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新ジャンル「猫かぶり」

1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/26(水) 19:49:03.21 ID:OexkmtCs0 [1/6]
女「おはよー」

男「おはよ…ってなんで頭に猫が」

女「あったかいよー。かぶる?」

男「え、うん……」

猫「フギャアアアアァァァ」

バリバリバリバリ
男「うぎゃあああああああ!」

2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/26(水) 19:53:28.34 ID:OexkmtCs0
男「昨日は酷い目に遭った」

女「…」

男「おはよう、女。今日は黒猫乗せてるのか」

女「…ククク、私を見たな……貴様、今日一日不幸になるぞ」

男「性格変わるのか」

3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/26(水) 19:54:56.51 ID:OexkmtCs0
男「昨日の女は危なかったな」

女「ぅ男おおおぉぉおらぁぁぁぁぁ!!!!!」

ズゴスッ
男「いでぇ!!いきなりラリアットかますなよ!」

女「たぎる!!血がたぎるんだあああぁぁぁぁ!!!」

男「今日はトラ猫か」

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/26(水) 19:59:34.70 ID:OexkmtCs0
男「昨日の攻撃で頭が痛い」

女「おはよう男」

男「おはよう、女」

女「昨日はすまにゃかった」

男「え?なに?」

女「きにゃーはすにゃにゃかったっていったにゃ」

男「寄生されてね?」

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/26(水) 20:02:55.61 ID:OexkmtCs0
男「昨日の女は可愛かったな」

女「にゃー」

男「侵食が進んでるな」

猫「おはよう男、いい天気だね」

男「入れ替わってんのか」

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/26(水) 20:15:44.53 ID:7WqjIwGu0 [1/19]
で、続きはまだかね?

書き手が代わるます

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/26(水) 20:25:28.61 ID:7WqjIwGu0 [2/19]
男「昨日はなんとなくそのまま有耶無耶になったけど、あれでよかったのか……?」

猫「おはよう男」

女「あー! 先に挨拶とかずるいー! ……おはよっ、男!」

男「おはよう。コントまでするようになったか」

女「えへへー」

猫「多分褒めてはいないぞ」

男(ツッコミポジ取られた)

18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/26(水) 20:38:39.89 ID:7WqjIwGu0 [3/19]
男「……で、その猫。昨日と同じなんだが」

女「うん、ウチの飼い猫」

猫「昨日から厄介になっている」

男「……ご苦労様です」

猫「言うな」

男「煮干食うか?」

猫「頂こう」

女「あー! 頭越しの交渉は卑怯なんだよ!!」

20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/26(水) 20:43:23.87 ID:7WqjIwGu0 [4/19]
女「……なんで煮干なんか持ってんの?」 ポリポリ

男「女が毎日毎日猫連れてくるからな」

女「へぇー、用意してくれたんだー。ありがとねっ!」 ポリポリ

男「猫がかわいそうだからな。引っかかれたくねーし」

猫「……時に男よ」

男「言うな」

猫「委細承知した」

男「……今度猫缶持ってくる」

猫「叶うなら銀匙を」

男「了解」

女「むー、なんか難しい話してるー」 ポリポリ

25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/26(水) 21:14:19.16 ID:7WqjIwGu0 [7/19]
>>20から続く

女「――のど渇いた」

猫「ふむ、確かにあれだけの煮干を食べていてはな」

男「分かった分かった。何か買ってくるよ」

女「私バイヤリース!」

猫「ミネラルウォーターであれば何でも」

男「おいコラ待て」

猫「ああ、牛乳は勘弁してくれ。以前腹を下したことがある」

女「昨日は大変だったねー」

猫「……」 たしったしっ

男「ちょっと待てその顔を洗う仕草は照れ隠しなのか? というか女も腹下した猫連れまわすなよ!
  それに煮干の後にオレンジかよ!! そもそもバイヤリースじゃなくてバヤリースだ!!!」

女「絶好調だねー」

猫「うむ」

26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/26(水) 21:24:00.87 ID:7WqjIwGu0 [8/19]
女「――くはぁっ! 生き返るねぇ……」

猫「こら、はしたない」

女「ごめんごめん」

男(猫にたしなめられるって……)
 「……ガッコ、そろそろ時間じゃないのか?」

女「おお、そだった! んじゃいってきゅるねーい! ごっそさんしたっ!」 ビシッ

猫「達者でな」

男「おう」






男(……さて、俺もバイトの時間か)

27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/26(水) 21:37:25.00 ID:7WqjIwGu0 [9/19]
男(――んぁー、久々に早番から遅番までぶっ通しとか堪えるな……)

女「あれ、男さん? こんばんは」

男「おーう。今から帰り?」

女「えっと、これから合コンです」

男「んー…… チラッ
  なるほど。楽しんで来いよ」

女「はい」

男「猫は?」

猫「――ここだ」

男「うぉっ。さすがトートバッグだな」

女「だけど今日、合コンの約束があったのすっかり忘れてて……」

男「あー、じゃあウチに来るか?」

猫「かたじけない」

女「すみません、お願いします」

男「いーのいいの。じゃ、また明日」

女「はい。よろしくお願いします」

28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/26(水) 21:46:05.73 ID:7WqjIwGu0 [10/19]
女友「……ちょっと、相手にあんたの彼氏見られたじゃないの!」

女「えーっと、彼氏じゃないんだけど……」

女友「彼氏じゃないならなんだって言うの? 飼い猫預けるとかよっぽどだよ?」

女「そう……なのかな。でもほら、ぜんぜんそんなのじゃないから」

女友「はぁ……まぁいいわ、その話は後で。盛り下がった分あとで問い詰めるからね!」

女「う、うん……」







猫「いやはや、粗忽ものですまない」

男「それは知ってるから良いよ。
  しかし俺の頭の上でも喋れるってのは驚けばいいのか諦めればいいのかどっちなんだ」

猫「ゴ=ツゴ=ウシュギーという神の力だ」

男「なるほど、それなら仕方がないな」

33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[思いっきり寝てた] 投稿日:2010/05/26(水) 22:51:49.69 ID:7WqjIwGu0 [12/19]
男「夕飯まだだろ? ほれ」 クパァ

猫「おお、銀匙か」

男「朝言ってたろ?」

猫「うむ、ありがとう」

男「どういたしまして。
  いやはや、ここまで聞き分けが良いとなんだか変な感じだな」

猫「普通の猫とはちょっと違うので」

男「ちょっとって次元じゃないだろ」

猫「む、そうか」

男「……」 ジー

猫「……見られていると食べにくいのだが」

男「おお、すまん」

猫「いやいやこちらこそすまん。では、いただきます」

34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/26(水) 22:57:15.97 ID:7WqjIwGu0 [13/19]

