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唯「バック・トゥ・ザ・フューチャー!」

3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/23(日) 23:34:15.03 ID:ND7TlmqA0 [2/11]
一年唯「んーどうしよう」

梓「ちょ、唯先輩隠れて!」

唯「へ? なんで?」

梓「いいから! この掲示板の裏に!!」

グイッ

唯「わわっ…」

一年唯「んっ?」

梓「……!」(見つかった…?)

一年唯「あの」

梓「……は、はい!!?」

一年唯「もしかして……同じ一年生?」

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/23(日) 23:35:03.02 ID:ND7TlmqA0
梓「え、あ、はい! そ、そうです!!」

一年唯「部活とかもう入ってるのー?」

梓「えっ、あ…軽音部に……」

一年唯「軽音部? なにする部活なの?」

梓「ライブで演奏とかやったり……」

一年唯「ライブかぁ。私には無理だなあ」

梓「……」

一年唯「ありがとー、じゃあねー」

タッタッタッタ

7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/23(日) 23:37:52.09 ID:ND7TlmqA0
梓「……ふぅ……」

唯「あ、あずにゃん…! 今のは……」

梓「どうみても唯先輩……でしたね、でも私と同じくらいの歳でした」

唯「と、ととということは……本当に……」

梓「タイムスリップしたみたいですね……」

唯「一年の頃の私ってあんな感じだったのかぁ」

梓「何のんきなこと言ってるんですか! はやく帰りましょうよ!」

唯「えー、もうちょっとみていこうよー」

梓「ダメです! もし未来に関わる重要なことしちゃったらどうするんですか!
映画や漫画でよくあるパターンです」

唯「えー」

梓「とにかく、さっきの車まで戻りましょう」

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/23(日) 23:39:15.97 ID:ND7TlmqA0
ガサガサ

唯「ここだー」

梓「運転覚えてますよね?  はやく行きましょう」

唯「うーん」


梓「……先輩?」

唯「ホントにこのまま帰っちゃっていいのかなぁ」

梓「何言ってるんですか。さっきも言ったじゃないですか、未来が変わっちゃったら大変です」

唯「そーじゃなくてー」

梓「ダメなものはダメです!」

唯「ぶー わかったよー」

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/23(日) 23:41:56.57 ID:ND7TlmqA0
唯「ここに行きたい日時を入れればいいの?」

梓「たぶんです。だってこれ以外にそれっぽいものないし……」

ゴォォォォォォ

梓「結局わからずじまいでしたね」

唯「へ?」

梓「あのメモの意味ですよ。そりゃタイムスリップしましたけど……」

唯「元へ帰ったらりっちゃんたち元に戻ってるかなあ」

梓「どうでしょうね……」

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/23(日) 23:45:08.22 ID:ND7TlmqA0
ゴォォォォ

バシュッバシュッ
バァン

梓「も、戻りました?」

唯「うん、あ、ここ……」

梓「あっ…」

唯「例の路地だね」

梓「あ!」

唯「へ?」

梓「あ、あれ」


五人『うーん……』

唯「わ、私たちだ!」

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/23(日) 23:50:18.68 ID:ND7TlmqA0
梓「唯先輩! ちゃんと日にちあわせたんですか!!」

唯「え、あ、一日間違えてる!」

梓「もー!! はやく逃げましょう!!」

唯「わ、わかった!」

ウィィンン
ダッ

唯梓「……」





紬『凍ってるわね…』
澪『あ、ちょっとムギ、近づいて大丈夫なのか?』
唯『ちべたっ!』
律『あれ、誰も乗ってねーな…?』

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/23(日) 23:56:19.24 ID:ND7TlmqA0


梓『あのときと……同じ、ですね』

唯『ということは……』


唯『みてみてりっちゃん! 乗ってみた』
澪『ちょっと唯!』


梓「そろそろですね…」


ガシャン!

