2ntブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

御坂「就職活動か」澪「面接怖い……」

未完
1 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 19:26:22.52 ID:KhIpw89A0 [1/56]
 
~ 御坂の部屋 ~


御坂「私も、気が付いたら大学3年生」

御坂「就職活動か……10月になったら始まっちゃうんだよね。めんどくさいなぁ」

御坂「……まあ、能力のレベルが高いと就職にも有利って言うし」

御坂「しかも私はレベル5。だから、普通の人よりは楽だと思うんだけど……」

2 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 19:27:58.43 ID:KhIpw89A0 [2/56]
 
~ 澪の部屋 ~


澪「面接怖い……就職活動したくない……」

律「そんなに嫌なら、やらなきゃいいじゃん」

澪「いっ、いいわけあるか! この機会を逃したら、もう新卒じゃなくなって……」

律「だからさー。ダメならダメで、永久就職しろよ」

澪「は!?」

律「結婚だよ、結婚」

澪「けっ……!?」

律「まぁ、今の澪に彼氏ができるとは思えないけど」

澪「なら最初から言うなっ!」

3 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 19:30:31.97 ID:KhIpw89A0
 
10月――

就職活動が始まる時期である。

内定は10月1日以降でなければ出してはいけないと定められているため、
10月は1つの就活が終わり、また1つの就活が始まる時期なのである。



御坂「とりあえず、リクルートスーツを買ってみたわ」

御坂「ぶっちゃけ何から始めればいいのか全然わかんないけど、その辺は調べれば分かるわよね」

御坂「ちょっと端末で調べてみよっと。『就職活動』と……」


カタカタ...


御坂「……うわっ、何コレ! いっぱい出てきた!」

5 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 19:33:12.72 ID:KhIpw89A0
 
御坂「えーと『まずはナビサイトに登録して説明会に行こう』だって」

御坂「ナビサイト……ああ、あれね! なんとかナビとかいうやつ!」

御坂「そうと決まれば早速。『就活 ナビ』っと……」


カタカタ...


御坂「え、ナビだけでもこんなにあるの?」

御坂「『科学ナビ』とか『魔術ナビ』とか『妹達ナビ』とか、色々あるんだけど……」

御坂「どれに登録すればいいんだろ」

7 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 19:35:28.49 ID:KhIpw89A0
 
律「へー、こんなにあるんだな」

澪「ここで登録するナビが、早くも就職活動の命運を分けるんだぞ」

律「つーか、そもそもナビって何なんだ?」

澪「……簡単に言うと、ナビにはたくさん会社が登録してあるんだ」

律「ふんふん」

澪「そこで会社ごとに『プレエントリー』することができるんだけど、
  それをやると、会社のセミナーや説明会、試験が受けられるようになる」

律「それじゃあ、たくさん会社の情報が欲しいなら、全部登録すればいいじゃん」

澪「そんなことをしたら、ナビや会社からのメールで、メールボックスがいっぱいになるぞ?」

律「うへぇ……読む気しなくなりそうだな」

澪「だろ? だからある程度は絞らないとダメなんだ」

律「なるほどー。さすが澪、人と顔を合わせないジャンルに関しては一流だな!」

澪「余計なお世話だ!」

8 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 19:38:07.04 ID:KhIpw89A0
 
御坂「あ、『科学ナビ』は科学に特化した会社をメインに登録したナビサイトです、って書いてある!」

御坂「へー、たくさん会社があるのね。『魔術ナビ』と『妹達ナビ』は何なんだろ?」

御坂「『魔術ナビ』は、ローマ正教やイギリス清教などに通じた……あ、こういうのダメ。全然わかんない」

御坂「『妹達ナビ』は、社員のほとんどが妹達によって構成された会社がメインだって。誰得よ、そんな会社……」


御坂「まあ、ここは順当に『科学ナビ』に登録しとけばいっか」

10 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 19:41:19.23 ID:KhIpw89A0
 
澪「この『科学ナビ』にも登録しておくか」

律「科学に興味あんのか?」

澪「少しだけどな」

律「澪に科学の知識とかあったか?」

澪「基本的なことは会社に入ってから研修で勉強させられるんだ。最初は無知でもいいんだって」

律「へー」

澪「よし、とりあえず終わりっ。全部のナビを合わせてプレエントリーしたのは、150社くらいってところだな」

律「それって多いのか? 少ないのか?」

澪「プレエントリーは、多いくらいが丁度いいらしいから……」

律「そうなのか……」

14 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 19:44:02.29 ID:KhIpw89A0
 
