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梓「掃除用具箱に隠れて誰か脅かそうとしたら出られなくなった」
1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 03:03:03.51 ID:b4FDC+Zc0 [1/53]
梓「……どうしよう」
梓「外側から鍵かけられて開けられない……」
梓「ついうとうとしちゃって、寝たのが間違いだったなぁ……」
梓「放課後だから誰もいないし……」
梓「……軽音部にも行けないなぁ……」
梓「! あ、そうだ、携帯!」
梓「鞄の中にあるはず………………、ない」
梓「ああ……家に忘れてきたんだった」
梓「……どうしよう」
梓「外側から鍵かけられて開けられない……」
梓「ついうとうとしちゃって、寝たのが間違いだったなぁ……」
梓「放課後だから誰もいないし……」
梓「……軽音部にも行けないなぁ……」
梓「! あ、そうだ、携帯!」
梓「鞄の中にあるはず………………、ない」
梓「ああ……家に忘れてきたんだった」
3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 03:03:50.32 ID:b4FDC+Zc0 [2/53]
梓「……誰か来るまで待ってるしかないなぁ」
梓「……………………」
梓「……………………」
梓「…………誰も来ない」
梓「……………………」
ガララッ
梓「あ! 誰か来た!」
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 03:05:46.01 ID:b4FDC+Zc0
女子A「それで何? 相談って」
女子B「…………あの、実は」
梓「………………あの、すいません!」
女子A「何なのよ。早く言ってくれない?」
梓(聞こえてないのかなぁ…………)
女子B「…………私、妊娠しちゃって……」
女子A「嘘!?」
梓(声かけづらくなってきた……)
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 03:06:40.91 ID:b4FDC+Zc0
女子B「…………本当。もう、一月半行ってるって」
女子A「……でも、あんた彼氏なんかいたっけ?」
女子B「…………ごめんね。隠してて」
梓(………………あー、心底どうでもいい)
梓(でも、シリアスな空気になってるし、関わりたくないし…………)
梓(…………まぁいいや。他の人に助けを頼もう)
9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 03:07:25.34 ID:b4FDC+Zc0
五分後……
女子B「ありがとう…………私、少し元気が出たよ」
女子A「そう……よかったわ」
女子B「私、頑張ってお母さん説得するよ」
女子A「うん、きっと、お母さんもあなたの強い意志を見せればわかってくれるはずよ」
梓(…………ああ、やっと終わった)
梓(…………足音が遠ざかって行く……教室を出て行った、かな?)
梓(…………それにしても、暇だ…………)
梓(………………唯先輩たち、心配してるかな?)
梓(…………早くここから出て軽音部に行かないと…………)
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 03:08:13.62 ID:b4FDC+Zc0
梓(……あれ、今日は確か金曜日…………)
梓(…………明日からは休日。と、いうことは…………?)
梓(…………今日出ないとヤバい! あー! さっきの人たちに出してもらうんだった!)
梓(…………いや、後悔してももう遅い……。次来た人に開けてもらおう)
女子C「ほら、早く来てよ!」
女子D「あ、先輩、そんなに強く引っ張らないでください……」
梓(…………誰か、来た?)
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 03:09:00.61 ID:b4FDC+Zc0
女子D「…………あの、何ですか? 話って」
女子C「…………あのさ、あんたに伝えとこうと思ってね」
女子D「……はい」
梓(う、また声かけづらい雰囲気に…………)
梓(構うもんか! 早くここを出なきゃ!)
女子C「わたし、あんたの彼氏と寝たから」
女子D「………………はい?」
梓「あの、出して下s 女子C「だからぁ! あんたの彼氏寝取ったから!」
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 03:09:47.00 ID:b4FDC+Zc0
女子D「………………何言ってるんですか? 先輩」
女子C「あんたセックス下手なんだって? 言ってたよ、あいつ」
女子D「…………はぁ?」
女子C「あいつさ、あんたが鬱陶しくてたまらないんだって。あんたに別れてほしいって言ってるよ。いつもね」
女子D「…………ちょっと、何を言ってるか分かりませんね」
梓「……あの! ここのカギを開けt 女子C「とにかく! あんたはあいつと別れろって言ってるんだよ!」
女子D「………………冗談でしょう?」
女子C「冗談なもんか。私たちはもう肉体関係もあるんだ。証拠だってあるよ? ほら。私とあいつのハメ撮り画像」
女子D「……………………そん、な」
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 03:10:39.73 ID:b4FDC+Zc0
女子C「あいつとはさ、私、体の相性も合うみたいなんだよね。いやー、いい男だわ顔も身体も」
女子D「………………何がしたいんです? 先輩」
女子C「あんたの彼氏を奪っただけだよ。それ以外の何物でもないね」
梓「あの、話を聞いt 女子D「ふざけるなぁっ!!」
女子C「おっと、逆ギレ? いいから早く別れてよ。正式に付き合えないじゃん」
女子D「…………何で、何で?」
女子C「ま、言いたいことは伝えたから。数日中に別れてよね」
梓(…………あ、一人教室を出て行ったのかな? よし、今なら開けてもらえる――)
梓「あの、すいません、ここをあk 女子D「――っ、あああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 03:11:25.74 ID:b4FDC+Zc0
女子D「…………赦さない、あのビッチ」
梓「あの、ここを開けて!」
梓「………………」
梓「もう、どっか行っちゃったかな…………」
梓「………………また開けてもらえなかった…………」
梓「…………次こそ、ここから出よう」
梓「大丈夫、まだ出る機会はある……」
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 03:12:27.22 ID:b4FDC+Zc0
数十分後……
?「おーい、梓―。どこだ?」
梓(…………私を呼ぶ声?)
prrrr prrrr
?「あ、律? そっちの方にはいたか?」
?「……そっか、一階にはいない、か」
?「…………まったく、困ったもんだよな。休むかどうかも言わないで部活に来ないなんて」
?「でもまぁ、学校には来てるらしいから、まだ校舎のどこかにいるんだろうけどさ」
?「サボり? ないない。梓が一言も無しにサボるなんてありえないだろ」
?「…………ああ、わかってるって。見つけたら連絡するから」
梓(携帯か何かで話してる?)
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 03:13:21.39 ID:b4FDC+Zc0
?「じゃあ、私は二年生の教室をしらみつぶしに探すよ。ああ、うん。大丈夫だって」
梓(……あ、この声! 澪先輩!)
澪「…………さて、まずは二年一組から、か」
梓(――来る! ここから出れる!)
澪「梓、いるか?」
梓(来たあああああああああああああああああああああああああ!!!)
梓「澪先輩! ここです! ここにいます!」
澪「!」
澪「そ、そ、そ、そ、掃除用具箱が…………喋った!?」
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 03:14:16.37 ID:b4FDC+Zc0
梓「! 違います! 澪先輩! 私です! 梓です!」
澪「あああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!喋ってるううううううううううううううう!!!!」
梓「私が喋ってるんです!!」
澪「ミエナイキコエナイミエナイキコエナイミエナイキコエナイ………………」
梓(………………教室を出て行く音……ああ、救いの女神は私を見逃した…………)
梓(いや、澪先輩が来たってことは、唯先輩たちも来るはず!)
