スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
唯「パラレルワールド」
1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 01:11:43.48 ID:NvI4L5WqO [1/226]
唯「お疲れ様でした~」
バイトが終わり夜の11時間。
家に帰る道を照らすには月明かりじゃ頼りにならない、だから街灯の明かりを頼りに家へ帰る。
何をするにも足を動かすという作業は面倒だ。
唯「お疲れ様でした~」
バイトが終わり夜の11時間。
家に帰る道を照らすには月明かりじゃ頼りにならない、だから街灯の明かりを頼りに家へ帰る。
何をするにも足を動かすという作業は面倒だ。
2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 01:12:59.74 ID:NvI4L5WqO [2/226]
唯「ん……何か落ちてる…」
落ちている物を拾う。
鏡だ…何の変哲も無いただの鏡。
だけど…何故か私はこの鏡に不思議な魅力を感じる。
持って帰ろう。
鏡を鞄に入れて私は再び歩く。
あぁ…かったるい…。
3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 01:14:13.84 ID:NvI4L5WqO
夜道をただひたすらに歩く。
そして、考える今日の事を…。
何も無い一日。
学校には友達もいないし部活もやっていない。
青春を楽しめ?馬鹿馬鹿しい。
学校は勉強さえ出来れば物足りてる。
友達なんていらない。
4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 01:15:10.43 ID:NvI4L5WqO
朝起きて勉強しバイトで金を稼ぐ。
無駄が無い、そこら辺の人間より無駄が無い生き方だ。
友達何ていたって損をするだけだ。
スムーズに私はスムーズに生きたい。
余計な人間関係なんて邪魔なだけだから。
5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 01:16:38.05 ID:NvI4L5WqO
唯「おかえり…」
妹が玄関まで向かえに来てくれた。
憂「おかえりお姉ちゃん!」
唯「バイト行く前に私が作ってたご飯は食べた?」
憂「うん!美味しかったよ」
唯「ありがと…」
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 01:17:34.19 ID:NvI4L5WqO
唯「じゃあ私も食べようかな」
憂「あ…お姉ちゃん…」
唯「なに?」
憂「あの…お母さんが買って来たアイス二つ共食べちゃった…」
どーでもいい。
唯「そーなんだ、じゃご飯食べるから」
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 01:19:28.36 ID:NvI4L5WqO
唯「はぁ……」
冷蔵庫を開き私が作っておいた夜ご飯を取り出しレンジに入れる。
憂「ねーねーお姉ちゃんあのね?」
唯「なに?また学校の話し?」
憂「う、うん……」
唯「バイトで疲れたんだ…一人にして」
憂「ごめん……」
9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 01:20:30.81 ID:NvI4L5WqO
唯「…………」
鞄からさっき拾った鏡を取り出し自分を写す。
目の隈が酷い…最近あまり寝ていない。
私は勉強ばかりやっているからかなぁ…。
電子レンジがチーンと鳴る。
夜ご飯を温め終わったみたいだ。
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 01:21:41.80 ID:NvI4L5WqO
唯「美味しい……」
自分で言うのも何だが私は料理が上手い。
妹は全然ダメだ、この前なんか簡単なカレー作らせたらいつの間にかシチューになってる。
だが可愛い妹だ。
あんな冷たい態度を取ってはいるが私は妹が大好きだ。
のほほんとしている。
あの、のほほんとした雰囲気はアルカパだって出せやしない。
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 01:23:18.80 ID:NvI4L5WqO
ご飯を食べ終わり風呂にも入り私はベットに横になる。
目覚まし時計は6時にセット。
朝は憂と私の分の弁当を作らなければならない。
唯「おやすみなさい」
誰もいない空間に私はポツリと呟いた。
明日もまた同じような一日が繰り返す。
不安も何も無い……うん、不安なんか無い。
私は瞼を閉じる。
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 01:24:36.27 ID:NvI4L5WqO
朝日が私を照らす。
眩しい…目覚まし時計を見る。
今日も目覚まし時計より早く起きた…何だか勝った気分。
時計のスイッチを切り私は昨日拾った鏡で自分を写す。
寝癖が無いかチェックだ。
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 01:25:50.10 ID:NvI4L5WqO
鏡は自分を写す。
当然、誰もが知っている事だ。
だが…鏡を見ると確かに私が写っている。
うん、これは私だ。
しかし、違和感がある。
鏡に写っている私は寝癖で髪がボサボサ。
パジャマも違うし何より間抜けな顔をしている。
唯『ほぇ?』
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 01:26:32.30 ID:NvI4L5WqO
唯「喋った……」
唯『うおっ!鏡の中が喋った!』
何だその反応。
唯「私…だよね…」
唯『ういー!鏡の中の私が喋ってるー!』
これは一体どーいう事?
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 01:27:35.67 ID:NvI4L5WqO
きっと夢だ…夢に違い無い…。
こんなの、現実的じゃない。
唯『ういー!まだ寝てるのかなぁ?久しぶりに早起きしたのに!』
唯「……………」
唯『ねーねー私?』
悪い夢だよ本当に…。
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 01:28:19.43 ID:NvI4L5WqO
唯「な…何?」
唯『喋ったぁ!』
こっちの台詞だ馬鹿野郎。
いや…私に馬鹿野郎と言ったら自分に馬鹿野郎と言ってる様な物じゃないか?どーでもいいか。
唯「ア…アナタの名前は?」
唯『平沢唯だよ~』
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 01:29:08.42 ID:NvI4L5WqO
唯「わ、私も平沢唯」
唯『知ってるよ!だって私なんだもん!』
本当に夢であって欲しい。
昨日拾った鏡を見るといきなり私が私に話しかけてくる。
これは一体どう言う事?
唯『何で頬っぺたつねってるの?』
唯「何でも無いから…」
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 01:30:05.31 ID:NvI4L5WqO
唯『でもびっくりしたよ!昨日拾った鏡に私が写って、しかも喋ってるんだよ!』
唯「アハハ………」
唯『不思議だね~何でかな?』
唯「知らない……って言うかアナタも鏡を拾ったの?」
唯『うん!』
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 01:31:04.30 ID:NvI4L5WqO
唯「……ごめん、少し待って確かめたい事がある」
私は拾った鏡をベットに置いて洗面所に向かう。
そして、鏡を見る。
私が写っている……だがあの鏡みたいに好き勝手喋ったり動いたりしない。
うん…これは私だ…。
あの拾った鏡に…きっと何かあるに違い無い。
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 01:32:03.57 ID:NvI4L5WqO
唯『あ!おかえり~』
唯「うん……」
はぁ……この私は脳天気過ぎる。
妹を見てるみたいだ。
唯『調べたい事って何だったのぉ?』
唯「いや…洗面所の鏡を見たんだよ、そしたら私が写ってたんだけど…勝手に喋ったり動いたりしなかった……」
唯『そーなんだぁ!』
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 01:32:55.51 ID:NvI4L5WqO
唯『でも、何だか楽しいよ!私とお喋り出来るんだもん!』
唯「私も最高に楽しいよ…」
唯『えへへ~…』
皮肉を言ったつもり何だけど気付いてない…。
唯「一緒に考えてよ…何で鏡に写った私が喋るのか」
唯『うん!わかった~』
唯「あれ?そのパジャマの文字………」
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 01:33:40.73 ID:NvI4L5WqO
唯「そのハネムーンってパジャマの文字」
唯『これぇ?』
唯「反転してない…文字が反転してないよ」
唯『そーなの?』
唯「うん…鏡なのに何で反転してないんだろう?」
唯『う~ん…きっと私達はお互い違う世界の住人なんだよ!』
27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 01:35:24.78 ID:NvI4L5WqO
唯「違う世界の住人?」
唯『えーっとね~何だけ…パ、パ…』
唯「パラレルワールド?」
唯『それだよ!きっとこの鏡は違う世界を写す鏡なんだよ!』
唯「へ~…」
何だか少し納得してしまった。
…って言うかいつの間にか私はこの事を夢では無いと思ってしまっている。
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 01:36:44.18 ID:NvI4L5WqO
唯『その世界の私は何をやってるのぉ?』
いきなりの質問に私は少し固まってしまった。
何をやってるか……私は特に何もやっていない。
唯「別に何もやっていないよ」
唯『えー!何もやってないの?』
唯「あ……バイトやってる」
唯『すごーい!バイトかぁ~』
何だかいちいちリアクションが大袈裟な私だなぁ。
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 01:37:42.64 ID:NvI4L5WqO
唯「ファミレスでバイトしてる」
唯『凄いよ!私もバイトしたいな~』
アナタじゃ無理そうだね…とは言わなかった。
唯「アナタは何をやってる?」
唯『よくぞ聞いてくれました!バンドやってるんだよ!』
唯「バンド……?」
31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 01:39:06.74 ID:NvI4L5WqO
唯『バンド名は放課後ティータイムだよ!』
唯「放課後……何だって?」
唯『放課後ティータイムだよ!』
唯「おかしなバンド名だね……」
唯『うん!さわちゃんが名前付けたんだ!』
唯「さわちゃん?」
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 01:40:16.20 ID:NvI4L5WqO
唯『さわ子先生だよ!』
唯「山中先生が付けたんだ…あの熱血な先生がそんな名前付けたんだ…」
唯『熱血先生?』
唯「うん、音楽の先生何だけど凄い熱血なんだ…松岡修三みたいに熱血…」
唯『想像出来無い…』
33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 01:42:43.97 ID:NvI4L5WqO
唯『あのね~私の世界のさわちゃんはメタルバンドやってて面倒臭がりなんだよ!』
唯「うわぁ…想像出来無い……」
部屋のドアが突然開く。
憂が目を擦りながら立っていた。
憂「お姉ちゃんおはよう……」
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 01:44:10.81 ID:NvI4L5WqO
唯「あ…わわっ…」
私は鏡をベットの下に急いで隠す。
バレて無いよね?
憂「お姉ちゃん…電話してたの?独り言が部屋まで聞こえたよ」
唯「そ、そうそう…電話だよ電話!友達に電話!」
友達なんかいないけど。
それより…何か忘れてる気がする。
35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 01:45:53.64 ID:NvI4L5WqO
憂「お姉ちゃん…7時だけどお弁当は?」
唯「あ…ごめん作るの忘れてた…」
憂「ううん…大丈夫だよぉ…今日はパン買うね」
唯「本当にごめん…」
憂「だ、大丈夫だよぉ~私、制服に着替えてくるね」
唯「うん……」
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 01:47:14.67 ID:NvI4L5WqO
午前8時00分。
私と憂は制服に着替えて家を出た。
あれから鏡はベットの下に隠したまま触っていない。
向こうの私はびっくりしていると思う。
憂「あ…お姉ちゃん昨日の学校であった事話していい?」
唯「……うん」
37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 01:48:37.41 ID:NvI4L5WqO
憂「あのね~私の友達が作ったお菓子が美味しかったの~すっっごく美味しいかった~」
唯「あまり食べてばかりだと太るよ」
憂「えへへ~大丈夫だよぉ」
唯「憂もお菓子作って見る?」
憂「えー…私不器用だから!」
高倉建か…と言いたい気持ちをグッと堪えた。
唯「やってみなきゃ分から無いでしょ?今度教えたげる」
憂「ありがとう!」
38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 01:49:28.20 ID:NvI4L5WqO
唯「着いたね学校」
憂「うん!じゃあ私、教室に行くからね」
唯「バイバイ…」
憂「うん!あ…お姉ちゃん今日はバイト休みだから一緒に帰れる?」
唯「あー…いいよ」
憂「わぁ!やった!!じゃあ教室に行くからね~バイバイ!」
唯「うん……」
39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 01:51:03.45 ID:NvI4L5WqO
自分の教室に着いた私は誰とも挨拶せずに席に座った。
私は鞄からナンプレの問題集と筆箱を取り出し集中。
この問題集を解いてハガキで送るとDSが貰える。
私の趣味の懸賞とナンプレ、同時に私の二つの趣味が出来る優れたアイテムだ。
まさに一石二鳥って奴だ。
40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 01:51:53.24 ID:NvI4L5WqO
紬「平沢さん……」
何の用か知らないけど琴吹紬が私に話しかけて来た。
今は集中してナンプレやってるに…やめて欲しいよ本当に。
唯「どうしたの琴吹さん?」
紬「この前私に貸してくれた小説を……」
そーいえば、貸してたっけなぁ…すっかり忘れてた。
41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 01:52:50.55 ID:NvI4L5WqO
紬「面白かった…」
彼女は私に小説を渡し去って行った…じゃなくてまだ私の側で立っていた。
唯「どーしたの?」
紬「ナンプレ…何時もやってるね」
唯「うん、琴吹さんのおかげで悩んでた所を忘れる事が出来たよ」
43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 01:55:32.83 ID:NvI4L5WqO
紬「そ、そうなんだよかった…」
いや…皮肉なんだけど。
唯「いや…大丈夫だよそれより続きやりたいから」
紬「ごめん……また小説貸してね」
唯「わかったわかった」
彼女は今度こそ自分の席へと戻っていった。
44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 01:56:44.79 ID:NvI4L5WqO
彼女も色々と大変らしい。
家は貧乏でクラスの人達からイジメられている。
私もあんな皮肉を言わなければよかったって少し後悔している。
それより…琴吹さんは綺麗で性格も良くて頭もいいのに何でイジメられるんだろう?
よく分からないなぁ…。
45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 01:58:13.24 ID:NvI4L5WqO
授業のチャイムが鳴り山中先生が入って来た。
私は机に出ている物を引き出しの中へ入れる。
山中「みんなおはよう!」
クラスのみんながやる気の無い挨拶をする。
山中「声が小さいわ!朝の眠気や勉強したくないと言う気持ちは全て挨拶で吹き飛ぶの!さぁもう一度!」
次は学校全体に聞こえるんじゃないか?ってぐらいの声でクラスのみんなは挨拶した。
暑苦しいなぁ…。
46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 01:59:26.95 ID:NvI4L5WqO
山中先生のHRが終わり1時間目。
唯「はぁ……」
さっそく琴吹さんに消しゴムのカスが投げ付けられている。
何であんな事するかなぁ…。
消しゴム代がもったいないし…琴吹さんが可哀相。
彼女はただ下を向いて我慢していた。
イジメ格好悪い。
随分前にそんなCMがあったのを思い出した。
48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 02:01:39.53 ID:NvI4L5WqO
2時間目…3時間目4時間目が終わり昼飯。
私は琴吹さんが消しゴムのカスを投げ付けられてるのをただ見ていただけだったなぁ…。
何かしてあげたいけど…そりゃ無理無理。
次は私がイジメられるもん。
この時間琴吹さんをイジメてる人達は中庭へ昼飯を食べてるからこの時間は安心だろうね琴吹さん。
49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 02:02:58.84 ID:NvI4L5WqO
和「大丈夫?琴吹さん」
紬「うん……」
真鍋和が琴吹さんに話しかけている。
まぁ…彼女も私と同じ傍観者だけど声をかけるだけ私よりまだマシだね。
そんな事より私はこの幻のチョコパンを味わいたい。
美味しいんだろな…なんてたって幻だから。
50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 02:04:37.25 ID:NvI4L5WqO
律「きゃあっ!」
大きな音がした。
同じクラスの田井中律だ。
彼女は凄いドジっ子だ。
前髪が長くてそのせいで足元が見えなくて、いつもこけている。
カチューシャか何かを付ければいいのに。
いや…たまに何も無い所で転んでるから効果は薄いかも。
52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 02:05:29.16 ID:NvI4L5WqO
昼飯の時間が終わり授業も全て終わった。
やっと帰れる…。
私は教科書を鞄にしまい席を立つ。
紬「あの……」
琴吹さんが話しかけて来た。
唯「なに?」
紬「一緒に帰ろう?」
琴吹さんは服の裾をギュッと掴んできた。
53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 02:06:33.50 ID:NvI4L5WqO
私が男なら彼女に惚れてる。
うん…間違い無い。
特に断る理由も無いし私は頷いた。
紬「ありがと…」
未だに服の裾は掴んだままだ。
また何か忘れてる気がする…まぁいいか。
忘れるって事はそこまで大事な事じゃ無いって事だ。
54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 02:07:23.51 ID:NvI4L5WqO
唯「じゃあ行こうか」
紬「うん…」
彼女は服の裾を掴んだままついて来る。
唯「裾を離してくれる?」
紬「ご、ごめん…」
唯「いいよ別に…」
紬「ごめん…」
彼女がイジメられる理由がわかった。
妙に子供っぽいし気が小さい。
55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 02:08:24.96 ID:NvI4L5WqO
唯「あ………憂」
憂「お姉ちゃん!えっーと…その人は?」
紬「……………」
唯「あ…えと同じクラスの琴吹紬さんだよ」
妹に下を向いたままペコリと頭を下げた。
自己紹介ぐらい自分でしなよ。
憂「よろしくお願いします」
56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 02:09:40.89 ID:NvI4L5WqO
憂「えーと…今日は琴吹さんと帰るの?」
そう言えば…一緒に帰る約束してたっけ…。
唯「うん…三人で帰る?」
憂「だ、大丈夫だよ私は少し友達と話してくるからバイバイ」
唯「悪いねバイバイ」
紬「………………」
琴吹さん何か喋ろうよ。
57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 02:10:29.66 ID:NvI4L5WqO
唯「じゃあ帰ろうか」
紬「うん…」
しばらく二人で歩く。
無言…私達は本当に一緒に帰っているのか?って思うぐらいの無言。
紬「……………」
唯「……………」
紬「…………平沢さん」
唯「え?な、なに?」
紬「助けて…………」
58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 02:11:30.14 ID:NvI4L5WqO
唯「助けてって……琴吹さんを何から助ければいいのかな?」
紬「……私をイジメてる人達」
唯「無理無理…ぶっちゃけ私が次標的になるって」
紬「ごめんなさい……無理だよね」
唯「うん…ごめん」
紬「…ごめん」
59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 02:12:38.95 ID:NvI4L5WqO
紬「……………」
唯「……………」
彼女の言葉は深く私の胸に突き刺さった。
助けたい…助けたいんだけど私には無理だ。
そう言うのは友達に頼んだ方が手っ取り早いよそれか先生。
紬「今日はごめんなさい…」
唯「大丈夫だって…」
紬「私こっちだから…さようなら」
唯「さようなら」
私は長い間、琴吹さんの姿を見送っていた。
彼女の背中は小さく震えていた。
60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 02:14:02.44 ID:NvI4L5WqO
唯「はぁ……」
家に帰って来た私は自分の部屋へと向かいベットから鏡を取り出した。
唯『あ!いきなりいなくなるんだもん!びっくりしたよ~』
唯「ごめんごめん…あのさ…」
唯『どうしたの?』
唯「アナタの世界の琴吹さんってどんな人?」
61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 02:15:17.31 ID:NvI4L5WqO
唯『ムギちゃんは可愛いくておっとりぽわぽわで力持ち!』
ちょっと良く分からないぞ私。
唯「イジメられたりとかしてない?」
唯『ムギちゃんがイジメられる何てありえないよ!澪ちゃんから聞いた話しだと怒ったら怖いみたいだよ!』
唯「そっか……」
唯『そっちはイジメられてるみたいだね…ムギちゃん』
62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 02:16:24.80 ID:NvI4L5WqO
唯「うん…今日一緒に帰ったらイジメてる人から私を助けて欲しいって言ってた」
唯『そうなんだぁ……助けようよ!』
唯「でも…次は私が…」
唯『イジメの標的になるって言うんでしょ~?』
唯「うん…だから無理」
65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 02:17:31.34 ID:NvI4L5WqO
唯『でも…友達なんでしょ?助けようよ!』
唯「ち、違うよ!琴吹さんとはただのクラスメイトだから…」
唯『う~ん…何で友達作りたく無いの?』
唯「だって…友達なんてウザイじゃんお互い気を使ったり…私はもっとスムーズに生きたいから」
66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 02:18:20.49 ID:NvI4L5WqO
唯『友達はウザくなんか無いよ!それに…私は助けるよ!例え友達じゃなくても!』
唯「口だけなら何とでも言えるよ…じゃあ私やる事あるから」
唯『頑張ってね!』
唯「バイバイ……」
はぁ……向こうの私は考えが幼稚だ。
きっと親に甘えまくってるに違い無い。
67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 02:22:00.27 ID:NvI4L5WqO
憂「お姉ちゃんただいま~」
憂が帰っ来た。
私は玄関まで向かえに行く。
唯「おかえり憂」
憂「うん!お姉ちゃん今日一緒にいた人お友達なの?」
唯「違うよ」
憂「そうなんだ…」
68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 02:24:21.12 ID:NvI4L5WqO
憂「あ…今日ね梓ちゃんって人とね一緒にお昼食べたんだ」
唯「よかったじゃん」
うんうん、妹が学校生活を満喫してる。
憂「梓ちゃんってダジャレばっかり言って面白いんだよ~」
唯「親父っぽいね」
憂「そんな事ないよ!とっても可愛いの!」
69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 02:27:07.61 ID:NvI4L5WqO
憂「今日も私の名前を聞いた後に初々しいねって言ったんだぁ~」
ハハッ渇いた笑いしか出ないなそりゃ。
唯「あ…今日はカレーだから少し早めに作るね」
憂「私も手伝いたいなぁ~」
唯「それはダメ」
70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 02:29:35.67 ID:NvI4L5WqO
カレーを食べ終わり私達はテレビを見ていた。
憂「辞めちゃったみたいだね…」
唯「次の総理もすぐに辞めるよ」
それより何処も特番組んでてウザイんだよね。
唯「先に風呂入るから」
憂「うん!」
73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 02:33:06.77 ID:NvI4L5WqO
唯「はぁ………」
温かいお湯が私の体を包む。
唯「助けてか…」
琴吹さんの顔を思い出す。
彼女とは垢の他人なのに…彼女を助けたいと言う気持ちでいっぱいだ。
その気持ちはこの風呂蒲のお湯みたいに少し動けば溢れてしまいそう。
だけど私にはそんな勇気は無い。
私はただ傍観するしか出来無いんだ。
74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 02:36:14.33 ID:NvI4L5WqO
翌日の朝。
私は目覚まし時計の音で目を覚ました。
今日は目覚まし時計に勝てなかった…。
ベットの下から鏡を取り出すが真っ暗だ。
きっと向こうの私はまだ寝ているんだろう。
鏡をベットの下に隠す。
欠伸をして私はキッチンに向かう。
憂と私の弁当を作らなきゃ。
76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 02:38:50.80 ID:NvI4L5WqO
二つの弁当を作り終え麦茶を飲む。
そろそろ憂が起きる頃だ今日は少しだけ早く学校に行こう。
琴吹さんと話しをしたい。
憂「おはよう…」
目を擦りながら憂が現れた。
気付かなかった私は体がビクッとなった。
唯「お、おはよう」
77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 02:40:41.19 ID:NvI4L5WqO
唯「あ…今日は少し早く学校に行くから」
憂「うん……ふわぁ~」
唯「じゃあ制服に着替えるから…」
憂「私は後から行くね~」
唯「わかった…弁当はそこにあるからね」
78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 02:42:43.33 ID:NvI4L5WqO
唯「じゃあ行ってくる」
憂「うん!バイバイ~」
唯「行ってきます」
今日はいい天気だ。
温かい風が私の髪をなびかせる。
唯「琴吹さんいるかな……」
79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 02:45:59.56 ID:NvI4L5WqO
学校に着いて教室に行く。
琴吹さんは…いた。
だけど、またイジメられている。
消しゴムのカスやゴミを投げ付けられたり…アイツら消しゴムの使い方知ってんのかな?