御坂「『科学ナビ』だけでも色んな会社があるわねー。この会社は、学園都市出身の人も就職してるみたい」

御坂「じゃあこの会社はとりあえず、プレエントリーしておこうかな」

御坂「あとは、この会社……あ、初任給19万だ。最低22万は欲しいわよね……ここはパス」

御坂「ここ……もいいや。なんかホームページが地味だし」



御坂「……10社くらいになっちゃった。まぁ、あんまり沢山受けても疲れるし。こんなもんでしょ」

18 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 19:47:16.49 ID:KhIpw89A0
 
11月――

11~12月は、合同説明会や各社のセミナーが盛んに行われる時期である。
下調べ程度の情報しか得られないが、会社の雰囲気や就活の流れを掴む為に参加する就活生も多い。



御坂「……合同説明会に行ってみようかな。なんか説明会って行っといた方がいいらしいし」

御坂「最近、大学で説明会の話をしてる人が結構いるんだけど……」

御坂「調べてみたら、一気にたくさんの説明会に出られる合同説明会ってのがあったのよね~」

19 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 19:49:59.12 ID:KhIpw89A0
 
~ とある会社ブース ~


御坂(うわぁ、人いっぱい……暑苦しいったらないわね)

御坂(あ……横の人、手帳広げてる。普通の人ってどんな予定になってるんだろ……)


御坂は、隣に座る学生の手帳を横目で覗き見た。それは何の変哲もない、予定を書き込めるタイプのカレンダー。
しかし御坂の持つソレと大きく違うのは、その予定の欄がビッシリとボールペンで埋め尽くされていることだった。


澪(……とりあえず、片っ端から説明会の予約を入れてみたのはいいけど……)

澪(こ、こんなに人がたくさんいるなんて……しかも、7割くらいは男の人……)

澪(怖い……もう帰りたい……)

21 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 19:52:48.11 ID:KhIpw89A0
 
御坂「あの……」

澪「は、はい!?」

御坂「す、凄い予定ですね、それ」

澪(あ、良かった……女の人だ)

御坂「? どうかしました?」

澪「いい、いえ、何でも……!」

御坂「……そんなに予定詰まってると、大変じゃないですか?」

澪「その……やれることはやっておきたい、っていうか……」

22 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 19:55:04.87 ID:KhIpw89A0
 
御坂「……もしかして、緊張してるんですか?」

澪「ちっ……違うんです……私、人が多い所とか、苦手で……」

御坂「ふーん……」

澪「……あっ、説明会、始まるみたい、ですよ……」

御坂「ホントだ。へぇ、あれが人事の人? 女の人なん……」




木山「えー、本日は弊社のブースにお越しいただき……」

御坂「うぇぇぇ!?」

23 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 19:58:37.97 ID:KhIpw89A0
 
説明会後――


木山「……久しぶりだな」

御坂「私のこと、覚えてるの?」

木山「あれから7年が経過しているが……君は『超電磁砲(レールガン)』の御坂美琴だろう?」

御坂「ってことはアンタも正真正銘、木山春生ってことね」

木山「ああ。君こそ、よく私のことを覚えていたな」

御坂「覚えてたけど、本人かどうかは微妙だったわよ。雰囲気変わってたし」

木山「では、どこで確信した?」

御坂「だってアンタ説明会の最中に『しかし、ここは暑いな』とか呟いて脱ぎだすんだもん」

木山「……それは盲点だったな」

御坂「この『脱ぎ女』」

24 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 20:00:58.47 ID:KhIpw89A0
 
木山「しかし、君も就活をする歳になったか」

御坂「……そうだ。アンタ今、人事なんでしょ?」

木山「研究者なのに、人手が足りんと言って人事に回されたんだ……」

御坂「じゃあ、私を雇ってよ」

木山「……それは無理だ」

御坂「む、なんでよ。人事なんでしょ?」

木山「……君は、新卒採用のプロセスを理解しているのか?」

御坂「え?」

25 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 20:03:28.88 ID:KhIpw89A0
 
木山「説明会、筆記試験、Webテスト、人事面接、役員面接、社長面接」

御坂「………………」

木山「どの会社がどの選考を用いるか、その選択も順番も会社によって異なるんだが」

御坂「はぁ……」

木山「大抵の場合はWebテストと役員面接が入ってくる。そこに私の介入する余地は無い」

御坂「……そうなの?」

木山「つまり、私がコネで通してやれるのはせいぜい人事面接くらいだということだ」

御坂「なるほど……って、えぇー!?」

木山「ほら、次の回が始まるから君も行きたまえ」

御坂「そこをなんとか……」

木山「無理なものは無理だよ、レベル5」

27 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 20:07:22.78 ID:KhIpw89A0
 
