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唯「バック・トゥ・ザ・フューチャー!」
3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/23(日) 23:34:15.03 ID:ND7TlmqA0 [2/11]
一年唯「んーどうしよう」
梓「ちょ、唯先輩隠れて!」
唯「へ? なんで?」
梓「いいから! この掲示板の裏に!!」
グイッ
唯「わわっ…」
一年唯「んっ?」
梓「……!」(見つかった…?)
一年唯「あの」
梓「……は、はい!!?」
一年唯「もしかして……同じ一年生?」
一年唯「んーどうしよう」
梓「ちょ、唯先輩隠れて!」
唯「へ? なんで?」
梓「いいから! この掲示板の裏に!!」
グイッ
唯「わわっ…」
一年唯「んっ?」
梓「……!」(見つかった…?)
一年唯「あの」
梓「……は、はい!!?」
一年唯「もしかして……同じ一年生?」
5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/23(日) 23:35:03.02 ID:ND7TlmqA0
梓「え、あ、はい! そ、そうです!!」
一年唯「部活とかもう入ってるのー?」
梓「えっ、あ…軽音部に……」
一年唯「軽音部? なにする部活なの?」
梓「ライブで演奏とかやったり……」
一年唯「ライブかぁ。私には無理だなあ」
梓「……」
一年唯「ありがとー、じゃあねー」
タッタッタッタ
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/23(日) 23:37:52.09 ID:ND7TlmqA0
梓「……ふぅ……」
唯「あ、あずにゃん…! 今のは……」
梓「どうみても唯先輩……でしたね、でも私と同じくらいの歳でした」
唯「と、ととということは……本当に……」
梓「タイムスリップしたみたいですね……」
唯「一年の頃の私ってあんな感じだったのかぁ」
梓「何のんきなこと言ってるんですか! はやく帰りましょうよ!」
唯「えー、もうちょっとみていこうよー」
梓「ダメです! もし未来に関わる重要なことしちゃったらどうするんですか!
映画や漫画でよくあるパターンです」
唯「えー」
梓「とにかく、さっきの車まで戻りましょう」
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/23(日) 23:39:15.97 ID:ND7TlmqA0
ガサガサ
唯「ここだー」
梓「運転覚えてますよね? はやく行きましょう」
唯「うーん」
梓「……先輩?」
唯「ホントにこのまま帰っちゃっていいのかなぁ」
梓「何言ってるんですか。さっきも言ったじゃないですか、未来が変わっちゃったら大変です」
唯「そーじゃなくてー」
梓「ダメなものはダメです!」
唯「ぶー わかったよー」
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/23(日) 23:41:56.57 ID:ND7TlmqA0
唯「ここに行きたい日時を入れればいいの?」
梓「たぶんです。だってこれ以外にそれっぽいものないし……」
ゴォォォォォォ
梓「結局わからずじまいでしたね」
唯「へ?」
梓「あのメモの意味ですよ。そりゃタイムスリップしましたけど……」
唯「元へ帰ったらりっちゃんたち元に戻ってるかなあ」
梓「どうでしょうね……」
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/23(日) 23:45:08.22 ID:ND7TlmqA0
ゴォォォォ
バシュッバシュッ
バァン
梓「も、戻りました?」
唯「うん、あ、ここ……」
梓「あっ…」
唯「例の路地だね」
梓「あ!」
唯「へ?」
梓「あ、あれ」
五人『うーん……』
唯「わ、私たちだ!」
14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/23(日) 23:50:18.68 ID:ND7TlmqA0
梓「唯先輩! ちゃんと日にちあわせたんですか!!」
唯「え、あ、一日間違えてる!」
梓「もー!! はやく逃げましょう!!」
唯「わ、わかった!」
ウィィンン
ダッ
唯梓「……」
紬『凍ってるわね…』
澪『あ、ちょっとムギ、近づいて大丈夫なのか?』
唯『ちべたっ!』
律『あれ、誰も乗ってねーな…?』
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/23(日) 23:56:19.24 ID:ND7TlmqA0
梓『あのときと……同じ、ですね』
唯『ということは……』
唯『みてみてりっちゃん! 乗ってみた』
澪『ちょっと唯!』
梓「そろそろですね…」
ガシャン!
唯「あ、ドアがしまった! たしかここだよね?」
梓「そうです。これで外にでたらみんながいなくなってて……」
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/23(日) 23:57:40.75 ID:ND7TlmqA0
澪紬律『……』
梓「!」
澪『あれ? なんで私こんなとこに……』
律『ん? 澪今日文芸部じゃなかったのか?』
紬『?』
澪『ん? ムギも? 今日合唱部の練習あるって言ってなかったけ』
紬『そうだわ、なんでこんなとこにいるのかしら……』
律『意味わかんねーな、帰ろうぜ』
澪『あっ! 律ー!』
唯梓「……」
梓「みんな突然記憶がなくなったようですね…」
唯「み、みんな……」
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 00:01:44.07 ID:ND7TlmqA0
ウィィン
唯『うーん、いくらりっちゃんでもさすがにそれはないと思うけどなー…』
梓『私もそう思いますけど……とりあえずさっき来た道に戻ってみましょう』
梓「ちょ、こっちにきます」
唯「隠れようあずにゃん!!」
ダッ
梓「やりすごし……ました?」
唯「うん、もう誰もいないよ」
梓「……」
唯「……」
梓「だめ、でしたね…」
唯「なにがいけなかったんだろう……」
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 00:06:18.54 ID:F+QeWFp/0 [1/39]
梓「やっぱり、あの車が原因ですよね……、なにか…先輩たちが変わってしまうような…
軽音部がなくなってしまったような……」
唯「うーん……どうすればいいのかなぁ?」
梓「……!」
唯「ん?」
梓「今、なんていいました?」
唯「えっ、どうすればいいのかなーって」
梓「……」
唯「へ? どうしたの?」
梓「もしかして……あれが原因、でしょうか……」
唯「あれ?」
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 00:11:11.54 ID:F+QeWFp/0 [2/39]
梓「唯先輩が軽音部に入ろうと思ったきっかけってなんですか?」
唯「えーっとね、たしか、軽音部の張り紙をみたんだよ。
それで軽音楽を勘違いして、私でもできるかもーって思って!」
梓「それって、さっき一年生の唯先輩にあった場所じゃないんですか?」
唯「へ、うーん、そうだったような……そうじゃなかったような……」
梓「もしかして、私、唯先輩が軽音部に入るきっかけをなくしてしまったんじゃ……」
唯「え!? そんなわけないよ! だって私が入ってないとしても軽音部がないのはおかし……」
唯「あ!」
梓「なんですか…?」
唯「あのとき、部員が足りなくて、私が入らなきゃ廃部になるはずだった……」
梓「えっ…それじゃあやっぱり……」
唯「あ、あずにゃんは悪くないよ! 一年生の私が悪いんだよ!」
梓「……」
唯「あ、あずにゃん……?」
梓「戻りましょう」
唯「えっ…?」
梓「過去へ戻りましょう」
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 00:15:19.68 ID:F+QeWFp/0 [3/39]
バシュンッ バシュンッ
バァァン!