琴吹さんは私に気付き私を少し見る。
そして視線を同じ場所に戻す。
ごめん…琴吹さんやっぱ助けられそうに無い。
80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 02:48:48.91 ID:NvI4L5WqO
澪「おい!お前ら」
隣のクラスの…名前何だっけ?まぁ…とにかく黒髪ロングが琴吹さんをイジメてる人達に話しかけている。
律「琴吹さん、可哀相だからね?やめよ」
確かこの黒髪ロングは田井中さんと仲が良かったような気がする。
紬「………………」
81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 02:53:14.44 ID:NvI4L5WqO
はぁ?ウザイ。
コイツ、ウザイんですけど~。
そう言って琴吹さんをイジメてる奴らは黒髪ロングと田井中さんを罵っている。
私は知ってる。
この黒髪ロングには色々と伝説がある。
例えば…電車の中でお尻を触ってきた男をグーで殴り失神させたり。
セクハラしてきた教師を一本背負いしたり。
とにかく彼女は気が強いらしい。
確か…合気道を習ってると聞いた事がある。
83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 02:56:35.76 ID:NvI4L5WqO
澪「律から聞いたよイジメなんかするな!」
律「可哀相だよ…」
イジメてる人達は少しビビッてる。
ざまぁみろだ。
それに、私もここぞと言わんばかりに彼女達に言ってやった。
唯「本当に不愉快だからアナタ達がそう言う事やってるの見ると」
琴吹さんは黙って下を向いているがきっと…ざまぁみろと思ってるに違い無い。
84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 02:58:59.33 ID:NvI4L5WqO
澪「今後一切彼女をイジメるなよ」
唯「そうそう、退屈な時間がさらに退屈になるから」
律「可哀相だからもうしちゃダメだよ?」
イジメてる人達はぶつくさと文句を言いながら自分の席へと戻って行った。
紬「……………」
85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 03:01:48.09 ID:NvI4L5WqO
唯「琴吹さん大丈夫?」
紬「うん……ありがと」
澪「大丈夫だよ、またイジメられたりしたら私に言うんだぞ」
紬「ありがと……」
唯「次は私が標的になるかもだからそん時は私も頼んでいい?」
澪「あぁ、いいよえーと…」
唯「平沢唯だよ」
86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 03:04:29.94 ID:NvI4L5WqO
澪「平沢か…わかった今日はありがとう」
唯「へ?何が?」
律「琴吹さんのイジメを一緒に助けてくれた事だよ~」
唯「ち、違う助けた分けじゃ…ほら、不快だったからさ」
紬「平沢さんありがとう…」
唯「アハハッ……」
87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 03:07:24.48 ID:NvI4L5WqO
授業が全て終わり私は琴吹さんと一緒に帰っていた。
紬「私ピアノが趣味なんだ…」
唯「へー…」
紬「私のお家貧乏だからお家にあるピアノぐらいしかやる事なくて…」
今日の琴吹さんは妙に饒舌。
イジメから開放された事がよっぽど嬉しいんだろうね。
88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 03:11:34.60 ID:NvI4L5WqO
紬「じゃあ私こっちだから…」
唯「あ…うん、バイバイ」
紬「うん……えと、私達って友達だよね?」
唯「あー…アハハ」
まぁ…一人ぐらい友達がいても問題無いよね。
唯「そうだよ…じゃあまたね」
紬「うん…」
89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 03:13:21.41 ID:NvI4L5WqO
唯「ただいまー…」
憂「あ!お姉ちゃんおかえり~」
梓「お邪魔してまーす」
唯「えと…誰この人?」
梓「中野梓でーすよ」
91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 03:15:39.73 ID:NvI4L5WqO
憂「私のお友達だよ」
唯「そ、そうなんだよろしくね」
梓「あはっ!よろしくです」
何だか変な子だな…。
梓「先輩もぷよぷよで私と勝負しましょー」
馴れ馴れしいなこの子…私に抱き着いて来たよ。
92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 03:18:17.47 ID:NvI4L5WqO
唯「きょ…今日は疲れたからやらないよ」
梓「えー残業…先輩お腹がぷよぷよしてますね~」
うるさいよ!
唯「アハハ…じ、じゃあ私は部屋に行くから」
梓「えーー!」
私は梓ちゃんを無理矢理振りほどき自分の部屋へと戻った。
馴れ馴れしい過ぎるこんな奴見た事無いぞ。
94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 03:21:39.53 ID:NvI4L5WqO
私はすぐにベッドから鏡を取り出す。
唯『あ!来た来た澪ちゃーん来たよー』
澪ちゃん?それに鏡に写ってるのは何時もの向こうの私の部屋じゃない。
多分…学校だ。
澪『だから…鏡に写ってる唯が勝手に喋る分けないって言ってるだろ…』
唯「秋山さん…?」
澪『しゃ…喋った!』
95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 03:25:09.33 ID:NvI4L5WqO
唯『ほら!鏡の中に誰も写って無いし私が喋ってる』
律『す、すげー!』
紬『これって何かの魔法かしら?』
梓『こんな事って本当にあるんですね…』
唯「ちょ…え?もしかして喋ったの?」
唯『うん!』
うん!じゃないよ…あぁ頭が急に痛くなってきた。
96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 03:28:06.89 ID:NvI4L5WqO
唯「ど、どうしよう…なんで喋ったの?」
唯『だってそっちの世界の私を見て貰いたかったから!』
この子は考え無しに行動してるよ…。
それに琴吹さんや秋山さん田井中さんや梓ちゃんもいるし…。
97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 03:31:51.06 ID:NvI4L5WqO
紬『そっちの世界の私は何してれか教えて欲しいわ~』
律『いや!先に私が!』
梓『わ、私も知りたいです』
澪『………喋った』
信じてるこの人達もこの人達だよ。
普通SONYか何処かが作った通信機器と思うでしょ…私は思わなかったけど。
98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 03:35:28.21 ID:NvI4L5WqO
唯「えーと……」
紬『何だかこの唯ちゃんカッコイイわね~』
律『キリッとしてるな!』
うるさいなぁ…。
梓『そっちの唯先輩ってバンドやってるんですか?』
唯「あ…やってないよ梓ちゃん」
梓『あ…梓ちゃん…』
100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 03:39:43.12 ID:NvI4L5WqO
律『私は?私は?』
この田井中さんは何だかうるさそうだなぁ…。
それにカチューシャしてるし。
唯「私がって何が?」
律『名前だよ何て呼んでる?』
唯「あぁ…えーと田井中さん」
律『田井中さんだって…!』
唯『田井中隊員!』
さっきのうるさいと思った事をもの凄くうるさいに訂正するよ…。
102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 03:42:21.81 ID:NvI4L5WqO
唯『ねーねーキリッってするから見てて~』
律『わかったー』
唯『キリッ!』
紬『凄くカッコイイわ~』
確かに何だかこの琴吹さんはぽわぽわしてる。
澪『アハハ…喋ってる』
秋山さんは何故か隅っこで震えている。
どうしたんだろう?
103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 03:45:21.41 ID:NvI4L5WqO
唯『そーいえばムギちゃんは大丈夫?』
紬『私がどうかしたの?』
唯「こっちでは琴吹さんはイジメられてるんだ」
紬『そうなの?許せ無いわね…』
唯「でも…大丈夫だから…秋山さんと田井中さんが助けた」
澪『わ、私が?』
104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 03:48:21.14 ID:NvI4L5WqO
唯「うん、秋山さんがおまえらやめろぶっ殺すぞって言った」
澪『そっちの私はそんな性格なのか…』
少し嘘も混じってるけどね。
唯『私は何もしてないの?』
唯「いや…少しだけ言ってやったよ迷惑って」
紬『ありがとうね唯ちゃん』
105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 03:50:58.80 ID:NvI4L5WqO
梓『あの…そっちの私はどんな性格ですか?』
唯「今、家に来てるよ」
梓『ほ、本当ですか?』
唯「うん…私にいきなり抱き着いて来たからびっくりした」
梓『私が唯先輩に抱き着いたなんて…信じられません』
唯「自分でも抱きしめてればいいのにね」
107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 03:53:21.56 ID:NvI4L5WqO
律『あ…もうこんな時間だな~』
澪『帰るか…』
うん、それがいいよ。
唯『だね~じゃあ帰ろうよ!』
紬『そうね~』
唯『あ…私ちょっと待っててね』
唯「う、うん」
109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 03:58:56.82 ID:NvI4L5WqO
唯『おまたせ~』
鏡に写っているのは青空と私。
みんなはもう帰ったらしい。
唯「う、うん…あのさ」
唯『なぁに?』
唯「あの人達は友達?」
唯『うん!それに放課後ティータイムのメンバーだよ』
唯「そーなんだ」
唯『うん!私はバンドやらないの?』
唯「やらないよ…疲れるだけだから」
唯『えー!面白いのに』
バンドか…いかにも青春って感じ。
何だか向こうの私は凄く楽しそうだ…後悩みがなさそう。
110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[わかりました] 投稿日:2010/06/05(土) 04:02:42.14 ID:NvI4L5WqO
唯「あ……そう言えば思い出した私の押し入れにギターがあったんだっけ」
唯『本当?』
唯「うん…お父さんが使ってた奴を貰ったんだ持ってくるね」
唯『うん!』
随分、長い間触って無いから忘れてた。
小さい頃は夢中で練習してたっけ。
結局、指が動か無くて三日で辞めたんだけどね。
113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 04:05:24.10 ID:NvI4L5WqO
唯「あったあった…これだよ」
唯『ギ、ギー太!』
唯「ギー太って誰?」
唯『そのギターの名前だよ!やっぱりギー太はそっちの世界でも受け継がれてるんだね!』
ハハハ…何だそりゃ。
114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 04:09:06.16 ID:NvI4L5WqO
唯『私も帰ったら見せたい物があるんだ!』
唯「へー何?」
唯『私達が文化祭で演奏したDVDがあるんだ見たい?』
唯「ちょっと見たいかも…」
唯『わかった!家に着いたらすぐに見せるからね!』
115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 04:17:04.02 ID:NvI4L5WqO
それから私達はたわいのない話しをした。
主に向こうの私が話して私は適当に頷く。
しっかし…本当にこの私は憂に似ている。
語尾が伸びる話し方も笑い方も性格も似てる。
そう言えば聞いていなかったなぁ…。
向こうの世界の憂の事。
どんなんなんだろう?凄く気になる。
117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 04:20:37.20 ID:NvI4L5WqO
唯『着いたよ~』
唯「知ってるから言わなくていいよ」
唯『じゃあ私DVD探してくるから待ってて~』
唯「わかった」
唯『あ…憂ー!こっちに来てー』
憂『なぁにお姉ちゃん?』
唯『私が退屈だと思うから鏡の中の私と話してていいよー』
唯「…………え?」
119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 04:24:38.43 ID:NvI4L5WqO
鏡には私の妹、憂が写っている。
何だか雰囲気違うなぁ……。
憂『お姉ちゃんが言ってた話しって本当だったんだ…』
唯「う…憂?」
憂『あ…そっちの世界のお姉ちゃん初めまして平沢憂です』
唯「う…うん…」
何だかしっかししてるなぁ…。
120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 04:27:51.07 ID:NvI4L5WqO
唯「こ、こんにちは」
何だか私、妙に緊張してる。
憂『こんにちは…あの、そっちの世界の私って何してるの?』
唯「今は梓って子と遊んでるよ」
憂『そっちの世界でも梓ちゃんと友達何だ…よかった』
私もよかったよ…こっちの世界でもあっちの世界でも優しいのは変わって無いみたいだ。
121 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 04:32:10.17 ID:NvI4L5WqO
唯『DVD見つけたよー』
憂『あ…お姉ちゃん!』
唯『そっちの世界の私はどうかなぁ?』
憂『優しそうでカッコイイよ』
唯「………………」
唯『よかった~あ!すぐにDVD見せるからね~』
でも…向こうの世界の憂は嫌だな。
別に嫌いって意味じゃない…ただ私は憂の世話がもっとしたい。
122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 04:34:31.55 ID:NvI4L5WqO
唯『じゃあDVD見るからね~』
唯「うん…」
唯『私達の演奏凄いんだからね~』
唯「大丈夫期待はしてないから」
唯『酷い!あ…始まるよ』
123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 04:37:29.06 ID:NvI4L5WqO
最初、私はただ見てた。
何も考えずなんとなく見てた。
だけど…いつの間にか私は虜になっていた。
放課後ティータイムの虜に…演奏はただひたすらにカッコよかった。
DVDが終わり私の頭の中にある考えが浮かんだ。
バンドをやってみたい。
159 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 13:42:56.36 ID:NvI4L5WqO
唯『どーだった?』
唯「カッコイイよ凄くね」
唯『えへへ~ありがとう!』
唯「ね…ねぇ私も…」
唯『なぁに?』
唯「いや…何でも無い……」
このバンドをやりたいって感情は一時的な感情だ。
すぐに消えるだろう。
だだ…少し羨ましい私より充実した毎日を向こうの私は過ごしている。
162 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 13:48:27.99 ID:NvI4L5WqO
思えば私は今までずっと同じ毎日を繰り返してた。
小学校でも中学校でも今でもそうだ…。
友達なんか今まで出来た事なんて無かった…私はワイワイ騒いでいる人間を頭の中で馬鹿にするだけだった。
次第に友達はいらない…そう思うようになっていた。
だけど…さっきのDVDを見て私は確信した。
私はただ友達がいない寂しさを人間を馬鹿にする事で紛らわしている。
本当は友達が欲しいんだ私は…。
166 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 13:51:14.22 ID:NvI4L5WqO
向こうの世界の私が本当に羨ましい。
唯『おーい!聞いてる~?』
唯「あ……う、うん」
唯『大丈夫?何か考えてたみたいだけど…』
唯「いや…何でも無いよ…憂のご飯の支度するからまた明日ね」
唯『うんバイバイ~』
168 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 13:53:32.17 ID:NvI4L5WqO
唯「はぁ………」
憂「あ、お姉ちゃんどうしたの?」
唯「いや…何でも無いよ…えっと梓ちゃんは?」
憂「ついさっき帰ったよ」
唯「そっか…ご飯作るねパスタでいい?」
憂「う、うん」
170 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 13:55:24.75 ID:NvI4L5WqO
憂「お姉ちゃんアイス食べていい?」
唯「ダメご飯食べてからならいいよ」
憂「じゃあ我慢する~」
唯「うん、もう少しで出来るから待っててね」
憂「うん!」
171 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 13:57:37.51 ID:NvI4L5WqO
憂「ごちそうさま~」
唯「美味しかった?」
憂「うん!アイス食べていい?」
唯「いいよ、私の分も食べていいから」
憂「ほ、本当に?」
唯「いいよ」
憂「ありがとう!」
172 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 14:03:00.16 ID:NvI4L5WqO
ついさっき見たライブ映像が私の頭の中でぐるぐる。
バンドがやりたい、この一時的な感情は寝れば忘れる。
今日は寝てもう忘れよう。
しばらく天井を見ながら考え事。
琴吹さんは確かピアノをやっている。
私がギターで琴吹さんがピアノいや…考えるのはよそう。
バンドがやりたい何て考えるのはよそう。
寝れば忘れる。
私は静かに瞼を閉じた。
173 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 14:05:50.81 ID:NvI4L5WqO
憂「お姉ちゃん朝だよ起きて」
唯「ん………憂?」
憂「もう7時だよ」
唯「え!ご、ごめん目覚ましは…セットし忘れてる…」
憂「えへへ~今日は私の方が早起きだね」
174 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 14:08:19.27 ID:NvI4L5WqO
唯「ごめん弁当作れなかった…」
憂「えへへ~じゃーん!」
憂が私の前に差し出して来た物は一つの弁当箱。
唯「え?……まさか」
憂「うん!…お姉ちゃんのお弁当だよ作るのに2時間掛かっちゃった!」
唯「憂……うぅ……」
175 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 14:10:14.52 ID:NvI4L5WqO
涙腺が思わず緩み私は涙を流した。
憂「お、お姉ちゃん何処か痛いの?」
唯「違うよ…嬉しいんだよ」
憂「そうなんだぁ!よかったぁ~」
唯「本当にありがとう……」
177 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 14:12:40.12 ID:NvI4L5WqO
唯「制服に着替えるから待っててね」
憂「うん!」
とうとう…一人で弁当作れるようになっちゃったか…。
嬉しいような悲しいような。
こうやって巣立って行くんだと思うとまた悲しくなる。
178 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 14:15:02.40 ID:NvI4L5WqO
唯「よし…行こうか」
憂「うん!」
家を出て二人で歩く。
鞄には憂が作ったお弁当とあの鏡。
唯「今日のお昼楽しみだよ」
憂「えへへ…味は保証出来ないよ!」
唯「大丈夫きっと美味しいから」
180 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 14:17:12.42 ID:NvI4L5WqO
憂「じゃあね!私、教室に行くから」
唯「うん、今日は私バイトだから先に帰るから」
憂「うん頑張ってね~」
憂は二年の教室へ向かって行った。
私も行こうかな。
182 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 14:19:23.92 ID:NvI4L5WqO
紬「おはよ…」
唯「おはよう琴吹さん」
紬「うん…」
はぁ…バンドか…。
結局忘れなかったな…それに昨日より気持ちが強くなってる気がする。
律「きゃあっ!」
また田井中さんがこけた。
184 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 14:21:26.58 ID:NvI4L5WqO
紬「大丈夫…?」
律「アハハまたこけちゃった」
唯「はぁ…カチューシャか何かすればいいのに」
律「小さい頃はしてたんだ~カチューシャ」
唯「じゃあ…どうして今はしてないの?」
185 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 14:23:56.46 ID:NvI4L5WqO
律「澪ちゃんからしない方がいいって言われたんだよ~」
唯「あっそ…あれ?田井中さんの鞄の中にある棒って何?」
律「これはドラムスティックだよー」
紬「ドラムスティック…?」
唯「田井中さんってドラマやってるの?」
188 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 14:28:37.68 ID:NvI4L5WqO
律「うん!ドコドコドンッってやってる!それに澪ちゃんはベースやってるんだぁ~カッコイイんだよ!」
唯「そ、そーなんだ……バンド組めるね」
紬「バンド……?」
唯「私がギターで琴吹さんがピアノ田井中さんがドラムで秋山さんがベース」
律「なんか面白そうだ!」
唯「冗談で言ってるから、あまり真に受けて貰っても困るけどね」
紬「平沢さんギターしてるの…?」
189 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 14:32:48.87 ID:NvI4L5WqO
唯「してないよ…ギター持ってるけどね」
紬「凄い…」
律「バンドやらないのー?」
唯「だから冗談だって……」
律「残念だなぁ」
唯『うおっ!真っ暗』
唯「…………え?」
190 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 14:36:42.73 ID:NvI4L5WqO
唯『いっつもこの時間は真っ暗なんだぁ~』
紬「あれ……?」
律「空耳だ!」
律『そっかー』
紬「平沢さん何か聞こえる……」
唯「アハハ…そ、空耳だよ!今日は空耳がよく聞こえる日だなぁー」
唯『私の声が聞こえた!』
192 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 14:39:34.28 ID:NvI4L5WqO
律「平沢さんの鞄の中から聞こえるー!」
紬「………………」
唯『おーい私!おはよー!』
私の馬鹿…大馬鹿野郎。
唯「ちょっと二人共トイレに行こうか」
193 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 14:41:56.51 ID:NvI4L5WqO
律「どーしたの?トイレに私達を誘って」
紬「……………」
律「鞄まで持って来て何かあるの?アメくれるの?」
唯「違う…えーと、これから言う事は誰にも言ったらダメわかった?」
紬「うん………」
律「わかったー」
194 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 14:44:52.45 ID:NvI4L5WqO
・・・・・・・・
唯「…と言う分けで」
律「それは嘘だよ~」
紬「私は信じる…」
唯『おーい無視しないで~』
唯「ありがとうじゃあ見せるからね」
紬「うん………」
195 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 14:47:57.58 ID:NvI4L5WqO
唯『うおっ!ムギちゃん』
琴吹さんは少しビクッとさせた。
紬「おはよ……」
唯『おはよー!えーと…りっちゃん?』
律「本当の本当だったんだ!凄いね!」
唯『前髪下ろしてる!りっちゃん可愛い~』
198 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 14:50:29.33 ID:NvI4L5WqO
唯『ムギちゃんりっちゃん来て来てー!』
紬「ムギちゃんって誰なのかな?」
唯「琴吹さんの事だよ」
紬「あだ名なんだ…嬉しい」
律「平沢さんこの鏡凄いねー」
唯「はいはい凄い凄い」
199 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 14:52:30.80 ID:NvI4L5WqO
唯『ほらー鏡見て』
紬『何だかドキドキするわね~』
紬「私だ…」
紬『おはよう~』
紬「おはよ……」
唯「緊張してるの?」
紬「うん……」
201 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 14:55:36.55 ID:NvI4L5WqO
律「私はいるのー?」
律『いるぞー!うおっカチューシャどうした!』
律「澪ちゃんが外した方がいいって言ってくれたんだー」
律『そ、そっか…アハハ澪ちゃんか…』
唯『りっちゃん可愛い!』
律『う、うるさいぞ』
律「ありがとー!」
202 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[昼飯食べます] 投稿日:2010/06/05(土) 14:58:26.73 ID:NvI4L5WqO
唯「ちょっと私!」
唯『なぁに?』
唯「いきなり話しかけたらバレちゃうでしょ!」
唯『もうバレてるよ!』
唯「うるさい…」
律「そっちの世界の私達はバンドやってるんだよねーいいな~」
205 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 15:27:12.06 ID:NvI4L5WqO
律『そっちの世界の私はドラムやって無いのか?』
律「やってるよドコドコドンッって」
紬『私はキーボードやってるの?』
紬「ううん…ピアノなら出来るよ」
唯『バンド組めばいいじゃん!』
唯「えーと……」
律「さっきやろうって誘われたんだよ!」
206 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 15:29:51.32 ID:NvI4L5WqO
唯「ち…違うあ、あれは冗談のつもりで」
紬『やらないの?』
唯「いや、でも…」
紬「私やりたい…」
律「私もやりたい!」
唯「ど、どーしても二人がバンドしたいって言うならやってもいいかな」
唯『素直じゃないなぁ~』
208 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 15:33:45.62 ID:NvI4L5WqO
律「じゃあ私達でバンド組むの決定ね!」
唯「う、うん…」
唯『あれ?澪ちゃんとあずにゃんは?』
唯「え?三人でいいじゃん」
律『こっちの世界は五人でやってるんだぞ』
紬「五人…」
律「私、澪ちゃん誘ってみる!」
209 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 15:35:41.82 ID:NvI4L5WqO
唯「もし秋山さんが入ったら四人でやろう」
唯『あずにゃんは?』
唯「あの人はいいや」
紬「いいの……?」
唯「うん、いいや」
律「あ!そろそろ授業始まるよ!」
210 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 15:39:09.28 ID:NvI4L5WqO
唯「じゃあ教室に行くけどもう話しかけてきたらダメだから」
唯『うんわかったぁ』
本当にわかってんのかなぁ?
