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宝箱が壊れた日
748 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga sage] 投稿日:2010/11/14(日) 15:00:07.82 ID:EM0QBG20 [1/6]
皆かっわえええええええ 乙乙!!
今日は沢山投下があってヤベェ超楽しい
俺も2~3レス借りる
皆かっわえええええええ 乙乙!!
今日は沢山投下があってヤベェ超楽しい
俺も2~3レス借りる
749 名前:宝箱が壊れた日[saga sage] 投稿日:2010/11/14(日) 15:04:36.43 ID:EM0QBG20 [2/6]
誰にだって、胸の奥にひっそりと大切にしまってある宝箱がある。
それは、幼いころの家族との食事風景であったり、友と語り合った夢であったり、守りたいと願った人の笑顔かもしれない。
頑丈な錠に鍵をかけた本人にしかわからない宝箱の中身は、人によって宝箱の中身は千差万別。
打ち止めのソレは、彼が一度だけ、贈ってくれた言葉。
『ずっと、一緒にいたかった』
かつて、聖書の中にでてくる天使の様な姿で宙へと飛び立つ前に、
彼が無邪気な笑顔で向けて贈ってくれたその一言が、打ち止めの一番の宝物。
(―――ううん、表現が正しくないね、ってミサカはミサカは訂正を入れてみる)
宝物、だった。
『だった』という過去形。
現状を考慮するなら、こちらのほうが正しい。
幼いころから打ち止めの心に輝き続けた、ダイヤよりも高貴で純粋で、唯一だったモノ。
けれど、長い間宝箱を守り続けた錠はすでに朽ち果てていたらしい。
「俺な……。その、コイツと一緒になろォかと、思ってンだ」
今日、珍しく緊張したような表情で、大事な話があると言われた。
そして、彼女にキラキラと輝く宝石をくれた白い天使の少年は、
自分とは違う女性と隣に置いて、打ち止めに許可を乞うように、そう言ったのだった。
「…………っ」
一瞬。
声に、ならなかった。
たった一言、発することすら、できなかった。
打ち止めは瞬きすら忘れて、思考も身体も停止させた。
瞬間、宝箱の中身はバラバラに砕けて散り散りになっていくような、甲高い破壊音が遠くで聞こえた。
細かく砕けた宝箱の破片がグサリグサリと心臓に、脳に、身体中に刺さる。
全身を抉られるような痛みが走り、おもわず、顔を顰めそうになった。
750 名前:宝箱が壊れた日[saga sage] 投稿日:2010/11/14(日) 15:12:04.62 ID:EM0QBG20 [3/6]
(……そっか、ってミサカはミサカは変に冷静な思考回路で理解してみたり)
簡単に予想できた未来がとうとう来てしまったことを、理解する。
(わかってたことだけど)
わかっていたことだ。
彼と出会った夏の夜の、あの日から。
ずっと、ずっと、ずっと、わかっていたことだった。
(やっぱりアナタの中の私は『私のまま』だったのね、ってミサカはミサカは覆せなかった現実に直面してみる)
「ずっと一緒にいたい」と「家族のような存在でいたい」と、彼が願った『妹』のような存在。
今も昔も、それこそが彼の中で根づいている打ち止めの立場。
与えられる居場所。
どうあがいても覆せなかった、非常な現実。
(――――それが、アナタの中のミサカ)
宝物を1人占めにしていい夢の時間は、終ってしまったらしい。
751 名前:宝箱が壊れた日[saga sage] 投稿日:2010/11/14(日) 15:20:54.03 ID:EM0QBG20 [4/6]
「…………打ち止め?」
黙ってしまった打ち止めを心配そうに見つめる赤い瞳に、打ち止めはビクリと、微かに肩を震わせた。
一言。
否定の言葉を言えば、夢の時間は続く―――かも、しれない。
多分、打ち止めが『嫌』と言えば、彼は諦める。
彼の隣に居る女性のことを。
彼自身の新しい幸せを。
「…………」
ごくり、と喉元をわずかに鳴らし、目の前の二人を見つめ直す。
「キレイな、人だね」
打ち止めは、ゆっくりと口を開いた。
彼の隣にいる女性をちらりとみて、打ち止めは目尻を下げて口角を上げる。
幸か不幸か、目には見えない傷をたくさん負っているくせに、スラスラとなめらかに口が動いていく。
752 名前:宝箱が壊れた日[saga sage] 投稿日:2010/11/14(日) 15:22:21.60 ID:EM0QBG20 [5/6]
宝物があった。
皆に秘密にしていた、打ち止めだけの、宝物が。
『ずっと、一緒にいたかった』という、彼の言葉。
(……そうだね、ミサカだって、ずっとアナタと一緒にいたかったんだよ)
ずっと、ずっと、ずっと。
「――――ちゃんと、幸せにするんだよ? ってミサカはミサカは余計なお節介をいってみる」
出来ることならば、彼の隣で笑みを浮かべる女性の立ち位置で。
「あめでとう!! ってミサカはミサカは大声でお祝いの言葉をいってみる!!」
打ち止めがとびっきりの笑顔を向けると、釣られる様に目の前の二人も幸せそうに微笑んだ。
(貴女と、一緒に。ずっとずっと一緒に。……って、ミサカはミサカは独り言を呟いてみる)
そうして、打ち止めの宝箱は、誰にも気づかれることなく砂となって消えていった。