梓(落ち着け、唯先輩たちが来てくれる……)
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 03:15:05.76 ID:b4FDC+Zc0
数分後
唯「あずにゃんはどこかな~」
梓(来た! 今度こそ出れる!)
唯「この教室にはいないかな?」
梓(ドアを開く音…………よし、チャンス!)
梓「先輩! 私はここに 憂「あ、お姉ちゃんどうしたの?」
唯「あ、憂。実はあずにゃんを探してるんだよ。どこにいるかしらない?」
梓「だからここにいm 憂「梓ちゃんは見てないけど……。もしかしたら、お姉ちゃん達とすれ違ってるんじゃない? もう部室にいたりして」
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 03:15:51.68 ID:b4FDC+Zc0
唯「あ、そっか! そうかもね!」
憂「お姉ちゃん、どれくらい探してるの?」
唯「うーんと、二十分くらい前から探してるよ」
憂「それだけ探しても見つからないってことは、間違いなく部室にいるんだと思うよ」
梓「行かないで! 唯先輩! 待って!」
唯「…………あれ? 何か声聞こえない?」
憂「え、嘘?」
唯「ほら、この教室から」
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 03:16:37.88 ID:b4FDC+Zc0
憂「えっ、……って、ここ私たちの教室」
梓「先輩! 唯先輩!」
唯「ほら、聞こえるよ」
澪「唯! その教室には行かない方がいい!」
唯「澪ちゃん!?」
澪「その教室にはお化けがいるんだ! …………ああ、思い出すだけで恐ろしい」
唯「…………ほ、本当? お化け?」
梓「お化けじゃないです! 梓です!」
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 03:17:32.41 ID:b4FDC+Zc0
唯「実は…………私、さっきから変な声聞こえるんだよ」
澪「それは…………間違いなく幽霊だ! 逃げるぞ唯! いつ襲ってくるかわからん!」
唯「う、うん!」
梓(………………あぁ、また逃した)
梓(澪先輩と唯先輩はもう助けには来ないかな? …………と、なると律先輩かムギ先輩しか)
カツ・・・カツ・・・カツ・・・カツ
梓(…………足音?)
梓(…………律先輩? それとも……)
紬「梓ちゃん? どこにいるの?」
梓(――ムギ先輩!)
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 03:18:17.56 ID:b4FDC+Zc0
紬「この教室には……」
梓「ムギ先輩! ここです! ここ!」
紬「…………空耳かしら?」
梓「空耳じゃありません! 梓です!」
紬「…………変ね? 掃除用具箱が喋ってるような…………」
梓「私が喋ってるんです!」
紬「…………ああ、疲れてるのね。私」
梓「ムギ先ぱ………………い……………………」
梓(……………………ムギ先輩の足音が、どんどん離れていく…………)
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 03:19:32.67 ID:b4FDC+Zc0
梓(…………頼みの綱は、律先輩しか…………)
数分後
律「梓―、いるかー?」
梓(! …………律先輩の声。だんだん近づいてきてる…………。律先輩を逃したら、土日をここで過ごす羽目になる!)
律「うーん、二年生の教室は澪が探したって言ってたしな。探しても無駄か」
梓(!? え、ちょっと、まさか)
律「こんだけ探してもいないってことは帰ったんだな、きっと。ったく、梓の奴、今度来たらおしおきものだ」
梓(ちょ、ちょっと待って!)
梓「律先輩! 私は! 私はここです!」
律「…………気のせいか? 一瞬名前を呼ばれた気が…………。ま、気のせいだな。部室に戻ろうっと」
梓「律先輩いいい!!」
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 03:20:17.81 ID:b4FDC+Zc0
梓「………………ああ、だめだ。聞こえてない」
梓「サボっちゃったことになるなぁ…………ここから出たら謝ろう」
梓「それにしても………………まさか、嘘でしょ? 土日をここで過ごすなんて」
梓(………………他に頼れる人は………………)
梓(…………純? そうだ、まだ純がいた!)
一時間後
梓(………………誰も来ない…………)
梓(純も来ないだろうなあ………………、ああ、もう頼れる人間がいない…………)
29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 03:21:30.86 ID:b4FDC+Zc0
梓(…………埃って美味しいのかな?)
梓(食べ物も飲み物もない………………どうやって土日を過ごそう)
梓(いや、一日二日飲まず食わずでも死なないってテレビでやってたから……うん。大丈夫かな)
梓(………………うん。大丈夫)
梓(……………………寂しいなぁ)
梓(……………………お母さんとかも心配するだろうなぁ…………どうしよう)
梓(………………出たい)
梓(………………ここから出たい!)
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 03:22:26.94 ID:b4FDC+Zc0
梓「誰か! 誰かいませんか! ここから出してくれませんか!」
梓「廊下通ってる人とか! 誰でもいいんで! 出して下さい!」
梓「……………………」
梓「……………………誰もいないや」
梓「……………………いやだ」
梓「埃は食べたくない! 出して! 誰か!」
梓「誰か……………………外に、だしてください………………」
?「誰か居るの? その中に」
キィ、ガチャ
梓「………………へ?」
31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 03:23:22.45 ID:b4FDC+Zc0
和「………………そこで何をやっているの?」
梓「………………え、え、え?」
和「『埃は食べたくない!』っていう叫びが聞こえたから来てみたら…………何しているの?」
梓「あ、あ、開けてくれたんですよね? 和先輩?」
和「? ええ」
梓「あ、ありがとうございます!」
和「…………誰かに苛められてたの? この中に閉じ込められたりとか」
梓「いえ、自業自得です…………ああ、あぁぁあ、助かった……本当にありがとう、ございます」
和「ちょっと梓。泣かないで。唯達は?」
梓「……あ、そうだ! 唯先輩たちに謝ってこないと!」
和「? よくわからないけど、掃除用具箱の中には今後入らないようにしてね」
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 03:24:07.95 ID:b4FDC+Zc0
音楽室
梓「あの、すみません。遅れました」
律「あー! 梓! どこに行ってたんだ!」
唯「あずにゃん! 心配したんだよ? 保健室とかに行ってたの?」
梓「いえ…………いたずらが失敗してしまっただけです」
澪「まぁ、無事で何よりだよ。梓」
梓「あ、はい。心配をかけて本当にごめんなさい…………」
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 03:24:52.59 ID:b4FDC+Zc0
憂「梓ちゃん、純ちゃんのこと知らない?」
梓「あ、憂。いたんだ…………、純? ジャズ研部室じゃないの?」
憂「それが、放課後になって突然行方をくらましたんだよ。ジャズ研部室にもいないし……」
梓「携帯は?」
憂「かけたら、純ちゃんのお母さんが出てきた。家に忘れちゃってるみたい」
梓「ふぅん。…………まぁ、純のことだから心配しなくても大丈夫だと思うよ」
そのころ、女子トイレ内掃除用具箱では……。
純「掃除用具箱に隠れて誰か脅かそうとしたら出られなくなった」
終わり
65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/16(日) 18:48:41.93 ID:b4FDC+Zc0
まだ残っていてワロタ
誰でもいいが唯梓書くなら支援するぜ!
