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バイト「店長、起きてください」

1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/03(木) 10:18:34.87 ID:BsdET4Z+0 [1/62]
バイト「店長、起きてください」ゆさゆさ
店長「……ダメだよ、バイトくん、それは食べられないよ……」
バイト(夢の中で俺は何を食べてるんだ?)
店長「すー……すー……」
バイト「……とりゃっ」ばさっ
  くるくる  すたっ
店長「……あれ?バイトくん……」
バイト「おはようございます、店長
    もうお店を開く時間です」

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/03(木) 10:21:40.73 ID:BsdET4Z+0
店長「……いただきます」
バイト「いただきます」
  カチャカチャ
バイト(すっかり朝食を作るのにも慣れたな……
    最初のうちは失敗ばかりしたもんだ)
店長「……ごちそう、さま」
バイト「あ、食器そのままでいいですよ
    俺がまとめて片付けときますから」
店長「……そう」カタン
店長「……おいしかった」
バイト「そういっていただけると、ありがたいです」

7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/03(木) 10:26:44.01 ID:BsdET4Z+0
バイト(しかし、慣れたとはいえ毎朝朝食作るのも大変だな……
    雇用条件の内の一つだし仕方ないっちゃ仕方ないが)じゃー
バイト「よし、終わった 次はっと……(店長はもう降りたか)」
   とん とん とん
店長「……じゃ、後はよろしく」
バイト「はい、了解しました」
   くるん 『CLOSE』→『OPEN』
店長「……」
バイト(いつもどおりレジでボーッとしてるだけだな……)
   カランカラン
店長「……いらっしゃい、ませ」

9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/03(木) 10:34:47.66 ID:BsdET4Z+0
ガシャガシャガシャ
兵士「薬草は、置いてあるか?」
バイト「あ、はい、薬草ならありますよ」
兵士「一番効果がいいやつを、一箱頼む」ガシャン
バイト「(確か倉庫に在庫が……)
    奥から取ってきますので、会計を先にお願いします」たたたっ
兵士「おい店長、いくらだ?」
店長「……(チラッ」
店長「……500G」
兵士「……む?ずいぶんと安い値だな
   その値段で間違いないのか?」
店長「……500G、です」
バイト「こちらですー」どすん
兵士「ふむ、実に良心的な値段の店だ」ちゃりんっ
店長「……毎度、あり」
兵士「では、また何かあったら来るぞ!ハッハッハッ!」ガシャガシャガシャ
バイト「……また適当に値段つけましたね?」
店長「……(ぺらり」
バイト(雑誌でごまかさないでくださいっ!
    ……なんていまさら言ってもな、毎回そんなもんだし)


11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/03(木) 10:38:15.26 ID:BsdET4Z+0
バイト(この店は、ひっきりなしに客が来るような事はなく
    ぽつぽつとしか客が来ない)
バイト「暇だなー」
店長「(ピチューンッ!)あっ……」
バイト「またなんか謎のゲーム機をどこからともなく……
    (あ、商品棚に置いた。飽きたんだな)」
店長「……品物補充」
バイト(気まぐれでやってるくせに何言ってんだか)

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/03(木) 10:42:58.90 ID:BsdET4Z+0
   ちりんちりん
店長「……いらっしゃい、ませ?」
悪魔「グハハハハ!この店を頂こうか!」
バイト「……!」すっ
店長「……高い、ですよ?」
悪魔「はぁ!?俺様は悪魔だぞ?金など払わんわ!」
店長「……(ハァ)お客様以外は、お帰り下さい……」
悪魔「なんだと!きさ、まっ!?」がしっ
バイト「はいはい、お引取りくださいねー」ずるずる
悪魔「き、きさまっ!魔界一の魔力の俺様をっ(ry」ぽいっ
   きさまらーっ  バタンッ
バイト「二度とくるなよー」
バイト(たまーに強盗の類が来るから困るんだよなぁ)

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/03(木) 10:50:27.16 ID:BsdET4Z+0
バイト(この店って、営業時間がないんだよなー
    毎回店長の気まぐれで始まって、気まぐれで終わって
    だから、店長が夜更かしの日とか無駄な残業とかあるし)
バイト(店長、最後まで「……早起き、ヤダ」とか渋ってたなぁ
    よく説得できたもんだ)
店長「……」とてとてとて
バイト(見た目はどう見ても小学生ぐらいなんだが……
    こんな店やってるぐらいだし、何かあるんだろぅ……)
店長「……(ゴクゴク」
バイト「ちょっと、店の品物っ!」
店長「……(ジーッ」
バイト「……どうぞ、はい」

16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/03(木) 10:54:08.03 ID:BsdET4Z+0
バイト(いっつもあんな感じの目で威圧するんだよなぁ
    まぁ、かわいいから許してしまうんだがな)
店長「……♪」
バイト(でも、せめて残業手当てぐらいは欲しいです、店長
    って、まぁ給料も気まぐれだしなんとも言えないか……)
  ちりりりーん
店長「……いらっしゃいませー」
バイト「あ、常連さんじゃないですか」
常連「バイトさん、こんばんわー」

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/03(木) 11:03:56.59 ID:BsdET4Z+0
バイト(この店は、色々な場所に建っている、と店長は言っていた
    近くの駄菓子屋とか、コンビニだったり
    森の奥深くとか、無人島なんかにもあったりする、らしい)
バイト(まぁ、あの店長のことだし冗談か分からんが、兵士とか魔法使い、かたや悪魔(強盗?)
    なんかも来るしな、嫌でも信じさせられた)
バイト(ちなみに、この常連さんは俺が元いた場所から来ている、はず)
常連「いつもの夕飯の買い物です。いつも頼んでるお弁当ありますか?」
バイト(売り上げが不安定なうちとしては、常連さんはありがたやありがたや)
バイト「はい、ありますよ。すぐ持ってきますねー」
常連「いつもすみませんねー」
バイト「いえいえ、こちらこそいつもありがとうございます」
店長「……今日は、300円」
常連「あれ?今日は安売りですか?
   ありがたく買わせていただきます」ちゃりん
    かららんかららん
バイト(なんか今日は機嫌がいいな……何もなきゃいいが)

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/03(木) 11:12:13.22 ID:BsdET4Z+0
店長「……」とことこ
  『OPEN』→『CLOSE』くるり
店長「……お疲れ様、でした」
バイト「ふぅー、お疲れさまでしたー」とすっ
バイト(時計は……どこの標準時だか知らんが夜7時
    今日はずいぶんと早いな……そうか)
店長「」ととととっ
バイト(月曜日は、店長の好きなアニメの日だったな)

24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/03(木) 11:35:22.82 ID:BsdET4Z+0
バイト(店長テレビに釘付けだな……さて、何を作るかな)
   『これは……っ!?青酸カリ!?』
バイト「今日の夕飯、何にします?」
店長「……」じーっ
バイト(こりゃ聞こえてないな……そんなに面白いのか?あれ
    見たところ探偵物みたいだけど)
   『いっけぇぇぇぇぇ!』バシュゥゥゥ!
店長「……」ハラハラ
バイト(アニメ終わっても夕食がないと『お腹……すいた』
    とか言い出すくせに、見だすとこれだもんなぁ
    流石に前回みたいな減給だけは避けたいところだな)
   『真実は、いつも一つっ!』
バイト(っと、急がないとな)ジュー