御坂「ちぇっ。追い出されちゃった」

澪「あ、あの……」

御坂「あれ、さっきの人?」

澪「す、凄いですね。人事の人と知り合いなんて」

御坂「でも、雇えないって言われちゃったんで。あはは」

澪「……いや、流石に選考のプロセスを知らないっていうのは……」

御坂「え……あれ? もしかして私って、常識知らず……?」

澪「………………」

28 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 20:10:00.45 ID:KhIpw89A0
 
帰宅中――


御坂「はぁ、疲れた……」

澪「そうだな、もうクタクタだ」

御坂「……ねぇ、秋山さん」

澪「ん?」

御坂「さっき『タメ口でいいよ』って言ったのは私だけどさ。なんか、慣れるの早かったね……」

澪「ああ……御坂さんは、私の幼馴染にちょっと似てるから……それのせいかも」

御坂「へぇ、そうなんだ。私、同い年なのに敬語とか飽き飽きしててさ」

澪「え? 普段から敬語だったのか?」

御坂「私は違ったけど、他の人がね」

澪「……もしかして、お嬢様学校にでも通ってたのか?」

御坂「そう言われるような学校ではあったわね」

29 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 20:12:51.74 ID:KhIpw89A0
 
澪「え、ええっ!? 『わたくし』とか『ですの』とか言ったりするのか!?」

御坂「……うん……」

澪「へぇぇ……あ、も、もしかして、女同士で、とか……」

御坂「……うん……いた……」

澪「や、やっぱりいるんだ。凄いな、お嬢様学校って」

御坂「多分、秋山さんが思ってるような清純なイメージじゃないけどね……」

30 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 20:15:44.33 ID:KhIpw89A0
 
~ 澪の部屋 ~


澪「ふぅ、疲れた」

律「よっ、澪。おかえりー」

澪「……もう、お前が私の部屋にいることに違和感を持たなくなってるのが怖いよ……」

律「今更じゃん。スーツ似合ってるぜ!」

澪「あからさまなご機嫌取りをするな!」

律「怒るなって。どうだった、合同なんとかっていうの」

澪「ああ……『超電磁砲』と『脱ぎ女』がいた」

律「は?」

31 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 20:19:06.36 ID:KhIpw89A0
 
~ 御坂の部屋 ~


御坂「ただいまー」

御坂「……はぁ。1人暮らしで言うのも虚しいわね」

御坂「とにかく疲れた。晩ごはん……」

御坂「………………」

御坂「……やっぱいいや。眠いし、寝よ」

御坂「はぁ……説明会って、大変だなぁ……」

御坂「こんなの、10社分もやるのかぁ……」

32 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 20:22:12.34 ID:KhIpw89A0
 
1月――

1~2月は合同説明会などではなく、個別の本格的な説明会が増えてくる時期である。
中小企業の本エントリー開始も同時に始まり、就活生達にとって前半の山場とも言える。


御坂「ふー、ギリギリ間に合った。今日の説明会は出ておかないと」

澪「あれ……御坂さん」

御坂「……あ、秋山さん! 久しぶり!」

澪「はは、久しぶりだな……」

御坂「……どうしたの、秋山さん。凄く疲れてるように見えるけど」

33 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 20:25:15.19 ID:KhIpw89A0
 
澪「……11月からずっと、説明会だらけでさ……」

御坂「そ、そうなんだ……」

御坂(私、あれから3回くらいしか説明会なんて行ってないけど……)

澪「疲労が溜まりっぱなしっていうか……この間は急に倒れてしまって……」

御坂「え……ダ、ダメじゃない、そんなの! すぐ帰った方がいいって!」

澪「そうできるなら、そうしたいよ。でも、帰ったって内定は貰えないんだぞ?」

御坂「……それは、そうだけど……」

澪「……私のことはいいだろ。それより、御坂さんはどうなんだ?」

34 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 20:27:39.93 ID:KhIpw89A0
 
御坂「え、私? 私は……」

御坂(うーん……こんなに頑張ってる秋山さんの手前、全然忙しくないとは言えないし)



御坂「……あっ、そうだ。この間、エントリーシート出したわよ」

澪「ああ、そんな時期だしな。私も何枚か出したよ」

御坂「どんな感じで書いてる?」

澪「それが、ESの書き方がいまいち掴めなくてさ……」

35 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 20:31:36.54 ID:KhIpw89A0
 