唯梓でなくても支援するが
74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/16(日) 21:59:57.25 ID:b4FDC+Zc0
>>67
……自信はないが、やってみるか
書き溜めてくるわ
79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 22:31:44.78 ID:b4FDC+Zc0
番外編 >>21のときに憂も澪も来なかったら
唯「あー、あずにゃん何してるのー楽しそう!」
梓「唯先輩だしてください!」
唯「どれどれ」
ガチャリ
梓「ほっ、助かりました」
唯「私も入る!」
梓「え?」
ガコン
唯「うわぁ狭い! あずにゃん狭いよーあはは」
梓「あぁ……しめちゃった……」
唯「え?」
梓「これ……鍵が……その、でられないんですよ」
唯「えぇ!?」
梓「……終わった」
80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 22:32:33.89 ID:b4FDC+Zc0
唯「え? 何が終わったの?」
梓「私たちはここから出られません」
唯「じゃあ、ずっとあずにゃんと一緒にいられるんだね?」
梓「そして、明日からは土曜日です」
唯「それがどうかしたの?」
梓「二日間飲まず食わずで、私たちはここに過ごすことになります」
唯「へー」
梓「…………トイレにも行けません」
唯「…………事の重大さが分かってきたよ!」
82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 22:34:06.00 ID:b4FDC+Zc0
梓「遅いです…………」
唯「あ、憂に前言われたことがある! あせっている時は眠ったほうがいいんだって!」
梓「立ったまま眠ることが出来るはず、ありませんよ……」
唯「え、本当? あずにゃんちょっと目をつぶってみてよ」
梓「はぁ…………」
梓(立ったままで寝られるわけが…………)
梓(…………あれ、でも、だんだん……)
梓(って、駄目だ! 寝ちゃったらここから出られない!)
梓(…………いや、でも唯先輩が何とかしてくれるんじゃないかな?)
85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 22:34:52.92 ID:b4FDC+Zc0
梓(さっきから大きな声出し過ぎて疲れちゃったし…………)
梓(うん………………少し、眠ろう。立ちっぱなしで疲れてるし…………)
唯「………………おーい、あずにゃん?」
唯「…………寝ちゃってる…………のかな? 暗くて分かんないや」
唯「…………あ、寝息が聞こえる…………。寝てるなぁ」
唯「…………私も寝ようかな、うん」
唯「おやすみ………………あずにゃん…………」
86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 22:35:40.08 ID:b4FDC+Zc0
数時間後 女子トイレ前廊下
憂(大丈夫かな、お姉ちゃんも梓ちゃんも純ちゃんも)
憂(お姉ちゃんは部室に携帯置いたまんまだし…………)
憂(梓ちゃんも純ちゃんもどこかに行っちゃってるし…………)
憂(あ、ちょっとトイレに行ってこうかな、尿意が…………)
憂(お姉ちゃん…………本当にどこに行っちゃったのかな…………本当に心配だなぁ)
憂(ああ、そんなことよりトイレトイレ)
88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 22:36:27.14 ID:b4FDC+Zc0
女子トイレ内
憂(携帯はお手洗いのところに置いて…………と)
憂(…………夜のトイレって恐いなぁ…………)
?「あのー、すいません」
憂「!」
?「そこにいる人、あの、申し訳ないんですが、この掃除用具箱開けてほしいな、と」
憂(? なんか、聞き覚えのある声…………)
憂「あ、い、いま開けます」
キィ、ガチャ
純「ありがとう! やっと出れた!」
89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 22:37:13.57 ID:b4FDC+Zc0
憂「! 純ちゃん!?」
純「あ、憂だったの? 本当に感謝するよ。出られなかったらどうなるかと思った!」
憂「ちょ、純ちゃん、抱きついてこないで――きゃっ!」
バターン! ゴン! ガチャ!
憂「………………はい?」
純「……………………えっ」
憂「………………あれ?」 ガチャガチャ 「開かない……?」
純「…………この掃除用具箱って、オートロック式なんだよ…………」
90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 22:37:59.52 ID:b4FDC+Zc0
憂「………………つまり?」
純「………………また閉じ込められた………………」
憂「……! でも、助けて! って叫べば」
純「………………この女子トイレ、滅多に人が来ないんだよ…………」
憂「」
純「………………いやだー、土日をここで過ごすのは嫌だー」
憂「………………そんな……」
純「………………ごめんね、憂。私のせいで」
憂「う、ううん。気にしないで、純ちゃん。不注意だった私も悪いよ!」
91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 22:38:57.42 ID:b4FDC+Zc0
純「…………でも、うう」
憂「とにかく、ここでどうやって過ごすか考えようよ。ね?」
純「………………そうだ、憂携帯は?」
憂「……お手洗いのところに置いたまま」
純「…………このドアを破るとか?」
憂「鉄製の扉が…………女の子の力で壊れるかなぁ…………?」
純「…………どうしよう」
憂「…………あ、ポケットにカロリーメイト入ってた。食べる?」
純「…………うん。って、この臭い…………それ、何味?」
92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 22:39:50.78 ID:b4FDC+Zc0
憂「え? チーズ味のやつだよ?」
純「…………私はいらない」
憂「? カロリーメイト嫌いなの?」
純「ううん……チーズ味のカロリーメイトが嫌いなだけ。フルーツ味とかならいけるよ」
憂「?? 変わってるね。チーズ味美味しいのに」
純「うん…………そっか」
憂「本当に要らないの? おいしいよ?」
純「うん……ここでお腹を壊したくないし」
94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 22:41:25.09 ID:b4FDC+Zc0
****************************************
梓「……………………はっ、つい眠ってしまった……」
梓「ここは………………って、まだ掃除用具箱の中かぁ」
梓「? ……肩が重い」
梓「あぁ……唯先輩かぁ」
唯「…………そんなに食べられないよ…………」
梓「…………唯先輩まで寝てる」
梓「……そういえば、なんで私たちここから出れてないんだろう……」
梓「もう誰もいないだろうなぁ……長いこと眠ってた気がするし」
梓「あれ? つまり…………土日をここで過ごさなきゃいけないってこと?」
梓「……………………えぇ?」
95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 22:42:18.99 ID:b4FDC+Zc0
唯「………………あ、あずにゃん。どうしてここに?」
梓「あ、起きたんですか…………いや、閉じ込められたんですよ、二人」
唯「…………あー、そういえば」
梓「………………どうしましょうか…………」
唯「……あ」
梓「?」
唯「あずにゃん………………」
梓「何ですか?」
唯「…………おしっこしたい」
梓「」
****************************************
97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 22:43:26.14 ID:b4FDC+Zc0
純「そうだ、唯先輩が来るはずだよ!」
憂「それが…………お姉ちゃんまで行方不明なんだ」
純「……………………」
憂「純ちゃん、お父さんとかは大丈夫?」
純「どっちも出張に行ってるから、大丈夫だと思うよ」
憂「…………よく考えたら、大丈夫じゃなかった」
純「………………どうしよっか、ここから」
憂「…………とりあえず、ずっと寝ていた方がいいと思うな」
純「なんで?」
憂「寝ていた方がお腹とか減らないと思うし…………」
純「あぁ、それもそうだね」
憂「……あ」
純「どうしたの、憂?」
99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 22:44:15.11 ID:b4FDC+Zc0
憂「…………私、ここにトイレしに来たんだった」
純「…………えっ」
憂「…………純ちゃん、あの、お願いがあるんだけどさ」
純「…………うん」
憂「耳、押えてくれる? …………その、聴かれたくないから」
純「……あ、うん」
純(………………何も聞こえない、何も聞こえない、何も聞こえない!)