25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/03(木) 11:44:27.13 ID:BsdET4Z+0
店長「……いただき、ます」
バイト「はい、いただきます」
  カチャカチャン
バイト(こういうときは、オムライスを作っておけば外れは無い!)
店長「……(モグモグ」ほわーっ
バイト(……やっぱり、どう見ても子供だよな、店長
    オムライスとかハンバーグとか、食後のケーキとか大喜びだし
    でも、はっきりとは年齢分かってないんだよな、これが)
店長「……(ゴクゴク」
バイト(前に一回、年齢聞いたことあったな、そういえば
    …………まあ、二度と聞くことはないだろうしどうでもいいか)

27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/03(木) 11:49:19.03 ID:BsdET4Z+0
店長「……おいしかった」コト
バイト「ごちそうさまでしたー」
店長「……ふわぁ」のびーっ
バイト「さて、さっさと片付けてしまうか」
店長「……お風呂」とてとて
バイト「はい、いってらっしゃーい(ジャブジャブ)
    帳簿も付けときますから、ゆっくりどうぞー」
   ザーッ ザーッ

30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/03(木) 11:57:42.72 ID:BsdET4Z+0
  ガララッ
バイト「……店長、お風呂から上がるときはちゃんと服着てください
    何度も言って(ry」
店長「……着替えが、なかった」
バイト「え?(しまった、夕飯の支度で頭がいっぱいだったか……)
バイト「えーと、店長の寝間着は……」
   ゴウン ゴウン
店長「……」
バイト「……すみません」
店長「……えー
   ……ま、いいいや」とてとて
バイト「あ、店長?そんな格好でいたら風邪引いちゃいますよ?」
店長「……バイトくんの服、おっきい」ぶかぶか
バイト(こ、これはっ!男のロマン、シャツ一枚ではないかっ!)

31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/03(木) 12:04:52.86 ID:BsdET4Z+0
店長「……おやすみ」ちょこちょこ
バイト「あ、ああ、はい、おやすみなさい」
バイト(もう少し眺めていたかった、なーんて何変なこと考えてんだか
    ……俺も風呂に入ろうっと)
   ザパーン
バイト「ふぅー……明日の朝食は何にするかなー……
    店長好き嫌いが多いからな、気をつけないと……」
バイト(ピーマンとかにんじんが嫌いって、やっぱり子供なんじゃないのか?
    ……どうでもいいか)
バイト「……さて、今日はもう寝るか。明日も早いしな」


41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/03(木) 15:30:19.99 ID:BsdET4Z+0
バイト「店長、起きてください」ゆさゆさ
店長「……バイトくん、少し……頭冷やそうか……?」
バイト(夢の中で店長は一体どんな悪魔になってるんだ?)
店長「すやすや……」
バイト「……そりゃっ」ばさっ
   ふわーっ  すたっ  ビシッ!
店長「……あれ?バイトくん……」
バイト「おはようございます、店長
    指を指してる場合じゃないです
    今日もお店を開く時間ですよ」

43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/03(木) 15:36:31.88 ID:BsdET4Z+0
店長「……いただきます」
バイト「いただきます」
?「イタダキマス」
  カチャカチャカチャカチャカチャカチャ
バイト「……」
店長「……(モグモグ」
?「……モグモグ」
バイト「……いや、馴染むな、馴染むな」
?「……エ?」
店長「……え?」
バイト「いや、そんなよくわかんないですって顔されても……」
バイト「誰なんだよ、君は……」

44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/03(木) 15:39:21.88 ID:BsdET4Z+0
?「エ、エット……ワ、ワタシハ……」おろおろ
店長「……猫です」
?「エ?エ?ア、ハイ。ワタシハネコデスニャー」
バイト「なんだ、猫だったのか。それなら仕方ない」
店長「……仕方ない」
?「シカタナイデスニャー」
バイト「……」
店長「……」
?「スイマセンデシタ……」

45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/03(木) 15:51:48.83 ID:BsdET4Z+0
バイト「で、結局君は何なんだ?」
?「エエト……ソノ……」
店長「……バイト」
バイト「え?」
店長「……バイト希望」
?「……」
バイト「(バイト希望……?今募集なんてしてたっけ?)
    ……そう、でしたか。それならそうと最初に言ってくださいよ
    別に怒りはしないんですから……」
バイト「今度からはちゃんと一言言ってくださいよ?
    料理は人数分作らないといけないんですから」
店長「……分かった」
?「……アリガトウ、ゴザイマス」
バイト(白い肌に青い髪、か。かなり不自然な白さだな)
バイト「君、名前は?いつまでも君って呼ぶわけにもいかないし」

46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/03(木) 16:00:13.79 ID:BsdET4Z+0
?「エト、『アオ』と読んでください」
バイト「アオ、か……」
バイト「どこから来たの?」
アオ「エート……」
バイト(さっきからえーとばっかだな……しゃべるの苦手か?)
店長「……バイトくん」
バイト「はい?」
店長「……お店、開く時間。早く」
バイト「……もうこんな時間でしたか」
バイト(アオのことは気になるが、店長の判断だし
    俺に何か言う権利もない、か)
バイト「分かりました、すぐに行きます」とんとんとん

アオ「……ダイジョウブナンデスカ?」
店長「……まぁ、バイトくんなら……多分、大丈夫」


47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/03(木) 16:13:51.12 ID:BsdET4Z+0
アオ「ンショ、ンショ」よろよろ
バイト「無理しなくていいんだぞ?」
アオ「イ、イエ……バイトサンハヤスンデテクダサイ」
バイト「仕事に慣れるためって言っても無理はするなよ?」
アオ「ハ、ハイ……」よたよた
バイト(暇ってのもなかなか辛いな……)
店長「……(ペラッ」
バイト(また見たこと無い本だな……
    表紙の文字はなんだ?これまた見たことも無い字だ)
バイト(あ、棚に並べて別の本を取ってきた
    また見たこと無い字が書いてある)
バイト(俺でも読める本は無いかな……?)
    『はたらくくるま』
バイト(……皮肉かよ)

48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/03(木) 16:28:20.50 ID:BsdET4Z+0
ちりちりりん
アオ「イラッシャイマ……」
 ダダダダダダッダダダダ!
筋肉男「#$%&'()%'(%()(」
バイト(な、なんだこいつ?何言ってんだ!?」
店長「……バイトくん、三日月石を在庫あるだけお願い」
バイト「え?あ、はい」タタッ
筋肉男「()'%"(#%*」
店長「……(コクコク」
バイト「これでいいですか?」ドスンッ
筋肉男「)&'$)'(#$!」ガシッ
   じゃらららん  ちりりーん
バイト「ちょっと、明らかに料金多いじゃないですか」
店長「……急いでた、らしい」
バイト「あの言葉、どこの言葉ですか?
    店長から教わった言葉にあんなの無かったですよね?」
店長「……滅多に、来ないから」
バイト(ほんと、店長の素性がさらに分からなくなる……)
アオ「……アワアワ」