御坂「私なんか、ババッと書いちゃうから……」

澪「へぇ、凄いな。天才なのかもな……」

御坂「……よく分かってないだけだと思うけど」

澪「……アイツと一緒だな」

御坂「アイツ?」

澪「知識も技術も無い、そういう子が高校の部活にいたんだ。でも飲み込みだけは早い、天才だった」

御坂「へぇ……」

澪「……御坂さんのESの書き方、参考までに聞きたいんだけど」

御坂「いいよ。じゃあ帰りの電車でね」

36 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 20:35:57.84 ID:KhIpw89A0
 
~ 帰宅中 電車内 ~


澪「じゃあ、私が言う質問に答えてみてくれ」

御坂「オッケー」

澪「自己PRをお願いします」

御坂「私は電撃を放つことができ、10億ボルトの出力を記録したこともあります。
   超電磁砲と呼ばれる必殺技によって、幻想御手事件などの様々な問題を解決してきました」

御坂「以上!」





澪「……え?」

38 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 20:38:54.88 ID:KhIpw89A0
 
澪「え、え?」

御坂「……どこかおかしかった?」

澪「えっと……これ、会社に提出したの?」

御坂「そうだけど……あ、これ結構考えてあるの」

澪「………………」

御坂「いっぱい書きすぎると良くないらしいじゃない?」

澪「……まぁ、一般的にはそう言われてるけど」

御坂「だから、超電磁砲にコインを使うとか、乱雑開放事件のこととかは書いてないのよね」

澪「うん。たぶん、そういう問題じゃないと思うぞ……」

39 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 20:43:07.55 ID:KhIpw89A0
 
澪「御坂さんって、電気会社に勤めたいんだっけ?」

御坂「違うけど……」

澪「その会社のメリットにならないことを書いて、どうするんだ……?」

御坂「……ESって、そういうものなの?」

澪「そういうものなんだ!」

御坂「ひっ……!?」

澪「あっ……ご、ごめん。つい律に怒るような口調で……」

御坂「う、ううん……ちょっとびっくりしただけだから……」




澪「……話を戻すけど。これ、むしろデメリットだよ」

御坂「え?」

41 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 20:47:52.78 ID:KhIpw89A0
 
澪「仮に、御坂さんが何かよくわからない方法で電気が出せたとして」

御坂(技術で開発された能力なのに……)

澪「ほとんどの会社だと、即アウトだと思う」

御坂「え……なんで!?」

澪「だって、IT系の会社にせよ、工場にせよ、昨今の会社はどこも機械が動いてるじゃないか」

御坂「うん……あっ」

澪「電気を放出する御坂さんは、どこに行っても『故障を起こす厄介者』だってこと」

御坂「え……あれ。私の就活って、もしかしてヤバい?」

澪「たぶん、ヤバいと思うぞ……」

42 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 20:52:46.54 ID:KhIpw89A0
 
御坂「プレエントリーしてる会社、全部で10社しかないんだけど……」

澪「ぶふっ! じゅっ、10社!? 少なすぎるだろ!」

御坂「ど、どうしよう……」

澪「き、機械を使ってなさそうな会社は無いのか?」

御坂「………………」

澪「………………」

御坂「…………無い」

澪「……御坂さん、短い付き合いだったな」

御坂「イヤァァァァァ!!」

44 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 20:58:25.03 ID:KhIpw89A0
 
澪「……ちょっと待てよ。いい方法がある」

御坂「…………なに?」

澪「その眉唾ものの能力は、自分で操作できるのか?」

御坂「そうでなきゃ、こんなに悩まないわよ……」

澪「それなら、隠せばいい」

御坂「……隠す?」

澪「そうだよ、隠せばいいんだよ。就活生なら、誰だってやってる」

御坂「え…………」

澪「リーダーなんてしたこと無いのに、リーダー経験を語る。
  本当はひとりぼっちなのに、協調性を長所にする。誰だって嘘はついてる」

御坂「…………秋山さんも?」

澪「もちろん。私は初対面の人間とでも簡単に打ち解けることができる」

御坂「嘘つき」

澪「当たり前だろ……人見知りに定評のある私が、打ち解けられるわけが無いだろ」

46 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 21:05:43.88 ID:KhIpw89A0
 
御坂「でも、それを隠したからって別の自己PRなんて思いつかないわよ……」

澪「客観的に自分を評価してみるといい、らしい」

御坂「客観的に?」

澪「知り合いに、自分はどんな人間だと思うか、訊いてみるんだ」

御坂「………………」

澪「もちろん長所も短所も出てくるだろうけど、自己PRにはその長所を使えばいい」

御坂「なるほど、秋山さん賢い!」

澪「それだけじゃダメだ。その長所が、会社にとってどんなメリットになるかも考えるんだぞ」

57 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 22:14:32.44 ID:KhIpw89A0
 
