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和 「そうなんだ、じゃあ私生徒会行くね」
1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 20:55:48.23 ID:MepQPX9R0 [1/52]
――昼休み・教室
唯 「みんな~、お昼食べようよ」
律 「おうっ! 勉強で費やしたエネルギーを補給しなきゃな!」
澪 「睡眠で費やしたエネルギー、の間違いじゃないのか」
律 「もうっ! 澪ちゃんったらいけず~」
澪 「まったく……」
紬 「あらあら、うふふ」
和 「相変わらずね、二人とも」
律 「あ、そういえば和」
――昼休み・教室
唯 「みんな~、お昼食べようよ」
律 「おうっ! 勉強で費やしたエネルギーを補給しなきゃな!」
澪 「睡眠で費やしたエネルギー、の間違いじゃないのか」
律 「もうっ! 澪ちゃんったらいけず~」
澪 「まったく……」
紬 「あらあら、うふふ」
和 「相変わらずね、二人とも」
律 「あ、そういえば和」
4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 20:58:12.33 ID:MepQPX9R0
和 「なに?」
律 「生徒会の子が、昼休みに緊急の会議が入ったから来てくれ、って言ってたよ」
澪 「それ、いつの話だ?」
律 「う~んと、和が朝学校来る前だから……」
澪 「そーゆー大事なことは、もっと早く伝えろっ!」 ホ゜カッ
律 「あいたっ! ごめんごめん、そういういことだからさ」
和 「そうなんだ、じゃあ私生徒会行くね」
唯 「いってらっしゃ~い! 和ちゃん、頑張ってね!」
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 21:01:18.53 ID:MepQPX9R0
唯 「ねえ、りっちゃん!」 モフモフ
律 「なんだ、唯」 モグモグ
澪 「二人とも、口の中の物を見せるな……」
唯 「この間、りっちゃんと見つけた」 モフモフ、ゴクン
唯 「今度軽音部のみんなで行きたいね、って言ってたホビーショップ行こうよ!」
律 「ああ、あそこね。じゃあ、明日休みだし行くか」
唯 「じゃあ、あずにゃんにメールしておくね!」
律 「みんな、明日は空いてるっしょ?」
澪 「ああ、大丈夫だ」
紬 「うん! どんなどこかしら、楽しみだわ~」
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 21:04:48.12 ID:MepQPX9R0
和 (やっと会議終わった……。今もどれば、教室でみんなとご飯食べれるわね)
ガラガラ
和 (唯たちは……。うん、まだご飯食べてるわ。間に合って良かった)
ワイワイガヤガヤ
和 (それにしても、随分盛り上がってるわね。なんの話してるのかしら)
唯 「あ、和ちゃんおかえり~!」
和 「ただいま、思ったより早く終わったわ」
澪 「お疲れ様、和」
律 「ほらほら、座りんしゃい」
紬 「なんの会議だったの?」
9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 21:08:11.63 ID:MepQPX9R0
和 「たいしたことない内容だったわ。さて、お昼ご飯食べないと」
唯 「おお! 相変わらず和ちゃんのお弁当はおいしそうですな~」
和 「そんなことないわ。それより、さっきからなんの話で盛り上がってるの?」
唯 「実はね! この間とっても素敵なお店見つけたんだ!」
和 「あら、どんなところ?」
唯 「かわいいものとか、面白いものとか、おいしいものとかなんでもあるんだよ!」
和 「へ~。抽象的でわかりにくいけど、行ってみたいわね」
唯 「それでね、明日みんなで行こうって話をしてたんだ! 和ちゃんもきっと気に入ると思うよ~」
和 「そうだといいわ。楽しみね」
和 (ふふ、唯と遊ぶなんてひさしぶりね)
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 21:11:07.45 ID:MepQPX9R0
律 澪 紬 (あれ……?)
律 (軽音部で行こうって話しだったけど、和も誘うのかな)
澪 (まあ和もいてくれたほうが、みんなの世話もみてくれるし助かるな)
紬 (和ちゃんとプライベートで遊ぶの、ひさしぶりだわ~)
唯 「五人で遊ぶの久しぶりだね~。すっごい楽しみだよ!」
律 (ん? 五人ってことは……やっぱり和は入ってないのか?)
澪 (まあ、軽音部だけで遊びたいときもあるしな……)
紬 (あら、残念……)
和 「あら、久しぶりどころか初めてじゃない?」
律 澪 紬 「!?」
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 21:14:54.57 ID:MepQPX9R0
唯 「え~、そんなことないよ~」
和 「いつも学校でも一緒だから、そんな気がしてるんじゃない?」
和 (三年でクラス一緒になってから、ほぼ毎日五人で行動してるし)
唯 「う~ん、そう言われてみればそうかもしれない!」
唯 (部活帰りの寄り道とかって、よく考えたらちゃんとした遊びじゃないかも!)
和 「うふふ」
唯 「あはは」
律 澪 紬 「……」
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 21:18:08.58 ID:MepQPX9R0
律 (これって……唯は和のこと誘ってないつもりなんだろうな)
澪 (天然が故の過ちか……。このままだと、明日和も来ちゃうんじゃないか)
紬 (まあでも……来たらそのまま一緒に遊べばいいわ)
唯 「じゃあ明日は、10時に駅に集合ね!」
律 「りょうか~い! 唯は遅れんなよ~?」
澪 「律もな」
紬 「うふふ」
和 (明日……。とても楽しみだわ)
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 21:21:07.46 ID:MepQPX9R0
――翌日・駅
唯 「じゃじゃ~ん! 平沢唯、ただいま参上!」
律 「お~、唯が待ち合わせの5分前に来るとはな」
梓 「きっと雨でも降るんじゃないんですか」
唯 「ひどい! ひどいよ、あずにゃん!」
澪 「まあ、唯もちゃんと時間に間に合って偉いぞ」
唯 「えへへ、ありがと~。さ、これで全員揃ったことだし行きますか!」
紬 「お~!」
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 21:24:48.99 ID:MepQPX9R0
律 (和は来なかったか。まあ、あのあと唯と帰ったし、ちゃんと話もしたんだろう)
澪 (今日行くところは楽器店とかもあるから、和も退屈だっただろうし)
紬 (思いの行き違いにならなくて良かったわ~)
梓 「あれ? こっちに向かって走ってくる人……和先輩に似てません?」
律 (あれは確かに和だ……)
澪 (めっちゃ笑顔でこっちに向かってきとる)
紬 (なん……だと……)
唯 「むむ……本当だ! あれ和ちゃんだ! すごい偶然だね!」
唯 「お~い和ちゃ~ん!!」
律 澪 紬 (!!?)
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 21:29:09.18 ID:MepQPX9R0
和 「待たせてごめんなさい。……あれ、今日は中野さんもいるの? よろしくね」
梓 「え?あ、はい (あれ? 今日は和先輩も一緒だったのかな)」
律 「あれ? 和、眼鏡は?」
和 「ああ、ちょっと気分転換に今日はコンタクトにしてきたの。変かしら?」
紬 (めっちゃ気合はいっとるがな……)
澪 「と、とっても素敵だよ……」
和 「そう言ってもらえると嬉しいわ。ありがとう、澪!」
律 (ま、満面の笑みやぁ……)
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 21:32:50.76 ID:MepQPX9R0
唯 「和ちゃん、会えて嬉しいよ~! ところで今日はどうしたの!? 」
和 「えっ、どうしたって……。今日、五人で遊ぶ約束したじゃない」
唯 「えぇ~! 違うよ、和ちゃん! 今日は軽音部の五人で遊ぶ約束したんだよ! 和ちゃんは入ってないよ~?」
和 「えっ……」 ビクッ
梓 (あ、やっぱり入ってなかったんだ)
澪 (昨日の感じからして、やっぱり和も来ちゃうんじゃないかとは思ってたけど……)
紬 (唯ちゃんも言葉の選び方を知らないだけなんだろうけど、こんな言い方されるとやっぱりきついわね……)
律 (このまま合流して遊べばいいのに……)
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 21:35:33.11 ID:MepQPX9R0
唯 「あ!よく見たら、 けっこう前に私と買いにいった服だ!」
唯 「まだ忙しくて着る機会が無いってこの間言ってたから、 今日が初披露だね!? すごく可愛いいよぉ!」
和 「あっ……」 ブルブル
紬 (新しい服を着てきたってことは、やっぱり今日ものすごく気合が入ってたのね)
梓 (そしてそれを私たちにも気づかせて、和先輩に精神的ダメージを与える唯先輩)
律 澪 紬 梓 (天然って恐ろしい……)
唯 「今日は軽音部で遊ぶっていう気分なんだよ~」
唯 「それじゃあ、和ちゃん。私たち遊びにいってくるね!」
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 21:39:42.27 ID:MepQPX9R0
律 (ここまできたら、一緒に遊べばいいのに……)
澪 (唯ってもしかして、和のこと嫌いなんだろうか)
紬 (テンションあげてきたぶん、これは和ちゃん辛いわ……)
梓 (和先輩、これはどうでるか……) チラッ
和 「そうなんだ、じゃあ私生徒会行くね」
律 澪 紬 梓 (ええーーーーっ!?)
