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唯「あずにゃん!いつものアレ、始めるよ!」
1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 03:46:12.10 ID:K2VMhCVx0 [1/6]
唯「ねえ、みんな。今年もまた梅雨が来たね」
律「そうだなー。そりゃ毎年来るよなー」
紬「この季節になると髪の手入れに参っちゃうわ」
唯「ねえ、みんな。今年もまた梅雨が来たね」
律「そうだなー。そりゃ毎年来るよなー」
紬「この季節になると髪の手入れに参っちゃうわ」
3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 03:50:18.47 ID:K2VMhCVx0 [2/6]
澪「ムギは癖っ毛で大変だよな。私に至ってはなんてことないんだけどな」
梓「そうですね。私も特に困ったことはないですね。ところで唯先輩、なんで急に梅雨の話が出てきたんですか?」
唯「それはね、あずにゃん。それはね」
律紬澪梓(なんで二回言うの!?)
4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 04:03:26.14 ID:K2VMhCVx0
唯「ねえ、あずにゃん。去年の、あの激しい雨の日を覚えてる?みんなで合宿に行った時のこと」
梓「はあ、もちろん覚えていますよ。」
律「大変だったよなー。土砂降りの中、山登るのはもうこりごりだぜ。澪なんか雷が鳴るたびに大声出してさ。雨に負けないくらいの涙」ハハッ
澪「そっそれを思い出させるなっ!私だってアレでも抑えた方なんだからなっ!」カアッ
紬「それで唯ちゃん。去年の合宿と梅雨の話。共通点は雨ぐらいじゃない?」
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 04:12:15.15 ID:K2VMhCVx0
唯「あんな雨の中でも、私たちは五人揃ってムギちゃんの別荘にたどり着けたよね」
唯「あの時に感じたんだ。私たちなら何でもできる。私たちに敵う者なんかいないんだ!って」
律「まあ達成感はあったよな」
梓「あんなに体力使ったのは初めてでした。今年は絶対に海がいいです」
紬「さんせーい」
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 04:17:40.69 ID:K2VMhCVx0
唯「それでね。あの日、さわちゃんが遅れて来たでしょ?夜も更けて、寝ようかなー、って時に」
律「そういやそうだったな。あの時も澪は(ry」
ガスッ
律「あいあい分かったよー」
梓「アレは恐怖でしたね。さわ子先生も来るなら来るで事前に言っておいて欲しいです。」フンス
9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 04:27:21.68 ID:K2VMhCVx0
律「でも唯、別荘にたどり着けたのってさ、結局憂ちゃんのおかげだったんじゃないか?」
澪「うん。憂ちゃんが前日から先回りしていなかったら、私たちは間違いなく遭難してたよ」
紬「本当に助かったわあ」
唯「そうかもしれない。でも五人の結束は変わらないよ」
梓「唯先輩、今日はやけに恥ずかしいセリフ吐きますね」
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 04:34:56.17 ID:XopyF2FO0 [1/28]
律「憂ちゃんの料理はおいしかったなー。一晩であれだけ仕込めるんだもんな」
紬「私も、ああいった家庭料理っぽさが残った手の込んだモノは大好物だわ」
唯「それでさ、もうすぐで半年だね。あれから」
梓「そうですね。半年経ちますね」
澪「半年だな」
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 04:43:08.78 ID:XopyF2FO0 [2/28]
唯「雨があがったら出かけよう」
律「これまた急な」
澪「でも、そうだな。今日いっぱい降り続けるみたいだからな。明日晴れたら、それもいいかもな」
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 04:52:47.10 ID:XopyF2FO0 [3/28]
唯「ここからが本題なんだけどね、みんな。合宿の最終日に植えた、お花の事覚えてる?」
律「あー、花?言われてみればそんなこともあったような」
紬「私は覚えているわよ。一人一枝ずつ植えたわね」
梓「思い出しました。って、提案したのは律先輩じゃないですか」
澪「全く律は。最近物忘れがひどいんじゃないか?」
律「テヘヘ」
14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 04:59:06.15 ID:XopyF2FO0 [4/28]
唯「そうだよ。りっちゃんが言ったんだよ。この別荘は飾り気がないから、周りに植えようって」
唯「でさ、アレから半年たつよね?」
律紬澪梓(また言った)
唯「咲いていると思わない?」