梓「スムーズにいけましたね」
唯「なれたもんよ! ドライバーっぽい?」
唯「で、どこに降りればいいのー?」
梓「学校の裏……じゃあダメですね、どこか別の場所にしましょう」
唯「……で、どうやって降りれば……」
梓「えぇ!!」
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 00:18:56.63 ID:F+QeWFp/0 [4/39]
ガコン!
ウィィィィン
梓「毎回肝心なところは忘れてるんですね……」
唯「へへーすごいでしょ~」
梓「ほめてないです……」
タッタッタッタッタ
唯「今回は普通に門から入るんだね」
梓「堂々とします…あっ!」
唯「ん?」
梓「さっきの私たちです! こっちの木に隠れて!」
唯「ここんとこ隠れること多くない?」
梓「早く!」
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 00:24:07.05 ID:F+QeWFp/0 [5/39]
梓『ライブで演奏とかやったり……』
一年唯『ライブかぁ。私には無理だなあ』
梓『……』
一年唯『ありがとー、じゃあねー』
タッタッタッタ
唯『えー』
梓『とにかく、さっきの車まで戻りましょう』
タッタッタッタ
唯「……」
梓「……」
唯「い、行ったね…? こうしてみるとへんな気分…私が二人…いや三人!」
梓「先輩……」
唯「へ?」
梓「重いです…」
唯「あ、ああ! ごめんね! 思わず…」
梓「ふぅ……とりあえず、あの一年生の唯先輩を、どうにかして軽音部に入部させなきゃいけません」
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 00:29:21.55 ID:F+QeWFp/0 [6/39]
唯「でも、どうすればいいの? あ、もう一度軽音部の張り紙をみせれば! 私単純だからっ!」
梓「どうでしょうか……私のせいでライブなんて無理って思わせちゃったようですし……」
唯「あ、そうだ! じゃあ今の私が昔の私にかわって入部すればいいんじゃない!?
それなら軽音部は少なくともなくならないよ!」
梓「でも、それだと一年生の唯先輩が戸惑いませんかね…?」
唯「私ならきっと大丈夫だよ!」
梓「うーん……」
梓「とりあえず今のとこそれしか思いつきません…。
一年生の唯先輩には悪いですけど、やってみましょう」
31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 00:32:46.56 ID:F+QeWFp/0 [7/39]
唯「よっしゃ! じゃあさっそく軽音部の部室に行ってくるね!」
梓「はい」
唯「あれ、あずにゃんはこないの?」
梓「だって、まだ生徒でもない私が行ったらまずいじゃないですか…」
唯「えー一緒にいこーよー」
梓「私はここで待ってます。」
唯「ぶー! あずにゃんのケチ」
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 00:35:48.91 ID:F+QeWFp/0 [8/39]
軽音部室
律「……入部希望者、いねーな……」
澪「やっぱりダメなんだよ…」
紬「もうちょっと、粘ってみましょうよ…」
バタンッ!
唯「たのもーー!!」
三人「!?」
唯「入部しにやってまいりました!」
律「!!!」
律「マジで!? えっと、お名前は?」
唯「さ……一年生! 平沢唯です!」
律「おぉ! ありがとう!!」
紬「やったわね、りっちゃん」
律「おう! これで廃部しなくてすむぜ!」
35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 00:43:17.69 ID:F+QeWFp/0 [9/39]
澪「平沢さん、なにか楽器はやってるの?」
唯「楽器はね! ギターができるよ!」
律「おお! 丁度良いにもほどがあるな!」
和「あ、唯」
唯「え、あ、和ちゃん」
和「どうしたの? こんなところで」
唯「むふふ、和ちゃんちっちゃいなー。和ちゃんこそどうしたの?」
和「私はこのあとの新入生歓迎会にでるかどうか聞きに来たんだけど……
偶然少し時間が開いちゃってね、合唱部かどこかが歌でも歌ってくれれば、
と思ったんだけど、ここじゃなかったみたいね。それで、唯は?」
唯「私はね! 軽音部に入りに来たんだよ!」
和「軽音部? なんで唯が?」
律「平沢さんギター上手いんでしょ? だからだよね!」
和「唯がギター? ええ、そんなの初耳だけど」
37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 00:48:25.62 ID:F+QeWFp/0 [10/39]
律「えっ」
唯「え、なに言ってるの和ちゃ…」(あ、そうか、今はまだ…)
和「苦し紛れに嘘つくのもいいけど、ちゃんとバレない嘘つかなきゃダメよ」
唯「……」
律「……」
和「じゃあね、今度は合唱部あたってみるわ」
バタン
唯「え、えーと……」
律「いいんだよ平沢さん! 入ってくれるだけで嬉しいよ!」
紬「そうよ! おかげで廃部にならないですむわ!」
澪「みんな歓迎してるぞ!」
唯「あははは……」(ホントに弾けるんだけどなー)
38 名前:>>34 ありがとう[] 投稿日:2010/05/24(月) 00:50:22.03 ID:F+QeWFp/0 [11/39]
梓「ふぅー……唯先輩大丈夫かな……」
一年唯「あ」
梓「ビクッ!」
一年唯「さっきの人だー。まだそこにいたのー?」
梓「あ、う、うん。せんぱ……じゃなくて、あなたはなんで戻ってきたの?」
一年唯「もう帰ろうと思って…えーと名前…」
梓「あず…いや……中野……いや…………ギー太?」
一年唯「えっ!?」
梓「あ、いや、」(思わず意味分かんないこと言っちゃった…! ど、どうしよう…!)
一年唯「ギー太ちゃん? あだ名かな。変わった名前だね」
梓(信じるんだ……)
一年唯「そっかー、じゃあ一緒に帰らない? 和ちゃんもう生徒会入っちゃったし…」
梓「えっ!? えーと私、人待ってるから……」
一年唯「うーん、わかった。あ、じゃあその人が来るまで、ちょっとだけお話してようよ!」
梓「え、うん…」
39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 00:56:58.89 ID:F+QeWFp/0 [12/39]
軽音部室
律「ふぅーこれで四人揃ったわけだし、とりあえず安心だな」
澪「そうだなー…一回、みんなで合わせてみないか?」
紬「あ、いいわねそれ」
唯「わあ! やろうやろう!」
律「あ、でも平沢さん楽器できないんだっけ……」
唯「あ」(ギー太…)
紬「ここ音楽室でしょ。探せばギターくらいあるんじゃないかしら
とりあえず形だけでも触ってみたらどう?」
律「そうだな、探せー!」
40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 01:09:16.88 ID:F+QeWFp/0 [13/39]
澪「奥から古いのがでてきたぞ」
律「うわーカビくせー大丈夫かこれ」
紬「とりあえず、平沢さん持ってみて?」
唯「よいしょっと……」
律「おお! 似合ってる!似合ってる!」
澪「なんか弾いてみてよ」
唯「え、えーと……」
ボロンボロン
三人「……」
唯「……」(ギー太じゃないと上手く弾けない…)
律「まあ初心者だしな。これから上手くなればいいよ!」
澪「そうだな、よし、じゃあ一回やってみるか」
律「よし! せーの…」バタン!