猫「――結構なお手前で」 たしったしっ

男「おう。ま、俺が作ったわけじゃないけどな」

猫「それにしても――」

男「うん?」

猫「男は、女とどういった知り合いで? 歳の差があるように見受けられるが」

男「あれ、記憶を共有してるとかじゃないんだ」

猫「全く」

男「頼りにならないな、ゴ=ツゴ=ウシュギー」

猫「いやはや全く」

男「――そうだな、どうして会ったんだっけな。
  ああそうだ、確か去年の今頃に初めて会ったから……もう1年過ぎたのか」

35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/26(水) 23:07:09.05 ID:7WqjIwGu0 [14/19]
男(一年前)「――なんだ、これ?」
 (……)
 (まだ新しい、ネズミーマウスの財布……)
 (こんなの持ち歩くなんてどんなお子様だよ。とりあ、交番かねー)

――交番

男「すいあせーん、財布拾ったんスけどー」

女「あああああっ!! その財布!! ドロボー!!」

男「うぇぇぇえええええ!?」



――現在

男「――かいつまんで言うとそんな感じだ」

猫「昔から粗忽ものだったのか」

男「というか、今も治ってないというのが正しい」

猫「納得」

36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/26(水) 23:16:01.58 ID:7WqjIwGu0 [15/19]
男「ああくそ、ビールでもないとやってられないな。何か飲むか?」

猫「酒はあまり」

男「そうか。じゃ、水道水で悪いけど用意するよ……ほい」 コト

猫「ありがとう。しかし……縁とは不思議なものだな」

男「まぁ、な」 プシッ

猫「して、それからどうした?」

男「で、まぁそのときは色々とドタバタして……
  ああ、進学のために上京して丁度2ヶ月、家が恋しくなってきた頃に財布落として、なんだか訳が
  分からなくなってたっていうのが本人の話なんだが、それはともかくとして、誤解も解けて、俺も
  一人暮らしだっていうんで女の家からの食糧支援をありがたく横流ししてもらったりだとかしつつ……
  で、現在に至ると」

猫「それだけではなかろう?」

男「マジでそれだけ。愚痴聞いたり、まぁ簡単な勉強とか? 知ってる範囲で教えたりはしたけど」

猫「ふむ」

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/26(水) 23:16:56.74 ID:7WqjIwGu0 [16/19]
どうでも良いけど脳内でこの猫の声がやたら渋いオッサンヴォイスになってる

38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/26(水) 23:32:07.92 ID:7WqjIwGu0 [17/19]
―― 一方その頃

女(――ううっ、早く帰りたいなぁ)

女友(今回のは全体的に外れだし、後で反省会ね)

女(ううううっ、早く帰りたいなぁ……)





猫「――で、いつから女のことを?」

男「ほぼ一目ぼれ」

猫「なるほど」

男「あれで猫かぶりだし、スットコドッコイだし、放っておけないとか思ってるうちにズルズルと泥沼ですよ」

猫「まま、よくある話だな」

男「猫の間にもあるのかよ」

猫「ないと思うのか?」

男「いや、うん、あると思います」

猫「うむ」

39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/26(水) 23:38:11.38 ID:7WqjIwGu0 [18/19]
猫「しかし、女としても気のない男と1年以上も交友関係を持ち続けるとは考えにくいであろう」

男「それは……少し、期待したい」

猫「……」

男「なんだよ」

猫「……いや、わしがその手の話を聞いているかもしれないとは思わないのか、と思ってな」

男「一人称『わし』だったのか」

猫「変なところに食いついてごまかすな」

男「さーせん」 グビッ

40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/26(水) 23:45:13.12 ID:7WqjIwGu0 [19/19]
男「……そうだな、間接的に知るぐらいなら直接聞いて玉砕したい」

猫「優柔不断」

男「うっせ自覚してる」 グビッ

猫「……そういえば、先ほど食料を横流ししてもらったと言っていたが」

男「ああ、あいつ基本的に料理うまいだろ? 時々創作料理ーっつって這い寄る恐怖生産するけど」

猫「うむ、後者はまだ見てないが料理は手馴れているようだったな」

男「しかしお前に牛乳飲ませる程度には、アレなんだ。
  レシピ通りにやりゃマシなのにな」

猫(……) たしったしっ

男「なんだよ」

猫「なんでも。そろそろ寝ようか」

男「ん、そうだな。寝床は……タオル巻いたので良いか?」

猫「用意してもらえるなら、助かる」

41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/27(木) 00:01:05.87 ID:octY0KrW0 [1/81]
男・猫「「おはよう、女」」

女「……おはよう諸君」

男「どうした? 天然あんかがなくて風邪引いたか?」

猫「流石に枕扱いされたときは引っかいてやろうかと思ったぞ」

男「悪ぃ悪ぃ」

女「ふん、私のいない間にずいぶん仲良くなったものだな」

男「……うん、一応突っ込まないでおいたけどさ」

猫「とりあえずそのヒマラヤンは飼い主に返すべきだろう」



             :||‐ … … …

44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/27(木) 00:39:10.27 ID:octY0KrW0 [3/81]
NOTE!!

猫と牛乳:
個体によっては牛乳を消化できずにおなか壊します。身体のできてない子猫の場合致命傷になる場合もあるとか。
あと牛乳は半端なジュースよりよっぽどハイカロリーなのでデブの元。胸が大きくなるという与太の原因はこれかと。
ヒマラヤン:
画像検索汁……というのは冗談として、青い目、白いボディに鼻っ面と靴下がこげ茶色の高貴な雰囲気をかもし出す
ふわっふわの長毛種。たいてい血統書付きで良いおうちが飼っている。羨ましい。

47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/27(木) 00:59:25.54 ID:octY0KrW0 [4/81]
男「で、その……合コンはどうだったんだ?」

女「女友がねっ、『はずれだー!!』って大暴れして結局夜中まで女だけの二次会やってたー」

男「あはは。昔ダチが似たようなコト言って朝まで付き合わされたよ。
  失恋記念合コンなのに新しい恋よりか昔の恋で話が長い長い。
  ま、青春の一ページだな」

女「おっさんくさいー!」

猫「うむ、これにはわしも擁護できないな」

男「うっせ」

女「それにしても、ふーん?」

男「なんだよ?」

女「べっつにー? んじゃ、猫のこと、ありがとねー」

男「おうよ、いってら」

女「あいよ、いってくるであります!」

猫(……) ふりっふりっ




男「――友達の前でもああいうキャラで居りゃ良いのに、な?」

48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/27(木) 01:20:16.76 ID:octY0KrW0 [5/81]
男(バイト……つっても一応チーフだし半分社員みたいなもんだよな。
  それでも負担を調整してもらってるみたいだし、所詮どこまでもバイト……
  男がこの歳で、ガチで甲斐性ナシってのもな)
  「――とりあえず、ちゃんと就職考えないとだな」