43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 21:44:17.67 ID:MepQPX9R0
唯 「うん! ばいばーい!!」
律 「和、行っちゃったな……」
澪 「ああ、目に涙ためてたな……」
唯 「変な和ちゃんだったね! それにしても、生徒会って休日もあるなんて大変だね~」
梓 「……」
紬 (これはもう……天然っていうレベルじゃないわね)
唯 「じゃあみんないこっか!」
律 「あ、ああ」
律 澪 紬 梓 (ごめんなさい、和(先輩)……)
45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 21:47:01.47 ID:MepQPX9R0
和 「……」
和 「そっか、今日は軽音部で遊ぶ日だったのね」
和 「私が勝手に勘違いして、唯たちに迷惑かけちゃったわ」
和 「そういえば、はっきりと誘ってくれたわけではないものね」
和 「……」
和 (でも、今日はすごい楽しみだったのに……)
※ ※ ※ ※
――昨晩・和の部屋
和 (うふふ、明日は久しぶりの息抜きか)
49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 21:50:39.04 ID:MepQPX9R0
和 (生徒会長になってからすごく忙しかったし)
和 (最近は受験勉強ばっかだったから、明日はうんと羽をのばそうかしら)
和 「そういえば、三ヶ月くらい前に唯と買いにいった服をまだ着てないわ」
和 「季節ずれてるかもしれないけど……最近まだ暑いし、着れないことないわね」
和 「それに唯が可愛いって言ってくれた服だもの。きっと唯も喜ぶわ」
和 (……ちょっと着てみよう)
――試着完了
和 「なかなかいいけど……う~ん」
和 「お母さーん! ちょっといい? 服を見てもらいたいんだけど」
51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 21:53:14.05 ID:MepQPX9R0
和 「……お母さんも似合うって言ってくれたけど、なんか不安だわ」
和 「あ、眼鏡外してみたらどうかしら」
和 「確かワンデイの買い置きがまだあったはず……」 ガサゴソ
和 「……あった!」
――試着完了
和 「……」
和 (……自分で言うのもなんだけど)
和 「け、けっこうイケてるんじゃないかな……///」
和 「これならきっと……」
54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 21:57:47.05 ID:MepQPX9R0
◇ ◇ ◇ ◇
唯 『眼鏡はずした和ちゃん、すっごく格好いいよ~!』
紬 『服もとってもセンス良いわ~。和ちゃんってこんなに素敵だったのね!』
律 『あちゃ~、さすがの私もイケメンポジションを譲らざるをえないなぁ~』
澪 『ああ、これはもう私のFC潰して和のFC作るしかないな!』
◇ ◇ ◇ ◇
和 「なんて言われちゃったりして……///」
和 「~~~~っ!///」 ゴロゴロ
和 (あ~もう、早く明日にならないかしら!)
※ ※ ※ ※
58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 22:02:33.93 ID:MepQPX9R0
和 「私、すごい浮かれてたのね。ばっかみたい」
和 「みんなさぞ滑稽に思ったことでしょうよ」
和 「新しい服着て、コンタクトなんかにしちゃって」
和 「お前なんかいつも通り制服着て、いつも通りダッサイ眼鏡かけて」
和 「いつも通り、生徒会でも行ってろよ」
和 「ええ、そう思ったことでしょうよ」
和 「浮かれのち、あとからの後悔」
和 「……」
和 (この気持ちを詩にでもしましょう……)
59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 22:05:18.17 ID:MepQPX9R0
和 「遊び誘われ 昨日の私UKIUKI」
和 「うかれすぎてて 頭の中ふわふわ」
和 「いつもめがね かけてるけど」
和 「今日だけは コンタクトなの」
和 「だけどそれも 今となっては」
和 「滑稽でしかないぞよ」
和 「ああ 平沢 お前が 突っ込んでくるほど」
和 「私の 心 えぐられるの」
憂 「和……ちゃん?」
和 「ひゃうっ!?」
61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 22:08:36.33 ID:MepQPX9R0
憂 「やっぱり和ちゃんだ! 眼鏡かけてないからわからなかったよ」
和 「あ……うん」
憂 「今日はコンタクトなの?」
和 「……」
憂 「眼鏡かけてる和ちゃんも知的で素敵だけど」
憂 「コンタクトの和ちゃんもすっごく格好いいね!」
和 「え……」
和 「あ、ありがとう///」
和 (憂って、やっぱりすごい優しい子だわ)
62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 22:12:07.51 ID:MepQPX9R0
憂 「そういえば、さっき何の歌うたってたの?」
和 「あ、あ~……気にしないでちょうだい」
憂 「?」
和 「それより、今日はどうしたの?」
憂 「これから買い物行くところなんだけど……そうだ!」
憂 「良かったら一緒に行かない?」
和 (……すごく嬉しいけど)
和 (今日、これ以上この姿で外にいるのは辛いわ)
65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 22:15:56.09 ID:MepQPX9R0
和 「ごめんなさい、今日はもう家に帰ってやらなきゃいけないことがあるから」
憂 「そっか……。和ちゃん忙しいもんね」
和 「本当にごめんなさいね」
憂 「でも、和ちゃんもたまには息抜きしなきゃ駄目だよ?」
和 「ど、どうしたのよ急に」
憂 「さっきから和ちゃん、元気無い顔してるから……」
和 「!!」
憂 「もしなんかあれば、私に言ってね?」
憂 「なんて、私じゃ頼りにならないか」
憂 「えへへ///」
68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 22:18:48.80 ID:MepQPX9R0
和 「ありがとう、憂。とても優しいのね」
憂 「そ、そんなことないよ///」
和 「なにかあったら、真っ先に憂に相談するわ」
憂 「……うん! 任せてよ!」
和 「ふふ、本当にもう。二人のときは相変わらず昔のまんまね」
和 「他の人がいるときは、だいぶ大人っぽく振舞うようになったのに」
憂 「私だって、和ちゃんみたいな大人の女性になろうと頑張ってるんだよ」
和 「あら、口ばっかうまくなったわね」
69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 22:23:14.60 ID:MepQPX9R0
憂 「もう~、そうやってからかう!」
和 「うふふ」
憂 「えへへ」
和 「本当にありがとう、憂。それじゃあ私そろそろ行くから」
憂 「うん、頑張ってね!」
和 「ええ、それじゃあまた」
憂 「またね!」
憂 (本当に幼い頃からの憧れなんだけどなぁ)
70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 22:26:11.34 ID:MepQPX9R0
――その夜・平沢家
憂 「お姉ちゃーん! ご飯できたよ!」
唯 「はいはーい! 今日のご飯はなんですかな~」
憂 「お姉ちゃんの好きなエビフライだよ!」
唯 「やったー! 私大好きだよー!」
憂 「うふふ。じゃあ食べよっか」
唯 「うん、いっただきまーす!」
憂 「いただきます」
73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 22:30:23.76 ID:MepQPX9R0
唯 「おいひい! おいひいよ~」
憂 「良かったー。……そういえば今日、和ちゃんに会ったよ!」
唯 「あ、私も会ったよ~」
憂 「お姉ちゃんも会ったんだ。今日の和ちゃん、コンタクトにしてて格好良かったね!」
唯 「うんうん、眼鏡かけてない和ちゃんも可愛いよ~」
憂 「そういえば、けっこうお洒落してたけど今日はなにか用事があったのかな?」
唯 「休日なのに、生徒会行くって言ってたよぉ! 生徒会長は、大変だねぇ」
憂 「……生徒会?」
75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 22:33:27.54 ID:MepQPX9R0
唯 「和ちゃんがそう言ってたんだよ! 今朝駅前であったときに――」
唯 「――ということがあったんだよ! 変な和ちゃんだったよ~」
憂 (……うわあ)
憂 (お姉ちゃんに悪気は無かったんだろうけど、和ちゃんも相当ショックだっただろうな)
憂 (だから今日あんな元気無かったんだ……)
唯 「うい~? 聞いてる~?」
憂 「お姉ちゃん!」 バンッ
唯 「ひっ!」ビクッ
唯 「ど、どうしたの憂? いきなりテーブル叩かないでよぅ……」
80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 22:37:25.39 ID:MepQPX9R0
憂 「今日ね、私が和ちゃんに会ったときすごく元気なかったんだ」
憂 「お姉ちゃんが和ちゃんに会ったあとのことだと思うんだけど」
憂 「どうしてかわかる?」
唯 「う、うい~。 ご飯冷めちゃうよ?」
憂 「お姉ちゃん、私は真面目な話をしてるの」
唯 (なんか今日の憂怖いよ~)
憂 「和ちゃん、多分今日すごく楽しみにしてたんだと思う」
憂 「だから服装とかにも気合入ってたんだよ」
83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 22:40:45.28 ID:MepQPX9R0
憂 「お姉ちゃんも今日は軽音部のみんなとの約束だったと思うけど」
憂 「もう少し言い方とかあったんじゃないかな?」
唯 「……うん」
唯 (そういえば、別れ際の和ちゃん、すごく悲しそうだったな)
唯 (今日は軽音部のみんなと遊ぶつもりだったし)
唯 (和ちゃんと遊ぶときは特別だから)
唯 (二人っきりでまた遊ぼうって誘うつもりだったんだけど……)
唯 「わ、わだしが馬鹿なせいで、の、和ぢゃんのこと傷づけちゃっだかなぁ」 ヒックヒック
86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 22:45:30.13 ID:MepQPX9R0
憂 「お、お姉ちゃんは馬鹿じゃないよ」
唯 「で、でも、憂に、怒られる、まで和ぢゃんが傷ついだごど、気づがなかった、し」 ヒックヒック
憂 「ちゃんと気づけたから大丈夫だよ。月曜日、学校でちゃんと和ちゃんに謝ろう?」
唯 「……うん」スン
憂 「ほら、ご飯冷めちゃうから食べよ?」
唯 「憂もごめんね……」
憂 「別に大丈夫だよ。ほら、鼻水出てるよ」
唯 「うう……」ズズ
゛
唯 (月曜日、絶対直接会って和ちゃんに謝ろう……)
87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 22:48:48.05 ID:MepQPX9R0
――月曜日・教室
律 「おい~っす」
澪 「おはよう」
紬 「おはよう、りっちゃん」
律 「唯と……和はまだ来てないか」
澪 「この間のこと、私たちからも和に謝らなくちゃな」
紬 「そうね。唯ちゃんの天然に気圧されてなにも言えなかったけど、すごく悪いことしちゃったわ」
律 「そうだな。そしたら、まず唯に話を……っと噂をすれば来たぞ」
90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 22:51:18.51 ID:MepQPX9R0
唯 「……」 トボトボ
澪 「唯、おはよう」
唯 「あ、うん……」
律 (あからさまに元気ないな。こりゃ私から言う前になんかあったか?)
