どう?」
唯「うん、和ちゃんならいいやって感じ!しっかりしてるし、私もお世話になってるし。」
紬「そう、よかった」
唯「あ、でも私のスール探しが振り出しに戻っちゃった。どうしよっかなぁ?」
梓「!」

梓「あ、あの……」

ガチャ

律「たっだいまー!」
澪「ただいま……」

唯「律ちゃん澪ちゃん!」
紬「おかえりなさい!」
梓「おかえりなさい先輩……(言えなかった……)」



35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 17:28:43.24 ID:LXkAW944O

律「やー、さっきは散々だったなぁ澪」
澪「こわかった……」がたがた
紬「だけど律ちゃんかっこよかったわ。王子様みたいだった」
律「だっろー?ははは」
澪「こ、こら////」

唯「あれ?二人ともロザリオ赤いやつだ。どうして?」

澪「あぁ、これか?実はあのあと……」



36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 17:40:34.82 ID:LXkAW944O

-回想-


律「ふぅ……ここまで走れば大丈夫かな」
澪「お、おろして……はずかしい……こわい……」
律「あぁ、ごめん。よっこらしょ」どすっ

澪「びっくりした……律があんなことするなんて……」
律「いや……自分でもよく分からんのだが、何か見てらんなくなってな。こう、かっとなったっていうか、澪にさわるなーみたいな……」
澪「律……」

律「なぁ澪。この際だから、言っていいか?」じっ

澪「な、なに……?////」



律「……ダイエット……した方が……」



澪「……」

ゴッ



37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 18:00:49.11 ID:LXkAW944O

律「いってえー!」
澪「重かったのか!?重かったんだな!?余計なお世話だ!!そ、そもそも誰も運べなんか頼んでないし!!」
律「なんだとぅ!?おまえというやつは、人様の厚意を……」


ファンクラブ×2「澪先輩律先輩!」

澪・律「!?」





38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 18:14:12.76 ID:LXkAW944O

律「こ、ここまで追ってくるなんて……」

ファンクラブ1「違います!」
ファンクラブ2「私たち、もう澪先輩のことは諦めてます!ただ……」

澪「ただ?」

ファンクラブ2「澪先輩と律先輩に幸せになってほしくて……」

律「……どういうことだ?」




39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 18:31:01.64 ID:LXkAW944O

ファンクラブ1「私たち、あれからすごく反省したんです……」

ファンクラブ2「私たちは、自分が澪先輩とくっつくことばっかり考えて、澪先輩自身の幸せのことが全く頭にありませんでした。」

ファンクラブ1「ファンクラブ会員としてあるまじき所業です。私たちは本来、澪先輩の幸せを第一に考えるべき存在ですから……」

ファンクラブ2「それで、私たち2人は考えました。澪先輩にとって何が一番幸せか、そのためにできることは何か」

ファンクラブ1「二人とも、同じ答えを出しました。澪先輩にとっての幸せは、律先輩と一緒にいることだと。」

澪「なっ……」

ファンクラブ1「私達は」
ファンクラブ2「そのために、私達にできることをします」

ぐっ

澪「これは……」
律「2年生のロザリオ?」

41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 18:41:34.89 ID:LXkAW944O

ファンクラブ1「お二方、このロザリオを受け取ってください」

律「……おいおい、それじゃあさっきと……」

ファンクラブ1「違います」
ファンクラブ2「名前シールは剥がしてあります。このロザリオはこれから、律先輩と澪先輩のロザリオになるんです」

澪「えーと……それはどういう」

ファンクラブ1「先輩達は、名前シールをこの赤いロザリオに貼ってください。私達も、自分の名前シールを青いロザリオに貼ります。」

澪「私達のロザリオと、二人のロザリオを入れ替えるってことか?」

ファンクラブ2「そうです。そうすれば、先輩達は赤いロザリオに青ネクタイ、もう下級生に声を掛けられることはなくなります。」
ファンクラブ1「その上で、今度は先輩達同士で、お互いの名前のついたロザリオを交換してください。」
ファンクラブ2「そうすれば、先輩達は名実ともにスール同士。お互いの絆は保たれますし、もう横やりが入ることはないでしょう」