マネ「うん? 君が入社したいって言うならいつでも歓迎だよ?」

男「とかいってマネさん毎月死にそうになってるのを見てると足踏みもしますよ」

マネ「はははっ、まぁ、こういう場ってのは『人を育てる』って部分があるからね。
   心を砕きまくっても辞める子は辞めちゃうし、まぁ、大変だけどやりがいはあるよ。
   君も、結構面倒見が良いしね。ほら、よく公園で女の子と話してるだろ?」

男「……!?!?!?」

マネ「いや、最近引っ越してね。丁度通勤途中なんで。
   ――だからまぁ、向いてるんじゃないかなぁって思うんだけど」

男「……」

マネ「本当はね、君が自分から言い出してくれるまで待ってたんだよね。
   そうそう、転機って奴は転がり込んでくる不幸と、振って沸いた幸運と、思い立った瞬間の
   三種類があるらしいんだけど、今日の君の心変わりは、いったいどれなのかな?
   あの子が理由なら、万々歳なんだけど」

男「なんというか、敵わねぇっすね」

マネ「伊達に君の倍は生きてないってことさ」

男「……そっすね」

51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/27(木) 01:43:10.08 ID:octY0KrW0 [7/81]
マネ「じゃ、入社するって方向で……そうだね、しばらく閉店してから色々必要なこと教えるよ」

男「えっ、ちょっと待ってくださいよ。それ全部マネさんの負担じゃないですか!?」

マネ「うん、そういうところに気が回る君は本当に良い。教え甲斐がある」

男「そんなことばっかりしてるから毎月死に掛けるんですよ」

マネ「まぁ、最終的には僕の負担を減らすためですし先行投資ってことで。
   恩に着せますから存分に報いてください」

男「……なんというか、甘やかされてますね、俺。ホント敵いません」

マネ「良いってことです。
   ――ホール、そろそろ手が詰まりそうですよ」

男「……っ。いってきます」

マネ「はい、いってらっしゃい」

52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/27(木) 01:52:41.83 ID:octY0KrW0 [8/81]
男「――ご注文はお決まりでしょうか」

女友「……やっぱり、あのときの人」

男「は?」

女友「昨日の夕方、VIP通りで女さんと話してたでしょう?」

男(……えーっと)
 「そうですけど、ちょっと今忙しいですから個人的な用件は後にして頂けると……」

女友「あなた、女さんの何なの?」

男「何、と言われましても。……友人ですが」

女友「…………そう」

男「それで、ご注文は」

女友「ランチ、Bセット。サラダ、ブレッドで。コーヒーは食後に」

男「ランチメニューのBセット、サラダ、ブレッド。お飲み物はコーヒーで、食後ですね。かしこまりました」




女友(……ふーん?)

男(……何か、怖いな)

53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/27(木) 02:10:57.06 ID:octY0KrW0 [9/81]
今後の展開どうしようか?

>>55
1.女友三角関係ルート
2.猫ルート
3.女ルート

※選択されなかったルートは書きません

56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/27(木) 02:35:13.14 ID:octY0KrW0 [10/81]
女ルート了解した。
ちなみに猫ルート入った場合20歳の魔法少(?)女が誕生する予定でした☆

57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/27(木) 02:43:03.95 ID:octY0KrW0 [11/81]
追記:三角関係になるだけでちゃんと女とのEDに入る予定だったり。
要するに当て馬化するかどうかで悩んでたとも言う。

59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/27(木) 03:10:34.48 ID:octY0KrW0 [12/81]

男「――お会計は、****円になります」

女友「はい。レシートはいらないわ」

男「****円からお預かりします。お釣りは***円になります。ありがとうございました」

女友「それで……男さん?」

男「!!」 ビクッ
 (……って、名札か)

女友「……別に取って食うわけじゃありませんよ。 クスクス
   今日は何時に上がりますか?」

男「ちょっと分からないですね。閉店後もしばらく残りますから」

女友「そうですか。それじゃあ……  サラサラサラ
   後で連絡してください」

男「はぁ」

女友「それじゃ、ご馳走様でした」

男「……ありがとうございました」

60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/27(木) 03:18:47.20 ID:octY0KrW0 [13/81]
バイト「……チーフいいっすね、あんなきれいな人にナンパされるなんて」

男「ねーよ。あの人の友達が俺の友達でもあるんで、それで連絡先よこしただけ。
  ほれ、さっさと仕事に戻れよまだ18番こっち見てんぞ?」

バイト「アイサ!」

男「……ったく」

マネ(……) じーっ

男(!?
  怖い! なんかこの人怖い!!)

61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/27(木) 03:27:29.65 ID:octY0KrW0 [14/81]
男(――マネさんマジパネェ。
  実際どこをどうやったらあんな数字マジック動かせるんだよ……。
  『君もなれれば大丈夫だヨ』って死んだ目で言われても……ハハッ)

女「こんばんにゃー」

猫「にゃあ」

男「うおおっ!?」

猫「猫がにゃあと鳴いて悪いか」

男「いや、渋い声のまま『にゃあ』とか言われても」

女「むぅー。頭越しに話すのは禁止! ダメ、ゼッタイ!!」

男「ああ悪い」

女「むぅー。なんか口先だけの言葉だ」

男「そんなことは……ない、と、思うよ? 多分」

女「むぅー! むぅー! 誠意がないよ誠意が!!」 ぶんぶん

猫「待て落ち着け揺れる」
  そんなことより男に用があるのだろう?」

女「あ、そだそだ。そーだった」

男「?」

62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/27(木) 03:33:00.65 ID:octY0KrW0 [15/81]
女「んと……今日、何か変わったことなかった?」

男「変わった?
  ……ああ、そういえば」

女「やっぱり! あのね、忘れて良いからね! 絶対だからね!!」

猫「落ち着け」 ぺしっ

女「あいたっ」

猫「実はな、女の友人……女友というのだが、彼女が男に話しかけたと聞いてな。
  女はここで待っていたというわけだ」

男「ちょ……そんなの、メールで良いじゃないか。
  こんな夜遅くに一人で出歩くなんて……! てかそうだよ、何でこんな時間に居るんだよ!!」

女「一人じゃないもん!」

猫「戦力外にして欲しいところだ」

男「あーもう……はぁ。
  送るよ。歩きながら話そう」

女「…………うん」

64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/27(木) 03:41:29.93 ID:octY0KrW0 [16/81]
男「昼にな、女友さんが来て話したいって言って。
  忙しいからって断ったら連絡先置いていったんだよ」

女「……それだけ?」

男「そ。んと…… ゴソゴソ
  これがそのメモだな。まだ携帯に入れてない」

女「……メール、するの?」 うるうる

男「何の用事か分からん。お前絡みだとは思うが」

女「ううーっ……」

猫(……)

男(……なんか、この反応は期待しちゃいそうでむず痒いな)
 「まぁ、遅くはなったけど今からでもメールすべき……かな?」

女「……!」 うるうる

男(どーすりゃいいんだよ……)

猫(……ふん)

65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/27(木) 03:42:14.89 ID:octY0KrW0 [17/81]
>>63
そんなの、猫だからに決まっているでしょう!!

