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梓「あれ……制服がキツい……?」別人ver

梓「あれ……制服がキツい……?」
より分岐

356 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 20:34:48.45 ID:vtTzdeVVO [3/20]
梓「チョコ……」

梓「メイジの板チョコミルク味……」

梓「ふふ、別にいいよね。普段はオヤツの時間に四枚食べてるんだし」

梓「うふふふ……ひひ……チョコ……」

梓「いただきます」パクッ


『なにしてるのかしら、梓ちゃん?』

390 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 21:34:40.63 ID:vtTzdeVVO [6/20]
『梓ちゃん。私は梓ちゃんが痩せるためなら自分の時間も惜しまないつもりだったのよ』


梓「ど、どこにいるんですかムギ先輩!?」

『私がどこにいるかは問題じゃないの』

『今問題になっているのは梓ちゃんがダイエット中にも関わらず、板チョコ(約400カロリー)を食べようとしたことよ』

梓「沢庵一枚なんかで私が耐えられると思ってるんですか!?」

『梓ちゃん。なんならこのまま梓ちゃんをどこかの島に連れていって放置してもいいのよ?』

梓「そ、それは……」

392 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 21:41:41.77 ID:vtTzdeVVO [7/20]
紬『だいたい今の梓ちゃんなんて養豚場にいたってなんら問題のない体型しているんだから』

紬『これだけ優遇してるんだから感謝して』

梓「すみません」グスッ

紬『わかればいいの』

紬『今後またこのようなことがあったら梓ちゃんに強制的に浣腸ダイエットをさせるから』

梓「は、はい」

紬『じゃあ10分後にもう一度さっきの部屋に来て』

梓「え?」

紬『いいから』

梓「わかりました」

紬『じゃあまた後でね』

393 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 21:52:22.37 ID:vtTzdeVVO [8/20]
――10分後

梓「む、ムギ先輩」

紬「うん、きっかり10分ね。じゃあそこの席に座って」

梓「はい」

斎藤「紬お嬢様、では私はこれで」

紬「ご苦労様」

梓(もしかして、律先輩がいつかムギ先輩の家に電話かけたときに出た執事さんかな?)テクテク

斎藤「いえ。……おっとっと」ヨロヨロ

梓「だ、大丈夫ですか?」

斎藤「お気になさらず。ちょっと屋敷が揺れたみたいですな」

梓「え?」

紬「だって梓ちゃん」

梓(……私が歩いたからムギ先輩の屋敷が揺れたって言いたいの!?)

398 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 22:00:39.78 ID:vtTzdeVVO [9/20]
紬「とりあえず席着いて」

梓「あの、何するんですか?」

紬「ご飯よ」

梓「ご、ご飯を食べさせてもらえるんですか?」

紬「うん。さすがにちょっと目を離したぐらいで、すぐにチョコ食べるようだと心配だから」

梓「すみません」ショボン

紬「とりあえず今日はそのご飯を食べたら二時間は起きてるのよ?」

梓「は、はい。わかりました! それでご飯は!?」

紬(さっそくご飯に食いついたわね)

403 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 22:08:19.00 ID:vtTzdeVVO [11/20]
紬「とりあえずこんな感じね」

梓「ご飯、お味噌汁、野菜サラダ、冷シャブ……一つ一つが妙に少ないですね」

紬「女の子が食べる分には普通よ」

梓「…………はい」

梓(す、少ない。さっきの沢庵一枚に比べたらマシだけど全然足りないよ~)

紬「文句ある?あるなら全部下げてもらうわ」

梓「ないです!ないです!」パクパク

紬「きちんと噛んで食べる!」ドンッ

梓「はいです!」

404 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 22:14:09.42 ID:vtTzdeVVO [12/20]
梓「ご馳走様でした」ペコリ

紬「お口にはあった?」

梓「すごくおいしかったです」

梓(ただ少なすぎるよー。味はそんなに気合い入れなくていいから量がもっと欲しいよ~)

紬「じゃあ、梓ちゃん。腹ごなしにそこにある鏡を全部梓ちゃんの部屋にもってて」

梓「あの量全部ですか!?」

紬「ええ」

梓「いったいなんのために!?」

紬「その鏡を梓ちゃんの部屋に全部並べるの」

紬「醜い姿を常に見られるようにして、ダイエットの意識向上を目指すの」

梓(うわあ)

406 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 22:24:34.42 ID:vtTzdeVVO [13/20]
梓「はあはあ……ぅ……ぁあ………はあはあ……」

紬「梓ちゃん。少し汗かきすぎじゃない?」

梓「わ、私はムギ先輩と……ぅ……はあ……違って……怪力じゃ……はあはあ……ないんです」

紬「鏡運んだだけじゃない」

梓「部屋を往復しました!」

紬「ニケタにも達していないんだけど」

梓「はあはあ……もういいです。疲れたんで私は寝ます!」

紬「ダメよ! 食後すぐ眠ると太るから!」

梓「はあい」

紬(実際には食後にすぐ寝ても太らないけど)

紬「……?」クンクン

梓「なんで私の臭いを嗅ぐんですか?」


407 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 22:33:33.02 ID:vtTzdeVVO [14/20]
紬「その、言いづらいんだけど言っていいかしら?」

梓「どうぞ」

紬「牛乳を拭いてそのまま一ヶ月くらい放置して発酵した雑巾みたいな臭いがするわ」

梓「……私からですか?」

紬「梓ちゃん以外にいるわけないじゃない」

梓「お風呂貸してください」

紬「喜んで。それとお風呂ではきちんとお湯に浸かって柔軟運動してね。」

梓「ありがとうございます」

紬「明日も早いから。あと一時間したら寝てね」

梓「はい。おやすみなさい」

紬「おやすみなさい」

409 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 22:43:51.70 ID:vtTzdeVVO [15/20]
梓「ああ、やっぱりお風呂は落ち着くなあ」

梓「さて、柔軟運動もしよ」

梓「前屈するう……ぅうーうぅ……」ニクニク

梓「お、お腹のお肉がつっかえて身体が前に倒れない」

梓「ぅうーうぅー……うー!」ニクニク

梓「っはあ……ダメだ。今の私に前屈は無理だね」

梓「明日きちんとランニングできるように、今日はもうお風呂出よ」

413 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 23:01:52.10 ID:vtTzdeVVO [16/20]
次の日!

紬「じゃ、梓ちゃんランニング頑張って」

梓「先輩無理です」

紬「なにを言ってるの梓ちゃん。昨日から始めて今日でもうダメなんて」

梓「だって足がすでにガクガクするんですもん」

紬「どれどれ」

紬「……たしかに仕事疲れのOLみたいな足してるわね」

梓「だから無理です」

紬「じゃあ一時間しっかり歩いてきて」

梓「歩くだけでいいんですか?」

紬「いいえ。この鉄アレイを両手にもって歩きなさい」

梓「ええ!?」

紬「いいから歩く!」

梓「はあい」

415 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 23:10:16.65 ID:vtTzdeVVO [17/20]
梓「ういっちに、ういっちに」

梓「朝日が眩しいなあ」

梓「歩くのならなんとかやれそう」

梓「鉄アレがちょっと重いけど」

梓「ういっちに、ういっちに」

梓「……あれ? 誰か人が倒れてる!?」タタタタ

梓「だ、大丈夫ですか!?」


「ぅうーん」

梓「どうしたんですか!? しっかりしてください!」

「あ、あれ、ここは?」

梓「よかった」(……なんだろ、この人。私の声にすごく似てる……)

420 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 23:19:26.92 ID:vtTzdeVVO [18/20]
梓「あの、立てますか?」

「なんとか……」

梓「どうしてこんなとこで倒れてたんですか?」

「私、見てのとおり太ってますよね?」

梓「ええ」(いや、私も人のこと言えないけど)

「それで、仕事の関係で事務所から痩せろって言われたんです。だから朝から走ってたんです」

「でも途中で目眩がして気を失っちゃったみたい」

梓「事務所……」

「ああ、私声優やってるんです」

梓「へえ」(声優が痩せろなんて言われるんだ……)

425 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 23:29:14.56 ID:vtTzdeVVO [19/20]
「もしかしてあなたも?」

梓「まあ、はい。そうです」

梓「ちょっと最近あることがきっかけで暴飲暴食してたらこんな体型に」

「あらま。ご愁傷様」

梓「あ、でも私今はこんなんですがもとはスレンダーバディだったんですよ」

「羨ましいなあ。私は高校時代が一番太ってたから……って高校生だよね?」

梓「はい」(初めて初対面の人に制服姿じゃない状態で高校生扱いされた!)

「まあ、お互いがんばろ」

梓「はい」

「じゃあねー」

梓「さようならー」



梓(今の人、背は低かったのに胸は出かかったな……)

梓(私は…………)

梓「…………歩こう」

429 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/18(水) 23:38:33.69 ID:vtTzdeVVO [20/20]
梓「はあはあ……なんとか歩き……きった」タプンタプン←※お腹の肉の音です

紬「おかえ……梓ちゃん」

梓「はい」

紬「すごく生臭いわ」

梓「お風呂入ります」

紬「身体洗ってから入ってね」

477 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 10:54:48.37 ID:YhKU0ALYO [7/103]
梓「今あがりました」

紬「じゃあ朝ご飯ね」

梓(いったいなにを食べさせてもらえるんだろ?)