律「ん?」
42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 01:16:04.56 ID:F+QeWFp/0 [14/39]
和「あのー」
唯「和ちゃん?」
和「少しお願いがあるんだけど……」
~掲示板近く~
一年唯「へー、それでギター始めたんだ」
梓「うん…まあまだまだまだなんだけど…」
一年唯「ギターかー…
かっこいいなー私もやってみようかなー」
梓「!」
梓「いいよ! やるべきだよ!」
44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 01:22:23.30 ID:F+QeWFp/0 [15/39]
軽音部室
律唯紬澪「ええ!? 新勧ライブ!?」
和「そうなのよ、悪いんだけど、もう軽音部しかなくて……」
律「いや、むしろ私たちが新入生なんだけど…」
澪「というかライブなんて絶対無理……」
和「そうは言っても、どうしてもこの時間埋めなきゃならないのよ。
部員勧誘もかねて、なにか簡単な曲でいいから、ね」
紬「うーん…少し練習した曲ならできるかもしれないけど……平沢さん、弾ける?」
唯「えっ、私? んー…」(ギー太があればできるんだけど……)
和「じゃ、お願いね! 20分後に体育館で、機材はこっちで用意しとくわ」
バタン
46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 01:25:41.21 ID:F+QeWFp/0 [16/39]
律「……」
澪「……」
紬「……」
律「大丈夫かよ……いきなりライブなんて……」
澪「た、倒れそう……もう帰っていい?」
律「ダメに決まってんだろ! それに、ボーカルはどうする? まだ何も決まってないぞ」
唯「あ、なら私がボーカルやるよ! それならできるし」
律「おお。じゃあ頼むぜ」
紬「曲はこれなんだけど……」
47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 01:37:39.85 ID:F+QeWFp/0 [17/39]
一年唯「待ってる人こないねー」
梓「う、うん…平沢さんは帰らなくて大丈夫なの?」
一年唯「私はまだ大丈夫だよー。それよりさー、部活に入ろうと思うんだけど、なにがいいかなぁ」
梓「…! 軽音部、とかどうかな」
一年唯「軽音部? んー…でも私楽器弾けないし…」
梓「平沢さんなら大丈夫だよ! きっと上手くなる! ていうか絶対うまくなる!」
一年唯「んーどうしよっかなぁ…」
生徒A「ねえねえ、新勧行く?」
梓「!」
生徒B「いこーかな。なんか軽音部もやるらしいけど、全員一年生なんだって」
生徒A「なにそれーw 新勧じゃないじゃんw」
梓(先輩…?)
48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 01:43:17.99 ID:F+QeWFp/0 [18/39]
一年唯「ねえ、今の聞いた? 新入生歓迎会だって、私知らなかった~」
梓「え、どうするの?」
一年唯「いこーよ。たのしそーだよー」
梓(軽音部がやるってことは……もしかして、唯先輩……)
一年唯「あ、ギー太ちゃん人待ってるんだっけ…? じゃあ私だけで行くね。」
梓「ちょっとまって! 私も行くから!」
梓(鉢合わせはまずい……気がする…!)
49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 01:45:41.59 ID:F+QeWFp/0 [19/39]
律「やっぱギターないのは寂しいよなー」
唯「……」
律「あ、別に平沢さんを攻めてるわけじゃないよ。ボーカルやってくれるしね!」
唯(うーん、やっぱりギター弾きたい…!)
澪「そ、そそそれより、本当にやるのか? …ライブ……」
律「当たり前じゃん! もうこれはチャンスだぜ! 一気に新入部員獲得の」
唯(そうだ! ギー太は背負ったまま下校して、あの車の中に置いてたから、
きっと車に戻ればギー太が手に入る!)
紬「ちゃんと弾けるかしら…」
50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 01:47:13.49 ID:F+QeWFp/0 [20/39]
ピピピピピ
梓「!」
梓(唯先輩からメール…)
一年唯「?」
梓(『車からギー太取ってきて』、って……)
一年唯「メール? さっきの待ってた人から?」
梓「うん、私ちょっと行かなきゃいけないけど……あの……」
一年唯「うん?」
梓「戻ってくるまで体育館入らない……でってのは…だめ、だよね…?」
一年唯「ええ!? なんで?」
梓「いやー、その…一緒にみたいから……」
一年唯「うーん……うん、いいよ! でもなるべく早く戻ってきてね」
梓「うん! ありがとう!」
ダッ
51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 01:49:55.40 ID:F+QeWFp/0 [21/39]
唯(あずにゃん、間に合うかなぁ……)
律「おーい。もうそろそろ時間だぞ。」
紬「次ね」
澪「うーん……」
タッタッタ
梓(いそげっ! いそげ!)
体育館前
ざわざわ
一年唯「うーん、中、どうなってるのかなぁ……」
一年唯「チラッ」
『バスケ部の発表は終ります。続きまして、柔道部より…』
一年唯「うーん、ギー太ちゃんまだかなぁ…」
52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 01:52:34.43 ID:F+QeWFp/0 [22/39]
律「これの次だよ、次!」
唯「うん、一応聞いとくけど、ギターってやっぱりあったほうがいいよね?」
律「当たり前だろー あ、でも無理しなくてもいいんだぞ」
唯「大丈夫」
『次は、軽音部の発表です』
紬「いよいよね」
澪「うーん……」
律「とりあえず、できることまでしようぜ」
バタン!
唯「!」
梓「先輩っ! 持ってきました!」
唯「おお!! ギー太っ!」
律「ギー太? 誰その子?」
梓「来年分かります!律先輩! 唯先輩! 澪先輩! 紬先輩! 頑張ってください!!」
律「どうして私らのことを……」
53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 01:54:18.89 ID:F+QeWFp/0 [23/39]
唯「よしっ! りっちゃん! やるよー!!」
律「りっちゃん…?」
『軽音部、どうぞー』
パチパチパチパチ
一年唯「あぁ、ギー太ちゃんの言ってた軽音部始まっちゃうよう…
まだかな、まだかな…」
一年唯(音だけ、音だけなら……)
54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 01:55:34.75 ID:F+QeWFp/0 [24/39]
律「1,2,3!」
唯「ギュイイイン」
三人「!?」
澪(上手っ…)
一年唯(……!)
一年唯(音楽……ギター……すごいっ)
一年唯(私もっ……)
一年唯(こんな風に弾けたら……)
一年唯(できるように……なりたいっ……!)
55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 02:00:14.39 ID:F+QeWFp/0 [25/39]
ジャラ~ン
タッタッタ
梓「はぁ……はぁ……」
一年唯「あ、ギー太ちゃん」
梓「ご、ごめんね…間に合わなくて……」
一年唯「ううん、音だけなら外から聞こえたから……」
梓「うん、それで…」
一年唯「私軽音部に入ろうと思うんだ!」
梓「えっ?」
一年唯「あのギター弾いてた人、姿は見えなかったけど、すっごいいい音だったよね!
