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ドルキ「PSYREN? サイレンだと?」

1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/08(土) 20:04:50.67 ID:eXC//ooKP [1/43]
―アストラル・ナーヴァ―

ドルキ『わざわざ俺を呼び出すとはそれなりの用事なんだろうな? シャイナ』

シャイナ『えぇ。九州の島原地方、あそこには小規模ながらもレジスタンスが存在するのはご存知ですよね?』

ドルキ『あれは俺がわざと残しているだけだ。……それがどうかしたのか?』

シャイナ『先ほど天戯弥勒より正式な指令が下りました。――どんな反乱分子も確実に摘み取れ、と』

ドルキ『……つまり島原のレジスタンスを潰せと言うのか?』

シャイナ『ええ。と、いうもの今度、あの地帯に神経制御塔を建てるそうです。あそこはポッカリと大穴開いたままですし。
     そのためにはまず土地に残っているゴミを掃除をしろとのことで』

ドルキ『せっかくいい玩具を見つけたんだがな?』

シャイナ『また別の玩具を見つければいいじゃないですか』

ドルキ『フン……天戯弥勒の指示とあっては仕方あるまい。了承した』

シャイナ『小規模なレジスタンスとはいえ、それなりの戦力を擁するようです。油断だけはしないように。
     人間は可能な限り生きたまま捕らえてくださいね』

ドルキ『あぁ』

2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/08(土) 20:06:03.74 ID:eXC//ooKP
PSYREN詳細
http://www23.atwiki.jp/psy_ren/pages/1.html

VOMIC
http://vomic.shueisha.co.jp/psyren/

wiki
http://ja.wikipedia.org/wiki/PSYREN_-%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%AC%E3%83%B3-

こまけぇこたぁドラゴンウィングで

3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/08(土) 20:08:47.29 ID:eXC//ooKP
―サイレン塔―

ドルキ『ギッザーニ! ゴルドフ!!』

ザッ ザザッ

ギッザーニ『ハハッ! お呼びでしょうかドルキ様?』

ゴルドフ『……』

ドルキ『近日中にレジスタンス狩りを行う。準備をしておけ』

ギッザーニ『狩り? 一体、どこで狩りを?』

ドルキ『九州の島原だ』

ギッザーニ『島原……? あそこは太陽光が燦々と降り注ぐ危険地帯と聞いておりますが……?』

ドルキ『天戯弥勒より勅命が下った。あそこには神経制御塔を建てる。そのための狩りだ』

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/08(土) 20:13:38.22 ID:eXC//ooKP
―ネオ天草城―

三宅『碓氷さん、そろそろお時間です』

碓氷『碓氷、か。その名前も久々に聞くなぁ? 三宅君?』

三宅『これは……失礼しました。今はネオ天草様でしたね』

碓氷『フフフ。さあ、愚民どもの懐柔といこうか』

バッ

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/08(土) 20:18:47.29 ID:eXC//ooKP
―市街地―

市民A『おお、天草様……』

市民B『天草様、どうぞお導きを……』

碓氷『今はその気分ではない。またの機会にな』

市民C『天草様、天草様……』

市民D『天草様のおかげでこの島原は今日もいい天気です』

碓氷『三宅』

三宅『はい?』

碓氷『今から3時間後に集会を行う。それまでに沿岸警備以外の人間を広場に集めておけ』

三宅『! 了解しました』

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/08(土) 20:23:19.72 ID:eXC//ooKP
碓氷『ククク……』

カツ……カツ……

三宅『やるんですか? アレを』

碓氷『この荒みきった世界で人間の心を掴むのは容易い。手綱を握った後は飴と鞭でしっかりと躾けねばな』

三宅『おやおや、あなたも悪い人だ』

碓氷『あれから10年……私の帝国は磐石なものになりつつある。
   施設部隊による統制……食料の配給制度……階級化された社会で生きる民衆ども……!!
   私を頂点にこのコミュニティは存在する……!』

三宅『そして私はその世界のナンバー2の地位を約束されている。
   フフフ、あなたに付き従って大正解でしたよ』



11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/08(土) 20:29:12.42 ID:eXC//ooKP
―島原方面―

億号『ぐがー……ぐがぁー……』

太河『起きろ、億号』

億号『う~ん……俺はボインでポニテなのが好きなんだよぉ……ぐがー……』

太河『おい。起きろって』ペチペチ

億号『ぐが……んん? ……ふあぁ~……。なんだよ太河……? 俺の昼寝を邪魔すんなよ』ムクッ

太河『先ほど本島より使いの者が来た。天草様がお呼びだ』

億号『ああ? あのジジイ……ここんとこ召集多いんだよなぁ、ったく』ボリボリ

太河『集合時間に遅れるぞ。早くオルガゥスを出せ』

億号『へいへいっと。オルガゥス!』

ヴォン

億号『行くぜ』キュポッ

太河『おい、飲酒運転する気か』

億号『こまけえこたぁ……ん? おっと、もうウイスキーが切れてやがる。……ついでにジジイにたかるか』ポイッ

ドオオオ

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/08(土) 20:36:09.11 ID:eXC//ooKP
―市街地広場―

碓氷『よく集まった。選ばれし天草の民よ!』

ワーワー

億号『ふわぁあ……』

太河『おい、マジメに聞け億号』

億号『やれやれ。お前はマジメだなあ……』ゴシゴシ

碓氷『この世界で生き残れるのは神であるこの私に選ばれた諸君らだけが――』

――――
――

三宅『ム、太河に億号か。ご苦労』

億号『うーっす』

三宅『天草様の挨拶が済んだら仕事だ。分かってるな?』

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/08(土) 20:39:51.66 ID:eXC//ooKP
一同『ネオ天草万歳!!』

一同『ネオ天草万歳!! 万歳!!』

パチパチパチパチ
ワー

碓氷『フ……後は任せたぞ三宅。私は一旦、部屋に戻る』

ザッザッ

三宅『ハッ』

18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/08(土) 20:43:54.76 ID:eXC//ooKP
三宅『これより授与式を執り行う。今期の農業生産部門において大きな成果を上げ
   ネオ天草様に貢献した判戸に大いなる名誉と賞賛を与えここに表彰を――』

ワー パチパチ

三宅『判戸、前へ!』

判戸『はっ! ありがたき幸せ!!』ビシッ

三宅『これからも天草様と島原に尽くすよう励むのだ』

判戸『はいっ!』

一同『ネオ天草ばんざーい!!』

ワー パチパチ

三宅『判戸、ならびに忠勇なるネオ天草の民たちの功績を褒め称え、記念の演奏を――』


――♪――♪♪――


太河『億号』

億号『あ?』

太河『そろそろ仕事にとりかかるぞ』

億号『……あぁ』

21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/08(土) 20:50:19.62 ID:eXC//ooKP
―地下牢―

???『だっ! 出してくれ!! 俺は天草様に刃向かおうだ何て一度も思ったことは――』

牢番『うるさい!!』

ガスッ

???『ぐはっ!』

牢番『密かに農民を集めて食料を隠匿しただけでなく、警備用の武器まで盗んで何をしようとしていた!?』

???『そ、それは……!』

牢番『天草様の時読みの力により、貴様らがクーデターを画策していたことはすでに明白!!
   そして首謀者は美輪! 貴様だという事も全て露見した!!』

美輪『グッ……』

牢番『間もなく公開裁判の時間となる。それまでにせいぜい懺悔でもしておくのだな!!』

美輪『こ、公開裁判だと!? 冗談じゃねえ!! あんな形だけのリンチ……! ここから出しやがれ!!』ガンガン

23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/08(土) 20:54:59.25 ID:eXC//ooKP
億号『おい、こいつらが今回の囚人か?』

牢番『ん……? あっ! こ、これはこれは! 太河様、億号様!』

太河『勤めご苦労。こいつらを預かりに来た』

牢番『ハッ! お疲れ様です!!』ビッ

太河『牢を開けろ。俺たちが移送する』

ギィィィ……

美輪『……ッ!! い、嫌だッ!! た、たた助けてくれええええええ!!!』

牢番『黙れ!! 我らの救世主である天草様の意思に背き、この島原を崩壊させんとした罪、死をもって償うが良い!』

美輪『ひいいいいい……!!』

億号(我らの救世主、ねぇ……)





>>20
お…お前、俺より大文字多くてイケメンだな…

26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/08(土) 21:02:58.79 ID:eXC//ooKP
太河『連れて来た』

三宅『ご苦労』

太河『……? 天草様は?』キョロキョロ

三宅『自室に戻られた。日頃、多忙なためにお疲れになられてるのだ』

億号『あぁ? あのジーさん、今日は時読みの力とやらを使ってねえじゃねえか。ホントに疲れてんのかぁ? 胡散くせぇ』

三宅『ネオ天草様を侮辱すると貴様とて容赦せんぞ、億号』

億号『あンだと……?』ギロリ

三宅『お前らはただ、天草様の命令を聞いてれば良い』

億号『テメェ……!』

太河『止めろ、億号』バッ

27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/08(土) 21:06:15.09 ID:eXC//ooKP
億号『チッ……わかったわかった。俺が悪かったよ。もう帰るから報酬くれや。
   ウイスキーでいいぜ。さっさと一杯ひっかけて寝るとすらぁ、ヘッヘッヘ……』

三宅『……! つけあがるなよ億号』ガッ

億号『んだぁ? やる気か?』

碓氷『その手を放せ、三宅』

三宅『! 天草様。自室に戻られたのでは――』パッ

碓氷『そう思ったのだが太河と億号に一目会っておきたくてな。……大儀であったぞ、太河、億号』

億号『おおーう。それはそれはありがたき幸せ……ってか?』

碓氷『フン、貴様にとって形だけの礼などありがたくもないのだろう? 何か褒美を取らすぞ?』

億号『……その言葉を待ってたぜ。酒だ、酒をくれ』

碓氷『うむ。それなら地下の倉庫にある好きなものを持っていくが良い。
   ただし一本だけだぞ。わかったな?』

億号『ヘッヘッヘッ……そこのデブと違って話が早くて助かるぜ。行くぞ、太河』

28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/08(土) 21:10:06.85 ID:eXC//ooKP
太河『……』

億号『太河?』

太河『天草様』

碓氷『む?』

太河『このところ九州に探索隊を派遣しているとのウワサを耳にしたのですが。……本当なのでしょうか?』

碓氷『……それを知ってどうする気だ?』

太河『いえ。もしW.I.S.E共にこの場所を知られたらと思うと』

碓氷『それなら心配には及ばん。私には全て見えているのだからな。……我らの進むべき未来が。
   それより、貴様も所望するものがあれば申してみよ。善処いたすぞ?』

太河『……いえ。お言葉だけで十分です』

億号『……』

30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/08(土) 21:17:25.78 ID:eXC//ooKP
碓氷『そうか。今日はご苦労だったな。もう下がって良いぞ』

太河『わかりました。それでは失礼します』

タッタッタッ

――――
――

三宅『……いいんですか? この頃、あいつらも図に乗りはじめてるのでは?』

碓氷『この島原を離れては生きてはいけまい。それはあいつらもよく分かっているだろう。
   それに……忠実な手駒を確保しておくためには適度に飴も与えておかんとな』

三宅『ですが』

碓氷『まぁ心配はいらん。せいぜいヤツらには死ぬまで島原のために働いてもらうとしよう。それと演奏が終わったら――』

三宅『わかってます。既に公開裁判の準備を指示しておきました』

碓氷『うむ。愚民どもにとくと見せ付けてやれ。……裁判長殿』

三宅『ハイ』

35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/08(土) 21:22:44.07 ID:eXC//ooKP
―地下倉庫内―

億号『角……オールド。うーん、やっぱりニッカにしとくかなぁ』スッ

太河『……』

億号『? どーした太河、浮かねえツラぁしやがって』

太河『……いや、なんでもない』

億号『どうせ天草の事でも考えてたんだろ? お前はあのジジイの言う事全部を根っから信じてんのか?』

太河『わからない。だが俺たちにはあの人しか居ない……』

億号『だったらそれでいいんだろうよ。今はな』

太河『え?』

36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/08(土) 21:24:36.27 ID:eXC//ooKP
億号『アイツはペテン師かもしれねえ。だがよ……アイツのおかげで生き延びた人間だって数多くいることも事実だ。
   俺たちだってこうやってアイツのとこに身を寄せてる』

太河『そう。俺たちは天草様のおかげでこうやって生きている』

億号『まぁ、間違いねぇのはアイツが居なくなったらこの島原は崩壊するってこった』

太河『ああ……』

億号『最も、アイツは最高のリーダーとはいえねえがな。俺らだってアイツの都合の良いように使われてることには違いねえ。
   それでもな、アイツが仮初めの神様でも……それだけが唯一の救いの糸ってんならよ。それに縋って生きる他はねぇ。
   善だの悪だの語ってるほどの余裕は俺たちには残されちゃいねえからな』

太河(……仮初めの神、か)

億号『だが、いずれは俺たちが決断をしなきゃいけねえ時がくるはずだ。……必ずな』キュポッ

太河『まさか……抜けるのか? ここを』

億号『さぁ? そんなのはその時になってみねえとわかんねーよ』グビグビ

太河『……』

ウウウウウウ……ウウウウウ……

億号『! この音は……公開裁判のサイレンか』

38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/08(土) 21:27:31.04 ID:eXC//ooKP
―法廷―

検察官『この男――美輪は食料を盗んだ重罪人であり、また、クーデターを画策した主犯でもある』

美輪『俺は悪くないいい!! あ、天草に会わせろ!!』

傍聴人A『うるせー!! このテロリストが!!』

裁判官『静粛に!』

検察官『……ゴホン。証拠はすでに天草様のお力で確たる物と断定された。
    よってこの者たちに対し、国家反逆の罪により死刑を求刑するものである』

美輪『ふっ、ふざけんなぁあああ!! たったこれだけで死刑だなんて……おい、お前らもいい加減目を覚ませよ!!
   お前らは天草に利用されてんだよ!!』

傍聴人A『黙れ! 天草様に逆らう反逆者が!!』

傍聴人B『天草様への反逆は万死に値する大罪!! 死して償いを!!』

ワー ワー

裁判官『静粛に!! 静粛に!! これより審議に入る』

39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/08(土) 21:28:58.06 ID:eXC//ooKP
太河『……死刑だな』