澪「そ、それって……アリなのか?」

ファンクラブ2「確かに……同級生同士でロザリオを交換する例は他にありませんが……」
ファンクラブ1「やってはいけないという話はありませんでした。規定では、『3年生は必ずスール契約を結び、赤か緑のロザリオを所持すること』とあります」
ファンクラブ2「この方法なら、ルールを破らずに二人が一緒にいられるんです」

律「考えたな……」

ファンクラブ1「さっきの律先輩の振る舞いを見て、澪先輩を任せるなら律先輩しかいないと思いました。」

56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 19:19:41.51 ID:LXkAW944O

ファンクラブ2「これは提案でなく、お願いです。律先輩、どうか澪先輩のスールになってください!」

律「……」
澪「律、どうする?私は……」
律「……よし、澪」
澪「ん?」


律「私の、妹になれ」にっ


澪「……!!/////」



ファンクラブ1「(み、澪先輩が真っ赤に……)」
ファンクラブ2「(これはええもん見ましたわ…………)」



57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 19:29:00.62 ID:LXkAW944O

澪「ということがあったんだ」

唯「なるほどー」
律「だから、私達はスール契約騒動から一抜け。一抜けっていうか二抜けだけど。な?」
澪「そうだな……////」

紬「(澪ちゃん、律ちゃんのロザリオを大事そうに握って……見せつけてくれちゃうわね)」にまにま

唯「でも、赤ロザリオならもうファンクラブがわーって来ることないね。よかったねぇ。」
澪「そうだな、あれはもう懲り懲りだ」
唯「いいなー、私も赤ロザリオ欲しい」
梓「!」

梓「あ、あの……私の」



唯「うーん、でも憂がだめならしょうがないよね。そうだあずにゃん、ロザリオちょうだい!」

梓「!」



59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 19:45:23.11 ID:LXkAW944O

唯「だめ?」

梓「……(……うれしい…………でも、)」

梓「……(『しょうがない』……?)」

梓「……」

梓「……いやです」

唯「え?」

梓「ぜっっったい!いやです!!」

唯「???」



紬「(あちゃ~……)」



61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 20:07:11.36 ID:LXkAW944O

唯「ふえぇ……あずにゃんにスール断られちゃったよぉ……」

澪「単純にロザリオ授受の時間がなかったってことかもな?あのあと急に楽器片付けて帰っていったし……」
唯「それはきっと、私の顔を見たくなくなっちゃったからだよぉ……」うるうる
澪「ち、違う、違うぞ、大丈夫だ……たぶん」

紬「(澪ちゃん……)」
律「(墓穴掘ってるぞ……)」

紬「でも、まだ一週間の初日じゃない。澪ちゃんの言う通り、もっと時間の取れる時に言ってほしかったのかも」
唯「そうかなぁ」
律「それに、スールを断ったからって唯のことを嫌いだとは限らないだろ。ってか、そんなことは絶対ない」
澪「それは、そう思う!」
唯「かなぁ?かなぁ……」



62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 20:18:25.22 ID:LXkAW944O

憂「えー、梓ちゃんが!?」
唯「そうなの」しょぼん
憂「(おかしいなぁ、梓ちゃんはお姉ちゃんのことが大好きなはずなのに……)」
唯「憂はなんで和ちゃんのスールになったの?」
憂「えーと……」



64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 20:28:57.71 ID:LXkAW944O

-回想-

憂「(スール制度か……とりあえずお姉ちゃんに会いに行ってみよう)」

和「憂!」

憂「和さん!」
和「偶然ね、ほんと偶然。もしかしてこれから唯のところ?」
憂「へ?なんで分かったんですか?!」
和「危なかっ……ごほ、ううん、何となくよ。憂は唯のスールになるの?」
憂「うーん……いえ、とりあえずお姉ちゃんって感じで……」
和「そ、そう。そうなの…………あのー、もし憂が唯じゃなきゃだめっていうなら止めないんだけど……」
憂「どうしたんですか?」
和「……私のスールにならない……?」
憂「和さんの?!」