唯「あ、ドアがしまった! たしかここだよね?」

梓「そうです。これで外にでたらみんながいなくなってて……」

16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/23(日) 23:57:40.75 ID:ND7TlmqA0
澪紬律『……』

梓「!」

澪『あれ? なんで私こんなとこに……』
律『ん? 澪今日文芸部じゃなかったのか?』
紬『?』
澪『ん? ムギも? 今日合唱部の練習あるって言ってなかったけ』
紬『そうだわ、なんでこんなとこにいるのかしら……』

律『意味わかんねーな、帰ろうぜ』
澪『あっ! 律ー!』


唯梓「……」



梓「みんな突然記憶がなくなったようですね…」

唯「み、みんな……」

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 00:01:44.07 ID:ND7TlmqA0
ウィィン

唯『うーん、いくらりっちゃんでもさすがにそれはないと思うけどなー…』
梓『私もそう思いますけど……とりあえずさっき来た道に戻ってみましょう』


梓「ちょ、こっちにきます」

唯「隠れようあずにゃん!!」
ダッ




梓「やりすごし……ました?」
唯「うん、もう誰もいないよ」

梓「……」
唯「……」

梓「だめ、でしたね…」

唯「なにがいけなかったんだろう……」

20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 00:06:18.54 ID:F+QeWFp/0 [1/39]

梓「やっぱり、あの車が原因ですよね……、なにか…先輩たちが変わってしまうような…
軽音部がなくなってしまったような……」

唯「うーん……どうすればいいのかなぁ?」

梓「……!」

唯「ん?」

梓「今、なんていいました?」

唯「えっ、どうすればいいのかなーって」

梓「……」

唯「へ? どうしたの?」

梓「もしかして……あれが原因、でしょうか……」

唯「あれ?」

22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 00:11:11.54 ID:F+QeWFp/0 [2/39]

梓「唯先輩が軽音部に入ろうと思ったきっかけってなんですか?」

唯「えーっとね、たしか、軽音部の張り紙をみたんだよ。
それで軽音楽を勘違いして、私でもできるかもーって思って!」

梓「それって、さっき一年生の唯先輩にあった場所じゃないんですか?」
唯「へ、うーん、そうだったような……そうじゃなかったような……」

梓「もしかして、私、唯先輩が軽音部に入るきっかけをなくしてしまったんじゃ……」

唯「え!? そんなわけないよ! だって私が入ってないとしても軽音部がないのはおかし……」

唯「あ!」

梓「なんですか…?」

唯「あのとき、部員が足りなくて、私が入らなきゃ廃部になるはずだった……」
梓「えっ…それじゃあやっぱり……」

唯「あ、あずにゃんは悪くないよ! 一年生の私が悪いんだよ!」

梓「……」
唯「あ、あずにゃん……?」

梓「戻りましょう」

唯「えっ…?」

梓「過去へ戻りましょう」

23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 00:15:19.68 ID:F+QeWFp/0 [3/39]

バシュンッ バシュンッ
バァァン!

梓「スムーズにいけましたね」

唯「なれたもんよ! ドライバーっぽい?」


唯「で、どこに降りればいいのー?」

梓「学校の裏……じゃあダメですね、どこか別の場所にしましょう」

唯「……で、どうやって降りれば……」

梓「えぇ!!」

26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 00:18:56.63 ID:F+QeWFp/0 [4/39]
ガコン!
ウィィィィン

梓「毎回肝心なところは忘れてるんですね……」

唯「へへーすごいでしょ~」

梓「ほめてないです……」


タッタッタッタッタ

唯「今回は普通に門から入るんだね」

梓「堂々とします…あっ!」

唯「ん?」

梓「さっきの私たちです! こっちの木に隠れて!」

唯「ここんとこ隠れること多くない?」

梓「早く!」

28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 00:24:07.05 ID:F+QeWFp/0 [5/39]

梓『ライブで演奏とかやったり……』
一年唯『ライブかぁ。私には無理だなあ』
梓『……』
一年唯『ありがとー、じゃあねー』
タッタッタッタ

唯『えー』
梓『とにかく、さっきの車まで戻りましょう』

タッタッタッタ


唯「……」

梓「……」

唯「い、行ったね…? こうしてみるとへんな気分…私が二人…いや三人!」

梓「先輩……」

唯「へ?」

梓「重いです…」

唯「あ、ああ! ごめんね! 思わず…」

梓「ふぅ……とりあえず、あの一年生の唯先輩を、どうにかして軽音部に入部させなきゃいけません」

30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 00:29:21.55 ID:F+QeWFp/0 [6/39]
唯「でも、どうすればいいの? あ、もう一度軽音部の張り紙をみせれば! 私単純だからっ!」