億号『知ってるか? 公開裁判で死刑以外の判決は出たこと無いんだぜ? ……要はテメェの力を誇示するためのパフォーマンスさ』


裁判官『ただいまより裁判長から判決言い渡しがある。静粛に!!』

三宅『主文、被告人らを全員絞首刑に処す。国家に対する反逆行為は極めて重い罪であり、また、集団での――』

美輪『……グッ……クソッ……こんなことが……!!』ギリギリ

三宅『以上! これにて閉廷!! 引き続き死刑囚たちの公開処刑を執り行う!!』

美輪『うっ、わあああああ!!! 嫌だ!! 嫌だ!! いやだあああああ!!!』バタバタ

憲兵隊『このっ!! 大人しくしろ!!』

ガスッ

美輪『うぐっ……!』

ワー パチパチパチパチ

三宅『処刑台で天草様がお待ちだ。連れて行け』

憲兵隊『ハッ!』

42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/08(土) 21:33:47.32 ID:eXC//ooKP
―処刑台―

美輪『……』

碓氷『準備は整ったか?』

三宅『はい。後は天草様のご指示を待つだけです』

碓氷『そうか。ご苦労』ニヤリ

美輪『天草……!! テメェが全て……!!』ギリッ

碓氷『んん? 最後に何か言っておきたいことはあるかね? 反逆者君』

美輪『へ……へへへ……そのうちテメェの寝首を掻くヤツが現れるぜ……きっとな』

憲兵隊『貴様!! この期に及んでまだ減らず口を!!』

碓氷『……』

美輪『それまでせいぜい怯えて暮らすんだな……! ヘヘヘ……!』

44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/08(土) 21:35:16.74 ID:eXC//ooKP
碓氷『三宅』

三宅『はい』

碓氷『もういい。吊るせ』

三宅『ハッ、足場を撤去しろ!!』

憲兵隊『ハッ!』

ガタッ

美輪『ウッ!?』ガタン

ミシミシミシッ

美輪『うぐっ……ぐ……ググ……』

ギチギチギチチチ……

美輪『グッ……ガッ……かはっ……ガフッ!!』ボキッ

46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/08(土) 21:36:50.95 ID:eXC//ooKP
三宅『……』コクリ

碓氷『見よ!! 我が愛する天草の民らよ!! これが我が国を裏切ろうとした愚か者たちの末路である!!
   私は反逆者には容赦はしない!! だが!! 勤勉に働き、このネオ天草に忠誠を誓い!! 国のために貢献した者には地位と名誉を約束する!!
   私のために!! 我らの未来のために!! この私、ネオ天草と共に栄光を掴み取ろうぞ!!』

ワーワー キャーキャー

一般人A『ネオ天草さまああ!! ばんざあああああい!!!』

一般人B『ネオ天草様!! 万歳!!!』

一般人C『我らにネオ天草様のご加護を! 我らにネオ天草様のお導きを!!』

バンザーイ! バンザーイ!!

億号『……ケッ、クセェ茶番だぜ。帰るぞ、太河』

ブォン

太河(天草様の未来を見る力と過去を見る力……それが本当にあるのだとしたら俺たちは……)

ドオオオ

50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/08(土) 21:40:24.50 ID:eXC//ooKP
碓氷『死体は見せしめのためにこのまま3日間放置。その後は死体を降ろし焼却場に送れ。
   焼却場に着いたら解体して焼却。灰は畑の堆肥として使え』

憲兵隊『ハッ! 了解しました!!』

碓氷『今回処刑した囚人どもの家族の監視も怠るな。少しでも反逆の意図を感じたら構わず逮捕して拘束しろ。
   抵抗するようならその場で殺害しても構わん』

憲兵隊『ハッ!! 御意のままに!!』

三宅『各地区の農作物の状況はどうなっている?』

憲兵隊『はい、前期に比べ、北区の方は改善が見られます。このまま行けば収穫量は毎年の水準を維持できるそうです。
    しかしながら東区の方は未だに……』

三宅『なるほど。いかがしましょう? 天草様』

碓氷『3日後には反逆者どもで作った肥料が出来る。それを東区の畑一帯に追肥として撒こう。東区の担当者には手を尽くして遅れを取り戻せと伝えろ』

憲兵隊『仰せのままに!』

53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/08(土) 21:47:34.91 ID:eXC//ooKP
―東区―

憲兵隊A『――以上が天草様からのお達しだ』

担当者『そ、そんな! そんなノルマは無茶です!』

憲兵隊B『口答えするなぁッ!』

ドゴッ

担当者『うぐっ! ゲホッ!! ゲホッ!!』

憲兵隊B『土地が足りないのであれば早急に開墾しろ!』

担当者『しかし、残った土地は崖に面している危険な場所ばかりでとても開拓など――』

憲兵隊A『ほう? 天草様の御意思に添えないとそういうのか?』

担当者『! そ、それは……』

54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/08(土) 21:49:17.93 ID:eXC//ooKP
憲兵隊B『家族揃って国家の反逆者になりたいのか? 反逆者どもの末路がどうなるのかはよく知ってるだろう?』

担当者『ヒッ……!! それだけはご容赦を!!』

憲兵隊A『いいか、土地が無いのであれば貴様らの居住地を畑に変えてでも作物を収穫しろと下の者たちにも伝えておけ!!』

担当者『は、はい……わ、わかりました……』

ザッザッザッ


担当者『……クッ! いい気になりやがって……!!』

東区民A『行ったか?』

担当者『ああ、またとんでもない無茶難題をふっかけてきやがった!!』

東区民B『落ち着け。ここではマズい。とりあえずアジトで――』

55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/08(土) 21:55:35.92 ID:eXC//ooKP
―ネオ天草城―

三宅『天草様』

碓氷『三宅か。どうした』

三宅『鹿児島に向かった者たちのことですが……本当に存在するのでしょうか?』

碓氷『ああ。間違いなく鹿児島にあるのだ。私が探し求めている“夢喰島”はな。そしてそこにヤツが……ネメシスQの本体が居るはずだ』

三宅『地図には無いPSIの結界で覆われた島なんてにわかには信じられませんが』

碓氷『心配はいらん。探索隊の帰りと報告を待とうじゃあないか』パタン

57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/08(土) 21:58:19.54 ID:eXC//ooKP
―鹿児島地方―

探索隊A『天草様の話ではこの辺にあるはずだが……』キョロキョロ

探索隊B『本当にあるのかぁ? 夢喰島なんてよぉ』

探索隊C『……』

探索隊D『とにかく探せ。手ぶらでは帰れんぞ』

探索隊B『へいへいっと。……ん?』

ヒュウウウウウウ

探索隊長『!? 何だ!?』

パン

探索隊A『し、信号弾……でしょうか?』

探索隊D『あの辺りだと我々が通ったルート近辺ですね。しかし何故あんなところから……どうしますか、隊長』

探索隊長『もしかしたら人間の生存者が居るのかも知れん。多少戻る事になるが行ってみよう』

60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/08(土) 22:00:30.40 ID:eXC//ooKP
―サイレン塔―

ドルキ『信号弾だと?』

ギッザーニ『はい。先ほど報告が』

ドルキ『……それだけか?』

ギッザーニ『は?』

ドルキ『他に何か無かったのか?』

ギッザーニ『報告した者の話では、その近辺には武装した人間が複数人ほど……
      何かを探していたようだったと申しております』

ドルキ(探していた……? あの近辺で武装し集団で行動しているのならネオ天草の手先と見て間違いは無いだろう。
    だが、何故わざわざこちらに見つかるリスクを犯してまで信号弾を打ち上げた……? リスク以上に優先すべき物が……?
    もしや、俺の知らない別のレジスタンスが存在するとでも言うのか?)

ギッザーニ『ドルキ様?』

ドルキ『……俺が行く。マスクを用意しろ』

64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/08(土) 22:04:13.13 ID:eXC//ooKP
探索隊長『確かこの辺りだが……?』

探索隊C『……』

探索隊D『あッ! 隊長!! これを見てください!!』

探索隊長『? これは……俺たちが使ってる信号弾じゃないか』

探索隊A『何でこんなところに……?』

探索隊長『わからん……とにかく、もう少しこの辺りを調べてみよ――』

???『……お前らか? 信号弾を打ち上げた人間というのは?』

探索隊一同『!!』

66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/08(土) 22:08:40.67 ID:eXC//ooKP
探索隊長『な……なんだお前は……まさかお前が信号弾を……?』

ドルキ『信号弾……? 何を言っている? 俺はW.I.S.E第5星将のドルキだ』

探索隊長『W.I.S.E!? W.I.S.Eだと!? そんな――』

パンパンパパン

探索隊長『がっ……』バタン

探索隊A『なっ!? お前! 何を――』

パン

ドサッ

68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/08(土) 22:09:44.88 ID:eXC//ooKP
ドルキ『……あ?』

探索隊C『はぁ……はぁ……』

ドルキ『驚いたな? いきなり仲間を殺すとは……気でも狂ってるのか、お前?』

探索隊C『お、俺は……ネオ天草解放軍の使者だ!
     こうやってこの地区で信号弾を上げればW.I.S.Eが来るだろうと……!!』

ドルキ『解放軍? ……ああ、つまりレジスタンスのレジスタンスというわけか』

探索隊C『そうだ。俺たちはネオ天草を打ち倒し、市民を率いてW.I.S.Eに下る用意がある!!』

ドルキ『続けろ』

探索隊C『これはネオ天草周辺の詳細な地図だ……』ガサッ

パラッ

ドルキ『……! そちらの要求は?』

探索隊C『ネ、ネオ天草の打倒に協力することと……俺たちの生命を保証することの2つ……!!』

70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/08(土) 22:11:26.88 ID:eXC//ooKP
ドルキ『……』スゥ

ドゴオオオオ

探索隊C(……ッ!? 何だ!? 何が爆発した!?)

ドルキ『却下すると言ったらどうする? そもそもそんな話、信用できるはずがないだろうが』

探索隊『う……!』

73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/08(土) 22:15:37.25 ID:eXC//ooKP
探索隊C『俺は本気だ! 嘘もついてない!! だからこそ今、お前の前で仲間を4人も殺した!!』

ドルキ『……確かに』

探索隊C『我々は明日の夜、決起する……』スッ

カサッ

ドルキ『? この手紙は?』

探索隊C『俺たちの作戦内容が記されてあるものだ。その文章に嘘偽りはない……!』

ドルキ『クッ……ククククク……! これは面白い事になりそうだな。いいだろう……』

74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/08(土) 22:17:15.66 ID:eXC//ooKP
探索隊C『本当か!? よし、これで――』

ドルキ『待て。まだお前に聞きたい事がある』

探索隊C『? まだ何か?』

ドルキ『……お前らはここで何をしていた?』

探索隊C『え?』

ドルキ『正直に答えろ』

探索隊C『そ、それは……アンタらW.I.S.Eに会うためにここで信号弾を上げて……』

ドルキ『違う。俺が聞きたいのはそういう事じゃない』

探索隊C『……?』

78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/08(土) 22:21:18.86 ID:eXC//ooKP
ドルキ『お前が喋っているのは自分の都合の事だ。だが……俺が聞きたいのはお前の都合の事じゃない。
    ……他の連中は何故ここに居た? いや……何故九州に“来た”んだ?』

探索隊C『え……?』

ドルキ『俺と接触するのが目的ならばお前一人でも十分だったはずだ。何故こんな徒党を組んでゾロゾロとやってきた?
    しかもお前が殺した、ということは少なくともこいつらは解放軍とやらではないのだろう? 何故そんな連中と一緒になってこんなところに居た?
    ……率直に聞こう。お前以外の人間は何の目的で九州に来た?』

探索隊C『……!』

86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/08(土) 22:29:19.87 ID:eXC//ooKP
探索隊C『俺たちはネオ天草の命令でこの辺りの地質調査を命じられていて……
     こいつらはただ俺に利用されていただけで……』

ドルキ『地質調査? 何故そんなことを? そんなことする価値があるとは思えんな』

探索隊C『わ、わからないんだ!! アイツには予言の力があってここら一帯を調べろって、それだけしか……!』

ドルキ『……信じられんな。何を企んでいるかは知らんが――』スウッ

ドゴオオオ

探索隊C『!!』

ドルキ『この場で殺してやってもいいんだぞ? 俺はそんなに気が長くは無い。素直に吐いたほうが身のためだ』

90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/08(土) 22:35:51.42 ID:eXC//ooKP
探索隊C『ま、待ってくれ!! 嘘じゃない!! 本当だ!! 天草には不思議な力があるんだ……!
     触れたものの過去を読み取ったりする……そう、まるで記憶を読むかのように……!
     だから表立ってアイツに逆らうことなんて出来ないんだ!! 他の隊員を殺したのも証拠を消すためで……!』

ドルキ(……! 記憶を読む……? ということはトランス偏重型の幻視系サイキッカーか……。
    なるほど、それなら妙な企みがあってもおかしくは無い。
    他の人間を殺害した目的が証拠隠滅だというのも……特に矛盾点は無さそうだな)

探索隊C『あ、あの……』

ドルキ『もういい。俺は帰る。……この件は了承したと貴様の上司に伝えておけ』

94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/08(土) 22:39:57.56 ID:eXC//ooKP
―帰り道―

探索隊C『……居るか?』

ザッザッ

天草市民A『へへへ……上手く行ったんですか?』

探索隊C『ああ。すべてが上手く行ったよ。お前が信号弾を上げてくれたおかげでな』

天草市民A『そうですかい、先回りしてこんなところで待つなんて命がけでしたよ。
      戻ったらたんまりと報酬を――』

パンッ

天草市民A『え……な、……なんで……俺まで……』バタン

探索隊C『少しでも情報漏洩のリスクは減らしておきたい。悪く思わんでくれ』

97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/08(土) 22:43:26.13 ID:eXC//ooKP
―島原―

憲兵隊『天草様! 一大事でございます!!』

三宅『騒々しいぞ! 何事だ!』

憲兵隊『九州探索隊が調査中、禁人種に襲われたとの報告が!!』

三宅『なにっ!?』

碓氷『落ち着け三宅。……その報告を私に伝えることができた。ということは探索隊に生き残りがいるわけだな?』

憲兵隊『は、はい!!』

碓氷『その者の容態は? 命に別状はないのか?』

憲兵隊『はい。奇跡的に帰還できたとのことですが……』

碓氷『直ちに出頭を命じろ。直接話がしたい』

憲兵隊『ハッ! 直ちに!!』

碓氷(あの一帯は禁人種が少なく太陽光も差し込む比較的安全な地帯だったはず。……どういうことだ?)