753 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga sage] 投稿日:2010/11/14(日) 15:26:05.60 ID:EM0QBG20 [6/6]
終り。改行ミスって4レス。
途中でミサカが私になってるし……
両想い書いたあとだと悲恋が書きたくなるんだよなー
誰にだって、胸の奥にひっそりと大切にしまってある宝箱がある。
それは、幼いころの家族との食事風景であったり、友と語り合った夢であったり、守りたいと願った人の笑顔かもしれない。
頑丈な錠に鍵をかけた本人にしかわからない宝箱の中身は、人によって宝箱の中身は千差万別。
打ち止めのソレは、彼が一度だけ、贈ってくれた言葉。
『ずっと、一緒にいたかった』
かつて、聖書の中にでてくる天使の様な姿で宙へと飛び立つ前に、
彼が無邪気な笑顔で向けて贈ってくれたその一言が、打ち止めの一番の宝物。
(―――ううん、表現が正しくないね、ってミサカはミサカは訂正を入れてみる)
宝物、だった。
『だった』という過去形。
現状を考慮するなら、こちらのほうが正しい。
幼いころから打ち止めの心に輝き続けた、ダイヤよりも高貴で純粋で、唯一だったモノ。
けれど、長い間宝箱を守り続けた錠はすでに朽ち果てていたらしい。
「俺な……。その、コイツと一緒になろォかと、思ってンだ」
今日、珍しく緊張したような表情で、大事な話があると言われた。
そして、彼女にキラキラと輝く宝石をくれた白い天使の少年は、
自分とは違う女性と隣に置いて、打ち止めに許可を乞うように、そう言ったのだった。
「…………っ」
一瞬。
声に、ならなかった。
たった一言、発することすら、できなかった。
打ち止めは瞬きすら忘れて、思考も身体も停止させた。
瞬間、宝箱の中身はバラバラに砕けて散り散りになっていくような、甲高い破壊音が遠くで聞こえた。
細かく砕けた宝箱の破片がグサリグサリと心臓に、脳に、身体中に刺さる。
全身を抉られるような痛みが走り、おもわず、顔を顰めそうになった。
750 名前:宝箱が壊れた日[saga sage] 投稿日:2010/11/14(日) 15:12:04.62 ID:EM0QBG20 [3/6]
(……そっか、ってミサカはミサカは変に冷静な思考回路で理解してみたり)
簡単に予想できた未来がとうとう来てしまったことを、理解する。
(わかってたことだけど)
わかっていたことだ。
彼と出会った夏の夜の、あの日から。
ずっと、ずっと、ずっと、わかっていたことだった。
(やっぱりアナタの中の私は『私のまま』だったのね、ってミサカはミサカは覆せなかった現実に直面してみる)
「ずっと一緒にいたい」と「家族のような存在でいたい」と、彼が願った『妹』のような存在。
今も昔も、それこそが彼の中で根づいている打ち止めの立場。
与えられる居場所。
どうあがいても覆せなかった、非常な現実。
(――――それが、アナタの中のミサカ)
宝物を1人占めにしていい夢の時間は、終ってしまったらしい。
751 名前:宝箱が壊れた日[saga sage] 投稿日:2010/11/14(日) 15:20:54.03 ID:EM0QBG20 [4/6]
「…………打ち止め?」
黙ってしまった打ち止めを心配そうに見つめる赤い瞳に、打ち止めはビクリと、微かに肩を震わせた。
一言。
否定の言葉を言えば、夢の時間は続く―――かも、しれない。
多分、打ち止めが『嫌』と言えば、彼は諦める。
彼の隣に居る女性のことを。
彼自身の新しい幸せを。
「…………」
ごくり、と喉元をわずかに鳴らし、目の前の二人を見つめ直す。
「キレイな、人だね」
打ち止めは、ゆっくりと口を開いた。
彼の隣にいる女性をちらりとみて、打ち止めは目尻を下げて口角を上げる。
幸か不幸か、目には見えない傷をたくさん負っているくせに、スラスラとなめらかに口が動いていく。
752 名前:宝箱が壊れた日[saga sage] 投稿日:2010/11/14(日) 15:22:21.60 ID:EM0QBG20 [5/6]
宝物があった。
皆に秘密にしていた、打ち止めだけの、宝物が。
『ずっと、一緒にいたかった』という、彼の言葉。
(……そうだね、ミサカだって、ずっとアナタと一緒にいたかったんだよ)
ずっと、ずっと、ずっと。
「――――ちゃんと、幸せにするんだよ? ってミサカはミサカは余計なお節介をいってみる」
出来ることならば、彼の隣で笑みを浮かべる女性の立ち位置で。
「あめでとう!! ってミサカはミサカは大声でお祝いの言葉をいってみる!!」
打ち止めがとびっきりの笑顔を向けると、釣られる様に目の前の二人も幸せそうに微笑んだ。
(貴女と、一緒に。ずっとずっと一緒に。……って、ミサカはミサカは独り言を呟いてみる)
そうして、打ち止めの宝箱は、誰にも気づかれることなく砂となって消えていった。
753 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga sage] 投稿日:2010/11/14(日) 15:26:05.60 ID:EM0QBG20 [6/6]
終り。改行ミスって4レス。
途中でミサカが私になってるし……
両想い書いたあとだと悲恋が書きたくなるんだよなー
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せつねエ・・・・・・