49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/03(木) 16:41:15.90 ID:BsdET4Z+0
バイト(あの筋肉男から今日は客が来ないな……
    まぁ、あんだけ貰えば誰も来なくても収益は黒字ぶっちぎりだが)
店長「……お昼」バリッ
バイト「もう、商品漁るのデフォなんですね」
店長「……モグモグ」
バイト「さて、俺も食べるかな」
バイト「客が少なかったら、廃棄も充実してるな……」
バイト「おーい、アオ」
アオ「ハ、ハイ?」
バイト「好き嫌いとか、ある?」
アオ「イ、イエ……タベレルモノナラ」
バイト(前はどんな生活してたんだ……?)
店長「……(じーっ」

50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/03(木) 17:15:58.66 ID:BsdET4Z+0
アオ「オツヨイ、デスネ」カチャカチャ
店長「……♪」カチャカチャカチャカチャカチャ
バイト「何を店の商品で遊んでるんですか……(100コンボ……)」
店長「……どうせ、売れないし……
バイト「いや、店長として今の発言どうなんですか?」
アオ「バイトサン、ヤリマスカ?」すっ
バイト「……乗り気じゃないけど、やります」すっ クワッ!
店長「……っ!」バッ
   カチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャ  カチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャ 
   カチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャ  カチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャ
アオ(ノリキジャナカッタンジャ……?テノウゴキガミエマセンヨ、フタリトモ)


51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/03(木) 17:27:20.78 ID:BsdET4Z+0
 ちりんちりちりん
アオ「ア、イラッシャイマセー」
  カチャカチャ      カチャカチャ
        カチャカチャ   カチャカチャ
客「すいません、お鍋売ってますか?」
アオ「オナベ、デスネ……バイトさん?オナベドコデスカ?」
バイト「……どっかカウンターの辺り」カチャカチャカチャ
アオ「エ?ア、ハイ……(コノヘンカナ……?ア、アッタ)」
アオ「コチラデヨロシイデスカ?」
客「あ、はい。おいくらですか?」
アオ「ア、スイマセン。オナベッテイクラデスカ?」
店長「……お金、いい」カチャカチャカチャ
アオ「エ?ア、ハイ……(オミセ、ダヨネココ……?)」
客「え?ただなの?じゃぁ貰っていきますねー」
アオ「ハイ、マタイラシテクダサイ」
客「はいー、ありがとうございましたー」
  ちりりーん
アオ(ダイジョウブ、ナノカナコレデ……)

54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/03(木) 17:43:58.43 ID:BsdET4Z+0
 テレーレー 『2P WIN!!』
バイト「よっし!勝ったぁ!」
店長「……(ワナワナ」すくっ
バイト「……あ、あの?店長、さん……?」
店長「……」タタタタタッ
バイト「……あちゃー、またやっちゃたよ……
    ゲームになるとつい熱中して勝っちゃうんだよなぁ」
アオ「アレ?バイトサンダケデスカ?」よたよた
バイト「あー、そのダンボールは俺が出しとくから
    今日はもう休んでいいよ」
アオ「エ?ハヤクナイデスカ?」
バイト「まぁ、ここは決まった時間が無いからね
    後は俺がしとくから」
アオ「ハ、ハイ……デハオコトバニアマエテ」
バイト(はぁ、今日は下で寝るのか……)


55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/03(木) 17:49:31.65 ID:BsdET4Z+0
   パカッ
店長「……ご飯が、ない」
   バサッ
店長「……帳簿、付けなきゃ」
店長「……お風呂も、沸かさなきゃ」
店長「……」
店長「アオ」
アオ「ハイ?」
店長「……料理、出来る?」
アオ「……イイエ」
店長「……だよね」
店長「……帳簿、付けれる?」
アオ「……ムリデス」
店長「……(ハァ」
アオ「ナニガアッタノカシリマセンガ、ナカナオリシテハ……?」
店長「……やだ」
アオ「……ムゥ」

56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/03(木) 17:57:37.97 ID:BsdET4Z+0
バイト「あー、腹減ったなー。もう8時か……」ゴロン
バイト「ゲームは一人じゃつまらんし、本は何書いてんだかわかりゃしない」
バイト「品出しも掃除も終わったし、やることないな」
    グー
バイト「廃棄の商品……は店長の許可なしじゃなぁ」
バイト「……暇だ」
バイト(店長怒らしたの久しぶりだな、そういや
    最初怒らしたのは、初対面の時だったな)
バイト『……えーと、店長さんにお会いできますか?』
バイト「あんときは、いきなり減給されるとは思わなかったよ……
    しかし、俺もなんでこんなとこで働いてんのかねぇ……」

59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/03(木) 18:11:51.02 ID:BsdET4Z+0
店長「……やめたい?」
バイト「店長っ!?」
店長「……」
バイト「……」
  すいっ
バイト「っ!(店長が隣に……」
店長「……」
バイト「……すいませんでした」
店長「……!」
バイト「許して、貰えませんか……?」
店長「……バカ」
   ぽかぽか
バイト「て、店長っ?」
店長「……先に言う、つもりだったのに」
バイト「……すいません」
店長「……いいよ、べ(グー」
バイト「……」
店長「……」
バイト「ご飯、食べましょうか」
店長「……うん」


アオ「オナカスキマシタネー……」ぽつーん



65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/03(木) 18:29:55.67 ID:BsdET4Z+0
バイト「さてと、夕飯準備しますんで、適当に待っててください」
店長「……ん」
アオ「ヤットデスカー……」
バイト「今日はアオが来た日だし、何か食べたいものあるか?」
アオ「エ?ワ、ワルイデスヨ、ワタシガエラブナンテ……」
店長「……いいよ、選んで」
バイト「うんうん、まぁあんまり無理なのは言わないでくれよ?」
アオ「エ、エト……デハ……メダマヤキデ」
店長「……」
バイト「……」


66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/03(木) 18:49:00.07 ID:BsdET4Z+0
バイト「ほんとにそれでいいのか?」
アオ「ハイッ!」
バイト(満面の微笑み……可愛いが、なんかちょっと可愛そうだ)
店長「……」ピッ
  『これは何位ですかねー?【68位】!エーッ!』
バイト「さて、卵卵っと」バタン
バイト「ん、ちょうど3個だな……店長、明日買出し行きましょう」
店長「……分かった」
  『ちょっとー、両方当たってないじゃないですかーっ!』
アオ「ア、バイトサン」
バイト「ん?何」ジュージュー
アオ「アトデ、ゴハンノタキカタトチョウボのカキカタ
   オシエテイタダケマセンカ?」
バイト「あ、あぁ。いいよ」ジュジュジュー
店長「……む」


67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/03(木) 19:03:45.83 ID:BsdET4Z+0
店長「……いただきます」
バイト「いただきます」
アオ「イタダキマス」
   カタカタリ
バイト(一人増えただけで、だいぶにぎやかになった気がするな)
店長「……(まふまふ」
アオ「ア、アチュ……」
バイト(……二人とも可愛いな、うん。って
    ち、違う俺はロリコンじゃないぞ、断じて)
店長「……ごちそうさま」
アオ「ゴチソウサマデス」
バイト「ん、ごちそうさまだ」
アオ「ショッキ、アライマスヨ」
バイト「ん?別に気を使わなくてもいいんだぞ?」
アオ「イエ、ゴガクノタメニモデス」
バイト「んー……じゃ、お願いしようかな?」
店長「……むむ」

