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>>381-384 浜面×S麦のん

377 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/06/06(日) 22:31:28.20 ID:aYLFM960 [1/8]

さて、ちょい浜面とスーパー麦のんのバトル戦を書いてるのだけど、少し皆さんの意見を
聞きたいので、投下してもいいだろうか?
どうも真面目なバトルシーンが苦手っていうか、視点のブレ?が激しかったり、描写が迫力なさそうでアレなんで教えて欲しいのだけど

いいかい?

381 名前:じゃあ4レスほど借りるね[saga] 投稿日:2010/06/06(日) 22:37:18.01 ID:aYLFM960 [2/8]


浜面は走っていた。
恐怖のあまり失禁しそうになる身体を叱咤し、
脇目も振らず我武者羅に、背後から迫ろうとする死そのものから逃げていた。

ドパンッ! と背後で閃光が瞬いた。
衝撃波が周辺を薙ぎ倒し、その余波で圧された身が派手に飛ばされ不様に転げ落ちる。
そして。


「はーまづらぁ。相っ変わらず逃げ足だけは早いみたいだけど
 それだけじゃ面白くないんだよ、あぁっ!? もっともっと私を楽しませろってんだぁ!」


女は嗤う。
右目を失い、左腕は千切れ飛び、身体中からチュープを生やしながらも、嗜虐心に満ちた腐臭を撒き散らし嗤っていた。
その失った物を補うように。
赤黒い空洞となった眼窩の奥から、溶接のような青白い光を放ち、本来なら存在しないはずの腕の断面からは
眩い閃光のアームが渦巻いている。バチバチッ、と渦巻くアームからは高圧電流のような音が漏れ出していた。
学園都市の七人しかいない超能力者の内の一人。
第四位の超能力者。
原子崩し。
『アイテム』の元リーダーだった女。
麦野沈利が、逃げ続ける浜面の背を嘲笑いながら、


「ほらほらっ! どうせ逃げるしか能がないんだから、もっと不様に尻振って逃げろよ浜面ァ!!」


無事な右腕を振るい、原子崩しの能力を躊躇い無く行使する。
空気を焦がし直進する閃光は、浜面の真横を掠めて過ぎていく。余波によりまた浜面の身体が宙に舞った。


「――チックショウッ!!」


口汚く罵りながらも、浜面は全身を泥だらけにしながら逃げる。
……いたぶっていやがる。
これはゲームだ。
嫌になるほど経験した遊び。命を懸けた追いかけっこ。
ルールは簡単だ。
足を止めず逃げ続け、それでいてどれだけ相手の嗜虐心を満足させられるか。
片方だけクリアしても用はなさない。
両方を平均に両立良くこなさなければ、すぐさま浜面の命は儚く散るだろう。
たったそれだけの、簡単なルール。
それが実行できている間は、少なくとも命だけは繋ぎとめれる。
最終的にあるのは、死だとしても。浜面仕上には、決められたレーンの上を走り続けるしかなかった。




382 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/06/06(日) 22:38:15.36 ID:aYLFM960 [3/8]


「クソックソックソ!! つぎは、次はこっちだったか?!」


浜面は焦りを隠そうともせずに逃げながらも、己の脳内に叩き込んだ地図を引っ張り出していた。
逃げる先は決まっている。
このままじゃ緩やかな死が現実の物になってしまう。それを否定するためにも、浜面は逃げ続けながらも勝機を見出そうとしていた。
あそこでなら、勝てる可能性はある。
それが例え1パーセントにも満たない勝率だろうが、藁にも縋りたい浜面には大した問題ではなかった。ゼロパーセントじゃないだけ御の字だと。