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 05:06:59.09 ID:XopyF2FO0 [5/28]
紬「そうね、こんな雨の中だものね。咲いていたら大変だものね」
梓「出かけようって、そういうことだったんですね。それなら賛成です。だんだん私も心配になってきました」
澪「またあの山を登らなくちゃならないのか…。でも大丈夫か?今回は憂ちゃんいないんだろ?」
律「まあ平気だろ。晴れて暗くならないうちに行けば」
律「んじゃま、明日は駅集合ってことでいいな?」
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 05:13:50.96 ID:XopyF2FO0 [6/28]
澪「結局雨なわけだが」
梓「ちょっと唯先輩!この天気でも行くつもりですか?雨はあがってないですよ?」
唯「心配しないでよあずにゃん。ムギちゃんは準備万端だよ?」
紬「どーもー」ヒラヒラ
唯「それにね、あずにゃん」
唯「きっと、きれいに咲いているよ」
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 05:25:32.69 ID:XopyF2FO0 [7/28]
律「じゃー行くか。よっしみんな私についてこい!」
澪「おい律、お前本当に道わかるんだろうな?」
梓「携帯のGPSは、と。やっぱり圏外か」
紬「梓ちゃん、前に来た時も同じことやってたわよ」ウフフ
唯「みんな、こっちだよ。こっち」
律紬澪梓(たまに才能発揮するんだよな)
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 05:32:45.02 ID:XopyF2FO0 [8/28]
澪「ふぅ、どのくらい歩いたかな。唯、まだ着かないのか?」
梓(こんなに時間かかったっけ?)
律「あ゛ー!私はもう歩けないぞー!」
紬「~♪」
唯「ほら、見えてきた。もう少しだから頑張って」
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 05:45:50.26 ID:XopyF2FO0 [9/28]
律「なあ、確認は明日にして今日はもう寝ないか?雨もまた強くなってきたし。もう暗くなってきたしさ」
澪「そうだな。どうせ明日も休みなんだ。唯、それでいいだろ?」
唯「じゃあそうしようかー。この雨だとしょうがないよね」
紬「じゃあ夕飯にしましょうか?贖罪は十分あるわよ」
梓(あんなに)
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 05:52:22.26 ID:XopyF2FO0 [10/28]
唯「それでね、憂はあまり目を合わせて話さなくなったんだー」
紬「それは唯ちゃんの事が好きだからじゃない?」
梓(ピクッ)
律「お、梓。どうかしたか?」ニヤニヤ
澪「はぁ、すっかり修学旅行気分じゃないか。おーい、電気消すぞー」
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 05:59:28.51 ID:XopyF2FO0 [11/28]
律梓「だるい」
澪「お前らは一晩中やりあってたからな…。こっちまで寝不足だ」
紬「でも、晴れなかったわね」
唯「雨が止んだだけ良いよ。鉛色の空って、つい見とれちゃうよね」
梓(10分ぐらいずっと見上げてるな)
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 06:03:41.24 ID:XopyF2FO0 [12/28]
唯「じゃあ行こうか」
律「行くっつっても5分もしないけどな」
澪「どうなってるんだろう」ドキドキ
紬「緊張するわね」
梓(唯先輩…)
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 06:08:18.36 ID:XopyF2FO0 [13/28]
澪「…咲いているな」
律「ああ、咲いている」
紬「咲いているわ」
梓「良かったですね、唯先輩?」
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 06:22:29.64 ID:XopyF2FO0 [14/28]
唯「ところでみんな、お願いがあるんだけど良いかな?」
唯「また、お花を埋めようと思ってるんだけども」
唯「一つだけじゃ、寂しいだろうから」
梓「でも…」
律「げっ、また降ってきた。やるならさっさとやっちまおうぜ!」
澪「これは長引きそうだな」
紬「…道具なら揃ってるわよ」
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 06:32:57.73 ID:XopyF2FO0 [15/28]
唯「これでもう大丈夫だね。でもまだ足りないかな?」
唯「二人でも寂しくないのかな?」
唯「ねえ、りっちゃん。澪ちゃん。ムギちゃん。あずにゃん」
律「なあ、唯。私たち五人でやり遂げたことなんだぜ?もう心配することはないよ」
澪「そうだぞ。見てみろよ。ほら、去年なんかよりずっと華やかに咲いている」
紬「雨が降っていても、形を変えず笑っているわ」