98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/08(土) 22:47:33.70 ID:eXC//ooKP
調査隊C『……』

碓氷『面を上げよ。……何があった?』

調査隊C『我々調査チームは天草様のご指示通り、九州周辺で夢喰島の調査をしておりました。
     しかし……その途中、禁人種に襲われて……』

碓氷『生き残ったのはお前だけか?』

調査隊C『はい……』

碓氷『捕らえられたものは?』

調査隊C『居ません。仲間も隊長も次々に襲われて命を落とし……
     私はただ隠れて命からがら逃げるだけしか……くっ……』

碓氷『……ふむ、ご苦労であった。ゆっくりと養生するがいい。
   ただし……他の国民に要らぬ心配をかけぬよう、この事はくれぐれも口外いたすな』

調査隊C『ハッ! 失礼いたします』

100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/08(土) 22:48:54.81 ID:eXC//ooKP
三宅『……困りましたね。まさか探索隊が襲われるとは』

碓氷『まあ、これくらいは想定の範囲内だろう。生け捕りにされたものが居ないのであればこちらの情報が必要以上に漏れる心配も少ない。
   それよりも今はこの島原に巣食う反乱分子どもの方が厄介だ。まずはこちらを片付けないとな』

三宅『処刑した美輪の持ち物から何か情報は得られたのですか?』

碓氷『いや。遺品の過去視を試みたのだが……今回処刑した連中以外の情報はつかめなかった。
   しかし、これは反乱分子の組織を一つ丸ごと潰せたともとれる。他の組織もジワジワと追い詰めてやるとしよう』

三宅『夢喰島の探索はいかがしましょう?』

碓氷『隊を再編成しろ。今後は探索隊の警備に脳獣たちをつけよう。連中が付いていればザコどもに遅れは取るまい。
   念のために派遣再開は3日後とする』

三宅『承知いたしました』

156 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 00:44:16.19 ID:G9pVq/m7P [1/142]
―反乱軍アジト―

反乱軍B『W.I.S.Eに加担するだと!? そんな馬鹿な!!』ガタッ

反乱軍A『この戦力で島原解放は不可能だ。憲兵どもの動きもあってこれ以上人員を増やすわけには行かない』

反乱軍E『しかし……大丈夫なのか?』

リーダー『加担するといっても連中の力をうまく利用するための投資だ。それに、天草に時読みの力がある以上はもう後戻りはできない。
     俺たちだって単に手をこまねいてたワケじゃない。既に手は打ってある』

反乱軍D『手を打ってるだと? 一体どんな――』

ガチャッ

探索隊C『遅くなった。すまない』

リーダー『来たか。……首尾は?』

探索隊C『こちらの読みどおり禁人種の幹部に接触に成功……情報をリークし交渉も成功。証拠の隠滅も完璧だ……!
     あとはあちらが動くのを待つだけ……!!』

リーダー『よくやった!! 聞いたか!? これで俺たちはこの地獄から開放される糸口を掴んだのだ』

158 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 00:46:53.05 ID:G9pVq/m7P [2/142]
反乱軍B『その後はどうする?』

リーダー『民を率いて島原を脱出、九州の鹿児島近辺にあると言われる夢喰島に向かう。
     連中には天草を倒しW.I.S.Eに下ると伝えているが、もちろんブラフだ。
     互いに潰し合わせて、残ったほうを叩き島を出る。……漁夫の利を狙うんだ』

反乱軍E『夢喰島? そんな場所が?』

探索隊C『ある。俺はその島をネオ天草の命令で探索していた。
     まだ確認はできてはいないが……場所はもうほぼ特定してある』

リーダー『そしてその島はW.I.S.Eも知らない島であり、おそらく環境的にも人間が住めるはず、ということだ。
     そこなら我々の新たな居住地として申し分は無い……!』

探索隊C『危うく夢喰島の事をW.I.S.Eの幹部に勘付かれそうになったが……何とか隠し通せた。大丈夫だ』

反乱軍B『そ、そうか。なんか上手くいきそうな気がしてきたぜ……』

反乱軍A『ではそれまでは連中に悟られぬよう――』

リーダー『ああ。解放の日は近いぞ!』

反乱軍一同『オオーッ!!』

161 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 00:48:37.73 ID:G9pVq/m7P [3/142]
―サイレン塔―

ドルキ『戻ったぞ』

ギッザーニ『おお、いかがでしたか?』

ドルキ『喜べ。面白いことが起こりそうだ』

ギッザーニ『ギ……面白いこと?』

ドルキ『信号弾を打ち上げたのはレジスタンスのレジスタンスだった』

ギッザーニ『! ということはヤツらの中に裏切り者が?』

ドルキ『そいつが地図と作戦を記した密書を持って接触を試みてきた。……これだ』パラッ

163 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 00:51:13.37 ID:G9pVq/m7P [4/142]
ギッザーニ『ムムム……こんなものが信用できるのですか?』

ドルキ『俺の目の前で仲間を4人ほど射殺した。あれは演技ではあるまい。
    ネオ天草に不満を抱いている者もいるという証拠……島原も一枚岩というわけではなさそうだ』

ギッザーニ『それはそれは。オレも見たかったですなぁ……ギシシシ……』

ドルキ『まだ少々ひっかかる部分はあったんだがな……楽しみとして残しておくか』

ギッザーニ『?』

ドルキ『独り言だ。気にするな』

ギッザーニ『はぁ……』

168 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 00:53:41.29 ID:G9pVq/m7P [5/142]
ドルキ『今から地図の照会を行う。お前は旧時代の地図を探して持ってこい。資料室にあるはずだ』

ギッザーニ(チッ、めんどくせえことはしっかり押し付けやがって……)

ドルキ『何だその顔は? 俺の命令に不服か?』

ギッザーニ『いえいえ、滅相もありません! すぐに探してきますのでお待ちください』

ドルキ『待機していただけのお前に仕事をくれてやってるんだ、早くしろ』

ギッザーニ(ケッ! テメーが勝手に一人で行くって言ったんだろーが!)

171 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 00:58:43.35 ID:G9pVq/m7P [6/142]
ギッザーニ『島原地方の地図はこちらです』

パラッ

ドルキ『我々が持っているものと比べて大分地形が変わってるようだな。
    海岸線に沿って張り巡らされた監視塔……そこに狙撃者が配置……フム……』

ギッザーニ『新しい地図では南側の海岸が比較的手薄なようですな。監視塔が少ない』

ドルキ『今、我々が居るところから……ここか』

ギッザーニ『いかがいたしましょう?』

ドルキ『お前とゴルドフは隊を編成しろ。解放軍の動きに合わせ、明日の夜に侵攻を開始する。
    ……久々に楽しませてもらおうじゃあないか』

ギッザーニ『了解! ……いたしました。ギシシシシシ……』

ドルキ『張子の帝国、まやかしの王……どんな人間か……そろそろ拝ませてもらうとするか……!!』ニヤリ

174 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 01:01:28.09 ID:G9pVq/m7P [7/142]
ギッザーニ『よぉく聞けぇ~い! お前らは我らW.I.S.E特別警備小隊の指揮下に入り、島原地方制圧作戦に参加する!!
      小隊長はこのオレ、ギッザーニ様と』

ゴルドフ『……』

ギッザーニ(ギギギ……! オイ、部下の前だ。しっかりしろゴルドフ!!)

ゴルドフ『……グオ』

ギッザーニ『ゴルドフだ! 人間はできるだけ生きたまま捕らえろとのことだが……
      抵抗するようなら殺しても構わんと司令官のドルキ……様からのお達しだ!!』

ゴルドフ『……』

ギッザーニ『全体気をつけぇ~い!! なおれ!!』シャッ

175 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 01:04:21.95 ID:G9pVq/m7P [8/142]
ザッ

ギッザーニ『ギ……それなりに数は揃ってるな。……よし、お前! お前を副長として任命する!!』

アルフレッド『アグロ?』

ギッザーニ『そうお前だ! オレ様に選ばれたことを光栄に思え! ギシシシシ!!』

アルフレッド『……エイブラハム』

ギッザーニ『明日は久々の人間狩りだァァァッ!! 思う存分暴れるぜぇぇぇぇッ!!』

ゴルドフ『グオ!』

178 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 01:10:25.87 ID:G9pVq/m7P [9/142]
―翌日―

億号『おい太河、聞いたか?』

太河『? 何をだ』

億号『ジジイの事だよ。やっぱり九州に妙な探索隊を派遣してたみてえだぜ?』

太河『!』

億号『しかもそれだけじゃねえ。昨日な、その派遣してた探索隊ってのが禁人種に襲われたらしい』

太河『なんだと……!? どこからそんな情報を?』

億号『昨日の夜、あっちの憲兵に酒を恵んでやったんだがな。その時にポロッと吐いてよ。
   ジジイが一体何を企んでんのかは知らねえが……まぁ、コソコソとやってんだ。どうせロクでもねえことだろう』

太河『それで? 他には何か?』

億号『襲われた探索隊の中に、一人だけ生き残ったヤツがいるらしい』

太河『一人だけ? どうやってだ』

億号『さぁな。だがよ……クセェとは思わねえか? そいつ』

大河『……』

179 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 01:15:31.60 ID:G9pVq/m7P [10/142]
判戸『えっさ……ほいさ……ふう……』

憲兵隊『精が出るねえ、判戸さん』

判戸『へへへ、こう見えても昔は腕っ節が強かったモンでして』フキフキ

憲兵隊『ははは。その髪型と人相を見ればなんとなく分かるよ』

判戸『やだなぁ。今ではもう善良なイチ天草国民ですよぉ』

憲兵隊『ああ、そういえば昨日表彰されてたね。おめでとう』

判戸『おかげさまで家族も鼻高々です、はい』

180 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 01:17:15.44 ID:G9pVq/m7P [11/142]
憲兵隊『ところで話変わるけどさ』

判戸『はい?』

憲兵隊『処刑された美輪とは……昔、面識があったんだって?』

判戸『!』

憲兵隊『……どうなの? 判戸さん』

判戸『……』

183 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 01:24:06.46 ID:G9pVq/m7P [12/142]
判戸『ありましたよ。でも……』

憲兵隊『でも?』

判戸『俺と同じヤンキーだったというだけで特別な交流はありませんでした。
   昔、俺は多良高校って学校を仕切ってたんですが……美輪の野郎は地久羽高のヤンキーでして』

憲兵隊『へえ』

判戸『何度か喧嘩したことあるんですがね、本当に汚い野郎でしたよ。
   タイマンと言って呼び出しておきながら3人がかりで襲ってきたり、刃物を使ったりと』

憲兵隊『なるほど』

判戸『こう言っちゃ何ですけどね。あいつが死んで本当はせいせいしてますよ。へへ』

憲兵隊『そうですかぁ。……おっと、そろそろ仕事に戻りますね。それじゃ、判戸さんも頑張って』

判戸『はい。お疲れ様です』

憲兵隊(美輪と判戸の関係に問題はなさそうだな……名簿チェック済み……っと)ピッ

220 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 10:26:22.51 ID:G9pVq/m7P [15/142]
―ネオ天草城―

メイド『天草様。ご昼食の用意が出来ました』

碓氷『ご苦労。ここに並べてくれたまえ』

メイド『はい。かしこまりました』

ガラガラガラ

碓氷『昼餉が済むまで下がってていいぞ』

メイド『はい。それでは失礼します』

――――
――

三宅『……ふっ』パクパク

碓氷『? どうした?』

221 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 10:27:20.88 ID:G9pVq/m7P [16/142]
三宅『いえ……。政府の犬として働いてた頃を思い出しまして。あの頃は昼飯なんかマトモに食った覚えがありませんよ』

碓氷『あぁ、そう言われれば確かにそうかもしれんな。あの頃は四六時中、ドリフター狩りに勤しんだものだ』モグモグ

三宅『今はこうやって特権階級を得て、優雅な昼飯を堪能できる。……あの頃の努力が報われたと考えてますよ』モグモグ

碓氷『クク……そのせいか10年前よりも横幅が広がったのではないか? 少しは減量したらどうだ? んん?』

三宅『ははは、それは難しい相談ですなぁ。この荒みきった世の中では食事の楽しみというものは大きいもんです』

碓氷『カハハハ! それもそうだ!!』

225 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 10:31:48.95 ID:G9pVq/m7P [17/142]
――――
――

三宅『昼餉は終わりだ。食器を片付けろ』パチパチ

メイド『はい、かしこまりました』カチャカチャ

碓氷『それと、いつものを頼もうか』

メイド『……! はい、ただいま』

ガラガラガラ

228 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 10:35:17.88 ID:G9pVq/m7P [18/142]
―厨房―

メイド(ネオ天草を殺す絶好のチャンス……)

サラサラサラ……

メイド(失敗は許されない……この紅茶に混ぜて……)

――――
――

メイド『お待たせいたしました』カチャ

三宅『ご苦労』

コポコポコポ……

229 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 10:40:04.27 ID:G9pVq/m7P [19/142]
三宅『んん。いい香りだ』クンクン

メイド『……』

カチャ

碓氷『……!』ピタッ

三宅『さて、食後の優雅な一時を――』

碓氷『待て、三宅!!』

三宅『え?』

231 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 10:42:05.76 ID:G9pVq/m7P [20/142]
碓氷『……この紅茶には毒が盛られている。飲んだら死ぬぞ』

三宅『なっ!?』パッ

碓氷『運んできたのはお前だったな。……これを飲んでみろ』ギロリ

メイド『……!!』

碓氷『どうした? 早く飲んでみろ。何もやましいことが無ければ飲めるだろう?』

グイッ

メイド『う……』

232 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 10:45:59.71 ID:G9pVq/m7P [21/142]
碓氷『さあ』

メイド『ッ!』ダダダッ

碓氷『!』チャキ

パンパン

メイド『……ぁ』バタン

碓氷『フン。愚か者が。目をかけてやった恩を忘れおって……』

三宅『過去視……助かりましたよ。もしや反乱分子の手先では?』

碓氷『この帝国を築き上げて以降、食事の時だけは一度も欠かしたことは無いからな。……時読の右手―“過去視―”』スッ

キュイイイイ

碓氷『ウム……。どうやら反乱分子の手先では無い』パッ

三宅『なるほど』

碓氷『さっさと片付けさせろ。不愉快だ』

三宅『ハッ! 衛兵!! そこに転がってるゴミを片付けろ!!』

236 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 10:52:51.74 ID:G9pVq/m7P [22/142]
億号『よぉ』

憲兵隊『おや、億号様? こちらにいらしてたのですか』

億号『……ちっと良いか? お前に聞きたいことがあってよ』

憲兵隊『はい。何でしょうか?』

億号『昨日の夜、お前が話した探索隊の話なんだがよぉ』

憲兵隊『! あ、あれは……酒の勢いでつい……! どうぞご内密に……』

億号『ん? ああ、チクる気はねーよ。生き残った探索隊員について教えてくれればな』

憲兵隊『そ、そうでしたか。それなら……』

億号『探索隊の生き残りってのはどこに居るんだ? そいつについて詳しく知りてえ』

憲兵隊『は、はい。それでしたらちょうど手元の名簿に顔写真が――』ガサゴソ

億号『名簿だぁ? んなもん何で持ってんだよ』

237 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 10:54:45.93 ID:G9pVq/m7P [23/142]
憲兵隊『実は……天草様のご命令で我々憲兵隊は反乱分子のチェック作業を行ってるんですよ。
    こうやって個人情報と顔写真の入りの名簿を持ち歩いてですね、日夜、目を光らせているのです』