私もあんなふうになりたいな~って思って……」
梓「……」
一年唯「やっぱ無理かなぁ……」
梓「ううん! そんなことない。絶対なれるよ、私が保証する」
一年唯「へへ、ありがとー」
58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 02:03:05.32 ID:F+QeWFp/0 [26/39]
梓「それじゃあ、悪いんだけど、私人を呼びに行かないといけないから、行くね」
一年唯「うん、また会えるよね?」
梓「もちろん」
梓「あ」
一年唯「?」
梓「平沢さんが軽音部に入って二年生になったとき、新入部員の子が来るんだけど、
その子が練習しろってうるさくしても、気を悪くしないでね?」
一年唯「へへ、分かった。約束するー」
梓「うん、じゃあ」
ダッ
59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 02:07:34.49 ID:F+QeWFp/0 [27/39]
律「おい、すげえじゃん平沢さん…いや、唯!」
唯「へへ~ギー太だと上手く弾けるんだ~」
澪「こんな上手いとは思わなかったな、びっくりしちゃった」
紬「すごいわ~唯ちゃん」
バタン!
梓「先輩!」
唯「あ、あずにゃん」
梓「行きましょう!」
唯「へ? もういいの?」
梓「あっちの唯先輩は大丈夫です。帰りましょう」
60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 02:08:41.69 ID:F+QeWFp/0 [28/39]
律「おいおい、もう帰っちゃうの? このあとどこか行かないかー?」
唯「お、いいね~」
梓「ダメです! 早くしないと、……鉢合わせちゃいますよ」
唯「ちぇー、あずにゃんのケチー」
澪「帰るって、家に? まだ時間あるのに」
梓「…バックトゥザフューチャーです!」
グイッ
タッタッタッタ
61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 02:12:23.47 ID:F+QeWFp/0 [29/39]
ゴォォォォォォォォ
梓「一年生の先輩、すごいやる気でしたよ」
唯「私もやるときはやるんだよ!」
梓「とりあえず、これで……未来の先輩たちも元に……」
バシュッバシュッ
バンッ!
唯「……」
梓「……」
唯「戻って……来たよね?」
梓「とりあえず降りて下さい」
唯「しょうち!」
ゴォォォォォォォォ
梓「ふぅ……やっとうまくいきましたね」
唯「へへー」
?『あ! あの銀色の車かっこいいね!外国の車?』
二人「!」
62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 02:15:23.48 ID:F+QeWFp/0 [30/39]
梓「ちょ、また日にち間違えてるじゃないですか!」
唯「あは~やっちゃった」
梓「そうじゃなくて、早く逃げて下さい!」
唯「え、でもでも」
梓「なんですか!」
唯「地面はどうやって走るのか分かんない……」
梓「もー! ちょっと変わって下さい!」
グイッ
唯「え、あずにゃん運転できるの?」
梓「こんなものハンドル握ってここ踏むだけでしょ!」グッ!
シーン……
唯「逆だよ」
梓「……」
65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 02:20:59.12 ID:F+QeWFp/0 [31/39]
ブオン!
梓「わっ! 動いた!」
唯「お、結構上手いね~」
梓「こ、これ怖いですね……近くに車がいなくてよかった……」
梓「……逃げきりました?」
唯「もう見えないね~」
梓「怖いからまた運転変わって下さい」
唯「え~私空しか運転できないよ?」
梓「それでもいいので……」
ゴォォォォォォォ
梓「……これから、どうするんです?」
唯「とりあえず、明日へ行っちゃダメかな?」
梓「そうですね、このままここにいてもしょうがないし……」
66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 02:24:24.21 ID:F+QeWFp/0 [32/39]
バシュッバシュッ!
バンッ!
唯「……」
梓「……ちゃんと明日、ですよね?」
唯「とりあえず! 早くみんなを確認しにいこう!」
梓「そ、そうですね! 降りて下さい」
ゴォォォォン
梓「学校裏ですか、ていうか、なんで夕方にしたんですか?」
唯「だって私たちが過去にいったのもこれくらいの時間でしょ? そのほうがいいかなーって」
梓「先輩もけっこう考えてますね」
唯「当たり前だよ!」
67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 02:26:19.41 ID:F+QeWFp/0 [33/39]
タッタッタッタ
唯「軽音部の部室……部室……」
梓「ちゃんと元に戻ってるといいですね…」
唯「ついた!」
バンッ!
紬「!」
澪「!」
律「!」
唯「みんないる……!」
梓「よかった……じゃあこれで……」
紬「平沢さん? 体調、大丈夫だった?」
唯「え?」
68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 02:29:28.25 ID:F+QeWFp/0 [34/39]
律「平沢さん熱とかあったのか。どおりで今日変だと思ったよ」
澪「ちゃんと体調は気をつけないと……」
唯「え? え?」
梓「……」
律「それよりさー、どうする? 次の日曜」
紬「ピクニックもいいわね~」
澪「遊園地なんてどうかな」
唯「え? え?」
梓「……」
唯「あずにゃん…? ……どういう」
梓「あの! すみません!」
三人「!」
紬「なにかしら」
梓「便箋もってませんか」
69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 02:30:46.42 ID:F+QeWFp/0 [35/39]
紬「便箋……あったかしら……」
律「あ、それなら澪が持ってきた奴が部室にあるだろ」
澪「そこの棚にしまってたと思う。ほしかったらあげるよ」
梓「ありがとうございます! さ、唯先輩いきましょう!」
唯「…へ…? いくってどこに?」
梓「あの路地です!」
71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 02:37:10.79 ID:F+QeWFp/0 [36/39]
ゴォォォォォォォォン
梓「よかった、まだ私たち来てない」
唯「あ、あずにゃん? どういうことなの? もうりっちゃん達戻らないの?」
梓「大丈夫です。忘れたんですか、私たちがはじめてタイムスリップしたときのこと」
唯「そういえば……日にちでいうと今日だね……あ!」
梓「そうです。今からきっと私たちがここに来ます。だから、この車を渡すんです」
唯「な、なるほど」
梓「そこまでしなきゃ、きっと先輩たちは戻りません!」
梓「先輩、ペン持ってますか?」
唯「あるよ~はい」
梓「『車の後ろの白い機械にゴミを入れ、時速140km』 っと」
唯「やっぱり、あずにゃんの字だったんだね」
梓「先輩すごいです」
梓「あ! 来ました! 隠れて」
72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 02:40:20.25 ID:F+QeWFp/0 [37/39]
唯『勘だよ!』
梓『勘って……』
唯「こうしてみると、おもしろいね」
梓「全然おもしろくないです! 大変でしたよ!」
唯「でも、私はこうしてあずにゃんと冒険できたんだから、少しは楽しかったなぁ」
梓「な、なにいってるんですか」
ゴォォォォォォォ
唯「あ、とんでく」
梓「不器用な運転ですね」
唯「そ、そんなことないよ!」
バシュッバシュッ
バンッ!