66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/27(木) 03:45:58.69 ID:octY0KrW0 [18/81]
男「ほれ、着いたぞ」

女「……うん。ごめんね?」

男「謝るぐらいなら心配させんな」

女「…………うん。おやすみ」

男「おう」

猫(……) じーっ

男「なんだよ」

猫(……) ふりっ






男(女の奇行は前からだけど、これ……どう解釈すれば良いんだよ……)

69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/27(木) 03:56:02.93 ID:octY0KrW0 [20/81]
To:女友
Sub:はじめまして
 男です。夜分遅くに申し訳ありません。
 用件は何でしょうか?

 それと一応、番号もお知らせしておきます。
 090-0721-1919


To:男
Sub:Re>はじめまして
 どうも。早速ですけど、メールでは話し辛い内容なので
 できれば直接会ってお話したいのですけれど、都合の良い
 日時をお教えいただけませんでしょうか?



男(……モテキ? ハハッ、何を馬鹿な。
  ま、何がなんだか分からんけど会って話をするだけ……だよな?)

70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/27(木) 04:03:35.05 ID:octY0KrW0 [21/81]
女「――猫は何も言ってくれないんだね」

猫「わしの倫理観で正しいと思うことが、お前たちの間でも通じるとは限らん。
  それと、助言が欲しいのならくれてやるが、自分からは首を突っ込む気にはならん」

女「……そっか」

猫「だがまぁ、独り言だと思って聞いてくれ」

女「……」

猫「男から、お前たちの出会いが一年前だと聞いた」

女「うん」

猫「その間、一度も女の友人たちに男の存在を気取られないようにしていたのだろう?」

女「……」

猫「なぜそうしたのかは知らん。ただ、それが答えなのだろうと思う」

女「そう、なのかな」

猫「……寝る」

女「うん、おやすみ」

78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/27(木) 04:53:55.99 ID:octY0KrW0 [25/81]
――数日後

女友「こんにちは、男さん」

男「ああ、こんにちは。よかった、すぐに見つけられて」

女友「まだ約束の時間前ですし、別に良いですよ」

男「ありがとうございます。――それで、話って?」

女友「ここじゃなんですから行きましょうか。向こうにちょっと良い雰囲気の喫茶店があるんですよ」

男「はぁ」
 (……流されてるなぁ)

79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/27(木) 04:54:32.03 ID:octY0KrW0 [26/81]
女友「――ブレンド、アイスで。男さんは?」

男「ホットコーヒーで」

ウェイター「かしこまりました」

女友「で、単刀直入に聞くわね。あなた、女さんの何?」

男「前にも言ったじゃないですか。友人ですよ」

女友「そう? でも、あの子あなたと話してる間、すっごく表情が明るかったわよ?」

男「そう……ですか? あんまり彼女が他の人といるところを見たことがないので」

女友「えっ」

男「あいつ、結構変なやつでしょう? 俺みたいなフリーターが彼女と付き合ってる、
  ってのは世間体的にも拙いでしょうしね。だからまぁ、女友さんみたいな友達が居る
  みたいで正直に言えばちょっと安心したんですよ」
男(あ、自分で言って凹んだ)

女友「ちょっと、その辺り詳しく聞かせてもらえないかしら?」

男「へっ?」

80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/27(木) 04:55:13.17 ID:octY0KrW0 [27/81]
女友「女さんは……そうね、どちらかといえば広く浅く付き合うタイプの人ね。特定の人と親しくはしないみたい」

男「そうなんですか?」

女友「自己主張もほとんどしないし、この間の合コンの時も人数合わせで呼ばれたようなものよ」

男「あー、ありますね」

女友「そんなあの子がよ? 見たことのない明るい雰囲気であなたに話しかけてるのを見て――」

男「えっ」

女友「――正直、嫉妬したわ」

ウェイター「アイスと、ホットになります。ご注文は以上でよろしいでしょうか」

女友「はい」 にっこり

男「……えっと」
 (あれ、バリバリの敬語で猫被ってたよなぁ……?)

女友「なにかしら?」

男「俺、アレで相当猫被ってるなーって思ったんですけど、それでも、その……明るく見えたんですか?」

女友「ええ、そうよ?」

男「マジっすか」

女友「こんなところで嘘をついてどうするの」

81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/27(木) 04:56:19.90 ID:octY0KrW0 [28/81]
女友「で、今度はあなたの番よ」

男「……というと?」

女友「あなたの目から見た女さんはどんな人?」

男「どんなって……寂しがり屋で、表情豊かで、思い付きをそのまま突飛な行動にして、
  目を離すと何をするのか分からないので少し心配です。
  それに、その……誰かと一緒に居るところを見ないので、寂しがり屋の癖に友達とか
  いないのかな、とか思ってたんで……猫を飼うのは賛成だったんですけど」
  (喋る……はいらないか)

女友「……ふぅん?」

男「……えっと普段は俺に対して敬語なんて使わないんですよ。なのに……」

女友「ああ、この間のときは話し声までは聞こえなかったわよ?
   ただ、楽しそうだなぁとだけ思って見てたの」

男「なる、ほど……」

女友「……そうか。彼女、結構猫被ってたんだ」

男「あー……」

女友「何?」

男「いえ、なんでもないです」
 (この間は本当に猫を被ってて、その成り行きで飼う事になったとか今更言えない……)

82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/27(木) 05:04:30.63 ID:octY0KrW0 [29/81]

女友「――ありがとう、色々と面白い話を聞けたわ」

男「……俺も、なんだか違う一面を見たって感じです」

女友「ふふっ。私たちも、良いお友達になれそう?」

男「あー……実を言うと、彼女は俺が女友さんに会うのをちょっと嫌がってた節があるので」

女友「……それは、自惚れ?」

男「分かりません。そうだったら良いなと」

女友「なるほど♪」 にっこり

男(余計なことしたかなー……でも、やっぱり友達は必要だと思うんだよ。
  彼女、この間の合コンの雰囲気が悪くなったの責めなかったし。きっと良い人だと思う)
 「……それと」

女友「なぁに?」

男「余計なことだと思うんですけど。……猫っ被りで、本心見えないところもあるけど、いいやつなんでっ!
  あの子と、仲良くしてあげてください」

女友「……そういう風にしてると、あなた、あの子のお兄さんみたいね?」

男(お兄……さん?)