………………ジョ
純(何も聞こえない! 聞こえないぃ!!)
………………ジョジョォォオォォォォオオオォオォオオオォ…………
純(………………うわぁ)
101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 22:45:00.75 ID:b4FDC+Zc0
憂「……………………」
純「……………………」
憂「…………もういいよ」
純「あ、うんうん」
純(…………掃除用具箱の下の方は乾季の為の隙間が出来てるから、おしっこがたまるってことはないけど…………)
純(…………やたら湿度が高くなってる…………)
純(…………つん、って突くようなにおい…………)
純(憂のおしk………………ああ! 変なこと考えない!)
純「そ、それより、寝ない? さっき憂も言ったんだし」
憂「うん、そうだね…………」
103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 22:45:48.12 ID:b4FDC+Zc0
****************************************
唯「だから…………おしっこ」
梓「ちょちょちょっと待って下さい!」
唯「…………あずにゃん」
梓「…………何ですか?」
唯「…………もう、限界かもしれない!」
梓(ヤバい! ヤバいヤバいヤバい!)
梓(掃除用具箱は上のところに換気用の隙間が出来てて…………ここにおしっこされたら、おしっこが溜まってしまう!)
梓(――どうしよう……、でも、唯先輩に文句言ってもどうにもならないし…………)
104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 22:46:51.20 ID:b4FDC+Zc0
唯「……あのさ、あずにゃん」
梓「何ですか? 今考え事――」
唯「………………………………………………ごめん」
梓「え」
ジョジョォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!
唯「………………ぁ、あああぁぁ…………」
梓「………………………………あぁ」
唯「………………あずにゃん、ごめん…………」
106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 22:47:37.72 ID:b4FDC+Zc0
梓(な、なんとかフォローしないと…………!)
唯「我慢…………出来なくて、つい」
梓(ああ、唯先輩が鼻声になってる…………泣いてる? なにか、フォローの言葉を…………)
梓「い、いえ! の、飲み水が出来ましたから! 結果オーライですよ!」
唯「………………飲み水? 飲むの?」
梓「え、あ、あ、あれですよ。尿を飲むのって、中国とかでは流行っているらしいです」
唯「…………飲めるの? モップとかの埃と混ざっているよ?」
梓「………………ほこりだって、食べれないことはありません」
108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 22:48:30.87 ID:b4FDC+Zc0
唯「…………そっか! 二日間も飲まず食わずじゃ辛いもんね!」
梓「あ、はい! と、とりあえず今回の尿は晩御飯にしましょう!」
梓(腰をかがめて…………と。うう、狭いからしゃがむのにも一苦労だなぁ)
梓(手ですくって…………、うわ、生温かい)
梓(………………)ズズズ
梓(…………あれ、意外と……?)
唯「あずにゃん、美味しい?」
梓「…………筆舌に尽くしがたい味ですね」
109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 22:49:20.26 ID:b4FDC+Zc0
唯「まぁまぁってこと?」
梓「そんな感じです」
唯「私も飲んでみたい!」
梓「あ、待って下さい! 二人同時にしゃがむことはできませんから。広さ的に」
梓(…………ゆっくり立ち上がらないと、モップとかにぶつかる……)
梓「……はい、次、唯先輩の番です」
唯「うん!」
梓(………………自分の尿ってどんな味なのかな?)
梓(…………そういえば、今週中は両親旅行に出かけてるんだよなぁ…………)
梓(のこりの頼みの綱は、憂かな)
110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 22:50:12.63 ID:b4FDC+Zc0
****************************************
純「…………………………朝? にしては暗い……」
純「…………ああ、掃除用具箱、か」
純「ずいぶんと眠っちゃったなぁ…………」
純「…………今何時か分からないのが辛い…………、憂はまだ寝てるし」
純「………………優の寝顔が見れないのも、辛い………………」
グゥゥゥゥゥゥゥゥ
純「………………お腹すいた…………。何も食べてないし、便意もこないわけだよね」
純「………………ん? あれ、でも、なんか、おしっこしたくなってきた……」
111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 22:50:58.25 ID:b4FDC+Zc0
純「………………憂は寝てるから、ばれないよね。うん、今のうちに」
純「うぅ………………パンツが濡れる…………」
純「まぁ、膀胱炎とかになるよりましかな」
純「……………………………………」
ジョオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!
憂「…………うん? なに、この音…………?」
純「…………!!」
憂「…………純ちゃん?」 ジョオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ
純「………………はい」
憂「…………? あ、あぁ! ご、ごめん、起きちゃって!」
純「…………いや、いいんだ。もう」 ジョオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ
113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 22:51:46.80 ID:b4FDC+Zc0
憂「………………だ、大丈夫だよ! 耳ふさいでるから!」
純「うん…………そうだね…………うん…………」 ジョオオオオオオオオオオオオオオ、ジョ、ジョジョ
憂「そ、お、終わった…………?」
純「…………うん」
憂「あ、あの、それはそうと、朝ご飯はどうしようか?」
純「…………抜きでいいんじゃないかな?」
憂「でも、何か食べないと、体壊しちゃうよ? ほら、チーズ味!」
純「…………ごめん、チーズ味のカロリーメイト食べた方が、私は体を壊すと思う」
****************************************
114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 22:52:31.78 ID:b4FDC+Zc0
梓「………………………………あぁ、いつのまにか寝ちゃってた」
梓「…………なんか、お腹に違和感が…………」
ピー、ゴロゴロゴロピー
梓「…………あれ? おかしいな? 何か悪いものでも食べたかな? あはは…………」
ギュギュギュギュギュゴロゴロ
梓「………………唯先輩! ごめんなさい!」
唯「…………憂―、甘いもの食べたいー」
梓「………………………………限界だ…………」
117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 22:54:33.54 ID:b4FDC+Zc0
ムリムリムリムリブリブリムリッ
梓(……我がことながら、臭い……)
梓「………………あぁぁぁぁぁぁ……」
梓「…………もうお嫁にいけない…………」
唯「………………あれ? なにこの匂い」
梓「ゆ、唯先輩!」
唯「………………チョコ?」
梓「な、何寝ぼけてるんですか?」
唯「憂、チョコ隠してたなら言ってよ~」
梓「? 唯先輩? ちょっと体をくっつけすぎですよ? だ、抱きついてこないでください! きゃ、パンツの中に手を――」
唯「…………やわかい、香ばしい…………チョコ、チョコだ!」
梓「ちがっ、それは、チョコじゃないです! ちょっと、唯先輩! 食べないで! 食べないで――いやあああああああああ!!!」
ムシャムシャ ゴクン ゴキュッ
唯「…………これは…………ビターチョコの味! 甘くない! 他の奴も食べる!」
119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 22:56:14.70 ID:b4FDC+Zc0 [53/53]
****************************************
梓「…………………………って、夢?」
梓「え、あ、あはは、そうだよね。うん、食糞なんかするわけないよね、あはは、へ、変な夢だったなぁ…………」
梓「……あれ? ここはどこ?」
梓「えーと、放課後になって、悪戯心が湧いて、掃除用具箱の中に入って…………あれ?」
梓「…………私、掃除用具箱の中で掃除用具箱の中に閉じ込められる夢を見ていたってこと…………?」
梓「…………どうしよう」
梓「掃除用具箱に隠れて誰か脅かそうとしたら出られなくなった」
>>1にもどる
純「……掃除用具箱で夢を見てたのか……って」
純「ここから私はどうすれば……」
純「うぅ……掃除用具箱に隠れて誰か脅かそうとしたら出られなくなった」
終わり
梓「……誰か来るまで待ってるしかないなぁ」
梓「……………………」
梓「……………………」
梓「…………誰も来ない」
梓「……………………」
ガララッ
梓「あ! 誰か来た!」
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 03:05:46.01 ID:b4FDC+Zc0
女子A「それで何? 相談って」
女子B「…………あの、実は」
梓「………………あの、すいません!」
女子A「何なのよ。早く言ってくれない?」
梓(聞こえてないのかなぁ…………)
女子B「…………私、妊娠しちゃって……」
女子A「嘘!?」
梓(声かけづらくなってきた……)
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 03:06:40.91 ID:b4FDC+Zc0
女子B「…………本当。もう、一月半行ってるって」
女子A「……でも、あんた彼氏なんかいたっけ?」
女子B「…………ごめんね。隠してて」
梓(………………あー、心底どうでもいい)
梓(でも、シリアスな空気になってるし、関わりたくないし…………)
梓(…………まぁいいや。他の人に助けを頼もう)
9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 03:07:25.34 ID:b4FDC+Zc0
五分後……
女子B「ありがとう…………私、少し元気が出たよ」
女子A「そう……よかったわ」
女子B「私、頑張ってお母さん説得するよ」
女子A「うん、きっと、お母さんもあなたの強い意志を見せればわかってくれるはずよ」
梓(…………ああ、やっと終わった)
梓(…………足音が遠ざかって行く……教室を出て行った、かな?)