梓「どうでしょうか……私のせいでライブなんて無理って思わせちゃったようですし……」


唯「あ、そうだ! じゃあ今の私が昔の私にかわって入部すればいいんじゃない!?
それなら軽音部は少なくともなくならないよ!」

梓「でも、それだと一年生の唯先輩が戸惑いませんかね…?」

唯「私ならきっと大丈夫だよ!」

梓「うーん……」


梓「とりあえず今のとこそれしか思いつきません…。
一年生の唯先輩には悪いですけど、やってみましょう」

31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 00:32:46.56 ID:F+QeWFp/0 [7/39]

唯「よっしゃ! じゃあさっそく軽音部の部室に行ってくるね!」

梓「はい」

唯「あれ、あずにゃんはこないの?」

梓「だって、まだ生徒でもない私が行ったらまずいじゃないですか…」

唯「えー一緒にいこーよー」

梓「私はここで待ってます。」

唯「ぶー! あずにゃんのケチ」

32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 00:35:48.91 ID:F+QeWFp/0 [8/39]

軽音部室

律「……入部希望者、いねーな……」

澪「やっぱりダメなんだよ…」

紬「もうちょっと、粘ってみましょうよ…」

バタンッ!

唯「たのもーー!!」

三人「!?」

唯「入部しにやってまいりました!」

律「!!!」


律「マジで!? えっと、お名前は?」

唯「さ……一年生! 平沢唯です!」

律「おぉ! ありがとう!!」

紬「やったわね、りっちゃん」

律「おう! これで廃部しなくてすむぜ!」

35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 00:43:17.69 ID:F+QeWFp/0 [9/39]

澪「平沢さん、なにか楽器はやってるの?」

唯「楽器はね! ギターができるよ!」

律「おお! 丁度良いにもほどがあるな!」

和「あ、唯」

唯「え、あ、和ちゃん」

和「どうしたの? こんなところで」

唯「むふふ、和ちゃんちっちゃいなー。和ちゃんこそどうしたの?」

和「私はこのあとの新入生歓迎会にでるかどうか聞きに来たんだけど……
偶然少し時間が開いちゃってね、合唱部かどこかが歌でも歌ってくれれば、
と思ったんだけど、ここじゃなかったみたいね。それで、唯は?」

唯「私はね! 軽音部に入りに来たんだよ!」

和「軽音部? なんで唯が?」

律「平沢さんギター上手いんでしょ? だからだよね!」

和「唯がギター? ええ、そんなの初耳だけど」

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 00:48:25.62 ID:F+QeWFp/0 [10/39]

律「えっ」

唯「え、なに言ってるの和ちゃ…」(あ、そうか、今はまだ…)

和「苦し紛れに嘘つくのもいいけど、ちゃんとバレない嘘つかなきゃダメよ」

唯「……」

律「……」

和「じゃあね、今度は合唱部あたってみるわ」

バタン



唯「え、えーと……」

律「いいんだよ平沢さん! 入ってくれるだけで嬉しいよ!」

紬「そうよ! おかげで廃部にならないですむわ!」

澪「みんな歓迎してるぞ!」

唯「あははは……」(ホントに弾けるんだけどなー)

38 名前:>>34 ありがとう[] 投稿日:2010/05/24(月) 00:50:22.03 ID:F+QeWFp/0 [11/39]
梓「ふぅー……唯先輩大丈夫かな……」

一年唯「あ」

梓「ビクッ!」

一年唯「さっきの人だー。まだそこにいたのー?」

梓「あ、う、うん。せんぱ……じゃなくて、あなたはなんで戻ってきたの?」

一年唯「もう帰ろうと思って…えーと名前…」

梓「あず…いや……中野……いや…………ギー太?」

一年唯「えっ!?」

梓「あ、いや、」(思わず意味分かんないこと言っちゃった…! ど、どうしよう…!)