65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 20:38:05.91 ID:LXkAW944O

和「と、突然すぎたわね、分かってるわ大丈夫、憂が嫌なら無理強いしないし……」
憂「いえ……でもどうして?」
和「うーん……ほら、私も憂も唯のこと大好きじゃない?」
憂「そう……ですね。お姉ちゃんのことは、好きです」
和「でも、憂はクラスで唯がどうしてるか知らないでしょ?」
憂「確かに……」
和「同じように、私も唯が家でどうしてるか知らない。……だから、二人で情報交換したいの」
憂「!」
和「へ、変な意味じゃなくよ。私は家での唯のこと、ちゃんと知ってた方が学校でもサポートしやすいし……逆に憂の場合もそうでしょ?」
憂「それは、助かるかもしれませんが……」
和「憂が唯とスールになっても、今までとそう変わらないと思うの。それなら私と組んで、もっと唯の役に立ちたいと思わない?」
憂「う……」

68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 21:00:46.22 ID:LXkAW944O

和「それにね、さっき紬からメールがあったんだけど、私と憂がスールになったあとで……」
憂「?」
和「紬と私と憂の3人で、秘密裏に『唯を見守る会』を発足しないかっていう話があるの。私たち二人の情報に、さらに紬の持つ『軽音部での唯』の情報が加わったら……どうなるかしら?」
憂「!!」
和「勿論、スール制度っていうのは双方の合意がないと成立しないけど……」
憂「いいえ!!!!!」
和「!?」
憂「なりましょう、スールに!さぁ今すぐロザリオを!!」キラキラキラキラ
和「……(これでいいのよね、紬……?)」



69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 21:15:01.75 ID:LXkAW944O

憂「(……ほんとのことなんて絶対言えない)」

憂「……偶然会って、意気投合したからかな?」
唯「ふーん、その場のイキオイって感じ?」
憂「ま、まぁそんな感じ……?」
唯「なるほどなるほど」

憂「(……それにしても)」




71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 21:27:21.20 ID:LXkAW944O

-またもや回想-

和「やっぱりここが一番良さそうね……うちマリア像ないし」
憂「和さん、意外にムード気にするタイプなんですね」くすくす
和「ち、違……私はただ、しかるべき場所でしかるべき儀式を行いたいだけよ。厳粛に。……それから」
憂「はい?」
和「このロザリオをつけたら、『和さん』じゃなくて『お姉さま』。いい?」
憂「……はい」ドキ
和「じゃあ、目を瞑って」

ふわ

憂「…………」




76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 21:51:22.25 ID:LXkAW944O

憂「(お姉ちゃん以外の女の人に触られるのって、ちょっと不思議な感じがするんだなぁ……)」
憂「…………」ドキドキ

唯「うい?」
憂「!」びくっ

憂「あっでっ」
唯「?」
憂「で、でも、お姉ちゃんはお姉ちゃんだけなんだからね!お姉さまがいてもお姉ちゃんはお姉ちゃんなわけで、お姉さまができたってお姉ちゃんよりお姉さま、なんてことには絶対……」
唯「…………言ってる意味が分からないよ、ういー」



79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 22:03:45.31 ID:LXkAW944O

-翌日-

和「(『お姉さまへ 昨日のお姉ちゃんは、ハンバーグをおいしそうに食べていました でもちょっと元気がなかったみたい 憂より』)」

和「なるほど」

和「(憂へ ありがとう たしかに今日の唯は元気がないかも 今もなんだかぼーっとしています)」ぷちぷち
和「(和 より)」ぷちぷち

和「…………ふふっ」
紬「なぁに?楽しそう」
和「!」びくっ
紬「珍しいわ、和ちゃんのそんな顔」
和「紬ったらびっくりさせないでよ。そうだ、憂との件はありがとう」
紬「うまくいってよかった。二人は絶対気が合うって思ってたの」
和「ど、どういう意味よ」
紬「さぁ?」にまにま


80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 22:11:07.41 ID:LXkAW944O

和「まぁ、似た者同士ではあるかもね。これからは紬と三人で情報共有ができるって言ったら喜んでたわ」
紬「似た者同士、仲良くできるといいわね」
和「ゆ、唯を見守るっていう目的の下では同志な訳だし、うまくやるわよ!……あくまでも目的のためによ!」
紬「(意外と分かりやすいタイプよねえ)」