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 06:48:28.72 ID:XopyF2FO0 [16/28]
唯「ねー、うーいー。なんで憂は今回の合宿に参加することにしたの?」
憂
「律先輩がね、誘ってくれたの。けいおん部の合宿なのに私が行くのは少し気が引けたんだけど」
『別荘の執事だと思えば、ほら、来る気になった?』
唯「あははっ!りっちゃんらしいねっ!」
憂「だからもう夕飯もできてるよ。今日はごちそうだからね。」
律「唯ー、先に風呂行ってるぞー」
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 06:55:47.14 ID:XopyF2FO0 [17/28]
律「ふーっ!食った食ったー」
澪「全くだらしないな律は。ごめんな憂ちゃん、何もかもやらせちゃって」
梓「憂、片づけ手伝おうか?」
憂「有難う梓ちゃん。でも私は大丈夫だから、みんなとゆっくりしててね?」
律紬澪梓(姉との差)
31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 07:02:48.69 ID:XopyF2FO0 [18/28]
澪「あれ、私たちここに何しに来たんだっけ?」
梓「ほら、唯先輩!起きてください!」
唯「えーっ!今から練習するの?!今日はもう疲れたから明日にしようよー」ブーブー
律「そーだそーだー」ブーブー
紬「これは駄目そうね」ニコニコ
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 07:22:10.49 ID:XopyF2FO0 [19/28]
憂「おねえちゃーん?」
梓「憂、どうしたの?」
憂「おねえちゃんが見当たらなくて」ウルウル
梓「もう心配性だなー憂は」
33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 07:26:20.41 ID:XopyF2FO0 [20/28]
憂「お姉ちゃん!」
唯「あ、憂ーみてみてー」
憂「もう、こんな土砂降りの中なんで外に出てるの。紫陽花?」
唯「綺麗に真っ赤でしょ?」
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 07:33:30.20 ID:XopyF2FO0 [21/28]
唯「ねぇ憂、紫陽花の花言葉って知ってる?」
憂「知らないかな、どういう意味なの?」
唯「私も知らない!でもきっと素敵な意味だよね!」
唯「小さい花が集まってひとつの大きな花に見えるんだよ!」
唯「それってけいおん部みたいで素敵だよね!もちろんその中に憂が入ってもいいんだよ!」
35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 07:35:42.85 ID:XopyF2FO0 [22/28]
憂「お姉ちゃん…」
憂「お姉ちゃんは本当に誰からも愛されて」
憂「何にも知らなくて、それでも元気で」
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 07:40:01.13 ID:XopyF2FO0 [23/28]
憂「なんでこの状況で笑っていられるんだろうね」
「ねえお姉ちゃん」
「ずっとそのままの笑顔でいてねお姉ちゃん」
37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 07:45:00.83 ID:XopyF2FO0 [24/28]
唯「みんな!憂がっ!憂がっ!」
律「どうした?そんなに慌てて。おいおいびしょ濡れじゃねーか」
澪「憂ちゃんに何かあったのか?」
唯「憂がそこで倒れてて!こんなものを残して!」
梓「手紙?」
39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 07:48:19.22 ID:XopyF2FO0 [25/28]
律「これでいいんだな。唯」
唯「憂の最後の言葉だから」
澪「本当だな?」ウッ
梓「なんで。なんで」
紬「でもとっても綺麗よ。真っ赤に染まって」
40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 07:54:31.59 ID:XopyF2FO0 [26/28]
唯「ほら、やっぱり足りてなかった」
唯「ねえ、あずにゃん?」
梓「唯先輩、なんで、他の先輩方を…」
唯「ねえあずにゃん、踊ろうか」
41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 08:01:13.26 ID:XopyF2FO0 [27/28]
唯「梓ちゃん、私ね、みんなとまたここに来られて良かった」
唯「好きだったこの雨の匂い。ずっと忘れられないよ」
音もなく降り注ぐ雨はいつまでも終わらないけど
それでも、私は途方に暮れて歩き続けるよ
終局
澪「ムギは癖っ毛で大変だよな。私に至ってはなんてことないんだけどな」
梓「そうですね。私も特に困ったことはないですね。ところで唯先輩、なんで急に梅雨の話が出てきたんですか?」
唯「それはね、あずにゃん。それはね」
律紬澪梓(なんで二回言うの!?)