紬「はい、ヨーグルトにフルーツを混ぜたものよ」

梓「おお! 意外と普通だ」

紬「……なにを想像してたの?」

梓「いえ特になにかを想像していたってわけじゃないんですけど」

紬「それと牛乳もね。ヨーグルトや納豆みたいに胃の動きを活発にするものを食べるの」

紬「そしてなるべく胃の中のものを出す」


478 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 10:59:29.42 ID:YhKU0ALYO [8/103]
梓「それっぽいですね」

紬「梓ちゃん。本気で痩せたいんなら徹底的にやらなきゃダメよ」

梓「は、はい」

紬「さあ、さっさと食べたら学校に行くわよ」

梓「ちょっと早くないですか?」

紬「汗をかかないようにゆっくり歩くためよ」

梓「……はぁ、そうですか」

紬(この娘。自分の体臭をわかってないみたいね)

紬(たぶん今の状態じゃ学校に行くまでにも大量の汗をかく可能性が高い)

梓「むしゃむしゃ。うん、うまい」

梓「おかわり!」

紬「ないわよ」

梓「ちぇー」ペロペロ

紬「食器をなめないの!」

480 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 11:07:37.70 ID:YhKU0ALYO [9/103]
登校中!

澪「知ってる?昨日から梓はムギの家でダイエットしてるんだって」

律「ふうん。ダイエットね」

律(あんなけデブってて痩せられるのか?痩せてもらわなきゃ困るけど)

澪「梓のダイエット、成功するといいよな」

律「まあデブは甘えだからな。ムギが梓を甘やかさなければ成功すんじゃない?」

梓「せんぱーい!」ドスドス

澪「噂をしたらなんとやらだな」

482 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 11:15:16.34 ID:YhKU0ALYO [10/103]
梓「はあはあ……澪先輩、律、先輩……はあはあ……おはよう、ございます……」コフコフー

律(なあ、澪)

澪(なんだよ?)

律(なんか梓から異様な臭いがするんだけど、気のせい?)

澪(い、言われてみればすごい臭い)

梓「どうしました?」

律「い、いや、養豚場から逃げ出した豚みたいな、ふがっ」

澪(バカ、なに言ってんだ!?)

律(だって実際すごい臭いじゃん!)

483 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 11:23:27.57 ID:YhKU0ALYO [11/103]
梓「どうしました?」

澪「な、なんでもない!なんでもないんだ、あはは」

律「気にしなくていいぞ」

紬「ちょっと梓ちゃん!」

梓「あ、ムギ先輩」

律「おっす、ムギ」

澪「おはよう」

紬「ああ、おはよう……じゃなくて梓ちゃん!」

梓「なんですか?」

紬「なんで私より先に家を出たの?」

梓「ちょっとランニングがしたくなって……」

紬「へえ。あれほど私が走るなって言ったのに?」

梓「し、思春期の女子高生には突然走りたくなるときがあるんです!」

484 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 11:29:33.93 ID:YhKU0ALYO [12/103]
紬「わかったわ。わかったから学校に着いたらすぐにこの制服に着替えて」

梓「なんでですか?」

紬「いいから!」

梓「は、はい」

澪(たぶん、臭いのことを言ってるんだろうな)

律(うん。つうかムギは梓のために梓用の制服を用意したのか)

澪(たぶん。ムギならそれくらいやるだろ)

485 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 11:35:27.29 ID:YhKU0ALYO [13/103]
お昼休み!


梓「やったー!ついにお昼休みだよ!」

純「嬉しそうだね梓」

梓「だって昨日までは朝から牛丼だったのに今日はヨーグルトだけだよ?」

憂「……そうだね」

純「それで梓のお昼ご飯はなに?」

梓「ムギ先輩が用意してくれたお弁当」

純「ちょっと小さい気もするけど中身はいたって普通だね。肉がないし、野菜が中心みたいだけど」

梓「……と、これら」

ドサドサドサ

憂「え?」

純「なにこの量!?」

487 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 11:44:12.97 ID:YhKU0ALYO [14/103]
梓「いやーだって足りないからさ」

純「牛肉弁当、冷し中華、から揚げ弁当、おにぎりシーチキンマヨ、昆布、しぐれ」

憂「それからスティック式のチーズケーキ、メロンパン、イチゴタルト、さらにとどめにポカリスエット」

梓「おいしそうでしょ?」

純「梓、ダイエット中だよね?」

梓「うん、そうだよ」モグモグ

憂「梓ちゃんこれは食べ過ぎなんじゃないの?」

梓「だって今日も朝から走りっぱなしだったんだよ!」

489 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 11:51:19.06 ID:YhKU0ALYO [15/103]
梓「一時間も走ったんだからこれくらいは当然」パクパク

純(これが噂に聞くデブループ!)

憂(運動する→安心する→食べる→もう動けない→運動する→食べる(以下ループ))

梓「だいたい食べなきゃ運動できないしね」

憂「それはそうだけど限度があるんじゃ……」

梓「これでも量は普段より少ないから大丈夫だよ」パクパク ゴクゴク

梓「ムギ先輩を撒いてコンビニに買いに行くの大変だったんだから」ゴクゴク

純「威張ることじゃないでしょ。ていうかポカリで流しこまないほうがいいよ」

梓「昼休みの間に食べちゃいたいからさ」モグモグ

憂(デブはやっぱりデブなんだね)

491 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 11:58:17.59 ID:YhKU0ALYO [16/103]
部活!

唯「ねえムギちゃん」

紬「なあに唯ちゃん?」

唯「まだあずにゃんが来てないから言っておこうかなって思って」

唯「今日、あずにゃんのケーキどうするの?」

紬「…………」

律「…………」

澪「…………」

澪(これはたしかに重要な問題だ)

紬(唯ちゃんがそこに気づくとは……!)


493 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 12:05:07.66 ID:YhKU0ALYO [17/103]
唯「あずにゃんがケーキ食べないんなら私が食べたいなあって」

律「そっちかい!」

唯「えへへへ」

澪「どうするムギ?」

紬「梓ちゃんにケーキを食べるかどうか聞きましょ」

律「ダイエット中だから普通は食べないよな?

澪「梓だって自分が太っているって自覚があるはずだから、大丈夫だ」

紬「だといいんだけど」


495 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 12:16:49.45 ID:YhKU0ALYO [18/103]
律「ていうか忘れてたけどそもそも梓って今日部活来るのか?」

唯「そうだよ! あずにゃん来てくれるのかな?」

紬「それについては一応、私からみんなのフォローしといたから」

律「ていうか朝から思いっきりしゃべってたしな」

澪「律がまたひどいことを言いかけたけどな」

律「ははは、だってなあ……」

499 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 12:44:43.51 ID:YhKU0ALYO [20/103]
澪「なあ、とりあえずは先に練習することにしないか?」

唯「えー、ケーキ食べたいよー」

紬「唯ちゃん我慢して」

律「まあそうすればとりあえずはケーキから話題は離れるな」

唯「そっか、そうだね。カワイイ後輩のためだもんね」

律(かわいくねえし)


梓「こんにちはー」

紬(来た!)

501 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 12:52:46.22 ID:YhKU0ALYO [21/103]
唯「さ、さあ練習しようかな!」

紬「たまには、ね。練習から始めるのも悪くないわよね」

澪「そうだぞ。私たちは軽音部なんだからな」

律「よーし、練習……」

梓「みなさんお茶にしましょう!」

紬「梓ちゃん?なんていったのかしら?」

梓「お茶にしましょうって言いましたけど?」



502 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 12:59:52.11 ID:YhKU0ALYO [22/103]
澪「いや、お茶の前に練習を……」

紬「そうそう。私たちは軽音部なのよ?」

梓「なにをみなさん血迷ったこと言ってるんですか」

梓「私たち放課後ティータイムがティータイムしなくてなにが放課後ティータイムですか!」

唯「あずにゃんカッコイイ!あずにゃんの言うとおりだよ」

律『バカ!なに言ってんだ!』

唯「あっ……」

梓「さあさあ、なんなら私がお茶入れるんで」

澪「……そうだな」

504 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 13:07:16.16 ID:YhKU0ALYO [23/103]
紬「梓ちゃん、お茶はいいわ。私がやるから」

梓「あ、じゃあ私がケーキ出しますね」

紬「そ、そういえば今日ケーキ忘れてしまったような気がするわ」

梓「なに言ってるんですかムギ先輩。ケーキなら副かばんに入れてたじゃないですか」

紬「そ、そうだったかしら」

澪(目敏い)

律(デブは食べ物に関しては敏感ないんだよ)

唯「で、あずにゃんはケーキ食べるの?」

梓「え?」

562 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 15:45:53.81 ID:YhKU0ALYO [35/103]
梓「いや、食べますよ。何言ってるんですか?」

律「……お前養豚場にぶちこむ、ふがっ!」

澪(律さすがにそれは言い過ぎだ。ちょっと黙れ)

律(だけどコイツ豚みたいな体型してんたぞ!普通にスーパーで売られててもわかんねえよ!)

唯「あずにゃんはダイエット中だよ?ダイエット中の人がケーキはダメなんじゃないの?」

梓「たかがケーキ一切れですよ?問題ないですよ。ね、ムギ先輩」

紬「……」


567 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 15:54:37.82 ID:YhKU0ALYO [36/103]
紬「梓ちゃん今すぐ私の家に帰りましょ」

梓「まだケーキ食べてないですよ」

グウゥゥ

律「なにこの豚の鳴き声みたいな音」

梓「私のお腹が空腹のあまり鳴ったんです」

紬「しらないわよ」

梓「ちょ、ちょっと手を引っ張らないでください!」

紬「いいから帰るの!」

梓「まだケーキを食べてませーん」

律「ムギー、ケーキは食べていいよな?」

紬「私と梓ちゃんの分も食べておいてー」

梓「いやだああああああああ」ジタバタ

バタン

唯「ムギちゃんの顔すごい怖かったよ」

律「そんなことよりケーキ食べようぜ」

571 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 16:04:49.97 ID:YhKU0ALYO [37/103]
梓「あの、はあはあ……ムギ先輩……速いです……はあ……手を、引っ張ら、な、いでくださいっ」コフーコフー

紬「速くないからさっさと家に来る!」

梓「ケーキ食べたいですよー」

紬「梓ちゃん」ピタッ

梓「急に立ち止まってなんですか」

紬「ちょっとここで二人で突っ立てましょ」

梓「な、なんですか」

紬「口答えしない。それより通行人に注目してて」

梓「……はいはい」

ウハッデブダ゙!
ブタガナンデコンナトコニインダヨ?
スモウレスラーガイルゾ!
ママーアノ、タクアンカッテー
ミチャイケマセン!