~ 澪の部屋 ~


律「おかえりー」

澪「また勝手に……お前はいつ仕事をしてるんだ?」

律「朝から夕方までかなー。忙しい時は夜まで」

澪「引越し業者だっけ」

律「そ。高校卒業した時に、社長に頼み込んで入社させてもらったんだ」

澪「ふーん……」

律「……なんだよ。引越し屋さんに文句でもあるのか」

58 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 22:17:16.09 ID:KhIpw89A0
 
澪「いや。律は凄いな」

律「……今、なんて?」

澪「律は凄いって言ったんだよ」

律「うわー、明日は雨か雪だね、こりゃ。澪が私を褒めるなんてさー」

澪「律は毎日ちゃんと働いてる。それに比べて私は、まだスタートラインにも立ててない」

律「……そんなの、まだ面接も始まってないのに立てるわけないだろ」

澪「それはもっともだな」

律「この間も倒れたしさ。就活やめろとは言わないけど、無理すんなよ」

澪「……心配してくれるんだ。律は優しいな」

律「やっ、やめろよ! 澪、なんか今日気持ち悪いぞ!」

澪「ははっ、ひどい言われようだな」

60 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 22:20:12.26 ID:KhIpw89A0
 
澪「……今日さ。同じ説明会に出てた友達に、色々アドバイスをしたんだ」

律「………………」

澪「ホントは、人に力を貸してる余裕なんか無いのにな……」

律「……大丈夫だよ、澪」

澪「…………?」

律「澪の持ち駒が全滅したら、私がもう1回社長に頼み込む! もう1人雇ってくださいって!」

澪「バ……バカ! お前がそこまでする義理なんか無いだろ!」

律「私の勝手だろ。それに、そういう後ろ盾があると楽になるからな」

澪「……っ」

律「澪の性格で気楽にやれ、ってのは難しいかもしれないけどさ。ちょっとは肩の力抜けよ」

澪「律…………」

61 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 22:23:44.97 ID:KhIpw89A0
 
3月――

多くの企業の各種試験、そして中小企業の面接が集中する、大事な時期。
この時期に1つでも内々定が貰えていると、4月以降の大企業選考の後ろ盾になって気持ちが楽になる。



御坂「よしっ! 秋山さんのおかげで、ESは5社も通過することができたわ!」

御坂「……とは言え、今日から面接が始まるしね。ボロが出ないようにしないと」

御坂「うっかり『電撃』とか言わないように注意しとこ」

62 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 22:27:23.02 ID:KhIpw89A0
 
~ とある会社 ~


御坂「しっ、失礼しますっ」

面接官A「どうぞ」


お辞儀をするとか、自己紹介をするとか、指示の後に椅子に座るとか。
そんなマナーの類は、常盤台中学で既に仕込まれている御坂にとっては造作もないことだった。
いわゆる『テンプレ』通りにこなせている。


面接官B「緊張してると思うけど」

御坂「いえっ、全然っ」

面接官B「そうは見えないなぁ。でも、リラックスしてね」

御坂「はっ、はいっ」

面接官C「君、かわいいね」

御坂(イラッ)

64 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 22:31:23.53 ID:KhIpw89A0
 
面接官A「それでは、簡単に自己PRを」

御坂「はい。私は仲間と共に1つの問題に取り組む際に、行動力を見せ――」

面接官A「わかりました。その力は、弊社にどのようなメリットを与えることができますか?」

御坂「例えば、御社の場合はチームでプロジェクトに臨むということが考えられますが――」

面接官A「なるほど……」

御坂(やった、練習通りに言えた!)

面接官A「御坂さんは、学園都市に在籍しておられたのですか」

御坂「はい」

面接官A「成績も良いし、優秀な学生だったようですね」

御坂(好感触! きた、きたわよ!)

68 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 22:35:10.80 ID:KhIpw89A0
 
面接官B「………………」 カリカリ

御坂(2人目の人が何か書いてる……うう、気になる……!)

面接官A「……中学や高校では、どのような活躍をしましたか?」

御坂「あ、はい。演奏や生花などに取り組みましたが、とりわけバイオリンは」

面接官C「ああ、常盤台中学出身?」

御坂「えっ? そ、そうです」

御坂(それ最初に言ったじゃん……)

面接官C「いいよね、女の花園って感じで」

御坂(……イラッ)

69 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 22:39:12.00 ID:KhIpw89A0
 
面接官B「……質問、よろしいですか」

御坂「は、はい!」

御坂(2人目の人だ……!)