4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 04:03:26.14 ID:K2VMhCVx0
唯「ねえ、あずにゃん。去年の、あの激しい雨の日を覚えてる?みんなで合宿に行った時のこと」
梓「はあ、もちろん覚えていますよ。」
律「大変だったよなー。土砂降りの中、山登るのはもうこりごりだぜ。澪なんか雷が鳴るたびに大声出してさ。雨に負けないくらいの涙」ハハッ
澪「そっそれを思い出させるなっ!私だってアレでも抑えた方なんだからなっ!」カアッ
紬「それで唯ちゃん。去年の合宿と梅雨の話。共通点は雨ぐらいじゃない?」
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 04:12:15.15 ID:K2VMhCVx0
唯「あんな雨の中でも、私たちは五人揃ってムギちゃんの別荘にたどり着けたよね」
唯「あの時に感じたんだ。私たちなら何でもできる。私たちに敵う者なんかいないんだ!って」
律「まあ達成感はあったよな」
梓「あんなに体力使ったのは初めてでした。今年は絶対に海がいいです」
紬「さんせーい」
8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 04:17:40.69 ID:K2VMhCVx0
唯「それでね。あの日、さわちゃんが遅れて来たでしょ?夜も更けて、寝ようかなー、って時に」
律「そういやそうだったな。あの時も澪は(ry」
ガスッ
律「あいあい分かったよー」
梓「アレは恐怖でしたね。さわ子先生も来るなら来るで事前に言っておいて欲しいです。」フンス
9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 04:27:21.68 ID:K2VMhCVx0
律「でも唯、別荘にたどり着けたのってさ、結局憂ちゃんのおかげだったんじゃないか?」
澪「うん。憂ちゃんが前日から先回りしていなかったら、私たちは間違いなく遭難してたよ」
紬「本当に助かったわあ」
唯「そうかもしれない。でも五人の結束は変わらないよ」
梓「唯先輩、今日はやけに恥ずかしいセリフ吐きますね」
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 04:34:56.17 ID:XopyF2FO0 [1/28]
律「憂ちゃんの料理はおいしかったなー。一晩であれだけ仕込めるんだもんな」
紬「私も、ああいった家庭料理っぽさが残った手の込んだモノは大好物だわ」
唯「それでさ、もうすぐで半年だね。あれから」
梓「そうですね。半年経ちますね」
澪「半年だな」
11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 04:43:08.78 ID:XopyF2FO0 [2/28]
唯「雨があがったら出かけよう」
律「これまた急な」
澪「でも、そうだな。今日いっぱい降り続けるみたいだからな。明日晴れたら、それもいいかもな」
13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 04:52:47.10 ID:XopyF2FO0 [3/28]
唯「ここからが本題なんだけどね、みんな。合宿の最終日に植えた、お花の事覚えてる?」
律「あー、花?言われてみればそんなこともあったような」
紬「私は覚えているわよ。一人一枝ずつ植えたわね」
梓「思い出しました。って、提案したのは律先輩じゃないですか」
澪「全く律は。最近物忘れがひどいんじゃないか?」
律「テヘヘ」
14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 04:59:06.15 ID:XopyF2FO0 [4/28]
唯「そうだよ。りっちゃんが言ったんだよ。この別荘は飾り気がないから、周りに植えようって」
唯「でさ、アレから半年たつよね?」
律紬澪梓(また言った)
唯「咲いていると思わない?」
15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 05:06:59.09 ID:XopyF2FO0 [5/28]
紬「そうね、こんな雨の中だものね。咲いていたら大変だものね」
梓「出かけようって、そういうことだったんですね。それなら賛成です。だんだん私も心配になってきました」
澪「またあの山を登らなくちゃならないのか…。でも大丈夫か?今回は憂ちゃんいないんだろ?」
律「まあ平気だろ。晴れて暗くならないうちに行けば」
律「んじゃま、明日は駅集合ってことでいいな?」
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 05:13:50.96 ID:XopyF2FO0 [6/28]