梓「…………」

574 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 16:10:24.00 ID:YhKU0ALYO [38/103]
紬「梓ちゃん、夏祭以来会わなかったわよね?」

梓「……はい」

紬「それって梓ちゃんがお菓子やご飯を食べてばっかで引きこもってたからじゃない?」

梓「そうかもしれません」

紬「肥満が肥満のままなのはね、自分を見ようとしないのよ」

紬「無意識に人の目線や自分から逃げようとするのよ」

梓「……はい」

紬「本当はトンちゃんだけが原因ってわけじゃないんじゃないかしら?」

梓「……え?」

紬「梓ちゃんって昔から時々暴食してたんじゃない?」

梓「そ、それは……」

576 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 16:16:59.77 ID:YhKU0ALYO [39/103]
紬「唯ちゃん経由で聞いたんだけどね。梓ちゃんが憂ちゃんの家に泊まったときのこと」

紬「だされたご飯以外だけじゃなく、ドーナツまで平らげたそうね」

梓「そういえばそんなことがあった気がします」

紬「もとから梓ちゃんは食べるときは極端に食べるタイプだと思うの」

紬「梓ちゃんってすごく真面目だし」

梓「まあたしかに私は真面目ですね」

紬「それでトンちゃんのことで、ついに今までは調節できていた食事の量が狂った」

梓「そうですね、そうなのかも」

紬「梓ちゃん」ポン

梓「ムギ先輩……」

紬「だからってダイエット中にコンビニ弁当を食い尽くすのはダメよね?」

梓「!!」

579 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 16:24:58.45 ID:YhKU0ALYO [40/103]
梓「な、な、なな何で知ってるんですか!?」

紬「あのね梓ちゃん。牛肉やから揚げを食べたあとってどうしても臭いが残るでしょ?」

梓「私としたことが迂闊でした」

紬「本当に迂闊だったのはダイエット中に余計なものまで食べること」

梓「だって我慢できませんもん」

紬「じゃあ一生その体型でいる? さっきみたいに道行く人に肥満だって馬鹿にされたまんまでいるの?」

梓「それはいやです」

紬「でしょう?」

梓「うぅ……でも……」

紬「なに?」

梓「なんでもないです!」

紬「わかったならよろしい。さあ帰ろー」

584 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 16:34:34.08 ID:YhKU0ALYO [41/103]
紬「さて梓ちゃん」

紬「さっそく帰ってきたところでなんだけど、走るわよ」

梓「え?もうですか?」

紬「当たり前でしょ。時間は無駄にはできないわ。さあまずは準備運動30分!」

梓「準備運動で30分も?」

紬「梓ちゃん、昨日も今朝もストレッチさぼってたでしょ」

梓「いや、さぼってたわけでは……。ただ疲れちゃって忘れてただけです」

紬「言い訳は聞きたくないわ。ちなみにこれから梓ちゃんがやるのはLSDっていうものなの」

梓「LSD?」


587 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 16:42:53.32 ID:YhKU0ALYO [43/103]

紬「LSD。ようは長い距離をゆっくり走ることよ」

紬「ダイエット中ならこれを基本にするといいわ。今の梓ちゃんは体力がまるでないから」

梓「でもゆっくり走るってどれくらいのスピードで走るんですか?」

紬「まあしゃべりながら走れるくらいのスピードかしら?」

紬「距離は最初は30分くらいでいいわ」

梓「ストレッチはなんのため?」

紬「今の梓ちゃんの足だと絶対に足の裏や腿の裏が痛くなって走れなくなるから」

紬「きちんと準備運動と整理運動はしておかないと」

梓「なるほど」

589 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 16:49:30.89 ID:YhKU0ALYO [44/103]
紬「それから食事はできる限り早くとる。理想は7時」

梓「それは部活があるから無理なんじゃ」

紬「だから遅くても8時までに食事は済ませること」

梓「8時……」

紬「夜食とか有り得ないから」

梓「はい」

紬「とりあえず話はここまで。続きは走ってから教えるわ。さあ走りに行くわよ」

梓「はあい」


591 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 16:56:59.28 ID:YhKU0ALYO [45/103]
梓「ぅうーうーうー」

紬「梓ちゃん、身体固いわね」

梓「肉が邪魔で前屈できないんです」

紬「そのお腹のお肉を含めて言ってるの。梓ちゃん、背中を反らしてみて」

梓「は、ぁあぃ」グイー

紬「はい、もう一回前屈」

梓「すぅーは~。あっ、さっきより指が奥までつく!」

紬「前屈をするときは背中を反らす運動と一緒にするといいわ」

梓「ところでムギ先輩。さっき言ってたLSDってなんの略ですか?」

紬「Long Slow Distanceよ。そのまんまの意味」

梓「へえ。なるほど」

紬「よしそれじゃあ頑張って走りましょ」

梓「はい!」

594 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 17:04:16.82 ID:YhKU0ALYO [46/103]
紬「ねえ、梓ちゃん……」テクテク

梓「なんです?」テクテク

紬「どうして梓ちゃんは走らないの?」テクテク

梓「だってしゃべりながら走れるペースでいいって言ったじゃないですか」テクテク

紬「これは走ってるんじゃなくて歩いてるんじゃない!」

梓「私にはこれくらいがちょうどいいんです!」

紬「これじゃウォーキングじゃない」

梓「ウォーキングだって立派なダイエットですよ!」

紬「もちろん有酸素運動のひとつであるウォーキングは悪くないわ」

紬「でもまずこのランニングは梓ちゃんのその腐りきったデブ根性を叩き直すためでもあるのよ!」

梓「で、デブ根性……」

紬「加藤○みたいなのと今の梓ちゃんは大して違いないわよ」

梓「そ、そこまで……!」

595 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 17:11:45.58 ID:YhKU0ALYO [47/103]
紬「ほらもうちょっとペースアップ。最終的には一時間ノンストップで走れるようにしたいから」

梓「そ、そんなに?」

紬「さらに言うなら10キロの距離を一時間二十五分にしたいわ」

梓「こ、細かい」

紬「道のりは長いわ。さあ走る走る」

梓「はあい」タ、タ、タ

紬「あら?あそこに人が倒れてない?」

梓「あ、あの人は……」

597 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 17:17:48.06 ID:YhKU0ALYO [48/103]
紬「あのー、大丈夫ですか?」

「う、うーん……」

梓「やっぱりあの人だ」

紬「お知り合い?」

梓「今朝たまたま倒れてるこの人を発見したんです。今みたいに」

「あれ、ここは?」

梓「大丈夫ですか?」

「わわっ、朝会った人!?」

梓「はいそうです」

紬(この二人の声すごく似てるわね。背が低いところや太ってるとこまでそっくり……)ジー

「なんですか?」ボイン

紬「……いいえ、胸のサイズが全然違ったわ」

梓「はい?」

599 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 17:23:21.65 ID:YhKU0ALYO [49/103]
梓「ていうかどうしてまた倒れてるんですか?」

「なんでだろ。気づいたら倒れてた」

紬「病院行ったほうがいいのでは?」

「かなあ?最近、周りやネットでデブデブ言われてるから心労がたまってんのかも」

梓「それは……大変ですね。やっぱり病院行ったほうがいいんじゃないですか?」

「整体には行ったんだけどね」

梓「いや、内科のほうに行きましょうよ」

「整体の先生にね、最近肥えたねーって言われたのもダメージでかかったかも」

梓「……はあ」

「ネットでの私のあだ名、デブにゃんだよ。やめてほしいよね」

梓「で、デブにゃん?」

紬「デブにゃん」ジー

梓「私を見ないでください」

600 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 17:30:20.35 ID:YhKU0ALYO [50/103]
「だから最近は食べ合わせダイエットやバナナダイエットや炭水化物抜きダイエットやら、色々ためしてるんだけどね……」

梓「大変ですね」

「事務所にもファンにも責っ付かれてもうね……」

紬「事務所……?なにをしていらっしゃるんですか?」

「うん?声優だよ」

紬「声優?」

「うん、色々なキャラクターに声をあてる仕事」

紬「おい鬼太郎!みたいな?」

「まあそんな感じ……っと、もうそろそろ時間だな、またねっ」タ、タ、タ……テクテク


紬(走り出して10秒で歩き始めた)

梓「ムギ先輩?」

紬「あ、ごめんなさい。走るの続けましょっか」

梓「はぁい」

603 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 17:40:33.00 ID:YhKU0ALYO [51/103]
梓「っはあ……はあはあ……はあはあ……おえぇ」

紬「梓ちゃん。なんで吐きそうになってるの?昨日よりだいぶ楽だと思うけど」

梓「はあはあ……昼に……食べたのが……おえぇ……出そうでぇ」

紬「吐くならトイレね」

梓「いえ……大丈夫です……ぉえ」

紬「さあ、このあとは筋トレと踏み台昇降やるわよ」

梓「ぐふ……」

紬「あ、その前に少し歩いて整理運動しなきゃね」

梓「はあはあ……」

604 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 17:45:31.95 ID:YhKU0ALYO [52/103]
梓「ぁ……それ……気持ちいいです」