面接官B「あなたの話を聞いていると、皆がやっているからやった、という印象を受けますね」

御坂「えっ……」

面接官B「自己PRに行動力とありましたが」

御坂「はっ、はい」

面接官B「先の例では必要に迫られて、という感じを受けます」

御坂「う……」

面接官B「演奏や生花も常盤台中学では必須科目で、それを超える範囲で練習していたわけではない」

御坂「………………」

71 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 22:44:15.01 ID:KhIpw89A0
 
御坂「せ、成績を上げるために、たくさん勉強しました……」

面接官B「一流企業を目指す人なら誰でもそうです。頭がいい、資格を持ってるのは普通です」

御坂「………………」

面接官B「私は御坂さんの持つ、個性を知りたいんです」

御坂「………………」

面接官B「これだけは自分の意志でやった、自慢できる、というモノはありませんか?」

御坂(……そういえば私、あの頃はずっと戦ってばかりだった……でも、それは言えないし……)

面接官B「……別に、あなたを虐めているわけではないんです。無ければ無いでも構いませんが」

御坂(でも、無いって言ったら落ちるんでしょ……)

74 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 22:49:57.96 ID:KhIpw89A0
 
面接官B「そうですねぇ。これだけは打ち込んだ、と言えるモノでも構いません」

御坂(……何も喋らなかったら落ちるんだし、もういいや)

面接官B「何かありませんか? 自慢できること、打ち込んだこと」

御坂「電撃」

面接官B「……はい?」

御坂「電撃を撃ち込みました」

面接官B「………………」

御坂「中学時代は街の不良と喧嘩になることもしばしばで、その時は私の能力で撃退していました」

面接官B「………………」

御坂「幻想御手事件も乱雑開放事件も、私は犯人が許せなかったので、この能力で彼らを止めました」

79 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 22:54:36.44 ID:KhIpw89A0
 
面接官A「……では、こちらからの質問は以上です。最後に、御坂さんの方から質問はありますか?」

御坂「……あの……」

面接官A「はい」

御坂「厄介者だと思います。でも、なるべく放電しないように努力します……だから……」

面接官B「………………」

御坂「……すみません、なんでもないです……」

面接官A「……それでは、お疲れ様でした」

面接官B「お疲れ様でした」

面接官C「バイバイ美琴ちゃん」

御坂「………………」

82 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 22:59:13.71 ID:KhIpw89A0
 
御坂「……電撃とか、幻想御手とか言っても、あの人達は動揺しなかった」

御坂「たぶん、調べてたんだ。私のこと」

御坂「レベル5だもん……有名人はつらいわね」

御坂「はぁ……」

御坂「…………帰ろ」



その日御坂は、部屋に戻ってすぐに眠った。
そして、2時間程経って目が覚めてから、自分が落ちたということを実感し、泣いた。

83 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 23:04:21.51 ID:KhIpw89A0
 
翌日――


とぅるるるる、と御坂の携帯電話が鳴っていた。
しかし、御坂は布団にこもったまま出ようとすらしない。


御坂「何よ、こんな朝っぱらから……」


とぅるるる...


御坂「はいはい出ますよ、出りゃいいんでしょうがッ」

86 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 23:08:28.98 ID:KhIpw89A0
 
御坂「はい、もしもし」

面接官A『あ、わたくしS○NYの新卒採用担当の××と申します』

御坂(え、昨日面接受けた会社じゃない。しかもこの声、一番左に座ってた面接官の人?)

面接官A『こちら、御坂美琴さんのお電話でよろしいでしょうか』

御坂「よっ、よろしいです!」

面接官A『少しお時間をいただいてもよろしいですか?』

御坂「よろしいです!」

89 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 23:13:11.53 ID:KhIpw89A0
 
面接官A『御坂さんは一次面接に合格されましたので、次の二次面接に進んでいただくことになりました』

御坂「へ?」

面接官A『それで、二次面接の日程を決めたいのですが、そこにスケジュール帳などは』

御坂「え……あ、ありますありますあります!」

面接官A『では、3月15日の午後1時からはどうでしょうか』

御坂「オッケーです!」

面接官A『………………』

91 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 23:17:21.66 ID:KhIpw89A0
 
面接官A『ええと、オッケーですか』

御坂「あっ、し、失礼しました! だっ、大丈夫です!」

面接官A『はい。それでは、御坂さんの来社をお待ちしております』

御坂「はいっ」

面接官A『それでは、失礼致します』

御坂「はい、失礼しますっ」


ピッ


御坂「……ぃやったぁぁぁぁぁ!!」

御坂「なんで受かったのか分かんないけどやったぁぁぁぁ!!」

御坂「あ、そうだ! 早速、お世話になった澪に報告しよっと」

94 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 23:21:23.97 ID:KhIpw89A0
 