紬 「唯ちゃん、元気ないけどどうかしたの?」
唯 「……うん。実はこの間のことで憂に怒られて、私もそれでやっと和ちゃんに悪いことしたって気づいたんだ」
澪 (さすが憂ちゃん)
唯 「それで、今日和ちゃんにあったら絶対謝ろうって決めてたんだけど……」
93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 22:54:23.77 ID:MepQPX9R0
※ ※ ※ ※
――今朝・通学路
唯 (今日絶対に和ちゃんに謝るんだ!) フンス!
唯 (あ、前を歩いてるのは……和ちゃん)
唯 (あ、謝るって決めたのに、なかなか勇気でないよ~)
唯 (……ええい! 覚悟を決めろ、平沢唯!)
唯 「の、和ちゃん!」 タタタッ
和 「……」 クルッ
唯 (すっごい無表情……。絶対怒ってるよ~)
唯 (でも、私が悪いんだから謝らなくちゃ!)
94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 22:57:59.94 ID:MepQPX9R0
和 「……」
唯 「和ちゃん、この間は本当にごめんなさい!」
唯 「私馬鹿だから、和ちゃんが傷つくこと平気で言っちゃって」
唯 「本当に、ごめんなさい!」
和 「……」
唯 「……」
和 「そうなんだ、じゃあ私生徒会行くね」
唯 「!?」
※ ※ ※ ※
107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 23:14:02.42 ID:MepQPX9R0
唯 「――ってことがあって……」
律 「それはきついなぁ(朝から生徒会あったのか?)」
澪 「和、そうとう怒ってるな(ちょっと言葉の意味がわからないけど)」
紬 「私たちも、許してもらえるかしら……」
ガララッ!
和 「……」
唯 律 澪 紬 「!!」
信代 「和、おはよう」
和 「おはよう」
110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 23:18:20.20 ID:MepQPX9R0
律 「みんなとは普通に挨拶してるな……」
澪 「ああ……」
紬 「でも、席は唯ちゃんの前よね……」
和 「……」 ストン
姫子 「和、おはよう」
和 「おはよう、姫子」
律 「よし、行くか」
澪 「あ、ああ」
112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 23:23:52.63 ID:MepQPX9R0
紬 「和ちゃん」
和 「……」
澪 「おはよう和。……この間のことなんだけど」
律 「わざとじゃないんだけどさ、本当に和に悪いことしちまったと思ってる」
澪 律 紬 「本当にごめんなさい!」
和 「そうなんだ、じゃあ私生徒会行くね」 ガタッ
澪 律 紬 「!?」
和 「……」 スタスタ
姫子 (和と軽音部、喧嘩でもしたのかな)
姫子 (でもこれからHRなのに、和本当にどっか行っちゃったよ)
116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 23:26:48.34 ID:MepQPX9R0
――それからというものの
律 「和、本当にごめんな?」
和 「そうなんだ、じゃあ私生徒会行くね」
律 「!?」
――和と軽音部のメンバーの
澪 「和、その……良かったら一緒にお昼食べないか?」
和 「そうなんだ、じゃあ私生徒会行くね」
澪 「!?」
121 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 23:30:06.83 ID:MepQPX9R0
――お互いの関係はぎくしゃくしたものとなり
紬 「あ、和ちゃん。シャーペン落としたわよ、はい」
和 「そうなんだ、じゃあ私生徒会行くね」
紬 「!?」
――日に日に距離ができてしまう
唯 「の、和ちゃん。次音楽室に移動だから……一緒に行かない?」
和 「そうなんだ、じゃあ私生徒会行くね」
唯 「!?」
125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 23:33:10.54 ID:MepQPX9R0
――それは時間が解決することなく
純 「梓って、彼氏とかいたことあるの?」
梓 「か、彼氏なんて……」
純 「まあ梓に彼氏がいるなんて、そんなオカルトありえませんか!」
梓 「そ、そういう純こそどうなのよ」
純 「ふふふ、聞きたい!? そう、それは去年のこと……」
和 「そうなんだ、じゃあ私生徒会行くね」
梓 純 「!?」
梓 (いきなり会話に入ってきた……)
純 (私の話、そんなに興味ないんだ……)
126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 23:36:42.27 ID:MepQPX9R0
――そしてとうとう
さわ子 「真鍋さん、次の音楽の準備の手伝いしてもらってもいいかしら?」
和 「そうなんだ、じゃあ私生徒会行くね」
さわ子 「タメ語!?」
和 「そうなんだ、じゃあ私生徒会行くね」
さわ子 「つか手伝ってくれないの!?」
和 「そうなんだ、じゃあ私生徒会行くね」
さわ子 「ていうか次音楽って言ってるじゃな……おーい!」
135 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 23:39:52.43 ID:MepQPX9R0
唯 「……」
律 「……」
澪 「……」
紬 「……」
梓 「……」
和 「……」
――仲直りできないまま、卒業へと近づいていった
137 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 23:43:22.64 ID:MepQPX9R0
――卒業式前夜・平沢家
憂 「お姉ちゃん、とうとう卒業だね」
唯 「うん……。みんなと離れたくないよー」 ズビビ
憂 「もう、今から泣いてたら、明日はどうするの」
唯 「でも~……」
憂 「それに、まだ和ちゃんと仲直りしてないんでしょ?」
唯 「……うん」
唯 「あの日から和ちゃん、私たち軽音部に対しては」
唯 「そうなんだ、じゃあ私生徒会行くね」
唯 「しか言わなくなっちゃったし」
141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 23:46:33.93 ID:MepQPX9R0
唯 「授業中でも本当にそのまま生徒会室行っちゃうし」
唯 「もうどうしたらいいかわかんないよう……」
憂 「お姉ちゃん……」
憂 「お姉ちゃんが困っているように、きっと和ちゃんも困ってるんだよ」
憂 「明日こそきっと、うまくいくはずだよ。ねっ?」ニコッ
唯 「うい~……。ありがとう!」 ダキッ
憂 (抱きついてくるお姉ちゃん……。あったかい)
唯 「でも、本当にどうすればいいのか……」
憂 「お姉ちゃん、私に考えがあるの」
唯 「本当に!?」
144 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 23:50:47.73 ID:MepQPX9R0
憂 「うん、明日卒業式が終わったあとにね……」 コショコショ
唯 「ふむふむ」
憂 「っていうのは、どうかな……?」
唯 「すごいっ! すごいよ憂~! 憂は天才だよ~!」
憂 「えへへっ、ありがとう/// ……うまくいくかはわからないけど」
唯 「ううん、きっとうまくいくよ! さっそく、みんなにもメールするよ!」
憂 「お姉ちゃん、頑張って!」
唯 「憂のお陰で頑張れそうだよ!」
唯 (明日和ちゃんに心から謝って……)
唯 (絶対仲直りするんだ!!)