紬「これがいいの?」プラン プラン

梓「はぁ……落ち着く……」

紬「よいしょっ」 グイイ

梓「あぎぃっ……ぁんっ……痛い痛い、痛いですー!」

紬「あ、ごめんなさい」

梓「も、もっと優しくしてください」

紬「整理運動も以外と疲れるわね……やっぱり自分でして」

梓「ええ? もうちょっとだけでいいからお願いしますよぉ」

紬「仕方ないわね、ふんっ!」

梓「いたいたいたいたいたいたいたい」

606 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 17:53:02.86 ID:YhKU0ALYO [53/103]
梓「ところでムギ先輩」

紬「なあに梓ちゃん後輩」

梓「踏み台昇降ってなんですか?」

紬「まずは厚さ15センチくらいの踏み台を用意します。台の大きさは人によりけりだけど」

梓「それで、どうするんですか?」

紬「乗ったり降りたりするの」

梓「それだけ?」

紬「それだけ」

梓「そんなので効果あるんですか?」

紬「たしかに体重には影響しにくいけど、体格には効果がけっこうあるわ」

梓「具体的に言うと?」

紬「お尻が小さくなったり、腰にくびれができたりするわ」

梓「わかりました頑張ります!」

607 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 17:59:10.87 ID:YhKU0ALYO [54/103]
梓「はあはあ……意外と、キツイですね」

紬「梓ちゃん、そんなに速く昇り降りしなくていいのよ」

梓「そ、そう……なんですか……はあはあ」

紬「……水飲む?」

梓「はあはあ……ポカリとかアクエリアスとかないんですか?」

紬「ダメよ」

梓「スポーツにはアクエリアスかポカリでしょう!?」

紬「コーラよりカロリーの高いものを飲ませれるわけないでしょ」

梓「え!?ポカリのほうがコーラよりカロリー高いんですか?」

紬「やっぱり知らなかったのね」

609 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 18:03:05.85 ID:YhKU0ALYO [55/103]
紬「それから踏み台昇降をするときは時間がごとに最初に乗せる足を変えるといいわ」

梓「なんでですか?」

紬「片方の足ばかり使ってたら片方だけ太くなるじゃない?」

梓「それはいやですね」

紬「それから踏み台を昇り降りするときに身体を左右に捻るとより効果があるわ」

梓「勉強になります!」

紬「ふふ、頑張って。頑張ったら今日は」

梓「今日は?」

紬「ハンバーグだから」

梓「ふんふんふんふん!」

紬「だからそんなに急いでやらなくていいから」

615 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 18:12:03.54 ID:YhKU0ALYO [56/103]
紬「続いては筋トレなんだけど……」

梓「わ、私にできますかね?」

紬「……やるの!」

梓「はい。じゃあまずは腹筋から」

紬「じゃあ私が梓ちゃんの足押さえてるから」

梓「んんーーーんっ……はあはあ……む、無理です」

紬「……やっぱりできないのね」

梓「どうしましょう?」

紬「じゃあ梓ちゃんこれをやりましょう。まずは身体を仰向けのまま、足をピンと伸ばして」

紬「そしてピンと伸ばした足をそのまま上に持ち上げるの」

梓「んんぬあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ああああああ!」

紬「そうそう、ナイス足あげ腹筋よ。はい、じゃあ上までもってきた足をゆっくり下ろして」



616 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 18:18:20.58 ID:YhKU0ALYO [57/103]
梓「うぐううあ゛あ゛いいぐっ!……やった降ろせる……」

紬「下ろしてはダメよ!床に足をつけないでそのまま足をもう一回てっぺんまであげる」

梓「んぬ゛あ゛あ゛あ゛ばばばばああ足つるううううううう」

紬「耐えて!耐えないと今日のハンバーグがミートボールに変わるわよ!」

梓「ああああ今度は腹があ゛あ゛あ゛あああああああああああ」

紬「がんばれ!がんばれ!」

梓「ふんぬばあらああああああああああああ!!」




618 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 18:25:06.45 ID:YhKU0ALYO [58/103]
紬「よしよし、足上げ腹筋、背筋も終わり」

梓「ぜぇ、はあ……はあはあ……」

紬「ちなみに明日からは筋トレはランニングの前にやるからね」

梓「はあはあ……はあはあ……そ、はあはあ……う、はあはあ、で……すか」

紬「ちなみになんでか説明するとその方がより、筋トレの効果が出るからよ」

梓「はあはあ……はあはあ……………」

紬「……お風呂にしましょうか」

梓「はあはあ……はい」

619 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 18:30:27.37 ID:YhKU0ALYO [59/103]
梓「さあさあ風呂あがりのハンバーグですね」

紬「ふふ、たっぷり堪能してね。はいどうぞ」

梓「……」

梓「……?」

梓「……なんですかこの白いのは」

紬「ハンバーグだけど。焦げ目もきちんとついてるでしょ?」

梓「……それに切られた生のトマトが上に載ってますが」

紬「普通じゃない?」

621 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 18:42:36.62 ID:YhKU0ALYO [60/103]
梓「これ本当にハンバーグなんですか?」

紬「うん。豆腐ハンバーグよ」

梓「豆腐ハンバーグ!?」

紬「そんなに驚かなくても。誰でも知ってるから」

梓「いえ、初めて知ったんですが……」

紬「豆腐をベースに作ったものなの。普通のハンバーグよりカロリー低くておいしいわよ」

紬「それにそのハンバーグにかかってるスープは酢がベースになってるから栄養価も高いの」

梓「い、いただきます」パクッ

紬「どう?」

梓「……あ、美味しい」

紬「でしょう?」

梓「他にはなにがあるんですか?」

紬「タコの酢のもの、納豆、おすいもの、ご飯、よ」

梓「少ないですね。主にご飯が」

紬「炭水化物だからね」

622 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 18:49:50.29 ID:YhKU0ALYO [61/103]
梓「ところで、炭水化物であるご飯って食べていいんですか?」

梓「あの、デブにゃんって人も炭水化物抜いてると言ってましたが……」

紬「それね。実はダイエットに失敗する人に炭水化物抜きをやってる人が意外と多いの」

梓「そうなんですか?」

紬「炭水化物を抜く→体力がない→運動しない→でもお腹がすく→炭水化物以外を大量に食べてしまう」

紬「みたいな負のループが続くの」

梓「へえ、恐ろしいですね」

紬「あるいは、痩せるには痩せるんだけど食生活をもとに戻したら途端に太り出したりとか」

梓「リバウンドですね」

紬「痩せる、太るのループで気づいたらとんでもない巨漢になってたりとかね」

梓「じゃあ炭水化物は食べないといけないんですね」

紬「まあ普段よりは少なめに取らないといけない、ってところね」

624 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 19:00:24.28 ID:YhKU0ALYO [62/103]
梓「ごちそうさまでした」

梓(あかん。全然量がたりない)

紬「さあ、梓ちゃん、今日はゆっくり休んで。休日は追加メニューがあるし明日も早く起きないといけないしね」

梓「はーい」

梓(もっとなにか食べたい。食べたい食べたい食べたい)

紬「あ、そうそう」

梓「な、なんですか!?」ビクッ

紬「なにをそんなにビックリしてるの」

紬「私はただ、夜中にご飯食べたりしたらダメよって言おうとしただけよ?」

梓「わ、わかってますよ!どうせ監視カメラついてますしね」

紬「わかっているならいいわ」

625 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 19:07:55.34 ID:YhKU0ALYO [63/103]
梓「お腹がすいた」

梓「お腹がすきすぎた」

梓「ポテチはまだ隠せている……しかし!」

梓「監視カメラがあるからポテチを食べることは不可能」

梓「くぅそっー!」

梓「食べたい。食べたいよー。コンソメパンチのポテチ食べたいよー」ジタバタ!

梓「ムカムカ」

梓「あ、そうだ!」

梓「ベッドに隠れて食べればいいんだ!」

梓「えへへ」

626 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 19:13:48.02 ID:YhKU0ALYO [64/103]
梓「というわけで食べれちゃいました」

梓「多少満たされたかな?」

梓「うーん、でもなんか他にも食べたいなあ……」

梓「……お腹空いたよぉ」

「お腹すいたの?」

梓「ええ、それはもう」

「だからカルビーのポテトチップス食べちゃったの?」

梓「あはは、空腹には勝てません」

「さすがデブね」

梓「失礼ですねー」

627 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 19:24:01.91 ID:YhKU0ALYO [65/103]
紬「わざと失礼なこと言ってるんだけどね」

梓「ああ、ムギ先輩」

梓「あああああああああああああああ!?」

紬「梓ちゃん。約束は?」

梓「え?え?」

紬「私約束を破った相手に浣腸して悶えさせるのが夢だったの」

梓「む、ムギ先輩……冗談でしょう?」

紬「私はいつでも真面目よ」ブスッ


梓「いやあああああああああああああああああああ」ギュルルルル

633 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 19:32:00.39 ID:YhKU0ALYO [66/103]
梓「………というわけでした」

純「それは大変だったね」

憂「食事中にする話じゃないよね?」

純「はは、まあね」

梓「でも浣腸ってあんなに気持ち悪いものだなんて知らなかったよ……」

純「まあダイエット中は無駄な食事は控えなさいってことでしょ?」

梓「うん……でもお腹が空いたよー足りないよー」

憂「そのお弁当は?」

梓「ああ、これはムギ先輩の家の人が作ったやつ。うまいんだけど……」

純「量が少ないんだ?」

梓「うん……ああ!イライラするー!」ジタバタ!