浜面がいる地点は大通りは大通りだが、あまり目立たない場所を走っていた。
本当は通行人の安全を考えて、裏路地や横道を駆使して逃げるべきなのだろうが、焦る浜面にそんな余裕は無い。
不幸中の幸いというべきか、戦争による治安悪化から人通りが少ないというべき事か。危険を承知で歩いていた連中も流石なのか、
顔面神経痛を患ったような浜面の形相と、背後から迫る謎の爆砕音から危険を察知し、即座に退避していっている。
麦野もここで決着を付けるつもりはないのか、原子崩しを放ちながらも恐怖を煽るだけに留めている。
それが理解できるのだが、真横を掠めていく殺人光線を前にして落ち着いていられるほど、浜面は強くない。
何回経験しようが、いや経験するほど身に染み込まされた恐怖を倍増させていた。


「どうして、どうしてこのタイミングなんだよっ?!」


せめて滝壺の体調が全快するまで待てなかったのか、と泣き言を喚く浜面。
その泣き言が愉快だったのか、哄笑が響き渡ると背後からまた洗礼が撃ち出され、近くの赤いドラム缶群に直撃する。
ズガンッ! と爆炎が視界を覆った。
ガソリンか何かが満タンだったドラム缶が引火し、浜面を襲ったのだ。


「ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」


灼熱の熱風に肌を炙られ、破砕音に鼓膜をやられた浜面は苦悶の声を叫びながら、またしても空を飛ぶ。
グリン、と一回転した身体が硬いアスファルトに叩きつけられる浜面。
衝撃に全身が鈍い激痛に包まれ、肺が異常な動きをしながら空気を溢れさす。だが止まるわけには行かない。身体の異常を無視して
浜面は崩れ落ちそうになる身体を引っ張り上げ逃走を再開。

麦野は余裕の表れかほとんど徒歩の速度で迫ってきている。カツンカツン、とヒールの音を鳴らしながら。
対して浜面は全速力で駆けていた。鍛え抜かれた体力を武器に。

お互いの距離は縮まらず、むしろ開いていっている。
だが浜面にとっては気休めにもならない。これまでの三回ともそうだったのだ。
まるで瞬間移動でもしたかのように、いつのまにか背後に迫っているのだ。

混乱した浜面は気付かないが、それは麦野の計略だった。
浜面が逃げる位置や速度を計算し、ある程度の距離が離れると原子崩しをぶっ放し
逃げ道を塞いだり妨害することで、彼我の距離を調整しているのだ。
いたぶる為だけに。恐怖を煽る為だけに。
学園都市で上から四番目の頭脳は、全てを計算して浜面仕上を泳がせていた。

383 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/06/06(日) 22:39:09.55 ID:aYLFM960 [4/8]
「はぁ……はぁっ……もうすぐっ、もうすぐだっ……ッ!」


だが。
御陰で目的地に近くなってきているのも事実。
第七学区と第十九学区の中間には、廃止されたドーム状の大型施設がある。
稼動当時はデパートか何かだったのか、建物自体は一階建てなのだが縦や横に広い構造になっている。
何プロックにも区画が分かれ、内部の構造は鉄骨の柱や廃棄された当時の積荷等が残されているので、隠れるのに申し分は無い場所。
そこには隠れ蓑以外にも、僅かな勝率を手繰り寄せる可能性が準備されている。


「もう少しで――なぁッ?!」


浜面は目を疑った。
背後からの脅威が過ぎ去ったかと思うような静けさに振り返れば、
そこには百メートル以上は距離を離していたはずの、麦野沈利が凶悪な姿が目前に接近していたのだ。
足音は無かった。
あのハイヒールで浜面と並走しようと思うと、間違いなく足音は響く。麦野がいくら第四位の超能力者とは云え、大の男の体力に敵うはずがない。
それに麦野沈利は、汗だくになってまで低能な無能者を
追い回す醜態を晒さない。そんな努力は、同じ低能がしておけばいいのだ、と彼女は嘲笑い吐き捨てるだろう。
麦野沈利は優雅に飛翔していた。
原子崩しの応用なのか、背中からロケットエンジンの電子線を噴出した麦野は戦闘機のように大空を滑空していた。