71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/03(木) 20:57:27.31 ID:BsdET4Z+0
店長「……お風呂入ってくる」とことこ
バイト「あ、はい」
アオ「バイトサン、オワリマシタデスー」
バイト「ん、じゃぁ帳簿の付け方から教えようか」
アオ「ハ、ハイ。オネガイシマス」
店長「……むむむ」

   ザパーン
店長(……なんだろ、この感じ)
店長(……変な、感じ)プクプクプク
店長(…………)プクプクプクプク

バイト「で、ここをこうして……」
アオ「ア、ハイ。ナルホド、コウイウワケデスカ」
バイト「うん、物覚えがよくて助かるよ」
アオ「イエ、コノグライハデキナイト……」
バイト「……店長、遅いな」

73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/03(木) 21:04:31.94 ID:BsdET4Z+0
店長「……(ボーッ」
バイト「て、店長っ!?どうしたんですか、そんな真っ赤で!」
店長「……(ボーッ」ふらふら ドテッ
バイト「……っ!店長?店長!?」
アオ「ド、ドウシタンデスカ?」
   ぴとっ
店長「……ふぅ……ふぅ」
バイト「のぼせちゃったみたいです、長風呂で
    (前にも一度あった時、冷えピタを買っといて助かった……)」
アオ「ダイジョウブ、ナンデスカ?」
バイト「ん、たぶん大丈夫だとは思うけど……
    今日は終わりでいいかな?店長をベットに運ばないと」
アオ「……ハイ、ワカリマシタ」

75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/03(木) 21:08:55.07 ID:BsdET4Z+0
店長「……すぅ」
バイト「ふぅ、一応落ち着いたみたいだな」
バイト(店長、何か考え事でもしてたのかな?)
バイト「あ、そういえば
    アオって着る服持ってるのか?」
アオ「バイトサーン、アガリマシタヨー」
バイト「ん、はいはい今行くよ」

バイト「うん、9割予想通りだ」
アオ「?」フルフル
バイト「とりあえず、俺の服持ってくるから待っててね?」

76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/03(木) 21:28:06.92 ID:BsdET4Z+0
アオ「スコシサイズガオオキイヨウデスネ……」
バイト「服を持ってないなら、先に言ってくれ……
    予測どおりだったから焦らなかったけどさ」
アオ「モウシワケアリマセン……」
バイト「ん、まぁ。明日買出しいくついでにアオの服も買おうかね」
アオ「ホントウデスカ?アリガトウゴザイマス」
バイト(明日は大荷物を持って帰ってくることになりそうだな……)
バイト「あ、そうだ。雑談室(バイトの部屋)で寝ていいからね」
アオ「エ?バイトサンハドコデネルノデスカ?」
バイト「俺は、ここでいいよ。寝心地のいいマットがあるしね」
アオ「ワ、ワルイデスヨ……」
バイト「いや、まぁ俺のためだと思って」
アオ「……ハイ、ワカリマシタ」

77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/03(木) 21:44:09.19 ID:BsdET4Z+0
バイト「……ふぅ、今日はなんか色々あったなぁ」
   コンコン コンコン
バイト「ん?何か下の階からノックの音が……?」
バイト「……あ、そういえばパネルを閉店にするの忘れてたような」ダッ

バイト「……やっぱりだ」
   ガチャリ
黒服「すいません、ここの店長ですか?」
バイト「……なんですか、あなたは」
黒服「私は、こういうものです」
バイト(○○製薬会社 黒服 か……)
黒服「人探しをしていまして、この少女を見かけませんでしたか?」すっ
バイト(赤い髪に、不自然な白い肌……)
バイト「いえ、知りませんね……何かあったんですか?」
黒服「そうですか。いえ、このお方は社長の一人娘様でして
   しばらく前から家出をしてしまいまして、誘拐の線も疑ったのですが……
   これといって犯人のようなものから連絡もないものでして」
バイト「そうですか……大変ですね」
黒服「もしも見かけられましたら、そこの連絡先に一報ください」
バイト「分かりました、お疲れ様です」
黒服「では……」
   バタン
バイト(何者なんだ、あいつ。しかしあの写真、アオにかなり似ていたな……)
バイト「今は悩んでも仕方ないな、明日聞いてみよう」

78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/03(木) 21:54:21.69 ID:BsdET4Z+0
その日、俺は夢を見た 
初めてバイトに来た日の夢を

店長「……バイト、希望?」
バイト「はい、えーと、店長さんにお会いできます?」
店長「……どうも、店長です」
バイト「えっ」
店長「……えっ」

客「$(&%'#"!+}」
バイト「店長、何がなんだかさっぱりです」
店長「……火付け石、3つ」

バイト「うわぁっ!焦がしちゃった……」
店長「……勿体無い(ガブ」
バイト「て、店長!泣くぐらいなら食べなくていいですよ!」

店長「……」とてとて
バイト「う、うわぁぁっぁっ!?店長、服着てください!」
店長「……?」

店長「……バイトくん」
バイト「はい、何ですか?」
店長「……バイトくん」
バイト「はい、分かりました」
  ……バイトくん …バイトくん バイトくん

79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/03(木) 22:01:28.24 ID:BsdET4Z+0
店長「……バイトくん」みょーん
バイト「……ふ、ふぇんちょう?」
店長「……おはよ」
バイト「お、おはようございます
    どうしたんですか?早起きなんて」
店長「……今日は、買出し」
バイト「……あ、そうでした」
バイト(自分で言っといて自分で忘れるとはね……ボケの極みだな)
バイト「あ、あとアオの服もついでに買いましょう」
店長「……ん」
バイト「?」
店長「……じゃぁ、繁栄の街」
バイト「んー、あそこに行くのも久しぶりですねぇ
    服とか買うとき以外いかないですしね、あそこ」
アオ「お二人ともー、朝ごはんできましたよー」
バイト「あれ?今日はアオが朝食作ってくれたんだ」
店長「……」

85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/03(木) 22:17:23.72 ID:BsdET4Z+0
バイト「これは……卵焼き?」
アオ「ハイ!」
店長「……」
バイト(目の前には、あまったるそうな薄い色の卵焼きと
    なんだか辛うじて黄色さを残す黒い物体が並んでいる)
バイト「えーと、ありがとうな、二人とも」
バイト(黒いほうは店長だろうな
    昔見た店長作の目黒焼きにそっくりだ)
バイト パクッパクッ
バイト(うん、あまい。ものすんごくあまい
    なんかこうチョコレートでも入ってんじゃね?って疑いたくなる)
バイト(そしてこっちは、新商品卵焼き型の炭だ
    まぁ前回よりは上手になってる、ような気がする。辛うじて黄色いし)
バイト「……うん、美味しい。ありがとうな、二人とも」
アオ「エヘヘ……」
店長「……(ニコ」
バイト(この笑顔見れるなら、このぐらいの苦行はどうってこたぁないな)