唯「じゃあ…田井中さん琴吹さん行こう」
紬「うん…バイバイ私」
紬『また会いましょうね~』
律「バイバイー」
律『あぁ…またな』
212 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 15:42:43.24 ID:NvI4L5WqO
さわ子「琴吹ぃっ!田井中ぁっ!平沢ぁっ!」
唯「は、はい!」
さわ子「遅いわよ!5分前行動!心にゆとりを持って行動しなさいって言ってるでしょう!」
また始まったよ…。
唯「すみません」
紬「ごめんなさい…」
律「すいませーん」
さわ子「三人共座りなさい授業始めるわよ!」
213 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 15:48:32.19 ID:NvI4L5WqO
昼休み。
田井中さんは隣のクラスから秋山さんを連れて来た。
澪「バンドかぁ…」
唯「美味しい…」
今はバンドの話しは正直どーでもいいんだね。
憂の弁当が美味し過ぎるから…これは誰かと話しながら食べるもんじゃないね。
ゆっくり味わいたい。
澪「確かに私はベースをやってる…入ってもいいかな律の頼みだし」
律「わぁありがとう!」
あー…うるさい静かに食べたいのに。
215 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[ここまでです] 投稿日:2010/06/05(土) 15:55:47.70 ID:NvI4L5WqO
紬「四人だね…」
澪「それより律」
律「澪ちゃんなに?」
澪「鏡の話しは本当か?」
私は飲んでたお茶を琴吹さんに吹きかけた。
わざとじゃない…って言うか喋ったんだ…。
紬「冷たい…」
218 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 15:58:38.44 ID:NvI4L5WqO
唯「ごめんごめん…はいタオル」
紬「ありがとう…」
唯「って言うか喋ったの?」
律「うん!」
澪「鏡を見せてくれ…」
もう面倒臭いなぁ…。
220 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 16:01:46.66 ID:NvI4L5WqO
私は鏡を秋山さんに渡す。
澪「確かに…鏡なのに私が写ってないな」
唯『あれ?澪ちゃんだぁ!』
澪『唯、呼んだか?』
澪「私?」
澪『ゆ、唯!鏡に写ってる私が喋った!』
221 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 16:04:20.76 ID:NvI4L5WqO
澪「何だか…違和感だな…」
唯「田井中さんから聞いたでしょう?その鏡は別の世界を写す鏡だって事」
澪「いや…私は鏡が喋る事しか聞いて無い…そうか別の世界を写すのか」
澪『こ、こんにちは!』
224 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 16:07:00.56 ID:NvI4L5WqO
澪「うん、こんにちは」
澪『あのー…そっちの私は何をしてるんですか?』
唯『澪ちゃん何で敬語なの?』
澪『い、いや…緊張して…』
澪「私は緊張してない…この世界の私もホラー映画好きなのかな?」
唯「知らない」
225 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 16:10:44.82 ID:NvI4L5WqO
律「この鏡凄いよねー!」
唯「はいはい凄い凄い」
唯『こっちの澪ちゃんはホラー映画苦手なんだよ!』
澪『う、うん…』
澪「何だ残念だな…せっかくホラー映画を語り合える人が見つかったと思ったのに」
紬「シミになっちゃう……」
唯「そんな弱々しく拭くからだよ…もっと強く拭かないと」
228 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 16:14:26.56 ID:NvI4L5WqO
唯「じゃあ鏡を鞄に戻すから」
澪「じゃあな私」
澪『バイバイ……』
唯「あれ……?」
紬「どうしたの…?」
唯「いや…何でも無い」
よく見れば鏡に小さな傷が付いてる事に私は気付いた。
鞄の中で傷が付いたんだろうね。
232 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 16:16:46.76 ID:NvI4L5WqO
律「鏡もっと見たいー」
唯「それで…バンドの話しだけど秋山さん本当に入ってくれるの?」
澪「うん、私もバンド組んでみたいんだ」
律「鏡みたい!」
紬「田井中さん我慢だよ……」
律「わかったー」
234 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 16:19:11.64 ID:NvI4L5WqO
唯「じゃあ四人でバンドしてみようよ」
澪「そうだな楽しみだ」
紬「やった……」
唯「でも私、簡単に言ってるけど…バンドってどうやるんだろう」
律「軽音部に入ればいいんだよ!」
236 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 16:23:22.04 ID:NvI4L5WqO
唯「でも…軽音部は廃部になったんだったよね?」
澪「山中先生に頼んで見たらどうだ?軽音部の顧問だったらしいし」
律「そうと決まれば行こうよ!」
唯「えー…嫌だまだ日焼けするには早い季節じゃん秋山さんと田井中さん言って来てよ」
238 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 16:28:05.88 ID:NvI4L5WqO
澪「わかった…じゃあ律行こうか」
律「うん!」
唯「頑張って来てね私は物思いにふけながら待ってるよ」
紬「話そうよ…」
唯「冗談だって…じゃあ行ってらっしゃい」
241 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 16:31:07.93 ID:NvI4L5WqO
紬「平沢さんって休みの日は何をしてるの…?」
唯「寝てる」
紬「そうなんだ…」
唯「琴吹さんは?何かやってるの?」
紬「お母さんの看病…」
会話の内容が一気に重くなったなぁ…。
琴吹さんは頑張ってるんだね。
242 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 16:33:59.44 ID:NvI4L5WqO
唯「何か病気なの?」
紬「ううん…足を骨折したから…」
何だ病気じゃないのか。
唯「じゃあ最近なんだ看病し始めたの」
紬「うん……」
唯「頑張ってね琴吹さん」
紬「ありがと…」
246 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 16:37:21.47 ID:NvI4L5WqO
唯「琴吹さんってピアノ上手いの?」
紬「上手くないよ…」
唯「そっかー…遅いね」
紬「そうだね……」
さわ子「平沢ぁっ!」
唯「うおっ!」
248 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 16:42:59.43 ID:NvI4L5WqO
山中先生は私に全力で近いて全力で私を抱きしめた。
唯「ちょっ…先生っ!」
山中「お前は人見知りな奴だと思っていた…だけど私は間違っていた」
唯「苦しいっ…!」
山中「お前がバンドをやりたい何て…そんな情熱的な奴とは知らなかったごめん!」
バンドをやりたいと言った人間が情熱的な奴かどうかは知らない。
ただ一つ言える事はコイツ私を殺す気だ。
249 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 16:48:20.81 ID:NvI4L5WqO
さわ子「平沢ぁっ!ごめん…ごめん」
あぁ…どんどん強くなってく。
今までの憂との思い出が走馬灯のように蘇る。
憂…ごめん…私先に行くね。
唯「……………」
紬「平沢さん…?」
さわ子「平沢ぁっ…大丈夫か!……気絶してる」
252 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 16:53:41.01 ID:NvI4L5WqO
唯「うぅ………」
さわ子「目が覚めたか…いきなり気絶するからびっくりしたぞ」
いやいや…お前のせいだよ。
これを教育委員会に言ったら問題になるぞ。
さわ子「急に気絶するんだもん…栄養取ってる?」
しかも自分が気絶させた事に気が付いて無い。
唯「アハハハ……」
253 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 16:57:12.53 ID:NvI4L5WqO
さわ子「あ……そうだ…軽音部の事で話しがあったんだ」
唯「軽音部の事で?」
さわ子「お前らが軽音部でバンドをやりたい事を秋山と田井中に頼まれてな」
唯「そ、そーですか」
さわ子「しかし…軽音部は廃部になってる!」
唯「あ、知ってます」
255 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 17:02:45.86 ID:NvI4L5WqO
さわ子「私が何とか復活させて見せる…お前らの友情に誓って」
唯「ありがとうございます…」
よし…私を気絶させた事をチャラにしてあげよう。
さわ子「じゃあ私は職員室に行く平沢は放課後まで休め栄養はちゃんと取れ」
やっぱチャラにした事やめようかな…。
さわ子「じゃあな…真鍋後は頼んだぞ」
和「は、はい…」
唯「真鍋……?」
257 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 17:10:02.54 ID:NvI4L5WqO
和「平沢さん…先生から頼まれたんだ平沢を見ろって」
唯「そっかー…」
和「えーと…小学生の時にも確かこんな事あったよね」
唯「小学生の時?」
和「一緒の小学校だったじゃない中学校も一緒」
唯「ごめん…覚えて無い」
259 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 17:15:56.95 ID:NvI4L5WqO
和「そっか…アメ食べる?」
唯「いらない…」
和「そっか…」
会話続かない…。
和「あ…軽音部やるんでしょう?」
唯「うん…」
260 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 17:18:39.25 ID:NvI4L5WqO
梓「軽音部やるんですか!」
唯「うわぁっ!」
和「びっくりした…」
梓「アハハすみませんすみません」
唯「何でいるの?」
梓「授業出たく無いから仮病使ったんですよ!け・びょ・う!」
261 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 17:25:52.62 ID:NvI4L5WqO
梓「いいなー軽音部いいなー」
何この私も誘って欲しいなぁ…みたいな眼差し。
梓「いいなー」
和「入れて貰えばいいじゃない?」
梓「ですよねー!そうですよねー!私も調度それ思ってたんですけど中々言えなくてーでも言ってくれた先輩に感謝感謝」
うわぁ…うるさいなぁ。
263 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 17:29:12.21 ID:NvI4L5WqO
梓「と言う分けで入れて下さい!」
唯「えーと…まだ軽音部が出来るって決まった分けじゃないし…」
梓「そうですか…残念」
和「アナタお名前は?」
梓「中野梓でーす」
264 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 17:36:10.88 ID:NvI4L5WqO
和「何だか猫耳とか似合いそうね」
唯「…………は?」
和「ここに猫耳があるから付けて見て」
いや…真鍋さん何でポケットにそんな物入れてんの?
梓「はーい!」
和「似合うわね…」
真鍋さんの唾を飲む音を私は確かに聞いた。
265 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 17:39:51.42 ID:NvI4L5WqO
和「にゃーって言ってみて」
梓「にゃー!」
和「いいわ…とっても」
唯「…………アハハ」
誰かコイツらを何とかしろ。
私じゃ手に負えない。
和「平沢さんもどう?」
唯「慎んでお断り」
266 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 17:43:27.78 ID:NvI4L5WqO
放課後のチャイムが鳴る。
私はすぐに保険室から飛び出した。
まだ、真鍋さんと梓ちゃんは楽しそうに話している。
これは私の直感だけど真鍋和アイツは変態だ。
澪「あ…平沢、大丈夫か?」
唯「う、うん」
271 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 17:58:36.51 ID:NvI4L5WqO
澪「軽音部の話しだけど…聞いたか?」
唯「うん」
澪「これ鞄忘れてるぞ、今日は帰るんだろう?」
唯「うん」
澪「琴吹が校門の前で待ってるらしいから」
唯「わかったありがとう…じゃあね」
澪「さよなら」
唯「うん」
274 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 18:02:42.38 ID:NvI4L5WqO
紬「あ………」
唯「ごめんまたせた?」
紬「ううん今来た所だから…」
私達はデートの待ち合わせでもしてるのか?ってぐらいの会話の内容。
唯「じゃあ行こうか私今日はバイトだから急いで帰ろう」
紬「うん……」
276 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 18:06:37.94 ID:NvI4L5WqO
唯「琴吹さん近い…」
紬「ごめん……」
前から思ってたんだけど彼女と一緒に帰る時は決まって私の体にピタッとくっついてくる。
癖なのかな?
紬「今日は大丈夫だった?」
唯「うん、おかげさまで授業を受けなくて済んだよ」
本当にありがたかった。
おかげで授業を二時間も聞き逃したんだからね。
278 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 18:10:49.68 ID:NvI4L5WqO
唯「じゃあ私はここでさようならだから」
紬「うん…バイバイ」
唯「じゃあね琴吹さん」
紬「うん…また明日ね」
唯「また明日…」
はぁ……今からバイトだと思うと憂鬱だ。
279 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 18:17:49.65 ID:NvI4L5WqO
家に帰りバイトで着る制服を持ってバイト先に向かう。
唯「お疲れ様でーす」
働いている人達が私に挨拶をする。
はぁ…これから6時間地獄だ。
一年働いているが未だにこのバイトの忙しさには慣れない。
280 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 18:22:53.95 ID:NvI4L5WqO
梓「あ…先輩!」
唯「こんにちは」
はぁ…早く制服に着替えなきゃ。
5分前にタイムカード押さないと店長うるさいからなぁ…………え?
梓「今日からここで働く事になったんですけど、まさか先輩がここで働いているとは思いませんでしたよー」
唯「……え?え?」
梓「今日からよろしくお願いしまーす」
唯「………え?」
283 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 18:27:03.90 ID:NvI4L5WqO
唯「何でいるの?ここは客は入っちゃダメな所だよ」
梓「だから、今日から此処で働く事になったんですってー」
唯「ハハッ…冗談上手いなぁー」
梓「それにしても凄い偶然ですねーあ、タイムカードの押し方を教えて下さい!」
唯「はぁ…………」
292 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 18:31:53.57 ID:NvI4L5WqO
新人研修として6時間…はぁ6時間か…本当に長いよ。
私は6時間、梓ちゃんの相手をしてやった。
悔しい事に彼女は凄く物覚えがいい。
唯「お疲れ様でした」
梓「お疲れ様でしたー」
私達は何故か一緒に帰る事になった。
いや…梓ちゃんが勝手に着いて来たんだった。
293 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 18:35:24.42 ID:NvI4L5WqO
梓「今日は楽しかったですねー簡単でしたねー」
唯「はいはいそうだね」
梓「バイトとバンドって何か文字似てません?」
唯「はいはいそうだね」
梓「今日、先輩の家に泊まるんですよー」
唯「はいはいそうだね」
梓「よろしくでーす」
唯「………え?泊まるの?」
梓「はい!」
296 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 18:39:48.76 ID:NvI4L5WqO
本当にこの子には驚かせて貰ってばかりいる。
唯「本当に泊まるの?」
梓「はい!憂から聞いてませんでした?」
私はケータイを取り出す。
憂からメールが一件届いている。
読んでみると確かに梓ちゃんは今日泊まるみたいだ。
嫌だなぁ…私この子苦手だよ。
298 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 18:45:53.47 ID:NvI4L5WqO
抱き着いて来るし…うるさいし抱き着いて来るし抱き着いて来るし。
別に嫌いな分けじゃ無いけど苦手なタイプだ。
梓「先輩聞いてます?」
唯「はいはい聞いてる」
梓「私の話し右耳から左耳に流れてません?」
唯「じゃあ左耳に耳栓しないとダメだね」
梓「ツインテールで鞭打ちますよー!」
うっさいなぁ…。
301 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 18:48:50.28 ID:NvI4L5WqO
唯「着いたから鍵開けるね」
梓「はーい」
今日は安眠出来そうに無いなぁ…。
憂「あ!お姉ちゃんおかえり」
唯「おかえり梓ちゃん来てるよ」
梓「やっほー!」
305 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 18:53:49.63 ID:NvI4L5WqO
憂「あ!梓ちゃん遅かったね~」
梓「バイトしてたー」
憂「バイトしてるの?」
梓「そうそう、先輩と一緒のファミレスでバイトしてるよ」
唯「本当にびっくりしたよ」
憂「そーなんだーあ…入ってよ梓ちゃん」
梓「お邪魔しまーす」
307 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 18:58:58.25 ID:NvI4L5WqO
憂「あ…お姉ちゃん」
唯「なに?」
憂「あのねーお姉ちゃんの部屋にギターがあったから押し入れに直して置いたよ」
あぁ…別に直さなくてよかったんだけどね。
梓「ギターやってるんですか?」
唯「うん…全然出来ないけど」
311 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 19:03:34.91 ID:NvI4L5WqO
梓「私はとっっても上手いんですけどね~」
唯「へー…」
梓「教えて欲しいなら教えますよ~」
唯「そっかー…」
梓「仕方ないですね~お金は取らないから教えてあげましょう」
唯「おいちょっと待て…教えて欲しいだなんて言ってないよ」
313 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 19:08:39.97 ID:NvI4L5WqO
梓「Cコード!」
唯「は?」
梓「Fコード!」
唯「何それ?」
梓「やっぱり私が教えますよコードも知らないじゃないですか」
唯「独学でするからいいよ」
梓「何言ってるんですか…同じ軽音部のメンバーじゃないですか」
唯「おい!」
憂「お姉ちゃん軽音部に入るの?」
314 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 19:13:00.86 ID:NvI4L5WqO
唯「あ…うん…今メンバーは四人いる」
憂「そうなんだぁ!」
梓「私を入れて五人ね」
もう怒った。
梓ちゃんにギター弾かせて多分…って言うか絶対下手くそだと思うからボロクソ文句を言ってやる。
唯「憂ギター持って来て!」
憂「わかったぁ~」
315 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 19:16:24.58 ID:NvI4L5WqO
憂「はいお姉ちゃん」
唯「ありがとう!梓ちゃんそんなに自信あるなら弾いてみてよ!」
梓「いいですよいいですよ」
唯「よーし…じゃあ弾いて」
梓「はーい」
316 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 19:20:30.52 ID:NvI4L5WqO
・・・・・・・・
梓「はい終わりましたー!」
う、上手い…これは予想外だ凄く上手い。
どうしよう…本当にギター教わろうかな…仕方ないよね、悔しいけど教えて貰おう。
憂「梓ちゃん上手ー!」
唯「わ、私にギター教えてよ」
梓「やっとその気になりましたねー」
317 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 19:25:39.65 ID:NvI4L5WqO
梓「でも一つ提案があります」
唯「なに?」
梓「私を軽音部に入れて下さいね」
唯「………わかった、いいよ」
梓「やったー!」
憂「よかったね梓ちゃん!」
これで五人目か…向こうの私のバンドと同じ人数しかも同じメンバー。
321 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 19:52:23.10 ID:NvI4L5WqO
唯「今日は疲れたし風呂入って寝ようかな」
梓「一緒に入りましょーよ」
唯「はぁ?」
梓「だから一緒に入りましょーよ」
唯「お断りします」
梓「チッ……」
うわぁ…舌打ちしたよこの子。
悪い子じゃないと思うんだけどね。
憂「梓ちゃん私と入ろうよ」
梓「うん!いいよ」
325 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 19:57:52.89 ID:NvI4L5WqO
・・・・・・・
唯「風呂終わったから次は二人が入ってきなよ」
梓「はーい」
憂「わかったぁ~」
しかし…友達二人でお風呂入るだなんて…考えられないな。
私も幼稚園以来、憂と一緒にお風呂入ってないな。
まぁ…これから入る事も無いと思うけど…体の成長は服の上からでも分かるしね。
326 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 20:00:58.12 ID:NvI4L5WqO
二人が風呂上がる前に寝ようかな。
その前に鏡で私と少し話そう。
唯「まだ起きてる?」
唯『あ…私!今ギターの練習してたんだよ』
唯「そっか…あ、バンドやる事になったよ」
唯『わぁ!おめでとう!』
329 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 20:10:35.12 ID:NvI4L5WqO
唯「梓ちゃんも入ってそっちの世界と同じメンバーなんだ」
唯『うん!頑張ってね』
唯「うん…えーと、言いたい事があるんだけど」
唯『なーに?』
唯「や、やっぱり何でも無い」
唯『えー!気になるよ』
唯「ん……?」
何処からかガラスを釘で引っ掻いたような音が微かに聞こえた。
332 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 20:13:38.89 ID:NvI4L5WqO
唯『どうしたの?』
唯「いや…フレディが窓を引っ掻いてる音が聞こえたから」
唯『ふれでぃ?……あぁぁ!』
唯「うるさいな…いきなりどうしたの?」
唯『鏡に傷が…大事にしてたのに!』
本当だ…前に見た時とは別の傷が出来てる。
335 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 20:17:05.96 ID:NvI4L5WqO
唯『そっちの私の鏡にも傷が出来てるの?』
唯「うん出来てる」
唯『何なのかなぁ?』
唯「分かんない多分鞄に入れた時に出来たんじゃない?」
唯『そっか~そーだよね!』
337 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 20:19:28.11 ID:NvI4L5WqO
唯「じゃあ私は寝るから…あ!明日も学校に持って行くから急に喋りかけないでね」
唯『大丈夫だよ~わかってるって』
唯「じゃあおやすみ」
唯『うんおやすみ~』
341 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[お試し●があるので大丈夫です] 投稿日:2010/06/05(土) 20:24:50.55 ID:NvI4L5WqO
翌日、私は違和感を感じた。
ベッドの隣に誰かいる。
唯「うわぁっ!」
梓「うぅ………」
ちょっと待て待て…何で梓ちゃんが私のベッドで寝てるんだ。
唯「ちょっと!梓ちゃんちょっと!」
梓「うぅ…ふわぁ~」
343 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 20:33:19.39 ID:NvI4L5WqO
唯「ちょっと起きて」
梓「な、何ですかこんな朝早くに…」
唯「分かるでしょ!何で私のベッドで寝てるの?」
梓「憂のベッドは二人寝れないからですよー」
唯「せめて何か言ってよ!あーびっくりした」
344 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 20:37:23.21 ID:NvI4L5WqO
梓「ごめんなさい…私はまだ少し寝ますねー」
唯「はぁ…わかった、憂の弁当作らなきゃ…梓ちゃんはいらないよね?」
梓「パン買いますから大丈夫ですよーおやすみなさい」
何と言うマイペースな子なんだろう。
将来が不安だよ憂より不安だね。
347 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 20:44:22.34 ID:NvI4L5WqO
二人分の弁当を作り終えた私は朝のワイドショーを見る。
憂「お姉ちゃんおはよう…」
唯「あ…憂おはよう梓ちゃんは?」
憂「まだ寝てるよ~」
唯「そっかー梓ちゃん私のベッドで寝てたんだよ」
憂「ご、ごめん私のベッド小さいから…」
憂が来たらよかったのに。
348 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 20:47:20.22 ID:NvI4L5WqO
梓「おはよう……」
憂「おはよう梓ちゃん」
唯「おはよう…私達もうすぐ学校に行くから梓ちゃん制服に着替えて」
梓「もうですか?わかりました着替えて来まーす」
唯「うん…私達も着替えようか」
憂「うん!」
350 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 20:54:00.44 ID:NvI4L5WqO
何時ものように制服に着替えて鏡を鞄の中に入れる。
向こうの私がおはようと挨拶して来たけど無視して鞄の中に突っ込んだ。
唯「みんな着替え終わったみたいだね…行こっか」
梓「はーい!」
憂「うん!」
351 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 21:00:56.85 ID:NvI4L5WqO
梓「今日はいい天気だー私は脳天気だけど!」
唯「よくわかってるね」
梓「先輩ひどーい!」
憂「でも梓ちゃん面白いよ~」
梓「ありがとー」
唯「あ、あの後ろ姿…琴吹さんだ」
352 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 21:05:40.36 ID:NvI4L5WqO
唯「琴吹さん!」
紬「え…あ、平沢さん…おはよう」
唯「おはよう」
梓「誰ですかー綺麗な人ですねー」
唯「あー…彼女は琴吹紬さんだよ」
梓「よろしくでーす」
紬「よろしく……」
353 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 21:09:06.74 ID:NvI4L5WqO
梓「普段は何してるんですかー?」
紬「…………」
私より身長高いんだから後ろに隠れても意味無いと思うよ琴吹さん。
唯「あんまり質問しないとっとと歩く」
梓「はーい!」
憂「琴吹先輩おはようございます」
紬「せ、先輩……」
354 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 21:14:50.40 ID:NvI4L5WqO
唯「あ……琴吹さんこの子も一緒にやる事になったからバンド」
紬「うん…これで五人だね…」
梓「琴吹さんもやるのー!?何やるの?」
唯「ピアノだよ」
梓「私が思った通りだ!」
憂「お姉ちゃんがギターだよね?」
唯「う、うん」
355 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 21:18:43.86 ID:NvI4L5WqO
梓「私と平沢先輩がギターで琴吹さんがピアノ…ベースとドラムは誰ですか?」
唯「ベースは秋山さんドラムは田井中さんだよ」
梓「へー早くやりたいなぁ」
憂「私もお姉ちゃんが演奏してる姿見たい!」
唯「それは随分先になるかもね」
356 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 21:23:39.46 ID:NvI4L5WqO
紬「軽音部が出来なかったらどうするの…?」
唯「そん時はそん時また別に考えるよ」
紬「うん……」
唯「あ…それと梓ちゃんは昼休みの時間、私達の教室に来てよ」
梓「いいですよー昼休みですねー」
357 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 21:28:48.90 ID:NvI4L5WqO
梓「学校着きましたねーじゃあ私達は行きますからね」
憂「バイバイお姉ちゃん琴吹さん」
唯「うんバイバイ」
紬「バイバイ……」
唯「私達も行こっか」
紬「う、うん……」
359 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 21:35:32.75 ID:NvI4L5WqO
律「唯ちゃんとムギちゃんおはよー」
唯「唯ちゃん?」
紬「ムギちゃん…?」
律「うん!唯ちゃんとムギちゃん」
唯「そんな呼ばれ方された事無いからびっくりした…」
紬「私も……」
律「これからはこう呼ぶね私達友達だからね~」
そっか友達か……。
361 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 21:42:52.54 ID:NvI4L5WqO
唯「私達って友達なんだね…」
律「うんうん友達!」
紬「うん…どうかしたの?」
唯「いや…何でも無いよ…」
律「あ!あの鏡見せてー」
唯「今はダメだから」
律「ケチー」
363 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 21:51:29.99 ID:NvI4L5WqO
さわ子「おはよう!」
唯「あ…先生来たよ」
律「うん!」
さわ子「平沢!軽音部復活する事になったぞ」
唯「ほ、本当ですか?」
さわ子「私が顧問だ!よかったな」
紬「やった……」
律「これでバンドやれるね!」
嬉しかった…軽音部が復活すると聞いて私は凄く嬉しかった。
山中先生が顧問になる事はマイナスだけどね。
364 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 21:57:15.93 ID:NvI4L5WqO
昼休みになり私達は教室へ集まった。
梓「先輩!来ましたよ」
唯「うん、知ってる」
律「この人が梓ちゃん?」
梓「あ、ギターの中野梓でーすよろしくお願いします」
澪「あぁ…よろしく」
365 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 22:02:56.42 ID:NvI4L5WqO
梓「軽音部復活したんですよねー!」
唯「うん、これでみんなでバンドやれるね」
紬「うん……」
澪「頑張ろうなみんな」
唯『な、何これー!!』
梓「あれ?何か聞こえましたよ」
367 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 22:09:12.21 ID:NvI4L5WqO
勝手に話しかけたらダメって言ってるのに…。
梓「何か聞こえませんでした?」
律「あのねー鏡が喋るんだよ」
梓「白雪姫なら見た事ありますよー」
まぁ…梓ちゃんには隠す程の事でも無いような気がするし…見せてやろうかな。
唯『みんな!ちょっとこれ見てよー!』
368 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 22:16:37.64 ID:NvI4L5WqO
唯「梓ちゃんちょっと今からある物を見せるから驚か無いでね」
梓「どんとこいでーす!」
澪「見せるのか…?」
唯「うん…軽音部のメンバーだけの秘密だから誰にも喋ったらダメだよ」
梓「はーい!」
私達以外、教室に誰もいない事を確認すると私は鞄の中から鏡を………何これ。
唯「ちょっとみんな…鏡がヤバイ事になってるよ!」
372 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 22:22:57.28 ID:NvI4L5WqO
紬「鏡がどうしたの?」
唯『みんな鏡が……』
唯「ヒビが入ってる…」
上から下へ大きなヒビ。