「きゃはははははっは!! どこに逃げるんだってのはーまづらぁ!!」


ゲラゲラと耳障りな言葉と共に、硬い尖った靴の先端が浜面の後頭部を抉った。
轟音が炸裂し、首の骨が砕けそうな衝撃を受けた浜面は、人形のように前方に身を投げ出している。
その瞳は焦点が合わず、通常の瞳孔の開き方とは違った。曇りガラス越しに風景をみるような感じになっているはずだ。


「……ぅ……ぁ、ッ……ぁ?」


むしろ百メートルの距離をゼロにした運動エネルギーを、人体でも特に危険な後頭部に叩き込まれて意識が途絶えなかっただけ不思議だ。
だが、意識があるだけで浜面自身にも、どうして自分が地面に這い蹲っているのかが理解できていない。
あまりの衝撃に、記憶が飛んでいた。


「あらあらぁ? ちょっときつすぎちゃったかな? まだまだこれからだってのに、簡単にへばらないわよね浜面ァ?」


浜面の腹部に、爪先が捻り込まれた。
ゴロンゴロン、とボロ雑巾のように転がる浜面。


384 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/06/06(日) 22:39:47.86 ID:aYLFM960 [5/8]
「良い感じに血反吐塗れになってきたじゃない浜面。お前みたいなクズでも一丁前に血は赤いんだねぇ」

更に容赦ない追撃に、また浜面の身体が転がる。
肺が潰れでもしたのか、ゴハァと酸素を吐き出した時に黒く濁った血も飛び散った。

「……くっ……クソがぁ……ッ」

それが功を制したのか、意識を取り戻し始めた浜面は這いずりながらも動き出す。
震える手がアスファルトを掻き毟りながらも、廃棄された大型施設にへと。

「ロシアでは散々だったからねぇ。『超電磁砲』の小娘が出しゃばってくるから、満足にお前の相手をしてやれなかったし。
 でも今回は邪魔者はなしだ。どうせならあの根暗女とセットの方が楽しめるんだけど、お前をヒキガエルの解剖実験みたいに、面白オブジェに
 なったのを見せてやるのも一興かしらね? 滝壺ちゃんがどんな顔するか、想像するだけで濡れそうだわぁ」

浜面は耳を貸さない。
そうさせない為にも、なんとか距離を取らなければ。

「ん? ひょっとしてあの施設に逃げたいんだ浜面は?」

浜面の目的に気付いた麦野は、首を傾げながら五十メートル先の建物に視線をやる。
浜面は無言で這いずりながら、そこを目指していた。そのペースは少しずつだが上がってきている。もう少ししたら立ち上がれるかもしれない。

「相変わらずお前はジメジメした場所を好むわよね。どうせなら地下繁華街とかで派手にぶっ殺された方が
 Mっ毛全開のお前も興奮するんじゃないの? その下半身についてる役立たずな×××おっ立てるぐらいにさぁ!!」

この屈辱感たっぷりな遣り取りの間に、浜面は何度殺されていたのだろうか。きっと千回殺されてもお釣りがくる。
どうやら骨の髄まで嬲り尽くさないと、麦野沈利は満足できないらしい。
その場で立ち止まり言葉責めしていた麦野は、歯を食い縛って這いずる浜面との距離が漸く五メートル離れた時に、ニンマリとした笑みを浮かべた。

「そっかそっか。そんなにあそこに行きたいんだ。だったら私が素敵にエスコートしてやろうかにゃーん?」

浜面の頭部を万力でロックするように掴み上げる麦野。
浜面は人間が出せる握力とは思えない力に、エビ反りのような体勢になった。
抵抗したいが、まだ身体に力が戻ってきていない。戻ったところで、どうにかなったかは分からないが。