澪「結局雨なわけだが」
梓「ちょっと唯先輩!この天気でも行くつもりですか?雨はあがってないですよ?」
唯「心配しないでよあずにゃん。ムギちゃんは準備万端だよ?」
紬「どーもー」ヒラヒラ
唯「それにね、あずにゃん」
唯「きっと、きれいに咲いているよ」
17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 05:25:32.69 ID:XopyF2FO0 [7/28]
律「じゃー行くか。よっしみんな私についてこい!」
澪「おい律、お前本当に道わかるんだろうな?」
梓「携帯のGPSは、と。やっぱり圏外か」
紬「梓ちゃん、前に来た時も同じことやってたわよ」ウフフ
唯「みんな、こっちだよ。こっち」
律紬澪梓(たまに才能発揮するんだよな)
18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 05:32:45.02 ID:XopyF2FO0 [8/28]
澪「ふぅ、どのくらい歩いたかな。唯、まだ着かないのか?」
梓(こんなに時間かかったっけ?)
律「あ゛ー!私はもう歩けないぞー!」
紬「~♪」
唯「ほら、見えてきた。もう少しだから頑張って」
19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 05:45:50.26 ID:XopyF2FO0 [9/28]
律「なあ、確認は明日にして今日はもう寝ないか?雨もまた強くなってきたし。もう暗くなってきたしさ」
澪「そうだな。どうせ明日も休みなんだ。唯、それでいいだろ?」
唯「じゃあそうしようかー。この雨だとしょうがないよね」
紬「じゃあ夕飯にしましょうか?贖罪は十分あるわよ」
梓(あんなに)
20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 05:52:22.26 ID:XopyF2FO0 [10/28]
唯「それでね、憂はあまり目を合わせて話さなくなったんだー」
紬「それは唯ちゃんの事が好きだからじゃない?」
梓(ピクッ)
律「お、梓。どうかしたか?」ニヤニヤ
澪「はぁ、すっかり修学旅行気分じゃないか。おーい、電気消すぞー」
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 05:59:28.51 ID:XopyF2FO0 [11/28]
律梓「だるい」
澪「お前らは一晩中やりあってたからな…。こっちまで寝不足だ」
紬「でも、晴れなかったわね」
唯「雨が止んだだけ良いよ。鉛色の空って、つい見とれちゃうよね」
梓(10分ぐらいずっと見上げてるな)
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 06:03:41.24 ID:XopyF2FO0 [12/28]
唯「じゃあ行こうか」
律「行くっつっても5分もしないけどな」
澪「どうなってるんだろう」ドキドキ
紬「緊張するわね」
梓(唯先輩…)
23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 06:08:18.36 ID:XopyF2FO0 [13/28]
澪「…咲いているな」
律「ああ、咲いている」
紬「咲いているわ」
梓「良かったですね、唯先輩?」
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 06:22:29.64 ID:XopyF2FO0 [14/28]
唯「ところでみんな、お願いがあるんだけど良いかな?」
唯「また、お花を埋めようと思ってるんだけども」
唯「一つだけじゃ、寂しいだろうから」
梓「でも…」
律「げっ、また降ってきた。やるならさっさとやっちまおうぜ!」
澪「これは長引きそうだな」
紬「…道具なら揃ってるわよ」
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 06:32:57.73 ID:XopyF2FO0 [15/28]
唯「これでもう大丈夫だね。でもまだ足りないかな?」
唯「二人でも寂しくないのかな?」
唯「ねえ、りっちゃん。澪ちゃん。ムギちゃん。あずにゃん」
律「なあ、唯。私たち五人でやり遂げたことなんだぜ?もう心配することはないよ」
澪「そうだぞ。見てみろよ。ほら、去年なんかよりずっと華やかに咲いている」
紬「雨が降っていても、形を変えず笑っているわ」
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 06:48:28.72 ID:XopyF2FO0 [16/28]
唯「ねー、うーいー。なんで憂は今回の合宿に参加することにしたの?」
憂