御坂「……あ。澪がナーバスになってたら、ただの嫌がらせになっちゃうわね……」

御坂「今のテンションで何かするのは危険ね……もう1回寝よ」

御坂「よし、おやすみーっと」

御坂「………………」

御坂「………………」

御坂「………………」

御坂「………………」

御坂「………………」

御坂「寝れなぁぁぁい! 興奮して寝れなぁぁぁい!」

98 名前:名無しさん@そうだ選挙に行こう[] 投稿日:2010/07/11(日) 23:25:41.46 ID:KhIpw89A0
 
~ とある会社 ~


澪「ふー。今日は一次面接……ナーバスってレベルじゃないくらい緊張してきた……」

澪「でも、面接官をパイナップルだと思えばどうってことないよな、律……」

澪「そういえば、面接前には控え室で他人と交流してリラックス……って本に書いてあったな」

澪「でも、初対面の人に話しかけるのもな……」



上条「あの、集団面接ですか」

澪「!? はっ、はい!」

上条「いや、上条さん面接って初めてなんですよ。緊張してきました」

澪「は、はぁ……」

103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/11(日) 23:29:57.23 ID:KhIpw89A0
 
上条「集団面接って、2人と3人のグループがあるみたいですよ」

澪「あ、そう、ですね……説明会でも言ってましたし……」

上条「そうだっけ?」

澪「は、はい……」


その時、静かに控え室のドアが開かれ、人事担当が入ってきた。


人事「上条当麻さん」

上条「はい」

人事「秋山澪さん」

上条「はいっ!」

人事「どうぞ、こちらです」

104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/11(日) 23:34:39.09 ID:KhIpw89A0
 
2人が用意された部屋に入ると、そこには面接官と思わしき人間が2人。
どうやら、2-3で面接を行うらしかった。

澪と上条、そして相手の3人も簡単に自己紹介を済ませた後、着席。



面接官A「それでは、本日は集団面接ということで」

上条「………………」

面接官A「まず初めに、当社を志望した理由を述べていただきます」

澪(志望動機……だいじょうぶ、パイナップル、パイナップル……)

107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/11(日) 23:40:15.04 ID:KhIpw89A0
 
面接官A「では、上条さんから」

上条「はい。なんていうか、雰囲気ですかね」

面接官A「雰囲気とは?」

上条「この会社って、いろんな機器を作りつつも、環境を守ることを重視にしてますよね」

面接官A「はい」

上条「俺もそういう『何かを守る』って考え、よく分かります」

面接官A「はい」

上条「俺も不幸な目にあっている人を、助けられるように努力してきたつもりです」

面接官A「はい」

上条「まあその代わりに俺が不幸になってるみたいで、シャレにならないんですけどね!」

面接官A「はは」

上条「……あ、終わりっす」

面接官A「はい、ありがとうございました」

112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/11(日) 23:47:38.16 ID:KhIpw89A0
 
面接官A「では、秋山さん。1分程でお願いします」

澪(1分!? じゃあさっきの上条って人の、長すぎたんだ……)

面接官A「どうしました?」

澪「あ、はい……えっと……私は、御社の……環境に対する、気配りに、魅力を感じました」

面接官A「はい」

澪「自分本位ではなく……まず、環境……を、大事にすることは、素晴らしいと、思いました」

面接官A「はい」

澪「私も、そういう会社で働いて、そういう人間に、成長していきたい、と思います……以上です」

面接官A「はい、ありがとうございました」

澪(ダメだ……あんなに練習したのに、全然言えない……!)

114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/11(日) 23:53:39.53 ID:KhIpw89A0
 
面接官A「お2人は弊社の環境に対する取り組みに注目されていますね」

上条「はい」

澪「はい……」

面接官A「上条さん。弊社の取り組みを実感したことはありますか?」

上条「ここ数年で二酸化炭素の排出量が格段に減ったのは、御社の取り組みによるところが大きいですね」

面接官A「それはなぜだと思いますか?」

上条「あのなんかよくわからない機械の開発です。あれを各家庭に導入したことで、
   二酸化炭素の排出量はあまり減らせない、という幻想をぶち殺していきましたから」

面接官A「よくわからない、ですか」

澪(面接で殺すって言葉が出たぞ……)

119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/12(月) 00:00:12.52 ID:noh+Jtai0 [1/8]
 