一年唯「ギー太ちゃん? あだ名かな。変わった名前だね」

梓(信じるんだ……)

一年唯「そっかー、じゃあ一緒に帰らない? 和ちゃんもう生徒会入っちゃったし…」

梓「えっ!? えーと私、人待ってるから……」

一年唯「うーん、わかった。あ、じゃあその人が来るまで、ちょっとだけお話してようよ!」

梓「え、うん…」

39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 00:56:58.89 ID:F+QeWFp/0 [12/39]

軽音部室

律「ふぅーこれで四人揃ったわけだし、とりあえず安心だな」

澪「そうだなー…一回、みんなで合わせてみないか?」

紬「あ、いいわねそれ」

唯「わあ! やろうやろう!」



律「あ、でも平沢さん楽器できないんだっけ……」

唯「あ」(ギー太…)

紬「ここ音楽室でしょ。探せばギターくらいあるんじゃないかしら
とりあえず形だけでも触ってみたらどう?」

律「そうだな、探せー!」

40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 01:09:16.88 ID:F+QeWFp/0 [13/39]
澪「奥から古いのがでてきたぞ」

律「うわーカビくせー大丈夫かこれ」

紬「とりあえず、平沢さん持ってみて?」


唯「よいしょっと……」

律「おお! 似合ってる!似合ってる!」

澪「なんか弾いてみてよ」

唯「え、えーと……」
ボロンボロン

三人「……」

唯「……」(ギー太じゃないと上手く弾けない…)

律「まあ初心者だしな。これから上手くなればいいよ!」

澪「そうだな、よし、じゃあ一回やってみるか」



律「よし! せーの…」バタン!
律「ん?」

42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 01:16:04.56 ID:F+QeWFp/0 [14/39]
和「あのー」

唯「和ちゃん?」

和「少しお願いがあるんだけど……」



~掲示板近く~
一年唯「へー、それでギター始めたんだ」

梓「うん…まあまだまだまだなんだけど…」

一年唯「ギターかー…
かっこいいなー私もやってみようかなー」

梓「!」

梓「いいよ! やるべきだよ!」

44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 01:22:23.30 ID:F+QeWFp/0 [15/39]


軽音部室

律唯紬澪「ええ!? 新勧ライブ!?」

和「そうなのよ、悪いんだけど、もう軽音部しかなくて……」

律「いや、むしろ私たちが新入生なんだけど…」

澪「というかライブなんて絶対無理……」

和「そうは言っても、どうしてもこの時間埋めなきゃならないのよ。
部員勧誘もかねて、なにか簡単な曲でいいから、ね」

紬「うーん…少し練習した曲ならできるかもしれないけど……平沢さん、弾ける?」

唯「えっ、私? んー…」(ギー太があればできるんだけど……)

和「じゃ、お願いね! 20分後に体育館で、機材はこっちで用意しとくわ」

バタン

46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 01:25:41.21 ID:F+QeWFp/0 [16/39]
律「……」
澪「……」
紬「……」

律「大丈夫かよ……いきなりライブなんて……」

澪「た、倒れそう……もう帰っていい?」

律「ダメに決まってんだろ! それに、ボーカルはどうする? まだ何も決まってないぞ」

唯「あ、なら私がボーカルやるよ! それならできるし」

律「おお。じゃあ頼むぜ」

紬「曲はこれなんだけど……」

47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 01:37:39.85 ID:F+QeWFp/0 [17/39]

一年唯「待ってる人こないねー」

梓「う、うん…平沢さんは帰らなくて大丈夫なの?」

一年唯「私はまだ大丈夫だよー。それよりさー、部活に入ろうと思うんだけど、なにがいいかなぁ」

梓「…! 軽音部、とかどうかな」

一年唯「軽音部? んー…でも私楽器弾けないし…」

梓「平沢さんなら大丈夫だよ! きっと上手くなる! ていうか絶対うまくなる!」

一年唯「んーどうしよっかなぁ…」


生徒A「ねえねえ、新勧行く?」

梓「!」

生徒B「いこーかな。なんか軽音部もやるらしいけど、全員一年生なんだって」

生徒A「なにそれーw 新勧じゃないじゃんw」

梓(先輩…?)