82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 22:21:40.31 ID:LXkAW944O

さわ子「おはようみんな。……あら、さっそくロザリオの色が違う子がいるわね。侮れないわ」

和「……」にこにこ

律「……」にこにこ
澪「……」かぁぁっ

さわ子「でもまだの子も焦ることないわよ。まだ6日もあるんだから、ゆっくり良い相手を見つけてね」

律「ほら澪、お・ね・え・さ・まって」ぼそ
澪「ばか、HR中だぞ!」ぼそ
いちゃいちゃ



唯「(……あずにゃん……)」



83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 22:27:29.27 ID:LXkAW944O

-放課後-

紬「みんな、まだかしらね」
唯「……」ぼーっ
紬「(唯ちゃん……)」

ガチャ

唯「!」ぴくっ

梓「お疲れさまで」

唯「あああああずにゃああああああああああああんっ」だきっ
梓「!?」

唯「あずっあずにゃっああああああん」ぐずぐずぼろぼろ
梓「ゆ、ゆい先ぱ、くるし、」
唯「ごめんなさいいいい嫌いにならないでえええええええええええ」ぼろぼろ
梓「/////!な、なりません、なりませんからとりあえず……離して……」ぐい
唯「うぅ……」ぐすぐす



84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 22:28:11.87 ID:LXkAW944O

梓「びっくりした……」

唯「うっうぇっ」ぐずぐず
紬「ごめんなさいね。唯ちゃんたら、朝から梓ちゃんのことばっかり気にしてて」
唯「そ……なのっ……だっ……もっ……来なっ……」ぐずぐず
紬「そう、もう来ないんじゃないかって」
唯「……ゆ……わが……おご……うぇっ」ぐずぐず
紬「理由は分かんないけど、怒らせちゃったことは確かだから、ずっと謝りたかったのって」
唯「う……うっ」ぐずぐず
梓「唯先輩……」
紬「ね、もし唯ちゃんのこと嫌いじゃないなら、今日もいつも通り、一緒に練習してあげられないかしら。……スールの話は、すぐに考えなくてもいいから」
唯「そ……す……じゃ…く…も………しょに、て……ばい……」ぐずずっ
紬「……唯ちゃんも『スールじゃなくてもいいから一緒にいてください』って言ってるわ?」
梓「……」

梓「……分かりました。昨日のことはひとまず忘れます。っていうか、こっちこそすみませんでし……」
唯「うわああああっよがっあずっにゃあああああ」ぶわっ
梓「だ、だから抱きつかないでくださいってば!!!!」じたばた



85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 22:45:07.81 ID:LXkAW944O

ガチャ

律「おーっす!」
澪「……ほら律、もう着いたから、離して……」ぼそ

唯「律ちゃん!」ぐずっ
律「なんだ唯そんな顔して!何かあったのか?」
唯「あのね律ちゃんあのねあのねぇっ」ぶわっ
梓「唯先輩ちょっと待って!」

唯・律「?」

梓「律先輩……」

律「ん?」

梓「……なんで澪先輩と手繋いでるんですか……?」

澪「!!!」




88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 23:07:57.42 ID:LXkAW944O

唯「!し、しかも恋人繋ぎだよ……上級者だよぉ……」

律「ああ、これ?」ぐい
澪「きゃっ」
律「こっちに来る途中でスール同士っぽい二人がやってたんだよ。で、何か楽しそうだったから」

梓「楽しそうだったから、じゃないですよ!そ、そういうのは本当に大事な人ができた時に……」

律「何言ってんだ梓、澪は今でも十分大事だぞ。なー?」にぎにぎ
澪「り、りつーっ!」かあぁっ

唯「ふわぁ、なんかスールって色々楽しそうなんだね。……あれ、ムギちゃん?」

紬「……」パアァ……ピヨピヨピヨ

梓「召されてる……」




92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 23:43:37.62 ID:LXkAW944O

澪「だ、だから私はやめようって言ったんだ……だいたいごにょごにょごにょごにょ」

紬「さぁ、皆!今日はめいいっぱいおいしいお茶を入れたから!飲んで飲んで!」
唯・律「わーい!」
唯「のーんでのんでのんで」
律「のーんでのんでのんで」
唯「みおちゃんの、」
律「ちょっといいとこ見てみたい♪」
澪「いつまで飲み会ネタ引っ張ってるんだあんたらは!」
紬「うふふふふ」