億号『かぁ~! あのジジイ、んなことまでやってたのかよ……』

憲兵隊『知らなかったんですか? あ、このことは秘密ですよ。みだりに口外するなって規則がありますから』

億号『分かったからそれ貸せ』ベリッ

憲兵隊『え!? あ! ちょっと!! 持っていくのも駄目ですってば! 億号様!』

――――
――

太河『どうだった?』

億号『ホレ。快く顔写真付きの名簿を貸してくれたよ。東区にいるらしいぜ』

240 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 11:01:15.00 ID:G9pVq/m7P [24/142]
―東区―

太河『おい』

担当者『! こ、これはこれは太河様! 億号様!! このようなところに何の御用で?』

太河『この写真の男の行方を捜しているんだが……見かけなかったか? ここの区に居ると憲兵に聞いた』ピラッ

担当者『え、ああ! はい! この者でしたら先ほどキュアの治療を受けに中央市街に出立しまして……』

太河『……そうか。億号、どうやら中央市街でキュアを受けているらしい』

億号『じゃあ中央に行ってみるか。オルガゥス』

ドオオオ

――――
――

リーダー『……まさか、かぎつけられたのか?』

担当者『いえ。二人ともまだ気付いていないようでしたが……探索隊の生き残りを探していたみたいです』

探索隊C『あの二人が俺を……どうして……?』

担当者『怪我を治しに中央市街まで出かけたという口実で追い返しておきましたが……』

リーダー『……何かつかまれたかも知れん。お前は決起の時までアジトに身を隠していろ』

探索隊C『わかりました』

243 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 11:10:26.99 ID:G9pVq/m7P [25/142]
―中央市街―

億号『なにぃ!? そんなヤツは来ていないだって?』

キュア使い『ええ。このところは子供と老人ばかり治療してまして……ここ数日分のカルテにもそんな人は見当たりません』

億号『……どういうこった?』

――――
――

太河『いたのか?』

億号『いいや。……東区の連中、どーも何か隠してるみてえだな』

太河『隠してるだと?』

億号『ん、いや。今のところグレーとしか言いようがねえんだがな。
   天草に調べさせても良いんだろうが……それだとあの憲兵もしょっぴかれかねねえし……しくったなぁ……』ボリボリ

太河『……そういえば、東区の担当者も憲兵の名を出したら動揺していたようだったな』

億号『さっきの憲兵に釘刺しておくか。何かあったら俺に伝えろってな。
   あとは何か進展があるまで様子見でもいいだろう』

246 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 11:30:34.10 ID:G9pVq/m7P [26/142]
―サイレン塔―

ドルキ『日没だ。そろそろ出撃するぞ』

一同『ウオオオオオオオ!!』

――――
――

バサッ バサッ

ドルキ(さて……どう攻めるか……)

248 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 11:34:40.44 ID:G9pVq/m7P [27/142]
―東区―

探索隊C『……』クイクイッ

反乱軍A『……』コクリ

タッタッタッ

探索隊C(この地図を元にルートを……)

憲兵隊A『ん? おい、何だ……あれ』

憲兵隊B『灯り? 誰か居るのかもしれん』タッタッタッ

249 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 11:37:55.00 ID:G9pVq/m7P [28/142]
探索隊C『避難ルートと侵攻ルートは……この道を通って……っと』カキカキ

憲兵隊A『おい、貴様! そこで何をしている!?』

探索隊C『!?』

憲兵隊A『ん……? 貴様は昨日、天草様に呼ばれた探索隊員じゃ……?』

探索隊C『……!』

憲兵隊B『お前か。昼過ぎに億号様と太河様が探していて大変だったんだぞ。一体どこへ行ってたんだ?』

探索隊C『……』

憲兵隊A『どうした? 何故黙っている。そこで何をしていたんだ? 早くこっちに――』

探索隊C『くっ!!』ダダダッ

憲兵隊B『あッ!! 待て!!』

253 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 11:44:45.18 ID:G9pVq/m7P [29/142]
憲兵隊B『おい、どうする! 急に逃げだしたぞ!』

憲兵隊A『撃て! 殺しても構わん!』

憲兵隊B『了解!!』チャキ

バババババ

ビスッ

探索隊C『ぐおっ!?』

憲兵隊A『待てぇ!!』

探索隊C『ハァ……ハァ……!』ダダダッ

254 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 11:46:13.40 ID:G9pVq/m7P [30/142]
憲兵隊A『いたか?』

憲兵隊B『いや、どこにも……! 銃弾は当たったはずなんだが……』

憲兵隊A『くそっ! まさかアイツは反逆者だったんじゃ』

憲兵隊C『……ん? なあ、何だこれ?』カサッ

憲兵隊A『地図? アイツが落としたものだろうか?』

憲兵隊B『見ろよ、ヤツの血が付着している。やっぱりどこかには当たってたんだ』

パラッ

憲兵隊C『これは……何かの暗号みたいなものも書き込まれてるな。何の目的でこんなものを……』

憲兵隊A『……天草様の元へ届けよう。時読みのお力で何か分かるかも知れん』

255 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 11:51:37.53 ID:G9pVq/m7P [31/142]
―島原地方近辺―

ドルキ『このポイントを島原侵攻の初期ポイントとする!!』

ギッザーニ『全部隊、人面鳥から降下ぁ!!』

バッ

バババッ

ギッザーニ『整列ぅ!!』

ザザザッ

256 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 11:53:47.54 ID:G9pVq/m7P [32/142]
ドルキ『先に敵の戦力が知りたい。先行隊を編成し手薄な島原南海岸から攻める』

ギッザーニ『ハッ! それでしたらうってつけの人材が……アルフレッド!!』

アルフレッド『アグロ……』

ドン

ドルキ『ほう? お前にしては気が利くな?』

ギッザーニ『ドルキ……のやろ……様からのご命令だ!
      お前は手勢を率いて人面鳥に乗り先行、我々が上陸するための陣地を確保せよ!!』

アルフレッド『エイブラハム』ザッ

ドルキ『……こんなんで大丈夫か?』

ギッザーニ『一応、言葉は通じているようです。レジスタンス如きに遅れはとりますまい』

259 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 11:59:20.43 ID:G9pVq/m7P [33/142]
―ネオ天草城―

憲兵隊A『天草様!』

三宅『憲兵隊の者か。どうした?』

憲兵隊A『ハッ、先ほど、東区にて不審者を発見したのですが……不覚にも逃げられてしまい……』

三宅『なに!? 逃げられただと!?』

憲兵隊A『しかし、その者が直前まで触れていた荷を確保したため報告に上がりました。どうぞ天草様のお力で……』

碓氷『出せ。私が見極めてやる』

憲兵隊A『こちらの地図です』スッ

パラッ

碓氷『時読の右手―“過去視―”』キュイイイ

261 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 12:00:48.93 ID:G9pVq/m7P [34/142]
三宅『……いかがですか?』

碓氷『!? これを持っていた者は……探索隊の生き残りか?』

憲兵隊A『ハイ! 夜道でコソコソと何かをしていまして……呼び止めたのですが急に逃げ出しました。
     致し方なく足を止めようと試みたのですが……』

碓氷『……これは! 間違いない、この地図を持っていた者は反逆者の一味だ!!』

三宅『なんと……!』

碓氷『東区の地下に反逆者どものアジトがある!! 今夜決起するつもりだ!! 憲兵隊は直ちに急行して反乱軍を殲滅しろ!
   この地図を持っていた者がいた近くに民家がある! その中に地下通路に繋がる階段があるはずだ!! 急げ!!』

憲兵隊A『ハッ!!』ダダダッ

262 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 12:01:49.51 ID:G9pVq/m7P [35/142]
碓氷『クッ……あの生き残りが探索隊を全滅させた張本人だったとはな……! 謁見の時に過去視をしておくべきだった……!』

三宅『まさかあの生き残りが反乱軍の一味……』

碓氷(? これは……別の記憶か……?)キュイイイ

三宅『どうなされましたか?』

碓氷(! W.I.S.E……星将……ドルキ……だと!?)

267 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 12:05:33.24 ID:G9pVq/m7P [36/142]
―島原南海岸―

ヒュー……バサッ……バサッ……

警備兵A『……? 何だ……? 空……?』

人面鳥『ギャー!!』

ヒュン

警備兵A『! グーラだ!! てっ! 敵襲!! 敵襲!! 空から禁人種――』

ベキッ

アルフレッド『……アグロ』メリッ

273 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 12:09:33.68 ID:G9pVq/m7P [37/142]
警備兵B『おい、どうし……』

アルフレッド『グアロッ!!』

バシュッ

ガスッ

警備兵B『が……』バタン

警備兵C『敵だ!! 撃て! 撃ち殺せ!!』ババババッ

警備兵D『禁人種か!? 敵襲!! 敵襲!! サイレンを鳴らせ!!』

276 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 12:11:17.46 ID:G9pVq/m7P [38/142]
ウウウウウウウウ!!!

三宅『な、何だ!?』

碓氷『! まさか禁人種どもが……!? 三宅!! 大至急、億号と太河を呼べ!! ネオ天草の名に置いて宣言する!!
   非常事態だ!! 戦えるもの全てに武器をとらせて敵を排除しろ!!』

三宅『ハ、ハイ!!』

ダッ

碓氷(もし過去視の通りW.I.S.Eの星将が乗り込んできたのだとしたら――!!)

280 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 12:14:22.57 ID:G9pVq/m7P [39/142]
―反乱軍アジト―

ウウウウウウ……

リーダー『……! 我々も行くぞ!!』

一同『オオー!!』

バタンッ

ザザザッ

憲兵隊D『!? 何だ貴様――』

パパパンッ

憲兵隊D『うぐっ……』バタン

憲兵隊E『は、反乱軍!?』ババババッ

反乱軍B『っ!』

反乱軍A『怯むな!! 行け!! 憲兵隊を蹴散らすぞ!! 東区を解放するんだ!!』

283 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 12:19:10.73 ID:G9pVq/m7P [40/142]
ギッザーニ『おお、はじまったようですなぁ。ギシシシシ……』

ドルキ『……』

ギッザーニ『ドルキ様?』

ドルキ『その甲高い声で喚くな。少し黙ってろ』

ギッザーニ(ケッ……偉そうにしやがって!)

ウウウウウウウ!!!

バババババババ

ギャアア!! ウワアアア!!!

ダダダダダ

ドルキ『……』

284 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 12:26:06.77 ID:G9pVq/m7P [41/142]
ドルキ(先行部隊が駆逐されていないのであれば、島原には優秀なサイキッカーは存在しないかまだ現場には到着していないということ……
     奇襲を受けて指揮系統が混乱しているのか……? それとも俺をおびき出すための罠……か?)

人面鳥『コアアアア!!』バサッバサッ

ギッザーニ『むっ! ドルキ様、先行したアルフレッドより伝言!! 南海岸に上陸可能とのことです』

ドルキ『第二侵攻部隊、人面鳥に乗れ!! 上陸地点を軸に市街地中心を目指す!!
     PSIを使えない人間どもはこの暗闇で視界が効かん、そこを狙え!!
     もしキュア使い、幻視を発見した場合は必ず生きたまま捕獲しろ! 俺の許可なく殺すな!!』

ゴルドフ『……グオオオオ!!』

ギッザーニ『キシシシ……早く女の肉を刻みてえぜぇ~!!』

ドルキ『第二侵攻部隊は東側の海岸より突入開始!! 制圧後は先行隊と合流し中心部を目指せ!!
     先行部隊と第二侵攻部隊の指揮はギッザーニ、ゴルドフに任せる!!
     行け!! 突入!! 突入しろ!! 戦争だ!!!』

288 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 12:33:17.32 ID:G9pVq/m7P [42/142]
碓氷『状況は?』

三宅『禁人種どもは海岸上空から侵攻を開始、今のところ防空戦力が機能しているので空からの中央市街侵攻を防いでいますが……
    南海岸では戦闘が激化しているようです』

碓氷『反乱軍のほうは?』

三宅『反乱軍は東区にて一斉蜂起。現在憲兵隊が食い止めています。……とのこと』

碓氷『クッ……!! 南区に脳獣たちを増援として送れ!! 使いに出した者からの連絡は!? 太河と億号はまだか!?』

289 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 12:35:44.71 ID:G9pVq/m7P [43/142]
太河『! 億号!! あれを見ろ!!』

億号『あぁ? ……な、何だありゃあ!?』

憲兵隊B『太河様! 億号様!! 大変です!! 島原が……!!』

太河『一体何があった!?』

憲兵隊B『島原が禁人種の奇襲を受け……現在応戦中……ッ! すぐに本島に戻り防衛を……!!』

億号『チイッ! ジジイのヤロー、欲かいて探索隊なんぞ出してヘマしやがったんじゃねえか!? 太河! 乗れ!!』ブォン

太河『わかった!!』タッ

ビュオオオオオオ

291 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 12:39:05.16 ID:G9pVq/m7P [44/142]
アルフレッド『アグロ……!!』

警備兵C『うっ! わあああ! た、助け……』ブチッ

警備兵D『囲んだ!! あいつ一匹だけだ!! 撃ち殺せ!!』ダダダッ

アルフレッド『グアロッ!! ヒィィィィィ!!!!』

警備兵D『な、なんだこいつ……うわっ!?』

虫型禁人種『フシュウウウウー!!』

ブシュッ

警備兵E『む、虫のバケモノどもが……!! くっ、来る――ぎゃああ!!』

グシュッグシュッ

虫型禁人種『キチキチキチ……』

アルフレッド『……エイブラハム』

295 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 12:43:07.36 ID:G9pVq/m7P [45/142]
―島原・東海岸上空―

ギッザーニ『ギ……? 敵の反抗が無いな……どういうことだ?』

ゴルドフ『……』

ギッザーニ『まぁいいやァ。このまま東区に攻め込むぜぇ!!』

296 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 12:44:46.18 ID:G9pVq/m7P [46/142]
―東区―