女友「じゃ、またね♪」

94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/27(木) 11:06:06.47 ID:octY0KrW0 [35/81]
男(……うーん、一晩考えても埒が明かないな。
  猫借りて相談でもしてみるか? ……って俺もダチいねぇな。大体地元だからしゃーないけど)

女「おっすおっはよー」

男「お、はよう」

女「なんだいなんだい歯切れが悪いねぇ」

猫「大方浮気でもして決まりが悪いのだろう」

女「ううう浮気? ど、どこの人妻ですか!? 有閑マダム白昼堂々の……!」

男「ちょっと待てどこから仕入れたそんな情報」

猫「わしだ」

男「マジか」

猫「うそだ」

男「……猫も杓子も嘘をつくこのご時勢。嫌過ぎる」

女「んふふー、ちょっと元気でたね! グッジョブだよ、猫!」

猫「うむ? そんなつもりなどなかったのだが」

男「朝から元気すぎるのはお前だ」 べしっ

女「あいたっ」

95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/27(木) 11:06:46.20 ID:octY0KrW0 [36/81]
男「で、今日はもう行かなくて良いのか? 時間だけど……」

女「一限も二限も休講だって」

男「そうか」

女「男は?」

男「昼から。なんだ、結構時間あるな」

女「そだね」

男「……」

女「……」

猫「……はぁ」

男「どうしたんだ?」

猫「どうしたもこうしたも、女、聞きたいことがあったのだろう?」

女「うぇ!?」

96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/27(木) 11:07:23.83 ID:octY0KrW0 [37/81]
男「聞きたいこと?」

女「ううっ、猫が……猫がいじめるんだ……」

猫「……はぁ」

男「お察しします」

猫「それは良いから聞いてやれ」

男「分かった」

女「あの……ね?」

男「おう」

女「女友さんと……会ったの?」

男「お、おう」

女「何、話したのかなぁーって」 ちらっ

男「……共通の話題がお前だけだからな。おおむねお前の話。あとお互いのこと。
  半分ぐらい自己紹介だったんじゃないかな」

女「ええっ、わ、私のこと!?」

97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/27(木) 11:08:09.58 ID:octY0KrW0 [38/81]
男「……前々から思ってたけど、キャラ作ってんだなーって話。
  でもまぁ、あの人、良い人みたいだし? 仲良くしなよ」

女「あうう、それでかー……」

男「うん? 何か問題あったか?」

女「問題、っていうかぁー……なんか、じーっと観察されてる感じ」

男「ああー……」

女「それに……」 ゴニョゴニョ

男「それに?」

女「な、なんでもないよっ!」 あせあせっ

猫「だから急に頭を動かすな」

女「あっ、ごめん」

98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/27(木) 11:13:59.11 ID:octY0KrW0 [39/81]
男「……なんか拙かったのか?」

猫「拙くはないさ」

男「だといいけど」

女「あの、あのねっ」

男「うん?」 じっ

女「……うううっ」 たじっ

男(……うーん、俺が『お兄ちゃん』なら女も俺のことそう思ってる……のか? 分からない……)

女「まだ時間あるけど、行くねっ!」 すたっ

猫「またな」 ふりっふりっ

男「え、あ、うん……またな」







男「――女友さん、何か言ったっぽいな……」

102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/27(木) 12:47:21.65 ID:octY0KrW0 [40/81]
女友「なるほどー。あんな感じで毎朝デートしてたわけですね?」

女「うぇあ!?」

女友「あはは! おっもしろい!!」

女「……えっと、どこから見てたの?」

女友「……最初から? というか、どうしてあなた、頭に猫乗せてるの?」

女「ね……ねこかぶり、です」 ささっ ぎゅっ 猫「ふみゃあ」(裏声)

女友「は?」

女「……」

女友「えっとぉ……」

女「ねこかぶり、なのです」

女友「ぷ……くくく、あははははは!!」 ばしばし

女「うううっ、ひどい……」

女友「なるほどね、あの人が言ってたのなんとなく分かるわ」

女「……なんて言ってたの?」

女友「それは――ひみつっ!」

103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/27(木) 12:47:51.38 ID:octY0KrW0 [41/81]
女「ううっ……女友さんがそんな人だとは思わなかった……」

女友「そう? あなたがこんな面白い人だったってことのほうがよっぽどだわ」

女「ううっ、なんだかいじめられてる気がする……」

女友「うーん……だけど、話すようになって結構長いけど、ほら、全然本性とか見せなかったし。
   この間まであなたのこと、本当におとなしいだけの人だと思ってたわ」

女「できれば埋まってたいのに……」

女友「……今みたいに表情豊かなほうが何倍も魅力的だと思うけど?」

女「でも、男、さん……はよく呆れてるみたいだし」

女友「とてもそういう風には……岡目八目って言うのかしらね?」

女「お亀?」

女友「傍から見てるほうがよく全体が見えるってこと。
   まぁ、お似合いよ。付き合ってないだなんてのが嘘みたい」

女「そう……なのかな?」

女友「……違うの?」

女「よく……わかんないデス」

女友「……あなたもよくよく複雑ね」

104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/27(木) 12:48:19.51 ID:octY0KrW0 [42/81]
女「……だから、だめなのかなって」

女友「何がダメなのよ? 言ったでしょ、傍から見てる分にはお似合いだって」

女「どう言えばいいのかな」

女友「……」

女「わたしって、うそつきだから」

女友(……そんなの、今更だと思うけど)

女「それに……」

女友「それに?」

女「どんなに嘘をついても、なんだか許してもらえちゃいそうで。
  そういうのって、少し、怖いかな」

女友「……あんたって子は」

女「変……だよね」

女友「あー、もう」 ぐりぐり

女「ひゃう、髪の毛くしゃくしゃにしないでぇ~」

女友「猫乗せてて今更何言ってんの! ああもう、可愛いやつめ!」 ぐりぐり

女「あううぅ~」

105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/27(木) 13:00:06.46 ID:octY0KrW0 [43/81]
女友「あっ、そうそう。ノート今のうちに返しとくね。ありがと」