634 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 19:36:04.59 ID:YhKU0ALYO [67/103]
梓「なんでもいいから食べたい!食べたいよ純!」ベタベタ

純「熱苦しいわ!」

梓「ああ!なんで好きなものを食べちゃダメなの!ねえなんで!?」

憂「それは梓ちゃんが、肥満だから……」

梓「もういい!私購買でなんか買ってくる!」ガタッ

純「ちょ、ちょっと、梓!」

憂「行っちゃたね」

純「あれで本当に痩せられるのかな?」

憂「さあ?」カチカチ

純「なにケータイいじってんの?」

憂「紬さんにメール」カチカチ

635 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 19:44:03.93 ID:YhKU0ALYO [68/103]
紬「梓ちゃん!」







梓「いやあああああ浣腸おおおおおお!」

紬「いや、さすがに学校で浣腸はしないわ」

梓「ほっ……」

紬「家に帰ったら覚えてなさい」

梓「いやあああああああああああ」

637 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 19:52:05.57 ID:YhKU0ALYO [69/103]
唯「ねえねえ、ムギちゃんあずにゃん部活来ないけど」

紬「これからは梓ちゃんには一時間、後に来てもらうことにしたの」

律「なんで?」(いや、全然かまわないけどな)

紬「さすがにダイエット中の梓ちゃんの前でお菓子食べるのはひどいと思って」

澪「まあな」

唯「あずにゃんは今なにしてるの?」

紬「グラウンドをゆっくり歩かせてる」

律「走らせたほうがよくね?」

紬「それは……ちょっと……」

澪「?」

638 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 19:55:18.10 ID:YhKU0ALYO [70/103]
澪「で、一時間経過したわけだが……」

梓「今来ましたー」

唯「おお!あずにゃーん!」ダキッ

律(うわ、あのデブに抱き着きやがった)

梓「せ、先輩、やめてくだ……」

唯「ゲホッゴホッゲホッ!……ゲホッゲホッ」

澪「ゆ、唯大丈夫か!?」

梓「唯先輩!?」

唯「あ、あずにゃん……」

梓「はい……」

唯「すごく臭いです……ガクッ」

唯「」

梓「いやあああああああああああ」


640 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 20:02:44.42 ID:YhKU0ALYO [71/103]
その夜

梓「私の体臭ってそんなに臭いんですかね?」

紬「ふがっふがっふがっふがっ」

梓「あの、身体洗ったから鼻詮とってもらっていいですか、ムギ先輩」

紬「ごめんなさい。サウナの中にいるとついつい鼻詮しないといけない気がして」

梓「ていうかサウナって痩せるんですか?」

紬「痩せないわよ」

梓「ああ、痩せないんだ……え?」

紬「だからサウナは痩せないわよ。だいたいサウナはダイエット目的のものじゃないし」

梓「そうなんですか?」

紬「うん」

642 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 20:12:15.74 ID:YhKU0ALYO [72/103]
紬「サウナっていうのは汗腺を開いて身体の汚物を吐き出すのが本来の目的なの」

梓「そうなんですか」

紬「でも全く効果がないわけじゃないから」

梓「はい……」

紬「そろそろ出ましょ。お腹すいたでしょ?」

梓「…………はい」

紬(相当唯ちゃんのことでまいってるわね、梓ちゃん)

紬(ここは憂ちゃんにでも励ましてもらうしかないかしら?)

645 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 20:20:44.82 ID:YhKU0ALYO [73/103]
紬「……ええ……そういうことだから…………うん、そんな大したこと言わなくていいから」

紬「ええ……おねがい。すげ梓ちゃんのケータイにかけて」

梓「ムギ先輩……?」

紬「なに?」

梓「いえ……なんにもです」

紬(やはり自分の体臭を気にしてるのか私から距離とってるわね)

紬「さあ、ご飯にしましょ」

梓「…………」

紬「…………」

梓「あ……電話だ」

梓「もしもし?」

憂『梓ちゃん、私だよ』

梓「憂?」

646 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 20:25:21.78 ID:YhKU0ALYO [74/103]
梓「唯先輩はどう?」

憂『うん。命に別状はないってお医者様が言ってた』

梓「…………」

憂『うんうん、本当にお姉ちゃんが無事でよかったよね』

梓「そ、そうだね」

憂『お姉ちゃんもね、梓ちゃんは悪くないって言ってたよ』

梓「……うん」

憂『もちろん、私も梓ちゃんが悪いなんてこれっぽちも思ってないから』

梓「…………」



紬(憂ちゃん、傷心の梓ちゃんを助けてあげて!)

653 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 20:32:36.65 ID:YhKU0ALYO [75/103]
憂『今ね、お姉ちゃんがご飯食べてるの』

梓「あ、う、うん」

憂『聞こえる?お姉ちゃんの声?』

『ふんっ……ふんがっ……むしゃむしゃ……』

梓「……ええと、どうなってるの?」

憂『鼻が梓ちゃんの体臭でね、馬鹿になっちゃったみたい』

憂『アレルギー性鼻炎みたいなものかな?』

憂『しばらく鼻は詰まったまんまだって……』

梓「あ、あ、ああ……」

657 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 20:40:04.55 ID:YhKU0ALYO [76/103]
憂『ねえ、梓ちゃん』

梓「う、うん」

憂『梓ちゃんはアレルギーなにかある?』

梓「い、いえなにもありません。非常に健康です」

憂『アレルギー鼻炎で鼻が詰まると本当に辛いんだよ?』

憂『鼻水ダラダラ、なのに鼻をかもうとしても詰まってるからかめない……』

梓「そ、そうなんですか」

憂『鼻が詰まったまんまでご飯食べてもご飯って美味しくないんだよ?』

梓「わ、わ、わかりますわかります」

憂『ほら、お姉ちゃんも……お姉ちゃん、今日のご飯おいしー?』

『うん、すごくおいしいよー。やっぱり憂はすごいよ。りょーさいけんぼー』

憂『だって……えへへ』

梓「は、は、ははは」


660 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 20:49:36.81 ID:YhKU0ALYO [77/103]
憂『うん、梓ちゃん。私なに言いたいのか忘れたけどダイエット頑張ってね』

梓「は、は、はい。必ずや成功させてみせます!」

憂『うん、じゃあね。夜分に失礼しました』

ピッ

梓「はあはあ……運動してないのに変な汗かいちゃったよ……あはは」プルルル

梓「は、はいもしもし」

憂『梓ちゃん、本当にダイエット頑張ってね……』

ピッ!

梓「……ははは」

紬「梓ちゃん、電話は終わった?」

梓「それはもう終わりましたよあはは」

紬(よかった。笑ってるってことは大丈夫みたいね)

紬(顔色がすごく悪いし、すごい汗かいてるけど……うっ!)

梓「……ムギ先輩なんでまた鼻詮を?」

紬「ひひにしないへ」

662 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 20:58:43.46 ID:YhKU0ALYO [78/103]
紬「梓ちゃん、唯ちゃんのことは不幸な事故だったの。それに唯ちゃんも元気そうだし」モグモグ

梓「あの……やっぱりデブは臭いんですか?」

紬「梓ちゃん、自分の食生活を思い出してみて」

梓「私の食生活?」

紬「一番食べたものはなに?」

梓「肉です。すき家のメニューは全部食べました。お気に入りは照り焼き……」

紬「そこまでは聞いてないわ」

梓「すみません」

664 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 21:06:36.66 ID:YhKU0ALYO [80/103]

紬「昔の日本人……まだ肉を食べる習慣のなかった日本人はそんなに体臭はキツクなかったそうよ」

梓「肉を食べだしてから臭うようになったってことですか?」

紬「おそらくね。梓ちゃんも以前に比べたら圧倒的に肉を食べてるでしょ?」

梓「言われてみれば」

梓「そういえば私、いつもなにかものを食べるときには肉を乗せてた気がします」

梓「名古屋に行ったときでした。私はミッドランドスクエアに行ってモンシュシュロールを買ったんです」

紬「聞いてないけど」

梓「聞いてください。私、そのモンシュシュロールを家に持ち帰り、鶏肉を乗せて食べました」

紬「聞きたくなかったわ」

梓「私も思い出したくありませんでした」

紬「それ、うまかったの?」

梓「最高でした」

紬「そう……」

666 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 21:12:07.13 ID:YhKU0ALYO [81/103]
梓「しかし、一つだけ言わせてください」

紬「なに?」

梓「私、すき焼きに関してだけ言えば肉よりクタクタに煮詰まった白菜のが好きでした」

紬「……そう」



668 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 21:16:39.25 ID:YhKU0ALYO [82/103]
梓「それでムギ先輩、私思いました」

梓「今回の一件で、唯先輩に迷惑をかけて私気づきました」

梓「デブは害でしかないと」

紬「私はそこまでは思わないけど……」

梓「いいえ、やっぱりこのままじゃダメなんです」

梓「私、ダイエットを成功させます!そして痩せてもとに戻ってみます!」

紬「梓ちゃん……」

梓「ムギ先輩よろしくお願いします!」

紬「わかったわ梓ちゃん、私とともに頑張りましょう!」

683 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 21:55:50.29 ID:YhKU0ALYO [85/103]
梓(それから一週間私、中野梓はとにかく死に物狂いで頑張りました)

紬「梓ちゃん。納豆ら私たち女の敵である便秘を解消してくれる魔法のご飯よ」

梓「私、納豆食べられません」

紬「いいから食べるの」

紬「韓国のキムチよりはるかに美味といわれている松前風キムチを納豆に混ぜて食べればおいしいから」

紬「これも痩せるためよ、梓ちゃん」

梓「は、はい!」

梓(また筋トレでも)