「喜べよ浜面。この麦野沈利様がお前みたいなド低能をエスコートしてやるんだからね。
 まっ、こんな化物みたいな女にされてもアレかもだけどねぇ?」

麦野の声音に空虚なイメージが混じったのを浜面が認識した時だった。
全身が浮遊感に包まれたかと思えば、視界に映る風景が急速に背後に流れていく。掴まれた後頭部が
破裂するじゃないかと激痛を訴えながら。
麦野が電磁線の噴射を利用し、自分もろとも羽ばたいたとのだ、と気付いた時には遅かった。
思考する余裕すら許されなかった。
一瞬にして廃棄施設との距離が半分を切ったかと思えば、跳躍していた麦野が
握り締めていた浜面の後頭部を地上に向けて叩きつけるようにぶん投げた。浜面の身体がピンボールのように
残り半分の距離を滞空していき、そのまま地面に叩きつけられ滑っていく。全身が衝撃にのた打ち回った。

385 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/06(日) 22:41:25.57 ID:aYLFM960 [6/8]
中途半端だけど、こんな感じ。
ちょい迷いまくって筆が進まんので、問答無用でおかしい場所を指摘してほしい。
お願いします

386 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 22:50:00.49 ID:5ASoAhoo [9/9]
普通にうまいと思います。

>>383の最初の地の文、7行目?
>僅かな勝率を手繰り寄せる可能性が準備されている。
にほんのり違和感を覚えたような気がする。

ところで、こんな麦のんでも、可愛いと思えてしまった俺は病気なのだろうか。

389 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/06(日) 23:01:37.29 ID:lYd2phso [4/4]
>>384
>全身が浮翌遊感に包まれたかと思えば、視界に映る風景が急速に背後に流れていく。掴まれた後頭部が
>破裂するじゃないかと激痛を訴えながら。

「流れていく」で前文が終わってるから、「訴えながら」じゃなくて「訴える」とかキッチリ切った方が良くないかな?

あと、最後の三行とその前あたりの視点が微妙にチグハグな気がする。
最後から三行目の前半はそれまでの流れ的に浜面に近い視点に感じるのに、
「跳躍していた」以降がいきなり完全に第三者の視点になっている感じだ。

390 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/06(日) 23:02:17.22 ID:.HaClV6o [3/4]

小技だけど、状態を説明する時に
一度目は名前、二度目は彼、もしくは彼女みたく三人称を混ぜたりするといいかも?

改行がもうちっと欲しい

あとは全然大丈夫だと思うのよ


387 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/06(日) 22:55:36.68 ID:aYLFM960 [7/8]
>>386
あっりがとう!!
一応視点のブレは違和感なさそうだし、麦のんが……可愛く?書けてるみたいだし
こんな感じで進めてみようかな。このシーン一ヶ月前に手つけてから全然進んでないけど

でも麦のん原作の21巻でどうなっちゃうんだマジで、好きなんだけどな

391 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/06(日) 23:13:12.00 ID:aYLFM960 [8/8]
>>389>>390
やはり視点混じってるようにも感じるよねー汗 後は小技も交えながら修正するならこんな感じかな?



彼女の声音に空虚なイメージが混じったのを浜面が認識した時だった。
全身が浮遊感に包まれたかと思えば、視界に映る風景が急速に背後に流れていく。掴まれた後頭部が
破裂するじゃないかと激痛を訴えて。
麦野が電磁線の噴射を利用し、自分もろとも羽ばたいたとのだ、と気付いた時には遅かった。
思考する余裕すら彼には許されない。
一瞬にして廃棄施設との距離が半分を切ったかと思えば、跳躍していた麦野が
握り締めていた浜面の後頭部を地上に向けて叩きつけるようにぶん投げた。浜面の身体がピンボールのように
残り半分の距離を滞空していき、そのまま地面に叩きつけられ滑っていく。全身が衝撃にのた打ち回る浜面。


……何か微妙wwww余計に視点が入り混じったような?
もうちょい試行錯誤します!空行ももう少し増やします。最後はちょい詰めすぎだったけど
バトルはほんま難い

どこまで活かせるか不明だけど、指摘ありがとうございましたっ


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