女「どーいたしまして」

~♪

女友「……メール?」

女「えっ、あっうん」

女友「見ないの?」

女「えっと……」

女友「なるほど、男さんか」

女「!!」

女友「……きっかけがつかめればあなたほど分かりやすい人はないわね」

女「うううっ、ポーカーフェイスがうまくできないよー」

女友「で、見ないの?」 わくわく

女「うう~……」 パカッ


To:女
Sub:そういえば言い忘れてたんだけど
 しばらく遅番が続くから、前みたいに店の近くで待つのやめてくれよ。

106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/27(木) 13:06:41.21 ID:octY0KrW0 [44/81]
女友(……うわぁ)

女「もう、心配性なんだから……」

女友「うん、なんというか、ご馳走様って感じだわ」

女「えっ?」

女友(……ま、そうね)
   「どうせ午前中は講義ないんだし、遊びに行かない?」

女「えっ、えっ?」

女友「なぁに? 不思議そうな顔して」

女「あの……私なんかと遊んでも楽しくない、デスヨ?」

女友「あなたは、あなたの魅力を分かってないのよ。
   それに、私自身があなたともっと親しくなりたいと思ってるの。嫌?」

女「そ、そんなことは!」

女友「そ! じゃ、行きましょっか」

女「え、ええ~っ!?」




猫(……全く、やれやれだな)

116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/27(木) 15:33:54.65 ID:octY0KrW0 [49/81]
女「ただいまー……って誰も居ないんだけどねー。
  ――うううっ、それにしてもやっぱり女友さん苦手だなぁ……」

猫「悪い人ではないと思うが」

女「悪い人じゃないっていうのが逆につらいんだよー」

猫「難儀だな」

女「猫はフォローしてくれないしー」

猫「そもそも猫が喋るほうがおかしいだろう」

女「あれ? ……あ、そういえばそっか」

猫「……全く」

117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/27(木) 15:34:14.25 ID:octY0KrW0 [50/81]
女「ねーねー猫ー?」

猫「どうした?」

女「機嫌、悪い?」

猫「そんなことはない」

女「ごめんね。私察しが悪いからさ、上手く言えないんだ」

猫(……)

女「と、そうだばんごはん! カリカリ! お腹すいてるよね!!」

猫「……いただこう」

女「うむっ、いただきたまえ!」

118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/27(木) 15:34:52.65 ID:octY0KrW0 [51/81]

――1週間後

女「お、おはよう」

女友「おはようございます」

猫「……にゃあ」(裏声)

男「えっと……おはよう?」

女友「そんなあからさまに嫌そうな顔をしなくても良いと思いますよ?」

男「そういうわけじゃないんですけど……」 チラッ

猫「にゃ……」(裏声)

男(なんだかんだと3人(?)で喋るのが当たり前になってたんだよなぁ。
  猫は結構良いこと言うし。コント的な意味で)

女「あのね、3人で話してみたいって言うからさ」

男「まぁ、いいけど。
  ……えっと、お久しぶりです」

女友「そんなにかしこまらなくても」

男「ううっ、微妙にやりにくいな」

120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/27(木) 15:42:01.71 ID:octY0KrW0 [52/81]
女友「勉強は進んでますか?」

男「まぁ、ボチボチですね。師匠が厳しいのでやたら鍛えられてます」

女友「ああ、それはいいですね。
   男さんは鍛え甲斐がありそう」

男「褒め言葉として受け取っておきます」

女「……何の話?」

女友「あれ、話してないの?」

男「いやぁ……なんだか言いづらくて」

女友「ああ、そういうのってありますよね」

男「その含み笑いやめてください」

121 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/27(木) 15:42:36.99 ID:octY0KrW0 [53/81]
女「むー……」

男「どうした?」

女「男がバイトしてるの、見たことあるしー」

男「うん」

女「女の人と話してるのも見たことあるけどー」

男「……うん」

女「なんか、女友さんと話してるのは、びみょーに、やだ」

女友「やきもち?」

女「ちがうもん!
  なんだろ、一生懸命懐かせた野良猫がよそのおばちゃんからちくわ貰ってるの
  見たみたいな気分!」

男「どちらかというとそりゃこっちの台詞だ。お前のほうが絶対猫っぽい」

女「ねこじゃ! ない? うーん。どちらかといえば猫のほうが良いかも? ねぇ?」

猫「にゃあ」(裏声)

122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/27(木) 15:44:07.76 ID:octY0KrW0 [54/81]
女友「前から思ってたけどその子、言葉分かってるわよね?」

猫「……」 たしったしっ

男「よくこうやって無言のツッコミを投げかけてきます」

女友「へぇー?」 なでなで

猫「うにゃぁ……」 すりすり

女「むぅー。私がなでてもここまでうれしそうにしないくせにー」

女友「やきもち?」

女「ちが! ……くないデス」

女友「ふふっ」

男「だからその含み笑いは勘弁してくださいってば」

女「むぅ……なんか、なんかやなかんじ!」

 すたたたたっ

男「あっ」

女友「あー、逃げちゃいましたね。からかいすぎたかな?」

男「……逆境に割と弱いですからね」

123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/27(木) 15:45:01.74 ID:octY0KrW0 [55/81]
女友「……男さんから見て、女さんはいつも通りでしたか?」

男「え? ええ、まぁ。若干緊張してるようにも見えましたけど」

女友「そう。それならよかった」

男「というと?」

女友「んー……女同士の秘密、ということで」

男「はぁ」

女友「あの子ね」

男「はい」

女友「学校でも少しずつ地が出るようになってきたの」

男(……)

女友「良い傾向だと思いますか?」

男「ええ、まぁ」

女友「……ふぅん?」

男「だからその含み……いえ、もういいです」

女友「だって、『俺だけのものだったのに』って顔してたわよ?」

124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/27(木) 15:47:03.70 ID:octY0KrW0 [56/81]
男「――っ!」

女友「独占欲はほどほどにね、『お兄ちゃん』?」

男「……勘弁してください」











女「……どうして、逃げちゃったんだろ」

猫(……)

女「自分で答えを見つけろ、って言うんだよね」

猫「……」 ぺしっ

女「……うん、ありがと。猫はやさしいね」

138 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/27(木) 20:58:51.86 ID:octY0KrW0 [60/81]

女「――こないだは、ごめん」

男「おお、おはよう。久しぶり……かな?」

猫「11日ぶりだな」

女「…………」

男「元気してたか?」

猫「概ね」

男「煮干、食うか?」

猫「いただこう」 ふりっふりっ

女「……頭越しのお話は、禁止……だもん」

男「悪い」

女「…………」

139 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[保守thx] 投稿日:2010/05/27(木) 20:59:51.03 ID:octY0KrW0 [61/81]
男「――勉強な、目処が付いた」