反乱軍A『憲兵隊が東区からの撤退を開始! 南海岸では禁人種の手勢が北上中とのこと! 東海岸も既に制圧完了!』

リーダー『よし! 東区は解放した! 手はず通りなら禁人種の手勢は東区への攻撃はしてこないはず。
      この混乱に乗じて市民を誘導し島原脱出の準備をしろ』

反乱軍A『了解しました』

ヒュオオオオオ

バサバサバサッ

ギッザーニ『っと。ここが東区かぁ……?』

リーダー『!? き、禁人種……! なぜここに……!?』

ギッザーニ『ギシシシ……ギッザーニ小隊、降下せよ!!』パチッ

ヒュオオオ

禁人種『グゴゴゴ……』

反乱軍A『うっ……!』ジャキッ

リーダー『待て! 手を出すな!!』

298 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 12:50:00.92 ID:G9pVq/m7P [47/142]
ギッザーニ『レジスタンスのレジスタンスが居ると聞いたんだが……お前がリーダーか?』

リーダー『そうだ。東区は我々が解放した。お前はドルキ殿の使いの者か……?』

ギッザーニ『ああ。我が主ドルキの命により島原制圧の第二陣としてここに来たところだぜぇ』

リーダー『しかし少々計画と違うな……東区は我々が担当する予定だったのだが……
      ドルキ殿もここへ参られるのか?』

ギッザーニ『そうだ』

リーダー『! では約束通り我々の生命の保証と天草打倒の――』

シャキッ

ズバァッ

リーダー『な……なん……で……?』バタン

反乱軍A『リーダー!?』

ギッザーニ『キシ……キシシシ……』ニヤリ

302 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 13:00:26.60 ID:G9pVq/m7P [48/142]
反乱軍A『や、約束が違うぞ!? 我々は――』

ズバァッ

反乱軍A『……ッ!』バタン

ギッザーニ『約束ぅ? 約束だとぉ? お前らが約束したのはドルキの野郎とだろぉが!
       オレ様はそんな約束なんかした覚えがねええええんだよおおお!! ゲヒャヒャヒャヒャ!!!』

反乱軍D『くそったれ! こいつら最初から――』ジャキッ

ズドドドン

ゴルドフ『……』

反乱軍D『う……っ!』

ゴルドフ『グ……ゴゴ……』ズズズズ

反乱軍D『わっ、わああああ!?』

グチャッ

ギッザーニ『反乱軍も捕獲してアストラル・ナーヴァに連行し禁人種に改造する……
       というのがまァ、ドルキから受けた命令で建前なわけだが……どうでもいいやァそんなコト!
       お前達を切り刻んで遊ぶコトに決~めたァ!』

305 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 13:01:38.64 ID:G9pVq/m7P [49/142]
探索隊C「ハァ……ハァ……!! もうすぐだ……もうすぐアジトに……」

ギッザーニ『おっ♪』

探索隊C『なッ!? 何!? これはいった――』

ブンッ ザクッ

ギッザーニ『ヒャハッ! 1ポイント追加~っと☆』

309 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 13:06:38.75 ID:G9pVq/m7P [50/142]
―南区―

アルフレッド『……アグロ』

チャキ

判戸『わっ、わあああ!?』

アルフレッド『エイブラハム』

ヒュン

カッ

アルフレッド『!?』

???『キシキシ。これ以上お前らの好きにはさせないぜェ?』

???『禁人種どもが……俺たちに勝てるとでも思ってるのかナァ~?』

アルフレッド『……!』

???『とりあえずこいつらをブッッ殺してやる!!』

判戸『あっ! あんたたちは!!』

312 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 13:10:02.42 ID:G9pVq/m7P [51/142]
友親『俺か……? 俺はパイロマスター友親!』ドン

西条『覚えておけ。俺の名は西条』ドン

戸呂臣『キシキシ……そして、俺が戸呂臣様だ……』ドン

友親『ネオ天草特化戦闘部隊“脳獣”!! ただいま見参!!』ドドン

314 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 13:16:52.36 ID:G9pVq/m7P [52/142]
戸呂臣『今のうちに逃げなぁ』

判戸『はっ! はい!! ありがとうございます!!』タタッ

西条『さぁて……随分と好き勝手やってくれたナァ?』

アルフレッド『グアロ……ヒイイイイッ!!』

ワサワサ

虫型禁人種『フシュフフ……』ガサガサ

友親『! こいつ、虫型の禁人種を……西条!!』

西条『任せろ!』

315 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 13:18:44.26 ID:G9pVq/m7P [53/142]
西条『ライズ130%、バースト100%……』メキメキメキッ

虫型禁人種『シュアアアア!!』

西条『ふんっ!』タンッ

虫型禁人種『シュ!?』

西条『“裂空覇王爪(ベリアルクロー)”!!』

ドドゴゴゴゴゴ

虫型禁人種『グギャアアアアア!!!』ボロボロボロ……

アルフレッド『!』

西条『こんなザコじゃ相手にならないぜ? お前が来な』クイクイッ

318 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 13:21:57.65 ID:G9pVq/m7P [54/142]
アルフレッド『エイブラハム……』チャキ

戸呂臣『飛び道具なんか使わせるかよ!!』

ズズズズズ

アルフレッド『!?』ミシッ

戸呂臣『キシキシ……』

アルフレッド『グアロッ!!』メキメキメキ

戸呂臣『ストレングスを使っても無駄だぜぇ。この戸呂臣様のサンドクローラーは力ずくで破壊することは不可能だからなぁ! キシキシ!!』

アルフレッド『グ……ガガ……!!』メキメキメキ

戸呂臣『足掻いても無駄だぁ! このままへし折ってやる!』

ギリギリギリ…… ゴキッ

アルフレッド『!』

319 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 13:24:44.58 ID:G9pVq/m7P [55/142]
アルフレッド『グ……アロッ!』

タンッ

友親『ククッ! これで終わりだ! そのまま灰になるがいい』ボッ

アルフレッド『!!』

友親『このパイロマスター友親の超ハイレベル最高傑作、生ける炎“ブレイズデビル”でな!!』シュゴオオ

ゴオオオオオオオ

アルフレッド『グ……アアア!!!』メラメラメラ

友親『クハハッ!!! 思い知ったか!!』

ブスブスブス……

326 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 13:40:15.74 ID:G9pVq/m7P [56/142]
アルフレッド『グア……ロッ……!!』ボロッ……

友親『フン! 見たか! これが俺たち脳獣の実力だ!!』

西条『カッコつけてないでザコの掃除を手伝え友親!! まだ残ってるんだぞ!!』

戸呂臣『俺が禁人種の足を止めてやる!! 西条と友親はトドメを頼むぜえ!』

友親『わかった!!』

――――
――

327 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 13:41:55.58 ID:G9pVq/m7P [57/142]
           / \  \ ヽ   |ヽ
          / _  \  ヾ !  |  ヽ
         /     \  ヾ  ! i  / /  ヽ
.        /  ミミ      ! ! i / /    .i
       ノ-=≡ミl|从从从从从从从l彡ヾ; i
       人   彡;;;             ;;ミ i
       |  彡彡;;;   \;;:::::::::::::/    ;;;ミi
       |   彡;;;;;;    ヽ;;:::::::ノ     ヾi
       |  彡l|   -=、;ヘ;:::::::;,=-   i i
       从 ヘ |  弋ヽ・ア ゞ;::::::::Yヽ・ア ゝ ii !
      /  ヽヽ !       ノ   弋     ,il i    ________
      /  _ゝ       ヾ │      从   /ククク…!!
    彡  ´iiiii`卜      ヽ↓,     /人ヽ<  少し休憩させてもらうぜ…!!
    /  / | ||||| i  \  弋二二二二/ /l l lゝ \
   / 人 l| ||||| |  ::;;;\  ──一 / l| l| l|ヽ   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  .//  从li !!!!! i  ::::;;;;;;;ヽ  ⌒ /卜从V从v从
lヽ.__∠_| iiiiiii |    ::::;;;;;;`::::::::::´:::::∧三ヽ==弋
|||lヽ  ` ` | |||||| | 三ヾ  ::::::::::::::::    ヽ三ヽ  \.;;; ̄`
|||||lヽ    | |||||||卜 三ヽ    ::::::     ヽ三ヽ  丶.;;:    ヽ
ヽ|||||lヽ   | !!!!!!! | ヽ三ヾ            ヽ三ヽ   丶.;;   ヽ

343 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 14:52:11.66 ID:G9pVq/m7P [58/142]
友親『ブレイズデビル!!』シュゴオオオ

禁人種『ギュ……』ボロボロボロ……

友親『ふう……大方片付いたか。ひとまず天草様の元に合流を――』

ヒュン ブゥン

戸呂臣『!?』

ズバァッ

戸呂臣『ぐああああッ!!!』

西条『戸呂臣!?』

344 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 14:53:11.69 ID:G9pVq/m7P [59/142]
友親『クソォ!! 敵の新手か!?』バッ

タンッ

ギッザーニ『キシシシ……アルフレッドをやるとはなァ。人間のクセになかなかやるじゃねえか』ペロリ

友親『! まだだ! もう一匹、上から来るぞ!!』

ヒュウウウウウ ズドオォン

ゴルドフ『……』ドン

ギッザーニ『W.I.S.E第5星将直属、特別警備小隊長……ギッザーニ様とゴルドフ……参上!!』ドン

西条『禁人種の援軍!?』

ギッザーニ『お前らの手並みは空から見物させてもらった……行くぜぇ!!』ダダダッ

349 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 14:57:08.31 ID:G9pVq/m7P [60/142]
ギッザーニ『カアァ!!』

シュバッ

友親『うおっ!?』

ギッザーニ『お? よくかわしたなぁ……褒めてやるぜぇ、キシシシ……』

友親『動きが早い! こいつら、さっきまでの禁人種とは違うぞ!!』

ギッザーニ『そうとも。俺をさっきのアルフレッドみたいなのと同じだと思ったら……死ぬぜえ? パイロキネシス使い』ニヤリ

西条『友親!! 戸呂臣が!!』

友親『!』

351 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 14:59:48.35 ID:G9pVq/m7P [61/142]
戸呂臣『カッ……カハッ……!! ゲフッ!! ゲフッ!!』ビチャビチャッ

友親『戸呂臣!! しっかりしろ!! 今すぐにキュア使いのところに連れて――』

戸呂臣『グ……ッ! 西条……友親……す、すまねえ……俺は……ここまで……』ガクッ

西条『戸呂臣! 戸呂臣!! クソッ!!』

ギッザーニ『ギャハハハ!! なかなか斬り心地よかったぜぇ!! デブ卵ちゃんよお!!』チャキ

友親『クソトカゲ野郎がぁ……!!』ブオッ

ギッザーニ(! これがこいつのパイロキネシス!! 思ったよりもデカい……!!)ゾクッ

353 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 15:03:09.55 ID:G9pVq/m7P [62/142]
>>352
ホントだ
しくったぜぇ…

355 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 15:07:02.93 ID:G9pVq/m7P [63/142]
友親『許さねえぜ……クソッタレども……!』

ギッザーニ『キシシ……いいぜ、どっからでもかかって――』

西条『ベリアルクロー!!』ズバァ

ギッザーニ『ギ!?』タンッ

ドドドドドゴゴゴゴ

ギッザーニ『っぶねえ!!』ズサササッ

西条『チッ! 身軽なヤツ――』

ゴルドフ『ゴオオ!!』キュンキュン

シュパパパパパパ

西条『なに!?』

ドゴドゴドゴドゴオオ

友親『西条!! こいつら……強い!!』

356 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 15:10:49.86 ID:G9pVq/m7P [64/142]
ガラガラガラ……

西条『グッ……だ、大丈夫だ……まだ死んじゃいない……!!』

ゴルドフ『……ゴ』

ギッザーニ『おいゴルドフ! お前はそっちの筋肉ダルマを殺れ!! 俺がこっちのクソメガネを殺る!!』チャキッ

ゴルドフ『グオオ!!』ズンズンズン

西条『ぬうッ!!』ダッ

ズゴゴゴゴゴゴゴ!!

358 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 15:16:34.74 ID:G9pVq/m7P [65/142]
友親『西条ッ!!』

ダダッ

ギッザーニ『余所見してんじゃねえ! テメェの相手はこのギッザーニ様だ!!』シャキッ

友親『横!? いつの間に……ッ!?』バッ

ギッザーニ(この間合い!! 今からじゃガードは間にあわねえ!! 例え腕を犠牲に首を守っても……
       バースト波動で包んだオレ様の刃なら――腕ごと全部ぶった切る!!)ブウン

友親『……!!』

ギッザーニ『その首ぃ!! もらったぁ!!』ビュオッ

360 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 15:22:04.96 ID:G9pVq/m7P [66/142]
ガギン!!

ギッザーニ『!? な、何ッ!?』

友親『ククク……』パラッ

ギッザーニ『テメェ……!』

友親『俺が炎を操るしか能が無いとでも思っていたのか? 馬鹿め!!』チャキッ

ギッザーニ(! こいつもバースト波動で包んだ刀を……!! 袖の下に武器を隠してやがったのか!!)

友親『ブレイズデビル!!』シュゴッ

ギッザーニ『! チッ!!』タッ

365 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 15:28:32.48 ID:G9pVq/m7P [67/142]
友親『ハアッ!』

ガギン

ギッザーニ(だが……ライズによる白兵戦は俺の方が上!!)シュッ

ズバッ

友親『うおッ!?』ブシュッ

ギッザーニ『……チィ、皮一枚で避けやがったか』

友親『こンのぉッ!!』シュゴッ

ギッザーニ『とっとっと! そうそう簡単にぁ当たらね~ぜ!! ゲヒャヒャヒャヒャ!!』シュタッ

友親『さっきからチョコチョコと!!』ブンッ

366 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 15:34:15.39 ID:G9pVq/m7P [68/142]
ギッザーニ『ハッハァ!』

ガギン

友親『くうっ!』

ギッザーニ『オラオラオラオラァ!!』

ガギン ギン

友親『ハァ……ハァ……くそっ……!!』

ギッザーニ『どうした? もう息があがってるんじゃないか? キシシシ……』

友親(ク……! 億号様と太河様が来てくれれば……! だが……ここで守ったら負ける……!)チラッ

369 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 15:36:43.67 ID:G9pVq/m7P [69/142]
西条『ベリアルクロー!!』ズバァ

ドガガガガガ

ゴルドフ『グアアオ!!』ブンッ

ドゴオッ

西条『ぐあっ!?』

ズサササッ

ゴルドフ『……』ズズズズズ

西条(まさか……ベリアルクローが効かないのか!?)

ゴルドフ『グウ……』

西条(いや、手応えはある……! コイツ……ダメージ完全無視で突っ込んで来やがる!!)