向こうの私の顔は真っ二つに割れていた。
澪「と、とりあえず見せてみろ」
唯「ほ、ほら…」
紬「……………」
377 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 22:28:48.88 ID:NvI4L5WqO
唯「どーいう事?」
唯『わ、私…鏡が鏡が……』
唯「そっちも割れてるんだ…」
唯『うん…』
梓「何ですかこの鏡…何で勝手に喋ってるんですか?」
唯「今それはどーでもいいよ…」
378 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 22:36:47.68 ID:NvI4L5WqO
紬「セロハンテープ…」
唯「無理無理くっつかないって」
澪『どうかしたのか?』
唯『澪ちゃん鏡が…』
律『本当だ…ヒビ入ってる…』
澪「どうする?」
唯「どーしようも出来無いでしょ…」
梓「え?え?…秋山さんに田井中さん…え?何ですかコレ怖いんですけど…」
384 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 22:42:19.88 ID:NvI4L5WqO
紬『唯ちゃん…コレ』
ヤバイまた…大きなヒビが入った。
私は何もしていないのに…。
律「ど、どんどん…酷くなってくよ!」
唯「どうしよう…どうしよう……」
梓『唯先輩…鏡にまた一つヒビが…』
梓「あれ?私?ちょっとコレ意味わかんない…鏡が私が喋った…」
385 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 22:49:02.30 ID:NvI4L5WqO
唯『割れちゃうのかなぁ…?』
律『わからない……』
梓「何で鏡の中の私が喋ったんですか?怖いなぁ…コレ怖い」
梓『わ、私だ…』
梓「話しかけて来たよ……なんで?」
唯「ごめん梓ちゃんちょっと黙ってて」
388 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 22:55:01.56 ID:NvI4L5WqO
また大きなヒビが入った…。
不吉だ…鏡に入ったヒビは4と言う数字に似ている。
紬『ま、また……』
唯『何だか怖いよ…』
律「4だってー怖いねー」
澪「これは、もう直せないかもな…」
唯「このまま…粉々に割れちゃうんだよ…きっと」
根拠は無い…だけど本当に割れる気がする。
もう…鏡が割れてそっちの世界のみんなとは話せないそんな気がする。
392 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 23:03:12.08 ID:NvI4L5WqO
唯「………………」
唯『うぅ…早く鏡会社に電話しなきゃ…』
澪『鏡会社って何だよ……』
唯『鏡を作ってる会社なら直せるかも…』
唯「………手遅れだよ…もう直せない」
律『あぁ…私も思う…それに鏡が割れて…もう話す事が出来なくなるんじゃないか?』
律「そんなの嫌だ…嫌だよぉ!もっと私とお話ししたいよぉ」
394 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 23:16:06.58 ID:NvI4L5WqO
私も私ともっと沢山、話したい。
それは、一人を除いてみんな同じ事を思っているだろう。
鏡が割れる…私達にはこれはもう直せない気がする。
絶対に…直せない。
この鏡は諦めよう…もうじき粉々に割れて向こうの私とも二度話せない。
だから最後に私はみんなにある事を提案した…。
395 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 23:20:46.10 ID:NvI4L5WqO
唯「みんなもうこの鏡はダメだから…最後に話さない?」
紬「何を話すの…?」
唯「だからさ…向こうの世界とこっちの世界の同じ自分で最後に話すんだよ…伝えたい事を」
律「うん…………」
唯『私は賛成だよ』
澪「いや…みんな賛成だと思うよ」
梓「…………え?」
396 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 23:23:49.47 ID:NvI4L5WqO
唯「最初は誰にする?」
律「はい!はい!」
唯『じゃあ、りっちゃんからだね』
律『そ、そうか…緊張するな』
律「私は緊張してないよー」
唯「じゃあ話して来ていいよ」
律「うん!」
399 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 23:27:25.75 ID:NvI4L5WqO
律「ねーねードラムが上手くならないんだけど!」
律『いいのか?最後に話す会話がドラムの話しで』
律「ううん…ダメ」
律『あのさ…頑張れよ軽音部』
律「頑張る…私も頑張ってね…そっちの澪ちゃんもよろしくね」
律『あぁ……』
405 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[まじめじゃない梓です] 投稿日:2010/06/05(土) 23:35:17.54 ID:NvI4L5WqO
律「あのね…私、澪ちゃんに心配をかけてばかりかけてね…」
律『そ、そっか…私と一緒だな』
律「そーなんだ…私は澪ちゃんにいっつも守って貰ってばかりで…澪ちゃん迷惑かなぁ?」
律『ばーか…アイツがそんな事思うと思うか?少しだけしかお前らの事見て無いけど…それでも分かるお前達はいい友達だよ』
律「そーだよね……いい友達だよね…ありがとう」
406 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 23:38:21.02 ID:NvI4L5WqO
律「あ…ヒビが…」
律『うん…他のみんなも待ってるし行こうか』
律「うん……バイバイ」
律『あぁ…じゃあな頑張れよ』
律「ありがとう…」
409 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 23:41:49.67 ID:NvI4L5WqO
律「おかえり…」
律『みんなおかえり』
唯「次は秋山さんだよ」
澪『あぁ……』
澪「じゃあ行ってくるな…」
唯「………うん」
410 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 23:44:16.17 ID:NvI4L5WqO
澪『…………えっと』
澪「バンドする事になったんだ私」
澪『そうなんだ…頑張って下さいね』
澪「うん…あのさ、律の事…何だけど」
澪『律の事?』
412 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 23:51:09.07 ID:NvI4L5WqO
澪「アイツ…私の事迷惑って思ってる感じがするんだ」
澪『え……律が?』
澪「ずっと私は律に着いて回ってるし…守ってあげたくなる性格してるし」
澪『律はそんな事思って無いと思う…だってアナタといる律はとっても楽しそうだから』
澪「………ありがとう」
413 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 23:54:49.78 ID:NvI4L5WqO
澪「また…ヒビが……さっきよりも増えてないか?」
澪『本当だ……じゃあそろそろ、みんなの所に行こっか…』
澪「あ、あぁ…さようなら私」
澪『うん…さようなら』
414 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 23:57:20.22 ID:NvI4L5WqO
澪「終わったよ…確か次は中野だったよな」
梓「あ、……はい」
梓『じゃあ行って来ますね』
唯『あずにゃん行ってらっしゃい…』
梓『はい…』
梓「えーと…どうしよう…」
417 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 00:02:31.53 ID:1ZMs75EIO [1/60]
梓『あのー…』
梓「え!な、何?」
梓『そっちの世界では何をやってるの?』
梓「えーと…憂や純と遊んでるよ」
梓『よかった…そっちの世界でも二人と友達なんだね』
梓「当たり前じゃん私を誰だと思ってるの?ってかそっちの世界って何?」
420 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 00:05:16.84 ID:1ZMs75EIO [2/60]
梓「何で鏡の私が喋ってるの?」
梓『え?まだ聞いてないの?』
梓「うんうん聞いてない」
梓『そっか…憂や純と仲良くしてね!』
梓「分かってるって…それで何で鏡が喋ってるの?」
422 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 00:09:14.09 ID:1ZMs75EIO [3/60]
梓『またヒビが…』
梓「うわ…私何もしてないよ?」
梓『じゃあ…戻ろうか』
梓「先輩の所に?鏡が喋った事は教えてくれないの?誰が1番綺麗かも教えてくれないの?」
梓『は、早く戻ろうよ』
梓「チッ…わかった…」
424 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 00:14:22.75 ID:1ZMs75EIO [4/60]
梓『戻って来ましたよ』
唯『う、うん…次はムギちゃんだよね』
紬『えぇ……』
紬「………………」
唯「琴吹さん行かないの?」
紬「行くよ……」
紬『早く行きましょうヒビが酷くなってるわ』
紬「……うん」
426 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 00:20:02.88 ID:1ZMs75EIO [5/60]
紬「………………」
紬『黙っててもいいから私の話しを聞いてね』
紬「………………」
紬『あのね…私はアナタの事を何でも出来る人だと思ってるわ』
紬「…………………」
427 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 00:25:26.38 ID:1ZMs75EIO [6/60]
紬「私は何も出来ないよ……」
紬『出来るわ…何をするにしても最初はみんな自信が無いものよ…』
紬「バンドの事も誘われた事は嬉しかったんだけど…今は自信が無いよ……みんなに迷惑かけそうな気がするよ……」
紬『迷惑かけていいじゃない…アナタが迷惑かけても誰もアナタを咎めたりしないわ次頑張ろうよ…きっとそう言ってくれるわ』
429 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 00:35:08.70 ID:1ZMs75EIO [7/60]
紬「私…頑張るよ……」
紬『うん…頑張ってみて私が言った事はほんの慰めしかならないと思ってたけど…その言葉を聞けて嬉しいわ』
紬「ありがと……」
紬『私の方こそありがとう』
紬「…………」
紬『ヒビが酷くなって来たわね』
431 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 00:40:07.47 ID:1ZMs75EIO [8/60]
紬『唯ちゃん…』
唯『うん!』
紬「……………」
唯「次は私か……」
紬「ありがと……私達を先にしてくれて」
唯「ち…違うよ私はただ…」
唯『早く行こうよ鏡が粉々になっちゃうよ』
唯「う、うん……」
432 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 00:45:27.05 ID:1ZMs75EIO [9/60]
唯「えと……」
唯『よかったねバンド組めて!』
唯「う、うん…あのさ」
唯『なぁに?』
唯「あの…………」
唯『早く言わないと鏡割れちゃうよ!』
439 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 00:48:53.08 ID:1ZMs75EIO [10/60]
唯「バンドって楽しい?」
違う私が言いたい事はそれじゃない。
唯『うん!楽しいよ』
唯「そーなんだ……」
鏡のヒビが酷くなって行く。
もう向こうの私の顔なんか見えないぐらいに…。
440 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 00:53:25.20 ID:1ZMs75EIO [11/60]
私は…私は……。
唯「…………私は最初友達なんかいらないって思ってた」
唯『うん…………』
唯「だけど………」
唯『だけど…?』
唯「アナタがバンドを進めてくれたから…あの映像を見せてくれたから…今みんなと一緒にいる」
442 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 00:59:45.42 ID:1ZMs75EIO [12/60]
鏡の破片が床に落ちた。
唯「アナタが…この鏡が無かったら…私はあの人達とバンドをやる事は無かった」
唯『うん…寂しくなるね…』
鏡の破片がパラパラと落ちて行く。
床に落ちた破片は砕け散らばる。
いつの間にか私の頬には涙が流れていた。
唯『でも…寂しいよぉ……私ともう会えなくなるなんて…寂しいよ……』
443 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 01:06:03.59 ID:1ZMs75EIO [13/60]
唯「……私も嫌だ」
唯『ひっぐ…嫌だよぉ……私もっと…お喋りしたいよぉ…』
唯「泣かないで……」
涙が頬を伝い床に落ちた破片に落ちる。
唯『嫌だよ……』
唯「あのね……最後にアナタに言いたい事があるの……」
だけどそれはもう無理そうだ。
446 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 01:13:32.77 ID:1ZMs75EIO [14/60]
最後に残っていた鏡の破片が砕けた。
もう…向こうの私の声は聞こえない…私は結局言えなかった。
私はその場に座り込み制服で涙を拭う。
私は結局言えなかった。
ありがとうとさようならを言えなかった。
馬鹿だ…私は馬鹿だ。
唯「うぅ…嫌だよ…まだ、まだ言って無い事があったのに…」
449 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 01:27:53.73 ID:1ZMs75EIO [15/60]
記憶を辿る。
向こうの私との会話を…私は記憶を辿る。
彼女はいつも笑いとっても楽しそう。
彼女は私にバンドを進めてくれた。
彼女のおかげで友達が出来た。
1番大きな破片を広い上げる。
破片には私が小さく写っている。
唯「ありがとう…そしてさようなら」
聞こえるはずが無いのを分かって私は言った。
唯『私もありがとう…さようなら』
鏡の…破片が砕けた。
よかった聞こえてたんだね……。
451 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 01:32:27.97 ID:1ZMs75EIO [16/60]
一ヶ月後。
唯「お疲れ様でした~」
バイトが終わり夜の11時間。
家に帰る道を照らすには月明かりじゃ頼りにならない、だけど綺麗な月明かりだ街灯の光が無ければいいのもっと綺麗なんだろうな。
でも…何をするにも足を動かすという作業はやっぱり面倒だ。
454 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 01:35:51.32 ID:1ZMs75EIO [17/60]
夜道をただひたすらに歩く。
そして、考える今日の事を…。
楽しい一日。
友達と話し部活もやって。
青春を満喫してる…そんな事口に出すのも恥ずかしいけどね。
学校は勉強さえ出来れば物足りてる、だけど友達と話したりするのも楽しい。
456 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 01:39:30.37 ID:1ZMs75EIO [18/60]
朝起きて学校に行って友達と話しバイトで金を稼ぐ。
友達何ていたって損をするだけだけど私はそれでもいい。
スムーズに生きたいんだけど人生は少しぐらい凹凸があった方が楽しいよね。
459 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 01:45:03.99 ID:1ZMs75EIO [19/60]
唯「おかえり…」
憂「あ…お姉ちゃん!お仕事お疲れ様」
食卓には料理が並んでいる。
これ全然憂が作ったんだ…。
唯「美味しそうだね」
憂「うん!頑張ったんだぁ…」
唯「偉い偉い」
460 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 01:53:00.51 ID:1ZMs75EIO [20/60]
琴吹さんは優しくて静かな人、私の1番の親友だ。
田井中さんはドジだけどみんなを和ませてくれる。
秋山さんは私達を率先して引っ張ってくれる。
梓ちゃんはうるさいけど最近あの子の面白さが分かって来た。
みんな私の大事な友達これからも付き合って行こうと思う。
私は憂の料理を口に運ぶ。
唯「美味しい……」
END
476 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 02:08:28.73 ID:1ZMs75EIO [21/60]
後日談【みんなの日常とその後】
音楽室で私達は話し合う。
唯「みんなって普段は何やってるの?」
紬「私は………」
唯「琴吹さんは知ってるからいいや」
紬「うん………」
梓「私は唯先輩にギターを教えてまーす」
唯「それは言わないでいいから」
477 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 02:12:09.94 ID:1ZMs75EIO [22/60]
澪「私はホラー映画みてる」
律「澪ちゃん好きだもんねー」
梓「ホラー映画って怖いから私はパスしてます」
唯「田井中さんは?」
律「寝てるよー」
478 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 02:16:56.62 ID:1ZMs75EIO [23/60]
梓「あ…ホラー映画と言えばこの前、唯先輩がバイトで無理して皿を沢山運んだんですよーそしたら」
律「そしたら?」
梓「転んで皿を沢山割ったんですよ!私は言ってやりましたよホラみろって」
唯「チッ……田井中さんって何でドラムを始めたの?」
482 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 02:22:37.79 ID:1ZMs75EIO [24/60]
律「私は簡単そうだったからかなぁー」
唯「えー…難しそうに見えるんだけど…」
律「うん実際やってみたら難しかったよーでも頑張ったんだ!」
梓「でも田井中先輩のドラムは遅れ気味ですよね」
律「ごめんねー」
484 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 02:25:42.23 ID:1ZMs75EIO [25/60]
唯「秋山さんは?」
澪「私はベースが好きなんだあの音が」
梓「ブォンブォン」
紬「ベースのマネ…?」
梓「はいそーです!」
唯「えーと…何であの音が好きなの?」
487 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 02:30:29.18 ID:1ZMs75EIO [26/60]
澪「重低音って何だか強そうだからかな」
律「わかるー!」
唯「わからない全然わからない」
紬「じゅうていおん………」
梓「あ、私がギターを始めた理由は…」
唯「聞いて無いよ」
488 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 02:33:34.41 ID:1ZMs75EIO [27/60]
梓「えー喋りたい!」
唯「仕方がないなぁ…」
梓「私は一目惚れしたんです……」
澪「ギターを弾いてる男をか?」
梓「違いますよーこのムスタングにですよ」
紬「カッコイイもんね……」
490 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 02:38:00.67 ID:1ZMs75EIO [28/60]
律「ムギちゃんは?」
紬「私は家にピアノがあったから何と無くだよ…」
唯「私も家にギターがあったから何と無くかな」
梓「誰も聞いてないですよー」
唯「今、琴吹さんが私に聞こうとしてたから」
紬「うん………」
494 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 02:42:25.46 ID:1ZMs75EIO [29/60]
唯「そう言えば琴吹さんびっくりしたよ」
紬「え………?」
唯「イジメられた人に文句を言った事だよ」
澪「あぁ…あれか」
律「えー何て言ったの?」
唯「私の前から消え失せろって言ったんだって」
紬「ち、違うよ………」
496 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 02:46:13.28 ID:1ZMs75EIO [30/60]
澪「私に何か不満があるなら直すからこれからは友達でいよう…って言ったんだよな」
唯「うんうん…優しいよね」
律「琴吹さん凄いー!」
紬「……………」
梓「赤くなってる!赤くなってる!」
499 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 02:50:47.24 ID:1ZMs75EIO [31/60]
唯「琴吹さんも成長してるんだね…私の妹も最近ね…」
梓「まーた憂の話題ですか?」
唯「私に手袋編んでくれたんだ…嬉しかったよ」
律「よかったねー」
梓「二回目ですよその話し…あ!てぶくろって反対から言って見て下さい」
501 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 02:53:07.99 ID:1ZMs75EIO [32/60]
紬「ろくぶて………」
梓「叩けない…私は叩けない……」
和「あの…軽音部に入りたいんだけどー」
梓「あ…真鍋さん!」
唯「ど、どーして?」
503 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 02:55:54.22 ID:1ZMs75EIO [33/60]
和「ほら…何だか楽しそうじゃない?」
律「いいよ入ってー」
唯「待って…部長の私が決める」
和「いい?」
唯「でも…楽器は何やるの?」
和「私はマネージャーとして入りたいの」
505 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 03:02:51.24 ID:1ZMs75EIO [34/60]
唯「マネージャーとして何やるの?」
和「みんなの衣装とかを作って…そうね梓ちゃんや琴吹さんに着せたいわ」
梓「可愛い衣装を着て良いショウをしようって事ですね」
唯「真鍋さんは健全な女子高生だねー」
507 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 03:06:49.20 ID:1ZMs75EIO [35/60]
澪「どうするんだ?」
唯「まぁ…いっか」
和「本当?ありがとう」
律「よろしくー」
紬「よろしく……」
和「じゃあ…早速家に帰って衣装を作らなきゃバイバイ」
509 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 03:10:35.77 ID:1ZMs75EIO [36/60]
澪「なんかおかしな人だったな」
唯「実際、おかしんだけどね」
梓「私、最初真鍋さんの名前を漢字で見た時、わちゃんだと思ってましたよ」
唯「うるせぇ……」
511 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 03:16:19.33 ID:1ZMs75EIO [37/60]
紬「今日は練習しなくていいの……?」
唯「うん、今日はいいや面倒臭いし」
律「えー練習しようよー!」
梓「唯先輩はギター下手だから訓練した方がいいですよ」
唯「梓ちゃんは滝に打たれた方がいいよ」
512 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 03:20:17.38 ID:1ZMs75EIO [38/60]
梓「そう言えばバンド名って何ですか?」
唯「向こうの世界は放課後ティータイムだから登校ティータイムはどうかな?」
梓「意味が分から無いです」
澪「放課後ティータイムでいいんじゃないか?」
紬「うん…………」
律「けってーだね!」
513 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 03:24:53.83 ID:1ZMs75EIO [39/60]
唯「そう言えば私歌詞を書いて来たんだ」
梓「へーお菓子でも食べなから見たいですね」
紬「見せて………」
唯「恥ずかしいけど……ほら」
律「ふわふわ時間?」
澪「変なタイトルだな」
514 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 03:30:28.16 ID:1ZMs75EIO [40/60]
梓「君を見てるといつもハートドキドキ?」
唯「向こうの世界のライブ映像を見た時にその曲を歌ってたから」
澪「全部覚えてのか?」
唯「いや…タイトルだけだよパクったのは、歌詞は頭に入ってなかったから」
律「可愛い歌詞だねー」
梓「本当に可愛い…あれ?蚊に刺されたのかな?体が何だか痒いよ」
515 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 03:35:41.49 ID:1ZMs75EIO [41/60]
紬「作曲は……?」
梓「私は無理です」
澪「それは自信が無い」
律「私もー!」
紬「じゃあ…私が頑張ってみる……」
唯「本当に?でも作曲できるの?」
紬「ううん、でもやってむる………」
唯「うん、頑張ってみて」
517 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 03:40:08.28 ID:1ZMs75EIO [42/60]
梓「じゃあ…今日はもう遅いし帰りましょうよ」
唯「たまにはいい提案するね一人で帰っていいよ」
梓「えーー!」
唯「私達はもう少し話してるから」
紬「うん………」
澪「じゃあな!」
律「バイバイー」
梓「わ、私もまだ話します!」
後日談 END
526 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 03:47:06.67 ID:1ZMs75EIO [43/60]
後日談2【憂と憂】
憂「お姉ちゃーん寝てるのかぁ…」
憂「この漫画の続き借りたかったんだけどなぁ…」
憂『もー!お姉ちゃん鏡置きっぱなしだよ』
憂『寝てるの?元の所に戻して置くからね』
憂「何か声が聞こえる……」
529 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 03:51:17.18 ID:1ZMs75EIO [44/60]
憂「お姉ちゃんのベッドの下からだ…よいしょ」
憂「鏡?」
憂『わ、私?』
憂「は、はい!」
憂『こんばんは…』
憂「はい!」
530 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 03:56:57.92 ID:1ZMs75EIO [45/60]
・・・・・・・・・
憂「不思議な事ってあるんだねー」
憂『うん、そうだね!私も最初びっくりしたよ』
憂「だねーあ…そっちの憂ちゃんのお姉ちゃんってどんな感じ?」
憂『お姉ちゃんはほのぼのとしてて可愛いよ』
憂「私のお姉ちゃんは可愛いだけじゃなくてカッコイイよ~」
532 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 04:00:58.18 ID:1ZMs75EIO [46/60]
憂『わ、私のお姉ちゃんも演奏してる時カッコイイよ!』
憂「それに優しいんだぁ~」
憂『私のお姉ちゃんも優しいよ!』
憂「毎日お弁当作ってくれるんだ~美味しいんだよ!」
憂『私のお姉ちゃんもケーキの上にイチゴ乗せるの上手なんだよ!』
535 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 04:04:28.87 ID:1ZMs75EIO [47/60]
憂『でも…そっちのお姉ちゃんは私にお弁当作ってるんだね』
憂「うん!私もお姉ちゃんに作ってあげたいんだけど不器用だから無理なんだ~」
憂『私が教えてあげるよ!』
憂「本当に?」
憂『うん!』
538 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 04:08:07.90 ID:1ZMs75EIO [48/60]
憂『じゃあ…明日の5時に起こすからね』
憂「う、うん…あ!お姉ちゃんの目覚まし時計を切らなきゃ!」
憂『どーして?』
憂「だって明日はゆっくり寝て貰いたいから…」
憂『そうだね!』
540 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 04:11:37.75 ID:1ZMs75EIO [49/60]
唯「………………」
憂「よいしょ……これで明日はぐっすり休んでね」
唯「うい…大好き……」
憂「え!?」
憂『大きな声出したらダメだよ!』
憂「う、うん…ただの寝言みたい」
542 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 04:14:20.62 ID:1ZMs75EIO [50/60]
憂『じゃあ明日の5時に起こすからね』
憂「うん…おやすみ」
憂『おやすみ!私も寝ようかな』
憂「うん、明日は早いよ!」
憂『そうだね、おやすみなさい』
549 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 04:19:25.12 ID:1ZMs75EIO [51/60]
憂『起きてー!5時だよ」
憂「う…おはよう…」
憂『じゃあ…早速作ろうか!』
憂「うん……………」
憂『寝ないでよ!早く起きて』
憂「わかったぁ~…よいしょ」
550 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 04:20:43.32 ID:1ZMs75EIO [52/60]
すみません後日談じゃないです
鏡が割れる前の話しです
551 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 04:23:07.04 ID:1ZMs75EIO [53/60]
憂『うん…えーとまずはウインナー焼こっか!』
憂「タコさんにしたい!」
憂『うん、わかったタコさんにする為の切り方は………』
憂「こうかな?」
憂『うん、上手!』
554 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 04:26:24.30 ID:1ZMs75EIO [54/60]
憂『卵焼きは油をよく引いて焼くんだよ』
憂「う、うん…これってひっくり返すの?」
憂『うん…えーと…出来る?』
憂「やってみる……ほいっ!」
憂『綺麗に出来たねー』
憂「うん!やった!」
556 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 04:30:04.85 ID:1ZMs75EIO [55/60]
・・・・・・・・
憂「出来たー!」
憂『まだたよー最後はご飯にふりかけをかけて』
憂「うん…のりたまでいいかな?」
憂『お姉ちゃんが好きなふりかけをかけたらいいよ!』
憂「じゃあ、のりたまだね~」
559 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 04:32:19.59 ID:1ZMs75EIO [56/60]
憂「これで完成!」
憂『おめでとー!』
憂「じゃあお姉ちゃん起こさなきゃ!」
憂『あ…この事は二人だけの内緒だからね!』
憂「うん!」
561 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 04:37:24.89 ID:1ZMs75EIO [57/60]
憂「鏡をベッドの下に戻して…あ!バイバイ私、今日はありがとう」
憂『ううん!お姉ちゃんの為だもんバイバイ』
憂「うん!じゃあ鏡をベッドの下に戻して…」
憂「お姉ちゃん朝だよ起きて」
唯「ん………憂?」
憂「もう7時だよ」
唯「え!ご、ごめん目覚ましは…セットし忘れてる…」
憂「えへへ~今日は私の方が早起きだね」
563 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 04:39:35.27 ID:1ZMs75EIO [58/60]
唯「ごめん弁当作れなかった…」
憂「えへへ~じゃーん!」
唯「え?……まさか」
憂「うん!…お姉ちゃんのお弁当だよ作るのに2時間掛かっちゃった!」
唯「憂……うぅ……」
スピンオフ【憂と憂】
END
568 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 04:44:03.53 ID:1ZMs75EIO [59/60]
読んでくれた人支援してくれた人保守をしてくれた人ありがとうございます
書き溜めしてなかったのでかなり遅くなりました
何か分からない所があれば質問して下さい
572 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/06(日) 04:51:52.05 ID:sVZ/YATmO [1/2]
面白かった、マジ乙でした
すげぇアホな質問かもしれないけど
唯がバイトから帰ってきたりしたときに「おかえり」って言うのは仕様?