女「……?」

男「こないだの話。
  この歳になってアレだけどさ。ちゃんと就職することになったってこと。
  だから、ここんとこあんまり構えなくてごめんな」 ぺこっ

女「あ……う…………」

男「……どした? この間から何かおかしいけど」

女「…………なんでも、なくはないけど」

男「女友さんがよくメールくれてさ。なんだか、一方的にそっちで何があったか
  知ってるみたいな感じになっちゃってるんだけど」

女「え゙っ」

男「教壇にレポート置きに行ってこけたとか」 くすくすっ

女「えええっ!」

猫「……あれは死ぬかと思ったな」

140 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/27(木) 21:01:00.95 ID:octY0KrW0 [62/81]
男「でもやっぱり、女の口から色々聞きたいな。俺も話したいことあるし。
  ……今日、少し時間あるだろ?」

女「う……あ……」 かあっ

男「……?」

猫「……ふぅ」

男「えっと……どうかした?」

猫「わしの口から言うべきことじゃないな。
  すまないが、今日はこのまま行かせて欲しい」

男「あ、うん。わかった」

猫「すまんな。――ほれ、行くぞ」

女「……あうう~。ごめんね、なんか上手くいかない、んだ。
  今度! 今度会うときは、いつもの私だから。
  …………だから、またね」

男「……おう、またな」

猫(……) ふりっふりっ



男「……うーん、久しぶりだと結構緊張するな。
  前はこうじゃなかった気がするんだけど」

141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/27(木) 21:03:18.69 ID:octY0KrW0 [63/81]
女「――今日はちょっと奮発してハマチのあらを水煮にしてほぐしてみたよ」

猫「……いただきます」 はぐはぐ

女「骨もちゃんととったし!」

猫「……」 はぐはぐ

女「……」

猫「……」 はぐはぐ

女「……どう、おいしい?」

猫「塩分控えめなのはありがたい」 ぺろぺろ

女「勉強したもん」

猫「……ごちそうさま」 たしったしっ

女「おそまつさまでした」

猫「……なぁ」

女「なぁに?」

猫「いい加減、わしを連れて回らなくてもいいんじゃないか?」

女「……えっ?」

142 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/27(木) 21:03:34.41 ID:octY0KrW0 [64/81]
猫「女は……わしがいなくとも、いや、猫を被らずとも友達が増えただろう」

女「……」

猫「わしに頼らずともやっていけるはずだ。女友とも……男とも」

女「でもね、猫が居てくれるとね……猫が居てくれないと、不安なんだ。
  今日だって、猫がいないと何言ってたかわかんないし。
  それに……最近、上手く猫を被れなくなった気がするんだ」

猫「――ペルソナ、という言葉を知っているか」

女「ペルソナ?」

猫「仮面、という意味だ。
  人は誰しも複数の側面を持っている。いろんな人に出会い、いろんな場面に出会い、
  その時々に被る仮面たちの集合体が、一人の人間なんだ」

女「……」

猫「猫を被らないと、わしがいないと、女が消えてしまう……そんなことはない。
  埋もれていたくたって、見つけ出す人がいる。女友のように」

女「でも、でも私……」

猫「自信がないか?」

女「…………」 こく

143 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/27(木) 21:03:51.14 ID:octY0KrW0 [65/81]
猫「どうしてだ」

女「だって……二人に見せた……その、ペルソナも。
  多分、私じゃない」

猫「……」

女「あんまり、はしゃぐの……得意じゃない、よ?」

猫「――仮面は、面だ」

女「?」 きょとん

猫「一面であって、全てじゃない。一つの方向から全てが見えるわけじゃない」

女「……」

猫「わしは、まだ女に近いから……そういう女の弱さを知っている。
  しかしその弱さだって女の全てじゃない」

女「……でも」

猫「どこにも本当の女はいない。それでも、女はここにいる」

女「…………」

猫「ありのままの自分も実は本当じゃない。猫を被った女だって、本当だ」

女「むずかしくて、わかんないや」

144 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/27(木) 21:04:46.87 ID:octY0KrW0 [66/81]
猫「つまり――女は、何があっても大丈夫ということだ」

女「……慰めてくれてるの?」

猫「どうだかな。
  ……先に寝る」

女「………………おやすみ」

猫「ああ、おやすみ」














猫(…………)

157 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/27(木) 23:01:19.79 ID:octY0KrW0 [70/81]
ざぁぁ――……

男「うへぁ、雨かよ」

 ~~♪

男「……と、女から? ピッ
  もしもし?」

女『……』

男「あれ、通じてないのかな」

女『……じゃう』

男「へ?」

女『猫がいなくなっちゃったの! 猫をかぶってないと死んじゃう!』





男「………………はぁ!?」

158 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/27(木) 23:01:42.49 ID:octY0KrW0 [71/81]
男(携帯から雨音……外にいるのか?)
 「今、どこにいる?」

女『公園の……近く……えぐっ』

男「待ってろ、今行く!!」

女『……でも』

男「でもでも言うな! 俺だってあいつのダチなんだよ!!」

女『……!!』

男「いったん切るぞ!!」 ピッ






男(落ち着け……何が要る? とりあえず店に休みの電話、あと……)

―――――

女(猫……どうして居なくなっちゃうの?)

159 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/27(木) 23:01:56.12 ID:octY0KrW0 [72/81]
女「男……」

男「おい、どうしたんだよ……とりあえずほら、傘の中に!」

女「猫が……」

男「猫がどうしたんだよ」 ふきふき

女「猫が、猫がいないと! 私、私、どうしていいか!!」 ぎゅむ

男「わとっ、落ち着けって!」

女「だめなの……あの子がいないと、私……ぐすっ」

男「……っ!
  とりあえずウチに来い。そのままじゃ風邪引くから……」

女「…………」 こくり

男「あいつだって元野良なんだろ? 雨ぐらいなんとかするはずだって」

女「でもっ」

男「いいから!」

女「う……うん」

160 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/27(木) 23:02:13.00 ID:octY0KrW0 [73/81]
男「――で、どうしたんだよ。猫が居なくなったって。
  あいつ賢いから伝言ぐらい残してるはずだろ?」 ふきふき

女「……うん。
  あのね、夢だと思ってたの」

男「夢?」

女「猫が……猫がね、役目は終わったから帰るって」

男「そう言ったのか?」

女「うん。……役目って何、って聞いたら、もうわかってるはずだって」

男(……)