48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 01:43:17.99 ID:F+QeWFp/0 [18/39]

一年唯「ねえ、今の聞いた? 新入生歓迎会だって、私知らなかった~」

梓「え、どうするの?」

一年唯「いこーよ。たのしそーだよー」

梓(軽音部がやるってことは……もしかして、唯先輩……)

一年唯「あ、ギー太ちゃん人待ってるんだっけ…? じゃあ私だけで行くね。」

梓「ちょっとまって! 私も行くから!」
梓(鉢合わせはまずい……気がする…!)

49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 01:45:41.59 ID:F+QeWFp/0 [19/39]


律「やっぱギターないのは寂しいよなー」

唯「……」

律「あ、別に平沢さんを攻めてるわけじゃないよ。ボーカルやってくれるしね!」

唯(うーん、やっぱりギター弾きたい…!)

澪「そ、そそそれより、本当にやるのか? …ライブ……」

律「当たり前じゃん! もうこれはチャンスだぜ! 一気に新入部員獲得の」

唯(そうだ! ギー太は背負ったまま下校して、あの車の中に置いてたから、
きっと車に戻ればギー太が手に入る!)

紬「ちゃんと弾けるかしら…」

50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 01:47:13.49 ID:F+QeWFp/0 [20/39]

ピピピピピ
梓「!」
梓(唯先輩からメール…)

一年唯「?」

梓(『車からギー太取ってきて』、って……)

一年唯「メール? さっきの待ってた人から?」

梓「うん、私ちょっと行かなきゃいけないけど……あの……」

一年唯「うん?」

梓「戻ってくるまで体育館入らない……でってのは…だめ、だよね…?」

一年唯「ええ!? なんで?」

梓「いやー、その…一緒にみたいから……」

一年唯「うーん……うん、いいよ! でもなるべく早く戻ってきてね」

梓「うん! ありがとう!」

ダッ

51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 01:49:55.40 ID:F+QeWFp/0 [21/39]
唯(あずにゃん、間に合うかなぁ……)

律「おーい。もうそろそろ時間だぞ。」

紬「次ね」

澪「うーん……」


タッタッタ
梓(いそげっ! いそげ!)


体育館前

ざわざわ
一年唯「うーん、中、どうなってるのかなぁ……」

一年唯「チラッ」

『バスケ部の発表は終ります。続きまして、柔道部より…』

一年唯「うーん、ギー太ちゃんまだかなぁ…」

52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 01:52:34.43 ID:F+QeWFp/0 [22/39]
律「これの次だよ、次!」

唯「うん、一応聞いとくけど、ギターってやっぱりあったほうがいいよね?」

律「当たり前だろー あ、でも無理しなくてもいいんだぞ」

唯「大丈夫」

『次は、軽音部の発表です』

紬「いよいよね」

澪「うーん……」

律「とりあえず、できることまでしようぜ」

バタン!

唯「!」

梓「先輩っ! 持ってきました!」

唯「おお!! ギー太っ!」


律「ギー太? 誰その子?」

梓「来年分かります!律先輩! 唯先輩! 澪先輩! 紬先輩! 頑張ってください!!」

律「どうして私らのことを……」

53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 01:54:18.89 ID:F+QeWFp/0 [23/39]



唯「よしっ! りっちゃん! やるよー!!」

律「りっちゃん…?」



『軽音部、どうぞー』
パチパチパチパチ




一年唯「あぁ、ギー太ちゃんの言ってた軽音部始まっちゃうよう…
まだかな、まだかな…」

一年唯(音だけ、音だけなら……)

54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 01:55:34.75 ID:F+QeWFp/0 [24/39]
律「1,2,3!」

唯「ギュイイイン」

三人「!?」

澪(上手っ…)







一年唯(……!)

一年唯(音楽……ギター……すごいっ)

一年唯(私もっ……)

一年唯(こんな風に弾けたら……)

一年唯(できるように……なりたいっ……!)