あと>>409の律も鏡渡すときに「おかえり」って言ってるけど
口癖とかなのかな?原作そんなに知らないんで、スマソ
576 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 04:57:11.23 ID:1ZMs75EIO [60/60]
>>572すみませんただの間違いです
157 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 13:37:11.45 ID:NvI4L5WqO
支援や保守ありがとうございます
唯「鏡の世界!」の作者では無いです
唯「ん……何か落ちてる…」
落ちている物を拾う。
鏡だ…何の変哲も無いただの鏡。
だけど…何故か私はこの鏡に不思議な魅力を感じる。
持って帰ろう。
鏡を鞄に入れて私は再び歩く。
あぁ…かったるい…。
3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 01:14:13.84 ID:NvI4L5WqO
夜道をただひたすらに歩く。
そして、考える今日の事を…。
何も無い一日。
学校には友達もいないし部活もやっていない。
青春を楽しめ?馬鹿馬鹿しい。
学校は勉強さえ出来れば物足りてる。
友達なんていらない。
4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 01:15:10.43 ID:NvI4L5WqO
朝起きて勉強しバイトで金を稼ぐ。
無駄が無い、そこら辺の人間より無駄が無い生き方だ。
友達何ていたって損をするだけだ。
スムーズに私はスムーズに生きたい。
余計な人間関係なんて邪魔なだけだから。
5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 01:16:38.05 ID:NvI4L5WqO
唯「おかえり…」
妹が玄関まで向かえに来てくれた。
憂「おかえりお姉ちゃん!」
唯「バイト行く前に私が作ってたご飯は食べた?」
憂「うん!美味しかったよ」
唯「ありがと…」
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 01:17:34.19 ID:NvI4L5WqO
唯「じゃあ私も食べようかな」
憂「あ…お姉ちゃん…」
唯「なに?」
憂「あの…お母さんが買って来たアイス二つ共食べちゃった…」
どーでもいい。
唯「そーなんだ、じゃご飯食べるから」
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 01:19:28.36 ID:NvI4L5WqO
唯「はぁ……」
冷蔵庫を開き私が作っておいた夜ご飯を取り出しレンジに入れる。
憂「ねーねーお姉ちゃんあのね?」
唯「なに?また学校の話し?」
憂「う、うん……」
唯「バイトで疲れたんだ…一人にして」
憂「ごめん……」
9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 01:20:30.81 ID:NvI4L5WqO
唯「…………」
鞄からさっき拾った鏡を取り出し自分を写す。
目の隈が酷い…最近あまり寝ていない。
私は勉強ばかりやっているからかなぁ…。
電子レンジがチーンと鳴る。
夜ご飯を温め終わったみたいだ。
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 01:21:41.80 ID:NvI4L5WqO
唯「美味しい……」
自分で言うのも何だが私は料理が上手い。
妹は全然ダメだ、この前なんか簡単なカレー作らせたらいつの間にかシチューになってる。
だが可愛い妹だ。
あんな冷たい態度を取ってはいるが私は妹が大好きだ。
のほほんとしている。
あの、のほほんとした雰囲気はアルカパだって出せやしない。
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 01:23:18.80 ID:NvI4L5WqO
ご飯を食べ終わり風呂にも入り私はベットに横になる。
目覚まし時計は6時にセット。
朝は憂と私の分の弁当を作らなければならない。
唯「おやすみなさい」
誰もいない空間に私はポツリと呟いた。
明日もまた同じような一日が繰り返す。
不安も何も無い……うん、不安なんか無い。
私は瞼を閉じる。
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 01:24:36.27 ID:NvI4L5WqO
朝日が私を照らす。
眩しい…目覚まし時計を見る。
今日も目覚まし時計より早く起きた…何だか勝った気分。
時計のスイッチを切り私は昨日拾った鏡で自分を写す。
寝癖が無いかチェックだ。
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 01:25:50.10 ID:NvI4L5WqO
鏡は自分を写す。
当然、誰もが知っている事だ。
だが…鏡を見ると確かに私が写っている。
うん、これは私だ。
しかし、違和感がある。
鏡に写っている私は寝癖で髪がボサボサ。
パジャマも違うし何より間抜けな顔をしている。
唯『ほぇ?』
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 01:26:32.30 ID:NvI4L5WqO
唯「喋った……」
唯『うおっ!鏡の中が喋った!』
何だその反応。
唯「私…だよね…」
唯『ういー!鏡の中の私が喋ってるー!』
これは一体どーいう事?
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 01:27:35.67 ID:NvI4L5WqO
きっと夢だ…夢に違い無い…。
こんなの、現実的じゃない。
唯『ういー!まだ寝てるのかなぁ?久しぶりに早起きしたのに!』
唯「……………」
唯『ねーねー私?』
悪い夢だよ本当に…。
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 01:28:19.43 ID:NvI4L5WqO
唯「な…何?」
唯『喋ったぁ!』
こっちの台詞だ馬鹿野郎。
いや…私に馬鹿野郎と言ったら自分に馬鹿野郎と言ってる様な物じゃないか?どーでもいいか。
唯「ア…アナタの名前は?」
唯『平沢唯だよ~』
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 01:29:08.42 ID:NvI4L5WqO
唯「わ、私も平沢唯」
唯『知ってるよ!だって私なんだもん!』
本当に夢であって欲しい。
昨日拾った鏡を見るといきなり私が私に話しかけてくる。
これは一体どう言う事?
唯『何で頬っぺたつねってるの?』
唯「何でも無いから…」
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 01:30:05.31 ID:NvI4L5WqO
唯『でもびっくりしたよ!昨日拾った鏡に私が写って、しかも喋ってるんだよ!』
唯「アハハ………」
唯『不思議だね~何でかな?』
唯「知らない……って言うかアナタも鏡を拾ったの?」
唯『うん!』
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 01:31:04.30 ID:NvI4L5WqO
唯「……ごめん、少し待って確かめたい事がある」
私は拾った鏡をベットに置いて洗面所に向かう。
そして、鏡を見る。
私が写っている……だがあの鏡みたいに好き勝手喋ったり動いたりしない。
うん…これは私だ…。
あの拾った鏡に…きっと何かあるに違い無い。
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 01:32:03.57 ID:NvI4L5WqO
唯『あ!おかえり~』
唯「うん……」
はぁ……この私は脳天気過ぎる。
妹を見てるみたいだ。
唯『調べたい事って何だったのぉ?』
唯「いや…洗面所の鏡を見たんだよ、そしたら私が写ってたんだけど…勝手に喋ったり動いたりしなかった……」
唯『そーなんだぁ!』
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 01:32:55.51 ID:NvI4L5WqO
唯『でも、何だか楽しいよ!私とお喋り出来るんだもん!』
唯「私も最高に楽しいよ…」
唯『えへへ~…』
皮肉を言ったつもり何だけど気付いてない…。
唯「一緒に考えてよ…何で鏡に写った私が喋るのか」
唯『うん!わかった~』
唯「あれ?そのパジャマの文字………」
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 01:33:40.73 ID:NvI4L5WqO
唯「そのハネムーンってパジャマの文字」
唯『これぇ?』
唯「反転してない…文字が反転してないよ」
唯『そーなの?』
唯「うん…鏡なのに何で反転してないんだろう?」
唯『う~ん…きっと私達はお互い違う世界の住人なんだよ!』
27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 01:35:24.78 ID:NvI4L5WqO
唯「違う世界の住人?」
唯『えーっとね~何だけ…パ、パ…』
唯「パラレルワールド?」
唯『それだよ!きっとこの鏡は違う世界を写す鏡なんだよ!』
唯「へ~…」
何だか少し納得してしまった。
…って言うかいつの間にか私はこの事を夢では無いと思ってしまっている。
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 01:36:44.18 ID:NvI4L5WqO
唯『その世界の私は何をやってるのぉ?』
いきなりの質問に私は少し固まってしまった。
何をやってるか……私は特に何もやっていない。
唯「別に何もやっていないよ」
唯『えー!何もやってないの?』
唯「あ……バイトやってる」
唯『すごーい!バイトかぁ~』
何だかいちいちリアクションが大袈裟な私だなぁ。
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 01:37:42.64 ID:NvI4L5WqO
唯「ファミレスでバイトしてる」
唯『凄いよ!私もバイトしたいな~』
アナタじゃ無理そうだね…とは言わなかった。
唯「アナタは何をやってる?」
唯『よくぞ聞いてくれました!バンドやってるんだよ!』
唯「バンド……?」
31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 01:39:06.74 ID:NvI4L5WqO
唯『バンド名は放課後ティータイムだよ!』
唯「放課後……何だって?」
唯『放課後ティータイムだよ!』
唯「おかしなバンド名だね……」
唯『うん!さわちゃんが名前付けたんだ!』
唯「さわちゃん?」
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 01:40:16.20 ID:NvI4L5WqO
唯『さわ子先生だよ!』
唯「山中先生が付けたんだ…あの熱血な先生がそんな名前付けたんだ…」
唯『熱血先生?』
唯「うん、音楽の先生何だけど凄い熱血なんだ…松岡修三みたいに熱血…」
唯『想像出来無い…』
33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 01:42:43.97 ID:NvI4L5WqO
唯『あのね~私の世界のさわちゃんはメタルバンドやってて面倒臭がりなんだよ!』
唯「うわぁ…想像出来無い……」
部屋のドアが突然開く。
憂が目を擦りながら立っていた。
憂「お姉ちゃんおはよう……」
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 01:44:10.81 ID:NvI4L5WqO
唯「あ…わわっ…」
私は鏡をベットの下に急いで隠す。
バレて無いよね?
憂「お姉ちゃん…電話してたの?独り言が部屋まで聞こえたよ」
唯「そ、そうそう…電話だよ電話!友達に電話!」
友達なんかいないけど。
それより…何か忘れてる気がする。
35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 01:45:53.64 ID:NvI4L5WqO
憂「お姉ちゃん…7時だけどお弁当は?」
唯「あ…ごめん作るの忘れてた…」
憂「ううん…大丈夫だよぉ…今日はパン買うね」
唯「本当にごめん…」
憂「だ、大丈夫だよぉ~私、制服に着替えてくるね」
唯「うん……」
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 01:47:14.67 ID:NvI4L5WqO
午前8時00分。
私と憂は制服に着替えて家を出た。
あれから鏡はベットの下に隠したまま触っていない。
向こうの私はびっくりしていると思う。
憂「あ…お姉ちゃん昨日の学校であった事話していい?」
唯「……うん」
37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 01:48:37.41 ID:NvI4L5WqO
憂「あのね~私の友達が作ったお菓子が美味しかったの~すっっごく美味しいかった~」
唯「あまり食べてばかりだと太るよ」
憂「えへへ~大丈夫だよぉ」
唯「憂もお菓子作って見る?」
憂「えー…私不器用だから!」
高倉建か…と言いたい気持ちをグッと堪えた。
唯「やってみなきゃ分から無いでしょ?今度教えたげる」
憂「ありがとう!」
38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 01:49:28.20 ID:NvI4L5WqO
唯「着いたね学校」
憂「うん!じゃあ私、教室に行くからね」
唯「バイバイ…」
憂「うん!あ…お姉ちゃん今日はバイト休みだから一緒に帰れる?」
唯「あー…いいよ」
憂「わぁ!やった!!じゃあ教室に行くからね~バイバイ!」
唯「うん……」
39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 01:51:03.45 ID:NvI4L5WqO
自分の教室に着いた私は誰とも挨拶せずに席に座った。
私は鞄からナンプレの問題集と筆箱を取り出し集中。
この問題集を解いてハガキで送るとDSが貰える。
私の趣味の懸賞とナンプレ、同時に私の二つの趣味が出来る優れたアイテムだ。
まさに一石二鳥って奴だ。
40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 01:51:53.24 ID:NvI4L5WqO
紬「平沢さん……」
何の用か知らないけど琴吹紬が私に話しかけて来た。
今は集中してナンプレやってるに…やめて欲しいよ本当に。
唯「どうしたの琴吹さん?」
紬「この前私に貸してくれた小説を……」
そーいえば、貸してたっけなぁ…すっかり忘れてた。
41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 01:52:50.55 ID:NvI4L5WqO
紬「面白かった…」
彼女は私に小説を渡し去って行った…じゃなくてまだ私の側で立っていた。
唯「どーしたの?」
紬「ナンプレ…何時もやってるね」
唯「うん、琴吹さんのおかげで悩んでた所を忘れる事が出来たよ」
43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 01:55:32.83 ID:NvI4L5WqO
紬「そ、そうなんだよかった…」
いや…皮肉なんだけど。
唯「いや…大丈夫だよそれより続きやりたいから」
紬「ごめん……また小説貸してね」
唯「わかったわかった」
彼女は今度こそ自分の席へと戻っていった。
44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 01:56:44.79 ID:NvI4L5WqO
彼女も色々と大変らしい。
家は貧乏でクラスの人達からイジメられている。
私もあんな皮肉を言わなければよかったって少し後悔している。
それより…琴吹さんは綺麗で性格も良くて頭もいいのに何でイジメられるんだろう?
よく分からないなぁ…。
45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 01:58:13.24 ID:NvI4L5WqO
授業のチャイムが鳴り山中先生が入って来た。
私は机に出ている物を引き出しの中へ入れる。
山中「みんなおはよう!」
クラスのみんながやる気の無い挨拶をする。
山中「声が小さいわ!朝の眠気や勉強したくないと言う気持ちは全て挨拶で吹き飛ぶの!さぁもう一度!」
次は学校全体に聞こえるんじゃないか?ってぐらいの声でクラスのみんなは挨拶した。
暑苦しいなぁ…。
46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 01:59:26.95 ID:NvI4L5WqO
山中先生のHRが終わり1時間目。
唯「はぁ……」
さっそく琴吹さんに消しゴムのカスが投げ付けられている。
何であんな事するかなぁ…。
消しゴム代がもったいないし…琴吹さんが可哀相。
彼女はただ下を向いて我慢していた。
イジメ格好悪い。
随分前にそんなCMがあったのを思い出した。
48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 02:01:39.53 ID:NvI4L5WqO
2時間目…3時間目4時間目が終わり昼飯。
私は琴吹さんが消しゴムのカスを投げ付けられてるのをただ見ていただけだったなぁ…。
何かしてあげたいけど…そりゃ無理無理。
次は私がイジメられるもん。
この時間琴吹さんをイジメてる人達は中庭へ昼飯を食べてるからこの時間は安心だろうね琴吹さん。
49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 02:02:58.84 ID:NvI4L5WqO
和「大丈夫?琴吹さん」
紬「うん……」
真鍋和が琴吹さんに話しかけている。
まぁ…彼女も私と同じ傍観者だけど声をかけるだけ私よりまだマシだね。
そんな事より私はこの幻のチョコパンを味わいたい。
美味しいんだろな…なんてたって幻だから。
50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 02:04:37.25 ID:NvI4L5WqO
律「きゃあっ!」
大きな音がした。
同じクラスの田井中律だ。
彼女は凄いドジっ子だ。
前髪が長くてそのせいで足元が見えなくて、いつもこけている。
カチューシャか何かを付ければいいのに。
いや…たまに何も無い所で転んでるから効果は薄いかも。
52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 02:05:29.16 ID:NvI4L5WqO
昼飯の時間が終わり授業も全て終わった。
やっと帰れる…。
私は教科書を鞄にしまい席を立つ。
紬「あの……」
琴吹さんが話しかけて来た。
唯「なに?」
紬「一緒に帰ろう?」
琴吹さんは服の裾をギュッと掴んできた。
53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 02:06:33.50 ID:NvI4L5WqO
私が男なら彼女に惚れてる。
うん…間違い無い。
特に断る理由も無いし私は頷いた。
紬「ありがと…」
未だに服の裾は掴んだままだ。
また何か忘れてる気がする…まぁいいか。
忘れるって事はそこまで大事な事じゃ無いって事だ。
54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 02:07:23.51 ID:NvI4L5WqO
唯「じゃあ行こうか」
紬「うん…」
彼女は服の裾を掴んだままついて来る。
唯「裾を離してくれる?」
紬「ご、ごめん…」
唯「いいよ別に…」
紬「ごめん…」
彼女がイジメられる理由がわかった。
妙に子供っぽいし気が小さい。
55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 02:08:24.96 ID:NvI4L5WqO
唯「あ………憂」
憂「お姉ちゃん!えっーと…その人は?」
紬「……………」
唯「あ…えと同じクラスの琴吹紬さんだよ」
妹に下を向いたままペコリと頭を下げた。
自己紹介ぐらい自分でしなよ。
憂「よろしくお願いします」
56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 02:09:40.89 ID:NvI4L5WqO
憂「えーと…今日は琴吹さんと帰るの?」
そう言えば…一緒に帰る約束してたっけ…。
唯「うん…三人で帰る?」
憂「だ、大丈夫だよ私は少し友達と話してくるからバイバイ」
唯「悪いねバイバイ」
紬「………………」
琴吹さん何か喋ろうよ。
57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 02:10:29.66 ID:NvI4L5WqO
唯「じゃあ帰ろうか」
紬「うん…」
しばらく二人で歩く。
無言…私達は本当に一緒に帰っているのか?って思うぐらいの無言。
紬「……………」
唯「……………」
紬「…………平沢さん」
唯「え?な、なに?」
紬「助けて…………」
58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 02:11:30.14 ID:NvI4L5WqO
唯「助けてって……琴吹さんを何から助ければいいのかな?」
紬「……私をイジメてる人達」
唯「無理無理…ぶっちゃけ私が次標的になるって」
紬「ごめんなさい……無理だよね」
唯「うん…ごめん」
紬「…ごめん」
59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 02:12:38.95 ID:NvI4L5WqO
紬「……………」
唯「……………」
彼女の言葉は深く私の胸に突き刺さった。
助けたい…助けたいんだけど私には無理だ。
そう言うのは友達に頼んだ方が手っ取り早いよそれか先生。
紬「今日はごめんなさい…」
唯「大丈夫だって…」
紬「私こっちだから…さようなら」
唯「さようなら」
私は長い間、琴吹さんの姿を見送っていた。
彼女の背中は小さく震えていた。
60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 02:14:02.44 ID:NvI4L5WqO
唯「はぁ……」
家に帰って来た私は自分の部屋へと向かいベットから鏡を取り出した。
唯『あ!いきなりいなくなるんだもん!びっくりしたよ~』
唯「ごめんごめん…あのさ…」
唯『どうしたの?』
唯「アナタの世界の琴吹さんってどんな人?」
61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 02:15:17.31 ID:NvI4L5WqO
唯『ムギちゃんは可愛いくておっとりぽわぽわで力持ち!』
ちょっと良く分からないぞ私。
唯「イジメられたりとかしてない?」
唯『ムギちゃんがイジメられる何てありえないよ!澪ちゃんから聞いた話しだと怒ったら怖いみたいだよ!』
唯「そっか……」
唯『そっちはイジメられてるみたいだね…ムギちゃん』
62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 02:16:24.80 ID:NvI4L5WqO
唯「うん…今日一緒に帰ったらイジメてる人から私を助けて欲しいって言ってた」
唯『そうなんだぁ……助けようよ!』
唯「でも…次は私が…」
唯『イジメの標的になるって言うんでしょ~?』
唯「うん…だから無理」
65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 02:17:31.34 ID:NvI4L5WqO
唯『でも…友達なんでしょ?助けようよ!』
唯「ち、違うよ!琴吹さんとはただのクラスメイトだから…」
唯『う~ん…何で友達作りたく無いの?』
唯「だって…友達なんてウザイじゃんお互い気を使ったり…私はもっとスムーズに生きたいから」
66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 02:18:20.49 ID:NvI4L5WqO
唯『友達はウザくなんか無いよ!それに…私は助けるよ!例え友達じゃなくても!』
唯「口だけなら何とでも言えるよ…じゃあ私やる事あるから」
唯『頑張ってね!』
唯「バイバイ……」
はぁ……向こうの私は考えが幼稚だ。
きっと親に甘えまくってるに違い無い。
67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 02:22:00.27 ID:NvI4L5WqO
憂「お姉ちゃんただいま~」
憂が帰っ来た。
私は玄関まで向かえに行く。
唯「おかえり憂」
憂「うん!お姉ちゃん今日一緒にいた人お友達なの?」
唯「違うよ」
憂「そうなんだ…」
68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 02:24:21.12 ID:NvI4L5WqO
憂「あ…今日ね梓ちゃんって人とね一緒にお昼食べたんだ」
唯「よかったじゃん」
うんうん、妹が学校生活を満喫してる。
憂「梓ちゃんってダジャレばっかり言って面白いんだよ~」
唯「親父っぽいね」
憂「そんな事ないよ!とっても可愛いの!」
69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 02:27:07.61 ID:NvI4L5WqO
憂「今日も私の名前を聞いた後に初々しいねって言ったんだぁ~」
ハハッ渇いた笑いしか出ないなそりゃ。
唯「あ…今日はカレーだから少し早めに作るね」
憂「私も手伝いたいなぁ~」
唯「それはダメ」
70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 02:29:35.67 ID:NvI4L5WqO
カレーを食べ終わり私達はテレビを見ていた。
憂「辞めちゃったみたいだね…」
唯「次の総理もすぐに辞めるよ」
それより何処も特番組んでてウザイんだよね。
唯「先に風呂入るから」
憂「うん!」
73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 02:33:06.77 ID:NvI4L5WqO
唯「はぁ………」
温かいお湯が私の体を包む。
唯「助けてか…」
琴吹さんの顔を思い出す。
彼女とは垢の他人なのに…彼女を助けたいと言う気持ちでいっぱいだ。
その気持ちはこの風呂蒲のお湯みたいに少し動けば溢れてしまいそう。
だけど私にはそんな勇気は無い。
私はただ傍観するしか出来無いんだ。
74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 02:36:14.33 ID:NvI4L5WqO
翌日の朝。
私は目覚まし時計の音で目を覚ました。
今日は目覚まし時計に勝てなかった…。
ベットの下から鏡を取り出すが真っ暗だ。
きっと向こうの私はまだ寝ているんだろう。
鏡をベットの下に隠す。
欠伸をして私はキッチンに向かう。
憂と私の弁当を作らなきゃ。
76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 02:38:50.80 ID:NvI4L5WqO
二つの弁当を作り終え麦茶を飲む。
そろそろ憂が起きる頃だ今日は少しだけ早く学校に行こう。
琴吹さんと話しをしたい。
憂「おはよう…」
目を擦りながら憂が現れた。
気付かなかった私は体がビクッとなった。
唯「お、おはよう」
77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 02:40:41.19 ID:NvI4L5WqO
唯「あ…今日は少し早く学校に行くから」
憂「うん……ふわぁ~」
唯「じゃあ制服に着替えるから…」
憂「私は後から行くね~」
唯「わかった…弁当はそこにあるからね」
78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 02:42:43.33 ID:NvI4L5WqO
唯「じゃあ行ってくる」
憂「うん!バイバイ~」
唯「行ってきます」
今日はいい天気だ。
温かい風が私の髪をなびかせる。
唯「琴吹さんいるかな……」
79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 02:45:59.56 ID:NvI4L5WqO
学校に着いて教室に行く。
琴吹さんは…いた。
だけど、またイジメられている。
消しゴムのカスやゴミを投げ付けられたり…アイツら消しゴムの使い方知ってんのかな?
琴吹さんは私に気付き私を少し見る。
そして視線を同じ場所に戻す。
ごめん…琴吹さんやっぱ助けられそうに無い。
80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 02:48:48.91 ID:NvI4L5WqO
澪「おい!お前ら」
隣のクラスの…名前何だっけ?まぁ…とにかく黒髪ロングが琴吹さんをイジメてる人達に話しかけている。
律「琴吹さん、可哀相だからね?やめよ」
確かこの黒髪ロングは田井中さんと仲が良かったような気がする。
紬「………………」
81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 02:53:14.44 ID:NvI4L5WqO
はぁ?ウザイ。
コイツ、ウザイんですけど~。
そう言って琴吹さんをイジメてる奴らは黒髪ロングと田井中さんを罵っている。
私は知ってる。
この黒髪ロングには色々と伝説がある。
例えば…電車の中でお尻を触ってきた男をグーで殴り失神させたり。
セクハラしてきた教師を一本背負いしたり。
とにかく彼女は気が強いらしい。
確か…合気道を習ってると聞いた事がある。
83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 02:56:35.76 ID:NvI4L5WqO
澪「律から聞いたよイジメなんかするな!」
律「可哀相だよ…」
イジメてる人達は少しビビッてる。
ざまぁみろだ。
それに、私もここぞと言わんばかりに彼女達に言ってやった。
唯「本当に不愉快だからアナタ達がそう言う事やってるの見ると」
琴吹さんは黙って下を向いているがきっと…ざまぁみろと思ってるに違い無い。
84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 02:58:59.33 ID:NvI4L5WqO
澪「今後一切彼女をイジメるなよ」
唯「そうそう、退屈な時間がさらに退屈になるから」
律「可哀相だからもうしちゃダメだよ?」
イジメてる人達はぶつくさと文句を言いながら自分の席へと戻って行った。
紬「……………」
85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 03:01:48.09 ID:NvI4L5WqO
唯「琴吹さん大丈夫?」
紬「うん……ありがと」
澪「大丈夫だよ、またイジメられたりしたら私に言うんだぞ」
紬「ありがと……」
唯「次は私が標的になるかもだからそん時は私も頼んでいい?」
澪「あぁ、いいよえーと…」
唯「平沢唯だよ」
86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 03:04:29.94 ID:NvI4L5WqO
澪「平沢か…わかった今日はありがとう」
唯「へ?何が?」
律「琴吹さんのイジメを一緒に助けてくれた事だよ~」
唯「ち、違う助けた分けじゃ…ほら、不快だったからさ」
紬「平沢さんありがとう…」
唯「アハハッ……」
87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 03:07:24.48 ID:NvI4L5WqO
授業が全て終わり私は琴吹さんと一緒に帰っていた。
紬「私ピアノが趣味なんだ…」
唯「へー…」
紬「私のお家貧乏だからお家にあるピアノぐらいしかやる事なくて…」
今日の琴吹さんは妙に饒舌。
イジメから開放された事がよっぽど嬉しいんだろうね。
88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 03:11:34.60 ID:NvI4L5WqO
紬「じゃあ私こっちだから…」
唯「あ…うん、バイバイ」
紬「うん……えと、私達って友達だよね?」
唯「あー…アハハ」
まぁ…一人ぐらい友達がいても問題無いよね。
唯「そうだよ…じゃあまたね」
紬「うん…」
89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 03:13:21.41 ID:NvI4L5WqO
唯「ただいまー…」
憂「あ!お姉ちゃんおかえり~」
梓「お邪魔してまーす」
唯「えと…誰この人?」
梓「中野梓でーすよ」
91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 03:15:39.73 ID:NvI4L5WqO
憂「私のお友達だよ」
唯「そ、そうなんだよろしくね」
梓「あはっ!よろしくです」
何だか変な子だな…。
梓「先輩もぷよぷよで私と勝負しましょー」
馴れ馴れしいなこの子…私に抱き着いて来たよ。
92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 03:18:17.47 ID:NvI4L5WqO
唯「きょ…今日は疲れたからやらないよ」
梓「えー残業…先輩お腹がぷよぷよしてますね~」
うるさいよ!