面接官A「では秋山さんは、今の上条さんの意見に対してどう思われますか?」

澪「は、はい。えっと……概ね、同意できます」

面接官A「概ねということは、一部は同意できない?」

澪「い、いえ、付け加える形になりますが……」

面接官A「いいですよ」

澪「その、各家庭に導入する際に、結構なコストがかかるので、それの一部を国が負担しましたが……」

面接官A「はい、ニュースにもなりましたね」

澪「だから、家庭に与えるコストを考えて……国にあらかじめ協力を依頼した、気配りは良かったと思います」

面接官A「なるほど、それもやはり最初に秋山さんが仰った、気配りに通じると」

澪「はっ、はい、そうです!」

上条「なるほど……」

120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/12(月) 00:06:36.85 ID:noh+Jtai0 [2/8]
 
面接官B「では、次は私から質問させていただきます」

上条「よろしくお願いします」

澪「よ、よろしくお願いします」

面接官B「上条さんが、学生時代に打ち込んだものは何ですか?」

上条「右手です」

面接官B「……? 右手を使うスポーツとか、そういうことですか?」

上条「いえ。あ、これ幻想殺しって言うんですけど」

面接官B「はい……?」

上条「ちょっと実演してもいいですか?」

面接官B「ええ、是非お願いします」

123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/12(月) 00:11:08.90 ID:noh+Jtai0 [3/8]
 
上条「これ、ステイルって魔術師から借りてきた防火用のマントなんですけど」

面接官B「はぁ、マント」

上条「これ実は、魔術が使われてるんです。かなりの高温にも耐えられますよ」

人事「イノケンティウスの炎は3000度を突破することもありますからね」

上条「そうなんですよ。で、俺がこれに右手で触れると」


パンッ!


上条「なんと、バラバラになりました」

面接官B「………………」

125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/12(月) 00:16:24.75 ID:noh+Jtai0 [4/8]
 
人事「それはどういう仕組みなんですか? あなたの右手は魔術を無効化する能力があると?」

上条「まぁ、そう思ってもらってもいいです。具体的にはちょっと違うんですけど」

人事「では例えば、魔術師ではなく能力者の放った雷などでも消せる?」

上条「消せます」

人事「なるほど」

上条「俺はこれを多くの魔術師や能力者に打ち込むことで、俺が救える限りの人を救ってきました」



面接官B「……え、ええと……熱意は伝わってきました」

澪(何!? この人なんなんだよぉ!)

128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/12(月) 00:24:49.62 ID:noh+Jtai0 [5/8]
 
澪(でも、これくらいしないと受からないのかな……)

澪(私もベース、持ってくれば良かったのかな)

面接官B「それでは秋山さん、お願いします」

澪「あ、は、はい。私が打ち込んだものは、部活です」

面接官B「部活とは?(こっちの子はマトモで良かった……)」

澪「軽音楽部です。放課後ティータイムというバンドで演奏していました」

面接官B「ということは、担当する楽器とかあるんですか?」

澪「はい、ベースです。私は最初は自信もなく――」

澪(凄い……あの頃の話になると、いくらでも喋れそうな気がする)

面接官B「大きなステージに上がった経験は?」

澪「大きくはありませんが、文化祭のステージでふわふわ時間という――」

澪(私は、あの頃の自分……いや、放課後ティータイムに戻りたいのかもしれない……)

129 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/12(月) 00:30:32.84 ID:noh+Jtai0 [6/8]
 
面接終了後――


上条「おつかれさん」

澪「えっ、あ、お疲れ様です」

上条「いい結果だといいけどなぁ」

澪「は、はは……何か、難しい話をしてましたね……」

上条「ん? ああ、俺とあの人のこと?」

澪「は、はい」

上条「多分、俺だからだろ」

澪「え?」

131 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/12(月) 00:35:36.06 ID:noh+Jtai0 [7/8]
 
上条「上条さん、実は魔術と科学を巡る壮大な物語に巻き込まれてまして」

澪「え……そう、なんですか……?」

上条「だから、俺がそういう話をした時に理解できるヤツを、どっかから呼んできたってこと」

澪「じ、じゃあ、あの人がいなかったらどうするんですか?」

上条「まぁ、『不幸だー』って言うしかないよな……それは」

澪「はぁ……何か、大変みたいですね」

澪(確かに、音楽の話くらいなら普通の人でも分かるし……その辺はまだ私は恵まれてるか)

133 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/07/12(月) 00:38:15.69 ID:noh+Jtai0 [8/8]
ごめんなさい、寝ます
書き溜めはとうの昔に切れてしまっているので、スレは落としてください


ここでスレ落ち

コメント

御坂の能力ってパソコン関係の仕事なら無双だった気が…

No title

これのどこが御坂だよ

コメントの投稿

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)