梓「(紬先輩の眉毛が三割増しぐらいで輝いてる……)」

梓「(……でも)」ずず



93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 23:44:28.42 ID:LXkAW944O

梓「(スールになるってことは、友達以上の関係を築くってことだから……)」

律「澪、あーん」
澪「バカッ」

梓「(律先輩と澪先輩みたいなことになってもおかしくない、のかも……もし唯先輩のスールになれたら……)」


(唯「あずにゃん、あーん」)


梓「……////」ぼたぼた

紬「あらあらうふふ」

98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 00:23:15.35 ID:+0d5So58O [1/27]

がやがや

唯「ずるいー、律ちゃん私にも」
律「しょうがないな、唯は。あーん」
唯「あーん」もぐもぐ
澪「律」
律「ん?」
澪「あーん」
律「ばっ、そっちからはナシだろ!」
澪「なんでそうなる」
唯「えーなになに、律ちゃん照れてるの?」
律「ちがーう!」////



梓「(やっぱり、唯先輩のスールになりたいな……)」

梓「(……でも)」

(唯「憂がだめならしょうがないよね。」)

梓「(…………誰かの代わりなんて、いやだ)」



澪「ほら、口開けて」
律「うぅ……」


105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 01:00:07.09 ID:+0d5So58O [2/27]

-翌日-

さわ子「……だいぶ色違いさんが増えてきたみたいね。」

さわ子「みんな楽しそう。先生の時代にもこんな制度があったらなぁ……」

和「(唯は昨日より少し元気になりました でも考えごとは続いているみたい)」
和「(和より)」

唯「(……どうしたらいいのかな……)」

紬「(唯ちゃん、何を考えているのかしら……)」



106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 01:00:43.00 ID:+0d5So58O [3/27]

-昼休み-

律「ぷ、プロポーズ大作戦!?」

唯「そう!」
澪「プロポーズっていうか、今回はスール申し込みだろ」
唯「細けぇことはいいんだよ!とにかく、あずにゃんにとっっっっっても素敵なシチュエーションでスール申し込みがしたいの」
紬「シチュエーション、ねぇ……」

唯「あのね、私考えたんだ」
唯「この前、何がいけなかったのかなって」
唯「それでね、こういうのに大事なのは、やっぱりシチュエーションだと思うの!」
唯「この間は、ほら、何かノリだけでぱーっと言っちゃったから、いけなかったんだと思う!」



107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 01:02:09.62 ID:+0d5So58O [4/27]

澪「なるほど。シチュエーションは大事かもしれないな……(確かにあの時の律も……)」
律「?何赤くなってんだよ澪」
澪「気のせいだ!」

唯「きっとね、とびきりゴーージャスでマーーベラスなドキドキシチュエーションでおねがいしたら、あずにゃんもうんって言ってくれると思うんだ!」えっへん
律「面白そうだな、乗った!」
澪「私も……出来る限り協力するよ」

紬「(みんな……)」

紬「(本当はそれだけじゃだめなのよって、教えてあげたいけど……)」

紬「(……もう少し黙ってましょう。唯ちゃん、気づくといいな)」


唯「あずにゃんをびっくりさせるぞ、おーっ!」

130 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 10:33:37.72 ID:+0d5So58O [6/27]

-放課後-

唯「あーずにゃん!」
全員「!」
梓「……なんですか」ドキドキ
唯「あずにゃんの……」
梓「……」ドキドキドキドキ
唯「好きな漫画ってなーに?」
梓「へ……?」
律「梓、別にドラマでもいーぞ!」
澪「映画でも……」
梓「な、な、何の話ですか?」
唯「答えてよー」
梓「うぅ……どれもそんなに詳しくないですが……」