372 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 15:40:25.05 ID:G9pVq/m7P [70/142]
ゴルドフ『グアアオ!!』ドンドンドン

ブオッ

西条『うッ!?』

ドゴォッ

西条『クソッ! なんて堅さとタフさなんだよコイツ!?』

友親『西条!! こっちだ!!』

西条『!』

ズザザザザ

ギッザーニ『お? 尻尾巻いて逃げるのかぁ? キシシシ……』

ゴルドフ『……』

375 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 15:45:34.96 ID:G9pVq/m7P [71/142]
友親『ハァ……ハァ……!! 西条!! 耳を貸せ!! このままじゃ俺たちに勝ち目はねぇ……!!』

西条『?』

友親『……』ゴニョゴニョ

西条『……!』

ギッザーニ『フン……何を話したのかは知らんがッ!! ゴルドフ!! そろそろこいつらを片付けるぞ!!』ダダダッ

ゴルドフ『グオアアアア!!』ズンズンズンズン

西条『来るぞッ!』

376 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 15:52:02.87 ID:G9pVq/m7P [72/142]
友親『ブレイズデビル!!』シュゴッ

ギッザーニ『ケッ! そんなチンケな炎じゃゴルドフには効かな――』

ボウッ

ゴルドフ『ゴ!? グオオアア!!』

ギッザーニ『!? こいつッ! ゴルドフの目を狙いやがったのか!?』ブゥン

友親『テメーらの有利な戦いに付き合わされてて馬鹿みたいだったぜ! 西条!!』

西条『おう!』バッ

ギッザーニ(!? 筋肉ダルマが前に出た!?)

378 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 15:53:31.43 ID:G9pVq/m7P [73/142]
西条『うおおお!』

ギッザーニ『誰だろうがカンケーねえ!! テメェからぶった切ってやらァ!! 死ねェ!!』シュバッ

西条『ライズ250%!!』モリモリモリモリッ

ドスッ

ギッザーニ(!! わざと腕を刺させてオレ様の刃を――!?)

西条『つかまえた……ぜ!』メキメキ

ギッザーニ『! しまっ――!』

西条『ベリアルクロー!!』ズバァ

ギッザーニ『ギッ!?』

ドドドドドガガガガ

ギッザーニ『ギャアアア!!』

382 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 15:57:06.61 ID:G9pVq/m7P [74/142]
ゴルドフ『グオオ!!』

シュパパパパパパ

西条『く!!!』

ドゴドゴドゴドゴオオ

西条『……! やれええ友親ぁ!!』

ゴルドフ『!?』

友親『ブレイズデビル!!! 最大火力!!!』シュゴオオオオオ

ボウウウウウウ

ゴルドフ『グ……グオアアアアア!!!』ドスン

383 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 15:58:47.08 ID:G9pVq/m7P [75/142]
西条『畳み掛けるぞ!!』ズボッズボッ

ゴルドフ『!』

西条『ぬうんっ!!』ブウン

ブスッ

ゴルドフ『グオオオオオオオ!!!』

西条『おおおおおおおおおおお!!! ライズフルパワー!! バーストフルパワー!!』メキメキメキ

ズバァッ バキン!

ゴルドフ『ゴ……オオオオ……』バタン ボロボロボロ……

384 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 16:01:37.30 ID:G9pVq/m7P [76/142]
ギッザーニ『クソ……!! クソ……!! 俺の刀を使ってゴルドフをぶった切りやがったのか……!!』ギリッ

西条『ああ。お前の刀は折れてもう使い物にならんがなァ……俺たちの勝ちだ』

ギッザーニ『グギギ……このオレたちが……こんな三下相手に……!!』

友親『……クソトカゲ、お前らのボスはどこだ?』

ギッザーニ『ギシシシ……ゲヒャヒャ……』

西条『答えろ!!』

ガスッ

ギッザーニ『グブッ! いい……ぜ! 特別に教えて……やる! オレ様のボス……W.I.S.E第5星将……ドルキ……様は……なぁ……!!』

ドルキ『――さっきからお前らの後ろに居るぞ?』

友親『!?』バッ

西条『ベリアル――』

ドルキ『……フ』スッ

ドゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!

ギッザーニ『キシシシ……ざまぁ……みやが、れ……』ボロッ……

390 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 16:09:55.45 ID:G9pVq/m7P [77/142]
友親『ッ! 西条! さい――ッ!?』

ドルキ『ん? ああ、死体は残しておいたほうがよかったか?』

プスプスプス……

ドルキ『思ったよりも脆くてな……その筋肉ダルマは。見掛け倒しにもほどがある』

友親『あ……! あ……! 西条……ッ!』

ドルキ『ネオ天草はどこにいる? 俺はそいつに用があって来たんだが――』

友親『て……テメェ……よくも……よくもよくもッ!!』シュゴオオオオ

ドルキ『? それはパイロキネシス……のつもりか? 見たことも無い大きさだな。随分と小さい』

391 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 16:13:29.00 ID:G9pVq/m7P [78/142]
友親『ほざくな! ブレイズデビ――』

ドゴオオオ!

友親『うわッ!? 何だッ!? 俺のブレイズデビルが……!?』

ドルキ『……知ってるか? 昔、人間は油田で大火災が起きた時……ダイナマイトで消火することがあったらしい』

友親『くそっ! ならこっちで!!』ジャキッ

ドルキ『まぁ、お前の炎なぞマッチの火よりもか弱く見えるがな』スウッ

友親『うああああああああ!!!!』

カッ

友親『……ネオ……天草さま……ばんざ…………』

ドゴオオオオオオオオオ!!

394 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 16:16:24.95 ID:G9pVq/m7P [79/142]
ドルキ『……まさか先行させた部隊がほぼ壊滅とはな。それだけ島原の戦力は侮れないという事か』

――――
――

ドゴオン!!

億号『!! 何だ!? あの爆発は!?』

太河『あっちだ! 急げ億号!! 嫌な予感がする……!』

398 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 16:22:40.09 ID:G9pVq/m7P [80/142]
億号『!! こりゃあ一体!?』

太河『! あれは……脳獣の戸呂臣!!』

ドルキ『ム……? 貴様らも島原のサイキッカーか』スゥッ

億号『! オルガゥス!!』

オルガゥス『グオオオオ!!』ダッ

シュバッ

ドルキ『! つっ!』

399 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 16:24:09.56 ID:G9pVq/m7P [81/142]
タッ

太河『光輪!!』カッ

ドルキ『!』

シュンッ

億号『かわされた!? こいつ……何者だ……!!』

ドルキ『俺はW.I.S.E第5星将ドルキ。……貴様らは?』

億号『星将だと!? テメェがW.I.S.Eの幹部か!!』バッ

太河『この島原は渡さん!!』ザッ

405 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 16:27:29.48 ID:G9pVq/m7P [82/142]
ドルキ『人が名乗りを上げてやったというのに……無礼なヤツらだ』コオオオ

億号『!?』

ドゴオオン!!

億号『……ガッ……!?』

太河『億号!?』

億号(何だ……こいつの攻撃……全く……見えなかった……!!)

ドルキ『ほんの挨拶代わりだ。手加減してあるから死にはしないだろう。それよりも、だ』バッ

太河『!』

ドルキ『他人の心配をしてると……お前が先に死ぬぞ?』ビュオッ

ガスッ

太河『ぐっ!?』

408 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 16:31:43.85 ID:G9pVq/m7P [83/142]
ドルキ『さっきのクズ共よりはマシなサイキッカーのようだが』

ギリギリギリ

太河『グ……あっ! ああああっ……!!』メキメキメキ

ドルキ『動揺しているのか? 隙だらけだ』グリグリグリ

億号『オルガゥス!!』ドウッ

ドルキ『!?』バッ

太河『ゲホッ! ゲホッ!!』

億号『太河! 大丈夫か!?』

太河『あ、ああ!』

ドルキ(ヒゲの方はPSI幻獣使い……黒帽子の方は光の刃を使うPSIか……)

412 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 16:40:15.32 ID:G9pVq/m7P [84/142]
太河『よくも……光輪!!』カカッ

ドルキ『!』キュイイイ

カッ

ドゴオオオ

ドルキ『フ、これでは光の刃……というよりも……蛍の光だな』パァン

太河『!? 俺の光輪を……相殺したのか!?』

ドルキ『当然だ。俺の爆塵者の前では貴様らの貧弱なバーストなど無力に等しい』

億号『そうかよ! じゃあこいつはどうだ!?』キュイイイイ

ドルキ『!』

億号『鬼哭砲!!』ボッ

ドルキ『爆塵者!!』キュイイ

ドゴオオオオオオオオオオオ!!!

413 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 16:41:32.53 ID:G9pVq/m7P [85/142]
パラパラパラ……

ドルキ『……今のは惜しかったな。クックック……』

億号『ペッペッ! チイッ! 鬼哭砲まで……!!』

ドルキ『とはいえ……ギッザーニやゴルドフよりはよっぽどマシな力を持っているようだな。
     どうだ? このまま大人しくW.I.S.Eに下れば俺の配下の禁人種として――』

バッ

太河『光輪!!』カッ

ドルキ『!』

ブシュッ

太河『チイッ! かすっただけか!』

ドルキ『づっ! また人が話してる最中に……貴様ァ……!!』ボタボタ……

417 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 16:47:01.01 ID:G9pVq/m7P [86/142]
太河『どうした? お前こそ話し過ぎてて隙だらけなんじゃないのか?』

ドルキ『! クク……ククククク!! 良い度胸だ。……お前らはもう死んで良いぞ』キュイイイ

億号『危ねえ! 太河ッ!!』バッ

ドゴオオオ!!

420 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 16:53:47.66 ID:G9pVq/m7P [87/142]
ドルキ『! 今のをかわしたのか? クク、褒めてやるぞ……!』

億号『ヤツの能力……掴めてきたぜ!』

太河『何!?』

億号『多分ヤツは自分の任意の場所を攻撃できるサイキッカーだ! それも不可視の爆撃をな』

ドルキ『……! そちらのヒゲは中々頭が切れるようだな?』

億号『太河! もう一つ確かめてえことがある。手伝え!』

太河『何をする気だ!?』

億号『いいからオルガゥスに乗ってろ! まだ手は出すな!!』

422 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 16:55:45.95 ID:G9pVq/m7P [88/142]
ドルキ『爆塵者!!』キュイイイイ

億号『オルガゥス!!シュウン

ガクン

太河『うッ! おっ!?』

ドゴオオオン!!

億号『……!』

ドルキ『……チッ』

億号『オルガゥス!! 乗れ!! 太河!!』ブォン

425 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 16:58:24.22 ID:G9pVq/m7P [89/142]
太河『く……! オルガゥスを急に消すなんて何を考えているんだ億号!?』

億号『ヤツの能力に関してもう一つ気になることがあったんだよ。それを調べたかった』

太河『……?』

億号『だが今ので確信できた。……ヤツの攻撃には若干のラグがある』

太河『ラグだと?』

億号『ああ。おそらく任意の場所を指定してから爆破するPSIプログラムなんだろうが……発動までにわずかにズレがあるみてぇだ。
    さっき攻撃してきた時、ヤツは完全にこちらを捉えていたはずだが……爆発したのは飛んでたオルガゥスの進路前方だった』

ドルキ『なに……』 

426 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 17:01:33.87 ID:G9pVq/m7P [90/142]
億号『つまりよォ、ヤツは俺らをロックオンして爆撃できるんじゃなく……見越し射撃でこっちを狙う必要があるってわけだ! 違うか!?』

ドルキ『! ククク……驚いたな。まさかそこまで見破られるとは思ってもみなかったぞ?』

億号『余裕ぶっこいてんじゃねえ!! 鬼哭砲!!』ドウッドウッ

ドルキ『爆塵者!!』キュイイイ

ドゴオオ

シュンシュン

ドルキ『!』

億号『こうやって不規則に動いてりゃテメーだってそう簡単には当てられねぇんだろ!?』ヒュンヒュン

ドルキ『クッ……クックック……』

億号『太河!! このまま撹乱しながら少しずつ距離をつめてヤツの懐に飛び込む!! 一撃離脱で決めるぞ!』

太河『任せろ』ブォン

億号(俺の鬼哭砲でヤツの爆発を引きつけ――太河の光輪でコアを一撃! それで終わりだ!!)

431 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 17:07:39.03 ID:G9pVq/m7P [91/142]
ドルキ『久しぶりに面白いヤツに会えた。だが……俺の能力を知ったところで俺には勝てん。今からそれを教えてやろう』スウッ

ドゴオオオ! ドゴオオオ! ドゴオオオ!!

億号(!! 何だ!? アイツ……周囲を爆撃して……!? 何を考えてやがる……!?)

ドルキ『グーラ!! 来い!!!』ピィィ

人面鳥『コアアア!!』バサバサッ

ゴゴゴゴゴゴゴゴ

435 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 17:12:03.02 ID:G9pVq/m7P [92/142]
モモモモ……

億号『!? こりゃあ……!!』

太河『土煙!? さっきの爆発で――!?』

億号『うわッ! ゲホッ! なんつー濃さだ!!』

ドルキ『クク……今からお前たちはこの土煙の檻の中で嬲り殺しにされる。
     俺の目の前にたどり着くことさえできずにな』

億号『フン! 馬鹿が!! 隠れたつもりだろうが、こんな状態じゃ見えねえのはお互い様だ!
    テメーだってこっちの姿が見えなきゃ攻撃のしようが――』

ドルキ『フ……』キュイイイ

億号『!?』

ドゴオオオオオ

438 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 17:14:55.70 ID:G9pVq/m7P [93/142]
億号『ガ……ッ!』

太河『億号!?』

ドゴオオオオ

億号『か、片足をやられた……! 飛びながら止血する……手伝え……!』ボタボタボタ……

ドルキ『当たったようだな? クククク……悶えながら……死ね』キュイイイ

ドゴオオオオ ドゴオオオオ

太河(当たった……“よう”だと!?)

440 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 17:17:09.73 ID:G9pVq/m7P [94/142]
太河『光輪!!』カカッ

ドルキ『どこを狙っている? 俺はここだぞ』キュイイイ

太河『クソッ! 流石にこの中をあてずっぽじゃ……!』

ドゴオオオオオ

億号『ぐっ! ヤツは何でこっちの居場所を狙えるんだ!?』

太河(考えろ……ヤツはこの土煙を舞い上げる時に何をした……? 思い出せ……!!)