147 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 23:53:14.47 ID:MepQPX9R0
――そして卒業式が終わった
梓 「みなさん、卒業おめでとうございます!」
唯 「びええーん!!」
律 「こらこら唯、泣きすぎだって」
澪 「そういう律だって……ひっく、泣い、でるじゃ、ないか」
紬 「み、みおぢゃんも……うわああーん!」
さわ子 「もう、軽音部は最後まで手をかけるんだから……」 ウルウル
150 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 23:56:04.46 ID:MepQPX9R0
生徒会役員A 「和先輩、卒業おめでとうございます!」
生徒会役員B 「私、先輩みたいな立派な人になります!」
和 「みんなありがとう、私もあなたたちとやってこれて本当に良かったわ」
和 「……それじゃあ、そろそろ行くから」
和 「……ふぅ」
憂 「和ちゃん!卒業おめでとうございます!」
和 「あら、憂。ありがとう」
憂 「そういえばさっき、曽我部さんという方が……」
和 「あら、会長が……。なにかしら」
151 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 23:59:02.98 ID:MepQPX9R0
憂 「私が和ちゃんと仲が良いってことを言ったら、これを渡してほしいって」
和 「手紙……?」
『生徒会室で待ってます』
憂 「それじゃあ私、行くね! あ、それと……」
憂 「和ちゃんが卒業しちゃうのは寂しいけど、私最後に和ちゃんの為になにかできて嬉しかった」
和 「憂ったら……手紙ぐらいで大袈裟ね。でも、ありがとう」
憂 「それじゃあ私はこのあと用事があるから」
和 「そうなんだ、じゃあ私生徒会行くね」
憂 「じゃあね!」 タッタッタ
153 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 00:02:55.56 ID:j6eqQwRj0 [1/13]
和 (それにしても会長が……なにかしら)
和 (なにかサプライズでもやってくれるのかしらね)
和 (それとも澪のFCの会合とか……ふふっ)
和 (澪……。軽音部のみんなと、結局仲直りできなかったな)
和 「……」
和 (もうこの学び舎ともお別れか)
和 (この階段をのぼったら生徒会室……か)
和 (この階段をのぼったら――)
唯 「……和ちゃん」
158 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 00:06:03.92 ID:j6eqQwRj0 [2/13]
和 「!!」
唯 「和ちゃん、卒業おめでとう」
和 「……」
唯 「私たち幼稚園から一緒だったけど、大学は別々だね」
和 「……」
唯 「私、ずっと和ちゃんに迷惑ばっかかけてきたけど……」
唯 「本当に最後の最後まで、迷惑かけちゃったね」
唯 「……ご、ごめんなさい」 ヒックヒック
和 「……」
160 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 00:09:14.08 ID:j6eqQwRj0 [3/13]
唯 「私が悪いのはわかってるんだけど」
唯 「ずっと一緒だったのに、このまま別れるのなんて嫌だから……」
唯 「和ちゃんのこと、大好きだから……」
和 (……唯)
和 (唯がこうやって、あの日から何度も何度も謝ってくれてるのに)
和 (どうして私は素直になれないのかしら)
和 (どうして私の口は……)
和 「そ、そうなんだ、じゃ、じゃあ私生徒会行くね」ウルウル
和 (……こんな言葉を言うのかしら)
163 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 00:12:32.95 ID:j6eqQwRj0 [4/13]
唯 「……和ちゃん、あの日からそれしか言ってくれなくなっちゃったね」
唯 「いつも、本当は生徒会なんてないのに……」
和 「……」
和 (いつもごめんなさいね。でも今日は、本当に呼び出されてるのよ)
唯 「今日だって、生徒会いっても曽我部先輩はいないよ」
和 (……どういうこと?)
唯 「ごめんね、曽我部先輩の名前まで出して、こんなことして……」
唯 「生徒会室で待ってるのは、むぎちゃん、りっちゃん、澪ちゃん、あずにゃん」
唯 「私たち軽音部だよ」
166 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 00:15:38.94 ID:j6eqQwRj0 [5/13]
唯 「憂が……私たちと和ちゃんが仲直りできるように、って考えてくれたんだ」
唯 「正直、曽我部先輩の名前まで出して嘘ついちゃって……」
唯 「また和ちゃんを嫌な気持ちにさせちゃったかもしれないけど」
唯 「みんな、やっぱり和ちゃんに心から謝って、仲直りしたいんだ」
和 「……」
和 (軽音部のみんな……。それに憂ったら……)
和 (あの子本当に……)
169 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 00:18:25.35 ID:j6eqQwRj0 [6/13]
※ ※ ※ ※
和 「こんなこと、相談できるの憂ぐらいしかいなくて……」
憂 「ううん! 全然構わないよ! むしろ本当に真っ先に相談してくれて嬉しいの」
和 「本当は軽音部のみんなと仲直りしたいんだけど、何故か素直になれないの」
和 「何故か軽音部のメンバーと話すと」
和 「そうなんだ、じゃあ私生徒会行くね」
和 「しか言えなくなっちゃうの……」
憂 「……和ちゃんも、仲直りしたいんだよね?」
和 「もちろんよ! 私からも唯たちに謝りたいわ。みんな謝ってくれてるのに、ずっと、こんな態度とったままで……」
172 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 00:21:22.74 ID:j6eqQwRj0 [7/13]
憂 「それなら大丈夫だよ!」
和 「……どうして?」
憂 「だって、軽音部のみなさんも、お姉ちゃんも和ちゃんと仲直りしたがってるから」
憂 「そうしたら、仲直りできないはずがないよね?」 ニコッ
和 「……そうね。でも、また唯たちが話しかけてきても、きっと……」
憂 「例の特異体質で、きっかけを逃しちゃうかもって?」
和 「(特異体質!?) ……それなのよ」
憂 「……うーん」
174 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 00:24:06.16 ID:j6eqQwRj0 [8/13]
憂 「……うん! 大丈夫、私に任せて!」
和 「大丈夫なの?」
憂 「私がなんとか、軽音部のみなさんと和ちゃんを仲直りに導いてみせるよ」
和 「……そこまで気負わなくていいのよ」
憂 「ううん! だって……」
憂 「私の大好きなお姉ちゃんたちと」
憂 「同じくらい大好きな和ちゃんが、このまま離れちゃうなんて嫌だから……」 ポロッ
和 「憂……。ありがとう」
※ ※ ※ ※
175 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 00:27:53.95 ID:j6eqQwRj0 [9/13]
和 (まさかこんな計画を立てていたとはね)
和 (憂も、唯も、律も、澪も、むぎも、中野さんも……)
和 (みんなこんなに私のことを思ってくれてる)
和 (あの日のことは本当に辛かったけれど)
和 (それでも、ここまで私のことを思ってくれてる人たちはいるだろうか)
和 (唯……)
唯 「和ちゃん」
和 「……」
和 (……やっぱり他の言葉が出ないわ)
唯 「和ちゃん、あのね」
180 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 00:31:32.01 ID:j6eqQwRj0 [10/13]
唯 「もし私たちと仲直りしてもらえるなら」
唯 「私たち生徒会室で待ってるから」
唯 「そしたらそこで和ちゃんに心から謝るからぁ……」 ヒックヒック
唯 「いっぱい、いっぱい謝るからぁ……」 ヒックヒック
唯 「で、でも、私たちのこともし許せないなら」 グスッ
唯 「このまま帰っても構わないから……」
唯 「でも、私和ちゃんのこと大好きだから……」
唯 「うええーーーーん!」
和 (……唯)
183 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 00:34:32.83 ID:j6eqQwRj0 [11/13]
和 (こんなにも、唯は私のことを好きでいてくれている)
和 (軽音部のみんなもそう)
和 (彼女らはこんなに素直な気持ちを出してくれているのに)
和 (私だけ意地を張ってばっかし……)
和 (……格好悪い女ね)
和 (――でも)
唯 「和ちゃん……。本当に和ちゃんの、好きにしていいから」
唯 「もし私たちとまた仲良くしてもらえるなら、生徒会に……」
186 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 00:35:46.35 ID:j6eqQwRj0 [12/13]
和 (あの日以来、そう、今ですら)
和 (どうしても、あれ以外の言葉は出てこないけど)
和 (でも、やっと心から言える)