梓「……音楽のきれいな作品、でしょうか」
唯「なるほどなるほど……」
梓「何のメモ取ってるんですか?」
唯「あ、だめ見ちゃだめぇー!」
梓「(変な人だ……)」



131 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 10:35:18.16 ID:+0d5So58O [7/27]
律「はいはーい!これから心理テストやんぞー!」

律「告白されるなら次のうち、どこ?」

律「夕日の見える海、夜景の見えるホテル、学校、高級レストラン」

唯「レストラン!」
紬「はい!私は夜景がいいと思います」
澪「学校……かな」
梓「私も、学校……」

律「なるほどー、梓は学校か。心理テスト終わり!」
梓「えっ」

紬「律ちゃん、答え答え」ひそ
律「あ、そっか。……学校を選んだ人はー……」

律「……学校が好きなんじゃね?終わり!」
梓「えっ」

紬「わー、じゃあ私は夜景が好きなのねー!」
梓「えっ」
澪「学校大好き!」
梓「えっ」
唯「あずにゃんもレストランじゃなくてよかったー!」
梓「えっ」
唯「えっ?」

梓「(……変な人達だ……)」

132 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 10:36:11.60 ID:+0d5So58O [8/27]

澪「誰か・ロマンティック♪止めて・ロマンティック♪」
澪「ロマンティックあげ~るよ~♪」
澪「ロマンティックに腰を振る♪」

澪「梓、ロマンティックはもらいたい派か?止めたい派か?それとも……」
梓「腰を振る以外なら何でもいいです!それよりどうしたんですか先輩たち!何かおかしいですよ?」

全員「……!」ぎくっ
澪「(あれ?さりげなく聞けたと思ったのにな……)」

梓「もしかして、何か隠してます……?」
唯「そっ」



133 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 10:37:17.61 ID:+0d5So58O [9/27]

唯「そーーんなことないよ!ね、ね、みんな?」
澪「うんうん」
紬「うんうん」
律「うんうん」
トンちゃん「……」コクコク

梓「(怪しい……)」

~♪

紬「あら、誰かしら」

ぷちぷち

紬「……うふふ」
唯「誰だったの?」
紬「私のスール」

全員「……」

全員「ええーっ!?」



134 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 10:37:50.75 ID:+0d5So58O [10/27]

律「お、おいっ、初耳だぞ!」
澪「もうスールがいたのか、ムギ!」
紬「ごめんね、別に隠すつもりはなかったんだけど言うタイミングが……」
唯「相手は誰?誰なのっ?」
紬「みんなが知ってる子か分からないけど、生徒会の子よ。和ちゃんの後輩」
唯「ほえー……」
紬「和ちゃんが憂ちゃんと決まっちゃって、ちょうど寂しがってたらしいから。私が代わりになれるかは分からないけど……」
梓「(代わり……)」


135 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 10:38:27.50 ID:+0d5So58O [11/27]
紬「でも、きっと仲良くなれると思うの。大切なのは、姉妹になるまでじゃなくて姉妹になってからだと思うから……お姉さんになったからには頑張らなくちゃ」
梓「……」


唯「もー、ムギちゃんったらとんだサプライズだよ!」
澪「びっくりしてカップ落としそうになったぞ」
紬「ごめんなさい、うふふ」

梓「(……ムギ先輩は、えらいな)」

律「なんだよそのうふふって!幸せ者かー、このっ」
紬「きゃっ♪」
澪「しかし以外だったな、ムギが生徒会のメンバーと……」

梓「(誰かの代わりって分かってても、努力でそれをカバーしようとしてる……)」



136 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 10:39:59.09 ID:+0d5So58O [12/27]

紬「決め手?そうね……趣味が一緒だったことかしら」
唯「シュミ?」
律「そいつも楽器やるのか?なぁなぁ」

梓「(私が贅沢すぎるだけなのかな……)」

紬「趣味は趣味。同じものを見て心がときめくの。素敵でしょ?」
澪「よく分からんが……楽しそうだからいいか」
紬「うふふ」

梓「…………」



138 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 10:40:26.87 ID:+0d5So58O [13/27]

唯「でも、それじゃあ」
紬「なぁに?」
唯「ここの3年生でスールがいないの、私だけになっちゃったねぇ……」
梓「!」

紬「そうねぇ……」
梓「あ、あっ……(今だ!)」
唯「何だかちょっと焦っちゃうけど……」
梓「あのっ……(今、私が『代わりでもいいからスールになりませんか』って、言っ……)」