86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/03(木) 22:27:01.82 ID:BsdET4Z+0
バイト「片付けは俺がしとくよ(ぐ……少々腹痛がするな)」
アオ「エト……ワタシガ……」
バイト「いやいや、朝食作ってくれたんだしいいよ
    それじゃ、二人は何が食べたい?」
アオ「イエ、ワタシタチハ……」
店長「……(フルフル」
バイト「あれ?もう先にたべちゃった?」
アオ(シッパイシタリョウリヲショリシテタラ)
店長(……お腹一杯になったなんて、言えない)

えっと、前の方を確認したら卵無いはずでしたね、申し訳ない
>>66での
バイト「ん、ちょうど3個だな……
って台詞を
バイト「ん、もう数がだいぶ少なくなってるな……
で脳内変換していただけるとありがたいです

89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/03(木) 22:37:33.03 ID:BsdET4Z+0
バイト「とりあえず、アオは店長に服借りてください」
アオ「ワカリマシタ、オネガイシマス」
店長「……ん」とことこ
   ガサゴソ
店長「……」ひょい
アオ「アリガトウゴザ……ウグ」
バイト「ん、身長はいいけど胸のとこが少し苦しいみたいですね
    店長、もうちょっと大きめないですか」
店長「……(ポカーン」ガクガク
バイト「……あー、うん。えーと……上着は俺のにしましょう」

90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/03(木) 22:46:45.89 ID:BsdET4Z+0
アオ「……アノー?」
店長「……」ガクガク
バイト「……店長、早く出かけますよ?」
店長「……」ガクガク
バイト「……わっ!!」
店長「きゃっ!?」ビクーン
バイト「何のために早く起きたんですか、店長
    早く行きましょう」
店長「……ん」ドヨーン
アオ「アキラカニオチコンデイラッシャイマス……」
バイト「大丈夫かな……?」
店長「)$#"'(}#$!('$!)+`(''(#%&$'」
アオ「……ドアノマエデ、ナニヲシテイラッシャルノデスカ?」
バイト「このドアの出口を決めてる、らしい
    なにを言ってるのかは俺にもよく分からないんだけどな」

91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/03(木) 22:53:58.48 ID:BsdET4Z+0
店長「……」ガチャリ
謎の声「フギョオオオオオオオオオ!ノゲォオオオオオオオオオ!ムギョルノオオオオ(ry」バタン
店長「……間違えた」
アオ「……イ、イマノナンデスカ(ガクガク」
バイト「流石に、俺も見たこと無かった。なんじゃありゃ……」
店長「……よし」ガチャリ
店長「……まぶし」ペカー
アオ「ウ、ヒザシデスー」
バイト「いつぐらいぶりかな、日差しを受けるのは……」

92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/03(木) 23:01:44.84 ID:BsdET4Z+0
店長「……バイトくん、お金」
バイト「あ、はい。ちゃんと持ってきましたよ」ジャラリ
アオ「オ、オカネモチデスネ……」
店長「……今日は、バス」
バイト「そうですね。少し遅れたから、徒歩じゃ大変でしょうし」
アオ「エ?バスッテナンデスカ?」
  プオー プシュー
アオ「ウ、ウワァ!カッテニドアガ!」
バイト「これがバスだよ。ささ、乗って乗って」
アオ「ハ、ハイィ」
バイト「じゃ、先に乗りますね、店長」
店長「……ん」
運転手「あ、ちょっとお客さん、お代をって……それは
    今の二人はお連れの方で……?」
店長「……」
運転手「申し訳ありませんでした、お乗りください
    すぐに目的地へ急ぎますので」

93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/03(木) 23:07:42.69 ID:BsdET4Z+0
店長「……」ゆらゆら
アオ「ア、アノー……イマサッキノハ?」ヒソヒソ
バイト「ん、ああ、あれね。店長は、なにかと不思議に顔が広いんだよ」ヒソヒソ
アオ「ナニカジュウヨウナオシゴトデモ?」ヒソヒソリン
バイト「んー、その辺はよく分からないな
    俺はあくまでバイトだし、踏み入って聞くことはないから」ヒソヒソノスケ
店長「……着いた」チョンチョン
バイト「……急に背後に立たないでくださいよ
    ほんと心臓に悪いですから……」


94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/03(木) 23:16:16.19 ID:BsdET4Z+0
  デェェェーン
アオ「ウワー……オッキナタテモノデスネェ」
バイト「まぁ、この街で一番の建物だからね」
店長「……」スタスタ
バイト「あ、店長!待ってくださいよー」
アオ「ム、イソギマショウ!」

社長「黒服、奴は見つかったか?」
黒服「いえ、依然捜索中なのですが……」
社長「まだ見つからない、と?」
黒服「え、ええと……」
社長「言い訳は聞きたくない!さっさと見つけんか!
   あいつには私の夢が詰まってるんだからな!」
黒服「は、は、はいいぃぃぃ!」ダダダッ

社長「ふー……もう、後が無い。次は失敗出来んのだ
   なんとしても、奴を見つけ出さねば……」

95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/03(木) 23:21:53.09 ID:BsdET4Z+0
アオ「ウワー……スゴイフクノリョウデスネー」
バイト「前に来たときよりでかくなってるな……
    こりゃまた迷いそうだ」
店長「……」スタスタ
バイト「あ、店長!ちょっと待ってくださいって!」ダッ
アオ「ウワー、スゴイデスー……ッテ、アレ?
   アレナンテ、バイトサ……アレ?バイトサン?」ポツーン

アオ「オフタリトモ、ドコイッタンデショウカ……?」

96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/03(木) 23:33:24.38 ID:BsdET4Z+0
バイト「店長!どうしたんですか」
店長「……バイトくん」ガッ
バイト(う、うおっと。店長の顔がすぐ近くに……)
店長『……不穏な奴ら、いる』
バイト『不穏な奴らって……これと関係してます?』スッ
店長『……!……これをどこで?』
バイト『この前、変な男が来た時に貰いました
    なんか女の子を捜してるらしいです、そいつら』
店長『……やっぱり』
バイト『やっぱり、ってどういうことですか?』
店長『……それより……アオは?』
バイト『……え?』きょろきょろ
バイト『いつの間にっ……』ポカッ
店長『……バカ。……アオが危ない』タッ
バイト「あっ!店長っ!もう、なんがなんだか……
    とりあえず、店長とは別の場所を探してみるか」タッ


97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/03(木) 23:42:20.82 ID:BsdET4Z+0
アオ「ハァ……シカシ、ヒロイデスネェ……」
アオ「ア、ベンチダ……スコシヤスモウ」ぺたん
アオ「カンゼンニオフタリトハグレチャイマシタネ……ハァ」
男A「あっれ~?キミ一人~?」
男B「僕たちと遊ばな~い?」
アオ「エ、エト……アノ、ソノ……」
男A「ん?その言葉遣いと声……まさかアンドロイド?」
男B「え?マジで?」
アオ「エ……?」
男A「なら何したってかまわんわな」
男B「なんたって機械だしな」
アオ「イ、イヤ……ヤメテ……」
男A「おお、嫌がる仕草もリアルに設定されてるな」
男B「どっかの企業の優秀モデルかもな」
アオ「い、いやあああああっ!」
店長「……っ!」ズザザザザーッ ダッ
男A「ん?な、なんだ!?」
男B「あ、あれ?俺ら浮いてる?」
   ヒュー……  ゴシュッ