和 (最後に私が選ぶのは――)
和 「そうなんだ、じゃあ私生徒会行くね」ニコッ
いちご<……おわり
193 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 00:39:46.50 ID:qDp1qp2c0 [2/2]
和 「そうなんだ、じゃあ私生徒会室行くね」
のがわかりやすかったな
196 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 00:44:37.41 ID:j6eqQwRj0 [13/13]
ここまで付き合ってくれてありがとうございました
途中からオチが読めちゃう感じの上、>>193の指摘どおりのこともあるし
ちょっと微妙な話だけど、読んでくれてうれしい
じゃあ俺、生徒会行くね
和 「なに?」
律 「生徒会の子が、昼休みに緊急の会議が入ったから来てくれ、って言ってたよ」
澪 「それ、いつの話だ?」
律 「う~んと、和が朝学校来る前だから……」
澪 「そーゆー大事なことは、もっと早く伝えろっ!」 ホ゜カッ
律 「あいたっ! ごめんごめん、そういういことだからさ」
和 「そうなんだ、じゃあ私生徒会行くね」
唯 「いってらっしゃ~い! 和ちゃん、頑張ってね!」
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 21:01:18.53 ID:MepQPX9R0
唯 「ねえ、りっちゃん!」 モフモフ
律 「なんだ、唯」 モグモグ
澪 「二人とも、口の中の物を見せるな……」
唯 「この間、りっちゃんと見つけた」 モフモフ、ゴクン
唯 「今度軽音部のみんなで行きたいね、って言ってたホビーショップ行こうよ!」
律 「ああ、あそこね。じゃあ、明日休みだし行くか」
唯 「じゃあ、あずにゃんにメールしておくね!」
律 「みんな、明日は空いてるっしょ?」
澪 「ああ、大丈夫だ」
紬 「うん! どんなどこかしら、楽しみだわ~」
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 21:04:48.12 ID:MepQPX9R0
和 (やっと会議終わった……。今もどれば、教室でみんなとご飯食べれるわね)
ガラガラ
和 (唯たちは……。うん、まだご飯食べてるわ。間に合って良かった)
ワイワイガヤガヤ
和 (それにしても、随分盛り上がってるわね。なんの話してるのかしら)
唯 「あ、和ちゃんおかえり~!」
和 「ただいま、思ったより早く終わったわ」
澪 「お疲れ様、和」
律 「ほらほら、座りんしゃい」
紬 「なんの会議だったの?」
9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 21:08:11.63 ID:MepQPX9R0
和 「たいしたことない内容だったわ。さて、お昼ご飯食べないと」
唯 「おお! 相変わらず和ちゃんのお弁当はおいしそうですな~」
和 「そんなことないわ。それより、さっきからなんの話で盛り上がってるの?」
唯 「実はね! この間とっても素敵なお店見つけたんだ!」
和 「あら、どんなところ?」
唯 「かわいいものとか、面白いものとか、おいしいものとかなんでもあるんだよ!」
和 「へ~。抽象的でわかりにくいけど、行ってみたいわね」
唯 「それでね、明日みんなで行こうって話をしてたんだ! 和ちゃんもきっと気に入ると思うよ~」
和 「そうだといいわ。楽しみね」
和 (ふふ、唯と遊ぶなんてひさしぶりね)
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 21:11:07.45 ID:MepQPX9R0
律 澪 紬 (あれ……?)
律 (軽音部で行こうって話しだったけど、和も誘うのかな)
澪 (まあ和もいてくれたほうが、みんなの世話もみてくれるし助かるな)
紬 (和ちゃんとプライベートで遊ぶの、ひさしぶりだわ~)
唯 「五人で遊ぶの久しぶりだね~。すっごい楽しみだよ!」
律 (ん? 五人ってことは……やっぱり和は入ってないのか?)
澪 (まあ、軽音部だけで遊びたいときもあるしな……)
紬 (あら、残念……)
和 「あら、久しぶりどころか初めてじゃない?」
律 澪 紬 「!?」
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 21:14:54.57 ID:MepQPX9R0
唯 「え~、そんなことないよ~」
和 「いつも学校でも一緒だから、そんな気がしてるんじゃない?」
和 (三年でクラス一緒になってから、ほぼ毎日五人で行動してるし)
唯 「う~ん、そう言われてみればそうかもしれない!」
唯 (部活帰りの寄り道とかって、よく考えたらちゃんとした遊びじゃないかも!)
和 「うふふ」
唯 「あはは」
律 澪 紬 「……」
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 21:18:08.58 ID:MepQPX9R0
律 (これって……唯は和のこと誘ってないつもりなんだろうな)
澪 (天然が故の過ちか……。このままだと、明日和も来ちゃうんじゃないか)
紬 (まあでも……来たらそのまま一緒に遊べばいいわ)
唯 「じゃあ明日は、10時に駅に集合ね!」
律 「りょうか~い! 唯は遅れんなよ~?」
澪 「律もな」
紬 「うふふ」
和 (明日……。とても楽しみだわ)
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 21:21:07.46 ID:MepQPX9R0
――翌日・駅
唯 「じゃじゃ~ん! 平沢唯、ただいま参上!」
律 「お~、唯が待ち合わせの5分前に来るとはな」
梓 「きっと雨でも降るんじゃないんですか」
唯 「ひどい! ひどいよ、あずにゃん!」
澪 「まあ、唯もちゃんと時間に間に合って偉いぞ」
唯 「えへへ、ありがと~。さ、これで全員揃ったことだし行きますか!」
紬 「お~!」
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 21:24:48.99 ID:MepQPX9R0
律 (和は来なかったか。まあ、あのあと唯と帰ったし、ちゃんと話もしたんだろう)
澪 (今日行くところは楽器店とかもあるから、和も退屈だっただろうし)
紬 (思いの行き違いにならなくて良かったわ~)
梓 「あれ? こっちに向かって走ってくる人……和先輩に似てません?」
律 (あれは確かに和だ……)
澪 (めっちゃ笑顔でこっちに向かってきとる)
紬 (なん……だと……)
唯 「むむ……本当だ! あれ和ちゃんだ! すごい偶然だね!」
唯 「お~い和ちゃ~ん!!」
律 澪 紬 (!!?)
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 21:29:09.18 ID:MepQPX9R0
和 「待たせてごめんなさい。……あれ、今日は中野さんもいるの? よろしくね」
梓 「え?あ、はい (あれ? 今日は和先輩も一緒だったのかな)」
律 「あれ? 和、眼鏡は?」
和 「ああ、ちょっと気分転換に今日はコンタクトにしてきたの。変かしら?」
紬 (めっちゃ気合はいっとるがな……)
澪 「と、とっても素敵だよ……」
和 「そう言ってもらえると嬉しいわ。ありがとう、澪!」
律 (ま、満面の笑みやぁ……)
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 21:32:50.76 ID:MepQPX9R0
唯 「和ちゃん、会えて嬉しいよ~! ところで今日はどうしたの!? 」
和 「えっ、どうしたって……。今日、五人で遊ぶ約束したじゃない」
唯 「えぇ~! 違うよ、和ちゃん! 今日は軽音部の五人で遊ぶ約束したんだよ! 和ちゃんは入ってないよ~?」
和 「えっ……」 ビクッ
梓 (あ、やっぱり入ってなかったんだ)
澪 (昨日の感じからして、やっぱり和も来ちゃうんじゃないかとは思ってたけど……)
紬 (唯ちゃんも言葉の選び方を知らないだけなんだろうけど、こんな言い方されるとやっぱりきついわね……)
律 (このまま合流して遊べばいいのに……)
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 21:35:33.11 ID:MepQPX9R0
唯 「あ!よく見たら、 けっこう前に私と買いにいった服だ!」
唯 「まだ忙しくて着る機会が無いってこの間言ってたから、 今日が初披露だね!? すごく可愛いいよぉ!」
和 「あっ……」 ブルブル
紬 (新しい服を着てきたってことは、やっぱり今日ものすごく気合が入ってたのね)
梓 (そしてそれを私たちにも気づかせて、和先輩に精神的ダメージを与える唯先輩)
律 澪 紬 梓 (天然って恐ろしい……)
唯 「今日は軽音部で遊ぶっていう気分なんだよ~」
唯 「それじゃあ、和ちゃん。私たち遊びにいってくるね!」
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 21:39:42.27 ID:MepQPX9R0
律 (ここまできたら、一緒に遊べばいいのに……)
澪 (唯ってもしかして、和のこと嫌いなんだろうか)
紬 (テンションあげてきたぶん、これは和ちゃん辛いわ……)
梓 (和先輩、これはどうでるか……) チラッ
和 「そうなんだ、じゃあ私生徒会行くね」
律 澪 紬 梓 (ええーーーーっ!?)