55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 02:00:14.39 ID:F+QeWFp/0 [25/39]


ジャラ~ン

タッタッタ
梓「はぁ……はぁ……」

一年唯「あ、ギー太ちゃん」

梓「ご、ごめんね…間に合わなくて……」

一年唯「ううん、音だけなら外から聞こえたから……」

梓「うん、それで…」

一年唯「私軽音部に入ろうと思うんだ!」

梓「えっ?」

一年唯「あのギター弾いてた人、姿は見えなかったけど、すっごいいい音だったよね!
私もあんなふうになりたいな~って思って……」

梓「……」

一年唯「やっぱ無理かなぁ……」

梓「ううん! そんなことない。絶対なれるよ、私が保証する」

一年唯「へへ、ありがとー」

58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 02:03:05.32 ID:F+QeWFp/0 [26/39]
梓「それじゃあ、悪いんだけど、私人を呼びに行かないといけないから、行くね」

一年唯「うん、また会えるよね?」

梓「もちろん」

梓「あ」

一年唯「?」

梓「平沢さんが軽音部に入って二年生になったとき、新入部員の子が来るんだけど、
その子が練習しろってうるさくしても、気を悪くしないでね?」



一年唯「へへ、分かった。約束するー」

梓「うん、じゃあ」

ダッ

59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 02:07:34.49 ID:F+QeWFp/0 [27/39]

律「おい、すげえじゃん平沢さん…いや、唯!」

唯「へへ~ギー太だと上手く弾けるんだ~」

澪「こんな上手いとは思わなかったな、びっくりしちゃった」

紬「すごいわ~唯ちゃん」

バタン!

梓「先輩!」

唯「あ、あずにゃん」

梓「行きましょう!」

唯「へ? もういいの?」

梓「あっちの唯先輩は大丈夫です。帰りましょう」

60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 02:08:41.69 ID:F+QeWFp/0 [28/39]

律「おいおい、もう帰っちゃうの? このあとどこか行かないかー?」

唯「お、いいね~」

梓「ダメです! 早くしないと、……鉢合わせちゃいますよ」

唯「ちぇー、あずにゃんのケチー」

澪「帰るって、家に? まだ時間あるのに」

梓「…バックトゥザフューチャーです!」

グイッ
タッタッタッタ

61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 02:12:23.47 ID:F+QeWFp/0 [29/39]
ゴォォォォォォォォ
梓「一年生の先輩、すごいやる気でしたよ」

唯「私もやるときはやるんだよ!」

梓「とりあえず、これで……未来の先輩たちも元に……」

バシュッバシュッ
バンッ!


唯「……」

梓「……」

唯「戻って……来たよね?」

梓「とりあえず降りて下さい」

唯「しょうち!」

ゴォォォォォォォォ


梓「ふぅ……やっとうまくいきましたね」
唯「へへー」

?『あ! あの銀色の車かっこいいね!外国の車?』

二人「!」

62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 02:15:23.48 ID:F+QeWFp/0 [30/39]
梓「ちょ、また日にち間違えてるじゃないですか!」

唯「あは~やっちゃった」

梓「そうじゃなくて、早く逃げて下さい!」

唯「え、でもでも」

梓「なんですか!」

唯「地面はどうやって走るのか分かんない……」


梓「もー! ちょっと変わって下さい!」

グイッ

唯「え、あずにゃん運転できるの?」

梓「こんなものハンドル握ってここ踏むだけでしょ!」グッ!


シーン……


唯「逆だよ」

梓「……」

65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 02:20:59.12 ID:F+QeWFp/0 [31/39]
ブオン!

梓「わっ! 動いた!」

唯「お、結構上手いね~」

梓「こ、これ怖いですね……近くに車がいなくてよかった……」




梓「……逃げきりました?」

唯「もう見えないね~」

梓「怖いからまた運転変わって下さい」

唯「え~私空しか運転できないよ?」

梓「それでもいいので……」


ゴォォォォォォォ

梓「……これから、どうするんです?」

唯「とりあえず、明日へ行っちゃダメかな?」

梓「そうですね、このままここにいてもしょうがないし……」

66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 02:24:24.21 ID:F+QeWFp/0 [32/39]
バシュッバシュッ!
バンッ!

