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梓「きれいなお姉さんは好きですか?」

1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 17:25:04.38 ID:vPM9hell0 [1/40]

こんばんは、中野梓です。

今日は唯先輩の提案でけいおん部のみなさんや憂に純、和先輩たちとバーベキューパーティーをしました。
今はその帰り道、あたりはすっかり暗くなってしまってます。
私は門限までに帰ろうと途中の公園を抜けて近道をすることにしました。

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 17:29:04.21 ID:vPM9hell0 [2/40]

ーーーーー


梓「すっかり遅くなっちゃったなぁ」

梓「(あれ?あのベンチに座ってる人…さわ子先生かな?)」


そこには髪の長い女性が俯いて座っていた。
髪で顔はよく見えないけど、桜高けいおん部顧問の山中さわ子先生だ。



6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 17:34:02.66 ID:vPM9hell0

梓「(あいさつくらいしてった方がいいよね)」

梓「先生こんばんは。こんな時間に何して…」

さわ子「えっ?あ…」


普段より一層綺麗にメイクされた先生、その瞳からは涙が零れ落ちていた…。



9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 17:41:17.09 ID:vPM9hell0

梓「いえっ、あの…すみません!」

さわ子「梓ちゃん…うぅ…」ポロポロ

部活ではいつもダラダラとふざけている先生。
メイクのせいか、いつもより色っぽく落ち着いた雰囲気を醸し出している。

そんな中、今はまるで玩具を買ってもらえず泣いている少女のようだった。
同性でしかもずっと年下である私でも思わず抱きしめたくなってしまう。



10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 17:46:59.12 ID:vPM9hell0

梓「あ、あの…先生?」

さわ子「…ごめんなさい、恥ずかしい所見せちゃったわね…」

梓「いえ…」

梓「…」

さわ子「…」


沈黙が辺りを支配し、静まりかえる二人。
…きまずい。



11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 17:52:23.69 ID:vPM9hell0

梓「あの、先生は彼氏さんとデートか何かだったんですか?」


って私は何を聞いてる!?
もしそうだったとしてもこの状況、絶対に何かあった後だ。
私のばか…KYにも程がある…orz

梓「すみません!い、今のはなしです!」

さわ子「彼氏…かぁ。私もこの歳だし、今まで何人か恋人もいたわ」

さわ子「でもね…彼氏なんて一度もいないの」

梓「はい?」



12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 17:58:53.07 ID:vPM9hell0

先生は何を言っているのだろう。
私は少し混乱した。


梓「えっと…それって…」

さわ子「…私ね…」

さわ子「…同性愛者なの…」



14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 18:05:05.95 ID:vPM9hell0

梓「…」


驚いた…。
まさか先生が同性愛者だったなんて…。
でも嫌悪感はなかった。

さわ子先生は綺麗だ。
同性愛者だとしても、そこにはどこか高貴で神聖なものを感じる。



15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 18:10:28.08 ID:vPM9hell0

さわ子「…今日もね、仲良くしていた子がいてね…」

さわ子「それでその子に告白したんだけど…ふられちゃった」

さわ子「彼女、最初は冗談だと思って笑ってた…でも、私が本気だってわかると…やっぱり気持ちわるいって…」

さわ子「まあ、それが普通よね」

梓「そんなことないです!」

さわ子「あ、梓ちゃん?」



16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 18:15:17.73 ID:vPM9hell0

梓「先生は綺麗ですし、ギターも上手いし…あとはえーっと…眼鏡ですしそれに、えっと…」

さわ子「ふふふっ。梓ちゃん、ムリに誉めなくていいのよ」クスクス

梓「いえ、そんなムリなんて」

さわ子「でもありがと、なんだか元気が出てきたわ」ニコッ

梓「!?いえ、私は何もしてませんから…///」


まだ少し潤んだ瞳でのその笑顔…破壊力バツグン過ぎです…。



17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 18:23:39.83 ID:vPM9hell0

さわ子「ってゆーか教え子になんて話してんのかしら!忘れなさい、忘れるのよ梓ちゃん!///」ウガー

梓「そんなのムリですよ。でも先生の秘密にぎっちゃいましたねー」クスクス


…いつもの先生だ。
やっぱりさわ子先生はこうでなくっちゃ…。



20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 18:31:01.79 ID:vPM9hell0

さわ子「はぁ、まあいいわ。ごめんね、遅くまで付き合わせちゃって」

梓「いえ、いいんです。それじゃあ先生、さようなら」

さわ子「梓ちゃん、今日はホントにありがとう」ニコッ

梓「いえ、それじゃあ私はここで///」



23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 18:44:01.54 ID:vPM9hell0

なんだろう…。
少し気分は高揚し、なんだかちょっぴり幸せな気分。
今日はいい夢を見られる気がする。


ガチャガチャ

梓「あれ?開かない…」


時刻はもう日付が変わっていた。
私は今日、初めて両親に土下座をしました。



25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 19:02:50.97 ID:vPM9hell0

ーーーーー


よくじつ!

梓「(昨日はヒドイ目にあった)…もう子供じゃないんだから門限くらい」ブツブツ


何気なく職員用の駐車場に目をやる。
いつもこの時間には既に停まっている赤い車がない。


梓「(先生、今日はまだ来てないんだ…)」



27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 19:34:10.32 ID:vPM9hell0

ーーーーー


ほうかご!