73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 02:42:48.23 ID:F+QeWFp/0 [38/39]
梓「行った……」
唯「じゃあ、こんどこそ……」
?「あ、唯ー! 梓ー?」
二人「!」
律「なにしてんだ? こんなとこで二人で」
唯「り、りりりり、りっちゃん!!」
梓「それに……」
澪「あぶないことはやめとけよー」
紬「ふふ、いつも通り仲良いわね」
唯「みんなぁぁぁぁ」
75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 02:45:31.37 ID:F+QeWFp/0 [39/39]
律「ちょ、どうしたんだよ」
唯「りっちゃぁぁぁん!! この温もりがなつかしいよぉぉぉぉぉ!!」
律「な、なにいってんだ…」
梓「……よかった……」
澪「梓、なんかあったのか?」
梓「……大丈夫です。ちょっと先輩と冒険してただけですから」
紬「気になる言い方ねっ」
律「それよりさー、日曜、どこいく?」
梓「受験生なのに遊んでいいんですか」
唯「気にしちゃだめだよ~ あずにゃーん」
澪「まったく……」
紬「ふふ」
おわり
梓「え、あ、はい! そ、そうです!!」
一年唯「部活とかもう入ってるのー?」
梓「えっ、あ…軽音部に……」
一年唯「軽音部? なにする部活なの?」
梓「ライブで演奏とかやったり……」
一年唯「ライブかぁ。私には無理だなあ」
梓「……」
一年唯「ありがとー、じゃあねー」
タッタッタッタ
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/23(日) 23:37:52.09 ID:ND7TlmqA0
梓「……ふぅ……」
唯「あ、あずにゃん…! 今のは……」
梓「どうみても唯先輩……でしたね、でも私と同じくらいの歳でした」
唯「と、ととということは……本当に……」
梓「タイムスリップしたみたいですね……」
唯「一年の頃の私ってあんな感じだったのかぁ」
梓「何のんきなこと言ってるんですか! はやく帰りましょうよ!」
唯「えー、もうちょっとみていこうよー」
梓「ダメです! もし未来に関わる重要なことしちゃったらどうするんですか!
映画や漫画でよくあるパターンです」
唯「えー」
梓「とにかく、さっきの車まで戻りましょう」
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/23(日) 23:39:15.97 ID:ND7TlmqA0
ガサガサ
唯「ここだー」
梓「運転覚えてますよね? はやく行きましょう」
唯「うーん」
梓「……先輩?」
唯「ホントにこのまま帰っちゃっていいのかなぁ」
梓「何言ってるんですか。さっきも言ったじゃないですか、未来が変わっちゃったら大変です」
唯「そーじゃなくてー」
梓「ダメなものはダメです!」
唯「ぶー わかったよー」
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/23(日) 23:41:56.57 ID:ND7TlmqA0
唯「ここに行きたい日時を入れればいいの?」
梓「たぶんです。だってこれ以外にそれっぽいものないし……」
ゴォォォォォォ
梓「結局わからずじまいでしたね」
唯「へ?」
梓「あのメモの意味ですよ。そりゃタイムスリップしましたけど……」
唯「元へ帰ったらりっちゃんたち元に戻ってるかなあ」
梓「どうでしょうね……」
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/23(日) 23:45:08.22 ID:ND7TlmqA0
ゴォォォォ
バシュッバシュッ
バァン
梓「も、戻りました?」
唯「うん、あ、ここ……」
梓「あっ…」
唯「例の路地だね」
梓「あ!」
唯「へ?」
梓「あ、あれ」
五人『うーん……』
唯「わ、私たちだ!」
14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/23(日) 23:50:18.68 ID:ND7TlmqA0
梓「唯先輩! ちゃんと日にちあわせたんですか!!」
唯「え、あ、一日間違えてる!」
梓「もー!! はやく逃げましょう!!」
唯「わ、わかった!」
ウィィンン
ダッ
唯梓「……」
紬『凍ってるわね…』
澪『あ、ちょっとムギ、近づいて大丈夫なのか?』
唯『ちべたっ!』
律『あれ、誰も乗ってねーな…?』
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/23(日) 23:56:19.24 ID:ND7TlmqA0
梓『あのときと……同じ、ですね』
唯『ということは……』
唯『みてみてりっちゃん! 乗ってみた』
澪『ちょっと唯!』
梓「そろそろですね…」
ガシャン!
唯「あ、ドアがしまった! たしかここだよね?」
梓「そうです。これで外にでたらみんながいなくなってて……」
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/23(日) 23:57:40.75 ID:ND7TlmqA0
澪紬律『……』
梓「!」
澪『あれ? なんで私こんなとこに……』
律『ん? 澪今日文芸部じゃなかったのか?』
紬『?』
澪『ん? ムギも? 今日合唱部の練習あるって言ってなかったけ』
紬『そうだわ、なんでこんなとこにいるのかしら……』
律『意味わかんねーな、帰ろうぜ』
澪『あっ! 律ー!』
唯梓「……」
梓「みんな突然記憶がなくなったようですね…」
唯「み、みんな……」
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 00:01:44.07 ID:ND7TlmqA0
ウィィン
唯『うーん、いくらりっちゃんでもさすがにそれはないと思うけどなー…』
梓『私もそう思いますけど……とりあえずさっき来た道に戻ってみましょう』
梓「ちょ、こっちにきます」
唯「隠れようあずにゃん!!」
ダッ
梓「やりすごし……ました?」
唯「うん、もう誰もいないよ」
梓「……」
唯「……」
梓「だめ、でしたね…」
唯「なにがいけなかったんだろう……」
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 00:06:18.54 ID:F+QeWFp/0 [1/39]
梓「やっぱり、あの車が原因ですよね……、なにか…先輩たちが変わってしまうような…
軽音部がなくなってしまったような……」
唯「うーん……どうすればいいのかなぁ?」
梓「……!」
唯「ん?」
梓「今、なんていいました?」
唯「えっ、どうすればいいのかなーって」
梓「……」
唯「へ? どうしたの?」
梓「もしかして……あれが原因、でしょうか……」
唯「あれ?」
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 00:11:11.54 ID:F+QeWFp/0 [2/39]
梓「唯先輩が軽音部に入ろうと思ったきっかけってなんですか?」
唯「えーっとね、たしか、軽音部の張り紙をみたんだよ。
それで軽音楽を勘違いして、私でもできるかもーって思って!」
梓「それって、さっき一年生の唯先輩にあった場所じゃないんですか?」
唯「へ、うーん、そうだったような……そうじゃなかったような……」
梓「もしかして、私、唯先輩が軽音部に入るきっかけをなくしてしまったんじゃ……」
唯「え!? そんなわけないよ! だって私が入ってないとしても軽音部がないのはおかし……」
唯「あ!」
梓「なんですか…?」
唯「あのとき、部員が足りなくて、私が入らなきゃ廃部になるはずだった……」
梓「えっ…それじゃあやっぱり……」
唯「あ、あずにゃんは悪くないよ! 一年生の私が悪いんだよ!」
梓「……」
唯「あ、あずにゃん……?」
梓「戻りましょう」
唯「えっ…?」
梓「過去へ戻りましょう」
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 00:15:19.68 ID:F+QeWFp/0 [3/39]
バシュンッ バシュンッ
バァァン!
梓「スムーズにいけましたね」
唯「なれたもんよ! ドライバーっぽい?」
唯「で、どこに降りればいいのー?」
梓「学校の裏……じゃあダメですね、どこか別の場所にしましょう」
唯「……で、どうやって降りれば……」
梓「えぇ!!」
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 00:18:56.63 ID:F+QeWFp/0 [4/39]
ガコン!