唯「でも大丈夫!」

梓「!?」

唯「だって……(今日あずにゃんのことをしっかりリサーチしたもん、きっといいプロポーズができるよ!)……ね♪」

澪「……だな。(いいプロポーズにしような、唯)」
律「な、ふふふ。(あぁ、梓の驚いた顔が早く見たい……)」


139 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 10:41:07.01 ID:+0d5So58O [14/27]

梓「……」

梓「(……だ……)」


梓「(『だって……ね♪』?)」

梓「(それに他の先輩まで……この余裕……)」

唯「(あずにゃん、喜ぶかなぁ……)」

梓「(ほ……)」

梓「(……他に、候補ができたんだ!)」ガーン



143 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 10:57:47.00 ID:+0d5So58O [15/27]
ごめん、出掛ける準備しながらなんだ


ストック出すだけ出して、残りは夕方かもしれん……
保守は無理しなくていいからな。ありがとうな。

144 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 11:00:29.50 ID:+0d5So58O [16/27]

-翌日・昼休み-

唯「というわけで!」

唯「第一回あずにゃんドキドキプロポーズ大作戦会議、開催しまーす!」

紬「ぱちぱちぱちー」
律「ぱちぱちぱちー」

和「(なんだかおおごとになってきました)」ぷちぷち
和「(和)」ぷちぷち

澪「和、何打ってんだ?」


唯「それでは、昨日のリサーチ結果です!澪ちゃん!」
澪「はい、梓は『学校できれいな音楽とともに止まらないほどのロマンティックをもらいたい』タイプのようです」
唯「グッド!」
律「……それじゃあ、やることはもう決まったな」


全員「ライブ!」




145 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 11:00:58.24 ID:+0d5So58O [17/27]
澪「……正直、何となく最初からこうなる気がしてた」
律「定番っちゃ定番だよな」
紬「でも一番私達らしいと思うわ」
唯「やっぱこれでしょー、日程は契約期間ギリギリ・来週の月曜で!」
律「スリリング!」
和「準備に土日使うわよね?申請こっちで書いといてあげる」
澪「いつもありがとうな」

唯「(あずにゃん、あずにゃんに早くプロポーズしたいよぅ……ふふふ)」



146 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 11:03:19.52 ID:+0d5So58O [18/27]

-その頃-

梓「……」ずーん

純「あずさー?」
梓「……」
純「おーい」
梓「……」
純「卵焼きもらうよー」
梓「……」
純「なにこれこういう人形?」
憂「梓ちゃん、朝からこうなの」
梓「……やっぱり、もっと早く……」
純「あ、喋った」
梓「もっと早く……いやそもそも……はじめから断らなければ……」
純「???」
憂「梓ちゃん、よかったら何があったか話してくれない?」



147 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 11:03:48.99 ID:+0d5So58O [19/27]

梓「……かくかくしかじかもえもえきゅん」

純「へー、唯先輩なかなかやり手だね」
憂「純ちゃん!」

梓「……」しょぼん

憂「……」

憂「(……和さんからのメールが本当なら)」
憂「(梓ちゃんはとんでもない勘違いをしてるはず)」
憂「(でも困ったな。私がネタばらししちゃったらお姉ちゃん達の努力が水の泡だし……)」
憂「……あ、梓ちゃん」
梓「?」
憂「私はまだ、お姉ちゃんからそういう話聞いてないなぁ?」
梓「でも……」
憂「まだチャンスがあるかもしれないよ?もうちょっと信じて様子見てみたら?」
梓「……そ、そうする……!」きらきら
純「(分かりやすっ)」



148 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 11:04:25.13 ID:+0d5So58O [20/27]