梓「こんにちは。すみません、掃除のゴミ出しがあったので遅くなっちゃいました」

律「おっ、やっと来たか。よし、ムギ!お茶の準備だ!」

紬「ラジャ!」

梓「いや、練習しましょうよ!」



29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 19:40:50.36 ID:vPM9hell0

ガチャ


さわ子「みんな揃ってるわね。さてムギちゃん、今日のお菓子はなぁに?」ワクワク

紬「今日はザッハトルテです」ニコ

さわ子「いや~ん、ムギちゃん愛してるぅ」ムギュ

紬「さ、さわ子先生///」カァ

梓「…」



30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 19:49:16.76 ID:vPM9hell0

律「しっかし、さわちゃんは教師なのにいい加減だよなぁ」モグモグ

澪「こら律、口にものを入れて喋るんじゃない」

さわ子「むー何よりっちゃん」モグモグ

唯「だってさわちゃん、今日なんか遅刻ギリギリだったよねー」モグモグ

澪「唯にさわ子先生まで…もう」

律「どーせ男にフラれてヤケ酒でもしてたんだろ」ケラケラ

さわ子「もう!りっちゃんのいけずぅ」



31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 20:33:26.90 ID:vPM9hell0

紬「先生、口にチョコレート付いてますよ」クスクス

さわ子「ほんと?澪ちゃん拭いて~」

澪「もう、自分で拭いてください!」

梓「…」


いつものさわ子先生。
でも私は先輩たちの知らない先生の別の顔を知っている。
ふふふっ、なんだか優越感♪



32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 20:46:31.81 ID:vPM9hell0

梓「皆さん、そろそろ練習しましょう!」

さわ子「あーおいしかった。それじゃみんな、練習がんばってね」

律「なんださわちゃん、ケーキ食べに来ただけじゃん!働けー顧問!」

さわ子「お、大人は色々と忙しいのよ」

唯「大人はずるいよ!」



33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 20:52:55.47 ID:vPM9hell0

先生はこの後いつも吹奏楽部に顔を出しているんです。
決してお菓子を食べて遊んでるだけじゃありません!
先生はあれで結構忙しいんですから。

なんだか私が一番先生のこと理解してるみたいですね。
あっ、やばい顔がにやけそう。



35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 21:01:16.28 ID:vPM9hell0

ーーーーー


律「ふぅ、んじゃそろそろ帰るか」

紬「そうね、もうすぐ下校時間だし」

梓「あ、私もう少し自主練したいので皆さん先に帰っててください」

澪「そうか、梓は偉いな」

唯「え~あずにゃん帰らないの~」ブー

律「梓のくせに生意気なぁ!」



36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 21:04:47.37 ID:vPM9hell0

澪「コラ、律と唯はもっと梓を見習え」

紬「梓ちゃん、あまり無理しないようにね」

梓「はい、ありがとございます。皆さんお疲れ様です」

唯「じゃーねあずにゃん!」



37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 21:15:43.51 ID:vPM9hell0


ーーーーー


梓「~♪」


ガチャ

さわ子「あら梓ちゃん、まだ帰ってなかったの?」

梓「あ、先生」


そして下校時間にはいつも音楽室を覗きに来ている。
それに部屋の掃除までして帰ってるんだから。
きっと皆さんは気付いてないんだろうなぁ…。



38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 21:19:10.00 ID:vPM9hell0

梓「ここのソロの所がなかなかうまく弾けなくて…」

さわ子「なら先生にまかせなさい!特訓してあげるわ」フンスッ

梓「ありがとございます!」



39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 21:24:05.59 ID:vPM9hell0

ーーーーー

~♪

さわ子「うん、もう完璧ね。さすが梓ちゃん」

梓「いえ、先生の教え方が上手いから」


…先生ごめんなさい。
実はここ前から練習しててホントは弾けるんです…。
先生と一緒に居たいから嘘つきましたすみません。



40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 21:31:17.19 ID:vPM9hell0

梓「先生…もう平気なんですか?」

さわ子「へ?ああ、昨日のこと?まあ平気といえば嘘になるけど」

さわ子「でも失恋した時はヤケ酒に限るわぁ。でもおかげで遅刻しそうになったけどね」テヘッ

梓「もう、お酒も程々にしてくださいよ」ハァ



42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 21:39:24.10 ID:vPM9hell0

さわ子「それに仕事とプライベートはきっちり分けなきゃね」

梓「…やっぱり先生にとって私達は仕事上の関係でしかないんですか?」

さわ子「急にどうしたの?」

梓「あの!私、さわ子先生のことが

さわ子「梓ちゃん」

さわ子「もう下校時間も過ぎてるし、帰りましょっか?」

梓「…はい」



43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 21:46:03.79 ID:vPM9hell0

さわ子「鍵は私が締めておくから先に帰ってなさい」

梓「わかりました…すみません」

さわ子「いいのよ。それじゃあ気を付けてね」ニコッ

梓「はい、先生さようなら…」


バタン



44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 21:55:32.89 ID:vPM9hell0

さわ子「私は教師…なのよね…」

さわ子「…」

さわ子「さ、掃除でもして帰ろうかしらね!」ヨイショ

さわ子「…私もまだまだ捨てたもんじゃないかしら」フフフッ



45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 22:03:25.08 ID:vPM9hell0

ーーーーー


あずにゃんち!

梓「(さわ子先生ってどんな人が好みなんだろ…私って子供っぽいのかな…)」

梓「(私やっぱり…先生のことが…)」

梓「…」

梓「あーもう!」

梓「寝る!」



47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 22:12:04.17 ID:vPM9hell0

ーーーーー


よくじつ!