ウィィィィン
梓「毎回肝心なところは忘れてるんですね……」
唯「へへーすごいでしょ~」
梓「ほめてないです……」
タッタッタッタッタ
唯「今回は普通に門から入るんだね」
梓「堂々とします…あっ!」
唯「ん?」
梓「さっきの私たちです! こっちの木に隠れて!」
唯「ここんとこ隠れること多くない?」
梓「早く!」
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 00:24:07.05 ID:F+QeWFp/0 [5/39]
梓『ライブで演奏とかやったり……』
一年唯『ライブかぁ。私には無理だなあ』
梓『……』
一年唯『ありがとー、じゃあねー』
タッタッタッタ
唯『えー』
梓『とにかく、さっきの車まで戻りましょう』
タッタッタッタ
唯「……」
梓「……」
唯「い、行ったね…? こうしてみるとへんな気分…私が二人…いや三人!」
梓「先輩……」
唯「へ?」
梓「重いです…」
唯「あ、ああ! ごめんね! 思わず…」
梓「ふぅ……とりあえず、あの一年生の唯先輩を、どうにかして軽音部に入部させなきゃいけません」
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 00:29:21.55 ID:F+QeWFp/0 [6/39]
唯「でも、どうすればいいの? あ、もう一度軽音部の張り紙をみせれば! 私単純だからっ!」
梓「どうでしょうか……私のせいでライブなんて無理って思わせちゃったようですし……」
唯「あ、そうだ! じゃあ今の私が昔の私にかわって入部すればいいんじゃない!?
それなら軽音部は少なくともなくならないよ!」
梓「でも、それだと一年生の唯先輩が戸惑いませんかね…?」
唯「私ならきっと大丈夫だよ!」
梓「うーん……」
梓「とりあえず今のとこそれしか思いつきません…。
一年生の唯先輩には悪いですけど、やってみましょう」
31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 00:32:46.56 ID:F+QeWFp/0 [7/39]
唯「よっしゃ! じゃあさっそく軽音部の部室に行ってくるね!」
梓「はい」
唯「あれ、あずにゃんはこないの?」
梓「だって、まだ生徒でもない私が行ったらまずいじゃないですか…」
唯「えー一緒にいこーよー」
梓「私はここで待ってます。」
唯「ぶー! あずにゃんのケチ」
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 00:35:48.91 ID:F+QeWFp/0 [8/39]
軽音部室
律「……入部希望者、いねーな……」
澪「やっぱりダメなんだよ…」
紬「もうちょっと、粘ってみましょうよ…」
バタンッ!
唯「たのもーー!!」
三人「!?」
唯「入部しにやってまいりました!」
律「!!!」
律「マジで!? えっと、お名前は?」
唯「さ……一年生! 平沢唯です!」
律「おぉ! ありがとう!!」
紬「やったわね、りっちゃん」
律「おう! これで廃部しなくてすむぜ!」
35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 00:43:17.69 ID:F+QeWFp/0 [9/39]
澪「平沢さん、なにか楽器はやってるの?」
唯「楽器はね! ギターができるよ!」
律「おお! 丁度良いにもほどがあるな!」
和「あ、唯」
唯「え、あ、和ちゃん」
和「どうしたの? こんなところで」
唯「むふふ、和ちゃんちっちゃいなー。和ちゃんこそどうしたの?」
和「私はこのあとの新入生歓迎会にでるかどうか聞きに来たんだけど……
偶然少し時間が開いちゃってね、合唱部かどこかが歌でも歌ってくれれば、
と思ったんだけど、ここじゃなかったみたいね。それで、唯は?」
唯「私はね! 軽音部に入りに来たんだよ!」
和「軽音部? なんで唯が?」
律「平沢さんギター上手いんでしょ? だからだよね!」
和「唯がギター? ええ、そんなの初耳だけど」
37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 00:48:25.62 ID:F+QeWFp/0 [10/39]
律「えっ」
唯「え、なに言ってるの和ちゃ…」(あ、そうか、今はまだ…)
和「苦し紛れに嘘つくのもいいけど、ちゃんとバレない嘘つかなきゃダメよ」
唯「……」
律「……」
和「じゃあね、今度は合唱部あたってみるわ」
バタン
唯「え、えーと……」
律「いいんだよ平沢さん! 入ってくれるだけで嬉しいよ!」
紬「そうよ! おかげで廃部にならないですむわ!」
澪「みんな歓迎してるぞ!」
唯「あははは……」(ホントに弾けるんだけどなー)
38 名前:>>34 ありがとう[] 投稿日:2010/05/24(月) 00:50:22.03 ID:F+QeWFp/0 [11/39]
梓「ふぅー……唯先輩大丈夫かな……」
一年唯「あ」
梓「ビクッ!」
一年唯「さっきの人だー。まだそこにいたのー?」
梓「あ、う、うん。せんぱ……じゃなくて、あなたはなんで戻ってきたの?」
一年唯「もう帰ろうと思って…えーと名前…」
梓「あず…いや……中野……いや…………ギー太?」
一年唯「えっ!?」
梓「あ、いや、」(思わず意味分かんないこと言っちゃった…! ど、どうしよう…!)
一年唯「ギー太ちゃん? あだ名かな。変わった名前だね」
梓(信じるんだ……)
一年唯「そっかー、じゃあ一緒に帰らない? 和ちゃんもう生徒会入っちゃったし…」
梓「えっ!? えーと私、人待ってるから……」
一年唯「うーん、わかった。あ、じゃあその人が来るまで、ちょっとだけお話してようよ!」
梓「え、うん…」
39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 00:56:58.89 ID:F+QeWFp/0 [12/39]
軽音部室
律「ふぅーこれで四人揃ったわけだし、とりあえず安心だな」
澪「そうだなー…一回、みんなで合わせてみないか?」
紬「あ、いいわねそれ」
唯「わあ! やろうやろう!」
律「あ、でも平沢さん楽器できないんだっけ……」
唯「あ」(ギー太…)
紬「ここ音楽室でしょ。探せばギターくらいあるんじゃないかしら
とりあえず形だけでも触ってみたらどう?」
律「そうだな、探せー!」
40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 01:09:16.88 ID:F+QeWFp/0 [13/39]
澪「奥から古いのがでてきたぞ」
律「うわーカビくせー大丈夫かこれ」
紬「とりあえず、平沢さん持ってみて?」
唯「よいしょっと……」
律「おお! 似合ってる!似合ってる!」
澪「なんか弾いてみてよ」
唯「え、えーと……」
ボロンボロン
三人「……」
唯「……」(ギー太じゃないと上手く弾けない…)
律「まあ初心者だしな。これから上手くなればいいよ!」
澪「そうだな、よし、じゃあ一回やってみるか」
律「よし! せーの…」バタン!