-放課後-

ガチャ

唯「よ、やってるー?」
律「らっしゃい。キープ開けますか?」
澪「いい加減居酒屋シリーズに飽きろ」

梓「……」ちら

唯「ムギちゃん、今日のおやつ何ー?」

梓「(ロザリオ、青だ……)」ほっ

紬「今日はガトーショコラよ」
律「おー、うまそー!」
唯「いただきますぱくごちそうさま!」

梓「……え?」

唯「さー、練習やっるよー!」
律「おー」もぐもぐ
澪「律、ちゃんと飲み込んでから叩けよ」
紬「シールドをセットして……と」いそいそ

梓「ど……どういうこと……?」

唯「ほらあずにゃんも早くー」
梓「!?!?」

149 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 11:04:56.61 ID:+0d5So58O [21/27]

律「やー、やっぱ久しぶりに合わせると楽しいなぁ」
澪「でもブランク多いとミスも増えるな。ちょっと自主練するか」
唯「さんせーっ」

~♪
~♪
~♪

梓「(み、皆がちゃんと練習してる……)」
梓「(それだけのことで……)」
梓「(なぜだろう、涙が出そうになるのは……)」

唯「~♪」
梓「え?」

梓「(唯先輩……今、私のパート弾いてなかった……?)」

梓「…………」



150 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 11:06:19.89 ID:+0d5So58O [22/27]

-翌日(金曜日)・放課後-

梓「もうこんな時間か。さ、部室行こ」

梓「……今日も、先輩達ちゃんと練習するのかな……」

とてとてとて

梓「……?」

?「おねがいします、私のスールになってください!」
?「わ、私でいいんですか?」

梓「校舎裏からだ。」

梓「…………。」

梓「……の、覗き見ってあんまりお行儀よくないけど……」わくわく

そろー……



151 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 11:06:55.31 ID:+0d5So58O [23/27]

梓「うー、あんまりよく見えないな…………って…………え!?」

唯「あなたじゃなきゃだめなんです!」

梓「唯先輩!?」

唯「あなたしかいないんです!おねがいです……」
?「うぅ……分かりました。それじゃあこのロザリオを……」

きらっ

梓「あ……」

梓「(……緑だ、一年生なのかな。後ろ姿じゃよく見えないけど……)」

唯「あ、ありがとーーー!」
?「わっ、そんな……」

梓「(……でも、そんなことはどうでもいい。)」

唯「これからは、ずっと一緒にいよう!いようね!」
?「はい……」

梓「…………」



152 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 11:07:19.34 ID:+0d5So58O [24/27]


梓「…………」

梓「(唯先輩が他の誰かを選んだことが…………こんなにショックだなんて……)」

梓「…………。」

梓「……今日は行けそうにないな、部活……」




153 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 11:07:47.37 ID:+0d5So58O [25/27]
-部室-

ガチャ

唯「ちゃおー!」

律「おー唯、もうお菓子開けてんぞ」
唯「おっとこうしちゃいられませんなぁ」いそいそ
澪「で、うまくいきそうか?」
唯「ふぁひが?」
澪「プロポーズの練習。立花さんに手伝ってもらったんだろ」
唯「ごく。うん、完璧だよ!ふふふー、唯先輩のテレンテクダにあの立花さんもたじたじのでれでれだったのですよ?」
澪「おい、マジか」
律「立花って照れんのか?意外ー」
紬「見たかったわ(迫真)。それにしても、立花さんのスールは1年生なのね」
唯「そうなんだよー!緑のロザリオ、かわいかったよぉー。…………そういえばあずにゃんまだ?」
澪「それが、今日休むんだってよ。……『頭痛が痛い』とかで」
唯「えー、つまんない!」
澪「心配だよな。月曜日までに持ち直してくれたらいいけど……」



154 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 11:08:03.38 ID:+0d5So58O [26/27]

-その頃、梓-

梓「…………」

梓「……唯先輩……」



(唯「私のスールになってください!」)



梓「……やっぱり、決まった人がいたんですね。」

梓「…………当然だよね、だって私断ったじゃん」

梓「せっかく唯先輩から声かけてきてくれたのに……自業自得にも程があるよね、ふふ」

梓「……笑えてきちゃう、ふふふ」

ぽろ

ぽろぽろぽろぽろ

梓「………わらえてきちゃう……」



155 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 11:11:18.50 ID:+0d5So58O [27/27]
夕方までちょっと切れるよ
完結は夜になるかも
もし残ってたらまた会いましょう

スレ落ちですた

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