98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/03(木) 23:50:21.27 ID:BsdET4Z+0
店長「……大丈夫?」
アオ「……ウッ……ウッ」ガシッ
店長「……!」
アオ「ワタシハ、アンドロイドナンカジャナイデスヨネ?
   チャントシタニンゲンデスヨネ?」
店長「……当たり前」
アオ「……(グスッ」ひしっ
店長「……」ポンポン

バイト「さて、お前ら」グイッ
男A「ぐ、ぐええ……」ギリギリ
男B「し、しぬぅ……」ギリギリ
バイト「床に頭をこすり付けてアオに謝るか
    床に頭をぶちまけて死ぬか選ばせてやる」
男A「ぐ、ぐぶぅ……あや、まり、まずぅ」
男B「あやばりまず、がら……ごろざないで……」
バイト「誠意が篭ってなかったら、その時点で頭叩き割るからな?」
男A&B「……は、はいいいぃぃ!!!」

99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/03(木) 23:59:52.09 ID:BsdET4Z+0
   ザッ
男A&B「あ、あの……」
アオ「……っ!」ビクッ
店長「……(ギロリ」
男A&B「ひ、ひいいい!!!す、すいませんでしたぁぁぁ!」ズザーッ
アオ「……」
男A&B「俺たちが、悪いでしたっ!二度とやりませんからっ!
   お願いですから、許してくださいっ!」
アオ「……アノ」スタスタ
男A&B「ひ、ひいいいい!?」
アオ「……」ギュッ
男A&B「……?」
アオ「ツメタイ、デスカ?チガカヨッテ、ナイデスカ?」
男A&B「あ……」
店長「……」
男A&B「本当に、すいませんでした……
   俺ら、とんでもない勘違いを……」
アオ「ワカッテイタダケタラ、ソレデイインデス……」
男A&B「……あの、これ俺らの携帯端末のIDです
   何かあったら、すぐに呼んでください
   償いきれませんが、詫びさせてください」
アオ「ア……ハイ」
男A&B「じゃ、本当にすいませんでしたっ!」ダッ
バイト「大丈夫か?アオ」
アオ「ハ、ハイ。オチツキマシタ」
バイト「じゃぁ、買い物してさっさと帰るかな」
店長「……(……今回はあの会社は関係してなかったのか?」

115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/04(金) 09:17:06.64 ID:vXq8fS280 [4/19]
バイト「じゃ、俺は食料とか日用品買ってきます
   (女の子の服とかよく分からないしな……)
    一応、近くにはいますから何かあったらすぐ駆けつけます」
アオ「スイマセン、ワタシノタメニ……」
バイト「いやいや、さっきのあれは俺のせいでもあるし……」
店長「……さ」グイグイ
アオ「ア、ハイ。イマイキマス」たたたっ

バイト「さて、この辺りなら大丈夫だろう
    にしても、あんな必死な店長初めて見たな
    意外とああいう面もあったりするんだな、フフ」

店長「……クシュン」
アオ「ダ、ダイジョウブデスカ?」
店長「……だいじょぶ」

116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/04(金) 09:29:04.22 ID:vXq8fS280 [5/19]
店員「いらっしゃいませー」
アオ「エ、エット……」
店長「……服、探しに」
店員「はい、かしこまりましたー」たたたっ
店長「……」
アオ「……」
店員「このような服などございますよ?」
店長「……あの」
店員「お気に召しませんでしたか?ではこちらはどうでしょう?」
店長「……そうじゃ、なくて」
店員「んー……とりあえず、一回着てみましょう!
   着てみたらまた印象が変わるかもしれませんし!」
店長「……あー」ズルズル
アオ「アララ……」

117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/04(金) 09:34:49.67 ID:vXq8fS280 [6/19]
店員「これなんてどうでしょうか?」
店長「……(ぶすー」フリフリ
店員「んー、ではこれなんてどうでしょう?」
店長「……(むー」ふわふわ
店員「うー……ダメですか……
   お姉さんは、どう思います?」
アオ「エ?ワ、ワタシデスカ?」
店員「妹さん、どんな服が似合うと思います?」
店長「……」ピキピキ
アオ(ヒ、ヒイイ……)

118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/04(金) 09:44:00.24 ID:vXq8fS280 [7/19]
店員「た、大変申し訳ありませんでしたっ!」
店長「……(ふん」イライラ
アオ「……(アワワ」
店員「では、そちらのお客様にあった服を準備いたします」トボトボ
アオ「オ、オネガイシマス」すたすた
店長「……早く」
店員「は、はいっ!申し訳ありません!」ダダダッ
アオ「アーレー……」ズルズル

バイト「店員さんもかわいそうに……
    前は俺が兄と間違われたっけな」

119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/04(金) 10:02:09.95 ID:vXq8fS280 [8/19]
店員「これは、どうですか?」
アオ「……ヨク、ワカラナイデス」クルクル
店員「んー……ではこちらなんかは?」
アオ「……スコシ、サムイデス」スースー
店長「……」スタスタ
店員「お、お客様?どうなさいましたか?」
アオ「エ、エ……?」
店長「……(スッ」もみもみ
アオ「ア、ウゥ……」
店員「あ、あの……?」
店長「……(スッ」ぺたぺたーん
店長「……(ガクガク」
アオ「ド、ドウシタンデスカ……?」
店長「……早く、選んで」ぷいっ
アオ「ア……ハ、ハイ」

バイト「店長、いきなり何してんすか……
    気にしなくていいことだと、思うんだがな……」


120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/04(金) 10:13:39.84 ID:vXq8fS280 [9/19]
アオ「……デハ、コレトコレト……コレヲオネガイシマス」
店員「はい、かしこまりましたー」ピッピッピッ
店員「こちら、3点で92,000リンになりますー」
店長「……」スッ
店員「こちらのカードで……お支払い、ですね、あ、はい」
アオ「……?」
店長「……行く」スタスタ
アオ「エ、エト……ハ、ハイッ」タタタッ

店員「あのカード、企業の重役の方とかが持ってるやつ……」

122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/04(金) 10:44:02.55 ID:vXq8fS280 [10/19]
バイト「終わりましたか?」
店長「……うん」
アオ「ハイ、アリガトウゴザイマシタ」
バイト「さて、と……じゃ、帰りましょうか」
店長「……ん」
アオ「キョウハ、イロイロアリマシタカラネ……」
バイト「早く帰ってゆっくりしたい」
   プオー   プシュー

123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/04(金) 10:56:30.14 ID:vXq8fS280 [11/19]
店長「)$#"'(}#$!('$!)+`(''(#%&$'」ガチャリ
店長「……ただいま」
バイト「ただいまー」スタスタ
アオ「タダイマデスー」スタスタ
   バタン
バイト「あれ?店長……」

店長「……出て、こい」
黒服「まさか、あなた様が関係していたとは……」
店長「……」
黒服「こんなところに住んでいたんですね」
店長「……」
黒服「寡黙なところは変わっていませんね、昔と」
店長「……」
黒服「しかし、なぜあなたが……あの少女を」
店長「……あいつに、伝えろ
  『夢を詰め込めるのは、子供までだ』」
黒服「……」
店長「……早く、消えろ」ギロ
黒服「……分かりました。また会うことになるでしょうがね」シュバッ
店長「……」