律「ん?」
42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 01:16:04.56 ID:F+QeWFp/0 [14/39]
和「あのー」
唯「和ちゃん?」
和「少しお願いがあるんだけど……」
~掲示板近く~
一年唯「へー、それでギター始めたんだ」
梓「うん…まあまだまだまだなんだけど…」
一年唯「ギターかー…
かっこいいなー私もやってみようかなー」
梓「!」
梓「いいよ! やるべきだよ!」
44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 01:22:23.30 ID:F+QeWFp/0 [15/39]
軽音部室
律唯紬澪「ええ!? 新勧ライブ!?」
和「そうなのよ、悪いんだけど、もう軽音部しかなくて……」
律「いや、むしろ私たちが新入生なんだけど…」
澪「というかライブなんて絶対無理……」
和「そうは言っても、どうしてもこの時間埋めなきゃならないのよ。
部員勧誘もかねて、なにか簡単な曲でいいから、ね」
紬「うーん…少し練習した曲ならできるかもしれないけど……平沢さん、弾ける?」
唯「えっ、私? んー…」(ギー太があればできるんだけど……)
和「じゃ、お願いね! 20分後に体育館で、機材はこっちで用意しとくわ」
バタン
46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 01:25:41.21 ID:F+QeWFp/0 [16/39]
律「……」
澪「……」
紬「……」
律「大丈夫かよ……いきなりライブなんて……」
澪「た、倒れそう……もう帰っていい?」
律「ダメに決まってんだろ! それに、ボーカルはどうする? まだ何も決まってないぞ」
唯「あ、なら私がボーカルやるよ! それならできるし」
律「おお。じゃあ頼むぜ」
紬「曲はこれなんだけど……」
47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 01:37:39.85 ID:F+QeWFp/0 [17/39]
一年唯「待ってる人こないねー」
梓「う、うん…平沢さんは帰らなくて大丈夫なの?」
一年唯「私はまだ大丈夫だよー。それよりさー、部活に入ろうと思うんだけど、なにがいいかなぁ」
梓「…! 軽音部、とかどうかな」
一年唯「軽音部? んー…でも私楽器弾けないし…」
梓「平沢さんなら大丈夫だよ! きっと上手くなる! ていうか絶対うまくなる!」
一年唯「んーどうしよっかなぁ…」
生徒A「ねえねえ、新勧行く?」
梓「!」
生徒B「いこーかな。なんか軽音部もやるらしいけど、全員一年生なんだって」
生徒A「なにそれーw 新勧じゃないじゃんw」
梓(先輩…?)
48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 01:43:17.99 ID:F+QeWFp/0 [18/39]
一年唯「ねえ、今の聞いた? 新入生歓迎会だって、私知らなかった~」
梓「え、どうするの?」
一年唯「いこーよ。たのしそーだよー」
梓(軽音部がやるってことは……もしかして、唯先輩……)
一年唯「あ、ギー太ちゃん人待ってるんだっけ…? じゃあ私だけで行くね。」
梓「ちょっとまって! 私も行くから!」
梓(鉢合わせはまずい……気がする…!)
49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 01:45:41.59 ID:F+QeWFp/0 [19/39]
律「やっぱギターないのは寂しいよなー」
唯「……」
律「あ、別に平沢さんを攻めてるわけじゃないよ。ボーカルやってくれるしね!」
唯(うーん、やっぱりギター弾きたい…!)
澪「そ、そそそれより、本当にやるのか? …ライブ……」
律「当たり前じゃん! もうこれはチャンスだぜ! 一気に新入部員獲得の」
唯(そうだ! ギー太は背負ったまま下校して、あの車の中に置いてたから、
きっと車に戻ればギー太が手に入る!)
紬「ちゃんと弾けるかしら…」
50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 01:47:13.49 ID:F+QeWFp/0 [20/39]
ピピピピピ
梓「!」
梓(唯先輩からメール…)
一年唯「?」
梓(『車からギー太取ってきて』、って……)
一年唯「メール? さっきの待ってた人から?」
梓「うん、私ちょっと行かなきゃいけないけど……あの……」
一年唯「うん?」
梓「戻ってくるまで体育館入らない……でってのは…だめ、だよね…?」
一年唯「ええ!? なんで?」
梓「いやー、その…一緒にみたいから……」
一年唯「うーん……うん、いいよ! でもなるべく早く戻ってきてね」
梓「うん! ありがとう!」
ダッ
51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 01:49:55.40 ID:F+QeWFp/0 [21/39]
唯(あずにゃん、間に合うかなぁ……)
律「おーい。もうそろそろ時間だぞ。」
紬「次ね」
澪「うーん……」
タッタッタ
梓(いそげっ! いそげ!)
体育館前
ざわざわ
一年唯「うーん、中、どうなってるのかなぁ……」
一年唯「チラッ」
『バスケ部の発表は終ります。続きまして、柔道部より…』
一年唯「うーん、ギー太ちゃんまだかなぁ…」
52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 01:52:34.43 ID:F+QeWFp/0 [22/39]
律「これの次だよ、次!」
唯「うん、一応聞いとくけど、ギターってやっぱりあったほうがいいよね?」
律「当たり前だろー あ、でも無理しなくてもいいんだぞ」
唯「大丈夫」
『次は、軽音部の発表です』
紬「いよいよね」
澪「うーん……」
律「とりあえず、できることまでしようぜ」
バタン!
唯「!」
梓「先輩っ! 持ってきました!」
唯「おお!! ギー太っ!」
律「ギー太? 誰その子?」
梓「来年分かります!律先輩! 唯先輩! 澪先輩! 紬先輩! 頑張ってください!!」
律「どうして私らのことを……」
53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 01:54:18.89 ID:F+QeWFp/0 [23/39]
唯「よしっ! りっちゃん! やるよー!!」
律「りっちゃん…?」
『軽音部、どうぞー』
パチパチパチパチ
一年唯「あぁ、ギー太ちゃんの言ってた軽音部始まっちゃうよう…
まだかな、まだかな…」
一年唯(音だけ、音だけなら……)
54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 01:55:34.75 ID:F+QeWFp/0 [24/39]
律「1,2,3!」
唯「ギュイイイン」
三人「!?」
澪(上手っ…)
一年唯(……!)
一年唯(音楽……ギター……すごいっ)
一年唯(私もっ……)
一年唯(こんな風に弾けたら……)
一年唯(できるように……なりたいっ……!)
55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 02:00:14.39 ID:F+QeWFp/0 [25/39]
ジャラ~ン
タッタッタ
梓「はぁ……はぁ……」
一年唯「あ、ギー太ちゃん」
梓「ご、ごめんね…間に合わなくて……」
一年唯「ううん、音だけなら外から聞こえたから……」
梓「うん、それで…」
一年唯「私軽音部に入ろうと思うんだ!」
梓「えっ?」
一年唯「あのギター弾いてた人、姿は見えなかったけど、すっごいいい音だったよね!
私もあんなふうになりたいな~って思って……」
梓「……」
一年唯「やっぱ無理かなぁ……」
梓「ううん! そんなことない。絶対なれるよ、私が保証する」
一年唯「へへ、ありがとー」
58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 02:03:05.32 ID:F+QeWFp/0 [26/39]
梓「それじゃあ、悪いんだけど、私人を呼びに行かないといけないから、行くね」
一年唯「うん、また会えるよね?」
梓「もちろん」
梓「あ」
一年唯「?」
梓「平沢さんが軽音部に入って二年生になったとき、新入部員の子が来るんだけど、
その子が練習しろってうるさくしても、気を悪くしないでね?」
一年唯「へへ、分かった。約束するー」
梓「うん、じゃあ」
ダッ
59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 02:07:34.49 ID:F+QeWFp/0 [27/39]
律「おい、すげえじゃん平沢さん…いや、唯!」
唯「へへ~ギー太だと上手く弾けるんだ~」
澪「こんな上手いとは思わなかったな、びっくりしちゃった」
紬「すごいわ~唯ちゃん」
バタン!