梓「(はぁ、今日は先生部活くるのかなぁ。ちょっと気まずいよ…)」ハァ

純「梓ー、おっはよー!」

梓「なんだ純か、おはよう」

純「朝からこんな美少女つかまえといてなんだとはなんだ!」

梓「…」



48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 22:28:20.51 ID:vPM9hell0

純「梓?」

梓「…」

純「あずさちゃーん?」

梓「…」ハァ

純「おーい、あーずにゃーん?」

梓「えっなに?」

純「…なんかあったの?」

梓「別に何も?」



49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 22:34:21.50 ID:vPM9hell0

純「そんな顔してよく言うよ…私達友達でしょ?」

梓「うん…実は知り合いの話なんだけど…」

純「(…まあ十中八九本人の話だよね)うん、それで?」

梓「…その子には好きな人がいて、でも立場上その人とは絶対に結ばれないの…」

純「…」



50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 22:38:51.31 ID:vPM9hell0

梓「でもその人のことが好きで好きで、もうどうにもならないの」

梓「どんなに想っていてもきっと相手にされないし、その人にも迷惑がかかっちゃう…」

梓「ずっとモヤモヤした気持ちで、苦しいの…」

梓「もう、どうしたら良いのかわかんないよ」グスッ

純「それでも、相手に気持ちを伝える…かなぁ」

梓「え?」



51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 22:45:17.35 ID:vPM9hell0

梓「…嫌われちゃうかもしれないんだよ?」

純「うん、でもそれでまた前に進めるんだと思うから」

純「今の関係は失っちゃうかもしれないけど、きっと全部を失うわけじゃない」

純「だって梓が好きになったくらいの人なんだから、それくらいで嫌ったりする人じゃないはずだよ」

梓「純…」



52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 22:51:25.94 ID:vPM9hell0

梓「って、私の話じゃないし!知り合いの話だから///」

純「あぁ、そうだった。ごめんごめん」ニヤニヤ

梓「もう…///」

梓「…ありがとう、純」

純「いいってことよ!」ニカッ



53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 22:58:53.84 ID:vPM9hell0

梓「あっ、そういや私日直だった!ごめん純、先行くね」

純「はいはい、途中で知らないおじさんに付いてっちゃだめだぞ」ニヤニヤ

梓「クスッ、なにそれ。それじゃごめんね」


タッタッタッ



54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 23:06:38.98 ID:vPM9hell0

純「ふう…やれやれ」

純「…なーんて梓にはカッコいいこと言ってみたものの」

純「なかなか言えないんだよねぇ…」ハァ

純「…がんばんなよ、梓」

59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/23(月) 00:03:13.70 ID:qz50rMeL0 [1/21]

ーーーーー

ほうかご!

唯「ねぇねぇ、このあとみんなでお茶して帰らない?」

梓「すみません、今日も少し残って練習したいので」

唯「え~あずにゃんもいこうよぅ!」

澪「そうか、私達も一緒に残ろうか?」

梓「い、いえ。その…一人で集中したいんで…すみません」



60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/23(月) 00:08:20.67 ID:qz50rMeL0 [2/21]

澪「そうか…それじゃあ鍵、頼んだよ」