ドルキ『クカカカカ!! もっともがけ!! 俺を楽しませろ!!』

億号『ケッ、誰が禁人種の手先なんぞに!』

太河『……!』

ドゴオオオオ

444 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 17:20:33.61 ID:G9pVq/m7P [95/142]
太河『億号!! 人面鳥! さっきの人面鳥だ!』

億号『あぁ!?』

太河『おそらくヤツはさっき呼び寄せた人面鳥をレーダー代わりにしてこっちを爆撃している!
    確実に見えてるわけじゃないが……こっちの大方の場所は分かっているんだ! だからさっき当たった“ようだ”なんて言ってたんだ!!』

億号『……! そういやさっき……!! クソッ! セコイ真似を!!』

ドルキ『ほう? 黒帽子の方もなかなか頭が回るようだが……もはや手遅れだ』

ドゴオオオ

億号『ぐあっ!』

447 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 17:24:56.31 ID:G9pVq/m7P [96/142]
太河『億号! いったんこの土煙を出ろ!』

億号『駄目だ! 下手に外に出たら狙い撃ちにされるだけだ。意地でもこの土煙の中から探しださねえと……』

ドゴオオ

億号『つ!』

ドルキ『ククククク!! そのままジリ貧になるのを待つか?』

億号(ヤツの力とて無限じゃねえ。このまま逃げ回って時間を稼いで……どっちの力が先に尽きるか、こうなったら根競べだ)

ドルキ『フ……』ピピッ

455 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 17:31:14.31 ID:G9pVq/m7P [97/142]
億号(持久戦ならこっちに分がある!
    俺は飛び回れば言いだけなのに対し……ヤツはこの土煙を維持するためにもヤツは爆破し続けなければならねえ!
    おそらく、俺より先にバテて――)

ボムッ

億号『うおッ!?』

ボムボムッ

太河『ッ!』

ボムッ

太河『!? 何だ!?』

461 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 17:37:01.87 ID:G9pVq/m7P [98/142]
太河『……!?』

億号『これは……!?

ドルキ『クカカカ! 黒帽子の言うとおりに外に出れば間にあったものを』

億号『まさか……小型の爆弾を機雷のようにして……!』

ドルキ『俺の力が尽きるまでの時間稼ぎを狙ったつもりか? 甘いな。爆塵者のプログラムを少し変えたんだよ。
     威力を減らす代わりに敵のPSIに反応して起爆するような反応設置型に……な』ピピピッ

億号(! 読まれてたのか……!)

ボムボムッ

億号『ッ!』

ドルキ『さあ、どうする? これで外には出られないし、闇雲に中を飛び回るのも危険だぞ?
     かといって動かなければ……狙い撃ちだ。ククク……』

太河『億号! 俺とテレパスをつなげ!!』

ヒュン

億号『! わかった!!』

471 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 17:48:36.71 ID:G9pVq/m7P [99/142]
億号(おい、何か作戦でもあんのか!?)

太河(ある! これなら何とか……)

ドルキ『テレパスだと? 小賢しいことを考える暇など与えん!!』ピッ

ドゴオオ!!

太河(まずはオルガゥスでこの土煙を払え! その後は俺が――)

億号(……オルガゥスで機雷を突っ切れだぁ!? 無茶言うな!)

太河(いや……お前信用しているからだ。……任せるぞ)

億号(チッ……お前もいっぱしの口をきくようになったじゃねえか!! やってやんよ!!)

472 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 17:51:28.78 ID:G9pVq/m7P [100/142]
億号『オルガゥス!!』

オルガゥス『グオオオオオ!!』

ブオッ

ドルキ『っ!? 突風!?』

ビュオオオオオオオ

ドルキ(PSI幻獣で土煙を払い視界を確保するつもりか! だが……真正面からの撃ち合いになれば俺が負ける可能性は皆無!!)キュイイイイイ

バッ

ボムボムボムッ!!

ドルキ『!! そこか!!』

億号『行けぇええええ!! 太河あああああ!!』

太河『光輪!!』カカッ

ドルキ『! やはり撃ち合いにもってきたか!! 馬鹿が、その貧弱なバーストもろとも粉々に砕いて――』

474 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 17:53:15.88 ID:G9pVq/m7P [101/142]
太河『弾けろ!! 光輪!!』

キュキュキュキュ

ドルキ(何だ……? 光輪の軌道が反れて――!?)

カッ パァン

ドルキ『目晦ましだと!? ぐっ……!!』

太河『うおおおおお!!』バッ

ドルキ『!』

太河『もらったぁ!!』カカッ

477 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 17:58:55.06 ID:G9pVq/m7P [102/142]
ドルキ『クカカカカ!! この俺様に真正面から勝てるとでも思っているのか!』キュイイイイ

太河『思っているからこそ正面から挑んだんだ』

ドルキ『なに!?』

太河『光輪!』カカッ

シュンッ

ドルキ(!? さっきよりもずっと早い!?)

太河『切り札は最後までとっておく……それが、俺の戦い方だ!!』

ドルキ(まさか――今までわざと速度を落として――!? この速度は……かわせな――)

ボムッ! ズバシュ

ドルキ『ッ!!』

太河『終わりだ……W.I.S.E第5星将……!!』

482 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 18:06:41.15 ID:G9pVq/m7P [103/142]
ドルキ『……クッ……ククク……ッ』ボタボタボタ……

太河『!』

ドルキ『残念だったなぁ。……もう少しで俺のコアを切り裂けただろうに』ニヤリ

太河『――馬鹿な!? 確実に仕留めたはずだ!!』

ドルキ『グッ……しかし……払った代償は小さくなかったぞ……!』

プスプス……

太河(……! 自分を爆破した衝撃で身体を浮かせて――あのとっさの瞬間に!?)

ドルキ『……死ね!!』キュウウ

太河『!!』

億号『太河ぁ!!』バッ

カッ

ドゴオオオオオオオオオ!!!!

490 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 18:19:43.80 ID:G9pVq/m7P [104/142]
ドルキ『クク……ハハハハ! 馬鹿め、二人とも一緒に消し飛んで――』

パラパラパラ……

ドルキ(……――!? 居ない!? 一体どこへ――)

億号『ヘ……ヘヘヘ……!』コアアアア

ドルキ『上だと――!?』

億号『鬼哭砲!!』ドボオッ!

ドゴオオオオオオオ!!!!

ドルキ『ぐあああああああああ!!!!』

496 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 18:21:43.91 ID:G9pVq/m7P [105/142]
ゴゴゴゴゴゴゴゴ

億号『やったか!?』

太河『……いや! まだだ!』

ドルキ『クソッ……ふざけ……やがってえ……!!』ヨロッ

億号『まだ生きてやがんのか!?』

人面鳥『グ……ゴオオオ……』サラサラサラ……

億号『! 野郎! 人面鳥を盾にして鬼哭砲を!!』

ドルキ『カスが……あ!! カスが、カスがカスがあああ!! この俺様にクソつまらねライズをここまで使わせやがっただけでなく……
     この俺様にここまでの手傷を負わせやがってえ……!!』ゴゴゴゴゴ

501 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 18:24:34.21 ID:G9pVq/m7P [106/142]
ドルキ『貴様らごときに……!! 腹が立つ……!!』ガリガリガリ

太河『!』

ドルキ『這いつくばってろ……!! 震えていろ……!! 戦いを楽しむといっても!! 限度があることを理解しろッ!!
     これは俺のゲームだ!! 俺は痛みを伴うことは無く……貴様らが俺の力にねじ伏せられて死ぬ!! それだけのゲームだ!!』

億号『ケッ!! ナルシストが! それは戦いじゃなく狩りをする側の一方的な理屈だろうが!!』

ドルキ『……』

太河『億号、ヤツは冷静さを欠いている! 次で決めるぞ……!』ブゥン

ドルキ『……見せてやる……』ボソッ……

億号『!?』

ドルキ『少々予定は狂ったが……そのための戦いだ。この俺様に、たったの一度でも深手を与えられたことを……奇跡と思え!!』ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

太河(何だ……? あいつの周りに光が集まって……――!?)

ドルキ『爆塵者“星船形態”――!!』ズゴオオオオオ

509 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 18:31:39.69 ID:G9pVq/m7P [107/142]
シュゴッ

太河『なッ!? 光――』バッ

ドオオオオオオオ!!!

太河『……が……は……ッ……!!』バタン

億号『太河ぁ!!!』

ダッ

億号『鬼哭砲!!』ゴッ

ドバアアア

億号『!? 鬼哭砲がかき消された!?』

513 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 18:38:41.40 ID:G9pVq/m7P [108/142]
ドルキ『ハハハハハ!! 見たか!! この爆塵者“星船形態”こそバースト波動の極致!!』

億号(! 膨大なバーストエネルギーを全身に纏って攻防一体の砲撃モードになってやがんのか!! なんつー規模のバーストなんだよ……!!)

ドルキ『いかなる攻撃もこの星船形態の前では無力!!』

億号(鬼哭砲は通らねえし太河ももう光輪を使える状態じゃねえ! 下手に近づいたら殺られるのがオチ……どうする!?)

ドルキ『先ほどの俺とはワケが違うぞ!!』ゴゴゴゴゴ

ドッゴオオオオオオ!!!

億号『ッ! おいおい、冗談だろ……こんなんどうやって倒せってんだ……!!』

523 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 18:43:37.48 ID:G9pVq/m7P [109/142]
ドウッ

億号『!! オルガゥス!! かわせええええええ!!』

ドゴオオオオオ!!!

億号『うおおおッ!?』

ドルキ『ハハハハハ!! 塵に還るがいい!!!』

526 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 18:45:38.64 ID:G9pVq/m7P [110/142]
億号『ハァ……ハァ……太河ッ! 生きてるか!?』

太河『……』

ドルキ(! すんでのところで……! チッ……)

億号『オルガゥス!! 太河を乗せろ!!』ブォン

ドルキ『ほう? まだ生きていたとはな? 褒めてやるぞ?』

億号(チイッ! 爆風だけでもこのダメージかよ……オルガゥスももうボロボロ……!! このままじゃ二人ともやられる――!!)

528 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 18:57:32.24 ID:G9pVq/m7P [111/142]
億号『ヘッ! 生憎、オルガゥスはテメェの鳥より丈夫でなあ!! 俺もご覧の通りピンピンしてるぜ!!』

ドルキ『ク……クククク……!! いいぞ……それでこそ殺し甲斐もあるというものだ!!』

億号『ほざいてろ!! テメェは今から俺にぶちのめされるんだよ!!』

ドルキ『そうか。それなら今度は塵も残らないように――』

億号『鬼哭砲!!』ドウッ ドウッ

ドゴオオオ ドゴオオオ

ドルキ『どこを撃っている? 勝てないと悟って自棄を起こしたか!?』

億号(俺の力だけじゃ……もう手段は選べねえ……!!)

529 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 18:58:44.75 ID:G9pVq/m7P [112/142]
モモモモモ……

ドルキ『! これは……土煙か!』

億号『テメェのさっきの作戦をそのまま使わせてもらうぜ!! テメェには俺たちの場所を探れる人面鳥はもういねえ! これで五分五分だ!!』

ドルキ『五分五分……? 五分五分だと……? ククク……ククククク……!! ハハハハハ!!』ドウッドウッ

ドゴオオオオ!!

億号『!』

ドルキ『何を馬鹿な事を言い出すかと思えば……舐めるなよ。旧人種どもが!!』ズゴゴゴゴゴゴ

ドゴオオオオオオ!

ドルキ『土煙で見えないのであれば、土煙ごとお前らを吹き飛ばすまでだ!! 言っただろう!? 先ほどの俺とはワケが違うとな!!』ドウッドウッ

ドゴオオオオオオ!

533 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 19:02:03.42 ID:G9pVq/m7P [113/142]
ドルキ『この爆塵者“星船形態”に勝る者などない!! 貴様らがいくら策を講じても無駄だ!!』ドウッドウッ

ドゴオオオオ! ドゴオオオオオオオ!!

ドルキ『例え俺の策を真似たとしても! 貴様らのは所詮その場しのぎの浅知恵!』ドウッ

ドッゴオオオオオ!!!

ドルキ『ハハハハハ!! どうした!? 場所を察知されるのを恐れて声すらあげられんか!?』

ドゴオオオオオオオ!

ドルキ『それとももう死んだのか!?』

ドゴオオオ!!

ドルキ『……ム?』ドウッ

ドゴオオオオ!!! ドゴオオオオオ!!!!

ドルキ(……? 妙だな……さっきからどこを吹き飛ばしてもまるで手ごたえがない……――!?
     いや……“気配”そのものが……!?)

ドゴオオオオオオオオオオ!!!

ドルキ『……爆塵者“星船形態”解除!!』キュウウウン……

537 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 19:07:15.06 ID:G9pVq/m7P [114/142]
ドルキ『……』スタッ

ヒュオオオオオ……

ドルキ『……?』

ヒュオオオオ……

ドルキ『!! 居ない!? まさか……さっきの砲撃は逃走するための煙幕を……!?』

――――
――

億号『オルガゥス!! このまま全速力で離脱だ!! 島原を離れるぞ!!』

ビュオオオオ

太河『う……うっ……?』

億号『よお。……生きてるか?』

太河『あ……ああ……星将……まさか……あれほどとは……』

億号『……あんなのがまだ4人は居るってんだ。俺らじゃどう足掻いても……』

542 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 19:16:44.28 ID:G9pVq/m7P [115/142]
ドゴオオオオン!!

億号『!!』

ドルキ『とっとと戻って来い!! お前らが戻らないのであればこの島を粉々にして海に沈めてやる!! どこへ行った!?』

億号『野郎!! 島原を丸ごと焦土にする気か……!!』

ドゴオオオオオオン!!!

太河『また……爆発……音……が……島原は……?』

億号(俺たちが離脱したらもう島原にはロクな戦力はねえ。そうなれば島原は崩壊を待つだけ……
    だがヤツとやりあっても俺たちに勝ち目は……)

太河『グフッ……引きかえせ……億号……ヤツを……止めて……島原を……島原を……守るんだ……』

億号『……!』

544 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 19:21:11.22 ID:G9pVq/m7P [116/142]
太河『民を……見捨てられない……戻って……くれ……億……号……』

億号『駄目だ。このまま伊豆まで行くぞ。戻ったところで犬死だ』

太河『伊……豆……?』

億号『昔、ジジイの言ったこと……覚えてるか? 伊豆には俺たちの他に生き延びたサイキッカーや人間が集落を作って暮らしてるって話だ。
    そして――いずれは俺たちが伊豆にある勢力も潰して帝国の領土を広げるって』

太河『す……捨てる……のか……? 島……原を……?』

億号『俺たちじゃヤツには勝てねえ。命あってのモノダネだ。
    俺はまだ死にたくねえし、お前を死なせたくもねえ。……島原の事は諦めろ』

太河『億……号……』

億号『もう喋るな。伊豆に着いたらすぐキュア使いに診せて治してやるぜ。
    だから一日、いや、半日だけ我慢しろ。オルガゥスならひとっとびだ』

太河『……』

億号(……もしかしたらもう伊豆には誰も居ねえかもしれねえし話自体がガセとも限らねえ。だがここに留まっても死を待つだけ)

ドオオオ

億号(伊豆まで保ってくれよ……太河、オルガゥス!)