梓「先輩!」
唯「あ、あずにゃん」
梓「行きましょう!」
唯「へ? もういいの?」
梓「あっちの唯先輩は大丈夫です。帰りましょう」
60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 02:08:41.69 ID:F+QeWFp/0 [28/39]
律「おいおい、もう帰っちゃうの? このあとどこか行かないかー?」
唯「お、いいね~」
梓「ダメです! 早くしないと、……鉢合わせちゃいますよ」
唯「ちぇー、あずにゃんのケチー」
澪「帰るって、家に? まだ時間あるのに」
梓「…バックトゥザフューチャーです!」
グイッ
タッタッタッタ
61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 02:12:23.47 ID:F+QeWFp/0 [29/39]
ゴォォォォォォォォ
梓「一年生の先輩、すごいやる気でしたよ」
唯「私もやるときはやるんだよ!」
梓「とりあえず、これで……未来の先輩たちも元に……」
バシュッバシュッ
バンッ!
唯「……」
梓「……」
唯「戻って……来たよね?」
梓「とりあえず降りて下さい」
唯「しょうち!」
ゴォォォォォォォォ
梓「ふぅ……やっとうまくいきましたね」
唯「へへー」
?『あ! あの銀色の車かっこいいね!外国の車?』
二人「!」
62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 02:15:23.48 ID:F+QeWFp/0 [30/39]
梓「ちょ、また日にち間違えてるじゃないですか!」
唯「あは~やっちゃった」
梓「そうじゃなくて、早く逃げて下さい!」
唯「え、でもでも」
梓「なんですか!」
唯「地面はどうやって走るのか分かんない……」
梓「もー! ちょっと変わって下さい!」
グイッ
唯「え、あずにゃん運転できるの?」
梓「こんなものハンドル握ってここ踏むだけでしょ!」グッ!
シーン……
唯「逆だよ」
梓「……」
65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 02:20:59.12 ID:F+QeWFp/0 [31/39]
ブオン!
梓「わっ! 動いた!」
唯「お、結構上手いね~」
梓「こ、これ怖いですね……近くに車がいなくてよかった……」
梓「……逃げきりました?」
唯「もう見えないね~」
梓「怖いからまた運転変わって下さい」
唯「え~私空しか運転できないよ?」
梓「それでもいいので……」
ゴォォォォォォォ
梓「……これから、どうするんです?」
唯「とりあえず、明日へ行っちゃダメかな?」
梓「そうですね、このままここにいてもしょうがないし……」
66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 02:24:24.21 ID:F+QeWFp/0 [32/39]
バシュッバシュッ!
バンッ!
唯「……」
梓「……ちゃんと明日、ですよね?」
唯「とりあえず! 早くみんなを確認しにいこう!」
梓「そ、そうですね! 降りて下さい」
ゴォォォォン
梓「学校裏ですか、ていうか、なんで夕方にしたんですか?」
唯「だって私たちが過去にいったのもこれくらいの時間でしょ? そのほうがいいかなーって」
梓「先輩もけっこう考えてますね」
唯「当たり前だよ!」
67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 02:26:19.41 ID:F+QeWFp/0 [33/39]
タッタッタッタ
唯「軽音部の部室……部室……」
梓「ちゃんと元に戻ってるといいですね…」
唯「ついた!」
バンッ!
紬「!」
澪「!」
律「!」
唯「みんないる……!」
梓「よかった……じゃあこれで……」
紬「平沢さん? 体調、大丈夫だった?」
唯「え?」
68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 02:29:28.25 ID:F+QeWFp/0 [34/39]
律「平沢さん熱とかあったのか。どおりで今日変だと思ったよ」
澪「ちゃんと体調は気をつけないと……」
唯「え? え?」
梓「……」
律「それよりさー、どうする? 次の日曜」
紬「ピクニックもいいわね~」
澪「遊園地なんてどうかな」
唯「え? え?」
梓「……」
唯「あずにゃん…? ……どういう」
梓「あの! すみません!」
三人「!」
紬「なにかしら」
梓「便箋もってませんか」
69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 02:30:46.42 ID:F+QeWFp/0 [35/39]
紬「便箋……あったかしら……」
律「あ、それなら澪が持ってきた奴が部室にあるだろ」
澪「そこの棚にしまってたと思う。ほしかったらあげるよ」
梓「ありがとうございます! さ、唯先輩いきましょう!」
唯「…へ…? いくってどこに?」
梓「あの路地です!」
71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 02:37:10.79 ID:F+QeWFp/0 [36/39]
ゴォォォォォォォォン
梓「よかった、まだ私たち来てない」
唯「あ、あずにゃん? どういうことなの? もうりっちゃん達戻らないの?」
梓「大丈夫です。忘れたんですか、私たちがはじめてタイムスリップしたときのこと」
唯「そういえば……日にちでいうと今日だね……あ!」
梓「そうです。今からきっと私たちがここに来ます。だから、この車を渡すんです」
唯「な、なるほど」
梓「そこまでしなきゃ、きっと先輩たちは戻りません!」
梓「先輩、ペン持ってますか?」
唯「あるよ~はい」
梓「『車の後ろの白い機械にゴミを入れ、時速140km』 っと」
唯「やっぱり、あずにゃんの字だったんだね」
梓「先輩すごいです」
梓「あ! 来ました! 隠れて」
72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 02:40:20.25 ID:F+QeWFp/0 [37/39]
唯『勘だよ!』
梓『勘って……』
唯「こうしてみると、おもしろいね」
梓「全然おもしろくないです! 大変でしたよ!」
唯「でも、私はこうしてあずにゃんと冒険できたんだから、少しは楽しかったなぁ」
梓「な、なにいってるんですか」
ゴォォォォォォォ
唯「あ、とんでく」
梓「不器用な運転ですね」
唯「そ、そんなことないよ!」
バシュッバシュッ
バンッ!
73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 02:42:48.23 ID:F+QeWFp/0 [38/39]
梓「行った……」
唯「じゃあ、こんどこそ……」
?「あ、唯ー! 梓ー?」
二人「!」
律「なにしてんだ? こんなとこで二人で」
唯「り、りりりり、りっちゃん!!」
梓「それに……」
澪「あぶないことはやめとけよー」
紬「ふふ、いつも通り仲良いわね」
唯「みんなぁぁぁぁ」
75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 02:45:31.37 ID:F+QeWFp/0 [39/39]
律「ちょ、どうしたんだよ」
唯「りっちゃぁぁぁん!! この温もりがなつかしいよぉぉぉぉぉ!!」
律「な、なにいってんだ…」
梓「……よかった……」
澪「梓、なんかあったのか?」
梓「……大丈夫です。ちょっと先輩と冒険してただけですから」
紬「気になる言い方ねっ」
律「それよりさー、日曜、どこいく?」
梓「受験生なのに遊んでいいんですか」
唯「気にしちゃだめだよ~ あずにゃーん」
澪「まったく……」
紬「ふふ」
おわり
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