女「毎日、いろんな話を聞いてもらって。でももう付き合いきれないって思ったのかな?
  私のこと、嫌いになったのかな?」

男「それはねーよ。俺が預かった後も、普通に帰っていっただろ」

女「でも!」 じわぁっ

男「あいつにも思うところがあるんだろ。泣くなよ」

女「……私、どうしていいかわかんなくて。
  ここのところ、女友さんとちゃんと友達になって、でも私、うまく、
  ……喋れなくて! これまで、ちゃんとやってこれたのに!!」 

男「……」

161 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/27(木) 23:02:32.55 ID:octY0KrW0 [74/81]
女「昨日も、男とうまく話せなくて……猫がいないと、私……」

男「…………」

女「ううっ、ううううう~~」 ぐずっ

男「…………」 ぎゅむ

女「…………えっ?」

男「だから落ち着けって。あいつも大丈夫だし、お前も大丈夫だから」

女「えっと……」 どきどき

男「俺は……お前がとんでもなく寂しがりで、すぐテンパるのを高めのテンションで
  誤魔化すような奴で、ついでにいっつも猫被ってるのも知ってるよ。
  なんでもかんでも『でもでも』言って、最後には自己嫌悪してるのだって知ってる。
  それにさ、ほら、今も猫が居なくたって、ちゃんと話せてるじゃないか。
  案外大丈夫なんだよ。そんな不安がることないんだよ。
  ……もっと自信、持てよ」

162 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/27(木) 23:02:48.40 ID:octY0KrW0 [75/81]
女「…………う」 どきどき

男「うん?」

女「この状態は、冷静になると、落ち着けない、かも」 どきどき

男「あ……ごめん」 ばっ

女「えと、落ち着かないけど、もうすこし、このままで……」 きゅ

男「う……うん」 どきどき






女(これが……答え、なのかな?)

男(……役目、か)

163 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/27(木) 23:03:01.61 ID:octY0KrW0 [76/81]
男「――毎日って、猫とどんな話をしてたんだ?」

女「色々なとき、どうすればよかったのかなって。
  訊いたら、大体は答えてくれた。
  ……ときどき、自分で考えろって言うんだけど、それでも猫はやさしい」

男「ああ、あいつらしいな」

女「あと……男が、言ってくれたみたいなこと」

男「えっと……」
 (何か、すっげー恥ずかしいこと言った気がするぞ、俺)

女「猫を被っても、被ってなくても、全部私だから大丈夫だって。
  ……むずかしくてよく分からなかったけど」

男「うん」

女「男も」

男「……うん」

女「優しくて、うっかり甘えてしまう。
  ……そういうのは、怖い」

男「……」

164 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/27(木) 23:03:24.02 ID:octY0KrW0 [77/81]
女「男が優しいのは、子供みたいにはしゃいでみせる私に対してなのか、
  でも、私……ほんとうは、はしゃぐのとか、そんなに得意じゃないくて」

男「うん」

女「でも、そんなほんとうの私は、男に優しくしてもらえるのかな、とか。
  優しくしてもらえるから一緒にいる……わけじゃない、と思うけど。でも」

男「うん」 きゅっ

女「でも、ほんとうの私、は、いないって猫は言った」 きゅっ

男「……」

女「猫の言うことは、大体当たってたから」

男「……」

女「だから……どうしていいか、わからない」

男「……そっか」

女「?」

165 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/27(木) 23:04:10.13 ID:octY0KrW0 [78/81]
男「肝心なこと言ってなかった」

女「……」 きょとん

男「俺、女のこと好きだぞ。多分ずっとずっと前から。女の子として」

女「……あれ?」

男「もしかしたら、ほっとけなくて『お兄ちゃん』みたいな気持ちだったのかなって
  思ったときもあったけどさ。違うんだ」

女「違うの? だって……」

男「……ほら、心臓爆発しそうだろ?」 ぎゅう

 どっ どっ どっ どっ

女「…………ほんとだ」

男「俺も、猫被ってたのかもな。
  ――はは、男だから羊の皮かも」

女「えっと……」

男「実のところ就職したのもおんなじ理由。
  あんまりもバイトが、俺たちの関係が居心地いいから甘えてた。
  変えたくなかったんだ。
  でも、それだけじゃ駄目かなって」

166 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/27(木) 23:04:31.22 ID:octY0KrW0 [79/81]
女「……」

男「随分遠回りした気がするけど、つきあってくれないか?」

女「……うん。私も、男のこと……好き。
  きっと、ずっと前から――」














         ちゅっ



167 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[台詞だけとか無理] 投稿日:2010/05/27(木) 23:05:54.80 ID:octY0KrW0 [80/81]
――キンクリ。時を飛ばした。ワッフルしてもないものはない。

 がちゃ ぎぃいい

女「……えっ?」

猫「――おかえり。上手く行ったようだな」

男「はぁ。……お前の性格的に十分ありうると思ったけどマジで居るとは思わなかったぞ」

猫「ふむ。わしも見透かされるとはまだまだ甘いな」

女「…………えっ、えっ?」

男「風呂場にでも隠れてたのか?」

猫「いや、洗濯物の隙間にな」 とてとてとて

女「あんなに……あんなに!」

猫「うむ、すまなかった。それはそれとして腹が減ったぞ」 すりすり



女「――もう、心配したんだよ!!」 ぎゅうう

猫「ふぎゃあ!!」(裏声)

                                             新ジャンル「猫かぶり」 おわれ


170 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/05/27(木) 23:21:53.62 ID:+rCWc5eK0 [5/5]
      /゙ミヽ、,,___,,/゙ヽ   わしに頼らずともやっていけるはずだ。
      i ノ   川 `ヽ'   ――ペルソナ、という言葉を知っているか
      / ` ・  . ・ i、   人は誰しも複数の側面を持っている。
     彡,   ミ(_,人_)彡ミ  いろんな人に出会い、いろんな場面に出会い、 
 ∩,  / ヽ、,      ノ   その時々に被る仮面たちの集合体が、一人の人間なんだ
 丶ニ|    '"''''''''"´ ノ    猫を被らないと、わしがいないと、女が消えてしまう……そんなことはない。
    ∪⌒∪" ̄ ̄∪    あ、猫缶は銀匙で頼むよ。

174 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/05/27(木) 23:40:56.40 ID:octY0KrW0 [81/81]
>>170
不覚


ぶっちゃけ前にどっかのスレでワッフルワッフル書いたことあるけど
地の文かイラストないとどうしてもハァハァアンアン言ってるだけになるのね
というわけで無理

最後になりますが保守支援ありがとうございました。

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