唯「アハハ…じ、じゃあ私は部屋に行くから」
梓「えーー!」
私は梓ちゃんを無理矢理振りほどき自分の部屋へと戻った。
馴れ馴れしい過ぎるこんな奴見た事無いぞ。
94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 03:21:39.53 ID:NvI4L5WqO
私はすぐにベッドから鏡を取り出す。
唯『あ!来た来た澪ちゃーん来たよー』
澪ちゃん?それに鏡に写ってるのは何時もの向こうの私の部屋じゃない。
多分…学校だ。
澪『だから…鏡に写ってる唯が勝手に喋る分けないって言ってるだろ…』
唯「秋山さん…?」
澪『しゃ…喋った!』
95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 03:25:09.33 ID:NvI4L5WqO
唯『ほら!鏡の中に誰も写って無いし私が喋ってる』
律『す、すげー!』
紬『これって何かの魔法かしら?』
梓『こんな事って本当にあるんですね…』
唯「ちょ…え?もしかして喋ったの?」
唯『うん!』
うん!じゃないよ…あぁ頭が急に痛くなってきた。
96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 03:28:06.89 ID:NvI4L5WqO
唯「ど、どうしよう…なんで喋ったの?」
唯『だってそっちの世界の私を見て貰いたかったから!』
この子は考え無しに行動してるよ…。
それに琴吹さんや秋山さん田井中さんや梓ちゃんもいるし…。
97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 03:31:51.06 ID:NvI4L5WqO
紬『そっちの世界の私は何してれか教えて欲しいわ~』
律『いや!先に私が!』
梓『わ、私も知りたいです』
澪『………喋った』
信じてるこの人達もこの人達だよ。
普通SONYか何処かが作った通信機器と思うでしょ…私は思わなかったけど。
98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 03:35:28.21 ID:NvI4L5WqO
唯「えーと……」
紬『何だかこの唯ちゃんカッコイイわね~』
律『キリッとしてるな!』
うるさいなぁ…。
梓『そっちの唯先輩ってバンドやってるんですか?』
唯「あ…やってないよ梓ちゃん」
梓『あ…梓ちゃん…』
100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 03:39:43.12 ID:NvI4L5WqO
律『私は?私は?』
この田井中さんは何だかうるさそうだなぁ…。
それにカチューシャしてるし。
唯「私がって何が?」
律『名前だよ何て呼んでる?』
唯「あぁ…えーと田井中さん」
律『田井中さんだって…!』
唯『田井中隊員!』
さっきのうるさいと思った事をもの凄くうるさいに訂正するよ…。
102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 03:42:21.81 ID:NvI4L5WqO
唯『ねーねーキリッってするから見てて~』
律『わかったー』
唯『キリッ!』
紬『凄くカッコイイわ~』
確かに何だかこの琴吹さんはぽわぽわしてる。
澪『アハハ…喋ってる』
秋山さんは何故か隅っこで震えている。
どうしたんだろう?
103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 03:45:21.41 ID:NvI4L5WqO
唯『そーいえばムギちゃんは大丈夫?』
紬『私がどうかしたの?』
唯「こっちでは琴吹さんはイジメられてるんだ」
紬『そうなの?許せ無いわね…』
唯「でも…大丈夫だから…秋山さんと田井中さんが助けた」
澪『わ、私が?』
104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 03:48:21.14 ID:NvI4L5WqO
唯「うん、秋山さんがおまえらやめろぶっ殺すぞって言った」
澪『そっちの私はそんな性格なのか…』
少し嘘も混じってるけどね。
唯『私は何もしてないの?』
唯「いや…少しだけ言ってやったよ迷惑って」
紬『ありがとうね唯ちゃん』
105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 03:50:58.80 ID:NvI4L5WqO
梓『あの…そっちの私はどんな性格ですか?』
唯「今、家に来てるよ」
梓『ほ、本当ですか?』
唯「うん…私にいきなり抱き着いて来たからびっくりした」
梓『私が唯先輩に抱き着いたなんて…信じられません』
唯「自分でも抱きしめてればいいのにね」
107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 03:53:21.56 ID:NvI4L5WqO
律『あ…もうこんな時間だな~』
澪『帰るか…』
うん、それがいいよ。
唯『だね~じゃあ帰ろうよ!』
紬『そうね~』
唯『あ…私ちょっと待っててね』
唯「う、うん」
109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 03:58:56.82 ID:NvI4L5WqO
唯『おまたせ~』
鏡に写っているのは青空と私。
みんなはもう帰ったらしい。
唯「う、うん…あのさ」
唯『なぁに?』
唯「あの人達は友達?」
唯『うん!それに放課後ティータイムのメンバーだよ』
唯「そーなんだ」
唯『うん!私はバンドやらないの?』
唯「やらないよ…疲れるだけだから」
唯『えー!面白いのに』
バンドか…いかにも青春って感じ。
何だか向こうの私は凄く楽しそうだ…後悩みがなさそう。
110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[わかりました] 投稿日:2010/06/05(土) 04:02:42.14 ID:NvI4L5WqO
唯「あ……そう言えば思い出した私の押し入れにギターがあったんだっけ」
唯『本当?』
唯「うん…お父さんが使ってた奴を貰ったんだ持ってくるね」
唯『うん!』
随分、長い間触って無いから忘れてた。
小さい頃は夢中で練習してたっけ。
結局、指が動か無くて三日で辞めたんだけどね。
113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 04:05:24.10 ID:NvI4L5WqO
唯「あったあった…これだよ」
唯『ギ、ギー太!』
唯「ギー太って誰?」
唯『そのギターの名前だよ!やっぱりギー太はそっちの世界でも受け継がれてるんだね!』
ハハハ…何だそりゃ。
114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 04:09:06.16 ID:NvI4L5WqO
唯『私も帰ったら見せたい物があるんだ!』
唯「へー何?」
唯『私達が文化祭で演奏したDVDがあるんだ見たい?』
唯「ちょっと見たいかも…」
唯『わかった!家に着いたらすぐに見せるからね!』
115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 04:17:04.02 ID:NvI4L5WqO
それから私達はたわいのない話しをした。
主に向こうの私が話して私は適当に頷く。
しっかし…本当にこの私は憂に似ている。
語尾が伸びる話し方も笑い方も性格も似てる。
そう言えば聞いていなかったなぁ…。
向こうの世界の憂の事。
どんなんなんだろう?凄く気になる。
117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 04:20:37.20 ID:NvI4L5WqO
唯『着いたよ~』
唯「知ってるから言わなくていいよ」
唯『じゃあ私DVD探してくるから待ってて~』
唯「わかった」
唯『あ…憂ー!こっちに来てー』
憂『なぁにお姉ちゃん?』
唯『私が退屈だと思うから鏡の中の私と話してていいよー』
唯「…………え?」
119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 04:24:38.43 ID:NvI4L5WqO
鏡には私の妹、憂が写っている。
何だか雰囲気違うなぁ……。
憂『お姉ちゃんが言ってた話しって本当だったんだ…』
唯「う…憂?」
憂『あ…そっちの世界のお姉ちゃん初めまして平沢憂です』
唯「う…うん…」
何だかしっかししてるなぁ…。
120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 04:27:51.07 ID:NvI4L5WqO
唯「こ、こんにちは」
何だか私、妙に緊張してる。
憂『こんにちは…あの、そっちの世界の私って何してるの?』
唯「今は梓って子と遊んでるよ」
憂『そっちの世界でも梓ちゃんと友達何だ…よかった』
私もよかったよ…こっちの世界でもあっちの世界でも優しいのは変わって無いみたいだ。
121 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 04:32:10.17 ID:NvI4L5WqO
唯『DVD見つけたよー』
憂『あ…お姉ちゃん!』
唯『そっちの世界の私はどうかなぁ?』
憂『優しそうでカッコイイよ』
唯「………………」
唯『よかった~あ!すぐにDVD見せるからね~』
でも…向こうの世界の憂は嫌だな。
別に嫌いって意味じゃない…ただ私は憂の世話がもっとしたい。
122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 04:34:31.55 ID:NvI4L5WqO
唯『じゃあDVD見るからね~』
唯「うん…」
唯『私達の演奏凄いんだからね~』
唯「大丈夫期待はしてないから」
唯『酷い!あ…始まるよ』
123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 04:37:29.06 ID:NvI4L5WqO
最初、私はただ見てた。
何も考えずなんとなく見てた。
だけど…いつの間にか私は虜になっていた。
放課後ティータイムの虜に…演奏はただひたすらにカッコよかった。
DVDが終わり私の頭の中にある考えが浮かんだ。
バンドをやってみたい。
159 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 13:42:56.36 ID:NvI4L5WqO
唯『どーだった?』
唯「カッコイイよ凄くね」
唯『えへへ~ありがとう!』
唯「ね…ねぇ私も…」
唯『なぁに?』
唯「いや…何でも無い……」
このバンドをやりたいって感情は一時的な感情だ。
すぐに消えるだろう。
だだ…少し羨ましい私より充実した毎日を向こうの私は過ごしている。
162 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 13:48:27.99 ID:NvI4L5WqO
思えば私は今までずっと同じ毎日を繰り返してた。
小学校でも中学校でも今でもそうだ…。
友達なんか今まで出来た事なんて無かった…私はワイワイ騒いでいる人間を頭の中で馬鹿にするだけだった。
次第に友達はいらない…そう思うようになっていた。
だけど…さっきのDVDを見て私は確信した。
私はただ友達がいない寂しさを人間を馬鹿にする事で紛らわしている。
本当は友達が欲しいんだ私は…。
166 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 13:51:14.22 ID:NvI4L5WqO
向こうの世界の私が本当に羨ましい。
唯『おーい!聞いてる~?』
唯「あ……う、うん」
唯『大丈夫?何か考えてたみたいだけど…』
唯「いや…何でも無いよ…憂のご飯の支度するからまた明日ね」
唯『うんバイバイ~』
168 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 13:53:32.17 ID:NvI4L5WqO
唯「はぁ………」
憂「あ、お姉ちゃんどうしたの?」
唯「いや…何でも無いよ…えっと梓ちゃんは?」
憂「ついさっき帰ったよ」
唯「そっか…ご飯作るねパスタでいい?」
憂「う、うん」
170 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 13:55:24.75 ID:NvI4L5WqO
憂「お姉ちゃんアイス食べていい?」
唯「ダメご飯食べてからならいいよ」
憂「じゃあ我慢する~」
唯「うん、もう少しで出来るから待っててね」
憂「うん!」
171 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 13:57:37.51 ID:NvI4L5WqO
憂「ごちそうさま~」
唯「美味しかった?」
憂「うん!アイス食べていい?」
唯「いいよ、私の分も食べていいから」
憂「ほ、本当に?」
唯「いいよ」
憂「ありがとう!」
172 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 14:03:00.16 ID:NvI4L5WqO
ついさっき見たライブ映像が私の頭の中でぐるぐる。
バンドがやりたい、この一時的な感情は寝れば忘れる。
今日は寝てもう忘れよう。
しばらく天井を見ながら考え事。
琴吹さんは確かピアノをやっている。
私がギターで琴吹さんがピアノいや…考えるのはよそう。
バンドがやりたい何て考えるのはよそう。
寝れば忘れる。
私は静かに瞼を閉じた。
173 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 14:05:50.81 ID:NvI4L5WqO
憂「お姉ちゃん朝だよ起きて」
唯「ん………憂?」
憂「もう7時だよ」
唯「え!ご、ごめん目覚ましは…セットし忘れてる…」
憂「えへへ~今日は私の方が早起きだね」
174 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 14:08:19.27 ID:NvI4L5WqO
唯「ごめん弁当作れなかった…」
憂「えへへ~じゃーん!」
憂が私の前に差し出して来た物は一つの弁当箱。
唯「え?……まさか」
憂「うん!…お姉ちゃんのお弁当だよ作るのに2時間掛かっちゃった!」
唯「憂……うぅ……」
175 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 14:10:14.52 ID:NvI4L5WqO
涙腺が思わず緩み私は涙を流した。
憂「お、お姉ちゃん何処か痛いの?」
唯「違うよ…嬉しいんだよ」
憂「そうなんだぁ!よかったぁ~」
唯「本当にありがとう……」
177 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 14:12:40.12 ID:NvI4L5WqO
唯「制服に着替えるから待っててね」
憂「うん!」
とうとう…一人で弁当作れるようになっちゃったか…。
嬉しいような悲しいような。
こうやって巣立って行くんだと思うとまた悲しくなる。
178 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 14:15:02.40 ID:NvI4L5WqO
唯「よし…行こうか」
憂「うん!」
家を出て二人で歩く。
鞄には憂が作ったお弁当とあの鏡。
唯「今日のお昼楽しみだよ」
憂「えへへ…味は保証出来ないよ!」
唯「大丈夫きっと美味しいから」
180 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 14:17:12.42 ID:NvI4L5WqO
憂「じゃあね!私、教室に行くから」
唯「うん、今日は私バイトだから先に帰るから」
憂「うん頑張ってね~」
憂は二年の教室へ向かって行った。
私も行こうかな。
182 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 14:19:23.92 ID:NvI4L5WqO
紬「おはよ…」
唯「おはよう琴吹さん」
紬「うん…」
はぁ…バンドか…。
結局忘れなかったな…それに昨日より気持ちが強くなってる気がする。
律「きゃあっ!」
また田井中さんがこけた。
184 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 14:21:26.58 ID:NvI4L5WqO
紬「大丈夫…?」
律「アハハまたこけちゃった」
唯「はぁ…カチューシャか何かすればいいのに」
律「小さい頃はしてたんだ~カチューシャ」
唯「じゃあ…どうして今はしてないの?」
185 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 14:23:56.46 ID:NvI4L5WqO
律「澪ちゃんからしない方がいいって言われたんだよ~」
唯「あっそ…あれ?田井中さんの鞄の中にある棒って何?」
律「これはドラムスティックだよー」
紬「ドラムスティック…?」
唯「田井中さんってドラマやってるの?」
188 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 14:28:37.68 ID:NvI4L5WqO
律「うん!ドコドコドンッってやってる!それに澪ちゃんはベースやってるんだぁ~カッコイイんだよ!」
唯「そ、そーなんだ……バンド組めるね」
紬「バンド……?」
唯「私がギターで琴吹さんがピアノ田井中さんがドラムで秋山さんがベース」
律「なんか面白そうだ!」
唯「冗談で言ってるから、あまり真に受けて貰っても困るけどね」
紬「平沢さんギターしてるの…?」
189 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 14:32:48.87 ID:NvI4L5WqO
唯「してないよ…ギター持ってるけどね」
紬「凄い…」
律「バンドやらないのー?」
唯「だから冗談だって……」
律「残念だなぁ」
唯『うおっ!真っ暗』
唯「…………え?」
190 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 14:36:42.73 ID:NvI4L5WqO
唯『いっつもこの時間は真っ暗なんだぁ~』
紬「あれ……?」
律「空耳だ!」
律『そっかー』
紬「平沢さん何か聞こえる……」
唯「アハハ…そ、空耳だよ!今日は空耳がよく聞こえる日だなぁー」
唯『私の声が聞こえた!』
192 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 14:39:34.28 ID:NvI4L5WqO
律「平沢さんの鞄の中から聞こえるー!」
紬「………………」
唯『おーい私!おはよー!』
私の馬鹿…大馬鹿野郎。
唯「ちょっと二人共トイレに行こうか」
193 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 14:41:56.51 ID:NvI4L5WqO
律「どーしたの?トイレに私達を誘って」
紬「……………」
律「鞄まで持って来て何かあるの?アメくれるの?」
唯「違う…えーと、これから言う事は誰にも言ったらダメわかった?」
紬「うん………」
律「わかったー」
194 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 14:44:52.45 ID:NvI4L5WqO
・・・・・・・・
唯「…と言う分けで」
律「それは嘘だよ~」
紬「私は信じる…」
唯『おーい無視しないで~』
唯「ありがとうじゃあ見せるからね」
紬「うん………」
195 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 14:47:57.58 ID:NvI4L5WqO
唯『うおっ!ムギちゃん』
琴吹さんは少しビクッとさせた。
紬「おはよ……」
唯『おはよー!えーと…りっちゃん?』
律「本当の本当だったんだ!凄いね!」
唯『前髪下ろしてる!りっちゃん可愛い~』
198 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 14:50:29.33 ID:NvI4L5WqO
唯『ムギちゃんりっちゃん来て来てー!』
紬「ムギちゃんって誰なのかな?」
唯「琴吹さんの事だよ」
紬「あだ名なんだ…嬉しい」
律「平沢さんこの鏡凄いねー」
唯「はいはい凄い凄い」
199 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 14:52:30.80 ID:NvI4L5WqO
唯『ほらー鏡見て』
紬『何だかドキドキするわね~』
紬「私だ…」
紬『おはよう~』
紬「おはよ……」
唯「緊張してるの?」
紬「うん……」
201 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 14:55:36.55 ID:NvI4L5WqO
律「私はいるのー?」
律『いるぞー!うおっカチューシャどうした!』
律「澪ちゃんが外した方がいいって言ってくれたんだー」
律『そ、そっか…アハハ澪ちゃんか…』
唯『りっちゃん可愛い!』
律『う、うるさいぞ』
律「ありがとー!」
202 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[昼飯食べます] 投稿日:2010/06/05(土) 14:58:26.73 ID:NvI4L5WqO
唯「ちょっと私!」
唯『なぁに?』
唯「いきなり話しかけたらバレちゃうでしょ!」
唯『もうバレてるよ!』
唯「うるさい…」
律「そっちの世界の私達はバンドやってるんだよねーいいな~」
205 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 15:27:12.06 ID:NvI4L5WqO
律『そっちの世界の私はドラムやって無いのか?』
律「やってるよドコドコドンッって」
紬『私はキーボードやってるの?』
紬「ううん…ピアノなら出来るよ」
唯『バンド組めばいいじゃん!』
唯「えーと……」
律「さっきやろうって誘われたんだよ!」
206 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 15:29:51.32 ID:NvI4L5WqO
唯「ち…違うあ、あれは冗談のつもりで」
紬『やらないの?』
唯「いや、でも…」
紬「私やりたい…」
律「私もやりたい!」
唯「ど、どーしても二人がバンドしたいって言うならやってもいいかな」
唯『素直じゃないなぁ~』
208 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 15:33:45.62 ID:NvI4L5WqO
律「じゃあ私達でバンド組むの決定ね!」
唯「う、うん…」
唯『あれ?澪ちゃんとあずにゃんは?』
唯「え?三人でいいじゃん」
律『こっちの世界は五人でやってるんだぞ』
紬「五人…」
律「私、澪ちゃん誘ってみる!」
209 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 15:35:41.82 ID:NvI4L5WqO
唯「もし秋山さんが入ったら四人でやろう」
唯『あずにゃんは?』
唯「あの人はいいや」
紬「いいの……?」
唯「うん、いいや」
律「あ!そろそろ授業始まるよ!」
210 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 15:39:09.28 ID:NvI4L5WqO
唯「じゃあ教室に行くけどもう話しかけてきたらダメだから」
唯『うんわかったぁ』
本当にわかってんのかなぁ?