梓「はい、お疲れ様です」

律「おーい、澪ー置いてくぞー!」

澪「また明日な。ま、待ってよみんな!」


タッタッタッ

梓「ふぅ…(よし、後は先生を待つだけ…)」


62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/23(月) 00:15:58.18 ID:qz50rMeL0 [3/21]

ーーーーー


梓「あー…(落ち着け、私///)」ドキドキ


ガラッ

梓「あっ」

さわ子「あら、梓ちゃん。今日も自主練?」

梓「…いえ、今日は先生とお話がしたくて」

さわ子「私と?」

梓「はい…」



63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/23(月) 00:21:33.38 ID:qz50rMeL0 [4/21]

さわ子「…」

梓「昨日は…ありがとうございました」

さわ子「いいのよあれくらい。私はけいおん部の顧問なんだから」

梓「あの…」



64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/23(月) 00:26:48.08 ID:qz50rMeL0 [5/21]

梓「その…実は私、前から好きな人がいるんです」

梓「初めは憧れみたいなものだと思っていました。でも一緒にいて楽しくて安心するというか」

梓「その人はとても優しくて、あったかいんです…」

梓「私、先生のことが好きです…」



65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/23(月) 00:33:13.99 ID:qz50rMeL0 [6/21]

さわ子「っ!?」

梓「突然こんなこと言って迷惑かもしれませんけど、コレが私の気持ちなんです!」

さわ子「梓ちゃん…。気持ちはとっても嬉しいんだけど…ごめんなさい」

梓「…そう、ですか…」



66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/23(月) 00:39:11.85 ID:qz50rMeL0 [7/21]

梓「…私ってやっぱり可愛くないですか?」

さわ子「そんなことないわ。梓ちゃんはとっても可愛いわよ」

梓「じゃあ、私が子供だからですか?」

さわ子「梓ちゃんは今のままでいいのよ。それに私だって、まだまだ子供みたいなもんよ」

梓「じゃあなんで」



67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/23(月) 00:44:15.68 ID:qz50rMeL0 [8/21]

さわ子「こないだの事の後から色々と考えたんだけど…」

さわ子「私ね、今度お見合いすることにしたの」

梓「えっ?」



68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/23(月) 00:48:28.38 ID:qz50rMeL0 [9/21]

さわ子「実は前々から話は頂いてたんだけど」

さわ子「それに相手は実業家ですって。玉の輿よ、玉の輿!」

梓「…先生、無理してますよね?」

さわ子「!?何言ってるのよ、そんなことないわ」

梓「…これでも先生のことは皆さんより見てきたつもりです」



69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/23(月) 00:55:03.14 ID:qz50rMeL0 [10/21]

さわ子「(この子にはかなわないわね…)確かに…でも、もういいのよ」ニコッ

梓「そんな!でも」

さわ子「女の子同士では結婚も出来ないし、子供もできない」

さわ子「とても当たり前のことなのよ」

さわ子「私もいい年だし、このままじゃ両親を悲しませることになっちゃうから」



70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/23(月) 01:03:43.35 ID:qz50rMeL0 [11/21]