「律先輩がね、誘ってくれたの。けいおん部の合宿なのに私が行くのは少し気が引けたんだけど」
『別荘の執事だと思えば、ほら、来る気になった?』
唯「あははっ!りっちゃんらしいねっ!」
憂「だからもう夕飯もできてるよ。今日はごちそうだからね。」
律「唯ー、先に風呂行ってるぞー」
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 06:55:47.14 ID:XopyF2FO0 [17/28]
律「ふーっ!食った食ったー」
澪「全くだらしないな律は。ごめんな憂ちゃん、何もかもやらせちゃって」
梓「憂、片づけ手伝おうか?」
憂「有難う梓ちゃん。でも私は大丈夫だから、みんなとゆっくりしててね?」
律紬澪梓(姉との差)
31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 07:02:48.69 ID:XopyF2FO0 [18/28]
澪「あれ、私たちここに何しに来たんだっけ?」
梓「ほら、唯先輩!起きてください!」
唯「えーっ!今から練習するの?!今日はもう疲れたから明日にしようよー」ブーブー
律「そーだそーだー」ブーブー
紬「これは駄目そうね」ニコニコ
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 07:22:10.49 ID:XopyF2FO0 [19/28]
憂「おねえちゃーん?」
梓「憂、どうしたの?」
憂「おねえちゃんが見当たらなくて」ウルウル
梓「もう心配性だなー憂は」
33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 07:26:20.41 ID:XopyF2FO0 [20/28]
憂「お姉ちゃん!」
唯「あ、憂ーみてみてー」
憂「もう、こんな土砂降りの中なんで外に出てるの。紫陽花?」
唯「綺麗に真っ赤でしょ?」
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 07:33:30.20 ID:XopyF2FO0 [21/28]
唯「ねぇ憂、紫陽花の花言葉って知ってる?」
憂「知らないかな、どういう意味なの?」
唯「私も知らない!でもきっと素敵な意味だよね!」
唯「小さい花が集まってひとつの大きな花に見えるんだよ!」
唯「それってけいおん部みたいで素敵だよね!もちろんその中に憂が入ってもいいんだよ!」
35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 07:35:42.85 ID:XopyF2FO0 [22/28]
憂「お姉ちゃん…」
憂「お姉ちゃんは本当に誰からも愛されて」
憂「何にも知らなくて、それでも元気で」
36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 07:40:01.13 ID:XopyF2FO0 [23/28]
憂「なんでこの状況で笑っていられるんだろうね」
「ねえお姉ちゃん」
「ずっとそのままの笑顔でいてねお姉ちゃん」
37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 07:45:00.83 ID:XopyF2FO0 [24/28]
唯「みんな!憂がっ!憂がっ!」
律「どうした?そんなに慌てて。おいおいびしょ濡れじゃねーか」
澪「憂ちゃんに何かあったのか?」
唯「憂がそこで倒れてて!こんなものを残して!」
梓「手紙?」
39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 07:48:19.22 ID:XopyF2FO0 [25/28]
律「これでいいんだな。唯」
唯「憂の最後の言葉だから」
澪「本当だな?」ウッ
梓「なんで。なんで」
紬「でもとっても綺麗よ。真っ赤に染まって」
40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 07:54:31.59 ID:XopyF2FO0 [26/28]
唯「ほら、やっぱり足りてなかった」
唯「ねえ、あずにゃん?」
梓「唯先輩、なんで、他の先輩方を…」
唯「ねえあずにゃん、踊ろうか」
41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/17(木) 08:01:13.26 ID:XopyF2FO0 [27/28]
唯「梓ちゃん、私ね、みんなとまたここに来られて良かった」
唯「好きだったこの雨の匂い。ずっと忘れられないよ」
音もなく降り注ぐ雨はいつまでも終わらないけど
それでも、私は途方に暮れて歩き続けるよ
終局
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