梓(…………それにしても、暇だ…………)
梓(………………唯先輩たち、心配してるかな?)
梓(…………早くここから出て軽音部に行かないと…………)
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 03:08:13.62 ID:b4FDC+Zc0
梓(……あれ、今日は確か金曜日…………)
梓(…………明日からは休日。と、いうことは…………?)
梓(…………今日出ないとヤバい! あー! さっきの人たちに出してもらうんだった!)
梓(…………いや、後悔してももう遅い……。次来た人に開けてもらおう)
女子C「ほら、早く来てよ!」
女子D「あ、先輩、そんなに強く引っ張らないでください……」
梓(…………誰か、来た?)
12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 03:09:00.61 ID:b4FDC+Zc0
女子D「…………あの、何ですか? 話って」
女子C「…………あのさ、あんたに伝えとこうと思ってね」
女子D「……はい」
梓(う、また声かけづらい雰囲気に…………)
梓(構うもんか! 早くここを出なきゃ!)
女子C「わたし、あんたの彼氏と寝たから」
女子D「………………はい?」
梓「あの、出して下s 女子C「だからぁ! あんたの彼氏寝取ったから!」
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 03:09:47.00 ID:b4FDC+Zc0
女子D「………………何言ってるんですか? 先輩」
女子C「あんたセックス下手なんだって? 言ってたよ、あいつ」
女子D「…………はぁ?」
女子C「あいつさ、あんたが鬱陶しくてたまらないんだって。あんたに別れてほしいって言ってるよ。いつもね」
女子D「…………ちょっと、何を言ってるか分かりませんね」
梓「……あの! ここのカギを開けt 女子C「とにかく! あんたはあいつと別れろって言ってるんだよ!」
女子D「………………冗談でしょう?」
女子C「冗談なもんか。私たちはもう肉体関係もあるんだ。証拠だってあるよ? ほら。私とあいつのハメ撮り画像」
女子D「……………………そん、な」
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 03:10:39.73 ID:b4FDC+Zc0
女子C「あいつとはさ、私、体の相性も合うみたいなんだよね。いやー、いい男だわ顔も身体も」
女子D「………………何がしたいんです? 先輩」
女子C「あんたの彼氏を奪っただけだよ。それ以外の何物でもないね」
梓「あの、話を聞いt 女子D「ふざけるなぁっ!!」
女子C「おっと、逆ギレ? いいから早く別れてよ。正式に付き合えないじゃん」
女子D「…………何で、何で?」
女子C「ま、言いたいことは伝えたから。数日中に別れてよね」
梓(…………あ、一人教室を出て行ったのかな? よし、今なら開けてもらえる――)
梓「あの、すいません、ここをあk 女子D「――っ、あああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 03:11:25.74 ID:b4FDC+Zc0
女子D「…………赦さない、あのビッチ」
梓「あの、ここを開けて!」
梓「………………」
梓「もう、どっか行っちゃったかな…………」
梓「………………また開けてもらえなかった…………」
梓「…………次こそ、ここから出よう」
梓「大丈夫、まだ出る機会はある……」
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 03:12:27.22 ID:b4FDC+Zc0
数十分後……
?「おーい、梓―。どこだ?」
梓(…………私を呼ぶ声?)
prrrr prrrr
?「あ、律? そっちの方にはいたか?」
?「……そっか、一階にはいない、か」
?「…………まったく、困ったもんだよな。休むかどうかも言わないで部活に来ないなんて」
?「でもまぁ、学校には来てるらしいから、まだ校舎のどこかにいるんだろうけどさ」
?「サボり? ないない。梓が一言も無しにサボるなんてありえないだろ」
?「…………ああ、わかってるって。見つけたら連絡するから」
梓(携帯か何かで話してる?)
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 03:13:21.39 ID:b4FDC+Zc0
?「じゃあ、私は二年生の教室をしらみつぶしに探すよ。ああ、うん。大丈夫だって」
梓(……あ、この声! 澪先輩!)
澪「…………さて、まずは二年一組から、か」
梓(――来る! ここから出れる!)
澪「梓、いるか?」
梓(来たあああああああああああああああああああああああああ!!!)
梓「澪先輩! ここです! ここにいます!」
澪「!」
澪「そ、そ、そ、そ、掃除用具箱が…………喋った!?」
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 03:14:16.37 ID:b4FDC+Zc0
梓「! 違います! 澪先輩! 私です! 梓です!」
澪「あああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!喋ってるううううううううううううううう!!!!」
梓「私が喋ってるんです!!」
澪「ミエナイキコエナイミエナイキコエナイミエナイキコエナイ………………」
梓(………………教室を出て行く音……ああ、救いの女神は私を見逃した…………)
梓(いや、澪先輩が来たってことは、唯先輩たちも来るはず!)
梓(落ち着け、唯先輩たちが来てくれる……)
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 03:15:05.76 ID:b4FDC+Zc0
数分後
唯「あずにゃんはどこかな~」
梓(来た! 今度こそ出れる!)
唯「この教室にはいないかな?」
梓(ドアを開く音…………よし、チャンス!)