唯「じゃあ…田井中さん琴吹さん行こう」
紬「うん…バイバイ私」
紬『また会いましょうね~』
律「バイバイー」
律『あぁ…またな』
212 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 15:42:43.24 ID:NvI4L5WqO
さわ子「琴吹ぃっ!田井中ぁっ!平沢ぁっ!」
唯「は、はい!」
さわ子「遅いわよ!5分前行動!心にゆとりを持って行動しなさいって言ってるでしょう!」
また始まったよ…。
唯「すみません」
紬「ごめんなさい…」
律「すいませーん」
さわ子「三人共座りなさい授業始めるわよ!」
213 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 15:48:32.19 ID:NvI4L5WqO
昼休み。
田井中さんは隣のクラスから秋山さんを連れて来た。
澪「バンドかぁ…」
唯「美味しい…」
今はバンドの話しは正直どーでもいいんだね。
憂の弁当が美味し過ぎるから…これは誰かと話しながら食べるもんじゃないね。
ゆっくり味わいたい。
澪「確かに私はベースをやってる…入ってもいいかな律の頼みだし」
律「わぁありがとう!」
あー…うるさい静かに食べたいのに。
215 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[ここまでです] 投稿日:2010/06/05(土) 15:55:47.70 ID:NvI4L5WqO
紬「四人だね…」
澪「それより律」
律「澪ちゃんなに?」
澪「鏡の話しは本当か?」
私は飲んでたお茶を琴吹さんに吹きかけた。
わざとじゃない…って言うか喋ったんだ…。
紬「冷たい…」
218 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 15:58:38.44 ID:NvI4L5WqO
唯「ごめんごめん…はいタオル」
紬「ありがとう…」
唯「って言うか喋ったの?」
律「うん!」
澪「鏡を見せてくれ…」
もう面倒臭いなぁ…。
220 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 16:01:46.66 ID:NvI4L5WqO
私は鏡を秋山さんに渡す。
澪「確かに…鏡なのに私が写ってないな」
唯『あれ?澪ちゃんだぁ!』
澪『唯、呼んだか?』
澪「私?」
澪『ゆ、唯!鏡に写ってる私が喋った!』
221 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 16:04:20.76 ID:NvI4L5WqO
澪「何だか…違和感だな…」
唯「田井中さんから聞いたでしょう?その鏡は別の世界を写す鏡だって事」
澪「いや…私は鏡が喋る事しか聞いて無い…そうか別の世界を写すのか」
澪『こ、こんにちは!』
224 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 16:07:00.56 ID:NvI4L5WqO
澪「うん、こんにちは」
澪『あのー…そっちの私は何をしてるんですか?』
唯『澪ちゃん何で敬語なの?』
澪『い、いや…緊張して…』
澪「私は緊張してない…この世界の私もホラー映画好きなのかな?」
唯「知らない」
225 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 16:10:44.82 ID:NvI4L5WqO
律「この鏡凄いよねー!」
唯「はいはい凄い凄い」
唯『こっちの澪ちゃんはホラー映画苦手なんだよ!』
澪『う、うん…』
澪「何だ残念だな…せっかくホラー映画を語り合える人が見つかったと思ったのに」
紬「シミになっちゃう……」
唯「そんな弱々しく拭くからだよ…もっと強く拭かないと」
228 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 16:14:26.56 ID:NvI4L5WqO
唯「じゃあ鏡を鞄に戻すから」
澪「じゃあな私」
澪『バイバイ……』
唯「あれ……?」
紬「どうしたの…?」
唯「いや…何でも無い」
よく見れば鏡に小さな傷が付いてる事に私は気付いた。
鞄の中で傷が付いたんだろうね。
232 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 16:16:46.76 ID:NvI4L5WqO
律「鏡もっと見たいー」
唯「それで…バンドの話しだけど秋山さん本当に入ってくれるの?」
澪「うん、私もバンド組んでみたいんだ」
律「鏡みたい!」
紬「田井中さん我慢だよ……」
律「わかったー」
234 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 16:19:11.64 ID:NvI4L5WqO
唯「じゃあ四人でバンドしてみようよ」
澪「そうだな楽しみだ」
紬「やった……」
唯「でも私、簡単に言ってるけど…バンドってどうやるんだろう」
律「軽音部に入ればいいんだよ!」
236 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 16:23:22.04 ID:NvI4L5WqO
唯「でも…軽音部は廃部になったんだったよね?」
澪「山中先生に頼んで見たらどうだ?軽音部の顧問だったらしいし」
律「そうと決まれば行こうよ!」
唯「えー…嫌だまだ日焼けするには早い季節じゃん秋山さんと田井中さん言って来てよ」
238 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 16:28:05.88 ID:NvI4L5WqO
澪「わかった…じゃあ律行こうか」
律「うん!」
唯「頑張って来てね私は物思いにふけながら待ってるよ」
紬「話そうよ…」
唯「冗談だって…じゃあ行ってらっしゃい」
241 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 16:31:07.93 ID:NvI4L5WqO
紬「平沢さんって休みの日は何をしてるの…?」
唯「寝てる」
紬「そうなんだ…」
唯「琴吹さんは?何かやってるの?」
紬「お母さんの看病…」
会話の内容が一気に重くなったなぁ…。
琴吹さんは頑張ってるんだね。
242 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 16:33:59.44 ID:NvI4L5WqO
唯「何か病気なの?」
紬「ううん…足を骨折したから…」
何だ病気じゃないのか。
唯「じゃあ最近なんだ看病し始めたの」
紬「うん……」
唯「頑張ってね琴吹さん」
紬「ありがと…」
246 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 16:37:21.47 ID:NvI4L5WqO
唯「琴吹さんってピアノ上手いの?」
紬「上手くないよ…」
唯「そっかー…遅いね」
紬「そうだね……」
さわ子「平沢ぁっ!」
唯「うおっ!」
248 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 16:42:59.43 ID:NvI4L5WqO
山中先生は私に全力で近いて全力で私を抱きしめた。
唯「ちょっ…先生っ!」
山中「お前は人見知りな奴だと思っていた…だけど私は間違っていた」
唯「苦しいっ…!」
山中「お前がバンドをやりたい何て…そんな情熱的な奴とは知らなかったごめん!」
バンドをやりたいと言った人間が情熱的な奴かどうかは知らない。
ただ一つ言える事はコイツ私を殺す気だ。
249 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 16:48:20.81 ID:NvI4L5WqO
さわ子「平沢ぁっ!ごめん…ごめん」
あぁ…どんどん強くなってく。
今までの憂との思い出が走馬灯のように蘇る。
憂…ごめん…私先に行くね。
唯「……………」
紬「平沢さん…?」
さわ子「平沢ぁっ…大丈夫か!……気絶してる」
252 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 16:53:41.01 ID:NvI4L5WqO
唯「うぅ………」
さわ子「目が覚めたか…いきなり気絶するからびっくりしたぞ」
いやいや…お前のせいだよ。
これを教育委員会に言ったら問題になるぞ。
さわ子「急に気絶するんだもん…栄養取ってる?」
しかも自分が気絶させた事に気が付いて無い。
唯「アハハハ……」
253 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 16:57:12.53 ID:NvI4L5WqO
さわ子「あ……そうだ…軽音部の事で話しがあったんだ」
唯「軽音部の事で?」
さわ子「お前らが軽音部でバンドをやりたい事を秋山と田井中に頼まれてな」
唯「そ、そーですか」
さわ子「しかし…軽音部は廃部になってる!」
唯「あ、知ってます」
255 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 17:02:45.86 ID:NvI4L5WqO
さわ子「私が何とか復活させて見せる…お前らの友情に誓って」
唯「ありがとうございます…」
よし…私を気絶させた事をチャラにしてあげよう。
さわ子「じゃあ私は職員室に行く平沢は放課後まで休め栄養はちゃんと取れ」
やっぱチャラにした事やめようかな…。
さわ子「じゃあな…真鍋後は頼んだぞ」
和「は、はい…」
唯「真鍋……?」
257 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 17:10:02.54 ID:NvI4L5WqO
和「平沢さん…先生から頼まれたんだ平沢を見ろって」
唯「そっかー…」
和「えーと…小学生の時にも確かこんな事あったよね」
唯「小学生の時?」
和「一緒の小学校だったじゃない中学校も一緒」
唯「ごめん…覚えて無い」
259 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 17:15:56.95 ID:NvI4L5WqO
和「そっか…アメ食べる?」
唯「いらない…」
和「そっか…」
会話続かない…。
和「あ…軽音部やるんでしょう?」
唯「うん…」
260 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 17:18:39.25 ID:NvI4L5WqO
梓「軽音部やるんですか!」
唯「うわぁっ!」
和「びっくりした…」
梓「アハハすみませんすみません」
唯「何でいるの?」
梓「授業出たく無いから仮病使ったんですよ!け・びょ・う!」
261 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 17:25:52.62 ID:NvI4L5WqO
梓「いいなー軽音部いいなー」
何この私も誘って欲しいなぁ…みたいな眼差し。
梓「いいなー」
和「入れて貰えばいいじゃない?」
梓「ですよねー!そうですよねー!私も調度それ思ってたんですけど中々言えなくてーでも言ってくれた先輩に感謝感謝」
うわぁ…うるさいなぁ。
263 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 17:29:12.21 ID:NvI4L5WqO
梓「と言う分けで入れて下さい!」
唯「えーと…まだ軽音部が出来るって決まった分けじゃないし…」
梓「そうですか…残念」
和「アナタお名前は?」
梓「中野梓でーす」
264 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 17:36:10.88 ID:NvI4L5WqO
和「何だか猫耳とか似合いそうね」
唯「…………は?」
和「ここに猫耳があるから付けて見て」
いや…真鍋さん何でポケットにそんな物入れてんの?
梓「はーい!」
和「似合うわね…」
真鍋さんの唾を飲む音を私は確かに聞いた。
265 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 17:39:51.42 ID:NvI4L5WqO
和「にゃーって言ってみて」
梓「にゃー!」
和「いいわ…とっても」
唯「…………アハハ」
誰かコイツらを何とかしろ。
私じゃ手に負えない。
和「平沢さんもどう?」
唯「慎んでお断り」
266 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 17:43:27.78 ID:NvI4L5WqO
放課後のチャイムが鳴る。
私はすぐに保険室から飛び出した。
まだ、真鍋さんと梓ちゃんは楽しそうに話している。
これは私の直感だけど真鍋和アイツは変態だ。
澪「あ…平沢、大丈夫か?」
唯「う、うん」
271 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 17:58:36.51 ID:NvI4L5WqO
澪「軽音部の話しだけど…聞いたか?」
唯「うん」
澪「これ鞄忘れてるぞ、今日は帰るんだろう?」
唯「うん」
澪「琴吹が校門の前で待ってるらしいから」
唯「わかったありがとう…じゃあね」
澪「さよなら」
唯「うん」
274 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 18:02:42.38 ID:NvI4L5WqO
紬「あ………」
唯「ごめんまたせた?」
紬「ううん今来た所だから…」
私達はデートの待ち合わせでもしてるのか?ってぐらいの会話の内容。
唯「じゃあ行こうか私今日はバイトだから急いで帰ろう」
紬「うん……」
276 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 18:06:37.94 ID:NvI4L5WqO
唯「琴吹さん近い…」
紬「ごめん……」
前から思ってたんだけど彼女と一緒に帰る時は決まって私の体にピタッとくっついてくる。
癖なのかな?
紬「今日は大丈夫だった?」
唯「うん、おかげさまで授業を受けなくて済んだよ」
本当にありがたかった。
おかげで授業を二時間も聞き逃したんだからね。
278 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 18:10:49.68 ID:NvI4L5WqO
唯「じゃあ私はここでさようならだから」
紬「うん…バイバイ」
唯「じゃあね琴吹さん」
紬「うん…また明日ね」
唯「また明日…」
はぁ……今からバイトだと思うと憂鬱だ。
279 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 18:17:49.65 ID:NvI4L5WqO
家に帰りバイトで着る制服を持ってバイト先に向かう。
唯「お疲れ様でーす」
働いている人達が私に挨拶をする。
はぁ…これから6時間地獄だ。
一年働いているが未だにこのバイトの忙しさには慣れない。
280 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 18:22:53.95 ID:NvI4L5WqO
梓「あ…先輩!」
唯「こんにちは」
はぁ…早く制服に着替えなきゃ。
5分前にタイムカード押さないと店長うるさいからなぁ…………え?
梓「今日からここで働く事になったんですけど、まさか先輩がここで働いているとは思いませんでしたよー」
唯「……え?え?」
梓「今日からよろしくお願いしまーす」
唯「………え?」
283 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 18:27:03.90 ID:NvI4L5WqO
唯「何でいるの?ここは客は入っちゃダメな所だよ」
梓「だから、今日から此処で働く事になったんですってー」
唯「ハハッ…冗談上手いなぁー」
梓「それにしても凄い偶然ですねーあ、タイムカードの押し方を教えて下さい!」
唯「はぁ…………」
292 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 18:31:53.57 ID:NvI4L5WqO
新人研修として6時間…はぁ6時間か…本当に長いよ。
私は6時間、梓ちゃんの相手をしてやった。
悔しい事に彼女は凄く物覚えがいい。
唯「お疲れ様でした」
梓「お疲れ様でしたー」
私達は何故か一緒に帰る事になった。
いや…梓ちゃんが勝手に着いて来たんだった。
293 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 18:35:24.42 ID:NvI4L5WqO
梓「今日は楽しかったですねー簡単でしたねー」
唯「はいはいそうだね」
梓「バイトとバンドって何か文字似てません?」
唯「はいはいそうだね」
梓「今日、先輩の家に泊まるんですよー」
唯「はいはいそうだね」
梓「よろしくでーす」
唯「………え?泊まるの?」
梓「はい!」
296 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 18:39:48.76 ID:NvI4L5WqO
本当にこの子には驚かせて貰ってばかりいる。
唯「本当に泊まるの?」
梓「はい!憂から聞いてませんでした?」
私はケータイを取り出す。
憂からメールが一件届いている。
読んでみると確かに梓ちゃんは今日泊まるみたいだ。
嫌だなぁ…私この子苦手だよ。
298 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 18:45:53.47 ID:NvI4L5WqO
抱き着いて来るし…うるさいし抱き着いて来るし抱き着いて来るし。
別に嫌いな分けじゃ無いけど苦手なタイプだ。
梓「先輩聞いてます?」
唯「はいはい聞いてる」
梓「私の話し右耳から左耳に流れてません?」
唯「じゃあ左耳に耳栓しないとダメだね」
梓「ツインテールで鞭打ちますよー!」
うっさいなぁ…。
301 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 18:48:50.28 ID:NvI4L5WqO
唯「着いたから鍵開けるね」
梓「はーい」
今日は安眠出来そうに無いなぁ…。
憂「あ!お姉ちゃんおかえり」
唯「おかえり梓ちゃん来てるよ」
梓「やっほー!」
305 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 18:53:49.63 ID:NvI4L5WqO
憂「あ!梓ちゃん遅かったね~」
梓「バイトしてたー」
憂「バイトしてるの?」
梓「そうそう、先輩と一緒のファミレスでバイトしてるよ」
唯「本当にびっくりしたよ」
憂「そーなんだーあ…入ってよ梓ちゃん」
梓「お邪魔しまーす」
307 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 18:58:58.25 ID:NvI4L5WqO
憂「あ…お姉ちゃん」
唯「なに?」
憂「あのねーお姉ちゃんの部屋にギターがあったから押し入れに直して置いたよ」
あぁ…別に直さなくてよかったんだけどね。
梓「ギターやってるんですか?」
唯「うん…全然出来ないけど」
311 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 19:03:34.91 ID:NvI4L5WqO
梓「私はとっっても上手いんですけどね~」
唯「へー…」
梓「教えて欲しいなら教えますよ~」
唯「そっかー…」
梓「仕方ないですね~お金は取らないから教えてあげましょう」
唯「おいちょっと待て…教えて欲しいだなんて言ってないよ」
313 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 19:08:39.97 ID:NvI4L5WqO
梓「Cコード!」
唯「は?」
梓「Fコード!」
唯「何それ?」
梓「やっぱり私が教えますよコードも知らないじゃないですか」
唯「独学でするからいいよ」
梓「何言ってるんですか…同じ軽音部のメンバーじゃないですか」
唯「おい!」
憂「お姉ちゃん軽音部に入るの?」
314 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 19:13:00.86 ID:NvI4L5WqO
唯「あ…うん…今メンバーは四人いる」
憂「そうなんだぁ!」
梓「私を入れて五人ね」
もう怒った。
梓ちゃんにギター弾かせて多分…って言うか絶対下手くそだと思うからボロクソ文句を言ってやる。
唯「憂ギター持って来て!」
憂「わかったぁ~」
315 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 19:16:24.58 ID:NvI4L5WqO
憂「はいお姉ちゃん」
唯「ありがとう!梓ちゃんそんなに自信あるなら弾いてみてよ!」
梓「いいですよいいですよ」
唯「よーし…じゃあ弾いて」
梓「はーい」
316 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 19:20:30.52 ID:NvI4L5WqO
・・・・・・・・
梓「はい終わりましたー!」
う、上手い…これは予想外だ凄く上手い。
どうしよう…本当にギター教わろうかな…仕方ないよね、悔しいけど教えて貰おう。
憂「梓ちゃん上手ー!」
唯「わ、私にギター教えてよ」
梓「やっとその気になりましたねー」
317 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 19:25:39.65 ID:NvI4L5WqO
梓「でも一つ提案があります」
唯「なに?」
梓「私を軽音部に入れて下さいね」
唯「………わかった、いいよ」
梓「やったー!」
憂「よかったね梓ちゃん!」
これで五人目か…向こうの私のバンドと同じ人数しかも同じメンバー。
321 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 19:52:23.10 ID:NvI4L5WqO
唯「今日は疲れたし風呂入って寝ようかな」
梓「一緒に入りましょーよ」
唯「はぁ?」
梓「だから一緒に入りましょーよ」
唯「お断りします」
梓「チッ……」
うわぁ…舌打ちしたよこの子。
悪い子じゃないと思うんだけどね。
憂「梓ちゃん私と入ろうよ」
梓「うん!いいよ」
325 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 19:57:52.89 ID:NvI4L5WqO
・・・・・・・
唯「風呂終わったから次は二人が入ってきなよ」
梓「はーい」
憂「わかったぁ~」
しかし…友達二人でお風呂入るだなんて…考えられないな。
私も幼稚園以来、憂と一緒にお風呂入ってないな。
まぁ…これから入る事も無いと思うけど…体の成長は服の上からでも分かるしね。
326 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 20:00:58.12 ID:NvI4L5WqO
二人が風呂上がる前に寝ようかな。
その前に鏡で私と少し話そう。
唯「まだ起きてる?」
唯『あ…私!今ギターの練習してたんだよ』
唯「そっか…あ、バンドやる事になったよ」
唯『わぁ!おめでとう!』
329 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 20:10:35.12 ID:NvI4L5WqO
唯「梓ちゃんも入ってそっちの世界と同じメンバーなんだ」
唯『うん!頑張ってね』
唯「うん…えーと、言いたい事があるんだけど」
唯『なーに?』
唯「や、やっぱり何でも無い」
唯『えー!気になるよ』
唯「ん……?」
何処からかガラスを釘で引っ掻いたような音が微かに聞こえた。
332 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 20:13:38.89 ID:NvI4L5WqO
唯『どうしたの?』
唯「いや…フレディが窓を引っ掻いてる音が聞こえたから」
唯『ふれでぃ?……あぁぁ!』
唯「うるさいな…いきなりどうしたの?」
唯『鏡に傷が…大事にしてたのに!』
本当だ…前に見た時とは別の傷が出来てる。
335 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 20:17:05.96 ID:NvI4L5WqO
唯『そっちの私の鏡にも傷が出来てるの?』
唯「うん出来てる」
唯『何なのかなぁ?』
唯「分かんない多分鞄に入れた時に出来たんじゃない?」
唯『そっか~そーだよね!』
337 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 20:19:28.11 ID:NvI4L5WqO
唯「じゃあ私は寝るから…あ!明日も学校に持って行くから急に喋りかけないでね」
唯『大丈夫だよ~わかってるって』
唯「じゃあおやすみ」
唯『うんおやすみ~』
341 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[お試し●があるので大丈夫です] 投稿日:2010/06/05(土) 20:24:50.55 ID:NvI4L5WqO
翌日、私は違和感を感じた。
ベッドの隣に誰かいる。
唯「うわぁっ!」
梓「うぅ………」
ちょっと待て待て…何で梓ちゃんが私のベッドで寝てるんだ。
唯「ちょっと!梓ちゃんちょっと!」
梓「うぅ…ふわぁ~」
343 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 20:33:19.39 ID:NvI4L5WqO
唯「ちょっと起きて」
梓「な、何ですかこんな朝早くに…」
唯「分かるでしょ!何で私のベッドで寝てるの?」
梓「憂のベッドは二人寝れないからですよー」
唯「せめて何か言ってよ!あーびっくりした」
344 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 20:37:23.21 ID:NvI4L5WqO
梓「ごめんなさい…私はまだ少し寝ますねー」
唯「はぁ…わかった、憂の弁当作らなきゃ…梓ちゃんはいらないよね?」
梓「パン買いますから大丈夫ですよーおやすみなさい」
何と言うマイペースな子なんだろう。
将来が不安だよ憂より不安だね。
347 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 20:44:22.34 ID:NvI4L5WqO
二人分の弁当を作り終えた私は朝のワイドショーを見る。
憂「お姉ちゃんおはよう…」
唯「あ…憂おはよう梓ちゃんは?」
憂「まだ寝てるよ~」
唯「そっかー梓ちゃん私のベッドで寝てたんだよ」
憂「ご、ごめん私のベッド小さいから…」
憂が来たらよかったのに。
348 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 20:47:20.22 ID:NvI4L5WqO
梓「おはよう……」
憂「おはよう梓ちゃん」
唯「おはよう…私達もうすぐ学校に行くから梓ちゃん制服に着替えて」
梓「もうですか?わかりました着替えて来まーす」
唯「うん…私達も着替えようか」
憂「うん!」
350 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 20:54:00.44 ID:NvI4L5WqO
何時ものように制服に着替えて鏡を鞄の中に入れる。
向こうの私がおはようと挨拶して来たけど無視して鞄の中に突っ込んだ。
唯「みんな着替え終わったみたいだね…行こっか」
梓「はーい!」
憂「うん!」
351 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 21:00:56.85 ID:NvI4L5WqO
梓「今日はいい天気だー私は脳天気だけど!」
唯「よくわかってるね」
梓「先輩ひどーい!」
憂「でも梓ちゃん面白いよ~」
梓「ありがとー」
唯「あ、あの後ろ姿…琴吹さんだ」
352 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 21:05:40.36 ID:NvI4L5WqO
唯「琴吹さん!」
紬「え…あ、平沢さん…おはよう」
唯「おはよう」
梓「誰ですかー綺麗な人ですねー」
唯「あー…彼女は琴吹紬さんだよ」
梓「よろしくでーす」
紬「よろしく……」
353 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 21:09:06.74 ID:NvI4L5WqO
梓「普段は何してるんですかー?」
紬「…………」
私より身長高いんだから後ろに隠れても意味無いと思うよ琴吹さん。
唯「あんまり質問しないとっとと歩く」
梓「はーい!」
憂「琴吹先輩おはようございます」
紬「せ、先輩……」
354 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 21:14:50.40 ID:NvI4L5WqO
唯「あ……琴吹さんこの子も一緒にやる事になったからバンド」
紬「うん…これで五人だね…」
梓「琴吹さんもやるのー!?何やるの?」
唯「ピアノだよ」
梓「私が思った通りだ!」
憂「お姉ちゃんがギターだよね?」
唯「う、うん」
355 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 21:18:43.86 ID:NvI4L5WqO
梓「私と平沢先輩がギターで琴吹さんがピアノ…ベースとドラムは誰ですか?」
唯「ベースは秋山さんドラムは田井中さんだよ」
梓「へー早くやりたいなぁ」
憂「私もお姉ちゃんが演奏してる姿見たい!」
唯「それは随分先になるかもね」
356 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 21:23:39.46 ID:NvI4L5WqO
紬「軽音部が出来なかったらどうするの…?」
唯「そん時はそん時また別に考えるよ」
紬「うん……」
唯「あ…それと梓ちゃんは昼休みの時間、私達の教室に来てよ」
梓「いいですよー昼休みですねー」
357 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 21:28:48.90 ID:NvI4L5WqO
梓「学校着きましたねーじゃあ私達は行きますからね」
憂「バイバイお姉ちゃん琴吹さん」
唯「うんバイバイ」
紬「バイバイ……」
唯「私達も行こっか」
紬「う、うん……」
359 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 21:35:32.75 ID:NvI4L5WqO
律「唯ちゃんとムギちゃんおはよー」
唯「唯ちゃん?」
紬「ムギちゃん…?」
律「うん!唯ちゃんとムギちゃん」
唯「そんな呼ばれ方された事無いからびっくりした…」
紬「私も……」
律「これからはこう呼ぶね私達友達だからね~」
そっか友達か……。
361 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 21:42:52.54 ID:NvI4L5WqO
唯「私達って友達なんだね…」
律「うんうん友達!」
紬「うん…どうかしたの?」
唯「いや…何でも無いよ…」
律「あ!あの鏡見せてー」
唯「今はダメだから」
律「ケチー」
363 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 21:51:29.99 ID:NvI4L5WqO
さわ子「おはよう!」
唯「あ…先生来たよ」
律「うん!」
さわ子「平沢!軽音部復活する事になったぞ」
唯「ほ、本当ですか?」
さわ子「私が顧問だ!よかったな」
紬「やった……」
律「これでバンドやれるね!」
嬉しかった…軽音部が復活すると聞いて私は凄く嬉しかった。
山中先生が顧問になる事はマイナスだけどね。
364 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 21:57:15.93 ID:NvI4L5WqO
昼休みになり私達は教室へ集まった。
梓「先輩!来ましたよ」
唯「うん、知ってる」
律「この人が梓ちゃん?」
梓「あ、ギターの中野梓でーすよろしくお願いします」
澪「あぁ…よろしく」
365 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 22:02:56.42 ID:NvI4L5WqO
梓「軽音部復活したんですよねー!」
唯「うん、これでみんなでバンドやれるね」
紬「うん……」
澪「頑張ろうなみんな」
唯『な、何これー!!』
梓「あれ?何か聞こえましたよ」
367 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 22:09:12.21 ID:NvI4L5WqO
勝手に話しかけたらダメって言ってるのに…。
梓「何か聞こえませんでした?」
律「あのねー鏡が喋るんだよ」
梓「白雪姫なら見た事ありますよー」
まぁ…梓ちゃんには隠す程の事でも無いような気がするし…見せてやろうかな。
唯『みんな!ちょっとこれ見てよー!』
368 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 22:16:37.64 ID:NvI4L5WqO
唯「梓ちゃんちょっと今からある物を見せるから驚か無いでね」
梓「どんとこいでーす!」
澪「見せるのか…?」
唯「うん…軽音部のメンバーだけの秘密だから誰にも喋ったらダメだよ」
梓「はーい!」
私達以外、教室に誰もいない事を確認すると私は鞄の中から鏡を………何これ。
唯「ちょっとみんな…鏡がヤバイ事になってるよ!」
372 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 22:22:57.28 ID:NvI4L5WqO
紬「鏡がどうしたの?」
唯『みんな鏡が……』
唯「ヒビが入ってる…」
上から下へ大きなヒビ。
向こうの私の顔は真っ二つに割れていた。
澪「と、とりあえず見せてみろ」
唯「ほ、ほら…」
紬「……………」
377 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 22:28:48.88 ID:NvI4L5WqO
唯「どーいう事?」
唯『わ、私…鏡が鏡が……』
唯「そっちも割れてるんだ…」
唯『うん…』