紬「足あげ腹筋を三分間耐えて」

梓「さ、三分!?」

紬「ちなみにこれはほとんどの男子高校生にはできないわ。運動部入っててもできない子が多いわ」

梓「うう、あああああ……!」

紬「足を床に付けたら浣腸だから」

梓「は、はいいい!」

686 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 22:01:43.48 ID:YhKU0ALYO [86/103]
梓(またこれ以外にも)

紬「今日から踏み台昇降で使う踏み台の高さを20センチにします」

梓「…………」

紬「どうしたの梓ちゃん。まさか怖じけづいたんじゃないわよね?」

梓「いえ、地味だなあと」

紬「いいからやる!きちんとやらないと浣腸するわよ!」

梓「は、はい!」



そんなこんなで一週間。

紬「それでは梓ちゃんの身体測定をします」

梓「……」ゴクリ

689 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 22:06:54.43 ID:YhKU0ALYO [87/103]
紬「身長……150.7」

梓「なんで身長測る必要が……って伸びてる!?」

紬「背筋や背筋を伸ばす運動とか、マッサージ師さんに色々やってもらったおかげかしら」

梓「えへへへ」


紬「ひょっとしたら足に肉がついた分だけ身長が伸びただけかもしれないけど」

梓「余計な注釈はいりません」

紬「では、続いて体重を……」

梓「ゴクリ……」

694 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 22:16:36.04 ID:YhKU0ALYO [88/103]
紬「体重は……[ピー]キロ……」

梓「ええと、つまり……」

紬「マイナス3.7キロね」

梓「もっと減ってると思ったけど……」ガックシ

紬「すごいじゃない、梓ちゃん。たった一週間で3キロ以上痩せたのよ!」

梓「そ、そうですね。一週間で3キロも痩せたんですよね」

紬「それにチェックするのは体重だけじゃないわ」

梓「……?」



697 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 22:26:26.00 ID:YhKU0ALYO [89/103]
紬「はい、腕出して」

梓「はい」

紬「ふむふむ、[ピー]センチ……マイナス4センチ」

梓「おお!」

紬「太もも……マイナス3センチ」

梓「けっこう減りましたね!」

紬「ヒップ……3、バスト……6。うんうん、順調に減ってるわね!」

梓「それはあまり嬉しくないですね」

紬「最後にお腹出して」

梓「もう出てます」プルン

紬「ウエスト……すごい、一番減りにくい場所だけど3センチ減ってるわ」
梓「おお!」


702 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 22:31:21.16 ID:YhKU0ALYO [90/103]
紬「この調子でやれば三ヶ月後くらいにはもとに戻れるかも」

梓「本当ですか!?」

紬「ええ。でもまあ、女の子には生理があるからそんな簡単にうまくいかないけどね」

梓「ああ……そうでした」

紬「どうしても痩せにくい時期があるし、食欲が急に増すこともあるから」

梓「そうですね」

紬「でも大丈夫よ。梓ちゃん、今の調子ならきっとうまくいくわ」

708 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 22:35:58.58 ID:YhKU0ALYO [91/103]
紬「それに……」

梓「?」

紬「梓ちゃん、最近お通じいいんじゃない?」

梓「な、な、なんでそれを?///」

紬「ふふふ」(実はトイレに監視カメラがあるとは思わないわよね)

紬(もとは梓ちゃんがトイレでお菓子を食べないように監視するためだったけど)

紬(思いのほか監視カメラって使い道があったわね)

梓「たしかに最近は一日に一回は出るようになってきました」

梓「前は三日出ないとかも珍しくなかったのに」

紬「踏み台昇降の成果ね」

梓「踏み台昇降?」

紬「あれはね、実は体重にはさほど影響を出さないの」

716 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 22:42:13.31 ID:YhKU0ALYO [92/103]
梓「と言うとなにに影響があるんですか?」

紬「まさに今言ったお通じに効果があるのよ」

梓「あれにそんな効果が/……」

紬「それだけじゃないの。さっきウエストとかヒップを測ったでしょ」

梓「はい。もしかして踏み台昇降がウエストとかヒップに影響があるんですか?」

紬「むしろそっちがメインなの。普通はもっと効果が出るのは遅いんだけど」

紬「踏み台昇降によってウエストにクビレができたり、お尻を引き締めることができるの」

梓「へー。じゃあこの調子でやっていけば……」

紬「ええ。もっと効果が出るはずよ」

724 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 22:48:49.23 ID:YhKU0ALYO [93/103]
紬「梓ちゃん、すごくいいわ。この調子よ」

梓「はい、ムギ先輩!」


私はダイエットによる成果を初めて実感し、より一層やる気を出しました。

踏み台昇降の台の高さをさらに上げたり、ランニング時間を増やしたり。

それから腹筋のさいはより負荷がかかるように重りをつけたり。

体重はだんだん、減っていきました。もちろん、途中問題もありましたが。


紬「そろそろ停滞期かしら」

梓「ええ。順調に落ちてた体重がここのところはあまり……」

紬「ガッカリしちゃダメ。このまま行ったら絶対痩せられるから」

梓「大丈夫ですよ、ムギ先輩。私頑張ります!」


728 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 22:54:21.87 ID:YhKU0ALYO [94/103]
憂「……梓ちゃん、お昼食べないの?」

梓「うん、今日はちょっとお腹がすいてないから……」

梓(お昼くらいなら抜いても平気だよね?)

純「あれだけ食べることに執着してた梓が、ね」

憂(よっぽどお姉ちゃんのアレが影響したのかな?)

純「でもたしかに最近は痩せた、ていうか引き締まってきたよね」

憂「うん、前まで首がなかったもんね」

梓「あはは……」

梓(よーし、もっと頑張ってみんなを見返すぞー)


734 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 23:00:35.05 ID:YhKU0ALYO [95/103]
律「なんか梓のやつ、最近すごい痩せてきたな」

紬「でしょ?梓ちゃん、すごく頑張ってるもの」

唯「あずにゃんこの調子で痩せてけるといいね」

澪「梓はやればできるタイプだからな。大丈夫だと思うよ」

律(まあ痩せてもらわなきゃ私がやなんだけどな)

唯「あずにゃんは今なにしてるの?やっぱり走ってるの?」

紬「うん、たぶん走ってると思うわ」

澪「昨日は走ってたけどな」

律「見たのか?」

澪「うん、ゆっくりと犬みたいな走り方してた」

749 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 23:07:41.19 ID:YhKU0ALYO [96/103]
唯「犬?あずにゃんは猫だよ?」

律「そういうこてではないと思うぞ」

紬「それはナンバ走りって言って上半身を前のめりにして走るものなの」

唯「変な走り方だね」

紬「で、手ばぶらんぶらんにして走るの。体力のない梓ちゃんにはオススメの走り方なの」

澪「ムギ、えらい詳しいな」

律「そういえばムギって梓のダイエットコーチもしてんだろ?」

紬「ええ……それがどうしたの?」

律「いや、なんでムギはダイエットにそんなに詳しいのかなって思っただけだよ」

紬「え、ええと……梓ちゃんのために色々覚えたのよ、あはは……」

唯「ムギちゃんはあずにゃん思いだねえ」

紬「それほどでもー」

紬(いけないわ、危うく私の歩く豚の貯金箱の思い出が……)

澪「?」

759 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 23:15:02.12 ID:YhKU0ALYO [97/103]
唯「あ、あずにゃんからメールだ」

紬「なんて?」

唯「『もう少し走っていたいから先練習しててください』だって」

律「ふうん、いいんじゃない?」

律(まあやる気のある今の梓は嫌いではないな。その調子でどんどん痩せろ~)

澪「そんなに走って大丈夫なのか、梓」

紬「…………」

唯「ムギちゃん?」

紬「最近、梓ちゃん寝ているときによく足をつってるみたいなの」

紬「だから少し心配で。針治療でもしたほうがいい?」

律「私らに聞かれても……」

澪「まあ梓も自分の身体のことは自分が一番よくわかってるだろ」

紬「そうよね」

紬(そうよ、ね?)

768 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 23:22:14.05 ID:YhKU0ALYO [98/103]
紬「ふう……よし、梓ちゃん今日走るのはこれぐらいにしておきましょ」

梓「……」ガリ、ガリ

紬「梓ちゃん?」

梓「その、もう少し走ってきていいですか?」

紬「まだ走るの?」

梓「ええ。たぶんあと3キロは走れると思います」

紬「……」(今日はすでに8キロ以上走ってる……これ以上走るのは……)

梓「いいですよね、ムギ先輩?」

紬「え、ええ」 (でもここで走るなと言ってやる気を削ぐのも……)

梓「懐中電灯借りてきますね……行ってきます」

紬「あ、梓ちゃん!」

紬(……大丈夫かしら?走ってる最中に足つって怪我しなければいいんだけど)


776 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 23:29:33.63 ID:YhKU0ALYO [99/103]
梓「すぅーはー、すぅーはー」タ、タ、タ

梓(うん、この調子なら行けそう。今日は横っ腹も痛くならないし)

梓(足の裏の痛みも靴変えてからは柔らいでるし)

みしっ……!

梓「……っ!」

梓「あ……痛いっ……!」

梓(危ない危ない、足つるのに気づいて止まれてよかった……)

梓「……痛あ~~~っ!」

「あ、あの大丈夫?」

梓「あ、あなたは……」

「えと、覚えてますか?」

梓(なんだろ、すごい見覚えあるけど……こんなに太った人知り合いにいたかな?)