梓「先輩! 私はここに 憂「あ、お姉ちゃんどうしたの?」
唯「あ、憂。実はあずにゃんを探してるんだよ。どこにいるかしらない?」
梓「だからここにいm 憂「梓ちゃんは見てないけど……。もしかしたら、お姉ちゃん達とすれ違ってるんじゃない? もう部室にいたりして」
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 03:15:51.68 ID:b4FDC+Zc0
唯「あ、そっか! そうかもね!」
憂「お姉ちゃん、どれくらい探してるの?」
唯「うーんと、二十分くらい前から探してるよ」
憂「それだけ探しても見つからないってことは、間違いなく部室にいるんだと思うよ」
梓「行かないで! 唯先輩! 待って!」
唯「…………あれ? 何か声聞こえない?」
憂「え、嘘?」
唯「ほら、この教室から」
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 03:16:37.88 ID:b4FDC+Zc0
憂「えっ、……って、ここ私たちの教室」
梓「先輩! 唯先輩!」
唯「ほら、聞こえるよ」
澪「唯! その教室には行かない方がいい!」
唯「澪ちゃん!?」
澪「その教室にはお化けがいるんだ! …………ああ、思い出すだけで恐ろしい」
唯「…………ほ、本当? お化け?」
梓「お化けじゃないです! 梓です!」
24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 03:17:32.41 ID:b4FDC+Zc0
唯「実は…………私、さっきから変な声聞こえるんだよ」
澪「それは…………間違いなく幽霊だ! 逃げるぞ唯! いつ襲ってくるかわからん!」
唯「う、うん!」
梓(………………あぁ、また逃した)
梓(澪先輩と唯先輩はもう助けには来ないかな? …………と、なると律先輩かムギ先輩しか)
カツ・・・カツ・・・カツ・・・カツ
梓(…………足音?)
梓(…………律先輩? それとも……)
紬「梓ちゃん? どこにいるの?」
梓(――ムギ先輩!)
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 03:18:17.56 ID:b4FDC+Zc0
紬「この教室には……」
梓「ムギ先輩! ここです! ここ!」
紬「…………空耳かしら?」
梓「空耳じゃありません! 梓です!」
紬「…………変ね? 掃除用具箱が喋ってるような…………」
梓「私が喋ってるんです!」
紬「…………ああ、疲れてるのね。私」
梓「ムギ先ぱ………………い……………………」
梓(……………………ムギ先輩の足音が、どんどん離れていく…………)
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 03:19:32.67 ID:b4FDC+Zc0
梓(…………頼みの綱は、律先輩しか…………)
数分後
律「梓―、いるかー?」
梓(! …………律先輩の声。だんだん近づいてきてる…………。律先輩を逃したら、土日をここで過ごす羽目になる!)
律「うーん、二年生の教室は澪が探したって言ってたしな。探しても無駄か」
梓(!? え、ちょっと、まさか)
律「こんだけ探してもいないってことは帰ったんだな、きっと。ったく、梓の奴、今度来たらおしおきものだ」
梓(ちょ、ちょっと待って!)
梓「律先輩! 私は! 私はここです!」
律「…………気のせいか? 一瞬名前を呼ばれた気が…………。ま、気のせいだな。部室に戻ろうっと」
梓「律先輩いいい!!」
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 03:20:17.81 ID:b4FDC+Zc0
梓「………………ああ、だめだ。聞こえてない」
梓「サボっちゃったことになるなぁ…………ここから出たら謝ろう」
梓「それにしても………………まさか、嘘でしょ? 土日をここで過ごすなんて」
梓(………………他に頼れる人は………………)
梓(…………純? そうだ、まだ純がいた!)
一時間後
梓(………………誰も来ない…………)
梓(純も来ないだろうなあ………………、ああ、もう頼れる人間がいない…………)
29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 03:21:30.86 ID:b4FDC+Zc0
梓(…………埃って美味しいのかな?)
梓(食べ物も飲み物もない………………どうやって土日を過ごそう)
梓(いや、一日二日飲まず食わずでも死なないってテレビでやってたから……うん。大丈夫かな)
梓(………………うん。大丈夫)
梓(……………………寂しいなぁ)
梓(……………………お母さんとかも心配するだろうなぁ…………どうしよう)
梓(………………出たい)
梓(………………ここから出たい!)
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 03:22:26.94 ID:b4FDC+Zc0
梓「誰か! 誰かいませんか! ここから出してくれませんか!」
梓「廊下通ってる人とか! 誰でもいいんで! 出して下さい!」
梓「……………………」
梓「……………………誰もいないや」
梓「……………………いやだ」
梓「埃は食べたくない! 出して! 誰か!」
梓「誰か……………………外に、だしてください………………」
?「誰か居るの? その中に」
キィ、ガチャ
梓「………………へ?」
31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 03:23:22.45 ID:b4FDC+Zc0
和「………………そこで何をやっているの?」
梓「………………え、え、え?」
和「『埃は食べたくない!』っていう叫びが聞こえたから来てみたら…………何しているの?」
梓「あ、あ、開けてくれたんですよね? 和先輩?」
和「? ええ」
梓「あ、ありがとうございます!」
和「…………誰かに苛められてたの? この中に閉じ込められたりとか」
梓「いえ、自業自得です…………ああ、あぁぁあ、助かった……本当にありがとう、ございます」
和「ちょっと梓。泣かないで。唯達は?」
梓「……あ、そうだ! 唯先輩たちに謝ってこないと!」
和「? よくわからないけど、掃除用具箱の中には今後入らないようにしてね」
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 03:24:07.95 ID:b4FDC+Zc0
音楽室
梓「あの、すみません。遅れました」
律「あー! 梓! どこに行ってたんだ!」
唯「あずにゃん! 心配したんだよ? 保健室とかに行ってたの?」
梓「いえ…………いたずらが失敗してしまっただけです」
澪「まぁ、無事で何よりだよ。梓」
梓「あ、はい。心配をかけて本当にごめんなさい…………」
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 03:24:52.59 ID:b4FDC+Zc0
憂「梓ちゃん、純ちゃんのこと知らない?」
梓「あ、憂。いたんだ…………、純? ジャズ研部室じゃないの?」
憂「それが、放課後になって突然行方をくらましたんだよ。ジャズ研部室にもいないし……」
梓「携帯は?」
憂「かけたら、純ちゃんのお母さんが出てきた。家に忘れちゃってるみたい」
梓「ふぅん。…………まぁ、純のことだから心配しなくても大丈夫だと思うよ」
そのころ、女子トイレ内掃除用具箱では……。
純「掃除用具箱に隠れて誰か脅かそうとしたら出られなくなった」
終わり
65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/16(日) 18:48:41.93 ID:b4FDC+Zc0
まだ残っていてワロタ
誰でもいいが唯梓書くなら支援するぜ!