唯「……」

梓「……ちゃんと明日、ですよね?」

唯「とりあえず! 早くみんなを確認しにいこう!」

梓「そ、そうですね! 降りて下さい」


ゴォォォォン

梓「学校裏ですか、ていうか、なんで夕方にしたんですか?」

唯「だって私たちが過去にいったのもこれくらいの時間でしょ? そのほうがいいかなーって」

梓「先輩もけっこう考えてますね」

唯「当たり前だよ!」

67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 02:26:19.41 ID:F+QeWFp/0 [33/39]
タッタッタッタ

唯「軽音部の部室……部室……」

梓「ちゃんと元に戻ってるといいですね…」

唯「ついた!」

バンッ!

紬「!」
澪「!」
律「!」


唯「みんないる……!」

梓「よかった……じゃあこれで……」



紬「平沢さん? 体調、大丈夫だった?」

唯「え?」

68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 02:29:28.25 ID:F+QeWFp/0 [34/39]
律「平沢さん熱とかあったのか。どおりで今日変だと思ったよ」

澪「ちゃんと体調は気をつけないと……」


唯「え? え?」

梓「……」


律「それよりさー、どうする? 次の日曜」

紬「ピクニックもいいわね~」

澪「遊園地なんてどうかな」


唯「え? え?」

梓「……」

唯「あずにゃん…? ……どういう」

梓「あの! すみません!」

三人「!」

紬「なにかしら」

梓「便箋もってませんか」

69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 02:30:46.42 ID:F+QeWFp/0 [35/39]
紬「便箋……あったかしら……」

律「あ、それなら澪が持ってきた奴が部室にあるだろ」

澪「そこの棚にしまってたと思う。ほしかったらあげるよ」


梓「ありがとうございます! さ、唯先輩いきましょう!」

唯「…へ…? いくってどこに?」

梓「あの路地です!」

71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 02:37:10.79 ID:F+QeWFp/0 [36/39]
ゴォォォォォォォォン

梓「よかった、まだ私たち来てない」

唯「あ、あずにゃん? どういうことなの? もうりっちゃん達戻らないの?」

梓「大丈夫です。忘れたんですか、私たちがはじめてタイムスリップしたときのこと」

唯「そういえば……日にちでいうと今日だね……あ!」

梓「そうです。今からきっと私たちがここに来ます。だから、この車を渡すんです」

唯「な、なるほど」

梓「そこまでしなきゃ、きっと先輩たちは戻りません!」

梓「先輩、ペン持ってますか?」

唯「あるよ~はい」

梓「『車の後ろの白い機械にゴミを入れ、時速140km』 っと」


唯「やっぱり、あずにゃんの字だったんだね」

梓「先輩すごいです」



梓「あ! 来ました! 隠れて」

72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 02:40:20.25 ID:F+QeWFp/0 [37/39]
唯『勘だよ!』
梓『勘って……』



唯「こうしてみると、おもしろいね」

梓「全然おもしろくないです! 大変でしたよ!」

唯「でも、私はこうしてあずにゃんと冒険できたんだから、少しは楽しかったなぁ」

梓「な、なにいってるんですか」


ゴォォォォォォォ

唯「あ、とんでく」

梓「不器用な運転ですね」

唯「そ、そんなことないよ!」


バシュッバシュッ

バンッ!

73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 02:42:48.23 ID:F+QeWFp/0 [38/39]
梓「行った……」

唯「じゃあ、こんどこそ……」


?「あ、唯ー! 梓ー?」


二人「!」


律「なにしてんだ? こんなとこで二人で」

唯「り、りりりり、りっちゃん!!」


梓「それに……」


澪「あぶないことはやめとけよー」

紬「ふふ、いつも通り仲良いわね」


唯「みんなぁぁぁぁ」

75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/24(月) 02:45:31.37 ID:F+QeWFp/0 [39/39]
律「ちょ、どうしたんだよ」

唯「りっちゃぁぁぁん!! この温もりがなつかしいよぉぉぉぉぉ!!」

律「な、なにいってんだ…」


梓「……よかった……」


澪「梓、なんかあったのか?」

梓「……大丈夫です。ちょっと先輩と冒険してただけですから」

紬「気になる言い方ねっ」




律「それよりさー、日曜、どこいく?」

梓「受験生なのに遊んでいいんですか」

唯「気にしちゃだめだよ~ あずにゃーん」

澪「まったく……」

紬「ふふ」

おわり


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