43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 21:44:17.67 ID:MepQPX9R0
唯 「うん! ばいばーい!!」
律 「和、行っちゃったな……」
澪 「ああ、目に涙ためてたな……」
唯 「変な和ちゃんだったね! それにしても、生徒会って休日もあるなんて大変だね~」
梓 「……」
紬 (これはもう……天然っていうレベルじゃないわね)
唯 「じゃあみんないこっか!」
律 「あ、ああ」
律 澪 紬 梓 (ごめんなさい、和(先輩)……)
45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 21:47:01.47 ID:MepQPX9R0
和 「……」
和 「そっか、今日は軽音部で遊ぶ日だったのね」
和 「私が勝手に勘違いして、唯たちに迷惑かけちゃったわ」
和 「そういえば、はっきりと誘ってくれたわけではないものね」
和 「……」
和 (でも、今日はすごい楽しみだったのに……)
※ ※ ※ ※
――昨晩・和の部屋
和 (うふふ、明日は久しぶりの息抜きか)
49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 21:50:39.04 ID:MepQPX9R0
和 (生徒会長になってからすごく忙しかったし)
和 (最近は受験勉強ばっかだったから、明日はうんと羽をのばそうかしら)
和 「そういえば、三ヶ月くらい前に唯と買いにいった服をまだ着てないわ」
和 「季節ずれてるかもしれないけど……最近まだ暑いし、着れないことないわね」
和 「それに唯が可愛いって言ってくれた服だもの。きっと唯も喜ぶわ」
和 (……ちょっと着てみよう)
――試着完了
和 「なかなかいいけど……う~ん」
和 「お母さーん! ちょっといい? 服を見てもらいたいんだけど」
51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 21:53:14.05 ID:MepQPX9R0
和 「……お母さんも似合うって言ってくれたけど、なんか不安だわ」
和 「あ、眼鏡外してみたらどうかしら」
和 「確かワンデイの買い置きがまだあったはず……」 ガサゴソ
和 「……あった!」
――試着完了
和 「……」
和 (……自分で言うのもなんだけど)
和 「け、けっこうイケてるんじゃないかな……///」
和 「これならきっと……」
54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 21:57:47.05 ID:MepQPX9R0
◇ ◇ ◇ ◇
唯 『眼鏡はずした和ちゃん、すっごく格好いいよ~!』
紬 『服もとってもセンス良いわ~。和ちゃんってこんなに素敵だったのね!』
律 『あちゃ~、さすがの私もイケメンポジションを譲らざるをえないなぁ~』
澪 『ああ、これはもう私のFC潰して和のFC作るしかないな!』
◇ ◇ ◇ ◇
和 「なんて言われちゃったりして……///」
和 「~~~~っ!///」 ゴロゴロ
和 (あ~もう、早く明日にならないかしら!)
※ ※ ※ ※
58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 22:02:33.93 ID:MepQPX9R0
和 「私、すごい浮かれてたのね。ばっかみたい」
和 「みんなさぞ滑稽に思ったことでしょうよ」
和 「新しい服着て、コンタクトなんかにしちゃって」
和 「お前なんかいつも通り制服着て、いつも通りダッサイ眼鏡かけて」
和 「いつも通り、生徒会でも行ってろよ」
和 「ええ、そう思ったことでしょうよ」
和 「浮かれのち、あとからの後悔」
和 「……」
和 (この気持ちを詩にでもしましょう……)
59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 22:05:18.17 ID:MepQPX9R0
和 「遊び誘われ 昨日の私UKIUKI」
和 「うかれすぎてて 頭の中ふわふわ」
和 「いつもめがね かけてるけど」
和 「今日だけは コンタクトなの」
和 「だけどそれも 今となっては」
和 「滑稽でしかないぞよ」
和 「ああ 平沢 お前が 突っ込んでくるほど」
和 「私の 心 えぐられるの」
憂 「和……ちゃん?」
和 「ひゃうっ!?」
61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 22:08:36.33 ID:MepQPX9R0
憂 「やっぱり和ちゃんだ! 眼鏡かけてないからわからなかったよ」
和 「あ……うん」
憂 「今日はコンタクトなの?」
和 「……」
憂 「眼鏡かけてる和ちゃんも知的で素敵だけど」
憂 「コンタクトの和ちゃんもすっごく格好いいね!」
和 「え……」
和 「あ、ありがとう///」
和 (憂って、やっぱりすごい優しい子だわ)
62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 22:12:07.51 ID:MepQPX9R0
憂 「そういえば、さっき何の歌うたってたの?」
和 「あ、あ~……気にしないでちょうだい」
憂 「?」
和 「それより、今日はどうしたの?」
憂 「これから買い物行くところなんだけど……そうだ!」
憂 「良かったら一緒に行かない?」
和 (……すごく嬉しいけど)
和 (今日、これ以上この姿で外にいるのは辛いわ)
65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 22:15:56.09 ID:MepQPX9R0
和 「ごめんなさい、今日はもう家に帰ってやらなきゃいけないことがあるから」
憂 「そっか……。和ちゃん忙しいもんね」
和 「本当にごめんなさいね」
憂 「でも、和ちゃんもたまには息抜きしなきゃ駄目だよ?」
和 「ど、どうしたのよ急に」
憂 「さっきから和ちゃん、元気無い顔してるから……」
和 「!!」
憂 「もしなんかあれば、私に言ってね?」
憂 「なんて、私じゃ頼りにならないか」
憂 「えへへ///」
68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 22:18:48.80 ID:MepQPX9R0
和 「ありがとう、憂。とても優しいのね」
憂 「そ、そんなことないよ///」
和 「なにかあったら、真っ先に憂に相談するわ」
憂 「……うん! 任せてよ!」
和 「ふふ、本当にもう。二人のときは相変わらず昔のまんまね」
和 「他の人がいるときは、だいぶ大人っぽく振舞うようになったのに」
憂 「私だって、和ちゃんみたいな大人の女性になろうと頑張ってるんだよ」
和 「あら、口ばっかうまくなったわね」
69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 22:23:14.60 ID:MepQPX9R0
憂 「もう~、そうやってからかう!」
和 「うふふ」
憂 「えへへ」
和 「本当にありがとう、憂。それじゃあ私そろそろ行くから」
憂 「うん、頑張ってね!」
和 「ええ、それじゃあまた」
憂 「またね!」
憂 (本当に幼い頃からの憧れなんだけどなぁ)
70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 22:26:11.34 ID:MepQPX9R0
――その夜・平沢家
憂 「お姉ちゃーん! ご飯できたよ!」
唯 「はいはーい! 今日のご飯はなんですかな~」
憂 「お姉ちゃんの好きなエビフライだよ!」
唯 「やったー! 私大好きだよー!」
憂 「うふふ。じゃあ食べよっか」
唯 「うん、いっただきまーす!」
憂 「いただきます」
73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 22:30:23.76 ID:MepQPX9R0
唯 「おいひい! おいひいよ~」
憂 「良かったー。……そういえば今日、和ちゃんに会ったよ!」
唯 「あ、私も会ったよ~」
憂 「お姉ちゃんも会ったんだ。今日の和ちゃん、コンタクトにしてて格好良かったね!」
唯 「うんうん、眼鏡かけてない和ちゃんも可愛いよ~」
憂 「そういえば、けっこうお洒落してたけど今日はなにか用事があったのかな?」
唯 「休日なのに、生徒会行くって言ってたよぉ! 生徒会長は、大変だねぇ」
憂 「……生徒会?」
75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 22:33:27.54 ID:MepQPX9R0
唯 「和ちゃんがそう言ってたんだよ! 今朝駅前であったときに――」
唯 「――ということがあったんだよ! 変な和ちゃんだったよ~」
憂 (……うわあ)
憂 (お姉ちゃんに悪気は無かったんだろうけど、和ちゃんも相当ショックだっただろうな)
憂 (だから今日あんな元気無かったんだ……)
唯 「うい~? 聞いてる~?」
憂 「お姉ちゃん!」 バンッ
唯 「ひっ!」ビクッ
唯 「ど、どうしたの憂? いきなりテーブル叩かないでよぅ……」
80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 22:37:25.39 ID:MepQPX9R0
憂 「今日ね、私が和ちゃんに会ったときすごく元気なかったんだ」
憂 「お姉ちゃんが和ちゃんに会ったあとのことだと思うんだけど」
憂 「どうしてかわかる?」
唯 「う、うい~。 ご飯冷めちゃうよ?」
憂 「お姉ちゃん、私は真面目な話をしてるの」
唯 (なんか今日の憂怖いよ~)
憂 「和ちゃん、多分今日すごく楽しみにしてたんだと思う」
憂 「だから服装とかにも気合入ってたんだよ」
83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 22:40:45.28 ID:MepQPX9R0
憂 「お姉ちゃんも今日は軽音部のみんなとの約束だったと思うけど」
憂 「もう少し言い方とかあったんじゃないかな?」
唯 「……うん」
唯 (そういえば、別れ際の和ちゃん、すごく悲しそうだったな)
唯 (今日は軽音部のみんなと遊ぶつもりだったし)
唯 (和ちゃんと遊ぶときは特別だから)
唯 (二人っきりでまた遊ぼうって誘うつもりだったんだけど……)
唯 「わ、わだしが馬鹿なせいで、の、和ぢゃんのこと傷づけちゃっだかなぁ」 ヒックヒック
86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 22:45:30.13 ID:MepQPX9R0
憂 「お、お姉ちゃんは馬鹿じゃないよ」
唯 「で、でも、憂に、怒られる、まで和ぢゃんが傷ついだごど、気づがなかった、し」 ヒックヒック
憂 「ちゃんと気づけたから大丈夫だよ。月曜日、学校でちゃんと和ちゃんに謝ろう?」
唯 「……うん」スン
憂 「ほら、ご飯冷めちゃうから食べよ?」
唯 「憂もごめんね……」
憂 「別に大丈夫だよ。ほら、鼻水出てるよ」
唯 「うう……」ズズ
゛
唯 (月曜日、絶対直接会って和ちゃんに謝ろう……)
87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 22:48:48.05 ID:MepQPX9R0
――月曜日・教室
律 「おい~っす」
澪 「おはよう」
紬 「おはよう、りっちゃん」
律 「唯と……和はまだ来てないか」
澪 「この間のこと、私たちからも和に謝らなくちゃな」
紬 「そうね。唯ちゃんの天然に気圧されてなにも言えなかったけど、すごく悪いことしちゃったわ」
律 「そうだな。そしたら、まず唯に話を……っと噂をすれば来たぞ」
90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 22:51:18.51 ID:MepQPX9R0
唯 「……」 トボトボ
澪 「唯、おはよう」
唯 「あ、うん……」
律 (あからさまに元気ないな。こりゃ私から言う前になんかあったか?)