唯梓でなくても支援するが
74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/01/16(日) 21:59:57.25 ID:b4FDC+Zc0
>>67
……自信はないが、やってみるか
書き溜めてくるわ
79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 22:31:44.78 ID:b4FDC+Zc0
番外編 >>21のときに憂も澪も来なかったら
唯「あー、あずにゃん何してるのー楽しそう!」
梓「唯先輩だしてください!」
唯「どれどれ」
ガチャリ
梓「ほっ、助かりました」
唯「私も入る!」
梓「え?」
ガコン
唯「うわぁ狭い! あずにゃん狭いよーあはは」
梓「あぁ……しめちゃった……」
唯「え?」
梓「これ……鍵が……その、でられないんですよ」
唯「えぇ!?」
梓「……終わった」
80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 22:32:33.89 ID:b4FDC+Zc0
唯「え? 何が終わったの?」
梓「私たちはここから出られません」
唯「じゃあ、ずっとあずにゃんと一緒にいられるんだね?」
梓「そして、明日からは土曜日です」
唯「それがどうかしたの?」
梓「二日間飲まず食わずで、私たちはここに過ごすことになります」
唯「へー」
梓「…………トイレにも行けません」
唯「…………事の重大さが分かってきたよ!」
82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 22:34:06.00 ID:b4FDC+Zc0
梓「遅いです…………」
唯「あ、憂に前言われたことがある! あせっている時は眠ったほうがいいんだって!」
梓「立ったまま眠ることが出来るはず、ありませんよ……」
唯「え、本当? あずにゃんちょっと目をつぶってみてよ」
梓「はぁ…………」
梓(立ったままで寝られるわけが…………)
梓(…………あれ、でも、だんだん……)
梓(って、駄目だ! 寝ちゃったらここから出られない!)
梓(…………いや、でも唯先輩が何とかしてくれるんじゃないかな?)
85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 22:34:52.92 ID:b4FDC+Zc0
梓(さっきから大きな声出し過ぎて疲れちゃったし…………)
梓(うん………………少し、眠ろう。立ちっぱなしで疲れてるし…………)
唯「………………おーい、あずにゃん?」
唯「…………寝ちゃってる…………のかな? 暗くて分かんないや」
唯「…………あ、寝息が聞こえる…………。寝てるなぁ」
唯「…………私も寝ようかな、うん」
唯「おやすみ………………あずにゃん…………」
86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 22:35:40.08 ID:b4FDC+Zc0
数時間後 女子トイレ前廊下
憂(大丈夫かな、お姉ちゃんも梓ちゃんも純ちゃんも)
憂(お姉ちゃんは部室に携帯置いたまんまだし…………)
憂(梓ちゃんも純ちゃんもどこかに行っちゃってるし…………)
憂(あ、ちょっとトイレに行ってこうかな、尿意が…………)
憂(お姉ちゃん…………本当にどこに行っちゃったのかな…………本当に心配だなぁ)
憂(ああ、そんなことよりトイレトイレ)
88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 22:36:27.14 ID:b4FDC+Zc0
女子トイレ内
憂(携帯はお手洗いのところに置いて…………と)
憂(…………夜のトイレって恐いなぁ…………)
?「あのー、すいません」
憂「!」
?「そこにいる人、あの、申し訳ないんですが、この掃除用具箱開けてほしいな、と」
憂(? なんか、聞き覚えのある声…………)
憂「あ、い、いま開けます」
キィ、ガチャ
純「ありがとう! やっと出れた!」
89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 22:37:13.57 ID:b4FDC+Zc0
憂「! 純ちゃん!?」
純「あ、憂だったの? 本当に感謝するよ。出られなかったらどうなるかと思った!」
憂「ちょ、純ちゃん、抱きついてこないで――きゃっ!」
バターン! ゴン! ガチャ!
憂「………………はい?」
純「……………………えっ」
憂「………………あれ?」 ガチャガチャ 「開かない……?」
純「…………この掃除用具箱って、オートロック式なんだよ…………」
90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 22:37:59.52 ID:b4FDC+Zc0
憂「………………つまり?」
純「………………また閉じ込められた………………」
憂「……! でも、助けて! って叫べば」
純「………………この女子トイレ、滅多に人が来ないんだよ…………」
憂「」
純「………………いやだー、土日をここで過ごすのは嫌だー」
憂「………………そんな……」
純「………………ごめんね、憂。私のせいで」
憂「う、ううん。気にしないで、純ちゃん。不注意だった私も悪いよ!」
91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 22:38:57.42 ID:b4FDC+Zc0
純「…………でも、うう」
憂「とにかく、ここでどうやって過ごすか考えようよ。ね?」
純「………………そうだ、憂携帯は?」
憂「……お手洗いのところに置いたまま」
純「…………このドアを破るとか?」
憂「鉄製の扉が…………女の子の力で壊れるかなぁ…………?」
純「…………どうしよう」
憂「…………あ、ポケットにカロリーメイト入ってた。食べる?」
純「…………うん。って、この臭い…………それ、何味?」
92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 22:39:50.78 ID:b4FDC+Zc0
憂「え? チーズ味のやつだよ?」
純「…………私はいらない」
憂「? カロリーメイト嫌いなの?」
純「ううん……チーズ味のカロリーメイトが嫌いなだけ。フルーツ味とかならいけるよ」
憂「?? 変わってるね。チーズ味美味しいのに」
純「うん…………そっか」
憂「本当に要らないの? おいしいよ?」
純「うん……ここでお腹を壊したくないし」
94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 22:41:25.09 ID:b4FDC+Zc0
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梓「……………………はっ、つい眠ってしまった……」
梓「ここは………………って、まだ掃除用具箱の中かぁ」
梓「? ……肩が重い」
梓「あぁ……唯先輩かぁ」
唯「…………そんなに食べられないよ…………」
梓「…………唯先輩まで寝てる」
梓「……そういえば、なんで私たちここから出れてないんだろう……」
梓「もう誰もいないだろうなぁ……長いこと眠ってた気がするし」
梓「あれ? つまり…………土日をここで過ごさなきゃいけないってこと?」
梓「……………………えぇ?」
95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 22:42:18.99 ID:b4FDC+Zc0
唯「………………あ、あずにゃん。どうしてここに?」
梓「あ、起きたんですか…………いや、閉じ込められたんですよ、二人」
唯「…………あー、そういえば」
梓「………………どうしましょうか…………」
唯「……あ」
梓「?」
唯「あずにゃん………………」
梓「何ですか?」
唯「…………おしっこしたい」
梓「」
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97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 22:43:26.14 ID:b4FDC+Zc0
純「そうだ、唯先輩が来るはずだよ!」
憂「それが…………お姉ちゃんまで行方不明なんだ」
純「……………………」
憂「純ちゃん、お父さんとかは大丈夫?」
純「どっちも出張に行ってるから、大丈夫だと思うよ」
憂「…………よく考えたら、大丈夫じゃなかった」
純「………………どうしよっか、ここから」
憂「…………とりあえず、ずっと寝ていた方がいいと思うな」
純「なんで?」
憂「寝ていた方がお腹とか減らないと思うし…………」
純「あぁ、それもそうだね」
憂「……あ」
純「どうしたの、憂?」
99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 22:44:15.11 ID:b4FDC+Zc0
憂「…………私、ここにトイレしに来たんだった」
純「…………えっ」
憂「…………純ちゃん、あの、お願いがあるんだけどさ」
純「…………うん」
憂「耳、押えてくれる? …………その、聴かれたくないから」
純「……あ、うん」
純(………………何も聞こえない、何も聞こえない、何も聞こえない!)
………………ジョ
純(何も聞こえない! 聞こえないぃ!!)