148 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/04(金) 20:17:36.77 ID:vXq8fS280 [14/19]
  ガチャ
バイト「あ、店長……どうしたんですか?
    外に一人で残ったりして」
店長「……風、当たってた」
バイト「……そう、ですか。あんまり心配させないでくださいね?」
店長「……アオは?」
バイト「先に上に行かせて休ませました
    表面には出してませんでしたが、相当疲れてたんでしょう」
店長「……ん」
バイト「……そろそろ、教えていただけませんか?アオのこと」
店長「……」
バイト「……」
店長「……お腹、すいた」
バイト「……そうですね、軽く何か食べましょうか」

149 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/04(金) 20:29:37.65 ID:vXq8fS280 [15/19]
店長「……(モグモグ」
バイト「……店長」
店長「……(モフモフ」
バイト「……」
店長「……アオは」
バイト「……はい」
店長「……実は……バイト希望じゃ、ない」
バイト(いや、それは分かってましたけど……)
店長「……彼女は……」
店長「…………私が作った」
バイト「……え?」
店長「……」
バイト「それは、えーと……彼女はアンドロイドってことですか?」
店長「……少し、違う」
店長「彼女は、機械部分を持たない……要するに、中身は完全な人間」

150 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/04(金) 20:41:30.23 ID:vXq8fS280 [16/19]
店長「……信じて、ない?」
バイト「……流石に、半信半疑ですね
    いきなり信じろって言われると、少々難しいです」
店長「……」スッ
バイト「これは……?」
   ○○製薬会社 技術局長
バイト(横にあるのは、店長の写真……?
    でも、今よりもずいぶん大人びているような……)
店長「……10年前の、私」
バイト「……え?」
店長「……10年前、私はそこで働いていた」

151 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/04(金) 20:51:14.95 ID:vXq8fS280 [17/19]
バイト「えーと……ジョーク、ではないですよね?」
店長「……」
バイト「……すいません」
店長「……ある日、私は社長から命令を受けた」
店長「『若返りの薬が欲しい』……という命令」
店長「……結果、薬は完成した」
店長「……最初で最後の実験体は、私」
バイト「……」

152 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/04(金) 21:09:22.05 ID:vXq8fS280 [18/19]
店長「……結果は、見ての通り」
バイト「成功した、みたいですね」
店長「……でも」
バイト「?」
店長「……副作用が、あった」
バイト「副作用……?」
店長「……寿命の短縮」
バイト「……え」

153 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/04(金) 21:25:06.05 ID:vXq8fS280 [19/19]
店長「……私の寿命は、通常の人の半分」
店長「……おそらく、長く見積もってあと10年」
店長「……社長は、そんな私に言った」
店長「『お前がもうすぐ死ぬなら、お前のクローンを作れ』……と」
バイト「……で、そのクローンてのが」
店長「……彼女」
バイト「……ふぃー」
バイト(なんかもう突っ込み所だらけすぎて突っ込む気が失せるな……
    いつもみたいにジョーク言ってるようには見えないし
    だからと言って、はいそーですかなんて言えるはずもない)
バイト「えーと……
    今まで一度もこんなこと言ってなかったのに、なんでいきなり?」


154 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/04(金) 21:27:46.81 ID:vXq8fS280
意味不明になってきた
ちょっと頭冷やしてきます


5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 02:13:14.03 ID:PgULC3AP0 [2/29]

店長「……寿命が、近い」
バイト「……は」
店長「……アオを連れて来た、理由でもある」
店長「……彼女は、限りなく私に近い」
バイト(全く違う人のだと思いますけど……)
店長「……彼女に、私になってもらう」

7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 02:19:20.32 ID:PgULC3AP0 [3/29]
バイト「な、なに言ってるんですか?」
店長「……この店は」
店長「……私がいないと、機能しない」
店長「……どこにも繋がらない」
店長「……だから」
バイト「えっと……治療薬とか、ないんですか?
    薬が作れるなら、その効力を無くす薬も出来るんじゃ…・・・」
店長「……ない」
バイト「え……?」
店長「……細胞が、一から変化してる
   ……これ以上変質させると、体が保てない恐れがある」
バイト「そんな……」
店長「……黙ってて、ごめん」

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 02:25:34.91 ID:PgULC3AP0 [4/29]
バイト「……いえ、自分が店長の立場でも言い出せないと思います
    突拍子もない話ですし……」
バイト「ただ……それだと、アオは……
    アオは、どうなっちゃうんですか?」
店長「……私になる、完全に」
バイト「それって……アオの人格は消えるってことですか?」
店長「……そう」
バイト「そんな……最初からそのつもりで連れて来たんですか?」
店長「……そう」
バイト「……こんな時ぐらい、誤魔化してもいいんすよ、店長
    そんなこっちの胸が痛むくらい辛そうな顔、しないでください…・・・」

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 02:48:20.84 ID:PgULC3AP0 [5/29]
店長「……アオをこのまま返したら」
店長「……あいつが、アオの人格を奪ってしまう」
店長「……それだけは、させない」
バイト「どういうことですか?」
店長「……あいつは、アオを研究するだけの人形にしてしまう」
店長「……それこそ、昔の私みたいに」
店長「……だから、昔の知り合いに頼んで、連れ出した」
バイト「店長は、アオをそうさせないために連れて来たんですね」
店長「……綺麗事、だけど」

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 02:53:44.71 ID:PgULC3AP0 [6/29]
バイト「……綺麗事でもなんでも、いいじゃないですか
    店長が悩んで悩んで決めたことなら、俺は何も言いません」
店長「……」
バイト「……」

アオ「……ア……」

店長「……あ」
バイト「アオ……」

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 03:05:07.25 ID:PgULC3AP0 [7/29]
アオ「エ、エト……」
バイト「驚いたよな?急にこんな話……」
アオ「イ、イエ……ココニクルマエニハナシハキイテマシタカラ……」
バイト「知ってたのか……」
アオ「ハイ、スベテオシエテイタダイタウエデキマシタカラ」
バイト「すべて知ってて、今日みたいに楽しんでたのか……?」
アオ「……ハイ」

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 03:22:37.50 ID:PgULC3AP0 [8/29]
バイト「なんで……なんでそんな平静でいられるんだ?」
アオ「ソレハ……ソノタメニ、ウマレタカラデス」
アオ「ソノタメデナケレバ、ワタシハソンザイスルコトスラデキナカッタカラ」
店長「……」
アオ「イマスグデキルナラ、ヤッテクダサイ」
店長「!」
バイト「!」

18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 03:40:41.68 ID:PgULC3AP0 [9/29]

アオ「コレイジョウワタシデイルト……ミレンガウマレテシマイソウデス」
店長「……本当に」
バイト「いいのか?それで」
アオ「バイトサンダッテ、コノママデイイトハオモワナイデショウ?」
バイト「それは……」
アオ「……オネガイ、シマス」
店長「……分かった」
バイト「店長……」

20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 03:50:59.43 ID:PgULC3AP0 [10/29]