梓「……どなた?」

「声優の、ほら……」

梓「ええ!?」

781 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 23:36:03.34 ID:YhKU0ALYO [100/103]
「やっぱりあなたもそういうリアクションするんだね……」

梓「え?え?え?ダイエット中でしたよね、声優さんって」

「うん、そのはずなんだけど……なぜか体重が減らないんだよね」

梓「いやいや、逆に太ってますから」

「うん、なんか三桁の大台を越えちゃったんだよね」

梓「あぜん」

「あはは、いやあ昔は尻軽そうとか言われてたけど、今じゃ重くて重くて持ち上げるのも精一杯……」

梓(自虐!?)

「この前トラックにはねられたんだけど、逆にトラックがふっとんでたよ、あはは」

梓「面白くない冗談です」

「私も笑えないよ。あなたは逆にすごい痩せてきたね」

梓「まだまだです」

「なにかコツでもあるのよかったら教えて」


784 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 23:41:17.44 ID:YhKU0ALYO [101/103]
梓「えーとですね……」

「……?」

梓「デブは甘え。私はそれに気づいたんです」

「デブは甘え……?」

梓「そうです。家畜のように餌を好きなだけ頬張るのはまさに甘えです」

「厳しいね」

梓「そうかもしれません。でも行き過ぎたデブへの世間の視線はもっと厳しいですよ」

「は、はは。でも私は無理してダイエットは……」

梓「その考えがもう甘えです」

「……そうかなあ?」

梓「そうです……ってこんな時間、私、まだ走ってる最中なんでサヨナラ」

「さよならー」

(足引きずってるけど大丈夫かな?)

791 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 23:47:56.39 ID:YhKU0ALYO [102/103]
紬「梓ちゃん、整理運動きちんとした?

梓「はい、バッチリです」ズズズズ

紬(やっぱり……足引きずってる)

梓「どうしました?」

紬「梓ちゃん、靴下脱いで足を見せて」

梓「?……どうぞ」スルリ

紬「……」ジー

梓「あんまり見られると恥ずかしいんですが……」

紬「梓ちゃん、靴見せて」

梓「これですけど、なにか私の足にありますか?」

紬「梓ちゃん、自分の足の形なんか変だと思わない?」

梓「え?別に特には……」

紬「梓ちゃんの足の指、ほとんど隙間なくくっついてるでしょ」

梓「言われてみると」

801 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/19(木) 23:56:16.51 ID:YhKU0ALYO [103/103]
紬「これは『ハンマートゥー』って言って靴のサイズが合わない人に起こる病気なの」

梓「なにか問題があるんですか?」

紬「今はまだいいけど、そのうちもっとひどくなると血の巡りが悪くなるわ」

梓「はあ……」

紬「靴のサイズが少し大きいのね。だから足が無意識に踏み止まろうとして変形しちゃうの」

梓「じゃあ靴のサイズ変えれば解決ですね」

紬「待って。梓ちゃん、最近よく足つってるでしょ?」

梓「そ、そんなにつってないです」

紬「ここのところ、特に寝ているときによくつる。そうでしょ?」

梓「ま、まあちょっとは……」

紬「……梓ちゃん。少しの間走るのやめない?」

梓「え?」

紬「まあいいわ。食事にしましょう。食事しながらでも会話はできるわ」

梓「……」

809 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 00:02:04.47 ID:hy5qxeuxO [1/25]
紬「それでね梓ちゃん、さっきの続き」モグモグ

梓「……はい」

紬「たとえ、走れなくても筋トレはできるし、踏み台昇降もできるわ」

梓「で、でも走らないと……」

紬「ダメよ。今のまま走り続けるのは梓ちゃんの足によくない」

紬「きちんと足にも休息させなきゃ」

梓「……」

梓(走らなくなる?私が走らなくなったら……)

梓(体重が増えるかもしれない……!)

梓(踏み台昇降や筋トレだけじゃ絶対また太っちゃうよ……!)

紬「とにかくたまには休養も必要よ」パクパク

梓「どうしても?

紬「ええ、どうしても」

梓「……」

819 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 00:08:27.03 ID:hy5qxeuxO [2/25]
紬「ほら梓ちゃん、今日もシェフの方々が作ってくれた料理、美味しいわよ」

梓「……はい」モグ

梓(食べたら、太っちゃう)

梓(でも食べないと、明日から走れない)

梓(でも走れないから食べたって……)

紬「梓ちゃん?きちんと食べて。明日だって朝早いんだから」

梓「でも、明日は走っちゃダメなんですよね?」

紬「それは……」

梓「じゃあ残しちゃダメですか?」

紬「それはダメ。絶対に食べて」

梓「はい……」

梓(運動できないのに食べたら……)パクパク

梓(いや、だったら食べたあとに……)

823 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 00:15:29.43 ID:hy5qxeuxO [3/25]
梓「ご馳走様」

紬「ご馳走様」

梓「じゃあムギ先輩、私部屋に戻ります」

紬「また明日ね、梓ちゃん」

梓「おやすみなさい」

紬(大丈夫、よね?)

………

梓「体重計は……風呂場にある」

梓「今のでなんキロになったんだろ?」

梓「……0.6キロ」

梓「もう0.6キロも増えてる……服脱いだら……」ヌギヌギ

梓「……0.5キロ……」

梓「どうしよう、このままじゃまた増えちゃうよ……!」

826 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 00:20:28.13 ID:hy5qxeuxO [4/25]
梓「トイレも出ないし……」

梓「ああ!もう!」ドン!

梓「やだよ!太りたくないよ……走りたいよぉ……」

梓「……トイレ」

梓(そういえば、食べた直後なら吐き出せるんだよね?)

梓(……って私、なに考えてるの?そんなことしたら拒食症になっちゃう……!)

梓(でも、ちょっとだけなら……)

梓(……口に手を突っ込んで吐き出す)

梓(手を入れて……)

梓「うぁえっ……ゲホッゲホッゲホッ!」

梓「はあはあ……そんな簡単には吐き出せない、か」

梓「……寝よう」

833 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 00:26:26.08 ID:hy5qxeuxO [5/25]
紬「朝からずっと踏み台昇降やってたけど、大丈夫?たまには休憩してもいいのよ」

梓「別に……」

紬「梓ちゃん、焦らなくていいの。順調に痩せているんだから」

梓「わかってます」

ガタンガタン ガタンガタン

紬「……梓ちゃん、そうだ今日から市民プールに行かない?泳ぐのは走る以上に……」

梓「こんな体型でプールなんて入りたくないです!!」

シーン

紬「ご、ごめんなさい……」

梓「……す、すみません」



836 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 00:32:09.14 ID:hy5qxeuxO [6/25]
梓「純、昼ご飯食べる?」

純「私はいいよ。ていうか梓、昨日もお昼ご飯食べてないじゃん」

梓「いいよべつに」

憂「梓ちゃん、食べたほうがいいよ。身体によくないよ?」

梓「……うるさいなあ」ガタッ

純「梓どこ行くの?」

梓「一人で外で食べる」

憂「梓ちゃん……」

純「どうしちゃったんだろ、昨日まであんなに機嫌よさそうだったのに……」

憂「うん、なにかあったのかな」

838 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 00:36:46.40 ID:hy5qxeuxO [7/25]
紬「今日はケーキみんなの分ももってきたの」

律「全員?梓の分も?」

紬「うん」

唯「あずにゃんのダイエット中なのに?」

紬「たまにくらいはいいじゃない?今日は久々に梓ちゃん走らないし」

澪「え?さっきグラウンド走ってたぞ」

紬「……梓ちゃん」

律「ん?どしたムギ?梓になにかあったの?」

紬「ううん、たまには休憩したほうがいいんじゃないかなって思ったから」

唯「あずにゃん頑張ってるもんね……」

840 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 00:41:24.12 ID:hy5qxeuxO [8/25]
ガタンガタン ガタンガタン

紬「梓ちゃん、どうして今日も部活に来なかったの?」

梓「グラウンド走ってました」

紬「でも足痛いはずよね?」

梓「少し……」

紬「今日はもう走るのはやめときましょ?」

梓「……はい」

紬「……!」

紬(あっさり私の言うことを聞いた。やっぱり相当足が痛いのね……)

紬「今日、病院に寄って行きましょ?足見てもらったほうがいいわ」

梓「……はい」

844 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 00:48:46.04 ID:hy5qxeuxO [9/25]
紬「いただきます」

梓「いただきます」

梓(病院の医者が言うには利き足である右足首が内出血で、左股関節も内出血。そしてハンマートゥー)

梓(さらに両足の筋肉が張ってつりやすくなっているからしばらく走らないほうがいい、とのこと)

梓(走るな……走るなって……)

梓(じゃあどうやって痩せればいいの!?)