紬 「唯ちゃん、元気ないけどどうかしたの?」
唯 「……うん。実はこの間のことで憂に怒られて、私もそれでやっと和ちゃんに悪いことしたって気づいたんだ」
澪 (さすが憂ちゃん)
唯 「それで、今日和ちゃんにあったら絶対謝ろうって決めてたんだけど……」
93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 22:54:23.77 ID:MepQPX9R0
※ ※ ※ ※
――今朝・通学路
唯 (今日絶対に和ちゃんに謝るんだ!) フンス!
唯 (あ、前を歩いてるのは……和ちゃん)
唯 (あ、謝るって決めたのに、なかなか勇気でないよ~)
唯 (……ええい! 覚悟を決めろ、平沢唯!)
唯 「の、和ちゃん!」 タタタッ
和 「……」 クルッ
唯 (すっごい無表情……。絶対怒ってるよ~)
唯 (でも、私が悪いんだから謝らなくちゃ!)
94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 22:57:59.94 ID:MepQPX9R0
和 「……」
唯 「和ちゃん、この間は本当にごめんなさい!」
唯 「私馬鹿だから、和ちゃんが傷つくこと平気で言っちゃって」
唯 「本当に、ごめんなさい!」
和 「……」
唯 「……」
和 「そうなんだ、じゃあ私生徒会行くね」
唯 「!?」
※ ※ ※ ※
107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 23:14:02.42 ID:MepQPX9R0
唯 「――ってことがあって……」
律 「それはきついなぁ(朝から生徒会あったのか?)」
澪 「和、そうとう怒ってるな(ちょっと言葉の意味がわからないけど)」
紬 「私たちも、許してもらえるかしら……」
ガララッ!
和 「……」
唯 律 澪 紬 「!!」
信代 「和、おはよう」
和 「おはよう」
110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 23:18:20.20 ID:MepQPX9R0
律 「みんなとは普通に挨拶してるな……」
澪 「ああ……」
紬 「でも、席は唯ちゃんの前よね……」
和 「……」 ストン
姫子 「和、おはよう」
和 「おはよう、姫子」
律 「よし、行くか」
澪 「あ、ああ」
112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 23:23:52.63 ID:MepQPX9R0
紬 「和ちゃん」
和 「……」
澪 「おはよう和。……この間のことなんだけど」
律 「わざとじゃないんだけどさ、本当に和に悪いことしちまったと思ってる」
澪 律 紬 「本当にごめんなさい!」
和 「そうなんだ、じゃあ私生徒会行くね」 ガタッ
澪 律 紬 「!?」
和 「……」 スタスタ
姫子 (和と軽音部、喧嘩でもしたのかな)
姫子 (でもこれからHRなのに、和本当にどっか行っちゃったよ)
116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 23:26:48.34 ID:MepQPX9R0
――それからというものの
律 「和、本当にごめんな?」
和 「そうなんだ、じゃあ私生徒会行くね」
律 「!?」
――和と軽音部のメンバーの
澪 「和、その……良かったら一緒にお昼食べないか?」
和 「そうなんだ、じゃあ私生徒会行くね」
澪 「!?」
121 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 23:30:06.83 ID:MepQPX9R0
――お互いの関係はぎくしゃくしたものとなり
紬 「あ、和ちゃん。シャーペン落としたわよ、はい」
和 「そうなんだ、じゃあ私生徒会行くね」
紬 「!?」
――日に日に距離ができてしまう
唯 「の、和ちゃん。次音楽室に移動だから……一緒に行かない?」
和 「そうなんだ、じゃあ私生徒会行くね」
唯 「!?」
125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 23:33:10.54 ID:MepQPX9R0
――それは時間が解決することなく
純 「梓って、彼氏とかいたことあるの?」
梓 「か、彼氏なんて……」
純 「まあ梓に彼氏がいるなんて、そんなオカルトありえませんか!」
梓 「そ、そういう純こそどうなのよ」
純 「ふふふ、聞きたい!? そう、それは去年のこと……」
和 「そうなんだ、じゃあ私生徒会行くね」
梓 純 「!?」
梓 (いきなり会話に入ってきた……)
純 (私の話、そんなに興味ないんだ……)
126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 23:36:42.27 ID:MepQPX9R0
――そしてとうとう
さわ子 「真鍋さん、次の音楽の準備の手伝いしてもらってもいいかしら?」
和 「そうなんだ、じゃあ私生徒会行くね」
さわ子 「タメ語!?」
和 「そうなんだ、じゃあ私生徒会行くね」
さわ子 「つか手伝ってくれないの!?」
和 「そうなんだ、じゃあ私生徒会行くね」
さわ子 「ていうか次音楽って言ってるじゃな……おーい!」
135 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 23:39:52.43 ID:MepQPX9R0
唯 「……」
律 「……」
澪 「……」
紬 「……」
梓 「……」
和 「……」
――仲直りできないまま、卒業へと近づいていった
137 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 23:43:22.64 ID:MepQPX9R0
――卒業式前夜・平沢家
憂 「お姉ちゃん、とうとう卒業だね」
唯 「うん……。みんなと離れたくないよー」 ズビビ
憂 「もう、今から泣いてたら、明日はどうするの」
唯 「でも~……」
憂 「それに、まだ和ちゃんと仲直りしてないんでしょ?」
唯 「……うん」
唯 「あの日から和ちゃん、私たち軽音部に対しては」
唯 「そうなんだ、じゃあ私生徒会行くね」
唯 「しか言わなくなっちゃったし」
141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 23:46:33.93 ID:MepQPX9R0
唯 「授業中でも本当にそのまま生徒会室行っちゃうし」
唯 「もうどうしたらいいかわかんないよう……」
憂 「お姉ちゃん……」
憂 「お姉ちゃんが困っているように、きっと和ちゃんも困ってるんだよ」
憂 「明日こそきっと、うまくいくはずだよ。ねっ?」ニコッ
唯 「うい~……。ありがとう!」 ダキッ
憂 (抱きついてくるお姉ちゃん……。あったかい)
唯 「でも、本当にどうすればいいのか……」
憂 「お姉ちゃん、私に考えがあるの」
唯 「本当に!?」
144 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 23:50:47.73 ID:MepQPX9R0
憂 「うん、明日卒業式が終わったあとにね……」 コショコショ
唯 「ふむふむ」
憂 「っていうのは、どうかな……?」
唯 「すごいっ! すごいよ憂~! 憂は天才だよ~!」
憂 「えへへっ、ありがとう/// ……うまくいくかはわからないけど」
唯 「ううん、きっとうまくいくよ! さっそく、みんなにもメールするよ!」
憂 「お姉ちゃん、頑張って!」
唯 「憂のお陰で頑張れそうだよ!」
唯 (明日和ちゃんに心から謝って……)
唯 (絶対仲直りするんだ!!)