梓「先生の…先生の気持ちはどうなんですか!?」

さわ子「梓ちゃんは優しいわね…でもそれが今の私の気持ちなの」

梓「そんな…先生…」ジワッ

さわ子「ほらほら、泣かないの」

梓「でもそんなの…そんなの…」ポロポロ

さわ子「ありがとう、梓ちゃん」ギュッ

梓「…(やっぱり、あったかいや…)」グスン

さわ子「(ごめんね梓ちゃん…本当は私も…)」



73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/23(月) 01:13:48.63 ID:qz50rMeL0 [12/21]

ーーーーー


翌年、さわ子先生は退職した。
きっとお見合いが上手くいったんだね。

先輩達も卒業し、新入部員も0。
けいおん部は廃部になりました。
でも憂や純と放課後、音楽室に忍び込んでは演奏したり、受験勉強やお茶を飲んだりしていました。



74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/23(月) 01:19:54.73 ID:qz50rMeL0 [13/21]

そして私達も卒業してもうすっかり大学生。
講義にサークル、飲み会やアルバイトもしました。



そして普通の恋愛も。

充実した日々はアッと言う間に過ぎていった。



75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/23(月) 01:28:14.13 ID:qz50rMeL0 [14/21]

ーーーーー


とあるスーパー!


梓「(今日は晩ゴハン何にしようかなぁ…あ、サンマが安い)」

「あら、梓ちゃん?」


この声、すぐに誰だかわかった。



76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/23(月) 01:38:43.27 ID:qz50rMeL0 [15/21]

梓「さわ子…先生?」

さわ子「久しぶりね。私が退職して以来会ってなかったものね」

梓「そうでしたね…」


相変わらず先生は綺麗だ。
その隣には優しそうな男の人がいっぱいになったカートを引っぱっていた。



77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/23(月) 01:47:15.69 ID:qz50rMeL0 [16/21]

さわ子「あ、これがウチの旦那さん」


その男の人は優しい笑顔で会釈した。
ホントにいい人そうだなぁ。


さわ子「前に話したでしょ?ほら、私の教え子でけいおん部の…そうそう、その梓ちゃんよ!ネコミミ担当の」

梓「勝手にネコミミ担当にしないでください!」


こういう所も変わらない、なんだかホッとする。



78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/23(月) 01:54:10.85 ID:qz50rMeL0 [17/21]

梓「先生、後ろの子はもしかして…」

さわ子「ああ、そしてこれがウチのおチビちゃんよ。ほら、お姉ちゃんにご挨拶して?」

「…こんにちは」

梓「こんにちは、ちゃんと挨拶できてえらいね」ニコッ

「うん!ありがとう!」ニッコリ



79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/23(月) 02:02:19.83 ID:qz50rMeL0 [18/21]

さわ子先生にそっくりな笑顔…
なのにその子には私の面影はない。

ちょっぴり切ない…でも


梓「私…先生が幸せそうで嬉しいです」ニコッ

さわ子「梓ちゃん…ありがとう。私も梓ちゃんにそう言って貰えて嬉しいわ」ニコッ



80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/23(月) 02:08:31.53 ID:qz50rMeL0 [19/21]

梓「それじゃあ私はこの辺で」

さわ子「そう。梓ちゃん、体には気を付けてね」

梓「ありがとうございます。先生もお元気で。さようなら」

さわ子「さようなら、梓ちゃん」



81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/23(月) 02:14:36.10 ID:qz50rMeL0 [20/21]

ーーーーー


普段は買うことのないビールを買い物カゴに数本入れる。

今夜は呑もう。

あんまりお酒は強くないけど、今日くらいヤケ酒してもいいですよね、先生?



おしまい



86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/23(月) 02:18:54.50 ID:qz50rMeL0 [21/21]
なんか微妙な終わり方になってしまいました。
あずさわのイチャイチャが見たかったけど無理でしたごめんなさい。

最後までお付き合い頂きまして有難う御座いました。


コメント

No title

こういう甘くしょっぱいお話もイイね

No title

すごく良かった
いろいろ思い出して目から汗が出てきました

実際はやっぱ同性愛って難しいんだろな、胸が熱くなった。しかしさわちゃん大人だわ。

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