ドルキ『チッ! 本当に逃げやがったのか……腰抜けどもめ!!』

562 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 20:27:23.60 ID:G9pVq/m7P [118/142]
警備兵『来たぞ!! 撃て!!』

パパパン

警備兵『ここは死守しろ!!』

ドルキ『邪魔だカスども……!』ブウウン

ドゴオオオオオオ

――――
――


―ネオ天草城―

カツカツカツ

ドルキ『……ここか』

563 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 20:28:27.16 ID:G9pVq/m7P [119/142]
???『こんな夜更けに訪ねてくるとは……随分と不躾じゃあないのかね?』

カツ……カツ……

ドルキ『……!』

碓氷『我が島原を破壊せんとした罪は重いぞ……禁人種』

ドルキ『ジジイ……貴様がネオ天草か?』

碓氷『いかにも』

ドルキ『フン。ならば話は早い。俺はW.I.S.E第5星将のドルキ……貴様の首を貰い受けにきた者だ』バッ

碓氷『ふむ、ではやってみるがいい。……できるものならな』ニッ

バッ

三宅『うおおおお!!』ダダダッ

ドルキ『!』

565 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 20:32:43.20 ID:G9pVq/m7P [120/142]
ガギン

ドルキ『チッ!』

ドガッ

三宅『ぐおっ!』

ドルキ『……奇襲を狙ったつもりだろうが残念だったな。一撃で終わりにしてやる』キュイイイ

碓氷『!』ニヤリ

ドルキ『爆塵者!!』

ドゴオオオオ!

ドルキ『!? ……!?』

碓氷『おや? どこを狙っているのかね? クックック……』

ドルキ(爆塵者の軌道がずれた!? いや、違う! これは――!?)

碓氷『残念だが君の能力は我々には届かない。
    ――私のもう一つの力……PSIプログラムを狂わせる力……“狂流の左手”がある限りはな!!』ゴゴゴゴゴ

569 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 20:36:50.68 ID:G9pVq/m7P [121/142]
ドルキ『……! アンチサイキック能力か! 厄介な能力を!』

碓氷『そう驚くことはあるまい? ククク……!』

ドルキ『フン、ならばこの城ごと瓦礫の山にするまでだ。爆塵者・星船けい――』

碓氷『三宅!! ヤツの動きを封じろ!!』

バッ

三宅『ぬうおお!』

ガギン

ドルキ『クッ! 邪魔をするな!!』

三宅『さっきはよくもやってくれたなぁ?』ワサワサワサ

ドルキ『!?』

三宅『黒骨(オクトパス)!!』ヒュヒュヒュ

ドゴドゴドゴドゴ

574 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 20:42:52.05 ID:G9pVq/m7P [122/142]
三宅『フハハ!! 星将とやらもあっけなく――ん?』

ガラッ……

ドルキ『くそ……が……ッ! こんなのも避けられないなど……ッ!』

三宅『まだ生きてるとはな!! だがその状態では何もできまい!! カハハハハ!!』

ドルキ(グッ……身体が麻痺して思うように動かねえ……!)

碓氷『その傷を見るに億号と太河に相当絞られたらしいな。消耗も激しいようだ……ククク……。
    いいぞ。そのまま押さえつけてろ三宅』ズズズズズズ

ドルキ『!』

碓氷『“時読の右手”、“狂流の左手”……リンゲージ』パン

サアアアアアア

碓氷『有線ジャック――“デリート・スパイダー”!』

ドルキ(これは……トランス攻撃……!?)

577 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 20:48:31.97 ID:G9pVq/m7P [123/142]
碓氷『喜びたまえドルキ君。今から君はこのデリート・スパイダーによって記憶を……いや、人格を消去され……
    このネオ天草の忠実な下僕として生まれ変わる』

ドルキ『!!』

碓氷『太河と億号、それに脳獣までもが君たちにやられてしまったようだからな。
    君にはその埋め合わせをたっぷりとしてもらうぞ? クフフフフフ……』

カサカサカサカサ

ドルキ『グッ……!!』

碓氷『フッ……相手が悪かったなドルキ君。例え君がバースト波動の極致の体現者であっても
    このデリート・スパイダーは相手のバースト・トランスを問わず全てのPSIを絡めとれるのだよ。
    そしてこの力を最大限に利用するためには……狭い場所の方が都合が良くてね』

ドルキ『なに……!?』

582 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 20:54:47.92 ID:G9pVq/m7P [124/142]
ドルキ『う……ぐ……ああああッ!!』

ワシャワシャ

碓氷『ム……? 思ったよりも効き目が遅いな。イルミナの影響か?』

三宅『もう一度、俺の能力で痛めつけておきますか?』シュル……

碓氷『それには及ばん。あと10分もしないうちにこの男の人格は消去され、まっさらな状態になる』

三宅『それを聞いて安心しました。しかし、W.I.S.Eの星将の力……我々の想像以上でしたね。まさか太河と億号まで負けるとは』

碓氷『うむ。エース2枚を犠牲にしたが……これでジョーカーが手に入ったも同然』

585 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 21:00:42.65 ID:G9pVq/m7P [125/142]
三宅『これからどうなさいますか? 今回は何とかしのぎましたが……また星将が攻めてきたら――』

碓氷『夢喰島だ』

三宅『は?』

碓氷『生き残りをかき集めて夢喰島を目指そう。今回の件で島原も決して安全な場所とは言えないことがわかったからな。
    次にまた星将クラスの敵が攻めてきたら守りきれる自信は無い。だからまだW.I.S.Eに見つかってないあの島に全てを移動する。
    洗脳が終わったらこの男は島原内の禁人種、反乱軍の残党狩りに出そう』

三宅『了解しました。では――』

587 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 21:06:27.06 ID:G9pVq/m7P [126/142]
ビュッ ドスッ

三宅『ウグッ!』バタン

碓氷『三宅!? 誰だ!? 貴様は!?』

???『……』ヒュッ

ブオッ

碓氷『! うおおっ!?』

ドゴン

碓氷『……!』

ドルキ『ぐう……!! お……お前は……?』

碓氷(! しまった……! 今の反動でデリート・スパイダーの能力を……!!)

593 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 21:15:06.82 ID:G9pVq/m7P [127/142]
タツオ『……』ゴゴゴゴゴ

ドルキ『やっと来たか……!!』

タツオ『……』チャキ

碓氷『!!』

ドウッ

ドゴオオ

碓氷『お、おのれええええ!!!』バッ

ドルキ『クッ、あの時、援軍を呼んでおいて正解だったな……ククク……』

598 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 21:18:36.69 ID:G9pVq/m7P [128/142]
――――
――

ドルキ『まさか先行させた部隊がほぼ壊滅とはな。……それだけ島原の戦力は侮れないという事か』

ゴオオオ……

ドルキ(ギッザーニとゴルドフは中央まで辿りつけなかった。これは用心が必要か)チラッ

人面鳥『グガアァァァ!!』

ドルキ『グーラ! お前はサイレン塔に飛べ!! もう一人、俺の部下に地域警備を担当させているヤツがいる。
    戦闘に関してはそれなりに使えるヤツだ。そいつを連れてこい!! 急げ!!』

人面鳥『ギャー!!』バサッバサッ

――――
――

億号『!! こりゃあ……!!』

太河『! あれは……脳獣の戸呂臣……!』

ドルキ『ム……? 貴様らもサイキッカーだな?』スゥッ

――――
――

600 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 21:21:19.65 ID:G9pVq/m7P [129/142]
碓氷『援軍を呼んでいたとはな……! ぬかったわ……!!』

タツオ『……』ザッ

ドルキ『待て!! お前は手を出すな! ……これは俺の戦いだ』

タツオ『……』ピタッ

碓氷『! デリート・スパイダー!!』パン

サアアアア

ドルキ『!』

碓氷『ハハハハハ!! 最後のチャンスを無駄にしたな!! 出口も塞いだ!! もう逃げ場は無い!!
    貴様らまとめて下僕として使わせてもらおう……ククク!!』

604 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 21:29:16.47 ID:G9pVq/m7P [130/142]
ドルキ『さっきからベラベラベラベラと……やかましいジジイだ』キュイイイ

碓氷(! 馬鹿め……貴様の爆塵者ではこのデリート・スパイダーは破れん! 絡め取って今度こそ……確実に!)

ドルキ『……爆塵者!』

ボムッ

碓氷『! カハハハ!! さっきも言っただろう!? このデリート・スパイダーはトランスだろうがバーストだろうが全てを絡め取――』

ヒュッ ヒュッ ヒュッヒュッ

碓氷『なッ!?』

ブツッ ドスッ

606 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 21:31:50.71 ID:G9pVq/m7P [131/142]
碓氷『が……あ……ぐ……ッ……な、……何を……した……?』ガクッ

ドルキ『馬鹿が。聞いてもいないのに自分の能力を喋りすぎなんだよ。
     俺の爆発能力は防げても……爆塵者で飛ばした細かな飛礫や破片までは絡めとれなかったようだな?
     当然だ。飛んでくる石や鉄片にPSIの力は宿ってないんだからな』

碓氷『ズ……ズルい……ぞ……こ、こんな……』

ドルキ『テメェが浅はかなだけだろうが……自業自得だ。馬鹿なんだよ、お前』

614 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 21:37:06.00 ID:G9pVq/m7P [132/142]
碓氷『う……ぐ……こんな……私の……てい……こく……が……ッ……』

ガスッ

碓氷『う! ぎゃあああ!!!』

ドルキ『まだ死ぬなよ? ……さっきの屈辱はキッチリ返しておきたいからな』ピッ

ボムッ!! ベチャッ

碓氷『!? ぎゃ……わ……私の……私の左……うでっ! がっ!! ああああッ!!!』

ドルキ『クソをクソほど浴びて……死ね!!』ドゴッ

碓氷『ゲブッ! かはっ! う……ッ!』

ドルキ『ククク……!! ハッハッハッハッハ!!!』

618 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 21:38:49.89 ID:G9pVq/m7P [133/142]
碓氷『た、頼む……もう……止めて……くれ……!』ゼー……ゼー……

ドルキ『……九州で何をさせていた? 死にたくないのなら答えろ』

碓氷『な……に……』

ドルキ『貴様が九州に探索隊を送った目的を答えろと言っている』

碓氷『そ、それは……島を……島を探していたんだ……! 夢喰島……! 私は……そこで……!』

ドルキ『……! さっき話していた島のことか?』

碓氷『そうだ……! だから……!!』

623 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 21:41:38.85 ID:G9pVq/m7P [134/142]
ドルキ『ああ。もうお前に用はない。……約束通りこれで終わりにしてやろう』

碓氷『そんな! 約束がちが……!』

ガッ

碓氷『グエッ! は……はなひぇ……!!』

ドルキ『……』ギリギリギリッ

碓氷『う……グ……ゲェ……ッ!』メキメキメキ

ボムッ!!

ビチャビチャビチャ……

ドルキ『夢喰島……か』ポイッ ドチャッ

631 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 21:47:00.46 ID:G9pVq/m7P [135/142]
タツオ『……』

ドルキ『お前はアストラル・ナーヴァに戻り弥勒に伝言を頼む。――島原制圧は完了した、と。
     俺はここに残って調べることがある。ヤツの証言が本当かどうかをな』

タツオ『……』コクリ

ドルキ『わかったらさっさと行け!』

タツオ『……』シュタッ

ドルキ『さて……俺はもう少し調べないといけないことが残ったな……』

コツ……コツ……

633 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 21:51:29.28 ID:G9pVq/m7P [136/142]
―王室―

ガチャ ギイイ……

ドルキ『あれだけ追い詰めた人間が嘘を語れるとは思えんが』

ガサゴソ

ドルキ『まだ処分されてなければ……きっとあるはずだ……』

パラパラパラッ

ドルキ『! これか?』

パサッ

――『九州調査隊報告書』――

636 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 21:54:23.07 ID:G9pVq/m7P [137/142]
ペラッ

ドルキ『見つけた! 九州……調査隊……』

ペラッ

ドルキ『鹿児島……夢喰島……場所は……』

ツツツ……

ドルキ『……!!』

ペラッ

ドルキ『やはり……!! あの時、ヤツらが調査していたのは地質調査なんかじゃなく……この島についての所在地……!
     ネオ天草の話は嘘では無かったという事か……』

640 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 21:58:26.62 ID:G9pVq/m7P [138/142]
パタン

ドルキ『思わぬ土産が出来たな。この事に関しては俺から直接弥勒に聞かせてやるとしよう。ククク……!!』

パラッ

ドルキ『ん? これは……赤いテレホンカード?』

ザワザワザワ…

ドルキ『あの男が持っていたものか? こんな旧時代の産物を何故こんなに……?
     ……! 何か書いてある……?』

ペラッ

ドルキ『PSYREN? サイレンだと?』

ゴゴゴゴゴゴゴゴ

ドルキ(何だ……? このカードから妙な力を感じる……。これも弥勒に届けてみる必要がありそうだな……)

ガチャ ギィィ……バタン


――世界は――つ・な・が・る――


終わり

649 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 22:02:58.18 ID:G9pVq/m7P [139/142]
お粗末さまでした

>>593での増援はタツオにしようかデルボロにしようかずっと迷ってた
両方作って置いてもしデルボロだったら
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デルボロ『W.I.S.E第二星将直属戦闘部隊“スカージ”隊長デルボロ。援軍要請に応えただいま到着しました』

ドルキ『うっ……はぁ……はぁ……スカージ……ジュナスの使いか……?』

デルボロ『はい』

ドルキ『クッ、あの時、援軍を呼んでおいて正解だったな……ククク……
     ジュナスに借りを作るのは癪だが……ここでしくじるのは更に恥だ……!』

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こんな感じに
でもドルキさん関連の部下だけで片付けたいなーと思ってタツオ君に頑張ってもらいました

654 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 22:15:45.38 ID:G9pVq/m7P [140/142]
いっぱい支援してくれた人もずっと読んでくれた人もありがと
アンケ増えてvipでもサイレンスレが増えると嬉しいね

655 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 22:18:39.78 ID:iYyDEakL0 [78/79]
俺もSS描けるようになりたい・・・

663 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/05/09(日) 22:35:23.22 ID:G9pVq/m7P [141/142]
>>655
サイレンのIFストーリーはけっこうネタ見つかるぜ
もし射場さんが遊坂と共謀しててアゲハ達を陥れにきてたら…とか
もし根襲撃のメンバーにドルキさんと遊坂が加わってたら…とか
もし夢喰島決戦にW.I.S.Eが乱入してきたら…とか

ぜひ頑張ってくれ

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