147 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 23:53:14.47 ID:MepQPX9R0
――そして卒業式が終わった
梓 「みなさん、卒業おめでとうございます!」
唯 「びええーん!!」
律 「こらこら唯、泣きすぎだって」
澪 「そういう律だって……ひっく、泣い、でるじゃ、ないか」
紬 「み、みおぢゃんも……うわああーん!」
さわ子 「もう、軽音部は最後まで手をかけるんだから……」 ウルウル
150 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 23:56:04.46 ID:MepQPX9R0
生徒会役員A 「和先輩、卒業おめでとうございます!」
生徒会役員B 「私、先輩みたいな立派な人になります!」
和 「みんなありがとう、私もあなたたちとやってこれて本当に良かったわ」
和 「……それじゃあ、そろそろ行くから」
和 「……ふぅ」
憂 「和ちゃん!卒業おめでとうございます!」
和 「あら、憂。ありがとう」
憂 「そういえばさっき、曽我部さんという方が……」
和 「あら、会長が……。なにかしら」
151 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/21(土) 23:59:02.98 ID:MepQPX9R0
憂 「私が和ちゃんと仲が良いってことを言ったら、これを渡してほしいって」
和 「手紙……?」
『生徒会室で待ってます』
憂 「それじゃあ私、行くね! あ、それと……」
憂 「和ちゃんが卒業しちゃうのは寂しいけど、私最後に和ちゃんの為になにかできて嬉しかった」
和 「憂ったら……手紙ぐらいで大袈裟ね。でも、ありがとう」
憂 「それじゃあ私はこのあと用事があるから」
和 「そうなんだ、じゃあ私生徒会行くね」
憂 「じゃあね!」 タッタッタ
153 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 00:02:55.56 ID:j6eqQwRj0 [1/13]
和 (それにしても会長が……なにかしら)
和 (なにかサプライズでもやってくれるのかしらね)
和 (それとも澪のFCの会合とか……ふふっ)
和 (澪……。軽音部のみんなと、結局仲直りできなかったな)
和 「……」
和 (もうこの学び舎ともお別れか)
和 (この階段をのぼったら生徒会室……か)
和 (この階段をのぼったら――)
唯 「……和ちゃん」
158 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 00:06:03.92 ID:j6eqQwRj0 [2/13]
和 「!!」
唯 「和ちゃん、卒業おめでとう」
和 「……」
唯 「私たち幼稚園から一緒だったけど、大学は別々だね」
和 「……」
唯 「私、ずっと和ちゃんに迷惑ばっかかけてきたけど……」
唯 「本当に最後の最後まで、迷惑かけちゃったね」
唯 「……ご、ごめんなさい」 ヒックヒック
和 「……」
160 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 00:09:14.08 ID:j6eqQwRj0 [3/13]
唯 「私が悪いのはわかってるんだけど」
唯 「ずっと一緒だったのに、このまま別れるのなんて嫌だから……」
唯 「和ちゃんのこと、大好きだから……」
和 (……唯)
和 (唯がこうやって、あの日から何度も何度も謝ってくれてるのに)
和 (どうして私は素直になれないのかしら)
和 (どうして私の口は……)
和 「そ、そうなんだ、じゃ、じゃあ私生徒会行くね」ウルウル
和 (……こんな言葉を言うのかしら)
163 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 00:12:32.95 ID:j6eqQwRj0 [4/13]
唯 「……和ちゃん、あの日からそれしか言ってくれなくなっちゃったね」
唯 「いつも、本当は生徒会なんてないのに……」
和 「……」
和 (いつもごめんなさいね。でも今日は、本当に呼び出されてるのよ)
唯 「今日だって、生徒会いっても曽我部先輩はいないよ」
和 (……どういうこと?)
唯 「ごめんね、曽我部先輩の名前まで出して、こんなことして……」
唯 「生徒会室で待ってるのは、むぎちゃん、りっちゃん、澪ちゃん、あずにゃん」
唯 「私たち軽音部だよ」
166 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 00:15:38.94 ID:j6eqQwRj0 [5/13]
唯 「憂が……私たちと和ちゃんが仲直りできるように、って考えてくれたんだ」
唯 「正直、曽我部先輩の名前まで出して嘘ついちゃって……」
唯 「また和ちゃんを嫌な気持ちにさせちゃったかもしれないけど」
唯 「みんな、やっぱり和ちゃんに心から謝って、仲直りしたいんだ」
和 「……」
和 (軽音部のみんな……。それに憂ったら……)
和 (あの子本当に……)
169 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 00:18:25.35 ID:j6eqQwRj0 [6/13]
※ ※ ※ ※
和 「こんなこと、相談できるの憂ぐらいしかいなくて……」
憂 「ううん! 全然構わないよ! むしろ本当に真っ先に相談してくれて嬉しいの」
和 「本当は軽音部のみんなと仲直りしたいんだけど、何故か素直になれないの」
和 「何故か軽音部のメンバーと話すと」
和 「そうなんだ、じゃあ私生徒会行くね」
和 「しか言えなくなっちゃうの……」
憂 「……和ちゃんも、仲直りしたいんだよね?」
和 「もちろんよ! 私からも唯たちに謝りたいわ。みんな謝ってくれてるのに、ずっと、こんな態度とったままで……」
172 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 00:21:22.74 ID:j6eqQwRj0 [7/13]
憂 「それなら大丈夫だよ!」
和 「……どうして?」
憂 「だって、軽音部のみなさんも、お姉ちゃんも和ちゃんと仲直りしたがってるから」
憂 「そうしたら、仲直りできないはずがないよね?」 ニコッ
和 「……そうね。でも、また唯たちが話しかけてきても、きっと……」
憂 「例の特異体質で、きっかけを逃しちゃうかもって?」
和 「(特異体質!?) ……それなのよ」
憂 「……うーん」
174 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 00:24:06.16 ID:j6eqQwRj0 [8/13]
憂 「……うん! 大丈夫、私に任せて!」
和 「大丈夫なの?」
憂 「私がなんとか、軽音部のみなさんと和ちゃんを仲直りに導いてみせるよ」
和 「……そこまで気負わなくていいのよ」
憂 「ううん! だって……」
憂 「私の大好きなお姉ちゃんたちと」
憂 「同じくらい大好きな和ちゃんが、このまま離れちゃうなんて嫌だから……」 ポロッ
和 「憂……。ありがとう」
※ ※ ※ ※
175 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 00:27:53.95 ID:j6eqQwRj0 [9/13]
和 (まさかこんな計画を立てていたとはね)
和 (憂も、唯も、律も、澪も、むぎも、中野さんも……)
和 (みんなこんなに私のことを思ってくれてる)
和 (あの日のことは本当に辛かったけれど)
和 (それでも、ここまで私のことを思ってくれてる人たちはいるだろうか)
和 (唯……)
唯 「和ちゃん」
和 「……」
和 (……やっぱり他の言葉が出ないわ)
唯 「和ちゃん、あのね」
180 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 00:31:32.01 ID:j6eqQwRj0 [10/13]
唯 「もし私たちと仲直りしてもらえるなら」
唯 「私たち生徒会室で待ってるから」
唯 「そしたらそこで和ちゃんに心から謝るからぁ……」 ヒックヒック
唯 「いっぱい、いっぱい謝るからぁ……」 ヒックヒック
唯 「で、でも、私たちのこともし許せないなら」 グスッ
唯 「このまま帰っても構わないから……」
唯 「でも、私和ちゃんのこと大好きだから……」
唯 「うええーーーーん!」
和 (……唯)
183 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 00:34:32.83 ID:j6eqQwRj0 [11/13]
和 (こんなにも、唯は私のことを好きでいてくれている)
和 (軽音部のみんなもそう)
和 (彼女らはこんなに素直な気持ちを出してくれているのに)
和 (私だけ意地を張ってばっかし……)
和 (……格好悪い女ね)
和 (――でも)
唯 「和ちゃん……。本当に和ちゃんの、好きにしていいから」
唯 「もし私たちとまた仲良くしてもらえるなら、生徒会に……」
186 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 00:35:46.35 ID:j6eqQwRj0 [12/13]
和 (あの日以来、そう、今ですら)
和 (どうしても、あれ以外の言葉は出てこないけど)
和 (でも、やっと心から言える)
和 (最後に私が選ぶのは――)
和 「そうなんだ、じゃあ私生徒会行くね」ニコッ
いちご<……おわり
193 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 00:39:46.50 ID:qDp1qp2c0 [2/2]
和 「そうなんだ、じゃあ私生徒会室行くね」
のがわかりやすかったな
196 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/22(日) 00:44:37.41 ID:j6eqQwRj0 [13/13]
ここまで付き合ってくれてありがとうございました
途中からオチが読めちゃう感じの上、>>193の指摘どおりのこともあるし
ちょっと微妙な話だけど、読んでくれてうれしい
じゃあ俺、生徒会行くね
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コメント
No title
こんなオチも微笑ましくていいと思う
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