紬「梓ちゃん、今日マッサージの人に入念に足マッサージしてもらったから大丈夫よ」

梓「でも内出血のほうはどうしようもないですけどね」

紬「それは三日くらい安静にしておくしかないわ。股関節のこともあるし踏み台昇降もやめましょ?」

梓「……」

紬「ほら、梓ちゃん元気出して。早く治してそれからダイエットをまた頑張りましょ」

梓「……そうですね」

850 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 00:56:32.19 ID:hy5qxeuxO [10/25]
梓「体重がまた0.5増えた……」

梓「どうしよう、今日運動してないから減ってないよぉ……」

梓「いやだよ、いやだよまたもとに戻っちゃう……」

梓「……そうだよ、出しちゃえばいいんだ!」

梓(昨日は上手くいかなかったけど……)

………

梓(昨日よりもっと喉の奥に手を突っ込めば……)

梓「うぉあ……ゲホッゲホッゲホッ……ゲホッゲホッ!」

梓(ダメだ……まだ足りない、もっと手を奥に……)

梓「ぉおぇ……おええぉあえおぁぇ……!」

ピチャピチャ

梓「はあはあはあはあ……はあはあ……やった、出た……ぉえ」

853 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 01:05:08.57 ID:hy5qxeuxO [11/25]
これがたぶんいけなかったんだと思います。

私は食べ物を吐き出すコツをつかんでしまい、それから一週間、夜ご飯はほとんど吐いていました。

とくによく噛まないと余計に吐きやすいということを知った私はたやすく戻すようになりました。

ムギ先輩は夜ご飯を吐きだしていないかについて何度も追及してきました。
彼女には私がなにをしているのかわかっていたのかもしれません。

純や憂も私を心配してくれました。
軽音部の先輩方も心配してくれました。

でもこのときの私にはそんな気遣いは鬱陶しいというふうにしか受け止められませんでした。


しかし叫ぶ気力も後半の私にはありませんでした。
ペットボトルのキャップを開けるのにも苦労し始めました。


でも学校は休みませんでした。気力で持ちこたえました

休んでベッドで寝ているだけの生活なんて怖くてできなかったのです。


そして運命の今日の放課後がやってきました。

私はなぜか部活にも行かず外を歩いていました。

861 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 01:17:08.20 ID:hy5qxeuxO [12/25]
梓(あれ、私なんでこんなとこ歩いてるんだろ……)

梓「…………はは」

梓(まあいっか。よくわかんないし)

このときの感覚を説明する語彙を私は持ち合わせいません。
頭の中が今の私の胃の中と同じように空っぽになっているようなそんな感じでした。
歩いてるのに足が地面についていないような。
まるで空を飛んでいるかのような感覚。

梓(まあいいや、帰ろう。あー、どこに帰ろう?)

すでに私はこのとき、回転しない脳みそで聞いていたのかもしれません。

トラックのタイヤが地面を削る音を。

梓(あれ?なんでトラックが?)

梓「あはははは……」


気づいたときにはトラックが目の前にいました。
そんなにサイズは大きくありません。たぶん軽トラでしょう。

私が道路に飛び出していたのか、トラックが道路を飛び出していたのか定かではありません。

「あぶない!」

私の声に似た声が聞こえてきたのと、トラックに跳ねられる瞬間を想像して私が目を閉じたのはほとんど同時でした。

868 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 01:26:21.72 ID:hy5qxeuxO [13/25]
梓(ああ、死ぬのかあ……あはは、結局痩せられなかったなあ)

私は死を覚悟しました。


梓「…………?」

しかし、いつまでも来るはずの衝撃が来ないのです。

うっすらと目を開けるとすごい横にだけ巨大な背中がありました。

梓「……へ?」

「だ、い、じょうぶう゛う゛!?」

梓「誰ですか?」

「わ、たしだよ」

巨大な背中が振り向きました。

それはあのデブ声優でした。

「デブも以外と役に立つでしょ?」

869 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 01:36:45.31 ID:hy5qxeuxO [14/25]
私は未だに上手く回転しない頭で考えました。

どうやらこの女の人が軽トラを止めたみたいです。自力で。

「ふぅー」

梓「ほぇ?トラックが止まった?」

「そう、私が止めたんだよ。ほら覚えてない?最後に会ったときの会話」

私の脳みそは未だ活動を開始していないのに、なぜか彼女が言った言葉を思い出しました。

『この前トラックにはねられたんだけど、逆にトラックがふっとんでたよ、あはは』

どうやらあれは嘘でも冗談でもなかったらしいです。

「ね?デブも悪くないでしょ?」

梓「……はあ」

「それにそんなにやつれてると男にモテないよ?」

梓「そうですか……バタンキュー」

「ええー!?ちょっとしっかりして!誰か救急車!!」

私の意識はそこで途切れました。


872 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 01:44:13.72 ID:hy5qxeuxO [15/25]
梓「……ん」

唯「あ、あずにゃんが目を覚ました」

梓「あ、あれ……ここどこ?」

律「市民病院だよ。学校に一番近い」

梓「……へ?」

澪「覚えてないのか?梓、お前道路で倒れてたんだぞ」

梓「……はぁ」

律「おいおい大丈夫か?なんかえらいポケーってしてるけど」

梓「……点滴されてる」

純「栄養がずいぶん足りなかったみたいだよ」

梓「純……」

憂「私もいるよ」

純「憂……」

873 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 01:49:27.82 ID:hy5qxeuxO [16/25]
梓「ムギ先輩は……?」

唯「あずにゃんのために飲み物買ってくるって」

梓「…………」

憂「梓ちゃん?」

梓「……っんなさい」

律「え?」

梓「……ごめんなさいっ」

澪「ど、どうしたんだよ梓、突然泣き出して」

梓「……ぐすっ……ごめんなさい……私のせいで……みんなに迷惑かけて」

純「梓……」

梓「私、どうしても、どうしても痩せたくて……だから……」


875 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 01:55:01.82 ID:hy5qxeuxO [17/25]
律(そこまで思いつめていたとは……)

梓「もうこんなことにはならないよう……きちんとこれからは、ご飯食べます……」

唯「そうだよ、あずにゃん。ご飯はしっかり食べなきゃ大きくなれないよ」

律「まあすでに横になら、あだっ!」

澪「空気を読め」

純「そうそう、食べすぎもよくないけど食べなさすぎもダメだよ」

梓「……ぅんっ……」

憂「また一緒にお昼食べようね、梓ちゃん」

梓「うんっ!」

878 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 02:03:32.59 ID:hy5qxeuxO [18/25]
みなさんに私は何度も頭を下げた。

みなさんは笑ってくれた。また一緒にご飯食べよう、お茶しようって言ってくれた。

そして……

紬「よかった梓ちゃん……!」

みんなが帰ったあたりにムギ先輩が私の病室に入ってきた。

紬「もう……梓ちゃんったら……」

梓「ご、ごめんなさい。心配かけて」

紬「ううん。梓ちゃんだけじゃないわ。悪いのは。私も謝らなきゃいけない」

梓「そ、そんなことないですよ。ムギ先輩はなにも……」

紬「いいえ、私も梓ちゃんに色々ひどいことを言ったし、辛いことを強要した」

紬「だから、私も謝らせて」


882 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 02:12:08.88 ID:hy5qxeuxO [19/25]
紬「ごめんなさい」ペコリ

梓「私もごめんなさい」ペコリ

紬「それじゃあお互い様ということでね、仲直りに握手」

梓「……はい」ギュッ


紬「ひとつ気になってたんだけど梓ちゃんを轢きかけたトラックの運転手さんが変なことを言ってたの」

梓「変なこと?」

紬「うん。俺のトラックが止められた。馬鹿なみたいなことを言っていたの」

梓「……」

梓(そういえば私が轢かれかけたときあの人が止めてくれたんだよね、トラックを)

紬「梓ちゃん?」

梓「えと……まあ世の中には恰幅のいい素敵な声優さんがいるんです」

紬「どういうこと」

梓「そういうことです」

883 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 02:17:01.09 ID:hy5qxeuxO [20/25]
梓「その、ムギ先輩……また私のダイエットにつきあってもらってもいいですか?」

紬「うーん……」

梓「ダメ?」

紬「喜んで引き受けるわ。ただし、無理しないって約束してくれるなら」

梓「今度は無理しません。約束します」

紬「ふふ、じゃあ指切りげんまん、嘘ついたら針千本飲ーます、からね」

梓「覚悟しておきます」

紬「じゃあ、せーの」

梓紬「指切った!」

885 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 02:28:59.31 ID:hy5qxeuxO [21/25]
まあそんなこんなで、私は再びダイエットを始めました。

退院するさいにお医者さんに色々口酸っぱく言われました。

親にもたくさんたくさん、叱られました。お母さんは私を泣きながら叱ってくれました。
普段はあまり説教めいたことを言わないお父さんも、珍しく私を一時間近く説教しました。


ちなみに今現在の体重は[ピー]です。
上がったり下がったりしつつ、緩やかに下がってきました。

しかし、最近は本当に筋肉がついてきて、足あげ腹筋も二分できるようになりました。

ちなみに拒食症になりかけていた私ですが、あの事件以来、ご飯はしっかり食べています。

体重計に乗って現実逃避したくなることはありますが、決して吐いたりはしていません。

ご飯は全部平らげています。

ちなみに私を助けてくださった声優さんはなぜかすっかり痩せていました。

むむ……いったいどんな魔法を使ったのでしょう?

まあ私は普通に高校生らしく普通の高校生として普通のダイエット方でムギ先輩のもとで、痩せるつもりです。

まああとりあえずあの命の恩人である声優さんには感謝してもしきれません。


そして。

887 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/08/20(金) 02:37:52.36 ID:hy5qxeuxO [22/25]
本日も放課後のティータイムです。


紬「今日のケーキもおいしいはずだからみんな食べてね」

唯「ほほう。たしかにどれもうまそう……ジュルリ」

律「唯、よだれ垂れてるぞ」

澪「さて、みんなはどれにする?」

唯「たまにはあずにゃんが先に選びなよ」

梓「え?いいんですか?」

律「まあたまにはな」


え?なんでダイエット中のお前がケーキを食べているのかって?

簡単です。私も軽音部の一員だからですよ。それにみなさんといる時間は楽しいし。
まあ、ケーキを食べたいだけなのかもしれないと思わなくもないけど。
まあとにかくこの時間をじっくりたっぷり堪能しよう。

紬「梓ちゃんどれにする?」

梓「じゃあ私は……これでおねがいします!」


おわり!

コメント

No title

中の人なんていないけど中の人ネタなんですね

No title

別バージョンは面白かった
普通バージョンは最悪なまでにつまらなかった

つまらないならコメしなきゃいいのにww恥ずかしい奴だな

No title

コメントにイチャモンだけつけるためにコメントしてSSの感想を書かない

人のことを言えないとはまさにこのこと


なかなか興味深い内容だった

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