梓「何ですかこの鏡…何で勝手に喋ってるんですか?」
唯「今それはどーでもいいよ…」
378 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 22:36:47.68 ID:NvI4L5WqO
紬「セロハンテープ…」
唯「無理無理くっつかないって」
澪『どうかしたのか?』
唯『澪ちゃん鏡が…』
律『本当だ…ヒビ入ってる…』
澪「どうする?」
唯「どーしようも出来無いでしょ…」
梓「え?え?…秋山さんに田井中さん…え?何ですかコレ怖いんですけど…」
384 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 22:42:19.88 ID:NvI4L5WqO
紬『唯ちゃん…コレ』
ヤバイまた…大きなヒビが入った。
私は何もしていないのに…。
律「ど、どんどん…酷くなってくよ!」
唯「どうしよう…どうしよう……」
梓『唯先輩…鏡にまた一つヒビが…』
梓「あれ?私?ちょっとコレ意味わかんない…鏡が私が喋った…」
385 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 22:49:02.30 ID:NvI4L5WqO
唯『割れちゃうのかなぁ…?』
律『わからない……』
梓「何で鏡の中の私が喋ったんですか?怖いなぁ…コレ怖い」
梓『わ、私だ…』
梓「話しかけて来たよ……なんで?」
唯「ごめん梓ちゃんちょっと黙ってて」
388 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 22:55:01.56 ID:NvI4L5WqO
また大きなヒビが入った…。
不吉だ…鏡に入ったヒビは4と言う数字に似ている。
紬『ま、また……』
唯『何だか怖いよ…』
律「4だってー怖いねー」
澪「これは、もう直せないかもな…」
唯「このまま…粉々に割れちゃうんだよ…きっと」
根拠は無い…だけど本当に割れる気がする。
もう…鏡が割れてそっちの世界のみんなとは話せないそんな気がする。
392 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 23:03:12.08 ID:NvI4L5WqO
唯「………………」
唯『うぅ…早く鏡会社に電話しなきゃ…』
澪『鏡会社って何だよ……』
唯『鏡を作ってる会社なら直せるかも…』
唯「………手遅れだよ…もう直せない」
律『あぁ…私も思う…それに鏡が割れて…もう話す事が出来なくなるんじゃないか?』
律「そんなの嫌だ…嫌だよぉ!もっと私とお話ししたいよぉ」
394 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 23:16:06.58 ID:NvI4L5WqO
私も私ともっと沢山、話したい。
それは、一人を除いてみんな同じ事を思っているだろう。
鏡が割れる…私達にはこれはもう直せない気がする。
絶対に…直せない。
この鏡は諦めよう…もうじき粉々に割れて向こうの私とも二度話せない。
だから最後に私はみんなにある事を提案した…。
395 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 23:20:46.10 ID:NvI4L5WqO
唯「みんなもうこの鏡はダメだから…最後に話さない?」
紬「何を話すの…?」
唯「だからさ…向こうの世界とこっちの世界の同じ自分で最後に話すんだよ…伝えたい事を」
律「うん…………」
唯『私は賛成だよ』
澪「いや…みんな賛成だと思うよ」
梓「…………え?」
396 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 23:23:49.47 ID:NvI4L5WqO
唯「最初は誰にする?」
律「はい!はい!」
唯『じゃあ、りっちゃんからだね』
律『そ、そうか…緊張するな』
律「私は緊張してないよー」
唯「じゃあ話して来ていいよ」
律「うん!」
399 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 23:27:25.75 ID:NvI4L5WqO
律「ねーねードラムが上手くならないんだけど!」
律『いいのか?最後に話す会話がドラムの話しで』
律「ううん…ダメ」
律『あのさ…頑張れよ軽音部』
律「頑張る…私も頑張ってね…そっちの澪ちゃんもよろしくね」
律『あぁ……』
405 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[まじめじゃない梓です] 投稿日:2010/06/05(土) 23:35:17.54 ID:NvI4L5WqO
律「あのね…私、澪ちゃんに心配をかけてばかりかけてね…」
律『そ、そっか…私と一緒だな』
律「そーなんだ…私は澪ちゃんにいっつも守って貰ってばかりで…澪ちゃん迷惑かなぁ?」
律『ばーか…アイツがそんな事思うと思うか?少しだけしかお前らの事見て無いけど…それでも分かるお前達はいい友達だよ』
律「そーだよね……いい友達だよね…ありがとう」
406 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 23:38:21.02 ID:NvI4L5WqO
律「あ…ヒビが…」
律『うん…他のみんなも待ってるし行こうか』
律「うん……バイバイ」
律『あぁ…じゃあな頑張れよ』
律「ありがとう…」
409 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 23:41:49.67 ID:NvI4L5WqO
律「おかえり…」
律『みんなおかえり』
唯「次は秋山さんだよ」
澪『あぁ……』
澪「じゃあ行ってくるな…」
唯「………うん」
410 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 23:44:16.17 ID:NvI4L5WqO
澪『…………えっと』
澪「バンドする事になったんだ私」
澪『そうなんだ…頑張って下さいね』
澪「うん…あのさ、律の事…何だけど」
澪『律の事?』
412 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 23:51:09.07 ID:NvI4L5WqO
澪「アイツ…私の事迷惑って思ってる感じがするんだ」
澪『え……律が?』
澪「ずっと私は律に着いて回ってるし…守ってあげたくなる性格してるし」
澪『律はそんな事思って無いと思う…だってアナタといる律はとっても楽しそうだから』
澪「………ありがとう」
413 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 23:54:49.78 ID:NvI4L5WqO
澪「また…ヒビが……さっきよりも増えてないか?」
澪『本当だ……じゃあそろそろ、みんなの所に行こっか…』
澪「あ、あぁ…さようなら私」
澪『うん…さようなら』
414 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 23:57:20.22 ID:NvI4L5WqO
澪「終わったよ…確か次は中野だったよな」
梓「あ、……はい」
梓『じゃあ行って来ますね』
唯『あずにゃん行ってらっしゃい…』
梓『はい…』
梓「えーと…どうしよう…」
417 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 00:02:31.53 ID:1ZMs75EIO [1/60]
梓『あのー…』
梓「え!な、何?」
梓『そっちの世界では何をやってるの?』
梓「えーと…憂や純と遊んでるよ」
梓『よかった…そっちの世界でも二人と友達なんだね』
梓「当たり前じゃん私を誰だと思ってるの?ってかそっちの世界って何?」
420 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 00:05:16.84 ID:1ZMs75EIO [2/60]
梓「何で鏡の私が喋ってるの?」
梓『え?まだ聞いてないの?』
梓「うんうん聞いてない」
梓『そっか…憂や純と仲良くしてね!』
梓「分かってるって…それで何で鏡が喋ってるの?」
422 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 00:09:14.09 ID:1ZMs75EIO [3/60]
梓『またヒビが…』
梓「うわ…私何もしてないよ?」
梓『じゃあ…戻ろうか』
梓「先輩の所に?鏡が喋った事は教えてくれないの?誰が1番綺麗かも教えてくれないの?」
梓『は、早く戻ろうよ』
梓「チッ…わかった…」
424 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 00:14:22.75 ID:1ZMs75EIO [4/60]
梓『戻って来ましたよ』
唯『う、うん…次はムギちゃんだよね』
紬『えぇ……』
紬「………………」
唯「琴吹さん行かないの?」
紬「行くよ……」
紬『早く行きましょうヒビが酷くなってるわ』
紬「……うん」
426 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 00:20:02.88 ID:1ZMs75EIO [5/60]
紬「………………」
紬『黙っててもいいから私の話しを聞いてね』
紬「………………」
紬『あのね…私はアナタの事を何でも出来る人だと思ってるわ』
紬「…………………」
427 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 00:25:26.38 ID:1ZMs75EIO [6/60]
紬「私は何も出来ないよ……」
紬『出来るわ…何をするにしても最初はみんな自信が無いものよ…』
紬「バンドの事も誘われた事は嬉しかったんだけど…今は自信が無いよ……みんなに迷惑かけそうな気がするよ……」
紬『迷惑かけていいじゃない…アナタが迷惑かけても誰もアナタを咎めたりしないわ次頑張ろうよ…きっとそう言ってくれるわ』
429 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 00:35:08.70 ID:1ZMs75EIO [7/60]
紬「私…頑張るよ……」
紬『うん…頑張ってみて私が言った事はほんの慰めしかならないと思ってたけど…その言葉を聞けて嬉しいわ』
紬「ありがと……」
紬『私の方こそありがとう』
紬「…………」
紬『ヒビが酷くなって来たわね』
431 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 00:40:07.47 ID:1ZMs75EIO [8/60]
紬『唯ちゃん…』
唯『うん!』
紬「……………」
唯「次は私か……」
紬「ありがと……私達を先にしてくれて」
唯「ち…違うよ私はただ…」
唯『早く行こうよ鏡が粉々になっちゃうよ』
唯「う、うん……」
432 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 00:45:27.05 ID:1ZMs75EIO [9/60]
唯「えと……」
唯『よかったねバンド組めて!』
唯「う、うん…あのさ」
唯『なぁに?』
唯「あの…………」
唯『早く言わないと鏡割れちゃうよ!』
439 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 00:48:53.08 ID:1ZMs75EIO [10/60]
唯「バンドって楽しい?」
違う私が言いたい事はそれじゃない。
唯『うん!楽しいよ』
唯「そーなんだ……」
鏡のヒビが酷くなって行く。
もう向こうの私の顔なんか見えないぐらいに…。
440 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 00:53:25.20 ID:1ZMs75EIO [11/60]
私は…私は……。
唯「…………私は最初友達なんかいらないって思ってた」
唯『うん…………』
唯「だけど………」
唯『だけど…?』
唯「アナタがバンドを進めてくれたから…あの映像を見せてくれたから…今みんなと一緒にいる」
442 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 00:59:45.42 ID:1ZMs75EIO [12/60]
鏡の破片が床に落ちた。
唯「アナタが…この鏡が無かったら…私はあの人達とバンドをやる事は無かった」
唯『うん…寂しくなるね…』
鏡の破片がパラパラと落ちて行く。
床に落ちた破片は砕け散らばる。
いつの間にか私の頬には涙が流れていた。
唯『でも…寂しいよぉ……私ともう会えなくなるなんて…寂しいよ……』
443 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 01:06:03.59 ID:1ZMs75EIO [13/60]
唯「……私も嫌だ」
唯『ひっぐ…嫌だよぉ……私もっと…お喋りしたいよぉ…』
唯「泣かないで……」
涙が頬を伝い床に落ちた破片に落ちる。
唯『嫌だよ……』
唯「あのね……最後にアナタに言いたい事があるの……」
だけどそれはもう無理そうだ。
446 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 01:13:32.77 ID:1ZMs75EIO [14/60]
最後に残っていた鏡の破片が砕けた。
もう…向こうの私の声は聞こえない…私は結局言えなかった。
私はその場に座り込み制服で涙を拭う。
私は結局言えなかった。
ありがとうとさようならを言えなかった。
馬鹿だ…私は馬鹿だ。
唯「うぅ…嫌だよ…まだ、まだ言って無い事があったのに…」
449 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 01:27:53.73 ID:1ZMs75EIO [15/60]
記憶を辿る。
向こうの私との会話を…私は記憶を辿る。
彼女はいつも笑いとっても楽しそう。
彼女は私にバンドを進めてくれた。
彼女のおかげで友達が出来た。
1番大きな破片を広い上げる。
破片には私が小さく写っている。
唯「ありがとう…そしてさようなら」
聞こえるはずが無いのを分かって私は言った。
唯『私もありがとう…さようなら』
鏡の…破片が砕けた。
よかった聞こえてたんだね……。
451 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 01:32:27.97 ID:1ZMs75EIO [16/60]
一ヶ月後。
唯「お疲れ様でした~」
バイトが終わり夜の11時間。
家に帰る道を照らすには月明かりじゃ頼りにならない、だけど綺麗な月明かりだ街灯の光が無ければいいのもっと綺麗なんだろうな。
でも…何をするにも足を動かすという作業はやっぱり面倒だ。
454 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 01:35:51.32 ID:1ZMs75EIO [17/60]
夜道をただひたすらに歩く。
そして、考える今日の事を…。
楽しい一日。
友達と話し部活もやって。
青春を満喫してる…そんな事口に出すのも恥ずかしいけどね。
学校は勉強さえ出来れば物足りてる、だけど友達と話したりするのも楽しい。
456 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 01:39:30.37 ID:1ZMs75EIO [18/60]
朝起きて学校に行って友達と話しバイトで金を稼ぐ。
友達何ていたって損をするだけだけど私はそれでもいい。
スムーズに生きたいんだけど人生は少しぐらい凹凸があった方が楽しいよね。
459 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 01:45:03.99 ID:1ZMs75EIO [19/60]
唯「おかえり…」
憂「あ…お姉ちゃん!お仕事お疲れ様」
食卓には料理が並んでいる。
これ全然憂が作ったんだ…。
唯「美味しそうだね」
憂「うん!頑張ったんだぁ…」
唯「偉い偉い」
460 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 01:53:00.51 ID:1ZMs75EIO [20/60]
琴吹さんは優しくて静かな人、私の1番の親友だ。
田井中さんはドジだけどみんなを和ませてくれる。
秋山さんは私達を率先して引っ張ってくれる。
梓ちゃんはうるさいけど最近あの子の面白さが分かって来た。
みんな私の大事な友達これからも付き合って行こうと思う。
私は憂の料理を口に運ぶ。
唯「美味しい……」
END
476 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 02:08:28.73 ID:1ZMs75EIO [21/60]
後日談【みんなの日常とその後】
音楽室で私達は話し合う。
唯「みんなって普段は何やってるの?」
紬「私は………」
唯「琴吹さんは知ってるからいいや」
紬「うん………」
梓「私は唯先輩にギターを教えてまーす」
唯「それは言わないでいいから」
477 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 02:12:09.94 ID:1ZMs75EIO [22/60]
澪「私はホラー映画みてる」
律「澪ちゃん好きだもんねー」
梓「ホラー映画って怖いから私はパスしてます」
唯「田井中さんは?」
律「寝てるよー」
478 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 02:16:56.62 ID:1ZMs75EIO [23/60]
梓「あ…ホラー映画と言えばこの前、唯先輩がバイトで無理して皿を沢山運んだんですよーそしたら」
律「そしたら?」
梓「転んで皿を沢山割ったんですよ!私は言ってやりましたよホラみろって」
唯「チッ……田井中さんって何でドラムを始めたの?」
482 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 02:22:37.79 ID:1ZMs75EIO [24/60]
律「私は簡単そうだったからかなぁー」
唯「えー…難しそうに見えるんだけど…」
律「うん実際やってみたら難しかったよーでも頑張ったんだ!」
梓「でも田井中先輩のドラムは遅れ気味ですよね」
律「ごめんねー」
484 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 02:25:42.23 ID:1ZMs75EIO [25/60]
唯「秋山さんは?」
澪「私はベースが好きなんだあの音が」
梓「ブォンブォン」
紬「ベースのマネ…?」
梓「はいそーです!」
唯「えーと…何であの音が好きなの?」
487 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 02:30:29.18 ID:1ZMs75EIO [26/60]
澪「重低音って何だか強そうだからかな」
律「わかるー!」
唯「わからない全然わからない」
紬「じゅうていおん………」
梓「あ、私がギターを始めた理由は…」
唯「聞いて無いよ」
488 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 02:33:34.41 ID:1ZMs75EIO [27/60]
梓「えー喋りたい!」
唯「仕方がないなぁ…」
梓「私は一目惚れしたんです……」
澪「ギターを弾いてる男をか?」
梓「違いますよーこのムスタングにですよ」
紬「カッコイイもんね……」
490 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 02:38:00.67 ID:1ZMs75EIO [28/60]
律「ムギちゃんは?」
紬「私は家にピアノがあったから何と無くだよ…」
唯「私も家にギターがあったから何と無くかな」
梓「誰も聞いてないですよー」
唯「今、琴吹さんが私に聞こうとしてたから」
紬「うん………」
494 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 02:42:25.46 ID:1ZMs75EIO [29/60]
唯「そう言えば琴吹さんびっくりしたよ」
紬「え………?」
唯「イジメられた人に文句を言った事だよ」
澪「あぁ…あれか」
律「えー何て言ったの?」
唯「私の前から消え失せろって言ったんだって」
紬「ち、違うよ………」
496 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 02:46:13.28 ID:1ZMs75EIO [30/60]
澪「私に何か不満があるなら直すからこれからは友達でいよう…って言ったんだよな」
唯「うんうん…優しいよね」
律「琴吹さん凄いー!」
紬「……………」
梓「赤くなってる!赤くなってる!」
499 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 02:50:47.24 ID:1ZMs75EIO [31/60]
唯「琴吹さんも成長してるんだね…私の妹も最近ね…」
梓「まーた憂の話題ですか?」
唯「私に手袋編んでくれたんだ…嬉しかったよ」
律「よかったねー」
梓「二回目ですよその話し…あ!てぶくろって反対から言って見て下さい」
501 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 02:53:07.99 ID:1ZMs75EIO [32/60]
紬「ろくぶて………」
梓「叩けない…私は叩けない……」
和「あの…軽音部に入りたいんだけどー」
梓「あ…真鍋さん!」
唯「ど、どーして?」
503 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 02:55:54.22 ID:1ZMs75EIO [33/60]
和「ほら…何だか楽しそうじゃない?」
律「いいよ入ってー」
唯「待って…部長の私が決める」
和「いい?」
唯「でも…楽器は何やるの?」
和「私はマネージャーとして入りたいの」
505 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 03:02:51.24 ID:1ZMs75EIO [34/60]
唯「マネージャーとして何やるの?」
和「みんなの衣装とかを作って…そうね梓ちゃんや琴吹さんに着せたいわ」
梓「可愛い衣装を着て良いショウをしようって事ですね」
唯「真鍋さんは健全な女子高生だねー」
507 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 03:06:49.20 ID:1ZMs75EIO [35/60]
澪「どうするんだ?」
唯「まぁ…いっか」
和「本当?ありがとう」
律「よろしくー」
紬「よろしく……」
和「じゃあ…早速家に帰って衣装を作らなきゃバイバイ」
509 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 03:10:35.77 ID:1ZMs75EIO [36/60]
澪「なんかおかしな人だったな」
唯「実際、おかしんだけどね」
梓「私、最初真鍋さんの名前を漢字で見た時、わちゃんだと思ってましたよ」
唯「うるせぇ……」
511 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 03:16:19.33 ID:1ZMs75EIO [37/60]
紬「今日は練習しなくていいの……?」
唯「うん、今日はいいや面倒臭いし」
律「えー練習しようよー!」
梓「唯先輩はギター下手だから訓練した方がいいですよ」
唯「梓ちゃんは滝に打たれた方がいいよ」
512 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 03:20:17.38 ID:1ZMs75EIO [38/60]
梓「そう言えばバンド名って何ですか?」
唯「向こうの世界は放課後ティータイムだから登校ティータイムはどうかな?」
梓「意味が分から無いです」
澪「放課後ティータイムでいいんじゃないか?」
紬「うん…………」
律「けってーだね!」
513 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 03:24:53.83 ID:1ZMs75EIO [39/60]
唯「そう言えば私歌詞を書いて来たんだ」
梓「へーお菓子でも食べなから見たいですね」
紬「見せて………」
唯「恥ずかしいけど……ほら」
律「ふわふわ時間?」
澪「変なタイトルだな」
514 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 03:30:28.16 ID:1ZMs75EIO [40/60]
梓「君を見てるといつもハートドキドキ?」
唯「向こうの世界のライブ映像を見た時にその曲を歌ってたから」
澪「全部覚えてのか?」
唯「いや…タイトルだけだよパクったのは、歌詞は頭に入ってなかったから」
律「可愛い歌詞だねー」
梓「本当に可愛い…あれ?蚊に刺されたのかな?体が何だか痒いよ」
515 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 03:35:41.49 ID:1ZMs75EIO [41/60]
紬「作曲は……?」
梓「私は無理です」
澪「それは自信が無い」
律「私もー!」
紬「じゃあ…私が頑張ってみる……」
唯「本当に?でも作曲できるの?」
紬「ううん、でもやってむる………」
唯「うん、頑張ってみて」
517 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 03:40:08.28 ID:1ZMs75EIO [42/60]
梓「じゃあ…今日はもう遅いし帰りましょうよ」
唯「たまにはいい提案するね一人で帰っていいよ」
梓「えーー!」
唯「私達はもう少し話してるから」
紬「うん………」
澪「じゃあな!」
律「バイバイー」
梓「わ、私もまだ話します!」
後日談 END
526 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 03:47:06.67 ID:1ZMs75EIO [43/60]
後日談2【憂と憂】
憂「お姉ちゃーん寝てるのかぁ…」
憂「この漫画の続き借りたかったんだけどなぁ…」
憂『もー!お姉ちゃん鏡置きっぱなしだよ』
憂『寝てるの?元の所に戻して置くからね』
憂「何か声が聞こえる……」
529 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 03:51:17.18 ID:1ZMs75EIO [44/60]
憂「お姉ちゃんのベッドの下からだ…よいしょ」
憂「鏡?」
憂『わ、私?』
憂「は、はい!」
憂『こんばんは…』
憂「はい!」
530 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 03:56:57.92 ID:1ZMs75EIO [45/60]
・・・・・・・・・
憂「不思議な事ってあるんだねー」
憂『うん、そうだね!私も最初びっくりしたよ』
憂「だねーあ…そっちの憂ちゃんのお姉ちゃんってどんな感じ?」
憂『お姉ちゃんはほのぼのとしてて可愛いよ』
憂「私のお姉ちゃんは可愛いだけじゃなくてカッコイイよ~」
532 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 04:00:58.18 ID:1ZMs75EIO [46/60]
憂『わ、私のお姉ちゃんも演奏してる時カッコイイよ!』
憂「それに優しいんだぁ~」
憂『私のお姉ちゃんも優しいよ!』
憂「毎日お弁当作ってくれるんだ~美味しいんだよ!」
憂『私のお姉ちゃんもケーキの上にイチゴ乗せるの上手なんだよ!』
535 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 04:04:28.87 ID:1ZMs75EIO [47/60]
憂『でも…そっちのお姉ちゃんは私にお弁当作ってるんだね』
憂「うん!私もお姉ちゃんに作ってあげたいんだけど不器用だから無理なんだ~」
憂『私が教えてあげるよ!』
憂「本当に?」
憂『うん!』
538 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 04:08:07.90 ID:1ZMs75EIO [48/60]
憂『じゃあ…明日の5時に起こすからね』
憂「う、うん…あ!お姉ちゃんの目覚まし時計を切らなきゃ!」
憂『どーして?』
憂「だって明日はゆっくり寝て貰いたいから…」
憂『そうだね!』
540 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 04:11:37.75 ID:1ZMs75EIO [49/60]
唯「………………」
憂「よいしょ……これで明日はぐっすり休んでね」
唯「うい…大好き……」
憂「え!?」
憂『大きな声出したらダメだよ!』
憂「う、うん…ただの寝言みたい」
542 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 04:14:20.62 ID:1ZMs75EIO [50/60]
憂『じゃあ明日の5時に起こすからね』
憂「うん…おやすみ」
憂『おやすみ!私も寝ようかな』
憂「うん、明日は早いよ!」
憂『そうだね、おやすみなさい』
549 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 04:19:25.12 ID:1ZMs75EIO [51/60]
憂『起きてー!5時だよ」
憂「う…おはよう…」
憂『じゃあ…早速作ろうか!』
憂「うん……………」
憂『寝ないでよ!早く起きて』
憂「わかったぁ~…よいしょ」
550 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 04:20:43.32 ID:1ZMs75EIO [52/60]
すみません後日談じゃないです
鏡が割れる前の話しです
551 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 04:23:07.04 ID:1ZMs75EIO [53/60]
憂『うん…えーとまずはウインナー焼こっか!』
憂「タコさんにしたい!」
憂『うん、わかったタコさんにする為の切り方は………』
憂「こうかな?」
憂『うん、上手!』
554 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 04:26:24.30 ID:1ZMs75EIO [54/60]
憂『卵焼きは油をよく引いて焼くんだよ』
憂「う、うん…これってひっくり返すの?」
憂『うん…えーと…出来る?』
憂「やってみる……ほいっ!」
憂『綺麗に出来たねー』
憂「うん!やった!」
556 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 04:30:04.85 ID:1ZMs75EIO [55/60]
・・・・・・・・
憂「出来たー!」
憂『まだたよー最後はご飯にふりかけをかけて』
憂「うん…のりたまでいいかな?」
憂『お姉ちゃんが好きなふりかけをかけたらいいよ!』
憂「じゃあ、のりたまだね~」
559 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 04:32:19.59 ID:1ZMs75EIO [56/60]
憂「これで完成!」
憂『おめでとー!』
憂「じゃあお姉ちゃん起こさなきゃ!」
憂『あ…この事は二人だけの内緒だからね!』
憂「うん!」
561 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 04:37:24.89 ID:1ZMs75EIO [57/60]
憂「鏡をベッドの下に戻して…あ!バイバイ私、今日はありがとう」
憂『ううん!お姉ちゃんの為だもんバイバイ』
憂「うん!じゃあ鏡をベッドの下に戻して…」
憂「お姉ちゃん朝だよ起きて」
唯「ん………憂?」
憂「もう7時だよ」
唯「え!ご、ごめん目覚ましは…セットし忘れてる…」
憂「えへへ~今日は私の方が早起きだね」
563 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 04:39:35.27 ID:1ZMs75EIO [58/60]
唯「ごめん弁当作れなかった…」
憂「えへへ~じゃーん!」
唯「え?……まさか」
憂「うん!…お姉ちゃんのお弁当だよ作るのに2時間掛かっちゃった!」
唯「憂……うぅ……」
スピンオフ【憂と憂】
END
568 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 04:44:03.53 ID:1ZMs75EIO [59/60]
読んでくれた人支援してくれた人保守をしてくれた人ありがとうございます
書き溜めしてなかったのでかなり遅くなりました
何か分からない所があれば質問して下さい
572 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/06(日) 04:51:52.05 ID:sVZ/YATmO [1/2]
面白かった、マジ乙でした
すげぇアホな質問かもしれないけど
唯がバイトから帰ってきたりしたときに「おかえり」って言うのは仕様?
あと>>409の律も鏡渡すときに「おかえり」って言ってるけど
口癖とかなのかな?原作そんなに知らないんで、スマソ
576 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/06(日) 04:57:11.23 ID:1ZMs75EIO [60/60]
>>572すみませんただの間違いです
157 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 13:37:11.45 ID:NvI4L5WqO
支援や保守ありがとうございます
唯「鏡の世界!」の作者では無いです
<<梓「ムギ先輩、下半身丸出しで何してるんですか」 | ホーム | 男「刀が女の子になっただと…」>>
コメント
コメントの投稿
トラックバック
| ホーム |