店長「……バイトくん」
バイト「はい」
店長「……部屋に戻ってて」
バイト「……はい」すーっ たん

店長「……始める」
アオ「ハ、ハイ……イザ、ジブンガナクナルトオモウトコワイデスネ……」
店長「……大丈夫、一瞬だから」ふぉん
アオ「あ、ああああ……なんだろ……へんなかんじです……」ふぉんふぉん

店長「……」
アオ「……」
店長(……バカだな、私)
   シュイーン シュイーン
  

21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 03:54:29.52 ID:PgULC3AP0 [11/29]

バイト(あの後、あんな大変なことがあったというのに俺はあっさり寝てしまった
    人間というのは、やはり三大欲には逆らえないというわけか)
バイト(……結局、二人はどうなったんだろう)
?「バイトさん、開けますよー」すーっ
バイト「……え?」
店長?「あ、起きてましたか……朝ごはん、出来ましたよ」
バイト「あー、うん、分かった今行く」
店長?「じゃ、向こうで待ってますねー」たん

30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 12:16:01.47 ID:PgULC3AP0 [14/29]

バイト(見た目はアオだったが、何なんだこのものすごい違和感は……)
バイト「……とりあえず、行くか」
店長?「……♪」ジュー ジュー
バイト「……この匂いは」
店長?「あ、改めておはようございます
    今日の朝食は、スクランブルエッグです」
バイト(また卵か……)

31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 12:24:45.09 ID:PgULC3AP0 [15/29]
店長?「腕によりをかけますから、お待ちください」ジュジュー
店長?「はい、出来ましたよー」コトン
バイト(見た目が、普通に出来てる……?)パクッ
バイト(……この味は)
   がたんっ
バイト「……アオ、なのか?」

32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 12:36:43.83 ID:PgULC3AP0 [16/29]
店長?「……」
バイト「……」
店長?「……」
バイト「……」
アオ「バイト、さん」
バイト「……!」
アオ「なんで、私が……残ったんでしょう」
バイト「やっぱり、アオなのか?」
アオ「……はい」
アオ「昨日、気づいたら気絶してしまっていて
   急いで周りを見回したんですが、誰もいなくて」
アオ「……その、あの……」
バイト(店長……失敗したのか?それとも……)

34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 12:57:33.41 ID:PgULC3AP0 [17/29]
アオ「えと……朝ごはん、冷めちゃいますよ?」
バイト「ん、ああ……そうだな
    というか、なんで朝ごはん作ってたんだ?」
アオ「……?」
バイト「いや、店長いなくなったのにずいぶん冷静だなー、と」
アオ「それは……」
アオ「……辛くないわけじゃ、ないんです」
アオ「ただ……普通にしてないといけない気がして」

35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 13:06:24.11 ID:PgULC3AP0 [18/29]
バイト「……」
アオ「……バイトさんも意外と冷静ですね」
バイト「……確かに、そうだな」
バイト「なんでか知らんが、こうなる気がしてた……かもしれない」
バイト「店長なら、アオの人格を消すようなことは無いって」
アオ「……でも、そうなると」
アオ「どこへ行ってしまったんでしょうか?」
バイト「……確かに、店長が消えた理由にはならないよな」
バイト(店長……どこに行っちゃったんですか……)

38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 14:32:10.58 ID:PgULC3AP0 [20/29]
アオ「えーと……お店、どうしましょう?」ジャー
バイト「……」
バイト(店長がいないと、この店はどこにも繋がらないって言ってたっけ)
バイト「一応、確認してみようか」
アオ「そう、ですね……」
バイト(と、下に来てみたのはいいものの……
    何をどう確認したらいいものか)
アオ「……」
バイト「アオ、どうした?」
アオ「……%&!"#$%&'(&%$」
バイト「……ッ!」



39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 14:49:05.71 ID:PgULC3AP0 [21/29]
バイト「アオ、今のは……?」
アオ「……え?私何か言ってましたか?」
バイト(記憶にない、のか……虚ろな目をしていたな)
  ちりりんちりん
バイト「……あ」
客「どうもー……って、あれ?もしかしてお休みでした?」



40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 14:57:17.33 ID:PgULC3AP0 [22/29]
客「どもでしたー」
  ちるりーん
バイト「値段、勝手に決めちゃいましたね」
アオ「そう、ですね」
バイト「……本当に、アオなんだよな?」
アオ「その、はずですが……」
バイト(これは……まさか)
バイト「……店長、起きてください」
店長「……まだ、眠い」
バイト「……」
店長「……おはよう」
バイト「おはよう、ございます」

42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 15:59:07.60 ID:PgULC3AP0 [23/29]
バイト「えーと……何から聞けばいいんですかね?」
店長「……何が」
バイト「んー……とりあえず、店長、ですよね?」
店長「……ん」
バイト「アオの人格うんぬんはどうしたんですか?」
店長「……予想外」
バイト「え?」
店長「……これでも、驚いてる」
バイト(そうは見えないです……)

43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 16:08:52.23 ID:PgULC3AP0 [24/29]
店長「……本当は、私の知識部分だけ移動する予定」
店長「……なのに、私はここにいる」
店長「……理由は、謎」
バイト「さっきのあれは、店長だったんですか?」
店長「……(コクリ」
バイト「……なんで最初に言ってくれなかったんですか!」
店長「……ごめん」しゅん
バイト「い、いえ……怒ってはいませんよ……
    ただ、店長がいなくなるって思ってましたから……嬉しくて(ボソッ」
店長「……む」
バイト「……ごほん」


44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 16:12:26.80 ID:PgULC3AP0 [25/29]
バイト「アオはこのこと分かってるんですか?」
店長「……」フルフル
バイト「教えたほうが、いいですか?」
店長「……どっちでも」
バイト「そうですか……そういや、なんでアオの喋り方普通になってるんです?」
店長「……あれが、素」
バイト「なんだ、そうだったんですか」
店長「……寝る、疲れた」


45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 16:15:45.94 ID:PgULC3AP0 [26/29]
バイト「……」
アオ「どうしたんですか?そんなまじまじと……」ドキドキ
バイト「ん、いやなんでもない……」
アオ「……変なバイトさん」
  ドン ドン ドン
バイト「……なんだ?またこの前の悪魔か?」
  ちりん ちりん
バイト「あんたは……」


46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 16:22:04.08 ID:PgULC3AP0 [27/29]
黒服「……」
バイト「……何の用ですか」
黒服「……」ずかずか
バイト「おいっ!」ガシッ
黒服「……邪魔するな」
黒服「ここにいるんだろう『人形』」
アオ「……!」

48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 16:52:57.35 ID:PgULC3AP0 [28/29]
黒服「……やっと見つけたぞ」
黒服「まさか、こんな仕掛けを使っているとは……
   毎度ながら局長には驚かされる」
アオ「……」ガクガク
黒服「ここを探すのには、ずいぶん苦労させられましたよ
   同じドアから入っても、行き先が違うものですから」
バイト「……なにしにきた」
黒服「いまさら分かってることだろ?」
黒服「わが社の『所有物』を取り返しに来ただけだ」

49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/05(土) 16:58:29.77 ID:PgULC3AP0 [29/29]
……っと、疲れてきました
ちょいと休憩してきます
内容を見直すと、ほのぼの想像して方に土下座で謝りたくなりますね
本当にすいません
自分でもカオスを全身で感じてます……
では

ここでスレ落ち

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