………………ジョジョォォオォォォォオオオォオォオオオォ…………
純(………………うわぁ)
101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 22:45:00.75 ID:b4FDC+Zc0
憂「……………………」
純「……………………」
憂「…………もういいよ」
純「あ、うんうん」
純(…………掃除用具箱の下の方は乾季の為の隙間が出来てるから、おしっこがたまるってことはないけど…………)
純(…………やたら湿度が高くなってる…………)
純(…………つん、って突くようなにおい…………)
純(憂のおしk………………ああ! 変なこと考えない!)
純「そ、それより、寝ない? さっき憂も言ったんだし」
憂「うん、そうだね…………」
103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 22:45:48.12 ID:b4FDC+Zc0
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唯「だから…………おしっこ」
梓「ちょちょちょっと待って下さい!」
唯「…………あずにゃん」
梓「…………何ですか?」
唯「…………もう、限界かもしれない!」
梓(ヤバい! ヤバいヤバいヤバい!)
梓(掃除用具箱は上のところに換気用の隙間が出来てて…………ここにおしっこされたら、おしっこが溜まってしまう!)
梓(――どうしよう……、でも、唯先輩に文句言ってもどうにもならないし…………)
104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 22:46:51.20 ID:b4FDC+Zc0
唯「……あのさ、あずにゃん」
梓「何ですか? 今考え事――」
唯「………………………………………………ごめん」
梓「え」
ジョジョォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!
唯「………………ぁ、あああぁぁ…………」
梓「………………………………あぁ」
唯「………………あずにゃん、ごめん…………」
106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 22:47:37.72 ID:b4FDC+Zc0
梓(な、なんとかフォローしないと…………!)
唯「我慢…………出来なくて、つい」
梓(ああ、唯先輩が鼻声になってる…………泣いてる? なにか、フォローの言葉を…………)
梓「い、いえ! の、飲み水が出来ましたから! 結果オーライですよ!」
唯「………………飲み水? 飲むの?」
梓「え、あ、あ、あれですよ。尿を飲むのって、中国とかでは流行っているらしいです」
唯「…………飲めるの? モップとかの埃と混ざっているよ?」
梓「………………ほこりだって、食べれないことはありません」
108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 22:48:30.87 ID:b4FDC+Zc0
唯「…………そっか! 二日間も飲まず食わずじゃ辛いもんね!」
梓「あ、はい! と、とりあえず今回の尿は晩御飯にしましょう!」
梓(腰をかがめて…………と。うう、狭いからしゃがむのにも一苦労だなぁ)
梓(手ですくって…………、うわ、生温かい)
梓(………………)ズズズ
梓(…………あれ、意外と……?)
唯「あずにゃん、美味しい?」
梓「…………筆舌に尽くしがたい味ですね」
109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 22:49:20.26 ID:b4FDC+Zc0
唯「まぁまぁってこと?」
梓「そんな感じです」
唯「私も飲んでみたい!」
梓「あ、待って下さい! 二人同時にしゃがむことはできませんから。広さ的に」
梓(…………ゆっくり立ち上がらないと、モップとかにぶつかる……)
梓「……はい、次、唯先輩の番です」
唯「うん!」
梓(………………自分の尿ってどんな味なのかな?)
梓(…………そういえば、今週中は両親旅行に出かけてるんだよなぁ…………)
梓(のこりの頼みの綱は、憂かな)
110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 22:50:12.63 ID:b4FDC+Zc0
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純「…………………………朝? にしては暗い……」
純「…………ああ、掃除用具箱、か」
純「ずいぶんと眠っちゃったなぁ…………」
純「…………今何時か分からないのが辛い…………、憂はまだ寝てるし」
純「………………優の寝顔が見れないのも、辛い………………」
グゥゥゥゥゥゥゥゥ
純「………………お腹すいた…………。何も食べてないし、便意もこないわけだよね」
純「………………ん? あれ、でも、なんか、おしっこしたくなってきた……」
111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 22:50:58.25 ID:b4FDC+Zc0
純「………………憂は寝てるから、ばれないよね。うん、今のうちに」
純「うぅ………………パンツが濡れる…………」
純「まぁ、膀胱炎とかになるよりましかな」
純「……………………………………」
ジョオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!
憂「…………うん? なに、この音…………?」
純「…………!!」
憂「…………純ちゃん?」 ジョオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ
純「………………はい」
憂「…………? あ、あぁ! ご、ごめん、起きちゃって!」
純「…………いや、いいんだ。もう」 ジョオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ
113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 22:51:46.80 ID:b4FDC+Zc0
憂「………………だ、大丈夫だよ! 耳ふさいでるから!」
純「うん…………そうだね…………うん…………」 ジョオオオオオオオオオオオオオオ、ジョ、ジョジョ
憂「そ、お、終わった…………?」
純「…………うん」
憂「あ、あの、それはそうと、朝ご飯はどうしようか?」
純「…………抜きでいいんじゃないかな?」
憂「でも、何か食べないと、体壊しちゃうよ? ほら、チーズ味!」
純「…………ごめん、チーズ味のカロリーメイト食べた方が、私は体を壊すと思う」
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114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 22:52:31.78 ID:b4FDC+Zc0
梓「………………………………あぁ、いつのまにか寝ちゃってた」
梓「…………なんか、お腹に違和感が…………」
ピー、ゴロゴロゴロピー
梓「…………あれ? おかしいな? 何か悪いものでも食べたかな? あはは…………」
ギュギュギュギュギュゴロゴロ
梓「………………唯先輩! ごめんなさい!」
唯「…………憂―、甘いもの食べたいー」
梓「………………………………限界だ…………」
117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 22:54:33.54 ID:b4FDC+Zc0
ムリムリムリムリブリブリムリッ
梓(……我がことながら、臭い……)
梓「………………あぁぁぁぁぁぁ……」
梓「…………もうお嫁にいけない…………」
唯「………………あれ? なにこの匂い」
梓「ゆ、唯先輩!」
唯「………………チョコ?」
梓「な、何寝ぼけてるんですか?」
唯「憂、チョコ隠してたなら言ってよ~」
梓「? 唯先輩? ちょっと体をくっつけすぎですよ? だ、抱きついてこないでください! きゃ、パンツの中に手を――」
唯「…………やわかい、香ばしい…………チョコ、チョコだ!」
梓「ちがっ、それは、チョコじゃないです! ちょっと、唯先輩! 食べないで! 食べないで――いやあああああああああ!!!」
ムシャムシャ ゴクン ゴキュッ
唯「…………これは…………ビターチョコの味! 甘くない! 他の奴も食べる!」
119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/16(日) 22:56:14.70 ID:b4FDC+Zc0 [53/53]
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梓「…………………………って、夢?」
梓「え、あ、あはは、そうだよね。うん、食糞なんかするわけないよね、あはは、へ、変な夢だったなぁ…………」
梓「……あれ? ここはどこ?」
梓「えーと、放課後になって、悪戯心が湧いて、掃除用具箱の中に入って…………あれ?」
梓「…………私、掃除用具箱の中で掃除用具箱の中に閉じ込められる夢を見ていたってこと…………?」
梓「…………どうしよう」
梓「掃除用具箱に隠れて誰か脅かそうとしたら出られなくなった」
>>1にもどる
純「……掃除用具箱で夢を見てたのか……って」
純「ここから私はどうすれば……」
純「うぅ……掃除用具箱に隠れて誰か脅かそうとしたら出られなくなった」
終わり
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